本発明を以下で更に詳しく記載する。この記載は、本発明が実施され得る全ての異なる方法、又は本発明に加えられ得る全ての特徴の詳細なカタログとなるようには意図されない。例えば、1つの実施形態に関して示される特徴は、他の実施形態に組み込まれる場合があり、特定の実施形態に関して示される特徴は、その実施形態から削除される場合もある。加えて、多数の変更と、本明細書に示唆される様々な実施形態への追加は、本発明から逸脱することなく、本開示に照らして当業者に明白となるであろう。従って、以下の詳述は、本発明の幾つかの特定の実施形態を示すように意図されるが、その全ての変形、組み合わせ、及び変更を完全に特定するようには意図されない。
<定義>
本明細書中で使用されるように、次の言葉及び句は、それらが使用される文脈が他に指し示す範囲を除いて、下に述べられるような意味を持つように一般的に意図される。
本明細書中で使用される「基体」は、コーティングを載置することが望ましい任意の表面を指す。生物医学的移植は、本発明の特に興味深いものである;しかし、本発明は、この種類の基体に制限されるように意図しない。当業者は、本明細書中で記載されるコーティング工程から利益を得る、例えば薬学的錠剤コアなどの代替基体を、アッセイ器具の一部又は診断キット(例えばテストストリップ)中の成分として受け入れるだろう。本発明の方法を使用してコーティングされ得る基体の例は、例えばカテーテル、バルーン、カッティングバルーン、ワイヤーガイド、カニューレ、ツーリング、矯正装置、構造インプラント、ステント、ステントグラフト、移植片、大静脈フィルタ、心臓弁、脳脊髄液シャント術、ペースメーカー電極、中枢冠状動脈シャント、心内膜リード、人工心臓などの外科用デバイス又は医療デバイスを含む。
本明細書で使用される「生体用インプラント」は、ステント(例えば、冠状動脈ステント、辺縁ステントと移植片ステントとを含む血管内ステント、尿管ステント、尿道/前立腺ステント、直腸ステント、食道ステント、胆道ステント、膵臓ステント)、電極、カテーテル、リード、埋め込み型ペースメーカー、電気除細動器又は除細動器のハウジング、ジョイント、ねじ、ロッド、眼科用インプラント、大腿部のピン、骨プレート、グラフト、吻合デバイス、血管周囲ラップ、縫合糸、ステープル、水頭症用シャント、透析グラフト(結腸瘻バッグの取り付け装置、耳用ドレナージ管、ペースメーカー及び注入移植可能な電気除細動器並びに除細動器用のリード、椎間板、骨ピン、縫合糸アンカー、止血バリア、クランプ、ねじ、プレート、クリップ、血管インプラント、組織用の接着剤及び密封材、組織足場、様々なタイプの包帯(例えば、創傷包帯)、代用骨、管腔内デバイス、脈管支持体などを含むがこれらに限定されない、ヒト又は動物の被験体の身体への挿入用の任意のインプラントを指す。
インプラントは、任意の適切な材料から形成され、この適切な材料としては、ポリマー(安定な又は不活性なポリマー、有機ポリマー、有機−無機コポリマー、無機ポリマー、及び生分解性ポリマーを含む)、金属、合金、例えばシリコンのような無機材料、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。インプラントは、一つの材料のコア及び異なる材料の1以上のコーティングを有する層構造を有する。導電性材料で作られる基体は、静電気捕捉を促進する。しかし、本発明は、本明細書に記載されるように、低伝導性を持つ又は非伝導性である基体と共に、静電気捕捉の使用を熟考する。非伝導性基体が利用される時に静電気捕捉を増強するために、該基体は、例えば該基体の付近に強力な電界を維持する間に、処理される。しかし、幾つかの実施形態において、前記基体へのコーティングの塗布の際に、静電気捕捉は利用されない。本明細書中に提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、基体は、コーティングプロセスにおいて帯電されない。本明細書中に提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、電位は、基体及びコーティング器具の間で生み出されない。
本発明の生体用インプラントが適用又は挿入され得る被験体は、獣医学的目的及び/又は医学研究のために、ヒト被験体(男性及び女性の被験体、並びに、幼児、年少者、青年、成人、及び老人の被験体)と、動物被験体(ブタ、ウサギ、マウス、イヌ、ネコ、ウマ、サルなどを含むがこれらに限定されない)との両方を含む。
本明細書で使用されるように、生生体用インプラントは、永続的に注入されない医療器具を含み得る。幾つかの実施形態における生体用インプラントは、一時的な方式で被験体中に使用されるデバイスを含み得る。非限定的な例として、生体用インプラントは、内腔を広げるために一時的に使用されるバルーンであり得、その後、医療処置の間に又は処置の後に収縮させ、及び/又は被験体から除去され得る。幾つかの実施形態において、生体用インプラントは、例えば、医療処置の一部の間等の限定期間の間、又は限定期間のみ(永久に移植されるより少ない、いくらかの時間)一時的に移植され得、又は被験体に一時的に移植され得及び/又は瞬間的に被験体に載置され得る。幾つかの実施形態において、生体用インプラントは全く移植されず、むしろ、単に医療処置中に被験体に挿入されるだけであり、その後、医療処置が完了する前又はその時点で、被験体から取り除かれる。幾つかの実施形態において、被験体に完全に再吸収される(即ち、被験体によって完全に再吸収される)ため、生体用インプラントは永続的に注入されない。好ましい実施形態において、生体用インプラントは、内腔(自然に発生又は非自然に発生する)中で膨張され得る膨脹可能なバルーンであり、その内腔は、バルーンが内腔から除去される場合、バルーンから解放される(少なくとも部分的に)と共に内腔中に残されるその上にコーティングを備える。
本発明と共に利用される医薬製剤の例は、ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシエチル)ラパマイシン(エベロリムス)、40−O−ベンジル−ラパマイシン、40−O−(4’−ヒドロキシメチル)ベンジル−ラパマイシン、40−O−[4’−(1,2−ジヒドロキシエチル)]ベンジル−ラパマイシン、40−O−アリル−ラパマイシン、40−O−[3’−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4(S)−イル)−プロプ−2’−エン−1’−イル]−ラパマイシン、(2’:E,4’S)−40−O−(4’,5’−ジヒドロキシペント−2’−エン−1’−イル)−ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシ)エトキシカルボニルメチル−ラパマイシン、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−(6−ヒドロキシ)ヘキシル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン、40−O−[(3S)−2,2−ジメチルジオキソラン−イル]メチル−ラパマイシン、40−O−[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロプ−1−イル]−ラパマイシン、40−O−(2−アセトキシ)エチル−ラパマイシン、40−O−(2−ニコチノイルオキシ)エチル−ラパマイシン、4O−O−[2−(N−モルホリノ)アセトキシ]エチル−ラパマイシン、40−O−(2−N−イミダゾリルアセトキシ)エチル−ラパマイシン、40−O−[2−(N−メチル−N’−ピペラジニル)アセトキシ]エチル−ラパマイシン、39−O−デスメチル−39,40−O,O−エチレン−ラパマイシン、(26R)−26−ジヒドロ−40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン、28−O−メチル−ラパマイシン、40−O−(2−アミノエチル)−ラパマイシン、40−O−(2−アセトアミノエチル)−ラパマイシン、4O−O−(2−ニコチンアミドエチル)−ラパマイシン、40−O−(2−(N−メチル−イミダゾ−2’−イルカルベトキサミド)エチル)−ラパマイシン、40−O−(2−エトキシカルボニルアミノエチル)−ラパマイシン、40−O−(2−トリルスルホンアミドエチル)−ラパマイシン、40−O−[2−(4’,5’−ジエトキシカルボニル−1’,2’,3’−トリアゾール−1’−イル)−エチル]−ラパマイシン、42−エピ−(テトラゾリル)ラパマイシン(タクロリムス)、及び、42−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロパノアート]ラパマイシン(テムシロリムス)を含む。前記デバイスの幾つかの実施形態における活性薬剤、コーティング、及び/又は本明細書で提供される方法は、マクロライド系免疫抑制剤を含む。幾つかの実施形態において、マクロライド系免疫抑制剤は、ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシエチル)ラパマイシン(エベロリムス)、40−O−ベンジル−ラパマイシン、40−O−(4’−ヒドロキシメチル)ベンジル−ラパマイシン、40−O−[4’−(1,2−ジヒドロキシエチル)]ベンジル−ラパマイシン、40−O−アリル−ラパマイシン、40−O−[3’−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4(S)−イル)−プロプ−2’−エン−1’−イル]−ラパマイシン、(2’:E,4’S)−40−O−(4’,5’−ジヒドロキシペント−2’−エン−1’−イル)−ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシ)エトキシカルボニルメチル−ラパマイシン、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−(6−ヒドロキシ)ヘキシル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン、40−O−[(3S)−2,2−ジメチルジオキソラン−イル]メチル−ラパマイシン、40−O−[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロプ−1−イル]−ラパマイシン、40−O−(2−アセトキシ)エチル−ラパマイシン、40−O−(2−ニコチノイルオキシ)エチル−ラパマイシン、40−O−[2−(N−モルホリノ)アセトキシ]エチル−ラパマイシン、40−O−(2−N−イミダゾリルアセトキシ)エチル−ラパマイシン、40−O−[2−(N−メチル−N’−ピペラジニル)アセトキシ]エチル−ラパマイシン、39−O−デスメチル−39,40−O,O−エチレン−ラパマイシン、(26R)−26−ジヒドロ−40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン、28−O−メチル−ラパマイシン、40−O−(2−アミノエチル)−ラパマイシン、40−O−(2−アセトアミノエチル)−ラパマイシン、40−O−(2−ニコチンアミドエチル)−ラパマイシン、40−O−(2−(N−メチル−イミダゾ−2’−イルカルベトキサミド)エチル)−ラパマイシン、40−O−(2−エトキシカルボニルアミノエチル)−ラパマイシン、40−O−(2−トリルスルホンアミドエチル)−ラパマイシン、40−O−[2−(4’,5’−ジエトキシカルボニル−1’,2’,3’−トリアゾール−1’−イル)−エチル]−ラパマイシン、42−エピ−(テトラゾリル)ラパマイシン(タクロリムス)、及び、42−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロパノアート]ラパマイシン(テムシロリムス)の1以上を含む。前記活性薬剤は、マクロライド系免疫抑制剤、そのプロドラッグ、水和物、エステル、塩、多形、誘導体、及びアナログから選択され得る。前記活性薬剤は、シロリムス、そのプロドラッグ、水和物、エステル、塩、多形、誘導体、及びアナログから選択され得る。
医薬製剤はまた、必要に応じて、薬学的に許容可能な塩又は誘導体の形態でもまた使用されてもよく(本発明の化合物の生物学的効果及び特性を保持する塩であって、生物学的に他に望ましい塩を意味する)、及び、キラル活性成分の場合、光学活性異性体及びラセミ化合物の両方又はジアステレオ異性体の混合物を使用することができる。同様に、医薬製剤は、そのプロドラッグ、水和物、エステル、塩、多形、誘導体、及びアナログの少なくとも1つを含み得る。
本明細書に記載されるように、医薬製剤は抗生物質でもよい。
本明細書で提供される方法、コーティング、及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、コーティング中の活性薬剤の大きさが制御される。幾つかの実施形態において、活性薬剤はシロリムスであり、シロリムスは、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、別の制御された大きさ、又はそれらの組み合わせの少なくとも1つの平均サイズ(平均直径)を持つ。幾つかの実施形態において、活性薬剤はシロリムスであり、シロリムスは、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、別の制御された大きさ、又はそれらの組み合わせの少なくとも1つのメジアン径を持つ。幾つかの実施形態において、活性薬剤はシロリムスであり、シロリムスは、約1.5μm、約2.5μm、約645nm、約100−200nm、別の制御された大きさ、又はそれらの組み合わせの少なくとも1つの平均サイズ(平均直径)を持つ。幾つかの実施形態において、活性薬剤はシロリムスであり、シロリムスは、約1.5μm、約2.5μm、約645nm、約100−200nm、別の制御された大きさ、又はそれらの組み合わせの少なくとも1つのメジアン径を持つ。幾つかの実施形態において、活性薬剤はシロリムスであり、シロリムスの少なくとも75%のシロリムスは、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、又は、別の制御された大きさである。幾つかの実施形態において、活性薬剤はシロリムスであり、シロリムスの少なくとも50%のシロリムスは、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、又は、別の制御された大きさである。幾つかの実施形態において、活性薬剤はシロリムスであり、シロリムスの少なくとも90%のシロリムスは、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、又は、別の制御された大きさである。
本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、マクロライド系免疫抑制剤は少なくとも50%の結晶である。幾つかの実施形態において、マクロライド系免疫抑制剤は少なくとも75%の結晶である。幾つかの実施形態において、マクロライド系免疫抑制剤は少なくとも90%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、マクロライド系免疫抑制剤は少なくとも95%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、マクロライド系免疫抑制剤は少なくとも97%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、マクロライド系免疫抑制剤は少なくとも98%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、マクロライド系免疫抑制剤は少なくとも99%の結晶である。
本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、医薬製剤は少なくとも50%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、医薬製剤は少なくとも75%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、医薬製剤は少なくとも90%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、医薬製剤は少なくとも95%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、医薬製剤は少なくとも97%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、医薬製剤は少なくとも98%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、医薬製剤は少なくとも99%の結晶である。
「プロドラッグ」は、送達が所望される化合物により大きな溶解性を賦与する基の追加によって誘導される、誘導体化合物である。身体に入ると、プロドラッグは一般に、例えばエステラーゼ、アミダーゼ、ホスファターゼの酵素の影響を受けて、活性化合物を生成する。
「抗癌剤」、「抗腫瘍薬剤」、又は「化学療法剤」は、腫瘍状態の処置に有用な任意の薬剤を指す。癌の処置のための本発明のデバイス及び方法に有用な、商業用途、臨床評価、及び前臨床開発で利用可能な多くの化学療法剤が存在する。
本明細書で使用される「安定性」は、最終生成物の形態で、基体に被着されるコーティングにおける薬物の安定性(例えば、コーティング付きのステントにおける薬物の安定性)を指す。用語「安定性」及び/又は「安定な」は、幾つかの実施形態において、最終生成物の形態で薬物の5%以下の分解(degradation)により定められる。用語「安定性」は、幾つかの実施形態において、最終生成物の形態で薬物の3%以下の分解により定められる。用語「安定性」は、幾つかの実施形態において、最終生成物の形態で薬物の2%以下の分解により定められる。用語「安定性」は、幾つかの実施形態において、最終生成物の形態で薬物の1%以下の分解により定められる。
幾つかの実施形態において、医薬製剤は、デバイス滅菌後の50%の結晶、75%の結晶、80%の結晶、90%の結晶、95%の結晶、97%の結晶、及び99%の結晶の少なくとも1つである。幾つかの実施形態において、医薬製剤の結晶化度は安定しており、殺菌後の医薬製剤の結晶化度は、殺菌後1週、殺菌後2週、殺菌後4週、殺菌後1か月、殺菌後2か月、殺菌後45日、殺菌後60日、殺菌後90日、殺菌後3か月、殺菌後4か月、殺菌後6か月、殺菌後9か月、殺菌後12か月、殺菌後18か月、及び殺菌後2年の少なくとも1つの医薬製剤の結晶化度と比較される。幾つかの実施形態において、医薬製剤の結晶化度は安定しており、殺菌前の医薬製剤の結晶化度は、殺菌後1週、殺菌後2週、殺菌後4週、殺菌後1か月、殺菌後2か月、殺菌後45日、殺菌後60日、殺菌後90日、殺菌後3か月、殺菌後4か月、殺菌後6か月、殺菌後9か月、殺菌後12か月、殺菌後18か月、及び殺菌後2年の少なくとも1つの医薬製剤の結晶化度と比較される。そのような実施形態において、所望の時点での医薬製剤の安定性を判定するために、異なるデバイスが、同じ生産ロットから試験され得る。
幾つかの実施形態において、医薬製剤の結晶化度は、殺菌後1週、殺菌後2週、殺菌後4週、殺菌後1か月、殺菌後2か月、殺菌後45日、殺菌後60日、殺菌後90日、殺菌後3か月、殺菌後4か月、殺菌後6か月、殺菌後9か月、殺菌後12か月、殺菌後18か月、及び殺菌後2年の少なくとも1つにおいて安定している。
幾つかの実施形態において、殺菌後のある時点で試験されたデバイス上の医薬製剤の結晶化度は、デバイスの同じロット、及び、殺菌前の試験時点での医薬製剤の同じロットから製造された第2のデバイス上で試験された結晶化度と、1%、2%、3%、4%、及び/又は5%を超えて異なることはない(すなわち、結晶化度は99%結晶から94%結晶までわずかに落ちるだけで(例えば、結晶化度が5%異なる)、結晶化度は99%結晶から95%結晶までわずかに落ちるだけで(例えば、結晶化度が4%異なる)、結晶化度は99%結晶から96%結晶までわずかに落ちるだけで(例えば、結晶化度が3%異なる)、結晶化度は99%結晶から97%結晶までわずかに落ちるだけで(例えば、結晶化度が2%異なる)、結晶化度は99%結晶から98%結晶までわずかに落ちるだけで(例えば、結晶化度が1%異なる)あり、他の例では、開始結晶化度比率は、100%、98%、96%、97%、96%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、60%、50%、30%、25%、及び/又はその間のいずれかの1つである)。
幾つかの実施形態において、殺菌後のある時点で試験されたデバイス上の医薬製剤の結晶化度は、医薬製剤の殺菌前の試験時点で試験された医薬製剤の同じロットからの医薬製剤の結晶化度と、1%、2%、3%、4%、及び/又は5%を超えて異なることはない。
幾つかの実施形態において、医薬製剤の結晶化度は、いずれも殺菌後2年を超えない、殺菌後の2つの試験時点の間で、1%、2%、3%、4%、及び/又は5%を超えて落ちることはない。幾つかの実施形態において、医薬製剤の結晶化度は、いずれも殺菌後5年を超えない、殺菌後2つの試験時点の間で、1%、2%、3%、4%、及び/又は5%を超えて落ちることはない。幾つかの実施形態において、2つの時点は、殺菌後1週、殺菌後2週、殺菌後4週、殺菌後1か月、殺菌後2か月、殺菌後45日、殺菌後60日、殺菌後90日、殺菌後3か月、殺菌後4か月、殺菌後6か月、殺菌後9か月、殺菌後12か月、殺菌後18か月、殺菌後2年、殺菌後3年、殺菌後4年、及び殺菌後5年のうちの2つを含む。
本明細書に使用される「ポリマー」は、交差結合された又は重合された一連の繰り返し単量体単位を指す。任意の適切なポリマーが、本発明を行なうために使用され得る。本発明のポリマーはまた、2、3、4、又はそれ以上の異なるポリマーを含み得ることも可能である。本発明の幾つかの実施形態において、1つのポリマーだけが使用される。特定の実施形態において、2つのポリマーの組み合わせが使用される。ポリマーの組み合わせは、異なる特性を持つコーティングを提供するために比率を変えられ得る。本発明のデバイス及び方法で有用なポリマーは、例えば、安定的な又は不活性なポリマー、有機ポリマー、有機−無機コポリマー、無機ポリマー、生体吸収可能なポリマー、生体再吸収可能なポリマー、再吸収可能なポリマー、分解可能なポリマー、及び、生分解可能なポリマーを含む。ポリマー化学の当業者は、ポリマー化合物の異なる特性に精通する。
幾つかの実施形態において、コーティングは更にポリマーを含む。幾つかの実施形態において、活性薬剤はポリマーを含む。幾つかの実施形態において、ポリマーは、ポリアルキルメタクリレート、ポリアルキレン−コ−ビニルアセテート、ポリアルキレン、ポリウレタン、ポリ酸無水物、脂肪族ポリカーボネート、ポリヒドロキシアルカノエート、シリコン含有ポリマー、ポリアルキルシロキサン、脂肪族ポリエステル、ポリグリコリド、ポリラクチド、ポリラクチド−コ−グリコリド、ポリ(e−カプロラクトン)、ポリテトラハロアルキレン、ポリスチレン、ポリ(ホスファゾン(phosphasones))、これらのコポリマー、及び、これらの組み合わせの少なくとも1つを含む。
一実施形態において、ポリマーは、例えば、消化、分解、又は消化と分解の組み合わせにより、移植後に柔らかくなることが可能である。一実施形態において、ポリマーの加水分解により介入部位にある場合、ポリマーは、基体から移動、解放、及び/又は解離するように適用される。様々な実施形態において、デバイスは、生体吸収性ポリマーでコーティングされ、この生体吸収性ポリマーは、約1日、約3日、約5日、約7日、約14日、約3週、約4週、約45日、約60日、約90日、約180日、約6か月、約9か月、約1年、約1から約2日、約1から約5日、約1から約2週、約2から約4週、約45から約60日、約45から約90日、約30から約90日、約60から約90日、約90から約180日、約60から約180日、約180日から約365日、約6から約9カ月、約9から約12カ月、約9から約15カ月、及び、約1から約2年の少なくとも1つで再吸収可能である。
本発明で使用されてもよいポリマーの例は、ポリカルボン酸、セルロースポリマー、タンパク質、ポリペプチド、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸ポリマー、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、グリコサミノグリカン、ポリサッカライド、ポリエステル、脂肪族ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、コポリマー、シリコン、シリコン含有ポリマー、ポリアルキルシロキサン、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ビニルモノマーのコポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピテン(polypropytenes)、ポリ乳酸、ポリラクチド、ポリグリコール酸、ポリグリコリド、ポリラクチド−コ−グリコリド、ポリカプロラクトン、ポリ(e−カプロラクトン)、吉草酸ポリヒドロキシブチレート、ポリアクリルアミド、ポリエーテル、ポリウレタン分散液、ポリアクリレート、アクリルラテックス分散液、ポリアクリル酸、ポリアルキルメタクリレート、ポリアルキレン−コ−ビニルアセテート、ポリアルキレン、脂肪族ポリカーボネートポリヒドロキシアルカノエート、ポリテトラハロアルキレン、ポリ(ホスファゾン)、ポリテトラハロアルキレン、ポリ(ホスファゾン)、及び、これらの混合物、組み合わせ、及び、コポリマーを含むが、これらに限定されない。
本発明のポリマーは、起源が天然又は合成のものであってもよく、ゼラチン、キトサン、デキストリン、シクロデキストリン、ポリ(ウレタン)、ポリ(シロキサン)又はシリコン、[rho]oly(メチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、及び、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)などのポリ(アクリレート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレン)、[rho]oly(イソプレン)などのポリ(オレフィン)、ポリ(テトラフルオロエチレン)などのハロゲン化ポリマー、及び、テフロン(登録商標)製品、ポリ(ビニリジンフルオライド)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アクリル酸)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(メタクリル酸)などとして市販されているものの誘導体とコポリマーを含む。
適切なポリマーは、更に、以下の組み合わせ、コポリマー、及び、誘導体を含む、吸収可能な及び/又は再吸収可能なポリマーを含む:ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)、ポリ酸無水物、ポリオルトエステル、ポリ(N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、誘導体DLPLA−ポリ(dl−ラクチド);LPLA−ポリ(l−ラクチド);PDO−ポリ(ジオキサノン);PGA−TMC−ポリ(グリコリド−コ−トリメチレンカーボネート);PGA−LPLA−ポリ(l−ラクチド−コ−グリコリド);PGA−DLPLA−ポリ(dl−ラクチド−コ−グリコリド);LPLA−DLPLA−ポリ(l−ラクチド−コ−dl−ラクチド);及び、PDO−PGA−TMC−ポリ(グリコリド−コ−トリメチレンカーボネート−コ−ジオキサノン)を含むポリ(l−アスパルトアミド)、ならびに、これらの組み合わせ。
本明細書で提供されるデバイス、コーティング、及び/又は方法の幾つかの実施形態において、ポリマーはPLGAを含む。本明細書で提供されるデバイス、コーティング、又は方法の幾つかの実施形態において、PLGAは、約50:50の乳酸:グリコール酸を含む。PLGAは、約30KDaのMWと約15KDaのMn、約10KDa乃至約25KDaのMn、及び約15KDa乃至約40KDaのMWの少なくとも1つを含む。本明細書で提供されるデバイス、コーティング、又は方法の幾つかの実施形態において、PLGAは、50:50の乳酸:グリコール酸を含む。本明細書で提供されるデバイス、コーティング、又は方法の幾つかの実施形態において、PLGAは、40:60乃至60:40の乳酸:グリコール酸を含む。本明細書で提供されるデバイス、コーティング、又は方法の幾つかの実施形態において、PLGAは、45:55乃至55:45の乳酸:グリコール酸を含む。本明細書で提供されるデバイス、コーティング、又は方法の幾つかの実施形態において、PLGAは、48:52乃至52:48の乳酸:グリコール酸を含む。本明細書で提供されるデバイス、コーティング、又は方法の幾つかの実施形態において、PLGAは、49:51乃至51:49の乳酸:グリコール酸を含む。PLGAにおけるグリコール酸に対する乳酸の比率に関して、用語「約」の使用は、本明細書で使用されるように、40:60乃至60:40、45:55乃至55:45、48:52乃至52:48、又は49:51乃至51:49を指し、実施形態によって異なる。
本明細書で使用される「コポリマー」は、2以上の異なるモノマーからなるポリマーを指す。コポリマーは、更に、及び/又は、代替的に、当業者に知られている、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマーのことを言う。
本明細書で用いられる「生体適合性の」は、動物の組織に密接して配された際に、この動物に損傷又は死をもたらさない、又は、この動物の副作用を引き起こさない、あらゆる物質を指す。副作用には、例えば、炎症、感染症、繊維性組織形成、細胞死、又は、血栓症が挙げられる。本明細書で用いられる際の「生体適合性の」及び「生体適合性」という用語は、当該技術分野では承認されており、指示対象がそれ自体、宿主(例えば、動物又は人間)に対して有毒ではなく、毒性濃度の副産物(例えば、モノマー又はオリゴマーのサブユニット又は他の副産物)を生産する速度、炎症又は刺激作用を引き起こす速度、又は、宿主の中の免疫反応を引き起こす速度では、分解することもない(もし分解する場合に)ことを意味している。あらゆる対象組成物が生体適合性であるとみなされる100%の純度を有する必要はない。従って、対象組成物は、99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、80%、75%、又は、それ未満の生体適合性の薬剤(例えば、ポリマー、及び、本明細書に記載の他の材料及び賦形剤を含む薬剤を含む)を含んでもよく、このような薬剤はまだ生体適合性を有している。本明細書で用いられる「非生体適合性の」とは、動物の組織に密接して配されるとこの動物に損傷又は死をもたらす、又は、この動物に副作用を引き起こす、あらゆる物質のことを言う。そのような副作用は例えば、上記の通りである。
「生体吸収可能な」、「生分解可能な」、「生体内分解性の」、「生体内再吸収可能な」、及び、「再吸収可能な」という用語は、当該技術分野で承認された同義語である。これら用語は本明細書にて互換的に使用される。生体吸収可能なポリマーと非生体吸収可能なポリマーは、前者が使用の間に吸収(例えば、分解)され得るという点で一般的に異なる。特定の実施形態において、そのような使用は、インビボの治療等のインビボの使用を含み、他の特定の実施形態においては、インビトロの使用を含む。一般的に、生分解性に起因する分解は、生体吸収可能なポリマーのその成分サブユニットへの分解、又は、例えば、生化学的プロセスによるポリマーの小さな非ポリマー性サブユニットへの消化を含む。特定の実施形態において、生分解は、酵素媒介、体内での水分(加水分解)及び/又は他の化学種の存在下での分解、又は、その両方によって生じることもある。ポリマーの生体吸収性は、本明細書に記載されるように、或いは当業者に既知の方法により、インビトロで示され得る。ポリマーの生体吸収性に関するインビトロ試験は、生体吸収特性(例えば、分解、消化)を示すために、生細胞又は他の生物学的材料を必要としない。したがって、再吸収(resorbtion、resorption)、吸収(absorbtion、resorption)、浸食も、「生体吸収可能な」、「生分解可能な」、及び、「生体内分解性の」、及び、「生体再吸収可能な」という用語と同義的に用いられてもよい。生体吸収可能なポリマーの分解のメカニズムは、大量の分解、表面浸蝕、及び、これらの組み合わせを含んでもよい。
本明細書で使用されるように、用語「生分解」は、生分解の両方の一般的なタイプを包含する。生分解性ポリマーの分解速度はしばしば、様々な要因に部分的に依存する。この要因は、任意の分解に関与する連鎖の化学的同一性、そのようなポリマーの分子量、結晶化度、バイオ安定性、及び、架橋結合の強さ、インプラントの物理的特性(例えば、形状とサイズ)、及び、投与の方法と位置を含む。例えば、分子量が大きれば大きいほど、結晶化度は高くなり、及び/又は、生物学的安定性が高ければ高いほど、任意の生体吸収性ポリマーの生分解は通常は遅れる。
本明細書で用いられる「分解」は、例えば、1つ以上の原子団を開裂させることによって、1つの化学化合物を1つのそれほど複雑でない複合体へと変換又は還元することを指す。コーティングの分解は、デバイスへのコーティングの密着的且つ接着的な結合を減らし、それにより介入部位へのコーティングの移動を容易にする。
本明細書で使用されているように、用語「耐久性のあるポリマー」は、生体吸収性ではなく(及び/又は生体浸食性ではなく、及び/又は生体分解性ではなく、及び/又は、生体吸収性ではない)、したがって生体安定性のポリマーを指す。幾つかの実施形態において、前記デバイスは耐久性のあるポリマーを含む。該ポリマーは、架橋結合された耐久性のあるポリマーを含み得る。例となる生体適合性の耐久性のあるポリマーとしては、限定されないが、ポリエステル、脂肪族ポリエステル、ポリ無水物、ポリエチレン、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリウレタン、ポリカーボネートウレタン、脂肪族ポリカーボネート、シリコン、シリコン含有ポリマー、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカプロラクタム、ポリアミド、ポリビニルアルコール、アクリルポリマー、アクリレート、ポリスチレン、エポキシ、ポリエーテル、セルロース誘導体(celluiosics)、拡張したポリテトラフルオロエチレン、ホスホリルコリン、ポリエチレンテレフタラート(polyethyleneyerphthalate)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethavrylate)、ポリ(メタクリル酸エチル/n−ブチルメタクリレート)、パリレンC、ポリエチレン−コ−ビニルアセテート、ポリアルキルメタクリレート、ポリアルキルエン−コ−ビニルアセテート、ポリアルキルキレン、ポリアルキルシロキサン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリフルオロアルコキシファスファジン(polyfluoroalkoxyphasphazine)、ポリ(スチレン−b−イソブチレン−b−スチレン)、ポリ−ブチルメタクリレート、ポリ−byta−ジエン、及び、これらのブレンド、組み合わせ、ホモポリマー、縮合ポリマー、代替コポリマー、ブロックコポリマー、樹状コポリマー、架橋結合コポリマー、及び、コポリマーが挙げられる。ポリマーは熱硬化性材料を含み得る。ポリマーは、コーティングした移植可能な医療デバイスに強度を提供し得る。ポリマーは、コーティングした移植可能な医療器具のために耐久性を提供し得る。本明細書で提供されるコーティング及びコーティング方法は、生体吸収性であるか又は耐久性があるか又はその組み合わせであり得る、及び、活性薬剤を送達するとともに送達先の血管に弾性及び放射状の強度を提供することもできる、多層コーティングを確立することによって、これらからの実質的な保護を提供する。
本明細書で用いられる「治療上望ましい形態学」は、エクスビボ貯蔵、インビボ保存、及び/又は、インビボ放出の最適な条件を提供するために、その基体上に一度被着した、医薬製剤の全体的形状又は構造を指す。このような最適な条件は、貯蔵寿命(すなわち、貯蔵安定性)の増加、インビボ安定性の増加、優れた生体適合性、優れた生物学的利用能又は修正された放出速度を含むが、これらに限定されない。典型的に、本発明のために、医薬製剤の所望の形態は、結晶、半結晶、又は非晶質であるが、これは、限定されないが医薬製剤の性質、処置される/予防される疾患、使用前の基体のための意図された保管条件、或いは任意の生物医学的インプラントの身体内における場所に大きく依存して、異なり得る。好ましくは、医薬製剤の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、及び/又は100%は、結晶又は半結晶の形態である。
本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、マクロライド系免疫抑制剤は少なくとも50%の結晶である。幾つかの実施形態において、マクロライドの免疫抑制薬は少なくとも75%の結晶である。幾つかの実施形態において、マクロライドの免疫抑制薬は少なくとも90%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、マクロライド系免疫抑制剤は少なくとも95%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、マクロライド系免疫抑制剤は少なくとも97%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、マクロライド系免疫抑制剤は少なくとも98%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、マクロライド系免疫抑制剤は少なくとも99%の結晶である。
本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、医薬製剤は少なくとも50%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、医薬製剤は少なくとも75%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、医薬製剤は少なくとも90%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、医薬製剤は少なくとも95%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、医薬製剤は少なくとも97%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、医薬製剤は少なくとも98%の結晶である。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、医薬製剤は少なくとも99%の結晶である。
本明細書に使用される「安定化剤」は、生物学的薬剤の安定性を維持する又は増強する任意の物質を指す。理想的には、これらの安定化剤は、米国食品薬品局(FDA)によって分類される、一般的に安全と考えられている(Generally Regarded As Safe)(GRAS)材料として分類される。安定化剤の例は、限定されないが、アルブミン、ゼラチン、金属、又は無機塩類などの担体タンパク質を含む。現存する薬学的に許容可能な賦形剤は更に、関連文献(例えば、Handbook of Pharmaceutical Additives: An International Guide to More Than 6000 Products by Trade Name, Chemical, Function, and Manufacturer; Michael and Irene Ash (Eds.); Gower Publishing Ltd.; Aldershot, Hampshire, England, 1995)に見出され得る。
本明細書に使用される「介入部位」は、コーティングが(基体からの移動、解放、及び/又は解離により)送達されるように意図される身体の位置を指す。介入部位は、デバイスを包囲する培地における任意の物質(例えば、組織、軟骨、体液など)であり得る。介入部位は、処置部位と同じであってもよく、すなわち、コーティングの送達先の物質が処置を必要とするのと同じ組織である。代替的に、介入部位は、処置部位から解離され得、その後、会部位から離れて医薬製剤又は他の薬剤を拡散又は移動させることを必要とする。
本明細書に使用される「圧縮流体」は、標準の温度及び圧力で気体である、明確に認識できる密度(例えば、>0.2g/cc)の流体を指す。本明細書で用いられる「超臨界流体」、「臨界点近傍流体」、「超臨界点近傍流体」、「臨界流体」、「高密度流体」、又は「高密度ガス」は、温度が流体の臨界温度の少なくとも80%であり、圧力が流体の臨界圧の少なくとも50%であり、及び/又は、流体の臨界密度の+50%の密度である条件下で、圧縮された流体のことを言う。
本発明に適した超臨界又は臨界点近傍挙動を示す物質の例としては、限定されないが、二酸化炭素、イソブチレン、アンモニア、水、メタノール、エタノール、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ジメチルエーテル、キセノン、六フッ化硫黄、クロロフルオロカーボンなどのハロゲン化された材料及び部分的にハロゲン化された材料、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン(パーフルオロメタン及びパーフルオロプロパン、クロロホルム、トリクロロ−フルオロメタン、ジクロロ−ジフルオロメタン、ジクロロ−テトラフルオロエタン)及び、それらの混合物が挙げられる。好ましくは、超臨界流体は、ヘキサフルオロプロパン(FC−236EA)、又は1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパンである。好ましくは、超臨界流体は、PLGAポリマーコーティングに使用するためのヘキサフルオロプロパン(FC−236EA)、又は1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパンである。
本明細書で用いられる「焼結」は、ポリマーの一部又はポリマー全体が連続するようになる工程(例えば、連続的なポリマー膜の形成)を指す。本明細書で議論されるように、焼結プロセスは、完全に等角の連続ポリマーを生成するか(完全焼結)、又は、ポリマー中に空隙(切れ目)を生成しながら連続コーティングの領域又はドメインを生成するように、制御される。同様に、焼結プロセスが制御されることによって、幾つかの相分離が、異なるポリマー間(例えば、ポリマーA及びポリマーB)で得られるか又は維持され、及び/又は、解離したポリマー粒子間での相分離をもたらす。焼結プロセスを介して、コーティングの接着特性が改善されることによって、操作使用中における基体からのコーティングの解離にかかる剥離片を減少させる。本明細書に使用されるように、幾つかの実施形態において、焼結プロセスはポリマーの不完全な焼結をもたらすように制御される。不完全な焼結を含む実施形態において、制御された条件下で放出される治療剤を隔離する空間を提供する、連続的なドメイン、空隙、隙間、空洞、孔、チャンネル、又は間隙と共に、ポリマーが形成される。ポリマーの性質、ポリマー粒子の大きさ、及び/又は、他のポリマー特性に依存して、圧縮ガス、高密度ガス、臨界点近傍流体、又は、超臨界流体が採用されてもよい。1つの例において、二酸化炭素は、乾燥粉末とRESSの静電コーティング工程を使用してポリマーと薬物でコーティングされた基体を処理するために用いられる。別の例において、イソブチレンが焼結プロセスで利用される。他の例において、二酸化炭素とイソブチレンの混合物が利用される。別の例において、1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパンが焼結プロセスで利用される。
非晶質材料がそのガラス転移温度以上に加熱されると、又は、結晶材料が相転移温度以上に加熱されると、その材料を含む分子の移動性が高まる。このことは、同様に、それらが更に活性になり、したがって、酸化などの反応が起こりやすいことを意味する。しかし、非晶質材料がそのガラス転移温度未満の温度に維持されると、その分子は実質的に固定され、故に反応が起こりにくい。同様に、結晶材料がその相転移温度以下で維持されると、その分子は実質的に固定化され、したがって、反応が起こりにくい。これに応じて、本明細書に記載の被着及び焼結の条件などの温和な条件下の処理薬成分は、薬物成分の交差反応及び分解を最小化する。本発明のプロセスによって最小化される反応の1つのタイプは、従来の溶媒を回避する能力に関し、この能力は、非晶質、半結晶、又は、結晶のどの形態の薬物であれ、遊離基、残存溶媒、プロトン性材料、極性プロトン性材料、酸化開始物質(oxidation initiator)、及び、自動酸化開始物質(autoxidation initiator)への薬物の曝露を減らすことによって、薬物の酸化を最小化する。
本明細書で用いられる「超臨界流体急速膨張」又は「RESS」は、ポリマーの圧縮流体、典型的には、超臨界流体への溶解と、その後の低圧力下での、典型的には大気圧下に近い条件下でのチャンバへの急速な膨張を含む。密度の減少を伴う、小開口を介した超臨界流体溶液の急速な膨張は、流体の分解能力を低下させ、ポリマー粒子の核形成及び成長をもたらす。チャンバの大気は、チャンバ内のガスの解離している「雲」を維持することによって、電気的に中立な状態で維持される。二酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム、又は、他の適切なガスは、電荷が基体から周辺環境へと移動するのを防ぐために使用される。
本明細書で用いられる「超臨界流体静電気急速膨張」又は「e−RESS」或いは「eRESS」は、本明細書に記載の超臨界流体急速膨張と組み合わせた、本明細書に記載の静電気の獲得を指す。幾つかの実施形態において、超臨界溶液静電気急速膨張は、当該技術分野において、例えば、引用により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,756,084号「Electrostatic deposition of particles generated from rapid expansion of supercritical fluid solutions」に記載されるような、静電気の獲得を指す。
静電気の獲得は、デバイス(例えばバルーン)上にコーティングを被着させるために使用され得、且つ本明細書において「eSTAT」と称され得る。コーティングは、はeSTAT引力によってバルーンに適用され、正に荷電したコーティングは、負に荷電したコーティングデバイスを覆う。例えば、幾つかの実施形態では、結晶形態のシロリムスがeSTAT引力によってバルーンに適用され、正に荷電した薬物の粒子が負に荷電したバルーンを覆う。バルーン上を覆ったシロリムスは、幾つかの実施形態では、本質的に正の電荷を有する。
図2は、シロリムスで12の血管形成バルーンをコーティングする例となるeSTATプロセスを描いている。この実施例のプロセスにおいて、8リットルのアルミホイルでコーティングされたベルジャー(2)が適所で維持されているが、電気的に粉砕していない。粉砕したシロリムス(15.5mg)を、圧縮窒素(22)のシリンダーに取り付けたパルス空気圧弁(20)(Swagelok社 Supplemental Figure S16)に接続されたSwagelok 1/2”ティー・フィルター(18)(Swagelok社(Supplemental Figure S15))に置く。ティー・フィルターは、もう1つの端部で、1/2”(外径)ポリプロピレンチューブ(16)を介して、改良された3/8”のSwagelokのバルクヘッドユニオン(Swagelok社 Supplemental Figure S17)に嵌め合わされたeSTATノズル(14)、1/2”×3/8”のSwagelokの桁違いユニオンに接続される。バルーン(4)は、ベルジャー(2)の下に適所に取り付けられる。この例において、12の3.0mm幅のバルーンが、正に荷電した粉砕されたシロリムス(6)で一度に覆われる。バルーン(4)は、17mm乃至23mmに及ぶ長さなどの様々な長さでもよいが、他の実施形態において、他の大きさが使用されてもよい。幾つかの実施形態において、より少数又は多数のバルーンが、一度に覆われてもよい。コーティングプロセスの間に使用されるバルーン(4)は一般的に、例えば、−15kVに設定され得る高電圧電源(12)(Spellman SL30高電圧電源など)に接続された、内部に配されたワイヤー(10)を有するカテーテルに取り付けられる。
幾つかの実施形態において、バルーンの長さは5mm乃至35mmの任意の長さ、又は例えば約5mm、約7mm、約8mm、約10mm、約12mm、約13mm、約15mm、約18mm、約20mm、約21mm、約23mm、約25mm、約28mm、約30mm、約32mm、約33mm、及び約35mmの何れかの長さでもよい。バルーンの長さの文脈で使用される場合、用語「約」は、実施形態によっては、例えば、10%、25%、50%、0.1mm、0.25mm、0.5mm、1mm、2mm、及び5mmの変異を意味し得る。
幾つかの実施形態において、バルーンの直径(即ち、幅)は、1.5mm乃至6.0mmの任意の直径、又は例えば約1.5mm、約1.8mm、約2.0mm、約2.25mm、約2.5mm、約2.75mm、約3.0mm、約3.25mm、約3.5mm、約3.75mm、約4.0mm、約4.25mm、約4.5mm、約4.75mm、約5.0mm、約5.25mm、及び約5.5mmの何れかの直径でもよい。バルーンの直径(又は幅)の文脈で使用される場合、用語「約」は、実施形態によっては、例えば、10%、25%、50%、0.1mm、0.25mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.75mm、1mm、及び2mmの変異形態を意味し得る。
幾つかの実施形態において、最小限1つのバルーンが一度に覆われる。幾つかの実施形態において、少なくとも3つのバルーン、少なくとも5つのバルーン、少なくとも6つのバルーン、少なくとも8つのバルーン、少なくとも10のバルーン、少なくとも12のバルーン、少なくとも15のバルーン、少なくとも16のバルーン、少なくとも20のバルーン、少なくとも24のバルーン及び少なくとも30のバルーンの少なくとも1つが、が一度に覆われる。
これらバルーンは、PLGAなどのポリマーで予めコーティングされるか、又はされない場合もある。バルーンのコーティングは、浸漬コーティング、噴霧塗装、又はRESS方法を使用するコーティングなどの様々な手段によって達成され得る。例えば、ポリマー(例えばPLGA)は超臨界溶液(RESS)の急速な拡張によってバルーンに適用され、この場合、溶質(例えばPLGA)は超臨界流体中に急速に溶解し、その後、短いノズルを通って低温と圧力の領域に到達することによって、突然の減圧で急速に拡張する。これらの状態は、溶解したPLGAを粒子径分布の狭い微粉末として急速に被着させ、血管形成バルーン上に均一なコーティングをもたらす。
図3は、PLGAでバルーン(4)を覆うためのRESSプロセスの例を表す。PLGAは容器(24)に入れられ、容器内で、シリンジ・ポンプ(28)(例えば、Isco 260Dシリンジ・ポンプ)を通って容器(24)に送られるHFC236eaシリンダー(26)からのHFC236ea中に溶解する。PLGAはこのようにしてHFC236 eaを含む超臨界溶液を形成し、これは目的細胞(view cells)(50cc)を混合する際に高圧力(5500psi)で撹拌される。PLGA溶液は、シリンジ・ポンプ(30)(例えばIsco 260Dシリンジ・ポンプ)を通って送られ、シリンジ・ポンプ(30)はヒータブロック(32)(温度制御フィードバックを備えた)を通って、その後137Cで加熱される時限式の空気圧弁(34)を通って溶液を送り出す。その後、PLGA溶液は、ステンレススチールのシース(例えば、1/4インチの厚さのステンレススチールのシース)によって囲まれる毛管(36)(例えば、PEEKsil 毛管1/16’’、100ミクロンの外径、10cm長の内径)を通って送られる。その後、電気的に粉砕されたPLGAは、(例えばステンレススチールのシースを介して)ノズル(40)を通って放出される。PLGA溶液がノズル(40)を出ると、PLGAは、乾燥したPLGA粒子(42)として放出され、PLGAとHFC236eaを含む溶液が急速に広がる。コーティングプロセスの間に使用されるバルーン(4)は、ワイヤー(10)を内部(8)に配したカテーテルに一般的に取り付けられ、電気的に粉砕される(44)。ワイヤー(10)は、活性薬剤を用いるバルーンのeSTATコーティングを促進するために、高電圧電源(12)(Spellman SL30高電圧電源など)につながれてもよい。しかしながら、この実施形態に記載されるRESSプロセス中に、バルーンは電気的に粉砕されており、電流は電源(12)からは流れない。
合わせて観察すると、図2及び3は、両方がRESSプロセス及びeSTATプロセスに従って覆うことができる、単一の装置を示す。図2において吹き出しで描かれている要素は同様に図3でも吹き出されており、その逆もまた然りである。代替的に、個別のコーティング装置が、RESSプロセス及びeSTATプロセスに従って別々にコーティングを行うために使用されてもよい。
本明細書で用いられる「超臨界流体の流体促進分散(Solution Enhanced Dispersion of Supercritical Solutions)」、又は、「SEDS」は、ポリマーが溶解したビヒクル(ポリマーと圧縮流体の両方を溶解することができるもの)に対する希釈剤として圧縮流体(例えば、超臨界流体、好ましくは、超臨界CO2)を使用する際に形成されるポリマー粒子の生成のための噴霧プロセスを含む。圧縮流体希釈剤とポリマー含有溶液とを混ぜ合わせることは、例えば、1つの噴霧ノズル内で、又は、多数の噴霧ノズルを用いることによって、ポリマー溶液を含有する第1の流れと、圧縮流体希釈剤を含有する第2の流れとをぶつけることによって達成されてもよい。ポリマー溶液中の溶媒は、1つの化合物又は2以上の成分の混合物であってもよく、アルコール(ジオール、トリオールなどを含む)、エーテル、アミン、ケトン、炭酸塩、又はアルカン、又は炭化水素(脂肪族又は芳香族)であるか、もしくはこれらを含んでもよく、又は、アルカン混合物もしくは1以上のアルコール(例えば、ジオール、トリオールなどを含む、0又は0.1から5%のCiからCi5までのアルコール)のような追加の化合物と組み合わせた1以上のアルカン混合物などの、化合物の混合物であってもよい。例えば、全体が引用により本明細書に組み込まれる米国特許第6,669,785号を参照。前記溶媒は、例えば米国特許第6,669,785号にも記載の通り、任意に界面活性剤を含んでもよい。
SEDSプロセスの1つの実施形態において、共通の溶媒中で溶解したポリマーを含む流体の第1の流れは、圧縮流体の第2の流れと同時に噴霧される。第2の流れが、第1の流れのポリマー溶液中の溶媒を弱める希釈液として作用すると、ポリマー粒子が生成される。ここで組み合わされた流体の流れは、ポリマー粒子と共に、ノズルアセンブリから収集容器へと流れる。粒子の大きさ、粒子の大きさの分布、及び、形態学の制御は、以下のプロセスの変数、つまり、温度、圧力、第1の流れの溶媒構成、第1の流れの流速、第2の流れの流速、第2の流れの構成(可溶性の添加物が圧縮ガスに加えられてもよい場合)、及び、捕獲容器の状態を調整することによって達成される。典型的に、捕獲容器は、少なくとも5〜10倍(5−10x)の大気圧である流体相を含む。
本明細書で用いられる「静電気乾燥粉末コーティング」又は「e−DPC」或いは「eDPC」とは、乾燥粉末コーティングと混ぜ合わせた、本明細書に記載の静電気捕獲を指す。e−DPCは、基体に粉末粒子を引きつけるために静電気捕獲を用いて、デバイス又は他の基体上に、乾燥粉末として、材料(例えば、ポリマー又は不透過性の分散固体を含む)を被着させる。乾燥粉末の噴霧(「乾燥粉末コーティング」又は「DPC」)は、当該技術分野では周知であり、静電気捕獲と併用した乾燥粉末の噴霧は、例えば、米国特許第5,470,603号、第6,319,541号、及び、第6,372,246号で記載されており、これらの文献はすべて、全体として参照することにより本明細書に組み込まれる。コーティングを被着する方法は、例えば、全体が引用により本明細書に組み込まれるWO2008/148013「Polymer Films for Medical Device Coating」に記載される。
本明細書に使用される「浸漬プロセス」及び「噴霧プロセス」は、当該技術分野で詳細に記載される、基体をコーティングする方法を指す。これらプロセスは、医薬製剤で医療デバイスをコーティングするために使用され得る。例えば米国特許第7,419,696号「Medical devices for delivering a therapeutic agent and method of preparation」及び本明細書の他の場所に記載される噴霧コーティングは、可溶化コーティング又は乾燥粉末コーティングの薄い層を基体上に噴霧する、又はエアブラシで処理する工程を含み得る。浸漬コーティングは、例えば、基体を液体に浸す工程、その後、それを除去して乾燥する工程を含む。浸漬コーティングは、例えば、全体が引用により本明細書に組み込まれる米国特許第5,837,313号「Drug release stent coating process」に記載される。
本発明の方法を介して強化することが可能な医薬製剤又は生物薬剤を含むコーティングの特徴である「バルク特性」は、例えば、接着、平滑、正角性、厚さ、及び、組成の混合を含む。
本明細書で用いられる「帯電した」、又は、「電位」又は「静電気捕獲」は、噴霧された粒子とは異なる静電位を有する基体上に、噴霧生成した粒子を集めることを指す。故に、基体は、出ていく粒子に対して吸引力を有する電位にあり、これによって、基体上で粒子が捕獲される。即ち、基体と粒子が逆に帯電され、捕獲容器のガス状媒体を介して基体の表面上に至る粒子の移動は、静電気引力を介して強化される。このことは、粒子を荷電するとともに基体を粉砕するか、又は、逆に基体を荷電するとともに粒子を粉砕することによって、1つの電位で粒子を荷電する(例えば、負電荷)とともに反対の電位で基体を荷電する(例えば、正電荷)ことによって、又は、静電気捕獲の当業者が容易に予測するような他のプロセスによって、達成されてもよい。
本明細書で用いられる「基体を帯電することなく、e−RESS、e−SEDS、又は、e−DPCプロセスによって活性薬剤を被着させる」とは、故意に基体を帯電することなく行われるこのような工程のいずれかを指す。基体は、このようなプロセスのいずれかの間、故意ではなく帯電されることがあってもよいということを理解されたい。
本明細書で用いられる「基体とコーティング装置との間で電位を発生させることなく、e−RESS、e−SEDS、又は、e−DPCプロセスによって活性薬剤を被着させる」は、基体とコーティング装置との間で故意に電位を発生させることなく行われるこのようなプロセスのいずれかを指す。基体とコーティング装置との間の電位は、このようなプロセスのいずれかの間、故意ではなく生じることがあってもよいということを理解されたい。
本明細書で用いられる「密接混合物」は、ともに均一に分布又は分散した材料、化合物、又は、物質の2以上を指す。
本明細書で用いられる「層」は、表面を覆う材料、又は、重なる部分又はセグメントを形成する材料を指す。2つの異なる層は重なる部分を有し、これによって、1つの層からの材料が別の層からの材料と接触することもある。異なる層の材料同士の接触は、材料の間の距離を決定することによって測定可能である。例えば、ラマン分光法が、互いに近接して存在する2つの層から材料を識別する際に利用されてもよい。
均一な厚さ及び/又は規則的な形状によって定義される層が本明細書で企図されている一方で、本明細書に記載の複数の実施形態は、様々な厚さ及び/又は不規則的な形状を有する層に関する。1つ層の材料は、別の層の材料によって主に占められる空間に伸長してもよい。例えば、第1ポリマー層、医薬製剤層、及び第2ポリマー層として、順に形成される3つの層を持つコーティングにおいて、この順の最後に被着される第2ポリマー層の材料は、主に医薬製剤層の材料により占められる空間に伸長してもよく、それにより、第2ポリマー層の材料は、医薬製剤層の材料と接触してもよい。第2ポリマー層の材料は、主に医薬製剤層によって占められる全体の層に広がり、第1のポリマー層の材料と接触してもよいことも、熟考される。
しかしながら、第2ポリマー層(又は、第1ポリマー層)からの材料と医薬製剤層(例えば、医薬製剤の結晶粒子又はその一部)からの材料との間の接触は、第1又は第2ポリマー層からの材料と医薬製剤層からの材料との混合物の形成を必ずしも意味するわけではない。幾つかの実施形態において、層は、医薬製剤(及び/又は生物学的薬剤)の結晶状粒子によって占められる物理的な三次元空間によって、定義されてもよい。前記層は、医薬製剤の結晶粒子により占められる物理的空間が、例えば、隣接するポリマー層のポリマー材料によって妨害されるため、連続してもよく、又は連続していなくてもよいことが、熟考される。隣接するポリマー層は、医薬製剤中の医薬製剤層粒子に物理的に近接している層であってもよい。同様に、隣接した層は、医薬製剤層を形成するために医薬製剤粒子が被着される処理工程の直前、又はその直後の処理工程で形成される層でもよい。
本明細書に記載されるように、本明細書で提供される材料の被着及び層の形成は、医薬製剤の大部分が全体のプロセス中に結晶形状のままであるという点で優れている。ポリマー粒子と医薬製剤粒子が接触する一方で、層形成プロセスは、コーティングデバイスの形成中に、医薬製剤粒子とポリマー粒子との混合物の形成を妨げるように制御される。
幾つかの実施形態において、コーティングは、層の少なくとも1つが活性薬剤を含む、基体上に被着した複数の層を含む。幾つかの実施形態において、層の少なくとも1つはポリマーを含む。幾つかの実施形態において、ポリマーは生体吸収性である。幾つかの実施形態では、活性薬剤とポリマーは同じ層にあり、別の層にあり、又は、重なる層を形成する。幾つかの実施形態において、複数の層は、以下のように被着された5つの層を含む:第1ポリマー層、第1活性薬剤層、第2ポリマー層、第2活性薬剤層、及び第3ポリマー層。
本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態において、コーティングは、層の少なくとも1つが活性薬剤を含む、基体上に被着した複数の層を含む。幾つかの実施形態において、層の少なくとも1つはポリマーを含む。幾つかの実施形態において、ポリマーは生体吸収性である。幾つかの実施形態では、活性薬剤とポリマーは同じ層にあり、別の層にあり、又は、重なる層を形成する。
幾つかの実施形態において、コーティングは、層の少なくとも1つが医薬製剤を含む、基体上に被着した複数の層を含む。幾つかの実施形態において、医薬製剤とポリマーは、同じ層にあり、別の層にあり、又は重なる層を形成する。幾つかの実施形態において、複数の層は、以下のように被着された5つの層を含む:第1ポリマー層、第1活性薬剤層、第2ポリマー層、第2活性薬剤層、及び第3ポリマー層。幾つかの実施形態において、複数の層は、以下のように被着された5つの層を含む:第1ポリマー層、第1医薬製剤層、第2ポリマー層、第2医薬製剤層、及び第3ポリマー層。幾つかの実施形態において、複数の層は、以下のように被着された5つの層を含む:第1ポリマー層、第1活性生物学的薬剤層、第2ポリマー層、第2活性生物学的薬剤層、及び第3ポリマー層。
幾つかの実施形態において、デバイスは、基体の外側接触域より大きな送達の領域にわたる介入部位に、コーティングを提供する。幾つかの実施形態において、送達の領域は、基体の外側接触域より少なくとも110%大きい。幾つかの実施形態において、送達の領域は、基体の外側接触域より少なくとも110%乃至200%大きい。幾つかの実施形態において、送達の領域は、基体の外側接触域より少なくとも200%大きい。
本明細書で用いられる「ラミネート加工されたコーティング」は、2層以上の材料から構成されたコーティングを指す。本明細書に記載のラミネート加工されたコーティング(例えば、生体吸収可能なポリマーと医薬製剤とを含むラミネート加工されたコーティング)を形成する手段は、本明細書に記載の薬物及びポリマーでステントをコーティングすることを含んでもよい(e−RESS、e−DPC、圧縮ガス焼結)。このプロセスは、複数の連続的なコーティング段階(ポリマー材料のための焼結工程を含む)を実行する工程を備え、異なる材料が各工程で被着し、それにより、ポリマー層及び医薬製剤層を含む複数の層(少なくとも2層)によってラミネート構造を形成し、最終的なデバイス(例えば、ラミネート処理されたコーティングステント)を組み立てる。
本明細書で用いられる「コーティングの一部」、及び、「活性薬剤の一部」は、送達の指定された時点で、送達の特定の期間中に、又は、全送達工程にわたって、基体から介入部位へと解放され、解離され、及び/又は、移動するコーティング又は活性薬剤の量又は割合を指す。一実施形態において、本発明のデバイスと方法は、特定の量のコーティング及び/又は活性薬剤を解放、解離、又は移動させるように適用される。
例えば、一実施形態において、コーティングの少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%が、基体から介入部位へと解放、解離、及び/又は移動されるように適用される。一実施形態において、活性薬剤の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%が、基体から介入部位へと解放、解離、及び/又は移動されるように適用される。
コーティングの一部、及び/又は、デバイス基体から解放された、解離された、又は、移動したコーティングの一部は、例えば、デバイス基体の大きさ、形状、柔軟性と、介入部位における大きさ、形状、表面品質、及び、条件(例えば、血液循環又はリンパ循環、温度など)と、コーティング中に使用される特定の活性薬剤及び特定のポリマー成分を含むコーティングの組成物と、これらの成分の相対的比率と、任意の剥離剤の使用と、及び、基体の特性などのいずれか又は1つの組み合わせによって影響を受ける。本発明のデバイス及び方法の、これら及び他の態様の何れか1以上が、所望の臨床結果を生み出すことが所望されるように、解放、解離、及び/又は移動されるコーティング及び/又は活性薬剤の一部に影響を及ぼすように、適用され得る。
本明細書に使用される「コーティングのほぼ全て」は、使用前のデバイスに存在したコーティングの少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、及び/又は少なくとも約99%を指す。
本明細書に使用される「基体の少なくとも一部」は、基体の量及び/又は割合を指す。本発明のデバイスと方法の一実施形態において、コーティングは「少なくとも基体の一部」にあり、基体の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%がコーティングされる。「基体の少なくとも一部」が生体適合性である一実施形態において、基体の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、約95%、及び/又は少なくとも約99%が、生体適合性である。
基体から介入部位までコーティング又は活性薬剤を移動させるという文脈において本明細書で用いられる「少なくとも一部を移動させる」とは、基体から介入部位まで移動させられるコーティング又は活性薬剤の量及び/又は割合を指す。コーティング又は活性薬剤が基体から介入部位へと移動される、本発明のデバイス及び方法の一実施形態において、コーティング又は活性薬剤の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%が、基体から介入部位に移動される。一実施形態において、コーティングの少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。幾つかの実施形態において、コーティングの少なくとも約10%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。幾つかの実施形態において、コーティングの少なくとも約20%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。幾つかの実施形態において、コーティングの少なくとも約30%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。幾つかの実施形態において、コーティングの少なくとも約50%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。幾つかの実施形態において、コーティングの少なくとも約75%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。幾つかの実施形態において、コーティングの少なくとも約85%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。幾つかの実施形態において、コーティングの少なくとも約90%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。幾つかの実施形態において、コーティングの少なくとも約95%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。幾つかの実施形態において、コーティングの少なくとも約99%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。本明細書で用いられるように、コーティングの割合に関して使用される際の「約」とは、1%−5%、5%−10%、10%−20%、及び/又は、10%−50%の範囲(移動したコーティングの割合のパーセントとして、又は、移動したコーティングの割合の変数として)を意味する。
幾つかの実施形態において、刺激を受けると移動するように適合しているコーティング部分は、基体の遠位面、基体の中央面、基体の近位面、及び、基体の反管腔側の表面(abluminal surface)の少なくとも1つの上にある。幾つかの実施形態において、刺激により、コーティングと基体の間の接触が減少する。幾つかの実施形態において、デバイスは、コーティングを刺激することなく、コーティングの約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約25%未満、約50%未満、約70%未満、約80%未満、及び/又は約90%未満を移動させるように適用される。
一実施形態において、活性薬剤の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。幾つかの実施形態において、活性薬剤の少なくとも約10%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。幾つかの実施形態において、活性薬剤の少なくとも約20%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。幾つかの実施形態において、活性薬剤の少なくとも約30%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。幾つかの実施形態において、活性薬剤の少なくとも約50%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。幾つかの実施形態において、活性薬剤の少なくとも約75%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。幾つかの実施形態において、活性薬剤の少なくとも約85%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。幾つかの実施形態において、活性薬剤の少なくとも約90%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。幾つかの実施形態において、活性薬剤の少なくとも約95%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。幾つかの実施形態において、活性薬剤の少なくとも約99%が、基体から介入部位へと移動されるように適用される。本明細書で用いられるように、活性薬剤の割合に関して使用される際の「約」とは、1%−5%、5%−10%、10%−20%、及び/又は、10%−50%の範囲(移動した活性薬剤の割合のパーセントとして、又は、移動した活性薬剤の割合の変数として)を意味する。
幾つかの実施形態において、刺激を受けると移動するように適合している活性薬剤部分は、基体の遠位面、基体の中央面、基体の近位面、及び、基体の反管腔側の表面の少なくとも1つの上にある。幾つかの実施形態において、刺激により、コーティングと基体の間の接触が減少する。幾つかの実施形態において、デバイスは、コーティングを刺激することなく、活性薬剤の約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約25%未満、約50%未満、約70%未満、約80%未満、及び/又は約90%未満を移動させるように適用される。
幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、コーティングの少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%を移動させるように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、コーティングの少なくとも約10%を移動させるように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、コーティングの少なくとも約20%を移動させるように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、コーティングの少なくとも約30%を移動させるように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、コーティングの少なくとも約50%を移動させるように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、コーティングの少なくとも約75%を移動させるように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、コーティングの少なくとも約85%を移動させるように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、コーティングの少なくとも約90%を移動させるように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、コーティングの少なくとも約95%を移動させるように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、コーティングの少なくとも約99%を移動させるように適用される。本明細書で用いられるように、コーティングの割合に関して使用される際の「約」とは、1%−5%、5%−10%、10%−20%、及び/又は、10%−50%の範囲(移動したコーティングの割合のパーセントとして、又は、移動したコーティングの割合の変数として)を意味する。
幾つかの実施形態において、刺激を受けると移動するコーティング部分は、基体の遠位面、基体の中央面、基体の近位面、及び、基体の反管腔側の表面の少なくとも1つの上にある。幾つかの実施形態において、刺激により、コーティングと基体の間の接触が減少する。幾つかの実施形態において、デバイスは、コーティングを刺激することなく、コーティングの約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約25%未満、約50%未満、約70%未満、約80%未満、及び/又は約90%未満を移動させるように適用される。
幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、活性薬剤の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%を移動させるように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、活性薬剤の少なくとも約10%を移動させるように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、活性薬剤の少なくとも約20%を移動させるように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、活性薬剤の少なくとも約30%を移動させるように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、活性薬剤の少なくとも約50%を移動させるように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、活性薬剤の少なくとも約75%を移動させるように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、活性薬剤の少なくとも約85%を移動させるように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、活性薬剤の少なくとも約90%を移動させるように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、活性薬剤の少なくとも約95%を移動させるように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、基体から介入部位へと、活性薬剤の少なくとも約99%を移動させるように適用される。本明細書で用いられるように、活性薬剤の割合に関して使用される際の「約」とは、1%−5%、5%−10%、10%−20%、及び/又は、10%−50%の範囲(薬剤移動した活性薬剤の割合のパーセントとして、又は、薬剤移動した活性薬剤の割合の変数として)を意味する。
幾つかの実施形態において、刺激後に移動するコーティング部分は、基質の遠心面、基質の中央面、及び基質の反管腔側の表面の少なくとも1つにある。幾つかの実施形態において、刺激により、コーティングと基体の間の接触が減少する。幾つかの実施形態において、デバイスは、コーティングを刺激することなく、活性薬剤の約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約25%未満、約50%未満、約70%未満、約80%未満、約90%未満を移動させるように適用される。
基体から介入部位までコーティング及び/又は活性薬剤を解放するという文脈において本明細書で用いられる「少なくとも一部を解放する」は、介入部位で基体から解放されるコーティング又は活性薬剤の量及び/又は割合を指す。コーティング又は活性薬剤が介入部位にて基体から解放される、本発明のデバイス及び方法の一実施形態において、コーティング又は活性薬剤の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%が、介入部位にて基体から解放される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%を解放するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約10%を解放するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約20%を解放するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約30%を解放するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約50%を解放するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約75%を解放するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約85%を解放するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約90%を解放するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約95%を解放するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約99%を解放するように適用される。本明細書で用いられるように、コーティングの割合を指すに関して使用される際の「約」とは、1%−5%、5%−10%、10%−20%、及び/又は、10%−50%の範囲(解放されたコーティングの割合のパーセントとして、又は、解放されたコーティングの割合の変数として)を意味する。
幾つかの実施形態において、刺激を受けると解放されるコーティング部分は、基体の遠位面、基体の中央面、基体の近位面、及び、基体の反管腔側の表面の少なくとも1つの上にある。
幾つかの実施形態において、刺激により、コーティングと基質の間の接触が減少する。幾つかの実施形態において、デバイスは、コーティングを刺激することなく、コーティングの約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約25%未満、約50%未満、約70%未満、約80%未満、約90%未満を解放するように適用される。
基体から介入部位までコーティング及び/又は活性薬剤を解離するという文脈において本明細書で用いられる「少なくとも一部を解離する」とは、介入部位で基体から解離したコーティング及び/又は活性薬剤の量及び/又は割合のことを言う。コーティング及び/又は活性薬剤が介入部位にて基体から解離される、本発明のデバイス及び方法の一実施形態において、コーティング及び/又は活性薬剤の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%が、介入部位にて基体から解離される。
幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%を解離するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約10%を解離するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約20%を解離するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約30%を解離するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約50%を解離するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約75%を解離するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約85%を解離するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約90%を解離するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約95%を解離するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位にて基体から、コーティングの少なくとも約99%を解離するように適用される。本明細書で用いられるように、コーティングの割合に関して使用される際の「約」とは、1%−5%、5%−10%、10%−20%、及び/又は、10%−50%の範囲(解離されたコーティングの割合のパーセントとして、又は、解離されたコーティングの割合の変数として)を意味する。
幾つかの実施形態において、刺激を受けると解離するコーティング部分は、基体の遠位面、基体の中央面、基体の近位面、及び、基体の反管腔側の表面の少なくとも1つの上にある。幾つかの実施形態において、刺激により、コーティングと基体の間の接触が減少する。幾つかの実施形態において、デバイスは、コーティングを刺激することなく、コーティングの約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約25%未満、約50%未満、約70%未満、約80%未満、約90%未満を解離するように適用される。
介入部位におけるコーティング及び/又は活性薬剤という文脈において本明細書で用いられる「少なくとも一部を被着する」とは、介入部位に被着するコーティング及び/又は活性薬剤の量及び/又は割合を指す。コーティング及び/又は活性薬剤の少なくとも一部が介入部位にて被着される、本発明のデバイス及び方法の一実施形態において、コーティング及び/又は活性薬剤の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%が、介入部位にて被着される。幾つかの実施形態において、刺激工程により、コーティングと基体の間の接触が減少する。幾つかの実施形態において、被着工程は、コーティング及び基体の少なくとも1つを刺激することなく、コーティングの約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約25%未満、約50%未満、約70%未満、約80%未満、及び/又は約90%未満を被着する。
介入部位にあるコーティング又は活性薬剤の文脈において、本明細書に使用される「少なくとも一部を送達する」は、介入部位へと送達されるコーティング及び/又は活性薬剤の量及び/又は割合を指す。コーティング及び/又は活性薬剤の少なくとも一部が介入部位に送達される、本発明のデバイス及び方法の一実施形態において、コーティング及び/又は活性薬剤の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%が、介入部位に送達される。
幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位へ、コーティングの少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%を送達するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位へ、コーティングの少なくとも約10%を送達するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位へ、コーティングの少なくとも約20%を送達するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位へ、コーティングの少なくとも約30%を送達するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位へ、コーティングの少なくとも約50%を送達するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位へ、コーティングの少なくとも約75%を送達するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位へ、コーティングの少なくとも約85%を送達するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位へ、コーティングの少なくとも約90%を送達するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位へ、コーティングの少なくとも約95%を送達するように適用される。幾つかの実施形態において、デバイスは、介入部位へ、コーティングの少なくとも約99%を送達するように適用される。本明細書に使用されるように、コーティングの割合に関して使用される際の「約」は、1%−5%、5%−10%、10%−20%、及び/又は、10%−50%の範囲(送達されたコーティングの割合のパーセントとして、又は、送達されたコーティングの割合の変数として)を意味する。
幾つかの実施形態において、刺激を受けると送達されるコーティング部分は、基体の遠位面、基体の中央面、基体の近位面、及び、基体の反管腔側の表面の少なくとも1つの上にある。幾つかの実施形態において、刺激により、コーティングと基体の間の接触が減少する。幾つかの実施形態において、デバイスは、コーティングを刺激することなく、コーティングの約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約25%未満、約50%未満、約70%未満、約80%未満、約90%未満を送達するように適用される。
幾つかの実施形態において、コーティングの少なくとも一部を被着する工程は、介入部位にて、コーティングの少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%を被着する工程を含む。幾つかの実施形態において、刺激工程により、コーティングと基体の間の接触が減少する。幾つかの実施形態において、被着工程は、コーティング及び基体の少なくとも1つを刺激することなく、コーティングの約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約25%未満、約50%未満、約70%未満、約80%未満、及び/又は約90%未満を被着する。
コーティングの少なくとも一部を介入部位に取り付ける(tacking)という文脈において本明細書で用いられる「少なくとも一部を取り付ける」は、介入部位に取り付けられるコーティング及び/又は活性薬剤の量及び/又は割合を指す。コーティング及び/又は活性薬剤の少なくとも一部が介入部位にて取り付けられる、本発明のデバイス及び方法の一実施形態において、コーティング及び/又は活性薬剤の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%が、介入部位にて取り付けられる。幾つかの実施形態において、刺激工程により、コーティングと基体の間の接触が減少する。幾つかの実施形態において、取り付け工程は、コーティング及び基体の少なくとも1つを刺激することなく、コーティングの約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約25%未満、約50%未満、約70%未満、約80%未満、及び/又は約90%未満を取り付ける。幾つかの実施形態において、デバイスは、刺激と協同してコーティングを介入部位に取り付けるために、取り付け要素を含む。幾つかの実施形態において、デバイスは、刺激による刺激を行うまで基体にコーティングを取り付ける、取り付け要素を備える。
基体のコーティングへの接着又は付着という文脈において本明細書で用いられる「接着する」「接着」、「接着した」「付着する」「付着」、「付着した」、及び、関連する用語は、刺激の前の時間にわたって、コーティングの基体との結合を維持するのに十分に強固な、基体とコーティングとの間の相互作用を指し、この刺激は、例えば、機械的刺激、化学的な刺激、熱刺激、電磁刺激、又は、音刺激であり、コーティングを解放、解離、及び/又は、移動させるために意図されたものである。コーティングと標的組織領域及び/又は介入部位との相互作用の文脈に使用される、これらの同じ用語は、処置に所望される時間にわたって(例えば、少なくとも約12時間、約1日、約3日、約5日、約7日、約14日、約3週、約4週、約45日、約60日、約90日、約180日、約6か月、約9か月、約1年、約1乃至約2日、約1乃至約5日、約1乃至約2週、約2乃至約4週、約45乃至約60日、約45乃至約90日、約30乃至約90日、約60乃至約90日、約90乃至約180日、約60乃至約180日、約180乃至約365日、約6か月乃至約9か月、約9か月乃至約12か月、約9か月乃至約15か月、及び約1年乃至約2年)、コーティングの標的組織領域及び/又は介入部位との関連を保つのに十分な、コーティングと標的組織領域及び/又は介入部位との相互作用を指す。
本明細書で用いられる「バルーン」は、天然又は非天然の管腔又は体腔内部で膨張可能な、又は、空洞を形成するために使用可能な、又は、現存の空洞を拡大するために使用可能な、柔軟な嚢を指す。バルーンは、内腔又は空洞を拡張するために一時的に使用され得、その後、医療処置中又はその後に、収縮され、及び/又は被験体から取り除かれてもよい。一実施形態において、バルーンは身体内で拡張可能であり、上部にコーティングを有する。このコーティングは、バルーンが取り除かれる際に、バルーンから解放(少なくとも一部)されるとともに、管腔又は体腔に取り残される。コーティングは、バルーンが挿入のために圧縮した後にバルーンに適用されてバルーンの表面を部分的に覆うことができるか、或いは、圧縮の前又は圧縮にバルーンに適用され得る。一実施形態において、コーティングは、バルーンの圧縮前後にバルーンに適用される。一実施形態において、バルーンは、例えば圧着又は折り畳みにより圧縮される。バルーンを圧縮する方法は、例えば、カテーテル又は他の管腔内デバイスの上にバルーンを均一に圧着することに関しては、米国特許第7,308,748号「Method for compressing an intraluminal device」及び米国特許第7,152,452号に記載され、バルーンの折り畳みの方法及びデバイスに関しては、米国特許第5,350,361号「Tri−fold balloon for dilatation catheter and related method」に記載され、これら全ては、その全体を引用することで本明細書に組み込まれる。幾つかの実施形態において、バルーンは、送達デバイスにより介入部位に送達される。幾つかの実施形態において、送達デバイスはカテーテルである。幾つかの実施形態において、バルーンは血管形成バルーンである。例えば、血管形成バルーン、ステント、及び他の医療デバイスを挿入するために、当該技術分野で既知の方法による送達及び除去の間、バルーンは送達され、除去され、且つ視角化され得る。処置領域の視覚化及び器具の挿入の計画に関する方法は、全体を引用することで本明細書に組み込まれる、米国特許第7,171,255号「Virtual reality 3D visualization for surgical procedures」及び米国特許第6,610,013号「3D ultrasound−guided intraoperative prostate brachytherapy」に記載される。
本明細書で用いられる「弾性バルーン」は、半弾性バルーン、及び、更には非弾性バルーンよりも比較的多くの介入部位に適合するバルーンを指す。弾性バルーンは、バルーン内の圧力を増加することで拡張及び伸長し、且つ、ポリエチレン又はポリオレフィンのコポリマーなどの材料から作られる。当該技術分野において、例えば米国特許第5,556,383号「Block copolymer elastomer catheter balloons」に記載されるように、互いに対する拡張性又は「弾性」に基づく、バルーンの一般的な分類が存在する。一般的に、「非弾性」バルーンは弾性がもっとも少なく、バルーンが約6気圧の膨張圧力から約12気圧の圧力まで加圧すると、直径が約2から7%、典型的には約5%増加する。つまり、このバルーンはこの約5%の圧力範囲にわたって「膨張」している。「半弾性」バルーンは多少寸法が大きく、同じ加圧領域にわたって一般的に、7−16%、典型的には、10−12%を有している。「弾性」バルーンは、更にもっと膨張性を有しており、同じ加圧領域にわたって、一般的には16−40%の範囲で、典型的には、約21%の寸法を有している。最大の膨張、すなわち、様々なバルーン材料の公称直径から破裂までの最大の膨張は、壁部の強度、つまり、破裂圧力がバルーン材料間で広範に異なるため、先に議論した膨張割合よりも著しく高くなることもある。当業者であれば、バルーンの弾性がバルーンの拡張性だけでなく、体腔及び/又は管腔の壁部の寸法及び/又は特徴に依存していることに気付くであろうが、このような膨張範囲は、一般的なガイダンスを提供するために意図されたものである。
弾性バルーンは、被験体の脈管構造に使用されてもよい。弾性バルーンはまた、脈管構造(自然発生、人造、損傷中に作成されたものの何れか)の外側にある任意の管又は穴に使用されてもよい。非限定的な例に関して、弾性バルーンは、膿瘍を処置するため、感染を処置するため、感染を防ぐため、治癒を支援するため、治癒を促進するため、又は、これらの目的のうちのいずれかの組み合わせのために、腫瘍が除去された部位でコーティングをすべく、腫瘍摘出手術で用いられてもよい。この実施形態のコーティングは増殖因子を含んでもよい。
本明細書で用いられる「非弾性バルーン」は、介入部位には適合しないが、介入部位をバルーンの形状に適合させる傾向があるバルーンを指す。ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリアミドのような材料から一般的に作られる非弾性バルーンは、内部のバルーン圧力がバルーンを完全に膨張させるのに必要な圧力を超えて増加するなかでも、あらかじめ選択された直径のままである。非弾性バルーンは、空間、例えば、血管腔を広げるためにしばしば使用される。弾性バルーンに関して説明したように、当業者は、バルーンの弾性が、空洞及び/又は内腔の壁の寸法及び/又は特徴だけでなく、バルーンの拡張性にも依存することを認識する。
本明細書に使用される「カッティングバルーン」は、小型のブレード、ワイヤーなどの切断要素を備えた特別なバルーンチップを有する、血管形成術で一般的に用いられるバルーンを指す。バルーンが膨張すると、切断要素が作動され得る。血管形成術の手順において、小型ブレードを用いて、血管壁に脂肪分を押しつけるために使用されるプラーク及びバルーンを記録することができる。カッティングバルーンは、取り付け要素又は他のワイヤー要素を有してもよく、これらは、幾つかの実施形態では、コーティングをバルーンから解放するのを助け、幾つかの実施形態では、コーティングと標的組織領域との接着又は部分的接着を促進することもあり、又は、これらの組み合わせであってもよい。幾つかの実施形態において、カッティングバルーンの切断要素は、コーティングの標的組織への導入を促進するために、標的組織も記録する。幾つかの実施形態において、切断要素は介入部位にて組織を切断しない。幾つかの実施形態において、カッティングバルーンは、切断要素として取り付け要素を備える。
本明細書で用いられる「膨張圧力」は、バルーンが膨張する圧力を指す。本明細書で用いられるように、公称膨張圧力は、特定のバルーン寸法、通常では、所望のバルーンの直径を達成するためにバルーンが膨張する圧力を指す。本明細書で用いられる「定格破裂圧力」又は「RBP」は、バルーンが崩壊することなく膨張可能な統計上保証された最大圧力を指す。PTCA及びPTAカテーテルについて、定格破裂圧力は、PTCA及び/又はPTAカテーテルに関するインビトロ試験の結果に基づいており、試験したバルーンの少なくとも99.9%(95%の信頼度で)は、この圧力で又はこの圧力以下では破裂しないということを通常は意味している。
本明細書で用いられる「取り付け要素」は、介入部位へのコーティングの移動に影響を与えるために使用される基体表面上の要素を指す。例えば、取り付け要素は、基板の表面上の突出物(例えば、隆起物又は突起物)を含み得る。一実施形態において、取り付け要素は、カッティングバルーンが膨張するまでカッティングバルーンへのコーティングを固定するのに適している。幾つかの実施形態において、取り付け要素はワイヤーを含み、該ワイヤーは、外側を向いたくさび形状で成形することができる。特定の実施形態において、取り付け要素は、介入部位にて組織を切断しない。
本明細書で使用されるように、「手術道具」は、外科的処置に使用される任意の道具を指す。手術道具の例は、限定されないが次のものを含む:ナイフ、メス、ガイドワイヤ、誘導カテーテル、導入カテーテル、ディストラクター(distracter)、ニードル、注射器、生検デバイス、咬合器、ガロッテ咬合器、骨用のみ、骨クラッシャー、コトル(cottle)軟骨クラッシャー、骨カッター、骨ディストラクター、イリザロフ(Ilizarov)器具、髄内運動骨ディストラクター、骨ドリル、骨増量剤、骨やすり、骨レバー、骨槌、骨石目やすり、骨鋸、骨スキッド、骨副木、骨ボタン、キャリパー、カニューレ、カテーテル、焼灼、クランプ、凝固剤、キュレット、血圧降下剤、拡張器、解剖刀、ディストラクター、皮節、鉗子、解剖用鉗子、組織鉗子、擦過鉗子、骨鉗子、カーマルト鉗子、クッシング鉗子、ダンディー鉗子、ドベーキー(DeBakey)鉗子、ドアイアン腸鉗子、抜毛鉗子、ハルステッド鉗子、ケリー鉗子、コッハー鉗子、モスキート止血鉗子、止血剤、ホック、神経ホック、産科ホック、皮膚ホック、皮下ニードル、ランセット、ラグゼイター(luxator)、リスオトーム(lythotome)、リスオトリプト(lythotript)、槌、パルチュ槌、開口器、開口器、マンモトーム、持針器、オクルーダー、切骨刀、エプカー切骨刀、骨膜起子、ジョーゼフ起子、モルト骨膜起子、オベッグ骨膜起子、隔壁起子、テッシェ骨膜起子、プローブ、開創器、セン開創器、ジェルピ開創器、ウェイトラナー(Weitlaner)開創器、アメリカ軍隊/海軍開創器、オコーナー−オサリバン開創器、ディーバー開創器、ブックウォルター開創器、スイートハート開創器、ジョーゼフ皮膚ホック、レイヒ開創器、ブレア(ロレット)の開創器、硬質レーキ開創器、柔軟レーキ開創器、ラグネル開創器、リンデ‐ラグネル開創器、デイビス開創器、ボルクマン開創器、マシュー開創器、ジャクソン気管ホック、クライル開創器、メイヤーディング(Meyerding)指開創器、小開創器、ラブナーブ牽引子、グリーン開創器、ゴエレット開創器、クッシング静脈開創器、ランゲンベック開創器、リチャードソン開創器、リチャードソン‐イーストマン開創器、ケリー開創器、パーカー開創器、パーカー‐モット開創器、ルウ開創器、メイヨー‐コリンズ開創器、リボン開創器、アルム開創器、自己保有開創器、ウェイトラナー開創器、ベックマン‐ウェイトラナー開創器、ベックマン‐イートン開創器、ベックマン開創器、アドソン開創器、開胸器、骨鉗子、メス、超音波メス、レーザーメス、はさみ、虹彩はさみ、キイネはさみ、メトゼンバウム(Metzenbaum)はさみ、メイヨーはさみ、腱切断術はさみ、へら、検鏡、開口鏡、直腸鏡、シム膣鏡、クスコ膣鏡、胸骨のこぎり、サクションチューブ、外科起子、外科ホック、外科メス、外科メッシュ、外科縫合針、外科スネア、外科スポンジ、外科スプーン、外科ホッチキス、縫合、シリンジ、舌圧子、扁桃切除器、歯抽出器、タオルクランプ、タオル鉗子、バックハウスタオル鉗子、ローナタオル鉗子、気管切開刀、組織エキスパンダー、皮下膨張式バルーンエキスパンダー、冠状鋸、トロカール、ピンセット及び静脈クリッピング。幾つかの実施形態において、手術道具はまた、及び/又は代替的に、医療処置を行うための道具と称されてもよい。幾つかの実施形態において、手術道具はまた、及び/又は代替的に、生医学インプラントの介入部位への送達のための道具であってもよい。
本明細書で用いられる「刺激」は、コーティング及び/又は活性薬剤の基体からの解放、解離、及び/又は移動に影響を与える、引き起こす、開始する、及び/又はもたらす、任意の機械刺激、化学的刺激、熱刺激、電磁刺激、及び/又は音刺激を指す。
本明細書で用いられる「機械刺激」は、コーティング及び/又は活性薬剤の基体からの解放、解離、及び/又は移動に影響を与える機械的な力を使用することを指す。例えば、機械刺激は、剪断力、圧縮力、コーティングの基体側からのコーティング上にかけられる力、基体によってコーティングにかけられる力、外部要素、並進、回転、振動、又は、これらの組み合わせによってコーティングにかけられる力を含み得る。一実施形態において、機械刺激は、バルーン拡張、ステント拡張などを含む。一実施形態において、機械刺激は、コーティングの基体からの解放、解離、及び/又は移動を増強するのに適している。一実施形態において、機械刺激は、コーティングの基体からの解放、解離、及び/又は移動を開始するのに適している。一実施形態において、機械刺激は、コーティングの基体からの解放、解離、及び/又は移動を引き起こすのに適している場合がある。一実施形態において、外部要素は、被験体の一部である。一実施形態において、外部要素はデバイスの一部ではない。一実施形態において、外部要素は液体(例えば食塩水又は水)を含む。特定のある実施形態において、液体はコーティングと基体の間に強要される。一実施形態において、機械刺激は、コーティング上の剪断力を最小化する基体の幾何学的構成を含む。
本明細書で用いられる「化学的刺激」は、コーティングの基体からの解放、解離、及び/又は移動に影響を与える化学的な力の使用を指す。例えば、化学的刺激は、大量分解、体液との相互作用、体組織との相互作用、非体液との化学相互作用、化学反応、酸塩基反応、酵素反応、加水分解、又はこれらの組み合わせとの化学相互作用を含み得る。一実施形態において、化学的刺激は、コーティングの基体からの解放、解離、及び/又は移動を増強するのに適している。一実施形態において、化学的刺激は、コーティングの基体からの解放、解離、及び/又は移動を開始するのに適している。一実施形態において、化学的刺激は、コーティングの基体からの解放、解離、及び/又は移動を引き起こすのに適している。一実施形態において、化学的刺激は、コーティングの使用を介して達成され、該コーティングは、コーティングと基体との間の弱い結合をもたらすインサイツでの酵素反応に介在部位で応答する際に、コーティングからの移動、解放、及び/又は、解離するのに適している材料を含む。
本明細書で用いられる「熱刺激」は、コーティングの基体からの解放、解離、及び/又は移動に影響を与える熱刺激の使用を指す。例えば、熱刺激は、熱感刺激及び寒冷刺激の少なくとも1つを含み得る。一実施形態において、熱刺激は、コーティングの基体からの解放、解離、及び/又は移動を増強するのに適した、熱感刺激及び寒冷刺激の少なくとも1つを含む。一実施形態において、熱刺激は、コーティングの基体からの解放、解離、及び/又は移動を開始するのに適した熱感刺激及び寒冷刺激の少なくとも1つを含む。一実施形態において、熱刺激は、コーティングの基体からの解放、解離、及び/又は移動を引き起こすのに適した熱感刺激及び寒冷刺激の少なくとも1つを含む。
本明細書で用いられる「電磁刺激」は、コーティングの基体からの解放、解離、及び/又は移動に影響を与える電磁刺激の使用を指す。例えば、電磁刺激は、例えば、電波、マイクロ波、赤外線波、近赤外線波、可視光線波、紫外線、X線波、及びガンマ波などの少なくとも1つを含む電磁波である。一実施形態において、電磁刺激は、コーティングの基体からの解放、解離、及び/又は移動を増強するのに適している。一実施形態において、電磁刺激は、コーティングの基体からの解放、解離、及び/又は移動を開始するのに適している。一実施形態において、電磁刺激は、コーティングの基体からの解放、解離、及び/又は移動を引き起こすのに適している。
本明細書で用いられる「音刺激」は、コーティングの基体からの解放、解離、及び/又は移動に影響を与える音刺激の使用を指す。例えば、音刺激は音波を含むことができ、この音波は、超音波、聴覚音波、及び可聴下音波の少なくとも1つである。一実施形態において、音刺激は、コーティングの基体からの解放、解離、及び/又は移動を増強するのに適している。一実施形態において、音刺激は、コーティングの基体からの解放、解離、及び/又は移動を開始するのに適している。一実施形態において、音刺激は、コーティングの基体からの解放、解離、及び/又は移動を引き起こすのに適している。
本明細書で用いられる「剥離剤」は、コーティングの基体からの放出の容易さ、速度、又は程度に影響を与える物質又は基体構造を指す。デバイスが基体から介在部位へコーティング及び/又は活性薬剤の一部を移動させるのに適している特定の実施形態において、デバイスは、例えば、基体特性及び/又は基体の表面改質(非限定的な例:基体組成、基体材料、基体形状、基体配置特性、基体送達特性、基体パターン、及び/又は、基体組織)、基体及びコーティングの送達システム(非限定的な例:基体に対する制御、送達システムを用いるコーティングの制御、提供される送達システムのタイプ、送達システムの材料、及び/又はこれらの組み合わせ)、コーティング特性及び/又はコーティングの物理特性(非限定的な例:活性薬剤及び/又はポリマー及び/又はポリマー活性薬剤組成物の選択、又は、特別なパターン、例えば、波状パターン、きめのある表面(textured surface)、滑らかな表面、及び/又は別のパターン、コーティングの厚さ、コーティング層、及び/又は、別の物理的及び/又は組成上の特性)、剥離剤の特性(非限定的な例:特定の剥離剤の選択、及び/又は、剥離剤がコーティング及び/又は活性薬剤を移動させるために用いられる方法、及び/又は、使用される剥離剤の量)、及び/又はそれらの組み合わせによって、そのように適用され得る。剥離剤は、生体適合性の剥離剤、治癒反応を悪化させる、及び/又は、さもなければ誘発するか、或いは炎症を誘発する非生体適合性の剥離剤、粉末の剥離剤、潤滑剤(例えば、ePTFE、砂糖、他の既知の潤滑剤)、剥離剤としての微粒子化薬物(コーティング及びが基体から解放された後にバースト層(burst layer)を形成するために)、物理的な剥離剤(コーティング、別のものを解放するための基体のパターン形成)、及び/又は、挿入後に性質を変える薬剤(例えば、ゲル、脂質薄膜、ビタミンE、油、粘膜接着剤、接着性ヒドロゲルなど)を含んでもよい。基体をパターン形成する方法は、例えば、米国特許番号第7,537,610号「Method and system for creating a textured surface on an implantable medical device」に記載されている。一実施形態において、1以上の剥離剤が使用され、例えば、基体はパターン形成するとともに円滑化することができる。幾つかの実施形態において、剥離剤は粘性流体を含む。
幾つかの実施形態において、剥離剤は、粘性流体を含む。幾つかの実施形態において、粘性流体は油を含む。幾つかの実施形態において、粘性流体は、水と比較して粘着性の流体である。幾つかの実施形態において、粘性流体は、血液と比較して粘着性の流体である。幾つかの実施形態において、粘性流体は、尿と比較して粘着性の流体である。幾つかの実施形態において、粘性流体は、胆汁と比較して粘着性の流体である。幾つかの実施形態において、粘性流体は、関節液と比較して粘着性の流体である。幾つかの実施形態において、粘性流体は、生理食塩水と比較して粘着性の流体である。幾つかの実施形態において、粘性流体は、介入部位にある体液と比較して粘着性の流体である。
幾つかの実施形態において、剥離剤は、基体の物理的特徴を含む。幾つかの実施形態において、基体の物理的特徴は、パターン形成したコーティング表面及び波状コーティング表面の少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態において、パターン形成したコーティング表面は、ステントフレームワークを含む。幾つかの実施形態において、波状コーティング表面は、波状の基体表面を含む。幾つかの実施形態において、波状コーティング表面は、その上に隆起を有する基体表面を含む。
幾つかの実施形態において、剥離剤は、コーティングの物理的特徴を含む。幾つかの実施形態において、コーティングの物理的特徴はパターン形成を含む。幾つかの実施形態において、パターン形成は、コーティングの基体側のきめのある表面であり、コーティングの基体側は、基体上のコーティングの一部である。幾つかの実施形態において、パターンは、コーティングの介在部位側のきめのある表面であり、コーティングの介在部位側は、介在部位に移動される、及び/又は送達される、及び/又は被着されるコーティングの一部である。
本明細書で用いられる「押し出し」及び/又は「押し出された」及び/又は「押し出す」は、特に刺激後の(例えば、機械力による)、別の物質又は物体から離れる物質の移動を指す。例えば、本発明の実施形態において、コーティングは基体から押し出される。
本明細書で提供される医療デバイスは、基体と、該基体の少なくとも一部上のコーティングとを含み、前記コーティングは活性薬剤を含み、該コーティングはパターン形成され、及び、コーティングの少なくとも一部は、コーティングを刺激すると、基体から解放されるのに適している。
本明細書で提供される医療デバイスは、基体と、該基体の少なくとも一部上のコーティングとを含み、前記コーティングは活性薬剤を含み、該コーティングはパターン形成され、及び、コーティングの少なくとも一部は、コーティングを刺激すると、基体から解離するのに適している。
本明細書で提供される医療デバイスは、基体と、該基体の少なくとも一部上のコーティングとを含み、前記コーティングは活性薬剤を含み、該コーティングはパターン形成され、及び、コーティングの少なくとも一部は、コーティングを刺激すると、基体から介在部位に移動するのに適している。
幾つかの実施形態において、パターン形成コーティングは、少なくとも2つの異なる形状を含む。
コーティングに関連して本明細書で用いられる「パターン形成した」は、少なくとも2つの異なる形状を有するコーティングを指す。その形状は、例えば、エッチング、マスキング、静電気捕獲を含む様々な方法によって、及び/又は、本明細書に記載のコーティング方法によって、形成され得る。例えば、コーティングは、コーティングの厚さにわたって少なくとも部分的に存在する空隙を有していてもよい。幾つかの実施形態において、空隙は、コーティング全体にわたって広がっている。空隙は、規則的な構造、又は、不規則的な構造であってもよい。空隙は、パターン形成したコーティングを形成するために反復構造を形成してもよい。空隙は、パターン形成したコーティングを形成するために、平滑コーティング又は固体コーティングから除去されていてもよい。幾つかの実施形態におけるコーティングは、波状、起伏した、又は、隆起している表面を有することによって、パターン形成されることもある。幾つかの実施形態におけるコーティングは、特定の設計のコーティングシース及び/又はシートから切断及び/又はエッチングされることによって、パターン形成されてもよい。前記実施形態におけるシース及び/又はシートは、本明細書に記載されるようなコーティングの製造方法を使用して形成されてもよい。パターン設計は、基体からの解放、移動、及び/又は、解離を改善するために選択されてもよい。パターン設計は、介在部位への移動及び/又は送達を改善するために選択されてもよい。
パターン形成したコーティングは、非限定的な例としては、上部をパターン設計された基体を提供することによって、本明細書に記載の方法及びプロセスを用いて形成されてもよく、該基体は、基体の所望の部分のみをコーティングするため、例えば、コーティング粒子(活性薬剤、ポリマー、又は、他のコーティング粒子のいずれであれ)を選択的に捕獲するように選択される物質を含む。コーティングされるこの部分は、基体のパターン設計であってもよい。
本明細書で用いられる用語「画像増強ポリマー」又は「造影剤」は、コーティングが基体上にある間、又は、コーティングが解放、解離、及び/又は移動された後のいずれかにおいて、コーティングの少なくとも1つの成分を見るために、本発明のデバイス及び方法と共に使用可能な薬剤を指す。一実施形態において、画像増強ポリマーはトレーサーとして役立ち、コーティングされたデバイスの移動又は位置を、例えば、画像システムを用いて識別することを可能にする。他の実施形態において、画像増強ポリマーによって、施術者がコーティング成分の送達と移動を監視することが可能になる。一実施形態において、画像増強ポリマーを用いることによって、施術者は、解放、解離、及び/又は、移動されるコーティング成分(例えば、活性薬剤)の用量を決定することができる。画像増強ポリマー又は造影剤によって提供される、介在部位に移動したコーティングの量に関する情報によって、施術者は、コーティングが放出される速度を決定し、これにより経時的な用量を予測することができる。造影剤は、非限定的な例として、硫酸バリウムなどのバリウム化合物を含んでもよい。造影剤はヨウ素化合物を含んでもよい。造影剤は、放射線不透過性を改善する任意の化合物を含んでもよい。
実施形態において、画像増強ポリマーは、以下の目的の1以上のために、本発明のデバイス及び方法を用いて使用される。この目的には、基体、例えば、バルーン又は他のデバイスの位置を確認すること、生理的パラメータ、例えば、流れと灌流を評価すること、及び、特定の分子を標的とすることを含むが、これらに限定されない。一実施形態において、意図した標的の存在下でのみ活性化する「洗練された」薬剤は、本発明のデバイス及び方法によって使用される。
本明細書で提供される方法は、医療デバイスを提供する工程を含み、該医療デバイスは、基体と、該基体の少なくとも一部上のコーティングとを含み、及び、該コーティングは活性薬剤を含み;及び前記方法は、コーティングの少なくとも一部を介入部位にタッキングする工程を含む。幾つかの実施形態において、コーティング部分(即ち、コーティングの一部)を介入部位にタッキングする工程は、刺激によりコーティングを刺激した後に行われる。
幾つかの実施形態において、基体はバルーンを含む。幾つかの実施形態において、その上にコーティングを有するバルーンの一部は、バルーンの外側表面を含む。幾つかの実施形態において、外側表面は、バルーンの折り畳み前にコーティングに露出されたバルーンの表面である。幾つかの実施形態において、外側表面は、バルーンの折り畳み後にコーティングに露出されたバルーンの表面である。幾つかの実施形態において、外側表面は、バルーンの圧着後にコーティングに露出されたバルーンの表面である。幾つかの実施形態において、コーティングは、バルーンの膨張によって提供される圧力で塑性変形を受ける材料を含む。幾つかの実施形態において、コーティングは、バルーンの定格破裂圧力未満の圧力で塑性変形を受ける材料を含む。
幾つかの実施形態において、コーティングは、バルーンの公称膨張圧力未満である圧力で塑性変形を受ける材料を含む。幾つかの実施形態において、コーティングは、少なくとも8ATMの圧力で塑性変形を受ける材料を含む。幾つかの実施形態において、コーティングは、少なくとも6ATMの圧力で塑性変形を受ける材料を含む。幾つかの実施形態において、コーティングは、少なくとも4ATMの圧力で塑性変形を受ける材料を含む。幾つかの実施形態において、コーティングは、少なくとも2ATMの圧力で塑性変形を受ける材料を含む。
幾つかの実施形態において、バルーンは弾性バルーンである。幾つかの実施形態において、バルーンは半弾性バルーンである。幾つかの実施形態において、バルーンは非弾性バルーンである。幾つかの実施形態において、バルーンは介在部位の形状に適合する。
幾つかの実施形態において、バルーンは筒状部を含む。幾つかの実施形態において、バルーンは実質的に球形の部分を含む。幾つかの実施形態において、バルーンは複雑な形状を含む。幾つかの実施形態において、複雑な形状は、2重の結節形状、3重の結節形状、腰部のくびれた形状、砂時計形状及び波形状の少なくとも1つを含む。
幾つかの実施形態において、カッティングバルーンなどの、治療の送達に加えて介入目的を果たすことのできるデバイスが提供される。幾つかの実施形態において、基体はカッティングバルーンを含む。幾つかの実施形態において、カッティングバルーンは、コーティングを介在部位に取付けるのに適した少なくとも1つのタッキング要素を含む。幾つかの実施形態において、タッキング要素は、カッティングバルーンの膨張まではコーティングをカッティングバルーンに固定するのに適している。幾つかの実施形態において、タッキング要素はワイヤーを備える。幾つかの実施形態において、ワイヤーは、外部ポインティングウエッジの形態で形作られる。幾つかの実施形態において、タッキング要素は、介在部位で組織を切断しない。
本明細書で提供される1つの説明は、血管疾患(例えば、冠状動脈又は末梢血管系の中の閉塞病変)の処置用のカッティングバルーンを含んでいる。この実施形態において、コーティングは、デバイスの「カッティングワイヤー」部分に優先的に配されてもよい。配置されると、ワイヤーがプラークへ入り込んで、所望の治療の「切断」作用を提供する。この切断中に、ポリマー及び薬物のコーティングは、ワイヤーに作用する圧縮力及び剪断力の組み合わせによってワイヤーから塑性的に変形し、コーティングのいくらか又はすべてをプラーク及び/又は動脈壁中に埋め込まれたままにする。同様の手法は、(a)直接的に腫瘍への、(b)部位に特異的な化学療法のための腫瘍に血液を送達する動脈への、及び/又は、(c)腫瘍の摘出(乳腺腫瘤摘出)の後に残った空隙への、腫瘍薬の送達にも適用されてもよい。このような腫瘍学的(同様に、他の非血管性)な適用は、「切断」面を必要とせず、バルーン上への直接的なコーティング、又はバルーン上のシースへのコーティング、又は、コーティングがしぼんだ(ひだ状の)バルーン上のシースを形成する実施形態に従うコーティングによって、提供可能である。
本明細書に記載のカッティングバルーンの実施形態は、複数の利点を備えている。そのような実施形態は、バルーンが膨張すると、コーティング/ワイヤーに機械力を集中させることができ、つまり、ワイヤーは、バルーンの膨張圧の接点領域を集中させるように機能することもある。この膨張圧は、より大きな面積に圧力を分散し得る(したがって、面積比に比例して低圧力)、単純な非カッティングバルーン(non−cutting plain balloon)に対して、薬物及びポリマーのコーティングの塑性変形のためにさらなる高圧力をもたらす。カッティングバルーンを含む実施形態は、その他に硬すぎて(高弾性)非切断バルーンから変形できないようなポリマーの使用を提供する。
本明細書で提供される他の実施形態は、デバイスからのコーティングの変形と大量移動の両方を最適化するデバイスの幾何学構造に基づく。デバイスがカッティングバルーンである1つの実施形態において、カッティングバルーンの(コーティングされた)ワイヤーは、くさびのような形状で、外側を向いている。
別の実施形態は、薬物送達製剤がバルーンの膨張を介して脈管構造中の治療部位に送達される、カテーテルベースのデバイスを提供する。
1つの実施形態は、コーティングした経皮デバイス(例えば、バルーン:カッティングバルーン又は他のバルーンのタイプのいずれか)を提供し、この経皮デバイスは、患者の特定部位に配置されると、薬物送達製剤のいくらか又はすべて(5−10%、10−25%、25−50%、50−90%、90−99%、99−100%)を、治療の必要のある部位へと移動させる。特定の実施形態において、バルーンは、拡張又は形成されて、少なくとも部分的に円筒状である。特定の実施形態において、バルーンは、拡張又は形成されて、少なくとも部分的に球根状である。特定の実施形態において、バルーンは、拡張又は形成されて、少なくとも部分的に球状である。特定の実施形態において、バルーンは、拡張又は形成されると複雑な形状を有する(非制限的な例として、2重の結節形状、3重の結節形状などであり、腰部のくびれた形状(waist)、及び/又は、砂時計形状を有する)。
幾つかの実施形態において、活性薬剤の少なくとも一部を移動する工程は、基体から活性薬剤の、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%を、移動する工程を含む。幾つかの実施形態において、刺激は、コーティングと基体の間の接触を減少させる。幾つかの実施形態において、移動する工程は、コーティング及び基体の少なくとも一つを刺激することなく、活性薬剤の約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約25%未満、約50%未満、約70%未満、約80%未満、及び/又は約90%未満を移動する。
介入部位へコーティング又は活性薬剤の「少なくとも一部を移動するのに適した」との用語は、コーティング又は活性薬剤の任意の部分を介入部位へ移動するよう設計されるデバイスを指す。
基体からコーティング又は活性薬剤の一部を「解放するのに適した」との用語は、基体から特定の割合のコーティング又は活性薬剤を解放するよう設計されるデバイスを指す。本明細書で使用されるように、基体から特定の割合のコーティング及び/又は活性薬剤を解放するよう設計される、デバイス、コーティング、及び/又は基体は、基体からコーティング及び/又は活性薬剤を解放する(unrestrain)ように、及び/又は、コーティングが備え得る、基体に対する任意の閉塞及び/又は接続を除去するように設計される。
幾つかの実施形態において、デバイスは、基体からコーティング及び/又は活性薬剤の一部を解放するのに適している。非限定的な例として、デバイスは、例えば、基体特性(非限定的な例:基体組成、基体材料、基体形状、基体配置特性、基体送達特性、基体パターン、及び/又は、基体組織)、基体及びコーティングの送達システム(非限定的な例:基体に対する制御、送達システムを用いるコーティングの制御、提供される送達システムのタイプ、送達システムの材料、及び/又は、これらの組み合わせ)、コーティング特性(非限定的な例:活性薬剤及び/又はポリマー及び/又はポリマー活性薬剤組成物の選択、又は、特別なパターン、例えば、波状パターン、きめのある表面、滑らかな表面、及び/又は、別のパターン、コーティングの厚さ、コーティング層、及び/又は、別の物理的及び/又は組成上の特性を持つコーティングによる)、剥離剤の特性(非限定的な例:特定の剥離剤の選択、及び/又は、剥離剤がコーティング及び/又は活性薬剤を移動させるために用いられる方法、及び/又は、使用される剥離剤の量)、及び/又は、その組み合わせによって、そのように適用される。
幾つかの実施形態において、基体は、基体からコーティング及び/又は活性薬剤の一部を解放するのに適している。非限定的な例として、基体は、基体組成、基板材料、基体形状、基体配置特性、基体送達特性、基体パターン、及び/又は基体テクスチャ、及び/又はそれらの組み合わせの選択によってそのように適用される。例えば、バルーンは、介入部位の境界内に単に部分的に膨張するよう設計され得る。部分的な膨張は、コーティングの指定された部分が解放されるのを妨げることができる。
幾つかの実施形態において、コーティングは、基体からコーティング及び/又は活性薬剤の一部を解放するのに適している。非限定的な例として、コーティングは、活性薬剤及び/又はポリマー及び/又はポリマー活性薬剤組成物の選択、或いは、特別なパターン、例えば、波状パターン、きめのある表面、滑らかな表面、及び/又は、別のパターン、コーティングの厚さ、コーティング層、及び/又は、別の物理的及び/又は組成上の特性を持つコーティングにより、そのように適用されてもよい。
幾つかの実施形態において、基体は、基体から介入部位へと、コーティング及び/又は活性薬剤の一部を解放するのに適している。非限定的な例として、基体は、基体組成、基板材料、基体形状、基体配置特性、基体送達特性、基体パターン、及び/又は基体テクスチャ、及び/又はそれらの組み合わせの選択によってそのように適用される。例えば、バルーンは、介入部位の境界内に単に部分的に膨張するよう設計され得る。部分的な膨張は、コーティングの指定された部分が解放されるのを妨げることができる。
幾つかの実施形態において、コーティングは、基体から介入部位へと、コーティング及び/又は活性薬剤の一部を解放するのに適している。非限定的な例として、コーティングは、活性薬剤及び/又はポリマー及び/又はポリマー活性薬剤組成物の選択、或いは、特別なパターン、例えば、波状パターン、きめのある表面、滑らかな表面、及び/又は、別のパターン、コーティングの厚さ、コーティング層、及び/又は、別の物理的及び/又は組成上の特性を持つコーティングにより、そのように適用されてもよい。
幾つかの実施形態において、コーティングの少なくとも一部を解放する工程は、基体からコーティングの少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、35%より多く、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%を解放する工程を含む。幾つかの実施形態において、刺激は、コーティングと基体の間の接触を減少させる。幾つかの実施形態において、解放する工程は、コーティング及び基体の少なくとも一つを刺激することなく、コーティングの約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約25%未満、多くとも約35%、約50%未満、約70%未満、約80%未満、及び/又は約90%未満を解放する。
基体からコーティング又は活性薬剤の一部を「解離するのに適した」との用語は、基体から特定の割合のコーティング又は活性薬剤を解離するよう設計される、デバイス、コーティング、及び/又は基体を指す。本明細書で使用されるように、基体から特定の割合のコーティング及び/又は活性薬剤を解離するよう設計される、デバイス、コーティング、及び/又は基体は、コーティング(及び/又は活性薬剤)と基体の間の関連性から離れるよう設計される。また、及び/又は代替的に、本明細書に使用されるように、基体から特定の割合のコーティング及び/又は活性薬剤を解離するよう設計される、装置、コーティング、及び/又は基体は、基体からコーティング(及び/又は活性薬剤)を解離するよう設計される。この解離は、幾つかの実施形態において可逆性でもよい。この解離は、幾つかの実施形態において可逆性でなくともよい。
幾つかの実施形態において、デバイスは、基体からコーティング及び/又は活性薬剤の一部を解離するのに適している。非限定的な例として、デバイスは、例えば、基体特性(非限定的な例:基体組成、基体材料、基体形状、基体配置特性、基体送達特性、基体パターン、及び/又は、基体組織)、基体及びコーティングの送達システム(非限定的な例:基体に対する制御、送達システムを用いるコーティングの制御、提供される送達システムのタイプ、送達システムの材料、及び/又は、これらの組み合わせ)、コーティング特性(非限定的な例:活性薬剤及び/又はポリマー及び/又はポリマー活性薬剤組成物の選択、又は、特別なパターン、例えば、波状パターン、きめのある表面、滑らかな表面、及び/又は、別のパターン、コーティングの厚さ、コーティング層、及び/又は、別の物理的及び/又は組成上の特性を持つコーティングによる)、剥離剤の特性(非限定的な例:特定の剥離剤の選択、及び/又は、剥離剤がコーティング及び/又は活性薬剤を移動させるために用いられる方法、及び/又は、使用される剥離剤の量)、及び/又は、その組み合わせによって、そのように適用される。
幾つかの実施形態において、基体は、基体からコーティング及び/又は活性薬剤の一部を解離するのに適している。非限定的な例として、基体は、基体組成、基板材料、基体形状、基体配置特性、基体送達特性、基体パターン、及び/又は基体テクスチャ、及び/又はそれらの組み合わせの選択によってそのように適用される。例えば、バルーンは、介入部位の境界内に単に部分的に膨張するよう設計され得る。部分的な膨張は、コーティングの指定された部分が解放されるのを妨げることができる。
幾つかの実施形態において、コーティングは、基体からコーティング及び/又は活性薬剤の一部を解離するのに適している。非限定的な例として、コーティングは、活性薬剤及び/又はポリマー及び/又はポリマー活性薬剤組成物の選択、或いは、特別なパターン、例えば、波状パターン、きめのある表面、滑らかな表面、及び/又は、別のパターン、コーティングの厚さ、コーティング層、及び/又は、別の物理的及び/又は組成上の特性を持つコーティングにより、そのように適用されてもよい。
幾つかの実施形態において、基体は、基体から介入部位へと、コーティング及び/又は活性薬剤の一部を解放するのに適している。非限定的な例として、基体は、基体組成、基板材料、基体形状、基体配置特性、基体送達特性、基体パターン、及び/又は基体テクスチャ、及び/又はそれらの組み合わせの選択によってそのように適用される。例えば、バルーンは、介入部位の境界内に単に部分的に膨張するよう設計され得る。部分的な膨張は、コーティングの指定された部分が解放されるのを妨げることができる。
幾つかの実施形態において、コーティングは、基体から介入部位へと、コーティング及び/又は活性薬剤の一部を解離するのに適している。非限定的な例として、コーティングは、活性薬剤及び/又はポリマー及び/又はポリマー活性薬剤組成物の選択、或いは、特別なパターン、例えば、波状パターン、きめのある表面、滑らかな表面、及び/又は、別のパターン、コーティングの厚さ、コーティング層、及び/又は、別の物理的及び/又は組成上の特性を持つコーティングにより、そのように適用されてもよい。
幾つかの実施形態において、コーティングの少なくとも一部を解離する工程は、基体からコーティングの少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、35%より多く、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、及び/又は少なくとも約99%を解離する工程を含む。幾つかの実施形態において、刺激は、コーティングと基体の間の接触を減少させる。幾つかの実施形態において、解離する工程は、コーティング及び基体の少なくとも一つを刺激することなく、コーティングの約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約25%未満、多くとも約35%、約50%未満、約70%未満、約80%未満、及び/又は約90%未満を解離する。
本明細書で使用される「塑性変形」は、デバイスの上で誘発された力による、コーティングの物理的形状の変化である。塑性変形の結果、組織上のコーティングの接触領域が増加し、デバイス上のコーティングの接触領域が減少する。接触領域におけるこの変化の結果として、コーティングのいくらか又はすべてが、デバイスの代わりに組織に対し優先的に露出される。コーティングに関して本明細書で使用される用語「塑性変形」及び「塑性変形する」は、材料が永続的に変形されるように材料の弾性限界を上回るコーティング材料の拡張を含むように意図される。本明細書で使用される「弾性変形」は、応力又は歪力(例えば、バルーン基体の膨張圧力)下での、対象の形態又は寸法の可逆性変化を指す。バルーン又は他の基体に関して本明細書で使用される用語「塑性変形」及び「塑性変形する」は、基体材料が永続的に変形されるように基体材料の弾性限界を上回る基体の拡張を含むように意図される。一旦塑性変形されると、材料は実質的に非弾性となり、通常は自然に、その前拡張(pre−expansion)の大きさ及び形状に戻ることはない。「残余の塑性変形」は、例えばバルーンの空気を抜かれると、膨張応力の除去の後に、少なくとも部分的に残ることが可能な変形を指す。本明細書で使用される「弾性変形」は、応力又は歪力(例えば、膨張圧力)下での、対象(コーティング又は基体のいずれか)の形態又は寸法の可逆性変化を指す。
本明細書で使用される「剪断移動」は、コーティングをデバイスの基体から遠ざけて移動するデバイスに直交する力(又は力の成分)である。これは、配置、周囲組織からの圧力反応、及び/又はコーティングの周囲の組織の内方成長によって、デバイスの上で誘発され得る。
本明細書で使用される「大量移動」は、デバイスの除去により提供される、及び/又は経時的なコーティングの劣化により提供される、及び/又は経時的なコーティングの水和によって提供される、組織の上/中へのコーティングの組み込みである。コーティングの劣化及び水和は、デバイスへのコーティングの密着的且つ接着的な結合を減らし、それにより組織へのコーティングの移動を容易にする。
1つの実施形態は、接触印刷(contact printing)に例えて記載することができ、ここでは、生化学的に活性な「インク」(ポリマー+薬物コーティング)が、「ダイス(die)」(デバイス)から「ストック」(体内の部位)に接触印刷される。
本明細書で提供される実施形態の幾つかに関連して説明されたデバイス及び方法は有利に、薬物送達製剤に提供される特有性に基づく。1つのそのような特性、特に、バルーンカテーテルやカッティングバルーンなどの非永続的なインプラントに剤には良く適合するといったことは、バルーンの膨張により提供される圧力(2−25ATM、典型的に10−18ATMの範囲)で、塑性変形を受ける「軟性の」コーティングである。別のそのような特性、特に、ステントなどの永続的なインプラントに良く適合するといったことは、水和、又は劣化、或いは水和と劣化の組み合わせによるインプラント後の幾つかの時点で、「軟性」になる。
幾つかの実施形態は、コーティングの移動を助長/促進することができる方法と共に有利に使用され得るデバイスを提供する。これらは、身体内のオンサイト(デバイスが一時的又は永続的に送達される場所)で、一度コーティングしたデバイスに刺激を導入することを含む。そのような刺激は、コーティングにおいて化学的応答(光、熱、放射線、等)を誘発するために提供され得、又は、組織の中へのコーティングの移動を増大する機械力(超音波、並進、回転、振動、及びそれらの組み合わせ)を提供することができる。
幾つかの実施形態において、コーティングは、機械刺激を使用して基体から解離、解放、及び/又は移動される。幾つかの実施形態において、コーティングは、機械刺激を使用して基体から解放される。幾つかの実施形態において、コーティングは、機械刺激を使用して基体から解離される。幾つかの実施形態において、コーティングは、機械刺激を使用して基体から移動される。幾つかの実施形態において、コーティングは、機械刺激を使用して介入部位に移動される。幾つかの実施形態において、コーティングは、機械刺激を使用して介入部位に送達される。幾つかの実施形態において、機械刺激は、基体からコーティングの解放、解離、及び/又は移動を増強するのに適している。幾つかの実施形態において、機械刺激は、基体からコーティングの解放、解離、及び/又は移動を開始するのに適している。幾つかの実施形態において、機械刺激は、基体からコーティングの解放、解離、及び/又は移動を引き起こすのに適している。幾つかの実施形態において、機械刺激は、圧縮力、剪断力、引張力、コーティングの基体側からのコーティング上にかけられる力、基体によってコーティングにかけられる力、外部要素、並進、回転、振動、又はこれらの組み合わせによってコーティングにかけられる力の、少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態において、外部要素は、被験体の一部である。幾つかの実施形態において、外部要素はデバイスの一部ではない。幾つかの実施形態において、外部要素は液体を備える。幾つかの実施形態において、液体はコーティングと基体の間に押し進められる。幾つかの実施形態において、液体は生理食塩水を含む。幾つかの実施形態において、液体は水を含む。幾つかの実施形態において、機械刺激は、コーティング上の剪断力を最大化する基体の幾何学的構成を含む。幾つかの実施形態において、機械刺激は、コーティング上の剪断力を増加する基体の幾何学的構成を含む。幾つかの実施形態において、機械刺激は、コーティング上の剪断力を増強する基体の幾何学的構成を含む。
幾つかの実施形態において、コーティングは、化学刺激を使用して基体から解放、解離、及び/又は移動される。幾つかの実施形態において、コーティングは、化学刺激を使用して基体から解放される。幾つかの実施形態において、コーティングは、化学刺激を使用して基体から解離される。幾つかの実施形態において、コーティングは、化学刺激を使用して基体から移動される。幾つかの実施形態において、コーティングは、化学刺激を使用して介入部位に移動される。幾つかの実施形態において、コーティングは、化学刺激を使用して介入部位に送達される。幾つかの実施形態において、化学的刺激は、大量分解、体液との相互作用、体組織との相互作用、非体液との化学相互作用、化学反応、酸塩基反応、酵素反応、加水分解、及びこれらの組み合わせとの化学相互作用の、少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態において、化学的刺激は、コーティングの大量分解を含む。幾つかの実施形態において、化学的刺激は、コーティング又はその一部と体液との相互作用を含む。幾つかの実施形態において、化学的刺激は、コーティング又はその一部と体組織との相互作用を含む。幾つかの実施形態において、化学的刺激は、コーティング又はその一部と非体液との相互作用を含む。幾つかの実施形態において、化学的刺激は、コーティング又はその一部と化学物質との相互作用を含む。幾つかの実施形態において、化学的刺激は、酸−塩基の反応を含む。幾つかの実施形態において、化学刺激は酵素反応を含む。幾つかの実施形態において、化学刺激は加水分解を含む。
幾つかの実施形態において、化学刺激は、基体からコーティングの解放、解離、及び/又は移動を増強するのに適している。幾つかの実施形態において、化学刺激は、基体からコーティングの解放、解離、及び/又は移動を開始するのに適している。幾つかの実施形態において、化学刺激は、基体からコーティングの解放、解離、及び/又は移動を引き起こすのに適している。幾つかの実施形態において、コーティングと基体の間の弱い結合をもたらすインサイツ酵素反応に応じた介在部位での場合、コーティングは、基体から移動し、解放し、及び/又は解離するのに適した材料を含む。
幾つかの実施形態において、コーティングは、熱刺激を使用して基体から解放、解離、及び/又は移動される。幾つかの実施形態において、コーティングは、熱刺激を使用して基体から解放される。幾つかの実施形態において、コーティングは、熱刺激を使用して基体から解離される。幾つかの実施形態において、コーティングは、熱刺激を使用して基体から移動される。幾つかの実施形態において、コーティングは、熱刺激を使用して介入部位に移動される。幾つかの実施形態において、コーティングは、熱刺激を使用して介入部位に送達される。幾つかの実施形態において、熱刺激は、基体からコーティングの解放、解離、及び/又は移動を増強するのに適した、熱感刺激及び寒冷刺激の少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態において、熱刺激は、基体からコーティングの解放、解離、及び/又は移動を引き起こすのに適している。幾つかの実施形態において、熱刺激は、基体からコーティングの解放、解離、及び/又は移動を開始するのに適した、熱感刺激及び寒冷刺激の少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態において、熱刺激は、基体からコーティングの解放、解離、及び/又は移動を開始するのに適した、熱感刺激及び寒冷刺激の少なくとも1つを含む。
幾つかの実施形態において、コーティングは、電磁刺激によりデバイスから解放、解離、及び/又は移動される。幾つかの実施形態において、コーティングは、電磁刺激を使用して基体から解放される。幾つかの実施形態において、コーティングは、電磁刺激を使用して基体から解離される。幾つかの実施形態において、コーティングは、電磁刺激を使用して基体から移動される。幾つかの実施形態において、コーティングは、電磁刺激を使用して介入部位に移動される。幾つかの実施形態において、コーティングは、電磁刺激を使用して介入部位に送達される。幾つかの実施形態において、電磁刺激は、電波、マイクロ波、赤外線波、近赤外線波、可視光線波、紫外線、X線波、及びガンマ波の少なくとも1つを含む電磁波を含む。幾つかの実施形態において、電磁刺激は、基体からコーティングの解放、解離、及び/又は移動を増強するのに適している。幾つかの実施形態において、電磁刺激は、基体からコーティングの解放、解離、及び/又は移動を開始するのに適している。幾つかの実施形態において、電磁刺激は、基体からコーティングの解放、解離、及び/又は移動を引き起こすのに適している。
幾つかの実施形態において、コーティングは、音刺激によりデバイスから解放、解離、及び/又は移動される。幾つかの実施形態において、コーティングは、音刺激を使用して基体から解放される。幾つかの実施形態において、コーティングは、音刺激を使用して基体から解離される。幾つかの実施形態において、コーティングは、音刺激を使用して基体から移動される。幾つかの実施形態において、コーティングは、音刺激を使用して介入部位に移動される。幾つかの実施形態において、コーティングは、音刺激を使用して介入部位に送達される。幾つかの実施形態において、音刺激は音波を含み、該音波は、超音波、聴覚音波、及び可聴下音波の少なくとも1つである。幾つかの実施形態において、音刺激は、基体からコーティングの解放、解離、及び/又は移動を増強するのに適している。幾つかの実施形態において、音刺激は、基体からコーティングの解放、解離、及び/又は移動を開始するのに適している。幾つかの実施形態において、音刺激は、基体からコーティングの解放、解離、及び/又は移動を引き起こすのに適している。
幾つかの実施形態において、コーティングは、機械刺激、化学的刺激、電磁刺激、及び音刺激の少なくとも2つの組み合わせによって、デバイスから解放、解離、及び/又は移動される。
幾つかの実施形態において、コーティングは、押出により基体から解放、解離、及び/又は移動される。
本明細書には、コーティングに対する剪断力を最大限にするデバイスの幾何学的形状が提供される。そのようなデバイスの幾何学的設計は、2つの利点:(1)薬物及びポリマーのコーティングを塑性変形する力の増加、(2)コーティングの接着力の減少を提供する。例えば、くさび形は、直接圧縮とは対照的に剪断面(shear plan)に沿った変形の力を整える。この実施形態は次のものを提供する:(1)移動したコーティングの%に関する効率の増加、(2)ケースバイケースの原則で移動した量の精度の増加、(3)配置条件下で変形しない及び/又は大量移動しない、「より硬い/より強い」材料(バイオポリマー)の利用、(4)変形と大量移動の形状と方向の意図的な設計を介する、粒子の脱落(shedding)の機会の最小化。例えば、くさびについては、コーティングが(軟材料を用いた)シート形状のデバイスからの剪断として事前に配置されるため、粒子は少なくなると思われ、このことは、マットレスに押し込まれるロッドの圧力で押し出されるシリコンコークのコーティングとして図示されてもよい。
別の実施形態は、コーティングの幾何学的配置を提供し、それにより、層(積層構造)は、塑性変形、剪断、及び組織の中へのコーティングの大量移動を調節し制御するために、コーティングに提供される。
1つの実施形態は、患者の特定部位での配置後、コーティングのいくらか又はすべて(5−10%、10−25%、25−50%、50−90%、90−99%、99−100%)を、治療の必要のある部位へと移動させる、コーティングした基体を提供する。
幾つかの実施形態において、デバイスは更に剥離剤を含む。幾つかの実施形態において、剥離剤は生体適合性である。幾つかの実施形態において、剥離剤は非生体適合性である。幾つかの実施形態において、剥離剤は粉末剤を含む。幾つかの実施形態において、剥離剤は潤滑剤を含む。幾つかの実施形態において、剥離剤は、基体の表面改質を含む。
幾つかの実施形態において、剥離剤は、コーティングの物理的特徴を含む。幾つかの実施形態において、コーティングの物理的特徴はパターン形成を含む。幾つかの実施形態において、パターン形成は、コーティングの基体側のきめのある表面であり、コーティングの基体側は、基体上のコーティングの一部である。幾つかの実施形態において、パターンは、コーティングの介在部位側のきめのある表面であり、コーティングの介在部位側は、介在部位に移動される、及び/又は送達される、及び/又は被着されるコーティングの一部である。
幾つかの実施形態において、剥離剤は、粘性流体を含む。幾つかの実施形態において、粘性流体は油を含む。幾つかの実施形態において、粘性流体は、水と比較して粘着性の流体である。幾つかの実施形態において、粘性流体は、血液と比較して粘着性の流体である。幾つかの実施形態において、粘性流体は、尿と比較して粘着性の流体である。幾つかの実施形態において、粘性流体は、胆汁と比較して粘着性の流体である。幾つかの実施形態において、粘性流体は、関節液と比較して粘着性の流体である。幾つかの実施形態において、粘性流体は、生理食塩水と比較して粘着性の流体である。幾つかの実施形態において、粘性流体は、介入部位にある体液と比較して粘着性の流体である。
幾つかの実施形態において、剥離剤はゲルを含む。
幾つかの実施形態において、剥離剤は、活性薬剤及び別の活性薬剤の少なくとも1つを含む。活性薬剤は、剥離剤として作用するためにコーティング前に基体上に置かれてもよい。活性薬剤は、コーティング中の活性薬剤とは異なる活性薬剤でもよい。剥離剤である活性薬剤は、一旦コーティングが基体から放出される(又は移動、又は解放、又は解離される)と、介入部位又は別の場所に送達される薬物の第2のソースを提供してもよい。
幾つかの実施形態において、剥離剤は、基体の物理的特性を含む。幾つかの実施形態において、基体の物理的特性は、パターン形成したコーティング表面及び波状コーティング表面のうちの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態において、パターン形成したコーティング表面は、ステントフレームワークを含む。幾つかの実施形態において、波状コーティング表面は、起伏した基体表面を含む。幾つかの実施形態において、波状コーティング表面は、その上に隆起を有する基体表面を含む。
幾つかの実施形態において、剥離剤は、介入部位で変わることができる特性を含む。幾つかの実施形態において、その特性は、物理的特性を含む。幾つかの実施形態において、その特性は、化学的特性を含む。幾つかの実施形態において、剥離剤は、生物組織及び生物流体のうちの少なくとも1つに接する際に、特性を変化することができる。幾つかの実施形態において、剥離剤は、水性液に接する際に、特性を変化することができる。
幾つかの実施形態において、剥離剤は基体とコーティングとの間にある。
幾つかの実施形態において、医薬製剤の少なくとも一部が、単一のエマルジョン/蒸発の技術を使用して封入される。幾つかの実施形態において、その技術は、少なくとも、(1)第1のポリマー(例えばPVA)と水を組み合わせて第1のポリマー溶液を形成する工程;第2のポリマー(例えばPLGA)と有機溶媒(例えばジクロロメタン)を組み合わせて第2のポリマー溶液を形成する工程;第2のポリマー(例えばPLGA)と有機溶媒(例えばジクロロメタン)を組み合わせて第3のポリマー溶液を形成する工程;及び、医薬製剤と極性の非プロトン性溶媒(例えばDMSO)を組み合わせて医薬製剤溶液を形成する工程、(2)第2のポリマー溶液と医薬製剤溶液を混合する工程、(3)第1のポリマー溶液を加えて、結果として生じる混合物を均質化する工程;(4)第3のポリマー溶液を加える工程;(5)随意に、有機溶媒を蒸発させる工程;及び、(6)残りの溶液を濾過する工程を含む。幾つかの実施形態において、濾過は遠心分離機を使用して行われる。幾つかの実施形態において、濾過は、濾紙に混合物を通すことにより行われる。幾つかの実施形態において、封入された医薬製剤は更に、水中で更に再懸濁され、凍結乾燥される。
幾つかの実施形態において、第1のポリマー溶液のポリマー濃度は、約1%から約10%まで、約1%から約9%まで、約1%から約8%まで、約1%から約7%まで、約1%から約6%まで、約1%から約5%まで、約1%から約4%まで、約1%から約3%まで、約1.5%から約2.5%まで、又は約2%である。本明細書で使用されるように、割合として発現されるポリマー濃度に関して使用される際の用語「約」は、0.05%、0.1%、0.2%、0.25%、0.3%、0.4%、又は0.5%の変動を意味する。例えば、約2%であるポリマー濃度は、2%+/−0.5%(すなわち、1.5%−2.5%)、又は、実施形態に依存して、1.95−2.05%(2%+/−0.05%)と表わされてもよい。幾つかの実施形態において、第1のポリマー溶液のポリマー濃度は、1%から10%まで、1%から9%まで、1%から8%まで、1%から7%まで、1%から6%まで、1%から5%まで、1%から4%まで、1%から3%まで、1.5%から2.5%まで、又は2%である。
幾つかの実施形態において、第2のポリマー溶液のポリマー濃度は、約10mg/mLから約100mg/mLまで、約15mg/mLから約95mg/mLまで、約20mg/mLから約90mg/mLまで、約25mg/mLから約85mg/mLまで、約30mg/mLから約80mg/mLまで、約35mg/mLから約75mg/mLまで、約40mg/mLから約70mg/mLまで、約40mg/mLから約60mg/mLまで、約45mg/mLから約55mg/mLまで、又は約50mg/mLである。本明細書で使用されるように、mg/mLで表わされるポリマー濃度に関して使用される際の用語「約」は、実施形態に依存して、1mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、又は15mg/mLの変動を意味する。幾つかの実施形態において、第2のポリマー溶液のポリマー濃度は、10mg/mLから100mg/mLまで、15mg/mLから95mg/mLまで、20mg/mLから90mg/mLまで、25mg/mLから85mg/mLまで、30mg/mLから80mg/mLまで、35mg/mLから75mg/mLまで、40mg/mLから70mg/mLまで、40mg/mLから60mg/mLまで、45mg/mLから55mg/mLまで、又は50mg/mLである。
幾つかの実施形態において、第3のポリマー溶液のポリマー濃度は、約0.5%から約5%まで、約0.5%から約4.5%まで、約0.5%から約4%まで、約0.5%から約3.5%まで、約0.5%から約3%まで、約0.5%から約2.5%まで、約0.5%から約2%まで、約0.5%から約1.5%まで、又は約2%である。本明細書で使用されるように、割合として表わされるポリマー濃度に関して使用される際の用語「約」は、0.05%、0.1%、0.2%、0.25%、0.3%、0.4%、又は0.5%の変動を意味する。例えば、約2%であるポリマー濃度は、2%+/−0.5%(すなわち、1.5%−2.5%)、又は、実施形態に依存して、1.95−2.05%(2%+/−0.05%)と表わされてもよい。幾つかの実施形態において、第3のポリマー溶液のポリマー濃度は、0.5%から5%まで、0.5%から4.5%まで、0.5%から4%まで、0.5%から3.5%まで、0.5%から3%まで、0.5%から2.5%まで、0.5%から2%まで、0.5%から1.5%まで、又は2%である。
幾つかの実施形態において、医薬製剤溶液中の医薬製剤の濃度は、約1mg/mLから約50mg/mLまで、約1mg/mLから約40mg/mLまで、約1mg/mLから約30mg/mLまで、約2mg/mLから約30mg/mLまで、約5mg/mLから約30mg/mLまで、約5mg/mLから約25mg/mLまで、約5mg/mLから約20mg/mLまで、約5mg/mLから約15mg/mLまで、約7mg/mLから約12mg/mLまで、又は約10mg/mLである。本明細書で使用されるように、mg/mLで表わされるポリマー濃度に関して使用される際の用語「約」は、実施形態に依存して、0.5mg/mL、1mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、又は15mg/mLの変動を意味する。幾つかの実施形態において、医薬製剤溶液中の医薬製剤の濃度は、1mg/mLから50mg/mLまで、1mg/mLから40mg/mLまで、1mg/mLから30mg/mLまで、2mg/mLから30mg/mLまで、5mg/mLから30mg/mLまで、5mg/mLから25mg/mLまで、5mg/mLから20mg/mLまで、5mg/mLから15mg/mLまで、7mg/mLから12mg/mLまで、又は10mg/mLである。
幾つかの実施形態において、蒸発によって取り除かれる有機溶媒の量は、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%である。幾つかの実施形態において、蒸発によって取り除かれる有機溶媒の量は、5%−95%、5%−85%、5%−50%、5%−25%、5%−10%、10%−95%、10%−50%、10%−30%、20%−95%、30%−75%、40%−95%、50%−95%、70%−90%、75%−95%、又は80%−95%である。
幾つかの実施形態において、結晶性の医薬製剤は、エマルジョンベースの封入プロセスによって封入することが可能である。幾つかの実施形態において、医薬製剤の少なくとも一部は、少なくとも次の工程を含む技術を使用して封入される:(1)第1のポリマー(例えばPVA)と水を組み合わせて第1のポリマー溶液を形成する工程、第2のポリマー(例えばPLGA)と有機溶媒(例えばジクロロメタン)を組み合わせて第2のポリマー溶液を形成する工程、第2のポリマーと有機溶媒を組み合わせて第3のポリマー溶液を形成する工程;(2)第1のポリマーと第2のポリマーを混合して、有機溶媒を蒸発させ、エマルジョンを形成する工程;(3)医薬製剤と第3のポリマー溶液を混合して懸濁液を形成する工程;(4)エマルジョンと懸濁液を組み合わせてエマルジョンベースの混合物を形成する工程;及び、(5)エマルジョンベースの混合物を濾過する工程。幾つかの実施形態において、濾過は遠心分離機を使用して行われる。幾つかの実施形態において、濾過は、濾紙に溶液を注ぐことにより行われる。幾つかの実施形態において、封入された医薬製剤は更に、水中で再懸濁され、凍結乾燥される。
幾つかの実施形態において、第1のポリマー溶液のポリマー濃度は、約1%から約10%まで、約1%から約9%まで、約1%から約8%まで、約1%から約7%まで、約1%から約6%まで、約1%から約5%まで、約1%から約4%まで、約1%から約3%まで、約1.5%から約2.5%まで、又は約2%である。本明細書で使用されるように、割合として表わされるポリマー濃度に関して使用される際の用語「約」は、0.05%、0.15%、0.2%、0.3%、0.4%、又は0.5%の変動を意味する。例えば、約2%であるポリマー濃度は、2%+/−0.5%(すなわち、1.5%−2.5%)、又は、実施形態に依存して、1.95−2.05%(2%+/−0.05%)と表わされてもよい。幾つかの実施形態において、第1のポリマー溶液のポリマー濃度は、1%から10%まで、1%から9%まで、1%から8%まで、1%から7%まで、1%から6%まで、1%から5%まで、1%から4%まで、1%から3%まで、1.5%から2.5%まで、又は2%である。
幾つかの実施形態において、第2のポリマー溶液のポリマー濃度は、約10mg/mLから約100mg/mLまで、約15mg/mLから約95mg/mLまで、約20mg/mLから約90mg/mLまで、約25mg/mLから約85mg/mLまで、約30mg/mLから約80mg/mLまで、約35mg/mLから約75mg/mLまで、約40mg/mLから約70mg/mLまで、約40mg/mLから約60mg/mLまで、約45mg/mLから約55mg/mLまで、又は約50mg/mLである。本明細書で使用されるように、mg/mLで表わされるポリマー濃度に関して使用される際の用語「約」は、実施形態に依存して、0.5mg/mL、1mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、又は15mg/mLの変動を意味する。幾つかの実施形態において、第2のポリマー溶液のポリマー濃度は、10mg/mLから100mg/mLまで、15mg/mLから95mg/mLまで、20mg/mLから90mg/mLまで、25mg/mLから85mg/mLまで、30mg/mLから80mg/mLまで、35mg/mLから75mg/mLまで、40mg/mLから70mg/mLまで、40mg/mLから60mg/mLまで、45mg/mLから55mg/mLまで、又は50mg/mLである。
幾つかの実施形態において、第3のポリマー溶液のポリマー濃度は、約0.5%から約5%まで、約0.5%から約4.5%まで、約0.5%から約4%まで、約0.5%から約3.5%まで、約0.5%から約3%まで、約0.5%から約2.5%まで、約0.5%から約2%まで、約0.5%から約1.5%まで、又は約2%である。本明細書で使用されるように、割合として表わされるポリマー濃度に関して使用される際の用語「約」は、0.05%、0.15%、0.2%、0.3%、0.4%、又は0.5%の変動を意味する。例えば、約2%であるポリマー濃度は、2%+/−0.5%(すなわち、1.5%−2.5%)、又は、実施形態に依存して、1.95−2.05%(2%+/−0.05%)と表わされてもよい。幾つかの実施形態において、第3のポリマー溶液のポリマー濃度は、0.5%から5%まで、0.5%から4.5%まで、0.5%から4%まで、0.5%から3.5%まで、0.5%から3%まで、0.5%から2.5%まで、0.5%から2%まで、0.5%から1.5%まで、又は2%である。
幾つかの実施形態において、医薬製剤と第3のポリマー溶液の混合物中の医薬製剤の濃度は、約0.01mg/mLから約0.1mg/mLまで、約0.02mg/mLから約0.09mg/mLまで、約0.03mg/mLから約0.08mg/mLまで、約0.03mg/mLから約0.07mg/mLまで、約0.04mg/mLから約0.07mg/mLまで、約0.04mg/mLから約0.06mg/mLまで、又は約0.05mg/mLである。本明細書で使用されるように、mg/mLで表わされる医薬製剤濃度に関して使用される際の用語「約」は、実施形態に依存して、0.001mg/mL、0.005mg/mL、5mg/mL、0.002mgmg/mL、0.0025mgmg/mL、又は0.1mg/mLの変動を意味する。幾つかの実施形態において、医薬製剤と第3のポリマー溶液の混合物中の医薬製剤の濃度は、0.01mg/mLから0.1mg/mLまで、0.02mg/mLから0.09mg/mLまで、約0.03mg/mLから0.08mg/mLまで、約0.03mg/mLから0.07mg/mLまで、約0.04mg/mLから約0.07mg/mLまで、約0.04mg/mLから約0.06mg/mLまで、又は約0.05mg/mLである。
幾つかの実施形態において、封入プロセス中の蒸発によって取り除かれる有機溶媒の量は、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、及び少なくとも95%である。幾つかの実施形態において、封入プロセス中の蒸発によって取り除かれる有機溶媒の量は、5%−95%、5%−85%、5%−50%、5%−25%、5%−10%、10%−95%、10%−50%、10%−30%、20%−95%、30%−75%、40%−95%、50%−95%、70%−90%、75%−95%、又は80%−95%である。
幾つかの実施形態において、ポリマーを封入した医薬製剤は、ミクロスフェア又は微小粒子の形態である。本開示に関連するミクロスフェアの例は、Luzzi, L. A., J. Pharm. Psy. 59:1367 (1970);米国特許第4,530,840号;Lewis, D. H., “Controlled Release of Bioactive Agents from Lactides/Glycolide Polymers” in Biodegradable Polymers as Drug Delivery Systems, Chasin, M. and Langer, R., eds., Marcel Decker (1990);米国特許第4,675,189号;Beck et al., “Poly(lactic acid) and Poly(lactic acid−co−glycolic acid) Contraceptive Delivery Systems,” in Long Acting Steroid Contraception, Mishell, D. R., ed., Raven Press (1983);米国特許第4,758,435号;米国特許第3,773,919号;米国特許第4,474,572号を含む。ミクロスフェアとして処方されるタンパク質治療の例は、米国特許第6,458,387号;米国特許第6,268,053号;米国特許第6,090,925号;米国特許第5,981,719号;及び、米国特許第5,578,709号を含み、これらの開示内容は引用により本明細書に組み込まれる。
ミクロスフェアは通常球形であるが、不規則な形状の微小粒子が可能である。ミクロスフェアは、サブミクロンから1000ミクロンまでの直径に及んで、サイズが変化してもよい。本明細書に開示された医療デバイスとの用途に適したミクロスフェアは、サブミクロンから250ミクロンまでの直径のミクロスフェアである。ミクロスフェアは、本明細書に開示されるコーティング方法で使用するのに許容可能な寸法範囲で、ミクロスフェアを生産する任意の方法によって調製される。
本明細書のミクロスフェア又は微小粒子において使用するためのポリマー材料の好適例は、ポリ(グリコール酸)、ポリ−d,l−乳酸、ポリ−l−乳酸、先述のもののコポリマー、ポリ(脂肪族カルボン酸)、コポリオキサレート、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン(polydioxonene)、ポリ(オルトカーボネート)、ポリ(アセタール)、ポリ(乳酸カプロラクトン)、ポリオルトエステル、ポリ(グリコール酸カプロラクトン)、ポリジオキサノン、ポリ無水物、ポリホスファゼン(polyphosphazines)、及び、アルブミン、カゼイン、並びにグリセロールモノステアラート及びジステアラートなどの幾つかのワックスなどを含む。様々な市販のポリ(ラクチド−コ−グリコリド)材料(PLGA)は、本明細書に開示の方法の中で随意に使用される。例えば、ポリ(d,l−ラクチド−コ−グリコール酸)は、Boehringer−Ingelheimから、RESOMER RG 503として市販で入手可能である。この生成物は、50%のラクチドと50%のグリコリドのモルパーセントの組成物である。これらのコポリマーは、幅広い範囲の分子量およびグリコール酸に対する乳酸の比率で、入手可能である。1つの実施形態は、ポリマー・ポリ(d,l−ラクチド−コ−グリコリド)の使用を含む。そのようなコポリマーにおけるグリコリドに対するラクチドの分子比は、約95:5から約50:50の範囲を含む。
ポリマー材料の分子量は、ある程度重要である。幾つかの実施形態において、分子量は、それが良好なポリマーコーティングを形成するほど(即ち、ポリマーは優れたフィルム形成要素となる)、十分に高い。通常、良好な分子量は、5,000〜500,000ダルトンの範囲である。ポリマーの分子量はまた、分子量がポリマーの生分解速度に影響を及ぼすという観点から重要である。医薬製剤は、ポリマー材料の拡散を介して、ポリマー材料の生物分解を介して、又はその両方の組み合わせを介して、微小粒子から放出される。ポリマー材料の適切な選択によって、結果として生じるミクロスフェアが拡散放出と生分解放出の両方の性質を示すように、ミクロスフェア製剤が形成される。これは、多相放出パターンを与えるのに役立つ。
化合物をミクロスフェアに封入する様々な方法が知られている。これらの方法において、医薬製剤は通常、壁形成材料を含有する溶媒中で、スターラー、アジテーター、又は他の動力学的な混合技術を用いて、分散又は乳化される。そして、溶媒はミクロスフェアから除去され、その後、ミクロスフェア生成物が得られる。
1つの実施形態において、本明細書で使用される、ポリマーを封入した医薬製剤は、医薬製剤及び/又は他の医薬製剤の、ポリ(乳酸−グリコール酸)−ポリビニルアルコールのミクロスフェアへの取り込みを介して作られる。別の実施形態において、耳感覚細胞調節剤(auris sensory cell modulating agents)は、アルギナートのミクロスフェアに封入される。(開示内容が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,036,978号を参照)。医薬製剤を封入するために、生体適合性のメタクリル酸ベースのポリマーは、本明細書で開示される製剤及び方法に任意に用いられる。幅広いメタクリル酸ベースのポリマー系について、Evonikより市販されているEUDRAGITポリマーなどが市販で入手可能である。メタクリル酸ポリマーの1つの有用な態様は、製剤の特性が、様々なコポリマーを取り込むことによって変化するということである。例えば、ポリ(アクリル酸−コ−メチルメタクリル酸)微小粒子は、ポリ(アクリル酸)中のカルボン酸基が、ムチンとの水素結合を形成すると、強度の粘膜付着特性を示す(Park etal, Pharm. Res. (1987) 4(6):457−464)。アクリル酸とメチルメタクリル酸モノマーの間の比率の変動は、コポリマーの特性を調節するのに役立つ。メタクリル酸ベースの微小粒子はまた、タンパク質の治療製剤にも用いられてきた(Naha et al,Journal of Microencapsulation 04 February, 2008 (オンライン公開))。
医薬製剤調製のための従来のマイクロ封入プロセスの例は、米国特許第3,737,337号に示され、その内容の開示は引用により本明細書に組み込まれる。封入される又は埋め込まれる医薬製剤は、(分散の準備段階で)振動器及び高速スターラーなどを含む従来の混合器を用いて、ポリマーの有機溶液(相A)中に溶解又は分散される。溶液又は懸濁液中にコア材料を含有する相(A)の分散は、従来の混合器(高速混合器、振動混合器、又は噴霧ノズル)を再度用いて、水相(B)中で行われ、この場合、ミクロスフェアの粒子の大きさは、相(A)の濃度だけではなく、エマルカート(emulsate)又はミクロスフェアのサイズによって決定される。耳感覚細胞調節剤のマイクロ封入のための従来の技術を用いて、活性薬剤及びポリマーを含有する溶媒が、撹拌、かき混ぜ、振動、又は幾つかの他の動力学的な混合技術によって、不混和溶液中で乳化又は分散すると、ミクロスフェアが生じる。
ミクロスフェアを構築するための方法は、米国特許第4,389,330号及び米国特許第4,530,840号に記載され、そのような開示のための引用により本明細書に組み込まれる。医薬製剤は適切な溶媒中で溶解又は分散する。薬剤を含有する培地に、所望の活性薬剤が充填された生成物を与える活性成分に相対する量で、ポリマーマトリクス材料を加える。任意に、耳感覚調節剤のミクロスフェア生成物の成分の全ては、共に溶媒培地中で混ぜ合わせることが可能である。薬剤及びポリマーマトリクス材料に適切な溶媒は、アセトン、ハロゲン化炭化水素(クロロホルム、塩化メチレンなど)、芳香族炭化水素化合物、ハロゲン化芳香族炭化水素化合物、環状エーテル、アルコール、酢酸エチルなどの有機溶媒を含む。
溶媒中の成分の混合物は、連続相処理培地において乳化され;連続相処理培地は、示された成分を含む微小液滴の分散液が、連続相培地において形成されるものである。必然的に、連続相処理培地および有機溶媒は不混和でなければならず、且つ水を含むものであるが、キシレン及びトルエン、並びに、合成油及び天然油などの非水系の培地が任意に使用可能である。任意に、界面活性剤は、微小粒子が凝集するのを妨げ、且つ、エマルジョンの中の溶媒微小液滴のサイズを調節するために、連続相処理培地に加えられる。好ましい界面活性剤の分散培地の組み合わせは、水混合物中で1乃至10重量%のポリ(ビニルアルコール)である。分散液は、混合材料の機械的なかき混ぜによって形成される。エマルジョンは、連続相処理培地に、活性薬剤の壁を形成する材料の溶液を少滴加えることによって任意に形成される。エマルジョン形成中の温度は、特に重要ではないが、微粒子のサイズと性質、及び連続相中の薬物の可溶性に影響を与える。連続相には、できるだけ薬剤がないことが望ましい。更に、使用される溶媒と連続相処理培地に依存して、温度は低すぎてはならず、又は、溶媒と処理培地が凝固したり、若しくは処理培地が実用の目的のために粘性になりすぎたり、又は、高すぎると、処理培地が蒸発したり、若しくは、液体処理培地が維持されなくなる。更に、培地の温度は、ミクロスフェアに取り込まれている特定の薬剤の安定性が不利に影響を受けるほど高くなってはならない。従って、分散プロセスは、安定な処理状態を保つ任意の温度で行われ、好ましい温度は、選択された薬物と賦形剤に依存して、約15℃乃至60℃である。
形成される分散液は、安定なエマルジョンであり、この分散液から、有機溶媒の不混和流体が、溶媒除去プロセスの第1工程において任意に部分的に除去される。溶媒は、蒸発、加熱、減圧の適用、又はそれらの組み合わせなどの技術によって除去される。微少液滴から溶媒を蒸発させるために利用される温度は一般的に、与えられた微小粒子の調製に使用される医薬製剤を分解してはならず、又は、壁を形成する材料に欠陥を引き起こすほど急速な速度で溶媒を蒸発させるほど高くなってはならない。通常、溶媒の5乃至95%が、第1の溶媒除去工程で除去される。
第1段階の後、溶媒不混和流体培地中で分散した微小粒子は、任意の従来の分離手段によって流体培地から分離される。従って、例えば、流体は、ミクロスフェアからデカントされ、又は、ミクロスフェアの懸濁液は濾過される。分離技術の、更に他の様々な組み合わせが、所望されると使用される。
連続相処理培地からのミクロスフェアの分離後、ミクロスフェア中の溶媒の残りは、任意の抽出によって除去される。この段階で、ミクロスフェアは、界面活性剤がある、又は界面活性剤が無い、1工程において使用された同じ連続相処理培地の中で、又は別の液体の中で、懸濁される。抽出培地は、ミクロスフェアから溶媒を除去し、そしてまた、ミクロスフェアを溶解しない。抽出の間、溶解された溶媒を含む抽出培地は、任意に除去され、新しい抽出培地と入れ替えられる。これは、継続的に最も良く行われる。与えられたプロセスの抽出培地の速度は変わり易く、プロセスが行われている時に決定され、従って、速度に対する正確な限定は、前もって決定すべきではない。溶媒の大部分がミクロスフェアから除去された後、ミクロスフェアは、空気にさらすことによって、又は、真空乾燥や乾燥剤による乾燥などの、他の従来の乾燥技術によって乾燥される。80重量%までの、好ましくは60重量%までのコア充填(core loadings)が得られるため、このプロセスは耳感覚細胞調節剤を封入する際に非常に効果的である。
<一般的な製造方法>
幾つかの実施形態において、コーティングは、e−RESS、e−SEDS、又は、e−DPCプロセスによって、ポリマー及び/又は活性薬剤を被着する工程を含むプロセスによって、基体上に形成される。幾つかの実施形態において、前記コーティングを形成する工程は、介入部位へのデバイスの配置の前に、基体に対するコーティングの改善された接着性を提供するとともに、介入部位における前記基体からの前記コーティングの解離を促進する。幾つかの実施形態において、コーティングは、基体を帯電することなく、e−RESS、e−SEDS、又は、e−DPCプロセスにより活性薬剤を被着する工程を含むプロセスによって、前記基体上に形成される。幾つかの実施形態において、コーティングは、活性薬剤を被着するために用いられるコーティング装置と基体との間で電位を発生させることなく、e−RESS、e−SEDS、又は、e−DPCプロセスにより基体上に活性薬剤を被着する工程を含むプロセスによって、前記基体上に形成される。
基体を含む又は含まない、デバイスの生体吸収性ポリマー+薬物のコーティングを形成する手段:
・ミセル(Micell)プロセスにおいて行われるように、薬物とポリマーとでコーティング形状を噴霧コーティングする(e−RESS、e−DPC、圧縮ガス焼結)。
・異なる材料が各工程で被着される、多数の連続的なコーティング−焼結工程を行い、最終的なデバイスを構築する薬物、ポリマー、又は、薬物+ポリマーの多数の薄層を含むラミネート構造を形成する。
・デバイスの内部(管腔)表面上で、マスクの含有物を含むポリマー+薬物のラミネートの被着を行う。このようなマスクは、コーティング形状の内部直径を通って挿入される非伝導性マンドレルと同じくらい簡素なものであってもよい。このマスキングは、任意の層が加えられる前に行われ、又は、複数の層がコーティング形状全体に継続的に被着された後に意図的に挿入されてもよい。
幾つかの実施形態において、コーティングは微細構造を含む。幾つかの実施形態において、活性薬剤の粒子は、前記微細構造内部で隔離されるか封入される。幾つかの実施形態において、微細構造は、マイクロチャネル、微小孔、及び/又は、マイクロキャビティを含む。幾つかの実施形態において、微細構造は、活性薬剤の徐放を可能にするために選択される。幾つかの実施形態において、微細構造は、活性薬剤の制御放出を可能にするために選択される。
コーティングを準備する他の方法は、溶媒ベースのコーティング方法、及び、プラズマベースのコーティング方法を含む。幾つかの実施形態において、コーティングは、溶媒ベースのコーティング方法によって準備される。幾つかの実施形態において、コーティングは、溶媒血漿ベースのコーティング方法によって準備される。
本発明の別の利点は、制御された(ダイヤルインした(dialed−in))薬物の溶出プロファイルを有する送達デバイスを形成する能力である。ラミネート構造の各層に異なる物質を有する能力、及び、これらの層の中で薬物の位置を独立的に制御する能力によって、この方法は、著しく特定の溶出プロファイル、プログラムされた連続的及び/又は類似する溶出プロファイルで薬物を放出することができるデバイスを可能にする。更に、本発明は、第2の薬物(又は、異なる投与量の同じ薬物)の溶出に影響を与えることなく、1つの薬物の制御溶出を可能にする。
本明細書において、基体と前記基体の少なくとも一部上のコーティングとを含む医療用デバイスを形成する方法が提供され、コーティングは活性薬剤を含み、該方法は、基体を提供する工程と、e−RESS、e−SEDS、及び、e−DPCプロセスのうちの少なくとも1つにより、基体上に活性薬剤を被着することによって、基体の少なくとも一部上にコーティングを形成する工程とを含み、コーティングを形成する工程は、コーティングが刺激によって刺激されると、コーティングの少なくとも一部が基体から介入部位へと移動するように適合されるという結果をもたらす。
本明細書において、基体と前記基体の少なくとも一部上のコーティングとを含む医療用デバイスを形成する方法が提供され、コーティングは活性薬剤を含み、該方法は、基体を提供する工程と、基体を帯電することなく、e−RESS、e−SEDS、及び、e−DPCプロセスのうちの少なくとも1つにより活性薬剤を被着することによって、基体の少なくとも一部上にコーティングを形成する工程とを含み、コーティングを形成する工程は、コーティングが刺激によって刺激されると、コーティングの少なくとも一部が基体から介入部位へと移動するように適合されるという結果をもたらす。
本明細書において、基体と前記基体の少なくとも一部上のコーティングとを含む医療用デバイスを形成する方法が提供され、コーティングは活性薬剤を含み、該方法は、基体を提供する工程と、e−RESS、e−SEDS、及び、e−DPCプロセスのうちの少なくとも1つで用いられるコーティング装置と基体との間で電位を発生させることなく、e−RESS、e−SEDS、及び、e−DPCプロセスのうちの少なくとも1つにより、基体上に活性薬剤を被着することによって、基体の少なくとも一部上にコーティングを形成する工程とを含み、コーティングを形成する工程は、コーティングが刺激によって刺激されると、コーティングの少なくとも一部が基体から介入部位へと移動するように適合されるという結果をもたらす。
本明細書において、基体と前記基体の少なくとも一部上のコーティングとを含む医療用デバイスを形成する方法が提供され、コーティングは活性薬剤を含み、該方法は、基体を提供する工程と、浸漬及び/又は噴霧プロセスのうちの少なくとも1つにより、基体上に活性薬剤を被着することによって、基体の少なくとも一部上にコーティングを形成する工程とを含み、コーティングを形成する工程は、コーティングが刺激によって刺激されると、コーティングの少なくとも一部が基体から介入部位へと移動するように適合されるという結果をもたらす。
本明細書において、基体と前記基体の少なくとも一部上のコーティングとを含む医療用デバイスを形成する方法が提供され、コーティングは活性薬剤を含み、該方法は、基体を提供する工程と、e−RESS、e−SEDS、及び、e−DPCプロセスのうちの少なくとも1つにより、基体上に活性薬剤を被着することによって、基体の少なくとも一部上にコーティングを形成する工程とを含み、コーティングを形成する工程は、コーティングが刺激によって刺激されると、コーティングの少なくとも一部が基体から解放されるように適合されるという結果をもたらす。
本明細書において、基体と前記基体の少なくとも一部上のコーティングとを含む医療用デバイスを形成する方法が提供され、コーティングは活性薬剤を含み、該方法は、基体を提供する工程と、浸漬及び/又は噴霧プロセスのうちの少なくとも1つにより、基体上に活性薬剤を被着することによって、基体の少なくとも一部上にコーティングを形成する工程とを含み、コーティングを形成する工程は、コーティングが刺激によって刺激されると、コーティングの少なくとも一部が基体から解放されるように適合されるという結果をもたらす。
本明細書において、基体と前記基体の少なくとも一部上のコーティングとを含む医療用デバイスを形成する方法が提供され、コーティングは活性薬剤を含み、該方法は、基体を提供する工程と、e−RESS、e−SEDS及びe−DPCプロセスのうちの少なくとも1つにより、活性薬剤を基体上に被着することによって、基体の少なくとも一部上にコーティングを形成する工程とを含み、コーティングを形成する工程は、コーティングが刺激によって刺激されると、コーティングの少なくとも一部が基体から解離されるように適合されるという結果をもたらす。
本明細書において、基体と前記基体の少なくとも一部上のコーティングとを含む医療用デバイスを形成する方法が提供され、コーティングは活性薬剤を含み、該方法は、基体を提供する工程と、浸漬及び/又は溶射プロセスのうちの少なくとも1つにより、活性薬剤を基体上に被着することによって、基体の少なくとも一部上にコーティングを形成する工程とを含み、コーティングを形成する工程は、コーティングが刺激によって刺激されると、コーティングの少なくとも一部が基体から解離されるように適合されるという結果をもたらす。
本明細書において、基体と前記基体の少なくとも一部上のコーティングとを含む医療用デバイスを形成する方法が提供され、コーティングは活性薬剤を含み、該方法は、基体を提供する工程と、e−RESS、e−SEDS及びe−DPCプロセスのうちの少なくとも1つにより、活性薬剤を基体上に被着することによって、基体の少なくとも一部上にコーティングを形成する工程とを含み、コーティングを形成する工程は、コーティングが刺激によって刺激されると、コーティングの少なくとも一部が介入部位に送達されるように適合されるという結果をもたらす。
本明細書において、基体と前記基体の少なくとも一部上のコーティングとを含む医療用デバイスを形成する方法が提供され、コーティングは活性薬剤を含み、該方法は、基体を提供する工程と、浸漬及び/又は溶射プロセスのうちの少なくとも1つにより、活性薬剤を基体上に被着することによって、基体の少なくとも一部上にコーティングを形成する工程とを含み、コーティングを形成する工程は、コーティングが刺激によって刺激されると、コーティングの少なくとも一部が介入部位に送達されるように適合されるという結果をもたらす。
幾つかの実施形態において、コーティングを形成するのに用いられるe−RESS、e−SEDS及び/又はe−DPCプロセスは、基体を帯電させることなく実行される。幾つかの実施形態において、コーティングを形成するのに用いられるe−RESS、e−SEDS、及び/又はe−DPCプロセスは、e−RESS、e−SEDS、及び/又はe−DPCプロセスに用いられるコーティング装置と基体との間に電位を生成することなく、実行される。
幾つかの実施形態において、コーティングを形成する工程の結果、基体が介入部位に至る前に、コーティングが基体に接着する。
いくつかの実施形態は、基体上に剥離剤を提供する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、剥離剤を提供する工程は、コーティングを形成する工程の前に行われる。幾つかの実施形態において、剥離剤は、生体適合性剥離剤、非生体適合性剥離剤、粉末、潤滑剤、基体の表面改質、粘性流体、ゲル、活性薬剤、第2の活性薬剤、基体の物理的特性のうちの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態において、基体の物理的特性は、基体のパターン形成されたコーティング表面及び基体の波状表面のうちの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態において、剥離剤は、介入部位で変化可能である特性を含む。幾つかの実施形態において、特性は、物理的特性を含む。幾つかの実施形態において、特性は、化学的特性を含む。幾つかの実施形態において、生物学的組織及び生物学的流体のうちの少なくとも1つに接触している場合には、剥離剤は特性を変化させることができる。幾つかの実施形態において、水性液体と接触している場合には、剥離剤は特性を変化させることができる。幾つかの実施形態において、コーティングは、介入部位へのコーティングの移動を促進するコーティングの特性をもたらす。幾つかの実施形態において、コーティングの特性は、コーティングの物理的特性を含む。幾つかの実施形態において、物理的特性は、パターンを含む。
幾つかの実施形態において、コーティングを形成する工程は、コーティングの介入部位への移動を促進する。
幾つかの実施形態において、移動させる工程、解放する工程、解離する工程、被着する工程及び/又は取り付ける工程は、水和、分解、又は水和と分解との組み合わせにより、ポリマーを軟化させる工程を含む。幾つかの実施形態において、移動させる工程、解放する工程、解離する工程、被着する工程及び/又は取り付ける工程は、ポリマーの加水分解によりポリマーを軟化させる工程を含む。
幾つかの実施形態において、提供する工程は、溶剤に基づいたコーティング方法によりコーティングを形成する工程を含む。幾つかの実施形態において、提供する工程は、溶媒血漿に基づいた方法によりコーティングを形成する工程を含む。
幾つかの実施形態において、デバイスを提供する工程は、コーティングを形成するために、前記基体上に複数の層を被着する工程を含み、層の少なくとも1つは活性薬剤を含む。幾つかの実施形態において、層の少なくとも1つはポリマーを含む。幾つかの実施形態において、ポリマーは生体吸収性である。幾つかの実施形態において、活性薬剤とポリマーは、同じ層にあるか、個別の層にあるか、又は重複層を形成する。幾つかの実施形態において、複数の層は、以下のように被着された5つの層を含む:第1ポリマー層、第1活性薬剤層、第2ポリマー層、第2活性薬剤層、及び第3ポリマー層。
以下の実施例は選択された実施形態を示すために提供される。これらは、発明の範囲を制限するものではなく、単なる例示的および代表的な例であると、見なされよう。本明細書に列挙された各実施例について、複数の分析的技術が提供されてもよい。列挙された複数の技術の任意の1つの技術は、試験されるパラメータおよび/あるいは特性を示すのに十分であり得、あるいはこのようなパラメータおよび/あるいは特性を示すために技術の任意の組み合わせを用いることがある。当業者は、薬物/ポリマーコーティングを特徴づけるための広範囲の解析技法に精通している。本明細書に記載される技術は、限定しないが、当業者にとって明らかな変更および調節を伴うコーティングの特定の特性を、追加的および/あるいは代替的に特徴づけるのに利用されることがある。
サンプルの調製
一般的には、ステント、バルーン、クーポン、他の基体、あるいはインビボのモデルで調製されたサンプル上でのコーティングは、本明細書に従って調製される。しかし、所与の分析手法の変更は、提示される例に示され、および/あるいは当業者にとって明らかである。したがって、多くの変更、変化および置換は、本発明から逸脱することなく、当業者が想起するものである。本明細書に記載される本発明の実施形態および提供される例に対する様々な代替物は、本発明を実施し、および記載されたパラメータおよび/あるいは特徴を示す際に用いられることがある、と理解されよう。
バルーン上のコーティング
本明細書に記載され、および/あるいは、本明細書に開示される方法により作成される、コーティングされたバルーンを調製する。いくつかの実施例において、コーティングされたバルーンは〜15ミクロン(〜5ミクロンの活性薬剤)の標的としたコーティングの厚さを有する。いくつかの実施例において、コーティングプロセスは、RESS法および本明細書に記載される機材による、乾燥した粉末の形態の薬物の被着およびポリマー粒子の被着を用いた、PDPDP(ポリマー、焼結物、薬物、ポリマー、焼結物、薬物、ポリマー、焼結物)である。本明細書において図示されるように、得られるコーティングされたバルーンは、第1層にポリマー(例えばPLgA)、第2層に薬物(例えば、ラパマイシン)および第3層にポリマーを含む3層のコーティングを有し、第3層の一部はほぼ薬物を含まない(例えば、第3層の厚さの一部に等しい厚さを有する第3層内の副層)。記載された層として、中間層(あるいは薬物層)は、第1の(ポリマー)層および第3の(ポリマー)層のうちの1つあるいはそれら両方と重複していてもよい。薬物層とポリマー層との間の重複は、ポリマー材料が、薬物で大部分占有される物理的空間へと伸張することにより定義される。薬物層とポリマー層との間の重複は、薬物層の形成中に、薬物粒子の部分的充填に関係し得る。結晶質の薬物粒子が第1のポリマー層の上面に被着する場合、空隙およびあるいは間隙が乾燥した結晶粒子の間に残留する。間隙および空隙は、第3の(ポリマー)層の形成中に被着された粒子により占有されることが可能である。第3の(ポリマー)層からの粒子のいくらかは、第2の(薬物)層における薬物粒子の近辺で留まる。焼結工程が第3の(ポリマー)層のために終了する場合、第3のポリマー層の粒子が融合し、第3の(ポリマー)層を形成する連続フィルムを形成する。しかしながら、いくつかの実施形態において、第3の(ポリマー)層はステントの縦軸に沿った部分を有し、該部分はポリマー材料と薬物粒子との間で接触しない。薬物粒子とほぼ接触する第3層の一部は、1nmと同じ薄さであり得る。
薬物ではなくポリマーを含むコーティングを有するポリマーでコーティングされたバルーンは、本明細書に開示される方法で作成され、例えば約0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45あるいは50ミクロンの標的としたコーティングの厚さを有するように調製され、該調製は、コーティングが水和で伸張するかどうかに部分的に依存し、およびもしそうであれば、コーティングが水和されているかどうかに部分的に依存する。実施形態において、コーティングの厚さは、1から5ミクロンである。他の実施形態において、コーティングの厚さは1から10ミクロンである。
例となるコーティングプロセスは、RESS法および本明細書に記載される機材を用いたPPP(PLGA、焼結物、PLGA、焼結物、PLGA、焼結物)である。これらのポリマーでコーティングされたバルーンは、以下のいくつかの例では、対照サンプルとして使用されることがある。
いくつかの実施例において、バルーンは弾性ポリマー製である。いくつかの実施例において、バルーンは、非弾性ポリマーで製である。バルーンは、いくつかの実施例では、例えば5から50mmの長さであり、好ましくは10から20mmの長さであってもよい。
バルーンは膨張している間にコーティングされ、その後に収縮し、あるいはバルーンは、膨張していない間にコーティングされ得る。バルーンは膨張する間にコーティングされ、その後折り畳まれ、あるいはそうでない場合、圧縮されると、その後、コーティングの一部は、膨張するまで晒されないバルーンの一部に配されるために、挿入の間、保護され得る。コーティングは、血管新生術用バルーンの挿入を促進する従来の技術で記載されているように、シースあるいは他のカバーを用いることでも保護され得る。
バルーンから放出されたコーティングは分析される(例えば、コーティングバンドの、および/あるいはバルーンの一部のコーティングの分析)。代替的に、いくつかの実施例において、コーティングはバルーン上で直接的に分析される。このコーティング、および/あるいはコーティング、およびバルーンは、セクションにスライスされ、該セクションは、90度回転され、本明細書に表される表面組成技術、あるいは表面組成分析のための当該技術分野で既知の他の技術(あるいは、例えば結晶化度のような他の特性)を用いて可視化されることがある。このように、コーティングがバルーン上にある場合の、あるいはバルーンから除去される場合の、深さ(すなわち、コーティングの反管腔側の表面から、一度バルーンあるいはバルーンの一部に接触した除去コーティング表面までの深さ)を介するコーティング組成物の分析となりうるものは、例えば、非常に高い分解能でコーティングのスライスにおける層を示すことができる、コーティングの表面分析となる。抽出されたバルーンに残存するコーティングもまた、本明細書で述べるように例えば、HPLCを用いて分析され、かつ使用されてないバルーン上のコーティングの量と比較され得る。バルーンから除去されたコーティング、あるいはバルーンから除去および/あるいは放出されることなく分析されるコーティングは、同様に処理され、本明細書に提示されるように、記載された技術および/あるいは当業者にとって既知の他の技術を用いて、アッセイされ、可視化され、および/あるいは特徴付けられることがある。
インビボのモデルのためのサンプル調製
本明細書に開示されるコーティングを有するバルーンを含むデバイスは、ブタ(家畜豚、養豚場の未成熟豚あるいはユカタンミニチュアピッグ)の豚冠動脈に配置される。このようなモデルは、ヒト被検体における新生内膜過形成をアッセイする他の研究に相当する結果をもたらすので、豚冠動脈血管新生術が本明細書では利用される。バルーン:動脈比を1:1.1の比率になるまでバルーンは拡張する。
複数の時点で、動物を安楽死させ(例えばt=1日、7日、14日、21日、および28日)、介入部位を囲む組織を抽出し、アッセイする。
本明細書に開示されるコーティングを有するバルーンを含むデバイスを、代替的にニュージーランドホワイトウサギの総腸骨動脈に埋め込む。バルーン:動脈比が1:1.1の比率になるまでバルーンを拡張する。複数の時点で、動物は安楽死させられ(例えばt=1日、7日、14日、21日、および28日)、介入部位を囲む組織は抽出し、アッセイする。
実施例1:カッティングバルーン
カッティングバルーン(1)−コーティングを解放するための機械的刺激
カッティングバルーンは、ポリマーおよび活性薬剤を含んでコーティングされる。コーティングされたカッティングバルーンを、介入部位に位置付ける。バルーンは、その公称の膨張圧より少なくとも25%小さい圧力まで膨張する。介入部位からカッティングバルーンが収縮し除去されると、少なくとも約5%から少なくとも約30%のコーティングが、カッティングバルーンの表面から解放され、介入部位に被着する。
いくつかの実施例において、バルーンは、膨張中に開き、機械的剪断力により、バルーンから介入部位へのコーティングの移動および/あるいは解放および/あるいは被着を少なくとも増強させる。
いくつかの実施例において、バルーンは、膨張中にねじれ、機械的剪断力により、バルーンからのコーティングの移動および/あるいは解放および/あるいは被着を少なくとも増強させる。
1つの実施例において、コーティングのポリマーは、約50:50のPLGA−Ester End Group、MW〜19kD、分解速度〜1−2か月であり、あるいは約50:50のPLGA−Carboxylate End Group、MW〜10kD、分解速度〜28日である。活性薬剤は、マクロライド系免疫抑制剤等の医薬製剤である。実施例1と同様の機材およびコーティングプロセスを用いる。介入部位は、血管内腔壁である。カッティングバルーンが膨張すると、コーティングの少なくとも約50%は、介入部位においてデバイスから解放される。
別の実施例において、カッティングバルーンを、シロリムスの総負荷量〜20μgを伴うPLGA+シロリムスの製剤でコーティングし、該コーティングは好ましくはカッティングバルーンのワイヤー上にある。実施例1と同様の機材およびプロセスを用いる。介入部位は、冠状動脈である。カッティングバルーンが膨張すると、約5%から約15%のコーティングがデバイスから解放され、その結果、〜2.0μgの薬物が動脈へ送達される。
別の実施例において、コーティングのポリマーは、約50:50のPLGA−Ester End Group、MW〜19kD、分解速度〜1−2か月であり、あるいは約50:50のPLGA−Carboxylate End Group、MW〜10kD、分解速度〜28日である。活性薬剤は、化学療法剤である。実施例1と同様の機材およびコーティングプロセスを用いる。介入部位は、腫瘍の除去に起因する空洞である。カッティングバルーンが膨張すると、コーティングの少なくとも約75%は、デバイスから介入部位へと移動する。
インビボ試験:27匹のニュージーランドホワイトウサギのグループを、カッティングバルーンを用いるセルジンガー処置のために準備し、該カッティングバルーンは、約50:50のPLGA−Ester End Group(MW〜19kD、分解速度〜1−2か月)と、シロリムスの総重量が〜20μgであるシロリムスとの製剤でコーティングされ、該コーティングは好ましくはカッティングバルーンのワイヤー上にある。各被検体において同一の場所にデバイスを位置付けるのを助長する蛍光透視法の助けにより、デバイスを冠状動脈の介入部位に置く。6匹の動物を、コーティング内にシロリムスを有さないコーティングされたバルーンを用いる処置に晒す。デバイスの配置および除去の後に、3匹の対照動物を配置の1時間後に屠殺し、血清および組織サンプルを収集する。残りの3匹の対照動物を、配置の56日後に屠殺する。研究過程中に、血清サンプルを、対照動物および薬物処置した動物から5日ごとに収集する。薬物処置した動物3匹各々を、配置の1時間、24時間、7日、14日、28日、42日、56日後に屠殺する。配置した部位から組織サンプルの他に血清サンプルも収集する。
組織サンプルおよび血清サンプルを、シロリムス濃度の分析にかけてもよい。デバイスから解放されるおよび/あるいは介入部位へと送達されるコーティングの量を、基体上のコーティングの全体量のパーセントとして決定するために、1時間の時点(あるいは処理後1日以内の任意の時点)におけるシロリムスの組織濃度を、(製造ロットに対する合計含有量に基づき)予想されるコーティングの合計含有量、あるいは一旦除去されたデバイス上に残るコーティングの含有量とともに利用し、割合を計算してもよい。この割合は、デバイスから解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングのパーセント、および介入部位へと送達されたコーティングのパーセントと相関する。代替的に、組織を様々な手段(本明細書において留意されており、限定されないが、SEM、TEMおよび、画像増強ポリマーが用いられる場合には、これらの増強されたポリマーを検知することが可能な様々な画像手段を含む)によって分析して、基体から解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングのパーセント、および介入部位へと送達されたコーティングのパーセントを検知する。また、製造ロットの特性に基づいて基体上にあることが分かるコーティングの量、および/あるいはデバイスを被検体から除去した後にデバイス上に残るコーティングの評価(例えば、デバイスが血管新生術用カテーテルであり、基体がカテーテルのバルーンである)を使用して、デバイスから解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングのパーセントを決定してもよい。いくつかの例において、処理後のデバイスの評価のみで、介入部位へと送達された量を決定することなく、基体から解放あるいは解離された量を評価するのに十分である。さらに、改善および/あるいは疾患処置の決定が所望される場合、例えば、高感度C反応性タンパク質(hsCRP)、インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン1β(IL−1β)、および/あるいは、単球走化性タンパク質−1(MCP−1)を試験することによって、炎症性マーカーのレベルを試験して、疾患および/あるいは病気の改善および/あるいは処置を示す。薬物の放出動態は、上記で述べた時点におけるシロリムス濃度をプロットすることによって示すことができる。
シロリムス以外の異なる薬物を用いる実施形態において、当業者により決定されるような、処置されるべき疾患および治療の過程中に投与される薬物に基づいて、バイオマーカーを選択する。これらのバイオマーカーを、各被検体の処置結果を示すのに用いてもよい。
本明細書において記載される他のインビボ試験を、当業者に既知のように、本試験の代わりに、および/あるいは本試験に加えて使用してもよく、本デバイスの特殊性のために調節してもよい。
インビトロ試験:実施例1において調製されるコーティングされたカッティングバルーンの1つのサンプルをバルーン付カテーテルに固定する。O.D.=0.125”、I.D.=0.0625”の光学的に透明なTYGON(登録商標)B−44−3チューブのセグメント(McMaster−Carrから入手可能、部品番号:5114K11(www.mcmaster.com))を、リン酸緩衝生理食塩水溶液で満たし、37℃でウォーターバスに浸し、被検体内での配置の生理的状態を模倣する。コーティングされたバルーンをチューブに挿入し、該バルーンは、バルーンの公称の膨張圧より少なくとも25%小さい圧力まで膨張し、コーティングをバルーンからチューブ壁へと機械的に移動させる。バルーンは収縮し、チューブから除去される。チューブおよび/あるいはバルーン(少なくとも、バルーンの公称の圧力より少なくとも25%小さい圧力まで膨張する)に対して光学顕微鏡法を実行することにより、チューブに移動したコーティングの存在および量、および/あるいはバルーンから解放され、解離された、および/あるいは移動したコーティングの量を決定する。本明細書に記載される他のインビトロ試験を、当業者に既知のように、本試験の代わりに、および/あるいは本試験に加えて使用してもよく、本デバイスの特殊性のために調節してもよい。
カッティングバルーン(2):コーティングを解放するための機械的刺激
カッティングバルーンを、ポリマーおよび活性薬剤を備える、溶液ベースのシステム(スプレーあるいはディップコーティング)を用いてコーティングする。コーティングされたカッティングバルーンを、介入部位に位置付ける。バルーンは、その公称の膨張圧より少なくとも25%小さい圧力まで膨張する。コーティングの少なくとも約5%から少なくとも約30%が、カッティングバルーンの表面から解放され、介入部位に被着する。
いくつかの実施例において、バルーンは、膨張中に開き、機械的剪断力により、バルーンから介入部位へのコーティングの移動および/あるいは解放および/あるいは被着を少なくとも増強させる。
いくつかの実施例において、バルーンは、膨張中にねじれ、機械的剪断力により、バルーンからのコーティングの移動および/あるいは解放および/あるいは被着を少なくとも増強させる。
1つの実施例において、コーティングのポリマーは、約50:50のPLGA−Ester End Group、MW〜19kD、分解速度〜1−2か月であり、あるいは約50:50のPLGA−Carboxylate End Group、MW〜10kD、分解速度〜28日である。活性薬剤はマクロライド系免疫抑制剤等の医薬製剤である。スプレーおよび/またはディップコーティングプロセスを用いた機材およびコーティングプロセスを用いる。介入部位は血管腔壁である。カッティングバルーンが膨張すると、コーティングの少なくとも約50%が、介入部位にてデバイスから解放される。
別の実施例において、カッティングバルーンを、好ましくはカッティングバルーンのワイヤー上をコーティングするように、シロリムスの総負荷量〜20μgであるPLGA+シロリムスの製剤でコーティングする。スプレーおよび/またはディップコーティングプロセスを用いた機材およびコーティングプロセスを用いる。介入部位は冠状動脈である。カッティングバルーンが膨張すると、約5%から約15%のコーティングがデバイスから解放され、その結果、〜2.0μgの薬物が動脈へ送達される。
別の実施例において、コーティングのポリマーは、約50:50のPLGA−Ester End Group、MW〜19kD、分解速度〜1−2か月であり、あるいは約50:50のPLGA−Carboxylate End Group、MW〜10kD、分解速度〜28日である。活性薬剤は化学療法剤である。スプレーおよび/またはディップコーティングプロセスを用いた機材およびコーティングプロセスを用いる。介入部位は、腫瘍の除去に起因する空洞である。カッティングバルーンが膨張すると、コーティングの少なくとも約75%は、デバイスから介入部位へと移動する。
インビボ試験:27匹のニュージーランドホワイトウサギのグループを、カッティングバルーンを用いるセルジンガー処置のために準備し、該カッティングバルーンは、約50:50のPLGA−Ester End Group(MW〜19kD、分解速度〜1−2か月)と、シロリムスの総重量が〜20μgであるシロリムスとの製剤でコーティングされ、該コーティングは好ましくはカッティングバルーンのワイヤー上にある。各被検体において同一の場所にデバイスを位置付けるのを助長する蛍光透視法の助けにより、デバイスを冠状動脈の介入部位に置く。6匹の動物を、コーティング内にシロリムスを有さないコーティングされたバルーンを用いる処置に晒す。デバイスの配置および除去の後に、3匹の対照動物を配置の1時間後に屠殺し、血清および組織サンプルを収集する。残りの3匹の対照動物を、配置の56日後に屠殺する。研究過程中に、血清サンプルを、対照動物および薬物処置した動物から5日ごとに収集する。薬物処置した動物3匹各々を、配置の1時間、24時間、7日、14日、28日、42日、56日後に屠殺する。
組織サンプルおよび血清サンプルを、シロリムス濃度の分析にかけてもよい。デバイスから解放されるおよび/あるいは介入部位へと送達されるコーティングの量を、基体上のコーティングの全体量のパーセントとして決定するために、1時間の時点(あるいは処理後1日以内の任意の時点)におけるシロリムスの組織濃度を、(製造ロットに対する合計含有量に基づき)予想されるコーティングの合計含有量、あるいは一旦除去されたデバイス上に残るコーティングの含有量とともに利用し、割合を計算してもよい。この割合は、デバイスから解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングのパーセント、および介入部位へと送達されたパーセントと相関する。代替的に、組織を様々な手段(本明細書において留意されており、限定されないが、SEM、TEMおよび、画像増強ポリマーが用いられる場合には、これらの増強されたポリマーを検知することが可能な様々な画像手段を含む)によって分析して、基体から解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングのパーセント、および介入部位へと送達されたコーティングのパーセントを検知する。また、製造ロットの特性に基づいて基体上にあることが分かるコーティングの量、および/あるいはデバイスを被検体から除去した後にデバイス上に残るコーティングの評価(例えば、デバイスが血管新生術用カテーテルであり、基体がカテーテルのバルーンである)を使用して、デバイスから解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングのパーセントを決定してもよい。いくつかの例において、処理後のデバイスの評価のみで、介入部位へと送達された量を決定することなく、基体から解放あるいは解離された量を評価するのに十分である。さらに、改善および/あるいは疾患処置の決定が所望される場合、例えば、高感度C反応性タンパク質(hsCRP)、インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン1β(IL−1β)、および/あるいは、単球走化性タンパク質−1(MCP−1)を試験することによって、炎症性マーカーのレベルを試験して、疾患および/あるいは病気の改善および/あるいは処置を示す。薬物の放出動態は、上記で述べた時点におけるシロリムス濃度をプロットすることによって示すことができる。
シロリムス以外の異なる薬物を用いる実施形態において、当業者により決定されるような、処置されるべき疾患および治療の過程中に投与される薬物に基づいて、バイオマーカーを選択する。これらのバイオマーカーを、各被検体の処置結果を示すのに用いてもよい。
本明細書において記載される他のインビボ試験を、当業者に既知のように、本試験の代わりに、および/あるいは本試験に加えて使用してもよく、本デバイスの特殊性のために調節してもよい。
インビトロ試験:スプレーおよび/またはディップコーティングプロセスを用いて調製される、コーティングされたカッティングバルーンの1つのサンプルを、バルーン付カテーテルに固定する。O.D.=0.125”、I.D.=0.0625”の光学的に透明なTYGON(登録商標)B−44−3チューブのセグメント(McMaster−Carrから入手可能、部品番号:5114K11(www.mcmaster.com))を、リン酸緩衝生理食塩水溶液で満たし、37℃でウォーターバスに浸し、被検体内での配置の生理的状態を模倣する。コーティングされたバルーンをチューブに挿入し、該バルーンは、バルーンの公称の膨張圧より少なくとも25%小さい圧力まで膨張し、コーティングをバルーンからチューブ壁へと機械的に移動させる。バルーンは収縮し、チューブから除去される。チューブおよび/あるいはバルーン(少なくとも、バルーンの公称の圧力より少なくとも25%小さい圧力まで膨張する)に対して光学顕微鏡法を実行することにより、チューブに移動したコーティングの存在および量、および/あるいはバルーンから解放され、解離された、および/あるいは移動したコーティングの量を決定する。本明細書に記載される他のインビトロ試験を、当業者に既知のように、本試験の代わりに、および/あるいは本試験に加えて使用してもよく、本デバイスの特殊性のために調節してもよい。
カッティングバルーン(3):コーティングを解放するための機械的刺激
カッティングバルーンを、剥離剤、ポリマーおよび活性薬剤を含んでコーティングする。コーティングされたカッティングバルーンを、介入部位に位置付ける。バルーンは、その公称の膨張圧より少なくとも25%小さい圧力まで膨張する。コーティングの少なくとも約5%から少なくとも約50%が、カッティングバルーンの表面から解放され、介入部位に被着する。
いくつかの実施例において、バルーンは、膨張中に開き、機械的剪断力により、バルーンから介入部位へのコーティングの移動および/あるいは解放および/あるいは被着を少なくとも増強させる。
いくつかの実施例において、バルーンは膨張中にねじれ、機械的剪断力により、バルーンからのコーティングの移動および/あるいは解放および/あるいは被着を少なくとも増強させる。
1つの実施例において、コーティングのポリマーは、約50:50のPLGA−Ester End Group、MW〜19kD、分解速度〜1−2か月であり、あるいは約50:50のPLGA−Carboxylate End Group、MW〜10kD、分解速度〜28日である。活性薬剤は、マクロライド系免疫抑制剤等の医薬製剤である。実施例2と同様の機材およびコーティングプロセスを用いる。介入部位は、血管内腔壁である。カッティングバルーンが膨張すると、コーティングの少なくとも約50%は、介入部位においてデバイスから解放される。
別の実施例において、カッティングバルーンを、シロリムスの総負荷量〜20μgを伴うPLGA+シロリムスの製剤でコーティングし、該コーティングは好ましくはカッティングバルーンのワイヤー上にある。実施例2と同様の機材およびプロセスを用いる。介入部位は、冠状動脈である。剥離剤は、ePTFE粉末である。カッティングバルーンが膨張すると、約5%から約15%のコーティングがデバイスから解放され、その結果、〜2.0μgの薬物が動脈へ送達される。
別の実施例において、コーティングのポリマーは、約50:50のPLGA−Ester End Group、MW〜19kD、分解速度〜1−2か月であり、あるいは約50:50のPLGA−Carboxylate End Group、MW〜10kD、分解速度〜28日である。活性薬剤は、化学療法剤である。実施例2と同様の機材およびコーティングプロセスを用いる。剥離剤は、微粒子化された活性薬剤、あるいは微粒子化された形態の別の活性薬剤である。介入部位は、腫瘍の除去に起因する空洞である。カッティングバルーンが膨張すると、コーティングの少なくとも約75%は、デバイスから介入部位へと移動する。
インビボ試験:27匹のニュージーランドホワイトウサギのグループを、カッティングバルーンを用いるセルジンガー処置のために準備し、該カッティングバルーンは、約50:50のPLGA−Ester End Group(MW〜19kD、分解速度〜1−2か月)と、シロリムスの総重量が〜20μgであるシロリムスとの製剤でコーティングされ、該コーティングは好ましくはカッティングバルーンのワイヤー上にある。各被検体において同一の場所にデバイスを位置付けるのを助長する蛍光透視法の助けにより、デバイスを冠状動脈の介入部位に置く。6匹の動物を、コーティング内にシロリムスを有さないコーティングされたバルーンを用いる処置に晒す。デバイスの配置および除去の後に、3匹の対照動物を配置の1時間後に屠殺し、血清および組織サンプルを収集する。残りの3匹の対照動物を、配置の56日後に屠殺する。研究過程中に、血清サンプルを、対照動物および薬物処置した動物から5日ごとに収集する。薬物処置した動物3匹各々を、配置の1時間、24時間、7日、14日、28日、42日、56日後に屠殺する。組織サンプルおよび血清サンプルを、シロリムス濃度の分析にかけてもよい。
デバイスから解放されるおよび/あるいは介入部位へと送達されるコーティングの量を、基体上のコーティングの全体量のパーセントとして決定するために、1時間の時点(あるいは処理後1日以内の任意の時点)におけるシロリムスの組織濃度を、(製造ロットに対する合計含有量に基づき)予想されるコーティングの合計含有量、あるいは一旦除去されたデバイス上に残るコーティングの含有量とともに利用し、割合を計算してもよい。この割合は、デバイスから解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングのパーセント、および介入部位へと送達されたコーティングのパーセントと相関する。代替的に、組織を様々な手段(本明細書において留意されており、限定されないが、SEM、TEMおよび、画像増強ポリマーが用いられる場合には、これらの増強されたポリマーを検知することが可能な様々な画像手段を含む)によって分析して、基体から解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングのパーセント、および介入部位へと送達されたコーティングのパーセントを検知する。また、製造ロットの特性に基づいて基体上にあることが分かるコーティングの量、および/あるいはデバイスを被検体から除去した後にデバイス上に残るコーティングの評価(例えば、デバイスが血管新生術用カテーテルであり、基体がカテーテルのバルーンである)を使用して、デバイスから解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングのパーセントを決定してもよい。いくつかの例において、処理後のデバイスの評価のみで、介入部位へと送達された量を決定することなく、基体から解放あるいは解離された量を評価するのに十分である。さらに、改善および/あるいは疾患処置の決定が所望される場合、例えば、高感度C反応性タンパク質(hsCRP)、インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン1β(IL−1β)、および/あるいは、単球走化性タンパク質−1(MCP−1)を試験することによって、炎症性マーカーのレベルを試験して、疾患および/あるいは病気の改善および/あるいは処置を示す。薬物の放出動態は、上記で述べた時点におけるシロリムス濃度をプロットすることによって示すことができる。
シロリムス以外の異なる薬物を用いる実施形態において、当業者により決定されるような、処置されるべき疾患および治療の過程中に投与される薬物に基づいて、バイオマーカーを選択する。これらのバイオマーカーを、各被検体の処置結果を示すのに用いてもよい。
本明細書に記載される他のインビボ試験を、当業者に既知のように、本試験の代わりに、および/あるいは本試験に加えて使用してもよく、本デバイスの特殊性のために調節してもよい。
インビトロ試験:実施例2において調製されるコーティングされたカッティングバルーンの1つのサンプルをバルーン付カテーテルに固定する。O.D.=0.125”、I.D.=0.0625”の光学的に透明なTYGON(登録商標)B−44−3チューブのセグメント(McMaster−Carrから入手可能、部品番号:5114K11(www.mcmaster.com))を、リン酸緩衝生理食塩水溶液で満たし、37℃でウォーターバスに浸し、被検体内での配置の生理的状態を模倣する。コーティングされたバルーンをチューブに挿入し、該バルーンは、バルーンの公称の膨張圧より少なくとも25%小さい圧力まで膨張し、コーティングをバルーンからチューブ壁へと機械的に移動させる。バルーンは収縮し、チューブから除去される。チューブおよび/あるいはバルーン(少なくとも、バルーンの公称の圧力より少なくとも25%小さい圧力まで膨張する)に対して光学顕微鏡法を実行することにより、チューブに移動したコーティングの存在および量、および/あるいはバルーンから移動したコーティングの量を決定する。本明細書に記載される他のインビトロ試験を、当業者に既知のように、本試験の代わりに、および/あるいは本試験に加えて使用してもよく、本デバイスの特殊性のために調節してもよい。
カッティングバルーン(4)−コーティングを解放するための機械的刺激
カッティングバルーンを、ポリマーおよび活性薬剤を含んでコーティングする。コーティングされたカッティングバルーンを、介入部位に位置付ける。バルーンは、その公称の膨張圧より少なくとも25%小さい圧力まで膨張する。コーティングの少なくとも約10%から少なくとも約50%が、カッティングバルーンの表面から解放され、介入部位に被着する。
いくつかの実施例において、バルーンは、膨張中に開き、機械的剪断力により、バルーンから介入部位へのコーティングの移動および/あるいは解放および/あるいは被着を少なくとも増強させる。
いくつかの実施例において、バルーンは、膨張中にねじれ、機械的剪断力により、バルーンからのコーティングの移動および/あるいは解放および/あるいは被着を少なくとも増強させる。
1つの実施例において、コーティングのポリマーは、約50:50のPLGA−Ester End Group、MW〜19kD、分解速度〜1−2か月であり、あるいは約50:50のPLGA−Carboxylate End Group、MW〜10kD、分解速度〜28日である。活性薬剤は、マクロライド系免疫抑制剤等の医薬製剤である。実施例3と同様の機材およびコーティングプロセスを用いる。介入部位は、血管内腔壁である。カッティングバルーンが膨張すると、コーティングの少なくとも約50%は、介入部位においてデバイスから解放される。
別の実施例において、カッティングバルーンを、シロリムスの総負荷量〜20μgを伴うPLGA+シロリムスの製剤でコーティングし、該コーティングは好ましくはカッティングバルーンのワイヤー上にある。実施例3と同様の機材およびプロセスを用いる。介入部位は、冠状動脈である。カッティングバルーンが膨張すると、約5%から約15%のコーティングがデバイスから解放され、その結果、〜2.0μgの薬物が動脈へ送達される。
別の実施例において、コーティングのポリマーは、約50:50のPLGA−Ester End Group、MW〜19kD、分解速度〜1−2か月であり、あるいは約50:50のPLGA−Carboxylate End Group、MW〜10kD、分解速度〜28日である。活性薬剤は、化学療法剤である。実施例3と同様の機材およびコーティングプロセスを用いる。介入部位は、腫瘍の除去に起因する空洞である。カッティングバルーンが膨張すると、コーティングの少なくとも約75%は、デバイスから介入部位へと移動する。
インビボ試験:27匹のニュージーランドホワイトウサギのグループを、カッティングバルーンを用いるセルジンガー処置のために準備し、該カッティングバルーンは、約50:50のPLGA−Ester End Group(MW〜19kD、分解速度〜1−2か月)と、シロリムスの総重量が〜20μgであるシロリムスとの製剤でコーティングされ、該コーティングは好ましくはカッティングバルーンのワイヤー上にある。各被検体において同一の場所にデバイスを位置付けるのを助長する蛍光透視法の助けにより、デバイスを冠状動脈の介入部位に置く。6匹の動物を、コーティング内にシロリムスを有さないコーティングされたバルーンを用いる処置に晒す。デバイスの配置および除去の後に、3匹の対照動物を配置の1時間後に屠殺し、血清および組織サンプルを収集する。残りの3匹の対照動物を、配置の56日後に屠殺する。研究過程中に、血清サンプルを、対照動物および薬物処置した動物から5日ごとに収集する。薬物処置した動物3匹各々を、配置の1時間、24時間、7日、14日、28日、42日、56日後に屠殺する。
組織サンプルおよび血清サンプルを、シロリムス濃度の分析にかけてもよい。デバイスから解放されるおよび/あるいは介入部位へと送達されるコーティングの量を、基体上のコーティングの全体量のパーセントとして決定するために、1時間の時点(あるいは処理後1日以内の任意の時点)におけるシロリムスの組織濃度を、(製造ロットに対する合計含有量に基づき)予想されるコーティングの合計含有量、あるいは一旦除去されたデバイス上に残るコーティングの含有量とともに利用し、割合を計算してもよい。この割合は、デバイスから解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングのパーセント、および介入部位へと送達されたコーティングのパーセントと相関する。代替的に、組織を様々な手段(本明細書において留意されており、限定されないが、SEM、TEMおよび、画像増強ポリマーが用いられる場合には、これらの増強されたポリマーを検知することが可能な様々な画像手段を含む)によって分析して、基体から解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングのパーセント、および介入部位へと送達されたコーティングのパーセントを検知する。また、製造ロットの特性に基づいて基体上にあることが分かるコーティングの量、および/あるいはデバイスを被検体から除去した後にデバイス上に残るコーティングの評価(例えば、デバイスが血管新生術用カテーテルであり、基体がカテーテルのカッティングバルーンである)を使用して、デバイスから解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングのパーセントを決定してもよい。いくつかの例において、処理後のデバイスの評価のみで、介入部位へと送達された量を決定することなく、基体から解放あるいは解離された量を評価するのに十分である。さらに、改善および/あるいは疾患処置の決定が所望される場合、例えば、高感度C反応性タンパク質(hsCRP)、インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン1β(IL−1β)、および/あるいは、単球走化性タンパク質−1(MCP−1)を試験することによって、炎症性マーカーのレベルを試験して、疾患および/あるいは病気の改善および/あるいは処置を示す。薬物の放出動態は、上記で述べた時点におけるシロリムス濃度をプロットすることによって示すことができる。
シロリムス以外の異なる薬物を用いる実施形態において、当業者により決定されるような、処置されるべき疾患および治療の過程中に投与される薬物に基づいて、バイオマーカーを選択する。これらのバイオマーカーを、各被検体の処置結果を示すのに用いてもよい。
本明細書において記載される他のインビボ試験を、当業者に既知のように、本試験の代わりに、および/あるいは本試験に加えて使用してもよく、本デバイスの特殊性のために調節してもよい。
インビトロ試験:実施例3において調製されるコーティングされたカッティングバルーンの1つのサンプルをバルーン付カテーテルに固定する。O.D.=0.125”、I.D.=0.0625”の光学的に透明なTYGON(登録商標)B−44−3チューブのセグメント(McMaster−Carrから入手可能、部品番号:5114K11(www.mcmaster.com))を、リン酸緩衝生理食塩水溶液で満たし、37℃でウォーターバスに浸し、被検体内での配置の生理的状態を模倣する。コーティングされたバルーンをチューブに挿入し、該バルーンは、バルーンの公称の膨張圧より少なくとも25%小さい圧力まで膨張し、コーティングをバルーンからチューブ壁へと機械的に移動させる。バルーンは収縮し、チューブから除去される。チューブおよび/あるいはバルーン(少なくとも、バルーンの公称の圧力より少なくとも25%小さい圧力まで膨張する)に対して光学顕微鏡法を実行することにより、チューブに移動したコーティングの存在および量、および/あるいはバルーンから解放され、解離された、および/あるいは移動したコーティングの量を決定する。本明細書に記載される他のインビトロ試験を、当業者に既知のように、本試験の代わりに、および/あるいは本試験に加えて使用してもよく、本デバイスの特殊性のために調節してもよい。
カッティングバルーン(5)‐コーティングを解放するための機械的および化学的刺激
カッティングバルーンを、アクリル酸メチル−メタクリル酸コポリマーのベース層、およびパクリタキセルの総濃度がワイヤーのおよそ0.5μg/mm2であるPLGA+パクリタキセルの追加層を含む製剤で、コーティングする。コーティングプロセスと焼結プロセスは、実施例1において記載されるのと同様である。バルーンは半透性のポリマーから造られる。加圧媒体はpH8のリン酸緩衝液である。コーティングされたカッティングバルーンを、介入部位に位置付ける。バルーンは、その公称の膨張圧より少なくとも25%小さい圧力まで加圧される。カッティングバルーンを疾患の動脈において加圧すると、コーティングの少なくとも約10%から少なくとも約30%が介入部位に放出され、デバイスを減圧して除去すると、この材料は介入部位に被着する。
いくつかの実施例において、バルーンは、膨張中に開き、機械的剪断力により、バルーンから介入部位へのpHを媒介とするコーティングの放出を少なくとも増強させる。
いくつかの実施例において、バルーンは、膨張中にねじれ、機械的剪断力により、バルーンからのpHを媒介とするコーティングの放出を少なくとも増強させる。
1つの実施例において、アクリル酸メチル−メタクリル酸コポリマーのベース層は、約50:50のPLGA−Ester End Group、MW〜19kD、分解速度〜1−2か月であり、あるいは約50:50のPLGA−Carboxylate End Group、MW〜10kD、分解速度〜28日である。活性薬剤はマクロライド系免疫抑制剤等の医薬製剤である。実施例1と同様の機材およびコーティングプロセスを用いる。バルーンは半透性のポリマーから造られる。加圧媒体はpH8のリン酸緩衝液である。介入部位は血管腔壁である。カッティングバルーンが膨張すると、コーティングの少なくとも約50%は、介入部位においてデバイスから解放される。
別の実施例において、カッティングバルーンを、アクリル酸メチル−メタクリル酸コポリマーのベース層、およびシロリムスの総負荷量〜20μであるPLGA+シロリムスの追加層でコーティングする。実施例1と同様の機材およびコーティングプロセスを用いる介入部位は冠状動脈である。バルーンは半透性のポリマーから作られる。である。加圧媒体はpH8リン酸緩衝液である。カッティングバルーンが膨張すると、約5%から約15%のコーティングがデバイスから解放され、その結果、〜2.0μgの薬物が動脈へ送達される。
別の実施例において、コーティングのポリマーは、約50:50のPLGA−Ester End Group、MW〜19kD、分解速度〜1−2か月であり、あるいは約50:50のPLGA−Carboxylate End Group、MW〜10kD、分解速度〜28日である。活性薬剤は、化学療法剤である。実施例1と同様の機材およびコーティングプロセスを用いる。介入部位は、腫瘍の除去に起因する空洞である。カッティングバルーンが膨張すると、コーティングの少なくとも約75%は、デバイスから介入部位へと移動する。
インビボ試験:27匹のニュージーランドホワイトウサギのグループを、カッティングバルーンを用いるセルジンガー処置のために準備し、該カッティングバルーンは、約50:50のPLGA−Ester End Group(MW〜19kD、分解速度〜1−2か月)と、シロリムスの総重量が〜20μgであるシロリムスとの製剤でコーティングされ、該コーティングは好ましくはカッティングバルーンのワイヤー上にある。各被検体において同一の場所にデバイスを位置付けるのを助長する蛍光透視法の助けにより、デバイスを冠状動脈の介入部位に置く。6匹の動物を、コーティング内にシロリムスを有さないコーティングされたバルーンを用いる処置に晒す。デバイスの配置および除去の後に、3匹の対照動物を配置の1時間後に屠殺し、血清および組織サンプルを収集する。残りの3匹の対照動物を、配置の56日後に屠殺する。研究過程中に、血清サンプルを、対照動物および薬物処置した動物から5日ごとに収集する。薬物処置した動物3匹各々を、配置の1時間、24時間、7日、14日、28日、42日、56日後に屠殺する。
組織サンプルおよび血清サンプルを、シロリムス濃度の分析にかけてもよい。デバイスから解放されるおよび/あるいは介入部位へと送達されるコーティングの量を、基体上のコーティングの全体量のパーセントとして決定するために、1時間の時点(あるいは処理後1日以内の任意の時点)におけるシロリムスの組織濃度を、(製造ロットに対する合計含有量に基づき)予想されるコーティングの合計含有量、あるいは一旦除去されたデバイス上に残るコーティングの含有量とともに利用し、割合を計算してもよい。この割合は、デバイスから解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングのパーセント、および介入部位へと送達されたコーティングのパーセントと相関する。代替的に、組織を様々な手段(本明細書において留意されており、限定されないが、SEM、TEMおよび、画像増強ポリマーが用いられる場合には、これらの増強されたポリマーを検知することが可能な様々な画像手段を含む)によって分析して、基体から解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングのパーセント、および介入部位へと送達されたコーティングのパーセントを検知する。また、製造ロットの特性に基づいて基体上にあることが分かるコーティングの量、および/あるいはデバイスを被検体から除去した後にデバイス上に残るコーティングの評価(例えば、デバイスが血管新生術用カテーテルであり、基体がカテーテルのバルーンである)を使用して、デバイスから解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングのパーセントを決定してもよい。いくつかの例において、処理後のデバイスの評価のみで、介入部位へと送達された量を決定することなく、基体から解放あるいは解離された量を評価するのに十分である。さらに、改善および/あるいは疾患処置の決定が所望される場合、例えば、高感度C反応性タンパク質(hsCRP)、インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン1β(IL−1β)、および/あるいは、単球走化性タンパク質−1(MCP−1)を試験することによって、炎症性マーカーのレベルを試験して、疾患および/あるいは病気の改善および/あるいは処置を示す。薬物の放出動態は、上記で述べた時点におけるシロリムス濃度をプロットすることによって示すことができる。
シロリムス以外の異なる薬物を用いる実施形態において、当業者により決定されるような、処置されるべき疾患および治療の過程中に投与される薬物に基づいて、バイオマーカーを選択する。これらのバイオマーカーを、各被検体の処置結果を示すのに用いてもよい。
本明細書において記載される他のインビボ試験を、当業者に既知のように、本試験の代わりに、および/あるいは本試験に加えて使用してもよく、本デバイスの特殊性のために調節してもよい。
インビトロ試験:実施例1において調製されるコーティングされるカッティングバルーンの1つのサンプルをバルーン付カテーテルに固定する。O.D.=0.125”、I.D.=0.0625”の光学的に透明なTYGON(登録商標)B−44−3チューブのセグメント(McMaster−Carrから入手可能、部品番号:5114K11(www.mcmaster.com))を、リン酸緩衝生理食塩水溶液で満たし、37℃でウォーターバスに浸し、被検体内での配置の生理的状態を模倣する。コーティングされたバルーンをチューブに挿入し、該バルーンは、バルーンの公称の膨張圧より少なくとも25%小さい圧力まで膨張し、コーティングをバルーンからチューブ壁へと機械的に移動させる。バルーンは収縮し、チューブから除去される。チューブおよび/あるいはバルーン(少なくとも、バルーンの公称の圧力より少なくとも25%小さい圧力まで膨張する)に対して光学顕微鏡法を実行することにより、チューブに移動したコーティングの存在および量、および/あるいはバルーンから解放され、解離された、および/あるいは移動したコーティングの量を決定する。本明細書に記載される他のインビトロ試験を、当業者に既知のように、本試験の代わりに、および/あるいは本試験に加えて使用してもよく、本デバイスの特殊性のために調節してもよい。
実施例2:薬物送達バルーン付きカテーテル
薬物送達バルーン(1)‐弾性バルーン
弾性バルーンを、ポリマーおよび活性薬剤を含む材料でコーティングする。コーティングされた弾性バルーンを、介入部位に位置付ける。バルーンは、その公称の膨張圧より少なくとも25%小さい圧力まで膨張する。介入部位から弾性バルーンが収縮し除去されると、少なくとも約5%から少なくとも約30%のコーティングが、弾性バルーンの表面から解放され、介入部位に被着する。
いくつかの実施例において、バルーンは、膨張中に開き、機械的剪断力により、バルーンから介入部位へのコーティングの移動および/あるいは解放および/あるいは被着を少なくとも増強させる。
いくつかの実施例において、バルーンは、膨張中にねじれ、機械的剪断力により、バルーンからのコーティングの移動および/あるいは解放および/あるいは被着を少なくとも増強させる。
1つのの実施例において、コーティングのポリマーは、約50:50のPLGA−Ester End Group、MW〜19kD、分解速度〜1−2か月であり、あるいは約50:50のPLGA−Carboxylate End Group、MW〜10kD、分解速度〜28日である。活性薬剤は、マクロライド系免疫抑制剤等の医薬製剤である。実施例1と同様の機材およびコーティングプロセスを用いる。介入部位は、血管内腔壁である。弾性バルーンが膨張すると、コーティングの少なくとも約50%は、介入部位においてデバイスから解放される。
別の実施例において、弾性バルーンを、シロリムスの総負荷量〜20μgであるPLGA+シロリムスの製剤でコーティングする。実施例1と同様の機材およびプロセスを用いる。介入部位は冠状動脈である。弾性バルーンが膨張すると、約5%から約15%のコーティングがデバイスから解放され、その結果、〜2.0μgの薬物が動脈へ送達される。
別の実施例において、コーティングのポリマーは、約50:50のPLGA−Ester End Group、MW〜19kD、分解速度〜1−2か月であり、あるいは約50:50のPLGA−Carboxylate End Group、MW〜10kD、分解速度〜28日である。活性薬剤は、化学療法剤である。実施例1と同様の機材およびコーティングプロセスを用いる。介入部位は、腫瘍の除去に起因する空洞である。弾性バルーンが膨張すると、コーティングの少なくとも約75%は、デバイスから介入部位へと移動する。
インビボ試験:27匹のニュージーランドホワイトウサギのグループを、弾性バルーンを用いるセルジンガー処置のために準備し、該弾性バルーンは、約50:50のPLGA−Ester End Group(MW〜19kD、分解速度〜1−2か月)と、シロリムスの総重量が〜20μgであるシロリムスとの製剤でコーティングされる。各被検体において同一の場所にデバイスを位置付けるのを助長する蛍光透視法の助けにより、デバイスを冠状動脈の介入部位に置く。6匹の動物を、コーティング内にシロリムスを有さないコーティングされたバルーンを用いる処置に晒す。デバイスの配置および除去の後に、3匹の対照動物を配置の1時間後に屠殺し、血清および組織サンプルを収集する。残りの3匹の対照動物を、配置の56日後に屠殺する。研究過程中に、血清サンプルを、対照動物および薬物処置した動物から5日ごとに収集する。薬物処置した動物3匹各々を、配置の1時間、24時間、7日、14日、28日、42日、56日後に屠殺する。組織サンプルおよび血清サンプルを、シロリムス濃度の分析にかけてもよい。
デバイスから解放されるおよび/あるいは介入部位へと送達されるコーティングの量を、基体上のコーティングの全体量のパーセントとして決定するために、1時間の時点(あるいは処理後1日以内の任意の時点)におけるシロリムスの組織濃度を、(製造ロットに対する合計含有量に基づき)予想されるコーティングの合計含有量、あるいは一旦除去されたデバイス上に残るコーティングの含有量とともに利用し、割合を計算してもよい。この割合は、デバイスから解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングのパーセント、および介入部位へと送達されたコーティングのパーセントと相関する。代替的に、組織を様々な手段(本明細書において留意されており、限定されないが、SEM、TEMおよび、画像増強ポリマーが用いられる場合には、これらの増強されたポリマーを検知することが可能な様々な画像手段を含む)によって分析して、基体から解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングのパーセント、および介入部位へと送達されたコーティングのパーセントを検知する。また、製造ロットの特性に基づいて基体上にあることが分かるコーティングの量、および/あるいはデバイスを被検体から除去した後にデバイス上に残るコーティングの評価(例えば、デバイスが血管新生術用カテーテルであり、基体がカテーテルのバルーンである)を使用して、デバイスから解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングのパーセントを決定してもよい。いくつかの例において、処理後のデバイスの評価のみで、介入部位へと送達された量を決定することなく、基体から解放あるいは解離された量を評価するのに十分である。さらに、改善および/あるいは疾患処置の決定が所望される場合、例えば、高感度C反応性タンパク質(hsCRP)、インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン1β(IL−1β)、および/あるいは、単球走化性タンパク質−1(MCP−1)を試験することによって、炎症性マーカーのレベルを試験して、疾患および/あるいは病気の改善および/あるいは処置を示す。薬物の放出動態は、上記で述べた時点におけるシロリムス濃度をプロットすることによって示すことができる。
シロリムス以外の異なる薬物を用いる実施形態において、当業者により決定されるような、処置されるべき疾患および治療の過程中に投与される薬物に基づいて、バイオマーカーを選択する。これらのバイオマーカーを、各被検体の処置結果を示すのに用いてもよい。
インビトロ試験:実施例1において調製されるコーティングされた弾性バルーンの1つのサンプルをバルーン付カテーテルに固定する。O.D.=0.125”、I.D.=0.0625”の光学的に透明なTYGON(登録商標)B−44−3チューブのセグメント(McMaster−Carrから入手可能、部品番号:5114K11(www.mcmaster.com))を、リン酸緩衝生理食塩水溶液で満たし、37℃でウォーターバスに浸し、被検体内での配置の生理的状態を模倣する。コーティングされたバルーンをチューブに挿入し、該バルーンは、バルーンの公称の膨張圧より少なくとも25%小さい圧力まで膨張し、コーティングをバルーンからチューブ壁へと機械的に移動させる。バルーンは収縮し、チューブから除去される。チューブおよび/あるいはバルーン(少なくとも、バルーンの公称の圧力より少なくとも25%小さい圧力まで膨張する)に対して光学顕微鏡法を実行することにより、チューブに移動したコーティングの存在および量、および/あるいはバルーンから解放され、解離された、および/あるいは移動したコーティングの量を決定する。
シロリムス・レベルの決定のための方法:HPLCを用いて、シロリムスの含有量について培地をアッセイしてもよい。薬物の既知量を含んでいる校正標準は溶出された薬物の量を決定するためのものである。シロリムスについて存在する(また校正標準にも存在する)多数のピークを加えて、(絶対量における、および溶出される累積量として)その期間に溶出される薬物の量を得る。HPLC分析はWater社のHPLCシステムを用いて実行され、100μL量の注入量を用いて下記のテーブル1において与えられる各サンプル上に、設定され実行される。
インビトロ質量損失試験:実施例1において調製されるコーティングされた弾性バルーンの1つのサンプルを、微量天秤で重さを量り、バルーン付カテーテルに固定する。O.D.=0.125”、I.D.=0.0625”の光学的に透明なTYGON(登録商標)B−44−3チューブのセグメント(McMaster−Carrから入手可能、部品番号:5114K11(www.mcmaster.com))を、リン酸緩衝生理食塩水溶液で満たし、37℃でウォーターバスに浸し、被検体内での配置の生理的状態を模倣する。コーティングされたバルーンをチューブに挿入し、該バルーンは、バルーンの公称の膨張圧より少なくとも25%小さい圧力まで膨張し、コーティングをバルーンからチューブ壁へと機械的に移動させる。
バルーンは収縮し、チューブから除去される。乾燥の後、バルーンをガイドワイヤーから取り除き、さらに乾燥し、および微量天秤で重さを量る。配置前および配置後の重さを比較することで、どの程度のコーティングがバルーンから解放され、解離されおよび/または移動されるかを示す。代わりにおよび/あるいは代替的にこの分析は、このインビトロ試験の間にデバイスから解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングの量を決定するためのチューブの試験を含んでもよい。
インビトロ・コーティング試験:実施例1において調製されるコーティングされた弾性バルーンの1つのサンプルをバルーン付カテーテルに固定する。O.D.=0.125”、I.D.=0.0625”の光学的に透明なTYGON(登録商標)B−44−3チューブのセグメント(McMaster−Carrから入手可能、部品番号:5114K11(www.mcmaster.com))を、リン酸緩衝生理食塩水溶液で満たし、37℃でウォーターバスに浸し、被検体内での配置の生理的状態を模倣する。コーティングされたバルーンをチューブに挿入し、該バルーンは、バルーンの公称の膨張圧より少なくとも25%小さい圧力まで膨張し、コーティングをバルーンからチューブ壁へと機械的に移動させる。バルーンは収縮し、チューブから除去される。配置されるバルーンに晒されるチューブのセクションを、チューブの残りから切り取り、切除されたチューブの内部を少量のエタノールおよびある量の塩化メチレンですすいで、すすぎ液の合計容量を25mLとして、分析のためにフラスコに回収する。上記のHPLCによる分析は、バルーンから解放され、解離されたおよび/あるいは移動した材料の量を決定するために行われる。代わりにおよび/あるいは代替的にこの分析は、このインビトロ試験の間にデバイスから解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングの量を決定するための基体自体の試験を含んでもよい。
インビトロ試験:実施例1において調製されるコーティングされた弾性バルーンの1つのサンプルをバルーン付カテーテルに固定する。ユカタンミニチュアピッグからの切除された冠状動脈のセグメントを、位置を固定し、リン酸緩衝生理食塩水溶液で満たし、37℃でウォーターバスに浸して、被検体内での配置の生理的状態を模倣する。コーティングされたバルーンを動脈に挿入し、該バルーンは、バルーンの公称の膨張圧より少なくとも25%小さい圧力まで膨張し、コーティングをバルーンから動脈壁へと機械的に移動させる。バルーンは収縮し、動脈から除去される。配置されたバルーンに晒される動脈のセクションを、動脈セクションの残りから切り取り、組織ホモジナイザーの中に置き、およびホモジナイズされる材料を塩化メチレンで抽出して、すすぎ液の合計容量を25mLとして分析のためにフラスコに回収する。上記に記載されるようなHPLCによる分析を、バルーンから解放され、解離されたおよび/あるいは移動した材料の量を決定するために実行する。代わりにおよび/あるいは代替的にこの分析は、このインビトロ試験の間にデバイスから解放され、解離されたおよび/あるいは移動したコーティングの量を決定するための基体自体の試験を含んでもよい。
例えば腫瘍部位あるいは他の空洞あるいは導入部位といった、非血管あるいは非内腔の適用に関する実施形態のためには、アッセイされる組織が薬物処置を受ける空洞に隣接する組織から切除されるという変更を加えた上で、同一の技術を用いる。
インビトロ試験:実施例1において調製されるコーティングされた弾性バルーンの1つのサンプルをバルーン付カテーテルに固定する。ユカタンミニチュアピッグからの切除された冠状動脈のセグメントを、位置を固定し、リン酸緩衝生理食塩水溶液で満たし、37℃でウォーターバスに浸して、被検体内での配置の生理的状態を模倣する。コーティングされたバルーンを動脈に挿入し、該バルーンは、バルーンの公称の膨張圧より少なくとも25%小さい圧力まで膨張し、コーティングをバルーンからチューブ壁へと機械的に移動させる。バルーンは収縮し、動脈から除去される。配置されるバルーンに晒される動脈のセクションを、動脈セクションの残りから切り取り、縦方向に切開し、動脈を切り開く。動脈の内部上で光学顕微鏡法を実行することにより、動脈に移動したコーティングの存在および量、および/あるいはバルーンから移動したコーティングの量を決定する。組織試料サンプルもまた、TEM−SEM分析にかけられる。
放出動態のインビトロ試験:実施例1において調製される、シロリムスの総負荷量〜20μgであるコーティングされた弾性バルーンの1つのサンプルを、バルーン付カテーテルに固定する。磁気攪拌を備え37℃に平衡化されたpH7.4の水性リン酸緩衝液を正確に25mL含むフラスコを準備する。このフラスコ内にコーティングされたバルーンを入れ、バルーンがフラスコの側部に接しないように、装置のカテーテル部分を固定する。バルーンは滅菌水で120psiまで膨張する。100μLのアリコートは、バルーンの追加前に、バルーンの設置後であるがバルーンの膨張前に、並びに2、4、6、8、10、12および14分の通常の時間間隔で除去される。各アリコートを除去したあと、水性緩衝液の同等量を加えて、25mLに維持する。アリコートを、シロリムスの濃度について、上述したようにHPLCにより分析する。
遠位のフロー微粒子(flow particulates)のためのインビトロ試験:実施例1において調製されるコーティングされる弾性バルーンの1つのサンプルをCordis AngioGuard社の塞栓キャプチャガイドワイヤ等の100ミクロン孔径の多孔性フィルタを組み込むガイドワイヤーに固定する。O.D.=0.125”、I.D.=0.0625”の光学的に透明なTYGON(登録商標)B−44−3チューブのセグメント(McMaster−Carrから入手可能、部品番号:5114K11(www.mcmaster.com))を、リン酸緩衝生理食塩水溶液で満たし、37℃でウォーターバスに浸し、被検体内での配置の生理的状態を模倣する。コーティングされたバルーンを、チューブに挿入し、該チューブの近位端は、エポキシで密閉されたガイドワイヤーを包囲し、注入ポンプおよび37℃のリン酸緩衝生理食塩水溶液のリザーバに取り付けられた皮下注射針を、バルーンアセンブリの近位のチューブに挿入する。食塩水のフローが開始し、遠位フィルタを配置し、バルーンがバルーンの公称の圧力の少なくとも25%未満まで膨張し、コーティングをバルーンからチューブ壁へと機械的に移動させる。バルーンは収縮し、チューブから除去される。フィルタをバルーンの除去後5分間配置し、食塩水のフローが停止し、チューブをエポキシ密閉に隣接して切断し、フィルタを格納し、チューブから除去する。フィルタの内容物を分析する。
遠位のフロー微粒子のためのインビトロ試験:実施例1において調製されるコーティングされた弾性バルーンの1つのサンプルをガイドワイヤーに固定する。O.D.=0.125”、I.D.=0.0625”の光学的に透明なTYGON(登録商標)B−44−3チューブのセグメント(McMaster−Carrから入手可能、部品番号:5114K11(www.mcmaster.com))を、リン酸緩衝生理食塩水溶液で満たし、37℃でウォーターバスに浸すことによって、被検体内での配置の生理的状態を模倣し、チューブの遠位端を、Analytical Ultracentrifugation of Polymers and Nanoparticles,W.Machtle and L.Borger,(Springer)2006,p.41に記載されるように、濁度光散乱検出器(turbidity light scattering detector)に接続する。コーティングされたバルーンをチューブの近位端に挿入し、該バルーンはエポキシで密閉されたガイドワイヤーを包囲し、注入ポンプおよび37℃のリン酸緩衝生理食塩水溶液のリザーバに取り付けられた皮下注射針を、バルーンアセンブリの近位のチューブに挿入する。食塩水のフローを開始し、検出器を通して光透過のベースラインを確立し、バルーンは、バルーンの公称の圧力より少なくとも25%小さい圧力まで膨張し、コーティングをバルーンからチューブ壁へと機械的に移動させる。バルーンは収縮し、チューブから除去される。バルーンの除去後10分間フローを維持し、該フローを、検出器の反応に基づき粒子の存在について分析する。
薬物−送達バルーン(2)‐非弾性バルーン
非弾性バルーンを、ポリマーおよび活性薬剤を含む材料でコーティングする。コーティングされた非弾性バルーンを、介入部位に位置付ける。バルーンは、その公称の膨張圧より少なくとも25%小さい圧力まで膨張する。介入部位から非弾性バルーンが収縮し除去されると、コーティングの少なくとも約5%から少なくとも約30%が、非弾性バルーンの表面から解放され、介入部位に被着する。
いくつかの実施例において、バルーンは、膨張中に開き、機械的剪断力により、バルーンから介入部位へのコーティングの移動および/あるいは解放および/あるいは被着を少なくとも増強させる。
いくつかの実施例において、バルーンは、膨張中にねじれ、機械的剪断力により、バルーンからのコーティングの移動および/あるいは解放および/あるいは被着を少なくとも増強させる。
1つの実施例において、コーティングのポリマーは、約50:50のPLGA−Ester End Group、MW〜19kD、分解速度〜1−2か月であり、あるいは約50:50のPLGA−Carboxylate End Group、MW〜10kD、分解速度〜28日である。活性薬剤は、マクロライド系免疫抑制剤等の医薬製剤である。実施例1と同様の機材およびコーティングプロセスを用いる。介入部位は血管腔壁である。非弾性バルーンが膨張すると、コーティングの少なくとも約50%は、介入部位においてデバイスから解放される。
別の実施例において、非弾性バルーンを、シロリムスの総負荷量〜20μgであるPLGA+シロリムスの製剤でコーティングする。実施例1と同様の機材およびコーティングプロセスを用いる。介入部位は冠状動脈である。非弾性バルーンが膨張すると、約5%から約15%のコーティングがデバイスから解放され、その結果、〜2.0μgの薬物が動脈へ送達される。
別の実施例において、コーティングのポリマーは、約50:50のPLGA−Ester End Group、MW〜19kD、分解速度〜1−2か月であり、あるいは約50:50のPLGA−Carboxylate End Group、MW〜10kD、分解速度〜28日である。活性薬剤は、化学療法剤である。実施例1と同様の機材およびコーティングプロセスを用いる。介入部位は、腫瘍の除去に起因する空洞である。非弾性バルーンが膨張すると、コーティングの少なくとも約75%は、デバイスから介入部位へと移動する。
インビボ及び/又はインビトロテストが、本明細書に記載される方法にしたがって実行され得る。
実施例3:コーティングしたバルーンからのラパマイシンのインビボ送達
ウサギにおいて試験されたシロリムスでコーティングしたバルーン製剤
GHOST迅速交換式(Rx)カテーテルを本実施例で使用した。Ghost 3.0×18 mm Rxカテーテルバルーンをコーティングし、動物研究に使用した。研究を以下の設計に基づいて行った。コーティングしたバルーンからのラパマイシンのインビボ薬物送達特性を決定するために、いくつかの試験を行った。
最初の試験はウサギ腸骨動脈中でのコーティングしたバルーンの拡張を含む。8つのコーティングしたバルーンを製造し、4羽のウサギにおいて試験した。コーティングしたバルーンの内4つを拡張前の動脈(右腸骨)中で60秒間膨張させ、コーティングしたバルーンの内4つを拡張しない動脈(左腸骨)中で60秒間膨張させた。拡張部位での動脈組織で発見した薬物(シロリムス)の量を測定した。以下の表は、動脈内でのシロリムス濃度及び各動脈内のシロリムスの総量に対するこれらの動脈の試験の結果を示す。右腸骨内の薬物でコーティングされたバルーンは、屠殺の約10−20分前に膨張/収縮した。左腸骨内の薬物でコーティングされたバルーンは、屠殺の約5−15分前に膨張/収縮した。
以下の表は、各動脈中のシロリムスの総量に対するこれらの同じ動脈の試験の生データを示す。表はまた、ウサギ腸骨動脈に対するシロリムスの計算された移動効率、および動脈が血流に曝露された予測される時間を示す。動脈へ移されたパーセント(%)シロリムスを、バルーン上のシロリムスの予測された総量を使用して計算した。試験サンプルのバルーンと同じバルーンのバッチ上でコーティングされた、シロリムスのバッチの平均総量に基づいたバルーン上のシロリムスの予測された総量を、バルーンのUV粘度計の検査によって決定した。動脈が血流に曝露された予測される時間は、バルーン膨張とバルーン検査との間の時間の量、及び/又はバルーン膨張から、動物が屠殺され、動脈が薬物の中身に関してHPLCによって検査するために抽出されるまでの時間であった。
以下の表は、本検査で使用される動物から得た、シロリムス(全血)の血中濃度を示す。シロリムスのベースライン濃度を、各動物に対するコーティングされたバルーンへの曝露の前に、すなわち、バルーン膨張の前に得た。2つのコーティングされたバルーンが、本検査で各動物に送達されたため、第2バルーンが、各動物において膨張された5乃至15分後に、全血サンプルを得た。以下の表に示された結果は、それ故、1匹の動物当たり2つの薬物でコーティングされたバルーンの膨張からの累積的な全血シロリムス濃度を示す。血液中のシロリムスの合計は、1kg当たり56mLの血液(すなわち、試験されたウサギの1kg重量当たり)に基づく。
以下の表は、試験自体の後に本試験に使用される各バルーン上のシロリムスの濃度を示し、試験手順後に失ったシロリムスのパーセント(%)を示す。上に注意されるように、バルーンの各々を、それぞれの動脈まで追跡し、60秒間(1分間)膨張させ、その後、収縮させ、動物から取り除き、バルーン上に残るシロリムスのパーセントに関して試験した。失ったシロリムスのパーセント(%)は、試験後にバルーン上に残るシロリムスの量、およびUV粘度計の方法を使用して試験されるようなバルーンのバッチ平均から予測されるバルーン上でコーティングされたシロリムスの総量に基づく。失ったシロリムスの量(またはパーセント)に寄与する変数は、下記を含む:(頚静脈+大動脈を介する)腸骨へのバルーン挿入;血流;プリーツ加工(Pleat)/折り畳み(Fold)/シース(Sheath)の方法および手順;輸送中に失った〜10%;及び/又は動脈壁とのバルーン膨張/接触。
別の試験では、追跡研究を行った。試験は、ウサギの大動脈まで4つのコーティングしたバルーンを追跡することを含む。4つのコーティングしたバルーンの各々を、ウサギの大動脈に挿入し、追跡し、バルーンを膨張させることなく、2分間大動脈に残した。挿入、追跡し、および2分間大動脈においてバルーンを休止させた後に、コーティングしたバルーンを含むカテーテルを、動物から取り除いた。
以下の表は、試験自体の後に本試験に使用される各バルーン上のシロリムスの濃度を示し、試験手順後に失ったシロリムスのパーセント(%)を示す。失ったシロリムスのパーセント(%)は、試験後にバルーン上に残るシロリムスの量、およびUV粘度計の方法を使用して試験されるようなバルーンのバッチ平均から予測されるバルーン上でコーティングされたシロリムスの総量に基づく。失ったシロリムスの量(またはパーセント)に寄与する変数は、下記を含む:(頚静脈+大動脈を介する)腸骨へのバルーン挿入;血流;プリーツ加工/折り畳み/シースの方法および手順;及び/又は輸送中に失った〜10%。
シロリムスの定量化を、(前の2つの表の「バルーン当たりのシロリムスの合計(ug)」の欄で示されるように、および一般に血中濃度の表で示されるように)前の2つの試験からのバルーンおよび血液サンプル上で行った。すなわち、シロリムスの含有量を、ウサギ腸骨動脈において膨張した8つのバルーン、ウサギ大動脈に対して追跡したが膨張しなかった4つのバルーン、および8つの全血サンプル(2つのサンプル/ウサギ)から測定した。肝臓、腎臓、脾臓、心臓および肺を、後の薬物分析のために保存した(80℃)。
要約すると、本実施例において行った試験は、以下を示す:動脈壁に埋め込まれた197.2±85.3ng/mgのシロリムス。バルーンから動脈壁まで移されたシロリムスの効率は、7.8±2.8%であった。循環へと洗い流されたシロリムスの量は、5.4±2.3μgであった。動脈での膨張後に、バルーン上でコーティングされたシロリムスの78.9±6.8%を、バルーンから取り除いた。動脈での膨張前に、バルーン上でコーティングされたシロリムスの65.6±1.3%を、バルーンから取り除いた。参考のために、50−100μgのシロリムスを、各バルーン上でコーティングした。1%乃至5%の薬物(シロリムス)を、動脈へ移した。1mgの組織当たり1ngのシロリムスを、本実施例に記載されるような試験の間に発見した。
実施例4:コーティングしたバルーンからのラパマイシンのインビボ送達
動脈における活性薬剤の保持を改善するために、結合剤がコーティングへと組み込まれ得る。結合剤の例は、カチオン剤及び/又は正に電荷した分子を含む。結合剤の例は、界面活性剤であり得る。他の薬剤が、使用されてもよく、及び/又は代替的に使用されてもよい。結合剤は、限定しない例として:ポリアルギニン、ポリアルギニン 9−L−pArg、DEAE−デキストラン(ジエチルアミノエチルセルロース−デキストラン)、DMAB(ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド)、PEI(ポリエチレンイミン)、TAB(テトラドデシルアンモニウムブロミド)、およびDMTAB(ジメチルジテトラデシルアンモニウムブロミド)、の少なくとも1つを含み得る。本明細書で提供される、デバイス、コーティングおよび/または方法の幾つかの実施形態において、コーティングは、処置部位を接触させるように構成されたコーティングの表面上の正の表面電荷を含む。
幾つかの実施形態では、界面活性剤は、pH<10を有する第一アミン、およびpH<4を有する第二アミンの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態では、界面活性薬剤は、オクテニジン二塩酸塩を含む。幾つかの実施形態では、界面活性剤は、恒久的に電荷された四級アンモニウムカチオンを含む。幾つかの実施形態では、恒久的に電荷された四級アンモニウムカチオンは:セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)などの、アルキルトリメチルアンモニウム塩;塩化セチルピリジウム(CPC);ポリエトキシレート化した獣脂アミン(POEA);塩化ベンザルコニウム(BAC);塩化ベンゼトニウム(BZT);5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン;塩化ジメチルジオクタデシルアンモニウム;およびジオクタデシルジメチルアンモニウムブロミド(DODAB)、の少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態では、界面活性剤は:ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド(DMAB)、直鎖状アイソフォームのポリエチレンイミン(直鎖状PEI)、(約<25KDaの)分枝した低いMWポリエチレンイミン(PEI)、(約<15KDaの)分枝状低級MWポリエチレンイミン(PEI)、(約<10KDaの)分枝状低級MWポリエチレンイミン(PEI)、(約≧25KDaの)分枝状高級MWポリエチレンイミン、ポリ−L−アルギニン(約70,000daの平均または標記のMW)、ポリ−L−アルギニン(平均または標記のMW>約50,000Da)、ポリ−L−アルギニン(約5,000乃至約15,000Daの平均または標記のMW)、ポリ−L−リジン(約28,200Daの平均または標記のMW)、ポリ−L−リジン(約67,000Daの平均または標記のMW)、ポリヒスチジン、エチルヘキサデシルジメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラドデシルアンモニウムブロミド、ジメチルジテトラデシルアンモニウムブロミド、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、DEAE−デキストラン塩酸塩、およびヘキサジメトリンブロミド、の少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態では、結合剤の分子量は、調節される。幾つかの実施形態では、結合剤の平均サイズは、調節される。
本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態において、結合剤および活性薬剤は、デバイス上で一緒に混合および被着される。幾つかの実施形態では、活性薬剤および結合剤は、デバイス上の被着前に凍結乾燥される。幾つかの実施形態では、活性薬剤および結合剤の乾燥粒子は、当業者に周知の別の方法で生成され、その後、eSTATのコーティングプロセスなどによって、本明細書に記載されるようなバルーンまたは他のデバイス上にコーティングされる。本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態において、界面活性剤は、活性薬剤をバルーン上に被着した後にその上に被着される。
コーティングの正の表面電荷は、約20mVから約40mVであり得る。正の表面電荷は:少なくとも約1mV、約1mVを超える、少なくとも約5mV、少なくとも約10mV、約10mV乃至約50mV、約20mV乃至約50mV、約10mV乃至約40mV、約30mV乃至約40mV、約20mV乃至約30mV、および約25mV乃至約35mV、の少なくとも1つであり得る。
幾つかの実施形態では、結合剤の平均分子量は、調節される。例えば、ポリアルギニンは、70kDa、5−15kDaの平均分子量、別の調節された分子量、またはそれらの組み合わせを有し得る。幾つかの実施形態では、結合剤の分子量は、調節される。例えば、幾つかの実施形態では、ポリアルギニンは、結合剤であり、ポリアルギニンの少なくとも75%は、70kDa、5−15kDaまたは別の調節された分子量である。幾つかの実施形態では、ポリアルギニンは、結合剤であり、ポリアルギニンの少なくとも50%は、70kDa、5−15kDaまたは別の調節された分子量である。幾つかの実施形態では、ポリアルギニンは、結合剤であり、ポリアルギニンの少なくとも90%は、70kDa、5−15kDaまたは別の調節された分子量である。幾つかの実施形態では、ポリアルギニンは、結合剤であり、ポリアルギニンの少なくとも95%は、70kDa、5−15kDaまたは別の調節された分子量である。幾つかの実施形態では、ポリアルギニンは、結合剤であり、ポリアルギニンの少なくとも98%は、70kDa、5−15kDaまたは別の調節された分子量である。幾つかの実施形態では、ポリアルギニンは、結合剤であり、ポリアルギニンの少なくとも99%は、70kDa、5−15kDaまたは別の調節された分子量である。
幾つかの実施形態では、コーティングにおける活性薬剤のサイズは、動脈における薬物の保持を改善するために調節される。制限しない例として、活性薬剤としてのシロリムスの場合において、シロリムスは:1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、別の調節されたサイズ、またはそれらの組み合わせ、の少なくとも1つの平均サイズ(平均径)を有し得る。幾つかの実施形態では、活性薬剤は、シロリムスであり、シロリムスは:1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、別の調節されたサイズ、またはそれらの組み合わせ、の少なくとも1つのメジアン径を有する。幾つかの実施形態では、活性薬剤は、シロリムスであり、シロリムスは:約1.5μm、2.5μm、約645nm、約100−200nm、別の調節されたサイズ、またはそれらの組み合わせ、の少なくとも1つの平均サイズ(平均径)を有する。幾つかの実施形態では、活性薬剤は、シロリムスであり、シロリムスは:約1.5μm、2.5μm、約645nm、約100−200nm、別の調節されたサイズ、またはそれらの組み合わせ、の少なくとも1つのメジアン径を有する。幾つかの実施形態では、活性薬剤のサイズは、調節される。例えば、幾つかの実施形態では、シロリムスは、活性薬剤であり、シロリムスの少なくとも75%は、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、または別の調節されたサイズである。幾つかの実施形態では、シロリムスは、活性薬剤であり、シロリムスの少なくとも50%は、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、または別の調節されたサイズである。幾つかの実施形態では、シロリムスは、活性薬剤であり、シロリムスの少なくとも90%は、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、または別の調節されたサイズである。幾つかの実施形態では、シロリムスは、活性薬剤であり、シロリムスの少なくとも95%は、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、または別の調節されたサイズである。幾つかの実施形態では、シロリムスは、活性薬剤であり、シロリムスの少なくとも98%は、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、または別の調節されたサイズである。幾つかの実施形態では、シロリムスは、活性薬剤であり、シロリムスの少なくとも99%は、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、または別の調節されたサイズである。活性薬剤は、平均で:多くて5ミクロン、1マイクロメートルを超える、1マイクロメートルと5マイクロメートルの間、平均で約1.5マイクロメートル、および平均で約2.5マイクロメートル、であり得る。
幾つかの実施形態では、活性薬剤の結合剤に対する比率は、調節される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の結合剤に対する比率は、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:20、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、15:1、20:1、3:2、2:3、5:2、5:3、2:5、3:5、または別の調節された比率である。
幾つかの実施形態では、コーティングは、ナノ粒子を含み得、ナノ粒子は、活性薬剤およびポリマーを含み得る。
複数のコーティング製剤を、GHOSTの迅速交換式(Rx)カテーテルのバルーン3.0×18または3.0×17バルーン上でコーティングし、ウサギの腸骨動脈に送達した。ウサギの動脈組織を、72時間までの特定の時間点で抽出し、動脈組織で見つかった薬物の量を、動脈組織を試験するHPLC方法、または手順の間のコーティングまたは薬剤の損失を見るUV粘度計の方法などの、当業者に既知の方法によって測定し、これを、組織の1mg当たりのngの薬物(シロリムス)で表わし、以下の表に示す(サンプルサイズをそこに示す)。ほとんどの場合、剖検の時間点は、5分±5%、24時間±5%、および72時間±5%であった。例えば、剖検を、1匹の動物につき第2薬物でコーティングしたバルーンの収縮の約5分、24時間、または72時間後に行い(時間点の±5%)、ここで、2つの血管を研究に使用した。
以下の表に示すように、結果を、動脈で抽出されたシロリムスの総量として計算した。
特定の製剤を、さらなる分析のために選択し、それらの試験結果を、バルーン長さおよび抽出された動脈部分のサイズのために標準化した。以下の結果が、これらの選択された製剤に関して見られた。
特定の製剤を、別の分析のために選択し、濃度結果を、動脈重量のために正常化した(0.025gに正常化した)。以下の結果が、これらの選択された製剤に関して見られた。
本実施例で言及されるウサギの動脈および血液の検査では、以下のコーティングの詳細および製剤を使用した。
− F1(製剤1)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および2.5μmの平均サイズを有するシロリムスを含んだ。
− F2(製剤2)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および1:1の比率の2.5μmの平均サイズを有するシロリムスと70kDaのポリアルギニンを含んだ。
− F3(製剤3)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および10:1の比率の1.5μmまたは2.5μmの平均サイズを有するシロリムスと70kDaのポリアルギニンを含んだ。
− F4(製剤4)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および10:1の比率の2.5μmの平均サイズを有するシロリムスとDEAE−デキストラン(ジエチルアミノエチルセルロース−デキストラン)を含んだ。
− F5(製剤5)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および1:1の比率の2.5μmの平均サイズを有するシロリムスとDMAB(ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド)を含んだ。
− F6(製剤6)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および10:1の比率の2.5μmの平均サイズを有するシロリムスとDMAB(ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド)を含んだ。
− F7(製剤7)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および10:1の比率の2.5μmの平均サイズを有するシロリムスとPEI(ポリエチレンイミン)を含んだ。
− F8(製剤8)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および10:1の比率の2.5μmの平均サイズを有するシロリムスとTAB(テトラドデシルアンモニウムブロミド)を含んだ。
− F9(製剤9)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および10:1の比率の2.5μmの平均サイズを有するシロリムスとDMTAB(ジメチルジテトラデシルアンモニウムブロミド)を含んだ。
− F10(製剤10)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および1:1:1の比率の2.5μmの平均サイズを有するシロリムス、70kDaのポリアルギニンと、PEI(ポリエチレンイミン)を含んだ。
− F11(製剤11)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および10:1:1の比率の2.5μmの平均サイズを有するシロリムス、TAB(テトラドデシルアンモニウムブロミド)と、DEAE−デキストラン(ジエチルアミノエチルセルロース−デキストラン)を含んだ。
− F12(製剤12)は、50:50の乳酸であるPLGAのナノ球体(130nm):グリコール酸、および6.3%のシロリムスを含んだ。
− F13A(製剤13A)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および645nmの平均サイズを有するシロリムスを含んだ。
− F13B(製剤13B)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および10:1の比率の645nmの平均サイズを有するシロリムスと70kDaのポリアルギニンを含んだ。
− F13C(製剤13C)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および1:1の比率の645nmの平均サイズを有するシロリムスとDMAB(ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド)を含んだ。
− F13D(製剤13D)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および10:1の比率の645nmの平均サイズを有するシロリムスとPEI(ポリエチレンイミン)を含んだ。
− F14A(製剤14A)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および100−200nmの平均サイズを有するシロリムスを含んだ。
− F14B(製剤14B)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および10:1の比率の100−200nmの平均サイズを有するシロリムスと70kDaのポリアルギニンを含んだ。
− F14C(製剤14C)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および1:1の比率の100−200nmの平均サイズを有するシロリムスとDMAB(ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド)を含んだ。 この製剤を作ることができず、それ故、動物研究の結果が得られなかったことに留意。
− F14D(製剤14D)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および10:1の比率の100−200nmの平均サイズを有するシロリムスとPEI(ポリエチレンイミン)を含んだ。
− F15(製剤15)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および10:1の比率の1.5μmの平均サイズを有するシロリムスと5−15kDaのポリアルギニンを含んだ。
− F16(製剤16)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および10:1の比率の1.5μmの平均サイズを有するシロリムスとポリアルギニン9−L−pArgを含んだ。
− F17(製剤17)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および10:1の比率の645nmの平均サイズを有するシロリムスと5−15kDaのポリアルギニンを含んだ。
− F18(製剤18)は、PLGA、すなわち、約50:50の乳酸:グリコール酸、および10:1の比率の645nmの平均サイズを有するシロリムスとポリアルギニン9−L−pArgを含んだ。
F12を例外として、すべての方法は、バルーン上にPLGAをコーティングするためのRESSプロセスを使用する工程、およびシロリムスおよびバルーンに対して正に電荷した分子をコーティングするためのeSTATプロセスを使用する工程を含んだ。コーティングのための一般的なプロセスは、1)RESSプロセスによるポリマーコーティング、2)eSTATプロセスによるシロリムスおよび結合剤のコーティング(または製剤(例えば14A)で使用される結合剤がない場合の、シロリムス単独)、3)コーティングしたバルーンの焼結、であった。結合剤(すなわち、荷電粒子、界面活性剤、及び/又はカチオン粒子)は、シロリムスのコーティング工程の一部であり、ここで、バルーンを、eSTATプロセスを使用してシロリムスと結合剤の両方でコーティングした。製剤12を、eSTATまたはRESSのプロセスのみを使用して、および焼結工程を使用して、バルーン上でコーティングした。
シロリムスを、以下の方法の特定の製剤中に存在する場合に、結合剤(例えば、限定しない例として、界面活性剤、カチオン粒子、荷電分子)と混合した。プロセスは、異なる結合剤および異なる活性薬剤に適応され得るが、シロリムスおよび本実施例で製剤中の界面活性剤であった結合剤に対して使用されるように本明細書に記載される。処理される凍結乾燥または「冷凍乾燥(freeze drying)」は、eSTAT方法を介してバルーン上に被着するのに適した関連する薬物および結合剤(例えば界面活性剤)の乾燥粉末をもたらした。当業者が精通している他のプロセスが、本明細書に記載される方法を介したバルーン上の被着に適している形態で薬物および結合剤に関連付けるために、凍結乾燥の代わりとして使用されてもよい。本実施例では、ラパマイシン(シロリムス)を、結合剤によって水中で懸濁し、結合剤でシロリムスをコーティングした。十分に懸濁したシロリムスおよび結合剤の溶液を、凍結して、シロリムスおよび結合剤の塊(assembly)を保持し、および水を、昇華によって取り除き、乾燥したシロリムスおよび結合剤の物質を生成した。
凍結乾燥前の設定の工程は、eSTATのコーティングプロセスで使用するための乾燥したシロリムスおよび結合剤の溶液を生成するプロセスで使用されてもよい。それによって生成された溶液は、凍結乾燥機で使用されてもよい。所望量の薬物(例えばシロリムス)および結合剤を、100mLのSchottボトルへと量り分けた。その後、50mLの水を、10mLずつ(increments)、Schottボトルに加える。10mLを加えるごとに、シロリムスが湿っていることを確かなものとするために、溶液を撹拌ロッドで混合する。50mLを加えた後、溶液を、1時間、音波洗浄機(Branson 1510)において音波処理する。最終的な凍結乾燥前の工程において、十分に懸濁した溶液を、プラスチックピペットを使用して、50mLのコニカル遠心チューブに注意深く移し;懸濁されていないシロリムス及び/又は結合剤の分子(典型的には懸濁液の表面上に浮かんでいると見られる)は移さない。注:結合剤によるシロリムスの懸濁液の有効性は、移された溶液と最終的に回収した粉末の界面活性剤の比率に対する実際のシロリムスに影響を与え、しばしば、量り分けられた最初のシロリムスおよび結合剤から変化する。
凍結乾燥の工程は、以下であり得る:溶液が完全に凍結されるまで、50mLの遠心チューブ中で回収した懸濁液を、液体窒素に浸す。凍結した懸濁液を含有しているチューブの開口部を覆うために、パラフィルムを使用し、一方で、フィルムに穴を開け、気相水を逃がす。凍結したサンプルを含有しているチューブを、凍結乾燥機の格納容器へと装填し、格納容器を、凍結乾燥機のステーション(stations)の1つに取り付ける。装填したステーションのためのノズル上のスイッチを、プロセスを始めるために起動させる。凍結した水分のすべてが、目に見えてチューブにないと、凍結乾燥の工程は完了する。凍結乾燥後にキセロゲルとして存在し得るサンプルを、プロセスが完了したときに、振動または撹拌することによって、自由流動性の乾燥粉末に容易に変換する。上に記載されるように調製されたサンプルが凍結乾燥の工程を完了するのに、通常、1−2日かかる。注:効果的に作動させるために、凍結乾燥機は、蓄積された水分をサンプルから取り除くように、周期的に解凍される必要があり得る。
(本明細書の他のところで言及されるようにPLGAとのRESSプロセスを使用して、予めコーティングした)バルーンのeSTATのコーティングプロセスでシロリムスおよび結合剤を乾燥した溶液にするために、以下の工程を行った。必要な量のシロリムスおよび結合剤を、100mLのSchottボトルへと測り分ける。50mLの水を、10mLずつ、Schottボトルに加える。10mLを加えるごとに、撹拌ロッドを使用して、シロリムスおよび結合剤の溶液を混合する。50mLの水を加えた後に、1時間、溶液を音波処理する。音波処理後に、プラスチックピペットを使用して、懸濁した溶液を、50mLの遠心チューブに移す。懸濁されていないシロリムスおよび結合剤の分子の移動を回避する。溶液が完全に凍結されるまで、50mLのコニカルチューブ(蓋なし)を液体窒素中に入れる。コニカルチューブの上部をパラフィルムで覆い、水を通すために、フィルムに穴を開ける。50mLのコニカルボトルを凍結乾燥の格納容器に密閉し、格納容器を凍結乾燥機のノズルステーションに接続する。ノズル上のスイッチを回し、格納容器から空気を逃がす。すべての水が取り除かれるまで(典型的に1−2日)、凍結乾燥機上でサンプルを維持する。
ウサギの血中濃度の結果が続く。以下の表で示されるように、1mLの血液当たりの濃度としての薬物の量を、幾つかの製剤に対して決定した。本明細書のBQLは、定量限界未満を意味する(シロリムスの全血の定量に対して1−2ng/ml)。
以下の表で示されるように、動脈組織で見られる総量としての薬物の量を、幾つかの製剤に対して決定した。
様々な製剤が、ウサギの動脈において試験したバルーンの各々の上でコーティングしたシロリムスの以下の平均量を有した。これらは、本明細書で言及される同じ手順によってコーティングしたサンプルのバルーン上で見られる、および上に言及されるようなウサギにおいて試験したものと同じロットおよびバッチからの、薬物の平均量であった。バルーン上でコーティングしたシロリムスの量は、バルーンのプリーツ加工、折り畳み、滅菌の前の、UV−Vis分析に基づく、平均のシロリムス濃度である。
ウサギの動脈におけるバルーンの膨張に続いて、バルーンの各々を、動物から取り除き、各バルーン上の残余のシロリムスを測定した。動脈に移したシロリムスの量(および故にパーセント)の指標としての5分間のデータを使用して、および手順に従うバルーン上に残る薬物の量を使用して、および元の医療用デバイス上の薬物の総量の予測と同じバッチのバルーン上の薬物の平均量を使用して(前の表を参照)、ウサギの動脈に移したシロリムスのパーセント、および全手順の間に放出したシロリムスの合計のパーセントを測定した。以下の表は、この方法で試験した製剤からの結果を要約する。
以下の要約の観察は、本実施例に言及されるウサギの動脈および血液の検査に関してなされ得る。製剤15は、任意の他の製剤の72時間で最多の薬物の保持を有する。製剤3は、72時間での3.9±3.4ng/mgのシロリムスの保持を有し(混合した両方のロット)、バルーンから放出した薬物の3.2%(混合した両方のロット)を、動脈におけるバルーンの膨張の5分後に動脈において保持した。製剤13Bは、72時間での0.9±1.7ng/mgのシロリムスの保持を有し、バルーンから放出した薬物の3.8%を、動脈におけるバルーンの膨張の5分後に動脈において保持した。製剤15は、72時間での46.5±46.1ng/mgのシロリムスの保持を有し、バルーンから放出した薬物の5.3%を、動脈におけるバルーンの膨張の5分後に動脈において保持した。
さらなる発見は、以下のとおりであり、これは、特定の製剤に対する、1つの動脈当たりの組織濃度対シロリムスの総量を実証している。濃度の代わりの絶対量としてのシロリムスの組織レベルは、剖検手順で採取した特定量の組織の実験的な可変性を取り除く。
本明細書で提供される、方法、コーティング、またはデバイスの幾つかの実施形態では、コーティングは、10:1の比率の活性薬剤と結合剤を含み、ここで、活性薬剤はシロリムスを含み、結合剤はポリアルギニンを含む。幾つかの実施形態では、シロリムスは、1.5μmまたは2.5μmの平均サイズを有する。幾つかの実施形態では、ポリアルギニンの平均分子量は、70kDaである。幾つかの実施形態では、ポリアルギニンの平均分子量は、5−15kDaである。幾つかの実施形態では、活性薬剤および結合剤を、eSTATのコーティングプロセスを使用して、一緒にバルーン上に被着させる。幾つかの実施形態では、活性薬剤および結合剤を、バルーン上の被着前に凍結乾燥する。幾つかの実施形態では、少なくとも約2ng/mgの活性薬剤が、動脈におけるバルーンの膨張の72時間後に、動脈組織で見られる。幾つかの実施形態では、少なくとも約3ng/mgの活性薬剤が、動脈におけるバルーンの膨張の72時間後に、動脈組織で見られる。幾つかの実施形態では、少なくとも約5ng/mgの活性薬剤が、動脈におけるバルーンの膨張の72時間後に、動脈組織で見られる。幾つかの実施形態では、少なくとも約10ng/mgの活性薬剤が、動脈におけるバルーンの膨張の72時間後に、動脈組織で見られる。幾つかの実施形態では、少なくとも約20ng/mgの活性薬剤が、動脈におけるバルーンの膨張の72時間後に、動脈組織で見られる。幾つかの実施形態では、少なくとも約30ng/mgの活性薬剤が、動脈におけるバルーンの膨張の72時間後に、動脈組織で見られる。幾つかの実施形態では、少なくとも約40ng/mgの活性薬剤が、動脈におけるバルーンの膨張の72時間後に、動脈組織で見られる。
本明細書で提供される、方法、コーティング、またはデバイスの幾つかの実施形態では、インビボでの測定は、約1分間、ブタの動脈内部でバルーンを膨張させることを含み、ここで、動脈に移した活性薬剤の量を、動脈におけるバルーンの膨張の約5分後に決定されるように、バルーン上で残るコーティングのUV−Visの評価によって測定する。本明細書で提供される、方法、コーティング、またはデバイスの幾つかの実施形態では、インビボでの測定は、約1分間、ブタの動脈内部でバルーンを膨張させることを含み、ここで、動脈に移した活性薬剤の量を、動脈におけるバルーンの膨張の約5分後に動脈を抽出することによって、および本明細書に記載される及び/又は当業者に既知の標準方式を使用して、抽出した動脈における薬物の量を決定することによって測定する。本明細書で提供される、方法、コーティング、またはデバイスの幾つかの実施形態では、インビボでの測定は、約1分間、ウサギの動脈内部でバルーンを膨張させることを含み、ここで、動脈に移した活性薬剤の量を、動脈におけるバルーンの膨張の約5分後に決定されるように、バルーン上で残るコーティングのUV−Visの評価によって測定する。本明細書で提供される、方法、コーティング、またはデバイスの幾つかの実施形態では、インビボでの測定は、約1分間、ウサギの動脈内部でバルーンを膨張させることを含み、ここで、動脈に移した活性薬剤の量を、動脈におけるバルーンの膨張の約5分後に動脈を抽出することによって、および本明細書に記載される及び/又は当業者に既知の標準方式を使用して、抽出した動脈における薬物の量を決定することによって測定する。
本明細書には、医療用デバイス上でコーティングを形成する方法が提供され、該方法は、RESSプロセスを使用して、医療用デバイス上にポリマーを被着させる工程、結合剤と活性薬剤を混合して、活性薬剤−結合剤の混合物を生成する工程、活性薬剤−結合剤の混合物を凍結乾燥する工程、およびeSTATプロセスを使用して、医療用デバイス上に活性薬剤−結合剤の混合剤を被着させる工程を含む。幾つかの実施形態では、結合剤は、界面活性剤を含む。
ブタのモデルにおける薬物動態研究:
製剤3(F3)を、上に言及される手順によってGHOSTの迅速交換式(Rx)カテーテルの3.0×17バルーン上でコーティングし、ブタの冠状動脈および乳腺動脈に送達した。動物を、屠殺し、動脈組織を、幾つかの時点で抽出した。冠状動脈組織において見られる薬物の量を、決定し、組織の1mg当たりのngの薬物(シロリムス)で表わし、正常型で表わし、すなわち、組織の1mg当たりで正常化し、および以下の表においてマイクログラム(μg)で表わす。
乳房状の動脈組織において見られる薬物の量を、決定し、組織の1mg当たりのngの薬物(シロリムス)で表わし、正常型で表わし、すなわち、組織の1mg当たりで正常化し、および以下の表においてマイクログラム(μg)で表わす。
上に記載されるようなF3製剤を使用して、ウサギ対ブタのモデルにおける動脈の薬物の保持の比較を行った。比較は、1日目に、シロリムスのウサギの腸骨動脈濃度が、1mgの組織当たりのngのシロリムスで25.20±20.20ngであったか、またはサンプル(n=7−10)中の組織の量によって正常化されたときに、0.901μg±0.684μgであったことを示した。1日目での同じ時点で、シロリムスのブタの冠状動脈濃度は、1mgの組織当たりのngのシロリムスで5.528±4.806ngであるか、またはサンプル(n=5−6)中の組織の量によって正常化されたときに、0.365μg±0.306μgであった。3日目で、シロリムスのウサギの腸骨動脈濃度は、1mgの組織当たりのngのシロリムスで4.66±3.65ngであるか、またはサンプル中の組織の量によって正常化されたときに、0.319μg±0.338μgであった。3日目での同じ時点で、シロリムスのブタの冠状動脈濃度は、1mgの組織当たりのngのシロリムスで2.559±2.927ngであるか、またはサンプル中の組織の量によって正常化されたときに、0.144μg±0.144μgであった。
ウサギの腸骨モデルでの72時間の検査に選択された幾つかの製剤を、標準の溶出法を使用して、溶出の検査のために供与した。図1は、製剤F3、F5およびF7のための様々な時点でバルーンから溶出された平均パーセントのシロリムスを示す。0日目に、F5は、約60%で最も高いパーセントの溶出であり、F3の溶出は、0日目に約45%の溶出で二番目に高いデータ点であるが、F7は、0日目に約30%の溶出で、すべての時間点にわたって最低値ライン(line)である。F5に対するラインは、グラフに示される3つの製剤の中で最も速く溶出する、グラフの上部のラインであり、一方、F3は、グラフの中央のラインであり、および最も遅く溶出するF7は、13日目で唯一、100%の溶出に達する。
コーティングは、約3日、約5日、約1週、約1.5週、約2週、約14日、約3週、約21日、約4週、約28日、約1か月、約1.5か月、約2か月、少なくとも約3日、少なくとも約5日、少なくとも約1週、少なくとも約1.5週、少なくとも約2週、少なくとも約14日、少なくとも約3週、少なくとも約21日、少なくとも約4週、少なくとも約28日、少なくとも約1か月、少なくとも約1.5か月、少なくとも約2か月、約7乃至約14日、約14乃至約21日、約14乃至約28日、約21乃至約28日、および約7乃至約28日、の少なくとも1つにわたって、活性薬剤を処置部位へと放出し得る。
本明細書には、コーティングした医療用デバイスが提供され、該医療用デバイスは、封入された活性薬剤を処置部位に送達するための医療用デバイス;および封入された活性薬剤を含む医療用デバイス上のコーティングを含み、ここで、封入した活性薬剤は、ポリマー中で封入された活性薬剤を含み、および封入された活性薬剤は、正の表面電荷を有する。
本明細書には、コーティングした医療用デバイスが提供され、該医療用デバイスは:封入された活性薬剤を処置部位に送達するための医療用デバイス;および封入された活性薬剤を含む医療用デバイス上のコーティングを含み、ここで、封入した活性薬剤は、活性薬剤の少なくとも一部を封入するポリマーを含み、および封入した活性薬剤は、正の表面電荷を有する。
幾つかの実施形態では、活性薬剤は、完全に封入されない。活性薬剤(またはその一部)は、ポリマーによって封入されるために、完全に囲まれる必要はない。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも10%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも20%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも25%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも30%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも40%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも50%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも60%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも70%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも75%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも80%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも90%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも95%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも5%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも10%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも15%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも20%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも25%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも30%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも40%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも50%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも60%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも70%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも75%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも80%はポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも90%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、および活性薬剤の表面積の少なくとも95%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる。
本明細書には、ポリマー中で封入された活性薬剤を含む医療用デバイスのためのコーティングが提供され、ここで、封入された活性薬剤は、正の表面電荷を有し、コーティングは、少なくとも約1日にわたって活性薬剤を処置部位に送達する。
本明細書には、医療用デバイス上でコーティングを形成する方法が提供され、該方法は、ポリマーおよび活性薬剤を含む封入された活性薬剤を提供する工程を含み、ここで、封入された活性薬剤は、正の表面電荷を有し、該方法はまた、医療用デバイス上に封入された活性薬剤を被着させる工程を含む。幾つかの実施形態では、コーティングは、少なくとも約1日にわたって活性薬剤を処置部位に送達する。
本明細書には、医療用デバイス上でコーティングを形成する方法が提供され、該方法は、活性薬剤の少なくとも一部を少なくとも部分的に封入するポリマーを含む封入された活性薬剤を提供する工程を含み、ここで、封入された活性薬剤は、正の表面電荷を有し、および該方法はまた、医療用デバイス上に封入された活性薬剤を被着させる工程を含む。幾つかの実施形態では、コーティングは、少なくとも約1日にわたって活性薬剤を処置部位に送達する。
本明細書には、コーティングした医療用デバイスが提供され、該医療用デバイスは:活性薬剤を処置部位に送達するための医療用デバイス;および活性薬剤を含む医療用デバイス上のコーティングを含み、ここで、コーティングした医療用デバイスは、コーティングの少なくとも一部を処置部位に送達し、その一部は、約1日にわたって活性薬剤を処置部位へと放出する。
本明細書には、活性薬剤を含む医療用デバイスのためのコーティングが提供され、ここで、コーティングは、少なくとも約1日にわたって活性薬剤を処置部位へと送達する。
本明細書には、活性薬剤を含む医療用デバイス上でコーティングを形成する方法が提供され、該方法は、eSTATプロセスを使用して、活性薬剤を医療用デバイス上でコーティングする工程を含む。
本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、ポリマーは、PLGAを含む。PLGAは、約30KDaのMW、約15KDaのMn、約10KDa乃至約25KDaのMn、および約15KDa乃至約40KDaのMW、の少なくとも1つを有し得る。
本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態では、コーティングは、生体吸収性ポリマーを含む。幾つかの実施形態では、活性薬剤は、生体吸収性ポリマーを含む。幾つかの実施形態では、生体吸収性ポリマーは、以下の少なくとも1つを含む:ポリラクチド(PLA);PLGA(ポリ(ラクチド−コ−グリコリド));ポリ酸無水物;ポリオルトエステル;ポリ(N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド);DLPLA−ポリ(dl−ラクチド);LPLA−ポリ(l−ラクチド);PGA−ポリグリコリド;PDO−ポリ(ジオキサノン);PGA−TMC−ポリ(グリコリド−コ−トリメチレンカーボネイト);PGA−LPLA−ポリ(l−ラクチド−コ−グリコリド);PGA−DLPLA−ポリ(dl−ラクチド−コ−グリコリド);LPLA−DLPLA−ポリ(l−ラクチド−コ−dl−ラクチド);およびPDO−PGA−TMC−ポリ(グリコリド−コ−トリメチレンカーボネイト−コ−ジオキサノン)、およびそれらの組み合わせ、コポリマー、および誘導体。幾つかの実施形態では、生体吸収性ポリマーは、1%と95%の間のグリコール酸内容物のPLGAベースのポリマーを含む。
本明細書で提供される、方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態では、ポリマーは、ポリカルボン酸、セルロースポリマー、タンパク質、ポリペプチド、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸ポリマー、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、グリコサミノグリカン、多糖類、ポリエステル、脂肪族ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、コポリマー、シリコーン、シリコーン含有ポリマー、ポリアルキルシロキサン、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ビニルモノマーのコポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリラクチド、ポリグリコール酸、ポリグリコリド、ポリラクチド−コ−グリコリド、ポリカプロラクトン、ポリ(e−カプロラクトン)、ポリヒドロキシ酪酸、吉草酸塩、ポリアクリルアミド、ポリエーテル、ポリウレタン分散液、ポリアクリレート、アクリルラテックス分散液、ポリアクリル酸、ポリアルキルメタクリレート、ポリアルキルエン−コ−酢酸ビニル、ポリアルキレン、脂肪族ポリカーボネート、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリテトラハロアルキレン、ポリ(ホスファゾン(phosphasones))、ポリテトラハロアルキレン、ポリ(ホスファゾン)、およびそれらの混合物、組み合わせ、およびコポリマー、の少なくとも1つを含む。本発明のポリマーは、ゼラチン、キトサン、デキストリン、シクロデキストリン、ポリ(ウレタン)、ポリ(シロキサン)またはシリコーン、[rho]オリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、およびポリ(2−メタクリル酸ヒドロキシエチル)などのポリ(アクリル酸塩)、ポリ(エチレン)、[rho]オリ(イソプレン)などのポリ(ビニルアルコール)ポリ(オレフィン)、ポリ(テトラフロオルエチレン)などのハロゲン化したポリマーおよびテフロン(登録商標)の製品として一般的に販売されるものなどの、誘導体およびコポリマー、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アクリル酸)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(メタクリル酸)などを含む、元来、自然または合成のポリマーであり得る。適切なポリマーはまた、以下のもの、それらの組み合わせ、コポリマーおよび誘導体を含む、吸収可能な及び/又は再吸収可能なポリマーを含む:誘導体DLPLA−ポリ(dl−ラクチド);LPLA−ポリ(l−ラクチド);PDO−ポリ(ジオキサノン);PGA−TMC−ポリ(グリコリド−コ−トリメチレンカーボネイト);PGA−LPLA−ポリ(l−ラクチド−コ−グリコリド);PGA−DLPLA−ポリ(dl−ラクチド−コ−グリコリド);LPLA−DLPLA−ポリ(l−ラクチド−コ−dl−ラクチド);およびPDO−PGA−TMC−ポリ(グリコリド−コ−トリメチレンカーボネイト−コ−ジオキサノン)、を含む、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)、ポリ酸無水物、ポリオルトエステル、ポリ(N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、ポリ(l−アスパルトアミド)、およびそれらの組み合わせ。
本明細書で提供される、方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態では、ポリマーは、3,000から12,000KPaの間の乾燥係数を有する。幾つかの実施形態では、ポリマーは、移植後に柔らかくなることが可能である。幾つかの実施形態では、ポリマーは、移植後に、水和、分解、または水和と分解の組み合わせによって柔らかくなることが可能である。幾つかの実施形態では、ポリマーは、ポリマーの加水分解が原因で介入部位にある場合、基体から移動する、遊離する、及び/又は解離するように適合されている。
本明細書で提供される、方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態では、生体吸収性ポリマーは、約1日、約3日、約5日、約7日、約14日、約3週、約4週、約45日、約60日、約90日、約180日、約6か月、約9か月、約1年、約1乃至約2日、約1乃至約5日、約1乃至約2週、約2乃至約4週、約45乃至約60日、約45乃至約90日、約30乃至約90日、約60乃至約90日、約90乃至約180日、約60乃至約180日、約180乃至約365日、約6か月乃至約9か月、約9か月乃至約12か月、約9か月乃至約15か月、および約1年乃至約2年、の少なくとも1つで再吸収可能である。
本明細書で提供される、方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態では、コーティングは微細構造を含む。幾つかの実施形態では、活性薬剤の粒子は、微細構造内に隔離または封入される。幾つかの実施形態では、微細構造は、マイクロチャネル、微小孔及び/又はマイクロキャビティを含む。幾つかの実施形態では、微細構造は、活性薬剤の徐放を可能にするために選択される。幾つかの実施形態では、微細構造は、活性薬剤の制御放出を可能にするために選択される。
本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、コーティングは、正の表面電荷を含む。正の表面電荷は、約20mV乃至約40であり得る。正の表面電荷は、少なくとも約1mV、約1mVを超える、少なくとも約5mV、少なくとも約10mV、約10mV乃至約50mV、約20mV乃至約50mV、約10mV乃至約40mV、約30mV乃至約40mV、約20mV乃至約30mV、および約25mV乃至約35mV、の少なくとも1つであり得る。
本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、封入された活性薬剤における活性薬剤のw/wパーセントは、約5%である。本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、封入された活性薬剤における活性薬剤のw/wパーセントは、約10−25%である。
幾つかの実施形態では、封入された活性薬剤は、活性薬剤の少なくとも一部を少なくとも部分的に封入するポリマーを含み、ここで、封入された活性薬剤は、正の表面電荷を有する。幾つかの実施形態では、活性薬剤は、完全に封入されない。活性薬剤(またはその一部)は、ポリマーによって封入されるために、完全に囲まれる必要はない。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも10%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも20%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも25%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも30%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも40%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも50%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも60%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも70%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも75%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも80%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも90%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも95%は、ポリマー中で封入される。幾つかの実施形態では、活性薬剤の表面積の少なくとも5%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも10%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも15%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも20%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも25%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも30%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも40%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも50%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも60%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも70%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも75%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも80%はポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、活性薬剤の表面積の少なくとも90%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる、および活性薬剤の表面積の少なくとも95%は、ポリマーによって少なくとも部分的に囲まれる。
本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、封入された活性薬剤の少なくとも一部は、ナノ粒子である。封入された活性薬剤の少なくとも一部は、球形状、円盤形状、半球形状、円筒形状、円錐形状、ナノ礁形状、ナノボックス形状、クラスター形状、ナノチューブ形状、ウィスカ形状、ロッド形状、繊維形状、カップ形状、ジャック形状、六角形形状、楕円形状、扁平楕円形状、扁長楕円形状、トーラス形状、回転楕円形状、タコス様形状、弾丸形状、樽形状、レンズ形状、カプセル形状、プーリーホイール形状、円形ディスク形状、長方形ディスク形状、六角形ディスク形状、空飛ぶ円盤形状、ワーム形状、リボン様形状、およびラビオリ様形状、の少なくとも1つであり得る。
本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態における活性薬剤は、マクロライド系免疫抑制薬を含む。活性薬剤は、シロリムス、そのプロドラッグ、水和物、エステル、塩、多形体、誘導体、およびアナログから選択され得る。活性薬剤の一部は、結晶形態であり得る。
活性薬剤は、平均で:多くて5ミクロン、1マイクロメートルを超える、1マイクロメートルと5マイクロメートルの間、平均で約1.5マイクロメートル、および平均で約2.5マイクロメートル、の少なくとも1つであり得る。幾つかの実施形態では、コーティングにおける活性薬剤のサイズは、動脈における薬物の保持を改善するために調節される。限定しない例として、活性薬剤としてのシロリムスの場合において、シロリムスは、以下の少なくとも1つの平均サイズ(平均径)を有し得る:1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、別の調節されたサイズ、またはそれらの組み合わせ。幾つかの実施形態では、活性薬剤は、シロリムスであり、ここで、シロリムスは、以下の少なくとも1つのメジアン径を有する:1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、別の調節されたサイズ、またはそれらの組み合わせ。幾つかの実施形態では、活性薬剤は、シロリムスであり、ここで、シロリムスは、以下の少なくとも1つの平均サイズ(平均径)を有する:約1.5μm、約2.5μm、約645nm、約100−200nm、別の調節されたサイズ、またはそれらの組み合わせ。幾つかの実施形態では、活性薬剤は、シロリムスであり、ここで、シロリムスは、以下の少なくとも1つのメジアン径を有する:約1.5μm、2.5μm、約645nm、約100−200nm、別の調節されたサイズ、またはそれらの組み合わせ。幾つかの実施形態では、活性薬剤のサイズは、調節される。例えば、幾つかの実施形態では、シロリムスは、活性薬剤であり、シロリムスの少なくとも75%は、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、または別の調節されたサイズである。幾つかの実施形態では、シロリムスは、活性薬剤であり、シロリムスの少なくとも50%は、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、または別の調節されたサイズである。幾つかの実施形態では、シロリムスは、活性薬剤であり、シロリムスの少なくとも90%は、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、または別の調節されたサイズである。幾つかの実施形態では、シロリムスは、活性薬剤であり、シロリムスの少なくとも95%は、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、または別の調節されたサイズである。幾つかの実施形態では、シロリムスは、活性薬剤であり、シロリムスの少なくとも98%は、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、または別の調節されたサイズである。幾つかの実施形態では、シロリムスは、活性薬剤であり、シロリムスの少なくとも99%は、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、または別の調節されたサイズである。
本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、コーティングは、少なくとも約1日にわたって活性薬剤を処置部位に送達する。本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、コーティングは:約3日、約5日、約1週、約1.5週、約2週、約14日、約3週、約21日、約4週、約28日、約1か月、約1.5か月、約2か月、少なくとも約3日、少なくとも約5日、少なくとも約1週、少なくとも約1.5週、少なくとも約2週、少なくとも約14日、少なくとも約3週、少なくとも約21日、少なくとも約4週、少なくとも約28日、少なくとも約1か月、少なくとも約1.5か月、少なくとも約2か月、約7乃至約14日、約14乃至約21日、約14乃至約28日、約21乃至約28日、および約7乃至約28日、の少なくとも1つにわたって、活性薬剤を処置部位へと送達する。
本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、処置部位は血管壁である。本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、処置部位は冠状動脈である。本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、処置部位はバイパス片である。本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、処置部位は分岐病変部である。本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、処置部位は、小さな冠状動脈の病変部(例えば、基準直径<2.5mmを有する)。本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、処置部位は末梢動脈である。本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、処置部位は静脈である。本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、処置部位は動静脈グラフトである。本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、処置部位は動静脈フィステルである。本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、処置部位は胆道である。本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、処置部位は胆管である。本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、処置部位は洞である。本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、処置部位は静脈グラフトである。
本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、コーティングは、処置部位と接触するように構成されたコーティングの表面上に正の表面電荷を含む。
本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、封入された活性薬剤は、ミセルである。
本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、医療用デバイスは、バルーンを含む。幾つかの実施形態では、医療用デバイスは、バルーン付カテーテルのバルーンである。
本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、封入された活性薬剤の被着は、eSTATプロセスの使用を含む。本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態において、医療用デバイス上に封入された活性薬剤を被着させた後に医療用デバイス上に第2ポリマーを被着させる工程が含まれる。
本明細書で提供される、方法、コーティング及び/又はデバイスの幾つかの実施形態では、コーティングは、RESS、e−RESS、e−SEDS、またはe−DPCプロセスによって活性薬剤及び/又はポリマーを被着させることを含むプロセスによって、基体上に形成される。本明細書で提供される、方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態では、コーティングは、以下の少なくとも1つを含むプロセスによって基体上に形成される:RESS、e−RESS、e−SEDS、またはe−DPCのプロセスによってポリマーを被着させること、およびe−RESS、e−SEDS、eSTAT、またはe−DPCのプロセスによって医薬製剤を被着させること。本明細書で提供される方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態では、コーティングは、以下の少なくとも1つを含むプロセスによって基体上で形成される:RESS、e−RESS、e−SEDS、またはe−DPCのプロセスによってポリマーを被着させること、およびeSTAT、e−RESS、e−SEDS、またはe−DPCのプロセスによって活性薬剤を被着させること。幾つかの実施形態では、コーティングを形成するプロセスは、介入部位での医療用デバイスの展開前に基体に対するコーティングの改善された付着を提供し、介入部位での基体からのコーティングの分離を促進する。幾つかの実施形態では、コーティングは、基体に電荷をかけることなく、eSTAT、e−RESS、e−SEDSまたはe−DPCのプロセスによって活性薬剤を被着させることを含むプロセスによって基体上で形成される。幾つかの実施形態では、コーティングは、基体と、コーティングを被着させるために使用されるコーティング装置との間の電位を生じさせることなく、e−RESS、e−SEDSまたはe−DPCのプロセスによって基体上に活性薬剤を被着させることを含むプロセスによって基体上で形成される。
本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、第2ポリマーは、PLGAを含む。PLGAは、約30KDaのMW、約15KDaのMn、約10KDa乃至約25KDaのMn、および約15KDa乃至約40KDaのMW、の少なくとも1つを有し得る。医療用デバイス上の第2ポリマーの被着には、RESSのコーティングプロセス、eSTATのコーティングプロセス、浸漬のコーティングプロセス、および噴霧のコーティングプロセスの少なくとも1つを使用し得る。
本明細書で提供される、デバイス、コーティング及び/又は方法の幾つかの実施形態では、介入部位は、被験体の身体内に、または身体上にある。幾つかの実施形態では、介入部位は血管壁である。幾つかの実施形態では、介入部位は非血管内腔壁である。幾つかの実施形態では、介入部位は血管窩壁である。本明細書で提供される、方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態では、介入部位は体腔壁である。幾つかの実施形態では、体腔は、乳腺腫瘤摘出の結果である。幾つかの実施形態では、介入部位は、被験体内のカニューレが導入された部位である。本明細書で提供される、方法及び/又はデバイスの幾つかの実施形態では、介入部位は洞壁である。幾つかの実施形態では、介入部位は洞窩壁である。幾つかの実施形態では、活性薬剤は、コルチコステロイドを含む。
本明細書で提供される、方法、コーティング、及び/又はデバイスの幾つかの実施形態では、コーティングは:治癒を遅延する、治癒を遅らせる、および治癒を防ぐこと、の少なくとも1つが可能である。幾つかの実施形態では、コーティングは:治癒の炎症期を遅延する、遅らせる、および防ぐこと、の少なくとも1つが可能である。幾つかの実施形態では、コーティングは:治癒の増殖期を遅延する、遅らせる、および防ぐこと、の少なくとも1つが可能である。幾つかの実施形態では、コーティングは:治癒の成熟期を遅延する、遅らせる、および防ぐこと、の少なくとも1つが可能である。幾つかの実施形態では、コーティングは:治癒の再形成期を遅延する、遅らせる、および防ぐこと、の少なくとも1つが可能である。幾つかの実施形態では、活性薬剤は、抗血管新生剤を含む。
本明細書には、医療用デバイスを提供する工程を含む方法が提供され、該医療用デバイスは、基体および基体の少なくとも一部上のコーティングを含み、ここで、コーティングは複数の層を含み、少なくとも1つの層は、治療上望ましい形態で医薬製剤を含み、および該方法はまた、刺激作用でコーティングを刺激した後にコーティングの少なくとも一部を基体から介入部位へ移す工程を含む。
シロリムスの代わりに(またはその追加で)使用され得る他の化合物は、限定しない例として:0.4−2.3nMのFKBP12結合(nM)および0.1−3.5nMの抗増殖性の効力(nM)を有するシロリムス;1.8−2.6nMのFKBP12結合(nM)および0.9−3.6nMの抗増殖性の効力(nM)を有するエベロリムス;2.0−3.2nMのFKBP12結合(nM)および0.2−2.7nMの抗増殖性の効力(nM)を有するゾタロリムス;約10nMの抗増殖性の効力(nM)を有するバイオリムス;FKBP12結合(nM)およびシロリムスと略同じ抗増殖性の効力(nM)を有するテムシロリムス;0.2−0.4nMのFKBP12結合(nM)および約350nMの抗増殖性の効力(nM)を有するタクロリムス;約1.2nMのFKBP12結合(nM)および約1μMの抗増殖性の効力(nM)を有するピメクロリムス、を含む。
シロリムスの代わりに(またはその追加で)使用され得る代替的な化合物は、コーティングされたバルーンから送達されるときにより効果的であり得る薬物のステントプラットフォームから送達するのに十分な効力のない薬物を含み(その薬物が高度に脂肪親和性である場合)、それは、限定しない例として、ジピリダモール(Dipyradamole)、セリバスタチン、トログリタゾン、及び/又はシロスタゾールを含む。ジピリダモールは、例えば、VSMC(血管平滑筋細胞)増殖を阻害し、抗炎症性であり、内皮機能を改善し、およびt−PA(組織プラスミノーゲン活性化因子)の局所放出をもたらすため、バルーンのコーティング上での使用のための適切な薬物であり得る。セリバスタチンは、例えば、VSMC増殖を阻害し、抗炎症性であり、内皮機能を改善し、および不安定プラークを安定させることができるため、バルーンの被膜上での使用のための適切な薬物であり得る。トログリタゾンは、例えば、VSMC増殖を阻害し、抗炎症性であり、内皮機能を改善し、および血管脂質の減少をもたらし得るため、バルーンの被膜上での使用のための適切な薬物であり得る。シロスタゾールは、例えば、VSMC増殖を阻害し、抗炎症性であり得、内皮機能を改善し、および血管拡張剤であり、及び/又はNO(酸化窒素)放出及び/又はNOの産生を増加させるため、バルーンの被膜上での使用のための適切な薬物であり得る。
放出されるコーティングとして薬物のバルーン上での使用に適切であり得る他の薬物は、それ故、下記の薬物を含む:エラスチンを結合する平滑筋細胞の弛緩剤及び/又は薬剤などの、弾性反跳を防ぐ薬物;ANP、アトルバスタチン、エリトロポイエチン、及び/又はグルカゴン様ペプチド1などの、再潅流障害を防ぐ薬物;血管拡張剤及び/又は成長因子(GF)およびGF活性化因子などの、付随的な血流を刺激する薬物。薬物コーティングされたバルーンは、PTA(経皮的血管形成)におけるなどの、下肢において及び周辺の徴候において有用であり得、およびアテレクトミー後に、ステント再狭窄の状況で、ベアステントと組み合わせると有用であり得る。薬物コーティングされたバルーンは、以下の、ステント再狭窄において、小さな血管形成の状況で、分岐において、およびベアメタルステントと組み合わせなどの、特定の冠状動脈の徴候において有用であり得る。他の用途は、動静脈のフィステルおよびグラフト(透析)、鼻洞、神経血管の脈管、腎の血管または適用、抗癌の適用、および泌尿器科学的適用での用途を含む。a)フィステルおよびグラフト(透析)フィステルおよびグラフト(透析)フィステルおよびグラフト(透析)。
幾つかの実施形態では、デバイスは、活性薬剤の少なくとも3%をインビボの動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、活性薬剤の少なくとも5%をインビボの動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、活性薬剤の少なくとも10%をインビボで放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも5%を動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも7%を動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも10%を動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも15%を動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも20%を動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも25%を動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも30%を動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも40%を動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも50%を動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の2%乃至50%を動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%乃至50%を動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の5%乃至50%を動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%乃至30%を動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%乃至25%を動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%乃至20%を動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%乃至15%を動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の1%乃至15%を動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の1%乃至10%を動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%乃至10%を動脈に放出する。幾つかの実施形態では、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の1%乃至5%を動脈に放出する。
本明細書で使用されるように、実施形態に依存して、「膨張後」は、処置部位からのデバイスの取り外し後、合理的にできるだけ早いことを意味する。これは、処置部位からのデバイスの取り外しから約1分、約5分、処置部位からのデバイスの取り外しから1乃至15分以内、処置部位からのデバイスの取り外しから1乃至15分以内、処置部位からのデバイスの取り外しから1乃至20分以内、処置部位からのデバイスの取り外しから1分乃至1時間以内、処置部位からのデバイスの取り外しから1分乃至2時間以内、及び/又は処置部位からのデバイスの取り外しから1分乃至3時間以内、などのタイミングを含み得る。
実施例5:コーティングされた反転可能なバルーンからのラパマイシンの送達
本明細書では、反転可能なバルーン及び前記反転可能なバルーンの反管腔側の側面上にコーティングを含むデバイスが提供され、ここで、コーティングは活性薬剤及び結合剤を含む。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、少なくとも3%の活性薬剤を動脈に放出する。
いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも5%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも7%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも10%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも15%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも20%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも25%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも30%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも40%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも50%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の2%から50%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%から50%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の5%から50%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%から30%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%から25%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%から20%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%から15%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の1%から15%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の1%から10%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%から10%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の1%から5%を動脈に放出する。
反転可能なバルーン(裏返すことができるバルーン(evertable balloons)とも呼ばれ得る及び/又は代替的にそう呼ばれ得る)の例は、限定されないが、1997年12月3日に出願された米国特許第6039721号及び1985年8月8日に出願された米国特許第4606347号に記載されるものを含み、その全体が引用によって本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、バルーンの反管腔側の表面(abluminal surface)は、反転前にコーティングされ、および一度コーティングされると、バルーンカテーテルが処置部位、通常はその部位のすぐ近くに位置付けられるまで、バルーンの反管腔側の表面が、トラッキング又は血管壁とのトラッキング接触(tracking contact)の間の血流から、またはその両方から保護されるように、バルーンは反転される。本明細書で使用されるように、「反管腔側の側面」または「反管腔側の表面」は、その上にコーティングを有し、コーティング(薬剤)を処置の部位または位置に送達するように意図された、バルーンの一部、即ち、処置部位が血管である場合の血管の内腔、を指す。バルーンは、その後、反管腔側の表面が処置部位内に位置されるように反転状態から戻される(un−inverted)。
バルーンがカテーテル内で反転される1つの実施形態において、例えば、限定しない例として、バルーンの遠位末端をバルーン自体を経由して遠位に移動させることによって、本質的に、バルーンのコーティングされた部分が処置部位に隣接するようにバルーンを処置部位に展開する(unrolling)ことによって、インデフレーターからの圧力、またはバルーンの反転から戻す別の形態のいずれかを使用して、バルーンはカテーテルから押し出されてもよい。バルーンがカテーテルの外で反転される特定の実施形態において、インデフレーターからの同様の移動及び/又は圧力が、バルーンの遠位末端を遠位へ移動させることができ、それによって、バルーンのコーティングされた側を処置部位の近くに展開する。いくつかの実施形態において、バルーンは部分的に反転状態から戻され、それによって、処置の長さが調節され得る。その後バルーンは、コーティングされた反管腔側の表面が、処置部位と接触する及び/又はそれを拡張させるように膨張され、その結果、コーティングまたはその一部を処置部位に送達する。
本明細書に記載されるデバイス、コーティング及び/又は方法はいずれも、トラッキング及び/又は血流が原因のコーティングの損失及び/又は処置部位でのデバイスの位置付け前の他の輸送中のコーティングの損失を減少させる及び/又は実質的に排除する方法でコーティングを送達する(即ち、デバイスを処置部位に送達する)ために、反転可能なタイプのバルーンと組み合わされてもよい。いくつかの実施形態において、コーティングの多くて1%が、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される。いくつかの実施形態において、コーティングの多くて3%が、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される。いくつかの実施形態において、コーティングの多くて5%が、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される。いくつかの実施形態において、コーティングの多くて10%が、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される。いくつかの実施形態において、コーティングの多くて15%が、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される。いくつかの実施形態において、コーティングの多くて20%が、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される。いくつかの実施形態において、コーティングの多くて25%が、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去されるいくつかの実施形態において、コーティングの多くて30%が、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される。
本明細書で使用されるように、実施形態に依存して、「膨張後」は、処置部位からのデバイスの取り外し後、合理的にできるだけ早いことを意味する。これは、処置部位からのデバイスの取り外しから約1分、約5分、処置部位からのデバイスの取り外しから1乃至15分以内、処置部位からのデバイスの取り外しから1乃至15分以内、処置部位からのデバイスの取り外しから1乃至20分以内、処置部位からのデバイスの取り外しから1分乃至1時間以内、処置部位からのデバイスの取り外しから1分乃至2時間以内、及び/又は処置部位からのデバイスの取り外しから1分乃至3時間以内、などのタイミングを含み得る。
実施例6:シース付きの(SHEATHED)コーティングされたバルーンからのラパマイシンの送達
本明細書には、バルーン、バルーンの反管腔側の側面上のコーティング、およびバルーンを覆うシースを含む、デバイスが提供され、ここで、コーティングは、活性薬剤および結合剤を含む。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも3%を動脈に放出する。幾つかの実施形態において、シースは引っ込められ得る。いくつかの実施形態において、シースは、処置部位にコーティングをさらすために引っ込められ得る。いくつかの実施形態において、シースは、バルーンが処置部位に達するまで、コーティングされたバルーンを覆う。いくつかの実施形態において、シースは、一旦コーティングされたバルーンが処置部位の近くに及び/又は処置部位に位置付けられると、引っ込められ得る。いくつかの実施形態において、シースは、バルーンが処置部位の近位に位置するまで、コーティングされたバルーンを覆う。いくつかの実施形態において、シースは、バルーンが処置部位の遠位に位置するまで、コーティングされたバルーンを覆う。いくつかの実施形態において、シースは、バルーンが処置部位内に(within to)位置するまで、コーティングされたバルーンを覆う。いくつかの実施形態において、シースは、コーティング(またはその一部)が動脈に放出された後に、バルーンの膨張に続き、バルーン上に移動されてもよく、カテーテルは、コーティングされたバルーンが被験体からの除去の間に覆われるように除去されてもよい。いくつかの実施形態において、シースは、コーティング(またはその一部)が動脈に放出された後に、バルーンの膨張に続き、引っ込められた状態のままでもよく、カテーテルは、コーティングされたバルーンが被験体からの除去の間に送達経路(delivery track)にさらされてもよい。
本明細書に記載されるデバイス、コーティング及び/又は方法はいずれも、トラッキング及び/又は血流が原因のコーティングの損失及び/又は処置部位でのデバイスの位置付け前の他の輸送中のコーティングの損失を減少させる及び/又は実質的に排除する方法でコーティングを送達する(即ち、デバイスを処置部位に送達する)ために、シースと組み合わされてもよい。いくつかの実施形態において、コーティングの多くて1%が、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される。いくつかの実施形態において、コーティングの多くて3%が、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される。いくつかの実施形態において、コーティングの多くて5%が、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される。いくつかの実施形態において、コーティングの多くて10%が、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される。いくつかの実施形態において、コーティングの多くて15%が、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される。いくつかの実施形態において、コーティングの多くて20%が、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される。いくつかの実施形態において、コーティングの多くて25%が、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される。いくつかの実施形態において、コーティングの多くて30%が、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される。
いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも5%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも7%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも10%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも15%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも20%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも25%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも30%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも40%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも50%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の2%から50%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%から50%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の5%から50%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%から30%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%から25%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%から20%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%から15%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の1%から15%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の1%から10%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%から10%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の1%から5%を動脈に放出する。
本明細書で使用されるように、実施形態に依存して、「膨張後」は、処置部位からのデバイスの取り外し後、合理的にできるだけ早いことを意味する。これは、処置部位からのデバイスの取り外しから約1分、約5分、処置部位からのデバイスの取り外しから1乃至15分以内、処置部位からのデバイスの取り外しから1乃至15分以内、処置部位からのデバイスの取り外しから1乃至20分以内、処置部位からのデバイスの取り外しから1分乃至1時間以内、処置部位からのデバイスの取り外しから1分乃至2時間以内、及び/又は処置部位からのデバイスの取り外しから1分乃至3時間以内、などのタイミングを含み得る。
実施例7:閉鎖栓を有するコーティングされたバルーンからのラパマイシンの送達
本明細書には、バルーン、バルーン上のコーティング、および閉鎖栓を含むデバイスが提供され、ここで、コーティングは、活性薬剤及び結合剤を含む。いくつかの実施形態において、閉鎖栓は、処置部位へのコーティングの曝露の間に処置部位で体液(例えば血液)の流れを塞ぐように構成されたフロー閉鎖栓である。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも3%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、閉鎖栓は、処置部位で血流を塞ぐ第2バルーンを含む。いくつかの実施形態において、バルーンは、閉鎖栓を含み、それによって、バルーンは、2つのセクション、フロー閉鎖栓およびコーティングされた部分を有し、ここでフロー閉鎖栓は、処置部位で血流を塞ぐ。いくつかの実施形態において、バルーンには、二重の結節点があり、ここで遠位結節点はコーティングされており、近位結節点は閉鎖栓である。いくつかの実施形態において、閉鎖栓は、上にコーティングを有する、バルーン、及び/又はその一部から近位に位置付けられる。いくつかの実施形態において、バルーンには、二重の結節点があり、ここで近位結節点はコーティングされ、遠位結節点は閉鎖栓である。いくつか実施形態において、閉鎖栓は、上にコーティングを有する、バルーン、及び/又はその一部から遠位に位置付けられる。いくつかの実施形態において、バルーンは、処置部位に適した形態をしており、そのため、バルーンの閉鎖栓部分は、処置部位で血流を塞ぐのに適した形態をしている。いくつかの実施形態において、閉鎖栓は、処置部位の近くの処置領域の形態に略一致しており、それによって、処置部位での血流が塞がれる。いくつかの実施形態において、バルーンは、部分的にコーティングされているだけであり、それによって、バルーンの遠位端と近位端のいずれか又は両方がコーティングされておらず、バルーンの遠位端及び/又は近位端は、閉鎖栓である。
本明細書には、第1バルーン、第1バルーン上のコーティング、および処置部位での第1バルーンの膨張の間に処置部位で血流を塞ぐことができる第2バルーンを含むデバイスが提供される。いくつかの実施形態において、閉鎖栓は、上にコーティングを有しているバルーンではない、第2バルーンである。いくつかの実施形態において、閉鎖栓は、上にコーティングを有する、バルーン、及び/又はその一部から近位に位置付けられる。いくつかの実施形態において、閉鎖栓は、上にコーティングを有する、バルーン、及び/又はその一部から遠位に位置付けられる。
本明細書には、第1バルーン、第1バルーン上のコーティング、および第1バルーンの膨張前に膨張するように構成された第2バルーンを含むデバイスが提供される。いくつかの実施形態において、閉鎖栓は、バルーンの部位の膨張前に処置部位で血流を塞ぐ。いくつかの実施形態において、閉鎖栓は、上にコーティングを有する、バルーン、及び/又はその一部から近位に位置付けられる。いくつか実施形態において、閉鎖栓は、上にコーティングを有する、バルーン、及び/又はその一部から遠位に位置付けられる。
いくつかの実施形態において、閉鎖栓は、バルーンではないが、処置部位で血流を塞ぐように構成されている閉鎖栓の別の形態である。いくつかの実施形態において、閉鎖栓は、展開可能および引っ込み可能であり、それによって、上にコーティングを有するバルーンの膨張前に展開され得、バルーンの膨張と薬剤の処置部位への送達後に、該閉鎖栓は、バルーンの除去とともに又は処置部位からのバルーンの除去後に、引っ込められ得るか又は除去され得る。
いくつかの実施形態において、閉鎖栓は、その上に、本明細書で言及されるような方法およびプロセスのいずれかに従って、本明細書の他の部分で記載されているような、第2薬剤及び/又はその上にコーティングされたポリマーを有する、第2コーティングを有する。いくつかの実施形態における第2コーティングは、結合剤を含む。いくつかの実施形態における第2コーティングは、結合剤を含まない。
いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも5%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも7%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも10%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも15%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも20%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも25%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも30%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも40%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の少なくとも50%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の2%から50%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%から50%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の5%から50%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%から30%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%から25%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%から20%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%から15%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の1%から15%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の1%から10%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の3%から10%を動脈に放出する。いくつかの実施形態において、デバイスは、インビボでのバルーンの膨張後に、活性薬剤の1%から5%を動脈に放出する。
実施例8:剪断混合によって及びそれなしで調製されたコーティング
実施例4に記載されるようなF15(製剤15)は、複数のロットで生産され、様々なラパマイシン:ポリアルギニンの比率を有する。しかしながら、ラパマイシン:ポリアルギニンの比率にかかわらず、F15の指標となるものは、それが、PLGA、すなわち約50:50の乳酸:グリコール酸、1.5μmの平均サイズを有しているシロリムス、および5−15kDaのポリアルギニンを含むことである。シロリムスは、結晶形態であった。以下のラパマイシン:ポリアルギニンの比率は、本実施例:1:1、5:1、10:1、および50:1のためにもたらされた。
いくつかのロット(一般にF15 ロット3 1:1、5:1、10:1、または50:1と呼ばれる)において、製剤の生成方法を図4に示した。これらのロットのための方法は、以下の通りであった:25mgのポリ−L−アルギニン塩酸塩(Aldrich P4663)(本明細書においてはポリアルギニンとも呼ばれる)(cas 26982−20−7,5−15kDa)を、100mLのボトル中の50mLの脱イオン水中で溶解し、250mgの封入されたラパマイシン(1.5ミクロンの粒径、結晶形態)を加えた(工程46)。2時間、音波処理した(Branson 1510のベンチトップの超音波洗浄器(Branson 1510 bench top ultrasonic cleaner))(工程48)。ピペットを用いて、十分懸濁した液体部分を懸濁されていない固体から手動で分離する(工程50)。〜50mLの懸濁液を30分間10、000rpmで遠心分離する(Thermo Electron Corp. IEC Multi RF Centrifuge)(工程52)。沈殿物を乾燥させずに上清をデカントで除去する(Decant)(工程54)。遠心分離工程52の後に一定量の懸濁されていない画分(unsupended fraction)64が生じる。ポリ−L−アルギニン塩酸塩濃縮の水性溶液を加え、望ましい封入されたシロリムス/ポリ−L−アルギニン塩酸塩の比率をもたらした(工程56)。振盪及び10分間の音波処理によって沈殿物を再懸濁した。懸濁液を凍結乾燥して、非凝集の封入されたラパマイシン/ポリアルギニン粉末固体の凍結乾燥物66を生成する(Flexi−Dry MP)(工程58)。本工程は、完了するまで2から3日を要した。この凍結乾燥物66を、粉末としてバルーンまたはPLGAコーティングされたバルーン上へとeSTATコーティングして(本明細書で記載されるような乾燥コーティング)(工程60)、PLGA、結晶形態であるラパマイシン、およびポリアルギニンを含むコーティングされたバルーン62を生成した。
比率を形成する工程に関して、比率を以下のようにもたらした:〜5mg/mLの固体であると推測される、95mLのマスターバッチ(4の音波処理した溶液の十分懸濁された部分)を、5つの部分に分けた。50:1の比率のシロリムスとポリアルギニンに関して、20mLの水を、第1の18mLの部分に加え、それを音波処理して、再懸濁および凍結乾燥し、50.3mgの固体の凍結乾燥物を生成した。10:1の比率のシロリムスとポリアルギニンに関して、9mgのポリアルギニンを、20mLの水中で溶解し、第2の18mLの部分に加え、それを音波処理して、再懸濁および凍結乾燥し、116.6mgの固体の凍結乾燥物を生成した。5:1の比率のシロリムスとポリアルギニンに関して、18mgのポリアルギニンを、20mLの水中で溶解し、第3の18mLの部分に加え、それを音波処理して、再懸濁および凍結乾燥し、127.4mgの固体の凍結乾燥物を生成した。1:1の比率のシロリムスとポリアルギニンに関して、90mgのポリアルギニンを、20mLの水中で溶解し、第4の18mLの部分に加え、それは音波処理して、再懸濁および凍結乾燥し、142.4mgの固体の凍結乾燥物を生成した。
いくつかのロット(一般にF15 ロット4 5:1または10:1と呼ばれる)において、5:1の比率のラパマイシンとポリアルギニンのロットを有するF15製剤および10:1の比率のラパマイシンとポリアルギニンのロットを有するF15製剤に対する生成方法は、以下の通りであった。25mg(10:1)または50mg(5:1)のポリアルギニン塩酸塩(Aldrich P46639)(cas 26982−20−7)(5−15kDa)(ポリアルギニンとも呼ばれる)を、20mLのバイアル中の25mLの脱イオン水中に溶解した。250mgのシロリムス(1.5ミクロンの粒径、結晶形態)を加えた。マイクロミキサーヘッドの付属品を使用して、実験室用ミキサー(Silverson L4RT)において10,000rpmで10分間混合して、懸濁液を形成した(この混合は、沈殿物をほとんど又は全く残さない)。この実験室用ミキサーは、機械的混合のためのインペラーを有する高剪断ミキサーである。ミキサーを25mLの純水とともに作動させて、残留物を回収した(洗浄水)。懸濁液を洗浄水と混ぜ合わせた。懸濁液を凍結乾燥して、非凝集のシロリムス/ポリアルギニンの粉末を生成し(Flexi−Dry MP)、これには完成するまで2−3日間を要した。この凍結乾燥物66を、粉末としてPLGAコーティングされたバルーン上へとeSTATコーティングして(本明細書で記載されるような乾燥コーティング)、PLGA、結晶形態であるラパマイシン、およびポリアルギニンを含むコーティングされたバルーンを生成した。
実際にコーティングされたバルーン中に見られるラパマイシンの量も決定され、これは、(本明細書中の他の部分で言及されるように提供された標的の比率とは対照的な)実測のラパマイシン:ポリアルギニンの比率を決定するために使用され得る。個々のバルーン上のシロリムスの量を測定するために、紫外・可視分光法(UV−Vis)を利用した。焼結後、コーティングされたバルーンは、バルーンに接続されたたままのワイヤーの〜1/4”だけを残してカテーテルワイヤーから切断される(スタイラス(stylus)は切断前に除去される)。バルーンを、4mLのエタノールまたはメタノールを含有している個々の5mLのシンチレーションバイアル中に入れた(シロリムスは、50mg/mLまでエタノール中で可溶性である)。3時間の音波処理によって、シロリムスをバルーンから除去する。音波処理後、UV−Visを実行する。シロリムスは、(3つの2重結合を含む)トリエンであるために、以下の3つの波長でのUV吸光度をもたらす:277nmで1つの主要なピークおよび267nmと288nmで2つのより小さなピーク。コーティングされていないGHOSTの迅速交換式のナイロンバルーンとPLGAもまた、エタノール中で3時間個々に音波処理され、シロリムス測定に対して干渉する抽出物は示されなかった。277nmでのコーティングされていないバルーンの吸光度から引かれたシロリムスの吸光度は、1つのコーティングされたバルーン当たりのシロリムスの量を計算するために、標準曲線と組み合わせて使用される。12のコーティングされたバルーンのバッチからの3の標準は、(μgで測定された)1つのバルーン当たりのシロリムスのバッチ平均を得るために、UV−Vis分析を受けた。UV−Vis分析は、コーティング中のポリマー(本実施例ではPLGA)の存在を決定する及び/又はその量を定量化するためにも使用され得る。ロット3および4両方のUV−Vis試験は、コーティングされたバルーン上のポリアルギニンおよびラパマイシン両方の存在を明らかにした。ロット3に関して、以下の実測の比率を決定した:ロット3 1:1(理想値)に対して、実測値は約1.3:1であり、ロット3 5:1(理想値)に対して、実測値は約7.1:1であり、ロット3 10:1(理想値)に対して、実測値は約14.3:1であり、ロット3 50:1(理想値)に対して、実測値は約43.1:1であった。同様に、ロット4 5:1(理想値)に対して、実測値は約6.1:1であった。
ラパマイシンがウサギの腸骨動脈に72時間保持されるかどうか、およびどれくらいのラパマイシンが保持されるかを評価するために、F15 ロット3のコーティングされたバルーンを、ウサギ研究の動物の動脈に送達した。以下のコーティングされたバルーン製剤は表18の通りであった。
本研究に対する研究設計を、表19に示した。
以下の結果を、表20、21、22に示すように決定した。ほとんどの保持時間はF15 ロット3の10:1の比率から得られた。シロリムスの血中濃度は3日目まで1ng/mL未満であった。
バルーン上にコーティングされたシロリムスの量を、以下の通りに示した:F15(1:1,ロット3)バルーン上にコーティングされたシロリムス=65.37±3.84;F15(5:1,ロット3)バルーン上にコーティングされたシロリムス=79.02±9.83;F15(10:1,ロット3)バルーン上にコーティングされたシロリムス=89.71±5.27;F15(50:1,ロット3)バルーン上にコーティングされたシロリムス=81.28±4.61。
ラパマイシンがウサギの腸骨動脈に72時間保持されるかどうか、およびどれくらいのラパマイシンが保持されるかを評価するために、F15 ロット4のコーティングされたバルーンを、ウサギ研究の動物の動脈に送達した。
本明細書には、バルーンを含む医療用デバイスの少なくとも一部をコーティングする方法が提供され、それによって、医療用デバイス上に、活性薬剤及び結合剤を含むバルーン上のコーティングを形成し、ここで該方法は、結合剤を溶解して、結合剤溶液を形成する工程、結合剤と活性薬剤を組み合わせる工程、組み合わせた結合剤と活性薬剤を高剪断ミキサーを使用して混合する工程、組み合わせた混合した結合剤と活性薬剤を含む懸濁液を形成する工程、懸濁液を凍結乾燥して、活性薬剤と結合剤の凍結乾燥物を形成する工程、およびeSTATプロセスを使用して粉末形態の凍結乾燥物でバルーンをコーティングする工程を含み、ここでバルーン上にコーティングされた活性薬剤は、結晶形態の活性薬剤を含む。
いくつかの実施形態において、高剪断ミキサーは、機械式ミキサーである。いくつかの実施形態において、機械式ミキサーは、インペラー、プロペラ、及び/又は高速のノコギリ歯の分散機(high speed saw tooth disperser)を含む。いくつかの実施形態において、機械式ミキサーは、高圧ポンプを含む。いくつかの実施形態において、高剪断ミキサーは、音波ミキサーを含む。いくつかの実施形態において、音波ミキサーは、音波処理器を含む。いくつかの実施形態において、音波ミキサーは、ベンチトップの音波洗浄機である。いくつかの実施形態において、音波ミキサーは、超音波ミキサーである。いくつかの実施形態において、音波ミキサーは、メガソニックミキサーである。
いくつかの実施例において、機械式ミキサーは、最大400m/sの速度で粒子を相互作用チャンバーに押し込む高圧ポンプ(最大40000psi(2578bar))を含む。相互作用チャンバーは、改変されたマイクロチャネルを有する。チャンバー内部で、生成物(product)は、一貫した衝撃力および剪断力にさらされ得、その後冷却され得る。
高剪断ミキサーは、1つの相または成分(液体、固体、気体)を主要な連続した相(液体)へと分散させ、これによってそれは通常、不混和性となる。いくつかの実施形態において、高剪断ミキサー、ローターまたはインペラーである機械式ミキサーは、固定子として知られる固定部品、または一連のローター及び固定子とともに、混合される溶液を含むタンク、または溶液が通過するパイプのいずれにおいて使用されて、剪断を作り出す。高剪断ミキサーは、エマルジョン、懸濁液、リオゾル(液体中に分散された気体)、および粒状物を作成するために使用され得る。
液体の1つの領域が、隣接した領域と比較して異なる速度で移動するときに、液体は剪断を受ける。高剪断ミキサーである機械式ミキサーのいくつかの実施形態において、高剪断ミキサーは、通常、電気モーターによって動力を与えられる、回転式インペラーまたは高速ローター、または一連のそのようなインペラーまたはインラインローターを使用して、液体を「働かせ(work)」、流れ及び剪断を作り出した。先端速度、またはローターの外側直径での液体の速度は、ローターの中心での速度よりも早くなり、剪断を作り出すのはこの速度の違いである。
固定部品は、ローターと併用して使用されてもよく、固定子と呼ばれる。固定子は、ローターとの間の接近した隙間(close−clearance gap)を作り出し、ローターを出ると、物質のための非常に高い剪断域を形成する。一緒に組み合わされたローターおよび固定子は、しばしば、混合ヘッド、またはジェネレーターと呼ばれる。大きなローター−固定子の高剪断ミキサーは、多くのジェネレーターを含み得る。
いくつかの実施形態において、機械式ミキサーは、バッチ式高剪断ミキサーを含む。バッチ式高剪断ミキサーにおいて、(不混和液または液体中の粉末であっても)混合される構成要素は、上部からタンクの底部の回動軸上のミキサーを含む混合タンクに供給される。バッチ式高剪断ミキサーは、同じ電力定格のインラインのローター−固定子のミキサーよりも略2倍速く、与えられた量の物質を処理することができ;容量でのより速い処理が主に必要とされ、空間が限定されない場合に、そのようなミキサーは使用され続ける。粘液を混合するときに、生成物のいくつは、タンクに残され得、洗浄を必要とする。しかしながら、運転上の作動の一部としてタンクを洗浄するバッチ式高剪断ミキサーの設計がある。幾つかのバッチ式高剪断ミキサーは、空になるまで運転する(run dry)ように設計されており、タンクにおいて必要とされる洗浄の量を制限している。
いくつかの実施形態において、機械式ミキサーは、インラインの高剪断のローター−固定子のミキサーを含む。概して言えば、このバージョンは、バッチ式高剪断ミキサーから同じローターおよび固定子を採用しており、それを入口と出口の接続部を備えるハウジングに導入する。その後、ローターは、軸封を介して駆動され、それ故結果として、遠心ポンプデバイスのように働くローター−固定子のミキサーがもたらされる。すなわち、インラインの高剪断のローター−固定子のミキサーにおいて、ローター−固定子のアレイは、一端に入口および他端に出口を備えるハウジングに含まれ、ローターは、シールを介して駆動される。混合される構成要素は、連続的な流れにおいてジェネレーターアレイを介して引き抜かれ、その全体が遠心ポンプデバイスとして作用する。インラインの高剪断のローター−固定子のミキサーは、制御された混合環境を提供し、空間をそれほど占有せず、連続するプリセスの一部として使用され得る。インラインの高剪断のローター−固定子のミキサーに生成物を2回以上通すことによって、平衡状態の混合が達成され得る。インラインのミキサーは、なだらかな流れに(in a flowing stream)位置し得るため、バッチ構成におけるよりも制御され得、そのため、高剪断域を通る数がモニタリングされ得る。
粉末の誘発のために装備されたインラインのローター−固定子のミキサーは、事実上任意のサイズの多数の混合容器を供給するための柔軟性、性能および可搬性を提供する。その簡単な操作性および利便性は、材料管理を単純化しながら、さらに機器の有用性を最大限にする。
真空ポンプおよびホッパーと一緒に使用されたときに、インラインの剪断ミキサーは、粉末を液体流に組み込む非常に効果的な方法となり得る。これらのシステムは、他には高剪断の粉末インダクター(powder inductors)として、メザニン上の重いかばん(heavy bags on mezzanines)の作用の代わりに、床レベル上の維持に利点を有する。高剪断の粉末誘発システムはまた、複数のタンクとの容易な互換性を提供する。
高剪断の造粒機は、インラインまたはバッチの高剪断ミキサーおよび流動層乾燥機から成る、プロセスアレイである。造粒プロセスにおいて、混合物の固形成分のみが必要とされる。流体は、処理を助けるものとしてのみ使用される。高剪断ミキサーは、固体材料を所望粒径に処理し、その後混合物が、流体が除去される乾燥床に送られて(pumped)、粒状物を残す。
極めて高い剪断のインラインミキサーにおいて、高剪断の混合が、単一または複数のローター−固定子のアレイの通過において生じる。ミキサーは、標準的なインラインのローター−固定子のミキサーより高い剪断および多数の剪断事象に生成物をさらすように設計されており、例外的に狭い粒径分布をもたらしている。極めて高い剪断の技術を使用して、サブマイクロメーターの粒径も可能である。これを達成するために、機械には、生成物がローターによって通される精密加工された穴またはスロットを備えた固定子が装備されている。ローター−固定子のアレイは、流れの運動が変更される(例えば、それを横向きに(sideways)固定子に通すことによって)機構も含み得、単流でのより多くの処理が可能となる。
高剪断ミキサーは、自然に混合しない成分の標準的な混合物を生成するために使用されてもよい。全流体が2つ以上の液体からなる場合、最終的な結果はエマルジョンであり;固体および液体からなる場合、それは懸濁液と称され、気体が液体全体にわたって分散される場合、結果はリオゾルである。各種類は、入力エネルギーの量に依存して、均質化されてもよいし、されなくてもよい。
標準的な混合を達成するために、平衡状態の混合の技術が使用されてもよい。標的の特徴が特定され、その結果、混合された生成物は、一度その特徴を獲得すると、その後著しく変わることはなく、それはどれだけの生成物が処理されようと関係ない。分散のために、これは平衡状態の粒径である。エマルジョンのために、それは平衡状態の液滴直径である。平衡状態の混合を達成するのに必要な混合の量は、タンク回転率(tank turnover)、すなわち、物質の量が高剪断域を通る回数で測定される。
幾つかの実施形態において、音波ミキサーは、音波処理器を含む。いくつかの実施形態において、音波ミキサーは、ベンチトップの音波洗浄機を含む。幾つかの実施形態において、音波ミキサーは、超音波ミキサーを含む。超音波ミキサーは、以下のいずれか1つ以上の超音波周波数を利用し得る:少なくとも約18kHz、少なくとも約20kHz、400kHz未満、500kHz未満、約18kHz乃至約400kHz、約20kHz乃至約500kHz、最大で約400kHz、および最大で約500kHz。幾つかの実施形態において、音波ミキサーは、メガソニックミキサーを含む。メガソニックミキサーは、以下のいずれか1つ以上のメガソニック周波数を利用し得る:少なくとも約500kHz、少なくとも約700kHz、少なくとも約800kHz、約5MHz未満、約4MHz未満、約500kHz乃至約5MHz、約700kHz乃至約4MHz、最大で5MHz、最大で4MHz、少なくとも約1MHz、およびMHz範囲での任意の周波数。
いくつかの実施形態において、活性薬剤の結合剤に対する比率は、標的比率として、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:20、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、15:1、20:1、3:2、2:3、5:2、5:3、2:5、または3:5である。いくつかの実施形態において、活性薬剤の結合剤に対する実測の比率は、理想の比率の±10%、理想の比率の±20%、理想の比率の±25%、または標的比率の±30%である。いくつかの実施形態において、実測の比率は、医療デバイスのUV−Vis試験に基づいて計算される。
いくつかの実施形態において、医療デバイスのバルーンがインビボで動脈に送達されるときに、活性薬剤の少なくとも3%は、動脈の組織に移される。いくつかの実施形態において、活性薬剤の少なくとも5%は、動脈の組織に移される。いくつかの実施形態において、活性薬剤の少なくとも10%は、動脈の組織に移される。
いくつかの実施形態において、結合剤は、以下の少なくとも1つを含む:ポリアルギニン、ポリアルギニン 9−L−pArg、DEAE−デキストラン(ジエチルアミノエチルセルロース−デキストラン)、DMAB(ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド)、PEI(ポリエチレンイミン)、TAB(テトラドデシルアンモニウムブロミド)、およびDMTAB(ジメチルジテトラデシルアンモニウムブロミド)。
いくつかの実施形態において、結合剤の平均分子量は調節される。いくつかの実施形態において、コーティングにおける活性薬剤のサイズは調節される。
いくつかの実施形態において、活性薬剤は、シロリムスであり、ここで、シロリムスは、以下の少なくとも1つの平均サイズを有している:約1.5μm、2.5μm、約645nm、約100−200nm、別の調節されたサイズ、またはそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態において、活性薬剤は、シロリムスであり、シロリムスの少なくとも75%は、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、または別の調節されたサイズである。いくつかの実施形態において、活性薬剤は、シロリムスであり、シロリムスの少なくとも50%は、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、または別の調節されたサイズである。いくつかの実施形態において、活性薬剤は、シロリムスであり、シロリムスの少なくとも90%は、1.5μm、2.5μm、645nm、100−200nm、または別の調節されたサイズである。幾つかの実施形態において、コーティングは、ナノ粒子を含み得、ナノ粒子は、活性薬剤およびポリマーを含み得る。
いくつかの実施形態において、コーティングは、約50:50の乳酸:グリコール酸を含むPLGAを含む。いくつかの実施形態において、コーティングは、10:1の比率の活性薬剤と結合剤を含み、ここで、活性薬剤はシロリムスを含み、結合剤はポリアルギニンを含む。いくつかの実施形態において、シロリムスは、1.5μmまたは2.5μmの平均サイズを有する。いくつかの実施形態において、ポリアルギニンの平均分子量は、70kDaである。幾つかの実施形態において、ポリアルギニンの平均分子量は、5−15kDaである。いくつかの実施形態において、活性薬剤および結合剤は、バルーン上での被着前に凍結乾燥される。いくつかの実施形態において、活性薬剤の少なくとも約2ng/mgの、活性薬剤の少なくとも約3ng/mgの、活性薬剤の少なくとも約5ng/mg、活性薬剤の少なくとも約10ng/mg、活性薬剤の少なくとも約20ng/mg、活性薬剤の少なくとも約30ng/mg、及び/又は活性薬剤の少なくとも約40ng/mgは、動脈でのバルーンの膨張の72時間後に動脈組織で見られる。
いくつかの実施形態において、インビボでの測定は、約1分間豚の動脈の内部のバルーンを膨張させることを含み、動脈に移された活性薬剤の量は、動脈でのバルーンの膨張の5分後に測定されるようなバルーン上に残るコーティングのUV−Vis評価によって測定される。いくつかの実施形態において、インビボでの測定は、約1分間ウサギの動脈の内部のバルーンを膨張させることを含み、動脈へ移された活性薬剤の量は、動脈でのバルーンの膨張の5分後に測定されるようなバルーン上に残るコーティングのUV−Vis評価によって測定される。
いくつかの実施形態において、医療デバイスは、以下の少なくとも1つを放出する:
インビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の少なくとも5%、バルーンインビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の少なくとも7%、バルーンインビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の少なくとも10%、バルーンインビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の少なくとも15%、バルーンインビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の少なくとも20%、バルーンインビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の少なくとも25%、バルーンインビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の少なくとも25%、バルーンインビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の少なくとも30%、バルーンインビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の少なくとも40%、バルーンインビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の少なくとも50%、インビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の2%から50%、インビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の3%から50%、インビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の5%から50%、インビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の3%から30%、インビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の3%から25%、インビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の3%から20%、インビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の3%から15%、インビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の1%から15%、インビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の1%から10%、インビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の3%から10%、およびインビボでのバルーンの膨張後の動脈に対する活性薬剤の1%から5%。
いくつかの実施形態において、以下のいずれか1つである:コーティングの多くて1%は、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される、コーティングの多くて5%は、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される、コーティングの多くて10%は、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される、コーティングの多くて15%は、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される、コーティングの多くて20%は、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される、コーティングの多くて25%は、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される、およびコーティングの多くて30%は、コーティングされたバルーンの処置部位へのトラッキングが原因で、バルーンから除去される。
本明細書には、本明細書で提供される方法のいずれかに従って製造された、および本明細書に記載されるような特徴を有するデバイスが提供される。
実施例9:コーティングされたシロリムスのバルーン動物(ラビット)研究
製剤3、19、20、21、22、23をバルーン上でコーティングし、バルーンをウサギの腸骨動脈において膨張させ、動脈を、膨張の5分後、72時間後、および14日後に研究した。コーティングされた製剤3、19、20、21、22、または23を有する、薬物コーティングしたバルーンからのシロリムスが、最大72時間まで及び14日までのウサギの腸骨動脈において保持されるかどうかを評価することが、目的であった。製剤、コーティング組成物、(マイクログラムでの)1つのバルーン当たりのコーティングされたシロリムスの量、サンプルサイズ(n)、およびバルーン上のコーティングの外観を、表23に示す。研究の概要を表24に示す。
研究の結果として、製剤3および20が3日目に動脈において最も保持されたことがわかった。残りの製剤は、高レベルの動脈保持を提供しなかった。5分の保持の結果は、F19(PLGAなし)が、F3(PLGA有り)と比較して、〜2倍以上保持されたことを示した。3日の保持の結果は、F3およびF20が、同じレベルの保持内にあったことを示した(〜4ng/mg)すべての製剤において保持の変動があった。全血において、結果は、シロリムスの血中濃度が3日目まで1ng/ml未満であったことを示した。バルーンから放出された薬物の結果は、70%乃至97%のシロリムスが、製剤に依存して放出されたことを示した。
ng/mgでの濃度として、またはマイクログラムでの1つの動脈当たりの合計のシロリムスとしての、動脈内のシロリムス保持を、表25に示す。ng/mLでの全血中のシロリムス濃度、およびマイクログラムでの血中のシロリムス推定総量を、表26に示す。全血シロリムスの検出のための定量限界は、0.1ng/mLであった。(展開後にバルーン上で試験された)バルーンのシロリムスレベル、および放出された又は失われたシロリムスの計算されたパーセントを、表27に提供する。放出された又は失われたシロリムスのパーセントの計算は、それぞれ、各製剤に対するバルーン上のシロリムスのバッチ平均に基づいた。
評価の変動および一般にシロリムスサイズ(例えば、1.5ミクロンの平均サイズを有するシロリムスに対して2.5ミクロンの平均サイズを有するシロリムス)の効果に対して、製剤3の複数のロットを生成した。結果を、表28、表29、および表30に示す。表28における濃度を、0.025グラムの標準化された動脈重量を使用して標準化した。表29に対する放出された又は失われたシロリムスのパーセントの計算は、それぞれ、各製剤に対するバルーン上のシロリムスのバッチ平均に基づいた。全血シロリムスの検出のための定量限界は、0.1ng/mLであった(表30に対して)。
実施例10:噴霧乾燥を介するPLGAでのラパマイシンのコーティング
本実施例では、ラパマイシンは、噴霧乾燥法を介してPLGAでコーティングされる。75(w/w)%のPLGAと25(w/w)%のラパマイシンの混合物を、THF中に溶解して、溶液を形成する。アセトニトリルなどの他の極性の非プロトン性溶媒、または極性の非プロトン性溶媒の混合物も、溶液を形成するために使用され得る。溶液を、噴霧ノズルから放出し、溶媒を、乾燥チャンバーにおいて蒸発させて、PLGA封入のラパマイシン粒子を形成し、これを、乾燥チャンバーからの連続放電を介して回収し、熱劣化を最小限にする。別の例では、ラパマイシンのスラリー、PLGA、および水を、噴霧乾燥し、PLGA封入のラパマイシン粒子を形成する。
ラパマイシンの粒径は、噴霧のパラメーター(例えば、圧力、温度)およびノズル配置(例えば、サイズ、スワールチャンバー、回転盤)の調整により調節され得る。本実施例では、噴霧のパラメーターおよびノズル配置を、5乃至150nm、およびより好ましくは10乃至100nmの平均粒径を有するラパマイシン粒子を生成するように調整する。他の例では、噴霧のパラメーターおよびノズル配置を、1乃至10ミクロン、およびより好ましくは1乃至5ミクロンの平均粒径を有するラパマイシン粒子を生成するように調整する。
実施例11:流動層コーティングを介するPLGAでのラパマイシンのコーティング
本実施例では、ラパマイシン粒子(好ましくは、結晶化される(例えば、25%乃至95%の結晶度))を、空気の層(bed of air)上で微粉化および懸濁し、ここで、PLGA溶液(例えば、THF中に10−50wt%)を、懸濁されたラパマイシン粒子上で噴霧する。他の極性の非プロトン性溶媒を使用してもよい。その後、粒子を、乾燥チャンバーに移動させ、ここで、溶媒を蒸発させて、PLGA封入のラパマイシン粒子を形成する。必要であれば、封入された粒子を、再懸濁し、PLGA溶液で噴霧し、およびPLGA封入のラパマイシン粒子のコーティング厚さが所望レベル、例えば、2乃至20ミクロンまたは約10ミクロンまで乾燥する。
実施例12:パンコーティングを介するPLGAでのラパマイシンのコーティング
本実施例では、PLGAペレットなどのPLGAの粒子を、回転容器においてラパマイシン粒子に加え、PLGA封入のラパマイシン粒子を形成する。例えば、PLGAは、ボールミル、ジェットミルまたは低湿粉砕などを介して、適切な粒径(例えば約30ミクロン)に粉砕されてもよい。封入されたラパマイシンの粒径およびPLGA層の厚さは、PLGAペレットの供給率(feeding rate)によって調整され得る。本実施例では、PLGAペレットを、毎分100乃至1000μg、好ましくは毎分300乃至500μgの割合で、回転容器に供給される。
実施例10、11、および12は、PLGA中のラパマイシンの封入のための機械的または物理的な方法を提供しているが、本開示の範囲を限定するように解釈されるべきではない。コア−シェルエマルジョン調製の複合コアセルベーションまたはインサイツでの重合などの、封入の化学的方法も、封入されたラパマイシンを形成するために使用され得る。
本明細書の記載の多くは、記載の容易性および簡潔さのために、バルーン、および動脈または血管である処置部位を参照している。しかしながら、本明細書に記載される、方法、記載、デバイスおよびコーティングは、代替的なデバイスおよび処置の場所に適用される。
特に他に明記のない限り、本記載における用語「約」の使用は、特定の実施形態に依存して、0.1%、0.5% 1% 2%、3%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、及び/又は50%の変動を意味し得る。記載されている要素がパーセントとしてそれ自体が表わされる場合、変動は、パーセントのパーセントであるとは意味されず、むしろ、それらは絶対的なパーセントとしての変動である、即ち、「約5%」として表わされる要素は、実際に、実施形態に依存して、5%±1%、または4%乃至6%であってもよい。当業者にとって合理的であろう変動のみが、本明細書で熟考される。例えば、要素自体がわずかなパーセントとして表わされる、および要素が0を下回るのが合理的でないと当業者が理解する場合、熟考される変動は、0を下回らない(すなわち、約5%は、5%±5%または0−10%を意味し得るが、5%±10%または−5%乃至15%を意味せず、これは、記載されている要素に対して当業者にとって合理的でない)。
前述は、本発明の例証であり、それを限定するものとして解釈されるべきではない。本発明の実施形態は、本明細書に示され記載されている一方で、このような実施形態が、ほんの一例として提供されることは当業者に明白であろう。多数の変更、変化、および置換は、本発明から逸脱することなく、当業者によって想到される。本明細書に記載される本発明の実施形態に対する様々な代案が、本発明の実施において利用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲及びそれらの同等物の範囲内の方法および構成がそれによって包含されることが、意図される。
実施例13:遠心分離機による単一のエマルジョン/蒸発を介するPLGAでのラパマイシンのコーティング
本実施例では、ラパマイシンを、遠心分離機を使用して、単一のエマルジョン/蒸発の技術を介してPLGAでコーティングして、エマルジョンをろ過する。200mgのポリ(乳酸−co−グリコール)酸(RG504H 0 粘性0.45−0.6)を、4mlのジクロロメタン(オイル相)中に溶解した。ジメチルスルホキシド(10mg/ml)中のラパマイシンの100μlの保存溶液を、オイル相中に溶解し、その後、ホモジナイザーを使用して、2%のPVA(MW〜25,000、98%加水分解された)溶液中で1分間,10100rpmで均質化した。このエマルジョンを、1%のPVA溶液、90mlに直ちに注ぎ、ジクロロメタンを蒸発させた。3時間後、粒子を、遠心分離にかけ(1500g、10分、4℃)、脱イオン水中で4回洗浄した。その後、微小粒子を、5mlの脱イオン水中で再懸濁し、ドライアイス上で冷凍して、凍結乾燥した。2mg/mlのAlexa Fluor 647 カルボン酸100μl、スクシンイミジルエステルを、ラパマイシンと共にオイル相に加えることによって、および上記と同じプロトコルに従って、蛍光標識したラパマイシン微小粒子を調製した。
実施例14:濾紙を用いた単一のエマルジョン/蒸発を介するPLGAでのラパマイシンのコーティング
本実施例では、ラパマイシンを、エマルジョンをろ過するための濾紙を使用した単一のエマルジョン/蒸発の技術を介してPLGAでコーティングする。5乃至10グラムのPVA(Polyscience Inc、MW〜25,000、98%加水分解された)を、温めたHPLCグレードの水中に溶解し、1%および2%のPVA溶液を生成する。およそ400mgの50:50のポリ DL−ラクチド−コ−グリコリド(エステル末端、IV 0.55−0.75、Durect Corporation, Pelham, AL)を、50mlの遠心分離管に加え、8mlのジクロロメタン(オイル相)中に溶解した。およそ10mgのラパマイシンを、1mLのジメチルスルホキシドに加え、白色粒子が目に見えなくなるまでかき混ぜた。200μlの保存ラパマイシン溶液を、オイル相に加えた。その後、この溶液を、2%のPVA、〜100mlに注ぎ、〜17,500rpmで1分間均質化した。その後、エマルジョンを、1%のPVA、180mlに注ぎ、一晩蓋をせずに、ジクロロメタンを蒸発させた。フリット漏斗を、溶液をろ過する前に、2つのサイズの3枚のワットマン濾紙(HPLCグレードの水で予め湿らせられた)で覆った。溶液を、濾紙に通して注ぎ、濾紙上に粒子を残した。濾紙を10mlの水に沈めることによって、粒子を再懸濁した。液体を、ドライアイス上で冷凍された100mlの丸底フラスコに移し、その後、凍結乾燥させた。
図5を参照すると、本実施例で調製された封入された微小粒子を、Hitachi Model S−470 0走査電子顕微鏡(SEM)を使用して、サイズおよび形状に関して検査した。SEM画像は、本実施例で調製された封入されたラパマイシン粒子が、一般に滑らかで球状であることを示す。例えば、粒子の少なくとも50%、60%、70%、80%、または90%は、一般に球形である。図5はまた、約0.5μm乃至約10μmの一般的な粒径範囲を示す。例えば、粒子の少なくとも50%、60%、70%、80%、または90%は、約0.5μm乃至約10μmの粒径範囲を有している。本実施例で調製された粒子は、約0.5μm乃至約10μm、約1μm乃至約10μm、約1μm乃至約8μm、約1μm乃至約7μm、約1μm乃至約6μm、約1μm乃至約5μm、または約2μm乃至約4μmの平均粒径を有している。微小粒子内部のラパマイシンの存在を、UV−VIS分光法(Perkin−Elmer Lambda 25 UV−Vis Spectrophotometer)によって確認した。
実施例15:結晶ラパマイシンの封入
5乃至10gのPVA(MW〜25,000、98%加水分解された)を、温めたHPLCグレードの水中に溶解し、1%および2%のPVA溶液を生成した。およそ200mgの50:50のポリ DL−ラクチド−コ−グリコリド(エステル末端、IV 0.55−0.75)を、50mlの遠心分離管に加え、4mlのジクロロメタン(オイル相)中に溶解した。1%のPVA、およそ50mlを、オイル相に加え、〜17,500rpmで2分間均質化した。エマルジョンを、一晩蓋をせずに、ジクロロメタンを蒸発させた。およそ1mgのラパマイシンを、〜17,500rpmで2分間、2%のPVA、20ml中で均質化した。その後、ラパマイシン混合物を、ポリマーエマルジョンに加え、〜17,500rpmで2分間均質化した。フリット漏斗を、溶液をろ過する前に、2つのサイズの3枚のワットマン濾紙(HPLCグレードの水で予め湿らせられた)で覆った。溶液を、濾紙に通して注ぎ、濾紙上に粒子を残した。濾紙を10mlの水に沈めることによって、粒子を再懸濁した。液体を、ドライアイス上で冷凍された100mlの丸底フラスコに移し、その後、凍結乾燥させた。
図6を参照すると、本実施例で調製された粒子を、Hitachi Model S−4700 走査電子顕微鏡(SEM)を使用して、サイズおよび形状に関して検査した。SEM画像は、本実施例で調製された封入されたラパマイシン粒子が、一般に滑らかで球状であることを示す。例えば、粒子の少なくとも50%、60%、70%、80%、または90%は、一般に球形である。図6はまた、約1μm乃至約50μmの一般的な粒径範囲を示す。例えば、粒子の少なくとも50%、60%、70%、80%、または90%は、約1μm乃至約50μmの粒径範囲を有している。本実施例で調製された粒子は、約1μm乃至約50μm、約1μm乃至約40μm、約5μm乃至約40μm、約5μm乃至約35μm、約5μm乃至約30μm、約10μm乃至約30μm、または約10μm乃至約20μmの平均粒径を有している。微小粒子内部のラパマイシンの存在を、UV−VIS分光法(Perkin−Elmer Lambda 25 UV−Vis Spectrophotometer)によって確認した。
実施例16:封入された微小粒子の特徴
Beckman Coulter Counter上で容量のインピーダンス測定を使用して、封入された微小粒子の大きさおよび数を計算する。平均粒径を、少なくとも10,000の粒子を数えることによって測定した。微小粒子表面の形態および形状を、走査電子顕微鏡を使用して検査した。微小粒子の表面電荷を、ゼータポテンシャル測定によって測定した。
粒子のSEM画像は、滑らかな表面形態を示し、容量のインピーダンス測定から得た粒径を確認する。SEM画像で観察された粒径分布は、本明細書に記載される微小粒子の封入プロセスの特徴である。
実施例17:封入効率の特徴
5mgの封入されたラパマイシン微小粒子を、1mlのアセトニトリル(HPLCグレード)中に溶解し、5分間超音波処理し、および30分間一定の渦(vortex)下にさらした。その後、UVを備えたプレートリーダーを使用して、278nmでの溶液の吸光度を測定することによって、ラパマイシンの量を測定した。封入効率を、最初に加えたラパマイシンの量に対する粒子内に存在するラパマイシンの比率として計算した。