下記に開示された実施様態は、網羅的だったり、後述する詳細な説明に開示されている正確な形態に本発明を制限したりしようとする意図ではない。寧ろ、開示された実施形態における教示を本技術分野における通常の技術者が活用できるよう、実施様態が選択され、説明されている。
後述する詳細な説明は、英数字または他の情報を表すコンピュータメモリ内でデータビット上の作動に対するアルゴリズム及び記号表現に部分的に提示されている。特定のスキャニング法を利用し、特定形態と相対的な方向及び大きさを備えているハードウェアコンポーネントが示されているが、一般的な場合、通常の技術者であれば本発明の教示内で様々な特定形態、方向及びスキャニング法が使用できることを認識することができる。コンピュータは、映像データーを獲得して処理するインターフェースを含み、一般的に命令を行うプロセッサと、命令及びデータを保存するメモリとを含む。汎用コンピュータが、そのメモリ内に保存されている命令がエンコーディングされた一連のマシンを有する場合、かかるエンコーディングされた命令で作動するコンピュータは、特定形態のマシン、即ち、一連の命令により具体化された作動を行うよう、特別に構成されているコンピュータであり得る。命令の一部は、他のマシンの作動を制御する信号を生成するため、適用することができる。よって、命令の一部はそれらの制御信号を介して作動し、コンピュータ自体から遠く離れている素材を変形させることができる。これらの説明及び再現は、データ処理分野における通常の技術者によって、彼らの作業内容をその分野における通常の技術者に最も効率よく伝達するに用いられる手段である。
本明細書において、そして一般的に、アルゴリズムは希望する結果を誘導する、一貫性ある一連の段階として認識されている。これらの段階は物理量を物理的に処理するのに要求され、手術部位の周辺物質を表すスキャニングされたデータを観察し、測定する段階である。必ずしも必要なものではないが、通常、それら量は、保存、転送、変形、組合、比較及び他に処理できる電気的若しくは磁気的パルスまたは信号の形態を有する。時々、主に便宜的使用との理由で、それらの信号を物理的アイテムや発現に対するレファレンスとしてビット、値、記号、文字、映像データ、ターム、数字などで呼ぶことが便利であると判明したが、物理的なアイテムや発現においてそれらの信号は、映像の基礎となるデータをキャプチャーするよう、具現或いは表現されている。しかし、それらまたは類似の用語は適切な物理量と関連しており、本明細書でそれらの量に適用される便利なラベルとして単に使用されていることに留意すべきである。
一部のアルゴリズムは情報を入力すると同時に希望する結果を生成するためにデータ構造を利用することができる。データ構造はデータ処理システムによるデータ管理を非常に促進させ、精巧なソフトウェアシステムを介さなければアクセスできない。データ構造はメモリの情報内容ではなく、寧ろメモリ内に保存された情報における物理的構造を付与し、発現する特定の電気的な構造的要素を表す。単なる抽象化を飛び越え、データ構造はメモリ内の特定の電気的または磁気的な構造的要素であって、同時に複雑なデータ、時々関連アイテムのデータモデリングの物理的特性を正確に表し、コンピュータの作動における効率性を増加させる。
更に、行われる処理作業は、通常、人間操作員によって行われる精神的動作に関連している、比較若しくは添加のような用語で時々言及されている。本発明の一部分を形成する、本発明で説明された任意の作動において、人間操作員のそのような能力は全く必要でない、若しくは殆どの場合に好ましくなく、かかる作動は機械作動である。本発明の作動を行うために有用な機械は、汎用デジタルコンピュータまたは他の類似の機器を含む。全ての場合において、コンピュータを作動する際の作動方法と、コンピュータ操作自体の方法の間の区別は認識されるべきである。本発明は、電気的または他の(例えば機械的、化学的)物理的信号を処理する際、他の希望する物理的発現または信号を生成するためにコンピュータを作動させる方法及び装置に関するものである。このコンピュータはソフトウェアモジュールで作動し、そのソフトウェアモジュールは一連の機械命令を表す媒体に保存されている信号の収集所(コレクション)であり、一連の機械命令はコンピュータプロセッサにアルゴリズム段階を具現する機械命令を行わせる。かかる機械命令は、プロセッサがその命令を具現するように解析する実際のコンピュータコードであっても良く、代わりとして実際のコンピュータコードを獲得できるように解析される、かかる命令の高級水準のコーディングであっても良い。ソフトウェアモジュールはまた、ハードウェアコンポーネントを含むことができるが、アルゴリズムの一部の様相は命令の結果としてではなく、回路自体によって行われる。
本発明はまた、それら作動を行うための装置に関する。この装置は、要求される目的のために特別に構成されても良く、コンピュータ内に保存されているコンピュータプログラムによって選択的に起動する、若しくは再構成される汎用コンピュータを含んでも良い。特定のハードウェアを必要とすると明示的に示されない限り、本明細書に提示するアルゴリズムは、如何なる特定コンピュータまたは他の装置とも本質的に関連するものではない。一部の場合において、コンピュータプログラムは特定のプロトコールで構成されている信号を介し、他のプログラムまたは道具と通信したり関連したりするが、相互作用できる特定のハードウェアまたはプログラミングを必要としたり、必要としなかったりし得る。特に、本明細書における教示に従って記録されたプログラムが備えられている多様な汎用マシンを使用することができ、または要求される方法段階を行うために更に特化した装置を構成する方が一層好都合であると判明されるかもしれない。様々なこれらマシンのために要求される構造は、下記の説明から明らかになるであろう。
本発明は「オブジェクト指向」ソフトウェア、特に「オブジェクト指向」運営体制を取り扱うことができる。この「客体指向」ソフトウェアは「オブジェクト」の内部で構成されるが、それぞれのオブジェクトはそのオブジェクト若しくはそのオブジェクトと一緒に発生する「イベント」で転送された「メッセージ」に応えて行われる様々な手順(方法)を記述するコンピュータ命令のブロックを含む。例えば、かかる作動は変数の処理、外部イベントによるオブジェクトの活性化、及び他のオブジェクトへの一つ以上のメッセージの伝達を含む。必ずしも必要なわけではないが、物理的オブジェクトは、物理的装置から観察されたデータを収集し、ソフトウェアシステムにその観察されたデータを転送できる相応するソフトウェアオブジェクトを有する。かかる観察されたデータは単に便利であるという点で物理的オブジェクト及び/またはソフトウェアオブジェクトからアクセスすることができる。従って、後述する説明で「実際のデータ」が使用される場合、かかる「実際のデータ」は計器自体からあっても良く、または相応するソフトウェアオブジェクト若しくはモジュールからあっても良い。
メッセージはプロセスを行うことができるある機能と知識を有するオブジェクトの間で転送及び受信される。メッセージはユーザーの命令に応じて発生するが、例えば、イベントを生成する「マウス」ポインターでアイコンを活性化させるユーザーによって発生する。また、メッセージはメッセージの受信に応じるオブジェクトによって発生し得る。オブジェクトのうちの一つのオブジェクトがメッセージを受信する際、そのオブジェクトは受信したメッセージに相応する作動(メッセージ手順)を行い、必要に応じて、その動作の結果を返す。それぞれのオブジェクトは、オブジェクト自体の内部状態(インスタンス変数)が保存され、他のオブジェクトのアクセスを許容しない領域を有する。オブジェクト指向システムの一つの特徴は、継承である。例えば、ディスプレイ上に「円」を描くためのオブジェクトは、ディスプレイ上に「外形」を描くための他のオブジェクトから機能と知識を継承することができる。
プログラマーは、個別のコードブロックを記録することにより、オブジェクト指向プログラミング言語で「プログラム化する」が、それぞれのコードブロックは、その方法を定義することでオブジェクトを生成する。メッセージにより相互通信するように適応されているこれらオブジェクトのコレクションは、オブジェクト指向プログラムを含む。オブジェクト指向コンピュータプログラミングは、対話型システムのモデリングを容易にするが、このモデリングでシステムのそれぞれのコンポーネントはオブジェクトにモデリングすることができ、それぞれのコンポーネントの行為は相応するオブジェクトの方法によってシミュレーションされ、コンポーネントの間の相互作用は、オブジェクトの間に転送されたメッセージによってシミュレーションされる。
操作員は、オブジェクトのうちの一つのオブジェクトにメッセージを転送することで、オブジェクト指向プログラムを含む相互関連したオブジェクトのコレクションを刺激することができる。メッセージを受信すると所定の機能を行うことにより、オブジェクトに反応させることができるが、所定の機能は一つ以上の別のオブジェクトに追加的なメッセージを転送することを含むことができる。その別のオブジェクトは順次に受信したメッセージに応じ、追加的な機能を行うことができるが、追加的な機能は更に多くのメッセージを転送することを含む。この方式において、順次的なメッセージと応答は、無限に続けられることができ、全てのメッセージが応答され、新しいメッセージが転送されなかったときに終了することができる。オブジェクト指向言語を活用するシステムをモデリングする際、プログラマーは、モデリングされたシステムのそれぞれのコンポーネントがどうして一つの刺激に反応するかだけについて考えればよく、一部の刺激に応じて行われる作動手順については考える必要がない。かかる作動手順は、本質的にその刺激に応答するオブジェクトの間における相互作用の結果から得られ、プログラマーによって予め定められる必要はない。
たとえオブジェクト指向プログラミングが、相互関連したコンポーネントシステムのシミュレーションを更に直観的になるようにすることはできるとしても、順次に構成されたプログラムの場合のように、通常、一つのオブジェクト指向プログラムによって行われる作動手順は、直ちに明確になるわけではないため、オブジェクト指向プログラムの作動は時々理解し難い。また、その作動の非常に明確な発現の観測を通じて、オブジェクト指向プログラムがどのように動作するかを決めることも容易ではない。一般的に、プログラムで相対的に少数の段階のみが、観察できるコンピュータ出力を生成するため、プログラムに応じ、コンピュータによって行われる殆どの作動は観察者に見えない。
後述する説明において頻繁に用いられるいくつかの用語は、本明細書の段落で特別な意味を有する。用語「オブジェクト」はコンピュータ命令及び関連したデータセットに関するものであって、ユーザーにより、直接的に若しくは間接的に活性化することができる。用語「ウィンドウ環境」、「ウィンドウ実行」及び「オブジェクト指向運営体制」は、ラスタースキャンされた動画ディスプレイにおいて、有界領域(bounded region)内でのように動画ディスプレイで情報が処理され、ディスプレイされるコンピュータユーザーインターフェースを示すために用いられる。用語「ネットワーク」「近距離通信網」、「LAN」、「広域通信網」、若しくは「WAN」はコンピュータの間でメッセージが転送できる方式で接続されている2台以上のコンピュータを意味する。かかるコンピュータネットワークにおいて、一般的にハードディスクドライブのような大きいストレージ装置とプリンター、若しくはモデムのような周辺装置を作動させることができる通信ハードウェアを備えたコンピュータである、1台以上のコンピュータは「サーバ」として作動する。「ワークステーション」という用語が用いられる他のコンピュータはユーザーにインターフェースを提供し、コンピュータネットワークのユーザーは共有データファイル、共通周辺装置及びワークステーションの相互間通信のようなネットワークリソースにアクセスすることができる。ユーザーはコンピュータプログラムまたはネットワークリソースを活性化し、「プロセス」を生成するが、そのプロセスは入力変数によって決定される特定の作動特性が備えられたコンピュータプログラムの一般的な作動とその環境を全て含む。プロセスに類似しているのがエージェントであるが(時々知能型エージェントと呼ばれる)、ユーザーの干渉なく、いくつかの周期的なスケジュールに従い、情報を収集する、若しくはいくつかの別のサービースを行うプロセスである。一般的にエージェントは、ユーザーによって通常提供されるパラメータを使用し、ネットワーク上のホストマシンまたは一部の別のポイントで位置を探索し、エージェントの目的に関する情報を収集し、その情報を周期的にユーザーに提示する。
用語「デスクトップ」はメニューを提示する、若しくはそのデスクトップに関連したユーザーのため、関連したセッティングを備えているオブジェクトをディスプレイする特定のユーザーインターフェースを意味する。デスクトップがネットワークリソースにアクセスする際、通常、遠隔サーバで実行できる応用プログラムが必要となるが、デスクトップは応用プログラムインターフェース、即ちAPIを呼び出して、ユーザーがネットワークリソースにコマンドを提供し、任意の出力を観測できるようにする。用語「ブラウザ」は、ユーザーに必ずしも明白ではないが、デスクトップとネットワークサーバの間にメッセージを転送し、ネットワークユーザーとのディスプレイ及び相互作用を担うプログラムのことを指す。ブラウザはコンピュータの汎世界的なネットワーク、即ち「ワールドワイドウェブ」、若しくは簡単に「ウェブ」でテキスト及びグラフィック情報を転送するための通信プロトコルを活用するよう、設計されている。本発明に常用できるブラウザの例は、マイクロソフト社で販売しているインターネットエクスプローラー(インターネットエクスプローラーは、マイクロソフト社の商標)、オペラソフトウェアASAで作ったオペラブラウザプログラム、またはモジラファウンデーションで配布しているファイアフォックスブラウザプログラム(ファイアフォックスは、モジラファウンデーションの登録商標)を含む。後述する説明はブラウザのグラフィックユーザーインターフェースという面でその作動を詳細に説明するが、本発明は、グラフィック基盤のブラウザの多い機能を有している、テキスト基盤のインターフェース、更には音声若しくは視覚的に活性化されたインターフェースにおいても実行することができる。
ブラウザディスプレイ情報は、全てスクリプティング言語である、標準汎用文書記述言語(SGML)若しくはハイパーテキスト文書記述言語(HTML)でフォーマットされており、特定のASCIIテキストコードを使用し、テキスト文書内に非視覚的コードを内蔵している。これらのフォーマットでのファイルは、インターネットのようなグローバル情報ネットワークを含む、コンピュータネットワークを渡り、容易に転送することができ、ブラウザがテキスト、映像をディスプレイできるようにし、音声及び映像の録音物を演奏できるようにする。ウェブは、これらのデータファイルフォーマットを活用し、通信プロトコルに協調してサーバとワークステーションの間でかかる情報を転送する。ブラウザはまた、拡張性文書記述言語(XML)のファイル内に提供されている情報をディスプレイできるよう、プログラム化できるが、XMLファイルがあれば様々な文書型定義(DTD)を使用することができるため、本質上、SGML若しくはHTMLより汎用的である。データ及びスタイルシートフォマッティングが別に含まれているため(フォマッティングは情報をディスプレイする方法として考えられるので、XMLファイルはデータに関連した方法を有する)、XMLファイルはオブジェクトに類推することができる。
前述で定義したように、用語「個人携帯情報端末」、または「PDA」は、コンピューティング、電話、ファクス、電子メール及びネットワーキングの特徴が結合されている任意の携帯用モバイル機器を意味する。用語「無線広域通信網」、または「WWAN」は、携帯用機器とコンピュータの間でデータ転送のための媒体として機能する無線ネットワークを意味する。用語「同期化」は、有線または無線のうち、一つを経由し、例えば携帯用機器の第1機器と、例えばデスクトップコンピュータの第2機器との間における情報交換を意味する。同期化は2つの機器におけるデータが同一(少なくとも同期化時点で)であることを保障する。
無線広域通信網において、通信はアナログ、デジタルセルラー、または個人携帯通信サービース(PCS)ネットワーク上の無線信号の転送を介して主に行われる。信号は、極超短波及び別の電磁気波を介しても伝達することができる。現在、殆どの無線データ通信は、符号分割多重接続(CDMA)、時分割多重接続(TDMA)、世界移動通信システム(GSM)のような2世代技術、3世代技術(ワイドバンド若しくは3G)、4世代(ブロードバンド若しくは4G)、個人デジタルセルラー(PDC)を使用したり、または高度携帯電話システム(AMPS)で使用されているセルラーデジタルパケットデータ(CDPD)のようなアナログシステムにおけるパケットデータ技術を通じたセルラーシステムを通じたりして発生する。
用語「無線応用プロトコル」または「WAP」は、小さいユーザーインターフェースが備えられた携帯用機器及びモバイル機器でウェブ基盤データの伝達及び提示を容易にする汎用仕様を意味する。「モバイルソフトウェア」は、応用プログラムが移動電話またはPDAのようなモバイル機器で具現できるようにするソフトウェア運営体制を指す。モバイルソフトウェアの例は、Java及びJava ME(JavaとJava MEはカリフォルニア州・サンタクララ所在のサンマイクロシステムズ社の商標)、BREW(BREWはカリフォルニア州・サンディエゴ所在のクアラコム社の登録商標)、Windows Mobile(Windowsはワシントン州・レドモンド所在のマイクロソフト社の登録商標)、Palm OS(Palmはカリフォルニア州・サニーベール所在のパーム社の登録商標)、Symbian OS(Symbianは英国・ロンドン所在のシンビアンソフトウェア社の登録商標)、ANDROID OS(ANDROIDはカリフォルニア州・マウンテンビュー所在のグーグル社の登録商標)、iPhone OS(iPhoneはカリフォルニア州・クパチーノ所在のアップル社の登録商標)、及びWindows Phone7がある。「モバイルアプリ」は、モバイルソフトウェアを用いて実行するように記録されたソフトウェアプログラムを指す。
用語「スキャン」、「基準レファレンス」、「基準位置」、「マーカー」、「トラッカー」及び「映像情報」は、本開示において特別な意味を有する。本開示の目的に関連し、「スキャン」またはその派生語は、Xレイ、磁気共鳴映像(MRI)、コンピュータ断層撮影(CT)、超音波検査、コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)または患者の定量的な空間表現を生成する任意のシステムを指す。用語「基準レファレンス」または単純に「基準」は、認識可能な固定ポイントとしてユニークに識別できるスキャン映像におけるオブジェクトまたはレファレンスを指す。本明細書において、用語「基準位置」は、基準レファレンスが取り付けられる有用な位置を指す。「基準位置」は、普通、手術部位に近い。用語「マーカー」または「トラッキングマーカー」は、外科または歯の手術位置に隣接したセンサーにより認識できるオブジェクトまたはレガレンスを指すが、ここでセンサーは、光センサー、無線IDタグ(RFID)、音声感知センサー、紫外線若しくは赤外線センサーであっても良い。用語「トラッカー」は、マーカーの位置と、手術中、リアルタイムで連続的にマーカーの方向及び移動を決定できる機器、若しくは機器システムを指す。具現可能な例として、例えばマーカーが印刷されたターゲットで構成されていれば、トラッカーは立体カメラのペアを含むことができる。本明細書において用語「映像情報」は、光学、若しくは別の方法でトラッカーによって取得される情報を説明するために用いられ、マーカーの位置と、手術中、リアルタイムで連続的にマーカーの方向及び移動を決定するため、用いることができる。
図1は、本発明に係るコンピューティング環境100の高水準のブロック図である。図1は、ネットワーク114により接続されているサーバ110と3つのクライアント112を例示している。説明を簡略、かつ、明確にできるよう、図1においては3つのクライアント112のみが示されている。コンピューティング環境100の実施様態は、例えばインターネットであるネットワーク114に接続されている数千、若しくは数万のクライアント112を有することができる。ユーザー(不図示)はクライアント112のうちの1つでソフトウェア116を作動させ、サーバ110及び関連した通信装備を経由し、ネットワーク114にメッセージとソフトウェア(不図示)を全て転送し、受信することができる。
図2はサーバ110、若しくはクライアント112を具現するに適切なコンピュータシステム210のブロック図である。コンピュータシステム210はバス212を含むが、バス212は、中央プロセッサ214、システムメモリ217(普通、RAMであるが、ROM、フラッシュRAM、若しくはその他のメモリも含むことができる)、入力・出力コントローラ218、音声出力インターフェース222を経由するスピーカシステム220のような外部音声機器、ディスプレイアダプタ226を経由するディスプレイスクリーン224、シリアルポート228、230、(キーボードコントローラ233で接続される)キーボード232、ストレージインターフェース234、フロッピーディスク238を収容し、作動するディスクドライブ237、ファイバーチャネルネットワーク290に接続され、作動するホストバスアダプタインターフェースカード235A、SCSIバス239に接続され、作動するホストバスアダプタインターフェースカード235B、及び光ディスク242を収容し、作動する光ディスクドライブ240のような外部機器のコンピューティングシステム210の主要なサブシステムを互いに接続する。また、マウス246(他のポイント・クリック機器、シリアルポート228を経由してバス212に接続)、モデム247(シリアルポート230を経由してバス212に接続)、及びネットワークインターフェース248(バス212に直接接続)が含まれている。
バス212は、中央プロセッサ214とシステムメモリ217との間でデータ通信を可能にさせるが、前述した通り、メモリはリードオンリーメモリ(ROM、不図示)若しくはフラッシュメモリ(不図示)、そしてランダムアクセスメモリ(RAM、不図示)を含むことができる。一般的にRAMは主メモリであって、運営体制及び応用プログラムがその中にローディングされる。ROMとフラッシュメモリは、他のソフトウェアコードの中でも基本入力・出力システム(BIOS)を含むことができるが、BIOSは、周辺コンポーネントとの相互作用のような基本的なハードウェア作動を制御する。コンピュータシステム210に常駐する応用プログラムは、一般的にハードディスクドライブ(例えば、固定ディスク244)、光ディスク(例えば、光ドライブ240)、フロッピーディスクユニット237、若しくは他のストレージ媒体のようなコンピュータ可読媒体に保存され、その媒体を経由してアクセスされる。更に、ネットワークモデム247、若しくはネットワークインターフェース248、若しくは他の通信装備(不図示)を経由し、応用プログラムにアクセスする際、応用プログラムは、応用及びデータ通信技術によって変調された電子信号の形であっても良い。
コンピュータシステム210の他のストレージインターフェースと同様に、ストレージインターフェース234は情報の保存及び/または検索のため、固定ディスクドライブ244のような標準コンピュータ可読媒体に接続することができる。固定ディスクドライブ244は、コンピュータシステム210の一部であっても良く、または別個に分離され、他のインターフェースシステムを介してアクセスすることができる。モデム247は、電話接続、またはインターネットサービース提供者(ISP、不図示)を経由するインターネットを介し、遠隔サーバへの直接接続を提供することができる。ネットワークインターフェース248はPOP(相互接続位置)を経由し、インターネットへの直接ネットワークリンクを介して遠隔サーバへの直接接続を提供することができる。ネットワークインターフェース248は無線技術を使用し、かかる接続を提供することができるが、無線技術はデジタルセルラー電話接続、セルラーデジタルパケットデータ(CDPD)接続、デジタル衛星データ接続、若しくは他の接続を含む。
図3A〜Iのハードウェアコンポーネントを含む、他の多くの機器、若しくはサブシステム(不図示)を類似の方式で接続することができるが(例えば、文書スキャナ、デジタルカメラなど)、これらはその代替として近距離通信網、広域通信網、無線通信網、若しくは通信システムを介して関連したコンピュータリソースと通信することができる。従って、一般的に本開示においてはハードウェアコンポーネントがコンピューティングリソースに直接接続されている実施形態を議論することができるが、本技術分野の通常の技術者は、かかるハードウェアはコンピューティングリソースと遠隔で接続できることが分かる。逆に、本開示を実行するため、図2に示す全ての機器が存在する必要はない。機器及びサブシステムは、図2に示したのとは異なる方法で相互接続することができる。図2に示したようなコンピュータシステムの作動は、当業界によく知られているので、本出願では詳細に説明しない。本開示を具現できるソフトウェアのソースコード及び/またはオブジェクトコードは、1つ以上のシステムメモリ217、固定ディスク244、光ディスク242、若しくはフロッピーディスク238のようなコンピュータ可読記憶媒体に保存することができる。コンピュータシステム210に提供される運営体制は多様である、または別バージョンのMS−DOS(MS−DOSはワシントン州・レドモンド所在のマイクロソフト社の登録商標)、WINDOWS(WINDOWSはワシントン州・レドモンド所在のマイクロソフト社の登録商標)、OS/2(OS/2はニューヨーク州・アーモンク所在のIBM社の登録商標)、UNIX(UNIXはイギリス・レディング所在のエックスオープン社の登録商業)、Linux(Linuxはオレゴン州・ポートランド所在のリーナストーバルズの登録商標)、若しくは他の公知されたり開発されたりした運営体制のうち、1つであり得る。
更に、本明細書で説明する信号に関し、通常の技術者であれば、信号が第1ブロックから第2ブロックに直接転送、または信号がそれらブロックの間で変調(例えば、増幅、減衰、遅延、ラッチ、バッファリング、反転、フィルターリング、若しくは他の変更)できることが分かる。前述した実施様態の信号は1つのブロックから次のブロックに転送されることが特徴とされているが、信号の情報及び/または機能の面がブロックの間で転送される限り、本開示の他の実施様態は、そのような直接転送された信号に代わって変調された信号を含むことができる。ある程度、関連した信号の物理的限界(例えば、一部の減衰及び遅延が必然的にあるはず)により、第2ブロックにおける信号入力は、第1ブロックからの第1信号出力に由来する第2信号として概念化することができる。従って、本明細書において、第1信号に由来する第2信号は、第1信号、または回路制限若しくは第1信号の情報及び/または機能の面を変えない他の回路素子の通過による、第1信号に対する任意の変調を含む。
本発明は、手術ハードウェア及びソフトウェアモニタリングシステム及び方法に関するものであって、例えば、患者が手術を準備する間、このシステムが手術部位をモデル化できるよう手術計画を可能にする。このシステムは、図3Aにおいて基準キー10と表示されている、特別に構成されるハードウェアピースを使用し、手術の重要領域(critical area)に対してモニタリングシステムのトラッキングマーカー12を一定方向に向かせる。基準キー10は意図された手術領域に隣接した位置に取り付けられるが、図3Aの歯の手術領域の例示的な実施形態において、基準キー10は歯の副木14に取り付けられている。トラッキングマーカー12はトラッキングポール11により、基準キー10に接続することができる。手術部位に関する映像情報を捕捉する適切なトラッカーに基準レファレンスが直接見える実施形態において(例えば、図5及び図6を参照)、トラッキングマーカーは基準レファレンスに直接取り付けることができる。例えば、歯の手術で、手術領域の近くに基準キー10を確実に位置付けすることができるよう、歯のトラッキングマーカー12を使用することができる。トラッカーによってトラッキングマーカー12から捕捉されたデータの持続的な映像処理のため、その基準キー10はレファレンスポイント、即ち、基点として使用することができる。
他の実施形態において、追加のトラッキングマーカー12は基準キー10及びその基準キーに関連した任意のトラッキングポール11、またはトラッキングマーカー12とは無関係のアイテムに取り付けることができる。
更に他の実施形態において、手術部位に隣接したアイテム、若しくは道具のうち、少なくとも1つは本発明のモニタリングシステムのためのトラッカーとして機能するよう取り付けられたトラッカーを有しており、トラッキングマーカー12及び手術領域のスキャンデータに対し、任意の追加のトラッキングマーカーの方向及び位置を感知する。一例として、道具に取り付けられているトラッカーは小型デジタルカメラであっても良い。例えば、歯医者用ドリルに取り付けられても良い。そのアイテム、若しくは道具に取り付けられたトラッカーによって追跡される任意の他のマーカーは、そのトラッカーの視界の中になければならない。
歯の手術の例を使用すると、手術部位の初期スキャンを得るため、患者はスキャニングされる。基準キー10の特定の形により、例えば、図2のコンピュータ210のプロセッサ214及びメモリ217、メモリ内に保存され、適切なコントローラで実行されるコンピュータソフトウェアは、スキャンデータから手術部位内でその相対的な位置を認識することができるので、基準キー10の位置及び方向を参照し、更なる観察を行うことができる。一部の実施形態において、基準レファレンスはスキャニングされた際、認識可能な識別象徴として明確なマーキングを含む。他の実施形態において、基準レファレンスは、スキャンで見える身体はスキャンの分析から明確に決定できる前面、後面、上面、下面及び左/右が定義されている特徴を示し、それによって基準レファレンスの位置はもちろん、その方向までも決定できるようにする非対称的な形を有しているという点で、区別される形状を含んでいる。
更に、コンピュータソフトウェアは、歯、顎骨、皮膚及び歯茎組織、他の手術道具などのようにスキャンにおけるオブジェクトを構成するための座標系を生成することができる。その座標系はスキャンの映像を基点周辺の空間に関連付けし、方向と位置、両方共によってマーカーが付けられた道具を位置付けする。モニタリングシステムにより生成されたこのモデルは、境界条件を点検するために使用することができ、トラッカーと協同してリアルタイムでその配置を適切なディスプレイ、例えば、図2のディスプレイ224上に表示する。
一つの実施形態において、コンピュータシステムは基準キー10の物理的な構成に関する所定の知識を有しており、基準キー10を位置付けするため、スキャンのスライス/セクションを点検する。基準キー10の位置付け作業は、その独特な形状に基づく、または基準キー上、若しくはトラッキングマーカー12のような基準キー10への取付物上ではっきりと識別され、かつ、方向性を有するマーキングに基づくことができる。基準キー10の構成において、放射線不透過性素材、若しくは高密度素材を採択した高い映像処理コントラストを通じ、基準キー10がスキャンではっきりと見えるようにすることができる。他の実施形態において、適切な高密度、若しくは放射線不透過性インク、若しくは素材を使用して、はっきりと識別され、方向性を有するマーキング素材を生成することができる。
基準キー10が識別されると、分割スキャンから基準キー10の位置及び方向が決定され、基準キー10内の1地点が座標系の中央に割り当てられる。そのように選択された地点は任意に選択することができ、またはその選択は数々の有用な基準に基づくことができる。モデルは続いて変形マトリクスの形に誘導され、基準システムに関連付けされるが、1つの特定実施形態において、基準キー10が手術部位の座標系に関連付けされる。その結果で生成される仮想の構造体は、意図されている手術の仮想モデリングのための手術手順計画ソフトウェアにより、使用することができ、手術ソフトウェアのための映像支援を提供し/提供したり手術手順を行うための経路をグラフに表したりするための、目的の道具を構成するための具現ソフトウェアにより、代替手段として使用することができる。
一部の実施形態において、モニタリングハードウェアは基準レファレンスへのトラッキング取付物を含む。歯の手術に関連する実施形態において、基準キー10へのトラッキング取付物はトラッキングマーカー12であるが、このトラッキングマーカー12はトラッキングポール11を介し、基準キー10に取り付けられている。トラッキングマーカー12は、特別な識別パターンを有することができる。例えば、トラッキングマーカー12のような追跡可能な取付物と、更に関連しているトラッキングポール11は、公知の構成を有しており、トラッキングポール11及び/またはトラッキングマーカー12から転送された観察データを座標系に正確に図解することができ、それにより、手術手順の進行をモニタリングして、記録することができる。例えば、特に図3Jに示すように、基準キー10は、トラッキングポール11のインサート17に締結されるよう特別に調整されている所定の位置にホール15を有することができる。例えば、かかる配置において、トラッキングポール11は小さい力で基準キー10のホール15内部に取り付けることができ、それにより、かかる取り付けが成功的に完了すると聴覚的な通知を与えることができる。
手術手順において、トラッキングポールの方向を転換することも可能である。例えば、歯の手術が口腔内の反対側の歯を扱う場合、外科医が手を取り替える場合及び/または2番目の外科医が手術の一部を行う場合、手術位置を変更するため、そのような方向転換があり得る。例えば、トラッキングポールの移動は、座標系に対するそのトラッキングポールの再登録のきっかけとなり得るため、その位置をそれに応じて調節することができる。例えば、歯の手術の実施形態の場合、取り付けられたトラッキングマーカー12を備えたトラッキングポール11が基準キー10のホール15から分離され、関連したトラッキングポールを備えた別のトラッキングマーカーが基準キー10の代替ホールに接続されるとき、かかる再登録が自動的に開始される。更に、ソフトウェアで境界条件が具現され、観察データがその境界領域にアクセスし、/アクセスしたり入ったりする際、ユーザーに通知することができる。
本発明を活用するシステムの更に他の実施形態において、本明細書で「ハンドピース」(図5及び図6)と命名される手術器具、若しくは手術道具は、座標系内に位置付けし、追跡できる独特な構成を有することができ、本明細書で説明するような適切なトラッキングマーカーを有することができる。仮想の素材との潜在的な衝突を示すための境界条件を設定することができ、ハンドピースが境界条件にアクセスすると感知された際、スクリーン上に表示が見える、或いはアラームサウンドが鳴り得る。それだけでなく、希望する手術領域を示せるよう、ターゲットの境界条件を設定することができるため、ハンドピースの経路がターゲット領域を離れる傾向にあるとき、そのハンドピースが希望経路を外れていることを示す表示が、スクリーン上に見える、或いはアラームサウンドが鳴り得る。
いくつかのハードウェアコンポーネントの代替的な実施形態が図3G〜Iに示されている。基準キー10´は適切な接続部を備えた接続要素を有しており、トラッキングポール11´が手術部位に対しトラッキングマーカー12´を位置付けするようにする。独特な形状を有しているが、概念的に基準キー10´は、前述の実施形態と非常に同一の方式でポール11´及びトラッキングマーカー12´に対するアンカーとして機能する。モニタリングシステムのソフトウェアは、それぞれ特別に識別される基準キー、トラッキングポール、トラッキングマーカーの構成を有するよう予めプログラムされており、その位置計算は変更された構成パラメータによって変更されるだけである。
規制要件及び実質的な考慮事項により、ハードウェアコンポーネントの素材は異なっても良い。一般的にキー、若しくは基準コンポーネントは、通常、放射線不透過性素材で製造されるため、スキャンのノイズを発生しないが、スキャニングされた映像上に認識できるコントラストを生成するため、それに関連した任意の識別パターンを認識することができる。更に、一般的に患者に配置されているため、その素材は軽量であって、患者に置かれた装置への接続に適合しなければならない。例えば、歯の手術の場合、基準キーの素材はプラスチック副木への接続に適合すべきであり、トラッキングポールへの接続に適合すべきである。手術の場合、基準キーの素材は皮膚、若しくは患者の他の特定組織への取り付けに適していなければならない。
それに限定されるものではないが、例えば、高コントラストのパターン彫刻を採択することで、トラッキングマーカーは鮮明に識別される。トラッキングマーカーの素材としては、オートクレーブ工程における損傷に耐性があり、コネクト構造への堅固で繰り返し可能、かつ迅速な接続に適合性のある素材が選択される。トラッキングマーカー及びそれに接続されたトラッキングポールは、異なる手術位置のための異なる位置に収容され得る性能を有しており、基準キーと同様、それらは患者の上部、若しくは患者に対し安定して配置されるため、相対的に軽量でなければならない。トラッキングポールも同様に、オートクレーブ工程に適合性がなければならず、トラッキングポールの中で共有された形のコネクターを有しなければならない。
基準キー、トラッキングポール及びトラッキングマーカーを追跡する際に使用されるトラッカーは、1.5m2サイズのオブジェクトを非常に正確に追跡できなければならない。限定されるものではないが、一例として、トラッカーはステレオカメラ、若しくはステレオカメラペアである。知覚的な入力を読み取りできるよう、一般的にトラッカーはワイヤによってコンピューティング装置に接続されるが、その知覚的なデータをコンピューティング装置に転送するため、選択的に無線接続を有することができる。
ハンドピースのように追跡可能な道具のピースを追加に採択する実施形態において、その追跡可能な道具のピースに取り付けられるトラッキングマーカーはまた軽量でなければならず、90°の間隔を持つ3つのオブジェクトアレイ内で作動できなければならない。また、高コントラストのパターン彫刻と、標準ハンドピースに対し堅固で迅速な装着メカニズムを選択的に有しなければならない。
本発明の他の側面において、図4A〜Cに例示したよう、手術活動を追跡するための自動登録方法が提示されている。限定されるものではないが、図4A及び図4Bは、スキャンデータから基準レファレンスの3次元位置及び方向を決定するための1つの方法のフローチャートである。図4Cは、トラッカーにより獲得された映像情報から適切なトラッキングマーカーの存在を確認し、その映像情報に基づいて基準レファレンスの3次元位置及び方向を決定するための方法を示すフローチャートである。
図4A及び図4Bに示すよう、過程が始まると(402)、システムは、例えばCTスキャンからスキャンデータセットを獲得し(404)、基点及び特別なスキャナモデルの知識に基づいてスキャンと共に提供される、或いは提供されない、基点に関するCTスキャンのデフォルトハンスフィールドユニット(HU)値をチェックし(406)、もしかかる閾値が存在しなければ一般化された所定のデフォルト値が採択される(408)。続いて、基準キー値に関連している予測値の範囲外のハンスフィールドデータ値で分割スキャンを除去することで、そのデータが処理され(410)、残っているポイントの収集が続く(412)。もしデータが空いていれば(414)CT閾値が調節され(416)、元の値が復元され(418)、分割スキャンの分割処理が続く(410)。データが空いていなければ、現存するデータを用いてマスの中央が計算され(420)、X・Y・Z軸の計算が行われる(422)。もしマスの中央がX・Y・Z軸の交差点になければ(424)ユーザーに通知され(426)、過程が終了する(428)。もしマスの中央がX・Y・Z軸の交差点にあれば(424)そのデータ地点は設計された基準データと比較される(430)。もし累積誤差が、許容される最大誤差より大きければ(432)ユーザーに通知され(434)、この過程は終了する(436)。累積誤差が、許容される最大誤差より大きくなければ、X・Y・Z軸の交差点で座標系が定義され(438)、スキャンプロファイルはHUユニットのためにアップデートされる(440)。
図4Cを参照すると、適切なカメラ若しくは別のセンサーであるトラッカーから映像が獲得される(442)。トラッキングマーカーが映像情報内に存在するかを決定するため、映像情報が分析される(444)。もし存在しなければ、この手順を続けるべきかどうかがユーザーに問われる(446)。続けない場合、この過程は終了する(448)。この過程が続く場合は、映像情報内でトラッキングマーカーが発見されなかったことがユーザーに通知され(450)、過程は映像情報を獲得する段階に戻る(442)。もし映像情報に基づきトラッキングマーカーが発見されたり、若しくは前述した通知により、ユーザーによってトラッキングマーカーが取り付けられたりしたら(450)、適切なデータベースから基準レファレンスに対するトラッキングマーカーのオフセット及び相対的な方向が獲得される(452)。用語「データベース」は、本明細書において形式的な多重要素、若しくは多次元データベースで構成されたか否かにかかわらず、かかる情報の任意のソース、量及び配置を説明するために用いられる。本発明のこの実施形態の簡単な具現において、オフセット値と相対的な方向を含む単一データセットが十分であり、その単一データセットは、例えばユーザーによって提供される、またはコントローラのメモリユニット内にある、若しくは分離されたデータベース、若しくはメモリ内にあり得る。
基準レファレンスで座標系の原点を定義し、映像情報に基づいた基準データの3次元方向を決定するため、トラッキングマーカーのオフセット及び相対的な方向が使用され(454)、登録過程が終了する(458)。基準レファレンスの位置と方向をリアルタイムでモニタリングできるよう、この過程は454の段階から繰り返され、カメラから新しい映像情報を獲得することができる(442)。ユーザーがこの過程を終了できるよう、適切なクエリが含まれても良い。映像データから所定の形状を有したり表示されたりしたトラッキングマーカーの方向及び位置を決定するための詳細な方法は、本技術分野の技術者に知られているので、ここでは説明しない。手術部位に隣接した、トラッキングマーカーが付けられた任意のアイテムの動きを追跡できるよう、このように誘導された座標系が使用される。他の登録システムも考えられるが、例えば所定のオフセットではなく、現在の他の知覚的なデータを使用する、若しくは基点が転送容量を持つようにすることである。
本発明の実施形態の一例が図5に示されている。所定の歯に堅固に取り付けられたトラッキングマーカー504を有する基準キー502の他にも、例えば歯用ドリルであるハンドピースの追加器具、若しくは道具506をモニタリングシステムのトラッカーとして機能するカメラ508により、観察することができる。
本発明の実施形態の他の例が図6に示されている。例えば、人間の腹や胸であり得る手術部位600は、トラッキングマーカー604を支持できるよう、所定の位置に固定されている基準キー602を有することができる。内視鏡606は別のトラッキングマーカーを有することができ、生検針608は手術部位においてトラッキングマーカーが付けられるよう、存在することができる。センサー610は、例えばカメラ、赤外線感知器、若しくはレーダーである。
図7Aに概略的に示す本発明の手術モニタリングシステムの更に他の実施形態において、基準キーは多重要素基準パターンを含むことができる。一つの実施形態において、この多重要素基準パターン710は、分離性パターンであっても良い。用語「分離性パターン」は、本明細書で位相的に相互組み合わせられ、連続的な完全なパターンを形成し、全体若しくは部分的に相互の間で一時的に分離できる複数の分割パターンを含むパターンを説明するために用いられる。用語「破綻性パターン」は、かかる分離性パターンを説明するための代替用語として用いられる。本発明の他の具現例において、多重要素基準パターン710の分割は連続的なパターンを形成しないが、その代わりに多重要素基準パターン710が手術部位の重要領域に隣接した患者の身体に適用されたとき、分割の互いに対し、その位置及び方向が知られる。多重要素基準パターン710が取り付けられる手術部位のスキャンデータに基づき、それぞれの分割パターン720は個別に位置することができる。
1つ以上の様々な方式で互いに区分される適切なトラッカー730のみにより、分割パターン720がユニークに識別できる。分割パターン720は、相互の間で区分できる形状を有しているため、これらの方向も識別させることができる。分割パターン720は1つ以上の様々な方式でユニークに表示することができる。この方式はバーコーディング、若しくは方向定義シンボルを含むが、それに限定されるものではない。マーキングは分割パターン720上にあっても良く、分割パターン720に取り付けられたトラッキングマーカー740上にあっても良い。マーキングは様々な方法により行うことができるが、彫刻若しくは印刷を含む。しかし、それに限定されるものではない。図7A及び図7Bに示す実施形態において、非限定的な例としてF、G、J、L、P、Q及びRの文字が用いられた。
多重要素基準パターン710及び分割パターン720、そしてそれらに取り付けられる任意のトラッキングマーカー740の素材は、規制要件と実際の考慮事項により様々であり得る。一般的に、キー、若しくは基準コンポーネントは、通常、放射線不透過性素材で製造され、スキャンのノイズを発生しないが、スキャニングされた映像上に認識可能なコントラストを生成するため、その素材に関連したいずれの識別パターンも認識することができる。トラッカー730によって更に明確に区分できるよう、多重要素基準パターン710と分割パターン720は、人間の皮膚と区分される着色差を有することができる。更に、その素材は一般的に患者に配置されているので、軽量でなければならない。また、その素材はオートクレーブ工程における損傷に耐性を持たなければならない。
手術部位の内部に多重要素基準パターン710を位置付けし、映像化するため、前述した任意の形を有する適切なトラッカーが使用される。多重要素基準パターン710の構築において、放射線不透過性素材や高密度素材の採択による高い映像コントラストを通じ、手術部位のスキャンで多重要素基準パターンがはっきりと見えるようにすることができる。他の実施形態において、適切な高密度素材、若しくは放射線不透過性インクを使用し、分割パターン720、若しくはトラッキングマーカー740上にはっきりと識別され、かつ、方向性を有するマーキングを生成することができる。それにより、分割パターン720の方向がスキャンデータに基づいて決定できるようにする。
手術過程で手術領域は位置及び方向における変化を受けることがある。例えば、かかる変化は患者の呼吸や動きの結果で起き得る。図7Bに示すよう、この過程で多重要素基準パターン710の分割パターン720は、その相対的な位置を変え、また、一般的にその相対的な方向を変える。分割パターン720の変更された位置及び方向を、手術前に行われたスキャンにおける位置及び方向に関連付けすることで、一般的に手術部位に隣接した患者身体の皮下の動きに関する情報を獲得するため、それらの変化に関する情報を使用することができる。
例として腹部手術を使用し、患者は、例えばXレイ、磁気共鳴映像(MRI)、コンピュータ断層撮影(CT)、若しくはコーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)によってスキャニングされ、手術部位の初期映像を獲得する。多重要素基準パターン710の独特な構造により、コンピュータソフトウェアは手術部位内でその相対的な位置を認識することができるため、多重要素基準パターン710の位置及び方向を全て参照し、その先の観察を行うことができる。実際にコンピュータソフトウェアは、皮膚、器官、骨及び他の組織のようなスキャン内のオブジェクトを構成するための座標系、適切なトラッキングマーカーが付けられた他の手術道具及び多重要素基準パターン710の分割720などを生成することができる。
一つの実施形態において、コンピュータシステムは多重要素基準パターン710の構成に関する所定の知識を有しており、分割パターン720の素材の放射線不透過密度、それらの形状及び独特なトラッキングマーカー740のうち、1つ以上に基づいて多重要素基準パターン710の分割パターン720を位置付けするため、手術部位のスキャンのスライスを検査する。分割パターン720の位置及び方向が決定されると、多重要素基準パターン710の内部、若しくは隣接した地点が座標系の中央に割り当てられる。このように選択された地点は任意に選択することができ、若しくはその選択は数々の有用な基準に基づくことができる。多重要素基準パターン710を手術部位の座標系に関連付けするため、変形マトリクスが誘導される。その結果で生成される仮想の構造体は、意図されている手術の仮想モデリングのための手術手順計画ソフトウェアによって使用することができ、手術ソフトウェアのための映像支援を提供し/提供したり手術手順を行うための経路をグラフに表したりするための目的の道具を構成するための具現ソフトウェアにより、代替手段として使用することができる。
手術過程において、身体が動くに従い、多重要素基準パターン710はその形状を変える。その過程で分割パターン720の相対的な位置と相対的な方向が変わる(図7A及び図7Bを参照)。また、その過程で別個の分割パターン720の保全性(integrity)が維持され、分割パターンはトラッカー730によって追跡され得る。そのトラッカーはステレオビデオカメラを含むが、それに限定されない。変形マトリクスを生成するため、変化した多重要素基準パターン710´を、初期の多重要素基準パターン710と比較することができる。従って、分割パターン720の再位置及び再方向設定は、手術部位の座標系内で連続的な基準に基づいて図解できる。図7A及び図7Bに全7つの分割パターン720が示されている。他の実施形態において、多重要素基準パターン710は、それより多い、若しくは少ない数の分割パターン720を含むことができる。本発明の本実施形態の手術モニタリングシステムが作動する間、分割パターン720の選択が採択され得る。多重要素基準パターン710の全ての分割パターン720が採択されるべきという制限はない。一例で、どれだけ多くの分割パターン720が採択されるべきかに対する決定は、行われる手術で要求される解像度、若しくは、例えば図2のコンピュータ210であり得るコントローラの処理速度に基づくことができる。
明確性を期するため、図7Aは分離性多重要素基準パターンを採択する。他の実施形態において、この多重要素基準パターンはデフォルトであって、図7Bのものと同じ分離性基準パターンを有することができる。手術過程で、患者の身体が手術部位の近くで形状を変えることにより、別個の分割パターン720は位置を変える。また、他の実施形態において、トラッキングマーカー740は存在しなくても良い。このトラッキングシステムは、分割パターンの固有形状に完全に基づいた分割パターン720の追跡に依存することができるが、対称中心の欠如のため、方向を決定することをそれ自体に付与することになる。既に指摘したように、他の実施形態において、一般的に分割パターン720はその周辺で位相的に結合し、連続的な表面を形成できることに制限されない。多重要素基準パターンの一般的な形状についても特に制限はない。
本発明の更に他の側面で、図8A、図8B、及び図8Cのフローチャートに示すように、多重要素基準パターン710を利用し、手術活動を追跡するための自動登録方法が提示されている。特に限定されるものではないが、図8Aと図8Bのように、スキャンデータから多重要素基準パターン710のうち、1つの分割の3次元位置及び方向を決定するための1つの方法がフローチャートである。図8Cは、多重要素基準パターン710の分割パターン720の変更された方向と位置に基づいて手術部位の空間的な歪みを決定するための方法のフローチャートを提示するが、手術部位の空間的な歪みを決定するにおいて採択されるべき全ての分割パターン720に、図8A及び図8Bに示す方法を適用した結果を利用している。原則的に、全ての分割パターン720を採択する必要はない。
図8A及び図8Bに示すように、過程が始まると(802)、システムは、例えばCTスキャナからスキャンデータセットを獲得し(804)、基点及び特別なスキャナモデルの知識に基づいてスキャンと共に提供される、或いは提供されない、基点に関するCTスキャンのデフォルトハンスフィールドユニット(HU)値をチェックする(806)。もしかかるデフォルト値が存在しなければ、一般化された所定のシステムデフォルト値が採択される(808)。続いて、基準キー値に関連している予測値の範囲外のハンスフィールドデータ値でスキャンのスライス、若しくは分割スキャンを除去することで、そのデータが処理され(810)、残っているポイントの収集が続く(812)。もしデータが空いていれば(814)CT閾値が調節され(816)、元のデータが復元され(818)、スキャンスライスの処理が続く(810)。データが空いていなければ、現存するデータを用いてマスの中央が計算され(820)、X・Y・Z軸の計算が行われる(822)。もしマスの中央がX・Y・Z軸の交差点になければ(824)ユーザーに通知され(826)、過程が終了する(828)。もしマスの中央がX・Y・Z軸の交差点にあれば(824)基点のパターンはデータと比較される(836)。もし累積誤差が、許容される最大誤差より大きければ(838)ユーザーに通知され(840)、この過程は終了する(842)。もし累積誤差が、許容される最大誤差より大きくなければ(838)X・Y・Z軸の交差点で座標系が定義され(844)、CTプロファイルはHUユニットのためにアップデートされる(846)。手術部位の空間的な歪みを決定する際、採択されるべき全ての分割パターン720に対し、図8A及び図8Bの過程が繰り替えされる。続いて、全ての分割パターン720の位置及び方向に関する情報が、図8Cの作業に記述された方法への入力に使用される。
図8Cを参照すると、カメラから映像情報が獲得され(848)、患者の身体における多重要素基準パターン710のうち、任意の特定分割720がその映像情報に存在するかどうかが決定される(850)。映像情報に特定分割720が存在しなければ、この過程を続けるべきかどうかがユーザーに問われる(852)。続けない場合、この過程は終了する(854)。この過程が続く場合は、映像情報内から特定分割720が発見されなかったとユーザーに通知され(856)、過程はカメラから映像情報を獲得する段階に戻る(848)。段階850で、映像情報内に特定分割のうち、1つが存在すれば、採択された全ての異なる分割パターン720が識別され、採択された全ての分割720の3次元位置及び方向は、映像情報に基づいて決定される(858)。映像情報に基づいて採択された全ての分割パターンに関する3次元位置及び情報は、スキャンデータに基づいた同一の分割パターンに関する3次元位置及び方向と比較される(860)。かかる比較に基づき、手術部位の空間的な歪みが決定される(862)。かかる歪みをリアルタイムでモニタリングできるよう、この過程はカメラから映像情報を獲得する段階(848)に復帰する。ユーザーがこの過程を終了できるよう、適切なクエリが含まれても良い(866)。映像データから所定の形状、若しくは表示を有するトラッキングマーカーの方向及び位置を決定するための詳細な方法は、本技術分野の技術者に知られているので、ここでは説明しない。
前述の方法によって、例えば、図2のコンピュータ210であるコントローラのソフトウェアは、多重要素基準パターン710を認識することができ、多重要素基準パターン710の識別と、多重要素基準パターン710から受信した観察データに基づいた多重要素基準パターンの形状変化に基づいて手術部位のモデルを計算することができる。それにより、多重要素基準パターン710に隣接した解剖学的な特徴の位置及び方向をリアルタイムで計算することができる。
本発明は例示的な設計を有するものとして説明したが、本発明は本開示の精神及び範囲内で更に変形することができる。従って、かかる応用は、その一般的な原則を用いて本発明の任意の変形、用途及び改造を含むことが意図される。更に、かかる応用は、本発明が属する技術分野における公知、または慣行の範囲であって、本開示からのかかる逸脱を含むことが意図される。