JP2015524914A - 微細加工シンチレーション検出器 - Google Patents

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Abstract

本発明は、液体シンチレータ材料を収容し、上記液体シンチレータ材料を流すための流路構造(26)を備える微細加工シンチレーション検出器を開示する。流路構造(26)は、第1および第2の層(34、40)に配置された、相互に流体連通する隣接流路部分(32、38)の第1および第2のセット(30、36)を備える。隣接流路部分(38)の第2のセット(36)は隣接流路部分(32)の第1のセット(30)に対して直角に向けられている。第1および第2の層(34、40)は、第1および第2の層(34、40)を一体的に連結する分離層(42)を間に挟んで相互に積み重ねられている。流路構造(26)は同時に、シンチレーション光(52)を対応する流路部分(32、38)の長手方向端部へ誘導するための導光構造を形成している。シンチレーション検出器(24)は、上記シンチレーション光(50)を受けるように配置された複数の光検出器(54)をさらに備える。

Description

本発明は粒子および放射線の検出器に関する。詳細には本発明は、液体シンチレータ材料を含む微細加工シンチレーション検出器に関する。
電離放射線を検出するためのシンチレーション検出器は1940年代から知られている。シンチレータとは荷電粒子が通過するときに可視スペクトルまたはUVスペクトルで光子を発することができる材料である。シンチレーション検出器では、適切な光検出器により、発光物質中で放射線によって生成されるシンチレーション光を検出することによって放射線が間接的に検出される。
図1は、典型的な先行技術のシンチレーション検出器10の斜視分解図である。図1に示すように、シンチレーション検出器は、検出器平面に対して斜角を有する入射放射線を遮る、すなわち吸収する金属その他の高Z材料構造からなるコリメータグリッド12を備える。コリメータグリッドの目的は、画素間の雑音およびクロストークを低減し、それによって画像解像度を高めることである。
コリメータグリッド12の下方には発光物質層14が設けられている。図1の例では、発光物質層14は、画素間のクロストークが低減されるようにするための光トラップまたは導波路として機能する別々の柱16として構築されている。光は柱16を通って入射放射線に対して平行な方向に、すなわち検出器平面に対して直角に、または面外方向に誘導されることに留意されたい。発光物質層14の下方には、光検出器マトリクス層18が設けられている。
参照符号20は、コリメータグリッド12および発光物質層14の柱16のうちの1つを通過する粒子の軌道を指示している。発光物質柱16と相互作用すると、柱16で、発光柱16と関連付けられた対応する光検出器または光検出器群によって検出されうるシンチレーションフラッシュ22が生成される。
図1に示すシンチレーション検出器設計は、高エネルギー粒子の検出のみならず、X線撮像においても非常に有効であることが証明されている。特に、図1に示す検出器設計の空間分解能は非常に高い。しかし、図1のシンチレーション検出器設計は実際には同時に欠点も有する。図1の設計の欠点の1つは比較的低い放射線耐性である。光検出器アレイ18は検出器平面に配置されているため、光検出器は検出されるべき放射線場に常にさらされており、これは、放射線場の強度によっては、光検出器の老朽化の増加につながる。またこれは発光物質層14にも当てはまり、発光物質層14もまた放射線によって消耗しうる。
さらに、図1のシンチレーション検出器10は比較的高い物質量を有し、これはシンチレーション検出器10が、入射放射線をより多く通過させ、それに対応して高い吸収作用を得るために比較的多くの材料を用いることを意味する。したがって、図1の検出器10は、例えば放射線ビームのモニタリングにはあまり適さない。というのは、物質量が高いために、放射線ビームを通過させるときに放射線ビームを著しく乱すことになるからである。
物質量がより低い代替の放射線検出器はいわゆるワイヤチェンバである。しかし、ワイヤチェンバの欠点は、ワイヤチェンバが高い放射束で飽和し、永久的な保守およびガス供給を必要とすることである。このため、医療機器内など、実験室環境外でワイヤチェンバを使用することは難しい。
別の種類のシンチレーション検出器はシンチレーティングファイバに基づくものである。しかし、例えば高空間分解能を達成するように複数面にシンチレーティングファイバを配置すると、やはり高物質量となる。
別のシンチレーションタイプの検出器は、液体シンチレータで充填されたガラス毛管に基づくものである。液体シンチレータ材料を使用する利点は、液体シンチレータ材料を容易に交換することができ、それによってシンチレータが本質的に「耐放射線性」になることである。液体シンチレータ充填ガラス毛管に関しては粒子追跡再構築の点で良好な結果が見出されているが、その製造は、特に、毛管束の絞り、組み立て、切断および充填に関してきわめて多くを要求するものであることが判明している。
発明者は先に、マイクロ流路を有機液体シンチレータで充填することによって得られる発光導波路の密な領域を含むシンチレーション検出器を開発しており、これについては、“Development and Studies of a Novel Microfabricated Radiation Hard Scintillation Particle Detector with High Spatial Resolution,A.Mapelli et al,Nuclear Physics B (Poc.Suppl.)179(2009),43−47”を参照されたい。この検出器では、複数の平行なマイクロ流路が、構造的支持を提供するシリコン基板の上に形成されたSU−8樹脂内に設けられている。流路はアルミニウム被覆マイラー箔で閉じられている。マイクロ流路設計は、蛇行形状に配置され、10μm幅のSU−8壁で隔てられた50μm幅の導波路を定義し、流路の壁および底は、マイクロ流路を光導波路として機能させる200nmの反射金層で被覆されている。流路の60μmのピッチは、マルチアノード光電子増倍管の画素間距離と一致するように2.3mmのピッチまで広がる。
シリコン基板およびアルミニウム被覆マイラー箔のために、検出器の物質量は依然として比較的高かった。しかし、シリコン基板を設けることは構造的支持を提供するために必要であると思われた。
さらに、発明者が提案したこの先行する検出器は、流路のうちのどれでシンチレーション光が生成されたかを検出することしかできなかった。すなわちこの検出器は本質的に1次元検出を考慮したものでしかなかった。これらの検出器のうちの2つを、例えば2次元検出を得るように、流路を直角に向けて相互に積み重ねることも原則としては可能なはずであるが、これにより物質量も倍増するはずである。また2つの個々の検出器は相互に対して高い精度で配置されなければならなくなるはずである。
Development and Studies of a Novel Microfabricated Radiation Hard Scintillation Particle Detector with High Spatial Resolution,A.Mapelli et al,Nuclear Physics B (Poc.Suppl.)179(2009),43−47
本発明の根底にある目的は、比較的低い物質量を有する耐放射線性シンチレーション検出器を提供することである。
この目的は、請求項1に記載されている微細加工シンチレーション検出器、および請求項21に記載されているそうしたシンチレーション検出器を製造する方法によって達成されるものである。従属請求項ではさらなる有益な展開が定義されている。
本開示では、「微細加工」という用語は半導体製造から一般に知られる加工工程を意味し、基板上での材料の堆積または成長、材料層のパターン形成、エッチング、微細切断加工または微細切削加工を含みうる。
本発明のシンチレーション検出器は、液体シンチレータ材料を収容し上記液体シンチレータ材料を流すための流路構造を備える。
流路構造は、第1の層に配置された、相互に流体連通する隣接流路部分の第1のセットを備える。流路構造は、第2の層に配置された、相互に流体連通する隣接流路部分の第2のセットをさらに備え、上記隣接流路部分の第2のセットは、隣接流路部分の第1のセットに対して、好ましくは直角に交差するように向けられている。第1および第2の層は分離層を間に挟んで相互に積み重ねられており、上記分離層は上記第1および第2の層を一体的に連結している。
流路構造は同時に、上記隣接流路部分における放射線と上記液体シンチレータ材料との相互作用時に生成されるシンチレーション光を、対応する流路部分の長手方向端部へ向けて誘導するための導光構造を形成している。さらにシンチレーション検出器は、上記シンチレーション検出器を受けるように配置された複数の光検出器を備える。
ここで、隣接流路部分の第1のセット内の流路部分は、好ましくは上記第1の層において平行に配置されている。同様に、隣接流路部分の第2のセット内の流路部分も、好ましくは第2の層において平行に配置されている。さらに隣接流路部分の第2のセットは、好ましくは、隣接流路部分の第1のセットに対して直角に向けられている。しかし、隣接流路部分は、機能的実施形態を提供するために必ずしも平行である必要はないことに留意すべきである。実際、以下でより詳細に説明する、流路壁が導光構造として用いられる本発明のいくつかの実施形態では、非平行流路壁が好ましい場合もある。
さらにいくつかの実施形態では、光検出器は、シンチレーション光を直接受けるように隣接流路部分の長手方向端部に近接して配置されていてよい。しかし別の実施形態では、実際上は光検出器を流路構造からある距離だけ離して配置した方が有利となる場合もある。この場合には導光手段を、隣接流路部分の長手方向端部に近接した位置と、光ファイバなどといった光検出器との間に設けることができる。
本発明によれば、交差するように、いくつかの実施形態では相互に対して直角に向けられた、隣接流路部分の2つのセットが用いられる。このようにして、2つの異なる層内の2つの流路部分を通過する粒子軌道が、2つの線形独立の、例えば直交する方向に対応する光検出器へ向けて伝播するシンチレーション光を生じさせ、それによって、粒子軌道がシンチレーション検出器と交差する位置に関する二次元情報を得ることが可能になる。
重要なことには、第1および第2の層は、分離層と対面する側の流路を覆うことをも同時に可能にする分離層によって相互に一体的に連結されている。以下でより詳細に示すように、微細加工技術を用いてこの分離層をきわめて薄くすることができ、それによって、少なくとも2つの流路層を用いるにもかかわらず、検出器の物質量が最小限に抑えられる。
発明者が以前に提案した1層式デバイスでは、流路規定材料の構造支持を提供するためにシリコン基板が必要であったことに留意されたい。しかし、分離層によって第1および第2の層を一体的に連結すると、第1および第2の層は相互に他方の構造支持を提供し、それによって追加的な基板などの必要が軽減される。このようにして、2層式デバイスの物質量を以前に提案した1層式デバイスの物質量よりもいっそう大幅に低くすることができ、加えて本質的に二次元の測定の提供を可能にするという利益も得られる。
好ましい実施形態では、隣接流路部分の第1および第2のセットは加えて相互に流体連通する。これは、同じシンチレーション液が隣接流路部分のどちらのセットも流れることができ、そのため、2層構造全体で、シンチレータ液を交換するための、またはシンチレータ液を両方の層内の流路部分に循環させるための1つの流体供給および流体出口さえあればよいはずであることを意味する。これによりシンチレータ液の交換は、例えばその充填が実際にきわめて複雑であることが判明している液体シンチレータで充填されたガラス毛管の場合と比べて、はるかに簡便になる。実際、本発明のこの実施形態によれば、放射線検出時にシンチレータ材料を隣接流路部分の第1および第2のセットに絶えず循環させることさえも可能である。
好ましい実施形態では、上記隣接流路部分の第1および第2のセットは、対応する蛇行形状の流路の一部であり、蛇行形状の流路では隣り合う流路部分が各流路部分の長手方向端部の1つで交互に連結されている。このようにして、隣接流路部分は、液体を流すのに理想的であることが判明している単一の非分岐管路として配置される。
さらに、第1および第2の層に形成されたS字状流路は好ましくは、上記第1および第2の層を通る単一の流路を形成するように、上記分離層を貫通して延在する縦方向の流路部分によって連結されている。
前述のように、上記第1および第2の層の隣接流路部分を隔てる分離層は比較的薄くすることができ、それによって、検出器全体の物質量が低減される。特に、分離層の暑さは150μm以下、好ましくは100μm以下、より好ましくは60μm以下、最も好ましくは30μm以下であってよい。この比較的小さい厚さにもかかわらず、分離層は、両方の隣接層の流路を覆い、互いのための相互構造支持を提供するために上記第1および第2の層を一体的に連結する役割を果たすことができ、それ以上別の安定化基板は必要ない。
好ましくは、上記平行流路部分の幅は500μm以下、より好ましくは300μm以下である。流路幅はシンチレーション検出器の固有の空間分解能に対応することに留意されたい。さらに、隣接流路部分の高さは、好ましくは、1000μm以下、より好ましくはわずか100μm以下である。比較的小さい流路高さは検出器全体としての物質量を低減するのに寄与することに再度留意されたい。
好ましい実施形態では、隣接流路部分32、38の流路幅:流路高さの比は≧0.5、好ましくは≧1.0、最も好ましくは≧1.5である。
好ましい実施形態では、複数の光検出器は、隣接流路部分の第1および第2のセット内の対応する流路部分と同じピッチを有する光検出器のアレイによって形成されている。このようにして、検出器アレイを隣接流路部分の端部に直接配置することができ、流路部分などを広げる必要はない。
液体シンチレータ充填流路は検出器のアクティブ部分だけに類似したものであることに留意されたい。流路構造を定義するためには流路側壁が必要とされ、流路側壁自体は検出においてアクティブではないため、これは単一層によって提供されるカバレージが必然的に100%未満であることを意味する。好ましい実施形態では、シンチレーション検出器はしたがって、それぞれ、第3および第4の層に配置された隣接流路部分の第3および/または第4のセットをさらに備え、隣接流路部分の上記第3/第4のセット内の流路部分は、隣接流路部分の上記第1/第2のセット内の流路部分と平行に、これらに対して互い違いに配置されている。ここで「互い違いの配置」とは、各流路が相互に縦方向に整列しないように、流路部分が検出器平面において相互に対してずらされていることを意味する。むしろ例えば、第3(第4)の層の流路部分が第1(第2)の層の分離壁と縦方向に整列しるなどであれば有利となるはずである。
言うまでもなく、さらに多くの層を設けることもおそらくは可能なはずである。これは100%のカバレージのみならず三次元検出も可能にするはずであるが、物質量の増加という代価を払うことになる。また、第1および第2の層に関して述べたことはすべて、明示的に言及されなくても、S字状構造を含めて、追加層についても同様に当てはまるはずである。また好ましい実施形態では、すべての層内のすべての流路は流体連通するはずであり、そのためやはり検出器全体で、液体シンチレータを流すための単一の入口および出口さえあればよいはずである。
前述のように、流路構造は同時に、上記隣接流路部分における放射線と上記液体シンチレータ材料との相互作用時に生成されるシンチレーション光を、対応する流路部分の長手方向端部へ向けて誘導するための導光構造を形成している。これを達成する一方法は、流路壁に反射コーティング、特に、アルミニウムコーティングや金コーティングといった金属コーティングを施すことであろう。このようにして、流路自体が、流路壁の金属コーティングにおける光反射に基づいて光導体として機能する。
そうした反射コーティングは短い流路長でのシンチレーション信号の比較的小さい減衰を見込んだものであるが、そうした金属コーティングは、特に本発明の2層以上を一体化した設計に関しては欠点も有しうる。すなわち、分離層の金属コーティングを含めて流路壁に金属コーティングを用いる場合、これは、第1および第2の層と分離層との間の結合の達成をより難しくすることが分かっている。また金属コーティングは放射線場の摂動を増加させるおそれもある。最後に、長い隣接流路部分長では、シンチレーション信号の減衰は非常に甚だしくなる。
したがって代替の実施形態では、隣接流路部分を定義する流路壁は、上記シンチレーション検出器で使用されるべき液体シンチレータの発光スペクトルにおいて、液体シンチレータの屈折率よりも低い屈折率、特に1.47以下、より好ましくは1.35以下、最も好ましくは1.30以下の屈折率を有する誘電材料で作られ、または覆われている。
適切な材料は、例えば、パイレックスガラス、NOA13685、NOA1375、ペルフルオロアルコキシまたはフッ化(エチレン−シクロオキシ脂肪族置換エチレン(ethylenic−cyclooxyaliphatic substituted ethylenic))共重合体である。本開示では、「液体シンチレータの発光スペクトル」という表現は、検出器で実際に検出され、隣接流路部分に沿って誘導される必要のあるシンチレータ光のスペクトルを指すものであることに留意されたい。
このようにして流路は光導体としての役割を果たすこともできるが、これは金属表面からの反射に基づくものではなく、液体/固体界面における内部全反射に基づくものであり、それによって、金属コーティングに関する前述の問題が回避される。
さらにきわめて驚くべきことに、長い導光距離では、液体/固体界面における内部全反射による導光の搬送は、金属コーティングにおける光反射の場合よりもいっそう減衰が少ないことが判明している。これは実際、一見したところでは意外に思われうる。というのは、内部全反射の条件に従うシンチレーション光のごく一部の角度だけを流路構造によって誘導させ、よってシンチレーション信号に寄与させることができ、シンチレーション光の残りの角度部分は失われるからである。しかし、内部全反射条件を満たすこのシンチレーション光の部分は次いで、わずかな減衰を生じるだけで液体固体界面において何度も内部で屈折させることができる。これと対照的に、金属コーティングはすべての入射角のシンチレーション光を反射させることになるが、金属被覆された流路壁での多重反射のために生じる減衰が著しく増加し、それによって信号を甚だしく減衰させることが分かっている。
さらに、本発明によれば、流路構造はシンチレーション光を概ね対応する流路部分の長手方向端部へ向けて誘導するための導光構造を形成するが、これは、流路自体が光導体として機能することを示すためのものではない。
むしろ、代替の実施形態では、動作に際して液体シンチレータにさらされる流路規定材料の少なくとも一部は、上記微細加工シンチレーション検出器で使用されるべき液体シンチレータの屈折率より高い屈折率を有していてよい。このようにして、シンチレーション光は内部全反射によって流路内に閉じ込められなくなる。というのは、シンチレーション光は実際にはその代わりにより高い屈折率の材料に入ることになるからである。この実施形態では、より高い屈折率の材料はその場合、シンチレーション光を取り込み、シンチレーション光を対応する光検出器へ誘導するための光導体として機能することになる。
例えば、光導体として機能する流路規定材料は、隣り合う流路部分を隔てる側壁によって形成されていてよい。この実施形態では、各光検出器は、それぞれの側壁を通して誘導されたシンチレーション光を受けるように上記側壁のそれぞれと関連付けられている。さらにシンチレーション検出器は、同じ流路部分を規定する隣接した側壁において同時の光信号を検出するのに適した読み出し手段を備える。
すなわち、側壁がシンチレータ液より高い屈折率を有するときに、シンチレーション光は流路を規定する両側壁へ漏れがちになり、シンチレーション光が、2つの流路側壁と関連付けられた2つの光検出器によって同時に検出されることになる。1つの光検出器信号からは、流路のうちのどれでシンチレーション光が生成されたか区別することは依然としてできないはずである。というのは、通常各側壁は、2つの異なる流路部分に露出されることになるからである。しかし、同じ流路を規定する隣接した側壁で同時の光信号を検出することによって、信号を明確にこの流路部分に帰することができる。
さらに別の実施形態では、光導体として機能する流路規定材料を、隣接流路部分の底に設けられたリブ様構造によって形成することができる。この実施形態は信号間のクロストークの回避に関して有利である。
さらに別の実施形態では、流路側壁は、動作に際してシンチレータ液にさらされ、上記検出器で使用されるべきシンチレータ液の屈折率と同様の、またはそれより高い屈折率を有する外側部分と、シンチレータ液の屈折率より低い屈折率を有する内側部分とを有していてよい。ここで内側部分は、特に中空部分であってよい。この実施形態は、機能的には、側壁自体が低い屈折率を有する実施形態に非常に類似しており、ただしこの実施形態では、内部全反射は、液体固体界面ではなく、流路側壁の外側部分と内側部分との界面で発生する。この実施形態の利点は、側壁の外側部分を形成する材料を製造性考慮事項に従って選択ことができ、その材料自体は低い屈折率を有していなくてもよいことである。これと対照的に、内部全反射が液体/側壁界面で発生するものである場合には、常に製造性と低屈折率との間の折り合いをつける必要がある。
前述のように、本発明の微細加工シンチレーション検出器は、固有の耐放射線性を低物質量と組み合わせるものである。これにより本発明の微細加工シンチレーション検出器は、ビームプロファイラとして、特に、ハドロンビームといった医療用ビームの放射線プロファイルをモニタするためのビームプロファイラとして使用するのに特に有用となる。本発明の検出器の非常に低い物質量を考慮すると、患者照射時の治療的ハドロンビームにおいてビームプロファイラを保持することさえも可能になり、それによってオンライン・ビーム・モニタリングが可能になる。発明者の知る限りでは、オンライン・ビーム・モニタリングはこれまで、いかなる他の放射線検出器でも不可能であり、ハドロンビーム治療においてきわめて大きな実際的な価値があるものと考えられる。というのは、ほんの2つの利点を挙げれば、これにより治療時のビームの不安定性の検出、およびリアルタイムの線量測定が可能になるからである。
ビームプロファイラとして使用されるときには、放射束によっては、「単一事象」、すなわち、単一の放射線量子に起因するシンチレーションフラッシュを検出し、そうした単一事象に基づいてビームプロファイルを分析することが可能となりうる。しかし、光検出器から信号を受け取るための適切な読み出し手段および分析手段を用いれば、単一事象がそれ以上区別できなくなった場合に、単一事象からビームプロファイル情報を計算することさえもできる。
さらに本発明は、シンチレーション検出器、特に、上記の実施形態のいずれかによるシンチレーション検出器を製造する方法を提供する。方法は以下のステップを含む。
(a)第1および第2の開流路層を形成するステップであって、上記第1および第2の開流路層は各々、第1/第2の底層および第1/第2の流路側壁を備え、上記第1/第2の流路側壁は上記第1/第2の底層の上に配置された隣接流路部分の第1/第2のセットを定義するものである、第1および第2の開流路層を形成するステップ、
(b)分離層を形成するステップ、
(c)上記隣接流路部分の第1のセットを覆うように上記分離層を上記第1の開流路層の上に配置し、上記分離層を上記第1の開流路層に結合するステップ、ならびに
(d)上記隣接流路部分の第2のセットを覆うように上記第2の開流路層を上記分離層上に上下反対に配置し、上記分離層を上記第2の開流路層に結合し、それによって上記第1および第2の開流路層を一体的に連結するステップ。
このようにして、製造シンチレーション検出器を容易かつ効率よく製造することができる。
好ましい実施形態では、第1の開流路層、第2の開流路層および分離層のうちの1もしくは複数が、キャリア基板上に設けられた犠牲材料層の上に別々に形成される。キャリア基板は次いで、犠牲材料層を除去することによって外すことができる。これは、後述する好ましい実施形態から明らかになるように、各層が一体的に連結されるまでキャリア基板によって各々予備的に支持され、安定化される非常に薄く壊れやすい層を別々に製造することを見越したものである。
好ましい実施形態では、第1および/もしくは第2の開流路層の底層、上記第1および/もしくは第2の開流路層の側壁または分離層のうちの1もしくは複数がSU−8で作られる。
好ましい実施形態では、方法は、第1/第2の流路側壁が形成されるときに隣接流路部分内に位置するように、第1/第2の流路側壁を形成する前に、第1/第2の底層上にリブ様構造を形成するステップをさらに含んでいてよい。
加えて、ステップ(a)および/またはステップ(b)には、第1および第2の流路層に、かつ/または上記分離層に光学コーティングを施すステップも含まれていてよく、光学コーティングは、反射金属コーティング、または、前述のように、上記シンチレーション検出器で使用されるべき液体シンチレータの発光スペクトルにおいて、液体シンチレータの屈折率より低い屈折率を有するコーティングのうちの1つとすることができる。
最後に方法は、2層以上の層の製造へと拡張することができる。このために、1もしくは複数の追加の開流路層を、前述の第1および第2の開流路層と同様のやり方で製造することができる。追加の開流路層は次いで、第1、第2、または別の追加の開流路層のうちの1つの底層の裏側に上下反対に配置し、結合することができる。このようにして、任意の数の層を製造し相互に結合することができる。
先行技術のシンチレーション検出器の斜視分解図である。 流路構造をよりよく例示するためにバルク材料が省かれている、本発明の実施形態による微細加工シンチレーション検出器の斜視図である。 隣接流路部分を隔てる側壁が光導体として機能する流路構造の概略的平面図である。 底部に設けられたリブ様の導光構造を含む流路部分の斜視概略図である。 底部に設けられたリブ様の導光構造を含む流路部分の斜視概略図である。 底部に設けられたリブ様の導光構造を含む流路部分の斜視概略図である。 図4a〜図4cに示すリブ様構造を用いた、リブ様構造の長手方向端部の各々に光検出器を有する流路構造の一部分の平面図である。 図4a〜図4cに示すリブ様構造を用いた、リブ様構造の一方の長手方向端部だけに光検出器を有する流路構造の一部分の平面図である。 中空の側壁を有する流路構造の一部分の斜視図である。 図7の中空の流路側壁構造を用いた流路構造の一部分の概略的上面図である。 治療的ビームプロファイリングのための検出器の使用を例示する概略図である。 本発明によるシンチレーション検出器を製造するための製造ステップを例示する概略図である。 本発明によるシンチレーション検出器を製造するための製造ステップを例示する概略図である。 本発明によるシンチレーション検出器を製造するための製造ステップを例示する概略図である。 本発明によるシンチレーション検出器を製造するための製造ステップを例示する概略図である。 本発明によるシンチレーション検出器を製造するための製造ステップを例示する概略図である。 本発明によるシンチレーション検出器を製造するための製造ステップを例示する概略図である。 本発明によるシンチレーション検出器を製造するための製造ステップを例示する概略図である。 本発明によるシンチレーション検出器を製造するための製造ステップを例示する概略図である。 図10の製造ステップの代替の製造ステップを例示する概略図である。 図10の製造ステップの代替の製造ステップを例示する概略図である。 図10の製造ステップの代替の製造ステップを例示する概略図である。 図10の製造ステップの代替の製造ステップを例示する概略図である。
本発明の原理の理解を促すために、次に図面に例示する好ましい実施形態を参照し、それらを具体的に説明する。とはいえ、好ましい実施形態は本発明の範囲の限定のためのものではなく、本発明が関連する分野の当業者が現在、または将来において通常想起するはずの例示のデバイスおよび方法の変更およびさらなる改変、ならびに例示する本発明の原理のさらなる応用が企図されていることが理解されるであろう。
図2は微細加工シンチレーション検出器24の斜視図である。図2では、シンチレーション検出器24によって用いられる流路構造26がよりよく見えるようにシンチレーション検出器のバルク材料が省かれている。言い換えると、図2に示されているのは基本的にバルク材料中に形成された流路構造26の空洞であり、バルク材料は斜線28によって指示されているにすぎない。
図2に示すように、流路構造26は第1の層34に配置された隣接流路部分32の第1のセット30を備える。さらに流路構造26は、第2の層40に配置された隣接流路部分38の第2のセット36を備える。第1および第2の層34、40は分離層42を間に挟んで相互に積み重ねられている。
図2ではバルク材料が省かれているため、分離層42は空の空間として表示されているにすぎない。しかし実際には、分離層42は第1および第2の層34、40を一体的に連結している。
図2に示す実施形態では、第1の層34の隣接流路部分32は各々相互に対して平行であり、第2の層40の隣接流路部分38も同様に各々相互に対して平行である。第1および第2の層34、40の流路部分32、38は相互に対して垂直に配置されている。
図2に示すように、第1および第2の層34、40の各々の隣接流路部分32、38は、対応する蛇行形状の流路の一部であり、蛇行形状の流路では隣り合う流路部分32、38が各流路部分の長手方向端部の1つで交互に連結されている。しかし、これら蛇行形状の流路では、前述したように、隣接流路部分の第1および第2のセット30、36は相互に対して直角に向けられている。また、S字流路形状のために、流路部分セの第1のセット30のすべての隣接流路部分32が相互に流体連通し、流路部分の第2のセット36のすべての隣接流路部分38も同様に相互に流体連通する。さらに第1および第2の層34、40に形成された2つのS字状流路は縦方向の流路部分44によって連結されており、そのため、実際上すべての隣接流路部分32、38が、単一の共通の入口46および単一の共通の出口48を有する、第1および第2の層34、40を通る単一の非分岐流路の一部になる。動作に際して、流路構造26は、入口46および出口48を通って流路構造26を循環させることができる液体シンチレータ材料(不図示)で充填される。
本発明によれば、流路構造26は同時に、隣接流路部分32、38の1つにおける放射線と液体シンチレータ材料との相互作用時に生成されるシンチレーション光を、対応する流路部分32、38の長手方向端部へ向けて誘導するための導光構造を形成している。特に図2において、参照符号50は、流路構造26における液体シンチレータとの相互作用時にシンチレーション光52の発光を生じさせる粒子軌道に似ている。図2に概略的に示すように、例示の実施形態では、隣接流路部分32、38自体がシンチレーション光52を長手方向端部へ向けて誘導する光導体としての役割を果たす。隣接流路部分32、38の各々の端部には、シンチレーション光52を受けるための光検出器54が設けられている。第1および第2の層34、40の隣接流路部分32、38は相互に対して交差するように配置されているため、関連付けられた光検出器54で受け取られる信号は、XY平面におけるシンチレーション事象の位置に関する二次元情報の獲得を可能にし、X座標およびY座標は、図2に例示するように、関連付けられた光検出器54の位置に対応する。
隣接流路部分32、38にシンチレーション光52を閉じ込める、すなわち、隣接流路部分32、38を光導体として機能させるために、流路壁は反射コーティング、特に金属コーティングで覆われていてよい。適切な金属コーティングは金コーティングのはずであるが、いっそう好ましい材料は、典型的な液体シンチレータの発光スペクトルにおける反射性がより良好であるため、アルミニウムコーティングである。
あるいは、隣接流路部分32、38を規定する、よって液体シンチレータにさらされる材料の少なくとも一部が、関連した波長、すなわち、誘導されるべきシンチレーション光の波長についての液体シンチレータの屈折率より低い屈折率を有する誘電材料である。このようにして、光は内部全反射によって隣接流路部分32、38内で誘導され、それによって反射金属コーティングが回避される。反射金属コーティングを回避することには、以下でより詳細に説明するように、製造の観点から見て重要な利点がある。しかし、金属コーティングを回避することは、放射線場の摂動を最小限に抑えるためにも有益である。ここでは、隣接流路部分を規定する材料は、流路壁自体の材料、または適切な低屈折率を有する流路壁の誘電体コーティングとすることができるはずである。
内部全反射を見込むために、液体シンチレータと接触する流路壁の部分の屈折率は、1.47以下、より好ましくは1.35以下、最も好ましくは1.30以下とすべきである。流路壁に、または流路壁に施されるコーティングに使用されるべき好ましい材料は、パイレックスガラス、NOA13685、NOA1375、ペルフルオロアルコキシまたはフッ化(エチレン−シクロオキシ脂肪族置換エチレン)共重合体であるが、他の低屈折率材料も同様に可能である。
説明の導入部分で示したように、内部全反射によってシンチレーション光を誘導することは驚くほど効率的であり、少なくとも長い光路では、反射金属コーティングを使用するよりもいっそう効率的であることが判明している。その理由は、前述したように、シンチレーション光のごく一部のある一定の角度だけが内部全反射の条件を満たし、よって流路部分に沿って誘導されるが、内部全反射条件を満たすシンチレーション光のこの一部の減衰は次いで、金属コーティング表面から多重反射される光と比べて比較的わずかな減衰を伴って搬送されることである。
流路構造は同時に導光構造も形成すると概説したが、これは必ずしも、隣接流路部分32、38自体が光導体を形成することを示唆するものとは限らず、光検出器54が隣接流路部分32、38の長手方向端部に正確に配置されることも必須ではない。むしろ、代替の実施形態が可能であり、そのうちのいくつかを以下で図3から図8を参照して説明する。
図2のシンチレーション検出器24は微細加工によって、すなわち、基板上での材料の、または材料同士の上での材料の堆積または成長、パターン形成、エッチングなどといった、半導体製造から一般に知られている加工技術を利用して作られる。微細加工によればシンチレーション検出器24は効率的に高い精度で製造することができることが判明している。
さらに、図2のシンチレーション検出器24では、第1および第2の層34、40は分離層42によって一体的に連結されていることに留意されたい。このようにして、第1および第2の層34、40は相互のための構造的支持を提供し、これは、別の基板といったそれ以上の安定化材料が全く、またはほとんど不要であることを意味する。また、分離層42は実際、シンチレーション検出器24の全般的構造的支持を十分に考慮しつつも、比較的薄くすることができることが判明している。このようにして、シンチレーション検出器24の物質量をきわめて低くすることができる。
第1および第2の層34、40を隔てる分離層42の厚さは、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下、よりいっそう好ましくは60μm以下、最も好ましくは10μmから30μmまでである。
隣接流路部分32、38の高さは、好ましくは1000μm未満、より好ましくは10μmから100μmまでであり、これは図2に示されている第1および第2の層34、40の厚さに対応するものでもある。隣接流路部分32、38の幅は、好ましくは500μm以下、特に300μm以下である。いくつかの実施形態では、隣接流路部分の流路幅:流路高さの適切な比は≧0.5、好ましくは≧1.0、最も好ましくは≧1.5である。これに関して、図2の概略図は相対寸法に関して縮尺どおりとされていないことに留意されたい。
対応する層34、40内の隣接隣接流路部分32、38の幅とそれらの間のピッチの比は、1より小さいアクティブな検出器部分の充填率を定義するものであることに留意されたい。というのは、流路内の液体シンチレータだけが放射線検出にアクティブに関与するからである。充填率を100%まで高めるために、各々隣接流路部分の第3および第4のセットを含む第3の層および第4の層といったさらなる層(不図示)を設けることが可能であり、その場合、隣接流路部分の第3(第4)のセットは、隣接流路部分の第1(第2)のセット内の流路部分と平行に、これらに対して互い違いに配置される。
図3には、流路構造26によって形成された代替の導光構造が示されている。図3は、流路壁56で隔てられている複数の平行な隣接流路部分32を備える蛇行形状の流路の平面概略図である。図3の例では、流路壁56は反射金属または低屈折率材料で被覆されていない。その代わり、流路壁56は、流路部分32に提供される液体シンチレータ(不図示)のものよりも高いインデックスまたは屈折を有する材料でできているものと仮定する。したがって、液体シンチレータで生成されたシンチレーション光52は対応する流路部分32を離れて流路部分32に隣接した2つの流路側壁56に入り、流路部分32内ではなく対応する側壁56に沿って、そこで流路部分32の長手方向端部へ向けて誘導されることになる。流路側壁56に沿って誘導されたシンチレーション光52を受けるように光検出器54が設けられている。S字流路形状を生成するために用いられる流路側壁56の指間構造と一致して、光検出器54は、図3に示すように、流路構造26の両側に交互に設けられている。図3の実施形態では、隣接流路部分32は平行ではなく、相互に対して傾いており、それによって流路側壁56の「三角形」または先細りの厚さが生じて、平行な対向する側壁表面が実際上回避されることに留意されたい。これは、一方の表面で流路側壁56に入る光が対向する表面で流路側壁から出ずに隣り合う流路に入ることを防止するためである。しかし、導光を考慮した他の流路側壁形状も同様に可能である。
図3にさらに示すように、1つの検出器信号だけからでは、対応する流路側壁56に隣接した2つの流路部分32のどちらでシンチレーション光52が生成されたか判断することはできない。しかし、信号は、シンチレーションが発生する流路部分32を規定する2つの流路側壁56と関連付けられた光検出器54で同時に検出されることになるため、シンチレーション光の発生源を明白に流路部分32のうちの1つに帰することができる。このため、そうした同時事象を検出する適切な読み出し電子回路(不図示)が設けられる。
さらに図3には、左右の光検出器54で受け取られる信号58が概略的に示されている。左の光検出器54は右の光検出器54よりもシンチレーション事象から遠く離れているため、左の光検出器54での信号58はより多く減衰することになる。しかし、流路部分32の長さに沿ったシンチレーション事象の位置は(図3には示されていない)流路部分の他方の直交するセットから分かるため、減衰を数値的にまたは類似の手段で補償することができる。しかし、左右のセンサ信号58間の相対的減衰も、対応する流路部分32の長さに沿ったシンチレーション事象の位置を決定する追加的な、または独立の方法として使用することができ、これは本質的に、信号に二次元情報を加えるものである。
流路側壁56の光導体としての使用は、対応する流路部分32、38の長手方向端部へ向けてシンチレーション光を誘導するための非常にエレガントで単純な方法である。しかし、この実施形態はある程度のクロストークに対処する必要を生じる場合がある。というのは、流路側壁56は通常、流路の底および上壁(不図示)によって光学的に連結されることになるからである。
導光の同じ原理を利用する代替の実施形態が図4aから図4cに示されている。図4aから図4cの各々にはやはり、2つの流路壁56と底面60によって規定された流路部分32が概略的に示されている。底面60の上には、検出器で使用されるべき液体シンチレータ(不図示)の屈折率よりも高い屈折率を有するリブ様構造62が設けられており、リブ様構造62は動作に際して液体シンチレータにさらされる「流路規定材料」の一部を形成している。屈折率が高いために、リブ様構造62はシンチレーション光を取り込み、取り込んだシンチレーション光を、図3の側壁56の場合とほとんど同じように、より少ないクロストークで(図4には示されていない)対応する光検出器へ誘導することになる。微細加工技術を使用すれば、そうしたリブ様構造62を底面60の上に容易に形成することができることに留意されたい。
この場合もやはり、リブ様構造62の形状は、その都度、基本的には平行な出射面および入射面を回避することによって、リブ様構造62によって取り込まれた光がリブ様構造を直ちに出ることを回避するように選択される。このために、図4aにはランプ様構造が示されており、図4bには三角形の断面を有する構造が示されており、図4cには半円形の断面を有する構造が示されている。図4b、図4cの構成は図4aの構成と組み合わせることができる、すなわち、高さが変化し、三角形または半円形の断面を有するリブ様構造62を設けることも可能なはずであることに留意されたい。また、底面60とリブ様構造62との間に光学コーティングが施されてもよい。図4aから図4cに示すリブ様構造62は、例えば、いわゆるグレイトーンフォトリソグラフィ技術によってSU−8から得ることができる。
図5および図6に、流路部分32の底面60上に設けられたリブ様構造62を用いた流路構造26の一部分の概略的平面図を再度示す。図5の実施形態では2つの光検出器54が各リブ様構造62と関連付けられ、リブ様構造62の両端部に1つずつ設けられている。ここでの考え方は、流路部分32内のシンチレーション事象の位置は受け取られる2つの信号の減衰を比較することによって決定することができるというものである。図6はただ1つの光検出器54が各リブ様構造62と関連付けられている代替の実施形態である。
別の実施形態が図7および図8に示されている。図7では、流路側壁56は、2つの材料層56aおよび空気が充填された、または真空のギャップ56bを間に挟んだ層状または中空の構造を有する。壁部56aは液体シンチレータの屈折率よりも高い屈折率を有する材料のものであってよい。しかし、ギャップ56bの反射率は空気または真空の反射率、すなわちn=1に対応する。したがって、広範囲の入射角について、光は図8に示すように材料層56aとギャップ56bとの間の界面で反射されることになる。そのため実際上、図7の層状または中空の壁構造は、非常に低い反射率を有する側壁と同様に挙動し、しかも、壁部56aの製造に高反射率材料を自由に使用できるという利点がある。
様々な実施形態の1つによるシンチレーション検出器24は、低物質量および相当な耐放射線性が必要とされる多くの分野で実際的な用途を見出すはずである。耐放射線性は本質的には、シンチレータ材料を必要に応じて交換することができ、または流路構造26にシンチレータ液を絶えず流すことによって絶えず交換することさえもできることによって達成されることに留意されたい。またこの検出設計は、用途または検出されるべき放射線の種類に応じて液体シンチレータを交換し、それによって、本発明のシンチレーション検出器24の汎用性を高めることを考慮したものでもある。
本発明のシンチレーション検出器24の非常に魅力的な用途は、図9に概略的に示すように、ハドロン療法でのビームモニタリングの分野におけるものである。図9には、ビームパイプ65から提供される粒子ビーム64を用いたハドロン療法を受けている患者63が概略的に示されている。粒子ビーム64内には、ビーム64の放射線プロファイルの決定を可能にする本発明の実施形態によるシンチレーション検出器24が設けられている。液体シンチレータをいつでも交換することができるため、検出器の高感度部品は、相当な線量が粒子ビーム64によって提供されるにもかかわらず、「老朽化」しにくくなる。さらに、光検出器54は、図1の先行技術のシンチレーション検出器の場合のように検出器平面内ではなく、検出器平面の側面に設けられている(図2参照)ため、光検出器54を粒子ビーム64の外部に保持することができ、粒子ビーム64によって損傷されない。この構造の別の利点は、光検出器54の数が、図1の通常の設計の場合のように2次関数的にではなく、検出器直径に対して1次関数的に増減することである。
さらに、上記の理由でシンチレーション検出器24は非常に低い物質量を有し、これはシンチレーション検出器24がそこを通る粒子ビーム64にほとんど影響を及ぼさないことを意味する。これは動作中に粒子ビーム内にシンチレーション検出器24を常に保持することを可能にし、これは粒子ビームを治療中にリアルタイムでモニタすることができることを意味する。出願人の知る限りではこれはハドロンビーム療法で現在使用されているいかなる公知のビームプロファイラとも異なるものであり、公知のビームプロファイラは、較正のためにビーム経路に挿入されるにすぎず、患者へのビーム適用時にはビーム経路から外される。しかし、運用的な観点から見ると、ビームプロファイル中の誤りに気づくように、また線量を常にモニタするために、治療中にリアルタイムでビームをモニタすることは非常に有益である。
図10(a)〜(h)は、本発明によるシンチレーション検出器24を製造する方法による製造ステップを例示した一連の図である。方法はシリコン基板といった基板66を設けることから開始する(図10(a))。次のステップで、犠牲材料膜68、例えばPETフィルムが基板66上に配置される(図10(b))。次に、構造材料の薄層70が犠牲材料層68の上に形成される(図10(c))。適切な構造材料は例えばSU−8である。層70は最終的には流路部分32の底壁を形成する。その後、構造材料の第2の層が、流路構造26の側壁56を形成するように設けられ、パターン形成される(図10(d))。構造材料は層70のものと同じであってよい。またこのステップでは、側壁56および層70によって提供される流路底を覆う光学コーティングも施されてよい。ここで、光学コーティングはこの場合もやはり、アルミニウムや金といった金属コーティングとすることもでき、内部全反射による導光画像流路部分32を可能にするような低屈折率を有するコーティングとすることもできる。図10(d)に示す構造は、導入部分で言及した「第1の開流路層」72に対応するものである。
次に、分離層42が基板66上で図10(a)から図10(c)で説明したのと同様に犠牲材料膜68の上に設けられる。分離層42は、隣接流路部分32の第1のセットを覆うように第1の開流路層72の上に配置され、分離層42は上記第1の開流路層72に結合される(図10(e)参照)。流路32の第1のセットに対面する分離層42の下表面も、必要に応じて光学的に被覆されてよい。
次のステップで、基板66は、図10(f)に示す構造を得るために犠牲材料層68を除去することによって分離層42から外される。
次に、第2の開流路層74が、第1の開流路層72について図10(a)から図10(d)を参照して説明したのと概ね同じように製造される。次いで、第2の開流路層74は、図10(g)に示すように、隣接流路部分38の第2のセットを覆うように分離層42上へ上下反対に配置される。図10(g)では、第2の流路部分38は紙平面に沿って延在しており、第1の流路部分32は紙平面に対して垂直に延在していることに留意されたい。
最後に、すべての犠牲材料68を除去することによって上下の基板66を外すことができ、それによって2つの流路層が埋め込まれた一体化されたモノリシック構造が得られる。
図10には、2つに流路層の形成が示されているにすぎないが、この製造方法はもっと多く流路層へ容易に拡張することができる。このためには、追加の開流路層が、図10aから図10dに示すのと同様に製造されるはずであり、次いでそれを、第1または第2の開流路層72、74の1つの底層70の裏側に取り付ける、すなわち、図10hに示す構成の上面または下面に取り付けることができるはずである。
さらに、図10にまとめた一般的な製造方法は、図4aから図4cを参照して論じたリブ様構造62を含むように変更することもできる。図11aから図11dは、違いを強調するように、図10cから図10hに示した製造ステップから逸脱した製造ステップだけを例示した一連の図である。
特に図11aには、図10cのステップの後に続くはずのステップが示されており、このステップではリブ様構造62が底層70の上に形成され、リブ様構造62は、この例では、図4bのものと同様の三角形の断面を有するリブ様構造62である。図11bおよび図11cでは、流路側壁56が形成され、分離層42が隣接流路部分32の第1のセットを覆うように流路側壁56の上に配置される。図11dには、図10hに示す構造に対応するが、リブ様構造62が流路底に設けられた最終的な一体化構造が示されている。
上記の実施形態および添付の図は単に、本発明によるシンチレーション検出器およびその製造方法を例示するためのものにすぎず、該検出器および製造方法の限定を示すものと理解すべきではない。本特許の範囲はもっぱら添付の特許請求の範囲によって決定されるものである。
10 先行技術のシンチレータ検出器
12 コリメータグリッド
14 発光物質層
16 発光物質の柱
18 光検出器マトリクス
20 粒子軌道
22 シンチレーションフラッシュ
24 本発明のシンチレーション検出器
26 流路構造
28 バルク材料を示す破線
30 隣接流路部分の第1のセット
32 流路部分
34 第1の層
36 隣接流路部分の第2のセット
38 流路部分
40 第2の層
42 分離層
44 縦方向の流路部分
46 入口
48 出口
50 粒子軌道
52 シンチレーション光
54 光検出器
56 流路側壁
56a 流路側壁56の外側部分
56b 流路側壁56の中空部分
58 光検出器54の信号
60 流路部分32の底面
62 リブ様構造
63 患者
64 粒子ビーム
65 ビームパイプ
66 基板
68 犠牲材料層
70 構造材料層
72 第1の開流路層
74 第2の開流路層

Claims (26)

  1. 液体シンチレータ材料を収容し、前記液体シンチレータ材料を流すための流路構造(26)であって、
    前記流路構造(26)は、第1の層(34)に配置された、相互に流体連通する隣接流路部分(32)の第1のセット(30)と、
    第2の層(40)に配置された、相互に流体連通する隣接流路部分(38)の第2のセット(36)であって、前記隣接流路部分(32)の第1のセット(30)に対して交差するように向けられている前記隣接流路部分(38)の第2のセット(36)とを備え、
    前記第1および第2の層(34、40)は分離層(42)を間に挟んで相互に積み重ねられており、前記分離層(42)は前記第1および第2の層(34、40)を一体的に連結しているものであり、
    前記流路構造(26)は同時に、前記隣接流路部分(32、38)における放射線(50)と前記液体シンチレータ材料との相互作用時に生成されるシンチレーション光(52)を、前記対応する流路部分(32、38)の長手方向端部へ向けて誘導するための導光構造を形成するものである前記流路構造(26)を備え、
    前記シンチレーション光(50)を受けるように配置された複数の光検出器(54)をさらに備える
    微細加工シンチレーション検出器(24)。
  2. 前記隣接流路部分の第1のセット(30)内の前記隣接流路部分(32)は前記第1の層(40)において相互に平行に配置されており、かつ/または前記隣接流路部分(38)の第2のセット(36)内の前記隣接流路部分(38)は前記第2の層において相互に平行に配置されており、
    前記隣接流路部分(38)の第2のセット(36)は前記隣接流路部分(32)の第1のセット(30)に対して直角に向けられている
    請求項1に記載の微細加工シンチレーション検出器(24)。
  3. 前記複数の光検出器(54)は、前記隣接流路部分(32、38)の前記長手方向端部に近接して配置されており、
    または導波手段、特に光ファイバによって前記隣接流路部分(32、38)の前記長手方向端部に近接した位置と結合されている、請求項1または2に記載の微細加工シンチレーション検出器(24)。
  4. 前記隣接流路部分(34、38)の第1および第2のセット(30、36)は相互に流体連通する、請求項1から3のいずれか一項に記載の微細加工シンチレーション検出器(24)。
  5. 前記隣接流路部分(32、38)の第1および第2のセット(30、36)の各々の隣接流路部分(32、38)は、対応する蛇行形状の流路の一部であり、前記蛇行形状の流路では隣り合う流路部分(32、38)が前記流路部分の長手方向端部の1つで交互に連結されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の微細加工シンチレーション検出器(24)。
  6. 前記第1および第2の層(34、40)に形成された前記S字状流路は、前記第1および第2の層(34、40)を通る単一の流路を形成するように前記分離層(42)を通過する縦方向の流路部分(44)によって連結されている、請求項5に記載の微細加工シンチレーション検出器(24)。
  7. 前記第1および第2の層(34、40)内の前記隣接流路部分(32、38)を隔てる前記分離層(42)の厚さは150μm以下、好ましくは100μm以下、より好ましくは60μm以下、最も好ましくは30μm以下である、請求項1から6のいずれか一項に記載の微細加工シンチレーション検出器(24)。
  8. 前記隣接流路部分(32、38)の幅は500μm以下、好ましくは300μm以下である、請求項1から7のいずれか一項に記載の微細加工シンチレーション検出器(24)。
  9. 前記隣接流路部分(32、38)の高さは1000μm以下、好ましくは100μm以下である、請求項1から8のいずれか一項に記載の微細加工シンチレーション検出器(24)。
  10. 隣接流路部分(32、38)の流路幅:流路高さの比は≧0.5、好ましくは≧1.0、最も好ましくは≧1.5である、請求項1から9のいずれか一項に記載の微細加工シンチレーション検出器(24)。
  11. 前記複数の光検出器(54)は、前記隣接流路部分(32、38)の第1および第2のセット(30、36)内の前記対応する流路部分(32、38)と同じピッチを有する光検出器(54)のアレイによって形成されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の微細加工シンチレーション検出器(24)。
  12. それぞれ、第3および第4の層に配置された隣接流路部分の第3および/または第4のセットをさらに備え、
    前記隣接流路部分の第3/第4のセット内の前記流路部分は、前記隣接流路部分(32、38)の第1/第2のセット(30、36)内の前記流路部分(32、38)と平行に、前記流路部分(32、38)に対して互い違いに配置されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の微細加工シンチレーション検出器(24)。
  13. 前記隣接流路部分(32、38)を定義する流路壁(56)が、前記シンチレーション検出器(24)で使用されるべき液体シンチレータの発光スペクトルにおいて、前記液体シンチレータの屈折率より低い屈折率、特に1.47以下、より好ましくは1.35以下、最も好ましくは1.30以下の屈折率を有する誘電材料、特にパイレックスガラス、NOA13685、NOA1375、ペルフルオロアルコキシまたはフッ化(エチレン−シクロオキシ脂肪族置換エチレン)共重合体のうちの1もしくは複数で作られ、または覆われている、請求項1から12のいずれか一項に記載の微細加工シンチレーション検出器(24)。
  14. 流路壁(56)が反射コーティング、特に金属コーティング、好ましくはアルミニウムまたは金コーティングで覆われている、請求項1から10のいずれか一項に記載の微細加工シンチレーション検出器(24)。
  15. 動作に際して前記液体シンチレータにさらされる流路規定材料の少なくとも一部が前記微細加工シンチレーション検出器(24)で使用されるべき前記液体シンチレータの屈折率より高い屈折率を有し、前記高屈折率の材料は、シンチレーション光を取り込み、前記シンチレーション光を対応する光検出器(54)へ誘導するための光導体として機能する、請求項1から10のいずれか一項に記載の微細加工シンチレーション検出器(24)。
  16. 光導体として機能する前記流路規定材料は隣り合う流路部分(32、38)を隔てる側壁(56)によって形成されており、
    前記光検出器(54)は、前記それぞれの側壁(56)を通して誘導されたシンチレーション光(52)を受けるように前記側壁(56)のそれぞれと関連付けられており、
    前記シンチレーション検出器(24)は、同じ流路部分(32、38)を規定する隣接した側壁に対応する同時の信号(58)を検出するのに適した読み出し手段をさらに備える
    請求項13に記載の微細加工シンチレーション検出器(24)。
  17. 光導体として機能する前記流路規定材料は前記隣接流路部分(32、38)の底(60)に設けられたリブ様構造(62)によって形成されている、請求項13に記載の微細加工シンチレーション検出器(24)。
  18. 前記流路側壁(56)は、動作に際して前記シンチレータ液にさらされ、前記検出器(24)で使用されるべき前記シンチレータ液の屈折率と同様の、または前記シンチレータ液の屈折率より高い屈折率を有する外側部分(56a)と、前記シンチレータ液の屈折率より低い屈折率を有する内側部分(56b)、特に中空部分(56b)とを有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の微細加工シンチレーション検出器(24)。
  19. 医療用ビーム(64)、特にハドロンビームの放射線プロファイルをモニタするためのビームプロファイラであって、
    請求項1から18のいずれか一項に記載の微細加工シンチレーション検出器(24)と、光検出器(54)から信号を受け取り、前記信号からビームプロファイル情報を計算するための読み出し手段とを備えるビームプロファイラ。
  20. 請求項19に記載のビームプロファイラを用いた治療時に医療用放射線ビーム(64)、特にハドロンビームをモニタするように構成されている放射線治療装置。
  21. シンチレーション検出器(24)を製造する方法であって、
    (a)第1および第2の開流路層(72、74)を形成するステップであって、前記第1および第2の開流路層は各々、第1/第2の底層(70)および第1/第2の流路側壁(56)を備え、前記第1/第2の流路側壁(56)は前記第1/第2の底層(70)上に隣接して配置された隣接流路部分(32、38)の第1/第2のセット(30、36)を定義するものである、前記第1および第2の開流路層を形成するステップと、
    (b)分離層(42)を形成するステップと、
    (c)前記隣接流路部分(32)の第1のセット(30)を覆うように前記分離層(42)を前記第1の開流路層(72)の上に配置し、前記分離層(42)を前記第1の開流路層(72)に結合するステップと、
    (d)前記隣接流路部分(38)の第2のセット(36)を覆うように前記第2の開流路層(74)を前記分離層(42)上に上下反対に配置し、前記分離層(42)を前記第2の開流路層(74)に結合し、それによって前記第1および第2の開流路層(72、74)を一体的に連結するステップと
    を含む方法。
  22. 前記第1の開流路層(72)、
    前記第2の開流路層(74)、および
    前記分離層(42)
    のうちの1もしくは複数数が、キャリア基板(66)上に設けられた犠牲材料層(68)の上に別々に形成され、前記キャリア基板(66)は前記犠牲材料層(68)を除去することによって外される、請求項21に記載の方法。
  23. 前記第1および/もしくは第2の開流路層(72、74)の前記底層(70)、
    前記第1および/もしくは第2の開流路層(72、74)の前記側壁(56)、または
    前記分離層(42)
    の1もしくは複数がSU−8で作られる、請求項21または22に記載の方法。
  24. 前記第1/第2の流路側壁(56)が形成されるときに前記隣接流路部分(32、38)内に位置するように、前記第1/第2の流路側壁(56)を形成する前に、前記第1/第2の底層(70)上にリブ様構造(62)を形成するステップをさらに含む、請求項21から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. ステップ(a)および/またはステップ(b)は、前記第1および第2の流路層(72、74)ならびに/または前記分離層(42)に光学コーティングを施すステップを含み、
    前記光学コーティングは、
    反射金属コーティング、特にアルミニウムもしくは金コーティング、または
    前記シンチレーション検出器(24)で使用されるべき液体シンチレータの発光スペクトルにおいて、前記液体シンチレータの屈折率より低い屈折率、特に1.47以下、より好ましくは1.35以下、最も好ましくは1.30以下の屈折率を有する誘電材料、特にパイレックスガラス、NOA13685、NOA1375、ペルフルオロアルコキシまたはフッ化(エチレン−シクロオキシ脂肪族置換エチレン)共重合体のうちの1もしくは複数
    のうちの1もしくは複数を含む、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
  26. 1もしくは複数の追加の開流路層を形成するステップであって、各追加の開流路層は底層(70)、および前記底層の上に隣接流路部分のセットを定義する流路側壁(56)を備えるものである、前記追加の開流路層を形成するステップと、
    前記追加の開流路層を、前記第1の、前記第2の、または別の追加の開流路層(72、74)のうちの1つの前記底層(70)の裏側に上下反対に配置し、結合するステップ
    をさらに含む、請求項21から25のいずれか一項に記載の方法。
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