JP2015523087A - 配列タグを用いる単一細胞分析 - Google Patents

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    • C12Q1/6844Nucleic acid amplification reactions

Abstract

本発明は、単一細胞と所定数、通常は1つの均質配列タグを含む反応器を形成することによって集団の個々の細胞に対して測定を行う方法を提供する。一態様では、本発明は、ポリメラーゼサイクリングアセンブリ(PCA)反応を行って、同定する核酸配列、例えば、均質配列タグに由来する配列タグのコピーを目的の他の細胞核酸に結合して融合産物を形成することによってこのような集団の個々の細胞に対してマルチパラメータ測定を行う方法を提供する。次いで、集団の細胞についてのマルチパラメータデータを作成するためにこのようなPCA反応の融合産物をシークエンシングして表にする。

Description

本発明は、配列タグを用いる単一細胞分析に関する。
サイトメトリーは、様々な医療および研究の分野で不可欠な重要な役割を果たす。画像ベースのフローサイトメトリーは、細胞の計数ならびに細胞の物理特性および分子特性の測定のためにこれらの分野で広く使用されている(例えば、非特許文献1)。特に、フローサイトメトリーは、集団およびその亜集団についての統計的に信頼できる情報の取得を可能にする、集団の多数の個々の細胞についての多数のパラメータを迅速に測定するための強力な技術である。この技術は、様々な疾患、特に血液関連疾患、例えば、造血性癌およびHIVなどの検出および管理で以前から重要である(例えば、非特許文献2、非特許文献3)。この有用性に反して、フローサイトメトリーには、希少な細胞の検出における限定された感度、(例えば、非特許文献4);同時に実際に測定できる細胞パラメータ数の制限;および高価な器具類を含め、多くの欠点がある。
シャピロ(Shapiro)著、プラクティカル・フローサイトメトリー(Practical Flow Cytometry)、第4版(ワイリー−リス(Wiley−Liss)、2003年) ヴォイチェフ(Woijciech)著、フローサイトメトリー・イン・ネオプラスティック・ヘマトロジー(Flow Cytometry in Neoplastic Hematology)、第2版(インフォーマ・ヘルスケア(Informa Healthcare)、2010年) ブラウン(Brown)ら著、クリニカル・ケミストリー(Clinical Chemistry)、2000年、第46巻、第8(B)号、p.1221〜1229 カンパーナ(Campana)ら著、ヘマトロジー/オンコロジー・クリニックス・オブ・ノースアメリカ(Hematol.Oncol.Clin.North Am.)、2009年、第23巻、第5号、p.1083〜1098
上記を考慮して、現在のサイトメトリー法の欠点を解消した、多数の個々の細胞に対してマルチパラメータの測定を行うための利用可能な代替の方法およびシステムが存在すると、様々な医療および研究の分野にとって有利であろう。
本発明は、集団の個々の細胞の標的核酸のマルチパラメータ測定を、このような核酸とユニークな配列タグとの1つ以上の融合産物を各細胞に対して形成することによって行う方法に関する。本発明の態様は、一部が以下および本明細書全体に亘って要約されている多数の実施および適用例に例示されている。
一態様では、本発明は、集団の単一細胞の複数の標的核酸を分析する方法を含み、この方法は:(a)複数の反応器を提供するステップであって、各反応器が集団の1つの単一細胞と1つの単一均質配列タグを増幅混合物中に含み、この増幅混合物が、複数の標的核酸の各々を増幅するための一対のプライマーを含む、ステップ;(b)均質配列タグから
増幅可能な配列タグを形成するステップ;(c)標的核酸および増幅可能な配列タグを増幅して、配列タグを含むアンプリコンを作製するステップ;および(d)反応器からのアンプリコンをシークエンシングして、このアンプリコンに取り込まれた配列タグによって集団からの各細胞の標的核酸を同定するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、増幅するステップの前に、単一細胞を反応器で溶解するステップをさらに含む。さらなる実施形態では、反応器は、マイクロ流体デバイスによって形成される油中水型ミセルである。なおさらなる実施形態では、本発明のミセルは、均一なサイズ分布を有し;例えば、一部の実施形態では、ミセルは、変動係数が30%以下の体積分布を有する。
本発明のこれらの上記特徴付けられた態様、および他の態様は、一部が図面に示され添付の特許請求の範囲で特徴付けられる多数の例示的な実施および適用例に例示される。しかしながら、上記の概要は、本発明の各例示された実施形態または全ての実施を説明することを意図するものではない。
本発明の方法の一実施形態のステップを例示する図。 本発明の一実施形態からの単一細胞の分析から得たデータを例示する図。 均質配列タグの様々な実施形態を例示する図。 均質配列タグの様々な実施形態を例示する図。 均質配列タグの様々な実施形態を例示する図。 均質配列タグの様々な実施形態を例示する図。 ビーズ形態の均質配列タグから配列タグ付きプライマーを遊離させる酵素的方法を例示する図。 リガーゼおよびフラップエンドヌクレアーゼを用いて配列タグ付きプライマー結合部位に標的核酸を取り付ける方法を例示する図。 図1Hに例示されている反応の構成要素を例示する図。 ユニークな配列タグが標的ポリヌクレオチドの各末端に取り付けられる一実施形態を例示する図。 細胞と均質配列タグの両方を含むミセルを濃縮するためのマイクロ流体デバイスを図式的に例示する図。 内側プライマーの対が相補的な尾部を有する、標的配列を連結するためのPCAスキームを例示する図。 内側プライマーの対が相補的な尾部を有する、標的配列を連結するためのPCAスキームを例示する図。 内側プライマーの対が相補的な尾部を有する、標的配列を連結するためのPCAスキームを例示する図。 内側プライマーの各対の一方のプライマーのみが標的配列の末端に相補的な尾部を有する、標的配列を連結するためのPCAスキームを例示する図。 内側プライマーの各対の一方のプライマーのみが標的配列の末端に相補的な尾部を有する、標的配列を連結するためのPCAスキームを例示する図。 内側プライマーの各対の一方のプライマーのみが標的配列の末端に相補的な尾部を有する、標的配列を連結するためのPCAスキームを例示する図。 内側プライマーの対が相補的な尾部を有し、外側プライマーが、PCRによって構築される産物の連続増幅のための尾部を有する、標的配列を連結するためのPCAスキームを例示する図。 内側プライマーの対が相補的な尾部を有し、外側プライマーが、PCRによって構築される産物の連続増幅のための尾部を有する、標的配列を連結するためのPCAスキームを例示する図。 内側プライマーの対が相補的な尾部を有し、外側プライマーが、PCRによって構築される産物の連続増幅のための尾部を有する、標的配列を連結するためのPCAスキームを例示する図。 標的配列のマルチプレックス方式での対構築を例示する図。 標的配列のマルチプレックス方式での対構築を例示する図。 標的配列のマルチプレックス方式での対構築を例示する図。 標的配列のマルチプレックス方式での対構築を例示する図。 標的配列のマルチプレックス方式での対構築を例示する図。 標的配列のマルチプレックス方式での対構築を例示する図。 3つの配列を互いに連結するためにPCAを用いる方法を例示する図。 3つの配列を互いに連結するためにPCAを用いる方法を例示する図。 3つの配列を互いに連結するためにPCAを用いる方法を例示する図。 3つの配列を互いに連結するためにPCAを用いる方法を例示する図。 3つの配列を互いに連結するためにPCAを用いる方法を例示する図。 細胞のゲノムDNAのランダムセグメントから均質配列タグを作製する一実施形態を例示する図。
本発明の実施は、特段の記載がない限り、当業者の技術の範囲内である有機化学、分子生物学(組換え技術を含む)、細胞生物学、および生化学の従来の技術および記述を利用することができる。このような従来の技術としては、限定されるものではないが、血液細胞のサンプリングおよび分析、ならびに核酸のシークエンシングおよび分析などが挙げられる。適切な技術の特定の例示では、以下の例を参照しなければならないことがある。しかしながら、他の同等の従来の手順も、もちろん使用することができる。このような従来の技術および記述は、標準的な実習マニュアル、例えば、ゲノム解析(Genome Analysis):実習マニュアルシリーズ(A Laboratory Manual
Series)(第I巻〜第IV巻);PCRプライマー(PCR Primer):実習マニュアル(A Laboratory Manual);および分子クローニング(Molecular Cloning):実習マニュアル(A Laboratory
Manual)(全て、コールド・スプリング・ハーバ研究所の出版局(Cold Spring Harbor Laboratory Press)から):およびオーズベル(Ausubel)編、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー(Current Protocols in Molecular Biology)(ジョン・ワイリー&サンズ(John Wiley&Sons)、電子版および印刷版)などで確認することができる。
本発明は、集団の個々の細胞または粒子の複数の核酸を分析する方法を提供する。一態様では、個々の細胞または粒子の核酸に対して反応を行って、ユニークな配列タグを目的の1つ以上の細胞核酸に結合し、次いで、配列タグと標的核酸とのコンジュゲート(本明細書では「融合産物」と呼ばれる)を、高スループットの核酸シークエンシングによって分析する。即ち、核酸が分析される各細胞または粒子は、ユニークな配列タグを受け取り、この配列タグにより、核酸を同定することができるとともに、他の細胞からの核酸と区別することができる。このような結合の産物、即ち、上述のコンジュゲートは、本明細書では「融合産物」と呼ばれる。融合産物が形成されたら、集団の各細胞または粒子についてのデータ、特にマルチパラメータデータを作成するために融合産物をシークエンシングして表にする。このようなデータは、遺伝子発現データ、1つ以上の所定のゲノム配列(例えば、癌遺伝子)の存在もしくは非存在についてのデータ、遺伝子コピー数のデータ、またはこれらの組み合わせを含み得る。一部の実施形態では、このようなデータは、特に、遺伝子発現データ、例えば、細胞の細胞質から抽出されたメッセンジャーRNAに由来する遺伝子発現データを含む。分析される細胞としては、血球、組織から分離された細胞、単細胞生物、または循環腫瘍細胞などを挙げることができる。分析される粒子としては、細胞小器官、エキソソーム、小胞、または微小胞などを挙げることができる。一実施形
態では、分析されるべき細胞および/または粒子は、同じサンプルまたは同じ生物学的起源、例えば、(例として)患者の組織サンプルに由来する。他の実施形態では、分析されるべき細胞および/または粒子は、サンプルの混合物としても良いし、または複数の生物学的起源としても良い。一部の実施形態では、本発明の方法によって分析される細胞は、細胞壁が存在しない。他の実施形態では、本発明の方法によって分析される細胞は、哺乳動物細胞、特にヒト細胞である。
一部の実施形態では、単一の配列タグが、ポリメラーゼサイクリングアセンブリ(PCA:polymerase cycling assembly)反応によって複数の標的核酸に取り付けられる。他の実施形態では、1つの配列タグが、各標的核酸に取り付けられる。図1Aは、本発明の一実施形態の概要を示している。細胞(100)が、PCA反応混合物中で複数の均質配列タグ(102)と混合され、次いで、PCA反応混合物が、小さな反応単位(ボリューム)に分割され、これは、多くのそうした単位の各々が1つの細胞と1つの均質配列タグとを含むように分割される。このような分割は、以下により詳細に説明される様々な方法で行うことができる。一部の実施形態では、分割は、例えば(110)などのミセルが単一細胞反応器として機能する油中水型エマルション(126)を形成することによって達成される。例えばミセル(108)および(110)などのミセルの部分は、1つの細胞と1つの均質配列タグを含む。このようなミセルでは、標的核酸は、均質配列タグによってユニークに標識される。以下により詳細に論じられるように、均質配列タグは、様々な形態を有することができる。図1Aの実施形態では、均質配列タグ(102)は、配列タグ付きプライマーのコピーを含むローリングサークル増幅反応の産物、即ち、RCAアンプリコンである。拡大部(105)は、1つの標準RCAアンプリコンにおける配列タグを二進数として表している。一実施形態では、このような配列タグ付きプライマーは、線状オリゴヌクレオチドであり、それぞれの線状オリゴヌクレオチドは、その5’末端のプライマー結合部位、3’末端の標的特異的配列、およびこれらの間に挟まれた配列タグを含む(例えば、図1Cに一実施形態として例示されている)。このようなPCA試薬は、PCA反応における内側プライマーまたは外側プライマーとすることができる。別の実施形態では、プライマーとするのではなく、均質配列タグ(102)の配列タグを含む要素を、PCA反応における標的核酸として取り扱うことができる。即ち、セグメント(154)は、遺伝子座特異的ではなく、共通プライマーまたは連結プライマーに特異的にして、PCA反応で細胞標的核酸と共に増幅されるようにすることができ、これにより、少なくとも1つの配列タグを含む融合産物が得られる。
各細胞は、目的の様々な核酸(104)、即ち、標的核酸を有し、かつ/または発現し、この標的核酸は、文字「a」、「b」、「c」、および「w」で表され、ゲノムDNA、RNA、または発現遺伝子などであり得る。RNA標的核酸は、典型的には、例えば、テコット(Tecott)らによる米国特許第5,168,038号明細書に開示されているように、従来の試薬および技術を用いる逆転写反応によってDNAに転換される。本発明によると、細胞(100)が、単一細胞反応器に入れられ(106)、この細胞反応器が、この例では油中水型エマルション(126)のミセルとして例示されているが、様々な単一細胞反応器を使用することができ、このような単一細胞反応器には、限定されるものではないが、以下により詳細に説明される、ナノリットル量のウェルのアレイを備えたプレート、およびマイクロ流体デバイスなどが含まれる。一態様では、単一細胞エマルション(126)は、マイクロ流体エマルション形成装置、例えば、ゼン(Zeng)ら著、アナリティカル・ケミストリー(Anal.Chem.)、2010年、第82巻、p.3183〜3190などに開示されているようなマイクロ流体エマルション形成装置を用いて形成される。
単一細胞反応器(例えば、エマルションのミセル(126))は、例えば、核酸ポリメラーゼ、外側プライマーおよび連結プライマー(以下により詳細に説明される)、ヌクレ
オシド三リン酸、および緩衝液などを含み得るPCA反応混合物を含む。一部の実施形態では、PCA反応混合物は、1種以上の細胞溶解試薬を含むこともでき、このような試薬は、標的核酸へのアクセスをより容易にすることができる。細胞および均質配列タグを含む各反応器、例えば、(110)では、PCA反応(112)は、一対以上の配列を含み得る融合産物(114)を生成し、各対の一方の要素は、配列タグであり、他方の要素は、目的の核酸、例えば、発現遺伝子または癌遺伝子などである。他の実施形態では、融合産物は、トリプレットまたはそれ以上に連結された配列を含み得る。一部の実施形態では、単一種の融合産物を各細胞(または反応器毎)で形成することができる、または複数の異なる種の融合産物を各細胞(または各反応器毎)で形成することができる。このような複数は、2〜1000、2〜200、2〜100、または2〜20の範囲とすることができる。一実施形態では、このような複数は、2〜10の範囲とすることができる。一部の実施形態では、少なくとも1つの配列タグが、このような複数のものに含まれることを理解されたい。
PCA反応(112)の完了後、エマルション(126)が破壊され、融合産物(114)が単離される(116)。融合産物(114)は、配列タグ(103)と標的核酸(128)とのコンジュゲート(118)として図1に示されている。限定されるものではないが、カラムクロマトグラフィー、エタノール沈殿、ビオチン化プライマー使用後の親和性精製、またはゲル電気泳動法などを含む、様々な従来の方法を使用して融合産物(114)を単離することができる。PCA反応(112)の一部として、または単離(116)後に、例えば、照射を利用するシークエンシング用のP5およびP7プライマーを用いるシークエンシング(120)のために、必要に応じて追加の配列を融合産物(114)に追加することができる。シークエンシングは、従来の高スループット器具(122)、例えば、Genome Analyzer IIx(イルミナ社(Illumina,Inc.)、サンディエゴ)などを用いて行うことができる。器具(122)からのデータを、様々な方法で分析して表示することができる(124)。一実施形態では、標的核酸が、選択された遺伝子発現産物、例えば、mRNAである場合、プロット(130)によって例示されているように、フローサイトメトリーデータと同様の方式で、集団全体または亜集団について選択された遺伝子の細胞毎の発現レベルを表示するプロットを作成することができる。各細胞は、ユニークな配列タグに関連付けられており、こうしたユニークな配列タグは、細胞存在量に比例して細胞内で発現される遺伝子に対してPCA反応によって連結されている。従って、特定のクローン型配列に連結された発現遺伝子配列の数を計数することにより、特定の配列タグに関連付けられた細胞におけるこのような遺伝子の発現の指標が得られる。図1Bのプロット(130)に例示されているように、細胞の3つの亜集団が、遺伝子wおよび遺伝子aの発現レベルに基づいた別個のクラスター(132、134、および136)の存在によって示されている。一部の実施形態では、遺伝子発現レベルが監視されるときは常に、少なくとも1つの遺伝子が、他の遺伝子の発現測定値を正規化するための内部標準として選択される。
分割された細胞サンプルのための均質配列タグ
均質配列タグは、複数の同一の配列タグを含む試薬であるか、または既定の反応条件下で複数の同一の配列タグを作製できる試薬である。均質配列タグは、限定されるものではないが、(i)同じ配列タグの反復コピーを含むローリングサークル増幅(RCA:rolling circle amplification)アンプリコン、(ii)ビーズ固定配列タグ、および(iii)自己複製配列タグなどを含む様々な形態を有することができる。均質配列タグの共通の特性は、このようなタグが、同じ配列タグの複数のコピーを遊離または作製できる1つの分子または粒子実体を含んでいることである。均質配列タグは、1つの細胞と1つのユニークな試薬(例えば、PCRまたはPCA反応用の配列タグ付きプライマー)を含む反応器を作製する際に有用である。この条件は、反応混合物中の細胞と均質配列タグの濃度を適切に調整して、この反応混合物を、分割された単位(
ボリューム)の部分がそれぞれ1つの細胞と1つの均質配列タグを含むように複数の小さな単位(ボリューム)に分割することによって達成することができる。一部の実施形態では、これは、以下により詳細に説明されるように、油中水型エマルション中で水性ミセルを形成することによって達成される。一部の実施形態では、複数の均質配列タグの形態を一緒に利用することができる。
図1Cおよび図1Dは、RCAアンプリコンに基づいた2つの例示的な均質配列タグを示している。両方の例では、均質配列タグによって遊離される末端試薬は、PCA反応で使用される配列タグ付きプライマーである。図1Cでは、RCAアンプリコン(146)は、従来の技術、例えば、ファイアー(Fire)らによる米国特許第5,648,245号明細書(参照により本明細書に組み入れられる)を用いて作製され、かつ配列タグ付きプライマー(148)ならびに逆相補的ステムセグメント(151)および(153)を有する反復単位(149)を含むように設計されている。一部の実施形態では、配列タグ付きプライマー(148)は、3つのセグメント:(i)連結配列(5’セグメントがPCAにおける内側プライマーである場合の標的ポリヌクレオチドを連結するための以下に記載されるような)または共通プライマー配列(例えば、5’セグメントがPCAにおける外側プライマーである場合)を含む5’セグメント(150)、(ii)配列タグ(152)、および(iii)ポリメラーゼ伸長が起こり得るように標的ポリヌクレオチドにアニーリングするための遺伝子座特異的セグメントまたはプライマーを含む。RCAアンプリコン(146)の作製後、ステムセグメント(151)および(153)が、RCAアンプリコン(146)を切断してループ(157)の配列タグ付きプライマーを遊離させるための制限エンドヌクレアーゼ認識部位を含む二本鎖ステム(155)を形成するように、条件が調整される。RCAアンプリコンと制限エンドヌクレアーゼとが結合しても消化が始まらないように、試薬が低温、例えば、室温で結合することができ、かつ温度を酵素の最適切断温度に上昇させることによって切断を開始できるように、制限エンドヌクレアーゼを、熱安定性制限エンドヌクレアーゼまたはニッカーゼから選択することができる。例示的な熱安定性制限エンドヌクレアーゼとしては、Bsp QI(ニュー・イングランド・バイオラボ(New England Biolabs)より入手可能)が挙げられる。切断(158)後、配列タグ付きプライマー(160)が遊離する。
図1Dでは、RCAアンプリコン(161)が、従来の技術を用いて作製される。セグメント(161)および(163)が、これらの間に配列タグ付きプライマー(165)を挟んでいる。セグメント(161)および(163)に相補的な領域を含むオリゴヌクレオチド(162)が追加されると、制限エンドヌクレアーゼ部位を含む二重鎖(167)が形成される。制限エンドヌクレアーゼおよび部位の位置は、切断(168)時に配列タグ付きプライマー(170)が遊離するように選択される。上記のように、RCAアンプリコンおよび酵素を、(例えば、エマルションの形成中に)消化が起きない低温で結合させ、次いで、温度を上昇させて(例えば、エマルションのミセル内で)配列タグ付きプライマーの消化および遊離を開始できるように、熱安定性制限エンドヌクレアーゼおよび/またはニッカーゼを使用することができる。
図1Eでは、均質配列タグは、ポリメラーゼ伸長反応とニッカーゼ反応(等温性指数関数的増幅反応またはEXPAR)とが組み合わせられた反応で配列タグ付きプライマーを形成する核酸構造を構成する。EXPARは、参照により本明細書に組み入れられるヴァン・ネス(Van Ness)らによる米国特許第7,112,423号明細書に開示されている。EXPAR核酸構造(171)は、二本鎖DNA部分(177)(オリゴヌクレオチド(175)をセグメント(174)にアニーリングさせることによって形成される)および(175)の3’末端からのポリメラーゼ伸長の鋳型として機能する一本鎖部分(172)を含む。二本鎖部分(177)内に、セグメント(172)と(174)との間の境界でポリメラーゼ伸長に切れ目を入れるように配置されたニッカーゼ部位が存在
する。従って、適切な緩衝液(178)中でdNTPと共にポリメラーゼおよびニッカーゼ活性が存在すると、配列タグ付きプライマー(180)が連続的に作製される。
均質配列タグは、図1Fおよび図1Gに例示されているように、ビーズをベースとすることもできる。この実施形態では、同一の配列タグ付きプライマーは、単一細胞反応器が形成された後に化学的または酵素的に遊離され得るように、ビーズ上で合成される。一態様では、配列タグ付きプライマーは、従来の化学、例えば、ホスホラミダイト化学を用いて化学的にビーズ上で合成される。配列タグの同一(例えばクローン)の集団を有するビーズは、配列タグ付きプライマーの配列タグ部分の従来のスプリットおよびミックス合成によって形成される。例えば、ヤン(Yang)ら著、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research)、2002年、第30巻、第23号、p.el32。図1Fは、化学的に合成された均質配列タグの一実施形態を例示している。この図では、見やすくするために1本の鎖しか固体支持体(1000)に取り付けられていないが、完全に取り付けられたビーズであると理解されたい。固体支持体(1000)のサイズおよび組成ならびにリンカー(1002)の選択は、適用例に一部依存する設計上の選択である。この実施形態では、配列タグ付きプライマー(1011)は、固体支持体(1000)の基端側の3’末端(1001)から始まる次の要素を含む:制限エンドヌクレアーゼ部位の一本鎖を含むセグメント(1004);標的核酸に特異的なプライマーを含むセグメント(1006);配列タグ(1008);およびタグ付き標的ポリヌクレオチドを増幅するための共通プライマーのプライマー結合部位を含むセグメント(1010)。図1Gに示されているように、一実施形態では、セグメント(1004)に相補的なオリゴヌクレオチド(1016)は、二重鎖(1018)の形成を可能にする条件下で、反応器に入れる前に反応混合物中で固体支持体(1000)に結合される(1012)。二重鎖(1018)は、温度上昇時に活性化される制限エンドヌクレアーゼの制限部位を含む。当業者には、二重鎖(1018)の配列の組成および長さが、配列タグ付きプライマー(1011)を固体支持体(1000)から切断するために使用される熱安定性制限エンドヌクレアーゼの作用する温度に依存することは明らかであろう。制限酵素を活性化させるための温度が上昇すると(1014)、二重鎖(1018)を有する取り付けられた配列タグ付きプライマー(1011)が、固体支持体(1000)から切断され、これにより、機能性配列タグ付きプライマー(1011)が遊離する。制限エンドヌクレアーゼの切断特性によっては、配列タグ付きプライマー(1011)の3’末端を、標的ポリヌクレオチドに相補的であるように選択することができる(例えば、IIs型酵素BspQIがこのような選択を可能にする)。他の制限酵素では、配列タグ付きプライマーの3’末端を、標的核酸に特異的なアダプタープライマーの5’尾部に特異的とすることができる。
ポリメラーゼサイクリングアセンブリ(PCA)反応の形式
ポリメラーゼサイクリングアセンブリ(PCA:polymerase cycling assembly)反応(連結PCRと呼ばれることもある)では、断片アニーリングおよびポリメラーゼ伸長の1回以上のサイクルにおいて、複数の核酸断片を互いに融合して1つの融合産物を形成することが可能である。例えば、ション(Xiong)ら著、FEBSマイクロバイオロジー・リビュー(FEBS Micro biol.Rev.)、2008年、第32巻、p.522〜540。PCA反応には多数の形式がある。目的の一形式では、PCAは、共通の反応単位(ボリューム)で行われる複数のポリメラーゼ連鎖反応(PCR:polymerase chain reaction)を含み、各構成要素PCRは、少なくとも1つの連結プライマーを含み、この連結プライマーにより、得られるアンプリコンの鎖が、反応中に別のアンプリコンの鎖にアニーリングし、伸長されて融合産物または融合産物の前駆体を形成することができる。様々な形式(および様々な代替の名称)のPCAは、断片構築および遺伝子合成のための周知の方法であり、このうちのいくつかの形式は、以下に説明され、それぞれ参照により本明細書に組み入れ
られる次の参照文献に記載されている:ヨン(Yon)ら著、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research)、1989年、第17巻、p.4895;ステマー(Stemmer)らによる米国特許第5,928,905号明細書;チェン(Chen)ら著、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.)、1994年、第116巻、p.8799〜8800;ステマー(Stemmer)ら著、ジーン(Gene)、1995年、第164巻、p.49〜53;フーバー(Hoover)ら著、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research)、2002年、第30巻、第10号、p.e43;ション(Xiong)ら著、バイオテクノロジー・アドナンシス(Biotechnology Advances)、2008年、第26巻、p.121〜134;およびション(Xiong)ら著、FEBSマイクロバイオロジー・リビュー(FEBS Micro biol.Rev.)、2008年、第32巻、p.522〜540など。
特定のPCA反応条件は、特定の実施形態によって様々であり得、かつ当業者にとってのルーチンの設計上の選択を含み得る。例示的なPCA反応条件は、次の条件を含み得る:10μLの10×緩衝液(100mMのTris−HCl、pH8.3、500mMのKC1、15mMのMgCl2、および0.01%のゼラチン)と混合された39.4μLの蒸留水、各dNTPの2μLの10mMの溶液、0.5μLのTaqポリメラーゼ(5単位/μL)、1μLの各外側プライマー(100μMのストック液から)、および10μLの各内側プライマー(0.1μMのストック液から)。典型的には、PCA反応では、外側プライマーの濃度は、最初の形成後にも融合産物の増幅が続くように、内側プライマーの濃度よりも高い。例えば、2つの標的核酸を融合するための一実施形態では、外側プライマーの濃度は、内側プライマーの濃度の約10〜100倍とすることができ、例えば、外側プライマーを1μM、内側プライマーを0.01μMとすることができる。そうでない場合は、PCA反応は、PCRの構成要素を含み得る。
本発明に有用な一部のPCAの形式が、図2A〜図2C、図3A〜図3C、図4A〜図4C、図5A〜図5D、および図6A〜図6Eに示されている。図2A〜図2Cは、2つの別個の断片A’(208)およびB’(210)を接合して1つの融合産物(222)にする例示的なPCAスキーム(「スキーム1」)を例示している。断片A’(208)は、プライマー(200)および(202)を用いて増幅され、断片B’(210)は、同じPCR混合物中でプライマー(206)および(204)を用いて増幅される。プライマー(200)および(206)は、PCA反応の「外側」プライマーであり、プライマー(202)および(204)は、PCA反応の「内側」プライマーである。内側プライマー(202)および(204)はそれぞれ、A’またはB’に相補的でない尾部(それぞれ203および205)(または、A’およびB’が長い配列に組み込まれたセグメントであるの場合には、隣接する配列)を有する。尾部(203)および(205)は、互いに相補的である。一般に、このような内側プライマー尾部は、(他ではなく)その対応する内側プライマーに対する選択的ハイブリダイゼーションのために選択されるが;そうではない場合は、このような尾部は、長さおよび配列が大きく異なり得る。一態様では、このような尾部は、8〜30ヌクレオチドの範囲の長さ;または14〜24ヌクレオチドの範囲の長さを有する。PCRが進行すると(212)、尾部(203)および(205)をそれぞれ領域(214)および(216)に取り込んだ産物断片A(215)およびB(217)が形成される。PCR中に、産物断片A(215)およびB(217)が変性し、Aの「上」鎖(215a)の一部が、Bの下鎖(217b)にアニーリングし、3’末端が伸長されて(219)、融合産物A−B(222)を形成する(220)。融合産物A−B(222)は、過剰な外側プライマー(200)および(206)によってさらに増幅することができる。一部の実施形態では、尾部(203)および(205)から形成された融合産物(222)の領域は、後の分析、例えば、高スループットシークエ
ンシングに使用される1つ以上のプライマー結合部位を含み得る。
スキーム1の変形が、スキーム1(a)として図3A〜図3Cに例示されている。上記のように、断片A(300)は、プライマー(304)および(306)を用いて増幅され、断片B’(302)は、共通の反応混合物中で行われるPCRでプライマー(308)および(312)を用いて増幅される。外側プライマー(304)および(312)は、上記のように利用され、内側プライマー(308)は尾部(310)を有するが;尾部(310)は、プライマー(306)に対応する尾部に相補的である代わりに、断片Aの末端のセグメント(即ち、プライマー(306)が相補的である同じセグメント)に相補的である。PCRは、断片AおよびBを作製し(315)、Bは、プライマー(308)の尾部(310)によって形成されたセグメント(316)が追加されたB’(302)と同一である。上記のように、温度サイクルが進むと(特に、内側プライマーが使い尽くされると)、断片Aの上部断片が、断片Bの下部断片にアニーリングし(318)、伸長されて融合産物A−B(320)を形成し、この融合産物A−Bを、プライマー(304)および(312)を用いてさらに増幅することができる。
本発明に使用できるPCAの別の実施形態(「スキーム2」)が図4A〜図4Cに例示されている。この実施形態は、図2A〜図2Cの実施形態に類似しているが、外側プライマー(404)および(414)がそれぞれ、尾部(408)および(418)を有し、これにより、所定のプライマーでの融合産物のさらなる増幅が可能である点が異なる。以下により詳細に説明されるように、この実施形態は、マルチプレックス増幅に適している。断片A’(400)は、尾部(408)および尾部(410)をそれぞれ有するプライマー(404)およびプライマー(406)を用いて増幅されて断片Aを形成する。また、断片B’(402)は、尾部(416)および尾部(418)をそれぞれ有するプライマー(412)およびプライマー(414)を用いて増幅されて断片Bを形成する(420)。内側プライマー(406および412)の尾部(410および416)は、互いに相補的(415)であるように選択される。断片AおよびBの末端は、尾部(408、410、416、および418)のそれぞれによって形成されたセグメント(422、424、426、および428)によって増補されている。前述の実施形態と同様に、断片Aの上鎖が、断片Bの下鎖にアニーリングし(430)、伸長されて(432)融合産物A−B(436)を形成し(434)、この融合産物A−B(436)を、プライマー(404および414)と同じであるが尾部を有していないプライマー(438および440)を用いてさらに増幅することができる(437)。
上述のように、図4A〜図4Cの実施形態は、図5A〜図5Dに例示されているマルチプレックスPCA反応で使用することができる。これらの断片A’(501)、B’(502)、C’(503)、およびD’(504)が、断片A’用のプライマーセット(506および508)、断片B’用のプライマーセット(514および516)、断片C’用のプライマーセット(522および524)、および断片D’用のプライマーセット(530および532)を用いて共通の反応混合物中で、PCRで増幅される。全てのプライマーは尾部を有する:外側プライマー(506、516、522、および532)はそれぞれ、断片の増幅および続く融合産物の増幅の両方を可能にする尾部(512、520、526、および536)をそれぞれ有する。尾部(512)および(520)の配列はそれぞれ、尾部(526)および(536)の配列と同じでも良いし、異なっていても良い。一実施形態では、尾部(512、520、526、および536)の配列は同じである。内側プライマーの尾部(518および510)は、互いに相補的であり(511);同様に、内側プライマーの尾部(528および534)も、互いに相補的である(513)。上記PCRは、断片A(541)、B(542)、C(543)、およびD(544)を形成し、これらの断片は、さらに互いにアニーリングして(546)、複合体(548および550)を形成し、これらの複合体がそれぞれ伸長されて融合産物A−B(55
2)およびC−D(554)を形成する。
図5Eおよび図5Fは、上記の実施形態の一般化を例示しており、ここでは、複数の異なる標的核酸(560)A’、A’、...A’が、同一の標的核酸X’(562)に連結されて複数の融合産物X−A、X−A、...X−A(566)を形成している(564)。この実施形態は、標的核酸Xが、リンパ球の組換え配列のセグメントである場合に特に興味深く、この標的核酸Xを、この標的核酸Xが由来するリンパ球のタグとして使用することができる。一態様では、Xは、クローン型、例えば、B細胞またはT細胞のいずれかのV(D)J領域のセグメントである。一実施形態では、複数の標的核酸A、A、...Aが、その起源の細胞のクローン型に融合される。別の実施形態では、このような複数は2〜1000であり;別の実施形態では、このような複数は2〜100であり;別の実施形態では、このような複数は2〜10である。これらの実施形態のPCA反応では、内側プライマー(568)の濃度は、Aアンプリコンの多数の鎖とアニーリングする十分な量のXアンプリコンが存在するように、様々なA核酸の内側プライマーの濃度よりも高くすることができる。融合産物(566)は、反応混合物から抽出されて(例えば、キアゲン(Qiagen)などが販売する従来の二本鎖DNA精製技術によって)シークエンシングされる。外側プライマーの配列は、シークエンシングシステム、例えば、ゲノムアナライザー(Genome Analyzer)(イルミナ(Illumina)、カリフォルニア州サンディエゴ)のさらなる操作なしでも、クラスターの形成に直接使用できるように選択することができる。一態様では、Xは、(リンパ球の)クローン型であっても良いし、または配列タグを含んでも良く、A、A、...Aは、目的の特定の遺伝子または転写物とすることができる。融合産物のシークエンシングの後、細胞毎の遺伝子発現レベルを表にし、かつ/または図1Bに示されているようにプロットすることができる。
複数の2者融合産物を同時に形成するという並列方向(パラレルセンス)のマルチプレックスPCA反応に加えて、図6A〜図6Eに例示されているように、PCA反応は、マルチサブユニット融合産物を構築する直列方向(シリアルセンス)のマルチプレックスであり得る。図6Aに示されているように、断片A’(601)、B’(602)、およびC’(603)が、A’用のプライマーセット(606および608)、B’用のプライマーセット(610および612)、およびC’用のプライマーセット(614および616)を用いて共通のPCR混合物中で増幅される。全てのプライマーは尾部を有する:(i)外側プライマー(606および616)の尾部(620および630)は、外側断片A’およびC’の増幅用、および図6Eに示されている3者融合産物A−B−C(662)のさらなる増幅用に選択され;(ii)内側プライマー(608および610)の尾部(622および624)は互いに相補的であり;かつ(iii)内側プライマー(614および612)の尾部(628および626)は互いに相補的である。PCRは、断片A(641)、B(642)、およびC(643)を形成し(632)、これらの断片は、この反応でセグメントLS1およびLS2をそれぞれ含む複合体(646および648)を形成し(644)、これらの複合体は、伸長されて融合産物A−B(652)およびB−C(654)を形成する(650)。これらの融合産物は、変性され、共通のB断片(656)によって互いに交差アニーリングして(658)複合体を形成し、この複合体が伸長されて(660)、融合産物A−B−C(662)を形成する。
フラップエンドヌクレアーゼ反応を用いる融合産物の形成
一部の実施形態では、配列タグおよび標的核酸を含む融合産物を、図1Iに例示されているフラップエンドヌクレアーゼ反応を用いて形成することができる。反応器が1つの細胞と1つの均質配列タグを用いて形成されたら、分子(1102)が各反応器で形成されるように条件が調整される(例えば、昇温してタグ遊離エンドヌクレアーゼを活性化させる)。各分子(1102)は、プライマー結合部位(1101)、配列タグ(1103)
(反応器に対してユニーク)、およびセグメント(1105)を含む。セグメント(1105)は、オリゴヌクレオチド(1104)にアニーリングすることができ、これらオリゴヌクレオチドの各々は、標的ポリヌクレオチド(例えば(1107))に特異的な部分(1109)を含む。オリゴヌクレオチド(1104)は、本明細書では「ヘルパーオリゴヌクレオチド」と呼ばれる。均質配列タグからの分子(1102)の遊離により、分子(1102)、オリゴヌクレオチド(1104)、および標的核酸(1107)を含むフラップ構造(1111)が形成される。条件は、フラップエンドヌクレアーゼの存在下で、フラップ構造(1111)が切断されて、標的核酸(1107)の5’部分(1113)が遊離し、フラップ構造(1111)の分子(1102)の3’末端にライゲーションすることができる(1114)末端が残るように選択される。ライゲーション(1114)時に、融合産物(1115)が形成され、この融合産物を、プライマー結合部位(1101)に特異的なプライマー(1106)および標的核酸の選択された部位に特異的なプライマー(1108)の存在下でPCRを行うことによって増幅することができる(1116)。
図1Iは、図1Hに例示されている実施形態の試薬を示している。反応の一部として形成される全てのミセルに共通の試薬には、(i)配列タグを含む分子(1122)(図1Hでは1102とも呼ばれる)のプライマー結合部位(1101)に特異的なプライマー(1117)、(ii)均質配列タグから遊離し、かつ反応器に対してユニークな配列タグ(1103)を含む分子(1122)、(iii)それぞれの異なる標的核酸のフラップ構造(1111)を形成するために標的核酸に特異的な5’部分(1109)および分子(1122)の部分(1105)に特異的な3’部分をそれぞれ含むオリゴヌクレオチド(1118)(図1Iのo、o、...oであり、図1Hではまとめて1104、またはヘルパーオリゴヌクレオチドとも呼ばれる)、および(iv)標的核酸特異的プライマー(1119)(図1Iのp、p、...pであり、図1Hではまとめて(1108)とも呼ばれる)が含まれる。
上記の反応を行うためのフラップエンドヌクレアーゼは、それぞれ参照により本明細書に組み入れられる次の参照文献に開示されている:米国特許第6,255,081号明細書;マツイ(Matsui)ら著、ザ・ジャーナル・オブ・バイロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、1999年、第274巻、第26号、p.18297〜18309;オリバー(Olivier)著、ミューテーション・リサーチ(Mutation Research)、2005年、第573巻、p.103〜110;フォース(Fors)ら著、ファーマコゲノミクス(Pharmacogenomics)、1999年、第9巻、第1号、p.37〜47など。
一態様では、上記の実施形態は、次のステップを用いて行うことができる:(a)複数の反応器を提供するステップであって、各反応器が増幅混合物中に集団の1つの単一細胞、第1の均質配列タグ、および第2の均質配列タグを含み、この増幅混合物が、複数の各標的核酸を増幅するための一対のプライマーを含む、ステップ;(b)フラップ構造が標的核酸の鎖の5’末端を形成するように、ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下で均質配列タグから増幅可能な配列タグを形成するステップであって、各フラップ構造のヘルパーオリゴヌクレオチドが、標的核酸の鎖に相補的な5’部分および増幅可能な配列タグまたはその産物に相補的な3’部分を含む、ステップ;(c)フラップ構造をフラップエンドヌクレアーゼを用いて切断して、増幅可能な配列タグにライゲーション可能な5’末端を標的核酸の鎖に形成するステップ;(d)増幅可能な配列タグを、各フラップ構造の標的核酸の鎖のライゲーション可能な5’末端にライゲーションするステップ;(e)各標的核酸の鎖および増幅可能な配列タグを増幅して、配列タグを含むアンプリコンを作製するステップ;および(f)反応器からのアンプリコンをシークエンシングして、このアンプリコンに組み込まれた配列タグによって集団から各細胞の標的核酸を同定するステップ。
均質配列タグとしてのランダムゲノムセグメント
一部の実施形態では、均質配列タグは、同定されるべき細胞のゲノムDNAのランダムセグメント、および同定されるべき細胞のトランスクリプトームのランダムセグメントを含む。一部の実施形態では、「トランスクリプトーム」とは、細胞に存在する転写物の全セットのことであり;一部の実施形態では、「トランスクリプトーム」とは、細胞の細胞質に存在する転写物の全セットのことである。一部の実施形態では、RNAトランスクリプトームは、逆転写酵素によってトランスクリプトームを逆転写するステップによってDNAに変換される。さらなる実施形態では、このようなランダムセグメントは、中断パリンドローム認識配列を有する制限エンドヌクレアーゼのサブセットによる細胞DNAの消化によって形成される。このサブセットの酵素は、本明細書では「部位切除」制限エンドヌクレアーゼと呼ばれ、これらは、次の特性によって特徴付けられる:(i)中断パリンドローム認識配列、(ii)一方がこの認識配列の上流であり、他方がこの認識配列の下流である2つの切除部位、および(iii)認識部位を含む規定長さの切除配列の形成。例示的な部位切除制限エンドヌクレアーゼは次の通りである。
平衡(700)が分子の環状状態(702)と線状状態(714)との間に存在するように、認識部位(706)を認識する制限エンドヌクレアーゼ活性およびリガーゼ活性とともに環状二本鎖DNA(dsDNA)(702)が提供される(図7)。従って、環状dsDNA(702)が1つのコピーで形成される場合は常に、環状dsDNA(702)は、環状の形態(702)または線状の形態(714)のいずれかで存在する。エンドヌクレアーゼ活性(710)は、環状dsDNA(702)を切断して線状dsDNA分子(714)を形成し、ライゲーション活性(712)は、末端(713)と(715)との間のリン酸ジエステル結合の再形成を触媒する。本発明のこの実施形態によると、反応混合物中の環状dsDNA(702)は、反応器(例えば、エマルション中のミセル)の一部の各反応器が1つの環状dsDNA(702)のみを含むような濃度で反応器に供給される。環状dsDNA(702)は、プライマー結合部位(704)および(705)、ならびに任意選択の第2の制限エンドヌクレアーゼ認識部位(706)を含み、この第2の制限エンドヌクレアーゼ認識部位は、例えば、後の増幅用の構築物(718)を線状化するための熱安定性エンドヌクレアーゼが認識することができる。同じ反応器で、細胞DNA(725)が、部位切除制限エンドヌクレアーゼ(726)で消化されて、可変長の鎖(不図示)および切除産物(727)が形成される。インキュベーション後、環状dsDNA(702)からのDNAおよび配列タグとして機能するランダム断片(728)を含む環状DNA産物(718)が形成される。制限部位(708)による環状dsDNAの消化(730)後、得られる線状構築物は、例えば、プライマー結合部位(704)および(705)に特異的な共通プライマー(732)および(734)を用いて、上記のようにPCA反応によって目的の標的ポリヌクレオチドにコンジュゲートすることが
できる。
反応器毎に複数の配列タグ
一部の実施形態では、2つ以上の配列タグを、1つの細胞を含む反応器で使用することができる。例えば、一部の実施形態では、それぞれが第1の均質配列タグおよび第2の均質配列タグを含む反応器またはミセルを選択することができる。第1の均質配列タグは、二本鎖標的核酸の一方の鎖に取り付けられる配列タグを遊離させ、第2の均質配列タグは、二本鎖標的核酸の他方の鎖に取り付けられる配列タグを遊離させる。このような実施形態は、上記のようにPCRまたはフラップエンドヌクレアーゼ反応に基づくことができる。例えば、図1Jは、フラップエンドヌクレアーゼ反応を利用する2つの配列タグの実施形態を例示している。第1の均質配列タグおよび1つの細胞を有するミセルの部分(例えば、1231)、第2の均質配列タグおよび1つの細胞を有するミセルの部分(例えば、1233)、ならびに第1および第2の均質配列タグおよび1つの細胞を有するミセルの部分(例えば、1235)を含むエマルション(1230)が形成される。第1および第2の均質配列タグを含むミセル(1235)の1つの標的核酸(1218)のフラップエンドヌクレアーゼ反応(1232)が以下に例示される。条件は、標的核酸(1218)が、鎖Si(1220)とその相補体Si’(1221)に変性し、次いで、両鎖が、それらの対応する反応要素に結合して、第1のフラップ構造(1224)および第2のフラップ構造(1226)を形成するように選択される。フラップエンドヌクレアーゼおよびリガーゼの存在下で、ユニークな配列タグ(1225)が、鎖Si(1220)に取り付けられ、異なるユニークな配列タグ(1227)が、その相補体Si’(1221)に取り付けられる。得られる融合産物は、PCRでさらに増幅することができる(1240)。
単一細胞分析
上述のように、本発明の一態様では、集団からの細胞は、1つの細胞をそれぞれ含む反応器に入れられる。これは、当技術分野で公知の様々なラージスケール単一細胞反応器プラットフォームによって達成することができる。例えば、それぞれ参照により本明細書に組み入れられる、クラーク(Clarke)らによる米国特許出願公開第2010/0255471号明細書;マチス(Mathies)らによる米国特許出願公開第2010/0285975号明細書;エド(Edd)らによる米国特許出願公開第2010/0021984号明細書;コルストン(Colston)らによる米国特許出願公開第2010/0173394号明細書;ラブ(Love)らによる国際公開第2009/145925号パンフレット;ムラグチ(Muraguchi)らによる米国特許出願公開第2009/0181859号明細書;ノバク(Novak)ら著、アンゲヴァンテ・ケミー・インターナショナル・エディション(Angew.Chem.Int.Ed.)、2011年、第50巻、p.390〜395;およびチェン(Chen)ら著、バイオメド・マイクロデバイセズ(Biomed Microdevices)、2009年、第11巻、p.1223〜1231など。一態様では、細胞は、例えばPCA反応などの反応が行われるマイクロアレイのウェルに入れられ;別の態様では、細胞は、油中水型エマルションのミセルに入れられ、ミセルが反応器として機能する。例えば、マチス(Mathies)ら(前掲)またはエド(Edd)ら(前掲)の、マイクロ流体デバイスによって形成されるミセル反応器は、バルク乳化プロセスでのミセルよりも細胞に対するせん断および応力が低い均一なサイズのミセルを形成できるため特に興味深い。ミセル中で増幅反応、例えば、PCRを行うことを含む、乳化の組成物および技術は、それぞれ参照により本明細書に組み入れられる次の参照文献に見られる:ベッカー(Becher)著、「エマルション:理論と実践(Emulsions:Theory and Practice)」(オックスフォード・ユニバーシティ・プレス(Oxford University Press)、2001年);グリフィス(Griffiths)およびタウフィック(Tawfik)による米国特許第6,489,103号明細書;タウフィック(Tawf
ik)およびグリフィス(Griffiths)著、ネイチャー・バイオテクノロジー(Nature Biotechnology)、1998年、第16巻、p.652〜656;ナカノ(Nakano)ら著、ジャーナル・オブ・バイオテクノロジー(J.Biotechnology)、2003年、第102巻、p.117〜124;ドレスマン(Dressman)ら著、米国科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.)、2003年、第100巻、p.8817〜8822;ドレスマン(Dressman)らによる米国特許第8,048,627号明細書;ベルカ(Berka)らによる米国特許第7,842,457号明細書および同第8,012,690号明細書;ディール(Diehl)ら著、ネイチャー・メソッズ(Nature Methods)、2006年、第3巻、p.551〜559;ウィリアムス(Williams)ら著、ネイチャー・メソッズ(Nature Methods)、2006年、第3巻、p.545〜550;ゼン(Zeng)ら著、アナリティカル・ケミストリー(Analytical Chemistry)、2010年、第82巻、第8号、p.3183〜3190;およびミセルラDNAエマルション&精製キット説明書(Micellula DNA
Emulsion&Purification Kit instructions)(EURx、グダニスク、ポーランド、2011年)など。一実施形態では、均質配列タグ(例えば、ビーズ)と反応混合物との混合物を、生体適合性油(例えば、軽油、シグマ(Sigma))の回転混合物に滴下して乳化させることができる。別の実施形態では、均質配列タグおよび反応混合物を、生体適合性油の交差流に滴下する。使用される油に、1種以上の生体適合性乳化安定剤を追加することができる。これらの乳化安定剤としては、Atlox4912、Span80、および他の認知されている市販の適切な安定剤を挙げることができる。一部の実施形態では、エマルションは、例えば、少なくとも94℃、少なくとも95℃、または少なくとも96℃の熱サイクルを可能にする熱安定性である。好ましくは、形成される小滴は、約5ミクロン(μm)〜約500ミクロン、より好ましくは約10ミクロン〜約350ミクロン、さらに好ましくは約50ミクロン〜250ミクロン、最も好ましくは約100ミクロン〜約200ミクロンの範囲である。有利なことに、交差流流体混合により、小滴形成および小滴サイズの均一化の制御が可能である。
一部の実施形態では、反応器内で利用可能な試薬が、同様に増幅された標的核酸および配列タグをもたらすように、均一な体積分布を有するミセルが形成される。即ち、大きく変動する反応器の体積、例えば、ミセルの体積により、増幅の失敗および/または非常に様々な程度の増幅となり得る。このような失敗および変動は、集団の個々の細胞における標的核酸、例えば、遺伝子発現の差異の定量比較の困難さを妨げ、または増大させるであろう。一態様では、変動係数(CV)が30%以下の体積分布を有するミセルが形成される。一部の実施形態では、ミセルは、CVが20%以下の体積分布を有する。
サンプルの細胞および均質配列タグは、反応器に入れる前に反応混合物中に懸濁させることができる。一態様では、反応混合物は、PCA反応混合物であり、かつ少なくとも一対の内側(または連結)プライマーおよび少なくとも一対の外側プライマーを含むPCR反応混合物と実質的に同じである。反応混合物は、限定されるものではないが、配列タグ付きプライマーを均質配列タグから遊離させる熱安定性制限エンドヌクレアーゼ;1つ以上のプロティナーゼ阻害剤;および単離細胞の標的核酸の遊離を容易にする溶解剤、例えば、ブラウン(Brown)ら著、インターフェイス(Interface)、2008年、第5巻、p.S131〜S138などを含む1つ以上の任意選択の成分を含み得る。一部の実施形態では、細胞を溶解するステップは、増幅反応を行う前の一定期間に、非イオン性洗剤、例えば、0.1%のTween X−100の存在下で細胞を95℃以上に加熱することによって達成することができる。一実施形態では、このような昇温期間は、10〜20分とすることができる。あるいは、細胞を溶解するステップは、非イオン性洗剤、例えば、0.1%のTween X−100の存在下での、例えば、96℃で15分間、続いて10℃で10分間の1回以上の加熱と冷却のサイクルによって達成することが
できる。
一部の実施形態では、ミセル反応器は、図1Kに例示されているようなマイクロ流体デバイスで形成されて分類され、このマイクロ流体デバイスの特徴は、参照により本明細書に組み入れられるチェン(Chen)ら著(前掲)に開示されている。細胞(1302)および均質配列タグ(1304)を含む水性反応混合物(1306)が、選択された運転条件下で1つの細胞と1つの均質配列タグを含むミセルの形成を確実にする濃度でタンク(1300)に供給される。反応混合物(1306)が、通路(1305)を通って合流部(1307)に流れ、そこで反応混合物が、通路(1308)および(1309)からの油の流れに合流する。この3つの流れの流量および圧力は、水性ミセルが合流部(1307)で形成され、そして通路(1308)および(1309)からの組み合わされた油の流れによって運ばれ、通路(1311)を通って最終的に検査領域(1312)を通過し、そこで各ミセルの1つ以上の所定の特性の存在、非存在、またはレベルが決定されるように調整される。所定の特性は、ミセル中の細胞または粒子の存在または非存在、およびミセル中の1つ以上の均質配列タグの存在または非存在を含み得る。一部の実施形態では、このような特性の検出は、均質配列タグおよび/または細胞に特異的に結合する独特な蛍光プローブを用いて行うことができる。例えば、第1の発光特性を有する1つ以上の蛍光標識抗体が、細胞を標識することができ、第2の発光特性を有する1つ以上の蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブが、均質配列タグを標識することができる。検査領域(1312)に関連した検出器は、任意選択でエフェクター領域(1313)に関連し、ミセルがエフェクター領域(1313)に達すると、検査領域(1312)で検出される信号に基づいてミセルに力が加えられる。ミセルを異なる通路を通る代替の流れに誘導する力は、音響または光などとすることができる。一実施形態では、チェン(Chen)ら(前掲)の教示に従って音響力(1314)を加えて、1つの細胞と1つの均質配列タグの両方を含むミセル(1320)を通路3(1342)に誘導し、1つ以上の細胞のみを含むミセル(1316)を通路1(1344)に誘導し、残りのミセル(1318)を通路2(1346)に誘導する。
多数の他のマイクロ流体デバイス構成を利用して、1つの細胞と所定数の均質配列タグ、例えば、1つの均質配列タグ、2つの均質配列タグを含むミセルを形成する、または選択的にミセルを合体させることによって、または電気穿孔法などによってミセルに試薬を選択的に追加することができるのは明らかである。例えば、ザゴニ(Zagoni)ら著、第2章、メソッズ・オブ・セル・バイオロジー(Methods of Cell Biology)、2011年、第102巻、p.25〜48;ブロウゼス(Brouzes)著、第10章、メソッズ・オブ・セル・バイオロジー(Methods of Cell Biology)、2011年、第102巻、p.105〜139;ヴィークルンド(Wiklund)ら著、第14章、メソッズ・オブ・セル・バイオロジー(Methods of Cell Biology)、2011年、第102巻、p.177〜196;およびル・ガック(Le Gac)ら著、第7章、メソッズ・オブ・セル・バイオロジー(Methods of Cell Biology)、2012年、第853巻、p.65〜82など。
核酸シークエンシング技術
核酸シークエンシングの任意の高スループット技術を、本発明の方法に使用することができる。DNAシークエンシング技術としては、標識ターミネータまたはプライマーを用いたジデオキシシークエンシング反応(サンガー法)およびスラブまたは毛細管でのゲル分離、可逆的に終端された標識ヌクレオチドを用いた合成によるシークエンシング、パイロシークエンシング、454シークエンシング、後にライゲーションされる標識クローンのライブラリに対する対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーションを用いた合成によるシークエンシング、重合ステップ中の標識ヌクレオチドの取り込みのリアルタイム監視、ポロ
ニー(polony)シークエンシング、およびSOLiDシークエンシングなどが挙げられる。従って、これらのシークエンシングアプローチを使用して、T細胞受容体(TCR:T−cell receptor)および/またはB細胞受容体(BCR:B−cell receptor)に基づいて目的の標的核酸とクローン型の融合産物をシークエンシングすることができる。本発明の一態様では、シークエンシングの高スループット法が利用され、この方法は、個々の分子を固体表面上で空間的に分離して、これらの分子を並行にシークエンシングするステップを含む。このような固体表面としては、無孔表面(例えば、Solexaシークエンシング、例えば、ベントレイ(Bentley)著、ネイチャー(Nature)、2008年、第456巻、p.53〜59またはComplete Genomicsシークエンシング、例えば、ドルマナック(Drmanac)ら著、サイエンス(Science)、2010年、第327巻、p.78〜81)、ビーズ結合鋳型もしくは粒子結合鋳型を含み得るウェルのアレイ(例えば、454を用いる、例えば、マーグリース(Margulies)ら著、ネイチャー(Nature)、2005年、第437巻、p.376〜380またはIon Torrentシークエンシング、米国特許出願公開第2010/0137143号明細書または同第2010/0304982号明細書)、微細加工膜(例えば、SMRTシークエンシングと同様、例えば、エイド(Eid)ら著、サイエンス(Science)、2009年、第323巻、p.133〜138)、またはビーズアレイ(SOLiDシークエンシングまたはポロニー(polony)シークエンシングと同様、例えば、キム(Kim)ら著、サイエンス(Science)、2007年、第316巻、p.1481〜1414)を挙げることができる。別の態様では、このような方法は、単離された分子を、これらの分子が固体表面上で空間的に単離される前または後で増幅するステップを含む。前増幅は、エマルジョンをベースとした増幅、例えば、エマルジョンPCR、またはローリングサークル増幅を含み得る。特に興味深いのはSolexaベースのシークエンシングであり、このシークエンシングでは、個々の鋳型分子が、固体表面上で空間的に分離された後に、これらの分子が、ブリッジPCRによって並行に増幅されて、別個のクローン集団またはクラスターが形成され、次いで、ベントレイ(Bentley)(前掲)および製造者の取扱説明書(例えば、TruSeq(商標)サンプル精製キットおよびデータシート、イルミナ社(Illumina,Inc.)、サンディエゴ、カリフォルニア州、2010年);並びに、参照により本明細書に組み入れられる次の参照文献:米国特許第6,090,592号明細書;同第6,300,070号明細書;同第7,115,400号明細書;および欧州特許第0972081B1号明細書に記載されているように、シークエンシングされる。一実施形態では、個々の分子が、固定表面に配置されて増幅され、少なくとも10クラスター/cmの密度;または少なくとも5×10/cmの密度;または少なくとも10クラスター/cmの密度でクラスターが形成される。一実施形態では、比較的エラー率の高いシークエンシング化学が利用される。このような実施形態では、このような化学によって生成される平均品質スコアは、配列リードの長さの単調に減少する関数である。一実施形態では、このような減少は、配列リードの0.5%が、位置1〜75に少なくとも1つのエラーを有すること;配列リードの1%が、位置76〜100に少なくとも1つのエラーを有すること;配列リードの2%が、位置101〜125に少なくとも1つのエラーを有することに一致する。
一部の実施形態では、マルチプレックスPCRを使用して、核酸の混合物、特に、組換え免疫分子、例えば、T細胞受容体、B細胞受容体、またはこれらの一部を含む混合物のメンバーが増幅される。このような免疫分子のマルチプレックスPCRを行うための手引きは、それぞれ参照により本明細書に組み入れられる次の参照文献に見られる:モーレイ(Morley)による米国特許第5,296,351号明細書;ゴルスキー(Gorski)による米国特許第5,837,447号明細書;ダウ(Dau)による米国特許第6,087,096号明細書;ヴァン・ドンゲン(Von Dongen)らによる米国特許出願公開第2006/0234234号明細書;欧州特許第1544308B1号明
細書;ファハム(Faham)らによる米国特許出願公開第2010/151471号明細書;ハン(Han)による米国特許出願公開第2010/0021896号明細書;およびロビンス(Robins)らによる米国特許出願公開第2010/033057号明細書など。このような増幅技術は、本発明の外側プライマーおよび連結プライマーを提供するために当業者によって容易に変更される。
本発明は、いくつかの特定の実施形態の例を参照して説明されたが、当業者であれば、本発明の概念および範囲から逸脱することなく本発明の様々な変更が可能であることを理解されよう。本発明は、上記説明されたものに加えて、様々なセンサの実施および他の主題に適用可能である。
定義
本明細書に特段の記載がない限り、本明細書で使用される核酸化学、生化学、遺伝学、および分子生物学の用語および記号は、その分野の標準的な論文または教科書の意味である。例えば、コーンバーグ(Kornberg)およびベイカー(Baker)著、DNA複製(DNA Replication)、第2版(W.H.フリーマン(W.H.Freeman)、ニューヨーク、1992年);レインガー(Lehninger)著、バイオケミストリー(Biochemistry)、第2版(ワース・パブリシャー(Worth Publishers)、ニューヨーク、1975年);ストラカン(Strachan)およびリード(Read)著、ヒューマン・モレキュラー・ジェネティクス(Human Molecular Genetics)、第2版(ワイリー−リス(Wiley−Liss)、ニューヨーク、1999年);アバス(Abbas)ら著、セルラー・アンド・モレキュラー・イムノロジー(Cellular and Molecular Immunology)、第6版(サウンダーズ(Saunders)、2007年)。
「アンプリコン」とは、ポリヌクレオチド増幅反応の産物;即ち、一本鎖または二本鎖であり得、かつ1つ以上の開始配列から複製されるポリヌクレオチドのクローン集団のことである。1つ以上の開始配列は、同じ配列の1つ以上のコピーでも良いし、または異なる配列の混合物でも良い。一部の実施形態では、アンプリコンは、1つの開始配列の増幅によって形成される。アンプリコンは、1つ以上の開始核酸または標的核酸の複製を含む産物が作製される様々な増幅反応によって作製することができる。一態様では、アンプリコンを作製する増幅反応は、ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドである反応物の塩基対が、反応産物の生成に必要な鋳型ポリヌクレオチドに相補体を有するという点で「鋳型主導性」である。一態様では、鋳型主導性反応は、核酸ポリメラーゼを用いるプライマーの伸長、または核酸リガーゼを用いるオリゴヌクレオチドのライゲーションである。このような反応としては、限定されるものではないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR:polymerase chain reaction)、線状ポリメラーゼ反応、核酸配列ベース増幅(NASBA:nucleic acid sequence−based amplification)、およびローリングサークル増幅などが挙げられ、これらは、参照により本明細書に組み入れられる次の参照文献に開示されている:マリス(Mullis)らによる米国特許第4,683,195号明細書;同第4,965,188号明細書;同第4,683,202号明細書;同第4,800,159号明細書(PCR);ゲルファント(Gelfand)らによる米国特許第5,210,015号明細書(「taqman」プローブを用いるリアルタイムPCR);ウィットワー(Wittwer)らによる米国特許第6,174,670号明細書;カシャン(Kacian)らによる米国特許第5,399,491号明細書(「NASBA」);リザルディ(Lizardi)による米国特許第5,854,033号明細書;およびアオノ(Aono)らによる特開平4−262799号公報(ローリングサークル増幅)など。一態様では、本発明のアンプリコンは、PCRによって作製される。増幅反応は、反応産物の増幅反応の進行と
しての測定を可能にする検出化学が利用可能である場合は「リアルタイム」増幅とすることができる。例えば、以下に記載される「リアルタイムPCR」、またはレオン(Leone)ら著、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research)、1998年、第26巻、p.2150〜2155などの参照文献に記載される「リアルタイムNASBA」。本明細書で使用される「増幅する」という語は、増幅反応を行うことを意味する。「反応混合物」または「増幅混合物」とは、限定されるものではないが、反応中にpHを選択されたレベルに維持する緩衝剤、塩、補助因子、およびスカベンジャなどを含み得る、反応を行うために必要な全ての反応物を含む溶液のことである。
「キット」とは、本発明の方法を行うために材料または試薬を送達するための任意の送達システムのことである。本発明の方法との関連では、このような送達システムは、反応試薬(例えば、適切な容器に入れられたプライマー、酵素、内部標準など)および/または支援材料(例えば、緩衝剤、アッセイなどを行うための取扱説明書)の保存、ある位置から別の位置への移送または送達を可能にするシステムを含む。例えば、キットは、関連する反応試薬および/または支援材料を含む1つ以上の容器(例えば、箱)を含む。このような内容物は、目的のレシピエントに一緒にまたは別個に送達することができる。例えば、第1の容器は、アッセイに使用される酵素を含み得、第2の容器はプライマーを含む。
「ライゲーション」とは、鋳型駆動反応における2つ以上の核酸、例えば、オリゴヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチドの末端間に共有結合または連結を形成することである。結合または連結の性質は、様々であり得、ライゲーションは、酵素的または化学的に行うことができる。本明細書で使用されるライゲーションは、通常は酵素的に行われて、1つのオリゴヌクレオチドの末端ヌクレオチドの5’炭素と別のオリゴヌクレオチドの3’炭素との間にホスホジエステル結合を形成する。様々な鋳型駆動ライゲーション反応が、それぞれ参照により本明細書に組み入れられる次の参照文献に記載されている:ホワイトリー(Whitely)らによる米国特許第4.883,750号明細書;レットシンガー(Letsinger)らによる米国特許第5,476,930号明細書;ファン(Fung)らによる米国特許第5,593,826号明細書;クール(Kool)による米国特許第5,426,180号明細書;ランデグレン(Landegren)らによる米国特許第5,871,921号明細書;スー(Xu)およびクール(Kool)著、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research)、1999年、第27巻、p.875〜881;ヒギンス(Higgins)ら著、メソッズ・イン・エンジモロジー(Methods in Enzymology)、1979年、第68巻、p.50〜71;エングラー(Engler)ら著、ザ・エンザイムズ(The Enzymes.)、1982年、第15巻、p.3〜29;およびナムサラエフ(Namsaraev)による米国特許出願公開第2004/0110213号明細書。
「マイクロ流体デバイス」とは、1つ以上のチャンバ、ポート、および通路の統合システムのことであり、これらのチャンバ、ポート、および通路は、相互に連結されて流体連通し、単独で、または器械もしくは器具と協働して分析反応またはプロセスを行うように設計されており、このような器械もしくは器具は、支持機能、例えば、サンプルの導入、流体および/または試薬の駆動手段、温度制御、検出システム、データ収集、および/または統合システムなどを実現する。マイクロ流体デバイスは、弁、ポンプ、および内壁の特殊な機能性コーティングをさらに備えることができ、この機能性コーティングは、例えば、サンプルの成分または反応物質の吸着を防止して、電気浸透などによる試薬の移動を容易にする。このようなデバイスは、通常は、固体基板に形成される、または固体基板として形成され、この固体基板は、ガラス、プラスチック、または他の固形ポリマー材料と
することができ、典型的には、特に光学的または電気化学的方法によるサンプルおよび試薬の移動の検出および監視を容易にするために平面の形態を有する。マイクロ流体デバイスの特徴は、通常は数百平方マイクロメートル未満の断面寸法を有し、通路が、典型的には、毛細管寸法、例えば、約500μm〜約0.1μmの最大断面寸法を有することである。マイクロ流体デバイスは、典型的には、1μL〜数nL、例えば、10〜100nLの範囲の容積容量を有する。マイクロ流体デバイスの製造および運転は、当技術分野で周知であり、それぞれ参照により本明細書に組み入れられる次の参照文献によって例示されている:ラムゼイ(Ramsey)による米国特許第6,001,229号明細書;同第5,858,195号明細書;同第6,010,607号明細書;および同第6,033,546号明細書;ソーン(Soane)らによる米国特許第5,126,022号明細書および同第6,054,034号明細書;ネルソン(Nelson)らによる米国特許第6,613,525号明細書;マハル(Maher)らによる米国特許第6,399,952号明細書;リッコ(Ricco)らによる国際公開第02/24322号パンフレット;ビョルンソン(Bjornson)らによる国際公開第99/19717号パンフレット;ワイルディング(Wilding)らによる米国特許第5,587,128号明細書;同第5,498,392号明細書;シーア(Sia)ら著、エレクトロフォレーシス(Electrophoresis)、2003年、第24巻、p.3563〜3576;ウンガー(Unger)ら著、サイエンス(Science)、2000年、第288巻、p.113〜116;エンゼルバーガー(Enzelberger)らによる米国特許第6,960,437号明細書。
「ポリメラーゼ連鎖反応」または「PCR」とは、DNAの相補鎖の同時プライマー伸長による特定のDNA配列のin vitro増幅反応のことである。言い換えれば、PCRは、プライマー結合部位に隣接した標的核酸の複数のコピーまたは複製を作製する反応であり、このような反応は、次のステップの1回以上の反復を含む:(i)標的核酸を変性させるステップ、(ii)プライマーをプライマー結合部位にアニーリングするステップ、および(iii)ヌクレオシド三リン酸の存在下でプライマーを核酸ポリメラーゼによって伸長させるステップ。通常は、この反応は、サーマル・サイクラー装置で各ステップに最適な異なる温度で繰り返される。各ステップでの特定の温度、期間、ステップ間の変化の割合は、例えば、参照文献:イニス(Innis)ら編、PCRプロトコル(PCR Protocols)(アカデミック・プレス(Academic Press)、1990年):マクファーソン(McPherson)ら編、PCR:実践的なアプローチ(PCR:A Practical Approach)およびPCR2:実践的なアプローチ(PCR2:A Practical Approach)(IRLプレス(IRL Press)、オックスフォード、それぞれ1991年および1995年)によって例示されている、当業者に周知の多数の因子によって決まる。例えば、Taq DNAポリメラーゼを使用する従来のPCRでは、二本鎖標的核酸を、90℃を超える温度で変性させ、プライマーを50〜75℃の温度でアニーリングし、そしてプライマーを72〜78℃の温度で伸長させることができる。PCRの典型的な増幅混合物は、0.1〜0.5μMの濃度の少なくとも1つの順方向プライマーおよび逆方向プライマー;100〜300μMの濃度のdNTP;DNAポリメラーゼと塩(例えば、10〜50mMのKClまたはNaCl、および1〜6mMのMgCl);および緩衝剤(例えば、10〜50mMのTris−HCl、pH8.3〜8.8)を含む。反応量は、数百ナノリットル、例えば、200nL〜数百μL、例えば、200μLの範囲である。「PCR」という語は、限定されるものではないが、RT−PCR、リアルタイムPCR、ネステッドPCR、定量PCR、およびマルチプレックスPCRなどを含む反応の派生形を包含する。利用される特定の形式のPCRは、本出願との関連から当業者には認識されよう。「逆転写PCR」または「RT−PCR」とは、標的RNAを相補的な一本鎖DNAに変換する逆転写反応が先に起こり、次いで、この一本鎖DNAが増幅されるPCRのことである。例えば、参照により本明細書に組み入れられるテコット(Tecott)らによる米国特許
第5,168,038号明細書。「リアルタイムPCR」とは、反応産物、即ち、アンプリコンの量が、反応が進行するときに監視されるPCRのことである。様々な形式のリアルタイムPCRが存在し、これらのリアルタイムPCRは主に、反応産物の監視に使用される検出化学が異なる。例えば、参照により本明細書に組み入れられる、ゲルファント(Gelfand)らによる米国特許第5,210,015号明細書(「taqman」);ウィットワー(Wittwer)らによる米国特許第6,174,670号明細書および同第6,569,627号明細書(挿入染料(intercalating dyes));チャギ(Tyagi)らによる米国特許第5,925,517号明細書(分子ビーコン(molecular beacons))。リアルタイムPCRの検出化学は、同様に参照により本明細書に組み入れられるマッカイ(Mackay)ら著、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research)、2002年、第30巻、p.1292〜1305に概説されている。「ネステッドPCR」とは、2段階PCRのことであり、第1のPCRのアンプリコンが、新たなセットのプライマーを用いる第2のPCRのサンプルとなり、このプライマーの少なくとも1つが、第1のアンプリコンの内部の位置に結合する。ネステッド増幅反応に関連して本明細書で使用される「一次プライマー」とは、第1のアンプリコンを作製するために使用されるプライマーのことであり、「二次プライマー」とは、第2のアンプリコンまたはネステッドアンプリコンを作製するために使用される1つ以上のプライマーのことである。「マルチプレックスPCR」とは、複数の標的配列(または1つの標的配列と1つ以上の基準配列)が、同じ反応混合物内で同時に増幅されるPCRのことである。例えば、バーナード(Bernard)ら著、アナリティカル・バイオケミストリー(Anal.Biochem.)、1999年、第273巻、p.221〜228(2色リアルタイムPCR(two−color real−time PCR))。通常は、プライマーの異なるセットが、増幅される各配列に利用される。典型的には、マルチプレックスPCRの標的配列の数は、2〜50、2〜40、または2〜30の範囲である。「定量PCR」とは、サンプルまたは標本中の1つ以上の特定の標的配列の存在量を測定するように設計されたPCRのことである。定量PCRは、このような標的配列の絶対定量および相対定量の両方を含む。定量測定は、標的配列と別個にまたは一緒にアッセイされ得る1つ以上の基準配列または内部標準を用いて行われる。基準配列は、サンプルまたは標本に対して内因性または外因性であり得、後者の場合は、1つ以上の競合鋳型を含み得る。典型的な内因性基準配列は、次の遺伝子の転写物のセグメントを含む:β−アクチン、GAPDH、β−ミクログロブリン、およびリボソームRNAなど。定量PCRの技術は、当業者に周知であり、参照により本明細書に組み入れられる次の参照文献に例示されている:フリーマン(Freeman)ら著、バイオテクニークス(Biotechniques)、1999年、第26巻、p.112〜126;ベッカー−アンドレ(Becker−Andre)ら著、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research)、1989年、第17巻、p.9437〜9447;ジマーマン(Zimmerman)ら著、バイオテクニークス(Biotechniques)、1996年、第21巻、p.268〜279;ディビアッコ(Diviacco)ら著、ジーン(Gene)、1992年、第122巻、p.3013〜3020;ベッカー−アンドレ(Becker−Andre)ら著、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research)、1989年、第17巻、p.9437〜9446など。
「プライマー」とは、ポリヌクレオチド鋳型と二重鎖を形成するときに、核酸合成の開始点として機能し、その3’末端から鋳型に沿って伸長して伸長した二重鎖を形成することができる天然または合成のオリゴヌクレオチドのことである。プライマーの伸長は、通常は、核酸ポリメラーゼ、例えば、DNAまたはRNAポリメラーゼで行われる。伸長プロセス中に付加されるヌクレオチドの配列は、鋳型ポリヌクレオチドの配列によって決定される。通常は、プライマーは、DNAポリメラーゼによって伸長される。プライマーは、通常は、14〜40ヌクレオチドの範囲、または18〜36ヌクレオチドの範囲の長さ
を有する。プライマーは、様々な核酸増幅反応、例えば、1種類のプライマーを用いる線状増幅反応、または2種類以上のプライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反応に利用される。特定の適用例に対してプライマーの長さおよび配列を選択する案内は、参照により本明細書に組み入れられる次の参照文献から分かるように当業者には周知である:ディーフェンバッハ(Dieffenbach)編、PCRプライマー:実習マニュアル(PCR Primer:A Laboratory Manual)、第2版(コールド・スプリング・ハーバ・プレス(Cold Spring Harbor Press)、ニューヨーク、2003年)。
「配列リード」とは、シークエンシング技術によって生成される一連のデータまたはデータのストリームから決定されるヌクレオチド配列のことであり、この決定は、例えば、技術に関連したベースコーリングソフトウェア、例えば、DNAシークエンシングプラットフォームの供給業者からのベースコーリングソフトウェアによって行われる。配列リードは、通常は、配列の各ヌクレオチドの品質スコアを含む。典型的には、配列リードは、プライマーを、例えば、DNAポリメラーゼまたはDNAリガーゼを用いて鋳型核酸に沿って伸長させることによって作製される。データは、このような伸長に関連したシグナル、例えば、光シグナル、化学シグナル(例えば、pHの変化)、または電気シグナルを記録することによって生成される。このような初期データが、配列リードに変換される。
「配列タグ」(もしくは「タグ」)または「バーコード」とは、ポリヌクレオチドまたは鋳型分子に付着されたオリゴヌクレオチドのことであり、1回の反応または一連の反応でポリヌクレオチドまたは鋳型を識別し、かつ/または追跡するために使用される。配列タグは、ポリヌクレオチドまたは鋳型の3’末端もしくは5’末端に付着させることができる、または配列タグは、このようなポリヌクレオチドまたは鋳型の内部に挿入して線状コンジュゲートを形成することができ、この線状コンジュゲートは、本明細書では、「タグ付きポリヌクレオチド」、「タグ付き鋳型」、「タグ−ポリヌクレオチドコンジュゲート」、または「タグ−分子コンジュゲート」などと呼ばれることもある。配列タグは、サイズおよび組成が非常に多様であり得;参照により本明細書に組み入れられる次の参照文献が、特定の実施形態に適切な配列タグのセットを選択するための案内を示す:ブレンナー(Brenner)による米国特許第5,635,400号明細書;ブレンナー(Brenner)およびマチェビッツ(Macevicz)による米国特許第7,537,897号明細書;ブレンナー(Brenner)ら著、米国科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.)、2000年、第97巻、p.1665〜1670;チャーチ(Church)らによる欧州特許公開第0303459号明細書;シューメーカ(Shoemaker)ら著、ネイチャー・ジェネティクス(Nature Genetics)、1996年、第14巻、p.450〜456;モーリス(Morris)らによる欧州特許出願公開第0799897A1号明細書;ワレス(Wallace)による米国特許第5,981,179号明細書など。配列タグの長さおよび組成は、非常に多様であり得、特定の長さおよび/または組成の選択は、限定されるものではないが、例えば、ハイブリダイゼーション反応または酵素反応、例えば、シークエンシングによってタグがどのように使用されて読出しが生成されるか;例えば、蛍光染料などで配列タグが標識されているか否か;ポリヌクレオチドのセットなどを一義的に識別するために必要な区別可能なオリゴヌクレオチドタグの数、および、例えば、クロスハイブリダイゼーションまたはシークエンシングエラーによる誤認が存在しない、確実な識別を保障するためにタグのセットがどの程度異なっていなければならないかを含め、いくつかの因子によって決まる。一態様では、配列タグはそれぞれ、2〜36ヌクレオチド、4〜30ヌクレオチド、8〜20ヌクレオチド、または6〜10ヌクレオチドの範囲内の長さを有し得る。一態様では、配列タグのセットが使用され、各配列タグのセットは、同じセットの他のどのタグのヌクレオチド配列とも少なくとも2つの塩基が異なるユニークなヌクレオチド配列を有し;別の態様では、配列タグのセットが使用され、各配列タグのセットは、同じセット
の他のどのタグとも少なくとも3つの塩基が異なる。

Claims (28)

  1. 集団の単一細胞の複数の標的核酸を分析する方法であって、
    複数の反応器を提供するステップであって、各反応器が前記集団の1つの単一細胞と1つの単一均質配列タグを増幅混合物中に含み、前記増幅混合物が、前記複数の標的核酸の各々を増幅するための一対のプライマーを含む、ステップ;
    前記均質配列タグから増幅可能な配列タグを提供するステップ;
    前記標的核酸および前記増幅可能な配列タグを増幅して、配列タグを含むアンプリコンを作製するステップ;および
    前記反応器からの前記アンプリコンをシークエンシングして、前記アンプリコンに取り込まれた配列タグによって前記集団からの各細胞の標的核酸を同定するステップを含む、方法。
  2. 前記増幅するステップが、ポリメラーゼ連鎖反応によって行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記増幅可能な配列タグを提供するステップが、前記均質配列タグから前記増幅可能な配列タグを遊離させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記増幅可能な配列タグを遊離させるステップが、熱安定性制限エンドヌクレアーゼによって前記均質配列タグから前記増幅可能な配列タグを切断することによって行われる、請求項3に記載の方法。
  5. 前記増幅可能な配列タグのそれぞれが、配列タグ付きプライマーである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記増幅可能な配列タグのそれぞれが、プライマー結合部位に挟まれた配列タグであり、前記増幅混合物が、前記増幅可能な配列タグをPCRで増幅することができる一対のプライマーをさらに含む、請求項4に記載の方法。
  7. 前記増幅可能な配列タグを提供するステップが、前記増幅可能な配列タグをEXPARによって作製するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記均質配列タグが、複数の配列タグ付きプライマーを含むローリングサークルアンプリコンである、請求項1に記載の方法。
  9. 前記均質配列タグが、複数の配列タグ付きプライマーが取り付けられたビーズである、請求項1に記載の方法。
  10. 前記反応器が、エマルションのミセルである、請求項1に記載の方法。
  11. 前記ミセルが、マイクロ流体デバイスで形成される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記ミセルが、変動係数が30%以下の体積分布を有する、請求項10に記載の方法。
  13. 前記単一細胞の前記集団が、同じサンプルに由来する、請求項1に記載の方法。
  14. 前記増幅するステップの前に、前記単一細胞を前記反応器のそれぞれで溶解するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記均質配列タグが、ランダムゲノムセグメントを含む、請求項1に記載の方法。
  16. 前記均質配列タグが、ランダムトランスクリプトームセグメントを含む、請求項1に記載の方法。
  17. 集団の各細胞の複数の標的核酸を分析する方法であって:
    複数の反応器を提供するステップであって、各反応器が1つの単一細胞と1つの単一の均質配列タグをポリメラーゼサイクリングアセンブリ(PCA)反応混合物中に含み、前記均質配列タグが、少なくとも1つの配列タグ付きプライマーを含み、前記PCA反応混合物が、一対の外側プライマー、および前記複数の標的核酸に特異的な一対以上の連結プライマーを含み、前記外側プライマーおよび前記連結プライマーの少なくとも一方が、前記均質配列タグの配列タグ付きプライマーである、ステップ;
    前記均質配列タグが前記配列タグ付きプライマーを遊離または形成し、かつ前記標的核酸と前記配列タグ付きプライマーとの融合産物が前記反応器で形成されるように、PCA反応を前記反応器で行うステップ;および
    前記反応器からの前記融合産物をシークエンシングして、前記集団の各細胞の標的核酸を同定するステップを含む、方法。
  18. 前記複数の反応器が、油中水型エマルションの水性ミセルである、請求項17に記載の方法。
  19. 前記油中水型エマルションが、マイクロ流体デバイスによって形成される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記標的核酸が、トランスクリプトームの転写物である、請求項17に記載の方法。
  21. 前記均質配列タグが、複数の配列タグ付きプライマーが取り付けられたビーズである、請求項17に記載の方法。
  22. 前記増幅するステップの前に、前記単一細胞を前記反応器のそれぞれで溶解するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
  23. 集団の単一細胞の複数の標的核酸を分析する方法であって:
    複数の反応器を提供するステップであって、各反応器が前記集団の1つの細胞、第1の均質配列タグ、および第2の均質配列タグを増幅混合物中に含み、前記増幅混合物が、前記複数の標的核酸の各々を増幅するための一対のプライマーを含む、ステップ;
    前記標的核酸の鎖の5’末端にフラップ構造が形成されるように、ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下で、前記均質配列タグから増幅可能な配列タグを提供するステップ;
    前記フラップ構造をフラップエンドヌクレアーゼで切断して、前記標的核酸の鎖に、増幅可能な配列タグにライゲーション可能な5’末端を提供するステップ;
    前記増幅可能な配列タグを、前記標的核酸の鎖のライゲーション可能な5’末端にライゲーションするステップ;
    前記各核酸の鎖および前記増幅可能な配列タグを増幅して、配列タグを含むアンプリコンを作製するステップ;および
    前記反応器からの前記アンプリコンをシークエンシングして、前記アンプリコンに取り込まれた配列タグによって前記集団からの各細胞の標的核酸を同定するステップを含む、方法。
  24. 前記複数の反応器が、油中水型エマルションの水性ミセルである、請求項23に記載の方法。
  25. 前記油中水型エマルションが、マイクロ流体デバイスによって形成される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記標的核酸が、トランスクリプトームの転写物である、請求項23に記載の方法。
  27. 前記均質配列タグが、複数の配列タグ付きプライマーが取り付けられたビーズである、請求項23に記載の方法。
  28. 前記増幅するステップの前に、前記単一細胞を前記反応器のそれぞれで溶解するステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
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