JP2015527731A - 熱交換器、及び自動車用の内燃機関 - Google Patents

熱交換器、及び自動車用の内燃機関 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、内燃機関(1)の排気ガスシステム(5)用の熱交換器において、各熱電モジュールと各チューブとの間の比較的高い伝熱を実現する。【解決手段】熱電モジュール(13)の低温側(18)に配置される冷却チューブ(15)と、熱電モジュール(13)の高温側(17)に配置される加熱チューブ(16)とを備える熱交換器であって、熱電モジュール(13)に対面するチューブ(15、16)のチューブ外側面(26)を熱電モジュール(13)に向かって湾曲させ、かつ湾曲したチューブ外側面(26)に隣接する熱電モジュール(13)のモジュール外側面(27)をチューブ(15、16)に向かって同じ方向に湾曲させる。【選択図】図1

Description

本発明は、熱交換器に関し、特に、好ましくは自動車の内燃機関の排気システム用の熱交換器に関する。さらに、本発明は、このような熱交換器を装備した自動車用の内燃機関に関する。
特に、車両応用において、内燃機関のエネルギー効率を向上させるために、内燃機関の排気ガスに含まれる熱エネルギーを利用する取組みがなされている。排気ガスに含まれる熱エネルギーの利用の可能性は、いわゆる熱電モジュールを利用することであり、該熱電モジュールは、温度差を電圧、又は熱流を電流に変換することができる。このような熱電モジュールは、いわゆるペルチエ効果の逆変換に対応するいわゆるゼーベック効果に従って作動する。
熱電モジュールは、高温側と低温側とを含み、動作中に、熱エネルギー、すなわち熱を電気エネルギーに変換する。熱を高温側に供給し、熱を低温側で放出することにより、熱流が、各熱電モジュールを通じて伝導され、熱電モジュール内で電流に変換される。高温側の熱の供給、そして低温側の冷却を可能にするために、熱電モジュールは、実際には熱交換器内に一体化されている。この熱交換器は、加熱流体を案内する少なくとも1つの加熱チューブと、冷却流体を案内する少なくとも1つの冷却チューブとを備える。そして、熱電モジュールは、加熱チューブと冷却チューブとの間に配置されて、加熱チューブが各熱電モジュールの高温側に位置し、冷却チューブが各熱電モジュールの低温側に位置する。このために、加熱チューブ、熱電モジュール、及び冷却チューブは、積載方向に互いに重ねられて、スタックを構成する。
上記のように少なくとも1つの熱電モジュールが一体化されている熱交換器の場合、スタックが積載方向に予荷重をかけられている時に、チューブと各熱電モジュール間の伝熱を大きく向上できることがわかった。予荷重によって、確実な接触が接触用の接触面間で実現され、各接触領域での非常に均一な伝熱を可能にする。この場合、問題は、チューブ壁を通じての伝熱を向上させるために、加熱チューブ及び冷却チューブは、実際に比較的小さな壁厚で製造されていることである。このために、チューブの圧縮強度が低減する。それでも、スタックの望ましい予荷重を実現するために、原則として異なるアプローチが可能である。例えば、チューブを内側から強化する補強材をチューブ内に挿入することができる。さらに、またはその代わりとして、各熱電モジュールに対面するチューブ外面で、チューブを熱電モジュールに向かって凹状に湾曲させてもよく、スタックの締め付けの間に、その湾曲した外面が、各チューブに対面するフラットなモジュール外面で圧縮され、その結果、その湾曲したチューブ外面は、平らになって、フラットなモジュール外面に対して平らに配される。
予荷重が過剰であると、チューブ外面が歪んで、このために各熱電モジュールに向かって凹状に湾曲する更なる危険性があり、この結果として、接触が大幅に消失する。この場合も、上記各チューブの凹状の湾曲を回避するために、補強材を各チューブ内に配置することができる。しかし、補強材を挿入することは、比較的大きな取組みとなる。さらに、補強材は、各チューブの望ましい形状を保証できるように極めて精密でなければならない。
本発明は、冒頭で述べたタイプの熱交換器及びこれを装備した内燃機関の改善された実施の形態の課題を取扱い、該実施の形態は、比較的高い信頼性で、各熱電モジュールと各チューブとの間の比較的高い伝熱を実現可能とすることを特徴としている。
本発明によると、上記課題は、独立請求項の主題を通じて解決される。好ましい実施の形態は、独立請求項の主題である。
本発明は、積載方向においてチューブの一つに対面する少なくとも1つのモジュール外側面をチューブに向かって湾曲させ、湾曲したモジュール外側面に対面し、かつ、その向い側に位置する隣接するチューブのチューブ外側面を熱電モジュールに向かって同じ方向に湾曲させるという概念に基づいている。したがって、言い換えると、本発明は、平面状の熱電モジュールとチューブとの通常接触を回避し、その代わりに湾曲した領域での接触を実現することを提案している。ここで、さらに重要なことは、各モジュール外側面の湾曲は、それらに係るチューブ外側面の湾曲と同じ方向に実現される。例えば、上記少なくとも1つのチューブ外側面を、隣接する熱電モジュールに向けて凸状に湾曲させることができ、そして隣接する熱電モジュールの対面するモジュール外側面をチューブに向かって凹状に湾曲させることができる。さらに、またはその代わりとして、上記少なくとも1つのチューブ外側面を、隣接する熱電モジュールに向かって凹状に湾曲させることができ、そして、隣接する熱電モジュールのモジュール外側面をチューブに向けて凸状に湾曲させることができる。好ましくは、各チューブの両方の外側面は、凸状に外側に湾曲させられているか、凹状に外側に湾曲させられている。これに伴い、各熱電モジュールの外側面は、外側に凸状に又は外側に凹状に湾曲していることが好ましい。しかし、原則として、上記チューブでは、そして/又は上記熱電モジュールでは、一方の外側面が凹状に外側に湾曲しており、他方の外側面は、外側に凸状に湾曲している実施の形態が考えられる。また、各チューブ、及び/又は各熱電モジュールの一方の外側面だけが、外側に凹状又は凸状に湾曲しているというのも可能である。
特に、予荷重の状態で湾曲した領域に沿って接触した外側面によって、予荷重による歪みの危険性を減らすことができる。これに加えて、本発明に係る設計は、各熱電モジュール及び各チューブが、湾曲した外側面のために所定の相対位置で互いに中央に配置されるので、簡単な組み立てとなる。
好ましい実施の形態によると、スタックの予荷重状態でスタックを積載方向に圧縮するという予荷重の力がないときに、チューブ外側面の曲率半径とモジュール外側面の曲率半径が異なるように、互いに対面する外側面の湾曲が選択される。実際の更なる開発によると、チューブ外側面の曲率半径を、予荷重の力がない場合にモジュール外側面の曲率半径よりも小さくすることができる。これは、特に、チューブ外側面が外側に凸状に湾曲していることが好ましい。一実施の形態として、チューブ外側面を外側に凸状に湾曲させ、予荷重の力がない状態でチューブ外側面の曲率半径を凸状のモジュール外側面よりも大きく選択することが好ましい。この異なる曲率半径を用いた設計によって、予荷重の力の発生の間に、少なくともチューブ外側面を、弾性的な領域においてほぼリバーシブルにすることができる。このために、予荷重、及び上記各熱電モジュールと各チューブ間の伝熱を、向上させることができる。
特に好ましい実施の形態によると、予荷重の状態の凸状のチューブ外側面が、予荷重の力がない緩和状態の時よりも大きい曲率半径を有するように、凸状又は凹状のチューブ外側面にバネ弾性を設定し、熱交換器の予荷重状態でスタックを積載方向に圧縮するという予荷重の力によって、チューブ外側面をバネ弾性変形させることができる。言い換えると、各チューブ外側面にある湾曲を、その曲率半径が増加するように予荷重でならしている。この場合、予荷重の状態では、チューブ外側面の凸状湾曲が保持されることが重要である。その代わりとして、凹状に湾曲したチューブ外側面があると、これは、予荷重の状態では、予荷重がない緩和状態よりも小さい曲率半径を有するようにすることができる。言い換えると、各チューブ外側面にある湾曲は、締め付けで増加し、その結果、その曲率半径は減少する。この場合に重要なことは、チューブ外側面の凹状の湾曲は、予荷重の状態においても保持されるということである。
好ましいさらなる開発によると、湾曲したモジュール外側面を、湾曲したチューブ外側面に比べて堅くすることができる、すなわち、チューブ外側面よりも高い曲げ剛性にすることができる。その結果、スタックの予荷重の間に湾曲したチューブ外側面は、湾曲したモジュール外側面よりも強力に変形する。例えば、モジュール外側面は、曲げ剛性を有する材料、例えば、セラミック材から作製することができ、各チューブを、柔軟材、例えば、金属から作製する。特に低温側では、すなわち、冷却チューブについては、原則として軽い材料が使用され、高温側では、すなわち、加熱チューブにおいては、スチール又はステンレススチールチューブが好ましい。原則として、各チューブに比べて熱電モジュールが弾性状に柔軟に構成される実施の形態も考えられる。特に、ゆるんだ状態の各熱電モジュールは平らな外側面を有する実施の形態も考えられる。そして予荷重の間に、全ての熱電モジュールは、弾性状に変形でき、その結果、その外側面は、それに応じて曲がり、その過程で凹状又は凸状に湾曲したチューブ外側面がまとわりつき、その結果、予荷重の状態では、これらは、湾曲した接触領域に沿って望ましい均一な接触を可能とする。
別の実施の形態では、予荷重の状態で、チューブ外側面の曲率半径の大きさを、モジュール外側面の曲率半径と略同一とすることができる。このために、各熱電モジュールと各チューブとの確実な接触を実現することができ、これは、非常に均一な伝熱を引き起こす。ここで、各モジュール外側面と各チューブ外側面との間は直接接触しなくてもよく、例えば伝熱層を通じた間接的な接触を設けることができることが明らかである。
別の実施の形態では、上記少なくとも1つの熱電モジュール、高温側及び低温側は、上記湾曲したモジュール外側面をそれぞれ形成することができる。したがって、隣接する冷却チューブ及び隣接する加熱チューブの両方は、少なくとも1つの相応する湾曲したチューブ外側面を各々有する。
別の実施の形態では、各湾曲を、積載方向に並行するスタックの縦中央平面に対して鏡対称に構成することができる。これにより、乱れを避けることができるので、組み立てが簡単化される。同時に、このために、熱電モジュール及びチューブの製造が簡単化される。
好ましい実施の形態では、それぞれの湾曲した外側面は、積載方向に平行かつスタックの縦方向に対して垂直な横断面において湾曲しており、積載方向に平行かつスタックの横方向に対して垂直な縦中央平面において直線状になっている。このために、円筒断面状の湾曲が、それぞれの外側面について得られる。この設計では、各熱電モジュールを、各チューブに関連して、スタック縦方向において異なる相対位置に配置することができる。
代わりの実施の形態では、それぞれの湾曲した外側面は、積載方向に平行かつスタックの縦方向に対して垂直に走る横断面と、積載方向に平行かつスタックの横方向に対して垂直に走る縦断面の両方において湾曲するようにすることができる。このために、球面状の湾曲が、それぞれの外側面について、縦方向及び横方向において同じ曲率半径で得られる。また、曲率半径が、縦方向及び横方向に異なる場合、それぞれの外側面について、楕円状の湾曲が得られる。これにより、各チューブに対する単一の相対位置が各熱電モジュールに対してあらかじめ規定され、組み立て中のセンタリングを必然的に実現する。
好ましい更なる開発によると、上記加熱チューブと上記冷却チューブとの間に多数の熱電モジュールをスタックの縦方向に並べて配置することができ、いずれの場合も、これら熱電モジュールのモジュール外側面が、横断面及び縦断面において湾曲しており、各チューブは、スタックの縦方向に並べて配置され、各々熱電モジュールに割り当てられ、それぞれの横断面及び縦断面において湾曲している複数の縦方向部分を備える。この設計を通じて、多数の熱電モジュールを、各加熱チューブと各冷却チューブとの間に正確に位置させることができ、それぞれの相対位置は、球面状又は楕円状の湾曲のセンタリグ効果により自動的に実現する。
別の好ましい実施の形態では、各チューブと各熱電モジュールとの間の積載方向に、伝熱層を配置することができる。この伝熱層は、例えば、伝熱ペースト又はグラフィックフィルムを用いて形成することができ、外側面間の伝熱を向上させることができる。特に、互いに対面する外側面間の空隙の小さな変化は、このような伝熱層を用いて相殺できる。空隙の小さな変化は、部品公差のために発生し得る。
自動車に配置できることが好ましい本発明に係る内燃機関は、エンジンブロックを備え、該エンジンブロックは、複数の燃焼室と、排気ガスを燃焼室から排出する排気システムと、エンジンブロックを冷却する冷却回路と、上記タイプの熱交換器とを備える。ここで、熱交換器の少なくとも1つの加熱チューブは、排気システムに流体を案内するように組み込まれ、その結果、排気ガスが加熱流体としての役割を果たす。さらに、熱交換器の少なくとも1つの冷却チューブは、冷却回路に流体を案内するように組み込まれ、その結果、冷却回路のクーラントは、冷却流体としての役割を果たす。あるいは、熱交換器の各冷却チューブを、エンジンの冷却回路とは異なる別の冷却回路内に組み込むことができる。これは、エンジンの冷却回路から分離されており、冷却媒体の温度がエンジンの冷却回路のクーラント温度以下に留まる低温冷却回路、又はエンジンの冷却回路から分離されており、冷却媒体温度がエンジンの冷却回路のクーラント温度以上の範囲にある高温冷却回路とすることができる。
熱交換器に、予荷重を生成する手段をさらに装備させることができる。これらの手段を、例えば、熱交換器のハウジング内に一体化させることができる。例えば、予荷重の力を、ハウジングを閉じている間に生成することができる。スタックに予荷重を与える特別な予荷重装置を提供することも同様に可能である。例えば、タイロッドを用いて、2つのプレート体を互いに締め付けるようにし、スタックをプレート間に配置するという実施の形態も考えられる。
本発明の更に重要な特徴及び効果は、従属請求項、図面、図面を用いた関連の説明から理解される。
上記及び以下に説明する特徴は、上記各組み合わせだけでなく、本発明の範囲を逸脱しない限り、他の組み合わせ又は単独で使用できることを理解されたい。
本発明の好ましい実施の形態は、図示され、以下で詳細に説明され、同じ参照符号は、同一、類似、又は機能的に同一の構成要素に関する。各図を概略的に示す。
内燃機関の回路図による非常に簡単な概略図である。 熱交換器の非常に簡単な断面図である。 緩和状態の熱交換器の熱電モジュール領域の非常に簡単な断面図である。 締結状態の熱交換器の熱電モジュール領域のさらに簡単な断面図である。 別の実施の形態での締結状態の熱交換器の熱電モジュール領域の非常に簡単な縦断面図である。 別の実施の形態での締結状態の熱交換器の熱電モジュール領域の非常に簡単な縦断面図である。
図1に示すように、自動車に好適な内燃機関1は、複数の燃焼室3を含むエンジンブロック2と、燃焼室3に外気を供給する外気システム4と、燃焼室3からの排気ガスを排出する排気システム5とを備える。さらに、内燃機関1は、冷却回路6を装備し、該冷却回路6を用いて、エンジンブロック2を冷却することができる。ここで、冷却回路6内に流れるクーラントを適切に冷却できるように、冷却回路6にラジエータ、適切であればファンをさらに設けることができるのは明らかである。
別の実施の形態では、特に、主要な冷却回路6とは別に図示しない更なる他の冷却回路を追加で設けることができる。この場合、この他の冷却回路を、主要な冷却回路6とは異なる温度レベルで選択的に作動させることができる。
内燃機関1は、熱交換器7をさらに備え、該熱交換器7のハウジング8は、冷却媒体入口9と、冷却媒体出口10と、熱媒体入口11と、熱媒体出口12とを備える。熱媒体入口11と熱媒体出口12とを通じて、熱交換器7は、排気システム5に流体を案内するように組み込まれており、排気ガスは、熱交換器7内で熱媒体又は加熱流体としての役割を果たす。さらに、冷却媒体入口9と冷却媒体出口10とを通じて、熱交換器7は、冷却回路内に組み込まれており、該冷却回路のクーラントも、熱交換器7内で冷却媒体又は冷却流体としての役割を果たす。図1によると、これを、主要な冷却回路6、エンジンの冷却回路6、又は前記の図示しない他の冷却回路とすることができる。熱交換器7は、少なくとも1つの熱電モジュール13をさらに含み、該熱電モジュール13は、熱交換器7の内部で加熱流体及び冷却流体に伝熱方式でつながっている。ハウジング8上では、各熱電モジュール13に適切に電気接続される電気接続部14が形成されている。
図2〜図6によると、各熱交換器7は、冷却流体を案内する少なくとも1つの冷却チューブ15と、加熱流体を案内する少なくとも1つの加熱チューブ16とを備える。各熱電モジュール13は、高温側17と低温側18とを含む。各冷却チューブ15は、上記少なくとも1つの熱電モジュール13の低温側18に配置されている。各加熱チューブ16は、上記少なくとも1つの熱電モジュール13の高温側17に配置されている。各熱電モジュール13、各冷却チューブ15、及び各加熱チューブ16は、積載方向19に互いに重ねて積載され、スタック20を形成する。図2の例では、5つのチューブ、すなわち、3つの冷却チューブ15と2つの加熱チューブ16が設けられており、これらの間には、全部で4つの面、少なくとも1つの熱電モジュール13がそれぞれ配置されている。実際には、図5及び6によると、各冷却チューブ15と各加熱チューブ16との間の各面の内側において、複数の熱電モジュール13をスタック20の縦方向35に配置することができる。
図2〜図6によると、熱交換器7のハウジング8は、図示していない。その代わりに、予荷重装置21が図2に示され、これにより、矢印で示す予荷重の力22がスタック20にもたらされる。ここでは、予荷重の力22が積載方向19と平行に向いている。例えば、予荷重装置21は、2つのエンドプレート23を備え、これらのエンドプレート23は、タイロッド24を通じて、積載方向19に相互に締め付けられている。これらのエンドプレート23間では、スタック20が予荷重の力22を該スタック20にもたらすために受けている。図2の例では、エンドプレート23がアダプターピース25を通じて外側面に位置する各冷却チューブ15上に支持されている。
ここで示す熱交換器7の実施の形態では、冷却チューブ15及び各加熱チューブ16の両方に係るチューブ外側面であって、隣接する各熱電モジュール13に対面するチューブ外側面26は、各熱電モジュール13に向けて凸状に湾曲している。さらに、チューブ外側面26に対面するモジュール外側面27は、隣接する各チューブ15、16に向かって凹状に湾曲している。図示しない交換器7の別の実施の形態では、冷却チューブ15及び加熱チューブ16の両方におけるチューブ外側面26は、隣接する各熱電モジュール13に対面して、各熱電モジュール13に向かって凹状に湾曲しており、モジュール外側面27は、チューブ外側面26に対面して、隣接する各チューブ15、16に向けて凸状に湾曲している。さらに、図示しない更なる実施の形態では、組合せの設計が考えられ、これは、同熱交換器7内で、凸状のモジュール外側面27を有する少なくとも1つの熱電モジュール13と、凹状のモジュール外側面27を有する少なくとも1つの熱電モジュール13とを備え、そして関連の冷却チューブ15、16は、これらに相補的なチューブ外側面26を有している。少なくとも1つの熱電モジュール13が、凸状のモジュール外側面27と凹状のモジュール外側面27とを有し、冷却チューブ15、16も、これらに相補的なチューブ外側面26を有している、同様に図示しない実施の形態も考えられる。図示しない更なる実施の形態では、少なくとも1つの熱電モジュールは、理論的に平らなモジュール外側面27を有することができる。以下の実施の形態は、先に示した実施の形態に関連し、図示しない前述の実施の形態にも同様に該当する。
図3は、予荷重の力22がない状態で、対面する位置にあるチューブ15を含む単一の熱電モジュール13の領域におけるスタック20の詳細を示す。この緩和状態で、各チューブ外側面26のチューブ曲率半径28は、モジュール外側面27のモジュール曲率半径29より著しく小さい。このために、チューブ15、16と熱電モジュール13との接触は、最初は、より小さな領域で積載中に起こる。さらに、チューブ15、16と各熱電モジュール13との間の積載方向19に、伝熱層30を配置することができ、その結果、図3において、チューブ15、16と熱電モジュール13との直接的な接触は起こらないことが示唆されている。チューブ外側面26は、むしろ各伝熱層30を介して各モジュール外側面27に間接的にのみ接触している。
各チューブ外側面26は、実際には、バネ弾性を設定されており、その結果、それは、曲率半径28が変形で大きくなるように、予荷重の力22によってバネ弾性変形可能である。図4によると、予荷重の状態のチューブ曲率半径28は、予荷重の力がない緩和状態の場合よりも明らかに大きい。さらに、凹状のモジュール外側面27は、チューブ外側面26に比べて固く、その結果、スタック20の予荷重があっても、モジュール外側面27が変形しない、あるいは各チューブ外側面26よりもかなり小さく変形するだけである。特に、これにより、図4による予荷重の状態で、チューブ曲率半径28がジャケット曲率半径29と略同じ大きさになるような状況が発生する。このために、図4では積載方向19に大きく拡大した隙間31が均一となり、その結果、それは、スタック20の横方向32全体に略一定の隙間幅33を有している。各隙間31は、特に伝熱層30が設けられている時にのみ存在し、そして伝熱層30は、隙間31を略完全に埋める。一方、このような伝熱層30がない場合、隙間幅33は、ゼロ値まで大幅に減少し、その結果、各チューブ外側面26は、熱電モジュール13の全体幅においてモジュール外側面27に直接接触する。
ここで示す実施の形態においては、高温側17及び低温側18の各々で、上記凹状のモジュール外側面27を各熱電モジュール13に形成している。例えば、スタック20の積載の終端において、高温側17又は低温側18のみが上記凹状のモジュール外側面27を形成する実施の形態も考えられる。しかし、チューブ15、16が外側面のスタック20の位置に配置されている限り、スタック20に対面する側においてのみ湾曲した外側面27を有し、スタック20からみて外方に対面する側においては平らな外側面を有し、そしてこれは各エンドプレート23に接触することができ、その結果、図2によると1つの側において湾曲しているアダプターピース25を省略することができるように、外側に位置する各チューブ15、16(好ましくは、冷却チューブ15)を構成することができる。
図4では、縦中央平面34が示され、該縦中央平面34は、積載方向19に対して平行にかつスタック20の縦方向35に対して平行に広がっており、このスタック縦方向35は、図5及び6においてのみ示されている。この縦中央平面34に関して、湾曲又は湾曲した外側面26、27は、鏡面対称に構成されている。
図5及び図6によると、複数の熱電モジュール13が、冷却チューブ15と加熱チューブ16との間で、スタック縦方向35に並んで配置されている。ここで、これら熱電モジュール13の各々のモジュール外側面27は、上記のように凹状に湾曲している。
図5及び図6は、冷却チューブ15及び加熱チューブ16と、その間に配置される熱電モジュール13の領域におけるスタック20の縦断面を示す。縦断面は、図4に示され、36が付されている。この縦断面36は、積載方向19に対して平行かつスタック縦方向35に対して平行に広がっている。したがって、縦断面36は、縦中央平面34に対して平行に延びている。特に、縦中央平面34及び縦断面36を、図4に示すように、合致させることができる。図5及び図6には、積載方向19に対して平行かつスタック横方向32に対して平行に広がる横断面37がさらに示されている。図3及び4の断面図は、このような横断面37にある。
図5に示す実施の形態では、湾曲したチューブ外側面26及び湾曲したモジュール外側面27は、横断面37において湾曲しており、縦断面36において直線状に実現されている。このために、外側面26、27は、各々円筒形状の湾曲が与えられている。言い換えると、図3及び4に反映されている断面外形は、スタックの縦方向35に略一定である。
これとは対照的に、図6に示す実施の形態においては、湾曲したチューブ外側面26及び湾曲したモジュール外側面27が、横断面37及び縦断面36の両方において湾曲している。この縦断面36では、湾曲した各モジュール外側面27は、同様に曲率半径39を有する。各チューブ15、16も、縦断面36において曲率半径40を有する。ここで、予荷重の状態では、縦断面36上に位置する湾曲した外側面26、27の曲率半径39、40を、横断面37上に位置する外側面26、27の曲率半径28、29と同一の大きさにすることができる。このために、湾曲した外側面26、27の各々は、少なくとも部分的に、半球形状の湾曲を与えられている。また、これに代わる実施の形態として、予荷重の状態では、縦断面36上に位置する湾曲した外側面26、27の曲率半径39、40と、横断面37上に位置する外側面26、27の曲率半径28、29を、同一でないようにすることができる。この場合、湾曲した外側面26、27の各々は、少なくとも部分的に、楕円形状の湾曲となる。両者の場合、図3及び4の横断面形状は、スタック縦方向35において変化する。
ここで、図6は、冷却チューブ15及び加熱チューブ16が、図6中に中括弧で示されるスタック縦方向35の複数の縦断面38を有する特別な実施の形態を示す。各熱電モジュール13は、各縦断面38内に配置されている。したがって、これらの縦断面38は、スタックの縦方向35に並んで配置されており、各々熱電モジュール13に割り当てられている。これらの縦断面38では、チューブ外側面26は、横断面37及び縦断面36において湾曲している。

Claims (14)

  1. 内燃機関(1)の排気システム(5)用の熱交換器であって、
    熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、高温側(17)と低温側(18)とを含む少なくとも1つの熱電モジュール(13)と、
    冷却流体を案内し、前記少なくとも1つの熱電モジュール(13)の低温側(18)に配置される少なくとも1つの冷却チューブ(15)と、
    加熱流体を案内し、前記少なくとも1つの熱電モジュール(13)の高温側(17)に配置される少なくとも1つの加熱チューブ(16)と、を備え、
    前記少なくとも1つの熱電モジュール(13)と、前記少なくとも1つの冷却チューブ(15)と、前記少なくとも1つの加熱チューブ(16)とが、積載方向(19)に互いに積載されて、スタック20を形成し、
    前記チューブ(15、16)の少なくとも1つが、前記各熱電モジュール(13)に対面するチューブ外側面(26)で湾曲しており、
    前記各チューブ(15、16)の積載方向(19)に湾曲したチューブ外側面(26)に隣接した少なくとも1つの熱電モジュール(13)が、前記各チューブ(15、16)に対面するモジュール外側面(27)で同じ方向に湾曲している熱交換器。
  2. 前記少なくとも1つのチューブ外側面(26)は、前記隣接する熱電モジュール(13)に向けて凸状に湾曲しており、前記隣接する熱電モジュール(13)の前記対面するモジュール外側面(27)は、前記チューブ(15、16)に向かって凹状に湾曲しており、また/あるいは、
    前記少なくとも1つのチューブ外側面(26)は、前記隣接する熱電モジュール(13)に向かって凹状に湾曲しており、前記隣接する熱電モジュール(13)の前記対面するモジュール外側面(27)は、前記チューブ(15、16)に向けて凸状に湾曲している請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記スタック(20)の予荷重状態でスタック(20)を前記積載方向(19)に圧縮するという予荷重の力(22)がないときは、前記チューブ外側面(26)の曲率半径(28)と、前記モジュール外側面(27)の曲率半径(29)とが異なっている請求項1又は2に記載の熱交換器。
  4. 前記チューブ外側面(26)の曲率半径(28)は、前記モジュール外側面(27)の曲率半径(29)よりも小さい請求項3に記載の熱交換器。
  5. 前記湾曲したチューブ外側面(26)は、バネ弾性を設定されて、前記スタック(20)の予荷重状態でスタック(20)を前記積載方向に(19)に圧縮するという予荷重の力(22)によって、バネ弾性変形可能であり、
    前記予荷重の状態で湾曲したチューブ外側面(26)が、前記予荷重の力(22)がない緩和状態より大きい曲率半径(28)を有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱交換器。
  6. 前記湾曲したモジュール外側面(27)は、前記湾曲したチューブ外側面(26)に比べて固く、前記スタック(20)の予荷重の間に湾曲したチューブ外側面(26)は、前記湾曲したモジュール外側面(27)よりも強く変形する請求項5に記載の熱交換器。
  7. 前記予荷重の状態では、前記チューブ外側面(26)の曲率半径(28)は、前記モジュール外側面(27)の曲率半径(29)と大きさが略同一である請求項3乃至6のいずれか1項に記載の熱交換器。
  8. 前記少なくとも1つの熱電モジュール(13)の高温側(17)及び低温側(18)は、各々、前記湾曲したモジュール外側面(27)を形成する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の熱交換器。
  9. 前記積載方向(19)に平行に延びるスタック(20)の縦中央平面(34)に向かって湾曲した前記各外側面(26、27)は、鏡対称に構成されている請求項1乃至8のいずれか1項に記載の熱交換器。
  10. 前記湾曲した各外側面(26、27)は、前記積載方向(19)に対して平行かつ前記スタック(20)の縦方向(35)に垂直に広がる横断面(37)において湾曲しており、前記積載方向(19)に対して平行かつ前記スタック(20)の横方向(32)に対して垂直に広がる縦断面(36)において直線状である請求項1乃至9のいずれか1項に記載の熱交換器。
  11. 前記湾曲した各外側面(26、27)は、前記積載方向(19)に対して平行かつ前記スタック(20)の縦方向(35)に対して垂直に広がる横断面(37)、及び前記積載方向(19)に対して平行かつ前記スタック(20)の横方向(32)に対して垂直に広がる縦断面(36)両方において湾曲している請求項1乃至9のいずれか1項に記載の熱交換器。
  12. 前記加熱チューブ(16)と前記冷却チューブ(15)との間で、前記複数の熱電モジュール(13)が前記スタック(20)の縦方向(35)に並べて配置されており、該熱電モジュール(13)の各モジュール外側面(27)は、前記横断面(37)及び縦断面(36)において湾曲しており、前記各チューブ(15、16)は、複数の縦断面(38)を有し、該縦断面(38)は、前記スタックの縦方向(35)に並べて配置され、各熱電モジュール(13)に割り当てられ、前記横断面(37)及び縦断面(36)において湾曲している請求項11に記載の熱交換器。
  13. 前記各チューブ(15、16)と前記各熱電モジュール(13)の間の積載方向(19)に、伝熱層(30)が配置される請求項1乃至12のいずれか1項に記載の熱交換器。
  14. 複数の燃焼室(3)を備えるエンジンブロック(2)と、
    燃焼室(3)から排気ガスを排出する排気システム(5)と、
    エンジンブロック(2)を冷却する冷却回路(6)と、
    請求項1乃至13のいずれか1項に記載の熱交換器(7)であって、各加熱チューブ(16)が排気システム(5)に流体を案内するように組み込まれ、各冷却チューブ(15)が冷却回路(6)に流体を案内するように組み込まれている熱交換器(7)と、を備える自動車用の内燃機関。
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