JP2015502744A - アテローム性動脈硬化症における不安定プラークの分子イメージングのための抗体 - Google Patents

アテローム性動脈硬化症における不安定プラークの分子イメージングのための抗体 Download PDF

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Abstract

アテローム性動脈硬化症における不安定プラークの分子イメージングのための抗体in vivoイメージングのためのアテローム性動脈硬化症病変部に特異的に結合する抗体、および患者におけるアテローム性動脈硬化症病変部のin vivoイメージングのための方法。

Description

本発明は、in vivoでアテローム硬化性病変部を特異的に標的にする抗体に関する。
ヒトにおいてアポリポタンパク質B含有リポタンパク質の血漿濃度が上昇すると、冠動脈性心疾患(CHD)の発病率が増大するという疫学的研究が確立している。それでもやはり、早発CHDを発症する患者を研究すると、48%が200mg/dl未満のコレステロールレベルを有していたことが明らかになった。さらに、家族性高コレステロール血症および同一の高コレステロールレベルを有する小児において、一方は、10歳の年齢で致命的な心筋梗塞を有する場合があり、他方は、50歳の年齢まで生存する場合がある。アテローム性動脈硬化症が進行する速度は、血漿コレステロールレベルに関係なく相当に変化するので、明らかに、追加の要因がアテローム発生において重要な役割を果たし得る。この疾患は、高コレステロール血症だけでなく、アテローム硬化性病変部を誘導するのに必要または十分であり得る他の局所的および全身性のリスク要因にも起因する可能性がある。
アテローム性動脈硬化症のイメージングおよび療法ストラテジーは、世紀の変わり目に新時代に入った。血管壁のアーキテクチャおよび形態に基づく新たな画像診断法は、無症候性プラークおよび不安定プラークを予測するための新境地を開いた。さらに、実験研究および臨床試験により、アテローム性動脈硬化症は、コレステロール低下薬および脂質低下薬を使用する一般的なストラテジー以上のことをすることによって処置され得ることが示唆された。研究努力は、局所的に作用し、プラーク破綻に関与するアテローム形成成分を標的にすることができる新規クラスの作用物質の開発に集中している。
アテローム性動脈硬化症の病因は、局所的な血管傷害、炎症、酸化的ストレス、および血管石灰化に役割を果たす多数の分子成分を伴う。アテローム硬化性病変部は、コレステロール、トリグリセリド、脂質、炭酸カルシウム、アルブミン、カルモジュリン、リポタンパク質、および他のタンパク質を含有し、しかし線維性結合組織および浸潤炎症細胞も含有する複雑な構造である。Gamble(2006)は、アテローム形成プロセスの決定的ステップは、プラーク中のコレステロールを捕捉するカルシウム沈殿であることを観察した。壁内カルシウム沈着は、脂肪線条形成直後の10歳代という早期に始まり、その程度は、アテローム硬化性プラーク発生に続く。Oksalaら(2010)は、炭酸脱水酵素IIおよびXIIが、進行性ヒトアテローム硬化性プラーク中の破骨細胞様細胞内で上方制御されることを最近示した。しかし、in vivo条件におけるアテローム硬化性病変部のこれらの成分のアクセシビリティおよび量は、未知である。
それでもやはり、アテローム形成分子基盤を理解し、したがっていくつかの有望な新規標的の展望を開くことが進展しているにもかかわらず、アテローム性動脈硬化症を診断および処置するための新規でより効率的なターゲティング剤の要求が高まっている。抗体は、高い特異性および親和性の両方を伴ってこれらの標的を認識するこれらの能力に起因して相当な関心を受けている。疾患の動物モデルにおいて発生したアテローム硬化性病変部を画像化するために、様々なマウス抗体が順調に試験されている。しかし、完全ヒト抗体を使用することが、さらなる臨床用途に必須である。非常に少数の研究により、このような抗体の開発が報告されている。Shawら(2001)は、in vivoでマクロファージによる酸化LDLの取込みを遮断し、アテローム硬化性病変部を局在化する抗酸化LDLヒト自己抗体を記載した。Briley-Saeboら(2011)は、アテローム硬化性病変部をin vivoで磁気共鳴検出するために、酸化特異的エピトープに向けられたこれらの抗体を使用した。アテローム硬化性プラークの顕著な血管新生成分であるフィブロネクチのエキストラドメインBに対する別のヒト抗体が産生させられた(Matterら、2004)。
しかし、アテローム硬化性病変部に対するこれらの潜在的な標的は、in vitroでアテローム硬化性プラークの成分を同定することによって決定されている。
WO2004107368
http://www.imgt.org Lefrancら、Dev.Comp.Immunol.、27(1):55〜77、2003 Sambrookら(Molecular Cloning: A Laboratory Manual、1989) NIH刊行物85-23号、1996年改訂 IMGT/V-QUESTデータベース(http://imgt.cines.fr/)
本発明者らは、高コレステロール食を給餌したアポリポタンパク質E欠損マウスおよびNew Zealand White(NZW)のアテローム硬化性組織内で発現される血管内皮細胞表面タンパク質および内皮細胞下分子レパートリーを標的にすることができるscFvを調査するための新規in vivoバイオパニング手法を開発するためのヒトscFvライブラリーを使用した。これらの動物モデルは、ヒトアテローム硬化性病変部の特徴のほとんどをカバーし、アテローム性動脈硬化症の病因を研究し、またはヒト疾患におけるプラーク成分を標的にする作用物質を開発するための有益なツールである。アテローム性動脈硬化症の動物モデルのこのようなin vivo選択では、標的のバイオアクセシビリティに対して、情報を直接得ることができる。
本発明は、標的エピトープの種間類似性を強調する、直接TR-FRET結合アッセイにおいてウサギ病変組織抽出物を認識し、ウサギおよびヒトアテローム硬化性組織切片を免疫染色することができる7種のscFv抗体(H2.1、K3.1、I8.1、C3.3、A5.31.F1、B2.31.F1、C4.31.F2)に関する。選択されたscFvの1つであるK3.1は、二酸化炭素レベルを制御する細胞質内酵素であるCA-IIタンパク質を免疫沈降することができた。CA-IIタンパク質は、動脈カルシウム沈着物の溶解に関与し、マクロファージリッチ範囲に密接に関連する。
有利には、本発明の抗体は、複雑なin vivo条件においてアテローム硬化性病変部に特異的に結合する。有利には、本発明の抗体は、in vivoで十分に豊富であり、アクセス可能であるアテローム硬化性プラーク上の標的に結合する。
選択されたscFvは、ヒトアテローム性動脈硬化症の分子イメージングおよび療法に専念された新規臨床的ツールを開発するための基盤を構成する。
本発明の第1目的は、アテローム性動脈硬化症病変部に特異的に結合する抗体であって、前記抗体または抗体断片は、少なくとも、配列番号1のアミノ酸配列を含むVH CDR1、配列番号2のアミノ酸配列を含むVH CDR2、配列番号3のアミノ酸配列を含むVL CDR1、および配列番号4のアミノ酸配列を含むVL CDR2を含み、少なくとも:
- 配列番号5のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号6のアミノ酸配列を含むVL CDR3、または
- 配列番号10のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号11のアミノ酸配列を含むVL CDR3、または
- 配列番号15のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号16のアミノ酸配列を含むVL CDR3、または
- 配列番号20のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号21のアミノ酸配列を含むVL CDR3、または
- 配列番号25のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号26のアミノ酸配列を含むVL CDR3、または
- 配列番号30のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号31のアミノ酸配列を含むVL CDR3、または
- 配列番号35のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号36のアミノ酸配列を含むVL CDR3
を含む、抗体である。
好ましくは、本発明による抗体は、少なくとも:
- 配列番号7のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号8のアミノ酸配列を含むVLドメイン、または
- 配列番号12のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号13のアミノ酸配列を含むVLドメイン、または
- 配列番号17のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号18のアミノ酸配列を含むVLドメイン、または
- 配列番号22のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号23のアミノ酸配列を含むVLドメイン、または
- 配列番号27のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号28のアミノ酸配列を含むVLドメイン、または
- 配列番号32のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号33のアミノ酸配列を含むVLドメイン、または
- 配列番号37のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号38のアミノ酸配列を含むVLドメイン
を含む。
好適な実施形態では、本発明の抗体は、組換えヒトIgG、組換えヒトFab'2、組換えヒトscFv-Fab'2、組換えヒトscFv-Fc、または組換えヒトscFv抗体である。
有利には、本発明による抗体は、
- 配列番号9のscFv抗体、
- 配列番号14のscFv抗体、
- 配列番号19のscFv抗体、
- 配列番号24のscFv抗体、
- 配列番号29のscFv抗体、
- 配列番号34のscFv抗体、および
- 配列番号39のscFv抗体
からなる群から選択されるscFv抗体である。
本発明の別の目的は、上述した抗体をコードするポリヌクレオチド、およびこのようなポリヌクレオチドを含む組換え宿主細胞である。
好適な実施形態では、本発明の抗体は、in vivoイメージング用に標識されている。一実施形態では、抗体は、核イメージング用放射性トレーサーで標識されている。別の実施形態では、抗体は、磁気共鳴画像法用磁性造影剤で標識されている。
本発明は、患者におけるアテローム性動脈硬化症病変部のin vivoイメージングのための方法であって、患者に先に投与された標識抗体を検出することによるアテローム性動脈硬化症病変部の可視化を含み、抗体は、本発明による抗体である、方法にも関する。
本発明の方法では、抗体は、好ましくは放射性トレーサーで標識されており、アテローム性動脈硬化症病変部の可視化は、核イメージングによって実施される。
本発明の方法では、抗体は、好ましくは造影剤で標識されており、アテローム性動脈硬化症病変部の可視化は、磁気共鳴画像法によって実施される。
本発明は、患者におけるアテローム性動脈硬化症病変部のin vivoイメージングのための方法であって、以下のステップ、すなわち、
a)in vivoイメージング用に標識された本発明による抗体の患者内への静脈内注射、
b)患者においてステップa)の標識抗体を検出することによるアテローム性動脈硬化症病変部の可視化
を含む、方法も対象とする。
本発明の別の目的は、患者におけるアテローム性動脈硬化症病変部のin vivoイメージングのための方法であって、患者に先に投与された標識抗体を検出することによるアテローム性動脈硬化症病変部の可視化を含み、抗体は、ヒト炭酸脱水酵素IIタンパク質に特異的に結合する抗体である、方法である。
アテローム性動脈硬化症は、大動脈の壁内の脂質リッチプラークの蓄積を特徴とする全身性、慢性および進行性の炎症疾患である。この病理は、心筋梗塞、慢性安定狭心症、脳卒中、および末梢血管疾患の臨床症状の基礎をなす。これまで、アテローム性動脈硬化症がかなり進行した段階に到達する前に、患者において不安定プラークの存在を検出する有効な方法はまったくなかった。病理学的研究により、大きい脂質コア、薄い線維性キャップ、および炎症細胞浸潤を有するプラークは、破綻し、プラークコアから血栓材料を露出し、急性冠動脈イベントを突然引き起こす可能性がより高い場合があることが示されている。プラーク破綻のリスクは、プラークサイズよりプラーク内容に関係しているという最近の概念は、分子イメージングの新しい緊急課題をもたらした。
本発明は、アテローム性動脈硬化症における不安定プラークの分子イメージング用抗体に関する。本発明の単離ヒト抗体は、高リスクのアテローム硬化性プラークの発生に関与する分子を標的にすることができる。これらの抗体は、in vivo条件下で豊富およびアクセス可能の両方であるアテローム硬化性病変部上の標的に特異的に結合する。
用語「抗体」は、最も広い意味で、本明細書で使用され、任意のアイソタイプのモノクローナル抗体、例えば、IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEなど、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、ならびに抗体断片を特に包含する。
一般的なIgG抗体は、ジスルフィド結合によって接合された2本の同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成されている。各重鎖および軽鎖は、定常領域および可変領域を含有する。各可変領域は、「相補性決定領域」(「CDR」)または「超可変領域」と呼ばれる3つのセグメントを含有し、これらは、抗原のエピトープに結合することに主に関与している。これらは、通常、N末端から順次番号を付けられて、CDR1、CDR2、およびCDR3と呼ばれる。可変領域のより高度に保存された部分は、「フレームワーク領域」と呼ばれる。
本発明では、フレームワーク領域および相補性決定領域の境界を、IMGT番号方式(http://www.imgt.org、Lefrancら、Dev.Comp.Immunol.、27(1):55〜77、2003)を使用して定義する。
本明細書において、「VH」または「VH」は、Fv、scFv、dsFv、Fab、Fab'もしくはFab'2断片、または全IgGの重鎖を含めた抗体の免疫グロブリン重鎖の可変領域を指す。「VL」または「VL」への言及は、Fv、scFv、dsFv、Fab、Fab'もしくはFab'2断片、または全IgGの軽鎖を含めた抗体の免疫グロブリン軽鎖の可変領域を指す。
本明細書において、「キメラ抗体」は、定常領域またはその部分が、可変領域が異なる種の、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属している定常領域に連結されるように変更され、置き換えられ、または交換された抗体である。「キメラ抗体」は、可変領域またはその部分が、定常領域が異なる種の、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属している可変領域に連結されるように変更され、置き換えられ、または交換された抗体も指す。キメラ抗体を生成するための方法は、当技術分野で公知である。
用語「ヒト化抗体」は、本明細書において、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有するキメラ抗体を指す。ヒト化の目的は、抗体の完全な抗原結合親和性および特異性を維持しながらヒト内に導入するための、マウス抗体などの異種抗体の免疫原性の低減である。ヒト化抗体、またはヒトによって拒絶されないように適合した抗体を、いくつかの技術、例えば、表面再建およびCDR移植などを使用して生成することができる。ヒト化キメラ抗体は、好ましくは、対応するヒト抗体領域に実質的にまたはもっぱら由来する相補性決定領域(CDR)以外の定常領域および可変領域、ならびにヒト以外の哺乳動物に実質的にまたはもっぱら由来するCDRを有する。
好ましくは、本発明の抗体は、組換えヒト抗体である。
本発明の抗体には、上記に論じた全長抗体、およびそのエピトープ結合断片の両方が含まれる。本明細書において使用される、「抗体断片」は、全長抗体によって認識されるエピトープに結合する能力を保持する抗体の任意の部分を含み、一般に「エピトープ結合断片」と呼ばれる。
抗体断片の例としては、それだけに限らないが、Fab、Fab'、およびFab'2、Fd、単鎖Fv(scFv)、単鎖抗体、ジスルフィド連結Fv(dsFv)、scFv-Fab'2、scFv-Fc、およびVLまたはVH領域を含む断片が挙げられる。単鎖抗体を含めたエピトープ結合断片は、単独で、または以下、すなわち、ヒンジ領域、CH1、CH2、およびCH3ドメインの全体もしくは一部と組み合わせて可変領域を含むことができる。
第1の実施形態では、本発明は、アテローム硬化性病変部に特異的に結合する抗体であって、前記抗体または抗体断片は、少なくとも配列番号1のアミノ酸配列を含むVH CDR1、配列番号2のアミノ酸配列を含むVH CDR2、配列番号3のアミノ酸配列を含むVL CDR1、および配列番号4のアミノ酸配列を含むVL CDR2を含み、少なくとも:
- 配列番号5のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号6のアミノ酸配列を含むVL CDR3、または
- 配列番号10のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号11のアミノ酸配列を含むVL CDR3、または
- 配列番号15のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号16のアミノ酸配列を含むVL CDR3、または
- 配列番号20のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号21のアミノ酸配列を含むVL CDR3、または
- 配列番号25のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号26のアミノ酸配列を含むVL CDR3、または
- 配列番号30のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号31のアミノ酸配列を含むVL CDR3、または
- 配列番号35のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号36のアミノ酸配列を含むVL CDR3
を含む、抗体に関する。
フレームワーク領域および相補性決定領域の境界は、IMGT番号方式を使用して定義される通りである。
好適な実施形態では、本発明は、少なくとも:
- 配列番号7のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号8のアミノ酸配列を含むVLドメイン、または
- 配列番号12のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号13のアミノ酸配列を含むVLドメイン、または
- 配列番号17のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号18のアミノ酸配列を含むVLドメイン、または
- 配列番号22のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号23のアミノ酸配列を含むVLドメイン、または
- 配列番号27のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号28のアミノ酸配列を含むVLドメイン、または
- 配列番号32のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号33のアミノ酸配列を含むVLドメイン、または
- 配列番号37のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号38のアミノ酸配列を含むVLドメイン
を含む、上述した抗体を対象とする。
有利には、本発明による抗体は、ヒト組換えIgG、ヒト組換えFab'2、ヒト組換えscFv、ヒトscFv-Fab'2、またはヒトscFv-Fcである。
別の好適な実施形態では、本発明は、
- 配列番号9のscFv抗体、
- 配列番号14のscFv抗体、
- 配列番号19のscFv抗体、
- 配列番号24のscFv抗体、
- 配列番号29のscFv抗体、
- 配列番号34のscFv抗体、および
- 配列番号39のscFv抗体
からなる群から選択されるヒト組換えscFvに関する。
本発明のK3.1抗体は、Genbank登録AAA51909に対応する炭酸脱水酵素IIタンパク質に特異的に結合する。用語「K3.1抗体」は、炭酸脱水酵素IIタンパク質(CA II)への結合によってアテローム性動脈硬化症病変部に特異的に結合する抗体を指す。実験データにより、CAIIに結合する抗体は、in vivo条件でアテローム性動脈硬化症病変部にも結合し、CAIIがアテローム性動脈硬化症病変部/プラーク内で豊富でアクセス可能であることを示唆することが実証される。好適な実施形態では、本発明のK3.1抗体は、配列番号1〜4のアミノ酸配列を含み、より好ましくは、K3.1抗体は、配列番号5〜6のアミノ酸配列も含み、さらにより好ましくは、K3.1抗体は、配列番号7〜8のアミノ酸配列を含む。有利には、K3.1抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を含むscFv抗体である。
本発明の別の目的は、本明細書に記載の抗体をコードするポリヌクレオチドである。
本発明による用語「ポリヌクレオチド」は、DNAもしくはRNAタイプのものであり得る一本鎖ヌクレオチド鎖もしくはその相補鎖、またはcDNA(相補的)もしくはゲノムDNAタイプのものであり得る二本鎖ヌクレオチド鎖を指す。好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは、DNAタイプのもの、すなわち二本鎖DNAである。用語「ポリヌクレオチド」は、修飾ポリヌクレオチドも指す。
本発明のポリヌクレオチドは、これらの自然環境から単離または精製される。好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは、Sambrookら(Molecular Cloning: A Laboratory Manual、1989)によって記載されたものなどの慣例的な分子生物学技法を使用して、または化学合成によって調製することができる。
本発明は、本明細書に記載のポリヌクレオチドを含むベクターにも関する。好適なベクターは、本明細書に記載の抗体の発現および産生用発現ベクターを含む。
本発明は、本明細書に記載のポリヌクレオチドで形質転換される組換え宿主細胞にも関する。当業者は、宿主細胞内にポリヌクレオチドを組み込むための標準方法、例えば、トランスフェクション、リポフェクション、電気穿孔、微量注入、ウイルス感染、熱衝撃、膜の化学的透過処理後の形質転換、または細胞融合をよく知っている。好適な組換え宿主細胞としては、大腸菌(E.coli)などの形質転換菌、昆虫細胞、酵母、およびCHO細胞などの哺乳動物細胞、ならびにより好ましくは、本明細書に記載のscFv抗体を発現する組換え宿主細胞がある。
本明細書に記載の抗体は、好ましくは、アテローム性動脈硬化症病変部またはアテローム性動脈硬化症プラークのin vivoイメージングのために、医療診断において使用するためのものである。
本明細書に記載の抗体は、好ましくは、in vivo医療用イメージングのために標識されている。適切に標識されると、本発明の抗体は、任意のin vivo医療用イメージング法において使用することができる。
用語「医療用イメージング」は、医療目的で人体の画像を生成するのに使用される任意の技法、方法、またはプロセスを指す。好適な医療用イメージング技法としては、MRI(磁気共鳴画像法)および核イメージングがある。
好適な実施形態では、本明細書に記載の抗体は、放射性トレーサーで標識されている。放射性トレーサーは一般に、容易な検出および測定を可能にする放射性同位体を含有する物質である。水素、炭素、リン、硫黄、およびヨウ素のいくつかの異なる形態が、一般に医療診断で使用される。本発明の抗体は、任意の適当な放射性トレーサーで標識することができる。好適な放射性トレーサーには、医療用イメージングのための放射性トレーサーが含まれる。使用される一般的な放射性トレーサーとしては、18F、67Ga、81mKr、82Rb、99mTc、111In、123I、131I、133Xe、201T1、および90Yがある。好ましくは、本明細書に記載の抗体は、18F、123/131I、111In、90Y、または99mTcで標識される。好ましくは、本発明の抗体は、核イメージング用放射性トレーサーで標識される。
本発明の抗体は、蛍光プローブでも標識することができる。
別の好適な実施形態では、本明細書に記載の抗体は、造影剤で標識されている。造影剤は、ヒトまたは動物の体内の臓器、流体、または解剖学的構造のコントラストを増大または修正するのに使用される物質である。本発明の抗体は、任意の適当な造影剤で標識することができる。好適な造影剤には、医療用イメージングのための造影剤が含まれる。好ましくは、本発明の抗体は、MRI(磁気共鳴画像法)造影剤、例えば、超常磁性造影剤または常磁性造影剤などで標識される。MRI造影剤は、一般にキレート化金属またはコロイドである。最も一般に使用される造影剤としては、ガドリニウム-DTPAなどのガドリニウム(Gd)系造影剤、酸化鉄系造影剤、例えば、酸化鉄の超常磁性小粒子(SPIO)および酸化鉄の超常磁性極小粒子(USPIO)など、ならびにMn-DPDPなどのマンガンキレートに基づく常磁性造影剤がある。
好適な実施形態では、本明細書に記載の抗体は、ガドリニウム-DTPA、SPIO、USPIO、またはVUSPIOで標識される(多用途USPIO、WO2004107368「Ferrofluids stable in neutral media and ferrofluids employing surface-modified particles」、Etienne Duguet; Stephane Mornet; Joseph Portier)。
有利には、本発明の抗体は、磁気共鳴画像法用磁性造影剤で標識されている。
本発明は、アテローム性動脈硬化症病変部を検出、診断、および検査するための医療用イメージング法も包含する。
本発明は、患者におけるアテローム性動脈硬化症病変部のin vivoイメージングのための方法であって、患者に先に投与された本明細書に記載の標識抗体を検出することによるアテローム性動脈硬化症病変部の可視化を含む、方法を包含する。
本発明は、患者におけるアテローム性動脈硬化症病変部のin vivoイメージングのための方法であって、患者に先に投与された標識抗体を検出することによるアテローム性動脈硬化症病変部の可視化を含み、抗体は、ヒト炭酸脱水酵素IIタンパク質に特異的に結合する抗体である、方法にも関する。より具体的には、抗体は、Genbank登録AAA51909に対応するヒト炭酸脱水酵素IIタンパク質に結合する。
本発明は、患者におけるアテローム性動脈硬化症病変部のin vivoイメージングのための方法であって、以下のステップ、すなわち、
a)in vivoイメージング用に標識された本発明に記載の抗体の患者への投与、
b)患者においてステップa)の標識抗体を検出することによるアテローム性動脈硬化症病変部の可視化
を含む、方法も包含する。
本発明は、患者におけるアテローム性動脈硬化症病変部のin vivoイメージングのための方法であって、以下のステップ、すなわち、
a)in vivoイメージング用に標識された本明細書に記載の抗体の患者内への血管内注射、
b)患者においてステップa)の標識抗体を検出することによるアテローム性動脈硬化症病変部の可視化
を含む、方法も包含する。
本発明は、患者におけるアテローム性動脈硬化症病変部のin vivoイメージングのための方法であって、以下のステップ、すなわち、
a)in vivoイメージング用に標識された本明細書に記載の抗体の患者内への静脈内注射、
b)患者においてステップa)の標識抗体を検出することによるアテローム性動脈硬化症病変部の可視化
を含む、方法も包含する。
本明細書に記載の抗体のいずれも、本発明の方法において使用することができる。
好適な実施形態では、本発明の方法は、Genbank受託番号AAA51909の炭酸脱水素酵素IIに特異的に結合する本明細書に記載の標識K3.1抗体を使用する。
患者は一般に、アテローム性動脈硬化症に罹患している、またはアテローム性動脈硬化症に罹患していると疑われるヒトまたは動物の患者である。
標識抗体は、任意の適当な経路を介して患者に投与することができる。標識抗体は、血管系内への注射、または臓器内への注射によって投与することができる。好適な投与経路としては、非経口、血管内および/または静脈内注射がある。好適な実施形態では、標識抗体は、ボーラスとして、またはある時間にわたる持続注入によって静脈内に投与される。
患者に投与した後、患者において標識抗体を分布させるために十分な時間が提供される。一般に、標識抗体は、血液循環内の血管内または静脈内に注射され、患者の血管系内の血液循環を介して分布する。
標識抗体は、患者のin vivo環境内でアテローム性動脈硬化病変部またはプラークに特異的に結合し、任意の適切なin vivoイメージング技法によって検出または可視化される。
任意の適当なin vivoイメージング技法を、本発明の方法において使用することができる。
好適なイメージング技法には、アテローム性動脈硬化症病変部に結合した標識抗体を可視化するのに同位元素の性質を使用する核イメージング法が含まれる。適当な核イメージング法としては、シンチグラフィー、PET(ポジトロン放出断層撮影)、およびSPECT(単光子放出コンピュータ断層撮影)がある。
本発明の好適な方法では、抗体は、放射性トレーサーで標識されており、アテローム性動脈硬化症病変部の可視化は、核イメージングによって実施される。
本発明の方法において使用される別の好適なイメージング技術は、磁気共鳴画像法である。任意の適当なMRI技法を本発明の方法において使用することができる。
本発明の好適な方法では、抗体は、造影剤で標識されており、アテローム性動脈硬化症病変部の可視化は、磁気共鳴画像法によって実施される。
本発明の別の目的は、患者内への抗体の投与およびアテローム性動脈硬化病変部に結合した抗体の可視化を含む、患者におけるアテローム性動脈硬化症病変部のin vivo診断に使用するための本明細書に記載の抗体、好ましくは標識抗体である。
本発明の別の目的は、療法において使用するための上述した抗体である。好ましくは、本発明の抗体は、アテローム性動脈硬化症の処置において使用するためのものである。
本発明の別の目的は、薬物送達において使用するための本明細書に記載の抗体である。好ましくは、本発明の抗体は、アテローム性動脈硬化病変部に治療剤を標的化するのに使用するためのものである。
本発明は、本明細書に記載の抗体を含む医薬組成物も包含する。本発明は、
a)有効量の本明細書に記載の抗体、および
b)不活性であっても生理的に活性であってもよい、薬学的に許容される担体
を含む医薬組成物を提供する。
本明細書において使用される、「薬学的に許容される担体」は、生理学的に適合性である任意の、およびすべての溶媒、分散媒質、コーティング剤、抗菌剤、および抗真菌剤などが含まれる。適当な担体、希釈剤、および/または賦形剤の例としては、水、生理食塩水、リン酸緩衝食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどの1種または複数、ならびにこれらの組合せがある。多くの場合では、組成物中に等張剤、例えば、糖、多価アルコール、または塩化ナトリウムなどを含むことが好ましいこととなる。特に、適当な担体の妥当な例としては、(1)約1mg/ml〜25mg/mlのヒト血清アルブミンを含有する、または含有しないダルベッコリン酸緩衝食塩水、pH約7.4、(2)0.9%の生理食塩水(0.9% w/vの塩化ナトリウム(NaCl))、および(3)5%(w/v)のデキストロースがあり、トリプタミンなどの抗酸化剤およびTween20などの安定化剤も含有することができる。
本発明が包含する医薬組成物は、アテローム性動脈硬化症を処置するための治療剤も含有することができる。好適な実施形態では、本発明の抗体は、アテローム硬化性プラークへの薬物送達のために使用される。
本発明の組成物は、様々な形態とすることができる。これらには、例えば、液体、半固体、および固体剤形が含まれるが、好適な形態は、意図される投与モードおよび治療用途に依存する。一般的な好適な組成物は、注射用溶液または注入用溶液の形態にある。好適な投与モードは、非経口(例えば、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下)である。好適な実施形態では、本発明の組成物は、ボーラスとして、またはある時間にわたる持続注入によって静脈内に投与される。
本発明は、アテローム性動脈硬化症の処置用薬剤を製造するための本明細書に記載の抗体の使用にも関する。
本発明は、アテローム性動脈硬化症を処置するための方法であって、それを必要とするヒトまたは患者に有効量の本明細書に記載の抗体を投与するステップを含む、方法も提供する。
in vivo選択プロトコールスキームを示す図である。ScFvファージライブラリーをApoE-/-マウスモデル内に静脈内注射し、3回、5分間循環させた。次いで大動脈を取り出し、非結合ファージを洗い落とした。血管表面(F1)、下部組織(F2)、および細胞内コンパートメント(F3)から、結合ファージの連続回収を実施した。各画分からの試料を使用して、バイオパニングの次のラウンド用の新しく選択されたライブラリーを生成した。このプロセスを3回繰り返す一方で、第2および第3ラウンドから、ランダムなscFvクローンを配列決定し、その先のスクリーニング用に選択した。 3ラウンドのin vivoバイオパニング後のファージ濃縮を示す図である。ラウンドn+1から回収されるファージの数(cfu、コロニー形成単位)は、組織1mg当たりにラウンド1から得たcfuの数に対して求めた。F1、F2、およびF3画分はそれぞれ、血管表面および下部組織からレスキューされ、または内部移行したファージに対応した。 HTRFビオチン-c-mycペプチドサンドイッチ信号の阻害を示す図である。HTRFサンドイッチアッセイの原理は、上部に表されている。抗-c-myc mAbにコンジュゲートしたドナーフルオロフォアユーロピウムクリプテート(Eu)Kは、ビオチン化ペプチドのc-mycタグを認識することができた。ストレプトアビジンにコンジュゲートしたアクセプターフルオロフォアXL665は、c-mycペプチドのビオチン化アミノ酸に結合した。競合相手の非存在下で、ビオチン-c-mycペプチドによって生成されるFRETサンドイッチ信号が記録される。c-mycタグについてのscFvとの競合により、FRET信号が消えた。信号は、0.4nmol/LのmAb-(Eu)K、1.25nmol/Lのストレプトアビジン-XL665、および5nmol/Lのビオチンc-mycペプチドの存在下で測定した。scFvクローン生成および精製に応じて5から170nmol/Lの間の最終濃度に対応する、競合相手5マイクロリットルを各ウェル中に添加した。特異的なHTRF信号は、パーセンテージDeltaF(パーセントDeltaF)として測定し、競合相手の非存在下での最大信号(100%とした)に関して正規化した。競合の時間経過は、4℃でインキュベートして6時間後(黒)、16時間後(濃灰色)、および24時間後(白)に測定した。ヒストバー(histobar)値は、同じ精製scFv生成から実施した少なくとも3つの独立した実験の平均±標準偏差を表す。 scFvとアテローム性組織抽出物との間の直接TR-FRET結合アッセイを示す図である。直接TR-FRETの原理は、上部に図式化されている。抗-c-myc mAbにコンジュゲートしたドナーフルオロフォアユーロピウムクリプテート(Eu)Kは、scFvによって発現されるc-mycタグを認識することができた。ストレプトアビジンにコンジュゲートしたアクセプターフルオロフォアXL665は、ビオチン化タンパク質抽出物に結合した。scFvおよび標的タンパク質が結合していたとき、FRET信号が記録された。320nmでドナーを励起すると、620nmでアクセプターへの蛍光共鳴移動がもたらされ、665nmでアクセプターが発光した。特異的なTR-FRET信号がパーセンテージDeltaF(パーセントDeltaF)として測定された。複合体形成の検出の時間経過は、4℃でインキュベートして6時間後(黒)、16時間後(濃灰色)、24時間後(薄灰色)、および40時間後(白)に実施した。クローンに応じて3から10μg/mLの間の濃度で、scFv10マイクロリットルをプレート上に被覆した。信号は、4nmol/LのmAb-(Eu)K、4nmol/Lのストレプトアビジン-XL665、および30μg/mLのビオチン化アテローム性タンパク質抽出物、または50μg/mLのビオチン化BSA(データを図示せず)の存在下で測定した。ヒストバー値は、同じ精製scFv生成から実施した少なくとも3つの独立した実験の平均±標準偏差を表す。 非標識組織抽出物を用いた直接TR-FRET結合アッセイの阻害を示す図である。直接TR-FRET阻害の原理は、図5Aの上部に表されている。抗-c-myc mAbにコンジュゲートしたドナーフルオロフォアユーロピウムクリプテート(Eu)Kは、scFvによって発現されるc-mycタグを認識することができた。ストレプトアビジンにコンジュゲートしたアクセプターフルオロフォアXL665は、ビオチン化アテローム形成性タンパク質抽出物に結合した。次いで記録されるFRET信号(パーセントDeltaF)を、アテローム形成食を受けた動物(A)からの2.5(濃灰色)、5(薄灰色)、6(白)倍過剰の非標識タンパク質抽出物の存在下で測定した。特異的なTR-FRET信号は、パーセンテージDeltaF(パーセントDeltaF)として測定し、競合相手の非存在下で得た信号(100%とした)に関して正規化した(黒)。クローンに応じて3から10μg/mLの間の濃度で、scFv10マイクロリットルをプレート上に被覆した。信号は、4nmol/LのmAb-(Eu)K、4nmol/Lのストレプトアビジン-XL665、30μg/mLのビオチン化アテローム性タンパク質抽出物の存在下で測定し、4℃でインキュベートして16時間後にモニターした。ヒストバー値は、同じ精製scFv生成から実施した少なくとも3つの独立した実験の平均±標準偏差を表す。 非標識組織抽出物を用いた直接TR-FRET結合アッセイの阻害を示す図である。直接TR-FRET阻害の原理は、図5Aの上部に表されている。抗-c-myc mAbにコンジュゲートしたドナーフルオロフォアユーロピウムクリプテート(Eu)Kは、scFvによって発現されるc-mycタグを認識することができた。ストレプトアビジンにコンジュゲートしたアクセプターフルオロフォアXL665は、ビオチン化アテローム形成性タンパク質抽出物に結合した。次いで記録されるFRET信号(パーセントDeltaF)を、未処置動物(B)からの6(白)倍過剰の非標識タンパク質抽出物の存在下で測定した。特異的なTR-FRET信号は、パーセンテージDeltaF(パーセントDeltaF)として測定し、競合相手の非存在下で得た信号(100%とした)に関して正規化した(黒)。クローンに応じて3から10μg/mLの間の濃度で、scFv10マイクロリットルをプレート上に被覆した。信号は、4nmol/LのmAb-(Eu)K、4nmol/Lのストレプトアビジン-XL665、30μg/mLのビオチン化アテローム性タンパク質抽出物の存在下で測定し、4℃でインキュベートして16時間後にモニターした。ヒストバー値は、同じ精製scFv生成から実施した少なくとも3つの独立した実験の平均±標準偏差を表す。
物質および方法
動物モデル(1)
すべての動物実験は、実験動物の管理と使用に関する指針(NIH刊行物85-23号、1996年改訂)に準拠して実施し、地元の倫理委員会によって公認された。
ApoE-/- KOマウスは、Charles Rivers Laboratories(St Germain sur l'Arbresle、フランス)から得た。ApoE-/-マウスにおいて病変の進行を促進するために、動物に高脂肪西洋食(0.3%(w/w)のコレステロール)を24週間給餌した。
動物モデル(2)
すべての動物実験は、実験動物の管理と使用に関する指針(NIH刊行物85-23号、1996年改訂)に従って実施し、地元の倫理委員会によって認可された。体重2.5〜3.0kgの成体雄ニュージーランドウサギ(NZW)は、Charles Rivers Laboratories(St Germain sur l'Arbresle、フランス)から得た。ウサギに、0.3%のコレステロールを含む脂肪アテローム形成食を給餌した。アテローム性動脈硬化症を誘導するために、2つの手術を実施した:第1の手術は、食餌を開始して2カ月後に実施し、第2の手術は、2カ月の後に実施して、壁内血栓を有する複雑なプラークを形成させた。
第1の手術では、特別に設計されたFogartyカテーテル(Fogarty 4F; Edwards Lifesciences)、すなわち、その頂部付近にインフレータブルバルーンを有するカテーテルを用いて内皮細胞を除去した。Fogartyカテーテルは、先端がダイヤフラムのレベルに配置されたガイドワイヤーによって導入した。バルーンを膨らませ、次いで胸部から腹部大動脈まで、内皮細胞を除去するために後退させた。このプロセスを3回繰り返し、カテーテルを取り出した。2カ月後に、同じウサギを、膨張性ラテックスバルーン(Maxxum(登録商標)、Boston Scientific;長さ20mm、直径4.5mm)を使用して血管形成術に付し、このバルーンを動脈壁にしっかりと押し付けた。血管形成術用バルーンは、大腿動脈切開によって、下位(descendent)胸部大動脈までX線透視ガイダンス下で進めた。これを、腎動脈の領域から腸骨分岐部まで2cm毎に膨らませた。
手術中、20mg/kgのケタミンおよび2mg/kgのキシラジンの同時筋肉注射によってウサギを麻酔した。麻酔は、イソフルランガス(0.25%〜0.35%)で維持した。予防的抗血栓処置として、1000UIのヘパリン(Heparine Choay(登録商標)、Sanofi Synthelabo)を注入した。無痛法として、アスピリン100mg(Aspegic(登録商標)注射用、Sanofi Synthelabo)も投与した。左を内皮細胞除去のために、右を血管形成術のために皮膚切開を行い、大腿動脈を外科的に露出した。
ヒト組織標本
ヒト頸動脈は、頸動脈血管内膜切除術から収集した。ヒト冠動脈は、心臓移植を受けたことがある末期心不全を有する患者から回収した。すべての臨床的介入は、Haut-Leveque病院(Pessac、フランス)で行った。ヒト組織標本は、インフォームドコンセントの後に収集した。これらを直ちに処理し、-80℃で凍結させ、またはパラフィン中に包埋した。
ヒトファージ-ScFvライブラリー
P. Philibertらが設計および構築した半合成scFv-断片ライブラリーを使用した。簡単に言えば、天然ヒトCDR3ループ内で観察されるものに最も近いCDR3内のアミノ酸分布および長さを導入することによって、単一の最適化されたヒトscFvフレームワーク(13R4 scFv)からライブラリーを創製した。次いで、5〜17アミノ酸の範囲のCDR3ループを有する13のVHライブラリーおよび9〜11アミノ酸の範囲のCDR3ループを有する5つのVLライブラリー(κ+λ)の2つのセットを、PCRアセンブリーの前に選択培地上で、融合タンパク質CAT(クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ)酵素で、インフレームで発現されるこれらの能力についてスクリーニングした。ライブラリーは、マイナーpIIIタンパク質のN末端と融合したpCANTAB6ファージミドベクター内で構築した。その多様性は、約1.5×109の異なるバリアントである。
アテローム性タンパク質抽出およびビオチン化
未処置ウサギからの大動脈、および高コレステロール血症のウサギからのバルーン傷害した大動脈を、大動脈弓から腸骨分岐部まで抽出し、洗浄および分画することによって、4つの異なる溶解緩衝液、すなわち、M-PER(Thermo Fisher Scientific、Brebieres、フランス)、T-PER(Thermo Fisher Scientific)、低ストリンジェント溶解緩衝液(50mmol/LのHEPES、pH7.4;137mmol/LのNaCl;1%のNP-40(v/v);2mmol/LのEDTA;1mmol/LのPMSF;プロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche Diagnostics、Meylan、フランス))、および高ストリンジェント溶解緩衝液(50mmol/LのHEPES、pH7.4;150mmol/LのNaCl;1%(v/v)のNP-40;0.5%(v/v)のTriton;0.5%のNa-デオキシコレート;1mmol/LのEDTA;1mmol/LのPMSF;プロテアーゼ阻害剤カクテル)中で組織タンパク質を独立して可溶化した。ホモジナイゼーションは、最初にPolytron TP-20 Homogenizer(Kinematica、Lucerne、スイス)、および次いで超音波処理器(80%の規模で3×10秒のパルス)を使用して実施した。4℃で45分間、13,000×gで2回遠心分離して上清から不溶性物質を廃棄した後、あらゆる可溶性抽出物のタンパク質濃度を、製造者の指示書(Thermo Fisher Scientific)に従って、ブラッドフォードアッセイキットを使用して求めた。次いで、M-PER、T-PER、および高ストリンジェント溶解緩衝液抽出からのタンパク質を、低ストリンジェント溶解緩衝液に対して4℃で16時間透析し、各タンパク質抽出からの200μgを、3つの異なるモル比のタンパク質/ビオチン-XX SSE(Invitrogen、Eragny sur Oise、フランス)、すなわち1:5、1:10および1:20で、100mmol/LのNaHCO3、pH8.3中で、4℃で30分間ビオチン化した。次いで過剰の反応性ビオチンを、100mmol/Lのグリシン、pH7.4で、4℃で10分間クエンチし、試料を低ストリンジェント溶解緩衝液に対して4℃で16時間透析した。
アテローム性動脈硬化マウスモデルにおけるin vivoバイオパニング
in vivoファージディスプレイ選択をApoE-/-マウスにおいて実施した。1×1012コロニー形成単位(cfu)を含有するPBSの3回のボーラスを、尾静脈内に3回、5分間注射した。次いで動物を屠殺し、血液からのファージクリアランスを保証するためにPBS 20mLで心臓を通して潅流した。次いで大動脈を大動脈弓から腸骨分岐部まで抽出した。組織を秤量し、長手方向に穏やかに切断し、冷PBS 500μLで6回すすいだ。内皮細胞表面-結合ファージ(F1画分)を、穏やかに撹拌しながら室温で8分間、0.1mol/Lのグリシン-HCl、pH2.2 100μLで溶出した。500×gで遠心分離した後、清潔なチューブ内で溶出したファージを収集し、1mol/LのTris-HCl、pH 9.1 15μLで直ちに中和した。その一方で、大動脈を冷PBS 300μLで3回洗浄し、次いで洗浄溶出液を以前の画分中にプールした。組織内ファージ(F2画分)にアクセスするために、2000U/mLのコラゲナーゼタイプIIを含有するPBS(Ca2+、Mg2+を含まない)900μLで大動脈を解離し、撹拌しながら37℃で30分間、2.5%のトリプシン-EDTAで1mLに調整した。可溶化物を活発にボルテックスし、4℃で10分間、1000×gで遠心分離した。上清を回収し、ペレットをPBS(Ca2+、Mg2+を含まない)400μLで3回洗浄した。さらに、0.1mol/Lのグリシン-HCl、pH2.2 250μLを細胞ホモジネートに添加し、穏やかに撹拌しながら室温で8分間インキュベートした。遠心分離した後、清潔なチューブ内で溶出したファージを収集し、中和し、洗浄溶出液にプールした。次いで、3回の追加の細胞洗浄をPBS 250μLで実施した。最終的に、内部移行したファージ(F3画分)にアクセスするために、ホモジネートを、100mmol/Lのトリエチルアミン(TEA)、pH11 500μlとともに、活発にボルテックスすることによって室温で5分間インキュベートした。次いで1MのTris-HCl、pH7.4 250μLを添加することによって中和を行った。1000×gで10分間遠心分離した後、上清を収集し、ペレットをPBS 500μLでさらに2回洗浄した。対数増殖期のXL1-ブルー大腸菌宿主(Stratagene、La Jola、CA)を含有する2×TY培地25mLで感染させることによって、ファージ画分を別個にレスキューした。45分後、細菌を遠心分離し、2×TY Amp(100μg/mL)/グルコース(2%(w/v))寒天プレート上に30℃で16時間スプレッドした。次いでファージライブラリーを、M13KO7ヘルパーファージ(Invitrogen、Cergy-Pontoise、フランス)で、25℃で16時間重複感染させた後、2×TY Amp(100μg/mL)/Kana(50μg/mL)100mL中で生成した。次いで20%(w/v)のPEG8000、2.5mol/LのNaClを含有する溶液0.2体積で2回沈殿させることによって、ファージを上清培養液から精製した。最終的に、ファージ粒子を含有するペレットを滅菌冷PBS 500μLの最終体積中に再懸濁させ、0.22μmの孔サイズのフィルターを通過させた。各生成の力価は、約5×1013cfu/mLであった。次いで後続のマウスにおいて選択および増幅の2つの追加のラウンドを、それぞれ1×1011および1×1010cfuで実施し、先に記載したように実行した。バイオパニングの第2および第3ラウンドからの蒔かれた細菌クローンをランダムに選び、scFvインサートの下流のpCANTAB6ファージミド配列に対応するLMB3プライマー(配列、CAGGAAACAGCTATGAC)を使用することによってヌクレオチド配列分析(Millegen、Toulouse、フランス)を行った。配列の翻訳、比較、およびアライメントは、IMGT/V-QUESTデータベース(http://imgt.cines.fr/)を使用して行った。
アテローム性動脈硬化ニュージーランドウサギモデルにおけるin vivoバイオパニング
1×1013コロニー形成単位(cfu)のファージミドベクターを含有するPBSの連続フロー(170μL/分)を、ウサギの耳翼辺縁静脈内に30分間注射した。次いで動物を屠殺し、血液からのファージクリアランスを保証するためにPBS 120mLで心臓を介して潅流した。大動脈を大動脈弓から腸骨分岐部まで回収した。組織を秤量し、長さに沿って穏やかに切断し、冷PBS 1mLで6回すすいだ。
内皮細胞表面-結合ファージ(画分F1)を、穏やかに撹拌しながら室温で8分間、0.1Mのグリシン-HCl、pH2.2 950μLで溶出した。清潔なチューブ内で溶出したファージを収集し、1MのTris-HCl、pH9.1 90μLで直ちに中和した。次いで大動脈を、PBS(Ca2+、Mg2+を含まない)500μLで3回洗浄した。洗浄液をプールし、4℃で貯蔵した。
組織内ファージ(画分F2)を溶出するために、2000U/mLのコラゲナーゼタイプII(Gibco、フランス)を含有するPBS(Ca2+、Mg2+を含まない)900μLとともに大動脈組織をインキュベートし、撹拌しながら37℃で30分間、2.5%のトリプシン-EDTA(Eurobio、フランス)で1mLに調整した。氷上でPolytronホモジナイザー(Ultraturax TP-20、Kinematica、Lucerne、スイス)を活用して、解離した組織をホモジナイズした。5000×gで10分間ホモジネートを遠心分離して不溶性物質を除去した。このものを組織大動脈と同様に2回再びホモジナイズした。遠心分離した後、溶出したファージを含有する上清を、プロテアーゼ-阻害剤カクテルを添加した清潔なチューブ内で収集し、プールした。
内部移行したファージ(画分F3)にアクセスするために、不溶性物質を、0.1MのTEA(Sigma-Aldrich、フランス)500μlとともに、活発にボルテックスしながら室温で5分間インキュベートした。1MのTris-HCl、pH7.4 250μLを添加することによって試料を中和した。1000×gで10分間遠心分離した後、上清を収集した。
2×TY培地25mL中に対数期まで増殖させたXL1-ブルー大腸菌(Stratagene、La Jola、CA、米国)で感染させることによって、ファージ画分F1、F2、およびF3を別個にレスキューした。45分インキュベートした後、感染細菌を遠心分離し、アンピシリン(100μg/mL)/グルコース(2%(w/v))を含む2×TYを含有するプレート上に蒔き、30℃で16時間インキュベートした。ファージライブラリーは、アンピシリン(100μg/mL)およびカナマイシン(50μg/mL)を含有する2×TY 100mL中で、25℃で16時間、M13KO7ヘルパーファージ(Invitrogen、Cergy-Pontoise、フランス)に重複感染させた後、生成した。次いで、20%(w/v)のPEG8000、2.5MのNaClの0.2体積で沈殿させることによって、ファージを上清培養液から精製した。4℃で45分間、11,000×gで遠心分離した後、ファージ粒子を含有するペレットを滅菌冷PBS 500μLの最終体積中に再懸濁させ、0.22μmの孔サイズのフィルターを通過させた。各生成の力価は、約3×1013cfu/mLであった。in vivo選択および増幅の1つの追加のラウンドを、1×1012cfuで実施した。
細菌培養物からの可溶性scFv生成
Masterblock(Greiner Bio-one、Courtaboeuf、フランス)2mL中の2×TY Amp(100μg/mL)/グルコース(2%(w/v))500μL中で5時間培養した、選択したXL1-ブルークローンを、M13KO7ヘルバーファージに45分間重複感染させた。上清を遠心分離および除去した後、ペレットを2×TY Amp(100μg/mL)/Kana(50μg/mL)1mL中に再懸濁させ、各培養液のアリコートを2×TY Amp/Kana寒天プレート上にスプレッドした。次いで、単離した細菌クローンを、2×TY Amp/Kana 500μL中で、25℃で16時間インキュベートしてファージ生成を誘導した。2回連続して遠心分離した後、ファージ含有上清1μLを使用して、対数増殖期のHB2151大腸菌宿主(Amersham Pharmacia Biotech、Uppsala、スウェーデン)20μLに感染させた。45分後、細菌を2×TY Amp(100μg/mL)/グルコース(2%(w/v))上に蒔き、30℃で16時間インキュベートした。次いで選択したHB2151クローンを、これらが対数増殖期に到達するまで、2×TY Amp(100μg/mL)/スクロース(0.4M)中で培養した。スピニング後、細菌ペレットからのscFv生成を、2×TY Amp(100μg/mL)/IPTG(イソプロピル-チオ-ガラクトシド)(200mmol/L)50mL中で、25℃で16時間誘導した。
ニッケル-親和性クロマトグラフィーでのscFv精製
HB2151細胞培養液50mLを、遠心分離によってペレット化し、ロータリーシェーカー上で、4℃で1時間、1:10(v/v)の氷冷浸透圧衝撃緩衝液(1mol/LのTris-HCl pH8、1mg/mLのリゾチーム、1mmol/LのPMSF、プロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche Diagnostics))中でペレットを再懸濁させた。次いで、80%の規模で3×10秒のパルスの2回の超音波処理サイクルによって細菌溶解を実施した。4℃で30分間、20,000×gで遠心分離して不溶性物質を除去した後、6His-タグ付きscFvを、Ni-NTA樹脂(Pierce、Bezons、フランス)27を使用して、固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)によって精製し、Biopilot Chromatographic System(Amersham Biosciences、Saclay、フランス)によってモニターした。簡単に言えば、ランニング緩衝液(20mmol/LのTris-HCl、pH7.0)でカラムを平衡化し、試料を装填した後、2ステップ溶出を実施した。第1ステップは、ニッケルカラム上の非特異的結合を除去するために25mmol/Lのイミダゾール(pH7.0)の存在下で実現し、250mmol/Lのイミダゾール(pH7.0)を用いた第2ステップは、ニッケル結合scFvを溶出して4〜5つの1mL画分にするために行った。次いでそれぞれの回収画分を、280nmの吸収によってそのタンパク質含量について評価し、4℃で16時間、PBSに対して透析した。
TR-FRET scFv結合アッセイ
scFvとアテローム性タンパク質抽出物との間の結合アッセイを、直接TR-FRETによって評価した。Black Fluotrac600マイクロプレート(Greiner)を、0.1mol/LのNaHCO3、pH8.6中のscFv(クローンに応じて3から10μg/mLの間で構成される最終濃度)10μLで、4℃で16時間被覆した。引き続いて、PBS溶液中の1%のBSA(w/v)を使用して4℃で3時間、プレートをブロックした。PBS中で洗浄した後、1%のBSA/PBS中の30μg/mLのビオチン化アテローム性タンパク質抽出物を、4℃で16時間インキュベートした。PBS中で洗浄した後、反応緩衝液(100mmol/Lのリン酸塩緩衝液、pH7;400mmol/LのKF緩衝液;0.1%のBSA)50μL、4nmol/Lの抗c-myc-(Eu)K(Cisbio Bioassays、Codolet、フランス)、および4nmol/Lのストレプトアビジン-XL665(Cisbio Bioassays)を、100μLの最終体積中でインキュベートした。40時間の時間経過上で、Infinte(登録商標)F500リーダー(Tecan、Lyon、フランス)で、FRET信号発光を測定し、モニターした。パーセントDeltaF値により、scFvとタンパク質抽出物との間の直接結合の強度を報告した。
直接TR-FRET結合信号の阻害アッセイは、アテローム形成性動物からの2.5倍過剰、5倍過剰、および6倍過剰の非標識タンパク質抽出物、ならびに健康な動物からの6倍過剰のタンパク質抽出物の存在下で、4℃で16時間インキュベートした後に実施した。非標識タンパク質の存在下でのパーセントDeltaF値を、非標識タンパク質の非存在下でのパーセントDeltaF値(100%とした)に対して正規化した。
ニッケル精製scFv画分を、ビオチン-c-mycペプチドのHTRF(登録商標)(均一時間分解蛍光、Cisbio Bioassays)サンドイッチ発光信号を阻害するこれらの能力について事前に試験した。反応物は、96ハーフウェル黒色プレート(Greiner)中に、かつ反応緩衝液50μL(100mmol/Lのリン酸塩緩衝液、pH7;400mmol/LのKF緩衝液;0.1%のBSA)、0.4nmol/Lの抗c-myc-(Eu)K(Cisbio Bioassays)、scFv 5μL(クローンに応じて5から170nmol/Lの間で構成される最終濃度)、1.25nmol/Lのストレプトアビジン-XL665(Cisbio Bioassays)、および5nmol/Lのビオチン-c-mycペプチド(Cisbio Bioassays)を含有する100μLの反応体積中にセットアップした。蛍光発光は、4℃でインキュベートした後、24時間の時間経過上で測定した。パーセントDeltaF値を、最大活性化(=100%)として競合相手を含まないウェルのパーセントDeltaF値を使用して正規化した。
FRET測定値は、665nmの発光強度と620nmの発光強度の比×10,000として表現した。正規化されたFRET信号は、DeltaF(%)=(比アッセイ-比ブランク)/比ブランクとして表現した。直接結合アッセイおよび阻害結合アッセイについて、ブランク値は、scFvコーティングの非存在下で生成された信号から得た。阻害サンドイッチ結合アッセイについては、ブランク値は、ビオチン化c-mycペプチドおよびscFvの両方の非存在下で求めた。
ウサギおよびヒトの切片に対するScFv免疫組織化学的分析
パラフィン包埋切片をウサギおよびヒトの動脈組織から調製した。簡単に言えば、厚さ10μmの切片を脱パラフィンし、再水和した後、3%のH2O2/H2Oで5分間、内因性ペルオキシダーゼ活性を中和した。次いで、PBS溶液中の4%(w/v)のBSAで、20℃で30分間、非特異的結合をブロックした。直接TR-FRET結合アッセイにおける陽性scFv画分を、クローン生成に応じて2から16.5μg/mLの間で構成される最終濃度の2%のBSA/PBS中で希釈し、組織切片上で、4℃で16時間インキュベートした。PBS中で洗浄した後、2%のBSA/PBS中の1/250抗c-myc(Miltenyi Biotec、Paris、フランス)および1/250抗6His(Roche Diagnostics)mAbの混合物を、20℃で3時間にわたって切片に加えた。洗浄した後、1/500西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲート抗マウスIgG(Immunotech、Marseille、フランス)とともに、20℃で1時間、切片をインキュベートした。二次抗体の結合は、DAB基質キット(Vectastain ABCキット試薬、Vector Laboratories、Peterborough、UK)で検出し、これは、黄褐色反応物を生じた。洗浄した後、切片を脱水し、DPX培地中に埋め込んだ。
ウサギアテローム性動脈硬化大動脈切片に対するScFv競合的結合アッセイ
組織切片上のH2.1 scFv結合の特異性も、H2.1 scFvのビオチン化形態によって生成される信号を阻害するために、競合的結合アッセイによって評価した。scFv 200μgを、前セクションにおいて記載したように、1:10のタンパク質/ビオチン-XX SSEのモル比によってビオチン化した。次いで、ビオチン-H2.1 scFv 50μgを、アテローム性動脈硬化NZWウサギ切片上で、2%のBSA/PBS中の4倍過剰の非標識H2.1 scFvとともに、または伴わずに、4℃で16時間インキュベートした。洗浄した後、ビオチン化scFv結合を、5μg/mLのストレプトアビジン-ペルオキシダーゼコンジュゲート(Vector Laboratories)およびDAB基質(Vector Laboratories)を使用して検出した。
質量スペクトル分析による標的の免疫沈降および同定
非特異的結合タンパク質を取り除くために、ニッケル被覆超磁性ビーズ(Ademtech、Pessac、フランス)を結合緩衝液(BB)(20mmol/LのTris、pH7;500mmol/LのNaCl)500μLで3回予洗し、次いで、低ストリンジェント溶解緩衝液中に可溶化したウサギアテローム性タンパク質1mgとともに1時間インキュベートした。非特異的結合タンパク質を含まない上清を回収し、精製K3.1 scFvまたは無関係のscFv 10μgとともに、回転させながら4℃で16時間インキュベートした。翌日、清潔な予洗した超常磁性ビーズ20μLを添加し、20℃でさらに1時間インキュベートした。BB 500μLで3回洗浄した後、免疫沈降した複合体を、溶出緩衝液(20mmol/LのTris-HCl、pH7.5;500mmol/LのNaCl;100mmol/Lのイミダゾール)2×30μLで溶出した。次いで、還元条件下で10%のSDS-PAGEを使用してタンパク質複合体を分離した。バンドを切り取り、トリプシン消化にかけ、その後、液体クロマトグラフィー-タンデム質量スペクトル分析(LC-MS/MS)にかけた。
ヒトCA-IIに対するELISA結合アッセイ
96ウェルELISAマイクロタイタープレート(Greiner)を、10μg/mLの最終濃度のヒト組換え炭酸脱水酵素II(Sigma-Aldrich、St louis、米国) 100μL、または炭酸塩緩衝液(NaHCO3/Na2CO3、50mmol/L、pH9.6)中の50μg/mLのウシ血清アルブミン100μLで、4℃で一晩被覆した。すべてのさらなる反応は、室温で実行した。PBS-Tween20(0.5%のTween20)を用いた3回の洗浄ステップの後、10μg/mLの精製K3.1 scFv 100μLを各ウェルに添加した。2時間のインキュベーションおよび5回の洗浄ステップの後、HRP-コンジュゲート抗c-myc(1/1000に希釈、Miltenyi Biotech)および抗6His(1/500に希釈、Roche Diagnostics)mAbの混合物で結合scFvを標識した。1時間のインキュベーション、および洗浄ステップの後、ELISA(Sigma)用3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン(TMB)液体基質システム100μLで色を展開し、Infinite(登録商標)F500リーダー(Tecan、Lyon、フランス)を用いて450nmで吸光度を読み取った。
磁気共鳴画像法
ケタミン(25mg/kgのIM)、キシラジン(2mg/kgのIM)、およびブトルファノール(0.12mg/kgのIM)を使用して、ウサギを落ち着かせた。麻酔は、2%のイソフルラン吸入で、MRIプロトコールの間維持した。MRIテーブル上に、ウサギをうつぶせに置いた。イメージングは、0.2Tの臨床MRIシステム(Siemens Open Viva、Erlangen、ドイツ)で実施した。腹部大動脈のT1軸方向画像は、以下のパラメータを用いて、ブラックブラッド励起パルススキームを含むスピンエコーシーケンスで得た:繰り返し時間(TR):400ms、エコータイム(TE):16ms、切片厚:5mm、マトリックス:128×128、視野(FOV):50×50mm2、収集時間:20分32秒、平均数(NA):12。腹部大動脈のT1冠状画像およびT1矢状画像は、以下のパラメータを用いてターボスピンエコーシーケンスで得た:TR:450ms、TE:24ms、切片厚:6mm、マトリックス:246×256、FOV:180×180mm2、TA:2分31秒、NA:2(T1冠状画像)、およびTR:450ms、TE:24ms、切片厚:4mm、マトリックス:246×256、FOV:180×180mm2、収集時間:7分26秒、NA:6(T1矢状画像)。
結果
ApoE-/-マウスに対するin vivoファージ-scFv選択
アテローム硬化性プラークに向かうことができるヒトファージ-scFvを高度に多様なヒト抗体ライブラリーから選択するために、本発明者らは、ヒトに観察される冠動脈疾患の病態生理学的側面を模倣する進行病変を発症するApoE-/-マウスモデルを使用した。各バイオパニングラウンドについて、それぞれ5分の循環時間の3回の連続注射を実施することによって、対象とするファージscFvが、血管内皮細胞の管腔表面上に非特異的に吸着されることなく、影響を受けたセクション中の標的に到達および結合する機会を促進し、細網内皮系による血液からのこれらのクリアランスを回避した(図1)。さらに、本発明者らは、in vivo選択の間に、ライブラリーのサブトラクティブ手順は、無影響部位で天然に起こると推論した。
内皮細胞表面結合ファージ、ならびに血管外遊出および内部移行したファージの両方へのアクセスを有するために、本発明者らは、大動脈組織から3つの画分を独立して回収した(図1)。選択の第2ラウンドから、患部組織から回収されたコロニー形成単位(cfu)の数が第1ラウンドと比較して著しく増加した(図2)。F1、F2、およびF3画分のバイオパニングの第3ラウンド後の選択されたファージの濃縮度は、選択の第1ラウンドから回収したものよりそれぞれ100倍、10倍、および5倍高く、内皮標的および内皮下標的に対する特異的ファージの有望な選択を強調した(Table 1(表1))。
Figure 2015502744
選択の最後の2つのラウンド後に、150クローン(各画分から約50)をランダムシークエンシングすると、3種の過剰表現されたアミノ酸配列が明らかになり、スクリーニングで配列決定されたクローンのうち、これらの2つ(H2.1およびC3.3)が10%、および第3のもの(K3.1)が8%を表した。1回より多く現れた3種の他のアミノ酸配列も報告した(Table 1(表1))。これらの配列を持つscFvのいずれもバイオパニングの第2ラウンドからのクローン中に検出されず、in vivo選択圧が低すぎて、最初の2つのバイオパニングラウンドから同様の配列を有するscFvを選択することができないことを示唆した。IMGT/V-QUESTデータベースを使用してこれらの6種のscFvを配列分析すると、CDRH3およびCDRL3ループが可変アミノ酸組成のものである6種のユニークな配列が明らかになった。CDR長に関して、3種の優勢なクローン(H2.1、C3.3、およびK3.1)は、CDRH3長(13残基)およびCDRL3長(10残基)の両方において類似性を示し、これらは、元のライブラリーにおいて、それぞれCDRH3の第5の提示性、ならびにCDR3LκおよびCDR3Lλの第1および第3の提示性を表した。他のクローンは、より可変のCDRH3長を示し、一方、CDRL3ループは、系統的に9アミノ酸を構成した。3種の優勢なクローンの中で、H2.1 scFvは、ほとんどF2画分中に見出され、C3.3 scFvクローンは、F3画分中に検出されず、K3.1 scFvは、すべての画分の中で同様に分布した。各画分中の回収される同一クローンの数は低いので、かつこの数は、2つの連続した画分間で増加し得るので(例えば、Table 1(表1)中のF1画分とF2画分との間のH2.1配列のように)、画分同士間の交差汚染は、最小であるとみなすことができる。
ScFv精製およびHTRFサンドイッチ結合信号の阻害
より高い濃度の抗体断片へのアクセスを有するために、6種のscFvを、非抑制因子大腸菌株を使用して可溶性形態で生成し、ニッケルクロマトグラフィー親和性によって、誘導された細菌溶解産物から精製した。精製scFvとアテローム性タンパク質抽出物との間の相互作用を検出する実点可能性を試験するために、本発明者らは、HTRF技術から高感度結合アッセイを開発した。このアッセイでは、scFvを、ビオチン化c-mycペプチドによって生成される陽性HTRFサンドイッチ信号を阻害するこれらの能力について調査した(図3)。競合相手の非存在下で、陽性サンドイッチ信号を100%とした。scFv精製後に回収したすべての画分をビオチン-c-mycペプチドとともにインキュベートし、競合の時間経過を24時間測定した。結果は、各scFvからの最高濃縮画分は、精製クローンに応じて、16時間インキュベートした後に信号を50〜95%阻害することによって、c-myc-タグを争うことができることを示した。これらのアッセイでは、scFvの最終濃度は、クローン生成および精製に応じて5から170nmol/Lの間と推定された。この実験のセットは、精製scFvは、HTRFアッセイで容易に検出することができ、アテローム性タンパク質抽出物を認識するこれらの能力についての直接TR-FRETスクリーニングアッセイで引き続いて使用することができることを示した。
scFvとウサギアテローム性タンパク質抽出物との間のTR-FRET結合アッセイ
時間および材料の両方がかかる、可溶性組織抽出物または細胞培養液の古典的なスクリーニング手法の制限に直面して、本発明者らは、精製scFvとアテローム硬化性組織溶解産物との間の直接結合に基づいて、非常に感度のよいTR-FRETスクリーニング法を手配した。FRET信号は、それぞれ1つの結合パートナーを認識する2つのフルオロフォアの近接を必要とし、それにより、非特異的信号の発光が大いに制限される。TR-FRET法は、標準的なFRET技術を、Eu3+⊂トリス-ビピリジンクリプテート(Eu)Kとしてのランタニド錯体の極めて長寿命の発光に基づく蛍光(TRF)測定の低いバックグラウンドという利点と組み合わせるものである。最初に、広い一連のタンパク質にアクセスするために、非イオン性および/またはアニオン性界面活性剤を含む4種の異なる緩衝液中に、ウサギ組織タンパク質を可溶化した。次いで、大きい程度の標識化を生じるように、タンパク質/ビオチンの3種の異なるモル比によってあらゆるタンパク質抽出物をビオチン化した。これらの試薬の全体を、1:1(v/v)の比によってプールした。TR-FRET結合アッセイでビオチン化タンパク質プールを使用する実現可能性を判定するために、本発明者らは、ビオチン標識タンパク質がビオチン-c-mycペプチドによって生成される陽性HTRFサンドイッチ信号を阻害する能力を先に分析した。0.1μg/mLおよび1μg/mLの最終濃度のビオチン化アテローム性タンパク質は、4℃で16時間インキュベートした後に、信号をそれぞれ80%および100%阻害することができた(データを示さず)。
バックグラウンド信号を最小限にするために、アクセプターフルオロフォアストレプトアビジン-XL665は、ナノモル濃度で使用される必要がある。scFvに複合体形成していないビオチン化タンパク質を排除し、したがって豊富で非特異的なタンパク質によるフルオロフォアアクセプターの捕捉を回避するために、直接TR-FRET結合アッセイを固相でモニターした。これらの実験条件では、ストレプトアビジン-XL665をナノモル範囲で使用することができる。6種の精製scFvをウェル上に予め吸着させ、独立して、ビオチン化タンパク質抽出物とともにインキュベートした。非結合タンパク質を洗い落とし、両フルオロフォアレポーターとともにインキュベートした後、アッセイの時間経過により、4種のscFvについての陽性FRET信号が明らかになり、これらがタンパク質スープ内に存在するパートナーを認識することができることが示唆された(図4)。さらに、ビオチン化対照タンパク質に対して、結合信号はまったく報告されなかった(データを示さず)。F5.1 scFvは、確かに濃縮されておらず(画分中3μg/mL)、このアッセイで検出されるのに十分純粋であった(データを示さず)。反対に、アッセイの特異性が、高度に精製および濃縮された(100μg/mL)K3.24 scFvによって示され、これは、競合性HTRFアッセイで強く検出されたが、陽性直接TR-FRET信号を生成することができなかった。重要なことに、DeltaF信号は、scFv濃度だけでなく、組織抽出物中の同族アテローム性抗原(cognate atheromatous antigen)の存在量にも比例する。これらのFRET信号は、TR-FRET手法が、被覆および洗浄ステップを含まない液相で実現されるとき、存在しないか、非常に弱い(データを示さず)。
アテローム性タンパク質で記録されたFRET信号の特異性をさらに確認するために、実験の新しいセットを、競合相手として使用した非標識タンパク質抽出物の存在下で実行した(図5)。予期されたように、用量依存的阻害が非ビオチン化アテローム硬化性タンパク質で観察され、6倍過剰のタンパク質は、DeltaF結合値を、それぞれH2.1、I8.1、およびK3.1 scFvについて、約75%、80%、および60%抑えることができた(図5A)。さらに、未処置対照ウサギから抽出した6倍過剰のタンパク質で実施した同じ実験も阻害応答を明らかにしたが、これは、より弱く、それぞれH2.1、I8.1、およびK3.1 scFvについて約50%、35%、および40%であった(図5B)。これらの結果は、scFvが、健康なウサギから抽出した組織に対して、アテローム性ウサギの病変組織内で過剰発現された結合パートナーを認識することを示唆した。
ウサギおよびヒト大動脈切片に対するscFvの免疫組織化学的局在化
ScFvを、血管形成術を受けた高コレステロール血症ウサギの胸部大動脈領域から得たアテローム硬化性切片をex vivoで標的にするこれらの能力について試験した。血管内局所傷害は、アテローム発生を助長し、ヒトにおける不安定プラーク形成を模倣することが周知である。脱パラフィン切片を、選択したscFvとともにインキュベートし、次いで結合を免疫組織化学によって明らかにした。直接TR-FRETアッセイにおける陽性scFvは、アテローム性切片を認識することができ、非常に特異的な染色パターンを示した。散在性の細胞外標識化が内膜内に見つかったが、H2.1およびK3.1 scFvは、内皮の下のマクロファージ由来泡沫細胞および平滑筋細胞由来泡沫細胞に富む範囲、ならびに進行病変内の内弾性板に隣接する壊死細胞に富むより深い範囲の両方を集中的に染色した。この染色は、抗マクロファージRAM11 mAbで観察されたものと同等であった。H2.1およびK3.1 scFvで得られた染色パターンと異なり、I8.1 scFvは、ほとんど内皮層および表層性の内皮下層を染色し、一方、弱い標識化もより深い内膜層、および外膜内に検出された。脂質コアリッチ領域および壊死性コアリッチ領域内の強い特異的な染色がC3.3 scFvで明らかになった。K3.24 scFvクローンに関しては、切片にわたって検出可能な結合はまったくなかった。
これらのクローンの特異性をさらに確認するために、ウサギアテローム硬化性切片に対する競合的結合アッセイを実施した。ここで、本発明者らは、ビオチン化H2.1 scFv結合の、4倍過剰のその相同非標識バージョンによる阻害を例示する。ストレプトアビジン-HRPコンジュゲートで顕色すると、競合相手の非存在下で得た染色と比較して、染色の正味の減少が示された。
標準的なNZWウサギ食餌は、アテローム硬化性病変部の形成を促進するのに好都合であると古典的にはみなされていない。しかし、実験室で長く生活した後、ウサギは、見かけ上健康な範囲に加えて、アテローム性病変部を自発的に発生させやすい。本発明者らは、本発明者らの未処置対照ウサギにおいてこのような改質を観察した。アテローム硬化性範囲では、H2.1 scFvでの染色は、新生内膜マクロファージ泡沫細胞と主に関連していたが、散在性内膜標識化も観察された。I8.1 scFvに関しては、これは、患部の内皮細胞表面に主に結合したが、散在性で薄い染色も内膜にわたって見られた。興味深いことに、アテローム硬化性内膜病変部を含まない大動脈領域は、H2.1およびI8.1 scFvでのいずれの強い染色も明らかにしなかった。弱い標識化のみが、いくつかの内皮細胞で検出された。
H2.1およびI8.1 scFvも、それぞれ動脈内膜切除および心臓移植のレシピエントから得た頸動脈および冠動脈のヒト切片上にインキュベートした。両動脈は、よく発達したプラークを示したが、冠動脈は、より進行した病変段階を示した。両scFvは、ウサギアテローム切片で観察されたものと非常に近い結合パターンを呈した。H2.1 scFv結合の局在化は、頸動脈内、および冠動脈の壊死性脂質リッチ範囲内の泡沫細胞リッチ領域内で主に起こった。I8.1 scFv染色は、頸動脈および冠動脈内の内皮上に集中していたが、弱い染色が冠動脈の壊死性コア内でも検出可能であった。
総合すると、これらの分析により、選択されたscFvは、ウサギおよびヒトにおけるアテローム硬化性内皮および内皮下範囲に特異的に向かうことができることが確認された。未処置ウサギの病変部でない動脈範囲内に結合を欠いていることは、認識される結合パートナーが、「正常な」またはアテローム形成前の内膜内に確かに存在しない、または過少発現されていることを示唆した。
CA-II標的同定およびK3.1 scFvのELISA結合アッセイ
精製K3.1 scFvによって認識される分子を同定するために、ニッケル超常磁性ビーズを使用する免疫沈降実験を実施して、ウサギアテローム硬化性タンパク質溶解産物中に含有される抗原と複合体形成した6His-タグ付きscFvを保持した。SDS-PAGEによって分離し、銀染色して、K3.1 scFv(約32kDa)は、約29kDaの見かけの分子量を有するタンパク質に結合し、それは、scFvの非存在下で、または無関係のscFvを用いて実施した対照において現れなかった。バンド切除および質量スペクトル分析後に、3種のドデカペプチドが、K3.1 scFvによって認識される推定上の結合抗原であると強く思われた29kDaのタンパク質である、細胞質ゾルの炭酸脱水素酵素イソエンザイムII(CA-II)と完全にマッチした。興味深いことに、このウサギタンパク質は、対応するヒトタンパク質と85%超の相同性を示した。
K3.1 scFvの結合特異性をさらに確認するために、ELISAを市販のヒト組換えCA-II抗原に対して実施した。CA-IIに対して得られた結合信号により、この標的とのK3.1 scFvの免疫反応性が確認された。
アテローム性動脈硬化症のウサギモデルに対するin vivoファージ-scFv選択
不安定プラークのアテローム硬化性成分を標的にするファージ-scFvを単離するために、本発明者らは、誘導炎症のウサギモデルを最初に開発した。高コレステロール食を給餌したウサギにおいて、2種類の手術により、細胞組成、脂質蓄積のパターン、および増殖特性の観点からヒトアテローム硬化性病変部を連想させるプラークの発生を促進した。in vivoファージディスプレイ選択を実施する前に、不安定プラークの発生の状態を知ることが非常に重要であった。この目的を達成するために、本発明者らは、in vivo磁気共鳴画像法(MRI)でアテローム硬化性ウサギの腹部大動脈を検査し、血管壁の肥厚および三日月形状プラークを観察した。病理の特徴である内膜の肥厚が矢状スライス上で明らかに目に見える。血管の管腔内に隆起するプラークが目に見える。
組織診断により、このプロトコールが、泡沫細胞、壊死性コア、およびコレステロールを有する高度に不安定なプラークを実際に誘導したことが証明された。内膜は、厚くなり、高度に解体されている。マクロファージおよびコラーゲン線維は、マッソントリクロームを用いた染色により実証されたように、点在している。マッソントリクロームは、周囲結合組織から細胞を区別するのに非常に適した3色の染色プロトコールである。結合組織は、青色に染色され、核は、暗赤色/紫色に染色され、細胞質は、赤色/桃色に染色される。マクロファージおよび平滑筋細胞(SMC)に由来する泡沫細胞は、アテロームにおける主要な細胞型である。泡沫細胞、壊死性コア、およびコレステロール結晶は、文献に一般に記載される、不安定プラークの容易に区別可能な成分である。
Philibertらによって設計および構築された半合成scFv-断片ライブラリーを、ウサギの耳翼辺縁静脈内に注射した。組織内でのファージ-scFvの分布を保証するために、本発明者らは、一定の流量、および30分に最適化された循環時間をもたらす注射ポンプを使用した。組み合わせたこれらの2つの要因は、scFv断片を発現しないファージを有する非特異的部位の飽和(総個数の90%超)、およびファージ-scFvの連続的な供給の両方を可能にし、したがって、RESの主要臓器を介したクアランスおよび異化作用を妨害する。さらに、in vivo選択は、疾患によって影響されていない範囲に対して負の選択が起こることを事実上は暗示する。次いで動物を屠殺し、大動脈を大動脈弓から腸骨分岐部まで抽出した。
ApoE-:-マウスで実施した以前のin vivo選択では、本発明者らは、ファージディスプレイscFvライブラリーを静脈内注射すると、血液にアクセス可能な部位内のアテローム硬化性病変部だけでなく、病変部内部のものにも向かう候補を同定することが可能になることを示した。正常な臓器のものとはるかに異なる血管系を有する腫瘍と同様に、アテローム硬化性病変部は、漏出性の内皮細胞を有する。したがって、本発明者らは、ファージ-scFvは、血管または栄養血管を介して内皮下成分および病変部侵入細胞と直接接触することができると仮定した。したがって、本発明者らは、多段階回収で進め、アテローム硬化性組織内の3つの画分、すなわち内皮細胞表面-結合ファージ-scFv(画分F1)、組織内画分(F2)、および細胞内に内部移行したファージs-scFv(F3)からファージ-scFvを単離した。これは、明快な回収ではなく、それは、組織内画分は、しっかりと表面に結合したファージ-scFvを含有し得、F3画分は、しっかりと結合した、マトリックスに捕捉された、または内膜の主細胞成分を構成する泡沫細胞内でおそらく捕捉された、実際の内部移行したファージ-scFvの和であり得ることを意味する。この多段階手法は、病理の進行中に過剰発現される標的に富む肥厚性内膜全体からファージ-scFv回収を増やすという考え方を中心に実施した。ほとんどのin vivoバイオパニング手順は、これまで血管系表面にわたる標的に制限されていた。
本発明者らは、多様性を損なうことなくin vivoで濃縮されたバインダーの同定を可能にするために、2ラウンドのみのin vivoバイオパニングを実施した。複数の選択ラウンドは、選択されるレパートリーの複雑性を減少させることが報告されている。各ラウンドで、本発明者らは、独立して、罹患した大動脈組織からF1、F2、およびF3画分を回収した。選択の第2ラウンドから、本発明者らは、F1、F2、およびF3画分中の患部組織から回収されるファージ-scFvの数が、第1ラウンドと比較して増加することに気付いた。選択の第2ラウンド後の回収されたファージの数は、それぞれ画分F1、F2、およびF3について1.13×105、1.15×105、および500cfuであった。言い換えれば、1012の入力に対して正規化された出力されたファージ-scFvの数は、画分F1およびF2について5倍、および画分F3について50倍増加した。本発明者らが、画分F1中の濃縮だけでなく、画分F2およびF3中の濃縮も示した(画分F3中でさらにより大きい濃縮を伴った)という事実は、実践した技術が、下にある病変組織層に到達することができ、内膜に侵入する細胞内に内部移行され得るscFvのin vivo選択をもたらしたことを本発明者らに示唆する。
[参考文献]
Figure 2015502744

Claims (15)

  1. アテローム性動脈硬化症病変部に特異的に結合する抗体であって、前記抗体または抗体断片は、少なくとも、配列番号1のアミノ酸配列を含むVH CDR1、配列番号2のアミノ酸配列を含むVH CDR2、配列番号3のアミノ酸配列を含むVL CDR1、および配列番号4のアミノ酸配列を含むVL CDR2を含み、少なくとも:
    - 配列番号5のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号6のアミノ酸配列を含むVL CDR3、または
    - 配列番号10のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号11のアミノ酸配列を含むVL CDR3、または
    - 配列番号15のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号16のアミノ酸配列を含むVL CDR3、または
    - 配列番号20のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号21のアミノ酸配列を含むVL CDR3、または
    - 配列番号25のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号26のアミノ酸配列を含むVL CDR3、または
    - 配列番号30のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号31のアミノ酸配列を含むVL CDR3、または
    - 配列番号35のアミノ酸配列を含むVH CDR3および配列番号36のアミノ酸配列を含むVL CDR3
    を含む、抗体。
  2. 少なくとも:
    - 配列番号7のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号8のアミノ酸配列を含むVLドメイン、または
    - 配列番号12のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号13のアミノ酸配列を含むVLドメイン、または
    - 配列番号17のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号18のアミノ酸配列を含むVLドメイン、または
    - 配列番号22のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号23のアミノ酸配列を含むVLドメイン、または
    - 配列番号27のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号28のアミノ酸配列を含むVLドメイン、または
    - 配列番号32のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号33のアミノ酸配列を含むVLドメイン、または
    - 配列番号37のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号38のアミノ酸配列を含むVLドメイン
    を含む、請求項1に記載の抗体。
  3. 組換えヒトIgGである、請求項1から2のいずれか一項に記載の抗体。
  4. 組換えヒトFab'2、組換えヒトscFv-Fab'2、または組換えヒトscFv-Fcである、請求項1から2のいずれか一項に記載の抗体。
  5. 組換えヒトscFv抗体である、請求項1から2のいずれか一項に記載の抗体。
  6. - 配列番号9のscFv抗体、
    - 配列番号14のscFv抗体、
    - 配列番号19のscFv抗体、
    - 配列番号24のscFv抗体、
    - 配列番号29のscFv抗体、
    - 配列番号34のscFv抗体、および
    - 配列番号39のscFv抗体
    からなる群から選択されるscFv抗体である、請求項5に記載の抗体。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の抗体をコードするポリヌクレオチド。
  8. 請求項7に記載のポリヌクレオチドを含む組換え宿主細胞。
  9. in vivoイメージング用に標識されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の抗体。
  10. 核イメージング用放射性トレーサーで標識されており、または磁気共鳴画像法用磁性造影剤で標識されている、請求項9に記載の抗体。
  11. 患者におけるアテローム性動脈硬化症病変部のin vivoイメージングのための方法であって、患者に先に投与された標識抗体を検出することによるアテローム性動脈硬化症病変部の可視化を含み、抗体は、請求項9に記載の抗体である、方法。
  12. 抗体が、放射性トレーサーで標識されており、アテローム性動脈硬化症病変部の可視化が、核イメージングによって実施される、請求項11に記載の方法。
  13. 抗体が、造影剤で標識されており、アテローム性動脈硬化症病変部の可視化が、磁気共鳴画像法によって実施される、請求項11に記載の方法。
  14. 患者におけるアテローム性動脈硬化症病変部のin vivoイメージングのための方法であって、以下のステップ、すなわち、
    a)in vivoイメージング用に標識された請求項9から10のいずれか一項に抗体の患者内への静脈内注射、
    b)患者においてステップa)の標識抗体を検出することによるアテローム性動脈硬化症病変部の可視化
    を含む、方法。
  15. 患者におけるアテローム性動脈硬化症病変部のin vivoイメージングのための方法であって、患者に先に投与された標識抗体を検出することによるアテローム性動脈硬化症病変部の可視化を含み、抗体は、ヒト炭酸脱水酵素IIタンパク質に特異的に結合する抗体である、方法。
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