JP2016004007A - 流量算出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】開放空間内であっても、壁面の穴から流出または流入する流れの流量を算出できる流量算出方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明にかかる流量算出方法の代表的な構成は、開放空間の壁面134の穴136から流出または流入する流れの流量を算出する方法であって、穴の位置にレーザーシート130を形成し、流れの中にあるトレーサー132にレーザーシートの光が反射した輝点Dを連続的に撮影することにより流れの速度分布を算出し、穴を囲むように境界線152を設定し、境界線上のプロットの速度成分に単位面積をかけて単位流量を算出し、単位流量を積分して流れの流量を算出する。
【選択図】図4
【解決手段】本発明にかかる流量算出方法の代表的な構成は、開放空間の壁面134の穴136から流出または流入する流れの流量を算出する方法であって、穴の位置にレーザーシート130を形成し、流れの中にあるトレーサー132にレーザーシートの光が反射した輝点Dを連続的に撮影することにより流れの速度分布を算出し、穴を囲むように境界線152を設定し、境界線上のプロットの速度成分に単位面積をかけて単位流量を算出し、単位流量を積分して流れの流量を算出する。
【選択図】図4
Description
本発明は、PIV計測システムを用いた流量算出方法に関するものである。
原子炉圧力容器内は、冷却材としての水が注入されている。そこで原子炉圧力容器内の状態を知るために、原子炉圧力容器内の水の流れを知りたいという要請がある。特許文献1には、原子炉圧力容器内の水の流れを知る方法として、放射線環境下でのPIV(Particle Imaging Velocity:粒子画像流速測定法)計測システムが提案されている。PIV計測とは、流れの中にレーザーシートを形成してこれを撮影し、粒子(トレーサー)に反射した輝点の動きを観察することによって流れを把握する方法である。なお、このように流れを可視化する技術を総称してFV(Flow Visualization)と呼ばれている。
特許文献2には、PIV計測システムを用いた粒子画像流速測定装置が記載されている。この装置では、トレーサーが浮遊する空間に相互に平行かつ波長が異なる二つの2次元のレーザーシートを照射し、レーザーシートに対して直交する方向に配置した2台のカメラで各々のレーザーシート内に存在するトレーサーを撮像する。つぎに装置では、得られた二つの画像のトレーサーの輝度パターンを比較することで、レーザーシートの面内のX方向およびY方向の速度成分(面内速度成分)と、レーザーシートに直交するZ方向の速度成分(面外速度成分)とを含む3速度成分を測定している。
ところで、原子力発電所が過酷事故(シビアアクシデント)を生じている場合、原子炉圧力容器の内部のみならず、原子炉格納容器の内部にも水が注入されている場合がある。そしてこれらの場合には、通常状態よりもさらに内部の様子、例えば原子炉格納容器や原子炉圧力容器などの壁面の穴から流出または流入する流体の流れの様子を知りたいという要請が高い。なお原子炉格納容器や原子炉圧力容器のようなある程度の大きさを有する密閉空間では、その内部の流体の流れが管内のように一方向に生じるものとは異なっている。以下では、このような空間を開放空間と称する。
特許文献1は、耐放射線性能を備える伝送ケーブルを用いるなど、PIV計測システムを放射線環境下でも使用可能とする技術である。しかしながら、特許文献1には、開放空間内で壁面の穴から流出または流入する流れの流量を算出する手法について具体的には開示されていない。
特許文献2は、半導体製造工程で使用されるクリーンルーム内で雰囲気中に浮遊する微粒子の発生源を、PIV計測システムによって特定するものに過ぎない。すなわち特許文献2に記載の技術では、原子力発電所の過酷事故の状況下で、開放空間内の流れの流量を算出することはできない。
本発明は、このような課題に鑑み、開放空間内であっても、壁面の穴から流出または流入する流れの流量を算出できる流量算出方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる流量算出方法の代表的な構成は、開放空間の壁面の穴から流出または流入する流れの流量を算出する方法であって、穴の位置にレーザーシートを形成し、流れの中にある粒子にレーザーシートの光が反射した反射光を連続的に撮影することにより流れの速度分布を算出し、穴を囲むように境界線を設定し、境界線上のプロットの速度成分に単位面積をかけて単位流量を算出し、単位流量を積分して流れの流量を算出することを特徴とする。
上記構成によれば、開放空間(例えば、原子炉格納容器など)の壁面の穴を囲むように境界線を設定することで、境界線上のプロットを通過する流れの速度成分を算出できる。そして、このプロットの速度成分に単位面積をかけて単位流量を算出し、この単位流量を穴の中心軸周りに積分することで、流れの流量を算出できる。なお単位面積は、境界線で囲まれた領域を境界線上のプロットで分割することで得られる。したがって、上記方法によれば、開放空間内であっても、壁面の穴から流出または流入する流れの流量を算出できる。
上記の速度分布は、マトリクス状のプロットについて算出されていて、境界線は、壁面に直交し穴の中心位置を通る中心軸を基準として互いに線対称となる2つの側線と、壁面に対向し側線の端同士をつなぐ上線とを含む矩形であるとよい。
このように、プロットがマトリクス状に配列されていて、境界線が矩形(コの字型)であるので、境界線の側線上および上線上にプロットを設定し易い。このため、側線上のプロットの速度成分(側線に対する垂直成分)を用いて、側線での流れの流量を算出できる。また、上線上のプロットの速度成分(上線に対する垂直成分)を用いて、上線での流れの流量を算出できる。さらに、側線および上線での流れの流量を加算することで、壁面の穴から流出または流入する流れの流量を算出できる。
上記の境界線は、その内側に最も速度が大きいプロットを含むように設定するとよい。レーザーシートは空間内の1つの断面しか照射しないので、境界線は基本的にはなるべく穴に近いのがよい。しかしながら、あまり穴に近い位置のプロットでは、流入する場合には流れに乱れが大きく、流出する場合にはトレーサーが穴に吸い込まれてしまうために、適切な速度を取れないおそれがある。そこで境界線の内側に最も速度が大きいプロットを含むように設定することにより、穴から適切に距離をおいて境界線を設定することができる。これにより壁面の穴から流出または流入する流れを最もよく捉えることができ、高い精度で流量を算出することが可能となる。
上記の流れの中にある粒子と理想的なトレーサーとを比較して補正係数を予め算出し、境界線上のプロットの速度に補正係数をかけて、速度を補正するとよい。ここで、例えば原子炉格納容器や原子炉圧力容器の内部には、流れの中に浮遊する粒子(水酸化鉄など)が存在している。このような粒子は、流れに追従する理想的なトレーサーに比べて追従性が劣る可能性が高い。そこで、上記構成では、流れの中にある粒子をトレーサーとして利用する場合、理想的なトレーサーとの追従性の差を考慮した補正係数を予め算出する。そして、この補正係数によって、境界線上のプロットの速度を補正することにより、流れの流量を正確に算出できる。
本発明によれば、開放空間内であっても、壁面の穴から流出または流入する流れの流量を算出できる流量算出方法を提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本実施形態における流量算出方法が適用される原子炉の概略構成を説明する図である。以下では、理解を容易にするために沸騰水型原子炉(BWR)を例示して説明するが、改良型沸騰水型原子炉(ABWR)についても本実施形態を適用可能である。
原子炉建屋100には原子炉格納容器102が設置され、その中に原子炉圧力容器104が設置されている。原子炉格納容器102の下方にはサプレッションプール106(圧力抑制室ともいう)が設けられていて、過剰な蒸気をサプレッションプール106内の水に注入することによって圧力を下げることができる。
原子炉格納容器102および原子炉圧力容器104は、いずれも密閉容器であり、その内部に密閉空間を有している。なお、原子炉圧力容器104は高さ20m程度、直径6m程度であり、また、原子炉格納容器102は高さ40m程度、直径18m程度の大きな設備である。このような大きな密閉空間を有する原子炉格納容器102や原子炉圧力容器104は、その内部の流体の流れが管内のように一方向に生じるものとは異なる、いわば開放空間を成している。
原子炉圧力容器104は、ウラン等からなる燃料棒を束ねた燃料集合体108を収容する。原子炉圧力容器104に収容された燃料集合体108は、臨界に達して、容器内部に充填された水(炉水)を加熱し蒸気を発生させる。
図1は事故時の状態を示している。図中では原子炉格納容器102の底部、原子炉圧力容器104の内部およびサプレッションプール106の部屋に水が溜まっているように描いている。なお通常の運転中は、原子炉格納容器102は窒素充填され、サプレッションプール106内部には適量の水が保有されている。過酷事故の状況下では、原子炉格納容器102および原子炉圧力容器104の内部には、放射線の遮蔽と炉心の冷却を図るために冷却水が注入されることになり、図示のように冷却水110、112が滞留する。
過酷事故によって燃料(燃料ペレット)が過熱すると、燃料被覆管や燃料集合体108のケース(チャネルボックス)が融解する(炉心溶融:メルトダウン)。すると燃料および炉の構造物の溶融物が混在した、いわゆるデブリが発生する。デブリは原子炉圧力容器104の下部に堆積すると考えられるが、程度によっては原子炉圧力容器の底をも融解させて原子炉格納容器102まで落下する場合もある(メルトスルー)。したがって図1に示すように、デブリ114が原子炉圧力容器104や原子炉格納容器102の底部に堆積すると考えられる。
また過酷事故の状況下では、原子炉格納容器102や原子炉圧力容器104などの壁面の穴(排水口や亀裂、スリット状の穴など)から流出または流入する冷却水110、112などの流体の流れの様子を知りたいという要請が高い。そこで、本実施形態では、PIV計測システムを用いた流量算出方法によって、一例として冷却水110の流量を算出する。
過酷事故の状況下では、原子炉格納容器102の蓋を開くことができないため、原子炉格納容器102の壁面に設置されている検査孔116から、流量測定装置118の一部であるレーザーシート用の光学ユニットおよび撮影ユニットを挿入する必要がある。流量測定装置118は、検査孔116に挿入される挿入管120と、挿入管120の先端に接続されたヘッド122とを備える。
挿入管120は、可撓性を有するフレキシブルチューブであって、流量測定装置118の本体とヘッド122との間を接続する光ケーブルや信号ケーブルを挿通している。流量測定装置118は、ヘッド122から連続的に画像を取得して、画像間(フレーム間)で粒子の輝点の位置を比較することにより、輝点の移動方向と移動量を速度ベクトルで示し、これを解析することで流れの流量を算出する(詳細は後述)。
図2は、本実施形態におけるPIV計測の手法を概略的に示す図である。図2(a)は、流量測定装置118によるPIV計測の概略構成を示す図である。図2(b)は、流量計測装置118の機能を示すブロック図である。
流量計測装置118のヘッド122は、図2(a)に示すように、治具124に固定された光学ユニット126と撮影ユニット(撮像部128)とを備える。光学ユニット126は、流体である冷却水110の流れの中にレーザーシート130を形成する。光学ユニット126は、挿入管120を通る光ケーブル介して流量計測装置118から送られてきたレーザー光を照射させてレーザーシート130を形成する。レーザーシート130が冷却水110の中に浮遊する水酸化鉄などの粒子(トレーサー132)に反射すると輝点(図3参照)を生じる。
撮像部128は、撮影方向Aに沿ってこれらの輝点を撮影する。撮像部128は、カメラ(CCDやCMOSなどの撮像素子)を有し、挿入管120を通る信号ケーブルによって画像データが流量測定装置118の本体に伝達される。あるいは撮像部128にレーザーシート130を撮影するための対物レンズなどを設置し、カメラは流量測定装置118の本体に備えるようにしてもよい。この場合には、挿入管120を通る光ケーブルによって画像(光)が流量測定装置118の本体に伝達される。なお図2(a)中の矢印Bは、開放空間である原子炉格納容器102の壁面134の穴136から流出する流体の流れの方向を示している。また領域Cは、撮像部128による撮影範囲を示している。
流量測定装置118は、本実施形態にかかる流量算出方法を実現するものであり、図2(b)に示すように、上記撮像部128と、流量算出部138と、出力部140とを備える。流量算出部138は、画像処理部142と、ベクトル解析部144と、補正係数格納部146とを備える。
図3は、撮像部128で輝点Dを撮影する様子を例示する図である。撮像部128は、図示のように、壁面134の穴136の位置に形成されたレーザーシート130が撮影範囲(領域C)内に位置するように撮影方向Aを適宜調整する。すなわち、撮像部128の撮影範囲には、図示のようにレーザーシート130のうち穴136を横切る照射ライン148が含まれている。また輝点Dは、冷却水110の中の上記トレーサー132にレーザーシート130の光が反射した反射光である。
図4は、本実施形態における流量算出方法の各処理を示すフローチャートである。まず、流量測定装置118では、光学ユニット126を用いて穴136の位置にレーザーシート130を形成する(ステップS100)。つぎに、撮像部128は、図3に示す輝点Dを連続的に撮影する(ステップS102)。
流量算出部138の画像処理部142は、撮像部128から画像データを例えば1/30秒間隔で500枚分取得し、取得したデータをベクトル解析部144に出力する。続いて、ベクトル解析部144は、画像処理部142から得た連続する各時刻の画像データの相関に基づいて、輝点Dの移動方向と移動量を示す速度ベクトルを求め、これを解析し流れの速度分布を算出する(ステップS104)。ステップS104の後、ベクトル解析部144は、穴136を囲むように境界線(図5参照)を設定する(ステップS106)。以下、ステップS104、S106について説明する。
図5は、穴136から流出する流れを速度ベクトルVで示す図である。なお図中の領域Eは、いわゆる斜角補正が施された状態で出力部140に表示されたものである。斜角補正では、ベクトル解析部144が補正係数格納部146から斜角補正係数を読み出し、これを用いて撮像部128からの距離が遠いほど速度ベクトルを伸ばし、距離が近いほど速度ベクトルを縮める補正を行う。
領域Eは、マトリクス状のプロット150と、穴136を囲むように設定された矩形(コの字型)の境界線152とを含む。このように、プロット150がマトリクス状に配列されていて、境界線152が矩形であるので、境界線152上にプロットが設定し易くなる。ここで、ステップS104で算出される速度分布とは、図中の速度ベクトルVのうち境界線152上のプロットを通過する流れの速度成分である(図6参照)。
境界線152は、図6(a)に示すように、その内側に最も速度が大きいプロットfを含むように設定する。なおプロットfを通過する流れは、速度ベクトルVfとして示している。ここで、レーザーシート130は空間内の1つの断面しか照射しないので、境界線152は基本的にはなるべく穴136に近いほうが好ましい。しかしながら、穴136にあまりに近い位置のプロットでは、穴136に流体が流入する場合には流れに乱れが大きく、穴136から流体が流出する場合にはトレーサー132が穴136に吸い込まれてしまうために、適切な速度を得られない可能性がある。
そこで、境界線152の内側に最も速度が大きいプロット(ここでは、プロットf)を含むように設定することにより、穴136から適切に距離をおいて境界線152を設定できる。これにより、壁面134の穴136から流出または流入する流れを最もよく捉えることができる。
図6は、図5の速度ベクトルVを解析する手法を示す図である。図6(a)は、境界線152上のプロットの速度成分を示す図である。図6(b)は、図6(a)のプロットの速度成分を用いて流れの流量を算出する過程を示す概念図である。
矩形の境界線152は、図6(a)に示すように、2つの側線154a、154bと、上線156とを含む。側線154a、154bは、壁面134に直交し穴136の中心位置を通る中心軸Gを基準として互いに線対称となっている。上線156は、壁面134に対向し側線154a、154bの端同士をつないでいる。図中では、境界線154の側線154aにプロットa、b、cが設定され、上線156にプロットd、eが設定された状態を例示している。
ここで側線154a上のプロットa、bを通過する流れは、速度ベクトルVa、Vbとして示している。また、プロットa、bの速度成分とは、速度ベクトルVa、Vbの側線154aに対するX方向に沿った垂直成分であり、図6(a)ではVax、Vbxとして示している。上線156上のプロットd、eを通過する流れは、速度ベクトルVd、Veとして示している。また、プロットd、eの速度成分とは、速度ベクトルVd、Veの上線156に対するY方向に沿った垂直成分であり、図6(a)ではVdy、Veyとして示している。
再び図3に戻り説明する。ベクトル解析部144は、境界線152上のプロットの速度成分に単位面積をかけて単位流量を算出し、単位流量を積分して流れの流量を算出する(ステップS108)。以下、ステップS108について説明する。
図6(b)には、一例として、領域Hに速度成分Vm、Vnおよび単位面積ΔS、ΔRを示している。なお領域Hは、境界線152で囲まれた領域(境界線152を穴136の中心軸Gを中心として回転させたときに囲まれる領域)とされる。速度成分Vmは、プロットa、bの速度成分Vax、Vbxと方向が同一で大きさが(Vax+Vbx)/2となるベクトルである。速度成分Vnは、プロットd、eの速度成分Vdy、Veyと方向が同一で大きさが(Vdy+Vey)/2となるベクトルである。
単位面積ΔS、ΔRは、領域Hを境界線152上のプロット(ここでは、プロットa、b、c、d、e)で分割することでそれぞれ得られる。例えば、単位面積ΔSは、Y方向に関し側線154a上のプロットa、b、cにより4つに分割されている。単位面積ΔSは、円周方向に関しては、適宜の数で分割してよく、分割数が増えるほど流量の算出の精度を高めることができる。また、上線156での流れの流量が穴132の中心軸G周りに対称であると仮定することで、単位面積ΔRは、中心軸Gを中心とするプロットd、eで囲まれた同心円の面積となる。
つまり、ステップS110では、領域Hに示すように、速度成分Vmに単位面積ΔSをかけることで単位流量を算出し、これを中心軸G周りに積分することで、領域Hの側面での流れの流量を算出できる。なお側線154a、154bは中心軸Gに対して線対称であるため、側線154a、154bでの流れの流量は同一と仮定される。また領域Hに示す速度成分Vnに単位面積ΔRをかけることで単位流量を算出し、これを積分することで、領域Hの上面での流れの流量を算出できる。さらに、ベクトル解析部144は、ステップS108において、側線154a、154bおよび上線156での流れの流量を加算することで、壁面134の穴136から流出または流入する流れの流量を算出できる。
つぎに、ベクトル解析部144は、補正係数格納部146からトレーサー補正係数を読み出し、この補正係数を用いて流れの流量を補正する(ステップS110)。ここで、流れの中にあるトレーサー132は、流れに追従する理想的なトレーサーに比べて追従性が劣る可能性が高い。一例としてトレーサー132は、理想的なトレーサーに比べて鉛直方向の流れに対し、その速度が約2/3程度となる場合もある。
そこで、本実施形態では、流れの中にある水酸化鉄などをトレーサー132として利用する場合、理想的なトレーサーとの追従性の差を考慮したトレーサー補正係数を予め算出し、これを補正係数格納部146に格納している。そして、ステップS110において、ベクトル解析部144は、トレーサー補正係数による流量の補正を行う。なおステップS110では、ステップS108で算出された流れの流量を補正してもよく、あるいは、ステップS104で得られた境界線152上の各プロットの速度ベクトル自体を予め補正してもよい。
したがって、本実施形態によれば、原子炉格納容器102などの開放空間内であっても、壁面134の穴136を囲むように境界線152を設定し、ベクトル解析を行うことで、穴136から流出または流入する流れの流量を算出できる。さらに、トレーサー補正係数による流量の補正を行うことで、流れの流量をより正確に算出できる。
上記実施形態では、境界線152は、矩形としたがこれに限られず、境界線152上に各プロットが設定できるのであれば、多角形や円形などの適宜の形状であってもよい。また、上記実施形態では、原子炉格納容器102の穴136から流出する流れの流量を算出する場合を例示したが、これに限られず、穴136から原子炉格納容器102に流入する流れの流量を算出してもよい。なお上記実施形態においては原子炉格納容器102の内部を例に用いて説明したが、全く同様にして原子炉圧力容器104の内部の穴から流出または流入する流れの流量を算出することも可能である。さらに、本実施形態にかかる流量算出方法は、開放空間を有する原子炉以外の適宜の構造物に適用してもよく、それらの構造物の壁面の穴から流出または流入する流れの流量を算出してもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、PIV計測システムを用いた流量算出方法に利用することができる。
100…原子炉建屋、102…原子炉格納容器、104…原子炉圧力容器、106…サプレッションプール、108…燃料集合体、110、112…冷却水、114…デブリ、116…検査孔、118…流量測定装置、120…挿入管、122…ヘッド、124…治具、126…光学ユニット、128…撮像部、130…レーザーシート、132…トレーサー、134…壁面、136…穴、138…流量算出部、140…出力部、142…画像処理部、144…ベクトル解析部、146…補正係数格納部、148…照射ライン、150…プロット、152…境界線、154a、154b…側線、156…上線
Claims (4)
- 開放空間の壁面の穴から流出または流入する流れの流量を算出する方法であって、
前記穴の位置にレーザーシートを形成し、
流れの中にある粒子に前記レーザーシートの光が反射した反射光を連続的に撮影することにより流れの速度分布を算出し、
前記穴を囲むように境界線を設定し、
前記境界線上のプロットの速度成分に単位面積をかけて単位流量を算出し、該単位流量を積分して前記流れの流量を算出することを特徴とする流量算出方法。 - 前記速度分布は、マトリクス状のプロットについて算出されていて、
前記境界線は、前記壁面に直交し前記穴の中心位置を通る中心軸を基準として互いに線対称となる2つの側線と、前記壁面に対向し該側線の端同士をつなぐ上線とを含む矩形であることを特徴とする請求項1に記載の流量算出方法。 - 前記境界線は、その内側に最も速度が大きいプロットを含むように設定することを特徴とする請求項1または2に記載の流量算出方法。
- 流れの中にある前記粒子と理想的なトレーサーとを比較して補正係数を予め算出し、
前記境界線上のプロットの速度に前記補正係数をかけて、該速度を補正することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の流量算出方法。
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