JP2015504449A - C20ゲルベとc22ゲルベとc24ゲルベを含有するハイドロカルビルアルコキシレート混合物系の界面活性剤を用いる鉱油の製造方法 - Google Patents
C20ゲルベとc22ゲルベとc24ゲルベを含有するハイドロカルビルアルコキシレート混合物系の界面活性剤を用いる鉱油の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
本発明は、ハイドロカルビル部分(R1)(R2)CH−CH2−で異なる、少なくとも三種の、一般式(I):【化1】[ただし、R1とR2、A0、k、X、o、Y、a、b、Mは、それぞれ明細書と請求項中に定義されているものである]で表されるイオン性界面活性剤を含む界面活性剤混合物に関する。本発明はまた、その利用と製造、これらの混合物を含む界面活性剤水性製剤、界面活性剤水性製剤を鉱油床に注入井を経由して注入し、原油を鉱床から採油井を経由して抜き出すウィンザーIII型マイクロエマルジョンフラッディングによる鉱油の製造方法に関する。
Description
本発明は、界面活性剤混合物と、その利用と製造、該混合物を含む界面活性剤水性製剤、該界面活性剤水性製剤を鉱油床に注入井を経由して注入して鉱床から採油井を経由して原油を抜き出すウィンザーIII型マイクロエマルジョンフラッディングによる鉱油の製造方法に関する。
自然の鉱油床中では、鉱油は、不透過性の上層により地表にから封鎖されている多孔性貯留岩の空隙中に存在している。この空隙は非常に微細な空隙や毛細管や細孔などであってもよい。微細孔頸部の径は、例えば約1μmに過ぎないこともある。鉱床は、鉱油(天然ガス画分を含む)に加えて、塩分含有量の高いあるいは低い水を含んでいる。
一般的に鉱油抽出は、第一抽出と第二抽出と第三抽出に区別されている。第一抽出では、鉱床の掘削開始後、鉱床の自己圧力により鉱油が坑井から表面に自然に流れ出る。
したがって第一抽出の後で第二抽出が用いられる。第二抽出では、鉱油抽出用の坑井、いわゆる採油井に加えて、他の坑井が鉱油貯留累層まで掘削される。これらのいわゆる注入井を経由して水を鉱床まで注入し、この圧力を維持するか増加させる。水注入の結果、鉱油が、ゆっくりと空隙からこの累層まで注入井から採油井の方向に強制的に移動させる。しかしながら、空隙が完全に油で充たされており、より粘稠な油が水で押し出される場合にのみ、これが有効である。一旦移動水が空隙を突き抜けると、その時点から水は最も抵抗の少ない経路を、即ち形成された流路を流れて、もはや油を押し出すことはない。
第一抽出と第二抽出では一般的には、鉱床中に存在する鉱油量の約30〜35%が抽出されるのみである。
第三油抽出対策を行うことでこの鉱油収率を上げることができることがわかっている。第三油抽出に関する総説が、例えば、“Journal Of Petroleum Science Of Engineering 19 (1998)”, pages 265 to 280に見いだされる。第三油抽出には、例えば鉱床に熱水または水蒸気を注入するサーマル法がある。これにより油の粘度が低下する。用いる流動媒体は、同様に、CO2または窒素などのガスであってもよい。
第三鉱油抽出にはまた、油抽出助剤として適当な化学物質を用いる方法がある。これらは、水流動末期の状況に影響を与え、岩石累層中に固く保持されている鉱油を抽出するのに使用できる。
第二抽出の終わりには、鉱床岩石細孔中に捕えられている鉱油に粘性力と毛細管力が作用する。なお、これらの二つの力の相対比率は微視的な油分離状況により決まる。無次元のパラメーター、いわゆる毛管値により、これらの力の作用が記述される。これは、粘性力(速度×強制相の粘度)の毛細管力(油水間の界面張力×岩石の濡れ)に対する比率である:
この式で、μは、鉱油流動化させる流体の粘度であり、νは、ダルシー速度(単位面積当りの流動)であり、σは、鉱油流動化液体と鉱油間の界面張力であり、θは、鉱油と岩石の間の接触角である(C. Melrose、C.F. Brandner、J.Canadian Petr. Techn. 58、Oct.−Dec.,1974)。毛管値が大きいほど、油の流動化が増し、油除去効率が上がる。
第二鉱油抽出の終わりごろの毛管値は、約10−6の領域であり、更なる鉱油を流動化できるようにするには、この毛管値を約10−3〜10−2に増加させる必要があることが知られている。
このために、ある特定の形のフラッディング法(いわゆるウィンザーIII型マイクロエマルジョンフラッディング)を行うことができる。ウィンザーIII型マイクロエマルジョンフラッディングでは、注入された界面活性剤が、鉱床中に存在する水相と油相とともにウィンザーIII型マイクロエマルジョンを形成する必要がある。ウィンザーIII型マイクロエマルジョンは、特に小さな液滴をもつエマルジョンではなく、むしろ熱力学的に安定な水と油と界面活性剤の混合液である。その3つの長所は次の通りである。
−鉱油と水相との間の界面張力σが非常に小さくなる。
−これは一般的に粘性が非常に低く、このため多孔性マトリックス中で捕捉されない。
−入力エネルギーがわずかでも生成し、無限に長期間安定に存在できる(これに対して、従来のエマルジョンは、貯層中ではほとんど起こらないような高せん断力を必要とし、単に動力学的に安定化されているものである)。
−これは一般的に粘性が非常に低く、このため多孔性マトリックス中で捕捉されない。
−入力エネルギーがわずかでも生成し、無限に長期間安定に存在できる(これに対して、従来のエマルジョンは、貯層中ではほとんど起こらないような高せん断力を必要とし、単に動力学的に安定化されているものである)。
このウィンザーIII型マイクロエマルジョンは、過剰の水と過剰の油と平衡となっている。これらのマイクロエマルジョン生成条件では、これらの界面活性剤が油水界面を覆い、界面張力σを低下させ、より好ましくは<10−2mN/mの値(超低界面張力)にまで低下させる。最良の結果を得るためには、特定量の界面活性剤での水−マイクロエマルジョン−油系のマイクロエマルジョンの比率が、もちろんできる限り大きいことが必要である。
これにより小さな界面張力を得ることができるためである。
このようにして、油滴の形状を変えることができる(油水間の界面張力が低下して、界面が最小であることがもはや好ましくなくなり、球状の形状がもはや好ましくなくなる)、また、これらをフラッディング水により毛細管開口部を経由して投入できる。
過剰量の界面活性剤の存在下で全ての油水界面が界面活性剤で覆われると、このウィンザーIII型マイクロエマルジョンが生成する。したがってこれは、油相と水相の間に非常に低い界面張力を引き起こす界面活性剤の貯留層を構成する。ウィンザーIII型マイクロエマルジョンは低粘度であるため、またこれは、フラッディングプロセス中に多孔性鉱床岩石中を移動する(これに対して、エマルジョンは多孔性マトリックス中に捕捉されて鉱床を封鎖することがある)。ウィンザーIII型マイクロエマルジョンが界面活性剤で覆われていない油水界面に遭遇すると、マイクロエマルジョンからの界面活性剤が、この新しい界面の界面張力を大幅に低下させ、油の流動化を引き起こす(例えば、油滴の変形により)。
これらの油滴は、次いで連結して、連続的なオイルバンクを形成する。これには二つの長所がある。
一つには、この連続的なオイルバンクが新たな多孔性岩石中を進み、そこに存在する油滴がこのバンクと合体する。
また、油滴が併合してオイルバンクを形成すると油水界面が大幅に減少し、このため界面活性剤が不必要となって再放出される。その後、この放出された界面活性剤が、上述のように累層中に残留している油滴を流動化できる。
したがって、ウィンザーIII型マイクロエマルジョンフラッディングは、例外的に効率的なプロセスであり、エマルジョンフラッディング法と較べると界面活性剤の所要量が大幅に少ない。マイクロエマルジョンフラッディングでは、これらの界面活性剤が、通常必要なら共溶媒及び/又は塩基性塩とともに(必要ならキレート剤の存在下で)注入される。次いで、増粘ポリマーの溶液が流動性制御のために注入される。もう一つの変例は、増粘ポリマーと界面活性剤、共溶媒及び/又は塩基性塩(必要なら、キレート剤とともに)の混合物を注入し、次いで流動性制御のために増粘ポリマー溶液を注入することである。貯層での閉塞を防止するためには、これらの溶液が一般的に清澄である必要がある。
第三鉱油抽出に求められる界面活性剤の要件は、他用途の界面活性剤への要件とはかなり異なる。鉱油を十分に流動化させるためには、第三油抽出に適当な界面活性剤が、油水間の界面張力(通常、約20mN/m)を、特に低い値の10−2mN/m未満に低下させる必要がある。これを通常の鉱床温度である約15℃〜130℃で高含塩量の水の存在下で行う必要があり、特にまた高比率のカルシウム及び/又はマグネシウムイオンの存在下で行う必要がある;したがってこれらの界面活性剤は、高塩含量の鉱床水に可溶である必要がある。
これらの要件を満たすために、界面活性剤の混合物が、特にアニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤の混合物が数多く提案されている。
US7,119,125B1には、油製造用の硫酸化ゲルベアルコールアルコキシレートと低分子量硫酸化アルキルアルコキシレートの混合物が記載されている。特に好ましい乳化性能は、この複峰性分布によるものとされる。しかしながら、これらの乳化性能は、ウィンザーIII型マイクロエマルジョンフラッディングでは主要な役割を果たしえない。油の乳化には過剰の界面活性剤が必要であり、フラッディング運転中に必要な剪断力がほとんど存在しない(注入井周辺の領域を除く)。
US−A2008/217064には、少なくとも一種の分岐アルキルエトキシレートと末端封鎖アルキルエトキシレートからなるノニオン性界面活性剤と洗剤用ビルダーと粘稠化剤を含む掘削流体が記載されている。このノニオン性界面活性剤は、C10ゲルベアルコールエトキシレートであってもよい。
US−A2009/270281には、少なくとも一種の12〜30個の炭素原子のアルキル基をもつ界面活性剤と6〜11個の炭素原子のアルキル基をもつ分岐状共界面活性剤とを含む界面活性剤混合物の鉱油製造のための利用が述べられている。この共界面活性剤中のアルキル基の分岐度は1〜2.5の範囲であり、したがって2−エチルヘキシル型または2−プロピルヘプチル型のゲルベアルコールを含んでいてもよい。これらの共界面活性剤は、アルコールエトキシレートであっても、アニオン的に変性されたアルコールエトキシレート(例えばアルキルエーテルスルフェート)であってもよい。
他の界面活性剤混合物は、WO2011/037975A2や、WO2011/110501A1、WO2011/110502A1、WO2011/110503A1、国際出願のPCT/EP2011/055884とPCT/EP2011/056325に記載されている。
したがって、使用時の変数(例えば、界面活性剤の種類や濃度、また相互の混合比率)は、当業界の熟練者により特定の油累層に関わる条件(例えば、温度や塩含量)に合わせて調整される。
上述のように、鉱油製造はこの毛管値に比例する。油水間の界面張力が低いほどこの毛管値が大きくなる。原油中の炭素原子の平均数が大きいほど、低界面張力を達成することが難しくなる。低界面張力を得るのに好適な界面活性剤は長鎖アルキル基をもつものである。アルキル基が長くなるほど界面張力の低下が大きくなる。しかしながら、このような化合物の供給は非常に限られている。
Journal Of Petroleum Science Of Engineering 19 (1998), pages 265 to 280。
C. Melrose、C.F. Brandner、J.Canadian Petr. Techn. 58、Oct.−Dec.,1974。
したがって本発明の目的は、界面活性剤フラッディングでの使用に特に効率的な界面活性剤または特に効率的な界面活性剤混合物と、第三鉱油製造の改善法を提供することである。本発明のもう一つの目的は、これらの界面活性剤または界面活性剤混合物の製造方法を提供することである。
本目的は、ハイドロカルビル部分(ハイドロカルビル基ともいう)(hydrocarbyl moiety)(R1)(R2)CH−CH2−で異なる、少なくとも三種の、一般式(I):
R1は、8〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の脂肪族ハイドロカルビル基であり;
R2は、10〜12個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の脂肪族ハイドロカルビル基であり;
A0は、それぞれ独立して、エチレン、プロピレン(好ましくは1,2−プロピレン)またはブチレン(好ましくは1,2−ブチレン)であり;
kは、1〜99の整数であり、
Xは、1〜10個の炭素原子を有する技分かれしていてもよいアルキレン基で、1個のOH基で置換されていてもよく;
oは、0または1であり;
Mb+は、カチオンであり;
Ya−は、スルフェート基、スルホネート基、カルボキシレート基またはホスフェート基(好ましくは、スルフェート基またはカルボキシレート基、より好ましくはスルフェート基)であり;
bは、1、2、または3(好ましくは1)であり、
aは、1または2(好ましくは1)である。]
で表されるイオン性界面活性剤を含む界面活性剤混合物により達成される。
本発明のもう一つの側面は、本発明の界面活性剤混合物を含む水性界面活性剤製剤であって、該界面活性剤製剤の合計界面活性剤含量が好ましくは界面活性剤水性製剤の総量に対して0.05〜5質量%であるものに関する。
本発明のもう一つの側面は、本発明の界面活性剤混合物または本発明の界面活性剤製剤の、ウィンザーIII型マイクロエマルジョンフラッディングでの鉱油製造への利用に関する。
本発明のもう一つの側面は、ウィンザーIII型マイクロエマルジョンフラッディングによる鉱油の製造方法であって、油水間の界面張力を<0.1mN/mに低下させるために本発明の界面活性剤水性製剤を少なくとも一本の注入井を経由して注入し、この鉱床から少なくとも一本の採油井を経由して原油を抜き出す方法に関する。
したがって、ハイドロカルビル部分(R1)(R2)CH−CH2−で異なる少なくとも三種のイオン性界面活性剤の混合物と、ハイドロカルビル部分(R1)(R2)CH−CH2−で異なる少なくとも三種のイオン性界面活性剤を含む界面活性剤水性製剤を、鉱油床に少なくとも一本の注入井を経由して注入し、油水間の界面張力を<0.1mN/mの値に、好ましくは<0.05mN/mの値、より好ましくは<0.01mN/mの値に低下させ、鉱床から少なくとも一本の採油井を経由して原油を抜き出すことからなるウィンザーIII型マイクロエマルジョンフラッディングによる第三の鉱油製造方法とが提供される。
ある好ましい実施様態では、R1は、8個または10個の炭素原子をもつ直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の脂肪族ハイドロカルビル基であり、R2は、10個または12個の炭素原子をもつ直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の脂肪族ハイドロカルビル基である。
ある特に好ましい実施様態では、R1は、8個または10個の炭素原子をもつ直鎖の飽和又は不飽和の(好ましくは飽和の)脂肪族ハイドロカルビル基であり、R2は、10個または12個の炭素原子をもつ直鎖の飽和又は不飽和の(好ましくは飽和の)脂肪族ハイドロカルビル基であり、その結果特に、少なくとも三種の20個の炭素原子、22個の炭素原子、24個の炭素原子をもつハイドロカルビル基を有する一般式(I)のイオン性界面活性剤が存在することとなる。これらの三種の界面活性剤のモル数の合計を計算すると、より好ましくは一般式(I)のC20界面活性剤がこの合計に対して10〜630の範囲であり、一般式(I)のC22界面活性剤が、5〜25%の範囲であり、一般式(I)のC24界面活性剤が55〜85%の範囲である。また、本発明の界面活性剤混合物の総質量に対する3イオン性界面活性剤の質量比が50質量%を超えることが好ましく、より好ましくは60質量%より大きい、さらに好ましくは70質量%より大きく、さらに80質量%より大きく、最も好ましくは90質量%より大きい。
好ましくは、kは4〜50の範囲の整数である。
好ましくは、式(I)中の(OX)oYa−基は、OS(O)2O−、OCH2CH2S(O)2O−、OCH2CH(OH)CH2S(O)2O−、O(CH2)3S(O)2O−、S(O)2O−、CH2C(O)O−またはCH2CH(R’)C(O)O−(ただし、R’は、水素または1〜4個の炭素原子をもつアルキル基(例えばメチル))である。
式(I)中のアルキレンオキシ(AO)基OA0(k個存在する)は、同一であっても異なっていてもよい。これらが異なる場合、これらはランダム分布であっても、交互であっても、ブロック(2個のブロック、あるいは3個、4個以上のブロック)であってもよい。
したがって、式(I)中の(OA)kは、nブチレンオキシ(BuO)とmプロピレンオキシ(PO)とlエチレンオキシ(EO)基(式中、nとmとlは0を含む自然数であり、n+m+l=k)である。
このnブチレンオキシとmプロピレンオキシとlエチレンオキシ基が、少なくとも部分的に(定量的に表すと、好ましくは少なくとも50%の程度、より好ましくは少なくとも60%の程度、さらに好ましくは少なくとも70%の程度、より好ましくは少なくとも80%の程度、より好ましくは少なくとも90%の程度、特に完全に)ブロックとして配置されていることが好ましい。
本発明において、「ブロックとして配置される(arranged in blocks)」とは、少なくとも一つのAOが化学的に同じAO基を隣接してもち、これら少なくとも2つのAOがブロックを形成していることを意味する。
式(I)中の(R1)(R2)CH−CH2−基の後に、(OA)kで示される、n個のブチレンオキシ基をもつブチレンオキシブロックが続き、m個のプロピレンオキシ基をもつプロピレンオキシブロックが続き、最後にl個のエチレンオキシ基をもつエチレンオキシブロックが続くことが好ましい。
好ましくは、mは4〜15の整数(より好ましくは5〜9)であり、及び/又はlは0〜25の整数(より好ましくは4〜15)であり、及び/又はnは2〜15の整数(より好ましくは5〜9)である。
より好ましい実施様態では、本発明は、ハイドロカルビル部分(R1)(R2)CH−CH2−で異なる三種のイオン性界面活性剤の混合物であって、mが4〜15の数字であり、nが0〜15の数字であり、Ya−が、スルフェート基とスルホネート基とカルボキシレート基からなる群から選ばれ、BuO基とPO基とEO基が、80%を超える程度で、(R1)(R2)−CH−CH2から始まりBuO、PO、EOの配列でブロックの形で存在し、l+m+nの合計が5〜49の範囲である混合物と、その利用に関する。
特に好ましい実施様態では、nが2〜15の数字であり、mが5〜9の数字あり、Ya−がスルフェート基とスルホネート基とカルボキシレート基からなる群から選ばれ、A基とB基が、80%を超える程度で、(R1)(R2)−CH−CH2から始まるBuO、PO、EOの配列で存在するブロックの形で存在し、l+m+nの合計が4〜50の範囲であり、BuOブロックが、80%を超える程度で1,2−ブチレンオキシドからなる。
好ましい本発明の界面活性剤混合物は、さらに次式の界面活性剤:
式(I)と(II)と(III)の界面活性剤の総量に対する式(I)の界面活性剤の比率は、80質量%〜99質量%の範囲であることが好ましい。
本発明の特に好ましい実施様態では、一般式(II)において、R1は、8個または10個の炭素原子をもつ直鎖の飽和脂肪族ハイドロカルビル基であり、一般式(III)中のR2は、10個または12個の炭素原子をもつ直鎖飽和脂肪族ハイドロカルビル基である。
ウィンザーIII型マイクロエマルジョンフラッディングでの鉱油製造のための本発明の方法では、上述のように、少なくとも3種のハイドロカルビル部分(R1)(R2)CH−CH2−が異なる一般式(I)界面活性剤を含む界面活性剤水性製剤が用いられる。これは、さらに他の界面活性剤及び/又は他成分を含んでいてもよい。
ウィンザーIII型マイクロエマルジョンフラッディングでの第三の鉱油製造のための本発明の方法では、本発明の界面活性剤混合物の使用で、油水間の界面張力が<0.1mN/mの値に、好ましくは<0.05mN/m、より好ましくは<0.01mN/mの値に低下する。油水間の界面張力は、これにより0.1mN/m〜0.0001mN/mの範囲の値に低下し、好ましくは0.05mN/m〜0.0001mN/mの範囲の値、より好ましくは0.01mN/m〜0.0001mN/mの範囲の値に低下される。
ハイドロカルビル部分(R1)(R2)CH−CH2−が異なるこれら三種の界面活性剤は、一般式(I)に含まれる。この差は、炭素原子の数、不飽和結合の数、分岐の頻度及び/又は分岐度から発生する。特にこれらの界面活性剤は、R1とR2の鎖長で異なっている。例えば、R1/R2は、8/10、8/11、8/12、9/10、9/11、9/12、10/10、10/11、10/12の炭素原子をもつハイドロカルビル鎖であり、好ましくは8/10、8/12、10/10、10/12の炭素原子をもつハイドロカルビル鎖である。製造の結果、三種以上の異なる一般式の界面活性剤がこの界面活性剤製剤に存在することも可能である。ハイドロカルビル部分(R1)(R2)CH−CH2−中に20個と22個と24個の炭素原子をもつ三種の界面活性剤が、本発明の界面活性剤混合物の主要成分を構成することが好ましい。その比率は、好ましくは界面活性剤混合物の総質量に対して少なくとも25質量%であり、より好ましくは少なくとも30質量%、より好ましくは少なくとも40質量%、より好ましくは少なくとも50質量%である。
R1基は、8〜10個の炭素原子をもつ直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の脂肪族ハイドロカルビル基である。R2基は、10〜12個の炭素原子をもつ直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の脂肪族ハイドロカルビル基である。R1はR2と同じであってもよいが、好ましくはR2より2炭素原子以下(より好ましくはぴったり二炭素原子)少なくてもよい。
分岐状のR1またはR2基の場合、R1またはR2の分岐度は、好ましくは0.1〜5(好ましくは0.1〜1.5)の範囲である。分岐状の脂肪族ハイドロカルビル基(R1)(R2)−CH−CH2では、これで1.2〜11(好ましくは1.2〜4)の分岐度がえられる。
「分岐度」は、原則として公知のように、そのアルコール1分子中のメチル基の数マイナス1として定義される。平均分岐度は、一試料中の全分子の分岐度の統計的な平均である。
しかしながら、ある好ましい実施様態では、12個または14個の炭素原子をもつ直鎖の飽和又は不飽和のR1基、または14個または16個の炭素原子をもつR2が用いられる。直鎖の飽和したR1基とR2基の使用が特に好ましい。これにより、脂肪族ハイドロカルビル基(R1)(R2)−CHCH2の分岐度が1となる。
上に定義した一般式では、lとmとnは、それぞれ0を含む自然数、即ち0、1、2などである。しかしながら、この定義が、いずれの場合も単一の界面活性剤の定義であることは、ポリアルコキシレートの分野の熟練者には明白である。複数の上記一般式の界面活性剤を含む界面活性剤混合物または界面活性剤製剤が存在する場合、これらの数字lとmは、それぞれ、これらの界面活性剤の全分子の平均値である。これは、アルコールのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシドでのアルコキシ化は、いずれの場合も、一定の分布の鎖長を与えるためである。この分布は、既知の方法で、原則としていわゆる多分散性Dにより記述される。D=Mw/Mnは、質量平均モル質量を数平均モル質量で割って得られる商である。この多分散性は、当業界の熟練者には既知の方法で、例えばゲル浸透クロマトグラフィーにより測定できる。
好ましくは、lは0〜99の数字であり、好ましくは1〜40、より好ましくは1〜20の数字である。
好ましくは、mは0〜99の数字であり、好ましくは1〜20、より好ましくは4〜15の数字である。
好ましくは、nは0〜99の数字であり、好ましくは1〜20、より好ましくは2〜15の数字である。
本発明によれば、l+m+nの合計(=k)は、1〜99の範囲に数字であり、好ましくは5〜50の範囲、より好ましくは8〜39の範囲の数字である。
式(I)中で、Xは、1〜10個の炭素原子、好ましくは2〜4個の炭素原子をもち、一個のOH基で置換されていてもよい技分かれしていてもよいアルキレン基である。このアルキレン基は、好ましくはメチレン、エチレンまたはプロピレン基である。特に、Xは、好ましくはCH2CH2、CH2CH(OH)CH2、(CH2)3、CH2またはCH2CH(R’)である、なお、R’は、水素または1〜4個の炭素原子をもつアルキル基(例えばメチル)である。Xは、あっても(o=1)、なくても(o=0)よい。
上記の一般式中で、Ya−は、スルホネート基、スルフェート基、カルボキシレート基またはホスフェート基(好ましくはスルホネート基、スルフェート基またはカルボキシレート基、特にスルフェート基とカルボキシレート基)である。したがって、aは1または2の値をとることができる。
上記の式中で、M+はカチオンであり、好ましくはNa+と、K+、Li+、NH4 +、H+、Mg2+、Ca2+(好ましくはNa+、K+またはNH4 +)からなる群から選ばれるカチオンである。全体として、bは、1、2または3の値をとることができる。
本発明の界面活性剤の製造用の出発化合物となるアルコール(R1)(R2)CH−CH2−OHは、例えば、R1CH2CH2OHとR2OH型アルコールの脱水による二量体化により得ることができる。
したがって、本発明のもう一つの側面は、本発明の界面活性剤混合物の製造方法であって、
(a)少なくとも二種の式R−CH2−CH2−OHの一級アルコール(ただし、Rは、12〜14個の炭素原子をもつ直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の脂肪族ハイドロカルビル基である)の混合物を縮合させることにより一般式(IV)(R1)(R2)CH−CH2−(IV)(ただし、R1とR2はそれぞれ上記定義通りである)のゲルベアルコールを製造する工程と、
(b)加工工程(a)で得られたアルコールをアルコキシル化する工程と、
(c)工程(b)で得られたアルコールアルコキシレートをYa−基と反応させて、必要ならスペーサー基OXを形成する工程
からなる方法である。
(a)少なくとも二種の式R−CH2−CH2−OHの一級アルコール(ただし、Rは、12〜14個の炭素原子をもつ直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の脂肪族ハイドロカルビル基である)の混合物を縮合させることにより一般式(IV)(R1)(R2)CH−CH2−(IV)(ただし、R1とR2はそれぞれ上記定義通りである)のゲルベアルコールを製造する工程と、
(b)加工工程(a)で得られたアルコールをアルコキシル化する工程と、
(c)工程(b)で得られたアルコールアルコキシレートをYa−基と反応させて、必要ならスペーサー基OXを形成する工程
からなる方法である。
加工工程(a)での一般式(IV)(R1)(R2)CH−CH2−のゲルベアルコールの製造は、当業者には公知である。
ゲルベ反応の過程で、一級アルコールが適当な触媒の存在下で最終的に二量化してβ分岐一級アルコールを与える。このアルコールから形成される主たる生成物は、アルデヒドであり、これが次いでアルドール縮合により水を放出して二量化し、続く水素化で飽和アルコールを与える。この主生成物であるゲルベアルコールに加えて、いろいろな副生成物が生成することがある。例えば、二重結合の水素化が不完全なら不飽和β分岐一級アルコールが生成し、ゲルベアルコールを与える水素化が不完全なら飽和分岐をもつアルデヒドが、あるいは特に側鎖または主鎖中にさらなる分岐をもつβ分岐一級アルコールが生成することがある。
式R−CH2CH2−OHのアルコールの二量体化で、アルコールの混合物が生成する。これには、C10C12脂肪族アルコール混合物(直鎖、飽和)、10個と12個の炭素原子をもつチーグラーアルコールのC10C12混合物、C10C12脂肪族アルコール混合物(直鎖、部分不飽和)または
C10C12オキソアルコール混合物が含まれる。
C10C12オキソアルコール混合物が含まれる。
本発明のある好ましい実施様態では、式R−CH2CH2−OHのアルコール(Rは、8個または10個の炭素原子をもつ直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の脂肪族ハイドロカルビル基である)の二量体化で、20個と22個と24個の炭素原子をもつゲルベアルコールが得られる。
ある特に好ましい実施様態では、Rが、8個または10個の炭素原子をもつ直鎖の飽和又は不飽和の(好ましくは飽和の)脂肪族ハイドロカルビル基である。
加工工程(a)でこれらのゲルベアルコールを製造するために、これらアルコール(II)の混合物が縮合させられる。好ましくは、R=8のアルコールの比率が25〜50mol%であり、R=10のアルコールの比率が50〜75mol%である。約30モル%のR=8のアルコールを、70モル%のR=10のアルコールと反応させることが特に好ましい。
ゲルベアルコールを生成させるためのアルコール(II)の縮合は、これらアルコールに対して0.5〜10質量%の量のアルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウムまたは水酸化カリウム、好ましくは水酸化カリウム)の存在下で行うことが好ましい。高反応速度と低二次成分比率を得るためには、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を、アルコールに対して3〜6質量%の濃度で使用する必要があるだろう。このアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物は、固体状(フレーク、粉末)で使用しても、30〜70%、好ましくは50%の水溶液として使用してもよい。
ある好ましい実施様態では、式(II)のアルコールが、NaOH及び/又はKOHの存在下で縮合される。
適当な触媒は、先行技術から公知であり、例えば、US3119880(ニッケル、鉛塩)、US35558716(銅、鉛、亜鉛、クロム、モリブデン、タングステン、マンガンの酸化物s)、US3979466(パラジウム錯体)、またはUS3864407(銀錯体)からで公知である。ZnOを二量体化触媒として使うことが好ましい。
この触媒は、ZnO触媒を含むことが好ましく、これは一般的にはゲルベアルコールを製造するための混合物に加えられる。
ゲルベアルコールの混合物は、DE3901095A1から公知の方法で製造できる。
本発明のある好ましい実施様態では、これらのゲルベアルコールが、加工工程(a)で、150〜320℃の範囲の温度で、好ましくは180〜280℃の範囲の温度で、必要なら一種以上の触媒の存在下で合成される。
上記一般式の界面活性剤は、原則として公知の方法により、加工工程(b)で相当するアルコール(R1)(R2)CH−CH2−OHをアルコキシル化して製造できる。このようなアルコキシ化の実施方法は、原則として当業界の熟練者には公知である。同様に、これらのアルコキシレートのモル質量分布が、反応条件により、特に触媒の選択により影響を受けることがあることも当業界の熟練者には公知である。
上記一般式の界面活性剤は、加工工程(b)で塩基触媒でのアルコキシ化により製造することが好ましい。この場合、アルコール(R1)(R2)CH−CH2−OHを圧力反応器中で、アルカリ金属水酸化物(好ましくは水酸化カリウム)またはアルカリ金属アルコキシド(例えばナトリウムメトキシド)と混合できる。この混合物中に残留する水は、減圧(例えば<100mbar)及び/又は加熱(30〜150℃)により除去できる。その後では、このアルコールは相当するアルコキシドの形で存在する。この後で、不活性ガス(例えば、窒素)で不活性化させ、60〜180℃の温度で最大圧力が10barで段階的にアルキレンオキシドを添加する。ある好ましい実施様態では、このアルキレンオキシドが最初130℃で投入される。反応中、反応熱のため温度が170℃まで上昇する。本発明の他の好ましい実施様態では、ブチレンオキシドがまず125〜145℃の範囲の温度で添加され、次いでプロピレンオキシドが130〜145℃の範囲の温度で添加され、次いでエチレンオキシドが125〜155℃の範囲の温度で添加される。反応終了後はこの触媒を、例えば酸(例えば酢酸またはリン酸)を添加して中和し、必要なら濾過除去する。
しかしながら、これらのアルコール(R1)(R2)CH−CH2−OHのアルコキシ化を、他の方法で、例えば酸触媒のアルコキシ化で行うこともできる。また、例えばDE4325237A1に記載の複水酸化物粘土を使用できる。あるいは、二重金属シアニド触媒(DMC触媒)を使用できる。適当なDMC触媒は、例えばDE10243361A1に、特に段落[0029]〜[0041]とその引用文献中に開示されている。例えば、Zn−Co型の触媒を使用することができる。反応を実施するのに、アルコール(R1)(R2)CH−CH2−OHを触媒と混合し、その混合物から上述のように水を除き、上述のようにアルキレンオキシドを反応させる。通常、使用する混合物に対して1000ppm以下の触媒が用いられ、この触媒がこの少量で生成物中に残留する。触媒の量は一般的には1000ppm未満であり、例えば250ppm以下である。
加工工程(c)は、工程(b)で得られたアルコールアルコキシレートとYa−基との反応に関し、この反応は、必要ならスペーサー基OXの形成を伴っている。
例えば、このアルコールに直接(必要なら活性化後)スルフェート基とホスフェート基を反応させてスルフェート基とホスフェート基を導入することができる。スルホン酸基は、ビニル付加、置換反応またはアルドール反応と必要なら続く水素化で実施して、相当するスペーサーOXを得ることができる。あるいは、このアルコールを前もって塩化物に変換し、次いで直接スルホン化にかけることもできる。カルボキシレートは、例えば、クロロアセテート、アクリレートまたは置換アクリレートH2C=(R’)C(O)O−(ただし、R’はHまたは1〜4個の炭素原子をもつアルキル基である)との反応で得ることができる。
原則として、このアニオン性のYa−基は、官能性のYa−基(これは、スルフェート基、スルホン酸基、カルボン酸基またはホスフェート基)とスペーサーOX(これは、最も単純な場合は、単結合であってもよい(o=0))とからなる。スルフェート基の場合、例えば流下薄膜式反応器中で硫酸、クロロスルホン酸または硫黄三酸化物と反応させ、次いで中和することができる。 スルホン酸基の場合、例えば、プロパンスルトンとの反応と続く中和、ブタンスルトンとの反応と続く中和、ビニルスルホン酸ナトリウム塩との反応、または3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム塩との反応を採用することができる。スルホネートを製造するためには、末端OH基を、例えばホスゲンまたは塩化チオニルで塩化物に変換し、次いで例えば亜硫酸塩と反応させる。カルボン酸基の場合、例えば、アルコールの酸素での酸化と続く中和、またはクロロ酢酸ナトリウム塩との反応を採用することができる。カルボキシレートは、例えば、(メタ)アクリル酸またはエステルのマイケル付加で得ることもできる。ホスフェートは、例えば、リン酸または五塩化リンでのエステル化反応で得ることができる。
一般式(I)と(II)と(III)の界面活性剤に加えて、この製剤は必要ならさらに他の界面活性剤を含んでいてもよい。これらは、例えば、アルキルアリールスルホネート、ペトロリウムスルホネートまたはオレフィンスルホネート(α−オレフィンスルホネートまたは内部オレフィンスルホネート)型のアニオン界面活性剤、及び/又はアルキルエトキシレートまたはアルキルポリグルコシド型のノニオン性界面活性剤である。ベタイン界面活性剤を使用することもできる。これらの他の界面活性剤は、特にオリゴマー状またはポリマー状の界面活性剤であってもよい。マイクロエマルジョンを形成するのに必要な界面活性剤の量を減らすために、このようなポリマー状の共界面活性剤を使用すると有利である。このようなポリマー状共界面活性剤は、したがって「マイクロエマルジョンブースター」とも呼ばれる。このようなポリマー状界面活性剤の例には、少なくとも一つの親水性ブロックと少なくとも一つの疎水性ブロックをもつ両親媒性ブロックコポリマーが含まれる。例には、ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシドブロックコポリマーや、ポリイソブテン−ポリエチレンオキシドブロックコポリマー、ポリエチレンオキシド側鎖と疎水性主鎖をもつ櫛型ポリマー(主鎖は、好ましくは実質的にオレフィンまたは(メタ)アクリレートをモノマーとして含む)が含まれる。なお、この「ポリエチレンオキシド」には、いずれの場合も、上に定義したプロピレンオキシド単位を含むポリエチレンオキシドブロックが含まれる。このような界面活性剤の更なる詳細がWO2006/131541A1に開示されている。
鉱油製造のための本発明の方法では、上記一般式の界面活性剤の適当な水性製剤が少なくとも一本の注入井を経由して鉱油床に注入され、鉱床から少なくとも一本の採油井を経由して原油が抜き出される。なお、この「原油」は、もちろん単相の油を意味するのではなく、通常の原油水エマルジョンを意味する。一般に一つの鉱床には、数本の注入井と数本の採油井が設けられる。
界面活性剤の主な効果は、油水間の界面張力を、望ましくは0.1mN/mよりかなり小さな値まで低下させることである。界面活性剤製剤の注入後、いわゆる「界面活性剤フラッディング」または好ましくはウィンザーIII型「マイクロエマルジョンフラッディング」の後で、累層への注入水により(「水フラッディング」)、あるいは好ましくは、より高粘度の強い増粘作用をもつポリマー水溶液(「ポリマーフラッディング」)で圧力を維持できる。しかしながら、これらの界面活性剤を最初から累層に作用させる方法も知られている。もう一つの既知の方法は、界面活性剤と増粘ポリマーの溶液の注入と、これに続く増粘ポリマー溶液の注入である。「界面活性剤フラッディング」や「水フラッディング」、「ポリマーフラッディング」の工業的実施の詳細は当業界の熟練者には公知であり、鉱床の種類に応じて適当な方法が採用される。
本発明の方法には、一般式(I)の界面活性剤を含む水性の製剤が用いられる。これらの製剤は、必要なら水に加えて、水混和性のまたは少なくとも水分散性の有機物質または他の物質を含むことができる。このような添加物は、特に貯蔵中または油田へ輸送中に、界面活性剤溶液の安定化に役立つ。しかしながらこのような助溶媒の量は一般的には50質量%を超えてはならず、好ましくは20質量%を超えない。本発明の特に好ましい実施様態では、この製剤に水のみが用いられる。水混和性の溶媒の例には、特にアルコールが含まれ、具体的にはメタノールやエタノール、プロパノール、ブタノール、sec−ブタノール、ペンタノール、ブチルエチレングリコール、ブチルジエチレングリコールまたはブチルトリエチレングリコールが含まれる。
本発明のある好ましい実施様態では、ハイドロカルビル部分(R1)(R2)CH−CH2−で異なる三種の上記一般式の界面活性剤(I)が、最終的に鉱床に注入される製剤中の全界面活性剤の中で主成分となる。これらの量は、好ましくは使用する全界面活性剤の少なくとも25質量%であり、より好ましくは少なくとも30質量%、さらに好ましくは少なくとも40質量%、さらに好ましくは少なくとも50質量%である。
本発明で用いられる混合物は、鉱床の界面活性剤フラッディングに好ましく用いることができる。ウィンザーIII型マイクロエマルジョンフラッディング(ウィンザーIII範囲でのフラッディングまたは両連続マイクロエマルジョン相の存在する範囲でのフラッディング)での使用が特に好適である。マイクロエマルジョンフラッディングの方法は冒頭に詳細に説明した。
これらの製剤は、界面活性剤に加えて、他の成分、例えばC4〜C8アルコール及び/又は塩基性塩(いわゆる「アルカリ界面活性剤フラッディング」)を含むことができる。このような添加物は、例えば累層への残留を低下させるために用いることができる。使用界面活性剤の総量に対するアルコールの比率は、一般的には少なくとも1:1であるが、かなり過剰のアルコールを使用することもできる。塩基性塩の量は、通常0.1質量%〜5質量%の範囲である。必要なら、これら塩基性塩にキレート剤(例えば、EDTA)を、通常0.03質量%〜5質量%の量で添加することができる。
本方法が採用される鉱床の温度は、一般的には少なくとも10℃であり、例えば10〜150℃、好ましくは少なくとも15℃〜120℃である。全界面活性剤の総濃度は、界面活性剤水性製剤の総量に対して0.05〜5質量%、好ましくは0.1〜2.5質量%である。当業界の熟練者は、所望の性能に応じて、特に鉱油累層中の条件に応じて適当な選択を行う。製剤が累層の水と混合したり、界面活性剤が累層の固体表面に吸着されることがあるため、界面活性剤の濃度が変化しうることは、当業界の熟練者には明白である。本発明で使用する混合物の大きな長所は、これらの界面活性剤の界面張力低下効果が大きいという点である。一旦濃縮物を作り、現場で累層への注入前に所望濃度に希釈することももちろん可能でありまた望ましい。一般にこのような濃縮物中の界面活性剤の総濃度は10〜45質量%である。
第一部:界面活性剤の合成
一般的方法1:ゲルベアルコールの製造
1lフラスコ中に、アルコール(1当量)をまず投入し、必要なら50℃で溶融させる。撹拌下でKOH粉末(0.24当量)と酸化亜鉛(出発アルコールに対して5質量%)を添加する。この反応混合物をできるだけ速く180〜230℃に加熱し、生成する反応水を蒸留排出口から蒸発させる。反応水をできる限り速く除去するため、必要ならこのガラスフラスコをアルミ箔で断熱する。この反応混合物を所定温度で、さらに6〜30時間撹拌する。生成するアルコール混合物をガスクロマトグラフィーで分析し、さらに処理することなく続くアルコキシ化に用いる。
一般的方法1:ゲルベアルコールの製造
1lフラスコ中に、アルコール(1当量)をまず投入し、必要なら50℃で溶融させる。撹拌下でKOH粉末(0.24当量)と酸化亜鉛(出発アルコールに対して5質量%)を添加する。この反応混合物をできるだけ速く180〜230℃に加熱し、生成する反応水を蒸留排出口から蒸発させる。反応水をできる限り速く除去するため、必要ならこのガラスフラスコをアルミ箔で断熱する。この反応混合物を所定温度で、さらに6〜30時間撹拌する。生成するアルコール混合物をガスクロマトグラフィーで分析し、さらに処理することなく続くアルコキシ化に用いる。
一般的方法2:KOH触媒でのアルコキシ化(EOとPO及び/又は1,2−BuOの使用)
2lのオートクレーブ中で、アルコキシル化するアルコール(1.0当量)を、必要なら50質量%のKOHを含むKOH水溶液と混合する。KOHの量は、生成する生成物の0.2質量%である。撹拌下でこの混合物から100℃と20mbarで2時間脱水させる。この後、N2で三回ガス置換し、N2の供給圧力を約1.3barとし、温度を120〜130℃に上げる。温度が125℃〜155℃(エチレンオキシドの場合)または130〜145℃(プロピレンオキシドの場合)または125〜145℃(1,2−ブチレンオキシドの場合)に維持されるようにアルキレンオキシドを投入する。この後で、125〜145℃でさらに5時間撹拌し、N2でパージし、70℃に冷却し、反応器を空とする。この塩基性粗生成物を酢酸で中和する。あるいは、市販の珪酸マグネシウムでこの中和を行い、次いでこれを濾別してもよい。この少し着色した生成物を、CDCl3中で1H−NMRスペクトルとゲル浸透クロマトグラフィーとOH価測定により評価し、収率を計算する。
2lのオートクレーブ中で、アルコキシル化するアルコール(1.0当量)を、必要なら50質量%のKOHを含むKOH水溶液と混合する。KOHの量は、生成する生成物の0.2質量%である。撹拌下でこの混合物から100℃と20mbarで2時間脱水させる。この後、N2で三回ガス置換し、N2の供給圧力を約1.3barとし、温度を120〜130℃に上げる。温度が125℃〜155℃(エチレンオキシドの場合)または130〜145℃(プロピレンオキシドの場合)または125〜145℃(1,2−ブチレンオキシドの場合)に維持されるようにアルキレンオキシドを投入する。この後で、125〜145℃でさらに5時間撹拌し、N2でパージし、70℃に冷却し、反応器を空とする。この塩基性粗生成物を酢酸で中和する。あるいは、市販の珪酸マグネシウムでこの中和を行い、次いでこれを濾別してもよい。この少し着色した生成物を、CDCl3中で1H−NMRスペクトルとゲル浸透クロマトグラフィーとOH価測定により評価し、収率を計算する。
一般的方法3: DMC触媒によるアルコキシ化
2lのオートクレーブ中で、アルコキシル化するアルコール(1.0当量)を、二重金属シアニド触媒(例えば、BASF社のZn−Co型DMC触媒)と80℃で混合する。この触媒を活性化するために、80℃で1時間、約20mbarとする。DMCの量は、得られる生成物の0.1質量%以下である。この後、N2で三回パージし、N2供給圧力を約1.3barとし、120〜130℃に加熱する。温度が、125℃〜135℃(エチレンオキシドの場合)または130〜140℃(プロピレンオキシドの場合)または135〜145℃(1,2−ブチレンオキシドの場合)に維持されるようにアルキレンオキシドを投入する。この後、125〜145℃でさらに5時間撹拌し、N2でパージし、70℃に冷却し、反応器を空とする。この少し着色した生成物を、CDCl3中で1H−NMRスペクトルとゲル浸透クロマトグラフィーとOH価測定により評価し、収率を計算する。
2lのオートクレーブ中で、アルコキシル化するアルコール(1.0当量)を、二重金属シアニド触媒(例えば、BASF社のZn−Co型DMC触媒)と80℃で混合する。この触媒を活性化するために、80℃で1時間、約20mbarとする。DMCの量は、得られる生成物の0.1質量%以下である。この後、N2で三回パージし、N2供給圧力を約1.3barとし、120〜130℃に加熱する。温度が、125℃〜135℃(エチレンオキシドの場合)または130〜140℃(プロピレンオキシドの場合)または135〜145℃(1,2−ブチレンオキシドの場合)に維持されるようにアルキレンオキシドを投入する。この後、125〜145℃でさらに5時間撹拌し、N2でパージし、70℃に冷却し、反応器を空とする。この少し着色した生成物を、CDCl3中で1H−NMRスペクトルとゲル浸透クロマトグラフィーとOH価測定により評価し、収率を計算する。
一般的方法4:クロロスルホン酸によるスルホン化
1l丸底フラスコ中で、スルホン化するアルキルアルコキシレート(1.0当量)を1.5倍量(重量パーセント換算)のジクロロメタンに溶解し、5〜10℃に冷却する。その後、温度が10℃を超えないようにしてクロロスルホン酸(1.1当量)を滴下する。この混合物を室温まで温めた後、N2流下でこの温度で4時間撹拌し、次いで上記反応混合物を、最高でも15℃である1/2体積のNaOH水溶液に滴下する。NaOHの量は、使用するクロロスルホン酸よりやや過剰となるように計算する。得られるpHは9〜10である。ジクロロメタンは、ロータリーエバボレータ中温和な真空下で最高50℃で除かれる。
1l丸底フラスコ中で、スルホン化するアルキルアルコキシレート(1.0当量)を1.5倍量(重量パーセント換算)のジクロロメタンに溶解し、5〜10℃に冷却する。その後、温度が10℃を超えないようにしてクロロスルホン酸(1.1当量)を滴下する。この混合物を室温まで温めた後、N2流下でこの温度で4時間撹拌し、次いで上記反応混合物を、最高でも15℃である1/2体積のNaOH水溶液に滴下する。NaOHの量は、使用するクロロスルホン酸よりやや過剰となるように計算する。得られるpHは9〜10である。ジクロロメタンは、ロータリーエバボレータ中温和な真空下で最高50℃で除かれる。
生成物を1H−NMRで分析し、溶液の含水率を測定する(約70%)。合成には、以下のアルコールを使用する。
性能試験
第三の鉱油製造への適性を決めるため、得られた界面活性剤を使って以下の試験を行う。
第三の鉱油製造への適性を決めるため、得られた界面活性剤を使って以下の試験を行う。
試験方法の説明
SP*の決定
a)測定原理:
油水間の界面張力は、既知の方法により、溶解パラメーターSP*の測定により決定した。溶解パラメーターSP*測定による界面張力の測定は、本技術分野で受け入れられている界面張力の簡易測定方法である。溶解パラメーターSP*は、マイクロエマルジョン(ウィンザーIII型)中で用いる界面活性剤の1ml中に何mlの油が溶解するかを示す。等体積の水と油を使用する場合、界面張力σ(IFT)はこれから、近似式IFT 0.3/(SP*)2で計算される(C. Huh、J.Coll. Interf.Sc., Vol. 71, No. 2(1979))。
SP*の決定
a)測定原理:
油水間の界面張力は、既知の方法により、溶解パラメーターSP*の測定により決定した。溶解パラメーターSP*測定による界面張力の測定は、本技術分野で受け入れられている界面張力の簡易測定方法である。溶解パラメーターSP*は、マイクロエマルジョン(ウィンザーIII型)中で用いる界面活性剤の1ml中に何mlの油が溶解するかを示す。等体積の水と油を使用する場合、界面張力σ(IFT)はこれから、近似式IFT 0.3/(SP*)2で計算される(C. Huh、J.Coll. Interf.Sc., Vol. 71, No. 2(1979))。
b)方法
SP*を決めるのに、磁気攪拌器バーを備えた100mlのメスシリンダに、20mlの油と20mlの水を入れる。ここに、特定の界面活性剤を上記濃度で添加する。次いで温度を段階的に20から90℃に上げ、マイクロエマルジョンが生成する温度領域を観察する。
SP*を決めるのに、磁気攪拌器バーを備えた100mlのメスシリンダに、20mlの油と20mlの水を入れる。ここに、特定の界面活性剤を上記濃度で添加する。次いで温度を段階的に20から90℃に上げ、マイクロエマルジョンが生成する温度領域を観察する。
マイクロエマルジョンの形成は、肉眼または電気伝導度測定により評価できる。三相系が生成する(上:油相、中央:マイクロエマルジョン相、下:水相)。上相と下相が同じ大きさで24時間変化しない場合、その温度がマイクロエマルジョンの適正温度(Topt)である。中央相の体積を測定する。この体積から、加えた界面活性剤の体積を差し引く。得られた数値を2で割る。次いでこの体積を、加えた界面活性剤の体積で割る。この結果を、SP*とする。
SP*の測定に用いる油と水の種類は、試験する系に応じて決定する。鉱油自体を使用しても、モデル油、例えばデカンを使用してもよい。鉱油累層中の条件をよりよくモデル化するために、用いる水が純水であっても塩水であってもよい。この水相の組成は、例えば特定の鉱床水の組成応じて調整される。あるいは、NaCl水溶液を使用することもできる。
既知の系との比較のために、これらの界面活性剤は、必要ならアニオン性の共界面活性剤と共溶媒と混合した後で試験される。
もう一つの可能な試験の形は、界面活性剤溶液の存在下で適当な温度で、データフィジックス社のSVT20を用いてスピンドロップ法により原油の界面張力を測定することである。このために、油滴を一滴、含塩界面活性剤溶液で充たされた毛細管に注入し、約4500rpmでの液滴の膨張を、一定値となるまで観測する。これには、通常2時間かかる。Hans−Dieter Dorfler in “Grenzflachen und kolloid−disperseSysteme [Interfaces andColloidally disperseSystems]”Springer Verlag Berlin Heidelberg 2002に記載のように、界面張力IFT(またはσII)は、円柱の径dzと角速度ωと密度の差(d1−d2)から下記式により計算される。
σII=0.25・dz 3・ω2・(d1−d2)
この場合スピン−ドロップ実験には、貯層からの原油が20℃で用いられる。原油は、16°APIである。貯層温度は約20℃である。累層の水は塩を含んでいる。合成水をNaClとNaHCO3で作る。界面活性剤溶液を使用し、これを累層に注入する。これは界面活性剤に加えて水と塩を含んでいる。他の塩成分として0.25%のNa2CO3を添加した。界面活性剤溶液は、0.1%の、ゲルベアルキル−7BuO−7PO−10EO−スルフェート型のアルキルエーテルスルフェートと、ステパン社のペトロステップS3B(内部オレフィンスルホネート)の混合物と、0,05%のブチルジエチレングリコールと、0.07%のソカラン(R)PA20(ポリアクリレートナトリウム塩)を含んでいた。アルキルエーテルスルフェートとして、本発明の界面活性剤と本発明ではない界面活性剤を使用した。後者の界面活性剤の場合、それを「V」で示した。
界面活性剤濃度とNa2CO3の量は、活性化合物に関するものであり、水相に対する重量パーセントで示した。
スピンドロップ実験の結果を表1に示す。
表1の実施例V1とV2に示すように、一種のみのゲルベアルコール(V1ではC20−ゲルベ、V2ではC24−ゲルベ)からなる本発明外の界面活性剤は、中程度の界面張力である0.0162mN/mと0.0179mN/mを与える。少なくとも三種のゲルベアルコール(C20C22C24−ゲルベ)の混合物系の本発明の界面活性剤を同じ条件下で使用すると、実施例に示すよう、驚くほど低い界面張力である<0.01mN/m(0.0043mN/m(実施例3)が得られた。実施例3の混合物は、V1とV2の単一の界面活性剤を含んでいることを考えると、これはさらに驚くべきことである。
Claims (15)
- ハイドロカルビル部分(R1)(R2)CH−CH2−で異なる、少なくとも三種の、一般式(I):
R1は、8〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の脂肪族ハイドロカルビル基であり;
R2は、10〜12個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の脂肪族ハイドロカルビル基であり;
A0は、それぞれ独立してエチレン、プロピレンまたはブチレンであり;
kは、1〜99の整数であり、
Xは、1〜10個の炭素原子を有し、一個のOH基で置換されていてもよい分岐または非分岐のハイドロカルビレン基であり;
oは、0または1であり;
Mb+は、カチオンであり;
Ya−は、スルフェート基、スルホネート基、カルボキシレート基またはホスフェート基であり;
bは、1、2または3であり
aは、1または2である。]
で表されるイオン性界面活性剤を含む界面活性剤混合物。 - R1が、8個または10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の脂肪族ハイドロカルビル基であり、且つ
R2が、10個または12個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の脂肪族ハイドロカルビル基である請求項1に記載の界面活性剤混合物。 - R1が、8個または10個の炭素原子を有する直鎖の飽和又は不飽和の脂肪族ハイドロカルビル基であり、
R2が、10個または12個の炭素原子を有する直鎖の飽和又は不飽和の脂肪族ハイドロカルビル基であり、
上記R1とR2基が、上記の少なくとも三種の一般式(I)のイオン性界面活性剤(I)が、20個の炭素原子と22個の炭素原子と24個の炭素原子を有するハイドロカルビル基(R1)(R2)CH−CH2−が得られるように選択される請求項1に記載の界面活性剤混合物。 - kが4〜50の範囲の整数である請求項1〜3のいずれか一項に記載の界面活性剤混合物。
- 式(I)中の(OX)oYa−基が、OS(O)2O−、OCH2CH2S(O)2O−、OCH2CH(OH)CH2S(O)2O−、O(CH2)3S(O)2O−、S(O)2O−、CH2C(O)O−またはCH2CH(R’)C(O)O−(だだし、R’は、水素または1〜4個の炭素原子をもつアルキル基である)である請求項1〜4のいずれか一項に記載の界面活性剤混合物。
- 式(I)中の(OA)kが、nブチレンオキシ、mプロピレンオキシ及びlエチレンオキシ基を表し、n+m+l=kである請求項1〜4のいずれか一項に記載の界面活性剤混合物。
- 上記のnブチレンオキシ、mプロピレンオキシ及びlエチレンオキシ基がブロックで配置されている請求項6に記載の界面活性剤混合物。
- 式(I)中の(R1)(R2)CH−CH2−基の後に、(OA)kとして、nブチレンオキシ基を有するブチレンオキシブロックが続き、次いでmプロピレンオキシ基を有するプロピレンオキシブロックが、最後にlエチレンオキシ基を有するエチレンオキシブロックが続く請求項7に記載の界面活性剤混合物。
- mが4〜15の整数であり、及び/又はlが0〜25の整数であり、及び/又はnが2〜15の整数である請求項6〜8のいずれか一項に記載の界面活性剤混合物。
- 式(I)、(II)及び(III)の界面活性剤の総量に対する式(I)の界面活性剤の比率が80質量%〜99質量%の範囲である請求項10に記載の界面活性剤混合物。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の界面活性剤混合物を含む界面活性剤水性製剤であって、その合計界面活性剤含量が、好ましくは界面活性剤水性製剤の総量に対して0.05〜5質量%である製剤。
- ウィンザーIII型マイクロエマルジョンフラッディングによる鉱油の製造方法であって、油水間の界面張力を<0.1mN/mに低下させるために請求項12に記載の界面活性剤水性製剤を鉱油床に少なくとも一本の注入井を経由して注入し、その鉱床から少なくとも一本の採油井を経由して原油を抜き出す方法。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の界面活性剤混合物を製造する方法であって、
(a)少なくとも二種の式R−CH2−CH2−OHの一級アルコール(ただし、Rは、8〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の脂肪族ハイドロカルビル基である)の混合物を縮合させることにより、一般式(IV);(R1)(R2)CH−CH2OH(IV)(ただし、R1とR2はそれぞれ請求項1〜11のいずれか一項に記載された定義通りである)のゲルベアルコールを製造する工程、
(b)加工工程(a)で得られたアルコールをアルコキシル化する工程、及び
(c)工程(b)で得られたアルコールアルコキシレートをYa−基と反応させて、任意にスペーサー基OXを形成する工程
を含む製造方法。 - 請求項1〜11のいずれに記載の界面活性剤混合物、または請求項12に記載の界面活性剤製剤の、ウィンザー型IIIマイクロエマルジョンフラッディングによる鉱油製造での利用。
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