以下に、本発明に係る基板実装設計システムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
〔実施形態〕
図1は、実施形態に係る基板実装設計システムの機能ブロック図である。図1に示す基板実装設計システム1は、各種の演算処理や基板実装設計システム1を構成する各部の制御を行う制御部10と、制御部10と電気的に接続され、情報を記憶する記憶部8と、を有している。また、制御部10には、各種の情報を表示する表示部5と、基板実装設計システム1のユーザーが基板実装設計システム1に対して入力操作を行う操作部6と、が電気的に接続されている。
このうち、制御部10は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理部や、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置等を備えて構成されている。このように構成される制御部10と記憶部8とは、同一筐体内に設けられていてもよく、異なる筐体内に設けられていてもよく、或いは、複数の記憶部8が双方の形態で設けられていてもよい。
また、表示部5には、液晶ディスプレイ(図示省略)等のディスプレイ装置が用いられており、操作部6には、キーボード(図示省略)や、マウス等のポインティングデバイス(図示省略)が用いられている。この基板実装設計システム1は、例えば、PC(Personal Computer)や、ワークステーション(Workstation)等により構成されており、ユーザーが表示部5を視認しながら操作部6で入力操作をすることにより、操作をすることが可能になっている。
また、本実施形態に係る基板実装設計システム1は、電子部品が固定されて配線される、いわゆるプリント板に対する電子部品の実装設計を行うことが可能になっている。具体的には、基板実装設計システム1は、回路シンボル45(図6参照)を用いて予め生成された回路設計情報に基づいて、基板実装設計システム1上での仮想のプリント板である仮想基板20(図2参照)上に、電子部品を表す部品30(図2参照)を配置し、電子部品の実装設計情報を生成することが可能になっている。本実施形態に係る基板実装設計システム1において、電子部品の実装設計情報を生成するための機能は、プログラムとして予め記憶部8に記憶されている。実装設計を行う際には、記憶部8に記憶されているプログラムを制御部10で呼び出し、プログラムに沿った動作を制御部10で実行することにより、各機能を実行する。
この基板実装設計システム1が有する制御部10は、仮想基板20上に配置する部品30を、回路の論理的な設計情報である回路設計情報に基づいて抽出する配置部品抽出部11と、表示部5での部品30の表示状態を決定する配置部品表示状態決定部12と、部品30の配置状態を判定する配置状態判定部13と、を備えている。基板実装設計システム1は、当該基板実装設計システム1によって、或いは他の装置によって、予め生成された回路設計情報が記憶部8に記憶されており、ユーザーは、表示部5を視認しつつ、回路設計情報に基づいて操作部6で入力操作を行うことにより、電子部品の実装設計情報を生成することが可能になっている。
本実施形態に係る基板実装設計システム1は、以上のような構成からなり、以下、その作用について説明する。図2は、部品のピンを選択した時の基本処理についての説明図である。基板実装設計システム1で実装設計情報を生成する際には、基板実装設計システム1上における仮想のプリント板である仮想基板20や、仮想基板20に配置する部品30を表示部5で表示する。この実装設計では、記憶部8に記憶されている回路設計情報に基づいて、仮想基板20上に配置された部品30である配置済み部品31のピン40に、配線によって電気的に接続されると仮想される部品30を抽出し、抽出された部品30を、適宜仮想基板20上に配置する。これを繰り返すことにより、部品30の実装設計を行う。
この基板実装設計システム1で実装設計情報を生成する際の手法について具体的に説明すると、まずユーザーは、操作部6を操作することにより、配置済み部品31の有するピン40のうち、ユーザーが選択するピン40である1つの指定ピン41を指定する。指定ピン41を指定すると、制御部10が有する配置部品表示状態決定部12は、指定ピン41を選択した部品30の形状から所定の値を算出し、配置済み部品31を表示する表示領域である表示エリア21を出現させる。
この表示エリア21は、選択した指定ピン41を有する配置済み部品31の周囲に、他の部品30等の情報を表示することができる程度の領域になっており、例えば、配置済み部品31を囲む四角い形状の領域になっている。即ち、表示エリア21は、選択した指定ピン41を有する配置済み部品31と、配置済み部品31の周囲に位置して他の部品30等の情報を表示することができる周辺領域22と、を有して構成される領域になっている。表示エリア21は、実装設計に必要な情報を表示する領域になっており、ユーザーは、表示エリア21に表示される情報に基づいて操作部6によって入力操作を行うことにより、部品30の実装設計を行う。
指定ピン41が指定されると、制御部10の配置部品抽出部11は、回路設計情報に基づいて、回路設計上で指定ピン41と接続されると共に、配置されていない部品30を含む配置部品32を抽出する。つまり、配置部品抽出部11は、指定された指定ピン41に接続される配置部品32を、配置が完了しているか否かに関わらず、回路設計情報に基づいて抽出する。指定ピン41に接続される配置部品32を配置部品抽出部11で抽出したら、抽出した配置部品32を表示エリア21に表示する。この配置部品32の表示は、配置部品表示状態決定部12によって行う。
その際に、配置部品表示状態決定部12は、抽出した配置部品32を、表示エリア21に表示されている配置済み部品31の縮尺である基準縮尺よりも小さい縮尺で、表示エリア21のうち周辺領域22に表示する。配置部品表示状態決定部12は、例えば、基準縮尺の1/2の縮尺で、抽出した配置部品32を周辺領域22に表示する。また、選択した指定ピン41に接続される配置部品32が、配置部品抽出部11によって複数抽出された場合には、配置部品表示状態決定部12は、複数の配置部品32の一覧を周辺領域22に表示する。
図3は、ピン選択時に表示される部品群の表示処理についての説明図である。図4は、図3に示す表示エリアのページを切り替えた状態を示す説明図である。配置部品32を表示する際に、周辺領域22に1度に表示できる配置部品32の数を超えて配置部品32が抽出された場合は、配置部品表示状態決定部12は、未表示部品情報51と、表示エリア21のページを切り替えるページ切り替えアイコン52と、を表示エリア21に表示する。このうち、未表示部品情報51は、抽出された配置部品32のうち周辺領域22に表示されていない配置部品32である未表示配置部品があることに対応する情報になっている。また、ページ切り替えアイコン52は、未表示配置部品を周辺領域22に表示するための切り替えアイコンになっている。配置部品表示状態決定部12は、周辺領域22に同時に表示できる配置部品32の数を超えて配置部品32が抽出された場合は、表示エリア21に、この未表示部品情報51とページ切り替えアイコン52とを表示する。
つまり、配置部品表示状態決定部12は、周辺領域22に1度に表示できる配置部品32の数を予め設定しておき、抽出された配置部品32の数が、設定された数を超える場合には、未表示配置部品の数に応じて表示エリア21のページを複数設定する。この場合における各ページには、ページごとに異なる未表示配置部品からなる部品群が表示されるようにする。換言すると、1つの未表示配置部品、または複数の未表示配置部品からなる部品群ごとにページを割り当てる。なお、抽出された複数の配置部品32におけるページの振り分けは、回路設計情報や、配置部品32のピン40の数において、振り分けを調節することができ、表示優先度を制御できるようにするのが好ましい。
表示エリア21のページを複数設定したら、表示エリア21に、表示するページを切り替えることをユーザーに認識させることができるページ切り替えアイコン52を表示する。ページ切り替えアイコン52は、表示するページを切り替えることができるアイコンであることをユーザーに認識させることができるように、例えば、三角形の形状で形成し、表示エリア21内の端部に表示する。
ページ切り替えアイコン52は、ユーザーが操作部6を操作してページ切り替えアイコン52に対して機能を呼び出す操作を行うことにより、表示エリア21に表示するページを切り替えることが可能になっている。例えば、操作部6にポインティングデバイスであるマウス(図示省略)が用いられている場合には、マウスによってカーソル(図示省略)をページ切り替えアイコン52上に移動させ、マウスのボタンをクリックすることにより、表示エリア21に表示するページを切り替えることが可能になっている。
また、未表示部品情報51は、未表示配置部品の数に応じて設定されるページ数と、表示エリア21に現在表示しているページがどのページであるかを表示することにより、抽出された配置部品32における未表示配置部品の情報を表している。未表示部品情報51は、ページ切り替えアイコン52の近傍に表示されており、表示エリア21に表示するページをページ切り替えアイコン52によって切り替えるたびに、現在表示しているページについての情報を切り替える。
図5は、部品の実装形状の表示状態を示す図である。図6は、図5に示す部品の回路シンボルを示す図である。図7は、図5に示す部品の実装形状と回路シンボルを重複表示させた状態を示す説明図である。配置部品表示状態決定部12は、抽出された配置部品32を周辺領域22に表示する際には、配置部品32の実装形状のみで表示することと、配置部品32に対応する回路シンボル45及び配置部品32の実装形状を重ねて表示することとを、切り替えることが可能になっている。基板実装設計システム1での実装設計情報の生成時に用いられる部品30は、電子部品の実際の形状を模した形状で表示されるものになっており、配置部品32を実装形状のみで表示する際には、実装設計を行う部品30である配置部品32のみを周辺領域22に表示する(図5)。
また、配置部品32に対応する回路シンボル45と配置部品32の実装形状とを重ねて表示する際には、回路設計情報で用いられる回路シンボル45のうち、配置部品32に対応する回路シンボル45を半透明にして、配置部品32に重ねて表示する(図7)。これにより、配置部品32の機能をユーザーが認識できる状態で、表示エリア21に配置部品32を表示する。
これらの配置部品32の表示形態は、配置部品32のみを表示して配置部品32の実装形状のみを表示する状態と、配置部品32と回路シンボル45とを重ねて表示する状態とを切り替えることが可能になっている。例えば、表示エリア21の外にメニューを表示し、このメニューによって指示を行うことにより、表示形態を切り替えることが可能になっている。
図8は、配置されていない部品に表示されるアイコンの説明図である。図9は、配置済みの部品に表示されるアイコンの説明図である。また、配置部品表示状態決定部12は、周辺領域22に表示される配置部品32の配置状態に関する情報を配置部品32に対応して表示することが可能になっている。つまり、表示エリア21の周辺領域22に表示する配置部品32が、既に別の場所に配置されているか否かの判定を、制御部10が有する配置状態判定部13によって配置部品32ごとに行う。配置部品表示状態決定部12は、配置状態判定部13での判定結果に応じて、配置部品32が、既に別の場所に配置されているか否かの情報を示す配置状態アイコン55を、配置部品32の近傍に表示する。この配置状態アイコン55は、色や文字等により、配置部品32が既に別の場所に配置されているか否かを表す。
例えば、表示エリア21に表示する配置部品32が、仮想基板20における別の場所に未配置の場合には、配置状態アイコン55は、青色の矩形状の内側に「U」の文字を表示するアイコンとして配置部品32の近傍に表示することにより、この配置部品32はまだ配置されていないことを示す(図8)。これに対し、表示エリア21に表示する配置部品32が、仮想基板20内に既に配置されている場合には、配置状態アイコン55は、赤色の矩形状の内側に「P」の文字を表示するアイコンとして配置部品32の近傍に表示することにより、この配置部品32は配置済みであることを示す(図9)。
これらのように、配置部品32の配置状態を示す配置状態アイコン55は、表示エリア21の周辺領域22に表示される各配置部品32の近傍に、それぞれ表示される。ユーザーは、配置状態アイコン55を視認することにより、配置部品32の状態を認識することができる。基板実装設計システム1では、未配置であることを示す配置状態アイコン55が表示される配置部品32をユーザーが選択した場合には、配置部品32の配置処理に移り、配置済みであることを示す配置状態アイコン55が表示される配置部品32をユーザーが選択した場合には、配置部品32の配置処理には移らない。
なお、配置状態アイコン55は、配置部品32は配置済みであるか否かを、上述した表現以外によって示してもよい。配置状態アイコン55は、配置部品32は配置済みであるか否かをユーザーが認識することができる形態であれば、表示形態は問わない。また、配置済みであることを示す配置状態アイコン55が表示される配置部品32、即ち、配置済みの配置部品32は、設定により非表示にすることを可能としてもよい。
図10は、配置領域についての説明図である。未配置であることを示す配置状態アイコン55が表示される配置部品32をユーザーが選択すると、基板実装設計システム1では、この配置部品32の配置処理に移り、表示エリア21に縮小表示されている配置部品32を基準縮尺で表示する。つまり、操作部6により、縮小表示された配置部品32が選択されると、配置部品表示状態決定部12は、縮小表示された配置部品32を、基準縮尺まで拡大表示する。また、このように1つの配置部品32が選択された場合、配置部品表示状態決定部12は、選択されなかった配置部品32と表示エリア21を非表示にする。これらにより、選択した配置部品32の配置処理を行うことが可能になる。
配置部品32の配置を行うための処理では、配置部品表示状態決定部12は、配置部品32を仮想基板20上に配置する際において配置可能な領域である配置領域23を表示する。この配置領域23は、指定ピン41を有する配置済み部品31と、選択した配置部品32との間の接続に対する制約条件に応じた円形の領域になっている。つまり、配置領域23は、指定ピン41を有する配置済み部品31を中心とし、選択した配置部品32を、制約条件に応じて配置することが可能な距離を半径とする円形で示した領域になっている。この制約条件は、部品30の種類に応じて定められたり、回路設計情報の生成時に定められたりして、記憶部8等の制約条件を管理するデータベースに記憶されている。
配置領域23を表示する際には、まず、指定ピン41を有する配置済み部品31に対して、選択した配置部品32の接続に制約があるか否かの判定を配置状態判定部13で行い、制約条件があると判定した場合に、配置部品表示状態決定部12で配置領域23を表示する。これに対し、選択した配置部品32の接続に制約がないと配置状態判定部13で判定した場合は、配置部品表示状態決定部12は、配置領域23を表示しない。
図11は、配置領域が複数存在する場合の説明図である。指定ピン41を有する配置済み部品31に対する、選択した配置部品32の接続に、制約条件が複数あると配置状態判定部13で判定した場合には、制約条件に応じた配置領域23を複数設定する。つまり、配置可能な部品30同士の距離は、制約条件に応じて異なるため、制約条件ごとに配置領域23を設定する。制約条件としては、例えば、情報を適切に伝送する伝送要件からくる制約条件や、電力を適切に供給する電源要件からくる制約条件、回路の駆動時に発生する電磁波を考慮した電波要件からくる制約条件等が挙げられる。
配置可能な部品30同士の距離は、これらの制約条件によって異なるため、配置領域23は、これらの制約条件に応じて複数設定する。換言すると、配置部品表示状態決定部12は、部品30のピン40同士の1つの接続に対して、伝送要件や電源要件、電波要件等の制約条件毎に配置領域23を設定することにより、複数の配置領域23を設定することが可能になっている。
配置領域23を複数設定した場合には、配置部品表示状態決定部12は、これらの配置領域23の表示方法を切り替え可能にし、ユーザーによって選択された表示方法で表示する。この表示方法の切り替えは、表示方法のメニューを表示部5で表示し、ユーザーが操作部6を操作することにより行う。
配置領域23の表示方法としては、どれか1つの配置領域23を任意で選択して表示する方法や、全ての配置領域23を表示する方法、表示する配置領域23を切り替えアイコンによって切り替える方法が挙げられる。どれか1つの配置領域23を任意で選択して表示する方法では、表示部5上に、表示する制約条件に係る配置領域23を選択するメニューを表示し、ユーザーが制約条件を選択することにより、選択した制約条件に対応する配置領域23を表示する。これにより、ユーザーが選択した配置領域23を表示する。
また、全ての配置領域23を表示する方法では、複数の配置領域23を、1度に全て表示する(図11)。この場合、各配置領域23がどの制約条件に対応する配置領域23であるかをユーザーが認識することができるようにするために、配置領域23同士を異なる色で表示すると共に、どの制約条件に対応する配置領域23がどの色で表示されているかの表示を、表示部5で表示する。
図12は、配置領域を切り替える手法についての説明図である。また、表示する配置領域23を切り替えアイコンによって切り替える際には、表示する配置領域23を切り替えるための切り替えアイコンである配置領域切り替えアイコン58を、配置領域23内に表示する。つまり、この場合、配置済み部品31の周囲に表示するのは、1つの制約条件に対応する配置領域23のみを表示し、この配置領域23内に、表示する配置領域23を切り替える配置領域切り替えアイコン58を表示する。
この配置領域切り替えアイコン58は、表示する配置領域23を切り替えることができるアイコンであることをユーザーに認識させることができるように、例えば、三角形の形状で形成し、配置領域23内の端部に表示する。配置領域切り替えアイコン58での配置領域23の切り替え操作は、表示エリア21に表示するページをページ切り替えアイコン52によって切り替える場合と同様に、カーソルを配置領域切り替えアイコン58上に移動させた状態でマウスのボタンをクリックすることにより切り替える。
ユーザーは、これらのように表示される配置領域23を視認して、制約条件ごとの配置領域23を認識しながら、配置部品32を配置する位置として、制約条件を満たす位置を考慮しながら検討をする。
図13は、接続部品情報についての説明図である。配置部品32の配置処理時には、配置部品32に接続される別の部品30についての情報が必要になることもあるが、配置部品32に接続される別の部品30についての情報を得る際には接続部品情報60を表示する。配置部品32が有するピン40に接続される部品30の情報である接続部品情報60は、配置部品32に対して所定の操作が行われた際に表示する。つまり、操作部6により、表示エリア21に表示された配置部品32に対して所定の操作が行われると、配置部品表示状態決定部12は、当該配置部品32が有するピン40に接続される部品30の情報である接続部品情報60を表示する。
例えば、操作部6によって所定の配置部品32を選択している状態で、当該配置部品32を細かく左右に動作させる操作を操作部6で行うと、その配置部品32が有するピン40に接続される部品30についての情報が、接続部品情報60として表示される。接続部品情報60では、例えば、接続される部品30の種類や、部品30を示す記号、部品30が有するピン40の数、部品30の配置状態等が、リストとして表示される。この接続部品情報60が表示されている状態で、配置部品32を再度細かく左右に動作させると、配置部品表示状態決定部12は、接続部品情報60を非表示にする。
図14は、選択している部品の配置後の表示についての説明図である。表示エリア21に配置部品32を表示した後、配置部品32のうち配置されていない配置部品32の配置が完了した場合には、配置部品表示状態決定部12は、配置が完了した配置部品32の、表示エリア21への優先度を下げる。つまり、配置部品抽出部11によって抽出された配置部品32のうち、ユーザーが選択した配置部品32の配置の処理が完了したら、再度、指定ピン41に接続される配置部品32からなる部品群を、表示エリア21の周辺領域22に表示する。このとき、配置が完了している配置部品32は表示優先度を下げ、未配置の配置部品32を優先的に表示する。
図15は、新たにピンを選択した場合の表示処理についての説明図である。図16は、表示エリア外を選択した場合の説明図である。また、配置済み部品31が有する指定ピン41に接続される配置部品32を表示エリア21に表示している状態で、表示エリア21内外の所定の場所を選択することにより、処理を分岐し、他の状態に遷移することが可能になっている。
例えば、配置済み部品31が有する複数のピン40のうち、1つのピン40を指定ピン41として選択している状態(図2参照)から、他のピン40を指定ピン41として選択すると(図15)、新たに選択された指定ピン41に接続される配置部品32についての処理に移る。つまり、指定ピン41が変更されると、配置部品抽出部11は、新たに選択した指定ピン41に接続される配置部品32を抽出し、配置部品表示状態決定部12では、新たに抽出した配置部品32を、表示エリア21の周辺領域22に表示する。
これに対し、配置済み部品31が有する指定ピン41に接続される配置部品32を表示エリア21に表示している状態で、表示エリア21外を選択する、即ち、表示エリア21外をクリックすると、配置部品32の表示を解除する(図16)。つまり、表示していた配置部品32と表示エリア21とを、共に非表示にし、ピン40の選択処理を解除する。
また、表示エリア21内における部品30が表示されている部分以外を選択する、即ち、表示エリア21内における部品30が表示されている部分以外をクリックした場合には、新たな処理を行うことなく、それまでの処理を継続する。つまり、配置済み部品31が有する指定ピン41に接続される配置部品32を、表示エリア21の周辺領域22に表示している状態を継続する。
本実施形態に係る基板実装設計システム1では、上述した機能を有しており、これらの機能を組み合わせることにより、部品30の実装設計情報を生成することができる。次に、部品30の実装設計情報を生成する際における処理の手順について説明する。
図17−1、図17−2は、実施形態に係る基板実装設計システムで実装設計情報を生成する際の処理手順を示すフロー図である。部品30の実装設計情報を生成する際には、まず、ユーザーが任意の配置済み部品31を選択し、当該配置済み部品31が有する複数のピン40の中から、1つのピン40を指定ピン41として選択する。制御部10が有する配置部品抽出部11では、選択された指定ピン41の接続部品情報を取得する(ステップST11)。配置部品抽出部11は、予め生成されて記憶部8に記憶されている回路設計情報より、指定ピン41に接続される部品30の情報を取得し、指定ピン41に接続される部品30である配置部品32を抽出する。
次に、選択された配置済み部品31の実装形状から所定の値を計算し、部品30の表示エリア21を出現させる(ステップST12)。この表示エリア21の出現は、制御部10が有する配置部品表示状態決定部12によって表示エリア21の大きさを算出し、表示部5に表示させることにより行う。
次に、表示エリア21に表示する配置部品32の数は、所定の値を超えるか否かを判定する(ステップST13)。この判定は、配置部品表示状態決定部12で行い、配置部品表示状態決定部12は、表示エリア21に表示する配置部品32の数、つまり、配置部品抽出部11で抽出した配置部品32の数は、予め設定されている所定の値を超えるか否かを判定する。
配置部品表示状態決定部12での判定により、表示エリア21に表示する配置部品32の数は、所定の値を超えないと判定された場合(ステップST13、No判定)には、表示エリア21内に、スケール縮小した配置部品32を表示する(ステップST14)。つまり、配置部品表示状態決定部12は、抽出された複数の配置部品32からなる部品群の実装形状を、配置済み部品31の縮尺である基準縮尺よりも小さい縮尺で、表示エリア21内に表示する(図2参照)。
これに対し、表示エリア21に表示する配置部品32の数は、所定の値を超えると配置部品表示状態決定部12で判定された場合(ステップST13、Yes判定)には、表示エリア21内に所定の数だけ、スケール縮小した配置部品32を表示し、切り替え可能な追加処理を行う(ステップST15)。つまり、配置部品表示状態決定部12は、複数の配置部品32からなる部品群を基準縮尺よりも小さい縮尺で、所定の数だけ表示エリア21内に表示すると共に、表示エリア21内に、未表示部品情報51とページ切り替えアイコン52とを表示する(図3、図4参照)。これにより、複数の配置部品32のページ振り分けを行い、表示エリア21で表示するページを切り替え可能にする。この場合、表示エリア21のページに表示する部品群は、回路設計情報のシートや、部品30の番号順、または部品30が有するピン40の数順で、表示優先度を定義可能とするのが好ましい。
表示エリア21に配置部品32を表示したら(ステップST14、ST15)、次に、表示された部品群に対して、回路シンボル45を重ねて表示する(ステップST16)。つまり、配置部品表示状態決定部12は、各配置部品32に対応する回路シンボル45を、半透明にして配置部品32の実装形状に重ねてそれぞれ表示する(図7参照)。
次に、表示された部品群に対して、配置情報を表示する(ステップST17)。即ち、表示エリア21に表示された各配置部品32の近傍に、配置部品32が既に別の場所に配置されているか否かを示す配置状態アイコン55を表示する(図8、図9参照)。その際に、配置済みの配置部品32に関しては、設定により非表示にすることを可能としてもよい。
次に、表示された配置部品32を選択する(ステップST18)。つまり、ユーザーが操作部6を操作することにより、表示エリア21に表示されている複数の配置部品32の中から、1つの配置部品32を選択する。ユーザーが1つの配置部品32を選択したら、選択した配置部品32は配置済みであるか否かを判定する(ステップST19)。この判定は、配置状態判定部13で行い、選択した配置部品32は配置済みであると判定された場合(ステップST19、Yes判定)には、処理を行わない(ステップST20)。つまり、選択した配置部品32に対して、配置を行うための処理を行わず、ユーザーが配置部品32を選択する状態を継続する(ステップST18)。
これに対し、選択した配置部品32は配置済みではないと判定された場合(ステップST19、No判定)には、選択された配置部品32を基準縮尺で表示し、表示エリア21及び選択されなかった配置部品32を非表示とする(ステップST21)。つまり、選択した配置部品32は配置済みではないと配置状態判定部13で判定された場合には、配置部品表示状態決定部12は、選択された配置部品32の実装形状を、指定ピン41を有する配置済み部品31の縮尺と同じ縮尺で表示する。さらに、配置部品表示状態決定部12は、この配置部品32以外の配置部品32を非表示にし、また、表示エリア21も非表示にする。これにより、選択された配置部品32の配置処理に移る。
次に、制約条件はあるか否かを判定する(ステップST22)。つまり、選択された配置部品32と、指定ピン41を有する配置済み部品31との間の接続に対する制約条件があるか否かを、配置状態判定部13で判定する。制約条件は、予め設定されて記憶部8に記憶されており、配置状態判定部13は、この記憶部8に記憶されている制約条件を参照することにより、制約条件の有無を判定する。
配置状態判定部13での判定により、制約条件はあると判定された場合(ステップST22、Yes判定)には、さらに配置状態判定部13は、制約条件は複数あるか否かを判定する(ステップST23)。この判定により、制約条件は複数はないと判定された場合(ステップST23、No判定)には、制約条件応じた円形の配置領域23を、配置部品表示状態決定部12によって表示する(ステップST24)。つまり、配置部品表示状態決定部12は、指定ピン41を有する配置済み部品31を中心とし、選択した配置部品32を、制約条件に応じて配置することが可能な距離を半径とする円形で、配置領域23を表示する(図10参照)。
これに対し、配置状態判定部13での判定により、制約条件は複数あると判定された場合(ステップST23、Yes判定)には、配置部品表示状態決定部12により、制約条件に応じた配置領域23を表示し、且つ、表現方法を選択して表示切り替え可能とする(ステップST25)。制約条件は複数あると判定された場合は、配置部品表示状態決定部12は、複数の制約条件に対応する複数の配置領域23を全て表示したり(図11参照)、配置領域23内に配置領域切り替えアイコン58を表示し、配置領域切り替えアイコン58をクリックすることにより、表示する配置領域23を切り替え可能にしたりする(図12参照)。即ち、配置部品表示状態決定部12は、複数の配置領域23の表現方法を選択することができるメニューを表示し、ユーザーが複数の配置領域23の表現方法を選択することにより、複数の配置領域23を表示する際の表示切り替えを可能にする。
これらに対し、配置状態判定部13での判定により、制約条件はないと判定された場合(ステップST22、No判定)には、配置部品表示状態決定部12は、配置領域23を表示しない(ステップST26)。
これらのように、制約条件に応じて配置領域23を表示したり(ステップST24、ST25)、制約条件がないことにより配置領域23を表示しなかったり(ステップST26)した場合は、次に、配置部品32の選択状態中に、特定の動作を行うと、その配置部品32が持つピン40の次の接続部品情報60を表示する(ステップST27)。例えば、配置部品32の選択状態中に、ユーザーが操作部6を操作することにより、選択している配置部品32を細かく左右に動作させた際に、配置部品表示状態決定部12は、当該配置部品32が有するピン40に接続される部品30に関する接続部品情報60を表示する(図13参照)。この接続部品情報60が表示されている状態で、選択している配置部品32に対して再度特定の動作を行うと、接続部品情報60は非表示になる。
選択している配置部品32の制約条件を認識したり、選択している配置部品32に接続される部品30の情報を得たりしたら、ユーザーは、それの情報を考慮して、選択している配置部品32を配置する(ステップST28)。これにより、ユーザーは、選択した配置部品32を適切な位置に配置する。
次に、配置されていない配置部品32はあるか否かを判定する(ステップST29)。この判定は、配置状態判定部13で行い、配置状態判定部13は、ユーザーが選択した指定ピン41に接続される配置部品32のうち、仮想基板20への配置が完了していない配置部品32はあるか否かを判定する。この判定により、配置されていない配置部品32はないと判定された場合(ステップST29、No判定)は、ユーザーが選択した指定ピン41に接続される配置部品32の、仮想基板20への配置は全て完了したと判定し、この処理手順から抜け出る。
これに対し、配置されていない配置部品32はあると判定された場合(ステップST29、Yes判定)は、配置した配置部品32の優先度を下げて表示エリア21内にスケール縮小した配置部品32を表示する(ステップST30)。つまり、ユーザーが選択した配置部品32の配置が完了したら、再度、指定ピン41に接続される配置部品32からなる部品群を表示する。その際に、配置部品表示状態決定部12は、配置が完了している配置部品32の表示優先度を下げ、未配置の部品群を優先的に表示する。表示エリア21内に配置部品32を表示したら、ステップST17に戻り、表示された部品群に対して、配置情報を表示する(ステップST17)。
ユーザーが指定ピン41を選択した場合には、当該指定ピン41に接続される全ての配置部品32の配置が完了するまで、これらの処理を繰り返す。また、指定ピン41に接続される配置部品32を表示エリア21に表示している状態で、表示エリア21内外の所定の場所を選択した場合には、この処理手順から抜け出て、別のピン40に接続される配置部品32を表示したり(図15参照)、配置部品32の表示を解除したり(図16参照)する等、処理を分岐する。
以上の実施形態に係る基板実装設計システム1は、配置済み部品31が有する任意の指定ピン41に接続される部品30として抽出された配置部品32の実装形状に、論理設計である回路設計の情報で用いられる回路シンボル45を重ね、基準縮尺よりも小さい縮尺で表示している。これにより、配置部品32の配置設計を行う画面上で、部品30の実装情報と、回路シンボル45による論理情報とを同時に得ることができ、効率よく配置作業を行うことができる。また、回路設計情報と実装設計情報とは、独立した情報として記憶されるため、論理設計の情報の一部のみを確認したいときに、必要な箇所の情報のみを容易に確認することができ、作業効率を向上させることができる。これらの結果、プリント板の部品30の配置設計における作業性を向上させ、プリント板の回路設計全体の作業性を向上させることができる。
また、表示エリア21内の周辺領域22に1度に表示できる配置部品32数を超えて配置部品32が抽出された場合は、未表示部品情報51とページ切り替えアイコン52とを表示エリア21に表示するため、指定ピン41に接続される配置部品32の数を、過不足なく認識することができる。この結果、プリント板の部品30の配置設計における作業性を向上させると共に、部品30の配置設計を適切に行わせることができる。
また、表示エリア21内の周辺領域22に表示される配置部品32の配置状態に関する情報を、配置状態アイコン55によって配置部品32に対応して表示するため、抽出された配置部品32の配置状態を、適切に認識することができる。この結果、プリント板の部品30の配置設計における作業性を向上させると共に、部品30の配置設計を適切に行わせることができる。
また、縮小表示された配置部品32が、ユーザーの操作部6の操作によって選択されたとき、当該縮小表示された配置部品32を、基準縮尺まで拡大表示するため、配置部品32の配置設計を行う状態に、容易に移行することができる。この結果、プリント板の部品30の配置設計における作業性を、より確実に向上させることができる。
また、配置部品表示状態決定部12は、配置部品32の配置時の制約条件に基づいて、配置部品32を配置可能な領域である配置領域23を表示するため、配置部品32を仮想基板20上に配置する際に、不適切な位置に配置することなく、容易に適切な位置に配置することができる。この結果、プリント板の部品30の配置設計における作業性を向上させると共に、部品30の配置設計を適切に行わせることができる。
また、配置部品32の配置時の制約条件が複数存在する場合には、配置部品表示状態決定部12は、配置領域23を複数設定し、複数の配置領域23の表示の仕方を、ユーザーの意思に基づいて切り替え可能にしている。これにより、制約条件が複数存在する場合でも、これらの制約条件に応じた複数の配置領域23を、ユーザーの好みに応じた表示方法で表示し、適切に認識させることができる。このためユーザーは、配置部品32を仮想基板20上に配置する際に、複数の制約条件を満たす位置に、容易に配置することができる。この結果、プリント板の部品30の配置設計における作業性を向上させると共に、部品30の配置設計を適切に行わせることができる。
また、ユーザーが操作部6を操作することにより、配置部品32に対して所定の操作が行われると、配置部品表示状態決定部12は接続部品情報60を表示するため、ユーザーは、現在選択している配置部品32に接続される部品30についての情報を、容易に得ることができる。これにより、ユーザーは、配置部品32の配置設計時に必要な情報を、より容易に得ることができる。この結果、プリント板の部品30の配置設計における作業性を、より確実に向上させることができると共に、部品30の配置設計を適切に行わせることができる。
また、抽出された配置部品32のうち、配置されていない配置部品32の配置が完了した場合には、配置が完了した配置部品32の、表示エリア21への優先度を下げるため、ユーザーは、配置が完了していない配置部品32を、容易に認識することができる。これにより、ユーザーは、配置部品32の配置設計時に未配置の配置部品32を容易に認識することができ、効率よく配置設計を行うことができる。この結果、プリント板の部品30の配置設計における作業性を、より確実に向上させることができる。
〔変形例〕
なお、上述した基板実装設計システム1は、操作部6としてキーボードや、ポインティングデバイス等が用いられる、PC等が想定されたものになっているが、基板実装設計システム1は、これ以外によって構成されていてもよい。基板実装設計システム1は、例えば、表示部5と操作部6とがタッチパネルにより構成された、いわゆるタブレット端末が用いられてもよい。この場合、表示部5に表示される部品30やピン40の選択や、メニュー操作は、操作部6と一体となった表示部5をユーザーが触れることにより行う。
また、このように、基板実装設計システム1が、タッチパネルを有するタブレット端末等により構成されている場合、タッチパネルによって実現できる操作方法で、各機能を動作させてもよい。例えば、表示エリア21に複数のページが設定された際においてページを切り替える場合は、ユーザーが指で表示エリア21内をスライドすることにより、ページを切り替えてもよい。同様に、配置領域23が複数設定され、且つ、1つの配置領域23のみを表示する場合において、表示する配置領域23を切り替える際には、ユーザーが指で配置領域23内をスライドすることにより、表示する配置領域23を切り替えてもよい。また、配置部品32の実装形状と回路シンボル45とを重ねて表示する際には、配置部品32をダブルタップするごとに、配置部品32の実装形状のみを表示する状態と、双方を重ねて表示する状態とを切り替えるようにしてもよい。
また、表示部5と操作部6とが一体に構成されたタッチパネルが、複数の箇所へのタッチを認識する、いわゆるマルチタッチの認識が可能なものである場合には、基板実装設計システム1は、マルチタッチによって実現できる機能を備えていてもよい。図18は、実施形態に係る基板実装設計システムの変形例で、配置部品の配置処理を行う場合の説明図である。図19は、図18に示す表示エリアにおいて固定配置部品を残してページを切り替えた場合の説明図である。タッチパネルが、マルチタッチを認識可能である場合は、例えば、図18、図19に示すように、表示エリア21のページを切り替える際に、周辺領域22に表示される配置部品32のうち、一部の配置部品32を固定配置部品35として固定して、ページを切り替えてもよい。
具体的には、表示エリア21のページを切り替える際に、周辺領域22に表示される配置部品32のうち、一部の配置部品32に指等で触れた状態で、表示エリア21内をスライドしたり、ページ切り替えアイコン52をタップしたりすることにより、ページを切り替える。これにより、配置部品表示状態決定部12は、指等で触れている配置部品32である固定配置部品35を固定したまま、固定配置部品35以外のページを切り替える。つまり、周辺領域22に表示される配置部品32のうち、固定配置部品35以外の配置部品32の表示を、未表示配置部品と切り替える。このため、表示エリア21のページを切り替える際に、ユーザーが残しておきたいと思う配置部品32は表示エリア21上に残し、それ以外の配置部品32を切り替えることができる。従って、配置部品抽出部11で抽出された配置部品32をユーザーが参照する際における参照性を向上することができ、プリント板の部品30の配置設計における作業性を向上させることができる。
なお、このように、表示エリア21のページの切り替え時に、一部の配置部品32を固定配置部品35として、固定配置部品35以外の配置部品32を切り替えることは、操作部6としてキーボードやポインティングデバイス等が用いられるPC等で行ってもよい。この場合、表示エリア21に表示される複数の配置部品32のうち、表示させておきたい配置部品32に、表示を固定するプロパティを付与することにより、この配置部品32を固定配置部品35とする。この状態で、ページ切り替えアイコン52をクリックすることによって表示エリア21のページを切り替える際に、固定配置部品35は残し、それ以外の配置部品32を切り替えることにより、固定配置部品35は残した状態でページの切り替えを行ってもよい。このように、タッチパネルを用いる場合以外でも、固定配置部品35を残した状態でページを切り替えることにより、配置部品抽出部11で抽出された配置部品32をユーザーが参照する際における参照性を向上することができる。
また、基板実装設計システム1では、上述した機能を全て備えていなくてもよく、また、上述した機能以外の機能を備えていてもよい。また、部品30の実装設計情報を生成する際の処理手順も、上述した手順以外であってもよい。基板実装設計システム1は、機能や装置の構成、処理の手順に関わらず、指定ピン41が選択されることにより抽出された配置部品32に対応する回路シンボル45と配置部品32の実装形状とを重ねて、基準縮尺よりも小さい縮尺で表示エリア21に表示することにより、プリント板の部品30の配置設計における作業性を向上させ、プリント板の回路設計全体の作業性を向上させることができる。