JP2015505720A - イオン性液体中におけるnoの吸収および酸化 - Google Patents

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Abstract

本発明は、周囲温度でのイオン性液体組成物中における水および酸素の存在下での一酸化窒素(NO)の吸収およびインサイチュ酸化に関する。

Description

本発明は、周囲温度でのイオン性液状組成物中における水および酸素の存在下での一酸化窒素(NO)の吸収およびインサイチュ酸化に関する。
NOxの起源
NOxは、燃焼中に生じる様々な窒素酸化物の総称である。窒素酸化物は喘息の症状を悪化させ、空気中の酸素と反応してオゾンを生じると考えられており、それは刺激物でもあり、水に溶解した場合には硝酸を最終的に生成する。大気中の水分に溶解した場合には、樹木と森林全体の生態系との両方に損傷を与える可能性がある酸性雨となり得る。そのため、NOxの排出源は現在、より厳しい基準を受けている。大気化学において、用語NOxはNO、NO2、N2O、N2O3およびN2O5の総濃度を意味する。
窒素酸化物は燃料中における窒素前駆体の燃焼中に生成される可能性があり、フューエルNOxと定義することができる。しかし、窒素酸化物は、2種の反応機構により空気中の窒素から生成される可能性もある。一方の反応機構は、サーマルNOxと称され、Zeldovich反応機構:
O+N2→NO+N (1.1)
N+O2→NO+O (1.2)
N+OH→NO+H (1.3)
により空気中の窒素からも生成される可能性がある。
他方の反応機構は、プロンプトNOxと称され、空気中の窒素が炭化水素ラジカルにより固定された後にNOxに酸化される[G. Loffler他、Fuel、第85巻、513〜523頁、2006]。
N2+CH→HCN+N (1.4)
燃焼プロセスにおけるNOx生成の3つの主要な原因、即ちプロンプトNOx、フューエルNOxおよびサーマルNOxが実証されている[C. S. Latta Plant Engineering、第52巻(10)、105〜110頁、1998]。温度依存性の強いサーマルNOx生成は、天然ガスの燃焼時に最も関連が深い原因として認識されている。窒素三重結合の切断により(即ち反応(1.1))、サーマルNOxは、通常は1200℃を超える高温で主に生じる[H. Bosch他、Catal. Today、第46巻、233〜532頁、1988]。
熱力学的観点から見ると、ΔH°298K=-452kJのエンタルピーにより反応N2+O2→2NOは非常に不利である[G. Busca他、Catal. Today、第107〜108巻、139〜148頁、2005]。それ故に、適切な速度で進行させるためには非常に高い温度が必要である。純粋な化学平衡の観測から、様々な窒素化合物、即ちN2、N2O、NOまたはNO2の生成がO/N比の増加に起因して酸素分圧に比例することは明らかである。
特定の石炭および石油等の窒素含有燃料からのNOx発生の別の原因は、燃焼中における燃料結合窒素のNOxへの変換である。燃料中に結合した窒素はここでフリーラジカルとして放出され、以下の反応:
4NH3+5O2→4NO+ 6H2O (1.5)
によりフリーのN2またはNOが最終的に生成され[G. Busca他]、ここで、アンモニアおよびアミンのような窒素含有化合物はNOに酸化される。ΔH°298K=-452kJでのエンタルピーにより反応は熱力学的に非常に有利ではあるが、N2への酸化ほど有利ではない。生成された「フューエルNOx」の量は燃料中の窒素の量に主に依存しており、反応器の設計による影響も強く受ける。天然ガス(メタン)中には窒素化合物は実質的に存在していないが、石炭、軽油および燃料油ならびに木材等のバイオ燃料の場合には相当量の窒素が存在する[Busca]。
燃料対空気比が高い場合にはプロンプトNOxが発生し、反応(1.4)中で生成された窒素ラジカルは反応(1.2)により酸素と反応する。反応は温度にほとんど依存しないが、生成されたプロンプトNOxはサーマルNOxに比べてわずかである。
窒素酸化物の除去方法
NOxを低減するための多くの可能性を3つのカテゴリー、即ち予燃焼、燃焼改良および後燃焼に分類することができる[Latta]。予燃焼戦略は、窒素種の含有量が低い代替燃料の使用を意味する[Busca]。燃焼中に異なる種類の改良を利用することができ、これらの改良の中で最も使用されているのは、低NOx-バーナー、再燃焼および段階的な空気燃焼(熱酸化)である[Latta]。燃焼改良において様々な他の方法、即ち、バーナー非稼動(Burners out-of-service)、ディレーテイング、バーナーシステムの改良、トリムおよび希釈剤噴射も可能であり、全てLattaにより説明されている。NOxを低減するために、いくつかの後燃焼アプローチ、即ちSCR、選択的無触媒還元(SNCR)、吸収、NOx再利用、直接分解[Latta]、光触媒酸化[J. Dalton他、Environmental Pollution、第120巻、415〜422頁、2002]、多機能フィルタ(フライアッシュおよびNOxの除去)[D. Fino他、Chem. Eng. Sci.、第59巻、5329〜5336頁、2004]およびパルス大強度電子ビーム照射が適用される。
燃焼排ガスからNOxを除去するために最も普及した技術の内の1つは、効率性および経済性に起因して固定発生源または発電プラントで用いられる選択的触媒還元(SCR)プロセスである。窒素酸化物を除去するためのSCRプロセスは、NOxとアンモニアとの間の反応に基づく。
・ 4NO+4NH3+O2→4N2+6H2O (1.6)
・ NO+NO2+2NH3→2N2+3H2O (1.7)
典型的な適用では、アンモニアをNOx含有ガス中に噴射し、混合物をフロー分配システムおよび1層または複数層の触媒層に通す。SCR脱NOxシステムの主要な構成要素として、触媒を備えた反応器、アンモニア貯蔵所および噴射システムが挙げられる。
多様な担体および触媒金属がSCRプロセスに利用されるが、熱安定性および硫黄被毒に対する抵抗性によりバナジア/チタニア触媒が従来適用されている[N. Topsoe他、J. Catal.、第151巻、226〜240頁、1995]。
アンモニア源は、無水アンモニア、アンモニア水または尿素溶液のいずれかであることができる。より優れた性能によりアンモニアが利用されることが多いが、アンモニアの毒性および取り扱い難さに起因して、アンモニアほど効率的ではないが尿素を使用することができる。
アンモニアを蒸発させ、続いて空気または燃焼排ガス副流で希釈した後にSCR反応器の上流の燃焼排ガスダクト中に噴射する。アンモニア水または尿素溶液の直接噴射も可能である。SCRプロセスは、アンモニアスリップと称される未変換アンモニアの望ましくない放出を伴うことなく効率的なNOx変換を確保するために、アンモニア噴射率の正確な制御および燃焼排ガス中への均一な混合を必要とする。SCRプロセスは概して、約350〜400℃の温度を必要とする。
尿素は移動装置で使用されることが多く、例えばアンモニアスリップを避けることができる。SCRプロセスにおけるアンモニアの代替としての尿素に加えて、炭化水素を使用することも可能である。オレフィンおよびより高級なアルカン等の炭化水素によりNOを還元する可能性が1990年に初めて提案された[Busca]。炭化水素-SCRシステムは還元剤として炭化水素を使用する。炭化水素は排ガス中に存在することができ、または排ガスに添加され得る。このことは、追加の還元剤源(例えば尿素)を搭載する必要がないという利点を有するが、このシステムはアンモニア-SCRシステムの性能を示すことができない。固定型プラントにおいては、発電プラント由来の燃焼排ガスからのNOx除去用にメタンが好ましくは選択されるが、これは、少なくともメタン(天然ガス)を燃料とするプラントにおいてメタンが既に存在するからである。
燃焼排ガスからのNOx(窒素酸化物、NO、N2O、NO2を包含する)の触媒的除去は非常に効率的なプロセスではあるが、SCRプロセスの全体としての高い操業費およびアンモニアスリップの可能性は、窒素酸化物の排出量を抑えるための他の方法の探求の動機付けとなる。
SO2およびNOxを除去するための湿式洗浄システムにより、異なる概念が提示される。NOxおよびSO2を同時に除去するために、いくつかの水洗浄システムが開発されている[C.-L. Yang他、Environmental Progress、17、80〜85頁(1998)]。
湿式燃焼排ガス脱硫(FGD)は概して高いSO2除去効率を示すが、FGDは少量のNOxを除去することができるのみであり、これは典型的な燃焼排ガス中の約90〜95%が不溶性NOとして存在しており、残りの5〜10%のNO2のみが水溶性だからである。MnO4 -およびH2O2等の強力な酸化添加剤を添加することによりNOを水溶性NO2に酸化する試みが行なわれているが、これに含まれる処理コストは実際の利用には高すぎる。
[Co(NH3)6]2+溶液中でのNOおよびSO2の同時除去(80℃未満で機能する)に関する有望な結果がLong他によって報告されている[X.-l. Long他、Industrial & Engineering Chemistry Research、43、4048〜4053頁(2004)]。
NOを除去するための別のアプローチは、鉄-EDTA錯体の場合に関して反応1.8に概説するように、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはニトリロトリアセテート(NTA)をベースとするFe2+キレートによるNOの錯体化である[F. Roncaroli他、Coordination Chemistry Reviews、251、1903〜1930頁(2007)]。
金属キレートを吸収後に電気化学的に再生することができ、または亜硫酸イオンによりスルフェートおよび窒素に還元することができる[F. Gambardella他、Industrial & Engineering Chemistry Research 44、4234〜4242頁(2005)]。
米国特許第6235248号には、鉄錯体を再生するための生物工学的アプローチ、いわゆるバイオ脱NOxプロセスが記載されている。このプロセスでは、NOが飽和した鉄キレート溶液を、鉄-EDTA錯体を再生し、結合したニトロシルをN2に変換する細菌に密着させる。微生物の存在に起因して、FeII(EDTA)溶液は、ある程度希釈される必要があり(濃度<200mM)、このことにより吸収能力が必然的に制限される。
NOを除去するために前記で提案された技術は全て、低い能力、大きな設備専有面積、不十分な反応速度論、有害な化学量論的還元剤または化学量論的酸化剤、反応温度の上昇および特殊な触媒を必要とすること等の様々な難問を伴う。
前記で提案された技術の多くは蒸気圧を有する液体に更に基づいており、このことは、作用中に溶媒がある程度蒸発することを意味する。この具体的な問題への一つの有望な解決策は、イオン性液体(IL)と称される比較的新しい種類の溶媒の使用である。語句「イオン性液体」は原則として、イオン(例えば融解塩)から完全に構成される任意の液体を包含する。しかしながら、本研究の文脈内では、本用語は、室温において純粋状態の液体である材料を説明するために使用され得るのみである。この種の溶媒は、非常に低い蒸気圧により「グリーン」溶媒と見なされることが多い。この特徴によりILは、ガスの吸収に使用される従来の溶媒に比べて本質的に有利である。イオン性液体は、周囲条件におけるIL中でのガスの低いガス溶解度にもかかわらずガス状反応物がIL溶液に入るという有望な挙動(水素化、ヒドロホルミル化および酸化等)を多くの反応で既に明らかにしている[J. L. Anthony他、The Journal of Physical Chemistry B、106. 7315〜7320頁(2002)]。
ILの別の既知の適用は、ガス混合物を分離するためにILを利用することである。特許出願WO2007/101397はガス精製プロセスを含み、多様なガスの可能な吸収体としての広範囲のイオン性液体に言及するが、この提案を支持するいかなる実験的証拠も提供しない。イオン性液体がどのようにして作用するかを証明するデータがないことから、WO2007/101397は単に理論的概説にすぎない。近年、SO2の吸収に有望な固体状イオンのカチオン(1,1,3,3-テトラメチルグアニジニウム)が同定されている[J. Huang他、Journal of Molecular Catalysis A: Chemical、279、170〜176頁(2008)]。Anthony他は、イミダゾリウムをベースとするILにおける多くのガス(CO2、CO、O2等)の溶解性を報告した[J. L. Anthony他、The Journal of Physical Chemistry B、106、7315〜7320頁(2002)]。
しかしながら、イオン性液体は従来の溶媒に比べて粘性が高い傾向があり、このことによりIL中へのガスの物質移動に関する難問が生じる可能性がある。低溶解性ガスの場合には、IL中への物質移動はおそらく律速段階であり、律速段階は、界面ガス-IL面積の増加によりおよび/または高圧系の使用により最小限に抑えることができる[J. L. Anthony他、The Journal of Physical Chemistry B、106、7315〜7320頁(2002)]。
これまで、IL中におけるガス溶解性に関する限られた情報のみが報告されている。CO2捕捉に関する報告に加えて、ほとんどの研究の焦点は、既に吸収されたガスによりIL中で起こる反応を中心に展開する。ガス溶解性に関しては、ごくわずかの報告が存在する[J. L. Anthony他、The Journal of Physical Chemistry B、106、7315〜7320頁(2002); J. L. Anderson他、Accounts of Chemical Research、40、1208〜1216頁(2007)]。Brenneckeのグループは、例えばイミダゾリウムをベースとするIL中の多くのガスの吸収に関する多くの影響力が大きい研究で貢献している[J. L. Anthony他、The Journal of Physical Chemistry B、106、7315〜7320頁(2002); J. L. Anderson他、Accounts of Chemical Research、40、1208〜1216頁(2007); J. L. Anthony他、The Journal of Physical Chemistry B、105、10942〜10949頁(2001); J. L. Anthony他、The Journal of Physical Chemistry B、109、6366〜6374頁(2005)]。
そのため、発電プラントまたは焼却プラントのような大型の固定発生源からだけでなく、例えば小さい設備専有面積、低いエネルギー消費および好ましくは有害な化学物質を伴うことがないことを必要とする市販の船舶のような移動排出源からの燃焼排ガスからNOxを除去するための、具体的には最も量が多いNOx成分であるNOを除去するための効率的なプロセスを開発する必要性が依然としてある。
米国特許第6235248号 WO2007/101397 PCT/EP2011/060064
G. Loffler他、Fuel、第85巻、513〜523頁、2006 C. S. Latta Plant Engineering、第52巻(10)、105〜110頁、1998 H. Bosch他、Catal. Today、第46巻、233〜532頁、1988 G. Busca他、Catal. Today、第107〜108巻、139〜148頁、2005 J. Dalton他、Environmental Pollution、第120巻、415〜422頁、2002 D. Fino他、Chem. Eng. Sci.、第59巻、5329〜5336頁、2004 N. Topsoe他、J. Catal.、第151巻、226〜240頁、1995 C.-L. Yang他、Environmental Progress、17、80〜85頁(1998) X.-l. Long他、Industrial & Engineering Chemistry Research、43、4048〜4053頁(2004) F. Roncaroli他、Coordination Chemistry Reviews、251、1903〜1930頁(2007) F. Gambardella他、Industrial & Engineering Chemistry Research 44、4234〜4242頁(2005) J. L. Anthony他、The Journal of Physical Chemistry B、106. 7315〜7320頁(2002) J. Huang他、Journal of Molecular Catalysis A: Chemical、279、170〜176頁(2008) J. L. Anderson他、Accounts of Chemical Research、40、1208〜1216頁(2007) J. L. Anthony他、The Journal of Physical Chemistry B、105、10942〜10949頁(2001) J. L. Anthony他、The Journal of Physical Chemistry B、109、6366〜6374頁(2005) J. J. van Ormelingen他、Combined Power Plant Air Pollutant Control MEGA Symposium、Washington、DC、USA (2003)
本研究の独自の焦点は、カルベン、例えば様々な対イオン(アニオン)を有するカチオンである1-エチル-3-メチル-イミダゾリウム([EMIM]+)および1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム([BMIM]+)を生成することができるN-複素環カチオンに基づくIL中における一酸化窒素(NO)の選択的吸収および脱離挙動を研究することであった。この最初の研究はPCT/EP2011/060064に開示されている。
しかしながら、吸収現象を綿密に調べた際に、驚くべきことに、大気中の酸素および少量の水の存在下において一酸化窒素(NO)の吸収が起こる場合に、NOはIL中に吸収されるだけでなく非常に急速に硝酸(HNO3)に変換され、ガスストリーム中に存在する酸素以外の更なる酸化剤およびガスストリーム中に存在するおよび/またはIL中に微量で存在する水以外の更なる水を必要としないことを発見した。驚くことに、反応は室温でさえも速く進行する。1,1,3,3-テトラメチルグアニジニウムクロリド([TMGH]-Cl)および塩化コリンのようないくつかの他のイオン性化合物を使用することもでき、このことは、カルベンを生成することができるN-複素環カチオンへの最初の限定が適切でなかったことを意味する。そのため、試験した全ての液状イオン性組成物中においてNOはHNO3に急速に変換され、これらの組成物の一部は更に、生成されたHNO3を貯蔵するための能力が高く、このことは特定の条件下において追加の利点である。ほとんどの場合でイオン性化合物のmol当たり約1モルのHNO3の貯蔵能力を観測したが、非常に疎水性の液状イオン性組成物に関するいくつかの場合では、反応速度が非常に高いままであったとしても貯蔵能力はイオン性化合物のmol当たり1モル未満のHNO3であり、HNO3との錯体形成に適した追加の構成要素を含有した他のイオン性化合物に関するいくつかの場合では、より高い貯蔵能力を観測した。
本発明は第1の態様において、複数種のガス状化合物を含有するガスから一酸化窒素(NO)を捕捉する方法であって、
a.酸素および水の存在下において液状イオン性組成物中に前記NOを吸収させる工程と、
b.吸収したNOを酸素および水と反応させ、液状イオン性組成物中に蓄積する硝酸を生成する工程と、
c.生成した硝酸を、昇温および/または減圧により液状イオン性組成物溶液から任意選択で除去する工程と
を含み、前記液状イオン性組成物が、任意選択で非イオン性溶媒と混合した1種または複数種のイオン性化合物を含む、方法を提供する。
本発明は第2の態様において、一酸化窒素(NO)からの硝酸(HNO3)の製造方法であって、酸素および水の存在下において液状イオン性組成物中に前記一酸化窒素(NO)を吸収させ、それにより前記一酸化窒素(NO)が硝酸(HNO3)に変換される工程を含む方法を提供する。
本発明は第3の態様において、液状イオン性組成物中の硝酸の無水溶液の調製方法であって、本発明の第1のまたは第2の態様に従って、NOおよび/またはNO2を前記液状イオン性組成物中に吸収させてその後にHNO3に変換する工程を含む方法を提供する。
本発明は第4の態様において、複数種のガス状化合物を含有するガスから一酸化窒素(NO)を捕捉するための、本出願で定義したイオン性組成物の使用を提供する。
本発明は第5の態様において、多孔質キャリア上に吸収させ、複数種のガス状化合物を含有するガスから一酸化窒素(NO)を捕捉するための担持イオン性液相(SILP)材料の形で使用する、本出願で定義したイオン性組成物の使用を提供する。
SILPの概念を示す略図である。 調べた3種の担体に関して収集したデータの比較を示すグラフであり、反応の最初の30分にわたるNO濃度の推移を示し、SiO2は焼成シリカSILPを示す。各SILP中のILの総量は、SiO2に関しては1.5gであり、TiO2に関しては1gであり、炭素に関しては1.1gであった。2000vppmのNOおよび2000vppmの水のガス組成物により40℃で全ての吸収を行なった。炭素SILPに関しては燃焼排ガスを水で飽和した。 SILP材料を試験するために使用した連続フロー装置の概要を示す図である。 ガウス関数でデコンボリュートしたガスUVスペクトル(交差)の例を示すグラフである。 ATR-FTIRによりNOx吸収を測定するために使用した装置の例を示す図である。装置を使用してILの薄膜上に模擬燃焼排ガスを通した。機器は加熱可能であり、これにより測定のために温度を変更することが可能となる。 試料の周囲の環境を制御しつつ固体SILP試料とATR結晶との間の良好な接触を可能にする装置の例を示す図である。装置は、SILP系上でのインサイチュATR-FTIR測定を直接可能にする。 窒素中の10体積%NOと混合した8ml/分の湿潤空気(水中にバブリングすることにより生成する)のフローによる反応前後の[BMIM]NO3のATR-FTIRスペクトルを示すグラフである。反応後に、定常状態に達するまで湿潤空気のフロー下で試料を120℃に加熱した。 [BMIM]NO3のmol当たり1.12molおよび2.14molの硝酸をそれぞれ含む、硝酸と[BMIM]NO3との混合物を示すグラフである。 水で飽和したアルゴン流に暴露した[BMIM]NO3を示すグラフである。次いで、フローを窒素中の10体積%NOに30分間切り替えた。10分後、試料を1分にわたって水で再飽和した。次いで、フローを窒素中の10体積%NOに更に20分にわたって戻した。 窒素中の10%NO(16mL/分)と混合した8ml/分の湿潤空気(水中にバブリングすることにより生成する)のフローによる反応前後の[BDMIM]NO3の選択ATR-FTIRスペクトルを示すグラフである。反応後に、定常状態に達するまで湿潤空気のフロー下で試料を120℃に加熱した。 参照として図2中のスペクトルを使用するATR補正スペクトルのデコンボリューションからの、5種のイオン性液体中における硝酸発生の量的推定を示すグラフである。[BDMIM]NO3および[BMIM]Clを使用する実験からの値を、生ATR補正スペクトルを使用して940cm-1付近のピークから推定した。[EMIM]OTfを使用する反応に関しては、純粋な[EMIM]OTfのスペクトルを減じた。次いで、この参考値を1650〜1665cm-1付近でのピークで更に校正した。酢酸コリンによる実験において、アセテートの酢酸への変換を、1570cm-1付近でのピーク(カルボキシレートC-O伸縮)を使用して評価した。 窒素中の10体積%NO(16mL/分)と混合した8ml/分の湿潤空気(水中にバブリングすることにより生成する)のフローによる反応前後の[BMIM]Clの選択ATR-FTIRスペクトルを示すグラフである。反応後に、定常状態に達するまで湿潤空気のフロー下で試料を120℃に加熱した。 窒素中の10体積%NO(16mL/分)と混合した8ml/分の湿潤空気(水中にバブリングすることにより生成する)のフローによる反応前後の[EMIM]OTfの選択ATR-FTIRスペクトルを示すグラフである。反応後に、定常状態に達するまで湿潤空気のフロー下で試料を120℃に加熱した。 窒素中の10体積%NO(16mL/分)と混合した8ml/分の湿潤空気(水中にバブリングすることにより生成する)のフローによる反応前後の[BMIM]Tf2Nの選択ATR-FTIRスペクトルを示すグラフである。定常状態までの反応後に、定常状態に達するまで湿潤空気のフロー下で試料を80℃に加熱した。 窒素中の10体積%NO(16mL/分)と混合した8ml/分の湿潤空気(水中にバブリングすることにより生成する)のフローによる反応前後の酢酸コリンの選択ATR-FTIRスペクトルを示すグラフである。定常状態までの反応後に、定常状態に達するまで湿潤空気のフロー下で試料を120℃に加熱した。 酢酸コリンからインサイチュで調製した硝酸コリンの選択ATR-FTIRスペクトルを示すグラフである。図は、窒素中の10体積%NO(16mL/分)と混合した8ml/分の湿潤空気(水中にバブリングすることにより生成する)のフローによる反応前後の硝酸コリンを示す。定常状態までの反応後に、定常状態に達するまで湿潤空気のフロー下で試料を120℃に加熱した。 [TMGH]Clの融解物および水の選択ATR-FTIRスペクトルを示すグラフである。窒素中の10体積%NO(16mL/分)と混合した8ml/分の湿潤空気(水中にバブリングすることにより生成する)のフローによる反応前後。定常状態までの反応後に、定常状態に達するまで湿潤空気のフロー下で試料を200℃に加熱した。 非限定的な例として本研究で使用するカチオンを示す図である。 分析に使用したスペクトル領域におけるNO2のスペクトルを示すグラフであり、NO2に関して濃度は1000ppmであった。 2000vppmのH2Oのガス組成物により50ml/分および150ml/分の流速で反応器をバイパスしつつ得たスペクトルデータを示すグラフである。 未焼成SILPに関する経時的なスペクトル推移を示す選択スペクトルデータを示すグラフである。使用したガス組成物は900vppmの水および2000vppmのNOであった。 乾燥した未焼成シリカSILPに関する経時的な推移を示す選択スペクトルデータを示すグラフである。NO2の濃度は吸収の直後に急速に上昇するが、30分後により安定した濃度に達すると思われる。 未焼成シリカSILPに関する経時的な濃度の推移を示すグラフである。NO2濃度をデコンボリューションにより求めており、該NO2濃度は2000vppmよりもはるかに高いと思われ、このことは、スペクトルのこの端部でのNO2バンドを量的測定に使用することができないことを示す。 2000vppmのNO濃度および1500vppmの水濃度による室温での焼成シリカSILPの27吸収サイクル目からの選択スペクトルを示すグラフである。 図26に示すのと同じ実験に関する経時的なNO濃度の推移を示すグラフである。 室温〜60℃の範囲の温度での焼成シリカSILPに関する経時的なNO濃度の推移を示すグラフである。 シリカSILPの24時間実験からの選択スペクトルを示すグラフである。図27aにおけるスペクトルを燃焼排ガス中での脱離後に得た。 シリカSILPの24時間実験からの選択スペクトルを示すグラフである。図27bにおけるスペクトルをクリーンガスストリーム中での脱離後に得た。 NOが存在しているおよび存在していない脱離後の経時的なNO濃度の推移を示すグラフである。 4000vppmの水および2000vppmのNOでの炭素SILPに関して得た選択スペクトルデータを示すグラフである。 室温において水で飽和して水濃度が約25000vppmである2000vppmのNOの燃焼排ガスにおいて炭素SILPに関して得た選択スペクトルデータを示すグラフである。 水で飽和した2000vppmのNOから成る燃焼排ガスにおける、炭素SILPに関する経時的なNO濃度の推移を示すグラフである。 アナターゼSILP上を通過した燃焼排ガスに関する選択スペクトルデータを示すグラフである。ガス組成物は2000vppmのNOおよび1500vppmの水であった。欠けているスペクトルに関しては観測不能なシグナルがある。 アナターゼSILPに関する吸収の最初の15分にわたるNO濃度の推移を示すグラフである。 アナターゼSILPに関して4種全ての温度での暴露10分後に得たスペクトルを示すデータである。110℃および120℃で得たスペクトルは完全に一致する。 アナターゼSILPに関して様々な温度での最初の10分にわたるNO濃度の推移を示すグラフである。 NOを含まないガス中における吸収中、続いて脱離中に得たアナターゼSILPに関する選択スペクトルデータを示すグラフである。 NOを含むガス中における吸収中、続いて脱離中に得たアナターゼSILPに関する選択スペクトルデータを示すグラフである。 実験の最初の90分中でのNO濃度の推移を示すグラフである。有意でない変化後は示さない。 焼成シリカSILPのインサイチュATR-FTIRスペクトルを示すグラフである。スペクトルを12時間スパンで得た。
本発明は第1の態様において、複数種のガス状化合物を含有するガスから一酸化窒素(NO)を捕捉する方法であって、
a.酸素および水の存在下において液状イオン性組成物中に前記NOを吸収させる工程と、
b.吸収したNOを酸素および水と反応させ、液状イオン性組成物中に蓄積する硝酸を生成する工程と、
c.生成した硝酸を、昇温および/または減圧により液状イオン性組成物溶液から任意選択で除去する工程と
を含み、前記液状イオン性組成物が、任意選択で非イオン性溶媒と混合した1種または複数種のイオン性化合物を含む、方法を提供する。
図18に示すカチオンの内の1種または複数種を含む多くの様々なイオン性組成物中でのNOの吸収およびそのHNO3への更なる変換を調べた。
そのため、本発明は好ましい実施形態において、以下の構造:
(式中、
・R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22は独立して、水素、アルキル、ハロゲン化アルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニルであることができ、
・正電荷を帯びたP原子、N原子およびS原子は個別に、
R20、R21、R22、R23の内の2つ、例えばR21およびR22を縮合させて環状ホスホニウムイオンを生成することにより、または
R6、R7、R8、R9の内の2つ、例えばR6およびR7を縮合させてピリジニウムイオン等の環状アンモニウムイオンを生成することにより、または
R11およびR12、R13およびR14、R15およびR10の内の2つ、例えばR11およびR12を縮合させて環状グアニジニウムイオンを生成することにより、または
R16、R17およびR18の内の2つ、例えばR16およびR17を縮合させて環状スルホニウムイオンを生成することにより、
複素環構造または複素芳香環構造の一部であることができる)
を有するカチオン、
任意選択で、Li+、Na+およびK+等の無機カチオンから選択される1種または複数種のカチオン、ならびに
アセテート等のC1〜C6アルカノエート、ベンゾエート等のアリールカルボキシレート、硫酸エチル等のC1〜C6アルキルスルフェート、C1〜C6アルキルスルホネート、トリフレート等のC1〜C6ペルフルオロアルキルスルホネート、トリフルオロアセテート等のC1〜C6ペルフルオロアルカノエート、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(トリフル酸イミド)等のC1〜C6ペルフルオロアルキルスルホンイミド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、スルフェート、ニトレート、および塩化物または臭化物等のハロゲン化物から選択される1種または複数種のアニオン
を含む液状イオン性組成物を含む方法を提供する。
本発明は第2の態様において、一酸化窒素(NO)からの硝酸(HNO3)の製造方法であって、酸素および水の存在下において液状イオン性組成物中に前記一酸化窒素(NO)を吸収させ、それにより前記一酸化窒素(NO)が硝酸(HNO3)に変換される工程を含む方法を提供する。
本発明は第3の態様において、液状イオン性組成物中の硝酸の無水溶液の調製方法であって、本発明の第1のまたは第2の態様に従って、NOおよび/またはNO2を前記液状イオン性組成物中に吸収させてその後にHNO3に変換する工程を含む方法を提供する。
表2から分かるように、ニトレートおよび塩化物をベースとするイオン性液体がHNO3の最高貯蔵能力を有するのに対して、より低いルイス塩基度を有するアニオン(トリフレートおよびトリフル酸イミド)は大幅に低い貯蔵能力となったが、反応速度は若干低い、または変わらない。
好ましい実施形態において、本発明は、以下の構造:
(式中、R1およびR2は個別にC1〜C8のアルキル基またはアリール基から選択され、R3、R4およびR5は個別に水素、C1〜C6のアルキル基もしくはアリール基から選択され、またはR3およびR4はイミダゾリウム基と一緒になって4〜6員の飽和環、不飽和環もしくは芳香環(酸素、窒素およびリンから選択される3つ以下のヘテロ原子を更に含有することができる)を形成することができる)
を有するN-複素環カチオンを含むイオン性液体(IL)を使用してNOを吸収する工程を含む、ガスからの、例えば燃焼排ガスからのNOガスの選択的分離方法を提供する。
更に具体的な実施形態において、カチオンは、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム([EMIM]+)、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム([BMIM]+)または1-ブチル-2,3-ジメチル-イミダゾリウム([BDMIM]+)から選択される。
本発明の具体的な実施形態において、前記ILが、アセテート等のC1〜C6アルカノエート、ベンゾエート等のアリールカルボキシレート、硫酸エチル等のC1〜C6アルキルスルフェート、C1〜C6アルキルスルホネート、トリフレート等のC1〜C6ペルフルオロアルキルスルホネート、トリフルオロアセテート等のC1〜C6ペルフルオロアルカノエート、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(トリフル酸イミド)等のC1〜C6ペルフルオロアルキルスルホンイミド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、スルフェート、ニトレート、および塩化物または臭化物等のハロゲン化物から選択される1種または複数種のアニオンを更に含む方法が本発明の第1の態様に従って提供される。
具体的な実施形態において、ILは、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム([EMIM]+)アセテート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム([BMIM]+)アセテート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム([BMIM]+)ニトレート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム([EMIM]+)トリフレート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム([BMIM]+)トリフレート、1-ブチル-2,3-ジメチル-イミダゾリウム([BDMIM]+)ニトレート、塩化コリン、硝酸コリンまたはこれらの混合物から選択される。
特定の実施形態において、液状イオン性組成物は、塩基性であるアニオンを含む。
特定の実施形態において、含まれるアニオンはニトレート(NO3 -)である。
特定の実施形態において、含まれるアニオンは塩化物(Cl-)である。
特定の実施形態において、含まれるアニオンはアセテート(OAc-)である。
更なる実施形態において、含まれるアニオンはトリフレート(OTf-)である。
更なる実施形態において、含まれるアニオンはトリフル酸イミド(Tf2N-)である。
特定の実施形態において、液状イオン性組成物は[BMIM]OTfを含む。
特定の実施形態において、液状イオン性組成物は[BMIM]OAcを含む。
更なる具体的な実施形態において、R1およびR2は個別にC1〜C16のアルキル基またはアリール基から選択される。
別の具体的な実施形態において、R1およびR2は個別にC1〜C12のアルキル基またはアリール基から選択される。
更に別の具体的な実施形態において、R1およびR2は個別にC1〜C6のアルキル基またはアリール基から選択される。
本発明の実施形態において、吸収したHNO3を減圧により液状イオン性組成物から脱離させる方法が提供される。
更なる態様において、本発明はまた、前記捕捉したHNO3を昇温により液状イオン性組成物から脱離させるILの使用に関する。
[BMIM]OAc中でのN2の吸収の予備試験も行なった。予備試験では任意の測定可能な重量増加が起きず、このことからNO/N2を[BMIM]OAc中に通す場合にNOのみが吸収されると結論付けることができる。
本発明は第4の態様において、複数種のガス状化合物を含有するガスから一酸化窒素(NO)を捕捉するための、本出願で定義したイオン性組成物の使用を提供する。
担持イオン性液相(SILP)材料
担持イオン性液相(SILP)材料は、高表面積を有する多孔質担体材料上に分布したイオン性液体から成る。SILP材料はガス相反応物質を含む反応に特に実用的であり、かつSILP材料を触媒として使用することができ、ここでイオン性液体は触媒成分自体であり、または触媒成分をイオン性液相中に溶解させるために使用され、またはガス吸収体として使用される。ほとんどのILは高粘性であることから、ガス状反応物質を単に液体中にバブリングするだけでは、大きな気泡サイズに起因して界面を超える物質輸送は不十分となる。利用可能な表面積が大幅に大きくなることから、SILPの生成により拡散が容易になる。SILPの概念の略図が図1中に見出される。
多くの担持イオン性液相(SILP)吸収体組成物中でNOの吸収およびNOのHNO3への変換を調べた。多孔質キャリア材料の例として3種の異なる担体材料:シリカ(Saint-Gobain、SS611138)、アナターゼ(Saint-Gobain、ST31119)および炭素(Cabot、Black Pearl 1400)を調べた。多孔質担体材料を粉砕して分別し、180〜355μmの大きさの粒子を得た。
シリカの場合、2種のSILP吸収体(分別したシリカを「そのまま」使用する1種および焼成シリカを使用する1種)を調製した。分別したシリカを500℃で20時間にわたって焼成し、乾燥器中で室温まで冷却した。担体材料の細孔容積および比表面積をBETにより測定した(表1参照)。
SILP吸収体を調製するために、揮発性溶媒(アナターゼに関してはメタノールならびにシリカおよび炭素の両方に関してはジクロロメタン)を純粋な担体材料に過剰に添加した。25〜30%の細孔容積充填に相当するILの量を秤量し、撹拌しつつ混合物に添加した。次いで、減圧下で揮発性溶媒を徐々に蒸発させ、担体材料の表面上に良好に分布したILを得た。
担体材料およびその役割
得た結果に基づく担体の比較を図2中に見出すことができる。ここで、未焼成シリカSILPは除外されており、焼成シリカSILP中のILの量は炭素SILPおよびアナターゼSILPに関してよりも50%多いことも考慮しなくてはならない。
これらの結果に基づいて、アナターゼSILPおよび焼成シリカSILPが、炭素の疎水性に起因する可能性がある炭素SILPよりはるかに優れていることは明らかである。炭素の未帯電表面は更に、ILの完全な分散を妨げる可能性がある。このことから、SILP材料の表面上にILを適切に分散させるために担体材料が酸性または塩基性のいずれかを有する必要があることが示唆される。
そのため、本発明は第5の態様において、多孔質キャリア上に吸収させ、複数種のガス状化合物を含有するガスから一酸化窒素(NO)を捕捉するための担持イオン性液相(SILP)材料の形で使用する、本出願で定義したイオン性組成物の使用を提供する。
好ましい実施形態において、キャリアは、SiO2、Al2O3、TiO2、CeO2、ZrO2、炭素またはこれらの内の2種以上の組み合わせ等の高多孔質キャリア材料から選択され得るメソ多孔質材料である。
本発明の具体的な実施形態において、本発明の第5の態様に係る多孔質キャリアはアナターゼTiO2である。
本発明の別の具体的な実施形態において、本発明の第5の態様に係る多孔質キャリアは焼成SiO2である。
本発明の更に別の実施形態において、ILをアナターゼTiO2上に吸収させて担持イオン性液相(SILP)材料の形で使用する方法が本発明の第1の態様に従って提供される。
本発明の別の具体的な実施形態において、ILを焼成SiO2上に吸収させて担持イオン性液相(SILP)材料の形で使用する方法が本発明の第1の態様に従って提供される。
本発明の別の実施形態において、ILを多孔質キャリア上に吸収させて担持イオン性液相(SILP)材料の形で使用し、NOxの吸収後に加熱により再生して活性が明らかに喪失することなく再使用することができる方法が本発明の第1の態様に従って提供される。
具体的な実施形態において、第1の、第4のまたは第5の態様に係るガスは、発電プラントもしくは焼却プラントまたはセメント生産プラントのような大型の固定発生源に由来する燃焼排ガスである。
他の具体的な実施形態において、第1の、第4のまたは第5の態様に係るガスは、例えば市販の船舶のような移動排出源または一般廃棄物もしくは産業廃棄物等の焼却用の移動焼却プラントに由来する燃焼排ガスであり、該移動排出源および移動焼却プラントは、小さな設備専有面積、低いエネルギー消費および好ましくは有害な化学物質を伴うことがないことを概して必要とする。
本出願全体にわたって、特記のない限り、「焼却プラント」は、任意の固定型のまたは移動型の工業装置、および発生した燃焼熱の回収を伴うまたは伴わない廃棄物の熱処理用の設備を意味するものとする。焼却プラントは、廃棄物の酸化による焼却、および処理から生じる物質がその後に焼却される限りにおいて熱分解、ガス化またはプラズマプロセス等の他の熱処理プロセスを含む。
本明細書で報告した液状イオン性組成物中でのNOのHNO3への変換能力により、アンモニアまたは尿素等の還元剤の添加を必要とすることなく無塵終端ガスのNO洗浄に有望なシステムが明らかになる。ガスストリーム中におけるNOを還元するために添加剤が必要ないことから、NH3-SCRプロセスに比べてNO除去システムの複雑性がある程度は低減される。NO収着および酸化に対する選択性が十分に高いと仮定すると、NO除去の新たな可能性が開かれる。既に観測したように、昇温(温度の振れ)により、捕捉したNOをHNO3として容易に除去することができる。他の容器または場所にHNO3飽和ILを輸送して(即ち、粘度の差を利用することにより輸送して)またはSILP粒子を輸送してその後にHNO3を脱離させることにより、NOガスを「廃棄物から価値あるものへ」という概念で使用することができるだろう。
可逆的な液状イオン性組成物系に基づくIL洗浄器の実現を考慮する例として、ベルギーにおけるElectrabel's Langerlo Power Stationでの条件[J. J. van Ormelingen他、Combined Power Plant Air Pollutant Control MEGA Symposium、Washington、DC、USA (2003)]を使用することができる。ここで、820,000Nm3/時間の総フロー下での1000vppmのNOの除去には、入射NO全てを除去するために10m3/時間未満の有効IL量が必要となるだけだろう。ここで、物質移動の問題が考慮されていないとしても(これはSILP技術を使用することにより最小限に抑えられると予想される)、IL量は、268m3のSCR触媒量よりも大幅に低い。
市販の船舶等の移動装置および一般廃棄物または産業廃棄物等用の移動焼却装置でのNO除去は、はるかに少ない有害な反応条件、より低い反応温度およびより小さい予測される設備専有面積により、本発明の可逆的な液状イオン性組成物系に基づくIL洗浄器の実現を考慮する他の関連した例を示す。
脱NOx用の従来の触媒の主な欠点の内の1つは失活であり、触媒が除去することができるNOxの量が経時的に減少する。例えばSCRに使用するバナジア-チタニア系触媒(TWC)はカリウムに汚染されており、カリウムにより活性が著しく低下する。わら等のバイオマスが燃料として使用される場合に、これは特に深刻な問題である。わらの高い塩素およびカリウムの含有量により、最初の2000作用時間内に活性が初期の活性の20%未満まで低下する。このことは欠点であり、なぜならば、塩および肥料に由来する塩素およびカリウムの高い含有量に起因して、発電プラントでの急成長している生物由来物質の直接使用が妨げられるからである。また、この生物由来燃料はより多くの窒素を含有し、この窒素によりフューエルNOxおよびプロンプトNOxの量が増加する。軽い化石燃料が使用される場合には、SCR触媒はわずかに失活するだけである。しかしながら、海上輸送で使用される種類である重油にとって失活は重要であり、このことは、この部分に改善の余地があることを示す。
TWCの失活はまた問題でもあり、重金属汚染、機械的分解(粉砕および摩耗)ならびに熱的分解等の多くの因子が、この触媒の失活に影響を及ぼす。市販のTWCの寿命を延ばすために多くの努力がなされており、多くの努力の中でも予防的コーティングおよび汚染物質の捕捉を挙げることができる。
非常に多くの場合、アルカリ金属およびアルカリ土類を含有する燃料は、焼却または燃焼時に生じる燃焼排ガス中にも相当量のアルカリ金属およびアルカリ土類を含有するであろう。石油、天然ガスおよび石炭等の化石燃料は、より低い量のアルカリ金属およびアルカリ土類金属を含有する。廃棄物焼却プラント中で燃焼した廃棄物等の廃棄物は、高レベルのアルカリ金属およびアルカリ土類金属を含有する。わら、木材チップおよび木材ペレット等のバイオマスまたはバイオマス燃料は、非常に高レベルのアルカリ金属(特にK)およびアルカリ土類金属を含有する。わらの燃焼に由来するフライアッシュの場合、アルカリ金属およびアルカリ土類金属はフライアッシュの総重量の半分と同程度であることができる。バイオマス燃料の焼却に起因する燃焼排ガスは概して約200〜1000mgのKCl/Nm3を含有するが、石炭の焼却によりppmレベルのKClとなるだけである。
実験
一般的装置
UV-Vis分光法
紫外線-可視分光法を使用し、収集したデータを解釈した。バックグラウンド試料を空気のフロー中で得た。収集したデータを解釈するときの対象はNOおよびNO2の濃度である。両方の化学種ともスペクトルの紫外線部分に重要な吸収バンドを有する。NOは250〜200nmの間に3つの鋭い吸収バンドを有し、最初は227nm付近である。このバンドは定量化可能であり、出口ガス中のNO濃度を定量化する主な手段である。また、NO2は214nm付近でピークに達する非常に幅広いバンドを有し、NO2は400nm付近に別の幅広いバンドも有する。
各スペクトルをいくつかのガウス関数(各ピーク用に1つ、またNO2ピーク用に1つ)でデコンボリュートし、次にこれらの関数を積分してピークの面積を求めることにより、UV-Vis分光計から得たデータを使用してNOおよびNO2の濃度を求めた。Gnuplot4を使用してデコンボリューションを行なっており、デコンボリュートしたスペクトルの例を図4に示す。
インサイチュATR-FTIR分光法
インサイチュATR-FTIRに使用した実験装置を図5に示す。Nicolet iS5分光計を使用し、加熱可能なダイヤモンドATRプレート(Pike GladiATR)上でFT-IR測定を実施した。ATR結晶上のイオン性液膜を覆う大気を制御するために、耐熱性ポリマーでシーリングしたステンレススチールキャップを構築した。スチールキャップに、入口ガスおよび出口ガスのための2つのフィッティングを装備した。キャップの内容積は約2ミリリットル(mL)であった。ATRセルを300℃以下に加熱することができた。最初の3例の実施例では、4cm-1の分解能で8回スキャンして各スペクトルを記録した。各記録の継続時間はこの条件下で11秒であった。後半の実施例では、スキャンの数を4回に低減し記録時間を6秒に引き下げた。屈折率が1.5であると仮定し、OMNIC Liteソフトウェアを使用してスペクトルをATR補正した。
iS5分光計およびPike ATRセル中のベースオプティクスを窒素でパージし、機器内のガス相の水および二酸化炭素に対するシグナルの損失を最小限に抑えた。
使用したガス:アルゴン99.999%、窒素99.99999%、窒素中の10体積%窒素酸化物および加圧空気。実験に使用したガスをAGAから購入した。ガスフローをBronkhorstマスフローコントローラで制御した。ガス中の水を用いる実験では、空気またはアルゴンを、蒸留水が入ったフラスコ中においてガラスフリットを介してバブリングした。飽和後のガス中に生じる水の含有量を、室温での蒸気圧から2.7体積%と算出した。
ATR-IRスペクトルのデコンボリューションを、「残りの」アルゴリズム中のビルドを使用するSystat Peakfit 4.12ソフトウェアで実施した。典型的手順により、各ピークの幅および位置の両方を移動させることができるガウス曲線を用いて複数の定常状態スペクトルを一致させた。定常状態スペクトルに関して良好なデコンボリューションが行なわれた場合には、このデコンボリューションから得たピークパラメータを保存して次のスペクトルに使用した。ピークの強度のみが次のデコンボリューション中に変化するように、現時点の各ピークの位置および幅の両方を拘束した。デコンボリューション後の1650cm-1付近のバンドの積分または940cm-1付近のバンドの積分のいずれかからHNO3の濃度を求めた。[BMIM]Cl中の水の場合には、3400cm-1での幅広いバンドを使用した。HNO3濃度の絶対推定を行なうために、標準溶液を[BMIM]NO3中の濃硝酸(68体積%)で調製した。定常状態スペクトル用と同じピークパラメータを使用して、標準溶液に関する複数のスペクトルを一致させた。
SILP材料の分析時に、図5に示すキャップの若干修正したバージョンを使用した。修正バージョンは、平らな表面を形成するために内蔵式圧力板を含有した。装置の例を図6に示す。この装置により、NOの吸収が起こっている間にSILP表面のインサイチュ測定を行なうことが可能となり、同様に表面上の化学組成の変化を測定することが可能となる。屈折率が1.5であると仮定し、OMNIC8を使用して全てのATR-FTIRスペクトルをATR補正した。
ILの重量増加によりNO吸収能力を求める実験手順も用いることができ、予備的ガス吸収を、室温(22〜23℃)において1mlのイオン性液体(IL)が入った約5mlの試験管中で行なう。10体積%のNO/NO2ガス混合物を、気泡サイズを低減してガス-液体接触面積(界面面積)を増加させるためのガラスフリットが組み込まれたガラスパスツールピペットによりIL中に導入した。フローを約5ml/分で維持し、形成した気泡を試験管内に含有させる。
微量天秤(精度0.1mg)と連動するPCで重量増加を記録することによって、NOの吸収をリアルタイムでモニタリングする。しかしながら、天秤のドリフトを回避するために、NO吸収前後にILおよびピペットを有する試験管の総重量を測定することにより、吸収結果を補填した。NO暴露後の試料重量の任意の増加は、NOの吸収およびその後のHNO3への変換ならびに試料の水含有量の変化に起因する。
全ての場合において、重量増加を方程式A.1で定義したモル比増加率として示した。
Metrohm Titrando 835 Karl Fisher滴定機器を使用して、水に関する標準曲線に使用した1-ブチル-3-メチル-イミダゾリウムクロリド(Aldrich 99%)中の水を含む4つの試料について水含有量を求めた。3回の滴定の平均値として濃度を求めた。
SILP試験
調製したSILP吸収体を試験するために、反応器を軽く充填した。反応器は、格子および8mmの内径を有するステンレススチールチューブから成った。反応器を炉内に配置し、温度を制御するために隔離した。格子上に石英ウールを配置し、続いてSILP材料を配置することにより反応器を充填し、該反応器を軽く充填した。模擬燃焼排ガスを反応器中に流し、Bronkhorstマスフローコントローラを使用して燃焼排ガスの組成を変更することができた。
燃焼排ガスを3つの個々のストリーム:乾燥大気(乾燥フィルタに通した)、ストリームを水飽和するためにフリットを介して水中にバブリングした乾燥大気、およびAGAにより供給されるヘリウム中の1体積%NOで構成した。Swagelockの部品を使用して全ての配管を行なった。
反応器の出口を、10cm長のガスキュベットを備えるUV-VIS分光計に接続した。凝結を避けるために、実験の間中キュベットを100度に加熱した。実験中に反応器中の温度を正確に測定するために、SILP吸収体の真上に温度計を取り付けた。使用した装置の略図を図3に示す。
SILP試験における主な焦点は、NOの著しい吸収があることを明らかにすること、ならびに温度変化および燃焼排ガス組成の変化の影響を確認することである。反応器中を通る総流速を50ml/分に設定し、全ての実験を通してこれを一定に維持した。ほとんどの実験を通してNOの濃度を2000vppmで一定に維持した。
SILP吸収体の再生/脱離
吸収中に生成された硝酸を脱離させ、SILP吸収体を再生することができる。様々な温度および様々なガス組成で脱離の様々な方法を試験した。脱離に使用する典型的な方法では、反応器中の温度を120℃に上昇させ、概して約1/1の比の湿潤空気および乾燥空気の混合物を使用して流量を150ml/分に増加させている。温度変化時に、120℃付近で差が測定不能になるまで吸収率は温度に依存すると思われる。ここで、脱離は非常に急速に起こり、SLIP吸収体は数分以内にまたはより短い時間で完全に再生される。SILP材料の収着サイクルは、吸収体が最初に完全に吸収され、次いで脱離されるサイクルに相当する。
酸素の存在下における1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムニトレート上でのNOと水との反応
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムニトレート95%(Fluka)を使用した([BMIM]NO3)。薄い液膜をATRダイアモンドプレート(Pike GladiATR)上に室温で塗布し、シーリングしたスチールキャップを試料の上に配置した。水で飽和した空気のフロー(8mL/分)を試料上に通し、最初のスペクトルを記録した(図7参照)。N2中の10体積%NO(AGA)のフローをガスフローに添加し、定常状態が得られるまでNicolet iS5分光計上で8回スキャンしてスペクトルを連続的に記録した(11秒の継続時間、図7参照)。屈折率が1.5であると仮定し、OMNIC Liteソフトウェアを使用してスペクトルをATR補正した。3500cm-1での特徴的な線が消失したことから、スペクトルは全ての水を消費する高速反応を示した。いくつかの新しいバンドが現れた。図2のスペクトルと比較すると、HNO3の生成が明らかに分かる。特に1650cm-1付近および940cm-1付近の新しいバンドはHNO3の存在を示す。硝酸イオンのN-O伸縮に起因する1350cm-1付近の強いバンドは、硝酸との強い水素結合から生じる新しいモードに起因して新しいバンドに部分的に分裂した。定常状態を得た後、NOガスフローを中断し、10分にわたって空気/水ガスフロー(8mL/分)中において試料をインサイチュで120℃に加熱した。硝酸が放出されて[BMIM]NO3が完全に再生されたことを図7から明らかに見ることができる。SystatソフトウェアPeakfit 4.12を使用するガウス関数によるデコンボリューションにより、試料中の硝酸の量を求めた。デコンボリューションに使用したピークの幅および位置を拘束することにより同じ手順を図8に示す標準溶液に適用することができ、940cm-1付近でのピークの強度からHNO3の濃度をILのmol当たり約1.05molと推定した。図7は、16mL/分のフローでの窒素中の10体積%NOと水中にバブリングした空気(8mL/分)とのガス混合物による反応前後の[BMIM]NO3のATR-FTIRスペクトルを示す。反応を定常状態まで進行させた後、空気/水のフロー(8mL/分)下で試料を120℃に加熱した。図8は、硝酸の[BMIM]NO3標準溶液のスペクトルを示す。スペクトルは、[BMIM]NO3のmol当たり1.12molのおよび2.14molの硝酸にそれぞれ相当する。
酸素がない状態での1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムニトレート中におけるNOと水との反応
薄い液膜をATRダイアモンドプレート上に室温で塗布し、シーリングしたスチールキャップを試料の上に配置した。水で飽和したアルゴンの30mL/分のフローを試料上に通し、8回スキャンして最初のスペクトルを記録した(図9参照)。水のフラスコを実験前に30分にわたってアルゴンで脱気し、酸素の量を最小限にした。次いで、試料を窒素中の10体積%NO(30mL/分)に10分にわたって暴露した。3500cm-1での水のシグナルが消失するが、ごくわずかな量の硝酸が生成された。試料を、アルゴン/水ガスフロー由来の水で1分にわたって再び飽和した。最後に、試料を30mL/分の流量で20分にわたってNOに再び暴露した。実験全体にわたって、ごくわずかな量の硝酸を観測した。実施1と比較すると、NOを硝酸に酸化するために酸素または他の酸化剤が必要であることが分かる。図9は、水で飽和したアルゴンのストリームにより水に暴露した[BMIM]NO3を示す。次いで、フローを窒素中の10体積%NOに30分にわたって切り替えた。10分後、ガスフローをAr/水混合物に1分にわたって再び切り替えた。最後に、フローを窒素中の10体積%NOに更に20分にわたって戻した。
1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムニトレート中でのNOの好気的酸化
等モル量の含水AgNO3を1-ブチル-2,3-ジメチル-イミダゾリウムブロミドの水溶液に添加することにより、1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムニトレート([BDMIM]NO3)を調製した。沈殿物をろ別し、減圧下で70℃に加熱することにより溶媒を除去した。[BDMIM]NO3の薄膜を加熱可能なATRダイアモンドプレートの上に配置した。シーリングしたステンレススチールキャップを試料の上に被覆した。最初に、水飽和空気(8mL/分)を流しつつ試料を120℃に加熱した。10分後、水飽和空気下のままで試料をほぼ室温(30℃)に冷却した。NOへの暴露前にスペクトルを得た(図10参照)。その後、試料を、8mL/分の水飽和空気のフローと混合したN2中の10体積%NO(16mL/分)に暴露した。8回スキャンしてスペクトルを記録した。一連のスペクトルを図10に示す。55秒後にほとんど全ての水が消費されており、スペクトルが大幅に変化した。新しいバンドが現れつつ1348cm-1での硝酸のN-O伸縮に由来する強いバンドが最初に広がる。1650cm-1および942cm-1でのバンドと組み合わさったこの広がりは、相当量の硝酸の生成を示す。4分後に試料はほぼ定常状態に達しており、1350cm-1付近での硝酸のN-O伸縮バンドは、硝酸への強い水素結合に起因するいくつかの新しいバンドに分裂する。
スペクトルのデコンボリューション、続いて942cm-1でのバンドの積分により、HNO3の量的推移をモニタリングした。HNO3の時間分解した推移を図11から見ることができる。初期の反応速度を9.0*10-3-1と決定することができた。
1-ブチル-3-メチル-イミダゾリウムクロリド中でのNOの好気的酸化
前記実施例と同じように室温で反応器に[BMIM]Cl(98%、Aldrich)の薄膜を載せた。実施例3と同様のガスおよびフロー条件を使用した。最初にIL膜を水で飽和し、スペクトルを記録した。水含有量を、約1の塩素:水のモル比と等しい約9.5重量%と推定した(各試料に関して3回のKarl Fisher滴定の平均値により求めた[BMIM]Cl中における0.56重量%、1.6重量%、2.1重量%、4.3重量%の水からの標準曲線の外挿)。次に、試料をNO/O2/H2O混合物に暴露した。最初は硝酸の生成を観測しなかったが、75秒後に生成し始める(図11および図12参照)。生成速度を2.8*10-3-1であると決定した(表2および図11参照)。実験中に水が急速に消費され、3分後には水はほとんどなくなり、新しいより速い生成速度9.3*10-3-1を観測した。これは[BDMIM]NO3を使用して観測した速度と非常に近い。定常状態を観測するまで反応を進行させた。定常状態に達した後、8mL/分の空気/水フロー下で試料を120℃に加熱した。硝酸の脱離後、最終生成物として非常に純粋な[BMIM]NO3が再生された(図12参照)。
水が存在しない場合、塩化物イオンは強力なルイス塩基である。本実験は、アニオンのルイス塩基性および本質がIL中におけるNOの好気的酸化の反応機構において重要な役割を果たすことができたことを示す。反応は約3分後に反応機構および反応速度をニトレートとしての実験に変化させ、硝酸が系中に蓄積されて水含有量が低下する。
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリフレート中でのNOの好気的酸化
実施例3および4と同様のNO酸化実験を1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリフレート([EMIM]OTf)で行なった。8mL/分の空気/水による飽和後にスペクトルを記録し、次いでN2中の10体積%NO(16mL/分)をガスフローに添加した。水が急速に消費され、硝酸が生成された(図13参照)。前記実施例においては、NOに暴露した試料と純粋なILとの間の異なるスペクトルにおける940cm-1付近でのバンドの積分から硝酸の発生を推定した。[EMIM]OTfの場合、900cm-1付近の面積は、標準として使用したHNO3の[BMIM]NO3溶液のスペクトルで見られる面積と過度に異なっていた。その代わりに、バックグラウンドが[EMIM]OTfおよび[BMIM]NO3により類似する定常状態スペクトル由来の1650cm-1付近の硝酸バンドから基準を作成した。そのため、1650cm-1付近のバンドから推定した[BMIM]NO3中におけるHNO3の定常状態の濃度に関する値を使用して940cm-1付近のバンドに関する補正スケールを設定し、次いで、[EMIM]OTf中におけるHNO3の時間分解した発生を推定するのに使用した。この方法を使用して、定常状態で約0.6mol HNO3/mol [EMIM]OTfの推定値を得た。この値を使用して、初期の反応速度6.3*10-3-1を推定することができた(表2および図11参照)。本実施例は、トリフレートイオン(前記実施例で使用したアニオンよりも非常に弱い塩基である)等の相当に弱いルイス塩基であっても、窒素酸化物をHNO3に変換するILをベースとするプロセスに適切な選択のままであることができたことを示す。速度および吸収能力は、前記実施例に記載したより強いルイス塩基性アニオンに相当する。加熱によって硝酸を脱離させることにより、純粋な[EMIM]OTfを再生することができた。硝酸がトリフレートイオンをプロトン化して、より強いトリフル酸を産生することができなかったことから、[EMIM]NO3は生じなかった(図13参照)。
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド中でのNOの好気的酸化
ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(Tf2N-)アニオンは、イオン性液体中で一般に使用されるアニオンの中で最も弱いルイス塩基の1つである。NO酸化実験を実施例3〜5と同様に実施した。反応前の試料中において非常に少量の水を観測することができた(図14参照)。NO暴露後、試料は数分以内に定常状態に達した。IL中にごく微量の硝酸を観測し、濃度は1分後にピークに達した。実施例5と同じ推定方法を使用して、定常状態の濃度を0.09mol HNO3/mol [BMIM]Tf2Nであると推定した。このイオン性液体の疎水性に起因して、HNO3は、N2O4という形のNO2と平衡にあると思われた。このことを1740cm-1付近での特徴的なバンドから認めることができた。本実施例は実施例5と共に、Tf2N-アニオンおよびOTf-アニオンのようなより弱いルイス塩基性アニオンであってもNOのHNO3への変換を触媒することができることを明らかにする(図14参照)。
酢酸コリン中でのNOの好気的酸化
酢酸コリン(99%、Aldrich)を使用して、NO酸化実験を前記実施例と同様に実施した(図15参照)。NOをガスフローに添加すると反応中に水が急速に消費された(3400cm-1での特徴的な水の線が消失する)。硝酸が生じると、存在するアセテートと同時に反応して酢酸が生じる。3つの異なるC-O伸縮状態により、これら2つの化合物を区別することできる。酢酸二量体は1720cm-1で同定されるが、アセテート中の脱プロトン化したカルボキシレート基は1570cm-1付近に強いバンドを有する。酸とカルボキシレートとの間の複合体は、1650cm-1付近に位置する中間体状態を有する。実験の最初の3分において940cm-1付近のバンドの増加を観測しなかったことから、この時間間隔中に硝酸をほとんど観測しなかった(1650cm-1付近に現れているバンドはCOO-・・・HOOC状態に起因することができる)。その代わりに、この場合には1570cm-1付近のバンドの強度低下を分析的に利用した。バックグラウンドとして3分において記録したスペクトルを使用して、アセテートのC-O伸縮に基づいて初期の反応速度9.3*10-3-1を決定することができた(図11および表2参照)。
アセテートまたは酢酸に関する特徴的な線をもはや全く見出すことができないことから、定常状態で酢酸はイオン性液膜から脱離している。図16との比較から分かるように、残りのIL膜は硝酸コリンおよび硝酸の混合物から成った。
反応速度は、前記実施例2および4において[BMIM]Clおよび[BMIM]NO3で得た反応速度と同一であり、このことは、動力学的観点からILカチオンの構造が反応機構において重要な役割を果たさないことを示す。
湿潤空気中での120℃への加熱時に、HNO3が脱離して純粋な硝酸コリンを単離することができた(図15参照)。
生じる硝酸コリンを空気/水フロー中において室温に冷却した。次いで、硝酸コリンを前記実施例と同様にNO/O2/H2O混合物に暴露した(図16参照)。定常状態まで反応を追った。940cm-1でのコリンイオンからのモードとの強い重複に起因して、前記実施例と同様の方法でIRスペクトルを分析することにより反応中にまたは定常状態でHNO3の量を定量化することは不可能であった。大まかな推定では、硝酸濃度は1mol/mol ILを超えるだろう。イミダゾリウムイオンに対するコリンイオンの違いは、コリンイオンは、硝酸イオンとの複合体中において結合しているHNO3より多くのHNO3に結合することができた親水性アルコール基を含有することである(図16参照)。この結果は、カチオンの構造が液状イオン性組成物のHNO3貯蔵能力への影響を有することを示す。
1,1,3,3-テトラメチルグアニジニウムクロリド中でのNOの好気的酸化
1,1,3,3-テトラメチルグアニジニウムクロリド([TMGH]Cl)は、水が存在しない状態において約200℃で融解する吸湿性塩である。水の存在下において、1,1,3,3-テトラメチルグアニジニウムクロリドは室温で融解物を形成する。含水HClによる1,1-3,3-テトラメチルグアニジンの中和により塩を調製した。溶媒を除去して生成物をエタノール中で再結晶化した。使用した試料は、前記実施例と同様の機器中に充填した場合に大気と平衡であった。NOをガスフローに添加する前に、空気/水混合物由来の水分と平衡になるまで試料に更に時間を与えた。NOをフローに添加した場合に、1650cm-1付近および940cm-1付近の領域におけるバンドの強度が増加し始めると同時に水が消費されることを観測した。[TMGH]+イオン上のNH2基のN-H結合との重複に起因して、反応を追うことは不可能であった。
このILに関する更なる複雑さは、生じた硝酸によるアミン基のプロトン化である。生じる第3級アンモニウム基を、3050〜3100cm-1付近に現れているN-H伸縮から同定することができた。6分後にプロトン化[TMGH]+の多少の分解を観測することができ、このことは、1,1,3,3-テトラメチルグアニジニウムイオンが高濃度の硝酸で必ずしも安定ではないことを示す。試料は20分後に定常状態に近づいた。
定常状態後にNOをフローから除去して試料を120℃に加熱した。ニトレートの明らかな徴候が1350cm-1付近に直ちに現れた。試料は水を喪失し、120℃で急激に結晶化してATRダイヤモンドと接触不良を起こした。比較可能なスペクトルを作成するために、無水物が融解物を再び形成する200℃に試料を加熱した。ニトレート(N-O伸縮1350cm-1)および[TMGH]+イオン(第1級アミン3250cm-1および3410cm-1)の両方の特性を観測した(図17参照)。
焼成シリカ、炭素およびアナターゼ担体材料上で調製したSILP吸収体
NO2濃度とNO濃度との相関
未焼成シリカSILPによる実験後に、NO濃度とNO2濃度との間の相関を確立する必要があったことが明らかとなり、結果は図21〜図23に見出される。この相関を確立するために、窒素中のNO2のガス容器を調達し(1000ppm±2%、AGA)、1000ppmNO2の濃度でスペクトルを記録した。100ml/分の流量での20分にわたる系の洗浄後に、図19に示すスペクトルを得た。
純粋なNO2に関するスペクトルを図24に示すスペクトルと比較すると、使用したスペクトル領域における幅広いバンドによりNO2を直接定量可能ではないことが明らかであると思われる。従って、NOとNO2との間の相関を求めるための別の方法が必要であった。反応器をバイパスする場合に2つの化学種NOおよびNO2のみがガス混合物中に存在すると仮定して、窒素バランスを近づけることにより相関を求めた。NO2以外の化学種が生成されるであろう可能性は低いことから、これは正しい仮定であると考えられる。想像することができた唯一の他の化学種は二量体N2O2およびN2O4である。しかしながら、これらの化学種は両方とも高温で非常に不利であり、キュベットが100℃に加熱されることから、これらの化学種の内のいずれかが残った場合でも少量であるだろう。
NO2は熱力学的に有利な化学種であり、このことはNO2濃度が部分的にガスの総滞留時間の関数であることを意味する。このことを踏まえて、50〜150ml/分の流量でスペクトルを得ており、このスペクトルを図20に示す。スペクトルから分かるように、150ml/分で得たスペクトルにおけるNO2の濃度は本質的にゼロである。
ベースラインとして150ml/分でのNO濃度を使用し、2種のガスの間の相関を求めることができた。このことを、50ml/分および150ml/分の両方でのNOピークの面積を算出することにより行なった。各流量での10回の測定の平均面積を使用して様々な流量でのNO濃度間の比を求めた。結果を表3に示す。
これらの結果からおよび前記仮定を使用すると、50ml/分で反応器をバイパスする場合にNO2の濃度は約115vppmであるという結果になる。
未焼成シリカ
未焼成シリカにより調製したSILP吸収体が最初の被験材料であった。1.5gのILに相当する合計5.0gの未焼成材料を反応器中に配置し、2500vppm、1800vppmおよび900ppmの水である様々な水濃度で試験した。最も有望な結果が900vppmの水によって示されており、この実験の結果の時間分解したスペクトルを図21に示す。
図21から明らかであるように、初期段階では非常に少量のNOが吸収される。しかしながら、NO2に対する良好な選択性により相当な時間にわたって全てが除去されることが分かる。初期段階はNO吸収の初期部分であり、概して5〜10分持続しており、NOシグナルは消失するか著しく減少しているかのいずれかである。NOシグナルがない時間をデッドシグナル時間と称する。
吸収性能におけるいかなる実際の著しい進歩も伴うことなく、吸収および脱離のための多くの異なる方法を試験した。これらの異なる構成全てに共通することは、900vppm以上の水、概して1800vppmまたは2500vppmのいずれかを含むストリーム中で脱離が行なわれることであった。
冷却中における乾燥空気の150m/分ストリーム中での1時間にわたる脱離後にSILPを乾燥させた場合、SILP吸収体の性能に著しい進歩が起きた。900vppmの湿潤空気および40℃での事前の吸収後の2000vppmの組成を有するガスストリーム中においてこのようにして脱離を実施した場合、図22および図23に示す結果が得られた。
これらの結果より、定量化可能なNOピークに関する完全なデッドシグナルを得ることが可能であったことが証明された。図23から分かるように、全てのNOxは6.5分にわたって模擬燃焼排ガスから除去される。しかしながら、本実験は、全てのNOxを除去する初期反応後に極めて多量のNO2が生成され、残念ながらNO2濃度は得られたスペクトルデータから直接定量可能ではないという、不要な副次的結果を有した。図22および図23に示す結果は、未焼成シリカSILP吸収体による15サイクル目で得られた。重要なことに、未焼成シリカSILP吸収体は、再使用される場合にSILP吸収体に関する吸収能力の明らかな低下を示さない。
焼成シリカSILP
焼成シリカSILP吸収体による実験を2つのシリーズで行なった。第1に関して、0.8gのILに相当する2.5gのSILP吸収体を使用した。試験の第2のシリーズに関して、1.5gのILに相当する合計4.8gのSILPを使用した。
800vppmのNOを含む燃焼排ガスストリームを使用し、および水濃度を変更して最初の15例の実験を行なった。これらの実験は全て低いNOx除去を示した。湿潤空気フローが過度に少量であることに起因して、ガスストリーム中における所望の水濃度を得ることが不可能であることが後に分かった。従って結果を破棄したが、それにもかかわらず貴重な情報を提供するために、実験はSILPを循環させる手段として良好に機能した。残りの実験を2000vppmのNO濃度で行なった。
実験を行なって未焼成シリカSILP吸収体で得られた結果を再現した。このことは可能であったが、未焼成シリカに関しては、図22に示すものと類似しているスペクトルを示す多量のNO2が生成された。
吸収中および脱離中の両方で、いくつかの異なるガス組成物を試験した。また、吸収温度を室温で一定に維持しつつ脱離温度を変更した。吸収に関する主なガス組成物は、2000vppmのNO濃度および化学量論値(即ち900vppm)直下の水濃度を有した。脱離ストリームは概して900vppm以下の水を含有し、NOは存在しなかった。流量を、吸収に関しては50ml/分で維持し、脱離に関しては150ml/分で維持した。
これらの実験において、脱離および吸収の両方に関して水濃度が著しく増加した場合にのみ満足する結果を得た。そのため、脱離に関する水濃度5000vppmおよび吸収に関する1500vppmでは、室温で図24および図25に示す結果を得た。本実験は、焼成シリカSILP吸収体に関する27回目の全サイクルであった。
図24および図25から、図25に示すNO濃度は、入口ガスストリームから除去されるNOxの量と直接的な相関がないことは明らかである。未知のNOx化学種が、200nm未満でピークを有する幅広いバンドとしてスペクトル中に現れる。このことから、実験を行なう方法によりNOおよびNO2とは異なるNOxの生成が焼成シリカ担体上で安定化することが示唆される。ピークがある程度は定量化可能であることを考慮すると、この種のNOxの生成量は、未焼成シリカSILP吸収体を使用する場合に生成されるNO2の量よりも著しく小さいと思われる。
SILP中でのNOの吸収を更に増加するために、吸収ストリーム中の水濃度を2500vppmおよび5000vppmに更に増加した。このことは結果に何ら有意な変化を起こさず、水は吸収に対する阻害物質ではなく、または少なくともごくわずかであるが吸収を拡大することを示唆する。
しかしながら、濃度が過剰に低い場合には水はデリミタ(delimiter)である可能性がある。決定した、ある程度は最適な濃度のNOおよび水により、最適な温度を決定することを試みた。10〜40℃の間隔で温度を変更することにより、図24および図25に示す結果を得た同じ条件下で吸収および脱離の両方に関する実験を行なった。様々な温度で算出したNO濃度の推移を図26に示す。
図26から明らかであるように、最適な温度は約40℃であると思われる。40℃で行なった実験はSILP材料に関する30サイクル目であり、繰り返して使用する間に能力に明らかな低下がないことを確認した。
焼成シリカSILP吸収体により行なった最後の実験では、長時間にわたってSILP材料をガスストリームに暴露した場合のガスストリームの推移を調査した。3回の連続収着サイクルによる実験の初期化後に、合計23.5時間にわたってSILPを水およびNOの最適な組成を有するガス混合物に暴露した。最初の実験の進行後に、NOを含む、吸収と同じ組成のストリーム中で脱離を行なった。脱離は120℃で起きた。結果を図27および図28に示す。
再び、焼成シリカSILPに関するスペクトルデータが未知のNOx化学種の生成を示す。従って、この不要な副反応は、ガスストリーム中に直接脱離することにより抑制されると思われる。しかしながら、ガス混合物中での脱離は、大幅に短い時間の完全なNOx除去をもたらす初期の反応中に除去されるNOxの量を低減すると思われる。
炭素SILP
炭素はその高い表面積により公知であり、従って最も高いBET表面積を有するSILP吸収体を提供することが予想された。収着実験に関して、いずれかの実験で使用した2番目に多い量のIL(1.1g)に相当する6.0gの炭素SILP吸収体で反応器を充填した。純粋な炭素の疎水性に起因して、水濃度は、図29に示す結果を得る4000vppmに上昇した。
スペクトルデータから分かるように、炭素SILPは未知のNOx化学種の生成を促進し、特に実験の初期に促進すると思われる。しかしながら、この促進効果は低下し、SILPは長時間後に増加する量のNOを吸収すると思われる。促進を防止するために、ガスストリーム中の水濃度を増加させた。水で完全に飽和したガスストリーム中で最良の結果を得ており、これらの結果を図30および図31に示す。しかしながら、これらの結果は焼成シリカSILP吸収体の場合ほど良好ではなく、吸収体の効率は高表面積および低表面酸性度の組み合わせによって決まるだけではないことを明らかにした。
アナターゼSILP
行なった最初の実験は、シリカSILP材料および炭素SILP材料の両方で試みたのと同じ構成の一部を使用した。そのため、1500vppm未満の水濃度を試験せず、NOは2000vppmで一定のままであった。
使用したSILP吸収体の総質量は10gであるが、相対的に低い細孔容積により、SILP吸収体は含有ILが最小量(1g)であるSILPのままであり、比較的高密度のアナターゼにより、反応器のベッドボリュームは他の担体についての反応器のベッドボリュームに相当した。
シリカSILP材料の場合と同じ条件下で最良の即時吸収結果を得たが、水濃度は結果にほとんどまたは全く影響しないと思われる。図32および図33は、1500vppmの水濃度により40℃で得た結果を示す。これは、アナターゼSILPに関する6回目の全サイクルから得た結果であった。
収集したデータから明らかであるように、デッドシグナル時間は、実験したSILP吸収体の内で最高に達した。しかしながら、他の担体(未焼成シリカは別として)と同様に、アナターゼも未知のNOx化学種を安定化させると思われる。
脱離中に何が起こるかを明らかにするために、SILP材料を、水濃度が1500vppmである大気のガスストリーム中において120℃で完全に脱離させる実験を行なった。脱離NOを入口ガスに添加した後、様々な温度で反応器中に通した。各実験後、反応器を次いでNOを含まないガスストリーム中において120℃で脱離させた。脱離を4種の異なる設定温度120℃、110℃、100℃および90℃で行なった。SILPベッドの真上で測定した温度はそれぞれ、103℃、95℃、88℃および80℃であった。これらの実験の結果を図34および図35に示すことができる。
データから、未知のNOx化学種が高温で不安定化しているように思える。このことから、未知のNOx化学種が二量体または場合によりプロトン化した化学種であることが示唆され得る。予想したように、吸収されたNOの量は温度と共に減少する。しかしながら驚くことに、80℃を超える温度でさえも相当量のNOが吸収される。このことから、SILP材料中でのNO結合が、80℃で吸収が完了する純粋なIL中での結合よりも強いことが示唆され得る。
NO2の濃度は110℃および120℃で増加し続ける。このことから、これらの温度においてSILPの表面上でなんらかの変換が依然として起きていることが示唆される。もしかすると、このことにより、ガスストリームが反応器に入る直後に観測したNO濃度の低下も説明することができるかもしれず、なぜならば、この低下は利用可能な量の反応部位が最高のときだからである。
アナターゼSILPを、2種の24時間吸収実験でも試験した。これらの実験を、吸収中は2000vppmの水濃度および脱離中は5000vppmの濃度で行なった。実験をそれぞれアナターゼSILPに関して16および17の収着サイクル数で行なった。第1の実験においてはNOを含有するガス中でSILPを脱離させたが、第2の実験においては脱離中にNOは存在しなかった。SILPベッド上で120℃の測定温度を示す140℃の炉の設定で脱離を行なった。結果を図36および図37に示す。
結果によると、NOを含有するガスストリーム中での脱離によりアナターゼSILPが悪影響を受けるようには思えない。実際には、少なくとも最初の2時間程度の間では、NO中に脱離したSILPのために、吸収中に生成されるNO2の量はより少ない。また明らかに、この水濃度でアナターゼSILPが未知のNOx化学種の生成を促進するようには思えない。
D2OによるインサイチュATR-FTIR実験
インサイチュATR-FTIR実験を使用して、硝酸の生成に関与する水素原子の起源を決定した。
2000vppmのNOおよび2000vppmのD2Oの組成を有するガスストリームを30℃の恒温でシリカSILP上に通すことにより吸収を行なった。インサイチュIRスペクトルを12時間スパンで連続して記録し、結果を図38に示す。
DNO3の濃度は明確に上昇するが、SILP材料中におけるフリーの硝酸イオンの濃度は減少することが図38から明らかである。このことは、SILP中での硝酸の生成に空気由来の水が使用されることを支持する。フリーのニトレートの濃度の低下は、吸収前にSILP中に存在するニトレートが吸収中に生成されるニトレートと釣り合うことを更に示唆する。

Claims (12)

  1. 複数種のガス状化合物を含有するガスから一酸化窒素(NO)を捕捉する方法であって、
    a.酸素および水の存在下において液状イオン性組成物中に前記NOを吸収させる工程と、
    b.吸収したNOを酸素および水と反応させ、液状イオン性組成物中に蓄積する硝酸を生成する工程と、
    c.生成した硝酸を、昇温および/または減圧により液状イオン性組成物溶液から任意選択で除去する工程と
    を含み、前記液状イオン性組成物が、任意選択で非イオン性溶媒と混合した1種または複数種のイオン性化合物を含む、方法。
  2. 前記イオン性組成物が、
    (式中、
    ・R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22は独立して、水素、アルキル、ハロゲン化アルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニルであることができ、
    ・正電荷を帯びたP原子、N原子およびS原子は個別に、
    R20、R21、R22、R23の内の2つ、例えばR21およびR22を縮合させて環状ホスホニウムイオンを生成することにより、または
    R6、R7、R8、R9の内の2つ、例えばR6およびR7を縮合させてピリジニウムイオン等の環状アンモニウムイオンを生成することにより、または
    R11およびR12、R13およびR14、R15およびR10の内の2つ、例えばR11およびR12を縮合させて環状グアニジニウムイオンを生成することにより、または
    R16、R17およびR18の内の2つ、例えばR16およびR17を縮合させて環状スルホニウムイオンを生成することにより、
    複素環構造または複素芳香環構造の一部であることができる)
    から選択される1種または複数種の有機カチオン、
    任意選択で、Li+、Na+およびK+等の無機カチオンから選択される1種または複数種のカチオン、ならびに
    アセテート等のC1〜C6アルカノエート、ベンゾエート等のアリールカルボキシレート、硫酸エチル等のC1〜C6アルキルスルフェート、C1〜C6アルキルスルホネート、トリフレート等のC1〜C6ペルフルオロアルキルスルホネート、トリフルオロアセテート等のC1〜C6ペルフルオロアルカノエート、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(トリフル酸イミド)等のC1〜C6ペルフルオロアルキルスルホンイミド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、スルフェート、ニトレート、および塩化物または臭化物等のハロゲン化物から選択される1種または複数種のアニオン
    を含む1種または複数種のイオン性化合物を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記液状イオン性組成物が、以下の構造:
    (式中、R1およびR2は個別にC1〜C8のアルキル基またはアリール基から選択され、R3、R4およびR5は個別に水素、C1〜C6のアルキル基もしくはアリール基から選択され、またはR3およびR4はイミダゾリウム基と一緒になって4〜6員の飽和環、不飽和環もしくは芳香環(酸素、窒素およびリンから選択される3つ以下のヘテロ原子を更に含有することができる)を形成することができる)
    を有するカチオンを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記イオン性組成物が、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム([EMIM]+)アセテート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム([BMIM]+)アセテート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム([EMIM]+)トリフレート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム([BMIM]+)トリフレート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム([EMIM]+)ニトレート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム([BMIM]+)ニトレート、1-ブチル-2,3-ジメチル-イミダゾリウム([BDMIM]+)ニトレート、塩化コリン、酢酸コリンおよび1,1,3,3-テトラメチルグアニジニウムクロリドから選択される1種または複数種のイオン性化合物を含む、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記液状イオン性組成物が、Li+、Na+およびK+から選択される1種または複数種のカチオンを更に含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記液状イオン性組成物が非イオン性溶媒を含有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記液状イオン性組成物が、多孔質キャリア中に吸収され、担持イオン性液相(SILP)材料の形で使用される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記多孔質キャリア材料が、SiO2、Al2O3、TiO2、CeO2、ZrO2、炭素またはこれらの内の2種以上の組み合わせから選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記多孔質キャリア材料がアナターゼTiO2である、請求項7または8に記載の方法。
  10. 捕捉したHNO3を昇温および流量の増加により前記液状イオン性組成物から脱離させる、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 複数種のガス状化合物を含有するガスから一酸化窒素(NO)を捕捉するための、請求項2から9のいずれか一項に規定するイオン性組成物の使用。
  12. 前記ガスが、発電プラントもしくは焼却プラントまたはセメント生産プラントなどの大型固定発生源、あるいは例えば市販の船舶または例えば一般廃棄物もしくは産業廃棄物の焼却用の移動焼却プラントなどの移動排出源のいずれかに由来する燃焼排ガスである、請求項11に記載のイオン性組成物の使用。
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