JP2016001133A - 液体充填装置、それを有する分析装置、および液体充填方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ウエルに過剰量の液体を導入することなく、ウエルに連通したマイクロ流路に液体を充填することができる液体充填装置を提供する。【解決手段】 液体充填装置1は、少なくとも1つのマイクロ流路102と、マイクロ流路102と連通した少なくとも1つのウエル103と、を有するマイクロ流体デバイス1の内部に液体を導入し、マイクロ流路102に液体を充填する。液体充填装置1は、少なくとも1つのウエル103からマイクロ流路102に液体を導入する液体導入手段11と、液体導入手段11が液体を導入するウエル103以外の少なくとも1つのウエル103を密閉する密閉部材3と、密閉部材3がウエル103を密閉したときに、ウエル103の内部の空間の少なくとも一部を占有するようにウエル103内に配置される占有部材4と、を有する。【選択図】 図2
Description
本発明は、マイクロ流路の内部に液体を充填する液体充填装置、それを有する分析装置、および液体充填方法に関する。
生化学分析や化学分析を行うための、さまざまな装置が開発されている。その中の一つに、マイクロ流体デバイスがある。マイクロ流体デバイスは、デバイス中にマイクロ流路等の微細構造を有するデバイスである。マイクロ流体デバイスを用いることで、分析に係る全ての工程を1つのマイクロ流体デバイス上で行うことができる。この分析技術は、マイクロ・トータル・アナリシス・システム(μ−TAS)またはラボオンチップと呼ばれている。
マイクロ流体デバイスを使用して分析を行う際には、分析工程の前に、マイクロ流体デバイス内のマイクロ流路全体を液体で満たす工程を行うのが一般的である。この工程は初期化(プライミング)と呼ばれる。液体をマイクロ流路内に予め充填しておくことにより、試料や試薬等を含む目的の液体をマイクロ流路内にスムーズに導入し、送液することができる。
マイクロ流体デバイスは一般に、マイクロ流路の開口部であって液体を収容する部分であるウエルを、マイクロ流路の端部に有する。例えばマイクロ流路の下流側のウエルは、マイクロ流路内での反応によって生じる廃液等の液体を収容する機能を有する。このウエルを液体で満たした状態でマイクロ流体デバイスを使用すると、ウエルに流れ込んでくる液体をウエルに収容することができず、液体がマイクロ流体デバイスから溢れてしまう。
そのため、マイクロ流体デバイスを使用する前には、マイクロ流路内は液体で満たした状態にしつつ、マイクロ流路に連通するウエルからは液体を除去しておくことが望ましい。
特許文献1に記載されている技術では、液体を導入する配管に接続された開口部と、減圧用の配管に接続された開口部とを有するノズルを介してウエルの内部に液体を導入し、ノズルを介してウエルの内部から液体を排出する。ノズルをウエルに挿入してOリングによってウエルを密閉し、ウエルの内部の圧力を減圧することで液体の導入または排出を行う。液体を導入する際は、ウエルの内部の圧力を下げ、圧力差を利用してウエルの内部に液体を導入する。液体を排出する際は、減圧用の配管を介してウエルの内部の液体を吸引して排出する。特許文献1の技術を用いることで、ウエルの内部の液体を導入した後、ウエルの内部から液体を除去することができる。
特許文献1の技術では、マイクロ流路に液体を充填し、ウエルにも過剰量の液体を導入した後で、ウエルの内部に導入された過剰量の液体を、ノズルを介して排出する。そのため特許文献1の技術では、マイクロ流路に液体を充填する時間に加え、ウエルに過剰量の液体を導入する時間とウエルに導入された過剰な液体を排出する時間とが余分にかかるという課題があった。
そこで本発明では、ウエルに過剰量の液体を導入することなく、ウエルに連通したマイクロ流路に液体を充填することができる液体充填装置を提供することを目的とする。
そこで、本発明の液体充填装置は、少なくとも1つのマイクロ流路と、前記マイクロ流路と連通した少なくとも2つのウエルと、を有するマイクロ流体デバイスの内部に液体を導入し、前記マイクロ流路に前記液体を充填する液体充填装置であって、前記液体充填装置は、少なくとも1つの前記ウエルから前記マイクロ流路に前記液体を導入する液体導入手段と、前記液体導入手段が前記液体を導入する前記ウエル以外の少なくとも1つの前記ウエルを密閉する密閉部材と、前記密閉部材が前記ウエルを密閉したときに、前記ウエルの内部の空間の少なくとも一部を占有するように前記ウエル内に配置される占有部材と、を有することを特徴とする液体充填装置。
本発明によれば、ウエルに過剰量の液体を充填することなく、ウエルに連通したマイクロ流路に液体を充填することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る液体充填装置を用いて液体の充填を行うマイクロ流体デバイスについて、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る液体充填装置を用いて液体の充填を行うマイクロ流体デバイスの断面図である。マイクロ流体デバイス100(以下、「デバイス100」と称する)は、少なくとも1つのマイクロ流路102を有するデバイスである。
まず、第1の実施形態に係る液体充填装置を用いて液体の充填を行うマイクロ流体デバイスについて、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る液体充填装置を用いて液体の充填を行うマイクロ流体デバイスの断面図である。マイクロ流体デバイス100(以下、「デバイス100」と称する)は、少なくとも1つのマイクロ流路102を有するデバイスである。
ここで、本明細書においてマイクロ流路に「液体を充填する」とは、マイクロ流路の内部に液体を導入し、マイクロ流路の内部を液体で満たすことを指す。液体を充填した後のマイクロ流路の内部は液体で隙間なく埋め尽くされ、マイクロ流路の内部には気泡が存在しないことが好ましい。
マイクロ流路102は、内部に流体を流すことを前提とした、1mm以下の幅を有する流路である。マイクロ流路102の内部に流す流体は、液体であっても気体であっても良い。マイクロ流路102は、幅が1000μm以下、深さが500μm以下の流路であることが望ましい。マイクロ流路102の内部の流体の流れは、乱流でなく層流であることが望ましい。
デバイス100は、少なくとも2枚の基板を接合することで形成することができる。このとき、一方の基板の表面に微細な溝を形成し、この溝をもう一方の基板によって覆うようにして2枚の基板を接合することで、マイクロ流路102を形成することができる。
デバイス100を形成する基板の材質としては、特に限定はされないが、例えばガラス、プラスチック、金属、無機化合物などを用いることができる。デバイス100を形成する基板の材質としてガラスを用いる場合は、例えば石英ガラス、アルカリガラス、無アルカリガラスなどを用いることができる。デバイス100を形成する基板の材質としてプラスチックを用いる場合は、例えばアクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロンなどを用いることができる。なお、一種類のプラスチックから成る基板を用いても良いし、複数種のプラスチックを含む基板を用いても良い。
デバイス100を形成する基板の材質として金属を用いる場合は、例えばアルミニウム、ニッケル、鉄、銅などの金属や、ステンレス、真鍮などの合金を用いることができる。デバイス100を形成する基板の材質として無機化合物を用いる場合は、例えばアルミナ、ジルコニア及びシリカ等の金属酸化物や窒化ホウ素などの、セラミックを用いることができる。
マイクロ流路100を形成するための基板の加工方法は、特に限定されない。例えばエッチングプロセス、機械加工、金型成形などのプロセスを用いることができる。デバイス100を形成する基板としてガラス、金属、無機化合物の基板を用いる場合は、エッチングプロセスを使用することで、マイクロ流路102を高精度に形成することができる。デバイス100を形成する基板としてプラスチックの基板を用いる場合は、金型を用いた射出成型プロセスを使用することで、マイクロ流路102を高精度に形成することができる。
デバイス100に使用する基板の厚さは、特に限定されない。基板の厚さをマイクロ流路102の内部を流れる流体の圧力によって変形しない厚さとすることで、マイクロ流路102の内部の流体の流れをより精密にコントロールすることができる。例えば、デバイス100を構成する基板としてプラスチックの基板を使用する場合であれば、基板の厚さは0.1mm以上とすることが望ましい。厚さが0.1mm未満である場合、マイクロ流路102の内部を流れる流体の圧力によってマイクロ流路102が変形し、流体の送液の制御に支障が出る可能性がある。基板の厚さの上限については、特に規定はされていないが、デバイス100を用いた製品の形状や、歩留まり、製造コストなどから、最適な厚さを選択することができる。
デバイス100は、マイクロ流路102に連通するウエル103を少なくとも1つ有する。なお、デバイス100が有するウエル103及びマイクロ流路102の数は特に限定されない。
ウエル103は、マイクロ流路102に連通するとともに、デバイス100の外側に開口している開口部である。ウエル103は、ウエル103の底面でマイクロ流路102と連通していることが好ましい。ウエル103は、デバイス100のマイクロ流路102の内部を通過した後の液体である廃液を収容する機能や、マイクロ流路102の内部に導入する前の流体を収容する機能を有する。そのため、ウエル103は、デバイス100を使用し、マイクロ流路102に流体を流し始める前には十分な空きスペースを有していることが望ましい。必要な空きスペースの最小値は、マイクロ流路102の内部に流す試薬等の流体の量等によって決まる。
ここで、本明細書においてデバイス100を「使用する」とは、100を不図示の分析装置にセットして、マイクロ流路102の内部に試料や試薬等を含む目的の液体を流して分析を行うことを指す。
内部が液体で満たされていない状態のマイクロ流路102に対して、大気圧下で液体を導入しようとすると、マイクロ流路102の入口が狭いためにマイクロ流路102の内部に液体が入り難い場合がある。また、マイクロ流路102の内部に液体を導入できたとしても、マイクロ流路102の内部に空気が混入してしまい、マイクロ流路102内に気泡が残ってしまう場合がある。
そのため、マイクロ流路102の内部に大気圧下で液体を導入する際には、マイクロ流路102の内部を予め液体で満たしておくことが一般的である。マイクロ流路102の内部を予め液体で満たす工程は、初期化またはプライミングと呼ばれる。
初期化の際には、まず、マイクロ流路102の内部を予め減圧してマイクロ流路102の内部に存在していた空気を排出する。その後、減圧したマイクロ流路102の内部に液体を導入するのが一般的な初期化の方法である。この方法を用いることで、マイクロ流路102の内部に液体を容易に充填でき、マイクロ流路102の内部への気泡を混入させずに流体を充填することができる。なお、マイクロ流路102の内部を減圧する方法は特に限定されないが、ポンプによって気体を排出する方法が一般的である。
このようにしてマイクロ流路102の内部に予め液体を充填しておくことで、デバイス100を使用する際に、目的となる試薬等を含む液体をスムーズにマイクロ流路102の内部に導入することができる。マイクロ流路デバイス100の使用前にマイクロ流路102の内部に予め充填する液体は、目的とする試薬等の液体と反応性の低い液体であることが望ましい。予め充填しておく液体の種類は特に限定されないが、例えば水や油等を使用することができる。
次に、本実施形態に係る液体充填装置について、図2を用いて説明する。図2は本実施形態に係る液体充填装置にマイクロ流体デバイスをセットしたときの断面図である。
液体充填装置1は、コンテナ部7と、コンテナ部7に組み合わされる蓋部3とを有する。液体充填装置1は、コンテナ部7と蓋部3とを組み合わせて形成される空間内にデバイス100を収納することができる。収納されたデバイス100は蓋部3とコンテナ部7とによって保持される。このとき、蓋部3はデバイス100に押しつけられ、蓋部3の密着部5がデバイス100の上面に密着する。特に、デバイス100のそれぞれのウエル103の開口縁部に密閉部材5が密着することで、それぞれのウエル103が密閉される。すなわち、蓋部3はウエル103を密閉する密閉部材である。
蓋部3は、液体を導入するときに用いるウエル103に対応した位置に、ポート6を1つ有する。ポート6は、ウエル103およびマイクロ流路102に液体を導入し、マイクロ流路102に液体を充填する液体導入手段11に接続されている。本実施形態では液体導入手段11として、気体排出手段である排気ユニット17と液体供給ユニット16とを、切替バルブ18を介してポート6に接続している。
蓋部3は、デバイス100のウエル103にそれぞれ対応した位置に、占有部材4を有する。本実施形態では、蓋部3に占有部材4を、液体を導入するウエル103以外のウエル103の数だけ設けた。すなわち、蓋部3は、それぞれのウエル103が対応する位置のうち、ポート6が存在する位置以外の位置にそれぞれ占有部材4を有する。占有部材4はそれぞれ、対応するウエル103と相補的な形状を有している。また、占有部材4の体積はそれぞれ、対応するウエル103の容積と等しい。
そのため、占有部材4はそれぞれ、液体充填装置1の内部に収納されたデバイス100のウエル103にそれぞれ嵌合することで、ウエル103の内部の空間を完全に占有することができる。すなわち、それぞれの占有部材4は、蓋部3および密着部5がウエル103を密閉したときに、対応するウエル103の内部の空間を完全に占有するように、ウエル103内に配置される。
なお、占有部材4の材質は特に限定されず、占有部材4の材質は蓋部3の材質と異なる材質としても良い。本実施形態では占有部材4を蓋部3に設けているため、占有部材4の材質は蓋部3の材質と同じであることが好ましい。例えば蓋部3および占有部材4の材質としては、プラスチックやエラストマー、ガラス、金属等を用いることができる。
本実施形態では、液体を導入する際に用いるウエル103を1つ選択し、蓋部3にはそのウエル103に対応した位置にポート6を1つ設けたが、液体を導入する際に用いるウエル103の数は1つ以上であれば特に限定されない。また、本実施形態では、液体を導入する際に用いるウエル103以外のウエル103全てに占有部材4が嵌合する構成としたが、占有部材4の数は液体を導入する際に用いるウエル103以外のウエル103の数より少なくても良い。
また、本実施形態では液体を導入する際に用いるウエル103に対応する位置には占有部材4を設けない構成としたが、液体を導入する際に用いるウエル103に対応する位置にも占有部材4を設けても良い。その場合は図3のように、占有部材4のうち少なくとも1つ以上にポート6を設け、ポート6を液体導入手段11に接続しても良い。
次に、本実施形態に係る液体充填装置を用いてマイクロ流体デバイスの初期化を行う際の、液体充填装置の動作について説明する。
まず、デバイス100を、液体充填装置1のコンテナ部7の中に収容し、蓋部3をコンテナ部7にセットする。その際、蓋部3のそれぞれの占有部材4と、デバイス100のそれぞれのウエル103との位置が合うように、位置合わせを行う。位置合わせが完了したら、ウエル103に占有部材4が嵌合し、デバイス100の表面とシール部5とが密着するように、蓋部3をデバイス100に押しつけて固定する。
次に、デバイス100の内部に存在する気体の排出を行う。ポート6に接続された気体排出手段である排気ユニット17を用いて、デバイス100の内部に存在する気体を排出する。これにより、シール部5によって気密が保たれた空間内に存在する気体が排出される。すなわち、ポート6の位置に対応するウエル103と、該ウエル103と連通するマイクロ流路102およびウエル103の内部に存在する気体が排出される。
次に、ポート6に接続された切替バルブ18を操作し、ポート6を液体供給ユニット16に接続する。液体供給ユニット16から液体を供給することで、マイクロ流路102の内部に液体が毛細管現象によって導入される。その後十分な時間保持することで、マイクロ流路102の内部に液体が充填される。
マイクロ流路102の内部に液体が充填された後、蓋部3をデバイス100から取り外し、デバイス100を取り出す。これにより、デバイス100の初期化が完了する。
このとき、デバイス100の内部の空間のうち、シール部5によって気密が保たれた空間内に液体が充填される。本実施形態では、それぞれの占有部材4が対応するウエル103にそれぞれ嵌合し、それぞれのウエル103の内部の空間を完全に埋めている。そのため、本実施形態の液体充填装置1を用いてデバイス100の内部に液体を導入すると、占有部材4が嵌合していたウエル103の内部には液体は導入されない。すなわち、本実施形態の液体充填装置1を用いてデバイス100の内部に液体を導入すると、液体を導入するときに用いたウエル103とマイクロ流路102のみに液体を充填することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、デバイス100を液体充填装置1のコンテナ部7の中に収容し、蓋部3をコンテナ部7にセットした際に、ウエル103の内部の空間が占有部材4によって完全に埋められる構成とした。このような構成の液体充填装置1を用いてデバイス100の初期化を行うと、占有部材4を嵌合したウエル103の内部には液体を導入することなく、マイクロ流路102に液体を充填することができる。しかしこの場合、デバイス100を初期化してから使用するまでの間に時間が経過すると、マイクロ流路102の内部の液体が蒸発してしまう可能性がある。その結果、気液界面がウエル103の底部からマイクロ流路102の内部へと移動し、マイクロ流路102の内部に気体が混入してしまう。
第1の実施形態では、デバイス100を液体充填装置1のコンテナ部7の中に収容し、蓋部3をコンテナ部7にセットした際に、ウエル103の内部の空間が占有部材4によって完全に埋められる構成とした。このような構成の液体充填装置1を用いてデバイス100の初期化を行うと、占有部材4を嵌合したウエル103の内部には液体を導入することなく、マイクロ流路102に液体を充填することができる。しかしこの場合、デバイス100を初期化してから使用するまでの間に時間が経過すると、マイクロ流路102の内部の液体が蒸発してしまう可能性がある。その結果、気液界面がウエル103の底部からマイクロ流路102の内部へと移動し、マイクロ流路102の内部に気体が混入してしまう。
そこで、デバイス100の初期化を行う際には、ウエル103の内部に所定の量の液体を残しておくことが好ましい。
そこで、本実施形態の液体充填装置1は、デバイス100を初期化してから使用するまでの間でマイクロ流路102の内部の液体が蒸発してしまうことを防ぐために、ウエル103の内部にも液体を一定量導入するように構成されている。
図4は、本実施形態に係る液体充填装置にマイクロ流体デバイスをセットしたときの断面図である。
本実施形態の液体充填装置1は、占有部材4の体積が、ウエル103の内部の空間全体の体積よりも小さい。すなわち、占有部材4をウエル103に嵌合すると、占有部材4はウエル103の内部の空間全体を占有するのではなく、ウエル103の内部の空間のうち一部分のみを占有する。これにより、ウエル103の内部に所定の体積の空間9を生じさせる。この状態で第1の実施形態と同様にデバイス100の初期化を行うことで、ウエル103の内部に生じさせた空間9の体積の分だけ、ウエル103の内部に液体を導入することができる。すなわち、本実施形態の液体充填装置1によれば、ウエル103の内部の空間全体の体積と、占有部材4の体積との差分だけ、ウエル103の内部に液体を導入することができる。
ウエル103の内部に導入する液体の量は、デバイス100を初期化してから使用するまでの時間で、ウエル103の内部から蒸発する液体の量以上の量にする必要がある。すなわち、ウエル103の内部に導入する液体の量の最小値は、デバイス100を初期化してから使用するまでの時間で、ウエル103の内部から蒸発する液体の量となる。
デバイス100を初期化してから使用するまでの時間で、ウエル103の内部から蒸発する液体の量を見積もる方法としては、デバイス100の構造や使用環境等の条件に合わせて任意の方法を選択することができる。例えば、定常的な蒸発を扱う場合は、フィックの第1法則を用いて蒸発量を見積もることができる。また、非定常的な蒸発を扱う場合は、フィックの第2法則を用いて蒸発量を見積もっても良い。また、条件が複雑であり蒸発量を見積もることが困難である場合は、ウエル103から液体が減少する量を直接測定しても良い。
一例として、フィックの第1法則を用いて蒸発量を見積もる方法について説明する。ウエル103の内部の液体は、四方を壁に囲まれているため、液体の周囲は無風状態にあるものとした。また、デバイス100を使用する環境としては、実験室、評価室等の温度湿度が一定に管理された室内とした。さらに、マイクロ流路102の内部に充填した液体は、水を主体とした液体とし、液体の温度は一定であるものとした。また、デバイス100およびマイクロ流路102の内部に充填した液体は、外部との熱のやり取りが無いものとした。
液体の表面に垂直にx軸をとると、x軸に垂直な平面Sを時間tで通過する水蒸気の質量dmは、フィックの第1法則から、以下の式(2)のようになる。
ここで、dVは拡散面積Sを時間tで通過する水蒸気の質量dm、Dは水の拡散係数、ρは水蒸気の密度、xは拡散の距離である。ここでは、拡散面積Sは、ウエル103の開口部の面積となる。
一方、空気中の水蒸気の分圧は、以下の式(3)で表される。
ここで、eは空気中の水蒸気の分圧、Rは気体定数、Tは温度である。
式(2)と式(3)より、式(4)が導かれる。
拡散面積Sを時間tで通過する水蒸気の質量であるdmを、拡散面積Sおよび時間tで除することで、単位時間、単位面積を通過する水蒸気の量、すなわち蒸発速度mを算出することができ、以下の式(5)のようになる。
ここで、水が空気中に拡散する場合の拡散係数は0.256×10−5m2/s、気体定数は8.314J/(mol・K)である。拡散距離dxを1mmとして、式(5)にこれらの各パラメータを代入する。定数部分をCとし、deを水の飽和蒸気圧とウエル103の内部の空気中の水蒸気の分圧との間の差とする。さらに、水の密度を1g/m3とすると、水の蒸発量Vsは以下の式(1)で近似できる。
VS=C・(Pa−Pb)・S・t ・・・式(1)
VS=C・(Pa−Pb)・S・t ・・・式(1)
ここで、VSは水の蒸発量[m3]、Sは水面の面積[m2]、Cは水の蒸発係数(C=0.018)、tは時間[h]、は水温と等しい温度における水の飽和蒸気圧[mmHg]、Pbはウエルの内部の空気中の水蒸気の分圧[mmHg]である。
なお、ここではマイクロ流路102の内部に流す液体は水を主体とする液体であるものとして式(1)を導出したが、他の種類の液体についても式(1)と同様の式によって蒸発量を見積もることが可能である。
以上のように、各種手法によって見積もった蒸発量以上の量の液体をウエル103の内部に残すことによって、デバイス100を初期化してから使用するまでの間にウエル103の内部の液体が全て蒸発してしまうことを防ぐことができる。これにより、マイクロ流路102の内部の液体が露出してウエル103から蒸発し、マイクロ流路102の内部に気体が混入することを防ぐことができる。
デバイス100を使用すると、マイクロ流路102の内部を液体が流れ、マイクロ流路102の下流側でマイクロ流路102と連通したウエル103に液体が流入する。このとき、ウエル103の内部に予め導入されていた液体の体積とウエル103に流入してきた液体の体積の合計がウエル103の容積を超えた場合、液体をウエル103の内部に収容することができず、液体がウエル103から溢れて出してしまう。したがって、初期化時にウエル103に導入しておく液体の量の最大値は、ウエル103の容積から、デバイス100を使用した際にマイクロ流路102の内部を流れてウエル103に流入する流体の体積を引いた量となる。
例えば、1回の分析または反応でマイクロ流路102の内部に流す試料や試薬等を含む目的の液体の量と、分析または反応を行う回数とから、マイクロ流路102の下流側に接続されたウエル103に流入する液体の体積を求めることができる。ウエル103に流入する液体は、マイクロ流路102の内部での反応の種類にもよるが、例えば、マイクロ流路102の内部での各種反応の反応生成物や、各種分析後の廃液等となる。
なお、ウエル103の容積やマイクロ流路102の内部に流す液体の量は、マイクロ流路102の内部で行う各種反応の反応条件や、必要な反応生成物の量等に合わせて任意の値とすることができる。
本実施形態では、初期化時にウエル103の内部に導入される液体の量が、以上のように決定される液体の量の最大値および最小値で定められる範囲内になるように、占有部材4の体積を調整してある。
すなわち、占有部材4の体積を、デバイス100を使用したときにウエル103の内部に流入する液体の体積以上となるように調整する。これにより、デバイス100を使用している間にウエル102から液体が溢れることを防ぐことができる。また、占有部材4の体積を、ウエル103の内部の空間全体の体積と、デバイス100を初期化してから使用するまでの間にウエル103の内部で蒸発する液体の体積と、の差分以下となるように調整する。これにより、マイクロ流路23の内部から液体が蒸発することを防ぐことができる。
本実施形態の液体充填装置によれば、マイクロ流体デバイスを初期化してから使用するまでの間にマイクロ流路の内部に気体が混入しないように、マイクロ流体デバイスの初期化を行うことができる。また、本実施形態の液体充填装置によれば、マイクロ流体デバイスを使用した際にマイクロ流路からウエルに液体が流入してもウエルから液体が溢れないように、マイクロ流体デバイスの初期化を行うことができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態および第2の実施形態では、占有部材4を蓋部3に設けた構成としたが、占有部材4は蓋部3に設けず、蓋部3とは別部材とし、個別に着脱可能な構成としても良い。例えば図5に示すように、デバイス100と接する面である蓋部3の下面は平らな面とし、ウエル103の内部の空間を埋めるための挿入部品8を別途用いても良い。この挿入部品8をウエル103内に予め挿入した上でデバイス100の初期化を行うことでも、ウエル103の内部に過剰量の液体を導入することなく、マイクロ流路102に液体を充填することができる。
第1の実施形態および第2の実施形態では、占有部材4を蓋部3に設けた構成としたが、占有部材4は蓋部3に設けず、蓋部3とは別部材とし、個別に着脱可能な構成としても良い。例えば図5に示すように、デバイス100と接する面である蓋部3の下面は平らな面とし、ウエル103の内部の空間を埋めるための挿入部品8を別途用いても良い。この挿入部品8をウエル103内に予め挿入した上でデバイス100の初期化を行うことでも、ウエル103の内部に過剰量の液体を導入することなく、マイクロ流路102に液体を充填することができる。
なお、挿入部品8のうち少なくとも1つの挿入部品8は、ポート61を有しても良い。ポート61を有する挿入部品8を、液体充填装置1にデバイス100をセットした際に、蓋部3のポート6が上部にくるウエル103に挿入しておく。これにより、液体充填装置1にデバイス100をセットした際にポート61はポート6と接続され、ポート6およびポート61を介してデバイス100の内部へ液体の導入することが可能となる。
挿入部品8は、挿入部品8の上面に不図示の取っ手部を設けても良い。これにより、挿入部品8のウエル103への装着および脱離を容易にすることができる。
また、挿入部品8はそれぞれ個別にウエル103に装着しても良いが、図6に示すように、複数の挿入部品8を保持部12により一体化させた挿入アタッチメント13を用いて、複数のウエル103にまとめて挿入しても良い。このとき複数の挿入部品8は、それぞれの挿入部品8が挿入されるそれぞれのウエル103の配置に対応した位置関係で一体化されていることが好ましい。
本実施形態の液体充填装置1を用いることで、ウエル103の形状や配置が異なる複数のデバイス100の初期化を連続して行う際にも、蓋部3を入れ替えずにデバイス100の初期化を行なうことができる。
(第4の実施形態)
第1から第3の実施形態では、占有部材4の材質はプラスチックやエラストマー、ガラス、金属等とし、占有部材4は初期化の過程で体積が変化しないものとした。また、ポート6やポート61を設けた占有部材4および挿入部品8のポートの内部以外については、占有部材4の内部には液体が侵入しないものとした。
第1から第3の実施形態では、占有部材4の材質はプラスチックやエラストマー、ガラス、金属等とし、占有部材4は初期化の過程で体積が変化しないものとした。また、ポート6やポート61を設けた占有部材4および挿入部品8のポートの内部以外については、占有部材4の内部には液体が侵入しないものとした。
しかし、占有部材4は初期化の体積が過程で変化するものとしても良いし、占有部材4の内部に液体が侵入するものとしても良い。本実施形態では、占有部材4の材質を変えた実施形態について説明する。
図7(a)は、占有部材の一部に柔軟性の高い弾性体を用いた場合について説明するための概念図である。図7(a)において、占有部材4は先端が凹部を有した形状を有しており、その凹部を覆うように、占有部材4の先端に膜上の弾性体14が接続されている。本実施形態では、占有部材4をウエル103に挿入した際に、大気圧下では弾性体14とウエル103の底面との間に空間が生じるように、占有部材4および弾性体14の形状を調整している。例えば本実施形態では、弾性体14を膜上の弾性体とし、大気圧下では膜上の弾性体14が占有部材4の方に窪んだ形状となるように構成している。
弾性体14は、柔軟性の高い弾性体とすることが好ましい。弾性体14の材質としては、エチレンプロピレンゴムやフッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等のゴムや、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂を用いることができる。
本実施形態に係る占有部材4をマイクロ流路102に連通したウエル103に挿入し、蓋部3でウエル103を密閉する。続いて、占有部材4を挿入したウエル103に連通したマイクロ流路102の内部から気体を排出する。これにより、弾性体14は占有部材4の凹部の内部の空気の圧力と、減圧されたマイクロ流路102の内部の圧力との間の圧力差によって変形する。このとき、弾性体14はウエル103の底部の形状に沿うような形状に変形する。
マイクロ流路102の内部からの気体の排出が完了した後、液体をマイクロ流路102の内部に導入する。液体をマイクロ流路102の内部に導入していくと、マイクロ流路102の内部の圧力が大気圧に戻っていく。それに伴って弾性体14は、元の占有部材4の方に窪んだ形状に戻る。このようにして弾性体14が元の形状に戻るように変形することによって、マイクロ流路102の内部に導入される液体をウエル103の方向へ吸引する力がはたらく。その結果、マイクロ流路102の内部への液体の導入をよりスムーズに行うことができる。
(第5の実施形態)
本実施形態では、第4の実施形態と同様に、占有部材4の材質を変えた実施形態について説明する。
本実施形態では、第4の実施形態と同様に、占有部材4の材質を変えた実施形態について説明する。
図7は、占有部材に多孔質体を用いた場合について説明するための概念図である。この場合、占有部材4の少なくとも一部が多孔質体10で構成されている。多孔質体10は液体を吸収し、毛管力によって保持することができる。多孔質体10としては例えばスポンジや焼結体などを用いることができる。
本実施形態に係る多孔質体10を有する占有部材4を、マイクロ流路102に連通したウエル103に挿入し、蓋部3でウエル103を密閉する。続いて、占有部材4を挿入したウエル103に連通したマイクロ流路102の内部から気体を排出する。
マイクロ流路102の内部からの気体の排出が完了した後、液体をマイクロ流路102の内部に導入する。マイクロ流路102に液体が充填された後、さらに液体の導入を続けると、占有部材4の多孔質体10にも液体が充填される。多孔質体10は初期化の最後の工程でウエル103から除去され、その際に多孔質体10の内部に吸収された液体も同時に除去される。これにより、本実施形態に係る多孔質体10を有する占有部材4が挿入されていたウエル103の内部には過剰量の液体を導入することなく、マイクロ流路102に液体を充填することができる。
(その他の実施形態)
本発明に係る液体充填装置は、医療検査や診断等に用いられる医療用の検査素子としてのマイクロ流体デバイスの初期化のために使用することができる。しかし、本発明は、前述の医療用の検査素子としてのマイクロ流体デバイスの初期化のための液体充填装置に限定されるものではない。本発明は、医療用以外の検査や分析、化学合成等に用いる様々な種類のマイクロ流体デバイスの初期化のための液体充填に広く適用することができる。
本発明に係る液体充填装置は、医療検査や診断等に用いられる医療用の検査素子としてのマイクロ流体デバイスの初期化のために使用することができる。しかし、本発明は、前述の医療用の検査素子としてのマイクロ流体デバイスの初期化のための液体充填装置に限定されるものではない。本発明は、医療用以外の検査や分析、化学合成等に用いる様々な種類のマイクロ流体デバイスの初期化のための液体充填に広く適用することができる。
また、上記の実施形態では液体充填装置を、マイクロ流体デバイスを使用する分析装置等の装置とは別個の独立した装置として説明した。しかし、本発明に係る液体充填装置は図7のように、本発明の液体充填装置の構成要素を分析装置200の内部に組み込んだ構成としても良い。
図7は、本発明に係る液体充填装置を検査装置の内部に組み込んだ実施形態を示すブロック図である。液体充填装置を組み込んだ分析装置200は、液体充填装置201と、分析部202と、搬送手段203と、コンピュータ204とを有する。
液体充填装置201は、デバイス100の初期化を行う装置である。液体充填装置201の構成は、第1乃至第5の実施形態に係る液体充填装置1と同様である。
分析部202は、デバイス100のマイクロ流路102の内部で初期化の際にマイクロ流路102の内部に充填した液体、または初期化に用いた液体とは異なる第2の液体を流して分析する部分である。分析部202は、光学的手法をはじめとする種々の分析手法によって分析を行い、反応の検出や検査等を行う。
搬送手段203は、コンピュータ204からの指示を命令に基づいて、デバイス100を液体充填装置201と分析部202との間で搬送する手段である。搬送手段203としては、例えばロボットアームのようにデバイス100を掴んで移動させる手段や、可動式のステージの上にデバイス100を載置してステージを移動させる手段等を用いることができる。
分析装置200を使用する際には、まずマイクロ流体デバイスを分析装置200にセットした後、液体充填部201を用いてマイクロ流体デバイスの初期化を行う。次に、初期化を行ったマイクロ流体デバイスを分析装置200から取り出さずに、搬送手段203によって分析部202に搬送し、分析部202を用いた分析を続けて行う。
本実施形態は、搬送手段203によってデバイス100を搬送することで、液体充填装置201による初期化と分析部202による分析を連続して行う構成とした。しかし、デバイス100を搬送するのではなく、液体充填装置201および分析部202を不図示の移動手段によって移動させる構成としても良い。あるいは、例えばデバイス100の上面側に液体充填装置201を配置し、デバイス100の下面側に分析部202を配置して、搬送や移動を行わずに初期化と分析を連続して行う構成としても良い。
以上のように分析装置200の内部に液体充填装置を液体充填部201として組み込むことで、例えばマイクロ流路内の液体の送液手段等を分析装置と液体充填装置とで共通化でき、それぞれを独立した装置とした場合よりも小型化が可能である。
100 マイクロ流体デバイス
102 マイクロ流路
103 ウエル
1 液体充填装置
3 蓋部
4 占有部材
5 密着部
6 ポート
7 コンテナ部
8 挿入部品
11 液体導入手段
16 液体供給ユニット
17 排気ユニット
18 切替バルブ
102 マイクロ流路
103 ウエル
1 液体充填装置
3 蓋部
4 占有部材
5 密着部
6 ポート
7 コンテナ部
8 挿入部品
11 液体導入手段
16 液体供給ユニット
17 排気ユニット
18 切替バルブ
Claims (14)
- 少なくとも1つのマイクロ流路と、
前記マイクロ流路と連通した少なくとも2つのウエルと、
を有するマイクロ流体デバイスの内部に液体を導入し、前記マイクロ流路に前記液体を充填する液体充填装置であって、
前記液体充填装置は、
少なくとも1つの前記ウエルから前記マイクロ流路に前記液体を導入する液体導入手段と、
前記液体導入手段が前記液体を導入する前記ウエル以外の少なくとも1つの前記ウエルを密閉する密閉部材と、
前記密閉部材が前記ウエルを密閉したときに、前記ウエルの内部の空間の少なくとも一部を占有するように前記ウエル内に配置される占有部材と、を有することを特徴とする液体充填装置。 - 前記占有部材が占有する前記ウエルの内部の空間の体積が、
前記マイクロ流体デバイスを使用したときに前記マイクロ流路から前記ウエルに流入する液体の体積以上であることを特徴とする請求項1に記載の液体充填装置。 - 前記占有部材が占有する前記ウエルの内部の空間の体積が、
前記ウエルの内部の空間全体の体積と、
前記液体充填装置によって前記マイクロ流路の内部に液体が充填されてから前記マイクロ流体デバイスが使用されるまでの間に前記ウエルの内部から蒸発する前記液体の体積と、
の差分以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の液体充填装置。 - 前記液体充填装置は、
前記マイクロ流路および前記ウエルから気体を排出する気体排出手段をさらに有し、
密閉した前記ウエルと、前記ウエルに連通したマイクロ流路と、から前記気体排出手段によって前記気体を排出した後に、前記マイクロ流路に前記液体を充填することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体充填装置。 - 前記占有部材が、前記ウエルと嵌合することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液体充填装置。
- 前記液体導入手段が前記液体を導入する前記ウエルの内部の空間の少なくとも一部を占有するように前記ウエル内に配置される占有部材をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体充填装置。
- 前記占有部材の少なくとも1つが、前記密閉部材と一体化されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液体充填装置。
- 前記占有部材の少なくとも1つが、前記液体充填装置から取り外し可能な別部材であり、前記ウエルに個別に着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液体充填装置。
- 前記占有部材の少なくとも2つが、前記液体充填装置から取り外し可能な別部材であり、保持部によって前記マイクロ流体デバイスの前記ウエルの配置に対応した位置関係で一体化されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液体充填装置。
- 前記占有部材の少なくとも1つは、前記占有部材の少なくとも一部分が弾性体であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の液体充填装置。
- 前記占有部材の少なくとも1つは、前記占有部材の少なくとも一部分が多孔質であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の液体充填装置。
- 前記液体充填装置に用いる、前記液体充填装置から取り外し可能な別部材であることを特徴とする請求項8または9に記載の占有部材。
- 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の液体充填装置と、
前記マイクロ流路の内部で液体を分析する分析部と、
を有することを特徴とする分析装置。 - 少なくとも1つのマイクロ流路と、
前記マイクロ流路と連通した少なくとも1つのウエルと、
を有するマイクロ流体デバイスの内部に液体を導入し、前記マイクロ流路に前記液体を充填する液体充填方法であって、
占有部材を前記ウエルの内部に配置することで前記ウエルの内部の空間のうち少なくとも一部分を占有するステップと、
密閉部材によって前記ウエルを密閉するステップと、
前記占有部材を配置した前記ウエル以外の少なくとも1つの前記ウエルから前記マイクロ流路に液体を充填するステップと、
を有することを特徴とする液体充填方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014120924A JP2016001133A (ja) | 2014-06-11 | 2014-06-11 | 液体充填装置、それを有する分析装置、および液体充填方法 |
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JP2014120924A JP2016001133A (ja) | 2014-06-11 | 2014-06-11 | 液体充填装置、それを有する分析装置、および液体充填方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2016001133A true JP2016001133A (ja) | 2016-01-07 |
Family
ID=55076803
Family Applications (1)
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JP2014120924A Pending JP2016001133A (ja) | 2014-06-11 | 2014-06-11 | 液体充填装置、それを有する分析装置、および液体充填方法 |
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JP (1) | JP2016001133A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017211223A (ja) * | 2016-05-24 | 2017-11-30 | 株式会社フクダ | 密封された検査対象の評価方法及び評価装置 |
-
2014
- 2014-06-11 JP JP2014120924A patent/JP2016001133A/ja active Pending
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