JP2015515861A - 動物飼料のサプリメントとしての脱水ヒマシ油 - Google Patents

動物飼料のサプリメントとしての脱水ヒマシ油 Download PDF

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Abstract

本発明は、肉畜の脂肪の硬さ及び肉の品質を改良する及び/又は畜肉の品質指標を改良するために有効である量の脱水ヒマシ油を含んでなる組成物を、肉畜(例えば、ブタ)に投与することによって、肉中の飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の比を変更するための方法に関する。

Description

[0001]本発明は、動物の栄養摂取の分野に関する。具体的には、本発明の態様は、肉畜(例えば、ブタ)の肉の品質指標を改良するための動物飼料サプリメントとして有効な量で脱水ヒマシ油を含んでなる組成物に関する。
[0002]遊離脂肪酸としての共役リノール酸(CLA)は、ブタ、ニワトリ、及び他の動物のためのプロバイオティクス飼料サプリメントとして広範に研究されている。例えば、参考文献として援用される、Gavino et al.,J.Nutr.130:27−29(2000)を参照されたい。CLAは、健康的及び栄養学的利点を伴う産物である。例えば、CLAは、多くの潜在的機構によって(例えば、脂肪酸及びグルコースが筋肉細胞膜を通過して脂肪組織から離れることができるようにインスリン感受性を向上させることによって)体脂肪を減少することが知られている。例えば、その全ての開示が本明細書中に完全に記載されたかのように参考文献として援用される、米国特許第6,608,222号を参照されたい。CLAの他の利点は、それによって脂肪の少ない更に好ましい(例えば、高品質な)動物を得る、動物の筋肉成長及び脂肪燃焼の刺激;抗酸化特質;動物の飼料効率を増加する能力;動物の骨のミネラル含有量を増加させる能力;及び動物の血液中のコレステロールの量を減少する能力を含む。上記を参照されたい。しかし現時点で、その遊離脂肪酸の形態のCLAは、潜在的に、肉畜(例えば、ブタ)の肉の品質指標を改良するための比較的高価な方法である。対照的に、塗料工業における低価格の、そして準速乾油として使用される商業的に入手可能な産物の脱水ヒマシ油(DCO)は、トリグリセリドの形態ではあるが、動物飼料にCLAを導入するための潜在的に費用効率のよい方法と考えられる。DCOは、25−30%の共役リノール酸トリグリセリドエステル(CLA−TG)及び65−70%の“正常な”リノール酸トリグリセリドエステル(LA−TG)(即ち、非共役型)を含有する。
[0003]DCOは、一般的に動物のための飼料添加物として意図されているが、具体的に肉畜、特に仕上げ期のブタの脂肪の硬さ及び肉の品質を、畜肉の品質指標(例えば、ヨウ素価)を高めることによって改良するためのその使用は、開発されていない。更に、肉中の飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の比を変更するためのDCOの使用は、開発されていない。
米国特許第6,608,222号。
Gavino et al.,J.Nutr.130:27−29(2000)。
[0004]本発明者は、DCOが動物飼料の添加物として摂取された場合、一つ又はそれより多い畜肉の品質指標が改良されることを、驚くべきことに、そして予期せずに発見した。例えば、仕上げ期のブタにおいて、本発明者は、ブタに一定量の脱水ヒマシ油を含有する動物飼料組成物を摂取させた場合、豚肉の少なくとも一つの品質指標、即ち、肉のヨウ素価が改良されたことを、驚くべきことに、そして予期せずに発見した。このようなブタの場合、有意に低下したヨウ素価は、有意に改良された肉の脂肪の硬さを告知し、これは、次に得られた肉の改良された薄切り及び加工性に導く。
[0005]従って、一つの態様において、本発明は、一つ又はそれより多い肉畜の肉の品質指標を改良するために有効な量の脱水ヒマシ油を含んでなる組成物を肉畜に給与することを含んでなる、一つ又はそれより多い肉畜の肉の品質指標を改良するための方法に関する。
[0006]もう一つの態様において、本発明は、少なくとも20%の乾燥蒸留粕(DDGS)及び一つ又はそれより多い肉畜の肉の品質指標を改良するために有効である量の脱水ヒマシ油を含んでなる組成物を肉畜に投与することを含んでなる、一つ又はそれより多い肉畜の肉の品質指標を改良するための方法に関し、これは、DDCG調整試料中にDCOが加えられない場合、通常は不都合に影響することが見いだされている。
[0007]もう一つの態様において、本発明は、肉中の飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の比を変更するための方法に関し、この方法は、肉中の飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の比を変更するために有効な量の脱水ヒマシ油を、肉畜に投与することを含んでなる。
[0008]一つの態様において、本発明は、一つ又はそれより多い肉畜の肉の品質指標を改善するための方法に関する。この方法は、一つ又はそれより多い肉畜の肉の品質指標を改良するために有効である量の脱水ヒマシ油(DCO)を含んでなる組成物を肉畜に投与することを含んでなる。幾つかの態様において、組成物は、DCOに加えて、少なくとも20%のDDGSを含んでなる。
[0009]本明細書中で使用する場合、用語“肉畜”は、ブタに制約されるものではなく、更にウシ、七面鳥、及びニワトリを含む。
[0010]本明細書中で使用する場合、用語“品質指標”又は“品質指標類”は、制約されるものではないが、畜肉のヨウ素価(例えば、屠体ヨウ素価);ベリーの硬さ;ロインアイ面積(LEA);ドリップロスのパーセント;最終肋骨脂肪厚み;第10肋骨脂肪厚み;脂肪を含まない赤身;及び飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の比を指す。
[0011]本明細書中で使用する場合、一つ又はそれより多い肉畜の肉の品質指標の文脈における用語“改良”は、例えば、ヨウ素価が、DCOを給与されない動物(例えば、対照)の肉に対するヨウ素価と比較して、少なくとも5%減少する(例えば、5−10%減少;5−15%減少;又は10−15%減少)ことを意味する。従って、例えば、DCOを給与されない肉畜の肉に対するヨウ素価が76であり、そして少なくとも14.5%のヨウ素価の減少がある場合、DCOを給与された動物の肉に対するヨウ素価は、65又はそれより少ないものである。或いは、例えば、DCOを給与されない肉畜の肉に対するヨウ素価が73であり、そして少なくとも10%のヨウ素価の減少がある場合、DCOを給与された動物の肉に対するヨウ素価は、65.7又はそれより少ないものである。
[0012]幾つかの態様において、ヨウ素価は、DCOの代わりにCLAを給与された動物の肉に対するヨウ素価に対して、少なくとも7%減少される(例えば、7−10%減少;7−15%減少;又は10−15%減少)。従って、例えば、CLAを給与された肉畜の肉に対するヨウ素価が70であり、そして少なくとも7%のヨウ素価の減少がある場合、DCOを給与された動物の肉に対するヨウ素価は、65.1又はそれより小さいものである。
[0013]ベリーの硬さ、LEA、ドリップロスのパーセント、及び脂肪を含まない赤身の文脈において、用語“改良”は、DCOを給与されない動物に対するベリーの硬さ、LEA、ドリップロスのパーセント又は脂肪を含まない赤身に対する、少なくとも5%の改良(例えば、5−10%の改良;5−15%の改良;又は10−15%の改良)を指す。
[0014]最後に、最終肋骨脂肪厚み及び第10肋骨脂肪厚みの文脈において、用語“改良”は、DCOを給与されない動物に対する最終肋骨脂肪厚み及び第10肋骨脂肪厚みに対する、少なくとも15%の改良(例えば、15−25%の改良;15−20%の改良;又は20−25%の改良)を指す。
[0015]一つ又はそれより多い肉畜の肉の品質指標の改良に加えて、DCOは、その飼料がDCOで補充された動物の肉の消費が、DCOは、例えばこのような肉を消費するヒトに対する抗糖尿病、抗癌、及び/又は抗アテローム硬化症効果を、かかるヒトに対して有することができるように、いずれもの有益な効果を向上することができる。類似の抗糖尿病、抗癌、及び/又は抗アテローム硬化症効果は、DCOを給与された肉畜によって経験することができる。更に、DCOは、DCOで補充された飼料を消費する動物における免疫向上活性を有することができ、従ってこのような飼料を消費する動物における高価な動物ワクチンの使用の必要性をを取り除く。
[0016]畜肉の品質指標を改良するために有効である脱水ヒマシ油の量は、動物によって変化し、そして対費用効果、食餌中の脂肪の組成(即ち、飽和対不飽和脂肪)、食餌中の脂肪の供給源、食餌中の脂肪の総量、食餌中の脂肪含有量、及び飼料効率増加性能(例えば、成長速度及び飼料対増加比)を含む多くの因子によって影響されることができる。幾つかの態様において、畜肉の品質指標を改良するために有効である脱水ヒマシ油の量は、動物の飼料の食餌に使用する食品組成物に使用される脱水ヒマシ油の重量対重量(重量/重量)比で計算することができる。脱水ヒマシ油と食品組成物の一つの例示的な重量対重量比は、1:200、例えば、2:100、2:200;2:50;及び1:100からである。他の態様において、畜肉の品質指標を改良するために有効である脱水ヒマシ油の量は、動物に給餌される食品組成物の5重量%(w/w)まで、例えば4重量%(w/w)まで、3重量%(w/w)まで、2重量%(w/w)まで、1重量%(w/w)まで、及び0.5重量%(w/w)までである。幾つかの態様において、畜肉の品質指標を改良するために有効である脱水ヒマシ油の量は、5重量%(w/w)、例えば10重量%(w/w)、15重量%(w/w)、20重量%(w/w)、25重量%(w/w)又はそれより大きくより高い。いずれの場合も、DCOの量は、一つ又はそれより多い肉畜の肉の品質指標を改良するために十分な量でなければならない。更に、当業者が認識することができるように、加えられたDCOが、一つ又はそれより多い肉畜の肉の品質指標を、僅かしか(そうであるとしても)改良しない点に達することができる。
[0017]DCOが加えられる例示的な食品組成物は、大量のトウモロコシ及びダイズ粗挽き粉を含む。肉畜に給餌するための食品組成物に含むことができる他の適した穀物粒子は、コムギ、ソルガム、カラスムギ、キャノーラ、及びオオムギを含む。完全肉畜食餌は、肉畜の全ての栄養学的要求を、一つの食餌で提供する。これらの食餌は、例えば、均衡のとれたサプリメントを、トウモロコシ、粗挽きダイズ粉、及びトウモロコシとのビタミン−ミネラルプレミックスと混合することによって調製することができる。慣用的な飼料は、しばしば植物種子油(抽出された)、グリース及びタロー、商業用乾性脂肪、トウモロコシ油、大豆油、又は完全に脂肪を浸み込ませた加熱調理ダイズから誘導された一つ又はそれより多い追加の脂肪の供給源で補充される。本発明の飼料の使用(増加した油分及び低いフィチン酸を含有するトウモロコシ粒子を使用する)からの増加した油分は、食餌のカロリー密度、金属の生体利用率を増加し、そして好ましくない廃棄物を減少する。
[0018]幾つかの態様において、DCOが加えられる食品組成物は、少なくとも20%のDDGS(例えば、20−50%のDDGS;20−40%のDDGS;20−30%のDDGS;又は20−25%のDDGS)を含む。幾つかの態様において、DCOが加えられ、そして少なくとも20%のDDGSを含む食品組成物は、屠殺を含めてそれまでの動物の生涯を通して肉畜に給餌される。幾つかの態様において、DDGSは、屠殺の少なくとも1週間前、例えば屠殺の2週間前、屠殺の3週間前又は屠殺の4週間前に中止される(即ち、動物の食餌から除去される)。
[0019]幾つかの場合、食品組成物は、リシン、トレオニン、及びトリプトファンを含むアミノ酸で補充することができる。食品組成物が全ての必須アミノ酸を、食餌を均衡のとれたものにするために十分な量で保持しない程度まで、これらを食餌に加えなければならない。
[0020]特にブタのための例示的な食品組成物は、石灰石、リン酸二カルシウム、ミロ、動物性脂肪、アルファルファ、オオムギ、血粉、黄トウモロコシ、トウモロコシグルテン、粗挽き綿実粉、DDGS、粗挽き魚粉、リシン塩酸塩、石灰石、ミロ、廃糖蜜、カラスムギ、脱脂粉乳(例えば、乾燥)、粗挽きダイズ粉、ダイズ(例えば、脂肪で調理された)、ダイズ油、ヒマワリ、コムギ、及び乳清を含むことができる。ブタの標準的な食品組成物に含むことができる他の成分は、ビタミン(例えば、ビタミンA、D、E、及びB12)、酵素(例えば、フィターゼ)、食塩、チロシンリン酸塩(例えば、Tylan(登録商標)40)、及びミネラル(例えば、セレン、動物の食餌中で有益な効果を有する元素)を含む。これらの例は、本明細書中の他のもののように、本発明の使用の例示であり、そして開示される発明の範囲を制約することを意図するものではない。
[0021]毎日基準で肉畜に供与されるものである食品組成物の量は、約6−12ポンドとなるものであろうし、そして繁殖期である場合;乳汁産生が関係する場合;又は“標準的産生条件”からの逸脱がある場合には変化させる必要があってもよい。例えば、Iowa State University,Life Cycle Swine Nutrition at http://www.ipic.iastate.edu/LCSN/LCSNutrition.pdf;及びSwine Nutrition(Austin J.Lewis and L.Lee Southern eds.,CRC Press LLC 2001)を参照されたく、この両者はその全てが本明細書中に記載されているかのように、参考文献として援用される。従って、この文脈において、幾つかの態様において毎日の飼料に加えられるDCOの量は、飼料の全重量の5重量%(w/w)までである。従って、例えば、100ポンドの飼料が調製される場合、飼料の約5ポンドまでがDCOとなるであろう。従って、幾つかの態様において、例えば100ポンドの飼料を意図する場合、100ポンドのこれらの飼料中のDCOの量は、0.5ポンドから約5ポンドまで、例えば、約1ポンドから約5ポンドまで、約2ポンドから約5ポンドまで又は約0.5ポンドから約4ポンドまでである。然しながら、先に記述したように、DCOの量は、5ポンドを超えることができる。従って、幾つかの態様において、例えば、100ポンドの飼料を意図する場合、これらの100ポンドの飼料中のDCOの量は、10ポンド、15ポンド、20ポンド、25ポンド又はそれより多い。いずれの場合においても、DCOの量は、一つ又はそれより多い肉畜の肉の品質指標を改良するために十分な量でなければならない。更に、当業者が認識するように、加えられたDCOが、一つ又はそれより多い肉畜の肉の品質指標を、僅かしか(そうであるとしても)改良しない点に達することができる。
[0022]更に、固体の食品組成物と組合せて又はそれと別個に他の食品組成物を、例えば、直接給餌する液体として、或いは水中の溶液又は乳液として肉畜に給餌することも可能である。然しながら、このような場合、給餌されるDCOの量が、固形食品組成物の量と相関することが好ましい。水中の乳液が使用される態様において、乳液は、25−40重量%(v/v)DCO/水、例えば、25−35重量%(v/v)、25−32重量%(v/v)、35−40重量%(v/v)、32−40重量%(v/v)DCO/水を含有する。
[0023]別の方法として、DCOは、適した担体、例えばデンプン、スクロース又はラクトース、タンパク質、遊離脂肪酸、及び他のトリグリセリドを含んでなるゲル又は粉末の形態で肉畜の食餌に組込むことができる。錠剤又はカプセルの形態の場合、錠剤又はカプセルは、当技術において既知のもの(例えば、酢酸リン酸セルロース)のような腸溶性コーティングで被覆することができる。
[0024]本発明の態様において使用されるDCOは、9,11−オクタデカジエン酸及び/又は10,12−オクタデカジエン酸並びにこれらの活性な異性体を含む、一つ又はそれより多い不飽和の共役脂肪酸を含有する。脂肪酸は、好ましくは実質的にトリグリセリドエステルの形態である。言い換えれば、脂肪酸は、例えば、共役リノール酸のグリセロール分子とのエステルの形態である。グリセロールが、三つより少ない脂肪酸を含んでなる場合(即ち、これがモノ−又はジグリセリド化合物である場合)、遊離のヒドロキシル基は、遊離アルコールとして残ることができるか、又は当技術において既知の方法で、例えば、C2−20(例えば、C2−18、C2−14、C2−12、C2−10、C2−8、C2−6、C2−4、又はC2−3)の飽和又は不飽和アルカン酸との交差エステル化によって、或いはリン酸化によって改変することができる。
[0025]幾つかの態様において、DCOは、約25−30%間の共役リノール酸トリグリセリドエステル(CLA−TG)を含んでなる。上記の25−30%のCLA−TGの約四分の一のトリグリセリドは、CLAのcis−9(9c)、trans−11(11t)及びtrans−10(10t)、cis−12(12c)異性体を含有し、ここで、9c、11t異性体は、10t、12c異性体に対して約5:1の比で主要な幾何異性体である。例として、本発明の態様において使用することができる商業的に入手可能なDCOは、Vertellus Performance Materials Inc.,Greensboro,NCからのCastung(登録商標)103G−H脱水ヒマシ油;及びAlnor Oil,Valley Stream NYからのDCO ASTM D 961を含む。これら二つの油類は、概略同量の全CLA−TG(それぞれ24.3%及び23.6%);概略同量の9c、11t異性体(それぞれ5.4%及び6.4%);及び概略同量の10t、12c異性体(それぞれ0.6%及び0.5%)を含有する。
[0026]先に記載したもののような商業的供給源から得られるDCOの“カタログ化された”異性体含有量が、動物食品科学において有益な特質を有することに帰されるもの(例えば、9c、11t及び10t、12c異性体)のみが習慣的に分析されるために、存在するジエン脂肪酸トリグリセリドの全ての可能な位置−及び立体異性体の分析データ(例えば、重量パーセント含有量)を含まないことがあり得ることは認識されるべきである。更に、DCO中に存在するジエン脂肪酸トリグリセリドの未知の組合せ間で、相乗作用が作動可能である良好な可能性が存在する。
[0027]本発明の態様において使用されるDCOは、これが一つ又はそれより多い不飽和の共役脂肪酸を含有するように脱水される。然しながら、幾つかの態様において、DCOは、部分的に脱水することができる。部分的に脱水されたヒマシ油の非制約的な例は、Vertellus’XXX−1部分脱水ヒマシ油、Vertellus Performance Materials Inc.,Greensboro,NCである。
[0028]幾つかの態様において、本発明のDCO含有食品組成物は、更に、L−カルニチン−L−酒石酸塩、L−カルニチンマグネシウムクエン酸塩、及びアセチル−L−カルニチンを含むL−カルニチン、又はその塩を含んでなる。幾つかの態様において、動物の食品組成物中で使用されるDCO−L−カルニチンの組合せは、相乗的に作用し、例えば、それぞれの成分が別個に使用された場合に対して、除脂肪体重への飼料転換の効率を増加し、更に脂肪の硬さを増加し、そして更に動物の肉の品質を改良することができる。他の態様において、動物の食品組成物中で使用されるDCO−L−カルニチンの組合せは、DCO中に含まれるDCO及び/又はCLAの畜肉への取込みの有効性を増加する。
[0029]幾つかの態様において、本発明のDCO含有食品組成物は、更にベタイン、或いはその塩又は誘導体;或いはラクトパミン、又はその塩若しくは誘導体;或いはベタイン、或いはその塩又は誘導体、及びラクトパミン、或いはその塩又は誘導体の混合物を含んでなる。なお他の態様において、本発明のDCO含有食品組成物は、更にL−カルニチン、又はその塩;ベタイン、或いはその塩又は誘導体;及びラクトパミン、或いはその塩又は誘導体の混合物を含んでなる。
[0030]本発明のDCO含有食品組成物は、単独で又は他の成分(例えば、L−カルニチン及びDDGS)との組合せで投与されるか否かに関わらず、一般的に畜肉の品質指標を増加する。畜肉の品質指標は、制約されるものではないが、畜肉のヨウ素価(例えば、屠体ヨウ素価);ベリーの硬さ;ロインアイ面積(LEA);ドリップロスのパーセント;最終肋骨脂肪厚み;第10肋骨脂肪厚み;及び脂肪を含まない赤身を含む。ヨウ素価は、畜肉に含まれる脂肪の不飽和のレベルの表示として報告される。即ち、ヨウ素価が低ければ、不飽和のレベルも低い。不飽和のレベルは、次に畜肉の脂肪の硬さに相関する。より多い飽和は、より高い脂肪の硬さに導き、これは次に、得られた肉の改良された薄切り及び加工性に導く。
[0031]CLAのような他の動物食品組成物添加物に対して、DCOは、肉畜の屠体ヨウ素価の予期しない、そして驚くべき低下に導き、これは次いで、脂肪の少ない高品質な肉畜を産生する。幾つかの態様において、動物食品組成物へのDCOの投与は、70より少ない、そして約65のように低いヨウ素価に導く。理想的には、しかし必ずしもそうではないが、特定の品質指標の改良、例えば屠体ヨウ素価の低下は、例えばドリップロス、肉のpHを含む一つ又はそれより多い他の品質指標;及び/又はロインアイの色、ロインアイの大きさ、飼料摂取、平均日内増加又は体重を含む一つ又はそれより多い他の評価指標に実質的に影響することができるか、又はできない。いずれの場合も、一つの品質指標の改良は、他の品質指標に負には影響しない筈である。同様に、一つの評価指標の改良は、他の性能指標に負に影響しない筈である。最後に、一つの品質指標の改良は、評価指標に負に影響しないはずであり、そして逆もまた同じである。
[0032]幾つかの態様において、本発明の方法は、肉中の飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の比を変更するための方法に関する。このような方法は、肉中の飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の比を変更するために有効な量の脱水ヒマシ油を肉畜に投与することを含んでなる。幾つかの態様において、肉中の飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の比は、肉畜(例えば、仕上げ期のブタ)の脂肪の硬さ及び肉の品質が、増加する(即ち、比の絶対値が増加する)ような方法で変更される。肉中の飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の比の変更は、畜肉の減少したヨウ素価を反映し、これによって固い脂肪及び高い肉の品質に導くことが予測されるものである。幾つかの態様において、肉中の飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の比は、0.35より大きく、例えば0.37より大きい。他の態様において、肉中の飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の比は、少なくとも0.4である。
[0033]本発明をここに一般的に記載してきたが、これは、以下の実施例を参照することによって更に容易に理解されるものであり、これらは、例示として提供され、そして制約することを意図するものではない。各種の改変及び変更を、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく本明細書中に開示される例示的態様に行うことができることは理解されることである。
実施例1
[0034]ブタの仕上げプログラムの後期における成長成績を増加し、そして栄養分を再分割するDCOの能力を調査するための研究が行われた。統一された遺伝的背景の35匹の去勢ブタを現地の繁殖者の集団から確保し、そして標準的成長食餌で2週間順応させた。順応後、ブタを、対照、0.5%DCO又は1.0%DCO食餌に無作為に割当てた。試行中、ブタを飼料及び水に自由にアクセスできるようにした。毎週、ブタを秤量し、そして飼料の摂取を記録した。6週間の給餌期間の終りに、ブタを屠殺し、そして屠体組成及び肉の品質パラメーターを評価した。終末体重は処置間で異ならなかった。平均日内増加は、食餌へのDCOの添加によって抑制された(P<0.05)。然しながら、飼料の消費、及び最終的に飼料効率は、全ての処置にわたって異ならなかった。食餌へのDCOの添加は、最終(P<0.008)及び第10(P<0.05)肋骨の両方で測定されたように屠体の脂肪含有量を実質的に減少した。DCOを給餌したブタのロイン筋肉面積は、影響されなかった。屠体の赤身(%)は、食餌へのDCOの添加によって有意に(P<0.04)改良された。これらのデータは、後期仕上げ食餌へのDCOの添加が、平均日内増加を抑制するが、しかし屠体の赤身度を改良することを示す。
実験の設計
[0035]ブタ(n=30)を、個々の檻に無作為に割当て、そして順応させるために10日間の期間、標準的食餌に自由にアクセスできるようにした。10日間の期間の終りに、ブタを大きさによって選別し、そして次いで三つの食餌処置:a)対照;b)0.5%DCO又はc)1.0%DCOの一つに無作為に割当てた。全ての食餌は、等熱量及び等窒素であるように処方された。飼料摂取及び体重増加を、給餌の3及び6週目(動物の終末又は加工時)に記録した。
組成の測定
[0036]2℃で24時間後、標準的な屠体の測定値を収集した。屠体の脂肪を含まない赤身のパーセントを、NPPC,Procedures to Evaluate Hogs(3d ed.1991)によって記載されているようにOrcutt,M.W.et al.,Animal Sciences 68:3987−3997(1990)によって決定した。
品質の採点
[0037]第10及び第11肋骨界面の切断面の新鮮なブタ肉の色、硬さ及び霜降り度を、瀉血の24時間後、2℃で、6人の訓練された専門家の委員会によって評価した。品質採点を、確立された指針に従って報告した。National Pork Producers Council(NPPC),Procedures to Evaluate Hogs(3d ed.1991)を参照されたい。
pHの決定
[0038]死後のpHを、瀉血の45分後(pH45)及び24時間後(pH24)に、Ingoldガラス電極pHプローブ(M6/DXK/S7−25,Ingold,Mettler,Toledo,OH)によって得た。プローブを、第10肋骨に近い点で2.5cmの深さでLMに挿入した。
保水力(ドリップロス)
[0039]保水力を、もう一つの切り身で、ドリップロス法を使用して決定した。Rasmussen,A.and Stouffer,J.R.New method for determination of drip loss in pork muscles,Poster Proceedings 42nd International Congress of Meat Science and Technology,Norway,286−287(1996)を参照されたい。簡単には、筋肉試料を、一つの2.54cmの切り身から、直径2.5cmのコアリングデバイスを使用して収集した。試料を、肉の切断面がドリップロス試験管の長軸に対して直角であるようにドリップロス試験管に入れた。ドリップロス分析を、7.0gのコア試料から三重で評価した。4℃で24時間後、ドリップロス容器プラス試料を秤量した。筋肉試料を除去し、そして廃棄し、そして容器を浸出液と共に再秤量した。ドリップロスのパーセントを計算し、そして記録した。
ハンター色
[0040]視覚的品質評価の後で、切り身を除去し、そしてHunterLab Colorimeter(D25 A Optical Sensor,Hunter Associates Laboratory,Reston VA)使用して色に対して分析した。ハンター色“L”、“a”、及び“b”値を、光源“A”及び2°の標準観察器を使用して決定した。
ベリーの品質
[0041]ベリーは、損なわれていない屠体から、通常の加工規定によって製造した。ベリーの厚みは、2ヵ所で測定され、そして平均された。更に、新鮮なベリーを、“フロップ”試験にかけ、これは、ベリーの棒上の24時間の懸垂、及び主観的(1=良好、5=不良)に、そしてベリーの末端間の終末距離を評価し、そしてこれを全長に対して正規化することにより客観的にフロップの量を採点することを含んでいた。
統計的解析
[0042]実験単位(ケージ内の個々のブタ)を、動物施設内で無作為化した。飼料摂取及び体重増加を繰返し測定によって解析し、一方、屠体品質の測定は、最小有意差によって評価した。全てのデータを、SAS(登録商標)(SAS Institute, 2001)のGeneral Linear Models法を使用して解析した。有意さの提示は、他に記述しない限り、(P<0.05)に基づいた。
結果及び検討
[0043]食餌的処置に関わらず、体重(BW)、平均日内増加(ADG)、平均日内飼料消費(ADFC)又は飼料転換率(FC)における有意な差は、以下の表1に示すように存在しなかった。
Figure 2015515861
[0044]先に記述したパラメーターに全体的に有意な差はないが、対照群は、DCO群のいずれか、特に0.5%DCO処置群より優れている傾向があった。更に、この研究において統計学的有意性は観察されなかったが、これらのデータが、大規模な生産施設に移された場合、実際に、有意となるであろうことについてほとんど疑問は生じなかった。理論に束縛されるものではないが、ADGの減少は、表1に示すように、減少した飼料摂取による可能性がある。有意ではないが、0.5%DCO群に、より少ない飼料を消費する傾向が、特に3週目に存在する。減少した飼料消費は、飼料の嗜好性によることができる。対照的に、より高いDCO(1.0%)を給餌されたブタは、明白に対照と同じ率で成長し、そしてより少ない飼料を消費するものではなかった。
[0045]屠体歩留りパーセント(73.56±2.11;72.94±2.11;又は72.65±2.11)、によって決定されるような屠体成績は、処置を通して異ならなかった。更に、食餌的処置は、以下の表2に示すように、ベリーの硬さ、ロインアイ面積、ロイン品質の主観的測定値(色、硬さ、及び霜降り度)、又は24pHを変更しなかった。然しながら、以下の表3に示すように、ドリップロスのパーセント、最終肋骨脂肪厚み、第10肋骨脂肪厚み、及び脂肪を含まない赤身のパーセントに有意な食餌的影響が存在した。
Figure 2015515861
Figure 2015515861
[0046]これらのデータは、食餌性DCOの添加が、ブタ肉のドリップロスを改良することができたことを示唆する。筋肉中に捕獲された水の減少(又は改良された保水力、WHC)に対する主要な理由は、筋肉細胞膜の統合性と関連する。侵襲、例えばpH及び酸化に対して更に耐性であるトリグリセリドのより多い量の添加は、膜の安定性を改良する可能性があるものである。
[0047]食餌性DCOが屠体の赤身度を改良したという事実は、脂肪の堆積を阻害するDCOの効果のためであることができる。DCOを給餌されたブタが、対照の対応物のように多量の脂肪を堆積することが不可能であり、そして従ってより多い量の栄養分が筋肉に再配分されることが十分あり得る。次いで、恐らくフィードバック機構で、ブタに課せられた栄養分の要求は、低減された。従って、飼料摂取の必要性が低下し、これによってADGが減少するものである。別の方法として、ゆっくり成長するブタ(食餌が制限された)は、より脂肪が少ない。従って、DCOを給餌されたブタが、より少ない飼料を消費し、そしてある点まで、筋肉の堆積が脂肪の堆積に対して優先される傾向があったことを考慮すると、この研究で観察された脂肪の少なさは、減少した摂取に単純に応じていた可能性がある。
[0048]DCOを給餌されたブタは、単純にこれが食餌に慣れるまで時間を要するためにゆっくり成長したという実際の見地から、恐らく飼育者の食餌においてブタをより早期にDCOに供することができる可能性がある。次いで、この研究においてDCOを給餌されたブタが、ある程度の代償的増加を経験する傾向があったことを考慮すると、より若いブタは、より長い時間をかけて対照食餌に“追い付く”ことを順応させ、さらに脂肪の少なさの利点を保持するであろう。
実施例2
[0049]中西部は、多くのバイオエタノール用植物の急激な増加を経験しつつある。従って、家畜の食餌に含めることができるエタノール生産の副産物としてのこれらの植物から出発する代替飼料成分に、真の可能性が存在する。これらの副産物の一つがDDGSである。成長−仕上げ食餌中の0、10、20、及び30%のDDGSを使用する試行において、20又は30%のDDGSを給餌したブタにおいて減少した成長成績が、Whitney et al.in 2006.Whitney,M.H.,et al.,J.Anim.Sci.84:3356−3363(2006)によって記述されている。
[0050]成長成績の懸念に加えて、多くの加工業者は、DDGSを給餌された動物の全般的な屠体品質を疑問視している。食餌性摂取は、ブタがその脂肪貯蔵所に食餌性脂肪を直接沈積することができるため、身体の成分、具体的には脂肪成分の決定において重要な役割を演じている。食餌から体脂肪へのこの移動は、成長−仕上げのブタにおいて十分に特徴付けられている。食餌中に含まれる場合、飽和脂肪酸は、硬さを増加することによって脂肪品質に正に影響する傾向がある。逆に、モノ不飽和脂肪酸及びポリ不飽和脂肪酸は、これがより柔らかい成分を有することを引き起こすことによって、脂肪に全て負に影響する傾向がある。不飽和脂肪酸が高い屠体は、高い酸化のレベル、薄切り及び加工の困難さ、そして従って減少した屠体の価値を有することによって特徴づけられる。脂肪の硬さは、脂肪酸のプロファイルを決定し、そしてIVを計算することによって推定することができる。例えば、Madsen,A.,et al.,Acta Agric.Scand.,Sect.A.Animal Sci.42:220−225(1992)を参照されたい。1998年に、Association of Official Analytical Chemistsは、IVが次:IV=(%C16:l×0.950)+(%C18:l×0.860)+(%C18:2×1.732)+(%C18:3×2.616)+(%C20:l×0.785)+(%C22:l×0.723)のように計算することができることを記述した。受容可能なIV値は、加工業者によって変化するが;然しながら、70を超えるIV値は、しばしば柔らかい脂肪を、そしてあまり好ましくない屠体を示す。Whitney,M.H.,et al.,J.Anim.Sci.84:3356−3363(2006)を参照されたい。Whitneyは、DDGSの含有により増加したIVが増加したことを記述し、そして対照と比較した場合、20及び30%DDGSを給餌されたブタにおける70より上のIVを記述している。
[0051]ベーコンは、赤身(薄片の幅の50%より大きい)及び薄片の厚み(全ての点で1.9cmより広い)によって、高品質の薄片を確認するために採点することができる。これらの基準に合致しない場合、薄片は一級薄片から二級薄片になり、そして薄片が標準に遠く合致しない場合、これは“切落し(ends and pieces)”に分類される。Person,R.C.,et al.,Meat Science 70:121−131(2005)。それぞれの好ましくない特性及び標準以下の形質は、ベリーの価値の減少を、そして従って屠体の価値の減少を表す。
[0052]この研究において、それぞれ概略90kgの30匹の未経産ブタを、単一の供給源から得た。ブタを、処置当たり10回の反復の三つの処置の組合せに、均等に、そして無作為に割当て、そして最終仕上げ期間の屠殺の前の30日間異なった食餌を給餌した。処置は、次のとおり:対照;CLA及びDCO、である。ブタを、食餌性処置によって影響されるような成長及び屠体形質の変化に対して試験した。この研究において、ドリップロス、pH、ロインアイの色及び大きさ、飼料摂取、平均日内増加(ADG)、体重(BW)、又はいずれもの他の屠体測定値に変化は起こらなかったが、驚くべきことに、補充されたDCOは、屠体のIVを大幅に減少した。例えば、DCOの未経産ブタから採取された背脂は、全ての他の処置と比較した場合、ヨウ素価の減少を示した(P≦0.0001)。同時に、既知の脂肪酸(C16:0及びC16:1)の増加があり、これは、DCO処置ブタにおけるより大きい新規な脂肪の合成を示す。最終仕上げ期中のブタの食餌にDCOを加えることは、より低い屠体のIVを示した。
[0053]この実験の目的は、後期仕上げにおける成長−仕上げブタの食餌中のDCOに対してCLAを含めることの成長及びこれが屠体に関連するために脂肪品質に対する効果を試験することであった。
実験の設計
[0054]30匹の未経産ブタを、Purdue University Swine Unitから得て、そしてPurdue University Animal House Facilityに個々に収容した。未経産ブタは、30日の試行の開始時に平均86kgであり、そして三つの処置の一つに無作為に割当て、そして表1に示すように給餌した。全ての食餌は、National Research Council Nutrient Requirements for Swineによって明記された要求に合致するか又はそれを超え、そして自由に給餌された。Purdue Animal Care and Use Committeeは、ブタの収容、取扱い及び試料収集法を認可した。
Figure 2015515861
Figure 2015515861
[0055]個々の体重及び飼料摂取を、実験の期間中の一日おきに、そして屠殺の日に記録した。瀉血の24時間後に採取した屠体の測定値は、ロインアイ面積;第10肋骨背脂厚み;最終肋骨背脂厚み及び色;霜降り度;及び硬さの採点を含んでいた。ロインドリップロス、ベリー曲げ値、及び背脂を得た。脂肪酸濃度を混合した中間及び外部層で決定した。
保水力(ドリップロス)
[0056]ロイン切り身の保水力を、左側屠体の第10肋骨の1インチの切り身から2.54cmのコアリングデバイスで筋肉試料を取出し、そしてドリップロス法によって測定した。Rasmussen,A.and J.R.Stouffer,New Method for Determination of Drip Loss in Pork Muscles,Poster Proceedings at the 42nd International Congress of Meat Science and Technology in Norway 286−287(1996)を参照されたい。筋肉のコア試料を事前秤量された収集試験管に入れ、組合せた重量を取り、そして、肉を伴う試験管を4℃で保存した。24時間後、試験管を取出し、筋肉を除去し、そして試験管を、水の損失を定量化するために、浸出液のみと共に秤量した。
ベリーの脂肪の硬さ(ベリー曲げ試験)
[0057]ベリーを、第10肋骨の前で取出し、そして整形した。ベリーを秤量し、そして二つの第10肋骨側の隅の厚みを測定した。ベリーを、1cmの棒の中心に置き、そして1分間静置させ、その後、床から隅までの高さを記録した。絶対曲りは、これらの得られた値の平均であった。曲りのパーセント(絶対曲り/整形したベリーの重量かける100)、並びに相対曲り(絶対曲り/ベリーの平均厚みかける100)も更に計算した。
脂肪酸プロファイルの分析
[0058]脂肪の試料(200mg)を細分化し、そして10mLの試験管に入れた。2mLのヘキサンをそれぞれの試験管に加え;試料を1分間撹拌し;そして80℃の水浴で30分間加熱した。次に、0.1mLの2Nのメタノール性KOHを加えた。試料を2分間撹拌した。試料を3.840×gで20分間遠心し、そして50μLのアリコートを有機層から取出し、そして0.95mLのヘキサンで希釈した。次いで試料を、8400自動サンプラー及びWCOTの溶融石英の30メートル×0.32mmのCPwax52CP毛管カラムを備えたVarian 3900ガス−液体クロマトグラフ(Varian Inc.,Palo Alto,CA)を、そしてヘリウムをキャリヤーガスとして使用して分析した。175℃の初期オーブン温度を設定し、そして4分間保持し、続いて240℃に達するまで毎分3℃で増加し、そして30分間保持した。試料を分割注入(1:33)し、そして脂肪酸の値を面積のパーセントで得た。
統計
[0059]この試行において、ブタは、完全に無作為化された設計のために、処置に無作為に割当てられた。処置は、SAS(登録商標)(SAS Institute,2001)の処置方法に対するDuncanの多重範囲検定試験を使用して比較された。有意性の記述は、他に記述しない限り、(P<0.05)に基づいた。
[0060]屠体品質の採点(ロインの色、pH、温屠体重量、ベリー曲げ、ドリップロス/保水力;データは示していない)、並びに体重(BW)又は平均日内増加(表5)に注意すべき有意な差はなかった。
Figure 2015515861
[0061]この試行において注目される唯一の差は、脂肪酸組成の変化である。即ち、脂肪の新規な合成の良好な指標として知られる脂肪酸は、C16:0及びC16:1のレベル(表6)によって証明されるように、他の処置と比較してDCO処置においてより高かった(P≦0.05)。
Figure 2015515861
[0062]同時に、他の二つの処置と比較した場合、DCO処置におけるC18:2n6のレベルは、低かった(P<0.05)(表6)。最低の(P≦0.0001)ヨウ素価(IV)は、DCO処置で、続いてCLAで補充された対照で観察され、そして最高のレベルは、対照群で観察された(表3)。理論によって束縛されることを望むものではないが、DCO補充を給与されたブタから得られた結果は、食餌中の脂肪酸の直接の組込みと比較して、脂肪のより良好な新規な合成を反映している可能性がある。表3に示すように、脂質生合成中に産生される最初の脂肪酸であるパルミチン酸のレベルは、他と比較した場合、DCO群においてより高い。C.Mathew and K.E.Van Holde,Biochemistry(Benjamin/Cummings Publication Co.1990)。
[0063]本明細書中に記載され、そして特許請求される本発明は、これらの態様が本発明の幾つかの側面の例示として意図されているため、本明細書中に開示される具体的な態様による範囲に制約されるものではない。いずれもの等価な態様は、本発明の範囲内であることが意図されている。実際に、本明細書中に示され、そして記載されるものに加えて、本発明の各種の改変は、先の記載から当業者にとって明白となるものである。このような改変は、更に、付属する特許請求の範囲の範囲に入ることも意図されている。

Claims (19)

  1. 一つ又はそれより多い肉畜の肉の品質指標を改良するために有効である量の脱水ヒマシ油を含んでなる組成物を、肉畜に投与することを含んでなる、一つ又はそれより多い肉畜の肉の品質指標を改良するための方法。
  2. 前記脱水ヒマシ油が、共役リノール酸のエステルを含んでなる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記共役リノール酸のエステルが、共役リノール酸トリグリセリドを含んでなる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記共役リノール酸のエステルが、リノール酸トリグリセリドを含んでなる、請求項2に記載の方法。
  5. 前記共役リノール酸のエステル中に存在する主要な幾何異性体が、cis−9、trans−11異性体である、請求項2に記載の方法。
  6. 前記組成物が、更に、遊離L−カルニチン、L−カルニチンL−酒石酸塩、L−カルニチンマグネシウムクエン酸塩又はアセチル−L−カルニチンを含んでなるL−カルニチンを含んでなる、請求項1に記載の方法。
  7. 前記肉畜がブタである、請求項1に記載の方法。
  8. 前記脱水ヒマシ油が、最終の仕上げ期中に投与される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記品質指標が、ヨウ素価を含んでなる、請求項1に記載の方法。
  10. 前記品質指標が、屠体のヨウ素価を含んでなる、請求項9に記載の方法。
  11. 前記一つ又はそれより多い他の品質指標が実質的に影響されない、請求項1に記載の方法。
  12. 前記一つ又はそれより多い他の品質指標が、ドリップロス、肉のpH、ロインアイの色、ロインアイの大きさ、飼料摂取、平均日内増加又は体重を含んでなる、請求項11に記載の方法。
  13. 前記屠体のヨウ素価が、70より少ない、請求項10に記載の方法。
  14. 前記屠体のヨウ素価が、約65である、請求項10に記載の方法。
  15. 肉中の飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の比を変更するための方法であって、前記肉中の飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の比を変更するために有効な量の脱水ヒマシ油を、肉畜に投与することを含んでなる、前記方法。
  16. 前記脂肪酸が、C16:0及びC16:1脂肪酸を含んでなる、請求項15に記載の方法。
  17. 前記組成物が、更に、少なくとも20%のDDGSを含んでなる、請求項1に記載の方法。
  18. 前記組成物が、屠殺を含めてそれまでの肉畜の生涯を通して肉畜に投与される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記DDGSが、屠殺の少なくとも1週間前に中止される、請求項17に記載の方法。
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