本明細書に記載された例示的な実施態様は、煙フィルターに使用されることができる多孔質体を製造する装置、システム及び関連する方法に関し、これらの高生産性の製造方法の実施態様を含む。
本明細書に記載された例示的な実施態様は、煙流成分の高められたろ過効能及び許容可能な吸引特性を備えた喫煙具フィルターに使用されることができる多孔質体の高生産性の製造のための方法及び装置(及び/又はシステム)を提供する。
(全開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、2011年10月14日に出願された同時係属中のPCT出願番号PCT/US11/56388に記載された)多孔質体は概ね、複数の接触点で機械的に結合された、複数の結合剤粒子(例えば、ポリエチレン)及び複数の活性粒子(例えば、カーボン粒子又はゼオライト)を含む。該接触点は、活性粒子−結合剤間の接触点、結合剤−結合剤間の接触点、活性粒子−活性粒子間の接触点及びこれらの任意の組み合わせであることができる。本明細書で使用される用語「機械的結合」、「機械的に結合された」、「物理的結合」等は、2つの粒子を少なくとも部分的に一緒に保持する物理的な連結を言う。機械的に結合しているのは概ね、焼結の結果である。そのため、本明細書に記載された「機械的に結合する」ことは、複数の結合剤粒子及び複数の活性粒子が複数の焼結された接触点で機械的に結合される実施態様を包含する。機械的結合は、結合材料に応じて剛性又は可撓性であることができる。機械的に結合することは、化学的に結合することを含んでいても、いなくてもよい。本明細書で使用される用語「粒子」及び「微粒子」は、互換的に使用され、材料の全ての公知の形状を含み、例えば球形及び/若しくは卵形、実質的に球形及び/若しくは卵形、円盤形及び/若しくは薄板形、薄片、靭帯状、針状、線維状、多角形(例えば、立方体)、不規則な形状(例えば、砕石の形状)、カット面状(例えば、水晶の形状)又はこれらの任意の混成物を含んでもよいことが理解されなければならない。多孔質体のさらなる非限定的実施態様は、2012年7月7日に全て出願された、同時係属中の出願PCT/US2011/043264号、PCT/US2011/043268号、PCT/US2011/043269号、及びPCT/US2011/043271号に詳しく記載されており、その全開示内容は参照により本明細書に包含される。
多孔質体は、様々な方法によって製造されることができる。例えば、いくつかの実施態様は、マトリクス材料(例えば、活性粒子及び結合剤粒子)を(例えば、型を用いて)所望の形状に形成する工程、マトリクス材料を加熱して該マトリクス材料を一緒に機械的に結合する工程、及び多孔質体に仕上げる工程(例えば、多孔質体を切断して所望の長さにする工程)を含むことができる。多孔質体の製造に含まれる様々なプロセス/工程の中で、均一な分散を維持しながらマトリクス材料を所望の形状に形成する工程及び加熱工程は、高生産性の製造を制限する2つの工程であることがある。従って、高濃度相空送供給を用いる方法が、本明細書に記載された多孔質体の高生産性製造(例えば、約1m/分〜約800m/分、又は約300m/分〜約800m/分の線流速)のための好ましい方法に含まれることができる。さらに、急速加熱を使用する方法(例えば、マイクロ波加熱、及び任意的にマトリクス材料中にマイクロ波増強添加物を含めるとともにマイクロ波加熱)、及び任意的に予備加熱工程(例えば、間接加熱又は加熱されたガスとの直接接触)とともに急速加熱を使用する方法が、本明細書に記載された多孔質体の高生産性製造のためのいくつかの好ましい方法に含まれることができる。さらに、追加の好ましい高生産性製造の実施態様では、この方法の急速加熱の部分がマトリクス材料の一部(例えば、外側の部分)を焼結し又は機械的に結合するように設計されている場合には、2次焼結若しくは2次加熱が、品質管理のために、又は焼結を完了するために使用されることができる。
本明細書で使用される用語「喫煙具」とは、シガレット、シガレットホルダー、シガー、シガーホルダー、パイプ、水パイプ、水ギセル、電子喫煙具、手巻きシガレット及び/若しくはシガーを含む物品又は用具をいうが、これらに限定されない。
本明細書で、数字の列挙中の数に関して「約」が提示されているときは、用語「約」は、その数字の列挙中の各数を修正することに留意しなければならない。範囲のいくつかの数字の列挙では、列挙されたいくつかの下限は、列挙されたいくつかの上限よりも大きいことがあることに留意しなければならない。当業者は、選択された下位の組み合わせは、その選択された下限を超える上限の選択が必要になることを認識されよう。
I. 多孔質体を形成する方法及び装置
多孔質体を形成する方法は、連続処理方法、バッチ処理方法、または連続−バッチ混成処理方法を含むことができる。本明細書で使用される「連続処理」とは、間断なく材料を生産することまたは製造することをいう。材料の流れは、連続、間欠、またはその両方の組み合わせであることができる。本明細書で使用される「バッチ処理」とは、個別の工程場所において単一の成分または一群の成分として材料を生産または製造し、そしてその後に当該単一の成分または一群の成分が次の工程場所に進むことをいう。本明細書で使用される「連続−バッチ処理」とは、連続とバッチとの混成をいい、いくつかの工程又は一連の工程が連続して実施され、残りの工程がバッチ毎に実施される。
概して多孔質体は、マトリクス材料から形成されることができる。本明細書で使用される「マトリクス材料」とは、多孔質体を形成するために使用される前駆体、例えば、結合剤粒子および活性粒子をいう。いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、結合剤粒子および活性粒子を含む、から成る、又はから本質的になることができる。いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、結合剤粒子、活性粒子及び添加物を含んでもよい。好適な結合剤粒子、活性粒子及び添加物の非限定的な例は、本明細書に提示されている。
多孔質体を形成する工程は概して、マトリクス材料を所望の形状(例えば、喫煙具フィルター、水フィルター、エアフィルター等の中に取り込むのに適した形状)に形成する工程、及び複数の接触点においてマトリクス材料の少なくとも一部を機械的に結合する(例えば、焼結する)工程を含むことができる。
マトリクス材料をある形状に形成する工程は、型を含むことができる。いくつかの実施態様では、型は一体品又は一体品の集合であって、後端キャップ、プレート又はプラグを備えていても、いなくてもよい。いくつかの実施態様では、型は、組み合わせると型を形成する、複数の型部品であってもよい。いくつかの実施態様では、型部品は、コンベヤー、ベルト等によって一緒に接合されてもよい。いくつかの実施態様では、型部品は、材料経路に沿って静止しており、コンベアー、ベルト等がその中を通過するように構成され、当該型が半径方向に拡張、縮小して、所望の程度の圧縮をマトリクス材料に与えることができる。
型は、任意の断面形状を有することができ、例えば、円形、実質的に円形、卵形、実質的に卵形、多角形(例えば、三角形、正方形、長方形、五角形等)、丸みを帯びた端を有する多角形、ドーナツ形等、又はこれらの任意の混成形を含むがこれらに限定されない。いくつかの実施態様では、多孔質体は、孔を含む断面形状を有することができ、該孔は1つ以上のダイを使用して、機械加工によって、適当な形状をした型によって、又は任意の他の適当な方法(例えば、分解性材料の分解)によって形成されることができる。いくつかの実施態様では、多孔質体は、シガレットホルダー又はパイプ用の特定の形状を有することができ、この形状は該シガレットホルダー又はパイプ内にはめ込まれるように調節されて、煙の流れがフィルターを通って消費者に届くことを可能にする。本明細書で多孔質体の形状を検討するときは、従来の喫煙具フィルターに関しては、該形状は、円柱の断面の直径又は円周(ここで、円周とは円の周囲の長さである)を用いて言及されることができる。しかし本明細書に記載された多孔質体が、正確な円柱以外の形状である実施態様では、「円周」の用語は、円形の断面を含む任意の形状の断面の周囲長さを意味するように使用されることを理解しなければならない。
概して、型は、長軸方向および該長軸方向に垂直な半径方向を有し、例えば実質的に円筒形状を有することができる。当業者は、本明細書に提示された実施態様を、長軸及び半径方向を定義できない型に、例えば球形及び立方体に、適用可能な場合にどのように置き換えられるかを理解しなければならない。いくつかの実施態様では、型は、長軸方向に沿って変化する断面形状、例えば円錐形状、正方形から円形に移行する形状、又は螺旋形状を有することができる。シート形状の型(例えば、2枚のプレート間の開口部によって形成された型)についてのいくつかの実施態様では、長軸方向は機械方向又はマトリクス材料の流れ方向である。いくつかの実施態様では、型は、巻かれた、又は所望の断面形状、例えば円筒形状にされた紙であることができる。いくつかの実施態様では、型は、長軸方向の継ぎ目で糊付けされた紙の円筒であってもよい。
いくつかの実施態様では、型は長軸を有し、該長軸はそれに沿って第1の端部及び第2の端部としての開口部を有することができる。いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、処理される間、型の長軸に沿って通過することができる。非限定的な例として、図1は、材料経路110に沿った長軸を有する型120を示す。
いくつかの実施態様では、型は長軸を有し、該長軸はそれに沿って第1の端部及び第2の端部としての開口部を有し、少なくとも1つの端部が閉じていてもよい。いくつかの実施態様では、該閉じた端部は、開くことが可能であってもよい。
いくつかの実施態様では、個々の型は、機械的に結合される前のマトリクス材料を充填されることができる。いくつかの実施態様では、単一の型を使用して、機械的結合の前及び/又は機械的結合の間、マトリクス材料を連続的にその中を通すことによって、多孔質体を連続的に製造することができる。いくつかの実施態様では、単一の型を使用して、個々の多孔質体を製造することができる。いくつかの実施態様では、該単一の型は、再使用され及び/又は連続的に再使用されて、複数の個々の多孔質体を製造することができる。
いくつかの実施態様では、型は、少なくとも部分的に、ラッパーで内張りされ及び/又は離型剤でコーティングされることができる。いくつかの実施態様では、ラッパーは、個々のラッパー、例えば紙片であることができる。いくつかの実施態様では、ラッパーは、巻き取り可能な長さのラッパー、例えば50フィート(15.2メートル)のロール紙であることができる。
いくつかの実施態様では、型は、複数のラッパーで内張りされることができる。いくつかの実施態様では、多孔質体を形成する工程は、(1つ又は複数の)型を(1つ又は複数の)ラッパーで内張りする工程を含むことができる。いくつかの実施態様では、多孔質体を形成する工程は、ラッパーが有効に型を形成するように、マトリクス材料をラッパーで包む工程を含むことができる。このような実施態様では、ラッパーは、事前に型として形成されてもよく、マトリクス材料の存在下で型として形成されてもよく、又は事前に(例えば、粘着付与剤によって)形成された形状でマトリクス材料のまわりを包んでもよい。いくつかの実施態様では、ラッパーは、型の中に連続的に供給されることができる。ラッパーは、多孔質体を一定の形状に保持することができ、多孔質体を型から離型することができ、マトリクス材料が型内を通過するのを助けることができ、処理又は出荷の間、多孔質体を保護することができ、又はこれらの任意の組み合わせをすることができる。
好適なラッパーとしては、紙(例えば、木質系紙、亜麻を含む紙、亜麻紙、他の天然繊維又は合成繊維から製造された紙、機能性紙、特殊マーキング紙、色付けされた紙)、プラスチック(例えば、フッ素化ポリマー、例としてポリテトラフルオロエチレン、シリコーン)、フィルム、コート紙、コーティングされたプラスチック、コーティングされたフィルム等、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様では、ラッパーは、喫煙具フィルターに使用されるのに適した紙であることができる。
いくつかの実施態様では、ラッパーは、所望の形状、例えば実質的に円筒構造を維持するのに役立つようにそれ自体に接着(例えば、糊付け)されることができる。いくつかの実施態様では、マトリクス材料を機械的に結合する工程は、マトリクス材料をラッパーに機械的に結合する(又は焼結する)工程でもあることができ、このことは、ラッパーをそれ自体に接着する必要を軽減することができる。
好適な離型剤は、化学離型剤又は物理離型剤であることができる。化学離型剤の非限定例としては、油、油性溶液及び/又は懸濁液、石鹸溶液及び/又は懸濁液、型表面に結合されたコーティング剤等、並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられる。物理離型剤の非限定例としては、紙、プラスチック、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。物理離型剤は、離型ラッパーと呼ばれることがあり、これも本明細書に記載されたラッパーと同様に用いられることができる。
型で所望の断面形状に形成されれば、マトリクス材料は、複数の接触点で機械的に結合されることができる。機械的に結合する工程は、マトリクス材料が型内にある間及び/又はその後で実施されることができる。機械的に結合する工程は、熱及び/又は圧力を用いて(即ち、焼結された接触点を形成して)、かつ接着剤を用いないで達成されることができる。いくつかの実施態様では、接着剤が任意的に含められてもよい。
熱は、放射熱、伝導熱、対流熱、及びこれらの任意の組み合わせであることができる。加熱としては、熱源、例えば型内部への加熱流体、型外部への加熱流体、スチーム、加熱された不活性ガス、多孔質体の成分(例えば、ナノ粒子、活性粒子等)からの二次放射線、オーブン、ファーネス、火炎、導電材料または熱電材料、超音波等、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。非限定例として、加熱としては、対流式オーブン又は加熱ブロックが挙げられる。別の非限定例として、マイクロ波エネルギーによる加熱(単一モード又は多重モードの加熱器)が挙げられる。別の非限定例では、加熱は、マトリクス材料が型内にある間、加熱した空気、窒素、又は他のガスをマトリクス材料中を貫通させるのでもよい。いくつかの実施態様では、活性粒子及び/又は添加物の何らかの望ましくない酸化を軽減するために、加熱した不活性ガスが使用されることができる。別の非限定例としては、型が発熱するように、熱電材料で作られた型が挙げられる。いくつかの実施態様では、加熱としては、上記の組み合わせ、例えばマトリクス材料がマイクロ波オーブン中を通過する間、加熱したガスをマトリクス材料中に通すことが挙げられる。
多孔質体の成分(例えば、ナノ粒子、活性粒子等)からの二次放射熱は、いくつかの実施態様では、電磁放射線、例えばガンマ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波、電波、及び/又は長電波を、その成分に照射することによって達成されることができる。非限定例として、マトリクス材料は、高周波を照射されると熱を放出するカーボンナノチューブを含んでいることができる。別の非限定例では、マトリクス材料は、マイクロ波照射を熱に変換する能力のある炭素粒子のような活性粒子を含んでいることができ、この熱は、結合剤粒子同士を機械的に結合する、又は機械的に結合する(例えば、焼結する)のを助ける。いくつかの実施態様では、電磁放射線は、所望の成分と適切に相互作用するように、周波数及び強度が調整されることができる。例えば、活性炭素は、目標の加熱速度に適合するように選択された、固定の又は調節可能な設定強度で、約900MHz〜約2500MHzの範囲の周波数で、マイクロ波と組み合わされて使用されることができる。
本開示発明の利益を享受する当業者は、異なる波長の電磁放射線は材料の異なる深さまで進入することを理解しなければならない。従って、一次又は二次放射線方法を利用する際に、型の材料、配置及び構成、マトリクス材料の組成、電磁放射線を熱に変換する成分、電磁放射線の波長、電磁放射線の強度、照射方法、並びに二次放射線の所望の量、例えば熱を考慮しなければならない。
加熱(本明細書に記載された任意の方法、例えば対流式オーブン又は電磁放射線への曝露によるものを含む)のための滞留時間及び/又は機械的結合(例えば、焼結した接触点)を起こさせる適用圧力のための滞留時間は、約100分の1秒、10分の1秒、1秒、5秒、30秒、又は1分の下限から、約30分、15分、5分、1分、又は1秒の上限までの範囲の時間であることができ、該滞留時間は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。より高速な加熱方法、例えばマイクロ波のような電磁放射線への曝露を利用する連続方法の場合、短い滞留時間が好ましく、例えば約10秒以下、又はより好ましくは約1秒以下であることができることに留意しなければならない。さらに、対流加熱のような方法を使用する処理方法は、分の時間スケールの、より長い滞留時間を提供することができ、それは30分を超える滞留時間を含むことができる。適切な温度および加熱プロフィールが所与のマトリクス材料に対して選択されることができることを条件として、より長い時間、例えば数秒から、数分、数時間またはそれ以上までが適用されることができることを、当業者は理解しなければならない。機械的結合が可能になるのに十分な温度及び/又は圧力までではない予備加熱又は予備処理方法及び/若しくは工程は、本明細書で使用される滞留時間の一部とはみなされないことに留意しなければならない。
いくつかの実施態様では、機械的結合を促進するための加熱は、マトリクス材料の成分の軟化温度までであることができる。本明細書で使用される用語「軟化温度」とは、その温度を超えると材料が柔軟になる温度をいい、これは典型的には該材料の融点よりも低い。
いくつかの実施態様では、機械的に結合する工程は、約90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、又は140℃の下限から、約300℃、275℃、250℃、225℃、200℃、175℃、又は150℃までの上限の範囲の温度で達成されることができ、この温度は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。いくつかの実施態様では、加熱は、材料を単一の温度に付することによって達成されることができる。別の実施態様では、温度プロフィールは時間とともに変化することができる。非限定例として、対流式オーブンが使用されてもよい。いくつかの実施態様では、加熱はマトリクス材料内に局所化されてもよい。非限定例として、ナノ粒子からの二次放射線は、ナノ粒子に近接したマトリクス材料のみを加熱することができる。
いくつかの実施態様では、マトリクス材料は型に挿入される前に予熱されることができる。いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、該マトリクス材料の成分の軟化温度より低い温度まで予熱されることができる。いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、該マトリクス材料の成分の軟化温度より約10%、約5%、又は約1%低い温度まで予熱されることができる。いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、該マトリクス材料の成分の軟化温度より約10℃、約5℃、又は約1℃低い温度まで予熱されることができる。予熱は、熱源、例えば機械的に結合する工程を達成するために熱源として上に列挙されたものを含むことができるが、これらに限定されない。
いくつかの実施態様では、マトリクス材料を結合する工程は、多孔質体または長尺多孔質体をもたらすことができる。本明細書で使用される用語「長尺多孔質体」とは、連続多孔質体(即ち、際限なく続くのではなくて、多孔質体に比べて長いものであって、連続的に製造されるもの)をいう。非限定例として、長尺多孔質体は、マトリクス材料を加熱された型内に連続的に通すことによって製造されることができる。いくつかの実施態様では、結合剤粒子は、機械的に結合する工程の間、その元の物理的形状(又は実質的に保持された元の形状、例えば元の形状から10%以下の形状変化(例えば、収縮)をした形状)を保持することができる、即ち、結合剤粒子は、マトリクス材料中及び多孔質体(または長尺体)中で実質的に同じ形状であることができる。簡潔さ及び読み易さのため、他に特に規定がないときは、用語「多孔質体」は、多孔質体区画、多孔質体、長尺多孔質体(包まれたもの又はそうでないもの)を包含する。
いくつかの実施態様では、長尺多孔質体は切断されて、多孔質体をもたらすことができる。切断は、カッターを用いて達成することができる。好適なカッターとしては、ブレード、ホットブレード、カーバイドブレード、ステライトブレード、セラミックブレード、硬化スチールブレード、ダイヤモンドブレード、平滑ブレード、鋸ブレード、レーザー、加圧流体、液体ランス、気体ランス、裁断機等、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。高速度処理を伴ういくつかの実施態様では、切断ブレード又は同様の用具は、長軸に垂直な端部を有する多孔質体をもたらすように、処理速度に合った角度に配置されることができる。いくつかの実施態様では、カッターは、長尺多孔質体の長軸に沿って、該長尺多孔質体との相対的位置を変えることができる。
いくつかの実施態様では、多孔質体及び/又は長尺多孔質体は、押出しされることができる。いくつかの実施態様では、押出にはダイを用いることができる。いくつかの実施態様では、ダイは、多孔質体及び/又は長尺多孔質体を押出すことができる複数の穴を有することができる。
いくつかの実施態様は、多孔質体及び/又は長尺多孔質体を半径方向に切断して、多孔質体及び/又は多孔質体区画をもたらすことを含むことができる。当業者は、半径方向の切断がどのようなシート様の形状への切断になり、またどのようなシート様の形状への切断を包含するかを認識できるであろう。切断は、長尺多孔質体を多孔質体に切断することに関して上記されたものを含む、任意の公知の装置を用いて任意の公知の方法によって達成されることができるが、上記されたものに限定はされない。
多孔質体又はその区画の長さが、約2mm、3mm、5mm、10mm、15mm、20mm、25mm、又は30mmの下限から、約150mm、100mm、50mm、25mm、15mm、又は10mmの上限までの範囲であることができ、該長さは、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。
長尺多孔質体、多孔質体、又はその区画(包まれたもの又はそうでないもの)の外周は、約5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm、21mm、22mm、23mm、24mm、25mm、又は26mmの下限から、約60mm、50mm、40mm、30mm、20mm、29mm、28mm、27mm、26mm、25mm、24mm、23mm、22mm、21mm、20mm、19mm、18mm、17mm、又は16mmの上限までの範囲であることができ、該外周は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。
当業者は、喫煙物品以外のろ過装置用に構成された多孔質体の寸法要件を認識することができるであろう。非限定例として、同心流体フィルター用に構成された多孔質体は、約250mm以上の外径を有する中空円柱であることができる。別の非限定例として、エアフィルター中のシート用に構成された多孔質体は、長さ及び幅は数10センチメートルで比較的薄い厚さ(例えば、約5mm〜約50mm)を有することができる。
いくつかの実施態様は、マトリクス材料が機械的に結合された後、例えば多孔質体が型から出てきた後又は押出ダイから出てきた後、ラッパーで多孔質体を包む工程を含むことができる。好適なラッパーは上記のものを含む。
いくつかの実施態様は、多孔質体を冷却する工程を含むことができる。冷却は能動的又は受動的であることができる、即ち、冷却は補助されたものでも、自然に生じるものでもよい。能動的冷却は、流体を型、多孔質体のまわりに及び/又はこれらの内に通すこと;型の周囲の局所環境の温度を低下させること、例えば冷凍された成分を通すこと;及びこれらの任意の組み合わせを含むことができる。能動的冷却は、冷却コイル、液体噴射、熱電材料、及びこれらの任意の組み合わせを包含する要素を含むことができるが、これらに限定されない。冷却速度はランダムであっても、制御されたものでもよい。
いくつかの実施態様は、多孔質体を別の場所に移送するものであってもよい。移送の好適な形態としては、搬送、運搬、転がし、押し、積み込み、ロボット動作等、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
本開示発明の利益を享受する当業者は、多孔質体を製造することができる複数の装置及び/又はシステムを理解できるはずである。非限定例として、図1〜12は多孔質体を製造することができる複数の装置及び/又はシステムを例示する。
システムが使用される場合、システムの要素を備えた装置を使用すること及びその逆は、本開示発明の範囲内であることに注意しなければならない。
理解を容易にするために、本明細書では用語「材料経路」は、それに沿ってマトリクス材料、長尺多孔質体、及び/又は多孔質体が、システム及び/又は装置内を移動する経路を特定するために使用される。いくつかの実施態様では、材料経路は連続であることができる。いくつかの実施態様では、材料経路は不連続であることができる。非限定例として、複数の独立した型を用いるバッチ処理のためのシステムは、不連続の材料経路を有するとみなされることができる。
ここで図1Aおよび1Bを参照すると、システム100はホッパー122を含み、ホッパー122は材料経路110に動作可能に連結されて、マトリクス材料(図示せず)を材料経路110に供給することができる。システム100はまた、給紙装置132を含み、給紙装置132は材料経路110に動作可能に連結され、紙130を材料経路110に供給して、型120とマトリクス材料との間でマトリクス材料を実質的に包囲するラッパーを形成することができる。加熱要素124は、マトリクス材料が型120内にある間、マトリクス材料と熱連通する。加熱要素124は、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合させ(例えば、焼結した接触点を形成させ)、それによって、包まれた長尺多孔質体(図示せず)をもたらすことができる。包まれた長尺多孔質体が型120から出て、適切に冷却された後、カッター126は、包まれた長尺多孔質体を半径方向に、即ち長軸に垂直に切断し、それによって、包まれた多孔質体及び/又は多孔質体区画がもたらされる。
図1Aおよび1Bは、システム100が任意の角度で傾斜していてもよいことを実証する。本開示発明の利益を享受する当業者は、システム100又はその任意の構成要素が配置される傾斜角度を調節する際の立体配置上の考慮点を理解しなければならない。非限定例として、図1Bは、ホッパー122(及び任意の相当するマトリクス供給装置)の出口が型120内にあるように、ホッパー122が構成されることができることを示す。いくつかの実施態様では、型は、垂直若しくは水平の角度にあり又はその間の任意の角度で傾斜していることができる。
いくつかの実施態様では、マトリクス材料を材料経路に供給する工程は、任意の好適なフィーダーシステム、例えば手送り、容積計量フィーダー、質量流量フィーダー、重量フィーダー、加圧容器(例えば、加圧ホッパー又は加圧タンク)、オーガー又はスクリュー、シュート、滑動部、コンベヤー、チューブ、導管、チャンネル等、及びこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様では、材料経路は、ホッパーと型との間に機械要素、例えばガーニチュア、圧縮型、流水圧縮型、ラムプレス、ピストン、攪拌機、押出器、2軸押出器、固相押出器等、及びこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様では、供給工程は、強制供給、制御速度供給、容積計量供給、質量流量供給、重量供給、真空補助供給、流動粉体供給、高濃度相空送供給(例えば、スラグ流、摺動流又は不規則摺動流、せん断床流又はリップル流、及び押出流)、希薄相空送供給、及びこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
いくつかの実施態様では、高濃度相空送供給によってマトリクス材料を材料経路に供給する工程は、好都合なことに高処理量での処理を可能にすることができる。高濃度相空送供給は、大口径の出口を用いて高流量で実施されてきたが、本発明において思いがけずも、高速度で小口径を用いても有効であることが示された。例えば、驚いたことに、高濃度相空送供給の使用が、小口径(例えば、約5mm〜約25mm及び約5mm〜約10mm)で、高処理量(例えば、約6.1mmの管出口[本明細書でさらに説明される]の場合に約575kg/時又は約500m/分)で実証された。比較すると、重量供給は通常、同じような直径で約10m/分より低い生産量であり、高濃度相空送供給は50mm超の寸法の出口で同じような速度で実施されることができる。マトリクス材料用に、とりわけ顆粒状又は微粒子状のマトリクス材料用に、小さい直径と高処理量とを組み合わせることは、思いがけないことであった。当業者は、型に適合する、高濃度相空送供給装置の出口の適切な寸法及び形状を認識できるだろう。非限定例として、出口は、形状は型に類似しているが、大きさが型よりも小さく、かつ型内に延在することができる。別の実施態様では、出口はシート多孔質体用の型に適合するような形状(例えば、長く長方形の出口)又は中空円筒状多孔質体用の型に適合するような形状(例えば、ドーナツ形状の出口)であることができる。
さらに、高濃度相空送供給の方法は、結合剤粒子と活性粒子との寸法及び/又は形状が異なると、とりわけ問題を起こすことがある粒子のマイグレーション及び分離を、好都合なことに軽減することができる。理論に制限されるわけではないが、加圧ホッパーにかけられた空気圧はマトリクス材料の栓流を生み出し、これは微粒子の分離を最小化し、従って、フィーダーの出口で、より均質でより一貫したマトリクス材料組成物を提供する。いくつかの実施態様では、加圧ホッパーは、質量流として設計されることができる。質量流の条件は、とりわけ、加圧ホッパーの内壁の傾斜度、該壁の素材、及びマトリクス材料の組成に依存することがある。
いくつかの実施態様では、材料経路へのマトリクス材料の供給速度は、約1m/分、10m/分、25m/分、100m/分、又は150m/分の下限から、約800m/分、600m/分、500m/分、400m/分、300m/分、200m/分、又は150m/分の上限までの範囲であることができ、該供給速度は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。いくつかの実施態様では、約0.5mm、2mm、3mm、4mm、5mm、又は6mmの下限から、約10mm、9mm、8mm、7mm、又は6mmの上限までの範囲の直径を有する型との組み合わせで、材料経路へのマトリクス材料の供給速度は、約1m/分、10m/分、25m/分、100m/分、又は150m/分の下限から、約800m/分、600m/分、500m/分、400m/分、300m/分、200m/分、又は150m/分の上限までの範囲であることができ、該型直径及び供給速度のそれぞれは独立に、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。当業者は、実現可能な該直径(又は、形状)と供給速度との組み合わせが、とりわけ、マトリクス材料中の粒子の寸法及び形状、マトリクス材料の他の成分(例えば、添加物)、マトリクス材料の浸透性及び脱気定数、搬送される距離(例えば、管の長さ、これは本明細書でさらに説明される)、搬送システムの配置等、及びこれらの任意の組み合わせに依存することがあることを理解しなければならない。
いくつかの実施態様では、空送流は、約15以上の固体と流体との比によって特性付けられることができる。いくつかの実施態様では、空送流は、約15、20、30、40、又は50の下限から、約500、400、300、200、150、130、100、又は70の上限までの範囲であることができ、該固体と流体との比は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。該固体と流体との比は、とりわけ、高濃度相空送供給のタイプに依存することがあり、押出高濃度相供給が、典型的にはより高い数値で生じる。
いくつかの実施態様では、高濃度相空送供給は、約1psig(6.9kPag)、2psig(13.8kPag)、5psig(34.5kPag)、10psig(68.9kPag)、又は25psig(172kPag)の下限から、約150psig(1034kPag)、125psig(862kPag)、100psig(689kPag)、50psig(345kPag)、又は25psig(172kPag)の上限までの空気圧をかけることを含むことができ、該空気圧は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。該空気圧は、複数のガスで、例えば、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等)、含酸素ガス、加熱されたガス、乾性ガス(即ち、約6ppm未満の水)等、及びこれらの任意の組み合わせ(例えば、窒素又はアルゴンのような、加熱された乾性の不活性ガス)で、かけられることができることに留意しなければならない。高濃度相空送供給を含むシステムの例が、本明細書に含まれている。
いくつかの実施態様では、供給工程は、スペーサー材料を所定の間隔で挿入可能にするために、間欠供給にすることができる。好適なスペーサー材料としては、添加物、隙間のない隔壁(例えば、型部品)、多孔質隔壁(例えば、紙及び離型ラッパー)、フィルター、空洞等、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの実施態様では、供給工程は、撹拌及び/又は振動を含むことができる。本開示発明の利益を享受する当業者は、適切な撹拌及び/又は振動の程度を、例えば、大きい結合剤粒子及び小さい活性粒子を含む均等に分散されたマトリクス材料は、振動によって悪影響を受ける恐れがあることを、即ち均一性が少なくとも部分的に失われる恐れがあることを理解しなければならない。さらに、供給操作のパラメーター及び/又はフィーダーが、製造される多孔質体の最終特性に及ぼす影響、例えば少なくとも空隙容量(以下でさらに説明される)、封入圧力低下(以下でさらに説明される)、及び組成の均一性への影響を、当業者は理解しなければならない。
いくつかの実施態様では、マトリクス材料又はその成分は、材料経路の中に導入される前及び/又は材料経路の中を通っている間に乾燥されることができる。乾燥工程は、いくつかの実施態様では、マトリクス材料又はその成分を加熱すること、マトリクス材料又はその成分上に乾燥ガスを流すこと、又はこれらの任意の組み合わせを用いて達成されることができる。いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、約10重量%以下、約5重量%以下、又はより好ましくは約2重量%以下、さらにいくつかの実施態様では、0.01重量%という低さの湿分含有量を有することができる。湿分含有量は、凍結乾燥又は乾燥後の重量損失を含む公知の方法によって分析されることができる。
ここで図2Aおよび2Bを参照すると、システム200はホッパー222を含み、ホッパー222は材料経路210に動作可能に連結されて、マトリクス材料を材料経路210に供給することができる。システム200はまた、給紙フィーダー232を含み、給紙フィーダ232は材料経路210に動作可能に連結され、紙230を材料経路210に供給して、型220とマトリクス材料との間でマトリクス材料を実質的に包囲するラッパーを形成することができる。さらに、システム200は、離型フィーダー236を含み、離型フィーダ236は材料経路210に動作可能に連結され、離型ラッパー234を材料経路210に供給して、紙230と型220との間でラッパーを形成することができる。いくつかの実施態様では、離型フィーダー236はコンベヤー238として構成されて、離型ラッパー234を連続的に循環することができる。加熱要素224は、マトリクス材料が型220内にある間、マトリクス材料と熱連通する。加熱要素224は、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合させ(例えば、焼結した接触点を形成させ)、それによって、包まれた長尺多孔質体をもたらすことができる。包まれた長尺多孔質体が型220から出て、適切に冷却された後、カッター226が、包まれた長尺多孔質体を半径方向に切断し、それによって、包まれた多孔質体及び/又は多孔質体区画がもたらされる。離型ラッパー234がコンベヤー238として構成されない実施態様では、離型ラッパー234は、切断前に、包まれた長尺多孔質体から、又は切断後に、包まれた多孔質体及び/又は包まれた多孔質体区画から、除かれてもよい。
ここで図3を参照すると、システム300は、成分ホッパー322a及び322bを含み、成分ホッパー322a及び322bはマトリクス材料の成分をホッパー322に供給することができる。マトリクス材料は、ホッパー322内で、ミキサー328およびプレヒーター344によって混合され予熱されることができる。ホッパー322は、材料経路310に動作可能に連結されて、マトリクス材料を材料経路310に供給する。システム300はまた、給紙フィーダー332を含み、給紙フィーダー332は材料経路310に動作可能に連結されて、紙330を材料経路310の中に供給して、型320とマトリクス材料との間でマトリクス材料を実質的に包囲するラッパーを形成することができる。型320は流体接続部346を含むことができ、それを通って加熱された流体(液体又はガス)が材料経路310の中を通過し、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合し(例えば、焼結した接触点を形成させ)、それによって、包まれた長尺多孔質体をもたらすことができる。流体接続部346は、型320に沿って任意の場所に配置されることができ、かつ複数の流体接続部346が型320に沿って配置されてもよいことに留意しなければならない。包まれた長尺多孔質体が型320から出て、適切に冷却された後、カッター326は、包まれた長尺多孔質体を半径方向に切断し、それによって包まれた多孔質体及び/又は包まれた多孔質体区画がもたらされる。
本開示発明の利益を享受する当業者は、予熱が、個々の供給材料成分についてホッパー322の前で、及び/又は混合された成分についてホッパー322の後で行うこともできることを理解しなければならない。
好適なミキサーとしては、リボンブレンダー、パドルブレンダー、プラウブレンダー、ダブルコーンブレンダー、ツインシェルブレンダー、遊星ブレンダー、流体ブレンダー、高強度ブレンダー、回転ドラム、混合スクリュー、回転ミキサー等、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施態様では、成分ホッパーは、マトリクス材料の個々の成分を保有し、例えば2成分ホッパーであって、一方が結合剤粒子を保持し、他方が活性粒子を保有するものであることができる。いくつかの実施態様では、成分ホッパーは、マトリクス材料の成分の混合物を保有し、例えば2成分ホッパーであって、一方が結合剤粒子と活性粒子との混合物を保有し、他方が香料のような添加物を保有するものであることができる。いくつかの実施態様では、成分ホッパー中の成分は、固形物、液状物、ガス状物、又はこれらの組み合わせであることができる。いくつかの実施態様では、複数の異なる成分ホッパーの成分が、異なる割合で1つのホッパーに添加されて、マトリクス材料の所望のブレンドが達成されてもよい。非限定例として、3つの成分ホッパーが、活性粒子、結合剤粒子、及び液状の活性化合物(以下でさらに説明される添加物)を個別に保持してもよい。結合剤粒子は、活性粒子の2倍の割合でホッパーに添加されることができ、活性化合物は、活性粒子及び結合剤粒子の両方の上に少なくとも部分的なコーティングを形成するようにスプレーされることができる。
いくつかの実施態様では、型への流体接続部は、流体を型の中に入れるもの、流体を型内を通過させるもの、及び/又は型内に引き込むものであることができる。本明細書で使用される用語「引き込む」とは、境界前後で及び/又は経路に沿って負の圧力降下を生じさせること、例えば吸引することをいう。加熱された流体を型の中に入れること、及び/又は型内を通過させることは、その中のマトリクス材料を機械的に(例えば、複数の焼結点で)結合することを支援することができる。内部にラッパーを配置させた型内に引き込むことは、型を均一に、例えば、しわがより少ない状態でライニングすることを支援することができる。
ここで図4を参照すると、システム400は、ホッパー422を含み、ホッパー422は材料経路410に動作可能に連結されて、マトリクス材料を材料経路410に供給することができる。ホッパー422は、ホッパー422の出口又はその出口からの延長部が型420内にあるように、材料経路410に沿って構成されることができる。これによって、好都合なことに、マトリクス材料が、マトリクス材料の充填及びその結果として得られる多孔質体の空隙容量を調節できる速度で型420の中に供給されることが可能になり得る。この非限定例では、型420は熱電材料を含み、従って電力接続部448を含む。システム400はまた、離型フィーダー436を含み、離型フィーダー436は材料経路410に動作可能に連結され、離型ラッパー434を材料経路410の中に供給して、型420とマトリクス材料との間でマトリクス材料を実質的に包囲するラッパーを形成することができる。型420は熱電材料から作られることができ、その結果、型420はマトリクス材料を複数の点で(例えば、焼結した接触点で)機械的に結合する熱を提供し、それによって、包まれた長尺多孔質体がもたらすことができる。型420の後で材料経路410に沿って、ローラー440は、型420を通って包まれた長尺多孔質体の移動を動作可能に補助することができる。包まれた長尺多孔質体が型420から出て、適切に冷却された後、カッター426は、包まれた長尺多孔質体を半径方向に切断し、それによって、包まれた多孔質体及び/又は包まれた多孔質体区画がもたらされる。切断後、多孔質体は、材料経路410に沿って進み、多孔質体コンベヤー462上で、例えば包装又はさらなる処理をされる。離型ラッパー434は、切断前に、包まれた長尺多孔質体から、又は切断後に、包まれた多孔質体及び/又は包まれた多孔質体区画から除かれることができる。
好適なローラー及び/又はローラーの代替品としては、はめ歯、はめ歯歯車、車輪、ベルト、ギヤ等、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。さらにローラー等は、平らなもの、歯付きのもの、傾斜しているもの、及び/又は凹凸があるものでもよい。
ここで図5を参照すると、システム500は、ホッパー522を含み、ホッパー522は材料経路510に動作可能に連結され、マトリクス材料を材料経路510に供給することができる。加熱要素524は、マトリクス材料が型520の中にある間、該マトリクス材料と熱連通している。加熱要素524は、マトリクス材料を複数の点で(例えば、焼結した接触点で)機械的に結合させ、それによって長尺多孔質体がもたらされることができる。長尺多孔質体が型520から出た後、ダイ542が、長尺多孔質体を所望の断面形状に押出すために使用されることができる。ダイ542は、複数のダイ542’(例えば、複数のダイ又は単一のダイ内の複数の穴)を含むことができ、それを通って長尺多孔質体が押出されることができる。長尺多孔質体がダイ542を通って押出され、適切に冷却された後、カッター526が長尺多孔質体を半径方向に切断し、それによって多孔質体及び/又は多孔質体区画がもたらされる。
ここで図6Aを参照すると、システム600は、給紙フィーダー632を含み、給紙フィーダー632は材料経路610に動作可能に連結されて、紙630を材料経路610の中に供給することができる。ホッパー622(又は、他のマトリクス材料送達装置、例えばオーガー)は、材料経路610に動作可能に連結されて、マトリクス材料を紙630の上に配置することができる。紙630は、型620(又は、シガレットフィルター形成装置との関連でガーニチュア装置と呼ばれることもある圧縮型)を貫通することによってマトリクス材料のまわりを少なくとも部分的に包むことができ、これによって所望の断面形状が提供される(又は、任意的に、いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、所望の断面の形成が開始された後、又は完了した後に、紙630と組み合わせられてもよい)。いくつかの実施態様では、紙の継ぎ目は糊付けされることができる。加熱要素624(例えば、マイクロ波源、対流式オーブン、加熱ブロック等、又はこれらの混成物)は、マトリクス材料が型620内にある間及び/又は型620から出た後、マトリクス材料と熱連通している。加熱要素624は、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合させ(例えば、焼結した接触点を形成させ)、それによって、包まれた長尺多孔質体がもたらされることができる。包まれた長尺多孔質体が型620から出て、適切に冷却された後、カッター626は、包まれた長尺多孔質体を半径方向に切断し、それによって、包まれた多孔質体及び/又は多孔質体区画がもたらされる。システム600内を通過する移動は、コンベヤー658によって支援され、型620は静止していることができる。示されてはいないが、類似の実施態様は、環状のコンベヤーの一部として紙630を含むことができ、これは切断前に長尺多孔質体から剥され、これによって多孔質体及び/又は多孔質体区画がもたらされることに留意しなければならない。
ここで図6Bを参照すると、システム600’は、給紙フィーダー632’を含み、給紙フィーダー632’は材料経路610’に動作可能に連結されて、紙630’を材料経路610’の中に供給することができる。ホッパー622’(又は、他のマトリクス材料送達装置、例えばオーガー)は、材料経路610’に動作可能に連結されて、マトリクス材料を紙630’の上に配置することができる。紙630’は、型620’(又は、シガレットフィルター形成装置との関連でガーニチュア装置と呼ばれることもある圧縮型)を貫通することによってマトリクス材料のまわりを少なくとも部分的に包むことができ、これによって所望の断面形状が提供される(又は、任意的に、いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、所望の断面の形成が開始された後、又は完了した後に、紙630’と組み合わせられてもよい)。いくつかの実施態様では、紙の継ぎ目は糊付けされることができる。
システム600’は、複数の加熱要素624’を含むことができる。加熱要素624a’は、マトリクス材料が型620’内にある間及び/又は型620’から出た後、マトリクス材料と熱連通しており、マトリクス材料の少なくとも一部を複数の点で機械的に結合させる(例えば、焼結した接触点を形成させる)ことができる。長尺多孔質体は次に、(例えば、包まれた長尺多孔質体の断面の形状を変更するために)圧縮型656’によって所望の断面の形状又は大きさにされることができ、そして次に第2の加熱要素624b’(これは、第1の加熱要素624a’に類似の加熱要素であることができる。)によって再加熱されて、追加の機械的結合(例えば、焼結した接触点)を形成することができる。任意的に、示されてはいないが、第2の加熱要素624b’を出た後の包まれた長尺多孔質体は、再び所望の断面の形状又は大きさにされることができる。得られた、包まれた長尺多孔質体は次に、適切に冷却され、カッター626’によって半径方向に切断されて、包まれた多孔質体及び/又は包まれた多孔質体区画にされる。システム600’内を通過する移動はコンベヤー658’によって支援され、型620’は静止していることができる。
いくつかの実施態様では、最初の焼結又は加熱工程の程度に応じて、長尺多孔質体は冷却され、切断され、次に再加熱されることができる。当業者は、本明細書に記載されたその他のシステム及び方法をどのように修正して、2つ以上の焼結(又は加熱)工程を提供するかを認識できるだろう。
いくつかの実施態様では、マトリクス材料が高められた温度にある間、多孔質体等は、圧力をかけられて大きさを変更され及び/又は形状を変更されることができる。圧縮成形は、ロッドを最終形状又は寸法にするのに適した、機械駆動の若しくは機械駆動でない定寸ローラー若しくは形成ローラー、一連のローラー、若しくは1つのダイ若しくは一連のダイ、又はこれらの任意の組み合わせから成ることができる。大きさの変更及び/又は形状の変更は、該方法の各加熱工程の後で実施されることができる。
ここで図7Aを参照すると、システム700は、給紙フィーダー732を含み、給紙フィーダー732は材料経路710に動作可能に連結されて、紙730を材料経路710の中に供給することができる。図に示されたように、型720は、長軸方向の継ぎ目を糊付けされ円筒状に巻かれた紙であり、形成型756a(又は、形成型は、シガレットフィルター形成装置との関連ではガーニチュア装置と呼ばれることもあり、例えば紙管フォルダーである。)を用いてオンザフライで形成され、それによって紙730が糊塗布装置754(例えば、糊スプレーガン)を用いて塗布された糊752と共に巻かれることができ、任意的に、その後に糊継ぎ目加熱機(示されていない)があってもよい。型720を形成している間に、マトリクス材料は、ホッパー722から材料経路710に沿って導入されることができる。型720と熱連通している加熱要素724(例えば、マイクロ波源、対流式オーブン、加熱ブロック等、又はこれらの混成物)は、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合させ(例えば、焼結した接触点を形成させ)、それによって包まれた長尺多孔質体がもたらされることができる。次いで、圧縮型756bが、マトリクス材料が完全に冷却される前に使用されて、包まれた長尺多孔質体を所望の断面の大きさとすることができ、これは、有利なことに、包まれた多孔質体の外周及び形状(例えば、長円形)の均一性を得るために使用されることができる。包まれた長尺多孔質体が適切に冷却された後、カッター726が、包まれた長尺多孔質体を半径方向に切断し、それによって包まれた多孔質体及び/又は多孔質体区画がもたらされる。システム700内を通過する移動は、ローラー、コンベヤー等によって支援されることができる(図示せず)。本開示発明の利益を享受する当業者は、ここに記載されたプロセスは、単一の装置内で、又は複数の装置内で実施されることができることを理解しなければならない。例えば、紙を巻く工程、マトリクス材料を導入する工程、熱に曝露する工程(例えば、マイクロ波を印加する工程又は従来型のオーブンで加熱する工程)、及び大きさを変更する工程は、単一の装置内で実施されることができ、得られた長尺多孔質体は、切断のために第2の装置に搬送されてもよい。システム700は任意の方向に、例えば垂直若しくは水平又はその間の任意の方向に配置されることができる。
いくつかの実施態様では、紙型(又は他の可撓性の型、例えばプラスチック型)を封じるために使用される糊又は他の接着剤は、コールドメルト接着剤、ホットメルト接着剤、感圧接着剤、硬化性接着剤等であってもよい。コールドメルト接着剤は、後続の加熱工程の間(例えば、焼結の間)の糊付け部の破壊を軽減するために好まれることがある。
ここで図7Bを参照すると、システム700’は、給紙フィーダー732’を含み、給紙フィーダー732’は材料経路710’に動作可能に連結されて、紙730’を材料経路710’の中に供給することができる。図示されたように、型720’は、長軸方向の継ぎ目を糊付けされ円筒状に巻かれた紙であり、形成型756a’(又は、形成型は、シガレットフィルター形成装置との関連ではガーニチュア装置と呼ばれることもあり、例えば紙管フォルダーである。)においてオンザフライで形成され、それによって紙730’を糊塗布装置754’(例えば、糊スプレーガン)を用いて塗布された糊752’と共に巻かれることができる。型720’を形成している間に、マトリクス材料は、配管722a’に継手722b’(これは可撓性継手であることができる)によって動作可能に連結されたホッパー722’(例えば、高濃度空送フィーダーの加圧ホッパー)から材料経路710’に沿って導入されることができる。型720’(配管722a’の端部に近接して図示されている)と熱連通している加熱要素724’(例えば、マイクロ波源、対流式オーブン、加熱ブロック等、又はこれらの混成物)は、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合させ(例えば、焼結した接触点を形成させ)、それによって包まれた長尺多孔質体がもたらされることができる。次いで、圧縮型756b’(ローラーとして図示されている)が、包まれた長尺多孔質体を所望のより均一な外周及び形状(例えば、長円形)に成形しながら、マトリクス材料の冷却を支援するために冷却されることができる。包まれた長尺多孔質体が適切に冷却された後、カッター726’が、包まれた長尺多孔質体を半径方向に切断し、それによって包まれた多孔質体及び/又は多孔質体区画がもたらされる。
いくつかの実施態様では、型は、非多孔質又は気孔度が変動するものであることができ、それによってマトリクス材料から流体を除くことが可能になる。さらに、成形型及び/又は材料経路は、通路に動作可能に連結されて、多孔質紙から流体が所望の方向に抜け出すことを可能にすることができる。いくつかの実施態様では、これらの流体の通路は大気圧未満の源に接続されることができる。混合物からの流体の除去は、いくつかの実施態様では、システムの操業可能性を改善し、マトリクス材料粒子の分離を最小限にすることができる。
いくつかの実施態様では、フィーダーは、型内に嵌め込まれるように設計された延長部分を含むことができる。いくつかの実施態様では、フィーダーの出口(例えば、配管722a’の出口)は、型の内径よりわずかに小さい(例えば、約5%小さい)大きさにされることができる。さらに、フィーダー又はその延長部分は、出口が型内に入り込むことを可能にする柔軟な部分を含むことができる。高濃度空送供給の間、そのような入り込みは出口が型内に移動することを可能にすることによって有利であることがある。そのような移動は、好都合なことに、出口が型の中心を容易に見出すことを可能にすることができ、これは、操業可能性を高め、マトリックス混合物の分離を最小限にする嵌め合いを提供することができる。いくつかの実施態様では、フィーダー(例えば、配管722a’の出口)の端部は、成形型756a’の前に、成形型756a’の中に、又は成形型756a’の後に、任意的に糊継ぎ目加熱機の後に、位置することができる。
さらに、出口は、いくつかの実施態様では、様々な断面面積を有するように設計されることができ、このことは、有利なことに高濃度空送供給においてマトリックス材料混合物の充填密度が粒子の分離を最小限にするように支援し、単一のシステムにおける圧力及び流量を変えることを可能にすることができる。
いくつかの実施態様では、出口は、マトリクス材料がそこを通り抜けることは妨げるが、流体がそこを通過することは可能にするメッシュの付いた排気口を有することができる。そのような換気は、マトリクス材料が出口から出て行くときに、とりわけ、大きい流量および高い圧力で出て行くときに、より長い期間にわたって制御された様式で圧力が減衰することを可能にし、粒子の著しいマイグレーション(これはマトリクス材料の不均一性をもたらすことがある。)を軽減することができる。
ここで図8を参照すると、システム800の型820は、型部品820a及び820bから形成され、型部品820aおよび820bは、それぞれ、型コンベヤー860a及び860bに動作可能に連結されることができる。いったん型820が形成されると、マトリクス材料は、ホッパー822から材料経路810に沿って導入されることができる。加熱要素824は、マトリクス材料が型820内にある間、マトリクス材料と熱連通している。加熱要素824は、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合させ(例えば、焼結された接触点を形成させ)、それによって多孔質体がもたらされることができる。型820が適切に冷却され、型部品820a及び820bに分離された後、多孔質体は、型部品820a及び/又は820bから排出され、多孔質体コンベヤー862によって材料経路810に沿って進められることができる。図8は、不連続の材料経路の非限定例を示していることに留意しなければならない。
いくつかの実施態様では、多孔質体を型及び/又は型部品から排出する工程は、吸引装置、押し出し装置、引き上げ装置、重力、これらの任意の混成、及びこれらの任意の組み合わせを使用することができる。排出装置は、多孔質体をその端部で側部(片側又は両側)に沿って、及びこれらの任意の組み合わせで係合するように構成されることができる。好適な吸引装置としては、吸着カップ、真空構成部品、ピンセット、ペンチ、鉗子、トング、グリッパー、鉤爪、クランプ等、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好適な押し出し装置としては、エジェクター、穿孔器、棒、ピストン、楔、スポーク、ラム、加圧流体等、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好適な引き上げ装置としては、吸着カップ、真空構成部品、ピンセット、ペンチ、鉗子、トング、グリッパー、鉤爪、クランプ等、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様では、型は、様々な除去装置と動作可能に一緒に作業するように構成されることができる。非限定例として、押し引き混成装置は、棒で長軸方向に押して、型の他方の端部から多孔質体の一部を出すことを含むことができ、この出た一部は次に鉗子によって係合されて、型から多孔質体が引かれることができる。
ここで図9を参照すると、システム900の型920は、型部品920a及び920b又は920c及び920dから形成され、型部品920a及び920b又は920c及び920dは、それぞれ、型コンベヤー960a、960b、960c及び960dに動作可能に連結されることができる。いったん型920が形成されると、又は型920が形成されている間、紙のシート930が、給紙フィーダー932によって型920内に導入される。次に、ホッパー922からのマトリクス材料が、材料経路910に沿って、紙930で内張りされた型920内に導入され、そして加熱要素924からの熱によって多孔質体中で機械的に結合される(例えば、加熱されて、複数の焼結された接触点が形成される)。適切に冷却された後、多孔質体の排出は、型部品920a、920b、920c、及び920dのエジェクターポート966a及び966b中にエジェクター964を挿入することによって実施される。多孔質体は次に、多孔質体コンベヤー962によって材料経路910に沿って進められることができる。図9は、不連続の材料経路の非限定例を示している。
多孔質体の生産の品質制御は、型及び/又は型部品の洗浄によって支援されることができる。再度図8を参照すると、洗浄器具がシステム800に組み込まれることができる。型部品820a及び820bが多孔質体の形成工程から戻ると、型部品820a及び820bは、液体噴射870及び空気又はガス噴射872を含む一連の洗浄器具を通過する。図9でも同様に、型部品960a、960b、960c、及び960dが多孔質体の形成工程から戻ると、型部品960a、960b、960c、及び960dは、加熱要素924からの熱及び空気又はガス噴射972を含む一連の洗浄器具を通過する。
他の適切な洗浄器具としては、スクラバー、ブラシ、溶液槽、シャワー、挿入流体噴射器(流体を放射状に噴射することができる、型の中に挿入される管)、超音波装置、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施態様では、多孔質体は空洞を含むことができる。非限定例として、ここで図10を参照すると、型コンベヤー1060a及び1060bに動作可能に連結された型部品1020a及び1020bは、システム1000の型1020を形成するように動作可能に連結する。ホッパー1022には、2つの定量供給器1090a及び1090bが動作可能に付帯され、それによって、それぞれの定量供給器1090a及び定量供給器1090bが、材料経路1010に沿って型1020を部分的にマトリクス材料で充填する。定量供給器1090aから及び定量供給器1090bから、マトリクス材料が添加されるその中間で、注入器1088がカプセル(図示せず)を型1020の中に注入し、それによってマトリクス材料によって包囲されたカプセルが製造される。加熱要素1024は、型1020と熱接触して、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合させ(例えば、焼結された接触点を形成させ)、それによって、中にカプセルが挿入された多孔質体がもたらされる。多孔質体が形成され、適切に冷却された後、回転研削機1092が、型1020の長軸方向に沿って型1020の中に挿入される。回転研削機1092は、多孔質体を長軸方向の所望の長さに研削するように動作可能である。型1020が型部品1020a及び1020bに分離した後、多孔質体は、型部品1020a及び/又は1020bから排出され、多孔質体コンベヤー1062によって材料経路1010に沿って進められる。
多孔質体等の内部で使用されるのに適したカプセルとしては、ポリマーカプセル、多孔質カプセル、セラミックカプセル等が挙げられるが、これらに限定されない。カプセルは、添加物、例えば、粒状炭素または香料(以下に、より多くの例が提供される。)を充填されることができる。このカプセルは、いくつかの実施態様では、モレキュラーシーブも含むことができ、モレキュラーシーブは煙中の選択された成分と反応して、煙の望ましい香成分に悪影響を与えることなく、該選択された成分を除去し又はその濃度を低減する。いくつかの実施態様では、カプセルは、タバコを追加の香料として含んでいてもよい。カプセルへの、選択された物質の充填が十分でない場合には、フィルターとしてのいくつかの実施態様では、それは主流煙の成分とカプセル内の物質との間の相互作用の不足を生じさせることがあることに留意しなければならない。
本開示発明の利益を享受する当業者は、本明細書に記載された他の方法が改変されて、カプセルを中に含む多孔質体を製造することができることを理解しなければならない。いくつかの実施態様では、2種以上のカプセルが、多孔質体区画、多孔質体、及び/又は長尺多孔質体内に存在することができる。
いくつかの実施態様では、多孔質体の形状、例えば、長さ、幅、直径、例えば/又は高さは、切断以外の操作によって調節されることができ、該操作としては、研磨、粉砕、研削、平滑化、艶出し、摩擦等、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。これらの操作を本明細書では一般的に研削と呼ぶ。いくつかの実施態様では、多孔質体の側面及び/又は端面を研削して、平滑面、粗面、溝付き面、パターン化面、平準化面、又はこれらの任意の組み合わせが達成されることができる。いくつかの実施態様では、多孔質体の側面及び/又は端面を研削して、規格制限内の所望の寸法が達成されることができる。いくつかの実施態様では、型内にある間若しくは型から出るときに、切断の後に、さらなる処理の間に、又はこれらの任意の組み合わせの際に、多孔質体の側面及び/又は端面を研削することができる。当業者は、粉塵、微粒子、及び/又は小片が研削から生じることがあることを理解しなければならない。そのようなわけで、研削には、真空引き、ガス噴射、すすぎ、振動等、及びこれらの任意の組み合わせのような方法によって、粉塵、微粒子、及び/又は小片を除去することが伴うことがある。
研削の所望の程度を達成することができる任意の構成部品及び/又は器具は、本明細書に開示されたシステムおよび方法とともに使用されることができる。研削の所望の程度を達成することができる好適な構成部品及び/又は器具の例としては、旋盤、回転研磨機、ブラシ、研磨機、緩衝器、エッチング機、スクライバー等、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施態様では、多孔質体は、所望により機械加工されて、例えば多孔質体の一部がドリル穿孔されて、重量をより軽くされてもよい。
本開示発明の利益を享受する当業者は、本明細書に記載されたシステムに多孔質体を様々な点で係合するのに必要な構成部品及び/又は器具を理解しなければならない。非限定例として、多孔質体が型の中にある間に(又は長尺多孔質体が型から出て行くときに)使用される研削器具及び/又はドリル穿孔器具は、型に悪影響を与えないように構成されなければならない。
ここで図11を参照すると、ホッパー1122は、シュート1182に動作可能に取り付けられ、マトリクス材料を材料経路1110に供給する。材料経路1110に沿って、型1120は、ラム1180を受け入れるように構成され、ラム1180は型1120内のマトリクス材料を押圧することができる。加熱要素1124は、マトリクス材料が型1120内にある間マトリクス材料と熱連通しており、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合させ(例えば、焼結された接触点を形成させ)、それによって長尺多孔質体がもたらされる。システム1100にラム1180を加えると、好都合なことに、マトリクス材料が、所望の空隙容量を有する長尺多孔質体を形成するように適切に充填されることを確実にするよう支援することができる。さらに、システム1100は、長尺多孔質体が型1120内にまだ収容されている間に冷却されるように、冷却領域1194を含む。この非限定例では、冷却は受動的に行われる。
ここで図12を参照すると、システム1200のホッパー1222は、マトリクス材料を材料経路1210に沿って押出機1284(例えば、スクリュー押出機)に動作可能に供給する。押出機1284は、マトリクス材料を型1220に移動させる。システム1200は、マトリクス材料が型1220の中にある間マトリクス材料と熱連通する加熱要素1224も含み、これは、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合させ(例えば、焼結された接触点を形成させ)、それによって長尺多孔質体がもたらされる。さらに、システム1200は、マトリクス材料が型1220の中にある間マトリクス材料と熱連通する冷却要素1286を含む。型1220から長尺多孔質体が出て行く動きは、ローラー1240によって支援され、及び/又は方向付けられる。
いくつかの実施態様では、制御システムが、本明細書に開示された本発明のシステムの構成要素及び/又は装置に干渉することができる。本明細書で使用される用語「制御システム」とは、電子信号又は空気圧信号を送受信するように動作することができるシステムをいい、これは、ユーザーとインターフェイスで接続すること、データ読出しを提供すること、データを収集すること、データを記憶すること、可変設定点を変更すること、設定点を維持すること、障害の通知を提供すること、及びこれらの任意の組み合わせを含む機能を含むことができる。好適な制御システムは、可変変圧器、抵抗計、プログラム可能な論理制御装置、デジタル論理回路、継電器、コンピューター、仮想現実システム、分散型制御システム、および及びこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。制御システムに動作可能に連結されることができる好適なシステム及び/又は装置の構成要素としては、ホッパー、加熱要素、冷却要素、カッター、ミキサー、給紙フィーダー、離型フィーダー、離型コンベヤー、洗浄装置、ローラー、型コンベヤー、コンベヤー、エジェクター、液体噴射機、空気噴射機、ラム、シュート、押出機、噴射器、マトリクス材料フィーダー、糊フィーダー、研削器等、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に開示されたシステム及び/又は装置は、任意の数の構成部品とインターフェイスで接続することができる複数の制御システムを有してもよいことに留意しなければならない。
本開示発明の利益を享受する当業者は、本明細書に開示されたシステム及び/又は装置の様々な構成部品が互換可能であることを理解しなければならない。非限定例として、マトリクス材料が電磁放射線を熱に変換することができる成分(例えば、ナノ粒子、炭素粒子等)を含む場合、加熱要素は、電磁放射線源(例えば、マイクロ波源、対流式オーブン、加熱ブロック等、又はこれらの混成物)と交換されることができる。さらに、非限定例として、紙ラッパーは、離型ラッパーと交換されてもよい。
いくつかの実施態様では、多孔質体は、約800m/分以下の線速度で、例えば約1m/分未満の非常に遅い線速度を含む方法によって、生成されることができる。本明細書で使用される用語「線速度」とは、単一の製造ラインを通る速度をいい、個々の装置を通る速度、単一の装置内の速度、又はこれらの組合せであることもある、いくつかの並行した製造ラインを包含することがある製造速度とは対照をなしている。いくつかの実施態様では、多孔質体は、約1m/分、10m/分、50m/分、又は100m/分の下限から、約800m/分、600m/分、500m/分、300m/分、又は100m/分の上限までの範囲の線速度で、本明細書に記載された方法によって製造されることができ、該線速度は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。当業者は、機器における生産性の向上が、800m/分を超える線速度(例えば、1000m/分以上)を可能にすることがあることを認識するだろう。当業者はまた、多孔質体等の全体としての製造速度を、例えば数千m/分以上にまで増加させるように、単一の装置が、並行する複数のライン(例えば、図7の2つ以上のラインや本明細書に例示された他のライン)を包含することができることも理解しなければならない。
いくつかの実施態様は、多孔質体をさらに処理する工程を含むことができる。好適なさらに処理する工程としては、香料又は他の添加物を添加する工程、研削工程、ドリル穿孔工程、さらなる成形工程、複数セグメントフィルター形成工程、喫煙具形成工程、包装工程、出荷工程、及びこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
いくつかの実施態様は、マトリクス材料、多孔質体に添加物を添加する工程を含むことができる。添加物の非限定例が以下に提供される。好適な添加方法は、機械的に結合させる工程の前に、マトリクス材料の少なくとも一部に添加物を施与することによって;機械的に結合させる工程後で、まだ型内にある間に添加物を施与することによって;型から出た後に、添加物を施与することによって;切断工程後に、添加物を施与することによって;及びこれらの任意の組み合わせによって;マトリクス材料中に添加物を含ませることを含むことができるが、これらに限定されない。施与することは、浸すこと、漬けること、沈めること、染み込ませること、すすぐこと、洗浄すること、塗装すること、被覆すること、降り注ぐこと、振り掛けること、噴射すること、配置すること、まぶすこと、まき散らすこと、貼ること、及びこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されないことに留意しなければならない。さらに、施与することは、添加物がマトリクス材料の成分中に少なくとも部分的に取り込まれる、表面処理、注入処理、及びこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されないことに留意しなければならない。本開示発明の利益を享受する当業者は、添加物の濃度が、少なくとも、添加物の組成、添加物のサイズ、添加物の目的、及び添加物が添加されるプロセス内の箇所に依存することを理解しなければならない。
いくつかの実施態様では、添加物を添加する工程は、マトリクス材料を機械的に結合する工程の前、その間、及び/又はその後に実施されることができる。本開示発明の利益を享受する当業者は、分解したり、変性したり、又は機械的に結合する工程及びこれに関連するパラメーター(例えば、高められた温度及び/又は圧力)によって他様に影響を受ける添加物は、機械的に結合する工程の後に添加され、及び/又は該パラメーターがしかるべく調整(例えば、不活性ガス又は下げられた温度の使用)されなければならないことを理解しなければならない。非限定例として、ガラスビーズがマトリクス材料への添加物であってもよい。その場合、機械的に結合する工程後、ガラスビーズは、香料及び/又は活性化合物のような他の添加物によって官能化されることができる。
いくつかの実施態様は、多孔質体が製造された後に研削する工程を含むことができる。研削工程は、上記された方法及び装置/構成部品を含む。
II. 多孔質体を含むフィルター及び喫煙具を形成する方法
いくつかの実施態様は、多孔質体をフィルター及び/又はフィルター区画に動作可能に連結するものであることができる。好適なフィルター及び/又はフィルター区画は、セルロース、セルロース誘導体、セルロースエステルトウ、酢酸セルローストウ、フィラメント当たり約10デニール未満の酢酸セルローストウ、フィラメント当たり10デニール以上の酢酸セルローストウ、ランダム配向酢酸セルロース、紙、段ボール紙、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィントウ、ポリプロピレントウ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、粗粉末、炭素粒子、炭素繊維、繊維、ガラスビーズ、ゼオライト、モレキュラーシーブ、第2の多孔質体、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1種を含むことができる。
いくつかの実施態様では、多孔質体及び他のフィルター区画は、同心フィルター構造物、紙包装、空洞、空室、バッフル付き空室、カプセル、通路等、及びこれらの任意の組み合わせのような特徴を独立に有することができる。
いくつかの実施態様では、多孔質体及び他のフィルター区画は、実質的に同一の断面形状及び/又は外周を有することができる。
いくつかの実施態様では、フィルター区画は、2つのフィルター区画の間の空洞を画定する空間を含むことができる。該空洞は、いくつかの実施態様では、添加物、例えば粒状炭素を充填されることができる。空洞は、いくつかの実施態様では、カプセル、例えばポリマーカプセルであって、それ自体が触媒を含むものを含むことができる。空洞はまた、いくつかの実施態様では、モレキュラーシーブを含み、これは煙中の選択された成分と反応して、煙の望ましい香成分に悪影響を与えることなく、該選択された成分を除去し又はその濃度を低減することができる。1つの実施態様では、空洞は、追加香料としてのタバコを含んでもいてもよい。空洞への選択された物質の充填が不十分であると、いくつかの実施態様では、これは主流煙の成分と空洞内及び他のフィルター区画(複数可)内の物質との間の相互作用の不足を生じさせることがあることに留意しなければならない。
いくつかの実施態様では、フィルター区画は、フィルター又はフィルターロッドを形成するように一緒にされ又は連結されることができる。本明細書で使用される用語「フィルターロッド」とは、2つ以上のフィルターに切断されるのに適した長尺フィルターをいう。非限定例として、本明細書に記載された多孔質体を含むフィルターロッドは、いくつかの実施態様では、約80mm〜約150mmの範囲の長さを有することができ、喫煙具の先端付け作業(フィルターへのタバコカラムの付加)の際に約5〜約35mmの長さを有するフィルターに切断されることができる。
先端付け作業は、本明細書に記載されたフィルター又はフィルターロッドをタバコカラムと一緒にし又はそれに連結することを含むことができる。先端付け作業の間に、本明細書に記載された多孔質体を含むフィルターロッドは、いくつかの実施態様では、最初にフィルターに切断され、又は先端付け工程の間にフィルターに切断されることができる。さらに、いくつかの実施態様では、先端付けの方法は、紙及び/又はチャコールを含む追加の区画を、フィルター、フィルターロッド又はタバコカラムと一緒にし又はこれらに連結することをさらに含むことができる。
フィルター、フィルターロッド、及び/又は喫煙具の製造では、いくつかの実施態様は、これらの様々な構成要素のまわりを紙で包んで、これらの構成要素を所望の配置及び/又は接触状態に維持する工程を含むことができる。例えば、フィルター及び/又はフィルターロッドを製造する工程は、一連の隣接するフィルター区画のまわりを紙で包む工程を含むことができる。いくつかの実施態様では、包装紙で包まれた多孔質体は、該多孔質体とフィルターの別の区画との間の接触を維持するように、そのまわりに配置された追加の包装を有することができる。フィルター、フィルターロッド及び/又は喫煙具を製造するのに適した紙は、多孔質体を包む工程に関連して本明細書に記載された任意の紙を含むことができる。いくつかの実施態様では、この紙は、添加物、サイジング材及び/又は印刷用薬剤を含むことができる。
フィルター、フィルターロッド、及び/又は喫煙具の製造では、いくつかの実施態様は、これらの隣接する成分を(例えば、多孔質体を、隣接するフィルター区画、タバコカラム等、又はこれらの任意の組み合わせに)接着する工程を含むことができる。好ましい接着剤は、周囲状態及び/又は燃焼状態の下で風味又は芳香を与えないものを含むことができる。いくつかの実施態様では、包む工程及び接着工程は、フィルター、フィルターロッド、及び/又は喫煙具の製造において用いられることができる。
本明細書に記載されたいくつかの実施態様は、複数の有機粒子及び結合剤粒子を含む多孔質体ロッドであって、該複数の有機粒子及び結合剤粒子が複数の接触点で一緒に結合された多孔質体ロッドを準備する工程;該多孔質体ロッドとは同じ組成を有しないフィルターロッドを準備する工程;該多孔質体ロッド及び該フィルターロッドを、それぞれ、多孔質体区画及びフィルター区画へと切断する工程;複数の区画を含む、所望の隣接した配置物であって、該複数の区画が少なくともいくつかの該多孔質体区画及び少なくともいくつかの該フィルター区画を含む所望の隣接した配置物を形成する工程;該所望の隣接した配置物を紙ラッパー及び/又は接着剤で固定して、セグメント化された長尺フィルターロッドをもたらす工程;該セグメント化された長尺フィルターロッドをセグメント化されたフィルターロッドへと切断する工程;を含むことができ、この方法は、該セグメント化されたフィルターロッドを約800m/分以下の速度で製造するように実施される。いくつかの実施態様は、該セグメント化されたフィルターロッドを用いて喫煙具を形成する工程をさらに含むことができる。
本明細書に使用される用語「隣接した配置」とは、2つのフィルター区画(又は同様なもの)が軸方向に整列して、第1の区画の1端が第2の区画の1端に接触する配置をいう。当業者は、この隣接した配置が多数の区画を有する連続的なもの(即ち、際限のないものでなく、非常に長いもの)であり、又は少なくとも2つからそれより多くの区画を有する長さの短いものであり得ることを理解するだろう。
本明細書に記載されたいくつかの方法の実施態様では、用語「セグメント化された」は、様々な物品を改変することを明らかにするために使用され、かつ多孔質体を含む物品(例えば、フィルター及びフィルターロッド)に関連して本明細書に記載された様々な実施態様によって包含されるとみなされなければならないことに留意しなければならない。
本明細書に記載されたいくつかの実施態様は、複数の有機粒子及び結合剤粒子を含む複数の多孔質体区画であって、該複数の有機粒子及び結合剤粒子が複数の接触点で一緒に結合された多孔質体区画を準備する工程;該多孔質体区画とは同じ組成を有しない複数のフィルター区画を準備する工程;複数の区画を含む、所望の隣接した配置物であって、該複数の区画が該多孔質体区画のうちの少なくとも1つ及び該フィルター区画のうちの少なくとも1つを含む所望の隣接した配置物を形成する工程;該所望の隣接した配置物を紙ラッパー及び/又は接着剤で固定して、セグメント化されたフィルター及びセグメント化された長尺フィルターロッドを製造する工程;を含むことができ、この方法は、該セグメント化されたフィルター又はセグメント化されたフィルターロッドを約800m/分以下の速度で製造するように実施される。いくつかの実施態様は、該セグメント化されたフィルター、又は該セグメント化されたフィルターロッドの少なくとも1部を用いて喫煙具を形成する工程をさらに含むことができる。
ここで図13、即ちこの実施態様におけるセグメント化されたフィルターを製造するプロセスの略図を参照すると、酢酸セルロースフィルターロッド1310は、8つの区画(各約15mm)へ切断され、多孔質体フィルターロッド1312は10の区画(各約12mm)へ切断されて、それぞれセグメント1314及び1316をもたらす。セグメント1314及び1316は次に、端部と端部とが接触した交互の配置で整列され、一緒に押圧され、紙で包まれ、継ぎ目を糊付けされて、セグメント化された長尺フィルター1318がもたらされる。いくつかの実施態様では、セグメント化された長尺フィルター1318は次に、4番目毎の酢酸セルロースセグメント1314のほぼ中間で切断されて、酢酸セルロースセグメント1314の部分を各端部に配置させた、セグメント化されたフィルターロッド1320をもたらすことができる。本開示発明の利益を享受する当業者は、酢酸セルロースセグメント及び多孔質体セグメントの他の大きさ及び配置が使用されて、セグメント化された長尺フィルターがもたらされることができ、次にそれが任意の点で切断されて、所望のセグメント化されたフィルターロッド、例えばセグメント化されたフィルターロッド1320’がもたらされることができ、これは5つのセグメントを含み、多孔質体セグメントが端部にあることを理解するだろう。当業者は、これらの実施態様が、セグメント化されたフィルターロッドの多くの潜在的な配置のうちの2つであることを認識しなければならない。
いくつかの実施態様では、上記の方法は、3つ以上のフィルター区画を収容するように適合化されることができる。例えば、長尺フィルターロッドの所望の配置は、第1の多孔質体区画、第1のフィルター区画、及び第2のフィルター区画が直列;第1の多孔質体区画、1番目の第2のフィルター区画、1番目の第1のフィルター区画、2番目の第2のフィルター区画、第2の多孔質体区画、3番目の第2のフィルター区画、2番目の第1のフィルター区画、及び4番目の第2のフィルター区画が直列;であることができる。このような配置は、図14に例示されたように、3つの区画を含むフィルターを製造するのに有用な少なくとも1つの実施態様であることができ、図14は長尺フィルターロッドがフィルターロッドへと切断され、該フィルターロッドがさらに2回切断されて、3つの区画を含むフィルター区画がもたらされることを例示している。
いくつかの実施態様では、カプセルは、2つの隣接した区画の間に包み込まれるように添加されることができる。本明細書に使用される用語、「包み込まれ」又は「包み込む」とは、製造された物品の内側に存在して、外側にそのまま露出されていないことをいう。従って、2つの隣接した区画の間に包み込むことは、隣り合った区画が接触している、即ちそれらを隣接させることである。いくつかの実施態様では、カプセルは小分けされていることができる。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載されたフィルターは、公知の器具を使用して、例えば自動化器具により約25m/分超で、また手作業器具により、これよりも遅く、製造されることができる。製造速度は器具の能力のみによって限定されることがあるけれども、いくつかの実施態様では、本明細書に記載されたフィルター区画は、約25m/分、50m/分、又は100m/分の下限から、約800m/分、600m/分、400m/分、300m/分、又は250m/分の上限までの範囲の速度で組み合わされてフィルターロッドを形成することができ、該組み合わせ速度は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載されたフィルター及び/又はフィルターロッドの製造で使用される多孔質体は、紙で包まれることができる。紙は、いくつかの実施態様では、多孔質体の機械的な操作に起因する損傷及び微粒子の生成を減少することができる。操作中の多孔質体を保護することに関連して使用するのに適した紙としては、木質系紙、亜麻を含む紙、亜麻紙、機能性紙(例えば、タール及び/又は一酸化炭素を低減するように官能化されたもの)、特殊マーキング紙、色付けされた紙、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様では、紙は高多孔質、波形であり、及び/又は高表面強度を有することができる。いくつかの実施態様では、紙は実質的に非多孔質、例えば約10コレスタ(CORESTA)単位未満であることができる。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載された多孔質体を含むフィルター及び/又はフィルターロッドは、製造ラインに直接輸送され、そこでタバコカラムと一緒にされて喫煙具を形成することができる。そのような方法の1実施態様は、有機粒子及び結合剤粒子を含む本明細書に記載された多孔質体を含む少なくとも1つのフィルター区画を含むフィルターロッドを準備する工程;タバコカラムを準備する工程;該フィルターロッドを、該ロッドの中心を通ってその長軸方向を横断するように切断して、少なくとも1つのフィルター区画を有する少なくとも2つのフィルターを形成する工程であって、該各フィルター区画が有機粒子及び結合剤粒子を含む多孔質体を含む工程;及び該フィルターのうちの少なくとも1つを該タバコカラムに、該フィルターの長軸及び該タバコカラムの長軸に沿って結合させて、少なくとも1つの喫煙具を形成する工程;を含む喫煙具を製造する方法を含む。
他の実施態様では、多孔質体を含む装置フィルター及び/又はフィルターロッドは、さらなる使用までの貯蔵のため適当な容器内に入れられることができる。適当な貯蔵容器としては、喫煙具フィルター技術に一般的に使用されるもの、例えばクレート、箱、ドラム、バッグ、カートン等が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施態様は、喫煙可能な物質を多孔質体(又は上記の少なくとも1つを含むセグメント化されたフィルター)に動作可能に連結する工程を含むことができる。いくつかの実施態様では、多孔質体(又は上記の少なくとも1つを含むセグメント化されたフィルター)は、喫煙可能な物質と流体連通していることができる。いくつかの実施態様では、喫煙具は、喫煙可能な物質と流体連通している多孔質体(又は上記の少なくとも1つを含むセグメント化されたフィルター)を含むことができる。いくつかの実施態様では、喫煙具は、喫煙可能な物質と流体連通している多孔質体(又は上記の少なくとも1つを含むセグメント化されたフィルター)を動作可能に維持することできるハウジングを備えていてもよい。いくつかの実施態様では、フィルターロッド、フィルター、フィルター区画、区画化されたフィルター、及び/又は区画化されたフィルターロッドは、ハウジングから取り外し、取り換え、及び/又は使い捨てが可能であることができる。
本明細書で使用される用語「喫煙可能な物質」とは、燃焼され又は加熱されると、煙を生成することができる物質をいう。好適な喫煙可能な物質としては、タバコ、例えば黄色種タバコ、オリエントタバコ、トルコタバコ、キャベンディッシュタバコ、コロホタバコ、クリオロタバコ、ペリックタバコ、シェードタバコ、ホワイトバーレータバコ、熱風乾燥されたタバコ、バーレータバコ、メリーランドタバコ、バージニアタバコ;茶葉;薬草;炭化された又は熱分解された成分;無機フィラー成分;及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。タバコは、カットフィラー形のタバコ葉身、処理されたタバコ茎、再構成されたタバコフィラー、容量が拡張されたタバコフィラー等の形態を有することができる。タバコ及び他の栽培された喫煙可能な物質は、米国内で栽培され、又は米国以外の管轄地域内で栽培されてもよい。
いくつかの実施態様では、喫煙可能な物質は、カラム形式、例えばタバコカラムであることができる。本明細書で使用される用語「タバコカラム」とは、タバコのブレンド、及び任意的にタバコを主体とした喫煙可能な物品、例えばシガレット又はシガーを製造するために組み合わされることができる他の成分及び香料をいう。いくつかの実施態様では、タバコカラムは、タバコ、糖(例えば、ショ糖、黒糖、転化糖、又は高フルクトースコーンシロップ)、プロピレングリコール、グリセリン、ココア、ココア製品、イナゴマメガム、イナゴマメ抽出物、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択された成分を含むことができる。さらに他の実施態様では、タバコカラムは、香料、芳香剤、メントール、甘草抽出物、リン酸二アンモニウム、水酸化アンモニウム、及びこれらの任意の組み合わせをさらに含むことができる。いくつかの実施態様では、タバコカラムは、添加物を含んでもよい。いくつかの実施態様では、タバコカラムは、少なくとも1つの折り曲げ可能な要素を含むことができる。
好適なハウジングは、シガレット、シガレットホルダー、シガー、シガーホルダー、パイプ、水パイプ、フーカー、電子喫煙具、手巻きシガレット、手巻きシガー、紙、及びこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
多孔質体を包装する工程は、トレイ又は箱又は保護容器、例えばシガレットフィルターロッドを包装及び輸送するために通常使用されるトレイに入れることを含むことができるが、これに限定されない。
いくつかの実施態様では、フィルター及び/又はフィルターを備えた喫煙具のパックは、多孔質体を含むことができる。パックは、ヒンジ蓋パック、スライドシェル型パック、ハードカップパック、ソフトカップパック、プラスチック袋、又は任意の他の適当なパック容器であることができる。いくつかの実施態様では、パックは、外装、例えばポリプロピレンラッパー、及び任意的に開封つまみを有していてもよい。いくつかの実施態様では、フィルター及び/又は喫煙具は、パックの内側に束として封入されてもよい。束は、多数のフィルター及び/又は喫煙具、例えば20個以上を収容することができる。しかし、束は、1個のフィルター及び/又は喫煙具を含むこともでき、いくつかの実施態様では、例えば個別販売用のような専用のフィルター及び/若しくは喫煙具の実施態様、又はバニラ、クローブ、若しくはシナモンのような特別の風味を含むフィルター及び/若しくは喫煙具である。
いくつかの実施態様では、喫煙具パックのカートンは、多孔質体を含むフィルター(複数にセグメント化された、又はそうでないもの)を備えた少なくとも1つの喫煙具を含む、喫煙具の少なくとも1つのパックを含んでいることができる。いくつかの実施態様では、このカートン(例えば、容器)は、喫煙具のパックの重量を支える物理的一体性を有する。これは、比較的厚いカード用紙を使用してカートンを形成し、又は比較的強力な接着剤を使用してカートンの要素を結合することによって達成されることができる。
いくつかの実施態様は、多孔質体を出荷する工程を含むことができる。該多孔質体は、個別のものとして、フィルターの少なくとも一部として、喫煙具の少なくとも一部として、パックで、カートンで、トレイで、又はこれらの任意の組み合わせであることができる。出荷は、列車、トラック、航空機、船/船舶、又はこれらの任意の組み合わせであることができる。
III. 多孔質体
いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、マトリクス材料の約1wt%、5wt%、10wt%、25wt%、40wt%、50wt%、60wt%、又は75wt%の下限から、マトリクス材料の約99wt%、95wt%、90wt%、又は75wt%の上限までの範囲の量の活性粒子を含むことができ、該活性粒子の量は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、マトリクス材料の約1wt%、5wt%、10wt%、又は25wt%の下限から、マトリクス材料の約99wt%、95wt%、90wt%、75wt%、60wt%、50wt%、40wt%、又は25wt%の上限までの範囲の量の結合剤粒子を含むことができ、該結合剤粒子の量は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。
活性粒子は、その上を流れる煙の性能を向上させるように適合された任意の材料であることができる。その上を流れる煙の性能を向上させるように適合された材料とは、煙流の成分を除去し、低減し、又は追加することができる任意の材料をいう。除去又は低減(又は追加)は選択的であることができる。例として、シガレットからの煙流から、以下のリストに示されたような化合物が、選択的に除去又は低減されることができる。この表は、タバコ煙を含むタバコ製品中の有害な/有害な恐れのある成分の最初のリストの提案草稿として、米国FDA(食品医薬品局)から入手可能であり、以下のリスト中の何らかの略語は、当技術分野において周知の化学物質である。いくつかの実施態様では、該活性粒子は、煙中の成分の以下のリストから選択された少なくとも1つの成分又はこれらの任意の組み合わせを低減し又は除去することができる。煙流成分は以下のものを含むが、これらに限定されない:アセトアルデヒド、アセトアミド、アセトン、アクロレイン、アクリルアミド、アクリロニトリル、アフラトキシンB−1、4−アミノビフェニル、1−アミノナフタレン、2−アミノナフタレン、アンモニア、アンモニウム塩、アナバシン、アナタビン、0−アニシジン、ヒ素、A−α−C、ベンズ[a]アントラセン、ベンズ[b]フルオロアンテン、ベンズ[j]アセアントリレン、ベンズ[k]フルオロアンテン、ベンゼン、ベンゾ(b)フラン、ベンゾ[a]ピレン、ベンゾ[c]フェナントレン、ベリリウム、1,3−ブタジエン、ブチルアルデヒド、カドミウム、コーヒー酸、一酸化炭素、カテコール、塩素化ダイオキシン/フラン、クロム、クリセン、コバルト、クマリン、クレゾール、クロトンアルデヒド、シクロペンタ[c,d]ピレン、ジベンズ(a,h)アクリジン、ジベンズ(a,j)アクリジン、ジベンズ[a,h]アントラセン、ジベンゾ(c,g)カルバゾール、ジベンゾ[a,e]ピレン、ジベンゾ[a,h]ピレン、ジベンゾ[a,i]ピレン、ジベンゾ[a,l]ピレン、2,6−ジメチルアニリン、カルバミン酸エチル(ウレタン)、エチルベンゼン、酸化エチレン、オイゲノール、ホルムアルデヒド、フラン、グル−P−1、グル−P−2、ヒドラジン、シアン化水素、ハイドロキノン、インデノ[l,2,3−cd] ピレン、IQ、イソプレン、鉛、MeA−α−C、水銀、メチルエチルケトン、5−メチルクリセン、4−(メチルニトロソアミノ)−1−(3−ピリジル)−1−ブタノン(NNK)、4−(メチルニトロソアミノ)−1−(3−ピリジル)−1−ブタノール(NNAL)、ナフタレン、ニッケル、ニコチン、硝酸塩、一酸化窒素、窒素酸化物、亜硝酸塩、ニトロベンゼン、ニトロメタン、2−ニトロプロパン、N−ニトロソアナバシン(NAB)、N−ニトロソジエタノールアミン(NDELA)、N−ニトロソジエチルアミン、N−ニトロソジメチルアミン(NDMA)、N−ニトロソエチルメチルアミン、N−ニトロソモルホリン(NMOR)、N−ニトロソノルニコチン(NNN)、N−ニトロソピペリジン(NPIP)、N−ニトロソピロリジン(NPYR)、N−ニトロソサルコシン(NSAR)、フェノール、PhlP、ポロニウム−210(放射性同位体)、プロピオンアルデヒド、酸化プロピレン、ピリジン、キノリン、レゾルシノール、セレン、スチレン、タール、2−トルイジン、トルエン、Trp−P−1、Trp−P−2、ウラン−235(放射性同位体)、ウラン−238(放射性同位体)、酢酸ビニル、塩化ビニル、及びこれらの任意の組み合わせ。
活性粒子の一例は、活性炭(又は活性木炭、又は活性石炭)である。活性炭は、低活性(約50%〜約75%のCCl4吸着量)若しくは高活性(約75%〜約99%のCCl4吸着量)又は両者の組み合わせであることができる。いくつかの実施態様では、活性炭は、ココナッツシェル、石炭、合成樹脂等に由来する(例えば、これらから熱分解された)ものを含むことができる。商業的に入手できる炭素の例は、Calgon社、Jacobi社、Norit社及び他の同様の供給業者によって提供される製品等級を含むことができるが、これらに限定されない。非限定例として、Norit社の粒状活性炭製品のうちの1つは、NORIT(商標)GCN 3070である。別の例では、Jacobi社は、様々な粒子サイズのCZ、CS、CR、CT、CX及びGA−Plusを含む等級で活性炭を提供する。
いくつかの実施態様では、活性炭は、ナノスケール炭素粒子、例えば任意の数の壁のカーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、竹状カーボンナノ構造体、フラーレン及びフラーレン凝集体、並びに数層グラフェン及び酸化グラフェンを含むグラフェンであることができる。活性粒子の他の例は、イオン交換樹脂、デシカント、ケイ酸塩、モレキュラーシーブ、シリカゲル、活性アルミナ、ゼオライト、パーライト、セピオライト、酸性白土、ケイ酸マグネシウム、金属酸化物(例えば、酸化鉄、約12nmのFe3O4のような酸化鉄ナノ粒子、酸化マンガン、酸化銅、及び酸化アルミニウム)、金、白金、5酸化ヨウ素、ナノ粒子(例えば、金及び銀のような金属ナノ粒子;アルミナのような金属酸化物ナノ粒子;酸化ガドリニウム、ヘマタイト及びマグネタイトのような酸化鉄の様々な結晶構造、ガドナノチューブ、並びにGd@C60のようなエンドフラーレンのような磁性、常磁性、及び超常磁性ナノ粒子;並びに金および銀ナノシェルのような玉ねぎ状ナノ粒子、玉ねぎ状酸化鉄、及び任意の該材料の外殻を有する他のナノ粒子又はミクロ粒子)、並びに上記のもの(活性炭を含む)の任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。官能基は、煙成分の除去を向上させる、及び/又はナノ粒子の多孔質体への組込みを向上させる場合がある。イオン交換樹脂は、例えば主鎖を有するポリマー、例としてスチレン−ジビニルベンゼン(DVB)コポリマー、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、フェノールホルムアルデヒド縮合物、及びエピクロルヒドリンアミン縮合物;並びにポリマー主鎖に結合された複数の帯電した官能基を含む。いくつかの実施態様では、活性粒子は、様々な活性粒子の組み合わせである。いくつかの実施態様では、多孔質体は、複数の活性粒子を含むことができる。いくつかの実施態様では、活性粒子は、本明細書に開示された活性粒子の群から選択された少なくとも1つの要素を含むことができる。「要素」は、リスト中の品目を説明するための総称として使用されていることに留意しなければならない。いくつかの実施態様では、活性粒子は、少なくとも1種の香料と組み合わせられる。
好適な活性粒子は、約1ナノメートル未満(例えばグラフェン)の少なくとも1つの寸法から、約5000ミクロンの直径を有する粒子程度の大きさまでを有することができる。活性粒子は、少なくとも1方向の寸法における下限の大きさが、約0.1ナノメートル、0.5ナノメートル、1ナノメートル、10ナノメートル、100ナノメートル、500ナノメートル、1ミクロン、5ミクロン、10ミクロン、50ミクロン、100ミクロン、150ミクロン、200ミクロン、又は250ミクロンからの範囲であることができる。活性粒子は、少なくとも1方向の寸法における上限の大きさが、約5000ミクロン、2000ミクロン、1000ミクロン、900ミクロン、700ミクロン、500ミクロン、400ミクロン、300ミクロン、250ミクロン、200ミクロン、150ミクロン、100ミクロン、50ミクロン、10ミクロン、又は500ナノメートルからの範囲であることができる。上記の下限および上限の任意の組み合わせは、本明細書に記載された実施態様で使用するのに適していることができ、選択された最大の大きさは、選択された最小の大きさよりも大きい。いくつかの実施態様では、活性粒子は、上記の下限から上限までの範囲の粒子サイズの混合物であることができる。いくつかの実施態様では、活性粒子の大きさは、多重モードであることができる。
結合剤粒子は、任意の好適な熱可塑性結合剤粒子であることができる。いくつかの実施態様では、結合剤粒子は、その融解温度で実質的に流れを示さない。これは、その融解温度まで加熱されたときにポリマー流をほとんど示さないか全く示さない材料を意味する。これらの基準を満たす材料は、超高分子量ポリエチレン(ultrahigh molecular weight polyethylene)、非常に高い分子量のポリエチレン(very high molecular weight polyethylene)、高分子量ポリエチレン、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。1つの実施態様では、結合剤粒子は、190℃および15kgで約3.5g/10分以下(又は190℃および15kgで約0〜3.5g/10分)のメルトフローインデックス(MFI、ASTM D1238)を有する。別の実施態様では、結合剤粒子は、190℃および15kgで約2.0g/10分以下(又は190℃および15kgで約0〜2.0g/10分)のメルトフローインデックス(MFI)を有する。このような材料の一例は、超高分子量ポリエチレン(ultrahigh molecular weight polyethylene)、UHMWPE(これはポリマー流を有さず、190℃および15kgでMFIが約0、又は190℃および15kgでMFIが約0〜1.0)であり、別の材料は、非常に高い分子量のポリエチレン(very high molecular weight polyethylene)、VHMWPE(これは、例えば、190℃および15kgでMFIが約1.0〜2.0g/10分の範囲のMFIを有することができる)、又は高分子量ポリエチレン、HMWPE(これは、例えば、190℃および15kgで約2.0〜3.5g/10分のMFIを有することがある)であることができる。いくつかの実施態様では、異なる分子量及び/又は異なるメルトフローインデックスを有する結合剤粒子の混合物を使用することが好ましいことがある。
分子量に関して、本明細書で使用される「超高分子量ポリエチレン(ultrahigh molecular weight polyethylene)」とは、少なくとも約3x106g/モルの重量平均分子量を有するポリエチレン組成物をいう。いくつかの実施態様では、超高分子量ポリエチレン(ultrahigh molecular weight polyethylene)組成物の分子量は、約3x106g/モル〜約30x106g/モル、又は約3x106g/モル〜約20x106g/モル、又は約3x106g/モル〜約10x106g/モル、又は約3x106g/モル〜約6x106g/モルである。「非常に高い分子量のポリエチレン(very high molecular weight polyethylene)」とは、約3x106g/モル未満及び約1x106g/モル超の重量平均分子量を有するポリエチレン組成物をいう。いくつかの実施態様では、非常に高い分子量のポリエチレン(very high molecular weight polyethylene)組成物の分子量は、約2x106g/モル〜約3x106g/モル未満である。「高分子量ポリエチレン」とは、少なくとも約3x105g/モル〜1x106g/モルの重量平均分子量を有するポリエチレン組成物をいう。本明細書の目的のためには、本明細書で参照された分子量は、マーゴリーズの方程式(「マーゴリーズの分子量」)に従って決定される。
好適なポリエチレン材料は、いくつかの源、例えば米国テキサス州、ダラスのCelanese社の一部門、Ticona Polymers社からのGUR(商標)UHMWPE、及びDSM社(オランダ国)、Braskem社(ブラジル国)、BASF社北京第2工場(中国)、Shanghai Chemical社及びQilu社(中国)、三井化学社及び旭化成社(日本国)から商業的に入手可能である。特に、GUR(商標)ポリマーは、GUR(商標)2000系(2105、2122、2122−5、2126)、GUR(商標)4000系(4120、4130、4150、4170、4012、4122−5、4022−6、4050−3/4150−3)、GUR(商標)8000系(8110、8020)、GUR(商標)X系(X143、X184、X168、X172、X192)を含むことができる。
好適なポリエチレン材料の一例は、米国特許出願公開第2008/0090081号に記載された、約5dl/g〜約30dl/gの範囲の固有粘度、及び約80%以上の結晶化度を有するものである。好適なポリエチレン材料の別の例は、2011年5月3日に出願された国際出願第PCT/US2011/034947に記載された、ASTM−D4020によって測定された約300,000g/モル〜約2,000,000g/モルの範囲の分子量、約300μm〜約1500μmの平均粒子サイズD50、及び約0.25g/ml〜約0.5g/mlのかさ密度を有するものである。
結合剤粒子は、任意の形状をとることができる。このような形状には、球状、ヒペリオン状、ヒトデ状、クロンデュラー、即ち惑星間塵様、粒状、ジャガイモ状、不規則状、又はこれらの組み合わせが含まれる。好ましい実施態様では、本明細書に記載されるのに適した結合剤粒子は、非線維質である。いくつかの実施態様では、結合剤粒子は、粉末、ペレット、又は微粒子の形態をしている。いくつかの実施態様では、結合剤粒子は、様々な結合剤粒子の組み合わせである。
いくつかの実施態様では、結合剤粒子は、少なくとも1方向の寸法における下限サイズが、約0.1ナノメートル、0.5ナノメートル、1ナノメートル、10ナノメートル、100ナノメートル、500ナノメートル、1ミクロン、5ミクロン、10ミクロン、50ミクロン、100ミクロン、150ミクロン、200ミクロン、及び250ミクロンからの範囲であることができる。結合剤粒子は、少なくとも1方向の寸法における上限サイズが、約5000ミクロン、2000ミクロン、1000ミクロン、900ミクロン、700ミクロン、500ミクロン、400ミクロン、300ミクロン、250ミクロン、200ミクロン、150ミクロン、100ミクロン、50ミクロン、10ミクロン、及び500ナノメートルからの範囲であることができる。上記の下限及び上限の任意の組合せは、本明細書に記載された実施態様で使用するのに適していることがあり、選択された最大の大きさは、選択された最小の大きさよりも大きい。いくつかの実施態様では、結合剤粒子は、上記の下限から上限までの範囲の粒子サイズの混合物であることができる。いくつかの実施態様では、より小さい直径の粒子は、結合剤粒子を一緒に結合するための加熱がより速い点において有利であることがあり、このことは、本明細書に記載された多孔質体を製造するための高生産性プロセスにおいてとりわけ有用であることがある。
結合剤粒子サイズと活性粒子サイズとの比は、本明細書にそれぞれ記載されたサイズ範囲によって規定されるものの任意の繰り返しを含むことができるけれども、特定のサイズ比が、特定の用途及び/又は製品にとって有利であることがある。非限定例として、喫煙具フィルターでは、活性粒子及び結合剤粒子のサイズは、EPDが多孔質体を通して流体を吸引することが可能であるようなものでなければならない。いくつかの実施態様では、結合剤粒子サイズと活性粒子サイズとの比は、約10:1〜約1:10の範囲、又はより好ましくは約1:1.5〜約1:4の範囲であることができる。
加えて、結合剤粒子は、約0.10g/cm3〜約0.55g/cm3の範囲のかさ密度を有することができる。別の実施態様では、かさ密度は、約0.17g/cm3〜約0.50g/cm3の範囲であってもよい。さらに別の実施態様では、かさ密度は、約0.20g/cm3〜約0.47g/cm3の範囲であってもよい。
上記の結合剤粒子に加えて、他の従来の熱可塑性物質が、結合剤粒子として使用されることもできる。このような熱可塑性物質は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド(又はナイロン(商標))、アクリルポリマー、ポリスチレン、ポリビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、これらの任意のコポリマー、これらの任意の誘導体、およびこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。非線維可塑化セルロース誘導体も、本明細書に記載された結合剤粒子として使用するのに適していることがある。好適なポリオレフィンの例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、これらの任意のコポリマー、これらの任意の誘導体、及びこれらの任意の組み合わせ等を含むが、これらに限定されない。好適なポリエチレンの例は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、これらの任意のコポリマー、これらの任意の誘導体、及びこれらの任意の組み合わせをさらに含むが、これらに限定されない。好適なポリエステルの例は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、これらの任意のコポリマー、これらの任意の誘導体、及びこれらの任意の組み合わせ等を含む。好適なアクリルポリマーの例は、ポリメタクリル酸メチル、これらの任意のコポリマー、これらの任意の誘導体、及びこれらの任意の組み合わせ等を含むが、これらに限定されない。好適なポリスチレンの例は、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−ブタジエン、スチレン−無水マレイン酸、これらの任意のコポリマー、これらの任意の誘導体、及びこれらの任意の組み合わせ等を含むが、これらに限定されない。好適なポリビニルの例は、エチレン酢酸ビニル、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、これらの任意のコポリマー、これらの任意の誘導体、及びこれらの任意の組み合わせ等を含むが、これらに限定されない。好適なセルロース誘導体の例は、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、可塑化セルロース誘導体、プロピオン酸セルロース、エチルセルロース、これらの任意のコポリマー、これらの任意の誘導体、及びこれらの任意の組み合わせ等を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施態様では、結合剤粒子は、上に列挙された結合剤粒子の任意のコポリマー、任意の誘導体、及び任意の組み合わせであることができる。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載された結合剤粒子は、親水性表面処理をされることができる。親水性表面処理(例えば、カルボキシ、ヒドロキシ及びエポキシのような酸素化官能基)が、化学的酸化剤、炎、イオン、プラズマ、コロナ放電、紫外線、オゾン、及びこれらの組み合わせ(例えば、オゾン処理及び紫外線処理)のうちの少なくとも1つに曝露することによって達成されることができる。本明細書に記載された活性粒子の多くが、それらの組成の機能又は吸着水のいずれかとして親水性であるので、結合剤粒子への親水性表面処理は、結合剤粒子と活性粒子との間の引力(例えば、ファンデルワールス力、静電気、水素結合等)を増加させることができる。この高められた引力は、マトリクス材料中の活性粒子と結合剤粒子との分離を軽減し、それによって、得られた多孔質体のEPD、一体性、外周、断面の形状及び他の特性の変動を最小化することができる。さらに、この高められた引力は、より均質のマトリクス材料を提供し、このことはフィルター設計の柔軟性を高めること(例えば、全体としてのEPDを下げること、結合剤粒子の濃度を減少すること、又はその両方)ができる。
いくつかの実施態様では、マトリクス材料及び/又は多孔質体は、活性粒子、結合剤粒子、及び添加物を含むことができる。いくつかの実施態様では、マトリクス材料又は多孔質体は、マトリクス材料または多孔質体の約0.01wt%、0.05wt%、0.1wt%、1wt%、5wt%、又は10wt%の下限から、マトリクス材料又は多孔質体の約25wt%、15wt%、10wt%、5wt%、又は1wt%の上限までの範囲の量の添加物を含むことができ、該添加物の量は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。
いくつかの実施態様では、多孔質体は、約40%〜約90%の範囲の空隙容量を有することができる。いくつかの実施態様では、多孔質体は、約60%〜約90%の範囲の空隙容量を有してもよい。いくつかの実施態様では、多孔質体は、約60%〜約85%の範囲の空隙容量を有してもよい。空隙容量とは、活性粒子によって占められた空間を考慮に入れた後に残された空き空間である。
空隙容量を決定するために、何らかの特定の理論によって拘束されることを望むわけではないが、試験したところ、混合物の最終密度は、ほとんど専ら活性粒子によって決定されると考えられ、従って、結合剤粒子によって占められる空間は、この計算では考慮に入れなかった。従って、空隙容量は、この文脈では、活性粒子に占められた後に残る空間に基づいて計算される。空隙容量を決定するには、まず活性粒子についてメッシュサイズに基づいた上部直径及び下部直径が平均され、次に活性粒子の密度を使用して(その平均直径に基づいた球形状を仮定して)容量が計算された。次いで、空隙容量パーセントが以下のように計算される。
いくつかの実施態様では、多孔質体は、多孔質体のmm長さ当たり約0.10〜約25mm水柱の範囲の封入圧力低下(EPD)を有することができる。いくつかの実施態様では、多孔質体は、多孔質体のmm長さ当たり約0.10〜約10mm水柱の範囲のEPDを有してもよい。いくつかの実施態様では、多孔質は、多孔質体のmm長さ当たり約2〜約7mm水柱の範囲(又は多孔質体のmm長さ当たり7mm水柱以下)のEPDを有してもよい。
いくつかの実施態様では、多孔質体は、mm長さ当たり約20mm水柱以下、mm長さ当たり19mm水柱以下、mm長さ当たり18mm水柱以下、mm長さ当たり17mm水柱以下、mm長さ当たり16mm水柱以下、mm長さ当たり15mm水柱以下、mm長さ当たり14mm水柱以下、mm長さ当たり13mm水柱以下、mm長さ当たり12mm水柱以下、mm長さ当たり11mm水柱以下、mm長さ当たり10mm水柱以下、mm長さ当たり9mm水柱以下、mm長さ当たり8mm水柱以下、mm長さ当たり7mm水柱以下、mm長さ当たり6mm水柱以下、mm長さ当たり5mm水柱以下、mm長さ当たり4mm水柱以下、mm長さ当たり3mm水柱以下、mm長さ当たり2mm水柱以下、又はmm長さ当たり1mm水柱以下のEPDとの組み合わせで、少なくとも約1mg/mm、2mg/mm、3mg/mm、4mg/mm、5mg/mm、6mg/mm、7mg/mm、8mg/mm、9mg/mm、10mg/mm、11mg/mm、12mg/mm、13mg/mm、14mg/mm、15mg/mm、16mg/mm、17mg/mm、18mg/mm、19mg/mm、20mg/mm、21mg/mm、22mg/mm、23mg/mm、24mg/mm、又は25mg/mmの活性粒子充填量を有することができる。
例として、いくつかの実施態様では、多孔質体は、少なくとも約1mg/mmの活性粒子充填量及びmm長さ当たり約20mm水柱以下のEPDを有することができる。他の実施態様では、多孔質体は、少なくとも約1mg/mmの活性粒子充填量及びmm長さ当たり約20mm水柱以下のEPDを有してもよく、該活性粒子は炭素ではない。他の実施態様では、多孔質体は、mm長さ当たり10mm水柱以下のEPDとの組み合わせで、少なくとも約6mg/mmの充填量で、炭素を含む活性粒子を有してもよい。
いくつかの実施態様では、多孔質体は、タバコ煙からの成分、例えば本明細書のリストにあるものの除去に有効であることがある。多孔質体は、タバコの規制に関する世界保健機構枠組条約(「WHO FCTC」)によって目標とされた、ある種のタバコ煙成分の放出を低減するために使用されることができる。非限定例として、活性炭が活性粒子として使用される多孔質体を使用して、ある種のタバコ煙成分の放出をWHO FCTC推奨値より低いレベルまで低減することができる。該成分は、いくつかの実施態様では、アセトアルデヒド、アクロレイン、ベンゼン、ベンゾ[a]ピレン、1,3−ブタジエン、及びホルムアルデヒドを含むことができるが、これらに限定されない。活性炭を有する多孔質体は、煙流内のアセトアルデヒドを多孔質体のmm長さ当たり約3.0%〜約6.5%;煙流内のアクロレインを多孔質体のmm長さ当たり約7.5%〜約12%;煙流内のベンゼンを多孔質体のmm長さ当たり約5.5%〜約8.0%;煙流内のベンゾ[a]ピレンを多孔質体のmm長さ当たり約9.0%〜約21.0%;煙流内の1,3−ブタジエンを多孔質体のmm長さ当たり約1.5%〜約3.5%;及び煙流内のホルムアルデヒドを多孔質体のmm長さ当たり約9.0%〜約11.0%だけ低減することがある。別の実施態様では、イオン交換樹脂が活性粒子として使用される多孔質体を使用して、ある種のタバコ煙成分の放出をWHOの推奨値より下にまで低減することができる。いくつかの実施態様では、イオン交換樹脂を有する多孔質体は、煙流内のアセトアルデヒドを多孔質体のmm長さ当たり約5.0%〜約7.0%;煙流内のアクロレインを多孔質体のmm長さ当たり約4.0%〜約6.5%;及び煙流内のホルムアルデヒドを多孔質体のmm長さ当たり約9.0%〜約11.0%だけ低減することがある。当業者は、特定の煙流成分の濃度に関してここに報告された数値は、試験手順及びタバコのブレンドによって変動することがあることを、理解しなければならない。本明細書に引用された低減量は、CORESTA推奨方法No.74と同様の方法によるカルボニル価試験、即ち、カナダ保健省提唱の喫煙手順を使用する、高速液体クロマトグラフィーによるシガレット主流煙中の選択されたカルボニル基の測定法、をいう。試料シガレットは、米国の市販ブランドから、標準の酢酸セルロースフィルターを、多孔質体セグメント及び酢酸セルロースセグメントからなる二重セグメント化フィルターによって手で置き換えることによって調製された。多孔質体セグメントの長さは、5〜15mmの間で様々であった。
IV.添加物
好適な添加物は、活性化合物、イオン性樹脂、ゼオライト、ナノ粒子、マイクロ波増強添加物、セラミック粒子、ガラスビーズ、柔軟剤、可塑剤、色素、染料、香料、芳香剤、制御放出ベシクル、接着剤、粘着付与剤、表面改質剤、ビタミン、過酸化物、殺生物剤、抗真菌剤、抗菌剤、帯電防止剤、難燃剤、分解剤、及びこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
好適な活性成分は、煙流から成分を除去するのに適した化合物及び/又は分子、例えばリンゴ酸、炭酸カリウム、クエン酸、酒石酸、乳酸、アスコルビン酸、ポリエチレンイミン、シクロデキストリン、水酸化ナトリウム、スルファミン酸、スルファミン酸ナトリウム、ポリ酢酸ビニル、カルボキシル化アクリル酸エステル、及びこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。活性粒子は活性化合物であるとも、またその逆であるともみなされることができることに留意しなければならない。非限定例として、フラーレン及びいくつかの炭素ナノチューブは、微粒子及び分子であるとみなされることができる。
好適なイオン性樹脂は、スチレン−ジビニルベンゼン(DVB)コポリマー、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、フェノールホルムアルデヒド縮合物、及びエピクロルヒドリンアミン縮合物のような、主鎖を有するポリマー;該ポリマー主鎖に結合した複数の帯電した官能基、及びこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
ゼオライトは、孔、例えば、通路、又は均一な分子サイズの寸法の空洞を有する結晶性アルミノケイ酸塩を含むことができる。ゼオライトは、天然および合成物質を含むことができる。好適なゼオライトは、ゼオライトベータ(Na7(Al7Si57O128)正方晶)、ゼオライトZSM−5(Nan(AlnSi96−nO192)16H2O、ただしn<27)、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトY、ゼオライトK−G、ゼオライトZK−5、ゼオライトZK−4、メソ多孔性ケイ酸塩、SBA−15、MCM−41、3−アミノプロピルシリル基によって変性されたMCM48、アルミノリン酸塩、メソ多孔性アルミノケイ酸塩、他の関連した多孔質材料(例えば、混合酸化物ゲルのようなもの)、及びこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
好適なナノ粒子は、任意の数の壁のカーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、竹状カーボンナノ構造体、フラーレン及びフラーレン凝集体、並びに数層グラフェン及び酸化グラフェンを含むグラフェン、のようなナノスケール炭素粒子;金及び銀のような金属ナノ粒子;アルミナ、シリカ、及びチタニアのような金属酸化物ナノ粒子;酸化ガドリニウム、ヘマタイト及びマグネタイトのような酸化鉄の様々な結晶構造体、約12nmのFe3O4、ガドナノチューブ、並びにGd@C60のようなエンドフラーレン、のような磁性、常磁性、及び超常磁性ナノ粒子;並びに金及び銀のナノシェル、玉ねぎ状酸化鉄、及び任意の当該材料の外殻を有する他のナノ粒子及びミクロ粒子、のようなコアシェル及び玉ねぎ状ナノ粒子;並びに上記の(活性炭を含む)任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。ナノ粒子は、ナノロッド、ナノスフェア、ナノリス、ナノワイヤ、ナノスター(ナノトリポッド及びナノテトラポッドのようなもの)、中空ナノ構造体、1つに結合された2つ以上のナノ粒子である混成ナノ構造体、並びにナノコーティング又はナノ厚さの壁を有する非ナノ粒子を含んでもよいことに留意しなければならない。ナノ粒子は、ナノ粒子の官能化された誘導体、例えば、以下のものに限定されないが、共有結合及び/又は非共有結合で、例としてパイスタッキング、物理吸着、イオン会合、ファンデルワールス会合等で、官能化されたナノ粒子を含むことができることにさらに留意しなければならない。好適な官能基は、アミン(1級、2級、又は3級)、アミド、カルボン酸、アルデヒド、ケトン、エーテル、エステル、過酸化物、シリル、オルガノシラン、炭化水素、芳香族炭化水素、及びこれらの任意の組み合わせを含む分子部分;ポリマー;エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリグリコールアミン酸、及びピロール環を含む構造体のようなキレート剤;並びにこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。官能基は、煙成分の除去を向上させ、及び/又はナノ粒子の多孔質体中への取り込みを向上させることがある。
好適なマイクロ波増強添加物は、マイクロ波応答ポリマー、炭素粒子、フラーレン、炭素ナノチューブ、金属ナノ粒子、水等、およびこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
好適なセラミック粒子は、酸化物(例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、ベリリア、セリア、及びジルコニア)、非酸化物(例えば、炭化物、ホウ化物、窒化物、及びケイ化物)、これらの複合物、並びにこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。セラミック粒子は、結晶性、非結晶性、又は半結晶性であることができる。
本明細書で使用される「色素」とは、色を与える、マトリクス材料及び/又はその成分の全体中に組み込まれる化合物及び/又は粒子をいう。好適な顔料は、二酸化チタン、二酸化ケイ素、タルトラジン、E102、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、ジオキサジン、ペリノンジスアゾ顔料、アントラキノン色素、カーボンブラック、二酸化チタン、金属粉、酸化鉄、ウルトラマリン、及びこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「染料」とは、色を与える、表面処理剤である化合物及び/又は粒子をいう。好適な染料は、CARTASOL(商標)染料(Clariant Services社から入手可能なカチオン染料)で、液状及び/又は粒状のもの(例えば、CARTASOL(商標)Brilliant Yellow K−6G液体、CARTASOL(商標)Yellow K−4GL液体、CARTASOL(商標)Yellow K−GL液体、CARTASOL(商標)Orange K−3GL液体、CARTASOL(商標)Scarlet K−2GL液体、CARTASOL(商標)Red K−3BN液体、CARTASOL(登録商標)Blue K−5R液体、CARTASOL(商標)Blue K−RL液体、CARTASOL(商標)Turquoise K−RL液体/粒状物、CARTASOL(商標)Brown K−BL液体)、FASTUSOL(商標)染料(BASF社から入手可能な助色団)(例えば、Yellow 3GL、Fastusol C Blue 74L)を含むことができるが、これらに限定されない。
好適な香料は、喫煙具フィルターに使用するのに適した任意の香料であり、煙流に味及び/又は香味を与えるものを含むことができる。好適な香料は、有機物質(又は天然に風味付けされた粒子)、自然香料用の担体、人工香料用の担体、及びこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。有機物質(又は天然に風味付けされた粒子)は、タバコ、クローブ(例えば、クローブパウダー及びクローブフラワー)、ココア、コーヒー、紅茶等を含むが、これらに限定されない。天然及び人工の香料は、メントール、クローブ、サクランボ、チョコレート、オレンジ、ミント、マンゴー、バニラ、シナモン、タバコ等を含むことができるが、これらに限定されない。このような香味は、メントール、アネトール(甘草)、アニソール、リモネン(柑橘)、オイゲノール(クローブ)等、及びこれらの任意の組み合わせによって提供されることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様では、本明細書に提供された香料の任意の組み合わせを含む、複数の香料が使用されてもよい。これらの香料は、本明細書に記載されたタバコカラム内、フィルターの区画内、又は多孔質体内に配置されてもよい。香料の量は、煙中の香味の所望のレベルに依存するが、全てのフィルター区画、喫煙具の長さ、喫煙具のタイプ、喫煙具の直径、及び当業者に公知の他の要因が考慮に入れられる。
好適な芳香剤は、ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル、酢酸エチル、酪酸エチル、酢酸イソアミル、酪酸ペンチル、ペンタン酸ペンチル、酢酸オクチル、ミルセン、ゲラニオール、ネロール、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、リナロール、ネロリドール、リモネン、ショウノウ、テルピネオール、アルファ−イオノン、ツジョン、ベンズアルデヒド、オイゲノール、桂皮アルデヒド、エチルマルトール、バニラ、アニソール、アネトール、エストラゴール、チモール、フラネオール、メタノール、香辛料、香辛料抽出物、薬草抽出物、精油、気付け薬、揮発性有機化合物、揮発性小分子、ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル、酢酸エチル、酪酸エチル、酢酸イソアミル、酪酸ペンチル、ペンタン酸ペンチル、酢酸オクチル、ミルセン、ゲラニオール、ネロール、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、リナロール、ネロリドール、リモネン、ショウノウ、テルピネオール、アルファ−イオノン、ツジョン、ベンズアルデヒド、オイゲノール、桂皮アルデヒド、エチルマルトール、バニラ、アニソール、アネトール、エストラゴール、チモール、フラネオール、メタノール、ローズマリー、ラベンダー、柑橘類、フリージア、アンズの花、葉野菜、桃、ジャスミン、紫檀、松、タイム、オークモス、ジャコウ、ベチバー、ミルラ、クロフサスグリ、ベルガモット、グレープフルーツ、アカシア、トケイソウ、白檀、トンカ豆、マンダリン、ネロリ、バイオレットリーフ、クチナシ、レッドフルーツ、イランイラン、キンゴウカン、ミモザ、トンカ豆、木、アンバーグリス、ラッパズイセン、ヒヤシンス、スイセン、クロフサスグリの芽、アイリス、ラズベリー、スズラン、白檀、ベチバー、シダーウッド、ネロリ、ベルガモット、イチゴ、カーネーション、オレガノ、ハチミツ、シベット、ヒリオトロープ、カラメル、クマリン、パチョリ、デューベリー、ヘロニアル、ベルガモット、ヒヤシンス、コリアンダー、ピメントベリー、ラブダナム、キンゴウカン、ベルガモット、アルデヒド、ラン、琥珀、ベンゾイン、オリス、ゲッカコウ、パルマローザ、シナモン、ナツメグ、コケ、エゴノキ、パイナップル、ベルガモット、キツネノテブクロ、チューリップ、藤、クレマチス、アンバーグリス、ガム、樹脂、シベット、桃、プラム、海狸香、ミルラ、ゼラニウム、ローズバイオレット、キズイセン、スパイシーカーネーション、ガルバヌム、ヒヤシンス、プチグレン、アイリス、ヒヤシンス、ハニーサックル、コショウ、ラズベリー、ベンゾイン、マンゴー、ココナツ、ヘスペリデス、海狸香、モクセイ属、ムースドシェーヌ、ネクタリン、ミント、アニス、シナモン、オリス、アンズ、プルメリア、マリーゴールド、ローズオイル、スイセン、トルーバルサム、乳香、琥珀、オレンジの花、バーボンベチバー、オポパナクス、ホワイトムスク、パパイヤ、氷砂糖、ジャックフルーツ、蜜、蓮の花、ミュゲ、桑、ニガヨモギ、生姜、ジュニパーベリー、ニオイペンゾイン、ボタン、スミレ、レモン、ライム、ハイビスカス、ホワイトラム、バジル、ラベンダー、バルサム、ツボクサ、モクセイ属、カロカロンデ、ホワイトオーキッド、カラリリー、ホワイトローズ、ラブラムリリー、マンジュギク、アンバーグリス、セイヨウキヅタ、芝生、セリンガ、スペアミント、クラリーセージ、ハコヤナギ、ブドウ、ブルーベリー、蓮、シクラメン、ラン、グリシン、ティアレフラワー、ジンジャーリリー、グリーンオスマンサス、トケイソウ、ブルーローズ、ベーラム、キンゴウカン、アフリカマンジュウギク、アナトリアローズ、オーベルニュスイセン、英国エニシダ、英国ブルームチョコレート、ブルガリアバラ、中国パチョリ、中国クチナシ、カラブリアマンダリン、コモロ島ゲッカコウ、セイロンカルダモン、カリブパッションフルーツ、ダマスクローズ、ジョージアピーチ、ホワイトマドンナリリー、エジプトジャスミン、エジプトマリーゴールド、エチオピアシベット、ファーネシアキンゴウカン、フィレンツェアイリス、フランスジャスミン、フランスギズイセン、フランスヒヤシンス、ギニアオレンジ、ガイアナワカプア、グラースプチグレン、グラースローズ、グラースゲッカコウ、ハイチベチバー、ハワイパイナップル、イスラエルバジル、インド白檀、インド洋バニラ、イタリアベルガモット、イタリアアイリス、ジャマイカコショウ、メイバラ、マダガスカルイランイラン、マダガスカルバニラ、モロッコジャスミン、モロッコバラ、モロッコオークモス、モロッコオレンジ花、マイソール白檀、オリエンタルローズ、ロシア革、ロシアコリアンダー、シチリアマンダリン、南アフリカマリーゴールド、南アフリカトンカ豆、シンガポールパチョリ、スペインオレンジ花、シチリアライム、レユニオン島ベチバー、トルコバラ、タイベンゾイン、チュニジアオレンジ花、ユーゴスラビアオークモス、バージニアシダーウッド、ユタノコギリソウ、西インド紫檀等、及びこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
好適な粘着付与剤は、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、水溶性酢酸セルロース、アミド、ジアミン、ポリエステル、ポリカーボネート、シリル変性ポリアミド化合物、ポリカルバメート、ウレタン、天然樹脂、セラック、アクリル酸ポリマー、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸エステルポリマー、アクリル酸誘導体ポリマー、アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸エステルホモポリマー、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸ブチル)、ポリ(アクリル酸2−エチルヘキシル)、アクリル酸エステルコポリマー、メタアクリル酸誘導体ポリマー、メタアクリル酸ホモポリマー、メタクリル酸エステルホモポリマー、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル)、アクリルアミド−メチル−プロパンスルホネートポリマー、アクリルアミド−メチル−プロパンスルホネート誘導体ポリマー、アクリルアミド−メチル−プロパンスルホネートコポリマー、アクリル酸/アクリルアミド−メチル−プロパンスルホネートコポリマー、ベンジルココジ−(ヒドロキシエチル)第4級アミン、ホルムアルデヒド縮合p−T−アミノ−フェノール、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル、アクリルアミド、N−(ジアルキルアミノアルキル)アクリルアミド、メタクリルアミド、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸、アクリル酸、アクリル酸ヒドロキシエチル等、これらの任意の誘導体、およびこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
好適なビタミンは、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
好適な抗菌剤は、抗菌剤金属イオン、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン塩、トリクロサン、ポリモキシン、テトラサイクリン、アミノグリコシド(例えば、ゲンタマイシン)、リファンピシン、バシトラシン、エリスロマイシン、ネオマイシン、クロラムコニフェール、ミコナゾール、キノロン、ペニシリン、ノノキシノール9、フシジン酸、セファロスポリン、ムピロシン、メトロニダゾールセクロピン、プロテグリン、バクテリオシン、デフェンシン、ニトロフラゾン、マフェナイド、アシクロビル、バンコマイシン、クリンダマイシン、リンコマイシン、スルホンアミド、ノルフロキサシン、ペフロキサシン、ナリジクス酸、シュウ酸、エノキサシン酸、シプロフロキサシン、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)、PHMB誘導体(例えば、ポリエチレンヘキサメチレンビグアニド(PEHMB)のような生分解性ビグアニド)、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、EDTA誘導体(例えば、EDTAジナトリウム又はEDTA四ナトリウム)等、およびこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
帯電防止剤は、いくつかの実施態様では、任意の好適な陰イオン性、陽イオン性、両性、又は非イオン性帯電防止剤を含むことができる。帯電防止剤は、概して、アルカリ硫酸塩、アルカリリン酸塩、アルコールのリン酸エステル、エトキシ化アルコールのリン酸エステル、及びこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの例は、アルカリ中和されたリン酸エステル(例えば、米国、サウスカロライナ州、MauldinのHenkel社から入手可能な、TRYFAC(商標)5559又はTRYFAC(商標)5576)を含むことができるが、これらに限定されない。陽イオン性帯電防止剤は、概して、第4級アンモニウム塩及び正電荷を有するイミダゾリンを含むことができるが、これらに限定されない。非イオン性帯電防止剤の例は、ポリ(オキシアルキレン)誘導体、例えばEMERSEST(商標)2650(米国、サウスカロライナ州、MauldinのHenkel社から入手可能な、エトキシ化脂肪酸)のようなエトキシ化脂肪酸、TRYCOL(商標)5964(米国、サウスカロライナ州、MauldinのHenkel社から入手可能な、エトキシ化ラウリルアルコール)のようなエトキシ化脂肪族アルコール、TRYMEEN(商標)6606(米国、サウスカロライナ州、MauldinのHenkel社から入手可能な、エトキシ化獣脂アミン)のようなエトキシ化脂肪族アミン、EMID(商標)6545(米国、サウスカロライナ州、MauldinのHenkel社から入手可能な、オレイン酸ジエタノールアミン)のようなアルカノールアミド、及びこれらの任意の組み合わせを含む。陰イオン性および陽イオン性材料が、より有効な帯電防止剤である傾向がある。
多孔質体等は、本明細書では主に喫煙具フィルター用として検討されているけれども、多孔質体等は、他の用途における流体フィルター(又はその部品)、例えば、以下のものに限定されないが、液体ろ過、浄水、電動車両のエアフィルター、医療機器の空気清浄器、家庭用空気清浄器等として使用されることができることに留意しなければならない。本開示発明の利益を享受する当業者は、本開示発明を他のろ過用途に適合させるために必要な修正及び/又は制限を、例えば、マトリクス材料成分のサイズ、形状、サイズ比、及びマトリクス材料成分の組成を理解しなければならない。非限定例として、マトリクス材料は、同心水フィルター構成物用の中空円柱又はエアフィルター用のプリーツシートのような他の形状に成型されることが可能である。
いくつかの実施態様では、システムは、その材料経路に沿って配置された型を備えた材料経路、マトリクス材料を材料経路に供給する型の少なくとも部分の前にある少なくとも1つのホッパー、材料経路の少なくとも最初の部分と熱連通している熱源、及び材料経路の最初の部分の後にある、材料経路に沿って配置されたカッターを備えることができる。
いくつかの実施態様は、マトリクス材料を型の中に連続して導入する工程、及び型の内張りとして離型ラッパーを配置する工程を含むことができる。さらに、当該実施態様は、マトリクス材料の少なくとも一部を加熱して、マトリクス材料を複数の接触点で結合し、それによって長尺多孔質体を形成し、及び該長尺多孔質体を半径方向に切断し、それによって多孔質体をもたらす工程を含むことができる。
いくつかの実施態様は、マトリクス材料を型の中に連続して導入する工程、マトリクス材料を複数の接触点で結合し、それによって長尺多孔質体を形成するように、マトリクス材料の少なくとも一部を加熱して、それによって長尺多孔質体を形成する工程、及び該長尺多孔質体をダイを通して押出す工程を含むことができる。
いくつかの実施態様では、システムは型を含むことができ、該型は少なくとも2つの型部品を備え、そこでは第1のコンベヤーが第1の型部品を含み、第2のコンベヤーが第2の型部品を含む。当該第1のコンベヤー及び第2のコンベヤーは、第1の型部品及び第2の型部品を一緒に合わせて、型を形成し、次に連続した様式で第1の型部品を第2の型部品から分離させる能力を有することができる。該システムは、型にマトリクス材料を充填する能力があるホッパー、及びマトリクス材料を多孔質体に変換するための、型の少なくとも最初の部分と熱連通している熱源をさらに含んでもよい。
いくつかの実施態様は、マトリクス材料を複数の型の中に導入する工程、及びマトリクス材料を型内で加熱して、マトリクス材料を複数の接触点で結合し、それによって多孔質体を形成する工程を含むことができる。
本明細書に開示された実施態様は次のものを含む:
A.高濃度相空送供給によってマトリクス材料を型内に供給して、所望の断面形状を形成する工程であって、該マトリクス材料が複数の結合剤粒子及び複数の活性粒子を含む工程;該マトリクス材料の少なくとも一部を加熱して、該マトリクス材料の少なくとも一部を複数の焼結した接触点で結合し、それによって長尺多孔質体を形成する工程;該長尺多孔質体を冷却する工程;及び該長尺多孔質体を切断して、それによって多孔質体を製造する工程;を含む方法、
B.高濃度相空送供給によってマトリクス材料を型内に供給して、所望の断面形状を形成する工程であって、該マトリクス材料が、複数の活性粒子及び親水性表面変性を有する複数の結合剤粒子を含む工程;該マトリクス材料の少なくとも一部を加熱して、該マトリクス材料の少なくとも一部を複数の焼結した接触点で結合し、それによって長尺多孔質体を形成する工程;加熱後に該長尺多孔質体の断面形状を再成形する工程;該長尺多孔質体を冷却する工程;及び該長尺多孔質体を切断して、それによって多孔質体を製造する工程;を含む方法、及び
C.高濃度相空送供給によってマトリクス材料を型内に供給して、所望の断面形状を形成する工程であって、該マトリクス材料が、複数の活性粒子、親水性表面変性を有する複数の結合剤粒子、及びマイクロ波増強添加物を含む工程;マイクロ波放射を用いて該マトリクス材料を照射することによって該マトリクス材料の少なくとも一部を加熱して、該マトリクス材料の少なくとも一部を複数の焼結した接触点で結合し、それによって長尺多孔質体を形成する工程;加熱後に該長尺多孔質体の断面形状を再成形する工程;該長尺多孔質体を冷却する工程;及び該長尺多孔質体を切断して、それによって多孔質体を製造する工程;を含む方法。
実施態様A、B及びCのそれぞれは、以下の追加の要素のうちの1つ以上を任意の組み合わせで有することができる。即ち、要素1では、高濃度相空送供給が約1m/分〜約800m/分の供給速度で行われる;要素2では、高濃度相空送供給が約1m/分〜約800m/分の供給速度で行われ、かつ型が約3mm〜約10mmの直径を有する;要素3では、加熱がマイクロ波放射を用いて該マトリクス材料の少なくとも一部を照射することを含む;要素4では、該マトリクス材料がマイクロ波増強添加物をさらに含む;要素5では、型が、紙ラッパーによって少なくとも部分的に形成される;要素6では、結合剤粒子が親水性表面処理をされている;要素7では、該方法が、加熱後に該長尺多孔質体の断面形状を再成形する工程をさらに含む;要素8では、該方法が、切断する前に長尺多孔質体を再加熱して、それによって第2の複数の焼結した接触点を形成する工程をさらに含む;要素9では、該方法が、多孔質体を再加熱して、それによって第2の複数の焼結した接触点を形成する工程をさらに含む;要素10では、多孔質体がエアフィルターに使用するのに適したシートである;要素11では、多孔質体が約5mm〜約50mmの厚さを備えたシートである;要素12では、多孔質体が喫煙物品フィルターに使用するのに適している;要素13では、多孔質体が水フィルターに使用するのに適している;及び要素14では、多孔質体が中空円柱である。
非限定例として、A、B、Cに適用可能な典型的な組み合わせは、以下のものを含む。即ち、要素1に要素3を組み合わせたもの; 要素2に要素3を組み合わせたもの; 要素4に任意のそれ以前の要素を組み合わせたもの; 要素3に要素4を組み合わせたもの; 要素7〜9のうちの少なくとも1つに任意のそれ以前の要素を組み合わせたもの;要素7に要素8を組み合わせたもの;要素7に要素9を組み合わせたもの;要素7に要素3を組み合わせたもの;要素5に任意のそれ以前の要素を組み合わせたもの;要素10〜14のうちの1つに任意のそれ以前の要素を組み合わせたもの;要素6に任意のそれ以前の要素を組み合わせたもの;及び要素6に要素1〜4のうちの1つを組み合わせたもの。
本明細書に記載された実施態様のより良い理解を促すために、代表的な実施態様のうちの以下の実施例が示される。以下の実施例は、本発明の範囲を限定するように、又は画定するようには、決して読まれてはならない。
実施例
一体性を測定するために、試料がフランス式四角ガラス瓶に入れられ、リストアクションシェーカーを使用して5分間激しく撹拌される。完了後、撹拌の前及び後の試料の重量が比較される。その差が、パーセントロス量に変換される。この試験は、極端な状況下での劣化をシミュレートする。2%未満の重量ロス量が、合格品質であるとみなされる。
多孔質体試料が、炭素添加物を含むGUR 2105を用いて製造され、また、炭素添加物を含むGUR X192は紙包装あり及びなしの両方について製造された。当該試料は8mm×20mmの大きさの円柱であった。一体性試験の結果が、下の表1に示される。
この実施例は、多孔質体中の結合剤(GUR)の割合を増加させると、またラッパー(紙)を使用すると、該多孔質体の一体性が高められることを実証する。さらに、多孔質体は、ダルメシアンフィルター(可塑化されたカーボン−オン−トウ フィルター)と同等の一体性を有するように構成されることができ、この多孔質体は煙成分の除去を増加するために使用される。
フィルター(又は多孔質体)を通して気体が吸引されるときに放出される粒子の量を測定するために、試料が液体香味料なしで吸われ、放出された粒子が、ケンブリッジパッド上に収集される。
多孔質体の粒子放出特性が、ダルメシアンフィルター(可塑化されたカーボン−オン−トウ フィルター)と比較された。試料は、8mm×20mmの大きさの円柱の、(1)333mgの炭素を含む多孔質体、(2)338mgの予め水洗された炭素を含む多孔質体、及び(3)74mgの炭素を含むダルメシアンフィルターであった。下の表2は、粒子放出試験の結果を示す。
この実施例は、本発明の多孔質体が、ダルメシアンフィルターと比較して、何倍さえもの、この実施例では4.5倍もの炭素充填量を有していても、吸引に際して放出される粒子量が同等であることを実証する。さらに、多孔質体に洗浄のような処理をすると、粒子の放出が軽減されることができる。他の軽減手段としては、多孔質体中の結合剤濃度を増加すること、多孔質体中の機械的結合の程度を(例えば、結合する温度に留まる時間を増加することによって)増加すること、添加物(例えば、炭素)の大きさ及び形状を最適化すること等があり得る。
80重量%の炭素(PICATIF、即ちJacobi社からから入手可能な60%活性炭)及び20重量%のGUR(商標)2105から成るマトリクス材料が混合され、片端が塞がれた紙管中に投入された。この充填された管が電子レンジ(約300W及び約2.45GHz)に入れられ、75秒間照射された。マトリクス材料のかなりの部分が結合し合い、2つの区画、17mm及び21mmに切断された。多孔質体のこれらの区画が分析され、それぞれ8.4mm水柱/長さmm及び2.7mm水柱/長さmmのEPDを示した。
この実施例は、多孔質体等の製造にマイクロ波照射が適用可能であることを実証する。上で検討したように、マイクロ波照射は、いくつかの実施態様では、本明細書に記載された多孔質体等の形成において他の技術に追加して使用されることができる。
80重量%の炭素(PICATIF、即ちJacobi社からから入手可能な60%活性炭)及び20重量%のGUR(商標)2105から成る第1のマトリクス材料、及び80重量%の炭素(PICATIF、即ちJacobi社からから入手可能な60%活性炭)及び20重量%のプラズマ処理されたGUR(商標)2105(即ち、親水性表面変性をされた結合剤の例)から成る第2のマトリクス材料のそれぞれについて、5つの多孔質材料が調製された。得られた多孔質材料の特性が測定された(表3)。多孔質体の楕円率が、従来のシガレットフィルターの楕円率を測定するのに使用されるのと同様の方法を用いて測定され、同方法では、外周/楕円率試験器が、試料を光学的に走査して、外周、最大部直径(a)、及び最小の直径(b)を測定する。楕円率はa−bとして計算され、断面形状の円形から楕円形への変形の程度を示す。
これらの測定値のそれぞれ、とりわけEPDについては、プラズマ処理されたGUR(商標)2105を含む多孔質体の標準偏差は、処理されていないGUR(商標)2105のそれ以下である。さらに、試料間のEPDの値を比較すると、同じ結合剤粒子濃度の場合、プラズマ処理されたGUR(商標)2105は、処理されていないGUR(商標)2105よりも低いEPDをもたらす。この実施例は、親水性表面を備えた結合剤粒子が、多孔質体の特性の変動を(報告された変動係数によって示されるように)最小化し、該多孔質体の全EPDを低減することを実証する。
マトリクス材料の2つの試料が、多孔質体を調製するために使用された。即ち、(1)対照:10重量%のGUR(商標)2105、10重量%のGUR(商標)2122、80重量%の活性炭、及び(2)黒鉛:10重量%のGUR(商標)2105、10重量%のGUR(商標)2122、79重量%の活性炭、1重量%の粉末黒鉛(McMaster−Carr社から入手可能)(即ち、マイクロ波増強添加物の例)。このマトリクス材料が、60psi(414kPa)における高濃度相空送供給によって、管/円柱形状に巻かれた紙によって形成された型の中に供給された。マトリクス材料をその中に含む型は、シングルモード、2.45GHzのマイクロ波室内を2m/分で通された。マイクロ波入力エネルギーが様々に変えられた。得られた多孔質体が、EPD、外周、及び(上で測定されたように)ロッド一体性について分析された(表4)。
この実施例は、マイクロ波増強添加物を含めると、EPDの減少によって証拠付けられるようにマイクロ波焼結工程を改善し、同じ程度のマイクロ波パワーの場合に、同等〜改善されたロッド一体性を実証する。
以上のことから、本発明は、記載されたその目的および利点とともに本発明に固有のものを達成するのに十分に適合している。本発明は、異なる様式ではあるが、本明細書の教示の利益を享受する当業者には明らかである等価な様式で、修正され、かつ実施されることができるので、上で開示された特定の実施態様は、例示のためだけのものである。さらにその上、本明細書に示された構成または設計の詳細へのいかなる限定も、以下の請求項に記載された以外には、意図されていない。従って、上で開示された特定の例示的な実施態様が変更され、組み合わせられ又は修正されることができ、また、全てのそのような変更物は本発明の範囲および精神内のものであると見なされることは明らかである。本明細書に例示的に適切に開示された発明は、明細書に具体的に開示されていない何らかの要素及び/又は本明細書に開示された何らかの任意的な要素がなくても実施されることができる。組成物及び方法は、様々な成分又は工程を「含んでいる(comprising)」、「含む(containing)」、または「包含する(including)」の用語で記載されているけれども、これらの組成物及び方法は、様々な成分又は工程「から実質的に成る(consist essentially of)」または「から成る(consist of)」ことができる。上で開示された全ての数及び範囲は、ある量だけ変動することができる。下限と上限とを有する数の範囲が開示される場合は常に、その範囲内に含まれる任意の数および任意の包含される範囲も具体的に開示されているのである。特に、本明細書に開示された(「約aから約bまで」、または同等なものとして「近似的にaからbまで」、または同等なものとして「近似的にa〜b」の形式の)全ての数値範囲は、そのより広い数値範囲内に包含される全ての数及び範囲を記載しているものと理解されなければならない。また、請求項の用語は、特許権者によって明示的にかつ明白に他様に定義されていない限り、その平易な、通常の意味を有する。その上、請求項の中で使用される不定冠詞「a」または「an」は、それが導入する要素のうちの1つ以上を意味すると、本明細書では定義される。本明細書中の語または用語の使用法において何らかの矛盾、及び参照によって本明細書に取り込まれることができる1つ以上の特許又は他の文書間に何らかの矛盾がある場合、本明細書と一致している定義が採用されなければならない。