JP2015532857A - 自動嚢切開するためのデバイス - Google Patents

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Abstract

眼の水晶体嚢の嚢切開術を行うことを含む、組織の切開のための外科用デバイスが開示される。このデバイスは、眼の嚢膜の一部を切開するための可逆的に折り畳み可能な切断要素を含む。切断要素は、外部層、内部層、および、外部層と内部層の電気抵抗よりも高い電気抵抗を有する底部層を含む。底部層は、外部層と内部層との間に、組織を切開するために底部層に温度上昇を引き起こす電流を導電するように構成されている。

Description

関連出願に関する相互参照
本出願は、2012年9月20日に出願された米国特許仮出願第61/703514号の利益を主張するものであり、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
政府の権利
本発明は、政府の支援を受けて、国立衛生研究所(National Institutes of Health)によって授与された中小企業イノベーション研究プログラム(Small Business Innovation Research Program)(契約番号1R43EY021023-01 Al)の下で行われた。政府は本発明について一定の権利を有する。
技術分野
本開示は、嚢切開術を行うためのデバイスおよび方法に関し、より具体的には、電気的切断要素を使用して、嚢切開術の間に眼の膜を切開するためのデバイスおよび方法に関する。
関連技術の説明
レンズ白内障は、世界的に見て失明の主な原因であり、白内障の除去による外科的治療が選択される治療である。眼のレンズが、白内障のように不透明領域を患った場合、レンズを外科的に除去しなければならない。レンズを人工眼内レンズ(IOL)で置き換えて、白内障の除去後はより良い視力を備えることができる。また、老眼などの、適切にその機能の役に立っていないレンズを交換する他の理由もあり得る。
IOLと置き換えるためのレンズの除去は、かなりの精度が必要な外科的処置である。レンズは水晶体嚢と呼ばれる膜で全体的に囲まれているので、外科医は、レンズにアクセスするために、はじめに水晶体嚢を切開しなければならない。水晶体嚢に開口部を必要なレベルの精度で作成することは、従来の手持ち式の切開器具を制御し且つ案内し、そして正確な円形の経路を水晶体嚢上にトレースしようとしている外科医には困難な作業である。現在、嚢切開術(水晶体嚢の開口部の作成)を行うために、外科医は、典型的には、小さな裂け目を水晶体嚢の前方領域に人手により作成し、そして、その裂け目の縁を、指定された直径の円形経路であって眼の光軸を中心とする円形経路をたどるように、小鉗子を使用して拡張しようと試みる。実際には、その穴は、結局のところ、円形に、または適切な直径に、またはその光学軸が中心にならないことが、多くの場合に起こる。また、水晶体嚢を大幅に弱める半径方向の裂け目が、穴の縁にある場合がある。これらの誤りのいずれかの結果として、水晶体嚢がIOLを適切に保持することができない場合があり、最適な視覚的結果を達成できない。
顕微手術器具は一般に、十分にコンパクトでなく、また形状が効率化されておらず、外科医が切開サイズを最小にすることを困難にしており、すなわち、切開部位の裂け目または他の損傷をことによると危険にさらしている。切断要素または他の鋭利なコンポーネントは、挿入中にときとして露出し、外科医が非常に緻密であることを必要とし、および、切開部を通して器具を挿入するときに、組織への付随的な損傷のリスクをさらに生み出す。さらに、この挿入は、複数のステップをしばしば必要とし、時には外科医による器具の操作を複雑にし、少しの誤りの余地を残す。一旦挿入されると、しばしば器具を容易に操作できず、外科医は、複数の別々の部分を狭いスペース内で処理して動かすことを強いられることがある。これらの問題のいずれによっても、外科医が第1層の背後の組織の第2層にアクセスすることが、特に第2層が眼内など非常に狭い領域内の組織である場合に、きわめて困難になることがある。
水晶体嚢などの組織にアクセスして手術を行うための既存の治療デバイス/手順の欠点を考慮すると、顕微手術および嚢切開術を行うための改良された技術およびデバイスが必要とされている。
本発明は、組織を切開するための外科用デバイスを提供する。該デバイスは、可逆的に折り畳み可能な支持要素、および、該支持要素に装着された可逆的に折り畳み可能な切断要素を備えている。該切断要素は、導電性の外部層および内部層を前記支持要素の(それぞれ)外径および内径に備える他、底部層を前記支持要素の底部縁に備えている。該底部層は前記外部層および前記内部層と関連し、しかし、該底部層は前記外部層および前記内部層よりも高い電気抵抗を有している。該底部層は前記外部層と前記内部層の間に電流を導電することができ、組織を切開するために前記底部層に温度上昇を引き起こす。一実施形態において、前記デバイスは、眼の水晶体嚢に嚢切開術を行うための嚢切開デバイスである。
一実施形態において、前記切断要素は円形である。他の実施形態において、吸引カップが前記支持要素に取り付けられている。他の実施形態において、前記底部層は10〜200オングストロームの厚みを有し、前記外部層と前記内部層よりも薄くなっている。さらに他の実施形態において、前記支持要素は、該支持要素が前記外部層と前記内部層の間にある場所において、25〜50ミクロンの厚みを有している。他の実施形態において、前記デバイスは、(1)単一の電流パルスとして、または一連の電流パルスとして、電流を導電することができる
一実施形態において、前記デバイスの前記外部層は、電流を前記外部層および前記底部層に導電するリードに結合されている。また、前記内部層は、リードに結合され、前記内部層は、電流をこのリードに前記底部層から導電する。他の実施形態において、前記支持要素は、弾性材料で構成され、および、絶縁層でコーティングされ、前記導電性の外部層、内部層、および、底部層が前記絶縁層上にコーティングされている。他の実施形態において、前記外部層、内部層、および、底部層は第1の導電層を含み、前記内部層および外部層は第2の導電層を含む。該第2の導電層が前記底部縁上の前記第1の導電層を経由して電気的に接続され、そして、電流が前記デバイスを通って流れたときに前記第1導電層が加熱素子を備える。
一実施形態において、前記内部層および外部層は、一方の層が他方より薄く且つより高抵抗であるような、少なくとも2つの導電層を含む。他の実施形態において、前記支持要素はニチノールで構成され、および、前記内部層、外部層および底部層はタンタル層でコーティングされており、該タンタル層は、第2のタンタル層でコーティングされたタンタル酸化物層でコーティングされている。また、前記内部層および外部層は、前記第2のタンタル層上にコーティングされた金層を備える。他の実施形態において、前記支持要素は弾性材料で構成されている。さらなる実施形態において、前記弾性支持要素の一部は、接着材料でコーティングされている。さらに他の実施形態において、前記接着材料の一部は拡散バリア材料でコーティングされている。
開示された実施形態は、以下の発明の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から、添付図面と併せて解釈したときにより容易に明らかにされる、その他の利点および特徴を有する。添付図面において、
本発明の実施形態による、膜と接触している電気的切断要素の概略断面図である。 本発明の実施形態による、電気的切断要素および切開膜の概略断面図である。 本発明の実施形態による、支持構造を含む電気的切断要素および電気的切断要素を示す図である。 本発明の実施形態による、支持構造を含む電気的切断要素および絶縁層を持つ電気的切断要素を示す図である。 本発明の実施形態による、支持構造および薄厚加熱素子を含む電気的切断要素を示す図である。 本発明の実施形態による、支持構造を含む電気的切断要素であって導電性材料から成る電気的切断要素を示す図である。 本発明の実施形態による、単一の電流パルスを膜に送達することができる加熱式電気的切断要素の概略断面図である。 本発明の実施形態による、一連の短い電流パルスを膜に送達することができる加熱式電気的切断要素の概略断面図である。 本発明の実施形態による、ある期間にわたって電気的切断要素の電圧降下を示すグラフを示す図である。 本発明の実施形態による、ある期間にわたって電気的切断要素の電圧降下を示すグラフを示す図である。 本発明の実施形態による、薄厚加熱素子を含む電気的切断要素の概略断面図である。 電気的切断要素の薄厚加熱素子の概略断面図である。 電気的切断要素の薄厚加熱素子の概略断面図である。 電気的切断要素の薄厚加熱素子の概略断面図である。 電気的切断要素の薄厚加熱素子の概略断面図である。 電気的切断要素の薄厚加熱素子、および、支持構造の丸みを帯びた部分を示す図である。 本発明の実施形態による、入力リード線を含む電気的切断要素の概略的な側面図である。 本発明の実施形態による、薄厚加熱素子の電気的切断要素の概略斜視概観を示す図である。 本発明の実施形態による、電気的切断要素の設計の概略部分側面図である。 本発明の実施形態による、電気的切断要素の設計の概略部分側面図である。 本発明の実施形態による、電気的切断要素の設計の概略部分側面図である。 本発明の実施形態による、膜と接触している電気的切断要素の概略的な断面の部分側面図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスであって支持構造および吸引カップを含む外科用デバイスを示す図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの吸引カップの拡大図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの吸引カップの斜視図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの吸引カップの電気的切断要素の斜視図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの電気的切断要素を示す図である。 本発明の実施形態による、電気的切断要素を示す図である。 本発明の実施形態による、電気的切断要素のリングを示す図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスを示す図である。 本発明の一実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスであって挿入器を含む外科用デバイスを示す図である。 本発明の一実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスあって挿入器を含む外科用デバイスを示す図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスあって吸引カップを含む外科用デバイスを示す図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの支持構造の概略断面側面図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの支持構造の概略断面側面図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスであって圧縮室および吸引カップを含む外科用デバイスの概略断面図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの吸引カップの概略側面図である。 本発明の一実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの吸引カップの概略側面図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスを示す図である。 本発明の一実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスのベローズの拡大側面図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスのベローズの拡大側面図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスであって支持構造およびドッキングステーションを含む外科用デバイスを示す図である。 本発明の一実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスであって使い捨てユニットを含む外科用デバイスを示す図である。 本発明の一実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスであって使い捨てユニットを含む外科用デバイスの分解図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスであって吸引カップおよび電気的切断要素を含む外科用デバイスの一部の分解図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスであって吸引カップおよび電気的切断要素を含む外科用デバイスの一部の分解図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの使い捨てユニットおよび支持構造の斜視上面図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの使い捨てユニットおよび支持構造の拡大上面斜視図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの使い捨てユニットおよび支持構造であって、支持構造から圧縮器が除去されている、外科用デバイスの拡大上面斜視図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの支持構造の拡大図である。 本発明の一実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの吸引ユニットを示す図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの吸引ユニットを示す図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの吸引ユニットを示す図である。 本発明の一実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの一部を示す図である。 本発明の一実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの一部を示す図である。 本発明の一実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの支持構造に取り付けられた吸引カップの正面図である。 本発明の一実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの支持構造に取り付けられた吸引カップの側面斜視図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスであってノブおよびカンチレバーを含む外科用デバイスの一部の側面図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスであってラッチを含む外科用デバイスの一部の側面図である。 本発明の一実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスであって使い捨て空気袋を含む外科用デバイスの一部の側面図である。 本発明の一実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスであって使い捨て空気袋を含む外科用デバイスの一部の斜視図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの支持構造のスライドユニットの外観斜視図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスの電気コネクタの拡大図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスのスライド可能な係止構造を示す図である。 本発明の実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスのスライド可能な係止構造を示す図である。 本発明の一実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスであって圧縮器を含む外科用デバイスの一部を示す図である。 本発明の一実施形態による、嚢切開術を行うための外科用デバイスであって使い捨てユニットを含む外科用デバイスの一部を示す図である。
図面および以下の説明は、本発明の様々な実施形態に単なる例示として関連している。なお、以下の説明から、本明細書が開示する構造および方法の代替実施形態が、クレームされているものの原理から逸脱することなく用いられる実行可能な代替法として容易に認識されることに留意すべきである。
ここで、いくつかの実施形態を詳細に説明し、その例は添付の図面に示されている。図面中で使用される、類似または同様の実用的などの参照番号も、類似または同様の機能を示すことに留意されたい。図面は、例示のみの目的のために開示されたシステム(または方法)の実施形態を示す。当業者は、以下の説明から、本明細書に示す構造および方法の代替実施形態を、本明細書に記載の原理から逸脱することなく用いることができることを理解できよう。
本発明の実施形態は、眼の嚢切開術を行うための外科用デバイスを含み、該デバイスは以下の特徴:電気的切断要素に結合された(支持構造を含むまたは支持構造に取り付けることができる)ハンドピース、ハンドピースにスライド可能に装着される吸引カップなどのエラストマー構造、(ハンドピース内に常駐することができる)吸引システム、吸引システムに結合された電気的切断要素(電気的切断要素、ヒーター、または加熱素子も含み、電気的切断要素、ヒーター、または加熱素子と呼ばれ、用語「ヒーター」または「加熱素子」はいくつかの場合においては電気的切断要素の一部分のみを意味するために用いられるが、)、および、(角膜切開を通しての挿入より前に吸引カップおよび電気的切断要素の幅を減少させるための)、ハンドピースに取り外し可能に装着された(またはハンドピースから分離した構造であってよい)圧縮室、のうちいくつかまたは全ての任意の組み合わせを含む。吸引カップおよび吸引システムは、いくつかの実施形態には含まれない。
一実施形態において、電気的切断要素は、眼の嚢膜の一部分の切開のために構成された可逆的に折り畳み可能な電気的切断要素である。さらなる実施形態において、電極が電気的切断要素である。他の実施形態において、電気的切断要素の形状は円形である。電気的切断要素は、周方向の電流の流れのために構成することができ、従って、ニチノール上のパターニングされた金、ステンレス鋼上のパターニングされた金、ニチノール上のパターニングされていない金、ステンレス鋼上のパターニングされていない金、ニチノールのみ、または、ステンレス鋼のみから構成されてもよい。代替的に、電気的切断要素は半径方向の電流の流れのために構成し得る。
一実施形態において、全体の手術デバイスは、単回使用の使い捨てユニットとして予め組み立てられている(ハンドピース/ケーブル/圧縮室/吸引カップ/電気的切断要素)。他の実施形態において、デバイスは、吸引カップ/電気的切断要素/1つまたは複数の吸引発生コンポーネントを含む単回使用の予めパッケージされた圧縮室であって、ハンドピースおよびケーブルが再使用可能な状態で、使用前にハンドピースにプラグにより接続される圧縮室を含む。他の実施形態において、デバイスは、単回使用の予めパッケージされた吸引カップ/電気的切断要素/1つまたは複数の吸引発生コンポーネントを含み、ハンドピースおよびケーブルが再使用可能な状態で、使用前にハンドピースにプラグにより接続される。さらなる実施形態において、吸引カップ/電気的切断要素は予め圧縮され、および、挿入器内に予めパッケージされる。
本明細書で使用する用語「金」は、例えば、Pt、Cu、Ni、Ta、Ir、Re、およびその他の合金などの、任意の適切な良導体と交換することができる。いくつかの実施形態において、絶縁体は、ポリマー(例えば、カプトン、シリコン等)、ガラス(例えば、化学強化ガラス)、または、(酸化タンタル、酸化チタン、非導電性酸化物、窒化物、および、酸窒化物などを含む)セラミックを含む。加熱素子は、金、Pt,Ta,Ir,Re,Al,Ag,および、それらの合金(例えばTa/Al、Pt/Irなど)、窒化タンタル、導電性であるようにドープされた炭化物などを含む大規模な適切な導電性材料のセットから作製することができる。加えて、本明細書で使用する、機械的支持要素(または支持要素)を意味する用語「ニチノール」は、化学強化ガラス、ハイテン鋼、ステンレス鋼、ポリマー、またはカプトンなどの、任意の適切な弾性材料と交換することができる。
嚢切開術の全体について焦点を当てて説明をしているが、デバイスおよび方法を、眼や身体の他の部分に関連する他の外科的手技にも使用することができる。
図1〜15は、本発明の実施形態の構造的特徴および動作の重要な態様を例示する。図面に示すデバイスは、別個の実施形態を表わし、すなわち一緒に使用することができ、または、いくつかの実施形態においてそれらの部分を入れ替えて使用することができる。
図1は、一実施形態による電気的切断要素の模式的断面図である。一実施形態において、電気的切断要素は、眼の嚢膜の一部を切開するために構成された電気的切断要素である。電気的切断要素(1)は、機械的支持要素(2)および電気的加熱素子(3)を有する外科用デバイスを含む。電気的加熱素子(3)すなわちヒーターは、膜すなわち組織の層と接触させられ、その中に(5で示される矢印によって示されるように)引っ張り応力場を有する。一実施形態において、デバイス自体が組織に接触した後に引っ張り応力を生成することがある。
また、図2は、電気的切断要素の概略断面図を示しており、および、本実施形態に従った、加熱素子(3)を通じた所定の電気パルスまたは一連のパルスの送信の即時結果を示す。ヒーターの下の膜を切開し、および、引っ張り応力が、新しく作成された切断面(図4Aおよび4B)を互いに遠ざけて引っ張っている。
図3から図6は、様々な電気的切断要素の設計戦略を概略的な断面図で示している。いくつかの実施形態において、切開すべき組織と接触している発熱素子の近傍に対し、加熱された領域が隔離され、および、より低い温度が、機械的支持要素/支持構造(または支持部材)内で維持される。
図3は、機械的サポート(すなわち支持構造または支持要素)(7)および加熱素子(8)を含む電気的切断要素を一実施形態に従って示している。加熱素子は機械的サポートと直接接触しており、それらを通って流れる電流の比は、それらのそれぞれの材料の相対的な抵抗率(ρ)とそれらの相対的な断面積に依存する。一例では、機械的サポートは超弾性金属合金であるニチノール(ρ=82マイクロオーム−cm)からなり、ヒーターは金(ρ=2.24マイクロオーム−cm)であり、よって、ヒーターの材料の導電率は、機械的サポートの材料の導電性より37倍大きい。ヒーターの断面積が機械的サポートの面積の1/3.7なら、そのとき、ヒーター内電流は、機械的サポート内の電流の10倍となる。電力は抵抗に対し電流の2乗倍であるため、金で消費される電力は、機械的サポートの10倍になり、また、体積が3.7倍小さいため、電力密度は金で37倍大きい。この戦略の結果は、金の加熱素子での温度上昇が、機械的サポートでよりも有意に大きいことである。
図4は、加熱素子すなわちヒーター(8)が機械的支持構造(7)から絶縁層(9)によって電気的に絶縁された、一実施形態による電気的切断要素を示す。すべての発熱がヒーターで発生し、増大した効率を生じる。一実施形態において、機械的サポートは、ニチノールで作られている。次の層を、電気的切断要素および/または支持構造上に(例えば、スパッタリングにより)堆積することができ、Ta(例えば、1000オングストローム、接着層)、Ta25(例えば、1ミクロン、絶縁層)、Ta(例えば1000オングストローム、接着層)、W(1000オングストローム、オプション、拡散防止層)、Au(例えば、1000オングストローム、メッキシード層)、および、厚い(例えば、2ミクロン)Auが(例えば、シャドウマスクをスパッタリングすることにより、または、メッキされている場合はフォトレジストによって)パターニングされている。パターンは、電気的切断要素の底部領域に厚い金のヒーターを配置しており、そこではそれが組織に接触することができる。
図5は、薄厚加熱素子(10)だけ熱において増加するヒーター構造を含む、一実施形態に従った電気的切断要素を示す。図5において、機械的サポート(7)は、電気的導電素子(14A、14B、10)から絶縁層(9)によって絶縁されている。電気素子の側壁(電気的切断要素の内径(ID)側および外径(OD)側の両方の14A−B)は、薄厚加熱素子(10)より相対的に厚く、より低い抵抗を有する。したがって、(図11に示す、矢印Iによる経路に沿った(すなわち、14Aに入り、その後10を通って、その後14Bに、その後14Bを出る))短い電流のパルスが、薄厚加熱素子(10)においてのみ、大幅な温度上昇を生じさせる。一実施形態において、薄厚加熱素子(10)は電気的切断要素の底部縁上の底部層であるか、または該底部層を含む。図5では電流の流れが図面の平面において生じ、一方、図3、4、6、7、8、11、および15では、電流の流れが図面の平面に対し垂直である(すなわち、図5の薄厚加熱素子において、電流の流れはリングにおいて半径方向であり、一方、図3、4、6、7、8、11、および15では周方向である)ことに留意されたい。
図6は、全体の構造が導電性材料で構成され、および、設計の幾何学的形状を用いてヒーター領域への電流が制限される、一実施形態に従った電気的切断要素を示す。加熱領域(13)が連続的な回路を成し、一方で、機械的支持領域(11)が回路の経路を排除するブレークを有し、また、それをヒーターからの熱伝導から物理的に遮断する空のギャップ(12)を有する。図14Bは、この戦略を用いる電気的切断要素の部分側面図を示す。この幾何学的な遮断戦略(図6、図14(b))は、他のどのような戦略と組み合わせて使用してもよい。
図7および図8は、膜(4)と接触している加熱式電気的切断要素(3)であって、種々の戦略で、電気的電流パルスのタイミングで動作し得るような熱式電気的切断要素(3)の模式断面図である。図7において、一実施形態に従って、単一のパルスを用いて膜をワンショットで切開する。等温線(20、21、22)は所与の瞬間(例えば、爆発的蒸発が発生する直前の瞬間、および、等温線22上の材料は50℃のままである一方、等温線20上に位置する材料が、爆発的蒸発が生じ得る閾値温度にある瞬間)における一定温度の等高線を示す。
図8において、一実施形態により、より短い一連のパルスによって膜が増加的に切開される。新しく作成された面(4Aおよび4B)は(矢印5で示す)引っ張り応力場によってお互いに離れ、および、電気的切断要素は、後続の各パルスによってより深く膜を通って進む。爆発的蒸発の直前の瞬間では、(例えば、等温線24で)閾値温度に達している物質はヒーターから数ミクロンにすぎず、および、50℃等温線(例えば、23)までの距離は電気的切断要素の幅よりも小さい。隣接する組織への横方向の熱伝導のための時間がより少ししか存在せず、より小さい体積が加熱されることから、マルチパルス方法に必要な全エネルギーは、単一パルス方法の場合よりも小さい。一実施形態において、薄厚加熱素子戦略(図5、11、12、13で見られる)は、マルチパルス方式を使用して膜を切開する。より短いパルス持続時間(例えば、1〜10秒)が増加された瞬時電力の実現性を可能にするが、総エネルギーを減少させる。冷却時間は単一の大きなパルスでは長く、よって、単一のパルス戦略を用いた場合、新しく形成された表面により広範なアニーリングが期待される。マルチパルス戦略は、所定のアニール温度に所定の時間、保持するように(例えば1ミリ秒の間、80℃)電流パルスの立ち下がりエッジを変更することによって、さらにアニール時間を延長することができる。
一実施形態において、電気的切断要素は組織をマイクロスケールで切開する。さらなる実施形態において、切開が所望される経路に沿った引っ張り応力の状態を課すことによって、電気的切断要素が膜を切開し、次にその切開を行うための非常に迅速な熱パルスを生成する。機械構造の幾何学的形状によって印加された引っ張り応力場を制御し、電子回路によって熱パルスを制御する。切開される膜が眼の水晶体の莢膜である場合、使用可能なパラメータの広い範囲がある。水晶体嚢はIV型コラーゲンからなり、約50℃未満の融点を有する。電気的切断要素の単純なDC電流加熱、または、RFまたはプラズマ加熱などの多数の電子加熱の方法を使用して、必要とされる温度を達成することができる。全ての場合において、切開されるべき物質の体積だけを大幅に加熱して近くの組織を害さないように、発熱を速やかに増加して短期間維持しなければならない。(1)溶融、(2)熱発生圧力と組み合わせた膜の熱弱化、および、(3)絶縁破壊およびプラズマ加熱を含む、引っ張り応力場の存在下で起こり得るいくつかの切開のメカニズムがある。
一例では、加熱素子を約50℃以上に加熱してコラーゲン膜を溶融し、そのために、切開線の両側の分子が引っ張り応力場中に既に存在する力の影響を受けて互いに離れるようにスライドできるようにする必要がある。溶融はマイクロ秒の時間スケールで行われ得るが、冷却はミリ秒のスケールであり、そのため、新たに形成された表面上のコラーゲン分子の冷却中に、非常に滑らかな表面に少ない欠陥の集団でアニールする時間が存在する。走査型電子顕微鏡は、嚢切開(capsularhexis)によって生成される面よりも平滑であるべき(膜を人手で引き裂くことによって行われ、アニーリング温度および融点よりも下に留まる)切開の表面を示すことができる。この例で作製した膜の端面は、プラズマナイフ(Fugo blade)およびフェムト秒レーザーなどの、実証されている他のデバイスのいずれかによって得られるものよりはるかに滑らかである。
図8は、膜であってその中に引っ張り応力場(矢印5によって示される)を有する膜、および、切開が望まれる面と接触している電気的切断要素の概略図を、一実施形態に従い示している。時刻t=0において、電流パルスが電気的切断要素に印加されて熱を発生する。図8は、パルス通電後の短い時間(例えば、1または数マイクロ秒)における等温線(等しい温度の輪郭)を示す。電気的切断要素はここで、(例えば、400℃よりも高い)高温であり、それに接触している組織中に熱が流れ込んでいる。電気的切断要素中の電流は該高温に維持され、電気的切断要素に隣接する組織における温度は、自発的蒸発に必要な閾値を超えている。水は、通常、100℃で沸騰するが、その液体を通じたガスの拡散が必要であることから、気泡形成を凝集するには時間がかかる。短い熱過渡時には、気泡形成は凝集する時間がないので、相変化することなく、実質的に100℃以上に温度が上昇することができる。これは、過熱液体をもたらす。温度が上昇し続けるにしたがい、加熱された容積内の熱エネルギー密度は、分子が直接、気泡の凝集を必要とせずに気相に移行する点に達する。純水中で、臨界温度は374℃である(生体組織が、純粋な水でなくて、高圧蒸気を生成するための水の十分な濃度を有しているため)。
フラッシュ溶融およびフラッシュ蒸発のプロセスは、分子の拡散が必要でないため、しきい値温度を超えた後、瞬時に発生する可能性がある。一実施形態において、発熱は、電気的切断要素から50℃等温線への距離が依然としてセルラースケール(例えば、30マイクロメートル)のままだとしても、蒸発により電気切断要素の数マイクロメートル(例えば、5マイクロメートル)内で組織の容積を生じ得るように十分迅速に増加する。蒸発した容積は、既存の引っ張り応力と協調して作用する圧力により膨張して組織を電気的切断要素から離れるように移動させ、それにより切断を生み出す。さらなる熱産生が必要でない場合は、電気的切断要素の電流をオフにすることができ、約1〜2ミリ秒以内に、組織および電気的切断要素を冷却することになる。電気的切断要素は、次に組織内に深く移動し、そして新しい組織と接触し、および、パルス/切断プロセスを繰り返して、より深くまだ切開することができる。この一連のイベントを、特定の切開の深さを達成するために、何度でも必要に応じて繰り返すことができる。
水晶体嚢は、概して、自然に維持される内部流体圧力によって既に引っ張り応力の状態にある可能性がある。嚢切開(capsularhexis)を使用すると、初期の裂け目が中央に作られ次第、この自然の内部圧力が失われ、したがって、実際の人手による破裂が、膜中に事前に確立された引っ張り応力の恩恵なしに行われる。本発明の一実施形態において、電気的切断要素または電気的切断要素が膜を360度の円内で同時に切開し、したがって、既存の膜応力が存在して全体の破裂の助けになる。
他の実施形態において、デバイスは、付加的な引っ張り応力を膜に印加することができる。このような応力が、電気的切断要素に直接隣接するマイクロスケールの容積上に必要なことがある。組織に応力を印加する方法は、吸引、静電引力、化学的接着、または、電気的切断要素を組織に対して単に押すことを用いることを含む。
図9は、単一パルス戦略での本発明を使用する、一実施形態に従った、ウサギから除去した眼のレンズに対して行われる前嚢切開術からのデータを示す。左側の軸は、0.1オームのセンス抵抗の両端の電圧降下を示している。電圧降下に10を乗算すると、電気的切断要素を通る電流をアンペアで生じる(例えば、Imax=約59アンペア)。横軸は、時間を1目盛り0.2ミリ秒(約1.1ミリ秒の総パルス幅)で示している。パルスが進行するにつれて、(電流を供給する)コンデンサの両端の電圧はそれが放電するに従い低下するため、電流は減少する。
図10は、マルチパルス方式を使用する、一実施形態に従った、生きているウサギの眼内で行われる前嚢切開術からのデータを示す。横軸は時間(1目盛り5ミリ秒)を表している。電流の5つのパルスが生成された。各パルスについて、電流は335マイクロ秒の間、オンで、その後、2000マイクロ秒の間、オフであった。ピーク電流は、プロセス中にコンデンサが放電していたことから、各パルスとともに減少した。電気的切断要素の抵抗値は0.275オームであった。5つのピークの平均電流は46.2アンペアであり、平均電力587ワットであった。全体の動作は1秒の1/100未満で終わった。いくつかの実施形態において、より短いパルス持続時間が使用され、たくさんのより高い電力を生成してより急峻な(例えば、マイクロメートルあたり50℃を超える)熱勾配を組織内に達成する(例えば、10マイクロ秒未満または平坦な1マイクロ秒未満の持続時間、および、1キロワットを超える瞬時電力)。
図11Aは、図5によって導入される薄厚加熱素子戦略のための、一実施形態に従った電気的切断要素の構造の概略断面図である。機械的サポート(7)は、絶縁層(9)によって、側壁導体14A、14B、および薄厚加熱素子10から分離されている。一実施形態において、機械的サポートは超弾性ニチノールで構成される。「I」を付けた矢印は、電流の流れの方向を示す。
図12は、全電流(I)を側壁導体14Aにもたらす電流運搬入力リード(41)を用いる、一実施形態に従った概略的な側面図を示す。電位のスカラー場は、導体を光速の有意の一部分で充満し、したがって、任意の有意なエネルギー損失に先立ち、図示の電流分布がパルスの開始時に確立される。小さな矢印(j)は、薄厚加熱素子10に入る均一な電流分布を示す。薄厚加熱素子を出た後、電流は側壁導体14B(図示せず)に入り、そして、出口リード40を通って電気的切断要素を出る。均一な電流密度が、薄厚加熱素子によって達成される。一実施形態において、薄厚素子は、円形の電気的切断要素内に360度、組み込まれており、(加熱素子10に対してより高厚の)側壁導体14A、14Bの抵抗値が最小化され、一方、薄厚加熱抵抗要素10の抵抗値は最大化される。したがって、温度上昇はリング全周で一定である。
図11B−Fは、薄厚加熱素子のいくつかの実施形態の概略断面図を示す。図11Bにおいて、電流(I)は、高コンダクタンスの側壁(272)(例えば、2ミクロンの厚みの金)に入り、リング状の薄厚加熱素子(273)を通って半径方向に流れ、その後、機械的支持要素(270)を通る。機械的支持要素は、その比較的大きな断面積のため、それが金よりも高い抵抗率を有する材料(例えば、ニチノール、ステンレス鋼など)で構成されていても、十分に高い導電性の側壁を有する。絶縁層(271)は、(272)から(270)へのどんな短絡も防止する。
図11Cは、機械的支持要素(274、例えば、ニチノールまたはステンレス鋼)に電気的に接続された、低抵抗率の(例えば、金などの)側壁(275)に電流(I)が流入する実施形態を示す。電流のいくらかは、機械的支持要素(274)を通って流れ、次いで薄厚加熱素子(279)を半径方向に通り、その後、別の機械的支持要素(277)/高導電側壁(278)の組み合わせを通って出る。絶縁体(276)は、電流が薄厚加熱素子(279)をバイパスすることを防止する。
図11Dは、薄厚加熱素子(281)の増加した幅が加熱されるように側壁の底部縁のより広い部分が絶縁体(280)によって覆われていることを除いて、図11Cと同様の実施形態を示す。
図11Eは、機械的支持要素が、ポリマー(例えば、カプトン)、ガラス(例えば、化学強化ガラス)、またはセラミックなど絶縁体であり、そのために、高コンダクタンスの側壁(282および285)および薄厚加熱素子(282)が該絶縁体に直接、堆積され得る実施形態を示す。
図11Fは、絶縁用機械的支持要素(289)の断面が長方形である代わりに丸みを帯びている(例えば、楕円)ことを除いて、図11Eと同様の実施形態を示す。これにより、小さな角膜切開を通過するようにリングが圧縮されるときのエッジにおける応力を低減する。
図13は、一実施形態による、円形リング形状を持つ薄厚加熱素子の電気的切断要素(50)の概略的な外観斜視図を示す。一実施形態において、平面シート材料から製造が開始される場合は、2つの端部が出会うジョイント(51)は、入力リード41の取り付けより一緒に保持されるリングを形成する。出力リード40がリード41から180度で装着され、リード41がOD(外径)の側壁導体14Aに取り付けられる一方で、リード40は、ID(内径)の側壁導体14Bに取り付けられる。矢印(I)は、逆も可能な、電流の流れの方向を示している。パルスの開始時に、電位がリングの周りに確立され、そして、薄厚加熱素子の近くの領域において、電子が、:(1)垂直方向にOD側壁を下へ、(2)半径方向に、リングの中心に向かって、底部縁上の薄厚加熱素子を通り、(3)垂直方向にOD側壁を上へ、移動する。側壁を上へより高く、薄厚加熱素子から離れ、電流の流れの周方向成分がリード中に流れ込み、または、から流れ出る。一実施形態において、電気的切断要素が(適切な直径、例えば5.5mmのODの)チューブから切断されるか、または、代わりに平らな持ち合わせの素材からリングとして成形される場合、シーム(51)は除去される。
図14A−14Cは、いくつかの電気的切断要素設計の実施形態の部分側面図を示す。図14Aにおいて、加熱素子(31)および機械的サポート(32、33)は金属の同一ピースの部分であり、したがって、電流密度は、矢印(I)および(I2)で示されているパルスの間と、両方のエレメントが加熱されている間で同じである。図14Bの設計は、この問題を、任意の閉回路を排除するように機械的サポート内にギャップ(35)を置くことで解決する。これが図6で述べた電気的切断要素の幾何学的形状の一例である。これは、パターニングされていない金メッキの戦略に使用することができる(例えば、ニチノール、ステンレス鋼、またはその他、機械的サポートがどこでも金などの高導電性金属でメッキされている)。あるいは、メッキされていない電気的切断要素に使用することができる(例えば、プレーンのニチノール、ステンレス鋼など)。
図14Cにおいて、(例えばメッキやスパッタリングによって堆積された)パターニングされた金の層36および37は、(図3で説明したとおりの)機械的サポートよりも高い電流密度を搬送して電流成分(12)を低減する。一実施形態において、機械的サポートとパターニングされた金の間に(図4のように)絶縁層がある場合、I2はゼロになる。この場合、依然として熱が機械的サポートに伝導されるが、加熱素子だけは電力を損失する。この影響を最小限に抑えるために、熱伝導空間34をできるだけ大きく作ってもよく、連結ビーム(33)をできるだけ細く構築することができる。
図15は、機械的接触を電気的切断要素の加熱素子(3)と切開すべき組織の面(45)の間に確立する、一実施形態に従った方法を、部分的な詳細側面断面において模式的に示す。流体がスペース52および/または53から引き出されるときに、吸引カップおよび組織表面を互いに向かって偏るように付勢する力を減圧によって印加するように、エラストマー(例えば、シリコン)構造(本実施形態において、吸引カップ(46))が配置されている。電気的切断要素は中間にあるため、それらの間で圧迫され、強制的に組織に対し接触される。一実施形態において、吸引カップが、組織の表面に対する流体漏れ防止シールを周囲リップ(44)において形成する。さらなる実施形態において、吸引カップが成形されている場合、吸引カップを生成する金型は上昇位置(42など)に分離線を有し、そのために、どのような成形フラッシュもシール面から離れるようになっている。
図16は、デバイス(55)の一実施形態の概要を示す。ハンドル(62)すなわちハンドピースは、一実施形態によれば、外科医のようなユーザの手で保持することができる。ハンドルの基端端部には、吸入のための配管(63)および給電のための配線(64)がある。ハンドルの末端端部には、吸引カップ(58)および挿入器(59)がある。示されるように、挿入器の先端が角膜(56)を介して導入され、および、ノブ(60)がスロット(61)内で前方に(末端に)スライドされて(挿入器内で圧縮されていた)吸引カップを挿入器から眼の前房内へと前進させ、そのために、それをレンズ(57)に対して配置することができる。図17は、一実施形態に従った、角膜(56)、レンズ(57)、吸引カップ(58)、および挿入器(59)の拡大図を示す。
図18は、一実施形態に従った吸引カップの下方からの斜視図(電気的切断要素は示していない)を示す。エラストマー吸引カップ(58)は、滑らかなシール面(44)および電気的切断要素を位置決めするのを助けるオプションのスタンドオフ(65)を有する。内腔(66)は、吸引のため、および、必要に応じた吸引カップへの流体の導入のため(例えば、膜を切開した後、吸引を解除するため)の流体経路を備える。内腔が吸引を受けて崩壊しないことを確実にするために、オプションのばね(67)を内腔内に配置する。一実施形態において、ばねは、内腔の崩壊を防止しながらも延伸性と屈曲柔軟性を可能にする、ステンレススチールの直径75ミクロンのワイヤの長方形のコイルばねである。
図19は、一実施形態に従った吸引カップおよび電気的切断要素の下方からの斜視図を示す。一実施形態において、電気的切断要素(70)はステンレス鋼(またはニチノール)で構成され、パターニングされた金の加熱素子(69)を有する。電気的切断要素のID側は、挿入器(59)から眼の前房内への配備後に、薄いステンレス鋼(またはニチノール)の電気的切断要素が所望の円形形状を達成するのを助けるための、半径方向において外側に向けられた復元力を付加する、超弾性ニチノールからなるオプションの裏当てリング(68)を含む。裏当てリングと電気的切断要素の両方の内のスロット(34)は、吸引カップをポッティング化合物(71)(例えば、シリコン)によって留める助けになる。
図20は、一実施形態による図19の電気的切断要素の構造を、その配備された状態(ただし、不透明吸引カップを外した状態)で示している。この実施形態において、ニチノールの裏当てリング(68)が半径方向外向きの力をステンレス鋼の電気的切断要素(70)上に及ぼして円形形状を維持している。パターニングされた金の加熱素子(69)は切開すべき組織に接触する。電気的切断要素上にパターニングされた金(68)は、金メッキされたアーム(73および74)に、リングの反対側にある(180度離れた)位置72Aおよび72Bにおいて(例えば金−金拡散接合により)結合される。アーム73および74は、ステンレス鋼またはニチノールで作ることができ、次いで、十分な通電容量を備えるように金メッキすることができる。支持ビーム(75)が流体の流れのためのスペースを可能にし、および、熱収縮チューブ(76)がアーム(73、74)を支持ビーム(75)に対し保持する。構成要素は(吸引カップとともに)、眼の前房内への配備のために角膜切開を通過するより前に、挿入器(59)内に引き入れられる。
図21は、一実施形態に従った、(例えばステンレス鋼またはニチノールでできている)機械的サポートを有する電気的切断要素構造(70)、および、パターニングされた(例えば、金メッキされた)加熱素子(69)を示す。加熱素子は、上記構造の底部縁の底部層(其処では、切開すべき組織をそれが圧迫している)に位置し、(同図に示されるように)ID側壁上およびOD側壁上の両方に延在していてよい。パターニングされた加熱素子材料は、電気リードを取り付ける結合領域(77)を含む。示されているように、結合領域の金属は、ID側壁上およびOD側壁上の両方に、(通常は吸引カップ内に入る)上端で位置している。接合領域77と電気的切断要素ヒーター69の間の金接合層(77B)は、(円周上の弧の度合いができるだけ小さいように、しかし、十分な断面積を持ち熱くなりすぎることなく電流を運ぶように)狭い。一実施形態において、放電時にコールドスポットを作成しないように、接着領域77および電気的切断要素のヒーター69より金の層が厚い。さらなる実施形態において、平らな持ち合わせの素材を巻いてその部分は作られるリングを形成するとシーム(51)が作られ、それは、製造によって、チューブ、リング、または円筒形マンドレル(これは、完成部品の簡単な除去のために犠牲層で予めコーティングされていてよい)上への材料の層の堆積から除去し得る。さらなる実施形態において、増大する断面(78、79)は、使用される最も末端および最も基端の位置であって、角膜切開を通る挿入の前にリングが圧縮されたときに最大歪みを受ける位置に配置される。この幾何学的形状は、最末端および最基端位置における剛性を高め、局所的な歪みを低減し、および、ねじれを防止する。
図22は、一実施形態に従った、(典型的には超弾性ニチノール製の)裏当てリングを示す。これは、薄い電気的切断要素のリングのID側に配置されるように構成されている。リングは、ステンレススチール、カプトン、または他の弾性材料で作ることができる。リングは、電気的切断要素の円形(または他の形状)の回復を確実にするために、それが眼の前房の中に配備された後に、半径方向外向きの追加の力が加えられることを可能にする(これは、電気的切断要素のリングがあまりにも低い剛性を有するため、または、材料のヤング率が低いため、および/または、塑性変形や破損を避けるように、リング壁が例えば化学強化ガラスの場合には非常に薄くなければならないためである)。一実施形態において、平らな持ち合わせの素材から作られた裏当てリングはシーム(51)を有する。他の実施形態において、対称的な目的で、領域51Bは、その180度反対側の部分の幾何学形状と、其処に継ぎ目がないとしても一致する。裏当てリングは、電気的切断要素について前述したような(78、79)などの、歪み低減幾何学形状を有していてよい。電気的切断要素と裏当てリングの間に如何なる電流の流れもあってはならない。一実施形態において、このような電流の流れは、電気的切断要素と裏当てリングの間の電気絶縁材料の層または別個のバンプを有することで防止される。さらなる実施形態において、裏当てリングは、十分な壁厚(例えば、約25〜50ミクロン)のニチノールで作られた電気的切断要素には必要でない。
電気的切断要素の設計
電気的切断要素は、OD(外径)(例えば、5.5ミリメートル)、およびID(内径)(例えば、5.392ミリメートル)、および高さ(例えば、0.4ミリメートル)を有するリング(図13)である。リード(41)は、電流をOD導体(14A)に導電する。電流経路は、OD導体の全周からリングの底部縁層における薄厚加熱素子(10)へ、次いで、ID導体(14B)の全周へ進み、そして、ID導体に接続されている第2のリード(40)から出る。電流は、それらが直列であることから各回路素子を通じて一定のままであるが、電流密度は、薄厚加熱素子においてのみ、(短いパルスの間に)有意な温度上昇を引き起こすのに十分に高いことの原因とされる。一実施形態において、OD導体およびID導体は、金であって0.002ミリメートルの厚みである。薄厚加熱素子は、タンタルであって0.00001ミリメートル(100オングストローム)の厚みである。この場合、電流密度は薄厚加熱素子では、側壁導体より0.002/0.00001=200倍、大きい。タンタルの抵抗率は金の6倍大きく、タンタルの融点は金の1064℃に対し3017℃である。一実施形態において、回路が、エネルギー消費が有用な薄厚加熱素子の両端にあたり、リードまたは側壁導体の両端にはあたらないように、できるだけ大きな電圧降下を持つことが望ましい。さらなる実施形態において、各側壁導体の抵抗値は0.3ミリオームであり、薄厚加熱素子の抵抗値は3.8ミリオームである。薄厚加熱素子の抵抗値が側壁導体の抵抗値よりも13倍大きいので、ヒーターで消費される電力は13倍大きく、ヒーターの面積が8倍小さいので、薄厚加熱素子での表面電力密度(ワット/接触している組織に伝導されている平方ミクロン当たり)は、側壁でよりも104倍大きい。
薄厚加熱素子に使用し得る他の材料としては、白金、金、イリジウム、レニウム、ニッケル、銀、および/またはそれらの合金(Alなど、単独で使用することができない元素との合金を含む)のいずれかを含む。これらはTaと比較して化学的に不活性であるが、酸化速度が拡散律速であるため、薄厚のTaの要素でさえ、必要とされる短いパルス持続時間のために存続する。薄厚加熱素子に使用し得る他の材料としては、タンタル/アルミニウム合金、導電性金属窒化物(窒化タンタル、窒化チタン等)、導電性金属酸化物、金属オキシ窒化物、または炭化物が含まれる。実現可能な薄厚加熱素子の厚みの範囲は、約10オングストローム〜約200オングストロームである。
使用に際し、特定の組織型に使用するための特定の電気的切断要素の設計に印加されるパルス(複数可)の電圧およびタイミングを決定するために、いくつかの実験が必要とされる。電流が薄厚加熱素子中に熱を生成し、伝導により熱を取り除く。電流が大きすぎ且つ取り除かれるより速く熱が生成されると、パルス持続時間が十分に長い場合は、電気的切断要素は溶融する。切開すべき組織への熱の伝導を最大化するために、吸引または化学的面接着などの力が、ヒーターと組織の間の物理的接触を確実にする。高融点材料を電気的切断要素として使用することは、組織への可変の熱伝導率が発生した場合に、なんらかの動作マージンを提供する。蒸発が発生するやいなや、組織への熱伝導率が大幅に低下し、このイベントの直前に電流がオフ(または大幅に減少)して溶融を防がなければならない。一実施形態において、ハンドピース内に埋め込まれたコントローラは、必要に応じ電流を低減して過剰な温度を回避するように、電気的切断要素の温度を、その抵抗値の温度上昇にしたがった増加によって監視することができる。他の実施形態において、動作パラメータ空間の決定は、パルス電流を回路が生成でき、および、(例えば、10ミクロンの深さまたは1つの細胞層まで)切開が作られるまでの間増加させる最短の可能なパルス(例えば、1マイクロ秒)で開始する。切開が達成できない場合には、パルス持続時間を増加する。さらなる実施形態において、冷却に必要なパルス間の最小時間(例えば、1ミリ秒)を判定するために、複数のパルスが実行される。このアルゴリズムを使用して、最適なパラメータ設定を体系的に、どのような応用(例えば、50ミクロン厚の膜を切開するための5つのパルスのプログラム用など)についても見つけ出すことができる。
薄厚加熱素子は電気的切断要素の底部縁上のみに位置しているので、電気的切断要素の側壁は過熱しない。このように、電気的切断要素のID側壁上の化学コーティングは、放電によって嚢を切開した後も持続し得る。IV型コラーゲンに接着するコーティングは、眼からの除去のために切除した膜上に保持することができる。底部縁およびID側壁上のコラーゲン接着剤コーティングでの、一例のイベントのシーケンスは、(1)底部縁上の任意の位置の嚢膜との初期接触時に、接着の接触領域が開始され、該膜は次いで、全周が接触(例えば、360度の接触)するまでそれを底部縁に引き寄せる接着力を受ける、および、(2)電気的切断要素のリングの面と接触させるように該膜をIDコーティングが引っ張り続け、それにより、さらに引っ張り応力からの力が粘着からの力とバランスするまで該膜を延ばす、を含む。デバイスを眼から除去したときに残りの水晶体嚢に付着することは望ましくないので、ODは強すぎる接着剤ではコーティングされていない。この接着プロセスからの引っ張り応力は小さくてもよいが、その場合には、支援するために依然として吸引カップが必要な可能性があり、或いは、それは、吸引カップが必要でないくらい十分に強くてもよい。
自然に発生する内部圧力によって膜に十分な引っ張り応力を提供している場合は、さらなる応力を加える必要はないが、均一な接触のために単に接着を加える。ID接着を膜除去のために維持し得る(吸引カップなしで)。コラーゲンを天然または合成の源から得て、接着剤コーティングを生成することができる。放電によって膜を分断するにつれて、電気的切断要素から引っ張り応力により膜のOD端を引っ張って離し、流体が、(既存の内部流体圧力の量に応じて)円形のギャップを通ってレンズから流出する。
製造
一実施形態において、適切な厚み(例えば、用途に応じて25〜50ミクロン)を有するニチノールの平らなシートを使用して、全体を通じて説明した実施形態で使用されるような電気的切断要素が製造される。タンタル層を(例えば、蒸着またはスパッタリングにより約1000オングストロームの厚みで)両側に付けることができる。酸化タンタル(Ta2О5)層を(例えば、Taをもっと堆積してそれを陽極酸化処理することにより、または、Ta2О5を直接スパッタリングすることにより)両側に製造して絶縁層を与えることができる。次に、Taからなる別の層を両側に接着層として堆積することができる。次いでタングステン層(これはオプションであるが、長時間の高温を経験するアプリケーションにとって重要であり得る)を、抗拡散層として堆積することができる。金の層を、(シード層上へ)蒸着、スパッタリング、またはメッキにより(例えば、典型的には約2ミクロンの厚みで)堆積することができる。その後、シートを特定の設計に必要な形状に(例えば、レーザー/ウォータージェットにより)切断してもよい。切断片は、刃先をスパッタリングターゲット(または蒸発源)に向けて配向する固定具に配置される。Ta2О5層を(例えば蒸着またはスパッタリングにより)堆積して、電気絶縁を提供することができる。片は、側壁の約10〜100ミクロンを露出するように上記固定具中に移動され、(例えば、Taの100オングストロームをスパッタリングすることにより)薄厚加熱素子が堆積される。電気的切断要素は上記固定具から除去され、それらを、それらが炉内にその形状設定温度(典型的には約500℃)で約10分間(試験によって決定された正確な時間)、置かれている間、所望のリング状形状で保持する形状設定固定具内に配置され、そして次いで、冷水中で急冷される。電気的切断要素は、最大で4%のひずみを受けた後、この時点でそれらのリング形状に戻る。金メッキリードは、金−金拡散結合によって取り付けることができる。リング内のギャップにまたがるリードがそれを一緒に保持する。
図11Bは、一実施形態に従い、ニチノールが電流を薄厚加熱素子に搬送する電気的切断要素の一つとして使用される場合を示す。この場合、ニチノールシートの片面のみ、絶縁層および側壁導電層でコーティングする必要がある。
一実施形態において、ポリイミド(PI、例えばカプトン)の平面シートから始まる電気的切断要素の製造手順は、接着層(例えば、Cr)をそれぞれの側の上に堆積すること、その後、金を両側に(例えば、2ミクロン厚)堆積することを含む。形状を切り出し、刃先を固定具内でスパッタリングターゲットに向け配向させる。薄厚加熱素子が堆積される。部品を固定具から外し、(例えば、金−金拡散結合によって)アームを取り付けるための別の固定具に入れる。
薄厚加熱素子の電流制御
いくつかの実施形態において、薄厚加熱素子の抵抗値は、素子の長さが短く、幅が相対的に広いと小さい。したがって、電圧の小さな変化が電流の大きな変化を生じる。製造におけるこの変動性は、異なる電気的切断要素を含む異なるデバイスを加熱するために必要な電力を生成するために、異なって印加される電圧を必要とすることがある。したがって、(支持構造を含むことができる)ハンドピース内に設置した後に異なるデバイスを試験し、そして、特性を決定して必要とする電圧を決定することができる。抵抗を備える回路素子は、リード線、デバイス上の厚い導体、および、薄厚加熱素子自体を含む。
各デバイスは、(薄厚加熱素子がダメージを受けないように)非常に低い電圧で開始して、動作電圧よりも下の最終電圧まで、少しずつ増大する短い(例えば、数マイクロ秒の)一連のパルスを印加することにより、特性を決定することができる。電流を、パルス毎に、および、電圧が増大し、電流が増大し、温度の薄厚加熱素子が上昇するにつれて、測定する。一実施形態において、他の回路素子は著しい温度変化を受けないので、より高い電流を伴う抵抗変化は薄厚加熱素子に起因する可能性が高い。データの分析は、所与のデバイスに必要な電圧および電流をコントローラが計算することを可能にする(印加電圧、電流、および/またはパルス持続時間の任意の組み合わせを、制御されたパラメータ(複数可)として使用することができる)。一実施形態において、デバイスは再利用可能なハンドピースを含み、したがって、この試験は、吸引カップが圧縮される前に使い捨てユニットがハンドピースに差し込まれるまでに、すべて行うことができる。さらなる実施形態において、試験は約1〜2秒で実施される。
図23A−Dは、一実施形態に従い、角膜切開部を介して眼の前房に挿入することができるように、吸引カップ/電気的切断要素アセンブリ(58)を圧縮するステップの概略断面図を示す。図23Aは、パッケージされた、ユーザが受け取るデバイスを示す。一実施形態において、電気的切断要素および吸引カップは製造時のストレスフリーな状態にあり、正または負のz方向の面外たわみを防ぐルーフおよびフロア、並びに、吸引カップが挿入器(59)内に引き込まれるときに発生する圧縮ステップのために最小の力を提供するように計算された側壁(81)を有する圧縮室内に配置されている。さらなる実施形態において、圧縮室の内部表面を、シリコン吸引カップに対する可能な限り低い摩擦係数を備えるように処理して(例えば、テフロン(登録商標)などのフッ化炭素表面)、液体潤滑剤の添加を必要とせずにドラッグ力を最小にしおよび動作効率を増大させる。
図23Bは、一実施形態に従い、挿入器(59)内に引き込まれた後のデバイスを示す。図23Cにおいて、一実施形態に従い、挿入器の妨げのない先端を角膜切開中に挿入することができるように、圧縮室は取り除かれている。図23Dにおいて、一実施形態に従い、吸引カップは、それが眼の前房内に配備されるときのように、挿入器から押し出されている。一実施形態において、デバイス内のいくつかの材料(例えば、吸引カップまたはポッティング材料)はセットを取ることができる、または、配備後にその形状を回復するには遅すぎることがあるため、デバイスは圧縮されずに格納されている。一実施形態において、デバイス中に使用される材料がこの制限を含まない場合、デバイスは挿入器内で既に圧縮されて組み立てられ、配備の準備ができている。したがって、外科医などのユーザは、圧縮工程を実施する時間を費やす必要がない。
吸引力を吸引カップに提供するためのメカニズム
ハンドピースから離れて位置する電動真空ポンプにチューブを介して吸引カップを接続することを含む様々な方法を用いて、吸引カップに吸引を提供することができる。一実施形態において、同一機能を達成するために、小型の真空ポンプをハンドピースに組み込むことができる。さらなる実施形態は、ユーザが実施する吸引であって、拡張可能なおよび/または折り畳み可能な、ハンドピース内に位置するかまたはハンドピースに差し込む別個の吸引カップ/電気的切断要素アセンブリに取り付けることができる吸引バッグ/空気袋/ベローズを変形させることによって人手によりアクティベートされる吸引などの機構を含む。吸引バッグ/空気袋/ベローズが取り付けられ、機械的なレバーおよびリンケージに連結されている。使用に際し、ユーザは、ボタン、スライダ、またはスイッチを手動で押し、引き、押し込み、またはスライドさせて、これらの機械的なレバーおよびリンケージを作動させる。
図24乃至47は、ハンドピース内に位置する吸引デバイスを含むデバイスの実施形態を示す。これらの実施形態は、別のやり方で約6フィートの長さでコンソールに達する吸引管を排除している。例としては、吸引カップもマウントされているスライド機構に乗っている吸引デバイスを示している。
図24A−Bは、吸引をハンドピース内に生み出す方法を示す。図24Aは、一実施形態に従い、吸引カップ(58)が圧縮され、そして、この時点で挿入器(59)内に配置されているステップにおけるハンドピースの概略断面側面図である。この実施形態において圧縮室は取り除かれており、挿入器の先端は、眼の前房に角膜切開を通じて入っている可能性がある。チューブ(97)を跨ぐ単一のU字型ノブ(111)が、チューブ(97)に平行に、圧縮する基端方向に向かって、または吸引カップを配備してチューブ(97)に垂直に移動する末端方向にスライドすることにより吸引を提供して、2つの機能を提供する(すなわち、解放時に流出し、ベローズ(112)のエラストマー成分が収縮することを可能にする)。
図24Aにおいて、一実施形態に従い、ノブ(111)は、ガイドスロット(110)の基端端部に戻ってスライドされている。図24Bにおいて、ノブ(111)はスロット(110)の末端端部にスライドし、および、チューブに対し垂直に押されてベローズの剛性支持壁(115)を回転させ、ベローズ(112)を展開してポート(114)を介して吸引カップへの吸引を作る。ハンドル(131)内のガイド(図示せず)を拘束することは、吸引カップが配備された状態で最末端の位置にある場合を除き、ノブ(111)の横方向の(すなわち、チューブに垂直な)動きを防止することができる。ユーザがノブ(111)を解放するにつれて、ベローズ(およびそのより剛性の支持)の弾性ひずみエネルギーは、それを収縮した低容積の状態に自動的に戻すことができる。一実施形態において、電気ケーブル(98)がまた、スライド可能なユニットに取り付けられ、該ユニットと共に移動する。
図25−47は、本発明に係る使い捨て吸引カップ/電気的切断要素/吸引ベローズユニットの戦略のための実施形態を示す。図25−27は基本的な概念を図示し、図28−47は実際の工学的デザインの詳細な表現を示している。図25Aは、使い捨てユニット(130)の実施形態の概略断面図を示しており、該ユニットは、圧縮室(120)、ラッチ(122)、ラッチ解除レバー(121)、吸引カップ(58)、圧縮傾斜(81)、挿入器(123、断面に見られる)、ラッチソケット(128)、真空計(126)、上側ベローズ(または空気袋)剛性支持(125)、下側ベローズ(空気袋)剛性支持(124)、および、テーパー挿入端部(129)を有する。一実施形態において、使い捨てユニットは滅菌パッケージから取り外され、再利用可能なハンドピースの末端端部に差し込まれる。ハンドピースのガイド輪郭は、吸引システムのテーパー状のラッチ(122)およびテーパー状の先端(129)を機械的に見つける。挿入が進行するにつれて、ハンドピース内の対応した電気コネクタが使い捨てユニットの電気リード線(図示せず)に電気的に接触し、ハンドピース内のラッチが挿入器(123)をしっかりとグリップし、および、スライド可能なノブがラッチソケット(128)に係合する。
図25Bは、一実施形態に従った、低容量状態における吸引カップ/ベローズユニットの概略側面図を示す。図25Cは、一実施形態に従った、ベローズが拡張された状態の側面図を示す。吸引カップとベローズの間の流体連通がポート(127)を通って発生する可能性がある。一実施形態において、ベローズは、デバイスがパッケージされたときのストレスフリーな状態で展開されている。更なる実施態様では、ユニットがハンドピース内に差し込まれると、ハンドピースの嵌合輪郭がベローズを圧縮して、パッケージされた清浄な空気を吸引カップおよび内腔(131)を介して強制的に排出させ、閉塞がないことを確実にする。閉塞がある場合、そのときはベローズ内の圧力が増加し、真空計(126)、加圧下で自由にたわむ弾性ベローズの円形パッチは外側に膨らむ。この膨らみをセンサによって検出でき、リジェクトアラームを生成することができる。センサは、再利用可能なハンドピースの一部である、光学的、電子的、または機械的センサであってよい。
図25Cは、一実施形態に従い、吸引カップシール面(44)が圧縮された状態のベローズと共に水晶体嚢をシールし、および、ベローズが拡張されたときのように、内向きに膨らんだ真空計を示している。一実施形態において、膜の円形パッチのたわみの大きさは、電子機器が操作の完了を有効にする前に所定の閾値を超え、十分な吸引力を示す。また、過度の漏れをチェックするために、たわみの変化率を時間の所定の長さ(例えば、2秒)の間、モニタすることができる。さらなる実施形態において、吸引の減少率が所定の制限を下回ると、次いで漏れ率が許容されるとみなされ、動作の完了が有効になる。可聴レディ信号は、放電がその時点で発生している可能性があることをユーザに知らせるように音を鳴らすことができる。一実施形態において、その収縮状態におけるシステムのデッドボリュームは小さく、印加することができる最大吸引力を減少させる、最初にシステム内にある空気の量を最小にする。
一実施形態において、エラストマー吸引カップ/ベローズ(空気袋)は一体的に成形され、基端先端は金型から取り出した後にシールされるようになっている。他の実施形態において、吸引カップおよびベローズは、2つの独立した部品として別々に成形されている。いくつかの実施形態において、ベローズを拡張または圧縮するために、真空計(126)を作成するようにその中に穴を有する頂部壁(125)、および、基端ヒンジ(129)の周りで回転可能な下部壁(124)を含む剛性壁が必要である。
図26Aは、吸引カップ(58)が圧縮されて挿入器(123)内に引き込まれ、および、(ラッチ解除レバー121を押圧して、ラッチ122を、それらを固定しそれを引き離している、ハンドルのソケット(254、図39参照)から移動させることによって)圧縮室が除去された後のユニットの実施形態を示している。
図26Bおよび26Cは、ベローズの動作の実施形態の側面拡大図を示す。図26Bにおいて、一実施形態に従い、ベローズがハンドピースへの挿入によって圧縮されており、真空計(126)のフラットな状態は、空気が流出し、そのために内腔が遮断されず、操作を続行することができることを示している。図26Cにおいて、吸引カップ(58)のシール面(44)(図25B参照)は水晶体嚢の表面に対してシールされており、ベローズが膨張するにつれて、真空計(126)の内側への膨らみによって図示されるように正常に吸引が作成される。
一つの実施形態において、再利用可能なハンドピースおよび再使用可能な(また殺菌可能である)ケーブルが使用される。デバイスを手術室で使用する場合、例えば、ケーブル(典型的には約6フィートの長さ)は、(ハンドピースおよび使い捨て吸引カップユニットを含む)滅菌器具が編成されている無菌領域からコンソールが置かれている非無菌環境までスペースを埋めることができる。したがって、一実施形態において、ハンドピースにケーブルの一端が差し込まれ、ハンドピースに電力を提供するコンソールに他端が差し込まれ、電子制御のいくつかまたは全部がハンドピースに対して機能する。
一実施形態において、ハンドピースは、ワイヤまたはチューブがコンソールに行くのを妨害しない、自立型ユニットとして使用するように設計されている。図27は、一実施形態に従った、ハンドピース(144)、ドッキングステーション(140)、電気供給スルー(141、そのため、全体のドッキングステーションが無菌である必要はない)を持つ無菌のエンクロージャ(142)、および、無菌パッケージ内にパッケージし得る使い捨てユニット(130)を示す。一実施形態において、ハンドピースは無菌エンクロージャ内の電気供給スルーに差し込まれてもよく、次には、ハンドピースを使用していないときにドッキングステーションの電気コネクタ(145)に差し込まれてもよい。他の実施形態において、単純な滅菌バッグはハンドピースを含んでいてもよく、次いで滅菌後、ハンドピースの電気ピン143がバッグを穿刺し、必要に応じて、ドッキングステーションの電気コネクタ(145)に差し込むように突き通すことができる。ドッキングステーションが非無菌領域内になければならない場合、そのときは、ケーブルを使用してピン(141)をコネクタ(145)に接続できる。他の実施形態において、すべてのドッキング機能は、ハンドピースを閉じた滅菌バッグの中で滅菌することができ、および、必要になるまでハンドピースがバッグ内にとどまることができるように、滅菌前に完了される。
いくつかの実施形態において、ドッキングステーションによって実行される機能は、(組織切開放電用の電流を提供する)高電圧コンデンサを予備充電すること、(ハンドピース内の電子回路に電力を供給する)低電圧スーパーキャパシタを予備充電すること、ハンドピースに埋め込まれたマイクロコントローラからデータをアップロードすること、または、データまたは新しいプログラムを埋め込まれたマイクロコントローラまたはそのファームウェアにダウンロードすることを含む。ドッキングステーションは、コンセントプラグ(146)を有していてもよく、有線または無線ネットワークを介してローカルコンピュータに接続することができる。それぞれの使用後、再使用可能なハンドピースは、滅菌剤がその壁を貫通することを可能にしてハンドピースおよびエンクロージャを滅菌するエンクロージャ(142)に差し込むことができる。ハンドピースは、フットペダル(例えば、放電をトリガするための)、ドッキングステーション、または他のコンピュータと通信するための無線通信機能(例えば、ブルートゥース)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、ハンドピースは、ステータスインジケータ(例えば、発光ダイオード)、および可聴信号(例えば、始動の準備ができている、または、デバイスが使用可能でない場合のアラーム)を生成するオーディオデバイスを含むことができる。他の実施形態において、電池をスーパーキャパシタの代わりに用いて、ハンドピースの電子制御に電力を供給してもよい。一つのすぐに使用できる構成(147)は、挿入器に引き込まれた吸引カップ、除去された圧縮室、および、眼に入れるために利用できる挿入器の先端部を示している。
一実施形態において、ハンドピースに含めるためのコンポーネントのリストは、(1)高電圧コンデンサ(例えば、電気的切断要素放電用の50−100Vの)、(2)スーパーキャパシタ(例えば、電子回路に電力を供給する3V、20ファラッドの)または電池(例えば、AAAまたはAA)、(3)制御回路(マイクロコントローラなど)、(4)ステータスインジケータ(LED)、(5)オーディオブザー、(6)連続動作はずれを防止するようにインターロックをラッチすること、および、(7)吸入圧力検出器を含む。
一実施形態において、ハンドピースは、平均電流が小さいために厚みを非常に薄くすることできる2つの導体ケーブル(なお、3つ以上の導体を有していてもよい)によってコンソールに接続されている。一実施形態において、細いケーブルは低剛性で軽量であることから、ユーザがハンドピースを操作する際のどのような労力への干渉も最小化するのに望ましい。ケーブルは、恒久的にハンドピースに取り付けることができ、或いは、コネクタにおいて取り外し可能としてもよい。前述のように、ケーブルは、滅菌野から非無菌環境までの距離に(ハンドピースは滅菌野に閉じ込められており、およびコンソールは非無菌領域内に存在する)及ぶことができる。一実施形態において、ケーブル全体が最初に滅菌され、滅菌野で始まる。しかし、滅菌野から引っ張られる端部であってコンソールにプラグインされる端部は非滅菌になる。ケーブルにより電流を供給して高電圧コンデンサ(例えば、切断用の50−100ボルト)を充電し、デバイスおよび無線通信を制御する電子回路を動作させる。これにより、ケーブルなしで動作する自立型ハンドピースにおけるバッテリまたはスーパーキャパシタの必要性を排除することができる。高電圧コンデンサは、放電のためのリード線を短くするために、好ましくはハンドピース内に保持される。一実施形態において、ケーブルに第3の導体を追加すると、ケーブルの重量および剛性の増大を引き起こすものの、高電圧コンデンサを充電するための専用線を提供し、ハンドピース内の電子回路を簡素化することができる。
図28から47は、使い捨てユニット、再利用可能なハンドピース、および再利用可能なケーブルの実施形態を示す。図28は、ユーザが受け取った、一実施形態に従った使い捨てユニット(200)を示す。吸引カップ(58)は、そのストレスフリー状態で、圧縮器(201)の圧縮室(208)にある。一実施形態において、ユーザが使い捨てユニットをハンドピース内にスライドさせたとき、ラッチ(202)はハンドピースにロックし、および、吸引ベローズの実質的に剛性の(しかし十分に可撓性の)サポートのテーパー端部(210)は、ガイド機構をハンドピースの内部へ導く。ヒンジ(207)は、面外運動を防止しつつ、ラッチ(202)の面内回転を可能にする。吸引カップが挿入器(217)に引き込まれた後、リリースレバー(203)は、押下されると、圧縮器が取り去られることができるようにラッチ(202)をラッチ解除する。圧縮室の上の透明ルーフ(209)および圧縮室のフロア面(図29において見える)は、圧縮中に吸引カップの面外たわみを防ぐ。
図29は、一実施形態による、使い捨てユニットの分解図を示す。一実施形態において、吸引空気袋(212)は、パッケージされた清浄な空気の、受け取られた際の初期体積を有する。ハンドル内部の受動ガイドは、それが挿入されて吸引カップへの内腔が押し込まれていないことを確認するための手段を提供するときに、空気袋を圧縮する。受け取られると、ウェッジ(211)はソケット(210)にラッチされて、圧縮器を吸引カップ/吸引空気袋ユニットに保持することができる。小さいながらも意図的な力で引き離されたときに受動的に解除することができるのは戻り止めである。更なる実施形態において、ユーザが使い捨てユニットをハンドピース内に挿入したとき、挿入器ラッチ(222、図35)は、操作中にハンドルに対し動かないように挿入器(217)を固定する。
動作シーケンス
1つの実施形態において、吸引カップ/電気的切断要素アセンブリがハンドピースにいったん装着されると、動作シーケンスは以下のとおりである。ユーザがハンドピース上のノブ(218)を拘束スロット(219)内でスライドさせ、そして、ノブの足が、到来する使い捨てユニット上の傾斜(226)(図31参照)を上にスライドし、ソケット(240)内にロックする。使い捨てユニットがハンドル内に完全に入れられた後、ユーザは、ノブ(218)をスロット(219)の基端端部へスライドさせて、吸引カップ(58)を圧縮室の収束側壁(81)によって圧縮させおよび挿入器(217)に引き込ませる(図33参照)。次のステップは、レバー(203)を互いに向けて押してハンドルからラッチ(202)を解放し、そして、圧縮器を引っ張ってハンドルから離し、使い捨て吸引カップシステムがハンドピース内に設置されたままにすることである。吸引カップがユーザに拡張した形状で提供される(すなわち、配備される)場合、これらのステップを使用してもよい。代替的に、吸引カップをユーザのために挿入器に予めロードすることができる。この場合、デバイスの圧縮および挿入器へのスライドは、ユーザが上述の手順を実行する必要がないように、デバイスをパッケージするより前に行ってもよい。
一実施形態において、挿入器の先端が角膜切開を通して眼の前房内に挿入される。挿入器先端が角膜切開を介して押された後、ノブ(218)が末端方向にスライドされて、吸引カップを眼内に配備する。デバイスのユーザは、吸引カップの中心をレンズの光軸上に位置決めし、シール面(44)を水晶体嚢に接触させることができる。次いでノブ(218)が押下されて、吸引空気袋(212)を展開し、および、吸引カップが莢膜に対し電気的切断要素(例えば、図30中の250)を押圧させる原因となる吸引力を作る。次いで、放電が発生して膜を切開することができ、その後、ノブ(218)をスライドさせて基端方向に再び戻すことによって、吸引カップを挿入器内に引き戻すことができる。挿入器における完璧なパッキングはもはや重要でないため、圧縮器は必要がない。デバイスは、この時点で眼から取り除くことができる。
図30は、一実施形態による吸引システムを構成するコンポーネントである、吸引カップ(58)、剛性チューブ(215)、熱収縮チューブ(216)、吸引空気袋(212)、電気的切断要素リード線(214)、および、電気的切断要素(250)を示している。この構成では、吸引カップのネックは、剛性チューブの末端端部の外側表面の上をスライドすることができる。吸引空気袋のネック(213)は、剛性チューブの基端部の外周面の上をスライドすることができる。リード(214、電気的切断要素250への電気的接続を行う)の末端端部は、吸引カップの側壁を貫通することができ、ポッティング材料(例えば、シリコン)によってシールされるので、漏れが発現しない。最後に、熱収縮チューブ(216)は、加熱により収縮させることができ、(それの内側にある)他の部品をしっかりと所定の位置に固定する。
図31は、一実施形態に従い、図30中の部品は組み立てられているが、挿入器(217)、剛性壁(213)、および圧縮器(210)を別々に示している部分分解図を示す。完全に組み立てられたとき、吸引空気袋の頂部および底部壁(213)は対応する剛性壁に(例えば、シリコン接着剤によって)接着され、熱収縮チューブ(216)は挿入器(217)の内腔の内部にある。挿入器(217)の基端端部のテーパー構造(225)は、ハンドルの挿入器ラッチ(222)で固定されている。図31はまた、ソケット(210)、可逆的にソケットと係合するウェッジ(211)、および、ノブ(218)の足を機械的に探し出してそれらをソケット(240)にロックするように導く傾斜(226)を示す。
図32は、一実施形態に従い、再利用可能なハンドピースへラッチされた使い捨てユニットの上面斜視図を示す。再使用可能なケーブル(図示せず)は、ハンドピースの基端端部において電気コネクタ(221)に差し込むことができる。図33は、一実施形態による、使い捨てユニットの拡大図を示す。本実施形態において、吸引カップは、圧縮され、挿入器内に引き込まれており(圧縮された吸引カップ(58)の末端は、内腔内で挿入器の先端に見られる)、ノブ(218)は基端にスライドされている。
図34において、一実施形態に従い、圧縮器(201)が再利用可能なハンドピースから除去されている。内部の部品が見えるようにハンドルは図示されていない。一実施形態において、ハンドピースは、スライドユニット(231)および固定ユニットから構成されている。固定ユニットは、ハンドル(220)(図示せず)、挿入器ラッチ(222)、および、使い捨て挿入器(217)で構成される。スライドユニットはリブ(230)を持つブロック(251)を含み、該リブは、回転させずにスライドできるようにハンドルのIDの溝と係合している。スライドユニットはまた、使い捨てユニット上の電気リード(214、図30)と係合する、準拠した電気接点(224)、および、垂直運動を可能にするためにブロックから片持ち支持されているノブ(218)を含む。これらの構成要素の間のスペースは、使い捨て吸引空気袋を受け取って圧縮するキャビティを形成することができる。
図35は、一実施形態に従い、眼内に先端を挿入する準備ができているハンドピースをクローズアップして示している。本実施形態において、圧縮された吸引カップ(58)の末端端部が挿入器(217)の内腔内に見られ、その最も基端の位置にノブ(218)がある。ハンドル(220)から圧縮器が除去されているので、圧縮器のラッチを係合するためのガイド(223)を見ることができる。吸引力が印加される前に吸引カップを配備する必要があることから、ハンドルの切り欠き(245)は、ノブがその最末端位置にある場合にのみ、押圧されたときにノブのスタンドオフ(246)が下降して吸引を作成することを可能にする。さらなる実施形態において、他のすべての位置でスタンドオフは、ノブ(218)が押し下げられないように、レール(247)に対してスライドする。挿入器ラッチ(222)はハンドル(220)から片持ちされており、スライドユニットと一緒には移動しない。
図36は、スライドユニットに挿入され、スライドユニットによって圧縮された、一実施形態に従った吸引空気袋ユニットを示す。挿入運動は、使い捨て側上に、吸引空気袋壁アセンブリのテーパー状の端部(210)によりおよびテーパー状傾斜(226)により、並びに、ハンドピース側上に、テーパー状傾斜(232)および両方がスライドブロック(251)から片持ち支持されているルーフ(234)とフロア(233)とにより画定される圧縮キャビティにより、機械的に案内される。一実施形態において、フロア(233)は非常に硬質ではなく、ユーザがノブ(218)を押し下げることによって下向きにたわませて吸引を作ることができ、次いで、ノブが解放されたときにスプリングが戻る力を提供して流出を作る。
図37Aは、一実施形態に従い、ノブ(218)がどのようにソケット(240)に係合するかを示す。この実施形態において、ノブが押下され、吸引空気袋(212)が拡張して吸引を生成する。図37Bにおいて、一実施形態によれば、ノブが解放されており、吸引空気袋が再び、その低容量状態に圧縮される。図37Cは、一実施形態により、ブロック(251)から片持ち支持されるフロア(233)およびルーフ(234)によって形成されるキャビティが、使い捨てユニットがハンドピースに挿入されたときに、吸引空気袋を圧縮することを示す。さらなる実施形態において、センサで(206)におけるたわみをモニタし、ルーフ(234)上にセンサを装着することができる。
図37Dは、一実施形態による、出荷され、既に挿入器(217)内に格納されている吸引カップ(58)の構成を示す図である。この実施形態において、圧縮器は全く必要がない。ユーザは単に、ユニットをその無菌パッケージから取り出し、それをハンドピースに差し込み、そして、デバイスを使い始めることができる。図38は、一実施形態による、ハンドピース中に装着された、配備された吸引カップの正面図を示す。図39は、一実施形態による、ハンドピース中に装着された、配備された吸引カップの側面斜視図を示す。図40は、一実施形態による、ノブ(218)、および、ノブをブロック(251)に接続するカンチレバー(253)を含む構造の側面図を示す。この実施形態は、コンタクト(224)、ルーフ(234)、フロア(233)、および、使い捨てユニットの傾斜(226、図37参照)の挿入を案内する収束入口(252)を含む。
図41は、一実施形態による、挿入器ラッチ戦略の側面図を示す。ラッチ(222)は、ハンドルから片持ち支持されて使い捨て挿入器(217)のテーパー構造(225)と係合することができ、使い捨て挿入器がスライドして入るようになっている。一実施形態において、ウェッジ(211、図29参照)は、挿入器を保持するのに十分にきつくラッチステップの間にそれをグリップするが、デバイス動作の後続のステップの間に、スライドして離れ、戻ることができる。図42は、一実施形態に従い、使い捨てユニットに隣接する使い捨て空気袋(212)を、空気袋が圧縮されてスライドユニット内に設置された状態で示す側面図である。図43は、一実施形態に従った斜視図を示す。
図44Aは、一実施形態による、再利用可能なハンドピースのスライドユニットの概観斜視図を示す。図44Bは、一実施形態に従い、下にある電気コネクタ(224)が見えるようにルーフ(234)が取り外されたことを示す。
図45A乃至47は、デバイスのシーケンス動作ずれを防ぐラッチインターロックを持つ実施形態を示す。図45Aは、一実施形態による、他のスライドブロック(263)が互いに向かって移動するのを阻止するブロック(262)を有するスライド可能なラッチ構造(260)を示す。ポスト(264)は、スライドブロック(262)を、圧縮室(201)の上に配置されている片持ちラッチ(261)に接続することができる。片持ちラッチ(261)は、使い捨てユニットがハンドピースに差し込まれると、再使用可能なハンドピースのノブ(218)の側面に係合することができる。次に、吸引カップを挿入器内に引き入れるようにノブがその基端位置にスライドされると、ブロック(262)は、圧縮室をハンドピースから解放するように圧縮室リリースレバー(213)が移動できるように、スライドブロック(263)の進路から抜け出すことができる(図45B参照)。
図46は、一実施形態に従い、ラッチ(202)を持つ圧縮器(201)を示し、該ラッチは、ユーザが使い捨てユニットを再利用可能なハンドピース内に差し込むときにハンドピース上に該圧縮器を固定する。スロット(266)に収まるにはブロック(262)が広すぎるため、スロット(266)はブロック(262、図45Aおよび45B参照)を保持することができる。ブロックは、圧縮器の本体内にある通路に沿ってスライドすることができる。
図47は、一実施形態により、再利用可能なハンドピース内に最初に差し込まれた使い捨てユニットを示す。この実施形態において、ラッチ(261)は、ハンドピースのノブ(218)をグリップしている。ユーザがノブをその基端位置へスライドさせて吸引カップを挿入器内に引き入れると、ラッチ(261)もまた移動する。さらなる実施形態では、ラッチ(261)はブロック(262)に接続されていることから、それらはスライドしてブロック(263)の進路から外れて、そのため、リリースレバー(213)が押されたときに、それらは中心線に向かって代わるがわるスライドすることができる。ラッチ(261)が基端位置に向かうそれらのスライドの端に達すると、それらはウェッジ(265)と接触するようになって、そのために、リリースレバー(213)が中心線に向かって押されてラッチ(202)を中心線から離れて揺動させたときに、ウェッジ(265)がラッチ(261)を押して中心線から離れるようになる。このように、圧縮器がハンドルから引き離されたとき、ラッチ(261)はノブ(218)との係合から離脱して、ノブを通過してスライドするクリアランスを持っている。このインターロックの目的は、吸引カップが挿入器内に引き込まれた後まで、圧縮器がハンドピースから引き込まれるのを防止することである。
概要
本発明の実施形態の上記説明は例示目的で提示されており、網羅的であること、すなわち、開示された正確な形態に本発明を限定するものではない。関連技術における当業者は多くの修正および変形が上記の開示に照らして可能であることを理解できよう。
この説明のいくつかの部分は、情報操作についてのアルゴリズムおよび記号表現によって本発明の実施形態を説明している。これらのアルゴリズム記述および表現は、一般的に、データ処理技術における当業者によって他の当業者に効果的に彼らの仕事の内容を伝えるために使用される。機能的、計算的または論理的に説明しながら、これらの操作を、コンピュータプログラムまたは等価の電気回路、マイクロコード等によって実現できるものと理解される。さらに、モジュールとしてのこれらの操作の構成に一般性を失うことなく言及することは、幾度か証明された利便性を有している。説明された動作およびそれらの関連モジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実施することができる。
本明細書に記載のいずれのステップ、操作、または処理も、1つまたは複数のハードウェアまたはソフトウェアモジュールで、単独で、または他のデバイスとの組み合わせを用いて、実施または実現してもよい。一実施形態において、ソフトウェアモジュールは、説明されたステップ、操作、または処理のいずれかまたはすべてを実行するコンピュータプロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムコードを含むコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラムで実装される。
本発明の実施形態はまた、本明細書の動作を実行するためのデバイスに関するものであってもよい。このデバイスは、必要とされる目的のために特別に構築されてもよいし、および/または、選択的にコンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって起動または再構成される汎用コンピューティングデバイスを含んでもよい。このようなコンピュータプログラムは、非一時的な、有形のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、または電子的な命令を格納するのに適した任意の種類の媒体であって、コンピュータシステムバスに結合することができる媒体に格納することができる。さらに、明細書でいうどのコンピューティングシステムも、単一のプロセッサを含んでいてよく、または、増加した計算能力のためのマルチプロセッサ設計を利用するアーキテクチャであってもよい。
また、本発明の実施形態は、本明細書に記載のコンピューティングプロセスによって製造される製品に関連してもよい。このような製品は、情報が非一時的、有形のコンピュータ可読記憶媒体に格納され、本明細書中に記載のコンピュータプログラムまたはその他データの組合せの任意の実施形態を含むことができるコンピューティングプロセスに起因する情報を含むことができる。
最後に、本明細書で使用される言語は、主として意味の取りやすさおよび教示目的から選択されたものであって、本発明の主題を描写または限定するために選択されたものではない。したがって、本発明の範囲はこの詳細な説明によっては限定されず、むしろ、この文書に基づいた応用を表明している任意の特許請求の範囲によって限定されることを意図している。従って、本発明の実施形態の開示は例示することを意図しているが、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
本明細書の本文内で引用される全ての参考文献、発行された特許公報、および、特許出願が、全ての目的のため、参照によりその全体が組み込まれる。

Claims (15)

  1. 組織切開のための外科用デバイスにおいて、
    可逆的に折り畳み可能な支持要素、および、
    該支持要素に装着された可逆的に折り畳み可能な切断要素を備え、該切断要素は、
    導電性の外部層を前記支持要素の外径に、
    導電性の内部層を前記支持要素の内径に、および、
    底部層を前記支持要素の底部縁に備え、該底部層は前記外部層および前記内部層と関連し、該底部層は前記外部層および前記内部層よりも高い電気抵抗を有し、該底部層は前記外部層と前記内部層の間に、組織を切開するために前記底部層に温度上昇を引き起こす電流を導電するように構成されている、
    外科用デバイス。
  2. 前記切断要素は形状が円形である、請求項1に記載の外科用デバイス。
  3. 前記支持要素に取り付けられた吸引カップをさらに備える、請求項1に記載の外科用デバイス。
  4. 前記底部層は10〜200オングストロームの厚みを有し、前記外部層と前記内部層よりも薄い、請求項1に記載の外科用デバイス。
  5. 電流を、(1)単一の電流パルスとして、または(2)一連の電流パルスとして、導電することができる、請求項1に記載の外科用デバイス。
  6. (1)前記外部層は、前記電流を前記外部層および前記底部層に導電するように構成された第1のリードに結合され、および、
    (2)前記内部層は第2のリードに結合されており、前記内部層は、前記電流を前記底部層から前記第2のリードに導電するように構成されている、
    請求項1に記載の外科用デバイス。
  7. 前記支持要素は、弾性材料で構成され、および、絶縁層でコーティングされ、前記導電性の外部層、内部層、および、底部層が前記絶縁層上にコーティングされている、請求項1に記載の外科用デバイス。
  8. 前記外部層、内部層、および、底部層は第1の導電層を含み、前記内部層および外部層はそれぞれ第2の導電層をさらに含み、それによって、該第2の導電層が前記底部縁上の前記第1の導電層を経由して電気的に接続され、そして、電流がデバイスを通って流れたときに前記第1導電層が加熱素子を備える、請求項1に記載の外科用デバイス。
  9. 前記内部層および外部層は、一方が他方より薄く且つより高抵抗である、少なくとも2つの導電層を含む、請求項1に記載の外科用デバイス。
  10. 前記支持要素はニチノールを含み、および、前記内部層、外部層および底部層は、タンタル層であって、第2のタンタル層でコーティングされたタンタル酸化物層でコーティングされたタンタル層を備え、および、前記内部層および外部層はさらに、前記第2のタンタル層上にコーティングされた金層を備える、請求項1に記載の外科用デバイス。
  11. 前記支持要素は、該支持要素の部分であって前記外部層と前記内部層の間の部分において、25〜50ミクロンの厚みを有する、請求項1に記載の外科用デバイス。
  12. 前記支持要素は弾性材料で構成されている、請求項1に記載の外科用デバイス。
  13. 前記支持要素の少なくとも一部が接着材料でコーティングされている、請求項12に記載の外科用デバイス。
  14. 前記支持要素の前記接着材料の少なくとも一部が拡散バリア材料でコーティングされている、請求項13に記載の外科用デバイス。
  15. 眼の水晶体嚢に嚢切開術を行うための嚢切開デバイスを含む、請求項1に記載の外科用デバイス。
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