JP2016000498A - 偽造防止構造体、偽造防止媒体、及び、真贋判別装置 - Google Patents

偽造防止構造体、偽造防止媒体、及び、真贋判別装置 Download PDF

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Abstract

【課題】偽造防止効果が高く且つ肉眼判別困難マークを高速に判定できる偽造防止構造体、及びこの偽造防止構造体と組み合わせて使用できる真贋判別装置を提供する。
【解決手段】偽造防止構造体1は、テラヘルツ電磁波が透過可能なベース基材11と、ベース基材11の一方の面に配置され、テラヘルツ電磁波が透過可能な開口部形成層と、開口部形成層のベース基材11とは逆側の面に配置されテラヘルツ電磁波を遮断する導電性層15と、を備えている。偽造防止構造体1では、開口部形成層は電気的絶縁層であり、導電性層15は特定波長のテラヘルツ電磁波が透過可能なSRRパターン13を形成する開口部を有している。真贋判別装置は、電磁波発生手段から特定波長のテラヘルツ電磁波を、偽造防止構造体1を含む媒体に照射し、所定の基準値との差異を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、偽造を防止する為の偽造防止構造体、当該偽造防止構造体を備えた偽造防止媒体、及び、偽造防止構造体又は偽造防止媒体と組み合わされて使用される真贋判別装置に関する。
従来、例えば株券、債券、小切手、商品券、宝くじ券、定期券等の証券類には、偽造を防止するための種々の工夫が施されている。そのような工夫の一種として、肉眼ではその存在の判別が難しい肉眼判別困難マークを上記証券類に付して肉眼判別困難マークを機械により読み取ることが行われている。肉眼判別困難マークは、例えば熱線吸収ガラス粉または赤外線吸収ガラス粉を混ぜたインキにより印刷される。そして、そのような肉眼判別困難マークを、熱線吸収ガラス粉または赤外線吸収ガラス粉を混ぜない同色のインキで印刷された模様の中に紛れ込ませると肉眼で一見しただけではその存在が判別しがたい。
しかしながら、熱線吸収ガラス粉または赤外線吸収ガラス粉を混ぜたインキにより印刷された肉眼判別不能マークは、斜めから仔細に観察すると熱線吸収ガラス粉または赤外線吸収ガラス粉を混ぜない同色のインクで印刷された模様から浮き上がったように見えるので、その存在が肉眼によって判別されてしまうことがある。また、指先の感覚の鋭い人は、肉眼判別不能マークとその周囲の上記模様に触ることにより上記模様の中に肉眼判別不能マークが存在していることを知ることが出来る。
また、赤外線照射装置を使用すれば、このような肉眼判別困難マークが上記模様の中に存在していることを容易に判別することも出来、赤外線照射装置と赤外線カメラを組み合わせることにより、その形状や寸法までも容易に知ることが出来る。赤外線照射装置や赤外線カメラは比較的広く用いられており容易に入手可能である。従って、上述したような肉眼判別困難マークは比較的容易に偽造が可能である。
特許文献1には、赤外線を吸収可能であるが可視光を吸収しない赤外線吸収インキが開示されている。このような赤外線吸収インキと同色のインキで印刷された模様の中に赤外線吸収インキを使用して肉眼判別不能マークを描けば、そのような肉眼判別不能マークは斜めから仔細に観察されたとしても赤外線吸収インキと同色のインキで描いた模様から浮き上がったように見えることがなく、その存在が肉眼によって判別されてしまうことがない。また、指先の感覚の鋭い人に触られたとしても感覚によりその存在が判別されてしまうこともない。
特許文献2には、可視光領域では目視不可能で、可視光以外の一定波長の光、具体的には紫外線により識別可能な蛍光を発する特殊蛍光インキを使用して肉眼判別困難マークを印刷することが開示されている。このような特殊蛍光インキと同色のインキで印刷した模様の上に特殊蛍光インキを使用して肉眼判別不能マークを印刷すれば、そのような肉眼判別不能マークは斜めから仔細に観察されたとしても特殊蛍光インキと同色のインキで印刷した模様から浮かび上がったように見えることがなく、その存在が肉眼によって判別されてしまうことがない。また、指先の感覚の鋭い人に触られたとしても触覚によりその存在が判別されてしまうこともない。
特許文献3には、真贋判別装置としてテラヘルツ電磁波を用いた方法、および、その方法に適用される偽造防止構造体が開示されている。この偽造防止構造体は、所定のパターンに配列された開口部を有する導電性層、導電性層の表裏に配置される絶縁層、及び、絶縁性を持つ隠蔽層を備えている。そして、真贋判別装置では、テラヘルツ電磁波が偽造防止構造体を透過する際の測定値を予め測定してある基準値と比較し、両者の差異の有無を判定している。この偽造防止構造体では、所定のパターンが隠蔽層にて隠蔽されているので、肉眼や触覚でその存在を知ることができない。
特開2000−309736号公報 特開平6−297888号公報 特許第5110566号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている赤外線吸収インキを使用して肉眼判別困難マークを描いた場合であっても、比較的広く用いられており容易に入手可能である赤外線照射装置を使用すれば、上記模様の中に肉眼判別困難マークが存在していることを容易に判別することができる。また、赤外線照射装置と赤外線カメラとを組み合わせることにより、その形状や寸法までも容易に知ることが出来る。また、特許文献2に記載されている特殊蛍光インキを使用して肉眼判別困難マークを描いた場合であっても、比較的広く用いられており容易に入手可能である紫外線照射装置を使用すれば、上記模様の中に肉眼判別困難マークが存在していることを容易に判別することができる。また、紫外線照射装置とカメラとを組み合わせることにより、その形状や寸法までも容易に知ることが出来る。
さらに、特許文献3に記載されている偽造防止構造体を用いた場合、肉眼判別困難マークが隠蔽されており偽造防止効果は高いものの、真偽判定を行う装置が複雑で高額になり易い。また、透過する波形を基準波形と比較して判断するため、判断時間が長引いてしまう傾向にあり、大量に真贋判定したい場合に汎用性のある偽造防止構造体および真贋判別装置とは言い難かった。
そこで、本発明は、偽造防止効果が高く、しかも、簡易な手法で肉眼判別困難マークを高速に判定することができる偽造防止構造体、偽造防止媒体、及び、真贋判別装置を提供することを目的とする。
本発明は、その一側面として、偽造防止構造体に関し、この偽造防止構造体は、テラヘルツ電磁波が透過可能なベース基材と、ベース基材の一方の面に配置され、テラヘルツ電磁波が透過可能な開口部形成層と、開口部形成層のベース基材とは逆側の面に配置され、テラヘルツ電磁波を遮断する導電性層と、を備えている。この偽造防止構造体では、開口部形成層は電気的絶縁層であり、導電性層は、特定波長のテラヘルツ電磁波が透過可能な所定パターンを形成する開口部を有していることを特徴としている。
上述した偽造防止構造体では、テラヘルツ電磁波を遮断する導電性層に対して特定波長のテラヘルツ電磁波が透過可能な所定パターンを形成する開口部を設けている。この場合、透過するテラヘルツ電磁波の波長を限定し、その波長が媒体を透過する透過率を測定することにより真贋判定するので、簡易な手法により肉眼判別困難マーク(所定パターン)を高速に判定することができる。しかも、使用される際には、肉眼判定困難マークが内側に配置されるので、偽造防止効果も高い。
上記の偽造防止構造体において、開口部形成層は、光の照射により回折を生じさせる光回折層を有していることが好ましい。この場合、光回折層により、ホログラム像を形成することができると共に、ホログラム像により肉眼判定困難マークを隠蔽することができるので、偽造防止効果をより一層高めることが可能となる。
上記の偽造防止構造体は、ベース基材と開口部形成層との間に配置され、テラヘルツ電磁波が透過可能であり且つベース基材からそれ以外の各層を剥離可能とする剥離層と、導電性層の開口部形成層とは逆側の面に配置され、テラヘルツ電磁波が透過可能であり且つ接着性を有する接着層と、を備えていてもよい。この場合、ベース基材があることにより、偽造防止構造体の製造・流通等を容易に行うことができると共に、実際に使用する際には、ベース基材を容易に剥離して、接着層により所定の偽造防止媒体に容易に貼り付けることが可能となる。
上記の偽造防止構造体において、所定パターンを形成する開口部を有する導電性層は、特定波長のテラヘルツ電磁波をピークとして選択的にテラヘルツ電磁波を透過させ、透過するテラヘルツ電磁波の波長の透過率の半値幅が0.2THz以下であることが好ましい。この場合、特定波長のテラヘルツ電磁波の幅を抑えることにより、特定波長の前後のテラヘルツ電磁波を測定することで、より正確な真贋判定が可能となる。
上記の偽造防止構造体では、所定パターンは、リング状の一部が開放された形状を呈する開口部から形成されており、同一形状からなる所定パターンが等間隔で複数配置されていることが好ましい。この場合、複数の所定パターンにおいて、リング上における開放された部分の角度が同じであってもよいし、リング上における開放された部分の角度が異なっていてもよい。開放された部分の角度が同じ場合、パターンの作成を容易に行うことができる。一方、開放された部分の角度が異なる場合、角度の違いにより透過率も異なることになるため、真贋判別装置で判定するための透過率パターンをより複雑なものとすることができ、その結果、偽造防止効果をより一層高めることができる。
また、本発明は、別の側面として、紙基材又はプラスチック基材を備えた偽造防止媒体に関し、当該偽造防止媒体は、上述した何れかの偽造防止構造体の少なくとも一部が紙基材又はプラスチック基材中に埋められている、又は、紙基材又はプラスチック基材上に配置されていることが好ましい。
また、本発明は、更に別の側面として、真贋判別装置に関する。この真贋判別装置は、少なくとも一波長のテラヘルツ電磁波を発生可能な電磁波発生手段と、電磁波発生手段によって発生される特定波長のテラヘルツ電磁波を物体に照射する照射手段と、物体を透過した特定波長のテラヘルツ電磁波を受信し、受信したテラヘルツ電磁波に対応した透過率に変換する変換手段と、上記偽造防止構造体に特定波長のテラヘルツ電磁波を照射して透過したテラヘルツ電磁波の透過率と、上記偽造防止構造体に対して基準値として予め測定されているテラヘルツ電磁波の透過率との差異を判定する判定手段と、判定手段により差異があると判定された場合又は差異が無いと判定された場合の何れかの場合に判定結果に応じた報知を行う報知手段と、を備えることを特徴としている。
上記の真贋判別装置では、特定波長のテラヘルツ電磁波の透過率を測定し、それを基準として真贋判定を行っているため、テラヘルツ電磁波の波長域全て若しくは多くを測定して判定する場合に比べて、簡易な手法で肉眼判別困難マークを高速に判定することができる。
上記の真贋判別装置において、偽造防止媒体を所定の測定方向に移動する際、一定間隔毎にテラヘルツ電磁波の透過率を測定し、判定手段は、それぞれの測定した位置に応じた透過率の変動を、予め測定した基準値と比較してその差異を判定し、報知手段は、判定結果に応じて報知を行うようにしてもよい。
本発明によれば、テラヘルツ電磁波の少なくとも1波長を特定し、その特定波長が媒体を透過する透過率を測定して判定を行うため、簡易な手段で高速に真贋判定することが可能となる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る偽造防止構造体を示す平面図及びその拡大図である。 図2は、図1の(a)に示す偽造防止構造体のII―II線に沿った断面図である。 図3は、図1の(a)に示す偽造防止構造体を商品券等の媒体中に埋め込んだ状態の一例を示す図であり、(a)はその平面図を示し、(b)は、b−b線に沿った断面図を示す。 図4は、図1の(a)に示す偽造防止構造体のSRR(Split Ring Resonator)アレイ部にテラヘルツ電磁波を照射した場合の透過率Tを示すグラフである。 図5は、図3に示す偽造防止媒体に対して図4に示す特定波長λ1のテラヘルツ電磁波を矢印の方向にスキャンした際の透過率Tの変化を示すグラフである。 図6は、本発明に係る偽造防止構造体の透過率を測定するための真贋判別装置の概略を示す図である。 図7は、本発明の第2実施形態に係る偽造防止構造体を示す平面図及びその拡大図である。 図8は、図7の(a)に示す偽造防止構造体のVIII―VIII線に沿った断面図である。 図9は、図7の(a)に示す偽造防止構造体に対して特定波長λ1のテラヘルツ電磁波を矢印の方向にスキャンした際の透過率Tの変化を示すグラフである。 図10は、本発明の第3実施形態に係る偽造防止構造体を示す平面図及びその拡大図である。 図11は、図10に示す偽造防止構造体のSRRアレイ部のそれぞれの形状にテラヘルツ電磁波を照射した場合の透過率Tを示すグラフであり、(a)は0.10THz〜0.80THzでの透過率の変位を示し、(b)はその一部を拡大して示す。 図12は、図10に示す偽造防止構造体に対して図11に示す特定波長λ1のテラヘルツ電磁波を矢印の方向にスキャンした際の透過率Tの変化を示すグラフである。 図13は、本発明の第3実施形態に係る偽造防止構造体の変形例を示す平面図及びその拡大図である。 図14は、図7や図10等に示す偽造防止構造体を商品券等に転写した状態の一例を示す平面図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係る偽造防止構造体、当該偽造防止構造体を備える偽造防止媒体、及び、偽造防止構造体又は偽造防止媒体と組み合わされて使用される真贋判別装置の実施形態について詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いる場合があり、重複する説明は省略する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る偽造防止構造体を示す平面図及びその部分拡大図であり、図2は、その偽造防止構造体の断面図である。図3は、偽造防止構造体を商品券等の偽造防止媒体中に埋め込んだ状態の一例を示す図である。偽造防止構造体1は、例えば証券類等における偽造を防止するための肉眼判別困難マークを形成するための構造体であり、例えば図3に示すような商品券中に埋め込まれたりすることで、商品券等の偽造防止媒体の偽造防止に利用されるものである。
偽造防止構造体1は、図1の(a)に示すように、ベース基材11上に複数のSRRアレイ部12(SRR:Split Ring Resonator)が形成された偽造防止構造体であり、SRRアレイ部12は、複数のSRRパターン13が行方向及び列方向において等間隔に配置されることにより形成されている。各SRRパターン13は、一部13aが開放されている(欠けている)リング形状を呈しており、略C字状となっている。
このようなSRRアレイ部12を有する偽造防止構造体1は、図2に示すように、ベース基材11と、ベース基材11上に形成される開口部形成層14と、開口部形成層14上に形成される導電性層15とを備えている。SRRアレイ部12を構成するSRRパターン13は、この導電性層15に対しSRRパターン13の形状に対応する開口部16を設けることによって形成されている。つまり、SRRパターン13のリング形状に対応する部分は空隙となっており開口部形成層14の表層が露出する。逆にSRRパターン13の開放部13aは導電性層15が残存する領域となっている。偽造防止構造体1は、導電性層15の表面側の面が外部に露出しているが、証券類等の偽造防止媒体において使用される際には、導電性層15側に絶縁性の層が配置されることになる。
ベース基材11及び開口部形成層14は、テラヘルツ電磁波が透過可能な材料によって構成されおり、ベース基材11は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)から構成されており、開口部形成層14は、例えばポリウレタン樹脂から構成されている。このような材料から構成されることにより、テラヘルツ電磁波は、ベース基材11及び開口部形成層14を透過する。一方、導電性層15は、その層のみではテラヘルツ電磁波を遮断する材料から構成されており、例えば、Al、Fe、Au、Cu、Ag、Mg、Zn、Sn等の金属薄膜層から構成されている。このような材料から構成されることにより、テラヘルツ電磁波は、導電性層15により遮断される。なお、開口部形成層14は、絶縁性の層でもある。また、偽造防止構造体1が偽造防止媒体2において使用される際、ベース基材11は取り外されることもあるが、導電性層15及び開口部16によるSRRパターン13は外部に露出しないように開口部形成層14が外側に配置されることが多い。このような配置にすることにより、肉眼識別マークを隠すことができる。なお、ベース基材11は媒体を形成する主たる部材のことである。
ここで、「テラヘルツ電磁波が透過する」とは、その層を通過する前後で、テラヘルツ電磁波のどの波長域においても100%出力が変わらないことを意味するのではなく、5%以上透過していれば、ここでいう「テラヘルツ電磁波が透過する」ことを意味する。逆に、「テラヘルツ電磁波が遮断される」とは、テラヘルツ電磁波の透過率が5%未満の透過を意味しており、テラヘルツ電磁波を100%遮断する場合(透過率が0%)に限られない。
上述したように導電性層15の一部が削られて各SRRパターン13が設けられ複数のSRRパターン13からSRRアレイ部12が形成された場合に、このSRRアレイ部12にテラヘルツ電磁波を照射すると、共鳴により、例えば図4に示すようなテラヘルツ波形(透過率パターン)33を観察することができる。上述したような構成のSRRアレイ部12により、テラヘルツ電磁波の一部の波長域(図中では特定波長λ1を中心とした波長域)にて透過が起こる。なお、透過するテラヘルツ電磁波の波長の透過率の半値幅W1は0.2THz以下となっている。このように、ピークの幅が小さければ、特性は波長の小さな違い(±0.2THz程度)により透過率が大きく異なる特異なものとなるので、波長の異なる複数の電磁波(例えば、±0.2THz偏移した電磁波)を用いてこの特性を測定することで、より正確な真贋判定が可能となる。
このような透過は、導電性層15の一部を所定のパターンに削り取り、各SRRパターン13を等間隔に配置することで、特定波長λ1に対する共鳴が起こり、特定のテラヘルツ電磁波(特定波長λ1)の波長域のみが透過するといったものである。SRRパターン13のパターンの形状及び配列により、透過するピーク波長、及び透過量が異なる構造体を作ることが可能であり、SRRパターン13の形状等に対応する透過ピーク波長は、所定のシミュレーション装置を用いることにより、当業者であれば容易に算出することが可能である。使用するテラヘルツ電磁波の周波数範囲はリングの大きさで決まるが、本実施形態では、例えばテラヘルツ電磁波とは0.1THz〜3THzの範囲のものを意味している(T:テラ、1012)が、本発明はこれに限定される訳ではない。
SRRパターン13の形成方法としては、種々の方法を用いることができるが、その一方法が特許第5169083号公報に開示されている。この特許文献に記載されている形成方法は、回折格子パターンを利用した形成方法であり、回折格子形成層のうち導電性層を削りたい部分を撥水性構造とすることで、全面に設けられた導電性層において撥水性構造となっているSRRパターン上の導電性層を除去している。このような形成方法を使用すれば、本実施形態においても、導電性層15上にも回折格子を設けることができ、かつ他のエッチング方式と比較して、より精度良く、より安価に偽造防止構造体1を製造することが出来る。
このような偽造防止構造体1は、例えば図3に示すような偽造防止媒体2に設けることが出来る。図3に示す例では、基材21中に偽造防止構造体1を埋め込むことで、偽造防止媒体2を構成している。偽造防止媒体2を構成する基材21としては、テラヘルツ電磁波を透過する材質であればよく、例えば紙基材又はプラスチック基材等から構成される。偽造防止媒体2としては、偽造防止構造体1を基材21中に埋め込む形態とする必要は必ずしもなく、基材21の表面や裏面に偽造防止構造体1を貼り付けるようにしてもよい。
図3に示すような構成の偽造防止媒体2に対し、図5の(a)に示すように、ある特定のテラヘルツ電磁波(特定波長λ1)を図示矢印方向に沿って照射すると、図5の(b)に示すように、特定テラヘルツ波長における透過率Tのスキャン結果である透過率パターン4を得ることができる。この特定波長λ1における透過率パターン4では、偽造防止構造体1が存在しない基材21の基材部では、透過率Tが高い透過率パターン41となり、SRRパターン13が無く導電性層15が存在する部分では、導電性層15の存在により透過率Tが低い(若しくは透過率が無い)透過率パターン44となり、さらにSRRアレイ部12においては、SRRパターンアレイの透過率Tが透過率パターン43となる。SRRアレイ部12における透過率パターン43は、SRRアレイ部12が存在しない基材21での透過率パターン41よりもその透過率Tは低いものの、所定の透過率となっている。そして、これらの透過率Tの波形の特徴を予めデータとして取り込んでおき、後述する真贋判別装置(図6参照)により真贋判定する際に、取り込んだ透過率Tの波形データ(透過率パターン4)と、実際に読み込んだ透過率Tの波形データとを比較し、両者の透過率の変化を比較することで、真贋判別することができる。
次に、上述した偽造防止媒体2(又は偽造防止構造体1)の真贋判定をテラヘルツ電磁波を利用して行う真贋判別装置100について説明する。図6は、偽造防止媒体2(又は偽造防止構造体1)を真贋判定するために使用される真贋判別装置を示す概略図である。偽造防止媒体2に特定波長λ1のテラヘルツ電磁波が照射されるように、集光凸レンズ126を中央に配置し、矢印の方向(図示上下方向)に偽造防止媒体2を移動させる。この移動の際、照射した特定波長λ1のテラヘルツ電磁波の透過率Tを読み取り、事前に読み取った透過率Tの基準値(透過率パターン4)と比較することで、その相違から偽造防止媒体2の真贋判定を行う。なお、詳細な判定処理については、従来技術を適宜用いることができるため、ここではその詳細な説明は省略する。
真贋判別装置100の具体的な測定装置例を以下に示す。真贋判別装置100は、レーザ発振器121(電磁波発生手段)、分配器122、PC(フォトコンダクター)アンテナ(送信側)123(電磁波発生手段)、PCアンテナ(受信側)124(変換手段)、凸レンズ125、凸レンズ126、時間遅延装置127、分析装置128(判定手段)、報知装置129(報知手段)、受信出力131、及び、参照出力132を備えている。この真贋判別装置100では、レーザ発振器121よりパルス波のレーザ光を例えば80fs(f:フェムト、10−15)だけ、PCアンテナ(送信側)123に向けて照射する。PCアンテナ(送信側)123にバイアス電圧をかけておくと、照射されたフェムト秒パルス光にてアンテナにて非常に短い間だけ電流が流れテラヘルツ(THz)帯の電磁波が発生する。ここで、発生するテラヘルツ電磁波は、特定波長λ1となるように調整されている。
このテラヘルツ電磁波は、送信側の凸レンズ125にて平行波になり、さらに凸レンズ126により収束される。送信側の凸レンズ125,126は照射手段を構成しており、一番収束された部分に、測定物である偽造防止媒体2を配置して図示矢印方向に移動させることにより、目標とするターゲットに特定波長λ1のテラヘルツ電磁波を連続して照射させる。ターゲットである偽造防止媒体2を透過したテラヘルツ波長を受信側の凸レンズ(平行光)126および凸レンズ(集光)125にて集め、PCアンテナ(受信側)124に照射させる。受信側のPCアンテナ124から受信データを取り出すタイミングは、レーザ光の分配器122及び時間遅延装置127を通して、ある一定の時間ΔT毎にレーザ光を受信アンテナに照射する事により行える。この原理によってある一定の時間ΔT毎の時間領域の波形が得られる。その得られたデータをフーリエ変換することにより、周波数領域のデータに変換できる。なお、マイクロ波、テラヘルツ波帯で検出する方法は上記以外にも多くあり、検出方法として何れを用いてもよい。
そして、分析装置128により、偽造防止媒体2に特定波長のテラヘルツ電磁波を照射して透過したテラヘルツ電磁波の透過率Tと、偽造防止媒体2(若しくはその同等物)に対して予め測定されているテラヘルツ電磁波の透過率Tとの差異を判定する。分析装置128での判定により、両者の差異があると判定された場合、報知装置129はその旨を報知する。報知装置129は、両者の差異がないと判定された場合にその旨を報知してもよい。なお、偽造防止媒体2を所定の測定方向に移動する際に、一定間隔毎にテラヘルツ電磁波の透過率Tを測定し、それぞれの測定した位置に応じた透過率Tの変動を予め測定した基準値と比較してその差異を判定し、報知装置129は、その判定結果に応じて報知を行うようにしてもよい。なお、以下で説明する他の実施形態に係る偽造防止構造体を用いた偽造防止媒体の真贋判定にも同様に上記真贋判別装置100を用いることが可能である。
このように、本実施形態における偽造防止構造体1及び偽造防止構造体1を備える偽造防止媒体2では、テラヘルツ電磁波を遮断する導電性層15に、特定波長λ1のテラヘルツ電磁場が透過可能な所定のSRRパターン13を形成する開口部16を設けている。このため、透過するテラヘルツ電磁波を特定波長λ1に限定し、その特定波長λ1が偽造防止媒体2等を透過する透過率Tを測定することにより真贋判定することができるので、テラヘルツ電磁波の波長域全てを測定し且つスキャンする従来の手法よりも、簡易な手法により肉眼判別困難マークを高速で判定することができる。しかも、肉眼判定困難マークが層の内側に配置されることになるので、偽造防止効果も高い。
なお、偽造防止構造体1の導電性層15に設けられた開口部16のパターンは、1つの大きさをマイクロ文字以下とすることより(マイクロ文字は一辺0.25mmとする)、目視ではこの開口部16を見ることが困難となるため、偽造防止媒体を見かけ上変えずにセキュリティ向上を図ることが出来る。また、偽造防止構造体1の開口部形成層14には、ホログラム等の光の照射により回折を生じさせる回折格子形成層(光回折層)を設けてもよい。この場合、ホログラム等によりSRRパターン13がより一層隠されることになり、偽造防止効果をより一層高めることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る偽造防止構造体について図7〜図9を参照して説明する。図7は、第2実施形態に係る偽造防止構造体を示す平面図及びその拡大図であり、図8は、偽造防止構造体の断面図である。なお、以下では、第1実施形態に係る偽造防止構造体1と同様の部分については説明を省略し、相違する点を中心として説明する。
偽造防止構造体5は、ベース基材51上にSRRアレイ部52が形成された偽造防止構造体である。SRRアレイ部52は、第1実施形態と同様に、導電性層55に開口部56を設けることにより形成されている。SRRアレイ部52は、複数のSRRパターン53が行方向及び列方向において等間隔に配置されることにより形成されている。各SRRパターン53は、一部53aが開放されているリング形状を呈しており、略C字状となっている。
偽造防止構造体5は、第1実施形態と同様に、ベース基材51、開口部形成層54及び導電性層55を備えており、更に、剥離層57、絶縁層58及び接着層59を備えている。剥離層57は、ベース基材51と開口部形成層54との間に配置されており、テラヘルツ電磁波が透過可能であり且つベース基材51からそれ以外の層54,55,58,59等を剥離可能としている。絶縁層58は、電気的絶縁性を有する電気的絶縁層であり、同様に絶縁性を有する開口部形成層54と共に導電性層55を挟み込む。接着層59は、導電性層55の開口部形成層54とは逆側の面に絶縁層58を介して配置されており、テラヘルツ電磁波が透過可能であり且つ接着性を有している。偽造防止構造体5では、剥離層57及び接着層59を備えた構成であることから、偽造防止構造体5に転写箔としての機能を付与することができる。このため、例えば図14に示すように、基材151上に熱転写により接着層59を貼付けすることにより、偽造防止媒体150のような構成とすることができる。
なお、導電性層55は、回折格子形成部50も有しており、見た目には回折格子の絵柄が見えるようになっている。ここで、偽造防止構造体5におけるSRRアレイ部52のSRRパターン53が十分小さく、導電性層55の面積比率が50%以上であるとき、目視では回折格子のみが認識され、回折格子媒体とテラヘルツ電磁波による真贋判別可能な回折格子媒体とを交換しても目視では解らない。これにより、偽造防止媒体のデザインを変えることなく、高偽造防止耐性が備わった偽造防止媒体に変更することが出来る。
このような偽造防止構造体5に対し、図9の(a)に示すように矢印の方向にある特定のテラヘルツ電磁波(特定波長λ1)を照射することで、第1実施形態と同様に、特定波長λ1における透過率Tのスキャンパターン6(導電性層55におけるパターン64及びSRRアレイ部52におけるパターン63)を得ることができる。第1実施形態と同様に、この波形の特徴を予め基準値データとして真贋判別装置100によって取り込み、比較することで真贋判別が可能となる。このように、偽造防止構造体5によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。
また、偽造防止構造体5は、剥離層57と接着層59とを備えている。このため、ベース基材51によって偽造防止構造体5の製造・流通等を容易に行うことができると共に、実際に使用する際には、ベース基材51を剥離層57から容易に剥離し、接着層59により所定の偽造防止媒体に容易に貼り付けることが可能となる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る偽造防止構造体について図10〜図12を参照して説明する。図10は、第3実施形態に係る偽造防止構造体を示す平面図及びその拡大図であり、図11は、図10に示す偽造防止構造体のSRRアレイ部のそれぞれの形状にテラヘルツ電磁波を照射した場合の透過率Tを示すグラフである。図12は、図10に示す偽造防止構造体に対して特定波長λ1のテラヘルツ電磁波を矢印の方向にスキャンした際の透過率Tの変化を示すグラフである。なお、第3実施形態に係る偽造防止構造体7は、基本的な層構成は第2実施形態に係る偽造防止構造体5と同様であり、以下、相違する点を中心に説明する。
偽造防止構造体7では、図10に示すように、導電性層55の開口部によって形成されるSRRパターン73〜75がその配置箇所(エリア)に応じて異なっており、SRRパターン73では、リング状の図示上方に開放部73aが設けられている。一方、SRRパターン74では、SRRパターン73と異なり、開放部74aがやや斜め上方となるように設けられ、SRRパターン75では、更に横方向(図示左方向)になるように開放部75aが設けられている。第3実施形態に係る偽造防止構造体7では、このように、SRRアレイ部72において、SRRパターン73〜75の形状を開放部73a〜75aの角度を変えることで変化させ、透過されるテラヘルツ電磁波の透過率TをSRRパターン73〜75毎に変化させている。このようにリング状の一部が開放している形状で等間隔に配置することで、第2実施形態等と同様に特定波長に共鳴を起こすようにして特定のテラヘルツ電磁波の波長を透過させると共に、さらに、本実施形態では、照射するテラヘルツ電磁波が指向性を有し、いわゆる偏光された電磁波が照射されることより、開放された(欠けている)部分の角度を照射するテラヘルツ電磁波の偏光角度からずらすことにより、ずらした角度の分だけ透過率を低くさせるようにしている。
図11には、このようにして透過率をずらした、特定テラヘルツ波長における透過率Tのスキャンした透過率パターン82〜85を示している。図11に示すグラフでは、照射するテラヘルツ電磁波の偏光角度から略ずれていないSRRパターン73の透過率パターン83、偏光角度から35°ずらしたSRRパターン74の透過率パターン84、偏光角度から60°ずらしたSRRパターン75の透過率パターン85を示している。なお、図11では、偏光角度から90°ずらした場合の透過率パターン82も示しており、この場合、特定波長λ1における透過率が一番低くなっている。
このように本実施形態に係る偽造防止構造体7では、SRRパターン73〜75の偏向角度に対する欠け部の角度を何種類かに分けてずらすことにより、例えば、図12の(a)の矢印方向にスキャンした場合、特定波長λ1における透過率のスキャンパターン9を、異なるパターン91,94,93,95,91を含むように、より複雑なものすることができる。真贋判別装置100では、このような複雑な透過率変化のスキャンパターン9を基準値と比較判定することにより、一層複雑な真贋判定が可能になる。しかも、透過率変化のパターンを並び替えることも可能となり、様々な券種に対応した真贋判定が可能になる。つまり、偽造防止構造体7は、より複雑な偽造防止媒体を形成することが可能となる。なお、偽造防止構造体7でも回折格子形成部70を設けてもよい。
なお、図10等に示す偽造防止構造体7では、偏光角度に対するずれ角度が異なるSRRパターン73〜75を一方のスキャン方向に沿って配置するようにしていたが、図13に示すように、SRRアレイ部112において、SRRパターン73〜75を同心状となるようにエリア配置した偽造防止構造体10としてもよい。この場合、偽造防止構造体10を含む媒体を真贋判定する際のスキャン方向を水平方向および垂直方向のいずれにも取っても同様の透過率波形を得ることが出来るので、現場でのスキャン作業を容易に行うことができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、ベース基材として厚さ25μmの透明PET上に下記[剥離保護層の組成]からなる剥離保護層を厚さ1.0μmで設け、その上に下記[回折格子形成層の組成]からなる回折格子形成層(開口部形成層)を厚さ2.0μmで設けた。その後、回折格子形成層上に、160℃、線厚40kg/cmにて、所定の回折格子版(ロール状)を押し当て、回折格子エンボスを得た。
その後、回折格子エンボスを得た回折格子形成層上に真空蒸着法にてアルミニウムを厚さ60nmで設けた。さらにその上に絶縁性層としてフッ化マグネシウムを100nm真空蒸着法にて設けた。このようにして得られたフィルムに対し、1.5N(ノルマル)の水酸化ナトリウム溶液にてエッチングを行い、水洗後、0.1N(ノルマル)の塩酸で中和し、所定のSRRパターンを得た。その上に下記[接着層の組成]からなる接着層を2.0μmで設け、偽造防止転写箔の実施例1を得た。
[剥離保護層の組成]
実施例1に係る偽造防止転写箔に用いる剥離保護層の組成は以下の通りである。
アクリル系樹脂(BR−116:三菱レーヨン社製) 20部
溶剤(トルエン/MEK/酢酸エチル) 40部/35部/5部
[回折格子形成層の組成]
実施例1に係る偽造防止転写箔に用いる回折格子形成層の組成は以下の通りである。
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 25部
(ソルバインCH:日信化学工業社製)
ウレタン樹脂 10部
(コロネートT−100:日本ポリウレタン工業社製)
MEK 70部
トルエン 30部
[接着層の組成]
実施例1に係る偽造防止転写箔に用いる接着剤の組成は以下の通りである。
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 30部
(ソルバインC:日信化学工業社製)
ポリエステル樹脂 20部
(バイロン200:東洋紡社製)
MEK 25部
トルエン 25部
比較例1として、上記構成のうち、SRRパターンが無い構成の偽造サンプルを作製した。
上記2種類の転写媒体をそれぞれ紙基材の商品券サンプル上に、ホットスタンプにて数ポット状に熱転写を行い、偽造防止媒体(実施例1)および偽造防止媒体の比較品(比較例1)を作製した。
上記2種類の偽造防止媒体(実施例1)および偽造防止媒体の比較品(比較例1)は、見た目上は全く同じに出来ており、区別が付かないが、図6に示す真贋判別装置100にて上記2種類の転写箔部分の透過波形を測定したところ、真性品(実施例1)では、図5に示すような波形を示したが、偽造品(比較例1)は転写箔部分にテラヘルツ電磁波の透過が見られなかったことより、容易に区別が付いた。
1,5,7,10…偽造防止構造体、2…偽造防止媒体、11,51…ベース基材、12,52…SRRアレイ部、13,53…SRRパターン、13a,53a,73a,74a,75a…開放部、14,54…開口部形成層、15,55…導電性層、16,56…開口部、21…基材、57…剥離層、58…絶縁層、59…接着層、100…真贋判別装置。

Claims (10)

  1. テラヘルツ電磁波が透過可能なベース基材と、
    前記ベース基材の一方の面に配置され、テラヘルツ電磁波が透過可能な開口部形成層と、
    前記開口部形成層の前記ベース基材とは逆側の面に配置され、テラヘルツ電磁波を遮断する導電性層と、を備え、
    前記開口部形成層は、電気的絶縁層であり、
    前記導電性層は、特定波長のテラヘルツ電磁波が透過可能な所定パターンを形成する開口部を有していることを特徴とする偽造防止構造体。
  2. 前記開口部形成層は、光の照射により回折を生じさせる光回折層を有していることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止構造体。
  3. 前記ベース基材と前記開口部形成層との間に配置され、テラヘルツ電磁波が透過可能であり且つ前記ベース基材からそれ以外の前記各層を剥離可能とする剥離層と、
    前記導電性層の前記開口部形成層とは逆側の面に配置され、テラヘルツ電磁波が透過可能であり且つ接着性を有する接着層と、を更に備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の偽造防止構造体。
  4. 前記所定パターンを形成する前記開口部を有する前記導電性層は、前記特定波長のテラヘルツ電磁波をピークとして選択的にテラヘルツ電磁波を透過させ、前記透過するテラヘルツ電磁波の波長の透過率の半値幅が0.2THz以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の偽造防止構造体。
  5. 前記所定パターンは、リング状の一部が開放された形状を呈する前記開口部から形成されており、同一形状からなる前記所定パターンが等間隔で複数配置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の偽造防止構造体。
  6. 複数の前記所定パターンにおいて、前記リング上における前記開放された部分の角度が同じである、請求項5に記載の偽造防止構造体。
  7. 複数の前記所定パターンにおいて、前記リング上における前記開放された部分の角度が異なる、請求項5に記載の偽造防止構造体。
  8. 紙基材又はプラスチック基材を備えた偽造防止媒体であって、
    請求項1〜7の何れか一項に記載の偽造防止構造体は、少なくともその一部が前記紙基材又は前記プラスチック基材中に埋められている、又は、前記紙基材又は前記プラスチック基材上に配置されていることを特徴とする偽造防止媒体。
  9. 少なくとも一波長のテラヘルツ電磁波を発生可能な電磁波発生手段と、
    前記電磁波発生手段によって発生される特定波長のテラヘルツ電磁波を物体に照射する照射手段と、
    前記物体を透過した前記特定波長のテラヘルツ電磁波を受信し、受信したテラヘルツ電磁波に対応した透過率に変換する変換手段と、
    請求項1〜7の何れか一項に記載の偽造防止構造体に前記特定波長のテラヘルツ電磁波を照射して透過したテラヘルツ電磁波の透過率と、前記偽造防止構造体に対して基準値として予め測定されているテラヘルツ電磁波の透過率との差異を判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記差異があると判定された場合又は前記差異が無いと判定された場合の何れかの場合に判定結果に応じた報知を行う報知手段と、
    を備えていることを特徴とする真贋判別装置。
  10. 請求項8に記載の偽造防止媒体を所定の測定方向に移動する際、一定間隔毎に前記テラヘルツ電磁波の透過率を測定し、前記判定手段は、それぞれの測定した位置に応じた透過率の変動を、予め測定した前記基準値と比較してその差異を判定し、
    前記報知手段は、前記判定結果に応じて報知を行うことを特徴とする請求項9に記載の真贋判別装置。
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