JP2016007221A - 内視鏡用注射針および内視鏡用注射針の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内視鏡用注射針100は、内管チューブ20と、針体10と、針体10と内管チューブ20とを接続するための接続部材70と、接続部材70の基端面73より基端側に突出する針体10の外周面と内管チューブ20の内周面と接続部材70の基端面73との間に樹脂部材を充填してなる樹脂充填部110と、を有し、内管チューブ20の内周面に対する切断面であって樹脂充填部110の基端面130の周縁の最近位点132および当該周縁の最遠位点134を含み中心軸138と交差するとともに法線と中心軸138との交差角が最小となる切断面である第一仮想面140の法線である第一法線136が、中心軸138に対し傾斜している。
【選択図】図2
Description
内視鏡用注射針は、例えば1mから2m程度の長尺の内視鏡内に設けられたチャネルに挿入され、所定の生体組織において針体を穿刺する。液体は、内視鏡の基端側から長尺の内管チューブを通して針体の先端から吐出される。
上記コイル状部材が設けられることによって、上記針体と内管チューブとの間の空隙が埋められるとともに両者が接続されている。
特許文献1図4に示されるとおり、上記コイル状部材の基端側の端面は、内管チューブの軸方向に対し略垂直に交差している。
また接続部材の配置位置が大きく先端側にずれることによって、接続部材およびこれに挿通された針体が、内管チューブの先端側から脱落する虞があった。
樹脂充填部の外周面と内管チューブの内周面との境界に対し液体の吐出圧が軸方向にかかると両者は剥離する虞があり接合状態が不良となる虞がある。これに対し、本発明の内視鏡用注射針は、第一仮想面が中心軸に対し、90°を超えた角度で交差し、上記境界に対しかかる液体の吐出圧の局所的な力が、軸方向に対する側方向にずれやすくなるよう構成される。
そのため、接続部材およびこれに挿通された針体の配置位置が、内管チューブの軸方向の先端側にずれ難い。
なお、本実施の形態では図示するように上下の方向を規定して説明する場合がある。しかし、これは構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定するものであり、本発明を実施する製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
本発明の内視鏡用注射針およびその製造方法の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
また本発明に関し、基端側とは内視鏡用注射針の操作者に近い側をいい、先端側は当該操作者に遠い側、即ち、針体の最先端部の側をいう。
また本発明を説明するにあたり、適宜、内周面または外周面という言葉を用いる場合がある。特段の説明がない場合には、上記内周面は中心軸に対向する面を意味し、上記外周面は、内視鏡用注射針の中心軸に非対向の面を意味する。
また本発明を説明するにあたり、基端側から先端側へ向かう方向又は先端側から基端側へ向かう方向を、適宜、先基端方向という場合がある。
以下に、本発明の内視鏡用注射針の第一実施形態である内視鏡用注射針100について図1から図5を用いて説明する。
図1(a)は、本発明の第一実施形態の内視鏡用注射針を例示する内視鏡用注射針100の全体図であり外管チューブ30の内部に針体10の全体が収納された状態を示している。図1(b)は、内視鏡用注射針100の全体図であり外管チューブ30の先端から針体10の一部が突出した状態を示している。
図2は、図1(b)において破線円で囲む内視鏡用注射針100の先端領域の縦断面図である。ただし図2において、針体10は側面視している。
図3は、第一実施形態の変形例である内視鏡用注射針100Aの樹脂充填部110の基端面130Aおよび第一仮想面140について説明する説明図である。図3において内管チューブ20は図示省略し、内管チューブ20の内周面11のみを図示する。
図4(a)は、本発明の第一実施形態の内視鏡用注射針100を説明する説明図であり、図4(b)は、図4(a)のIV−IV断面図である。
図5は、本発明の第一実施形態の内視鏡用注射針100の部分縦断面図である。ただし、図5は、針体10、接続部材70、および樹脂充填部110に関し側面視している。
尚、内視鏡用注射針100における接続部材70は、図2に示すとおり接続部本体71および大径部72を有する。ただし、図3から図5および後述する図6では、大径部72を図示省略している。
図2に示すとおり、内視鏡用注射針100は、内管チューブ20と、針体10と、接続部材70と、樹脂充填部110と、を有している。
内管チューブ20は、液体を注入するためのチューブである。針体10は、内管チューブ20の先端に設けられている。接続部材70は、内管チューブ20の中心軸138の方向に貫通し針体10が挿通される挿通孔80を有し、内管チューブ20の内周面と針体10の外周面との間に配置され針体10と内管チューブ20とを接続する。
樹脂充填部110は、接続部材70の基端面73より基端側に突出する針体10の外周面と内管チューブ20の内周面と接続部材70の基端面73との間に樹脂部材を充填してなる。
本実施形態にかかる内視鏡用注射針100は、第一仮想面140の法線である第一法線136が中心軸138に対し傾斜している。第一仮想面140は、内管チューブ20の内周面に対する切断面であって最近位点132および最遠位点134を含み中心軸138と交差するとともに法線と中心軸138との交差角が最小となる切断面である。
本実施形態において、樹脂充填部110の基端面130の周縁は、先基端方向において異なる位置にある最近位点132および最遠位点134を有している。
基端面130は、内管チューブ20の内周面と樹脂充填部110の外周面との近位側における交線よりなる当該周縁によって内包される領域に含まれる樹脂充填部110の基端側の面を指す。
たとえば基端面130は、図2に示すとおり中心軸138に対し傾斜して交差するとともに、実質的に平滑な面であってもよい。また、樹脂充填部110は、図3に示すとおり、不規則な凹凸を有する面である基端面130Aを備えていてもよい。本実施形態において、樹脂充填部110の基端面130の周縁は、図2に示すように内管チューブ20の内周面に対し周方向に、楕円の軌跡をなしてもよいし、図3に示す基端面130Aのように当該周方向に一周する不規則な軌跡をなしていてもよい。
基端面130Aの外縁は、図3に示す内管チューブ20の内周面11(図3参照)と樹脂充填部110の外周面との近位側における交線131Aである。
上記周縁には、最近位点132および当該周縁の最遠位点134が含まれている。最近位点132とは、当該周縁上であって最も近位側に位置する点である。最遠位点134は、当該周縁上であって最も遠位側に位置する点である。周縁の形状から正円が除かれることによって、最近位点132と最遠位点134とは、中心軸138の伸長方向においてずれた位置に存在する。
そのため、最近位点132および最遠位点134を含み中心軸138と交差する第一仮想面140の法線である第一法線136は、中心軸138に対し傾斜している。
たとえば図3に示す本実施形態の変形例である内視鏡用注射針100Aのように、基端面130Aと、第一仮想面140とが異なる面をなす態様を本発明は包含する。基端面130Aの周縁は、図3において図示省略する内管チューブ20の内周面に対し周方向に一周する不規則な軌跡をなす。たとえば最遠位点134は、図3に示すとおり、最近位点132に対し、中心軸138(図示省略)を介して対向する位置からはずれた箇所に存在していてもよい。図3に示す第一仮想面140の外縁は、図示省略する内管チューブ20の内周面11において最近位点132と最遠位点134とを結ぶ最短の円弧を含み、中心軸と交差している。
上述する樹脂充填部110を備えることにより、本実施形態は、樹脂充填部110よりも先端側に配置された接続部材70、および接続部材70に挿通された針体10の配置位置が内管チューブ20の先端側にずれるという従来の課題が改善されている。
尚、図2において、第二法線738と中心軸138とは、同方向を向く態様を示しており、第二交差角は0°である。
ここで第二仮想面736は、接続部材70の基端面73の周縁の最近位点731および当該周縁の最遠位点732を含み、中心軸138に交差する面である。基端面73の周縁とは、内管チューブ20の内周面と接続部材70の外周面との近位側における交線である。内管チューブ20と接続部材70との間に任意の層が設けられる場合には、上記交線の代替として、近位側であって接続部材70の外周面が内管チューブ20の内周面に最も近接する縁部の連続を周縁と理解する。
第二仮想面736は、以下のとおり定義することができる。即ち、最近位点731および最遠位点732をとおり中心軸138に沿って切断してなる切断面I(図示省略)を求める。そして内管チューブ20の内周面に対し、上記切断面Iの法線方向であって、最近位点731および最遠位点732を通る位置で切断してなる切断面を、第二仮想面736として扱うことができる。
換言すると、第二仮想面736は、接続部材70の外周面において最近位点731と最遠位点732とを最短で結ぶ円弧を含み、接続部材70または、接続部材70を基端側に延長させてなる仮想接続部材(図示省略)を切断してなる切断面である。
基端面130の平均基端面は、第一仮想面140と実質的に同一となる場合と、異なる場合とを含む。本実施形態にかかる内視鏡用注射針100の上記平均基端面は、第一仮想面140と実質的に同一の面となるよう構成されている。またかかる構成において、内視鏡用注射針100における上記第三法線は、第一法線136と実質的に同一であり、上記第三交差角は、第一交差角αと同一である。
即ち、図4(a)に示すとおり内視鏡用注射針100における樹脂充填部110は、樹脂充填部110の基端面130の周縁の最近位点132が属する側の半体積が、中心軸138(図2参照)を介して最近位点132と対向する周縁における対向点142が属する半体積よりも大きい。
換言すると、樹脂充填部110を構成する樹脂部材は、最遠位点134の側よりも最近位点132の側に偏在している。
ここで、最近位点132が属する側の半体積とは、第一線分154に直交し、且つ、中心軸138に沿って縦方向に分割されてなる樹脂充填部110であって最近位点132を含んだ側である第一分割部144の体積である。また、対向点142が属する側の半体積とは、上述のとおり縦方向に分割されてなる樹脂充填部110であって対向点142を含んだ側である第二分割部146の体積である。
上述する第一分割部144の体積および第二分割部146の体積の和は、それぞれ接続部材70の基端面73よりも基端側に位置する樹脂充填部110の体積を示す。
このように樹脂充填部110において屈曲し易い側が自然と内周側に位置することにより、内視鏡用注射針100は、屈曲する内視鏡のチャネル内において屈曲しながら摺動する動作が円滑である。
即ち、図4(a)および図4(b)に示すとおり、本実施形態にかかる内視鏡用注射針100は、針体10の先端面152が、中心軸138に対して傾斜しており、先端面152の最先端部Xが、樹脂充填部110の基端面130の周縁の最近位点132が属する側に配置されている。最先端部Xは、上面視上、第一分割部144側に配置されている。ここで上面視とは、内視鏡用注射針100を基端側から先端側に向けて観察することを意味する。
外管チューブ30は、内管チューブ20および針体10を収納可能な長尺のチューブである。外管チューブ30は、外管チューブ30の任意の箇所に設けられた開口から突出可能に針体10を収納可能である。そのため、たとえば体腔内の生体組織において処置をするタイミングで外管チューブ30の上記開口から針体10を突出させるとともに、針体10が生体組織に到達するまでの間は針体10を内包して針体10の先端が体腔に接触することを回避可能である。外管チューブ30の詳細は後述する。
本実施形態において、操作部50は外筒グリップ40、内筒グリップ60を含む。操作部50は、内視鏡用注射針100の操作者によって把持される部位である。
また、操作部50は内筒グリップ60の基端側に付設されたコネクタ51を含み、シリンジ(図示せず)を連結できる。内管チューブ20は、コネクタ51に連結されたシリンジ(図示せず)から注液された液体の流路となる。操作者が操作部50を操作することによって、針体10を被験者の生体組織に刺すことができる。また、針体10の先端には開口(図示せず)が設けられ、作業者がシリンジ(図示せず)を操作することによって液体を生体組織に注入可能となっている。
ここで、外管チューブ30の内外に針体10を進退操作するとは、外管チューブ30の何処かに設けられた開口から針体10の少なくとも一部が突出する状態(突出状態、図1(b)参照)と、開口の中に針体10を当該突出状態より収納する状態(収納状態、図1(a)参照)のいずれか一方から他方へと移行させることである。
本実施形態では、外管チューブ30の先端に開口が設けられるように図示したが、これは一例であって、他の位置に開口が設けられる形態であっても構わない。
さらに詳細には、外筒グリップ40に設けた案内溝41の基端側に突出部61を位置させるとき収納状態となり、案内溝41の先端側に突出部61を位置させるとき、針体10が外管チューブ30から突出状態となる(図1(b))。
本実施形態では、内管チューブ20の最先端に針体10を取り付けているように図示したが、これに限定されるものでなく、内視鏡用注射針100に必要な機能を阻害しない程度に取り付け位置が変更されてもよい。
内管チューブ20の外径および内径は特に限定されないが、例えば、外径は1.2mm以上1.7mm以下、内径は0.5mm以上1mm以下の範囲とすることができる。
なお、本実施形態では外筒グリップ40の内面と外管チューブ30の外面とが接合するように図示したが、外筒グリップ40の外面と外管チューブ30の内面とが接合する構成であっても構わない。また、外管チューブ30と外筒グリップ40の接合には、図示しない留め具が使われてもよいし、接着剤が用いられてもよい。
接続部材70は、筒状体であって、たとえば円筒体である。
本実施形態では、接続部本体71および大径部72はいずれも外形が円筒形状である。ただし本実施形態における接続部材70はこれに限定されず、少なくとも接続部本体71を有し、大径部72が省略されてもよい。
また、接続部材70が金属材料よりなる場合には、針体10が挿通する接続部材70をかしめて針体10の外周面の一部と接続部材70の内周面の一部とを物理的に当接させることにより、針体10を保持させることもできる(以下、かしめ保持手段ともいう)。
本実施形態における樹脂充填部110は、中心軸138を中心として周方向に連続している。樹脂充填部110における第一仮想面140の法線である第一法線136が、中心軸138に対し傾斜していることは上述のとおりである。
ここで本実施形態における内視鏡用注射針100は、樹脂充填部110を備えることによって、内管チューブ20内における接続部材70の配置位置が、液体の吐出圧によって先端側にずれることが防止されていることは上述のとおりである。しかして、先端方向に配置位置がずれることが防止された接続部材70に良好に接合された針体10は、接続部材70とともに、設計当初に予定された先基端方向における配置位置を良好に維持可能である。
樹脂接続部90と樹脂充填部110とは、同一の樹脂部材より構成されていてもよく、両者が同一の樹脂により一体的に形成されていてもよい。また別の態様として、樹脂接続部90と樹脂充填部110とは、異なる樹脂部材により構成されていてもよい。たとえば、本実施形態における樹脂接続部90は、樹脂充填部110を構成する工程と同工程において、樹脂充填部110を構成する樹脂部材と同一の樹脂部材により、樹脂充填部110と一体的に形成されてもよい。
第二樹脂接続部および第三樹脂接続部は、たとえば、樹脂充填部110を構成する工程と同工程において、樹脂充填部110を構成する樹脂部材と同一の樹脂部材により、樹脂充填部110と一体的に形成されてもよい。あるいは、別の態様として、樹脂充填部110の形成工程とは別工程において、樹脂充填部110を構成する樹脂と同一の樹脂あるいは異なる樹脂によって形成されてもよい。内視鏡用注射針100は、樹脂充填部110と第二樹脂接続部と第三樹脂接続部とが連続的に設けられることによって、優れた水密性を発揮し得る。
次に本発明の第二実施形態である内視鏡用注射針の製造方法(以下、単に「本製造方法」ともいう)について図6(a)から図6(d)を用いて説明する。図6(a)から図6(d)は、本製造方法をいくつかの工程に分けて説明する説明図である。本製造方法について、内視鏡用注射針100を製造する方法を例に説明する。
挿通工程は、接続部材70における挿通孔80に接続部材70の先端側および基端側から突出するよう針体10を挿通させる工程である。
外嵌工程は、接続部材70の基端側に接続部材70の外径と略同等の内径を有する型枠部材300を外嵌する工程である。
樹脂充填部形成工程は、型枠部材300の内周面と針体10の外周面と接続部材70の基端面73とに接して樹脂部材を型枠部材300に注入するとともに、先基端方向に対し樹脂充填部110の基端面130が傾斜するよう樹脂充填部110を形成する工程である。
内管チューブ取付工程は、接続部材の少なくとも一部および樹脂充填部110を内包するよう上記内管チューブを設ける工程である。
以下に、本製造方法の各工程について、適宜、図6(a)から図6(d)を用いて詳細に説明する。
挿通工程において、あるいは挿通工程の後、適宜、針体10を接続部材70に保持させるための保持工程をさらに実施してもよい。保持工程としては、たとえば第一実施形態において説明した熱収縮保持手段、またはかしめ保持手段の実施が挙げられるがこれに限定されない。
尚、本実施形態に用いられる針体10は、先端面が、中心軸に対して傾斜しており、最先端部Xを有している。
かかる型枠部材300を、接続部材70の少なくとも基端側に外嵌することにより外嵌工程が実施される。図6(a)では、型枠部材300が、接続部材70の基端側の一部領域を覆って接続部材70に対し嵌合された態様を示したが、これに限定されず、型枠部材300は接続部材70の外周面全体を覆うよう嵌合されてもよい。
即ち、図6(a)に示すとおり、樹脂充填部形成工程において、樹脂部材を型枠部材300の内側に注入するための注入チューブ400の先端を型枠部材300の内周面に寄せて設置する。次いで、図6(b)に示すとおり、樹脂部材を型枠部材300に注入する。これにより形成される樹脂充填部110の基端面130を軸方向に対し傾斜させることが可能である。
上述する樹脂充填部形成工程を実施することにより、容易に基端面130を備える樹脂充填部110を形成することができる。
即ち、樹脂充填部形成工程において、上面視上、注入チューブ400の先端を針体10の最先端部Xが配置された側に寄せて配置する。そして、本工程において形成される樹脂充填部110(図6(c)参照)の最近位点132が属する側の半体積が、対向点142が属する半体積よりも大きくなるよう樹脂部材を注入するとよい。
ここで上面視とは、型枠部材300の開口側から針体10の最先端部X方向を観察することを意味し、たとえば、型枠部材300を重量方向に対し略平行に配置した場合には、重量方向における上方向から観察することを意味する。
尚、最近位点132が属する側の半体積および対向点142が属する半体積に関する説明は、適宜、第一実施形態に関する説明を参照することができる。
樹脂充填部形成工程において、樹脂充填部110の形成とともに樹脂接続部90および/または第三樹脂接続部を形成することによって、樹脂充填部110と、樹脂接続部90および/または第三樹脂接続部とを、一体的に形成することができる。
内管チューブ取付工程は、接続部材70の少なくとも一部および樹脂充填部110を内包するよう内管チューブ20を設ける工程である。
より具体的には、たとえば、樹脂充填部形成工程後に、型枠部材300を接続部材70から抜き取り(図6(c)参照)、形成された樹脂充填部110および接続部材70の少なくとも基端側を覆うよう内管チューブ20を外嵌する。
また第二実施形態における各工程の説明の順序は、本製造方法を限定するものではない。所期の内視鏡用注射針を製造できる範囲において、工程順は適宜入れ替え可能である。また説明する各工程の前または後または一の工程と他の工程との間に、適宜任意の工程をさらに追加してもよい。
また第二実施形態において説明した本製造方法は、本発明の内視鏡用注射針の製造方法の好適な例を示すものであるが、本発明の内視鏡用注射針の製造方法を何ら限定するものではない。
(1)液体を注入するための内管チューブと、
前記内管チューブの先端に設けられた針体と、
前記内管チューブの中心軸の方向に貫通し前記針体が挿通する挿通孔を有し、前記内管チューブの内周面と前記針体の外周面との間に配置され前記針体と前記内管チューブとを接続するための接続部材と、
前記接続部材の基端面より基端側に突出する前記針体の外周面と前記内管チューブの内周面と前記接続部材の前記基端面との間に樹脂部材を充填してなる樹脂充填部と、
を有し、
前記内管チューブの内周面に対する切断面であって前記樹脂充填部の基端面の周縁の最近位点および当該周縁の最遠位点を含み前記中心軸と交差するとともに法線と中心軸との交差角が最小となる切断面である第一仮想面の前記法線である第一法線が、前記中心軸に対し傾斜していることを特徴とする内視鏡用注射針。
(2)前記内管チューブを進退可能に内包する外管チューブを備える上記(1)に記載の内視鏡用注射針。
(3)前記第一法線と前記中心軸とが交差する角度である第一交差角は、前記接続部材の前記基端面の法線である第二法線と前記中心軸とが交差する角度である第二交差角よりも大きい上記(1)または(2)に記載の内視鏡用注射針。
(4)前記中心軸と、前記樹脂充填部の前記基端面の前記周縁が形成する平均基端面の法線である第三法線と、が交差する角度である第三交差角は、30°以上90°未満である上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の内視鏡用注射針。
(5)前記樹脂充填部は、前記樹脂充填部の前記基端面の前記周縁の前記最近位点が属する側の半体積が、前記中心軸を介して前記最近位点と対向する前記周縁における対向点が属する半体積よりも大きい上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の内視鏡用注射針。
(6)前記針体の先端面は、前記中心軸に対して傾斜しており、
前記先端面の最先端部が、前記樹脂充填部の前記基端面の前記周縁の前記最近位点が属する側に配置されている上記(5)に記載の内視鏡用注射針。
(7)前記樹脂充填部の前記基端面の前記周縁の前記最遠位点から、前記接続部材の前記基端面の前記周縁までの距離が、前記針体の外周面と前記内管チューブの内周面との距離以上である上記(1)から(6)のいずれか一項に記載の内視鏡用注射針。
(8)前記接続部材の内周面と前記針体の外周面との間に位置し前記接続部材と前記針体とを接続する樹脂材料からなる樹脂接続部を有し、
前記樹脂接続部と前記樹脂充填部とが連続している上記(1)から(7)のいずれか一項に記載の内視鏡用注射針。
(9)上記(1)から(8)に記載の内視鏡用注射針を製造する内視鏡用注射針の製造方法であって、
前記接続部材における前記挿通孔に前記接続部材の先端側および基端側から突出するよう前記針体を挿通する挿通工程と、
前記接続部材の基端側に前記接続部材の外径と略同等の内径を有する型枠部材を外嵌する外嵌工程と、
前記型枠部材の内周面と前記針体の外周面と前記接続部材の基端面とに接して前記樹脂部材を前記型枠部材に注入するとともに、先基端方向に対し前記樹脂充填部の基端面が傾斜するよう前記樹脂充填部を形成する樹脂充填部形成工程と、
前記接続部材の少なくとも一部および前記樹脂充填部を内包するよう前記内管チューブを設ける内管チューブ取付工程と、を有することを特徴とする内視鏡用注射針の製造方法。
(10)前記樹脂充填部形成工程において、前記樹脂部材を前記型枠部材の内側に注入するための注入チューブの先端を前記型枠部材の内周面に寄せて設置し、前記樹脂部材を前記型枠部材に注入することにより、形成される前記樹脂充填部の前記基端面を軸方向に対し傾斜させる上記(9)に記載の内視鏡用注射針の製造方法。
(11)前記樹脂充填部形成工程において、上面視上、注入チューブの先端を前記針体の最先端部が配置された側に寄せ、形成される前記樹脂充填部の前記最近位点が属する側の前記半体積が、前記対向点が属する前記半体積よりも大きくなるよう樹脂部材を注入する上記(10)に記載の内視鏡用注射針の製造方法。
11・・・内周面
20・・・内管チューブ
30・・・外管チューブ
40・・・外筒グリップ
41・・・案内溝
50・・・操作部
51・・・コネクタ
60・・・内筒グリップ
61・・・突出部
70・・・接続部材
71・・・接続部本体
72・・・大径部
73・・・基端面
80・・・挿通孔
90・・・樹脂接続部
100、100A・・・内視鏡用注射針
110・・・樹脂充填部
130、130A・・・基端面
131、131A・・・交線
132・・・最近位点
134・・・最遠位点
136・・・第一法線
138・・・中心軸
140・・・第一仮想面
142・・・対向点
144・・・第一分割部
146・・・第二分割部
152・・・先端面
154・・・第一線分
300・・・型枠部材
400・・・注入チューブ
731・・・最近位点
732・・・最遠位点
736・・・第二仮想面
738・・・第二法線
α・・・第一交差角
X・・・最先端部
Y・・・距離
Z・・・距離
Claims (11)
- 液体を注入するための内管チューブと、
前記内管チューブの先端に設けられた針体と、
前記内管チューブの中心軸の方向に貫通し前記針体が挿通する挿通孔を有し、前記内管チューブの内周面と前記針体の外周面との間に配置され前記針体と前記内管チューブとを接続するための接続部材と、
前記接続部材の基端面より基端側に突出する前記針体の外周面と前記内管チューブの内周面と前記接続部材の前記基端面との間に樹脂部材を充填してなる樹脂充填部と、
を有し、
前記内管チューブの内周面に対する切断面であって前記樹脂充填部の基端面の周縁の最近位点および当該周縁の最遠位点を含み前記中心軸と交差するとともに法線と中心軸との交差角が最小となる切断面である第一仮想面の前記法線である第一法線が、前記中心軸に対し傾斜していることを特徴とする内視鏡用注射針。 - 前記内管チューブを進退可能に内包する外管チューブを備える請求項1に記載の内視鏡用注射針。
- 前記第一法線と前記中心軸とが交差する角度である第一交差角は、前記接続部材の前記基端面の法線である第二法線と前記中心軸とが交差する角度である第二交差角よりも大きい請求項1または2に記載の内視鏡用注射針。
- 前記中心軸と、前記樹脂充填部の前記基端面の前記周縁が形成する平均基端面の法線である第三法線と、が交差する角度である第三交差角は、30°以上90°未満である請求項1から3のいずれか一項に記載の内視鏡用注射針。
- 前記樹脂充填部は、前記樹脂充填部の前記基端面の前記周縁の前記最近位点が属する側の半体積が、前記中心軸を介して前記最近位点と対向する前記周縁における対向点が属する半体積よりも大きい請求項1から4のいずれか一項に記載の内視鏡用注射針。
- 前記針体の先端面は、前記中心軸に対して傾斜しており、
前記先端面の最先端部が、前記樹脂充填部の前記基端面の前記周縁の前記最近位点が属する側に配置されている請求項5に記載の内視鏡用注射針。 - 前記樹脂充填部の前記基端面の前記周縁の前記最遠位点から、前記接続部材の前記基端面の前記周縁までの距離が、前記針体の外周面と前記内管チューブの内周面との距離以上である請求項1から6のいずれか一項に記載の内視鏡用注射針。
- 前記接続部材の内周面と前記針体の外周面との間に位置し前記接続部材と前記針体とを接続する樹脂材料からなる樹脂接続部を有し、
前記樹脂接続部と前記樹脂充填部とが連続している請求項1から7のいずれか一項に記載の内視鏡用注射針。 - 請求項1から8に記載の内視鏡用注射針を製造する内視鏡用注射針の製造方法であって、
前記接続部材における前記挿通孔に前記接続部材の先端側および基端側から突出するよう前記針体を挿通する挿通工程と、
前記接続部材の基端側に前記接続部材の外径と略同等の内径を有する型枠部材を外嵌する外嵌工程と、
前記型枠部材の内周面と前記針体の外周面と前記接続部材の基端面とに接して前記樹脂部材を前記型枠部材に注入するとともに、先基端方向に対し前記樹脂充填部の基端面が傾斜するよう前記樹脂充填部を形成する樹脂充填部形成工程と、
前記接続部材の少なくとも一部および前記樹脂充填部を内包するよう前記内管チューブを設ける内管チューブ取付工程と、を有することを特徴とする内視鏡用注射針の製造方法。 - 前記樹脂充填部形成工程において、前記樹脂部材を前記型枠部材の内側に注入するための注入チューブの先端を前記型枠部材の内周面に寄せて設置し、前記樹脂部材を前記型枠部材に注入することにより、形成される前記樹脂充填部の前記基端面を軸方向に対し傾斜させる請求項9に記載の内視鏡用注射針の製造方法。
- 前記樹脂充填部形成工程において、上面視上、注入チューブの先端を前記針体の最先端部が配置された側に寄せ、形成される前記樹脂充填部の前記最近位点が属する側の前記半体積が、前記対向点が属する前記半体積よりも大きくなるよう樹脂部材を注入する請求項10に記載の内視鏡用注射針の製造方法。
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