JP2015521471A - 組み換え第Xa因子誘導体の精製のための方法 - Google Patents

組み換え第Xa因子誘導体の精製のための方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015521471A
JP2015521471A JP2015517406A JP2015517406A JP2015521471A JP 2015521471 A JP2015521471 A JP 2015521471A JP 2015517406 A JP2015517406 A JP 2015517406A JP 2015517406 A JP2015517406 A JP 2015517406A JP 2015521471 A JP2015521471 A JP 2015521471A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elution buffer
serine protease
sti
arginine
seq
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015517406A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6261093B2 (ja
Inventor
ゲンミン ルー,
ゲンミン ルー,
ユマ シンハ,
ユマ シンハ,
Original Assignee
ポートラ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
ポートラ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ポートラ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド, ポートラ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド filed Critical ポートラ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
Publication of JP2015521471A publication Critical patent/JP2015521471A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6261093B2 publication Critical patent/JP6261093B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/16Extraction; Separation; Purification by chromatography
    • C07K1/22Affinity chromatography or related techniques based upon selective absorption processes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/48Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
    • C12N9/50Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25)
    • C12N9/64Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from animal tissue
    • C12N9/6421Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from animal tissue from mammals
    • C12N9/6424Serine endopeptidases (3.4.21)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/48Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
    • C12N9/50Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25)
    • C12N9/64Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from animal tissue
    • C12N9/6421Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from animal tissue from mammals
    • C12N9/6424Serine endopeptidases (3.4.21)
    • C12N9/6432Coagulation factor Xa (3.4.21.6)

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

セリンプロテアーゼを精製するための方法およびキットが、本明細書で開示される。本方法は、大豆トリプシンインヒビター(STI)系親和性クロマトグラフに、セリンプロテアーゼを充填することと、STIとセリンプロテアーゼとの間の相互作用を妨害する薬剤を含む溶出緩衝液で、セリンプロテアーゼを溶出することとを伴う。いくつかの実施形態では、溶出緩衝液は、STIとセリンプロテアーゼとの間の相互作用を妨害する競合薬などの薬剤を含む。いくつかの実施形態では、溶出緩衝液は、塩および/または界面活性剤を更に含む。【選択図】 図10A

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2012年6月14日に出願された米国仮出願第61/659,821号に対する利益を主張し、その内容は、参照によりその全体が本開示に組み込まれる。
抗凝固剤は、例えば、凝固障害を有する、一定期間の不動状態を余儀なくされた、または医療手術を受けている患者などの、血栓を形成する傾向のある患者における望ましくない血栓症の治療または予防に関する、市場における要求に応える。しかしながら、抗凝固療法の主な制限の1つは、治療に随伴する出血の危険性、および過剰投与の際にまたは緊急の外科的処置が求められる場合に抗凝固活性を急速に反転させる能力に制限があることである。それ故、抗凝固療法の全ての形態に対して特異的かつ有効な解毒剤が非常に望ましい。安全性を考慮して、新たな抗凝固薬の開発の中で凝固剤と解毒剤とのペアを得ることも有利である。
以前に報告された第Xa因子(fXa)タンパク質の修飾された誘導体は、米国特許第8,153,390号および第8,268,783号に記載されるものなど、fXaを標的とする凝固剤に対する解毒剤として有用である。fXaタンパク質の修飾された誘導体は、凝固剤に結合し、かつ/または凝固剤を実質的に中和する。しかしながら、これらのfXa誘導体に導入される特定の修飾は、凝固因子の精製のための従来の方法が、これらの修飾されたfXaタンパク質に対して有効でないことがあるため、精製に対するいくつかの課題を提起する。
米国特許第8,153,390号明細書 米国特許第8,268,783号明細書
セリンプロテアーゼを精製するための方法およびキットが、本明細書で開示される。いくつかの実施形態では、本方法は、樹脂またはカラムなどの大豆トリプシンインヒビター(STI)系親和性クロマトグラフに、セリンプロテアーゼを充填することと、溶出緩衝液でポリペプチドを溶出することとを伴う。いくつかの実施形態では、溶出緩衝液は、STIとセリンプロテアーゼとの間の相互作用を妨害する競合薬などの薬剤を含む。いくつかの実施形態では、溶出緩衝液は、塩および/または界面活性剤を更に含む。
一実施形態では、大豆トリプシンインヒビター(STI)系親和性クロマトグラフにセリンプロテアーゼを充填することと、STIとセリンプロテアーゼとの間の相互作用を妨害する薬剤を含む溶出緩衝液でセリンプロテアーゼを溶出することとを含む、セリンプロテアーゼを精製する方法が提供される。
一部の態様では、溶出緩衝液は、塩、界面活性剤、および/またはカオトロピック剤を更に含む。
一部の態様では、薬剤は、ベンズアミジン、p−アミノベンズアミジン、アルギニン、小分子fXa阻害剤、ペプチドfXa阻害剤、およびペプチド模倣fXa阻害剤からなる群から選択され得る競合薬である。一部の態様では、競合薬はアルギニンである。
一部の態様では、セリンプロテアーゼは、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むポリペプチドであるか、または、配列番号1もしくは2に対して少なくとも約80%の配列同一性を有し、Glaドメインの少なくとも一部の欠失、および活性部位での変異を有するポリペプチドである。
一部の態様では、セリンプロテアーゼは、配列番号2のアミノ酸配列、または、配列番号2に対して少なくとも約95%の配列同一性を有し、Glaドメインの少なくとも一部の欠失、および活性部位での変異を有するポリペプチドを含む。一部の態様では、セリンプロテアーゼは配列番号2のアミノ酸配列を含む。
一部の態様では、溶出緩衝液のpHは約4.5〜約10.5である。一部の態様では、溶出緩衝液のpHは約5.0である。一部の態様では、溶出緩衝液のpHは約7.4である。
一部の態様では、溶出緩衝液は約250mMのアルギニン〜約1000mMのアルギニンを含む。一部の態様では、溶出緩衝液は約500mMのアルギニンを含む。一部の態様では、溶出緩衝液のpHは約5.0である。
一部の態様では、方法は、溶出されたセリンプロテアーゼを、イオン交換カラムでの精製に供することを更に含む。
本開示の方法によって調製される、精製されたセリンプロテアーゼも提供される。
一実施形態では、大豆トリプシンインヒビター(STI)系親和性クロマトグラフ、およびSTIとセリンプロテアーゼとの間の相互作用を妨害する競合薬を含む溶出緩衝液を含むキットが提供される。
一部の態様では、溶出緩衝液はアルギニンを更に含む。一部の態様では、溶出緩衝液のpHは約4.5〜約10.5である。一部の態様では、溶出緩衝液は約250mMのアルギニン〜約1000mMのアルギニンを含む。一部の態様では、キットは、中性pHにある約250mMのNaClを含む洗浄緩衝液を更に含む。
配列番号1、すなわち、アミノ酸106〜111においてリンカー−RKRRKR−(配列番号3)を有するfXa誘導体(r−解毒剤前駆体とも称される)を示す。 配列番号2、すなわち、リンカーがr−解毒剤前駆体から除去されたfXa誘導体(r−解毒剤とも称される)を示す。 実施例1に記載されるように、ベンズアミジン−アガロース親和性樹脂上で精製されたr−解毒剤を使用した充填プロフィルを示す。 実施例1に記載されるように、L−リシン−アガロース親和性樹脂上で精製されたr−解毒剤を使用した充填プロフィルを示す。 実施例1に記載されるように、アプロチニン−アガロース親和性樹脂上で精製されたr−解毒剤を使用した充填プロフィルを示す。 実施例1に記載されるように、STI−アガロース親和性樹脂上で精製されたr−解毒剤を使用した充填プロフィルを示す。 (実施例2に記載されるように)機能タンパク質がSTI樹脂によって捕捉されることを実証する、細胞培養から採取された馴化培地(採取された細胞培養液)を使用したSTI−アガロース充填プロフィルを示す。 実施例2に記載されるように、(フロースルーモードで)HQ−セファロースプレカラム上で採取された細胞培養液を使用した充填プロフィルを示す。 機能タンパク質がSTI樹脂によって捕捉されることを実証する、STI−アガロースに充填されたHQ−セファロースFT−画分の充填プロフィルを示す。 実施例2に記載されるように、結合タンパク質が1Mのベンズアミジンで溶出されることを示す。1Mのベンズアミジンを使用した溶出プロフィルが図10Aに示され、STIで溶出されプールされた画分でのウエスタンブロット法が図10Bに示される。分子マーカは、図10Bのレーン1および1Aに充填され、FXaは、レーン2および2Bに充填され、STI−アガロースカラムから溶出されたr−解毒剤は、レーン4および4Bに充填される。 実施例2に記載されるように、結合タンパク質が1Mのベンズアミジンで溶出されることを示す。1Mのベンズアミジンを使用した溶出プロフィルが図10Aに示され、STIで溶出されプールされた画分でのウエスタンブロット法が図10Bに示される。分子マーカは、図10Bのレーン1および1Aに充填され、FXaは、レーン2および2Bに充填され、STI−アガロースカラムから溶出されたr−解毒剤は、レーン4および4Bに充填される。 実施例2に記載されるように、ベンズアミジン勾配での溶出プロフィルを示す。 実施例2に記載されるように、スケールアップ法の溶出プロフィルを示す。 25Lの培地(ウエーブバッグ(wave bag))のr−解毒剤精製スキームを示す。UF=限外濾過、MWCO=分画分子量、UF/DF=限外濾過/透析濾過。 実施例2に記載されるように、精製されたr−解毒剤のSDS−PAGEを示す。 実施例3に記載されるように、アルギニン溶出緩衝液を使用したSTI親和性カラムの溶出プロフィルを示す。 実施例3に記載されるように、異なるSTI樹脂(A〜E)での様々なSTI親和性カラムからの充填された溶出剤で還元された銀染色ゲルを示す。アルギニン緩衝液での溶出は、ベンズアミジンでの溶出と類似した生成物プロフィルをもたらした。
定義
本開示の実施は、別途指示がない限り、従来の組織培養、免疫学、分子生物学、微生物学、細胞生物学、および組み換えDNAの技術を用い、これらは当技術分野の技術の範囲内である。例えば、Sambrook et al.,(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd edition、Ausubel et al.,eds.(1987)Current Protocols In Molecular Biology、MacPherson,B.D.Hames and G.R.Taylor eds.,(1995)PCR 2:A Practical Approach、Harlow and Lane,eds.(1988)Antibodies,A Laboratory Manual、Harlow and Lane,eds.(1999)Using Antibodies,a Laboratory Manual、およびR.I.Freshney,ed.(1987)Animal Cell Cultureを参照されたい。
本明細書で使用される場合、用語「約」は、概して、述べられる値のプライスマイナス10%の範囲である値を意味する。
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈上、別途明確に指示がない限り、複数形の指示対象を含む。
用語「タンパク質」、「ペプチド」、および「ポリペプチド」は同じ意味で使用され、それらの最も広い意味において、2つ以上のサブユニットアミノ酸、アミノ酸類似体、またはペプチド模倣体の化合物を指す。サブユニットは、ペプチド結合によって連結されてもよい。別の実施形態では、サブユニットは、他の結合、例えば、エステル、エーテルなどによって連結されてもよい。タンパク質またはペプチドは、少なくとも2つのアミノ酸を含まなければならず、タンパク質の配列、またはペプチドの配列を含んでもよいアミノ酸の最大数に制限はない。本明細書で使用される場合、用語「アミノ酸」は、天然および/または非天然、もしくは合成のいずれかである、グリシンおよびDとLとの両方の光学異性体を含むアミノ酸、アミノ酸類似体、ならびにペプチド模倣体を指す。「ペプチド模倣体」は、ペプチドを模倣するように設計された小さいタンパク質様鎖である。それらは、既存のペプチドの修飾から、またはペプトイドおよびβ−ペプチドなどの、ペプチドを模倣する類似の系を設計することによって、作製され得る。
DNAまたはRNAなどの核酸に関して本明細書で使用される場合、用語「単離された」または「組み換え」は、他のDNAまたはRNAから分離された分子を指す。用語「単離された」は、他の細胞タンパク質から単離されているポリヌクレオチド、ポリペプチド、およびタンパク質を指すためにも本明細書で使用され、精製されたポリペプチドおよび組み換えポリペプチドの両方を包含するものとする。例えば、単離された細胞は、異なる表現型または遺伝子型の組織または細胞から分離されている細胞である。単離されたポリヌクレオチドは、それがその天然または自然環境において関連付けられる、例えば染色体上の3’および5’隣接ヌクレオチドから分離される。当業者には明らかであるように、天然には存在しないポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体、またはその断片(複数可)は、それをその天然に存在する対応物と区別するために「単離」を必要としない。
タンパク質、ペプチド、またはポリヌクレオチドの「生物学的等価物」という用語は、少なくとも約80%の相同性もしくは配列同一性、あるいは、少なくとも約85%、またはあるいは、少なくとも約90%、またはあるいは、少なくとも約95%、またはあるいは、少なくとも98%の相同性もしくは配列同一性を有するものを指し、参照タンパク質、ポリペプチド、または核酸と実質的に同等の生物活性を呈する。
「ハイブリダイゼーション」は、異なる「ストリンジェンシー」の条件下で実行され得るハイブリダイゼーション反応を指す。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーを増大させる条件は、当技術分野において周知であり、公開されている。例えば、Sambrook,et al.,infra.を参照されたい。関連する条件の例としては(ストリンジェンシーを増大させるため)、25℃、37℃、50℃、および68℃のインキュベーション温度;10倍SSC、6倍SSC、1倍SSC、0.1倍SSCの緩衝液濃度(SSCは、0.15MのNaCl、および15mMのクエン酸緩衝液である)、および他の緩衝液システムを使用したそれらの等価物;0%、25%、50%、および75%のホルムアミド濃度;5分〜24時間のインキュベーション時間、および期間を増加させた、頻度を増加させた、または緩衝液濃度を低下させた洗浄が挙げられる。
ポリヌクレオチドもしくはポリヌクレオチド領域(またはポリペプチドもしくはポリペプチド領域)が、別の配列との一定の割合(例えば、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%)の「配列同一性」を有するということは、整列したときに、それら2つの配列を比較すると塩基(またはアミノ酸)の割合が同一であることを意味する。整列、および相同性または配列同一性パーセントは、当技術分野において既知のソフトウェアプログラム、例えば、Current Protocols in Molecular Biology(Ausubel et al.,eds.1987)Supplement 30,section 7.7.18,Table 7.7.1に記載のソフトウェアプログラムを使用して決定することができる。好ましくは、デフォルトパラメータを整列に対して使用する。好ましい整列プログラムは、デフォルトパラメータを使用するBLASTである。具体的には、好ましいプログラムは、以下のデフォルトパラメータを使用するBLASTNおよびBLASTPである:遺伝子コード=標準、フィルタ=なし、鎖=両方、カットオフ=60、期待値=10、マトリクス=BLOSUM62、記述=50配列、ソート手段=HIGH SCORE、データベース=非冗長性、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS翻訳+SwissProtein+SPupdate+PIR。これらのプログラムの詳細は、以下のインターネットアドレス:ncbi.nlm.nih.gov/cgi−bin/BLASTで見つけることができる。
「相同性」または「同一性」または「類似性」は、2個のペプチド間または2個の核酸分子間の配列類似性を指す。相同性は、比較のために整列し得る各配列における位置を比較することによって決定することができる。比較配列における位置を同一の塩基またはアミノ酸が占めている場合、分子は、その位置で相同である。配列間の相同の度合いは、配列が共有するマッチング位置または相同位置の数の関数である。「無関係の」または「非相同」配列は、本開示の配列のうちの1つと、40%未満の同一性、またはあるいは、25%未満の同一性を共有する。
タンパク質単離の文脈で使用される場合の用語「画分」は、プロフィルに基づいて分離された物質の一群を指す。プロフィルは、非限定的な例として、大きさ、質量、等電点、電荷などを含み得る。
「第Xa因子」または「fXa」または「fXaタンパク質」は、不活性第X因子(fX)から生成される、血液凝固経路におけるセリンプロテアーゼを指す。第Xa因子は、内因性Xaseとして既知の複合体における第IXa因子とその補因子である第VIIIa因子、または外因性Xaseとして既知の複合体における第VIIaとその補因子である組織因子のいずれかによって活性化される。fXaは、第Va因子と共に膜結合プロトロンビナーゼ複合体を形成し、かつプロトロンビンのトロンビンへの変換を触媒するプロトロンビナーゼ複合体中の活性成分である。トロンビンは、最終的に血栓形成を引き起こすフィブリノゲンのフィブリンへの変換を触媒する酵素である。
本明細書で使用される場合の「fXa誘導体」は、プロトロンビナーゼ複合体を組み立てする際にfXaと競合せず、なおかつfXa阻害剤などの抗凝固剤に結合するおよび/または抗凝固剤を実質的に中和する、修飾されたfXaタンパク質を指す。いくつかの実施形態では、fXa誘導体は、低下した凝固促進活性を有するか、あるいは凝固促進活性を有しない。fXa誘導体の例は、配列番号2(図2)またはその生物学的等価物として、本明細書で提供される。
用語「活性部位」は、化学反応が起こる酵素または抗体の部分を指す。「修飾活性部位」は、増加したまたは減少した化学反応性または特異性を活性部位に提供するように構造的に修飾された活性部位である。活性部位の例としては、235〜488個のアミノ酸残基を含むヒト第X因子の触媒ドメイン、およびfXaの195〜448個のアミノ酸残基を含むヒト第Xa因子の触媒ドメインが挙げられるが、これらに限定されない。修飾活性部位の例としては、Arg306位、Glu310位、Arg347位、Lys351位、Lys414位、またはArg424位において少なくとも1つのアミノ酸置換を有するヒト第Xa因子の触媒ドメインが挙げられるが、これに限定されない。
上で述べたように、本発明の誘導体は、修飾Glaドメインを有してよく、または全Glaドメインが除去されてもよい。fXaのGlaドメインは、野生型fXaタンパク質のアミノ酸残基1〜45を指す。いくつかの実施形態では、誘導体は、Glaドメインの完全な(1〜45)または部分的な(例えば、1〜44、1〜39、または6〜39)欠失を有する。
「r−解毒剤前駆体」は、ヒト野生型fXaに対応する3つの変異を含む、配列番号1で表されるfXa誘導体を指す。第1の変異は、6〜39位における野生型fXタンパク質のGlaドメインにおける欠失である。第2の変異は、活性化ペプチド配列143〜194アミノ酸を、−RKR−で置き換える。これは、軽鎖および重鎖を接続する−RKRRKR−(配列番号3)リンカーを生成する。分泌の際に、このリンカーはCHO中で切断され、切断された二本鎖ポリペプチドをもたらす。用語「切断された二本鎖ポリペプチド」は、二本鎖を有し、ジスルフィド結合によって共に連結された、配列番号2のポリペプチド、または配列番号2に対して80%の同一性を有するポリペプチドを指す。N末端鎖は配列番号2のアミノ酸1〜105から成り、C末端鎖は配列番号2のアミノ酸106〜359から成る。任意的に、LC鎖は、リンカーの1、2、3、4、5、または6個のアミノ酸残基を含んでもよい。そのような追加的な残基は、リンカーポリペプチドの不完全な除去に起因する。第3の変異は、活性部位残基S379のAla残基(分泌されるヒトfX配列に基づくアミノ酸番号)への変異である。このアミノ酸置換は、それぞれ配列番号1および2のアミノ酸296および290に対応する。
用語「r−解毒剤」は、リンカー(配列番号1)の除去前、またはリンカー(配列番号2)の除去後のポリペプチドを指し得る。その全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願第13/766,652号は、一本鎖r−解毒剤前駆体を、fXa阻害剤に対する解毒剤として作用する切断された二本鎖r−解毒剤タンパク質に処理する改善または強化された方法および細胞を説明する。
「STI」または「大豆トリプシンインヒビター」は、大豆、またはその生物学的等価物から単離されたトリプシン阻害剤を指す。トリプシン阻害剤は、大きさにして約20kDaであり、トリプシン(タンパク質分解酵素)だけでなく、血漿カリクレイン、第Xa因子、および血漿活性も減少させる。STIは、Life Technologies(Grand Island,NY)などの販売業者から市販されている。STIの例は、GenBank受託番号NP_001238611の、ダイズ(Glycine max)(大豆)由来のKTI3クニッツ(Kunitz)トリプシン阻害剤である。
用語「競合薬」は、STIとセリンプロテアーゼとの間の電荷−電荷相互作用の妨害によって、あるいはセリンプロテアーゼへの結合に対してSTIと競合することによって、STI親和性カラムからのセリンプロテアーゼの溶出を助けることができる分子である。非限定的な例としては、ベンズアミジン、p−アミノベンズアミジン、アルギニン、小分子fXa阻害剤、ペプチドfXa阻害剤、およびペプチド模倣fXa阻害剤が挙げられる。
用語「第Xa因子阻害剤」または「第Xa因子の阻害剤」は、インビトロおよび/またはインビボでのプロトロンビンのトロンビンへの変換を触媒する第Xa因子の凝血活性を直接または間接的に阻害することができる化合物、ペプチド、ペプチド模倣体を指す。既知のfXa阻害剤の例としては、フォンダパリヌクス、イドラパリヌクス、ビオチン化イドラパリヌクス、エノキサパリン、フラグミン、NAP−5、rNAPc2、組織因子経路阻害剤、DX−9065a(例えば、Herbert,J.M.,et al,J Pharmacol Exp Ther.1996 276(3):1030−8に記載されるもの)、YM−60828(例えば、Taniuchi,Y.,et al,Thromb Haemost.1998 79(3):543−8に記載されるもの)、YM−150(例えば、Eriksson,B.I.et.al,Blood 2005;106(11),Abstract 1865に記載されるもの)、アピキサバン、リバロキサバン、PD−348292(例えば、Pipeline Insight:Antithrombotics−Reaching the Untreated Prophylaxis Market,2007に記載されるもの)、オタミキサバン、ラザキサバン(DPC906)、BAY59−7939(例えば、Turpie,A.G.,et al,J.Thromb.Haemost.2005,3(11):2479−86に記載されるもの)、DU−176b(例えば、Hylek EM,Curr Opin Invest Drugs 2007 8(9):778−783に記載されるもの)、LY517717(例えば、Agnelli,G.,et al,J.Thromb.Haemost.2007 5(4):746−53に記載されるもの)、GSK913893、ベトリキサバン(以下に記載されるもの)、およびこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。低分子量ヘパリン(「LMWH」)もまた、第Xa因子阻害剤であると考えられる。
用語「カオトロピック剤」は、タンパク質および核酸などの高分子の構造を妨害し、高分子を変性させる物質を意味する。カオトロピック剤には、例えば、ブタノール、エタノール、塩化グアニジン、過塩素酸リチウム、塩化マグネシウム、フェノール、プロパノール、ドデシル硫酸ナトリウム、チオ尿素、および尿素が含まれる。
方法
本開示は、セリンプロテアーゼを含む試料から活性型のセリンプロテアーゼを精製するための方法を説明する。これらの方法は、セリンプロテアーゼの精製のための従来の方法よりも優れている。更に、これらの方法は、更に修飾されたセリンプロテアーゼの精製において有効であり、この修飾、例えば、野生型fXaと比較したr−解毒剤における修飾は、プロテアーゼの結合および/または酵素活性に影響する。
第Xa因子および他のセリンプロテアーゼは、ベンズアミジン−セファロース親和性クロマトグラフを使用して精製され得ることが示されている。初期試験(例えば、実施例1を参照)は、Glaドメインを欠く特定のfXa誘導体が、Glaドメインの欠失のため、Q−セファロースなどの従来のイオン交換クロマトグラフに対して低い親和性を有することを示す。意外にも、r−解毒剤は、ベンズアミジン−セファロース親和性クロマトグラフ、または他の類似した市販の小リガンドの親和性クロマトグラフに結合しない。本開示は、STI系親和性クロマトグラフ、ならびに競合薬と任意に塩および界面活性剤とを用いた溶出ステップを使用するセリンプロテアーゼの精製を説明する。
セリンプロテアーゼは、例えば第13/766,652号において前述の通りに、または当技術分野で既知の他の組み換えタンパク質生成方法によって、組み換え生成され得る。例えば、タンパク質は、DNA構築物(即ち、プラスミド、ウイルスベクター、コスミド、発現ベクター、ファージミド、フォスミド、ならびに、細菌人工染色体、酵母人工染色体、およびヒト人工染色体などの人工染色体)にクローン化され、リン酸カルシウムトランスフェクションおよびポリフェクションなどの化学系トランスフェクション、ならびに、エレクトロポレーション、光学トランスフェクション、および電気的遺伝子導入などの非化学系トランスフェクションなどの遺伝子導入技法によって、好適な宿主細胞に導入されてもよい。好適な宿主細胞としては、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、動物細胞、哺乳類細胞、マウス細胞、ラット細胞、ヒツジ細胞、サル細胞、およびヒト細胞を含むがこれらに限定されない、原核および真核細胞が挙げられる。その後細胞を、超音波処理もしくは凍結融解などの物理的技法によって、または界面活性剤、もしくは、150mMのNaCl、1.0%のIGEPAL(登録商標)CA−630、0.5%のデオキシコール酸ナトリウム、0.1%のSDS、およびpH8.0にある50mMのトリスを含むRIPA緩衝液(放射性免疫沈降アッセイ)などの溶解緩衝液の使用によって、または遠心分離もしくは濾過などの物理的分離によって、溶解し、哺乳類細胞培養由来の浄化された採取培養液を得ることができる。その後、得られた可溶性タンパク質抽出物は、本明細書に記載される精製方法において使用され得る。
タンパク質抽出物を、大豆トリプシンインヒビター(STI)系親和性クロマトグラフに適用する。大豆トリプシンインヒビターは20kDaのタンパク質であり、特定のタンパク質の精製のために固相担体樹脂上で固定され得る。大豆トリプシンインヒビターに加えて、血清、ライマメ、ウシ膵臓、もしくはオボムコイド、またはこれらの修飾形態から単離されたものなどの他のタンパク質性トリプシン阻害剤もまた使用できる。特定のプロテアーゼ阻害剤、具体的にはセリンプロテアーゼ阻害剤を使用して、r−解毒剤、セリンプロテアーゼ、または他の第Xa因子誘導体を精製する目的で親和性樹脂を調製し得ることもまた意図される。これらのプロテアーゼ阻害剤から好適なものを同定することは、本明細書で開示される方法を用いて行うことができる。
その後、セリンプロテアーゼを、競合薬、塩、界面活性剤、またはカオトロピック剤を含む溶出緩衝液で溶出してもよい。競合薬は、セリンプロテアーゼへの結合に対してSTIと競合することによって、STIとセリンプロテアーゼとの間の相互作用を妨害する。競合薬の非限定的な例としては、ベンズアミジン、アルギニン、小分子fXa阻害剤、ペプチドfXa阻害剤、またはペプチド模倣fXa阻害剤が挙げられる。第Xa因子直接阻害剤としては、NAP−5、rNAPc2、組織因子経路阻害剤、DX−9065a、YM−60828、YM−150、アピキサバン、リバロキサバン、TAK−442、PD−348292、オタミキサバン、エドキサバン、LY517717、GSK913893、ラザキサバン、ベトリキサバン、またはこれらの薬学的に許容される塩、およびこれらの組み合わせが挙げられる。fXaのペプチド阻害剤としては、全ての目的のために参照により組み込まれるBetz et al.,“Inhibition of Factor Xa by a Peptidyl−α−ketothiazole Involves Two Steps.Evidence for a Stabilizing Conformational Change,”Biochemistry(1999),38,14582−14591に記載されるトリペプチドケトチアゾールおよび対応するアルデヒドが挙げられる。
一実施形態では、競合薬はアルギニンである。アルギニンでの溶出は、それがGRAS(一般に安全と認められる)賦形剤であり、精製されたタンパク質から除去する必要がないことから、有益である。アルギニンの追加的な利益は、それが実際にセリンプロテアーゼ(例えば、r−解毒剤)の溶解度を向上させ、最終製剤において賦形剤として使用できることである。
溶出緩衝液中に用いられるアルギニンまたは競合薬の濃度は、約250mM〜約1000mMであってもよい。一実施形態では、溶出緩衝液中のアルギニンまたは競合薬の濃度は、約500mMである。更なる実施形態では、濃度は、約250mM、または約300mM、または約350mM、または約400mM、または約450mM、または約550mM、または約600mM、または約650mM、または約700mM、または約750mM、または約800mM、または約850mM、または約900mM、または約1Mである。溶出緩衝液は、任意に、塩、界面活性剤、またはカオトロピック剤を更に含む。本明細書で開示される方法およびキットの溶出緩衝液において有用な塩としては、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸アンモニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムなどが挙げられる。本明細書で開示される方法およびキットの溶出緩衝液において有用な界面活性剤としては、例えば、ポリソルベート80、尿素、グアニジンなどが挙げられる。
本明細書に記載される方法およびキットにおける溶出緩衝液のpHは、セリンプロテアーゼの不活性化および/または沈降を引き起こすことなく、樹脂上に吸収されたセリンプロテアーゼタンパク質の有効な溶出を可能にするものである。r−解毒剤などの特定のfXa誘導体は、低いpHにおいて不活性化されるか、または沈降する。特定の実施形態では、溶出緩衝液のpHは約4.5〜約10.5である。別の実施形態では、溶出緩衝液のpHは約5.0である。別の実施形態では、溶出緩衝液のpHは約7.4である。あるいは、溶出緩衝液のpHは、少なくとも約4.5、約5.5、約6、約6.5、約7、約7.5、約8.0、約8.5、約9、約9.5、または少なくとも約10である。別の実施形態では、溶出緩衝液のpHは、約5.5、約6、約6.5、約7、約7.5、約8.0、約8.5、約9、約9.5、約10より高くない、または約10.5より高くない。一実施例では、溶出緩衝液のpHは、ベンズアミジンが競合薬として使用される場合には約7.4、アルギニンが競合薬として使用される場合にはpH5.0である。
特定の実施形態では、セリンプロテアーゼは、例えば、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むポリペプチド、または、配列番号1もしくは2に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、98%、もしくは99%の配列同一性を有するポリペプチドである、fXa誘導体である。いくつかの実施形態では、配列番号1または2に対して配列同一性を有するポリペプチドは、配列番号1または2と実質的に同一の活性を有する。配列番号1で表されるfXa誘導体は、fXaに対応する3つの変異を含む。第1の変異は、野生型タンパク質中の6〜39位における、FXのGlaドメインにおける欠失である。第2の変異は、活性化ペプチド配列143〜194アミノ酸を、−RKR−で置き換える。これは、軽鎖および重鎖を接続する−RKRRKR−(配列番号3)リンカーを生成した。分泌すると、このリンカーはCHO中で切断され、二本鎖fXa分子(配列番号2)をもたらす。第3の変異は、活性部位残基S379のAla残基(分泌されるヒトfXアミノ酸配列に基づく)への変異である。このアミノ酸置換は、それぞれ配列番号1および2の296位および290位におけるアミノ酸に対応する。fXa誘導体は、プロトロンビナーゼ複合体を組み立てすることにおいてfXaと競合しないが、その代わりに、fXa阻害剤などの抗凝固剤に結合する、および/または抗凝固剤を実質的に中和する。解毒剤として有用な誘導体は、阻害剤に結合する能力を保持しながら、内因性凝固促進および抗凝固活性を低下させるまたは除去するように修飾される。構造的には、誘導体は、凝固促進活性を提供しないか、または低下した凝固促進活性を提供するかのどちらかであるように修飾される。「凝固促進活性」は、本明細書では、血液凝固または血栓形成を引き起こす薬剤の能力を指す。低下した凝固促進活性とは、凝固促進活性が、野生型fXaと比較した場合に、少なくとも約50%、または約90%以上、または約95%以上低下していることを意味する。関連する実施形態では、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列は、野生型第Xa因子と比較して低下した凝固促進活性を有する。更なる実施形態では、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列は、プロトロンビナーゼ複合体を組み立てしない。
一実施例では、セリンプロテアーゼのカラム上への吸収を可能にする条件下でセリンプロテアーゼをカラムに添加(充填)してもよく、そして、カラムを洗浄緩衝液で洗浄し、これは、カラムおよびフロースルー中の汚染タンパク質または分子を、セリンプロテアーゼのカラムへの継続した吸収を可能にし得る。一実施形態では、洗浄緩衝液は塩を含んでもよく、中性pHであってもよい。用語「中性pH」は、約6〜約8のpHを意味するように意図される。特定の実施形態では、洗浄緩衝液は、中性pHにある約200〜約500mMのNaClを含む。他の実施形態では、pHは約6、または約7、または約8である。
本明細書に記載の方法は、例えば、濾過、イオン交換クロマトグラフィー、混合モード樹脂、排除クロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、親和性クロマトグラフィー、または等電点電気泳動法などの、他の精製およびクロマトグラフステップを更に含んでもよい。一実施形態では、方法は、ポリペプチドを含む溶液をイオン交換カラムに適用することを更に含む。
好適な陽イオン交換樹脂は、幅広いpH範囲にわたってポリペプチドを結合することが可能なものを含む、当技術分野で既知の多種多様な物質を含む。例えば、カルボキシメチル化、スルホン酸化、アガロース系、またはポリマーポリスチレン/ジビニルベンゼン陽イオン交換マトリクスが特に好ましい。他の有用なマトリクス物質としては、繊維性、小粒状、および玉状マトリクスなどのセルロースマトリクス、デキストラン、ポリアクリレート、ポリビニル、ポリスチレン、シリカ、およびポリエーテルマトリクス、ならびに合成物が挙げられるが、これらに限定されない。陽イオン交換クロマトグラフィーにおける使用に対する他の好適な物質は、当業者の知るところである。
陰イオン交換クロマトグラフィーは、当技術分野で既知のような、そのために適切な媒体を使用して行われる。好適な媒体としては、例えば、ポリマーポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂およびアガロース系樹脂、ならびにアガロース玉、デキストラン玉、ポリスチレン玉、不溶性物質を含む媒体、第3級または第4級アミノ基で誘導体化された微粒子担体、およびトリメチルアミノエチル基で誘導体化された担体が挙げられる。好適なそのような媒体の例としては、DE92(ジエチルアミノエチルセルロース、Whatman);DEAE CELLULOSE(Sigma)、BAKERBOND ABX 40mu(J.T.Baker,Inc.);FRACTOGEL EMD DEAE−650(EM Separations)、FRACTOGEL EMD TMAE−650(S)TM(EM Science、Gibbstown、NJ)、TSK gel DEAE−SPW(Tosohaas)、DEAE−SEPHAROSE CL−6BT”、およびキレートSEPHAROSE(Amersham Pharmacia Biotech AB)などのDEAE樹脂、DEAE MERE SEP.IOOOTM(Millipore)、ならびにDEAE SPHERODEX(Sepracor);RESOURCE QTmおよびQ SEPHAROSE(QSFF)(Amersham Pharmacia Biotech AB);MACRO−PEP QTM(Bio−Rad Laboratories、Hercules、CA);Q−HYPERD(BioSepra,Inc.、Marlborough、Mass)などが挙げられる。他の好適な陰イオン交換クロマトグラフィー物質、ならびに本出願のためのこれらの物質の選択および使用は、当技術分野において常用されている。
イオン交換クロマトグラフィー、濾過、ナノ濾過、または追加的な精製ステップは、STI親和性クロマトグラフィーの前または後であり得る。追加的なステップはまた、例えば、タンパク質抽出物の溶媒および界面活性剤処理による、またはナノ濾過を通した、ウイルス不活性化ステップを含んでもよい。
概して「精製」は、試料中のタンパク質またはペプチドの濃度および/または純度を増加させることを指す。いくつかの実施形態では、精製過程は試料を分別に供して様々な他の成分を除去し、その間タンパク質またはペプチドはその生物活性を実質的に保持する。組成物中の実質的に精製されたタンパク質またはペプチドは、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または試料溶液中の乾燥成分中のタンパク質よりも多くを構成するなど、組成物の主要成分を形成する。
タンパク質またはペプチドの精製の度合いを定量化するための様々な方法が、本開示を踏まえて当業者に理解されるであろう。これらは、例えば、活性画分の比活性度を決定すること、またはSDS/PAGE分析によって画分内のポリペプチドの量を評価することを含む。画分の純度を評価するための好ましい方法は、画分の比活性度を算出すること、それを初期抽出物の比活性度と比較すること、および従って、本明細書では「−倍精製数」によって評価される純度を算出することである。活性量を表すために使用される実際の単位は、当然ながら、精製を追うために選択される特定のアッセイ技法、および発現するタンパク質またはペプチドが検出可能な活性を呈するか否かによるであろう。
タンパク質精製における使用に対して好適な様々な技法が、当業者にとって周知となるであろう。これらは、例えば、硫酸アンモニウム、PEG(ポリエチレングリコール)、抗体などを用いての、または熱変性後の遠心分離による沈降、イオン交換、ゲル濾過、逆相、ヒドロキシルアパタイト、および親和性クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーステップ、等電点電気泳動、ゲル電気泳動、ならびにそのような技法、および他の技法の組み合わせを含む。
本明細書で開示される更なる態様は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列、または、配列番号1もしくは2に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%の配列同一性を有し、本明細書で開示される方法によって精製されるポリペプチドを含む、精製されたセリンプロテアーゼに関する。いくつかの実施形態では、配列番号1または2に対して配列同一性を有するポリペプチドは、配列番号1または2と実質的に同一の活性を有する。
本出願はまた、大豆トリプシンインヒビター親和性樹脂、競合薬および/またはアルギニンを含む溶出緩衝液、ならびに使用説明書を含むキットを説明する。一実施形態では、キットは洗浄緩衝液を更に含む。関連する実施形態では、洗浄緩衝液は、中性pHにある約250mMのNaClを含む。
本開示は、本開示の純粋な例であるように意図される以下の実施例への参照によって、更に理解される。本開示は、本開示の一態様の例示のみとして意図される、例証される実施形態によって範囲を制限されない。機能的に同等であるいかなる方法も、本開示の範囲内である。本明細書に記載されるものに加えて、本開示の様々な修正は、前述の説明および添付の図面から当業者には明らかとなるであろう。そのような修正は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入る。
別途記述のない限り、全ての温度はセ氏である。また、これらの実施例および他の部分において、略語は以下の意味を有する。
Figure 2015521471
実施例1
市販の親和性樹脂のスクリーニング
市販の親和性樹脂を、r−解毒剤の精製におけるその有効性に対してスクリーニングした。様々な親和性樹脂を、樹脂1mLを用いてカラム(GEのTricornカラムなど)に詰めた。製造業者の推奨に従う消毒の次に、カラムをpH7.4にある20mMのTris/150mMのNaClで平衡化し、次に、同じ緩衝液中でr−解毒剤を結合するその能力を試験した。PBS(リン酸緩衝生理食塩水)中の0.145mg/mLの濃度にあるr−解毒剤を、注射(1mL)によって、1mL/分の流量でカラムに充填した。意外にも、ベンズアミジン−アガロース(カタログ#A7155、Sigma)(図3)、L−リシン−アガロース(カタログ#L5631)(図4)、およびアプロチニン−アガロース(カタログ#A2268)(図5)親和性カラムへのr−解毒剤の結合は観察されなかった。対照的に、r−解毒剤はSTI親和性樹脂(図6)に結合することが見出された。
実施例2
ベンズアミジンを含む溶出緩衝液を用いたSTI親和性樹脂によるr−解毒剤の精製
r−解毒剤を含む採取された細胞培養馴化培地を、まず、pH7.4にある20mMのTrisおよび250mMのNaClの溶液中で緩衝化したQ−Sepharose fast flow(カタログ#17−0510−01、GE Healthcare)プレカラムに通した。その後、r−解毒剤を含むプレカラムからのフロースルーを、r−解毒剤のカラムへの吸収を可能にする条件下で、STI−アガロース(Sigma、T−0635)カラムに適用した。カラムを、pH7.4にある20mMのTrisおよび250mMのNaClを含む溶液(1倍Q−BF)で洗浄した。その後、0.5Mまたは1.0Mのどちらかであるベンズアミジンを伴う、pH7.4にある20mMのTris、150mMのNaClを含む溶出緩衝液で、r−解毒剤を溶出した。商用のデータインサートに基づくSTI−アガロース許容量は、1〜3mg/mLのトリプシンである。
本実施例で説明される様々な試験において使用される細胞培地は、50nMのメトトレキサート(MTX)下で選択したCHO−DUXB11クローン(1C2として表される)から生成した。STI−アガロースカラムに充填する前に、細胞培地をQ−セファロースプレカラムに対して使用したものと同じ緩衝液(pH7.4にある20mMのトリスおよび250mMのNaCl)中に透析した。
50mLの透析した細胞培地をSTI−アガロース親和性カラム上に直接充填して、機能的r−解毒剤をSTI樹脂によって捕捉した(図7)。フロースルー画分において機能的r−解毒剤は検出されなかった(注記:fXa発色活性アッセイの記述が必要とされる。r−解毒剤の適用から複写できる)。fXa阻害剤の存在下でfXa発色活性アッセイを使用して、r−解毒剤機能を検出した。r−解毒剤は、阻害剤に結合することができる故に、その阻害活性を低下させる。FXa活性(%)を、FXa活性(%)=fXa活性(阻害剤あり)/fXa活性(阻害剤なし)×100によって算出した。
上に記載したばかりのSTI−アガロース樹脂(図7)とは異なり、同じ透析した細胞培地(50mL)をHQ−セファロースプレカラム(125mL)上に充填すると、標的のタンパク質は、一方で、フロースルー画分中にあった(図8)。HQ−セファロースプレカラムを、画分25まで1倍Q−BFで洗浄した。画分25で、洗浄緩衝液をpH7.4にある20mMのTris、1MのNaClに切り替えた。HQ−セファロースフロースルー画分を、fXa機能活性アッセイ(全475mL)に基づいてプールした。この結果は、HQ−セファロースが、STI−アガロース親和性カラム前に使用されるプレカラムとして、またはSTI−アガロース親和性カラム後のステップで追従するものとして、r−解毒剤に対するフロースルーモードにおいて使用され得ることを実証する。
HQ−セファロースフロースルー画分からプールした画分を、STI−アガロース親和性樹脂(10mL)上に充填し、その後、樹脂を1倍Q−BFで洗浄した。図9は、r−解毒剤がSTI親和性樹脂上に吸収されたことを実証する。その後、結合したタンパク質を、pH7.4にある20mMのTris、150mMのNaCl、および1Mのベンズアミジンの溶出緩衝液で溶出した。図10Aは、ベンズアミジン溶出緩衝液での溶出プロフィルを示す。溶出緩衝液中のベンズアミジンはfXa機能活性アッセイに干渉するため、溶出画分中のr−解毒剤を、ヒトfX/fXaを認識する市販の対合抗体(FX−EIA、Enzyme Research Laboratories Inc.)を用いて酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によって定量化した。r−解毒剤を含む画分をプールし、ベンズアミジンをPBSを用いた透析によって除去した。
親和性精製したr−解毒剤を、ヒトfX/fXa(Enzyme Research Laboratories Inc.)の重鎖(HC)および軽鎖(LC)を特異的に認識する抗体を使用して、ウエスタンブロット法(図10B)によって分析した。図10Bは、r−解毒剤がベンズアミジンで溶出されることを示す。
r−解毒剤をSTI−アガロース樹脂から溶出するために必要とされるベンズアミジン濃度を更に決定するために、r−解毒剤のSTI−アガロースカラムからの溶出も、ベンズアミジン勾配を使用して実行した(図11)。
細胞培地を、まず1mLのSTI−アガロースカラム上に充填し、前述の通りに洗浄し(図7)、結合したr−解毒剤を、10カラム体積(CV)の緩衝液Aと緩衝液Bとを含む勾配によって溶出した。緩衝液A(pH7.4にある20mMのトリス、150mMのNaCl)、ならびにpH7.4にある20mMのトリス、150mMのNaCl、および1Mのベンズアミジンを含む緩衝液B。ベンズアミジン濃度(勾配)は、各画分中で280nmにおける吸光度を測定することによって見積り、r−解毒剤は、ELISAによって分析した。標的のタンパク質溶出ピークは約250mMのベンズアミジンであり、標的のタンパク質溶出は約500mMのベンズアミジンで終了した(図11)。したがって、溶出緩衝液中の最適なベンズアミジン濃度は約500mMである。
精製手順は、より大量の生成物を得るためにスケールアップできる。例えば、10Lの採取した細胞培養液からr−解毒剤を精製するためには、まず500mLのHQ−セファロースカラム、次に200mLのSTI−アガロースを使用してもよい。スケールアップ法における溶出は、1倍Q−緩衝液中の1Mのベンズアミジンを用いて行った(図12)。
故に、上の結果は、細胞培養液の様々な群(10〜25L)からのr−解毒剤精製に対する精製スキーム(図13)に組み込まれてもよい。スケールアップスキームにおける精製したr−解毒剤の質を決定するために、3.5μgの精製したタンパク質を、SDS−PAGEゲル(還元した、10%のビストリスゲル/MES緩衝液)の個別のウェルに充填した。1)分子量マーカ、2)FXaタンパク質、3)ロット1〜16L、4)ロット2〜8L、5)ロット4〜第1の25L、6)ロット5〜第2の25L、7)ロット6〜第3の25L、および8)ロット7〜第4の25L(各ロット番号の後に細胞培養液の開始体積が続く)をレーンに充填した。
実施例3
アルギニンを含む溶出緩衝液を用いたSTI親和性樹脂によるr−解毒剤の精製
r−解毒剤をアルギニンで溶出できるかどうかを試験するために、5〜10mgの細胞培養由来r−解毒剤タンパク質抽出物を、0.2mL/分(約61cm/時間)でポンプを通して、1mLのSTI−親和性カラム上に充填した。タンパク質を、pH5.0にある25mMのNa−アセテート中の0.5Mのアルギニンで溶出し、pHを、適当量の1Mのトリス(pH8.0)の追加によって、約pH7.4に即座に調整した。その後カラムを、pH5にある1.0Mのアルギニン、25mMのNa−アセテート、続いてpH7.4にある0.5Mのベンズアミジン、20mMのトリス、および150mMのNaClで除去した。図15は、アルギニン溶出緩衝液での溶出プロフィルを表す。0.5Mのアルギニンを含む溶出緩衝液は、r−解毒剤をSTI親和性樹脂から溶出することできる。追加的なr−解毒剤タンパク質は、1Mのアルギニンまたは0.5Mのベンズアミジンのどちらをもってしても、除去画分中に見出されなかった。
その上、アルギニン緩衝液での溶出は、ベンズアミジンでの溶出と類似した生成物プロフィルを生み出した(図16)。故に、アルギニン含有溶出緩衝液を用いたSTI親和性系樹脂を使用して、細胞培養馴化培地由来のr−解毒剤を効果的に精製することができることを発見した。
様々な特異的に修飾されたSTI親和性樹脂の結合能を決定するために、樹脂(樹脂A〜K)の結合能を類似の条件(1mLカラム)下で試験した。結合したタンパク質を、0.5Mのアルギニンを含む溶出緩衝液を用いて溶出した。溶出画分中のr−解毒剤を、ELISAと280nmにおける吸光度との両方によって定量化した。280nmにおける吸光度に基づく結合能は、下で表にする。
Figure 2015521471
本明細書で言及または引用される論文、特許、および特許出願の内容、ならびに全ての他の文書および電子的に利用可能な情報は、各個別の刊行物が、明確かつ個別に参照により組み込まれることが示されているのと同程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。出願人は、いかなるそのような論文、特許、特許出願、または他の物理的および電子的文書からの一切の資料および情報をも、本出願に物理的に組み込む権利を保持する。
本開示は本明細書で幅広く一般的に説明された。一般的開示の範囲に入るより狭い種および亜属分類の各々もまた、本開示の一部を形成する。これは、切り取られた資料が本明細書で明確に引用されているか否かに関わらず、その属からいかなる対象物も除去する条件または否定的な制限を伴う本開示の一般的記述を含む。
他の実施形態は以下の特許請求の範囲内である。加えて、本開示の特徴または態様がマーカッシュ群に関して記載されている場合、本開示が、それによりマーカッシュ群の任意の個々の要素または要素の亜群についても記載されることを当業者は認識するであろう。

Claims (22)

  1. セリンプロテアーゼを精製する方法であって、
    大豆トリプシンインヒビター(STI)系親和性クロマトグラフに、セリンプロテアーゼを充填することと、
    前記STIと前記セリンプロテアーゼとの間の相互作用を妨害する薬剤を含む溶出緩衝液で、前記セリンプロテアーゼを溶出することと、を含む、方法。
  2. 前記溶出緩衝液が、塩、界面活性剤、および/またはカオトロピック剤を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記薬剤が、前記セリンプロテアーゼの前記STIに競合的に結合する競合薬である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記競合薬が、ベンズアミジン、p−アミノベンズアミジン、アルギニン、小分子fXa阻害剤、ペプチドfXa阻害剤、およびペプチド模倣fXa阻害剤からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記競合薬がアルギニンである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記セリンプロテアーゼが、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を含むポリペプチドであるか、または、配列番号1もしくは2に対して少なくとも約80%の配列同一性を有し、Glaドメインの少なくとも一部の欠失、および活性部位での変異を有するポリペプチドである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記セリンプロテアーゼが、配列番号2のアミノ酸配列、または、配列番号2に対して少なくとも約95%の配列同一性を有し、前記Glaドメインの少なくとも一部の欠失、および前記活性部位での変異を有するポリペプチドを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記セリンプロテアーゼが前記配列番号2のアミノ酸配列を含む、請求項6に記載の方法。
  9. 前記溶出緩衝液のpHが約4.5〜約10.5である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記溶出緩衝液の前記pHが約5.0である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記溶出緩衝液の前記pHが約7.4である、請求項9に記載の方法。
  12. 前記溶出緩衝液が約250mMのアルギニン〜約1000mMのアルギニンを含む、請求項5に記載の方法。
  13. 前記溶出緩衝液が約500mMのアルギニンを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記溶出緩衝液の前記pHが約5.0である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記溶出されたセリンプロテアーゼを、イオン交換カラムでの精製に供することを更に含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記セリンプロテアーゼを溶出する前に、塩を含み、中性pHにある洗浄緩衝液で前記クロマトグラフを洗浄することを更に含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法によって調製される、精製されたセリンプロテアーゼ。
  18. キットであって、
    大豆トリプシンインヒビター(STI)系親和性クロマトグラフと、
    前記STIと前記セリンプロテアーゼとの間の前記相互作用を妨害する競合薬を含む溶出緩衝液と、を含む、キット。
  19. 前記溶出緩衝液がアルギニンを更に含む、請求項18に記載のキット。
  20. 前記溶出緩衝液の前記pHが約4.5〜約10.5である、請求項18に記載のキット。
  21. 前記溶出緩衝液が約250mMのアルギニン〜約1000mMのアルギニンを含む、請求項19に記載のキット。
  22. 中性pHにある約250mMのNaClを含む洗浄緩衝液を更に含む、請求項18〜21のいずれか一項に記載のキット。
JP2015517406A 2012-06-14 2013-06-12 組み換え第Xa因子誘導体の精製のための方法 Active JP6261093B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201261659821P 2012-06-14 2012-06-14
US61/659,821 2012-06-14
PCT/US2013/045496 WO2013188587A1 (en) 2012-06-14 2013-06-12 METHOD FOR PURIFICATION OF RECOMBINANT FACTOR Xa DERIVATIVES

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015521471A true JP2015521471A (ja) 2015-07-30
JP6261093B2 JP6261093B2 (ja) 2018-01-17

Family

ID=48700721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015517406A Active JP6261093B2 (ja) 2012-06-14 2013-06-12 組み換え第Xa因子誘導体の精製のための方法

Country Status (14)

Country Link
US (1) US20150239929A1 (ja)
EP (1) EP2861614B1 (ja)
JP (1) JP6261093B2 (ja)
KR (2) KR102100629B1 (ja)
CN (1) CN104379594B (ja)
AU (1) AU2013274288B2 (ja)
CA (1) CA2876361C (ja)
ES (1) ES2612458T3 (ja)
HK (1) HK1209760A1 (ja)
IL (1) IL235896B (ja)
PT (1) PT2861614T (ja)
SG (1) SG11201408028YA (ja)
WO (1) WO2013188587A1 (ja)
ZA (1) ZA201408921B (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018504888A (ja) * 2014-11-28 2018-02-22 プラトス ナームローズ フェノートサップ 酵素―阻害剤複合体
JP2019528242A (ja) * 2016-06-17 2019-10-10 ポートラ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド 第xa因子誘導体の調製

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9200268B2 (en) 2012-12-27 2015-12-01 Portola Pharmaceuticals, Inc. Compounds and methods for purification of serine proteases
US20140346397A1 (en) 2012-12-27 2014-11-27 Portola Pharmaceuticals, Inc. Compounds and methods for purification of serine proteases
US20180037604A1 (en) * 2016-08-04 2018-02-08 Stelis Biopharma Private Limited Process for the purification of recombinant proteins

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62272976A (ja) * 1985-11-18 1987-11-27 ノバルティス アクチェンゲゼルシャフト 変異組織プラスミノ−ゲンアクチベ−タ−及びその製造
JP2010539945A (ja) * 2007-09-28 2010-12-24 ポートラ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド 第Xa因子阻害剤に対する抗体およびその使用の方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR960016514B1 (ko) * 1990-10-12 1996-12-14 쿨리건 인터내셔널 컴패니 수도꼭지에 설치되는 미생물 필터
CN1297896A (zh) * 1999-11-29 2001-06-06 中国科学技术大学 一种高效提取活化的凝血因子X(FXa)的方法
WO2010059232A1 (en) * 2008-11-20 2010-05-27 Biogen Idec Ma Inc. Arginine inactivation of viruses
EP3604510A1 (en) * 2009-03-30 2020-02-05 Portola Pharmaceuticals, Inc. Antidotes for factor xa inhibitors and methods of using the same
WO2010127980A1 (en) 2009-05-05 2010-11-11 F. Hoffmann-La Roche Ag Fret-based binding assay

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62272976A (ja) * 1985-11-18 1987-11-27 ノバルティス アクチェンゲゼルシャフト 変異組織プラスミノ−ゲンアクチベ−タ−及びその製造
JP2010539945A (ja) * 2007-09-28 2010-12-24 ポートラ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド 第Xa因子阻害剤に対する抗体およびその使用の方法

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
BOCK, P. E. ET AL.: ""Isolation of human blood coagulation alpha-factor Xa by soybean trypsin inhibitor-sepharose chromat", ARCH. BIOCHEM. BIOPHYS., vol. 273, JPN6017019988, 1989, pages 375 - 388, ISSN: 0003568706 *
CRAIK, C. S. ET AL.: ""Redesigning trypsin: alteration of substrate specificity"", SCIENCE, vol. 228, JPN6017019992, 1985, pages 291 - 297, ISSN: 0003568707 *

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018504888A (ja) * 2014-11-28 2018-02-22 プラトス ナームローズ フェノートサップ 酵素―阻害剤複合体
JP2020171293A (ja) * 2014-11-28 2020-10-22 プラトス ナームローズ フェノートサップ 酵素組成物
US11214783B2 (en) 2014-11-28 2022-01-04 Puratos Nv Enzyme-inhibitor complexes comprising a thermostable hydrolase and a temperature sensitive inhibitor
JP2019528242A (ja) * 2016-06-17 2019-10-10 ポートラ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド 第xa因子誘導体の調製
JP2022000477A (ja) * 2016-06-17 2022-01-04 ポートラ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド 第xa因子誘導体の調製
JP7273918B2 (ja) 2016-06-17 2023-05-15 ポートラ ファーマシューティカルズ, エルエルシー 第xa因子誘導体の調製

Also Published As

Publication number Publication date
CN104379594A (zh) 2015-02-25
EP2861614A1 (en) 2015-04-22
ES2612458T3 (es) 2017-05-17
SG11201408028YA (en) 2015-01-29
US20150239929A1 (en) 2015-08-27
EP2861614B1 (en) 2016-11-30
AU2013274288A1 (en) 2015-01-15
PT2861614T (pt) 2017-01-26
CA2876361C (en) 2020-06-30
IL235896A0 (en) 2015-01-29
CA2876361A1 (en) 2013-12-19
ZA201408921B (en) 2020-08-26
AU2013274288B2 (en) 2017-08-17
KR102100629B1 (ko) 2020-04-16
KR20150027765A (ko) 2015-03-12
JP6261093B2 (ja) 2018-01-17
WO2013188587A1 (en) 2013-12-19
CN104379594B (zh) 2017-06-23
IL235896B (en) 2019-02-28
KR20200039828A (ko) 2020-04-16
KR102210574B1 (ko) 2021-02-01
HK1209760A1 (en) 2016-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2698392C2 (ru) Способ очистки фактора свертывания крови viii
JP6261093B2 (ja) 組み換え第Xa因子誘導体の精製のための方法
JP2022153574A (ja) 第Xa因子阻害剤に対する抗体およびその使用の方法
EP2453910B1 (en) Unit dose formulation of antidote for factor xa inhibitors for use in preventing bleeding
EP3604510A1 (en) Antidotes for factor xa inhibitors and methods of using the same
JP2019528242A (ja) 第xa因子誘導体の調製
ES2552337T3 (es) Procedimientos para la preparación de plasminógeno
Rodríguez et al. Cross-neutralization of the coagulant activity of Crotalus durissus terrificus venom from the northeast of Argentina by bivalent bothropic antivenom
JP2022543302A (ja) 第xa因子及び誘導体を調製するための組成物及び方法
Barkhordari et al. Direct Cloning, Expression and Purification of Human Activated Thrombin in Prokaryotic System and CD Analysis Report of Produced Thrombin: Molecular Characterization of Recombinant Thrombin
AU2015301712B2 (en) Factor X activation
JP6571011B2 (ja) 陰イオン交換クロマトグラフィーによるビタミンk依存性タンパク質の精製方法
JP2014525475A (ja) 凝固因子を処理する方法
Amin et al. Direct Cloning, Expression and Purification of Human Activated Thrombin in Prokaryotic System and CD Analysis Report of Produced Thrombin: Molecular Characterization of Recombinant Thrombin

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170831

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171208

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6261093

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250