JP2015519909A - 複合遺伝子セットにおける固有にタグ付加された再構成適応性免疫受容体遺伝子 - Google Patents

複合遺伝子セットにおける固有にタグ付加された再構成適応性免疫受容体遺伝子 Download PDF

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Abstract

リンパ球系細胞由来のDNA(又はmRNA又はそこから逆転写されたcDNA)サンプル中の、T細胞受容体(TCR)及び/又は免疫グロブリン(Ig)をコードする各再構成遺伝子断片を固有のタグ付加するための組成物及び方法が開示される。これら及び関連する実施形態により、異なるTCR及び/又はIgをコードする配列の正確かつ高スループットの定量が可能になる。更に、例えばサンプル中のT又はB細胞のクローン性の度合いを特徴付けるため、単一細胞中のTCR又はIgヘテロダイマーの両鎖をコードする遺伝子の定量的シークエンシングのための組成物及び方法が提供される。

Description

(配列表)
本願はEFS−Web経由で提出される配列表を含み、その全体が参照により本明細書に援用される。そのASCIIコピーは2013年4月12日に作成され、「23496PCT_CRF_sequencelisting.txt」と名付けられ、ファイルサイズは4,382,702バイトである。
(発明の開示)
本開示は、概して、マルチプレックス化された核酸増幅反応における、適応性免疫受容体をコードするDNA又はRNA(例えば、T細胞受容体及び免疫グロブリンをコードするDNA又はRNA)の、定量的高スループットシークエンシングに関する。具体的には、本明細書に記述される組成物及び方法により、単一細胞内の適応性免疫受容体ヘテロダイマーの両鎖をコードするDNA配列の定量的シークエンシングを可能にする。また本明細書では、マルチプレックス化DNA増幅法における特定のオリゴヌクレオチドプライマーの過剰活用及び/又は過少活用バイアスの結果として、適応性免疫受容体コード配列の定量において生じ得る、望ましくない歪みを克服する実施形態が開示される。
適応性免疫系は、多数の潜在的な病原を認識するために十分な多様性を有するT及びB細胞抗原受容体、すなわち適応性免疫受容体のレパートリーを、様々な戦略を利用して生成する。T細胞が、様々ながん又は感染性生物に関連する多数の抗原を認識する能力は、TCRA遺伝子座からのα(アルファ)鎖とTCRB遺伝子座のβ(ベータ)鎖とのヘテロダイマー、又はTCRG遺伝子座からのγ(ガンマ)鎖とTCRD遺伝子座からのδ(デルタ)鎖とのヘテロダイマーである、そのT細胞抗原受容体(TCR)によって与えられる。これらの鎖を構成するタンパク質はDNAによりコードされ、リンパ球系細胞では、その際、TCRの広範な多様性を生成するために固有の再構成機序が利用される。このマルチサブユニット型免疫認識受容体は、CD3複合体と会合し、かつ抗原提示細胞(APC)の表面上の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI又はIIタンパク質のいずれかによって提示されたペプチドと結合する。APC上の抗原性ペプチドへのTCRの結合は、T細胞活性化における重要なイベントであり、T細胞活性化は、T細胞とAPCとの間の接触点の免疫シナプスにて発生する。
各TCRペプチドは、可変性の相補性決定領域(CDR)、並びにフレームワーク領域(FR)及び定常領域を含む。αβ T細胞の配列多様性の大部分は、α及びβ鎖可変ドメインの第3の相補性決定領域(CDR3)ループのアミノ酸配列によって決定され、多様性は、それぞれβ鎖遺伝子座における可変(Vβ)、多様性(Dβ)、連結(Jβ)遺伝子断片間の組換え、並びにα鎖遺伝子座における類似のVα及びJα遺伝子断片間の組換えの結果として生じる。TCR α及びβ鎖遺伝子座内にこのような遺伝子断片が多数存在することで、多数の異なるCDR3配列がコードされ得ることになる。CDR3配列の多様性は、TCR遺伝子再構成のプロセス中に、Vβ−Dβ、Dβ−Jβ及びVα−Jα連結部において、ヌクレオチドが独立して挿入及び欠失されることによって更に増加する。本態様において、免疫適格性は、TCRの多様性に反映される。
γδ TCRは、自然免疫系と密接に相互作用する受容体をコードし、非HLA依存様式において抗原を認識する、αβ TCRとは異なる。TCRγδは、発生の早期に発現し、解剖学的分布、固有の病原体及び低分子特異性、並びに先天性及び適応性の細胞相互作用の広域スペクトルが専門化される。TCRγ V及びJ断片の発現のバイアスパターンが、個体発生の早期に確立される。したがって、成人組織中の多種多様なTCRγレパートリーは、病原体及び毒性分子に対する環境曝露による刺激を受けて広く周辺に拡大した結果として生じる。
B細胞により発現され、本明細書でB細胞受容体(BCR)としても参照される免疫グロブリン(Ig又はIG)は、H構造を形成する、4つのポリペプチド鎖、IGH遺伝子座からの2つの重鎖(H鎖)と、IGK(κ)又はIGL(λ)遺伝子座からの2つの軽鎖(L鎖)とからなるタンパク質である。H鎖とL鎖は両方とも、抗原認識に関与する相補性決定領域(CDR)と、定常ドメインとを含む。IGのH鎖は、まずIgM又はIgD定常領域のアイソフォームのいずれかを用い膜結合アイソフォームとして発現されるが、抗原認識後、H鎖定常領域は、IgG、IgE及びIgAを含むいくつかの更なるアイソタイプへクラススイッチ可能である。TCRと同様に、個体内のナイーブIgの多様性は、主に超可変相補性決定領域(CDR)によって決定される。TCRと同様に、IGH鎖のCDR3ドメインは、V、D及びJ遺伝子断片が組み合わされて連結されることによって作製される。超可変ドメインの配列多様性は、Ig遺伝子再構成プロセス中の、V−D、D−J及びV−J連結部でのヌクレオチドの非依存性の付加及び欠損によって更に増加する。TCRとは異なり、Ig配列多様性は、ナイーブB細胞による抗原認識後に再構成されたIG遺伝子内の体細胞超変異(SHM)によって更に増加する。SHMのプロセスはCDR3に限定されず、したがって、フレームワーク領域、CDR1及びCDR2の生殖細胞系列の配列、並びに体細胞により再構成されたCDR3において変化を導入できる。
適応性免疫系は、固有のTCR又はBCRを発現している細胞クローンの増殖によって部分的に機能するので、適応性免疫応答の動態を理解するためには、各クローンの全存在量における変化を正確に測定することが重要である。例えば、健康なヒトは、数百万の固有のTCRβ鎖を有し、各TCRβ鎖は、健康な個体中のおよそ1兆個のT細胞のうち、数百から数千のクローン性T細胞中に保有されている。高スループットシークエンシングの進展を利用して、膨大なTCR及びBCRレパートリーを特性付ける、新しい分野の分子免疫学が近年出現している。再構成適応性免疫受容体遺伝子配列のシークエンシングと適応性免疫受容体クローン型決定のための組成物及び方法は、例えば、Robinsら、2009 Blood 114、4099;Robinsら、2010 Sci.Translat.Med.2:47ra64;Robinsら、2011 J.Immunol.Meth.doi:10.1016/j.jim.2011.09.001;Sherwoodら、2011 Sci.Translat.Med.3:90ra61;U.S.A.N.第13/217,126号(米国特許公開第2012/0058902号)、U.S.A.N.第12/794,507号(米国特許公開第2010/0330571号)、WO/2010/151416号、WO/2011/106738号(PCT/US2011/026373号)、WO2012/027503号(PCT/US2011/049012号)、U.S.A.N.第61/550,311号、及びU.S.A.N.第61/569,118号に記述されており、これらは全体が参照により本明細書に援用される。
これまでに、適応性免疫受容体をコードしている核酸を、高スループットで定量的に配列決定するための様々な異なる戦略が用いられており、これらの戦略は、例えば、CDR3コード領域を増幅するために使用されるアプローチにより、並びに選択されるゲノムDNA(gDNA)又はメッセンジャーRNA(mRNA)の配列決定法により区別することができる。
mRNAのスプライシングイベントによりJ断片とC断片と間のイントロンが除去されることから、gDNAを配列決定するよりも、mRNAを配列決定する方が、簡単な方法である可能性がある。これにより、C領域において共通の3’ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅プライマーを使用して、異なるV領域及びJ領域を有する適応性免疫受容体(例えば、TCR又はIg)を増幅することができる。例えば、各TCRβに関して、13個のJ断片全てが60塩基対(bp)長より短い。したがって、スプライシングイベントによって、TCRβ定常領域(いずれのV及びJ配列が使用されたかは関係ない)をコードしている同一のポリヌクレオチド配列が、100bp未満の再構成されたVDJ連結部となる。スプライシングされたmRNAは、次いで、mRNAのポリAテールに相補的なポリdTプライマー、ランダム小プライマー(通常、六量体又はナノマー)又はC断片特異的オリゴヌクレオチドを用いて、相補的DNA(cDNA)に逆転写することができる。この逆転写では、バイアスのかかっていないTCR cDNAライブラリ(ポリdT、ランダム六量体又はC断片特異的オリゴのいずれにせよ、全てのcDNAが同一のオリゴヌクレオチドを提供されるので)を生成する必要があり、次に、このライブラリを配列決定することで、各再構成で使用されたV及びJ断片の情報、並びにCDR3特異的配列の情報を取得することができる。このようなシークエンシングは、単一の、CDR3にわたるロングリード(「ロングリード」)法を利用可能であり、又は代わりに、より長い配列の数多くのコピーの分画、及びより高スループットのより短い配列リードを伴い得る。
しかしながら、mRNAシークエンシングに基づき、サンプル中の、特定の再構成されたTCR(又はIg)を発現する細胞数を定量する試みは、各細胞が異なる量のTCR mRNAを発現し得ることから、解釈するのが難しい。例えば、インビトロにて活性化されたT細胞は、休眠T細胞よりも、細胞あたり10〜100倍多くmRNAを有する。現在のところ、機能状態の異なるT細胞におけるTCR mRNAの相対量に関する情報は非常に限られていることから、大量のmRNAの定量は、各TCRクローンを有する細胞の数を、必ずしも正確に測定するものではない。
一方、ほとんどのT細胞は、1つの生産的に再構成されたTCRα遺伝子と、1つの生産的に再構成されたTCRβ遺伝子(又は2つの再構成されたTCRγ及びTCRδ)と、を有し、ほとんどのB細胞は、1つの生産的に再構成されたIg重鎖遺伝子と、1つの生産的に再構成されたIg軽鎖遺伝子(IGK又はIGLのいずれか)と、を有することから、TCR又はBCRをコードしているゲノムDNAサンプルにおける定量は、それぞれサンプル中のT又はB細胞の数と直接相関するはずである。例えば、代表的な例としてヒトTCRβ鎖を用いる、任意の1種以上の適応性免疫受容体鎖をコードしているポリヌクレオチドのゲノムシークエンシングでは、望ましくは、対象のリンパ球系細胞由来のDNAを含有するサンプル中に存在する多くの可能性のある再構成TCRβをコードする配列の全てを等しい効率で増幅する必要があり、その後、定量的シークエンシングを実施することで、相対的に多量のそれぞれのクローン型の定量的測定を得ることができる。
しかしながら、そのようなアプローチでは、等しい増幅及び等しいシークエンシング効率は容易に達成することはできないという問題に直面する。例えば、再構成されたTCRβをコードするクローンそれぞれについて、各クローンは54種類の可能な生殖細胞系V領域コーディング遺伝子のうち1つと、13種類の可能なJ領域コーディング遺伝子のうち1つを用いている。TCRβゲノム遺伝子座における極めて多様なV及びJ断片の特異的配列は、上記で概説したような多様性生成メカニズムにより、異なるV又はJ遺伝子が用いられることによって生じ得る、膨大な数の再構成により、大きく変動する。
この配列多様性により、複雑なDNAサンプルが生成され、DNAサンプル中に含まれている複数の異なる配列を正確に決定するに当たって、マルチプレックス化された増幅及び高スループットな配列決定を用いて複数の分子種を同時に定量する際に技術的な制限を受け妨害されることになる。加えて、TCR又はIGヘテロダイマーの両鎖が同じリンパ球系細胞に由来することを決定できるような方法で、両鎖をコードするDNA又はRNAを定量的に配列決定するのは、既存の方法では困難である。
1つ以上の要因によって、シークエンシングデータの出力を歪めるアーティファクトが生じる場合があり、これにより、非常に多種多様なTCR又はIG遺伝子鋳型を収集してマルチプレックス化増幅することに基づくシークエンス戦略により、信頼できる定量的データを得る能力が損なわれる。これらのアーティファクトは、しばしば、マルチプレックス化増幅工程における多種多様なプライマーの不均等な利用の結果生じる。多種多様な増幅鋳型を利用するマルチプレックス化反応における1つ以上のオリゴヌクレオチドプライマーのこのようなバイアス化された利用は、1つ以上の、鋳型及び/又はオリゴヌクレオチドプライマーのヌクレオチド塩基組成中の差違、鋳型及び/又はプライマー長における差違、使用する特定のポリメラーゼ、増幅反応温度(例えば、アニーリング、伸長及び/又は変性温度)及び/又は他の因子(例えば、Kanagawa、2003 J.Biosci.Bioeng.96:317;Dayら、1996 Hum.Mol.Genet.5:2039;Oginoら、2002 J.Mol.Diagnost.4:185;Barnardら、1998 Biotechniques 25:684;Airdら、2011 Genome Biol.12:R18)に応じ生じ得る。
歪んだ結果(例えば、複合鋳型DNA集団のマルチプレックス増幅に使用されるオリゴヌクレオチドプライマーセット中の1つ以上のオリゴヌクレオチドプライマーの利用におけるバイアスによる、個々の配列の過剰発現又は過少発現のミスリードなど)を回避するような方法、並びに同じリンパ系細胞由来のTCR又はIGヘテロダイマーの両鎖をコードする配列の決定を可能にする方法で、複合サンプル中の適応性免疫受容体をコードするDNA及びRNAの配列多様性の正確な定量を可能にする、改良された組成物及び方法に対する必要性が、今もなお存在することは明らかである。本明細書で記述された実施形態は、この必要性に取り組み、他の関連する利点を提供する。
本発明は、オリゴヌクレオチド増幅プライマー組成物を含む組成物を提供する。このオリゴヌクレオチド増幅プライマー組成物は、(A)一般式(A):U1−B1−V1(A)の複数の順方向オリゴヌクレオチド配列と、一般式(B):U2−B2−J1(B)の複数の逆方向オリゴヌクレオチド配列とを含む第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットを含み、式中、U1は第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、U2は第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含む。一実施形態において、B1は存在せず、又は6〜20個の連続するヌクレオチドの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含むオリゴヌクレオチドを含み、B2は存在せず、又は6〜20個の連続するヌクレオチドの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含むオリゴヌクレオチドを含み、これにより少なくともB1又はB2のいずれか一方は存在する。別の一実施形態において、V1は第1の適応性免疫受容体のV領域コーディング遺伝子配列又はその相補的配列の、少なくとも15個以上100個以下の連続するヌクレオチドを含む、オリゴヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、J1は、(i)前記第1の適応性免疫受容体の連結(J)領域コーディング遺伝子配列又はその相補的配列、又は(ii)前記第1の適応性免疫受容体の定常(C)領域コーディング遺伝子配列又はその相補的配列の、少なくとも15個以上80以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含み、一般式U1−B1−V1の複数のオリゴヌクレオチド配列のそれぞれについて、V1は固有のオリゴヌクレオチド配列を含み、また一般式U2−B2−J1の複数のオリゴヌクレオチド配列のそれぞれについて、J1は固有のオリゴヌクレオチド配列を含む。オリゴヌクレオチド増幅プライマー組成物は、一般式(C):U3−B3−V2(C)の複数の順方向オリゴヌクレオチド配列と、一般式(D):U4−B4−J2(D)の複数の逆方向オリゴヌクレオチド配列とを含む第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットを含み、式中、U3はU1又はU2のいずれかに同一のオリゴヌクレオチド配列を含み、U4は、U3とは同一ではないU1又はU2のいずれかと同一であるオリゴヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、B3は、B1と同じである6〜20個の連続するヌクレオチドのオリゴヌクレオチドバーコード配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、B4は、B2と同じ6〜20個の連続するヌクレオチドのオリゴヌクレオチドバーコード配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含む。別の一実施形態において、V2は第2適応性免疫受容体のV領域コーディング遺伝子配列又はその相補的配列の、少なくとも15個以上100個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む。別の一実施形態において、J2は、(i)前記第2適応性免疫受容体の連結(J)領域コーディング遺伝子配列又はその相補的配列、又は(ii)前記第2適応性免疫受容体の定常(C)領域コーディング遺伝子配列又はその相補的配列の、15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含み、一般式U3−B3−V2の複数のオリゴヌクレオチド配列のそれぞれについて、V2は固有のオリゴヌクレオチド配列を含み、また一般式U4−B4−J2の複数のオリゴヌクレオチド配列のそれぞれについて、J2は固有のオリゴヌクレオチド配列を含む。一実施形態において、U1はU3と同一である。別の一実施形態において、U2はU4と同一である。
本発明は、対象のリンパ球系細胞を含む生体サンプル中の、複数の適応性免疫受容体をコードする個々の再構成DNA配列を標識するための方法を提供し、この方法は:(a)二本鎖DNA産物を取得するために増幅を促進する条件下で、本明細書に記述されるオリゴヌクレオチドプライマー組成物を含む第1の増幅プライマーセットを使用し、前記再構成DNA配列を増幅する工程を含む。各二本鎖DNA産物は、(i)産物の両端それぞれに、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドバーコード配列、X1オリゴヌクレオチド配列、X2オリゴヌクレオチド配列を備えた、少なくとも2つのユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含む配列と、(ii)(i)の配列に対する相補的配列とを含む。この方法は、(b)それぞれ次の、(i)第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド、又は、(ii)第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列と特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド、のいずれかを含む、複数の第1及び第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドを含む第2の増幅プライマーセットにより、(a)の二本鎖DNA産物を増幅する工程、を含む。いくつかの実施形態において、シークエンシングのために複数の適応性免疫受容体をコードする再構成DNA配列のライブラリを取得するため、(a)の分離した二本鎖DNA産物の両鎖の増幅を促進する条件下で増幅が実施される。この方法は更に、(b)で取得したDNAライブラリをシークエンシングするための工程(c)を含み、DNAライブラリ内の各配列は、固有のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含み、これによって各配列を固有の識別可能なバーコード配列で標識する。
いくつかの実施形態において、第2の増幅プライマーセット内の複数のオリゴヌクレオチドは更に、下記のいずれか又は両方を含む:(i)B1及びB2から区別される配列を有する6〜20個の連続するヌクレオチドのオリゴヌクレオチドバーコード配列を含む第3のバーコードオリゴヌクレオチドB5を含むサンプル識別バーコードオリゴヌクレオチドであって、第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドB5は、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドと第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列との間にあり、また第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドB3は、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドと第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列との間にある、サンプル識別バーコードオリゴヌクレオチド;(ii)1〜20個の連続するヌクレオチドの任意の配列であるスペーサーオリゴヌクレオチドであって、このスペーサーオリゴヌクレオチドは、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドと、第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド内の第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列との間にあり、かつ、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドと、第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド内の第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列との間にある、スペーサーオリゴヌクレオチド。
他の実施形態において、本発明は、一般式(I):5’−U1−B1−X−3’(I)を有する複数のオリゴヌクレオチド配列を含む、オリゴヌクレオチドプライマー組成物を提供し、式中:U1は、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、B1は、n個の連続するヌクレオチドの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、nは6個以上のヌクレオチドであり、かつXは、(i)適応性免疫受容体可変(V)領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列、又は(ii)適応性免疫受容体連結(J)領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを含み、かつ複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、Xは固有のオリゴヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態において、複数のオリゴヌクレオチド配列は、最高4個の固有のB1オリゴヌクレオチド配列を含む。一実施形態において、nは7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の連続するヌクレオチドである。他の実施形態において、Xは、前記適応性免疫受容体V領域コーディング遺伝子配列、又は前記相補的配列の、少なくとも20、30、40又は50個の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む。別の一実施形態において、Xは、前記適応性免疫受容体V領域コーディング遺伝子配列、又は前記相補的配列の、70、60、又は55個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む。更に別の一実施形態において、Xは、前記適応性免疫受容体J領域コーディング遺伝子配列、又は前記相補的配列の、少なくとも16〜50個の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む。他の実施形態において、Xは、前記適応性免疫受容体J領域コーディング遺伝子配列、又は前記相補的配列の、70、60、又は55個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む。一実施形態において、XはV領域コーディング遺伝子配列に対しハイブリッド形成させることができる。別の一実施形態において、XはJ領域コーディング遺伝子配列に対しハイブリッド形成させることができる。
他の実施形態において、B1は再構成TCR又はIgをコードする個々の配列を識別するための固有のタグである。別の一実施形態において、U1は配列番号:1710〜1731を含む。B1は、表8に記載されている配列を含み得る。Xは、配列番号:1631〜1643又は1696〜1708を含み得る。いくつかの実施形態において、Xは配列番号:1644〜1695を含む。他の実施形態において、Xは配列番号:5613〜5625を含む。いくつかの実施形態において、前記複数のオリゴヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド組成物は、配列番号:5626〜5685を含む。他の実施形態において、前記複数のオリゴヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド組成物は、配列番号:1〜1630を含む。
いくつかの実施形態において、この組成物は、一般式(II):5’−P1−S1−B2−U1−3’(II)を含む複数の第2のオリゴヌクレオチド配列を含み、式中、P1はシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチドを含み、S1はシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド配列を含み、式中、B2はオリゴヌクレオチドバーコード配列を含み、前記オリゴヌクレオチドバーコード配列は、サンプル源を識別するために使用することができ、式中、U1は前記第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含む。他の実施形態において、複数の第2のオリゴヌクレオチド配列は、配列番号:5686〜5877を含む。
別の一実施形態において、本発明は、第1の増幅プライマーセットのためのオリゴヌクレオチドプライマー組成物を含み、これは、(A)一般式(III):5’−U1−B1−X1−3’(III)の複数の第1のオリゴヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、U1は、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、(ii)B1は、n個の連続するヌクレオチドの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、式中、nは0又は6〜20であり、かつ(iii)X1は、(a)適応性免疫受容体可変(V)領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列、又は(b)適応性免疫受容体連結(J)領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含み、かつ、複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、X1は固有のオリゴヌクレオチド配列を含む。
一実施形態において、複数のオリゴヌクレオチド配列は最高4個の固有のB1オリゴヌクレオチド配列を含む。
別の一実施形態において、第1の増幅プライマーセットは更に:(B)一般式(IV):5’−U2−B2−X2−3’(IV)の複数の第2のオリゴヌクレオチド配列を含み、式中:(i)U2は、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、(ii)B2は、m個の連続するヌクレオチドである第2のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、式中、mは0又は6〜20であり、かつ(iii)X2は、(a)適応性免疫受容体可変(V)領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列、又は(b)適応性免疫受容体連結(J)領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含み、かつ、複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、X1は固有のオリゴヌクレオチド配列を含み、式中、n及びmは互いに独立であり、前記第1及び第2の複数のオリゴヌクレオチドにおいて、m及びnは両方ともゼロにはならず、式中、X1が適応性免疫受容体V領域コーディング遺伝子配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含む場合、X2は適応性免疫受容体J領域コーディング遺伝子配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、またX1が適応性免疫受容体J領域コーディング遺伝子配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含む場合、X2は適応性免疫受容体V領域コーディング遺伝子配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含む。
一実施形態において、複数のオリゴヌクレオチド配列は、最高4個の固有のB2オリゴヌクレオチド配列を含む。
別の一実施形態において、X1又はX2は、前記適応性免疫受容体V領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列オリゴヌクレオチド配列の、少なくとも20、30、40又は50個の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む。更に別の一実施形態において、X1又はX2は、前記適応性免疫受容体V領域コーディング遺伝子配列、又は前記相補的配列の、70、60、又は55個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む。他の実施形態において、X1又はX2は、前記適応性免疫受容体J領域コーディング遺伝子配列、又は前記相補的配列の、少なくとも16〜50個の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む。一実施形態において、X1又はX2は、前記適応性免疫受容体J領域コーディング遺伝子配列、又は前記相補的配列の、70、60、又は55個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む。別の一実施形態において、B1は、再構成TCR又はIgをコードする個々の配列を識別するための固有のタグである。更に別の一実施形態において、B2は、再構成TCR又はIgをコードする個々の配列を識別するための固有のタグである。
いくつかの実施形態において、U1又はU2は、配列番号:1710〜1731を含む。一実施形態において、B1又はB2は、表8に記載の配列を含む。別の一実施形態において、X1又はX2は、配列番号:1631〜1643又は1696〜1708を含む。更に別の一実施形態において、X1又はX2は、配列番号:1644〜1695を含む。X1又はX2は、配列番号:5613〜5625を含み得る。他の実施形態において、複数の第1又は第2のオリゴヌクレオチド配列は、配列番号:5626〜5685を含む。別の一実施形態において、複数の第1又は第2のオリゴヌクレオチド配列は、配列番号:1〜1630を含む。
別の一実施形態において、本発明は、オリゴヌクレオチド増幅プライマー組成物を含み、これは:(A)一般式(V):U1/2−B1−X1(V)の複数のオリゴヌクレオチド配列を含む、第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットを含み、式中、U1/2は、B1が存在するときに第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含み、B1が存在しないときに第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含む、オリゴヌクレオチド配列を含み、式中、B1は存在せず、又は6〜20個の連続するヌクレオチドの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含む、オリゴヌクレオチドを含み、式中、X1は、(1)適応性免疫受容体V領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列、又は(2)(i)適応性免疫受容体連結(J)領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列、若しくは(ii)適応性免疫受容体定常(C)領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の、15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列、のいずれかを含み、かつ、一般式U1/2−B1−X1の複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、X1は固有のオリゴヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド増幅プライマー組成物は更に、(B)一般式(VI):U3/4−B2−X2(VI)の複数のオリゴヌクレオチド配列を含む第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットを含み、式中、U3/4は、B2が存在するときに第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含み、B2が存在しないときに第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含む、オリゴヌクレオチド配列を含み、式中、B2は存在せず、又はB1と同じである6〜20個の連続するヌクレオチドである第2のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含む、オリゴヌクレオチド配列を含み、式中、X2は、(1)適応性免疫受容体V領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列、又は(2)適応性免疫受容体連結(J)領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の、15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列、のいずれかを含み、かつ、一般式U3/4−B2−X2の複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、X2は固有のオリゴヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、U3はU1又はU2と同じ配列を有する。他の実施形態において、U4はU1又はU2と同じ配列を有する。
本発明の特定の実施形態は、対象のリンパ球系細胞を含む生体サンプル中の、複数の適応性免疫受容体をコードする個々の再構成DNA配列を識別するための方法を含み、この方法は:(i)少なくとも1つのユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドバーコード配列、及びX、X1又はX2オリゴヌクレオチド配列のうち少なくとも1つの配列、を含む配列、及び(ii)(i)の配列に対する相補的配列、をそれぞれ含む、二本鎖DNA産物を取得するために増幅を促進する条件下で、本明細書に記述されるオリゴヌクレオチドプライマー組成物を含む第1の増幅プライマーセットを使用して前記再構成DNA配列を増幅する工程(a)を含む。
この方法は、(b)(a)の二本鎖DNA産物を、それぞれ下記(i)第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド、又は、(ii)第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列と特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド、のいずれかを含む、複数の第1及び第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドを含む第2の増幅プライマーセットで増幅する工程を含み、増幅は、シークエンシングのために複数の適応性免疫受容体をコードする再構成DNA配列のライブラリを取得するため、分離した二本鎖DNA産物の両鎖の増幅を促進する条件下で実施される。
この方法は、(b)で取得したDNAライブラリをシークエンシングするための工程(c)を含み、DNAライブラリ内の各配列は、固有のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含み、これによって各配列を固有の識別可能なバーコード配列で標識する。いくつかの実施形態において、第2の増幅プライマーセット内の複数のオリゴヌクレオチドは更に、下記のいずれか又は両方を含む:(i)B1及びB2から区別される配列を有する6〜20個の連続するヌクレオチドのオリゴヌクレオチドバーコード配列を含む第3のバーコードオリゴヌクレオチドB3を含むサンプル識別バーコードオリゴヌクレオチドであって、第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドB3は、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドと第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列との間にあり、また第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドB3は、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドと第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列との間にある、サンプル識別バーコードオリゴヌクレオチド、及び(ii)1〜20個の連続するヌクレオチドの任意の配列であるスペーサーオリゴヌクレオチドであって、このスペーサーオリゴヌクレオチドは、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドと、第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド内の第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列との間にあり、かつ、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドと、第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド内の第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列との間にある、スペーサーオリゴヌクレオチド。
いくつかの実施形態において、本発明は、単一のリンパ球系細胞内の適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1及び第2のポリペプチド配列をコードする個々の再構成DNA配列又はそこから転写されたmRNA配列を標識するための方法を含み、これには、単一リンパ球系細胞、又はそれから単離されたゲノムDNA、又は単一リンパ球系細胞のメッセンジャーRNA(mRNA)から逆転写された相補的DNA(cDNA)をそれぞれに含む、第1の複数の個々の微小液滴(A)を、第2の複数の個々の微小液滴(B)に接触させる工程が含まれる。第2の複数の個々の微小液滴はそれぞれ:(i)適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1のポリペプチドをコードする再構成DNA配列を増幅することができる第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセット、及び(ii)適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第2のポリペプチドをコードする再構成DNA配列を増幅することができる第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセット、を含む。いくつかの実施形態において、第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットは、本明細書に記述されるU1/2−B1−X1の組成物を含み、第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットは、本明細書に記述されるU3/4−B2−X2の組成物を含む。
この方法は更に、複数の融合イベントが前記第1の微小液滴の1つと前記第2の微小液滴の1つとの間に生じるよう十分な時間にわたって条件を提供し、複数の融合微小液滴を形成する工程と、複数の融合微小液滴内で第1及び第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットを用いて、ゲノムDNA、又はmRNAから逆転写されたcDNAの増幅を可能にする条件を提供する工程とを含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の前記複数の融合微小液滴はそれぞれ、少なくとも1つの第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、少なくとも1つの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドの少なくとも1つのX1オリゴヌクレオチドV領域コーディング遺伝子配列、少なくとも1つの第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、及び、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドの少なくとも1つのX1オリゴヌクレオチドJ領域又はC領域コーディング遺伝子配列を含む、第1の二本鎖DNA産物と、少なくとも1つの第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、少なくとも1つの第2のオリゴヌクレオチドバーコード配列、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドの少なくとも1つのX2オリゴヌクレオチドV領域コーディング遺伝子配列、少なくとも1つの第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、及び、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドの少なくとも1つのX2オリゴヌクレオチドJ領域又はC領域コーディング遺伝子配列を含む、第2の二本鎖DNA産物と、を含み、これにより、ゲノムDNA、又はmRNAから逆転写されたcDNAの増幅により、個々の再構成DNA配列又はそこから転写されたmRNA配列のそれぞれが、オリゴヌクレオチドバーコード配列で標識される。
いくつかの実施形態において、この方法は、複数の融合微小液滴を破壊して、前記第1及び第2の二本鎖DNA産物の異種混合物を取得する工程を含む。この方法は更に、第1及び第2の二本鎖DNA産物を、第3の増幅プライマーセット及び第4の増幅プライマーセットに接触させる工程を含み、第3の増幅プライマーセットは、(i)それぞれ、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列を含む、複数の第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、(ii)それぞれ、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列と特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む複数の第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、を含む。いくつかの実施形態において、第4の増幅プライマーセットは、(i)それぞれ、第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第3シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、複数の第3シークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、(ii)それぞれ、第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第4シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、複数の第4シークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、を含む。一実施形態において、接触させる工程は、第1及び第2の二本鎖DNA産物の両方の鎖を増幅するのに十分な条件及び時間で実施され、これによりシークエンシングのためのDNAライブラリを取得する。
別の一実施形態において、この方法は、DNAライブラリをシークエンシングして、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1及び第2のポリペプチド配列をコードする配列のデータセットを取得する工程を含む。いくつかの実施形態において、第3及び第4の増幅プライマーセットは同じである。
一実施形態において、本発明は、単一リンパ球系細胞内の適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1及び第2のポリペプチド配列をコードする個々の再構成DNA配列を標識するための方法を含み、この方法には、単一リンパ球系細胞のメッセンジャーRNA(mRNA)から逆転写された相補的DNA(cDNA)をそれぞれに含む、第1の複数の個々の微小液滴(A)を、第2の複数の個々の微小液滴(B)に接触させる工程が含まれる。第2の複数の個々の微小液滴はそれぞれ:(i)適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1のポリペプチドをコードする第1のcDNA配列を増幅することができる第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセット、及び(ii)適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第2のポリペプチドをコードする第2のcDNA配列を増幅することができる第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットを含む。第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットは、本明細書に記述されるU1/2−B1−X1の組成物を含み、第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットは、本明細書に記述されるU3/4−B2−X2の組成物を含む。
他の実施形態において、この方法は、複数の融合微小液滴内で、第1及び第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットを用いることにより、前記第1の微小液滴のうち1つと前記第2の微小液滴のうち1つとの間に複数の融合イベントを起こして複数の融合微小液滴を形成するのに十分な時間にわたって、単一リンパ球系細胞のmRNAから逆転写されたcDNAの増幅を可能にするような条件を提供する工程を含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の前記複数の融合微小液滴はそれぞれ、少なくとも1つの第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、少なくとも1つの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドの少なくとも1つのX1オリゴヌクレオチドV領域コーディング遺伝子配列、少なくとも1つの第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、及び適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドの少なくとも1つのX1オリゴヌクレオチドJ領域又はC領域コーディング遺伝子配列を含む、第1の二本鎖DNA産物と、少なくとも1つの第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、少なくとも1つの第2のオリゴヌクレオチドバーコード配列、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドの少なくとも1つのX2オリゴヌクレオチドV領域コーディング遺伝子配列、少なくとも1つの第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、及び適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドの少なくとも1つのX2オリゴヌクレオチドJ領域又はC領域コーディング遺伝子配列を含む、第2の二本鎖DNA産物と、を含み、これにより、cDNAが増幅されたときに、個々の再構成cDNA配列が、固有のオリゴヌクレオチドバーコード配列で固有に標識される。
別の一実施形態において、この方法は、複数の融合微小液滴を破壊して、前記第1及び第2の二本鎖DNA産物の異種混合物を取得する工程を含む。他の実施形態において、この方法は、第1及び第2の二本鎖DNA産物の混合物を、第3の増幅プライマーセット及び第4の増幅プライマーセットに接触させる工程を含む。一実施形態において、第3の増幅プライマーセットは、(i)それぞれ、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む複数の第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、(ii)それぞれ、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む複数の第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、を含む。一実施形態において、第4の増幅プライマーセットは、(i)それぞれ、第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第3シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、複数の第3シークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、(ii)それぞれ、第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第4シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、複数の第4シークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、を含む。いくつかの実施形態において、接触させる工程は、第1及び第2の二本鎖DNA産物の両方の鎖を増幅するのに十分な条件及び時間で実施され、これによりシークエンシングのためのDNAライブラリを取得する。
特定の実施形態において、この方法は、DNAライブラリをシークエンシングして、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1及び第2のポリペプチド配列をコードする配列のデータセットを取得する工程を含む。別の一実施形態において、第3の増幅プライマーセットは、第4の増幅プライマーセットと同一である。
特定の他の実施形態において、この方法は:(1)前記第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットは、前記第1のポリペプチドをコードしている再構成DNA配列において、第1のポリペプチドの第1の相補性決定領域−3(CDR3)をコードする再構成DNA配列を増幅することができること、及び(2)前記第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットは、前記第2のポリペプチドをコードしている再構成DNA配列において、第2のポリペプチドの第2の相補性決定領域−3(CDR3)をコードする再構成DNA配列を増幅することができること、のいずれか一方又は両方である。
いくつかの実施形態において、前記適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドはTCRα(TCRA)鎖であり、かつ前記適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドはTCRβ(TCRB)鎖である。他の実施形態において、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1のポリペプチドはTCRγ(TCRG)鎖であり、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第2のポリペプチドはTCRδ鎖(TCRD)である。
別の一実施形態において、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1のポリペプチドは免疫グロブリン重(IGH)鎖であり、かつ適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第2のポリペプチドは免疫グロブリン軽鎖(IGL若しくはIGK、又はIGLとIGKの両方)である。いくつかの実施形態において、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1のポリペプチドがIGH鎖であり、かつ適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第2のポリペプチドがIGL及びIGKの両方である場合は、IGHに対する第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセット、IGKに対する第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセット、及びIGLに対する第3のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットを含む3つの異なる増幅プライマーセットが使用される。
更に別の一実施形態において、第2の複数の個々の微小液滴それぞれが、リンパ球の状態の指標となる分子をコードする第3のcDNA配列を増幅することができ、かつ一般式(VII):U5/6−B−X3(VII)を有する複数のオリゴヌクレオチド配列を含む組成物を含む、第3のオリゴヌクレオチドプライマーセットを含む。一態様において、U5/6は、Bが存在するときに第5ユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含み、Bが存在しないときに第6ユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含む。別の一態様において、BはB1又はB2を含む。更に別の一態様において、X3は、(i)リンパ球の状態の指標となる分子をコードする遺伝子配列、又はその相補的配列の15〜80個の連続するヌクレオチドであるフォワードプライマー、及び(ii)リンパ球の状態の指標となる分子をコードする遺伝子配列、又はその相補的配列の15〜80個の連続するヌクレオチドであるリバースプライマー、のいずれか1つのオリゴヌクレオチドを含み、かつ、一般式U5/6−B−X3の複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、X3は固有のオリゴヌクレオチド配列を含む。
一実施形態において、リンパ球の状態の指標となる分子は、FoxP3、CD4、CD8、CD11a、CD18、CD21、CD25、CD29、CCD30、CD38、CD44、CD45、CD45RA、CD45RO、CD49d、CD62、CD62L、CD69、CD71、CD103、CD137(4−1BB)、CD138、CD161、CD294、CCR5、CXCR4、IgG1−4 H鎖定常領域、IgA H鎖定常領域、IgE H鎖定常領域、IgD H鎖定常領域、IgM H鎖定常領域、HLA−DR、IL−2、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10、IL−12、IL−13、IL−15、IL−21、TGF−β、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9及びTLR10のうち1つ以上を含む。
いくつかの実施形態において、この方法は、データセット中で識別されるオリゴヌクレオチドバーコード配列に照らして配列のデータセットをソーティングすることにより、それぞれ固有のバーコードを有する複数のバーコード配列セットを取得する工程と、(a)の各バーコード配列セットをX1配列含有サブセット及びX2配列含有サブセットにソーティングする工程と、X1及びX2配列に照らしてX1及びX2配列含有サブセットのそれぞれの構成要素をクラスタリングして、それぞれ、1つ又は複数のX1配列クラスターセット及び1つ又は複数のX2配列クラスターセットを取得する工程と、1つ以上のいずれかの前記X1及びX2配列クラスターセット内の、単一ヌクレオチドバーコード配列のミスマッチをエラー修復する工程と、を含む。この方法は更に、同じ1つ以上のバーコード配列セットに属するX1及びX2配列クラスターセットの構成要素である、同じ細胞配列に由来するものとして識別する工程を含む。
別の一実施形態において、本発明の方法は、単一リンパ球系細胞内の適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1及び第2のポリペプチド配列をコードする再構成DNA配列を決定するための方法を含み、この方法には、(1)対象のリンパ球系細胞集団を含む細胞懸濁液の細胞を、前記細胞を収容することができる複数の容器に配分して、1つのリンパ球系細胞又は複数のリンパ球系細胞を含むリンパ球系細胞の亜集団をそれぞれに含む複数の容器を取得する工程が含まれる。この方法は更に、(2)複数の容器内のリンパ球系細胞内のメッセンジャーRNA(mRNA)の逆転写を促進するのに十分な条件下及び時間、前記複数の容器内それぞれに、第1及び第2のオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットを接触させる工程を含み、(A)第1のオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットは、第1の適応性免疫受容体ヘテロダイマーの複数のポリペプチドをコードする複数の第1のmRNA配列を逆転写することができ、また(B)第2のオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットは、第2適応性免疫受容体ヘテロダイマーの複数のポリペプチドをコードする複数の第2のmRNA配列を逆転写することができる。
別の一実施形態において、この方法は、(I)本明細書に記載される一般式U1/2−B1−X1の組成物を含む第1のオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットと、(II)本明細書に記載される一般式U3/4−B2−X2の組成物を含む第2のオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットとを含む。
更に別の一実施形態において、接触工程は、1つ以上の前記複数の容器内で、次の2つを取得するのに十分な条件下及び時間、実施される:少なくとも1つの第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、少なくとも1つの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドの少なくとも1つのX1オリゴヌクレオチドV領域コーディング遺伝子配列、少なくとも1つの第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、及び、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドの少なくとも1つのX1オリゴヌクレオチドJ領域又はC領域コーディング遺伝子配列を含む、第1の逆転写された相補的DNA(cDNA)産物と、少なくとも1つの第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、少なくとも1つの第2のオリゴヌクレオチドバーコード配列、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドの少なくとも1つのX2オリゴヌクレオチドV領域コーディング遺伝子配列、少なくとも1つの第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、及び、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドの少なくとも1つのX2オリゴヌクレオチドJ領域又はC領域コーディング遺伝子配列を含む、第2の逆転写DNA(cDNA)産物。
一実施形態において、この方法は、複数の容器から第1及び第2の逆転写されたcDNA産物を合わせて、逆転写されたcDNAの産物の混合物を取得する工程と、(3)の第1及び第2の逆転写されたcDNA産物の混合物を、第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセット及び第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットと接触させる工程とを含む。いくつかの実施形態において、第1の増幅プライマーセットは、(i)それぞれ、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む複数の第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、(ii)それぞれ、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列と特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む複数の第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、を含む。
別の一実施形態において、第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットは、(i)それぞれ、第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第3シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む複数の第3シークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、(ii)それぞれ、第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第4シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む複数の第4シークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、を含む。
別の一実施形態において、接触させる工程は、(2)の第1及び第2の逆転写されたcDNA産物の両方を増幅するのに十分な条件及び時間で実施され、これによりシークエンシングのためのDNAライブラリを取得する。一実施形態において、この方法は、(3)で取得したDNAライブラリをシークエンシングして、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1及び第2のポリペプチド配列をコードする配列のデータセットを取得する工程を含む。
更に別の一実施形態において、この方法は、(a)データセット中で識別されるオリゴヌクレオチドバーコード配列に照らして配列のデータセットをソーティングすることにより、それぞれ固有のバーコードを有する複数のバーコード配列セットを取得する工程と、(b)(a)の各バーコード配列セットをX1配列含有サブセット及びX2配列含有サブセットにソーティングする工程と、を含む。この方法は更に、(c)X1及びX2配列に照らしてX1及びX2配列含有サブセットのそれぞれの構成要素をクラスタリングして、それぞれ、1つ又は複数のX1配列クラスターセット及び1つ又は複数のX2配列クラスターセットを取得する工程と、1つ以上のいずれかの前記X1及びX2配列クラスターセット内の、単一ヌクレオチドバーコード配列のミスマッチをエラー修復する工程と、を含む。
別の一実施形態において、この方法は、(d)既知のX1及びX2配列に基づいて第1及び第2の適応性免疫受容体ヘテロダイマーポリペプチドをコードする配列それぞれを識別する工程を含み、各X1配列及び各X2配列は、1つ又は複数の固有のB配列に関連付けられ、各B配列関連X1配列及び各B配列関連X2配列が由来する容器を識別する。いくつかの実施形態において、この方法は、(e)共通の第1及び第2の適応性免疫受容体ヘテロダイマーポリペプチドをコードする配列とB配列が一致する確率に基づいて、(d)のB配列関連X1及びX2配列を共通クローン源として組み合わせてマッチングする工程と、これにより、単一リンパ球系細胞に由来する適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1及び第2のポリペプチド配列をコードする再構成DNA配列を決定する工程とを含む。
一実施形態において、第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットは、第1のポリペプチドをコードしている再構成DNA配列において、第1のポリペプチドの第1の相補性決定領域−3(CDR3)をコードする再構成DNA配列を増幅することができる。別の一実施形態において、第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットは、第2のポリペプチドをコードしている再構成DNA配列において、第2のポリペプチドの第2の相補性決定領域−3(CDR3)をコードする再構成DNA配列を増幅することができる。
特定の実施形態において、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1のポリペプチドはTCRα(TCRA)鎖であり、かつ適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第2のポリペプチドはTCRβ(TCRB)鎖であり、又は(b)適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1のポリペプチドはTCRγ(TCRG)鎖であり、かつ適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第2のポリペプチドはTCRδ(TCRD)鎖であり、又は(c)適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1のポリペプチドは免疫グロブリン重(IGH)鎖であり、かつ適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第2のポリペプチドは免疫グロブリン軽(IGL、IGK、又はIGLとIGKの両方)鎖である。
特定の他の実施形態において、1つ以上の容器が、リンパ球の状態の指標となる分子をコードする第3のcDNA配列を増幅することができ、かつ一般式(VI):U5/6−B3−X3(VI)の複数のオリゴヌクレオチド配列を有する複数のオリゴヌクレオチドを含む組成物を含む、第3のオリゴヌクレオチドプライマーセットを含む。いくつかの実施形態において、U5/6は、B3が存在するときに第5ユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含み、B3が存在しないときに第6ユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含む、オリゴヌクレオチドを含む。一実施形態において、B3は、存在しないか、又はB1又はB2のうち少なくとも1つと同じであるか又は異なる、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の連続するヌクレオチドの第3のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含む、オリゴヌクレオチドを含む。別の一実施形態において、X3は、(i)リンパ球の状態の指標となる分子をコードする遺伝子配列、又はその相補的配列の15〜80個の連続するヌクレオチドであるフォワードプライマーポリヌクレオチド、及び(ii)リンパ球の状態の指標となる分子をコードする遺伝子配列、又はその相補的配列の15〜80個の連続するヌクレオチドであるリバースプライマーポリヌクレオチド、のいずれか1つのオリゴヌクレオチドを含み、かつ、一般式U5/6−B3−X3の複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、X3は固有のオリゴヌクレオチド配列を含む。
特定の実施形態において、リンパ球の状態の指標となる分子は、FoxP3、CD4、CD8、CD11a、CD18、CD21、CD25、CD29、CCD30、CD38、CD44、CD45、CD45RA、CD45RO、CD49d、CD62、CD62L、CD69、CD71、CD103、CD137(4−1BB)、CD138、CD161、CD294、CCR5、CXCR4、IgG1−4 H鎖定常領域、IgA H鎖定常領域、IgE H鎖定常領域、IgD H鎖定常領域、IgM H鎖定常領域、HLA−DR、IL−2、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10、IL−12、IL−13、IL−15、IL−21、TGF−β、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9及びTLR10のうち1つ以上を含む。
本明細書で記述した発明の実施形態のこれら及び他の態様が、以下の発明を実施するための形態と添付図面を参照して明らかとなるであろう。本明細書内で参照され及びかつ/又は出願データシート内で列記される全ての米国特許、米国特許出願公報、米国特許出願、外国特許、外国特許出願及び非特許発行物は、それぞれが個々に援用されるかのように、それらの全体が参照により本明細書に援用される。本発明の態様及び実施形態は、必要に応じて改変可能であり、また更なる実施形態を提供するために、種々の特許、出願及び公報のコンセプトを利用する。
本明細書に記述されている特定の組成物及び方法の模式図を示す。U1及びU2はユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドを表す。BC1及びBC2はバーコードオリゴヌクレオチドを表す。Jは、適応性免疫受容体連結(J)領域遺伝子を表し、Jprは、J特異的オリゴヌクレオチドプライマーがかかる遺伝子に特異的にアニールする領域を表す。Vは、適応性免疫受容体可変(V)領域遺伝子を表し、Vprは、V特異的オリゴヌクレオチドプライマーがかかる遺伝子に特異的にアニールする領域を表す。NDNは、一部の適応性免疫受容体コーディング遺伝子に見られる多様性(D)領域を表し、この領域は、非鋳型ヌクレオチドを含み得る連結ヌクレオチド(N)に両端が隣接している。Adap1及びAdap2はシークエンシングプラットフォーム特異的アダプタを表す。「n6」として示されている断片は、任意のヌクレオチド配列のスペーサーヌクレオチド断片を表し、この場合は6つの無作為に選択されたヌクレオチドのスペーサーを表す。 本明細書に記述されている特定の組成物及び方法の模式図を示す。個々の第1及び第2の微小液滴が接触して、単一の第1及び第2の微小液滴間に融合イベントを生じさせ、この融合イベントによって、個々のリンパ球系細胞(例えば、T又はB細胞)からのDNAが、融合した微小液滴内で、第1及び第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットに導入され、このそれぞれが、同じ細胞からの第1及び第2の適応性免疫受容体ポリペプチドコーディング遺伝子のDNAコード配列(例えば、CDR3コーディングDNA)を増幅することができる。これにより、同じ細胞に由来する少なくとも2つの再構成DNA遺伝子座の増幅及びオリゴヌクレオチドバーコードの標識は、本明細書に記述されるように想到され、例えば、[IGH+IGL]、[IGH+IGK]、[IGH+IGK+IGL]、[TCRA+TCRB]、[TCRG+TCRG]、などである。 本明細書に記述されている特定の組成物及び方法の模式図を示す。これによって例えば、個々のリンパ球系細胞(例えば、T又はB細胞)からのDNA、又は、単一リンパ球系細胞のmRNAから逆転写されたcDNAが、融合した微小液滴内で、第1及び第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットに導入され、このそれぞれが、同じ細胞からの第1及び第2の適応性免疫受容体ポリペプチドコーディング遺伝子のDNAコード配列(例えば、CDR3コーディングDNA)を増幅することができ、この後、個々の微小液滴を破壊し(例えば、化学的、物理的、及び/又は機械的溶解、分離、破壊などにより)、次いで、放出されたバーコード付加二本鎖DNAがユニバーサルオリゴヌクレオチドプライマー及びシークエンシングプラットフォーム特異的アダプタで増幅されて、大規模なマルチプレックス定量的シークエンシングが可能となる。略語については図1の簡単な説明を参照のこと。 オリゴヌクレオチドバーコードとユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列のcDNAへの組み込みを導くオリゴヌクレオチド逆転写プライマーを使用することによる、逆転写中の適応性免疫受容体ポリペプチドコーディングcDNAの標識の模式図を示す。 オリゴヌクレオチドバーコードとユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列のcDNAへの組み込みをもたらすオリゴヌクレオチド逆転写プライマーを使用することによる、逆転写中の適応性免疫受容体ポリペプチドコーディングcDNAの標識の模式図を示す。 逆転写中に、オリゴヌクレオチドバーコード配列及びユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の組み込みをもたらすオリゴヌクレオチド逆転写プライマーを使用して標識し、増幅させた、適応性免疫受容体ポリペプチドコーディングcDNAの、Illuminaシークエンシングアダプタによる修飾後にシークエンシングを受ける、DNA産物の模式図を示す。
本発明は、特定の実施形態において、本明細書で記述するように、免疫グロブリン(IG)及び/又はT細胞受容体(TCR)のような、適応性免疫受容体をコードしている再構成された遺伝子の、大規模で構造的に多種多様な集団を確実に定量し配列を決定するために有用な組成物及び方法を提供する。これらの再構成された遺伝子は、対象又は生体源(ヒト対象者を含む)のリンパ球系細胞から得たDNAを含む生体サンプル中に存在し得るものであり、及び/又はこれらの再構成遺伝子のmRNA転写産物はそのようなサンプル中に存在し得るものであり、逆転写によるcDNA合成の鋳型として使用され得る。
本明細書で開示されるのは、個々の、配列が異なるIG及びTCRコーディング遺伝子断片又はそのmRNA転写産物、又はそのようなmRNA転写産物から逆転写されたcDNAを固有かつ明確に標識するための、予想外に有益なアプローチである。これは、確立された核酸増幅法を用いて、そのような遺伝子断片又はその転写産物(逆転写産物を含む)の集団を増幅させる従来の工程の前に標識を行うことにより実施される。理論に束縛されるものではないが、シークエンシングに十分な量のDNAコピーを生成するために採用される一般的に実践されている増幅工程の前に、本明細書に記述されるように、個々のTCR及びIGコーディング遺伝子断片又はその転写産物(逆転写により生成された相補的DNAを含む)を標識することにより、本実施形態は、多様なTCR及びIGをコードする配列の検出及び定量において前例のない感度をもたらし、同時に、増幅プライマーの多様な配列のセットを用いて元のサンプルからの核酸増幅を複数回実施している間にオリゴヌクレオチドプライマー利用における偏りにより生じ得るような、紛らわしい、不正確な、又は不完全な結果を回避することができる。
更に、特定の実施形態において本明細書で記述されるのは、単一細胞由来の適応性免疫受容体ヘテロダイマーにおける両方のポリペプチド(例えばT細胞のTCRAとTCRBの両方、又はB細胞のIgHとIgLの両方)をコードする配列の定量が可能な、前例のない組成物及び方法である。複合サンプル(例えば、対象のT及び/又はB細胞の異種混合物を含むサンプルなど)からそのような情報を取得する機能を提供することによって、これら及び関連する実施形態では、これまで可能であったよりもいっそう正確な、特定のT及び/又はB細胞クローン集団のサンプルにおける相対的表現の決定が可能になる。
特定の実施形態では、本明細書に記述されるように、このような増幅産物の定量的高スループットシークエンシングの前に、適応性免疫受容体をコードしている再構成された遺伝子を含有する生体サンプル由来の、増幅され再構成されたDNA分子集団を生成するために、マルチプレックス化された核酸増幅反応に使用される、オリゴヌクレオチドプライマーセットに対する改変が想到される。再構成TCR及びBCRをコードするDNA配列の、マルチプレックス化された増幅及び高スループットシークエンシングは、例えば、Robinsら、2009 Blood 114:4099;Robinsら、2010 Sci.Translat.Med.2:47ra64;Robinsら、2011 J.Immunol.Meth.doi:10.1016/j.jim.2011.09.001;Sherwoodら、2011 Sci.Translat.Med.3:90ra61;U.S.A.N.第13/217,126号(米国特許公開第2012/0058902号)、U.S.A.N.第12/794,507号(米国特許公開第2010/0330571号)、WO/2010/151416号、WO/2011/106738号(PCT/US2011/026373号)、WO2012/027503号(PCT/US2011/049012号)、U.S.A.N.第61/550,311号、及びU.S.A.N.第61/569,118号に記述されており、したがって、これらの開示は参照により本明細書に援用され、本明細書に記述されている実施形態による使用に適合され得る。
特定の実施形態により、複数の配列多様なTCR又はIGコーディング遺伝子断片を含むサンプル(例えば、DNA再構成を起こして機能性TCR及び/又はIGヘテロダイマーをコードする(又は非機能性TCR又はIG偽遺伝子がDNA再構成に関与している)リンパ球系細胞に由来するDNA(又はそこから転写されたmRNA、又はそのようなmRNAから逆転写されたcDNA)を含むサンプル)において、複数の個別のTCR又はIGをコードする配列は、単回の核酸増幅(例えばポリメラーゼ連鎖反応PCR)を介して、本明細書に記述されるような特異的なオリゴヌクレオチドバーコード配列によりそれぞれ固有にタグ付加され得る。次に、タグ付加された一群のポリヌクレオチドを増幅して、タグ付加された分子のライブラリを取得することができ、これは例えば、U.S.A.N.第13/217,126号(米国特許公開第2012/0058902号)、U.S.A.N.第12/794,507号(米国特許公開第2010/0330571号)、WO/2010/151416号、WO/2011/106738号(PCT/US2011/026373号)、WO2012/027503号(PCT/US2011/049012号)、U.S.A.N.第61/550,311号、及びU.S.A.N.第61/569,118号に記述されているもののような既存の手順により定量的にシークエンシングすることができる。
これらの配列を読み取る過程において、組み込まれたバーコードタグ配列をシークエンシングして、取得した配列データをコンパイルし分析する過程において識別子として使用することができる。特定の実施形態において、各バーコードタグ配列について、関連するTCR又はIG配列に関するコンセンサス配列を決定することができる。次に、クラスタリングアルゴリズムを適用して、同じ元のクローン細胞集団から生成した分子を識別することができる。そのようなアプローチにより、シークエンシングのアーティファクトに伴う不正確さを克服するやり方で、高品質の配列データを取得することができる。
代表的な一実施形態を図1に示す。これにより、リンパ球系細胞含有集団に由来するゲノムDNA又はcDNAの開始鋳型集団から、本明細書に記述される一般式U1−B1−Xを有するプライマーを含むオリゴヌクレオチドプライマー組成物を使用して、2回以上のサイクルのPCRを実施する。図1に示すように、J特異的プライマー110aは、J断片の一部に相補的であるJプライマー配列100、図1のバーコードタグ(BC1)101、又は遺伝子式のB1を含み、また更に第1の外側ユニバーサルアダプタ配列(U1)102を含み、一方でV特異的プライマー110bは、V断片の一部に相補的であるVプライマー配列103と、第2の外側ユニバーサルアダプタ配列(U2)104とを含む。ただし本発明はそのように限定される必要はなく、更に関連する実施形態も想到され、例えば、バーコードは代わりに又は追加としてV特異的プライマーの一部として存在してよく、V配列と第2のユニバーサルアダプタとの間に配置されていてよい。本開示に基づいて、当業者には、固有に標識された個々のTCR及び/又はIGコーディング遺伝子断片に対し、本明細書に記述されるバーコードタグを導入するための他の好適なプライマーを設計することが可能であることが、理解されよう。
本明細書に記述されるように、多数の(最高4で、式中nはバーコード配列の長さ)異なるバーコード配列が、本明細書に記述される一般式U1−B1−Xを有するプライマーを含むオリゴヌクレオチドプライマー組成物中に存在し、これによって、適切なV特異的及びJ特異的プライマーの特異的なアニーリングの後に実施される多数の異なる増幅イベントのPCR産物が、差別化されて標識される。いくつかの実施形態において、バーコード配列の数は、最大4であるか、又は4未満である。一実施形態において、長さn=8のバーコードに基づいて、192種の異なるバーコード配列のセットが使用される。バーコードの長さ「n」は、可能なバーコードの数(本明細書の記述では4)を決定するが、いくつかの実施形態において、より小さいサブセットを使用して、密接に関連するバーコード、又は異なるアニーリング温度を備えるバーコードが回避される。他の実施形態において、本明細書に記述されるように、m個及びn個のバーコード配列のセットが、後続の増幅工程で使用される(例えば、再構成されたTCR又はIG配列を個別に標識し、次に、同じ供給源又はサンプルから取得した配列セットを均一に標識する(「テーリング」)。好ましい実施形態において、Vプライマー100及びJプライマー103は、CDR3をコードする配列(これは図1でNDN領域111を含む)を含むTCR又はIgをコードする配列の増幅を促進することができる。更に図1に示すように、2回以下の増幅サイクルの後、第1の増幅プライマーセット110a、110bが、二本鎖DNA産物から分離される。そのような工程により、非限定的な理論に従って、後続の増幅工程による産物調製の汚染が回避されると考えられる。この汚染は、複合的な反応物中に存在する増幅プライマーにより、新しく生成された二本鎖DNA分子が増幅されることにより生じ得るものであるが、この増幅プライマーは、最初の1回又は2回の増幅サイクルにおいて二本鎖DNAを生成するのに使用されるものとは異なる。オリゴヌクレオチド増幅プライマーから二本鎖DNAを分離するための、様々な化学的及び生物学的技法が当該技術分野において周知である。
固有のバーコードタグ配列が導入される第1の増幅プライマーセット110a、110bの除去後、タグ付加された二本鎖DNA(dsDNA)産物を、本明細書に記述され図1に示されている第2の増幅プライマーセット120a、120bを使用して増幅させて、シークエンシングに好適なDNAライブラリを取得することができる。第2の増幅プライマーセットは、前述の工程中に、ユニバーサルアダプタ配列102、104(例えば、図1のU1及びU2)のdsDNA産物への導入を有利に活用する。したがって、これらのユニバーサルアダプタ配列は、図1において固有のバーコードタグ(BC1)101の外側にあるため、シークエンシングされるDNAライブラリを含む増幅産物は、ユニバーサルアダプタを介して増幅の影響を受けながら、特定の再構成V−J遺伝子断片の組み合わせそれぞれにリンクされた固有のバーコード識別子配列を保持する。そのような第2プライマーセットは、「テーリング」プライマーとしても知られ、表7に示される。
好ましい実施形態において、また図1に示されるように、第2の増幅プライマーセット120a、120bは、シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列(図1のAdap1 105及びAdap2 106)を導入し得るが、これらは特定の他の関連する実施形態では必須ではない。第2の増幅プライマーセット120a、120bは、第2のオリゴヌクレオチドバーコード識別子タグ(図1のBC2 107)を所望により導入することができ、例えば、特定のサンプルに由来する増幅の全産物を(例えば供給源識別コードとして)好ましく識別することができ、複数のサンプルのマルチプレックス化を容易にしてより高いスループットを実現し得る単一バーコード配列を導入することができる。バーコード(BC2;図1の107)は、アッセイのスループットを増加させる修飾(例えばサンプルをシークエンサーでマルチプレックス化できるようにする)であるが、必須ではない。あるいは、アダプタなしのユニバーサルプライマーを使用して、タグ付き分子を増幅させることができる。増幅の後、この分子を更に、プラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列でタグ付することができる。第2のサンプル識別バーコードのそのような包含は、複数の異なる対象に由来するサンプルが混在している場合の識別、又は不注意による、他のサンプル調製由来の物質によるサンプル調製物の汚染の識別において、有用であり得る。第2の増幅プライマーセットは更に、図1に示すように、所望によりスペーサーヌクレオチド(「n6」;図1の108)を含んでいてよく、これはシークエンシングプラットフォーム特異的配列の操作を促進し得る。このスペーサーは、シークエンシングデータの品質を改善するが、特定の実施形態においては必要ではなく、存在しない。スペーサーは特に、本方法のシークエンシング工程の最初の12サイクル中に、ランダムな塩基対の数を増加させる。最初の12サイクルの多様性を増加させることにより、クラスターの定義及び塩基の解読が改善される。スペーサーヌクレオチド108は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11〜20、21〜30個又はそれ以上のヌクレオチドの任意の配列であってよく、典型的にランダムに作成された配列であり得る。そのようなランダム配列の存在により、そのような配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー間で不均一なアニーリング速度がもたらされる懸念がある場合は、比較的少ない回数で増幅サイクル(典型的には3、4又は5回、又は所望により1〜6回、又は8回以下)を実施して、下流の結果を歪曲し得るような不均一な増幅が生じる可能性を低減することが望ましいこともある。
結果として得られるDNAライブラリは、標準の方法論に従い、本明細書に提供される当該技術分野において周知であるような利用可能な装置を用いて、シークエンシングすることができる。第2のサンプル識別バーコード(BC2;図1の107)が存在する場合、これらのバーコードの両方を読み取るシークエンシングが実施され、これに伴い、2つのサンプル識別バーコード107の間にある配列情報(CDR3をコードする配列を含むV−J連結で、それぞれの異なる配列を固有のタグを標識する第1のオリゴヌクレオチドバーコードBC1 101を伴う)も読み取られる。シークエンシングプライマーには、例えば、図1を参照して、最初の読み取りのためのNDN 111のJ側のユニバーサルプライマー102、次いでバーコード配列BC1 101、Jプライマー配列100、及びCDR3配列が含まれ得る。増幅プライマーの第2セットには、J側のプラットフォーム特異的プライマー(Adap1 105)を含むフォワードプライマー、ランダムヌクレオチドを含むスペーサー配列(「n6」として記載;図1の108)、及びBC2サンプル識別バーコード107が含まれる。増幅プライマーの第2セット内のリバースプライマーには、NDN 111のV側のユニバーサルプライマー104、ランダムヌクレオチドを含むスペーサー配列108、及びBC2サンプル識別バーコード配列107、及び所望により、リバース第2シークエンシングプラットフォーム特異的プライマー(Adap2 106)を用いたペアドエンドリードが含まれる。第2シークエンシングプラットフォーム特異的プライマー(Adap2 106)は、スペーサー配列108、サンプル識別バーコード配列BC2 107、ユニバーサルアダプタ配列104、V配列103、及びNDN 111をシークエンシングし「読み取る(リードする)」のに使用される。CDR3配列を捕捉するためには、J増幅プライマー、C増幅プライマー又はV増幅プライマーを使用することができる。
配列データはBC2サンプル識別バーコード107を使用してソーティングすることができ、更に共通第1のバーコードBC1 101を含む配列に従ってソーティングすることができる。そのようにソーティングされた配列で、クラスタリングのための既知の様々なアルゴリズムの任意のものを使用して、CDR3配列をクラスタリングし、複数の配列クラスターが存在するか判定することができる(例えば、BLASTClust、UCLUST、CD−HIT、又はその他、又はRobinsら、2009 Blood 114:4099に記述されているもの)。加えて又は代わりに、配列データは、少なくとも2回見出されたこれらの配列に基づいてソーティングされ選択され得る。コンセンサス配列は、次いで、例えばシークエンシングエラーを修正するために、配列比較によって決定することができる。複数の固有の識別子バーコードタグ(BC1 101)が配列内に検出される場合(そうでない場合は共通コンセンサス配列を共有している)、そのような識別されるバーコードタグの数は、同じT細胞又はB細胞クローンに由来するサンプル内の分子の数を反映したものであると見なされ得る。
単一の適応性免疫細胞に由来するTCR又はIGヘテロダイマーの両鎖の識別
上述のように、特定の他の実施形態において、本明細書では、単一リンパ球系細胞内の適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1及び第2のポリペプチド配列をコードする再構成DNA配列(又はそこから転写されたmRNA配列、又はそのようなmRNAから逆転写されたcDNA)を決定するための方法が提供される。この方法は、特定の細胞及び/又はサンプルを識別するため、各再構成DNA配列を固有のバーコード配列で固有に標識する工程を含む。
簡潔に、説明のために非限定的に述べると、これら及び関連の実施形態は:(1)複数の平行反応それぞれにおいて、第1及び第2の微小液滴を接触させ、核酸増幅が可能な条件下でこれらを融合させて、全てが同一バーコードオリゴヌクレオチド配列を含み、かつ適応性免疫受容体ヘテロダイマーの二本鎖に対応する二本鎖DNA産物(又は一本鎖cDNA産物)を生成する工程と;(2)融合微小液滴を破壊して二本鎖(又は一本鎖)DNA産物の異種混合物を取得する工程と;(3)二本鎖DNA(又は一本鎖)産物の異種混合物を増幅して、シークエンシングのためのDNAライブラリを取得する工程と;(4)ライブラリをシークエンシングして、ヘテロダイマーの第1及び第2のポリペプチドをコードするDNA配列のデータセットを取得する工程と、を含む方法を含む。
この方法は、(A)単一のリンパ球系細胞又はこれから単離されたゲノムDNA、又はmRNAから逆転写されたcDNAをそれぞれに(又はn個ごとの液滴に)含む個々の第1の微小液滴を、(B)それぞれ2つのオリゴヌクレオチド増幅プライマーセット、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1鎖(例えば、IGH鎖、又はTCRA鎖)をコードする任意の再構成DNAを増幅させるための第1セット、及びこのヘテロダイマーの第2鎖(例えば、IGL鎖、又はTCRB鎖)をコードする任意の再構成DNAを増幅させるための第2セットを含む複数の第2液微小液滴由来の個々の第2の微小液滴と、対にして接触させ、融合させる工程を含む。有意義なこととして、所与の第2の微小液滴において、全てのオリゴヌクレオチド増幅プライマーは同じバーコードオリゴヌクレオチドを含むが、異なる第2の微小液滴内では、このプライマーセットは異なるバーコード配列を含む。この接触工程は、複数のイベントそれぞれにおいて、単一の第1の微小液滴が、単一の第2の微小液滴と融合して、融合した微小液滴が取得されるよう制御される。第1及び第2の微小液滴それぞれの内容物が、この融合した微小液滴内で、互いに接触する。所与のTCR又はIGポリペプチドをコードする任意の再構成DNAを増幅することができるオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットが、本明細書の他の箇所において、並びにそのような開示のために援用された参照において、記述されている。
当業者には、定義された内容物及び特性(例えば制御可能に融合を行うことができる能力)を有する微小液滴組成物を調製し得るような任意の数多くの微小流体機器及び装置が周知であり、例えばRainDance(商標)微小液滴デジタルPCRシステム(RainDance Technologies、Lexington、MA)、又は、例えば、Pekinら、2011 Lab Chip 11:2156;Millerら、2012 Proc.Nat.Acad.Sci.USA 109:378;Brouzesら、2009 Proc.Nat.Acad.Sci.USA 106:14195;Joenssonら、2009 Angew.Chem.Int.Ed.81:4813;Baretら、2009 Lab Chip 9:1850;Frenzら、2009 Lab Chip 9:1344;Kissら、2008 Anal.Chem.80:8975;Leamonら、2006 Nat.Meths.3:541に記述されている任意のシステムが周知であり、これらは例えば、本開示の見地において慣例的な改変を介して、例えば本明細書に記述されているもののような特定の方法に適合させることができる。
非限定的な一例として、特定の実施形態は、微小流体チャネルを用いて、油相中に分散された水相微小液滴の特性を活用し得る。微小液滴は、油中水型乳剤、水中油型乳剤、又は類似の水性及び非水性乳剤組成物であってよい。微小液滴はまた、微小液滴又はミセル微小液滴とも呼ぶことができる。従来型の油中水型(WO)乳剤は、生物学において数多くの用途が見出されており、これには次世代シークエンシング(Marguliesら、Nature 2005、437、376〜380)、希少突然変異検出(Diehl、F.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.2005、102、16368〜16373;Li、M.ら、Nat.Methods 2006、3、95〜97;Diehl、F.ら、Nat.Med.2008、14、985〜990)、及びDNAメチル化の定量的検出(Li、M.ら、Nat.Biotechnol.2009、27、858−U118)が挙げられるが、これらの乳剤は液滴多分散性の問題と、乳剤を形成するのに使用される機械的攪拌中に細胞を破壊する可能性がある剪断応力の問題を抱えている。微小流体の使用によりこれらの制限が克服され、生化学及び細胞系アッセイの性能の改善がもたらされる(Zeng、Y.ら、Anal.Chem.2010、82、3183〜3190)。チャネル直径10〜100μmの微小流体チップは、典型的に、標準のソフトフォトリソグラフィー技法を使用して石英、ケイ素、ガラス、又はポリジメチルシロキサン(PDMS)から製造される(A.Manz、N.Graber and H.M.Widmer:Miniaturized total Chemical Analysis systems:A Novel Concept for Chemical Sensing、Sensors and Actuators、B Chemical(1990)244〜248)。液滴は典型的に、1つのチャネル内の水溶液を油の流れの中に流すことによって、約1〜10Hzの速度で生成される。流量集束ノズルの使用により、寸法の制御された水相液滴の生成が可能になる。液滴寸法及び液滴生成の速度は、所与のノズル形状に関して、油相と水相の流速の比によって制御される。チップチャネル表面は一般に、例えば、数多く報告されているシラン化化学物質の1つによって、疎水性になるように改変される(Zeng、Y.ら、Anal.Chem.2010、82、3183〜3190)。液滴を完全に機能する微小容器とするために、疎水性かつ疎油性の油を使用することが有益であり得る。これは、液滴間の分子分散が最小限に抑えられ、また油は、水相に含まれる生物学的試薬に対し低溶解度を有し、かつ良好な気体溶解度を有するため、特定の用途において封入された細胞の生存性を確保できるからである。加えて、液滴は合着しやすい傾向にあるため、特定の実施形態により、界面活性剤を油相に望ましいように混合することができる。界面活性剤は更に、微小液滴界面での生体分子の吸着を阻害し得る。ポリエチレングリコール(PEG)に結合させたペルフルオロ化ポリエーテル(PFPE)を含む、新しい種類のブロックコポリマー界面活性剤を、フルオロカーボン油、例えば、ペルフルオロトリ−n−ブチルアミンとジ(ペルフルオロ(n−ブチル))ペルフルオロメチルアミンとの混合物であるフッ素化油FC−40(Sigma)と共に使用することが報告されている(Holtze、C.ら、Lab Chip、2008、DOI:10.1039/b806706f)。これらの組成物は非常に安定な生体適合性の乳剤をもたらす(Brouzes、E.ら、PNAS 2009、106(34)、14195〜14200)。
微小流体チャネルを通過する液滴は、それ自体の表面張力によって個別の微小液滴として保持され得る。表面張力を克服して、望ましいときに液滴を融合させ、試薬を混合するための様々な方法が提案されており、例えば、チャネル内の受動的流量低減エレメントの微小製造による方法(Niu、X.ら、Lab Chip 2008、8、1837〜1841)、静電荷の使用(電気的融合)による方法(Zagnoni、M.ら、Langmuir、2010、26(18)、14443〜14449)、又は微小チャネル形状の操作による方法(Dolomite Merger chip;WO/2012/083225号も参照)が提案されている。ピコインジェクター(加圧した試薬を充填したチャネルを、液滴チャネルに対して垂直にし、電界により操作する)を介して微小流体チャネル内の液滴に試薬を追加する方法が最近公開されており(Abate、A.R.ら、PNAS 2010、107(45)、19163〜19166)、これも、本明細書に記述される特定の現在想到される実施形態により適合させることができる。
微小液滴の成分及び接触工程は、ゲノムDNAと増幅プライマーとの間の核酸増幅相互作用を可能にするよう選択される。核酸増幅(例えば、PCR)試薬及び条件は周知である。そのような増幅は、本明細書に提供される第1及び第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーのヌクレオチド配列、及びそれらの相補的配列を含む第1及び第2の二本鎖DNA産物を少なくとも取得するよう進行させる。よって、例えば、任意の単一の融合微小液滴は、(i)少なくとも第1のユニバーサルアダプタ配列、バーコード配列、ヘテロダイマーの第1の適応性免疫受容体ポリペプチドの一部分をコードするV領域及びJ又はC領域配列、並びに第2のユニバーサルアダプタ配列を含む、第1の二本鎖DNA産物と、(ii)少なくとも第3のユニバーサルアダプタ配列、(i)と同じバーコード配列、ヘテロダイマーの第2適応性免疫受容体ポリペプチドの一部分をコードするV領域及びJ又はC領域配列、並びに第4のユニバーサルアダプタ配列を含む、第2の二本鎖DNA産物と、を含み得る。
融合微小液滴の増幅工程の条件は、次の工程の前に停止される。これは、微小液滴が収容されている環境(例えば容器又はウェル)の温度を変化させて、増幅プロセスを停止することによって達成され得る。
いくつかの実施形態において、この方法は、複数の融合微小液滴を破壊して、第1及び第2二本鎖産物の異種混合物を取得する工程を含む。破壊は、微小液滴の化学的特性及び組成物に基づいて選択することができ、例えば、化学的、生化学的、及び/又は物理的操作によって達成することができ、例えば希釈剤、洗剤、カオトロープ、界面活性剤、浸透圧剤、又はその他の化学剤の導入、又は超音波照射、圧力、電界、又はその他の破壊条件を利用することによって達成できる。好ましい条件には、微小液滴内に含まれる容積に対して、及び/又は破壊工程によって得られる異種混合物に対して、水性溶媒を使用することを伴うことが理解されよう。アッセイ形式として個々の細胞の代わりに微小液滴を使用することによって、サンプル中の数多くの入力細胞についてのデータを分析することができる。またPCR及びシークエンシング時のエラーを修正することができ、IG分子の場合には、体細胞超変異(SHM)による非生殖細胞系配列と、PCRエラーにより導入された非生殖細胞系配列とを区別することができる。
いくつかの実施形態において、この方法は、第1及び第2の二本鎖DNA産物の混合物を、本明細書に記述される第3及び第4の増幅プライマーセットと接触させる、後工程を含む。この工程の条件は、シークエンシングのためのDNAライブラリを取得するためのDNA増幅の、認められている方法論を使用して同様に達成することができ、これはまた、数多くの確立されたDNAシークエンシング技法の任意のものによって達成することができる。特定の関連する実施形態において、単一のリンパ球系細胞又はそれから単離されたゲノムDNAを含む第1の液体微小液滴を使用する代わりに、第1の液体微小液滴それぞれが、単一のリンパ球系細胞のmRNAから逆転写された相補的DNA(cDNA)(例えば、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1鎖をコードする第1のcDNAと、そのヘテロダイマーの第2鎖をコードする第2のcDNA)を含む。
特定の関連する実施形態において、個々の第2の微小液滴はそれぞれ、リンパ球の状態の指標となる分子(1つ又は複数)をコードする追加のcDNA配列を増幅することができる第3のオリゴヌクレオチドプライマーセットを含み得る。第3プライマーセットは、微小液滴内の第1及び第2のプライマーセットに存在する同じバーコード配列で標識される。そのような実施形態において、所与のTCR又はIGヘテロダイマー配列が識別される単一の供給源細胞について、生物学的状態が決定できる。この生物学的状態は、活性化状態と静止状態、成熟段階、ナイーブとメモリー、制御性とエフェクターなどであり得る。代表的なリンパ球の状態の指標となる分子には、例えば、lck、fyn、FoxP3、CD4、CD8、CD11a、CD18、CD25、CD28、CD29、CD44、CD45、CD49d、CD62、CD69、CD71、CD103、CD137(4−1BB)、HLA−DR、などが挙げられる。
特定の実施形態には、リンパ球の状態の指標となる分子をコードする第3のcDNA配列を増幅できる第3のオリゴヌクレオチドプライマーセットが含まれ、第3のオリゴヌクレオチドプライマーセットは、第1及び第2のプライマーセットに存在する同じバーコード配列で標識され、またリンパ球の状態の指標となる分子は、FoxP3、CD4、CD8、CD11a、CD18、CD21、CD25、CD29、CCD30、CD38、CD44、CD45、CD45RA、CD45RO、CD49d、CD62、CD62L、CD69、CD71、CD103、CD137(4−1BB)、CD138、CD161、CD294、CCR5、CXCR4、IgG1−4 H鎖定常領域、IgA H鎖定常領域、IgE H鎖定常領域、IgD H鎖定常領域、IgM H鎖定常領域、HLA−DR、IL−2、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10、IL−12、IL−13、IL−15、IL−21、TGF−β、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9及びTLR10のうち1つ以上を含む。
Figure 2015519909
しかしながら、これら及び関連する実施形態は、そのように限定される必要はなく、追加的に又は別の方法として、リンパ球の状態の指標となる分子をコードする第3のcDNA配列を増幅することができる第3のオリゴヌクレオチドプライマーセットが含まれてよく、第3プライマーセットは、第1及び第2のプライマーセットに存在する同じバーコード配列で標識され、かつリンパ球の状態の指標となる分子は細胞表面受容体を含む。
細胞表面受容体の例としては、CD2(例えば、GenBankアクセッション番号Y00023、SEG_HUMCD2、M16336、M16445、SEG_MUSCD2、M14362)、4−1BB(CDw137、Kwonら、1989 Proc.Nat.Acad.Sci.USA 86:1963、4−1BB ligand(Goodwinら、1993 Eur.J.Immunol.23:2361;Meleroら、1998 Eur.J.Immunol.3:116)、CD5(例えば、GenBankアクセッション番号X78985、X89405)、CD10(例えば、GenBankアクセッション番号M81591、X76732)CD27(例えば、GenBankアクセッション番号M63928、L24495、L08096)、CD28(Juneら、1990 Immunol.Today 11:211;また更に、例えば、GenBankアクセッション番号J02988、SEG_HUMCD28、M34563)、CD152/CTLA−4(例えば、GenBankアクセッション番号L15006、X05719、SEG_HUMIGCTL)、CD40(例えば、GenBankアクセッション番号M83312、SEG_MUSC040A0、Y10507、X67878、X96710、U15637、L07414)、インターフェロン−γ(IFN−γ;例えば、Farrarら、1993 Ann.Rev.Immunol.11:571及びその中に引用されている参考文献、Grayら、1982 Nature 295:503、Rinderknechtら、1984 J.Biol.Chem.259:6790、DeGradoら、1982 Nature 300:379)、インターロイキン−4(IL−4;例えば、53rd Forum in Immunology、1993 Research in Immunol.144:553〜643;Banchereauら、1994 in The Cytokine Handbook、2nd ed.、A.Thomson ed.、Academic Press、NY、p.99;Keeganら、1994 J Leukocyt.Biol.55:272、及びその中に引用されている参考文献)、インターロイキン−17(IL−17)(例えば、GenBankアクセッション番号U32659、U43088)及び、インターロイキン−17受容体(IL−17R)(例えば、GenBankアクセッション番号U31993、U58917)、又は同様物が挙げられる。
その他の細胞表面受容体には、CD59(例えば、GenBankアクセッション番号SEG_HUMCD590、M95708、M34671)、CD48(例えば、GenBankアクセッション番号M59904)、CD58/LFA−3(例えば、GenBankアクセッション番号A25933、Y00636、E12817;また更に、JP1997075090−A)、CD72(例えば、GenBankアクセッション番号AA311036、S40777、L35772)、CD70(例えば、GenBankアクセッション番号Y13636、S69339)、CD80/B7.1(Freemanら、1989 J.Immunol.43:2714;Freemanら、1991 J.Exp.Med.174:625;又は、例えば、GenBankアクセッション番号U33208、I683379)、CD86/B7.2(Freemanら、1993 J.Exp.Med.178:2185、Borielloら、1995 J.Immunol.155:5490;、例えば、GenBankアクセッション番号AF099105、SEG_MMB72G、U39466、U04343、SEG_HSB725、L25606、L25259も参照されたい)、B7−H1/B7−DC(例えば、GenBankアクセッション番号NM_014143、AF177937、AF317088;Dongら、2002 Nat.Med.Jun 24[出版前に電子版公開]、PMID 12091876;Tsengら、2001 J.Exp.Med.193:839;Tamuraら、2001 Blood 97:1809;Dongら、1999 Nat.Med.5:1365)、CD40リガンド(例えば、GenBankアクセッション番号SEG_HUMCD40L、X67878、X65453、L07414)、IL−17(例えば、GenBankアクセッション番号U32659、U43088)、CD43(例えば、GenBankアクセッション番号X52075、J04536)、ICOS(例えば、GenBankアクセッション番号AH011568)、CD3(例えば、GenBankアクセッション番号NM_000073(γサブユニット)、NM_000733(イプシロンサブユニット)、X73617(δサブユニット))、CD4(例えば、GenBankアクセッション番号NM_000616)、CD25(例えば、GenBankアクセッション番号NM_000417)、CD8(例えば、Genbank Acc.No.M12828)、CD11b(例えば、GenBankアクセッション番号J03925)、CD14(例えば、GenBankアクセッション番号XM_039364)、CD56(例えば、Genbankアクセッション番号U63041)、CD69(例えば、Genbankアクセッション番号NM_001781)及びVLA−4(αβ)(例えば、GenBankアクセッション番号L12002、X16983、L20788、U97031、L24913、M68892、M95632)、又は同様物が挙げられる。
下記の細胞表面受容体は、典型的にB細胞と関連する:CD19(例えば、GenBankアクセッション番号SEG_HUMCD19W0、M84371、SEG_MUSCD19W、M62542)、CD20(例えば、GenBankアクセッション番号SEG_HUMCD20、M62541)、CD22(例えば、GenBankアクセッション番号I680629、Y10210、X59350、U62631、X52782、L16928)、CD30(例えば、GenBankアクセッション番号M83554、D86042)、CD153(CD30リガンド、例えば、GenBankアクセッション番号L09753、M83554)、CD37(例えば、GenBankアクセッション番号SEG_MMCD37X、X14046、X53517)、CD50(ICAM−3、例えば、GenBankアクセッション番号NM_002162)、CD106(VCAM−1)(例えば、GenBankアクセッション番号X53051、X67783、SEG_MMVCAM1C、また更に米国特許第5,596,090号を参照)、CD54(ICAM−1)(例えば、GenBankアクセッション番号X84737、S82847、X06990、J03132、SEG_MUSICAM0)、インターロイキン−12(例えば、Reiterら、1993 Crit.Rev.Immunol.13:1、及びその中に引用されている参考文献)、CD134(OX40、例えば、GenBankアクセッション番号AJ277151)、CD137(41BB、例えば、GenBankアクセッション番号L12964、NM_001561)、CD83(例えば、GenBankアクセッション番号AF001036、AL021918)、DEC−205(例えば、GenBankアクセッション番号AF011333、U19271)。
他の細胞表面受容体の例としては、HER1(例えば、GenBankアクセッション番号U48722、SEG_HEGFREXS、KO3193)、HER2(Yoshinoら、1994 J.Immunol.152:2393;Disisら、1994 Canc.Res.54:16が挙げられ;また更に、例えば、GenBankアクセッション番号X03363、M17730、SEG_HUMHER20)、HER3(例えば、GenBankアクセッション番号U29339、M34309)、HER4(Plowmanら、1993 Nature 366:473に参照され;また更に、例えば、GenBankアクセッション番号L07868、T64105)、上皮増殖因子受容体(EGFR)(例えば、GenBankアクセッション番号U48722、SEG_HEGFREXS、KO3193)、血管内皮細胞増殖因子(例えば、GenBank番号M32977)、血管内皮細胞増殖因子受容体(例えば、GenBankアクセッション番号AF022375、1680143、U48801、X62568)、インスリン様増殖因子−I(例えば、GenBankアクセッション番号X00173、X56774、X56773、X06043が参照され、また更に、欧州特許第GB 2241703号が参照される)、インスリン様増殖因子−II(例えば、GenBankアクセッション番号X03562、X00910、SEG_HUMGFIA、SEG_HUMGFI2、M17863、M17862)、トランスフェリン受容体(Trowbridge and Omary、1981 Proc.Nat.Acad.USA 78:3039が参照され;また更に、例えば、GenBankアクセッション番号X01060、M11507を参照)、エストロゲン受容体(例えば、GenBankアクセッション番号M38651、X03635、X99101、U47678、M12674)、プロゲステロン受容体(例えば、GenBankアクセッション番号X51730、X69068、M15716)、卵胞刺激ホルモン受容体(FSH−R)(例えば、GenBankアクセッション番号Z34260、M65085)、レチノイン酸受容体(例えば、GenBankアクセッション番号L12060、M60909、X77664、X57280、X07282、X06538)、MUC−1(Barnesら、1989 Proc.Nat.Acad.Sci.USA 86:7159が参照され;また更に、例えば、GenBankアクセッション番号SEG_MUSMUCIO、M65132、M64928参照)、NY−ESO−1(例えば、GenBankアクセッション番号AJ003149、U87459)、NA17−A(例えば、欧州特許第WO 96/40039号)、Melan−A/MART−1(Kawakamiら、1994 Proc.Nat.Acad.Sci.USA 91:3515が参照され;また更に、例えば、GenBankアクセッション番号U06654、U06452)、チロシナーゼ(Topalianら、1994 Proc.Nat.Acad.Sci.USA 91:9461が参照され;また更に、例えば、GenBankアクセッション番号M26729、SEG_HUMTYR0、また更に、Weberら、J.Clin.Invest(1998)102:1258)、Gp−100(Kawakamiら、1994 Proc.Nat.Acad.Sci.USA 91:3515が参照され;また更に、例えば、GenBankアクセッション番号S73003、また更に、欧州特許EP668350;Ademaら、1994 J.Biol.Chem.269:20126)、MAGE(van den Bruggenら、1991 Science 254:1643;また更に、例えば、GenBankアクセッション番号U93163、AF064589、U66083、D32077、D32076、D32075、U10694、U10693、U10691、U10690、U10689、U10688、U10687、U10686、U10685、L18877、U10340、U10339、L18920、U03735、M77481)が参照され、BAGE(例えば、GenBankアクセッション番号U19180、また更に、米国特許第5,683,886号及び同第5,571,711号が参照される)、GAGE(例えば、GenBankアクセッション番号AF055475、AF055474、AF055473、U19147、U19146、U19145、U19144、U19143、U19142)、任意の受容体CTA分類(特にSSX2遺伝子によりコーディングされたHOM−MEL−40抗原を含む)(例えば、GenBankアクセッション番号X86175、U90842、U90841、X86174)、がん胎児性抗原(CEA、Gold and Freedman、1985 J.Exp.Med.121:439;また更に、例えば、GenBankアクセッション番号SEG_HUMCEA、M59710、M59255、M29540)、並びにPyLT(例えば、GenBankアクセッション番号J02289、J02038)、又は同様物に参照される。
リンパ球状態インジケーターは更に、1つ以上のアポトーシスシグナリングポリペプチドを含み得るものであり、この配列は当該技術分野に既知であり、例えば、When Cells Die:A Comprehensive Evaluation of Apoptosis and Programmed Cell Death(R.A.Lockshin Eds.、1998 John Wiley & Sons、New York;また更に、例えば、Greenら、1998 Science 281:1309及びその中に引用されている参考文献;Ferreiraら、2002 Clin.Canc.Res.8:2024;Gurumurthyら、2001 Cancer Metastas.Rev.20:225;Kanducら、2002 Int.J.Oncol.21:165を参照)において概説されている。典型的に、アポトーシスシグナリングポリペプチド配列は、受容体デスドメインポリペプチドの全体又はその一部を含むか、又は受容体デスドメインポリペプチドから誘導され、例えば、FADD(例えば、GenBankアクセッション番号U24231、U43184、AF009616、AF009617、NM_012115)、TRADD(例えば、GenBankアクセッション番号NM_003789)、RAIDD(例えば、GenBankアクセッション番号U87229)、CD95(FAS/Apo−1;例えば、GenBankアクセッション番号X89101、NM_003824、AF344850、AF344856)、TNF−α−受容体−1(TNFR1、例えば、GenBankアクセッション番号S63368、AF040257)、DR5(例えば、GenBankアクセッション番号AF020501、AF016268、AF012535)、ITIMドメイン(例えば、GenBankアクセッション番号AF081675、BC015731、NM_006840、NM_006844、NM_006847、XM_017977;また例えば、Billadeauら、2002 J.Clin.Invest.109:161を参照)、ITAMドメイン(例えば、GenBankアクセッション番号NM_005843、NM_003473、BC030586;また例えば、Billadeauら、2002を参照)、あるいは他の当該技術分野に周知のアポトーシス関連受容体デスドメインポリペプチド、例えば、TNFR2(例えば、GenBankアクセッション番号L49431、L49432)、カスパーゼ/プロカスパーゼ−3(例えば、GenBankアクセッション番号XM_54686)、カスパーゼ/プロカスパーゼ−8(例えば、AF380342、NM_004208、NM_001228、NM_033355、NM_033356、NM_033357、NM_033358)、カスパーゼ/プロカスパーゼ−2(例えば、GenBankアクセッション番号AF314174、AF314175)、などを含む。アポトーシス進行が疑われる生体サンプル中の細胞は、形態変化、透過性変化、生化学的変化、分子遺伝学的変化、又はその他の、当業者にとって明らかである変化について、検査され得る。
これら及び関連方法は、最初に、単一細胞に由来するTCR又はIGヘテロダイマーの両鎖をコードする再構成DNA配列の迅速な決定を可能にする。そのような実施形態は、複数の単一細胞それぞれに由来する適応性免疫受容体をコードする配列の高スループットシークエンシングを可能にすることにより、診断及び予後目的の用途があり、また、TCR又はIGヘテロダイマーの組み合わせ及びその基盤となる分子メカニズムについての免疫学的検査結果を有用に知らせることができる。多数のTCR及び/又はIGヘテロダイマーの両サブユニットに関するDNA配列情報を迅速かつ大規模に入手できることによって、合成抗体技術及び関連分野の開発が促進され、例えば、抗体、あるいは完全又は部分的なTCR又はIG抗原結合領域を、診断、治療、生物模倣、酵素又は触媒(例えばアブザイム)、又はその他の工業的に有用な組成物に、有用に組み入れることができる。本開示により可能となる高スループットTCR及び/又はIGシークエンシングの定量的性質のおかげで、サンプル中に存在するTCR及び/又はIGヘテロダイマー配列の定量的特性付けが高精度になり、特定のT細胞又はB細胞クローンに属する細胞数を決定する能力が有益に改善されることになる。
上述のように、単一の適応性免疫細胞に由来するTCR又はIGヘテロダイマーの両鎖を識別するためのこれらの実施形態により、任意の所与の第2の微小液滴中では、全てのオリゴヌクレオチド増幅プライマーが同じバーコードオリゴヌクレオチドを含むが、別の第2の微小液滴中では、このプライマーセットは異なるバーコード配列を含む。したがって、配列のデータセットを取得するために上述のように取得されたDNAライブラリのシークエンシングの後に、このデータセット中の配列を、同一のバーコード配列を有する配列グループにソーティングすることができ、更にそのようなバーコードグループを、X1又はX2配列(これはV及びJ又はC領域の部分を含む)を有するものにソーティングして、所与の配列が第1のTCR又はIGコーディング鎖(例えば、TCRA又はIGH鎖)あるいは第2のTCR又はIGコーディング鎖(例えば、TCRB又はIGL鎖)のいずれの増幅産物を反映しているかを示すことができる。
バーコード及びTCR又はIG鎖によりこのようにソーティングされた配列は、更に、クラスタリングの様々な既知のアルゴリズムの任意のものを使用して、クラスター分析の対象とすることができ(例えば、BLASTClust、UCLUST、CD−HIT、また更に、IEEE Rev Biomed Eng.2010;3:120〜54.doi:10.1109/RBME.2010.2083647;Clustering algorithms in biomedical research:a review、Xu R、Wunsch DC 2nd;Mol Biotechnol.2005 Sep;31(1):55〜80;Data clustering in life sciences.Zhao Y、Karypis G;Methods Mol Biol.2010;593:81〜107.doi:10.1007/978−1−60327−194−3_5;Overview on techniques in cluster analysis.Frades I、Matthiesen R)、また、共有バーコード配列を有する他の配列とはクラスタリングしないが、単一ヌクレオチドが異なるバーコードを有する配列とはクラスタリングするような配列の場合に、エラー修正の対象とすることができる。例えば、Proc Natl Acad Sci U S A.2012 Jan 24;109(4):1347〜52.doi:10.1073/pnas.1118018109.Epub 2012 Jan 9.Digital RNA sequencing minimizes sequence−dependent bias and amplification noise with optimized single−molecule barcodes.Shiroguchi K、Jia TZ、Sims PA、Xie XS;Proc Natl Acad Sci US A.2012 Sep 4;109(36):14508〜13.doi:10.1073/pnas.1208715109.Epub 2012 Aug 1.Detection of ultra−rare mutations by next−generation sequencing.Schmitt MW、Kennedy SR、Salk JJ、Fox EJ、Hiatt JB、Loeb LAを参照のこと。
したがって、特定の実施形態は、(a)データセット中で識別されるオリゴヌクレオチドバーコード配列に照らして配列のデータセット(上述のように取得される)をソーティングすることにより、それぞれ固有のバーコードを有する複数のバーコード配列セットを取得する工程と;(b)(a)の各バーコード配列セットをX1配列含有サブセット及びX2配列含有サブセットにソーティングする工程と;(c)X1及びX2配列に照らしてX1及びX2配列含有サブセットのそれぞれの構成要素をクラスタリングして、それぞれ、1つ又は複数のX1配列クラスターセット及び1つ又は複数のX2配列クラスターセットを取得する工程と、1つ以上のいずれかの前記X1及びX2配列クラスターセット内の、単一ヌクレオチドバーコード配列のミスマッチをエラー修復する工程と;(d)同じ1つ以上のバーコード配列セットに属するX1及びX2配列クラスターセットの構成要素である、同じ細胞配列に由来するものとして識別する工程と、を含む方法を含む。
非限定的な理論に従い、同じバーコード配列セットと共に生じる第1及び第2の適応性免疫受容体鎖をコードする配列は、同じ融合微小液滴に由来している可能性が非常に高く、よって同じ供給源細胞に由来している可能性が非常に高いことが理解されよう。例えば、10種類の異なるバーコードが第1及び第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーの構築において使用される場合、同じバーコード配列を有する2つの独立の(すなわち異なる細胞に由来する)二本鎖の第1及び第2の生成物が得られる確率は、10分の1である。ゆえに、本明細書に記述される方法に従って、第1及び第2の適応性免疫受容体ポリペプチドをコードする配列(例えば、X1及びX2)の所与のセットの3つ以上のコピーが共通のバーコード配列(例えば、同じバーコード配列セットに属するもの)を共有している場合、それらの配列が独立した細胞供給源に由来しているという確率はゼロに近い。
同様に、本方法に従って取得された配列のデータセットの分析は、ゲノムDNAのリンパ球系細胞供給源の生物学的状態を特性付けるのにも使用できることが理解されよう。例えば、B細胞においてはIGH遺伝子再構成はIGL遺伝子再構成より先に起こることが知られているため、本明細書に記述されるバーコード配列分析は、同じ再構成IGH配列であるが異なるIGL配列を有する複数の単一のリンパ球系細胞ゲノムを明らかにすることができ、免疫のナイーブ細胞におけるこれらの配列の由来を示すことができる。
あるいは、この分析は、T細胞が自身の機能に固有のタンパク質、例えば本明細書で記述されるリンパ球の状態の指標となる分子などを発現しているという観察を活用することができる。例えば、制御性T細胞は、タンパク質FOXP3を発現する。T細胞mRNAから逆転写されたcDNAが、次に増幅される場合、共増幅産物は、TCRB及びTCRA分子をコードするcDNAと共に、例えばFOXP3などの表現型特異的タンパク質をコードする他のmRNAを反映するcDNAを含み得る。このアプローチは、例えば制御性T細胞又はエフェクターT細胞などの、特異的表現型を有するT細胞によって発現される適応性免疫受容体の識別を可能にし得る。
よって、本明細書で提供されるのは、単一リンパ球系細胞内の適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1及び第2のポリペプチド配列をコードする再構成DNA配列を決定するための方法であり、この方法は、(1)単一のリンパ球系細胞又はそこから単離されたゲノムDNAをそれぞれ含む個々の第1の微小液滴(A)を、複数の第2の液体微小液滴からの個々の第2の微小液滴(B)に接触させる工程を含み、この第2の液体微小液滴はそれぞれ、(i)適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1のポリペプチドの第1の相補性決定領域−3(CDR3)をコードする再構成DNA配列を増幅することができる第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットと、(ii)適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第2のポリペプチドの第2の相補性決定領域−3(CDR3)をコードする再構成DNA配列を増幅することができる第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットと、を含む。第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットは、一般式:U1/2−B1−X1の複数のオリゴヌクレオチド配列を有する複数のオリゴヌクレオチドを含む組成物を含み、式中、U1/2は、B1が存在するときに第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含み、B1が存在しないときに第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含む、オリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、B1は存在せず、又は、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の連続するヌクレオチドの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含むオリゴヌクレオチドを含み、またX1は:(a)適応性免疫受容体ヘテロダイマー、又はその相補的配列の前記第1のポリペプチドに対する適応性免疫受容体可変(V)領域コーディング遺伝子配列の、20、30、40又は50個以上、100、90、80、70又は60個以下の連続するヌクレオチドを含むポリヌクレオチドであって、一般式U1/2−B1−X1の複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、X1が固有のオリゴヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチドと、(b)(i)適応性免疫受容体ヘテロダイマー、又はその相補的配列の前記第1のポリペプチドに対する適応性免疫受容体連結(J)領域コーディング遺伝子配列、又は(ii)適応性免疫受容体ヘテロダイマー、又はその相補的配列の前記第1のポリペプチドに対する適応性免疫受容体定常(C)領域コーディング遺伝子配列であって、一般式U1/2−B1−X1の複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、X1が固有のオリゴヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチドと、のうちいずれかの、15〜30個又は31〜50個以上、80、70、60又は55個以下の連続するヌクレオチドを含むポリヌクレオチドと、のうち一方のオリゴヌクレオチドを含む。第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットは、一般式:U3/4−B2−X2の複数のオリゴヌクレオチド配列を有する複数のオリゴヌクレオチドを含む組成物を含み得るものであり、式中、U3/4は、B2が存在するときに第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含み、B2が存在しないときに第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含む、オリゴヌクレオチドを含み、B2は存在せず、又は、B1と同じものからの6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の連続するヌクレオチドの第2のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含むオリゴヌクレオチドを含み、またX2は:(a)適応性免疫受容体ヘテロダイマー、又はその相補的配列の前記第2のポリペプチドに対する適応性免疫受容体可変(V)領域コーディング遺伝子配列の、20、30、40又は50個以上、100、90、80、70又は60個以下の連続するヌクレオチドを含むポリヌクレオチドであって、一般式U3/4−B2−X2の複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、X2が固有のオリゴヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチドと、(b)(i)適応性免疫受容体ヘテロダイマー、又はその相補的配列の前記第2のポリペプチドに対する適応性免疫受容体連結(J)領域コーディング遺伝子配列、又は(ii)適応性免疫受容体ヘテロダイマー、又はその相補的配列の前記第2のポリペプチドに対する適応性免疫受容体定常(C)領域コーディング遺伝子配列であって、一般式U3/4−B2−X2の複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、X2が固有のオリゴヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチドと、のうちいずれかの、15〜30個又は31〜50個以上、80、70、60又は55個以下の連続するヌクレオチドを含むポリヌクレオチドと、のうち一方であるオリゴヌクレオチドを含む。接触させる工程は、第1の微小液滴のうち1つと第2の微小液滴のうち1つとの間の複数回の融合イベントに十分な条件及び時間で行うことができ、ゲノムDNAと第1及び第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットとの間で核酸増幅相互作用を起こすような複数の融合微小液滴を生成し、これによって、1つ以上の前記複数の融合微小液滴それぞれの中に:少なくとも1つの第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、少なくとも1つの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドの少なくとも1つのX1オリゴヌクレオチドV領域コーディング遺伝子配列、少なくとも1つの第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、及び、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドの少なくとも1つのX1オリゴヌクレオチドJ領域又はC領域コーディング遺伝子配列を含む、第1の二本鎖DNA産物を取得する。この条件により更に、1つ以上の前記複数の融合微小液滴それぞれの中に、少なくとも1つの第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、少なくとも1つの第2のオリゴヌクレオチドバーコード配列、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドの少なくとも1つのX2オリゴヌクレオチドV領域コーディング遺伝子配列、少なくとも1つの第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、及び、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドの少なくとも1つのX2オリゴヌクレオチドJ領域又はC領域コーディング遺伝子配列を含む、第2の二本鎖DNA産物を取得することも、可能になる。
この方法は更に、複数の融合微小液滴を破壊して、前記第1及び第2の二本鎖DNA産物の異種混合物を取得する工程と、第1及び第2の二本鎖DNA産物の混合物を、第3の増幅プライマーセット及び第4の増幅プライマーセットと接触させる工程とを含む。いくつかの実施形態において、第3の増幅プライマーセットは、(i)第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とをそれぞれ含む、複数の第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド、及び(ii)第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列と特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とをそれぞれ含む、複数の第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、を含む。他の実施形態において、第4の増幅プライマーセットは、(i)第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第3シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とをそれぞれ含む、複数の第3シークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド、及び(ii)第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第4シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とをそれぞれ含む、複数の第4シークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、を含む。接触させる工程は、(2)の第1及び第2の二本鎖DNA産物の両方の鎖を増幅するのに十分な条件及び時間で実施することができ、これによりシークエンシングのためのDNAライブラリを得ることができる。この方法は更に、(3)で取得したライブラリをシークエンシングして、DNA適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1及び第2のポリペプチド配列をコードする配列のデータセットを取得する工程を含む。
図2は、単一のリンパ球系細胞又はゲノムDNAを含む複数の第1の微小液滴210が、複数の個々の第2の微小液滴220と融合して、複数の融合微小液滴230を形成する、一方法を示す。複数の第2液滴には、本明細書に記述されるように、増幅プライマーセットを含ませることができ、この融合した液滴は、増幅プライマーが微小液滴内の単一のリンパ球系細胞に見出されるDNA、又はゲノムDNA(又はcDNA)を増幅できるような条件下に置くことができる。
これら及び関連の実施形態により、例えばIGH+IGL、又はIGH+IGK、又はTCRA+TCRB、又はTCRG+TCRDなどの、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの同じ細胞由来の両鎖をコードする再構成遺伝子の高スループットシークエンシングが可能となる。このアプローチはまた、有利に、所与のTCR又はIGを有するたくさんの細胞を定量することが可能である。代表的な実施形態の模式図を図3に示す。これにより、上述のものに非常に類似しているものの、明らかに、単一のリンパ球系細胞由来のDNAを、本明細書に記述される第1及び第2の増幅プライマーセットに接触させて、第1の増幅反応を実施して、固有の分子タグ付加バーコードを単一微小液滴(これは例えば、RainDance(商標)微小液滴デジタルPCRシステム(RainDance Technologies、Lexington、MA)(例えば、Pekinら、2011 Lab.Chip 11(13):2156;Zhongら、2011 Lab.Chip 11(13):2167;Tewheyら、2009 Nature Biotechnol.27:1025;2010 Nature Biotechnol.28:178)又は他の匹敵するシステム内で使用するための乳剤から形成されるものなど)内に組み込む工程を備える工程が実施され、このいずれも、本明細書に記述される組成物及び方法で使用するため、当業者によって適合され得る。複数の固有の分子タグ付加バーコードを複数の個別のdsDNA産物に組み込んだ後、微小液滴は破壊されてよく、シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチドの増幅及び導入を含む確認工程が、本明細書に記述されかつ図3に示すように実施され得る。
これら及び関連の実施形態において、単一のタグ付加バーコード(BC1)は、全てのJプライマー(又は特定の実施形態においては全てのVプライマー)によって共有されてよく、特異的及び事前識別されたバーコード配列の有限のセットを備えたそのようなプライマーを作製することが望ましい場合がある。ただし、第1段階では、所与の微小液滴内に、単一のタグ付加バーコード配列(BC1)のみが存在する。ゆえに、本明細書で提供されるように複数の異種リンパ球系細胞を含むサンプルで開始して実践されるシークエンシング工程の後、大規模で多様な配列情報のセットが得られた後であっても、そのような情報の分析は、同じタグ付加バーコード(BC1)を含む第1及び第2のTCR又はIGヘテロダイマーポリペプチド鎖をコードする配列の決定を含み得るものであり、これにより、確率的根拠によって、両鎖が同じ細胞の産物であるという可能性が非常に高いことが示される。したがって、本開示は初めて、同じ細胞内で発現されるTCR又はIgヘテロダイマーの両鎖のサンプルにおける相対的表現を決定及び定量するための組成物及び方法を提供する。
微小液滴を用いないクローン性ヘテロダイマーの配列決定
特定の他の実施形態により、単一細胞の第1及び第2の適応性免疫受容体ヘテロダイマーポリペプチド配列をコードする再構成DNA配列の決定は、それぞれ、単一のリンパ球系細胞ゲノムDNA(又はそのmRNAから逆転写されたcDNA)、及びオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットを含む、第1及び第2の微小液滴の別個の集団を最初に調製せずとも達成することができる。
代わりに、これら代替の実施形態では、リンパ球系細胞含有細胞懸濁液(例えば、対象由来の血液細胞調製液、又はその細胞亜集団)の細胞を、複数の容器(例えば、マルチウェル細胞培養プレート又はアッセイプレートの複数のウェルなど)(例えば、96ウェル、384ウェル、又は1536ウェル形式)に分注することによって、亜集団に分けることが想到される。当業者には、ウェル、容器、試験管、コンパートメント、又は同様物当たりで望ましい数の細胞を得るために、例えば、蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)を用いて、又は自動化少量吐出装置で、又は限界希釈によって、そのような複数の容器に細胞懸濁液を分配する、数多くの装置及び方法が周知である。特定の実施形態において、各容器に実質的に同じ数の細胞を分配することが好ましい場合があるが、特定の他の想到される実施形態ではそのように限定する必要はない。
簡潔に言うと、これら及び関連の実施形態により、個別に分けられたリンパ球系細胞亜集団は、逆転写(RT)工程中に付随して標識されるcDNA分子を生成する逆転写のための鋳型として使用されるmRNA分子を提供し得る(図4及び5を参照)。図4は、オリゴヌクレオチドバーコードとユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列のcDNAへの組み込みを導くオリゴヌクレオチド逆転写プライマーを使用することによる、逆転写中の適応性免疫受容体ポリペプチドコーディングcDNAの標識付けの模式図を示す。cDNA鎖は、pGEX−Rev配列、バーコードBC及びN6スペーサー配列(BC−N6)、及び「Cn−RC」配列を含むプライマーで増幅される。増幅されたcDNA鎖の3’端は、pGEX−FRC配列、バーコードBC−N6スペーサー配列、及び「Smarter UAll」配列を含む。増幅されたcDNAのウェル又は容器をプールし、この第1のcDNA鎖プールに、SPRIビーズ精製を実施する。PCR増幅は、テーリングpGEX F/R配列を使用して実施される。アンプリコンが精製され、サイズに基づいて選択される。結果として得られるcDNAアンプリコンを図4に示す。
図5は、オリゴヌクレオチドバーコードとユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列のcDNAへの組み込みをもたらすオリゴヌクレオチド逆転写プライマーを使用することによる、逆転写中の適応性免疫受容体ポリペプチドコーディングcDNAの標識の模式図を示す。図6は、逆転写中に、オリゴヌクレオチドバーコード配列及びユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の組み込みをもたらすオリゴヌクレオチド逆転写プライマーを使用して標識し、増幅させた、適応性免疫受容体ポリペプチドコーディングcDNAの、Illuminaシークエンシングアダプタによる修飾後にシークエンシングを受ける、DNA産物の模式図を示す。
本明細書に提供されるように、そのような実施形態におけるオリゴヌクレオチドRTプライマーは、例えばV、J又はC領域配列などの適応性免疫受容体コーディング領域を標的として特異的にハイブリッド形成するオリゴヌクレオチド配列を含み、更に、本明細書に記述されるユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列と共に、分子標識としてのオリゴヌクレオチドバーコード配列を含む。したがって、適応性免疫受容体コーディングmRNAからの逆転写プロセスは、(i)供給源識別子としてのオリゴヌクレオチドバーコード配列、及び(ii)本明細書に記述される自動化高スループットシークエンシングを促進するためのユニバーサルアダプタを、cDNA産物に組み込むことによって達成され得る。説明のために非限定的に述べると、これらの実施形態の特定のものにおいて、単一の特定の容器(例えばマルチウェルプレートのうち1つのウェル)の内容物と接触させる、オリゴヌクレオチドRTプライマーセット内の全てのRTプライマーは、共通のバーコードオリゴヌクレオチド配列(B)を共有し、異なるバーコードオリゴヌクレオチド配列(B)は、別個の各容器(例えばマルチウェルプレートの各ウェル)に存在する。
例えば、細胞懸濁液(例えば、血液細胞又はその分画、例えば有核細胞、リンパ球系細胞など)は、マルチウェルプレートの異なるウェルに不規則に分注することによって分け、細胞をサブセットに物理的に分離することができる。各ウェルの細胞のサブセットは、任意の数の従来手順に従って溶解又は他の方法で処理し、細胞内に存在するmRNAを放出させることができ、mRNAには、細胞により発現されているTCR(例えば、TCRA及びTCRB、又はTCRG及びTCRG)又はIG(例えば、IGH及びIGL)ヘテロダイマーの両鎖をコードしているmRNAが含まれてよく、また更に、1つ以上のリンパ球の状態の指標となる分子をコードするmRNAも含まれ得る。
mRNAは、次に、本明細書に記載されるように、分けられた各ウェル内で、cDNA産物に導入できるオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセット(TCR又はIGをコードする配列又はその相補体にリンクされている固有のオリゴヌクレオチドバーコード配列)を使用して、確立した逆転写(RT)プロトコルの改変によるcDNA合成の鋳型として使用することができる(例えば、図4〜5を参照)。バーコードの外側(例えば、TCR又はIGをコードする配列の、バーコードよりも遠位側)で、オリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットは、本明細書に記述されるユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列及び/又はその他の既知のオリゴヌクレオチド配列の特性(例えば、自動化高スループット定量シークエンシングとの適合性があるものなどの、下流の増幅、プロセシング、及び/又は操作工程を促進し得るようなもの)を導入するよう設計することができる。
逆転写されたcDNA産物のDNA増幅の後、マルチウェルプレートの所与のウェル内にある増幅されたDNA分子それぞれが同じオリゴヌクレオチドバーコード配列を有し、一方、異なる各ウェル内の増幅産物のバーコード配列は互いに区別される。このようにして、各ウェル内で、適応性免疫受容体ヘテロダイマー(例えば、IGH及びIGL、TCRA及びTCRB、TCRG及びTCRD)のいずれかの鎖をコードする全てのDNA分子が、同じオリゴヌクレオチドバーコード配列を有する。
増幅産物をプールし、本明細書の他の場所で記述されているように自動化高スループットDNAシークエンシングを使用して定量的にシークエンシングして配列のデータセットを取得することができ、データセットには、関連するオリゴヌクレオチドバーコード配列と共にTCR及び/又はIG配列が含まれる。本明細書で開示されるように、特定の好ましい実施形態において、配列のデータセットは、組み合わせ論アプローチにより解析することができ、これにより、適応性免疫受容体ヘテロダイマーサブユニットをコードする配列の特定のペアをマッチングして、同じリンパ球系細胞に由来するものとして識別することができる。
非限定的な例示の実施例として、配列の仮想データセットを、リンパ球系細胞懸濁液を分注した100ウェルのセットから取得することができる。各ウェルで、細胞のmRNA cDNAが、TCRAをコードする配列及びTCRBをコードする配列のそれぞれに特異的な第1及び第2のオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットを使用して逆転写される。このオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットは更に、各個別のウェル内のcDNA産物に、異なるオリゴヌクレオチドバーコード配列を導入する。もし仮説的に、単一の共通のクローン供給源を有するT細胞(例えば、同一のTCRA/B配列を発現するT細胞)が100ウェルのうち異なる5つのウェルに無作為に分注された場合、その配列データセットには5つの別個のインスタンスが含まれ、TCRA及びTCRB配列の固有のペアが、同一のバーコード配列を共有するDNA増幅産物中に生じる。換言すれば、5つの別個のウェルのそれぞれにおいて、オリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットが、同一の再構成TCRA及びTCRB配列を有するcDNAの生成を促進するが、各ウェルのcDNA産物は、異なる、ウェル固有のバーコード配列を含む。非限定的な理論により、確率論的根拠に基づいて、固有のTCRA/TCRB配列ペアは同じT細胞クローンに由来し、同じクローンのメンバーが5つの異なるウェルに無作為に分注されたものである可能性が非常に高い。
特定の実施形態により、単一のリンパ球系細胞内の適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1及び第2のポリペプチド配列をコードする再構成DNA配列を決定するためのこの高スループットな方法の更に詳細な説明は、次の通りである:
リンパ球系細胞を、密度勾配遠心分離(例えば、FicollPaque(登録商標)、GE Healthcare Bio−Sciences(Piscataway、NJ))、又は抗体コーティングされた磁気ビーズ(例えばCD45ビーズ、Miltenyi Biotec(Auburn、CA))のいずれかを用いて、抗凝血処理された全血サンプルから単離する。あるいは、Tリンパ球を、CD3+磁気ビーズに結合させることによって全血サンプルから精製し、Bリンパ球を、CD19+磁気ビーズに結合させることによって全血サンプルから精製することができる。単離された細胞集団は、次に、生存性を確認することができる。死細胞は、例えばMiltenyi Biotec Dead Cell Removal kitを使用して、フィルターによりサンプルから除去することができる。用途に応じて、単離したリンパ球系細胞の生細胞(例えば、ソーティングされていない末梢血単核細胞(PBMC)に存在し得るものとして、又は特定の細胞サブセットの調製物として)を、短期間細胞培養で培養することができ、更に特定の実施形態において、細胞は数多くの既知の活性化パラダイムの任意のものによって(例えば、サイトカイン、ケモカイン、特定の抗体、分裂促進因子、ポリクローナル活性化因子などのうち1つ以上に曝露させることによって)活性化させることができる。最終的な細胞サンプルは、この細胞を培地(例えば、10%ウシ胎児血清を含むRPMI)又は適切な等張緩衝液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水、PBS)の中に再懸濁させ、細胞凝集を防止する薬剤(例えば、0.1% BSA、1% Pluronic(登録商標)F−68)を添加することにより調製することができる。あるいは、全血又はPBMCを、ソーティングせずに利用することができる。最も一般的な場合として、B又はT細胞を含む水溶液中懸濁液として存在する任意の細胞セットを使用することができる。
複数のリンパ球系細胞を含む細胞調製物は、複数の物理的に分かれたサブセットに分けられ、例えば、細胞を収容し得る複数の容器又はコンパートメントに、細胞懸濁液を分配することによって、リンパ球系細胞の亜集団をそれぞれ収容する複数の容器又はコンパートメントを取得し、各亜集団は1つのリンパ球系細胞又は複数のリンパ球系細胞を含み、かつ各容器又はコンパートメントは物理的に分かれていて、内容物は互いに流体連通していない。好ましくは、細胞は、各容器が実質的に等しい数の細胞を収容するように、複数の容器に分配又は分けられ、これにより、各容器内には同じ数の細胞を存在させることができ、あるいは、各容器内に存在する細胞の数を、他の容器内の細胞の数の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21〜30、31〜50、51〜70、71〜80、又は81〜100パーセントとすることができる。代表的な容器は、例えば6ウェル、12ウェル、24ウェル、48ウェル、96ウェル、384ウェル、又は1536ウェルのマルチウェルプレートなどのマルチウェル培養プレート又はアッセイプレート、又はその他のマルチウェルプレート形式のウェルであってよく、また、試験管アレイ、フィルター、微細化ウェルアレイ、レーザー生成マトリックス、又は、細胞を収容できるような任意の他の好適な容器も想到される。特定の代表的な実施形態において、細胞は、蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)により複数の容器に分配することができる。所定の数の細胞を単離し、ソーティングし、FACSを使用してマルチウェル(例えば、96、384又は1536)反応プレートに配置することができる。マルチウェルプレートに細胞の調製物のソーティングが可能なフローサイトメーターを使用して、任意の数の方法及び器具を採用することができる(例えば、Beckton Dickinson FACSAria(登録商標)III、Beckman MoFlo(商標)XDPなど)。FACSによって、抗体染色、バイアビリティ染色、又は特定の細胞染色試薬の多色組み合わせによって、特定の細胞サブセットを単離することが可能になる。細胞選別機を採用して、標的細胞を計数し、所定の数の細胞を採取マルチウェルプレートの各ウェルに配置することができる(10〜20%CV)。あるいは、好ましくは高密度マイクロウェルプレート(384、1536、3456ウェル)に均一な細胞懸濁液の非接触吐出が可能な自動化微量(ウェル当たり容量nL〜μL)ディスペンサー、例えばBeckman Coulter BioRAPTR FRD(商標)、LambdaJet(商標)IIIMT(Thermo Fisher Scientific)、CyBi(商標)Drop(Jena Analytik)、Furukawa Perflow(商標)、又は類似の機器を使用して、高い精度及び再現性(10〜20%CV)で分取マルチプレートの各ウェルに、所定の数の細胞を配置することができる。
適応性免疫受容体をコードするポリヌクレオチド配列を、次に、固有の、ウェル特異的なバーコードオリゴヌクレオチドを全サンプルに付着させた各ウェルから増幅させる。これを行う方法の1つは、逆転写工程中に、逆転写により細胞mRNAをcDNAに変換し、次にオリゴヌクレオチドバーコードの形態の分子標識をこのcDNA産物に付加するものである。ウェル内の各ヘテロダイマー適応性免疫受容体分子の両鎖、例えば、免疫グロブリン重鎖及び軽鎖、TCRA及びTCRB鎖、並びにTCRG及びTCRD鎖などをコードするmRNAに対して相補的なcDNAに、同じバーコードを追加することができる。この実施形態及び関連の実施形態において、抗原受容体をコードする配列は、mRNAからの逆転写により生成されたcDNAから増幅され、ゲノムDNA(gDNA)は増幅されない。これを行うために、マイクロウェルプレートの各ウェルには、RNA分解酵素阻害剤を含む培地、並びに、細胞内のRNAを保護するため(例えばQiagen RNAlater(商標)、Qiagen、Valencia、CA)、又は細胞を溶解させてRNAを単離するため(Trizol、グアニジウムイソシアネート−Qiagen RNeasy(商標)など)設計された培地を、含めることができる。次に、抽出された全細胞RNAを、別のマルチウェルプレートに移して、ロボットによる液体操作を用いて逆転写反応させることができる。あるいは、ソーティングされた細胞を、RNA分解酵素阻害剤を含む逆転写反応混合物中に直接溶解させることができる。逆転写反応(RT)は、適切な緩衝液、dNTP、酵素(逆転写酵素)及びオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットを含む反応混合物に、細胞RNAを曝露させることによって、開始することができる。これらのプライマーは一般に、IgG、IgM、IgA、IgD、IgE、Igκ、Ig λ、TCR α、β、γ及びδ定常領域(C断片)遺伝子特異的オリゴヌクレオチド配列、並びに、ユニバーサル鋳型切り替えオリゴヌクレオチド(例えば、Clontech Smarter(商標)UAIIオリゴヌクレオチド(Clontech、Mountain View、CA))にアニーリングし得る複数のプライマーのサブセットを含む。例えば、C断片遺伝子特異性プライマー、又はSmarter(商標)UAIIオリゴヌクレオチドのいずれか、又はこれら両方が、DNAバーコードで固有にタグ付加され、これは固有の配列の6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、...個の塩基対長である。RT反応プレートの各ウェルは、同じ複数のプライマーを含み、混合液中の各プライマーは同じDNAバーコードでタグ付加されるが、各ウェル内では異なるバーコードが使用される。よって、逆転写反応が終了すると、所与のウェルの第1鎖のcDNA分子は、同一のDNAバーコード配列でバーコード付けされる。
Figure 2015519909
したがって、複数の容器に細胞を分配する工程の後、この容器のそれぞれに、複数の容器中のリンパ球系細胞内のmRNA逆転写を促進するのに十分な条件及び時間で、第1及び第2のオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットを接触させ、(A)第1のオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットは、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの複数の第1のポリペプチドをコードする複数の第1のmRNA配列を逆転写することができ、(B)第2のオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットは、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの複数の第2のポリペプチドをコードする複数の第2のmRNA配列を逆転写することができ、かつ:(I)第1のオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットは、一般式:
U1/2−B1−X1
の複数のオリゴヌクレオチド配列を有する複数のオリゴヌクレオチドを含む組成物を含み、式中、U1/2は、B1が存在するときに第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含み、B1が存在しないときに第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含む、オリゴヌクレオチドを含み、B1は存在せず、又は、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の連続するヌクレオチドの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含むオリゴヌクレオチドを含み、またX1は:(a)適応性免疫受容体ヘテロダイマー、又はその相補的配列の前記第1のポリペプチドに対する適応性免疫受容体可変(V)領域コーディング遺伝子配列の、20、30、40又は50個以上、100、90、80、70又は60個以下の連続するヌクレオチドを含むポリヌクレオチドであって、一般式U1/2−B1−X1の複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、X1が固有のオリゴヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチドと、(b)(i)適応性免疫受容体ヘテロダイマー、又はその相補的配列の前記第1のポリペプチドに対する適応性免疫受容体連結(J)領域コーディング遺伝子配列、又は(ii)適応性免疫受容体ヘテロダイマー、又はその相補的配列の前記第1のポリペプチドに対する適応性免疫受容体定常(C)領域コーディング遺伝子配列のいずれかの、15〜30個又は31〜50個以上、80、70、60又は55個以下の連続するヌクレオチドを含むポリヌクレオチドと、のうち一方であるオリゴヌクレオチドを含み、一般式U1/2−B1−X1の複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、X1は固有のオリゴヌクレオチド配列を含み、更に、(II)第2のオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットは、一般式:
U3/4−B2−X2
の複数のオリゴヌクレオチド配列を有する複数のオリゴヌクレオチドを含む組成物を含み、式中、U3/4は、B2が存在するときに第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含み、B2が存在しないときに第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含む、オリゴヌクレオチドを含み、B2は存在せず、又は、複数の容器のうち単に1つと接触する第1及び第2の逆転写プライマーセットそれぞれについて、B1と同じ、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の連続するヌクレオチドの第2のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含むオリゴヌクレオチドを含み、またX2は:(a)適応性免疫受容体ヘテロダイマー、又はその相補的配列の前記第2のポリペプチドに対する適応性免疫受容体可変(V)領域コーディング遺伝子配列の、20、30、40又は50個以上、100、90、80、70又は60個以下の連続するヌクレオチドを含むポリヌクレオチドであって、一般式U3/4−B2−X2の複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、X2が固有のオリゴヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチドと、(b)(i)適応性免疫受容体ヘテロダイマー、又はその相補的配列の前記第2のポリペプチドに対する適応性免疫受容体連結(J)領域コーディング遺伝子配列、又は(ii)適応性免疫受容体ヘテロダイマー、又はその相補的配列の前記第2のポリペプチドに対する適応性免疫受容体定常(C)領域コーディング遺伝子配列のいずれかの、15〜30個又は31〜50個以上、80、70、60又は55個以下の連続するヌクレオチドを含むポリヌクレオチドと、のうち一方であるオリゴヌクレオチドを含み、一般式U3/4−B2−X2、X2の配列の複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれは固有のオリゴヌクレオチド配列を含み、前記接触させる工程は、前記複数の容器の1つ以上のそれぞれに、少なくとも1つの第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、少なくとも1つの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドの少なくとも1つのX1オリゴヌクレオチドV領域コーディング遺伝子配列、少なくとも1つの第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、及び適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドのうち少なくとも1つのX1オリゴヌクレオチドJ領域又はC領域コーディング遺伝子配列、を含む第1の逆転写された相補的DNA(cDNA)産物を取得するのに十分な条件及び時間で実施され、また、前記複数の容器のうち1つ以上のそれぞれで:少なくとも1つの第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、少なくとも1つの第2のオリゴヌクレオチドバーコード配列、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドの少なくとも1つのX2オリゴヌクレオチドV領域コーディング遺伝子配列、少なくとも1つの第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、及び、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドの少なくとも1つのX2オリゴヌクレオチドJ領域又はC領域コーディング遺伝子配列を含む、第2逆転写されたcDNA産物を取得するのに十分な条件及び時間で実施される。
接触工程の後、複数の容器に由来する第1及び第2の逆転写されたcDNA産物を合わせて、逆転写されたcDNA産物の混合物を取得する工程が実施される。
この合わせる工程の後、第1及び第2の逆転写されたcDNA産物の混合物を、第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセット及び第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットと接触させ、第1の増幅プライマーセットは(i)第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とをそれぞれ含む、複数の第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド、及び(ii)第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列と特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とをそれぞれ含む、複数の第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、を含み、かつ、第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットは(i)第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第3シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とをそれぞれ含む、複数の第3シークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド、及び(ii)第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第4シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とをそれぞれ含む、複数の第4シークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、を含み、前記接触させる工程は、第1及び第2の逆転写されたcDNA産物の両方を増幅するのに十分な条件及び時間で実施され、これによりシークエンシングのためのDNAライブラリを取得する。
シークエンシングのためのDNAライブラリがそのように得られた後、これに続く工程において、DNAライブラリのシークエンシングが実施され、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1及び第2のポリペプチド配列をコードする配列のデータセットが取得される。
次に、配列のデータセットの分析を、主に本明細書の他の箇所で記述されているように実施して、単一の(すなわち同一の)リンパ球系細胞に由来する適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1及び第2のポリペプチドをコードする再構成DNA配列が決定される。簡潔に言うと、この方法は更に、次の工程を含み得る:(a)データセット中で識別されるオリゴヌクレオチドバーコード配列に照らして配列のデータセットをソーティングすることにより、それぞれ固有のバーコードを有する複数のバーコード配列セットを取得する工程と、(b)(a)の各バーコード配列セットをX1配列含有サブセット及びX2配列含有サブセットにソーティングする工程と;(c)X1及びX2配列に照らしてX1及びX2配列含有サブセットのそれぞれの構成要素をクラスタリングして、それぞれ、1つ又は複数のX1配列クラスターセット及び1つ又は複数のX2配列クラスターセットを取得する工程と、1つ以上のいずれかの前記X1及びX2配列クラスターセット内の、単一ヌクレオチドバーコード配列のミスマッチをエラー修復する工程と;(d)既知のX1及びX2配列に基づいて第1及び第2の適応性免疫受容体ヘテロダイマーポリペプチドをコードする配列それぞれを識別する工程を含み、各X1配列及び各X2配列は、1つ又は複数の固有のB配列に関連付けられ、各B配列関連X1配列及び各B配列関連X2配列が由来する容器を識別する工程と;(e)共通の第1及び第2の適応性免疫受容体ヘテロダイマーポリペプチドをコードする配列とB配列が一致する確率に基づいて、(d)のB配列関連X1及びX2配列を共通クローン源として組み合わせてマッチングする工程と、これにより、単一リンパ球系細胞に由来する適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1及び第2のポリペプチド配列をコードする再構成DNA配列を決定する工程。
したがって、要約すると、本明細書に開示される特定の実施形態において、例えば、ユニバーサルアダプタ配列を、ウェル固有のバーコードの外側の各cDNA分子の各末端に合成することによって、シークエンシングアダプタを、全ての逆転写/増幅されたTCR及び/又はIGコード断片のそれぞれの末端に付着させることができる。次にこのアダプタを、テーリングPCR反応において、各分子の上に合成することができる。そのような実施形態において、融合RTプライマーが合成され、第1のcDNA鎖合成に使用することができる。これらのプライマーは全て、同じ固有のDNAバーコード、並びにユニバーサル(例えば、pGEX)プライミング部位を含む。逆転写により第1のcDNA鎖合成が完了した後、全プレートウェルの内容物を定量的な方法で回収してプールし(例えばトラフ上で、上下を返し遠心分離によって)、精製した後、次世代配列分析システム(例えば、Illumina(San Diego、CA))を用いた増幅及びシークエンシングに使用するための配列を組み込むよう設計された「テール」配列を含むユニバーサルアダプタプライマー(pGEX)と共に、PCR用の複数のウェルに分ける。あるいは、シークエンシングプラットフォーム固有のアダプタを、タグ付加された分子の端に結合させることができる(例えば、Illumina TrueSeq(商標)サンプル調製方法)。全てのウェルからの分子がプールされ、固有にタグ付加されたBCR又はTCR ds−cDNA産物の高度に複雑なシークエンシングライブラリが生成される。この分子は全て、高スループットシークエンシングを用いてシークエンシングされる。
シークエンシングプラットフォーム特異的アダプタに相補的であるユニバーサルシークエンシングプライマーを、望ましいように使用することができる。これにより、複数サンプルのサンプルインデクシングが可能になり、96、384、1536ウェルなどの元のRT反応ウェルに由来する、固有にタグ付加されたIGH/TCR産物の各プールについて、サンプル固有のインデックスが使用される。あるいは、ユニバーサルUAII−フォワード/マルチプレックス化V、J又はCリバースプライマーの混合物によるマルチプレックス化PCRを使用して、元の細胞転写物のバーコードを保存しつつ特定の標的フラグメントを増幅することができる。Illuminaシークエンシングプラットフォーム(MiSeq(商標))が使用される場合、2x 250bpのペアドエンドシークエンシングが、BCR/TCR重鎖及び軽鎖(α/β;γ/δ)配列全体の大半をカバーし、これによって、各受容体ドメインのコード配列全体のリカバリーが可能になる。あるいは、リード長の延長されたシークエンシングプラットフォーム(Roche 454、Life Ion Torrent、OGTなど)を使用して、一方向の単回シークエンシングリードで全ライブラリフラグメントを通して読み取ることができる。シークエンシングの後、複数のサンプルが同じシークエンシングレーンにあった場合は、各サンプルからのリードがマルチプレックス化解除される。マルチプレックス化解除は、ユニバーサルシークエンシングアダプタの一部として使用された複数のインデックスのうち1つに、シークエンシングリードを割り当てることによって、実施することができる。各サンプルのマルチプレックス化が解除されたシークエンスリードについて、全てのリードが、ウェル固有のバーコードによって分割され得る。固有のバーコードでの各リードセットを、別々にクラスター化して、PCR及びシークエンシングのエラーを修正し、各バーコードについて固有の配列を決定することができる。
バーコードによって、及びTCR又はIG鎖によってそのようにソーティングされた配列には、更に、クラスタリングの既知の様々なアルゴリズム(例えば、BLASTClust、UCLUST、CD−HIT)の任意のものを使用して、クラスター分析を行い、共有バーコード配列を有する他の配列とのクラスタリングはできないものの、代わりに、単一ヌクレオチドが異なるバーコードを有する配列とのクラスタリングはできるような配列の場合には、エラー修正を行うことができる。固有の配列は、既知の受容体配列との配列マッチングによって、IG重鎖又は軽鎖(κ又はλ)鎖、又はTCR(α又はβ;γ又はδ)鎖として識別することができる。したがって、各重鎖及び軽鎖配列は、元のサンプルウェル位置に対応するバーコードのリストに関連付けることができる。このデータは次に、配列により並べ替えることができる。固有の配列それぞれに関連付けられるのは、マルチウェルプレートのウェル固有のバーコードセットで、このセットの中に配列が見出される。あらゆるB又はT細胞クローンについて、重鎖及び軽鎖配列は、クローンの1つ以上のコピーが存在する全てのウェルに由来するバーコードと関連付けることができる。次に組み合わせ論を使用して、同じクローン由来の重鎖及び軽鎖をマッチングすることができる。例えば、96ウェルプレートにおいて、特定の重鎖及び軽鎖配列が両方とも同じ12個のバーコードに関連付けられている場合、この2つの配列が96個のうち正確に同じ12個のバーコードを無作為に有する確率がごくわずかである限りにおいて、この特定の重鎖及び軽鎖のペアは、同じクローンに由来するものであると推定することができる。
例示的アルゴリズム:非限定的な理論に従い、同じバーコード配列セットと共に生じる第1及び第2の適応性免疫受容体鎖をコードする配列は、同じプレートウェルに由来している可能性が非常に高く、よって同じ供給源細胞に由来している可能性が非常に高いことが理解されよう。例えば、第1及び第2のオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットの構成体において10個の異なるバーコードが使用される場合、各プレート当たり1個の細胞がソーティングされているとき、2つの独立する(すなわち、異なる細胞に由来する)二本鎖cDNAの第1及び第2産物が同じバーコード配列を有して取得される確率は、10分の1である。
ゆえに、本明細書に記述される方法に従って、第1及び第2の適応性免疫受容体ポリペプチドをコードする配列(例えば、X1及びX2)の所与のセットの3つ以上のコピーが共通のバーコード配列(例えば、同じバーコード配列セットに属するもの)を共有している場合、それらの配列が独立した細胞供給源に由来しているという確率はゼロに近い。
特定の実施形態において、バーコードオリゴヌクレオチドB(B1、B2)は所望により、第1及び第2のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含んでもよく、第1のバーコード配列は、特定のVオリゴヌクレオチド配列を固有に識別するよう選択され、第2のバーコード配列は、特定のJオリゴヌクレオチド配列を固有に識別するよう選択される。バーコードオリゴヌクレオチドB1及びB2と、ユニバーサルアダプタ(U)の相対的な配置によって、自動化DNAシークエンサー(例えば、Illumina HiSeq(商標)、Illumina MiSEQ(登録商標)又はGeneAnalyzer(商標)−2、Illumina Corp.,San Diego,CA)による短い配列リードと、ペアエンドシークエンシングによる、所与の固有の鋳型オリゴヌクレオチドの増幅産物の迅速な識別及び定量を有利に行うことができる。とりわけ、これら及び関連する実施形態によって、増幅産物中に存在するV及びJ配列の特定の組み合わせを迅速に高スループットで決定することができ、それによって、例えば再構成されたTCR又はBCRをコードするDNAを含むサンプルなどの、サンプル中に存在し得るV特異的プライマー及びJ特異的プライマーの各組み合わせについて、標的をアニーリングする相対的な表現を特性付けることができる。増幅産物の識別及び/又は量の検証は、より長い配列リードにより達成され得る。
TCR及びIg遺伝子座の非再構成ゲノムDNA配列、及びこのような遺伝子座にて生産的に再構成されたDNA配列とそれらのコードされた産物を含む、多数の適応性免疫受容体可変(V)領域と連結(J)領域遺伝子配列が、ヌクレオチド及び/又はアミノ酸配列として既知である。例えば、U.S.A.N.13/217,126号、U.S.A.N.12/794,507号、国際出願US2011/026373号、及び国際出願US2011/049012号を参照のこと。本開示の組成物及び方法に含まれるオリゴヌクレオチドの設計及び生産のために、これら及び他の当該技術分野で周知の配列を本開示に従って使用することができる。
V領域特異的オリゴヌクレオチドには、適応性免疫受容体(例えば、TCR又はBCR)可変(V)領域の遺伝子配列、又はその相補的配列の、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400又は450個以上、1000、900、800、700、600又は500個以下の連続するヌクレオチドのポリヌクレオチド配列が含まれ、複数のオリゴヌクレオチド配列Vは、固有のオリゴヌクレオチド配列を含む。ヒト及び他の種のTCR及びBCR V領域遺伝子のゲノム配列は既知であり、Genbankのような公的データベースから利用可能であり、V領域遺伝子配列は、発現され、再構成されたTCR及びBCR遺伝子産物をコードするポリヌクレオチド配列を含み、またV領域遺伝子座において同定されている疑似遺伝子のポリヌクレオチド配列を含む。本明細書で開示されたオリゴヌクレオチドに組み込まれ得る多種多様なVポリヌクレオチド配列は、長さ、ヌクレオチド組成(例えば、GC含量)及び実際の直鎖ポリヌクレオチド配列において、非常に多様であり、例えば、特定の配列多様性を示す「ホットスポット」又は超可変領域を含むことが知られている。
よって、ポリヌクレオチドVは、TCR又はBCR遺伝子に対して特異的なオリゴヌクレオチドプライマーセットのメンバーが特異的にアニールする配列を含み得る。複数のTCR又はBCRをコードする再構成されたDNAを増幅可能なプライマーセットが、例えばU.S.A.N.13/217,126号、U.S.A.N.12/794,507号、国際出願US2011/026373号又は国際出願US2011/049012号等に記述されており、又は本明細書で記述されるように、特定のTCR又はBCR遺伝子座(例えば、TCRA、TCRB、TCRG、TCRD、IGH、IGK又はIGL)における各固有のV遺伝子、又は各J遺伝子と特異的にハイブリッド形成可能なオリゴヌクレオチド配列を含むように設計されてもよい。例えば、例示の目的であり、限定するものではないが、1つ又は複数のTCR又はBCRをコードしている再構成されたDNAを増幅可能なオリゴヌクレオチドプライマー増幅セットのオリゴヌクレオチドプライマーは典型的に、15、16、17、18、19、20,21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40個の連続するヌクレオチド、又はそれ以上のヌクレオチド配列を含んでもよく、本明細書で提供したように、V又はJポリヌクレオチドの15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40個の連続するヌクレオチドの相補配列に特異的にアニールしてもよい。特定の実施形態において、プライマーは、少なくとも19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30個のヌクレオチドを含んでもよく、特定の実施形態において、プライマーは、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40個以下の連続するヌクレオチドの配列を含んでもよい。プライマーと、他の長さのプライアーアニール部位がまた、本明細書で開示したように、明示的に想到される。
したがって、Vポリヌクレオチドは特定の実施形態において、その開始コドンからそのCDR3コード領域までの典型的なV遺伝子の長さより短いか、同一か、又は同様な長さを有するヌクレオチド配列を含み得るものであり、CDR3領域をコードしているヌクレオチド配列を含んでもよいが、必須ではない。特定の好ましい実施形態において、Vポリヌクレオチドは、CDR3をコードするヌクレオチド配列又はその相補的配列の全て又は一部分を含み、CDR3配列の長さはかなり多様であってよく、いくつかの異なる番号付けスキームによって特徴づけられている(例えば、Lefranc、1999 The Immunologist 7:132;Kabatら、1991 In:Sequences of Proteins of Immunological Interest、NIH Publication 91−3242;Chothiaら、1987 J.Mol.Biol.196:901;Chothiaら、1989 Nature 342:877;Al−Lazikaniら、1997 J.Mol.Biol.273:927;例えば、Rockら、1994 J.Exp.Med.179:323;Saadaら、2007 Immunol.Cell Biol.85:323も参照)。
簡潔に言えば、CDR3領域は典型的には、V断片中の(トリヌクレオチドコドンTGYによってコードされた、Y=T又はC)高度に保存されたシステイン残基から、TCRのJ断片中の(TTYによってコードされた)高度に保存されたフェニルアラニン残基まで、又はIGH中の(TGGによってコードされた)高度に保存されたトリプトファンまで伸長しているポリペプチド部分に及ぶ。TCRB遺伝子座中の天然の生産的再構成の90%超は、本基準による24〜54ヌクレオチドのCDR3コード長を有し、これは、アミノ酸が9〜17個コードされていることに相当する。上述したCDR3コード領域のナンバリング方法は、保存されているシステイン、フェニルアラニン及びトリプトファンコドンの位置を示し、これらのナンバリング方法はまた、これらの保存されたアミノ酸をコードしている1つ以上のコドンが、異なるアミノ酸をコードしているコドンと置換され得る疑似遺伝子にも適用されてもよい。これらの保存されたアミノ酸を使用しない疑似遺伝子に関し、CDR3長は、保存された残基が、以上で引用した確立されたCDR3配列位置ナンバリング方法の1つに従って、置換を有しないと観察された対応する位置に対して定義されてもよい。
ポリヌクレオチドJは、適応性免疫受容体連結(J)領域コーディング遺伝子配列の15〜30、31〜50、51〜60、61〜90、91〜120、又は120〜150個以上、600、500、400、300又は200個以下の連続するヌクレオチド、又はその相補的配列を含むポリヌクレオチドを含み得るものであり、複数のオリゴヌクレオチド配列のそれぞれにおいて、Jは固有のオリゴヌクレオチド配列を含む。ポリヌクレオチドJ(又はその相補的配列)は、TCR又はBCR遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチドプライマーセットのメンバーが特異的にアニール可能な配列を含む。複数のTCR又はBCRをコードしている再構成されたDNAを増幅可能なプライマーセットは、例えば、U.S.A.N.13/217,126号、U.S.A.N.12/794,507号、国際出願US2011/026373号又は国際出願US2011/049012号等に記述されており、また本明細書で記述されるように、特定のTCR又はBCR遺伝子座(例えば、TCR α、β、γ又はδ、又はIgH μ、γ、δ、α又はε、又はIgL κ又はλ)における各固有のV遺伝子と、又は各固有のJ遺伝子と特異的にハイブリッド形成可能なオリゴヌクレオチド配列を含むように設計され得る。
特定の実施形態において、本明細書に記述されるプライマー組成物中に存在する複数のJポリヌクレオチドが、既知の天然のJ遺伝子ヌクレオチド配列の全体長さをシミュレートする長さを有していることが望ましいことがある。本明細書で記述した鋳型におけるJ領域長は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20パーセント以下だけ、天然のJ遺伝子配列の長さと異なってもよい。したがって、Jポリヌクレオチドは、特定の実施形態において、典型的な天然のJ遺伝子の長さと同一か、又は同様である長さを有するヌクレオチド配列を含み、以上で議論したように、CDR3領域をコードしているヌクレオチド配列を含んでもよいが、必須ではない。
ヒト及び他の種のTCR及びBCR J領域遺伝子に対するゲノム配列は既知であり、Genbankのような公的データベースから利用可能であり、J領域遺伝子配列は、発現及び未発現の再構成されたTCR及びBCR遺伝子の産物をコードするポリヌクレオチド配列を含む。本明細書で開示したプライマーに組み込まれ得る多種多様なJポリヌクレオチド配列は、ヌクレオチド組成(例えば、GC含量)、及び実際の直鎖ポリヌクレオチド配列において非常に多様になり得る。
本明細書で記述したV断片及びJ断片のオリゴヌクレオチドプライマーの構築における使用のための、本明細書で記述したV及びJ配列の代案は、各TCR及びIgサブユニットの遺伝子のV及びJコード領域に対し公開された遺伝子配列に関し、当該技術分野における知識を用い、本開示に基づき当業者により選択され得る。ヒト適応性免疫受容体配列の参照Genbank登録としては、TCRα:(TCRA/D):NC_000014.8(chr14:22090057..23021075)、TCRβ:(TCRB):NC_000007.13(chr7:141998851..142510972)、TCRγ:(TCRG):NC_000007.13(chr7:38279625..38407656)、免疫グロブリン重鎖、IgH(IGH):NC_000014.8(chr14:106032614..107288051)、免疫グロブリン軽鎖−κ、IgLκ(IGK):NC_000002.11(chr2:89156874..90274235)、及び免疫グロブリン軽鎖−λ、IgLλ(IGL):NC_000022.10(chr22:22380474..23265085)が挙げられる。マウス適応性免疫受容体の遺伝子座配列の参照Genbank登録としては、TCRβ:(TCRB):NC_000072.5(chr6:40841295..41508370)、及び免疫グロブリン重鎖、IgH(IGH):NC_000078.5(chr12:114496979..117248165)が挙げられる。
プライマー設計解析及び標的部位選別の検討は、例えば、OLIGOプライマー解析ソフトウェア及び/又はBLASTN 2.0.5アルゴリズムソフトウェア(Altschulら、Nucleic Acids Res.1997,25(17):3389〜402)、又は本技術分野で利用可能な他の同様のプログラムを用いて実施可能である。
したがって、本開示に基づいて、かつこれらの既知の適応性免疫受容体の遺伝子配列及びオリゴヌクレオチド設計法を考慮して、当業者は、本オリゴヌクレオチドに包含させるために、それぞれ所与のV及びJ遺伝子に固有であるオリゴヌクレオチド配列をそれぞれ独立して含有する、複数のV領域特異的、及びJ領域特異的ポリヌクレオチド配列を設計可能である。同様に、本開示から、かつ既知の適応性免疫受容体の配列を考慮して、当業者はまた、それぞれ所与のV及びJ遺伝子に固有である、特定の配列にそれぞれ独立してアニール可能である複数のV領域特異的及びJ領域特異的オリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマーセットを設計可能でもあり、それによって複数のプライマーが、所与の適応性免疫受容体をコードする遺伝子座(例えば、ヒトTCR又はIGH遺伝子座)中の実質的に全てのV遺伝子と実質的に全てのJ遺伝子を増幅可能である。このようなプライマーセットによって、(例えば、複数のフォワード及びリバースプライマー対を用いて)マルチプレックス化されたPCRにおいて、再構成されたV領域をコードする遺伝子断片によってコードされた第1の末端と、J領域をコードする遺伝子断片によってコードされた第2の末端とを有する増幅産物を生成することができる。
典型的に、特定の実施形態において、このような増幅産物はCDR3コード配列を含み得るものの、本発明はそのように限定されることを意図するものではなく、CDR3コード配列を含まない増幅産物が想到される。プライマーは好ましくは、V及びJ配列の十分な部分を有する増幅産物と、本明細書に記述される特定の好ましい実施形態においてはバーコード(B)配列をも産するように設計することができ、産物(アンプリコン)のシークエンシングにより、V遺伝子が再構成を受け、再構成された適応性免疫受容体をコードする遺伝子を産する近位における、各遺伝子断片の(i)特定のV遺伝子、及び(ii)特定のJ遺伝子に固有である配列に基づく識別が可能である。典型的に、好ましい実施形態において、PCR増幅産物は大きさにして600塩基対未満であり、これは非限定理論にしたがって、非再構成された適応性免疫受容体遺伝子からの増幅産物を除外するであろう。特定の他の好ましい実施形態において、増幅産物は、短い配列リードによって、配列の異なるアンプリコンの、迅速で高スループットな定量を有利に提供し得るように、大きさにおいて、500、400、300、250、200、150、125、100、90、80、70、60、50、40、30又は20塩基対未満とすることができる。
プライマー
本開示にしたがって、オリゴヌクレオチドプライマーが、複数のV断片プライマーと、複数のJ断片プライマーと、を含むオリゴヌクレオチドプライマーセットにおいて提供され、プライマーセットは、リンパ球系細胞のDNAを含む生体サンプルの適応性免疫受容体をコードしている、再構成されたDNAを増幅可能である。好適なプライマーセットは、当該技術分野で周知であり、また本明細書に開示されており、例えば、US2012/0058902号、U.S.A.N.第13/217,126号;U.S.A.N.第12/794,507号;PCT/US2011/026373号;又はPCT/US2011/049012号;又は同様物;又は表1に示すプライマーセットである。特定の実施形態において、プライマーセットは、サンプル中(疑似遺伝子を含む)各固有のV領域遺伝子の、固有のV領域配列に特異的にアニール可能な少なくとも1つのプライマーと、サンプル中各固有のJ領域遺伝子の、固有のJ領域配列に特異的にアニール可能な少なくとも1つのプライマーを含む、複数のV配列特異的プライマーを含むように設計される。
プライマーの設計は、既知のTCR及びBCRゲノム配列の観点で、常用の方法論によって達成されてもよい。したがって、プライマーセットは好ましくは、TCR又はBCR遺伝子座におけるDNA再構成の結果として得られ得る全てのV−Jの組み合わせを増幅可能である。下記に述べるように、特定の実施形態では、1つ以上のVプライマーが、2つ以上のV領域によって共有され得るが全てのV領域に共通なわけではない「固有の」配列に対して特異的にアニール可能であり得るか、及び/又は、1つ以上のJプライマーが、2つ以上のJ領域によって共有され得るが全てのJ領域に共通なわけではない「固有の」配列に対して特異的にアニール可能であり得るような、プライマーセットが想到される。
特定の実施形態において、本明細書に記述される組成物及び方法に使用するためのオリゴヌクレオチドプライマーは、標的V断片又はJ断片の15個ヌクレオチド長の連続配列(すなわち、V領域又はJ領域ポリペプチドをコードするゲノムポリヌクレオチドの一部)と同じ配列、又は相補的配列を有する、少なくとも約15個ヌクレオチド長の核酸を含むかこれから構成される。より長いプライマー、例えば、標的V又はJ領域をコードするポリヌクレオチド断片の連続配列と同一の配列、又は相補的な配列を有する約16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、45又は50ヌクレオチド長のプライマーがまた、特定の実施形態において利用されるであろう。本明細書で記述されたオリゴヌクレオチドプライマーの全ての中程度の長さが、本明細書で使用のために想到される。当業者に認識され得るように、プライマーには、制限酵素認識部位、配列決定のためのアダプタ配列、バーコード配列等のような、追加配列(例えば、標的V又はJ領域コードポリヌクレオチド断片と同一でないか、又は相補的でなくてよいヌクレオチド)を追加してもよい(例えば、表で提供されるプライマー配列及び本明細書で掲載される配列を参照のこと)。したがって、プライマーの長さは、特定の利用又は必要性に応じて、長さにして約55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、80、85、90、95、100ヌクレオチド以上より長くてもよい。
特定の実施形態における利用のために、配列表にて示されるものを含む、ヌクレオチド配列が本明細書で提示されるオリゴヌクレオチドプラマーに対して、高度な配列同一性を共有し得る、適応性免疫受容体のV断片又はJ断片のオリゴヌクレオチドプライマー変異体も想到される。したがって、これらの関連する実施形態において、適応性免疫受容体のV断片又はJ断片のオリゴヌクレオチドプライマー変異体は、本明細書で開示された適応性免疫受容体のV断片又はJ断片のオリゴヌクレオチドプライマー配列に実質的に同一性を有してもよく、このようなオリゴヌクレオチドプライマー変異体は、例えば、本明細書で記述した方法(例えば、標準パラメータを用いたBLAST解析)を用い、本明細書にて開示したオリゴヌクレオチドプライマー配列のような参照ポリヌクレオチド配列と比較して、少なくとも70%の配列同一性、好ましくは少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%以上の配列同一性を含み得る。当業者は、コドンの縮重、及び読み枠の位置等を考慮し、これらの値を適切に調節して、これに対応する、オリゴヌクレオチドプライマー変異体が適応性免疫受容体セグメントをコードするポリヌクレオチドにアニールする能力を決定可能であることを認識するであろう。
典型的に、オリゴヌクレオチドプライマー変異体は1つ以上の置換、付加、欠損及び/又は挿入を含有し、好ましくは、変異体オリゴヌクレオチドのアニーリング能力は、本明細書で具体的に示されている適応性免疫受容体のV断片又はJ断片のオリゴヌクレオチドプライマー配列の能力に対して、実質的に劣らないであろう。
表2は、対象のリンパ球系細胞由来のDNAを含む生体サンプル中のTCRβ−鎖(TCRB)をコードしている生産的に再構成されたDNAを増幅可能であるオリゴヌクレオチドプライマーセットを、非限定例として示す。本プライマーセットにおいて、J断片プライマーは、実質的な配列相同性を共有し、したがって、1つ以上の標的Jポリヌクレオチド配列の間でクロスプライムしてもよいが、V断片プライマーは、VのCDR2領域内の標的配列に特異的にアニールするように設計され、したがって、各V断片に固有である。しかしながら、密接に関連した標的遺伝子のファミリー内配列が同一である数個のVプライマーの場合、例外が存在する(例えば、V6−2及びV6−3は、V断片のコード配列を通してヌクレオチドレベルで同一であり、したがって、単一プライマー、TRB2V6−2/3を有してもよい)。
Figure 2015519909
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特定の好ましい実施形態において、本明細書で記述したようなV断片及びJ断片のオリゴヌクレオチドプライマーは、再構成された適応性免疫受容体遺伝子座(例えば、V遺伝子組換えシグナル配列(RSS)の配列上流の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の塩基対、好ましくはV遺伝子組換えシグナル配列(RSS)の配列上流の少なくとも約22、24、26、28、30、32、34、35、36、37、38、39又は40の塩基対、及び特定の好ましい実施形態において、V遺伝子組換えシグナル配列(RSS)の配列上流の40超の塩基対、及びJ遺伝子RSSの下流の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の塩基対、好ましくはJ遺伝子RSSの下流の少なくとも約22、24、26、28又は30の塩基対、及び特定の好ましい実施形態において、J遺伝子RSSの下流の30超の塩基対)において増幅産物を生じさせる、特定のV遺伝子と特定のJ遺伝子の両方を固有に識別するために、適切な情報が、再構成された適応性免疫受容体(TCR又はIg)の増幅産物の配列内に存在するように、ヌクレオチド配列を含むように設計される。
この特徴は、単にV及びJ断片に対する適切な大きさの産物の有無の検出のために増幅反応に主として依存する、TCRコード又はIgコード遺伝子配列の増幅に関して、本技術分野で記述されたオリゴヌクレオチドプライマーとは対立する(例えば、特定の大きさのアンプリコンのPCR反応産物中の存在が、V又はJ断片の存在を示すが、増幅されたPCR産物の配列を提供できず、したがって、スペクトラタイピングでは一般的である通り、その同一性を確認することができない)。
オリゴヌクレオチド(例えば、プライマー)は、任意の好適な方法によって調製することができ、これには例えば、Narangら、1979、Meth.Enzymol.68:90〜99のホスホトリエステル法;Brownら、1979、Meth.Enzymol.68:109〜151のホスホジエステル法;Beaucageら、1981、Tetrahedron Lett.22:1859〜1862のジエチルホスホロアミダート法;及び、米国特許第4,458,066号の固体支持法などの方法による直接化学合成が挙げられ、これらはそれぞれ参照により本明細書に援用される。オリゴヌクレオチド及び修飾ヌクレオチド複合体の合成方法の概説が、参照により本明細書に援用されている、Goodchild,1990,Bioconjugate Chemistry 1(3):165〜187にて提供される。
本明細書で使用する場合、用語「プライマー」は、好適な条件下で、DNA合成の開始点として作用し得るオリゴヌクレオチドを意味する。
このような条件には、核酸鎖に相補的なプライマー伸長産物の合成が、適切な緩衝液中、好適な温度にて、4つの異なるヌクレオシド三リン酸と伸長のための薬剤(例えば、DNAポリメラーゼ又は逆転写酵素)の存在下で誘導されるものが含まれる。
プライマーは好ましくは一本鎖DNAである。プライマーの適切な長さは、プライマーに意図される利用によって異なるが、典型的には6〜50ヌクレオチド、又は特定の実施形態において、15〜35ヌクレオチドの範囲である。短いプライマー分子の場合、一般的に、十分に安定的なハイブリッド複合体を鋳型と形成させるためには、より低温であることが要求される。プライマーには、鋳型核酸の実際の配列を反映させる必要はないが、鋳型にハイブリッド形成するために十分相補的でなければならない。所与の標的配列の増幅のために好適なプライマーの設計は、本技術分野で既知であり、本明細書で引用した文献に記述されている。
本明細書で記述したように、プライマーには、プライマーの検出又は固定化を可能にする更なる特徴を組み込むことができるが、DNA合成の開始点として作用するという、プライマーの基本的特性は変わらない。例えば、プライマーには、標的核酸とハイブリッド形成するのではなく、増幅産物のクローニング、検出又はシークエンシングを促進させる更なる核酸配列を5’末端に含有させてもよい。本明細書では、ハイブリッド形成させるために鋳型に対して十分に相補的なプライマーの領域を、ハイブリッド形成領域と呼ぶ。
本明細書で使用する際、プライマーは、十分に厳しい条件下での増幅反応において使用した場合に、プライマーが、主に標的核酸とハイブリッド形成するときに、標的配列に「特異的」である。典型的に、プライマーは、プライマーと標的からなる二本鎖の安定性が、プライマーと、サンプル中に見られる任意の他の配列との間に形成される二本鎖の安定性より大きい場合に、標的配列に対して特異的である。塩条件並びにプライマーの塩基組成、ミスマッチの位置のような種々の因子が、プライマーの特異性に影響を与えること、並びに多くの場合、プライマーの特異性は、所定の実験により確認する必要があることを、当業者は認識するであろう。プライマーが標的配列とのみ安定的な二本鎖を形成し得る、ハイブリッド形成条件が選択可能である。したがって、好適な厳しい増幅条件下における標的特異的プライマーの利用によって、標的プライマー結合部位を含有するそれらの標的配列を選択的に増幅することができる。
特定の実施形態において、本明細書で記述した方法で利用されるプライマーは、標的V又はJ断片の15ヌクレオチド長の連続配列と同一の配列、又は相補的な配列を有する、少なくとも約15ヌクレオチド長の核酸を含むか、又はそれからなる。より長いプライマー、例えば、標的V又はJ断片の連続配列と同一の配列、又は相補的な配列を有する、約16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、45又は50ヌクレオチド長のプライマーがまた、特定の実施形態において利用されるであろう。上記プライマーの全ての中程度の長さが、本明細書で使用されるために想到される。当業者に認識され得るように、プライマーには、制限酵素認識部位、配列決定のためのアダプタ配列、及びバーコード配列等のような、追加配列(例えば、標的V及びJ断片と同一でないか、又は相補的ではなくてよいヌクレオチド)を追加してもよい(例えば、本明細書及び配列表で提供されたプライマー配列を参照のこと)。したがって、プライマーの長さは、特定の使用又は必要性に応じて、長さにして55、56、57、58、59、60、65、70、75ヌクレオチド以上のように、より長くてもよい。例えば、1つの実施形態において、フォワード及びリバースプライマーは両方とも、DNAシークエンサーと適合する、ユニバーサルフォワードプライマー配列で、5’末端で修飾される。
特定の実施形態における利用のために、配列表にて示されるものを含む、ヌクレオチド配列が本明細書で提示されるオリゴヌクレオチドプラマーに対して、高度な配列同一性を共有し得る、適応性免疫受容体のV断片又はJ断片のオリゴヌクレオチドプライマー変異体も想到される。したがって、これらの関連する実施形態において、適応性免疫受容体のV断片又はJ断片のオリゴヌクレオチドプライマー変異体は、本明細書で開示された適応性免疫受容体のV断片又はJ断片のオリゴヌクレオチドプライマー配列に実質的に同一性を有してもよく、例えば、このようなオリゴヌクレオチドプライマー変異体は、本明細書で記述した方法(例えば、標準パラメータを用いたBLAST解析)を用い、本明細書にて開示したオリゴヌクレオチドプライマー配列のような参照ポリヌクレオチド配列と比較して、少なくとも70%の配列同一性、好ましくは少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%以上の配列同一性を含み得る。当業者は、コドンの縮重、及び読み枠の位置等を考慮し、これらの値を適切に調節して、これに対応する、オリゴヌクレオチドプライマー変異体が適応性免疫受容体セグメントをコードするポリヌクレオチドにアニールする能力を決定可能であることを認識するであろう。
典型的に、オリゴヌクレオチドプライマー変異体は1つ以上の置換、付加、欠損及び/又は挿入を含有し、好ましくは、変異体オリゴヌクレオチドのアニーリング能力は、本明細書で具体的に示されている適応性免疫受容体のV断片又はJ断片のオリゴヌクレオチドプライマー配列の能力に対して、実質的に劣らないであろう。本明細書の他の場所でまた言及されるように、好ましい実施形態において、適応性免疫受容体のV断片及びJ断片のオリゴヌクレオチドプライマーは、CDR3に対するコード領域を含む、再構成されたTCR又はIGH配列を増幅可能であるように設計される。
本明細書で想到される特定の実施形態にしたがって、本開示のマルチプレックスPCR法で使用されるプライマーは、非T又はB細胞配列の非特異的プライミングを防止するために、機能的にブロックされてもよい。例えば、プライマーは、米国特許出願公開第2010/0167353号にて記述されたように、化学修飾でブロックされてもよい。特定の本明細書で開示された実施形態にしたがって、本マルチプレックスPCR反応でのこのようなブロックされたプライマーの利用には、DNA複製(すなわち、プライマー伸長)がブロックされる不活性配座(inactive configuration)と、DNA複製が進行する活性配座(activated configuration)とを有してもよいプライマーが関与する。プライマーの不活性配座は、プライマーが一本鎖である場合、あるいはプライマーが対象の標的DNA配列に対し特異的にハイブリッド形成するものの、プライマーの3’末端又はその周辺に結合している化学部位によってプライマー伸長がブロックされたままである場合に存在する。
プライマーの活性化配座は、プライマーが対象の標的核酸配列にハイブリッド形成し、続いてRNase H又は他の切断試薬による作用を受けて3’ブロッキング基が除去されたときに存在し、これにより、増幅反応中の、酵素(例えば、DNAポリメラーゼ)によるプライマー伸長の触媒が可能になる。理論に束縛されるものではないが、このようなプライマーのハイブリッド形成の速度則は、二次反応に近く、したがって、混合物中のT細胞又はB細胞遺伝子配列の濃度の関数となると考えられる。ブロックされたプライマーでは、標的とハイブリッド形成させ、続いて切断した後にプライマー伸長を進行させる必要があることから、非特異的反応が最小化される。プライマーが、所望の標的配列と関連するが、塩基対のミスマッチとなる1つ以上の非相補的ヌクレオチドを有する点で異なる配列と不正確にハイブリッド形成する場合、プライマーの切断は、特に切断部位又はその周辺にミスマッチが存在する場合に阻害される。増幅の忠実度を改善するための本戦略は、このような場所における誤ったプライミングの頻度を減少させ、反応の特異性を増加させる。当業者によって認識され得るように、反応条件、とりわけRNase Hの濃度、及び各サイクル中にハイブリッド形成及び伸長させる時間は、その真の標的配列と正しくハイブリッド形成するときの、プライマーの非常に効率的な切断と、プライマーと不正確にアニールし得る鋳型配列との間でミスマッチが存在するときの、プライマーの切断の乏しさとの間における切断効率の差を最大化するように最適化することができる。
米国特許第2010/0167353号に記述されるように、伸長を防止するために、オリゴヌクレオチド(例えば、プライマー)の3’末端に、又はその近くに配置可能な多数のブロッキング基が本技術分野で既知である。プライマー又は他のオリゴヌクレオチドは、例えば、3’デオキシリボヌクレオチド残基(例えば、コルジセピン)、2’,3’−ジデオキシリボヌクレオチド残基、非ヌクレオチドの連結又はアルカンジオール修飾(米国特許第5,554,516号)の付加によって、DNA合成の開始を予防、又は阻害するために、3’末端ヌクレオチドにて修飾されてもよい。プライマー伸長を阻害、又はブロックするために使用され得るアルカンジオール修飾はまた、Wilkら、(1990 Nucleic Acids Res.18(8):2065)及びArnoldら、(米国特許第6,031,091号)によって記述されてきた。好適なブロッキング基の更なる例としては、3’ヒドロキシル置換基(例えば、3’−リン酸塩、3’−三リン酸塩又は3−ヒドロキシプロピルのようなアルコールを有する3’−リン酸ジエステル)、2’,3’−環状リン酸塩、末端RNA塩基の2’ヒドロキシル置換基(例えば、リン酸塩又はトリイソプロピルシリル(TIPS)又はtert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)等の立体的に嵩高な基)が挙げられる。オリゴヌクレオチドの3’末端にて置換されたTIPS及びTBDMSのような2’−アルキルシリル基が、参照により本明細書に援用される、Laikhterら、米国特許出願第11/686,894号によって記述されている。嵩高な置換基がまた、プライマー伸長をブロックするために、オリゴヌクレオチドの3’−末端残基の塩基上に組み込まれてもよい。
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、プライマー伸長を阻害するために使用されるブロッキング基の上流(例えば、5’)に位置する切断ドメインを含んでもよい。例として、切断ドメインは、RNase H切断ドメインであってもよく、切断ドメインは、単一RNA残基を含むRNase H2切断ドメインであってもよく、又はオリゴヌクレオチドは、1つ以上の選択的なヌクレオシドでのRNA塩基の置換を含んでもよい。更なる例示的な切断ドメインが、米国特許第2010/0167353号に記述されている。
したがって、マルチプレックスPCRシステムは、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85個以上のフォワードプライマーを使用してもよく、各フォワードプライマーは、単独の機能的TCR又はIg V断片、又は機能的TCR又はIg V断片の小ファミリー、例えば、TCR Vβ断片に相補的であり(例えば、表2、配列番号:1644〜1695にて示されるようなTCRBVプライマーを参照のこと)、例えば、それぞれTCR Jβ断片(例えば、表2、配列番号:1631〜1643中のTCRBJプライマーを参照のこと)のようなTCR又はIg J断片に特異的な、13個のリバースプライマーを使用してもよい。他の実施形態において、マルチプレックスPCR反応は、それぞれ1つ以上の機能的TCRγV断片に特異的な4個のフォワードプライマーと、それぞれ1つ以上のTCRγJ断片に特異的な4個のリバースプライマーを使用してもよい。他の実施形態において、マルチプレックスPCR反応は、それぞれ1つ以上の機能的V断片に特異的な84個のフォワードプライマーと、それぞれ1つ以上のJ断片に特異的な6個のリバースプライマーを使用してもよい。
熱サイクル条件は、当業者の方法にしたがってもよい。例えば、PCR Express(商標)熱サイクラー(Hybaid,Ashford,UK)を用いて、以下のサイクル条件が使用されてもよい。95℃にて15分間を1サイクル、94℃にて30秒間、59℃で30秒間及び72℃で1分間を25〜40サイクル、続いて72℃にて10分間を1サイクル。当業者によって認識され得るように、熱サイクル条件は、例えば、アニーリング温度、アニーリング時間、サイクル数及び伸長時間を改善することによって最適化されてもよい。当業者によって認識され得るように、使用されるプライマー及び他のPCR試薬の量、並びにPCRパラメータ(例えば、アニーリング温度、伸長時間及びサイクル数)は、所望のPCR増幅効率を達成するために最適化されてもよい。
あるいは、本明細書でまた想到される特定の関連する実施形態において、「デジタルPCR」法を使用して、標準曲線を必要とせずに、サンプル中の標的ゲノムの数を定量することができる。デジタルPCRにおいて、単一サンプルに対するPCR反応は、各液滴が増幅するか(例えば、増幅産物の生成によって、マイクロセル又は液滴に少なくとも1種の鋳型分子が存在することを証明する)、又は増幅に失敗するか(所与のマイクロセル又は液滴に鋳型が存在しないことを証明する)のいずれかであるように、100マイクロセル又は液滴よりも多量に実施される。陽性のマイクロセルの数を単純に数えることによって、入力サンプル中に存在する標的ゲノムの数を直接計数することが可能である。デジタルPCR法は、典型的に、サーマルサイクル反応において各サイクル後に測定する従来の定量的PCRシグナルではなく、エンドポイントリードを使用する(例えば、Pekinら、2011 Lab.Chip 11(13):2156;Zhongら、2011 Lab.Chip 11(13):2167;Tewheyら、2009 Nature Biotechnol.27:1025;2010 Nature Biotechnol.28:178を参照のこと)。したがって、任意の本明細書に記述した組成物(例えば、適応性免疫受容体遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプライマーセット)と方法を、このようなデジタルPCR方法論、例えば、ABI QuantStudio(商標)12K Flex System(Life Technologies,Carlsbad,CA)、the QuantaLife(商標)digital PCR system (BioRad,Hercules,CA)又はthe RainDance(商標)microdroplet digital PCR system(RainDance Technologies,Lexington,MA)での使用に適合させることもできる。
アダプタ
本明細書に記述されるオリゴヌクレオチドは、特定の実施形態において、第1(U1)及び第2(U2)(並びに所望により第3(U3)及び第4(U4))ユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含み得るものであり、又は、U1とU2のいずれか又は両方(あるいはU3又はU4)を欠いてもよい。ユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドUは、したがって、存在しないか、又は(i)第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列と、(ii)第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列に連結して、5’に位置する第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列と、から選択される配列を有するオリゴヌクレオチドを含んでもよく、U2は、存在しないか、又は(i)第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列と、(ii)第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列に連結して、5’に位置する第2のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列から選択される配列と、を有するオリゴヌクレオチドを含んでもよい。同様の関係はU3及びU4についても該当する。
U1及び/又はU2は、例えば、ユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列及び/又はHiSeq(商標)又はGeneAnalyzer(商標)−2(GA−2)system(Illumina,Inc.,San Diego,CA)又は計測、試薬及びソフトウェアの他の好適なシークエンシング一式のような、使用されている単一分子シークエンシング技術に特異的である、シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列を含んでもよい。そのようなプラットフォーム特異的アダプタ配列を含めることにより、本明細書に記述されているdsDNA増幅産物の直接的定量的シークエンシングが可能になり、本明細書に記述されるように、例えばHiSeq(商標)又はGA2又は同等物などのヌクレオチドシークエンシング方法論を用いて、Uがこの中に組み込まれている。したがって、この特徴により、dsDNA組成物を有利に定性的かつ定量的に特性付けることができる。
例えば、dsDNA増幅産物は、更にシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチドを組み込むためのアダプタ配列が各鋳型の各末端に使用され得るように、両末端にユニバーサルアダプタ配列を有するよう生成することもできる。
理論に束縛されるものではないが、成分dsDNAのそれぞれのdsDNA組成における相対的表現が定量的に変わらないように、3サイクルの変性、アニーリング及び伸長において、5’(5’−プラットフォーム配列−ユニバーサルアダプタ−1配列−3’)及び3’(5’−プラットフォーム配列−ユニバーサルアダプタ−2配列−3’)オリゴヌクレオチドを用いて、プラットフォーム特異的オリゴヌクレオチドをそのようなdsDNAの末端に加えることができる。固有の識別子配列(例えば、本明細書で記述するように、個々のV及び/又はJ領域と関連付けられ、これによって識別するバーコード配列B、又は本明細書に記述されるサンプル識別子バーコード)がアダプタ配列に近接して配置され、これによって、存在する各固有の配列の相対量の基準によってDNA集団を特性付けるために、短い配列リードにて定量的シークエンシングを行うことができる。
実施例において記述され、配列表の例示的な鋳型配列(例えば、配列番号:1〜1630の5’及び3’末端)に含まれるアダプタ配列に加えて、ユニバーサルアダプタ配列として使用され得る他のオリゴヌクレオチド配列は、本開示の観点から見て、当業者に周知であろう。更なるアダプタ配列の非限定例を、表3に示し、配列番号:1710〜1731に示す。
Figure 2015519909

バーコード
本明細書に記述されるように、特定の実施形態では、増幅産物全体を配列決定する必要なく、組み込まれたポリヌクレオチド配列(したがって、その産物の増幅を起こす少なくとも1つのプライマー)の明確な識別を可能にする、短いシグネチャー配列を含むよう、オリゴヌクレオチド配列を設計することが想到される。本明細書に記述されるオリゴヌクレオチドにおいて、そのようなバーコードB(例えば、B1、B2)はそれぞれ、何もないか、又はそれぞれ、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50個以上の連続するヌクレオチド(これらの間の全ての整数値を含む)のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含むオリゴヌクレオチドBを含み、複数のオリゴヌクレオチド配列Bのそれぞれが、特定のV及び/又はJオリゴヌクレオチドプライマー配列を固有に識別する固有のオリゴヌクレオチド配列を含む。
例示的なバーコードは、プライマー組成物中に、各オリゴヌクレオチドプライマー(例えば、V又はJプライマー)を固有に識別する、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又は16個のヌクレオチドの第1のバーコードオリゴヌクレオチドを含み得るものであり、所望により特定の実施形態において、プライマーセット中の各パートナープライマー(例えば、J又はVプライマー)を固有に識別する、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又は16個のヌクレオチドの第2のバーコードオリゴヌクレオチドを含み得るものであり、これによりそれぞれ、長さが5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31又は32個のヌクレオチドのバーコードを提供するが、これら及び関連の実施形態は、そのように限定されることを意図するものではない。バーコードオリゴヌクレオチドは、別の異なる配列(例えば、V及びJ配列)を有する2つ以上のポリヌクレオチド産物において、所与のバーコード配列が生じることを除外して、最短のバーコード長が得られる限りにおいて、任意の長さのオリゴヌクレオチド配列を含み得る。
したがって、異なるV−J配列対を固有に識別するために使用されるバーコード間のこのような冗長性を避けるために、最短バーコード長は、Xヌクレオチドであり、4は非同一配列を有することに基づいて差異化される異なる鋳型種の数よりも大きい。実際、バーコードオリゴヌクレオチド配列のリード長は、使用されるべきヌクレオチドシークエンシング装置の配列リード長の制限によってのみ制限され得る。特定の実施形態のために、鋳型オリゴヌクレオチドの個々の種を区別する異なるバーコードオリゴヌクレオチドは、バーコードオリゴヌクレオチド配列中の特定の位置で一致するヌクレオチドの数を最大化するために整列したときに、少なくとも2つのヌクレオチドの不一致(例えば、最小ハミング距離2)を有するべきである。
当業者は、その間の全ての整数値を含む、例えば、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35個以上の連続するヌクレオチドの設計、合成、及びより大きなオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドコンストラクト内への組み込みを周知であろう。オリゴヌクレオチドバーコード配列の識別戦略の設計及び実施の非限定的な例としては、例えば、de Carcerら、2011 Adv.Env.Microbiol.77:6310;Parameswaranら、2007 Nucl.Ac.Res.35(19):330;Rohら、2010 Trends Biotechnol.28:291を参照のこと。
典型的には、バーコードは、それらが、天然では見られない位置でオリゴヌクレオチドに配置され、すなわち、バーコードが隣接しておかれる配列付近に見られ得る天然に生じるオリゴヌクレオチド配列(例えば、V及び/又はJ配列)とは異なるヌクレオチド配列を含む。このようなバーコード配列は、本明細書に記述される特定の実施形態にしたがって、本明細書で開示されるオリゴヌクレオチドの要素B1及び/又はB2として含まれてもよい。したがって、本明細書に記述されるオリゴヌクレオチド組成物の特定のものは、特定の実施形態において、1つ、2つ又はそれ以上のバーコードを含み、一方、特定の他の実施形態において、これらのバーコードの一部又は全てが欠如していてもよい。特定の実施形態において、全てのバーコード配列は、同一又は同様のGC含量を有するであろう(例えば、GC含量の差は、20%以下、又は19、18、17、16、15、14、13、12、11又は10%以下である)。
シークエンシング
シークエンシングは、種々の利用可能な高スループット単独分子シークエンシング装置及びシステムを用いて実施されてもよい。具体的なシークエンスシステムとしては、Illumina Genome Analyzer及び関連する装置(Illumina,Inc.、San Diego,CA)、Helicos Genetic Analysis System(Helicos BioSciences Corp.,Cambridge,MA)、Pacific Biosciences PacBio RS(Pacific Biosciences,Menlo Park,CA)、又は同様の性能を有する他のシステムのような、合成によるシークエンシング(sequence-by-synthesis)システムが挙げられる。シークエンシングは、増幅されたDNA分子内の定義された領域にハイブリッド形成する、1セットのシークエンシングオリゴヌクレオチドを用いて達成される。シークエンシングオリゴヌクレオチドは、本開示に基づいて、かつ公的に利用可能なデータベースで見られる既知の適応性免疫受容体遺伝子配列の観点から見て、生成される配列によって、V−及びJコード遺伝子断片が固有に識別可能であるように設計される。例えばU.S.A.N.13/217,126、U.S.A.N.12/794,507、国際出願US2011/026373号又は国際出願US2011/049012号を参照のこと。例示的なTCRB J領域シークエンシングプライマーが、表4に示される。
Figure 2015519909
用語「遺伝子」は、TCR又はIgポリペプチド(例えば、CDR3含有ポリペプチド)の全て又は一部などのポリペプチド鎖を産生することに関与するDNAのセグメントを意味し、コーディング領域「リーダー及びテーラー」並びに個々のコードセグメント(エキソン)間の介在配列(イントロン)の前及び後の領域を含み、また調節エレメント(例えば、プロモーター、エンハンサー、受容体結合部位等)を含んでもよく、また本明細書で記述したように、組換えシグナル配列(RSS)も含んでもよい。
またポリヌクレオチドとして本明細書で呼ばれる、本実施形態の核酸は、RNAの形態、又はDNAの形態であってもよく、DNAにはcDNA、ゲノムDNA及び合成DNAが含まれる。DNAは二本鎖又は一本鎖であってもよく、一本鎖の場合、コード鎖又は非コード(アンチセンス)鎖であってもよい。本実施形態にしたがった利用のための、TCR又は免疫グロブリン又はその領域(例えば、V領域、D断片、J領域、C領域等)をコードするコード配列は、任意の所与のTCR又は免疫グロブリン遺伝子領域又はポリペプチドドメイン(例えば、V領域ドメイン、CDR3ドメイン等)に関する本技術分野で既知のコード配列と同一であってもよく、あるいは遺伝的コードの冗長性又は縮重の結果として、同一のTCR又は免疫グロブリン領域又はポリペプチドをコードするコード配列であってもよい。
特定の実施形態において、増幅されたJ領域をコードする遺伝子断片はそれぞれ、RSS部位に対して定義された位置に存在する、2、3、4、5、6、7、8、10又は約15、20ヌクレオチド以上の固有の配列定義識別子タグを有してもよい。例えば、4つの塩基タグが、RSS部位から+11〜+14下流位置にて、増幅されたTCRβ CDR3コード領域のJβ領域コードセグメント中で使用され得る。しかしながら、これらの関連する実施形態は、そのように制限される必要はなく、また、J領域をコードする遺伝子断片中で検出され、RSS部位に対するそれらの位置に基づいて定義されてもよい、他の相対的短いヌクレオチド配列を定義する識別子タグも想到される。これらは、異なる適応性免疫受容体コード遺伝子座間で様々であってもよい。
組換えシグナル配列(RSS)は、12+/−1bp(「12−シグナル」)又は23+/−bp(「23−シグナル」)のいずれかのスペーサーによって分離された、2つの保存配列(ヘプタマー、5’−CACAGTG−3’及びナノマー5’−ACAAAAACC−3’)からなる。多数のヌクレオチド位置が、ヘプタマーの位置1及び2でCAジヌクレオチドを含む組換えに対して重要であるとして特定されており、ヘプタマー位置3でのCが、ナノマーの位置5、6、7でのAヌクレオチドと同様、非常に好ましいものと示されてきた。(Ramsdenら、1994、Akamatsuら、1994、Hesseら、1989)その他のヌクレオチドの変異では、最小又は一貫性のない効果がもたらされる。よりばらつきは大きくなるものの、スペーサーもまた組換えに大きな影響を与え、単一ヌクレオチド置換は、組換え効率に有意に影響を与えることが示されている(Fanningら、1996、Larijaniら、1999、Nadalら、1998)。有意に異なる組換え効率を有するRSSポリヌクレオチド配列を識別するための基準が記述されている(Ramsdenら、1994、Akamatsuら、1994、Hesseら、1989及びCowellら、1994)。したがって、シークエンシングオリゴヌクレオチドは、RSS部位の+11〜+14下流位置にて、増幅されたJコード遺伝子断片内で、4つの塩基タグに隣接してハイブリッド形成してもよい。例えば、TCRBのためのシークエンシング用オリゴヌクレオチドは、この「タグ」のちょうど下流で見られる、コンセンサスヌクレオチドモチーフにアニールするように設計されてよく、配列リードの最初の4つの塩基が、Jコード遺伝子断片を固有に識別するであろう(例えば、国際公開第2012/027503号参照)。
V断片の第2の保存されたシステインと、J断片の保存されたフェニルアラニンとの間の、TCRポリペプチドをコードしているヌクレオチドとして定義される、TCRのCDR3コード領域の平均長は、35+/−3ヌクレオチドである。したがって、特定の実施形態において、特定のTCR又はIgH J領域(例えば、本明細書で記述したような、TCR Jβ、TCR Jγ又はIgH JH)のJ断片タグから開始する、J断片オリゴヌクレオチドプライマーとV断片オリゴヌクレオチドプライマーを用いたPCR増幅によって、ほぼ常に、50塩基対リード中に完全なV−D−J連結を得ることができるであろう。V断片中の保存されたシステインと、J断片中の保存されたフェニルアラニンと間のヌクレオチドとして定義される、IgH CDR3領域の平均長は、TCRβ遺伝子座におけるよりも制限されないものの、典型的には、約10〜約70ヌクレオチドであろう。したがって、特定の実施形態において、IgH J断片タグから開始する、J断片オリゴヌクレオチドプライマーとV断片オリゴヌクレオチドプライマーを用いるPCR増幅により、100塩基対リード中に完全なV−D−J連結を得ることができるであろう。
不一致な鋳型配列にアニールし、ポリヌクレオチド伸長を支持するPCRプライマーは、雑多(promiscuous)なプライマーと呼ばれる。特定の実施形態において、TCR及びIg J断片リバースPCRプライマーは、マルチプレックスPCRとの関連において、雑多なプライミングを最小化するために、シークエンシングするオリゴヌクレオチドとの重なりを最小化するように設計され得る。1つの実施形態において、TCR及びIg J断片リバースプライマーは、シークエンシングプライマーの重なりが最小となるよう、コンセンサススプライス部位モチーフにアニールさせることによって3’末端で固定することもできる。一般に、TCR及びIg V及びJ断片プライマーは、既知の配列/プライマー設計及びデフォルトパラメータ下での解析プログラムを用いて、一貫したアニーリング温度でのPCRにて動作するように選択されてもよい。
シークエンシング反応のための、例示的なIGHJシークエンシングプライマーは、国際公開第2012/027503号にて記述されるように、保存されたCAG配列にわたって3つのヌクレオチドを伸長する。
サンプル
試験生体サンプルが得られる対象又は生物源は、ヒト又は非ヒト動物、又はトランスジェニック又はクローン化、又は(幹細胞の利用を介するものを含む)組織遺伝子操作を受けた生物であってもよい。本発明の特定の好ましい実施形態において、対象又は生物源は、血中循環腫瘍又は固形がん又は他の悪性状態、又は自己免疫疾患、又は炎症状態を有することが既知であってよく、あるいは有するという又はリスク下にあるという疑いがあってよく、本発明の特定の好ましい実施形態において、対象又は生物源は、このような疾患のリスク又は存在がないことが既知であってもよい。
特定の好ましい実施形態は、米国国立がん研究所(Bethesda,MD,USA)のものような、又はDeVita,Hellman,and Rosenberg’s Cancer:Principles and Practice of Oncology(2008,Lippincott,Williams and Wilkins,Philadelphia/Ovid,NewYork)、Pizzo and Poplack,Principles and Practice of Pediatric Oncology(Fourth edition,2001,Lippincott,Williams and Wilkins,Philadelphia/Ovid,New York)、及びVogelstein and Kinzler,The Genetic Basis of Human Cancer(Second edition,2002,McGraw Hill Professional,New York)にて記述されたもののような、本技術分野で許容された臨床診断基準にしたがって、がんになる、又はがんにかかるリスクを有する、又はリスクであるとして診断された患者のような、ヒト対象である対象又は生物源を企図し、特定の実施形態が、このような基準によってがんを有する、がんになる、又はがんにかかるリスクがないことが既知であるヒト対象を企図する。
特定の他の実施形態は、固体腫瘍及び/又は他のがんに関する前臨床モデルを含む、前臨床モデルとして本技術分野に既知であり得るこのような非ヒト対象を含む、非ヒト対象又は生物源、例えばマカク、チンパンジー、ゴリラ、ベルベット、オランウータン、オナガザル又は他の非ヒト霊長類を想到する。特定の他の実施形態は、哺乳動物、例えばマウス、ラット、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウマ、ウシ、ヤギ、スナネズミ、ハムスター、モルモット又は他の動物である非ヒト対象を想到し、このような哺乳類の多くは、血中循環腫瘍又固形腫瘍及び/又は他のがんを含む、特定の疾患又は疾病に対する前臨床モデルとして本技術分野に対して既知の対象であり得る(例えば、Talmadgeら、2007 Am.J.Pathol.170:793;Kerbel、2003 Canc.Biol.Therap.2(4 Suppl 1):S134;Manら、2007 Canc.Met.Rev.26:737;Cespedesら、2006 Clin.Transl.Oncol.8:318)。実施形態の範囲は限定されることを意図するものではないが、対象又は生物源が非哺乳類脊椎動物、例えば他の高次脊椎動物、又は鳥類、両生類又はは虫類種、又は他の対象若しくは生物源であり得る他の実施形態も想到される。
生体サンプルは、対象又は生物源からの、血液サンプル、生検標本、組織外植、器官培養、生体液又は他の組織又は細胞調整物を得ることによって提供されてもよい。好ましくは、サンプルには、例示の目的であり、制限ではないが、1つ以上のTCR又はBCR遺伝子座にて再構成されたDNAを含有してもよい、対象又は生物源のリンパ球系細胞由来のDNAが含まれる。特定の実施形態において、試験生体サンプルは、例えば外科的切除、針生検、又は細胞の混合物を含有する試験生体サンプルを得るための他の手段によって、固形組織(例えば、固形腫瘍)から得られる。
特定の実施形態において、任意の多数の確立された方法論にしたがってリンパ球系細胞(例えば、T細胞及び/又はB細胞)を単離することが望ましく、単離されたリンパ球系細胞は、天然に生じる組織、環境又は状況から除去又は分離されたものである。B細胞及びT細胞はしたがって、骨髄、胸腺、リンパ腺、リンパ節、末梢組織及び血液を含む様々な組織及び生体液サンプルからのような、生体サンプルから得られるが、末梢血液がもっとも入手しやすい。B及びT細胞の存在のために任意の末梢組織がサンプリングされてもよく、本明細書で記述された方法での使用が想到される。適応性免疫細胞が得られる組織及び生体液としては、皮膚、上皮組織、結腸、脾臓、粘膜分泌物、口腔粘膜、腸粘膜、膣粘膜又は膣分泌液、頸部組織、神経節、唾液、脳脊髄液(CSF)、骨髄、臍帯血、血清、漿膜液、血漿、リンパ、尿、腹水、胸膜液、心膜液、腹膜液、腹液、培養培地、条件培養培地、又は洗浄液が挙げられる。特定の実施形態において、適応性免疫細胞は、アフェレーシスサンプルから単離されてもよい。末梢血液サンプルは、対象から静脈切開によって得られる。末梢血単核細胞(PBMC)は、例えば、Ficoll−Hypaque(登録商標)密度勾配分離によって、当業者に既知の技術によって単離される。特定の実施形態において、全てのPBMCが解析に使用される。
核酸抽出に際し、QIAamp(登録商標)DNA blood Mini Kit(QIAGEN(登録商標))を用い、本技術分野で既知の方法及び/又は市販のキットを用いて、細胞から全ゲノムDNAを抽出することができる。単一ハプロイドゲノムのおよその重量は3pgである。好ましくは、少なくとも100,000〜200,000の細胞、すなわち2倍体T又はB細胞からの約0.6〜1.2μgのDNAが解析に使用される。供給源としてPBMCを使用して、T細胞の数は、総細胞の約30%であると推定可能である。B細胞の数はまた、PBMC調製物中の総細胞の約30%であると推定可能である。
Ig及びTCR遺伝子座は、多くの異なる可変(V)、多様(D)及び連結(J)遺伝子断片を含有し、早期リンパ分化の間、再構成プロセスにかけられる。Ig及びTCR V、D及びJ遺伝子配列が本技術分野で既知であり、GENBANKのような公的データベースにて利用可能である。V−D−J再構成は、D遺伝子断片の両側にてV遺伝子断片の下流と、J遺伝子断片の上流に位置する、組換えシグナル配列(RSS)にてDNAを認識し、切断することによって、RAG1及びRAG2タンパク質が重要な役割を果たす、リコンビナーゼ酵素複合体を介して仲介される。適切でないRSSは、再構成を減少させ、又は完全に妨げる。組換えシグナル配列(RSS)は、12+/−1bp(「12−シグナル」)又は23+/−bp(「23−シグナル」)のいずれかのスペーサーによって分離された、2つの保存配列(ヘプタマー、5’−CACAGTG−3’及びナノマー5’−ACAAAAACC−3’)からなる。
多数のヌクレオチド位置が、ヘプタマーの位置1及び2でCAジヌクレオチドを含む組換えに対して重要であるとして特定されており、ヘプタマー位置3でのCが、ナノマーの位置5、6、7でのAヌクレオチドと同様、非常に好ましいものと示されてきた。(Ramsdenら、1994 Nucl.Ac.Res.22:1785;Akamatsuら、1994 J.Immunol.153:4520;Hesseら、1989 Genes Dev.3:1053)。その他のヌクレオチドの変異では、最小又は一貫性のない効果がもたらされる。より変動は大きくなるが、スペーサーもまた組換えに大きな影響を与え、単一ヌクレオチド置換が、組換え効率に有意に影響を与えることが示されてきた(Fanningら、1996 Cell.Immunol.Immunopath.79:1、Larijaniら、1999 Nucl.Ac.Res.27:2304;Nadelら、1998 J.Immunol.161:6068;Nadelら、1998 J.Exp.Med.187:1495)。有意に異なる組換え効率を有するRSSポリヌクレオチド配列を識別するための基準が記述されている(Ramsdenら、1994 Nucl.Ac.Res.22:1785;Akamatsuら、1994 J.Immunol.153:4520;Hesseら、1989 Genes Dev.3:1053、and Leeら、2003 PLoS 1(1):E1)。
再構成プロセスは一般に、DからJ再構成で開始し、その後、Ig重鎖(IgH)、TCR β(TCRB)及びTCR δ(TCRD)遺伝子の場合はVからD−J再構成が続き、又はIg κ(IgK)、Ig λ(IgL)、TCR α(TCRA)及びTCR γ(TCRG)遺伝子の場合は直接VからJ再構成に関与する。再構成されている遺伝子断片間の配列は一般に、TCR切除円(excision circle)(TREC)又はB細胞受容体切除円(BREC)とも呼ばれる、環状切除産物の形状で検出される。
V、D及びJ遺伝子断片の多くの異なる組み合わせが、いわゆるコンビナトリアルレパートリーを提示し、これは、Ig分子に関して〜2×10、TCRαβ分子に関して〜3×10、TCRγδ分子に関して〜5×10と推定される。V、D及びJ遺伝子断片の連結部位にて、ヌクレオチドの欠損及びランダム挿入が、再構成プロセスの間に発生し、結果として、非常に多種多様な連結領域がもたらされ、これは有意にIg及びTCR分子の総レパートリーに寄与し、>1012であると推定される。
成熟Bリンパ細胞は更に、濾胞中心における抗原認識に応じ、Ig分子を親和性成熟へ導くプロセスである体細胞超変異を介してIgレパートリーを拡張する。体細胞超変異プロセスは、IgH及びIg軽鎖遺伝子のV−(D−)Jエキソンに焦点をあて、単一ヌクレオチド変異に関係し、更に時としてヌクレオチドの挿入又は欠損にも関係する。体細胞変異Ig遺伝子は更に、濾胞又は濾胞後由来の成熟B細胞悪性腫瘍に見出される。
本明細書で記述した特定の実施形態において、PCR反応においてV断片及びJ断片プライマーを使用して、試験生体サンプル中の再構成されたTCR又はBCR CDR3コードDNA領域を増幅することができ、各機能的TCR又はIg Vコード遺伝子断片は、V遺伝子組換えシグナル配列(RSS)を含み、各機能的TCR又はIg Jコード遺伝子断片は、J遺伝子RSSを含む。これらの関連する実施形態において、各増幅され再構成されたDNA分子は、(i)少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000個以上の連続するヌクレオチドが、V遺伝子RSSに対して5’に位置して、TCR又はIg Vコード遺伝子断片のセンス鎖の少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000(その間の全ての整数値を含む)個以上の連続するヌクレオチドを含んでもよく、かつ/又は各増幅され再構成されたDNA分子は、(ii)少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500個以上の連続するヌクレオチドがJ遺伝子RSSに対して3’で位置して、TCR又はIg Jコード遺伝子断片のセンス鎖の少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500(その間の全ての整数値を含む)個以上の連続ヌクレチドを含んでもよい。
本発明の特定の実施形態の実施は、特に反対のことを示さない限り、本技術分野内である微生物学、分子生物学、生化学、分子遺伝学、細胞生物学、ウイルス学及び免疫学の技術における従来の方法を使用し、例示の目的でそのいくつかの参照を以下に行う。このような技法は文献にて完全に説明されている。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(3rd Edition、2001);Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2nd Edition、1989);Maniatisら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(1982);Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley and Sons、updated July 2008);Short Protocols in Molecular Biology:A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology、Greene Pub.Associates and Wiley−Interscience;Glover、DNA Cloning:A Practical Approach、vol.I & II(IRL Press、Oxford Univ.Press USA、1985);Current Protocols in Immunology(Edited by:John E.Coligan、Ada M.Kruisbeek、David H.Margulies、Ethan M.Shevach、Warren Strober 2001 John Wiley & Sons、NY、NY);Real−Time PCR:Current Technology and Applications、Edited by Julie Logan、Kirstin Edwards and Nick Saunders、2009、Caister Academic Press、Norfolk、UK;Anand、Techniques for the Analysis of Complex Genomes、(Academic Press、New York、1992);Guthrie and Fink、Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology(Academic Press、New York、1991);Oligonucleotide Synthesis(N.Gait、Ed.、1984);Nucleic Acid Hybridization(B.Hames & S.Higgins、Eds.、1985);Transcription and Translation(B.Hames & S.Higgins、Eds.、1984);Animal Cell Culture(R.Freshney、Ed.、1986);Perbal、A Practical Guide to Molecular Cloning(1984);Next−Generation Genome Sequencing(Janitz、2008 Wiley−VCH);PCR Protocols(Methods in Molecular Biology)(Park、Ed.、3rd Edition、2010 Humana Press);Immobilized Cells And Enzymes(IRL Press、1986);the treatise、Methods In Enzymology(Academic Press、Inc.、N.Y.);Gene Transfer Vectors For Mammalian Cells(J.H.Miller and M.P.Calos eds.、1987、Cold Spring Harbor Laboratory);Harlow and Lane、Antibodies、(Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、1998);Immunochemical Methods In Cell And Molecular Biology(Mayer and Walker、eds.、Academic Press、London、1987);Handbook Of Experimental Immunology、Volumes I−IV(D.M.Weir and CC Blackwell、eds.、1986);Riott、Essential Immunology、6th Edition、(Blackwell Scientific Publications、Oxford、1988);Embryonic Stem Cells:Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology)(Kurstad Turksen、Ed.、2002);Embryonic Stem Cell Protocols:Volume I:Isolation and Characterization(Methods in Molecular Biology)(Kurstad Turksen、Ed.、2006);Embryonic Stem Cell Protocols:Volume II:Differentiation Models(Methods in Molecular Biology)(Kurstad Turksen、Ed.、2006);Human Embryonic Stem Cell Protocols(Methods in Molecular Biology)(Kursad Turksen Ed.、2006);Mesenchymal Stem Cells:Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology)(Darwin J.Prockop、Donald G.Phinney、and Bruce A.Bunnell Eds.、2008);Hematopoietic Stem Cell Protocols(Methods in Molecular Medicine)(Christopher A.Klug、and Craig T.Jordan Eds.、2001);Hematopoietic Stem Cell Protocols(Methods in Molecular Biology)(Kevin D.Bunting Ed.、2008)Neural Stem Cells:Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology)(Leslie P.Weiner Ed.、2008)を参照のこと。
具体的な定義が提供されている場合を除き、本明細書に記述されている分子生物学、分析化学、合成有機化学、並びに医薬及び製薬化学に関連して使用される命名法並びに実験手順及び技法は、当該技術分野で周知であり一般的に使用されているものである。組換え技術、分子生物学、微生物学、化学合成、化学分析、製薬調製、処方、及び送達、並びに患者治療については、標準的技法を使用することができる。
用語「単離」は、材料が元の環境から(例えば、天然に生じる材料の場合は、自然環境から)取り出されることを意味する。例えば、生きている動物の元来の状況下に存在する、天然に生じる組織、細胞、核酸又はポリペプチドは単離されていないが、天然の系において共存する材料の一部分又は全てから分離された同じ組織、細胞、核酸又はポリペプチドは単離されている。そのような核酸は、ベクターの一部とすることができ、及び/又は、そのような核酸又はポリペプチドは、組成物(例えば細胞可溶化物)の一部とすることができ、そのようなベクター内で依然として単離されたままであるか、あるいは、その組成はその核酸又はポリペプチドに関する天然環境の一部ではない。用語「遺伝子」は、ポリペプチド鎖の産生に関与するDNAのセグメントを意味し、コーディング領域の前後の領域である「リーダー及びトレーラー」、並びに、個々のコーディングセグメント(エキソン)の間にある介在配列(イントロン)を含む。
別途記載が必要とされない限り、本明細書及び請求項全体を通じて、用語「含む(comprise)」及びその変化形、例えば「含み(comprises)」及び「含め(comprising)」は、オープンな包含的意味で、すなわち、「含むがこれらに限定されない」ものとして解釈される。「〜からなる(consisting of)」は、この句の前にあるものを含み、典型的にはこれらに限定されることを意味する。「〜から本質的になる(consisting essentially of)」は、この句の前に列記された要素を含み、列記された要素に関して本開示中で特定される活動又は行為を妨げることも寄与することもない他の要素に限定されることを意味する。よって、「〜から本質的になる(consisting essentially of)」は、列記された要素が必要又は必須であるが、他の要素は必要ではなく、列記された要素の活動又は行為に影響するか否かに依存して存在させてよく又は存在させなくてもよいことを示す。
本明細書及び添付の請求項において、単数形「a」、「an」及び「the」は、内容が明確に別途示されている場合を除き、複数の参照を含む。本明細書で使用される場合、特定の実施形態において、数値の前に付けられる用語「約」又は「およそ」は、プラスマイナス5%、6%、7%、8%又は9%の範囲を示す。別の実施形態において、数値の前に付けられる用語「約」又は「およそ」は、プラスマイナス10%、11%、12%、13%、又は14%の範囲を示す。更に別の実施形態において、数値の前に付けられる用語「約」又は「およそ」は、プラスマイナス15%、16%、17%、18%、19%又は20%の範囲を示す。
本明細書を通して、「1つの実施形態」又は「一実施形態」又は「一態様」の言及は、実施形態に関連して記述される特定の特徴、構造又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して、種々の場所において、語句「1つの実施形態において」又は「一実施形態において」が出現した場合、必ずしも全て、同一の実施形態について言及しているわけではない。更に、特定の特徴、構造又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わされてもよい。
実施例1:単分子標識。
単分子標識プロセスは、適応性免疫受容体をコードする配列を固有のバーコード及びユニバーサルプライマーでタグを標識するために、ポリメラーゼ連鎖反応アプローチを使用した。個々のバーコードを付加するPCR反応では、QIAGEN Multiplex PCRマスターミックス(QIAGEN部品番号206145、Qiagen、Valencia、CA)、10% Q溶液(QIAGEN)、及び300ngの鋳型DNAを使用した。プールされたプライマーを加え、最終反応物がフォワードプライマー合計濃度2μM、リバースプライマー合計濃度2μMを有するようにした。フォワードプライマーは、V遺伝子にアニールしたヌクレオチド配列部分(表2に示されるV遺伝子にアニールしたセグメント)、及び5’末端にユニバーサルプライマー(pGEXf、表3)からなっていた。凝集プライマーを表6に列記する。これらのプライマーは、特異性を高めるため、Vプライマーの3’末端とユニバーサルプライマー配列の5’末端との間にランダムなヌクレオチドの挿入を有してもよい。リバースプライマーは、J遺伝子領域にアニールできるヌクレオチド部分を有し(表2)、Jプライマーの5’末端にランダムヌクレオチドからなる8bpのバーコード、5’末端に8bpのランダムバーコードのユニバーサルプライマー(pGEXr、表3)を有する。これらのプライマーの例を表5に列記する。ランダムヌクレオチドからなる8bpのバーコードは、これより短くても長くてもよく、塩基対を追加することで、固有のバーコードの数は増加する。
ヌクレオチドタグは、7サイクルのPCR反応において分子に組み込まれた。熱サイクル条件は次の通りとした:95℃で5分間、次いで、95°で30秒間、68°で90秒間、72°で30秒間のサイクルを7サイクル。サイクル後、反応物を72°で10分間保持した。
8bpのランダムタグを有するプライマーにより抗原受容体分子をタグ付加した後、その他のプライマーは、ExoSAP−IT(製品番号78200、Affymetrix、Santa Clara、CA)を用いて破壊した。ExoSAP−ITは、エキソヌクレアーゼI及びエビアルカリホスファターゼの活性を使用する、Affymetrixの製品である。エキソヌクレアーゼIは単鎖DNAを破壊し、SAPはdNTPを分解する。この実施例では、10μLのPCR試薬と、4μLのexoSAP−ITが使用された。反応物を37℃で15分間インキュベーションし、更に80℃で15分間インキュベーションすることによってExoSAP−itを不活性化した。この時点で、分子はバーコード及びユニバーサルプライマーで固有にタグ付加された。タグ付加された産物を増幅するために、ユニバーサルpGEXプライマーを用いてもう一度PCR反応を実施した。この反応は、QIAGEN Multiplex PCRマスターミックス(QIAGEN製品番号206145、Qiagen、Valencia、CA)、10% Q溶液(QIAGEN)、及び鋳型として6μLの300ngの精製済みPCR反応物を使用した。この混合物に最終濃度が2μMになるようにフォワードユニバーサル(pGEXf)プライマーを加え、及びこの反応物に最終濃度が2μMになるようにリバースユニバーサルプライマー(pgEXr)を加えた。これらの分子をシークエンシングするために、pGEXプライマーを用いてIlluminaアダプタを組み込んだ。反応条件は上記と同じとしたが、ただしプライマーをテーリングプライマー(下記の表7(配列番号:5686〜5877)に置き換えた。この分子に、7サイクルのPCR反応により、同様に8bpのタグ及び6bpのランダムなヌクレオチドセットを含むIlluminaアダプタを組み込んだ。熱サイクル条件は次の通りとした:95℃で5分間、次いで、95°で30秒間、68°で90秒間、72°で30秒間のサイクルを7サイクル。サイクル後、反応物を72°で10分間保持した。
標識された分子がIlluminaアダプタでテーリングされた時点で、シークエンシングを行えるようになった。この実施例では、シークエンシングは、Illumina HISEQ(商標)シークエンシングプラットフォーム上で、8bpのランダマーを適応性免疫受容体をコードする配列全体に対して実施された。シークエンシングされた分子には、8bpランダムタグが含まれた。同一のCDR3及び8bpランダムタグ配列を有する全てのシークエンシング済み分子を、単一細胞の適応性免疫受容体をコードするポリヌクレオチド配列から増幅した。
表5は単分子シークエンシングのJプライマー(リバースプライマー)を示し、表6はVプライマー(フォワードプライマー)を示す。PCRプロトコルは短い:上記プライマーで1回目のPCR(5サイクル)を行って各分子に固有のタグを付加し、次に、ユニバーサルプライマー(PGEX)で2回目のPCR(35サイクル)を行い、分子を増幅する。これらの反応の後、PCR反応を行い、Illuminaアダプタにテーリングを行う。
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実施例2:適応性免疫受容体をコードする配列の単細胞標識
この実施例は、RT−PCRによる、免疫グロブリン及びT細胞受容体の重鎖及び軽鎖をコードする配列の単細胞標識について述べる。健康なヒト志願者から採血したての血液を、白血球供給源として使用する。100,000〜300,000個の白血球を取得するのに必要な全血の量は1mL未満である。血球の単離のために、1〜3mLの血液を使用する。末梢血単核細胞(PBMC)は、Histopaque(登録商標)−1077(Sigma、St.Louis、MO)の密度勾配遠心分離により、供給メーカーの説明書に従って、血液から単離する。CD45造血細胞は、Whole Blood CD45 Microbeads(Miltenyi Biotec、Auburn、CA)を用いて、メーカーの説明書に従い、また本質的にKoehlら(2003 Leukemia 17:232)の記述に従って、抗CD45コーティングされた磁気ビーズに結合させることにより単離する。白血球懸濁液を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗い、濃度を1×10個/mLに調節する。1〜3μLのアリコート(細胞1〜3×10個)を、あらかじめ冷却したプレートラック内で氷上に保持した96ウェルPCRマルチウェルプレートのウェルに分注する。全プレートウェルに充填後、直ちにプレートを密封し、ドライアイスの上に置いて凍結させ、細胞を溶解させる。下記の逆転写の準備工程の間、プレートをドライアイス上に保持する。
逆転写は、本質的に供給メーカーの説明書に従って、Illuminaシークエンシング用SMARTer(商標)Ultra Low RNAキット(Clontech、Mountain View、CA)を使用して実施する。ストック用反応緩衝液は、380μLの希釈用緩衝液と20μLのRNA分解酵素阻害剤を混合することにより調製する(40U/μL)。次に250μLの反応緩衝液を、100μLの3’Smarter(商標)CDS IIオリゴヌクレオチド(5’−Bio−AAGCAGTGGTATCAACGCAGAGTACT(30)NN−3’[配列番号:5878]の12μM溶液と混合する。式中、Bioはビオチン部分、AAGCAGTGGTATCAACGCAGAGTAC[配列番号:5879]はユニバーサルアダプタ配列、T(30)(配列番号:5880)はチミン残基が30個連結したオリゴマー、及びNは任意のヌクレオチド(A、C、G又はT)である。
逆転写の第1段階のアニーリング反応のセットアップは、溶解した細胞を入れた96ウェルプレートの各ウェルに、3’Smarter(商標)CDS IIオリゴヌクレオチドプライマーを含む3.5μLの反応緩衝液を加え、プレートを密封し、72℃で3分間インキュベーションすることにより行う。この後、マルチプレートは氷上で冷却されているラックに戻す。
逆転写用マスターミックス(100個の反応物について450μL)は、200μLの5x第1ストランド緩衝液、25μLの100mMジチオトレイトール(dithithreitol)(DTT)、100μLのdNTP(10mM)、25μLのRNA分解酵素阻害剤(40U/μL)、及び100μLの逆転写酵素を混合して調製する。実施する96ウェルプレートは、ウェル当たり1.0μLのバーコード付加3’−Smart(商標)CDSIIオリゴヌクレオチドを入れて準備する。3’−Smart CDSIIオリゴ配列は:5’−AAGCAGTGGTATCAACGCAGAGTACBBBBBBBBrGrGrG−P−3’[配列番号:5881]であり、式中、AAGCAGTGGTATCAACGCAGAGTAC[配列番号:5879]はユニバーサルアダプタ配列、BBBBBBBBは8ヌクレオチドのバーコード(バーコードの実施例は下記のリストを参照)、rGはリボグアニン、及びPは3’リン酸ブロッキング部分である。
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1.0μLのバーコード付加3’−Smart(商標)CDSIIオリゴヌクレオチドを入れた実施用96ウェルプレートの各ウェルに、4.5μLのマスターミックスを加え、アニーリング反応完了後に、バーコード付加3’−Smart(商標)CDSIIオリゴヌクレオチドを含むマスターミックス5.5μLを、実施用96ウェルプレートの各ウェルから、逆転写アニーリングプレートの対応する位置の(それぞれの)ウェルに移す。逆転写アニーリングプレートを熱サイクラーの上に置き、プログラムを42℃で90分間、その後70℃で10分間の工程で実行する。この温度プロファイルにより、各ウェルの白血球から放出された全てのポリAmRNA転写分子の第1のcDNA鎖の合成を実行する。非限定的な理論により、第1のcDNA鎖合成の後、ウェル内の各cDNA分子は、5’及び3’末端両方にユニバーサルアダプタ配列を含み、5’末端が8ntのバーコードで固有にタグ付加されている。
所望により、全96個の反応物から、バーコード付加cDNA分子をこの段階でプールして、PCRプレートに再びアリコートを分注し、免疫グロブリン又はT細胞受容体cDNAのPCR増幅を行うことができる。混合と分割の工程により、実質的に、全てのバーコード付加cDNA分子が、後続の、適応性免疫受容体をコードする(例えば、IG又はTCR)C断片遺伝子特異性プライマーとのPCR増幅反応において、実質的に均一に表され得る。
逆転写/cDNA第1鎖合成の産物が、次に、固相可逆不動化精製(SPRI)によって単離される。これは、逆転写反応プレートからの各ウェルの内容物を、25μLのAmpure(商標)XP SPRI磁気ビーズ(Beckman−Coulter Inc.、Brea、CA)懸濁液と混合し、室温で8分間インキュベーションし、次いで室温で、MagnaBot(商標)磁気セパレーター(Promega、Madison、WI)を使用して、供給メーカーの説明書に従い、ビーズを分離することによって実施される。
SPRIビーズに固定化されたcDNAの第1鎖を、Advantage 2(商標)PCR試薬(Clontech)を用いメーカーの説明書に従い、すぐに5’RACE(cDNA末端の急速増幅)PCR増幅反応物に加える。各反応物について、dNTP、UPMプライマー混合物、本明細書の他の箇所に記述されるIG/TCRプライマー混合物、及びAdvantage 2(商標)ポリメラーゼ、及びPCR緩衝液を含む50μLのPCRマスターミックスを加える。熱サイクル条件は次の通りとした:95℃で1分間;次に、95℃で30秒間、63℃で30秒間、72℃で3分間のサイクルを30サイクル;次いで、Illuminaシークエンシングのための調製までの間、反応物を10℃に保持する。PCRプライマー配列は:
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Illuminaシークエンシングライブラリの調製
96ウェルプレートの上下を返し、遠心分離によりPCR産物をプールし、供給メーカーの説明書に従い、Beckman Coulter Ampure(商標)XPビーズを使用して、プールした産物を精製して、200〜300bpよりも短いDNA断片を除去する。DNA純度は、Caliper Bioanalyzer(Perkin Elmer、Norwalk、CT)を使用して、キャピラリー電気泳動によって評価し、dsDNAの大半が600〜700bpの範囲内のサイズであることを確認する。dsDNA産物を、蛍光定量的に、又はA260 UV吸光度によって定量する。
シークエンシングライブラリの構築は、Illumina TruSeq(登録商標)DNA Sample Preparation Guide(部品番号15026486 Rev.C、July 2012、Illumina、Inc.、San Diego、CA)に従って、Illumina TruSeq(登録商標)サンプル調製プロトコル(Illumina Inc.、San Diego、CA)用のインプットとして1μgの精製DNAを使用して実施する。このプロトコルは、Illumina MiSeq(登録商標)、HiSeq(登録商標)2000、及びHiSeq(登録商標)2500シークエンサーにおけるペアドエンドフローセルを使用してシークエンシングすることが可能なシークエンシングライブラリを生成する。
Illuminaシークエンシングは、MiSeq(登録商標)試薬キットv2を使用する500サイクルのIllumina MiSeq(登録商標)シークエンサーでのシークエンシングプロトコルにより実施される。この化学製品は、MiSeq(登録商標)装置でのシークエンシングの最高525サイクル分の試薬キットを提供し、251サイクルのペアドエンド実施に加え、8サイクルのインデックス付けリード2回分に十分な試薬を提供する。Illuminaシークエンシングプロトコルは、MiSeq(登録商標)ReagentKit v2 ReagentPrepGuide、製品番号15034097 Rev.B、October 2012(Illumina Inc.、San Diego、CA)に記述されている。シークエンシングされるDNA標的の構造の模式図を、図6に示す(Ig重鎖が一例として使用されている)。
上述の様々な実施形態を組み合わせて、更なる実施形態を提供することができる。本明細書において言及されている米国特許、米国特許公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、及び特許以外の出版物は全て、参照によりその全体が援用される。本実施形態の態様は、必要に応じて改変可能であり、また更なる実施形態を提供するために、種々の特許、出願及び公報のコンセプトを利用する。
これら及び他の変更は、上述の「発明を実施するための形態」を考慮して実施形態に対して行うことができる。一般に、下記の請求項において、使用されている用語は、本明細書及び請求項に開示されている具体的な実施形態に請求項を制限するよう解釈されるべきではなく、そのような請求項に与えられる同等内容全体を備える全ての可能な実施形態を含むものとして解釈されるべきである。したがって、請求項は本開示によって制限されるものではない。

Claims (68)

  1. オリゴヌクレオチド増幅プライマー組成物であって、
    (A)一般式(A):
    U1−B1−V1 (A)
    の複数の順方向オリゴヌクレオチド配列と、
    一般式(B):
    U2−B2−J1 (B)
    の複数の逆方向オリゴヌクレオチド配列とを含む第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットを含み、
    式中、U1は第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、U2は第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、
    式中、B1は存在せず、又は6〜20個の連続するヌクレオチドの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含むオリゴヌクレオチドを含み、B2は存在せず、又は6〜20個の連続するヌクレオチドの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含むオリゴヌクレオチドを含み、これにより少なくともB1又はB2のいずれか一方が存在し、
    式中、V1は第1の適応性免疫受容体のV領域コーディング遺伝子配列又はその相補的配列の、少なくとも15個以上100個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含み、
    式中、J1は、(i)前記第1の適応性免疫受容体の連結(J)領域コーディング遺伝子配列又はその相補的配列、又は(ii)前記第1の適応性免疫受容体の定常(C)領域コーディング遺伝子配列又はその相補的配列の、15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含み、一般式U1−B1−V1の複数のオリゴヌクレオチド配列のそれぞれについて、V1は固有のオリゴヌクレオチド配列を含み、また一般式U2−B2−J1の複数のオリゴヌクレオチド配列のそれぞれについて、J1は固有のオリゴヌクレオチド配列を含み、
    (B)一般式(C):
    U3−B3−V2 (C)
    の複数の順方向オリゴヌクレオチド配列と、
    一般式(D):
    U4−B4−J2 (D)
    の複数の逆方向オリゴヌクレオチド配列とを含む第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットを含み、
    式中、U3は、U1又はU2のいずれかに同一のオリゴヌクレオチド配列を含み、U4は、U3とは同一ではないU1又はU2のいずれかと同一であるオリゴヌクレオチド配列を含み、
    式中、B3は、B1と同じである6〜20個の連続するヌクレオチドのオリゴヌクレオチドバーコード配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、B4は、B2と同じ6〜20個の連続するヌクレオチドのオリゴヌクレオチドバーコード配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、
    式中、V2は第2適応性免疫受容体のV領域コーディング遺伝子配列又はその相補的配列の、少なくとも15個以上100個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含み、
    式中、J2は、(i)前記第2適応性免疫受容体の連結(J)領域コーディング遺伝子配列又はその相補的配列、又は(ii)前記第2適応性免疫受容体の定常(C)領域コーディング遺伝子配列又はその相補的配列の、15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含み、一般式U3−B3−V2の複数のオリゴヌクレオチド配列のそれぞれについて、V2は固有のオリゴヌクレオチド配列を含み、また一般式U4−B4−J2の複数のオリゴヌクレオチド配列のそれぞれについて、J2は固有のオリゴヌクレオチド配列を含む、オリゴヌクレオチド増幅プライマー組成物。
  2. U1がU3と同一である、請求項1に記載の組成物。
  3. U2がU4と同一である、請求項1に記載の組成物。
  4. 対象のリンパ球系細胞を含む生体サンプル中の、複数の適応性免疫受容体をコードする個々の再構成DNA配列を標識するための方法を含み、この方法は:
    (a)(i)前記産物の各末端に1つ、少なくとも2つのユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドバーコード配列、X1オリゴヌクレオチド配列、X2オリゴヌクレオチド配列を含む配列、及び(ii)(i)の前記配列に対する相補的配列、をそれぞれ含む、二本鎖DNA産物を取得するための増幅を促進する条件下で、請求項1〜3に記載のオリゴヌクレオチドプライマー組成物を含む第1の増幅プライマーセットを使用して前記再構成DNA配列を増幅する工程と、
    (b)(a)の二本鎖DNA産物を、それぞれ下記:
    (i)第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド、又は、
    (ii)第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド、
    のいずれかを含む複数の第1及び第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドを含む第2の増幅プライマーセットで増幅する工程とを含み、
    シークエンシングのために複数の適応性免疫受容体をコードする再構成DNA配列のライブラリを取得するため、(a)の前記分離した二本鎖DNA産物の両鎖の増幅を促進する条件下で増幅が実施され、かつ
    (c)(b)で取得した前記DNAライブラリをシークエンシングする工程を含み、前記DNAライブラリ内の各配列は、固有のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含み、これによって各配列を固有の識別可能なバーコード配列で標識する、方法。
  5. 前記第2の増幅プライマーセット内の複数のオリゴヌクレオチドが更に、下記:
    (i)B1及びB2から区別される配列を有する6〜20個の連続するヌクレオチドのオリゴヌクレオチドバーコード配列を含む第3のバーコードオリゴヌクレオチドB5を含むサンプル識別バーコードオリゴヌクレオチドであって、前記第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドB5は、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドと第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列との間にあり、かつ前記第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドB3は、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドと第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列との間にある、サンプル識別バーコードオリゴヌクレオチド;
    (ii)1〜20個の連続するヌクレオチドの任意の配列であるスペーサーオリゴヌクレオチドであって、このスペーサーオリゴヌクレオチドは、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドと、第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド内の第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列との間にあり、かつ第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドと、第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド内の第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列との間にある、スペーサーオリゴヌクレオチド、
    のいずれか又は両方を含む、請求項4に記載の方法。
  6. オリゴヌクレオチドプライマー組成物であって、一般式(I):
    5’−U1−B1−X−3’ (I)
    を有する複数のオリゴヌクレオチド配列を含み、
    式中:
    U1は、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、
    B1は、n個の連続するヌクレオチドの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、nは6個以上のヌクレオチドであり、かつ、
    Xは、(i)適応性免疫受容体可変(V)領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列、又は(ii)適応性免疫受容体連結(J)領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを含み、かつ前記複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、Xが固有のオリゴヌクレオチド配列を含む、オリゴヌクレオチドプライマー組成物。
  7. 前記複数のオリゴヌクレオチド配列が、最高4個の固有のB1オリゴヌクレオチド配列を含む、請求項6に記載の組成物。
  8. nが7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の連続するヌクレオチドである、請求項6に記載の組成物。
  9. Xが、前記適応性免疫受容体V領域コーディング遺伝子配列、又は前記相補的配列の、20、30、40又は50個以上の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. Xが、前記適応性免疫受容体V領域コーディング遺伝子配列、又は前記相補的配列の、70、60、又は55個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項6〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. Xが、前記適応性免疫受容体J領域コーディング遺伝子配列、又は前記相補的配列の、16〜50個以上の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  12. Xが、前記適応性免疫受容体J領域コーディング遺伝子配列、又は前記相補的配列の、70、60、又は55個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項6〜8又は11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. Xが、V領域コーディング遺伝子配列に対しハイブリッド形成することができる、請求項6〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. Xが、J領域コーディング遺伝子配列に対しハイブリッド形成することができる、請求項6〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  15. B1が、再構成TCR又はIgをコードする個々の配列を識別するための固有のタグである、請求項6〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. B1が、単一細胞に由来する再構成TCR又はIgをコードする個々の配列を識別するために使用される、請求項15に記載の組成物。
  17. U1が、配列番号:1710〜1731を含む、請求項6〜16のいずれか一項に記載の組成物。
  18. B1が、表8に掲載される配列を含む、請求項6〜17のいずれか一項に記載の組成物。
  19. Xが、配列番号:1631〜1643又は1696〜1708を含む、請求項6〜18のいずれか一項に記載の組成物。
  20. Xが、配列番号:1644〜1695を含む、請求項6〜18のいずれか一項に記載の組成物。
  21. Xが、配列番号:5613〜5625を含む、請求項6〜18のいずれか一項に記載の組成物。
  22. 前記複数のオリゴヌクレオチド配列が配列番号:5626〜5685を含む、請求項6〜16のいずれか一項に記載の組成物。
  23. 前記複数のオリゴヌクレオチド配列が配列番号:1〜1630を含む、請求項6〜16のいずれか一項に記載の組成物。
  24. 一般式(II):
    5’−P1−S1−B2−U1−3’ (II)
    を含む複数の第2のオリゴヌクレオチド配列を更に含み、
    式中、P1はシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチドを含み、
    式中、S1はシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド配列を含み、
    式中、B2はオリゴヌクレオチドバーコード配列を含み、前記オリゴヌクレオチドバーコード配列は、サンプル源を識別するために使用することができ、
    式中、U1は前記第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項6〜23のいずれか一項に記載の組成物。
  25. 前記第2複数のオリゴヌクレオチド配列が配列番号:5686〜5877を含む、請求項24に記載の組成物。
  26. 次のものを含む第1の増幅プライマーのオリゴヌクレオチドプライマー組成物であって:
    (A)一般式(III):
    5’−U1−B1−X1−3’ (III)
    の複数の第1のオリゴヌクレオチド配列を含み、
    式中:
    (i)U1は、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、
    (ii)B1は、n個の連続するヌクレオチドの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、式中、nは0又は6〜20であり、
    (iii)X1は、(a)適応性免疫受容体可変(V)領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列、又は(b)適応性免疫受容体連結(J)領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含み、かつ、複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、X1は固有のオリゴヌクレオチド配列を含み、並びに、
    (B)一般式(IV):
    5’−U2−B2−X2−3’ (IV)
    の複数の第2のオリゴヌクレオチド配列を含み、
    式中:
    (i)U2は、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、
    (ii)B2は、m個の連続するヌクレオチドである第2のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、式中、mは0又は6〜20であり、かつ
    (iii)X2は、(a)適応性免疫受容体可変(V)領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列、又は(b)適応性免疫受容体連結(J)領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含み、かつ、複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、X1は固有のオリゴヌクレオチド配列を含み、
    式中、n及びmは互いに独立であり、前記第1及び第2の複数のオリゴヌクレオチドにおいて、m及びnは両方ともゼロにはならず、
    式中、X1が適応性免疫受容体V領域コーディング遺伝子配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含む場合、X2は適応性免疫受容体J領域コーディング遺伝子配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、またX1が適応性免疫受容体J領域コーディング遺伝子配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含む場合、X2は適応性免疫受容体V領域コーディング遺伝子配列を含むオリゴヌクレオチド配列を含む、オリゴヌクレオチドプライマー組成物。
  27. X1又はX2が、前記適応性免疫受容体V領域コーディング遺伝子配列、又は前記相補的配列の、20、30、40又は50個以上の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項26に記載の組成物。
  28. X1又はX2が、前記適応性免疫受容体V領域コーディング遺伝子配列、又は前記相補的配列の、70、60又は55個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項26〜27のいずれか一項に記載の組成物。
  29. X1又はX2が、前記適応性免疫受容体J領域コーディング遺伝子配列、又は前記相補的配列の、16〜50個以上の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項26に記載の組成物。
  30. X1又はX2が、前記適応性免疫受容体J領域コーディング遺伝子配列、又は前記相補的配列の、70、60又は55個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項26又は29のいずれか一項に記載の組成物。
  31. B1が、再構成TCR又はIgをコードする個々の配列を識別するための固有のタグである、請求項26に記載の組成物。
  32. B2が、再構成TCR又はIgをコードする個々の配列を識別するための固有のタグである、請求項26に記載の組成物。
  33. U1又はU2が、配列番号:1710〜1731を含む、請求項26に記載の組成物。
  34. B1又はB2が、表8に掲載される配列を含む、請求項26に記載の組成物。
  35. X1又はX2が、配列番号:1631〜1643又は1696〜1708を含む、請求項26に記載の組成物。
  36. X1又はX2が、配列番号:1644〜1695を含む、請求項26に記載の組成物。
  37. X1又はX2が、配列番号:5613〜5625を含む、請求項26に記載の組成物。
  38. 前記複数の第1又は第2のオリゴヌクレオチド配列が、配列番号:5626〜5685を含む、請求項26に記載の組成物。
  39. 前記複数の第1又は第2のオリゴヌクレオチド配列が、配列番号:1〜1630を含む、請求項26に記載の組成物。
  40. 前記複数のオリゴヌクレオチド配列が、最高4個の固有のB1オリゴヌクレオチド配列を含む、請求項26〜39のいずれか一項に記載の組成物。
  41. 前記複数のオリゴヌクレオチド配列が、最高4個の固有のB2オリゴヌクレオチド配列を含む、請求項26〜40のいずれか一項に記載の組成物。
  42. オリゴヌクレオチド増幅プライマー組成物であって、
    (A)一般式(V):
    U1/2−B1−X1 (V)
    の複数のオリゴヌクレオチド配列を含む、第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットを含み、
    式中、U1/2は、B1が存在するときに第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含み、B1が存在しないときに第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含む、オリゴヌクレオチド配列を含み、
    式中、B1は存在せず、又は6〜20個の連続するヌクレオチドの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含む、オリゴヌクレオチドを含み、
    式中、X1は、(1)適応性免疫受容体V領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列、又は(2)(i)適応性免疫受容体連結(J)領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列、若しくは(ii)適応性免疫受容体定常(C)領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の、15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列、のいずれかを含み、かつ、一般式U1/2−B1−X1の複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、X1は固有のオリゴヌクレオチド配列を含み、かつ、
    (B)一般式(VI):
    U3/4−B2−X2 (VI)
    の複数のオリゴヌクレオチド配列を含む第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットを含み、
    式中、U3/4は、B2が存在するときに第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含み、B2が存在しないときに第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含む、オリゴヌクレオチド配列を含み、
    式中、B2は存在せず、又はB1と同じである6〜20個の連続するヌクレオチドである第2のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含む、オリゴヌクレオチド配列を含み、
    式中、X2は、(1)適応性免疫受容体V領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列、又は(2)適応性免疫受容体連結(J)領域コーディング遺伝子配列、又はその相補的配列の、15個以上80個以下の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列、のいずれかを含み、かつ、一般式U3/4−B2−X2の複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、X2は固有のオリゴヌクレオチド配列を含む、オリゴヌクレオチド増幅プライマー組成物。
  43. U3が、U1又はU2と同じ配列を有する、請求項42に記載の方法。
  44. U4が、U1又はU2と同じ配列を有する、請求項42に記載の方法。
  45. 対象のリンパ球系細胞を含む生体サンプル中の、複数の適応性免疫受容体をコードする個々の再構成DNA配列を標識するための方法であって、該方法が:
    (a)(i)少なくとも1つのユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドバーコード配列、及びX、X1又はX2オリゴヌクレオチド配列のうち少なくとも1つの配列、を含む配列、及び(ii)(i)の配列に対する相補的配列、をそれぞれ含む、二本鎖DNA産物を取得するために増幅を促進する条件下で、請求項1〜36に記載のオリゴヌクレオチドプライマー組成物を含む第1の増幅プライマーセットを使用して前記再構成DNA配列を増幅する工程と、
    (b)(a)の二本鎖DNA産物を、それぞれ:
    (i)第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド、又は
    (ii)第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド、
    のいずれかを含む複数の第1及び第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドを含む第2の増幅プライマーセットで増幅する工程と(ここで、増幅は、シークエンシングのために複数の適応性免疫受容体をコードする再構成DNA配列のライブラリを取得するため、(a)の前記分離した二本鎖DNA産物の両鎖の増幅を促進する条件下で実施されるものである)、
    (c)(b)で取得した前記DNAライブラリをシークエンシングする工程と、を含み、前記DNAライブラリ内の各配列は、固有のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含み、これによって各配列を固有の識別可能なバーコード配列で標識する、方法。
  46. 前記第2の増幅プライマーセット内の複数のオリゴヌクレオチドがそれぞれ更に、下記:
    (i)B1及びB2から区別される配列を有する6〜20個の連続するヌクレオチドのオリゴヌクレオチドバーコード配列を含む第3のバーコードオリゴヌクレオチドB3を含むサンプル識別バーコードオリゴヌクレオチドであって、第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドB3は、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドと第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列との間にあり、また第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドB3は、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドと第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列との間にある、サンプル識別バーコードオリゴヌクレオチドと、
    (ii)1〜20個の連続するヌクレオチドの任意の配列であるスペーサーオリゴヌクレオチドであって、このスペーサーオリゴヌクレオチドは、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドと、第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド内の第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列との間にあり、かつ、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドと、第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチド内の第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列との間にある、スペーサーオリゴヌクレオチドと、
    の、いずれか又は両方を含む、請求項43に記載の方法。
  47. 単一のリンパ球系細胞内の適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1及び第2のポリペプチド配列をコードする個々の再構成DNA配列又はそこから転写されたmRNA配列を標識するための方法であって、
    単一リンパ球系細胞、又はそれから単離されたゲノムDNA、又は単一リンパ球系細胞のメッセンジャーRNA(mRNA)から逆転写された相補的DNA(cDNA)をそれぞれに含む、第1の複数の個々の微小液滴(A)を、第2の複数の個々の微小液滴(B)に接触させる工程を含み、このそれぞれが:
    (i)適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1のポリペプチドをコードする再構成DNA配列を増幅することができる第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセット、及び
    (ii)適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第2のポリペプチドをコードする再構成DNA配列を増幅することができる第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセット、
    を含み、
    (I)第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットが請求項42に記載のU1/2−B1−X1の組成物を含み、
    (II)第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットが請求項42に記載のU3/4−B2−X2の組成物を含み、
    複数の融合イベントが前記第1の微小液滴の1つと前記第2の微小液滴の1つとの間に生じるよう十分な時間にわたって条件を提供し、複数の融合微小液滴を形成する工程と、
    前記複数の融合微小液滴内で前記第1及び第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットを用いて、ゲノムDNA、又はmRNAから逆転写されたcDNAの増幅を可能にする条件を提供する工程と、を含み、
    1つ以上の前記複数の融合微小液滴はそれぞれ、
    少なくとも1つの第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、少なくとも1つの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドの少なくとも1つのX1オリゴヌクレオチドV領域コーディング遺伝子配列、少なくとも1つの第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、及び適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドの少なくとも1つのX1オリゴヌクレオチドJ領域又はC領域コーディング遺伝子配列を含む、第1の二本鎖DNA産物と、
    少なくとも1つの第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、少なくとも1つの第2のオリゴヌクレオチドバーコード配列、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドの少なくとも1つのX2オリゴヌクレオチドV領域コーディング遺伝子配列、少なくとも1つの第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、及び適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドの少なくとも1つのX2オリゴヌクレオチドJ領域又はC領域コーディング遺伝子配列を含む、第2の二本鎖DNA産物と、を含み、
    これにより、ゲノムDNA、又はmRNAから逆転写されたcDNAの増幅により、個々の再構成DNA配列又はそこから転写されたmRNA配列のそれぞれが、オリゴヌクレオチドバーコード配列で標識される、方法。
  48. 前記複数の融合微小液滴を破壊して、前記第1及び第2の二本鎖DNA産物の異種混合物を取得する工程を更に含む、請求項47に記載の方法。
  49. 前記第1及び第2の二本鎖DNA産物を、第3の増幅プライマーセット及び第4の増幅プライマーセットに接触させる工程を更に含み、
    前記第3の増幅プライマーセットは、(i)それぞれ、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、複数の第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、(ii)それぞれ、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、複数の第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、を含み、
    前記第4の増幅プライマーセットは、(i)それぞれ、第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第3シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、複数の第3シークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、(ii)それぞれ、第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第4シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、複数の第4シークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、を含み、
    前記接触させる工程は、前記第1及び第2の二本鎖DNA産物の両方の鎖を増幅するのに十分な条件及び時間で実施され、これによりシークエンシングのためのDNAライブラリを取得する、請求項48に記載の方法。
  50. 前記DNAライブラリをシークエンシングして、前記適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1及び第2のポリペプチド配列をコードする配列のデータセットを取得する工程を更に含む、請求項49に記載の方法。
  51. 前記第3及び第4の増幅プライマーセットが同じである、請求項49に記載の方法。
  52. 単一リンパ球系細胞内の適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1及び第2のポリペプチド配列をコードする個々の再構成DNA配列を標識するための方法であって、次の工程:
    単一リンパ球系細胞のメッセンジャーRNA(mRNA)から逆転写された相補的DNA(cDNA)をそれぞれに含む、第1の複数の個々の微小液滴(A)を、第2の複数の個々の微小液滴(B)に接触させる工程を含み、このそれぞれが:
    (i)適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1のポリペプチドをコードする第1のcDNA配列を増幅することができる第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセット、及び
    (ii)適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第2のポリペプチドをコードする第2のcDNA配列を増幅することができる第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットを含み、
    (I)第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットが請求項42に記載のU1/2−B1−X1の組成物を含み、
    かつ
    (II)第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットが請求項42に記載のU3/4−B2−X2の組成物を含み、
    前記複数の融合微小液滴内で、前記第1及び第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットを用いることにより、前記第1の微小液滴のうち1つと第2の微小液滴のうち1つとの間に複数の融合イベントを起こして複数の融合微小液滴を形成するのに十分な時間にわたって、単一リンパ球系細胞のmRNAから逆転写されたcDNAの増幅を可能にするような条件を提供する工程を含み、1つ以上の前記複数の融合微小液滴はそれぞれ、
    少なくとも1つの第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、少なくとも1つの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドの少なくとも1つのX1オリゴヌクレオチドV領域コーディング遺伝子配列、少なくとも1つの第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、及び、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドの少なくとも1つのX1オリゴヌクレオチドJ領域又はC領域コーディング遺伝子配列を含む、第1の二本鎖DNA産物と、
    少なくとも1つの第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、少なくとも1つの第2のオリゴヌクレオチドバーコード配列、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドの少なくとも1つのX2オリゴヌクレオチドV領域コーディング遺伝子配列、少なくとも1つの第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、及び適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドの少なくとも1つのX2オリゴヌクレオチドJ領域又はC領域コーディング遺伝子配列を含む、第2の二本鎖DNA産物と、
    を含み、これにより、cDNAが増幅されたときに、個々の再構成cDNA配列が、固有のオリゴヌクレオチドバーコード配列で標識される、方法。
  53. 前記複数の融合微小液滴を破壊して、前記第1及び第2の二本鎖DNA産物の異種混合物を取得する工程を更に含む、請求項52に記載の方法。
  54. 前記第1及び第2の二本鎖DNA産物の混合物を、第3の増幅プライマーセット及び第4の増幅プライマーセットに接触させる工程を更に含み、
    前記第3の増幅プライマーセットは、(i)それぞれ、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、複数の第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、(ii)それぞれ、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、複数の第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、を含み、
    前記第4の増幅プライマーセットは、(i)それぞれ、第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第3シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、複数の第3シークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、(ii)それぞれ、第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第4シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、複数の第4シークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、を含み、
    前記接触させる工程は、前記第1及び第2の二本鎖DNA産物の両方の鎖を増幅するのに十分な条件及び時間で実施され、これによりシークエンシングのためのDNAライブラリを取得する、請求項53に記載の方法。
  55. 前記DNAライブラリをシークエンシングして、前記適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1及び第2のポリペプチド配列をコードする配列のデータセットを取得する工程を更に含む、請求項54に記載の方法。
  56. 前記第3の増幅プライマーセットが、前記第4の増幅プライマーセットと同一である、請求項54に記載の方法。
  57. (1)前記第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットは、前記第1のポリペプチドをコードしている再構成DNA配列において、第1のポリペプチドの第1の相補性決定領域−3(CDR3)をコードする再構成DNA配列を増幅することができること、及び
    (2)前記第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットは、前記第2のポリペプチドをコードしている再構成DNA配列において、第2のポリペプチドの第2の相補性決定領域−3(CDR3)をコードする再構成DNA配列を増幅することができること、のいずれか一方又は両方である、請求項47又は52のいずれか一項に記載の方法。
  58. (a)前記適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドがTCR α(TCRA)鎖であり、かつ前記適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドがTCR β(TCRB)鎖であり、又は
    (b)前記適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドがTCR γ(TCRG)鎖であり、かつ前記適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドがTCR δ鎖(TCRD)であり、又は
    (c)前記適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドが免疫グロブリン重(IGH)鎖であり、かつ前記適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドが免疫グロブリン軽鎖IGL鎖又はIGK鎖から選択される、請求項47又は52のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドがIGH鎖であり、かつ前記適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドがIGL及びIGKの両方である場合は、IGHに対する第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセット、IGKに対する第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセット、及びIGLに対する第3のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットを含む3つの異なる増幅プライマーセットが使用される、請求項58に記載の方法。
  60. 前記第2の複数の個々の微小液滴それぞれが、リンパ球の状態の指標となる分子をコードする第3のcDNA配列を増幅することができ、かつ一般式(VII):
    U5/6−B−X3 (VII)
    を有する複数のオリゴヌクレオチド配列を含む組成物を含む、第3のオリゴヌクレオチドプライマーセットを更に含み、
    式中、U5/6は、Bが存在するときに第5ユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含み、Bが存在しないときに第6ユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含み、
    Bは、B1又はB2を含み、かつ
    X3は、(i)リンパ球の状態の指標となる分子をコードする遺伝子配列、又はその相補的配列の15〜80個の連続するヌクレオチドであるフォワードプライマー、及び(ii)リンパ球の状態の指標となる分子をコードする遺伝子配列、又はその相補的配列の15〜80個の連続するヌクレオチドであるリバースプライマー、のいずれか1つのオリゴヌクレオチドを含み、かつ、一般式U5/6−B−X3の複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、X3は固有のオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項52に記載の方法。
  61. 前記リンパ球の状態の指標となる分子が、FoxP3、CD4、CD8、CD11a、CD18、CD21、CD25、CD29、CCD30、CD38、CD44、CD45、CD45RA、CD45RO、CD49d、CD62、CD62L、CD69、CD71、CD103、CD137(4−1BB)、CD138、CD161、CD294、CCR5、CXCR4、IgG1−4 H鎖定常領域、IgA H鎖定常領域、IgE H鎖定常領域、IgD H鎖定常領域、IgM H鎖定常領域、HLA−DR、IL−2、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10、IL−12、IL−13、IL−15、IL−21、TGF−β、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、及びTLR10のうち1つ以上を含む、請求項59に記載の方法。
  62. 工程(4)が更に、
    (a)データセット中で識別されるオリゴヌクレオチドバーコード配列に照らして配列のデータセットをソーティングすることにより、それぞれ固有のバーコードを有する複数のバーコード配列セットを取得する工程と、
    (b)(a)の各バーコード配列セットをX1配列含有サブセット及びX2配列含有サブセットにソーティングする工程と、
    (c)X1及びX2配列に照らしてX1及びX2配列含有サブセットのそれぞれの構成要素をクラスタリングして、それぞれ、1つ又は複数のX1配列クラスターセット及び1つ又は複数のX2配列クラスターセットを取得する工程と、1つ以上のいずれかの前記X1及びX2配列クラスターセット内の、単一ヌクレオチドバーコード配列のミスマッチをエラー修復する工程と;
    (d)同じ1つ以上のバーコード配列セットに属するX1及びX2配列クラスターセットの構成要素である、同じ細胞配列に由来するものとして識別する工程と、を含む、請求項50又は55のいずれか一項に記載の方法。
  63. 単一リンパ球系細胞内の適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1及び第2のポリペプチド配列をコードする再構成DNA配列を決定するための方法であって、次の工程:
    (1)対象のリンパ球系細胞集団を含む細胞懸濁液の細胞を、前記細胞を収容することができる複数の容器に配分して、1つのリンパ球系細胞又は複数のリンパ球系細胞を含むリンパ球系細胞の亜集団をそれぞれに含む複数の容器を取得する工程と、
    (2)複数の容器内のリンパ球系細胞内のメッセンジャーRNA(mRNA)の逆転写を促進するのに十分な条件下及び時間、前記複数の容器内それぞれに、第1及び第2のオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットを接触させる工程であって、(A)第1のオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットは、第1の適応性免疫受容体ヘテロダイマーの複数のポリペプチドをコードする複数の第1のmRNA配列を逆転写することができ、また(B)第2のオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットは、第2適応性免疫受容体ヘテロダイマーの複数のポリペプチドをコードする複数の第2のmRNA配列を逆転写することができ、
    かつ、
    (I)第1のオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットが、請求項32に記載の一般式U1/2−B1−X1を含む組成物を含み、
    (II)第2のオリゴヌクレオチド逆転写プライマーセットが、請求項32に記載の一般式U3/4−B2−X2を含む組成物を含み、
    前記接触工程は、1つ以上の前記複数の容器内で、下記:
    少なくとも1つの第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、少なくとも1つの第1のオリゴヌクレオチドバーコード配列、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドの少なくとも1つのX1オリゴヌクレオチドV領域コーディング遺伝子配列、少なくとも1つの第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、及び、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドの少なくとも1つのX1オリゴヌクレオチドJ領域又はC領域コーディング遺伝子配列を含む、第1の逆転写された相補的DNA(cDNA)産物と、
    少なくとも1つの第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、少なくとも1つの第2のオリゴヌクレオチドバーコード配列、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドの少なくとも1つのX2オリゴヌクレオチドV領域コーディング遺伝子配列、少なくとも1つの第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列、及び、適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドの少なくとも1つのX2オリゴヌクレオチドJ領域又はC領域コーディング遺伝子配列を含む、第2逆転写された相補的DNA(cDNA)産物と、のうち1つ以上を取得するのに十分な条件下及び時間、実施される、接触させる工程と、
    (3)前記複数の容器から前記第1及び第2の逆転写されたcDNA産物を合わせて、逆転写されたcDNA産物の混合物を取得する工程と、
    (4)(3)の第1及び第2の逆転写されたcDNA産物の混合物を、第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセット及び第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットと接触させる工程であって、前記第1の増幅プライマーセットは、(i)それぞれ、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第1のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第1のシークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、複数の第1のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、(ii)それぞれ、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列と特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、第2のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第2シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、複数の第2のシークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、を含み、
    及び、前記第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットは、(i)それぞれ、前記第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチドに対し特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、前記第3のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第3シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、複数の第3シークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、(ii)それぞれ、前記第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成できるオリゴヌクレオチド配列と、前記第4のユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列の5’の位置に結合している第4シークエンシングプラットフォーム特異的オリゴヌクレオチド配列とを含む、複数の第4シークエンシングプラットフォームタグ含有オリゴヌクレオチドと、を含み、
    前記接触させる工程は、(2)の前記第1及び第2の逆転写されたcDNA産物の両方を増幅するのに十分な条件及び時間で実施され、これによりシークエンシングのためのDNAライブラリを取得する、接触させる工程と、
    (5)(3)で取得した前記DNAライブラリをシークエンシングして、前記適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1及び第2のポリペプチド配列をコードする配列のデータセットを取得する工程と、を含む方法。
  64. 前記工程(5)が更に、
    (a)データセット中で識別されるオリゴヌクレオチドバーコード配列に照らして配列のデータセットをソーティングすることにより、それぞれ固有のバーコードを有する複数のバーコード配列セットを取得する工程と、
    (b)(a)の各バーコード配列セットをX1配列含有サブセット及びX2配列含有サブセットにソーティングする工程と、
    (c)X1及びX2配列に照らしてX1及びX2配列含有サブセットのそれぞれの構成要素をクラスタリングして、それぞれ、1つ又は複数のX1配列クラスターセット及び1つ又は複数のX2配列クラスターセットを取得する工程と、1つ以上のいずれかの前記X1及びX2配列クラスターセット内の、単一ヌクレオチドバーコード配列のミスマッチをエラー修復する工程と、
    (d)既知のX1及びX2配列に基づいて第1及び第2の適応性免疫受容体ヘテロダイマーポリペプチドをコードする配列それぞれを識別する工程を含み、各X1配列及び各X2配列は、1つ又は複数の固有のB配列に関連付けられ、各B配列関連X1配列及び各B配列関連X2配列が由来する容器を識別する工程と、
    (e)共通の第1及び第2の適応性免疫受容体ヘテロダイマーポリペプチドをコードする配列とB配列が一致する確率に基づいて、(d)のB配列関連X1及びX2配列を共通クローン源として組み合わせてマッチングする工程と、これにより、単一リンパ球系細胞に由来する適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1及び第2のポリペプチド配列をコードする再構成DNA配列を決定する工程と、を含む、請求項63に記載の方法。
  65. (1)前記第1のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットは、前記第1のポリペプチドをコードしている再構成DNA配列において、第1のポリペプチドの第1の相補性決定領域−3(CDR3)をコードする再構成DNA配列を増幅することができること、及び
    (2)前記第2のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットは、前記第2のポリペプチドをコードしている再構成DNA配列において、第2のポリペプチドの第2の相補性決定領域−3(CDR3)をコードする再構成DNA配列を増幅することができること、のいずれか一方又は両方である、請求63に記載の方法。
  66. (a)前記適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドがTCR α(TCRA)鎖であり、かつ前記適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドがTCR β(TCRB)鎖であり、又は
    (b)前記適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第1のポリペプチドがTCR γ(TCRG)鎖であり、かつ前記適応性免疫受容体ヘテロダイマーの前記第2のポリペプチドがTCR δ鎖(TCRD)であり、又は
    (c)適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第1のポリペプチドは免疫グロブリン重(IGH)鎖であり、かつ適応性免疫受容体ヘテロダイマーの第2のポリペプチドは免疫グロブリン軽(IGL、IGK、又はIGLとIGKの両方)鎖である、請求項65に記載の方法。
  67. 1つ以上の容器が、リンパ球の状態の指標となる分子をコードする第3のcDNA配列を増幅することができ、かつ一般式(VIII):
    U5/6−B3−X3 (VIII)
    の複数のオリゴヌクレオチド配列を有する複数のオリゴヌクレオチドを含む組成物を含む、第3のオリゴヌクレオチド増幅プライマーセットを含み、
    式中、U5/6は、B3が存在するときに第5ユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含み、B3が存在しないときに第6ユニバーサルアダプタオリゴヌクレオチド配列を含む、オリゴヌクレオチド配列を含み、
    B3は、存在しないか、又はB1又はB2のうち少なくとも1つと同じであるか又は異なる、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の連続するヌクレオチドの第3のオリゴヌクレオチドバーコード配列を含む、オリゴヌクレオチドを含み、
    X3は、(i)リンパ球の状態の指標となる分子をコードする遺伝子配列、又はその相補的配列の15〜80個の連続するヌクレオチドであるフォワードプライマーポリヌクレオチド、及び(ii)リンパ球の状態の指標となる分子をコードする遺伝子配列、又はその相補的配列の15〜80個の連続するヌクレオチドであるリバースプライマーポリヌクレオチド、のいずれか1つのオリゴヌクレオチドを含み、かつ、一般式U5/6−B3−X3の複数のオリゴヌクレオチド配列それぞれにおいて、X3は固有のオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項63に記載の方法。
  68. 前記リンパ球の状態の指標となる分子が、FoxP3、CD4、CD8、CD11a、CD18、CD21、CD25、CD29、CCD30、CD38、CD44、CD45、CD45RA、CD45RO、CD49d、CD62、CD62L、CD69、CD71、CD103、CD137(4−1BB)、CD138、CD161、CD294、CCR5、CXCR4、IgG1−4 H鎖定常領域、IgA H鎖定常領域、IgE H鎖定常領域、IgD H鎖定常領域、IgM H鎖定常領域、HLA−DR、IL−2、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10、IL−12、IL−13、IL−15、IL−21、TGF−β、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9及びTLR10のうち1つ以上を含む、請求項67に記載の方法。
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