JP2015517798A - 低頻度変異を検出するための高感度な方法 - Google Patents

低頻度変異を検出するための高感度な方法 Download PDF

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Abstract

本開示の末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR法は、対立遺伝子特異的DNA(又はRNA)を増幅する一方で、野生型(WT)DNA(又はRNA)の増幅を劇的に阻害する。AS−NEPB−PCR設計は、変異配列に対し相補的な対立遺伝子特異的プライマーとともに末端ブロッカーオリゴヌクレオチドを導入し、対立遺伝子特異的増幅を達成することにより既存のPCR反応設定の容易な改変を可能にする。本方法は、アッセイの最適化手順を簡略化し、かつ0.1%程度で存在するシグナルを100%近い特異性で検出するのに十分な感度を達成した。これはSNP又は遺伝的変異を検出するのに有用である。本方法を使用して、異なる3種の末端修飾(リン酸塩、inverted dT及びアミノ−C7)をなされたブロッカーオリゴヌクレオチドを用い、がんにおけるKRAS、BRAF及びEGFRにおいて3種の異なる遺伝的変異を検出した。本方法は、不均質なサンプルの1000コピーの正常DNAのバックグラウンドから、1コピーの変異体DNAを検出することができ、かつ他のブロッキング法よりもはるかに高感度であった。

Description

診断領域において、分子アッセイの使用が急増している。分子試験は、患者の疾患特性、並びに分子レベルでの疾患に対する耐性をより良好に理解するために、臨床科学者及び臨床専門医により使用されてきた。具体的には、処置又は疾患に対する応答の評価において、個人間の遺伝的な差異を有効な因子として考慮し、治療に対する応答を判断するのである。
多くの疾患の処置において、異常でかつ有害な特定の細胞種を標的とすることは難しい。多くの場合、このような異常細胞は、周囲の正常組織には存在していない変異を示す。このような変異の提示は、特にがんの場合に当てはまり、がん性細胞の実際のクローン数は、周囲の正常組織中の正常細胞数と比べてはるかに少ない。存在が検出可能である場合には、場合により(成功率は増加してきている)、このような異常細胞は、該細胞が増殖する前の治療により標的とすることができる。したがって、臨床パラメータと分子特性とを組み合わせて使用することで、患者のための治療法の選択、特定の治療法に対する患者の応答の予測、又は患者の無疾患及び全生存の予測を補助することができる。
がんなどの疾患条件の評価において、患者は、有害に機能する単一の点置換、挿入、又は欠失変異を1つ又は2つ以上有する細胞を保有し得る。同種のがんを有する場合でさえ、異なる患者は異なる変異を有する場合がある。各変異又は変異群は、異なる治療レジメンにより最良に治療され得る。しかし、変異部位に隣接し、サンプル中の周囲の正常組織から得られる遺伝物質を有する、実質的にすべての核酸配列が同定されることに起因して、このような点変異は、強いシグナルを生成する正常組織により覆い隠されてしまうため、多くの場合、大規模な挿入又は欠失又は生殖系変異と比較してはるかに検出が困難である。換言すれば、何らかのがん性組織だけでなく多量の正常組織も含む組織サンプルでは、ポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)法を使用した場合に、概して変異配列よりも正常組織に対応するシグナルを生成することになる。
ハイスループットでかつ再現性の高いPCRアッセイにより単一のDNA分子の増幅がなされ得ることから、通常、PCRのような高感度の手法であっても、偽陽性の増幅を避けるため、特別な研究所での実施を採用することが推奨されている。シグナルが、ほとんど同一の核酸分子由来の多量のシグナルに埋没してしまう場合、バックグラウンドシグナルは数的有利を有する分子に由来することから、所望の標的核酸分子の代わりにバックグラウンドのほとんど同一の核酸分子が増幅されることは回避するよう対処する必要があるという更なる技術的な問題がある。結果として、比較的非侵襲性の手法によりがんの早期検出あるいは検出及び監視を試みた場合、PCRに基づく増幅は、低頻度で存在する核酸変異体(変異は、通常、腫瘍細胞において存在することから、多くの場合、サンプル中では正常組織と比較してはるかに少量(多くの場合、ほんの僅かの割合)で存在している)を単に増幅することはできない。
このようなアッセイの有用性は、多くの場合、その大部分は、遺伝型解析を実施する前に、あるいはほとんどが同一な大量のバックグラウンド分子ではなく標的核酸分子を非常に望ましく増幅する手順を採用する前に、正常組織からがん性組織を良好に分離し、標的核酸変異体を富化することに依存する。このような技術の例は、例えば、Newton et al.により、「DNA中の任意の点変異の解析:アレル特異的PCR法(ARMS)(Analysis of any point mutationin DNA: The amplificationre fractory mutation system(ARMS))」Nucleic Acids Res.17:2503〜2516(1989)により記載される。このような手法の感度は、手法の感度の観点から説明することができる。1%の感度とは、ほとんどが同一である多量の正常なバックグラウンドコピーの中で1:100で存在する標的変異分子種に相当するシグナルを、増幅及び生成し得ることを意味する。
がんに関して有用な有望な手法は、アレル特異的増幅を用いたリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応法(「AS−RT−PCR」)であリ、この手法では、野生型配列に優先的に結合して、野生型配列の変異体と比較して野生型配列の増幅を抑制する、ブロッカーオリゴヌクレオチドが使用され、野生型配列の増幅が抑制される。この手法は、患者の腫瘍細胞において、又はキメラにおいて低頻度で存在する遺伝的変異の評価に役立つ。この手法は、本明細書において後述するとおり、遺伝的変異体、一塩基多型(SNP)及び低頻度で存在している遺伝子変異を検出するのに役立ち得る。
AS−RT−PCRプロトコルの例、並びにそれらの限界は、例えば、Morlan et al.「リアルタイムPCRによる変異検出:簡単でロバストでありかつ好感度な手法(Mutation Detection by Real-Time PCR: ASimple ,Robustand Highly Selective Method)」、PLoS ONE 4(2):e4584.doi:10.1371/journal.pone.0004584(2009)に記載されている。Morlanの参照文献は、点変異の検出を増強させるためのセンターブロッカー(center-blocker)オリゴヌクレオチドの使用を記載している−この手法は、Wu et al.の「鎌状赤血球貧血を診断するための、アレル特異的な酵素によるf8−グロブリンゲノムDNAの増幅(X)」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2757〜60(1989)により報告されている対立遺伝子特異的な増幅法を改良したものである。Morlan法では、センターブロッカーオリゴヌクレオチドとともに、変異特異的なプライマーが使用される。センターブロッカーオリゴヌクレオチドは、いずれの末端からもほぼ等距離にミスマッチを有するオリゴヌクレオチドを意味する。変異特異的なプライマーは、変異配列に対して完全に相補的である。Morlanの変異特異的なプライマーは、PCRに使用されるアニール/伸長温度よりも溶解温度が約10℃下回るよう更に5’末端がトリミングされている。センターブロッカーオリゴヌクレオチドは、野生型配列と相補性であり、点変異がおよそ等しい距離になるよう点変異部位は配置される。更には、センターブロッカーオリゴヌクレオチドは、PCR反応中の伸長を予防するため、3’末端がリン酸化されている。
その他の取り組み例としては、Dames et al.「非標識プローブアッセイにおける異常な融解ピークの特性評価(Characterization of Aberrant Melting Peaksin Un labeled Probe Assays)」、Journal of Molecular Diagnostics,Vol.9,No.3,July 2007;並びにWillem Maat及びPieter A.Van der Velden、「ピロリン酸分解による原発性ぶどう膜黒色腫におけるB−RAF変異の検出(Pyrophosphorolysis Detects B-RAF Mutations in Primary Uveal Melanoma)」,Investigative Ophthalmology & Visual Science,Jan 2008,Vol.49,No.1.が挙げられる。
センターブロッカーオリゴヌクレオチド法に関し、選択された点変異の検出により良好な結果が得られ、かつこれまでの試みには著しい改良が見られているものの、稀な変異を最大限に検出するための手法を実際に利用するにあたって、常に1%超の感度を得るという課題は残っている。更に、この手法は、点変異の検出に限定される。稀な対立遺伝子を単に点変異により特定するものではない、高感度な検出法が引き続き更なる課題となっている。
変異アッセイ方法論をもとにした非伸張性プライマーブロッカー対立遺伝子特異的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(Non-Extendable Primer Blocker Allele Specific-Real Time Polymerase Chain Reaction;AS−NEPB−PCR)に基づく、新規末端ブロッカーオリゴヌクレオチドを開示し、これは、従来技術法の制限を克服して、1%未満の頻度で存在する核酸変異体の増幅及び検出を可能にし、1%未満のレベルで存在する標的に対する感度を達成するものである。本開示の方法は、SNP又は遺伝的変異を検出するための任意のAS−RT−PCRアッセイにおいて使用することができる対立遺伝子特異的プライマー及びプライマーブロッカーの普遍的な設計を可能にする。この方法はアッセイの最適化手順を単純化し、かつおよそ100%の特異性で0.1%の検出感度を達成している。
本開示の末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR法は、対立遺伝子特異的DNA(又はRNA)を増幅する一方で、野生型(WT)DNA(又はRNA)の増幅を劇的に阻害する。本開示のAS−NEPB−PCR設計は、変異配列に対し相補的な対立遺伝子特異的プライマーとともに末端ブロッカーオリゴヌクレオチドを導入し、対立遺伝子特異的増幅を達成することにより既存のPCR反応設定の容易な改変を可能にする。好ましい実施形態では、末端ブロッカーオリゴヌクレオチド及び対立遺伝子特異的プライマーは同一の長さを有し、かつ3’末端のみが異なっていてよく、末端ブロッカーオリゴヌクレオチドが変異配列に対し非相補的な塩基及びブロック化3’末端を有するのに対し、対立遺伝子特異的プライマーは好ましくは対象とする変異配列に対し完全に相補的であり、かつ3’末端に、PCR反応中の伸長を可能にするヒドロキシル基を有する。この方法は、装置よりも簡単であるばかりでなく、野生型配列の増幅を常に抑制して、変異配列が野生型配列の約0.1%の頻度で存在する場合でさえも野生型配列をほとんど非検出にすることにも成功する。更には、末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR法は、点変異を検出することのみに制限されるものではなく、特定の挿入又は欠失を検出することもできる。
末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR法は、がんにおいて異なる3つの遺伝的変異を検出するために使用されていた。ここで標的とされた遺伝的変異はKRAS、BRAF、及びEGFR遺伝子におけるものであり、3種の異なる種類の末端修飾されたブロッカーオリゴヌクレオチド(リン酸、inverted dT及びアミノ−C7)を使用することにより検出されていた。得られるデータは、参照として、既知の一般的なブロッキング法のうちの1つと比較された。本明細書において開示される新規方法は、不均質なサンプルの1000コピーの正常DNAのバックグラウンドから、1コピーの変異体DNAを検出することができ、かつ参照のブロッキング法よりもはるかに高感度であった。
置換、欠失又は挿入の少なくとも1つ又は2つ以上に起因する1つ又は2つ以上の変異により定義される変異核酸配列を検出し、かつ野生型配列に起因するシグナルを抑制するための好ましい方法は、複数の工程を包含する。好ましくは、少なくとも1つの変異が生じている核酸部位と3’末端が一致するよう、変異核酸配列に相補的なプライマーが選択される。第2のプライマー、すなわち末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドも使用される。末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドは、末端ブロッカー野生型プライマーの3’末端が、変異核酸配列に対する3’末端に又は3’末端付近に少なくとも1つのミスマッチを有するものの、野生型配列に対するミスマッチは有さないように野生型配列に対応する。更に、末端ブロッカー野生型プライマーの末端の3’ヒドロキシル基を阻害することにより、プライマーにはポリメラーゼ連鎖反応における非伸張性がもたらされる。好ましい実施形態では、逆方向プライマーは通常通りに選択されるものの、欠損又は挿入の検出を試みる場合には、ブロックされた3’末端を有する野生型配列と一致するものと類似する逆方向プライマーを使用することが有利な場合があることは注目すべきである。PCR反応の増幅産物は、ポリメラーゼ連鎖反応における増幅産物に特異的な少なくとも1つのプローブにより検出される。好ましくは、ポリメラーゼ連鎖反応はリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応である。
変法においては、ポリメラーゼ連鎖反応の開始後に1つ又は2つ以上のプローブを加える事もできる。更に、開始時出発材料は、対象とする点変異又はその他の変異に関係する転写産物を調査するために逆転写酵素により生成することができる。
この方法により手軽に操作される対象とする状況は、対象とする2つの点変異が隣接するなどして互いに接近している状況である。このような状況下で、この方法は、変異核酸配列に対する3’末端にあるいは3’末端付近に少なくとも1つのミスマッチを有する末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの3’末端を使用することができ、更には2つのミスマッチにいずれもの点変異を網羅させて、野生型配列の増幅を更により効果的に抑制することができる。いずれもの変異部位を網羅する対立遺伝子特異的プライマーが好ましい。このような適用範囲に関し、対立遺伝子特異的プライマーの結合に基づく伸長でさえも、増幅産物は野生型配列以外の標的変異に一致し得る。
一実施形態では、末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドのブロック化された3’末端に直接隣接する3つの塩基対のうち2つの塩基対はミスマッチを有するものの、末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの長さを増加させることによりこれが相殺され、対立遺伝子特異的プライマーにより野生型配列の増幅が抑制され得る。
好ましい実施形態では、末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドは、変異型又は野生型配列の類似する部位を網羅する3’末端を両方有する対立遺伝子特異的プライマーと長さが等しい。本方法は、存在する頻度がほんの1/1000ほどの場合、あるいはこれよりも更に稀である場合でさえも変異配列を検出し得る。
しかしながら、記載の通りの末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドは、対立遺伝子特異的プライマーによる野生型配列の偶発的な伸長を予防するよう、対立遺伝子特異的プライマーの排除を促進する目的で、対立遺伝子特異的プライマーより5’末端が長くてもよい。
末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドによる効果的な競争を確実にするため、対立遺伝子特異的プライマーの融解温度は野生型配列に対する末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの溶解温度よりも低い。好ましくは、対立遺伝子特異的プライマーの融解温度は、例えば、末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの溶解温度よりも約10℃低い。
野生型配列の末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドによる効果的な競争は、野生型配列を抑制しつつ変異配列の増幅を可能にするのに好適な濃度で確実に末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドを存在させることにより促進される。好ましくは、この濃度は野生型配列の濃度レベルと同等であり、少なくとも等しい。その一方で、PCR産物に組み込まれることから対立遺伝子特異的プライマーの濃度は野生型配列の濃度よりも過剰であり、かつ末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドは野生型配列の増幅の抑制をもたらすことから、対立遺伝子特異的プライマー濃度が標的PCR産物の増幅を低下させ、これにより野生型配列の増幅が減少する可能性がある。したがって、好ましくは、末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチド及び対立遺伝子特異的プライマーの濃度は同等である。
好ましくは、例えば、較正曲線を使用する、本開示の希少変異核酸配列の検出方法は、野生型配列に対する変異核酸配列の濃度を推定するための定量化を包含する。このような較正曲線は、ポリメラーゼ連鎖反応によりサンプルをスパイクすることにより生成することができる。
より良好な治療介入をもたらすためのがんの早期検出は、本開示の方法を使用して、組織、CTC、又は患者から採取されたその他のサンプルにおける腫瘍細胞型に一致する変異核酸配列により腫瘍細胞を検出した場合になすことができる。希少標的対立遺伝子が転移性の細胞疾患と一致する場合、腫瘍細胞が顕著になるより前の治療介入がより現実的に可能なものとなる。
したがって、本開示の方法は、患者由来のサンプル中の、変異核酸配列を保有しかつこの細胞の存在により悪性度又は再発の可能性が導かれる1つ又は2つ以上の標的細胞の存在を検出するという手法による、がんの早期発見に好適な診断方法である。方法は、対立遺伝子特異的プライマーの3’末端が、ミスマッチを有さず、かつ標的において少なくとも1つ変異が生じている核酸部位と整列されるよう、変異核酸配列の一部に一致する対立遺伝子特異的プライマーを選択することを含む。末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの3’末端が3’末端に又は3’末端付近に少なくとも1つのミスマッチを有するよう、かつ更には末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの3’末端をブロックして該オリゴヌクレオチドをポリメラーゼ連鎖反応における非伸長性の競合阻害剤とするよう、野生型配列に一致させた、末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドも使用する。所望の増幅産物を検出するための他の成分及び1つ又は2つ以上のプローブと一緒に、ポリメラーゼ連鎖反応、好ましくはリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応を実施する。この方法は、有効に早期にがんを検出するだけでなく、患者の処置に最適な治療法を案内することもできる。
偽性シグナルの確認として、変異核酸配列は、予め設定された増幅サイクル数に満たない反応産物を検出することにより検出される。
偽性シグナルに対する更なる予防措置として、同じサンプルにおいて、増幅産物が変異核酸配列と一致する場合には変異核酸配列の存在が検出されるが、変異型と同様に扱った参照配列は検出されない。野生型様配列と一致する配列を用い又は用いずに標的配列を使用して、サンプルをスパイクすることができる。対象とする感度及び他のパラメータを決定することができる。
末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドは、リン酸、inverted dT及びアミノ−C7からなる群から選択される1つ又は2つ以上のものにより3’ヒドロキシル基を誘導体化する又は置き換えることによりブロック化される。
本開示の新規AS−NEPB−PCR法及びこれらの変法のこれらの利点及びその他の利点を、添付の図面の補助として以降に記載する。
末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCRの設計に関する概略図:3’末端に修飾(リン酸又はinverted dT)を有するプライマーは、ポリメラーゼによる野生型配列の伸長を予防するためのブロッキング基として機能する。−PCRは、ASプライムした変異のみを増幅するのに対し、野生株は修飾された非伸張性プライマー(末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR)によりブロックされる。 V600Eの末端ブロッカーオリゴヌクレオチド設計のマッピングを示す図。ASプライマー1及び2は、それぞれ配列番号1及び配列番号2に相当するBRAF−AS−順方向プライマー1及び2を示す(ASプライマー1はASプライマー2よりも5’が6塩基長い)。末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR:野生型1及び2は、末端ブロッカーオリゴヌクレオチド1及び末端ブロッカーオリゴヌクレオチド2を表し、かつこれらはそれぞれ配列番号5及び配列番号6に相当する。プローブ−染料(染料標識プローブ−配列番号4)及び逆方向プライマー(配列番号3)はいずれのアッセイについても共通のものである。ASプライマー1、すなわち配列番号1は末端ブロッカーオリゴヌクレオチド−野生型−1(NEPB−野生型−1)、すなわち配列番号5とともに用い、ASプライマー2、すなわち配列番号2は末端ブロッカーオリゴヌクレオチド−野生型−2(NEPB−野生型−2)、すなわち配列番号6とともに用い実施した。説明文及び図中の太字はASプライマー1及び2における「A−BRAF変異(V600E;T>A)」などのミスマッチを表し、「」は本明細書及び図中の3’修飾を表す。 2つのK−ras遺伝子変異のための末端ブロッカーオリゴヌクレオチドの設計をマッピングする図。ASプライマーKrasP4(配列番号17)及びKrasP7(配列番号21)はG12V−AS−順方向プライマー及びG13D−AS−順方向プライマーを示す。NEPB−野生型−KrasP4B(配列番号18)及びP7B(配列番号22)は、G12V−NE末端ブロッカーオリゴヌクレオチド及びG13D−NE末端ブロッカーオリゴヌクレオチドを表す。KProbe1(配列番号20)及びKProbe2(配列番号24)は染料標識したプローブであり、いずれのアッセイについてもプライマーは共通のものである。ASプライマーKrasP4(配列番号17)を末端ブロッカーオリゴヌクレオチド−野生型−KrasP4B(配列番号18)及びKProbe1(配列番号20)とともに用い実施した。ASプライマー−KrasP7(配列番号21)をセンターブロッカーオリゴヌクレオチド−野生型−KrasP7B(配列番号22)及びKProbe2(配列番号24)とともに用い実施した。赤色の「t」はK−ras p.G12Vを示し、変異(c.G>T)及び赤い色の「a」はK−ras p.G13Dを示し、ASプライマー−KrasP4及びP7における変異(c.G>A)並びに恒例により「」は3’の修飾を表す。 BRAF V600E変異型の検出:20ng DNA反応物由来の20μL PCR産物のうち8種類をゲルに装填した。5%〜0.1%変異型の反応物からは単一の鮮明なバンドが観察され、かつSKBR3野生型AS−NEPB2−PCR−2反応物からはアクチンのPCR産物を除きPCR産物は観察されなかった。 SW480細胞株DNAに対するKrasP4(G12V;G>T)NEPB又はCBOブロッカーPCR:20ng DNA反応物からの20μL PCR産物のうち8種をゲルに装填した。4%アガロースゲルでは、0.1%変異型反応物由来の清浄なPCR産物が可視化され、野生型反応物からはアクチンのPCR産物を除きPCR産物は観察されなかった。ブロッカーを添加していない野生型の増幅産物由来のPCR産物も可視化された。テンプレート非添加対照(NTC)はいずれも未検出であった。 HCT116細胞株DNAに対するKrasP7(G13D;13G>A)NEPB又はCBOブロッカーPCR:8μL PCR産物をゲルに装填した。0.1%変異型反応物由来の清浄なPCR産物が可視化され、野生型反応物からはPCR産物は観察されなかった。ブロッカーを添加していない野生型の増幅産物由来のPCR産物も同様に可視化された。 NCI−H1975細胞株DNAに対するEGFR Exon 21 L858R(2573 T>G)AS−NEPB−PCR:8μL PCR産物をゲルに装填した。0.1%変異型反応物由来の清浄なPCR産物が可視化され、野生型反応物からはPCR産物は観察されなかった。ブロッカーを添加していない野生型の増幅産物由来のPCR産物も同様に可視化された。
本明細書においては、実施例及び考察例による補助を用い、変異アッセイ方法論をもとにした非伸張性プライマーブロッカー対立遺伝子特異的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(Non-Extendable Primer Blocker Allele Specific-Real Time Polymerase Chain Reaction;AS−NEPB−PCR)に基づく、新規末端ブロッカーオリゴヌクレオチドを開示し、これは、従来技術法の制限を克服して、1%未満の頻度で存在する核酸変異体の増幅及び検出を可能にし、1%未満の濃度で存在する標的に対する感度を達成するものである。本開示の方法は、SNP又は遺伝的変異を検出するための任意のAS−RT−PCRアッセイにおいて使用することができる対立遺伝子特異的プライマー及びプライマーブロッカーの普遍的な設計を可能にする。この方法はアッセイの最適化手順を単純化し、かつおよそ100%の特異性で0.1%の検出感度を達成している。本説明は、本手法の有効性を例示する実験の概略を詳述することにより開始する。
材料及び方法
細胞株及びFFPE組織サンプル
がん細胞株をアメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC,Manassas,VA.US)により取り寄せ、ATCCプロトコルに従って培養した。本試験には、特異的な対立遺伝子配列を含有する次の細胞株を使用した:p.V600E(c.1799T>A)の予想される変異硬化を有するBRAF変異において、HT29細胞株(ATCC#HTB−38D)はヘテロ接合性であり、SK−MEL28細胞株(ATCC#CRL−5908)はホモ接合性である。BRAF変異の評価は、発がん性変異のようであるとして記載された(11)。HCT116細胞株(ATCC番号CCL−247)はK−rasがん原遺伝子のコドン13に変異を有し(p.G13D;c.G>A)、SW480細胞株(ATCC番号CCL−228)はコドン12に変異を有する(p.G12V;c.G>T)。NCI−H1975細胞株(ATCC番号CRL−5908)は、L858R−2573T>G(12)のEGFRエクソン21の頻発型(recurrent)ヘテロ接合性ミスセンス変異を保有する。SKBR3細胞株(ATCC番号HTB−30)はBRAF用の野生型対照として使用し、K−ras及びNCI−H358細胞株(ATCC番号CRL−5807)はEGFR変異検出アッセイ用の野生型対照として使用した。
黒色腫及び大腸組織サンプルは、生物サンプル供給元の1つProteoGenex(Culver City,CA.US)から購入した。
患者サンプル
肝臓転移がん切除前及び腫瘍の処置(manipulation)に先立ち、末梢循環腫瘍細胞(CTC)の算出及び評価のため、42名の転移性結腸直腸がん患者から、静脈穿刺法により2×30mLの血液サンプルを採取した。CTCの濃縮及び算出は、CellSearch system(Veridex LLC,Raritan,NJ)により処理した。すべての患者は、記入済みのインフォームド・コンセント同意書を得てからErasmus Medical Center(Rotterdam,Netherlands)に収容した。
DNA抽出
製造元の説明書に従って、AllPrep(商標)DNA/RNA Microキットを使用して細胞株のDNAを抽出し、Qiagen(Valencia CA.USカタログ番号80284及び74404)のRNeasy FFPEキットを使用してFFPE組織DNAを抽出した。次に、抽出したDNAを使用者マニュアルに従ってNanodrop−2000分光光度計(Thermo Fisher Scientific,Wilmington,DE.US)で定量した後、後に使用するまで−20℃で保管した。
オリゴ設計
NEPBの概略図を図1に例示する。解析した対立遺伝子に関し、DNA(又はRNA)のポジティブ鎖又はネガティブ鎖のいずれかに対して対立遺伝子特異的プライマー(ASP)を設計することができる。順方向又は逆方向プライマーのいずれかに関し、3’末端は変異体の塩基に係留させる。ASPの融解温度(Tm)は、PCR伸長温度に近づけて設定すべきである。
順方向又は逆方向プライマーの3’末端が野生型塩基に係留されていること、及び3’末端の修飾(リン酸又はinverted dT又はアミノ−C7)によりポリメラーゼによる伸長が可能でないことを除き、対立遺伝子特異的プライマーと同一鎖及び同一の長さとなるよう、末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR法を設計した。センターブロッカーオリゴヌクレオチド設計は、論文(7)に掲載される基準に基づくものであり、末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR法との比較のために使用した。設計した配列は、SeqMan IIエキスパート配列解析ソフトウェア(DNASTAR Inc,WI,US)により構築した;図2はBRAF遺伝子の設計に関するものであり、かつ図3は2つのK−ras遺伝子に関するものである。
非AS順方向又は逆方向プライマー及びプローブを含む全ての設計には、Molecular Biology Insights(Cascade,CO.US)のオリゴプライマー解析ソフトウェアを使用した。Tmは、0.2uMプライマー、100mM[一価のカチオン]及び3mMフリーMg[2+]のPCR条件をもとにオリゴソフトウェアにより算出した。
MGBプローブを除き、プライマー、プローブ及びブロッカーを含むすべてのオリゴヌクレオチドは、Biosearch Technologies,Inc(Novato,CA.US)から購入した。製造元の使用説明書に従って、5’末端にはフルオロフォア染料(FAM及びCAL Fluorオレンジ)及び3’末端にはBHQ又はリン酸塩(表1a、b及びC)を含む修飾オリゴヌクレオチドを合成した。K−rasアッセイ用の2つのMGBプローブはApplied Biosystems(Foster City,CA)から購入した。
AS−NEPB−PCR増幅
B−Raf、K−ras及びEGFRの対立遺伝子解析用のAS−NEPB−PCRアッセイでは、ポジティブストランド上にASPを1つ、ネガティブストランド上にNEPB1つ、3’末端にBHQ又はMGBを有する蛍光標識した配列特異的TaqManプローブを1つ、及び非AS逆方向プライマー(RP)を1つ含んだ。BRAF遺伝子、Kras遺伝子及びEGFR遺伝子のそれぞれのプライマー、プローブ及びオリゴヌクレオチドブロッカーの配列は、以下の表1a、表1b及び表1cに掲載する。すべての表は、以降の「参照」節後の表題「表」において提供される。
Applied Biosystems 7500(又は7900)リアルタイムPCRシステム(Foster City,CA)での2つの独立した反応又は1つの反応において、1波長又は2波長フォーマットのAS−RT−PCR、AS内部標準遺伝子を有する遺伝子としてアッセイを実施した。
BRAF p.V600E(c.1799T>A)検出に関し、AS−NEPB−PCRアッセイの各プライマー、ブロッカー及びプローブ最終濃度を表2aに掲載する。アッセイは次のとおりに構成した:10ng〜50ngの不均質なDNA混合物を使用し、反応時最終容量20μLで実施した。TaqMan(登録商標)遺伝子発現マスターキット(Biosystemsから市販,製品番号4368814)を使用し、AS−NEPB−PCRを実施した。各反応物は10.0μLの2×PCRマスターミックス、1μLの20xプライマー/ブロッカー/プローブミックス、及び1〜5μLの10ng/μL総DNAサンプルから構成した。AS−NEPB−PCRアッセイは次のとおりに実施した:標準モード下で、95℃で10分間の変性を1サイクル、95℃で20秒間の変性及び状況により64℃でBRAF−NEPB1−PCR−1若しくは58℃でBRAF−NEPB2−PCR−2により45秒間のアニーリング及び伸長を40サイクル実施。
センターブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR法と比較するため、刊行物(7)において掲載の基準をもとに設計した2つのBRAFセンターブロッカーオリゴヌクレオチド(表1a)を試験した。1x、2xのASプライマー濃度によりセンターブロッカーオリゴヌクレオチドの最終濃度を試験した。ASプライマー濃度は0.9umであり、0.9um逆方向プライマーと、0.2umプローブとを最終的な20μL反応液中に有する。PCRの試薬及び条件はBRAF−NEPB1−PCR−1アッセイと同様である。各プライマー、ブロッカー、及びプローブの濃度は表2aに掲載する。
2つのK−ras変異体に関する、AS−NEPB−PCRアッセイの各プライマー、ブロッカーオリゴヌクレオチド及びプローブの最終濃度は表1b及び2bに掲載する。アッセイは次のとおりに構成した:20ngの不均質なDNA混合物を使用し、反応時最終容量20μLで実施した。TaqMan(登録商標)遺伝子発現マスターキットを使用し、AS−NEPB−PCRを実施した。各反応物は10.0μLの2×PCRマスターミックス、2μLの10xプライマー/ブロッカー/プローブミックス、及び2μLの10ng/μL総DNAサンプルから構成した。AS−NEPB−PCRアッセイは次のとおりに実施した:標準モード下で、95℃で10分間の変性を1サイクル、95℃で20秒間の変性及び状況により60℃で45秒間のアニーリング及び伸長を40サイクル実施。
刊行物(7)において提案されているASP濃度と一致するものとして、4xセンターブロッカーオリゴヌクレオチド濃度を用いたことを除き、末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR方法と同様のPCR条件でK−rasのセンターブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−PCR方法を実施した。
EGFR変異に関する、AS−NEPB−PCRアッセイの各プライマー、ブロッカーオリゴヌクレオチドおよびプローブの最終濃度は表1c及び2cに掲載する。アッセイの構成は、DNAテンプレートを除きK−ras変異アッセイのものと同様であった。DNAサンプルはNCI−H1975及びNCI−H358の不均質な混合物であった。AS−NEPB−PCRアッセイは次のとおりに実施した:標準モード下で、95℃で10分間の変性を1サイクル、95℃で20秒間の変性及び状況により63℃で45秒間のアニーリング及び伸長を40サイクル実施。
データ分析
末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR検出のBRAF(V600E)及びK−ras(G12V又はG13D)感受性/特異性は、関連する変異細胞株DNA(上記細胞株サンプルの節に記載)を細胞株SKBR3の野生型DNAに希釈して用いることにより評価した。変異体DNAの希釈は5%、1%、0.5%及び0.1%で行い、データは、ABI 7500 fast System SDSソフトウェア(Applied Biosystems)により回収及び解析した。センターブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR法及び末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR法の両方で同様の解析方法を使用した。マニュアル閾値(manual threshold)を0.1及びベースライン5〜15によりデータを解析し、FAM及びVICチャネルの両方に関しC値を得た。アクチンのC値が27以下であり、特異的変異遺伝子のCが37(最大3コピー)以下であり、すべてのテンプレート非添加対照(NTC)のCが未検出である場合、アッセイは妥当であるものとみなされる。
PCRのアリコートは、100塩基の分子マーカー(Invitrogen,Carlsbad,CA)を用いアガロースゲル電気泳動でも解析した。増幅後には、対応する陽性サンプル由来の特異的PCR産物が1種存在すべきである。
配列解析
BRAF V600EにおいてAS−NEPB−PCRにより検出された変異を、Rhodamine dye terminator cycle配列決定キット(Big Dye;Applied Biosystems)を使用する直接配列決定法により確認した。細胞株(20ng)及びFFPE(50ng)。変異を含有するDNAサンプルを、AS−NEPB2−PCR−2と同様のPCR条件下で、配列プライマー(表1a)を使用する非−AS−PCRにより増幅させた。配列を確認するため、PCR増幅産物をGENEWIZ(South Plainfield,NJ,US)に送付した。製造元の指示に従って、ABI 3730xl DNA Analyzerで配列決定を行い、ABI PRISM DNA Sequencing解析ソフトウェア(Applied Biosystems)を使用して解析した。
結果及び考察
BRAF V600E遺伝子変異の検出の際、最初に、K−ras変異検出に関する刊行物(7)からのセンターブロッカーオリゴ(CBO)法を適用した。ASP及びブロッカーの設計は論文に掲載される基準に従った。BRAF変異遺伝子の検出感度を0.1%に到達させる目的で、複数のアッセイ条件を試験した。我々は、各種アニーリング温度(58、60、62、64及び65℃)及びASP:PB比(1:4、1:2及び1:1)を滴定することによりアッセイ条件の最適化を試みた。しかしながら、野生型テンプレートに対する非特異的増幅以外に、変異検出感度を0.1%に到達させることができた条件はなかった。各CBOに関し、1つの条件下で結果を観察した。CBO−1由来の非特異的増幅は除き検出感度0.5%を得た(64℃及び1:1比)ものの、0.5%時のCが36を超過していた。検出感度0.1%を有する場合、CBO−2は一貫して非特異的増幅(64℃及び1:2比)を得た(表3)。
他の条件下では、ブロッカーの濃度を増加させるか、又はアニーリング温度を増加させることによりAS−PCR反応をブロックされた;ブロッカー濃度又はアニーリング温度を減少させた場合にはより非特異的増幅が生じた(データ不掲載)。更に、CBO法は、プライマー、ブロッカー及びプローブの配列が一部重なりあうこと、ブロッカーがオリゴヌクレオチドの中央の塩基を判別すること、Tm(長さ)が異なることを必要とするため、BRAF遺伝子オリゴの選択及びアッセイ条件の最適化には困難さが伴ったものの、この方法はK−ras変異アッセイでは成功した。
AS−NEPB−PCR法に基づき末端ブロッカーオリゴヌクレオチド(EBO)を開発して検出感度を改良し、BRAF遺伝子変異検出アッセイに関する非特異的増幅を除去した。対応する順方向ASプライマー、BRAF−AS−順方向プライマー1及び2を用い、EBO、EBO−1及びEBO−2を2組設計し、BRAF V600E対立遺伝子変異体に関し評価した。多型部位の下流に共通の逆転写プライマー及びプローブを設計し、AS−NEPB−PCRにおいて使用した。ASP及びNEPBのの両方のTm;NEプライマーブロッカー1のアニーリング温度(64及び65℃)及びASP:EBO比(1:1又は1:2)並びにNEプライマーブロッカー2のアニーリング温度(56、58及び60℃)及びASP:EBO(7:1又は3:1)比が同様であることに起因し、一部のアッセイ条件を試験する必要があった。アニーリング温度のスクリーニングは、ASPのTmと近くなるように選択した(表1a)。ASP:EBOスクリーニング比は、末端ブロッカーオリゴヌクレオチドは集計せずにAS−PCRから生成されたデータをもとに決定した(表3)。末端ブロッカーオリゴヌクレオチドの存在しないBRAF−AS−順方向プライマー2は、野生型DNAの使用量が50ngを超える場合に非特異的増幅をもたらしたことから(データ不掲載)、必要とされたEBOはより少なかった。
この結果から、末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCRを組み込むことにより、野生型DNAを非特異的増幅せずにAS−PCRの感度が増強されることが実証された。CBO法よりも良好に実施された(表3)。末端ブロッカーオリゴヌクレオチドをもとにしたAS−NEPB−PCR法は、強力な対立遺伝子特異的増幅も示し、AS−NEPB−PCRアッセイの両方において、不均質な混合物の1000コピーの正常DNAバックグラウンド中1コピーの変異体DNAを検出した(変異頻度0.1%及び変異体コピー2〜3)。EBO−2を有するBRAF−AS−順方向プライマー−2(AS−NEPB2−PCR−2)は、野生型及び変異型対立遺伝子を区別するのに最良の結果をもたらした。ここで、ΔCは、SKBR3野生型細胞株Cと、HT29変異型/SKBR3野生型株混合細胞株Cとの間の差として算出される。AS−NEPB2−PCR−2の使用により、0.1%変異体の検出感度が再現可能であったこと(変異体3〜5コピーまで減少)及び野生型特異性が非検出であったこと(最大で野生型細胞株DNA 50ng)が得られた(表4)。175ngの野生型組織DNAについては野生型特異性が非検出であったことも観察された(データ不掲載)。ゲル画像において、5%〜0.1%変異体反応物からは単一の鮮明なバンドが得られ、SKBR3 WT AS−NEPB2−PCR−2の反応物からは、アクチンのPCR産物を除きPCR産物は観察されなかった(図4)。
代表的な直接配列決定法を使用して、細胞株及びFFPE組織DNAサンプルの両方においてAS−NEPB2−PCR−2方法を確認した。配列データをもとにAS−NEPB−PCR法を使用することにより100%の感度及び特異性が得られた(表5)。
2つのKRAS遺伝子変異体(p.G12V;G>T及びp.G13D;13G>A)に対しても末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR方法を検証し、センターブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−PCR法と比較した。少数のASP対末端ブロッカーオリゴヌクレオチド比を試験して、末端ブロッカーオリゴヌクレオチドの最良濃度を得た。刊行物(7)により提供されるアニーリング温度60℃下で、論文に記載のものと同様のASプライマーを使用した。Kras G12V及びG13D変異型遺伝子検出アッセイのいずれもで、ASP対末端ブロッカーオリゴヌクレオチドが1:1比である場合に最良の結果、すなわち野生型DNAの非特異的増幅はせずに検出感度0.1%(最大5コピー)が観察された(表6a、6b、及び6c)。我々は、同一の反応条件下で、末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR法及びセンターブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−PCR法を試験した。等価のアッセイ性能が得られた(表7及び図5a及び5b)。末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR方法から、2つのK−ras0.1%(最大5コピー)変異型に関する3つの独立試行において<3% CVの良好なアッセイ精度が得られた。
inverted dT又はアミノ−C7により修飾した末端ブロッカーオリゴヌクレオチドも評価した。リン酸塩による3’末端の修飾と等価のアッセイ性能が得られた(表8)。
我々は、42の臨床サンプル、すなわち循環性結腸直腸腫瘍細胞に対し、末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR法を試験した。2つの組織サンプル及び1つのCTCサンプルにおいてBRAF(V600E)を検出した。これは配列決定データと一致した。組織及びCTCサンプルの両方で非特異的増幅は観察されなかった。これは配列決定データと一致した(表9)。
EGFR遺伝子(exon 21_L858R)変異検出で、末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR法も試験した。この結果により、末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに対するASP比1:1及びアニーリング温度63℃にて非特異的増幅せずに0.1%の変異(最大5コピー)が検出されたことが示された(表10及び図6)。独立した3つの試行により、5%、1%及び0.1%から、良好なアッセイ精度、<2% CVが得られた。
3つの異なる遺伝子(B−Raf、K−Ras及びEGFR)及び4つの変異型の(V600E、G12V、G13D及びL858R)検出には、末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR方法が効果的に採用された。ASPとほとんど同様の融解温度(Tm)をもたらす対立遺伝子特異的プライマーと同様のストランド及び長さを有する末端ブロッカーオリゴヌクレオチドの設計の利点に起因し、アッセイのそれぞれに関し、最適なアッセイ条件を容易に決定した。我々は、(1)通常、2つのアニーリング温度はTm近傍、すなわちASPのTmの1℃下及び1℃上であることのみが必要とされること、並びに(2)ASP:ブロッカー比が1:1であることが、最適なアッセイ条件を得るために最も好適であることを見出した。
結論として、非常に不均質なサンプルにおける変異検出に関し、末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR法は高感度でありかつ特異的方法である。これに加え、末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR法は、アッセイ設計及びアッセイ最適化の単純化において他のブロッキング法を上回る重大な利点を提供する。末端ブロッカーオリゴヌクレオチドに基づくAS−NEPB−PCR法は、数多くの異なる変異体のアッセイを開発する必要がある場合に有効なワークフローとなる。
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〔実施の態様〕
(1) 野生型配列の存在下で、ある位置における置換、欠失又は挿入のうちの少なくとも1つ又は2つ以上に起因する1つ又は2つ以上の変異により定義される変異核酸配列を検出し、かつ前記野生型配列に起因するシグナルを抑制するための方法であって、
対立遺伝子特異的プライマーの3’末端が、ミスマッチを有さずに少なくとも1つの変異が生じている核酸部位と整列されるよう、前記変異核酸配列の一部に一致する前記対立遺伝子特異的プライマーを選択する工程、
末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチド(edge-blocker wild type oligonucleotide)の3’末端が、3’末端に又は3’末端付近に少なくとも1つのミスマッチを有するよう、前記野生型配列に一致する前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドを選択する工程であって、更には、おそらくはCBO法と類似して、前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの3’末端をブロックして該オリゴヌクレオチドをポリメラーゼ連鎖反応において非伸長性とする、工程、
1つ又は2つ以上の逆方向プライマーを選択する工程、
1つ又は2つ以上のプローブを選択して、前記ポリメラーゼ連鎖反応の増幅産物を検出する工程、並びに
前記対立遺伝子特異的プライマー、前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチド、前記1つ又は2つ以上の逆方向プライマー、及び前記1つ又は2つ以上のプローブを含む成分により前記ポリメラーゼ連鎖反応を実施する工程、を含む、方法。
(2) 前記1つ又は2つ以上のプローブの少なくとも1つが、前記ポリメラーゼ連鎖反応の開始後に添加される、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記変異核酸配列及び前記野生型配列が、逆転写酵素により生成される、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記1つ又は2つ以上の変異が、2つの隣接する点変異を含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドが、該オリゴヌクレオチドの、ブロックされた3’末端に直接隣接する前記3塩基対のうちの少なくとも1つにミスマッチを有する、実施態様1に記載の方法。
(6) 前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの長さが、前記対立遺伝子特異的プライマーの長さと等しい、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの長さが、該オリゴヌクレオチドの5’末端において前記対立遺伝子特異的プライマーの長さよりも長い、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記対立遺伝子特異的プライマーの溶融温度が、前記野生型配列に対する前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの溶融温度以上である、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記対立遺伝子特異的プライマーの溶融温度が、前記野生型配列に対する前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの溶融温度よりも低い、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドが、前記対立遺伝子特異的プライマーと同濃度以下で存在することにより、前記ポリメラーゼ連鎖反応中の前記野生型配列の増幅がブロッキングされる、実施態様1に記載の方法。
(11) 前記変異核酸配列の検出が、前記野生型配列に対し前記変異核酸配列の濃度(level)を評価するための定量を含む、実施態様1に記載の方法。
(12) 前記変異核酸配列が、腫瘍細胞型に相当する、実施態様1に記載の方法。
(13) 前記変異核酸配列が、転移性細胞疾患に相当する、実施態様1に記載の方法。
(14) 変異核酸配列を保有する患者由来のサンプルにおいて、野生型細胞の存在下で、1つ又は2つ以上の変異細胞の存在を検出するという手法による(by way to detecting)がんの早期発見のための診断法であって、
対立遺伝子特異的プライマーの3’末端が、ミスマッチを有さない一方で、少なくとも1つの変異が生じている核酸部位と整列されるよう、前記変異核酸配列の一部に一致する前記対立遺伝子特異的プライマーを選択する工程、
末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの3’末端が、3’末端に又は3’末端付近に少なくとも1つのミスマッチを有するよう、前記野生型配列に一致する前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドを選択する工程であって、更には、前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの3’末端をブロックして該オリゴヌクレオチドをポリメラーゼ連鎖反応において非伸長性とする、工程、
1つ又は2つ以上の逆方向プライマーを選択する工程、
1つ又は2つ以上のプローブを選択して前記ポリメラーゼ連鎖反応の増幅産物を検出する工程、
前記対立遺伝子特異的プライマー、前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチド、前記1つ又は2つ以上の逆方向プライマー、及び前記1つ又は2つ以上のプローブを含む成分により前記ポリメラーゼ連鎖反応を実施する工程、並びに
前記サンプル中に前記変異核酸配列が存在する場合に、がんの初期段階を検出する工程、を含む、方法。
(15) 前記変異核酸配列と一致する増幅産物が、事前に規定された増幅サイクル数未満で検出された場合、前記変異核酸配列の存在が検出される、実施態様14に記載の方法。
(16) 前記変異核酸配列と一致する増幅産物が検出され、かつ同じサンプルにおいて参照変異配列が検出されない場合、前記変異核酸配列の存在が検出される、実施態様14に記載の方法。
(17) 前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの3’末端が、ヒドロキシル基を有さないことから、該末端がPCR反応において伸長からブロックされる、実施態様1又は14に記載の方法。
(18) 前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの3’末端が、前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの3’ヒドロキシル基を、リン酸、inverted dT及びアミノ−C7からなる群から選択される1つ又は2つ以上により誘導体化する又は置き換えることによりブロックされる、実施態様14に記載の方法。

Claims (18)

  1. 野生型配列の存在下で、ある位置における置換、欠失又は挿入のうちの少なくとも1つ又は2つ以上に起因する1つ又は2つ以上の変異により定義される変異核酸配列を検出し、かつ前記野生型配列に起因するシグナルを抑制するための方法であって、
    対立遺伝子特異的プライマーの3’末端が、ミスマッチを有さずに少なくとも1つの変異が生じている核酸部位と整列されるよう、前記変異核酸配列の一部に一致する前記対立遺伝子特異的プライマーを選択する工程、
    末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの3’末端が、3’末端に又は3’末端付近に少なくとも1つのミスマッチを有するよう、前記野生型配列に一致する前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドを選択する工程であって、更には、おそらくはCBO法と類似して、前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの3’末端をブロックして該オリゴヌクレオチドをポリメラーゼ連鎖反応において非伸長性とする、工程、
    1つ又は2つ以上の逆方向プライマーを選択する工程、
    1つ又は2つ以上のプローブを選択して、前記ポリメラーゼ連鎖反応の増幅産物を検出する工程、並びに
    前記対立遺伝子特異的プライマー、前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチド、前記1つ又は2つ以上の逆方向プライマー、及び前記1つ又は2つ以上のプローブを含む成分により前記ポリメラーゼ連鎖反応を実施する工程、を含む、方法。
  2. 前記1つ又は2つ以上のプローブの少なくとも1つが、前記ポリメラーゼ連鎖反応の開始後に添加される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記変異核酸配列及び前記野生型配列が、逆転写酵素により生成される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記1つ又は2つ以上の変異が、2つの隣接する点変異を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドが、該オリゴヌクレオチドの、ブロックされた3’末端に直接隣接する前記3塩基対のうちの少なくとも1つにミスマッチを有する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの長さが、前記対立遺伝子特異的プライマーの長さと等しい、請求項1に記載の方法。
  7. 前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの長さが、該オリゴヌクレオチドの5’末端において前記対立遺伝子特異的プライマーの長さよりも長い、請求項1に記載の方法。
  8. 前記対立遺伝子特異的プライマーの溶融温度が、前記野生型配列に対する前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの溶融温度以上である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記対立遺伝子特異的プライマーの溶融温度が、前記野生型配列に対する前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの溶融温度よりも低い、請求項1に記載の方法。
  10. 前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドが、前記対立遺伝子特異的プライマーと同濃度以下で存在することにより、前記ポリメラーゼ連鎖反応中の前記野生型配列の増幅がブロッキングされる、請求項1に記載の方法。
  11. 前記変異核酸配列の検出が、前記野生型配列に対し前記変異核酸配列の濃度を評価するための定量を含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記変異核酸配列が、腫瘍細胞型に相当する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記変異核酸配列が、転移性細胞疾患に相当する、請求項1に記載の方法。
  14. 変異核酸配列を保有する患者由来のサンプルにおいて、野生型細胞の存在下で、1つ又は2つ以上の変異細胞の存在を検出するという手法によるがんの早期発見のための診断法であって、
    対立遺伝子特異的プライマーの3’末端が、ミスマッチを有さない一方で、少なくとも1つの変異が生じている核酸部位と整列されるよう、前記変異核酸配列の一部に一致する前記対立遺伝子特異的プライマーを選択する工程、
    末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの3’末端が、3’末端に又は3’末端付近に少なくとも1つのミスマッチを有するよう、前記野生型配列に一致する前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドを選択する工程であって、更には、前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの3’末端をブロックして該オリゴヌクレオチドをポリメラーゼ連鎖反応において非伸長性とする、工程、
    1つ又は2つ以上の逆方向プライマーを選択する工程、
    1つ又は2つ以上のプローブを選択して前記ポリメラーゼ連鎖反応の増幅産物を検出する工程、
    前記対立遺伝子特異的プライマー、前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチド、前記1つ又は2つ以上の逆方向プライマー、及び前記1つ又は2つ以上のプローブを含む成分により前記ポリメラーゼ連鎖反応を実施する工程、並びに
    前記サンプル中に前記変異核酸配列が存在する場合に、がんの初期段階を検出する工程、を含む、方法。
  15. 前記変異核酸配列と一致する増幅産物が、事前に規定された増幅サイクル数未満で検出された場合、前記変異核酸配列の存在が検出される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記変異核酸配列と一致する増幅産物が検出され、かつ同じサンプルにおいて参照変異配列が検出されない場合、前記変異核酸配列の存在が検出される、請求項14に記載の方法。
  17. 前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの3’末端が、ヒドロキシル基を有さないことから、該末端がPCR反応において伸長からブロックされる、請求項1又は14に記載の方法。
  18. 前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの3’末端が、前記末端ブロッカー野生型オリゴヌクレオチドの3’ヒドロキシル基を、リン酸、inverted dT及びアミノ−C7からなる群から選択される1つ又は2つ以上により誘導体化する又は置き換えることによりブロックされる、請求項14に記載の方法。
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