JP2016007221A - 内視鏡用注射針および内視鏡用注射針の製造方法 - Google Patents

内視鏡用注射針および内視鏡用注射針の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内管チューブを流通する液体の吐出圧により内管チューブに配置された接続部材およびこれに挿通された針体の配置位置が内管チューブの先端側にずれるという課題を改善する内視鏡用注射針および内視鏡用注射針の製造方法を提供する。
【解決手段】内視鏡用注射針100は、内管チューブ20と、針体10と、針体10と内管チューブ20とを接続するための接続部材70と、接続部材70の基端面73より基端側に突出する針体10の外周面と内管チューブ20の内周面と接続部材70の基端面73との間に樹脂部材を充填してなる樹脂充填部110と、を有し、内管チューブ20の内周面に対する切断面であって樹脂充填部110の基端面130の周縁の最近位点132および当該周縁の最遠位点134を含み中心軸138と交差するとともに法線と中心軸138との交差角が最小となる切断面である第一仮想面140の法線である第一法線136が、中心軸138に対し傾斜している。
【選択図】図2

Description

本発明は、内視鏡用注射針および内視鏡用注射針の製造方法に関する。
内視鏡下に食道、胃、大腸等の粘膜を切除する内視鏡的粘膜切除術(EMR)および内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)施工時に、粘膜と筋層との剥離を要する場合がある。この場合、先端に針体が付設された内管チューブとその内管チューブを挿通自在にする外管チューブとを有した内視鏡用注射針を挿入して、生体組織に生理食塩水や薬液等(以下、単に液体ともいう)を注入することが通常実施されている。
内視鏡用注射針は、例えば1mから2m程度の長尺の内視鏡内に設けられたチャネルに挿入され、所定の生体組織において針体を穿刺する。液体は、内視鏡の基端側から長尺の内管チューブを通して針体の先端から吐出される。
針体は、穿刺したときの傷を小さくするためにたとえば外径0.65mm以下のものが好適に使用されている。これに対し、注入抵抗を小さくするために内管チューブの内径はたとえば0.8mm以上とすることが好ましい。その結果、針体の外周面と内管チューブの内周面との間には間隙が形成されていた。上記間隙を埋めて、針体と内管チューブとを接続するための接続部材が設けられた内視鏡用注射針が提案されている。
例えば、下記特許文献1に記載の内視鏡用注射針(以下、従来技術1ともいう)は、針体の先端と反対側の端部にコイル状部材(接続部材)を外嵌して該コイル状部材を該針体に固着し、該コイル状部材に上記内管チューブを外嵌して固着している。
上記コイル状部材が設けられることによって、上記針体と内管チューブとの間の空隙が埋められるとともに両者が接続されている。
特許文献1図4に示されるとおり、上記コイル状部材の基端側の端面は、内管チューブの軸方向に対し略垂直に交差している。
特開2009−172029号公報
しかし従来技術1に例示される針体と内管注射針との間の間隙を埋めて、当該針体と当該内管チューブとを接続する接続部材を有する内視鏡用注射針は、以下の課題を有していた。
即ち、接続部材の基端面に、強い吐出圧で内管チューブ内を基端側から先端側に流通する液体が接触すると、接続部材が先端側に押圧される。これにより、接続部材の外周面と内管チューブの内周面との接続状態が不良となり、内管チューブ内において接続部材の配置位置が内管チューブの先端側にずれる虞があった。接続部材の配置位置のずれにより当該接続部材に挿通された針体の配置位置もずれるため、設計上予定される針体先端位置よりも実際の針体先端位置が先端側に変異し体内における手技に支障を来たす虞があった。
また接続部材の配置位置が大きく先端側にずれることによって、接続部材およびこれに挿通された針体が、内管チューブの先端側から脱落する虞があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明は、内管チューブを流通する液体の吐出圧により内管チューブに配置された接続部材およびこれに挿通された針体の配置位置が内管チューブの先端側にずれるという上記課題を改善する内視鏡用注射針、および内視鏡用注射針の製造方法を提供する。
本発明の内視鏡用注射針は、液体を注入するための内管チューブと、上記内管チューブの先端に設けられた針体と、上記内管チューブの中心軸の方向に貫通し上記針体が挿通する挿通孔を有し、上記内管チューブの内周面と上記針体の外周面との間に配置され上記針体と上記内管チューブとを接続するための接続部材と、上記接続部材の上記基端面より基端側に突出する上記針体の外周面と上記内管チューブの内周面と上記接続部材の上記基端面との間に樹脂部材を充填してなる樹脂充填部と、を有し、内管チューブの内周面に対する切断面であって上記樹脂充填部の基端面の周縁の最近位点および当該周縁の最遠位点を含み上記中心軸と交差するとともに法線と中心軸との交差角が最小となる切断面である第一仮想面の上記法線である第一法線が、上記中心軸に対し傾斜していることを特徴とする。
本発明の内視鏡用注射針の製造方法は、本発明の内視鏡用注射針を製造する内視鏡用注射針の製造方法であって、上記接続部材における上記挿通孔に上記接続部材の先端側および基端側から突出するよう上記針体を挿通する挿通工程と、上記接続部材の基端側に上記接続部材の外径と略同等の内径を有する型枠部材を外嵌する外嵌工程と、上記型枠部材の内周面と上記針体の外周面と上記接続部材の基端面とに接して上記樹脂部材を上記型枠部材に注入するとともに、先基端方向に対し上記樹脂充填部の基端面が傾斜するよう上記樹脂充填部を形成する樹脂充填部形成工程と、上記接続部材の少なくとも一部および上記樹脂充填部を内包するよう上記内管チューブを設ける内管チューブ取付工程と、を有することを特徴とする。
本発明の内視鏡用注射針は、内管チューブの内周面に対する切断面であって樹脂充填部の基端面の周縁の最近位点および当該周縁の最遠位点を含み中心軸と交差するとともに法線と中心軸との交差角が最小となる切断面である第一仮想面の法線である第一法線は、中心軸に対し傾斜している。したがって、樹脂充填部に対し内管チューブ内を流通する液体の吐出圧がかかる方向を内管チューブの軸方向からずらすことができる。
樹脂充填部の外周面と内管チューブの内周面との境界に対し液体の吐出圧が軸方向にかかると両者は剥離する虞があり接合状態が不良となる虞がある。これに対し、本発明の内視鏡用注射針は、第一仮想面が中心軸に対し、90°を超えた角度で交差し、上記境界に対しかかる液体の吐出圧の局所的な力が、軸方向に対する側方向にずれやすくなるよう構成される。
そのため、接続部材およびこれに挿通された針体の配置位置が、内管チューブの軸方向の先端側にずれ難い。
本発明の内視鏡用注射針の製造方法は、本発明の内視鏡用注射針の製造を可能とする。
(a)は、本発明の第一実施形態の内視鏡用注射針を例示する内視鏡用注射針の全体図であり外管チューブの内部に針体の全体が収納された状態を示しており、(b)は、本発明の第一実施形態の内視鏡用注射針を例示する内視鏡用注射針の全体図であり外管チューブの先端から針体の一部が突出した状態を示している。 図1(b)において破線円で囲む内視鏡用注射針100の先端領域の縦断面図である。 第一実施形態の変形例である内視鏡用注射針の樹脂充填部の基端面および第一仮想面について説明する説明図である。 (a)は、本発明の第一実施形態の内視鏡用注射針を説明する説明図であり、(b)は、(a)のIV−IV断面図である。 本発明の第一実施形態の内視鏡用注射針の部分縦断面図である。 (a)から(d)は、本発明の第二実施形態の内視鏡用注射針の製造方法を説明する説明図である。
以下、本発明の第一実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
なお、本実施の形態では図示するように上下の方向を規定して説明する場合がある。しかし、これは構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定するものであり、本発明を実施する製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
本発明の内視鏡用注射針およびその製造方法の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
本発明に関し、内視鏡用注射針または内視鏡用注射針を構成する各構成の近位とは、内視鏡用注射針の操作者に近い位置(即ち、内視鏡用注射針の基端側の位置)をいう。また同様に、遠位とは、内視鏡用注射針の操作者に遠い位置(即ち、内視鏡用注射針の先端側の位置)をいう。
また本発明に関し、基端側とは内視鏡用注射針の操作者に近い側をいい、先端側は当該操作者に遠い側、即ち、針体の最先端部の側をいう。
また本発明を説明するにあたり、適宜、内周面または外周面という言葉を用いる場合がある。特段の説明がない場合には、上記内周面は中心軸に対向する面を意味し、上記外周面は、内視鏡用注射針の中心軸に非対向の面を意味する。
また本発明を説明するにあたり、基端側から先端側へ向かう方向又は先端側から基端側へ向かう方向を、適宜、先基端方向という場合がある。
<第一実施形態>
以下に、本発明の内視鏡用注射針の第一実施形態である内視鏡用注射針100について図1から図5を用いて説明する。
図1(a)は、本発明の第一実施形態の内視鏡用注射針を例示する内視鏡用注射針100の全体図であり外管チューブ30の内部に針体10の全体が収納された状態を示している。図1(b)は、内視鏡用注射針100の全体図であり外管チューブ30の先端から針体10の一部が突出した状態を示している。
図2は、図1(b)において破線円で囲む内視鏡用注射針100の先端領域の縦断面図である。ただし図2において、針体10は側面視している。
図3は、第一実施形態の変形例である内視鏡用注射針100Aの樹脂充填部110の基端面130Aおよび第一仮想面140について説明する説明図である。図3において内管チューブ20は図示省略し、内管チューブ20の内周面11のみを図示する。
図4(a)は、本発明の第一実施形態の内視鏡用注射針100を説明する説明図であり、図4(b)は、図4(a)のIV−IV断面図である。
図5は、本発明の第一実施形態の内視鏡用注射針100の部分縦断面図である。ただし、図5は、針体10、接続部材70、および樹脂充填部110に関し側面視している。
尚、内視鏡用注射針100における接続部材70は、図2に示すとおり接続部本体71および大径部72を有する。ただし、図3から図5および後述する図6では、大径部72を図示省略している。
本実施形態にかかる内視鏡用注射針100は、図1(a)および図1(b)に示すとおり、内管チューブ20を内包する外管チューブ30と、基端側に設けられた操作部50とを備える。内視鏡用注射針100における内管チューブ20は、図示省略する内視鏡のチャネルに対し、外管チューブ30とともに挿入可能である。
図2に、内視鏡用注射針100の先端側を中心軸138に沿って切断した切断面を示す。
図2に示すとおり、内視鏡用注射針100は、内管チューブ20と、針体10と、接続部材70と、樹脂充填部110と、を有している。
内管チューブ20は、液体を注入するためのチューブである。針体10は、内管チューブ20の先端に設けられている。接続部材70は、内管チューブ20の中心軸138の方向に貫通し針体10が挿通される挿通孔80を有し、内管チューブ20の内周面と針体10の外周面との間に配置され針体10と内管チューブ20とを接続する。
樹脂充填部110は、接続部材70の基端面73より基端側に突出する針体10の外周面と内管チューブ20の内周面と接続部材70の基端面73との間に樹脂部材を充填してなる。
本実施形態にかかる内視鏡用注射針100は、第一仮想面140の法線である第一法線136が中心軸138に対し傾斜している。第一仮想面140は、内管チューブ20の内周面に対する切断面であって最近位点132および最遠位点134を含み中心軸138と交差するとともに法線と中心軸138との交差角が最小となる切断面である。
本実施形態において、樹脂充填部110の基端面130の周縁は、先基端方向において異なる位置にある最近位点132および最遠位点134を有している。
本実施形態において、基端面130の周縁とは、図4(a)に示すとおり、内管チューブ20の内周面と樹脂充填部110の外周面との近位側における交線131を意味する。即ち、基端面130の周縁は、内管チューブ20の内周面と樹脂充填部110の外周面との接合面の近位側における端部が周方向に連続する環状の縁部である。
基端面130は、内管チューブ20の内周面と樹脂充填部110の外周面との近位側における交線よりなる当該周縁によって内包される領域に含まれる樹脂充填部110の基端側の面を指す。
内視鏡用注射針100における樹脂充填部110の基端面130は、中心軸138に対し直交平坦である面以外の面として構成されている。即ち、基端面130は、湾曲あるいは凹凸を有する面(即ち非平坦な面)であるとともに中心軸138に対し直交する面、および平坦であるが中心軸138に対し90°以外の角度で交差する面を含む。
たとえば基端面130は、図2に示すとおり中心軸138に対し傾斜して交差するとともに、実質的に平滑な面であってもよい。また、樹脂充填部110は、図3に示すとおり、不規則な凹凸を有する面である基端面130Aを備えていてもよい。本実施形態において、樹脂充填部110の基端面130の周縁は、図2に示すように内管チューブ20の内周面に対し周方向に、楕円の軌跡をなしてもよいし、図3に示す基端面130Aのように当該周方向に一周する不規則な軌跡をなしていてもよい。
基端面130Aの外縁は、図3に示す内管チューブ20の内周面11(図3参照)と樹脂充填部110の外周面との近位側における交線131Aである。
上記周縁には、最近位点132および当該周縁の最遠位点134が含まれている。最近位点132とは、当該周縁上であって最も近位側に位置する点である。最遠位点134は、当該周縁上であって最も遠位側に位置する点である。周縁の形状から正円が除かれることによって、最近位点132と最遠位点134とは、中心軸138の伸長方向においてずれた位置に存在する。
そのため、最近位点132および最遠位点134を含み中心軸138と交差する第一仮想面140の法線である第一法線136は、中心軸138に対し傾斜している。
第一仮想面140は、以下のとおり定義することができる。即ち、最近位点132および最遠位点134をとおり中心軸138に沿って切断してなる切断面I(図示省略)を求める。そして内管チューブ20の内周面に対し、上記切断面Iの法線方向であって、最近位点132および最遠位点134を通る位置で切断してなる切断面が、本実施形態における第一仮想面140である。
本実施形態における第一仮想面140は、内管チューブ20の内周面において最近位点132と最遠位点134とを最短で結ぶ円弧を含み、中心軸138と交差する面である。
尚、本実施形態にかかる内視鏡用注射針100は、図2に示すとおり、基端面130と第一仮想面140とが略同一の面をなしている。ただし本実施形態はこれに限定されない。
たとえば図3に示す本実施形態の変形例である内視鏡用注射針100Aのように、基端面130Aと、第一仮想面140とが異なる面をなす態様を本発明は包含する。基端面130Aの周縁は、図3において図示省略する内管チューブ20の内周面に対し周方向に一周する不規則な軌跡をなす。たとえば最遠位点134は、図3に示すとおり、最近位点132に対し、中心軸138(図示省略)を介して対向する位置からはずれた箇所に存在していてもよい。図3に示す第一仮想面140の外縁は、図示省略する内管チューブ20の内周面11において最近位点132と最遠位点134とを結ぶ最短の円弧を含み、中心軸と交差している。
ここで、内視鏡用注射針100における第一法線136が、中心軸138に対し傾斜しているとは、樹脂充填部110の基端面130が中心軸138に対し実質的に直交している態様を除くことを意味している。本実施形態において、先基端方向における最近位点132および最遠位点134の位置のずれは、製造上の較差に起因して生じる基端面130上の微細な凸部の頂点と微細な凹部の底部との距離を上回る。
樹脂充填部110における基端面130の最近位点132と最遠位点134とから仮定される第一仮想面140は、上述のとおり中心軸138に対し傾斜している。即ち、基端面130は、中心軸138に対し直交する面ではない。そのため内管チューブ20の内部を流通する液体の吐出圧は、基端面130に対し、軸方向とは異なる方向にかかり得る。そのため、樹脂充填部110が当該液体の吐出圧により先端方向に押圧され難く、樹脂充填部110の配置位置が内管チューブ20の先端側にずれ難い構成となっている。
上述する樹脂充填部110を備えることにより、本実施形態は、樹脂充填部110よりも先端側に配置された接続部材70、および接続部材70に挿通された針体10の配置位置が内管チューブ20の先端側にずれるという従来の課題が改善されている。
上述する従来の課題の改善の観点からは、第一法線136と中心軸138とが交差する角度である第一交差角α(図2参照)は、0°を超えて90°未満である。第一交差角αは、好ましくは、15°以上90°未満であり、より好ましくは30°以上90°未満であり、特に好ましくは45°以上90°未満である。
本実施形態では、図2に示すとおり、第一法線136と中心軸138とが交差する角度である第一交差角αは、接続部材70の基端面73の法線である第二法線738と中心軸138とが交差する角度である第二交差角よりも大きいことが好ましい。
尚、図2において、第二法線738と中心軸138とは、同方向を向く態様を示しており、第二交差角は0°である。
第一交差角αが第二交差角よりも大きく構成されていることにより、第一交差角αと第二交差角が等しい場合と比較して、液体の吐出圧に起因する接続部材70の先端方向への配置位置のずれが良好に回避される。
尚、接続部材70の基端面73は、中心軸138に対し略直交するとともに平坦状に形成されることが一般的である。したがって第二法線738は、基端面73の主面の法線と理解することができる。ただし、基端面73が、湾曲するなどして平坦な面ではない場合にも、図2に示す第二仮想面736を仮想することにより第一交差角αと第二交差角とを比較することができる。図2では、基端面73が中心軸138に直交する平坦な面であるため、第二仮想面736と同一面として示している。基端面73が、中心軸138に直交する平坦な面以外の面である場合には、第二仮想面736と基端面73とは異なる面として示される(図示省略)。
ここで第二仮想面736は、接続部材70の基端面73の周縁の最近位点731および当該周縁の最遠位点732を含み、中心軸138に交差する面である。基端面73の周縁とは、内管チューブ20の内周面と接続部材70の外周面との近位側における交線である。内管チューブ20と接続部材70との間に任意の層が設けられる場合には、上記交線の代替として、近位側であって接続部材70の外周面が内管チューブ20の内周面に最も近接する縁部の連続を周縁と理解する。
第二仮想面736は、以下のとおり定義することができる。即ち、最近位点731および最遠位点732をとおり中心軸138に沿って切断してなる切断面I(図示省略)を求める。そして内管チューブ20の内周面に対し、上記切断面Iの法線方向であって、最近位点731および最遠位点732を通る位置で切断してなる切断面を、第二仮想面736として扱うことができる。
換言すると、第二仮想面736は、接続部材70の外周面において最近位点731と最遠位点732とを最短で結ぶ円弧を含み、接続部材70または、接続部材70を基端側に延長させてなる仮想接続部材(図示省略)を切断してなる切断面である。
本実施形態の好ましい一例として、中心軸138と、樹脂充填部110の基端面130の周縁が形成する平均基端面の法線である第三法線(図示省略)と、が交差する角度である第三交差角(図示省略)を、30°以上90°未満として構成してもよい。
ここで、平均基端面とは、内管チューブ20の内周面の切断面のうち、基端面130の周縁の複数点の座標から最小二乗法で近似して求められる環状の平面である。上記複数点の座標は、基端面130の周縁において、たとえば10か所程度、プロットされた点の各座標である。中心軸138上の一次元座標、および任意の切断面の法線方向を示す2変数である3つの変数を最小二乗法を用いて決定することができる。より具体的には、上記複数点の座標を最も近似する内管チューブ20の内周面の切断面(即ち、平均基端面)を最小二乗法で決定することにより、当該切断面の法線方向を求めることができる。その法線方向と中心軸138との交差角が第三交差角である。
基端面130の平均基端面は、第一仮想面140と実質的に同一となる場合と、異なる場合とを含む。本実施形態にかかる内視鏡用注射針100の上記平均基端面は、第一仮想面140と実質的に同一の面となるよう構成されている。またかかる構成において、内視鏡用注射針100における上記第三法線は、第一法線136と実質的に同一であり、上記第三交差角は、第一交差角αと同一である。
基端面130から上記平均基端面を求めることによって、たとえば、基端面130が製造上の較差に起因する凹凸を超えた凹凸を有する場合であっても、基端面130を巨視的に認識可能である。平均基端面の法線である第三法線と、中心軸138と、が交差する角度が30°以上90°未満であることによれば、基端面130に対し液体の吐出圧がかかる方向を有意に中心軸138からずらすことができ、本発明の所期の課題を良好に解決することができる。
ここで内視鏡用注射針100が内視鏡のチャネルに挿通されて用いられることを勘案し、樹脂充填部110はさらに以下の構成を備えることが好ましい。
即ち、図4(a)に示すとおり内視鏡用注射針100における樹脂充填部110は、樹脂充填部110の基端面130の周縁の最近位点132が属する側の半体積が、中心軸138(図2参照)を介して最近位点132と対向する周縁における対向点142が属する半体積よりも大きい。
換言すると、樹脂充填部110を構成する樹脂部材は、最遠位点134の側よりも最近位点132の側に偏在している。
図4(a)において、基端面130の周縁の最近位点132、および中心軸138を介して最近位点132と対向する周縁上の対向点142とを結んでなる第一線分154を示す。図4(a)に示す内視鏡用注射針100は、対向点142が最遠位点134となっている。
ここで、最近位点132が属する側の半体積とは、第一線分154に直交し、且つ、中心軸138に沿って縦方向に分割されてなる樹脂充填部110であって最近位点132を含んだ側である第一分割部144の体積である。また、対向点142が属する側の半体積とは、上述のとおり縦方向に分割されてなる樹脂充填部110であって対向点142を含んだ側である第二分割部146の体積である。
上述する第一分割部144の体積および第二分割部146の体積の和は、それぞれ接続部材70の基端面73よりも基端側に位置する樹脂充填部110の体積を示す。
樹脂充填部110を構成する樹脂部材が最近位点132側に偏在する内視鏡用注射針100によれば、屈曲する内視鏡のチャネル内を先基端方向に摺動する際、樹脂部材の偏在量が小さい第二分割部146の方が第一分割部144よりも屈曲しやすい。そのため、図5に示すとおり、屈曲するチャネル(図示省略)内の経路において、第二分割部146(図4(a)参照)が内周側に自然と位置する傾向にある。即ち、最遠位点134が内視鏡用注射針100の屈曲する経路の内周側に自然と位置する傾向にある。
このように樹脂充填部110において屈曲し易い側が自然と内周側に位置することにより、内視鏡用注射針100は、屈曲する内視鏡のチャネル内において屈曲しながら摺動する動作が円滑である。
基端面130の周縁の最近位点132が属する側の半体積が、中心軸138を介して最近位点132と対向する周縁における対向点142が属する半体積よりも大きい樹脂充填部110を備える内視鏡用注射針100は、さらに以下の構成を備えることが好ましい。
即ち、図4(a)および図4(b)に示すとおり、本実施形態にかかる内視鏡用注射針100は、針体10の先端面152が、中心軸138に対して傾斜しており、先端面152の最先端部Xが、樹脂充填部110の基端面130の周縁の最近位点132が属する側に配置されている。最先端部Xは、上面視上、第一分割部144側に配置されている。ここで上面視とは、内視鏡用注射針100を基端側から先端側に向けて観察することを意味する。
かかる最先端部Xの配置によれば、図5に示すとおり、屈曲する内視鏡のチャネル内を先端方向に内視鏡用注射針100が摺動する際、最先端部Xは、屈曲する外管チューブ30の外周側に位置する傾向となる。かかる最先端部Xは、当該外周側の外管チューブ30の内周面の付近に位置しつつも、屈曲方向に向かって摺動する。そのため、外管チューブ30の内周面に最先端部Xが接触して外管チューブ30の先端方向に対する針体10の摺動が不良となり、または外管チューブ30の先端から針体10の突出動作が不良となるといった問題を低減することができる。
比較として、針体10の最先端部Xが、基端面130の周縁の最遠位点134が属する側に配置された針体10Bを仮想線として図5に示した。針体10Bの最先端部Xは、外管チューブ30の屈曲する経路の内周側に位置しつつ、屈曲方向に向かって摺動するため、外管チューブ30の内周面に近接し、当接する虞がある。
次に、内視鏡用注射針100における各構成の詳細について説明する。
図1(a)および図1(b)に示すとおり、本実施形態にかかる内視鏡用注射針100は、内管チューブ20を進退可能に内包する外管チューブ30を備えている。進退可能とは、先基端方向において摺動可能という意味である。
外管チューブ30は、内管チューブ20および針体10を収納可能な長尺のチューブである。外管チューブ30は、外管チューブ30の任意の箇所に設けられた開口から突出可能に針体10を収納可能である。そのため、たとえば体腔内の生体組織において処置をするタイミングで外管チューブ30の上記開口から針体10を突出させるとともに、針体10が生体組織に到達するまでの間は針体10を内包して針体10の先端が体腔に接触することを回避可能である。外管チューブ30の詳細は後述する。
内視鏡用注射針100は、基端部においてさらに操作部50を有している。
本実施形態において、操作部50は外筒グリップ40、内筒グリップ60を含む。操作部50は、内視鏡用注射針100の操作者によって把持される部位である。
また、操作部50は内筒グリップ60の基端側に付設されたコネクタ51を含み、シリンジ(図示せず)を連結できる。内管チューブ20は、コネクタ51に連結されたシリンジ(図示せず)から注液された液体の流路となる。操作者が操作部50を操作することによって、針体10を被験者の生体組織に刺すことができる。また、針体10の先端には開口(図示せず)が設けられ、作業者がシリンジ(図示せず)を操作することによって液体を生体組織に注入可能となっている。
内筒グリップ60は、外管チューブ30の内外に針体10を進退操作する。内管チューブ20は、針体10を有し、外管チューブ30の中に摺動可能に挿入されている。
ここで、外管チューブ30の内外に針体10を進退操作するとは、外管チューブ30の何処かに設けられた開口から針体10の少なくとも一部が突出する状態(突出状態、図1(b)参照)と、開口の中に針体10を当該突出状態より収納する状態(収納状態、図1(a)参照)のいずれか一方から他方へと移行させることである。
本実施形態では、外管チューブ30の先端に開口が設けられるように図示したが、これは一例であって、他の位置に開口が設けられる形態であっても構わない。
内筒グリップ60は、基端側から先端側へ又は先端側から基端側へと摺動可能なように外筒グリップ40の中に収納されている。また、外筒グリップ40の側面には案内溝41が設けられており、内筒グリップ60の突出部61が摺動可能なように案内溝41の中に嵌め込まれている。
本実施形態では、外筒グリップ40と外管チューブ30とが連結し、内筒グリップ60と内管チューブ20と針体10とが連結している。従って、内視鏡用注射針100の操作者は、外筒グリップ40と内筒グリップ60とを互いに軸方向にスライドさせることによって、針体10を軸方向に進退させることができる。
さらに詳細には、外筒グリップ40に設けた案内溝41の基端側に突出部61を位置させるとき収納状態となり、案内溝41の先端側に突出部61を位置させるとき、針体10が外管チューブ30から突出状態となる(図1(b))。
一般的に、操作部50は収納状態または突出状態の少なくとも一方を固定する構造を備えている。本実施形態では、案内溝41の基端側と先端側に突出部61を嵌めて固定する固定用の溝を設けている。そして、突出部61が案内溝41の基端側または先端側に位置するときに、内筒グリップ60と外筒グリップ40とを回転方向にスライドさせることで、固定用溝に突出部61を嵌めることができる。これは上記収納状態または上記突出状態を固定するための一例であり、他の形態を用いても構わない。
図2に突出状態である内視鏡用注射針100の先端領域の断面図を示す。外管チューブ30の先端には、針体10が突出可能な開口が設けられている。当該開口を有する先端は、たとえば、径方向の内向きに屈曲して先細状に形成されている。換言すると、外管チューブ30の先細状の先端の開口径は、内管チューブ20の先端の外径または接続部材70の先端の外径よりも小さい。当該先細状の先端の内周面と内管チューブ20の先端または接続部材70の先端とが当接することによって、内管チューブ20および接続部材70の先端方向への移動を制限可能である。
針体10は、内視鏡用注射針に設けられる針を適宜選択して用いることができる。穿刺したときの傷を小さくするために、たとえば外径0.65mm以下のものが好ましく選択されるが、これに限定されない。本発明は接続部材70を有するため、針体10の外周面と内管チューブ20との間に有意な距離を有していても接続部材70を介して針体10と内管チューブ20とを接続することができる。換言すると、接続部材70の厚みを調節することにより、定型の内径を有する内管チューブ20に対し、所望の外径を有する針体10を適宜選択して用いることができる。
内管チューブ20は、その先端側に針体10が取り付けられ、外管チューブ30の中を進退可能に挿通している。
本実施形態では、内管チューブ20の最先端に針体10を取り付けているように図示したが、これに限定されるものでなく、内視鏡用注射針100に必要な機能を阻害しない程度に取り付け位置が変更されてもよい。
内管チューブ20の構成部材は、特に限定されないが、外管チューブ30内を摺動するため、一定の低摩擦性・非粘着性を有することが好ましく、さらに耐薬品性が高いと良い。一般的には、上記部材として、テトラフルオロエチレン重合体(PTFE)やテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)等のフッ素樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)などを用いることができる。
内管チューブ20の外径および内径は特に限定されないが、例えば、外径は1.2mm以上1.7mm以下、内径は0.5mm以上1mm以下の範囲とすることができる。
外管チューブ30は、基端側の一部が、外筒グリップ40の内面に接合されている。
なお、本実施形態では外筒グリップ40の内面と外管チューブ30の外面とが接合するように図示したが、外筒グリップ40の外面と外管チューブ30の内面とが接合する構成であっても構わない。また、外管チューブ30と外筒グリップ40の接合には、図示しない留め具が使われてもよいし、接着剤が用いられてもよい。
外管チューブ30の構成部材は、特に限定されないが、内視鏡の処置具挿通チャンネルの中に挿通して用いるため一定の低摩擦性・非粘着性を有することが好ましい。一般的には、上記構成部材として、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)、ポリウレタン樹脂等を用いることができる。また、上述のフッ素樹脂が外管チューブ30の構成部材として用いられてもよい。
外管チューブ30の内部において内管チューブ20がスムーズに摺動可能なよう、外管チューブ30の内周面と内管チューブ20の外周面との間には適度なクリアランスが設けられている。たとえば、外管チューブ30の外径および内径は特に限定されないが、たとえば外径は2mm以上2.6mm以下、内径は1.3mm以上1.9mm以下の範囲とすることができる。
本実施形態における接続部材70は、略均一の内径を有している。接続部材70の内径は、針体10の外径と略同等である。ここで略同等とは、接続部材70の内周面と針体10の外周面との間に任意で薄厚の樹脂層が形成可能な程度の差異を含むという意味である。当該樹脂層は、針体10と接続部材70との接合を果たすものであることが好ましく、たとえば後述する樹脂接続部90が相当する。当該樹脂層は、針体10と接続部材70との間の水密性を向上させる機能を有していてもよい。
接続部材70は、筒状体であって、たとえば円筒体である。
本実施形態における接続部材70は、図2に示すとおり、基端側に接続部本体71を有するとともに、接続部本体71よりも先端側に、接続部本体71の外径よりも大きい外径を備える大径部72を有している。たとえば大径部72の外径は、内管チューブ20の内径よりも大きく、内管チューブ20の外径よりも小さい。接続部本体71の外径は、内管チューブ20の内径と略同等である。
本実施形態では、接続部本体71および大径部72はいずれも外形が円筒形状である。ただし本実施形態における接続部材70はこれに限定されず、少なくとも接続部本体71を有し、大径部72が省略されてもよい。
接続部材70には、針体10を挿通するための挿通孔80が設けられている。本実施形態において針体10は先端側の端部および基端側の端部のそれぞれが挿通孔80の両端から突出している。針体10は、挿通孔80に挿通されるとともに、接続部材70に保持される。接続部材70において針体10を保持するための保持手段は特に限定されない。
たとえば、接続部材70がインサート成形などにより樹脂部材で構成される場合には、上記保持手段として以下のような例を挙げることができる。即ち、針体10が挿通した接続部材70の外周面の周方向に熱収縮部材を配置し、当該熱収縮部材を加熱して接続部材70を径方向の内向きに締め付けることができる(以下、熱収縮保持手段ともいう)。これにより挿通孔80に挿通された状態の針体10が、挿通孔80から脱落し難くなり、良好に接続部材70に保持され得る。
また、接続部材70が金属材料よりなる場合には、針体10が挿通する接続部材70をかしめて針体10の外周面の一部と接続部材70の内周面の一部とを物理的に当接させることにより、針体10を保持させることもできる(以下、かしめ保持手段ともいう)。
接続部材70の構成部材は特に限定されない。たとえば接続部材70は、インサート成形により形成された樹脂部材よりなる態様、金属の線状部材を螺旋状に巻き回してなるコイル、または、ステンレスなどの金属材料からなる壁面が湾曲かつ略平坦な筒状体よりなる態様を含む。
次に、樹脂充填部110について説明する。内視鏡用注射針100は、接続部材70の基端面73より基端側に突出する針体10の外周面と内管チューブ20の内周面と接続部材70の基端面73との間に樹脂部材を充填してなる樹脂充填部110を備える。
本実施形態における樹脂充填部110は、中心軸138を中心として周方向に連続している。樹脂充填部110における第一仮想面140の法線である第一法線136が、中心軸138に対し傾斜していることは上述のとおりである。
本実施形態における樹脂充填部110は、先基端方向において最遠位点134を含む位置から接続部材70の基端面73までの間は、内管チューブ20の内周面と針体10の外周面との間に、実質的に、中実の状態で樹脂部材が充填されている。
ここで、図4(a)に示すとおり、本実施形態では、樹脂充填部110の基端面130の周縁の最遠位点134から、接続部材70の基端面73の周縁までの距離Yが、針体10の外周面と内管チューブ20の内周面との距離Z以上となるよう構成されている。そのため、樹脂充填部110よりも先端側に液体が浸出し難く、内管チューブ20の水密性に優れる。
樹脂充填部110を構成する樹脂材料は特に限定されないが、たとえば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シアノアクリレート樹脂などの接着剤として使用可能な樹脂部材、あるいは、ABS樹脂やポリアミド樹脂、ウレタン樹脂などの熱可塑性樹脂を挙げることができる。
本実施形態において、さらに、接続部材70の内周面と針体10の外周面との間に位置し接続部材70と針体10とを接続する樹脂材料からなる樹脂接続部90を設けてもよい。図2に示すとおり、樹脂接続部90は、樹脂充填部110と連続するよう設けることができる。
樹脂接続部90を設けることによって、接続部材70と針体10とを良好に接合することができる。そのため、接続部材70から針体10の脱落防止が図られる。
ここで本実施形態における内視鏡用注射針100は、樹脂充填部110を備えることによって、内管チューブ20内における接続部材70の配置位置が、液体の吐出圧によって先端側にずれることが防止されていることは上述のとおりである。しかして、先端方向に配置位置がずれることが防止された接続部材70に良好に接合された針体10は、接続部材70とともに、設計当初に予定された先基端方向における配置位置を良好に維持可能である。
また樹脂接続部90が設けられることによって、接続部材70の内周面と針体10の外周面との間における空隙が塞がれ得るため、接続部材70と針体10との間の水密性が向上する。
樹脂接続部90を構成する樹脂部材は、特に限定されないが、例えば樹脂充填部110を構成するための樹脂部材と同様の樹脂部材であってよい。
樹脂接続部90と樹脂充填部110とは、同一の樹脂部材より構成されていてもよく、両者が同一の樹脂により一体的に形成されていてもよい。また別の態様として、樹脂接続部90と樹脂充填部110とは、異なる樹脂部材により構成されていてもよい。たとえば、本実施形態における樹脂接続部90は、樹脂充填部110を構成する工程と同工程において、樹脂充填部110を構成する樹脂部材と同一の樹脂部材により、樹脂充填部110と一体的に形成されてもよい。
本実施形態にかかる内視鏡用注射針100は、さらに大径部72の基端側面と内管チューブ20の先端面との間に、図示省略する第二樹脂接続部が設けられてもよい。上記第二樹脂接続部が設けられることにより、接続部材70と内管チューブ20の先端との接合性をより確実にすることができる。これにより、内管チューブ20を流れる液体が内管チューブ20の先端側から体腔に漏れ出ることを防止するとともに、体液が体腔側から内管チューブ20と接続部材70との間に侵入することが防止される。
またさらに、本実施形態にかかる内視鏡用注射針100は、接続部材70の外周面と内管チューブ20の内周面の間に図示省略する第三樹脂接続部が設けられてもよい。第三樹脂接続部は、上述する第二樹脂接続部と連続的に設けられてもよい。第二樹脂接続部と連続して設けられた第三樹脂接続部であれば、接続部材70の外周面と内管チューブ20の内周面との間に第三樹脂接続部が確実に形成されていることを、第二樹脂接続部を目視確認することで、確認可能である。第三樹脂接続部が設けられることによって、内管チューブ20と接続部材70との接続性が向上するとともに、内管チューブ20と接続部材70との間の水密性が向上する。
上述する第二樹脂接続部および第三樹脂接続部を構成する樹脂部材は特に限定されないが、たとえば、樹脂充填部110を構成するための樹脂部材と同様の樹脂部材であってよい。
第二樹脂接続部および第三樹脂接続部は、たとえば、樹脂充填部110を構成する工程と同工程において、樹脂充填部110を構成する樹脂部材と同一の樹脂部材により、樹脂充填部110と一体的に形成されてもよい。あるいは、別の態様として、樹脂充填部110の形成工程とは別工程において、樹脂充填部110を構成する樹脂と同一の樹脂あるいは異なる樹脂によって形成されてもよい。内視鏡用注射針100は、樹脂充填部110と第二樹脂接続部と第三樹脂接続部とが連続的に設けられることによって、優れた水密性を発揮し得る。
<第二実施形態>
次に本発明の第二実施形態である内視鏡用注射針の製造方法(以下、単に「本製造方法」ともいう)について図6(a)から図6(d)を用いて説明する。図6(a)から図6(d)は、本製造方法をいくつかの工程に分けて説明する説明図である。本製造方法について、内視鏡用注射針100を製造する方法を例に説明する。
本製造方法は、挿通孔80(図示省略)に針体10を挿通する挿通工程と、接続部材70に対し型枠部材300を外嵌する外嵌工程と、樹脂充填部110を形成する樹脂充填部形成工程と、内管チューブ20を取り付ける内管チューブ取付工程と、を有する。
挿通工程は、接続部材70における挿通孔80に接続部材70の先端側および基端側から突出するよう針体10を挿通させる工程である。
外嵌工程は、接続部材70の基端側に接続部材70の外径と略同等の内径を有する型枠部材300を外嵌する工程である。
樹脂充填部形成工程は、型枠部材300の内周面と針体10の外周面と接続部材70の基端面73とに接して樹脂部材を型枠部材300に注入するとともに、先基端方向に対し樹脂充填部110の基端面130が傾斜するよう樹脂充填部110を形成する工程である。
内管チューブ取付工程は、接続部材の少なくとも一部および樹脂充填部110を内包するよう上記内管チューブを設ける工程である。
本製造方法によれば、樹脂充填部110を備える内視鏡用注射針100を製造することができる。
以下に、本製造方法の各工程について、適宜、図6(a)から図6(d)を用いて詳細に説明する。
まず、挿通工程を実施するために、針体10および接続部材70を準備し、図6(a)において接続部材70に設けられた挿通孔80(図示省略)に針体10を挿通させる。挿通工程において、図6(a)に示すとおり、針体10を接続部材70の先端側および基端側から突出するよう挿通する。針体10が接続部材70から突出する突出長さは特に限定されないが、基端側における針体10の突出長さは、後工程で形成される樹脂充填部110の軸長よりも長いことが望ましい。
挿通工程において、あるいは挿通工程の後、適宜、針体10を接続部材70に保持させるための保持工程をさらに実施してもよい。保持工程としては、たとえば第一実施形態において説明した熱収縮保持手段、またはかしめ保持手段の実施が挙げられるがこれに限定されない。
尚、本実施形態に用いられる針体10は、先端面が、中心軸に対して傾斜しており、最先端部Xを有している。
図示省略するが、上記挿通工程の後工程において樹脂接続部90(図2参照)を形成ししてもよい。この場合、挿通工程または挿通工程実施後、針体10の外周面と接続部材70の内周面との間に基端面73から先端方向に連通する空隙を予め形成しておくとよい。当該空隙は、たとえば接続部材70をインサート成形により形成する場合には、当該空隙を確保するための所定厚みのくさび部材を針体10の外周面と樹脂部材からなる接続部材70の内周面との境界に打ち込み、これを抜去することにより形成することができる。あるいは、針体10が挿通された金属材料からなる接続部材70に対し、かしめ処理することによって当該空隙を設けることもできる。即ち、かしめた箇所において接続部材70の内周面の一部と針体10の外周面の一部とを当接させるとともに、当該箇所から基端面73までの間に当該空隙を形成することができる。
次に、外嵌工程について説明する。まず、接続部材70の外径と略同等の内径を有する型枠部材300を準備する。ここで略同等とは、接続部材70の外径と型枠部材300の内径とが実質的に同一である場合と、接続部材70の外周面に上記第三樹脂接続部を形成可能な隙間を確保可能な程度に、型枠部材300の内径が接続部材70の外径より大きい場合とを包含する趣旨である。
かかる型枠部材300を、接続部材70の少なくとも基端側に外嵌することにより外嵌工程が実施される。図6(a)では、型枠部材300が、接続部材70の基端側の一部領域を覆って接続部材70に対し嵌合された態様を示したが、これに限定されず、型枠部材300は接続部材70の外周面全体を覆うよう嵌合されてもよい。
樹脂充填部形成工程は、型枠部材300の内周面と針体10の外周面と接続部材70の基端面73とに接するよう樹脂部材を型枠部材300に注入するとともに、先基端方向に対し樹脂充填部110の基端面130が傾斜するよう樹脂充填部110を形成する工程である。ここで基端面130が傾斜するとは、図6(b)に示すように略平滑な面である基端面130が軸方向に対し傾斜する態様に限定されない。樹脂充填部形成工程は、図2を用いて第一実施形態において説明したとおり、内管チューブ20の内周面に対する切断面であって樹脂充填部110の基端面130の周縁の最近位点132および当該周縁の最遠位点134を含み中心軸138と交差するとともに法線と中心軸138との交差角が最小となる切断面である第一仮想面140の法線である第一法線136が、中心軸138に対し傾斜するよう樹脂充填部110を形成する。
樹脂充填部形成工程の好ましい態様の一例としては以下の工程を挙げることができる。
即ち、図6(a)に示すとおり、樹脂充填部形成工程において、樹脂部材を型枠部材300の内側に注入するための注入チューブ400の先端を型枠部材300の内周面に寄せて設置する。次いで、図6(b)に示すとおり、樹脂部材を型枠部材300に注入する。これにより形成される樹脂充填部110の基端面130を軸方向に対し傾斜させることが可能である。
型枠部材300を重力方向に対し、略平行に配置して樹脂充填部形成工程を行う場合には、たとえば以下の点に留意することが好ましい。即ち、注入チューブ400により型枠部材300に注入された樹脂部材の基端面が均される前に、注入された当該樹脂部材を少なくとも半乾燥し、または樹脂部材の基端面が短時間で均され難い程度に樹脂部材の粘度を調整するとよい。
上述する樹脂充填部形成工程を実施することにより、容易に基端面130を備える樹脂充填部110を形成することができる。
さらに樹脂充填部形成工程において、注入チューブ400の先端の配置位置に関し、以下の点を留意することが好ましい。
即ち、樹脂充填部形成工程において、上面視上、注入チューブ400の先端を針体10の最先端部Xが配置された側に寄せて配置する。そして、本工程において形成される樹脂充填部110(図6(c)参照)の最近位点132が属する側の半体積が、対向点142が属する半体積よりも大きくなるよう樹脂部材を注入するとよい。
ここで上面視とは、型枠部材300の開口側から針体10の最先端部X方向を観察することを意味し、たとえば、型枠部材300を重量方向に対し略平行に配置した場合には、重量方向における上方向から観察することを意味する。
尚、最近位点132が属する側の半体積および対向点142が属する半体積に関する説明は、適宜、第一実施形態に関する説明を参照することができる。
このように、注入チューブ400の先端の配置位置と針体10の最先端部Xの配置位置に留意することによって、容易に、図6(c)に示されるように、針体10の最先端部Xを、基端面130の周縁の最近位点132が属する側に配置することが可能である。
尚、樹脂充填部工程において、型枠部材300に対し注入チューブ400から樹脂部材を注入する際に、針体10と接続部材70との間に形成された空隙にも当該樹脂部材を充填することにより樹脂接続部90(図示省略)を、形成することができる。また同様に、接続部材70と型枠部材300との間に形成された空隙に当該樹脂部材を注入することにより第三樹脂接続部(図示省略)を、形成することができる。
樹脂充填部形成工程において、樹脂充填部110の形成とともに樹脂接続部90および/または第三樹脂接続部を形成することによって、樹脂充填部110と、樹脂接続部90および/または第三樹脂接続部とを、一体的に形成することができる。
樹脂充填部形成工程後に、図6(d)に示すとおり、内管チューブ取付工程を実施する。
内管チューブ取付工程は、接続部材70の少なくとも一部および樹脂充填部110を内包するよう内管チューブ20を設ける工程である。
より具体的には、たとえば、樹脂充填部形成工程後に、型枠部材300を接続部材70から抜き取り(図6(c)参照)、形成された樹脂充填部110および接続部材70の少なくとも基端側を覆うよう内管チューブ20を外嵌する。
たとえば、樹脂充填部110が半硬化の状態において、内管チューブ取付工程を実施し、その後に、樹脂充填部110を完全に硬化させることにより、内管チューブ20の内周面と樹脂充填部110の外周面とを接合することができる。
以上のとおり、本製造方法を実施することによって、内視鏡用注射針100を製造することができる。
以上に本発明の第一実施形態および第二実施形態について説明した。本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。各実施形態において説明された事項は適宜、他の実施形態に適用することが可能である。
また第二実施形態における各工程の説明の順序は、本製造方法を限定するものではない。所期の内視鏡用注射針を製造できる範囲において、工程順は適宜入れ替え可能である。また説明する各工程の前または後または一の工程と他の工程との間に、適宜任意の工程をさらに追加してもよい。
また第二実施形態において説明した本製造方法は、本発明の内視鏡用注射針の製造方法の好適な例を示すものであるが、本発明の内視鏡用注射針の製造方法を何ら限定するものではない。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)液体を注入するための内管チューブと、
前記内管チューブの先端に設けられた針体と、
前記内管チューブの中心軸の方向に貫通し前記針体が挿通する挿通孔を有し、前記内管チューブの内周面と前記針体の外周面との間に配置され前記針体と前記内管チューブとを接続するための接続部材と、
前記接続部材の基端面より基端側に突出する前記針体の外周面と前記内管チューブの内周面と前記接続部材の前記基端面との間に樹脂部材を充填してなる樹脂充填部と、
を有し、
前記内管チューブの内周面に対する切断面であって前記樹脂充填部の基端面の周縁の最近位点および当該周縁の最遠位点を含み前記中心軸と交差するとともに法線と中心軸との交差角が最小となる切断面である第一仮想面の前記法線である第一法線が、前記中心軸に対し傾斜していることを特徴とする内視鏡用注射針。
(2)前記内管チューブを進退可能に内包する外管チューブを備える上記(1)に記載の内視鏡用注射針。
(3)前記第一法線と前記中心軸とが交差する角度である第一交差角は、前記接続部材の前記基端面の法線である第二法線と前記中心軸とが交差する角度である第二交差角よりも大きい上記(1)または(2)に記載の内視鏡用注射針。
(4)前記中心軸と、前記樹脂充填部の前記基端面の前記周縁が形成する平均基端面の法線である第三法線と、が交差する角度である第三交差角は、30°以上90°未満である上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の内視鏡用注射針。
(5)前記樹脂充填部は、前記樹脂充填部の前記基端面の前記周縁の前記最近位点が属する側の半体積が、前記中心軸を介して前記最近位点と対向する前記周縁における対向点が属する半体積よりも大きい上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の内視鏡用注射針。
(6)前記針体の先端面は、前記中心軸に対して傾斜しており、
前記先端面の最先端部が、前記樹脂充填部の前記基端面の前記周縁の前記最近位点が属する側に配置されている上記(5)に記載の内視鏡用注射針。
(7)前記樹脂充填部の前記基端面の前記周縁の前記最遠位点から、前記接続部材の前記基端面の前記周縁までの距離が、前記針体の外周面と前記内管チューブの内周面との距離以上である上記(1)から(6)のいずれか一項に記載の内視鏡用注射針。
(8)前記接続部材の内周面と前記針体の外周面との間に位置し前記接続部材と前記針体とを接続する樹脂材料からなる樹脂接続部を有し、
前記樹脂接続部と前記樹脂充填部とが連続している上記(1)から(7)のいずれか一項に記載の内視鏡用注射針。
(9)上記(1)から(8)に記載の内視鏡用注射針を製造する内視鏡用注射針の製造方法であって、
前記接続部材における前記挿通孔に前記接続部材の先端側および基端側から突出するよう前記針体を挿通する挿通工程と、
前記接続部材の基端側に前記接続部材の外径と略同等の内径を有する型枠部材を外嵌する外嵌工程と、
前記型枠部材の内周面と前記針体の外周面と前記接続部材の基端面とに接して前記樹脂部材を前記型枠部材に注入するとともに、先基端方向に対し前記樹脂充填部の基端面が傾斜するよう前記樹脂充填部を形成する樹脂充填部形成工程と、
前記接続部材の少なくとも一部および前記樹脂充填部を内包するよう前記内管チューブを設ける内管チューブ取付工程と、を有することを特徴とする内視鏡用注射針の製造方法。
(10)前記樹脂充填部形成工程において、前記樹脂部材を前記型枠部材の内側に注入するための注入チューブの先端を前記型枠部材の内周面に寄せて設置し、前記樹脂部材を前記型枠部材に注入することにより、形成される前記樹脂充填部の前記基端面を軸方向に対し傾斜させる上記(9)に記載の内視鏡用注射針の製造方法。
(11)前記樹脂充填部形成工程において、上面視上、注入チューブの先端を前記針体の最先端部が配置された側に寄せ、形成される前記樹脂充填部の前記最近位点が属する側の前記半体積が、前記対向点が属する前記半体積よりも大きくなるよう樹脂部材を注入する上記(10)に記載の内視鏡用注射針の製造方法。
10、10B・・・針体
11・・・内周面
20・・・内管チューブ
30・・・外管チューブ
40・・・外筒グリップ
41・・・案内溝
50・・・操作部
51・・・コネクタ
60・・・内筒グリップ
61・・・突出部
70・・・接続部材
71・・・接続部本体
72・・・大径部
73・・・基端面
80・・・挿通孔
90・・・樹脂接続部
100、100A・・・内視鏡用注射針
110・・・樹脂充填部
130、130A・・・基端面
131、131A・・・交線
132・・・最近位点
134・・・最遠位点
136・・・第一法線
138・・・中心軸
140・・・第一仮想面
142・・・対向点
144・・・第一分割部
146・・・第二分割部
152・・・先端面
154・・・第一線分
300・・・型枠部材
400・・・注入チューブ
731・・・最近位点
732・・・最遠位点
736・・・第二仮想面
738・・・第二法線
α・・・第一交差角
X・・・最先端部
Y・・・距離
Z・・・距離

Claims (11)

  1. 液体を注入するための内管チューブと、
    前記内管チューブの先端に設けられた針体と、
    前記内管チューブの中心軸の方向に貫通し前記針体が挿通する挿通孔を有し、前記内管チューブの内周面と前記針体の外周面との間に配置され前記針体と前記内管チューブとを接続するための接続部材と、
    前記接続部材の基端面より基端側に突出する前記針体の外周面と前記内管チューブの内周面と前記接続部材の前記基端面との間に樹脂部材を充填してなる樹脂充填部と、
    を有し、
    前記内管チューブの内周面に対する切断面であって前記樹脂充填部の基端面の周縁の最近位点および当該周縁の最遠位点を含み前記中心軸と交差するとともに法線と中心軸との交差角が最小となる切断面である第一仮想面の前記法線である第一法線が、前記中心軸に対し傾斜していることを特徴とする内視鏡用注射針。
  2. 前記内管チューブを進退可能に内包する外管チューブを備える請求項1に記載の内視鏡用注射針。
  3. 前記第一法線と前記中心軸とが交差する角度である第一交差角は、前記接続部材の前記基端面の法線である第二法線と前記中心軸とが交差する角度である第二交差角よりも大きい請求項1または2に記載の内視鏡用注射針。
  4. 前記中心軸と、前記樹脂充填部の前記基端面の前記周縁が形成する平均基端面の法線である第三法線と、が交差する角度である第三交差角は、30°以上90°未満である請求項1から3のいずれか一項に記載の内視鏡用注射針。
  5. 前記樹脂充填部は、前記樹脂充填部の前記基端面の前記周縁の前記最近位点が属する側の半体積が、前記中心軸を介して前記最近位点と対向する前記周縁における対向点が属する半体積よりも大きい請求項1から4のいずれか一項に記載の内視鏡用注射針。
  6. 前記針体の先端面は、前記中心軸に対して傾斜しており、
    前記先端面の最先端部が、前記樹脂充填部の前記基端面の前記周縁の前記最近位点が属する側に配置されている請求項5に記載の内視鏡用注射針。
  7. 前記樹脂充填部の前記基端面の前記周縁の前記最遠位点から、前記接続部材の前記基端面の前記周縁までの距離が、前記針体の外周面と前記内管チューブの内周面との距離以上である請求項1から6のいずれか一項に記載の内視鏡用注射針。
  8. 前記接続部材の内周面と前記針体の外周面との間に位置し前記接続部材と前記針体とを接続する樹脂材料からなる樹脂接続部を有し、
    前記樹脂接続部と前記樹脂充填部とが連続している請求項1から7のいずれか一項に記載の内視鏡用注射針。
  9. 請求項1から8に記載の内視鏡用注射針を製造する内視鏡用注射針の製造方法であって、
    前記接続部材における前記挿通孔に前記接続部材の先端側および基端側から突出するよう前記針体を挿通する挿通工程と、
    前記接続部材の基端側に前記接続部材の外径と略同等の内径を有する型枠部材を外嵌する外嵌工程と、
    前記型枠部材の内周面と前記針体の外周面と前記接続部材の基端面とに接して前記樹脂部材を前記型枠部材に注入するとともに、先基端方向に対し前記樹脂充填部の基端面が傾斜するよう前記樹脂充填部を形成する樹脂充填部形成工程と、
    前記接続部材の少なくとも一部および前記樹脂充填部を内包するよう前記内管チューブを設ける内管チューブ取付工程と、を有することを特徴とする内視鏡用注射針の製造方法。
  10. 前記樹脂充填部形成工程において、前記樹脂部材を前記型枠部材の内側に注入するための注入チューブの先端を前記型枠部材の内周面に寄せて設置し、前記樹脂部材を前記型枠部材に注入することにより、形成される前記樹脂充填部の前記基端面を軸方向に対し傾斜させる請求項9に記載の内視鏡用注射針の製造方法。
  11. 前記樹脂充填部形成工程において、上面視上、注入チューブの先端を前記針体の最先端部が配置された側に寄せ、形成される前記樹脂充填部の前記最近位点が属する側の前記半体積が、前記対向点が属する前記半体積よりも大きくなるよう樹脂部材を注入する請求項10に記載の内視鏡用注射針の製造方法。
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