JP2015531073A - 音響ビームを生成するための音響源 - Google Patents

音響ビームを生成するための音響源 Download PDF

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Abstract

音響ビームを生成する音響源は、筐体、当該筐体内に間隔を空けて配置された複数の圧電層、及び、前記複数の圧電層の間に充填された非線形媒体を備える。前記複数の圧電層のそれぞれが、音響波を生成するように構成される。非線形媒体及び複数の圧電層は、整合インピーダンスを有し、前記複数の圧電層のそれぞれによって生成される音響波の、残りの当該複数の層における伝送が改善される。

Description

[関連出願への相互参照」
本出願は、2012年8月21日に出願された米国仮出願第61/691,602号、及び、2013年3月15日に出願された米国出願第13/836,718号明細書に基づき、その優先権を主張する。上記出願の内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
[米国政府の権利]
本発明は、米国エネルギー省によって認められた共同研究開発契約(CRADA)の契約番号DE−AC52−06NA25396に基づく米国政府の支援を得てなされた。米国政府は本発明について所定の権利を有する。
本発明は、ボアホール周辺の岩石層の音響探査に関し、特に、線形の物質又は非線形の物質と結合された坑井内の単一のトランスデューサ又はトランスデューサのアレイを含む音響源の組み合わせを使用して、音響ビームを生成し、ボアホールからの音響ビームを探査ツールとしてボアホール周辺の岩石層及び物質の特性を調査することに関する。
地下構造物を音波で測定する場合、実際の音波源の周波数帯域により制限を受ける。高周波数信号では相対的に到達距離が短く、低周波数信号では照準を合わせるのが難しく、ボアホール内で望ましくない信号が生成されてしまう、従来のトランスデューサを用いて約15kHz〜120kHzの範囲の音波周波数の音響コリメートビーム信号をボアホールから生成し、ボアホール周囲の岩石層を調査することは容易ではない。従来の音波音響源は、ビームの広がりが大きく、周波数が低くなるに従って、ビームの広がりも大きくなる。ビームの広がりはまた、トランスデューサの直径にも依存し、トランスデューサの直径はボアホールの大きさによって制限される。特定の周波数において、鋭い指向性を持ってステアリングするためには、多くの条件が満たされなければならない。例えば、音源アレイが長いこと、全トランスデューサがボアホール周辺の岩石層と一様に結合していること、岩石層の音響速度に関する情報がわかっていることが必要である。ボアホール環境における内在的な物理的制約、工学的実現可能性、又は、操作条件のために、特に、音響源信号の周波数帯域が広い場合には、これらの条件は実現されないことが多い。
典型的なモノポール及びダイポールのボアホール音響検層では、約8kHz未満の周波数レンジが、掘削孔付近の音速を測定するのに使用されている。しかしながら、このような相対的に低い周波数では、方位角方向の分解能が相対的に低くなる。受信機に戻ってくる信号の方向を検出する更なる受信機を使用することにより、このような欠点を克服しようと試みる幾つかの特許が存在する(例えば、米国特許第5,544,127号広報参照。本広報は、参照により本明細書に組み込まれる)。ボアホール音波を、反射イメージング、屈折イメージング、フラクチャ(fracture)検出及び浸透率の測定に適用することも提案されている(例えば、米国特許第5,081,611号広報、米国特許第4,831,600号広報、米国特許第4,817,059号広報及び米国特許第4,797,859号広報参照)。上記のような従来技術の全てにおいて、信号源が十分な方位指向性及び望ましい周波数帯域を有さないことから、使用される方位角方向分解能が不足している。
セメント評価の場合には、数百キロヘルツ(例えば、約80kHzから約120kHzの間の低い超音波周波数レンジ、及び、約200kHz周辺の超音波周波数レンジ)の超音波を使用して、ケーシング背後のセメントの隙間の検出が行われている。方位分解能が良好となる200kHz周辺の周波数であっても、当該周波数付近における検出可能距離は非常に限定されている。すなわち、セメントと岩石層との間の構造及びチャネルの背後を調査可能な透過深度が、周波数200kHz付近の周波数の超音波源では限定される。従来のセメント評価検層では、30kHzの周波数が使用されており、より深く調査を行うことができる。しかしながら、従来のセメント評価検層では、波長がボアホールの半径の大きさに近く、その結果、ボアホールのモードが、ボアホール全体を励振してしまう。その結果、セメント・ボンドの詳細な方位方向の情報を得ることが難しくなる。この欠点を克服するべく、複数の発信源(70kHzから120kHzの範囲の周波数を発信)及び複数の受信機を、セクターボンドツール(SBT)システムにおいて使用している。しかしながら、複数の発信源及び複数の受信機を使用したとしても、従来のSBTシステムでは、発信源の方位角方向の指向性が十分でないことから、セメントと岩石層との間の小さなチャネルの存在を有効に検出することができず、従来技術の典型的なセメント評価検層の欠点を解決することができない。
本発明の一態様は、ボアホール付近のセメントボンド又は岩石層構造を調査する方法を提供することである。方法は、音響源により音響波を生成する段階と、ボアホール付近の目標の位置に向けて、一の又は複数の傾斜及び方位角方向に前記音響波を向ける段階と、前記目標の位置における物質によって反射された前記音響波、回折された前記音響波、若しくは、表面波伝播又はこれらの組み合わせ、から発生した音響信号を、一の又は複数の受信機で受信する段階と、前記ボアホール周辺の前記物質の特徴を把握するべく、受信した前記音響信号を分析する段階とを備える。
本発明の別の態様は、ボアホール付近のセメントボンド又は岩石層構造を調査するシステムを提供することである。システムは、音響波を生成し、当該音響波をボアホール付近の所望の位置を目指して一の又は複数の方位角へと向けるように構成された音響源を備える。システムは更に、音響信号を受信するように構成された一の又は複数の受信機を備え、当該音響信号は所望の位置における物質によって音響波が反射若しくは屈折したもの、又は、当該音響波の表面波伝播から発生している。システムは更に、受信した信号にデータ処理を行って、受信した音響信号を分析して、ボアホールの周辺の物質の特徴を把握するように構成されたプロセッサを備える。
本発明の別の側面によれば、音響ビームを生成するための音響源が提供される。音響源は、筐体、当該筐体内に間隔を空けて配置された複数の圧電層、及び、前記複数の圧電層の間に充填された非線形媒体を備える。複数の圧電層のそれぞれは、電気信号によって励起されると音響波を生成する。非線形媒体及び複数の圧電層は、音響整合インピーダンスを有することから、複数の圧電層のそれぞれによって生成される音響波が残りの当該複数の層で伝送されるのを改善することができる。
本発明の更なる別の側面として、円筒形状の支持部材と、当該円筒形状の支持部材の表面に配置される複数の受信機要素とを含む音響検出器を提供する。複数の受信機要素は、複数の方位角方向において、音響波を検出するように構成される。
本発明の上記及び上記以外の目的、特徴、及び性質、並びに、関連する構成要素の動作方法及び機能、そして製造における各部分の組み合わせと経済性については、添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明と添付の特許請求の範囲を検討することによってさらに明らかになる。これらはいずれも本明細書の一部を構成する。本明細書において、同様の参照符号は種々の図における対応部分を表している。添付図面は例示及び説明のためのものであり、本発明の発明特定事項の定義として用いることは意図されていない。本明細書及び特許請求の範囲における用法によれば、単数形の「a」、「an」及び「the」には複数のものへの言及が含まれる。ただし、文脈によって別に解すべきことが明白な場合はこの限りでない。
本発明の一実施形態に係る、ボアホール付近の構造物及び/物質の特性を明らかにするべく、コリメートされた音響ビームを生成するシステムの模式図である。 本発明の一実施形態に係る、ボアホール付近の構造物及び/物質の特性を明らかにするべく、コリメートされた音響ビームを生成するシステムの模式図である。
本発明の一実施形態に係る、コリメートされた音響ビームを生成するのに使用されるポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene difluoride:PVDF)膜の音響源のエンドファイア・アレイ(end−fire array)の模式図である。 本発明の一実施形態に係る、コリメートされた音響ビームを生成するのに使用されるポリフッ化ビニリデン膜の音響源のエンドファイア・アレイの模式図である。
励起電気信号に遅延を適用していない場合の、PVDF膜音響源のエンドファイア・アレイによって出力される信号を示している。 励起電気信号に適切な遅延を適用した場合の、PVDF膜音響源のエンドファイア・アレイによって出力される信号を示している。
本発明の様々な実施形態に係る、受信機の略図である。 本発明の様々な実施形態に係る、受信機の略図である。 本発明の様々な実施形態に係る、受信機の略図である。
本発明の一実施形態に係る、音響測定システムの模式図である。
本発明の一実施形態に係る、音響源から発信されるパラメトリックアレイビームパルス信号の特性を示した図である。
周波数領域の信号を取得するべく行った、図4Aの音響ビーム信号の高速フーリエ変換(FFT)を示している。
本発明の一実施形態に係る、伝播時間及び方位角の関数として、収集されたデータを表したものである。
本発明の一実施形態に係る、円筒形状の構造の表面に設けられる受信機要素の直線アレイを有する受信機を使用した実験装置を模式的に示した図である。
本発明の別の実施形態に係る、図5に示すようなデータと同様な実験装置であるが、線形信号の到達を除去するべく信号処理を行った後に得られた反射データを示した図である。
本発明の一の実施形態に係る、線形信号の到達を除去するべく信号処理を行った後に得られたデータを、伝播時間と受信機の数の関数として示した図である。
本発明の別の実施形態に係る、受信機24の方向を固定して(すなわち、受信機を回転させない)、ミラーを方位角方向に回転させた別の実験を示した図である。
本発明の別の実施形態に係る、音響実験装置を示しており、当該実験装置の縦断面図である。 本発明の別の実施形態に係る、音響実験装置を示しており、当該実験装置の上面図である。
本発明の一実施形態に係る、方位方向又は方位角約320度において測定されたデータのプロットである。 本発明の一実施形態に係る、方位方向又は方位角約90度において測定されたデータのプロットである。 本発明の一実施形態に係る、方位方向又は方位角約165度において測定されたデータのプロットである。
本発明の実施形態に係る、様々なボアホールの状態の場合の、周波数範囲15kHzから120kHzの音響測定の合成波のプロットを示している。 本発明の実施形態に係る、様々なボアホールの状態の場合の、周波数範囲15kHzから120kHzの音響測定の合成波のプロットを示している。 本発明の実施形態に係る、様々なボアホールの状態の場合の、周波数範囲15kHzから120kHzの音響測定の合成波のプロットを示している。
本発明の実施形態に係る、シミュレーションした周波数チャープ伝播データ、及び、同じデータの時間周波数解析を示した図である。 本発明の実施形態に係る、シミュレーションした周波数チャープ伝播データ、及び、同じデータの時間周波数解析を示した図である。 本発明の実施形態に係る、シミュレーションした周波数チャープ伝播データ、及び、同じデータの時間周波数解析を示した図である。
本発明の一実施形態に係る、ボアホール内に設けられた音響測定システムを示した図である。
本発明の別の実施形態に係る、ボアホール内に設けられた音響測定システムを示した図である。
本発明の更なる別の実施形態に係る、ボアホール内に設けられた音響測定システムを示した図である。
本発明の一実施形態に係る、方法を実装するコンピュータシステムを示した模式図である。
図1A及び図1Bは、本発明の一実施形態に係る、ボアホール付近の構造物及び/物質の特性を明らかにするべく、コリメートされた音響ビームを生成するシステムの模式図である。システム10は、第1周波数及び第2周波数で信号を生成するように構成された一の又は複数の電気信号生成器12を備える。これらの信号は、信号のパワーを増幅する一の又は複数の信号増幅器14に送信される。信号増幅器14によって変更された信号は、一の又は複数のトランスデューサ16に送信される。トランスデューサ16は、第1周波数及び第2周波数の音響波を生成するように構成される。音響波は非線形物質17に送信される。非線形物質17は、波動混合プロセスによって第1周波数の波と第2周波数の波とを混合し、第3周波数を有するコリメートされた音響ビーム18を生成する。一実施形態において、コリメートされた音響ビーム18は、約15kHzから約120kHzの範囲の周波数を有することができる。この周波数範囲は、例えば、異なるトランスデューサ及び異なる一次周波数を使用することにより、拡大することができる。コリメートされた音響ビーム18は、連続した音響信号であってもよいし、一の又は複数の音響パルス(例えば、連なった複数の音響パルス)を含んでもよい。
非線形物質17は、液体、複数の液体の混合物、固体、固いケーシングに埋め込まれた粒状物質、埋め込まれたマイクロスフェア、音響メタマテリアル又はエマルジョンであってもよい。このような非線形物質の非制限的な例として、フロリナート(登録商標)FC−43が挙げられる。フロリナートは、相対的に音速が小さく(646m/s)、音響非線形性が高い(β〜7.6)ことから選ばれることがある。ボアホール内の動作条件に応じて、適した低音速、高非線形結合、吸収長、衝撃波長、温度及び圧力の動作範囲を有する、及び、これら以外の動作仕様要件を満たす非線形混合媒質として、その他の非線形物質を用いることも可能である。また、非線形物質の長さは、非常に小さくてもよく、用いられる物質の種類によって、周波数の範囲が約15kHzから約120kHzの間の場合、5cmから2メートルの範囲である。非線形物質は、例えば、円筒状のコンテナのような筐体に設けることができる。非線形物質で満たされた筐体の軸を、ボアホールの軸と並列にすることにより、非線形物質によって出力された差分周波数音響ビームが軸に沿って伝播するようにすることができる。
非線形の性質は、非線形混合現象によって生じるP波の特性を解析することにより記述することができる。非線形混合現象においては、2つの異なる周波数f1及びf2の2つの入射波が混合されて、f2−f1、f2+f1、2f1、及び2f2等の倍音周波数及び相互変調周波数である第3周波数成分が生成される。本発明の一態様において、非線形共線混合現象は、坑井内の非線形物質内で発生するように設計される。一般的に、差分周波数f2−f1となる第3の波のみが、本出願の対象となる。高い周波数は、短い距離しか伝播できず、非線形物質において吸収される傾向がある。幾つかの実施形態において、この第3の波又はコリメートビームは、約15kHzから約120kHzの間の周波数を有する。しかしながら、これよりも広い周波数レンジ及び高い周波数についても、本発明の範囲内である。一実施形態において、第3の波の周波数帯域は、2つの一次周波数f1及びf2によって決まり、ここで2つの一次周波数のうちの一方(例えば、周波数f1)は、固定され、他方の周波数(例えば、周波数f2)は、時間軸において非常に速くスイープされる(例えば、チャープする)。従って、例えば、高周波数(例えば、周波数f1)の数周期のトーンバーストと、その周波数f1付近の周波数チャープとを混合することにより、広帯域信号を得ることができる。これ以外にも、所望の時間応答性及び周波数応答を生成するべく、様々な信号を混合することが可能である。例えば、小型のパラメトリックアレイ信号源をプログラムして、フロリナートが満たされたチャンバ内で2つの高周波数ガウシアンパルスを混合させることにより、約15kHzから約120kHzの間の周波数範囲を有するガウシアンパルスを生成することができる。その結果生成される周波数f2−f1のビームパルスは、伝播媒質中を伝播する音響粒子(固体物理学における光子と同様)として振舞う。鋭いパルスを使用することにより、相互相関のような任意の種類の信号処理を行うことなく、生のデータで測定を行うことができ、測定のスピードアップが図れる。ボアホールケーシング周辺の特徴をイメージ化するための、パラメトリックアレイ信号源の評価を行う実験測定システムについて、次のパラグラフで説明する。
一実施形態において、トランスデューサ16及び混合物質17を、図1Cに示すようなポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene difluoride:PVDF)膜の音響源30のエンドファイア・アレイで置き換えることができる。PVDF膜音響源30のエンドファイアは、互いに間隔を空けて設けられた複数の圧電(PZT)層32(例えば、PVDF膜)を備える。PVDFは、圧電セラミックを超える即時の利点を提供する。PVDFは、高い物理的減衰及び複素誘電率を有する。したがって、PVDFで構成されたトランスデューサは、非常に広い帯域幅を有し、短期間の圧力波を生成することができ、圧電セラミックよりも低い動作中心周波数(従って減衰が最小になる)において、良好な空間イメージング分解能を提供できる。加えて、PVDFの音響インピーダンス(Z)(Measurement Specialties社、ペンシルベニア州、ノリスタウン)は、約1.48MRaylsである水の音響インピーダンスに対して、およそ2.7MRaylsである。PZT層を使用する場合、非線形混合物又は媒体17を取り除いて、所望の動作周波数レンジ(例えば、約1kHzから約120kHzの間)において良好な透過特性及び低い音響吸収を有する任意の流体に置き換えてもよい。PVDF膜32を、筐体34(例えば、シリンダ)内に搭載することができる。PVDF膜を使用したエンドファイア・アレイ音響源30について記載したが、その他の圧電膜を使用可能であることは明らかである。図1Cに示した筐体34は、円形の底面を有する円筒形状を有するように描かれているが、筐体34は、円筒形状を有してもよいし、任意の底面(例えば、多角形の底面)の形状に合った形状を有してもよい。音響源は更に、圧電層(例えば、PVDF膜)間を満たす非線形媒体を含む。一実施形態において、筐体34は、PVDF膜32の音響インピーダンスにほぼ整合する音響インピーダンスを有する流体のような媒質で満たされる。一実施形態において、流体は、例えば、PVDF膜32の音響インピーダンスがほぼ水の音響インピーダンスに整合することから、水であってもよい。別の実施形態では、水を、フロリナート(例えば、FC−43)に置き換えてもよい。PVDFとフロリナートとの間のインピーダンス不整合は僅かに変化するが、水の場合の1480m/sと比較して液体中の音速は大幅に小さくなり、FC−43中では640m/sとなる。しかしながら、フロリナートFC−43は、華氏390度を超える温度で分解する。フロリナート中における音速が小さいことから、水を使用した場合と比較して、フロリナートを使用すると音響源のサイズをほぼ3分の1にすることができる。一実施形態において、エンドファイア・アレイ源30は更に、筐体34の第1端部に設けられた音響吸収材31及び筐体34の第1端部の反対側の第2端部に設けられたプレート33を有する。一実施形態において、プレート33は、音響ビームコリメーション又は集束等の操作を提供するべく、音響レンズとして形成される。PVDF膜は、1kHzから100MHzの非常に広帯域の音響源を提供する。加えて、一実施形態において、筐体34の側壁に、防音体35を積層して、PVDF膜によって生成された音響波が、側壁から反射するのを防いでもよい。
PVDF膜音響源30に基づくエンドファイア・アレイは、一つのトランスデューサを使用した従来のパラメトリックアレイよりも、強力な音響波を出力することができる。複数の圧電層(例えば、PVDF膜)のそれぞれが、音響波を生成するように構成される。非線形媒体及び複数の圧電層は、整合インピーダンスを有することから、複数の圧電層のそれぞれによって生成される音響波が残りの当該複数の層で伝送されるのを改善することができる。
一実施形態において、例えば、図1Dに示すように、発電機12のような発電機を設けて、複数の圧電層のうちの少なくとも一つの圧電層を電気的に励起して、音響波パルスを生成することができる。例えば、電気信号生成器12を、複数の圧電膜32(例えば、PVDF)を電気的に励起するように構成して、時間的に分離した複数の音響波パルスを生成させて、連なった複数の音響パルスを形成することができる。電気信号生成器12は、ガウシアンパルス、及び、時間的に遅延した次々と発生するパルスに加えて、幅広い種類の信号波形(トーンバースト、周波数チャープ、方形波、及び、三角波形等)を生成するように構成することができる。時間的遅延τを、音響パルスが一の層から他の層へと伝播するのに掛かる時間と等しい時間に調整して、次の層がまさに励起されるタイミングで音響パルスが到着するようにすることができる。あるいは、時間的遅延τを、2つの連続するPVDF膜32間の分離距離dを、当該連続するPVDF膜32間の媒質中の音速cで割った値にほぼ等しくなるように調整することができる。したがって、例えば、第1パルスを生成するべく、時間t=0で第1膜32Aを励起し、遅延時間τだけ遅らせた時間tにおいて第2膜32Bを励起して第2パルスを生成することができ、遅延時間2τだけ遅らせた時間tにおいて第3膜32Cを励起して、第3パルスを生成するといったようにすることができる。このような態様で、第1膜32Aによって生成された第1パルスが、第2パルスが第2層32Bにおいて生成されるとほぼ同時に、第2膜32Bに到達する。同様に、第1パルス及び第2パルスが、第3パルスが第3層32Cで生成されるのとほぼ同時に、第3層32Cに到達する、といったようにできる。PVDF膜32のそれぞれに対して、筐体34中のPVDF膜32の一に従った適切な遅延を、遅延生成器から供給することができる。PVDF膜32のそれぞれを、振幅を適切に調整及び整形した遅延電気信号によって励起することもできる。この方法の目的は、前に位置する層又は膜の全てからの音響パルスが、最後の層が励起される時点に当該最後の層に到達するようにすることであり、この場合、全ての波が足し合わせられて、一つの強力なパルスが生成される。例えば、N個の層が存在する場合、最後の層から発せられる信号は、層及び媒質における信号の損失を差し引いた後でも、各層によって生成されるパワーのおよそN倍となる。全ての層が等しい間隔で配置される場合が単純であるが、必ずしも等しい間隔で配置される必要はない。実際には、様々な層を、任意の位置に配置することができ、層間の間隔が異なっていてもよい。遅延時間は、様々な層の間の間隔を考慮して、適切に選択することができる。固定された周波数を用いる線形フェーズドアレイを用いる場合であっても、PVDF膜32間の遅延を適切に調整させることにより実装可能である。
一実施形態では、PVDF膜のそれぞれを、500kHzトーンバーストにより励起した。必要に応じて、50kHzから1MHzの周波数を使用してもよい。100MHzを超えてカットオフ周波数は存在せず、これらの膜が浸漬されている液体中の音の吸収によって主に限定されている。図1E及び図1Fには、実験データがプロットされている。図1Eには、電気的遅延を使用しない場合の、4つのPVDF発信機全てからの信号が示されている。この場合、受信機からの距離に基づいて、各信号が受信器に到達した。一方、図1Fには、適切な時間遅延が使用された場合が示されており、全ての信号が、最後の受信機に同時に到達した。この場合、受信機によって検出された信号は、大きく重畳された信号となっている。
平らに広げられたPVDF膜の代わりに僅かにカーブしたPVDF膜を使用することにより、エンドファイア音響源の効率を向上させることができる。一実施形態において、PVDF膜のそれぞれに、薄いプラスチックワイヤ(又は金属ワイヤ)で形成したプラスチックの十字型を取り付けて、膜の表面を対称に僅かにカーブさせることができる。PVDF膜のそれぞれは、当該膜を励起するべく設けられている電気接続の反対側に薄い電極の層を有している。膜32のアレイは、ワイヤフレームに作りこまれ他の値、シリンダ内に挿入される。出口孔を通じてケーブルを、シリンダの吸収体側に引き出す。
例えば、実際のオペレーションでは、第1PVDF膜32Aを第1音響パルスを生成するように構成し、第2PVDF膜32Bを第1パルスを基準として遅延した第2音響パルスを生成するように構成し、第3PVDF膜を32Bを第2音響パルスを基準として遅延した第3音響パルスを生成するように構成してもよい。第3PVDF膜32Cを、第1音響パルス及び第2音響パルスに対してトランスペアレントとなるように構成することができる。第2PVDF膜32Bを、第1音響パルスに対してトランスペアレントとなるように構成することができる。第1、第2及び第3音響パルスが足し合わせられた結果、PVDF膜音響源30は、第1、第2及び第3音響パルスを含む信号を出力することができる。これは、出力音響ビームのパワーを制御する能力を提供するだけでなく、個々のパルスのエネルギー及び様々なパルス間の遅延を制御する能力を提供する。この例では、PVDF膜音響源30が、3つのPVDF膜を有するとして説明がなされた。しかしながら、任意の数のPVDF膜を使用することができる。一実施形態において、筐体34は、音吸収材(図示せず)によって囲まれており、音響エネルギーが筐体34側に散乱するのを防いでいる。
別の実施形態において、PVDF膜32のそれぞれによって生成される音波は、フロントディスク33に同時に到達して、その威力が加算されたものとなる。PVDF膜のそれぞれは、約15kHzから120kHzの間の信号帯域幅を有する電気パルス(ガウシアン形状)によって励起される。しかしながら、PVDFは、膜の動作周波数内の任意の周波数レンジにおいて励起されて、音響波を生成することができる。このように、各要素又はPVDF膜32によって生成された音パルスの全てが、フロントエレメント33に同時に到達し、足し合わされて、液体中及び膜中での僅かな透過損失を差し引いた後でも、各要素が出力するパワーのN倍に近い強力な信号を生成することができる。このような周波数において、液体中の損失は僅かである。
一実施形態において、音響コリメートビーム18は、音響ビームガイド20によって特定の方向に誘導される。一実施形態において、音響源(トランスデューサ16及び非線形材料17又は音響源30)及び音響ビームガイド又はステアリングデバイス20が、筐体22内に設けられる。音響ビームガイド20は、例えば、音響反射器若しくは音響レンズ、又は、これら両方の組み合わせである。音響反射器は、ビームが伝搬する周辺媒質とは異なる音響インピーダンスを有する物質である。かかる音響反射器の一例は金属プレートである。一実施形態において、音響レンズは、特定の焦点及び方向に音響コリメートビームを集束するように構成され、例えば凹面形状を有してもよい。フレネルミラー配置を音響ビームガイドとして用いることができる。音響ビームガイド20を、当該音響ビームガイド20に結合された一の又は複数のアクチュエータ(図示せず)を使用して、特定の方向へと回転又は傾けることができる。これに代えて、幾つかの実施形態においては、音響ビームガイド20を省略して、コリメートビーム18が筐体22の軸方向に沿って伝搬するようにすることもできる。例えば、筐体22を、プラスチック又はその他の好適な材料で形成することができる。一実施形態において、筐体22は、図1A及び図1Bに示すように、円形の底面を有する円筒形状又は管材の形状にすることができる。しかしながら、筐体22をその他の形状を有するようにしてもよく、例えば、多角形の底面(例えば、正方形、矩形、六角形、五角形等)を有する筒形状であってもよい。一実施形態において、筐体22は、液体(例えば、水)で満たされてもよい。
図14Aには、本発明の実施形態に係る、ボアホール内に設けられた音響測定システムが示されている。コリメートビーム18は、ボアホール11内のケーシング19Aの背後のセメントシース又は岩石層のような対象物若しくはターゲット、又は、図14Aに示すように、ボアホール11に近い岩石層13内の対象物19B(例えば、割れ、ひび、空洞等)に向かって特定の方向にステアリングすることができる。例えば、対象物19Aのような、層、材質又は構造の不均質性が存在すると、屈折又は表面波伝播21Aが生成されて、これが音響波21Bとして散乱されて、受信機24によって検出される。同様に、フラクチャ又は割れ目19Bのような岩石層13内の不均質性は、音響ビーム18を反射又は散乱させ、反射された音響波21は、受信機24によって検出することができる。音響ビーム18は、例えば、屈折及び表面伝播波である弾性波を生成することができ、当該弾性波は、岩石層13との境界及びボアホールと岩石層13との境界に沿って伝播する。反射、散乱した波又は表面波及びその他の種類の波が、受信機24によって受信される。
図14Bには、本発明の別の実施形態に係る、ボアホール内に設けられた音響測定システムが示されている。この実施形態において、音響源16、30によって出力される音響ビーム18はステアリングデバイス20を使用して下方向に、概してボアホール11の軸15の方向に向けられてもよい。この場合、音響ビーム又は音響波18を使用して、まだ掘削されていない岩石層13を調査することができ、ドリルビットに先じて調査することができる。これは、例えば、掘削を行っている間に実行することができる。音響ビーム18が岩石層13に向かって概して下向きに向けられると、対象物19C(例えば、岩石構造内の岩石層)が、音響ビームエネルギー18の一部を反射して、受信機24がそれを検出することができる。対象物19Cの位置又は音響源16、30からの距離は、受信した音響波21Dに基づいて決定することができる。
同様に、層19Cの傾き量は、音響ビーム18の傾き(例えば、ボアホールの軸15を基準とした傾き)及び受信した音響波21Dに基づいて決定することができる。図14Cには、層19Cがボアホール11又はボアホール軸15を基準として傾いている状況が示されている。この場合、源30の正面に配置されたビームステアリングデバイス20(傾斜可能音響ミラー又はプリズム等)を使用して、音響ビーム18を、層19Cの方向を含む任意の方向に向けることができる。ステアリングデバイス20が垂直方向に配置されると、源からの音ビームが大きな障害物なく透過させることができる。層19Cがある角度で傾けられると、音響ビーム18は層19Cによって反射されず、その結果、反射音響信号が受信機24によって検出されなくなる。一方、音響ビーム18の向きが層19Cに対してほぼ垂直又は法線方向となるようにステアリングデバイス20が回転又は傾けられると、音響信号21Dが傾けられた層21Dによって反射されて、受信機24によって検出することができる。ステアリングデバイスを傾ける又は上向きにすることに加えて、方位角方向に向けることにより、ドリルビットの先に存在するものを完全に描き出すことができる。
図1Bに示すように、受信機24を筐体22内に設けることができる。しかしながら、受信機24は、筐体22とは別個に設けてもよく、受信機24及び源16が独立して動けるようにしてもよい。受信機24は、反射した、散乱した、回折した波21、又は、その他の状態の波を受信できるように構成されてもよい。一実施形態において、音響吸収体23を、音響ビームガイド20と受信機24との間に配置して、例えば、反射されていない音響波又はビームガイド20によって向けられた音響波が、受信機24に到達するのを防ぐことができる。一実施形態において、筐体22内に受信機24を配置することにより、筐体22を移動させる間に、すなわち、源16及び受信機24並びに筐体22等が一つの装置9として一体的にボアホール11に沿って移動させる間に(図14参照)、受信機24は、反射された又は散乱された波21を受信することができる。しかしながら、別の実施形態において、音響源(例えば、混合物質17を有する音響源16又は音響源30)と受信機24とが、ボアホール13に沿って独立して移動可能としてもよい。反射された音響波21は受信機24によって検出され、分析のために処理装置26に送信可能な電気信号へと変換される。処理装置26としては、岩石層若しくは材質又はボアホールを囲む構造の特徴を得るための適切なソフトウェア、例えば、ボアホール11の周辺の岩石層又は材質の2D又は3D画像を生成する機能を含むソフトウェアを備えたコンピュータが考えられる。
ある実施形態では、トランスデューサ16(又はエンドファイア音響源30)、非線形材料17、ステアリングデバイス20及び受信機24を含む装置全体9を、ボアホール11の長さに沿って、ボアホール付近の特定の構造を画像化する又はボアホールケーシングの構造を調査するべく上下に移動させてもよい。しかしながら、別の実施形態において、音響源(例えば、混合物質17を有する音響源16又は音響源30)とステアリングデバイス20とが、受信機24とは独立して(例えば、受信機を固定させて)移動可能としてもよい。さらに、受信機24を含むと含まないとに関わらず装置全体9を、ボアホール11の軸15を中心に回転させて、ボアホール11の周りの方位角方向における岩石層、構造及び材質等のイメージングをおこなってもよい。
図2Aは、本発明の一実施形態に係る、受信機24の概略図である。受信機24は、複数の受信機要素40を含む。これら受信機要素40は、PVDF膜のアレイであってもよい。一実施形態において、膜の両側に電極を適切に蒸着させて(又は、全面に予め蒸着された金属電極をエッチングすることにより電極を形成)、隣接する要素間に間隙を設けることにより、アレイを、一つのPVDFシートから生成することができる。これらの電極はそれぞれ、圧電受信機要素として機能する。典型的なアレイの要素のサイズは、約1cm×1cmであるが、実験の必要に応じた解決策に応じて、任意のサイズとすることができる。一実施形態において、電気接続のために、電線を膜又はPVDFシート上に敷設することができる。そして、電極が設けられたシート全体を、電極のショート及び保護を目的として、材料の非常に薄いシート(例えば、マイラー(Mylar)(登録商標))で覆ってもよい。したがって、図2Bに示すように、線形アレイを巻きつけて、音響吸収材(例えば、発泡体)の周りに円形状になるようにして、360°の範囲をカバーする円形アレイを形成することができる。受信機要素40を、音響吸収材(例えば、音響吸収発泡体、スポンジ、又は、様々なタイプのシリコンゴム)42の表面42Sに設ける。図2Cは、本発明の別の実施形態に係る、受信機24の概略図である。この実施形態では、PVDF膜の大きなシートを使用して、トランスデューサ要素40の2次元配列(すなわち、マトリックス配列)のアレイを形成することができる。トランスデューサ40のアレイを円筒形状に巻きつけて、円筒形状の軸に沿った垂直方向の受信可能範囲に加えて、円筒形状の軸周り360°受信可能範囲を提供するアレイを形成することができる。このような態様によれば、受信機アレイをボアホール内で方位角方向に物理的に回転させる必要がなくなる。この場合、PVDF層の異なる鉛直方向の列又は行、又は、PVDF膜の2次元アレイ内のPVDF膜一次元アレイを電子的に選択して、音響信号を検出することができる。典型的には、実際には、最初に所定の位置で全てのPVDF要素をスキャンして、任意の信号がやってくる方向を判定した後、適切な鉛直方向アレイを使用して当該信号を追跡することができる。信号マルチプレクサ装置を使用して、この種の電気的スキャンを実行することができ、次いで検出した信号を増幅及びデジタル化することができる。図2B及び図2Cに示すように、音響吸収材42は、底面が円形である円筒形状を有している。しかしながら、音響吸収材42は、底面が多角形又は楕円形のようなその他の形状を有する筒形状のような所望の形状を有してもよい。吸収材42の表面42S上に受信機要素40を搭載することにより、受信機要素40は、受信機要素40の前側から音響信号を受信し、受信機要素40の後ろ側からは受信しない。
図3は、本発明の一実施形態に係る、実験室における測定システム、又は、ボアホール環境に配置した時に測定システムを試験する実験装置の模式図である。実験装置では、音響源(例えば、混合物質17を有する音響源16又は音響源30)、ビームステアリングデバイス20及び受信機24を含む筐体22が、セメントケーシングを有するボアホール11を模した筒(例えば、セメントバレル)29の軸方向ボアホール11A内に位置する。音響測定システム9は、音響源(例えば、混合物質17を有する音響源16又は音響源30)、ミラーシステム20及び受信機24を備える。一実施形態において、音響源(例えば、混合物質17を有する音響源16又は音響源30)、非線形媒体17、ミラーシステム20及び受信機24は、筐体22内に配置される。一実施形態において、受信機24は、前側からの音響信号のみを受信するように構成される。受信機24は、後ろ側からの信号を遮断するように(すなわち、受信機24の後ろ側で発生した信号は、吸収体42によって吸収される)構成されている。一実施形態において、受信機24は、音響源(例えば、混合物質17を有する音響源16又は音響源30)と共に移動するように構成される。別の実施形態において、受信機24は、音響源(例えば、混合物質17を有する音響源16又は音響源30)とは独立して移動するように構成されてもよい。測定システムの有効性を試験するべく、以下に詳細に説明するように、筒29(例えば、コンクリート又はセメントの筒)の外周面又は外面に溝25を設ける。
一実施形態において、音響源(例えば、混合物質17を有する音響源16又は音響源30)からのビーム方向、すなわち、音響ビーム18と受信信号21とが同じ面に位置するように、音響源(例えば、混合物質17を有する音響源16又は音響源30)及び受信機24が構成される。一実施形態において、音響源(例えば、混合物質17を有する音響源16又は音響源30)及び受信機24の両方が、0°から360°の範囲で方位角方向に回転される。しかしながら、別の実施形態では、ミラー20のみが回転され、音響源(例えば、混合物質17を有する音響源16又は音響源30)及び受信機24は固定される。受信機要素40が円筒の表面に設けられる円筒形状を有する受信機24とすることにより、受信機24は、受信機24を移動又は回転させることなく、0°〜360°の角度で音響信号を検出することができる。同様に、所望の方位フィールド角をスキャンするために、音響源(例えば、混合物質17を有する音響源16又は音響源30)の向きを再設定する必要はない。方位フィールド角は、単純にステアリングデバイス(例えば、ミラー20)を回転させることによりスキャンすることができる。音響源(例えば、混合物質17を有する音響源16又は音響源30)から出射する音響ビームは、ビームステアリングデバイス(例えば、ミラー)20によって反射されて、音響ビーム18としてセメントバレル29の内壁に向かうように方向付けられる。音響ビーム18は、バレル29の材料、バレル29の外側の材料、筐体22とバレル29との間の境界等と相互作用して、反射、屈折若しくは表面波、又は、これらの任意の組み合わせが生成される。第1のシナリオでは、ミラー20で反射された後、音響ビームは、バレル29(例えば、セメント筒)の材料若しくは岩石層、又は、これらの両方によって反射されてもよい。そして、反射された音響信号が、受信機24によって検出されてもよい。このシナリオは、一般的に、反射モードと称される。第2のシナリオにおいて、ミラー20で反射された後、音響ビームは、セメントバレル29と岩石層との間の境界において、当該バレル29(例えば、セメントバレル)の材料によって屈折されてもよい。そして、屈折された音響信号が、受信機24によって検出されてもよい。このシナリオは、一般的に、屈折モードと称される。第3のシナリオにおいて、ミラー20で反射された後、音響信号は、ボアホールの表面とバレル29(現場配置の場合には岩石層)のセメントとの境界において、又は、セメント(又は岩石層)内の境界面境界において、表面波を生成してもよい。表面波は、受信機24で検出可能な戻り信号を発する。このシナリオは、一般的に、表面波モードと称される。
図4Aには、本発明の一実施形態に係る、実験室内の実験設備のボアホール内に設けられたパラメトリック音響源によって発せられるビームパルス信号の特定が示されている。 バレル29の外表面上の音響ビーム信号パターン45を、レーザードップラー振動計を使用して時間の関数(時間領域)として測定する。信号45の波形が、図4Aに示されている。図4Bは、周波数領域の信号を取得するべく行った、音響ビーム信号45の高速フーリエ変換(FFT)を示している。信号45の周波数帯域幅は、約15kHzから約120kHzの間の広い周波数大域を示すFFTから抽出できる。
音響源(例えば、混合物質17を有する音響源16又は音響源30)の固有の特性を、様々な受信要素又はモジュール40と組み合わせて、方位角方向ボアホール音響測定、ボアホールからの3次元(3D)反射イメージング、3D屈折イメージング、3Dフラクチャ検出、浸透性の3Dマッピング、及び、セメントバレルと岩石層との間のチャネルの3Dマッピングを実行する測定システムを構成することができる。
ビームパルスの指向性が高いことから、上記したように既存のボアホール音響測定システムの欠点の多くを解決することができる。以下に記載するように、システムは、良好な傾き方向制御及び方位角方向分解能を有する。一実施形態において、方位角方向分解能は、約5°から約15°の間であり、例えば、約10°である。このような新しい能力により、ボアホール音響測定を完全な3D測定(第3次元は、方位角になる)が可能となる。
図5には、本発明の一実施形態に係る、図3に示した実験装置を使用した実験において、伝播時間及び、受信機要素と音響ビーム源との間の距離の関数として収集されたデータが示されている。この実験において、ビーム源は、一の方位角及び一の傾斜角度における岩石層に向けられ、受信機要素40を有する線形受信機24が、図6に示すように、同じ方位角においてソースビームとして戻り信号を検出するように向けられる。源、ミラー及び受信機のアセンブリ全体を、10°ずつ方位角方向に回転させて、10°ずつ方位角がインクリメントされる都度、戻り音響信号データを全ての受信機要素について記録する。図5には、パネル1からパネル5まで(P1、P2、P3、P4及びP5)の5枚のパネルが示されている。一回の方位角の測定について表示されるデータ(すなわち、方位角)に、各パネルが対応している。つまり、10°毎異なる方位角(すなわち、0°、10°、20°等)のそれぞれに、異なるパネル(P1からP5)が対応している。各パネルのy軸は、様々な受信機要素40において検出された信号の到着時間を表す。各パネルのx軸は、鉛直方向受信機要素から源までの距離に対応している。表示のグレースケールは、受信した音響信号の振幅に対応している。各パネルには、複数のデータ点58が示されている。これらのデータ点58はそれぞれ、受信機24の複数の受信機要素40の一つによって検出された一つの信号に対応している。本例では、受信機24には、12個の受信機要素40が設けられている。したがって、12個のデータ点が受信機24によって検出されて、各点は、12個の受信機要素40のうちの一つによって検出された信号に対応する。12個のデータ点はそれぞれ、12個の受信機要素40のそれぞれに到達した信号に対応して異なる到達時刻を有する。図5に示すように、第1線形信号の到達50は、音波検層で一般的に測定されるP波圧縮屈折波に対応する。第2線形信号の到達52及び第3線形信号の到達54は、レーリー波、スタンレー波又はラム波のような表面波に対応する。バレル外周部におけるセメント/空気境界面からの反射による信号の到達は、56に示されている。
図7は、図5Aに示すようなデータと同様な実験装置であるが、線形的な到達を除去するべく信号処理を行った後に得られた反射データを示した図である。36個のパネルP1〜P36が存在し、各パネルは方位角に対応し、36個のパネルは、0°から180°の範囲に対応している。例えば、パネルP1は、方位角0°に対応する。y軸は、受信機24における到達時刻を表す。各パネルのy軸は、様々な受信機要素40において検出された信号の到着時間を表す。各パネルのx軸は、受信機要素から源までの鉛直方向距離に対応している。表示のグレースケールは、受信した音響信号の振幅に対応している。各パネル内、すなわち、各方位角レンジ内において、双曲線状の曲線59が見られる。各曲線59は、受信機24における一つの信号受信機要素40によって検出される信号のデータに対応している。一連の波形60及び62は、セメントバレル29の境界又は外周からの反射に対応し、波形64は、溝25の表面からの(セメントと空気との境界面おける)反射に対応している。図からわかるように、溝25の表面で反射された波は、バレル29の円筒表面で反射された波よりも早く受信機24に到達している。更に、溝25の位置は、方位角測定方法及び本明細書に記載するシステムを使用して確かめることができる。本方法によれば、ボアホール内のケーシング又はボアホールの境界面及び岩石層等の構造内の欠陥を検出することを可能とするような良好な方位角方向の分解能を達成できる。例えば、図7から分かるように、溝25を、特定の方位角で、又は、構造的な欠陥、フラクチャ等の構造の位置又は場所の判定を可能とする方位角範囲内において、特定することができる。
図8には、異なる配列で同じ実験を行った結果のデータ表示である。図8には、12個のパネル(P1からP12)が存在する。各パネル(P1、P2、…、P12)は、受信機24における12個の受信機要素40のうちの一つによって検出される信号のデータに対応する。各パネル(例えば、パネルP1)において、x軸は、方位角(0°〜360°の範囲の)を表す。y軸は、受信機24の12個の受信機要素40のそれぞれにおける到着時刻を表す。表示のグレースケールは、受信した音響信号の振幅に対応している。図8から分かるように、溝25による反射は、検出要素40の一部(例えば、パネルP1からP4)によって検出され、その他の検出器要素(例えば、パネルP9からP12)によっては検出されない。加えて、図から分かるように、例えば、パネルP1については、90°付近の方位角に対応するパネルの中央部分で明確に溝25が捉えられる。特定の受信機要素40(パネルP1からP4)により溝25が検出されるがその他の受信機要素40(パネル9からP12)では検出されない理由は、音響ビーム18が特定の仰角広がりを有するため、特定の検出器要素40によって選択的に反射されるためである。したがって、溝25によって散乱、反射、回折された音響波の外側に位置する検出器要素40(パネルP9からP12に対応)は、溝25によって反射、回折、散乱されたビームを検出することができない。しかしながら、受信機24を鉛直方向に移動させて、受信機24内のその他の受信機要素40が、溝25によって反射、回折又は散乱された信号を検出可能にできることは明らかである。この場合、例えば、溝の傾きが変更されると、パネルP6からP10において溝を見ることができる。したがって、本測定システムは、方位角方向における構造の位置を決定することが可能であるだけでなく、仰角方向においても位置を決定することができる。
更に、仰角方向の情報は、構造(例えば、溝25)の向きを判定するのに利用できる。例えば、先の段落で記載した実験室内の実験において、溝25は、セメントバレル29のボアホールの軸に平行に配置されている。しかしながら、溝25を斜めに配置させる、すなわち、ボアホールの軸に対して角度を持って配置させることができ、この場合、溝25の向きに依存する仰角情報が異なってくる。実際には、ボアホール軸に対する構造(例えば、溝25)の角度方向に応じて、溝25によって反射、回折されたビームを、望ましくは特定の受信機要素40の方向に向けることができる。その結果、溝25を、異なるパネル(例えば、パネルP7及びP8)のプロットデータ又は画像において見ることができる。どのパネルにおいて溝25が検出されるかを判定することにより、溝25の傾斜角度を推測することが可能である。
図9は、受信機24の方向を固定して(すなわち、受信機は回転しない)、ミラーを方位角方向に0°から360°の間で20°きざみで回転させた別の実験を示した図である。19個のパネルが表示されており、各パネルは、20°きざみで、0°から360°の方位角の何れかで記録された信号のデータに対応する。y軸は、受信機24の受信機要素40のそれぞれにおける到着時刻を表す。各パネルのx軸は、受信機要素と源までの鉛直方向距離に対応している。表示のグレースケールは、受信した音響信号の振幅に対応している。ビームの向きと受信機の受信方向とが揃えられた時に、線形信号到達の最大エネルギーを伴う良好な方位角方向分解能が得られることをデータが示している。これは、伝播経路が方位角方向に大きく拡がっておらず、むしろ狭くなっていることを示している。
図10A及び図10Bには、本発明の別の実施形態に係る音響波の実験装置が示されている。図10Aには実験装置の縦断面図が示されており、図10Bには実験装置の上面図が示されている。実験装置は、図3に概略的に示した実験装置と多くの点で同じである。セメントバレル22は、内側ケーシング100の軸方向に設けられたスチールと並べられている。パイプ又チューブ102は、セメントバレル22内に埋め込まれている。溝25はまた、セメントバレル22の外表面に切り込みとして又は彫られている。デタッチメントフォイル104(例えば、アルミ箔)が、筐体22内に設けられている。この実施形態において、デタッチメントフォイル104は、内側ケーシング100と接触するように配置される。セメントバレル22のケーシング100内には、音響源16、30、非線形材料17、ミラー20及び受信機24が設けられる。図10Bに示すように、方位角方向を示すように軸が描かれている(2つの軸の向きは任意である)。溝25が、方位角約230°〜約280°の間に位置している。パイプ又はチューブ102は、方位角約80°〜約100°の間に位置している。デタッチメントフォイル(detachment foil)(例えば、アルミ箔)が、方位角約140°〜約190°の間に位置している。
図11Aから図11Cには、本発明の一実施形態に係る、様々な方位方向又は方位角において測定されたデータのプロットが示されており、それぞれ約320°、約90°及び約165°において測定されたデータのプロットである。約320°の方位角又は方位角方向(図11A)は、内側ケーシング100の後ろに含有物が存在しない、すなわち、セメントバレルの壁のみしか存在以内領域における、音響ビームの向きに対応する。約90°の方位角又は方位角方向(図11B)は、チューブ(例えば、プラスチックのパイプ)102が含まれる領域における音響ビームの向きに対応する。約165°の方位角又は方位角方向(図11C)は、デタッチメントフォイル(例えば、アルミ箔)104が設けられる領域における音響ビームの向きに対応する。このプロットにおいて、y軸は、音響波が受信機24によって受信されるのにかかる時間に対応しており、各パネルにおけるx軸は、源から受信機要素までの鉛直距離に対応する。各プロットにおける様々な曲線は、受信機24における様々な受信機要素40が受信した音響信号に対応する。本例では、受信機24には12個の受信機要素40が設けられている。しかしながら、任意の数の受信機要素を使用することができる。x軸に最も近い曲線は、第1番目の受信機要素によって検出された信号に対応し、x軸から最も離れた曲線は、第12番目の受信機要素によって検出された信号に対応する。第1受信機要素は、音響源16、30に最も近い受信機要素であり、第12受信機要素は、音響源16、30から最も離れた受信機要素である。
図11Aに示すように、内側ケーシング100の背後に含有物がない場合、表面波はボアホールに沿った距離に応じて減衰する、すなわち、第1受信機要素から第12受信機要素に向かって減衰する。ケーシング100の後ろに、デタッチメント又はデタッチメントフォイル104が存在する場合には、図11Cに示すように、表面波の振幅は大きく、スチールパイプがセメントと接触することによる減衰がないことから、予想よりもゆっくり減衰する(すなわち、アルミ箔がボアホールに沿ってより遠くへと音響波を搬送する)。図11Bに示すように、パイプ102に対応する方位角において、表面波の振幅はより大きくなり、よりゆっくりと減衰する。表面波に加えて、最初のP波の到着のすぐ後ろに高速線形信号の到着が記録されており、パイプ102の壁に沿って更なる波動モードが伝播したことを示している。この測定データは、スチールケーシングの後ろの岩石層の方位角方向の情報を、ボアホール音響測定システムを使用して線形到着から収集できることを明確に示している。
ミラー20の方位角方向を変更することにより音響源ビームの方位角方向の向きを変更できることに加えて、ミラー20の傾きを変更することにより、音響源ビームを任意の鉛直方向に沿って送信させることができる。これにより、音響源ビームを様々な傾き及び様々な方位角方向へと投影させることができ、反射境界、屈折境界、及び、岩石層における様々な方向のフラクチャを調査することができる。そしてデータが、様々な従来の方法を使用して分析される。方位角方向の分解能と共に、屈折波の到達を分析することにより、屈折解析による速度の3Dイメージングを提供することができる。これにより、ボアホール付近の変化の特徴及び貯留層のスキンの特徴を良好に把握することができる。
一実施形態において、測定データは、広帯域ビームパルスを使用して収集される。このようにすれば、広い周波数帯域を有する情報を相対的に速く収集することができる。実際には、このような場合、チャーピングによって周波数掃引する必要はない。更に、一実施形態において、例えば、約15kHzから約120kHzである帯域幅の全体をカバーするように、複数の音響源を使用する必要はない。例えば、約15kHzから約120kHzの広帯域を有する音響パルスを用いることにより、セメントとボアホール内の岩石層との間のセメントボンドについての情報を得ることが可能な測定を行うことができる。
このような測定システムを、ボアホールにおけるセメントケーシング又はスチールケーシングの評価に使用することができる。音響ビームパルスとスチールケーシングとが相互作用した時にスチールケーシングを伝播するガイド波のシミュレーションを、特定の幾何学的条件で実行する。このシミュレーションにおいて、25mmの層厚を有するセメントを、スチールケーシングとベレア砂岩との間に使用した。ベレア砂岩は無限に存在するとみなす。また、ボアホールが水で満たされているものとし、ボアホールの軸に沿ってエネルギーシンクが存在すると仮定する。シミュレーションは、英国、インペリアル大学のDISPERSEソフトウェアパッケージを使用して行われた。
図12Aから図12Cには、様々な条件の場合の、20〜120kHzの周波数レンジにおける音響シミュレーションのプロットが示されている。これらのプロットにおけるデータは、ボアホールが水で満たされている例において取得されたものである。各データセットは、異なる条件下で生成されたものであるが、何れの場合においても、受信機が、軸方向におけるスチールケーシング上の励起点から12インチ(約30.48cm)の距離に配置されている。これらのデータは、音響パルス(周波数チャープ)の伝播特性が、100マイクロ秒の期間を有し、周波数スパンが20〜120kHzであり、ガウシアンエンベロープを有することを示している。左側のグラフには、受信された音響信号の振幅が時間の関数として示されており、右側のグラフには、音響信号の周波数領域への高速フーリエ変換が示されており、振幅が周波数の関数としてプロットされている。図12Aは、水−スチール−コンクリート−水の場合であって、コンクリートとベレア砂岩との間に空隙が存在する場合のデータがプロットされている。図12Bは、水−スチール−コンクリート−水−ベレア砂岩の場合であって、コンクリートとベレア砂岩との間に水の隙間(例えば、1mmの隙間)が存在する場合のデータがプロットされている。図12Cは、水−スチール−コンクリート−ベレア砂岩の場合であって、水−スチール−コンクリート−ベレア砂岩のそれぞれが互いに物理的に接触している場合のデータがプロットされている。
図12Aから図12Cに示されるプロットには、信号の特性に大きな違いが見られる。コンクリートがベレア砂岩と良好に接触している場合には、波のエネルギーがスチールを通じてベレア砂岩へと消散されて、観察される振幅は小さくなる(図12C参照)。コンクリートとベレア砂岩との間にデタッチメント又は間隙が存在すると、信号レベルが高くなる(図12A及び図12B参照)。
右側に示した信号の振幅対周波数の第2のプロットは、受信した信号の周波数成分を示している。コンクリートとベレア砂岩とが良好に接触している場合、高周波数は減衰される(図12C参照)。加えて、図12Bに示されるように、コンクリートとベレア砂岩との間に水が存在すると、初期段階でエネルギーが閉じ込められて、周波数成分も狭くなる。図12Aに示すように、コンクリートとベレア砂岩とが良好に接触している場合、主要信号の到着の大幅な遅延に合わせて、信号が広がった形態となる。様々なシナリオ間の違いは、これらのプロットで十分理解できる。シミュレーションされたデータは、上記で説明した測定方法又はシステムが、ボアホールケーシングの周辺のセメントの評価に十分有効であることを示している。
図12A〜図12Cには、コンクリートと当該コンクリート背部のべレア砂岩層とを参照して、ボアホールケーシングの信頼性について様々な条件の下で、伝播する信号の周波数成分を示している。したがって、異なる時間にどの強さでどの周波数が伝播しているかをこれらの図から判断することはできない。図12A〜図12Cに示される情報の別の見方としては、短時間フーリエ変換(STFT)法を用いた時間周波数解析(joint time−frequency analysis)をベースとすることが挙げられる。この方法では、信号の周波数成分が時間の関数として与えられるため、伝播する間の特定の時間に優勢である周波数を知ることが可能となる。上記のように、データのSTFT解析により、図12A〜図12Cによって提供される情報を向上させ、有力な分析方法を導入することができる。
図13A〜図13Cには、元のシミュレーションした周波数チャープ伝播データ、及び、同じデータの時間周波数解析が示されている。右側に示されたプロットはそれぞれ、図12A〜図12Cを参照して上記で説明した条件のそれぞれの場合の3D時間−周波数情報を表している。x軸は時間に対応しており、y軸は周波数に対応しており、z軸又は縦軸は振幅に対応している。図13Aでは、3Dプロットに示すように、コンクリートが残りのシステムから切り離されており岩石層が見られない場所において、波のエネルギーは3つの異なる速度で伝播しており、0.1秒の時間間隔で3つのピークが見られる。また、0.1秒後には、波が相対的に速く到達している。図13Bでは、3Dプロットに示すように、セメントと岩石層との間の1mmの間隙に水が満たされている。この場合の音響波の伝播特性は、図13Aに示した音響波の伝播特性とは全く異なっている。実際には、全てのエネルギーが一団となって、ケーシング及びセメントを相対的に速く伝播し、これら2つの部分が分離されているかのように伝播は岩石層の影響を受けていない。図13Cには、全ての層(スチールケーシング、セメント及び岩石層)が密に結合している場合が示されている。図13Cの3Dプロットに示すように、岩石層の存在は、波の伝播に大きな負荷の影響をもたらし、波の伝播が大幅に遅延して、主要エネルギーピークが、およそ0.5秒遅れて到達する。上記の3つの例では、層間のデタッチメント又は結合をどのようにこの種の解析及び測定によって検出することができるかについて示した。
加えて、ボアホール音響測定において方位角方向の分解能を提供することにより、岩石層の特性把握を改善することができ、ひいては生産技術システムを向上させることができる。更に、ボアホール音響測定において方位角方向の分解能を提供することにより、ボアホールの信頼性を評価することができ、それによって掘削の全体的な安全性を改善することが可能となる。加えて、ボアホール測定における方位角方向にける分解能は、ボアホール周囲の応力を測定することが可能となり、その結果、ボアホールの完成方法を改善することができる。
更に、ボアホール音響測定システム及び上記に記載の方法は、岩石層のイメージングに使用することができ、実際には、本発明の測定システム及び方法によれば、相対的に良好な鉛直方向の分解能を有するがボアホールから1フィート未満(約33cm)未満の探索を可能とする従来の音響探索ツールと、シュルンベルジュ社のボアホール音響反射探索(BARS)のようなボアホールから数十フィートにおける岩石層を調査できるが鉛直方向分解能及び方位角方向分解能が低い長距離音響イメージングツールとの間のギャップを埋めることができる。例えば、本発明の音響測定方法及びシステムを、様々な用途にて利用できると考えられる。例えば、以下のようなものが挙げられる。
1.貯留層、層序、フラクチャ、断層、小空洞の方位角最大分解能での3Dイメージング(ボアホールから、例えば、10フィートといった、数フィートまで)。
2.方位角の完全な決定を伴う、岩石層の圧縮速度VP及びせん断速度VSの測定。
3.屈折波及びラム波の分析からボアホール周辺の地質工学的特性を3D解析することにより、侵食領域及びボアホール損傷の特徴把握を改善することができる。
4.屈折解析を使用したボアホール付近の岩石層の速度の3Dイメージング。
5.線形物質の反射の到達から作成するフラクチャの3Dマッピング。
6.貯留槽の浸透性及び貯留槽のプロダクションスキン(production skin)の3Dマッピング。
7.約10kHzから約30kHzの低い周波数レンジにおける、位相符号ガウシアンパルスを使用して、例えば、岩石層を深く貫通する音響ビームを集束させ、バックグラウンドノイズとは区別する。
例えば、一実施形態において、上記の測定システムを使用した複数の方位角における、ボアホール近傍の岩石層の圧縮速度及び/又はせん断速度の測定は、ボアホール付近における応力についての有益な情報を提供することができ、したがって、ボアホール付近における岩石情報を伴う、フラクチャであろうと思われる位置の予測及び/又は破壊伝播の判定又は予測を行うことができる。相対的に大きな速度変化を有する岩石層は、相対的に固結度が低いか、岩石層内の応力が低いことが知られている。いずれの場合においても、ボアホールが崩壊する可能性があることを示していると考えられる。上記で説明した音響測定システムによれば、ボアホール周辺の岩石層内の方位角及び/又は仰角の関数としての速度の情報を提供することができる。方位角及び仰角の関数としての速度を使用することにより、様々な応力エリア及び/又はフラクチャ、断層等の方位角及び/又は傾斜角度を求めることができ、最終的には、ボアホール周辺の地球の応力フィールドの異方性についての情報を提供できる。加えて、方位角及び仰角の関数として取得したデータを使用して、フラクチャ又は断層の位置を3次元でマッピング(3Dマッピング)することができる。
上記の測定システム及び方法は、ボアホールが貫通した地下のような地下構造物の流体浸透性、例えば、岩石層におけるフラクチャによる浸透性を含む流体浸透性をマッピングするのに使用することができる。例えば、ボアホール付近の岩石層内の様々な点における速度(圧縮速度、せん断速度又は表面波、又は、これら速度の組み合わせ)を測定することにより、上記のようなマッピングを実行できる。測定した速度に基づいて、周知の様々なモデルを使用して浸透性を導き出すことができる。
一実施形態において、上記の方法を、コンピュータが実行可能な一連の命令として実装することができる。本明細書において、「コンピュータ」という言葉は、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、若しくは、任意のその他のハンドヘルドコンピュータデバイス)、メインフレームコンピュータ(例えば、IBMメインフレーム)、スーパーコンピュータ(例えば、CRAYコンピュータ)、又は、分散コンピューティング環境における複数のネットワーク接続されたコンピュータを含む、任意の種類のコンピュータシステム又はデバイスを包含する。
例えば、方法を、ハードディスク、CDROM、光ディスク、DVD、光磁気ディスク、RAM、EPROM、EEPROM、磁気又は光学カード、フラッシュカード(例えば、USBフラッシュカード)、PCMCIAメモリカード、スマートカード又はその他の媒体のようなコンピュータ可読媒体に格納することができるソフトウェアプログラムアプリケーションとして実装してもよい。
これに代えて、ソフトウェアプログラム物品の一部又は全体を、リモートコンピュータ又はサーバから、例えば、インターネット、ATMネットワーク、広域ネットワーク(WAN)又はローカルエリアネットワーク等のネットワークを介して、ダウンロードすることができる。
これに代えて、コンピュータプログラム物品(例えば、ソフトウェア物品)として方法を実装する代わりに又は実装することに加えて、例えば、方法を実装するように設計された特定用途向け集積回路(ASIC)のようなハードウェアとして実装することもできる。
図15には、本発明の一実施形態に係る、方法を実装するコンピュータシステム130の模式図が示されている。図15に示すように、コンピュータシステム130は、プロセッサ(例えば、一の又は複数のプロセッサ)132、及び、プロセッサ132と接続されたメモリ134を備える。コンピュータシステム130は更に、データを入力するための入力装置136(例えば、キーボード、マウス等)、及び、計算結果を表示するのに使用されるディスプレイ装置のような出力装置138を備える。コンピュータシステム130を、様々なモジュールを制御するように構成してもよく、例えば、信号生成器12を制御する制御モジュール140、ミラー20のステアリングを制御する制御モジュール142、及び、測定データを取得する取得装置26を制御するように構成されてもよい。測定データを、後で可視化又は処理等を行うために、記憶装置(例えば、フラッシュドライブ)に格納してもよい。
一実施形態において、ボアホール付近の構造を調査するためのシステムが提供される。システムは、音響波を生成し、当該音響波をボアホール付近の所望の位置を目指して一の又は複数の方位角へと向けるように構成された音響源を備える。システムは更に、音響信号を受信するように構成された一の又は複数の受信機を備え、当該音響信号は所望の位置における物質によって音響波が反射又は屈折したものから発生している。システムは更に、受信した信号にデータ処理を行って、受信した音響信号を分析して、ボアホールの周辺の物質の特徴を把握するように構成されたプロセッサを備える。
現時点で最も実用的であり好ましいと考えられる態様に基づいて、本発明を例示のために詳細に説明したが、このような詳細な説明は例示のみを目的としたものである。本発明は開示された実施形態に限定されるものではなく、むしろ添付された特許請求の範囲の趣旨及び範囲に入る変形や均等な配置も本発明に含められることが意図されている。例えば、本発明においては、あらゆる実施形態の一又は複数の特徴を他の実施形態の一又は複数の特徴と可能な限り結合することができる。
更に、当業者であれば数多くの変形及び変更が想到でき、本発明を上気した構造及びオペレーションに限定することを意図していない。したがって、全ての公的な変形及び均等物が、本発明の精神及び範囲に含まれるとみなされるべきである。

Claims (15)

  1. 音響ビームを生成するための音響源であって、
    筐体と、
    前記筐体内に、互いに間隔を空けて配置された複数の圧電層と、
    前記複数の圧電層の間を満たす非線形媒体と、を備え、
    前記複数の圧電層のそれぞれが、音響波を生成するように構成され、
    前記非線形媒体及び前記複数の圧電層は、整合インピーダンスを有し、前記複数の圧電層のそれぞれによって生成される音響波の、残りの当該複数の層における伝送が改善される、音響源。
  2. 前記筐体は、円筒形状を有し、
    前記複数の圧電層は、前記円筒形状の長さ方向に沿って間隔を空けて配置されている、請求項1に記載の音響源。
  3. 前記円筒形状は、底面が円形又は多角形である、請求項2に記載の音響源。
  4. 前記非線形媒体は、流体を含む請求項1に記載の音響源。
  5. 前記流体は、水を含む請求項4に記載の音響源。
  6. 前記圧電層は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜を含む、請求項1記載の音響源。
  7. 前記複数の圧電層のうちの少なくとも一つの圧電層を電気的に励起して、音響波パルスを生成するように構成された発電機を更に備える請求項1に記載の音響源。
  8. 前記複数の圧電層を電気的に励起して、時間的に分離した複数の音響波パルスを生成して、連なった複数の音響波パルスを形成するように構成さえれた発電機を更に備える請求項1に記載の音響源。
  9. 前記音響源の出力における個々の音響波パルスのパワーの合計にほぼ等しいパワーを有する一つの音響ビームを生成するように、前記時間的に分離した複数の音響波パルスのタイミングが設定されている、請求項8に記載の音響源。
  10. 前記筐体の第1端部に設けられる音響吸収材と、
    前記筐体の前記第1端部とは反対側の第2端部に設けられるプレートとを更に備え、
    前記プレートは、前記音響波を所望の音響波長域で実質的に伝送する物質から選択されて形成される、請求項1に記載の音響源。
  11. 前記筐体の側壁には、防音体が積層されて、前記音響波が当該側壁において反射するのを防ぐ、請求項10に記載の音響源。
  12. 前記プレートは、音響ビームを得る又は前記音響波を集束するべく、コリメートされる、請求項10に記載の音響源。
  13. 前記圧電層は、前記筐体内において等間隔で配置されている、請求項1に記載の音響源。
  14. 前記筐体、前記複数の圧電層及び前記非線形媒体は、音響ビームを生成するように構成される、請求項1に記載の音響源。
  15. 前記音響波の周波数は、約15kHzから約120kHzの範囲である、請求項1に記載の音響源。
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