JP2015535246A - ステント留置に引き続いて起こる、糖尿病患者における主要有害心血管イベント(mace)を低減させるための二重可変領域(dvd)免疫グロブリン - Google Patents

ステント留置に引き続いて起こる、糖尿病患者における主要有害心血管イベント(mace)を低減させるための二重可変領域(dvd)免疫グロブリン Download PDF

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Abstract

【課題】必要とされていることは、単に糖尿病の存在のみ、及びTLRと関連があるものの両方を原因とするMACEの増大したリスクに対処する糖尿病患者の血管疾患を治療する方法である。【解決手段】 本発明は、ステント植込みを受けた糖尿病患者におけるステント植込みの領域に天然の有益薬又は治療薬を配置するための二重可変領域抗体の使用に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、ステント留置を受けている、又はステント留置を受けた糖尿病患者を治療する方法に関し、その目的は、ステント留置に引き続いて起こる主要有害心イベント(MACE)を予防又は緩和することである。方法は、ステント留置近傍において、天然の有益薬を捕捉し、それによって滞留時間を延長することを含む。
1980年代中頃まで、アテローム性動脈硬化症、即ち、冠動脈(1つ又は複数)の狭窄に対する治療として認められていたのは、冠動脈バイパス手術であった。バイパス手術はかなり効果的であり、このような侵襲的な処置にしては安全性が比較的高いところまで発達してきたが、依然として重大な合併症を伴う可能性があり、概ね、長期にわたる回復期間を要する。
1977年の経皮的冠動脈形成術(PTCA)の登場で状況は劇的に変化した。元々は心臓検査用に開発されたカテーテル技術を使用して、動脈中の閉塞領域を再び開くために、インフレータブルバルーンが留置された。この手法は比較的非侵襲的であり、バイパス手術に比べて短時間で済み、回復時間は最低限であった。しかしながら、PTCAは、血管攣縮、伸張した動脈壁の弾性反跳及び再狭窄、処置付近の新生内膜過形成による治療した動脈が再び詰まる等のPTCA独自の問題をもたらし、これらいずれも達成されたことの大部分を元に戻してしまう可能性がある。
1980年代中頃に進歩した次なる改善は、PTCAを用いて再建された内腔径を、ステントを用いて維持することであった。すべての意図及び目的に関して、これにより血管攣縮及び弾性反跳は解決したが、再狭窄の問題を解決させるには至らなかった。即ち、ステントの導入前には、PTCAを受けた患者の約30%〜50%で再狭窄が起こっていた。ステントにより、この数値が約15〜20%にまで減少し大きく改善したが、さらにこれ以上の改善が望ましかった。
2003年には、薬物溶出性ステント(DES)が導入された。DESとともに最初に使用された薬物は、細胞増殖抑制化合物、即ち、再狭窄に寄与していた細胞の増殖を抑える化合物であった。再狭窄の発生は、約5〜7%という比較的受け入れることのできる数字にまで減少した。しかしながら、DESの使用は、さらに別の合併症、即ち、ステントを留置した後に、ある期間が経過してから凝血塊が形成される遅発性ステント血栓症を引き起こした。凝血塊の形成は、治癒の遅延、細胞増殖抑制剤の使用の副作用が原因である可能性が最も高いと仮定された。
再狭窄の生理病理学は、平滑筋細胞(SMC)の早期損傷、内皮再生抑制(de-endothelialization)及び血栓沈着を含む。時が経つにつれて、これは、SMCの増殖及び遊走並びに細胞外基質沈着に至る。炎症が早期の血管損傷と新生内膜増殖及び最終的な管腔障害(lumen compromise)、即ち再狭窄とを結びつけるうえで中心的な役割を果たしていることを示唆する証拠が増えつつある。さらに、ステントが使用された場合、仮に炎症状態が往々にしてより程度が重く、長引くようであれば、状況を悪化させることが確認されている。
当然のことながら、炎症は、損傷に対する正常な反応であり、治癒プロセスにおいて必要な要素である。しかしながら、慢性的な炎症は、単球、リンパ球及び好中球の持続的動員が、異物又は損傷組織を除去するための炎症細胞によって産生された活性酸素種及び酵素に加え、炎症性サイトカインの恒常的産生をもたらすという点で、治癒にとって好ましくない可能性がある。したがって、サイトカイン誘発性の新生内膜の増殖を抑制することによって慢性的な炎症を制御するために、DESには抗炎症薬が含まれる場合が多い。しかしながら、抗炎症薬の長期間の投与は、治癒プロセスを完全に停止する可能性がある。
現在のDESは、一般的に効果的ではあるものの、ある一部の患者については完全に作用するわけではなかった。例えば、SIRIUS臨床試験において、糖尿病患者は非糖尿病患者に比べて二分化再狭窄をきたす可能性がおよそ2倍であった。さらに、糖尿病患者は一般的に、PCTA及びステント留置後、標的病変再血行再建(TLR)及び主要有害心イベント(MACE)の傾向がよりみられる。ステント留置後の約1年間において糖尿病患者にみられた急性心筋梗塞(AMI)、血栓症及び心臓死などのMACEの増加は、標的病変再血行再建(TLR)と密接な相関関係があることが確認された。ひいては、TLAは、標的病変又は標的病変付近における再狭窄の発生と密接な相関関係にある。
必要とされていることは、単に糖尿病の存在のみ、及びTLRと関連があるものの両方を原因とするMACEの増大したリスクに対処する糖尿病患者の血管疾患を治療する方法である。本発明はそのような方法を提供する。
したがって、本発明の態様は、血管疾患を治療するためのステント植込みに引き続いて起こる、糖尿病患者における主要有害心血管イベント(MACE)の発症を低減する方法であって:
ステント植込みの領域に二重可変領域(DVD)抗体を送達することを含み、
DVD抗体の第1の可変領域が、ステント植込みの領域に特異的な存在物を認識し、これに結合し;及び
DVD抗体の第2の可変領域が、天然の有益薬若しくは治療薬を捕捉し、又は
DVD抗体が、DVD抗体の各可変アームのいずれの結合機能にも支障を及ぼさない1つ若しくは複数のビオチン分子を含み;
DVD抗体がステントの最外表面と出会った際、DVD抗体がステントの最外表面に結合するように、ステントの最外表面がアビジン若しくはストレプトアビジンを含み;及び
第1及び第2の可変領域が別個に天然の有益薬、治療薬を捕捉し、又は、一方の可変領域が天然の有益薬を捕捉し、他方の可変領域が治療薬を捕捉する。
本発明の態様では、治療部位にDVD抗体を送達することが、植込み前の、ステントへのDVD抗体のストレプトアビジン/ビオチン結合を含む。
本発明の態様では、治療部位にDVD抗体を送達することが、局所送達を含む。
本発明の態様では、治療領域にDVD抗体を送達することが、DVD抗体の全身送達を含む。
本発明の態様では、DVD抗体の第1の可変領域によって認識された部位が、露出された基底膜タンパク質を含む。
本発明の態様では、DVD抗体の第1の可変領域によって認識された部位が、凝固/血栓症の部位を含む。
本発明の態様では、DVD抗体の第2の可変領域によって認識され、結合された有益薬が、内皮前駆細胞を含む。
本発明の態様では、治療薬がシロスタゾールである。
本発明の態様では、治療薬が一酸化窒素供与体である。
本発明の態様では、血管疾患が心血管疾患である。
本発明の態様では、血管疾患が末梢動脈疾患(PAD)である。
本発明の態様は、ビオチン:アビジン又はビオチン:ストレプトアビジン結合によってDVD抗体を付着された植込み型医療デバイスである。
本発明の態様では、植込み型医療デバイスはステントを含む。
特許請求の範囲を含む本出願の全体を通して、単数形の使用は、別途明記しない限りその複数形を含み、その逆も同様であることが理解される。即ち、「1つの(a)」及び「その(the)」は、この単語が修飾するあらゆるもののうちの1つ又は複数を指すものとして解釈されるべきである。非限定的な例として:そのようなことが意図されていないと明記されていない又は文脈から明白ではない限り、「露出された基底膜タンパク質(an exposed basement membrane protein)」は、1つ又は複数のそのようなタンパク質を含むと理解され、「治療薬(a therapeutic agent)」は、1つ又は複数のそのような薬を含むと理解される。
本明細書で使用される場合、限定されないが、「約(about)」、「実質的に(substantially)」、「本質的に(essentially)」、「およそ(approximately)」等の近似を表す単語は、この用語によって修飾される語又は句が正確に記載される通りである必要はなく、記載からある程度変化し得ることを意味する。記載が変化し得る程度は、変化を導入することができるのがどの程度か、及び、修飾された形態が、なおも修飾された語又は句の特性、特徴及び性能を有していると当業者に認識させることができる変化がどの程度か、に依存することになる。一般的に、但し、前述した内容に従って、本明細書中の近似を表す語によって修飾された数値は、記載された値から約±15%まで異なっていてもよい。
本明細書で使用される場合、「好ましい(preferred)」、「好ましくは(preferably)」、「より好ましくは(more preferred)」などの使用は、本特許出願の出願時に存在していた際の優先(preference)を指す。
本明細書で使用される場合、「任意選択の」は、その用語により修飾された要素が必要とされているわけではないが、存在し得ることを意味する。
本明細書で使用される場合、「薬物(drug)」、「治療薬(therapeutic agent)」及び「薬(agent)」は互換可能であり、疾患又は障害を治療するために使用される薬学的物質を指す。
糖尿病患者は、内因性糖尿病合併症が原因で治療がより困難となる傾向にある、より複雑な冠病変を伴う場合があることが一般的に知られている。しかしながら、糖尿病患者の再狭窄率は、特により長期に及ぶ病変の場合、現在のところ2桁であるのに対し、非糖尿病患者では再狭窄率がわずか1.8%であるのにもかかわらず、特に糖尿病患者を対象にした血管病変の治療はその進展に遅れがあった。米国疾病予防管理センター(CDC)の推定によると、現在、米国人の10人に1人が何らかのかたちの糖尿病に罹患しているとされている。今後の予測については、2050年までに米国人の3人に1人が糖尿病に罹患しているとCDCが予測している点において、期待の持てるものではない。ライフスタイル及び食生活の改善によってこうした数値を下げるべく取り組みが行われているものの、このような取り組みが限られた効果しかもたらさない可能性が極めて高い。すでに市民全体の大多数が糖尿病に罹患しており、今後、その割合がより一層増えるという予測があることから、糖尿病患者を対象とした治療が大いに求められる。
標的病変血行再建(TLR)は、最初の処置後の末梢動脈疾患の再発性臨床的症状の記録後、標的病変の近位±5mm以内、遠位、又は近位と遠位の両方において、血管造影によって確認しながら狭窄の直径の50%以上について実施される、例えば、経皮的血行再建術又は外科的バイパス術による再インターベンションを指す。臨床的症状は、限定されないが、虚血性症状又は虚血性機能検査陽性を含み得る。糖尿病は、短期の再狭窄の強力な予測因子であることが明らかにされてきた。本発明の目的は、短期的な再狭窄の発生を低減することであり、それに付随してTLRの必要性を減らすこと、及び、そうすることによって糖尿病患者におけるMACEのリスクを大幅に減らすことであり、そのようなMACEがTLRと関係しているか又は関係していないかは問わない。
本明細書で使用される場合、「植込み型医療デバイス」は、外科的若しくは内科的に患者の体内に、又は医学的介入により自然の開口部内に全体的又は部分的に導入されるあらゆる種類の器具であって、処置後にその場に留置することが意図された器具を指す。植込みの期間は、本質的に永久であり得、即ち、患者の余命期間;デバイスが生分解されるまで;又は物理的に除去されるまで、所定の位置に留まったままであることが意図され得る。植込み型医療デバイスの例は、限定されないが、植込み型心臓ペースメーカ及び徐細動器;前述のものに用いるリード及び電極;神経、膀胱、括約筋及び横隔膜用刺激装置等の植込み型臓器刺激装置、蝸牛インプラント、プロテーゼ、血管グラフト、自己拡張型ステント、バルーン型拡張ステント、ステントグラフト、グラフト、人工心臓弁、卵円孔開存閉鎖デバイス、左心耳エクスクルーダー(left atrial appendage excluders)及び脳脊髄液シャントを含む。
現時点において、本発明の好ましい植込み型医療デバイスは、ステントである。ステントは、一般的に、患者の体内において所定の位置に組織を保持するために用いられる任意のデバイスを指す。非常に多くの場合、ステントは、患者の体内の1つ又は複数の特定の治療部位への治療薬の局所送達に採用される。特に有用なステントは、疾患又は障害により血管が狭窄又は閉塞したときに、患者体内の血管の開存性を維持するために用いられるものであり、前記疾患又は障害には、限定されないが、腫瘍(例えば、胆管、食道、気管/気管支等の)、良性膵臓疾患、冠動脈疾患、頸動脈疾患、及び末梢動脈疾患、例えば、アテローム性動脈硬化症など、再狭窄及び不安定プラークが含まれる。不安定プラーク(VP)は、炎症によって引き起こされたと考えられる動脈内の脂肪の蓄積を指す。VPは、破裂して凝血塊の形成を引き起こすおそれのある薄い線維性皮膜で覆われている。ステントはVP近傍の血管壁を強化するのに用いることができ、そのような破裂に対する防御物としての役割を果たすことができる。ステントは、限定されないが、神経、頸動脈、冠動脈、肺、大動脈、腎、胆管、腸骨、大腿骨及び膝窩、並びにその他の末梢血管の脈管構造において使用することができる。ステントは、限定されないが、血栓症、再狭窄、出血、血管の解離又は穿孔、動脈瘤、慢性完全閉塞、跛行、吻合部増殖、胆管閉塞、及び尿管閉塞等の障害の治療又は予防において使用することができる。
開存性を維持するために用いられるステントは、通常、圧縮された状態で標的部位に送達され、次いでステントが挿入された血管に合わせて拡張される。標的位置に到達すると、ステントは自己拡張し、又はバルーンにより拡張することができる。
ステントの「最外表面」とは、ステントの任意の表面を意味するが、デバイスが完全に患者に留置された際、身体組織又は体液と接触するように空間的に配向された表面を意味する。
本明細書で使用される場合、「全身送達」は、一般的に、治療を受けている標的部位から離れた位置における患者体内へのDVD抗体薬又は治療薬の投与を指す。DVD抗体は、次いで、投与された薬物の少なくとも一部分が最終的に標的とする場所に至る経路を見つけるまで、全身をある程度ランダムに循環する。
本明細書で使用される場合、「局所送達」は、ステント植込みの部位に対する直接的なDVD抗体又は治療薬の投与を指す。そのような直接的な投与は、限定されないが、皮内注射又はカテーテルを通じた送達によるものであってよく、カテーテルはステントを埋め込むために使用されるのと同じデバイスであってもよい。
本明細書で使用される場合、「抗体」は、当業者によって理解されているように、通常の意味を有する。簡潔に述べると、抗体は、4つのポリペプチド鎖、即ち2つの重鎖及び2つの軽鎖からなるY字型の免疫グロブリン(Ig)分子である。重鎖及び軽鎖はそれぞれ、一端に定常領域を有し、重鎖の定常端が「Y」の基底(base)を形成し、それらの先端部にある可変領域が一緒に「Y」のアームを形成する。各可変領域は、体内で出会った異物に結合する役割をする抗体の一部である、超可変領域として知られているところにおいて終端する。一般的に、抗体Yの両腕(アーム)は、所与の抗体が概ね、唯一無二の異物と結合するように同じ超可変領域を備える。
他方で「二重可変領域抗体」又は「DVD抗体」は、単一の抗体上の各超可変領域が異なるように設計され、それにより、各々異なる異物に結合することができる、合成抗体を指す。そのようなDVD抗体及びそれらを調製する方法は、任意の図面を含めて、まるで完全に記載されているかのように、その全体が本明細書に組み込まれている、米国特許出願第12/459,624号に完全に記載されている。
本明細書で使用される場合、抗体に適用するときの「認識し、結合する」とは、特定の異物に取り付くように設計された抗体の超可変領域が、異物と相互作用するプロセスを含意する。即ち、抗体が、本性上又は設計された特性上、相互作用し易い異物と出会った場合、抗体の超可変領域が鍵と鍵穴式に異物を「認識する」。そのように認識された後、異物は可逆的若しくは不可逆的に、化学的又は物理的力によって結合される。
本明細書で使用される場合、「捕捉する」とは、治療部位に局在するDVDが、循環している天然の有益薬を認識し、これに結合し、それによって、当該薬を治療部位に局在させることによるプロセスを指す。循環している薬の捕捉は、その薬の有益な特性(複数可)に悪影響を及ぼさないことが理解される。
本発明の実施形態において、DVD抗体の「Y」の各アームのうちの1つは、本明細書において、「第1の可変領域」と呼ばれ、治療部位ターゲティング存在物として機能するように設計されている。即ち、第1の可変領域は、治療部位に限定的又は少なくとも実質的に限定的である異物を認識し、これに結合し、それにより、抗体を治療部位に局在させるように設計された超可変領域を備える。
ステント留置された血管に関して、ステント植込みの部位に限定的なそのような異物は、露出された基底膜タンパク質のこともある。基底膜は、器官の腔及び表面を覆う上皮の下にある、又は、本発明に関してより重要には脈管系の血管を覆う内皮の下にある、結合組織の薄い層を指す。通常はステント留置の際の状況として内皮が破損した場合、基底膜が露出し得る。基底膜は、限定されないが、IV型コラーゲンの組織特異的アイソフォーム、ラミニンの組織特異的アイソフォームを等しく含むラミニン−エンタクチン/ニドゲン複合体、及び、他ではみられない特定のプロテオグリカン集団などのタンパク質を含む。DVD抗体は、すべての抗体に見られるように、もっぱらこれらのタンパク質を認識し、結合するように精巧に作製されており、それにより、DVD抗体の全身投与が可能となり、該抗体が基底膜タンパク質のうちの1つを認識し、これに結合することで、最終的に治療、即ちステント留置された部位に到達し、そこに留まるという認識を期することができる。
(患者が身体のいくつかの他の部分に外傷性障害を被っていないことを想定すると)ステント植込みの部位に限定的であると考え得る他の異物は、限定されないが、(当業者に周知の例外はあるものの)一般的にセリンプロテアーゼである凝固因子、一般的に特異的な糖タンパク質である血小板膜タンパク質、及びフィブリンなどの凝固/血栓症に関連しているタンパク質を含む。DVD抗体は、これらのタンパク質のうちの任意のものについて認識し、これに結合するよう設計され得る。
ステント植込みの部位における生化学的組成は、極めて複雑であり、そのような部位に特異的であり且つDVD抗体によって認識され、結合され得る上記の例示的な異物は、いかなるかたちであれ、本発明の範囲を限定するよう意図されておらず、また限定するように解釈されないことが理解される。本明細書における教示に基づいて、当業者は、DVD抗体が認識し、結合するように設計され得る他の部位特異的なタンパク質を確認することができる。そのような生物学的な結合部位のすべてが、本発明の範囲内にある。
ステント留置の部位にDVD抗体を局在させる機械的方法は、単にステントの外側表面にDVD抗体を付着させることである。これは、ステントの最外表面上にペプチド鎖を含み、その表面を、第1の可変領域が前記ペプチドを認識し、結合するように設計されたDVD抗体と接触させることによって達成され得るが、現時点において、DVD抗体の両方の可変領域が自由に他の異物に結合できるように維持することが好ましい。これを実現するために、DVD抗体をビオチン化し、ステントの最外表面にアビジン若しくはストレプトアビジンを含めることによって、又はその逆、即ち、ステントの最外表面をビオチン化し、アビジン若しくはストレプトアビジンを抗体に付着させることによって、本発明のDVD抗体をステントの外側表面に対して付着することができる。ビオチンについてのアビジン及びストレプトアビジンのよく知られた天然の結合親和性は、抗体がステント表面に接触する場合、DVD抗体がステントに付着することをもたらす。
本発明のDVD抗体の第1の可変領域は、治療部位に該抗体を局在させるために使用でき、第2の可変領域は、治療部位において有益薬を捕捉し、それにより、その部位における長期存在を保証するために使用できる。
本明細書で使用される場合、「天然の有益薬」又は単に「有益薬」は、本明細書で互換可能に使用されるが、動物の生化学の必要部分である物質又は物理的な存在物を指す。動物は任意の種でよいが、現時点において、最も重要な関心の対象になっているものは、家畜及び特にヒトなどの哺乳種である。物質若しくは物理的な存在物は、動物に常時存在し得るか、又は、動物体内の幸福に対する挑戦に反応して生じ得る若しくは生合成され得る。本発明の目的に関して、そのような問題は、限定されないが、過剰な炎症、マクロファージの蓄積及び血栓症の形態を取り得る。
DVD抗体の可変アームのうちの1つによって捕捉され得、それゆえ、ステント植込みの部位に局在され得る、天然の有益薬の具体的ではあるが非限定的な例は、限定されないが、内皮前駆細胞などの有益な細胞タイプのこともある。内皮前駆細胞は、損傷した血管の内層(lining)を回復させるように機能する。内皮前駆細胞は、通常、循環している血流内にみられる。高レベルの循環している内皮前駆細胞が、患者のより良い転帰及びより少ない頻度の心臓発作につながることを示唆するエビデンスがある。心臓発作はMACEを構成することから、ステント植込みの部位における内皮前駆体の局在化は、ステント留置に起因した内皮に対する損傷の修復に大幅な向上を提供することができることと同時に、MACEを低減できることを前提とする。
本明細書で使用される場合、有益薬の「長期存在」は、通常、循環している薬がその有益な機能を発揮する機会を持つに至るまで、治療部位に関与し、保持されることを意味し、薬が対象の体内を全身的に循環する間に、その特異的な標的と出会う可能性しかないこととは対照的である。「長期」の厳密な意味は、有益薬の薬力学に依存しており、当然のことながら、薬の性質によって変わると理解される。本発明の目的に関して、「長期」は、有益薬がその有益な機能を発揮することのできる任意の期間を指す。
本明細書で使用される場合、「治療薬」又は「薬物」は、疾患に罹患した患者に対して治療有効量で投与された場合、外因性の物質が患者の健康と幸福に対して有益な治療効果を有することを指す。患者の健康と幸福に対する有益な治療効果は、限定されないが:(1)疾患を治癒すること;(2)疾患の進行を遅延すること;(3)疾患を消退させること;又は(4)疾患の1つ又は複数の症状を緩和することを含む。本明細書で使用される場合、治療薬は、ある疾患に特に罹患しやすいことが知られている、又は疑われている患者に対して予防有効量で投与された場合、患者の健康と幸福に対して有益な予防効果を有する任意の物質も含む。患者の健康と幸福に対する有益な予防効果は、限定されないが、:(1)最初に、疾患の発現を予防又は遅延させること;(2)予防有効量で使用される物質と同じ又は異なる可能性がある物質の治療有効量により消退したレベルが実現されたら、そのようなレベルに疾患を維持すること;又は(3)予防有効量で使用される物質と同じ又は異なる可能性がある物質の治療有効量で一連の治療が完了した後、疾患の再発を防止又は遅延することを含む。
本明細書で使用される場合、「治療する」とは、血管疾患に罹患していることが知られている、又は疑われている患者に対して、治療薬の治療有効量を投与することを指す。
「治療有効量」とは、患者が罹患していることが知られている、又は疑われている血管疾患に関して、治癒的又は緩和的な場合がある有益な効果を患者の健康と幸福に対して有することとなる治療薬の量を指す。
本明細書で使用される場合、「糖尿病患者」とは、主として、1又は2型糖尿病と診断されたヒトを指す。加えて、その一方で、本発明の目的に照らして、「糖尿病患者」は、病状が進行した糖尿病の特徴のすべてを示すわけではないが、1又は2型糖尿病と診断された患者に関連して、慢性的な炎症等の負の特徴を示す、血管系障害を呈する者を指す。
本明細書で使用される場合、「治療領域」とは、実際のステント留置の部位、並びに、その部位に近位及び遠位の領域を指す。植込みの部位に近位及び遠位の領域は、長さが変化し得るが、典型的には、ステントの端部から約5〜10mmであると考え得る。
本明細書で使用される場合、「血管疾患」とは、心臓、脳、及び、限定されないが、上肢、下肢、腎臓及び肝臓などの末梢器官に向けて/これらから血液を輸送する血管、主に動脈及び静脈の疾病を指す。特に「血管疾患」は、冠動脈及び静脈系、頸動脈及び静脈系、大動脈及び静脈系、並びに末梢動脈及び静脈系を指す。疾患は、限定されないが、アテローム性動脈硬化症、不安定プラーク、再狭窄又は末梢動脈疾患の場合がある。末梢血管疾患は、腎、腸骨、大腿、膝窩、脛骨及び他の血管領域の動脈並びに静脈疾患を含む。
末梢血管疾患は、一般的に、炎症及び組織損傷などの状態によって引き起こされた血管の構造変化に関係している。末梢血管疾患のサブセットは末梢動脈疾患(PAD)である。PADは、それが動脈壁の内層及び内膜上への脂肪の蓄積に起因するということにおいて、頸動脈や冠動脈疾患に類似した病態である。ちょうど、頸動脈の閉塞が脳への血流を制限し、冠動脈の閉塞が心臓への血流を制限するように、末梢動脈の閉塞は、腎臓、胃、上肢、下肢及び足への血流制限を引き起こす可能性がある。特に、現時点において、末梢血管疾患は、浅大腿動脈の疾患を指す。
天然の有益な存在物に加えて、外因性治療薬もまた、投与が全身性である場合、特定の薬を認識し、結合するように設計された抗体の可変領域のうちの一方若しくは他方によって、DVD抗体による治療部位において捕捉され得る。広範な薬がそのように投与され得る。例えば、好適な治療薬は、限定されないが、抗増殖薬、抗炎症薬、抗新生物薬、抗有糸分裂薬、抗血小板薬、抗凝固薬、抗フィブリン薬、及び抗トロンビン薬、細胞増殖抑制剤、抗生物質、抗アレルギー薬、並びに抗酸化薬を含む。
上記の薬の群のうち任意のものから代表的な治療薬を、本発明の方法において使用することができるが、現時点においては、抗増殖薬と抗炎症薬との組み合わせが、通常DESの成分としてステント植込みの部位に送達されることが好ましい。
一般的に、好適な抗増殖薬は、限定はされないが、アクチノマイシンD、又はその誘導体若しくは類似体を含み、即ち、アクチノマイシンDは、ダクチノマイシン、アクチノマイシンIV、アクチノマイシンI、アクチノマイシンX、及びアクチノマイシンCとしても知られている。抗増殖薬は、天然タンパク質系薬、例えば、細胞毒素又は合成分子等であってよく、すべてのタキソイド類、例えば、タキソール、ドセタキセル、及びパクリタキセル、パクリタキセル誘導体など、すべてのラパマイシン由来薬物、例えばマクロライド系抗生物質、ラパマイシン、エベロリムス、ラパマイシンの構造的誘導体及び機能的類似体、エベロリムスの構造的誘導体及び機能的類似体、FKBP−12媒介mTOR阻害剤、バイオリムス、パーフェニドンなど、これらのプロドラッグ、これらのコドラック、並びにこれらの組み合わせであってもよい。代表的なラパマイシン誘導体及び類似体としては、40−O−(2−ヒドロキシエチル)ラパマイシン(EVEROLIMUS(エベロリムス)(登録商標))、40−O−(3−ヒドロキシプロピル)ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン、40−O−テトラゾリルラパマイシン、又は40−エピ−(N1−テトラゾリル)−ラパマイシン、これらのプロドラッグ、これらのコドラック、及びこれらの組み合わせが含まれる。
現時点において、DESにおける使用のための好ましい抗増殖薬は、mTOR阻害薬であり、限定されないが、エベロリムス、ゾタロリムス、シロリムス、バイオリムス、マイオリムス、ノボリムス、テムシロリムス、デフォロリムス、及びこれらの組み合わせを含み、エベロリムスが特に好ましい。エベロリムスは、ラパマイシンの半合成誘導体であり、ストレプトマイセスヒグロスコピカス(Streptomyces hydroscopicus)から天然に単離された産生物で、ラパマイシンの42位のヒドロキシ基を2−ヒドロキシエトキシ部分で置換することによって調製される。エベロリムスは、ステントの薬物貯蔵層からの化合物の送達に関して有利な特性である、かなりの疎水性がある。即ち、化合物の疎水性によって、疎水性ポリマーからの遅く維持された放出が可能となり、その結果、ステントの薬物貯蔵層からの溶出する治療薬濃度の維持が容易となる。非常に低い水溶性は、組織内の長期の滞留時間ももたらす。さらに、その脂肪親和性の特徴は、標的組織の新生内膜増殖を阻害するための細胞膜の通過に好都合である。
一般的に再狭窄の予防に非常に効果的である一方、エベロリムスは、他の点では健康である、患者における血管疾患の治療のための治療薬としての価値を臨床的に有意な程度にまで損なうことはないものの、糖尿病患者の全般的な幸福にとってかなり有害となり得る特性を有する。即ち、エベロリムス(並びに、それについてさらに言えば、実質的にシロリムス(ラパマイシン)のすべての誘導体及びシロリムスそれ自体もまた)は、患者におけるPAI−1を上昇させ、凝固/血栓症のリスクの上昇、eNOSの低下をもたらす可能性があり、結果的に平滑筋細胞増殖の増加及びSIRT1の増加をもたらし得、内皮細胞老化につながる可能性がある。これらの特性は、非糖尿病患者であっても必ずしも取るに足らないものではないものの、エベロリムスの有益な特性は、非糖尿病患者における潜在的な負の側面を見劣りさせる。一方で、糖尿病患者については、これらの負の副作用は、MACEを引き起こさないにしても、少なくとも助長し得ることが想定されている。したがって、本発明の実施形態では、薬物シロスタゾールは、糖尿病患者における上記のmTOR阻害薬の代替とされるか、又は、少なくとも一部分となる。
シロスタゾールは、(1)血小板を直接阻害する;(2)糖尿病がその強力な予測因子である、再狭窄を抑制する;(3)血管拡張を促進し、血栓症及び平滑筋細胞増殖を抑制するeNOSを上昇させる、並びに(4)ラパマイシンmTOR阻害薬によって誘発される内皮細胞老化を逆行させる効果を有し得るSIRT1を活性化させることが知られていることから、DES植込みを受ける糖尿病患者に有用であると考えられている。
本発明のmTOR阻害薬とシロスタゾールとの組み合わせにおいて使用され得る好適な抗炎症薬は、限定されないが、シロスタゾール、クロベタゾール、アルクロフェナク、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、アルゲストンアセトニド、α−アミラーゼ、アムシナファル、アムシナフィド、アンフェナクナトリウム、塩酸アミプリロース、アナキンラ、アニロラク、アニトラザフェン、アパゾン、バルサラジド二ナトリウム、ベンダザック、ベノキサプロフェン、塩酸ベンジダミン、ブロメライン、ブロペラモール、ブデソニド、カルプロフェン、シクロプロフェン、シンタゾン、クリプロフェン、プロピオン酸クロベタゾール、酪酸クロベタゾン、クロピラク、プロピオン酸クロチカゾン、酢酸コルメタゾン、コルトドキソン、デフラザコルト、デソニド、デソキシメタゾン、ジプロピオン酸デキサメタゾン、ジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクナトリウム、二酢酸ジフロラゾン、ジフルミドンナトリウム、ジフルニサル、ジフルプレドナート、ジフタロン、ジメチルスルホキシド、ドロシノニド、エンドリゾン、エンリモマブ、エノリカムナトリウム、エピリゾール、エトドラク、エトフェナメート、フェルビナク、フェナモール、フェンブフェン、フェンクロフェナク、フェンクロラク、フェンドサル、フェンピパロン、フェンチアザク、フラザロン、フルアザコート、フルフェナム酸、フルミゾール、酢酸フルニソリド、フルニキシン、フルニキシンメグルミン、フルオコルチンブチル、酢酸フルオロメトロン、フルキアゾン、フルルビプロフェン、フルレトフェン、プロピオン酸フルチカゾン、フラプロフェン、フロブフェン、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、酢酸ハロプレドン、イブフェナク、イブプロフェン、イブプロフェンアルミニウム、イブプロフェンピコノール、イロニダプ、インドメタシン、インドメタシンナトリウム、インドプロフェン、インドキソール、イントラゾール、酢酸イソフルプレドン、イソキセパク、イソキシカム、ケトプロフェン、塩酸ロフェミゾール、ロモキシカム、エタボン酸ロテプレドノール、メクロフェナム酸ナトリウム、メクロフェナム酸、二酪酸メクロリゾン、メフェナム酸、メサラミン、メセクラゾン、スレプタン酸メチルプレドニゾロン、モミフルメート、ナブメトン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、ナプロキソール、ニマゾン、オルサラジンナトリウム、オルゴテイン、オルパノキシン、オキサプロジン、オキシフェンブタゾン、塩酸パラニリン、ペントサンポリ硫酸ナトリウム、グリセリン酸フェンブタゾンナトリウム、パーフェニドン、ピロキシカム、桂皮酸ピロキシカム、ピロキシカムオラミン、ピルプロフェン、プレドナゼート、プリフェロン、プロドール酸、プロカゾン、プロキサゾール、クエン酸プロキサゾール、リメキソロン、ロマザリット、サルコレックス、サルナセジン、サルサレート、塩化サンギナリウム、セクラゾン、セルメタシン、スドキシカム、スリンダク、スプロフェン、タルメタシン、タルニフルメート、タロサレート、テブフェロン、テニダップ、テニダップナトリウム、テノキシカム、テシカム、テシミド、テトリダミン、チオピナク、ピバル酸チキソコルトール、トルメチン、トルメチンナトリウム、トリクロニド、トリフルミデート、ジドメタシン、ゾメピラクナトリウム、アスピリン(アセチルサリチル酸)、サリチル酸、コルチコステロイド、グルココルチコイド、タクロリムス、ピメクロリムス、並びに、これらのプロドラッグ、これらのコドラック、及びこれらの組み合わせを含む。
現時点において、本発明における使用のために好ましい抗炎症薬は、デキサメタゾン及びクロベタゾールである。限定されないが、酢酸デキサメタゾン、デキサメタゾンラウラート、デキサメタゾン−tert−ブチルアセテート、デキサメタゾンテトラヒドロフタラート、及びイソニコチン酸デキサメタゾンなどのデキサメタゾンの誘導体も使用できよう。
DVD抗体を使用するステント植込みの部位に局在化され得る治療薬の他の群は、一酸化窒素NOの供与体化合物であろう。NOの慢性的な発現は1型糖尿病と関連性がある一方、糖尿病患者の内皮細胞、厳密には、内皮細胞の遊走及び増殖を促進し、それによってステント留置された治療部位の治癒を助ける必要がある部位に並びに必要がある場合に、NOが産生されない傾向がある。NO供与体は、限定されないが、ニトログリセリン、S−ニトロソチオール類、NONOatesとしても知られているジアゼニウムジオレート、フロキサン、ニトロアスピリンを含む。
「血栓症」とは、血管又は心室内に生じた凝血塊(血栓)の形成又は存在を指す。破断し、身体の別の部分に移動する凝血塊を塞栓と呼ぶ。凝血塊が心臓に血液を送る血管を塞ぐ場合、心臓発作を引き起こす。凝血塊が脳に血液を送る血管を塞ぐ場合には、脳卒中を引き起こす。血栓症の前兆は、凝固であり、これは、組織因子などのタンパク質への血管中の血液の露出によって開始するカスケードプロセスを指し、血小板、及び血漿タンパク質、フィブロゲン(fibrogen)における変化を引き起こす。これらの変化に反応して、凝固若しくは凝固因子と呼ばれる血漿中のタンパク質は、複雑なカスケードにおいて協働して、損傷した組織を覆って保護し、さらなる失血を防ぐ働きをするフィブリン鎖を形成する。これは、当然のことながら、健康な個人においては、通常起こることが想定されているが、手術を受けた者、高齢の患者及び糖尿病患者など、障害のある個人においては、異常となる場合がある。このような場合において、凝固は、最終的に凝血塊の異常形成として定義される血栓症という結果となり得る。血栓症は、次いで、塞栓と呼ばれる、凝血塊の放出という結果をもたらし得る。塞栓は次いで血液循環への併存的干渉、及び、それに続く塞栓の下流の各器官の機能障害を伴いながら身体の他の部分へ移動し得る。MACEは、凝固/血栓症から容易にもたらされ、それゆえ、本発明の実施形態によって、MACEは優先的に避けられるか、又は低く見積もっても大幅に改善される。ステント植込みの部位で捕捉され得る天然の内因性物質は、限定されないが、線維素溶解剤(組織プラスミノゲン活性化因子(tPA)、ウロキナーゼ、プラスミン及びプラスミノゲン。加えて、全身投与され、ステント植込みの部位において同様に捕捉され得る薬物には、やはり限定されないが、ヘパリン、ワルファリン及びクマジンなどの抗凝固薬、並びに、ヒルジン、ビバリルジン及びアルガトロバンなどであるがそれらに限らないトロンビン阻害剤が挙げられる)を含む。
DESの最外表面上にDVD抗体を含むことに関して、最外表面は、薬物貯蔵層、薬物放出速度制御層、又は単に保護層を備え得る。前記の各層を備えるDESの製作は、当技術分野において非常に周知されており、本明細書において詳細に説明されることを要しない。しかしながら、簡潔に言うと、DESは一般的に、以下の層から構成されることが留意される:(1)デバイス本体を製造する材料に対する良好な接着性並びにデバイス本体にコーティングするあらゆる材料に対する良好な接着性を有するポリマー又はポリマーのブレンドからなる、任意選択である下塗層。したがって、下塗層は、デバイス本体とそのデバイス本体に設けられる材料との間の中間層として機能するため、デバイス本体に直接設けられる。下塗剤の例は、限定されないが、アクリル酸塩、及び現時点において好ましい下塗剤である、ポリ(n−ブチルメタクリレート)(PBMA)を含むメタクリル酸ポリマー;(2)希釈されずに塗布した、又は、3次元構造内に1つ若しくは複数の治療薬を分散させたポリマー若しくはポリマーのブレンドの層として塗布した1つ又は複数の治療薬のいずれかを指す「薬物貯蔵層」。ポリマーの薬物貯蔵層は、1つの機構又は別の機構によって、例えば、限定されないが、溶出によって又はポリマーが生分解した結果、治療物質が前記層から周囲環境に放出されるように設計される。薬物貯蔵層は、DESの最外層を構成することもある。並びに、(3)任意選択で、環境への治療薬又は薬物の放出を制御するポリマー層を指す、別個の速度制御層。他の層及び多数の層もまた、DES上に含み得る。上述したように、DESのこれらの態様は当技術分野において周知であり、本発明の方法は、DESのあらゆる様式を包含する。

Claims (27)

  1. 血管疾患を治療するためのステント植込みに引き続いて起こる、糖尿病患者における主要有害心血管イベント(MACE)の発症を低減する治療薬としての使用のための二重可変領域(DVD)抗体であって、
    ステント植込みの領域に特異的な存在物を認識し、これに結合する第1の可変領域;及び
    天然の有益薬若しくは治療薬を捕捉する第2の可変領域、又は
    当該DVD抗体がアビジン若しくはストレプトアビジンを含むステントの最外表面と出会った際、当該DVD抗体が前記ステントの最外表面に結合し;及び
    第1及び第2の可変領域が別個に天然の有益薬若しくは治療薬を捕捉し、又は、一方の可変領域が天然の有益薬を捕捉し、他方の可変領域が治療薬を捕捉するように、
    当該DVD抗体の各可変領域のいずれの結合機能にも支障を及ぼさない1つ若しくは複数のビオチン分子
    を含むDVD抗体。
  2. 植込み前にストレプトアビジン/ビオチン又はアビジン/ビオチン相互作用によってステントに結合される、請求項1に記載のDVD抗体。
  3. 前記使用が、治療部位へのDVD抗体の局所送達を含む、請求項1に記載のDVD抗体。
  4. 前記使用が、治療部位へのDVD抗体の全身送達を含む、請求項1に記載のDVD抗体。
  5. 当該DVD抗体の第1の可変領域が、露出された基底膜タンパク質を含む部位を認識する、請求項1に記載のDVD抗体。
  6. 当該DVD抗体の第1の可変領域が、凝固/血栓症の部位を含む部位を認識する、請求項1に記載のDVD抗体。
  7. 当該DVD抗体の第2の可変領域によって認識され、結合される前記有益薬が、内皮前駆細胞を含む、請求項1に記載のDVD抗体。
  8. 前記治療薬がシロスタゾールである、請求項1に記載のDVD抗体。
  9. 前記治療薬が一酸化窒素供与体である、請求項1に記載のDVD抗体。
  10. 前記血管疾患が心血管疾患である、請求項1に記載のDVD抗体。
  11. 前記血管疾患が末梢動脈疾患(PAD)である、請求項1に記載のDVD抗体。
  12. ビオチン:アビジン又はビオチン:ストレプトアビジン結合によって二重可変領域(DVD)抗体が付着した、植込み型医療デバイス。
  13. ステントを含む、請求項12に記載の植込み型医療デバイス。
  14. 前記DVD抗体が植込み前に当該植込み型医療デバイスに結合される、請求項12に記載の植込み型医療デバイス。
  15. 前記DVD抗体が、
    ステント植込みの領域に特異的な存在物を認識し、これに結合する第1の可変領域;及び
    天然の有益薬若しくは治療薬を捕捉する第2の可変領域、又は
    当該DVD抗体がアビジン若しくはストレプトアビジンを含むステントの最外表面と出会った際、当該DVD抗体が前記ステントの最外表面に結合し;及び
    第1及び第2の可変領域が別個に天然の有益薬若しくは治療薬を捕捉し、又は、一方の可変領域が天然の有益薬を捕捉し、他方の可変領域が治療薬を捕捉するように、
    当該DVD抗体の各可変領域のいずれの結合機能にも支障を及ぼさない1つ若しくは複数のビオチン分子
    を含む、請求項12に記載の植込み型医療デバイス。
  16. 前記DVD抗体の第1の可変領域が、露出された基底膜タンパク質を含む部位を認識する、請求項15に記載の植込み型医療デバイス。
  17. 前記DVD抗体の第1の可変領域が、凝固/血栓症の部位を含む部位を認識する、請求項15に記載の植込み型医療デバイス。
  18. 前記DVD抗体の第2の可変領域によって認識され、結合される前記有益薬が、内皮前駆細胞を含む、請求項15に記載の植込み型医療デバイス。
  19. 前記治療薬がシロスタゾールである、請求項15に記載の植込み型医療デバイス。
  20. 前記治療薬が一酸化窒素供与体である、請求項15に記載の植込み型医療デバイス。
  21. 二重可変領域(DVD)抗体であって、
    ステント植込みの領域に特異的な存在物を認識し、これに結合する第1の可変領域;及び
    天然の有益薬若しくは治療薬を捕捉する第2の可変領域、又は
    当該DVD抗体がアビジン若しくはストレプトアビジンを含むステントの最外表面に出会った際、当該DVD抗体が前記ステントの最外表面に結合し;及び
    第1及び第2の可変領域が別個に天然の有益薬若しくは治療薬を捕捉し、又は、一方の可変領域が天然の有益薬を捕捉し、他方の可変領域が治療薬を捕捉するように、
    当該DVD抗体の各可変領域のいずれの結合機能にも支障を及ぼさない1つ若しくは複数のビオチン分子
    を含む二重可変領域(DVD)抗体。
  22. 植込み前にストレプトアビジン/ビオチン又はアビジン/ビオチン相互作用によってステントに結合される、請求項21に記載のDVD抗体。
  23. 当該DVD抗体の第1の可変領域が、露出された基底膜タンパク質を含む部位を認識する、請求項21に記載のDVD抗体。
  24. 当該DVD抗体の第1の可変領域が、凝固/血栓症の部位を含む部位を認識する、請求項21に記載のDVD抗体。
  25. 当該DVD抗体の第2の可変領域によって認識され、結合される前記有益薬が、内皮前駆細胞を含む、請求項21に記載のDVD抗体。
  26. 前記治療薬がシロスタゾールである、請求項21に記載のDVD抗体。
  27. 前記治療薬が一酸化窒素供与体である、請求項21に記載のDVD抗体。
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