JP2015509002A - 自家癌細胞ワクチン - Google Patents

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Abstract

自家癌細胞ワクチンは、その細胞表面上にMHCI及びMHCIIの両方を発現する癌細胞を含む。このMHCIは癌抗原を提示し、MHCIIは非自己抗原を提示する。一態様によれば、単離された免疫原性癌細胞を作製する方法が提供され、この方法は、対象から単離された癌細胞上のMHCIIの発現を誘導する工程;発現されたMHCIIに非自己抗原が結合するように、この癌細胞をこの非自己抗原と共にインキュベートする工程;及びこの癌細胞を死滅させる工程、を含む。

Description

本発明は、癌の処置に関する。より具体的には、本発明は、いくつかの態様では、単離され変更された免疫原性癌細胞、この免疫原性癌細胞を含む免疫原性組成物及びワクチン、癌の処置の方法、並びに免疫原性癌細胞、免疫原性組成物及びワクチンを作製する方法に関する。
主要組織適合抗原複合体(MHC)は、全ての脊椎動物において大きい遺伝子ファミリーによってコードされる細胞表面分子である。MHC遺伝子ファミリーは、3つのクラス:クラスI;クラスII;及びクラスIII、に分割される。
MHCクラスI分子は、身体の全ての有核細胞上で見出される。それらの機能は、サイトゾルタンパク質の断片を、細胞内から細胞傷害性T細胞へと提示することである。「自己」ペプチドを提示する細胞は無視されるが、非自己ペプチドを提示する細胞は認識され、細胞傷害性T細胞によって死滅させられる。
MHCクラスII分子は、マクロファージ、樹状細胞及びB細胞を含む抗原提示細胞(APC)上でのみ見出される。MHCクラスII分子は、細胞外タンパク質の断片をヘルパーT細胞に提示する。「自己」ペプチドを提示する細胞は無視されるが、非自己ペプチドを提示する細胞はヘルパーT細胞によって認識され、このヘルパーT細胞は、種々のサイトカインの産生を主に介して、貪食細胞の動員に起因する局所的な炎症及び腫脹、又はB細胞の活性化に起因する抗体媒介性免疫応答が含まれ得る、適切な免疫応答を誘発することを助ける。
例えば国際特許出願公開公報WO 1995/13092、国際特許出願公開公報WO 2001/77301及びBergerら(J.Pharm.Pharmaceut.Sci.、10(2):144〜152、2007)から、インターフェロン(IFN)が、腫瘍細胞が癌ワクチンにおいて使用され得るように、この細胞上のMHCクラスIの発現を増加させるために使用され得ることが公知である。しかし、IFNによる処理後の腫瘍細胞によるMHCII発現は、高度に変動しやすく、いくつかの細胞は、IFN処理に対して応答性であり、いくつかはIFN処理に対して応答性でない。さらに、MHCIIを発現する任意の腫瘍細胞は、MHCI及びMHCIIと関連して自己抗原又は癌抗原を提示できるだけである。癌抗原は、常に免疫原性であるわけではなく、多くは自己抗原として認識される。これは、癌が発達してより侵襲性になる場合に特に当てはまる。MHCIIと関連して提示される高度に免疫原性の抗原の欠如は、Tヘルパー細胞が活性化されず、強力で頑強な免疫応答が先行技術の癌ワクチンによって一貫して生成され得ないことを意味している。
従って、先行技術の欠点の少なくともいくつかを克服又は軽減する代替的治療が必要とされる。
本発明は、いくつかの態様では、単離された免疫原性癌細胞、この免疫原性癌細胞を使用する免疫原性組成物及び癌ワクチン、かかる免疫原性癌細胞、免疫原性組成物及び癌ワクチンを作製する方法、並びに癌の処置の方法に関する。本発明の組成物及び方法は、その表面上にMHCIIを発現するように改変された単離された癌細胞の使用を含む。癌細胞が一旦MHCIIを発現するように改変されると、それらの癌細胞は、MHCII発現細胞を非自己抗原と共にインキュベートすることによって、免疫原性にされる。癌細胞が単離された対象中への注射の際に、この方法で改変された癌細胞は、MHCIと関連した癌抗原をCD8細胞傷害性T細胞に提示し、MHCIIと関連した非自己抗原をCD4ヘルパーT細胞に提示する。従って、改変された癌細胞は二機能性であり、ヘルパーT細胞及び細胞傷害性T細胞の両方を活性化することが可能であり、サイトカイン産生並びに驚くほど頑強な癌特異的免疫応答を導く。
この方法で産生された免疫原性癌細胞は、免疫原性組成物及びワクチン中に取り込まれ得る。かかる組成物及びワクチンは、自家対象において癌を処置する方法において有用である。
一態様によれば、単離された免疫原性癌細胞を作製する方法が提供され、この方法は、
・対象から単離された癌細胞上のMHCIIの発現を誘導する工程;
・発現されたMHCIIに非自己抗原が結合するように、これらの癌細胞をこの非自己抗原と共にインキュベートする工程;及び
・これらの癌細胞を死滅させる工程、
を含む。
一態様では、この方法は、MHCII誘導後にMHCII陽性細胞を同定する工程をさらに含む。別の態様では、この方法は、MHCII陰性癌細胞からMHCII陽性癌細胞を分離して、MHCII陽性細胞を含む精製された組成物を取得する工程をさらに含む。
別の態様では、この方法は、対象から癌細胞を単離する工程をさらに含む。一態様では、これらの細胞は、生検手順の間又は腫瘍の外科的除去の間に単離される。
別の態様では、この方法は、癌細胞を凍結保存する工程をさらに含む。
一態様では、これらの細胞は、致死的照射、凍結保存剤の非存在下での凍結及び解凍、又は細胞傷害性化合物による処理によって、例えば致死的照射によって、死滅される。
別の態様では、このMHCIIは、MHCII誘導剤を使用して癌細胞上で誘導される。一態様では、このMHCII誘導剤は、サイトカイン、例えばIFN−α、IFN−β、IFN−γ、IL−4、IL−13、IL−23、TNF−α又はそれらの組み合わせ、例えばIFN−γである。別の態様では、このMHCII誘導剤は、MHCII発現構築物、又は癌細胞と融合するMHCII発現細胞である。
別の態様では、この非自己抗原は非ヒト抗原である。
別の態様では、この非自己抗原は、サイログロブリン、β−ガラクトシダーゼ、デキストラン、ポリリシン、ツベルクリン由来タンパク質、オボアルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒツジ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン又は魚類血清アルブミンなどの血清アルブミン、及びキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、並びにそれらの組み合わせ、例えばオボアルブミン又はKLH、或いは例えばBSAから選択される。
別の態様では、この非自己抗原は、BSAなどのウシ抗原ではない。
別の態様では、この誘導する工程は、BSAを含まない培地中である。
別の態様によれば、その細胞表面上にMHCI及びMHCIIの両方を発現する単離された免疫原性癌細胞が提供され、癌抗原がMHCIに結合し、非自己抗原がMHCIIに結合する。
一態様では、この非自己抗原は非ヒト抗原である。
別の態様では、この非自己抗原は、サイログロブリン、β−ガラクトシダーゼ、デキストラン、ポリリシン、ツベルクリン由来タンパク質、オボアルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒツジ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン又は魚類血清アルブミンなどの血清アルブミン、及びキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、並びにそれらの組み合わせから選択され、例えば、非自己抗原は、オボアルブミン又はKLH、或いは例えばBSAである。
別の態様では、この非自己抗原は、BSAなどのウシ抗原ではない。
別の態様によれば、その細胞表面上にMHCI及びMHCIIの両方を発現する単離された免疫原性癌細胞を含む免疫原性組成物が提供され、癌抗原がMHCIに結合し、非自己抗原がMHCIIに結合する。
一態様では、この組成物は、少なくとも1つの賦形剤、担体、緩衝液、安定剤又はそれらの組み合わせをさらに含む。
別の態様では、この非自己抗原は非ヒト抗原である。
別の態様では、この非自己抗原は、サイログロブリン、β−ガラクトシダーゼ、デキストラン、ポリリシン、ツベルクリン由来タンパク質、オボアルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒツジ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン又は魚類血清アルブミンなどの血清アルブミン、及びキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、並びにそれらの組み合わせ、例えばオボアルブミン又はKLH、或いは例えばBSAから選択される。
別の態様では、この非自己抗原は、BSAなどのウシ抗原ではない。
別の態様では、この組成物は、組成物中の細胞の総数に基づいて、約5%〜約100%のMHCII陽性癌細胞、例えば、少なくとも約50%のMHCII陽性癌細胞、少なくとも約90%のMHCII陽性癌細胞又は少なくとも約99%のMHCII陽性癌細胞を含む。
別の態様によれば、その細胞表面上にMHCI及びMHCIIの両方を発現する単離された免疫原性癌細胞を含む自家癌ワクチンが提供され、癌抗原がMHCIに結合し、非自己抗原がMHCIIに結合する。
一態様では、このワクチンは、少なくとも1つのアジュバント、例えば、モノホスホリルリピドA/合成トレハロースジコリノミコラート(MPL−TDM)、AS021/AS02、非イオン性ブロックコポリマーアジュバント、CRL 1005、リン酸アルミニウム、AIPO)、R−848、イミキモド、PAM3CYS、ポリ(I:C)、ロキソリビン、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)、コリネバクテリウム・パルバム(Corynebacterium parvum)、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、コレラ毒素由来抗原、CTA 1−DD、リポ多糖アジュバント、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、サポニン、鉱物ゲル、水酸化アルミニウム、界面活性物質、リゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、水中の油又は炭化水素乳濁物、MF59、Montanide ISA 720、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ジニトロフェノール及びそれらの組み合わせ、例えばBCGをさらに含む。
別の態様では、このワクチンは、少なくとも1つの賦形剤、担体、緩衝液、安定剤又はそれらの組み合わせをさらに含む。
一態様では、この非自己抗原は非ヒト抗原である。
別の態様では、この非自己抗原は、サイログロブリン、β−ガラクトシダーゼ、デキストラン、ポリリシン、ツベルクリン由来タンパク質、オボアルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒツジ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン又は魚類血清アルブミンなどの血清アルブミン、及びキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、並びにそれらの組み合わせ、例えばオボアルブミン又はKLH、或いは例えばBSAから選択される。
別の態様では、この非自己抗原は、BSAなどのウシ抗原ではない。
別の態様では、このワクチンは、ワクチン中の細胞の総数に基づいて、約5%〜約100%のMHCII陽性癌細胞、例えば、少なくとも約50%のMHCII陽性癌細胞、少なくとも約90%のMHCII陽性癌細胞又は少なくとも約99%のMHCII陽性癌細胞を含む。
別の態様では、このワクチンは、複数接種のための分割された用量で、例えば、7つの分割された用量で提供される。
一態様では、各用量は、約1×10〜約1×10の癌細胞、例えば約1×10の癌細胞を含む。
別の態様によれば、対象において癌を処置する方法が提供され、この方法は、単離された免疫原性癌細胞をこの対象に投与する工程を含み、これらの細胞は、この対象に対して自家であり、その細胞表面上にMHCI及びMHCIIの両方を発現し、癌抗原がMHCIに結合し、非自己抗原がMHCIIに結合する。
一態様では、これらの細胞は免疫原性組成物として製剤化される。別の態様では、これらの細胞は癌ワクチンとして製剤化される。
別の態様では、この非自己抗原は非ヒト抗原である。
別の態様では、この非自己抗原は、サイログロブリン、β−ガラクトシダーゼ、デキストラン、ポリリシン、ツベルクリン由来タンパク質、オボアルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒツジ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン又は魚類血清アルブミンなどの血清アルブミン、及びキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、並びにそれらの組み合わせ、例えばオボアルブミン又はKLH、或いは例えばBSAから選択される。
一態様では、この非自己抗原は、BSAなどのウシ抗原ではない。
別の態様では、投与される細胞の総数に基づいて、投与される癌細胞のうち約5%〜約100%がMHCII陽性癌細胞であり、例えば、投与される癌細胞のうち少なくとも約50%がMHCII陽性癌細胞であり、投与される癌細胞のうち少なくとも約90%がMHCII陽性癌細胞であり、又は投与される癌細胞のうち少なくとも約99%がMHCII陽性癌細胞である。
一態様では、これらの細胞は、従来の化学療法、放射線療法、ホルモン療法及び生物療法のうち少なくとも1つと同時に又は逐次的に投与される。
別の態様では、これらの細胞は、外科的腫瘍切除の前又は後に投与される。
別の態様では、これらの細胞は、複数用量で投与される。
一態様では、これらの細胞は、所定数の週にわたって週に1回投与される。別の態様では、これらの細胞は、進行中の維持療法として投与される。
一態様では、これらの細胞は、週に1回、月に1回、3か月毎に1回、6か月毎に1回、年に1回又はそれらの組み合わせで投与される。
別の態様では、これらの細胞は、癌再発の徴候が観察される場合に投与される。
別の態様によれば、対象において癌を処置するための、この対象に対して自家の単離された免疫原性癌細胞の使用が提供され、これらの細胞は、その細胞表面上にMHCI及びMHCIIの両方を発現し、癌抗原がMHCIに結合し、非自己抗原がMHCIIに結合する。
一態様では、これらの細胞は、免疫原性組成物として又は癌ワクチンとして製剤化される。
別の態様では、この非自己抗原は非ヒト抗原である。
別の態様では、この非自己抗原は、サイログロブリン、β−ガラクトシダーゼ、デキストラン、ポリリシン、ツベルクリン由来タンパク質、オボアルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒツジ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン又は魚類血清アルブミンなどの血清アルブミン、及びキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、並びにそれらの組み合わせ、例えばオボアルブミン又はKLH、或いは例えばBSAから選択される。
別の態様では、この非自己抗原は、BSAなどのウシ抗原ではない。
別の態様では、この使用は、細胞の総数に基づいて、約5%〜約100%のMHCII陽性癌細胞、例えば、少なくとも約50%のMHCII陽性癌細胞、少なくとも約90%のMHCII陽性癌細胞又は少なくとも約99%のMHCII陽性癌細胞の使用を含む。
一態様では、これらの細胞は、従来の化学療法、放射線療法、ホルモン療法及び生物療法のうち少なくとも1つと同時に又は逐次的に使用するためのものである。
別の態様では、これらの細胞は、外科的腫瘍切除の前又は後に使用するためのものである。
別の態様では、これらの細胞は、複数用量で使用するためのものである。
一態様では、これらの細胞は、所定数の週にわたって週に1回使用するためのもの、又は進行中の維持療法として使用するためのものである。
別の態様では、これらの細胞は、週に1回、月に1回、3か月毎に1回、6か月毎に1回、年に1回又はそれらの組み合わせで使用するためのものである。
別の態様では、これらの細胞は、癌再発の徴候が観察される場合に使用するためのものである。
別の態様によれば、患者が、単離された免疫原性癌細胞を用いた治療の候補であるかどうかを決定するための方法が提供され、この方法は、
・対象由来の単離された癌細胞をMHCII誘導剤で処理する工程;及び
・これらの癌細胞をスクリーニングして、発現されたMHCIIの存在を決定する工程、
を含み、
癌細胞上の発現されたMHCIIの存在は、その患者がこの治療の候補であることを示す。
一態様では、この方法は、対象から癌細胞を単離する工程をさらに含む。
別の態様では、これらの細胞は、生検手順の間又は腫瘍の外科的除去の間に単離される
別の態様では、このMHCII誘導剤は、サイトカイン、例えばIFN−α、IFN−β、IFN−γ、IL−4、IL−13、IL−23、TNF−α又はそれらの組み合わせ、例えばIFN−γである。
別の態様では、このMHCII誘導剤は、MHCII発現構築物、又は癌細胞と融合するMHCII発現細胞である。
別の態様によれば、癌を有する対象を免疫するための癌ワクチンが提供され、この癌ワクチンは、対象に対して自家の単離された免疫原性癌細胞を含み、これらの癌細胞は、MHCII誘導剤による処理とその後の非自己抗原とのインキュベーションとによって改変されることによって、その細胞表面上にMHCIIと関連して非自己抗原を提示しており、この癌ワクチンは、増加した濃度のMHCII発現細胞を含むように精製されている。
別の態様によれば、免疫原性抽出物を作製する方法が提供され、この方法は、
・対象から単離された癌細胞上のMHCIIの発現を誘導する工程;
・発現されたMHCIIに非自己抗原が結合するように、これらの癌細胞をこの非自己抗原と共にインキュベートする工程;及び
・これらの癌細胞から、結合した非自己抗原を有するMHCIIを抽出する工程、
を含む。
一態様では、この免疫原性抽出物は膜画分である。別の態様では、この免疫原性抽出物は、精製されたMHCIIを含む。
別の態様では、この方法は、MHCII誘導後にMHCII陽性細胞を同定する工程をさらに含む。
別の態様では、この方法は、MHCII陰性癌細胞からMHCII陽性癌細胞を分離して、MHCII陽性細胞を含む精製された組成物を取得する工程をさらに含む。
別の態様では、この方法は、対象から癌細胞を単離する工程をさらに含む。一態様では、これらの細胞は、生検手順の間又は腫瘍の外科的除去の間に単離される。
別の態様では、この方法は、癌細胞を凍結保存する工程をさらに含む。
別の態様では、これらの細胞は、致死的照射、凍結保存剤の非存在下での凍結及び解凍、又は細胞傷害性化合物による処理によって、例えば致死的照射によって、死滅される。
別の態様では、このMHCIIは、MHCII誘導剤、例えばサイトカイン、例えばIFN−α、IFN−β、IFN−γ、IL−4、IL−13、IL−23、TNF−α又はそれらの組み合わせ、例えばIFN−γを使用して、癌細胞上で誘導される。
別の態様では、このMHCII誘導剤は、MHCII発現構築物、又は癌細胞と融合するMHCII発現細胞である。
別の態様では、この非自己抗原は非ヒト抗原である。
一態様では、この非自己抗原は、サイログロブリン、β−ガラクトシダーゼ、デキストラン、ポリリシン、ツベルクリン由来タンパク質、オボアルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒツジ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン又は魚類血清アルブミンなどの血清アルブミン、及びキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、並びにそれらの組み合わせ、例えばオボアルブミン又はKLH、或いは例えばBSAから選択される。
別の態様では、この非自己抗原は、BSAなどのウシ抗原ではない。
別の態様では、この誘導する工程は、BSAを含まない培地中である。
別の態様によれば、本明細書に記載される細胞の免疫原性抽出物が提供され、この抽出物は、これらの細胞由来の結合した非自己抗原を有するMHCIIを含む。
一態様では、この抽出物は膜画分である。別の態様では、この抽出物は、精製されたMHCIIを含む。
別の態様によれば、本明細書に記載される抽出物を含む免疫原性組成物が提供される。
一態様では、この組成物は、少なくとも1つの賦形剤、担体、緩衝液、安定剤又はそれらの組み合わせをさらに含む。
別の態様によれば、本明細書に記載される抽出物を含む自家癌ワクチンが提供される。
一態様では、このワクチンは、少なくとも1つのアジュバント、例えば、モノホスホリルリピドA/合成トレハロースジコリノミコラート(MPL−TDM)、AS021/AS02、非イオン性ブロックコポリマーアジュバント、CRL 1005、リン酸アルミニウム、AIPO)、R−848、イミキモド、PAM3CYS、ポリ(I:C)、ロキソリビン、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)、コリネバクテリウム・パルバム、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、コレラ毒素由来抗原、CTA 1−DD、リポ多糖アジュバント、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、サポニン、鉱物ゲル、水酸化アルミニウム、界面活性物質、リゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、水中の油又は炭化水素乳濁物、MF59、Montanide ISA 720、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ジニトロフェノール及びそれらの組み合わせ、例えばBCGをさらに含む。
別の態様では、このワクチンは、少なくとも1つの賦形剤、担体、緩衝液、安定剤又はそれらの組み合わせをさらに含む。
別の態様によれば、対象において癌を処置する方法が提供され、この方法は、本明細書に記載される抽出物を対象に投与する工程を含み、これらの細胞は、対象に対して自家である。
一態様では、この抽出物は、免疫原性組成物として製剤化される。別の態様では、この抽出物は、癌ワクチンとして製剤化される。
別の態様では、この抽出物は、従来の化学療法、放射線療法、ホルモン療法及び生物療法のうち少なくとも1つと同時に又は逐次的に投与される。
別の態様では、この抽出物は、外科的腫瘍切除の前又は後に投与される。
別の態様では、この抽出物は、複数用量で投与される。
別の態様では、この抽出物は、所定数の週にわたって週に1回投与される。
別の態様では、この抽出物は、進行中の維持療法として投与される。
別の態様では、この抽出物は、週に1回、月に1回、3か月毎に1回、6か月毎に1回、年に1回又はそれらの組み合わせで投与される。
別の態様では、この抽出物は、癌再発の徴候が観察される場合に投与される。
別の態様によれば、対象において癌を処置するための、本明細書に記載される抽出物の使用が提供され、これらの細胞は、対象に対して自家である。
一態様では、この抽出物は、免疫原性組成物として製剤化される。別の態様では、この抽出物は、癌ワクチンとして製剤化される。
別の態様では、この抽出物は、従来の化学療法、放射線療法、ホルモン療法及び生物療法のうち少なくとも1つと同時に又は逐次的に使用するためのものである。
別の態様では、この抽出物は、外科的腫瘍切除の前又は後に使用するためのものである。
別の態様では、この抽出物は、複数用量で使用するためのものである。
別の態様では、この抽出物は、所定数の週にわたって週に1回使用するためのものである。
別の態様では、この抽出物は、進行中の維持療法として使用するためのものである。
別の態様では、この抽出物は、週に1回、月に1回、3か月毎に1回、6か月毎に1回、年に1回又はそれらの組み合わせで使用するためのものである。
別の態様では、この抽出物は、癌再発の徴候が観察される場合に使用するためのものである。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになる。しかし、本発明の精神及び範囲内の種々の変化及び改変は、この詳細な説明から当業者に明らかになるので、この詳細な説明及び具体的な例は、本発明の実施形態を示しつつも、例示のみとして与えられることを理解すべきである。
本発明は、図面を参照して以下の説明からさらに理解される。
異なる量のIFN−γとの72時間のインキュベーション期間後の、種々の細胞系由来のMHCII陽性癌細胞の百分率を示す図である。 異なる量のIFN−γとの72時間のインキュベーション期間後の、種々の細胞系由来のMHCII陽性癌細胞上のMHCII発現のレベルを示す図である。 生存癌細胞によるチャレンジの30日後の、コントロールマウス又は自家癌細胞ワクチンで免疫したマウスにおける腫瘍の2次元平均腫瘍サイズ及び標準偏差を示す図である。 生存癌細胞によるチャレンジの30日後の、コントロールマウス又は自家癌細胞ワクチンで免疫したマウスにおける検出可能な腫瘍の発生率を示す図である。 腫瘍細胞とのインキュベーション後の、免疫したマウス又はナイーブマウスから取得されたT細胞におけるT細胞増殖応答を示す図である。 IFN−γで処理した細胞から抽出されたBSA−ビオチンペプチドを提示するMHCIIを示す図である。 生存癌細胞によるチャレンジ後の、コントロールマウス又は自家癌細胞ワクチンで免疫したマウスにおける検出可能な腫瘍の発生率を示す図である。 自家癌細胞ワクチンを受けているヒト対象の生存曲線を示す図である。 前立腺腫瘍の外科的切除後に、且つホルモン遮断治療と同時に自家癌細胞ワクチンを受けている患者1の前立腺特異的抗原(PSA)測定値を示す図である。 前立腺腫瘍の外科的切除後に、且つホルモン遮断治療と同時に自家癌細胞ワクチンを受けている患者2のPSA測定値を示す図である。 前立腺腫瘍の外科的切除後に、且つホルモン遮断治療と同時に自家癌細胞ワクチンを受けている患者3のPSA測定値を示す図である。 前立腺腫瘍の外科的切除後に、且つホルモン遮断治療と同時に自家癌細胞ワクチンを受けている患者4のPSA測定値を示す図である。 前立腺腫瘍の外科的切除後に、且つホルモン遮断治療と同時に自家癌細胞ワクチンを受けている患者5のPSA測定値を示す図である。 自家癌細胞ワクチンで処置した患者又はコントロールにおける第I/II相臨床試験からの臨床結果を示す図である。図14Aは、前立腺癌による死亡率を示す図である。図14Bは、平均血清PSAレベルを示す図である。図14Cは、7年間の追跡後の検出不能なレベルのPSA(0.04ng/ml未満)の提示を示す図である。
一態様では、本発明は、単離された免疫原性癌細胞、この免疫原性癌細胞を含む免疫原性組成物及びワクチン、かかる免疫原性組成物及びワクチンを作製する方法、並びに癌の処置の方法に関する。この単離された免疫原性癌細胞は、その表面上にMHCIIと関連して非自己抗原を提示するように変更又は改変され、その結果、このMHCIIは、非自己抗原をヘルパーT細胞に提示して、サイトカイン産生を導く。これらの単離された免疫原性癌細胞は、その細胞表面上にMHCIもまた発現させ、これは、癌抗原を細胞傷害性T細胞に提示する。予期しなかったことに、単一の改変された癌細胞は、それによって自家対象において両方の型のT細胞を活性化でき、強力且つ特異的な抗癌免疫応答を導く。
癌は、制御されない増殖、アポトーシス機構の喪失、並びに癌細胞が宿主組織を浸潤する能力及び離れた部位に転移する能力などの、いくつかの悪性特徴を導く複数の変異から生じる。さらに、癌細胞は、その細胞表面上に、MHCIと関連して、CD8細胞傷害性T細胞によって非自己として認識される腫瘍特異的抗原を頻繁に発現するが、癌細胞は、宿主免疫系を逃れる能力を発達させる場合が多い。癌細胞が免疫系を逃れ得る異なる機構が存在する、例えば:
a)MHCIは、癌細胞上で下方調節され得、その結果、この癌細胞は、細胞傷害性T細胞によって認識され得ない。
b)癌細胞は、非自己として認識され且つ免疫応答を惹起することが可能な腫瘍特異的抗原の発現を喪失し得る。
c)癌細胞は、共刺激因子もMHCII分子も発現しないので、細胞傷害性T細胞を誘導できない可能性がある。
d)癌細胞は、抗癌免疫応答を抑制する分子を産生し得る。
e)特定の腫瘍抗原は、癌細胞に対する特異的免疫寛容を誘導し得る。
抗癌免疫応答を増強又は復元する方法は、癌免疫学の分野においてかなりの研究の対象になってきた。
MHCII分子は、細胞傷害性T細胞の脱分化を刺激する、CD4ヘルパーT細胞の活性化に必要とされる。従って、癌特異的T細胞応答の誘導は、共刺激因子及びMHCII分子を発現する専門のAPCによる交差提示を必要とする場合が多い。かかるAPCが適切に腫瘍特異的抗原を取り上げて提示せず、ヘルパーT細胞を活性化しない場合、癌細胞に対して特異的な細胞傷害性T細胞は発生しない可能性がある。
証拠は、抗原誘導されたT細胞増殖が、その特異的細胞表面レセプターに対するインターロイキン−2(IL−2)の作用によって主に調節されることを示唆している。ヘルパーT細胞がIL−2を分泌するために一旦刺激されると、可溶性IL−2は、可溶性IL−2が産生された細胞とオートクライン様式で相互作用し得る、又はIL−2レセプターを発現する他の細胞とパラクライン様式で相互作用し得る。従って、抗原活性化されたIL−2産生ヘルパーT細胞は、それ自体のクローン性増殖を促進し得、細胞傷害性T細胞の増殖を促進し得、メモリーT細胞の生成を促進し得、B細胞及びナチュラルキラー(NK)細胞の生成を促進し得る。ナイーブ細胞傷害性T細胞では、産生されるIL−2の量は、典型的には、ヘルパーT細胞によって産生される量の少なくとも10分の1であり、この量は、免疫応答を持続するのに通常は不十分であり、これが、ヘルパーT細胞による共刺激が重要であることの理由である。
従って、癌に応答して免疫系を十分に活性化するために、4つの細胞相互作用モデルが一般に必要とされる:1)MHCIと関連して腫瘍特異的抗原を提示する癌細胞であって、この抗原は非自己として認識される;2)MHCIIと関連して腫瘍特異的抗原を提示するAPCであって、この抗原は非自己として認識される;3)MHCI−抗原複合体と相互作用する細胞傷害性T細胞;及び4)MHCII−抗原複合体と相互作用するヘルパーT細胞。このモデルでは、細胞傷害性T細胞によるMHCI−抗原複合体の認識は、寛容誘導の拡大及び防止のためにこれがIL−2を必要とする状況まで、細胞傷害性T細胞を活性化する。IL−2は、細胞傷害性T細胞にごく接近した活性化されたヘルパーT細胞によって効率的に提供される。典型的には、腫瘍細胞にごく接近して、MHCIIと関連して非自己抗原をヘルパーT細胞に提示するAPCが不十分であるという点において、腫瘍細胞は、この4つの細胞相互作用モデルにおける欠損に起因して、免疫系をしばしば逃れる。従って、ヘルパーT細胞は活性化されず、IL−2は産生されない。
本発明の態様では、4つの細胞モデルは、3つの細胞モデルによって置き換えられ、それにより、癌細胞は、MHCIIと関連して非自己ペプチドをヘルパーT細胞に提示するようにそれ自体改変され、従ってAPCの機能を効果的に置き換える。改変された癌細胞は、MHCIと関連して腫瘍特異的抗原もまた細胞傷害性T細胞に提示するので、二機能性とみなされる。
本発明の態様では、癌細胞は、癌を有する対象から単離され、培養される。これらの細胞は、例えば、例えばIFN−γなどのMHCII誘導剤を用いた処理を介して、その細胞表面においてMHCIIを発現するように改変される。次いで、MHCII陽性であると同定された細胞は、例えばウシペプチドなどの免疫原性非自己抗原と共にインキュベートされる。インキュベーションの間に、非自己抗原は、癌細胞によって飲作用され、プロセシングされ、最後にMHCIIと関連して細胞表面上に提示される。次いで、改変された癌細胞は、この癌細胞が元々単離された対象を意味する自家対象への戻し注射のために調製される。
かかる改変された細胞は、免疫原性であり、非自己ペプチドに対する強力なヘルパーT細胞応答を生じて、このヘルパーT細胞によるIL−2産生を導く。その一方、MHCIと関連して癌細胞上に提示された腫瘍抗原を認識した細胞傷害性T細胞は、ヘルパーT細胞にごく接近するので、IL−2によって刺激されるが、これは、MHCI及びMHCIIの両方が同じ癌細胞の表面上に存在するからである。これは、癌細胞によって産生される腫瘍抗原に対する特異的免疫応答を導く。多数の異なる腫瘍抗原が典型的に、癌細胞の表面上でMHCIによって提示されるので、改変された癌細胞によって生成される免疫応答は、性質がポリクローナルである場合が多い。
定義:
用語「単離する」、「単離された」及び「単離すること」は、本明細書で使用する場合、癌に罹患している患者の身体から癌細胞を取り出すことを指す。細胞は、例えば、標準的な生検手順の間又は癌の外科的除去の間に単離され得る。特に明記しない限り、これらの用語は、癌細胞が精製されていることも他の細胞型を含まないことも意味しない。
本明細書で使用する場合、さらに当該分野で理解されるように、「処置」は、臨床結果を含む有益な又は所望の結果を取得するためのアプローチである。有益な又は所望の臨床結果には、検出可能であれ検出不能であれ、1又は複数の症状又は状態の軽減又は回復、疾患の程度の減退、疾患の安定化された(即ち、悪化していない)状況、疾患の伝播の防止、疾患進行の遅延又は減速、疾患状況の回復又は寛解、及び緩解(部分的であれ全体的であれ)が含まれ得るが、これらに限定されない。「処置」は、処置を受けていない場合に予測される生存と比較して延長した生存もまた意味し得る。
用語「治療有効量」、「有効量」又は「十分量」は、ヒトなどの哺乳動物を含む対象に投与される場合に、所望の結果を達成するのに十分な量、例えば、癌を処置するのに有効な量を意味する。治療剤の有効量は、対象の疾患状況、年齢、性別及び体重などの因子に従って変動し得る。投薬量又は処置レジメンは、当業者に理解されるように、最適な治療応答を提供するために調整され得る。
さらに、治療有効量を用いた対象の処置レジメンは、単一の投与からなり得る、又は一連の適用を代替的に含み得る。処置期間の長さは、疾患の重症度、対象の年齢、癌ワクチンの濃度、癌ワクチンに対する患者の応答性又はそれらの組み合わせなどの種々の因子に依存する。処置に使用される癌ワクチンの有効投薬量は、特定の処置レジメンの過程にわたって増加又は減少し得ることもまた理解される。投薬量における変化が生じ得、かかる変化は、当該分野で公知の標準的な診断アッセイによって明らかになり得る。本発明の癌ワクチンは、いくつかの態様では、従来の抗癌剤、放射線療法、ホルモン療法、生物療法及び/又は外科的腫瘍切除による処置の前、その間、又はその後に、投与され得る。
用語「対象」とは、本明細書で使用する場合、動物界の任意の成員、好ましくは哺乳動物を指す。一実施形態では、この哺乳動物は、イヌ、ネコ、ハムスター、マウス、ラット、ブタ、ウマ、ウシ又はヒトである。別の実施形態では、この哺乳動物はヒトである。
用語「自家」とは、ある対象から取得され、その同じ対象を処置するために使用される細胞を指す。
用語「自己抗原」又は「自己ペプチド」とは、その特定の対象に由来し、通常は免疫系によって寛容される、対象の身体内の抗原を指す。用語「非自己抗原」又は「非自己ペプチド」とは、その特定の対象に由来しない、通常は免疫系によって同定されて攻撃される、対象の身体内の抗原を指す。「癌抗原」又は「癌ペプチド」とは、対象内の癌に由来する、対象の身体内の抗原を指す。当該分野で理解されるように、癌抗原は、免疫系によって寛容されることもあり、免疫系によって同定され従って攻撃されることもある。各癌細胞は、任意の所与の時点においてその細胞表面上にMHCIと関連して多数の異なる癌抗原を提示し、そのうちいくつかは免疫系によって寛容され得、そのうちいくつかは免疫系によって同定され攻撃され得ることが理解される。
本発明の癌細胞は、記載されるように、MHCI及びMHCIIの両方を発現し、ヘルパーT細胞及び細胞傷害性T細胞の両方を活性化することが可能であるので、「二機能性」と言われ得る。MHCI及びMHCIIを発現するこれらの二機能性腫瘍細胞は、腫瘍提示細胞(TPC)とも記載され得る。
用語「アジュバント」とは、ワクチン中に存在し、ワクチン中に存在する抗原に対する免疫応答を増強する化合物又は混合物を指す。例えば、アジュバントは、本明細書で企図される自家癌細胞ワクチン中に存在するポリペプチドに対する免疫応答、又は本明細書で企図される免疫原性断片若しくはそのバリアントに対する免疫応答を増強し得る。アジュバントは、抗原を緩徐に放出する組織デポーとして機能し得、免疫応答を非特異的に増強するリンパ系活性化因子としても機能し得る。使用され得るアジュバントの例には、MPL−TDMアジュバント(モノホスホリルリピドA/合成トレハロースジコリノミコラート、例えば、GSK Biologicsから入手可能)が含まれる。別の適切なアジュバントは、免疫賦活性アジュバントAS021/AS02(GSK)である。これらの免疫賦活性アジュバントは、強力なT細胞応答を与えるために製剤化され、これらには、脂質又はリポソーム担体中で一緒になった、QS−21、キレイ・サポナリア(Quillay saponaria)由来のサポニン、TL4リガンド、モノホスホリルリピドAが含まれる。他のアジュバントには、非イオン性ブロックコポリマーアジュバント(例えば、CRL 1005)、リン酸アルミニウム(例えば、AIPO)、R−848(Th1様アジュバント)、イミキモド、PAM3CYS、ポリ(I:C)、ロキソリビン、BCG(カルメット・ゲラン桿菌)及びコリネバクテリウム・パルバム、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、コレラ毒素由来抗原(例えば、CTA 1−DD)、リポ多糖アジュバント、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、サポニン、鉱物ゲル、例えば水酸化アルミニウム、界面活性物質、例えばリゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、水中の油又は炭化水素乳濁物(例えば、Novartis Vaccinesから入手可能なMF59、又はMontanide ISA 720)、キーホールリンペットヘモシアニン並びにジニトロフェノールが含まれるがこれらに限定されない。
用語「精製された」は、本明細書において、出発材料に対して活性薬剤の濃度を増強する1又は複数の精製工程によって出発材料から取得される組成物を包含するために使用される。例えば、本発明の態様では、生検又は外科的腫瘍サンプルから取得されたIFN−γ処理された細胞は、増加した濃度のMHCII陽性細胞を提供するために、セルソーティング技術によって精製され得る。精製された組成物は、例えば、約5%〜約100%のMHCII陽性細胞、及びその間の任意の量、例えば、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%又は約90%のMHCII陽性細胞を含み得る。用語「精製された」は、精製プロセスによって取得されてもそうでなくても、不純物に対して顕著な量の活性薬剤を含む組成物もまた包含する。用語「精製された」は、絶対的純度を含意すると解釈すべきではない。
本出願の範囲を理解するにあたり、用語「含む(comprising)」及びその派生語は、本明細書で使用する場合、記述された特徴、要素、構成要素、群、整数及び/又は工程の存在を特定するが、他の記述されていない特徴、要素、構成要素、群、整数及び/又は工程の存在を排除しない、オープンエンドの用語であることを意図する。上記は、類似の意味を有する単語、例えば用語「含む(including)」、「有する(having)」及びそれらの派生語にも適用される。最後に、程度の用語、例えば、「実質的に」、「約」及び「およそ」は、本明細書で使用する場合、最終結果が顕著に変化されないような、修飾された用語の合理的な量の偏差を意味する。これらの程度の用語は、これらの用語が修飾する単語の意味をこの偏差が否定しない場合、修飾された用語の少なくとも±5%の偏差を含むと解釈すべきである。
予期しなかったことに、MHCIIが非自己抗原をヘルパーT細胞に提示し、MHCIが癌抗原を免疫系の細胞傷害性T細胞に提示するように、癌細胞がその細胞表面上にMHCIIを発現するように改変され得ることがここで示された。こうして改変された癌細胞は、免疫原性であり、対象において癌を処置するのに有効な自家癌ワクチン組成物において使用され得る。
従って、その細胞表面上にMHCI及びMHCIIの両方を発現する単離された免疫原性癌細胞が提供され、癌抗原がMHCIに結合し、非自己抗原がMHCIIに結合する。
これらの癌細胞は自家対象から単離され、これは、これらの癌細胞が由来する同じ対象を処置するために、これらの癌細胞が使用されることを意味する。或いは、これらの癌細胞は、HLAが一致した異種対象において使用され得る。典型的には、これらの細胞は、生検手順の間又は外科的腫瘍除去の間に単離される。これらの癌細胞は任意の型の悪性腫瘍由来であり得、一態様では、これらの癌細胞は、小細胞肺癌及び非小細胞肺癌(例えば、腺癌)を含む肺癌、膵臓癌、結腸癌(例えば、結腸直腸癌腫、例えば結腸腺癌及び結腸腺腫など)、食道癌、口腔扁平上皮癌腫、舌癌腫、胃癌腫、肝臓癌、上咽頭癌、リンパ系細胞系譜の造血器腫瘍(例えば、急性リンパ球性白血病、B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫)、非ホジキンリンパ腫(例えば、マントル細胞リンパ腫)、ホジキン病、骨髄球性白血病(例えば、急性骨髄性白血病(AML)若しくは慢性骨髄性白血病(CML))、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病(CLL)、甲状腺濾胞癌、骨髄異形成症候群(MDS)、間葉系起源の腫瘍、軟部組織肉腫、脂肪肉腫、消化管間葉性肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、間葉系軟骨肉腫、リンパ肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、黒色腫、奇形腫、神経芽腫、脳腫瘍、髄芽腫、神経膠腫、皮膚の良性腫瘍(例えば、角化棘細胞腫)、乳房癌腫(例えば、進行乳癌)、腎臓癌腫、腎芽腫、卵巣癌腫、子宮頸部癌腫、子宮内膜癌腫、膀胱癌腫、進行疾患及びホルモン難治性前立腺癌を含む前立腺癌、精巣癌、骨肉腫、頭頸部癌、表皮癌腫、多発性骨髄腫(例えば、難治性多発性骨髄腫)又は中皮腫由来である。一態様では、これらの癌細胞は固形腫瘍由来である。典型的には、これらの癌細胞は、乳癌、結腸直腸癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、胃癌又は前立腺癌由来である。より典型的には、これらの癌細胞は前立腺癌由来である。
ほとんどの癌細胞は、その細胞表面上に、存在するとしてもあまり多くのMHCIIを天然には発現しないが、癌細胞が例えばB細胞癌などの抗原提示細胞に由来する場合、これらの細胞は、その細胞表面上にMHCIIを既に発現していてもよいことが理解される。MHCIIを既に発現している未改変の癌細胞は、本発明から明確に排除され得ることが企図される。言い換えると、本発明は、本発明に従う改変の前に、MHCII陰性、MHCII陽性又はそれら両方である癌細胞を包含し得ることが企図される。或いは、かかる細胞は、本発明中に含まれ得、これらの細胞はMHCIIを既に発現しているので、MHCII誘導剤とのインキュベーションは、発現のレベルを増加させるための任意選択に過ぎないことが理解される。
癌細胞がその細胞表面上にMHCIIを発現するために、これらの癌細胞は、MHCII誘導剤と共にインキュベートされる。MHCII誘導剤は、例えば、サイトカイン、化学剤及び遺伝子構築物を包含する。
例えば、このMHCII誘導剤はIFN−γであり得、又は癌細胞をトランスフェクト若しくは形質導入するために使用されるMHCII発現ベクターであり得る。このMHCII誘導剤は、MHCIIを発現する細胞が、癌細胞をMHCII陽性にするために細胞融合を介して癌細胞と融合され得るという点において、MHCII発現細胞もまた包含する。かかる細胞の例には、B細胞、樹状細胞、マクロファージ及び単球が含まれる。別の態様では、このMHCII誘導剤は、MHCIIトランス活性化因子(CIITA)配列を活性化する薬剤であり得る。しかし、典型的には、このMHCII誘導剤は、サイトカイン、例えばIFN−α、IFN−β、IFN−γ、IL−4、IL−13、IL−23又はTNF−αなどである。サイトカインの組み合わせもまた使用され得る。特定の態様では、このMHCII誘導剤はIFN−γである。このMHCII誘導剤は、癌細胞上のMHCIの発現を増加させることに対しても影響を有し得ることが理解される。例えば、IFN−γがMHCII誘導剤として使用される場合、これはまた、癌細胞の表面上のMHCIにおける増加を引き起こす傾向がある。
MHCII誘導剤とのインキュベーション後、単離された癌細胞は、MHCIIが細胞表面上で発現されていることを確認するために、従来の方法によってスクリーニングされ得る。これらの細胞はまた、MHCII陽性細胞の濃度を増加させるために、この段階において精製され得る。
一旦癌細胞がMHCIIを発現するように改変されると、これらの細胞は、MHCIIと関連して非自己抗原を提示するように、この非自己抗原と共にインキュベートされる。この非自己抗原は、非自己とみなされ、且つMHCIIによって提示された場合に対象において免疫応答を誘導することが可能な、任意の抗原であり得る。適切な抗原には、ハプテン担体として有用であることが公知の抗原、例えば、サイログロブリン、β−ガラクトシダーゼ、デキストラン、ポリリシン、ツベルクリン由来タンパク質、オボアルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒツジ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン又は魚類血清アルブミンなどの血清アルブミン、及びキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)などが含まれることが理解される。この抗原は、対象と同じ種由来又は異なる種由来であり得る。例えば、対象がヒトである場合、この抗原は、ヒト抗原又は非ヒト抗原であり得る。典型的には、この抗原は、非ヒト抗原、例えばウシ、ウサギ、マウス、イヌ又はネコの抗原などである。より典型的には、この抗原は、ウシ抗原、例えばウシ血清抗原(BSA)などである。KLH及びアルブミンは、他の典型的に使用される抗原である。一態様では、ウシ抗原一般が、本発明から具体的に排除される。別の態様では、BSAだけが、本発明から具体的に排除される。
いくつかの態様では、本発明に従って調製された単離された免疫原性癌細胞は、その細胞表面上にMHCI及びMHCIIの両方を発現する。MHCI分子及びMHCII分子は、当該分野で理解されるように、多数の異なる抗原を提示するが、MHCI分子の少なくともいくつかは腫瘍特異的抗原を提示し、MHCII分子の少なくともいくつかは非自己抗原を提示する。これらの細胞は、次いで、対象における癌の処置のために、自家対象において使用され得る。
これらの細胞は、生で使用され得る、弱毒化され得る又は死滅され得る。典型的には、これらの細胞は、例えば、致死的照射、DMSOなどの凍結保存剤の非存在下での凍結及び解凍、又は化学療法剤若しくは毒素などの細胞傷害性化合物による処理によって、対象における使用の前に死滅される。これらの細胞が即座の使用のためのものではない場合、これらの細胞は、自家対象への後の投与のために、例えば凍結保存などによって保存され得る。
これらの細胞の抽出物もまた、対象における癌の処置のために、自家対象において使用され得る。例えば、これらの細胞は、そのネイティブの形態全体でなくなるように、解離され得、超音波処理され得又は他の方法で破壊され得る。非自己抗原に結合したMHCII分子を含む膜画分が、これらの細胞から抽出され得、自家対象において癌を処置するための免疫原性組成物中に提供され得る。さらに、非自己抗原に結合したMHCII分子だけを含む画分が、これらの細胞から抽出され得、自家対象において癌を処置するための免疫原性組成物中に提供され得る。従って、MHCII分子を含む細胞性抽出物が提供され、このMHCII分子は非自己抗原を提示する。この抽出物は、膜画分をさらに含み得、MHCI分子をさらに含み得、このMHCI分子は癌抗原を提示する。この抽出物は、免疫原性組成物又は癌ワクチン中に提供され得、癌を有する自家対象を処置するために使用され得る。
MHCIIと関連して非自己抗原を提示するように記載されたように改変された癌細胞もまた、癌を処置するための免疫原性組成物において使用され得る。従って、その細胞表面上にMHCI及びMHCIIの両方を発現する癌細胞を含む組成物が提供され、このMHCIは癌抗原を提示し、MHCIIは非自己抗原を提示する。かかる免疫原性組成物は、自家対象において癌を処置するための、自家癌細胞ワクチンとしての使用を見出す。
改変された癌細胞に加えて、これらの免疫原性組成物及びワクチンは、1つ又は複数の医薬的に許容される賦形剤、担体、緩衝液、安定剤、アジュバント又はそれらの混合物をさらに含み得る。
本明細書に記載される免疫原性組成物及びワクチンは、対象に投与され得る医薬的に許容される組成物の調製のために自体公知の方法によって調製され得、その結果、有効量の活性物質が、医薬的に許容されるビヒクルとの混合物中で組み合わされる。適切なビヒクルは、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Remington’s Pharmaceutical Sciences、第20版、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、USA、2000)に記載されている。これに基づき、組成物は、排他的にではないが、1つ又は複数の医薬的に許容されるビヒクル又は希釈剤と関連して癌細胞を含み得、生理的流体と等張な、適切なpHを有する緩衝化溶液中に含まれ得る。
医薬組成物には、限定ではなく、組成物を対象の組織又は血液と実質的に適合性にする抗酸化剤、緩衝液、静菌剤及び溶質をさらに含み得る、凍結乾燥粉末又は水性若しくは非水性の無菌の注射可能な溶液若しくは懸濁物が含まれる。かかる組成物中に存在し得る他の構成要素には、例えば、水、界面活性剤(例えばTween)、アルコール、ポリオール、グリセリン及び植物油が含まれる。即時注射溶液及び懸濁物は、無菌の粉末、顆粒、錠剤又は濃縮された溶液若しくは懸濁物から調製され得る。この医薬組成物は、例えば、限定ではなく、患者への投与の前に無菌の水又は生理食塩水で再構成される凍結乾燥粉末として供給され得る。
適切な医薬的に許容される担体には、医薬組成物の生物学的活性の有効性を妨害しない、本質的に化学的に不活性な非毒性組成物が含まれる。適切な医薬的担体の例には、水、生理食塩水溶液、グリセロール溶液、エタノール、N−(1(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、ジオレシルホスホチジル−エタノールアミン(diolesylphosphotidyl−ethanolamine)(DOPE)及びリポソームが含まれるがこれらに限定されない。かかる組成物は、患者への直接的投与のための形態を提供するように、適切な量の担体と一緒に、治療有効量の改変された癌細胞を含むべきである。
任意の適切なアジュバントが、本発明のワクチンにおいて使用され得る。例えば、適切なアジュバントには、MPL−TDMアジュバント、AS021/AS02、非イオン性ブロックコポリマーアジュバント、リン酸アルミニウム、R−848、イミキモド、PAM3CYS、ポリ(I:C)、ロキソリビン、BCG、コリネバクテリウム・パルバム、CpGオリゴデオキシヌクレオチド、コレラ毒素由来抗原、リポ多糖アジュバント、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、サポニン、鉱物ゲル、例えば水酸化アルミニウム、界面活性物質、例えばリゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、水中の油又は炭化水素乳濁物、キーホールリンペットヘモシアニン、及びジニトロフェノールが含まれる。典型的には、使用されるアジュバントはBCGである。
本発明の免疫原性組成物及びワクチンは、いくつかの態様では、例えば、非経口、静脈内、皮下、皮内、筋内、頭蓋内、眼窩内、眼、脳室内、関節内、脊髄内、大槽内、腹腔内、鼻腔内、直腸内、エアロゾル又は経口投与によって、投与され得る。典型的には、本発明の組成物は、皮下、筋内又は皮内で投与される。より典型的には、本発明の組成物は、皮膚において生じる特異的抗原プロセシングに起因して、上肢に皮内投与される。
本発明の免疫原性組成物及びワクチンは、いくつかの態様では、例えば化学療法、ホルモン療法、生物療法及び放射線治療を含む従来の癌の処置と組み合わせて、同時に又は逐次的に投与され得る。本発明の組成物は、適切な場合、かかる従来の処置と一緒に処方され得る。
本発明の組成物は、任意の適切な量で使用され得るが、典型的には、約1×10〜約1×10の癌細胞を含む用量中に提供される。例えば、本発明の組成物は、いくつかの態様では、約1×10、1×10、約1×10、約1×10、約1×10又は約1×10の癌細胞を含み得る。典型的には、この組成物は、約1×10の癌細胞を含む。
さらに、癌細胞によるワクチン接種は、1回行われ得、又は数回反復され得る。例えば、ワクチン接種は、疾患の状況に依存して、1日1回、週に1回、月に1回、年に1回又はそれらの組み合わせで行われ得る。例えば、対象は、活性な癌を処置するために、週に1回を基礎として数用量が投与され得る。一旦癌の成長が減速するか又は緩解に進むと、追跡維持用量は、例えば、月に1回を基礎として、3か月毎に1回、6か月毎に1回、又は年に1回を基礎として、提供され得る。一般に、生物学的材料が入手可能である限り、対象をワクチン接種し続けることが望まれる。従って、癌患者は典型的に、癌再発の任意の徴候を迅速に同定するために、緩解後数年間にわたって追跡される。任意のかかる兆候が同定される場合、癌細胞ワクチンの追跡用量(単数又は複数)が、再発している癌を処置するために、必要に応じて投与され得る。
用量の数は、患者の腫瘍から取得された癌細胞の数によってのみ制限されると理解される。例えば、癌細胞が対象から単離される場合、これらの癌細胞は生存能を確実にし、細胞数を増加させるために、ある時間期間にわたって培養される。所定の数の用量が望まれる場合、これらの細胞は、所定の数の用量を調製するのに十分な数の細胞が存在するようになるまで、培養され得る。元の細胞材料の全てが一旦使用され尽くすと、さらなる生検又は外科的サンプルが取得されない限り、さらなる用量は調製され得ない。
従って、癌細胞は、MHCII誘導剤及び非自己抗原による処置の前又は後のいずれかに、培養した後に凍結保存され得、その結果、例えば癌が再発した場合などの未来の時点においてさらなる用量が必要とされる場合に、これらの癌細胞は再培養され得、細胞数が拡大され得ることが企図される。再発の具体的な場合において、再発した癌由来の第2の生検又は外科的サンプルが、さらなるワクチン用量のためのさらなる生物学的材料を提供するために取得され得る。可能な場合、再発した癌は、MHCIと関連して元の癌とは異なる癌抗原を提示し得るので、再発した癌由来の第2の生検又は外科的サンプルを取得することが望ましい。
本発明の組成物、ワクチン、細胞及び方法が癌を処置するために使用され得ることが上に記述されてきたが、これらは、癌を予防するためにも使用され得ることが理解される。この態様では、対象から取得された腫瘍細胞は、どのヒト白血球抗原(HLA)がその表面上に発現されるかを決定するためにスクリーニングされ得る。これらの細胞は、HLAが一致した対象において癌を予防するためのワクチンへと製剤化され得る。
上の開示は、本発明を一般に記載している。より完全な理解は、以下の具体的な例を参照して得ることができる。これらの例は、例示目的のためにのみ記載され、本発明の範囲を限定することを意図しない。形態における変化及び等価物の置換は、状況が示唆し得る又は好都合になり得る場合に、企図される。特定の用語が本明細書で使用されているが、かかる用語は、記述的な意味で意図され、限定を目的としていない。
(例1)
ヒトLST174T、LoVo、SW1116、Colo205及びHT29結腸癌細胞並びにヒトSK−OV−3卵巣癌細胞を、種々の濃度のIFN−γと共に72時間カルチベートした。次いで、これらの細胞を、IFN−γがこれらの細胞においてMHCII発現を誘導したかどうかを決定するために、特異的抗MHCII(DP、DQ及びDR)抗体を使用して、フローサイトメトリーによって分析した。これらの結果を、表1及び2並びに対応する図1及び2に示す。

この例は、異なる起源のいくつかの異なる細胞型が、IFN−γとのインキュベーション後にMHCIIを発現するようにされ得ることを示している。
(例2)
マウス413−BCR乳腺腫瘍細胞を、100U/mL IFN−γと共に48時間インキュベートし、50μg/mL BSAと共に24時間インキュベートした。より具体的には、これらの細胞を、10mlの培地を含むT25フラスコ中に配置した。これらの細胞を、IFN−γを含む培地と共に48時間インキュベートし、次いで、無血清RPMI 1640で3回洗浄した。次いで、これらの細胞を、2mlのBSA溶液と共に2時間インキュベートし、次いで、100U/ml IFN−γ及び50μg/ml BSAを含む完全培地を添加した。この413−BCR細胞を、致死的に照射し、凍結保存した。BALB/cマウスを、それぞれ1×10の413−BCR細胞を含む、アジュバントなしでi.p.投与される3回の注射で、チャレンジの21日前、14日前及び7日前に事前免疫した。次いで、これらのマウスを、2.5×10の生存413−BCR細胞のs.c.注射でチャレンジした。全ての事前免疫したマウスは、腫瘍を発症できなかったが(n=5)、全ての未処置のコントロールマウス(n=5)は、30日後に腫瘍を発症した。
この例は、その細胞表面上にMHCIIと関連して非自己ペプチドを提示するように改変された癌細胞による事前免疫が、マウスにおける自家の非改変癌細胞によるチャレンジに対して保護的であったことを示している。
(例3)
20匹のBALB/c雌性マウスを、それぞれ5匹のマウスの4つの群に分割し、A、B、C及びDと表示した。これらのマウスは、表3に以下に示すように、2回の事前免疫を受けた。簡潔に述べると、群Aを、その細胞表面上にMHCIIと関連して非自己抗原を提示する癌細胞で免疫し;群Bを、非自己抗原なしでその細胞表面上にMHCIIを発現する癌細胞で免疫し;群Cを非自己抗原で免疫し;群DをPBSで免疫した。全ての注射はs.c.で実施し、チャレンジの14日前ではアジュバントとしてQuil−Aを含み、チャレンジの7日前ではアジュバントを含まなかった。0日目に、5×10の生存413−BCR細胞をs.c.注射した。
表4並びに図3及び4は、この研究の結果を示す。表4及び対応する図3は、その事前免疫においてMHCII発現癌細胞を受けた群A及びB由来のマウスが、その事前免疫において細胞を受けなかったマウスの腫瘍サイズよりも小さい腫瘍サイズを有したことを示している。70日目のマウスの肉眼評価により、群Aのマウスは検出可能な腫瘍を有さなかったが、群B、C及びDは、それぞれ5匹のマウスのうち1匹、4匹及び5匹が、検出可能な腫瘍を有したことが明らかになった(図4)。
この例は、その細胞表面上にMHCIIと関連して非自己ペプチドを提示するように改変された癌細胞による事前免疫が、特に腫瘍のサイズ及び発生率における低減に関して、マウスにおける自家非改変癌細胞によるチャレンジに対して保護的であったことを示している。
(例4)
例3の群A由来のマウスを屠殺し、その膵臓を取り出して、T細胞増殖アッセイを実施した。ナイーブ動物由来の脾臓を、コントロールとして使用した。群Aのマウス由来のおよそ1.2×10 T細胞/ウェルを、以下の薬剤又は細胞の存在下で培養した:2mg/mLフィトヘマグルチニン(PHA)(陽性コントロール);標準的な培地(陰性コントロール);10の照射された腫瘍細胞、10の照射されたIFN−γ処理した腫瘍細胞、又は50μg/mL BSA。これらのT細胞を、37℃で48時間インキュベートし、その後1mCiの3H−チミジンと共に20時間インキュベートした。取り込まれた放射能を、固体シンチレーションを使用して測定した。
表5及び図5はこの研究の結果を示し、免疫したマウス由来のT細胞が、腫瘍細胞及びBSAに応答して増殖したが、ナイーブマウス由来のT細胞は増殖しなかったことを示している。これは、癌ワクチンで免疫した動物が、腫瘍細胞がIFN−γで処置されているかいないかに関わらず、この腫瘍細胞上に存在する異なる腫瘍抗原に対する独立した免疫を発生させたことを意味している。さらに、癌ワクチンで免疫した動物は、BSAに対する免疫を示した。
(例5)
10の413−BCR細胞を、100U/ml IFN−γと共に48時間インキュベートした。これらの細胞を、PBSで5回洗浄し、次いで、高いビオチンモル比(ビオチン20モルに対してBSA1モル)を使用して、100μg/ml又は10μg/ml(2ml)のビオチン−BSAと共に2時間インキュベートした。次いで、これらの細胞を、IFN−γ+ビオチン−BSAを含む培地中で24時間インキュベートした。これらの細胞を、PBSで5回洗浄し、Triton−100TMで一晩可溶化した。抗マウスMHCI又はMHCII(PBS中10μg/ml)捕捉抗体で、96ウェルのELISAプレート上を被覆した。このプレートを、PBS中3%のBSAで1時間ブロッキングした。可溶化細胞を含むサンプルを、室温で4時間インキュベートした。これらのプレートを洗浄し、ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼコンジュゲートを、37℃で45分間添加した。次いで、プレートを5回洗浄し、TMB基質を添加した。光学密度を450nmで決定した。コントロールサンプル(未処理細胞)と処理細胞との間の比率を、図6に示す。
この例は、BSAが、用量依存的な様式で、IFN−γで事前処置した癌細胞によって発現されたMHCIIに結合することが可能であることを示している。
(例6)
ヒトPBLで再構築したSCID−ベージュマウスの群を、本明細書に記載される自家癌ワクチンのin vivo評価のために再構築した。より具体的には、25匹のSCID−ベージュマウス(雌性、8〜10週)に、部分的一致ドナー(HLA型A2、B44、DR13)由来の10のhPBLをi.p.注射した(20%v/vのMatrigelと共に0.5mL/マウス)。マウス血液を、再構築の7日後及び14日後に収集して、hIgGレベルを検証した。10μg/mLより大きいhIgGを有するマウスだけを、さらなる実験に利用した。表6は、再構築したマウスのhIgG測定値を示す。
SCID−ベージュマウスのうち17匹(68%)が、14日目までに再構築された。次いで、これらの動物を、自家癌ワクチンのin vivo評価に使用する。これらのマウスを、以下のように、免疫のために4つの群に無作為に分割した:
A)N=5、10の照射した改変された腫瘍細胞であって、これらの腫瘍細胞は、上記したように、100U/ml IFN−γで48時間+50μg/ml BSAで24時間の処理によって改変した;
B)N=4、10の照射した改変された腫瘍細胞であって、これらの腫瘍細胞は、IFN−γでの72時間の処理によって改変した;
C)N=4、100μg/マウスのBSA;及び
D)N=4、PBS。
免疫及びチャレンジに使用した腫瘍細胞は、細胞系SW1116(HLA型A2、23、B44、60、DR11、13、52、DQ6、7)由来であった。免疫プロトコールを表7に示す。全ての群を、Ribiアジュバントを用いてi.p.免疫した。RiBiは、その毒性に起因して、第1の免疫でのみ使用した。
この研究の結果を表8及び図7に示す。これらの結果は、BSA又はPBS単独による免疫を受けている全てのマウスが、チャレンジの17日後までに検出可能な腫瘍を有したことを示している。対照的に、改変された癌細胞を受けているマウスは、チャレンジの17日後までに検出可能な腫瘍を有さず、5匹のうち2匹だけが、チャレンジの21日後までに検出可能な腫瘍を有した。
(例7)
この自家癌ワクチンをヒトにおいて試験した。細胞を、手術又は生検手順によって取得した。外科医は、肉眼で腫瘍細胞を含むように見えた腫瘍の小さい断片(最大約0.5cmまで)を収集した。針生検を使用した場合、複数の針サンプルを収集した。これらの細胞を、輸送培地(RPMI 1640、+20%FBS、+ペニシリン、+ストレプトマイシン又はゲンタマイシン、+10mMオキサロ酢酸、4.5mMピルバート、及び2.0U/mlインスリン(ヒト又はウシ))を含むチューブ中に即座に配置した。収集したサンプルを、収集の30分〜72時間後に細胞培養ラボで処理されるまで、氷上(約2〜8℃)に配置した。典型的には、腫瘍収集と腫瘍処理との間の時間は、約24時間未満であった。材料がラボに届くとすぐに、細胞を、冷RPMI 1640で3回洗浄し、ガラス粉砕、ハサミ又はメスを使用して機械的に解離させた。これらの細胞は、例えばトリプシンを使用して酵素的に解離させることもできたが、機械的解離は、表在性の細胞膜タンパク質を妨害しないので、これを使用した。いくつかの腫瘍は、腹水又は骨髄サンプルとして現れた。これらの場合、機械的解離は必要なかった。
解離した細胞を、いくつかのより小さい腫瘍断片と共に、VAP培地(RPMI 1640、+10%FBS、+ペニシリン、+ストレプトマイシン又はゲンタマイシン、+10mMオキサロ酢酸、4.5mMピルバート、及び2.0U/mlインスリン(ヒト又はウシ))を使用した培養物中に配置した。T25又はT75培養フラスコを使用した。少なくとも7×10細胞に達するまでの平均時間は28日間であったが、これらのサンプルでは、10〜91日間の範囲であった。培地を、腫瘍細胞の成長特徴に基づいて、3日毎又は必要に応じて交換した。
十分な細胞(少なくとも3つのコンフルエントなT25フラスコ)になったところで、1つのT25フラスコにつき、新たなVAP培地(7ml)1ml当たり1000IUのIFN−γを添加した。IFN−γを含む細胞を、37℃で48時間インキュベートした。次いで、これらの細胞を、5mlのRPMI 1640で3回洗浄し、RPMI 1640中50μg/mlのBSAと共に37℃でインキュベートした。BSA含有培地を除去し、VAP培地+1000U IFN−γ+50μg/mlのBSAで置き換え、さらに24時間インキュベートした。これらのインキュベーション時間後、細胞を、スクレーパーを使用して機械的に回収し、生理食塩水で5回洗浄した。洗浄した細胞を、無菌PBS中に再懸濁して、1ml当たり少なくとも1×10細胞が存在するようにし、1mlのマイクロチューブ中に配置した。各患者サンプルを、MHCI及びMHCIIの存在並びに利用可能な場合には表面腫瘍マーカーの存在を確認するために、フローサイトメトリーによって評価した。
次いで、サンプルを、200Gyの放射線によって照射した。次いで、照射した細胞を、それぞれ150μLの細胞(およそ10細胞)を含む7つ以上のマイクロチューブへと分割した。サンプル1及び2を含むチューブを、2〜8℃で冷蔵し、残りのサンプルを−80℃で凍結させた。10微生物のBCGを添加して(50μl)、2つの最初のサンプルについての最終容積を200μl(150μlの細胞+50μlのBCG)にした。次いで、これらのサンプルを、ツベルクリンシリンジに移し、上肢に皮内注射した。最初の2回の免疫を、7日間の間隔を挟んで、異なる腕に対して実施した。最初の免疫の前に、入手可能な場合、血液を、体液性及び細胞性免疫応答の分析のために収集した。
第3の用量のワクチンは、PBS中に希釈された照射された腫瘍細胞のみ(10細胞)を含み、第2の用量の7日後に接種した。第4の用量は、別の腕に、第3の用量と同じ方法で実施した。第5及び第6の用量は、30日間間隔で実施した。最後に、第7の用量を、第6の用量の3か月後に投与した。生物学的材料が入手可能な場合、引き続く用量を、患者の評価に依存して3か月毎又は2か月毎に投与した。臨床的及び生化学的評価を、各用量において実施した。標準的な癌処置を、全ての免疫手順の間維持した。遅延型過敏(DTH)反応が、BCGを含んだ最初の2つの用量を除いて、各免疫の24時間後、48時間後又は72時間後に測定された。ワクチンを、表9に示すように、多くの患者及び腫瘍部位から首尾よく調製した。
首尾よいワクチン調製の後、ワクチンを使用してヒトを処置したところ、安全且つ有効であることが見出された。この研究の結果を表10及び対応する図8に示す。
(例8)
前立腺癌を有する5人の患者についての臨床試験の症例研究がここに記載され、ワクチン接種の前、その間及びその後の彼らの前立腺特異的抗原(PSA)測定値が提供される。ワクチン調製及び処置は、例7と同様であった。
患者1:
患者1を、手術の269日後に開始して、月に1回を基礎としてホルモン遮断治療で処置した。第1の用量の自家癌ワクチンを、441日目に提供し、引き続く用量を、448日目、454日目、461日目、491日目、521日目及び611日目に提供した。図9は、ホルモン遮断が、373日目に測定したとき、PSAレベルの低減を最初に引き起こしたが、それらは再度上昇し始め、463日目にピークに達したことを示している。自家癌ワクチンによる処置は、587日目及び651日目において、0.03の低さまでの、この患者におけるPSAレベルのさらなる持続した低減を引き起こした。
患者2:
患者2を、手術の14日後に開始して、月に1回を基礎としてホルモン遮断治療で処置した。第1の用量の自家癌ワクチンを、168日目に提供し、引き続く用量を、175日目、182日目、189日目、219日目、249日目及び339日目に提供した。図10は、ホルモン遮断が、138日目に測定したとき、PSAレベルの低減を最初に引き起こしたが、それらは再度上昇し始め、164日目にピークに達したことを示している。自家癌ワクチンによる処置は、402日目までPSAレベルのさらなる持続した低減を引き起こし、この時点でレベルは再度上昇し始めた。
患者3:
患者3を、外科的サンプル収集の6か月前に開始して、月に1回を基礎としてホルモン遮断治療で処置した。第1の用量の自家癌ワクチンを、68日目に提供し、引き続く用量を、74日目、79日目、86日目、107日目、146日目、236日目、400日目、520日目及び684日目に提供した。図11は、ホルモン抵抗性患者においてさえ、組み合わされたホルモン遮断及びワクチン接種処置が、この患者におけるPSAレベルの着実な低減を引き起こしたことを示している。
患者4:
患者4を、手術の0日後に開始して、月に1回を基礎としてホルモン遮断治療で処置した。第1の用量の自家癌ワクチンを、5日目に提供し、引き続く用量を、11日目、18日目、26日目、55日目、83日目及び173日目に提供した。図12は、組み合わされたホルモン遮断及びワクチン接種処置が、44日目の354の高さから、測定値を記録した最後の日である136日目の175の低さまでの、この患者におけるPSAレベルの低減を引き起こしたことを示している。
患者5:
患者5を、およそ30日目に手術の直後に開始して、月に1回を基礎としてホルモン遮断治療で処置した。第1の用量の自家癌ワクチンを、141日目に提供し、引き続く用量を、148日目、155日目、162日目及び192日目に提供した。図13は、組み合わされたホルモン遮断及びワクチン接種処置が、43日目の50.3の高さから、測定値を記録した最後の日である180日目の1.12の低さまでの、この患者におけるPSAレベルの低減を引き起こしたことを示している。
(例9)
本明細書に記載される自家癌ワクチンは、局所進行前立腺癌患者による最初の第I相試験において、安全であることが実証されている。この試験は、第IIb相に進んでいる。第IIb相研究の主要エンドポイントは、局所進行(T2及びT3)前立腺癌患者における臨床的応答(PSAレベル及び生存)であり、安全性及び免疫学的応答は二次エンドポイントであった。
方法:
107人の前立腺切除術患者由来の腫瘍細胞を収集した(HCPA−Porto Alegre−Brazil)。併存症因子と共にT4、T3又はT2の前立腺癌を有する63人(59%)の患者を登録した。23人の患者はワクチンを受け、40人はコントロール群中であった。ワクチン接種群は、より進行した腫瘍を有する患者から構成され、ワクチン接種群中の患者の83%は、コントロール群の35%と比較して、T3又はT4のいずれかの前立腺癌を有した。ワクチン接種群では、患者の22%がN+(局所リンパ節への伝播)であり、コントロール群では、患者の2.5%がN+であった。PSAの手術前平均は、ワクチン接種群では16.15ng/mlであり、コントロール群では15.74ng/mlであった。平均Gleasonスコアは、7.5(ワクチン接種)及び6.9(ワクチン接種なし)であり、年齢は類似の64歳(ワクチン接種なし)及び63歳(ワクチン接種)であった。
この自家癌ワクチンは、例7に従って調製し、皮内注射によって、4週間にわたり1週間に1回、次いで2か月間にわたり月に1回、次いで3か月後に1回与えた。最初の2つの用量の自家癌ワクチンは、アジュバントとしてBGCもまた含んだ。DTHを、BCGを含まないワクチン用量の48時間後に測定した。PBMCを、幾人かの患者において、T細胞増殖アッセイのためにベースライン及びD54において、アフェレーシスを介して収集した。臨床的追跡を実施し、全ての標準的な看護を全ての患者に与えた。
結果:
全体的な平均追跡は7年間であった。ワクチンに起因するグレード3又は4の毒性は留意されなかった。副作用は、グレード1又は2の注射部位反応に主に限定された。DTHは、ワクチン接種患者の73%において陽性(5mm以上)であった。癌関連の死亡率は、ワクチン接種群において4%(1/23)であり、非ワクチン接種群において10%(4/40)であった(図14A)。7年後の平均PSAレベルは、ワクチン接種群において20.4ng/mlであり、非ワクチン接種群において42ng/mlであった(図14B)。PSAは、5年間の追跡後に、ワクチン接種患者の70%(16/23)及び非ワクチン接種患者の42.5%(17/40)において、検出不能(0.04ng/ml未満)であった(p=0.03853)(図14C)。in vitroの特異的T細胞増殖が、ワクチン接種患者において実証された。
結論:
本明細書に記載される自家癌ワクチンは、安全で、十分に許容されるワクチンである。選択された患者において、臨床的活性及び免疫変化の証拠が存在する。
上記開示は、本発明を一般的に記載している。特定の用語が本明細書で使用されているが、かかる用語は、記述的な意味で意図され、限定を目的としていない。
全ての刊行物、特許及び特許出願は、各個々の刊行物、特許又は特許出願が、その全体が参照によって組み込まれると具体的且つ個々に示されるのと同じ程度まで、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明の好ましい実施形態が本明細書で詳細に記載されているが、本発明の精神又は添付の特許請求の範囲から逸脱することなしに、好ましい実施形態に対するバリエーションが行われ得ることが、当業者に理解される。

Claims (159)

  1. 単離された免疫原性癌細胞を作製する方法であって、
    ・対象から単離された癌細胞上のMHCIIの発現を誘導する工程;
    ・発現されたMHCIIに非自己抗原が結合するように、前記癌細胞を前記非自己抗原と共にインキュベートする工程;及び
    ・前記癌細胞を死滅させる工程、
    を含む上記方法。
  2. MHCII誘導後にMHCII陽性細胞を同定する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. MHCII陰性癌細胞から前記MHCII陽性癌細胞を分離して、前記MHCII陽性細胞を含む精製された組成物を取得する工程をさらに含む、請求項2に記載の方法。
  4. 対象から前記癌細胞を単離する工程をさらに含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記細胞が、生検手順の間又は腫瘍の外科的除去の間に単離される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記癌細胞を凍結保存する工程をさらに含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記細胞が、致死的照射、凍結保存剤の非存在下での凍結及び解凍、又は細胞傷害性化合物による処理によって死滅される、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記細胞が致死的照射によって死滅される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記MHCIIが、MHCII誘導剤を使用して前記癌細胞上で誘導される、請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記MHCII誘導剤がサイトカインである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記サイトカインが、IFN−α、IFN−β、IFN−γ、IL−4、IL−13、IL−23、TNF−α又はそれらの組み合わせである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記サイトカインがIFN−γである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記MHCII誘導剤がMHCII発現構築物である、請求項9に記載の方法。
  14. 前記MHCII誘導剤が、前記癌細胞と融合するMHCII発現細胞である、請求項9に記載の方法。
  15. 前記非自己抗原が非ヒト抗原である、請求項1から14までのいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記非自己抗原が、サイログロブリン、β−ガラクトシダーゼ、デキストラン、ポリリシン、ツベルクリン由来タンパク質、オボアルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒツジ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン又は魚類血清アルブミンなどの血清アルブミン、及びキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、並びにそれらの組み合わせから選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記非自己抗原がオボアルブミン又はKLHである、請求項9に記載の方法。
  18. 前記非自己抗原がBSAである、請求項9に記載の方法。
  19. 前記非自己抗原がウシ抗原ではない、請求項1から14までのいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記非自己抗原がBSAではない、請求項19に記載の方法。
  21. 前記誘導する工程が、BSAを含まない培地中である、請求項1から20までのいずれか一項に記載の方法。
  22. その細胞表面上にMHCI及びMHCIIの両方を発現する単離された免疫原性癌細胞であって、癌抗原が前記MHCIに結合し、非自己抗原が前記MHCIIに結合する上記細胞。
  23. 前記非自己抗原が非ヒト抗原である、請求項22に記載の細胞。
  24. 前記非自己抗原が、サイログロブリン、β−ガラクトシダーゼ、デキストラン、ポリリシン、ツベルクリン由来タンパク質、オボアルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒツジ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン又は魚類血清アルブミンなどの血清アルブミン、及びキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、並びにそれらの組み合わせから選択される、請求項23に記載の細胞。
  25. 前記非自己抗原がオボアルブミン又はKLHである、請求項24に記載の細胞。
  26. 前記非自己抗原がBSAである、請求項24に記載の細胞。
  27. 前記非自己抗原がウシ抗原ではない、請求項22に記載の細胞。
  28. 前記非自己抗原がBSAではない、請求項27に記載の細胞。
  29. その細胞表面上にMHCI及びMHCIIの両方を発現する単離された免疫原性癌細胞を含む免疫原性組成物であって、癌抗原が前記MHCIに結合し、非自己抗原が前記MHCIIに結合する上記組成物。
  30. 少なくとも1つの賦形剤、担体、緩衝液、安定剤又はそれらの組み合わせをさらに含む、請求項29に記載の組成物。
  31. 前記非自己抗原が非ヒト抗原である、請求項29又は30に記載の組成物。
  32. 前記非自己抗原が、サイログロブリン、β−ガラクトシダーゼ、デキストラン、ポリリシン、ツベルクリン由来タンパク質、オボアルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒツジ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン又は魚類血清アルブミンなどの血清アルブミン、及びキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、並びにそれらの組み合わせから選択される、請求項31に記載の組成物。
  33. 前記非自己抗原がオボアルブミン又はKLHである、請求項32に記載の組成物。
  34. 前記非自己抗原がBSAである、請求項32に記載の組成物。
  35. 前記非自己抗原がウシ抗原ではない、請求項29又は30に記載の組成物。
  36. 前記非自己抗原がBSAではない、請求項35に記載の組成物。
  37. 前記組成物中の細胞の総数に基づいて、約5%〜約100%のMHCII陽性癌細胞を含む、請求項29から36までのいずれか一項に記載の組成物。
  38. 少なくとも約50%のMHCII陽性癌細胞を含む、請求項37に記載の組成物。
  39. 少なくとも約90%のMHCII陽性癌細胞を含む、請求項38に記載の組成物。
  40. 少なくとも約99%のMHCII陽性癌細胞を含む、請求項39に記載の組成物。
  41. その細胞表面上にMHCI及びMHCIIの両方を発現する単離された免疫原性癌細胞を含む自家癌ワクチンであって、癌抗原が前記MHCIに結合し、非自己抗原が前記MHCIIに結合する上記ワクチン。
  42. 少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、請求項41に記載のワクチン。
  43. 前記アジュバントが、モノホスホリルリピドA/合成トレハロースジコリノミコラート(MPL−TDM)、AS021/AS02、非イオン性ブロックコポリマーアジュバント、CRL 1005、リン酸アルミニウム、AIPO)、R−848、イミキモド、PAM3CYS、ポリ(I:C)、ロキソリビン、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)、コリネバクテリウム・パルバム(corynebacterium parvum)、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、コレラ毒素由来抗原、CTA 1−DD、リポ多糖アジュバント、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、サポニン、鉱物ゲル、水酸化アルミニウム、界面活性物質、リゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、水中の油又は炭化水素乳濁物、MF59、Montanide ISA 720、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ジニトロフェノール及びそれらの組み合わせから選択される、請求項42に記載のワクチン。
  44. 前記アジュバントがBCGである、請求項43に記載のワクチン。
  45. 少なくとも1つの賦形剤、担体、緩衝液、安定剤又はそれらの組み合わせをさらに含む、請求項41から44までのいずれか一項に記載のワクチン。
  46. 前記非自己抗原が非ヒト抗原である、請求項41から45までのいずれか一項に記載のワクチン。
  47. 前記非自己抗原が、サイログロブリン、β−ガラクトシダーゼ、デキストラン、ポリリシン、ツベルクリン由来タンパク質、オボアルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒツジ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン又は魚類血清アルブミンなどの血清アルブミン、及びキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、並びにそれらの組み合わせから選択される、請求項46に記載のワクチン。
  48. 前記非自己抗原がオボアルブミン又はKLHである、請求項47に記載のワクチン。
  49. 前記非自己抗原がBSAである、請求項47に記載のワクチン。
  50. 前記非自己抗原がウシ抗原ではない、請求項41から45までのいずれか一項に記載のワクチン。
  51. 前記非自己抗原がBSAではない、請求項50に記載のワクチン。
  52. 前記ワクチン中の細胞の総数に基づいて、約5%〜約100%のMHCII陽性癌細胞を含む、請求項41から51までのいずれか一項に記載のワクチン。
  53. 少なくとも約50%のMHCII陽性癌細胞を含む、請求項52に記載のワクチン。
  54. 少なくとも約90%のMHCII陽性癌細胞を含む、請求項53に記載のワクチン。
    [請求項53]
    少なくとも約99%のMHCII陽性癌細胞を含む、請求項54に記載のワクチン。
    [請求項54]
    複数接種のための分割された用量で提供される、請求項41から53までのいずれか一項に記載のワクチン。
  55. 7つの分割された用量で提供される、請求項54に記載のワクチン。
  56. 各用量が、約1×10〜約1×10の癌細胞を含む、請求項41から55までのいずれか一項に記載のワクチン。
  57. 各用量が約1×10の癌細胞を含む、請求項56に記載のワクチン。
  58. 対象において癌を処置する方法であって、前記方法は、単離された免疫原性癌細胞を前記対象に投与する工程を含み、前記細胞が、前記対象に対して自家であり、その細胞表面上にMHCI及びMHCIIの両方を発現し、癌抗原が前記MHCIに結合し、非自己抗原が前記MHCIIに結合する上記方法。
  59. 前記細胞が免疫原性組成物として製剤化される、請求項58に記載の方法。
  60. 前記細胞が癌ワクチンとして製剤化される、請求項58に記載の方法。
  61. 前記非自己抗原が非ヒト抗原である、請求項58から60までのいずれか一項に記載の方法。
  62. 前記非自己抗原が、サイログロブリン、β−ガラクトシダーゼ、デキストラン、ポリリシン、ツベルクリン由来タンパク質、オボアルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒツジ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン又は魚類血清アルブミンなどの血清アルブミン、及びキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、並びにそれらの組み合わせから選択される、請求項61に記載の方法。
  63. 前記非自己抗原がオボアルブミン又はKLHである、請求項62に記載の方法。
  64. 前記非自己抗原がBSAである、請求項62に記載の方法。
  65. 前記非自己抗原がウシ抗原ではない、請求項58から60までのいずれか一項に記載の方法。
  66. 前記非自己抗原がBSAではない、請求項65に記載の方法。
  67. 投与される細胞の総数に基づいて、投与される前記癌細胞のうち約5%〜約100%がMHCII陽性癌細胞である、請求項58から66までのいずれか一項に記載の方法。
  68. 投与される前記癌細胞のうち少なくとも約50%がMHCII陽性癌細胞である、請求項67に記載の方法。
  69. 投与される前記癌細胞のうち少なくとも約90%がMHCII陽性癌細胞である、請求項68に記載の方法。
  70. 投与される前記癌細胞のうち少なくとも約99%がMHCII陽性癌細胞である、請求項69に記載の方法。
  71. 前記細胞が、従来の化学療法、放射線療法、ホルモン療法及び生物療法のうち少なくとも1つと同時に又は逐次的に投与される、請求項58から70までのいずれか一項に記載の方法。
  72. 前記細胞が、外科的腫瘍切除の前又は後に投与される、請求項58から71までのいずれか一項に記載の方法。
  73. 前記細胞が複数用量で投与される、請求項58から72までのいずれか一項に記載の方法。
  74. 前記細胞が、所定数の週にわたって週に1回投与される、請求項73に記載の方法。
  75. 前記細胞が、進行中の維持療法として投与される、請求項73に記載の方法。
  76. 前記細胞が、週に1回、月に1回、3か月毎に1回、6か月毎に1回、年に1回又はそれらの組み合わせで投与される、請求項75に記載の方法。
  77. 前記細胞が、癌再発の徴候が観察される場合に投与される、請求項58から76までのいずれか一項に記載の方法。
  78. 対象において癌を処置するための、前記対象に対して自家の単離された免疫原性癌細胞の使用であって、前記細胞が、その細胞表面上にMHCI及びMHCIIの両方を発現し、癌抗原が前記MHCIに結合し、非自己抗原が前記MHCIIに結合する上記使用。
  79. 前記細胞が免疫原性組成物として製剤化される、請求項78に記載の使用。
  80. 前記細胞が癌ワクチンとして製剤化される、請求項78に記載の使用。
  81. 前記非自己抗原が非ヒト抗原である、請求項78から80までのいずれか一項に記載の使用。
  82. 前記非自己抗原が、サイログロブリン、β−ガラクトシダーゼ、デキストラン、ポリリシン、ツベルクリン由来タンパク質、オボアルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒツジ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン又は魚類血清アルブミンなどの血清アルブミン、及びキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、並びにそれらの組み合わせから選択される、請求項81に記載の使用。
  83. 前記非自己抗原がオボアルブミン又はKLHである、請求項82に記載の使用。
  84. 前記非自己抗原がBSAである、請求項82に記載の使用。
  85. 前記非自己抗原がウシ抗原ではない、請求項78から80までのいずれか一項に記載の使用。
  86. 前記非自己抗原がBSAではない、請求項85に記載の使用。
  87. 細胞の総数に基づいて約5%〜約100%のMHCII陽性癌細胞の使用を含む、請求項78から86までのいずれか一項に記載の使用。
  88. 少なくとも約50%のMHCII陽性癌細胞の使用を含む、請求項87に記載の使用。
  89. 少なくとも約90%のMHCII陽性癌細胞の使用を含む、請求項88に記載の使用。
  90. 少なくとも約99%のMHCII陽性癌細胞の使用を含む、請求項89に記載の使用。
  91. 前記細胞が、従来の化学療法、放射線療法、ホルモン療法及び生物療法のうち少なくとも1つと同時に又は逐次的に使用するためのものである、請求項78から90までのいずれか一項に記載の使用。
  92. 前記細胞が外科的腫瘍切除の前又は後に使用するためのものである、請求項78から91までのいずれか一項に記載の使用。
  93. 前記細胞が複数用量で使用するためのものである、請求項78から92までのいずれか一項に記載の使用。
  94. 前記細胞が、所定数の週にわたって週に1回使用するためのものである、請求項93に記載の使用。
  95. 前記細胞が、進行中の維持療法として使用するためのものである、請求項93に記載の使用。
  96. 前記細胞が、週に1回、月に1回、3か月毎に1回、6か月毎に1回、年に1回又はそれらの組み合わせで使用するためのものである、請求項95に記載の使用。
  97. 前記細胞が、癌再発の徴候が観察される場合に使用するためのものである、請求項78から96までのいずれか一項に記載の使用。
  98. 患者が、単離された免疫原性癌細胞を用いた治療の候補であるかどうかを決定するための方法であって、前記方法は、
    ・対象由来の単離された癌細胞をMHCII誘導剤で処理する工程;及び
    ・前記癌細胞をスクリーニングして、発現されたMHCIIの存在を決定する工程、
    を含み、
    前記癌細胞上の発現されたMHCIIの存在が、前記患者が前記治療の候補であることを示す上記方法。
  99. 対象から前記癌細胞を単離する工程をさらに含む、請求項99に記載の方法。
  100. 前記細胞が、生検手順の間又は腫瘍の外科的除去の間に単離される、請求項99に記載の方法。
  101. 前記MHCII誘導剤がサイトカインである、請求項98又は100のいずれか一項に記載の方法。
  102. 前記サイトカインが、IFN−α、IFN−β、IFN−γ、IL−4、IL−13、IL−23、TNF−α又はそれらの組み合わせである、請求項101に記載の方法。
  103. 前記サイトカインがIFN−γである、請求項102に記載の方法。
  104. 前記MHCII誘導剤がMHCII発現構築物である、請求項98から100までのいずれか一項に記載の方法。
  105. 前記MHCII誘導剤が、前記癌細胞と融合するMHCII発現細胞である、請求項98から100までのいずれか一項に記載の方法。
  106. 癌を有する対象を免疫するための癌ワクチンであって、前記癌ワクチンは、前記対象に対して自家の単離された免疫原性癌細胞を含み、前記癌細胞は、MHCII誘導剤による処理とその後の非自己抗原とのインキュベーションとによって改変されることによって、その細胞表面上にMHCIIと関連して前記非自己抗原を提示しており、前記癌ワクチンが、増加した濃度のMHCII発現細胞を含むように精製されている上記癌ワクチン。
  107. 免疫原性抽出物を作製する方法であって、
    ・対象から単離された癌細胞上のMHCIIの発現を誘導する工程;
    ・発現されたMHCIIに非自己抗原が結合するように、前記癌細胞を前記非自己抗原と共にインキュベートする工程;及び
    ・前記癌細胞から、結合した非自己抗原を有する前記MHCIIを抽出する工程、
    を含む上記方法。
  108. 前記免疫原性抽出物が膜画分である、請求項107に記載の方法。
  109. 前記免疫原性抽出物が精製されたMHCIIを含む、請求項107に記載の方法。
  110. MHCII誘導後にMHCII陽性細胞を同定する工程をさらに含む、請求項107から109までのいずれか一項に記載の方法。
  111. MHCII陰性癌細胞から前記MHCII陽性癌細胞を分離して、前記MHCII陽性細胞を含む精製された組成物を取得する工程をさらに含む、請求項110に記載の方法。
  112. 対象から前記癌細胞を単離する工程をさらに含む、請求項107から111までのいずれか一項に記載の方法。
  113. 前記細胞が、生検手順の間又は腫瘍の外科的除去の間に単離される、請求項112に記載の方法。
  114. 前記癌細胞を凍結保存する工程をさらに含む、請求項107から113までのいずれか一項に記載の方法。
  115. 前記細胞が、致死的照射、凍結保存剤の非存在下での凍結及び解凍、又は細胞傷害性化合物による処理によって死滅される、請求項107から114までのいずれか一項に記載の方法。
  116. 前記細胞が致死的照射によって死滅される、請求項115に記載の方法。
  117. 前記MHCIIが、MHCII誘導剤を使用して前記癌細胞上で誘導される、請求項107から116までのいずれか一項に記載の方法。
  118. 前記MHCII誘導剤がサイトカインである、請求項117に記載の方法。
  119. 前記サイトカインが、IFN−α、IFN−β、IFN−γ、IL−4、IL−13、IL−23、TNF−α又はそれらの組み合わせである、請求項118に記載の方法。
  120. 前記サイトカインがIFN−γである、請求項119に記載の方法。
  121. 前記MHCII誘導剤がMHCII発現構築物である、請求項117に記載の方法。
  122. 前記MHCII誘導剤が、前記癌細胞と融合するMHCII発現細胞である、請求項117に記載の方法。
  123. 前記非自己抗原が非ヒト抗原である、請求項107から122までのいずれか一項に記載の方法。
  124. 前記非自己抗原が、サイログロブリン、β−ガラクトシダーゼ、デキストラン、ポリリシン、ツベルクリン由来タンパク質、オボアルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒツジ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン又は魚類血清アルブミンなどの血清アルブミン、及びキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、並びにそれらの組み合わせから選択される、請求項123に記載の方法。
  125. 前記非自己抗原がオボアルブミン又はKLHである、請求項117に記載の方法。
  126. 前記非自己抗原がBSAである、請求項117に記載の方法。
  127. 前記非自己抗原がウシ抗原ではない、請求項107から122までのいずれか一項に記載の方法。
  128. 前記非自己抗原がBSAではない、請求項127に記載の方法。
  129. 前記誘導する工程が、BSAを含まない培地中である、請求項107から128までのいずれか一項に記載の方法。
  130. 請求項22から28までのいずれか一項に記載の細胞の免疫原性抽出物であって、前記細胞由来の結合した非自己抗原を有するMHCIIを含む上記抽出物。
  131. 膜画分である、請求項130に記載の抽出物。
  132. 精製されたMHCIIを含む、請求項130に記載の抽出物。
  133. 請求項130から132までのいずれか一項に記載の抽出物を含む、免疫原性組成物。
  134. 少なくとも1つの賦形剤、担体、緩衝液、安定剤又はそれらの組み合わせをさらに含む、請求項133に記載の組成物。
  135. 請求項130から132までのいずれか一項に記載の抽出物を含む、自家癌ワクチン。
  136. 少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、請求項135に記載のワクチン。
  137. 前記アジュバントが、モノホスホリルリピドA/合成トレハロースジコリノミコラート(MPL−TDM)、AS021/AS02、非イオン性ブロックコポリマーアジュバント、CRL 1005、リン酸アルミニウム、AIPO)、R−848、イミキモド、PAM3CYS、ポリ(I:C)、ロキソリビン、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)、コリネバクテリウム・パルバム(corynebacterium parvum)、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、コレラ毒素由来抗原、CTA 1−DD、リポ多糖アジュバント、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、サポニン、鉱物ゲル、水酸化アルミニウム、界面活性物質、リゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、水中の油又は炭化水素乳濁物、MF59、Montanide ISA 720、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ジニトロフェノール及びそれらの組み合わせから選択される、請求項136に記載のワクチン。
  138. 前記アジュバントがBCGである、請求項137に記載のワクチン。
  139. 少なくとも1つの賦形剤、担体、緩衝液、安定剤又はそれらの組み合わせをさらに含む、請求項135から138までのいずれか一項に記載のワクチン。
  140. 対象において癌を処置する方法であって、前記方法は、請求項130から132までのいずれか一項に記載の抽出物を前記対象に投与する工程を含み、前記細胞が、前記対象に対して自家である上記方法。
  141. 前記抽出物が免疫原性組成物として製剤化される、請求項140に記載の方法。
  142. 前記抽出物が癌ワクチンとして製剤化される、請求項140に記載の方法。
  143. 前記抽出物が、従来の化学療法、放射線療法、ホルモン療法及び生物療法のうち少なくとも1つと同時に又は逐次的に投与される、請求項140から142までのいずれか一項に記載の方法。
  144. 抽出物が、外科的腫瘍切除の前又は後に投与される、請求項140から143までのいずれか一項に記載の方法。
  145. 前記抽出物が複数用量で投与される、請求項140から144までのいずれか一項に記載の方法。
  146. 前記抽出物が、所定数の週にわたって週に1回投与される、請求項145に記載の方法。
  147. 前記抽出物が、進行中の維持療法として投与される、請求項145に記載の方法。
  148. 前記抽出物が、週に1回、月に1回、3か月毎に1回、6か月毎に1回、年に1回又はそれらの組み合わせで投与される、請求項147に記載の方法。
  149. 前記抽出物が、癌再発の徴候が観察される場合に投与される、請求項140から148までのいずれか一項に記載の方法。
  150. 対象において癌を処置するための、請求項130から132までのいずれか一項に記載の抽出物の使用であって、前記細胞が前記対象に対して自家である上記使用。
  151. 前記抽出物が免疫原性組成物として製剤化される、請求項150に記載の使用。
  152. 前記抽出物が癌ワクチンとして製剤化される、請求項150に記載の使用。
  153. 前記抽出物が、従来の化学療法、放射線療法、ホルモン療法及び生物療法のうち少なくとも1つと同時に又は逐次的に使用するためのものである、請求項150から152までのいずれか一項に記載の使用。
  154. 前記抽出物が、外科的腫瘍切除の前又は後に使用するためのものである、請求項150から153までのいずれか一項に記載の使用。
  155. 前記抽出物が複数用量で使用するためのものである、請求項150から154までのいずれか一項に記載の使用。
  156. 前記抽出物が、所定数の週にわたって週に1回使用するためのものである、請求項155に記載の使用。
  157. 前記抽出物が、進行中の維持療法として使用するためのものである、請求項155に記載の使用。
  158. 前記抽出物が、週に1回、月に1回、3か月毎に1回、6か月毎に1回、年に1回又はそれらの組み合わせで使用するためのものである、請求項157に記載の使用。
  159. 前記抽出物が、癌再発の徴候が観察される場合に使用するためのものである、請求項150から158までのいずれか一項に記載の使用。
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