JP2015533289A - 細菌改変 - Google Patents

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Abstract

選択された増殖条件下で改善された生存及び/又は増殖を示す突然変異体細菌を製造する方法であって、a)活性化トランスポゾン(TnA)を用いるトランスポゾン突然変異誘発によって突然変異体細菌のプールを作製するステップであり、TnAが、挿入部位の、又はその付近の遺伝子の転写を増大できるプロモーターを含む、ステップと、(b)選択された増殖条件下及び1種又は複数の参照条件下で突然変異体プールから細菌を増殖させて、2種以上の試験培養物を生成するステップと、(c)試験培養物間のTnA挿入の分布を比較して、選択された増殖条件下での増殖及び/又は生存にとって不利である第1のクラスの遺伝子及び選択された増殖条件下での増殖及び/又は生存にとって有利である第2のクラスの遺伝子を同定するステップとを含む方法が記載される。【選択図】 図1

Description

本発明は、タンパク質の製造、二次代謝産物及びバイオ燃料、生体触媒、バイオレメディエーション、生体内変換、生分解、生物的防御、薬物開発、薬物スクリーニング、ワクチン、プロバイオティクス、バイオセンサー及び薬物送達担体を含めた生物工学的適用において使用するために細菌細胞を改変するための方法に関する。
細菌は、異種タンパク質及びペプチド(酵素及び治療抗体を含む)の製造のための宿主として、二次代謝産物又はその誘導体の供給源として、生物的防御、生分解、バイオ燃料製造、生体触媒及びバイオレメディエーションのための物質として及びプロバイオティクス、ワクチン成分及び薬物送達システムとしての使用を含め、生物工学の多数の側面に適用される。
天然に存在する細菌株は、生物工学的使用のために最適化されていない。合成生物学の新興分野の目的の1つは、生物工学的ツールとしてより扱いやすい及び/又はより効率的である新規生物の改変である。
1つのアプローチは、「グラウンド−アップ(ground−up)」アプローチと呼ばれ得る(すなわち、例えば、国際公開第2008/024129号パンフレット参照)。これは、増殖に必須な遺伝子のみを含有する最小化された人工細菌DNAゲノムの合成を含む。次いで、これは、所望の生合成経路、シグナル伝達経路又は触媒機能が、必要に応じて付加され得る裸の「シャーシ」を作製するために使用される。遺伝子産物及び調節エレメントは、現在不完全に理解されており、したがって、形式的にモジュール式として取り扱われ得る方法で全細胞との関連で協力し、クロストークするので、このアプローチは、現在実現困難である。
別のアプローチは、「ストリップダウン(strip down)」アプローチと呼ばれる。これは、ストレプトマイセス属種(Streptomyces spp)における有用な二次代謝産物の製造において現在適用されている。これでは、増殖に必須ではない遺伝子及びその他の遺伝物質は除去され(「ストリップドアウト(stripped out)」)、選択された生合成経路が個々に再導入される。例えば、Komatsuら(2010年)PNAS第107巻(6号):2646〜2651頁には、産業微生物ストレプトマイセス・エバミティリス(Streptomyces avermitilis)のゲノムからの非必須遺伝子の体系的欠失を含む、二次代謝産物生合成をコードする遺伝子の異種発現のための改変された細菌の構築が記載されている。
「ストリップダウン(strip down)」アプローチは、選択的な条件下で生存及び/又は増殖にとって不必要な(そのため代謝的にコストのかかる、したがって、不利である)遺伝子を同定する方法を必要とする。
さらに、アプローチは、提案される生物工学的適用にとって有利である遺伝子を同様に同定する相補的に機能的なゲノム解析から恩恵を受ける。後者の場合には、次いで、生物工学的適用(すなわち、有利な遺伝子)に直接的又は間接的に貢献する遺伝子の有益な効果を増幅しながら、非必須(不利な)遺伝子から生じる代謝負担を最小化するための「ストリップダウン(strip down)/レブ−アップ(rev−up)」アプローチが使用され得る。
トランスポゾン指向性挿入部位配列決定(TraDIS−Langridgeら(2009年)Genome Research 19:2308〜2316頁参照のこと)が、(a)必須遺伝子;(b)増殖に有利である(しかし、必須ではない)遺伝子;(c)特定の条件下での増殖に不利である遺伝子;(d)特定の条件に対する耐性の付与に関与している遺伝子(「生態学的地位特異的な」必須遺伝子)を同定するために最近記載され、使用されている。同様の技術が、例えば、Gawronskiら(2009年)PNAS 106:16422〜16427頁;Goodmanら(2009年)Cell Host Microbe 6:279〜289頁;van Opijnenら(2009年)Nat.Methods 6:767〜772頁及びGallagherら(2011年)mBio 2(1):e00315〜10に記載されており、このような技術は本明細書においてまとめて「Tn−seq」法と呼ばれる。
本発明者らは、ここで、TraDISは、細菌生物工学の目的上、不利及び有利な遺伝子の両方を明白に同定する問題に対する極めて明解な解決法をとなるように構成され得ることを発見した。これは、活性化トランスポゾン(Tn)の使用によって達成される。これらのトランスポゾンは、適した挿入部位の細菌DNAへのトランスポゾン挿入が、挿入部位の、又はその付近の遺伝子の転写を増大するようにプロモーターを含む。したがって、Tnを用いる突然変異誘発は、挿入によって不活化された突然変異体(Tnが、通常、コーディング領域への挿入後に遺伝子発現を破壊した)並びに挿入によって活性化された突然変異体(通常、プロモーターが遺伝子の高レベルの転写を駆動する(結果として、高レベルの発現をもたらす)ように、トランスポゾンが遺伝子の上流に挿入された)をもたらす。
本発明に従って、選択された増殖条件下で改善された生存及び/又は増殖を示す突然変異体細菌を製造する方法であって、
a)活性化トランスポゾン(Tn)を用いるトランスポゾン突然変異誘発によって突然変異体細菌のプールを作製ステップであり、Tnが、挿入部位の、又はその付近の遺伝子の転写を増大できるプロモーターを含む、ステップと、
b)選択された増殖条件下及び1種又は複数の参照条件下で突然変異体プールから細菌を増殖させて、2種以上の試験培養物を生成するステップと、
c)試験培養物間のTn挿入の分布を比較して、選択された増殖条件下での増殖及び/又は生存にとって不利である第1のクラスの遺伝子及び選択された増殖条件下での増殖及び/又は生存にとって有利である第2のクラスの遺伝子を同定するステップと
を含む方法が提供される。
通常、第1のクラスの(不利な)遺伝子と関連するTn挿入は、コーディング領域において起こる(その結果、遺伝子が、Tnによって挿入によって不活化される)か、又はコード配列の相補的DNA鎖では、コーディング領域の外側で起こる(アンチセンスRNAの生成又はプロモーター活性破壊のいずれかを引き起こす)のに対し、第2の(有利な)クラスの遺伝子と関連するTn挿入は、Tnのプロモーターが、遺伝子の増大した転写(そして発現)を駆動する配向でコーディング領域の上流で起こる。
方法は、前記の不利な遺伝子のうち少なくとも1種が除去若しくは破壊され、及び/又は前記の有利な遺伝子のうち少なくとも1種が過剰発現され、その結果、選択された増殖条件下で改善された生存及び/又は増殖を示す、改変された突然変異体細菌を得るステップをさらに含み得る。このような実施形態では、複数の有利な遺伝子が過剰発現されながら、複数の前記の不利な遺伝子が除去又は破壊され得る。
このようにして、選択された増殖条件に(そして、提案される生物工学的使用に)かなり良好に適応している突然変異体細菌が改変又は選択され得る。
このような実施形態では、方法は、改変された突然変異体細菌を単離するステップ及び培養するステップ、次いで、それをさらに1回の突然変異誘発に付すステップをさらに含み得、培養及び比較(上記のステップ(a)〜(c)において定義されるような)は、任意選択で、前記さらなる不利な遺伝子のうち少なくとも1種が除去若しくは破壊され、及び/又は前記さらなる有利な遺伝子のうち少なくとも1種が過剰発現され、その結果、1回目の突然変異誘発の後に生成された改変された突然変異体細菌と比較して選択された増殖条件下でさらなる改善された生存及び/又は増殖を示す、2回目の改変された突然変異体細菌を得るステップをさらに含み得る。
したがって、本発明の方法は、反復することが好ましく、さらなる回数の突然変異誘発及びステップ(a)〜(c)(上記で定義されるような)の反復適用を実施して、前回の改変された突然変異体細菌と比較して前記環境課題の存在下でなおさらに改善された生存及び/又は増殖を示す、3回目、4回目、5回目(又はそれ以上)の突然変異体細菌を得ることを含み得る。
このような実施形態では、各回の間に適用される選択された増殖条件は、同一である場合も異なっている場合もある。
本発明の他の態様及び好ましい実施形態は、以下に示される他の特許請求の範囲において定義され、記載される。
図1は、プラスミドpAMICS1−Cm−PrrnBの遺伝地図である。 図2は、挿入点及びアクチベータートランスポゾン挿入の頻度を示す大腸菌ST131の全ゲノム配列を示す。 図3は、phn及びuhpTの挿入マップを示し:大腸菌ST131の特定のゲノム領域が、uhpT(パネルA)及びphnオペロン(パネルB)の遺伝子挿入点及びアクチベータートランスポゾン挿入の頻度と一緒に示されている。 図4に示されるように、化学合成独立栄養及び光合成代謝様式下の両方できれいな及び汚れたグリセロールの両方において改善された増殖を示すR.パルストリス突然変異体が作製された。
すべての刊行物、特許、特許出願及び本明細書に記載される他の参考文献は、個々の刊行物、特許又は特許出願が各々、参照により組み込まれると具体的に及び個々に示され、それらの内容が完全に列挙されているのと同様に、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
定義及び一般的な優先傾向
本明細書において使用される場合は、具体的に別に示されない限り、以下の用語は、その用語が当技術分野で有し得る任意のより広い(又はより狭い)意味に加えて、以下の意味を有するものとする:
文脈によって別に必要とされない限り、本明細書における単数形の使用は、複数形を含むと解するべきであり、逆も同様である。実体に関連して使用される用語「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、1つ又は複数のその実体を指すと読まれなければならない。そのようなものとして、用語「1つの(a)」(又は「1つの(an)」)、「1つ又は複数の」及び「少なくとも1つの」は、本明細書において同義的に使用される。
本明細書において、用語「含む(comprise)」又は「含む(comprises)」又は「含んでいる(comprising)」などのその変形は、任意の列挙される整数(例えば、特長、要素、特徴、特性、方法/プロセスステップ又は制限)又は整数(例えば、特長、要素、特徴、特性、方法/プロセスステップ又は制限)の群を含むが、任意の他の整数又は整数の群を排除しないことを示すと読まれなければならない。したがって、本明細書において、用語「含んでいる(comprising)」は、包括的なもの又は制限のないものであり、さらなる、列挙されていない整数又は方法/プロセスステップを排除しない。
用語遺伝子は、染色体又はプラスミド上の特定の位置を占めるDNAの配列からなる遺伝性単位を説明する用語であり、生物において特定の特徴又は特徴の群を決定する。遺伝子は、タンパク質又はタンパク質の一部を形成する(構造遺伝子)ポリペプチド鎖を特定することによってか、又はRNA分子をコードするか、又は他の遺伝子の作動に影響を与えるか、若しくは、多少なりとも、調節するか若しくはこのような作動を抑制するか(例えば、シスで作用することによって)、又はまだ定義されていない機序のような何らかの他のものによって表現型に影響を及ぼす構造実体を形成する核酸を特定することによって生物の特徴を決定し得る。
用語ゲノムDNAとは、染色体外で維持されるプラスミドDNAと異なるものとして染色体DNAを定義するために本明細書において使用される専門用語である。
用語ゲノムは、生物の全遺伝的相補体を定義するために本明細書において使用される用語であり、そのため、染色体、プラスミド、プロファージ及びその他のDNA又はRNA作用遺伝物質を含む。
用語グラム陽性細菌とは、特定の細胞壁染色特徴に基づいて一緒にグループ分けされる特定のクラスの細菌を定義する専門用語である。
用語低G+Cグラム陽性細菌とは、DNA中の塩基の組成に基づいてグラム陽性内の進化的に関連する細菌の特定のサブクラスのクラスを定義する専門用語である。このサブクラスは、連鎖球菌属種(Streptococcus spp.)、ブドウ球菌属種(Staphylococcus spp.)、リステリア属種(Listeria spp.)、バチルス属種(Bacillus spp.)、クロストリジウム属種(Clostridium spp.)、腸球菌属種(Enterococcus spp.)及びラクトバチルス属種(Lactobacillus spp.)を含む)。
用語高G+Cグラム陽性細菌とは、DNA中の塩基の組成に基づいてグラム陽性内の進化的に関連する細菌の特定のサブクラスのクラスを定義する専門用語である。このサブクラスは、アクチノミセス属種(Actinomyces spp.)、アルスロバクター属種(Arthrobacter spp.)、コリネバクテリウム属種(Corynebacterium spp.)、フランキア属種(Frankia spp.)、ミクロコッカス属種(Micrococcus spp.)、ミクロモノスポラ属種(Micromonospora spp.)、マイコバクテリア属種(Mycobacterium spp.)、ノカルジア属種(Nocardia spp.)、プロピオニバクテリウム属種(Propionibacterium spp.)及びストレプトマイセス属種(Streptomyces spp.)を含めた放線菌(放線細菌(actinobcteria))を含む。
用語グラム陰性細菌とは、特定の細胞壁染色特徴に基づいて一緒にグループ分けされる特定のクラスの細菌を定義する専門用語である。グラム陰性細菌属の例として、クレブシエラ属(Klebsiella)、アシネトバクター属(Acinetobacter)、エシェリキア属(Escherichia)、シュードモナス属(Pseudomonas)、エンテロバクター属(Enterobacter)及びナイセリア属(Neisseria)が挙げられる。
増殖条件の選択
本発明の方法は、選択された増殖条件下で改善された生存及び/又は増殖を示す突然変異体細菌の改変を可能とし、1種又は複数の参照条件と比較して、選択された増殖条件下でのTn挿入の分布及び/又は頻度の相違を検出するステップを含む。
増殖条件は、最終的に製造された改変された細菌の所望の生物工学的適用に従って選択される:選択された増殖条件及び参照増殖条件間の相違が、Tn挿入突然変異体の最初のプールに由来する試験培養物における回復可能なTn挿入突然変異体の分布の移動をもたらすならば、どんな条件でも適している。
特定の実施形態では、選択された増殖条件は、参照条件(複数可)には存在しない(又は異なる、例えば、より低い又はより高い濃度で存在する)1種又は複数の選択物質の存在を特徴とする。これに関連して、用語「選択物質」は、本発明の方法において使用された場合にゲノムTn挿入の分布及び/又は頻度の変化を引き起こす任意の物質(又は物質の組合せ)を対象とする広い意味で使用される。
したがって、このような物質として、制限するものではないが、環境汚染物質、毒素、抗生物質、炭素供給源、窒素供給源、エネルギー供給源、その他の微生物(例えば、酵母、ウイルス、細菌及び/又は植物)、pH、圧力、温度、塩濃度、駆除剤、放射性物質、炭化水素、石油残留物、産業廃棄物、医療廃棄物、廃水残留物などが挙げられる。
改変された細菌の目的とする生物工学的使用に従う、本発明の方法の選択された増殖条件を設ける際に使用するための例示的な限定されない選択物質は、以下に列挙される:
バイオレメディエーション−ヒ素、金属、例えば、重金属、特に、鉛、水銀ウラン、パラジウム、クロム及びカドミウム;多核芳香族炭化水素、塩素化溶媒、フェノール、オイル、駆除剤及びリン酸。
微生物を用いた石油の増進回収法(Microbial enhanced oil recovery)−原油及び重油留分。
汚水処理−亜硝酸、アンモニア、リン酸及びエストロゲン用化合物。
食品製造−ラクトース及び酢酸。
バイオ燃料製造−二酸化炭素、水素、太陽光、酸素、セルロース及びヘミセルロース。
エネルギー生成−廃水、海底質、淡水堆積物、河川水、アセテート、プロピオネート及びブチレート。
生物製剤及びワクチン−ルリア・ベルターニ(Luria−Bertani)又はLB培地、テリフィック(Terrific)培地(TB)、2YT又は化学的に定義された培地。
生物消化/生分解−麦わら画分、セルロース廃棄物及びプラスチック。
プロバイオティクス−その他の細菌、例えば、ファーミキューテス(Firmicutes)門のメンバー。
感染の治療−病原菌、植物、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、動物、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、ヒト組織及びクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、ヒト共生細菌又はヒト相利共生細菌。
本発明の方法において使用するための細菌
本発明の方法は、任意の細菌の改変に適用され得る。選択される細菌は、とりわけ、目的とする生物工学的使用に応じて異なる。
したがって、本発明のプロセスは、(a)グラム陽性、グラム陰性及び/又はグラム可変性細菌、(b)胞子形成菌、(c)非胞子形成菌;(d)糸状性細菌;(e)細胞内細菌;(f)偏性好気性細菌;(g)偏性嫌気性細菌;(h)通性嫌気性細菌;(i)微好気性細菌及び/又は(f)日和見細菌性病原体における抗生物質標的の同定に適用される。
特定の実施形態では、本発明の方法は、以下の属の細菌に適用される:アシネトバクター属(例えば、A.バウマニ(A.baumannii));エーロモナス属(Aeromonas)(例えば、A.ハイドロフィラ(A.hydrophila));バチルス属(例えば、B.アントラシス(B.anthracis));バクテロイデス(例えば、B.フラジリス(B.fragilis));ボルデテラ属(Bordetella)(例えば、B.パータシス(B.pertussis));ボレリア属(Borrelia)(例えば、B.ブルグドルフェリ(B.burgdorferi));ブルセラ属(Brucella)(例えば、B.アボルタス(B.abortus)、B.カニス(B.canis)、B.メリテンシス(B.melitensis)及びB.スイス(B.suis));バークホルデリア属(Burkholderia)(例えば、B.セパシア複合体(B.cepacia complex));カンピロバクター属(Campylobacter)(例えば、C.ジェジュニ(C.jejuni));クラミジア属(Chlamydia)(例えば、C.トラコマチス(C.trachomatis、C.スイス(C.suis)及びC.ムリダルム(C.muridarum));クラミドフィラ属(Chlamydophila)(例えば(例えば、C.ニューモニエ(C.pneumoniae)、C.ペコルム(C.pecorum)、C.シタッシ(C.psittaci)、C.アボルタス(C.abortus)、C.フェリス(C.felis)及びC.キャビエ(C.caviae));シトロバクター属(Citrobacter)(例えば、C.フロインディ(C.freundii));クロストリジウム属(例えば、C.ボツリヌス(C.botulinum)、C.ディフィシレ(C.difficile)、C.パーフリンジェンス(C.perfringens)及びC.テタニ(C.tetani));コリネバクテリウム属(Corynebacterium)(例えば、C.ジフテリエ(C.diphteriae)及びC.グルタミクム(C.glutamicum));エンテロバクター属(例えば、E.クロアカ(E.cloacae)及びE.エロゲネス(E.aerogenes));エンテロコッカス属(Enterococcus)(例えば、E.フェカリス(E.faecalis)及びE.フェシウム(E.faecium));エシェリキア属(例えば、E.コリ(E.coli));フラボバクテリウム属(Flavobacterium);フランシセラ属(Francisella)(例えば、F.ツラレンシス(F.tularensis));フソバクテリウム属(Fusobacterium)(例えば、F.ネクロホラム(F.necrophorum));ヘモフィルス属(Haemophilus)(例えば、H.ソムナス(H.somnus)、H.インフルザエ(H.influenzae)及びH.パラインフルエンザH.parainfluenzae));ヘリコバクター属(Helicobacter)(例えば、H.ピロリ(H.pylori));クレブシエラ属(例えば、K.オキシトカ(K.oxytoca)及びK.ニューモニエ(K.pneumoniae))、レジオネラ属(Legionella)(例えば、L.ニューモフィラ(L.pneumophila));レプトスピラ属(Leptospira)(例えば、L.インターロガンス(L.interrogans));リステリア属(例えば、L.モノサイトゲネス(L.monocytogenes));モラクセラ属(Moraxella)(例えば、M.カタラーリス(M.catarrhalis));モルガネラ属(Morganella)(例えば、M.モルガニー(M.morganii));マイコバクテリウム属(Mycobacterium)(例えば、M.レプレ(M.leprae)及びM.ツベルクローシス(M.tuberculosis));マイコプラズマ属(Mycoplasma)(例えば、M.ニューモニエ(M.pneumoniae));ナイセリア属(例えば、N.ゴノレー(N.gonorrhoeae)及びN.メニンギティディス(N.meningitidis));パスツレラ属(Pasteurella)(例えば、P.マルトシダ(P.multocida));ペプトストレプトコッカス属(Peptostreptococcus);プレボテラ属(Prevotella);プロテウス属(Proteus)(例えば、P.ミラビリス(P.mirabilis)及びP.ブルガリス(P.vulgaris))、シュードモナス属(例えば、P.エルギノーサ(P.aeruginosa));リケッチア属(Rickettsia)(例えば、R.リケッチイ(R.rickettsii));サルモネラ属(Salmonella)(例えば、血清型、チフィ(Typhi)及びチフィムリウム(Typhimurium));セラチア属(Serratia)(例えば、S.マルセセンス(S.marcesens));シゲラ属(Shigella)(例えば、S.フレクスナリア(S.flexnaria)、S.ダイセンテリエ(S.dysenteriae)及びS.ソネイ(S.sonnei));スタフィロコッカス属(Staphylococcus)(例えば、S.アウレウス(S.aureus)、S.ヘモリチカス(S.haemolyticus)、S.インターメディウス(S.intermedius)、S.エピデルミデス(S.epidermidis)及びS.サプロフィリカス(S.saprophyticus));ステノトロホモナス属(Stenotrophomonas)(例えば、S.マルトフィリア(S.maltophila));ストレプトコッカス属(Streptococcus)(例えば、S.アガラクチア(S.agalactiae)、S.ミュータンス(S.mutans)、S.ニューモニエ(S.pneumoniae)及びS.ピオゲネス(S.pyogenes));トレポネーマ属(Treponema)(例えば、T.パリダム(T.pallidum));ビブリオ属(Vibrio)(例えば、V.コレラ(V.cholerae))及びエルシニア属(Yersinia)(例えば、Y.ペスティス(Y.pestis))。
目的とする生物工学的使用に従う、本発明の方法において使用するための例示的な限定されない細菌は、以下に列挙される:
バイオレメディエーション−アシネトバクター属(Acinetobacter)、シュードモナス属(Pseudomonas)、アルカリゲネス属(Alcaligenes)、スフィンゴモナス属(Sphingomonas)、ロドコッカス属(Rhodococcus)、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)、ジオバクター属(Geobacter)、カプリアビダス属(Cupriavidus)及びデスルホビブリオ属(Desulfovibrio)。
微生物を用いた石油の増進回収法−アシネトバクター属、バチルス属(Bacillus)、シュードモナス属、ロドコッカス属、アルスロバクター属(Arthrobacter)、クレブシエラ属(Klebsiella)及びクロストリジウム属(Clostridium)。
汚水処理−アシネトバクター属、硫酸菌、ニトロコッカス属(Nitrococcus)及びニトロスピラ属(Nitrospira)。
食品製造−アセトバクター属(Acetobacter)。
バイオ燃料製造−ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)、ハラナエロビウム・ヒドロゲニフォルマンス(Halanaerobium hydrogeniformans)、大腸菌、シアノバクテリア、クロストリジウム・アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)及びカルジセルロシルプトル・オブシジアンシス(Caldicellulosiruptor obsidiansis)。
エネルギー生成−ジオバクター属、デスルフロモナス属(Desulfuromonas)、プロテオバクテリア(Proteobacterium)、ペロバクター・サウエラ(Pelobacter Thauera)、バチルス属及びデクロロモナス属(Dechloromonas)。
生物製剤−大腸菌、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、巨大菌(bacillus megaterium)、枯草菌(Bacillus subtilis)、カウロバクター・クレセンタス(Caulobacter crescentus)、ストレプトマイセス属。
生物消化/生分解
ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)、ハラナエロビウム・ヒドロゲニフォルマンス、大腸菌、シアノバクテリア、クロストリジウム・アセトブチリカム、ザイモモナス・モビリス、カルジセルロシルプトル・オブシジアンシス、
ワクチン
カウロバクター・クレセンタス(Caulobacter crescentus)、大腸菌、サルモネラ属
プロバイオティクス−ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、ファーミキューテス門のメンバー、ヒト共生細菌及びヒト相利共生細菌。
感染の治療−競合「良好」細菌(例えば、ヒト共生細菌又はヒト相利共生細菌)、植物、アグロバクテリウムの非病原性株、スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)及びビフィドバクテリウム属。
ゲノム改変
本発明の方法は、前記不利な遺伝子のうち少なくとも1種が除去若しくは破壊され、及び/又は前記有利な遺伝子のうち少なくとも1種が過剰発現され、その結果、選択された増殖条件下で改善された生存及び/又は増殖を示す、改変された突然変異体細菌を得るステップを含み得る。
不利な/不必要な遺伝子の除去又は破壊に関して、標的とされるゲノム配列の、定義される突然変異を保持するもののコピーとの特異的置換を可能にする、細菌における染色体遺伝子欠失/置換のための種々の試験手順は、当技術分野で公知である。
2つの方法が特に有用である:第1の(「イン−アウト(in−out)」)方法は、細菌染色体へのプラスミドDNAの組込み及びその後の共組換え体の解離(resolution)に基づく。第2の(「直線断片」又はリコンビニアリング(recombineering))法は、直鎖DNA分子の末端の短い相同性アームによって媒介される相同組換えに基づく。
これらの方法は、例えば、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、Madyagolら(2011年)Folia Microbiol 56巻:253〜263頁に概説されている。
このような方法は、細菌ゲノムの大きな広がりを欠失するために使用され得、すべての(又は、実質的にすべての)所望の生物工学的適用にとって不必要な遺伝子(すなわち、そうでなければ、細菌細胞に代謝負担を強いるすべての不要な遺伝子)を排除するために使用される場合には、方法は、「ゲノム最小化」と呼ばれ得る。
いくつかの実施形態では、突然変異体細菌は、野生型ゲノムと比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は90%以上小さい「最小化された」ゲノムを有するよう改変され得る。
突然変異体細菌が、選択された増殖条件下で改善された生存及び/又は増殖を示すような有利な遺伝子の過剰発現に関して、とりわけ、化学的に誘導された(又はu.v.誘導された)点突然変異の導入、強力なプロモーターの挿入、リボソーム結合部位、レプレッサー結合部位の除去及びコドン使用の最適化を含めたさまざまな公知の技術のいずれも使用され得る。
突然変異体プール
本発明の方法は、トランスポゾン突然変異誘発によって突然変異体細菌のプールを作製することを含む。プールの大きさが増大すると、Tn挿入を有するますますさまざまな遺伝子が表される(そのため効果的にアッセイされる)ので、突然変異体プールの大きさは、方法の分解能に影響を及ぼす。プールの大きさが減少すると、方法の分解能が低下し、遺伝子はあまり有効にはアッセイされず、ますます多くの遺伝子が全くアッセイされなくなる。
理想的には、本発明の方法において作製された突然変異体プールは、すべての遺伝子への挿入が表されるという意味において包括的なものである。これを達成するために必要な、Tn挿入突然変異体の数(すなわち、突然変異体プールの大きさ)は、(a)細菌ゲノムの大きさ、(b)遺伝子の平均の大きさ及び(c)任意のTn挿入部位バイアスを含めた種々の因子に応じて変わる。
(c)に関して、細菌ゲノムの一部の区域は、低頻度の挿入を招く(特に、GCリッチ領域)。したがって、挿入に抵抗性の領域への挿入を確実にするよう十分に大きい挿入頻度及びプールの大きさが好ましい。
一般に、包括的プール/ライブラリーを達成するには、25bpあたり1トランスポゾンの最小挿入率が必要であり、これは、通常、4〜7Mbのゲノムの大きさを有する細菌に対して、0.5×10〜1×10、例えば、5×10、少なくとも約1×10個の突然変異体の最小のプールの大きさを伴うのが好ましい。多くの場合には、1×10個の突然変異体は、約300,000の異なる挿入部位の同定を可能にし、13〜23bp毎に1トランスポゾン挿入(又は遺伝子あたり約40〜70の異なる挿入部位)に対応する。
しかし、本発明の方法は、有用な情報を戻すために、包括的突然変異体プールを必ずしも必要としない(上記で定義された意味で)。むしろ、分解能の低減(及び特定の遺伝子をアッセイするために付随する失敗)が許容され得る限り、理想的な包括的プール未満のプールの大きさが使用され得る。例えば、方法が、標的が同定されるまで反復して実行されるよう設計されている場合に、これは当てはまり得、このような実施形態では、効果的なプールの大きさは、方法の各反復とともに増す。
トランスポゾン突然変異誘発
トランスポゾンは、転位性因子と呼ばれることもあり、他のポリヌクレオチドにそれ自体のコピーを挿入できるポリヌクレオチドである。用語トランスポゾンは、当業者に周知であり、配列組織に基づいて区別され得るトランスポゾンのクラス、例えば、各末端にある短い逆位反復配列;末端にある直接反復されている長い末端反復配列(LTR);及びRNA転写物の3’末端にあり、5’末端は末端切断型であることが多いポリAを含む。
トランスポソームは、トランスポゾンがトランスポサーゼ活性をコードしていないトランスポサーゼ−トランスポゾン複合体である。したがって、挿入されると、トランスポゾンは安定である。突然変異体プール安定性を確実にするには、トランスポゾンは、トランスポサーゼをコードせず、以下に記載されるようにトランスポソームの形態で(すなわち、トランスポサーゼ酵素との複合体として)提供されるのが好ましい。
本明細書において、用語「活性化トランスポゾン」(本明細書において以下、「Tn」と略される)は、トランスポゾン挿入が挿入部位の、又はその付近の遺伝子の転写を増大させるようプロモーターを含むトランスポゾンを規定する。このようなトランスポゾンの例は、Troeschelら(2010年)Methods Mol Biol.668:117〜39頁及びKimら(2008年)Curr Microbiol.57(4):391〜394頁に記載されている。
活性化トランスポゾン/トランスポソームは、当業者に周知であるさまざまな標準手順のいずれかによって細菌ゲノム(染色体及び/又はプラスミドDNAを含む)に導入され得る。例えば、Tnトランスポソームは、エレクトロポレーション(又は任意の他の適した形質転換法)によって導入され得る。
形質転換法は、1×10〜5×10個の形質転換体/1ngのDNAを生じることが好ましく、このような形質転換効率は、一般に、エレクトロポレーションを使用して達成可能である。
或いは、Tnを使用するトランスポゾン突然変異誘発は、in vitroで実施され、組換え分子は、細菌細胞に形質転換/トランスフェクトされ得る。このような実施形態では、トランスポソームは、市販のトランスポサーゼ酵素をトランスポゾンDNA断片と混合することによって標準プロトコールに従って調製され得る。次いで、得られたトランスポソームを対象とするプラスミドのプラスミドDNAと混合して、転位を可能にし、次いで、電気的形質転換を使用してDNAを宿主細菌株に導入して、プラスミドトランスポゾン突然変異体のプールを作製する。
突然変異誘発がin vitroで実施される実施形態では、in vitroでトランスポソームをゲノムDNAと混合し、次いで、突然変異誘発されたDNA(任意選択により、断片化及び/又は環状化後に)を宿主細菌株に導入し(例えば、エレクトロポレーションによって)、すぐに、内因性組換え機構が、それをゲノム中に組み込むことが可能である。このようなアプローチは、天然に形質転換受容性である細菌(例えば、アシネトバクター属種)及び/又は相同乗換え(例えば、二重乗り換え)組換え事象によってDNAを組み込むことができる細菌の場合には特に有用であり得る。
本発明の方法において使用するための活性化トランスポゾン
任意の適した活性化トランスポゾンが、本発明の方法において使用され得る。適したトランスポゾンとして、Tn3並びにγδ(Tn1000)、Tn501、Tn2501、Tn21、Tn917及びその関連物を含めたTn3様(クラスII)トランスポゾンに基づくものが挙げられる。また、Tn10、Tn5、TnphoA、Tn903、バクテリオファージMu及び関連転位性バクテリオファージ。例えば、EZ−Tn5(商標)<R6Kyori/KAN−2>トランスポゾンを含めた種々の適したトランスポゾンも市販されている。
好ましいトランスポゾンは、Tn5、Tn10及びTnphoAを含めた抗生物質耐性遺伝子(トランスポゾンを保持する突然変異体の同定において有用であり得る)を保持するものである。例えば、Tn10は、そのISエレメント間にテトラサイクリン耐性遺伝子を保持するのに対し、Tn5は、カナマイシン、ストレプトマイシン及びブレオマイシンに対する耐性を付与するポリペプチドをコードする遺伝子を保持する。他の適した耐性遺伝子として、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(クロラムフェニコールに対する耐性を付与する)を含むものが挙げられる。
もちろん、ISエレメント間に抗生物質耐性遺伝子の種々の組合せを挿入することによって、又はトランスポゾンモザイク末端(好ましい)間に抗生物質耐性遺伝子の組合せを挿入することによって、又はトランスポゾンのポリヌクレオチド配列を変更することによって、例えば、抗生物質耐性遺伝子のコーディング領域において、又はトランスポゾン中の他の場所において、重複塩基置換又はトランスポゾンの転位若しくは抗生物質耐性特徴に影響を与えない任意の他の種類の塩基置換を行うことによって、新規トランスポゾンを作製することが可能である。このようなトランスポゾンは、本発明の範囲内に含まれる。
多数の実施形態では、突然変異体プールを作製するために単一トランスポゾンが使用される。しかし、上記で説明されるように、包括的プール又はライブラリーを達成するのに必要なTn挿入突然変異体の数(すなわち、突然変異体プールの大きさ)は、とりわけ、任意のTn挿入部位バイアスに応じて変わる。したがって、トランスポゾン挿入部位バイアスが生じる場合には、挿入部位バイアスを低減又は排除するために2種以上の異なるトランスポゾンを使用してもよい。例えば、Tn5及びTn10に基づく2種の異なるトランスポゾンの組合せを使用してもよい。
活性化トランスポゾンにおいて使用するためのプロモーター
Tn中に存在するプロモーターの性質は、トランスポゾンの性質及び最終細菌宿主に依存している。一般に、挿入部位の付近の、又はそれに隣接するDNAの高レベル転写を駆動する効率的な、外向きプロモーターが選択される。
プロモーターとして、(a)プリブノーボックス(−10エレメント);(b)−35エレメント及び/又は(c)UPエレメントを挙げることができる。
例えば、lacプロモーターをEZ−Tn5(商標)<R6Kγori/KAN−2>トランスポゾンとともに使用してもよく、このような構築物は、例えば、E.コリ、エンテロバクター属種及びクレブシエラ属種などの腸内細菌科の他のメンバーのアッセイに適している。他の適したプロモーターとして、rplJ(リボソーム大サブユニットタンパク質;中程度の強度のプロモーター);tac(人工lac/trpハイブリッド;強力なプロモーター)及びrrnB(リボソームRNA遺伝子プロモーター;極めて強力なプロモーター)が挙げられる。
Tn 挿入の分布の決定
トランスポゾン挿入の分布は、Tn挿入部位に隣接している、又はその付近(5’及び/又は3’)の細菌DNAを配列決定することによって(例えば、Tn−ゲノムDNA接合部を含むDNAを配列決定することによって)決定されることが好ましい。通常、Tnの一方の端部若しくは両端にフランキングするか、又はそれに隣接する細菌DNAを配列決定する。
配列決定される隣接するDNAの長さは、広範である必要はなく、比較的短いことが好ましい(例えば、200塩基対未満)。
種々の方法を使用し、DNA配列決定法を使用してTn挿入分布を決定できる:このような方法は、近年、Tn−seq手順と呼ばれている(van Opijnenら(2009年)Nat.Methods 6:767〜772頁)。例えば、Tn−seq手順は、増幅されたTn接合部の親和性精製(Gawronskiら(2009年)PNAS 106:16422〜16427頁);特殊化した制限部位を使用するトランスポゾンの末端から遠位のゲノム配列へのアダプターのライゲーション(Goodmanら(2009年)Cell Host Microbe 6:279〜289頁;van Opijnenら(2009年)Nat.Methods 6:767〜772頁);選択的増幅(Langridgeら(2009年)Genome Research 19:2308〜2316頁)及びエキソヌクレアーゼ消化によるゲノムDNAの除去後の増幅及び配列決定のための鋳型として働く、Tn接合部を有する一本鎖DNA環の作製(Gallagherら(2011年)mBio 2(1):e00315〜10)を含む。
任意の適したハイスループット配列決定技術を使用してもよく、本発明の方法において使用するのに適している、多数の市販の配列決定プラットフォームがある。合成による配列決定(Sequencing−by−synthesis(SBS))に基づく配列決定プラットフォームは、本発明の方法において使用するのに特に適している:例えば、イルミナ(Illumina)(商標)システムは、数百万の比較的短い配列リード(54、75又は100bp)を作製し、特に好ましい。
他の適した技術として、可逆的ダイターミネーターに基づく方法が挙げられる。ここでは、DNA分子をまず、スライド上でプライマーに結合させて、増幅させ、その結果、局所クローンコロニーが形成される(ブリッジ増幅)。4種のddNTPを加え、組み込まれていないヌクレオチドを洗い流す。ピロシーケンスとは異なり、DNAは、一度に1ヌクレオチド伸長され得る。カメラによって、蛍光標識されたヌクレオチドの像をとり、次いで、末端3’ブロッカーとともに色素をDNAから化学的に除去して、次のサイクルを可能にする。
短い配列リードを可能にする他のシステムとして、ソリッド(SOLiD)(商標)及びIon Torrent技術(両方とも、アプライドバイオシステムズ(Applied Biosystems)(商標)によって販売されている)が挙げられる。ソリッド(商標)技術は、ライゲーションによる配列決定を使用する。ここでは、固定された長さのすべてのあり得るオリゴヌクレオチドのプールを、配列決定された位置に従って標識する。オリゴヌクレオチドをアニーリングし、ライゲートし;配列を対応させるためのDNAリガーゼによる選択的なライゲーションは、その位置のヌクレオチドの情報を与えるシグナルをもたらす。配列決定の前に、エマルジョンPCRによってDNAを増幅する。得られたビーズ、各々、同一DNA分子の1コピーのみを含有するものをガラススライド上に沈着させる。結果は、イルミナ配列決定に匹敵する一定量の配列及び長さである。
Ion Torrent Systems Inc.は、標準配列決定化学を使用することに基づくが、新規半導体に基づく検出システムを有するシステムを開発した。配列決定のこの方法は、他の配列決定システムにおいて使用される光学的方法とは対照的に、DNAの重合の際に放出される水素イオンの検出に基づいている。配列決定される鋳型DNA鎖を含有するマイクロウェルを、単一種のヌクレオチドで満たす。導入されたヌクレオチドが、リーディング鋳型ヌクレオチドと相補的である場合には、伸びている相補鎖中に組み込まれる。これは、高感度イオンセンサーを動作させる水素イオンの放出を引き起こし、これが反応が起きたことを示す。ホモポリマーリピートが鋳型配列中に存在する場合には、単一サイクルで複数のヌクレオチドが組み込まれる。これは、放出される水素の対応する数及び比例的に高い電気信号につながる。
遺伝子の機能評価
試験培養物間のTn挿入の分布を比較することによって同定された遺伝子を、その機能を直接的又は間接的に評価する種々の技術によってさらに特性決定してもよい。このような方法では、前記遺伝子に、必須の機能が決定的に割り当てられ得る。
適した技術として、生物情報科学が挙げられ、この場合、推定必須遺伝子の(全又は部分)配列を使用して、アッセイされる細菌及び/又は他の種から得た情報を含有する配列データベースを調べて、必須の生化学的機能(複数可)がすでに割り当てられている、及び/又は必須であるとわかっている遺伝子(例えば、他の種におけるオーソロガス遺伝子)を同定する。
適した生物情報科学プログラムは、当業者に周知であり、Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)プログラム(Altschulら(1990年) J.Mol.Biol.215:403〜410頁及びAltschulら(1997年) Nucl.Acids Res.25:3389〜3402頁)が挙げられる。適したデータベースとして、例えば、EMBL、GENBANK、TIGR、EBI、SWISS−PROT及びtrEMBLが挙げられる。
或いは、又はさらに、遺伝子の(全又は部分)配列を使用して、先行技術において記載されている従来のTn−seq法(例えば、Gawronskiら(2009年)PNAS 106:16422〜16427頁;Goodmanら(2009年)Cell Host Microbe 6:279〜289頁;van Opijnenら(2009年)Nat.Methods 6:767〜772頁;Langridgeら(2009年)Genome Research 19:2308〜2316頁;Gallagherら(2011年) mBio 2(1):e00315〜10頁に記載のとおり)及び/又はWO01/07651(その内容物は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載された技術を使用して先に構築されている必須遺伝子の同定についての情報を含有する配列データベースを調べる。
挿入された配列内のプロモーターの存在にもかかわらず、多数のTn挿入が、遺伝子/DNA機能を破壊し、標準Tn−seq(TraDISを含む)におけるように、必須の/重要なDNA領域の同定を可能にする。しかし、一部のトランスポゾンは、特定のDNA領域に関して適宜配置され、それによって、挿入されたプロモーターによって駆動されるそれらの特定の領域の転写が、内因性転写と比較して大幅に増強される。種々の条件下で突然変異体プールを増殖させること及び配列決定を反復することによって、読み取りの数の変化を観察することが可能であり、これは、どのDNA領域が、増殖及び/又は生存に寄与するかだけでなく、相対的寄与も示す。高レベルの特定の抗生物質標的転写(トランスポゾンによって挿入されたプロモーターによって駆動される)が、細菌生存に有利に働き、挿入部位とDNA領域を近接によって関連付ける。
挿入されたプロモーターの位置を、関連する下流DNA配列の転写の増大へのその寄与に関して評価することができる。この技術の数学的に/技術的に複雑でない生物情報科学成分によって、推定遺伝子の転写への挿入されたプロモーター配列の寄与の認識が可能となる。例えば、部分遺伝子転写物は、依然として、末端切断型であるが、機能性タンパク質の翻訳を可能にするのに十分な情報をコードし得る。生物情報科学は、挿入されたトランスポゾンに隣接する遺伝子の下流の遺伝子に対する転写リードスルーの効果が考えられることを可能にし、この場合、定義されるRNA転写終結配列はない。
例えば、遺伝子A、B及びCの上流のトランスポゾン/プロモーターは、3種の遺伝子(A〜C)のすべてのポリシストロン性転写物を作製し得、Bの上流は、遺伝子B及びCのポリシストロン性転写物を作製し得、Cの上流は、遺伝子Cのみを作製し得る抗生物質において、最初の2種のトランスポゾンのリードが多く、かつ、第3のものが少ない場合は、抗生物質標的は、遺伝子Bとなる。
本発明の改変された突然変異体細菌の生物工学的適用
これらは、バイオレメディエーション、微生物を用いた石油の増進回収法、廃水処理、汚水処理、食品製造、エネルギー製造、生物製剤、生物消化/生分解、ワクチン、バイオセンサー、プロバイオティクス、生体触媒、生物的防御、及び薬物送達担体を含む。
例示
以下、本発明を、特定の実施例を参照して説明する。これらは単に例示であり、例示目的のみのためのものであり、決して、特許請求される独占の範囲又は記載される本発明に制限するよう意図されない。これらの実施例は、本発明を実施するために現在考慮される最良の様式を構成する。
実施例1:ホスホマイシンの存在下で改善された生存及び/又は増殖を示す突然変異体細菌の製造
(i)活性化トランスポゾン(Tn )の構築
トランスポゾンとして作用する増幅可能なヌクレオチド配列を組み込むプラスミドを構築した。トランスポゾンのエレメントは、特定のトランスポサーゼ酵素によって認識される19bpのモザイク末端を含み、トランスポゾン、遺伝子転位から得られた形質転換体について選択するための抗生物質耐性遺伝子及びトランスポゾン挿入部位に隣接する標的遺伝子の発現を活性化するトランスポゾンの一方の末端の外向きプロモーターを区切る。
大腸菌、アシネトバクター属、シュードモナス属又はロドシュードモナス属(Rhodopseudomonas)から得られた種々の遺伝子に由来する種々の外向きプロモーターを有する代替プラスミドが構築されている。表1は、使用される種々のプロモーターの詳細を示す。さらに、異なる宿主種細菌は、形質転換体について選択するための異なる抗生物質耐性遺伝子を必要とし、例えば、大腸菌ではクロラムフェニコール耐性、アシネトバクター属種ではカナマイシン耐性、シュードモナス属種ではゲンタマイシン耐性が使用され得る。使用される種々の耐性遺伝子の詳細は、表2に示されている。
図1は、プラスミドpAMICS1−Cm−PrrnBの遺伝地図である。トランスポゾンは、示される、モザイク末端、ME及び外向きrrnBプロモーターがそれぞれの両端に位置する。トランスポゾンの外側のプラスミドの他の成分は、プラスミドベクターpBluescript(Agilent)、lacZ、β−ガラクトシダーゼサブユニット;bla、アンピシリン耐性をコードするβ−ラクタマーゼ;rep、pBR322複製起点;cat、クロラムフェニコール耐性をコードするクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼに由来する。
他の適したプラスミド誘導体は、外向きrrnBプロモーターが、表1に列挙されるプロモーターと置換されており、クロラムフェニコール耐性決定基が表2に列挙されるものと置換されているという点を除いて、pAMICS1−Cm−PrrnBと同様である。
Figure 2015533289

Figure 2015533289

トランスポソームの調製
トランスポゾン突然変異誘発において使用するためのトランスポゾンDNA断片を、特異的オリゴを使用してPCR増幅した。PCR鋳型を作製するために、モザイク末端のいずれかの側でプラスミドを切断する制限エンドヌクレアーゼSphI(New England Biolabsから入手した)を用いてpAMICS1−Cm−Pプラスミドを消化し、生じた1.2kbのトランスポゾン断片を単離し、続いて、「MinEluteゲル抽出キット」(QIAGENから入手した)を使用して1%アガロースによって電気泳動した。このステップは、トランスポゾン突然変異誘発プロセスにおいてプラスミド鋳型を持ち続けることによる形質転換体の後の生成を防ぎ、得られた形質転換体が、トランスポゾン突然変異体であり、トランスポゾン断片を作製する鋳型として使用されるプラスミドを有する形質転換体ではないことを確実にする。
「プルーフリーディング」DNA重合酵素である(Agilentから入手した)「PfuUltra II Fusion」DNAポリメラーゼを使用して、トランスポゾン断片のPCR増幅を実施した。次いで、PCR増幅された脱塩されたDNA断片を、ポリヌクレオチドキナーゼを用いて処理して、5’−DNA末端をリン酸化した。次いで、精製されたトランスポゾン断片及び組換えTn5トランスポサーゼを使用してトランスポソームを調製した。
エレクトロコンピテント大腸菌の調製
凍結ストックから画線培養された大腸菌(ST131)コロニーを用いて5mlのLB培地に播種することによって、トランスポゾン突然変異誘発のためのエレクトロコンピテント細胞を調製した。この培養物を、振盪しながら一晩インキュベートして増殖を促進した。次いで、通常、2mlを使用して、400mlの予め加温した2×YT培地に播種し、培養物を、600nmの波長で測定した光学濃度が0.2〜0.3の間となるまで37℃でインキュベートした。細胞を遠心分離によって収集し、10%グリセロールに再懸濁することによって洗浄した。細胞を遠心分離によって回収し、再度10%グリセロールに再懸濁した。細胞が少なくとも3回洗浄されるまでこのステップを反復した。最後に、2×YT培養物の容量の1/1000(例えば、400μl)である容量の10%グリセロールを使用して、細胞を再懸濁した。
大腸菌トランスポゾン突然変異体プールの作製
これまでのステップに記載された60μlの細胞懸濁液を、0.2μlのトランスポソームと混合し、混合物を「Gene II Pulser」(BioRad)を使用してエレクトロポレーションした。通常、2mmの電極ギャップのエレクトロポレーションキュベットを2.5kV、25μF及び200Ωのエレクトロポレーション設定を用いて使用した。これらの設定は、4.8〜5msecの時定数をもたらした。次いで、キュベットに1mlのS.O.C.培地を添加し、混合した後、細胞懸濁液を新鮮な試験管に移し、37℃で1時間30分の間インキュベートした。次いで、細胞懸濁液を、適当な濃度のクロラムフェニコール(例えば、7.5μl/ml)を補給したLB寒天プレートに広げ、寒天プレートを37℃でインキュベートして、トランスポゾンの細菌ゲノムへの遺伝子転位から得られたクロラムフェニコール耐性形質転換体コロニーを増殖させた。
次いで、得られたコロニーの数を推定して、トランスポゾン突然変異体のおよその数を得た。次いで、細菌学的スプレッダーを使用して、一定容量のLB培地に再懸濁することによって寒天プレートからコロニーを収集した。この細胞懸濁液に、グリセロールを15%の濃度に添加し、−80℃での貯蔵のために懸濁液をアリコートに分けた。
選択された増殖条件に関与する遺伝子を調べるための大腸菌トランスポゾン突然変異体プールからのゲノムDNAの作製
このステップは、任意の選択された条件下での増殖への寄与について、細菌ゲノム中のあらゆる遺伝子をアッセイする。相当に寄与する遺伝子で出発し、さしたる寄与を提供しない遺伝子をとおり、選択された条件下で細菌細胞の増殖にとって不利である遺伝子をとおる、増殖条件への相対的寄与に従うあらゆる遺伝子の順序付けを可能にする。
この実施例では、選択された増殖条件は、抗生物質ホスホマイシンの存在とした。
トランスポゾン突然変異体細菌のプールを、抗生物質の存在下で増殖させる。通常、これは、10の個々の細菌トランスポゾン突然変異体が、−80℃凍結ストックのアリコートから添加されている10mlの培地培養液中で実施され得る。各々、種々の濃度の抗生物質を有するいくつかの培養物が含まれなければならない。例えば、1/2×最小阻害濃度(MIC)、1×MIC及び2×MICである濃度が実施され得る。異なるプロモーター(tac、rplJ又はrrnB)を有する、トランスポゾンを有するトランスポゾン突然変異体プールを用いる実験は、単一プールで実施され得るか、又は異なる突然変異体プールが別個に調べられる場合にはより多くの培養物が含まれ得る。
ルリアブロス培地又は60μM若しくは150μMのホスホマイシンを補給した培地中で培養物を37℃で一晩インキュベートした後、0.1mlの培養物を、新鮮な10mlの、同一濃度の調査下のホスホマイシンを補給したLB培地に移し、この培養物を少なくとも6時間インキュベートして、細菌を増殖させた。次いで、細菌を培養物から遠心分離によって収集し、ゲノムDNAを「ゲノムDNAバッファーセット」及び「Tip 100/Gs」(QIAGENから入手した)を使用して抽出した。最後に、ゲノムDNAを10mM Tris(pH8)に溶解した。
次世代配列決定を使用する、直接、トランスポゾン挿入部位からの配列読み取りの作製
ゲノムDNAを剪断して、およそ300〜600bpの範囲の比較的に短い断片を作製し、T−Aライゲーションを可能にするよう末端修復し、5’アデニル化し、スプリンケレットによって得た(splinkeretted)アダプターとライゲーションした。
配列決定のためにトランスポゾン隣接DNA断片を濃縮するために、次いで、1種のトランスポゾン特異的オリゴヌクレオチド及びスプリンケレットによって得たアダプターとハイブリダイズする1種のアダプター特異的オリゴヌクレオチドを使用して、トランスポゾン末端からプライムされる重合によって複製された後のみPCR増幅を実施した。トランスポゾンの左の隣接及び右の隣接について並行して増幅を実施した。2回のPCRを実施し、2回目のPCRは、特異性を増強するためにネステッドプライマーセットを用いた。スプリンケレットに由来する増幅を抑制するために、2回目のPCRに、スプリンケレットのための非伸長可能プライマーを含めた(「制限PCR」)。オーバーラップ伸長PCRによるスプライシングによるスプリンケレットの望まれない「活性化」は、ジデオキシヌクレオチドの添加によるスプリンケレットライブラリー中のすべてのDNA末端のブロッキングによってさらに低減した。
使用されるトランスポゾンに応じて、この1回目のPCRのオリゴヌクレオチドプライマーの結合部位は、トランスポゾンモザイク末端から60〜100bp離れていなくてはならず、反応は、「左」及び「右」隣接増幅に特異的な異なるオリゴヌクレオチドを使用して実施され得る。1回目のPCRは、100ngの鋳型DNAを使用し、14温度サイクルの間実施した。完了すると、この得られた反応物の一部を、エキソヌクレアーゼIで処理して1回目のプライマーを除去し、水を用いて1:5希釈した。1μlの希釈された材料を、2回目の(20μl)PCRにおいて鋳型として使用し、これは、18温度サイクルの間実施した。2回目のPCRに使用したネステッドオリゴヌクレオチドプライマーの1種は、トランスポゾン末端とハイブリダイズしなくてはならない。2回目のPCRに使用したオリゴヌクレオチドの両方とも、5’末端に5ヌクレオチドのランダム配列を有しており、これは、Illumina HiSEQ配列決定機器で配列決定が実施された場合にクラスター登録と関連していた。
次いで、配列決定アダプターをDNA断片ライブラリーとライゲーションし、100bpの対形成末端の配列決定のために、標準的なIllumina配列決定プロトコールを使用する配列決定のためのDNAを調製した。
参照ゲノムに対する配列読み取りのマッピング
2つのIlluminaシークエンサーfastqファイルから得られたレコードを読み取るプロセスを同期させ、その結果、プログラムが、各読み取り対中の、1種のトランスポゾン配列及び1種のスプリンケレット配列の存在について調べることができた。トランスポゾン及びスプリンケレット配列を各読み取りの前部からクリップし、一方の読み取りにトランスポゾンを、もう一方にスプリンケレットを有していた読み取り対のみを、有効として割り当てた。すべての他の配列対は、レコードが処理される時に除去した。次いで、クリップされたトランスポゾン読み取りのみを含有する単一出力ファイルを、fastq形式で製造した。
このfastqファイルからの読み取りを、参照ゲノムにマッピングして、読み取りがマッピングされたゲノム位置及びそれらがフォワード鎖にマップされたか、リバース鎖にマップされたかを含有する.mapviewファイルを作製した。これは、トランスポゾン挿入の方向について重要な情報を与えた。
プログラムtpnInsertionSites.pl(Sanger Institute)は、.mapviewファイルを読み取り、.mapview file中のマッピングデータに基づいて、フォワード及びリバース鎖両方の挿入及び読み取りデータを含有する3種の出力ファイル並びに両鎖の組み合わされた挿入及び読み取りデータを含有する別個のファイルを製造した。プログラムnormGeneCombinedFreq.plは、フォワード、リバース及び組み合わされた挿入部位ファイルからデータを読み取り、トランスポゾンの挿入の方向を考慮して、各遺伝子の上流の挿入及び読み取りの数を算出した。プログラムはまた、遺伝子内の挿入及び読み取り数を算出し、これを別個のファイルに出力した。データはARTEMIS(Sanger Institute)を使用して分析した。
ホスホマイシンの存在下での増殖に有利な遺伝子の同定
配列読み取りの、大腸菌参照ゲノムへのマッピングは、極めて多数の読み取りがマップされた3種の主要な遺伝子座を示し、これは、これらの遺伝子座でのトランスポゾン挿入を有する相当な数の突然変異体の生存、したがって、これらの遺伝子座がホスホマイシンの存在下での突然変異体の生存にとって重要であることを示す。図2は、挿入点及びアクチベータートランスポゾン挿入の頻度を示す大腸菌ST131の全ゲノム配列を示す。これらの遺伝子座は、murA、phnオペロン及びuhpTであった。
図3は、phn及びuhpTの挿入マップを示し:大腸菌ST131の特定のゲノム領域が、uhpT(パネルA)及びphnオペロン(パネルB)の遺伝子挿入点及びアクチベータートランスポゾン挿入の頻度と一緒に示されている。
murA遺伝子は、UDP−N−アセチルグルコサミン−1−カルボキシビニルトランスフェラーゼ、細菌ムレイン球形嚢(ペプチドグリカン層)の生合成に必要な必須遺伝子及びホスホマイシン作用の公知の標的をコードする。トランスポゾン挿入から作製された配列読み取りは、murAのすぐ上流にマッピングし、yrbA遺伝子(酸性耐性反応に関与しているibaGとしても知られる)の破壊をもたらす。
phnオペロンは、炭素−リンリアーゼ複合体をコードする。極めて多数の読み取りが、ホスホネート代謝転写調節因子をコードするphnF遺伝子にマッピングした。この遺伝子中への挿入は、炭素−リンリアーゼ複合体をコードする同一オペロン(phnA−P)内のphnG遺伝子及び他の遺伝子のすぐ上流でもあった。この複合体は、炭素−リン結合を破壊し、それと同様のものがホスホマイシンの存在であり、その破壊は、ホスホマイシンの不活性化をもたらす。多数の読み取りが、ホスホネートABC輸送体基質結合タンパク質をコードするphnD遺伝子の3’側の半分及びホスホネートABC輸送体透過酵素タンパク質をコードするphnE遺伝子のすぐ上流にマッピングした。
uhpT遺伝子は、ヘキソースリン酸輸送体、ホスホマイシンの細菌細胞への輸送に主に関与する遺伝子産物をコードする。この遺伝子内に、多数のトランスポゾンが観察された主要な挿入点があり、これが、遺伝子破壊を引き起こし、実行可能な輸送体タンパク質の製造を妨げる。
実施例2:産業廃棄物中で改善された増殖を示す突然変異体ロドシュードモナス・パルストリスの製造
R.パルストリスは、アルファプロテオバクテリアに属する紅色光合成細菌である。極端な代謝万能性を有し、生命を維持する4種の様式の代謝:光独立栄養的又は光合成的(光及び二酸化炭素に由来する炭素からのエネルギー)、光従属栄養的(光及び有機化合物に由来する炭素からのエネルギー)、化学合成従属栄養的(炭素及び有機化合物に由来するエネルギー)及び化学合成独立栄養的(無機化合物に由来するエネルギー及び二酸化炭素に由来する炭素)のうちいずれか1種によって増殖する。この代謝柔軟性が、産業廃棄物のバイオレメディエーションを含めた生物工学的適用におけるこの細菌の使用を促進する。
エレクトロコンピテントなロドシュードモナス・パルストリスの調製
トランスポゾン突然変異誘発のためのエレクトロコンピテント細胞を、500mlの酵母ペプトンデキストロース(YPD)培地に、凍結ストックから画線培養されたロドシュードモナス・パルストリスコロニーを播種することによって調製した。この培養物を、光の存在下で、穏やかに振盪しながら30℃で一晩インキュベートして、培養物が分散されたままであることを確実にした。1リットルのYPDに、10mlの一晩培養物を播種し、600nmの波長で測定される光学濃度が0.3となるまで30℃でインキュベートした。細胞を遠心分離によって収集し、10%グリセロール中に再懸濁した。細胞を遠心分離によって回収し、再度10%グリセロールに再懸濁した。細胞が合計5回洗浄されるまでこのステップを反復した。出発培養物の容量の100分の1であるグリセロールの容量を使用して細胞を再懸濁した。
ロドシュードモナス・パルストリストランスポゾン突然変異体プールの作製
50μlのエレクトロコンピテント細胞を、1μlのトランスポソームと混合し、次いで、「Gene II Pulser」(Biorad)を使用してエレクトロポレーションした。通常、2mmの電極ギャップを有するエレクトロポレーションキュベットを2.0kV、25μF及び200Ωのエレクトロポレーション設定を用いて使用した。次いで、キュベットに1mlのYPDを添加し、混合した後、得られた細胞懸濁液を新鮮な試験管に移し、30℃で1時間インキュベートした。次いで、細胞懸濁液を、適当な濃度のゲンタマイシンを含有するYPD寒天プレートに広げ、寒天プレートを30℃でインキュベートして、トランスポゾンの細菌ゲノムへの遺伝子転位から得られたゲンタマイシン耐性コロニーを増殖させた。次いで、YPD培地に再懸濁することによって寒天プレートからコロニーを収集した。次いで、グリセロールを15%の濃度に添加し、−80℃での貯蔵のために懸濁液をアリコートに分けた。
表1に示される3種のプロモーターを使用してロドシュードモナス・パルストリストランスポゾン突然変異体プールを作製して、光の存在下及び不在下の両方で産業廃棄物(汚染されたグリセロール)での増殖を調べた(それぞれ、パネルA及びB)。図4に示されるように、化学合成独立栄養及び光合成代謝様式下の両方できれいな及び汚れたグリセロールの両方において改善された増殖を示すR.パルストリス突然変異体が作製された。
これらのデータは、産業廃棄物(汚れたグリセロール)における増殖に相当に良好に適応しているR.パルストリスの突然変異体形態が、本発明の方法によって容易に改変され、選択され得ることを示す。
等価物
前記の説明は、本発明の現在好ましい実施形態を詳述する。実際には、これらの説明を考慮すると当業者には、その多数の改変及び変法が生じると予測される。それらの改変及び変法は、本明細書に添付される特許請求の範囲内に包含されるものとする。

Claims (42)

  1. 選択された増殖条件下で改善された生存及び/又は増殖を示す突然変異体細菌を製造する方法であって、
    a)活性化トランスポゾン(Tn)を用いるトランスポゾン突然変異誘発によって突然変異体細菌のプールを作製するステップであり、Tnが、挿入部位の、又はその付近の遺伝子の転写を増大できるプロモーターを含む、ステップと、
    b)選択された増殖条件下及び1種又は複数の参照条件下で突然変異体プールから細菌を増殖させて、2種以上の試験培養物を生成するステップと、
    c)試験培養物間のTn挿入の分布を比較して、選択された増殖条件下での増殖及び/又は生存にとって不利である第1のクラスの遺伝子及び選択された増殖条件下での増殖及び/又は生存にとって有利である第2のクラスの遺伝子を同定するステップと、
    d)前記不利な遺伝子のうち少なくとも1種が除去若しくは破壊され、及び/又は前記有利な遺伝子のうち少なくとも1種が過剰発現され、その結果、選択された増殖条件下で改善された生存及び/又は増殖を示す、改変された突然変異体細菌を得るステップと
    を含む方法。
  2. 複数の前記不利な遺伝子が除去又は破壊される、請求項1に記載の方法。
  3. 複数の前記有利な遺伝子が過剰発現される、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 改変された突然変異体細菌を培養するステップ、次いで、前記改変された突然変異体細菌に請求項1のステップ(a)〜(c)を適用して、選択された増殖条件下での増殖及び/又は生存にとって不利であるさらなる第1のクラスの遺伝子及び選択された増殖条件下での増殖及び/又は生存にとって有利であるさらなる第2のクラスの遺伝子を同定するステップとを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記さらなる不利な遺伝子のうち少なくとも1種が除去又は破壊され、及び/又は前記さらなる有利な遺伝子のうち少なくとも1種が過剰発現され、その結果、請求項2に記載の改変された突然変異体細菌と比較して選択された増殖条件下で改善された生存及び/又は増殖を示す、2回目の改変された突然変異体細菌を得るステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
  6. さらに1回又は複数回の突然変異誘発及び請求項1に記載のステップ(a)〜(c)の反復適用を実施して、前回の改変された突然変異体細菌と比較して前記環境課題の存在下で改善された生存及び/又は増殖を示す、3回目又はそれ以上の突然変異体細菌を得るステップを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記不利な遺伝子の除去及び/又は破壊が、ゲノム最小化を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記ゲノム最小化が、細菌染色体へのプラスミドDNAの組込み及びその後の共組換え体の解離を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ゲノム最小化が、直鎖DNAの末端の短い相同性アームによって媒介される相同組換えを含む、請求項7に記載の方法。
  10. 少なくとも1種の異種遺伝子を細菌に導入するステップをさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記異種遺伝子が、選択された増殖条件下での増殖及び/又は生存にとって有利である、請求項10に記載の方法。
  12. 異種遺伝子クラスターを細菌に導入するステップを含む、請求項10又は請求項11に記載の方法。
  13. 異種遺伝子クラスターが、生合成経路をコードする、請求項12に記載の方法。
  14. 生合成経路が、二次代謝産物を生成する、請求項13に記載の方法。
  15. 異種遺伝子クラスターが、生分解性経路をコードする、請求項12に記載の方法。
  16. 前記異種遺伝子が、治療用タンパク質をコードする、請求項10に記載の方法。
  17. 前記治療用タンパク質が、
    (a)酵素、
    (b)抗体、
    (c)抗原、
    (d)毒素、
    (e)リガンド結合性タンパク質、
    (f)抗生物質、
    (g)ペプチド、及び
    (h)サイトカイン
    から選択される、請求項16に記載の方法。
  18. 選択された増殖条件が、
    (a)環境汚染物質、
    (b)産業廃棄物、
    (c)医療廃棄物、
    (d)薬物又は候補薬物、
    (e)選択された炭素供給源、例えば、炭化水素、
    (f)1種又は複数の他の生物、例えば、微生物及びウイルス
    の存在を含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記1種又は複数の他の生物が、
    (a)ヒト病原体、
    (b)動物病原体、及び
    (c)植物病原体
    から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 突然変異体細菌のプールが、少なくとも0.5×10種の突然変異体、例えば、少なくとも1×10種の突然変異体を含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 突然変異体細菌のプールが、少なくとも5×10個の突然変異体を含む、請求項20に記載の方法。
  22. 突然変異体細菌のプールが、少なくとも1×10個の突然変異体を含む、請求項20に記載の方法。
  23. 突然変異体細菌のプールが、0.5×10〜2×10個の突然変異体を含む、請求項20に記載の方法。
  24. 突然変異体細菌のプールが、約1×10個の突然変異体を含む、請求項23に記載の方法。
  25. トランスポゾン突然変異誘発ステップ(a)が、細菌DNAの50塩基対あたり少なくとも1つのトランスポゾンの挿入率をもたらす、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. トランスポゾン突然変異誘発ステップ(a)が、細菌DNAの30塩基対あたり少なくとも1つのトランスポゾンの挿入率をもたらす、請求項1〜25のいずれか一項に記載の方法。
  27. トランスポゾン突然変異誘発ステップ(a)が、細菌DNAの25塩基対あたり少なくとも1つのトランスポゾンの挿入率をもたらす、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. トランスポゾン突然変異誘発ステップ(a)が、細菌DNAの15塩基対あたり少なくとも1つのトランスポゾンの挿入率をもたらす、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. トランスポゾン突然変異誘発ステップ(a)が、細菌DNAの10塩基対あたり少なくとも1つのトランスポゾンの挿入率をもたらす、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. ステップ(a)の細菌DNAが、染色体(ゲノム)DNAである、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. ステップ(a)の細菌DNAが、プラスミドDNA又は染色体(ゲノム)及びプラスミドDNAの混合物である、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
  32. ステップ(a)のトランスポゾン突然変異誘発が、in vivoで生じる、請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. ステップ(a)のトランスポゾン突然変異誘発が、in vitroで生じる、請求項の1〜31のいずれか一項に記載の方法。
  34. 細菌が、グラム陽性菌又はグラム陰性菌、例えば、ロドシュードモナス・パルストリスである、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 細菌が、プロバイオティクスである、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 突然変異体プールの10〜10、例えば、約10cfuを用いて増殖培地に播種することによって、ステップ(b)において突然変異体プールから細菌を増殖させる、請求項1〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 試験培養物間のTn挿入の分布を、Tnの挿入部位に隣接している、又はその付近のDNAを配列決定することによって比較する、請求項1〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. Tnの挿入部位に隣接している、又はその付近のDNAを配列決定することが、トランスポゾン−細菌DNA接合部の選択的増幅を含む、請求項38に記載の方法。
  39. 配列決定することが、合成による配列決定(SBS)生化学的手法を含む、請求項37又は請求項40に記載の方法。
  40. Tn挿入部位に隣接している、又はその付近のDNAの約25、50、75、100又は100を超える塩基対を配列決定する、請求項37〜39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 配列決定されるDNAが、Tn挿入部位の5’及び/又は3’である、請求項37〜40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 請求項1〜41のいずれか一項に記載の方法によって得ることができる、又は得られる突然変異体細菌。
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