JP2015507938A - 部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有する栽培オリザ・サティバ(Oryzasativa)植物、およびその使用 - Google Patents

部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有する栽培オリザ・サティバ(Oryzasativa)植物、およびその使用 Download PDF

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Abstract

栽培オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物が提供される。前記栽培オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物は、部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有し、同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物と少なくとも同じくらいに稔性である。【選択図】図2A−2B

Description

本発明は、そのいくつかの実施形態において、部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有する栽培オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物、およびその使用に関する。
米は、単子葉植物オリザ・サティバ(Oryza sativa)(アジアイネ)またはオリザ・グラベリマ(Oryza glaberrima)(アフリカイネ)の種子である。栽培イネは、2倍体(2N=24)である。Li et al.2000 International Rice Research Notes 25:19−22によって記載されるように、4倍体の野生種もいくつか存在する。穀物穀粒として、米は、特に東アジア、東南アジア、南アジア、中東、および西インド諸国において、世界の人口の大部分のための最も重要な主食である。2009年のデータによれば、米は、トウモロコシおよびコムギに続く世界第三位の生産量の穀粒である。
トウモロコシ作物の大部分は、ヒトによる消費以外の目的のために栽培されるため、米は、ヒトの栄養およびカロリー摂取に関して最も重要な穀粒であり、人類によって世界で消費されるカロリーの5分の1以上を提供している。
イネは通常、一年性植物として生育するが、熱帯地域では、多年性として生存することができ、30年にわたって刈り株苗作物を生産することができる。イネ植物は、1〜1.8m(3.3〜5.9フィート)の高さまで生長することができるが、品種および土壌の肥沃度によってはそれ以上になることもある。イネ植物は、50〜100cm(20〜39インチ)の長さおよび2〜2.5cm(0.79〜0.98インチ)の幅の細長い葉を有する。小さな風媒花が、分岐したアーチ形に形成され、30〜50cm(12〜20インチ)の長さの垂下花序になる。食用の種子は、5〜12mm(0.20〜0.47インチ)の長さおよび2〜3mm(0.079〜0.12インチ)の厚さを有する穀粒(穎果)である。
イネ栽培は、労働コストが低くて降水量の多い国や地域に良く適合している。なぜなら、イネ栽培は、労働集約的であり、しかも豊富な水を必要とするからである。イネは、実際には、どこでも生育することができ、急勾配の丘や山でさえも生育することができる。イネの祖先種は南アジアおよびアフリカの特定の地域に自生しているが、何世紀にもわたる交易および輸出のため、イネは世界の多くの文化において一般的になっている。
今日、全ての生産される米の大部分は、中国、インド、インドネシア、パキスタン、バングラディシュ、ベトナム、タイ、ミャンマー、フィリピン、および日本から来ている。アジアの農家は、世界の総米生産の92%をなお占めている。
世界の米生産は、1960年の約2億トンの籾米から2009年の6億7800万トンの籾米まで着実に増大している。しかし、米生産は、なお遅延している。このギャップは、インドなどの国における劣った農耕システム技術および知識に由来する。それに加えて、多くの米穀粒生産国は、悪い道路、不適切な貯蔵技術、不十分な供給チェーン、および小さな小売商人によって支配される小売市場へ生産物を持っていく農家の無能力のため、農場での収穫後の有意な損失を有している。世界銀行とFAOの研究によれば、収穫後の問題および劣ったインフラストラクチャーのために、開発途上国では毎年、平均で8%〜26%の米が失われている。ある情報源によると、収穫後の損失は、40%を越える。これらの損失は、世界の食料保障を減少させるだけでなく、上記研究によれば、中国やインドなどの開発途上国の農家は、防止可能な収穫後の農家での損失、劣った輸送、適切な貯蔵および小売の欠如のために、約890億米国ドルを失っている。ある研究によれば、もし良好なインフラストラクチャーおよび小売ネットワークによってこれらの収穫後の穀粒の損失を排除することができれば、インドだけでも一年あたり7000万〜1億人の人々に供給できるだけの十分な食料を毎年節約できるだろう。
最近の研究によると、20世紀の終わりにおける温度の上昇および太陽放射の減少の結果として、米の収量増大率は、このような温度および太陽放射の傾向が生じなかった場合に観察されたであろう値と比較して、アジアの多くの国で減少していることが見出されている。収量の増大率は、ある場所では10〜20%も低下している。この研究は、タイ、ベトナム、ネパール、インド、中国、バングラディシュおよびパキスタンの227の農場からの記録に基づいている。この低下収量のメカニズムは不明であるが、暖かい夜の間の呼吸の増大、およびそれによる光合成を伴わないエネルギー消費が関与しているかもしれない。
従って、植物育種家の継続的な目標は、農業的に有利な安定した高収量のイネ品種を開発することである。
最近まで、農業的および質的形質についてのイネの遺伝的改良は、伝統的な植物育種方法および改良された栽培管理実務によって行われていた。組織培養および形質転換技術の発展は、イネを含む全ての主要な穀類のトランスジェニック植物の生産をもたらした。多倍数性の誘導は、植物の収量および質を改良するための手段として試みられている。
He et al.Planta 2010 232:1219−1228;およびCai et al.2007 Sci.China Ser C−Life Sci 50:3:356−366は、PMeSの遺伝的背景を有する4倍体イネを記載している。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有する栽培オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物であって、同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物と少なくとも同じくらいに稔性である栽培オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物が提供される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記植物は、以下の少なくとも一つによってさらに特徴付けられる:
(i)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の種子重量よりも高い種子重量;
(ii)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の作物収量と比較して高い作物収量;
(iii)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の止め葉幅と比較して増大された止め葉幅;
(iv)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の分蘖数と比較して高い分蘖数;
(v)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の光合成効率と比較して高い光合成効率。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記植物は、以下の少なくとも一つによってさらに特徴付けられる:
(i)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の種子重量よりも少なくとも1.75倍高い種子重量;
(ii)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の作物収量と比較して少なくとも15%高い作物収量;
(iii)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の止め葉幅と比較して少なくとも15%増大された止め葉幅;
(iv)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の分蘖数と比較して少なくとも15%高い分蘖数。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物およびそれに対して同質遺伝子型である前記植物は、PMeSの遺伝的背景を有さない。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記オリザ・サティバ(Oryza sativa)は、インディカ、ジャポニカ、香り米、およびもち米からなる群から選択される亜種のものである。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、本明細書に記載の植物を親先祖として有するハイブリッド植物が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、本明細書に記載の植物を含む作付け地が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、本明細書に記載の植物の種子を含む種まき地が提供される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記植物は、遺伝子非組換えである。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記稔性は、前記部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有する栽培オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の少なくとも3代目で示される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記植物は、同じ発達段階および生育条件のもとでの前記2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の植物あたり総穀粒数と少なくとも類似するような植物あたり総穀粒数を有する。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記植物は、同じ発達段階および生育条件のもとでの前記2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の全体的草丈と類似するか、それよりも高いか、またはそれよりも低い全体的草丈を有する。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記稔性は、植物あたりの種子の数;配偶子稔性アッセイ;およびアセトカルミン花粉染色のうちの少なくとも1つによって決定される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記植物は、4倍体である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記植物は、2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)または4倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)との交雑繁殖が可能である。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、本明細書に記載のオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の植物部位が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、本明細書に記載の植物または植物部位の加工された製造物が提供される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記加工された製造物は、食品、飼料、菌床、園芸作物におけるマルチング、紙、堆肥、建設資材およびバイオ燃料からなる群から選択される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記食品または飼料は、膨化米(puffed rice)、フレーク米(flake rice)、干米(parched rice)、麺類、シリアル、ケーキ、パン、スナック、クッキー、澱粉およびビスケットからなる群から選択される。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、本明細書に記載の植物または植物部位から製造される粗びき粉が提供される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記植物部位は、種子である。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、本明細書に記載のオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の単離された再生可能な細胞が提供される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記細胞は、培養における少なくとも3代の継代にわたるゲノム安定性を示す。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記細胞は、分裂組織、花粉、葉、根、根端、葯、めしべ、花、種子または茎に由来する。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、前記再生可能な細胞を含む組織培養物が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、本明細書に記載の植物を自家繁殖または交雑繁殖することを含む、オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の種子を産生する方法が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、植物育種技術を使用してハイブリッド植物を開発する方法であって、本明細書に記載の植物を自家繁殖および/または交雑繁殖のための育種材料の供給源として使用することを含む方法が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、
(a)本明細書に記載のオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物または植物部位の穀粒を収穫すること;および
(b)前記穀粒を加工してオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の粗びき粉を製造すること
を含む、オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の粗びき粉を製造する方法が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有するオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の種子を作製する方法であって、オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の種子を、一時的に加えられた磁場のもとでG2/M細胞周期阻害剤と接触させ、それにより、部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有するオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の種子を作製することを含む方法が提供される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記G2/M細胞周期阻害剤は微小管重合阻害剤を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記微小管重合阻害剤は、コルヒチン、ノコダゾール、オリザリン、トリフルラリンおよび硫酸ビンブラスチンからなる群から選択される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記方法は、前記G2/M細胞周期阻害剤との接触の前に種子をプライミング工程に供することをさらに含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記プライミング工程は、前記種子を超音波処理することを含む。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有するオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の代表的種子のサンプルであって、同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物と少なくとも同じくらいに稔性であり、ブダペスト条約に従ってNCIMBにNCIMB42084(インディカ/KR301−EP−4)で寄託されているサンプルが提供される。
本発明のいくつかの実施形態の1つの局面によれば、部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有する栽培オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の代表的種子のサンプルであって、同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物と少なくとも同じくらいに稔性であり、ブダペスト条約に従ってNCIMBにNCIMB42084(インディカ/KR301−EP−4)で寄託されているサンプルが提供される。
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語および/または科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載される方法および材料と類似または同等である方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および/または材料が下記に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。
本明細書では本発明のいくつかの実施形態を単に例示し添付の図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の実施形態を例示考察することだけを目的としていることを強調するものである。この点について、図面について行う説明によって、本発明の実施形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
図1A−1Bは、ヨウ化プロピジウム染色およびFACS分析によって検出された、コントロールの2倍体系統85(図1A)に対する示されたゲノム多重化系統(図1B)のDNA含有量を示すグラフである。 図1C−1Dは、ヨウ化プロピジウム染色およびFACS分析によって検出された、コントロールの2倍体系統85(図1A)に対する示されたゲノム多重化系統(図1C−1D)のDNA含有量を示すグラフである。 図1E−1Fは、ヨウ化プロピジウム染色およびFACS分析によって検出された、コントロールの2倍体系統85(図1A)に対する示されたゲノム多重化系統(図1E−1F)のDNA含有量を示すグラフである。 図1Gは、ヨウ化プロピジウム染色およびFACS分析によって検出された、コントロールの2倍体系統85(図1A)に対する示されたゲノム多重化系統(図1G)のDNA含有量を示すグラフである。
図2A−2Bは、4倍体(82−1)の種子の寸法を、その同質遺伝子型の2倍体系統(系統85)に対して示す写真の集合である。 図2Cは、4倍体(82−1)の種子の寸法を、その同質遺伝子型の2倍体系統(系統85)に対して示す写真の集合である。 図2D−2Eは、4倍体(82−1)の種子の寸法を、その同質遺伝子型の2倍体系統(系統85)に対して示す写真の集合である。
図3A−3Bは、PM−48M光合成モニター(図3A)、および自己締め付け葉チャンバLC−4A(図3B)を示す。
図4A−4Bは、光合成効率アッセイにおける2倍体の三枚の葉(図4A)および4倍体イネの一枚の葉(図4B)の写真である。葉チャンバ(LC)は、葉の寸法のための参照として与えられている。
図5は、保護箱内のLCを示す写真である。二つのLCが背中合わせに配置されていることに注意されたい。このようにして、一つのLCが遮光されたとき、同じ処理の他のLCが照射される。
従って、一日の同じ時間の異なる位置で、異なるPN値が、ひさしに沿った照射および日光スペクトル内で得られる。
図6は、日中の光合成に対する遺伝子型多重化の影響を示すグラフである(変換;10μMol CO−2−1=10kg CHO ha−1hr−1)。実線は、多倍数体イネを表わし、一方、破線は、同質遺伝子型の2倍体親を表わす。
図7は、一日の時間の関数としての累積的PNを示すグラフである。実線は、多倍数体イネを表わし、一方、破線は、同質遺伝子型の2倍体親を表わす。
本発明は、そのいくつかの実施形態において、部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有する栽培オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物、およびその使用に関する。
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、下記の説明に示される細部、または、実施例によって例示される細部に必ずしも限定されないことを理解しなければならない。本発明は他の実施形態が可能であり、あるいは、様々な方法で実施、または、実行される。また、本明細書中において用いられる表現法および用語法は説明のためであって、限定として見なされるべきでないことを理解しなければならない。
オリザ・サティバ(Oryza sativa)は、英語ではrice(イネ)と最も一般的に称される植物種である。オリザ・サティバ(Oryza sativa)は、最小の2倍体ゲノムを有する穀類であり、そのゲノムは、12本の染色体にわたるほんの430Mbからなる。オリザ・サティバ(Oryza sativa)は、遺伝的に容易に改変できることで有名であり、穀類の生物学のためのモデル生物である。穀物穀粒として、米は、特にアジアおよび西インド諸国において、世界の人口の大部分のための最も重要な主食である。2009年のデータによれば、米は、トウモロコシおよびコムギに続く世界第三位の生産量の穀粒である。米は、ビタミンB、食物繊維およびタンパク質の良好な供給源であるが、その主成分は、澱粉である。この澱粉は、エネルギーを提供し、それによって米を主食にしている。
植物育種家の継続的な目標は、農業的に有利な安定した高収量のオリザ・サティバ(Oryza sativa)ハイブリッドを開発することである。この理由は、陸上で生産される穀粒の量を最大にして、動物およびヒトの両方のための食料を供給するためである。
誘導された多倍数性が、オリザ・サティバ(Oryza sativa)の収量を増大させるために何十年も前から示唆されてきた。しかしながら、今日に至るまで、誘導された多倍数性は、劣った稔性を示すほんの少数のオリザ・サティバ(Oryza sativa)種について首尾よく成功しているだけである。
本発明者らは今回、ゲノム的に安定であり、かつ、同質遺伝子型である2倍体植物(祖先植物)と少なくとも同じくらいに稔性である植物をもたらす、オリザ・サティバ(Oryza sativa)における誘導されたゲノム多重化のための新規な手順を設計した。誘導された多倍数体植物は、望ましくないゲノム変異を有しておらず、また、同質遺伝子型の2倍体植物のものよりも大きい寸法および大きい重量の種子によって特徴づけられる。それに加えて、多倍数性イネは、同質遺伝子型である2倍体植物のものよりも増大された止め葉幅、高い分蘖数、および高い光合成効率によって特徴づけられる。それに加えて、多倍数性植物は、植物あたりの収量、生長力、稔性およびバイオマスの増大を示した。これらの理由から、本発明のいくつかの実施形態のオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物は、2倍体ゲノムを有する同質遺伝子型の祖先植物のものより高い生長力および収量を有するとみなされる(表2〜5(下記)を参照のこと)。これらの新しい形質が、より良好な気候順応性、ならびに、生物的ストレスおよび非生物的ストレスに対するより大きい耐性に寄与しているかもしれない。さらに、本発明の誘導された多倍数体植物を祖先親として有するハイブリッドのオリザ・サティバ(Oryza sativa)の種子は、世界的なオリザ・サティバ(Oryza sativa)の収量を雑種強勢発現のために増大させるかもしれない。加えて、本発明のいくつかの実施形態の誘導された多倍数体植物は、ゲノム多重化後のすでに初期世代(例えば、1代目、2代目、3代目または4代目)に由来する同質遺伝子型4倍体祖先植物の稔性と比較して類似するか、またはより良好な稔性を示し、このことは、稔性を改善するためのさらなる育種を不要にする。
したがって、本発明の1つの局面によれば、部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有する栽培オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物であって、同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物と少なくとも同じくらいに稔性である栽培オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物が提供される。
本明細書中で使用される場合、「オリザ・サティバ(Oryza sativa)」または「イネ(rice)」は、Oryzeae連のPoaceaeまたはGramineae科のBambusoideaeまたはEhrhartoideae亜科の栽培種Oryza sativaを示す。二つの栽培種は、Oryza sativaおよびOryza glaberrimaである。
例示的実施形態に従って本明細書中で企図されるイネの品種は、長い穀粒、短い穀粒、白色、茶色、赤色および黒色に言及する。
オリザ・サティバ(Oryza sativa)には、三つの主要な品種がある:
インディカ:インディカ品種は、例えばバシマティ(Basimati)イネのように長い穀粒を持ち、インド亜大陸で主に生育されている。
ジャポニカ:ジャポニカイネは、短い穀粒および高いアミロペクチン含有量(従って、調理されると、「粘り気」が出る)を持ち、日本のような一層気候が穏やかであるかまたは冷涼な地域で主に生育されている。
ジャバニカ:ジャバニカイネは、幅の広い穀粒を持ち、熱帯気候で生育される。
他の主な品種は、香り米およびもち米を含む。
1つの具体的な実施形態によれば、本明細書中で企図されるイネの品種は、インディカである。
1つの具体的な実施形態によれば、本明細書中で企図されるイネの品種は、ジャポニカである。
1つの具体的な実施形態によれば、本明細書中で企図されるイネの品種は、インディカバスマチックである。
各品種の中に、多くの栽培品種があり、それらはそれぞれ、特定の目的または地域のために好まれている。ジャポニカ品種は、最初にゲノム配列決定された品種であり、従って、本発明の焦点である。
本明細書中で使用される場合、用語「同質遺伝子型」は、実質的に同一の遺伝子型を有する(例えば、個体間で一つより多い遺伝子が異ならない)二つの植物個体(またはその植物部位、例えば、種子、細胞)を示す。
1つの具体的な実施形態によれば、本発明のオリザ・サティバ(Oryza sativa)種は、栽培オリザ・サティバ(Oryza sativa)である。本明細書中で使用される場合、用語「栽培(されている)」は、人間によって人工的に選択された、栽培植物化されたオリザ・サティバ(Oryza sativa)種を示す。本発明のいくつかの実施形態のオリザ・サティバ(Oryza sativa)種(ゲノム多重化の遺伝的源)は、天然では2倍体(n=12,2n=24)であり、主に自殖性である。
以下の例示的オリザ・サティバ(Oryza sativa)種が、本発明に従って使用されることができる。
オリザ・アウストラリエンシス(Oryza australiensis)
オリザ・バルチイ(Oryza barthii)
オリザ・グラベリマ(Oryza glaberrima)−アフリカイネ
オリザ・ラティフォリア(Oryza latifolia)
オリザ・ロンギスタミナタ(Oryza longistaminata)
オリザ・メリディオナリス(Oryza meridionalis)
オリザ・オフィシナリス(Oryza officinalis)
オリザ・プンクタタ(Oryza punctata)
オリザ・ルフィポゴン(Oryza rufipogon)−茶色の芒または赤米
オリザ・サティバ(Oryza sativa)−アジアイネ
オリザ・ニヴァラ(Oryza nivara)
いくつかの非限定的な商業品種の例が、以下に示される。
「カリフォルニアもち米」
このタイプの米は、甘米(sweet rice)、もち米(glutinous rice)、又はワキシー米(waxy rice)としても知られている。これらの名前は、あてにならない。もち米は、通常の米より少し甘いが、もち米は、甘くなく、多くの人の味覚は、いかなる甘味も検出しない。澱粉の性質は、ほぼ純粋なアミロペクチンであり、従って、もち米は、極めて粘着性である(日本では、毎年、新年の時期に何人かの人がもち米をのどに詰まらせて窒息死することが報告されている)。グルテンは、極めて粘着性のタンパク質の一種であるが(このことからglutinousという名前が生じた)、米にはグルテンは含まれていない。もち米は、ワキシーコーン(これもアミロペクチン含有量が極めて高い)の機能的特性の多くを有する。もち米は、ジャポニカタイプの米でもあり、約60℃のゼラチン化温度、及び約6.5%のタンパク質含有量を有する。もち米は、特殊な品種であり、カリフォルニアにおける小面積がこの品種の栽培のために使用されている。Sage V Foodsは、この品種のために農家と直接契約している。Sage V Foodsは、米国における米のこの品種についての市場開発のパイオニアのうちの一社であり、最大級の地所ベースの一つを制御し続けている。
「タイのジャスミン米」
タイからのジャスミン米は、強い香り及び独特の味を持つ香り米である。この米は、調理前後で南方の長粒米と同様に見えるが、アミロース含有量は約18%であり、従って食感は、カリフォルニア中粒米と同様に粘着性である。この米は、新米が収穫された後に最も良く消費される。この米は、時間が経過すると、食感が硬くなり、香りが失われる。このユニークなタイプの米を模倣した多くの品種が米国で栽培されている。これらの品種は、何十年にもわたって改良されてきたが、独特の食感、芳香及びタイのジャスミン米の食感を調和させることには今まで誰も成功していない。
「インドのバスマティ米」
インドのバスマティ米も、香り米であるが、その香り及び味は、タイのジャスミン米とは極めて異なる。ある人々は、その香りを「ポップコーンのような香り」と記述している。この米は、インド及びパキスタンの北部パンジャブ地方で栽培されており、(日本の米の人為的な高価格を計算に入れなければ)世界で栽培されているすべての米の品種の中でも最高価格で売られている。この米は、高アミロース含有量を有し、適切に調理されると、しっかりとしたほぼ乾燥した食感を有する。生の穀粒は、南方の長粒種と同様に長くてほっそりとしているが、わずかに小さい。この穀粒は、調理されると、三倍以上にも長さが増大し、極めて長いほっそりとした調理された穀粒を生じる。最高のインドのバスマティ米は、調理されたしっかりとした食感を増大させるために、及び調理で達成される伸長を増大させるために、少なくとも一年間熟成される。再び、多くの「ノックオフ」品種が米国で栽培されているが、本物のインドのバスマティ米を風味、香り、食感、及び外観について調和させることには今まで誰も成功していない。
「アルボリオ(arborio)米」
アルボリオ米は、リゾット料理に一般的に使用されるイタリアの米品種である。それは、外観及び食感の点で、カリフォルニア中粒品種に近い。それは、明らかな白亜色の中心を有する大きな穀粒である。適切に調理されると、アルボリオ米は、澱粉質の滑らかな表面及び中心のしっかりとした噛みごたえを有する独特の食感を生じる。イタリアの品種と同じくらい良質のアルボリオ米の品種がカリフォルニアで栽培されている。Sage V Foodsは、アルボリオ米のカリフォルニア品種を販売している。
「野生米(イネ)」
野生米(イネ)は、公式にはイネに分類されない。野生米(イネ)は、実際、長い茎を有し、深い水中で生長する異なるタイプのイネ科植物である。野生米(イネ)は、米国北部及びカナダ南部の湖で伝統的に栽培されていた。野生米(イネ)は、ミネソタ州及び他の北部地域で今もなおこの方法で栽培されている。アメリカインディアンは、野生米(イネ)をカヌーで収穫し、穀粒を干して(parched)いた(原始的な湯通し)。ミネソタ州からの野生米(イネ)の多くは今もなお、昔と同様の方法で収穫されて干されている。干すことにより、野生米は強い香りを獲得する。全ての野生米は、(玄米のように)穀粒にふすまを付着させた状態で販売され、このため、黒色の外観を有する。今日のカリフォルニアでは、野生米(イネ)は、機械的に栽培され、収穫され、次に現代的な方法を使用して湯通しされる。カリフォルニア米の品質は、一層堅実である。
米国における特殊な品種
米国では、一層特殊な米の品種がニッチ市場のために栽培されている。タイのジャスミン米及びインドのバスマティ米のような特性を有するように開発されたいくつかの米品種がある。ウェハニ(Wehani)、赤米、及び黒米のような通常でないふすまの色を有するいくつかの米品種もある。今日のカリフォルニアでは、秋田小町やコシヒカリなどのいくつかの日本の短粒品種も栽培されている。
「植物」は、植物全体またはその一部(例えば、種子、茎、実、葉、花、組織など)、加工物または非加工物(例えば、種子、粗びき粉、乾燥組織、ケーキなど)、再生可能な組織培養物またはそれから単離される細胞を示す。いくつかの実施形態によれば、植物の用語はまた、本明細書中で使用される場合、本明細書中下記においてさらに定義および説明されるように、誘導された多倍数体植物の1つをその先祖の少なくとも1つとして有するハイブリッドを示す。
本明細書中で使用される場合、「部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノム」は、少なくとも1つの染色体の付加(2n=又は>25)、または、少なくとも完全な染色体セット(n=12)の付加(これは、3倍体植物(3n=36)を生じさせる)、または4倍体植物(4N)もしくはそれ以上の植物を生じさせるゲノムの完全な多重化を示す。
本発明のゲノム多重植物はまた、本明細書中では「誘導された多倍数体」植物として示される。
1つの具体的な実施形態によれば、誘導された多倍数体植物は3Nである。
1つの具体的な実施形態によれば、誘導された多倍数体植物は4Nである。
1つの具体的な実施形態によれば、誘導された多倍数体植物は5Nである。
1つの具体的な実施形態によれば、誘導された多倍数体植物は6Nである。
1つの具体的な実施形態によれば、誘導された多倍数体植物は7Nである。
1つの具体的な実施形態によれば、誘導された多倍数体植物は8Nである。
1つの具体的な実施形態によれば、誘導された多倍数体植物は9Nである。
1つの具体的な実施形態によれば、誘導された多倍数体植物は10Nである。
1つの具体的な実施形態によれば、誘導された多倍数体植物は11Nである。
1つの具体的な実施形態によれば、誘導された多倍数体植物は12Nである。
1つの具体的な実施形態によれば、誘導された多倍数体植物は、ゲノム多重のハプロイド植物でない。
上述のように、誘導された多倍数体は、同じ(即ち、同一の)条件のもとで成長したときであって同じ(即ち、同一の)発達段階にあるとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)祖先植物と少なくとも同じくらいに稔性(例えば、90%以上)である。1つの具体的な実施形態によれば、かかる稔性レベルは、ゲノム多重化後の3代目で既に達成されるが、ゲノム多重化後の1代目又は2代目などの過程で既に示されることもあり得る。
本発明の教示による多倍数体の栽培イネは、4倍体である9つの公知の野生イネの種とは対照的である。
本明細書中で使用される場合、用語「稔性」は、有性生殖することができることを示す。稔性は、この技術分野で広く知られている様々な方法を使用してアッセイすることができる。代替において、稔性は、種子を結実することができることとして定義される。下記のパラメーターが、稔性を明らかにするためにアッセイされる場合がある:種子(穀粒)の数;配偶子の稔性が、スクロース基材上などでの花粉発芽によって明らかにされる場合がある;および、代替において、または、加えて、稔性の花粉が染色されるアセトカルミン染色。
本明細書中で使用される場合、用語「安定な」または用語「ゲノム安定性」は、数世代(例えば、3,5または10世代)を通して変わらないままであり、一方、植物が、下記パラメーター:収量(例えば、植物あたりの総種子重量、または単位面積あたりの総種子重量)、稔性、バイオマス、成長力のうちの少なくとも1つにおける実質的な低下を示さない、染色体または染色体複製体の数を示す。
1つの具体的な実施形態によれば、安定性は、典型的な子孫を生じさせ、これにより、多様性を強健に、かつ、一貫して保つこととして定義される。
本発明の1つの実施形態によれば、ゲノム多重植物は、起源植物に対して、すなわち、2倍体栽培イネ植物に対して同質遺伝子型である。ゲノム多重植物は、量においてではなく、質において2倍体植物と実質的に同じゲノム組成を有する。
1つの具体的な実施形態によれば、植物は、少なくとも2代、3代、5代、10代またはそれ以上の培養継代または植物全体の世代にわたるゲノム安定性を示す。
1つの具体的な実施形態によれば、本発明の部分的ゲノム多重または完全ゲノム多重植物(多倍数体)は、以下の少なくとも一つによってさらに特徴付けられる:
(i)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の種子重量よりも高い種子重量;
(ii)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の作物収量(植物あたりの収量)と比較して高い作物収量(植物あたりの収量);
(iii)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の止め葉幅と比較して増大された止め葉幅;
(iv)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の分蘖数と比較して高い分蘖数;
(v)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の光合成効率と比較して高い光合成効率。
1つの具体的な実施形態によれば、本発明の部分的ゲノム多重または完全ゲノム多重植物(多倍数体)は、以下の少なくとも一つによってさらに特徴付けられる:
(i)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の種子重量よりも少なくとも1.75倍高い種子重量;
(ii)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の作物収量(植物あたりの収量)と比較して少なくとも15%高い作物収量(植物あたりの収量);
(iii)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の止め葉幅と比較して少なくとも15%増大された止め葉幅;
(iv)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の分蘖数と比較して少なくとも15%高い分蘖数。
1つの具体的な実施形態によれば、多倍数体植物は、i+ii,i+iii,i+iv,i+v,ii+iii,ii+iv,ii+v,iii+iv,iii+vおよびiv+vのうちの少なくとも2つによって特徴付けられる。
1つの具体的な実施形態によれば、多倍数体植物は、i+ii+iii,i+iii+iv,i+iii+v,ii+iii+ivのうちの少なくとも2つによって特徴付けられる。
1つの具体的な実施形態によれば、多倍数体植物は、i+ii+iii+iv+vによって特徴付けられる。
本発明のいくつかの実施形態によれば、成熟したゲノム多重植物は、同じ条件のもとで成長したその同質遺伝子型2倍体祖先と少なくともほぼ同じ(+/−10%)数の種子を有する;代替において、または、加えて、ゲノム多重植物は、アセトカルミンによって染色される少なくとも90%の稔性花粉を有する;代替において、または、加えて、種子の少なくとも90%がスクロース上で発芽する。本発明の教示に従って作製される4倍体植物は、同質遺伝子型の祖先植物の総収量/植物よりも少なくとも10%、15%、20%、25%、30%または35%大きい総収量/植物を有する。1つの具体的な実施形態によれば、収量は、下記の式を使用して測定される:
植物あたり収量=総穀粒数/植物 × 穀粒重量
本発明のゲノム多重植物の形質(例えば、稔性、収量、バイオマスおよび成長力)を特徴づけるために行われる比較アッセイは典型的には、その同質遺伝子型祖先(以降、「2倍体祖先オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物」(例えば、「系統85」))との比較において、両者が、同じ発達段階のものであり、かつ、両者が、同じ生育条件のもとで成長させられるときに行われる。
1つの具体的な実施形態によれば、ゲノム多重植物は、同じ発達段階であり、かつ、同じ生育条件のもとで成長させられる2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)同質遺伝子型祖先植物の分蘖数と少なくとも類似するような分蘖数によって特徴づけられる。1つの具体的な実施形態によれば、分蘖数が、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%(表5参照)多くなる。
1つの具体的な実施形態によれば、ゲノム多重植物は、同じ発達段階であり、かつ、同じ生育条件のもとで成長させられる2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)同質遺伝子型祖先植物の植物あたりの総穀粒重量と少なくとも類似するような植物あたりの総穀粒重量によって特徴づけられる。1つの具体的な実施形態によれば、植物あたりの総穀粒重量が、少なくとも1.75倍、1.4〜2または1.5〜1.75,1.75〜2,1.75〜2.5,1.8〜2,1.8〜2.5,1.95〜3,1.95〜2.5倍大きくなる。
1つの具体的な実施形態によれば、ゲノム多重植物は、同じ発達段階であり、かつ、同じ生育条件のもとで成長させられる2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)同質遺伝子型祖先植物の穀粒重量と少なくとも類似するような穀粒重量によって特徴づけられる。1つの具体的な実施形態によれば、穀粒重量が、少なくとも1.75倍、1.4〜2または1.5〜1.75,1.75〜2,1.75〜2.5,1.8〜2,1.8〜2.5,1.95〜3,1.95〜2.5倍(表2参照)大きくなる。
1つの具体的な実施形態によれば、ゲノム多重植物は、同じ発達段階であり、かつ、同じ生育条件のもとで成長させられる2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)同質遺伝子型祖先植物の植物あたり総穀粒数と少なくとも類似するような植物あたり総穀粒数によって特徴づけられる。1つの具体的な実施形態によれば、植物あたり総穀粒数が、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、80%、または90%多くなる。
1つの具体的な実施形態によれば、ゲノム多重植物は、同じ発達段階であり、かつ、同じ生育条件のもとで成長させられる2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)同質遺伝子型祖先植物の花粉稔性と少なくとも類似するような花粉稔性によって特徴づけられる。1つの具体的な実施形態によれば、花粉稔性が、同質遺伝子型祖先植物の花粉稔性の80%、90%、95%または100%である。
興味深いことに、本発明の植物は、同じ発達段階であり、かつ、同じ生育条件のもとで成長させられる同質遺伝子型祖先植物の地上部草丈と類似するか、または、それよりも高い地上部草丈によって特徴づけられる。1つの具体的な実施形態によれば、草丈が、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%または20%大きくなる。
1つの具体的な実施形態によれば、ゲノム多重植物は、同じ発達段階であり、かつ、同じ生育条件のもとで成長させられる2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)同質遺伝子型祖先植物の止め葉幅よりも増大された止め葉幅によって特徴づけられる。1つの具体的な実施形態によれば、止め葉幅が、同質遺伝子型祖先植物の止め葉幅と比較して少なくとも15%、17%、20%、22%、25%、30%、40%、またはそれ以上増大される(表4参照)。
本発明の植物は、当該植物に対して同質遺伝子型である2倍体栽培オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物よりも大きいバイオマス、収量、穀粒収量、生育面積あたり穀粒収量、穀粒タンパク質含有量、穀粒重量、ストーバ収量、種子結実、染色体数、ゲノム組成、油分割合、成長力、虫害抵抗性、殺虫剤抵抗性、干ばつ耐性および非生物的ストレス耐性の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたはすべてによって特徴づけられる。
誘導された多倍数体植物の特定の形質は、同質遺伝子型である祖先と比較して劣ることがあり得るが、他の形質は、優れていることができ、従って、全体として優れた表現型を提供することは理解されるだろう。
例えば、誘導された多倍数体系統又はハイブリッドは、同質遺伝子型である祖先と比較して劣る種子重量を有することがあり得るが、同質遺伝子型である祖先と比較して優れた植物あたり又は生育面積あたりの種子重量を有することがあり得る。
同様に、誘導された多倍数体系統又はハイブリッドは、同質遺伝子型である祖先と比較して劣る種子重量を有することがあり得るが、同質遺伝子型である祖先と比較して優れたタンパク質含有量を有することがあり得る。
1つの具体的な実施形態によれば、本発明の多倍数体植物又はその同質遺伝子型の祖先は、He et al.Planta 2010 232:1219−1228に記載されるように、PMeSの遺伝的背景を有さない。また、Cai et al.2007 Sci.China Ser C−Life Sci 50:3:356−366は、PMeSの遺伝的背景を有する4倍体イネを記載している。PMeSの遺伝的背景は、Griffiths 2006 Nature 439:749−752に記載されるように、PH1様遺伝子における変化と関連している。
1つの具体的な実施形態によれば、植物は遺伝子非組換えである。
多倍数体化の前のオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物またはその植物部位(例えば、種子)は典型的に、2倍体であり、半数体や二重半数体ではない。
別の実施形態によれば、植物は、例えば、栽培のための害虫抵抗性などの農業的に有用な形質または形態学的形質を与える異種遺伝子を発現させることによって遺伝子組換えである。例えば、親植物または誘導された多倍数体植物は、改良された栄養価又は病気に対する抵抗性と関連する導入遺伝子を発現することができる。イネの形質転換プロトコールは、当該技術分野では周知である。例えば、Hiei et al.Plant Mol Biol.1997 Sep;35(1−2):205−1を参照されたい。
本発明のゲノム多重植物種子を、下記で記載されるように、コルヒチン処理の改善された方法を使用して作製することができる。
したがって、本発明の1つの局面によれば、部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有するオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物またはその植物部位(例えば、種子)を作製する方法であって、オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物またはその植物部位(例えば、種子)を、一時的に加えられた磁場のもとでG2/M細胞周期阻害剤と接触させ、それにより、部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有するオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物またはその植物部位(例えば、種子)を作製することを含む方法が提供される。
処理前に、種子は、NaCl:KNOの存在下でのプライミング工程に供される。この工程は典型的に、12〜48時間(例えば、24時間)続く。処理は典型的に、根の長さが1cmに到達したときに終了される。
水中での長時間の浸漬が行われることが好ましい。イネは、灌漑された田畑で生育されているので、水(水道水)中での長時間のインキュベーションに耐えることができる。従って、1つの具体的な実施形態によれば、種子は、水中に10〜25時間、例えば15〜20時間、例えば18時間浸漬される。
処理溶液に対する種子の浸透性を改善するために、種子はG2/M周期阻害剤との接触の前に超音波処理(例えば、40kHz〜50kHz、例えば40kHz,5分〜10分、例えば5分)に供される。
湿った種子が処理に対してより良好に応答する場合があり、したがって、種子は処理開始時に水溶液(例えば、蒸留水)に浸される。
1つの具体的な実施形態によれば、処理の全工程が、暗所において、室温(22℃〜25℃)またはより低い温度(例えば、超音波(US)段階については)で行われる。
したがって、1つの具体的な実施形態によれば、種子が室温で水に浸漬され、その後、蒸留水におけるUS処理に供される。
いったん浸透すると、種子は、処理溶液を含む容器中に置かれ、磁場の印加が開始される。
典型的には、G2/M周期阻害剤は微小管重合阻害剤を含む。
微小管周期阻害剤の例には、コルヒチン、コルセミド、トリフルラリン、オリザリン、ベンゾイミダゾールカルバマート類(例えば、ノコダゾール、オンコダゾール、メベンダゾール、R17934、MBC)、o−イソプロピルN−フェニルカルバマート、クロロイソプロピルN−フェニルカルバマート、アミプロホスメチル、タキソール、ビンブラスチン、グリセオフルビン、カフェイン、ビス−ANS、メイタンシン、ビンブラスチン、硫酸ビンブラスチンおよびポドフィロトキシンが含まれるが、これらに限定されない。
G2/M阻害剤が、さらなる有効成分(例えば、酸化防止剤)を含む場合がある処理溶液に含まれる。本発明に従って使用されることのできる処理溶液の具体例が、以下に示される。
微小管重合阻害剤及び酸化防止剤の以下の範囲は、処理溶液において使用されることができる。
微小管重合阻害剤:0.1%の硫酸ビンブラスチン、0.1〜0.5mg/mlのコルヒチン、0.002〜0.005%のオリザリン。
酸化防止剤:25μg/mlのシアニジン3−O−b−グルコピラノシド、10−6〜10−4Mのバイカレイン、10−6〜10−4Mのケルセチン、又は5mMのトロロックス。
ヒストンなどのDNA保護剤が、溶液に添加されることができる。
処理溶液は、DMSO及び界面活性剤をさらに含むことができる。
上述の通り、イネは、G2/M周期阻害剤を含む処理溶液で処理されるが、植物はさらに、少なくとも1000ガラス(例えば、1550ガラス)の磁場に約2時間供される。種子は、実施例1で記載されるような磁場チャンバ中に置かれる。示された時間の後、種子は、磁場から除去される。処理中、温度は24℃を越えない。
種子が磁場から取り出されると、種子は、G2/M周期阻害剤による2回目の処理に供される。最後に、種子は発芽率を高めるために徹底的に洗浄され、適切な生育苗床に播種される。必要な場合には、実生がAcadain(商標)(Acadian AgriTech)およびGiberllonの存在下で成長させられる(後者は、G2/M周期阻害剤としてビンブラスチンにより処理されるときに使用される)。
上記教示を使用して、本発明者らはゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物を樹立している。
樹立されると、本発明の植物は有性繁殖させることができ、または、組織培養技術を使用することなどによって無性繁殖させることができる。
本明細書中で使用される場合、表現「組織培養物」は、オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物体(wheat grass)を生じさせることができる植物細胞または植物部位を示し、これには、植物プロトプラスト、植物カルス、植物凝集塊、ならびに、植物において無傷である植物細胞、または、植物部位、例えば、種子、葉、茎、花粉、根、根端、葯、胚珠、花弁、花、胚、繊維およびさくなどが含まれる。
本発明のいくつかの実施形態によれば、培養細胞は、培養における少なくとも2代、3代、4代、5代、7代、9代または10代の継代にわたるゲノム安定性を示す。
植物組織培養物を作製する方法および植物を組織培養物から再生させる技術がこの技術分野では広く知られている。例えば、そのような技術が下記によって示される:Vasil、1984、Cell Culture and Somatic Cell Genetics of Plants、第I巻、第II巻、第III巻、Laboratory Procedures and Their Applications、Academic Press、New York;Green他、1987、Plant Tissue and Cell Culture、Academic Press、New York;WeissbachおよびWeissbach、1989、Methods for Plant Molecular Biology、Academic Press;Gelvin他、1990、Plant Molecular Biology Manual、Kluwer Academic Publishers;Evans他、1983、Handbook of Plant Cell Culture、MacMillian Publishing Company、New York;およびKlee他、1987、Ann.Rev.of Plant Phys.、38:467〜486。
組織培養物を、種子、葉、茎、花粉、根、根端、葯、胚珠、花弁、花および胚からなる群から選択される組織の細胞またはプロトプラストから作製することができる。
本発明の植物はまた、本発明のオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の特徴の少なくともいくつかを示す新規な植物または植物系統を作製するために、栽培されているか又は野生のオリザ・サティバ(Oryza sativa)などの他のオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物と一緒に植物育種(すなわち、自家繁殖または交雑繁殖)において使用され得ることが理解されるであろう。
これらのいずれかを別の植物と交雑することから生じる植物を、本発明のゲノム多重植物の特徴および何らかの他の所望される形質を示すさらなる栽培品種を作製するために、系統育種、形質転換および/または戻し交雑において利用することができる。この技術分野で広く知られている分子的手順または生化学的手順を用いるスクリーニング技術を、求められる重要な商業的特徴がそれぞれの育種世代において保たれることを保証するために使用することができる。
戻し交雑の目標は、反復親系統におけるただ1つの形質または特徴を変化させるか、または置き換えることである。このことを達成するために、反復親系統のただ1つの遺伝子が、所望される遺伝子の残りの本質的にすべてを保持しながら、したがって、最初の系統の所望される生理学的構成および形態学的構成を保持しながら、非反復系統に由来する所望される遺伝子により置換されるか、または補われる。具体的な非反復親の選定は戻し交雑の目的に依存するであろう。主要な目的の1つが、何らかの商業的に望ましい農学的に重要な形質を植物に加えることである。正確な戻し交雑プロトコルは、適切な試験プロトコルを決定するためにその都度変化させられるか、または加えられる特徴または形質に依存するであろう。戻し交雑法は、移される特徴が優性対立遺伝子であるときには簡略化されるが、劣性対立遺伝子もまた移される場合がある。この場合には、所望される特徴が首尾よく移されたかを明らかにするために子孫の試験を導入することが必要であるかもしれない。同様に、導入遺伝子を、上述のような当業者に広く知られている様々な確立された形質転換法のいずれかを使用して植物に導入することができる。
本発明の植物またはハイブリッド植物は、目的とする形質を導入するなどのために、例えば、ストレス(例えば、生物的または非生物的)に対する高まった抵抗性などを導入するために遺伝子改変され得ることが理解されるであろう。
したがって、本発明は、新規なゲノム多重植物およびゲノム多重栽培品種、ハイブリッド、上述の教示に従ってゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)を祖先として有するハイブリッド、ならびに、それらを作製するための種子および組織培養物を提供する。
本発明の教示を使用して、本発明者らは、誘導された多倍数体である数多くの植物品種を作製することができた。代表的種子のサンプルは、2012年11月26日にブダペスト条約に従ってNCIMB Ltd.にNCIMB42084で寄託されている。NCIMB42084は、誘導された多倍数体インディカ/KR301−EP−4に相当する。
本発明の植物は自家繁殖させることができ、あるいは、2倍体もしくは4倍体のオリザ・サティバ(Oryza sativa)と交雑繁殖させることができる。
したがって、本発明ではさらに、本明細書中に記載されるようなゲノム多重植物を親先祖として有するハイブリッド植物が提供される。
例えば、雄性親がゲノム多重植物である場合があり、一方、雌性親が2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)である場合がある(4N×2N)。または、同じ倍数性の(例えば、4N×4N,6N×6N)、または異なる倍数性の(例えば、6N×4N)、二つの誘導されたゲノム多重植物を交雑させることもできる。
1つの具体的な実施形態によれば、本発明では、部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有するハイブリッドオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物が提供される。
本発明ではさらに、本発明の植物またはハイブリッド植物の種子を少なくとも10%、20%、50%または100%含む種子袋が提供される。
本発明は、本発明の植物(もしくは種子)またはハイブリッド植物(もしくは種子)のいずれかを含む作付け地または種まき地をさらに提供する。
本発明の穀粒は、食品又は飼料(例えば、家禽及び家畜用の)における栄養補助物として使用される粗びき粉として加工される。
従って、本発明は、オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の粗びき粉を製造する方法をさらに提供し、前記方法は、本発明の植物またはハイブリッド植物の穀粒を収穫すること;および前記穀粒を加工して粗びき粉を製造することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によって企図される植物、その植物部位及び加工製品の具体的な用途は、以下にさらに記載される。
米は、主食であり、以下のような多くの方法で使用されている:
主食:米は、世界の人口の60%以上の人々によって主食として使用されている。米の調理は、米を食べる最も一般的な方法である。
澱粉:米澱粉は、アイスクリーム、カスタード粉末、プリン、ゲル、携帯用アルコールの蒸留などにおいて使用されている。
米ふすま:米ふすまは、パン、スナック、クッキー、及びビスケットなどの製菓製品に使用されている。脱脂されたふすまは、牛の餌、有機肥料(堆肥)、及び医療目的並びにワックスの製造に使用されている。
米ぬか油:米ぬか油は、食用油として、石けんにおいて、及び脂肪酸の製造において使用されている。米ぬか油はまた、化粧品、合成繊維、界面活性剤、及び乳化剤においても使用されている。米ぬか油は、栄養学的に優れており、心臓に対する良好な保護を与える。
フレーク米:フレーク米は、湯通しされた米から作られ、多くの調製品において使用されている。
膨化米:膨化米は、籾から作られ、全体として食用のために使用されている。
干米:干米は、湯通しされた米から作られ、容易に消化されることができる。
籾殻:籾殻は、燃料として、板及び紙の製造において、包装、及び建築材料並びに断熱材として使用されている。籾殻は、堆肥の製造及び化学誘導品の製造のためにも使用されている。
粉砕米:粉砕米は、朝食用シリアル、乳児用食品、米粉、麺、米ケーキなどの食品の製造のために使用されており、家禽の飼料としても使用されている。
稲わら:稲わらは、動物の飼料、燃料、菌床、園芸作物におけるマルチング、及び紙や堆肥の調製において主に使用されている。
種子としての籾:籾は、種子として使用されている。
本出願から成熟する特許の存続期間の期間中には、多くの関連するオリザ・サティバ(Oryza sativa)品種、オリザ・サティバ(Oryza sativa)製品、及び使用が開発されることが予想され、本明細書中に与えられた用語の範囲は、すべてのそのような新しい技術を先験的に包含することが意図される。
本明細書中で使用される用語「約」は、±10%を示す。
用語「含む/備える(comprises、comprising、includes、including)」、「有する(having)」、およびそれらの同根語は、「含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」ことを意味する。
用語「からなる(consisting of)」は、「含み、それらに限定される(including and limited to)」ことを意味する。
表現「から本質的になる(consisting essentially of)」は、さらなる成分、工程および/または部分が、主張される組成物、方法または構造の基本的かつ新規な特徴を実質的に変化させない場合にだけ、組成物、方法または構造がさらなる成分、工程および/または部分を含み得ることを意味する。
本明細書中で使用される場合、単数形態(「a」、「an」および「the」)は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の参照物を包含する。例えば、用語「化合物(a compound)」または用語「少なくとも1つの化合物」は、その混合物を含めて、複数の化合物を包含し得る。
本開示を通して、本発明の様々な態様が範囲形式で提示され得る。範囲形式での記載は単に便宜上および簡潔化のためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈すべきでないことを理解しなければならない。従って、範囲の記載は、具体的に開示された可能なすべての部分範囲、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値を有すると見なさなければならない。例えば、1〜6などの範囲の記載は、具体的に開示された部分範囲(例えば、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6など)、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値(例えば、1、2、3、4、5および6)を有すると見なさなければならない。このことは、範囲の広さにかかわらず、適用される。
数値範囲が本明細書中で示される場合には常に、示された範囲に含まれる任意の言及された数字(分数または整数)を含むことが意味される。第1の示された数字および第2の示された数字「の範囲である/の間の範囲」という表現、および、第1の示された数字「から」第2の示された数「まで及ぶ/までの範囲」という表現は、交換可能に使用され、第1の示された数字と、第2の示された数字と、その間のすべての分数および整数とを含むことが意味される。
本明細書中で使用される用語「方法(method)」は、所与の課題を達成するための様式、手段、技術および手順を示し、これには、化学、薬理学、生物学、生化学および医学の技術分野の実施者に知られているそのような様式、手段、技術および手順、または、知られている様式、手段、技術および手順から、化学、薬理学、生物学、生化学および医学の技術分野の実施者によって容易に開発されるそのような様式、手段、技術および手順が含まれるが、それらに限定されない。
明確にするため別個の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴が、単一の実施形態に組み合わせて提供されることもできることは分かるであろう。逆に、簡潔にするため単一の実施形態で説明されている本発明の各種の特徴は別個にまたは適切なサブコンビネーションで、あるいは本発明の他の記載される実施形態において好適なように提供することもできる。種々の実施形態の文脈において記載される特定の特徴は、その実施形態がそれらの要素なしに動作不能である場合を除いては、それらの実施形態の不可欠な特徴であると見なされるべきではない。
本明細書中上記に描かれるような、および、下記の請求項の節において特許請求されるような本発明の様々な実施形態および態様のそれぞれは、実験的裏付けが下記の実施例において見出される。
次に下記の実施例が参照されるが、下記の実施例は、上記の説明と一緒に、本発明を非限定様式で例示する。
本願で使用される用語と、本発明で利用される実験方法には、分子生化学、微生物学および組み換えDNAの技法が広く含まれている。これらの技術は文献に詳細に説明されている。例えば以下の諸文献を参照されたい:「Molecular Cloning:A laboratory Manual」Sambrookら、(1989);「Current Protocols in Molecular Biology」I〜III巻、Ausubel,R.M.編(1994);Ausubelら、「Current Protocols in Molecular Biology」、John Wiley and Sons、米国メリーランド州バルチモア(1989);Perbal「A Practical Guide to Molecular Cloning」、John Wiley & Sons、米国ニューヨーク(1988);Watsonら、「Recombinant DNA」Scientific American Books、米国ニューヨーク;Birrenら編「Genome Analysis:A Laboratory Manual Series」1〜4巻、Cold Spring Harbor Laboratory Press、米国ニューヨーク(1998);米国特許の第4666828号、同第4683202号、同第4801531号、同第5192659号および同第5272057号に記載される方法;「Cell Biology:A Laboratory Handbook」I〜III巻、Cellis,J.E.編(1994);「Current Protocols in Immunology」I〜III巻、Coligan,J.E.編(1994);Stitesら編「Basic and Clinical Immunology」(第8版)、Appleton & Lange、米国コネティカット州ノーウォーク(1994);MishellとShiigi編「Selected Methods in Cellular Immunology」、W.H. Freeman and Co.、米国ニューヨーク(1980);利用可能な免疫アッセイ法は、特許と科学文献に広範囲にわたって記載されており、例えば:米国特許の第3791932号、同第3839153号、同第3850752号、同第3850578号、同第3853987号、同第3867517号、同第3879262号、同第3901654号、同第3935074号、同第3984533号、同第3996345号、同第4034074号、同第4098876号、同第4879219号、同第5011771号および同第5281521号;「Oligonucleotide Synthesis」Gait,M.J.編(1984);「Nucleic Acid Hybridization」Hames,B.D.およびHiggins S.J.編(1985);「Transcription and Translation」Hames,B.D.およびHiggins S.J.編(1984);「Animal Cell Culture」Freshney,R.I.編(1986);「Immobilized Cells and Enzymes」IRL Press(1986);「A Practical Guide to Molecular Cloning」Perbal,B.(1984)および「Methods in Enzymology」1〜317巻、Academic Press;「PCR Protocols:A Guide To Methods And Applications」、Academic Press、米国カリフォルニア州サンディエゴ(1990);Marshakら、「Strategies for Protein Purification and Characterization−A Laboratory Course Manual」CSHL Press(1996);これらの文献の全ては、あたかも本願に完全に記載されているように援用するものである。その他の一般的な文献は、本明細書を通じて提供される。それらの文献に記載の方法は当業技術界で周知であると考えられ、読者の便宜のために提供される。それらの文献に含まれるすべての情報は本願に援用するものである。
実施例1
多倍数体イネ植物の生成及び定性評価
材料及び方法
ゲノム多重化手順
インドのバスマティ(本明細書中で「85コントロール」と称する)のオリザ・サティバ(Oryza sativa)の種子は、1:1 NaCl:KNOの通気された溶液で24時間、8ds/mでゲノム多重化の前に処理された。次に、種子は、水道水で洗浄され、24時間、風乾された。ゲノム多重化手順のために、種子は、水で満たされた通気された容器中で25℃で18時間浸漬され、清潔な網袋中に移され、蒸留水で満たされた超音波水槽中に25℃の温度で挿入された。その後、超音波処理(40KHz)を26℃以下の温度で5分間行った。袋は、pH6の処理溶液を含む容器中に置かれた。この処理溶液は、0.5%のDMSO,5滴/LのTritonX100、微小管重合阻害剤、酸化防止剤、及び100μg/mlのヒストンを、軟化された窒素非含有水に24℃で希釈したものである。
微小管重合阻害剤及び酸化防止剤の以下の範囲は、処理溶液において使用されることができる。
微小管重合阻害剤:0.1%の硫酸ビンブラスチン、0.1〜0.5mg/mlのコルヒチン、0.002〜0.005%のオリザリン。
酸化防止剤:25μg/mlのシアニジン3−O−b−グルコピラノシド、10−6〜10−4Mのバイカレイン、10−6〜10−4Mのケルセチン、又は5mMのトロロックス。
磁場チャンバ(以下に記載する磁場チャンバを参照)内で容器を2時間インキュベーションした後、種子は、袋から取り出され、プラスチックトレーの上の紙タオルの上に置かれ、紙タオルの第二の層で覆われ、もう24時間処理溶液を25℃で浸漬された(紙タオルは、全インキュベーション期間中、湿潤状態に保持された)。種子は、清潔な容器中に集められて水(pH=7)で洗浄された。全ての工程は、暗所中で行われた。
その後、処理された種子は、35ppmの20:20:20微量元素肥料が補充された土壌の実生用トレー上に置かれ、25℃〜28℃の日中温度範囲、17℃〜20℃の夜間温度範囲および40%の最小湿度を使用する育成場に移動させた。ビンブラスチンを使用するときには、播種直後に1%のGIBERLLONにより処理した。ACADIN(商標)により、その後3週間にわたって週に2回、処理した。
磁場チャンバ
磁場チャンバは、互いに11cm離れて位置する2枚の磁石板からなった。2つの磁石によって形成される磁場は、(上述のゲノム多重化手順で記述したような)その中心溶液において1550ガウスの最小強度を有するらせん形状の磁場である。槽は、磁石チャンバの中に入れられた。
フローサイトメトリーを使用する倍数性試験
フローサイトメトリー用の核のサンプルを葉から調製した。それぞれのサンプル(1cm)を、1リットルあたり9.15gのMgCl、8.8gのクエン酸ナトリウム、4.19gの3−[モルホリノ]プロパンスルホン酸、1mlのTriton X−100、21.8gのソルビトールからなる細断用緩衝液においてカミソリ刃により切り刻んだ。得られたスラリーを23μmのナイロンメッシュでろ過し、ヨウ化プロピジウム(PI)を0.2mg/Lの最終濃度に加えた。染色されたサンプルを氷上で貯蔵し、フローサイトメトリーによって分析した。
フローサイトメーターはFACSCalibur(BD Biosciences ltd.)であった。
種苗選抜
(上述のような)ゲノム多重化プロトコルを85個のコントロールの種子に対して適用した。植物を屋外でのそれらの表現型に従って高倍数性について選抜した。表現型分析には、止め葉幅、分蘖数、種子サイズを含む多数のパラメーターが含まれた。その後、FACS分析により、当該植物およびそれらの子孫が実際に安定な高倍数性であったことが確認された。
各植物ファミリーは、ゲノム多重化に成功した様々な花序の自家繁殖種子である。大部分のファミリーは、ゲノム多重化に成功した様々な植物に由来する。
自家繁殖が使用されてD2及びD3が作成された。D2は、植物がゲノム多重化手順後の第二世代であることを示す。D3は、植物がゲノム多重化手順後の第三世代であることを示す。
植物を下記のように自家繁殖させた:雌性体の花序を、小穂が成熟する前(柱頭が受容可能となる前)に覆う。花序を覆うことにより、受粉が自家受粉であることが保証される。花は雌雄同体であった(雄性および雌性の両方)。受粉が自然に生じた。種子を成熟時に収穫した。
表2〜5は、本発明のいくつかの実施形態の植物の表現型特性を示す。
多倍数体植物の収量は、2倍体のコントロール植物と比較して平均で1.4倍増大した。
実施例2
植物の生産性、二酸化炭素固定(sequestration)及び量子利用効率に対する多倍数化イネ遺伝子型の影響
材料及び方法
研究地域
典型的な地中海性気候が、研究地域を支配している。この気候は、18〜20℃の長期間の平均年間温度(最低及び最高気温は、1月の−8〜10℃及び8月の30〜35℃である)、600〜700mmの冬期(11月から5月まで)の降水量、1500〜2000mmの潜在的蒸発散量、及び1月あたり300〜350MJ/mの入射PARを有する。最高入射PARは8月に生じ(410〜420MJ/m/月)、最低入射PARは12月に生じる(140〜160MJ/m/月)。
様々な割合の砂、シルト、及び粘土画分を有する研究場所の表面土壌(0〜30cm)は、主に良く耕作された土壌であり、畑能力及び永久しおれ点に関して狭い変動範囲を示し、これはマトリックスポテンシャルにおいてそれぞれ−0.03MPa及び−1.5MPaに相当していた。土壌の乾燥嵩密度は、1.22〜1.35g/cmの範囲であった。土壌は、塩害の問題を何ら有さず、総可溶性塩分含有量は、0.1%以下であった。研究場所の土壌は、7.5〜7.7の弱アルカリ性のpH値を有しており、土壌有機物質が少ない(1.18〜2.37%)と決定された。
測定
総光合成速度(P)、蒸散速度(E)、水使用効率(WUE)、光使用効率(LUE)、気孔伝導度(g)、光合成有効放射(PAR)、気温(T)、相対湿度(RH)、及び大気中のCO濃度(Catm)の組み合わされた動力学が測定された。
様々な環境及び植物パラメータを測定するために、PTM−48A光合成モニタ((Photosynthesis and Transpiration Monitor Bio Instruments SRL,Chisinau,Moldova)wwwdotphyto−sensordotcom)が使用された(図3A)。
このシステムは、四つの自己締め付け葉チャンバLC−4A、赤外CO分析器、及び内蔵型のデータ自己計測器を含む(図4B)。前記チャンバは、葉のCO交換をモニタするために2分間連続的に閉じられる。前記モニタは、追加のセンサのための11個の入力も有する。
今回の実験で使用される追加のセンサは、以下のものを含む:
PIR−1光合成放射センサATH−2気温及び湿度センサ
四つの葉チャンバからの光合成及び蒸散データ、並びに追加のセンサからのデータは、常時、30分ごとに自動的に記録された。
統計学的考慮
2倍体植物あたり二つの葉チャンバの平均値が使用され、多重化イネ遺伝子型の測定のためには二つのチャンバが使用された。周囲COは、四つのプローブを使用して検出され、出力の標準偏差が計算された。光合成の標準偏差は、毎時、六つのPNデータについて計算された。データ源は、気候的に相互に異ならない三日間の連続した測定日の処理時間あたり二つのLCから来ていた。最大変動係数(CV)は、二つの処理について0.35であった。この値は、ピークPN値の間に計算された。測定は防風箱(図7)内で行われたことは言及されるべきである。
結果
図6の結果は、2倍体及び4倍体イネの光合成の日中経過を示す。図6から、最大平均光合成速度は、4倍体については約52μMol m−2−1であったのに対して、2倍体については15μMol m−2−1しかなかったことがわかる。光合成のピークは、午後3時くらいであった。
2倍体及び4倍体イネの累積PNが図7に示されている。
図7から、4倍体の総正味生産量が約32gCHO m−2day−1であったのに対して、2倍体の総正味生産量は11gCHO m−2day−1しかなかったことが明らかである。
4倍体イネの高温及び高PPFD(又は照射)に対する順応は、2倍体よりも良好であった。さらに述べると、比較的苛酷な条件下では、4倍体イネは、光合成炭素同化速度を最大化することができ、4倍体の光合成効率は高いままであった。
バイオマス生産に対する多重化遺伝子型の影響
考察
この研究は、生産性、COを固定する能力、及び量子利用効率に対する多重化イネ遺伝子型の影響を研究することを目的としていた。その独特のアプローチは、適切な圃場設備によって、作物とその環境との間の複雑な相互作用の理解を増大させた。疑いもなく、高温の影響を予測するためのモデルは、知識の増大と共に常に改良される。しかし、この研究は、相互作用の理解と共に、多重化遺伝子型の利点及び得られる経済的利益を改良して証明するためのステップであった。
研究の結果、連続的、瞬間的光合成及び累積的CO固定についての値は、2倍体品種と比較して4倍体品種の方が3〜4倍高かった。
遺伝子型の影響
最大平均PN速度は、4倍体については約52μMol m−2−1であったのに対して、2倍体については16μMol m−2−1しかなかった。光合成のピークは、4倍体については午後3時30分であり、2倍体については午前9時であった。4倍体の総正味生産量が約32gCHO m−2day−1であったのに対して、2倍体の総正味生産量は11gCHO m−2day−1しかなかった。
圃場は、高含水量の状態にあり、良く灌漑されており、十分な気孔活性を可能にした。その結果、特に4倍体イネによる測定されたPNは、極めて高かった。
環境条件の影響
測定期間中の最高及び最低温度はそれぞれ36℃及び17℃であった。2倍体イネの光合成プロセスは、約27℃及び925μMol m−2−1の光合成光子束密度(PPFD)でピークになった。一方、4倍体イネの光合成プロセスは、33℃及び1677μMol m−2−1の光合成光子束密度(PPFD)でピークになり、約38℃で停止した。4倍体イネの最大PN(52μMol m−2−1)は、2倍体イネの最大PN(15μMol m−2−1)より3倍高かった。C3植物としての単位葉表面積あたりで表わされる光合成の最大光飽和速度(PNmax)は、約70μMol m−2−1であると報告されている(Murchieら、2002年)ことに注意されたい。このことは、4倍体化は光合成量子利用効率を1PPFD単位あたり0.01μMol m−2−1から0.03μMol m−2−1に増大させるということ、及び4倍体は2倍体より高温に対してずっと耐性があるということを意味する。この実験は、周囲温度の増大が2倍体の正味CO取り込み能力の有意な減少に導くことがありうるということを示した。さらに述べると、乾燥した気候では、4倍体イネは、他の多重化遺伝子型植物の代表として、炭素固定を改善しながら収量を増大させることができる。
本発明はその特定の実施態様によって説明してきたが、多くの別法、変更および変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神と広い範囲の中に入るこのような別法、変更および変形すべてを包含するものである。
本明細書で挙げた刊行物、特許および特許出願はすべて、個々の刊行物、特許および特許出願が各々あたかも具体的にかつ個々に引用提示されているのと同程度に、全体を本明細書に援用するものである。さらに、本願で引用または確認したことは本発明の先行技術として利用できるという自白とみなすべきではない。節の見出しが使用されている程度まで、それらは必ずしも限定であると解釈されるべきではない。

Claims (35)

  1. 部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有する栽培オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物であって、同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物と少なくとも同じくらいに稔性である栽培オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物。
  2. 以下の少なくとも一つによってさらに特徴付けられる、請求項1に記載の植物:
    (i)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の種子重量よりも高い種子重量;
    (ii)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の作物収量と比較して高い作物収量;
    (iii)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の止め葉幅と比較して増大された止め葉幅;
    (iv)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の分蘖数と比較して高い分蘖数;
    (v)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の光合成効率と比較して高い光合成効率。
  3. 以下の少なくとも一つによってさらに特徴付けられる、請求項1に記載の植物:
    (i)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の種子重量よりも少なくとも1.75倍高い種子重量;
    (ii)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の作物収量と比較して少なくとも15%高い作物収量;
    (iii)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の止め葉幅と比較して少なくとも15%増大された止め葉幅;
    (iv)同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の分蘖数と比較して少なくとも15%高い分蘖数。
  4. 前記オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物およびそれに対して同質遺伝子型である前記植物は、PMeSの遺伝的背景を有さない、請求項1に記載の植物。
  5. 前記オリザ・サティバ(Oryza sativa)は、インディカ、ジャポニカ、香り米、およびもち米からなる群から選択される亜種のものである、請求項1に記載の植物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の植物を親先祖として有するハイブリッド植物。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の植物を含む作付け地。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の植物の種子を含む種まき地。
  9. 遺伝子非組換えである、請求項1〜5のいずれかに記載の植物。
  10. 前記稔性は、前記部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有する栽培オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の少なくとも3代目で示される、請求項1に記載の植物。
  11. 同じ発達段階および生育条件のもとでの前記2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の植物あたり総穀粒数と少なくとも類似するような植物あたり総穀粒数を有する、請求項1に記載の植物。
  12. 同じ発達段階および生育条件のもとでの前記2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の全体的草丈と類似するか、またはそれよりも低い全体的草丈を有する、請求項1に記載の植物。
  13. 前記稔性は、植物あたりの種子の数;配偶子稔性アッセイ;およびアセトカルミン花粉染色のうちの少なくとも1つによって決定される、請求項1に記載の植物。
  14. 4倍体である、請求項1に記載の植物。
  15. 2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)または4倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)との交雑繁殖が可能である、請求項1に記載の植物。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載のオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の植物部位。
  17. 請求項1〜15のいずれかに記載の植物または植物部位の加工された製造物。
  18. 食品、飼料、菌床、園芸作物におけるマルチング、紙、堆肥、建設資材およびバイオ燃料からなる群から選択される、請求項17に記載の加工された製造物。
  19. 前記食品または飼料は、膨化米、フレーク米、干米、麺類、シリアル、ケーキ、パン、スナック、クッキー、澱粉およびビスケットからなる群から選択される、請求項18に記載の加工された製造物。
  20. 請求項1〜15のいずれかに記載の植物または植物部位から製造される粗びき粉。
  21. 種子である、請求項16に記載の植物部位。
  22. 請求項1〜15のいずれかに記載のオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の単離された再生可能な細胞。
  23. 培養における少なくとも3代の継代にわたるゲノム安定性を示す、請求項21に記載の細胞。
  24. 分裂組織、花粉、葉、根、根端、葯、めしべ、花、種子または茎に由来する、請求項22に記載の細胞。
  25. 請求項22または24に記載の再生可能な細胞を含む組織培養物。
  26. 請求項1〜15のいずれかに記載の植物を自家繁殖または交雑繁殖することを含む、オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の種子を産生する方法。
  27. 植物育種技術を使用してハイブリッド植物を開発する方法であって、請求項1〜15のいずれかに記載の植物を自家繁殖および/または交雑繁殖のための育種材料の供給源として使用することを含む方法。
  28. (a)請求項1〜15のいずれかに記載のオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物または植物部位の穀粒を収穫すること;および
    (b)前記穀粒を加工してオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の粗びき粉を製造すること
    を含む、オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の粗びき粉を製造する方法。
  29. 部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有するオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の種子を作製する方法であって、オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の種子を、一時的に加えられた磁場のもとでG2/M細胞周期阻害剤と接触させ、それにより、部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有するオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の種子を作製することを含む方法。
  30. 前記G2/M細胞周期阻害剤は微小管重合阻害剤を含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記微小管重合阻害剤は、コルヒチン、ノコダゾール、オリザリン、トリフルラリンおよび硫酸ビンブラスチンからなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
  32. 前記G2/M細胞周期阻害剤との接触の前に種子をプライミング工程に供することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
  33. 前記プライミング工程は、前記種子を超音波処理することを含む、請求項32に記載の方法。
  34. 部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有するオリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の代表的種子のサンプルであって、同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物と少なくとも同じくらいに稔性であり、ブダペスト条約に従ってNCIMBにNCIMB42084(インディカ/KR301−EP−4)で寄託されているサンプル。
  35. 部分的多重ゲノムまたは完全多重ゲノムを有する栽培オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物の代表的種子のサンプルであって、同じ条件のもとで成長したとき、前記ゲノム多重オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物に対して同質遺伝子型である2倍体オリザ・サティバ(Oryza sativa)植物と少なくとも同じくらいに稔性であり、ブダペスト条約に従ってNCIMBにNCIMB42084(インディカ/KR301−EP−4)で寄託されているサンプル。
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