JP2015525104A - ポリ(l−ラクチド)と親水性ポリマーとのブロックコポリマーでできている生体吸収性ポリマーに関連したスキャフォールド - Google Patents

ポリ(l−ラクチド)と親水性ポリマーとのブロックコポリマーでできている生体吸収性ポリマーに関連したスキャフォールド Download PDF

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Abstract

生理的条件における自己拡張型特性により、高い圧潰回復可能性、高い破損耐性、および、反跳を低減するかまたは反跳がまったく無い生体吸収性スキャフォールドが開示されている。スキャフォールドは、PLLAのブロックコポリマーおよび親水性ポリマーからできている。

Description

本発明はポリマー製医療機器に関し、特には生体吸収性ステントまたはステント骨格に関する。
本発明は、体内の管腔への埋込に適合した、径方向に拡張可能なエンドプロステーゼに関する。「エンドプロテーゼ」とは体内に配置される人工器官のことである。「管腔」とは血管等の管状臓器のキャビティ(空洞)を指す。ステントはエンドプロテーゼの一例である。ステントは概して円筒形状をした機器であり、血管、または尿道および胆管等の他の解剖学的な管腔の一部を開通したままに保ち、時には拡張させる機能を有する。ステントは、血管内のアテローム硬化性狭窄の治療で使用されることが多い。「狭窄」とは体内の通路または開口部が狭くなっているかまたは収縮していることを指す。このような治療では、ステントは体内の血管を補強し、血管系の血管形成術後の再狭窄を防ぐ。「再狭窄」は、治療(バルーン血管形成術、ステント埋込術または弁形成術)が明らかに成功した後に再発する血管または心臓弁の狭窄を指す。
ステントは、スキャフォールド(骨組)つまり骨格(スキャフォールディング)で構成されるのが典型であり、スキャフォールドは、構造的な要素つまりストラット(支柱)を相互連結したパターンつまり網目(ネットワーク)を含み、ストラットは、線材、チューブ、または材料を円筒形にロール加工したシートで形成される。このスキャフォールドは、物理的に開通を維持し、必要に応じて通路の壁を拡張もするのでその名が付けられた。典型的にはステントは、治療部位に送達され展開可能となるように、カテーテル上に圧縮つまり圧着(クリンピング)される。
送達には、カテーテルを用いてステントを細い管腔に挿入し、治療部位までステントを運ぶことが含まれる。展開には、ステントが所望の部位に到達した時に、ステントの直径を大きく拡張させることが含まれる。ステントによる機械的な治療行為の方がバルーンの血管形成術と比較すると再狭窄の発生率が低い。それでも、再狭窄は大きな問題を抱えている。ステントを埋め込んだ部位にもし再狭窄が発生すると、バルーンで治療しただけのこれら病変に対するよりも治療の選択肢が限られているので、その治療が困難になることがある。
ステントは機械的な治療というだけではなく、生物学的療法を提供する手段としても使用される。生物学的療法は局部に治療剤を投与するために投薬ステントを使用する。投薬ステントは、金属製またはポリマー製のスキャフォールドの表面を、活性薬剤または生物活性薬剤または薬品を含むポリマー製のキャリアで被覆して作製できる。ポリマー製スキャフォールドに活性薬剤または薬品のキャリアとしての機能を持たせることもできる。活性薬剤または薬品をポリマー製のキャリアに包含させずにスキャフォールドに含めてもよい。
ステントは数多くの機械的要件を満たさねばならない。ステントは、血管の壁を支持する際にスキャフォールドに加えられる構造的負荷、すなわち径方向圧縮力、に耐えられなければならない。従って、ステントは十分な径方向強度を持つ必要がある。径方向圧縮力に耐えるステントの能力である径方向強度は、ステントの径方向降伏力、およびステントの周方向廻りの径方向スティフネス(剛性)に関連している。ステントの「径方向降伏力」または「径方向強度」は、(本明細書の目的では)圧縮負荷と解釈してもよいが、それを超えると、ステント直径が無負荷時の直径に戻らない、すなわち、回復不能なステントの変形が存在する降伏応力の状態が生まれる。径方向の降伏力を超えると、ステントは更に大幅に降伏すると見込まれ、大きな変形を起こすのに最小限の力しか要らなくなる。径方向強度は、平坦なプレート間でステントに圧縮荷重をかけることにより、または内向きの径方向荷重をステントにかけることにより測定される。
一旦拡張すると、鼓動する心臓により誘発される周期的負荷を含む、ステントに加えられる可能性がある各種の力にも拘わらず、ステントはそのサイズおよび形状を耐用年数の期間中、適切に維持しなければならない。例えば、径方向を向く力にはステントを内側に反跳(リコイル)させる性向がある。更に、ステントは、圧着、拡張、および周期的な負荷を許容するに足る十分な柔軟性を持っていなければならない。
ステントによる治療の幾つかでは、限られた期間のみステントの存在が必要とされる。構造的な細胞組織の支持および/または薬品送達が含まれる治療が終わると、ステントが治療部位から除去される、つまり消滅することが要求される場合がある。ステントを消滅させる一つの方法は、体内の条件に暴露すると侵食または分解される材料でステント全体またはその一部を作製することである。生体吸収性ポリマー等の生分解性、生体吸収性、生体再吸収性、および/または生体侵食性の材料で作製されるステントは、治療の必要性が終了した後にのみ完全に侵食されるよう設計することができる。
生体吸収性ステントまたはスキャフォールドの進歩により、血管内の恒久的な金属埋込を未然に防ぎ、緩やかに拡張する管腔および血管の再構成が可能になり、スキャフォールドの完全な吸収の後、治癒した生来の血管細胞だけを残すことができるようになった。完全に生体吸収性のステントは、潜在的な長期的合併症、および晩期血栓症の危険性を低下または排除し、非侵襲診断のMRI/CT造影を容易にし、通常の血管運動の回復を可能とし、プラーク退縮の可能性を提供できる。
下肢の末梢血管疾患に対する経皮的治療は、現行テクノロジーによる挑戦である。長期にわたる成果は、日常の生活状況の一部としての、脈管およびインプラントの絶え間ない運動に起因する慢性傷害により、最適であるとは言えない。慢性傷害を低減するため、浅大腿動脈(SFA)および/または膝窩動脈のための生体吸収性スキャフォールドを、重大で長期的な損傷を引き起こす前に消滅するように用いることができる。しかし、末梢大腿動脈および場合によっては膝窩動脈にさらされる、大腿スキャフォールドおよび特には長尺のスキャフォールド(5〜25cm)の開発に伴う難題の一つは、特に浅大腿動脈に埋め込まれた場合、浅大腿動脈における意図した生体吸収時間より前の、慢性的な反跳とストラットの破損とを招き得る疲労運動の存在である。
SFAおよび/または膝窩動脈におけるスキャフォールドは、径方向圧縮、ねじれ、屈曲、および軸方向の拡張および圧縮等の種々の非拍動性の力を受ける。これらの力は、スキャフォールドの機械的性能に対する要求が高く、負担が少ない手術よりもた易くスキャフォールドを破損してしまう。高い径方向強度に加えて、SFA等の末梢血管のためのステントまたはスキャフォールドは高い圧潰回復度を必要とする。用語「圧潰回復」は、どのようにスキャフォールドが締付または圧潰荷重から回復するかを説明するために用いられる一方、用語「圧潰耐性」は、スキャフォールドの恒久的変形を生じさせるのに必要な力を説明するために用いられる。
従って、SFAおよび/または膝窩動脈の治療に対する重要な目標は、高い径方向強度、高い圧潰回復、および破損に対する高い耐性または高い靭性を有する生体吸収性スキャフォールドの開発にある。
[関連出願の相互参照]
個々の刊行物または特許出願を、あたかも特別にかつ個々に参照して組み込んでいるかのごとく、および、あたかも上記個々の刊行物または特許出願が、全ての図を含みつつ、本明細書に完全に記載されているかのごとく、本明細書に記載する全ての刊行物および特許出願を参照して本明細書に組み込む。
本発明の実施の形態は、ポリマー管から形成されるスキャフォールドを備えるステントであって、バルーンに圧着されるように構成され、前記スキャフォールドは、相互接続される要素のパターンを有し、前記スキャフォールドは、前記バルーンによって圧着状態から拡張される場合に拡張直径を有し、前記スキャフォールドは、その拡張直径の少なくとも50%まで圧潰された後に約80%を超えるその直径を達成し、前記スキャフォールドの径方向スティフネスは、0.3 N/mmよりも大きく、前記スキャフォールドは、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)と、37℃で自己拡張型特性を呈する親水性ポリマーとのブロックコポリマーからできている、ステントである。
図1は、圧潰回復可能なスキャフォールドパターンの第1の実施の形態を示す図である。 図2は、スキャフォールド構造の部分斜視図である。 図3は、圧潰回復可能なスキャフォールド構造の第2の実施の形態を示す図である。 図4Aは、図3のパターンに関連する閉セル(閉じたセル)要素の繰返しパターンの態様を示す図である。 図4Bは、図1のパターンに関連する閉セル要素の繰返しパターンの態様を示す図である。 図5Aは、本開示の態様によるスキャフォールドの特徴の例を示す表を示す図である。 図5Bは、本開示の態様によるスキャフォールドの特徴の例を示す表を示す図である。 図6は、圧潰回復可能なスキャフォールド構造の第3の実施の形態を示す図である。 図7は、図6のパターンに関連する閉セル要素の繰返しパターンの態様を示す図である。 図8Aは、PLLA V79およびPLLA−PEG V79スキャフォールドに対する径方向強度およびスティフネスを示す図である。 図8Bは、PLLA V59およびPLLA−PEG V79スキャフォールドのいくつかのサンプルに対する径方向強度およびスティフネスを示す図である。 図9は、V79 PLLAおよびV79 PLLA−PCLスキャフォールドサンプルに対する径方向強度およびスティフネスを示す図である。 図10は、2ロットのV59 PLLAスキャフォールド、V79 PLLAスキャフォールド、およびV79 PLLA−PEGスキャフォールドに対する圧潰回復結果を示す図である。 図11は、軸方向疲労試験のサイクル数対V59 PLLAおよびV79 PLLA−PEGスキャフォールドの破損数を示す図である。 図12は、PLLA、95:5 PLLA−PCL、および90:10 PLLA−PCLスキャフォールドに対する軸方向疲労試験後のリングおよびコネクターリンクにおける不連続性のカウントを示す図である。 図13は、V79 PLLA、95:5 PLLA−PCL、および90:10 PLLA−PCLスキャフォールドに対する軸方向疲労試験後のリングおよびコネクターリンクにおける不連続の百分率を示す図である。 図14は、展開後のV59 PLLAスキャフォールドのFinescan画像を示す図である。 図15は、展開後のV79 PLLAのFinescan画像を示す。 図16は、展開後のV79 PLLA−PEGスキャフォールドのFinescan画像を示す図である。
ここで説明する実施の形態は一般に、ポリマー製インプラント型医療機器、特に、使用時に荷重受部を有する、または使用中に変形する部分を有するポリマー製インプラント型医療機器に適用できる。特に、本方法は、自己拡張型ステント、バルーン拡張型ステント、およびステントグラフト等の管状インプラント型医療機器に適用できる。
ステントまたはスキャフォールドは、複数のリング状ストラットおよびリンクストラットから成る管状スキャフォールド構造を含んでもよい。リング状ストラットは、円筒軸を中心に配置される複数の円筒形リングを形成する。リングはリンクストラットによって接続される。スキャフォールドは、本体にリングおよびストラットによって画成される間隙を有する、略管状体を画成するストラットおよびリンクのオープン式枠組みを備えている。薄肉円筒管に、初期状態では管壁に間隙が無い薄肉管に、かかるパターンを切削するレーザ切断装置によって形成されるストラットおよびリンクでできたこのオープン式枠組みを形成してもよい。
また、シートを圧延し、これを接着して管を形成することによってスキャフォールドを製作してもよい。管またはシートを、押出または射出により成形することができる。その後、身体の内腔に運ぶためにスキャフォールドをバルーンまたはカテーテルへ圧着することができる。
本発明のステントまたはスキャフォールドは、部分的または完全に、生分解性、生体再吸収性、および生体吸収性ポリマーからできていてもよい。また、ステントはその一部が生体安定性ポリマーでできていてもよい。ステントの製作に用いるポリマーは、生体安定性、生体再吸収性、生体吸収性、生分解性、または生体侵食性であってもよい。生体安定性は、生分解性ではないポリマーを指す。生分解性、生体再吸収性、生体吸収性、および生体侵食性という用語は交換可能に用いられ、血液等の体液に曝露されると、異なる程度の分子レベルまで完全に分解および/または侵食され、身体へ徐々に再吸収、吸収される、および/または身体から除去できるポリマーを指す。ポリマーの分解および吸収のプロセスは、例えば、加水分解および代謝に起因するプロセスであってよい。
生体吸収性ステントまたはスキャフォールドは、冠状動脈、浅大腿動脈、膝窩動脈、神経管、および洞を含む種々の体内腔の治療に有用である。一般に、これらの治療では、ステントが一定期間にわたり脈管に機械的支持を提供し、次いで、望ましくは吸収され、埋込部位から消滅することが求められる。生体吸収性ステントまたは骨格の重要な特性には機械的特性および分解特性が含まれる。機械的要件には、高い径方向強度、高い径方向スティフネス、および高い破壊靭性が含まれる。分解特性は、吸収プロファイル、例えば、分子量、径方向強度、および質量の経時変化を含む。吸収プロファイルの特定の態様は、減少が始まる前にステントが径方向強度を維持する時間、全吸収時間、または吸収時間(埋込部位からの完全な質量損失)を含む。
生体吸収性ポリマーでできているステント骨格は、所定期間、脈管に機械的支持を提供し、内腔の開存性を維持するよう埋め込まれると、その径方向強度および/または径方向スティフネスを維持するように設計されていてもよい。径方向強度は、内腔を所望の直径に支持するよう初期には十分に高くなければならない。スキャフォールドが開存性を維持するように要求または望まれる期間は、治療の種類によって異なるが、冠状動脈の治療の場合には約3ヶ月である。この期間を過ぎると、脈管は十分に癒えて支持がなくとも拡張された直径を維持する。従って、この期間後、骨格は分子量の減少により径方向強度および/または径方向スティフネスを失い始めてもよい。骨格がさらに分解するにつれて、機械的完全性を失い始め、次いで質量損失をこうむり、最終的には完全に吸収されるか、後に残る形跡が無視できる程度になる。
理想的には、ステント支持がそれ以上内腔にとって必要なくなれば、生体吸収性スキャフォールドはできる限り早く吸収される一方で、その分解期間中にすべての基本的な安全性要件が満たされることが望ましい。かかる安全性要件として、血栓形成等の有害事象を引き起こす可能性のある断片を放出させない段階的な分解および吸収を含めることができる。このように、ステントスキャフォールドは脈管治癒を可能にすると共に、ここに示す生体吸収性スキャフォールドの利点を最大限まで可能にする。生体吸収性スキャフォールドの吸収期間は、冠血管用途に対して約18から26ヶ月、末梢用途(例えば浅大腿動脈(SFA)および/または膝窩動脈)に対して約18ヶ月(例えば、16〜20ヶ月)、神経系用途に対して18〜24ヶ月、経鼻用途に対して1年未満であることが望ましい。
径方向強度およびスティフネスに関して、ステントは、十分な径方向強度および/またはスティフネスを有して、選択された目標直径で所望期間にわたって脈管壁を支持できるように、ステントにかかる構造負荷すなわち径方向圧縮力に耐えねばならない。径方向強度および/またはスティフネスが十分なポリマーステントにより、ステントは、脈管への埋込後に十分な期間にわたって内腔を所望の直径に維持することが可能になる。
加えて、ステントは破損に対する十分な靭性または耐性を有して、その機能を損なう破損も亀裂もなく圧着、膨張、およびサイクル負荷を可能にすべきである。スキャフォールド材料の破損に対する靭性または耐性は、材料に関して言えば、破断時の伸びによって特徴付けられ、ステントに関して言えば、圧着または目標直径への展開もしくは拡張の後などの、使用中のスキャフォールドの亀裂の数および程度によって特徴づけてもよい。スキャフォールドを用いるこれらの局面には、スキャフォールドの構造要素の種々のヒンジ部の変形が伴う。
生体吸収性ポリマーによっては、例えば半結晶性ポリマーは、人体内の生理的条件下で堅固または剛直であり、スキャフォールド材料としての使用に有望であることが判明している。生理的条件には、37℃およびその前後の温度と、特には湿潤環境または水性環境である体液への曝露とが含まれる。具体的には、略37℃であるヒトの体温を十分に超えるガラス転移温度(Tg)を有するポリマーは、埋込時に堅固であるか、剛直でなければならない。ポリ(L−ラクチド)(PLLA)は、ヒトの体温である約37℃において比較的高い強度およびスティフネスにより、ステント材料として魅力的である。PLLAは、他の生分解性ポリマーと比較して高い強度および引張係数を有する。それは、ヒトの体温よりも十分に高いガラス転移温度を有するので、ヒトの体温においては堅固で剛直である。この特性により、PLLAステント骨格が展開直径またはその近傍で内腔を維持する能力を高める。
他の剛直な生体吸収性ポリマーには、ポリ(D−ラクチド)(PDLA)、ポリグリコリド(PGA)、およびポリ(L−ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)などがある。PLGAは、(LA:GA)がモル%比で、85:15(もしくは82:18から88:12の範囲)、95:5(もしくは93:7から97:3の範囲)、または、85:15もしくは95:5のPLGAと特定される市販のPLGA製品を含む。剛直ポリマーとは、Tgがヒトの体温よりも高いか、ヒトの体温の5℃以内であるポリマーを指してもよい。
かかるポリマーの強度、スティフネス、および破損靭性は、様々な加工方法(例えば、径方向膨張および関連する加工パラメータの適切な選択)により向上させることができる。しかし、依然として、冠状動脈用途だけではなく、他の末梢用途に対しても適応させるようスキャフォールド材料としてPLLA等のポリマーを改良する強い動機付けがある。特に、かかるポリマーを改良して、展開直径から内側への慢性的な反跳を低減すること、そして膝窩動脈等の脈管および浅大腿動脈に埋め込まれたスキャフォールドに課される疲労運動に起因するストラットの破損を低減することである。
本発明の実施の形態は、PLLAスキャフォールドと比べてスキャフォールドの破損リスクを低減し、反跳特性を向上させた生体吸収性スキャフォールドを含む。実施の形態は、PLLAおよび親水性ポリマーのブロックコポリマーから成るスキャフォールドを含む。ブロックコポリマースキャフォールドの破損耐性はPLLAスキャフォールドよりも高い。ブロックコポリマーの組成は、主にPLLAと、少量の親水性ポリマーとである。親水性ブロックは、相分離および/またはPLLAを可塑化することにより破損靭性を向上させる。
親水性ポリマーは、生体吸収性、水溶性、ゲル形成、またはそれらのいずれかの組み合わせであってもよい。親水性ポリマーは非イオン性であってもよい。親水性ポリマーは、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシアルカノエート、およびポリビニルアルコール(PVA)を含む。
PEGおよびPVA等の親水性ポリマーは、生理環境等の湿潤環境への曝露時に水分を吸収して膨潤する性向がある。水性環境または体液へ曝露された場合、ブロックコポリマーは、1から20重量%の水、またはより狭く、2から10重量%、または5から8重量%の水を含んでもよい。従って、湿潤(埋込後)状態と乾燥(埋込前)状態とでスキャフォールドの機械的特性は全く異なる。ブロックコポリマーの膨潤により、ポリマーの弾性係数は減少し、破損耐性は向上する。従って、スキャフォールドの径方向スティフネスは減少し、スキャフォールドの破損耐性は高まる。加えて、ブロックコポリマーのTgは膨潤により低下し、結果としてスキャフォールドの形状記憶挙動を招くことになる。
親水性ブロックはPLLAから相分離し、PLLAに分布または分散されるドメイン(領域)を形成できる。理論に制限されることなく、ポリマードメインは、より堅固なPLLAにおいてエネルギー散逸を誘発し、亀裂の発生および伝搬を遅らせて破損靭性を向上させてもよい。ドメインの特性となる長さ(直径、長さ、幅)は、250nmから5μm、またはより狭く、250nmから1μm、100nmから500nm、500nmから1μm、1μmから2μm、2μmから5μm、または5μmより大きくてもよい。
他の実施の形態においては、親水性ドメインは形成も観察もされない。しかし、理論に制限されることなく、ドメインが存在しない状態で、親水性ポリマーは、PLLAの可塑化によりPLLAのスティフネスを低下させ、破損靭性を高める。可塑化とは一般に材料の可塑性を高めることを指す。可塑性または塑性変形は、かける力に応じて形状の不可逆的変化を受けるポリマーの変形を説明する。PLLAを可塑化する親水性ポリマーは、その可撓性と靭性を高め、それによって破損に対する耐性を高める。理論に制限されることなく、可塑剤の働きは、PLLAのような堅固なポリマー鎖の間に埋め込まれ、それらを離間し(「自由体積」を増加し)、従ってPLLAのガラス転移温度を著しく低下させ、それを軟化させることである。
Tgの低下、水分吸収率、およびミクロ相分離は、親水性ポリマーの比率および親水性ブロックの大きさまたは分子量によって部分的に左右される。ブロックコポリマーのTgは、親水性ポリマー分が増加すると減少する。水分吸収率は、親水性ポリマー分およびブロックの大きさが増加すると増加する。親水性ブロックのミクロ相分離に対する傾向は、親水性ポリマー分およびブロックの大きさが増加すると増加する。
親水性ブロックは、スキャフォールドのブロックコポリマーの(重量%またはモル濃度で)0.5から1%、1から5%、1から10%、2から5%、3から5%、5から10%、5または約5%、10または約10%であってもよい。他の実施の形態において、親水性ブロックは、スキャフォールドのブロックコポリマーの5から15%または15から25%であってもよい。
いずれの範囲または割合であっても、及びブロックコポリマーの種類に拘らず、親水性ブロックの分子量は、1から30kDa、またはより狭く、1から10kDa、2から4kDa、4から10kDa、または6から10kDaであってもよい。また、いずれの範囲または割合に対する親水性ブロックの分子量も、20から100kDa、またはより狭く、50から100kDa、または60から100kDaであってもよい。
親水性ブロックの分子量および組成のいずれの値または範囲に対するPLLAブロックの分子量も、50から300kDa、またはより狭く、70から100kDa、100から200kDa、または200から300kDaであってもよい。
ブロックコポリマーは、ジブロック(AB)、トリブロック(ABA)、または一般にマルチブロックコポリマー(ABABA)等の線形ブロックコポリマーを含むことができる。ABAトリブロックポリマーは、PLLAブロックとしてA、および親水性ブロック(例えば、PEG)としてBを有することができる。典型的なブロックコポリマーは、PLLA−b−PEG、PLLA−b−PEG−b−PLLA、およびPEG−b−PLLA−b−PEGを含む。
ブロックコポリマーはまた、星型ブロックコポリマーおよび分岐コポリマーも含む。星型ブロックコポリマーは、少なくとも3つのアームを含むことができ、アームはポリマー鎖に相当する。星型ブロックの核におけるブロックは親水性ブロックであってもよく、外側ブロックはPLLAであってもよい。
スキャフォールドは、PLLAおよび親水性ブロックを含むブロックコポリマーから完全または略完全にできていてもよい。実施の形態によっては、形状記憶コポリマーは別のポリマーと混合されない。しかし、スキャフォールドは、少量の他の添加剤、例えば、0.1から2重量%の酸化防止剤、無機補強剤、または治療薬等を含んでもよい。
別の実施の形態はブロックコポリマーと別のポリマーとの混合である。スキャフォールドはさらに、ポリマーと薬物コーティングとを含む。
代替の実施の形態において、PLLAスキャフォールドはブロックコポリマーのコーティングを有していてもよい。PLLAスキャフォールドは、ブロックコポリマー、例えば、PLLA−b−PEGに浸漬してもよく、またはこれをスプレーコーティングしてもよい。形状記憶コーティングは、組織を覆う前のPLLAの亀裂伝搬およびストラット分離を減らす、または防ぐことができる。コーティングは2から20ミクロン(μm)であってもよい。
上で説明したように、ブロックコポリマースキャフォールドは、生理的条件において形状記憶特性を呈してもよい。形状記憶特性とは、材料が温度変化または温度遷移等の外的刺激(トリガ)によって誘発される変形状態(一時的形状)から元の(恒久的な)形状へ戻る能力を指す。本発明のスキャフォールドは、圧着された、または減少された直径から生理的条件において展開する場合に、作製された直径に戻るか、または自己拡張する性向を有する。
形状記憶ポリマーの温度遷移の温度とは、材料がある状態から別の状態に変化する温度である遷移温度(Ttrans)を指す。一般に、Ttransは、融解温度(Tm)またはガラス転移温度(Tg)のいずれかであってよい。本発明において、スキャフォールドのブロックコポリマーのTgは、埋め込まれたスキャフォールドの形状記憶挙動の誘発に関連した温度遷移である。Ttransは通常、示差走査熱量測定(DSC)、熱機械分析(TMA)、または動機械的熱分析(DMA)によって決定される。DSCが熱容量の変化を測定し、TMAが熱膨張係数の変化を測定する一方で、DMAは温度遷移中の弾性率の変化を測定する。分子量における固有の多分散性、および網目(ネットワーク)鎖の不完全な空間分布により、ポリマー独特の熱的特性は、ある特定の温度ではなく、温度範囲として定義されねばならない。しかし、比較を容易にするために、幅広い遷移の頂点または中点から得た単一のTtrans(TmまたはTg)値は、頻繁に文献で報告されている。
ここで説明するように、スキャフォールドのブロックコポリマーは、主にポリ(L−ラクチド)と、少量の親水性ポリマーとから成り、どちらもブロックコポリマーのブロックの形状を成す。ポリ(L−ラクチド)と共に、少量の親水性ポリマーは生理的条件における脈管内での展開時に形状記憶挙動を呈する。
ブロックコポリマースキャフォールドを、所定の直径のブロックコポリマー管材料から作製し、これを、カテーテルバルーンを覆う減少された直径に圧着してもよい。圧着されたスキャフォールドは、脈管の中で減少直径から目標または公称の拡張直径まで展開される。スキャフォールドは自己拡張する性向を持つが、カテーテルバルーンに支援されて拡張する。スキャフォールドはさらに、目標直径に対してスキャフォールドをオーバーサイズ(すなわち、目標直径よりも大きい作製されたままの直径)にすることによって目標直径において外向きの力を呈するように作製されてもよい。外向きの力は、内腔を目標直径に維持する径方向の外向きの力を超える残留力である。オーバーサイズにすることは、可撓性を増加させ、形状記憶の係数を低くし、スキャフォールドを補強するという理由から有利である。
オーバーサイズ(所定のサイズより大きい)のスキャフォールドは、目標直径(6から8mm)よりも大きい直径(例えば、8から10mm)を有する管からできている。管材料を意図する目標直径よりも大きく拡張することによって管をオーバーサイズにしてもよい。また、拡張により、埋込の早い期間において狭窄動脈を治療するのに十分なスキャフォールドの径方向強度およびスティフネスを生じる。オーバーサイズにより、展開されたスキャフォールドは、血管壁に目標直径で外向きの力をかけ、その結果、脈管を目標直径よりも僅かに大きい直径に拡張することができる。外向きの力は、ニチノールステント等の自己拡張型金属ステントが与える慢性的な外向きの力に類似する。
37℃の生理的条件および血液の水和において、生体吸収性ブロックコポリマーは温度遷移を呈し、その結果、スキャフォールドが自己拡張し、血管壁に外向きの残留力を作用させる、またはその両方の傾向を含む形状記憶挙動が生じる。しかし、形状記憶挙動は時間依存的様式で作用する。恒久的なニチノールステントとは対照的に、自己強化型生体吸収性スキャフォールドは分解し、時間と共にその外向き残留力を減らし、独立した負荷支持部材から組織に組み込まれた複合材へと変わり、最終的には、著しい慢性的血管損傷を何ら生じることなく消滅する。
骨格特性(径方向強度/スティフネス/ひずみ回復)の制御による減少メカニズムは、埋め込まれたセグメント(部分)の組織コンプライアンス(物体の変形のしやすさ)(血管埋込の場合は血管コンプライアンス)の不適合を低減する。具体的には、スキャフォールドは3段階で劣化する。
第1段階では、ポリマー鎖の加水分解により主として分子量が減少する。この第1段階では、径方向強度および径方向スティフネス等の機械的特性は、スキャフォールドが目標直径で脈管を支持するように、まったく変化しないか、変化してもごく僅かである。これにより、スキャフォールドが消滅した後は脈管が再構築された直径で自身を支持できるよう強化する脈管壁の再構築が可能となる。膨潤によるスキャフォールドの含水率は加水分解を加速する。
第2段階では、スキャフォールドの径方向強度およびいずれの外向き残留力も含む機械的特性が減少する。特に径方向強度の減少は、結果として、スキャフォールドから脈管壁への脈管壁の負荷または支持の転移を生じる。また、第2段階において、スキャフォールドは機械的特性の劣化により分解し始める。分解前に、スキャフォールドは組織に覆われるのが好ましい。水溶性の親水性ポリマーブロックは、第1および第2段階中にスキャフォールド外に浸出し、親水性ブロックの割合が減少する。
第2段階と部分的に重なることもある第3段階では、スキャフォールドが侵食され、最終的に埋込部位から完全に消滅する。埋込から第3段階までに、脈管のコンプライアンスは、スキャフォールドのコンプライアンスから、再構築され増加した直径でスキャフォールドに支持されていない脈管の自然コンプライアンスであるコンプライアンスへ次第に増加する。
PLLAスキャフォールドにとって、コンプライアンスの増加は、主にスキャフォールドの分解により生じる。しかし、ブロックコポリマースキャフォールドのコンプライアンスは、ブロックコポリマーの膨潤により、スキャフォールドが破損することがなくても、著しく増加する。
スキャフォールドの外向き残留力は、自己拡張型ニチノールスキャフォールドの慢性的な外向き力の残留力よりも低く、従って、ニチノールインプラントよりも傷つけない。加えて、外向き残留力は一時的なものであり、最終的には消失する。さらに、開示する構造のスキャフォールドによって提供される軸方向および径方向の可撓性は、さもなければ化学的または機械的な劣化のいずれかが始まる前でも潜在的に生じる急性損傷さえも低減する。
PLLAスキャフォールドのTgは、乾燥状態で約60〜65℃であり、従って脈管内での膨張時に形状記憶特性を呈さない傾向にある。具体的には、PLLAスキャフォールドは目標直径まで拡張されるが、生理的条件において自己拡張する傾向を呈さず、また脈管の開存性を維持する力を超える残留力を働かせることはない。生理的条件(例えば、37℃で湿潤)におけるスキャフォールドのTg間での大きな違いは、自己拡張の傾向または残留力を与える温度遷移が無いことが原因である。
親水性ポリマーは、乾燥または湿潤状態でのPLLAよりも低い乾燥または湿潤状態でのTgをそれぞれ有してもよい。従って、本発明のスキャフォールドのブロックコポリマーのガラス転移温度(Tg)は、特に湿潤状態においてPLLAスキャフォールドよりも低い。
PEGのTgは〜22.37℃であり、従ってブロックコポリマーのTgは、乾燥および湿潤生理状態の両方においてPLLAよりも低い可能性がある。PVAおよびPVP等のいくつかの親水性ポリマーは、乾燥状態で、PLLAよりも高いTg、それぞれ、〜85℃と〜175℃を有する。しかし、湿潤生理状態におけるブロックコポリマーは、ブロックコポリマーのTgを低下させる親水性ブロックにより膨潤する。
37℃の生理的条件近傍またはそれ未満へのスキャフォールドのTgの低下は、脈管における目標直径への膨張時に形状記憶特性に寄与する。スキャフォールドコポリマーのTgが、生理温度に十分近いと、スキャフォールドが元の作製された直径に向かって自己拡張する傾向を呈する。この傾向はスキャフォールドの反跳を低減するか、解消する。スキャフォールドがオーバーサイズであれば、スキャフォールドは脈管の目標直径を維持するのに必要とされる力を超える外向き残留力を脈管壁に働かせる。残留力はさらにスキャフォールドの反跳を低減するか、解消する。
乾燥または湿潤条件におけるスキャフォールドのブロックコポリマーのTgは、PLLAスキャフォールドのTgよりも低い5から10℃、10から20℃、10から30℃、20から30℃であってもよい。代替として、ブロックコポリマースキャフォールドのTgは、30から37℃、37から40℃、37から50℃、40から45℃、45から50℃、または50から55℃であってもよい。ホモポリマーとしての親水性ポリマーのTgは、37℃未満、25℃未満、0から25℃、または−70から0℃であってもよい。
上で示したように、形状記憶コポリマーの温度遷移は、温度遷移Trans、例えばTgのみである必要はなく、その付近で生じてもよい。従って、スキャフォールドのブロックコポリマーは、スキャフォールドが形状記憶特性を呈する当該温度でTgを有する必要はない。温度遷移は幅の広い様々な温度を有してもよく、すなわち、温度遷移はコポリマーのTg未満の特定のΔT内で生じてもよい。コポリマーは選択された幅の広いTgおよびTmの両方を有するように設計されてもよい。例えば、コポリマーは、Tg>37℃を有する形状記憶スキャフォールドに対して広範なTgおよび急峻なTmを有してもよい。広範のTgまたはTmは5と20℃の間のΔTとして定義されてもよい。狭いTgまたはTmは5と10℃の間のΔTとして定義されてもよい。代替として、コポリマーは、Tg<37℃を有する形状記憶スキャフォールドに対して急峻なTmおよび急峻なTgを有してもよい。
形状記憶ポリマーはまた、十分に高い分子量、例えば、100kDaよりも大きい分子量のブロックを有するブロックコポリマーにおいて生じる2つ以上のTgを呈してもよい。
本発明のブロックコポリマースキャフォールドの別の利点は、スキャフォールドポリマーの脆化の原因となる物理的な経年変化が、PLLAスキャフォールドの場合よりも短い時間枠にわたって生じることである。一般に、製作後、スキャフォールドのポリマーは、特性が安定するまである期間にわたって起こる緻密化と呼ばれるプロセスを経る。ポリマーが安定するまでにかかる時間は、Tgが高ければ長くなる。形状記憶コポリマーのTgが低いと、物理的経年変化プロセスは速くなり、より速く安定する。例えば、40と50℃の間のTgでは、ポリマーは0と60日の間で安定する。その結果、埋込に用いられる製品は特性の高度な調和を有する。
SFA用途に対してPLLAからできているステントスキャフォールドパターンは、高い圧潰回復と圧潰耐性を有するように設計されている。圧潰回復は、締付または圧潰負荷を受けるスキャフォールドの回復を表す。具体的には、圧潰回復は、圧潰した形状または直径の特定の割合からのスキャフォールドの圧潰前の形状または直径に対する回復率として表されてもよい。圧潰耐性は、スキャフォールドの恒久的な変形を生じるために必要な最小の力である。
圧潰回復可能なPLLAスキャフォールドは、米国特許出願公開第2011/0190872号明細書および米国特許出願公開第2011/0190871号明細書に開示されている。これらのスキャフォールドは、その拡張直径の少なくとも50%まで圧潰された後に約80%を超えるその直径を達成している。スキャフォールドはまた、0.3N/mmを超える径方向スティフネスも有する。かかるスキャフォールドはまた、少なくとも0.4N/mmの正規化径方向強度も有している。本発明者らは、末梢用途に用いるためのスキャフォールドがこれらの径方向スティフネスおよび径方向強度の最小値を有していなければならないことを見出した。
本発明の実施の形態はさらに、高い圧潰回復、選択された径方向スティフネスおよび径方向強度に加えて、展開時に反跳を低減するか、解消する、破損に対する高い耐性および自己拡張型特性も有する生体吸収性スキャフォールドを含む。これらの実施の形態は、先に開示した圧潰回復可能なスキャフォールドと、ここに開示する形状記憶ブロックコポリマーからできている、ここに開示する追加の圧潰回復可能なスキャフォールドとを含む。本発明者らは、スキャフォールドと形状記憶ブロックコポリマーの適切な組み合わせが、結果として所望の性能特性を有するスキャフォールドを生じ得ることを見出した。
末梢(SFA)用途に対する本発明のスキャフォールドは、通常、約36と40mmの間の長さ、または、例えば浅大腿動脈に埋め込まれる場合には、40と200mmの間の長さであってもよい。SFA用途に対するスキャフォールドの圧着前直径は、5〜10mmの間、またはより狭く、6〜8mmであってもよい。SFAに対するスキャフォールドの壁厚は、0.20mm(約0.008インチ)から0.36mm(0.014インチ)であってもよく、直径約1.8〜2.2mm(例えば、2mm)の圧着プロファイルから、例えば、直径6.5mmの非順応性または半順応性バルーンによって展開されるように構成されてもよい。SFAスキャフォールドは、約4mmと10mmの間、またはより狭く、7から9mmの間の直径まで展開されてもよい。
これらの圧潰回復可能なブロックコポリマースキャフォールドは、その拡張直径の少なくとも50%まで圧潰された後に約80%を超えるその直径を達成できる。加えて、かかる圧潰回復可能なブロックコポリマースキャフォールドは、ここに記載する、および引用出願に記載される手法によって計測されるように、約0.3N/mm超、約0.3と1.2N/mmの間、または、約0.3と1.2N/mmの間の正規化径方向強度と、約0.3N/mm超、または、約0.3と2N/mmの間の径方向スティフネスとを有する。
圧潰回復可能なスキャフォールドパターンの第1の実施の形態を図1に示す。図1は、ストラット230によって形成される長手方向に離間するリング212を含むパターン200を示している。図1のパターン200は、軸A−Aがスキャフォールドの中心軸または長手方向軸と平行であるような、(図2の3次元空間で部分的に示すような)管状スキャフォールド構造を表している。図2は、圧着前または展開後の状態のスキャフォールドを示す。図2から分かるように、スキャフォールドは、略管状の本体を画成するストラットおよびリンクのオープン式枠組みを備えている。その円筒管は、図1で説明するストラットおよびリンクのこのオープン式枠組みに形成されてもよい。
図1において、リング212は、それぞれが軸A−Aと平行に延在するいくつかのリンク234によって隣接リングに接続される。スキャフォールドパターン(パターン200)のこの第1の実施の形態において、4つのリンク234が、図1では、その左右にリングを有するリングである内部リング212を、2つの隣接するリングそれぞれに接続する。従って、リング212bは、4つのリンク234によってリング212cに、そして、4つのリンク234によってリング212aに接続される。リング212dは、図1のその左のリングのみに接続される端部リングである。
リング212は、冠部207、209、および210で接続されるストラット230によって形成される。リンク234は、冠部209(W字形冠部)および冠部210(Y字形冠部)でストラット230と接合される。冠部207(自由冠部)はそれに接続されるリンク234を持っていない。冠部中央から一定の角度で冠部207、209、および210から延在するストラット230、すなわち、リング212は、他の実施の形態において、湾曲したストラットを有するリングが考えられるが、パターン200に対して正弦波形とは対照的に、略ジグザグ形状であるのが好ましい。このように、この実施の形態において、隣接する冠部207および209/210間の長手方向距離であるリング212の高さは、冠部において、冠部角度θで接続する2つのストラット230の長さから導出されてもよい。いくつかの実施の形態において、異なる冠部での角度θは、リンク234が自由冠部または未接続冠部、W字形冠部またはY字形冠部に接続されているかどうかによって変わる。
リング212のジグザグ変化は主に、スキャフォールドの周囲で(すなわち、図1の方向B−Bに沿って)生じる。ストラット212の重心軸は主に、スキャフォールドの長手方向軸から略同じ径方向距離にある。圧着および展開中での、リングを形成するストラット間のすべての相対運動も、径方向ではなく軸方向に生じるのが実質的に理想である。以下でより詳細に説明するが、ポリマースキャフォールドは、しばしば、位置合わせ不良および/または印加される不均一な径方向負荷を原因とする、このような方法では変形しない。
リング212は、圧着中により小さい直径につぶすことができ、脈管内での展開中により大きな直径に拡張できる。開示の一態様によれば、圧着前の直径(例えば、スキャフォールドが切断される軸方向および径方向に拡張された管の直径)は常に、デリバリーバルーンが膨張時に生成できるまたは膨張時に可能である、最大に拡張されたスキャフォールドの直径よりも大きい。一実施の形態によれば、デリバリーバルーンが過度に膨張したか、バルーンカテーテルにとってその最大使用直径を超えて膨張した場合であっても、圧着前の直径はスキャフォールドの拡張直径よりも大きい。
パターン200は、4つのリンク237(各端部に2つであり、ひとつの端部のみを図1に示す)を含み、リンク237は、リンク237によって形成された一対の横方向に離間した孔のそれぞれにおいて、放射線不透過物質を受容するように形成された構造を有する。これらのリンクは、圧着中に、リンクを超えるストラットの折り畳みに干渉することを防ぐように構成される。以下でより詳細に説明するように、このことは、ほぼ最小の直径(Dmin)に圧着されることが可能なスキャフォールド、または、圧着時に放射線不透過マーカ保持構造が利用できる空間を実質上持たないスキャフォールドに必要である。
圧潰回復可能なスキャフォールド構造の第2の実施の形態は、図3に示すパターン300を有する。パターン200と同様に、パターン300は、ストラット330によって形成される長手方向に離間するリング312を含んでいる。リング312は、それぞれが軸A−Aと平行に延びるいくつかのリンク334によって隣接リングに接続される。上記の図1におけるリング212、ストラット230、リンク234、および冠部207、209、210に関連する構造の説明は、第2の実施の形態のリング312、ストラット330、リンク334、および冠部307、309、および310にもそれぞれ適用されるが、第2の実施の形態において、隣接する各対のリング同士を接続する、4つではなく、3つのみのストラット334が存在する点は除く。従って、第2の実施の形態において、リング312bは、3つのみのリンク334によってリング312cに接続され、3つのみのリンク334によってリング312aに接続される。リンク237と同様に、放射線不透過マーカを受容するよう形成されたリンクが、リング312cおよびリング312dの間に含まれてもよい。
図4Aおよび図4Bは、パターン300およびパターン200のそれぞれに関連する閉セル要素の繰返しパターンの態様をそれぞれ示している。図4Aは図3の仮想ボックスVAによって囲まれたパターン300の一部を示し、図4Bは図1の仮想ボックスVBによって囲まれたパターン200の一部を示している。そこでは、セル304およびセル204をそれぞれ示す。図4A、図4Bにおいて、垂直軸基準が軸B−Bおよび長手方向軸A−Aによって示されている。パターン200において、リング212の各対によって形成される4つのセル204があり、例えば、4つのセル204が、リング212bおよび212cと、このリング対を接続するリンク234とによって形成され、別の4つのセル204が、リング212aおよび212bと、このリング対を接続するリンクとによって形成される等である。対照的に、パターン300においては、リング対とそれらの接続リンクとによって形成される3つのセル304がある。
図4Aを参照すると、セル304の空間336および336aは、図示の長手方向に離間されたリング312bおよび312c部分と、リング312bおよび312cを接続する円周方向に離間され、平行なリンク334aおよび334cとによって囲まれている。リンク334bおよび334dは、それぞれ図3の左右に隣接するリングにセル304を接続する。リンク334bはW字形冠部309においてセル304に接続している。リンク334dはY字形冠部310においてセル304に接続している。「W字形冠部」は、冠部310においてストラット330とリンク334との間に延在する角度が鈍角である(90°超)冠部を指す。「Y字形冠部」は、冠部309においてストラット330とリンク334との間に延在する角度が鋭角である(90°未満)冠部を指す。Y字形冠部およびW字形冠部に対する同じ定義は、セル204にも適用する。セル304には、冠部において接続されるリンク334が無い8つの冠部として理解されるであろう、8つの接続された、すなわち自由冠部307がある。セル304には、Y字形冠部とW字形冠部との間に、ひとつまたは3つの自由冠部がある。
図4Aのセル304の更なる態様は、それぞれの冠部307、309、および310での角度を含む。一般には互いに等しくない(例えば、図5Aの、パターン300を有するスキャフォールドの「V2」および「V23」の実施の形態を参照)これらの角度は、図4Aにおいて、冠部307、309、および310とそれぞれ関連して角度366、367、および368として示されている。パターン300を有するスキャフォールドでは、ストラット330はストラット幅361およびストラット長さ364を有し、冠部307、309、310は冠部幅362を有し、リンク334はリンク幅363を有している。各リング312はリング高さ365を有している。冠部における半径は一般に、互いに等しくない。冠部の半径は、図4Aにおいて、半径369、370、371、372、373、および374として示されている。
セル304は、W−V字形閉セル要素として考えられてもよい。「V」部分は、図5Aにおいて文字「V」と類似する網掛け領域336aを指す。残りの網掛けされていない部分336、すなわち「W」部分は、文字「W」と類似している。
図4Bを参照すると、セル204の空間236は、図示の長手方向に離間されたリング212bおよび212cの部分と、これらのリングを接続する円周方向に離間され、平行なリンク234aおよび234cとによって囲まれている。リンク234bおよび234dは、それぞれ図1の左右に隣接するリングにセル204を接続する。リンク234bはW字形冠部209においてセル236に接続している。リンク234dはY字形冠部210においてセル236に接続している。セル204には、冠部において接続されるリンク234が無い4つの冠部として理解されるであろう、4つの冠部207がある。セル204には、各Y字形冠部とW字形冠部との間に、ひとつだけ自由冠部がある。
図4Bのセル204の更なる態様は、それぞれの冠部207、209、および210での角度を含む。一般には互いに等しくない(例えば、図5Bの、パターン200を有するスキャフォールドの「V59」の実施の形態を参照)これらの角度は、図4Bにおいて、冠部207、209、および210とそれぞれ関連して角度267、269、および268として示されている。パターン200を有するスキャフォールドでは、ストラット230はストラット幅261およびストラット長さ266を有し、冠部207、209、210は冠部幅270を有し、リンク234はリンク幅261を有している。各リング212はリング高さ265を有している。冠部における半径は一般に、互いに等しくない。冠部の半径は、図4Bにおいて、内側半径262および外側半径263として示されている。
セル204は、W字形閉セル要素として考えられてもよい。セル204によって囲まれる空間236は文字「W」と類似している。
図4Aと図4Bとを比較すると、W字形セル204は軸B−Bおよび軸A−Aについて対称であるのに対して、W−V字形セル304はこれらの軸の両方について非対称であることが理解できる。W字形セル204は、リンク234間にたった1つの冠部207しか持たないことを特徴とする。従って、Y字形冠部またはW字形冠部は常に、パターン200の各閉セルでは冠部207それぞれの間にある。この意味では、パターン200は繰返し閉セルパターンを持ち、それぞれが、リンク234によって支持されない2つ以上の冠部を持たないことが理解されるであろう。対照的に、W−V字形セル304は、W字形冠部とY字形冠部との間に3つの支持されていない冠部307を持つ。図4Aから理解できるように、リンク334dの左側に3つの支持されていない冠部307があり、リンク334bの右側に3つの支持されていない冠部307がある。
圧潰回復可能なスキャフォールド構造(ここでは「V79」と称する)の第3の実施の形態は、図6に示すパターン400を有している。パターン400は、Visicon Finescan(TM) Stent Inspection Systemによって生成された展開後のスキャフォールドの一部の画像であり、実施例において詳細に検討されている。従って、種々のストラット間の角度における一定量のひずみが明らかである。パターン200および300と同様に、パターン400は、ストラット430によって形成される長手方向に離間されるリング412を含んでいる。リング412は、それぞれが軸A−Aと平行に延在するリンク434によって隣接リングに接続される。上記の図1におけるリング212、ストラット230、リンク234、および冠部207、209、210に関連する構造の説明は、第3の実施の形態のリング412、ストラット430、リンク434、および冠部407、409、および410にもそれぞれ適用されるが、第3の実施の形態において、隣接する各対のリング同士を接続する、4つではなく、2つのみのストラット434が存在する点は除く。従って、第3の実施の形態において、リング412bは、2つのみのリンク434によってリング412cに接続され、2つのみのリンク434によってリング412aに接続される。
W字形冠部で開始され、リングの周囲に進むクレスト(頂点)の順序は:W字形冠部、3つの自由冠部、Y字形冠部、2つの自由冠部、W字形冠部等である。図6に示すパターンは、2つのW字形冠部および2つのY字形冠部を有している。従って、W字形冠部とY字形冠部との間には2つか、3つのいずれかの自由冠部がある。リンク237と同様に、放射線不透過マーカを受容するよう形成されるリンクが、2つのリング間に含まれてもよい。
図7は、仮想ボックスVCによって囲まれたパターン400の一部を示している。そこでは、セル404を示す。図7において、垂直軸基準が軸B−Bおよび長手方向軸A−Aによって示されている。パターン400において、リング412の各対によって形成される2つのセル404があり、例えば、2つのセル404が、リング412bおよび412cと、このリング対を接続するリンク434とによって形成され、別の2つのセル404が、リング412aおよび412bと、このリング対を接続するリンクとによって形成される等である。
図7を参照すると、セル404の空間436および436aは、図示の長手方向に離間されたリング412bおよび412c部分と、リング412bおよび412cを接続する円周方向に離間され、平行なリンク434aおよび434cとによって囲まれている。リンク434bおよび434dは、それぞれ図6の左右に隣接するリングにセル404を接続する。リンク434bはW字形冠部409においてセル404に接続している。リンク434dはY字形冠部410においてセル404に接続している。セル404には、冠部において接続されるリンク434が無い12の冠部として理解されるであろう、12の接続されていない冠部、すなわち自由冠部407がある。セル404には、Y字形冠部とW字形冠部との間に、2つまたは3つの自由冠部がある。
図7のセル404の更なる態様は、それぞれの冠部407、409、および410での角度を含む。一般には互いに等しくない(例えば、図5Aの、パターン300を有するスキャフォールドの「V2」および「V23」の実施の形態を参照)これらの角度は、図7において、冠部407、409、および410とそれぞれ関連して角度466、467、および468として示されている。パターン400を有するスキャフォールドでは、ストラット430はストラット幅461およびストラット長さ464を有し、冠部407、409、410は冠部幅462を有し、リンク434はリンク幅463を有している。各リング412はリング高さ465を有している。冠部における半径は一般に、互いに等しくない。冠部の半径は、図7において、半径469、470、471、472、473、および474として示されている。
セル404は、W−W字形閉セル要素として考えられてもよい。網掛けされていない領域436および網掛けされている領域436aはそれぞれ、文字「W」と類似している。
ステントスキャフォールドは、ブロックコポリマーからできているポリマー管を押出成形し、管をレーザ切断してスキャフォールドを形成することによって形成される。ここで説明する生体吸収性スキャフォールドの作製方法は、以下のステップを含むことができる:
(1)押出成形を用いてポリマー管を形成する、
(2)形成された管を径方向に変形する、
(3)レーザ切断により変形した管にステントパターンをレーザ加工することによって、ステント骨格を変形した管から形成する、
(4)骨格を覆う治療用コーティングを任意に形成する、
(5)デリバリーバルーンの上にステントを圧着する、
(6)電子ビーム(E−ビーム)照射により殺菌する。
押出成形ステップにおいて、ポリマーはコポリマーの融解温度よりも高温で押出成形機において加工される。
上記のステップ(2)において、押出成形された管は径方向に変形されて、管の径方向強度を向上し、このようにステント完成品にされてもよい。強度の向上により、埋込部位で拡張された場合にスキャフォールドを用いて内腔を支持するのに必要なストラットの厚さが低減される。例示の実施の形態において、ストラットの厚さは、100〜200ミクロン(μm)、より狭く、120〜180、140〜160、または160〜200ミクロン(μm)であってもよい。
生体吸収性ステントの製造プロセスの詳細な検討は、他で、例えば、米国特許公開第2007/0283552号明細書および米国特許出願公開第2012/0073733号明細書で見ることができ、本明細書に引用して組み込む。
「分子量」は、数平均分子量(Mn)または重量平均分子量(Mw)のいずれかを指す。本明細書中で分子量の参照は、特に指定が無い限り、MnまたはMwのいずれかを指す。
「半結晶性ポリマー」は、結晶性分子構造領域とアモルファス領域を有するか、または有することが可能なポリマーを指す。結晶性領域は、晶子またはスフェルライトと呼ばれ、アモルファス領域内に分散または組み込まれる。
「ガラス転移温度」Tgは、ポリマーのアモルファス領域が、大気圧で、脆いガラス質状態から変形可能なつまり延性のある固体状態へと変化する温度である。換言すると、Tgは、ポリマー鎖内で部分運動が開始される温度と一致する。アモルファスまたは半結晶性のポリマーが上昇する温度に暴露されると、ポリマーの膨張係数および熱容量は温度が上昇するにつれて共に増加し、分子運動の増加を示す。温度が上昇すると熱容量が増加する。熱容量の増加は、運動による熱放散の増加と一致する。所与のポリマーのTgは、加熱速度に依存することがあり、結晶化度はもとよりポリマーの熱履歴の影響を受けることがある。更に、ポリマーの化学的構造が、モビリティ(可動性)に影響を与えることによりガラス転移に大きく影響する。
Tgは、ガラス転移が起きる温度範囲全体のほぼ中央点として決定できる[ASTM D883−90]。Tgの最も頻繁に使用される定義は、示差走査熱量測定法(DSC)で加熱したときのエネルギー放出を用いる。本明細書で使用する場合、Tgは、示差走査熱量測定法(DSC)により20℃/分の加熱速度で測定されたガラス転移温度を指す。
「融解温度」(Tm)は、材料が固体状態から液体状態に変化する温度である。ポリマーにおいて、Tmは、半結晶相が融解しアモルファス状態になるピーク温度である。かかる融解プロセスは通常、比較的狭い範囲内(<20℃)で行われ、従って、Tmを単一の値として報告しても構わない。
「応力」は、面内の小領域に作用する力のような単位面積当たりの力を指す。応力は面に垂直な成分と平行な成分とに分けられ、それぞれ垂直応力、剪断応力と呼ばれる。例えば、引張り応力は、拡張(長さの増加)をもたらすように加えられる応力の垂直成分である。更に圧縮応力は、材料に加えられる応力の垂直成分であり、圧縮を生じる(長さの減少)。応力は材料の変形を生じ、変形は長さの変化を指す。「拡張」または「圧縮」は、試料が応力を受けた時の、試料の材料の長さの増加または減少として定義される。
「ひずみ」は、応力または負荷が加えられたときに材料内に生じる拡張または圧縮の量を指す。ひずみは、元の長さに対する比率または百分率、すなわち、長さを元の長さで除した変化として表してもよい。従ってひずみは、拡張ではプラス、圧縮ではマイナスの値となる。
「強度」は、材料が破壊する前に耐える軸方向の最大応力を指す。最終的な強度は、試験中に加えられた最大負荷を元の断面積で除して計算する。
「弾性係数」は、材料に加えた応力つまり単位面積あたりの力の成分を、加えた力から生じる、加えた力の軸方向のひずみで除した比率として定義される。弾性係数は、線形領域内の低ひずみにおける応力−ひずみ曲線の初期勾配とするのが典型的である。例えば、材料は引張りおよび圧縮の弾性係数を有する。
材料に加えられる引張り応力は、材料が破壊する前に耐える最大引張り応力を指す「引張り強度」に達するまで増加させることができる。最終的な引張り強度は、試験中に加えられた最大負荷を元の断面積で除して計算する。同様に、「圧縮強度」は軸方向に直接押す力に耐える材料の能力である。圧縮強度の限界に達すると材料は押しつぶされる。
「靱性」は、破壊する前に吸収されるエネルギーの量、または同様に、材料を破壊するのに必要な仕事量である。靱性の一尺度は、ひずみがゼロの時から破壊された時のひずみまでの応力−ひずみ曲線の下の面積である。この場合の靱性の単位は、材料の単位体積あたりのエネルギーである。例えば、L.H.Van Vlackの「Elements of Materials Science AND Engineering」pp.270〜271、Addison−Wesley(Reading、PA、1989)を参照のこと。
[実施例]
トリブロックコポリマーからできているスキャフォールドサンプルを、組成90.4/9.6(w/w%)PLLA/PEGを有するPLLA−b−PEG−b−PLLAで調製した。PLLAおよびポリ(L−ラクチド−co−カプロラクトン)(95:5および90:10)を調製し、比較のために試験した。2ロットのPLLAスキャフォールドを用意した。サンプルをe−ビーム殺菌後、試験した。
また、ポリ(DL−ラクチド)/エベロリムスコーティングを有するスキャフォールドも試験した。
[加工:]
90:10 PLLA−PEGコポリマーを、押出成形(温度約185℃(365°F))により加工して、内径1.50mm(0.059インチ)の管を形成した。また、PLLA管も、232℃(450°F)の押出成形温度を用いて用意した。管を、それらのTgよりも高いがTmよりも低い温度で、外径7mmに拡張した。次いで、PEG−PLLAポリマー管をV79スキャフォールドパターンにレーザ切断した。次いで、PLLAポリマー管をV59スキャフォールドパターンにレーザ切断した。
3.2の固有粘度(IV)を有する90:10 PLLA−PCLを、押出成形(含水率310ppm、温度約193℃(380°F))により加工して、内径1.50mm(0.059インチ)の管を形成した。管を、そのTgよりも高いがTmよりも低い温度で、外径8mmに拡張した。次いで、それをV79スキャフォールドパターンにレーザ切断した。押出成形された管材および拡張された管材のL−ラクチドモノマー含有率は0.12%であった。
3.8のIVを有する95:5 PLLA−PCLを、押出成形(含水率320ppm、温度約188℃(370°F))により加工して、内径1.50mm(0.059インチ)の管を形成した。次いで、管を、そのTgよりも高いがTmよりも低い温度で、外径7mmに拡張した。次いで、それをV79スキャフォールドパターンにレーザ切断した。押出成形した管材料および拡張された管材料のL−ラクチドモノマー含有率は0.11%であった。
スキャフォールドサンプルを、パッケージ化され、e−ビームで殺菌した折り畳まれたOmnilink Elite PTAバルーン(カリフォルニア州サンタクララ、Abbott Vascular Inc.製)に48℃で圧着した。
[ガラス転移温度]
PLLA−PEGブロックコポリマーおよびPLLAのガラス転移温度を、DSC解析を用いて測定した。PLLA−PEGブロックコポリマーは、PLLAの約61℃と比較して、46℃のTgを有している。低下したTgにより、向上した可撓性が与えられ、トリブロックコポリマーの自己拡張性質に寄与している。
[径方向強度およびスティフネス]
径方向強度およびスティフネスを、MSI試験機(アリゾナ州フラッグスタッフ、Machines Solutions Inc.製)で測定した。すべてのスキャフォールドに対する径方向強度は、0.4 N/mmよりも大きかった。両方とも無菌および無コートPLLAおよびPLLA−PEG V79スキャフォールドの径方向強度およびスティフネスを、表1で比較する。
図8Aは、PLLA V79およびPLLA−PEG V79スキャフォールドに対する径方向強度およびスティフネスを示している。図8Bは、PLLA V59およびPLLA−PEG V79スキャフォールドのいくつかのサンプルに対する径方向強度およびスティフネスを示している。図9は、PLLA V79スキャフォールド、95:5 PLLA−PCL無コートV79スキャフォールド、95:5 PLLA−PCLコートV79スキャフォールド、90:10 PLLA−PCL無コートV79スキャフォールド、および90:10 PLLA−PCL無コートV79スキャフォールドに対する径方向強度およびスティフネスを示している。
[結晶性]
押出成形材料として用いるポリマーペレット、押出成形した管、拡張した管、および殺菌したスキャフォールドの結晶性を表2に示す。
[分子量:]
PLLAおよびPLLA−PEGブロックコポリマースキャフォールドの数平均分子量(Mn)を、e−ビーム殺菌の前後で測定し、結果を表3に示した。
[拡張後から破損まで:]
スキャフォールドサンプルを圧着直径から拡張し、破損時の最小外径を観測した。表4は、拡張後から破損までの結果を集計している。
[圧潰回復:]
2ロットのV59 PLLAスキャフォールド、V79 PLLAスキャフォールド、およびV79 PLLA−PEGスキャフォールドの圧潰回復を試験し、結果を図10に示す。
[軸方向疲労:]
V79 PLLA、V59 PLLA、V79 PLLA−PEG、V79 95:5 PLLA−PCL、およびV79 90:10 PLLA−PCLスキャフォールドを、軸方向疲労試験にかけた。
スキャフォールドをシリコーンシーラントでコーティングし、2つの異なる硬度でシリコーン管材内部で展開した。サンプルを24時間乾燥させ、管を7%まで軸方向に引張した。次いで、スキャフォールドサンプルを、37℃の循環水中において1Hzで500kサイクルにかけた。スキャフォールドサンプルを異なる時点で破損について検査した。表5は、軸方向疲労試験のデータを集計している。
PLLA−PEGスキャフォールドサンプルは、500kサイクルでは何の破損もなかった。他のスキャフォールドは500kサイクルで破損が見られた。図11は、サイクル数対V59 PLLAおよびV79 PLLA−PEGスキャフォールドの破損を示している。図12は、V79 PLLA、V79 95:5 PLLA−PCL、およびV79 90:10 PLLA−PCLスキャフォールドに対する軸方向疲労試験後のリングおよびコネクターリンクにおける不連続性のカウントを示している。図13は、V79 PLLA、V79 95:5 PLLA−PCL、およびV79 90:10 PLLA−PCLスキャフォールドに対する軸方向疲労試験後のリングおよびコネクターリンクにおける不連続性の百分率を示している。
[スキャフォールド展開後の画像]
スキャフォールド展開後の画像を、Visicon Inspection Technologies, LLC(カリフォルニア州ナパ)製のVisicon Finescan (TM) Stent Inspection Systemで生成した。システムは走査カメラを用いて、スキャフォールドの平坦な、ロールしていない画像を生成する。操作において、スキャフォールドは微細な拡散面を有するマンドレルに取り付けられる。このマンドレルは、リニアアレイカメラの下に保持され、システムエレクトロニクスによって回転され、カメラを作動させて、精確に一行ごとに一連の画像データを収集するために用いられる。
図14〜16は、展開後のV59 PLLAスキャフォールドと、V79 PLLAおよびV79 PLLA−PEGスキャフォールドのそれぞれのFinescan画像を示している。本発明の特定の実施の形態を示し、説明してきたが、当業者にとって、変更および変形が本発明から逸脱することなく行われ得ることは、明らかであろう。従って、付帯する特許請求の範囲は、それらの範囲内で、本発明の真正な精神および範囲内に入るような、かかる変更および変形のいずれをも包含するものである。

Claims (20)

  1. ポリマー管から形成されるスキャフォールドを備えるステントであって、
    −バルーンに圧着されるように構成され、
    −前記スキャフォールドは、相互接続される要素のパターンを有し、
    −前記スキャフォールドは、前記バルーンによって圧着状態から拡張される場合に拡張直径を有し、
    前記スキャフォールドは、その拡張直径の少なくとも50%まで圧潰された後に約80%を超えるその直径になり、
    前記スキャフォールドの径方向スティフネスは、0.3 N/mmよりも大きく、
    前記スキャフォールドは、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)と、37℃で自己拡張型特性を呈する親水性ポリマーとのブロックコポリマーからできている、
    ステント。
  2. 前記親水性ポリマーのTgは、25℃よりも低い、
    請求項1のステント。
  3. 前記親水性ポリマーは、前記ブロックコポリマーの0.1〜10重量%である、
    請求項1のステント。
  4. 前記ブロックコポリマーのガラス転移温度(Tg)は、湿潤生理状態において37℃〜50℃の間である、
    請求項1のステント。
  5. 前記ブロックコポリマーのガラス転移温度(Tg)は、乾燥状態において37℃〜50℃の間である、
    請求項1のステント。
  6. 前記親水性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)である、
    請求項1のステント。
  7. 前記親水性ポリマーは、ポリエチレンオキシド(PEO)と、ポリビニルピロリドン(PVP)と、ポリビニルアルコール(PVA)とから成る群から選択される、
    請求項1のステント。
  8. 前記ブロックコポリマーの親水性ブロック(単数または複数)の重量平均分子量は、1〜30kDaである、
    請求項1のステント。
  9. 前記ブロックコポリマーは、PLLA−b−PEG−b−PLLAである、
    請求項1のステント。
  10. 前記ブロックコポリマーは、PLLA−b−PEGまたはPEG−b−PLLA−b−PEGである、
    請求項1のステント。
  11. ストラットが冠部を有するリングを形成し、前記リングは長手方向に延在するリンクによって相互接続され、
    前記冠部は、前記スキャフォールドが前記拡張直径を有する場合に、約90°と115°の間の最大冠部角度を有する、
    請求項1のステント。
  12. ストラットが冠部を有する波状リングを形成し、前記リングは長手方向に延在するリンクによって相互接続され、
    前記冠部は、W字形冠部、Y字形冠部、および自由冠部を含み、
    前記リンクは前記リングのW字形冠部を第1の隣接リングに接続し、別の前記リンクは前記リングのY字形冠部を第2の隣接リングに接続し、
    前記自由冠部は、リンクに接続されない、
    請求項1のステント。
  13. 前記リングは、W字形冠部、自由冠部、Y字形冠部、および自由冠部を含む配列の冠部を備える、
    請求項12のステント。
  14. 前記リングは、W字形冠部、自由冠部、Y字形冠部、3つの自由冠部、およびW字形冠部を含む配列の冠部を備える、
    請求項12のステント。
  15. 前記リングは、W字形冠部、3つの自由冠部、Y字形冠部、3つの自由冠部、およびW字形冠部を含む配列の冠部を備える、
    請求項12のステント。
  16. 前記スキャフォールドは、ストラットによって形成されるリングを有し、
    作製されたままの状態において:
    骨格の外径は8から10mmであり、前記スキャフォールドのリングに対する前記冠部角度は90と115°の間であり、前記スキャフォールドの壁厚は少なくとも0.20mm(0.008インチ)である、
    請求項1のステント。
  17. 前記骨格は、ストラットによって形成される非対称の閉セルを含み、
    前記閉セルは、長手方向曲がり軸と、前記曲がり軸に垂直な前記スキャフォールドの長手軸との両方に対して非対称である、
    請求項1のステント。
  18. 前記骨格は、冠部を形成するストラット、リンクに接続された冠部、Y字形冠部、およびW字形冠部を備える曲がり要素を有する非対称閉セルを含み、
    2つ以上の自由冠部が前記Y字形冠部と前記W字形冠部との間に配設される、
    請求項1のステント。
  19. 前記骨格は、冠部を形成するストラット、リンクに接続された冠部、Y字形冠部、およびW字形冠部を備える曲がり要素を有する対称閉セルを含み、
    2つ以上の自由冠部がY字形冠部とW字形冠部との間に配設される、
    請求項1のステント。
  20. 前記スキャフォールドパターンは、複数の冠部を有する対称閉セルを含み、
    前記冠部のいずれかは、前記スキャフォールドが前記拡張直径を有する場合に、約90°と115°の間の最大冠部角度を有する、
    請求項1のステント。
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