JP2015521289A - 電気泳動トレイ及び電気泳動実験を実施する方法 - Google Patents

電気泳動トレイ及び電気泳動実験を実施する方法 Download PDF

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Abstract

電気泳動実験を実施するための電気泳動カセットを支持するように電気泳動トレイであり、電気泳動カセットは前面と背面を有するハウジング内にゲル部材を含み、トレイは電気泳動中少なくとも電気泳動カセットの分離ゾーンを支持するためのカセット支持面を含み、カセット支持面は両脇に一対の緩衝剤パッドホルダーがあり、各々は電気泳動カセットの背面の緩衝剤連結部分に関して噛み合い位置に緩衝剤パッドを保持するように配置される。【選択図】 図10

Description

本発明は、電気泳動実験のための電気泳動トレイに関し、さらに特定的には新規な設計の電気泳動トレイに関する。
電気泳動は分析のために一般的に使用される方法であり、2つの電極間で電場をかけた分離媒体、通常はゲル内を帯電した分子や粒子が移動する。タンパク質の分離は等電点(pI)、分子量、電荷、又はこれらの要因の組合せに基づいて行われ得る。
分離ゲルは通常支持体上に配置され、ゲルの2つの対向する端部が溶液中又は剛性形態の電極緩衝剤と接触させられる。電極は、電極緩衝剤を含有する容器内に挿入され得る。電解質媒体及びイオン貯蔵庫からの緩衝液がpHその他のパラメーターを一定に保つ。分離後、分子はいろいろな方法で、例えばゲルを染色することにより、又は染色したゲル若しくはラベラーサンプルのレーザースキャナーなどによるスキャン若しくはイメージングのような光学的手段により、視覚的に検出され確認される。
今日、ゲル電気泳動は、タンパク質、ペプチド、核酸等のような生体分子を分離するために日常的に使用されている。サンプルは、いろいろな種類のスクリーニング、識別(細胞シグナリング、発現及び精製)で、又は臨床試験で取り扱われる。タンパク質サンプルは、例えばヒト、哺乳類の組織、細胞溶解物又は細菌、昆虫若しくは酵母細胞系から得ることができる。いろいろな種類の分子のための電気泳動条件は様々であり、多くの場合に適合させなければならない。従って、各々の種類のサンプルに対してゲルと緩衝液の両方を選択しなければならないことが多い。
電気泳動プロセスの準備には、幾つかのかなり面倒な工程が必要である。適切なゲルを選択し、支持体上に配置するか又は支持体上で成形する。ゲルを緩衝液と接触させる。一般的な方法は、ガラス又はプラスチックのカセット内のゲルスラブを緩衝液槽中の緩衝液と接触させることである。各実施の際、ゲルを、支持体又は製造されるカセット上に配置しなければならない。次に、緩衝液槽に緩衝液を満たし、サンプルをゲル上に載せる。緩衝液槽内の緩衝液の取扱いを回避するために、国際公開第87/04948号では、緩衝物質をゲル材料内に組み入れることにより緩衝剤ストリップの形態で緩衝剤を得ることが示唆されている。さらに、米国特許第6368481号には、緩衝剤ストリップがカセットの一体型部品として組み入れられたプレキャスト電気泳動カセットが開示されている。
電気泳動分離の後、所与のサンプル中の特定のタンパク質を検出するために、タンパク質を膜(通例)に移し、そこで標的タンパク質に対して特異的なを用いてプローブで探索する(検出する)ことができる(一般にウェスタンブロッティング又は免疫ブロッティングといわれる方法)。タンパク質を膜に移すための基本的な方法はといわれ、電流を用いてタンパク質をゲルから引き離して膜に移す。タンパク質はゲル内で有していた組織を維持したままゲル内から膜上へ移動することにより、タンパク質が検出のために薄い表面層上に露出される。タンパク質は膜の非特異的なタンパク質結合特性のため膜の表面に結合する(すなわち膜は全てのタンパク質と同等に結合する)。プローブ抗体の非特異的な結合を回避するためには、膜上に残存する結合部位をブロックすることができる。
プローブ探索(検出)プロセス中、移されたタンパク質を有する膜を、対象のタンパク質に対する特異的な一次抗体及び例えば対象のタンパク質に対する二次抗体と共に、さらにレポーター酵素に結合された改変抗体と共にインキュベートする。この酵素は適当な基質に曝露されると比色反応を起こして発色するか、又は蛍光性標識された標的(染料)により色を生じ、これは適切なイメージング技術によって検出することができる。
電気泳動及び次のブロッティングステップは、伝統的に、ゲル及び膜並びに一定範囲の液体、例えば緩衝剤、試薬、洗浄液等の多くの手動取扱いを特徴とする。過去においてこの作業の流れを容易にし、及び/又は自動化する試みが幾つかなされたが、殆ど成功していない。
米国特許第5674006号は、ワークピース全体にわたり流体を効率的に循環させ移動させるための装置の一例を開示している。この装置は、使用する流体の自動化された取扱いを提供することができ、電気泳動ゲルのような生物学的アッセイの染色及び固定に使用するのに極めて都合がよい。
米国特許第6379516号
本発明の目的は、従来技術の欠点の1以上を克服する新しい電気泳動トレイを提供することである。これは、独立請求項に定義されている電気泳動トレイによって達成される。さらに、電気泳動装置、緩衝剤カップ、緩衝剤パッド、電気泳動カセット、及び電気泳動実験を実施する方法が提供される。
電気泳動トレイを用いることの1つの利点は、電気泳動実験において改良された操作性が得られること、及び電気泳動カセットへのアクセスが改良されることである。
一実施形態では、電気泳動実験を実施するための電気泳動カセットを支持するように配置された電気泳動トレイが提供され、電気泳動カセットは前面及び背面を有するハウジング内にゲル部材を含んでおり、
ここでトレイは電気泳動中少なくとも電気泳動カセットの分離ゾーンを支持するためのカセット支持面を含んでおり、このカセット支持面は両脇に一対の緩衝剤パッドホルダーがあり、その各々が電気泳動カセットの背面の緩衝剤連結部分に関して噛み合い位置に緩衝剤パッドを保持するように配置されている。
一実施形態では、電気泳動トレイはカセット支持面に接続された熱伝達装置を含んでいて、電気泳動中電気泳動カセットの背面の一部分との熱伝達接触によって電気泳動カセットの温度を制御する。
一実施形態では、電気泳動トレイは、電気泳動カセットの背面における緩衝剤パッドと緩衝剤連結部分との偏った噛み合いを提供するように形成されている。
一実施形態では、緩衝剤パッドは、偏らせる方向にバネを装填している。
一実施形態では、緩衝剤パッドは弾力のある材料からなる。
一実施形態では、各々の緩衝剤パッドホルダーは、緩衝剤パッドを保持するための区画を有する緩衝剤カップを含んでいる。
一実施形態では、緩衝剤カップは、前記区画内に配置された緩衝剤パッドとの電気的相互作用のための電極配置を含んでいる。
一実施形態では、緩衝剤カップは、前記区画の外部に、電極配置を電源に接続するための少なくとも1つの電気コネクターを含んでいる。
一実施形態では、緩衝剤カップは、電源に接続される電極配置を受容するように配置されている。
一実施形態では、緩衝剤カップは、電極配置を受容するための1以上の開口を含んでいる。
一実施形態では、緩衝剤カップ区画及び緩衝剤パッドは、互いに対して所定の配向で嵌まるように相互に鍵結合されている。
一実施形態では、カセット支持面及び緩衝剤パッドホルダーの噛み合い位置は本質的に共通の平面内に配置されていて、本質的に平坦な背面により電気泳動カセットを支持している。
一実施形態では、電気泳動トレイは平坦なトレイユニットとして形成されており、緩衝剤パッドホルダーはトレイユニット内の凹みとして形成されている。
一実施形態では、熱伝達表面は固体状態ヒートポンプユニットにより熱的に制御される。
一実施形態では、熱伝達表面は冷却媒体への熱伝達により熱的に制御される。
一実施形態では、電気泳動トレイは、トレイ上のカセットの適切な配向を保証するために電気泳動カセットのアラインメント構造体と相補的なアラインメント構造体を含んでいる。
一実施形態では、電気泳動トレイは、トレイ上の所定の位置に電気泳動カセットを固定するための締め付け手段を含んでいる。
一実施形態では、上記の電気泳動トレイを含む電気泳動装置が提供される。
一実施形態では、電気泳動装置は、トレイ上に配置された電気泳動カセットを撮像するために配置された光学イメージングユニットを含んでいる。
一実施形態では、上記の電気泳動トレイのための緩衝剤カップが提供される。
一実施形態では、上記の電気泳動トレイのための緩衝剤パッドが提供される。
一実施形態では、上記の電気泳動トレイと共に使用するのに適合性の電気泳動カセットが提供される。
一実施形態では、以下のステップを含む、電気泳動実験を実施するための方法が提供される。
前面及び背面を有するハウジング内にゲル部材を含む電気泳動カセットを準備するステップ、
電気泳動実験を実施するための電気泳動カセットを支持するように配置された電気泳動トレイを準備するステップであって、トレイは電気泳動中少なくとも電気泳動カセットの分離ゾーンを支持するためのカセット支持面を含み、カセット支持面は両脇に一対の緩衝剤パッドホルダーがあり、各々が電気泳動カセットの背面の緩衝剤連結部分に関して噛み合い位置に緩衝剤パッドを保持するように配置されている、前記ステップ、
緩衝剤パッドを緩衝剤パッドホルダー内に配置するステップ、
トレイ上の所定の位置に電気泳動カセットを配置するステップ、
電気泳動カセットの1以上のサンプルウェルにサンプルを装填するステップ、
緩衝剤パッド間に電場をかけるステップ。
本発明のより完全な理解、並びにさらなる特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び図面を参照することによって得られる。
図1は、一実施形態による電気泳動カセットの概略透視図である。 図2a〜2fは、図1の電気泳動カセットの構成部品を示す。 図3a〜3cは、図1の電気泳動カセットを充填するプロセスを概略的に示す。 図4は、一実施形態によるカセットの下端部の拡大図を示す。 図5は、支持フレームの上面に取り付けられたゲル部材を有する電気泳動ゲルユニットを示す。 図6は、電気泳動カセットと適合性の電気泳動トレイであってこれを用いて電気泳動実験を実行するための電気泳動トレイの概略図である。 図7a及び7bは、図6の電気泳動トレイと共に使用される緩衝剤パッドの概略図である。 図8a〜8cは、電気泳動トレイ、緩衝剤パッド及び電気泳動カセットの間の相互作用を示す概略図である。 図9は、電気泳動カセット及び適合性の電気泳動装置を用いて電気泳動分離実験を実施するステップを概略的に示す。 図10は、電気泳動カセット及び適合性の電気泳動装置を用いて電気泳動分離実験を実施するステップを概略的に示す。 図11は、電気泳動カセット及び適合性の電気泳動装置を用いて電気泳動分離実験を実施するステップを概略的に示す。 図12a〜12cは、支持フレームに取り付けられたゲル部材をカセットハウジングから除去するステップを概略的に示す。 図13は、電気泳動ゲルユニットの一例を示す。 図14は、免疫ブロッティングのための膜ユニットを示す。 図15は、電気ブロッティングのための移送サンドイッチを構築する際に使用されるスポンジ部材を示す。 図16は、電気ブロッティングのためのサンドイッチホルダーの一例を示す。 図17a〜17eは、電気ブロッティングのための移送サンドイッチの組立を概略的に示す。 図18は、結合された電気泳動及びイメージング装置のトレイ上に配置された膜ユニットを模式的に示す。 図19a及び19bは、分離した電気泳動レーンを提供するカセットハウジングの2つの模式的な例を示す。 図20a〜hは、電気泳動カセットの別の模式的な実施形態を示す。 図21a〜hは、電気泳動カセットのもう1つ別の模式的な実施形態を示す。 図22は、透過性又は半透性の裏打ちを有する剛性ゲル支持フレームを模式的に示す。 図23a〜23gは、別の模式的な実施形態による模式的なタンパク質分析概念を示す。
本開示を通じて、電気泳動ゲルの分離−ゾーンは、ゲルの一部分であって、電気泳動の実行が完了した後サンプルの分離された化学種が位置する部分と定義される。
図1は、1つの模式的な実施形態による電気泳動カセット10の透視図である。カセット10は、カセットハウジング20、着脱式ゲル支持フレーム30、切片状の取り外し可能な裏打ちフィルム40、及び取り外し可能なサンプルウェルカバー50を含む。図1は、組み立てられた状態の電気泳動カセットを示す。ゲルカセット10は、電気泳動分離用の平坦なゲル部材36を成形するためのゲル区画を画定する。一実施形態では、電気泳動カセット10はプレキャストカセットであるが、代わりにカセット10は空であってゲル区画内での例えば最終顧客による注文製ゲルの成形のための準備ができているものであってもよい。
図2a及び2bは、カセット10の他の構成部品が除去されているカセットハウジング20を示す。図2aは上面図であるが、図2bは下から見たカセットハウジング20を示す。カセットハウジング20は、一般に、上面65と下面66を有する薄い上壁60と、上壁60からその外周に沿って下方へ向かって突き出ており、底面80と内壁75を有するリム70とからなる。上壁60の下面66とリム70の内壁75とが本質的にゲル区画を画定し、このゲル区画は図1に示されており以下でより詳細に述べるようにリム70の下面80に支持フレーム30と取り外し可能な裏打ちフィルム40を取り付けることによって下から閉鎖することができる。開示された実施形態において、(図4に模式的に開示されているように)カセット10内に成形されたゲル部材36の厚さはリムの内壁75の高さと本質的に同じである。開示された実施形態において、支持フレーム30と取り外し可能な裏打ちフィルム40が開示されている実施形態のように平坦である限り、上壁60は均一な厚さであり、そのためゲル部材6も厚さが均一である。ゲルの厚さは、好ましくは、使用する特定のゲルの種類及び緩衝剤系、並びに電気泳動ステップにおいて必要とされる所望の電流に適合させられる。さらに、以下により詳細に開示されるように、代わりの実施形態において、カセットハウジング20の特徴は、異なる部分で異なる厚さを有するゲル部材36を提供するように形成し得る。
カセットハウジング20は、保管及び使用中カセット10に剛性構造を提供しなければならないので、適宜剛性の材料で作成しなければならない。また、以下に詳細に開示されるように、カセット10は電気泳動分離を実行するように設計されているので、カセットハウジング20は電気絶縁性でなければならない。カセット内で成形されるゲルがUV放射線により重合される幾つかの実施形態において、カセット材料は、重合に対応する線量のUV放射線によって本質的に劣化したり変色したりしないように選択され得る。また、カセット材料はゲルの重合を妨げないように選択され得、カセット10の設計に応じて材料はゲルに対する適切な粘着力を示すように選択され得、例えばゲル部材36がカセットハウジング20から除去されるようになっている場合は低い粘着力を示し、又はゲル部材がハウジング内に保持されるようになっている場合は高い粘着力を示す。一実施形態では、カセット10はさらに、以下に詳細に開示されるように、電気泳動ステップ中又はその後まだカセット内にあるうちにゲル部材36が撮像され得る結合された電気泳動及び蛍光イメージング装置で使用されるように設計される。従って、上壁60のうち、少なくともゲル部材36の分離−ゾーンを被覆する部分は適切な波長の電磁放射線に対して充分に透明でなければならない。一実施形態では、カセットハウジング20は全体が同じ材料で射出成形される。また、カセット10のあらゆる構成部品を非/低蛍光性であるように選択することができる。一実施形態では、カセットハウジング20はシクロオレフィンポリマー(COP)、環式オレフィンコポリマー(COC)、(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、その組合せ、変化形などのような剛性のポリマーから作成される。
開示された実施形態において、ゲル区画を、電気泳動区画と、ゲル部材36の成形ステップ中過剰のゲル溶液を受容するように配置された過充填チャンバー100とに分割するように配置された横断壁90が提供される。また、電気泳動区画の過充填チャンバー100に対して反対側の端部に充填口120が、さらに過充填チャンバー100内に空気抜き130がある。カセット20内でゲルを成形するプロセスは以下で図3a〜3cを参照してより詳細に開示される。
開示されているカセット10は分離のためにゲル部材36上へのサンプルの装填を可能にするための10のサンプルウェル開口110を備えており、各々のサンプルウェル開口110は分離中の1つの電気泳動レーンに対応する。サンプルウェル開口110の数と形状は、電気泳動カセットの実際の寸法、分離の種類及び電気泳動ゲルの種類等に応じて変化し得る。サンプルウェル開口110の適切な数は1〜例えば100であり得る。一実施形態において、カセットは、個々のサンプルウェル開口に代わってゲル部材の本質的に全幅にわたって伸延する1つの広いサンプル装填口を備えている。かかる実施形態において、ユーザーは例えばウェル−コームなどを用いてゲルに直接ウェルを形成してもよいし、又は例えば図20e〜20gに模式的に開示されており以下でより詳細に開示されるように適当な数の分離レーンを提供するためにゲル部材36と接触させてカセット10に取り付けられ得る1以上のサンプル装填カップが提供されてもよい。
図1で、サンプルウェル開口110は、図2c〜2dにより詳細に開示される取り外し可能なサンプルウェルカバー50によって覆われる。サンプルウェルカバー50は、ウェル開口110にぴったり適合して成形プロセス及び保管中閉じた状態に保つように配置される。サンプルをサンプルウェル110に装填する前に、ウェルカバー50を除去してサンプルウェル110を開放する。開示されている実施形態において、ウェルカバー50はウェル形成用突起52を含んでおり、このウェル形成用突起52は、サンプルウェル開口110に嵌め合い関係で嵌まってそれとの密閉相互作用を本質的に提供し、成形中のゲル溶液の漏れ及び保管中のカセット内への空気の侵入を避けるように形成される。一実施形態では、ウェル形成用突起52は、上壁60の下面66の下のゲル部材36中に延び出して、除去されたときゲル部材36中に延び出すサンプルウェルを形成するように設計される。別の実施形態において、ウェル形成用突起52は、上壁60の下面66と同じ高さになって、サンプルウェル開口110によりサンプルウェルが形成されるゲル部材36の本質的に平坦な表面を提供するように設計される。一実施形態において、サンプルウェルカバー50は、上壁60の上面65に対して密閉するように配置される。充分に効率的な密閉を提供しつつ取り外しを容易にするために、サンプルウェルカバー50は、例えばエチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)、ポリアクリルゴム、フルオロエラストマー等、並びにその変化形及びいろいろな改変形のような適切な弾性のある材料で作成される。効率的な生産と共に必要とされる密閉効率を達成するために、サンプルウェルカバー50は、カセットハウジング20と一緒に共成形することができ、すなわち、最初のステップでカセットハウジング20を第1の剛性材料で成形し、第2のステップでサンプルウェルカバー50を第2の弾性のある材料で成形するが、この際カセットハウジングは部分的に鋳型として機能する。材料特性及び鋳型設計、例えば剛性の材料に対する非永久的な粘着力の適切な選択により、共成形されたサンプルウェルカバー50は選択的に取り外し可能にすることができる。一実施形態において、適切な粘着特性を提供する中間の材料、例えば低い融解温度を有する熱可塑性材料などをカセットハウジング20とサンプルウェルカバー50との間に提供することができる。
開示されている実施形態では、着脱式ゲル支持フレーム30はリム70の底面80に取り外しできるように取り付けられ、一方切片状の取り外し可能な裏打ちフィルム40がゲル支持フレーム30の底部に取り付けられる/積層される。ゲル支持フレーム30と裏打ちフィルム40は一緒になって、成形及び保管のために電気泳動区画及び過充填チャンバー100を閉鎖する下壁を提供する。図2eに示されているように、ゲル支持フレーム30の開示されている実施形態は2つの緩衝スリット150a及び150b並びに分離ゾーンウィンドウ160を含んでおり、これらは各々図2fに示されているように裏打ちフィルム40のそれぞれの取り外し可能な切片210a〜cにより下から覆われている。適切な材料の組合せ及び接着技術を選択することによって、裏打ちフィルム40をゲル支持フレーム30の底面上に積層することができ、例えばオペレーターがそれぞれの剥離タブ211a〜cをつかんで引っ張ることによりそれぞれの切片210a〜cを取り外すことができる。以下でより詳細に述べるように、電気泳動実験を行うためには、裏打ちフィルム40の切片210a〜210bを取り外し、ゲルをそれぞれの緩衝液源、例えば緩衝剤パッドと接触させて電気泳動装置内に配置する。電気泳動を実施した後、移送/ブロッティング及びプローブ探索のためにゲル部材36の分離−ゾーンへのアクセスを提供するためには、切片210bを取り外して分離−ゾーンウィンドウ160を介してゲル部材36の底面を曝露する。ゲル部材36を損傷することなく裏打ちフィルム40の切片210a〜cの除去を可能にするために、フィルム40の少なくともゲルと直接接触する部分はゲルとの表面粘着力が充分に低い必要がある。低い表面粘着力は、フィルム全体の適切な材料及び表面特性を選択することにより、及び/又は特定の相互作用−ゾーンでの表面特性、例えば表面粗さを改変したり、表面コーティングをしたり、他の材料を前記ゾーンに積層したり、などにより達成することができる。一実施形態では、ゲル支持フレーム30はその両面に接着層が設けられた剛性のポリマーフィルムからなり、裏打ちフィルム40は接着層により剛性ポリマーフィルムに接合された平らなポリマーフィルムからなる。この配置により、ゲル支持フレーム30のハウジング側の接着層は、カセットハウジング20に対して取り外し可能であるが本質的に気密の接合を提供し、またカセットハウジング20のゲル粘着力及び裏打ちフィルム40のポリマーフィルムのゲル粘着力と比較して高いゲル粘着力を提供するように配置することができる。一実施形態では、ゲル支持フレーム30の剛性ポリマーフィルムは、エチレン−酢酸ビニル(EVA)のような溶融接着剤又は剥離可能な接合に適切な特性を有する別の接着剤の形態で両面に設けられた接着層を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであり得、裏打ちフィルム40のポリマーフィルムはPETフィルムであり得る。この実施形態において、接着層を有する支持フレーム30は、ゲル部材36の底面からアクセスできる必要のない部分を覆うのみであり、従って裏打ちフィルム40のそれぞれの取り外し可能な切片に対応する開口を有する。支持フレーム30はPET箔自身より低い温度で融解する材料、例えばEVA又は別の剥離可能な接着剤の薄い接着層を有しており、従って裏打ちフィルム40と支持フレーム30は熱積層プロセスを用いて互いに積層することができ、最終的に熱接合プロセスなどによりカセットハウジング20に遊離可能に取り付けることができる。EVA層が、本発明に必要なゲル重合その他の特性を妨害することなく、試験されたゲル組成物に対する高いゲル粘着力という極めて重大な適性を満たすことが実験的に確認された。
一実施形態では、積み重ねた箔はおよそ100〜115℃で積層され、この手順により平坦で、折り目がついたりしわが寄ったりしてない箔が得られるはずである。より低い温度を使用することによって、裏打ちフィルム40の取り外し可能な切片210a〜cはより容易に開放される。裏打ちフィルム40は安定な感じを与えるように十分厚くでき、すなわち柔らか過ぎたりもろ過ぎたりしないが、それでも以下でより詳細に開示されるように電気泳動中の冷却を可能にするように十分薄くできる。一実施形態では、裏打ちフィルム40は、フィルムの材料に応じて、例えば0.1〜0.4mm又はこの間に入る任意の値の厚さにすることができる。カセットに対する粘着力は漏れを防ぐのには十分強くなければならないが、手で小さな力により箔を開くことも可能でなければならない。
電気泳動実行後のステップにおけるゲル部材36の取扱いを大幅に改良するために、ゲル支持フレーム30は、カセット10から取り外した後ゲル部材36に取り付けたままでいるように設計される。支持フレーム30は適切に剛性の材料で形成されて、ゲルの形状を維持し、またゲル部材で覆われていないアクセス可能なグリップ部を提供することによってゲル部材36の取扱いを容易にする。裏打ちフィルム40の切片210cの取り外し後、ゲル部材36の分離ゾーンの下面は分離−ゾーンウィンドウ160を介してアクセス可能である。支持フレーム30に対するゲル部材36の適切な取り付けを達成するためには、ゲル部材に対して高い表面粘着力を有するように設計しなければならない。これは、上述したように、適切な材料特性を選択することにより、及び/又は表面改変、例えば表面粗さ、表面コーティングなどにより、達成することができる。
支持フレーム30は、容易に着脱することができるが、それでも成形及び保管中ゲル区画を密閉状態に保つのに十分な密閉シールをリム70の周りに提供するように、リム70の底面80に取り付けられる。これは、例えば、適切な材料パラメーターの選択、例えば接着剤の使用、又は熱溶接によって達成できる。一実施形態では、カセットハウジング20は剛性のポリマーで作成され、支持フレーム30は両面に接着層が設けられた剛性ポリマーフィルムで作成される。支持フレーム30は、カセットハウジング20からゲル部材と共に切り離すために支持フレーム30を引っ張るための少なくとも1つの剥離タブ170を備えている。一実施形態では、支持フレーム30は、剥離タブなどのように曝露される部分に1以上の補強層(図には示してない)を含む。ゲル部材36が確実にカセットハウジング20から解放されるように、少なくともカセットハウジング20の内壁はゲルに対する表面粘着力が低くなければならない。低い表面粘着力は上述したようにフィルム全体に対する適切な材料及び表面特性の選択及び/又は表面特性の改変、例えば低い表面粗さ、表面コーティング、などにより達成することができる。
また、ゲル区画内の幾つかの部分の形状は、ゲルの付着を回避してゲル部材の解放をさらに容易にするように設計することができ、例えば丸めた角、非垂直壁及び開口等を設けることができる。
支持フレーム30は、さらに、支持フレーム30の配置のための位置参照を規定する所定のアラインメント構造を有するアラインメントタグ180を含む。開示されている実施形態において、アラインメント構造は、カセット10及び/又は支持フレーム30が、電気泳動装置などにおいて、例えば2つのピンを含む相補的アラインメント構造に対して適切に配置されるのを確実にするように配置された2つのアラインメントホール190a及び190bの形態で提供される。アラインメント構造190a〜bは、電気泳動の実施後及び次の移送ステップでもゲル部材36が付着している支持フレーム30の一部として提供され、以下でより詳細に開示されるように多くの状況において極めて価値が高いと考えられるゲルの繰り返し可能な位置決めが達成され得る。さらに、アラインメント構造は、機器などの相補的アラインメント構造内に唯一の配向でしか嵌まることができず、従って誤った方向、ひっくり返しなどで挿入することができないように非対称的であることができる。
さらに、支持フレーム30は、適宜、カセット10から取り外された後もゲル部材36の同一性を確実に読み取ることを可能にする識別コード200などを備えている。識別コード200は例えばバーコード、マトリックスコードなどとして機械で読み取り可能なコードであり得、ユーザー及び/又は機器に関連情報を提供することができる。
開示されている実施形態において、ゲル支持フレーム30は電気絶縁性材料、例えばポリマー材料の剛性フィルムからなる。これに関連して、剛性という用語は、ゲル外形の歪みを避けるために、ゲルと比較して、殊に平面内で剛性がずっと高いフィルムを指していう。フィルムは、極めて柔軟で他の方向に曲げられ(これはフィルムとして共通の特性である)、かつ支持フレーム30の剥離タブ170を引っ張ることによりカセットハウジングからゲル部材36を解放することが可能でなければならないので脆性であってはならない。実際、支持フレーム30が面外方向で柔軟である現行の設計には有益であり得る。その場合、主としてフィルムの伸張に沿って解放する力をかけてカセットハウジング20からゲルを徐々に解放することによりゲル部材36の取り外しが容易になるからである。他の実施形態において、以下でより詳細に模式的に開示されるように、支持フレーム30はゲル区画の実質的な部分を画定するよりフレーム様剛性構造であり得、上壁60及び下壁40はフレーム様剛性構造のリム70のリムから取り外し可能である。
図3a〜3cは、ゲル部材を成形するためにカセット10にゲル溶液210を充填する手順を模式的に示す。図3a〜3cでは、説明のため支持フレーム30と取り外し可能な裏打ちフィルム40が示されていない。図に示されているように、カセット10は持ち上げられた位置で下から上へ向かってゲル溶液で充填されるように設計される。一実施形態では、カセット10は、ゲルの均一な厚さを確保し、漏れが起こらないようにするために、成形プロセス中ゲル部材36が硬化するまでゲル区画の比較的に薄い上壁と下壁を支持するように配置された支持体固定具(図には示してない)内に配置される。適切な充填ノズル(図には示してない)が持ち上げられた位置にあるときのカセット10の下端の充填口に接続され、ゲル溶液がゲル区画内に押し込まれ、下から充填し始める。充填口からの入口は本質的にゲル区画の最下部の位置に配置されているので、空気の泡を閉じ込めることなくゲル溶液を充填することができる。図3bで、ゲル溶液の最前部は過充填チャンバー100の横断壁90に到達しようとしている。図2bで最もよく分かるように、横断壁90は本質的に「W」字状であり、充填方向に関してその最上位にある過充填口140に向かって次第に細くなっており、1以上の中間の尾根が各々の過充填口140に対する別々のテーパー状の部分を定めている。横断壁90の形状によって、空気は、ゲル溶液の最前部が過充填口140に到達する前に電気泳動区画から過充填口140を介して効果的に排除される。機能的用語でいうと、改良された空気排除は、ゲル溶液の最前部をカセットの幅に応じて2つ以上のセグメントに分割し、各々のセグメントの最上部の位置にオーバーフロー口を設けることによって達成される。また、過充填口140として適当な形状と断面積を選択することによって、空気の排除と比較して別個のゲル溶液の流動制限を提供することができ、それにより、ゲル溶液の最前部が1つの過充填口140に到達すると、あるセグメントのゲル溶液流量が低下し、他のセグメントでは流量が増大して、流れの最前部位置においてセグメント間のあらゆる不均衡が均される。開示されている実施形態では、過充填口140は、支持フレーム30により下から取り囲まれて所定の断面の狭い口を形成する横断壁90内の凹みによって形成される。他の実施形態において、過充填口140は横断壁90内の成形された貫通孔によって形成され得る。充填作業は、例えば、電気泳動区画の容積を所定の量だけ越えるように選択された各々のカセット10の決まった容積を充填することにより、又は過充填チャンバーに対して所定の位置で流れの最前部を検出するように配置された1以上の流れ最前部検出器、などにより、ゲル溶液が過充填口140を通って過充填チャンバー100に到達したときに停止することができる。一実施形態では、充填は、各々の過充填口を通って過充填チャンバーに入るゲル溶液によって増大した充填圧力を充填圧力検出器(図には示してない)が検出したときに停止する。一実施形態では、横断壁90により形成されるゲル区画の末端部分はその全幅にわたって過充填口140(図には示してない)に向かって次第に細くなる。他の実施形態において、例えば以下の実施形態の幾つかに示されるように、横断壁90がなく、ゲル充填中の空気の除去は代わりの手段により処理される。
図4は、一実施形態によるカセット10の下端部の拡大図であり、充填口120は膜セクション122、例えば隔膜を含んでおり、この膜は、ゲル溶液をカセット10中に供給するための、例えば注射針などの形態の充填ノズルの貫通を可能にするが、充填ノズルを外したときに注入された溶液が漏れ出るのを効果的に防ぎ、また空気がゲル区画中に入るのを有効に防止するように配置されている。開示されている実施形態において、充填口120と膜セクションは弾性のある材料からなっている。一実施形態では、充填口120はサンプルウェルカバー50と同一のステップで共成形され得、主な違いは充填口120がカセットハウジング20に永久に取り付けられるように設計されるのに対して、サンプルウェルカバーは剥離可能であることである。これら2つの構造体は同じ材料で作成されているので、充填口120は充填口120を鋳込む開口を切り取ったり、或いはカセットハウジング20の表面を変性して粘着力を増大させたりするような機械的な手段によりカセットハウジング20上に保持されるように形成することができる。一実施形態において、充填口120とサンプルウェルカバー50は同一の注入口を用いて成形することができ、これらの構造体はその間に連結部材121を形成して残す樹脂流路によって連結される。連結部材は、例えばサンプルウェルカバー50の除去の際に壊れるように形成してもよいし、又はサンプルウェルカバー50の除去の前に切断してもよい。
図5は、カセットハウジング20から切り離されている、例えば支持フレーム30とその上面に取り付けられたゲル部材36とによって形成された電気泳動ゲルユニット35を示す。こうして形成されたゲル部材36は既に定義されたように上面と下面及びサンプル分離ゾーンを有する本質的に平坦な部材である。支持フレーム30はゲル部材36の形状を保存すると共にその取り扱いを容易にするように配置され、同時にゲル部材の上面と下面の両方の、本質的に分離ゾーンに対応する部分へのアクセスを可能にするように形成されている。以下に示されるように、いずれの面のセクションゲル部材36のアクセス可能な部分も分離ゾーンより大きくてよいが、免疫ブロッティングによる分離されたサンプルのゲル部材36から例えばブロット膜への適切な移送を可能にするために、いずれの面のアクセス可能な部分もより小さくてはならない。
図6は、電気泳動実験を実施するのに使用する電気泳動カセット10と適合する電気泳動トレイ300の概略図である。図6で、トレイ300は、別個の特徴として開示されているが、便利なことに電気泳動装置の一体型の部品であってもよいし、また幾つかの部品からなっていてもよく、2以上の電気泳動実験を並行して実施するための2以上のカセット位置を含み得る。トレイ300は、電気泳動中電気泳動カセット10の少なくとも分離ゾーンを支持体するためのカセット支持面310を含む。カセット支持面310は両脇に一対の緩衝剤パッドホルダー320aと320bがあり、各々1つずつが(例えば、図7aと7bに示されているように)電気泳動カセット10の背面の緩衝剤連結部分に対して噛み合い位置に緩衝剤パッド322を保持するように配置されている。一実施形態では、トレイ300は、カセット支持面310に連結されて、電気泳動中電気泳動カセット10の背面の部分との熱伝達接触により電気泳動カセット10の温度を制御する熱伝達装置(図には示してない)を含む。開示されている実施形態において、トレイ300は、2つの別々の凹みとして形成された2つの緩衝剤パッドホルダー320a及び320bと、トレイ上におけるカセット10の適切な配向を確実にするために支持フレーム30のアラインメントタグ180に対して相補的となるように形成されたアラインメント構造体330とを有する平坦な上面を含む。開示されている実施形態において、アラインメント構造体330は、細長いピン340a、円形のピン340b及び任意の壁部材345からなる。異なる断面形状のピン340a及び340bを作成することにより、アラインメント構造体が非対称になり、そのためアラインメントタグ180とカセット10の適切な配向が保証される。カセット10がトレイ300上で適切に配置されると、支持フレーム30の緩衝剤スリット150aと150bがそれぞれの緩衝剤区画320aと320bに配置され、図8a、8b及び8cに模式的に示されているように、(裏打ちフィルム40のそれぞれの取り外し可能な切片210aと210bが除去された)緩衝剤スリット150aと150bを通して露出されたゲルと、それぞれの緩衝剤パッドホルダー320a及び320b内に配置された図7a及び7bに模式的に示されている緩衝剤パッド322との間の噛み合い接触が可能になる。
一実施形態では、図7a及び7bに模式的に開示されている緩衝剤パッド322は、緩衝剤ストリップ324と電極配置325を収容するカップ323を含む。図7bは図7aの断面図である。カップはさらに、電極配置325を電気泳動装置の電源に接続するための外部電気コネクター326を含む。その結果、トレイ300は相補的な電気コネクター(図には示してない)を備えている。カップ323は緩衝剤パッドホルダー320a及び320b中に嵌合するように形成されているので、緩衝剤ストリップ324の頂部はトレイ300上に配置されるカセット内のゲルと接触して配置されることができる。緩衝剤ストリップ324は、ゲル材料内に組み込まれた緩衝物質、例えば国際公開第87/04948号に開示されている種類のものからなり得る。緩衝剤ストリップ324をカップ323内に入れることにより、電気泳動実行間の緩衝媒体の変更は、例えばゲルストリップを直接緩衝剤用の凹みに入れることと比較して、大いに容易になる。図7bに開示されているように、ゲルストリップ324は、カセット10内のゲルとの接触を容易にするために上昇した部分を備えて形成され得る。
一実施形態では、緩衝剤パッド322はカセット10と共に包装される可能性がある使い捨て式のユニットとして形成されるが、別の実施形態において電極325を含むカップ323は使用後交換される使い捨て式の緩衝剤ストリップ324と共に再利用することが意図される。一実施形態では、緩衝剤パッドは、援用により本明細書の一部をなす米国特許第6368481号と同様に電気泳動カセットと一体化される。
図8b及び8cは、トレイ300及び緩衝剤パッド322が中に配置されている緩衝剤パッドホルダー320aの概略側面図であり、電気泳動カセット10は、トレイ300のカセット支持面310よりトレイ300にドッキングされるべき所定の位置の少し上に持ち上げられている。電気泳動の背面における緩衝剤連結部分と緩衝剤パッドとの間の適切な噛み合い接触を確実にするために、緩衝剤パッドと緩衝剤連結部分との噛み合いをある程度偏らせることができる。これは、例えば水のパッドからゲルへの物質移動が起こり、そのため緩衝剤パッド322が収縮することになり得る幾つかのゲル/パッド組成の場合殊に重要であり得る。緩衝剤パッド322をゲルに対して偏らせることにより、かかる状況が達成され得る。緩衝剤パッド322の適切な材料特性を選択することにより、偏らせた噛み合いを少なくとも部分的に提供することができる適切な弾力のある材料で構成することができる。一実施形態において、偏らせた噛み合いは、その形状のために一定程度の圧縮が可能な特定の形状の緩衝剤ストリップを提供することによって達成され得る。図8b及び8cに開示されている実施形態においては、緩衝剤パッドホルダー320aにバネ要素327を導入して、図8cに開示されているように緩衝剤ストリップの材料特性及びその形状と共同して偏らせた噛み合いを提供する。
代わりの実施形態において、緩衝剤パッド322は、緩衝剤パッドホルダー320a及び320b内に直接配置される緩衝剤ストリップに交換することができ、この場合電極配置325は別途パッドホルダー内に配置される。さらに図には示してない代わりの実施形態において、緩衝剤パッド322は、例えば、液体緩衝剤が充填され、かつ電極配置及びゲル部材36との接触を確立するためのウィッキング部材などを含む容器で形成されてもよい。
図8〜11は、電気泳動カセット10及び適合性の電気泳動装置350を用いて電気泳動分離実験を行う際のステップを概略的に示す。幾つかのステップの個々の順序は変更し得る。
・緩衝剤パッド322をトレイ300の緩衝剤パッドホルダー320a及び320bに入れる(図8)。
・裏打ちフィルム40の取り外し可能な切片210a及び210bをそれぞれ剥離タブ211a及び211bを引っ張ることによりカセット10から取り外すことにより、それぞれ支持フレーム30の緩衝剤スリット150a及び150bを通してゲル部材36を露出させる(図9)。
・サンプルウェルカバー50を取り外してサンプルウェル110を露出させる(図9)。
・カセット10をトレイ300上に載せ、支持フレーム30のアラインメントタグ180を相補的アラインメント構造体330に合わせて配置することで、カセット10のトレイ300上における適切な配向を保証する(図10)。
・サンプルを、例えばピペット360などによってサンプルウェル110中に装填する(図11)。
・電気泳動装置350を用いて電気泳動プロセスを実施する(図11)。
図11において、模式的に開示されている電気泳動装置350は、電気泳動トレイ300を運搬するトレイ装填機構370を備えている。一実施形態では、電気泳動装置350は、分離の結果を直接装置に像として表示するための蛍光イメージングユニット(図には示してない)を含む。こうして、電気泳動カセット10は、分離の後別のイメージングユニットに移動させる必要がない。上述したように、開示されているカセットは、適切な材料選択及び設計により、カセットの部品から放出される蛍光、画像歪み等のような望ましくない光学効果を回避するようにイメージング用に設計され得る。開示されている実施形態のカセット10、及びトレイ内の凹みに入れた緩衝剤パッド322を有する電気泳動トレイ300による1つの利点は、得られる電気泳動装置が小さい断面であり、そのためをイメージングユニットをゲルの付近で操作して、感度と分解能を増大させ、負の光学効果を回避し得ることである。開示されている実施形態において、電気泳動トレイ300はその上に配置されたゲルカセット10と本質的に水平の位置で示されている。しかしながら、電気泳動トレイ300並びにゲルカセット10は垂直又はさらにはひっくり返しのような他の配向で使用するように配置してもよいことに留意されたい。
図12a〜12cは、支持フレーム30に取り付けられたゲル部材36をカセットハウジング20から取り外すステップを概略的に示す。
・剥離タブ211cを引っ張ることにより裏打ちフィルム40の取り外し可能な切片210cをカセット10から除去することにより、ゲル部材36の分離−ゾーンが支持フレーム30の分離−ゾーンウィンドウ160を通して露出される(図12a)。
・剥離タブ170を引っ張ることによって、取り付けられたゲル部材36と共に支持フレーム30を引き剥がす(図12b)。
図12cは、ハウジング20から引き剥がされた後の、支持フレーム30と取り付けられたゲル部材36とからなる電気泳動ゲルユニット35を示す。カセット10の物理的フォーマット及び次の例えば免疫ブロッティングなどのプロセスステップのための機器に起因するフォーマット要件に応じて、支持フレーム30とゲル部材36の、次のステップで使用しない部分を、場合により、図12cに破線で示されているように切り落として、例えばより小さい大きさの支持フレーム30とそれに取り付けられたゲル部材36の分離ゾーンを残してもよい。支持フレームの利益を維持するために、分離−ゾーンウィンドウの周りに支持フレームの充分な部分を残すべきであることに留意されたい。図13は電気泳動ゲルユニット35の一例を示し、図14〜17eに模式的に開示されている免疫ブロッティングフォーマットに適合させるために支持フレーム30及びゲル部材36の端部部分が除去されている。
図14は、剛性のブロットフレーム420に取り付けられた膜410からなる免疫ブロッティングのための膜ユニット400を示す。ゲル部材の場合と同様に、免疫ブロッティングプロセスのステップにおける膜ユニット400の取り扱いを大幅に改良するために、剛性のブロットフレーム420はプロセスステップの間中膜410に付けられたままでいるように設計される。剛性のブロットフレーム420は、膜410の形状を維持すると共に移送ゾーンの外側にアクセス可能なグリップ部を設けることにより膜410の取り扱いを容易にするのに適した剛性の材料で形成されている。支持フレーム30と同様に、剛性のブロットフレーム420はさらに、膜ユニット400が移送ユニット、スキャナーなどの、例えば2つのピンを含む相補的アラインメント構造体に対して適切に配置されるのを保証するように配置された、2つのアラインメントホール450a及び450bの形態の所定のアラインメント構造を有するアラインメントタグ440を含んでいる。開示されている実施形態では、アラインメント構造体450a及びbはゲル支持フレームのアラインメント構造体190a及びbと適合するか又は本質的に同じである。適切なアラインメント手段によって、ゲル部材36と膜ユニット400は、移送プロセス中、電気泳動ゲルのバンドと移送されたバンドとの既知の幾何学的関係を作り出すように配置され得る。その後この既知の幾何学的関係を用いて、それぞれのゲルと膜ユニット400の像の評価値を関係付けて、例えば膜ユニット400の像において電気泳動ゲルに由来するレーンを同定することができる。さらに、ゲル支持フレーム30と同様に、膜ユニット400のアラインメント構造体450a及びbは、機器などの相補的アラインメント構造体中に単一の方向でのみ嵌まることができ、そのため、誤った方向、ひっくり返しなどでは挿入することができないように、非対称的であることができる。
さらに、剛性のブロットフレーム420は、適宜、膜ユニット400の本性を読み取ることを可能にする識別コード460などを備えている。識別コード460は、例えばバーコード、マトリックスコードなどのような機械で読み取り可能なコードで、ユーザー及び/又は機器に関連情報を備えさせることができる。一実施形態では、支持フレーム30と剛性のブロットフレーム420の少なくとも一方は透明な材料で作成されるか、又は他のフレームの上で整列した位置に配置されたとき他のフレームの識別コード(200又は460)を露出させることにより同一の操作で両方の識別コードを読み取って特定のゲル部材36と膜ユニット400との間の独特の連結を作り出すように配置されたウィンドウを備えている。
開示されている実施形態において、剛性のブロットフレーム420は、例えばポリマー材料の剛性のフィルムからなり得る。
これに関連して、用語剛性とは、殊に膜外形の歪みを回避するために平面内で、膜と比較してより剛性の高いフィルムのことをいう。膜410は、十分な結合特性を提供するように適切な方法で剛性のブロットフレーム420に取り付けることができる。一実施形態では膜410は2以上のプラスチックフィルムのラミネート層から形成され得、ブロット膜の1以上の部分がプラスチックフィルムの層間に差し込まれる。1以上のプラスチック層は1つの面接着層が設けられた剛性ポリマーフィルムからなり得、剛性ポリマーフィルムは例えばPETからなり得、接着層は例えばEVA層であり得る。
図14に模式的に開示されているように、膜410は、ペンなどを用いて手動で書き込むために使用され得る剛性のブロットフレーム420内のより小さいウィンドウ470を覆うように形成された、破線で示されている外形を有し得る。以下でより詳細に開示されるように、他実施形態において、剛性のブロットフレーム420はよりフレーム様の剛性構造であってもよく、これは相補的な電気泳動ゲルユニット35のゲル部材36と接触させて膜410を配置するのが可能になるように形成され得る。
図15は、電気移送中電気泳動ゲルユニット35と膜ユニット400の全表面にわたって均一な圧力を達成するために電気ブロッティングのための移送サンドイッチを構築するのに使用されるスポンジ部材480を示す。開示されている実施形態において、スポンジ部材480は、パネル510aのアラインメント構造体と協同するように任意のアラインメントホールを備えている。スポンジ部材480は適当な材料特性を有する任意の適切な材料からなり得る。
上述したように、ゲル支持フレーム30と剛性のブロットフレーム420上に対応するアラインメント構造体を設けることで、既知の幾何学的関係に従って、例えば電気ブロッティングによりサンプル構成成分をゲル部材36からブロット膜410へ移すことが可能になる。図16は、第1及び第2の支持パネル510a及び510bをそれぞれ含む電気ブロッティングのためのサンドイッチホルダー500の一例を示す。2つのパネル510a及び510bの各々は、それぞれグリッド部分520a及び520bを含み、2つのパネル510a及び510bの間に形成される移送サンドイッチとの本質的に無制限の流体及び電気接触を可能にする。第1の支持パネルは、上述したように電気泳動ゲルユニット35と膜ユニット400との間の既知の幾何学的関係を確立するために、支持フレーム30のアラインメントタグ180及び剛性のブロットフレーム420のアラインメントタグ440に対して相補的になるように形成されたアラインメント構造体530a及び530bを備えている。開示されている実施形態において、アラインメント構造体は、図6に示された電気泳動トレイ300のアラインメント構造体330と同様な対応する配置の細長いピン530a及び円形のピン530bからなり、電気泳動ゲルユニット35と膜ユニット400の両方が前記ピンを用いて相互に配置されるように形成されている。こうして、電気泳動ゲルユニット35の電気泳動バンドのサンプル構成成分は、アラインメント構造体に関して膜ユニット400の対応する幾何学的な位置に移される。従って、電気泳動ゲルユニット35と膜ユニット400が相補的アラインメント構造体を含む撮像素子を用いて撮像される場合、これらの像は本質的に整列されるであろう。
図17a〜17eは、サンドイッチホルダー500を用いる電気ブロッティングのための移送サンドイッチの組み立てを概略的に示す。
1.電気移送中電気泳動ゲルユニット35と膜ユニット400の全表面で均一な圧力を達成するために、第1のスポンジ部材480を第1のパネル510aの上に配置する。開示されている実施形態において、スポンジ部材は、パネル510aのアラインメント構造体と協同する任意のアラインメントホールを備えている(図17a)
2.膜ユニット400をスポンジ部材480の上に配置する(図17b)
3.ゲル部材36が膜410と適切に接触して配置されるように、電気泳動ゲルユニット35を膜ユニット400の上に配置する(図17c)
4.第2のスポンジ部材480を電気泳動ゲルユニット35の上に配置する(図17d)
5.第2のパネル510bをサンドイッチの上に配置し、電気ブロッティング移送プロセスの間合わせて保つ(図17e)。
場合により、各々のスポンジ部材480と膜ユニット400及び電気泳動ゲルユニット35の各々との間にろ紙又は類似の微細な多孔性材料のシートを設けてもよい。
開示されている実施形態において、2つのパネル510aと510bは、相互接続機構などがない独立のパネル部材として示されている。しかし、多くの用途において、組み立てたサンドイッチを合わせて保持するために締め付け機構など(図には示してない)を設けるのが適切であり得る。かかる締め付け機構はパネル510a−bの一方若しくは両方と一体化された機構であってもよいし、又は1以上の別々の機構として形成されてもよい。スポンジ部材480として適切な材料特性及びパネル510a−b間の適切な所定の間隔を選択することにより、電気移送プロセス中の電気泳動ゲルユニット35と膜ユニット400との間の明確な圧縮を達成することが可能であり得る。
電気移送プロセス後、膜ユニット400はプローブで探索し像を表示するステップでさらに処理されるが、この場合膜を把持するためのハンドルとして役立つと共に薄い膜の折り畳みや捻れを防ぐ役目もする剛性のブロットフレーム420の存在によって、膜の取り扱いは大いに容易になる。また、ブロットフレーム420のアラインメント構造体450a−b及び情報コード領域460は膜の正しい配向に関する独特の情報を提供し、ミスにより膜が逆さまに処理されることなどを本質的に防ぐ。プローブで探索するプロセス中の膜ユニット400の適切な配向をさらに確実にするために、上に開示された対応するアラインメント構造体をプローブチャンバーに備えてもよい。さらに、ブロットフレーム420は、膜410を本質的に平坦に保つためプロービング媒体等により容易に沈めることができるので、プローブで探索するプロセスのステップを容易にし得る。さらに、ブロットフレーム420を機械的に押し下げ、従って膜に接触しないで、膜ユニット400を例えばプローブチャンバーの底面に対して機械的に押さえ付けることが可能である。
既に述べたように、電気泳動ゲルユニット35と膜ユニット400の両方に提供されるアラインメント構造体は、これら2つの整列された像を表示するのに使用でき、それにより次の像評価ステップが大いに容易になり得る。アラインメント機構の精度、及び像評価ステップの必要条件に応じて、機械的なアラインメントを直接評価に使用してもよいし、又は例えば像分析ソフトウェアにより精巧な電子アラインメントのための極めて良好な出発点として役立ててもよい。図18は、図11を参照して既に述べた結合した電気泳動及びイメージング装置350のトレイ300上に配置された膜ユニット400を模式的に示し、ここでトレイのアラインメント構造体は膜ユニット400を整列させるのにも使用される。
一実施形態では、以下のステップを含む電気泳動実験を行う方法が提供される。
前面と背面を有するハウジング内にゲル部材を含む電気泳動カセットを準備する、
電気泳動実験を行うための電気泳動カセットを支持するように配置された準備する、ここでトレイは電気泳動中少なくとも電気泳動カセットの分離ゾーンを支持するためのカセット支持面を含んでおり、カセット支持面は両脇に一対の緩衝剤パッドホルダーがあり、その各々は電気泳動カセットの背面の緩衝剤連結部分に対して噛み合い位置に緩衝剤パッドを保持するように配置されており、
緩衝剤パッドを緩衝剤パッドホルダー内に配置する、
電気泳動カセットをトレイ上の所定の位置に配置する、
電気泳動カセットの1以上のサンプルウェル中にサンプルを装填する、そして
緩衝剤パッド間に電場をかける。
図19a及び19bは、それぞれ長手方向の壁部材91及び92を設けることによってそれぞれ分離した電気泳動レーンを備えるカセットハウジング21及び22の2つの模式的な例を示す。図19aの実施形態において、長手方向の壁91はサンプルウェル110のところで終わり、ハウジング21の端部に共通の区画を残している。従って、このハウジング21を含むカセット10は単一の充填口120を通して充填することができ、全てのレーンは同じゲル組成物が充填される。図19bの実施形態において、長手方向の壁92はハウジング22のリム70までずっと延び、従って各々のレーンに対して分離した別々のゲル区画が作り出され、各々のレーンがそれ自身の充填口121を有する。カセットハウジング21及び22はそれぞれ上記実施形態のいずれかに従って着脱式ゲル支持フレーム30、切片状の取り外し可能な裏打ちフィルム40及び取り外し可能なサンプルウェルカバー50と組み合わせることができる。
図20a〜hは、剛性ゲル支持フレーム610、サンプル装填口625を有する取り外し可能な頂部フィルム620、取り外し可能なサンプル開口カバー630及び切片状の取り外し可能な裏打ちフィルム640を含む電気泳動カセット600の別の模式的な実施形態を示す。図20e及び20gに開示されているように、カセット600はさらにサンプルウェル形成材650を含んでおり、これは、開口カバー630が取り外されているときにサンプル装填口625の上に配置されるように形成されており、その結果、カセット内で成形されてサンプルをカセット600に装填するための1以上のサンプルウェルを形成するゲルの表面と接触するようになっている。ウェル形成材650は適切な数のウェルを有し得、可撓性の溶液を提供するためにサンプルウェル装填機に異なる数のウェルを備えてもよい。
ゲル支持フレーム610は所定の高さの外側のフレーム660を含んでおり、これはさらにカセット610内で成形されるゲルの高さを画定する。ゲル支持フレーム610の上面はゲル区画680を囲む頂部リム670からなり、ゲル支持フレーム610内の貫通開口により規定される。ゲル支持フレーム610の底面は対応する底部リム690を含む。頂部フィルム620は取り外しできるように頂部リム670に取り付けられ、切片状の取り外し可能な裏打ちフィルム640は取り外しできるように底部リム690に取り付けられて、それぞれ上面と底面でゲル区画680を包囲してその中での電気泳動ゲル部材700の成形を可能にしている。ゲル支持フレーム610とそこで成形されるゲル部材700との間の強い相互接続を確立するために、ゲル支持フレーム610は外側のフレーム660から内側のゲル区画内に延びるゲル取り付けリム710を備えている。ゲル取り付けリム710は、一部覆われるか、又は完全にゲル部材内に組み込まれるために、外側のフレーム660、従ってゲル部材700と比較して薄い。開示されている実施形態では、ゲル取り付けリム710はさらに、ゲルの取り付けリム710への機械的な相互接続を高める相互連続結合720を含み得る。相互連続結合720は例えば取り付けリム710内の貫通孔であってもよいし、又は取り付けリム内のカットアウト、若しくは成形後相互接続を促進するためにゲルで満たされるある範囲の他の構造体であってもよい。
ゲル支持フレーム610は、電気泳動装置などにおいて、カセット600及び/又は支持フレーム610が例えば3つのピンを含む相補的アラインメント構造体に対して適切に配置されるのを保証するように配置されたアラインメントホール191a〜191cの形態の所定のアラインメント構造体を備えている。図20a〜hに開示されているように、頂部フィルム620には対応するアラインメントホール191a〜191cがあるが、切片状の取り外し可能な裏打ちフィルム640の緩衝剤切片641a及び641bには対応する孔がない。こうして、アラインメントホール191a〜191cの形態のアラインメント構造体を曝露するために、切片状の取り外し可能な裏打ちフィルム640の緩衝剤切片641a及び641bを最初に取り外すことなく電気泳動装置内に例えばカセット600を嵌めることが防がれる。従って、緩衝剤パッドなどとの電気化学的接触からゲル部材を防ぐ保護緩衝剤切片641a及び641bをもったまま電気泳動プロセスを行うリスクが避けられる。
カセット10と同様に、裏打ちフィルム640は切片状に取り外し可能であり、ゲル部材をそれぞれの緩衝剤パッドなど(図には示してない)と接触させるためにゲル部材700の端部部分を露出させるように配置された2つの緩衝剤切片641a及び641b、並びに上と同様に電気泳動分離後分離−ゾーンへのアクセスを提供するように配置された中央切片641cを含んでいる。適切な材料の組合せと接着技術を選択することにより、裏打ちフィルム640は、例えばオペレーターがそれぞれの剥離タブ642a〜cをつかんで引っ張ることによってそれぞれの切片641a〜cを除去することができるように底部リム690に取り付けることができる。
図20fは、開口カバー630が除去されている使用可能な状態の電気泳動カセット600を示し、図20gは、ウェル形成材650が適切に配置されていて電気泳動分離を行うためにサンプルを装填することができる電気泳動カセット600を示す。また、図20f及び20gでは2つの緩衝剤切片641a及び641bが除去されており、図20gではそれぞれの緩衝剤パッドへの接続が矢印で示されている。分離が完了した後、頂部フィルム620と中央切片641cが除去されて、ゲル部材がまだゲル支持フレーム610に取り付けられているうちに上面と底面の両方からの分離−ゾーンへのアクセスが提供される。
図21a〜hは、剛性ゲル支持フレーム610、切片状の取り外し可能な頂部フィルム740及び取り外し可能な裏打ちフィルム750を含む、図20a〜hの実施形態と同様な別の模式的な実施形態の電気泳動カセット730を示す。図20a及び20bに開示されているように、カセット730はさらに、結合したサンプルウェル形成材/緩衝剤区画760及び緩衝剤区画770を含んでおり、これらは、切片状の取り外し可能な頂部フィルム740の第1及び第2の切片741a及び741bが除去されたときに電気泳動カセット730の上に配置されるように形成されていて、図21gに示されているように、カセット730内で成形されてカセット730にサンプルを装填するための1以上のサンプルウェルを形成するゲル及びゲル部材700の上の緩衝剤タンクの表面と接触させられる。ウェル形成材760は適切な数のウェルを有し得、可撓性溶液を提供するためにサンプルウェル装填機に異なる数のウェルを備えてもよい。
従って、図21a〜hの実施形態において、電気泳動カセット730はゲル部材700の上に緩衝剤があるように設計されており、緩衝剤はゲルパッドの形態で、又は場合によっては液体形態で提供され得る。電気泳動分離後、切片状の取り外し可能な頂部フィルム740の切片741c及び裏打ちフィルム750は除去され、ゲル部材700は図21hに示されているように支持フレーム610によって支持されたまま留まる。
図22aは、ゲル部材との強い相互接続を確立すると共に実際に強化材として機能するように配置された透過性又は半透性の裏打ち780を有する剛性ゲル支持フレーム610を模式的に示す。透過性の裏打ち780は例えば、両面のゲル部材との適当な電気化学的接触を提供することができる適切な電気絶縁性材料のウェブ、孔のあいた又は多孔性のシート又はフィルムであり得る。開示されている実施形態において、透過性の裏打ち780は支持フレーム610に取り付けて示されているが、本明細書に開示されている任意の適切な支持構造体に取り付けてもよい。また、透過性の裏打ち780は支持フレームに加えてさらなる構造支持を提供するように形成されてもよい。図22bは、例えばゲル部材との適当な電気化学的接触を提供するために孔のあいた又は他の手段により改変された部分151及び161を提供することによって、フィルムとして、又は一体型の部分として開口を覆って取り付けられた透過性の裏打ち780を有するフィルム状の支持フレーム31を模式的に示す。
図23a〜23gは、「ゲルカード」800、「ブロットカード」900及び「移送カード」820並びに一体化された電気泳動及び免疫ブロット機能を含む模式的なタンパク質分析構想を示す。カード800、810及び820は上記実施形態と共通の沢山の機構を有し、いずれかの実施形態に関して示された多くの機構は他の実施形態で同様に実行され得る。図23aはゲルカード800を上面図で示し、図23bは同じゲルカード800を、そのカードの一体化された機構を示すように適合させた概略断面図で示す。ゲルカード800は、ゲル部材850を成形するためのゲル区画を形成する凹みを画定する背壁805を有する剛性支持フレーム830を含む。ゲル区画850の頂部は、支持フレーム830の上面に取り外し可能に取り付けられたカバーフィルム860によって閉鎖される。ゲルカード800はさらに、例えばゲルカード800の背面のコネクター表面により電源に接続されて電気泳動プロセスを起こすように配置された、一体化された緩衝剤パッド870a及び870b並びに付属の電極871a及び871bを含む。緩衝剤パッド870a及び870bは、例えば、電気泳動プロセスのためにゲルカード800を調製するプロセス中緩衝剤溶液をしみ込ませるように配置されたスポンジタイプのものでもよいし、代わりに、緩衝剤パッドは緩衝剤を「予め充填させた」、例えばゲル形態などであってもよい。開示されている実施形態において、ゲル部材はサンプル装填及び緩衝剤相互作用部分と比較して分離−ゾーンが低下した厚さを有するように設計されている。サンプル装填用ウェル880は、例えばカバーフィルム860に取り付けられた鋳型構造体を準備するなどによって直接ゲルに形成される。
ゲルカード800の支持フレーム830はさらに、ゲル部材850の背面へのアクセスを提供するために取り外し可能な切片865を有する背壁805を含む。上記実施形態と同様に、ゲルカード800は、相互のアラインメント構造体によってブロットカード810及び移送カード820との適切な配置を可能にするために3つのアラインメントホール870a〜870cの形態のアラインメント構造体を含んでいる。このゲルカード800を含む電気泳動システムのユーザーがさらに楽になるように、その1以上の面に印刷された操作説明書を備える。操作説明書はさらに、ゲルカード800の前記面上の適切な位置にある数の表示により補足される。ゲルカード800を使用する手順は以下のステップからなる。
1.カバー860を外す
2.サンプルをウェル880に加える
3.緩衝液を緩衝剤パッド870a及び870bに加える
4.電気泳動分離のためにプロセッサー装置に挿入する。
図23cはブロットカード900を上面図で示し、図23dは同じブロットカード900を、そのカードの一体化された機構を示すように適合させた概略断面図で示す。ブロットカード900は、ゲルカード800に対応する形状と構造の剛性のフレーム910を含む。ブロット膜920は剛性のフレーム910の一面に取り付けられ、移送ステップの前に除去される薄いカバーフィルム850の一面で覆われ、その背面は緩衝剤パッド930で覆われる。
図23eは移送カード960を上面図で示し、図23fは移送カード960を、そのカードの一体化された機構を示すように適合させた概略断面図で示す。移送カード960はゲルカード800及びブロットカード900に形状と構造の剛性のフレーム965を含んでいる。緩衝剤パッド970が剛性のフレーム965の前面に配置され、薄いカバーフィルム980により覆われている。図23gから明らかなように、移送カード960の緩衝剤パッド970は、ゲルカード背壁805の取り外し可能な切片865を通してゲルと電気化学的に接触させて配置されるように、剛性のフレーム965の前面からある距離延び出して配置される。
ゲルカード800と同様に、ブロットカード900及び移送カード960は、相互のアラインメント構造によってゲルカード800、ブロットカード900及び移送カード960間の適切な配置を可能にするために、それぞれの縁部近くに3つのアラインメントホール940a〜940c及び990a〜990cの形態のアラインメント構造体を含んでいる。ゲルカード800と同様に、ブロットカード900はその1以上の面に印刷された操作説明書を備えている。ブロットカード900を使用する手順は以下のステップからなる。
1.カバー950を外す
2.加工処理したゲルカードを、アラインメント構造体を用いてゲルカード800の前面に合体させる
3.ゲルカード背壁805の取り外し可能な切片865を除去してゲル部材850の背面へのアクセスを提供する
4.移送カード960のカバー980を外す
5.アラインメント構造体を用いてゲルカード800の背面に移送カード960を合体させる
6.ブロットプロセスのためにブロッター(図には示してない)に挿入する
7.全て切り離す
8.ブロットカードの緩衝剤パッド930を取り外して膜を遊離させる
9.インキュベーターに挿入する
10.ブロット結果を画像表示するためにプロセッサーに挿入する。
ステップ5までで提供される積み重ねたカードが模式的に図25gに開示されている。これから分かるように、積み重ねられたカードは、上記の実施形態と同様に分離されたサンプルを分離ゾーンからブロットカードのブロット膜920へ整列移送するための移送スタックを提供するが、開示されている実施形態は半乾燥電気移送のために配列されていることが異なっており、ここではブロットカード900及び移送カード960の緩衝剤パッド930及び970がそれぞれ電気移送プロセスのための所望の緩衝剤条件を提供する。
一実施形態では、積み重ねたカードは、電気ブロッティングのプロセス中の操作をさらに容易にするためにスナップロックタイプの一体化された相互アラインメント構造体を備えている。
上記実施形態と同様に、本発明の電気泳動カセット及び膜ユニットはそれぞれ電気泳動ゲルカード及びブロット膜カードといってもよい。
一実施形態では、
少なくとも1種の電気泳動ゲルカード、
少なくとも1種のブロット膜カード、
電気泳動ゲルカードを用いて電気泳動実験を行うための電気泳動装置、
分離されたサンプルを電気泳動ゲルカードからブロット膜カードに移すためのブロット移送ユニット、
電気泳動ゲルカード及びブロット膜カード内の分離されたサンプルの像を記録するためのイメージング装置
を含み、
電気泳動ゲルカード及びブロット膜カードは各々が、移送中の相互配置のための、また電気泳動ゲルカード及びブロット膜カード内の分離されたサンプルの機械的に整列された像を提供するためにイメージング装置内の相補的アラインメント構造体に関する配置のための、位置参照を規定するアラインメント構造体を備えた剛性支持体を含んでいる、
電気泳動システムが提供される。
相互配置を提供するために、電気泳動システムは、ブロット移送ユニット内の相互の配置された位置に電気泳動ゲルカード及びブロット膜カードを保持するための相補的アラインメント構造体を有する移送ホルダーを含み得る。かかる移送ホルダー500の1つの模式的な例を図16及び17に示す。上に開示されているように、電気泳動ゲルカードは、ゲル部材を剛性支持体に取り付けたままでゲル部材の第1と第2の面の両方を露出させて分離されたサンプルのブロット移送を可能にするために取り外し可能な部材を有するハウジングを含み得る。電気泳動ゲルカードはさらに、電気泳動作業の流れの少なくとも1つのステップを実行するために除去しなければならない少なくとも1つの取り外し可能な部材を含み得、この取り外し可能な部材は、取り外し可能な部材を最初に除去することなく前記ステップを実行するのを防ぐために少なくとも部分的にアラインメント構造体をブロックするように形成される。これは、例えば図20a〜20hの実施形態に模式的に示されている。電気泳動ゲルカードはプレキャストゲルを備えることができ、又は場合により、ユーザーがゲルカード自体の中でゲルを成形することができるようにゲルカードが提供される。一実施形態では、図25bに模式的に開示されているように、電気泳動ゲルカードは一体化された緩衝剤区画及び場合により電極を含み得る。
独特の配向を提供し、不適当な配置を回避するために、電気泳動ゲルカード及びブロット膜カードのアラインメント構造体はそれぞれのカードの独特の配向を画定するように形成される。一実施形態では、電気泳動ゲルカード及びブロット膜カードのアラインメント構造体は少なくとも1つのアラインメントホールを含み、相補的アラインメント構造体は相補的なアラインメントピンを含む。
独特の識別を提供するために、電気泳動ゲルカード及びブロット膜カードは各々が識別コードを含み得、この識別コードは移送のために相互に整列されたとき前記カード間の独特の連結を確立するために同時に読み取られるように配置され得、システムは前記連結を保存するように配列され得る。識別コードは例えばバーコード、マトリックスコードなどのような機械で読み取り可能なコードでよく、ユーザー及び/又は機器に関連の情報を提供し得る。一実施形態では、イメージング装置はイメージングのために配置されたカードの識別コードを読み取るように配置され得、一実施形態において、イメージング装置はイメージングのために配置されたカードの登録された識別コードに基づいてイメージングプロトコルを選択するように配置され得る。
一実施形態では、電気泳動ゲルカードは、ブロット移送時にブロット膜カードに移送されるように配置された識別コードを含み得る。識別コードは電気泳動ゲルカードからブロット膜カードへ電気化学的に移され得る。
一実施形態では、以下のステップを含む分離及び識別方法が提供される。
位置参照を規定するアラインメント構造体を備えた剛性支持体を含む電気泳動ゲルカードで電気泳動によりサンプルを分離する。
相補的アラインメント構造体を有する撮像素子を用いて、電気泳動ゲルカード内の分離されたサンプルの像を獲得する。ここで、電気泳動ゲルカードのアラインメント構造体は相補的アラインメント構造体と一致して配置される。
サンプル構成成分をゲルカードから、位置参照を規定するアラインメント構造体を備えた剛性支持体を含むブロット膜カードへ移送する。ここで、電気泳動ゲルカード及びブロット膜カードはアラインメント構造体によって相互に一致して配置される。
ブロット移送カード上の移送されたサンプル構成成分の像を獲得する。ここで、ブロット移送カードのアラインメント構造体は撮像素子の相補的アラインメント構造体と一致して配置される。
相互配置に基づいて像を関係付けるステップにより像を分析する。
このように、ゲル部材及び/又はブロット膜に対して支持フレームを提供するという構想は、電気泳動と免疫ブロッティングに基づくタンパク質分析システムのための全範囲の利益を提供する。

Claims (23)

  1. 電気泳動実験を実施するための電気泳動カセットを支持するように配置された電気 泳動トレイであって、電気泳動カセットは前面及び背面を有するハウジング内にゲ ル部材を含んでおり、
    トレイは電気泳動中少なくとも電気泳動カセットの分離ゾーンを支持するためのカセット支持面を含んでおり、
    カセット支持面は両脇に一対の緩衝剤パッドホルダーがあり、各々が電気泳動カセッ トの背面の緩衝剤連結部分に関して噛み合い位置に緩衝剤パッドを保持するように 配置されている、前記電気泳動トレイ。
  2. 電気泳動中電気泳動カセットの背面の一部分との熱伝達接触により電気泳動カセッ トの温度を制御するためにカセット支持面に接続された熱伝達装置を含む、請求項 1記載の電気泳動トレイ。
  3. 電気泳動カセットの背面において緩衝剤パッド及び緩衝剤連結部分の偏った噛み合 いを提供するように形成された、請求項1記載の電気泳動トレイ。
  4. 緩衝剤パッドが偏らせる方向にバネ装填されている、請求項3記載の電気泳動トレ イ。
  5. 緩衝剤パッドが弾力のある材料からなる、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記 載の電気泳動トレイ。
  6. 各々の緩衝剤パッドホルダーが緩衝剤パッドを保持するための区画を有する緩衝剤 カップを含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の電気泳動トレイ。
  7. 緩衝剤カップが前記区画内に配置された緩衝剤パッドとの電気的相互作用のための 電極配置を含む、請求項6記載の電気泳動トレイ。
  8. 緩衝剤カップが電極配置を電源に接続するための少なくとも1つの電気コネクター を前記区画の外部に含む、請求項7記載の電気泳動トレイ。
  9. 緩衝剤カップが電源に接続される電極配置を受容するように配置されている、請求 項6記載の電気泳動トレイ。
  10. 緩衝剤カップが電極配置を受容するための1以上の開口を含む、請求項9記載の電 気泳動トレイ。
  11. 緩衝剤カップ区画及び緩衝剤パッドが互いにに対して所定の配向で嵌まるように相 互に鍵結合される、請求項6乃至請求項10のいずれか1項記載の電気泳動トレイ 。
  12. カセット支持面及び緩衝剤パッドホルダーの噛み合い位置が本質的に共通の平面内 に配置されて本質的に平坦な背面により電気泳動カセットを支持する、請求項1乃 至請求項11のいずれか1項記載の電気泳動トレイ。
  13. 平坦なトレイユニットとして形成されており、緩衝剤パッドホルダーがトレイユニ ット内の凹みとして形成される、請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の電 気泳動トレイ。
  14. 熱伝達表面が固体状態ヒートポンプユニットにより熱的に制御される、請求項2乃 至請求項13のいずれか1項記載の電気泳動トレイ。
  15. 熱伝達表面が冷却媒体への熱伝達により熱的に制御される、請求項2乃至請求項1 4のいずれか1項記載の電気泳動トレイ。
  16. トレイ上のカセットの適切な配向を確実にするために電気泳動カセットのアライン メント構造体と相補的なアラインメント構造体を含んでいる、請求項1乃至請求項 15のいずれか1項記載の電気泳動トレイ。
  17. 電気泳動カセットをトレイ上の所定の位置に固定するための締め付け手段を含む、 請求項1乃至請求項16のいずれか1項記載の電気泳動トレイ。
  18. 請求項1乃至請求項17のいずれか1項記載の電気泳動トレイを含む電気泳動装置 。
  19. トレイ上に配置された電気泳動カセットを撮像するように配置された光学イメージ ングユニットを含む、請求項18記載の電気泳動装置。
  20. 請求項6乃至請求項11のいずれか1項記載の電気泳動トレイのための緩衝剤カッ プ。
  21. 請求項1乃至請求項17のいずれか1項記載の電気泳動トレイのための緩衝剤パッ ド。
  22. 請求項1乃至請求項17のいずれか1項記載の電気泳動トレイと共に使用するのに 適合性の電気泳動カセット。
  23. 前面及び背面を有するハウジング内にゲル部材を含む電気泳動カセットを準備し、
    電気泳動実験を実施するための電気泳動カセットを支持するように配置された電気泳動トレイを準備し(ここで、トレイは電気泳動中少なくとも電気泳動カセットの分離ゾーンを支持するためのカセット支持面を含み、カセット支持面は両脇に一対の緩衝剤パッドホルダーがあり、各々は電気泳動カセットの背面の緩衝剤連結部分に関して噛み合い位置に緩衝剤パッドを保持するように配置される)、
    緩衝剤パッドを緩衝剤パッドホルダー内に配置し、
    トレイ上の所定の位置に電気泳動カセットを配置し、
    電気泳動カセットの1以上のサンプルウェルにサンプルを装填し、
    緩衝剤パッド間に電場をかける
    ステップを含む電気泳動実験を実施する方法。
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