JP2015523572A - 抗mif免疫組織化学法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、組織中のMIF、特に酸化型MIFの特異的検出に関する。免疫組織化学を使用し、特異的抗酸化型MIF抗体を使用する検出方法が提供される。

Description

本発明は、組織中のMIF、特に酸化型MIFの特異的な検出に関する。免疫組織化学法を使用し、そこで、特異的な抗酸化型MIF抗体を使用する検出方法を提供する。
背景
マクロファージ遊走阻害因子(MIF)は、ツベルクリン過敏性モルモットの腹膜滲出細胞(マクロファージを含む)のインビトロでのランダムな遊走を阻害する能力に基づいて、最初に単離されたサイトカインである(Bloom et al. Science 1966, 153, 80-2; David et al. PNAS 1966, 56, 72-7)。今日、MIFは、多面的な活性を示す自然免疫応答および後天性免疫応答の重大な上流調節因子として知られている。
ヒトMIF cDNAは1989年にクローン化され(Weiser et al., PNAS 1989, 86, 7522-6)、そのゲノム局在は染色体22に位置付けられた。ヒトMIF遺伝子産物は、114アミノ酸(N末端メチオニン切断後)および約12.5kDaの見かけの分子量を有するタンパク質である。MIFは、他の何れのタンパク質とも有意な配列相同性を有さない。このタンパク質は、同一のサブユニットの三量体として結晶化する。各モノマーは、4本鎖βシートとまとまった2本の逆平行αヘリックスを含む。モノマーは、隣接するサブユニットのβシートと相互作用してモノマー間のインターフェースを形成する、さらに2本のβ鎖を有する。3つのサブユニットは、分子の3回軸に沿ってタンパク質の中心を通過する、溶媒が接近可能なチャネルを含むバレルを形成するよう配置される(Sun et al. PNAS 1996, 93, 5191-5196)。
極低濃度のグルココルチコイドで、マクロファージからのMIF分泌が誘発されることが報告された(Calandra et al. Nature 1995, 377, 68-71)。しかし、MIFはまた、グルココルチコイドの作用を対抗制御し、腫瘍壊死因子TNF−αやインターロイキンIL−1βなどの他のサイトカインの分泌を刺激する(Baugh et al., Crit Care Med 2002, 30, S27-35)。MIFはまた、例えば、血管新生促進性、増殖促進性および抗アポトーシス性を示し、それによって腫瘍細胞増殖を促進する(Mitchell, R.A., Cellular Signalling, 2004. 16(1): p. 13-19; Lue, H. et al., Oncogene 2007. 26(35): p. 5046-59)。また、それは、例えばリンパ腫、黒色腫および結腸癌の増殖に直接関連している(Nishihira et al. J Interferon Cytokine Res. 2000, 20:751-62)。
MIFは、多くの病状のメディエーターであり、それゆえに、とりわけ炎症性腸疾患(IBD)、関節リウマチ(RA)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、喘息、糸球体腎炎、IgA腎症、心筋梗塞(MI)、敗血症および癌を含むがこれらに限定されない多様な疾患に関連している。
ポリクローナルおよびモノクローナル抗MIF抗体が、組み換えヒトMIFに対して開発されている(Shimizu et al., FEBS Lett. 1996; 381, 199-202; Kawaguchi et al, Leukoc. Biol. 1986, 39, 223-232, および Weiser et al., Cell. Immunol. 1985, 90, 167-78)。
抗MIF抗体は、治療的使用が示唆されている。Calandraら (J. Inflamm. (1995); 47, 39-51)は、グラム陰性およびグラム陽性敗血症ショックの実験的誘発から動物を保護するために抗MIF抗体を使用したことを報告した。抗MIF抗体は、敗血症ショックおよび他の炎症性疾病状態におけるサイトカイン産生を調節するための治療手段として提案された。
US 6,645,493 は、MIFの生物学的活性を中和するハイブリドーマ細胞由来モノクローナル抗MIF抗体を開示している。マウス由来抗MIF抗体は、エンドトキシン誘発ショックの処置に有益な効果を有することが動物モデルで示された。
US 200310235584は、MIF遺伝子をホモ接合的にノックアウトした動物中で、MIFに対する高親和性抗体を生産する方法を開示する。
グリコシル化阻害因子(GIF)は、Galatら(Eur. J. Biochem, 1994, 224, 417-21)によって記載されたタンパク質である。現在、MIFおよびGIFは同一であると認識されている。Wataraiら(PNAS 2000, 97, 13251-6)は、Ts細胞中のGIFの翻訳後修飾の生化学的性質を識別するための、異なるGIFエピトープに結合するポリクローナル抗体を記載している。Wataraiら(上掲)は、GIFが、インビトロで異なる立体配座のアイソフォームを生じることを報告した。1つのタイプのアイソマーは、1個のシステイン残基の化学修飾によって生じる。化学修飾は、GIFタンパク質内の立体配座変化を起こす。
様々な疾患の発症後に、とりわけ炎症性疾患または癌の発症後に、MIFレベル、すなわち全体的MIFレベルの上昇が検出される。しかし、健常対象でもMIFは循環しており、そのことが明確な区別を難しくしている。酸化型MIFは、対照的に、健常対象では存在しない。酸化型MIFは疾病状態で増加し、血液、血清および尿などの患者のサンプルで検出可能である。
MIFおよびそれに対する抗体の詳細な研究により、抗体RAB9、RAB4およびRAB0は、酸化型MIFに特異的に結合する(そして還元型MIFに結合できない)ことが判明した。
本発明者らによって行われた先の実験において、酸化的操作、例えばシスチン媒介酸化、GSSG(酸化型グルタチオン)媒介酸化、または、MIFのProclin300またはタンパク質クロスリンカー(例えばBMOE)とのインキュベーションが、MIFの上記抗体への結合をもたらすことが示された。
本発明者らが到達した驚くべき結論は、次の通りである。
・ 組み換えMIF(ヒト、マウス、ラット、CHO、サル)の酸化還元調節(システイン/GSSGが媒介する穏やかな酸化)、または、組み換えMIFのProclin300 またはタンパク質クロスリンカーでの処理が、Baxterの抗MIF抗体 RAB9、RAB4 および RAB0の結合をもたらす。
・ 酸化型MIFの還元が、Ab結合喪失をもたらす。
・ 酸化型アイソフォームに対する特異性は、インビボでの生物学的Ab有効性と相関する。
・ 酸化型MIFレベルは疾病状態と相関し得る。
この(酸化型)MIFに関するさらなる知識は、本発明者らのさらなる研究の基礎として貢献した。
今まで、組織切片中の酸化型MIFの検出方法または検出のための染色方法は存在しなかった。MIFタンパク質は種々のアイソフォームで存在することが示されている。MIF関連疾病状態の強力かつ信頼できるマーカーと考えられる自然に生じる酸化型MIFの、組織、例えばガラススライド上の組織切片における、免疫組織化学法(以降、IHCとも記載)または免疫蛍光法(IF)による特異的検出は、標準的なIHC法またはIF法を適用する際に、酸化型MIFの構造が影響を受けるか、または、しばしば完全に失われるという事実によって妨げられている。
従って、酸化型MIFアイソフォームのための信頼できる検出方法について、明確な必要性が存在する。この必要性は本発明者らによって対処され、この目的は、下記の通りに本発明によって達成された。
本発明の概要
本発明は、酸化型MIF(酸化型マクロファージ遊走阻害因子)の検出のための検出方法を目的とする。本検出方法は、免疫組織化学的検出の原理に基づく。これは、組織サンプル、特に組織切片で使用される。
好ましくは、これらの組織切片は、ガラスまたはプラスチック担体、例えばガラスまたはプラスチックスライド上に提供される。
本方法は、特異的酸化型MIF結合抗体を使用する。
本発明に使用するのに好ましい抗体は、モノクローナル抗体である。特に好ましい態様において、モノクローナル抗酸化型MIF抗体は、下にさらに詳細に記載する通り、RAB9、RAB0 および/または RAB4からなる群から選択されるか、または、RAM9、RAM0 および/または RAM4からなる群から選択される。
本発明の方法の好都合な特異性は、アイソタイプ対照抗体(酸化型MIFを検出できないため陰性対照として適している)、または、ポリクローナル抗MIF抗体(還元型MIF+酸化型MIFからなる全MIFに結合し、陽性対照として適している)による対照染色によって示されており(下記の実施例の章を参照のこと)、さらに、酸化型MIFが、罹患組織、例えば癌性組織でのみ検出されるという証拠を伴う本発明者らの発見によってさらに確認されている。
本検出方法は、好ましい態様において、染色工程を含む。本発明の検出/染色プロトコル自体、組織切片中の未変性の酸化型MIF構造を保つよう設計された。本発明の時点までに知られていた標準的な方法は、MIFの酸化型MIFへの変換を起こし、そのため、免疫組織化学法で偽陽性染色となる。
本発明の詳細な説明
本発明は、次の項によって一部記載される。
1. 対象の組織サンプルで抗体RAB4、RAB9および/またはRAB0に示差的に結合するMIFである酸化型MIFのインビトロ検出のための免疫組織化学(IHC)アッセイ法であって、インビトロで当該サンプルの酸化型MIFへの化合物の結合を測定する工程を含む、アッセイ法。
2. 酸化型MIFに結合する化合物が、酸化型MIFに特異的に結合する抗体である、項1に記載のIHCアッセイ法。
3. 抗体が、酸化型MIFに結合するが、還元型MIFに結合しない、項2に記載のIHCアッセイ法。
4. 示差結合が、100nM未満、好ましくは50nM未満、さらにより好ましくは10nM未満のK値で起こる酸化型MIFへの結合であり、還元型MIFへの非結合が、400nMより大きいKによって特徴付けられる、項3に記載のIHCアッセイ法。
5. 抗体が、酸化型MIF結合体、例えば抗体RAB4、RAB9および/またはRAB0および/またはRAM4、RAM9および/またはRAM0からなる群から選択される、項2〜4の何れか1つに記載のIHCアッセイ法。
6. サンプルが、組織生検材料、好ましくは凍結組織生検材料、好ましくはOCT包埋切片、またはコア針生検材料である、項1〜5の何れかに記載のIHCアッセイ法。
7. 下記の1つ以上の工程:
a) ブロッキング緩衝液を用いる任意のブロッキング工程;
b) 先の固定化工程を伴わない、第1抗酸化型MIF抗体との結合工程;
c) 任意の固定化工程;
d) 第2抗体とのインキュベーション工程;および/または
e) 染色工程;
を行う、項1〜6の何れかに記載のIHCアッセイ法。
8. 第1結合工程の前に、無機または有機固定化試薬、特にホルムアルデヒドまたはアセトンを用いる固定化を行わない、項1〜7の何れかに記載のIHCアッセイ法。
9. 任意の固定化工程後、および/または第1結合工程前に、サンプルを、好ましくは約30分間空気乾燥する、項7または8に記載のIHCアッセイ法。
10. 第1抗体が、ビオチン化されており、および/または、好ましくは第1希釈緩衝液に含まれ、および/または、第1抗体を、サンプルと、好ましくは45〜90分間、より好ましくは約60分間インキュベートする、項7〜9の何れか1つ以上に記載のIHCアッセイ法。
11. 洗浄工程が、過剰の抗体を洗い流すために、インキュベーション工程d)の後に行われる、項7〜10の何れか1項以上に記載のIHCアッセイ法。
12. 第2抗体が、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)結合ストレプトアビジンである、項7〜11の何れか1つ以上に記載のIHCアッセイ法。
13. 洗浄工程が、インキュベーション工程d)の後に行われる、項7〜12の何れか1つ以上に記載のIHCアッセイ法。
14. 染色工程をヘマトキシリンを用いて行う、項7〜13の何れか1つ以上に記載のIHCアッセイ法。
15. 結合工程をビオチン化または蛍光標識結合試薬を用いて行う、項1〜14の何れか1つに記載のIHCアッセイ法。
16. 項1〜15の何れか1つ以上に記載の方法を行うために適合させた、IHCアッセイ用キット。
上記抗体は、その配列によりならびに上記抗体RAB0、RAB4およびRAB9それぞれのならびにRAM0、RAM4およびRAM9それぞれの軽鎖または重鎖の何れかを含む大腸菌(E. coli)(TG1株)中のプラスミドとしての寄託によって特徴づけされ、かつ支持される。
プラスミドは、ブダペスト条約に基づき、German Collection of Microorganisms and Cell Cultures (DSMZ), Mascheroder Weg 1b, Braunschweig, Germanyに寄託して得られた公式番号であるDSM番号によって特徴付けられる。プラスミドは、それぞれ大腸菌株で寄託した。
DSM 25110の番号を有するプラスミドは、抗MIF抗体 RAB4の軽鎖配列を含む。
DSM 25112の番号を有するプラスミドは、抗MIF抗体 RAB4の重鎖(IgG4)配列を含む。
適当な宿主細胞中でのプラスミド DSM 25110 および DSM 25112の共発現により、好ましい抗MIF抗体RAB4が生産される。
DSM 25111の番号を有するプラスミドは、抗MIF抗体 RAB9の軽鎖配列を含む。
DSM 25113の番号を有するプラスミドは、抗MIF抗体 RAB9の重鎖(IgG4)配列を含む。
適当な宿主細胞中でのプラスミド DSM 25111 および DSM 25113の共発現により、好ましい抗MIF抗体RAB9が生産される。
DSM 25114の番号を有するプラスミドは、抗MIF抗体 RAB0の軽鎖配列を含む。
DSM 25115の番号を有するプラスミドは、抗MIF抗体 RAB0の重鎖(IgG4)配列を含む。
適当な宿主細胞中でのプラスミド DSM 25114 および DSM 25115の共発現により、好ましい抗MIF抗体RAB0が生産される。
また、抗体RAM0、RAM9およびRAM4を全て、ブダペスト条約に基づき、2012年4月12日に、DSMZ(Braunschweig, Germany)に寄託した。下記の記号を用いた:
RAM9 - 重鎖: 大腸菌 GA.662-01.pRAM9hc - DSM 25860.
RAM4 - 軽鎖: 大腸菌 GA.906-04.pRAM4lc - DSM 25861.
RAM9 - 軽鎖: 大腸菌 GA.661-01.pRAM9lc - DSM 25859.
RAM4 - 重鎖: 大腸菌 GA.657-02.pRAM4hc - DSM 25862.
RAM0 - 軽鎖: 大腸菌 GA.906-01.pRAM0lc - DSM 25863.
RAM0 - 重鎖: 大腸菌 GA.784-01.pRAM0hc - DSM 25864.
生物学的サンプルは、本明細書の内容において、好ましい態様において、組織サンプルであり、好ましくは組織生検材料、組織生検材料の凍結切片(新鮮凍結または例えばOCT包埋)、またはコア針生検材料である。しかし、上記の好ましいサンプルに加えて、全てのさらなる既知の組織または細胞サンプルを、当業者に知られている通りに、本発明の方法で使用できる。OCT包埋は、この内容において、凍結組織を包埋するための包埋媒体をいい、当技術分野で十分に用いられよく知られている手順である。OCTは、最適切削温度(Optimal Cutting Temperature)を表し、例えばこの媒体を使用することによって確保される。OCT媒体は、凍結アーチファクトの形成、例えば水による組織の破壊を防ぐ。OCT媒体は、10.24%のポリビニルアルコール、4.26%のポリエチレングリコールおよび85.50%の非反応性成分からなる。この媒体または一般的な知識に従い同様の媒体は、例えばクリオスタットでの切断前に組織を包埋するために使用される。この媒体の僅かな変化は、本発明に影響しない。
患者からのサンプル中の酸化型MIFの検出は、特にMIF関連疾患、すなわち(酸化型)MIFの関与がある疾患に罹患している患者を診断するために、疾患または障害の信頼できる診断をするのに重要な過程である。
用語“予防的”または“治療的”処置は、当技術分野で認識されているものであり、患者への薬物の投与をいう。望ましくない状態(宿主、例えばヒトまたは動物の疾患または他の望ましくない状態)の臨床的顕在化の前に、示された化合物を投与するならば、処置は予防的であり、すなわち、望ましくない状態の発症から宿主を守る。一方、望ましくない状態の顕在化後の投与ならば、処置は、治療的である(すなわち、現存する望ましくない状態またはその副作用を軽減する、改善するまたは維持することを意図する)。
本明細書で用いられるとき、抗(酸化型)MIF化合物は、(酸化型)MIFの生物学的活性を減弱する、阻害する、対抗する、相殺するまたは減少させる何らかの薬物を言う。抗(酸化型)MIF化合物は、(酸化型)MIF活性を阻害するかまたは中和する薬物であってよく、例えば抗体であり、特に好ましいのは本明細書に記載された抗体であり、さらにより好ましいのは、抗体 RAB9、RAB4 および/または RAB0、または、RAM9、RAM4 および/または RAM0である。
本発明は、以下に記載する図によって、さらに記載される。
慢性腎炎の免疫組織化学による酸化型MIFのその場検出 慢性腎炎の対照染色 膵臓浸潤性腺管癌の免疫組織化学による酸化型MIFのその場検出 正常膵臓の対照染色 乳房のコア針生検の模式図 線維形成型腺管癌ステージIBの48歳アジア人女性のビオチン化RAM9を用いるIHCによる酸化型MIFのその場検出 線維形成型腺管癌ステージIBの48歳アジア人女性のビオチン化対照抗体を用いるIHCによる酸化型MIFのその場検出 中〜低分化腺管癌ステージIBの54歳アジア人男性のビオチン化RAM9を用いるIHCによる酸化型MIFのその場検出 中〜低分化腺管癌ステージIBの54歳アジア人男性のビオチン化対照抗体を用いるIHCによる酸化型MIFのその場検出 中程度分化腺管癌ステージIの58歳患者のビオチン化RAM9を用いるIHCによる酸化型MIFのその場検出 浸潤性腺管癌ステージ“IIB”の64歳患者における蛍光色素標識ストレプトアビジンを用いて検出するIFによる酸化型MIFのその場検出。A:ビオチン化対照抗体。B:ビオチン化RAM9。 膵臓浸潤性腺管癌ステージ“IIB”の64歳患者における直接蛍光色素標識RAM9を用いて検出するIFによる酸化型MIFのその場検出 脳のIHCによる酸化型MIFのその場検出 − 頭蓋咽頭腫(32歳男性患者)(患者)および正常脳(60歳男性ドナー)。A:ビオチン化RAM9/頭蓋咽頭腫。B:ビオチン化RAM9/正常脳。C:ビオチン化対照抗体/頭蓋咽頭腫。D:ビオチン化対照抗体/正常脳。 肺のIHCによる酸化型MIFのその場検出 − 乳頭状腺癌(64歳女性患者)、扁平上皮細胞癌(52歳男性患者)および正常肺(66歳女性ドナー)における。A:ビオチン化RAM9/腺癌。B:ビオチン化RAM9/扁平上皮細胞癌。C:ビオチン化RAM9/正常肺。D:ビオチン化対照抗体/腺癌。E:ビオチン化対照抗体/扁平上皮細胞癌。F:ビオチン化対照抗体/正常肺。
定義および一般的な方法
本明細書で別途定義しない限り、本発明に関して用いられる科学用語および技術用語は、当業者に一般的に理解される意味を有する。一般的に、本明細書で記載された細胞、組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学およびタンパク質および核酸化学に関連して用いられる命名法および技術は、当技術分野で周知のものであって、一般的に用いられているものである。本発明の方法および技法は、特に断りのない限り、一般的に、当技術分野で周知の慣用の方法に従って、本明細書全体で引用され、かつ説明された様々な一般的および具体的引用文献に記載された通りに行われる。例えば Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989) および Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Associates (1992), および Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1990)(これらは、引用することによって本明細書に組み込まれる)を参照のこと。
“MIF”または“マクロファージ遊走阻害因子”は、免疫および炎症応答に重要なメディエーターとして、およびグルココルチコイドの対抗制御因子として知られるタンパク質をいう。MIFは、哺乳動物MIF、特にヒトMIF (Swiss-Prot primary accession number: P14174)を含み、単量体型は、115アミノ酸タンパク質としてコードされるが、最初のメチオニンの切断により、114アミノ酸として生産される。また、“MIF”は、“GIF”(グリコシル化阻害因子)および他の型のMIF、例えばMIFの融合タンパク質を含む。MIFのアミノ酸のナンバリングは、N末端メチオニン(アミノ酸1)から始まり、C末端アラニン(アミノ酸115)で終わる。
“酸化されたMIF”または酸化型MIFは、本発明の目的のために、MIFを穏やかな酸化剤、例えばシスチンで処理することによって生じるMIFのアイソフォームとして定義される。本発明によって示される通り、この方法で処理された組み換え酸化型MIFは、(例えば)動物を細菌に暴露した後にインビボで生じる酸化型MIFと構造的再配列を共有するMIFのアイソフォームを含む。
還元型MIFは、本発明の目的のために、還元されたMIFと定義され、RAB0、RAB9 および/または RAB4 に結合しないMIFである。
本発明で記載された抗酸化型MIF抗体は、それぞれ穏やかな酸化または還元によって生じる酸化型MIFと還元型MIFを区別することができ、特異的に酸化型MIFを検出するのに有用である。これらの配座異性体の区別は、ELISAまたは表面プラズモン共鳴によって評価される。
Biacoreによる抗体の示差的結合の評価
酸化型MIFおよび還元型MIFの抗体RAB9およびRAB0に対する結合動態を、Biacore 3000 Systemを用いた表面プラズモン共鳴によって調べる。抗体をCM5(=カルボキシメチル化デキストラン)チップにコートし、0.2% Proclin300とプレインキュベートした組み換えMIFタンパク質を注入した(Proclin300は、酸化イソチアゾロンからなり、これは酸化型MIFから還元型MIFへの変換を回避することによって酸化型MIF構造を安定化する)。ProClin300を添加しない未変性HBS−EP緩衝液(=Biacoreランニング緩衝液)中では、組み換えMIFタンパク質は、RAB9、RAB0または陰性(バックグランド)結合対照として用いられる参照抗体(無関係なアイソタイプ対照抗体)に一切結合しなかった。
好ましい態様において、酸化型MIFは、抗体RAB9、RAB4および/またはRAB0、またはその抗原結合フラグメントに示差的に結合するMIFであり、すなわち、これらの抗体は酸化型MIFと結合するが、これらの抗体のどれも還元型MIFによって結合されないことを意味する。
他の態様において、抗酸化型MIF抗体、例えば上記の抗体またはその抗原結合部分は、100nM未満のKで、好ましくは50nM未満のKで、さらにより好ましくは10nM未満のKで酸化型MIFに結合する。特に好ましくは、本発明の抗体は、5nM未満のKで酸化型MIFに結合する。
抗体、例えばRAB9、RAB4またはRAB0の(酸化型MIFまたは還元型MIFへの)(非)結合は、一般的に当業者に知られている通りに決定でき、その例は、下記の方法の何れか1つである:組み換えMIFを用いる示差的結合ELISA、または、上に記載した周知のBiacoreアッセイのような還元状態または酸化状態の組み換えMIFを用いた表面プラズモン共鳴。
好ましい結合決定方法は、例えば還元型(酸化型)MIFに対する、抗体の表面プラズモン共鳴であり、ここで、“結合”は、100nM未満、好ましくは50nM未満、さらにより好ましくは10nM未満のKを表すことを意味し、一方、還元型MIFへの非結合は、400nMより大きいKによって特徴付けられる。“結合”および“特異的結合”は、本明細書で、このことを表すために互換的に用いられる。“示差的結合”は、本明細書の内容において、化合物が、特に本明細書に記載の抗体が、酸化型MIFに(例えば上記のK値で)結合する一方、それらが、還元型MIFに結合しない(非結合も上で定義している)ことを意味する。
“抗体”は、完全な抗体か、または、(特異的)結合について完全な抗体と競合する抗原結合部分を言う。一般的には、Fundamental Immunology, Ch. 7 (Paul, W., ed., 2nd ed. Raven Press, N.Y. (1989)) (引用により組み込まれる)を参照のこと。用語抗体は、ヒトの抗体、哺乳動物の抗体、単離した抗体および遺伝子改変形態、例えばキメラ、ラクダ化またはヒト化抗体を含み、これらに限定されない。
用語抗体の“抗原結合部分”は、抗原(例えば(酸化型)MIF)に特異的に結合する能力を保持する1種以上の抗体フラグメントを言う。抗原結合部分は、組み換えDNA法によって、または、完全な抗体の酵素切断または化学的切断によって製造され得る。抗原結合部分は、例えば、下記のものを含むが、これらに限定されない:Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、および相補性決定領域(CDR)フラグメント、一重鎖抗体(scFv)、キメラ抗体、ポリペプチド、すなわち酸化型または還元型MIFに対して特異的な抗原結合をするのに十分な抗体の少なくとも一部を含む抗体およびポリペプチド。N末端からC末端までの成熟軽鎖および重鎖の可変ドメインは、領域FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4を含む。各ドメインへのアミノ酸の割り当ては、Kabat, Sequences of Proteins of Immunological Interest (National Institutes of Health, Bethesda, Md. (1987 and 1991))、Chothia et al. J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987)、または、Chothia et al., Nature 342:878-883 (1989)の定義に従う。抗体またはその抗原結合部分は、他の機能性分子(例えば他のペプチドまたはタンパク質)に誘導できるかまたは結合できる。例えば、抗体またはその抗原結合部分は、1つ以上の他の分子部分、例えば他の抗体(例えば二重特異性抗体または二特異性抗体)、検出可能な物質、細胞傷害剤、薬物および/または結合分子と機能的に結合できる。
用語“K”は、本明細書で、当業者の一般的な知識に従って、特定の抗体とその抗原との平衡解離定数を言う。この平衡解離定数は、より大きい対象(ここでは酸化型または還元型MIF−抗体複合体)が、より小さい対象(ここでは酸化型または還元型MIFと抗体)に、分離、すなわち解離する傾向を測るものである。
用語“ヒト抗体”は、可変および定常ドメインがヒトの配列である何らかの抗体を言う。本用語は、ヒトの遺伝子から誘導されるが、例えば可能性のある免疫原性を減少させる、親和性を増大させる、望ましくないフォールディングを起こすかもしれないシステインを除くなどの変更をした配列を有する抗体を包含する。本用語は、例えばヒト細胞に典型的でないグリコシル化を授けるはずである、非ヒト細胞で組み換えにより産生した抗体を包含する。
用語“ヒト化抗体”は、ヒト配列を含み、かつ非ヒト配列も含む抗体を言う。
用語“ラクダ化抗体”は、抗体構造または配列が、ラクダ由来の抗体により酷似するように変更された抗体をいい、ラクダ科抗体とも命名される。ラクダ化抗体の設計および生産は、当業者に一般的な知識の一部である。
用語“キメラ抗体”は、2種以上の異なる種由来の領域を含む抗体を言う。
用語“単離された抗体”または“その単離された抗原結合部分”は、抗体ソース、例えばファージディスプレイライブラリーまたはB細胞レパートリーから同定され、選択された、抗体またはその抗原結合部分を言う。
本発明による抗(酸化型)MIF抗体の生産は、遺伝子操作によって、例えばRNAの逆転写および/またはDNAの増幅および発現ベクターへのクローニングによって、組み換えDNAを作製する何らかの方法を含む。幾つかの態様において、ベクターは、さらなるDNAセグメントをウイルスのゲノムにライゲートし得るウイルスベクターである。幾つかの態様において、ベクターは、導入される宿主細胞中で自己複製できる(例えば細菌由来の複製を有する細菌ベクターおよびエピソームの哺乳動物ベクター)。他の態様において、ベクター(例えば非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入により宿主細胞のゲノムに組み込まれ、それによって、宿主のゲノムと共に複製される。さらに、特定のベクターは、動作可能に結合した遺伝子の発現の指示ができる。このようなベクターは、本明細書で“組み換え発現ベクター”(または単に“発現ベクター”)と言う。
抗(酸化型)MIF抗体は、とりわけ、慣用の発現ベクター、例えば細菌ベクター(例えばpBR322およびその誘導体)、または、真核生物ベクターによって生産できる。抗体をコードするこれらの配列は、宿主細胞からの複製、発現および/または分泌を制御する制御配列と共に提供され得る。これらの制御配列は、例えばプロモーター(例えばCMVまたはSV40)およびシグナル配列を含む。また、発現ベクターは、選択マーカーおよび増幅マーカー、例えばジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子(DHFR)、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼおよびチミジンキナーゼも含み得る。用いるベクターの構成要素、例えば選択マーカー、レプリコン、エンハンサーは、商業的に得られるか、または、慣用の方法によって作製できる。ベクターは、様々な細胞培養物、例えば哺乳動物細胞、例えばCHO、COS、HEK293、NSO、線維芽細胞、昆虫細胞、酵母または細菌、例えば大腸菌における発現のために構築され得る。幾つかの例において、発現されたタンパク質の最適なグリコシル化を可能とする細胞を用いる。
抗(酸化型)MIF抗体軽鎖遺伝子および抗(酸化型)MIF抗体重鎖遺伝子は、別のベクターに挿入され得るか、または、これらの遺伝子は、同じ発現ベクターに挿入される。抗体遺伝子は、標準的な方法、例えば抗体遺伝子フラグメントおよびベクター上の相補的制限部位のライゲーションによって、または、制限部位が存在しないならば平滑末端ライゲーションによって発現ベクターに挿入される。
抗(酸化型)MIF抗体またはその抗原結合フラグメントの生産は、例えばエレクトロポレーションまたはマイクロインジェクションによるトランスフェクションによって組み換えDNAを真核生物細胞に導入するための当技術分野で知られているいかなる方法も含み得る。例えば、抗(酸化型)MIF抗体の組み換え発現は、抗(酸化型)MIF抗体をコードするDNA配列を含む発現プラスミドを、1種以上の制御配列、例えば強力なプロモーターの制御下で適切なトランスフェクション法によって適当な宿主細胞株に導入することによって達成でき、その結果、ゲノムに安定に組み込まれた導入配列を有する細胞が得られる。リポフェクション法は、本発明に従って用いられ得るトランスフェクション法の一例である。
また、抗(酸化型)MIF抗体の生産は、例えば連続的またはバッチ式方法での形質転換した細胞の培養、および、例えば構成的または導入による抗(酸化型)MIF抗体の発現について当業者に知られている何らかの方法を含む。抗(酸化型)MIF抗体の生産についてのさらなる参考として、特に、WO 2009/086920を指定する。好ましい態様において、本発明によって生産された抗(酸化型)MIF抗体は、酸化型MIFまたはそのエピトープに結合する。本発明によると、特に好ましい抗体は、抗体 RAB9、RAB4および/またはRAB0、ならびにRAM9、RAM4および/またはRAM0である。
これらの抗体の配列は、一部WO 2009/086920に開示されている。さらに、本出願の配列表および次に示すものを参照のこと。
配列番号1:RAB9の軽鎖のアミノ酸配列
配列番号2:RAB4の軽鎖のアミノ酸配列
配列番号3:RAB0の軽鎖のアミノ酸配列
配列番号4:RAB2の軽鎖のアミノ酸配列
配列番号5:RAB9の重鎖のアミノ酸配列
配列番号6:RAB4の重鎖のアミノ酸配列
配列番号7:RAB0の重鎖のアミノ酸配列
配列番号8:RAB2の重鎖のアミノ酸配列
配列番号9:RAM0hcのアミノ酸配列
配列番号10:RAM0lcのアミノ酸配列
配列番号11:RAM9hcのアミノ酸配列
配列番号12:RAM9lcのアミノ酸配列
配列番号13:RAM4hcのアミノ酸配列
配列番号14:RAM4lcのアミノ酸配列
本発明の抗(酸化型)MIF抗体は、好ましくは、単離されたモノクローナル抗体である。抗MIF抗体は、IgG、IgM、IgE、IgAまたはIgD分子であり得る。他の態様において、抗MIF抗体は、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4サブクラスである。他の態様において、抗体は、サブクラスIgG1またはIgG4の何れかである。他の態様において、抗体は、サブクラスIgG4である。幾つかの態様において、IgG4抗体は、セリン(セリン228, Kabatナンバリングスキームによる)をプロリンに変更した単一突然変異を有する。従って、IgG4のFc領域におけるCPSC部分配列は、IgG1の部分配列であるCPPCとなる(Angal et al. Mol Immunol. 1993, 30, 105-108)。
さらに、抗(酸化型)MIF抗体の生産は、当技術分野に知られている何らかの抗体精製方法、例えばアニオン交換クロマトグラフィーまたは親和性クロマトグラフィーによる精製方法を含み得る。一つの態様において、抗(酸化型)MIF抗体は、サイズ排除クロマトグラフィーによって、細胞培養物上清から精製できる。
用語MIFの“中心領域”および“C末端領域”は、それぞれアミノ酸35〜68およびaa 86〜115を含むヒトMIFの領域、好ましくは、それぞれaa 50〜68およびaa 86〜102のヒトMIFを言う。
本発明の特に好ましい抗体は、aa 50〜68領域またはaa 86〜102領域のヒトMIFの何れかに結合する。また、これは、次の通りに結合する好ましい抗体RAB0、RAB4、RAB2およびRAB9、ならびにRAM4、RAM9およびRAM0の結合に反映される:
RAB4 および RAM4:aa 86〜102
RAB9 および RAM9:aa 50〜68
RAB0 および RAM0:aa 86〜102
RAB2:aa 86〜102
用語“エピトープ”は、免疫グロブリンまたは抗体フラグメントに特異的に結合できる何らかのタンパク質決定因子を含む。エピトープ決定因子は、通常、分子の化学的に活性な表面の基からなり、例えば、露出したアミノ酸、アミノ糖または他の炭水化物側鎖であって、通常、特異的な3次元構造特性および特異的電荷特性を有する。
用語“ベクター”は、それが結合している他の核酸を輸送できる核酸分子をいう。幾つかの態様において、ベクターは、プラスミドであり、すなわち、さらなるDNAセグメントをライゲートし得る円形の二重鎖DNAループである。
用語“宿主細胞”は、発現ベクター導入後に組み換えタンパク質を生産できる細胞株を言う。用語“組み換え細胞株”は、組み換え発現ベクターが導入されている細胞株を言う。“組み換え細胞株”は、特定の対象の細胞株のみならず、当該細胞株の子孫も意味すると理解されるべきである。突然変異または環境的影響の何れかのために後の世代に特定の修飾が生じ得ることから、このような後代は、実際は親細胞と同一ではないが、それでも本明細書で用いられる用語“組み換え細胞株”の範囲内に含まれる。
本発明による宿主細胞のタイプは、例えばCOS細胞、CHO細胞、または、例えばHEK293細胞、または当業者に知られている他の何れかの宿主細胞であり、それ故、例えば大腸菌細胞のような細菌の細胞を含む。一つの態様において、抗MIF抗体は、G418を選択マーカーとして加えたDHFR欠損CHO細胞株、例えばDXB11中で発現される。抗体遺伝子をコードする組み換え発現ベクターがCHO宿主細胞に導入されるとき、抗体は、宿主細胞中で抗体が発現するのに十分な時間または宿主細胞を増殖させた培養培地に抗体を分泌するのに十分な時間、宿主細胞を培養することによって、抗体を生産する。
抗(酸化型)MIF抗体は、標準的なタンパク質精製方法を用いて、培養培地から回収できる。
非常に驚くべきことに、本発明者らは、結合前に最先端のホルムアルデヒド固定化工程を避けることが、可能であり、かつ特に重要であることを示した。この固定化は、(無機または有機)溶媒を用いて行ったとき、たとえ非常によく知られ通常有用な固定化剤であるホルムアルデヒドまたはアセトン(組織切片のために当技術分野で最も一般的に用いられる固定化剤である)の使用であっても、サンプル中のMIFのコンホメーションが変化する傾向があり、偽陽性の結果を生じ得る。これは、一つの見解に過ぎないが、酸化型MIFエピトープに似た構造を生じるこの固定化剤/溶媒が誘発するMIFタンパク質の構造再配置の結果であろう。
本発明者らは、驚くべきことに、抗酸化型MIF抗体との結合工程前に固定化工程を使用しなかった場合に、良好で信頼できる結果が得られることを示す。これは、当技術分野で通常用いられる方法の実質的に全てで広く確認されるように、固定化工程が適当な結果を得るために必須であろうと見なす当業者の予測に反する。
本発明の好ましい態様において、組織サンプルの切片は、2〜15μmの厚さを有するべきである。より好ましい態様において、これらの切片は5〜10μmの厚さを有する。
生検材料は、それ自体、新鮮凍結または例えばOCT包埋の何れかで、当業者に知られている最先端技術に従って調製され、上記の厚さを有する切片を調製した。その後の方法の工程および染色手順を、断りのない限り、好ましくは環境温度で行う。
好ましい態様において、切片を実際の手順を開始する前に20〜45分間、好ましくは約30分、空気乾燥する。
本発明のIHCアッセイ法の好ましい態様において、サンプルは、特に組織サンプルは、固定化されず、特にホルムアルデヒドまたはアセトンのような無機または有機固定化剤または溶媒で固定化されない。任意の態様において、いずれにしても、最初の結合前にサンプルを乾燥させることが可能である。乾燥工程が、サンプル、特にサンプルに含まれると推定される(酸化型)MIFの酸化を避けるように行うことが特に重要である。空気乾燥は、本発明者らによって、この要請を満たすことが示された。乾燥工程は、例えばアルコール性成分のような酸化的性質を有する乾燥成分なしで行う必要がある。
特に、本発明者らは、最初の結合工程の前に固定化手順を使用しない(任意のブロッキング工程前にも固定化しないことを意味する)ことによって、MIFの酸化を回避することができること;他の手順を使用することによって、MIF構造が再配列し、その結果、その後の抗体の酸化型MIFへの結合において偽陽性をもたらす可能性があることを示した。しかし、サンプルは、最初の結合工程の前に空気乾燥できる。
本発明の結合化合物と特異的結合するために、好ましくは、上記の抗酸化型MIF抗体を使用する。好ましい態様において、これらの抗体は、当技術分野で知られている通りビオチン化されるか、または、蛍光色素で直接標識される。特異的結合の前に、好ましい態様において、非特異的結合をブロックするブロッキング緩衝液を使用できる。この態様の好都合な選択肢において、ブロッキング緩衝液は、トリス緩衝食塩水(TBS)中にヤギ血清、血清アルブミンおよび魚ゼラチンを含み、より好ましい態様において、TBS中に20% 正常ヤギ血清、2% 血清アルブミンおよび0.2% 魚ゼラチンを含む。他の態様において、ブロッキング緩衝液は、ダルベッコリン酸緩衝食塩水(DPBS)中の20% 正常ヤギ血清、2% ウシ血清アルブミンおよびゼラチンを含む。ブロッキング緩衝液でのサンプルの処理は、好ましくは、15〜45分間行い、非常に好ましくは30分間行う。ブロッキング緩衝液処理の実施が15分未満である場合、シグナル/ノイズ比は低下し、すなわち特異的シグナルに対してバックグラウンドシグナルが高すぎることが示された。
さらに、好ましい態様において、抗酸化型MIF抗体の濃度範囲は、0.3〜20μg/mlである。特に好都合な抗酸化型MIF抗体の濃度範囲は、0.5〜16μg/mlである。より好ましい抗酸化型MIF抗体の濃度範囲は、5〜10μg/ml希釈緩衝液である。好ましくは、切片を酸化型MIF抗体溶液で完全に覆い、この目的のためには、大部分の場合で、500μlの溶液で十分である。
抗酸化型MIF抗体を、好ましくは、第1希釈緩衝液で希釈する。好ましい態様において、この第1希釈緩衝液は、TBS中にウシ血清アルブミンおよび魚ゼラチンを含み、より好ましい態様において、TBS中に2% ウシ血清アルブミンおよび0.2% 魚ゼラチンを含む。酸化型MIF抗体とのインキュベーションは、好ましくは、45〜90分間、より好ましくは50〜70分間、非常に好ましくは約60分間行われる。
結合工程後、過剰の抗体を洗い流すために、切片を新しいTBS(または例えばDPBS;洗浄緩衝液)に短時間浸漬するべきである。他の態様において、ブロッキング緩衝液および希釈緩衝液に、TBSではなくDPBSを用いたとき、浸漬は、新鮮DPBSで行うべきである。浸漬後、新鮮洗浄緩衝液での洗浄工程は、約5〜15分間、より好ましい態様では10分間行うべきである。
任意工程として − 但しこれは第1結合工程のにのみ行われるべきであるが − 適当な固定化溶液中で、例えばリン酸緩衝ホルムアルデヒド中で、10〜25分間、好ましくは15〜20分間、検体を固定することが可能である。このホルムアルデヒドによる固定化工程は任意であり、組織構造を維持する働きがある。この工程は(酸化型)MIF構造に負の影響を有さず、偽陽性結果をもたらさない。
この任意工程後、過剰のホルムアルデヒドを洗い流すために、再度TBS(あるいはDPBS)に短時間浸漬することが好ましい;浸漬時間は上に説明した通りであり;その後、それを、5〜15分間、好ましくは10分間、新鮮TBS(またはDPBS、それぞれ)中でインキュベートし得る。
所望により、次いで、外因性ペルオキシダーゼをブロックする。これは、組織切片を、例えばメタノール中のH、好ましくはメタノール中0.3%のH中で、20〜30分間インキュベートすることによって行い得る。次いで、好ましくは、TBSで5〜10分間洗浄することによって、過剰のメタノールを除去する。
これらの工程後、好ましい態様に従って、適当な染色試薬での染色を行うべきである。好ましい態様において、この染色は、HRP結合ストレプトアビジン(ここで、HRPは、西洋わさびペルオキシダーゼを表す。)による。あるいは、当業者に知られている他の検出方法が適当である;例えばフルオロフォア標識抗体を検出ツールとして使用できるか、または、ストレプトアビジンをフルオロフォアで標識できる。フルオロフォア標識部分での検出は、本発明の内容において、本発明者らによって適当であることが示されている(例えば実施例5を参照のこと)。これは、実施例5の、変法1および2として、詳細に、しかし一般的に応用可能に記載される。
好ましい染色試薬は、VECTASTAIN Elite ABC 試薬である。染色時間は、少なくとも20分、好ましくは少なくとも30分、非常に好ましい態様において、少なくとも45分続けるべきである。
好ましくは、過剰の二次試薬を洗い流すために、再度切片をTBS(あるいはDPBS、上記参照)に短時間浸漬する。その後、好ましい態様において、さらに、5〜15分間、好ましくは10分間、新鮮TBSまたは新鮮DPBS中でインキュベーションを行う。
得られたスライドを、好ましい態様において、基質で、例えば展開に適した基質で、HRPを用いて、当業者に周知の通り、例えばImmPACT DAB 基質を用いて5〜15分間、好ましくは10分間展開する。
その後、好ましい態様において、過剰の基質を洗い流すために、切片をTBS(またはDPBS、上記参照)に浸漬し、次いで5〜15分間、好ましくは10分間、新鮮TBSまたはDPBS中でインキュベートする。
上記工程後、好ましくは、核を染色する対比染色工程を行う。免疫組織化学的手順でよく知られている染色試薬は全て、ここで使用できる。好ましい態様において、ヘマトキシリンを用いる。染色を、0.5〜3分間、好ましくは1〜2分間行うべきである。
その後、過剰の染色試薬を洗い流すために、切片を水道水で濯ぎ、(好ましくは水道水中で再度)短時間浸漬する。その後、任意の態様において、それを2〜6分間、好ましくは2〜5分間インキュベートする。インキュベーション時間は多様であり、ヘマトキシリンの場合では、紫色から青色への色の変化が起こる時間に依存する。
顕微鏡法のために、好ましくは、組織切片を、当業者に周知の通り、例えば70%、続いて90%、そして無水エタノールで、例えばそれぞれ2分間乾燥し、その後、好ましくは、例えばキシレンで、例えば少なくとも3分間透徹した。他の態様において、乾燥工程を、96%〜無水エタノールで、2×20秒間行った。長期間保存のために、切片を、VECTASTAIN Permamountを用いてマウントし、カバーガラスで覆った。乾燥およびマウント工程は、当業者の一般的な知識の一部である。
本発明を、さらに、下記の実施例によって説明するが、これは、請求の範囲によって決定される本発明の範囲を、決して限定しない。
実施例1:慢性腎炎患者由来腎臓の免疫組織化学(IHC)による酸化型MIFのその場検出
67歳の解剖した慢性腎炎患者(下位診断(subdiagnosis)として糸球体硬化症)の腎臓凍結切片を、商業的に得た。酸化型MIFの検出を、ビオチン化RAM9抗体を用いて行った。
材料および方法
腎臓組織スライドを、専門家に知られた最先端技術に従って、新鮮凍結またはOCT包埋の何れかで調製し、10μmの薄片を作製し、その後≦−80℃で保存した。その後の工程を全て環境温度で行った。凍結切片を30分間空気乾燥し、非特異的結合を、ブロッキング緩衝液(TBS中20% 正常ヤギ血清/2% ウシ血清アルブミン/0.2% 魚ゼラチン)で30分間ブロックした。次いで、切片を、第1抗体希釈緩衝液(TBS中2% ウシ血清アルブミン/0.2% 魚ゼラチン)中、濃度5μg/mlで、好ましくはビオチン化された第1抗酸化型MIF抗体(ビオチン化RAM9)と60分間インキュベートした。TBSで洗浄した後、検体を4% PBS緩衝ホルムアルデヒドで15〜20分間固定化した。過剰のホルムアルデヒドを、TBSで10分間洗うことによって除去した。染色を、VECTASTAIN Elite ABC 試薬(HRP結合ストレプトアビジン)を用いて30分間行った。次いで、切片をTBSで再度10分徹底的に洗浄した。ImmPACT DAB 基質を10分間使用することによって、染色を褐色として可視化し、これを図1Aに濃い灰色で示す。スライドをTBSで洗浄し、核をヘマトキシリンで1〜2分間対比染色した。スライドを水道水で洗浄することによって、対比染色の色が、紫色から青色に変化する。顕微鏡法のために、組織切片を、70%、続いて90%および無水エタノールでそれぞれ2分間乾燥し、その後、キシレンで、少なくとも3分間透徹した。長期保存のために、切片を、VECTASTAIN Permamountを用いてマウントし、カバーガラスで覆った。
結果
染色が観察されなかったアイソタイプ対照(Synagis(登録商標)抗体, ヒトIgG1)(図1B)に比べて、酸化型MIFは慢性腎炎患者の腎臓で検出され、主に尿細管が染色された(図1Aの濃い灰色)。ほんの少数だけRAM9染色細胞が糸球体で観察された。切片で観察された青色(すなわち添付の図1AおよびBで点状)の構造は、細胞の核(ヘマトキシリン染色)である。注目すべきことに、同じ条件を用いて染色を行ったとき、正常腎臓の凍結切片で、酸化型MIFは検出されなかった。
結論
患部臓器、例えば慢性腎炎患者の腎臓において、酸化型MIFは、IHC法によってその場で検出できるが、正常腎臓には存在しない。
実施例2:浸潤性腺管癌患者の膵臓における免疫組織化学(IHC)による酸化型MIFのその場検出
64歳の浸潤性腺管癌患者の生検材料および58歳の浸潤性腺管癌患者の膵臓組織の健常部分の生検材料の両方の凍結切片を商業的に得た。酸化型MIFの検出を、ビオチン化RAM9を用いて行った。
材料および方法
膵臓組織生検用スライドを、専門家に知られた最先端技術に従って、新鮮凍結またはOCT包埋の何れかで調製し、4〜16μmの薄片を作製し、その後≦−80℃で保存した。その後の工程を全て環境温度で行った。凍結切片を30分間空気乾燥し、非特異的結合を、ブロッキング緩衝液(TBS中20% 正常ヤギ血清/2% ウシ血清アルブミン/0.2% 魚ゼラチン)で30分間ブロックした。次いで、切片を、第1抗体希釈緩衝液(TBS中2% ウシ血清アルブミン/0.2% 魚ゼラチン)中、濃度5μg/mlで、好ましくはビオチン化された第1抗酸化型MIF抗体(ビオチン化RAM9)と60分間インキュベートした。TBSで洗浄した後、検体を、4% PBS緩衝ホルムアルデヒドで、15〜20分間固定化した。過剰のホルムアルデヒドを、TBSで10分間洗うことによって除去した。染色を、VECTASTAIN Elite ABC 試薬(HRP結合ストレプトアビジン)を用いて30分間行った。次いで、切片をTBSで再度10分徹底的に洗浄した。ImmPACT DAB 基質を10分間使用することによって、染色を褐色として可視化した(図2の濃灰色)。スライドをTBSで洗浄し、核をヘマトキシリンで1〜2分間対比染色した。スライドを水道水で洗浄することによって、対比染色の色が、紫色から青色に変化する。顕微鏡法のために、組織切片を、70%、続いて90%および無水エタノールでそれぞれ2分間乾燥し、その後、キシレンで、少なくとも3分間透徹した。長期保存のために、切片を、VECTASTAIN Permamountを用いてマウントし、カバーガラスで覆った。
結果
染色が観察されなかった正常な膵臓組織(図2B)に比べて、酸化型MIFは膵臓の浸潤性腺管癌の患者の膵臓で検出され、主にPanIN管構造が染色された(褐色染色;すなわち図2Aの濃灰色)。切片で観察された青色の構造(すなわち添付の図で点状)は、細胞の核(ヘマトキシリン染色)である。注目すべきことに、上記アイソタイプ対照抗体で、同じ条件を用いて染色を行ったとき、正常または癌性膵臓組織の凍結切片で、染色は検出されなかった。
さらなる研究を行うことによって、本発明者らは、好ましい態様において、厚さ2〜16μm、または5〜10μmの切片が、特に好都合であると決定した。さらに、抗酸化型MIF抗体の0.5〜16μg/mlの濃度範囲が、特に好都合であることが示された。
結論
患部臓器、例えば膵臓の浸潤性腺管癌に罹った患者の膵臓において、酸化型MIFはIHC法によってその場で検出できるが、健康な腎臓組織には存在しない。
実施例3:乳房コア針生検
一つの新鮮凍結した腫瘍サンプル(浸潤性小葉癌、ステージIIB、年齢45歳)または正常乳房サンプル(浸潤性小葉癌に隣接、ステージI、年齢43歳)を部分的に解凍した。幾つかのコア針生検材料(CNB)を16または18ゲージの針を用いて採取した。
生検材料をOCTに包埋し、再度凍結した。得られた産物は、垂直または水平に向いたCNBの混合物の凍結ブロックであろう。その後、凍結ブロックサンプル毎に連続組織切片として、サンプル毎に新しいミクロトームブレードを用いて、約10μmの切片を取った。切片を、固定媒体またはマウント媒体なしで、Superfrost Plus スライドガラスにマウントし、<−80℃で保存した(図3も参照のこと)。
材料および方法
実施例2の「材料および方法」の項で記載した通りに、IHC染色を行った。
結論
患部臓器、例えば乳房浸潤性小葉癌に罹った患者の乳房において、酸化型MIFはIHC法によってその場で確実に検出できるが、健康な乳房組織には存在しない。
実施例4:2人の患者のステージIB浸潤性腺管癌の膵臓における酸化型MIFの免疫組織化学(IHC)によるその場検出
膵臓癌において、癌は、幾つかの段階を経て発達する。ステージIAは、浸潤性癌の再初期段階である。この癌は、完全に膵臓自体の内部にある。2cm未満であり、リンパ節に癌は存在せず、癌の広がり(転移)もない。
ステージIIb(実施例2に示す)は、癌自体はどんな大きさであってもよく、膵臓周囲の組織に増殖しているかもしれないときの癌を示す。また、癌は、隣接リンパ節に見出されるが、大血管では見られない。
実施例2に記載された手順と同じ手順に従って、酸化型MIFを、下記の生検サンプルで検出できた:
・線維形成型腺管癌ステージIBの48歳アジア人女性からのサンプル;結果を図4A(RAM9抗体)および4B(対照抗体)に示す。
・腺管癌中〜低分化ステージIBの54歳アジア人男性からのサンプル;結果を図5A(RAM9抗体)および5B(対照抗体)に示す。
・腺管癌中程度分化ステージIの58歳患者からのサンプル;結果を図6(RAM9抗体)に示す。
・健常膵臓との比較のために、図2Bを参照のこと。
これらのデータから、癌の初期段階で、すなわちステージIの癌で、すでに酸化型MIFを検出できることが明確に導かれる。
実施例5:
変法1(図7も参照):
膵臓組織生検用スライドを、専門家に知られた最先端技術に従って、新鮮凍結またはOCT包埋の何れかで調製し、10μm(4〜16μm)の薄片を作製し、その後≦−80℃で保存した。その後の工程を全て環境温度で行った。凍結切片を30分間(適当な範囲:20〜30分間)空気乾燥し、非特異的結合を、ブロッキング緩衝液(BB:TBS中20% 正常ヤギ血清/2% ウシ血清アルブミン/0.2% 魚ゼラチン)で、20分間(適当な範囲:15〜30分間)ブロックした。次いで、切片を、第1抗体希釈緩衝液(PADB:TBS中2% ウシ血清アルブミン/0.2% 魚ゼラチン)中、濃度5μg/ml(0.5〜16μg/ml)で、好ましくはビオチン化された第1抗酸化型MIF抗体(ビオチン化RAM9)と60分間インキュベートした。TBSで洗浄した後、検体を、4% PBS緩衝ホルムアルデヒドで、20分間(適当な範囲:15〜30分間)固定化した。過剰のホルムアルデヒドを、TBSで5〜10分間洗うことによって除去した。染色を、PADB+0.25% TritonX-100で希釈した蛍光色素標識ストレプトアビジン2μg/ml(適当な範囲:1〜2.5μg/ml、すなわちストレプトアビジン-Alexa Fluor(登録商標) 555)の使用によって、60分間(適当な範囲:30〜60分間)、暗所で行った。次いで、スライドを、PBST(PBS+0.1% Tween20)で、10分間(適当な範囲:5〜10分間)洗浄した。顕微鏡法のために、組織切片を、96%、続いて無水エタノールでそれぞれ2×20秒間乾燥し、DAPI(核対比染色)含有ProLong(登録商標) Gold Antifade 試薬でマウントした。
変法2(図8も参照):
膵臓組織生検用スライドを、専門家に知られた最先端に従って、新鮮凍結またはOCT包埋の何れかで調製し、10μm(4〜16μm)の薄片を作製し、その後≦−80℃で保存した。その後の工程を全て環境温度で行った。凍結切片を30分間(適当な範囲:20〜30分間)空気乾燥し、非特異的結合を、ブロッキング緩衝液(BB:TBS中20% 正常ヤギ血清/2% ウシ血清アルブミン/0.2% 魚ゼラチン)で、20分間(適当な範囲:15〜30分間)ブロックした。染色を、PADBで希釈した蛍光色素標識RAM9(例えばRAM9-DyeLight(登録商標) 488)を、濃度10μg/ml(適当な範囲:5〜20μg/ml)で、60分間直接使用することによって行った。TBSで洗浄した後、検体を、4% PBS緩衝ホルムアルデヒドで20分間(適当な範囲:15〜30分)で固定化した。過剰のホルムアルデヒドを、PBST(PBS+0.1% Tween20)で、10分間(適当な範囲:5〜10分間)洗浄することによって除去した。顕微鏡法のために、組織切片を、96%、続いて無水エタノールでそれぞれ2×20秒間乾燥し、DAPI(核対比染色)含有ProLong(登録商標) Gold Antifade 試薬でマウントした。
酸化型MIFを、上記手順、すなわちDye-Light(登録商標) 488標識RAM-9抗体による直接免疫蛍光法(変法2;図8は酸化型MIFの鮮やかな染色および検出を示す)、および、ビオチン化抗体および蛍光標識ストレプトアビジンを用いた間接免疫蛍光法(変法1;図7は結果を示す)で検出された。
実施例6:
手順
膵臓組織生検用スライドを、専門家に知られた最先端技術に従って、新鮮凍結またはOCT包埋の何れかで調製し、4〜16μmの薄片を作製し、その後≦−80℃で保存した。その後の工程を全て環境温度で行った。凍結切片を30分間空気乾燥し、非特異的結合を、ブロッキング緩衝液(BB:TBS中20% 正常ヤギ血清/2% ウシ血清アルブミン/0.2% 魚ゼラチン)で、20分間(適当な範囲:15〜30分間)ブロックした。次いで、切片を、第1抗体希釈緩衝液(PADB:TBS中2% ウシ血清アルブミン/0.2% 魚ゼラチン)中、濃度5μg/ml(適当な範囲:0.5〜16μg/ml)で、好ましくはビオチン化された第1抗酸化型MIF抗体(ビオチン化RAM9)と60分間インキュベートした。TBSで洗浄した後、検体を、4% PBS緩衝ホルムアルデヒドで、20分間(適当な範囲:15〜30分間)固定化した。過剰のホルムアルデヒドを、TBSで10分間洗うことによって除去した。メタノール中0.3% H中で、20分間(適当な範囲:20〜30分間)インキュベートすることによって、外因性ペルオキシダーゼをブロックした。TBSで10分間洗浄することによって、過剰のメタノール/Hを除去した。染色を、VECTASTAIN Elite ABC試薬(HRP結合ストレプトアビジン)を用いて、30分間(適当な範囲:30〜45分間)行った。次いで、切片をTBSで再度10分徹底的に洗浄した。ImmPACT DAB 基質を5分間(5〜10分間)使用することによって、染色を褐色として可視化した。スライドをTBSで洗浄し、核をヘマトキシリンで1分間(1〜2分間) 対比染色した。スライドを水道水で洗浄することによって、対比染色の色が、紫色から青色に変化する。顕微鏡法のために、組織切片を、96%、続いて無水エタノールでそれぞれ2×20秒間乾燥し、その後、キシレンで、2分間(1〜5分間)透徹した。長期保存のために、切片を、VECTASTAIN Permamountを用いてマウントし、カバーガラスで覆った。
この手順に従って、酸化型MIFを、下記の組織でも示差的に検出できた:
・脳頭蓋咽頭腫(図9A〜9D参照)
・肺腺癌および扁平上皮細胞癌(図10A〜10F)および
・結腸腺癌。

Claims (16)

  1. 対象の組織サンプルで抗体RAB4、RAB9および/またはRAB0に示差的に結合するMIFである酸化型MIFのインビトロ検出のための免疫組織化学(IHC)アッセイ法であって、インビトロで当該サンプルの酸化型MIFへの化合物の結合を測定する工程を含む、アッセイ法。
  2. 酸化型MIFに結合する化合物が、酸化型MIFに特異的に結合する抗体である、請求項1に記載のIHCアッセイ法。
  3. 抗体が、酸化型MIFに結合するが、還元型MIFに結合しない、請求項2に記載のIHCアッセイ法。
  4. 示差結合が、100nM未満、好ましくは50nM未満、さらにより好ましくは10nM未満のK値で起こる酸化型MIFへの結合であり、還元型MIFへの非結合が、400nMより大きいKによって特徴付けられる、請求項3に記載のIHCアッセイ法。
  5. 抗体が、酸化型MIF結合体、例えば抗体RAB4、RAB9および/またはRAB0および/またはRAM4、RAM9および/またはRAM0からなる群から選択される、請求項2〜4の何れか1項に記載のIHCアッセイ法。
  6. サンプルが、組織生検材料、好ましくは凍結組織生検材料、好ましくはOCT包埋切片、またはコア針生検材料である、請求項1〜5の何れか1項に記載のIHCアッセイ法。
  7. 下記の1つ以上の工程:
    a) ブロッキング緩衝液を用いる任意のブロッキング工程;
    b) 先の固定化工程を伴わない、第1抗酸化型MIF抗体との結合工程;
    c) 任意の固定化工程;
    d) 第2抗体とのインキュベーション工程;および/または
    e) 染色工程;
    を行う、請求項1〜6の何れか1項に記載のIHCアッセイ法。
  8. 結合工程の前に、無機または有機固定化試薬で、特にホルムアルデヒドまたはアセトンを用いる固定化を行わない、請求項7に記載のIHCアッセイ法。
  9. 任意の固定化工程後、および/または第1結合工程前に、サンプルを、好ましくは約30分間空気乾燥する、請求項7または8に記載のIHCアッセイ法。
  10. 第1抗体が、ビオチン化されており、および/または、好ましくは第1希釈緩衝液に含まれ、および/または、第1抗体を、サンプルと、好ましくは45〜90分間、より好ましくは約60分間インキュベートする、請求項7〜9の何れか1項以上に記載のIHCアッセイ法。
  11. 洗浄工程が、過剰の抗体を洗い流すために、結合工程c)の後に行われる、請求項7〜10の何れか1項以上に記載のIHCアッセイ法。
  12. 第2抗体が、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)結合ストレプトアビジンである、請求項7〜11の何れか1項以上に記載のIHCアッセイ法。
  13. 洗浄工程が、インキュベーション工程d)の後に行われる、請求項7〜12の何れか1項以上に記載のIHCアッセイ法。
  14. 染色工程をヘマトキシリンを用いて行う、請求項7〜13の何れか1項以上に記載のIHCアッセイ法。
  15. 結合工程を、ビオチン化または蛍光標識結合試薬を用いて行う、請求項1〜14の何れか1項に記載のIHCアッセイ法。
  16. 請求項1〜15の何れか1項以上に記載の方法を行うために適合させた、IHCアッセイ用キット。
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