JP2016005850A - ダイクッション力制御方法及びダイクッション装置 - Google Patents

ダイクッション力制御方法及びダイクッション装置 Download PDF

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【課題】スライドとクッションパッドとの衝突後に発生するダイクッション力の振動を簡単に、かつ安価な装置で抑制できるようにする。【解決手段】予め設定されたダイクッション力指令値に基づいてクッションパッドにダイクッション力を発生させるダイクッション力制御方法である。ダイクッション力指令値としてステップ状の目標ダイクッション力指令値としたときに発生するダイクッション力の最初のオーバーシュートを抑制すべく、最初に目標ダイクッション力指令値以上のダイクッション力指令値F1を出力し、続いて、目標ダイクッション力指令値よりも小さいダイクッション力指令値F2になるように連続的(テーパー状)に低下させたダイクッション力指令値を出力し、その後、目標ダイクッション力指令値F3になるようにテーパー状に上昇するダイクッション力指令値を出力する。【選択図】 図4

Description

本発明はダイクッション力制御方法及びダイクッション装置に係り、特にダイクッション力制御開始時のダイクッション力の振動を抑制する技術に関する。
従来、サーボモータやサーボ弁を使用して構成された、サーボダイクッション装置を使用して、ダイクッション力を制御する場合、金(上)型−材料−ブランクホルダ−クッションピン等を介して、プレス機械のスライドとクッションパッドとが衝突してダイクッション力制御が開始される時点では、過度応答により、ダイクッション力が、ダイクッション力指令値(設定力)より、大きくなったり(オーバーシュートしたり)、小さくなったり(アンダーシュートしたり)する振動問題が発生していた。
この振動問題は、ダイクッション装置の性能や負荷条件次第で生じるものとして、殆どの場合、回避不能とされて(諦められて)いた。その結果、オーバーシュートにより材料が破断したり、アンダーシュートにより、絞り皺が生じたりする問題が多発していた。
特許文献1には、スライドとクッションパッドとの衝突後に振動するダイクッション力を、迅速に所望の値に収束させるサーボダイクッションの制御装置が記載されている。このサーボダイクッションの制御装置は、最初の大きなオーバーシュートの後に生じるアンダーシュートや、その次に再び生じる最初より小さいアンダーシュート等を抑制すべく、最初のオーバーシュートの極大点に到達したときの力検出値を初期値とし、設定ダイクッション力(第1力指令値)まで減少する第2力指令値を作成し、最初のオーバーシュートの極大点に到達すると、力指令値を第1力指令値から第2力指令値に切り替えるようにしている。即ち、スライドとダイクッションとの衝突時にオーバーシュートが発生してしまうような条件において、力検出値の極大点到達前後で力指令値を切替えることにより、オーバーシュート後の力の応答性を向上させるようにしている。
特開2010−188363号公報
特許文献1に記載の発明は、上記振動問題を解決する手段として合理的なものとは考えられない。何故ならば、第一に、特許文献1に記載の発明は、スライドとダイクッションパッドとの衝突後に発生する最初の大きなオーバーシュート後のダイクッション力の応答性の向上を図るものであり、最も大きなダイクッション力偏差となる(指令力と乖離する)大きなオーバーシュートには、無効である(最初の大きなオーバーシュート自体を抑制することができない)。
第二に、大きなオーバーシュートが発生した段階(時点)で、第2力指令を生成し、第2力指令に基づいてダイクッション力を制御することにより、次に生じるアンダーシュート等を抑制する狙いには、動的な挙動の概念が欠如している。つまり、最初のオーバーシュートの極大点に到達した時点で、力指令値を第1力指令値から第2力指令値に変更しても、第2力指令値の出力時点から対応するダイクッション力に至るまで応答遅れ(動特性)が生じる為、ダイクッション力は当初の第1力指令値(設定ダイクッション力)に対して応答しかけており、第1力指令値に対して、最初の大きなオーバーシュートの反動で勢いよくアンダーシュートする。その時点で始めて、(第1力指令値より大きい)第2力指令値の影響が作用し、再び大きくオーバーシュートする。つまり、最初のオーバーシュート発生時に力指令値を切り換えても時既に遅しとなって、なお収束に時間を要する。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、スライドとクッションパッドとの衝突後に発生するダイクッション力の振動、特に最初の大きなオーバーシュートやアンダーシュートを簡単に、かつ安価な装置で抑制することができるダイクッション力制御方法及びダイクッション装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の一の態様に係る発明は、プレス機械のスライドがダイクッションに衝突するスライド衝突前にはダイクッション力指令を出力せず、スライド衝突時点から予め設定されたダイクッション力指令値を出力し、前記ダイクッション力指令値に基づいてクッションパッドにダイクッション力を発生させるダイクッション力制御方法であって、前記ダイクッション力指令値としてステップ状の目標ダイクッション力指令値としたときに発生するダイクッション力の最初のオーバーシュートを抑制すべく、前記スライド衝突時点に前記目標ダイクッション力指令値以上のダイクッション力指令値を出力し、続いて、前記目標ダイクッション力指令値よりも小さいダイクッション力指令値になるように連続的又は段階的に低下させたダイクッション力指令値を出力し、その後、前記目標ダイクッション力指令値になるように連続的又は段階的に上昇するダイクッション力指令値を出力することを特徴としている。
本発明の一の態様によれば、最初に(プレス機械のスライドとダイクッション装置のクッションパッドとの衝突時に)、目標ダイクッション力指令値以上のダイクッション力指令値を出力する。ダイクッション力の立ち上がりを速くするためである。続いて、目標ダイクッション力指令値よりも小さいダイクッション力指令値になるように連続的又は段階的に低下させたダイクッション力指令値を出力し、最初のオーバーシュートを抑制するようにしている。また、最初のオーバーシュートを抑制することで、最初のアンダーシュートも抑制することができる。その後、目標ダイクッション力指令値になるように連続的又は段階的に上昇するダイクッション力指令値を出力する。即ち、従来のステップ状の目標ダイクッション力指令値を与えるのではなく、ダイクッション力指令値の出力時点からダイクッション力発生に至るまでの応答遅れを考慮し、理想応答のダイクッション力(スライドとクッションパッドとの衝突後に発生するダイクッション力の振動、特に最初の大きなオーバーシュートやアンダーシュートが抑制されたダイクッション力)が得られるように、ダイクッション力指令値を工夫して与えるようにしている。
本発明の他の態様に係るダイクッション力制御方法において、プレス機械の第1のプレス加工期間中に第1のダイクッション力指令値を、前記ダイクッション力指令値として出力する工程と、前記出力された第1のダイクッション力指令値に基づいて制御された前記クッションパッドに発生する第1のダイクッション力を検出する工程と、前記出力された第1のダイクッション力指令値と前記検出された第1のダイクッション力とに基づいて、前記第1のダイクッション力指令値の出力時点から前記第1のダイクッション力に至る応答特性の逆特性を演算する工程と、オーバーシュート及びアンダーシュートの無い波形で表される理想応答の第2のダイクッション力を設定する工程と、前記理想応答のダイクッション力と前記逆特性とに基づいて第2のダイクッション力指令値を算出する工程と、プレス機械の第1のプレス加工期間経過の後の第2のプレス加工期間中に、前記算出した第2のダイクッション力指令を前記ダイクッション力指令値として出力する工程と、を含んでいる。
本発明の他の態様によれば、プレス機械の第1のプレス加工期間中に出力された第1のダイクッション力指令値と、該第1のダイクッション力指令値に基づいて制御されたクッションパッドに発生する第1のダイクッション力とに基づいて、第1のダイクッション力指令値の出力時点から第1のダイクッション力に至る応答特性の逆特性を演算する。尚、ダイクッション力指令値の出力時点からダイクッション力に至る応答特性は、負荷条件が一定の場合には一定の応答特性を示し、その逆特性も一定の特性を示す。そして、理想応答の第2のダイクッション力と前記演算した逆特性とに基づいて、前記理想応答の第2のダイクッション力を得るための第2のダイクッション力指令値(理想応答のダイクッション力が得られる理想的なダイクッション力指令値)を算出するようにしている。このようにして算出した理想的なダイクッション力指令値を指令値として与えることにより、ダイクッション力のオーバーシュートやアンダーシュートを簡単に、かつ安価な装置で抑制することができる。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション力制御方法において、前記逆特性を演算する工程は、前記出力された第1のダイクッション力指令値と前記検出された第1のダイクッション力とに基づいて前記第1のダイクッション力指令値の出力時点から前記第1のダイクッション力に至る応答特性を、伝達関数を使用して同定する工程と、前記同定した伝達関数の逆特性を演算する工程と、を含んでいる。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション力制御方法において、前記理想応答の第2のダイクッション力は、前記検出された第1のダイクッション力を近似したダイクッション力であって、前記第1のダイクッション力に含まれるオーバーシュート及びアンダーシュートの無い波形で表されたダイクッション力であることが好ましい。即ち、理想応答の第2のダイクッション力は、通常のダイクッション力指令値の応答に沿った(同程度の、現実的な)応答性を有し、かつオーバーシュート及びアンダーシュートの無い波形で表されるものが好ましい。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション力制御方法において、前記プレス機械の第1のプレス加工期間は、試し打ち期間、又は1ないし複数のプレスサイクルの加工期間である。新規の材料や金型によるプレス加工時には試し打ちは必ず行われるため、この試し打ち期間に出力した第1のダイクッション力指令値と第1のダイクッション力を収集して応答特性を同定することができる。また、前回の1又は複数のプレスサイクルの加工期間に第1のダイクッション力指令値と第1のダイクッション力を収集し、その結果を次回のプレスサイクルでのダイクッション力指令値の算出に使用してもよい。
本発明の更に他の態様に係る発明は、クッションパッドを支持し、該クッションパッドにダイクッション力を発生させるダイクッション力発生器と、プレス機械のスライドがダイクッションに衝突するスライド衝突前にはダイクッション力指令を出力せず、スライド衝突時点からダイクッション力指令値を出力するダイクッション力指令器と、前記ダイクッション力指令器から出力されるダイクッション力指令値に基づいて、前記ダイクッション力が前記ダイクッション力指令値に対応するダイクッション力になるように前記ダイクッション力発生器を制御するダイクッション力制御器と、を備えたダイクッション装置において、前記ダイクッション力指令器は、前記ダイクッション力指令値としてステップ状の目標ダイクッション力指令値としたときに発生するダイクッション力の最初のオーバーシュートを抑制すべく、前記目標ダイクッション力指令値以上のダイクッション力指令値を前記スライド衝突時点に出力し、続いて、前記目標ダイクッション力指令値よりも小さいダイクッション力指令値になるように連続的又は段階的に低下させたダイクッション力指令値を出力し、その後、前記目標ダイクッション力指令値になるように連続的又は段階的に上昇するダイクッション力指令値を出力することを特徴としている。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、オーバーシュート及びアンダーシュートの無い波形で表される理想応答のダイクッション力が設定されるダイクッション力設定器と、ダイクッション力指令値の出力時点からダイクッション力に至る応答特性の逆特性が設定される逆特性設定器と、を備え、前記ダイクッション力指令器は、前記設定された理想応答のダイクッション力と前記設定された逆特性とに基づいて演算した値、又はその値の近似値をダイクッション力指令値として出力するようにしている。これにより、装置の応答特性を考慮した、理想応答のダイクッション力を得るためのダイクッション力指令値を出力することができる。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、前記ダイクッション力指令器は、前記ダイクッション力指令値を特定するための複数の設定項目を手動で設定する手動設定器を有し、該手動設定器により設定された複数の設定項目に基づいて前記ダイクッション力指令値を出力することが好ましい。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、オーバーシュート及びアンダーシュートの無い波形で表される理想応答のダイクッション力が設定されるダイクッション力設定器と、ダイクッション力指令値の出力時点からダイクッション力に至る応答特性の逆特性が設定される逆特性設定器と、前記ダイクッション力設定器に設定された理想応答のダイクッション力と前記逆特性設定器に設定された逆特性とに基づいて演算した値、又はその値の近似値を示す波形又は数値を、前記ダイクッション力指令器に設定すべきダイクッション力指令値として可視化出力する出力器と、を備えることが好ましい。
本発明の更に他の態様によれば、前記出力器から理想的なダイクッション力指令値を可視化出力したため、操作者はその出力結果を参照して、手動設定器により理想的なダイクッション力指令値を特定するための複数の設定項目を設定することができる。尚、理想的なダイクッション力指令値は、理想応答のダイクッション力と、ダイクッション力指令値の出力時点からダイクッション力に至る応答特性の逆特性とに基づいて算出することができる。また、前記出力器は、例えば、理想的なダイクッション力指令値を示す波形や数値を表示し又は印刷するモニタ又はプリンタである。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、オーバーシュート及びアンダーシュートの無い波形で表される理想応答のダイクッション力が設定されるダイクッション力設定器と、ダイクッション力指令値の出力時点からダイクッション力に至る応答特性の逆特性が設定される逆特性設定器と、を備え、前記ダイクッション力指令器は、前記設定された理想応答のダイクッション力と前記設定された逆特性とに基づいて演算した値、又はその値の近似値をダイクッション力指令値として出力することが好ましい。
本発明の更に他の態様によれば、前記ダイクッション力設定器において、理想応答のダイクッション力が設定されると、前記ダイクッション力指令器は、自動的に理想的なダイクッション力指令値を演算して出力することができる。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、ステップ状の目標ダイクッション力指令値が設定される目標ダイクッション力設定器と、前記設定された目標ダイクッション力指令値に基づいて理想応答のダイクッション力を生成するダイクッション力生成器と、を備え、前記ダイクッション力設定器は、前記ダイクッション力生成器により生成された理想応答のダイクッション力が設定される。操作者は、従来と同様のダイクッション力指令値(目標ダイクッション力を示すステップ状の目標ダイクッション力指令値)を設定すると、設定された目標ダイクッション力指令値に基づいて理想応答のダイクッション力が生成され、この理想応答のダイクッション力が前記ダイクッション力設定器に設定される。尚、このようにして理想応答のダイクッション力が設定されると、この理想応答のダイクッション力を得るための理想的なダイクッション力指令値が演算されて出力される。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、前記ダイクッション力指令器から出力されるダイクッション力指令値に基づいて前記クッションパッドに発生するダイクッション力を検出するダイクッション力検出器を備え、前記ダイクッション力設定器は、前記ダイクッション力検出器により検出されたダイクッション力に近似したダイクッション力であって、少なくとも最初のオーバーシュート及びアンダーシュートの無い波形で表されるダイクッション力を、理想応答のダイクッション力として自動的に設定することが好ましい。前記ダイクッション力検出器によりダイクッション力指令値に対する応答結果であるダイクッション力が検出され、この検出結果から少なくとも最初のオーバーシュート及びアンダーシュートの無い波形で表される理想応答のダイクッション力を自動的に設定するようにしている。
本発明の更に他の態様に係るダイクッション装置において、前記ダイクッション力指令器から出力されるダイクッション力指令値に基づいて前記クッションパッドに発生するダイクッション力を検出するダイクッション力検出器と、前記出力されたダイクッション力指令値と前記検出されたダイクッション力とに基づいて前記ダイクッション力指令値の出力時点から前記ダイクッション力に至る応答特性を示す伝達関数を測定する伝達関数測定器と、前記測定した伝達関数の逆特性を算出する逆特性算出器と、を備え、前記逆特性設定器は、前記逆特性算出器により算出された逆特性が自動的に設定されることが好ましい。
本発明によれば、ダイクッション力指令値の出力時点からダイクッション力発生に至るまでの応答遅れを考慮した、理想的なダイクッション力指令値を出力するようにしたため、理想応答のダイクッション力(スライドとクッションパッドとの衝突後に発生するダイクッション力の振動、特に最初の大きなオーバーシュートやアンダーシュートが抑制されたダイクッション力)を、ダイクッション力指令値を工夫するだけで簡単に得ることができ、また、安価な装置で理想応答のダイクッション力を発生させることができる。
図1は本発明に係るダイクッション装置の実施の形態を示す構成図である。 図2は図1に示したダイクッション制御装置の制御要素を示すブロック線図である。 図3(a)及び(b)は、それぞれスライド位置、ダイクッション位置、及び従来のダイクッション力指令値及びダイクッション力応答を示す波形図である。 図4は、ダイクッション力制御方法の第1の実施形態を説明するために用いたダイクッション力指令値を示す波形図である。 図5(a)及び(b)は、それぞれスライド位置、ダイクッション位置、及び第1の実施形態に係るダイクッション力指令値及びダイクッション力応答を示す波形図である。 図6は、ダイクッション力制御方法の第2の実施形態を説明するために用いたダイクッション力指令値を示す波形図である。 図7(a)及び(b)は、それぞれスライド位置、ダイクッション位置、及び第2の実施形態に係るダイクッション力指令値及びダイクッション力応答を示す波形図である。 図8(a)及び(b)は、ダイクッション圧指令からダイクッション圧に至る2次遅れ要素の伝達関数及び同定された2次遅れ要素の伝達関数を示す図である。 図9(a)及び(b)は、それぞれスライド位置、ダイクッション位置、及び従来のダイクッション力指令値及び実際のダイクッション力応答とダイクッション力応答2次近似を示す波形図である。 図10は、ダイクッション力の理想的な応答を説明するために用いた波形図である。 図11は、実際の応答に対して、理想的に(非現実的に)2次遅れ要素で近似した伝達関数を示す図である。 図12は、ダイクッション力からダイクッション力指令値に至る逆特性の伝達関数を示す図である。 図13は、逆特性に理想応答のダイクッション力を与えたときの応答結果(値数値演算結果)を示す理想的なダイクッション力指令値の波形図である。 図14は、ダイクッション力指令器の第1の実施形態を示すブロック線図である。 図15は、ダイクッション力設定器の一例を示すブロック線図である。 図16は、逆特性設定器の一例を示すブロック線図である。 図17は、ダイクッション力指令器の第2の実施形態を示すブロック線図である。
以下添付図面に従って本発明に係るダイクッション力制御方法及びダイクッション装置の好ましい実施形態について詳説する。
[ダイクッション装置の構成]
図1は本発明に係るダイクッション装置の実施の形態を示す構成図である。尚、図1において、プレス機械100は2点鎖線で示され、ダイクッション装置200は実線で示されている。
図1に示すプレス機械100は、ベッド102、コラム104及びクラウン106でフレームが構成され、スライド110は、コラム104に設けられたガイド部108により鉛直方向に移動自在に案内されている。スライド110は、図示しない駆動手段によって回転駆動力が伝達されるクランク軸112を含むクランク機構によって図1上で上下方向に移動させられる。
プレス機械100のベッド102側には、スライド110の位置を検出するスライド位置検出器114が設けられ、クランク軸112には、クランク軸112の角速度を検出するクランク角速度検出器116が設けられている。
スライド110には上型120が装着され、ベッド102上(のボルスタ上)には下型122が装着されている。
上型120と下型122の間には皺押さえ板202があり、下側が複数のクッションピン204を介してクッションパッド210で支持され、上側には材料がセットされる(接触する)。
ダイクッション装置200は、主として上記クッションパッド210を支持する油圧シリンダ220、油圧モータ230、サーボモータ240、及びダイクッション制御装置250等から構成されている。
クッションパッド210は、油圧シリンダ220によって支持され、クッションパッド210(あるいは油圧シリンダ・ピストンに連動する部分)には、クッションパッド210の位置を検出するダイクッション位置検出器222が設置されている。
油圧シリンダ220のクッション圧発生側加圧室(以下「下室」と称す)220aに接続された配管224には、下室220aの圧力を検出するダイクッション圧検出器232が接続されるとともに、油圧モータ230の一方の吐出口が接続されている。油圧モータ230の他方の吐出口には、タンク226が接続されている。
油圧モータ230の回転軸には、直接又は減速機を介してサーボモータ240の駆動軸が接続され、サーボモータ240には、サーボモータ240の回転角速度を検出するためのモータ角速度検出器228が設けられている。
[ダイクッション圧制御の原理]
ダイクッション力は、油圧シリンダ220の下室220aの圧力とシリンダ面積の積で表すことができるため、ダイクッション力を制御することは、油圧シリンダ220の下室220aの圧力を制御することを意味する。
いま、油圧シリンダ・ダイクッション圧発生側断面積:a
油圧シリンダ・ダイクッション圧発生側体積:V
ダイクッション圧:P
電動(サーボ)モータトルク:T
サーボモータの慣性モーメント:I
サーボモータの粘性抵抗係数:DM
サーボモータの摩擦トルク:fM
油圧モータの押し退け容積:Q
スライドから油圧シリンダピストンロッドに加わる力:Fslide
プレスに押されて発生するパッド速度:v
油圧シリンダピストンロッド+パッドの慣性質量:M
油圧シリンダの粘性抵抗係数:DS
油圧シリンダの摩擦力:fS
圧油に押されて回転するサーボモータ角速度:ω
作動油の体積弾性係数:K
比例定数:k1、k2
とすると、静的な挙動は(1)及び(2)式で表すことができる。
P=∫K((v・A−k1Q・ω)/V)dt ……(1)
T=k2・PQ/(2π) ……(2)
また、動的な挙動は(1)、(2)式に加えて(3)、(4)式で表すことができる。
PA−F=M・dv/dt+DS・v+fS ……(3)
T−k2・PQ/(2π)=I・dω/dt+DM・ω+fM ……(4)
上記(1)〜(4)式が意味するもの、即ち、スライド110からクッションパッド210を介して油圧シリンダ220に伝わった力は、油圧シリンダ220の下室220aを圧縮し、ダイクッション圧を発生させる。同時に、ダイクッション圧によって油圧モータ230を油圧モータ作用させ、この油圧モータ230に発生する回転軸トルクがサーボモータ240の駆動トルクに抗じたところで、サーボモータ240を回転(回生作用)させ、圧力の上昇が抑制される。結局、ダイクッション圧は、サーボモータ240の駆動トルクに応じて決定される。
[ダイクッション制御装置]
ダイクッション制御装置250は、主としてダイクッション力指令器260、ダイクッション力制御器270、及び増幅器280を備えている。
ダイクッション力制御器270には、ダイクッション力指令器260からダイクッション力指令値(ダイクッション圧指令値)Prefが加えられ、また、ダイクッション圧検出器232から油圧シリンダ220の下室220aの圧力Pを示すダイクッション圧検出信号が加えられており、ダイクッション力制御器270は、これらの入力信号に基づいて演算したトルク指令値を増幅器280を介してサーボモータ240に出力する。
尚、ダイクッション制御装置250は、スライド110が非加工工程の領域にある場合には、クッションパッド210を位置制御するダイクッション位置制御状態に切り換えられ、スライド110が加工工程の領域にある場合には、ダイクッション力制御状態に切り換えられ、ダイクッション位置制御状態かダイクッション力制御状態かに応じて異なる制御を行うが、本例では、以下に示すようにダイクッション力制御状態における制御に関して説明する。
また、ダイクッション力制御器270には、モータ角速度検出器228からサーボモータ240のモータ角速度ωmotを示す角速度信号、ダイクッション位置検出器222からクッションパッド210の位置を示すダイクッション位置検出信号が加えられており、これらの入力信号は、ダイクッション力制御状態におけるダイクッション力制御に使用される。
更に、本例では、油圧シリンダ220によりダイクッション力を発生させているが、このダイクッション力は、ダイクッション圧Pと油圧シリンダ220の下室220aの断面積aとの積に対応する。即ち、ダイクッション力は、ダイクッション圧に比例する。本例のダイクッション力指令器260は、ダイクッション圧指令値Prefを出力するが、ダイクッション力指令値に対応するものである。また、ダイクッション圧検出器232により検出される油圧シリンダ220の下室220aの圧力Pは、ダイクッション力に対応するため、ダイクッション圧検出器232は、ダイクッション力検出器に相当するものである。
図2は上記ダイクッション制御装置250の主要制御要素、主要ダイクッション装置(機構)要素、および主要負荷要素を示すブロック線図である。
尚、図1及び図2に示した記号の意味は、下記の通りである。
slide:スライドから受ける力(kN)
P:ダイクッション圧(kPa)
ref:ダイクッション圧指令値(kPa)
J:サーボモータとその連動部の慣性モーメント(kg/m
D:サーボモータとその連動部の粘性(kNm/s)
ωmot:サーボモータの角速度(rad/s)
q:油圧モータの押し退け容積(m/rev)
Q:油圧モータの吐出油量(m/s)
cyl:油圧シリンダ押し退け油量(m/s)
K:作動油の体積弾性係数(kN/m
V:圧縮容積(m
a:油圧シリンダの下室の断面積(m
M:クッションパッドとその連動部質量(kg)
cyl:油圧シリンダ・ピストン速度(m/s)
ダイクッション装置200では、スライド110の動力によって金型・皺押さえ板202・クッションピン204・クッションパッド210を介して油圧シリンダ220にダイクッション圧が発生する。この圧力(ダイクッション圧)は、ダイクッション圧指令値とダイクッション圧検出器232で検出されるダイクッション圧検出信号とに基づいてサーボモータ240のトルクを制御することによりダイクッション圧指令値になるように制御される。
即ち、ダイクッション力指令器260は、ダイクッション機能の開始タイミングを得るためにスライド位置検出器114からスライド位置信号を入力しており、この入力するスライド位置信号に基づいて、対応するダイクッション圧指令値(Pref)をダイクッション力制御器270に出力する。ダイクッション力制御器270の他の入力には、ダイクッション圧検出器232から油圧シリンダ220の下室220aの圧力(ダイクッション圧)Pを示すダイクッション圧検出信号が加えられており、ダイクッション力制御器270は、これらの入力信号に基づいて演算したトルク指令値を増幅器280を介してサーボモータ240に出力する。
また、サーボモータ240のトルク制御時に、モータ角速度検出器228によって検出されるモータ角速度ωmotを示す角速度信号は、ダイクッション圧制御における動的安定性を確保する用途に用いる。
さて、図3は、上記構成のダイクッション装置200において、ダイクッション力指令として、終始一定で2500kN、ダイクッションストローク120mm、スライド110とダイクッションが衝突する(ダイクッション力制御開始)時点のスライド速度を500mm/s、衝突時のダイクッション位置は静止状態(下方に対する予備加速は無し)である条件下におけるダイクッション力制御波形を示す。比較的、過度的なダイクッション力制御開始条件下における結果である。
本制御例では、スライド110が静止状態のダイクッションに500mm/sで衝突する影響は、(図2には示さない)ダイクッション力制御装置内で考慮し、その大部分を制御的に除去しているが、完全なものでは無く、ダイクッション力指令に対して20%程度のオーバーシュートと10%程度のアンダーシュートを生じている。
<ダイクッション力制御方法の第1の実施形態>
本発明は、目標とするダイクッション力よりも実際のダイクッション力が大きくなったり(オーバーシュートしたり)、小さくなったり(アンダーシュートしたり)する振動問題を解決することにあり、特にダイクッション力制御開始時のオーバーシュート、アンダーシュートを抑制することにある。
第1の実施形態では、同一の条件下、同一のダイクッション制御装置250を使用して、ダイクッション力指令の設定値のみを、図4の如く変更した。
図4に示す第1の実施形態のダイクッション力指令値は、ダイクッション力制御開始時の第1のスライド位置X1(衝突時)から第2のスライド位置X2の間、第1のダイクッション力指令値F1から第2のダイクッション力指令値F2まで連続的(テーパー状)に変化するダイクッション力指令値が設定され、続いて第2のスライド位置X2から第3のスライド位置X3の間、第2のダイクッション力指令値F2から第3のダイクッション力指令値F3までテーパー状に変化するダイクッション力指令値が設定され、その後、一定の第3のダイクッション力指令値F3が設定されている。
尚、衝突後のクッションパッド210は、スライド110と同期して下降するため、上記スライド位置X1〜X3の替わりにダイクッション位置を使用してもよい。また、スライド位置X1〜X3の替わりに、衝突後の第1のダイクッション力指令値F1を出力する時間T1(第1の時間)、第2のダイクッション力指令値F2を出力する時間T2(第2の時間)を設定し、衝突後の経過時間に応じて第1、第2、第3ダイクッション力指令値を与えるようにしてもよい。
図5(b)には、上記のようにして設定したダイクッション力指令値と、このダイクッション力指令値により制御されたダイクッション力とが示されている。また、図5(a)には、スライド位置及びダイクッション位置を示す波形が示されている。
図5(b)に示すダイクッション力指令値は、衝突時(スライド位置(120mm))に第1のダイクッション力指令値F1(3500kN)が設定され、スライド位置120mmからスライド位置(107mm)まで、第1のダイクッション力指令値F1(3500kN)から第2のダイクッション力指令値F2(1400kN)までテーパー状に変化するダイクッション力指令値が設定され、スライド位置(107mm)からスライド位置(90mm)まで、第2のダイクッション力指令値F2(1400kN)から第3のダイクッション力指令値F3(2500kN)までテーパー状に変化するダイクッション力指令値が設定され、スライド位置(90mm)以降、一定の第3のダイクッション力指令値F3(2500kN)が設定されている。
上記のようにダイクッション力指令値を与えることにより、ダイクッション力制御装置を変更すること無く、簡単に、ダイクッション力制御開始時のオーバーシュート、アンダーシュートを含む振動を抑制することができる(図5(b)参照)。
<ダイクッション力制御方法の第2の実施形態>
図6に、第2の実施形態のダイクッション力指令値の波形を示す。第2の実施形態は、第1の実施形態と比較すると、ダイクッション力指令値の波形が異なり、ダイクッション力指令値の波形がより簡略化されている。
図6に示す第2の実施形態のダイクッション力指令値は、ダイクッション力制御開始時の第1のスライド位置X1(衝突時)から第2のスライド位置X2の間、目標ダイクッション力の設定値(第3のダイクッション力指令値F3)よりも大きいダイクッション力指令値(第1のダイクッション力指令値F1)が設定され、続いて第2のスライド位置X2から第3のスライド位置X3の間、目標ダイクッション力指令値よりも小さいダイクッション力指令値(第2のダイクッション力指令値F2)が設定され、その後、一定の第3のダイクッション力指令値F3が設定されている。
図7(b)には、上記のようにして設定したダイクッション力指令値と、このダイクッション力指令値により制御されたダイクッション力とが示されている。また、図7(a)には、スライド位置及びダイクッション位置を示す波形が示されている。
図7(b)に示すダイクッション力指令値は、衝突時(スライド位置(120mm))からスライド位置(112mm)まで第1のダイクッション力指令値F1(3350kN)が設定され、スライド位置(112mm)からスライド位置(100mm)まで第2のダイクッション力指令値F2(1400kN)が設定され、スライド位置(100mm)以降、第3のダイクッション力指令値F3(2500kN)が設定されている。
上記のようにダイクッション力指令値を与えることにより、ダイクッション力制御装置を変更すること無く、簡単に、ダイクッション力制御開始時のオーバーシュート、アンダーシュートを含む振動を抑制することができる(図7(b)参照)。
[衝突時のダイクッション力の振動が抑制される原理]
次に、上記のようなダイクッション力指令値を与えることにより、衝突時のダイクッション力の振動が抑制される原理について説明する。
図2に示したブロック線図に関して、例えば、ダイクッション圧指令値Prefから、ダイクッション圧Pに至る応答に対して、増幅器の応答性は十分に早い(高周波数域の)ため無視し、衝突によりスライドからクッションパッドに伝わる力Fslideに影響する、油圧シリンダ押し退け油量Qcylの影響は重要な支配因子であるため無視適わず、別途その影響を、本図には図示しない制御アルゴリズムにより除去すると、ダイクッション圧指令値Prefからダイクッション圧Pに至る伝達関数は、図8のように、2次遅れ要素で表現できる。
即ち、図2に示したブロック線図を、増幅器280と、油圧シリンダ押し退け油量Qcylとを無視して整理すると、図8に示す伝達関数で表すことができる。
図3(b)に示すダイクッション力指令(ステップ状の指令)に対するダイクッション力の応答は、図8(a)に示した2次遅れ要素の伝達関数を用いて、ダイクッション力Fの応答に置き換えて当て嵌めると、図8(b)のようになる。
即ち、図8(a)に示した2次遅れ要素の伝達関数の固定角周波数ωp、減衰比ζを、それぞれω=70、ζ=0.45とすることで、その応答波形は、図9(b)に示すダイクッション力応答2次近似(F_近似(C))の波形となり、実際の応答F(B)の波形と近似する。尚、減衰比ζが比較的小さいため、振動的になる。
ところで、本来は、図10のF_理想応答(2次近似)(D)に示すような、オーバーシュートやアンダーシュートの無い安定した理想応答が望ましい。
図11は、実際の応答F(B)に対して、理想的に(非現実的に)2次遅れ要素で近似した伝達関数を示している。この伝達関数により得られるF_理想応答(D)は、図10に示すように実際の応答F(B)に沿って(同程度の、現実的な)応答性を有した2次遅れ要素で表現した(仮想した)ものであり、固有角周波数ωを100rad/sとし、安定性を向上させるために減衰比ζを0.8としたものである。
しかし、一定のステップ状の指令値F_ref(A)では、図8(b)に示した伝達関数に従って応答するため、図9(b)に示したF_近似(C)の応答結果しか得られない。そこで、F_理想応答(D)が得られる、理想的なダイクッション力指令値(Fref_理想(E))を演算し、一定のステップ状の指令値(F_ref(A))の替わりに、演算したダイクッション力指令値(Fref_理想(E))を指令値として与える。
この理想的なダイクッション力指令値(Fref_理想(E))は、ダイクッション力指令値からダイクッション力に至る応答特性が、前記した条件下では、ほぼ一定であり、そのダイクッション力からダイクッション力指令値に至る逆特性もほぼ一定であることから、F_理想応答(D)と、前記応答特性の逆特性とにより算出することができる。
前記応答特性の逆特性は、数値演算により求めることができる。2次遅れ要素の逆特性は、理論的に厳密解を得ることは不可能であるが、近似解は求めることができる。2次遅れ要素の逆特性は、2次遅れ要素に対して微分要素を含む、言わば2次進み要素である。
図12は、ダイクッション力からダイクッション力指令値に至る逆特性(F_理想応答(D)からFref_理想(E)に至る伝達関数)を示し、図13はその応答結果(数値演算結果)を示す。
したがって、上記のようにして求めた理想的なダイクッション力指令値(Fref_理想(E))を与えれば、平滑な理想応答のダイクッション力(F_理想応答(D))が得られる(応答する)。
図13に示した理想的なダイクッション力指令値(Fref_理想(E))を、テーパー状に近似して与え(設定し)た場合(第1の実施形態)の実験結果が、図5(b)に示したダイクッション力指令値とそのダイクッション力応答である。図5(b)に示すように理想的なダイクッション力指令値によるダイクッション力応答は、図3(b)に示したダイクッション力応答に比べてオーバーシュート及びアンダーシュートが抑制された平滑なダイクッション力応答になる。
また、図13に示した理想的なダイクッション力指令値(Fref_理想(E))を、テーパー状の近似よりも簡便化(段階的な指令値に近似)して与えた場合(第2の実施形態)の実験結果が、図7(b)に示したダイクッション力指令値とそのダイクッション力応答であり、同様に平滑なダイクッション力が得られている。これらの実験結果は、[衝突時のダイクッション力の振動が抑制される原理]の妥当性を示すものである。
[ダイクッション力指令器の第1の実施形態]
次に、本発明に係るダイクッション装置に適用されるダイクッション力指令器の第1の実施形態について説明する。
図14は、ダイクッション力指令器の第1の実施形態を示すブロック線図である。
図14に示すダイクッション力指令器260Aは、図1に示したダイクッション力指令器260として適用できるものであり、主としてダイクッション力設定器262と、ダイクッション力指令値演算器264とから構成されている。
ダイクッション力設定器262は、図10に示した理想応答のダイクッション力(F_理想応答(D))を示す応答波形が設定されており、スライドがダイクッションに衝突する時点から下死点に至るまでのスライド位置を示すスライド位置検出値に応じて、スライド位置に対応するダイクッション力指令値(F_理想応答(D))をダイクッション力指令値演算器264に出力する。
ダイクッション力指令値演算器264は、逆特性設定器266を有しており、入力するダイクッション力指令値(F_理想応答(D))と、逆特性設定器266に設定された逆特性(ダイクッション力指令値の出力時点からダイクッション力に至る応答特性の逆特性)とに基づいて、図13に示した理想的なダイクッション力指令値(Fref_理想(E))を演算する。
ダイクッション力設定器262に設定される理想応答のダイクッション力は、図10に示したダイクッション力(F_理想応答(D))に限らず、ダイクッション力検出値に基づいて、実際の応答に近似し、かつオーバーシュートやアンダーシュートの無い安定したダイクッション力を自動的に又は手動で設定してもよい。
また、ダイクッション力設定器262は、図15に示すダイクッション力設定器262Aとして構成することができる。
このダイクッション力設定器262Aは、目標ダイクッション力指令器262aと、ダイクッション力生成器262bとにより構成されている。
目標ダイクッション力指令器262aは、目標とするダイクッション力を示す平滑なダイクッション力指令値(従来から設定されているダイクッション力指令値)が設定され、スライド位置検出値に応じて、スライド位置に対応する目標ダイクッション力指令値を出力する。
ダイクッション力生成器262bは、例えば、図11に示す伝達関数が設定され、入力する目標ダイクッション力指令値と、設定された伝達関数とに基づいて理想応答のダイクッション力(F_理想応答(D))を演算(変換)する。
図14に示した逆特性設定器266は、図16に示す逆特性設定器266Aとして構成することができる。
この逆特性設定器266Aは、伝達関数測定器266aと、逆特性算出器266bとから構成されている。
伝達関数測定器266aには、ダイクッション力指令値Frefと、このダイクッション力指令値Frefによる応答結果を示すダイクッション力検出値とが加えられており、これらの入力値に基づいて、ダイクッション力指令値Frefからダイクッション力検出値に至る応答特性を、伝達関数(本例では、2次遅れ要素の伝達関数)を使用して同定する。逆特性算出器266bは、伝達関数測定器266aにより測定された伝達関数から、その伝達関数の逆特性を数値演算により算出する。
この逆特性設定器266Aは、試し打ち期間に指令されたダイクッション力指令値Frefと、その応答結果を示すダイクッション力検出値とに基づいて逆特性の算出・設定を行うようにしてもよいし、通常のプレスサイクルにおける1ないし複数のプレスサイクルの加工期間に指令されたダイクッション力指令値と、その応答結果を示すダイクッション力検出値とに基づいて逆特性の算出・設定を行うようにしてもよい。尚、複数のプレスサイクルの加工期間に指令されたダイクッション力指令値に対応する複数のダイクッション力検出値を使用する場合には、複数のダイクッション力検出値の平均値を使用することが好ましい。また、プレスサイクル毎に逆特性を算出し、逆特性を更新するようにしてもよい。
また、ダイクッション力指令値からダイクッション力に至る応答特性は、負荷条件(金型、材料、スライド速度、ダイクッション力設定、クッションパッドを衝突直前に下降を開始させるプリ加速の度合い等)が一定の場合には、ほぼ一定の特性を示すが、負荷条件が変化すると、それに伴って変化する。従って、負荷条件を変更する場合には、その応答特性に対する逆特性を改めて算出し、算出した逆特性に設定する必要がある。
[ダイクッション力指令器の第2の実施形態]
次に、本発明に係るダイクッション装置に適用されるダイクッション力指令器の第2の実施形態について説明する。
図17は、ダイクッション力指令器の第2の実施形態を示すブロック線図である。
図17に示すダイクッション力指令器260Bは、図1に示したダイクッション力指令器260として適用できるものであり、手動設定器としてダイクッション力設定器268a、スライド位置設定器268b、及び時間設定器268cを備えている。
また、ダイクッション力指令器260Bは、図13に示した理想的なダイクッション力指令値(Fref_理想(E))を表示器269に表示させる機能を備えている。尚、表示器269にダイクッション力指令値(Fref_理想(E))を表示させるためには、ダイクッション力指令値(Fref_理想(E))を出力することができる、図14に示したダイクッション力指令器260Aの機能を備えていればよい。また、本例では、図17に示すようにスライド位置Xとダイクッション力Fとの関係を示すグラフを表示器269に表示させており、これにより、理想的なダイクッション力指令値を手動で設定する場合に、どのようなダイクッション力指令値に設定すべきかを把握することができる。
操作者は、表示器269に表示されたダイクッション力指令値(Fref_理想(E))を参照しながら、理想的なダイクッション力指令値を特定するための各設定項目を、ダイクッション力設定器268a、スライド位置設定器268b、及び時間設定器268cにより設定することができる。
即ち、操作者は、本願の主旨である、スライドとクッションパッドとの衝突(インパクト)時のダイクッション力の振動を抑制する為の衝突時から目標ダイクッション力設定に至る変力設定部分(第1目標ダイクッション力設定部分)の設定と、それ以降の(本来の成形性向上を目的とした)変力設定部分(第2目標ダイクッション力設定部分)の設定とを、各スライド位置(X1、X2、X3、X4、X5、…)に対応して、それぞれダイクッション力指令値(F1、F2、F3、F4、F5、…)を設定することにより行うことができる。ここで、第1目標ダイクッション力設定部分に対応する設定項目は、ダイクッション力指令値(F1、F2、F3)及びスライド位置(X1、X2、X3)であり、第2目標ダイクッション力設定部分に対応する設定項目は、ダイクッション力指令値(F4、F5、…)及びスライド位置(X4、X5、…)である。
第1目標ダイクッション力設定部分の設定は、ダイクッション力設定器268aを使用して、図4及び図6に示したダイクッション力指令値F1〜F3をそれぞれ手動で設定するとともに、スライド位置設定器268bを使用して、図4及び図6に示したスライド位置X1〜X3をそれぞれ手動で設定することにより行われる。
ダイクッション力指令値F1は、ダイクッション力制御開始時(スライド衝突時)の指令値であり、目標ダイクッション力指令値(ダイクッション力指令値F3)以上の指令値である。ダイクッション力指令値F2は、衝突直後に発生するダイクッション力のオーバーシュートを抑制するために、目標ダイクッション力指令値よりも小さい指令値である。また、スライド位置X1〜X3は、ダイクッション力指令値F1〜F3の変化点を示すスライド位置である。
上記第1目標ダイクッション力設定部分の設定を行う際に、操作者は、表示器269に表示された、衝突時から第1目標ダイクッション力設定に至る理想的なダイクッション力指令値を参照して、“どのスライド位置で、どれ位のダイクッション力にすべきか”を把握し、ダイクッション力指令値F1〜F3、及びスライド位置X1〜X3を設定することができる。
一方、第2目標ダイクッション力設定部分の設定は、ダイクッション力設定器268aを使用して、ダイクッション力指令値F4、F5、…をそれぞれ手動で設定するとともに、スライド位置設定器268bを使用して、スライド位置X4、X5、…をそれぞれ手動で設定することにより行われる。
上記第1目標ダイクッション力設定部分での理想的なダイクッション力指令値により衝突直後に発生するダイクッション力のオーバーシュート等の振動が抑制されるため、その後の第2目標ダイクッション力設定部分でのダイクッション力指令値は、成形性向上を目的した所望の指令値に設定することができる。第2目標ダイクッション力設定部分では、最初の目標ダイクッション力とは異なるダイクッション力を指令値として設定することになるが、衝突を伴わないため、それが原因となって振動問題が発生することはない。
上記の例では、ダイクッション力設定器268aとスライド位置設定器268bとを使用して、第1目標ダイクッション力設定部分の設定(ダイクッション力指令値F1〜F3、スライド位置X1〜X3の設定)を行うようにしたが、操作者は、スライド位置設定器268bによるスライド位置X1〜X3の設定に替えて、時間設定器268cを使用して、図4及び図6に示した時間T1、時間T2をそれぞれ手動で設定することができる。これらの時間T1、T2は、それぞれダイクッション力指令値F1〜F3の変化点の間の時間である。同様に、第2目標ダイクッション力設定部分の設定もスライド位置X4、X5、…の替わりに、時間T3、T4、…を設定することができる。
尚、上記のようにダイクッション力設定器268aと時間設定器268cとを使用して、第1目標ダイクッション力設定部分の設定を行う場合には、スライド衝突時点からの時間と理想的なダイクッション力Fとの関係を示すグラフを表示器269に表示させることが好ましい。
ダイクッション力指令器260Bは、ダイクッション力設定器268a、スライド位置設定器268b、又は時間設定器268cにより、衝突時のダイクッション力の振動を抑制する為のダイクッション力指令値を特定するための設定項目(ダイクッション力指令値F1、F2、F3、スライド位置X1、X2、X3、又は時間T1、T2)、及び本来の成形性向上を目的としてダイクッション力指令値を特定するための設定項目(ダイクッション力指令値F4、F5、…、スライド位置X4、X5、…、又は時間T3、T4、…)が設定されると、これらの設定項目により、連続的(テーパー状)に変化するダイクッション力指令値、又は段階的に変化するダイクッション力指令値を、スライド位置検出値に基づいて出力する。
尚、スライド衝突時点からの時間T1、T2、…が設定されている場合には、ダイクッション力指令器260Bは、スライド衝突時点からの時間に応じて、連続的又は段階的に変化するダイクッション力指令値を出力する。
また、ダイクッション力指令器260Bは、図13に示した理想的なダイクッション力指令値(Fref_理想(E))を表示器269に表示させるようにしたが、ダイクッション力指令値(Fref_理想(E))を、連続的又は段階的な波形に近似したダイクッション力指令値を表示させるようにしてもよい。更に、理想的なダイクッション力指令値を示す波形に限らず、数値を表示させるようにしてもよく、また、表示器269にダイクッション力指令値を表示(出力)する替わりに、図示しないプリンタでダイクッション力指令値をプリント出力するようにしてもよい。
また、上記スライド位置設定器268bによれば、操作者は、ダイクッション力指令値に対する応答結果であるダイクッション力検出値を確認しながら、理想的なダイクッション力指令値を特定するための各設定項目の値を、適宜調整することができる。
[その他]
この実施形態では、ダイクッション力指令値の出力時点からダイクッション力に至る応答特性を、2次遅れ要素の伝達関数を用いて同定し、その逆特性を求めるようにしたが、伝達関数は、2次遅れ要素の伝達関数に限らず、例えば、1次遅れ要素の伝達関数、2次遅れ要素と1次遅れ要素との積、2次遅れ要素と(角固有周波数、減衰比の異なる)もう1つの2次遅れ要素との積を使用して同定してもよい。
また、この実施形態のダイクッション力発生器は、クッションパッドを昇降させる油圧シリンダと、この油圧シリンダを駆動する油圧モータ及びサーボモータにより構成されているが、これに限らず、ダイクッション力を発生させるものであれば、例えば、クッションパッドを昇降させるスクリューナット機構と、このスクリューナット機構を駆動するサーボモータ、油圧ダンパを用いた機構や、クッションパッドを昇降させるラック・アンド・ピニオン機構と、このラック・アンド・ピニオン機構を駆動するサーボモータ、油圧ダンパを用いた機構で基本構成されるものでもよい。
更に、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
100…プレス機械、110…スライド、114…スライド位置検出器、200…ダイクッション装置、210…クッションパッド、220…油圧シリンダ、222…ダイクッション位置検出器、230…油圧モータ、232…ダイクッション圧検出器、240…サーボモータ、250…ダイクッション制御装置、260、260A、260B…ダイクッション力指令器、262、262A…ダイクッション力設定器、262a…目標ダイクッション力指令器、262b…ダイクッション力生成器、264…ダイクッション力指令値演算器、266、266A…逆特性設定器、266a…伝達関数測定器、266b…逆特性算出器、268a…ダイクッション力設定器、268bスライド位置設定器、268c…時間設定器、269…表示器、270…ダイクッション力制御器、280…増幅器

Claims (12)

  1. プレス機械のスライドがダイクッションに衝突するスライド衝突前にはダイクッション力指令を出力せず、スライド衝突時点から予め設定されたダイクッション力指令値を出力し、前記ダイクッション力指令値に基づいてクッションパッドにダイクッション力を発生させるダイクッション力制御方法であって、
    前記ダイクッション力指令値としてステップ状の目標ダイクッション力指令値としたときに発生するダイクッション力の最初のオーバーシュートを抑制すべく、前記スライド衝突時点に前記目標ダイクッション力指令値以上のダイクッション力指令値を出力し、
    続いて、前記目標ダイクッション力指令値よりも小さいダイクッション力指令値になるように連続的又は段階的に低下させたダイクッション力指令値を出力し、
    その後、前記目標ダイクッション力指令値になるように連続的又は段階的に上昇するダイクッション力指令値を出力することを特徴とするダイクッション力制御方法。
  2. プレス機械の第1のプレス加工期間中に第1のダイクッション力指令値を、前記ダイクッション力指令値として出力する工程と、
    前記出力された第1のダイクッション力指令値に基づいて制御された前記クッションパッドに発生する第1のダイクッション力を検出する工程と、
    前記出力された第1のダイクッション力指令値と前記検出された第1のダイクッション力とに基づいて、前記第1のダイクッション力指令値の出力時点から前記第1のダイクッション力に至る応答特性の逆特性を演算する工程と、
    オーバーシュート及びアンダーシュートの無い波形で表される理想応答の第2のダイクッション力を設定する工程と、
    前記理想応答のダイクッション力と前記逆特性とに基づいて第2のダイクッション力指令値を算出する工程と、
    プレス機械の第1のプレス加工期間経過の後の第2のプレス加工期間中に、前記算出した第2のダイクッション力指令を前記ダイクッション力指令値として出力する工程と、
    を含む請求項1に記載のダイクッション力制御方法。
  3. 前記逆特性を演算する工程は、
    前記出力された第1のダイクッション力指令値と前記検出された第1のダイクッション力とに基づいて前記第1のダイクッション力指令値の出力時点から前記第1のダイクッション力に至る応答特性を、伝達関数を使用して同定する工程と、
    前記同定した伝達関数の逆特性を演算する工程と、
    を含む請求項2に記載のダイクッション力制御方法。
  4. 前記理想応答の第2のダイクッション力は、前記検出された第1のダイクッション力を近似したダイクッション力であって、前記第1のダイクッション力に含まれるオーバーシュート及びアンダーシュートの無い波形で表されたダイクッション力である請求項2又は3に記載のダイクッション力制御方法。
  5. 前記プレス機械の第1のプレス加工期間は、試し打ち期間、又は1ないし複数のプレスサイクルの加工期間である請求項2から4のいずれか1項に記載のダイクッション力制御方法。
  6. クッションパッドを支持し、該クッションパッドにダイクッション力を発生させるダイクッション力発生器と、プレス機械のスライドがダイクッションに衝突するスライド衝突前にはダイクッション力指令を出力せず、スライド衝突時点からダイクッション力指令値を出力するダイクッション力指令器と、前記ダイクッション力指令器から出力されるダイクッション力指令値に基づいて、前記ダイクッション力が前記ダイクッション力指令値に対応するダイクッション力になるように前記ダイクッション力発生器を制御するダイクッション力制御器と、を備えたダイクッション装置において、
    前記ダイクッション力指令器は、
    前記ダイクッション力指令値としてステップ状の目標ダイクッション力指令値としたときに発生するダイクッション力の最初のオーバーシュートを抑制すべく、前記目標ダイクッション力指令値以上のダイクッション力指令値を前記スライド衝突時点に出力し、続いて、前記目標ダイクッション力指令値よりも小さいダイクッション力指令値になるように連続的又は段階的に低下させたダイクッション力指令値を出力し、その後、前記目標ダイクッション力指令値になるように連続的又は段階的に上昇するダイクッション力指令値を出力することを特徴とするダイクッション装置。
  7. 前記ダイクッション力指令器は、前記ダイクッション力指令値を特定するための複数の設定項目を手動で設定する手動設定器を有し、該手動設定器により設定された複数の設定項目に基づいて前記ダイクッション力指令値を出力する請求項6に記載のダイクッション装置。
  8. オーバーシュート及びアンダーシュートの無い波形で表される理想応答のダイクッション力が設定されるダイクッション力設定器と、
    ダイクッション力指令値の出力時点からダイクッション力に至る応答特性の逆特性が設定される逆特性設定器と、
    前記ダイクッション力設定器に設定された理想応答のダイクッション力と前記逆特性設定器に設定された逆特性とに基づいて演算した値、又はその値の近似値を示す波形又は数値を、前記ダイクッション力指令器に設定すべきダイクッション力指令値として可視化出力する出力器と、
    を備えた請求項7に記載のダイクッション装置。
  9. オーバーシュート及びアンダーシュートの無い波形で表される理想応答のダイクッション力が設定されるダイクッション力設定器と、
    ダイクッション力指令値の出力時点からダイクッション力に至る応答特性の逆特性が設定される逆特性設定器と、を備え、
    前記ダイクッション力指令器は、前記設定された理想応答のダイクッション力と前記設定された逆特性とに基づいて演算した値、又はその値の近似値をダイクッション力指令値として出力する請求項6に記載のダイクッション装置。
  10. ステップ状の目標ダイクッション力指令値が設定されるダイクッション力設定器と、前記設定された目標ダイクッション力指令値に基づいて理想応答のダイクッション力を生成するダイクッション力生成器と、を備え、
    前記ダイクッション力設定器は、前記ダイクッション力生成器により生成された理想応答のダイクッション力が設定される請求項9に記載のダイクッション装置。
  11. 前記ダイクッション力指令器から出力されるダイクッション力指令値に基づいて前記クッションパッドに発生するダイクッション力を検出するダイクッション力検出器を備え、
    前記ダイクッション力設定器は、前記ダイクッション力検出器により検出されたダイクッション力に近似したダイクッション力であって、少なくとも最初のオーバーシュート及び最初のアンダーシュートの無い波形で表されるダイクッション力を、理想応答のダイクッション力として自動的に設定する請求項9に記載のダイクッション装置。
  12. 前記ダイクッション力指令器から出力されるダイクッション力指令値に基づいて前記クッションパッドに発生するダイクッション力を検出するダイクッション力検出器と、
    前記出力されたダイクッション力指令値と前記検出されたダイクッション力とに基づいて前記ダイクッション力指令値の出力時点から前記ダイクッション力に至る応答特性を示す伝達関数を測定する伝達関数測定器と、
    前記測定した伝達関数の逆特性を算出する逆特性算出器と、を備え、
    前記逆特性設定器は、前記逆特性算出器により算出された逆特性が自動的に設定される請求項8から11のいずれか1項に記載のダイクッション装置。
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