JP2015517582A - 方法 - Google Patents

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Abstract

ビスコースの製造のための方法であって、a)原料として非溶解性パルプを用意するステップと、b)上記パルプを苛性アルカリ溶液中に浸漬するステップと、c)上記浸漬されたパルプを加工するステップと、d)上記加工された浸漬済みパルプを、再度苛性アルカリ溶液中に浸漬するステップと、e)ステップd)からのパルプをさらに加工して、ビスコース溶液を形成するステップとを含み、浸漬条件が:上記パルプが、針葉樹クラフトパルプを少なくとも主要成分又は1つの主要成分として含む場合、ステップd)における上記溶液の苛性アルカリ濃度は、少なくとも約11.5%w/wであり、ステップb)の上記溶液中の苛性アルカリ濃度対ステップd)における上記溶液の苛性アルカリ濃度の比(S1/S2比)は、1から1.8までであり;上記パルプが、ユーカリさらしパルプを少なくとも主要成分又は1つの主要成分として含む場合、ステップd)における上記溶液の苛性アルカリ濃度は、15%w/wから20%w/wまでであり、ステップb)の上記溶液中の苛性アルカリ濃度対ステップd)における上記溶液の苛性アルカリ濃度の比(S1/S2比)は、0.1から5までであり;及び上記パルプが、針葉樹クラフトパルプ又はユーカリさらしパルプ以外の非溶解性パルプを少なくとも主要成分又は1つの主要成分として含む場合、ステップd)における上記溶液の苛性アルカリ濃度は、少なくとも約11.5%w/wであり、ステップb)の上記溶液中の苛性アルカリ濃度対ステップd)における上記溶液の苛性アルカリ濃度の比(S1/S2比)は、0.1から5までであるように選択される、上記方法。

Description

本発明は、ビスコース法及びビスコース法の特定の改善、並びにそのような方法の結果として得られる生成物又はそのような方法における中間体として形成される生成物に関する。
セルロース含有パルプは、紙の工業的製造における有用性に加えて、ビスコースの工業生産を含む多くの他の用途を有する。
セルロース含有パルプの多くの供給源、例えば、木材(特に、針葉樹)、綿、亜麻、大麻及び竹が存在する。パルプは、通常、パルプのセルロース含量を最大化するために、リグニン及びヘミセロースを分離し、除去するための処理によってこれらの原料から調製される。
当業者に知られた2つの一般的なパルプ化技術がある。第一に、パルプは、原料を粉砕又はすり潰して、ヘミセルロース及びリグニンからセルロース繊維を物理的に分離することによって機械的に調製されることができる。
或いは、原料は、リグニン及びヘミセルロースを溶解するために、理想的には原料の天然のセルロース繊維を破壊することなく化学的に処理されることができる。化学的パルプ化法の例は、クラフト法及び亜硫酸法を包含する。
化学的加工ステップが機械的パルプ化法において使用されるか、又はその逆である、ハイブリッドパルプ化法も多数ある。そのような方法の例は、ウッドチップ又は他の原料が、機械的粉砕に加えて熱にも曝露されるサーモメカニカル法、及びウッドチップが、粉砕と熱への曝露の前に化学的パルプ化法で使用される化学物質に最初に曝露されるケミサーモメカニカル法を包含する。
セルロース再生の分野の当業者のためには、化学的パルプ化法から得られる2つのクラスのパルプがある。第一に、「溶解性パルプ」又は「溶解グレードパルプ」があり、これらは、ビスコース法において供給原料として使用される。溶解性パルプは、約90%以上の高いセルロース含量を特徴とする。その名前が示唆するように、それらは、商業的セルロース再生法において使用される溶媒又はドープに可溶性である。
他のクラスのパルプは、「非溶解性パルプ」であり、その例は、「市販パルプ(market pulp)」又は「フラッフパルプ(fluff pulp)」を包含する。これらは、その名前が示唆するとおり、従来使用されている加工液又はドープ中で可溶性でないため、ビスコース法における有用性が限られる。したがって、それらは、主にセルロース再生以外の用途において使用される。例えば、フラッフパルプ全体の80%超が乳児用おむつの製造において使用される。
溶解性パルプに比べて低い非溶解性パルプのコストにより、以前には非溶解性パルプをビスコース法において使用することが試みられてきた。しかしながら、得られるビスコース溶液の特性に対するそれらの悪影響の結果として、それらは、使用されるパルプ全体の約5〜10%以下を構成する低い割合で充填材料として使用することしかできない。
市販の非溶解性パルプの例は、Pearl 429(Weyerhauser)、Peach(Weyerhauser)、Fluff 416(Weyerhauser)、Port Wentworth SBSK(Weyerhauser)及びFibria、UPM及びENCEから入手可能なユーカリさらしパルプ(Bleached Eucalyptus pulp)を包含する。
それらの溶解特性に加えて、非溶解性パルプは溶解性パルプと多くの点で異なる。例えば、それらは通常、溶解性パルプよりも高いヘミセルロース含量、より低いα−セルロース含量を有し、より精製されておらず、重合度(DP)がより高く、及び/又は品質管理がより低度である。
当業者が知るとおり、通常実施されるビスコース法は、苛性ソーダ中でパルプをスラリー化するステップ、苛性アルカリ溶液中にそれを浸漬するステップ、二硫化炭素でセルロースをキサンテート化するステップ、及びそれを水性苛性アルカリ溶液中に溶解してビスコースを形成するステップを含む。
典型的には、材料の純度を最大化して品質を改善するために、ビスコースはろ過され、再ろ過される。次いで、それは、繊維性材料を形成するために紡糸口金を通してそれを押し出すこと、又は一枚のフィルムを形成するためにスリット又はローラーを通してそれを押し出すことなどによる当業者に知られた技術を用いて、所望の形状に形作られることができる。次いで、ビスコースからセルロースを再生するために、形成されたビスコースは酸性の流延溶液と接触させられる。
さらに、押し出されたセルロースフィルムは、該フィルムを清潔にして軟化させるため、並びに所望の光学的及び機械的特性を得るために、追加のローラー及び浴を通されてもよい。
一定の用途においては、浸漬ステップ及びキサンテート化ステップの間で、浸漬されたセルロースのスラリー又は溶液がマーセライズ加工に供されてもよく、ここでは、セルロース及びソーダの標的含量を有するアルカリ・セルロースを得るために、苛性アルカリ液の一部が除去される。このステップの目的は、特に、その重合度(DP)を低減することによって、セルロースの特性を改善することである。
従来実施されたように、非溶解性パルプがこれらのステップに供された場合、得られるビスコース溶液は、成形用途のためには許容できないほど低いろ過能力を有する。ビスコース法において非溶解性パルプがパルプ全体の約5〜10重量%超の割合で使用されることを妨げるのは、ビスコース溶液のろ過能力に対するこの悪影響である。
一方、ビスコース法における使用に最適化された溶解性パルプは、高いレベルのろ過能力を示すビスコース液を製造するために使用されることができる。
ろ過能力は、多くの異なる試験法を用いて測定可能である。
換算ろ過値(reduced filtration value)(Rv)は、その粘度及び使用するフィルター膜の多孔性を考慮した、ビスコースのろ過能力を表す。
Rvを決定するためには、ビスコースサンプルがスチール製の実験用ろ過装置(laboratory filtration rig)に装填され、2バールまで加圧される。試験の間を通して圧力が2バールに維持される。目で見てビスコースがろ過膜を通過したら、タイマーが起動され、集められたビスコースの重量が全体で30分間、5分間隔で記録される。
TVWは、30分間内にろ過されたビスコースの総量の尺度である。
実験データからRvを計算するために、以下の等式が使用される:
Fw=ビスコースのろ過能力を表すために使用されるフィルター値、及びS0=m3/tで表した、ろ過膜を通るビスコースの初期の瞬間流量として計算された定数、式中、t=フィルター作動時間(時間)。
Fwは、以下のとおりに計算される:
Kw=フィルター目詰まり値(目詰まり定数(kw)×10,000)。
目詰まり定数(kw)は、t/Mをtに対してプロットしたときに作成される線の勾配として計算される。したがって、Kwは、以下の式から計算可能である:
M=ろ液の量、及びt=時間
典型的に、Rv及びTVWの値が高いほど、ビスコースの品質は高く、それは、ビスコースがろ過膜を目詰まりさせるか又は封鎖することがないからである。実験室ビスコースのRv値は通常、(プラントにおいて製造される)同等の工業用ビスコースのそれよりもかなり高い。以下の表は、実験室ビスコースの品質とそれと同等の工業用ビスコースのありそうな品質の間の関連を理解するのを助けるための指針として使用可能である。
秒単位で測定されるボール落下速度(BFV)は、0.13g±0.02gの重さのスチールボールが、205mmの深さのビスコース溶液サンプルの底まで沈むのにかかる時間の尺度である。
ビスコース溶液の品質を定量化するための代替技術として、繊維計数法が使用可能であり、溶液中の残留繊維の量が測定される。
先に述べたとおり、非溶解性パルプからビスコースを製造することが試みられてきたが、使用された方法は、従来のビスコース法よりも高価及び/又は複雑になりがちで、例えば、それらは、溶解性パルプとブレンドすること、追加の試薬を利用すること、低温を維持すること、及び/又は昇圧下で操作することを含む。さらに、パルプのα−セルロース含量が90%未満の場合、得られるビスコース溶液は、成形用途のために必要なろ過能力を必ずしも有さない。
EP1873302は、ビスコース製造における高ヘミセルロースを加工する方法及びそれからの生成物を開示し、高いヘミセルロースレベルを含むパルプが、浸漬の間又はその後に溶解グレードパルプとブレンドされ、ビスコースに変換される。
US3,935,022は、主にパルプのアルカリ精製又はビスコース製造に由来するヘミセルロースを循環する苛性アルカリ液から除去するための方法であって、苛性アルカリ液からのヘミセルロースの沈殿を引き起こすための十分量のエタノールを添加すること、苛性アルカリ液から沈殿を分離すること及び実質的に精製された苛性アルカリ液を回収することを含む、上記方法を開示する。この方法は、非溶解性パルプが、US3,600,379又はUS3,728,330に概説されたビスコース製造方法において利用されることを可能とする。
US4,210,747は、紙グレードのパルプからビスコースを調製するための方法であって、該パルプに、パルプを浸漬するための必要量を超える浸漬用灰汁及びアルコール又はエステルのような少なくとも1種の有機化合物を添加することから成る上記方法を開示する。
GB711,040は、800超の重合度(DP)を有する未加工のセルロースから低アルカリ性ビスコースを製造するための方法であって、該未加工のセルロースが苛性ソーダ溶液中に浸漬され、該溶液の濃度が800DPでの17重量%から1400DPでの13重量%の範囲内でセルロースのDPに反比例して変化し、開始時には減圧下、その後は、浸漬溶液の濃度に反比例して変化する1〜15気圧の圧力下における、上記方法を開示する。
US4,287,334は、ビスコース製造方法であって、第1のアルカリ化ステップにおいてアルカリ金属水酸化物溶液でセルロースを処理すること、セルロースをプレスせずに過剰の水酸化物溶液の少なくとも一部からアルカリ化セルロースを遊離させること、及び反応混合物の温度を18℃以下に維持しながら、第2のアルカリ化ステップにおいてセルロースを第2のアルカリ金属水酸化物溶液で処理することを含む、上記方法を開示する。
EP0023527は、所望のあらかじめ設定された重合度を有するアルカリ・セルロースを作製するための方法及び装置であって、セルロースが、通常17〜25%の水酸化ナトリウムである水酸化アルカリ浴中に浸漬され、次いで、それがRFエネルギー場に供されて、その脱重合が制御されるところのRF処理チャンバーを通過させられる、上記方法及び装置を開示する。浸漬浴から外にでたら、セルロースは、そこで過剰の溶液がセルロースから絞り出される1つ又は一連のニップロール対のような過剰溶液去手段に進み、吸収されたアルカリの量が制御される。第2のより低濃度の浸漬浴がRF処理チャンバーに続く。
US4,163,840は、アルカリ・セルロースを作製するための方法及び装置であって、長さの決まっていないセルロースのシートを、通常17〜25%の水酸化ナトリウムである水酸化アルカリ浴中に連続的に浸漬し、次いで、セルロースストリップを、それがRFエネルギー場を包含する極めて迅速なマーセライズ加工条件に供され、その脱重合がもたらされるところのチャンバーを通過させることを含む、上記方法及び装置を開示する。第2のより低濃度の浸漬浴が迅速なマーセライズ加工ステップに続く。同様の方法がUS4,269,973に開示される。
EP1873302 US3,935,022 US3,600,379 US3,728,330 US4,210,747 GB711,040 US4,287,334 EP0023527 US4,163,840 US4,269,973
より安価な非溶解性パルプをセルロース加工方法において使用できるようにするために、ビスコース法を最適化する必要性が本分野において残っていることが、従来技術からわかる。
したがって、本発明の第一の態様によれば、ビスコースの製造のための方法であって、
a.原料として非溶解性パルプを用意するステップと、
b.上記パルプを苛性アルカリ溶液中に浸漬するステップと、
c.上記浸漬されたパルプを加工するステップと、
d.上記加工された浸漬済みパルプを、再度苛性アルカリ溶液中に浸漬するステップと、
e.ステップd)からのパルプをさらに加工して、ビスコース溶液を形成するステップと
を含み、浸漬条件が、
i.上記パルプが、針葉樹クラフトパルプ(Softwood Kraft pulp)を少なくとも主要成分又は1つの主要成分として含む場合、ステップd)における上記溶液の苛性アルカリ濃度は、少なくとも約11.5%w/wであり、ステップb)の上記溶液中の苛性アルカリ濃度対ステップd)における上記溶液の苛性アルカリ濃度の比(S1/S2比)は、1から1.8までであり、
ii.上記パルプが、ユーカリさらしパルプを少なくとも主要成分又は1つの主要成分として含む場合、ステップd)における上記溶液の苛性アルカリ濃度は、15%w/wから20%w/wまでであり、ステップb)の上記溶液中の苛性アルカリ濃度対ステップd)における上記溶液の苛性アルカリ濃度の比(S1/S2比)は、0.1から5までであり、及び
iii.上記パルプが、針葉樹クラフトパルプ又はユーカリさらしパルプ以外の非溶解性パルプを少なくとも主要成分又は1つの主要成分として含む場合、ステップd)における上記溶液の苛性アルカリ濃度は、少なくとも約11.5%w/wであり、ステップb)の上記溶液中の苛性アルカリ濃度対ステップd)における上記溶液の苛性アルカリ濃度の比(S1/S2比)は、0.1から5までである
ように選択される、上記方法が提供される。
有利なことに、本発明の最適化された加工条件は、高品質のビスコース溶液を形成するために使用可能であり、それは、非溶解性パルプからのセルロース成形品の調製に使用されることができる。
パルプが、「少なくとも主要成分又は1つの主要成分」として存在する成分を含むと述べる場合、意味するのは、問題の成分が、原料パルプの少なくとも約25%、少なくとも約33%、少なくとも約50%又は少なくとも約51%を構成するということである。
上述のとおり、当業者は、非溶解性パルプにより意味されるものを理解する。彼女/彼は、そのようなパルプが以下の性質:溶解性パルプに比べて、比較的高いヘミセルロース含量(典型的に、約10%以上)、比較的低いα−セルロース含量(典型的に、約90%以下、より典型的には、約83〜89%)、より精製されない、比較的高い重合度(DP)(典型的に、約700〜約1200)及び/又は比較的低い品質管理、のうちの1つ又は複数を示すと認める。
そのような非溶解性パルプの例は、フラッフパルプ、木綿リンター、針葉樹パルプ、楓などの広葉樹パルプ、及び混合広葉樹パルプを包含する。非溶解性パルプは、亜硫酸法又は硫酸塩(クラフト)法のような方法を介して化学的に処理されることができる。非溶解性パルプは、その製造中に漂白されてもよい。
原料は、針葉樹クラフトパルプ、ユーカリさらしパルプ、又は針葉樹クラフトパルプ又はユーカリさらしパルプ以外の非溶解性パルプから選択される単一の非溶解性パルプを含んでよい。或いは、原料は、針葉樹クラフトパルプ;ユーカリさらしパルプ;及び針葉樹クラフトパルプ又はユーカリさらしパルプ以外の非溶解性パルプから選択される2種以上の非溶解性パルプを含んでよい。原料パルプ構成要素のうちの少なくとも1つに関連して、浸漬条件のうちの少なくとも2つが選択されることが好ましい。
ステップb)において、パルプは苛性アルカリ溶液中に浸漬され、この苛性アルカリ溶液は典型的に、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物を含む。苛性アルカリ溶液の濃度は、10%〜25%w/wの範囲内にあってよい。
ステップb)において必要とされる苛性アルカリ溶液の濃度は、存在する非溶解性パルプのタイプに依存しうる。
パルプが、少なくとも主要成分又は1つの主要成分として北部針葉樹さらしクラフトパルプ(Northern Bleached Softwood Kraft pulp)又は南部針葉樹さらしクラフトパルプ(Southern Bleached Softwood Kraft pulp)を含む場合、苛性アルカリ濃度は、17%w/wから22%w/wまでであることが好ましい。
パルプが、少なくとも主要成分又は1つの主要成分としてユーカリさらしクラフトパルプを含む場合、苛性アルカリ濃度は、11.5%w/wから19.5%w/wまでであることが好ましい。
ステップd)において、加工された浸漬済みパルプは、苛性アルカリ溶液中に再度浸漬される。ここでも、この苛性アルカリ溶液は、典型的に、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物を含む。ステップd)における苛性アルカリ濃度は、少なくとも約11.5%w/w、少なくとも約12.5%w/w、少なくとも約14.5%w/w、少なくとも約16.5%w/w、少なくとも約18.5%w/w又は少なくとも約20.5%w/wであってよい。
ステップd)において必要とされる苛性アルカリ溶液の濃度は、存在する非溶解性パルプのタイプに依存しうる。
パルプが、少なくとも主要成分又は1つの主要成分として針葉樹クラフトパルプを含む場合、ステップd)における苛性アルカリ濃度は、少なくとも約11.5%w/wであってよい。パルプが、非溶解性パルプの少なくとも主要成分又は1つの主要成分として北部針葉樹さらしクラフトパルプ又は北部針葉樹さらしクラフトパルプを含む場合、苛性アルカリ濃度は、好ましくは、11.5%w/wから18.5%w/wまで、より好ましくは、12.5%w/wから17.5%w/wまで、又はさらにより好ましくは、12.5%w/wから16.5%w/wまでである。
パルプが、少なくとも主要成分又は1つの主要成分としてユーカリさらしパルプを含む場合、ステップd)における苛性アルカリ濃度は、15%w/wから20%w/wまでであってよい。パルプが、少なくとも主要成分又は1つの主要成分としてユーカリさらしクラフトパルプを含む場合、苛性アルカリ濃度は、好ましくは、15.5%w/wから19.5%w/wまで、より好ましくは、16%w/wから19%w/wまで、さらにより好ましくは、16.5%w/wから18.5%w/wまで、最も好ましくは、17%w/wから18%w/wまでである。
パルプが、少なくとも主要成分又は1つの主要成分として針葉樹クラフトパルプ又はユーカリさらしパルプ以外の非溶解性パルプ、例えば、広葉樹パルプ、フラッフパルプ及び/又は木綿リンターを含む場合、ステップd)における苛性アルカリ濃度は、少なくとも約11.5%w/w、少なくとも約12.5%w/w、少なくとも約14.5%w/w、少なくとも約16.5%w/w、少なくとも約18.5%w/w又は少なくとも約20.5%w/wであってよい。
本発明の発明者らは、ステップb)における苛性アルカリ濃度及びステップd)における苛性アルカリ濃度(すなわち、第1の浸漬(S1)及び第2の浸漬(S2)における苛性アルカリ濃度)と、結果としてのビスコース溶液の品質の間の直接的関係を発見した。最適のS1/S2比は、存在する非溶解性パルプのタイプに依存しうる。
パルプが、少なくとも主要成分又は1つの主要成分として針葉樹クラフトパルプを含む場合、S1/S2比は、1から1.8までであってよい。
パルプが、少なくとも主要成分又は1つの主要成分として北部針葉樹さらしクラフトパルプ又は南部針葉樹さらしクラフトパルプを含む場合、S1/S2比は、好ましくは、1.1から1.7まで、より好ましくは、1.15から1.55までである。
パルプが、少なくとも主要成分又は1つの主要成分としてユーカリさらしパルプを含む場合、S1/S2比は、0.1から5までであってよい。パルプが、少なくとも主要成分又は1つの主要成分としてユーカリさらしクラフトパルプを含む場合、S1/S2比は、好ましくは、0.5から4まで、より好ましくは、0.6から3まで、さらにより好ましくは、0.7から2までである。
パルプが、少なくとも主要成分又は1つの主要成分として針葉樹クラフトパルプ又はユーカリさらしパルプ以外の非溶解性パルプ、例えば、広葉樹パルプ、フラッフパルプ及び/又は木綿リンターを含む場合、S1/S2比は、0.1から5まで、好ましくは、0.5から4まで、より好ましくは、0.6から3まで、さらにより好ましくは、0.7から2までである。
ステップb)における浸漬プロセスの温度は、ステップd)における浸漬プロセスの温度と同じ又は異なってもよい。好ましくは、ステップb)における浸漬プロセスの温度は、ステップd)におけるそれとは異なり、より好ましくは、ステップb)における浸漬プロセスの温度は、ステップd)におけるそれよりも高い。
ステップb)における浸漬プロセスの温度は、少なくとも約25℃、少なくとも約30℃、少なくとも約35℃、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、少なくとも約50℃又は少なくとも約55℃であってよい。ステップd)における浸漬プロセスの温度は、少なくとも約28℃、少なくとも約30℃、少なくとも約35℃又は少なくとも約40℃であってよい。
ステップb)及び/又はステップd)における浸漬プロセスは、一般に、約5〜120分間実施される。
製造方法は、1つ又は複数の追加の浸漬ステップを含んでよく、ここで、パルプが苛性アルカリ溶液中に再浸漬される。
製造方法は、ステップb)及び/又はステップd)における浸漬用苛性アルカリからのヘミセルロースの除去を含んでよい。ステップb)及び/又はステップd)において浸漬用苛性アルカリから除去されるヘミセルロースの量は、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%であってよい。方法はさらに、その除去の下流のプロセス中に、除去されたヘミセルロースの少なくともいくらかを再導入することを含んでもよい。除去されたヘミセルロース又はそのうちのいくらかは、ステップe)の間又はその後に、パルプ又はビスコース溶液中に再導入されることが好ましい。
製造方法の間に、1種又は複数の浸漬用付加剤が存在又は添加されてもよい。該浸漬用付加剤は、ステップb)及び/又はステップd)のうちの少なくとも1つにおいて存在することが好ましい。浸漬用付加剤は、セルロース構造を開放したままにすることによって機能し、当業者は、そのような物質をよく知っている。使用されうる浸漬用付加剤の例は、グリセロール及び/又はアルコキシル化アルコール、特に、エトキシル化アルコールを包含する。特に好ましい浸漬用付加剤の例は、Berol 388及びBerol 44である。使用される場合、Berol 388のような浸漬用付加剤は、セルロースの0.01重量%から5.0重量%まで、0.01重量%から2.5重量%まで、0.01重量%から1.0重量%まで、又は0.01重量%から0.5重量%の量で添加されることが好ましい。
加えて又はその代わりに、1種又は複数の膨潤剤が、製造方法の間に存在するか又は添加されてもよい。膨潤剤は、好ましくは、ステップb)〜e)のうちの少なくとも1つ、より好ましくは、ステップb)及び/又はステップd)のうちの少なくとも1つにおいて存在する。本発明の方法において使用されうる膨潤剤の具体例は、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール又はポリアクリレートを包含する。
加えて又はその代わりに、1種又は複数の触媒が、製造方法の間に存在するか又は添加されてもよい。触媒は、好ましくは、ステップb)〜e)のうちの少なくとも1つ、より好ましくは、ステップb)及び/又はステップd)のうちの少なくとも1つにおいて存在する。好ましい触媒は、セルロースの0.01重量%から1重量%までの量で存在しうる、硫酸マンガン(II)(MnSO4)である。
ステップc)は、浸漬されたパルプを排水ステップに供することを含んでよい。好ましくは、排水ステップは、任意の過剰の塩基性液体を除去することを助けうる、浸漬されたパルプをプレスすることを含む。これに続いて、プレスされたパルプが細断されてよい。実施されたら、排水ステップ及び/又は細断ステップは、セルロースクラム製品を生じることが好ましい。
加えて又はその代わりに、ステップc)は、マーセライズ加工ステップを含んでよい。マーセライズ加工ステップの目的は、セルロースにおける重合度を低減させることなどによって、パルプ中に含有されるセルロースの特性を改善することである。マーセライズ加工ステップは、浸漬されたパルプからアルカリ液体の一部を除去することも含んでよい。
好ましい実施形態において、ステップc)は、ステップb)からの浸漬されたパルプをプレスすること及び細断してセルロースクラムを形成すること、その後にセルロースクラムをマーセライズ加工することを含む。
ステップe)は、ビスコース溶液を形成する前に、上記の排水ステップ、細断ステップ及び/又はマーセライズ加工ステップを含んでよい。
好ましい実施形態において、ステップe)は、ビスコース溶液を形成する前に、ステップd)からの浸漬されたパルプをプレスし、次いで細断することを含む。
ステップe)は、パルプをキサンテート化してビスコース溶液を形成することを含んでよい。キサンテート化は、ステップd)からの浸漬されたパルプがプレスされ、細断され及び/又はマーセライズ加工された後に実施されるのが好ましい。
キサンテート化は、15℃から40℃まで、20℃から30℃まで、又は25℃から28℃までの範囲の温度において、二硫化炭素とパルプを接触させることによって達成されうる。二硫化炭素は、セルロースの10重量%〜50重量%、15重量%〜45重量%、20重量%〜40重量%又は25重量%〜35重量%の量で存在してよい。二硫化炭素は、液体、水性又は気体状態であってよい。
有利なことに、キサンテート化において使用される二硫化炭素の量は、従来のビスコース製造方法において使用されるそれに比べて、顕著に低減されうることがわかった。例えば、使用される二硫化炭素の量はセルロースの21重量%〜25重量%と低くてよい。このことは、ビスコース法の消耗化学薬品のコストを低減するという利益を有することができ、生成されるH2S量の低減をもたらしうるため、環境的利益も有することができる。
キサンテート化に続いて、加工されたパルプは、塩基性液体、例えば、苛性アルカリ溶液中に溶解されうる。苛性アルカリ溶液は、水酸化ナトリウムを含むことが好ましい。約1%〜20%、約5%〜15%、約5%〜10%又は約8%〜10%のビスコース中セルロース含量(CiV)及び/又は約1%〜15%、約1%〜10%、約2%〜8%又は約3%〜7%のビスコース中ソーダ含量(SiV)を有するビスコース溶液をもたらす量及び濃度の塩基性液体が使用されることが好ましい。必要な塩基性液体の量及び濃度は、存在する非溶解性パルプのタイプに依存しうる。溶解は、少なくとも5℃、少なくとも10℃、少なくとも15℃、少なくとも20℃又は少なくとも25℃の温度において実施されることが好ましい。
一般に、本発明の一部としてパルプが供されるプロセスの結果、処理された非溶解性パルプから完全に、形成されるビスコース溶液が調製されうる。しかしながら、それでも当業者は溶解性及び非溶解性パルプの混合物から溶液を生成することを望むかも知れない。したがって、本発明の好ましい実施形態においては、方法中で使用されるパルプの少なくとも約15%が処理された非溶解性パルプである。より好ましい実施形態においては、使用されるパルプの少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約90%、少なくとも約95%又はさらには少なくとも約98%が、処理された非溶解性パルプである。
方法が実験室規模で実施される場合、ビスコース溶液は、少なくとも約300のRvを有する、すなわち、ビスコース溶液は少なくとも約300の「実験室Rv」を有することが好ましい。先に述べたとおり、実験室ビスコースのRv値は、通常、同等の工業用ビスコースのそれよりもかなり高い。したがって、方法が工業的規模で実施される(プラントにおいて製造される)場合、得られるビスコース溶液は、少なくとも約10のRvを有する、すなわち、ビスコース溶液は少なくとも約10の「プラントRv」を有することが好ましい。
本発明の方法は、さらに、ビスコース溶液からセルロース成形品を成型するステップを含んでよい。それを行うための技術は、当業者によく知られている。例えば、成形品がセルロース繊維である場合、これらの繊維は、繊維性材料を作製するために、紡糸口金を通してセルロース溶液を押し出すことによって形成されることが好ましい。しかしながら、任意の繊維形成技術及び装置が使用されてよい。
本発明の第二の態様によれば、上記の方法によって得られた又は得ることのできるビスコースが提供される。
ビスコースは、非溶解性パルプの特性判定基準を選択すること及び選択された特性判定基準のビスコースにおける存在を決定することによって同定可能でありうる。選択された特性判定基準は、非溶解性パルプの独特の分子フィンガープリントを含むことが好ましい。
それからビスコースが形成された、非溶解性パルプの独特の分子フィンガープリントを用いてビスコースを同定する1つの方法は、分析的熱分解ガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC−MS)の使用を含む。この方法においては、ビスコースサンプルの熱分解がGC−MSを用いて分析される気体成分の混合物を生成する。より具体的には、気体成分の混合物は、固定相へのそれらの親和性によってクロマトグラフィーカラムに沿って分離される、すなわち、親和性が大きいほど、保持時間が長い。次いで、カラムから溶出する分析物は、それらがイオン化され、断片化され、検出される質量分析計へ移行する。各クロマトグラフィーピークは、それ自身の質量分析プロフィールに割り当てられ、こうして分析物が同定され、特徴づけされることができる。様々な成分の指定は、標的化合物のマススペクトルのデータベースへの関連付けに基づいて行われる。
最後に、ビスコースの熱分解分子フィンガープリントが生成され、これが異なるタイプの非溶解性パルプの熱分解分子フィンガープリントに比較されることができる。ビスコースと非分解性パルプの熱分解分子フィンガープリントがお互いにどれだけよく一致するかを見るための全体的なパーセンテージスコアを生成するために、統計モデルが使用されることができ、すなわち、一致の%が高いほど、試験されているタイプの非溶解性パルプからビスコースが形成された可能性が高い。したがって、ビスコースを形成するために使用された非溶解性パルプのタイプを決定することが可能である。
再生されたセルロース系物品は、ビスコースを逆溶剤と接触させることによって調製されることができる。
疑義の生じるのを避けるために、上で議論した本発明の第一の態様の特徴への参照は、適宜、第二の態様のビスコースに任意に適用可能である。
本発明の第三の態様によれば、非溶解性パルプの特性判定基準を選択すること及び選択された特性判定基準のビスコースにおける存在を決定することによって、ビスコースを同定する方法から得られた又は得ることのできるフィルム又は繊維が提供される。
特定の実施形態において、有用な物品が上記フィルム又は繊維から製造されうる。
ここで、本発明を、以下の例及び図面への参照により説明する。
二重浸漬プロセスにおける南部針葉樹さらしクラフトパルプに関する、制御された第1の浸漬液条件下でのビスコースの品質(Rv)と第2の浸漬液中NaOH濃度の間の関係を示すグラフである。 二重浸漬プロセスにおける南部針葉樹さらしクラフトパルプに関する、制御された第2の浸漬液条件下でのビスコースの品質(Rv)と第1の浸漬液中NaOH濃度の間の関係を示すグラフである。 単回浸漬プロセスにおける南部針葉樹さらしクラフトパルプに関する、ビスコースの品質(Rv及びTVW)と浸漬液中NaOH濃度の間の関係を示すグラフである。 単回浸漬プロセスにおける南部針葉樹さらしクラフトパルプに関する、浸漬液中NaOH濃度に対する除去されたヘミセルロースの量とプレスされた生成物の重量の間の関係を示すグラフである。 単回浸漬プロセスにおける南部針葉樹さらしクラフトパルプに関する、浸漬液中NaOH濃度に対するアルカリ・セルロース中の苛性アルカリ(CiAC)の量とアルカリ・セルロース中のソーダ(SiAC)の量の間の関係を示すグラフである。 二重浸漬プロセスにおける南部針葉樹さらしクラフトパルプに関する、ビスコースの品質(Rv)と使用されたCS2の量の間の関係を示すグラフである。 二重浸漬プロセスにおける南部針葉樹さらしクラフトパルプに関する、ビスコースの品質(Rv)と使用されたSiV濃度の間の関係を示すグラフである。 二重浸漬プロセスにおけるユーカリさらしクラフトパルプに関する、制御された第1の浸漬液条件下でのビスコースの品質(Rv)と第2の浸漬液中NaOH濃度の間の関係を示すグラフである。 二重浸漬プロセスにおけるユーカリさらしクラフトパルプに関する、制御された第2の浸漬液条件下でのビスコースの品質(Rv)と第1の浸漬液中NaOH濃度の間の関係を示すグラフである。 二重浸漬プロセスにおけるユーカリさらしクラフトパルプに関する、ビスコースの品質(Rv)と第1及び第2の浸漬液中NaOH濃度(両濃度が同じ場合)の間の関係を示すグラフである。 単回浸漬プロセスにおけるユーカリさらしクラフトパルプに関する、ビスコースの品質(Rv及びTVW)と浸漬液中NaOH濃度の間の関係を示すグラフである。 単回浸漬プロセスにおけるユーカリさらしクラフトパルプに関する、浸漬液中NaOH濃度に対する除去されたヘミセルロースの量とプレスされた生成物の重量の間の関係を示すグラフである。 単回浸漬プロセスにおけるユーカリさらしクラフトパルプに関する、浸漬液中NaOH濃度に対するアルカリ・セルロース中の苛性アルカリ(CiAC)の量及びアルカリ・セルロース中のソーダ(SiAC)の量の間の関係を示すグラフである。
例1−SBSK二重浸漬の最適化
様々なビスコース溶液を調製するために南部針葉樹さらしクラフトパルプ(非溶解性パルプ)を使用した。
この組の実験において南部針葉樹さらしクラフトパルプ(以下、「パルプ」)を、セルロースの0.015重量%のMnSO4触媒の存在下、55℃において特定のNaOH濃度を有する液体中に30分間浸漬した。NaOH濃度は、13.5%w/wから22.5%w/wの間で各実験において変化した。
得られた浸漬済みパルプを、標準的な実験室条件を用いてプレスし(金網を有するスチール製のプレスボックス、水圧方法で10psiまで30秒間プレスした)、細断した。約450まで重合度が低下したときにマーセライズ加工を終了するために、得られたパルプを50℃の温度で200分間、マーセライズ加工した。
生成物を、セルロースの0.08重量%のBerol 44及び0.25重量%のBerol 388の存在下、特定のNaOH濃度を有する液体中に40℃において15分間、再度浸漬した(第2の浸漬では、触媒を添加しなかった)。NaOH濃度は、11.5%w/wから20.5%w/wの間で各実験において変化した。得られた生成物を上記のとおりにプレスし、細断した。
セルロースの31重量%のCS2を用いて、25mm/Hgの真空圧下、27℃の温度において140分間、生成物のキサンテート化を実施した。次いで、得られた生成物を溶解して、9.15%のビスコース中セルロース(CiV)含量及び6%のビスコース中ソーダ(SiV)含量を有するビスコース溶液を得た。
得られたビスコース溶液のRv及びTVW値を表1に提供する。
典型的に、Rv及びTVW値が高いほど、ろ布を目詰まりさせない又は封鎖しないため、ビスコースの品質は高い。
図1は、制御された第1の浸漬条件下でのビスコースの品質(Rv)と第2の浸漬液中NaOH濃度の間の関係を示す。
図2は、制御された第2の浸漬条件下でのビスコースの品質(Rv)と第1の浸漬液中NaOH濃度の間の関係を示す。
例2−SBSK単回浸漬の最適化(比較例)
様々なビスコース溶液を調製するために、南部針葉樹さらしクラフトパルプ(非溶解性パルプ)を使用した。
この組の実験において、南部針葉樹さらしクラフトパルプ(以下、「パルプ」)を、セルロースの0.015重量%のMnSO4触媒、0.08重量%のBerol 44及び0.25重量%のBerol 388の存在下、特定のNaOH濃度を有する液体中に55℃において30分間浸漬した。NaOH濃度は、11.5%w/wから20.5%w/wの間で各実験において変化した。
得られた浸漬済みパルプを、標準的な実験室条件を用いてプレスし(金網を有するスチール製のプレスボックス、水圧方法で10psiまで30秒間プレスした)、細断した。得られたパルプを50℃の温度で200分間、マーセライズ加工した。
セルロースの31重量%のCS2を用いて、25mm/Hgの真空圧下、27℃の温度において140分間、生成物のキサンテート化を実施した。次いで、得られた生成物を溶解して、9%のビスコース中セルロース(CiV)含量及び6%のビスコース中ソーダ(SiV)含量を有するビスコース溶液を得た。
得られたビスコース溶液のRv及びTVW値を表2に提供する。
これらの実験においては、キサンテートの溶解度不足のために、14.5%w/w未満の浸漬用NaOH濃度を用いてビスコース溶液を生成することはできなかった。溶解すると、ホモゲナイズ不可能な濃いゲルが作り出された。
図3は、ビスコースの品質(Rv及びTVW)と浸漬液中NaOH濃度の間の関係を示す。
図4は、浸漬液中NaOH濃度に対する除去したヘミセルロースの量とプレスした生成物の重量の間の関係を示す。


図5は、南部針葉樹さらしクラフトパルプに関する、浸漬液中NaOH濃度に対するアルカリ・セルロース中の苛性アルカリ(CiAC)の量とアルカリ・セルロース中のソーダ(SiAC)の量の間の関係を示す。
例1および2の結果から、二重浸漬プロセスは、南部針葉樹さらしクラフトパルプから得られたビスコース溶液の質を顕著に向上させることが分かる。二重浸漬プロセスは、得られ得るRvの最大値を高め、その上、浸漬苛性アルカリ濃度に対するプロセスの間口を広げる。
さらに、第1および第2の浸漬ステップ中での苛性アルカリ濃度は、得られるビスコース溶液の質に直接影響する。これら2つの浸漬ステップの濃度は、共生的(symbiotically)に作用するようであり、それは、其々を独立にというよりも寧ろ互いの組合せとして選択されるべきである。この点に関し、第2のステップにおける苛性アルカリ濃度は、第1のステップにおけるそれよりも低く選択されることが、有利であるように見える。
例3−SBSK最適化された二重浸漬テキサンテート条件:CS2低減
南部針葉樹さらしクラフトパルプ(非溶解パルプ)が、セルロースの0.25重量%のBerol 388が第1の浸漬では添加された以外は例1におけるのと類似の方法により、種々のビスコース溶液を作製するのに用いられた。第1の浸漬中のNaOH濃度は19.5%w/wであり、第2の浸漬中のNaOH濃度は13.5%w/wである(これらの量は実験の間で変化させていない)。
テキサンテート化ステップで用いられた二硫化炭素の量はセルロースの重量の23%から31%の間で変化しており、ビスコース(SiV)中の標的ソーダ値は3.5%から6%の間で変化している。
得られたビスコース溶液のRv値を表3に提供する。
図6は、最適化プロセスにおけるビスコースの品質(Rv)と使用したCS2の量の間の関係を示す。
図7は、最適化プロセスにおけるビスコースの品質(Rv)と使用したSiv濃度の間の関係を示す。
結果は、最適化プロセスのキサンテート化ステップにおいて必要とされるCS2の量を顕著に低減する可能性があることを示す。結果は、CS2の低減とともにSiV含量も低減可能であるかもしれないことを示す。
例4−SBSK最適化二重浸漬付加剤試験:Berol 388
例1と同様の方法を用いて様々なビスコース溶液を調製するために、南部針葉樹さらしクラフトパルプ(非溶解性パルプ)を使用した。第1の浸漬液中NaOH濃度は、19.5%w/wで、第2の浸漬液では13.5%w/w、キサンテート化で使用したCS2量は、セルロースの25.5重量%であった。
Berol 388の添加は各実験で異なり、量はセルロースの0.125重量%から0.5重量%までで変化し、添加は第1及び第2の浸漬液のいずれか又は両方において行った。
得られたビスコース溶液のRv値を表4に提供する。
結果は、第1及び第2の浸漬液に添加したBerol 388の量が、生成したビスコース溶液の質に影響を及ぼすことを示す。第1及び第2の浸漬液の両方でBerol 388を使用することの利益を観察した。しかしながら、適切な付加剤システムを選択した場合、第2の浸漬液中Berol 388の量が(第1の浸漬液におけるよりも)より重要であるようである。これは、Berol 388が、キサンテート化の間にアルカリ・セルロースによるCS2の吸収を増加させるという主要機能を有するからかも知れない。
例5−BEK二重浸漬の最適化
様々なビスコース溶液を調製するために、ユーカリさらしクラフトパルプ(非溶解性パルプ)を使用した。
この組の実験においては、例1の方法を用いてビスコース溶液を作製したが、但し、第1及び第2の浸漬液中NaOH濃度が11.5%w/wから19.5%w/wの間で各実験において変化した点が異なった。
得られたビスコース溶液のRv及びTVW値を表5に提供する。
図8は、制御された第1の浸漬条件下でのビスコースの品質(Rv)と第2の浸漬液中NaOH濃度の間の関係を示す。
図9は、制御された第2の浸漬条件下でのビスコースの品質(Rv)と第1の浸漬液中NaOH濃度の間の関係を示す。
図10は、第1及び第2の浸漬液中NaOH濃度が同一である場合の、ビスコースの品質(Rv)と第1及び第2の浸漬液中NaOH濃度の間の関係を示す。
例6−BEK単回浸漬の最適化(比較例)
様々なビスコース溶液を調製するために、ユーカリさらしクラフトパルプ(非溶解性パルプ)を使用した。
この組の実験においては、例2の方法を用いてビスコース溶液を作製したが、但し、浸漬ステップの間に、セルロースの0.5重量%のBerol 388を使用し、生成物を50℃で(200分ではなく)1500分間マーセライズ加工した点が異なった。
得られたビスコース溶液のRv及びTVW値を表6に提供する。
ここでも、キサンテートの溶解度不足のために、14.5%w/w未満の浸漬用NaOH濃度を用いてビスコース溶液を作り出すことはできなかった。
図11は、ビスコースの品質(Rv及びTVW)と浸漬液中NaOH濃度の間の関係を示す。
図12は、浸漬液中NaOH濃度に対する、除去されたヘミセルロースの量とプレスした生成物の重量の間の関係を示す。
図13は、浸漬液中NaOH濃度に対する、アルカリ・セルロース中の苛性アルカリ(CiAC)の量及びアルカリ・セルロース中のソーダ(SiAC)の量の間の関係を示す。
例5及び6の結果から、二重浸漬プロセスが、ユーカリさらしクラフトパルプに由来するビスコース溶液の品質を大きく改善することがわかる。
単回浸漬実験から二重浸漬実験までで観察した浸漬濃度の変動の「多様な作用」を低減することが可能であり、こうして、ユーカリさらしクラフトパルプのための安定なビスコース法を提供するようである。これが達成されると見られる1つの方法は、特別な値に第2の浸漬濃度を設定することによる。

Claims (33)

  1. ビスコースの製造のための方法であって、
    a.原料として非溶解性パルプを用意するステップと、
    b.前記パルプを苛性アルカリ溶液中に浸漬するステップと、
    c.前記浸漬されたパルプを加工するステップと、
    d.前記加工された浸漬済みパルプを、再度苛性アルカリ溶液中に浸漬するステップと、
    e.ステップd)からのパルプをさらに加工して、ビスコース溶液を形成するステップと
    を含み、浸漬条件が、
    i.前記パルプが、針葉樹クラフトパルプを少なくとも主要成分又は1つの主要成分として含む場合、ステップd)における前記溶液の苛性アルカリ濃度は、少なくとも約11.5%w/wであり、ステップb)の前記溶液中の苛性アルカリ濃度対ステップd)における前記溶液の苛性アルカリ濃度の比(S1/S2比)は、1から1.8までであり、
    ii.前記パルプが、ユーカリさらしパルプを少なくとも主要成分又は1つの主要成分として含む場合、ステップd)における前記溶液の苛性アルカリ濃度は、15%w/wから20%w/wまでであり、ステップb)の前記溶液中の苛性アルカリ濃度対ステップd)における前記溶液の苛性アルカリ濃度の比(S1/S2比)は、0.1から5までであり、及び
    iii.前記パルプが、針葉樹クラフトパルプ又はユーカリさらしパルプ以外の非溶解性パルプを少なくとも主要成分又は1つの主要成分として含む場合、ステップd)における前記溶液の苛性アルカリ濃度は、少なくとも約11.5%w/wであり、ステップb)の前記溶液中の苛性アルカリ濃度対ステップd)における前記溶液の苛性アルカリ濃度の比(S1/S2比)は、0.1から5までである
    ように選択される、前記方法。
  2. a.前記パルプが、北部針葉樹さらしクラフトパルプ若しくは南部針葉樹さらしクラフトパルプを少なくとも主要成分若しくは1つの主要成分として含み、前記S1/S2比が、1から1.8までであるか、
    b.前記パルプが,ユーカリさらしクラフトパルプを少なくとも主要成分若しくは1つの主要成分として含み、前記S1/S2比が、0.1から5までであるか、又は
    c.前記パルプが広葉樹パルプ、フラッフパルプ及び/若しくは木綿リンターを少なくとも主要成分若しくは1つの主要成分として含み、前記S1/S2比が、0.1から5までである、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記パルプが、北部針葉樹さらしクラフトパルプ又は南部針葉樹さらしクラフトパルプを少なくとも主要成分又は1つの主要成分として含み、前記S1/S2比が、1.1から1.7までである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記パルプが、北部針葉樹さらしクラフトパルプ又は南部針葉樹さらしクラフトパルプを少なくとも主要成分又は1つの主要成分として含み、前記S1/S2比が、1.15から1.55までである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記パルプが、北部針葉樹さらしクラフトパルプ又は南部針葉樹さらしクラフトパルプを少なくとも主要成分又は1つの主要成分として含み、ステップb)における前記溶液中の苛性アルカリ濃度が、17%w/wから22%w/wまでである、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記パルプが、北部針葉樹さらしクラフトパルプ又は南部針葉樹さらしクラフトパルプを少なくとも主要成分又は1つの主要成分として含み、ステップd)における前記溶液の苛性アルカリ濃度が、
    a.11.5%w/wから18.5%w/wまで、
    b.12.5%w/wから17.5%w/wまで、又は
    c.12.5%w/wから16.5%w/wまで
    である、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記パルプが、ユーカリさらしクラフトパルプを少なくとも主要成分又は1つの主要成分として含み、前記S1/S2比が、
    a.0.5から4まで、
    b.0.6から3まで、又は
    c.0.7から2まで
    である、請求項2に記載の方法。
  8. 前記パルプが、ユーカリさらしクラフトパルプを少なくとも主要成分又は1つの主要成分として含み、ステップd)における前記溶液の苛性アルカリ濃度が、
    a.15.5%w/wから19.5%w/wまで、
    b.16%w/wから19%w/wまで、
    c.16.5%w/wから18.5%w/wまで、又は
    d.17%w/wから18%w/wまで
    である、請求項2又は請求項7に記載の方法。
  9. 前記パルプが、ユーカリさらしクラフトパルプを少なくとも主要成分又は1つの主要成分として含み、ステップb)における前記溶液の苛性アルカリ濃度が、11.5%w/wから19.5%w/wまでである、請求項2、請求項7又は請求項8に記載の方法。
  10. 前記パルプが、針葉樹クラフトパルプ又はユーカリさらしパルプ以外の非溶解性パルプを少なくとも主要成分又は1つの主要成分として含み、前記S1/S2比が、
    a.0.5から4まで、
    b.0.6から3まで、又は
    c.0.7から2まで
    である、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  11. ステップb)における前記浸漬プロセスの温度が、ステップd)における前記浸漬プロセスの温度と異なる、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
  12. ステップb)における前記浸漬プロセスの温度が、ステップd)における前記浸漬プロセスの温度よりも高い、請求項11に記載の方法。
  13. ステップd)における前記浸漬プロセスの温度が、少なくとも約28℃である、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
  14. ステップb)及び/又はステップd)の前記浸漬用苛性アルカリ中にヘミセルロースが存在する、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記ヘミセルロースの少なくともいくらかが、ステップb)及び/又はステップd)において前記浸漬用苛性アルカリから除去される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ヘミセルロースの少なくとも約50%が、ステップb)及び/又はステップd)において前記浸漬用苛性アルカリから除去される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記除去されたヘミセルロースの少なくともいくらかが、ステップe)の間又はその後に前記パルプ又はビスコース溶液中に再導入される、請求項15又は請求項16に記載の方法。
  18. ステップc)が、前記浸漬されたパルプをプレスすることを含む、請求項1から17のいずれか1項に記載の方法。
  19. ステップc)が、前記プレスされた浸漬済みパルプをマーセライズ加工することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  20. ステップe)が、前記ビスコース溶液を形成する前に、前記浸漬されたパルプをプレスすることを含む、請求項1から19のいずれか1項に記載の方法。
  21. ステップe)が、前記ビスコース溶液を形成する前に、前記プレスされた浸漬済みパルプをマーセライズ加工することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記パルプの主要成分又は1つの主要成分が、問題の成分が前記原料パルプの少なくとも
    a.約25%、
    b.約33%、
    c.約50%、又は
    d.約51%
    を構成することを意味する、請求項1から21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記原料パルプが、針葉樹クラフトパルプ;ユーカリさらしパルプ;及び針葉樹クラフトパルプ又はユーカリさらしパルプ以外の非溶解性パルプのうちの2種以上を含み、選択された浸漬条件のうちの少なくとも2つが、前記原料パルプ構成要素のうちの少なくとも1つに関連して選択される、請求項1から22のいずれか1項に記載の方法。
  24. ステップe)において、前記ビスコース溶液が、前記さらに加工されたパルプをキサンテート化し、溶解することによって調製される、請求項1から23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記ビスコース溶液が、少なくとも約300の実験室Rvを有する、請求項1から24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記ビスコース溶液が、少なくとも約10のプラントRvを有する、請求項1から24のいずれか1項に記載の方法。
  27. 請求項24に記載の方法によって得られた又は得ることのできるビスコース。
  28. a.非溶解性パルプの特性判定基準を選択するステップと、
    b.前記選択された特性判定基準の、ビスコースにおける存在を決定するステップと
    よって同定可能である、請求項27に記載のビスコース。
  29. 前記選択された特性判定基準が、前記非溶解性パルプの独特の分子フィンガープリントを含む、請求項28に記載のビスコース。
  30. 分析的熱分解ガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC−MS)によって同定可能な、請求項29に記載のビスコース。
  31. 請求項27から29のいずれか1項に記載のビスコースを逆溶剤と接触させるステップを含む、再生されたセルロース系物品を調製するための方法。
  32. 請求項31に記載の方法によって得られた又は得ることのできる、フィルム又は繊維。
  33. 請求項32に記載のフィルム又は繊維から製造された、有用な物品。
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