JP2015533346A - サブマージアーク溶接工程を開始する方法及び溶接装置 - Google Patents

サブマージアーク溶接工程を開始する方法及び溶接装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、アーク点火時期IPと、アーク安定化時期APと、安定したアーク時期SPと、を含む方法に関する。前記アーク安定化時期APは、少なくとも一つのホットワイヤー4、12を被加工物側に一定の送給速度で送給する段階を含む初期下位時期ISと、前記ホットワイヤーを一定の送給速度で送給する段階と、少なくとも一つのコールドワイヤー22を一定の送給速度で送給する段階と、を含むメイン下位時期MSと、を含む。安定したアーク時期は、ホットワイヤー送給速度を連続して調整する段階と、コールドワイヤー送給速度を連続して調整する段階と、を含む。本発明はまた、前記方法を実行する溶接装置1に関する。前記溶接装置は、ホットワイヤー送給手段150と、接触手段2と、コールドワイヤー送給手段35と、制御ユニット31と、を含む。前記制御ユニットは、前記ホットワイヤー送給手段を制御するに際し、ホットワイヤーが前記初期下位時期の間に一定の送給速度で送給されることができるように、ホットワイヤーがメイン下位時期の間に一定の送給速度で送給されることができるように、且つ、安定したアーク時期の間にホットワイヤーの送給速度が連続して調整されることができるように、前記ホットワイヤー送給手段を制御することができるように構成される。前記制御ユニットは、前記コールドワイヤー送給手段を制御するに際し、コールドワイヤーがメイン下位時期の間に一定の送給速度で送給されることができるように、且つ、安定したアーク時期の間にコールドワイヤーの送給速度が少なくとも連続して調整されることができるように、前記コールドワイヤー送給手段を制御することができるように構成される。【選択図】図7a

Description

本発明は、サブマージアーク溶接工程を開始する方法に関する。この方法は、アーク点火時期(arc ignition phase)と、アーク安定化時期(arc‐stabilizing phase)と、安定したアーク時期(stable arc phase)と、を含む。
本発明はまた、本発明に係る方法を実行するための溶接装置に関する。本発明の溶接装置は、少なくとも一つのホットワイヤー(hot wire)を被加工物(workpiece)側に送給するホットワイヤー送給手段と、アーク発生のために前記ホットワイヤーに電流を伝送する接触手段と、少なくとも一つのコールドワイヤー(cold wire)を被加工物側に送給するコールドワイヤー送給手段と、アーク点火時期、アーク安定化時期、及び安定したアーク時期の間に前記ホットワイヤー送給手段とコールドワイヤー送給手段を制御するように構成された制御ユニットと、を含む。
溶接電流を被加工物を介して通電させるために消耗電極を使用することが公知となっている。溶接電流は、消耗電極と被加工物にアークを形成して、被加工物に溶接プールを生成する。このようなタイプの消耗電極を、本明細書の全体にわたり、ホットワイヤーと称する。
サブマージアーク溶接(SAW:submerged arc welding)は、高い生産性と品質を特徴とする溶接方法であり、厚い材料での長い溶接シームのために時々使用される。サブマージアーク溶接は、溶融された素材とアークが、微粉フラックス(pulverized flux)層の下で保護されることを特徴とする。フラックスは、溶接工程中に部分的に溶融されて、溶接プールにスラグ保護層を生成する。
サブマージアーク溶接によりできるだけ最高の生産性を達成するために、溶接速度を増加させ、溶接金属が被加工物の表面に溶着される速度である溶着率(deposition rate)を最高にすることを可能にするために努力している。これと同時に、入熱は、溶接された母材の機械的特性を維持する水準に維持される必要があり、溶接は、特定の水準の機械的特性を有する必要がある。
溶着速度を増加させる一つの方法としては、複数のホットワイヤーを使用して一つの溶接パッドル(puddle)を製造することが挙げられる。一般的に、2〜3個のホットワイヤーを使用するが、ホットワイヤーを6個まで使用することが知られている。一つの溶接パッドルに1超過のホットワイヤーを使用することで溶着速度が増加し、これに伴い溶接経済性が向上する。また、先頭(leading)ホットワイヤーと後尾(trailing)ホットワイヤーをそれぞれ異なる作業に割り当てられる可能性により溶接品質の向上を図ることもできる。
溶着速度を向上させる他の方法としては、アークが形成されることなく溶融される一つ以上の電極を追加することが挙げられる。この電極は、本明細書の全体にわたりコールドワイヤーと称する。コールドワイヤーは、一つ以上のホットワイヤーに近接して、溶融溶接プール側に送給される。コールドワイヤーは、抵抗加熱によって溶融され、それだけでなく、ホットワイヤーにより生成された熱によっても溶融される。
溶接パッドルにコールドワイヤー素材を導入することは、溶接合金組成の向上した制御を図るようにし、これは、溶接の向上につながることができる。コールドワイヤーを、ホットワイヤーによって生成されたアークの付近に、好ましくは、そのアークの中に(より好ましくは、複数のホットワイヤーによって生成されたアークの付近又は中に)導入することが好ましい。コールドワイヤーは、入熱を増加させず、且つ溶着速度を増加させる。溶接パッドルにコールドワイヤー素材を送給することにより、溶接パラメータが最適化し、且つ最大100%の生産性の増加を図ることができる。
溶接工程を開始するときには、安定したアークをできるだけ迅速に生成することが好ましい。溶接工程を開始するときに不安定なアークが存在すると、溶接される対象物に対して、介在物、スプラッタ、及び不良な機械的特性などの溶接欠陥を起こす可能性がある。また、不安定なアークが存在すると、溶融速度の減少につながる可能性もあり、結果、ホットワイヤーが溶接パッドルの底部を打つ可能性がある。
ありうる結果としては、ホットワイヤーの曲げ及び溶接ヘッドの変位が挙げられる。不安定な溶接開始はまた、アークがフラックスカバーの外にはみ出すようにし、これは、溶接する者の目を損傷する可能性がある。
コールドワイヤーは、溶接工程の不安定性を増加させる傾向があるため、溶接工程にコールドワイヤーが使用されるときに不安定なアークは普遍的な問題である。コールドワイヤーの不十分な溶融は、コールドワイヤーが溶融プールを介して母材を打つ原因となりうる。これは、溶接欠陥及び未溶融コールドワイヤー素材の溶接金属内に介在物を発生させるだけでなく、コールドワイヤーの座屈及び溶接装備の揺れをもたらしうる。
安定したアークの遅延した確立は、複数のホットワイヤーが係わって多くのアークが同時にストライク(strike)する溶接工程において特に普遍的な問題点である。これは、二つのホットワイヤーが一つの共通の電源に連結されたツイン設備において特にそうである。さらに、二つのホットワイヤーの間にコールドワイヤーが介在されると、ホットワイヤー間の距離が増加し、これは、ホットワイヤーが安定したアークを生成することをより困難にする。
米国特許出願公開US2006/0016792A号は、安定したアーク生成の問題点を解消している。溶接ワイヤーは、走行速度で溶接領域に伝達される。初期アークが検出された後、ワイヤー送給速度(feed speed)は、予め定められた時間の長さ(例えば、約50ms)の間に最小値まで調節される。以降、ワイヤー送給速度は、溶接のために比較的安定した送給速度に設定される。
前記米国特許出願公開US2006/0016792A1号で提案した解決策は、複雑で、コールドワイヤーによる不安定化効果の問題を解決することができず、SAWに関するものではない。
本発明の第1目的は、一つ以上のコールドワイヤーを含むサブマージアーク溶接を開始する方法として、すでに溶接工程を開始する際に高い溶接品質を保証できる方法を提供することである。
本発明の第2目的は、前記方法を実行するための溶接装置を提供することである。
他の時期(another phase)に先行する時期(phase)は、前記他の時期のすぐ前である必要はない。この時期の間にさらに他の時期(other phases)が実行されてもよい。他の時期に後続するか、それに続く時期も前記他の時期にすぐ続く必要はない。この時期の間にさらに他の時期が実行されてもよい。一つの時期は、任意の個数の下位時期(sub‐phase)を含むことができる。
本明細書全体にわたり、溶接パラメータが言及される。溶接パラメータとは、溶接工程に直接的な影響を及ぼすパラメータである。溶接パラメータの例としては、溶接電流、アーク電圧、溶接速度、ホットワイヤー送給速度及びコールドワイヤー送給速度が挙げられる。
互いに関連しているか従属的な溶接パラメータは、他のパラメータに直接又は間接的に影響を及ぼす溶接パラメータである。他の溶接パラメータに依存して決定された溶接パラメータは、前記他の溶接パラメータの測定値、あるいは前記他の溶接パラメータに関連する溶接パラメータの測定値から決定されることができる。
活性溶接パラメータは、溶接の間に溶接条件の変化に応じて手動又は自動に調整される溶接パラメータである。活性溶接パラメータは、一つ以上の非活性溶接パラメータを本質的に一定の水準に維持するために、他の活性溶接パラメータの調整により直接又は間接的に調整されることができる。
溶接条件は、溶接工程に影響を及ぼす要素である。溶接条件の例としては、被加工物の形状及び材料特性が挙げられる。
本発明の前記第1目的は、独立請求項1に記載の方法により達成される。
本発明に係るサブマージアーク溶接工程を開始する方法は、次に挙げる順に、アークを生成する段階を含むアーク点火時期と、アーク安定化時期と、後続する安定したアーク時期と、を含む。アーク安定化時期は、少なくとも一つの初期下位時期と、少なくとも一つのメイン下位時期と、を含む。前記初期下位時期は、少なくとも一つのホットワイヤーを被加工物側に一定の送給速度で送給する段階を含む。メイン下位時期は、少なくとも一つのホットワイヤーを被加工物側に一定の送給速度で送給する段階と、少なくとも一つのコールドワイヤーを被加工物側に一定の送給速度で送給する段階と、を含む。安定したアーク時期は、ホットワイヤーを介して伝達される溶接電流に少なくとも依存してホットワイヤー送給速度を連続して調整する段階と、安定したアーク時期での少なくとも一つのホットワイヤー送給速度に依存してコールドワイヤーの送給速度を連続して調整する段階と、を含む。
アークは、アーク点火時期の間に点火される。アークが検出されると点火時期が終了し、アーク安定化時期が開始される。アークは、アーク安定化時期の間に安定化する。アーク安定化時期は、予め定められた長さを有するか、あるいは安定したアークが検出されたときに自動で終了することができる。アーク安定化時期はまた、溶接装置の使用者が安定したアークを検出したとき、あるいは溶接装置が使用者に安定したアークが検出されたことを知らせたときに、手動で終了することもできる。アーク安定化時期の終了は、安定したアーク時期の開始を示す。このようにして安定したアークがホットワイヤーと被加工物との間に存在することになり、溶接が最適の結果を維持して実行されることができる。
溶接開始は、アーク点火時期(アーク安定化時期に先行するアーク点火時期と一致)と、溶接時期(welding phase)とに分けられてもよく、一部の実施例では、一つ以上の操業開始時期(start‐up phase)によって分離されてもよい。被加工物上での溶接は、溶接時期の間に主に行われる。溶接時期が点火時期直後に続く実施例では、アーク安定化時期と溶接時期が同時に開始される。すなわち、安定したアークが生成される前でもほぼ溶接工程の最初から溶接が行われる。点火時期と溶接時期が一つ以上の操業開始時期によって分離された実施例において、アーク安定化時期は、最初操業開始時期と同時に開始される。
操業開始時期は、溶接時期が開始されるとき(操業開始時期の間に溶接は走行する板/走行しない板上で行われることができる)に、安定したアークが存在する可能性を高めるために含まれる。これら実施例において、アーク安定化時期は、溶接時期が開始される前に、溶接時期が開始されると同時に、又は溶接時期が開始された後に終了することができる。アーク安定化時期の各下位時期は、最終下位時期は例外可能性があり、対応する操業開始時期と同時に開始され、終了する。アーク安定化時期は、操業開始時期の結合した長さと同じ長さを有することができ、この場合、下位時期の数は操業開始時期の数と一致する。しかし、アーク安定化時期はまた、後続する溶接時期まで延長されることもでき、この場合、最終操業開始時期の終了と溶接時期の開始との間の時間の長さにわたる追加の最終下位時期が存在しうる。最終メイン下位時期を溶接時期の開始までと延長することも可能である。アーク安定化時期はまた、最終操業開始時期の終了前に終了することができ、この場合、最終メイン下位時期は、最終操業開始時期が終了する前に終了する。
安定したアーク時期の間に行われる溶接工程は、一定の電流量(CA:constant amperage)の溶接工程である。CA溶接工程は、ホットワイヤーを介して伝送された溶接電流の電流量水準が、ホットワイヤー送給速度の調整により与えられた水準に維持され、アーク電圧の水準が一定に維持される工程である。電流量水準は、ホットワイヤーと被加工物との距離に関連する。ホットワイヤー送給速度の増加は、溶接電流の増加をもたらし、ホットワイヤー送給速度の減少は、溶接電流の減少をもたらす。被加工物の表面不規則性によって生じる突出(stick out)変動性、溶接工程又は接合部形態の変動性のような撹乱要素は、時にはホットワイヤーの端部と被加工物との距離を変化させ、結果、電流量水準が変化する。しかし、電流量水準は、ホットワイヤー送給速度の自動調整により設定された水準に維持すること、すなわち、電流量水準の変化に応じて以前の値に復元させることが可能である。CA溶接工程は、様々な利点を有する。例えば、与えられた電流量水準の維持は、入熱と浸透が溶接工程全体にわたり本質的に一定に維持されることを保証する。
自己調節式CA溶接工程は、アーク安定化時期の間の使用には適しないことが明らかになった。急激な電流変化は、アーク安定化時期において普遍的であり、前記電流変化に応じて自動的に実行されるホットワイヤー送給速度の対応する調整は比較的遅く、アーク安定化工程に否定的な影響を及ぼしうる。
この問題に対する解決策は、少なくとも一つの初期下位時期とアーク安定化時期の間の一つのメイン下位時期の間に、ホットワイヤーを一定の送給速度CWで送給し、アーク安定化時期の間の一つのメイン下位時期の間にコールドワイヤーを一定の送給速度CWで送給することである。すなわち、アーク安定化時期の間に自己調節式CA溶接工程は非活性化する。この解決策は、アーク安定化工程に否定的な影響を及ぼす自己調節式CA工程における上述の問題を解決する。CW溶接工程は、安定したアークの迅速な発生を保証する。アーク安定化工程が安定したアーク時期に入るときには、自己調節式CA溶接工程が活性化する。この解決策は、自己調節式ワイヤー送給速度制御が、アーク安定化時期の間に停止するCA溶接装置に対して適合性(互換性)を有する。
上述のように、ホットワイヤーの付近に存在する一つ以上のコールドワイヤーは、ホットワイヤーと被加工物との間に安定したアークを発生させることをより困難にする。
この問題に対する一つの解決策は、アーク安定化時期の間の少なくとも一つの下位時期の間にコールドワイヤーを一定の送給CW速度で送給することである。一定のコールドワイヤー送給速度は、アーク安定化工程に否定的な影響をあまり及ぼさない。
上述の解決策と互換性のある他の解決策は、アーク安定化時期を少なくとも開始される間にはコールドワイヤーの否定的な影響が最小化するか除去されることを保証することである。これは、コールドワイヤーが、アーク安定化時期の間の少なくとも一つの初期下位時期の間には溶接パッドルに到逹しないようにするか、あるいはコールドワイヤーがアーク安定化工程に(相当)否定的な影響を及ぼしうる送給速度では少なくとも溶接パッドルに到逹しないように保証することで達成される。好ましくは、前記初期下位時期の間に、被加工物に向かう方向でのコールドワイヤー送給速度は、9cm/minと同一又はそれより低い速度に維持することが好ましい。より好ましくは、前記初期下位時期の間に、前記コールドワイヤーを停止状態(前方に送給されない状態)に維持することが好ましい。
したがって、本発明に係る方法は、安定したアークの迅速な発生を保証し、結果、溶接工程を開始するときから優れた溶接品質が保証され、また、溶接装置が一つ以上のコールドワイヤーを被加工物側に送給するように配置されるときにも優れた溶接品質が保証される。
有利には、コールドワイヤーが現在の溶融速度に適する送給速度を取ることを保証するために、コールドワイヤーの送給速度は、少なくとも一つの対応するホットワイヤー送給速度に依存して決定される。すなわち、下位時期の間のコールドワイヤー送給速度は、前記下位時期の間の少なくとも一つのホットワイヤー送給速度に依存して決定される。適したコールドワイヤー送給速度を決定するために追加の溶接パラメータが使用されることができる。
ホットワイヤーの送給速度とコールドワイヤーの送給速度は、下位時期全体にわたり一定に維持される限り、下位時期ごとに変化させることができる。
「安定したアーク時期溶接電流」は、繰り返し用語である。安定したアーク時期溶接電流は、溶接時期と一致する安定したアーク時期の一部の間に維持される溶接電流と定義される。安定したアーク時期の一部が全体の安定したアーク時期を構成することができる。
他の繰り返し用語は、「安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度」である。前記「安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度」、又は「予想される安定したアーク時期ホットワイヤー送給速度」は、安定したアーク時期溶接電流に対応するホットワイヤー送給速度であり、すなわち、安定したアーク時期溶接電流を予め定められた溶接条件のセット下で設定された水準に維持するために必要な送給速度と定義される。実際のホットワイヤー送給速度は、安定したアーク時期の間に変化することがあり、一方、予想される安定したアーク時期ホットワイヤー送給速度は、アーク安定化時期に適するワイヤー送給速度を決定するためにのみ使用される予め定められた値という点を注意すべきである。
一部の実施例において、溶接時期をできるだけ迅速に開始することが好ましく、最も好ましくは、アーク点火時期の直後にアーク安定化時期と同時に開始することが好ましい。この実施例において、有利には、ホットワイヤーの送給速度は、アーク安定化時期全体にわたり一定に維持され、より有利には、安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度の80%〜95%範囲の水準に維持することが好ましい。この解決策は、アーク安定化時期の間に生成された溶接が高品質に維持され、アーク安定化時期から安定したアーク時期への転換ができるだけ迅速且つスムーズに(アーク安定化時期終了時のホットワイヤー送給速度の大きい増加又は減少は、アークを不安定にする)実行されることを保証する。
他の実施例において、点火時期と溶接時期との間において、一つ以上、一般的には、二つの操業開始時期を実行することで溶接時期の開始を遅延させることが有利でありうる。操業開始時期は、溶接時期が開始されるときに安定したアークが存在するようにするために導入される。それぞれの操業開始時期は、最終下位時期においては例外可能性があるが、対応する操業開始時期と同時に開始され、終了する。
ホットワイヤーの送給速度は、少なくとも二つの異なる下位時期の間で変わりうる。例えば、ホットワイヤー送給速度は、アーク安定化工程が新たな下位時期に入る度に増加することができる。これは、安定したアークを低いホットワイヤー送給速度で確立することが、一般的に、より容易であるという点で有利であり、また、アーク安定化時期から安定したアーク時期へのスムーズな転換を保証するためには、最終時期の間に、安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度に近接したホットワイヤー急速速度を適用することが好ましいという点でも有利である。しかし、安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度が低くすぎて、安定したアークの生成に適しない実施例もある。このような実施例では、有利には、アーク安定化時期の間にホットワイヤー送給速度が、安定したアーク発生に適する初期下位時期の間の高い初期送給速度から最終下位時期の間の低い送給速度まで徐々に減少することが好ましい。
勿論、ホットワイヤー送給速度は、アーク安定化時期の間に徐々に増加又は減少させる必要がない。ホットワイヤーは、二つ以上の下位時期の間に同一の一定の送給速度で、追加の下位時期の間に相違する一定の送給速度で正方向に送給されることもできる。
有利には、コールドワイヤー送給速度は、アーク安定化工程で安定したアークが迅速に発生することを容易にするためには、初期操業開始時期の間に対応するホットワイヤー送給速度よりはるかに低いことが好ましい。より有利には、コールドワイヤーは、初期操業開始時期の間に停止状態に維持されることが好ましい。次に、コールドワイヤー送給速度は、少なくとも一つのホットワイヤーの送給速度には少なくとも依存して決定されることができる。すなわち、ホットワイヤー送給速度が増加するときにはコールドワイヤー送給速度が増加し、ホットワイヤー送給速度が減少するときにはコールドワイヤー送給速度が減少するように決定されることができる。
アーク安定化時期は、任意の個数の初期及びメイン下位時期を含むことができるという点を注意すべきである。
アーク安定化時期の間にホットワイヤーに適する送給速度の値は、様々な方式で決定されることができる。一実施例において、使用者は、操業開始時期なしに安定したアーク時期の間に維持されべき溶接電流を入力する。この溶接電流は、安定したアーク時期溶接電流を指す。制御ユニットは、この情報と、可能な他の与えられた溶接パラメータ(例えば、アーク電圧及びワイヤー走行速度)と、予め定められた値のテーブルを利用して、アーク安定化時期の間に適用されるホットワイヤー送給速度を決定する。ホットワイヤー送給速度は、有利には、安定したアーク時期溶接電流に対応する、安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度の80%〜95%範囲に存在することが好ましい。
他の実施例は、アーク安定化時期の下位時期にそれぞれ対応する多数の下位時期を含むことができる。ここで、使用者は、前記操業開始時期に適するホットワイヤー送給速度が決定されるように、特定の操業開始時期に関連する一つ以上の溶接パラメータ値だけでなく、安定したアーク時期の間に維持される安定したアーク時期溶接電流水準と、可能な他の溶接パラメータ値と、予め定められた値のテーブルを入力することができる。それぞれの操業開始時期が下位時期に対応することから、操業開始時期に適するホットワイヤー送給速度は、対応する下位時期に適するホットワイヤー送給速度でもありうる。適した溶接パラメータの例としては、溶接電流、アーク電圧、また、ホットワイヤー及びコールドワイヤーの走行速度が挙げられる(注意すべき点は、ほとんどのCA溶接装置は、使用者がホットワイヤー送給速度を入力することを許容しない点である)。
アーク安定化時期は、一部の実施例では、最終操業開始時期が終了した後に終了することができる。最終操業開始時期の終了から最終下位時期とも称する溶接アーク時期の開始までの期間の間、適したホットワイヤー送給速度は、操業開始時期のない実施例を基準として上述のように決定される。
アーク安定化時期は、最終もまた操業開始時期の終了前に終了することもできる。アーク安定化時期の終了から最終下位時期の終了までの期間の間、適したホットワイヤー送給速度は、使用者によって入力された安定したアーク時期溶接電流、予め定められた値のテーブル、最終操業開始時期に特定された溶接パラメータ、及び可能な他の溶接パラメータ値を利用する制御ユニットによって決定されることができる。
当該技術分野における通常の知識を有する者は、アーク安定化時期に適するホットワイヤー送給速度及びコールドワイヤー送給速度を決定するには多くの代案的方法があり、請求範囲によって用意される保護範囲は、前記代案的方法を包括することが分かる。
有利には、下位時期の間のホットワイヤーの送給速度は、安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度の0%〜200%範囲内に存在し、前記下位時期の間のコールドワイヤーの一定の送給速度は、前記下位時期の間の前記ホットワイヤーの送給速度の0%〜100%範囲内に存在することが好ましい。
上述のように、ホットワイヤーがアーク安定化時期の間の送給速度として前記安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度より高い速度を取る状況がある。コールドワイヤーがアーク安定化時期の間に、対応するホットワイヤー送給速度より高い送給速度を取ることも可能である。
しかし、ホットワイヤーが下位時期の間の送給速度を安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度の0%〜100%範囲内の送給速度を取ることが、一般的に有利である。長いアークがより容易に安定化することが明らかになった。アークの長さを増加させる一つの方法は、ホットワイヤー送給速度を減少させることである。つまり、ホットワイヤーの送給速度は、安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度より低い値に設定されることが有利である。低い送給速度はまた、アークが点火されて高い電流がホットワイヤーを介して伝達されるときに発生しうるホットワイヤー燃焼の虞を減少させる有利な効果を有する。溶接電流を比較的低い値に設定すると、アーク安定化時期の間に発生する前記のような虞が減少する。ホットワイヤーに低い送給速度を印加する他の理由は、ホットワイヤーが溶接パッドルの底部を打つ虞を減少させるためである。一貫しない溶接開始は、溶融速度の減少、及びホットワイヤー端部と被加工物との距離の減少をもたらしうる。最悪の場合、ホットワイヤーが被加工物と接触することがある。ホットワイヤーの減少した送給速度は、このように発生する虞を減少させる。
最終下位時期の間にホットワイヤーが安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度の80%〜95%範囲内の送給速度を取ると、アーク安定化時期から安定したアーク時期へのスムーズな転換を容易にし、また、可能には、最終下位時期の間に良好な溶接品質を保証することに有利である。この範囲内のホットワイヤー送給速度はまた、安定したアーク時期の開始時の溶接電流を十分に高くして、良好な溶接が生成されることができるようにすることも保証する。
有利には、下位時期の間のコールドワイヤーの一定の送給速度は、前記下位時期の間のホットワイヤーの一定の送給速度の0%〜200%範囲に、より有利には、0%〜100%範囲に存在することが好ましい。有利には、少なくとも最終下位時期の間には、コールドワイヤー送給速度が、前記ホットワイヤーの一定の送給速度の70%〜90%範囲に存在することが好ましい。しかし、前記最終下位時期より先行する下位時期の間には、コールドワイヤーを対応するホットワイヤー送給速度の一例として10%〜60%範囲内の低い送給速度に合わせることができる。勿論、コールドワイヤー送給速度は、少なくとも最初下位時期の間には9cm/min未満が有利であり、0cm/minがより好ましい。
コールドワイヤーの溶融速度は、コールドワイヤーの付近に安定したアークが存在しないことから、できるだけ低く維持される。したがって、コールドワイヤーの送給速度が安定したアークの存在に適する送給速度より低く設定されると、コールドワイヤーが溶接パッドルの底を打たないことを保証するために有利である。しかし、アーク安定化工程が安定したアーク時期に入るときにコールドワイヤー送給速度調整を、特に、コールドワイヤー送給速度は一般的にホットワイヤー送給速度のように迅速に増加しない点を考慮して、比較的小さくするとホットワイヤーでのように有利である。
有利には、アーク安定化時期は、予め定められた長さを有する。これは、安定したアーク検出手段が必要ないようにし、溶接装置をより簡単且つ安くする。有利には、アーク安定化時期は、1秒〜6秒範囲、好ましくは、1秒〜3秒範囲の予め定められた長さを有する。
有利には、ホットワイヤー送給速度が、アーク安定化時期全体にわたり一定に維持されるときに、アーク安定化時期の最初部分の間にコールドワイヤー送給速度が9cm/min又はこれより低く維持されることが好ましく、前記最初部分は、好ましくは、0.5秒〜5秒範囲、より好ましくは、2秒〜3秒範囲の予め定められた長さを有する。すなわち、有利には、初期下位時期の長さ(又は複数の初期下位時期の結合した長さ)は、0.5秒〜5秒範囲、より好ましくは2秒〜3秒範囲に存在することが好適である。
ホットワイヤー送給速度がアーク安定化時期全体にわたり一定に維持されない場合に、ホットワイヤー送給速度が下位時期ごとに変わるときには、初期下位時期の長さ又は複数の初期下位時期の結合した長さは、好ましくは0.5秒〜5秒範囲、より好ましくは1.5秒〜2.5秒範囲に存在することが好適である。
本発明は、前記定義された範囲に限定されない。例えば、アーク安定化時期の長さを0.1秒だけ短くすることができるが、この場合、初期下位時期(複数)の長さもそれに応じて調整される。アーク安定化時期の長さは、6秒より長くしてもよい。初期下位時期(複数)の長さを0.5秒より短くしてもよく、5秒より長くしてもよい。
有利には、一つ以上の操業開始時期が溶接工程に含まれる場合、初期下位時期の長さ(又は複数の初期下位時期の結合した長さ)は、メイン下位時期(又は複数のメイン下位時期の結合された長さ)より短い。
安定したアークを検出し、安定したアークの存在を示す情報をCWからCAへの切り替えを行う制御ユニットに伝送する、ある種類のアーク検出手段を溶接装置に備えることが可能である。この解決策は、アーク安定化時期ができるだけ短く維持されることを保証し、これと同時に、CAへの切り替えが安定したアーク生成の前に過剰に早く実行されないことを保証する。
本発明の方法は、少なくとも一つの追加ホットワイヤーを被加工物側に送給し、これと同時に、アーク発生のために溶接電流を前記追加ホットワイヤーに伝達する段階を有利に含む。有利には、追加ホットワイヤーの送給速度は、上述のように調節される。
有利には、本発明の方法は、少なくとも一つの追加ホットワイヤーと被加工物との間にアークを点火する段階を含む。有利には、初期及びメイン下位時期の両方が、少なくとも一つの追加ホットワイヤーを被加工物側に一定の送給速度で送給する段階を含み、この場合、一下位時期の一定の送給速度は、他の下位時期の一定の送給速度と一致するか、あるいは異なっていてもよい。有利には、安定したアーク時期が、前記少なくとも一つの追加ホットワイヤー送給速度を前記ホットワイヤーを介して伝達される溶接電流には少なくとも依存して連続して調整する段階を含む。
溶接工程に一つ以上の追加ホットワイヤーを含むことは、溶着率を増加させるための手段になる。このような配置により、ホットワイヤーにそれぞれ異なる課業を割り当てることも可能になる。しかし、コールドワイヤーの付近に複数のホットワイヤーを配置すると、アーク安定化時期の間に複数のスパークが同時に弾ける結果につながる虞がある。この問題は、二つのワイヤーが一つの電源に連結されるツイン装備において特に普遍的である。複数のスパークが存在することによってアーク安定化が困難となり、コールドワイヤーを溶融させるための位置に安定したアークが存在しない場合には、コールドワイヤーが板とバックルを打つ虞があり、これにより溶接設備の揺れが生じる。そのため、溶接工程が一つ以上のホットワイヤーを含む場合には、安定したアーク発生を保証することがより重要になる。これは、本発明に係る方法及び溶接装置により達成される。
有利には、アーク安定化時期の間にコールドワイヤーの送給速度は、一つのホットワイヤーの送給速度に依存する。これは、簡単且つ安い解決策を可能とする。しかし、コールドワイヤー送給速度を一つ以上のホットワイヤーの送給速度に依存し、例えば、複数のホットワイヤー急速速度の平均値に依存して決定することも可能である。
安定したアーク時期の間に、コールドワイヤーの送給速度は、一つ以上のホットワイヤーの送給速度(複数)に依存し決定されることができる。例えば、二つ以上のホットワイヤーが溶接方向(溶接装置の移動方向)に延長される軸に沿って互いに所定の距離を置いて位置し、ホットワイヤーにそれぞれ異なる課業、すなわち、先頭ホットワイヤー(溶接方向から見て1番目に位置したもの)は、浸透程度を制御するために使用され、後尾ホットワイヤー(溶接方向から見て前記先頭ホットワイヤーの後に位置したもの)は、ビーズ模様、輪郭及び充填を制御するために使用されるようにする課業が割り当てられる配置において、コールドワイヤーの送給速度は、有利には、一つ以上の後尾ホットワイヤーの送給速度(例えば、複数の後尾ホットワイヤーの送給速度の平均値)に関連することが好ましい。代案的な実施例において、コールドワイヤーの送給速度は、先頭及び後尾ホットワイヤーの送給速度の平均値に関連することができる。一つ以上のコールドワイヤーの送給速度を一つ以上のホットワイヤーに対して調整し、関連させる追加の方法も可能である。例えば、二つ以上のホットワイヤーが同じ電源に連結されるツイン溶接において、ホットワイヤーは、一般的に単一のホットワイヤーと認められ、コールドワイヤーの送給速度は、単一のホットワイヤーの送給速度に関連させることができる。
安定したアーク時期の間にホットワイヤー及びコールドワイヤーの送給速度を連続して調整する他の適した方法が、国際特許出願PCT/EP2012/003461号に記述されているが、その内容は、本明細書に参考として含まれる。
コールドワイヤーの送給速度は、追加の溶接パラメータ、例えば、アーク電圧及び溶接ヘッド走行速度に関連することもできる。
コールドワイヤーの送給速度は、一つ以上のホットワイヤー送給速度に間接的に関連することができるという点を注意すべきである。これは、コールドワイヤーの送給速度が、ホットワイヤー活性溶接パラメータに関連し、つまり、ホットワイヤー(複数)の送給速度に直接又は間接的に関連するときの場合である。
一部の実施例において、少なくとも一つのメイン下位時期が、少なくとも一つの追加コールドワイヤーを被加工物側に一定の送給速度で送給する段階を含み、安定したアーク時期が、前記少なくとも一つの追加コールドワイヤーの送給速度を少なくとも一つのホットワイヤー送給速度に依存して連続して調整する段階を含む。一つ以上のコールドワイヤーを使用する一つ利点は、溶着率が増加することである。
このような追加コールドワイヤーの送給速度は、上述のように調節されることができる。ある一つのコールドワイヤーが他のコールドワイヤーの送給速度を取るようにすることも可能である。1超過のコールドワイヤーの送給速度を同じ溶接パラメータ又は異なる溶接パラメータに依存して決定することができる。
有利には、アーク安定化時期の間のコールドワイヤー送給速度の増加又は減少は、アーク安定化工程に対するコールドワイヤーの否定的影響が最小化するようにするのために、また、一部の実施例では、溶接を最上の可能な結果を維持し、且つできるだけ迅速に行われるようにすることが保証されるようにするために、できるだけ迅速に、好ましくは、ほぼ瞬時に行われる。
瞬間的な調整は、溶接装置によって許容された水準で迅速に行われる。
アーク安定化時期の間のホットワイヤー及びコールドワイヤーの送給速度の調整は、できるだけ迅速に実行される。好ましくは、ワイヤーが100ms内で、より好ましくは、10ms内で新たな送給速度に到逹する。ワイヤーがその目標送給速度に到逹するために必要な時間は、様々なパラメータ、例えば、ワイヤーの直径及びワイヤー送給手段を駆動するために設置されたモータのタイプに応じて異なる。それにもかかわらず、ワイヤーは、下位時期の開始及び/又は終了時の短い期間の間に、前記下位時期の他の一定の送給速度とは異なる送給速度を取ることができる。本明細書では、前記ワイヤーの送給速度が、前記下位時期を開始及び/又は終了するそのときに調整されるとしても、下位時期全体にわたりワイヤーが一定の送給速度で送給されると認める。
アークは、ホットワイヤー送給速度が調整された後に不安定になることがある。これは、溶融速度の一時的な減少をもたらしうる。安定したアーク時期の間に、コールドワイヤー送給速度の増加率が、ホットワイヤー送給速度の対応する増加率より低いと、有利である。これは、溶融速度の一時的な減少によってコールドワイヤーが溶接プールの底部を打つことがないようにすることを保証する。コールドワイヤー送給速度が、安定したアーク時期の間に過剰に迅速に増加しないようにする一つの方法は、コールドワイヤーがその目標値に到逹するまで、コールドワイヤーの送給速度を様々な段階で増加させることである。コールドワイヤー送給速度は、最大100cm/min、好ましくは1cm/min〜10cm/min、より好ましくは4cm/min〜6cm/minの平均高さを有し、また、10ms〜1000ms、好ましくは50ms〜500ms、最も好ましくは75ms〜125msの平均長さを有する段階で増加させることが有利である。コールドワイヤー送給速度の増加開始を遅延させることもできる。安定したアーク時期の間のコールドワイヤー送給速度の減少は、コールドワイヤー送給速度が低い溶融速度にすぐ合わせられるようにするために、できるだけ迅速に実行されなければならない。有利には、コールドワイヤー送給速度に対する新たな低い目標値は、前記減少を誘発するホットワイヤー送給速度の調整の発生に関連し、200ms以内に、好ましくは100ms以内に、より好ましくは10ms以内に、最も好ましくは1ms以内に到逹することが好適である。
本発明の溶接装置は、安定したアーク時期の間、溶接電流又は溶接電流に関連する活性溶接パラメータを測定するための一つ以上の手段を備えることができる。このような値は、フィルタリングされて、ホットワイヤー送給速度に対する新たな目標値を決定するために使用される。
溶接装置は、溶接プロセス中にホットワイヤー送給速度、又はホットワイヤー送給速度を示し、それに関連する一つ以上の活性溶接パラメータを測定するように配置された一つ以上の測定手段を備えることもできる。測定値は、制御ユニットに貯蔵される。ホットワイヤー送給速度が溶接電流の変化に依存して連続して調整されるときに、活性溶接パラメータを測定する時間間隔は、有利には、少なくとも安定したアーク時期では、できるだけ短いことが好ましい。適切な時間間隔は、約1msである。測定された値は、コールドワイヤー送給速度のより正確な調整を達成するためにフィルタリングされることができる。フィルタリングされた値は、最後の貯蔵された値と比較され、これに応じてコールドワイヤー送給速度が増加又は減少するか否かが決定されることができる。最後に測定されてフィルタリングされた値は、コールドワイヤー送給速度に対する新たな目標値を決定するために使用される。コールドワイヤー送給速度に対する対応する目標値を決定するために使用される活性溶接パラメータ値は、10ms〜1000ms、好ましくは50ms〜500ms、最も好ましくは75ms〜125msの平均長さを有する間隔で測定されることが有利である。つまり、コールドワイヤー送給速度は、10ms〜1000ms、好ましくは50ms〜500ms、最も好ましくは75ms〜125msの平均長さを有する様々な段階で調整されることができる。活性溶接パラメータを測定する時間間隔を最大1000msまで増加させることも無論可能である。ホットワイヤー送給速度を調整する間に測定された新たな溶接パラメータ値が、前記調整中に溶接パラメータが変更されたことを示す場合、ホットワイヤー送給速度に対する新たな目標値が決定され、それに応じてホットワイヤー送給速度が調整される。同様に、コールドワイヤー送給速度を調整する間にホットワイヤー送給速度の変化が検出されると、コールドワイヤー送給速度目標値の調整につながる。
安定したアーク時期の間に、コールドワイヤー送給速度を目標値より低い水準に減少して、アークが安定化するために十分な時間が付与されるようにし、また、コールドワイヤーが溶接パッドルの底部を打たないようにし、次に、コールドワイヤー送給速度を目標値まで増加させることも可能である。コールドワイヤー送給速度は、前記目標値まで増加する前に停止させることもできる。
有利には、コールドワイヤー送給速度に対する新たな目標値をアーク安定 化時期CWから安定したアーク時期CAへの転換次第に決定するように構成された制御ユニットは、アーク安定化時期の最終下位時期のホットワイヤー送給速度を安定したアーク時期の間に最初に測定されたホットワイヤー送給速度と比較するように構成される。コールドワイヤーがより高い新たな目標値に到逹したときに安定したアークが存在するようにするために、アーク安定化時期から安定したアーク時期への転換時にコールドワイヤー送給速度の増加を、例えば、0.5秒〜1.5秒遅延させることができる。アーク安定化時期から安定したアーク時期への転換に続くコールドワイヤー送給速度の減少は、コールドワイヤーがより低い新たな目標値に到逹する前に溶接パッドルを打たないようにするのために、瞬間的であることが好ましい。
本発明の溶接装置はまた、他の溶接パラメータを測定するための他の測定手段も備えることができる。
本発明の第2目的は、前記方法を実行するための溶接装置により達成される。本発明の溶接装置は、少なくとも一つのホットワイヤーを被加工物側に送給するホットワイヤー送給手段と、アーク発生のために前記ホットワイヤーに電流を伝送するための接触手段と、少なくとも一つのコールドワイヤーを被加工物側に送給するコールドワイヤー送給手段と、アーク点火時期、アーク安定化時期、及び後続する安定したアーク時期の間に前記ホットワイヤー送給手段とコールドワイヤー送給手段を制御するように構成された制御ユニットと、を含む。前記アーク安定化時期は、少なくとも一つの初期下位時期と、少なくとも一つの後続するメイン下位時期と、を含む。前記制御ユニットは、前記ホットワイヤー送給手段を制御するに際し、前記ホットワイヤーが前記初期下位時期の間に一定の送給速度で送給されることができるように、前記ホットワイヤーが前記メイン下位時期の間に一定の送給速度で送給されることができるように、且つ、前記安定したアーク時期の間にホットワイヤーの送給速度が前記ホットワイヤーを介して伝達される溶接電流に少なくとも依存して連続して調整されることができるように、前記ホットワイヤー送給手段を制御することができるように構成される。前記制御ユニットはまた、前記コールドワイヤー送給手段を制御するに際し、前記コールドワイヤーが前記メイン下位時期の間に一定の送給速度で送給されることができるように、且つ、前記安定したアーク時期の間にコールドワイヤーの送給速度が少なくとも一つのホットワイヤーの送給速度に依存して連続して調整されることができるように、前記コールドワイヤー送給手段を制御することができるように構成される。
本発明に係る溶接装置は、一つ以上のコールドワイヤーを含む溶接工程の初期に高い溶接品質を保証する。これは、アーク安定化時期の少なくとも一つの初期下位時期及びメイン下位時期の間、ホットワイヤーを一定のワイヤー送給速度で送給し、アーク安定化時期の少なくとも一つのメイン下位時期の間、コールドワイヤーを一定のワイヤー送給速度で送給して、ホットワイヤーと被加工物との間に安定したアーク(又は複数のホットワイヤーと被加工物との間に複数のアーク)が比較的迅速に発生するようにすることで達成される。
本発明の溶接装置は、コールドワイヤーの否定的な影響が、アーク安定化時期を少なくとも開始する間には最小化又は除去されることができるようにする。制御ユニットは、コールドワイヤーがアーク安定化時期の間の少なくとも一つの初期下位時期の間には溶接パッドルに到逹することを防止するか、あるいはコールドワイヤーがアーク安定化工程に深刻且つ否定的な影響を及ぼしうる送給速度では溶接パッドルに到逹することは少なくとも防止する。好ましくは、制御ユニットは、被加工物に向かう方向でのコールドワイヤー送給速度を、少なくとも前記初期下位時期の間に、9cm/minと同一又はそれより低い速度に維持するように構成される。より好ましくは、制御ユニットは、少なくとも一つのコールドワイヤーを前記初期下位時期の間に停止状態に維持するように構成される。このような配置は、アーク安定化工程が、アーク安定化時期の最初段階(複数)の間にコールドワイヤーによって否定的な影響を受けないようにすることを保証する。
制御ユニットは、ある一つの最初下位時期の間には一つのホットワイヤー送給速度が提供され、他の下位時期の間には他のホットワイヤー送給速度が提供されることができるように、ホットワイヤー送給手段を制御するように構成されることができる。このような配置により、アーク安定化時期の間にホットワイヤー送給速度(これに伴いコールドワイヤー送給速度もまた)を段階的に増加又は減少させることができるが、これは、アーク安定化工程に肯定的な影響を及ぼすことができる。
代案的に、制御ユニットは、アーク安定化時期全体にわたり同じホットワイヤー送給速度を提供するように構成されることができるが、これは、溶接時期をアーク安定化時期と同時に開始することができるようにする。この場合、安定したアークの迅速な生成を容易にするために、コールドワイヤー送給を、好ましくは0.5秒〜5秒、より好ましくは2秒〜3秒遅延させることが有利である。
制御ユニットは、安定したアーク時期溶接電流に対応する、安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度を決定するように構成されることができる。有利には、アーク安定化時期の間に、ホットワイヤーは、前記安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度の0%〜200%範囲、好ましくは0%〜100%範囲内に存在することが好ましい。制御ユニットがアーク安定化時期の最終下位時期の間にホットワイヤーの送給速度を安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度の80%〜95%範囲に維持するように構成されることがより好ましい。
安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度に比べて低いホットワイヤー送給速度は、ホットワイヤーの端部と被加工物との距離を大きく維持して、安定したアークの発生を容易にすることを保証する。このような理由で、全体アーク安定化時期の間にホットワイヤー送給速度(複数)が安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度より低く維持されると有利である。上記のような理由で、アーク安定化時期の最初部分の間、ホットワイヤー送給速度を安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度に比べて相当低くすることも有利である。しかし、アーク安定化時期から安定したアーク時期への転換を容易にするために、最終下位時期の間、一定のホットワイヤー送給速度と安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度との差を比較的小さくすることも有利である。したがって、ホットワイヤー送給速度がアーク安定化時期の間に様々な段階で調整されることができれば有利である。一旦、安定したアークが生成されると、それ以上ホットワイヤー送給速度を低く維持する必要がなく、溶接装置はCA工程に転換され、そのCA工程では、溶接電流量が設定水準(安定したアーク溶接電流)に維持されるようにするためにホットワイヤー送給速度が調整される。
また、安定したアークの発生を保証するために、ホットワイヤー送給速度を安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度に比べてより高くし、都合に応じて、アーク安定化時期の間に徐々に減少するようにすることも有利である。これは、安定したアーク時期溶接電流が低すぎて、安定したアーク発生を保証することができない場合である。
有利には、アーク安定化時期の間のコールドワイヤーの一定の送給速度それぞれは、対応するホットワイヤー送給速度の0%〜200%範囲、好ましくは0%〜100%範囲内に存在することが好適である。制御ユニットは、アーク安定化時期から安定したアーク時期への転換を容易にするために、少なくとも最終下位時期の間にはコールドワイヤーの送給速度を対応するホットワイヤー送給速度の70%〜90%範囲に維持するように構成されることもできる。
有利には、使用者が溶接工程の開始前に一つ以上の溶接パラメータ値を入力することが好ましい。適した溶接パラメータの例としては、溶接電流、アーク電圧及びホットワイヤー走行速度が挙げられる。制御ユニットは、前記溶接パラメータ値を利用して、ホットワイヤー及びコールドワイヤーの適した送給速度を決定する。
ホットワイヤー送給速度が下位時期ごとに変わりうる実施例では、下位時期ごとに適するホットワイヤー送給速度が決定されるように、使用者が当該下位時期に特定された溶接パラメータを入力することができる。代案的な実施例では、アーク安定化時期に適するホットワイヤー及びコールドワイヤー送給速度を、使用者が入力することもできる。
有利には、制御ユニットは、溶接工程が安定したアーク時期に入るときに安定したアークが存在することが保証されるように、アーク安定化時期に、1秒〜6秒範囲、より好ましくは1秒〜3秒範囲の予め定められた時間の長さを提供するように構成される。
初期下位時期は、0.5秒〜5秒範囲の予め定められた時間の長さを有することが有利である。
本発明の溶接装置は、安定したアークを検出するように構成された少なくとも一つの安定したアーク検出手段を含むことができ、制御ユニットは、前記安定したアーク検出手段から安定したアークが検出されたことを示す信号を受信したときに安定したアーク時期を開始するように構成される。これは、アーク安定化時期の長さを最適化することができるようにする。
本発明の溶接装置は、一つ以上の活性溶接パラメータ値を測定するように配置された一つ以上の測定手段を含むことができる。この測定手段は、制御ユニットの一部を形成することができるが、これらは、別に配置されてもよく、この場合に、測定手段は、制御ユニットに関連情報を伝送することができるように制御ユニットに連結される。
前記測定手段は、ホットワイヤー送給速度を測定するように構成されることもできる。例えば、前記測定手段は、ホットワイヤーを被加工物側に送給するように構成されたモータのモータシャフト回転速度を測定し、この情報をホットワイヤー送給速度を計算する制御ユニットに伝送するように構成されたセンサを含むことができる。また、ホットワイヤー上で直接的に送給速度を測定する一つ以上のセンサを使用することも可能である。
一つ以上の測定手段は、溶接電流を測定するように構成されることができる。例えば、前記測定手段は、電源に一つ以上の分路(shunt)を含むことができる。前記分路は、測定するすべての電流がそれを介して流れることができるように負荷と直列に配置される。前記分路を横切った電圧降下は、それを介して流れる電流に比例し、分路抵抗が知られていることから、電圧を測定することで溶接電流を決定することができる。
前記測定手段はまた、アーク電圧を測定するように構成されることもできる。アーク電圧は、電圧降下を避けるために、被加工物とホットワイヤーの最近接端部との間で測定されることが有利である。
勿論、前記測定手段は、他の活性又は非活性溶接パラメータを測定するように配置されてもよく、制御ユニットは、これらの測定された溶接パラメータ値を利用して、ホットワイヤー及びコールドワイヤーの適した送給速度を決定するために使用されることができる、例えば、溶接電流、アーク電圧及びホットワイヤー走行速度を決定する。
本発明の溶接装置はまた、アーク点火時期の間にアークの存在を検出するように構成された少なくとも一つのアーク検出手段を含むこともできる。この実施例において、制御ユニットは、有利には、前記アーク検出手段からアークの存在を示す信号を受信次第、アーク安定化時期を開始するように構成される。
例えば、溶接電流の電流量水準が予め設定された時間を超える時間隔間の間、予め設定された水準を超えるときには、アークが確立されたと認める。この検出手段は、制御ユニットの一部を形成することができる。また、制御ユニットと分離されてもよく、制御ユニットに連結されてもよい。
本発明の溶接装置は、一つ以上のホットワイヤーを被加工物側に送給する一つ以上のホットワイヤー送給手段と、溶接電流を前記ホットワイヤーに伝送するための追加の接触手段と、を含むことができる。制御ユニットは、前記ホットワイヤー送給手段を制御するに際し、前記ホットワイヤーが少なくとも一つの初期下位時期の間に一定の送給速度で送給されることができるように、少なくとも一つのメイン下位時期の間に一定の送給速度で送給されることができるように、且つ、安定したアーク時期の間に前記ホットワイヤーそれぞれの送給速度が前記ホットワイヤーを介して伝達される溶接電流に少なくとも依存して連続して調整されることができるように、前記ホットワイヤー送給手段を制御することができるように適宜構成される。
本発明の溶接装置はまた、一つ以上のコールドワイヤーを被加工物側に送給する一つ以上のコールドワイヤー送給手段を含むことができる。制御ユニットは、前記コールドワイヤー送給手段を制御するに際し、前記コールドワイヤーが少なくとも一つのメイン下位時期の間に一定の送給速度で送給されることができるように、且つ、安定したアーク時期の間にコールドワイヤーの送給速度が少なくとも一つの対応するホットワイヤーの送給速度に依存して連続して調整されることができるように、前記コールドワイヤー送給手段を制御することができるように適宜構成される。
有利には、任意の追加のホットワイヤー及びコールドワイヤー送給手段は、他のホットワイヤー及びコールドワイヤー送給手段を参照して、上述と同様な方式で制御される。
一つ以上のホットワイヤーの追加は、溶着速度を増加させる。しかし、さらなるホットワイヤーの追加は、アーク安定化時期の間に安定したアークが発生することをより困難にすることもある。ある一つのホットワイヤーによって発生したアークは、他のホットワイヤーによって発生したアークに影響を及ぼして、そのアークが安定化することを妨害する。本発明に係る溶接装置は、アーク安定化時期の下位時期の間にホットワイヤーを一定の送給速度で送給させることにより、上記のような問題を解決し、これに伴い安定したアーク発生を容易にする溶接条件を製造する。ホットワイヤーの一定の送給速度は、安定したアークが容易に発生することができるように選択される。
ホットワイヤー送給手段は、一つ以上のホットワイヤーを被加工物側に送給するように構成されることができる。すなわち、ホットワイヤー送給手段は、一実施例では、ただ一つの第1ホットワイヤーを被加工物側に送給するように構成され、代案的な実施例では、前記第1ホットワイヤー以外に、追加のホットワイヤーを送給するように構成される。同一の溶接装置に1超過のホットワイヤー送給手段を使用することも可能であるが、その送給手段それぞれは、一つ以上のホットワイヤーを送給するように構成される。
溶接装置内の二つ以上のホットワイヤーは、アーク安定化時期の下位時期の間又は安定したアーク時期の間に同じ送給速度を取る必要がなく、また、ワイヤー特性、例えば、材料物性及びワイヤー寸法を同様に有する必要がないという点を注意すべきである。適するホットワイヤー送給速度はホットワイヤーに対して個別的に決定されることができる。ある一つのホットワイヤーに適するホットワイヤー送給速度を決定し、その送給速度を一つ以上の追加ホットワイヤーに適用することも可能である。
追加のホットワイヤーが存在することにより、単一コールドワイヤーの送給速度を調節する方法に対する様々な代案を提供する。単一コールドワイヤーの送給速度は、アーク安定化時期の間、単一ホットワイヤーの送給速度又は複数のホットワイヤーの平均送給速度に依存することができる。ホットワイヤー送給速度値は平均ホットワイヤー送給速度が計算される前に計量されることができる。同様に、安定したアーク時期の間、単一コールドワイヤーの送給速度は、一つ以上のホットワイヤーの送給速度を示す一つ以上の活性溶接パラメータに依存して決定されることができる。コールドワイヤー送給速度は、例えば、単一ホットワイヤー送給速度又は複数のホットワイヤー送給速度に関連することができる。
制御ユニットは、単一ユニット、又はそれぞれ異なる位置に位置する複数のサブユニット(sub‐unit)を含むことができる。
上述のように、本発明の溶接装置は、複数のコールドワイヤーを被加工物側に送給するためのコールドワイヤー送給手段を含むこともできる。溶接装置内の二つ以上のコールドワイヤーは、アーク安定化時期の下位時期の間又は安定したアーク時期の間に同じ送給速度を取る必要がない。例えば、二つのコールドワイヤーそれぞれの送給速度は、それぞれ異なる溶接パラメータ、例えば、それぞれ異なるホットワイヤーの送給速度に関連することができる。単一のコールドワイヤーに対するコールドワイヤー送給速度を決定して、その送給速度をすべてのコールドワイヤーに適用することも可能である。二つ以上のコールドワイヤーの送給速度が計算されたときに、同じパラメータ値を使用することも可能であるが、この場合、コールドワイヤーは、それぞれ異なる寸法及び/又は材料物性を有することができ、それぞれ異なる機能を提供し、それに応じてそれぞれ異なる送給速度を付与されることができる。
本発明は、上述の目的及び利点と、その他の目的及び利点とともに、本発明の例示的な実施例に関する以下の詳細な説明から最もよく理解することができる。詳細な説明は、図面に関する参照を含む。
本発明に係るツインワイヤー溶接装置を示す図である。 本発明に係る溶接ヘッドを示す図である。 反時計方向に90度回転した図2の溶接ヘッドを示す図である。 図2のアーク溶接ヘッドの斜視図である。 本発明に係るアーク‐溶接溶接ヘッドの斜視図である。 二つのアーク安定化工程のそれぞれ異なる時期を概略的に示す図である。 二つのアーク安定化工程のそれぞれ異なる時期を概略的に示す図である。 ホットワイヤー及びコールドワイヤー送給速度が時間が経つ につれてどのように変化するかを示す図である。 ホットワイヤー及びコールドワイヤー送給速度が時間が経つにつれてどのように変化するかを示す図である。
図面において、同一又は類似の要素は、同じ参照番号で示される。図面は、本発明の特定のパラメータを描写するように意図されない単に概略的な図である。さらに、図面は、本発明の典型的な実施例のみを図示するように意図されたものであるため、本発明の範囲を制限するものと見なしてはならない。
図1はサブマージアーク溶接装置1の様々な部分を図示する。ツイン溶接装置は、第1ホットワイヤー4を溶接パッドル6側に案内するための第1接触チューブ2を含む。第1接触チューブ2は、従来の方式で接触チップ8に配置される。溶接電流は、前記接触チューブ2を介して第1ホットワイヤー4に伝達される。第2接触チューブ10は、第2ホットワイヤー12を溶接パッドル6側に案内するためにツインワイヤー溶接装置1に配置される。第2接触チューブ10は、従来の方式で接触チップ14に配置される。第1及び第2接触チップ8、14は、様々な部品が集合したものである単一本体に配置されるか、あるいは個別の本体に配置されることができる。第2接触チューブ10において、溶接電流が第2ホットワイヤー12に伝達される。
接触チップ8、14を含み、前記第1及び第2接触チューブ2、10を収容する接触デバイス18に単一電源16が連結される。単一電源16は、第1及び第2ホットワイヤー4、12に同じ電位を提供する。電源は、溶接変換器、溶接変圧器、整流器、サイリスタ(thyristor)制御式整流器又はインバータのようにツインワイヤー溶接のために動作可能な任意の従来のタイプであってもよい。
ツインワイヤー溶接装置1は、コールドワイヤー22を溶接パッドル6に送給するための送給装置(feeding arrangement)をさらに含む。送給装置は、第1及び第2接触チップ8、14から電気絶縁されたチューブ24を含む。コールドワイヤー22は、チューブ24を介して送給される。溶接の際に、アーク40は、コールドワイヤー22ではなく、第1及び第2ホットワイヤー4、12に存在する。コールドワイヤー22は、コールドワイヤーをアーク40の領域内に導入することで溶融される。好適には、コールドワイヤー22は、いかなる電源にも連結されず、これによって一般的に接地電位を帯びる。しかし、コールドワイヤーを予熱するためにコールドワイヤー22を電源に連結することが可能でありうる。しかし、コールドワイヤー22は、アーク生成のために電源に連結されることはない。チューブ24は、第1及び第2接触チップ8、14から絶縁される金属チューブ、又はセラミックスチューブであってもよい。
サブマージアーク溶接において、アークは、ホットワイヤーと被加工物との間に存在する。アークと溶融された素材は、微粉フラックス層の下で保護される。フラックスは、溶接工程の間に部分的に溶融され、溶接パッドル上にスラグ保護層を生成する。
アーク40は、図1に図示される。被加工物でのアーク40接触は、ランダムな方式で移動される。しかし、通常、アーク40がホットワイヤーのチップ34から溶接パッドル6まで延びる円錐42内に存在することが考えられる。円錐42の開き角度βは、各溶接事例に応じて変わりうる。しかし、正常な開き角度βは、約30度である。このような理由により、コールドワイヤー22は、消耗電極のチップ34で測定された、消耗電極からL*cotan(β/2)未満の軸方向距離Dで、アーク領域に対して本質的に直交する方向に、アーク領域に入るように位置させることが好ましい。ここで、Lは、アークの長さであり、電極チップ34から溶接パッドルの近接点36までの距離である。
フラックスホッパー(図示せず)は、ホットワイヤー4、12及びコールドワイヤー22を維持する接触デバイス160に顆粒状(granular)フラックスを供給するように配置される。顆粒状フラックスは、ノズル(図示せず)を介して接触デバイス160に供給される。
二つのホットワイヤー4、12の間にコールドワイヤー22を配置することが好ましい。ホットワイヤー4、12は、溶接パッドル6の表面30で測定された円錐直径より小さい軸方向距離Aに装着されることが好ましい。このような配置により、コールドワイヤー22は、両方のホットワイヤー4、12の円錐42によって限定されたアーク領域の外部部分に導入され、これは、溶接結果において有利である。
ツインワイヤー溶接装置1は、第1ホットワイヤー4の送給速度を測定するためのセンサ27をさらに含む。勿論、一つよりも多いセンサを利用することが可能であり、両方のホットワイヤーの送給速度を測定することも可能である。しかし、ツイン溶接において、二つのホットワイヤーが同じ電源に連結されるときには、ホットワイヤーは時々に単一ホットワイヤーとして考慮され、一つのセンサのみが要求される。代案的な実施例において、センサ27の代わりに、他の溶接パラメータを測定するように構成された任意の適した測定手段が使用されてもよい。
ツインワイヤー溶接装置1はまた、ホットワイヤー4と被加工物との間に(安定した)アークが存在するかを検出するためのアーク検出手段(図示せず)をも含む。
図1のツインワイヤー溶接装置1は、点火時期及び溶接時期を含む溶接工程を行うように構成される。ツインワイヤー溶接装置は、CA溶接装置である。ツインワイヤー溶接装置1はまた、点火時期から開始されてアーク安定化工程を行い、次いで二つの下位時期(初期下位時期及びメイン下位時期)を含むアーク安定化時期を行うように構成される。この溶接装置1は、CA溶接装置である。しかし、ホットワイヤー4、12の送給速度が、アーク安定化時期の各下位時期の間に一定に維持されるように、ホットワイヤー4、12の送給速度の自動自己調節は停止する。ツインワイヤー溶接装置におけるホットワイヤーは、単一ホットワイヤーとして認められること、すなわち、ホットワイヤー4、12が常に同じ送給速度を取るということは、注意すべき点である。コールドワイヤー22は、メイン下位時期の間にのみ被加工物側に送給され、そのコールドワイヤー22の送給速度は、メイン下位時期の間の第1ホットワイヤー4の測定された送給速度に応じて異なる。したがって、コールドワイヤー22の送給速度は、メイン下位時期の間に一定に維持される。安定したアーク時期の間に行われる溶接工程はCA溶接工程であるが、この溶接工程の間に、溶接電流の電流量が本質的に一定の水準に維持されるように撹乱要素を補正するために、ホットワイヤー4、12の送給速度が調整される。
溶接工程を開始する前に、溶接装置1の使用者は、安定したアーク時期の間に維持されるべき溶接電流値を入力する。この溶接電流値を安定したアーク時期溶接電流(stable arc phase welding current)と称する。使用者は、追加の溶接パラメータ、例えば、アーク電圧及びワイヤー移動速度を入力することができる。制御ユニット31は、前記情報と値のテーブルを利用して、二つのホットワイヤー4、12の適切なアーク安定化時期送給速度値(アーク安定化時期全体にわたりホットワイヤー送給速度は一定に維持される)及びコールドワイヤー22のメイン下位時期速度値を計算する。次に、アーク点火時期が開始され、このアーク点火時期に続いて、第1ホットワイヤーと被加工物との間にアークが存在するかをアーク検出手段によって検出することを開始する初期下位時期が続く。この実施例において、アーク安定化時期は、2.5秒の予め定められた時間の長さを有する。アーク安定化時期が終了したときには、安定したアークが生成され、CA溶接工程が開始されることができると推定する。
アーク安定化時期と安定したアーク時期の二つの時期の間に溶接が実行されることについて説明する。
安定したアーク時期の間に、センサ27は、約1ミリ秒の間隔で連続してホットワイヤー4の送給速度を測定して、その測定されたホットワイヤー送給速度を制御ユニット31に伝送する。制御ユニット31は、受信した値をフィルタリングし、後続してコールドワイヤー22の送給速度を制御するために使用されるその値は、75ミリ秒〜125ミリ秒の平均長さを有する間隔で測定される。制御ユニット31は、それぞれのフィルタリングされた値に対してコールドワイヤー22のための対応する送給速度目標値を決定する。
制御ユニット31はまた、目標値が現在のコールドワイヤー22の送給速度より高いかより低いかを決定する。コールドワイヤー22の送給速度の減少は、できるだけ迅速に行われることが有利であり、一方、コールドワイヤー送給速度の増加は、その増加の大きさに応じる時間の長さで遅延された場合にコールドワイヤー22の送給速度が目標値に到逹する前にアーク40が安定することが保証される。
信号は、制御ユニット31から、コールドワイヤー22を被加工物側に送給するために配置されたコールドワイヤー送給手段35に、伝送される。コールドワイヤー送給手段35は、制御ユニット31から出力された命令に応じて、コールドワイヤー22の送給速度を増加又は減少させる。
図2〜図4は図1のツイン溶接装置1のための電気アーク‐溶接溶接ヘッド100の相違する図面を図示している。
溶接ヘッド100は、一端部に、溶接する間に溶接される被加工物に近接している接触デバイス160を含む。接触デバイス160は、ワイヤー4、22、12(コールドワイヤー22のみ図2に図示されている)を含むワイヤー組立体170を維持する。ワイヤー4、22、12は、溶接する間に被加工物と対面する接触デバイス160の下部端部で出口162を介して接触デバイス160から抜け出す。ワイヤー4、22、12は、コイル(図示せず)のようなそれぞれの貯蔵所(reservoir)からアーク溶接ヘッド100側に送給されることができる。
上述のように、ワイヤー組立体170は、接触デバイス160に配置された二つのホットワイヤー4、12と、コールドワイヤー22と、を含む。ホットワイヤー4、12は、いわゆるツインワイヤーとして配置されるが、これらは、二重ワイヤー配置として並行して送給される。
接触デバイス160上に送給機手段150が配置され、この送給機手段は、ホットワイヤー4、12を接触デバイス160側に送給する。一般的に、送給機手段150は、ホットワイヤー4、12を接触デバイス160側に移動させる溝が形成されたホイール(grooved wheel)を含む。送給機手段150は、コールドワイヤー22を通過させて送給する電気絶縁部分156を含む。電気絶縁部分156は、コールドワイヤー22のための別の絶縁された溝を有する送給機ホイールで構成されることができる。コールドワイヤー22は、ワイヤー送給手段150を自由に通過することができる。送給機ホイールは、駆動ユニット152(図2に図示せず)、例えば、電気モータによって駆動される。
フラックスホッパー11は、顆粒状フラックスをノズル(図示せず)を介して接触デバイス160に送給する。
駆動ユニット152以外にも、ワイヤー送給手段150は、駆動シャフトを有するギヤを含む。ギヤの駆動シャフトに送給ホイール154(図5)が配置されるが、前記送給ホイールは、他のホイール(図示せず)によって加圧されることができる。送給ホイール154は、ワイヤーを接触デバイス160の方向に順方向に駆動する。
ホットワイヤー4、12を矯正するために、ワイヤー矯正ユニット(wire straightening unit)140が、ワイヤー送給手段150上に配置される。ワイヤー矯正ユニット140の先頭位置に図示された二つのローラは、ワイヤー矯正デバイスの後方部分に垂直方向に上下に配置された三つの固定ホイールに圧力を加えるために使用される。ローラがホイールに加える圧力は、ワイヤー矯正ユニット140の外側でノブを介して調整することができる。三つのホイールに対するローラの圧力がワイヤーをまっすぐにする。ワイヤー矯正ユニット140は、電気絶縁部分146を含み、この電気絶縁部分146を介してコールドワイヤー22が自由にワイヤー矯正ユニット140を通過することができる。
コールドワイヤー22を接触デバイス160側に送給するために個別のワイヤー送給手段35がワイヤー矯正ユニット140上に配置される。ワイヤー送給手段35には、このワイヤー送給手段35の送給ホイールを駆動させるために駆動ユニット132、例えば、電気モータが設置される。ワイヤー送給手段35は、駆動ユニット132以外にも、駆動シャフトを有するギヤを含む。前記ギヤの駆動シャフトに送給ホイール134(図5)が配置され、この送給ホイールは、他のホイール(図示せず)によって加圧されることができる。送給ホイール134は、コールドワイヤー22を接触デバイス160の方向に順方向に駆動する。
コールドワイヤー22を矯正するために個別のワイヤー矯正ユニット120がワイヤー送給手段35上に配置される。コールドワイヤー22をワイヤーボビン(図示せず)のようなワイヤー貯蔵所から接触ノズルに案内するために、溶接ヘッド100の長さ方向延長部に沿って電気絶縁導管180が提供される。電気絶縁ワイヤー導管は、送給手段150及び130の間と、また、ワイヤー矯正ユニット120上に配置されて、コールドワイヤー22を収容することができる。
特に、電気絶縁導管180は、ワイヤー矯正ユニット140の電気絶縁部分146と、絶縁されていないホットワイヤー4、12のためのワイヤー送給手段150の電気絶縁部分156と、接触デバイス160の電気絶縁部分と、電気絶縁コールドワイヤー22のための、ユニット130、140、150、160の間とワイヤー矯正ユニット120上の電気絶縁ワイヤー導管で構成される。
ホットワイヤー及びコールドワイヤーのための適した接触デバイスに関する詳細な説明は、例えば、国際公報WO2012/041375A1号に提供されている。
上述のように、アーク溶接装置1は、ホットワイヤー4の送給速度を測定するためのセンサ27を備える。
アーク溶接装置1はまた、第1ホットワイヤーと被加工物との間にアークが存在するかを検出するためのアーク検出手段(図示せず)をも備える。
図5は図2〜図4に図示されたものと事実上同じレイアウトのアーク‐溶接溶接ヘッド100の側面図である。ツインワイヤーのために二つのガイドチューブ142、144がワイヤー矯正ユニット140上に提供される。ガイドチューブ142、144は、溶接ヘッド100の長さ方向延長部に対して斜めに配置される。コールドワイヤーのためのガイドチューブ182は、コールドワイヤー(図示せず)のためのワイヤー送給手段35とホットワイヤー(図示せず)のためのワイヤー矯正ユニット140との間に配置される。駆動ユニット132、152には、ワイヤーの速度制御のためのパルスセンサが設置されることができる。フラックスホッパー114(図2〜図4参照)のためのノズル116が接触デバイス160近くに配置される。ノズル116は、接触デバイス160の長さ方向軸に平行に配置されたロッド(rod)118に固定される。
図6aは図1に図示されたアーク溶接装置と類似のアーク溶接装置によって行われるサブマージアーク溶接工程のそれぞれ異なる時期を概略的に図示している。コールドワイヤー送給速度は、第1ホットワイヤーの送給速度(第2ホットワイヤーの送給速度と一致)に応じて決定される。
サブマージアーク溶接工程は、第1(不安定)アークが第1ホットワイヤーと被加工物との間で点火される点火時期を含む。点火時期直後には、被加工物に対して溶接が行われる溶接時期が続く。溶接時期は、アークが検出され次第に開始される。
本発明の溶接装置は、点火時期IPと、アーク安定化時期APと、安定したアーク時期SPと、を含むアーク安定化工程を行うように構成される。アーク安定化時期APは、初期下位時期IS及びメイン下位時期MSで構成される。アーク安定化時期APと溶接時期は同時に開始される。すなわち、アーク安定化時期APの間に溶接が行われる。そのため、安定したアークができるだけ迅速に発生することが必須である。この実施例において、アーク安定化時期APは、2.5秒の予め定められた長さ(安定したアークを生成するために十分であると認められる)を取る。初期下位時期ISは、2.0秒の予め定められた長さを取り、メイン下位時期MSは、0.5秒の予め定められた長さを取る。
点火時期IPが開始される前に、溶接装置の使用者は、安定したアーク時期SPの間に維持される安定したアーク時期溶接電流を含む溶接パラメータ値のセットを入力する。制御ユニットは、第1及び第2ホットワイヤーに印加する、アーク安定化時期APに適するホットワイヤー送給速度を決定する。ホットワイヤー送給速度は、アーク安定化時期APの全体にわたり一定に維持されるという点を注意すべきである。一旦、アーク検出手段が第1ホットワイヤーと被加工物との間でアークを検出すると、制御ユニットは、アーク安定化時期APを開始させる。初期下位時期ISの間に、ホットワイヤーは、前記制御ユニットによって決定された送給速度で正方向に送給され、一方、コールドワイヤーは、停止状態(正方向に送給されていない)に維持される。後続するメイン下位時期MSの間に、ホットワイヤーは、前記一定の送給速度で正方向に送給され、コールドワイヤーは、第1ホットワイヤーの一定の送給速度に依存して決定された一定の送給速度で正方向に送給される。アーク安定化時期APが開始された後、2.5秒経った後、アーク安定化工程は、安定したアーク時期SPに入る。
安定したアーク時期SPは、アーク安定化時期APの直後に続く。安定したアーク時期SPの間にホットワイヤーの送給速度は可変的であり、一方、アーク電圧水準は、一定に維持される。ホットワイヤーの送給速度は、溶接電流の電流量水準を設定された安定したアーク時期溶接電流水準に維持可能にし、また、表面の不規則性及び溶接工程の変動性のような撹乱要素を補正可能にするために、連続して調整される。このCA溶接工程は、行いやすく、良好な溶接結果を提供する。
図6bは本発明に係る方法の代案的な実施例を図示する。この実施例において、溶接時期は、第1及び第2操業開始時期の後に続き、アーク安定化時期APは、三つの下位時期、すなわち、第1操業開始時期に対応する初期下位時期ISと、第2操業開始時期に対応するメイン下位時期MSと、第2操業開始時期の終了と安定したアーク時期SPの開始との間の期間にわたる最終下位時期FSと、に分けられる。
このような配置の目的は、安定したアークの発生を容易にし、溶接時期を安定したアークが発生するまで延ばすことである。
使用者は、安定したアーク溶接電流と、安定したアーク時期に関連する任意の追加の溶接パラメータ値以外に、複数の下位時期に特定の溶接パラメータも入力する。適した溶接パラメータの例としては、溶接電流、アーク電圧及び走行速度が挙げられる。制御ユニットは、このような値に基づき、各下位時期に適するホットワイヤー送給速度を決定する。
初期下位時期ISの主な目的は、安定したアークの発生を容易にすることである。これは、アーク安定化工程に対するコールドワイヤーの否定的な影響を一時的に除去することで達成される。初期下位時期ISの間に、コールドワイヤーは、停止した状態に維持され、一方、ホットワイヤーは、制御ユニットによって決定された一定の送給速度で正方向に送給される。
メイン下位時期MSの主な目的は、アークが比較的安定して維持されることを保証し、且つ溶接工程にコールドワイヤーを導入することである。ここで、コールドワイヤーとホットワイヤーは、両方とも制御ユニットによって決定された一定の送給速度で正方向に送給される。この実施例において、ホットワイヤー送給速度は、初期下位時期ISの間よりはメイン下位時期MSの間においてより高い。コールドワイヤー送給速度は、対応する第1ホットワイヤー送給速度に依存して決定される。
最終下位時期FSの間に印加されたホットワイヤー送給速度は、メイン下位時期MSの間に印加されたホットワイヤー送給速度より高く、そのため、安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度にさらに近接する。したがって、最終下位時期FSから安定したアーク時期SPへのスムーズな転換が保証される。コールドワイヤー送給速度は、第1ホットワイヤー送給速度に応じ、最終下位時期FSが開始されるときに増加することもある。代案的な実施例において、メイン下位時期MSは、アーク安定化時期APの終了まで延長されることができる。
以下では、図7aを参照して、図6aに概略的に図示された方法についてより詳細に説明する。実線Aは、各時期の間の実際のホットワイヤー送給速度を示し、実線Bは、各時期の間の実際のコールドワイヤー送給速度を示し、点線Cは、安定したアーク時期SPの間のホットワイヤーの予想送給速度を示す。
図7aはアーク点火時期IP(t‐t)の間のホットワイヤー送給速度が、安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度Cの約25%の値に設定されたことを示している。
上述のように、前記安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度Cは、溶接工程が開始される前に使用者によって設定された一つ以上の溶接パラメータ値に基づき、前記制御ユニットによって決定される。安定したアーク時期SPを開始するときの実際の第1ホットワイヤー送給速度Aは、この実施例では、前記安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度Cと一致する。常にこのとおりではないという点は注意すべきである。実際、第1ホットワイヤー送給速度Aは、例えば、撹乱要素に直面した結果、前記安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度Cとは異なりうる。
アーク検出手段は、アークを検出し、信号を制御ユニットに伝送する(t)。制御ユニットは、ホットワイヤー送給手段にホットワイヤー送給速度Aを前記安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度Cの約90%の値まで増加させることを指示する。新たなホットワイヤー送給速度Aは、初期下位時期IS(t‐t)とメイン下位時期MS(t‐t)にわたり一定に維持される。コールドワイヤーは、初期下位時期IS(t‐t)の間には停止状態に維持され、メイン下位時期MS(t‐t)間のには一定のコールドワイヤー送給速度Bを取る。メイン下位時期MS(t‐t)の間のコールドワイヤー送給速度Bは、メイン下位時期MS(t‐t)の間の第1ホットワイヤー送給速度Aの約70%である。
アーク安定化時期AP(t‐t)が2.5秒間続き、安定したアーク時期SPがすぐ続く。アーク安定化工程が安定したアーク時期SPに入るにつれて、制御ユニットは、ホットワイヤー送給手段に、溶接装置の使用者によって設定された安定したアーク時期溶接電流に対応する送給速度を第1及び第2ホットワイヤーに印加することを指示する。次に、溶接電流の電流量水準が連続して測定され、その測定された値は、制御ユニットでフィルタリングされる。溶接電流の電流量水準は、安定したアーク時期SPの間には撹乱結果によって変動することがあり、制御ユニットは、ホットワイヤー送給速度の調整により電流量水準を設定された値(安定したアーク時期溶接電流)に復元するようにプログラム化する(すなわち、制御ユニットは、ホットワイヤー送給速度の調整により電流量水準を前記設定水準に維持するように構成される)。例えば、tにおいて、制御ユニットは、溶接電流の電流量水準の増加を登録して、電流量水準をその前の低い値に復元するためにホットワイヤー送給手段にホットワイヤー送給速度Aを低減することを指示する。
溶接工程の間に第1ホットワイヤー送給速度が連続して測定され、その測定値は、制御ユニットによってフィルタリングされる。それぞれのフィルタリングされた値に対して、制御ユニットは、コールドワイヤーのための対応する送給速度目標値を決定し、コールドワイヤー送給手段にコールドワイヤー送給速度Bを前記目標値に調整することを指示する。つまり、t及びt‐tにおいてコールドワイヤー送給速度Bが増加し、tにおいてコールドワイヤー送給速度Bが減少する。
アーク安定化工程が安定したアーク時期SPに入るとき(t)のコールドワイヤー送給速度Bの増加は、(第1ホットワイヤー送給速度Aのほぼ瞬間的な増加と比較して)相対的に遅い速度で実行される点を注意すべきである。コールドワイヤー送給速度Bは、tにおいて新たな目標値に到逹する。この遅延は、コールドワイヤー送給速度Bが新たなより高い目標値に到逹する前にアークが、新しく、より高いホットワイヤー送給速度A水準で安定化することを保証する。tにおけるコールドワイヤー送給速度Bの減少は、コールドワイヤーがホットワイヤー送給速度Aに関連して高すぎる送給速度Bを有し、溶接パッドルを打つ状況を避けるために、ほぼ瞬間的に実行される。
コールドワイヤー送給速度Bが増加又は減少すべきであるか否かを決定する最も容易な方法は、最後に測定されてフィルタリングされた第1ホットワイヤー送給速度A値を制御ユニットに貯蔵し、その値を次に測定されてフィルタリングされた第1ホットワイヤー送給速度Aの値と比較することである。同様に、最後に決定されたコールドワイヤー送給速度Bの値を制御ユニットに貯蔵し、その値を次に決定されたコールドワイヤー送給速度B値と比較することができる。
アーク安定化時期APから安定したアーク時期SPへの転換のときに(t)、制御ユニットは、第1の測定及びフィルタリングされたホットワイヤー又はコールドワイヤー送給速度値をメイン下位時期の間(t‐t)に維持された対応する一定の送給速度値と比較して、コールドワイヤー送給速度Bの調整がすぐ(減少)実行されるべきであるか否か、あるいは遅延(増加)されるべきであるか否かを決定する。
図6bに概略的に図示された方法は図7bにおいてより詳細に図示されている。
図7bにおいて、アーク安定化時期APは、三つの下位時期、すなわち、初期下位時期IS(t‐t)と、メイン下位時期MS(t‐t)と、最終下位時期FS(t‐t)と、に分けられる。
アーク点火時期IP(t‐t)の間に、第1ホットワイヤー送給速度は、安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度Cの約25%である。一旦、アークが検出され(t)、アーク安定化工程が初期下位時期IS(t‐t)で開始されると、ホットワイヤー送給速度Aは、安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度Cの約50%まで増加する。初期下位時期IS(t‐t)の間に安定したアーク発生の可能性が最適化することができるように、コールドワイヤーは停止状態に維持される。メイン下位時期MS(t‐t)を開始するときに、ホットワイヤー送給速度Aはまた、安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度Cの約75%まで増加する。これと同時に、コールドワイヤーは、第1ホットワイヤー送給速度Aの約50%の送給速度Bで正方向に送給される。したがって、アークは、安定したアーク時期SPの前にコールドワイヤーの存在下で安定化することができる。一旦、メイン下位時期MS(t‐t)が終了し、最終下位時期FS(t‐t)が開始されると、ホットワイヤー送給速度Aはまた、安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度Cの約90%まで増加し、コールドワイヤー送給速度Bは、第1ホットワイヤー送給速度Aの70%まで増加する。最後に、安定したアーク時期SPを開始するときに、第1ホットワイヤー送給速度Aは、解除され、コールドワイヤー送給速度Bは、図7aを参照して上述したように、前記第1ホットワイヤー送給速度に継続的に合わせられる。
この実施例において、ホットワイヤー送給速度Aは、アーク安定化工程が新たな下位時期に入る度に毎回増加する(コールドワイヤー送給速度もまた、アーク点火時期IPから初期下位時期ISへの転換時以外は、同様)。ホットワイヤー及びコールドワイヤー送給速度は、各下位時期の間には一定に維持される。ホットワイヤー送給速度Aの水準は、溶接工程が開始される前に、使用者が設定した溶接パラメータに基づき制御ユニットによって決定され、コールドワイヤー送給速度Bの値は、対応する第1ホットワイヤー送給速度Aの値に依存して決定される。安定したアーク時期SPの間、コールドワイヤー送給速度Bの目標値は、測定された第1ホットワイヤー送給速度Aの値に基づき、制御ユニットによって決定される。
請求範囲により提供される保護範囲は、上述の実施例に制限されない。実施例と特徴は、前記保護範囲から逸脱することなく、様々な方式で結合することができる。
例えば、アーク安定化時期の間の溶接条件の変化は、アーク安定化工程が安定したアーク時期に入るときにホットワイヤー送給速度の減少をもたらしうる。また、安定したアーク時期の間に維持される安定したアーク時期溶接電流が低すぎて、アーク安定化時期の間にホットワイヤー送給速度を安定したアーク時期の間のホットワイヤーの予想送給速度に比べてより高い速度で適用することが有利である実施例も存在する。図6a及び図6bと、図7a及び図7bを参照して説明した方法は、任意の個数のホットワイヤーと、1超過のコールドワイヤーと、を含む溶接装置に適用することができる。ホットワイヤーは、二つ以上の下位時期で同じ送給速度を取ることができ、コールドワイヤーは、二つ以上の下位時期で同じ送給速度を取ることができる。図7bのアーク安定化時期は、3超過の下位時期を含むことができる。最終下位時期を除去し、メイン下位時期をアーク安定化時期の終了まで延長されることも可能である。最終操業開始時期が終了する前にアーク安定化時期が終了する実施例において、アーク安定化時期は、最終操業開始時期の終了まで延長されることができる。

Claims (22)

  1. アークを点火する段階を含むアーク点火時期IPと、アーク安定化時期APと、安定したアーク時期SPと、を含む、サブマージアーク溶接工程を開始する方法であって、
    アーク安定化時期APは、少なくとも一つの初期下位時期ISと、少なくとも一つの後続するメイン下位時期MSと、を含み、
    前記初期下位時期ISは、
    ‐少なくとも一つのホットワイヤー4、12を被加工物側に一定の送給速度で送給する段階を含み、
    メイン下位時期MSは、
    ‐前記ホットワイヤー4、12を被加工物側に一定の送給速度で送給する段階と、
    ‐少なくとも一つのコールドワイヤー22を被加工物側に一定の送給速度で送給する段階と、を含み、
    前記安定したアーク時期SPは、
    ‐前記ホットワイヤー4、12を介して伝達される溶接電流に少なくとも依存してホットワイヤー4、12の送給速度を連続して調整する段階と、
    ‐少なくとも一つのホットワイヤー4、12の送給速度に依存してコールドワイヤー22の送給速度を連続して調整する段階と、を含むことを特徴とする、サブマージアーク溶接工程を開始する方法。
  2. 前記初期下位時期ISの間に被加工物に向かう方向でのコールドワイヤー22の送給速度は、9cm/minと同一又はそれより低く維持されることを特徴とする、請求項1に記載のサブマージアーク溶接工程を開始する方法。
  3. 前記コールドワイヤー22を前記初期下位時期ISの間に停止状態に維持することを特徴とする、請求項1又は2に記載のサブマージアーク溶接工程を開始する方法。
  4. ホットワイヤー4、12の送給速度をアーク安定化時期AP全体にわたり一定に維持することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載のサブマージアーク溶接工程を開始する方法。
  5. ホットワイヤー4、12の送給速度が、少なくとも二つの異なる下位時期IS、MS、FSの間において変化することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のサブマージアーク溶接工程を開始する方法。
  6. 下位時期IS、MS、FSの間のホットワイヤー4、12の送給速度は、安定したアーク時期溶接電流に対応する、安定したアーク時期の間のホットワイヤー4、12の予想送給速度の0%〜200%範囲内に存在し、
    前記下位時期IS、MS、FSの間のコールドワイヤー22の一定の送給速度は、前記下位時期IS、MS、FSの間の少なくとも一つのホットワイヤー4、12の送給速度の0%〜100%範囲内に存在することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載のサブマージアーク溶接工程を開始する方法。
  7. 下位時期IS、MS、FSの間のホットワイヤー4、12の送給速度は、安定したアーク時期の間のホットワイヤー4、12の予想送給速度の0%〜100%範囲内に存在することを特徴とする、請求項6に記載のサブマージアーク溶接工程を開始する方法。
  8. 最終下位時期MS、LSの間のホットワイヤー4、12の一定の送給速度は、安定したアーク時期の間のホットワイヤー4、12の予想送給速度の80%〜95%範囲内に存在することを特徴とする、請求項7に記載のサブマージアーク溶接工程を開始する方法。
  9. 最終下位時期MS、LSの間のコールドワイヤー22の一定の送給速度は、前記最終下位時期MS、LSの間の少なくとも一つのホットワイヤー4、12の送給速度の70%〜90%範囲内に存在することを特徴とする、請求項6から8のいずれか1項に記載のサブマージアーク溶接工程を開始する方法。
  10. 前記アーク安定化時期APは、1秒〜6秒範囲の予め定められた時間の長さを有することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載のサブマージアーク溶接工程を開始する方法。
  11. 前記アーク安定化時期APは、1.0秒〜3.0秒範囲の予め定められた時間の長さを有することを特徴とする、請求項10に記載のサブマージアーク溶接工程を開始する方法。
  12. 初期下位時期ISは、0.5秒〜5秒範囲の予め定められた時間の長さを有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載のサブマージアーク溶接工程を開始する方法。
  13. 1超過のホットワイヤー4、12を被加工物側に送給する段階を含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載のサブマージアーク溶接工程を開始する方法。
  14. 先行する請求項のいずれか1項に記載の方法を実行する溶接装置1であって、
    ‐少なくとも一つのホットワイヤー4、12を被加工物側に送給するホットワイヤー送給手段150と、
    ‐アーク発生のために前記ホットワイヤー4、12に電流を伝送するための接触手段2と、
    ‐少なくとも一つのコールドワイヤー22を被加工物側に送給するコールドワイヤー送給手段35と、
    ‐アーク点火時期IP、アーク安定化時期AP、及び後続する安定したアーク時期SPの間に前記ホットワイヤー送給手段150とコールドワイヤー送給手段35を制御するように構成された制御ユニット31と、を含む、溶接装置1において、
    前記アーク安定化時期APは、少なくとも一つの初期下位時期ISと、少なくとも一つの後続するメイン下位時期MSと、を含み、
    前記制御ユニット31は、前記ホットワイヤー送給手段150を制御するに際し、
    ‐前記ホットワイヤー4、12が、前記初期下位時期ISの間に一定の送給速度で送給されることができるように、
    ‐前記ホットワイヤー4、12が、前記メイン下位時期MSの間に一定の送給速度で送給されることができるように、且つ、
    ‐前記安定したアーク時期SPの間にホットワイヤー4、12の送給速度が、前記ホットワイヤー4、12を介して伝達される溶接電流に少なくとも依存して連続して調整されることができるように、前記ホットワイヤー送給手段150を制御することができるように構成され、
    前記制御ユニット31は、前記コールドワイヤー送給手段35を制御するに際し、
    ‐前記コールドワイヤー22が、前記メイン下位時期MSの間に一定の送給速度で送給されることができるように、且つ、
    ‐前記安定したアーク時期SPの間にコールドワイヤー22の送給速度が、少なくとも一つのホットワイヤー4、12の送給速度に依存して連続して調整されることができるように、前記コールドワイヤー送給手段35を制御することができるように構成されていることを特徴とする、溶接装置。
  15. 前記制御ユニット31は、前記初期下位時期ISの間に被加工物に向かう方向でのコールドワイヤー22の送給速度を9cm/minと同一又はそれより低く維持するように構成されていることを特徴とする、請求項14に記載の溶接装置。
  16. 前記制御ユニット31は、前記コールドワイヤー22を前記初期下位時期ISの間に停止状態に維持するように構成されていることを特徴とする、請求項14又は15に記載の溶接装置。
  17. 前記制御ユニット31は、ホットワイヤー4、12の送給速度がアーク安定化時期AP全体にわたり一定に維持されるように前記ホットワイヤー送給手段150を制御することができるように構成されていることを特徴とする、請求項14から16のいずれか1項に記載の溶接装置。
  18. 前記制御ユニット31は、ホットワイヤー4、12に一下位時期IS、MS、FSの間に一送給速度を提供し、他の下位時期IS、MS、FSの間に他の送給速度を提供するように、前記ホットワイヤー送給手段150を制御することができるように構成されていることを特徴とする、請求項14から16のいずれか1項に記載の溶接装置。
  19. 前記制御ユニット31は、前記アーク安定化時期APに1秒〜6秒範囲の予め定められた時間の長さを提供するように構成されていることを特徴とする、請求項14から18のいずれか1項に記載の溶接装置。
  20. 溶接装置1が、1超過のホットワイヤー4、12を被加工物側に送給する少なくとも一つのホットワイヤー送給手段150を含むことを特徴とする、請求項14から19のいずれか1項に記載の溶接装置。
  21. 溶接装置1が、1超過のコールドワイヤー22を被加工物側に送給する少なくとも一つのコールドワイヤー送給手段35を含むことを特徴とする、請求項14から20のいずれか1項に記載の溶接装置。
  22. 溶接装置1が、アーク点火時期IPの間にアークの存在を検出するように構成された少なくとも一つのアーク検出手段を含み、
    前記制御ユニット31は、前記アーク検出手段からアーク40の存在を示す信号を受信次第、アーク安定化時期APを開始させるように構成されていることを特徴とする、請求項14から21のいずれか1項に記載の溶接装置。
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