以下、一実施形態に係る電子機器システム1について、図1〜図8に基づいて、詳細に説明する。図1には、本実施形態の電子機器システム1の構成がブロック図にて示されている。
図1に示すように、電子機器システム1は、ユーザがスポーツなどの行動を行うときに使用する道具に設けられた通信装置10と、通信装置10との間で通信を行う通信モジュール20と、通信モジュール20との間で通信を行う撮像装置100、200、及びパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと呼ぶ)300とを備える。
なお、本実施形態においては、通信装置10と通信モジュール20との通信は、導体である人体を通信媒体とする人体通信により行われるものとする。なお、人体通信には、人体に微弱な電流を流して、その電流を変調して情報を伝達する電流方式や、人体の表面に誘起する電界を変調して情報を伝達する電界方式などがある。なお、本実施形態では、電流方式及び電界方式のいずれのタイプを用いることも可能であるが、以下においては電界方式の人体通信を用いた場合について説明する。
(通信装置10)
通信装置10は、例えば野球の道具であれば、ヘルメット、グローブ、ミット、バットなどに設けることができる。なお、本実施形態においては、通信装置10が図2に示すバット50に設けられているものとする。
通信装置10は、図1に示すように、加速度センサ11、ジャイロセンサ12、生体センサ13、メモリ14、電極部15、送信部16、及びCPU17を有する。
加速度センサ11は、圧電素子や歪ゲージなどを用いることができ、バット50の加速度を検出するものである。加速度センサ11の軸数としては1〜3軸のいずれかを適宜選択すればよく、その数も任意に設定することができる。
ジャイロセンサ12は、例えば、角速度の影響により生じるコリオリ力を圧電素子により検出するものであり、本実施形態ではバット50の角速度を検出するものである。ジャイロセンサ12の軸数としては1〜3軸のいずれかを適宜選択すればよく、その数も任意に設定することができる。
本実施形態では、加速度センサ11及びジャイロセンサ12がバット50に設けられていることから、各センサにより、ユーザによるバット50のスイング回数やスイングスピードなどのデータを取得し、蓄積することができる。
なお、通信装置10の構成要素のうち、加速度センサ11とジャイロセンサ12は、図2に示すようにバット50の先端(ヘッド)に設けることが好ましい。この場合、加速度センサ11とジャイロセンサ12は、後述する生体センサ13や電極部15とは離れた位置に設けられているものとする。
また、通信装置10の構成要素の少なくとも一部(例えば、電極部15、送信部16)はバット50に粘着テープのようなもので取り付けることにより着脱可能として、他のバットや道具などに取り付けられるようにしてもよい。
生体センサ13は、図2に示すように、バット50のうち、ユーザの手に触れる位置(グリップ)に設けられるセンサであり、ユーザの生体情報を検出するものである。生体センサ13としては、例えば、LEDにより生体に向けて照射光を照射し、この照射光に対して生体から反射した光を受光することにより、脈拍を検出する脈拍センサを含む。なお、脈拍センサについては、例えば、特開2005−270543号に開示されている。なお、生体センサ13としては、脈拍センサ以外に、複数の電極を配した発汗センサを採用することもできる。発汗センサを用いれば、ユーザの発汗量を検出することができる。更には、生体センサ13としては、体温を測る温度センサや、血圧を測る血圧センサを採用することもできる。なお、生体センサ13は、バット50に設けるタイプのセンサに限らず、特開2005−270543号に開示されているような腕時計型の生体センサを採用することとしてもよい。
また、生体センサ13としては、バット50のグリップに設けられる圧力センサを採用してもよい。なお、生体センサ13を構成する電極部は、後述する電極部15と共用してもよく、別に設けるようにしてもよい。
メモリ14は、不揮発性のメモリ(例えばフラッシュメモリ)であり、道具に関する情報を記憶している。本実施形態においては、メモリ14に、バット50の種類(重量や、長さ、材料(金属か木製かなど))が記憶される。
電極部15は、信号電極とグラウンド電極とを有し、ユーザを介して通信モジュール20と通信を行うための電極である。この電極部15は、ユーザの手に触れる位置(バット50のグリップ)に設けられている。なお、電極部15を用いた人体通信は、ユーザが素手である場合(すなわち、ユーザの手と電極部15が接触している場合)はもちろん、ユーザが手袋をしている場合(すなわち、ユーザの手と電極部15が対向している場合)であっても、実現可能である。
なお、生体センサ13及び電極部15の両方を、バットのうち、ユーザの体(本実施形態では手)の一部に接触又は対向する位置に設ける場合には、生体センサ13と電極部15を一体化し、ユニット構造としてもよい。
送信部16は、バンドパスフィルタを有した電気回路から構成され、メモリ14に記憶されているデータや、加速度センサ11やジャイロセンサ12や生体センサ13の検出結果を、電極部15や人体を介して通信モジュール20に送信するものである。
CPU17は、通信装置10全体を制御するものであり、本実施形態では、通信モジュール20へのデータ送信を制御している。
(通信モジュール20)
通信モジュール20は、通信装置10からデータを受信して、データの収集を行ったり、受信したデータに基づいて外部機器(撮像装置100、200、パソコン300)と通信を行ったりするものである。
この通信モジュール20は、電極部21、受信部22、センサ部23、計時部24、フラッシュメモリ25、通信部26、及びCPU27を有する。
電極部21は、信号電極とグラウンド電極とを有し、ユーザを介して通信装置10と人体通信するための電極である。また、本実施形態では、電極部21は、ユーザの足に触れる位置(図2に示す靴(スパイク)52の内部)に設けられている。なお、ユーザが素足である場合(すなわち、電極部21が足と接触している場合)はもちろん、靴下を履いている場合(すなわち、電極部21が足と対向している場合)でも、人体通信は可能である。
受信部22は、バンドパスフィルタを有する電気回路から構成され、通信装置10から送信される各種データを受信するものである。
センサ部23は、GPSモジュール23a、加速度センサ23b、方位センサ23cを有する。なお、センサ部23は、上記構成に加えて、ユーザの生体情報を取得する生体センサを有していてもよい。
GPSモジュール23aは、通信モジュール20の位置を検出する位置検出装置である。GPSモジュール23aにより検出される位置情報(ユーザが存在する位置の情報)は、後述するフラッシュメモリ25に記憶される。
加速度センサ23bは、圧電素子や歪ゲージなどを用いることができ、本実施形態ではユーザの足の動きに関連した加速度を検出するものである。加速度センサ23bの軸数としては1〜3軸のいずれかを適宜選択すればよく、その数も任意に設定することができる。
方位センサ23cは、方位を検出するためのセンサであり、互いに直交する方向の地磁気成分を検出する2軸の磁気センサによる磁界検出値から地磁気の方位を求めるものである。
なお、加速度センサ23bと、方位センサ23cとは、片側の靴(スパイク)だけではなく、両側に設けてもよい。
計時部24は、ユーザが所定の場所にいる時間や、所定の行動(野球の練習や試合など)を行っているときの時刻情報をCPU27に対して出力するものである。
フラッシュメモリ25は、不揮発性のメモリであり、通信装置10より送信された各種データ、センサ部23が検出した各種データ、計時部24が出力した時刻情報などを記憶するものである。より具体的には、フラッシュメモリ25には、図3(a)に示す練習場所テーブルや、図4(a)に示すスイング判定テーブルが格納されている。また、フラッシュメモリ25には、各種データを記録するための、図3(b)に示す練習時間DB(データベース)や図3(c)に示すスイング練習時間DB、図5に示す練習データDBが格納されている。これらのテーブルやDBの詳細については、後述する。
通信部26は、外部機器(撮像装置100、200、パソコン300)と通信(例えば双方向通信)を行うものであり、無線、有線、電気通信回線などの通信を適用することができる。本実施形態の通信部26は、撮像装置100、200への撮影依頼や、パソコン300へのデータ転送を人体通信とは異なる通信方式により行う。例えば、パソコン300からユーザを特定する情報(名前やIDや身長、体重、性別など)を通信部26に通信し、このユーザを特定する情報をフラッシュメモリ25に記憶させることにより、通信モジュール20はユーザの特定を行うことができる。本実施形態では、靴52に通信モジュール20を設けており、通常、靴52は他人とは共用しないため、ユーザを特定するのに適している。
CPU27は、通信モジュール20、ひいては電子機器システム1全体を制御するものであり、本実施形態では、各種の記録を行うための制御や、ユーザの状態の変化(野球の上達度など)を検出するための制御を行うものである。
なお、本実施形態では、電極部21が靴(スパイク)52に設けられる場合について説明したが、通信モジュール20の構成要素を一体構造として靴52に設けることとしてもよい。また、通信モジュール20の構成要素を一体構造とせずに、適宜、靴52に配置してもよく、電極部21以外の構成要素は靴以外の場所に設けるようにしてもよい。また、電極部21を粘着テープなどで服(ユニフォーム)や体に取り付けるようにしてもよい。
(撮像装置100,200)
撮像装置100、200は、例えば、デジタルカメラであり、同一のデジタルカメラであっても異なるデジタルカメラであってもよい。なお、本実施形態では、撮像装置100、200の基本構成を同一としているので、撮像装置100についてその構成を説明し、撮像装置200の構成の説明を省略する。
撮像装置100は、通信部101、GPSモジュール102、撮像部103、CPU104を有する。
通信部101は、通信モジュール20の通信部26との間で通信を行う。通信部101は、通信モジュール20から撮影依頼を受信する。また、通信部101は、撮像装置100の位置や、撮像装置100の仕様などを通信モジュール20に対して送信する。なお、通信部101は、後述するパソコン300の通信部301との間でも通信を行うことができるようになっており、通信部101からは、撮像部103で撮像した画像をパソコン300に対して送信する。
GPSモジュール102は、撮像装置100の位置を検出する位置検出装置であり、前述したように、撮像装置100の位置が、通信部101により通信モジュール20に送信される。
撮像部103は、複数のレンズと、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子と、を有しており、動画や静止画などの撮像を行うものである。
CPU104は、撮像装置100全体を制御するものであり、本実施形態においては、通信モジュール20からの指示によりユーザを撮像するタイミング(撮像の開始や、撮像の終了など)を制御するものである。
(パソコン300)
パソコン300は、通信部301、メモリ302、CPU303を有する。
通信部301は、通信モジュール20の通信部26との間で通信を行い、通信モジュール20からの各種データを受信する。また、通信部301は、撮像装置100、200が撮像した画像のデータを受信する。
メモリ302は、不揮発性のメモリであり、通信モジュール20および撮像装置100、200より受信した各種データを記憶するものである。なお、メモリ302には、図4(b)に示す画像DBが格納されているものとする。なお、画像DBの詳細については後述する。
CPU303は、パソコン300全体を制御するものであり、本実施形態においては、通信モジュール20および撮像装置100、200から受信した各種データに基づいてユーザの履歴(例えば、野球の練習時間の記録)や、上達具合(例えば、スイングのスピードが上がったことなど)や、プロなどの上級者との比較(フォームの比較、各種スピード(スイングスピードなど)の比較)を行うものである。
次に、上述したように構成される電子機器システム1の処理について図6に基づいて説明する。
図6は、CPU27の制御の下で行われる、データ収集処理に関するフローチャートである。この図6の処理は、ユーザが、電極部21が設けられた靴(スパイク)52を履くことをトリガーとして開始されるものとする。
図6の処理では、まず、ステップS10において、CPU27が、GPSモジュール23aの出力を取得し、ユーザの位置を検出する。
次いで、ステップS12では、CPU27が、GPSモジュール23aの出力に基づき、ユーザが所定の場所にいるかどうかを判断する。ここで、所定の場所とは、予めユーザ等によって設定された野球場や練習グラウンドであるものとする。所定の場所は、図3(a)に示す練習場所テーブルに格納されているものとする。なお、図3(a)では、練習場所を矩形の領域とみなした場合の四隅部分の位置が緯度、経度にて定義されている。ステップS12では、GPSモジュール23aの出力が練習場所テーブルに格納されている練習場所1、2…のいずれかの領域に含まれている場合に、判断が肯定され、ステップS14に移行する。なお、ステップS12の判断が否定された場合には、ステップS10に戻る。
ステップS14に移行すると、CPU27は、加速度センサ23bから、所定の出力があったか否かを判断する。このステップS14は、ユーザの練習開始時刻を検出するためのステップである。どのスポーツにおいても道具を使った練習の前に準備体操や、ランニングから練習が始まるため、本実施形態においては、CPU27は、加速度センサ23bから通常の歩行とは異なる加速度を検出した場合に、所定の出力があったと判断する。なお、通常の歩行における加速度については予め設定されているものとする。したがって、例えば歩行しているユーザがランニングを開始した時点で、ステップS14の判断が肯定され、ステップS16に移行する。
ステップS16では、CPU27は、ユーザがランニングなどの準備運動を始めた日時(時刻)情報を計時部24から取得する。このステップS16は、ユーザの練習時間の記録を残すためのステップである。なお、ステップS16で取得した日時(時刻)情報は、フラッシュメモリ25に格納されている図3(b)の練習時間DBの開始日時の欄に入力される。なお、この練習時間DBの開始日時の欄への入力の際には、練習IDの欄への通し番号等の入力がなされる。
このように本実施形態の電子機器システム1(通信モジュール20)によれば、ユーザが靴52を履きランニングを開始するという行為により、練習開始を自動認識するとともに、練習時間の計測を自動的に開始するため、ユーザが練習時間を記録するための特別な操作を行う必要が無くなる。
次いで、ステップS18では、CPU27が、靴(スパイク)52に設けられた電極部21と、バット50に設けられた電極部15との間で人体通信が成立しているかどうか判断する。この場合、ユーザが準備運動をした後にバット50を握った段階で、電極部21,15間での人体通信が成立する。したがって、ユーザがバット50を握った段階で、ステップS18の判断が肯定され、ステップS20に移行することになる。
ステップS20では、CPU27が、バット50に設けられた通信装置10に情報の送信を要求するとともに、GPSモジュール23aからユーザの位置の情報を取得する。このステップS20でCPU27が送信を要求する情報には、メモリ14に記憶されているバットの種類(IDまたは長さ、重量、材質などのデータ)の情報が含まれる。なお、通信装置10では、CPU17が、送信部16を介して、バットの種類の情報を送信する。
次いで、ステップS22では、CPU27は、ステップS20で検出したユーザの位置の情報に基づいて撮像装置100、200に対する撮影依頼を行う。
例えば、撮像装置100、200が定点カメラである場合には、CPU27は、ユーザの位置に応じて、ユーザを最も良好に撮影できる撮像装置に対して撮影依頼を送信したり、一方の撮像装置100に対してはユーザを正面から撮影するように依頼し、他方の撮像装置200に対してはユーザを横や背後から撮影するよう依頼したりする。
また、カメラマンに撮影依頼する場合には、CPU27は、カメラマンの撮像装置100、200に対してユーザの位置を連絡するようにしてもよい。なお、カメラマンへの連絡手段としては、カメラマンの保有する携帯電話(電話機能又はメール機能など)を用いることとすればよい。
次いで、ステップS24では、CPU27は、加速度センサ11とジャイロセンサ12とから所定の出力があったかどうかを判定する。このステップS24は、ユーザがバット50のスイングを開始したかどうかを検出するためのステップであり、所定の出力とは、ユーザがバット50のスイングを行っていると判定できる加速度の値や、角速度の値である。これらの値は、実験により求めてもよいし、スイングの画像を解析して求めてもよく、バットの種類ごとにその値を設定するようにしてもよい。これら、各センサの所定の出力を判定するための情報は、例えば、図4(a)に示すスイング判定テーブルにおいて定義されているものとする。
なお、通信装置10のCPU17は、通信モジュール20との人体通信が成立した後、加速度センサ11及びジャイロセンサ12から所定の出力があった時点から、加速度センサ11及びジャイロセンサ12の出力を通信モジュール20に送信するようにすればよい。なお、これに代えて、通信装置10との人体通信が成立した後、所定間隔(例えば、数10マイクロ秒から数秒)毎に、通信モジュール20が、通信装置10に対して加速度センサ11及びジャイロセンサ12の出力を送信するよう要求するようにしてもよい。
なお、上述のステップS22とステップS24の順番を入れ換えてもよい。この場合、ユーザによるバット50のスイングを検出した後に、撮像装置100,200に対して撮影依頼を行うことになる。
ステップS24の判断が肯定されると、ステップS26に移行し、CPU27は、計時部24を介して、ユーザがバット50のスイングを開始した時刻を取得する。CPU27は、ユーザがバット50のスイングを開始した時刻を取得することにより、バットのスイングを行っていた時間(バッティング練習時間)を計測することができ、これに加え、練習時間全体に占めるバッティングの練習時間の割合なども演算することができる。ステップS24において取得された時刻は、図3(c)に示すスイング練習時間DBのスイング開始日時の欄に入力される。このように、本実施形態の電子機器システム1(通信モジュール20)によれば、ユーザがスイングを開始するという行為により、バッティング練習を自動認識するとともに、バッティング練習時間の計測を自動的に開始することができる。なお、当該入力の際には、CPU27は、ステップS16で練習時間DB(図3(b)参照)の練習IDの欄に入力した文字列と同一の文字列を、スイング練習時間DBの練習IDの欄にも入力する。
次いで、ステップS28では、CPU27は、各種データの収集を行い、収集したデータをフラッシュメモリ25に記録する(図5の練習データDBに記録する)。この場合、CPU27は、ユーザが使用する道具の使い方(属性)に応じた記録を行う。本実施形態では、ユーザがバット50を使用しているので、CPU27は、CPU17が送信部16を介して送信してくる加速度センサ11及びジャイロセンサ12の出力と生体センサ13の出力を、受信部22を介して取得して、ユーザがスイングをしているときの加速度(加速度センサ11の検出値)、角速度(ジャイロセンサ12の検出値)、生体情報(生体センサ13の検出値)、スイング回数などを練習データDBに記録する。また、CPU27は、加速度センサ23bよりユーザがスイングを行っているときの足の動きに関する加速度情報(加速度センサ23bの検出値)を収集する。なお、これらのデータの収集は、ステップS24で検出した結果を用いてもよい。なお、図5のように各スイングのデータを記録する場合に限らず、複数回のスイングにおける最大加速度や平均加速度、最大角速度や平均角速度、足の動きに関する最大加速度や平均加速度などを練習データDBに記録することとしてもよい。また、目標とする加速度をクリアした回数を記録するようにしてもよい。なお、CPU27は、生体情報の記録に関して、生体センサ13の検出値(例えば心拍数の生データ)をそのまま記録してもよく、生体センサ13の検出値からユーザの状態を判定(通常、緊張、弛緩、リラックスなど)して、その判定した状態を記録するようにしてもよい。また、CPU27は、図5の練習データDBに、GPSモジュール23aや、方位センサ23cの検出値を記録してもよい。これにより、ユーザの位置やユーザの向いている方位を考慮した練習データの解析が可能となる。
なお、CPU27は、フラッシュメモリ25とともに、又はこれに代えて、パソコン300のメモリ302に収集したデータを記録してもよい。
なお、CPU27は、図5に示すように、練習データDBにおいて、道具の種類(バットの重さや長さ)と関連づけてスイングのデータを記録することとしている。このようにすることで、どの道具をどのように使ったかという属性を含めて練習データDBに記録することができる。また、CPU27は、図5に示すように、練習データDBにおいて、練習ID毎のスイング回数をカウントしている。このようにすることで、各練習におけるスイング回数と上達度合の比較などを行うことができる。
次いで、図6のステップS30では、CPU27が、通信モジュール20と通信装置10との人体通信が所定時間の間途切れたかどうかを判断する。このステップS30は、ユーザがバット50のスイングを行う練習(バッティング練習)を継続しているかどうかを確認するためのステップである。すなわち、所定時間(例えば数分程度)、人体通信が途切れた場合、CPU27は、ユーザがバッティング練習を終了したと判断することができる。なお、所定時間については、ユーザ毎に設定できるものとする。なお、上述した方法に代えて、CPU27は、他の道具(例えばグローブなど)に設けた通信装置10との人体通信が成立したり、GPSモジュール23aや方位センサ23cの出力からユーザが移動を開始したときに、ユーザがバッティング練習を終了したと判断してもよい。
ステップS30の判断が否定されている間、すなわち、人体通信が所定時間途切れていない間は、CPU27は、ステップS26に戻り、ステップS26、S28の処理を繰り返して、時刻情報や各種データの収集を継続する。
一方、ステップS30の判断が肯定された場合、すなわち、人体通信が所定時間途切れた場合には、ステップS32において、CPU27は、計時部24を介して時刻を確認する。そして、CPU27は、確認した時刻からバッティング練習時間を演算して、フラッシュメモリ25のスイング練習時間DB(図3(c)の練習時間の欄)に記憶する。このように本実施形態の電子機器システム1(通信モジュール20)によれば、人体通信が所定時間途切れたことにより、バッティング練習の終了を自動認識するとともに、バッティング練習時間の計測を自動的に終了することができる。
また、ステップS32では、CPU27が、撮像装置100、200に対して撮影の終了依頼を出す。撮像装置100、200が定点カメラであり、この撮像装置100、200により動画の撮像を行う場合には、撮影の開始依頼と終了依頼を送信することにより、効率よく動画の撮像を行うことができる。これは、特に、試合におけるユーザの各打席を動画で撮像する場合などにおいて有効である。
次いで、ステップS34では、CPU27は、ユーザがスパイクを履いているか否かを判断する。CPU27は、ユーザがスパイクを履いていれば他の練習を行うものとしてステップS18に戻るが、ユーザがスパイクを脱いだ場合には、ステップS36において計時部24を介して時刻情報を取得し、フラッシュメモリ25(練習時間DB(図3(b)参照)の終了時刻の欄と練習時間の欄)に記録した後に、図6の全処理を終了する。なお、CPU27は、ステップS36で練習の終了時刻情報を取得する場合に、スパイクを脱いだ時刻を終了時刻としてもよく、スパイクを脱ぐ前であって加速度センサ23bから最後に所定の出力(歩行とは異なる出力)があった時刻を終了時刻としてもよい。
なお、ステップS34においてユーザがスパイクを履いていないかどうかを判断する際に、所定の時間を設定する必要がある場合には、ステップS30で設定されている所定時間に比べて、短い時間を設定すればよい。また、CPU27は、ユーザが練習グランドにいるかどうかを加味してステップS18に戻るかどうかを判断してもよい。なお、ステップS30に先立ってステップS34の処理を実行することとしてもよいし、ステップS30の前後にステップS34の処理を実行することとしてもよい。なお、スパイクを履いているか否かの判断は、図6とは別に、常時行うこととし、当該判断が否定された場合に、図6の処理を強制的に終了するようにしてもよい。
このように本実施形態の電子機器システム1(通信モジュール20)によれば、ユーザがスパイクを脱ぐという行為をトリガーにして、練習の終了を自動認識するとともに、バッティング練習時間の計測を自動的に終了することができるので、ユーザに特別な操作を強いる必要が無くなる。
次に、図7のフローチャートに沿って、CPU303の制御による本実施形態のデータ比較処理について説明する。このデータ比較処理は、目標とする上級者(例えば上級生やプロなど)とユーザとのデータ比較を行う処理である。なお、以下においては、図6の処理により収集されたデータ(練習データDB)は、通信モジュール20からパソコン300のメモリ302に転送されているものとして、説明する。
図7のステップS50では、CPU303が、ユーザが目標とするマスターデータを読み出す。この場合、図6のフローチャートを用いて収集される複数人のプレーヤ(例えば上級生など)のデータの中から、ユーザによって選択されたデータをマスターデータとして読み出す(すなわち、メモリ302に記憶されているデータの中から選択する)こととしてもよい。もしくは、パソコン300に対してユーザ等によって予め入力されている目標とする数値(スイングスピード、加速度など)をメモリ302から読み出すようにしても良い。また、プロの選手のデータを予めメモリ302に格納しておき、当該プロの選手のデータをCPU303が読み出すようにしても良い。
次いで、ステップS52では、CPU303が、ユーザのデータを読み出す。本実施形態においては、図6のフローチャートで収集したユーザのデータをメモリ302から読み出す。
次いで、ステップS54では、CPU303が、マスターデータと、ユーザデータとの比較を行う。この場合、CPU303は、マスターデータに対して、ユーザデータの時系列変化(遷移)を比較して、ユーザデータがマスターデータに近づきつつあるかどうかを比較することができる。例えば、図8に示すように、プロのスイングデータとユーザのスイングデータ(例えば、日付毎のスイングスピード(最大値))とを比較するなどすることができる。
次いで、ステップS56では、CPU303は、ステップS54の比較結果(図8)をパソコン300の不図示のディスプレイなどに表示して、比較結果をユーザに報知し、図7の全処理を終了する。なお、ステップS56では、CPU303は、図8に示すように、ユーザの練習量(スイング回数や練習時間など)の推移なども合わせて表示(報知)するようにしてもよい。
なお、図8は、一例である。すなわち、CPU303は、図5の練習データDBに基づいて種々の解析を行い、ユーザに報知することができる。例えば、ユーザの入力情報から、ある練習IDが練習であるか試合であるかを判別できるような場合には、練習と試合とにおけるスイングの違いや精神状態(生体センサ13の検出値に基づく状態)の違いを判別し、ユーザに報知することができる。なお、図7のフローチャートではマスターデータとユーザデータとを比較することとしたが、これに代えて、パソコン300により練習量を設定し、この設定した練習量とユーザデータとを比較するようにしてもよい。
なお、各ユーザから収集したデータを纏めてパソコン300において管理するようにすれば、監督やコーチなどは、各ユーザの練習の様子(例えば、バッティング練習時間が多く、その他の練習の時間が少ない)や、試合のときに特に緊張したり精神的に不安定になったりするユーザ(選手)を認識することもでき、練習量や、練習の順番、練習方法などの設定の一助となる。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によると、通信モジュール20の電極部21が、ユーザの足に接触又は対向し、通信装置10の電極部15が、ユーザの手に接触又は対向した状態で、通信モジュール20と通信装置10との人体を介した通信が可能になると、CPU27は、通信装置10が設けられている部材(バット50)の属性に応じた記録をフラッシュメモリ25(練習データDB)に対して行う。これにより、本実施形態では、人体通信が可能になった段階で、部材の属性に応じた記録(スイング回数やスイングスピードなど)を記録することができるので、バットを持って練習を開始した適切なタイミングでの部材の属性に応じた記録が可能となる。これにより、使い勝手のよい電子機器システムを提供することができる。
また、本実施形態では、CPU27は、フラッシュメモリ25(練習データDB)に靴(スパイク)の属性に応じた記録(加速度や速度)を行うので、練習の状況をさまざまな観点から記録することができる。
また、本実施形態で、CPU27は、フラッシュメモリ25(練習データDB)に人体の生体情報を記録するので、練習の状況や練習と試合における精神状態の違いなどさまざまな観点から記録することができる。
また、本実施形態で、CPU27は、フラッシュメモリ25(練習データDB)に部材の種類(バットの種類)も記録するので、どの道具(バット)をどのように使ったかを記録することができる。
また、CPU27は、フラッシュメモリ25(スイング練習時間DB)に人体通信が行われている時間を記録するので、バットを用いたスイング練習を行っている時間を記録することが可能となる。
また、CPU27は、所定時間の間、電極部15が手と接触又は対向していない場合(所定時間、人体通信が行われていない場合)に、道具(バット)の属性に応じた記録を終了する(S30:肯定)ので、バットを用いた練習を中断又は中止した蓋然性の高い適切なタイミングで、練習データの記録を終了することが可能となる。
また、CPU27は、電極部21と足が接触又は対向しなくなった場合(スパイク52を脱いだ場合)に(S34:否定の場合)、記録を終了する(練習時間DBに終了日時を入力する)ので、練習を終えた蓋然性の高い適切なタイミングで、記録を終了する(練習時間DBに終了日時を入力する)ことができる。
また、本実施形態では、通信モジュール20が、人体通信を行う通信部(電極部21とCPU27を含む)とは異なる通信部26を備えている。これにより、人体通信により、通信モジュール20の受信部22において通信装置10から受信したデータや受信したタイミングに基づいて、通信部26が通信を行うことが可能となる。本実施形態では、通信部26は、電極部15、21を介した人体通信が可能になった際に、撮像装置100、200と通信を行うので、スイング練習を開始したタイミングなど、適切なタイミングで、撮像装置100、200に対する撮影依頼を行うことが可能である。
また、本実施形態では、CPU27は、GPSモジュール23aが検出した位置に応じて、撮像装置100、200に対して撮影を依頼することができる。これにより、撮像装置100、200に対して、ユーザの適切な撮影を依頼することが可能となる。
また、CPU27は、所定時間の間、バットがユーザの手と接触又は対向していない場合に、撮像装置100、200に対して撮影を終了するよう依頼するので(S32)、ユーザがスイング練習を終了した蓋然性の高い適切なタイミングで撮影を終了することができる。
また、本実施形態では、ユーザの動作に応じてバットに作用する物理量(加速度や角速度)を検出する物理量センサ(加速度センサ11及びジャイロセンサ12)がバット50に設けられており、CPU17及び送信部16は、人体と接触又は対向する電極部15及び人体を介して、物理量センサが検出した物理量をバット50とは異なる機器(通信モジュール20)と通信する。これにより、ユーザがバットを持ってスイング練習等を行う適切なタイミングで、人体通信により、通信モジュール20に対してバット50に作用する物理量を送信することができる。この点からも、使い勝手のよい電子機器システム1の提供が可能である。
また、本実施形態では、電極部15近傍に生体センサ13が設けられているので、ユーザの動作に応じてバット50に作用する物理量とともに、生体センサ13で検出された生体情報も、適切なタイミングで、通信モジュール20に対して送信することができる。
また、本実施形態では、CPU17が、人体通信が成立した後に、加速度センサ11及びジャイロセンサ12による検出を開始するので、各センサによる検出タイミングを適切なタイミングとすることができる。これにより、各センサの電力消費量を低減することができる。
なお、上記実施形態では、スイング練習の間において、撮像装置100、200による撮影を行う場合について説明したが、これに限らず、練習すべてを撮像装置100、200により撮影するようにしてもよい。この場合、CPU27は、図6のステップS22をステップS16の直後に行い、ステップS32の撮影終了依頼を、ステップS34の直後に行うようにすればよい。
なお、上記実施形態では、加速度センサ11とジャイロセンサ12を、生体センサ13や電極部15とは離れた位置に設けることとしたが、これに限らず、加速度センサ11とジャイロセンサ12を、生体センサ13と電極部15の近傍(グリップエンドなど)に設けることとしてもよい。
なお、上記実施形態では、練習データDBの道具の種類の情報を、当該道具の使用期間の履歴を管理するために用いることもできる。また、ユーザの上達具合に応じてユーザに新たな道具を薦めるために用いることもできる。
なお、上記実施形態では、靴に通信モジュール20を設ける場合について説明したが、携帯電話などの携帯端末に電極部を設けるようにして、携帯端末を通信モジュール20として利用することも可能である。この場合、携帯端末の画面(表示部)に比較結果を表示するようにしてもよい。携帯端末にユーザを特定する情報が記憶されている場合には、上述したパソコン300を用いたユーザの特定を省略することができる。また、携帯端末の入力部から練習を行う順番や練習量を入力しておくことにより、予定した練習と実際に行った練習とを比較することができる。この場合、当該比較結果を携帯端末の画面に表示するようにしてもよい。また、予定の練習量を行ったときに、携帯端末のバイブレーション機能などを用いてユーザに報知するようにしてもよい。なお、練習を行う順番や練習量に関しては、パソコン300から通信モジュール20に通信してフラッシュメモリ25に記憶させてもよい。
なお、上記実施形態では、CPU27は、ユーザがスイング練習をしている間、練習データをフラッシュメモリ25に記録する場合について説明したが、これに限らず、CPU27は、ユーザがスイング練習を開始した段階で、パソコン300に対して、練習データを記録するように依頼してもよい。
また、上記実施形態では、図6のステップS12においてユーザが特定の場所にいる場合のみ、練習データの記録を行う場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、図6の処理のステップS10、S12を省略して、ステップS14から図6の処理を開始することとしてもよい。また、図6の処理では、準備運動等を考慮して、ステップS14やS16の処理を行うこととしているが、これに限らず、例えば、図6の処理のステップS14、S16を省略して、ステップS18から図6の処理を開始することとしてもよい。この場合、ステップS34、S36も省略することとしてもよい。
なお、上記実施形態では、図7の処理をCPU303に代えて通信モジュール20のCPU27が行うこととしてもよい。この場合、パソコン300を省略することとしてもよい。
(変形例1)
なお、上記実施形態では、スパイク52に通信モジュール20を設ける場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、図9(a)に示すように、通信モジュール20をヘルメット54に設けてもよい。この場合、CPU27は、ヘルメット54とバット50との間で人体通信が成立しない場合に、バッターボックスへ立つことを禁止(通信装置10にスピーカを設け、当該スピーカを用いて報知する等)して、ユーザ(バッター)の安全を確保するようにしてもよい。
なお、ユーザ(バッター)が出塁した場合には、バット50を持たなくなるので、出塁時のユーザの動き等を検出する場合には、ヘルメット54に加速度センサ11、ジャイロセンサ12、生体センサ13、電極部15を配置しておけばよい。この場合、通信モジュール20は、スパイク52に設けられていてもよいし、ヘルメット54に設けられていてもよい。
なお、図9(b)に示すように、守備の際には、ユーザは、グローブ56を用いるので、グローブ56に加速度センサ11、ジャイロセンサ12、生体センサ13、電極部15を設けることとしてもよい。この場合、ユーザがボールを受けた回数や、ボールのスピード(グローブ56で受けた衝撃の強さ)のデータを蓄積することができる。これらデータを用いることで、ユーザがだんだん強いボール(速度の速いボール)を捕球することができるようになったことなどを判別することが可能となる。また、キャッチャーミットに加速度センサ11を設けた場合には、ピッチャーの投げるボールの強さおよびその強さの変化からピッチャーの状態を分析することもできる。
なお、ユーザがキャッチャーの場合、プロテクタの一部に加速度センサ11、ジャイロセンサ12、生体センサ13、電極部15を設けることとしてもよい。
グローブ56やプロテクタに加速度センサ11等を設ける場合、図6のステップS20では、CPU27は、通信装置10からグローブ56の種類(内野用、外野用、キャッチャーミットなど)やプロテクタの種類を取得するようにすればよい。そして、ステップS28では、CPU27は、グローブ56の種類等と関連づけて道具の使い方をフラッシュメモリ25(練習データDB)に記録することで、どの道具をどのような使い方をしたかという属性を含めて記録することとすればよい。
(変形例2)
図9(c)は、電子機器システム1をテニスに適用した場合の例を示している。本変形例2では、ラケット60のグリップ部(ユーザの手に触れる位置)に生体センサ13及び電極部15を配置し、ラケット60のフェイス先端部に加速度センサ11及びジャイロセンサ12を配置している。また、本変形例2では、テニスシューズ62に通信モジュール20を設けることとしている。テニスの場合には、ラケットのスイング回数やスイングスピードなどのデータを蓄積することができ、また、足の運びのデータなどを蓄積することができる(ステップS28)。なお、加速度センサ11及びジャイロセンサ12をラケット60のグリップ部近傍に設けることとしてもよい。
なお、本変形例2では、図3(a)の練習場所テーブルには、テニスコートなどの位置が格納されていればよい。
(変形例3)
図10(a)は、電子機器システム1をゴルフに適用した場合の例を示している。本変形例3では、ゴルフクラブ70のグリップ部に生体センサ13及び電極部15を配置し、クラブヘッドに加速度センサ11及びジャイロセンサ12を配置している。また、ゴルフシューズ72に通信モジュール20を設けることとしている。この場合、図6のステップS20では、CPU27は、通信装置10からゴルフクラブ70の種類(クラブの番手、ロフト、ライ角、シャフト、長さ、重量、材質など)を取得するようにすればよい。そして、ステップS28では、CPU27は、ゴルフクラブ70の種類等と関連づけて道具の使い方(クラブのスイングの回数や、ヘッドスピード、各種クラブの使用頻度など)をフラッシュメモリ25(練習データDB)に記録することで、どの道具をどのような使い方をしたかという属性を含めて記録することとすればよい。
なお、本変形例3では、図3(a)の練習場所テーブルにはゴルフ場やゴルフ練習場などが格納されていればよい。なお、ゴルフ場では、帽子やサンバイザーの着用が義務付けられているので、当該帽子やサンバイザーに加速度センサ11、ジャイロセンサ12、生体センサ13、電極部15を設けたり、あるいは、通信モジュール20を設けたりしてもよい。また、ゴルフクラブのフェイス部分に複数の圧力センサを設け、ショット毎に複数の圧力センサの検出値を取得することで、フェイスに対するボールの接触位置をショット毎に記録することも可能となる。
(変形例4)
図10(b)は、電子機器システム1をスキーに適用した場合の例を示している。本変形例4では、ゴーグル80に生体センサ13及び電極部15を配置し、スキー板82に加速度センサ11及びジャイロセンサ12を配置している。またスキー靴84に通信モジュール20を設けている。この場合、ユーザの滑降スピードや、ターンをした場合の回転の履歴などを蓄積することができる。また、スキー靴84内部に複数の荷重センサを設けることで、ユーザの重心位置の変化や体重移動の状態などを蓄積することもできる。
なお、スキーではユーザが移動している場合が多い。このような場合、図6のステップS22では、CPU27は、方位センサ23cの出力に基づいて、ユーザの移動方位を撮像装置100、200に対して通知するようにすればよい。
また、スキーにおいては、加速度センサ11、23bに大きな加速度が作用し、その後に人体通信が途切れたままの場合は、非常事態が発生したことが予想される。このような場合、CPU27は、通信部26を介して他の外部機器(例えば、携帯電話)にその位置情報とともに、非常事態が発生したことを通知するようにしてもよい。
なお、ストックに、加速度センサ11やジャイロセンサ12等を配置してもよい。
なお、スキーと同様、スノーボードやスケートにおいても電子機器システム1を適用することができる。
(変形例5)
図10(c)は、電子機器システム1を楽器演奏に適用した場合の例を示している。図10(c)では、ユーザが両手で楽器(トロンボーン)90を保持した場合に人体通信が成立するように右手および左手が接触する部分に生体センサ13、電極部15、通信モジュール20を設けている。なお、演奏者が靴を履いている場合には、その靴に通信モジュール20を設けてもよい。加速度センサ11及びジャイロセンサ12は、楽器の種類に応じて少なくとも一方を設けてもよく、また、両方とも省略してもよい。楽器の場合、練習時間のデータを蓄積することができ、また、練習時の生体情報と、発表会などでの生体情報を比較することもできる。また、本変形例5では、ユーザがオーケストラに参加している場合でも、ユーザが演奏している間だけ撮像装置100、200による撮影を行うことも可能である。なお、本変形例5の場合、CPU27が制御する外部機器として、撮像装置100、200に代えて、又はこれとともに、録音装置を用いることとしてもよい。録音装置を用いてオーケストラの演奏を録音する場合、録音した音声データと、ユーザの楽器操作(加速度センサ11等から取得されるユーザの右手の動き(スライド管の動き)など)とを比較することで、ユーザに対して修正点(他の演奏者とのずれなど)を報知することとしても良い。
なお、電子機器システム1は、トロンボーン以外の楽器においても適用することができる。
(変形例6)
図10(d)は、電子機器システム1を陸上競技(バトンリレー)に適用した場合の例を示している。この場合、二人のランナーの靴112にそれぞれ通信モジュール20を設け、バトン104の両端にそれぞれ生体センサ13及び電極部15を配置するとともに、バトン104に加速度センサ11及びジャイロセンサ12を配置している。これにより、バトンリレー時のバトン104の動きや、バトンリレーにかかる時間、2人のランナーの生体情報などを入手することができるので、練習の成果をデータとして可視化することが可能となる。
なお、スキーと同様、陸上競技でもユーザが移動している場合が多い。このような場合、図6のステップS22では、CPU27は、方位センサ23cの出力に基づいて、ユーザの移動方位を撮像装置100、200に対して通知するようにすればよい。
なお、上記実施形態及び変形例において、靴に通信モジュール20を設ける場合、センサ部23に荷重センサが含まれていてもよい。これにより、ユーザの重心位置、体重バランスなどを検出することができるので、スイングなどにおける改善点を分析することが可能となる。
なお、電子機器システム1は、上述した野球、テニス、ゴルフ、スキー、陸上競技以外にも、道具を使う種々のスポーツ(卓球、バドミントン、ホッケー、剣道、フェンシング、ボート、競馬(騎手の鞭などに通信装置10を設ける)、アーチェリー、ラクロス、クリケットなど)に適用することができる。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。