発明の詳細な説明
発明の分野
この発明は、コンピュータエンジニアリングおよび制御設備に関しており、障害の外的な表明に関する情報に基づき障害の局所化を提供する機能的診断システムに用いられ得る。
従来技術
機能的診断は、障害を決定しかつ、エンジニアリングシステム通常シグナル、すなわち、システムがその目的に応じて用いられかつ(試験中よりはむしろ)稼働中の衝撃を受ける場合、の背景における障害時点を追跡する過程として理解される[Machine-Building. Encyclopedia. V. III-7. Measurements, Control, Diagnostics (in Russian) / Ed. by V.V. Klyuev. - M.: Machinostroenie. 1996, p.404], [Fundamentals of Technical Diagnostics. Book 1. Models of Objects, Diagnostic Methods and Algorithms (in Russian) / Ed. by P.P. Parkhomenko. - M.: Energia. 1976, p.13]。
エンジニアリングシステムの診断は、少なくとも2つの課題を含む:
機能を訂正するためにオブジェクトをチェックすること;
局所化することすなわち稼働障害またはオブジェクトの不正確な機能の時点および起こりうる理由を追跡すること。
本発明は、第2の課題、すなわち、局所化を解決するための方法および装置を提供する。
制御不能な障害は、本発明において、エンジニアリングシステムのサブシステム、個別ユニット、モジュール、または要素(以下では診断オブジェクト」と記載)における障害として理解され、上記障害は、制御システム自体(ビルトイン試験手段を含む)によっては検出され得ない。現代のシステム理論の観点からは、そのような障害は、オブザーバル、すなわち検出される潜在的な可能性を有するものと、非オブザーバル、すなわちそのような潜在的可能性を有しないものとの両方に関し得る。第1の場合、ここに提案される方法および装置は、障害時点を提示し、そして、局所化課題に対する解決法の発見に利用できる情報の不十分さにおける解決法からの第2の場合。
システムにおいて起こる制御不能な障害は、その稼働障害または、すべてのあるいは個別のモードにおけるその正しくない機能に至り得るが、如何なる提示(たとえば、障害要素が重複する場合)にも至り得ない。それゆえ、制御不能な障害を局所化するための課題は、時点、および、そのオブザーバルな表明に応じた障害のためのあり得る理由を追跡することとして理解される。
現在、エンジニアリングオブジェクトにおける障害局所化の大半の方法は、論理モデルまたはブール代数モデルの使用に基づいている[Machine-Building. Encyclopedia. V. III-7. Measurements, Control, Diagnostics (in Russian) / Ed. by V.V. Klyuev. - M.: Machinostroenie. 1996], [Fundamentals of Technical Diagnostics. Book 1. Models of Objects, Diagnostic Methods and Algorithms (in Russian) / Ed. by P.P. Parkhomenko. - M.: Energia. 1976], [L.P. Kolodezhny, A.V. Chernodarov. Reliability and Engineering Diagnostics: Textbook for students of air-force higher education institutions. - M.: Publishing House at the Air-Force Academy Named after Prof. N.E. Zhukovsky and Yu.A. Gagarin, 2010]。
検出の論理的方法は、グラフ理論のそれに関する方法を含む。
クレームされた装置および方法の機能に最も近いものは、機能的診断装置(DD)である[Fundamentals of Technical Diagnostics. Book 1. Models of Objects, Diagnostic Methods and Algorithms (in Russian) / Ed. by P.P. Parkhomenko. - M.: Energia. 1976, p.38]。
診断されたオブジェクト(以下では「DO」)は、相互関連する部分(システム、サブシステム、ユニット、機器、モジュール、エレメント)のセットであり、以下では一般に「要素」として参照する。診断を実行するために、障害局所化課題すなわち障害した要素を検出する課題をセットする。DOは、それにやってくる入力信号の影響化において機能し、そして、直接測定の利用され得るかまたは利用され得ない出力信号を構成する。診断されたオブジェクトは、インタフェースユニット(UI)を通じて診断装置(DD)にリンクされる。DOの技術的条件は、DO要素の技術的条件に対応する変数xjの形態でn個の成分を有するDO技術的条件ベクトルによって表現される。ここでは、jは、複数のn個のDO要素からの要素の配列数である。数nは、X−ベクトル長と呼ばれる。DO直接制御不能な障害の主要な特性は、直接測定にその技術条件ベクトルXを利用することができないことである。したがってDDは、このベクトルの診断用のこのベクトルの特別構成見積もり
を用いる。障害局所化の課題は、次の等式
の実行である。
制御ユニット(CU)の行動下のインタフェースユニット(IU)は、DO稼働モードにおける明示情報Qと、その要素の技術的条件における言外情報Zとの双方を有するDO直接監視パラメータとの測定ユニット(MU)のリンクを生成する。DO稼働モード診断における情報は、そのユニットの対応する設定を実行するためにDDに転送される。DO入力および出力信号は、パラメータQおよびZに直接含まれ得るか、または、含まれ得ない。そして、すべてのDO要素がMUによる直接制御に利用可能である必要はない。測定ユニットMUは、機能制御の装置であり、ここに提供される方法(たとえば、耐性を監視する方法)に基づき、同じ(主にはすべてではない)DO要素のその組み合わせの稼働性または非稼働性を決定する。障害表明のベクトルYは、MU出力において構成される。加えて、IUは、技術条件ベクトルXの見積もり
を生成する。DDは、技術条件ベクトルの見積もり
に応じて障害表明ベクトルの見積もり
を形成する診断オブジェクト(DO)の形式化モデル(FM)を有する。見積もり
が正しく、すなわち、障害局所化課題である条件(1)において、DOに対して設定される場合、測定されかつ算出された障害表明は、
に一致すべきである。これは、上述した一致性が実行されるときに診断結果を構成する結果解釈ユニット(RIU)によって制御される。さもなければ、RIUは、IUに作用することによって見積もり
を訂正するための指示をCUに伝送する。障害が見つかったら、RIUはまた、DOを再構築するための指示を発行する。これはRIUとDOとの間の通信を表す。
障害時点を追跡するために、当業界のDDは、システムにおける障害の時点および性質における障害表明(障害影響伝達および通常機能からの)の依存性を記述する直接論理的モデル(DLM)を用いる。この場合、診断装置は、制御ユニットCU、測定ユニットMU、直接論理的モデルDLM、および結果解釈ユニットRIUを備える。
加えて、あり得る障害(システムおよび性質におけるその時点)の依存を記述する逆論理モデル(RLM)が用いられる。RLMが用いられれば、演算量は顕著に低減する。RLMが用いられる場合、DDは、制御ユニットCU、インタフェースユニットIU、測定ユニットMU、結果解釈ユニットRIU、およびRLMを備える。通常、DLMおよびRLMは、異なる機能スキームにおいて別々に用いられる。
論理的モデルの稼働および他のユニットを形式的に記述するために、論理演算子AND、OR、NOTが用いられる。
既知の方法AND装置には顕著な制約がある:
1)障害の局所化のためにDLMにおいてDDを使用すると、コンピュータの負荷量が多大になり、一方、RLMに基づく診断装置を用いても、得られる結果が曖昧であるため正しい解決法を定式化できない。
2)しばしば、DD実装を単純化するために、2つまたはそれ以上の要素の同時障害の低い可能性に関する推測が導入される。この場合、DLMに基づくDDにおける多数のサーチがn回(nは、ベクトルXの長さ、すなわち技術条件が決定されるDO要素数)に減る。逆論理モデルに基づきDDが構築される場合、同じ推測が用いられ得る。しかしながら、この場合、2つまたはそれ以上の障害が同時に起こったら、DDは障害した要素を誤って決定し得る。同時に、経験によって、エンジニアリングシステムにおける多重障害は稀ではないことが示されており、そして、実務上、同じ障害または障害を効率的に修復することが不可能であるために、しばしば、エンジニアリングシステムが同様のまたは同様ではない障害を蓄積する原因となっている。
3)既存の診断方法に共通する欠点は、それに用いられる、各コンピュータタクトにおいて、稼働可能または稼働不可能な診断オブジェクト(DO)の考慮された要素を参照するために、ブール代数の限定的な性質に関する。
発明の要約
この発明は、性能を改善する課題に基づく。
発明の技術的効果は、高度に複雑なオブジェクトの診断中の、より高い診断効率、深度、および信頼性である。
言及した課題を解決しかつ示された技術的効果を達成するために、エンジニアリングシステムにおける制御不能な多重障害を局所化する方法は、次の通り構成される。信号は診断オブジェクトから受信され、これらの信号は、診断されたオブジェクトの要素のための技術的条件初期推定のベクトルに変換されるオブジェクトの内部リンクの情報を考慮して、オブジェクト形式化モデルとして逆論理的モデルおよび直接論理的モデルを交互に使用して、DO要素技術条件の見積もりは、サイクル的プロセスおよび逆時間および直接時間における診断されたオブジェクトの形式化モデルの使用を通じて指定される。技術条件のサイクル的プロセス見積もりの間、ベクトルが構成され、その成分変数は、サイクル的プロセスが完了した後に、オブジェクト要素の技術条件において決定するために使用される。
本方法の追加の実施形態は可能であり、逆三重項論理的モデルおよび直接三重項論理的モデルが、逆論理的モデルおよび直接論理的モデルとしてそれぞれ用いられ、上記三重項モデルの変数は、以下の3つの値を取り得ることが助言される:
0−診断されたオブジェクトの各要素が、明らかに稼働可能である
1−診断されたオブジェクトの各要素が、明らかに稼働不可能である
*−診断されたオブジェクトの各要素の稼働性における明確な結論がない
診断されたオブジェクトの要素のための初期見積もりベクトル成分変数に、三重項値である「稼働可能」、「稼働不可能」、および「条件未決定」が割り当てられ、
見積もり特定サイクル的プロセスの完了後、診断されたオブジェクトの技術条件要素が決定される:
「稼働可能」−技術条件ベクトル見積もりの各成分変数が「0」に等しい場合、
「稼働不可能」−技術条件ベクトル見積もりの各成分変数が「1」に等しい場合、
各見積もりベクトル変数が「*」に等しい場合、診断されたオブジェクトにおける障害の局所化は不可能である。
上述した課題を解決しかつ示された技術効果を達成するために、エンジニアリングシステムにおける制御不能な多重障害を局所化する装置は、2つの入力が、診断されたオブジェクトのデータ出力への接続を担うインタフェースユニット、測定ユニット、初期見積もり形成ユニット、切り替えユニット、逆三重項論理的モデルおよび直接三重項論理的モデルによって形成される形式化モデル、結果解釈ユニット、および制御ユニットを備え、インタフェースユニットの出力は、測定ユニットの入力に接続され、インタフェースユニットの出力は、初期見積もり形成ユニットの入力に接続され、初期見積もり形成ユニットの第1出力は、切り替えユニットの第1入力に接続され、その第2出力は切り替えユニットの第2入力に接続され、切り替えユニットの第1出力は、逆三重項論理モデルの入力に接続され、逆三重項論理モデルの出力は、切り替えユニットの第3入力に接続され、直接三重項論理ユニットの出力は、切り替えユニットの第4入力に接続され、切り替えユニットの第3出力は、その第1出力が制御ユニットの入力に接続され、かつ、その第2出力が診断結果におけるデータの表示に寄与する結果解釈ユニットの入力に接続され、制御ユニットの出力は、インタフェースユニットの制御入力に接続される。
装置のさらなる実施形態は可能であり、この場合、結果解釈ユニットは、診断されたオブジェクトの制御入力に接続することに寄与する第3出力と共に提供されることが助言される。
類似解決法からの本発明の主な本質的な相違は、逆論理モデルと、直接論理モデルとの交互利用である。逆論理モデルの使用によって、演算負荷またはハードウェア費用を顕著に減らすことができ、そして、直接論理モデルの使用によって、得られる結果の曖昧さを克服することができる。
本発明に用いられる新しい診断可能性は、診断されたオブジェクトを3つのカテゴリ:稼働可能、稼働不可能、および、曖昧ではない状況を依然として形式化することができないこと、に分割する三重項変数の適用のために利用可能になる。診断されたオブジェクトの技術条件に対して三重項記述を用いることは、提案された発明の類似する解決法からの他の本質的な相違である。
エンジニアリングオブジェクトにおける制御不能な障害を局所化する既知の方法は、基礎として採用され、それは、診断されたオブジェクト要素の条件が、これらの要素から信号を処理することによってまず決定されることを構成する。それから、直接的に制御される部分の条件における情報および診断されたオブジェクトの内部リンクに基づき、他の診断されたオブジェクト要素の条件すなわち、直接的には制御されないもの、が決定される。
本発明は、診断されたオブジェクト要素の技術条件を形式的に記述するために、ブール代数変数の代わりに、「稼働可能」、「稼働不可能」、「条件未決定」の値を有する三重項変数を用いる。初期技術条件見積もりは、直接的に制御される要素の稼働性の情報に基づき、診断されたオブジェクト要素に対して形成される。それから、診断されたオブジェクト要素に対してこれらの技術条件見積もりを特定するために「条件未決定」値が与えられたものとして、診断されたオブジェクトの直接三重項論理モデルと逆三重項論理モデルとが交互に利用されるサイクル的プロセスが用いられる。これらのプロセスの間、上記三重項変数について、診断結果が形成されかつ発行される。さらには、サイクルの設定数の完了、または、サイクル的に特定された見積もりにおける変化の欠如のいずれかが、診断されたオブジェクト要素の技術条件の見積もり特定のために、サイクル的プロセスの終了の規則として用いられる。
本発明の上述した利点およびその特徴は、本発明の実行のための以下のベストモードの記述において、添付図面を参照して説明される。
図面の簡単な説明
図1は、最も類似の解決法に基づく診断装置(DD)の機能図を示す。
図2は、図1と同じであり、直接論理的モデルに基づくDDである。
図3は、図3と同じであり、逆論理的モデルに基づくDDである。
図4は、本発明に係るエンジニアリングシステムにおける制御不能な多重障害(DTF)を局所化する装置を示す機能図である。
図5は、直接論理算術表を示す。
図6は、逆論理算術表を示す。
図7は、混合方向グラフを示す。
発明を実施するためのベストモード
本方法は稼働装置(図4)を用いて実行できるので、装置の稼働を説明するセクションにおいてその完全な記述が与えられる。
エンジニアリングシステムにおける制御不能な多重障害(DTF)を局所化する装置(図4)は、2つの入力が、診断されたオブジェクト2(DO)のデータ出力への接続を担うインタフェースユニット1(IU)を備える。上記装置は、さらに、測定ユニット3(MU)、初期見積もり形成ユニット4(IEFU)、切り替えユニット5(SU)、逆三重項論理的モデル6(RTLM)および直接三重項論理的モデル7(DTML)によって形成される形式化モデル、結果解釈ユニット8(RIU)、制御ユニット9(CU)を備える。インタフェースユニットの出力MU3の入力に接続され、MU3の出力は、初期見積もり形成ユニットの入力に接続される。IEFU4の第1出力はSU5の第1入力に接続され、その第2出力はSU5の第2入力に接続される。SU5の第1出力はRTLM6の入力に接続される。RTLM6の出力は、切り替えユニット5の第3入力に接続され、DTLM4の出力は、SU5の第4入力に接続される。SU5の第3出力は、RIUの入力に接続され、その第1出力は、CUの入力に接続され、第2出力は、診断結果データを表示することに寄与する。CUの出力は、インタフェースユニット1の制御入力に接続される。
さらに、RIU8は、DO2のシステム制御入力に接続されることに寄与する第3出力と共に提供される。
装置(図4)は以下のように稼働可能である。
DO2の機能モードの明確な情報を備える信号Qと、DO2の要素の技術条件における隠された情報を備える信号Qとは、DTF IU1の入力に、DO2によって伝送されることによって、供給される。診断プロセスは、サイクル的性質を有する。各サイクルが開始され、IU1が、CU9および信号Qから来る指示に応じて、選択的に信号ZをMU3に伝送し、一転して、MU3は、現在のサイクルにおいて、これらの信号を、障害表明ベクトルYに対応する信号に変換し、それからこれらをIEFU4に伝送する。このユニット4は、DO技術条件ベクトル
のための初期見積もり値に対応する信号を形成する。IEFU4からのこれらの信号は、三重項論理的モデルRTLM6およびDTLM7の稼働結果を解析する切り替えユニット5に伝送される(このために、RTLM6およびDTLM7の出力と、SU5の第3および第4入力との間のためにフィードバックが提供される)解析結果に応じて、SU5は、これらのモデルの1つに接続され、DO2の技術条件のための現在見積もり値
に対応する信号を与える(ここで、kは、診断サイクル現在タクトの数である)か、または、DO2の技術条件に対する最後の見積もり
に対応する信号RIU8に供給する(ここで、hは診断サイクルの最後のタクトである)。RIU8は、診断プロセス過程を制御するために、その第1出力から信号をCU9に供給し、DO2の技術条件の得られた見積もり
に対応する信号の形式で診断結果をその第2出力から発行する。DO2を再構築するための信号はRIU8の第3出力からDO2に、満たされた課題によってそれが提供される場合、供給され得る。
提案発明の理論的基盤は、2つの論理的演算子ORおよびANDを有する混合方向グラフの理論に基づいており、ここでは上付き文字のみが演算子を表す。障害解析の時点からは独立として考慮される、診断されたオブジェクトのそれぞれの部分は、サブシステム、アセンブリまたは要素であり、「OR」および「AND」によって表されるそれ自身の入力および出力のタプルを有し得る。
クレームされる技術解決法における2つの反対方向プロセスに重要性が与えられることが注意される:第1に、それは、システムにおける障害によって生じ得る結果の決定または表明であり、第2に、それは障害を局所化すること、すなわちシステムが誤って機能した理由の探索である。これらのプロセスは、直接論理および逆論理にそれぞれサポートされる。
三重項記述を有する診断されたオブジェクトDO2における障害影響伝播のプロセスは、プロセス用の直接解析論理的の規則に応じて起こる。このプロセスは、障害が起こるまで、元の時点から他の部分およびシステムへの障害影響伝播(誤った機能)に対応する。
以後、図5および図6の「0」は、障害の欠如を意味し、「1」は障害の存在、その表明または影響を意味し、「*」は、不確定な条件;小文字「i」および「o」は、DO2の要素の入力および出力に関する演算子の記述にそれぞれ用いられる。図5の記号は、以下の意味を有する:
ORi−要素入力における演算子「OR」、
ANDi−要素入力における演算子「AND」、
ORo−要素出力における演算子「OR」、
ANDo−要素出力における演算子「AND」。
表(図5)の最後の2行において、いくつかの組み合わせが欠如している(取り消し線)、すなわち対応する式がそのまま存在せず、提供される組み合わせは、対応する演算子「OR」または「AND」の定義に矛盾することは注目される。
背後解析論理は、その出力が不明である場合、何が要素入力におけるものであり得るのかに対応する。これは、障害の局所化(追跡)の方向に対応し、その表明から開始する。図5に示す式そ反転結果は、図6に存在し、ここでは、反転後に得られる演算子が、文字「r」によって追加で示される。
変数の多重化を生じるセルは、図6において灰色背景で示される。そのような状況が起こるたびに、ここでは明示的に算出されない「障害ツリー」が、分岐される。それゆえ、後方方向における解析(反転の場合)のために、論理的演算子ORの出力における1の存在が、その出力の1の双方の存在またはそれらの任意における1つの1の存在に関連し得ることが言及され得る。
障害モデル化
本発明は、如何なる現実の診断されたオブジェクト2に対しても、表明の直接混合グラフと、このDO2において障害が起こることとは、その解析に基づき形成され得ることを事前に仮定する。
図7は、例として、(診断されたオブジェクト2の要素を表す)6つの頂点を有する仮定的なDO2に対する方法的な直接混合グラフを示す。いくつかのグラフ頂点は、障害を有し得る要素であり得る。それらのいくつかは、内部プロセスを表し、そして、他のものは、これらの障害の表明を表す。それゆえ、入力および出力は、頂点配列数のみによって定義される。たとえば、頂点1および3は、障害を含み得るシステムの要素であり、頂点2および5は、これらの障害が表明している(そして検出されかつ固定され得る)システムの要素である:それゆえ、頂点4および6は、いずれの型にも関係しないいくつかの内部要素であり、しかし、学習されるプロセスの論理的の存在を保証する。論理演算子Oroを実装するために、好ましい出力の規則が追加で示されるべきである(決定された規定またはランダム分布)。
解決法形式化を単純化するために、マトリックス表記が用いられる。次の表記を導入しよう;xj(k)は、正常タクト(xj=0は、j−要素における障害の欠如を意味し、xj=1は、j−要素における障害の存在、影響、または表明であり、xj=*は、j−要素未定条件を意味し、xj(k+1)は、正常なタクトと上部のインデックスは、グラフベクトル(たとえば、xORiは、要素入力におけるOR演算子を示す)入力すればよい論理演算子記号である;下部インデックスは、出力における論理演算子のシンボルである(たとえば、xORoは、要素出力における演算子ORを示す)。各成分の配列数jは物理コンテンツおよびカテゴリに対する関係:障害、その表明または内部変数を暗号化する。加えて、図7における(円弧)グラフのリンク構造が如何なる不明確性をも含まないことが推測されるしたがって、次の式は、図7に示すグラフに等しい。
この式では、係数行列の要素は、0または1のみによって表される。各ベクトルの入力および出力における論理演算子のシンボルは、それぞれ、二値係数行列の行および列に関する。これに基づき、式(3)を次のように書き改める。
ここで、二値係数行列は、通常、DMと示される。種類(4)のモデルは、直接三重項論理モデル(DTLM)であり、係数行列は、直接依存の行列DM(依存行列)である。混合グラフ(この場合は図7に示す)としてのこの行列の主要な特性は、特定の論理演算子が、特定の論理演算子の行および列に割り当てられていることである。
DMによる働きの規則は次の通りである。右側に記載されるベクトルXによるすべての稼働の多重化は、通常通り行われ、しかし2つの追加の条件が適用される:
1.演算子に依存して、各先行グラフ頂点の出力論理(たとえば演算子は図7の各列の下に記載される)が実現される(演算子ANDoおよびORoについて図5を参照)。演算子ANDoについてのこの列のすべての1は、等しく、かつ、1に対応し、そして、様々な変形体が演算子ORoについて考慮され、ここで、1のうちの一つは1に等しく、そして、他は0に等しく、そして、逆もまた然りである(たとえば、図7において、グラフにおけるものに対して提供される論理に応じて)。
2.演算子に依存して、各頂点の入力論理(演算子は、各行から左に書かれる)が実現される(演算子ANDiおよびORiについて図5を参照)。演算子ANDについて、1は、双方の合計(列x(k)および演算子ANDo、ORoにおける要素の値に対して得られる)が1に等しい場合にのみ得られ、そして、演算子ORについては、少なくとも1つの合計(同様に得られる)が1に等しい場合に得られる。
直接依存行列DMに加えて、出口行列EMであるもう1つの2値が導入される。この行列による左側におけるベクトルX技術条件の多重化によって、診断されたオブジェクトDO2のすべての要素から、観察された障害表明に対応するこれらの要素のみ(または、一般的にこれらの組み合わせ)を、選択することが可能になる。この行列は、測定ユニット3によって実現される(図4)。体系的な例を考慮に入れるため、出口行列は、次の相等性によって規定される:
ここで、yl(k)は、診断サイクルのkタクトにおける障害表明ベクトルYのl成分であり、成分の全数はmに等しい。
最後に、障害条件のオブジェクトにおける影響伝播多重モデル
は、次の式によって記述される。
ここで、X(0)は、条件時間0における障害の出現である。
式(6)は、頂点から頂点へ(DO2の要素から要素へ)の障害影響一般化された伝播を記述する。式(4)は、障害表明記述する(DO2の物理的性質に対応するDO2のいくつか要素において)。
特定のモデルは、実システムにおける障害伝播のプロセスに適しており、これは、専門家の意見、規模を小さくした実験結果、およびシステムの形式化された記述によってサポートされる。信頼性を確かめた後、次の工程すなわち障害の局所化を実行する。
障害の局所化(追跡)。この技術解決法は、先験的に、単純(単一)、および複雑(多重)ではあり得ないことを仮定する。ここに導入される唯一の制限は、障害は、その局所化の1つの完全なサイクル中に変化しないことである。
上述したように導入されるモデルの逆変形手順は、いくつかの工程を有する(式(6)および(7)を参照)。
測定ユニットMU3が、通常の局所化サイクルに対応する観察された障害表明ベクトルy(0)を時間0において正しく決定することが、仮定される。
工程1.見積もり
が、通常の局所化サイクルの開始に対応する時間0において、システムの全技術条件要素X(0)(混合グラフのすべての頂点の論理変数)のために形成される。
次の値が、ベクトル
の要素に割り当てられる:
「0」−各要素が間違いなく稼働可能である;「1」−各要素が間違いなく稼働不可能である;「*」−各要素が間違いなく稼働可能である;「1」−観察された障害表明の前では稼働可能性が評価され得ない不確定な要素。
この手順は、ベクトルX(0)に対して、式
のための解決法の全体性を決定する。ここでかつ以下では、Y(0)は、m個の成分を有する障害表明ベクトルであり、X(0)は、n個の成分を有するDO2の要素のための技術条件ベクトルであり、EMは、m行およびn列を有する2値行列であり;行の中央にある点は、行列多重稼働を示す。
一般の場合、式(8)のための解決法は、次の式
によって決定される。ここで、カール括弧は、複数の識別不可能な解決法示し、この複数性は、ランダム要素を用いてベクトルμを変化させることによって生ずる。式(9)では:μは、n個のランクEM要素を有するベクトルである、すなわち、要素の数は、行列EMの直線的に依存する行に等しい:
は、行列EMに対するカノナイザーである、すなわち、同一性
の実現を保証する行列は、最大ランクの行列EM、すなわち、条件
が実現される次元n×(n−ランクEM)を有する行列、のための零右側分周器である。
考慮下の課題におけるカノナイザー(行列EMのすべての要素は、0または1のみで表され、行列自体は最大の行ランクを有する)
は、ソース行列の位置入替値に等しい:
それゆえ、結果として得られる式は、次の形態を有し:
そして、ベクトルμのすべての要素は、以下ではアスタリスク*によって表される(条件不確定性)。
工程2:既知の行列に基づき、そして、特に、その逆rDM(逆依存行列)、「*」が印付けられるベクトルXの要素、すなわち、規則的に不確定である、は障害影響伝播の逆配列において特定される。
ソース演算子のために(逆方向解析論理を用いることによって)演算子の逆転を入れ替え(行および列の要素を相互に変換し、論理演算子の全体を含み)かつ置き換える
によって、我々は、式(4)から逆時間のための繰り返し関係を得る:
ここで、τ=0、1、2、...は、逆時間タクト(現在時間から過去まで)の数である。
種類(11)のモデルは、逆三重項論理モデル(RTLM)であり、そして、係数行列は、逆依存行列rDMである。
rDMを用いた働きの規則は、2つの状況によって、上述した規則に類似する:
1.ここで、解決法は、図6にあるように、演算子rORiおよびrANDi(2つの1が列にある)によって生ずる。これらは、さらなる解析に供される障害伝播事前歴史のもう1つの変形体(仮説)である。変数用の可能な値の数が3(0、1、*)に等しいので、そのような演算子の各通過の後に、解析した変形体の数を3倍にすることが必要である、
2.図6に示すように、値の算出中に、異なる行に関する競合が可能である。それから、障害伝播事前歴史に関する対応仮説が省略される。
そのような場合、第1の環境は、「障害ツリー」の分岐の規則を規定し、そして、第2の環境は、見込みのない(診断されたオブジェクト論理に矛盾する)分岐を除外する。
一般に、後戻り工程の履行を有する障害局所化の反復手順は、次の式のように記載され得る:
サイクルタクトτの数は、条件ベクトルX(τ+1)=X(τ)の変形(変化)を停止すること、または、いくつかの値τ=τmaxを制限すること、のいずれかの供給から選択される。障害の局所化のための繰り返し手順を実現する、(DTF演算子の、図4)プロセスの単純化した構造図を、以下に示す。
工程3。証明された障害の可能な時点は、得られた技術条件ベクトルのその見積もり
の成分の値によって示される。零要素の存在は、DO2の確かに稼働可能な要素を示す。アスタリスク*の存在は、DO2のこれらの要素(モジュール、ユニット、装置、サブシステム)を示す。これに対しては、障害または誤りにおける明確な言及は、利用可能な情報に基づき形式化され得る。このことは、DO2に内在する不完全な制御(DO2のオブジェクト的な性質)を示す。
それゆえ、診断されたオブジェクト2の技術条件は、ブール要素のみ(「0」−要素稼働可能、「1」−要素障害)を有するベクトルXによって完全に決定される。DTFは、インタフェースユニットIU1を通じて診断されたオブジェクト2に接続される。制御する設定方法に応じて、測定ユニットMU3は、条件的にここでは初期時間と呼ばれる時間において、診断されたオブジェクトYの特定の要素技術条件を制御し、そして、MU3は、その時間のための、障害が観察された表明ベクトルY(0)、を形成する。Y(0)における情報に基づき、初期見積もり形成ユニットIEFU4は、条件ベクトル
の初期見積もり形成し、その見積もりは三重項である。式(9)(10)に応じて、出口行列零、すなわち、DO2の構造的特異性における先験的な情報によって、分割器の構造によって、不確定性の特定の位置が決定される。
装置は、サイクルで働く。情報X(0をIEFU4から受信した後、技術条件ベクトル
見積もりの不確定な成分を特定することが開始される。初期見積もり形成ユニットIEFU4からの新しい情報は、このサイクルにおける算出が完了するまで、受信されない。
その後、技術条件ベクトルX値を特定するために、三重項論理モデルRTLMまたはDTLMのうちの1つが、SU5指令によって用いられる。診断結果はRIUの第2出力を通じて提示される。
直接モデルDTLMは、次の特定された要素が「*」に等しい場合にのみ、すなわち、不明確さを維持した場合にのみ、用いられる。その場合、RTLM6の使用は、生産的ではない−Z6を参照:「*」値を有する背後遷移は、常に、入力の不明確さ、すなわち、システムにおける不明確さの多重化を引き起こす「直接モデルDTLM7は、完全には用いられないが、しかし、特定の成分に対応する部分、すなわち、1つその行において用いられる。他のすべての場合、RTLM6のみが用いられる。これにより、演算量を顕著に減らせる。
X(k)=X(k−1)または2nなら、停止対応が満たされ、そしてさらに多くの工程が実行される。それゆえ、繰り返し数は2nを超えない。ここで、nはDO2の診断された要素の数である。
クレームされた解決法における技術効果すなわち効率は、DO2において実際に実行される物理的プロセスのすべての複雑さを考慮にして、障害を局所化する方法および装置が、論理変数を用いて排他的に働き、そして、用いられる代数規則の単純さによって顕著に速められた時間で情報を処理することを可能にするゆえに、保証される。その結果、実時間に近い形で診断結果を得ることが達成される。
深度が、用いられる三重項論理モデルにおけるDO2の実用上すべての(すべての顕著なまたはすべての既知の)内部リンクの使用(形式反映)によって保証され、これにより、許容できるケアによって、文脈に基づき、要素、モジュール、ユニット、装置またはサブシステムとして理解されるその部分の実際に存在する相互影響を考慮することが可能になる。
信頼性は、制御下にある診断されたオブジェクト部分の技術条件の三重項記述によって、保証される。これにより、決定された言明において(すなわち、無作為の要素の作用に関係なく)、オブジェクトのすべての部分を、その稼働性の決定的な決定を有する2つのグループと、その技術条件を明らかに決定することがオブジェクト的には不可能である、診断されたオブジェクト部分を組み合わせる1つのグループとに分割することが可能になる。
多重障害を検出する可能性は、障害の特異性における単純化された仮説のサポート無しで診断オブジェクティブを満たすことができる逆三重項論理モデルと直接三重項論理モデルとを交互にすることによって、保証される。
加えて、提案した発明の使用の結果において得られるものとしての、その技術条件における明らかな判断のための、診断されたオブジェクト部分の存在および配置に対する明示的な提示は、その部分のための追加の制御点を導入し、かつ、それらの部分間の内部リンクの数(すなわち相互接続)を増加させることによって、そのより深い制御を達成することについて、診断されたオブジェクトをさらに改善するという、独特な可能性を与える。
産業上の利用可能性
要素システムにおける制御不能な多重障害を局所化するクレームされた方法およびそれを実行する装置は、自然信号の背景において実時間で障害を局所化することを目的にした複雑なエンジニアリングオブジェクトの機能的診断のためのシステム、および、全体としてかつ特に機能診断のそのサブシステムとして複雑なエンジニアリングシステムを設計するプロセスにおける産業に最もうまく適用される。
最も類似の解決法に基づく診断装置(DD)の機能図を示す。
図1と同じであり、直接論理的モデルに基づくDDである。
図3と同じであり、逆論理的モデルに基づくDDである。
本発明に係るエンジニアリングシステムにおける制御不能な多重障害(DTF)を局所化する装置を示す機能図である。
直接論理算術表を示す。
逆論理算術表を示す。
混合方向グラフを示す。
発明の詳細な説明
発明の分野
この発明は、コンピュータエンジニアリングおよび制御設備に関しており、障害の外的な表明に関する情報に基づきエンジニアリングシステムにおける障害の局所化(障害時点の探索)を提供する機能的診断システムに用いられ得る。
従来技術
機能的診断は、障害を決定しかつ、エンジニアリングシステムの通常シグナル、すなわち、システムがその目的に応じて用いられかつ(試験中よりはむしろ)稼働中の衝撃を受ける場合、の背景に対する障害時点を探索する過程として理解される[Machine-Building. Encyclopedia. V. III-7. Measurements, Control, Diagnostics (in Russian) / Ed. by V.V. Klyuev. - M.: Machinostroenie. 1996, p.404], [Fundamentals of Technical Diagnostics. Book 1. Models of Objects, Diagnostic Methods and Algorithms (in Russian) / Ed. by P.P. Parkhomenko. - M.: Energia. 1976, p.13]。
エンジニアリングシステムの診断は、少なくとも2つの課題を含む:
機能を訂正するためにオブジェクトをチェックすること;
障害検出、すなわち稼働障害またはオブジェクトの不正確な機能の時点および起こりうる理由を追跡すること。
本発明は、第2の課題、すなわち、障害検出を解決するための方法および装置を提供する。
制御不能な障害は、本発明において、エンジニアリングシステムのサブシステム、個別ユニット、モジュール、または要素(以下では診断オブジェクト」と記載)における障害として理解され、上記障害は、制御システム自体(ビルトイン試験手段を含む)によっては検出され得ない。現代のシステム理論の観点からは、そのような障害は、オブザーバル、すなわち検出される潜在的な可能性を有するものと、非オブザーバル、すなわちそのような潜在的可能性を有しないものとの両方に関し得る。第1の場合、ここに提案される方法および装置は、障害時点を提示し、そして、局所化課題の解決法の発見に利用できる情報の不十分さの解決法からの第2の場合。
システムにおいて起こる制御不能な障害は、その稼働障害または、すべてのあるいは個別のモードにおけるその正しくない機能に至り得るが、如何なる提示(たとえば、障害要素が重複する場合)にも至り得ない。それゆえ、制御不能な障害を局所化するための課題は、時点、および、そのオブザーバルな出現に応じた障害のためのあり得る理由を追跡することとして理解される。
現在、エンジニアリングオブジェクトにおける障害局所化の大半の方法は、論理モデルまたはブール代数モデルの使用に基づいている[Machine-Building. Encyclopedia. V. III-7. Measurements, Control, Diagnostics (in Russian) / Ed. by V.V. Klyuev. - M.: Machinostroenie. 1996], [Fundamentals of Technical Diagnostics. Book 1. Models of Objects, Diagnostic Methods and Algorithms (in Russian) / Ed. by P.P. Parkhomenko. - M.: Energia. 1976], [L.P. Kolodezhny, A.V. Chernodarov. Reliability and Engineering Diagnostics: Textbook for students of air-force higher education institutions. - M.: Publishing House at the Air-Force Academy Named after Prof. N.E. Zhukovsky and Yu.A. Gagarin, 2010]。
エンジニアリングシステムにおいてあり得る障害の形式的な記述のプロセスおよびその結果は、各特定分野の技術、たとえば航空学、において蓄積された経験によって裏付けられており、そして対応するドキュメントによって規制されている。[民間航空機の高度に統合された複雑な搭乗システム認証プロセスについてのマニュアルP4754(ドキュメントSAE/ARP4574およびEUROCAE/ED−79)、2007;システムおよび民間航空機の搭乗設備の安全性評価についてのマニュアルP4761、2010]。
伝播モデルおよび障害検出プロセスの論理方法は、これらのグラフ理論を含む[O. Ore, Graphs and Their Uses (Translated into Russian). - M .: Mir Publishers, 1965; C. Berge, Theorie Des Graphes et Ses Applications (Translated into Russian). - M.: IL Publishers, 1962]。
クレームされた装置および方法の機能に最も近いものは、機能的診断装置(DD)である[Fundamentals of Technical Diagnostics. Book 1. Models of Objects, Diagnostic Methods and Algorithms (in Russian) / Ed. by P.P. Parkhomenko. - M.: Energia. 1976, p.38]。
診断されたオブジェクト(以下では「DO」)は、相互関連する部分(システム、サブシステム、ユニット、機器、モジュール、エレメント)のセットであり、以下では一般に「要素」として参照する。診断を実行するために、障害局所化課題すなわち障害要素の提示をセットする。DOは、それにやってくる入力信号の影響化において機能し、そして、直接測定の利用され得るかまたは利用され得ない出力信号を構成する。診断されたオブジェクトは、インタフェースユニット(UI)を通じて診断装置(DD)にリンクされる。
DOの技術的条件は、DO要素の技術的条件に対応する変数xjの形態でn個の成分を有するDO技術的条件ベクトルXによって表現される。ここでは、jは、複数のn個のDO要素からの要素の配列数である。数nは、X−ベクトル長である。DO直接制御不能な障害の主要な特性は、直接測定にその技術条件ベクトルXを利用することができないことである。したがってDDは、このベクトルの診断用のこのベクトルの特別に形成された見積もり
を用いる。障害問題解決の課題は、次の等式
の実行である。
制御ユニット(CU)の行動下のインタフェースユニット(IU)は、DO稼働モードにおける明示情報Qと、その要素の技術的条件における言外情報Zとの双方を有する直接監視パラメータとの測定ユニット(MU)のリンクを生成する。DO稼働モード診断における情報は、そのユニットの対応する設定を実行するためにDDに転送される。DO入力および出力信号は、パラメータQおよびZに直接含まれ得るか、または、含まれ得ない。そして、すべてのDO要素がMUによる直接制御に利用可能である必要はない。測定ユニットMUは、機能制御の装置であり、ここに提供される方法(たとえば、耐性を監視する方法)に基づき、同じ(主にはすべてではない)DO要素のその組み合わせの稼働性または非稼働性を決定する。障害表明のベクトルYは、MU出力において構成される。加えて、IUは、技術条件ベクトルXの見積もり
を生成する。DDは、技術条件ベクトルの見積もり
に対応する障害表明ベクトルの見積もり
を形成する診断オブジェクト(DO)の形式化モデル(FM)を有する。見積もり
が正しく、すなわち、障害局所化課題である条件(1)において、DOに対して設定される場合、測定されかつ算出された障害表明は、
に一致すべきである。これは、上述した一致性が実行されるときに診断結果を構成する結果解釈ユニット(RIU)によって制御される。さもなければ、RIUは、IUに作用することによって見積もり
を訂正するための指示をCUに伝送する。障害が見つかったら、RIUはまた、DOを再構築するための指示を発行する。これはRIUとDOとの間の通信を表す。
障害時点を追跡するために、当業界に存在するDDは、システムにおける障害の時点および性質における障害表明(障害影響伝達および通常機能からの)の依存性を記述する直接論理モデル(DLM)を用いる。この場合、診断装置は、制御ユニットCU、測定ユニットMU、直接論理モデルDLM、および結果解釈ユニットRIUを備える。
加えて、あり得る障害(障害の型および障害の配置)の依存を記述する逆論理モデル(RLM)が用いられる。RLMを用いれば演算量は顕著に低減する。RLMが用いられる場合、DDは、制御ユニットCU、インタフェースユニットIU、測定ユニットMU、結果解釈ユニットRIU、およびRLMを備える。通常、DLMおよびRLMは、異なる機能スキームにおいて別々に用いられる。
論理モデルの稼働および他のユニットを形式的に記述するために、論理演算子AND、OR、NOTが用いられる。
既知の方法AND装置には顕著な制約がある:
1)障害の局所化のためにDLMにおいてDDを使用すると、コンピュータの演算コストが高く、一方、RLMに基づく診断装置を用いても、得られる結果が曖昧であるため正しい解決法を定式化できない。
2)しばしば、DD実装を単純化するために、2つまたはそれ以上の要素の同時障害の低い可能性に関する推測が導入される。この場合、DLMに基づくDDにおける多数のサーチがn回(nは、ベクトルXの長さ、すなわち技術条件が決定されるDO要素数)に減る。逆論理モデルに基づきDDが構築される場合、同じ推測が用いられ得る。しかしながら、この場合、2つまたはそれ以上の障害が同時に起こったら、DDは障害した要素を誤って決定し得る。同時に、経験によって、エンジニアリングシステムにおける多重障害は稀ではないことが示されており、そして、実務上、同じ障害または障害を効率的に修復することが不可能であるために、しばしば、エンジニアリングシステムが同様のまたは同様ではない障害を蓄積する原因となっている。
3)既存の診断方法に共通する欠点は、それに用いられる、各コンピュータタクトにおいて、稼働可能または稼働不可能な診断オブジェクト(DO)の考慮された要素を参照するために、ブール代数の限定的な性質に関する。
発明の要約
この発明は、性能を改善する課題に基づく。
発明の技術的効果は、高度に複雑なオブジェクトの診断中の、より高い診断効率、深度、および信頼性である。
言及した課題を解決しかつ示された技術的効果を達成するために、その機能のプロセスにおけるエンジニアリングシステムにおける制御不能な多重障害を問題解決するサイクル的な方法が提供され、この方法は、信号が、診断されたオブジェクトから受信され、ブール要素を有の障害表明が、それらの信号に基づき規定され、三重項値「稼働可能」「稼働不可能」「条件未決定」を有する技術条件初期見積もりのベクトルが、出口行列カノナイゼーションに基づき障害表明ベクトルから形成されることを有する。それから、逆依存性の三重項論理行列を用いた逆依存性の三重項論理モデルによって、診断されたオブジェクト要素のための技術条件見積もりベクトルが、その見積もりが変化するか、または、プリセット数のタクトが実行されるまで、サイクル的に決定される。この後、技術条件見積もりベクトルの「条件未決定」値が、「稼働可能」および「稼働不可能」を用いたこれらの要素のすべての組み合わせを設定することと、障害伝播のための直接依存性の論理行列を用いた直接依存性の三重項論理モデルの行ごとの適用に基づく要素見積もりのサイクル的な特定とによって、特定される。各サイクルの間隔は、工程の数によって決定され、そしてこの数は、診断されたオブジェクト要素のための技術条件ベクトルの長さに等しく、それから、技術条件見積もりベクトルの最終値が、診断されたオブジェクトのために発行される。
技術条件見積もりベクトルの要素は、
0−診断されたオブジェクトの各要素が、明らかに稼働可能である
1−診断されたオブジェクトの各要素が、明らかに稼働不可能である
*−診断されたオブジェクトの各要素の稼働性における明確な結論がないかもしれないという三重項値を有する。
上述した課題を解決しかつ示された技術効果を達成するために、エンジニアリングシステムにおける制御不能な多重障害を局所化する装置は、2つの入力が、診断されたオブジェクトのデータ出力への接続をそれぞれ担うインタフェースユニット、測定ユニット、初期見積もり形成ユニット、切り替えユニット、直接依存性論理行列を用いる直接依存性の三重項論理モデルに基づく決定取得ユニット、直接依存性の論理行列を用いる逆依存性の論理モデルに基づく決定取得ユニット、結果解釈ユニット、および制御ユニットを備え、インタフェースユニットの出力は、測定ユニットの入力に接続され、その出力は、初期見積もり形成ユニットの入力に接続され、初期見積もり形成ユニットの第1出力は、切り替えユニットの第1入力に接続され、その第2出力は切り替えユニットの第2入力に接続され,切り替えユニットの第1出力は、逆依存性の三重項論理モデルに基づく決定取得ユニットの入力に接続され:その第2出力は、直接依存性の三重項論理モデルに基づく決定取得ユニットの入力に接続され、逆依存性の三重項論理モデルに基づく決定取得ユニットの出力は、切り替えユニットの第3入力に接続され、直接依存性の三重項論理に基づく決定取得ユニットの出力は、切り替えユニットの第4入力に接続され、切り替えユニットの第3出力は、その第1出力が制御ユニットの入力に正し、かつ、その第2出力が診断結果データの表示に寄与する結果解釈ユニットの入力に接続され、制御ユニットの出力は、インタフェースユニットの制御入力に接続される。
装置のさらなる実施形態は可能であり、この場合、結果インタフェースユニットは、診断されたオブジェクトの制御入力に接続することに寄与する第3出力と共に提供されることが助言される。
類似解決法からの本発明の主な本質的な相違は、直接逆依存性および逆依存性の障害伝播する論理行列によって記述される、逆論理モデルと直接論理モデルとの交互利用である。逆論理モデルの使用によって、演算負荷またはハードウェア費用を顕著に減らすことができ、そして、直接論理モデルの使用によって、得られる結果の曖昧さを克服することができる。
本発明に用いられる新しい診断可能性は、診断されたオブジェクトを3つのカテゴリ:稼働可能、稼働不可能、および、曖昧ではない状況を依然として形式化することができないこと、に分割する三重項変数の適用のために利用可能になる。診断されたオブジェクトの技術条件に対して三重項記述を用いることは、提案された発明の類似する解決法からの他の本質的な相違である。
エンジニアリングオブジェクトにおける制御不能な障害を局所化する既知の方法は、基礎として採用され、それは、診断されたオブジェクト要素の条件が、これらの要素から信号を処理することによってまず決定されることを構成する。それから、直接的に制御される部分の条件における情報および診断されたオブジェクトの内部リンクに基づき、他の診断されたオブジェクト要素の条件すなわち、直接的には制御されないもの、が決定される。
本発明は、診断されたオブジェクト要素の技術条件を形式的に記述するために、ブール代数変数の代わりに、「稼働可能」、「稼働不可能」、「条件未決定」の値を有する三重項変数を用いる。初期技術条件見積もりは、直接的に制御される要素の稼働性の情報に基づき、診断されたオブジェクト要素に対して形成される。それから、診断されたオブジェクト要素に対してこれらの技術条件見積もりを特定するために「条件未決定」値が与えられたものとして、診断されたオブジェクトの直接三重項論理モデルと逆三重項論理モデルとが交互に利用されるサイクル的プロセスが用いられる。これらのプロセスの間、上記三重項変数について、診断結果が形成されかつ発行される。さらには、サイクルの設定数の完了、または、サイクル的に特定された見積もりにおける変化の欠如のいずれかが、診断されたオブジェクト要素の技術条件の見積もり特定のために、サイクル的プロセスの終了の規則として用いられる。
本発明の上述した利点およびその特徴は、本発明の実行のための以下のベストモードの記述において、添付図面を参照して説明される。
図面の簡単な説明
図1は、最も類似の解決法に基づく診断装置(DD)の機能図を示す。
図2は、図1と同じであり、直接論理モデルに基づくDDである。
図3は、図3と同じであり、逆論理モデルに基づくDDである。
図4は、本発明に係るエンジニアリングシステムにおける制御不能な多重障害(DTF)を局所化する装置を示す機能図である。
図5は、混合方向グラフを示す。
発明を実施するためのベストモード
本方法は稼働装置(図4)を用いて実行できるので、装置の稼働を説明するセクションにおいてその完全な記述が与えられる。
エンジニアリングシステムにおける制御不能な多重障害(DTF)を局所化する装置(図4)は、2つの入力が、診断されたオブジェクト2(DO)のデータ出力への接続を担うインタフェースユニット1(IU)を備える。上記装置は、さらに、測定ユニット3(MU)、初期見積もり形成ユニット4(IEFU)、切り替えユニット5(SU)、逆依存性三重項論理モデル6(DUMRD)および直接依存性三重項論理モデル7(DUMDD)に基づく決定取得ユニット、結果解釈ユニット8(RIU)、制御ユニット9(CU)を備える。インタフェースユニットの出力MU3の入力に接続され、MU3の出力は、初期見積もり形成ユニットの入力に接続される。IEFU4の第1出力はSU5の第1入力に接続され、その第2出力はSU5の第2入力に接続される。SU5の第1出力はDUMRD6の入力に接続される。DUMRD6の出力は、切り替えユニット5の第3入力に接続され、DTLM4の出力は、SU5の第4入力に接続される。SU5の第3出力は、RIUの入力に接続され、その第1出力は、CUの入力に接続され、第2出力は、診断結果データを表示することに寄与する。CUの出力は、インタフェースユニット1の制御入力に接続される。
さらに、RIU8は、DO2のシステム制御入力に接続されることに寄与する第3出力と共に提供される。
装置(図4)は以下のように稼働可能である。
DO2の機能モードの明確な情報を備える信号Qと、DO2の要素の技術条件における隠された情報を備える信号Qとは、DTF IU1の入力に、DO2によって伝送されることによって、供給される。診断プロセスは、サイクル的性質を有する。各サイクルが開始され、IU1が、CU9および信号Qから来る指示に応じて、選択的に信号ZをMU3に伝送し、一転して、MU3は、現在のサイクルにおいて、これらの信号を、障害表明ベクトルYに対応する信号に変換し、それからこれらをIEFU4に伝送する。このユニット4は、DO技術条件ベクトル
のための初期見積もり値に対応する信号を形成する。IEFU4からのこれらの信号は、三重項論理モデルDUMRD6およびDTLM7の稼働結果を解析する切り替えユニット5に伝送される(このために、DUMRD6およびDTLM7の出力と、SU5の第3および第4入力との間のためにフィードバックが提供される)解析結果に応じて、SU5は、これらのモデルの1つに接続され、DO2の技術条件のための現在見積もり値
に対応する信号を与える(ここで、kは、診断サイクル現在タクトの数である)か、または、DO2の技術条件に対する最後の見積もり
に対応する信号RIU8に供給する(ここで、hは診断サイクルの最後のタクトである)。RIU8は、診断プロセス過程を制御するために、その第1出力から信号をCU9に供給し、DO2の技術条件の得られた見積もり
に対応する信号の形式で診断結果をその第2出力から発行する。DO2を再構築するための信号はRIU8の第3出力からDO2に、満たされた課題によってそれが提供される場合、供給され得る。
提案発明の理論的基盤
本発明は、2つの論理的演算子ORおよびANDを有する混合方向グラフの理論に基づいている。診断されたオブジェクト技術条件のグラフは、当産業において適用される方法論に応じて得られる特定のエンジニアリングシステムのための障害解析テーブル[民間航空機の高度に統合された複雑な搭乗システム認証プロセスについてのマニュアルP4754(ドキュメントSAE/ARP4574およびEUROCAE/ED−79)、2007;システムおよび民間航空機の搭乗設備の安全性評価についてのマニュアルP4761、2010]から、既知の技術によって形成される[O. Ore, Graphs and Their Uses (Translated into Russian). - M.: Mir Publishers, 1965; C. Berge, Theorie Des Graphes et Ses Applications (Translated into Russian). - M.: IL Publishers, 1962]。
本発明は、方向性のある(矢印で示すように頂点間の一方向性の遷移のみが可能である)混合(2つの異なる演算子が用いられる)グラフのみを用いる。障害解析の時点からは独立として考慮される、診断されたオブジェクトのそれぞれの部分は、サブシステム、アセンブリまたは要素である。
そのような部分は、対応する頂点(ノード)によって、グラフにおいて表され、これらの部分間のすべての相互作用は、頂点間の直接のリンク(リブ、矢印)によって表される。体系的な考慮から始めると、一般的なグラフ(ランダムな数の相互リンクを有するグラフ)は、通常、それを圧縮する(結合した部分にまとめる)ことによって、2つの入力および2つの出力を超えないグラフに変換される。各グラフ頂点は、演算子「OR」および「AND」によって表される入力および出力論理の固定されたそれ自体のタプルを有する。ノード入力における「OR」演算子は、(情報、パワーなどの)信号が各入力の1つにさえ存在すれば(入力矢印)、このノードによって特定可能である、システムの対応する部分が、活性化される(機能を開始したり、情報を受信したりするなど)こと、を意味し;そして(情報、パワーなどの)信号が両方の入力に同時に存在するなら、「AND」である。頂点出力における「OR」演算子は、明確な規則によれば、システムの対応する部分は、外向きの矢印に沿ってそれに結合する頂点の1つに信号(制御指示、情報、パワーなど)を発行することを意味し、そして、「AND」は、そのような信号が両方の頂点に同時に発行されることである。そのようなグラフのいくつかの頂点は、あり得る障害を有する要素であり得、そしていくつかは内部プロセスであり、いくつかはそのような障害の表明である。グラフの各頂点は、全体かつ分割不可能なものとして考慮される。いくつかの頂点は、入力および出力の数については不完全であり得る。頂点の配列数のみが、システム入力および出力の点を固定する。
6つの頂点を有する仮説上のDO2方向性混合グラフを、体系的な例として図5に示す。それぞれの特定の場合、診断されたオブジェクトに対するグラフは、その構造および情報フロー(パワー、指示する、反射など)またはその整理された数学的モデルの解析結果から始めて、専門家によって形成される。図5に示す記号は、次の意味を有する:
ORi−要素入力における演算子「OR」、
ANDi−要素入力における演算子「AND」、
ORo−要素出力における演算子「OR」;この演算子は、出力信号が形成される要素出力を選択するのための規則における指示によって達成される(時間スケジュールによる、DOモード稼働に基づく、いくつかの外部または内部パラメータからの機能において)、
ANDo−要素出力における演算子「AND」。
それゆえ、図5の要素は、ORi演算子と共に、要素3および4からの2つの入力(2つの入力矢印)を有する。診断されたオブジェクト2のこの要素は、(情報、パワーなどの)信号が2つの上記入力の1つにさえ存在すれば、活性化(動作開始、規定の機能の実行)されることを意味する。この要素はまた、ORo演算子と共に、要素2および6に向かう2つの出力(2つの出力矢印)を有する。いくつかの既知の規則に基づき、要素2または6の1つにおける要素1の作用の結果、信号(情報、パワー、など)が伝送される。類似して、要素6は、要素1および2(ANDi演算子)からの同時に存在する信号によって活性化され、その機能の結果として、それは、信号を要素4および5(ORo演算子)に伝送する。図5における要素2、3、および5は不完全である。
この例は、頂点1および3−障害を含み得るシステム要素、頂点1および5−これらの障害が表明する(検出されかつ固定され得る)システム要素を示し、対応して、頂点2、4、および6は、これらの型のいずれにも関連しないいくつかの内部要素であるが、学習されるプロセス論理の提供を保証する。
クレームされる技術解決法は、2つの反対方向プロセスに重要性が与えられることが注意されるべきである:第1に、システムにおける障害によって生じ得る結果の決定または表明であり、第2に、障害局所化、すなわちシステム過誤機能の理由の探索である。これらのプロセスは、直接論理および逆論理にそれぞれサポートされる。
三重項記述を有する診断されたオブジェクトDO2における障害影響伝播のプロセスは、表1に示すそのようなプロセスの論理解析の規則に応じて動作する。このプロセスは、元の場所から他の部分およびシステムへの障害(誤った機能)影響に、その障害の表明まで、対応する。
以後、「0」は、障害の欠如を意味し、「1」は障害の存在、その表明または影響を意味し、「*」は、不確定な条件;小文字「i」および「o」は、要素DO2の入力および出力に関する演算子の記述にそれぞれ用いられる。
表1の最後の2行において、いくつかの組み合わせが欠如している(取り消し線)、すなわち対応する式がそのまま存在せず、提供される組み合わせは、対応する演算子「OR」または「AND」の定義に矛盾することは注目される。そのような組み合わせは、障害情報伝播(直接論理)を解析するときには興味がないが、しかし、逆解析する論理を形成のために用いられる。
逆論理は、その出力が不明である場合、何が要素入力におけるものであり得るのかに対応する。これは、障害局所化(追跡)プロセスの方向に対応し、その表明から開始する。表1に示す式の反転結果は、表2に存在し、ここでは、逆転後に得られる演算子が、小文字の「r」によって追加で示される。
変数の多重化を生じるセルは、表2において太いフレームで示される。この状況が起こるたびに、ここでは明示的に算出されない「障害ツリー」が、分岐される。それゆえ、逆方向における解析中に、論理演算子ORの出力における1の存在が、その入力の1の双方の存在またはそれらのいずれかにおける1つの1の存在に関連し得ることが言及され得る。
障害モデル化
本発明は、如何なる現実の診断されたオブジェクト2に対しても、このDO2において障害を発生しかつ表明する直接混合グラフは、その解析に基づき形成され得ることを事前に仮定する。障害は、一時的なもの(不具合)または恒久的なもの(長期)であり得る。いくつかのDO要素は、自ら障害を起こし得、そして、他における障害は、その前のものにおける障害の結果であり得る。
解決法形式化を単純化するために、テーブル表記が用いられる。直接混合グラフからテーブル表記への移行の一般的な規則は次の通りである。
次の表記を導入される;xj(k)は、正常タクト(xj=0は、j−要素における障害の欠如を意味し、xj=1は、j−要素における障害の存在、影響、または表明であり、xj=*は、j−要素未定条件を意味し、xj(k+1)は、正常なタクトと上部のインデックスは、グラフベクトル(たとえば、xORiは、要素入力におけるOR演算子を示す)入力すればよい論理演算子記号である;下部インデックスは、出力における論理演算子のシンボルである(たとえば、xORoは、要素出力における演算子ORを示す)。各成分の配列数jは、グラフ頂点の配列数に対応し、かつ、物理コンテンツおよびカテゴリに対する関係:障害、その表明または内部変数を暗号化する。
それから、条件移行式が形成される:
ここで、左側は、直接解析のk−タクト後にn個の成分(頂点のグラフ数に応ずる)を有のベクトルの形成で記述されるDO条件ベクトルを含む。右側は、2つの被加数の合計(表1に応ずる)を含む。それらのうちの最初は、直接依存性(依存性行列)の障害伝播論理行列と呼ばれるDM行列のさらなる構成(記号
によって表される)およびk−タクトの最初におけるDO条件X(k)ベクトルであり、それらのうちの2つ目は、DOにおけるいわゆる直接障害の存在を考慮して、X
HO
(k)ベクトルである。そのような障害が存在すれば、1−値は、X
HO
(k)の対応する成分に割り当てられる。障害は、恒久的、および、一時的(不具合)であり得る。q個の要素の一時的な不具合が、システムの機能中に起こったとしよう(1≦q≦n)。そのような不具合の情報をモデルのために、1値がX
HO
(k)ベクトルのq個の成分に割り当てられる。それから式(3)のサイクル的使用によって、DOにおける要素不具合情報の伝播を追跡することが可能となる。不具合が終了すると、0値が、X
HO
(k)ベクトルのq個の成分に割り当てられる。今や、要素不具合が終了した後、式(3)のサイクル的使用によって、DOの回復プロセスを追跡することが可能になる。本発明の本質である障害局所化プロセスの実行中、ベクトルX
HO
(k)は、未知でありかつ解析には用いられないものとして考慮される。
n×nサイズのDM行列のセルには、DO直接混合グラフに応じて、0および1が満たされる。ここで、次の規則が観察される:システム対応要素(グラフ頂点)の入力論理演算子は、行列の各行に割り当てられ(左に記載)、システム対応要素の出力論理演算子は、行列の各列に割り当てられる(左に記載)。DOにおいて、q要素からl要素に(グラフのq頂点からl頂点に)直接リンクがある場合、各l行およびq列の交差点に1が与えられる。他のセルは0で満たされる。
種類(3)のモデルは、直接三重項論理モデル(DTLM)である。簡素なエントリ(3)は行列記述に類似するが、しかし、記号
によって記された構成が行列代数演算ではないことを意味するのではない。DMの主要な特性と、混合グラフ(この場合、図5に示す)は、特定の論理演算子が特定の論理演算子の行および列に割り当てられることである。
直接混合グラフに対するモデル(3)が、図5に例として与えられる。上述した規則に応じて、次の式が、図5に示すグラフに等しい。
DMを構成する、種類(3)のモデルにおける構成を満たすことの一般的規則は、次の通りである。
3値「0、1、*」からの可能な値を有するk+1タクトにおける診断されたオブジェクト条件モデルの各j成分xl(k+1)の値は、次の規則に応じて、DMのj行の係数の構成と、右部分の等価性におけるkタクトにおけるベクトルのXl(k)成分とによって決定される。
1.DM行における配列の次元に応じて0が対応するXl(k)成分は、構成において用いられない。
それゆえ、それは、説明的な例の式(4)の第1行におけるx1(k)、x2(k)、x5(k)、x6(k)成分に関する。
2.その位置がDM行における1に対応する成分は、構成において次のように用いられる。
Xl(k)成分に対応するDM行列における1が、ANDo演算子が下に記された列にある場合、このXl(k)成分は、その値を有する構成に直接参加する;
Xp(k)成分に対応するDM行列における1が、ORo演算子が下に記された列にある場合、Xp(k)成分がその値(DO要素の対応する出力が用いられる場合)に参加するか、または、0値が条件的にXp(k)成分に割り当てられる(対応する出力が用いられない場合)に依存して、対応するDO要素を選択する上述した規則が考慮する;
所望のDM行に対応する演算子(行列の左に与えられ)が構成演算子として用いられる。
記述した規則によって、式(4)の第1行に対する体系的な例において、次の結果が与えられる。
a)要素1に対して要素4の出力を用いる場合、Xl(k+1)=x3(k)ORix4(k)、
b)さもなければ、Xl(k+1)=x3(k)ORi0。
もし、たとえば、モデル(4)のx(k)ベクトルが、特定のkタクトにおいて成分0、1、*、1、0、*を有する場合、つまり、診断されたオブジェクトの要素1および5が正しく機能する場合、要素2および4は、障害を有するか、または、その影響に晒され、そして、要素3および6については、何ら確定的なことが言及され得ず、
そして、表1に応じた演算結果は、以下の値を取る:
a)要素1に対して要素4の出力を用いる場合:
式*+1=1が、第1行と第7列との交差点において、表1に配置され、その結果、構成結果は、値1を有し、つまり、DO第1要素は、障害結果に晒される;
b)さもなければ:
式*+0=*が、第1行と第8列との交差点において、表1に配置され、その結果、構成結果は、不定確になる。
直接依存行列DMに加えて、出口行列EMでありかつ行列代数の規則に応じて用いられるもう一つの2値行列が導入される。この行列の使用によって、観察された障害表明に対応する診断されたオブジェクトDO2のすべての要素から、これらの要素のみ(または、一般にはそれらの組み合わせ)を選択することが可能になる。
ここ以降、Y(k)は、m個の成分を有する障害表明ベクトルであり、X(k)は、n個の成分を有するDO2要素技術条件ベクトルであり、EMは、m行n列の2値行列である。行の中央にある点は、表1からの式(第1行および第2行、1〜6からの列、含まれる)に対応して、行列代数の一般的な規則に応じて実行される多重化演算を示す[F.R. Gantmakher. Theory of Matrices. - M.: Nauka Publishers, 1988]。
この行列は、測定ユニット3(図4)によって実現される。ここで、y
l
(k)は、診断サイクルのkタクトにおける障害表明ベクトルYのl成分である;ベクトルYは、全部でm個の成分を有する。
モデル(4)の出力を、条件ベクトルの1番目および5番目の要素であるとしよう。すると、考慮下にある体系的な例に対する出口行列は、次の等価式によって決められる:
そこで、式(3)は、頂点から頂点へ(DO2の要素から要素へ)の障害影響の一般化された発展を記述し;式(5)は、障害表明記述する(DO2の物理的性質に対応するいくつかのDO2要素において)。
特定のDOモデルは、実システムにおける障害発展のプロセスに適しており、これは、専門家の意見、半自然な実験結果、およびシステムの形式化された記述によってサポートされる。モデル信頼性を確かめた後、障害の局所化を実行する。
障害局所化
この技術解決法は、先験的に、単純(単一)、および複雑(多重)ではあり得ないことを仮定する。ここに導入される唯一の制限は、障害は、その局所化の1つの完全なサイクル中に変化しないことである。
上述したように導入されるモデルの逆変形手順は、いくつかの工程を有する(式(3)および(5)を参照)。
測定ユニットMU3が、通常の局所化サイクルに対応するy(0)観察された障害表明ベクトルを時間0において正しく決定することが、仮定される。
工程1.
見積もりが、通常の局所化サイクルの開始に対応する時間0において、システムの全X(0)技術条件要素(混合グラフのすべての頂点の論理変数)のために形成される。
次の値が、
ベクトルの要素に割り当てられる:
「0」−各要素が間違いなく稼働可能である;「1」−各要素が間違いなく稼働不可能である;「*」−各要素が間違いなく稼働可能である;「1」−観察された障害表明の前では稼働可能性が評価され得ない不確定な要素。
この手順は、通常の障害局所化するサイクルの開始時間のために記述された式(5)に対する全総合性を決定し、すなわち、X(9)ベクトルに対して、
である。
一般の場合、式(7)のための解決法は、次の式
によって決定される[V.N. Bukov, Embedding of Systems. An Analytical Approach To Analysis And Synthesis Of Matrix Systems. - Kaluga: Scientific Literature Publishing House of N.F. Bochkareva, 2006]。ここで、カール括弧は、複数の識別不可能な解決法を示し、この複数性は、ランダム要素を用いてベクトルμを変化させることによって生ずる。式(8)では:μは、n個のランクEM要素を有するベクトルである、すなわち、要素の数は、2値演算を用いて[F.R. Gantmakher, Theory of Matrices. M.: Nauka Publishers, 1988]、行列EMの直線的に依存する行に等しい:
は、行列EMに対するカノナイザーである、すなわち、同一性
の実現を保証する行列は、最大ランクの行列EM、すなわち、条件
が実現される次元n×(n−ランクEM)を有する行列、のための零右側分周器である。
考慮下の課題におけるカノナイザー(EM行列のすべての要素は、0sまたは1sのみで表され、行列自体は最大の行ランクを有する)
は、ソース行列の位置入替値に等しい:
それゆえ、結果として得られる式は、次の形態を有し:
そして、ベクトルμのすべての要素は、以下ではアスタリスク*によって表される(条件不確定性)。(9)におけるすべての演算は、表1(行1および6、列1〜6、含む)からの式に応じた行列代数の既知の規則に応じて満たされる。
工程2:既知のDM行列に基づき、そして、特に、その逆rDM(逆依存行列)、「*」が印付けられるXベクトルの成分の、すなわち、規則的に不確定である、は障害影響伝播の逆配列において、次の式に応じて特定される。
DM行列逆転は、その位置を変える(逆依存性の論理行列総合性を含み、行および列の要素を相互変換する、すなわち、行演算子の一覧は列演算子の一覧に向かい、そして逆もまた然りである)ことによって、かつ、その逆転によってソース演算子を変換する(表2に応じた逆解析論理が、表1に応じた直接解析論理の代わりに用いられる)ことによって、実行される。
種類(10)のモデルは、逆三重項論理モデル(RTLM)であり、そして、rDM係数行列は、逆依存性の障害伝播論理行列である。簡素な表記(10)は、(3)と同じく、行列等価性に類似し、しかし、(3)と同じく、行列代数の既知の規則が適用されることができないことを意味しない。
rDMを用いた働きの規則は、2つの状況によって、上述した規則に類似する:
1.ここで、解決法は、図6にあるように、ORiおよびrANDi演算子r(2つの1sが列にある)によって生ずる。これらは、さらなる解析に供される障害伝播事前歴史のもう1つの変形体(仮説)である。変数用の可能な値の数が3(0、1、*)に等しいので、そのような演算子の各通過の後に、解析した変形体の数を3倍にすることが必要である、
2.表2に示すように、値の算出中に、異なる行に関する競合が可能である。それから、障害伝播事前歴史に関する対応仮説が省略される。
そのような場合、第1の環境は、「障害ツリー」の分岐の規則を規定し、そして、第2の環境は、見込みのない(診断されたオブジェクト2論理に矛盾する)分岐を除外する。
一般に、後戻り工程の履行を有する障害局所化の反復手順は、次の式のように記載され得る。
サイクルタクトτの数は、条件ベクトルX(τ+1)=X(τ)の変形(変化)を停止すること、または、いくつかの値τ=τmaxを制限すること、のいずれかの供給から選択される。
サイクルタクトτは、条件ベクトルX(τ+1)=X(τ)の分解(変換)を終了すること、または、いくつかの値を制限することの提供から選択される。
*値(条件が決定されない)を有する要素における逆依存性の障害伝播論理モデルの直接使用によって、不確定さの多重化に至り得る。したがって、不確定性多重化状況の場合における障害が局所化するとき、直接依存性の論理モデルは変化する。本発明によれば、診断されたオブジェクト要素のための技術条件見積もりベクトルが、「稼動可能」および「稼動不可能」の値を有する要素に対する、逆依存性の論理モデルの列を用いて、かつ、「条件未決定」の値に対応する直接依存性の論理モデルの列を用いて、タクトにおいてサイクル的にかつか成分に対してサイクル的に特定される。提案より一般化された方法の様々な実施形態が可能である。ここでは、一つの実施形態を記述する。
ORoの出口論理は、次のように考慮される。出口論理を形成する適合されたシステムに応じて、ORo要素がいくつかの出力において1の変わりに0を伝送する場合(障害条件)、DMおよびrDM行列における対応する1は、逆と呼ばれる。この事実を明確に反映するために、表記
が用いられ、そして、逆1すなわち
を有する直接および逆論理依存性の論理行列が、
および
としてそれぞれ示される。
3値「0、1、*」からの可能な値を有するτ+1タクトにおける診断されたオブジェクト条件モデル(10)の各j成分x
j
(τ+1)が、rDMのj行の係数、および、等価性の右側におけるτタクトにおけるx
l
(τ)ベクトル成分の構成によって、次の規則に応じて、決定される。
まず、逆依存性
の障害伝播論理行列が用いられる。それは、「稼動可能」(0)および「稼動不可能」(1)の値を有する
ベクトルの要素に対してのみ、適用される。
ベクトルは、タクトからタクトに、また成分から成分に、サイクル的に特定される。これは次の規則に応じて実行されるものである。
A.
ベクトルが、タクトからタクトτに、τ=0、1、2、3・・・で特定される外部サイクルが、組織される。
B.第1成分から最終成分:j=1・・・nからの
ベクトルの成分の交互特定の内部サイクルが組織される。このために、式(10)の右側の
ベクトルの0および1値を有する成分のみが選択される。*値を有する成分は、これに関する勧める依存性の障害伝播論理行列の使用によって、不確定性質多重化のみが起こるため、除外される。
τおよびjの新たな各値に対して、次の解析が実行される。
もし
であり、かつ、それに対応する
行列条件がrORiによって示されるなら、
のj列における1要素に対応する、ベクトルg
の各成分に零値が割り当てられる。
の逆
に対応する成分
の値は、変わらない。
もし
でありかつそれに対応する
行列の列がrANDi稼動演算子によって示されるなら、
行列のj列に対して1要素が探索され、かつ、
ベクトルの対応する成分の値がチェックされる。これらの値のうちのいくつかが、1に等しく、かつ、1つの値が(*)に決定されないなら、
ベクトルのその成分の未定値に0が割り当てられる。
行列が、条件ベクトル成分の1値が対応する逆1すなわち
を含むなら、これらの成分は変わらない。
もし
でありかつそれに対応する
行列の列がrORi稼動演算子によって示されるなら、
行列のj列の対して1要素が探索され、かつ、1要素が探索され、
ベクトルの対応する成分の値がチェックされる。これらの値のうちの、行列の1に対応するすべての値が0に等しく、すべての値が逆1すなわち行列の
に対応し、かつ、1つの値が(*)に決定されないなら、
ベクトルの決定されない成分に1が割り当てられる(それが逆1すなわち
に対応しないのみなら)。逆1すなわち
が、決定されない値のみに対応する場合、競合状況が存在する。
もし
でありかつそれに対応する
行列の列がrANDi稼動演算子によって示されるなら、
行列のj成分の1要素に対応する
ベクトルの各成分に1値が割り当てられる。
行列のその行における逆1すなわち
は、不在であるべきである。それらが存在すれば、競合状況が存在する。
タクトのプリセット数を実行した後、
ベクトルのすべてではない成分が0または1値を得て、かつ、*値を有する成分が維持されるという状況が、存在し得る。直接依存性(3)の障害伝播論理モデル、特に、j行の成分のみは、これらの成分に対してのみ適用され、特に次の構成
である。
この場合、次の論理が実現される:
もし、
行列の対応するj行がORi演算子によって印付られており、かつ、
成分のうちの一つの1のみが
行列のこの行の1値に対応していてさえも(しかし逆1すなわち
に対してはなく)、すると
であり;
もし、
行列の対応するj行がANDi演算子によってマークされており、かつ、逆1すなわち
に対応する一つの0のみまたは1つの1のみが、
行列のこの行の1値に対応する
成分中のものであれば、
であり;
さもなければ、値は変わらない状態を維持し、
である。
工程3.証明された障害の可能な時点は、得られた技術条件ベクトルのその
見積もりの成分の値によって示される。零要素の存在は、DO2の確かに稼働可能な要素を示す。アスタリスク*の存在は、DO2のこれらの要素(モジュール、ユニット、装置、サブシステム)を示す。これに対しては、障害または誤りにおける明確な言及は、利用可能な情報に基づき形式化され得る。このことは、DO2に内在する不完全な制御(DO2のオブジェクト的な性質)を示す。
体系的な例の記述
この例は、上述した動作がどのように実行されるべきであり、そしてその結果が、図5に示すDOにどのように関連すべきかを、工程ごとに(タクトごとにかつ成分ごとに)示す。各要素のORo論理出力するは、次のように働く。障害が存在すれば(値は1に等しい)、より配列数の少ない要素に1として伝送され、そして、0が、より配列の多い要素に伝送される。要素1および5は、システム出力である。この場合、EM行列は、式(5)を有する。直接障害は、要素1および3を有する。
DOに対する障害伝播プロセスは、モデル(3)によって表される。
第1のタクト:
第2のタクト:
要素条件が変化しないタクトが起こる。それゆえ、もし1番目および3番目の要素に障害が起こったら、障害は、2番目の要素に伝播される。
障害局所化プロセスは、次のように実行される。
工程1.式(9)は、
から起こる。それゆえ、第1の工程の後、2番目、3番目、4番目、および6番目の要素の条件は、未決定のまま維持される。
工程2:式(3)に応じて、障害伝播の逆継続に対する繰り返し関係は、次の形式:
を有する。
ここで、τ=0、1、2・・・−逆方向解析タクトである。適合されたORo出力論理を見ると、
行列は、
形式から起こる。
ここで、
は、rDMにおける出力論理を考慮に入れた逆1である。
注意:記録量を減らすために、ここでは、X(τ+1)ベクトルおよびX(τ)ベクトルを、同時に特定する。記録量を減らすために、直接論理モデルを、0値および1値を有する要素に適用し、逆論理モデルを未決定要素*に適用する。
外部サイクル、第1の繰り返しτ=0、モデル(12)に使用によって
が得られる。
内部サイクル、j=1、
、
行列の第1列は、rORi論理に対応する。
行列の第1列には2つの1要素があり、それらに対応する
および
である。したがって、条件ベクトルは特定されない。
内部サイクル、j=2、
。成分を特定するために、直接依存性(3)の論理行列の2番目の行が用いられる:
内部サイクル、j=3、
。成分を特定するために、直接依存性(3)の論理行列の3番目の行が用いられる:
内部サイクル、j=4、
。成分を特定するために、直接依存性(3)の論理行列の4番目の行が用いられる:
条件ベクトルを特定することはできない。
内部サイクル、j=5、
、
行列の5番目の列は、rORiによって印付けられている。
行列の5番目の列は、逆
のみを含む。したがって、条件ベクトルを特定することはできない。
内部サイクル、j=6、
。成分を特定するために、直接依存性(3)の論理行列の6番目の行が用いられる:
結果では、第1のタクトはτに対して
外部サイクル、2番目のタクト、τ=1:
内部サイクルの第1の三つのタクトは、X(2)の変化に至らない。これらはここでは省略される。
内部サイクル、j=4、
。成分を特定するために、直接依存性(3)の論理行列の4番目の行が用いられる:
τのためおよびjのためのさらなる繰り返しでは、Xベクトルは変化しない。したがって、最終見積もりは次の値を有する:
工程3:得られた結果によって、障害局所化結果として、以下の言明が正当化される:DO第1、第2、および第3要素は障害を起こし、第4、第5、第6要素は稼働可能であり、条件未決定の要素はない。
DTFは、インタフェースユニットIU1を通じて診断されたオブジェクト2にリンクされる。測定ユニットMU3は、設定方法に応じて、条件的にここでは初期時間と呼ばれる時間において、診断されたオブジェクトYの特定の要素技術条件を制御し、そして、その時間のための、障害が観察された表明ベクトルY(0)を形成する。Y(0)における情報に基づき、初期見積もり形成ユニットIEFU4は、条件ベクトル
の初期見積もり形成し、その見積もりは三重項である。出口行列零、すなわち、DO2の構造的特異性における先験的な情報によって、分割器の構造によって、非決定性の特定の位置が決定される。
装置は、サイクルで働く。情報X(0をIEFU4から受信した後、技術条件ベクトル
見積もりの非決定的な成分を特定することが開始される。初期見積もり形成ユニットIEFU4からの新しい情報は、このサイクルにおける算出が完了するまで、受信されない。
その後、技術条件ベクトルX値を特定するために、三重項論理モデルDUMRDまたはDTLMのうちの1つが、逆および直接依存性の論理行列に基づくソリューション取得ユニットの形態によって、用いられる。モデル接続の制御およびサイクル数の制御は、SU5によって発行される指示に応じて実行される。診断結果はRIUの第2出力を通じて提示される。
直接依存性DUMDD7の論理モデルに基づく決定取得ユニットは、次の特定された要素が「*」に等しい場合にのみ、すなわち、非決定性を維持した場合にのみ、用いられる。その場合、DUMRD6の使用は、生産的ではない−表2を参照:「*」値を有する背後遷移は、常に、入力の非決定性さ、すなわち、システムにおける非決定性の多重化を引き起こす「直接モデルDTLM7は、完全には用いられないが、しかし、特定の成分に対応する部分、すなわち、対応する論理モデルの1つの行において用いられる。他のすべての場合、DUMRD6のみが用いられる。これにより、演算量を顕著に減らせる。
または2nなら、停止対応が満たされ、そしてさらに多くの工程が実行される。それゆえ、繰り返し数は2nを超えない。ここで、nはDO2の診断された要素の数である。
クレームされた解決法における技術効果すなわち効率は、DO2において実際に実行される物理的プロセスのすべての複雑さを考慮にして、障害を局所化する方法および装置が、論理変数を用いて排他的に働き、そして、用いられる代数規則の単純さによって顕著に速められた時間で情報を処理することを可能にするゆえに、保証される。その結果、実時間に近い形で診断結果を得ることが達成される。
深度が、用いられる三重項論理モデルにおけるDO2の実用上すべての(すべての顕著なまたはすべての既知の)内部リンクの使用(形式反映)によって保証され、これにより、許容できるケアによって、文脈に基づき、要素、モジュール、ユニット、装置またはサブシステムとして理解されるその部分の実際に存在する相互影響を考慮することが可能になる。
信頼性は、制御下にある診断されたオブジェクト部分の技術条件の三重項記述によって、保証される
これにより、決定された言明において(すなわち、無作為の要素の作用に関係なく)、オブジェクトのすべての部分を、その稼働性の決定的な決定を有する2つのグループと、その技術条件を明らかに決定することがオブジェクト的には不可能である、診断されたオブジェクト部分を組み合わせる1つのグループとに分割することが可能になる。
多重障害を検出する可能性は、障害の特異性における単純化された仮説のサポート無しで診断オブジェクティブを満たすことができる逆三重項論理モデルと直接三重項論理モデルとを交互にすることによって、保証される。
加えて、提案した発明の使用の結果において得られるものとしての、その技術条件における明らかな判断のための、診断されたオブジェクト部分の存在および配置に対する明示的な提示は、その部分のための追加の制御点を導入し、かつ、それらの部分間の内部リンクの数(すなわち相互接続)を増加させることによって、そのより深い制御を達成することについて、診断されたオブジェクトをさらに改善するという、独特な可能性を与える。
産業上の利用可能性
要素システムにおける制御不能な多重障害を局所化するクレームされた方法およびそれを実行する装置は、自然信号の背景に対して実時間で障害を局所化することを目的にした複雑なエンジニアリングオブジェクトの機能的診断のためのシステム、および、全体としてかつ特に機能診断のそのサブシステムとして複雑なエンジニアリングシステムを設計するプロセスにおける産業に最もうまく適用される。
最も類似の解決法に基づく診断装置(DD)の機能図を示す。
図1と同じであり、直接論理モデルに基づくDDである。
図3と同じであり、逆論理モデルに基づくDDである。
本発明に係るエンジニアリングシステムにおける制御不能な多重障害(DTF)を局所化する装置を示す機能図である。
混合方向グラフを示す。