JP2016006301A - 輻射熱回収形ヒータと、それを用いたスターリングエンジンおよび焼却炉 - Google Patents

輻射熱回収形ヒータと、それを用いたスターリングエンジンおよび焼却炉 Download PDF

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Abstract

【課題】熱交換性能を高めることができる輻射熱回収形ヒータと、それを利用したスターリングエンジンおよび焼却炉を提供する。
【解決手段】ヒータの取付け部11に配置された伝熱管12が容器13内に収められ、容器13が高温に露呈されることで、当該容器13からの輻射熱を伝熱管12が吸収するようになされた輻射熱回収形ヒータ1であって、容器13内に不活性ガスが充填されてなるものである。容器13内に不活性ガスを供給するための不活性ガス供給管14が設けられてもよい。容器13内が密閉され、容器13を高温に露呈した際に容器13内を大気圧よりも高圧に保持することができるようになされてもよい。圧力調整弁15aが設けられてもよい。不活性ガスとしてヘリウムを用いてもよい。
【選択図】図3

Description

本発明は、輻射熱回収形ヒータと、この輻射熱回収形ヒータを高温側熱交換器とするスターリングエンジンと、この輻射熱回収形ヒータによって熱回収するようになされた焼却炉とに関するものである。
従来より、スターリングエンジンの高温熱交換器を、焼却炉内に露呈するように構成することは知られていた(例えば、特許文献1参照。)
特許第2564849号公報
しかし、上記従来の高温熱交換器は、当該高温熱交換器内の伝熱管を保護する構成については開示されていない。また、高温熱交換器の熱交換性能を高める具体的な構成は開示されていない。
本発明は、係る実情に鑑みてなされたものであって、伝熱管を保護し、さらに熱交換性能を高めることができる輻射熱回収形ヒータと、それを利用したスターリングエンジンおよび焼却炉を提供することを目的としている。
上記課題を解決するための本発明に係る輻射熱回収形ヒータは、ヒータの取付け部に配置された伝熱管が容器内に収められ、容器が高温に露呈されることで、当該容器からの輻射熱を伝熱管が吸収するようになされた輻射熱回収形ヒータであって、容器内に不活性ガスが充填されてなるものである。
上記輻射熱回収形ヒータは、容器内に不活性ガスを供給するための不活性ガス供給経路が設けられてなるものであってもよい。
上記輻射熱回収形ヒータは、不活性ガスとしてヘリウムを用いるものであってもよい。
上記輻射熱回収形ヒータは、容器内が密閉され、容器を高温に露呈した際に容器内を大気圧よりも高圧に保持することができるようになされたものであってもよい。
上記輻射熱回収形ヒータは、圧力調整弁が設けられてなるものであってもよい。
上記課題を解決するための本発明に係るスターリングエンジンは、上記輻射熱回収形ヒータを高温側熱交換器とするものである。
上記課題を解決するための本発明に係る焼却炉は、上記輻射熱回収形ヒータが、炉内の熱回収可能な空スペースに露呈するように設けられたものである。
以上述べたように、請求項1記載の本発明によると、伝熱管が収められた容器内に不活性ガスを充填しているので、伝熱管の高温酸化を抑制して保護することができ、伝熱管の耐久性の向上を図ることができる。
不活性ガスとしてヘリウムを用いることで、伝熱管の高温酸化抑制だけでなく、容器内の自然対流熱伝達量を増加させることができ、伝熱管の耐久性の向上および熱伝達効率の向上を図ることができる。
また、容器内を密閉して容器を高温に露呈した際に容器内を大気圧よりも高圧に保持することができるようにすることでも、伝熱管の高温酸化抑制だけでなく、容器内の自然対流熱伝達量を増加させることができ、伝熱管の耐久性の向上および熱伝達効率の向上を図ることができる。
本発明に係るスターリングエンジンによると、上記輻射熱回収形ヒータを高温側熱交換器とすることで、当該高温側熱交換器からの回収熱量の向上を図ることができる。
本発明に係る焼却炉によると、上記輻射熱回収形ヒータを、炉内の熱回収可能な空スペースに露呈するように設けることで、焼却炉内の廃熱を効率良く回収することができることとなる。
本発明に係る輻射熱回収形ヒータを有するスターリングエンジンを焼却炉に設置した状態を示す焼却炉の部分断面図である。 (a)は本発明に係る輻射熱回収形ヒータを有するスターリングエンジンを焼却炉に設置した状態を示す部分端面図、(b)は同図(a)におけるI−I線断面図である。 (a)は本発明の他の実施の形態に係る輻射熱回収形ヒータを有するスターリングエンジンを焼却炉に設置した状態を示す部分端面図、(b)は同図(a)におけるII−II線断面図である。 本発明に係る輻射熱回収形ヒータの容器内に不活性ガスを使用した際の自然対流熱伝達量と容器内圧力との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、輻射熱回収形ヒータ1を有するスターリングエンジン10を焼却炉2に設置した状態を示し、図2は同焼却炉2におけるスターリングエンジン10の部分を示している。
本発明に係る輻射熱回収形ヒータ1は、ヒータ1の取付け部11に、複数本のU字伝熱管12が放射状に配置され、これらが、前記取付け部1に固定される容器13内に収められ、容器13が高温に露呈されることで、当該容器13からの輻射熱をU字伝熱管12が吸収するようになされており、容器13内に不活性ガスを充填している。
取付け部11は、円盤状に形成されている。本実施の形態においては、スターリングエンジン10の高温側のシリンダヘッドを構成するようになされている。この取付け部11の中心Cからは、放射状となるように、複数本のU字伝熱管12が配置されている。
U字伝熱管12は、U字状に屈曲形成された伝熱管であって熱媒体の往路と復路を有している。その一方の通路121の取付けピッチ円が小径に形成され、他方の通路122の取付けピッチ円が大径で形成されている。この際、U字伝熱管12は、取付け部11の周方向に、等間隔のピッチ角度θで設けられている。
容器13は、前記放射状に配置された全てのU字伝熱管12を、その内部に収めることができる有底円筒状に形成されており、U字伝熱管12を容器13内に収めた状態で、容器13の開口部周縁と、取付け部11との間に間隙を形成した状態で固定される。すなわち、この容器13は、高温下に曝露されるため、使用していない時との温度差が激しく、厳密に固定してしまうと、使用時に高温下に曝露した際、容器13内が高圧となり、熱歪みとなって容器13の損傷を招くことになってしまう。したがって、容器13の温度変化に追従することなく、当該容器13からの輻射熱をU字伝熱管12が吸収できるように、容器13内には、取付け部11との間に間隙を形成した状態でU字伝熱管12が納められる。この容器13は、ステンレスなどの金属、セラミックスまたはサーメットなどの耐熱性に優れた素材で形成されている。
この容器13と取付け部11との間隙からは、容器13内の空間に、不活性ガスを供給する不活性ガス供給管14が設けられている。この不活性ガス供給管14は、ボンベ等からの不活性ガスをバルブ14aの開閉で容器13内の空間に充填するように構成されたもので、不活性ガス供給管14は、不活性ガスの供給開口部が容器13と取付け部11との間隙に臨んで設けられたものであってもよいし、そこから容器13の内部に延設されたものであってもよい。ただし、容器13の内部に延設する場合、不活性ガス供給管14は、容器13からの輻射熱に耐えることかできるように、ステンレス製等の素材でできたものが使用される。
使用する不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴンなどの希ガス類や、窒素ガス、炭酸ガスなどの反応性の低いガスや、それらの混合ガスを挙げることができる。
このようにして形成される輻射熱回収形ヒータ1は、スターリングエンジン10の高温側の熱交換器として使用される。このスターリングエンジン10としては、輻射熱回収形ヒータ1から回収される熱を、当該スターリングエンジン10の高温側熱源として使用することができるものであれば、特に限定されるものではなく、輻射熱回収形ヒータ1から回収される熱量に応じた各種のスターリングエンジン10が使用される。
焼却炉2は、被焼却物を燃焼させた際に発生する燃焼ガスが高温となって、当該焼却炉2内を通過し、脱硫、脱塵などを経て煙道から排気されるように構成されている。前記したスターリングエンジン10は、高温となった燃焼ガスが通過する部位である、例えば、二次焼却炉21、の側壁部211に設けられた開口部21aから、当該スターリングエンジン10の輻射熱回収形ヒータ1の容器13の部分を挿入し、容器13のフランジ部131によって開口部211aを塞ぎ、輻射熱回収形ヒータ1の容器13の部分が、二次焼却炉21内の空スペース210に露呈するように設けられる。ただし、スターリングエンジン10を設ける位置としては、焼却炉2内の燃焼ガスが高温となって通過する場所であれば、二次焼却炉21内の側壁部211に限定されるものではなく、その他にも二次焼却炉21内の天井部や炉出口煙道などのように、焼却炉2内で高温となる部分の空スペースに輻射熱回収形ヒータ1を露呈させることができる位置であれば、特に限定されるものではない。
このようにして焼却炉2の二次焼却炉21の側壁部211に設けることによって、当該二次焼却炉21内の空スペース210に露呈させた輻射熱回収形ヒータ1は、焼却炉2の二次焼却炉21内の焼却熱を受けて容器13が全体的に加熱されることとなり、この容器13内に収められたU字伝熱管12は、容器13からの輻射熱によって加熱されることとなる。
この際、U字伝熱管12が設けられた容器13内の空間には、不活性ガス供給管14からの不活性ガスを充填し、当該容器13内の空気を不活性ガスと置換しておけば、当該容器13内のU字伝熱管12は、不活性ガスによって高温酸化抑制されて保護されることとなり、U字伝熱管12の耐久性が向上することとなる。
また、不活性ガスとしてヘリウムガスを使用した場合、容器13内のU字伝熱管12は、自然対流による熱伝達量を向上させることもできることとなり、空気の場合の約3倍弱も熱伝達量を向上させ、輻射熱回収形ヒータ1の熱交換性能の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態において、容器13は、取付け部11との間に間隙を有する開放系で構成されているため、容器13の温度が上昇しても大気圧状態を保つことができるようになされているが、図3に示すように、この取付け部11に設けたフランジ部11aと容器13との間隙を密閉する構成として容器13内を加圧できるように密閉系の構成としてもよい。ただし、この場合、温度変化による熱歪みによって容器13が損傷しないように、容器13と取付け部11との間隙に耐熱性および耐圧性のガスケット3などを介して両者を挟持固定する。また、内部圧力が高くなりすぎるのを防止するために、取付け部11に設けられた配管15に圧力調整弁15aを設け、容器13内の内圧を調整することができるようになされている。
なお、密閉する構成とした場合、容器13内に単に不活性ガスを供給しただけでは容器13内を上手く不活性ガスで置換することができないので、不活性ガスを充填する際は、不活性ガス供給管14または配管15、あるいは他に設けた専用の配管(図示省略)から、容器13内を減圧した後、当該容器13内に不活性ガス供給管14から不活性ガスを供給することで、当該容器13内に不活性ガスを充填するようにしてもよい。
このようにして容器13内の圧力を高めることができるようにすることで、不活性ガスによって内圧が高められた容器13内は、前記した高温酸化抑制によるU字伝熱管12の保護だけでなく、自然対流による熱伝達量の向上を図ることができることとなる。
したがって、不活性ガスとしてヘリウムガスを使用した場合は、図4に示すように、容器13内を解放系で構成して当該容器13内にヘリウムガスを充填した場合の約1.5倍以上の熱伝達量の向上を図ることができる。これは、容器13内を解放系で構成して当該容器13内に空気を充填した場合と比較した場合の約5倍の熱伝達量の向上を図ることができることとなる。すなわち、不活性ガスとしてヘリウムガスを使用した場合は、ヘリウムガスによる自然対流熱伝達量の向上と、密閉系の容器13の構成による自然対流熱伝達量の向上の双方の効果が得られ、より一層優れた自然対流熱伝達量の向上を図ることができることとなる。
このように容器13内に不活性ガスを充填することで、U字伝熱管12の耐久性の向上や、自然対流による熱伝達量の向上を図ることができるので、輻射熱回収形ヒータ1は、耐久性および熱の回収効率が向上することとなり、それを使用したスターリングエンジン10および焼却炉2は、出力の向上を図ることができることとなる。
また、容器13内に不活性ガスを充填することで、自然対流による熱伝達量の向上を図ることができるので、容器13内に設けるU字伝熱管12の数を減らしても、不活性ガスを充填しないものと同程度の出力が得られることとなり、輻射熱回収形ヒータ1の小型化を図ることができ、それを使用したスターリングエンジン10も同様に小型化が図れることとなる。また、このスターリングエンジン10を使用した焼却炉2は、当該スターリングエンジン10の輻射熱回収形ヒータ1の部分の小型化を図ることができるので、限られた空スペース240であっても取り付けることが可能となる。
なお、本実施の形態において、輻射熱回収形ヒータ1は、容器13内にU字伝熱管12を設けているが、その形状、本数、配置構造については特に限定されるものではなく、この種の輻射熱回収形ヒータ1で採用されている各種の伝熱管を用いることができる。
1 輻射熱回収形ヒータ
10 スターリングエンジン
11 取付け部
12 U字伝熱管
13 容器
14 不活性ガス供給管(不活性ガス供給経路)
15a 圧力調整弁
2 焼却炉
24 二次焼却炉
240 空スペース

Claims (7)

  1. ヒータの取付け部に配置された伝熱管が容器内に収められ、容器が高温に露呈されることで、当該容器からの輻射熱を伝熱管が吸収するようになされた輻射熱回収形ヒータであって、
    容器内に不活性ガスが充填されてなることを特徴とする輻射熱回収形ヒータ。
  2. 容器内に不活性ガスを供給するための不活性ガス供給経路が設けられてなる請求項1記載の輻射熱回収形ヒータ。
  3. 不活性ガスとしてヘリウムを用いる請求項1または2記載の輻射熱回収形ヒータ。
  4. 容器内が密閉され、容器を高温に露呈した際に容器内を大気圧よりも高圧に保持することができるようになされたことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一に記載の輻射熱回収形ヒータ。
  5. 圧力調整弁が設けられてなる請求項4記載の輻射熱回収形ヒータ。
  6. 請求項1ないし5の何れか一に記載の輻射熱回収形ヒータを高温側熱交換器とするスターリングエンジン。
  7. 請求項1ないし5の何れか一に記載の輻射熱回収形ヒータが、炉内の熱回収可能な空スペースに露呈するように設けられた焼却炉。
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