JP2015516425A - 6−o−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールのシュウ酸塩の多形塩ならびにその製造および使用方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールのシュウ酸塩の結晶形態を部分的に対象とする。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2012年5月7日に出願された米国仮特許出願第61/643,586号に対する優先権を主張する。
MetAP2は、少なくとも一部はグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼなどの新たに翻訳されたある特定のタンパク質からアミノ末端のメチオニン残基を酵素的に除去することにより、機能するタンパク質をコードする(Warder et al.(2008)J Proteome Res 7:4807)。MetAP2遺伝子の発現増加は、歴史的に、癌の様々な形態と関連付けられている。MetAP2の酵素活性を阻害する分子が同定されており、また様々な腫瘍型(Wang et al.(2003)Cancer Res 63:7861)、ならびに、微胞子虫症、リーシュマニア症、およびマラリアなどの感染症(Zhang et al.(2002)J Biomed Sci.9:34)の治療におけるそれらの実用性が研究されている。とりわけ、肥満および肥満性糖尿病の動物におけるMetAP2活性の阻害は、一部では脂肪の酸化を増加させることにより、および一部では食物の摂取を減少させることにより、体重の減少を導く(Rupnick et al.(2002)Proc Natl Acad Sci USA 99:10730)。
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールは、METAP2阻害薬であり、例えば、肥満症の治療において有用である。6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールは、式Iを特徴とする。
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの半シュウ酸塩の非晶形態は調製されている。しかしながら、6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの半シュウ酸塩の結晶形態の存在または調製は、当技術分野において開示されていないようである。
結晶多形は、物質が複数の結晶格子配置で結晶化する能力である。結晶化または結晶多形は、原薬の固体特性の多くの態様に影響し得る。結晶性物質は、非晶形態とは大きく異なることがあり、物質の異なる結晶変態は、溶解性、溶解速度、および/または生物学的利用能を含む多くの点で、互いに大きく異なり得る。概して、所与の化合物が、様々な結晶性固体形態を形成するか否かを予測することは困難である。これらの結晶性固体形態の物理的特性を予測することはより困難である。さらに、ある特定の製剤、例えば、皮下使用に好適な製剤にとって、治療薬の結晶形態を有することは有利であり得る。
ある実施形態では、6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの半シュウ酸塩の結晶形態を含む組成物が、本明細書で提供される。約7.1に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、または例えば、4.7、7.1、および13.4に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、または例えば、4.7、7.1、9.5、12.9、13.4、および16.8に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、または例えば、2.3、4.7、7.1、9.5、11.9、12.9、13.4、14.3、14.6、15.6、16.8、および20.3に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、例えば、図1または図2に示される結晶化パターンを特徴とする、6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの半シュウ酸塩の結晶形態、ならびにその水和物もまた、本明細書で提供される。一部の実施形態では、粉末X線回折パターンは、Cu Kα放射線を使用して得られてよい。
一実施形態では、6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの半シュウ酸塩は、図7Aに示されるパターンに実質的に従うH NMRスペクトルを有してよい。
また本明細書では、
a)6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの半シュウ酸塩の溶液を調製することと(例えば、溶液は酢酸エチルおよびヘプタンを含んでよい)、
b)溶液を、例えば、約35〜約55℃、例えば、約40℃に加熱して、実質的または完全に6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールを溶解することと、
c)溶液から固体が沈殿するように温度を調節することと、
d)6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの半シュウ酸塩の結晶形態を単離することとを含む、6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの結晶形態(例えば、形態A)を調製するためのプロセスが提供される。温度を調節することを含むそのようなプロセスは、溶液を、約5℃以下に、または約2℃〜約10℃に冷却することを含んでよい。
本明細書で提供される結晶形態、および薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物は、例えば、皮下注射に好適な懸濁製剤である組成物を企図する。少なくとも検出可能な量の提供される結晶形態を含む原薬が、本明細書で提供される。
本明細書で提供される結晶形態の有効量を患者に投与することを含む、肥満症の治療を必要とする患者において肥満症を治療する方法も提供される。また、開示される6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール半シュウ酸塩の結晶形態を含む組成物を皮下投与することを含む、肥満症の治療を必要とする患者において肥満症を治療する方法も提供される。
実施例1の形態AのX線回折パターンを示す。 実施例2の形態AのX線回折パターンを示す。 実施例2によって調製された結晶形態(形態A)のFT−IRスペクトルを示す。 実施例2によって調製された結晶形態(形態A)のFT−ラマンスペクトルを示す。 示差走査熱量測定(DSC)および熱重量熱分析(TGA)による形態Aの特性化(実施例2)を示す。 熱重量熱分析(TGA)による形態Aの特性化(実施例2)を示す。 実施例2によって調製された溶解された結晶形態のNMRスペクトルを示す。 実施例2によって調製された溶解された結晶形態のNMRスペクトルを示す。 実施例5のために出発物質として利用された非晶性半シュウ酸塩物質の顕微鏡写真である。 実施例5のために出発物質として使用された非晶性物質のX線回折パターンである。 実施例5の形態BのX線回折パターンである。 実施例6によって調製された結晶形態(形態A)のFT−IRスペクトルを示す。 示差走査熱量測定(DSC)および熱重量/示差熱分析(TGA)による形態Aの特性化(実施例6)を示す。 動的水蒸気吸着(DVS)による形態Aの特性化(実施例6)を示す。 実施例7によって調製された結晶形態(形態A)のFT−IRラマンを示す。
少なくとも部分的に、本開示は、6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの半シュウ酸塩の結晶形態、およびその水和物を対象とする。本開示はまた、開示される6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの結晶塩、および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物も提供する。用語「結晶形態」は、例えば、X線粉末回折またはラマン分光法などの分析方法によって特性化され得る、結晶形態または変態を指す。例えば、少なくとも検出可能な量の開示される6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール半シュウ酸塩の結晶形態を含む原薬が、本明細書で提供される。
約7.1に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール、半シュウ酸塩の結晶形態(本明細書では「形態A」として言及される)が、本明細書で提供される。一実施形態では、6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの結晶形態は、約2.3に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、または約4.7に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、または約7.1に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、または約9.5に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、または約11.9に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、または約12.9に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、または約13.4に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、または約14.3に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、または約14.6に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、または約15.6に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、または約16.8に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、または約20.3に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする。さらなる実施形態では、結晶形態は、約4.7、7.1、および13.4に2θ度での特徴的なピークを少なくとも1つ以上有する粉末X線回折パターンを特徴とする。また別の実施形態では、結晶形態は、4.7、7.1、9.5、12.9、13.4、および16.8に2θ度での特徴的なピークを少なくとも1つ以上有する粉末X線回折パターンを特徴とする。一部の実施形態では、結晶形態は、2.3、4.7、7.1、9.5、11.9、12.9、13.4、14.3、14.6、15.6、16.8、および20.3に2θ度での特徴的なピークを少なくとも1つ以上有する粉末X線回折パターンを特徴とする。本文脈における用語「約」は、2θ±0.5(2θで表される)の測定における不確実性があることを意味する。例えば、企図される結晶形態は、図1または図2に示される粉末X線回折パターンを有する。一実施形態では、結晶形態の粉末X線回折パターンは、Cu Kα放射線を使用して得られた。さらなる実施形態では、企図される形態は、図7Aまたは図7Bに示されるパターンに実質的に従うH NMRスペクトルを有する。
形態A 6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの結晶形態は、約1703、1603、1512、1250、1208、1171、1109、1056、986、831cm−1に少なくとも1つ以上の特徴的なピークを有するIR吸収スペクトルを有する。この文脈において、用語「約」は、cm−1値が、例えば、最大±5cm−1異なり得ることを意味する。企図される結晶形態は、図3に示されるIR吸収スペクトルを特徴とする。形態A 6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの結晶形態は、約3064、2966、2915、1704、1628、1604、1575、1272、1203、1182cm−1に少なくとも1つ以上の特徴的なピークを有するラマンスペクトルを有する。この文脈において、用語「約」は、cm−1値が、例えば、最大±5cm−1異なり得ることを意味する。企図される結晶形態は、図4に示されるラマンスペクトルを特徴とする。本明細書で開示される企図される結晶形態は、例えば6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの非晶性遊離塩基および/または非晶性半シュウ酸塩と比較して、実質的により安定し得る。例えば、開示される結晶形態(例えば、形態A)は、剤形へと生産され得るように物理的特性を保持しながら、実用的および経済的な保管条件下で保管されてよい。ある実施形態では、開示される結晶形態は、例えば非晶形態と比較して、例えば医薬製剤に調合された場合に、化学的および/または物理的安定性を向上させた可能性がある。
結晶性半シュウ酸塩6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの水和形態、例えば、半シュウ酸塩6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール・(HO)が企図され、mは両端値を含む約0〜約4の分数または整数である。例えば、結晶性半シュウ酸塩6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの一水和または二水和形態が本明細書で企図される。ある実施形態では、開示される結晶性半シュウ酸塩化合物は、約3〜約9重量パーセント%の水量を有してよい。
また本明細書では、
a)例えば酢酸エチルおよび/またはヘプタンなどの溶液中で、6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの半シュウ酸塩の溶液を調製することと、
b)溶液を加熱して、6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールを溶解することと、
c)溶液から固体が沈殿するように温度を調節することと、
d)半シュウ酸塩6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの結晶形態を単離することとを含む、半シュウ酸塩6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの結晶形態、例えば形態Aを調製するためのプロセスも提供される。ある例示的な実施形態では、溶液は、酢酸エチルおよび/またはヘプタンを含む。別の実施形態では、溶液は、水をさらに含む。他の企図される溶媒には、アセトニトリル、シクロヘキサン、メタノール、イソプロパノイル、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、トルエン、および/またはテトラヒドロフランが挙げられる。一部の実施形態では、溶液を加熱することは、溶液を約35℃〜約55℃、例えば約40℃に加熱することを含む。別の実施形態では、温度を調節することは、溶液を約0℃〜約10℃、例えば約5℃に冷却することを含む。一実施形態では、温度を調節することは、溶液を約5℃以下、または約2℃〜約10℃に冷却することを含む。
企図されるプロセスはまた、溶液に6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの既存の結晶を組み込むこと、または播種することを含んでもよい。例えば、プロセスは、溶液を非晶性または結晶性遊離塩基化合物およびシュウ酸で初めに調製することを含んでよく、もしくは、溶液を非晶性または結晶性半シュウ酸塩6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールで初めに調製することを含んでもよい。
別の実施例では、約2.2、6.8、9.1、16.1、18.4、20.7、23.1の位置のうちの1つ以上に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール半シュウ酸塩の異なる結晶形態(本明細書では「形態B」として言及される)が提供される。本文脈における用語「約」は、2θ±0.5(2θで表される)の測定における不確実性があることを意味する。例えば、企図される結晶形態は、図9に示される粉末X線回折パターンを有する。
方法
ある特定の実施形態では、本開示は、有効量の開示される結晶化合物、例えば半シュウ酸塩6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール(形態A)を投与することにより、肥満症の治療およびまたは改善を必要とする患者において肥満症を治療およびまたは改善する方法を提供する。また本明細書では、開示される結晶化合物を投与することを含む、体重減少を、それを必要とする患者において誘導するための方法が提供される。
他の企図される治療方法は、本明細書で開示される結晶化合物を対象に投与することにより、肥満症関連症状または共存症を治療または軽減する方法を含む。例えば、本明細書では、2型糖尿病の治療を必要とする患者において2型糖尿病を治療する方法、および/または他の企図される疾患もしくは障害に対して、糖尿病を患う患者を治療する方法が企図される。
開示される化合物によって治療され得る例示的な共存症または他の障害としては、心臓障害、内分泌障害、呼吸器障害、肝障害、骨障害、精神障害、代謝障害、および生殖障害が挙げられ得る。
例示的な心臓障害としては、高血圧症、脂質異常症、虚血性心疾患、心筋症、心筋梗塞、脳卒中、静脈血栓塞栓症、および肺高血圧症が挙げられる。例示的な内分泌障害としては、2型糖尿病および成人潜在性自己免疫性糖尿病が挙げられる。例示的な呼吸器疾患としては、肥満低換気症候群、喘息、および閉塞性睡眠時無呼吸が挙げられる。例示的な肝障害としては、非アルコール性脂肪性肝疾患が挙げられる。例示的な骨障害としては、背痛、および体重を支える関節の変形性関節症が挙げられる。例示的な代謝障害としては、プラーダーウィリー症候群および多嚢胞性卵巣症候群が挙げられる。例示的な生殖障害としては、性機能障害、勃起不全、不妊症、産科合併症、および胎児異常が挙げられる。例示的な精神障害としては、体重が関連する鬱病および不安神経症が挙げられる。
具体的には、ある特定の実施形態では、本発明は上記の適用症を治療する方法を提供し、その方法は、それを必要とする対象に本明細書に記載の化合物の療法的有効量を投与することを含む。ある特定の他の実施形態では、肥満症の治療を必要とする患者において肥満症を治療する方法が提供され、その方法は、開示される6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール、半シュウ酸塩の結晶形態(形態A)を含む組成物を皮下投与することを含む。
肥満症または「過体重」への言及は、除脂肪体重に対して脂肪の割合が過剰であることを指す。過剰な脂肪蓄積は、脂肪組織細胞の大きさ(肥大)および数(過形成)の増加に関連する。肥満症は、絶対体重、体重身長比、皮下脂肪の分布、および社会的または審美的な規範の面から様々に測定される。一般的な体脂肪の尺度は肥満度指数(BMI)である。BMIは、身長の2乗(メートル表記)に対する体重(キログラム表記)の比を指す。肥満度指数は次のいずれかの式を使用して正確に計算できる。体重(kg)/身長(m)(国際単位)または703×体重(ポンド)/身長(インチ)(米国)。
米国疾病予防管理センター(CDC)によると、過体重の成人は25kg/m〜29.9kg/mのBMIを有し、肥満の成人は30kg/m以上のBMIを有する。40kg/m以上のBMIは病的肥満症または極度の肥満症を示す。また、肥満症は、胴周りが男性に関しては約102cm、女性に関しては約88cmである患者を指すことがある。子供に関しては、過体重および肥満の定義には、体脂肪に対する年齢および性別の影響を考慮に入れる。異なる遺伝的背景を持つ患者は、上記の一般指針とは異なるレベルで「肥満」であると見なされる場合がある。
投与
本明細書で開示される結晶化合物は、例えば、腸内、非経口、または局所投与のための薬学的調製物の形態で、医薬として使用することができ、本明細書で開示される企図される方法は、開示される結晶化合物を、腸内的に(例えば経口で)、非経口で、または局所的に投与することを含んでよい。
組成物
本開示の別の態様は、薬学的に許容される担体と共に製剤化される、本明細書で開示される通りの化合物を含む薬学的組成物を提供する。具体的には、本開示は、1つ以上の薬学的に許容される担体と共に製剤化される、本明細書で開示される通りの化合物を含む薬学的組成物を提供する。これらの製剤は、経口、直腸、局所、口腔、眼内、非経口(例えば、皮下、筋内、皮内、または静脈内)直腸、膣内、またはエアロゾル投与に好適なものを含むが、いかなる所与の場合においても最も好適な投与形態は、治療される症状の程度および重症度、ならびに使用される特定の化合物の性質に依存するであろう。例えば、開示される組成物は単位用量として製剤化されてよく、および/または経口もしくは皮下投与用に製剤化されてもよい。
本発明の例示的な薬学的組成物は、例えば固形、半固形、または液体形態の薬学的調製形態で使用することができ、例えば非経口(皮下または静脈内)適用に好適な有機もしくは無機担体または賦形剤との混合剤において、活性成分として、本発明の化合物のうちの1つ以上を含む。活性成分は、例えば、通常の無毒の薬学的に許容される担体と共に、錠剤、ペレット剤、カプセル剤、坐剤、液剤、乳剤、懸濁剤、および使用に好適な他のいかなる形態用にも配合することができる。目的の活性化合物は、疾患の過程または症状に対して所望の効果を生むために十分な量で薬学的組成物に含まれる。
錠剤などの固体組成物を調製するために、主要な活性成分は、薬学的担体、例えばコーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、滑石、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、または粘剤、および例えば水などの他の薬学的希釈剤などの従来的な錠剤化成分と混合することができ、本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる無毒な塩の均一混合物を含む、固形の予備処方組成物を形成する。これらの予備処方組成物を均一と言及する場合、それは活性成分が組成物全体に一様に分散し、その結果、組成物が錠剤、丸剤、およびカプセル剤などの同等に効果的な単位用量形態へと、容易にさらに分割できることを意味する。
経口投与用の固形剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣剤、散剤、粒剤など)において、対象の組成物は、1つ以上の、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムなどの薬学的に許容される担体、および/または次のいずれかと混合される:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/もしくはケイ酸などの充填剤または増量剤、(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、および/またはアカシアなどの結合剤、(3)グリセロールなどの保湿剤、(4)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(5)パラフィンなどの溶解遅延剤、(6)第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(7)例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤、(8)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤、(9)滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物などの潤滑剤、ならびに(10)着色料。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合には、組成物はまた、緩衝剤を含んでもよい。類似型の固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用する軟および硬ゼラチンカプセル剤において充填剤として用いられてもよい。
錠剤は、任意に1つ以上の副成分をもって、圧縮または成形によって製造することができる。圧縮錠剤は結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性または分散剤を使用して調製され得る。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた対象の組成物の混合物を、好適な機械において成形することにより調製され得る。錠剤、および、糖衣剤、カプセル剤、丸剤、ならびに粒剤などの他の固形剤形は、薬学的製剤化分野において周知の腸溶コーティングおよび他のコーティングなどの、コーティングならびにシェルで任意に実現または調製することができる。
懸濁剤は、対象の組成物に加えて、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天およびトラガント、ならびにそれらの混合物などの懸濁化剤を含むことができる。例えば化合物の粒形が直径約200nm未満である、静脈内投与に好適な懸濁剤が形成されてよい。
直腸または膣内投与用の製剤は坐薬としてあってよく、その坐薬は、対象の組成物を、例えば、カカオ脂、ポリエチレングリコール、坐薬ワックス、もしくはサリチレートを含む1つ以上の好適な非刺激性賦形剤または担体と混合することにより調製することができ、その坐薬は、室温では固体であるが体温と同等の温度では液体であるため、体腔で溶解し活性薬剤を放出する。
対象の組成物を経皮投与するための剤形には、散剤、噴霧剤、軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、貼付剤、および吸入剤が挙げられる。活性成分は薬学的に許容される担体と無菌条件下で混合することができ、必要とされ得る、保存剤、緩衝液、または噴射剤とも混合することができる。
軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤、およびゲル剤は、対象の組成物に加えて、動物性もしくは植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、ケイ酸、滑石、および酸化亜鉛、またはそれらの混合物などの賦形剤を含んでよい。
散剤および噴霧剤は、対象の組成物に加えて、ラクトース、滑石、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含んでよい。噴霧剤は、クロロフルオロ炭化水素、ならびにブタンおよびプロパンなどの揮発性の非置換炭化水素などの通例の噴射剤を追加的に含むことができる。
非経口投与に好適な本発明の薬学的組成物は、対象の組成物を、1つ以上の薬学的に許容される無菌等張の非水性の溶液、分散液、懸濁剤もしくは乳剤、または使用直前に無菌の注射剤もしくは分散液に再構成することができる無菌の散剤との組み合わせで含み、それらは、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、製剤に所定の受容者の血液との等張性を与える溶質、または懸濁化もしくは粘稠化剤を含むことができる。
本発明の薬学的組成物において用いられることができる好適な非水性の担体の実施例としては、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、およびそれらの好適な混合物、オリーブ油などの植物油、ならびにオレイン酸エチルおよびシクロデキストリンなどの注射用有機エステルが挙げられる。適正な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング物質の使用によって、分散液の場合には求められる粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって維持することができる。例えば、本明細書で提供される結晶形態は、特定の粒径を得るために粉砕されてよく、少なくとも一部の実施形態では、そのような結晶形態は、粉砕時に実質的な安定を保ち得る。
例えば、開示される結晶形態の懸濁剤を含む、皮下投与に好適な組成物が、本明細書で提供される。皮下投与は、典型的に医師の診察を必要とする静脈内投与よりも有利であり得るが、より痛みがあり、侵襲的であり得る。結晶化合物の典型的な用量は、患者に投与される場合、約1mg〜約5mgの化合物であってよい。
実施例
本明細書に記載の化合物は、本明細書に包含される教示、および当技術分野において周知の合成手順に基づいて、多くの方法で調製され得る。
X線粉末回折(XRPD)データを、X′Celerator検出器を備えたPANalytical X’Pert Pro回折計を使用して得た。試料をゼロバックグラウンドシリコンホルダ上で平らにし、周囲条件下で調製後直ちに実行した。Cu Kα(1.5406Å)放射線源、ならびに45kVおよび40mAの発電機力をもって、2°〜40°の連続的な2シータ走査範囲を使用した。2シータステップごとに0.0167度のステップサイズを使用し、試料を30rpmで回転させた。
ラマンスペクトルを、Nd:YVO4レーザからの励起(λ=1064nm)をもって、4cm−1解像度で、Nicolet NXR 9650 FT−Raman分光計上で記録した。
DSCサーモグラムを、TA Instruments Q1000示差走査熱量計上で記録した。試料をアルミニウムの天秤皿に入れ計量し、天秤皿の蓋は、天秤皿を密封することなく、上部に置き、軽くクリンプした。15℃/分の加熱速度を使用して実験を実施した。
TGAサーモグラムを、TA Instruments Q5000熱重量分析器上で記録した。試料をアルミニウムの天秤皿に入れ計量し、15℃/分の加熱速度を使用して実験を実施した。
1D 1H NMRスペクトルを、500MHzのVarian Unity Inova NMR分光計上で入手した。試料を、DMSO−d6中で調製し、0.00ppmでTMSを参照した。
Dionex AS11HC 250×4mm分析カラムおよびDionex ASRS 300抑制器を持つDionex ICS−3000上でイオンクロマトグラフィーを実行した。20mMのNaOH移動相および1mL/分の流量を使用して、イソクラティック条件下で分析を行った。試料および標準の水溶液を、10μLの一定体積で注入した。
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール半シュウ酸塩の結晶性の形態A物質を、次のように調製した。
およそ18mg(0.037mmol)の6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール(遊離塩基)を、アセト二トリル/へプタン混合物(1:4、400μL)およびシュウ酸(THF中に3M、6.1μL、0.5当量)と組み合わせた。溶媒を蒸発させ、結晶性形態Aを得た。
XRPD分析を、固体結晶(形態A)に実施した。XRPDは、図1に示される。
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール半シュウ酸塩の結晶性の形態A物質を、次のように拡大した。
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール(遊離塩基)(1.2g、2.4mmol)を、30mL反応槽の中で、酢酸エチル(5mL)、ヘプタン(10mL)、および水(200μL)と組み合わせた。THF中のシュウ酸の3M溶液(405μL、1当量)を滴加し、即時の沈殿を引き起こした。混合物を、形態A結晶で播種し、室温で5分間撹拌した懸濁剤を、30分間40℃に加熱し、2℃/分の速度で5℃に冷却した。5℃で約2時間撹拌した後、スラリーを被覆ブフナー漏斗の中で窒素下で濾過し、それを5℃に維持した。固体をヘプタン(2mL)で洗浄し、室温で2日間空気乾燥させ、形態A(1.15g、収率81%)を得た。形態A物質は、XPRD、FT−ラマン、およびFT−IRにより特性化され、他の形態A物質と一致することを示した。約100℃で重量損失を補正した後の生成物は、イオンクロマトグラフィーで7.9% w/wのシュウ酸塩を含み、半シュウ酸塩化学量と一致した。
結晶性物質(形態A)のXRPDパターン、FT−IRスペクトル、FT−ラマンスペクトル、DSC追跡、およびTGAプロットは、それぞれ図2、図3、図4、図5、および図6に示される。
形態Aに対する特徴的なXRPDピーク(図2)は、表1で以下に見られ、形態Aに対する特徴的なFT−IR吸収帯(図3)およびFT−ラマン帯(図4)は、それぞれ表2および3で以下に見られる。
結晶性物質(形態A)のH NMRスペクトルは、図7A(DO添加なし)および図7B(DO添加あり)に示される。結晶性物質(形態A)の試料の特徴的なH NMRピークは、次の通りである。
図7A:(δ、ppm)7.706、7.688、7.650、7.618、7.019、7.001、6.508、6.476、5.624、5.620、5.203、4.250、4.239、4.228、3.639、3.633、3.616、3.611、3.305、3.068、3.058、3.047、2.890、2.881、2.616、2.607、2.592、2.579、2.525、2.503、2.203、2.189、2.177、1.935、1.912、1.716、1.620、1.103。
図7B:(δ、ppm)7.705、7.687、7.649、7.617、7.024、7.007、6.505、6.473、5.627、5.623、5.204、4.250、4.239、4.228、3.639、3.634、3.616、3.611、3.524、3.305、3.086、3.075、3.065、2.892、2.883、2.618、2.609、2.595、2.583、2.538、2.512、2.203、2.190、2.177、1.936、1.914、1.845、1.840、1.717、1.620、1.104。
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール半シュウ酸塩の結晶性の形態A物質を、次のように調製した。
およそ168mg(0.337mmol)の6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール(遊離塩基)を、アセト二トリル/へプタン混合物(1:4、1.5mL)およびシュウ酸(THF中に3M、56.1μL、0.5当量)と組み合わせた(注記:溶媒混合物は二相性であった)。形態Aの種が混合物中に溶解することを観察した。得られた混合物を、自由流動結晶性物質を生成する目的で、度重なる蒸発乾固、および数種の溶媒および溶媒混合物中での再懸濁によって、数回循環させた。40℃での蒸発乾固後、試料を酢酸エチル(500μL)中に溶解し、ヘプタン(1mL)で沈殿させた。混濁混合物を、室温で約2時間撹拌した。得られたスラリーに酢酸エチル(50μL)を添加し、試料を室温で一晩撹拌した。翌日、試料を2時間40℃に加熱し、その後、0.1℃/分で5℃に冷却した。白色結晶性物質(71mg)を生成した。生成物のFT−ラマンおよびXRPDデータは、形態Aと一致した。
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール半シュウ酸塩の結晶性の形態A物質を、次のように調製した。
およそ123mg(0.245mmol)の6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール(遊離塩基)を、酢酸エチル(500μL)と組み合わせた。THF中のシュウ酸の3M溶液(40.9μL、0.5当量)を滴加し、即時の沈殿を引き起こした。形態Aの種晶の添加(実施例3より)後、酢酸を添加し、得られたスラリーを、40〜5℃で熱循環させながら一晩撹拌した。白色非晶性沈殿物を観察したが、水(20μL)の添加により溶液を生成した。ヘプタンを、混合物が混濁するまでゆっくりと添加した(総ヘプタン体積は1.3mL)。形態Aの追加の種晶を添加し、スラリーを、撹拌しながら17時間かけて5℃に冷却した。結晶性物質の自由流動スラリーを得た。単離の前、および室温で保つ間、沈殿物がガム状となることを観察した。ガム状沈殿物を、5℃に冷却して自由流動スラリーに戻した。試料を素早く濾過し、空気乾燥させた。生成物のXRPDパターンは、形態Aと一致した。
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール半シュウ酸塩の結晶性の形態B物質を、次のように調製した。
およそ10mgの非晶性6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール半シュウ酸塩化合物(非晶性物質の特性化については図8Aおよび8Bを参照されたい)を、2mLバイアルに入れ計量し、トルエン(100uL)中で懸濁した。懸濁剤を50℃に加熱し、17時間撹拌した。等温スラリーからガラス状固体として結晶性形態Bを得、それは単離時に半透明から白色の半粘着性粉末へと外観的に変化した。
固体結晶(形態B)にXRPD分析を実施し、回折ピークは多少の結晶化度を示した。XRPDは図9に示され、特徴的なXRPDピークは表4で以下に見られる。
形態Bは、形態Aと比べて準安定性であることが観察された。
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール半シュウ酸塩の結晶性の形態A物質を、次のように調製した。
およそ15mgの非晶性6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール半シュウ酸塩化合物(非晶性物質の特性化については図8Aおよび8Bを参照されたい)を、2mLバイアルに入れ計量し、ヘプタン(500uL)中で懸濁した。得られたスラリーを室温で15分間撹拌し、形態Bの種晶を添加した。スラリーを室温で4日間撹拌した。濾過後、自由流動白色粉末として形態Aを得た(形態B種晶とは異なるXRPDパターン)。
図10は、結晶性物質(形態A)のFT−IRスペクトルを示す。図11は、結晶性物質(形態A)のDSC/TGA追跡を示す。結晶性物質(形態A)のDVS等温線プロットは、図12に示される。
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール半シュウ酸塩の結晶性の形態A物質を、次のように拡大した。
およそ76mgの非晶性6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール半シュウ酸塩化合物(非晶性物質の特性化については図8Aおよび8Bを参照されたい)を、4mLバイアルにおいてヘプタン(2mL)中で懸濁した。得られたスラリーを室温で10分間撹拌し、形態A結晶(約1mg)で播種した。スラリーを室温で3日間撹拌した。濾過後、結晶性白色粉末(52mg、収率68%)を得た。XPRDパターンは、図2に見られるものと合致した。
結晶性物質(形態A)のFT−ラマンスペクトルは、図13に示される。
非晶性および結晶性形態で安定性負荷試験を行った。試料を、密封したバイアル中で保管し、室温(25℃)および40℃で保管した。試料を、安定性を示すHPLCアッセイで、様々な時間でアッセイした。保持された有効性を判定し、物理的性質を観察した。結果は表5に示される。
参照による組み込み
本明細書で言及される全ての出版物および特許は、下記に列挙する項目を含め、各個別の出版物または特許が明確かつ個別に参照により組み込まれたかのように、全ての目的のために、その全体が参照によりここに組み込まれる。矛盾する場合には、本明細書のいかなる定義をも含め、本明細書が支配する。
均等物
本発明の特定の実施形態が考察されたが、上記の明細書は例示的であり、制限的ではない。本明細書の検討により、本発明の多くの変形が当業者には明らかとなるであろう。本発明の完全な範囲は、均等物の完全な範囲、および明細書と共に、ならびにそのような変形と共に、特許請求の範囲を参照することによって決定されるべきである。
別途指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される成分の量、反応条件などを表す全ての数字は、全ての場合において、用語「約」によって修飾されると理解される。したがって、反対の指示がない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得るべく追求される所望の特性により異なってよい近似値である。

Claims (18)

  1. 約7.1に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの半シュウ酸塩の結晶形態、またはその水和物。
  2. 約4.7、7.1、および13.4に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、請求項1に記載の結晶形態。
  3. 約4.7、7.1、9.5、12.9、13.4、および16.8に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、請求項2に記載の結晶形態。
  4. 2.3、4.7、7.1、9.5、11.9、12.9、13.4、14.3、14.6、15.6、16.8、および20.3に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、請求項3に記載の結晶形態。
  5. 図2に示される前記粉末X線回折パターンを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の結晶形態。
  6. 前記粉末X線回折パターンが、Cu Kα放射線を使用して得られた、請求項1〜5のいずれか一項に記載の結晶形態。
  7. 図7Aに示されるパターンに実質的に従うH NMRスペクトルを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の結晶形態。
  8. 約2.2、6.8、9.1、16.1、18.4、20.7、23.1の位置のうちの1つ以上に2θ度での特徴的なピークを有する粉末X線回折パターンを特徴とする、6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール半シュウ酸塩の結晶形態、またはその水和物。
  9. a)6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの半シュウ酸塩の溶液を調製することと、
    b)前記溶液を加熱して、前記6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの半シュウ酸塩を溶解することと、
    c)前記溶液から固体が沈殿するように、温度を調節することと、
    d)前記6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの半シュウ酸塩の前記結晶形態を単離することと、を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の結晶形態を調製するためのプロセス。
  10. 前記溶液が、酢酸エチルおよびヘプタンを含む、請求項9に記載のプロセス。
  11. 前記溶液を加熱することが、前記溶液を約35℃〜約55℃に加熱することを含む、請求項9または10に記載のプロセス。
  12. 前記溶液を加熱することが、前記溶液を約40℃に加熱することを含む、請求項10〜11のいずれか一項に記載のプロセス。
  13. 温度を調節することが、前記溶液を、約5℃以下、または約2℃〜約10℃に冷却することを含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載のプロセス。
  14. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の結晶形態と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
  15. 前記組成物が、皮下注射のための懸濁製剤である、請求項14に記載の薬学的組成物。
  16. 少なくとも検出可能な量の請求項1〜8のいずれか一項に記載の結晶形態を含む、原薬。
  17. 肥満症の治療を必要とする患者において肥満症を治療する方法であって、前記患者に請求項1〜8のいずれか一項に記載の結晶形態の有効量を投与することを含む、方法。
  18. 肥満症の治療を必要とする患者において肥満症を治療する方法であって、
    6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール半シュウ酸塩の結晶形態を含む組成物を皮下投与することを含む、方法。
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