JP2015509981A - シナプス前部神経毒を用いた片頭痛の治療 - Google Patents

シナプス前部神経毒を用いた片頭痛の治療 Download PDF

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Abstract

本発明は、患者に治療的有効量の薬学的に安全な形態の無脊椎動物シナプス前部神経毒、例えばボツリヌス毒素を投与することを含む、片頭痛関連めまいなどの片頭痛に関連する症状を含む片頭痛を有する患者の治療方法を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、片頭痛およびそれに関連する病気の治療方法を提供する。
片頭痛を治療するためにボツリヌス毒素が使用されている。この治療は当該技術分野において十分に確立されている。単なる一例として、米国特許第5,714,468号、第5,721,215号、第6,458,365号、第7,655,244号、第7,704,511号および第7,981,433号を参照されたい。これらの参考文献の全てが参照により本明細書に組み込まれる。これらの特許には、「Binder、片頭痛のための頭へのボツリヌス毒素注射」、「Blumenfeld、翼口蓋神経節へのボツリヌス毒素注射、経鼻法および血管法、縫合線技法(孔または出口点は存在しない)」「Aoki、ボツリヌス毒素を用いた緊張型頭痛の治療」ならびに「Turkel、慢性片頭痛のためにFDAに認可された手順に関する31の部位」が含まれる。
オナボツリヌス毒素Aは、慢性片頭痛のためにFDAに認可されており、使用される用量は155〜195単位であり、100単位のオナボツリヌス毒素A当たり2ccで希釈されている。各種頭痛疾患を治療するために、25単位〜260単位の範囲の用量が使用される。これらの治療では、所定部位およびその後の疼痛部位に筋肉内注射を行う。
ボツリヌス毒素の副作用は通常、周囲の筋肉への局所拡散により生じ、望ましくない脱力感を生じさせる。
本発明は、片頭痛およびそれに関連する病気、例えば、片頭痛関連めまい(MAV)の治療方法を提供する。特に、本発明は、患者に治療的有効量の薬学的に安全な形態の無脊椎動物シナプス前部神経毒を投与する工程を含む、片頭痛を有する患者の治療方法を含む(なお、本明細書に使用する「無脊椎動物シナプス前部神経毒」とは、無脊椎動物毒素およびタンパク質性無脊椎動物毒素の生物学的に活性なペプチド断片の両方を指す)。
本発明の第1の態様では、外部から引き起こされた片頭痛の選択および治療方法であって、
片頭痛を有する患者群を特定する工程と、
特定された患者群のうち、外傷後片頭痛を有する特定の患者を決定する工程と、
選択された患者に、治療的有効量の薬学的に安全な形態の無脊椎動物シナプス前部神経毒を選択された患者の頭に投与する工程と、
を含むことを特徴とする方法が提供される。
本発明の第2の態様では、患者に治療的有効量の薬学的に安全な形態の無脊椎動物シナプス前部神経毒を投与する工程を含む、片頭痛を有するヒトの患者の治療方法であって、
該投与は、本神経毒を遠位から中心部位に輸送できるように、三叉神経−頸部系に対して行い、該投与は、後頭部−頭頂部−前頭部に集中させるために、本神経毒が遠位感覚神経に拡散できるように、神経毒を頭皮の腱膜/筋膜に筋肉外注射することを含むことを特徴とする方法が提供される。
本発明の第3の態様では、患者に治療的有効量の薬学的に安全な形態の無脊椎動物シナプス前部神経毒を投与する工程を含む、片頭痛を有するヒトの患者の治療方法であって、
該投与は、本神経毒が翼口蓋神経節に拡散できるように、本神経毒をこの神経節の孔に口腔内筋肉外注射することを含み、かつ
該投与は、本神経毒を遠位から中心部位に軸索輸送可能にするために、三叉神経−頸部系に対して行うことを特徴とする方法が提供される。
本発明の第4の態様では、患者に治療的有効量の薬学的に安全な形態の無脊椎動物シナプス前部神経毒を投与する工程を含む、片頭痛を有するヒトの患者の治療方法であって、
該投与は、本神経毒が孔の出口点に集中している神経束に接近できるように、孔部位を含む顔および首の皮下に現れている神経点への本神経毒の筋肉外注射を含むことを特徴とする方法が提供される。
最後に、本発明の第5の態様では、片頭痛関連めまいを有するヒトに治療的有効量の薬学的に安全な形態のシナプス前部神経毒を投与することを含む、片頭痛関連めまい、すなわち、めまいを引き起こす片頭痛の症状を軽減する方法が提供される。
上記本発明の各態様では、本発明の方法は、慢性片頭痛の治療に関するものであることが好ましい。
本発明の方法では、以下の限定が好ましい。
本発明の方法では、シナプス前部神経毒はボツリヌス毒素である。より詳細には、本発明の方法では、ボツリヌス毒素は、ボツリヌス毒素A、B、C、D、E、FまたはGであってもよい。
本発明の方法では、ボツリヌス毒素はボツリヌス毒素Aである。
本発明の方法では、本神経毒はエンドトキシンを含む。
本発明の方法では、エンドトキシンは、ボツリヌス毒素に由来するエンドペプチダーゼである。
好ましくは、ボツリヌス毒素は、生理食塩水、例えば通常の生理食塩水で希釈されている。より好ましくは、ボツリヌス毒素は、100単位のボツリヌス毒素当たり少なくとも約1ccの生理食塩水、例えば、100単位のボツリヌス毒素当たり約1cc〜10ccの生理食塩水に希釈されている。
一般に、本発明は、従来の注射法を用いた場合に存在するボツリヌス毒素の副作用を最小に抑えることを目的とし、この目的を達成するために新規な注射法を使用する。また、本発明は、慢性および突発性片頭痛、外傷後頭痛、開頭術後頭痛、緊張型頭痛および薬剤誘発性頭痛を含む複数の頭痛型全般において有効性を高めることを目的としている。本発明は、最も有効な部位、すなわち、三叉神経−頸神経に薬を集中させる。
従って、本発明は、頭頸部の非筋肉関連領域またはその中の神経出口点における毒素の最適な拡散を確立するために毒素の濃度および容量を調節することによる、ボツリヌス毒素(および/またはエンドペプチダーゼ)を用いた片頭痛の治療に関するものであることが好ましい。この方法は、筋麻痺などの副作用を回避し、かつ神経出口点における高濃度/小容量の注射を使用して総投与量を減少させ、これにより、注射時の急激な組織の拡張を抑制することで注射による痛みも低下させる。
本発明の利点および特徴は、添付の図面と併せて考察すれば、以下の記載により、さらに良く理解されるであろう。
頭14における前頭部(10)、頭頂部(20)および後頭部(30)の腱膜/筋膜を示す本発明に係る注射部位の図である。 本発明に係る注射部位の図であり、具体的には、口蓋神経の神経出口点である大口および小口蓋孔(20)ならびに鼻口蓋神経の神経出口点である切歯孔(30)を示す。 頭頸部における好適な神経出口点を示す。
上記本発明の第1の態様に関して、外傷は、片頭痛の頻度を高めることが実証されており、突発性片頭痛を慢性片頭痛に変える危険因子である。
不安症および鬱病は、突発性片頭痛よりも慢性片頭痛に関連することが多く、外傷は、片頭痛を開始または悪化させることに関与し得る。このプロセスに関わる可能性のある以下のような複数の異なる外傷の種類がある。
1.爆風損傷を含む閉鎖性頭部損傷
2.血腫および挫傷などの実質内病変を有する開放性頭部損傷
3.外科手術の影響ならびに基礎疾患に続発する開頭術後損傷
4.鬱病、不安症、外傷後症候群および心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの心的外傷
5.むち打ち損傷および頭頸部の周囲の他の軟組織損傷
国際頭痛学会は、外傷後頭痛と片頭痛を別々に分類している。外傷後頭痛は、外傷から1週間以内に頭痛が始まることを要件としている。この後に頭痛が3ヶ月未満で持続した場合、これは急性の外傷後頭痛と見なされる。この頭痛が3ヶ月以上持続した場合、慢性の外傷後頭痛と見なされる。これらの頭痛は、頭痛を引き起こした外傷の程度に応じて、軽度、中度、重度にさらに細分される。また、むち打ち損傷に起因する頭痛の分類もある。外傷後頭痛の実際の特徴は、これらの分類に記載されていないが、似たような片頭痛の特徴が存在し得る。さらに突発性片頭痛は、頭の外傷により慢性片頭痛に変わる可能性がある。これらの症例では、片頭痛の前歴があり、外傷後に片頭痛の頻度が高まる。
ほぼ40%の兵士が、任務期間中に片頭痛になったか片頭痛の可能性を有していたが、部隊への派遣前に片頭痛歴を有していたものは兵士らの中にほとんどいなかったという報告がある。本発明によれば、患者群は、調査によって特定することができる。例えば、任務から帰還後すぐに調査した2,687人の兵士のうち19%が確定的な片頭痛の診断基準を満たし、18%に片頭痛の可能性があり、11%が非片頭痛型の頭痛であった。確定的な片頭痛を有していたものは、1ヶ月で平均して3.5日間片頭痛になった。
イラクに派遣される前に片頭痛歴を有していた兵士はたった5%であった。
一例として、イラクから帰還した後、兵士らは医療処置現場に送られた。1つの隊の隊員らが、頭痛に関する有効な17つの質問調査に答えた。彼らの調査回答に基づいて、兵士らを、米国片頭痛研究で使用されているものに類似した分類系である、確定的な片頭痛、片頭痛の可能性または非片頭痛型の頭痛の3つの群に分類した。
回答者の平均年齢は27歳であった。この群は、95%が男性であり、5%が女性であった。
兵士らは、自身の片頭痛を10点の重症度尺度で平均6.5(平均5.2時間持続する)として評価した。急性の片頭痛の治療のための標準治療薬であるトリプタンを投与されたものはまだ2%しかいなかった。
3ヶ月の追跡調査による所見から、多くの兵士が米国本土に戻った後も高い割合で片頭痛を有し続けていることが分かった。
本発明に係る外部から引き起こされた片頭痛の選択および治療方法は一般に、片頭痛を有する患者群を特定する工程と、特定された患者群のうち、外傷後片頭痛を有する特定の患者を決定する工程とを含む。その後、選択された患者に、治療的有効量の薬学的に安全な形態の無脊椎動物シナプス前部神経毒を選択された患者の頭に投与する。
本発明は、頭皮または口および首における神経出口点への筋膜注射などの頭頸部の非筋肉関連領域における毒素の最適な拡散を確立するために毒素の濃度および容量を調節することによる、ボツリヌス毒素(および/またはエンドペプチダーゼ)を用いた片頭痛の治療に関する。この改良形態、例えば、神経出口点における高濃度/小容量の注射および頭皮の筋膜における低濃度/高容量の注射の使用により、筋麻痺などの副作用を回避し、総投与量を減少させる。
従って、上記本発明の第1の態様では、本発明は、限定されるものではないが、爆風損傷を含む閉鎖性頭部損傷、血腫および挫傷などの実質内病変を有する開放性頭部損傷、外科手術の影響に続発する開頭術後損傷、鬱病、不安症および心的外傷後ストレス障害などの心的外傷ならびにむち打ち損傷および頭頸部の周囲の他の軟組織損傷を含む。
本投与は、限定されるものではないが、(a)後頭部−頭頂部−前頭部に集中させるために、本神経毒が遠位感覚神経に拡散できるように、腱膜/筋膜に対して、または(b)本神経毒が翼口蓋神経節に拡散できるように、この神経節の孔に口腔内において、あるいは(c)本神経毒のより濃縮した希釈物が孔の出口点に集中している神経束に接近できるように、孔部位を含む皮下に現れている神経出口点に対して、好適に希釈した本神経毒を筋肉外注射することを含むと有利である。
上記本発明の第2の態様に関して、本発明は、頭皮への筋膜注射などの頭の非筋肉関連領域における毒素の最適な拡散を確立するために本毒素の濃度および容量を調節することによる、ボツリヌス毒素(および/またはエンドペプチダーゼ)を用いた、外傷後ストレスに起因していても起因しなくてもよい片頭痛の治療に関する。この治療方法により、頭皮の筋膜における低濃度/高容量の注射の使用により、筋麻痺などの副作用を回避し、総投与量を減少させる。
一般に、希ボツリヌス毒素すなわち100単位のボツリヌス毒素当たり約4〜10ccの生理食塩水を筋肉内ではなく腱膜/筋膜に注射し、これにより、後頭部−頭頂部−前頭部にわたって集中している遠位感覚神経終末に毒素を拡散させることができる(この位置に筋肉は存在しない)。全ての注射が非筋肉領域になされるため、筋脱力感は生じない。本毒素は希釈により広い領域に拡散するため、注射部位の数を減らすことができる。ボツリヌス毒素を、頭皮14内の遠位感覚神経終末10に送達させる(図1を参照)。これらは無髄のC線維を含む。
本発明は、遠位から中心部位へのボツリヌス毒素の近位軸索輸送を利用することが重要である。
上記本発明の第3の態様に関して、希ボツリヌス毒素すなわち100単位のボツリヌス毒素当たり約1ccの生理食塩水を翼口蓋神経節に注射し、これにより本毒素を遠位感覚神経終末に拡散させることができる。この治療方法を使用して、外傷後ストレスまたはそれ以外に起因する片頭痛を治療してもよい(この位置に筋肉は存在しない)。あるいは、本毒素を翼口蓋神経節の孔に注射する。全ての注射が非筋肉領域内になされるため、筋脱力感は生じない。
口腔内注射は、翼口蓋神経節の孔領域に行う。これにより、筋肉の奥深くに注射することなく、この神経節に毒素を拡散させることができる。従って、低用量を使用することができる。翼口蓋神経節に到達させるために筋肉内に通す針に関連する筋肉内出血などの筋肉外傷のリスクはない。これらの注射のための希釈は、他の口腔内構造への拡散を防止するためには、100単位のボツリヌス毒素当たり約1ccの生理食塩水であることが好ましい。図2を参照されたい。
翼口蓋神経節に対する2つの可能な口腔内法がある。再度、図2を参照されたい。第1の口腔内法では、上顎の第二大臼歯に位置する頬粘膜ひだ(図示せず)の領域に針を挿入し、この針を、翼口蓋窩の領域内に向かって、後方、上方および内側方向に前進させる。翼口蓋神経節20に対する第2の口腔内法は、大口蓋管を通して行う。この開口部は、第二大臼歯の中間と第三大臼歯の中間との間に位置する。この部位は、硬口蓋の終端から約7mmのところにある。
上記本発明の第4の態様に関して、本発明は、上の手順に記載されている同じ投与方法を使用して、エンドトキシンを同じ部位に送達させ、外傷後ストレスまたはそれ以外により生じた片頭痛を治療する。エンドトキシンは感覚神経を標的とするため、筋脱力感を引き起こさないが、現在の筋肉内注射法は、筋肉の針損傷に関連する副作用をなお引き起こす可能性があり、頻回注射を必要とする。
一般に、本発明の第4の態様に係る片頭痛を有する患者の治療方法は、患者に治療的有効量の薬学的に安全な形態の無脊椎動物シナプス前部神経毒を投与する工程を含む。上記投与は、本神経毒が孔の出口点に集中している神経束に接近できるように、本神経毒を頭頸部の皮下に現れている神経点に筋肉外注射することを含む。
最後に、本発明の第5の態様に関して、本発明は、片頭痛関連めまいの治療に関する。片頭痛関連めまい(MAV)すなわち、めまいを引き起こす片頭痛は、浮動性めまいおよび/または回転性めまいからなる広く認められている病状である。この病気を記述するために使用される他の用語としては、前庭片頭痛、片頭痛性めまいまたは片頭痛関連めまい症などが挙げられる。片頭痛に関連しているとは思われるが、MAVなどと診断された患者は、古典的片頭痛を有していなかったり、国際頭痛学会によって開発された片頭痛分類に当てはまらない慢性の非特異的頭痛を有していたりする。
MAVを有する人々は、慢性の浮動性めまいや「揺れている」感覚の状態の平衡異常を訴えることが多い。めまいの影響は、回転性めまい、視力の変化、「ビジュアルスノウ」、悪心および深刻な動揺病の症状の発現として表されることもある。神経学的検査(神経画像処理を含む)では、完全に正常であることが多い。慢性の浮動性めまいを有する患者は、多くの場合、急性の回転性めまいに見舞われることがなかったり片頭痛の痛みに見舞われることさえなかったりする。
回転性めまいに対して一般に処方される薬としては、塩酸メクリジン(アンティバート:Antivert)、ジフェンヒドラミン(ベナドリル:Benadryl)、スコポラミン経皮パッチ(トランスダーム・スコップ:Transderm−Scop)および塩酸プロメタジン(フェネルガン:Phenergan)が挙げられる。
従って、片頭痛関連めまいを有するヒトに、治療的有効量の薬学的に安全な形態のシナプス前部神経毒を投与することを含む、片頭痛関連めまい、すなわち、めまいを引き起こす片頭痛の症状を軽減する方法であって、態様2〜態様4の注射法のいずれかを使用して、シナプス前部無脊椎動物神経毒、例えばボツリヌス毒素を投与し、片頭痛関連めまい、すなわち、めまいを引き起こす片頭痛の症状を軽減することを含むことを特徴とする方法が提供される。
本発明は、以下の片頭痛の治療方法をさらに含む。
本発明の方法では、本神経毒を、顔、頭蓋および首に送達させる。
本発明の方法では、外部から引き起こされた片頭痛は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)である。
本発明の方法では、外部から引き起こされた片頭痛は、外傷性脳損傷(TBI)である。
当該技術分野で知られている現在の注射法は、現代では、片頭痛の病因に関与する潜在的な構造を薬で排除するシステムを使用するが、これにより望ましくない副作用が生じることがある。本発明は、最も有効な部位、すなわち、図1〜図3を参照して、最も効率的な部位を標的にすることにより、これを回避する。上記注射法は、非筋肉関連領域における薬の拡散を確立するために濃度の調整も利用する。
本発明は、ボツリヌス毒素の遠位から中心部位への近位軸索輸送を利用することが重要である。
本発明に係る技術には、用量を最大にし、よって三叉神経−頸部系および翼口蓋神経節系に対する効果を最大にすると共に、副作用を最小に抑えることができる、3種類の異なる投与様式がある。
注射様式
1.希ボツリヌス毒素すなわち100単位当たり約4〜10ccの生理食塩水を筋肉ではなく腱膜/筋膜に注射し、これにより、本毒素を、後頭部−頭頂部−前頭部(この位置に筋肉は存在しない)にわたって集中している遠位感覚神経終末に拡散させることができる。全ての注射が非筋肉領域になされるため、筋脱力感は生じない。本毒素は希釈により広い領域に拡散するため、注射部位の数を減らすことができる。ボツリヌス毒素を、頭皮の遠位感覚神経終末に送達させる。図1を参照されたい。
2.翼口蓋神経節の孔領域に口腔内注射を行い、これにより、筋肉の奥深くに注射することなく、毒素を神経節に拡散させることができる。従って、低用量を使用することができる。翼口蓋神経節に到達させるために筋肉内に通す針に関連する筋肉内出血などの筋肉外傷のリスクはない。これらの注射のための希釈は、他の口腔内構造への拡散を防止するために、100単位のボツリヌス毒素当たり約1ccである。図2を参照されたい。
3.孔注射部位および筋肉層の奥深くにある孔注射部位を含む皮下に現れている神経点により、ボツリヌス毒素が出口点に集中している神経束に接近することができ、よって有効性が高く、かつ副作用および有害事象の少ない低用量を達成することができる。頸神経叢が胸鎖乳突筋の後方部分から現れ、この部位での注射は、頸神経叢の分布全体を包含することができる。これらの注射のための希釈は、100単位のボツリヌス毒素当たり約1ccである。濃縮溶液は、局所筋肉への拡散を防止し、正確な針の穿刺により、薬を最も有効な部位に送達させることができる。図3を参照されたい。
図3を参照すると、三叉神経の感覚枝(眼のV1、上顎のV2および下顎のV3)が、上眼窩裂、正円孔および卵円孔の順に3つの別個の孔から頭蓋の外に出ている。
V1は、頭皮(前頭から頭頂)、上眼瞼および眼、鼻および鼻粘膜、髄膜および前頭洞からの情報を運ぶ。
V2は、下眼瞼、頬、上唇、歯群、口、髄膜および鼻胴(篩骨および蝶形骨)からの情報を運ぶ。
V3は、下唇、歯群、顎、外耳、髄膜からの情報を運ぶ。
なお、3つの区画の全てが髄膜に情報を送る。
例示として、注射は、4〜10ccの希釈を用いて、腱膜/筋膜18の頭皮14上の部位10において両側で行い、これにより、ボツリヌス毒素を広い範囲に拡散させることができる(図1を参照)。しかし、腱膜および皮下に現れている神経束への注射では、1ccの希釈を使用して、周囲筋肉への拡散を防止する(図2および図3を参照)。
孔の解剖学的構造は、以下のとおりである。
前頭部−眼窩上孔−眼窩上神経
滑車上孔−滑車上神経
上顎骨−切歯孔−鼻口蓋神経(中隔)
口蓋骨−大口および小口蓋孔−大口および小口蓋神経
上顎骨−下眼窩裂/孔−頬骨および眼窩下神経および翼口蓋神経節(SPG)の眼窩枝
翼口蓋神経節に対する2つの可能な口腔内法がある。図2を参照されたい。第1の口腔内法では、上顎の第二大臼歯に位置する頬粘膜ひだ(図示せず)の領域に針を挿入し、この針を、翼口蓋窩の領域内に向かって、後方、上方および内側方向に前進させる。翼口蓋神経節20に対する第2の口腔内法は、大口蓋管を通して行う。この開口部は、第二大臼歯の中間と第三大臼歯の中間との間に位置する。この部位は、硬口蓋の終端から約7mmのところにある。
以下の実施例は例示のためのものであり、本発明を限定するものではない。
臨床的実施例
第1の態様
症例1
18歳の男性がイラクから帰還した。この男性は、イラクで爆風による閉鎖性頭部損傷を負い、その時以来、片頭痛を示唆する特徴を有する日常的な頭痛を有していた。この男性は、三環系抗うつ薬およびバイオフィードバック治療に応答することができなかった。オナボツリヌス毒素AのためにFDAに認可された手順を用いてオナボツリヌス毒素を注射した。この男性は、この処置に対して十分に忍容性があった。この男性に副作用はなかった。10週間後、この男性はさらなる頭痛を訴えなかった。
症例2
22歳の男性がイラクから帰還した。この男性は、イラクで爆風による閉鎖性頭部損傷を負い、その時以来、片頭痛を示唆する特徴を有する日常的な頭痛を有していた。この男性は、三環系抗うつ薬およびバイオフィードバック治療に応答することができなかった。この男性は、薬剤誘発性頭痛によって悪化した慢性片頭痛の診断基準を満たしていた。この男性は、トピラマートおよびプロプラノロールなどの数多くの予防薬にも応答することができなかった。所定部位およびその後の疼痛部位への注射を用いるPREEMPT注射手順を用いて、この男性をオナボツリヌス毒素Aで治療した。総投与量は195単位であった。この男性は、頸部痛、眉毛下垂を発症し、3回の治療サイクル後に、頭痛の頻度において全く改善が見られなかった。
次いで、この男性を、本発明に概説されている可変濃度の集中的注射手順で治療した。
オナボツリヌス毒素Aを、8ccの通常の生理食塩水中に100単位(0.1mlが1.25単位を含む)および1ccの通常の生理食塩水中に100単位(0.1mlが10単位を含む)になるように希釈した。
注射部位および用量は、以下のとおりである。
8ccの希釈
前頭部の腱膜/筋膜に各側に対して5単位
頭頂部の腱膜/筋膜に各側に対して5単位
後頭部の腱膜に各側に対して5単位
小計:30単位
1ccの希釈
滑車上および眼窩上神経の上の眼窩上縁内角に各側に対して5単位
眼窩下孔に各側に対して5単位
おとがい孔に各側に対して5単位
胸鎖乳突筋の後面中央部に各側に対して5単位
後頭孔に各側に対して5単位
耳珠の少し前方かつ下方の耳介側頭神経に各側に対して5単位
口腔内の第二大臼歯の上の口腔内粘膜注射を各側に対して5単位
小計:60単位
総投与量:100単位
薬として使用した低用量のオナボツリヌス毒素Aを、最も有効な病巣に送達させた。すなわち、望ましくない部位に対して薬の不要な大量投与(flooding)は行わなかった。より回数の多い従来の39回の注射の代わりに、20回の注射を行った。これらの部位はいずれも片頭痛のために認可されているPREEMPT注射手順に一致していなかった。この男性は、この処置に対して十分に忍容性があった。この男性に副作用はなかった。この患者は、首の筋肉組織に注射をしなかったため、首の脱力感または痛みを発症しなかった。この患者は、前頭筋に注射をしなかったため、眉毛下垂を発症しなかった。10週間後、この患者は、さらなる頭痛を訴えなかった。
症例3
19歳の男性が、毎週4日間も現れる片頭痛歴と共にイラクから帰還した。この男性は1年以上もイラクにいたが、この間、どんな外傷も負っておらず、特に頭の外傷は負っていなかった。部隊への派遣前に、この男性は頭痛に悩まされていなかった。この男性の現在の頭痛は、悪心および羞明を伴う本質的に全般性かつ拍動性の頭痛であった。これらの症状は、この男性の働く能力を妨げていた。この男性は、部隊への派遣に関連するストレスによって引き起こされた慢性片頭痛であると評価された。この男性を症例1に記載されている注射法に従ってオナボツリヌス毒素Aで治療し、成功した。
症例4
28歳の女性が、急性の左硬膜外血腫を生じさせる鈍的頭部外傷を伴う自動車事故に巻き込まれた。この女性は緊急の開頭術を受けた。左頭頂−側頭部の開頭術により血腫を取り除いた。この女性は徐々に回復したが、この女性の経過は、左半分の頭蓋にわたる持続的な頭痛で悪化した。このような頭痛は本質的に拍動性であり、この女性の活動を妨げ、悪心および嘔吐を伴っていた。このような頭痛は、ほぼ毎日のように現れた。この女性を上記症例1に記載されている注射法に従ってオナボツリヌス毒素Aで治療し、成功した。
態様2
症例1
長年の片頭痛歴を有する43歳の女性は、毎月20日間も頭痛に悩まされ、より日常生活に支障を来すほどの頭痛の制御を試みるために毎月12日間もトリプタン薬を必要としていた。この女性は、薬剤誘発性頭痛で悪化した慢性片頭痛の診断基準を満たしていた。この女性は、トピラマートおよびプロプラノロールなどの数多くの予防薬に応答することができなかった。所定部位およびその後の疼痛部位への注射を用いるPREEMPT注射手順を用いて、この女性をオナボツリヌス毒素Aで治療した。総投与量は195単位であった。この女性は、頸部痛、眉毛下垂を発症し、3回の治療サイクル後に頭痛の頻度に改善は見られなかった。
次いで、この女性を、本発明に概説されている集中的注射手順で治療した。
オナボツリヌス毒素Aを、8ccの通常の生理食塩水中に100単位(0.1mlが1.25単位を含む)になるように希釈した。
注射部位および用量は、以下のとおりである。
8ccの希釈
前頭部の腱膜/筋膜に各側に対して5単位(各側につき0.4cc)
頭頂部の腱膜/筋膜に各側に対して5単位(各側につき0.4cc)
後頭部の腱膜に各側に対して5単位(各側につき0.4cc)
総投与量:30単位
この患者は、片頭痛を訴えることがほとんどなくなり、その持続時間は短くなり、強さは弱まっていた。この患者は、首の筋肉組織に注射をしなかったため、首の脱力感や痛みを発症しなかった。この患者は、前頭筋に注射をしなかったため、眉毛下垂を発症しなかった。
薬として使用したより低用量のオナボツリヌス毒素Aを、最も有効な病巣に送達させた。すなわち、望ましくない部位への薬の不要な大量投与または血管外漏出はなかった。
症例2
慢性片頭痛歴を有する38歳の男性を、PREEMPT注射部位を用いるオナボツリヌス毒素Aで治療し、成功した。残念なことに、この男性は、本毒素が側頭筋領域に悪影響を与えたことにより砂時計様の外観を生じさせる側頭筋の萎縮を発症した。この男性は、他の治療選択肢を検討する相談のために診察を受けた。オナボツリヌス毒素A治療は成功したため、この男性はこの治療の継続を望んだが、この男性が受けた副作用を回避することを望んだ。この男性を本発明に概説されているオナボツリヌス毒素Aの方法を用いて治療し、成功した。
100単位のオナボツリヌス毒素Aを、4ccの通常の生理食塩水で希釈した。この症例では、生じ得るあらゆる側頭筋領域への拡散を制限するために、より濃縮された溶液を選択した。各0.1mlが2.5単位のオナボツリヌス毒素Aを含んでいた。
前頭部の腱膜/筋膜に各側に対して5単位(約1インチ離れた2箇所の位置に2.5単位)(0.2cc)
頭頂部の腱膜/筋膜に各側に対して5単位(約1インチ離れた2箇所の位置に2.5単位)(0.2cc)
後頭部の腱膜/筋膜に各側に対して5単位(約1インチ離れた2箇所の位置に2.5単位)(0.2cc)
計:30単位
この患者は、この治療に対して十分に忍容性があり、側頭筋萎縮を全く発症しなかった。
症例3
64歳の禿頭の男性は、10代にまで遡る長期の片頭痛歴を有していた。この男性は現在、主に頭頂に関わる頭痛を呈していた。このような頭痛は1ヶ月に約8日間生じていた。このような頭痛は日常生活に支障を来すほどであり、頭の動きによって悪化し、光や騒音に対する過敏症を伴っていた。これは、突発性片頭痛として診断された。この男性の神経学的検査および脳の画像診断は、年齢的に正常であった。唯一の例外は、この男性が老人性眉毛下垂を有していることであった。この患者と共に治療選択肢を再検討した。この男性は、このような日常生活に支障を来すほどの頭痛を回避するための予防的手法を試みることを望んだ。この男性は、オナボツリヌス毒素Aを試みることを望んだ。但し、前頭部の注射は、老人性眉毛下垂を悪化させ、また、頭痛は頭頂にのみ位置しているため、それを避けるように薦められた。
本発明に記載されている方法を用いて、オナボツリヌス毒素Aを使用して頭痛を治療し、成功した。
100単位のオナボツリヌス毒素Aを、10ccの通常の生理食塩水で希釈した。頭頂部に投与するために使用される半インチの30ゲージ針を備えた1ccの注射器の中に本毒素を入れた。頭頂を格子状の領域に分け、各四角形の中心に注射を穿刺した。
各注射は、2単位のオナボツリヌス毒素Aを含む0.2ccであり、すなわち100単位当たり10ccの希釈(1cc当たり0.1単位)であった。その四角形の幅は、この希毒素の拡散領域を包含するように、1インチであった。この格子は、三目並べの図に類似した9つの四角形からなり、治療される領域全体が3インチ×3インチになるように各四角形は1インチであった。計13部位になるように、各四角形の中心と4つの外角に注射を行った。腱膜/筋膜の中に針を深く挿入した。総投与量は26単位であった。この患者の頭痛の頻度および強さは改善し、この患者の老人性眉毛下垂の悪化もなかった。
態様3
症例1
長年の片頭痛歴を有する43歳の女性は、毎月20日間も頭痛に悩まされており、より日常生活に支障を来すほどの頭痛を制御するために毎月12日間もトリプタン薬を必要としていた。この女性は、薬剤誘発性頭痛によって悪化した慢性片頭痛の診断基準を満たしていた。この女性は、トピラマートおよびプロプラノロールなどの数多くの予防薬に応答することができなかった。所定部位およびその後の疼痛部位への注射を用いるPREEMPT注射手順を用いて、この女性をオナボツリヌス毒素Aで治療した。総投与量は195単位であった。この女性は、頸部痛、眉毛下垂を発症し、3回の治療サイクル後に頭痛の頻度に改善は見られなかった。
次いで、この女性を、1ccの通常の生理食塩水中に100単位になるように希釈したオナボツリヌス毒素Aを用いる本発明に概説されている注射手順で治療し、成功した。1ccの注射器に取り付けた1インチの30ゲージ針を用いて、注射を行った。この針を、左上顎の第二大臼歯に隣接する頬粘膜ひだに位置する入口点に、後方、内側および上方に45°傾けて挿入した。総投与量が90単位になるように、45単位を左翼口蓋神経節の領域に注射し、45単位を同様に右翼口蓋神経節の領域に注射した。この患者は、首の筋肉組織に注射をしなかったため、首の脱力感や痛みを発症せず、前頭筋に注射をしなかったため、眉毛下垂を発症しなかった。
症例2
38歳の男性は、長期の頻繁な突発性片頭痛歴を呈していた。この男性の頭痛は、毎月平均して10〜14日間であった。この男性の頭痛は片側であり、右眼窩周囲部のみに関わっていた。この男性は摩術師として働いていた。この男性は、自身の集中力、器用さ、または表情を妨げ得る薬の使用は一切望んでいなかった。そのため、この男性は、認知的低下を引き起こす可能性のあるトピラマート、眠気を引き起こす可能性のあるアミトリプチリン、および前頭筋、皺眉筋および鼻根筋への注射によりいくらかの表情の消失を生じ得るPREEMPT手順を用いるボトックスなどの経口予防薬にあまり適しない対象であった。この男性を、本発明に概説されているオナボツリヌス毒素Aの投与方法を用いて治療し、成功した。この際、100単位のオナボツリヌス毒素Aを1ccの通常の生理食塩水で希釈した。この患者は、頭を大きく後方に傾け、口を大きく広げて横たわっていたため、口蓋を十分に見ることができた。1.5インチの長さの27ゲージ針を、上方に傾けて第二大臼歯と第三大臼歯との間の硬口蓋の縁部よりも7mm後方に挿入した。計50単位になるように、25単位を翼口蓋神経節領域の両側に送達させた。この針を硬口蓋に奥深くに挿入し、あらゆる口蓋の脱力感を制限した。この患者は、本方法におけるオナボツリヌス毒素Aの送達により表情を消失しなかった。
薬として使用した低用量のオナボツリヌス毒素Aを、最も有効な病巣に送達させた。すなわち、望ましくない部位に薬の不要な大量投与は行わなかった。
態様4
症例1
長年の片頭痛歴を有する43歳の女性は、毎月20日間も頭痛に悩まされ、より日常生活に支障を来すほどの頭痛の制御を試みるために毎月12日間もトリプタン薬を必要としていた。この女性は、薬剤誘発性頭痛によって悪化した慢性片頭痛の診断基準を満たしていた。この女性は、トピラマートおよびプロプラノロールなどの数多くの予防薬に応答することができなかった。所定部位およびその後の疼痛部位への注射を用いるPREEMPT注射手順を用いて、この女性をオナボツリヌス毒素Aで治療した。総投与量は195単位であった。この女性は、頸部痛、眉毛下垂を発症し、3回の治療サイクル後に頭痛の頻度にほとんど改善は見られなかった。
次いで、この女性を本発明に概説されている注射手順で治療した。
1ccの希釈:1ccの生理食塩水中に100単位のボツリヌス毒素
滑車上および眼窩上神経の上の眼窩上縁内角に各側に対して5単位
眼窩下孔に各側に対して5単位
おとがい孔に各側に対して5単位
胸鎖乳突筋の後面中央部に各側に対して5単位
後頭孔に各側に対して5単位
耳珠の少し前方かつ下方の耳介側頭神経に各側に対して5単位
口腔内の第二大臼歯の上の口腔内粘膜注射を各側に対して5単位
総投与量:60単位
この患者は、首の筋肉組織に注射をしなかったため、首の脱力感や痛みを発症しなかった。この患者は、前頭筋に注射をしなかったため、眉毛下垂を発症しなかった。この患者が注射による受けた痛みは従来の治療よりも少なかった。この患者の片頭痛の症状は、頻度および強さが減少して改善した。
薬として使用した低用量のオナボツリヌス毒素Aを、最も有効な病巣に送達させた。すなわち、望ましくない部位に薬および希釈液容量の不要な大量投与は行わなかった。
症例2
頻繁な突発性片頭痛および重度の針恐怖症を有する60歳の女性は、過去にPREEMPT手順を用いたオナボツリヌス毒素Aでの治療を受けたことがあった。この患者が針恐怖症であるために、この患者の治療方法を、皮下に現れている神経点におけるオナボツリヌス毒素Aの集中的送達方法に変更した。筋肉内注射による副作用を制限し、かつできる限り最少の針の挿入により高レベルの有効性を達成するように、この方法を選択した。この患者を横に寝かせて治療した。オナボツリヌス毒素Aを100単位当たり1ccの通常の生理食塩水、すなわち0.1ccが10単位を含むように希釈した。各注射部位に0.05ccのみを送達させた。小容量のオナボツリヌス毒素Aの注射により、組織への拡散速度が低下したため、不快感が減少した。投与のために半インチの31ゲージ針を使用した。但し、30ゲージまたは32ゲージ針を使用することもできた。以下の部位を注射した。
眼窩縁を触診した。眼窩縁に沿った中途で、眼窩上切痕を触知することができた。ここは圧痛点であり、皮下に現れている眼窩上神経と相関する。この部位への注射後、鼻にちょうど隣接する上内側面にわたって眼窩縁を触診し、滑車上神経に相関する圧痛点の位置を確認した。この部位に注射した。これらの2つの部位における用量は、滑車上および眼窩上神経の上の眼窩上縁内角に5単位(0.05cc)(各部位)であり、これを反対側でも繰り返した。これらの位置での総投与量は20単位であった。
眼窩下縁を触診した。眼窩縁の真下に位置する圧痛領域まで、瞳孔中心点に沿った垂直線を下方に向かって辿った。これは、皮下に現れている眼窩下神経と相関する。この部位に注射した用量は5単位(0.05cc)であり、これを反対側でも繰り返した。これらの部位での総投与量は10単位であった。
この患者に、自身の肩に向かって頭を回転させ、胸に向かって頭を下方に傾けてもらった。これにより胸鎖乳突筋を動かした。検査官の親指と人差し指との間でこの筋肉を触診した。
この患者が頭を回転させて正中位置に戻す際に、検査官はこの筋肉を掴んだ。筋肉の後縁を触診し、胸鎖乳突筋の中央部内の圧痛点の場所を突き止めた。これは皮下に現れている頸神経の枝に相関し、10単位(0.1)をこの部位に注射し、これを反対側でも繰り返した。これらの部位での総投与量は20単位であった。
後頭隆起と乳様突起との間の項部の隆起部に沿った中途で後頭孔を触知した。ここは圧痛点でもあり、大後頭神経の出現と相関し、5単位のオナボツリヌス毒素Aすなわち0.05ccを各側に同様に注射した。これらの部位での総投与量は10単位であった。
耳珠の少し(指先分)前方かつ下方の皮下に現れている耳介側頭神経に注射し、5単位(0.05cc)のオナボツリヌス毒素Aを各側に投与した。これらの部位への総投与量は10単位であった。
この治療のためのこの患者への総投与量は70単位であった。
より細い針、より濃縮されたオナボツリヌス毒素A溶液および集中的注射部位により、投与に伴う痛みを制限した。この治療に対する忍容性は十分であり、片頭痛の症状の治療は成功した。
態様5
症例1:片頭痛関連めまい
54歳の男性は、長期の回転性めまい歴を呈していた。回転性めまいの発症は、この患者が大学生であった頃の軽微な症状の出現から始まった。その後、まともに生活できないほどの症状の発現を急性的に呈した。翌年、回転性めまいが周期的に再発するようになった。その後、この患者は、回転感と平衡異常の両症状を有する1ヶ月も続く症状を発現した。この患者は、耳鼻科医、耳科医、神経科医による原因分析のために精密検査を受けた。アレルギー検査は陰性であった。数多くのCTおよびMRI検査ならびに内耳検査は全て、腫瘍や血管病変の所見が認められず、正常であることを示した。この診断では、数多くの専門医によって、片頭痛関連めまいまたは血管由来の可能性があるめまいであることが確認された。治療には、ジフェンヒドラミン、塩酸メクリジンおよびスコポラミンなどの各種抗ヒスタミン薬が含まれていたが、これらにより回転性めまいの症状は制御されなかった。
この患者は、過去12ヶ月の間、最初の受診前に、この回転性めまいにより、まともに生活できない状態になることもあり、そのため、24〜48時間も床に伏せるようになった。この患者は、過去6ヶ月にわたって、各回で2〜3日持続する毎月2回の頻度で回転性めまい症状を発現し、次いで、この患者は長期間の残存する平衡異常を有したままになった。この患者は最近になって高用量のプレドニゾンの治験で治療を受けたが成功しなかった。
最初の治療は、100単位当たり4ccで希釈されたオナボツリヌス毒素Aの使用で構成されていた。各注射は0.1cc(2.5単位)〜0.2cc(5単位)を含み、これらを、頭頸部の眉間部、前頭部、側頭部、後頭部および後頭下部にわたる複数の部位に施用した。また、上記注射は、僧帽筋を含む首の領域にも施用した。最初の治療で使用した単位数は、全部で約150単位のオナボツリヌス毒素Aであった。3ヶ月後にこの患者を診察し、この患者は、回転性めまいの症状が完全になくなったと報告した。次いで、150〜175単位の様々な用量のオナボツリヌス毒素Aを用いて、3ヶ月間隔の連続した期間でこの患者を治療した。回転性めまいは、各治療で一貫してなくなっていた。この患者は、治療期間が4ヶ月を超えて延期された場合に、たった1回の症状の発現を報告した。この患者は、回転性めまいの予防的療法としてオナボツリヌス毒素Aの注射を継続している。
症例2
日常生活に支障を来すほどの慢性の回転性めまいを有する58歳の女性が、評価および治療に参加した。この女性は、半規管に耳石があると診断されており、頭の位置をどのように変えても回転性めまいが生じた。この女性は、ベッドの上で寝返りを打つと、重度の回転性めまいで目覚めてしまう。この女性は、メクリジンなどの経口薬を試したが、効果はなかった。耳鼻咽喉科医がこの女性を遠心力で治療したが、変化はなかった。この女性の脳のMRI検査は全て正常であった。
この女性を、100単位当たり2ccで希釈したオナボツリヌス毒素Aで治療した。注射は以下のように行った。0.1cc(5単位)を各側頭筋領域内の5部位に注射し、0.1cc(5単位)を各後頭筋領域内の5部位に注射した。副作用を生じることはなく、この処置に対して十分に忍容性があった。6週間後、この女性は、回転性めまいにおいて漸進的な改善を示した。最初は、症状を引き起こすのに、より大きな刺激が必要であった。12週間目に、この女性は、同じ部位および用量で2回目のオナボツリヌス毒素A治療を受けた。この後、この女性は、回転性めまいを有しない日が徐々に増えて行った。その結果、この女性はレジ係として仕事に復帰することができた。
本発明は、列挙されている要素を含むか、それらからなるか、あるいは本質的にそれらからなることが好ましい。さらに、本明細書に例示的に開示されている本発明は、本明細書に具体的に開示されていない任意の要素が存在しない状態で実施することが好ましい。従って、当業者が想到し得るありとあらゆる修飾、変形または同等の構成は、添付の特許請求の範囲に定義されている本発明の範囲に含まれるものとみなされるべきである。

Claims (18)

  1. 患者に治療的有効量の薬学的に安全な形態の無脊椎動物シナプス前部神経毒を投与する工程を含む、片頭痛を有する患者の治療方法であって、
    外部から引き起こされた片頭痛の選択および治療を含み、かつ
    片頭痛を有する患者群を特定する工程と、
    前記特定された患者群のうち、外傷後片頭痛を有する特定の患者を決定する工程と、
    前記選択された患者に治療的有効量の薬学的に安全な形態の無脊椎動物シナプス前部神経毒を前記選択された患者の頭に投与する工程と、
    を含むことを特徴とする方法、または
    患者に治療的有効量の薬学的に安全な形態の無脊椎動物シナプス前部神経毒を投与する工程を含む、片頭痛を有するヒトの患者の治療方法であって、
    前記投与は、前記神経毒を遠位から中心部位に輸送できるように、三叉神経−頸部系に対して行い、前記投与は、後頭部−頭頂部−前頭部に集中させるために、前記神経毒が遠位感覚神経に拡散できるように、前記神経毒を頭皮の腱膜/筋膜に筋肉外注射することを含むことを特徴とする方法、または
    患者に治療的有効量の薬学的に安全な形態の無脊椎動物シナプス前部神経毒を投与する工程を含む、片頭痛を有するヒトの患者の治療方法であって、
    前記投与は、前記神経毒が翼口蓋神経節に拡散できるように、前記神経毒を前記神経節の孔に口腔内筋肉外注射することを含み、かつ
    前記投与は、前記神経毒を遠位から中心部位に軸索輸送可能にするために、三叉神経−頸部系に対して行うことを特徴とする方法、または
    患者に治療的有効量の薬学的に安全な形態の無脊椎動物シナプス前部神経毒を投与する工程を含む、片頭痛を有するヒトの患者の治療方法であって、
    前記投与は、前記神経毒が孔の出口点に集中している神経束に接近できるように、孔部位を含む顔および首の皮下に現れている神経点への前記神経毒の筋肉外注射を含むことを特徴とする方法、あるいは
    片頭痛関連めまいを有するヒトに、治療的有効量の薬学的に安全な形態のシナプス前部神経毒を投与することを含む、片頭痛関連めまいの症状を軽減する方法を含むことを特徴とする方法。
  2. 外部から引き起こされた片頭痛の選択および治療を含み、かつ
    片頭痛を有する患者群を特定する工程と、
    前記特定された患者群のうち、外傷後片頭痛を有する特定の患者を決定する工程と、
    前記選択された患者に、治療的有効量の薬学的に安全な形態の無脊椎動物シナプス前部神経毒を前記選択された患者の頭に投与する工程と、
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 患者に治療的有効量の薬学的に安全な形態の無脊椎動物シナプス前部神経毒を投与する工程を含む、片頭痛を有するヒトの患者の治療方法を含み、かつ
    前記投与は、前記神経毒を遠位から中心部位に輸送できるように、三叉神経−頸部系に対して行い、前記投与は、後頭部−頭頂部−前頭部に集中させるために、前記神経毒が遠位感覚神経に拡散できるように、前記神経毒を頭皮の腱膜/筋膜に筋肉外注射することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 患者に治療的有効量の薬学的に安全な形態の無脊椎動物シナプス前部神経毒を投与する工程を含む、片頭痛を有するヒトの患者の治療方法を含み、
    前記投与は、前記神経毒が翼口蓋神経節に拡散できるように、前記神経毒を前記神経節の孔に口腔内筋肉外注射することを含み、かつ
    前記投与は、前記神経毒を遠位から中心部位に軸索輸送可能にするために、三叉神経−頸部系に対して行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 患者に治療的有効量の薬学的に安全な形態の無脊椎動物シナプス前部神経毒を投与する工程を含む、片頭痛を有するヒトの患者の治療方法を含み、かつ
    前記投与は、前記神経毒が孔の出口点に集中している神経束に接近できるように、孔部位を含む顔および首の皮下に現れている神経点への前記神経毒の筋肉外注射を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. 片頭痛関連めまいを有するヒトに、治療的有効量の薬学的に安全な形態のシナプス前部神経毒を投与することを含む、片頭痛関連めまいの症状を軽減する方法を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 前記片頭痛は慢性片頭痛である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記シナプス前部神経毒はボツリヌス毒素である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記シナプス前部神経毒はボツリヌス毒素Aである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記神経毒はエンドトキシンを含む、請求項7に記載の方法。
  11. 前記エンドトキシンは、ボツリヌス毒素に由来するエンドペプチダーゼである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記ボツリヌス毒素は、生理食塩水で希釈されている、請求項8に記載の方法。
  13. 前記ボツリヌス毒素は、100単位のボツリヌス毒素当たり少なくとも約1ccの生理食塩水に希釈されている、請求項12に記載の方法。
  14. 前記外部から引き起こされた頭痛は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)である、請求項1に記載の方法。
  15. 前記外部から引き起こされた頭痛は、外傷性脳損傷(TBI)である、請求項1に記載の方法。
  16. 前記腱膜/筋膜への前記投与は、100単位のボツリヌス毒素当たり約4〜10ccの通常の生理食塩水での希釈を含む、請求項3に記載の方法。
  17. 前記無脊椎動物シナプス前部神経毒はボツリヌス毒素であり、かつ前記投与は、(a)前記ボツリヌス毒素を後頭部−頭頂部−前頭部に集中させるために、前記ボツリヌス毒素が遠位感覚神経内に拡散できるように、前記腱膜/筋膜に対して、または(b)前記ボツリヌス毒素が翼口蓋神経節に拡散できるように、前記神経節の孔に口腔内において、あるいは(c)前記ボツリヌス毒素が孔の出口点に集中している神経束に接近できるように、孔部位を含む皮下に現れている神経出口点に対して、前記ボツリヌス毒素を筋肉外注射することを含む、請求項2に記載の方法。
  18. (b)および(c)に係る前記投与は、100単位のボツリヌス毒素当たり約1ccの通常の生理食塩水で希釈している、請求項17に記載の方法。
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