JP2015507666A - 高温ヒートポンプでのe−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンおよび任意選択的に1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパンの使用 - Google Patents

高温ヒートポンプでのe−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンおよび任意選択的に1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパンの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、高温ヒートポンプで加熱を行う方法に関する。本方法は、E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む蒸気作動流体を、凝縮器で凝縮させ、それによって液体作動流体を生成する工程を含む。本発明はまた、高温ヒートポンプ装置で最高実現可能凝縮器運転温度を上げる方法にも関する。本方法は、E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245eを含む作動流体を高温ヒートポンプに装入する工程を含む。本発明はまた、E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む作動流体を含有する高温ヒートポンプ装置にも関する。本発明はまた、(i)E−HFO−1438mzzおよびHFC−245ebと;(ii)55℃以上の温度での分解を防ぐための安定剤、(iii)55℃以上での使用に好適な潤滑油、または(ii)および(iii)の両方とを含む組成物にも関する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2011年12月21日出願の米国仮特許出願第61/578,370号明細書の優先権を主張するものである。
本発明は、多数の用途で、特に、高温ヒートポンプで有用性を有する方法およびシステムに関する。
本発明の組成物は、次世代の低地球温暖化係数材料の継続探索の一部である。かかる材料は、極めて低い地球温暖化係数およびゼロオゾン層破壊係数によって測定されるように、低い環境影響を持たなければならない。新規の高温ヒートポンプ作動流体が必要とされている。
本発明は、E−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン(すなわち、E−HFO−1438mzz)および任意選択的に1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(すなわち、HFC−245eb)を含む組成物、ならびにE−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを冷却装置で使用する方法およびシステムに関する。
本発明の実施形態は、単独または本明細書で下に詳細に記載されるような1つまたは複数の他の化合物との組み合わせのいずれかで、化合物E−HFO−1438mzzを含む。
本発明に従って、高温ヒートポンプで加熱を行う方法が提供される。本方法は、E−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン(E−HFO−1438mzz)および任意選択的に1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(すなわち、HFC−245eb)を含む蒸気作動流体を、凝縮器で凝縮させ、それによって液体作動流体を生成する工程を含む。
また本発明に従って、高温ヒートポンプ装置で最高実現可能凝縮器運転温度を上げる方法が提供される。本方法は、E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む作動流体を高温ヒートポンプに装入する工程を含む。
また本発明に従って、高温ヒートポンプ装置が提供される。本装置は、E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む作動流体を含有する。
また本発明に従って、組成物が提供される。本組成物は、(i)E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebから本質的になる作動流体と;(ii)55℃以上の温度での分解を防ぐための安定剤、(iii)55℃以上での使用に好適な潤滑油、または(ii)および(iii)の両方とを含む。
本発明によるフラデッドエバポレーター(flooded evaporator)ヒートポンプ装置の一実施形態の略図である。 本発明による直膨式ヒートポンプ装置の一実施形態の略図である。 本発明によるカスケードヒートポンプシステムの略図である。
以下に説明される実施形態の詳細を述べる前に、幾つかの用語が定義されるかまたは明確にされる。
地球温暖化係数(GWP)は、二酸化炭素の1キログラムの排出と比較して特定の温室効果ガスの1キログラムの大気排出による相対的な地球温暖化寄与を推定するための指数である。GWPは、所与のガスに関する大気寿命の影響を示して異なる対象期間について計算することができる。100年対象期間についてのGWPは一般に参考値である。
オゾン層破壊係数(ODP)は、「The Scientific Assessment of Ozone Depletion,2002,A report of the World Meteorological Association’s Global Ozone Research and Monitoring Project」,1.1.4節,頁1.28−1.31(この節の第1段落を参照されたい)に定義されている。ODPは、フルオロトリクロロメタン(CFC−11)と比べて質量−質量基準でみたときの、ある化合物から予期される成層圏でのオゾン層破壊の程度を表す。
冷凍能力(冷却能力と言われることもある)は、循環される冷媒もしくは作動流体の単位質量当たりのエバポレーターでの冷媒もしくは作動流体のエンタルピーの変化を定義するための用語である。容積冷却能力は、エバポレーターを出る冷媒蒸気の単位体積当たりエバポレーターで冷媒もしくは作動流体によって除去される熱の量を意味する。冷凍能力は、冷媒、作動流体または伝熱組成物が冷却を行う能力の尺度である。それ故、作動流体の容積冷却能力が高ければ高いほど、所与の圧縮機で達成できる最大容積流量でエバポレーターにて行うことができる冷却速度は大きい。冷却速度は、単位時間当たりエバポレーターで冷媒によって除去される熱に関する。
同様に、容積加熱能力は、圧縮機に入る冷媒もしくは作動流体蒸気の単位体積当たりの凝縮器で冷媒もしくは作動流体によって供給される熱の量を定義するための用語である。冷媒もしくは作動流体の容積加熱能力が高ければ高いほど、所与の圧縮機で達成できる最大容積流量で凝縮器にて行われる加熱速度は大きい。
性能係数(COP)は、圧縮機を運転するために必要とされるエネルギーで割ったエバポレーターでの除去される熱の量である。COPが高ければ高いほど、エネルギー効率は高い。COPは、エネルギー効率比(EER)、すなわち、内温および外温の特有のセットでの冷凍またはエアコン設備についての効率格付けに直接関係する。
本明細書で用いるところでは、伝熱媒体(本明細書では加熱媒体とも言われる)は、冷却されるべき本体から冷却装置エバポレーターへまたは冷却装置凝縮器から冷却塔もしくは熱を周囲の環境へ放出することができる他の構成へ熱を運ぶために使用される組成物を含む。
本明細書で用いるところでは、作動流体は、作動流体が繰り返しサイクルで液体から気体へ、そして逆に液体へ相変化を受ける、サイクルで熱を伝えるために機能する化合物または化合物の混合物を含む。
サブクーリングは、所与の圧力についてその液体の飽和点よりも下への液体の温度の低下である。飽和点は、蒸気組成物が完全に凝縮して液体になる温度である(バブルポイントとも言われる)。しかしサブクーリングは、所与の圧力で液体をより低い温度の液体へ冷却し続ける。液体を飽和温度よりも下に冷却することによって、正味の冷凍能力を増大させることができる。サブクーリングはそれによって、システムの冷凍能力およびエネルギー効率を向上させる。サブクール量は、飽和温度よりも下への冷却の量(度単位での)であるか、または液体組成物がその飽和温度よりもどれくらい下に冷却されているかである。
過熱は、その飽和蒸気温度(組成物が冷却される場合に、液体の第1滴が形成される温度、「露点」とも言われる)よりもどれくらい上に蒸気組成物が加熱されているかを定義する用語である。
温度グライド(簡単に「グライド」と言われることもある)は、あらゆるサブクーリングまたは過熱を除いて、冷媒システムの構成要素中での冷媒による相変化プロセスの出発温度と終了温度との差の絶対値である。この用語は、近共沸混合物または非共沸組成物の凝縮または蒸発を記載するために用いられてもよい。
共沸組成物は、所与の圧力下に液体形態にあるときに、その温度が個々の成分の沸騰温度より高くてもまたは低くてもよい、実質的に一定の温度で沸騰し、そして沸騰を受けている全体液体組成物と本質的に同一の蒸気組成を提供するであろう2つ以上の異なる成分の混合物である(例えば、M.F.Doherty and M.F.Malone,Conceptual Design of Distillation Systems,McGraw−Hill(New York),2001,185−186,351−359を参照されたい)。
従って、共沸組成物の本質的な特徴は、所与の圧力で、液体組成物の沸点が固定されること、および沸騰している組成物の上方の蒸気の組成が本質的に沸騰している全体液体組成物のそれである(すなわち、液体組成物の成分の分別が全く起こらない)ことである。共沸組成物の各成分の沸点および重量百分率は両方とも、共沸組成物が異なる圧力で沸騰にさらされるときに変化する可能性があることも当該技術分野において認められている。このように、共沸組成物は、成分の間に存在する、または成分の組成範囲の観点からもしくは指定圧力での一定の沸点で特徴づけられる組成物の各成分の厳密な重量百分率の観点から存在する独特の関係の観点から定義されてもよい。
本発明の目的のためには、共沸混合物様組成物は、共沸組成物のように実質的に挙動する(すなわち、一定の沸騰特性または沸騰もしくは蒸発時に分別しない傾向を有する)組成物を意味する。それ故に、沸騰もしくは蒸発時に、蒸気および液体組成は、たとえそれらが変化するとしても、最小限のまたは無視できる程度に変化するにすぎない。これは、沸騰もしくは蒸発中に、蒸気および液体組成がかなりの程度に変化する非共沸混合物様組成物と対比されるべきである。
本明細書で用いるところでは、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「を含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」またはそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含を網羅することが意図される。例えば、要素のリストを含む組成物、プロセス、方法、物品、もしくは装置は、それらの要素のみに必ずしも限定されず、明確にリストされないか、またはかかる組成物、プロセス、方法、物品、もしくは装置に固有である他の要素を含んでもよい。さらに、相反する記載がない限り、「または」は、包含的なまたはを意味し、排他的なまたはを意味しない。例えば、条件AまたはBは、次のいずれか1つで満たされる:Aは真であり(または存在し)かつBは偽である(または存在しない)、Aは偽であり(または存在せず)かつBは真である(または存在する)、ならびにAおよびBの両方とも真である(または存在する)。
移行句「からなる」は、明記されないあらゆる要素、工程、または原料を除外する。特許請求の範囲内の場合、かかるものは特許請求の範囲から、通常それに関連した不純物を除き列挙されるもの以外の材料の包含を閉め出すであろう。語句「からなる」が序文の直後よりもむしろ、特許請求の範囲の本文の節に現れるとき、それは、その節に述べられる要素のみを限定し;他の要素は全体として特許請求の範囲から除外されない。
移行句「から本質的になる」は、文字通り開示されるものに加えて、材料、工程、特徴、成分、または要素を含む組成物、方法または装置を明示するために用いられ、ただし、これらの追加の包含される材料、工程、特徴、成分、または要素は特許請求される発明の基本的なおよび新規な特性に実質的に影響を及ぼさない。用語「から本質的になる」は、「を含む」と「からなる」との中間領域を占める。
出願人が「含む(comprising)」などのオープンエンド用語で発明または発明の一部を明示している場合、(特に明記しない限り)その記載は用語「から本質的になる」または「からなる」を用いてかかる発明をまた記載していると解釈されるべきであることが容易に理解されるべきである。
同様に、「a」または「an」の使用は、本明細書に記載される要素および成分を記載するために用いられる。これは、便宜上および本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われるにすぎない。この記載は、1つまたは少なくとも1つを包含すると読まれるべきであり、そして単数はまた、それが複数ではないことを意味することが明確でない限り複数を包含する。
特に明確にされない限り、本明細書に用いられるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものに類似のまたは均等の方法および材料を本発明の実施形態の実施または試験に用いることができるが、好適な方法および材料は以下に記載される。本明細書に言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、特に節が言及されない限り、全体が参照により援用される。矛盾が生じた場合には、定義をはじめとして、本明細書が優先される。加えて、材料、方法、および実施例は例示的であるにすぎず、限定的であることを意図されない。
E−HFO−1438mzzとしても知られる、E−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンは、CFCFCClCFCF(CFC−41−10mca)を脱ハロゲン化触媒の存在下で水素と反応させてCFCFCCl=CFCF(CFC−1419myx)を生成する工程と;CFCFCCl=CFCF(CFC−1419myx)を脱ハロゲン化触媒の存在下で水素と反応させてCFCFC≡CCF(オクタフルオロ−2−ペンチン)を生成する工程と;CFCFC≡CCFを、圧力容器中で、水素化触媒と反応させてCFCFCH=CHCF(1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン)を生成する工程とによって国際公開第2009/079525号パンフレットに記載されるなどの、当該技術分野で公知の方法によって製造されてもよい。
HFC−245eb、すなわち1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(CFCHFCHF)は、その全体を本明細書に援用される、米国特許出願公開第2009−0264690 A1号明細書に開示されているようにパラジウム/炭素触媒上での1,1,1,2,3−ペンタフルオロ−2,3,3−トリクロロプロパン(CFCClFCClFすなわちCFC−215bb)の水素化によって、または参照により本明細書に援用される、米国特許第5,396,000号明細書に開示されているように1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(CFCF=CFHすなわちHFO−1225ye)の水素化によって製造することができる。
高温ヒートポンプ方法
本発明に従って、凝縮器を有する高温ヒートポンプで加熱を行う方法であって、蒸気作動流体が凝縮して伝熱媒体を加熱し、そして加熱された伝熱媒体が凝縮器から加熱されるべき本体へ運ばれる方法が提供される。本方法は、E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む蒸気作動流体を凝縮器で凝縮させる工程を含む。
一実施形態では、E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む蒸気作動流体を、凝縮器で凝縮させ、それによって液体作動流体を生成する工程を含む高温ヒートポンプで加熱を行う方法が提供される。蒸気作動流体がE−HFO−1438mzzから本質的になる方法が注目すべきである。蒸気作動流体がE−HFO−1438mzzとHFC−245ebとから本質的になる蒸気作動流体が凝縮させられる方法もまた注目すべきである。
一実施形態では、加熱を行う方法は、E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む作動流体を使用する。E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebから本質的になる作動流体であって、E−HFO−1438mzzの量が少なくとも1重量パーセントである作動流体が注目すべきである。E−HFO−1438mzzから本質的になる作動流体もまた注目すべきである。E−HFO−1438mzzとHFC−245ebとから本質的になる作動流体が特に注目すべきである。1重量パーセント〜99重量パーセントのE−HFO−1438mzzと99重量パーセント〜1重量パーセントのHFC−245ebとを含む作動流体もまた特に注目すべきである。
熱を産生する方法で用いるために不燃性であるE−HFO−1438mzzとHFC−245ebとを含む組成物が注目すべきである。E−HFO−1438mzzとHFC−245ebとを含むある種の組成物は標準試験ASTM 681で不燃性であることが予期される。少なくとも35重量パーセントのE−HFO−1438mzzでE−HFO−1438mzzとHFC−245ebとを含有する組成物が特に注目すべきである。少なくとも36重量パーセントのE−HFO−1438mzzでE−HFO−1438mzzとHFC−245ebとを含有する組成物もまた特に注目すべきである。少なくとも37重量パーセントのE−HFO−1438mzzでE−HFO−1438mzzとHFC−245ebとを含有する組成物もまた特に注目すべきである。少なくとも38重量パーセントのE−HFO−1438mzzでE−HFO−1438mzzとHFC−245ebとを含有する組成物もまた特に注目すべきである。E−HFO−1438mzzおよびHFC−245eb少なくとも39重量パーセントのE−HFO−1438mzzを含有する組成物もまた特に注目すべきである。E−HFO−1438mzzおよびHFC−245eb少なくとも40重量パーセントのE−HFO−1438mzzを含有する組成物もまた特に注目すべきである。
熱を行う方法で作動流体がE−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebから本質的になるそれらの実施形態が特に有用である。冷媒が共沸もしくは共沸混合物様であるそれらの実施形態もまた特に有用である。
加熱を行う方法で作動流体が低GWPを有するそれらの実施形態もまた特に有用である。加熱を行う方法で用いるための組成物は、E−HFO−1438mzzの量が少なくとも54重量パーセントであるときには150未満のGWPを有するであろう。
一実施形態では、加熱は、伝熱媒体を凝縮器へ通し、それによって作動流体の前記凝縮が伝熱媒体を加熱する工程と、加熱された伝熱媒体を凝縮器から加熱されるべき本体へ通す工程とをさらに含む、前記凝縮器を含むヒートポンプで行われる。加熱されるべき本体は、加熱されてもよい任意の空間、物体または流体であってもよい。一実施形態では、加熱されるべき本体は、部屋、建物、または自動車の客室であってもよい。あるいはまた、別の実施形態では、加熱されるべき本体は、伝熱媒体または伝熱流体であってもよい。
一実施形態では、伝熱媒体は水であり、加熱されるべき本体は水である。別の実施形態では、伝熱媒体は水であり、加熱されるべき本体は、空間加熱用の空気である。別の実施形態では、伝熱媒体は工業伝熱液であり、加熱されるべき本体は、化学プロセス流れである。
別の実施形態では、加熱を行う方法は、作動流体蒸気を遠心圧縮機で圧縮する工程をさらに含む。
一実施形態では、加熱は、加熱されるべき伝熱媒体を前記凝縮器へ通し、こうして伝熱媒体を加熱する工程を含む凝縮器を有するヒートポンプで行われる。一実施形態では、伝熱媒体は空気であり、凝縮器からの加熱された空気は、加熱されるべき空間へ通される。別の実施形態では、伝熱媒体はプロセス流れの一部であり、加熱された部分はプロセスに戻される。
幾つかの実施形態では、伝熱媒体(または加熱媒体)は、水またはグリコール(エチレングリコールもしくはプロピレングリコールなどの)から選択されてもよい。第1伝熱媒体が水であり、冷却されるべき本体が、空間冷却のための空気である実施形態が特に注目すべきである。
別の実施形態では、伝熱媒体は工業伝熱液であり、加熱されるべき本体は化学ブロセス流れであり、プロセスラインおよび蒸留塔などのプロセス設備を含む。イオン性液体、水性カルシウムもしくは塩化ナトリウムなどの様々なブライン、プロピレングリコールもしくはエチレングリコールなどのグリコール、メタノール、および2006 ASHRAE Handbook on Refrigerationのセクション4にリストされているものなどの他の伝熱媒体などの工業伝熱液が注目すべきである。
一実施形態では、加熱を行う方法は、図1に関して上に記載されたようなフラデッドエバポレーター高温ヒートポンプで熱を抽出する工程を含む。この方法では、液体作動流体は、第1伝熱媒体の近くで蒸発して作動流体蒸気を形成する。第1伝熱媒体は、水などの、温かい液体であり、それは、低温熱源からパイプを経由してエバポレーターへ運ばれる。温かい液体は冷却され、低温熱源に戻されるかまたは、建物などの、冷却されるべき本体へ通される。作動流体蒸気は次に、加熱されるべき本体(ヒートシンク)の近くから持ち込まれる冷液体である、第2伝熱媒体の近くで凝縮する。第2伝熱媒体は作動流体を、それが凝縮して液体作動流体を形成するように冷却する。この方法ではフラデッドエバポレーターヒートポンプがまた、家庭用水もしくは水道水またはプロセス流れを加熱するために用いられてもよい。
別の実施形態では、加熱を行う方法は、図2に関して上に記載されたような直膨式高温ヒートポンプで加熱を行う工程を含む。この方法では、作動流体液は、エバポレーターへ通され、蒸発して作動流体蒸気を生成する。第1液体伝熱媒体は、蒸発中の作動流体によって冷却される。第1液体伝熱媒体は、エバポレーターから低温熱源または冷却されるべき本体へ通される。作動流体蒸気は次に、加熱されるべき本体(ヒートシンク)の近くから持ち込まれる冷液体である、第2伝熱媒体の近くで凝縮する。第2伝熱媒体は作動流体を、それが凝縮して液体作動流体を形成するように作動流体を冷却する。この方法では、直膨式ヒートポンプがまた、家庭用水もしくは水道水またはプロセス流れを加熱するために用いられてもよい。
加熱を行う方法の一実施形態では、高温ヒートポンプは、遠心圧縮機である圧縮機を含む。
本発明の別の実施形態では、E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む作動流体を高温ヒートポンプに装入する工程を含む高温ヒートポンプ装置で最高実現可能凝縮器運転温度を上げる方法が開示される。
高温ヒートポンプでのE−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebの使用は、それが、今日、類似のシステムで使用される作動流体で達成できるよりも高い凝縮器温度での運転を可能にするので、これらのヒートポンプの能力を高める。CFC−114で達成される凝縮器温度は、現行システムで達成可能な最高のものである。表1は、HFC−245ebとE−HFO−1438mzzとを含有する組成物についての臨界温度(Tcr)を提供する。これらの高温用に設計された設備で、表1に示される臨界温度でまたは臨界温度のほんの少し下で凝縮器運転温度を達成することが可能である。
Figure 2015507666
CFC−114が高温ヒートポンプで作動流体として使用されるとき、最高実現可能凝縮器運転温度は約120℃である。最高実現可能凝縮器運転温度を上げるための方法の一実施形態では、E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む組成物がヒートポンプ作動流体として使用されるとき、最高実現可能凝縮器運転温度は、約100℃超の温度まで上がる。
最高実現可能凝縮器運転温度を上げるための方法の別の実施形態では、E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む組成物がヒートポンプ作動流体として使用されるとき、最高実現可能凝縮器運転温度は、約120℃超の温度まで上がる。最高実現可能凝縮器運転温度を上げるための方法の別の実施形態では、E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む組成物がヒートポンプ作動流体として使用されるとき、最高実現可能凝縮器運転温度は、約135℃超の温度まで上がる。
最高実現可能凝縮器運転温度を上げるための方法の別の実施形態では、E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む組成物がヒートポンプ作動流体として使用されるとき、最高実現可能凝縮器運転温度は、約170℃超の温度まで上がる。
170℃ほどにも高い温度がE−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを利用する高温ヒートポンプで達成可能であることはもっともである。しかし、155℃よりも上の温度では、圧縮機、または圧縮機材料のある修正が必要である場合もある。
本発明に従って、高温ヒートポンプ流体(たとえば、CFC−114もしくはHFC−245fa)を、凝縮器運転温度を上げるために前記高温ヒートポンプ流体用に元々設計されたシステムでE−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む作動流体と取り替えることは可能である。
本発明に従って、システムを高温ヒートポンプシステムに変換するという目的のために従来の冷却装置作動流体を使用する冷却装置(たとえばHFC−134aまたはHCFC−123またはHFC−245faを使用する冷却装置)として元々設計されたシステムでE−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む作動流体を使用することもまた可能である。たとえば、従来の冷却装置作動流体は、この目的を達成するために既存の冷却装置システムでE−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む作動流体と取り替えることができる。
本発明に従って、従来の快適ヒートポンプ作動流体を使用する快適(すなわち、低温)ヒートポンプシステムとして元々設計されたシステム(たとえばHFC−134aまたはHCFC−123またはHFC−245faを使用するヒートポンプ)で、システムを高温ヒートポンプシステムに変換するという目的のためにE−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む作動流体を使用することもまた可能である。たとえば、従来の快適ヒートポンプ作動流体は、この目的を達成するために既存の快適ヒートポンプシステムでE−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む作動流体と取り替えることができる。
E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む組成物は、より高温での加熱に対して要求されるものを満たすために低温で入手可能な熱をアップグレードするための動的(たとえば遠心)または容積式(たとえばスクリューもしくはスクロール)ヒートポンプの設計および運転を可能にする。入手可能な低温熱は、エバポレーターに供給され、高温熱は凝縮器で抽出される。たとえば、廃熱は、85℃で動作する、凝縮器からの熱が、(たとえば、温水循環式空間暖房または他の使用のための)水を加熱するために使用できるある場所(たとえば病院)で25℃で動作するヒートポンプのエバポレーターに供給されるために利用可能である。
幾つかの場合には熱は、さらにより高い温度での加熱が必要とされることもあるが、上記で提案されたよりも高い温度で様々な他の源(たとえばプロセス流れからの廃熱、地熱または太陽熱)から入手可能であり得る。たとえば、廃熱は、130℃での加熱が工業用途向けに必要とされることもあるが、100℃で入手可能であり得る。より低温熱は、130℃の所望の温度まで上昇させ、そして凝縮器へ配送するために本発明の方法またはシステムで動的(たとえば遠心)または容積式ヒートポンプのエバポレーターに供給することができる。
高温ヒートポンプ装置
本発明の一実施形態では、E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む作動流体を含有するヒートポンプ装置が提供される。作動流体がE−HFO−1438mzzから本質的になる実施形態が注目すべきであり、また作動流体がE−HFO−1438mzzとHFC−245ebとから本質的になる実施形態もまた注目すべきである。
ヒートポンプは、加熱および/または冷却を行うためのある種の装置である。ヒートポンプは、エバポレーターと、圧縮機と、凝縮器と、膨張デバイスとを含む。作動流体は、繰り返しサイクルでこれらの構成要素を通って循環する。加熱は、蒸気作動流体から、それが凝縮して液体作動流体を形成するときにエネルギー(熱の形での)が抽出される凝縮器で行われる。冷却は、エネルギーを吸収して作動流体を蒸発させて蒸気作動流体を形成するエバポレーターで行われる。
一実施形態では、本発明の高温ヒートポンプ装置は、(a)それを通って作動流体が流れ、そして蒸発するエバポレーターと;(b)蒸発した作動流体をより高い圧力に圧縮する、エバポレーターと流体連通する圧縮機と;(c)それを通って高圧作動流体蒸気が流れ、そして凝縮する、圧縮機と流体連通する凝縮器と;(d)凝縮器と流体連通する減圧デバイスであって、凝縮した作動流体の圧力が下げられ、そして作動流体が繰り返しサイクルで構成要素(a)、(b)、(c)および(d)の通過を繰り返すように前記減圧デバイスがエバポレーターとさらに流体連通する減圧デバイスとを含む。
一実施形態では、高温ヒートポンプ装置は、E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む作動流体を使用する。E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebから本質的になる作動流体であって、E−HFO−1438mzzの量が少なくとも1重量パーセントである作動流体が注目すべきである。約1重量パーセント〜約99重量パーセントのE−HFO−1438mzzと約99重量パーセント〜約1重量パーセントのHFC−245ebとを含む作動流体もまた特に注目すべきである。
本明細書に記載される組成物のどれも、高温ヒートポンプで使用することができる。不燃性である組成物E−HFO−1438mzzおよびHFC−245ebが高温ヒートポンプ用に注目すべきである。E−HFO−1438mzzとHFC−245ebとを含むある種の組成物は標準試験ASTM 681で不燃性であることが予期される。少なくとも35重量パーセントのE−HFO−1438mzzでE−HFO−1438mzzとHFC−245ebとを含有する組成物が特に注目すべきである。少なくとも36重量パーセントのE−HFO−1438mzzでE−HFO−1438mzzとHFC−245ebとを含有する組成物もまた特に注目すべきである。少なくとも37重量パーセントのE−HFO−1438mzzでE−HFO−1438mzzとHFC−245ebとを含有する組成物もまた特に注目すべきである。少なくとも38重量パーセントのE−HFO−1438mzzでE−HFO−1438mzzとHFC−245ebとを含有する組成物もまた特に注目すべきである。E−HFO−1438mzzおよびHFC−245eb少なくとも39重量パーセントのE−HFO−1438mzzを含有する組成物もまた特に注目すべきである。E−HFO−1438mzzおよびHFC−245eb少なくとも40重量パーセントのE−HFO−1438mzzを含有する組成物もまた特に注目すべきである。
作動流体がE−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebから本質的になるそれらの実施形態が高温ヒートポンプ装置で特に有用である。冷媒が共沸もしくは共沸混合物様であるそれらの実施形態もまた特に有用である。
作動流体が低GWPを有するそれらの実施形態もまた高温ヒートポンプ装置で特に有用である。高温ヒートポンプ装置用の組成物は、E−HFO−1438mzzの量がE−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebから本質的になる組成物中で少なくとも54重量パーセントであるときには150未満のGWPを有するであろう。
ヒートポンプは、その一実施形態が図1に示されるフラデッドエバポレーターか、またはその一実施形態が図2に示される直膨式エバポレーターを含んでもよい。
ヒートポンプは、容積式圧縮機または遠心圧縮機を利用してもよい。容積式圧縮機には、往復、スクリュー、またはスクロール圧縮機が含まれる。スクリュー圧縮機を用いるヒートポンプが注目すべきである。遠心圧縮機を用いるヒートポンプもまた注目すべきである。
住宅ヒートポンプは、住宅または住居(一戸建てまたはマルチユニット集合住居など)を温めるための加熱された空気を生み出し、そして約30℃〜約50℃の最高凝縮器運転温度を生み出すために用いられる。
空気、水、別の伝熱媒体または一つの設備、保管場所もしくはプロセス流れなどの、工業プロセスのある部分を加熱するために用いられてもよい高温ヒートポンプが注目すべきである。これらのヒートポンプは、約55℃超の最高凝縮器運転温度を生み出すことができる。高温ヒートポンプで達成することができる最高凝縮器運転温度は、使用される作動流体に依存する。この最高凝縮器運転温度は、作動流体の標準沸騰特性によって、そしてまたヒートポンプの圧縮機が蒸気作動流体圧力を上げることができる圧力によって制限される。この最高圧力はまた、ヒートポンプに使用される作動流体にも関係する。
少なくとも約100℃の凝縮器温度で動作する高温ヒートポンプが特に価値がある。E−HFO−1438mzzは、多くの現在利用可能な作動流体でアクセスできるものよりも高い凝縮器温度で運転される、遠心ヒートポンプの設計および運転を可能にする。E−HFO−1438mzzとHFC−245ebとを含む作動流体は、多くの現在利用可能な作動流体でアクセスできるものよりも高い凝縮器温度で運転される、ヒートポンプの設計および運転を可能にする場合がある。
加熱および冷却を同時に行うために用いられるヒートポンプもまた注目すべきである。たとえば、単一ヒートポンプ装置が、家庭用の熱水を生成してもよいし、そしてまた夏季に快適エアコン用の冷却を行ってもよい。
フラデッドエバポレーターおよび直膨式エバポレーターを両方とも含む、ヒートポンプは、住宅(一戸建てまたは集合住居)および、ホテル、オフィスビル、病院、大学などを含む、大きな商業ビルに快適エアコン(空気の冷却および除湿)および/または加熱を提供するために、空気処理および分配システムと結合されてもよい。別の実施形態では、ヒートポンプは、水を加熱するために用いられてもよい。
どのようにヒートポンプが動作するかを例示するために、図に言及される。フラデッドエバポレーターヒートポンプが図1に示される。
このヒートポンプでは、水と、幾つかの実施形態では、添加剤とを含む、温かい液体である、第1伝熱媒体、またはグリコール(たとえば、エチレングリコールもしくはプロピレングリコール)などの他の伝熱媒体は、建物空気処理システムなどの、低温源(図示せず)または冷却塔へ流れる冷却装置プラントの凝縮器からの温まった水からの熱を持っているヒートポンプに入り、入口および出口を有する、エバポレーター6での、管束もしくはコイル9を通って、矢印3でヒートポンプに入ることが示される。温かい第1伝熱媒体は、エバポレーター6に配送され、エバポレーターでそれは、エバポレーター6の下方部に示される、液体作動流体によって冷却される。液体作動流体は、管束もしくはコイル9を通って流れる温かい第1伝熱媒体よりも低い温度で蒸発する。冷却された第1伝熱媒体は、管束もしくはコイル9のリターン部分を経由して、矢印4で示されるように低温熱源に再循環して戻る。エバポレーター6の下方部分に示される、液体作動流体は気化し、圧縮機7に吸い込まれ、圧縮機は、作動流体蒸気の圧力および温度を高める。圧縮機7は、この蒸気を、それがエバポレーター6を出るときの作動流体蒸気の圧力および温度よりも高い圧力および温度で、それが凝縮器5で凝縮し得るように圧縮する。第2伝熱媒体は、矢印1で家庭用水もしくは水道水ヒーターまたは温水循環式加熱システムなどの高温熱が提供される場所(「ヒートシンク」)から凝縮器5での管束もしくはコイル10を経由して凝縮器に入る。第2伝熱媒体は、このプロセスで温められ、管束もしくはコイル10のリターンループおよび矢印2を経由してヒートシンクに戻される。この第2伝熱媒体は、作動流体蒸気を凝縮器5で冷却し、この蒸気を凝縮させて液体作動流体にし、その結果液体作動流体が凝縮器5の下方部に存在する。凝縮器5での凝縮した液体作動流体は、オリフィス、毛細管または膨張弁であってもよい、膨張デバイス8を通ってエバポレーター6に流れて戻る。膨張デバイス8は、液体作動流体の圧力を下げ、液体作動流体を部分的に蒸気に変換する、言い換えると液体作動流体は、圧力が凝縮器5とエバポレーター6との間で降下するのでフラッシュする。フラッシングは、作動流体、すなわち、液体作動流体および作動流体蒸気を両方ともエバポレーター圧力での飽和温度まで冷却し、その結果、液体作動流体および作動流体蒸気が両方ともエバポレーター6に存在する。
幾つかの実施形態では、作動流体蒸気は、超臨界状態に圧縮され、凝縮器5はガス冷却器で取り替えられ、ガス冷却器で作動流体蒸気は凝縮なしに冷却されて液体状態になる。
幾つかの実施形態では、図1に描かれる装置に使用される第1伝熱媒体は、エアコンが提供される建物からかまたは冷却されるべきある他の本体から戻る冷水である。熱は、戻ってくる冷水からエバポレーター6で抽出され、冷却された冷水は、冷却されるべき建物または他の本体に供給されて戻る。この実施形態では、図1に描かれる装置は、冷却されるべき本体(すなわちビル空気)に冷却を提供する第1伝熱媒体を冷却する、および加熱されるべき本体(たとえば家庭用水もしくは水道水またはプロセス流れ)に加熱を提供する第2伝熱媒体を加熱する役割を同時に果たす。
図1に描かれる装置は、太陽、地熱および廃熱などの多種多様の熱源から熱をエバポレーター6で抽出し、そして凝縮器5からの熱を広範囲のヒートシンクに供給できることが理解される。
単一成分作動流体組成物については、エバポレーターおよび凝縮器での蒸気作動流体の組成は、エバポレーターおよび凝縮器での液体作動流体の組成と同じものであることが指摘されるべきである。この場合には、蒸発は一定温度で起こるであろう。しかし、本発明におけるように、作動流体ブレンド(または混合物)が使用される場合には、エバポレーターでの(または凝縮器での)液体作動流体および作動流体蒸気は、異なる組成を有する可能性がある。これは、非効率的なシステムおよび設備の使用での困難さをもたらす可能性があり、したがって単一成分作動流体がより望ましい。共沸混合物もしくは共沸混合物様組成物は、液体組成および蒸気組成が本質的に同じものであり、非共沸もしくは非共沸混合物様組成物の使用から生じる可能性があるいかなる非効率性も低減するように、ヒートポンプにおいて単一成分作動流体のように本質的に機能するであろう。
直膨式ヒートポンプの一実施形態が図2に例示される。図2に例示されるようなヒートポンプでは、温水などの、温かい液体である、第1液体伝熱媒体は、入口14でエバポレーター6’に入る。ほとんど液体の作動流体(少量の作動流体蒸気ありの)は、矢印3’でエバポレーターでのコイル9’に入り、蒸発する。結果として、第1液体加熱媒体はエバポレーター6’で冷却され、冷却された第1液体加熱媒体は出口16でエバポレーター6’を出て、低温熱源(たとえば冷却塔へと流れる温水)に送られる。作動流体蒸気は、矢印4’でエバポレーター6’を出て、圧縮機7’に送られ、圧縮機でそれは圧縮され、高温、高圧作動流体蒸気として出る。この作動流体蒸気は、1’で凝縮器コイル10’を通って凝縮器5’に入る。作動流体蒸気は、凝縮器5’で、水などの、第2液体加熱媒体によって冷却され、液体になる。第2液体加熱媒体は、凝縮器伝熱媒体入口20を通って凝縮器5’に入る。第2液体加熱媒体は、液体作動流体になる、凝縮中の作動流体蒸気から熱を抽出し、これは、凝縮器5’で第2液体加熱媒体を温める。第2液体加熱媒体は、凝縮器伝熱媒体出口18を通って凝縮器5’から出る。凝縮した作動流体は、下方コイル10’を通って凝縮器5’を出て、オリフィス、毛細管または膨張弁であってもよい、膨張デバイス12を通って流れる。膨張デバイス12は、液体作動流体の圧力を下げる。膨張の結果として生成した、少量の蒸気は、コイル9’を通って液体作動流体と共にエバポレーター6’に入り、そしてサイクルは繰り返す。幾つかの実施形態では、作動流体蒸気は、超臨界状態に圧縮され、図2での容器5’はガス冷却器を表し、ガス冷却器で作動流体蒸気は凝縮なしに冷却されて液体状態になる。
幾つかの実施形態では、図2に描かれる装置に使用される第1液体加熱媒体は、エアコンが提供される建物からかまたは冷却されるべきある他の本体から戻る冷水である。熱は、戻ってくる冷水からエバポレーター6’で抽出され、冷却された冷水は、冷却されるべき建物または他の本体に供給されて戻る。この実施形態では、図2に描かれる装置は、冷却されるべき本体(たとえばビル空気)に冷却を提供する第1伝熱媒体(液体加熱媒体と言われてもよいが、この場合には冷却する役割を実際に果たす)を冷却する、および加熱されるべき本体(たとえば家庭用水もしくは水道水またはプロセス流れ)に加熱を提供する第2伝熱媒体(または液体加熱媒体)を加熱する役割を同時に果たす。
図2に描かれる装置は、太陽、地熱および廃熱などの多種多様の熱源から熱をエバポレーター6’で抽出し、そして凝縮器5’からの熱を広範囲のヒートシンクに供給できることが理解される。
本発明に有用な圧縮機には、動圧縮機が含まれる。遠心圧縮機が、動圧縮機の例として注目すべきである。遠心圧縮機は、作動流体を放射状に加速させるために回転要素を用い、ケーシングに収納された羽根車および拡散器を典型的には含む。遠心圧縮機は通常、羽根車目玉、すなわち循環羽根車の中央入口で作動流体を取り入れ、それを、外側に放射状に加速させる。幾らかの静圧上昇が羽根車で起こるが、圧力上昇のほとんどは、速度が静圧に変換される、ケーシングの拡散器部分で起こる。各羽根車−拡散器一式は圧縮機の1段階である。遠心圧縮機は、所望の最終圧力および処理されるべき冷媒の容積に依存して、1〜12もしくはそれ以上の段階で構築される。
圧縮機の圧力比、または圧縮比は、絶対吐出圧力対絶対入口圧力の比である。遠心圧縮機によって吐出される圧力は、比較的広範囲の能力にわたって実質的に一定である。遠心圧縮機が生み出すことができる圧力は、羽根車の先端速度に依存する。先端速度は、その先端で測定される羽根車の速度であり、羽根車の直径およびその回転数毎分に関係する。具体的な用途で必要とされる先端速度は、作動流体の熱力学的状態をエバポレーター状態から圧縮機状態に上げるために必要とされる圧縮機仕事に依存する。遠心圧縮機の容積フローキャパシティは、羽根車の通過のサイズによって決定される。これは、圧縮機のサイズを所要容積フローキャパシティよりも所要の圧力に依存するようにする。
動圧縮機の例として軸流圧縮機もまた注目すべきである。流体が入り、そして軸方向に出る圧縮機は、軸流圧縮機と呼ばれる。軸流圧縮機は、作動流体が回転の軸に並行に主に流れる回転式の、エアフォイル−またはブレード−ベースの圧縮機である。これは、作動流体が軸方向に入ってもよいが出口でかなりの動径成分を有するであろう遠心もしくは混合流圧縮機などの他の回転圧縮機とは対照的である。軸流圧縮機は、圧縮ガスの連続流れを生成し、特にそれらの断面に関して、高い効率および大きい質量フローキャパシティという利益を有する。しかし、それらは、大きい圧力上昇を達成するために数列のエアフォイルを必要とし、それらを他の設計と比べて複雑で、高価なものにする。
本発明に有用な圧縮機にはまた、容積式圧縮機が含まれる。容積式圧縮機は蒸気をチャンバーに吸い込み、チャンバーは、容積が減少して蒸気を圧縮する。圧縮された後、蒸気は、チャンバーの容積をゼロもしくはほぼゼロにさらに減らすことによってチャンバーから追い出される。
容積式圧縮機の例として、往復圧縮機が注目すべきである。往復圧縮機は、クランク軸によって駆動されるピストンを用いる。それらは、固定式か移動式かのいずれかであり得、単段または多段であり得、電動機または内燃エンジンによって駆動することができる。5〜30hpの小さい往復圧縮機は、自動車用途で見られ、典型的には断続使用向けである。100hpまでのより大きい往復圧縮機は、大きな工業用途で見いだされる。吐出圧力は、低い圧力から非常に高い圧力(5000psiまたは35MPaよりも上)までの範囲であり得る。
容積式圧縮機の例として、スクリュー圧縮機もまた注目すべきである。スクリュー圧縮機は、ガスをより小さい空間へ押し込むために2つのかみ合った回転容積式螺旋状スクリューを用いる。スクリュー圧縮機は通常、商業用途および工業用途で連続運転用であり、固定式か移動式かのいずれかであってもよい。それらの用途は、5hp(3.7kW)〜500hp(375kW)超、低い圧力から非常に高い圧力(1200psiまたは8.3MPaよりも上)であり得る。
容積式圧縮機の例として、スクロール圧縮機もまた注目すべきである。スクロール圧縮機は、スクリュー圧縮機に似ており、ガスを圧縮するために2つの交互の螺旋形状スクロールを含む。出力は、回転スクリュー圧縮機のそれよりも脈動する。
一実施形態では、高温ヒートポンプ装置は、2つ以上の加熱回路(もしくはループ)を含んでもよい。作動流体としてのE−HFO−1438mzzまたはE−HFO−1438mzzおよびHFC−245ebで運転される高温ヒートポンプの性能(加熱性能係数および容積加熱能力)は、エバポレーターが本出願によって要求される凝縮器温度に近い温度で運転されるときに大幅に向上する。エバポレーターに供給される熱が、低温で入手可能であるにすぎず、したがって不十分な性能をもたらす高温上昇を必要とするときには、デュアル流体/デュアル回路カスケードサイクル構成が有利であろう。カスケードサイクルの低段階または低温回路は、Z−HFO−1336mzz、HFO−1234yf、E−HFO−1234ze、HFO−1234ye(1,2,3,3−テトラフルオロプロペン)、HFO−1243zf(3,3,3−トリフルオロプロペン)、HFC−32(ジフルオロメタン)、HFC−125(ペンタフルオロエタン)、HFC−134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、HFC−134(1,1,2,2−テトラフルオロエタン)、HFC−143a(1,1,1−トリフルオロエタン)、HFC−152a(1,1−ジフルオロエタン)、HFC−227ea(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロペン)ならびにHFO−1234yf/HFC−32、HFO−1234yf/HFC−32/HFC−125、HFO−1234yf/HFC−134a、HFO−1234yf/HFC−134a/HFC−32、HFO−1234yf/HFC−134、HFO−1234yf/HFC−134a/HFC−134、HFO−1234yf/HFC−32/HFC−125/HFC−134a、E−HFO−1234ze/HFC−32、E−HFO−1234ze/HFC−32/HFC−125、E−HFO−1234ze/HFC−134a、E−HFO−1234ze/HFC−134、E−HFO−1234ze/HFC−134a/HFC−134、E−HFO−1234ze/HFC−227ea、E−HFO−1234ze/HFC−134/HFC−227ea、E−HFO−1234ze/HFC−134/HFC−134a/HFC−227ea、HFO−1234yf/E−HFO−1234ze/HFC−134/HFC−134a/HFC−227eaなどの、それらのブレンドなどの、E−HFO−1438mzz(もしくはE−HFO−1438mzzおよびHFC−245eb)よりも低い沸点のおよび好ましくは低GWPの流体で運転されるであろう。
カスケードサイクルの低温回路(もしくは低温ループ)のエバポレーターは、入手可能な低温熱を受け取り、熱を入手可能な低温熱の温度と所要の加熱デューティの温度との中間の温度まで上昇させ、その熱を、カスケード熱交換器でカスケードシステムの高段階または高温回路(もしくは高温ループ)に伝える。次に、E−HFO−1438mzz(もしくはE−HFO−1438mzzおよびHFC−245eb)で運転される、高温回路は、カスケード熱交換器で受け取られる熱を、意図される加熱デューティを満たすために所要の凝縮器温度までさらに上昇させる。カスケード概念は、熱をより広い温度範囲にわたって上昇させ、そして性能を最適化するために異なる流体を異なる温度サブ範囲にわたって使用する3つ以上の回路の構成に拡張することができる。
2つ以上の段階を有する高温ヒートポンプ装置の一実施形態では、第1作動流体は、HFO−1234yf、E−HFO−1234ze、HFO−1234ye(E−もしくはZ−異性体)、およびHFC−1243zfからなる群から選択される少なくとも1つのフルオロオレフィンを含む。
2つ以上の段階を有する高温ヒートポンプ装置の別の実施形態では、第1作動流体は、HFC−32、HFC−125、HFC−134a、HFC−134、HFC−143a、HFC−152aおよびHFC−227eaからなる群から選択される少なくとも1つのフルオロアルカンを含む。
2つ以上の段階を有する高温ヒートポンプ装置の別の実施形態では、最終段階に先行する段階の作動流体は、HFO−1234yf、E−HFO−1234ze、HFO−1234ye(E−もしくはZ−異性体)、およびHFC−1243zfからなる群から選択される少なくとも1つのフルオロオレフィンを含む。
2つ以上の段階を有する高温ヒートポンプ装置の別の実施形態では、ここでは、最終段階に先行する段階の作動流体は、HFC−32、HFC−125、HFC−134a、HFC−134、HFC−143a、HFC−152aおよびHFC−227eaからなる群から選択される少なくとも1つのフルオロアルカンを含む。本発明に従って、各ループを通して作動流体を循環させるための少なくとも2つの加熱ループを有するカスケードヒートポンプシステムが提供される。一実施形態では、高温ヒートポンプ装置は、各段階が次段階と熱連動しておりそして各段階がそれを通して作動流体を循環させ、熱が直前の先行段階から最終段階に伝えられ、そして最終段階の加熱流体がE−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む、カスケード加熱システムとして配置された少なくとも2つの加熱段階を有する。
別の実施形態では、高温ヒートポンプ装置は、(a)第1作動流体液の圧力および温度を下げるための第1膨張デバイスと;(b)入口および出口を有する、第1膨張デバイスと流体連通するエバポレーターと;(c)エバポレーターと流体連通し、かつ入口および出口を有する第1圧縮機と;(d)第1圧縮機と流体連通し、かつ(i)第1入口および第1出口、ならびに(ii)第1入口および出口と熱連通した第2入口および第2出口を有するカスケード熱交換器システムと;(e)カスケード熱交換器システムの第2出口と流体連通し、かつ入口および出口を有する第2圧縮機と;(f)第2圧縮機と流体連通し、かつ入口および出口を有する凝縮器と;(g)凝縮器と流体連通する第2膨張デバイスとを含む、各段階がそれを通して作動流体を循環させる、カスケード加熱システムとして配置された少なくとも2つの加熱段階を有し;ここで、第2作動流体はE−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む。
本発明に従って、各ループを通して作動流体を循環させるための少なくとも2つの加熱ループを有するカスケードヒートポンプシステムが提供される。かかるカスケードシステムの一実施形態は、図3の110で概略示される。本発明のカスケードヒートポンプシステム110は、低温ループである、第1の、または下方のループ112と、高温ループ114である、第2の、または上方のループ114とを含む、少なくとも2つの加熱ループを有する。それぞれは、それを通して作動流体を循環させる。
カスケードヒートポンプシステム110は、第1膨張デバイス116を含む。第1膨張デバイス116は、入口116aおよび出口116bを有する。第1膨張デバイス116は、第1のまたは低温ループ112を通って循環する第1作動流体の圧力および温度を下げる。
カスケードヒートポンプシステム110はまた、エバポレーター118を含む。エバポレーター118は、入口118aおよび出口118bを有する。第1膨張デバイス116からの第1作動流体液は、エバポレーター入口118aを通ってエバポレーター118に入り、エバポレーター118で蒸発して第1作動流体蒸気を形成する。第1作動流体蒸気は次にエバポレーター出口118bに循環する。
カスケードヒートポンプシステム110はまた、第1圧縮機120を含む。第1圧縮機120は、入口120aおよび出口120bを有する。エバポレーター118からの第1作動流体蒸気は、第1圧縮機120の入口120aに循環し、圧縮され、それによって第1作動流体蒸気の圧力および温度を高める。圧縮された第1作動流体蒸気は次に、第1圧縮機120の出口120bに循環する。
カスケードヒートポンプシステム110はまた、カスケード熱交換器システム122を含む。カスケード熱交換器システム122は、第1入口122aおよび第1出口122bを有する。第1圧縮機120からの第1作動流体蒸気は、熱交換器122の第1入口122aに入り、熱交換器122で凝縮して第1作動流体液を形成し、それによって熱を放出する。第1作動流体液は次に、熱交換器122の第1出口122bに循環する。熱交換器122はまた、第2入口122cおよび第2出口122dを有する。第2作動流体液は、熱交換器122の第2入口122cから第2出口122dに循環し、蒸発して第2作動流体蒸気を形成し、それによって第1作動流体により(それが凝縮するときに)放出された熱を吸収する。第2作動流体蒸気は次に、熱交換器122の第2出口122dに循環する。このように、図3の実施形態では、第1作動流体によって放出された熱は、第2作動流体によって直接吸収される。
カスケードヒートポンプシステム110はまた、第2圧縮機124を含む。第2圧縮機は、入口124aおよび出口124bを有する。カスケード熱交換器122からの第2作動流体蒸気は、入口124aを通って圧縮機124に吸い込まれ、圧縮され、それによって第2作動流体蒸気の圧力および温度を高める。第2作動流体蒸気は次に、第2圧縮機124の出口124bに循環する。
カスケードヒートポンプシステム110はまた、入口126aおよび出口126bを有する凝縮器126を含む。第2圧縮機124からの第2作動流体は、入口126aから循環し、凝縮器126で凝縮して第2作動流体液を形成し、こうして熱を産生する。第2作動流体液は、出口126bを通って凝縮器126を出る。
カスケードヒートポンプシステム110はまた、入口128aおよび出口128bを有する第2膨張デバイス128を含む。第2作動流体液は、第2膨張デバイス128を通過し、デバイス128は、凝縮器126を出た第2作動流体液の圧力および温度を下げる。この液体は、この膨張中に部分的に気化してもよい。低下した圧力および温度の第2作動流体液は、膨張デバイス128からカスケード熱交換器システム122の第2入口122cに循環する。
さらに、その臨界温度よりも高い温度でのE−HFO−1438mzzの安定性は、熱が、超臨界状態の作動流体によって放出され、そしてある範囲の温度(E−HFO−1438mzzの臨界温度よりも高い温度を含めて)にわたって使用に供せられる超臨界および/または遷移臨界サイクルに従って運転されるヒートポンプの設計を可能にする。超臨界流体は、等温凝縮遷移を通過することなしに冷却されて液体状態になる。
高温凝縮器運転(高温上昇および高い圧縮機吐出温度に関連した)のためには、作動流体(たとえばE−HFO−1438mzzまたはE−HFO−1438mzzおよびHFC−245eb)と(油冷却または他の緩和法とおそらく組み合わせた)高い熱安定性のある潤滑油との調合物が有利であろう。
高温凝縮器運転(高温上昇および高い圧縮機吐出温度に関連した)のためには、潤滑油の使用を必要としない磁気遠心圧縮機(たとえばDanfoss−Turbocor型)の使用が有利であろう。
高温凝縮器運転(高温上昇および高い圧縮機吐出温度に関連した)のためには、高い熱安定性のある圧縮機材料(たとえば軸封など)の使用がまた必要とされる可能性がある。
E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む組成物は、湿気の除去に役立つためのモレキュラーシーブと組み合わせて高温ヒートポンプ装置に使用されてもよい。乾燥剤は、活性アルミナ、シリカゲル、またはゼオライトベースのモレキュラーシーブからなってもよい。幾つかの実施形態では、おおよそ3オングストローム〜6オングストロームの細孔径のモレキュラーシーブが最も有用である。代表的なモレキュラーシーブには、MOLSIV XH−7、XH−6、XH−9およびXH−11(UOP LLC,Des Plaines,IL)が含まれる。
高温ヒートポンプ組成物
高温ヒートポンプ用の組成物が提供される。本組成物は、(i)E−HFO−1438mzzとHFC−245ebとから本質的になる作動流体と;(ii)55℃以上の温度での分解を防ぐための安定剤、(iii)55℃以上での使用に好適な潤滑油、または(ii)および(iii)の両方とを含む。作動流体成分がE−HFO−1438mzzから本質的になるかまたは作動流体成分がE−HFO−1438mzzとHFC−245ebとから本質的になる組成物が注目すべきである。共沸もしくは共沸混合物様混合物である作動流体が高温ヒートポンプ用に注目すべきである。共沸もしくは共沸混合物様ではない混合物は、高温ヒートポンプでの使用中にある程度分別する。
本明細書に記載される組成物のどれも、高温ヒートポンプで使用することができる。共沸もしくは共沸混合物様である、高温ヒートポンプで特に有用であるE−HFO−1438mzzとHFC−245ebとを含む組成物が注目すべきである。共沸組成物は、高温ヒートポンプの、熱交換器、たとえば、エバポレーターおよび凝縮器でゼログライドを有するであろう。
E−HFO−1438mzzとHFC−245ebとは、2011年2月4日出願の米国仮特許出願第61/439,389号明細書(2012年8月9日に公開された、国際公開第2012/106656号パンフレットとして今公開された)に共沸もしくは共沸混合物様組成物を形成することが開示されている。
不燃性であるE−HFO−1438mzzとHFC−245ebとを含むいかなる組成物も注目すべきである。E−HFO−1438mzzとHFC−245ebとを含むある種の組成物は標準試験ASTM 681で不燃性であることが予期される。少なくとも35重量パーセントのE−HFO−1438mzzでE−HFO−1438mzzとHFC−245ebとを含有する組成物が特に注目すべきである。少なくとも36重量パーセントのE−HFO−1438mzzでE−HFO−1438mzzとHFC−245ebとを含有する組成物もまた特に注目すべきである。少なくとも37重量パーセントのE−HFO−1438mzzでE−HFO−1438mzzとHFC−245ebとを含有する組成物もまた特に注目すべきである。少なくとも38重量パーセントのE−HFO−1438mzzでE−HFO−1438mzzとHFC−245ebとを含有する組成物もまた特に注目すべきである。E−HFO−1438mzzおよびHFC−245eb少なくとも39重量パーセントのE−HFO−1438mzzを含有する組成物もまた特に注目すべきである。E−HFO−1438mzzおよびHFC−245eb少なくとも40重量パーセントのE−HFO−1438mzzを含有する組成物もまた特に注目すべきである。
作動流体が低GWPを有するいかなる組成物もまた特に有用である。高温ヒートポンプ用の組成物は、E−HFO−1438mzzの量が、E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebから本質的になる組成物中で少なくとも54重量パーセントであるときには150未満のGWPを有するであろう。
E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む組成物のどれもまた、ポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、ポリビニルエーテル、鉱油、アルキルベンゼン、合成パラフィン、合成ナフテン、およびポリ(アルファ)オレフィンからなる群から選択される少なくとも1つの潤滑油を含んでもおよび/または潤滑油と組み合わせて使用されてもよい。
有用な潤滑油には、高温ヒートポンプ装置で使用するために好適なものが含まれる。こ
れらの潤滑油の中には、クロロフルオロカーボン冷媒を利用する蒸気圧縮冷凍装置に通常使用されるものがある。一実施形態では、潤滑油は、圧縮冷凍潤滑の分野で「鉱油」として一般に知られるものを含む。鉱油はパラフィン(すなわち、直鎖および分岐鎖炭素鎖、飽和炭化水素)、ナフテン(すなわち、環式パラフィン)ならびに芳香族化合物(すなわち、交互二重結合によって特徴づけられる1つまたは複数の環を含有する不飽和の環式炭化水素)を含む。一実施形態では、潤滑油は圧縮冷凍潤滑の分野で「合成油」として一般に知られるものを含む。合成油はアルキルアリール(すなわち線状および分枝状アルキルのアルキルベンゼン)、合成パラフィンおよびナフテン、ならびにポリ(アルファオレフィン)を含む。代表的な従来型潤滑油は、商業的に入手可能なBVM 100N(BVA Oilsによって販売されるパラフィン系鉱油)、商標Suniso(登録商標)3GSおよびSuniso(登録商標)5GSでCrompton Co.から商業的に入手可能なナフテン系鉱油、商標Sontex(登録商標)372LTでPennzoilから商業的に入手可能なナフテン系鉱油、商標Calumet(登録商標)RO−30でCalumet Lubricantsから商業的に入手可能なナフテン系鉱油、商標Zerol(登録商標)75、Zerol(登録商標)150およびZerol(登録商標)500でShrieve Chemicalsから商業的に入手可能な線状アルキルベンゼン、ならびにHAB22(新日本石油株式会社によって販売される分枝状アルキルベンゼン)である。
有用な潤滑油はハイドロフルオロカーボン冷媒と一緒の使用をデザインされたものをまた含んでもよく、圧縮冷凍およびエアコン装置の運転条件下で本発明の冷媒と混和性である。かかる潤滑油には、Castrol(登録商標)100(Castrol、United Kingdom)などのポリオールエステル(POE)、Dow(Dow Chemical,Midland,Michigan))製のRL−488Aなどのポリアルキレングリコール(PAG)、ポリビニルエーテル(PVE)ならびにポリカーボネート(PC)が含まれるが、それらに限定されない。
潤滑油は、所与の圧縮機の要件および潤滑油が暴露されるであろう環境を考慮することによって選択される。
高温で安定性のある高温潤滑油が注目すべきである。ヒートポンプが達成する最高温度が、どの潤滑油が必要とされるかを決定するであろう。一実施形態では、潤滑油は、少なくとも55℃の温度で安定でなければならない。別の実施形態では、潤滑油は、少なくとも150℃の温度で安定でなければならない。別の実施形態では、潤滑油は、少なくとも155℃の温度で安定でなければならない。別の実施形態では、潤滑油は、少なくとも165℃の温度で安定でなければならない。約200℃まで安定性のあるポリアルファオレフィン(POA)潤滑油および約200〜220℃までの温度で安定性のあるポリオールエステル(POE)潤滑油が特に注目すべきである。約220〜約350℃の温度で安定性を有するパーフルオロポリエーテル潤滑油もまた特に注目すべきである。PFPE潤滑油には、約300〜350℃まで熱安定のあるXHTシリーズなどの、商標Krytox(登録商標)でDuPont(Wilmington,DE)から入手可能なものが含まれる。他のPFPE潤滑油には、280〜330℃まで熱安定性のあるダイキン工業(日本)製の商標Demnum(商標)で販売される、ならびに約220〜260℃まで熱安定性のある商標Fomblin(登録商標)−YまたはFomblin(登録商標)−Zで入手可能なものなどの商標Fomblin(登録商標)およびGalden(登録商標)で、Ausimont(Milan,Italy)から入手可能なものが含まれる。
高温凝縮器運転(高温上昇および高い圧縮機吐出温度に関連した)のためには、作動流体(たとえばE−HFO−1438mzzまたはE−HFO−1438mzzおよびHFC−245eb)と(恐らく油冷却または他の緩和法と組み合わせた)高い熱安定性のある潤滑油との調合物が有利であろう。
一実施形態では、本発明は、(a)E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebと;(b)少なくとも約100℃の温度での使用に好適な少なくとも1つの潤滑油とを含む組成物を含む。潤滑油が少なくとも約150℃の温度での使用に好適である実施形態が注目すべきである。潤滑油が少なくとも約165℃の温度での使用に好適である実施形態もまた注目すべきである。
一実施形態では、本発明の組成物のどれも、0.01重量パーセント〜5重量パーセントの安定剤、フリーラジカル捕捉剤または酸化防止剤をさらに含んでもよい。かかる他の添加剤には、ニトロメタン、ヒンダードフェノール、ヒドロキシルアミン、チオール、ホスファイト、またはラクトンが含まれるが、それらに限定されない。単一添加剤または組み合わせが使用されてもよい。
任意選択的に、別の実施形態では、ある種の冷凍、エアコン、またはヒートポンプシステム添加剤が、性能およびシステム安定性を高めるために本明細書に開示されるような任意の作動流体に、要望に応じて添加されてもよい。これらの添加剤は、冷凍およびエアコンの分野で公知であり、摩耗防止剤、極圧潤滑油、腐食および酸化防止剤、金属表面不活性化剤、フリーラジカル捕捉剤、および泡制御剤を含むが、それらに限定されない。一般に、これらの添加剤は、全体組成物に対して少量で作動流体中に存在してもよい。典型的には、0.1重量パーセント未満から3重量パーセントほどに多い濃度の各添加剤が使用される。これらの添加剤は、個々のシステム要件に基づいて選択される。これらの添加剤には、トリアリールホスフェートの系統、ブチル化トリフェニルホスフェート(BTPP)、または他のアルキル化トリアリールホスフェートエステル、例えば、Akzo Chemicals製のSyn−0−Ad 8478、トリクレジルホスフェートおよび関連化合物などの、EP(極圧)潤滑性添加剤の系統が含まれる。さらに、金属ジアルキルジチオホスフェート(例えばジチオリン酸ジアルキル亜鉛(またはZDDP)、Lubrizol 1375およびこの族の化学薬品の他のメンバーが本発明の組成物に使用されてもよい。他の耐摩耗性添加剤には、天然物油、およびSynergol TMS(International Lubricants)などの非対称ポリヒドロキシル潤滑添加剤が含まれる。同様に、酸化防止剤、フリーラジカル捕捉剤、および水捕捉剤などの安定剤が用いられてもよい。このカテゴリーの化合物には、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エポキシドおよびそれらの混合物が含まれ得るが、それらに限定されない。腐食防止剤には、ドデシルコハク酸(DDSA)、アミンホスフェート(AP)、オレイルサルコシン、イミダゾン誘導体および置換スルホネートが含まれる。金属表面不活性化剤には、アレオキサリル(areoxalyl)ビス(ベンジリデン)ヒドラジド(CAS登録番号6629−10−3)、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルヒドラジン(CAS登録番号32687−78−8)、2,2’−オキサミドビス−エチル−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート(CAS登録番号70331−94−1)、N,N’−(ジサリシリデン)−1,2−ジアミノプロパン(CAS登録番号94−91−7)ならびにエチレンジアミン四酢酸(CAS登録番号60−00−4)およびその塩、ならびにそれの混合物が含まれる。
本組成物のどれも、ヒンダードフェノール、チオホスフェート、ブチル化トリフェニルホスホロチオネート、オルガノホスフェート、またはホスファイト、アリールアルキルエーテル、テルペン、テルペノイド、エポキシド、フッ素化エポキシド、オキセタン、アスコルビン酸、チオール、ラクトン、チオエーテル、アミン、ニトロメタン、アルキルシラン、ベンゾフェノン誘導体、アリールスルフィド、ジビニルテレフタル酸、ジフェニルテレフタル酸、イオン性液体、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む安定剤を含んでもよい。代表的な安定剤化合物には、トコフェロール;ヒドロキノン;t−ブチルヒドロキノン;モノチオホスフェート;および、商標Irgalube(登録商標)63でCiba Specialty Chemicals(Basel,Switzerland)、本明細書では以下「Ciba」から商業的に入手可能な、ジチオホスフェート;それぞれ、商標Irgalube(登録商標)353およびIrgalube(登録商標)350でCibaから商業的に入手可能な、ジアルキルチオホスフェートエステル;商標Irgalube(登録商標)232でCibaから商業的に入手可能な、ブチル化トリフェニルホスホロチオネート;商標Irgalube(登録商標)349(Ciba)でCibaから商業的に入手可能な、アミンホスフェート;Irgafos(登録商標)168としてCibaから商業的に入手可能な、ヒンダードホスファイト;商標Irgafos(登録商標)OPHでCibaから商業的に入手可能な、トリス−(ジ−第三ブチルフェニル)などのホスフェート;(ジ−n−オクチルホスファイト);および商標Irgafos(登録商標)DDPPでCibaから商業的に入手可能な、イソ−デシルジフェニルホスファイト;アニソール;1,4−ジメトキシベンゼン;1,4−ジエトキシベンゼン;1,3,5−トリメトキシベンゼン;d−リモネン;レチナール;ピネン;メントール;ビタミンA;テルピネン;ジペンテン;リコピン;ベータカロテン;ボルナン;1,2−プロピレンオキシド;1,2−ブチレンオキシド;n−ブチルグリシジルエーテル;トリフルオロメチルオキシラン;1,1−ビス(トリフルオロメチル)オキシラン;OXT−101(東亜合成株式会社)などの、3−エチル−3−ヒドロキシメチル−オキセタン;OXT−211(東亞合成株式会社)などの、3−エチル−3−((フェノキシ)メチル)−オキセタン;OXT−212(東亞合成株式会社)などの、3−エチル−3−((2−エチル−ヘキシルオキシ)メチル)−オキセタン;アスコルビン酸;メタンチオール(メチルメルカプタン);エタンチオール(エチルメルカプタン);補酵素A;ジメルカプトコハク酸(DMSA);グレープフルーツメルカプタン((R)−2−(4−メチル−3−シクロヘキセニル)プロパン−2−チオール));システイン((R)−2−アミノ−3−スルファニル−プロパン酸);リポアミド(1,2−ジチオラン−3−ペンタンアミド);商標Irganox(登録商標)HP−136でCibaから商業的に入手可能な、5,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)−3−[2,3(または3,4)−ジメチルフェニル]−2(3H)−ベンゾフラノン;ベンジルフェニルスルフィド;ジフェニルスルフィド;ジイソプロピルアミン;商標Irganox(登録商標)PS 802(Ciba)でCibaから商業的に入手可能な、ジオクタデシル3,3’−チオジプロピオネート;商標Irganox(登録商標)PS 800でCibaから商業的に入手可能な、ジドデシル3,3’−チオプロピオネート;商標Tinuvin(登録商標)770でCibaから商業的に入手可能な、ジ−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート;商標Tinuvin(登録商標)622LD(Ciba)でCibaから商業的に入手可能な、ポリ−(N−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシ−ピペリジルスクシネート;メチルビスタローアミン;ビスタローアミン;フェノール−アルファ−ナフチルアミン;ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン(DMAMS);トリス(トリメチルシリル)シラン(TTMSS);ビニルトリエトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン;2,5−ジフルオロベンゾフェノン;2’,5’−ジヒドロキシアセトフェノン;2−アミノベンゾフェノン;2−クロロベンゾフェノン;ベンジルフェニルスルフィド;ジフェニルスルフィド;ジベンジルスルフィド;イオン液体などが含まれるが、それらに限定されない。
一実施形態では、イオン性液体安定剤は、少なくとも1つのイオン性液体を含む。イオン性液体は、液体であるかまたは100℃よりも下の融点を有する有機塩である。別の実施形態では、イオン性液体安定剤は、ピリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウムおよびトリアゾリウムからなる群から選択されるカチオンと;[BF]−、[PF]−、[SbF]−、[CFSO]−、[HCFCFSO]−、[CFHFCCFSO]−、[HCClFCFSO]−、[(CFSON]−、[(CFCFSON]−、[(CFSOC]−、[CFCO]−、およびFからなる群から選択されるアニオンとを含有する塩を含む。代表的なイオン性液体安定剤には、それらのすべてがFluka(Sigma−Aldrich)から入手可能である、emim BF(1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート);bmim BF(1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラボレート);emim PF(1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート);およびbmim PF(1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート)が含まれる。
本明細書に記載される概念は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定しない、以下の実施例でさらに説明される。
実施例1
作動流体としてのニートE―HFO−1438mzz:Tcond=85℃;Tevap=25℃で動作するヒートポンプでの高温加熱
表2は、次の条件下にE−HFO−1438mzzを使用してエバポレーターおよび凝縮器温度間で動作するヒートポンプの性能をまとめる:
凝縮器温度=85.0℃
エバポレーター温度=25.0℃
サブクーリング=15.0℃
エバポレーターで加えられる過熱=20.0℃
圧縮機効率=0.80。
Figure 2015507666
E−HFO−1438mzzは、より高い温度での加熱需要を満たすために低温で入手可能な熱をアップブレードするための動的(たとえば遠心)または容積式(たとえばスクリューもしくはスクロール)ヒートポンプの設計および運転を可能にし得るであろう。入手可能な低温熱はエバポレーターに供給され、高温熱は凝縮器で抽出されるであろう。たとえば、廃熱は、85℃で動作する、凝縮器からの熱が(たとえば、温水循環式空間暖房または他の使用のための)水を加熱するために使用できるある場所(たとえば病院)で25℃で動作するヒートポンプのエバポレーターに供給するために利用可能であり得よう。
E−HFO−1438mzzは、不燃性および魅力的な環境特性(すなわち、ゼロODPおよび低GWP)を提供しながら良好な性能を可能にする。
実施例2
作動流体としてのニートE―HFO−1438mzz:Tcond=130℃;Tevap=100℃で動作するヒートポンプでの高温加熱
幾つかの場合には熱は、さらにより高い温度での加熱が必要とされることもあるが、実施例1で提案されたよりも高い温度で様々な他の源(たとえばプロセス流れからの廃熱、地熱または太陽熱)から入手可能であり得る。たとえば、廃熱は、130℃での加熱が工業用途向けに必要とされることもあるが、100℃で入手可能であり得る。より低温熱は、130℃の所望の温度まで上昇させ、そして凝縮器へ配送するために動的(たとえば遠心)または容積式(たとえば往復、スクリューもしくはスクロール)ヒートポンプのエバポレーターに供給することができよう。
表3は、次の条件に熱を100℃から130℃に上昇させるためのE−HFO−1438mzzで動作するヒートポンプの性能をまとめる:
凝縮器温度=130℃
エバポレーター温度=100℃
サブクーリング=0.0℃
エバポレーターで加えられる過熱=9.0℃
圧縮機効率=0.80。
Figure 2015507666
E−HFO−1438mzzは、不燃性および魅力的な環境特性(すなわち、ゼロODPおよび低GWP)を提供しながら良好な性能を可能にする。
実施例3
100℃の凝縮温度でE−HFO−1438mzz/HFC−245eb(35/65重量%)ブレンドで動作するヒートポンプ
表4は、次の条件下にHFC−245faと比べてE−HFO−1438mzz/HFC−245eb(35/65重量パーセント)ブレンド(「ブレンドB」)を使用してエバポレーターおよび凝縮器温度間で動作するヒートポンプの性能をまとめる:
凝縮器温度=100℃
エバポレーター温度=50℃
サブクーリング=5.0℃
エバポレーターで加えられる過熱=5.0℃
圧縮機効率=0.70。
Figure 2015507666
表4で、Pevapはエバポレーターの圧力であり;Pcondは凝縮器の圧力であり;PRは圧力比(Pcond/Pevap)であり;Tdischは圧縮機吐出温度であり;COPは性能係数(エネルギー効率の尺度)であり;そして容積CAPは容積能力である。表4は、ブレンドBがHFC−245faに匹敵する性能で100℃の凝縮温度を実現するヒートポンプの運転を可能にするであろうことを示す。ブレンドBでのエバポレーターおよび凝縮器グライドは無視でき、それは、フラデッドエバポレーターおよび凝縮器を備えた大きいヒートポンプにとって有利であり得よう。ブレンドBは、HFC−245faよりも実質的に低いGWPを有し、不燃性であると予期される。ブレンドBよりも低いGWPのE−HFO−1438mzz/HFC−245ebブレンドは、ブレンド中のE−HFO−1438mzzの割合を増やすことによって性能の実質的な損失なしに形成することができる。たとえば、54重量パーセント超のE−HFO−1438mzzを含有するE−HFO−1438mzz/HFC−245ebブレンドは、150よりも低いGWPを有するであろう。
実施例4
135℃の凝縮温度でE−HFO−1438mzz/HFC−245eb(35/65重量%)ブレンドで動作するヒートポンプ
表5は、HFC−245faでの性能に対して135℃の凝縮温度で動作する作動流体としてのE−HFO−1438mzz/HFC−245eb(35/65重量%)ブレンド(「ブレンドB」)でのヒートポンプの性能を比較する。エバポレーターは、Tevap=80℃で熱を受け取る。
凝縮器温度=135℃
エバポレーター温度=80℃
サブクーリング=10℃
エバポレーターで加えられる過熱=10℃
圧縮機効率=0.70。
Figure 2015507666
表5で、Pevapはエバポレーターの圧力であり;Pcondは凝縮器の圧力であり;PRは圧力比(Pcond/Pevap)であり、Tdischは圧縮機吐出温度であり;COPは性能係数(エネルギー効率の尺度)であり;そして容積CAPは容積能力である。表5は、ブレンドBがHFC−245faに匹敵する性能で135℃の凝縮温度を実現するヒートポンプの運転を可能にするであろうことを示す。ブレンドBでのエバポレーターおよび凝縮器グライドは無視でき、それは、フラデッドエバポレーターおよび凝縮器を備えた大きいヒートポンプにとって有利であり得よう。ブレンドBは、HFC−245faよりも実質的に低いGWPを有し、不燃性であると予期される。さらに、ブレンドBでの凝縮圧力、2.16MPaは、最も一般的に入手可能な大きい遠心ヒートポンプの十分に限界内である。HFC−245faでの凝縮圧力、2.58MPaは、最も一般的に入手可能な大きい遠心ヒートポンプの最大許容使用圧力を上回る。幾つかの圧縮機修正が、表5での比較的高い吐出温度に対応するためにブレンドBおよびHFC−245faの両方で恐らく必要とされるであろう。
選択される実施形態
実施形態A1:E−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン(E−HFO−1438mzz)および任意選択的に1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(すなわち、HFC−245eb)を含む蒸気作動流体を、凝縮器で凝縮させ、それによって液体作動流体を生成する工程を含む高温ヒートポンプで加熱を行う方法。
実施形態A2:伝熱媒体を凝縮器へ通し、それによって作動流体の前記凝縮が伝熱媒体を加熱する工程と、加熱された伝熱媒体を凝縮器から加熱されるべき本体へ通す工程とをさらに含む実施形態A1の方法。
実施形態A3:作動流体がE−HFO−1438mzzから本質的になる、実施形態A1またはA2の方法。
実施形態A4:作動流体が、E−HFO−1438mzzとHFC−245ebとから本質的になり、そして作動流体中のE−HFO−1438mzzが、E−HFO−1438mzzとHFC−245ebとの総量を基準として少なくとも約1重量パーセントである、実施形態A1〜A3のいずれか一つの方法。
実施形態A5:伝熱媒体が水であり、加熱されるべき本体が水である、実施形態A2〜A4のいずれか一つの方法。
実施形態A6:伝熱媒体が水であり、加熱されるべき本体が空間加熱用の空気である、実施形態A2〜A4のいずれか一つの方法。
実施形態A7:伝熱媒体が工業伝熱液であり、加熱されるべき本体が化学プロセス流れである、実施形態A2〜A4のいずれか一つの方法。
実施形態A8:作動流体蒸気を動的(たとえば軸流もしくは遠心)または容積式(たとえば往復、スクリューもしくはスクロール)圧縮機で圧縮する工程をさらに含む、実施形態A1〜A7のいずれか一つの方法。
実施形態A9:加熱されるべき流体を前記凝縮器へ通し、こうして流体を加熱する工程をさらに含む実施形態A1〜A8のいずれか一つの方法。
実施形態A10:流体が空気であり、凝縮器からの加熱された空気が加熱されるべき空間へ通される、実施形態A9の方法。
実施形態A11:流体がプロセス流れの一部であり、加熱された一部がプロセスに戻される、実施形態A9の方法。
実施形態A12:選択された凝縮器温度で運転される加熱段階で熱を作動流体に吸収させる工程と、この熱を、より高い凝縮器温度で運転される別の加熱段階の作動流体に伝える工程であって;より高い凝縮器温度で運転される加熱段階の作動流体がE−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む工程と
を含む、少なくとも2つの加熱段階間で熱が交換される、実施形態A1〜A11のいずれか一つの方法。
実施形態B1:E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む作動流体を高温ヒートポンプに装入する工程を含む高温ヒートポンプ装置で最高実現可能凝縮器運転温度を上げる方法。
実施形態B2:最高実現可能凝縮器運転温度を、約120℃よりも高い温度まで上げる、実施形態B1の方法。
実施形態C1:E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む作動流体を含有する高温ヒートポンプ装置。
実施形態C2:(a)それを通って作動流体が流れ、そして蒸発するエバポレーターと;(b)蒸発した作動流体をより高い圧力に圧縮する、エバポレーターと流体連通する圧縮機と;(c)それを通って高圧作動流体蒸気が流れ、そして凝縮する、圧縮機と流体連通する凝縮器と;(d)凝縮器と流体連通する減圧デバイスであって、凝縮した作動流体の圧力が下げられ、そして作動流体が繰り返しサイクルで構成要素(a)、(b)、(c)および(d)の通過を繰り返すように前記減圧デバイスがエバポレーターとさらに流体連通する減圧デバイスとを含む、請求項10の高温ヒートポンプ装置。
実施形態C3:動的または容積式圧縮機を含む実施形態C1〜C2のいずれか一つの高温ヒートポンプ装置。
実施形態C4:各段階がそれを通して作動流体を循環させる、カスケード加熱システムとして配置された少なくとも2つの加熱段階を有する装置であって、熱が先行段階から最終段階に伝えられ、そして最終段階の加熱流体がE−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む、実施形態C1〜C3のいずれか一つの装置。
実施形態C5:
(a)第1作動流体液の圧力および温度を下げるための第1膨張デバイスと;
(b)入口および出口を有する、第1膨張デバイスと流体連通するエバポレーターと;
(c)エバポレーターと流体連通し、かつ入口および出口を有する第1圧縮機と;
(d)第1圧縮機と流体連通し、かつ
(i)第1入口および第1出口、ならびに
(ii)第1入口および出口と熱連通した第2入口および第2出口
を有する、カスケード熱交換器システムと;
(e)カスケード熱交換器の第2出口と流体連通し、かつ入口および出口を有する第2圧縮機と;
(f)第2圧縮機と流体連通し、かつ入口および出口を有する凝縮器と;
(g)凝縮器と流体連通する第2膨張デバイスと
を含む、各段階がそれを通して作動流体を循環させる、カスケード加熱システムとして配置された少なくとも2つの加熱段階を有する装置であって、第2作動流体がE−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む、実施形態C1〜C4のいずれか一つの装置。
実施形態C6:第1作動流体が、HFO−1234yfおよびE−1234zeからなる群から選択される少なくとも1つのフルオロオレフィンを含む、実施形態C1〜C5のいずれか一つの高温ヒートポンプ装置。
実施形態C7:第1作動流体が、HFC−134a、HFC−134およびHFC−227eaからなる群から選択される少なくとも1つのフルオロアルカンを含む、実施形態C1〜C6のいずれか一つの高温ヒートポンプ装置。
実施形態C8:第1作動流体が、
HFO−1234yf/HFC−32、
HFO−1234yf/HFC−32/HFC−125、
HFO−1234yf/HFC−134a、
HFO−1234yf/HFC−134a/HFC−32、
HFO−1234yf/HFC−134、
HFO−1234yf/HFC−134a/HFC−134、
HFO−1234yf/HFC−32/HFC−125/HFC−134a、
E−HFO−1234ze/HFC−32、
E−HFO−1234ze/HFC−32/HFC−125、
E−HFO−1234ze/HFC−134a、
E−HFO−1234ze/HFC−134、
E−HFO−1234ze/HFC−134a/HFC−134、
E−HFO−1234ze/HFC−227ea、
E−HFO−1234ze/HFC−134/HFC−227ea、
E−HFO−1234ze/HFC−134/HFC−134a/HFC−227ea、および
HFO−1234yf/E−HFO−1234ze/HFC−134/HFC−134a/HFC−227ea
からなる組成物の群から選択される実施形態C1〜C7のいずれか一つの高温ヒートポンプ装置。
実施形態C9:最終段階に先行する段階の作動流体が、HFO−1234yfおよびE−1234zeからなる群から選択される少なくとも1つのフルオロオレフィンを含む、実施形態C1〜C8のいずれか一つの高温ヒートポンプ装置。
実施形態C10:最終段階に先行する段階の作動流体が、HFC−134a、HFC−134およびHFC−227eaからなる群から選択される少なくとも1つのフルオロアルカンを含む、実施形態C1〜C9のいずれか一つの高温ヒートポンプ装置。
実施形態D1:(i)E−HFO−1438mzzとHFC−245ebとから本質的になる作動流体と;(ii)55℃以上の温度での分解を防ぐための安定剤、(iii)55℃以上での使用に好適な潤滑油、または(ii)および(iii)の両方とを含む組成物。

Claims (20)

  1. E−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン(E−HFO−1438mzz)および任意選択的に1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(すなわち、HFC−245eb)を含む蒸気作動流体を、凝縮器で凝縮させ、それによって液体作動流体を生成する工程を含む高温ヒートポンプで加熱を行う方法。
  2. 伝熱媒体を前記凝縮器へ通し、それによって作動流体の前記凝縮が前記伝熱媒体を加熱する工程と、前記加熱された伝熱媒体を前記凝縮器から加熱されるべき本体へ通す工程とをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記作動流体が、E−HFO−1438mzzとHFC−245ebとから本質的になり、かつ前記作動流体中の前記E−HFO−1438mzzが、E−HFO−1438mzzとHFC−245ebとの総量を基準として少なくとも約1質量パーセントである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記伝熱媒体が工業伝熱液であり、加熱されるべき前記本体が化学プロセス流れである、請求項2に記載の方法。
  5. 前記作動流体蒸気を動的(たとえば軸流もしくは遠心)または容積式(たとえば往復、スクリューもしくはスクロール)圧縮機で圧縮する工程をさらに含む、請求項2に記載の方法。
  6. 加熱されるべき流体を前記凝縮器へ通し、こうして前記流体を加熱する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. 選択された凝縮器温度で運転される加熱段階で熱を作動流体に吸収させる工程と、この熱を、より高い凝縮器温度で運転される別の加熱段階の作動流体に伝える工程であって;前記より高い凝縮器温度で運転される加熱段階の作動流体がE−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む工程と
    を含む、少なくとも2つの加熱段階間で熱が交換される、請求項1に記載の方法。
  8. E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む作動流体を高温ヒートポンプに装入する工程を含む高温ヒートポンプ装置で最高実現可能凝縮器運転温度を上げる方法。
  9. 前記最高実現可能凝縮器運転温度を約120℃よりも高い温度まで上げる、請求項8に記載の方法。
  10. E−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む作動流体を含有する、高温ヒートポンプ装置。
  11. 動的または容積式圧縮機を含む、請求項10に記載の高温ヒートポンプ装置。
  12. (a)それを通って作動流体が流れ、そして蒸発するエバポレーターと;(b)前記蒸発した作動流体をより高い圧力に圧縮する、前記エバポレーターと流体連通する圧縮機と;(c)それを通って前記高圧作動流体蒸気が流れ、そして凝縮する、前記圧縮機と流体連通する凝縮器と;(d)前記凝縮器と流体連通する減圧デバイスであって、前記凝縮した作動流体の圧力が下げられ、そして前記作動流体が繰り返しサイクルで構成要素(a)、(b)、(c)および(d)の通過を繰り返すように前記減圧デバイスが前記エバポレーターとさらに流体連通する減圧デバイスとを含む、請求項10に記載の高温ヒートポンプ装置。
  13. 各段階がそれを通して作動流体を循環させる、カスケード加熱システムとして配置された少なくとも2つの加熱段階を有する装置であって、熱が先行段階から最終段階に伝えられ、そして前記最終段階の加熱流体がE−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む、請求項10に記載の高温ヒートポンプ装置。
  14. (a)第1作動流体液の圧力および温度を下げるための第1膨張デバイスと;
    (b)入口および出口を有する、前記第1膨張デバイスと流体連通するエバポレーターと;
    (c)前記エバポレーターと流体連通し、かつ入口および出口を有する第1圧縮機と;
    (d)(i)第1入口および第1出口、ならびに
    (ii)前記第1入口および出口と熱連通した第2入口および第2出口
    を有する、前記第1圧縮機出口と流体連通するカスケード熱交換器システムと;
    (e)前記カスケード熱交換器システムの前記第2出口と流体連通し、かつ入口および出口を有する第2圧縮機と;
    (f)前記第2圧縮機と流体連通し、かつ入口および出口を有する凝縮器と;
    (g)前記凝縮器と流体連通する第2膨張デバイスと
    を含む、各段階がそれを通して作動流体を循環させる、カスケード加熱システムとして配置された少なくとも2つの加熱段階を有する装置であって、第2作動流体がE−HFO−1438mzzおよび任意選択的にHFC−245ebを含む、請求項13に記載の高温ヒートポンプ装置。
  15. 前記第1作動流体が、HFO−1234yfおよびE−1234zeからなる群から選択される少なくとも1つのフルオロオレフィンを含む、請求項13に記載の高温ヒートポンプ装置。
  16. 前記第1作動流体が、HFC−134a、HFC−134およびHFC−227eaからなる群から選択される少なくとも1つのフルオロアルカンを含む、請求項13に記載の高温ヒートポンプ装置。
  17. 前記第1作動流体が、
    HFO−1234yf/HFC−32、
    HFO−1234yf/HFC−32/HFC−125、
    HFO−1234yf/HFC−134a、
    HFO−1234yf/HFC−134a/HFC−32、
    HFO−1234yf/HFC−134、
    HFO−1234yf/HFC−134a/HFC−134、
    HFO−1234yf/HFC−32/HFC−125/HFC−134a、
    E−HFO−1234ze/HFC−32、
    E−HFO−1234ze/HFC−32/HFC−125、
    E−HFO−1234ze/HFC−134a、
    E−HFO−1234ze/HFC−134、
    E−HFO−1234ze/HFC−134a/HFC−134、
    E−HFO−1234ze/HFC−227ea、
    E−HFO−1234ze/HFC−134/HFC−227ea、
    E−HFO−1234ze/HFC−134/HFC−134a/HFC−227ea、および
    HFO−1234yf/E−HFO−1234ze/HFC−134/HFC−134a/HFC−227ea
    からなる組成物の群から選択される、請求項16に記載の高温ヒートポンプ装置。
  18. 前記最終段階に先行する段階の前記作動流体が、HFO−1234yfおよびE−1234zeからなる群から選択される少なくとも1つのフルオロオレフィンを含む、請求項13に記載の高温ヒートポンプ装置。
  19. 前記最終段階に先行する段階の前記作動流体が、HFC−134a、HFC−134およびHFC−227eaからなる群から選択される少なくとも1つのフルオロアルカンを含む、請求項13に記載の高温ヒートポンプ装置。
  20. (i)E−HFO−1438mzzとHFC−245ebとから本質的になる作動流体と;(ii)55℃以上の温度での分解を防ぐための安定剤、(iii)55℃以上での使用に好適な潤滑油、または(ii)および(iii)の両方とを含む組成物。
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