JP2015232423A - 蓄熱装置及び過冷却解除方法 - Google Patents

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俊靖 田中
Toshiyasu Tanaka
俊靖 田中
前田 茂則
Shigenori Maeda
茂則 前田
具島 豊治
Toyoji Gushima
豊治 具島
冨田 浩稔
Hirotoshi Tomita
浩稔 冨田
本田 廉治
Kiyoji Honda
廉治 本田
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Abstract

【課題】潜熱蓄熱材の過冷却状態を任意のタイミングで解除するための新規な技術を提供する。【解決手段】蓄熱装置(50)は、蓄熱容器(10)、潜熱蓄熱材(11)、電界発生器(16)及び捕捉部(12)を備えている。潜熱蓄熱材(11)は、蓄熱容器(10)に収容されており、溶質及び溶媒を含む。潜熱蓄熱材(11)が液相状態のときに、溶質が帯電粒子(11a,11b)を含む。電界発生器(16)は、一対の電極(14a,14b)を含み、潜熱蓄熱材(11)が液相状態にあるとき、一対の電極(14a,14b)に電圧を加えることによって帯電粒子(11a,11b)を電気泳動させる。捕捉部(12)は、蓄熱容器(10)の内部に設けられ、電気泳動する帯電粒子(11a,11b)を捕捉して帯電粒子(11a,11b)の濃度を局所的に高める。【選択図】図3

Description

本発明は、蓄熱装置及び過冷却解除方法に関する。
従来から、蓄熱装置に使用できる潜熱蓄熱材について、様々な検討がなされている。例えば、酢酸ナトリウム三水和物は、凝固点(融点)58℃、潜熱量250J/gという物性を有している。そのため、酢酸ナトリウム三水和物は、100℃未満の低温排熱の高密度蓄熱媒体として有用であり、自動車の暖機運転のための熱源、暖房の補助熱源などに使用することが検討されている。
酢酸ナトリウム三水和物などの潜熱蓄熱材は、凝固点よりも低い温度まで冷却しても相変化を起こさず、液相を維持して過冷却状態になることが知られている。この性質を利用すれば、潜熱を一定期間保持できる。しかし、過冷却状態を解除する方法が確立されていないため、必要なときに熱を取り出せないという課題がある。
特許文献1には、銀又は鉛で作られた電極を使用して、酢酸ナトリウム三水和物を用いた潜熱蓄熱材に電圧を印加して過冷却を解除できることが記載されている。特許文献1に記載された蓄熱装置を図18に示す。特許文献1に記載された蓄熱装置は、蓄熱槽101、酢酸ナトリウム三水和物103、熱変換パイプ104、電極105a、電極105b、直流電源106及びヒータ107を備えている。蓄熱槽101に貯留された酢酸ナトリウム三水和物103は、ヒータ107によって加熱されて融解する。ヒータ107をオフにした後、酢酸ナトリウム三水和物103は、融点以下の温度に低下して過冷却状態となる。これにより、熱が蓄えられる。直流電源106をオンにして電極105aと電極105bとの間に直流電界を発生させると、電極105a又は105bと酢酸ナトリウム三水和物103との化学反応によって過冷却状態が解除され、熱が放出される。熱変換パイプ104を流れる水と酢酸ナトリウム三水和物103との間で熱交換が行われ、蓄熱槽101の外部に温水が供給される。
特許文献2には、酢酸ナトリウム三水和物の結晶を付着させた緊締部材を陽極に取り付けることによって、長期的にわたって安定した発核作用が得られることが記載されている。
特開昭61−204293号公報 実開平5−096769号公報
特許文献2に記載された方法では、酢酸ナトリウム三水和物の結晶が種結晶として発核に直接寄与しているにすぎない。過冷却状態にある潜熱蓄熱材に種結晶を接触させると、潜熱蓄熱材は直ちに発核する。種結晶を用いた発核装置は、過冷却状態を長期間維持することが困難である。
上記の事情に鑑み、本発明は、潜熱蓄熱材の過冷却状態を任意のタイミングで解除するための新規な技術を提供することを目的とする。
すなわち、本開示は、
蓄熱容器と、
蓄熱容器に収容された潜熱蓄熱材であって、溶質及び溶媒を含み、液相状態のときに前記溶質が帯電粒子を含む潜熱蓄熱材と、
一対の電極を含み、前記潜熱蓄熱材が前記液相状態にあるとき、前記一対の電極に電圧を加えることによって前記帯電粒子を電気泳動させる電界発生器と、
前記蓄熱容器の内部に設けられ、電気泳動する前記帯電粒子を捕捉して前記帯電粒子の濃度を局所的に高める捕捉部と、
を備えた、蓄熱装置を提供する。
上記の蓄熱装置によれば、捕捉部によって帯電粒子の濃度が局所的に高められ、潜熱蓄熱材の結晶化確率が高まる。これにより、潜熱蓄熱材の過冷却状態を任意のタイミングで解除できる。
本発明の第1実施形態に係る蓄熱装置の構成図 電極対と捕捉部との位置関係を示す図 図1に示す蓄熱装置における発核原理を示す図 変形例1に係る蓄熱装置の構成図 変形例2に係る蓄熱装置の構成図 変形例3に係る蓄熱装置の構成図 変形例4に係る蓄熱装置の構成図 本発明の第2実施形態に係る蓄熱装置の構成図 図8に示す蓄熱装置における発核原理を示す図 変形例5に係る蓄熱装置の構成図 変形例6に係る蓄熱装置の構成図 変形例7に係る蓄熱装置の構成図 蓄熱装置を用いた洗濯機の構成図 蓄熱装置を用いた暖房機器の構成図 蓄熱装置を用いた食器洗い乾燥機の構成図 蓄熱装置を用いた冷蔵庫の構成図 蓄熱装置を用いた車両用暖房機器の構成図 従来の蓄熱装置の構成図
本開示の第1態様は、
蓄熱容器と、
蓄熱容器に収容された潜熱蓄熱材であって、溶質及び溶媒を含み、液相状態のときに前記溶質が帯電粒子を含む潜熱蓄熱材と、
一対の電極を含み、前記潜熱蓄熱材が前記液相状態にあるとき、前記一対の電極に電圧を加えることによって前記帯電粒子を電気泳動させる電界発生器と、
前記蓄熱容器の内部に設けられ、電気泳動する前記帯電粒子を捕捉して前記帯電粒子の濃度を局所的に高める捕捉部と、
を備えた、蓄熱装置を提供する。
第1態様の蓄熱装置によれば、潜熱蓄熱材を過冷却状態に維持して熱を保存し、潜熱蓄熱材の過冷却状態を任意のタイミングで解除して熱を取り出すことができる。第1態様の蓄熱装置を様々な機器に使用すれば、排熱を回収及び保存して任意のタイミングで再利用できる。つまり、熱の有効利用によって機器の省エネルギー化が可能となる。
本開示の第2態様は、第1態様に加え、前記帯電粒子は、陰イオン及び陽イオンを含み、前記捕捉部は、陰イオン交換膜及び陽イオン交換膜で構成され、前記陰イオン交換膜及び前記陽イオン交換膜によって、前記陰イオン及び前記陽イオンの両方が捕捉される、蓄熱装置を提供する。第2態様によれば、陰イオンの濃度及び陽イオンの濃度が同時に高められる。これにより、潜熱蓄熱材の結晶化確率を高めることができ、過冷却状態の解除を促すことができる。
本開示の第3態様は、第2態様に加え、前記陰イオン交換膜及び前記陽イオン交換膜は、前記一対の電極から離れており、かつ前記一対の電極の間に配置されている、蓄熱装置を提供する。このような配置によれば、陰イオン交換膜及び陽イオン交換膜に陽イオン及び陰イオンが効率的に捕捉されうる。
本開示の第4態様は、第3態様に加え、前記一対の電極は、陰極及び陽極を含み、前記陰極から相対的に近い位置に前記陰イオン交換膜が配置され、前記陽極から相対的に近い位置に前記陽イオン交換膜が配置されている、蓄熱装置を提供する。このような配置によれば、陰イオン交換膜及び陽イオン交換膜に陽イオン及び陰イオンが効率的に捕捉されうる。
本開示の第5態様は、第2〜第4態様のいずれか1つに加え、前記陰イオン交換膜の主面が前記陽イオン交換膜の主面に平行であり、前記電界の方向が前記陰イオン交換膜の前記主面及び前記陽イオン交換膜の前記主面に垂直である、蓄熱装置を提供する。このような配置によれば、陰イオン交換膜及び陽イオン交換膜に陽イオン及び陰イオンが効率的に捕捉されうる。
本開示の第6態様は、第1〜第5態様のいずれか1つに加え、前記一対の電極は、前記潜熱蓄熱材に対する耐食性を有する金属材料で作られており、前記潜熱蓄熱材に接触するように前記蓄熱容器の内部に配置されている、蓄熱装置を提供する。電極が耐食性を有している場合、電極と潜熱蓄熱材との間の化学反応を防止できる。
本開示の第7態様は、第1〜第5態様のいずれか1つに加え、前記一対の電極は、前記蓄熱容器の外部に配置されている、蓄熱装置を提供する。第7態様によれば、潜熱蓄熱材に電流が直接流れないため、電気分解による潜熱蓄熱材の変質を防止できる。また、化学反応によって電極が劣化又は摩耗することも防止できる。
本開示の第8態様は、第1〜第7態様のいずれか1つに加え、前記捕捉部を構成する空間の体積は、液相時又は固相時の前記潜熱蓄熱材の体積の10%以下である、蓄熱装置を提供する。第8態様によれば、捕捉部での帯電粒子の濃縮にかかる時間を短縮できるので、発核を促進できる。
本開示の第9態様は、第1〜第8態様のいずれか1つに加え、前記蓄熱容器の内部の2箇所以上に前記捕捉部が設けられている、蓄熱装置を提供する。複数の捕捉部のうち、いずれか1つの捕捉部で発核すれば、潜熱蓄熱材の全体に結晶化が拡がる。そのため、捕捉部が1つのみ設けられている場合と比較して、発核の確率が高まる。
本開示の第10態様は、第1態様に加え、前記電界発生器は、前記一対の電極から選ばれる一方の前記電極の極性と他方の前記電極とを相互に切り換えるためのスイッチを含み、前記一対の電極から選ばれる一方の前記電極は、前記スイッチを操作したときに電気的な反発力によって前記帯電粒子を閉じ込め可能な空間を形成しており、前記捕捉部は、前記空間と、その空間を形成している前記電極とによって形成されている、蓄熱装置を提供する。第10態様によれば、捕捉部において、陰イオンの濃度及び陽イオンの濃度の両方が局所的に高まる。その結果、潜熱蓄熱材の結晶化確率が向上し、過冷却の解除を促進することができる。
本開示の第11態様は、第1態様に加え、前記帯電粒子は、陰イオン及び陽イオンを含み、前記一対の電極から選ばれる一方の電極を第1電極、他方の電極を第2電極と定義したとき、前記電界発生器は、第3電極と、前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極に直流電圧を印加するための直流電源と、前記第1電極の極性と前記第2電極の極性とを相互に切り換えるためのスイッチと、をさらに有し、前記第3電極は、前記蓄熱容器の内部において、前記第1電極及び前記第2電極から離れた位置に配置されており、前記第1電極及び前記第3電極は、前記スイッチを操作したときに電気的な反発力によって前記帯電粒子を閉じ込め可能な空間を形成しており、前記捕捉部は、前記空間、前記第1電極及び前記第3電極によって形成されている、蓄熱装置を提供する。第11態様によれば、捕捉部において、陰イオンの濃度及び陽イオンの濃度の両方が局所的に高まる。その結果、潜熱蓄熱材の結晶化確率が向上し、過冷却の解除を促進することができる。
本開示の第12態様は、第11態様に加え、前記スイッチは、第1〜第3状態から選ばれる1つの状態に制御され、前記第1状態は、前記直流電源が前記第1〜第3電極の全てから切り離された状態であり、前記第2状態は、前記第1電極及び前記第2電極から選ばれる一方が陽極となり、他方が陰極となるように前記第1電極及び前記第2電極が前記直流電源に接続され、かつ、前記第3電極が前記直流電源から切り離された状態であり、前記第3状態は、前記第1電極及び前記第2電極が前記第2状態での極性とは反対の極性を持つように前記第1電極及び前記第2電極が前記直流電源に接続され、かつ、前記第3電極が前記第1電極と同じ極性を持つように前記第3電極が前記直流電源に接続された状態である、蓄熱装置を提供する。第12態様によれば、捕捉部において、陰イオンの濃度及び陽イオンの濃度の両方を局所的に高めることができる。
本開示の第13態様は、第1〜第12態様のいずれか1つに加え、電気泳動する前記帯電粒子の移動速度を遅くする速度調整部をさらに備え、前記速度調整部を経由して前記帯電粒子が前記捕捉部から脱出するときに必要な時間t1は、前記速度調整部を経由せずに前記捕捉部に前記帯電粒子が侵入するときに必要な時間t2よりも長い、蓄熱装置を提供する。第13態様によれば、捕捉部に帯電粒子がとどまる時間が長くなるので、捕捉部において帯電粒子が効率的に濃縮される。その結果、結晶化確率が向上して、過冷却状態の解除を促すことができる。
本開示の第14態様は、第13態様に加え、前記速度調整部は、ゲル材料で作られたゲル部材を含む、蓄熱装置を提供する。ゲル部材によれば、ゲル材料及び濃度を変更することによって、ゲル部材の内部における帯電粒子の速度を任意に調整できる。その結果、捕捉部における帯電粒子の濃度を効率的に高めることができる。
本開示の第15態様は、第13態様に加え、前記速度調整部は、毛細管を含む、蓄熱装置を提供する。毛細管もその内部を通過しようとする帯電粒子の移動速度を遅くする能力を持っている。従って、第15態様においても、第14態様と同じ効果が得られる。
本開示の第16態様は、第1〜第15態様のいずれか1つに加え、前記潜熱蓄熱材は、酢酸ナトリウム三水和物を主成分として含む、蓄熱装置を提供する。酢酸ナトリウム三水和物は、長期にわたって過冷却状態を比較的安定に維持する。酢酸ナトリウム三水和物を潜熱蓄熱材として使用すれば、長期にわたって熱を蓄えることできる。
本開示の第17態様は、第1〜第16態様のいずれか1つの蓄熱装置を備え、前記蓄熱装置から取り出した熱によって温水を生成し、温水で対象物を洗浄するように構成された、洗浄機を提供する。
本開示の第18態様は、第1〜第16態様のいずれか1つの蓄熱装置を備え、前記蓄熱装置から取り出した熱によって温風を生成し、温風で対象物を乾燥させるように構成された、乾燥機を提供する。
本開示の第19態様は、第1〜第16態様のいずれか1つの蓄熱装置を備え、前記蓄熱装置から取り出した熱によって温風を生成し、暖房運転を行うように構成された、暖房機器を提供する。
本開示の第20態様は、第1〜第16態様のいずれか1つの蓄熱装置と、
熱交換器を有する室外機と、
を備え、
前記蓄熱装置から取り出した熱によって前記室外機の前記熱交換器の霜取り運転を行うように構成された、暖房機器を提供する。
本開示の第21態様は、第1〜第16態様のいずれか1つの蓄熱装置と、
冷却器と、
を備え、
前記蓄熱装置から取り出した熱によって前記冷却器の霜取り運転を行うように構成された、冷蔵庫を提供する。
本開示の第22態様は、第1〜第16態様のいずれか1つの蓄熱装置を備え、エンジンの排熱を前記蓄熱装置に蓄え、前記蓄熱装置から取り出した熱によって温風を生成して暖房運転を行うように構成された、車両用暖房機器を提供する。
第17〜第22態様によれば、排熱を回収及び保存して任意のタイミングで再利用できる。つまり、熱の有効利用によって機器の省エネルギー化が可能となる。
本開示の第23態様は、
過冷却状態にある潜熱蓄熱材に溶質として含まれた帯電粒子が電気泳動するように、前記潜熱蓄熱材に電界を印加する工程と、
電気泳動する前記帯電粒子を捕捉して局所的に前記帯電粒子の濃度を高める工程と、
を含む、過冷却解除方法を提供する。
第23態様によれば、第1態様と同じ効果が得られる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されない。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態に係る蓄熱装置50は、蓄熱容器10、潜熱蓄熱材11、捕捉部12、直流電源13、第1電極14a、第2電極14b及び熱交換器15を備えている。直流電源13、第1電極14a(陰極)及び第2電極14b(陽極)は、電界発生器16を構成している。潜熱蓄熱材11が過冷却状態にあるとき、第1電極14a及び第2電極14bに電圧を加えることによって、潜熱蓄熱材11に含まれた帯電粒子を電気泳動させる。電気泳動する帯電粒子が捕捉部12で捕捉され、帯電粒子の濃度が捕捉部12で局所的に高まる。これにより、潜熱蓄熱材11の結晶化確率が高まり、過冷却状態を解除することができる。
蓄熱容器10には、潜熱蓄熱材11が収容されている。本実施形態では、蓄熱容器10の上部が開いている。ただし、蓄熱容器10は密閉されていてもよい。潜熱蓄熱材11は、例えば、酢酸ナトリウム三水和物を主成分として含む。「主成分」の語句は、質量比で最も多く含まれた成分を意味する。酢酸ナトリウム三水和物は、長期にわたって過冷却状態を比較的安定に維持する。酢酸ナトリウム三水和物を潜熱蓄熱材11として使用すれば、長期にわたって熱を蓄えることできる。また、酢酸ナトリウム三水和物の融点は約58℃と高い。そのため、酢酸ナトリウム三水和物を潜熱蓄熱材11として使用した蓄熱装置50は、暖房システム、給湯システムなどの熱供給システムの熱源として有効に使用されうる。ただし、潜熱蓄熱材11は酢酸ナトリウム三水和物に限定されず、硫酸ナトリウム十水塩などの他の潜熱蓄熱材を利用温度帯に応じて使用できる。
別の側面において、潜熱蓄熱材11は、液相状態で溶質及び溶媒を含む。溶質は、例えば、有機酸の塩又は無機酸の塩である。溶媒は、例えば、水である。潜熱蓄熱材11が液相状態(つまり、溶液の状態)にあるとき、潜熱蓄熱材11の溶質は帯電粒子を含む。帯電粒子は、典型的には、陰イオン及び陽イオンである。酢酸ナトリウム三水和物を例に挙げると、溶質が酢酸ナトリウムであり、溶媒が水である。1モルの酢酸ナトリウムに対して、例えば、3〜10モルの水が使用される。酢酸ナトリウムは、ナトリウムイオンと酢酸イオンとに電離している。ただし、溶質に含まれた帯電粒子はイオンに限定されず、他の帯電粒子であってもよい。
電極14a及び14bは、蓄熱容器10の内部に配置されており、潜熱蓄熱材11に直接接触している。第1電極14aと第2電極14bとの間に潜熱蓄熱材11が存在している。そのため、第1電極14aと第2電極14bとの間に加える直流電圧が低い場合でも、電気泳動に必要な強度を持った直流電界(静電界)を発生させることができる。つまり、直流電源13の出力電圧を抑制することができる。このことは、蓄熱装置50の安全性の向上及び省エネルギー化に寄与する。
第1電極14a及び第2電極14bの形状は、例えば板状である。第1電極14a及び第2電極14bは、互いに平行に並べられており、電極間の距離は一定である。第1電極14aのサイズ及び形状は、第2電極14bのサイズ及び形状に一致している。電極14a及び14bは、潜熱蓄熱材11に対する耐食性を有する金属材料で作られていることが望ましい。そのような金属材料として、不動態皮膜を有するステンレス、白金合金などが挙げられる。電極14a及び14bが耐食性を有している場合、第1電極14a(及び/又は第2電極14b)と潜熱蓄熱材11との間の化学反応を防止できる。蓄熱と放熱を繰り返しても第1電極14a(及び/又は第2電極14b)が劣化せず、化学反応に由来する不純物も発生しない。このことは、蓄熱装置50の長期信頼性を向上させる。
なお、特許文献1の方法では、電極上の反応を利用しているため、電極材料が限定されるだけでなく、蓄熱と放熱を繰り返すと電極材料が消費される。また、化学反応によって生じた不純物が増加して潜熱蓄熱材の特性が徐々に劣化する可能性がある。
電極14a及び14bは、それぞれ、直流電源13に接続されている。直流電源13から電極14a及び14bに電圧を加えたとき、第1電極14aが陰極となり、第2電極14bが陽極となる。直流電源13は、出力電圧を調整できる直流電源であってもよい。直流電源13は、電極14a及び14bに電圧を印加する状態と電圧を印加しない状態とを切り換えるためのスイッチを含んでいてもよい。さらに、直流電源13は、第1電極14aの極性と第2電極14bの極性とを相互に切り換えるためのスイッチを含んでいてもよい。
捕捉部12は、蓄熱容器10の内部に設けられている。本実施形態において、捕捉部12は、陰イオン交換膜12a及び陽イオン交換膜12bを含む。陰イオン交換膜12a及び陽イオン交換膜12bは、互いに向かい合っている。陰イオン交換膜12aと陽イオン交換膜12bとで囲まれた空間12s(以下、捕捉空間12sと称する)は、陰イオン交換膜12a及び陽イオン交換膜12bとともに捕捉部12としての役割を担う。電極14a及び14bに電圧を印加して電界を発生させたとき、陰イオン交換膜12a及び陽イオン交換膜12bによって、陰イオン及び陽イオンの両方が捕捉される。捕捉空間12sにおいて、陰イオンの濃度及び陽イオンの濃度が同時に高められる。これにより、潜熱蓄熱材11の結晶化確率を高めることができ、過冷却状態の解除を促すことができる。
本実施形態において、陰イオン交換膜12a及び陽イオン交換膜12bは、電極14a及び14bから離れており、第1電極14aと第2電極14bとの間に配置されている。また、第1電極14a(陰極14a)から相対的に近い位置に陰イオン交換膜12aが配置されている。第2電極14b(陽極14b)から相対的に近い位置に陽イオン交換膜12bが配置されている。さらに、陰イオン交換膜12aの主面は、陽イオン交換膜12bの主面に平行である。電界の方向は、陰イオン交換膜12aの主面及び陽イオン交換膜12bの主面に垂直である。このような配置によれば、陰イオン交換膜12a及び陽イオン交換膜12bに陽イオン及び陰イオンが効率的に捕捉されうる。陰イオン交換膜12a及び陽イオン交換膜12bは、例えば、直方体の形状を有する枠の向かい合う面に取り付けられて蓄熱容器10の内部に配置されている。なお、「主面」の語句は、最も広い面積を有する面を意味する。「平行」及び「垂直」の語句は、完全な平行及び完全な垂直を必ずしも意味しない。所望の効果に顕著な違いが現れない程度の角度の違い、例えば2〜3度の角度の違いが存在していたとしても、「平行」及び「垂直」の要件は満たされる。
図2に示すように、電界の方向に平行な平面に電極14a及び14bを投影したとき、投影面において、電極14a及び14bは、例えば矩形の形状を有する。捕捉部12も矩形の形状を有する。投影面において、捕捉部12の全部が電極14a及び14bの内側に収まっている。このような位置関係によれば、捕捉部12の全体に帯電粒子(イオン)を効率的に捕捉させることができるので、帯電粒子の濃度を効率的に高めることができる。なお、電極14a及び14bの形状は特に限定されない。捕捉部12の形状も特に限定されない。
本実施形態において、捕捉部12の体積は、陰イオン交換膜12aと陽イオン交換膜12bとで囲まれた空間12sの体積で定義される。捕捉部12の体積は、液相時又は固相時の潜熱蓄熱材11の体積に対して相対的に小さいことが望ましい。この場合、狭い空間で帯電粒子を濃縮できるため、結晶化確率の更なる向上を期待できる。捕捉部12の体積は、例えば、液相時又は固相時の潜熱蓄熱材11の体積の5〜10%の範囲にある。この場合、捕捉部12での帯電粒子の濃縮にかかる時間を短縮できるので、発核を促進できる。
例えば、捕捉部12の体積が潜熱蓄熱材11の体積の10%の場合と50%の場合とを比較する。捕捉部12の形状は立方体であると仮定する。10%の場合において、捕捉部12の1つの面を通過して捕捉部12に入る帯電粒子の数が、単位時間あたり、n個であると仮定する。50%の場合において、捕捉部12の1つの面を通過して捕捉部12に入る帯電粒子の数は、単位時間あたり、(n×52/3)個である。つまり、50%の場合、10%の場合の約3倍の数の帯電粒子が捕捉部12に入る。一方、捕捉部12に存在する溶媒の量を比較すると、50%の場合の溶媒の量は、10%の場合の溶媒の量の5倍である。単位時間後の(粒子数)/(溶媒量)で示される濃度を比較すると、10%の場合の値は、50%の場合の値の約1.7倍である。すなわち、捕捉部12の体積が潜熱蓄熱材11の体積の10%の場合、帯電粒子の濃縮にかかる時間は、捕捉部12の体積が潜熱蓄熱材11の体積の50%の場合に濃縮にかかる時間の1/1.7である。発核までの時間も1/1.7の時間で足りると予測される。
熱交換器15は、蓄熱容器10の内部に配置されており、潜熱蓄熱材11に直接接触している。熱交換器15は、蓄熱容器10の外部に延びており、外部熱源に接続されうる。熱交換器15に熱媒体を流すことによって、潜熱蓄熱材11に熱を供給できるとともに、潜熱蓄熱材11から熱を奪うことができる。ただし、このような熱交換部15は必須ではない。例えば、蓄熱容器10の外表面を伝熱面として使用し、水などの熱媒体と潜熱蓄熱材11との間で熱交換を生じさせることも可能である。
次に、蓄熱装置50における潜熱蓄熱材11の発核原理について説明する。過冷却状態にある潜熱蓄熱材11が発核すると、液相から固相への相変化が始まり、相変化の過程で潜熱が放出される。放出された潜熱は、熱交換器15を用いて、蓄熱装置50の外部に取り出すことができる。
図3の左図に示すように、潜熱蓄熱材11は、外部熱源から供給された熱で融解する。その後、融点以下に温度が下がっても、潜熱蓄熱材11は、液相を維持して過冷却状態になる。過冷却状態において、潜熱蓄熱材11は、溶質(例えば、酢酸ナトリウム)及び溶媒(例えば、水)から構成されている。溶質は、陰イオン11aと陽イオン11bとに電離している。潜熱蓄熱材11の種類にも依存するが、過冷却状態は比較的安定であり、外的要因を与えない限り、過冷却状態が維持されうる。
図3の右図に示すように、潜熱蓄熱材11から潜熱を取り出すために、直流電源13によって第1電極14aと第2電極14bとの間に直流電圧が印加されると、陰イオン11a及び陽イオン11bは電気泳動する。陽イオン11bは、陰極である第1電極14aに引き寄せられる。陰イオン11aは、陽極である第2電極14bに引き寄せられる。しかし、陽イオン11bは、陰イオン交換膜12aを通過できず、又は、陰イオン交換膜12aによって通過速度を下げられて、捕捉部12(詳細には、捕捉空間12s)にとどまる。陰イオン11aは、陽イオン交換膜12bを通過できず、又は、通過速度を下げられて、捕捉部12にとどまる。捕捉部12では、陰イオン11aの濃度及び陽イオン11bの濃度の両方が局所的に高まる。その結果、潜熱蓄熱材11の結晶化確率が向上し、過冷却の解除を促進することができる。
第1電極14aと第2電極14bとの間に印加される直流電圧は、潜熱蓄熱材11の組成、電極間の距離などに応じて決められる。印加される直流電圧は、潜熱蓄熱材11の分解を招来しないように決定される。一例において、0.5〜2Vの直流電圧が第1電極14aと第2電極14bとの間に印加される。潜熱蓄熱材11の濃度に応じて、電気分解しない範囲でなるべく高い電圧を第1電極14aと第2電極14bとの間に印加することが望ましい。
以下、いくつかの変形例を説明する。図1に示す蓄熱装置50と各変形例とで共通する要素には同じ参照符号を付し、それらの説明を省略する。すなわち、蓄熱装置50に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、以下の変形例にも適用されうる。
(変形例1)
図4に示すように、変形例1に係る蓄熱装置51において、電極14a及び14bは、蓄熱容器10の外部に配置されている。つまり、電極14a及び14bは、潜熱蓄熱材11に接触していない。潜熱蓄熱材11を直流電界の影響下におかれている限り、電気泳動するイオンを捕捉部12で捕捉して結晶化確率を高め、過冷却状態の解除を促進させることができる。本変形例によれば、潜熱蓄熱材11に電流が直接流れないため、電気分解による潜熱蓄熱材11の変質を防止できる。また、化学反応によって電極14a又は14bが劣化又は摩耗することも防止できる。その結果、蓄熱装置51の長期信頼性を高めることができる。電極14a及び14bは、それぞれ、蓄熱容器10に接していてもよいし接していなくてもよい。蓄熱容器10が接地されて静電シールドになることを防ぐために、蓄熱容器10は、樹脂などの絶縁材料で作られていることが望ましい。
(変形例2)
図5に示すように、変形例2に係る蓄熱装置52において、蓄熱容器10の内部の2箇所以上に捕捉部12が設けられている。複数の捕捉部12のうち、いずれか1つの捕捉部12で発核すれば、潜熱蓄熱材11の全体に結晶化が拡がる。そのため、捕捉部12が1つのみ設けられている場合と比較して、発核の確率が高まる。さらに、複数の捕捉部12から概ね同時に発核させることによって、潜熱蓄熱材11の結晶化スピードを向上させることができる。そのため、より素早く熱を取り出せる。図5に示す例では、捕捉部12が蓄熱容器10の内部の5箇所に設けられている。ただし、捕捉部12の数は限定されない。蓄熱装置52のサイズなどに応じて、捕捉部12の数を決定することができる。図5に示す例では、複数の捕捉部12は、鉛直方向に沿って、千鳥状に配列されている。複数の捕捉部12の配列も特に限定されない。
(変形例3)
図6に示すように、変形例3に係る蓄熱装置53は、速度調整部17及び少なくとも1つの隔壁18をさらに備えている。速度調整部17及び隔壁18を除き、本変形例の蓄熱装置53の構成は、図1を参照して説明した蓄熱装置50の構成と同じである。
速度調整部17は、電気泳動する帯電粒子(イオン)の移動速度を遅くする役割を担う。速度調整部17を経由して帯電粒子が捕捉部12から脱出するときに必要な時間をt1、速度調整部17を経由せずに帯電粒子が捕捉部12に侵入するときに必要な時間をt2と定義する。速度調整部17は、時間t1が時間t2を下回るように、捕捉部12に隣接して配置されている。潜熱蓄熱材11を構成する帯電粒子は、電気泳動、対流、拡散などの作用によって捕捉部12に出入りする。帯電粒子の移動は、速度調整部17によって妨害される。捕捉部12から捕捉部12の外部に脱出するときの帯電粒子の移動速度は、速度調整部17以外(本変形例では、イオン交換膜12a及び12b)を経由して捕捉部12の外部から捕捉部12に侵入するときの帯電粒子の移動速度よりも遅い。捕捉部12に帯電粒子がとどまる時間が長くなるので、捕捉部12において帯電粒子が効率的に濃縮される。その結果、結晶化確率が向上して、過冷却状態の解除を促すことができる。
本変形例において、速度調整部17は、捕捉部12からの帯電粒子の脱出経路上に設けられたゲル部材17である。詳細には、陰イオン交換膜12aと陽イオン交換膜12bとで囲まれた捕捉空間12sがゲル部材17及び隔壁18で閉じられている。隔壁18は、粒子の通過を禁止する部材であり、例えば、金属板又は樹脂板である。隔壁18は、捕捉空間12sと捕捉部12の外部の空間とを遮断している。つまり、捕捉空間12sと捕捉部12の外部の空間との間の経路は、陰イオン交換膜12a、陽イオン交換膜12b及びゲル部材17に制限されている。例えば、直方体の形状の枠体の1組の向かい合う面にイオン交換膜12a及び12bを配置し、他の1組の向かい合う面のそれぞれに隔壁18を配置し、残りの1組の向かい合う面に隔壁18及びゲル部材17を配置することができる。ただし、捕捉部12の外部の空間と捕捉空間12sとを連通する狭い連通路が設けられていてもよい。捕捉空間12sで始まった結晶化が連通路を通じて捕捉部12の外部に存在する潜熱蓄熱材11にも伝搬しうる。
ゲル部材17は、ゲル材料で作られている。ゲル材料としては、アガロース、カラギーナン、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、ガラクトマンナン、ペクチンなどが挙げられる。ゲル材料は、潜熱蓄熱材11を構成する溶媒に対して不溶性を示すことが望ましい。ゲル部材17は、例えば、一定の厚みを有する膜の形状を有する。ゲル部材17は、帯電粒子を通過させるが、ゲル部材17における帯電粒子の移動速度は、溶媒中における帯電粒子の移動速度よりも十分に遅い。ゲル部材17によれば、ゲル材料及びゲルの濃度を変更することによって、ゲル部材17の内部における帯電粒子の速度を任意に調整できる。その結果、捕捉部12における帯電粒子の濃度を効率的に高めることができる。
直流電源13によって第1電極14aと第2電極14bとの間に直流電圧が印加されると、陰イオン11a及び陽イオン11bが電気泳動する。陰イオン11a及び陽イオン11bの一部は、捕捉部12に一時的にとどまる。ただし、捕捉部12に一時的にとどまる陰イオン11a及び陽イオン11bも、電極14a又は14bから引力を受け続ける。そのため、陰イオン11a及び陽イオン11bは、イオン交換膜12a又は12bを迂回して捕捉部12から脱出しようとする。捕捉部12の下方は隔壁18によって閉じられているので、陰イオン11a及び陽イオン11bは、捕捉部12の上方に配置されたゲル部材17を通過して捕捉部12の外部へと脱出する。ゲル部材17を通過するときの陰イオン11a及び陽イオン11bの移動速度は、溶質中(水中)におけるそれらの移動速度よりも十分に遅い。このようにすれば、捕捉部12におけるイオン11a及び11bの滞在時間が延び、捕捉部12においてイオン11a及び11bが効率的に濃縮される。これにより、潜熱蓄熱材11の結晶化確率を高めることができ、過冷却状態の解除を促すことができる。
(変形例4)
図7に示すように、変形例4に係る蓄熱装置54は、速度調整部19及び隔壁18をさらに備えている。速度調整部19及び隔壁18を除き、本変形例の蓄熱装置54の構成は、図1を参照して説明した蓄熱装置50の構成と同じである。
本変形例では、ゲル部材17に代えて、毛細管19が速度調整部として使用されている。毛細管19もその内部を通過しようとする帯電粒子の移動速度を遅くする能力を持っている。従って、本変形例においても、ゲル部材17を使用した変形例4と同じ効果が得られる。また、毛細管19の材料、内径などを変更することによって、毛細管19の内部における帯電粒子の移動速度を任意に調整できる。そのため、帯電粒子の濃度を効率的に高めることができる。また、毛細管19は、ガラス、セラミック、金属などの無機物で作ることができる。そのため、潜熱蓄熱材11に接触させても、毛細管19の経年劣化は少ない。このことは、蓄熱装置54の長期信頼性を向上させる。
以下、いくつかの第2実施形態に係る蓄熱装置を説明する。第1実施形態と第2実施形態とで共通する要素には同じ参照符号を付し、それらの説明を省略する。すなわち、第1実施形態の説明は、技術的に矛盾しない限り、第2実施形態にも適用されうる。
(第2実施形態)
図8に示すように、本実施形態に係る蓄熱装置60は、捕捉部26及び電界発生器161を備えている。電界発生器161は、直流電源13、第1電極14a、第2電極14b、第3電極14c、スイッチ22a及びスイッチ22bを含む。直流電源13は、第1電極14a、第2電極14b及び第3電極14cに直流電圧を印加する役割を担う。スイッチ22a及び22bは、第1電極14aの極性と第2電極14bの極性とを相互に切り換える役割を担う。第1電極14a及び第3電極14cは、スイッチ22a及び22bを制御(操作)したときに電気的な反発力によって帯電粒子を閉じ込め可能な空間24(以下、捕捉空間24と称する)を形成している。詳細には、捕捉空間24は、第1電極14a、第3電極14c及び蓄熱容器10によって囲まれた空間である。捕捉部26は、捕捉空間24、第1電極14a及び第3電極14cによって形成されている。
第3電極14cは、蓄熱容器10の内部において、第1電極14a及び第2電極14bから離れた位置に配置されている。第1電極14aと第3電極14cとの間には、狭い隙間21が形成されている。潜熱蓄熱材11は、この隙間21のみを通じて、捕捉空間24と捕捉空間24以外の空間との間を移動できる。
図9の左図に示すように、潜熱蓄熱材11は、外部熱源から供給された熱で融解する。その後、融点以下に温度が下がっても、潜熱蓄熱材11は、液相を維持して過冷却状態になる。過冷却状態において、潜熱蓄熱材11は、溶質(例えば、酢酸ナトリウム)及び溶媒(例えば、水)から構成されている。溶質は、陰イオン11aと陽イオン11bとに電離している。潜熱蓄熱材11の種類にも依存するが、過冷却状態は比較的安定であり、外的要因を与えない限り、過冷却状態が維持されうる。このとき、スイッチ22a及び22bは、直流電源13が第1電極14a、第2電極14b及び第3電極14cの全てから切り離されるように制御される(第1状態)。
図9の中央図に示すように、潜熱蓄熱材11から潜熱を取り出すために、直流電源13から第1電極14aと第2電極14bとの間に直流電圧が印加されるようにスイッチ22a及び22bが制御される。詳細には、第1電極14aが陰極となり、第2電極14bが陽極となるようにスイッチ22a及び22bが制御される(第2状態)。陰イオン11a及び陽イオン11bは電気泳動する。陽イオン11bは、陰極である第1電極14aに引き寄せられる。陰イオン11aは、陽極である第2電極14bに引き寄せられる。このとき、第3電極14cに電圧は印加されていない。
次に、図9の右図に示すように、第1電極14a及び第2電極14bに加えて、第3電極14cにも直流電圧が印加されるようにスイッチ22a及び22bが制御される。詳細には、第1電極14a及び第3電極14cが陽極となり、第2電極14bが陰極となるようにスイッチ22a及び22bが制御される(第3状態)。すると、陽イオン11bは、陰極である第2電極14bに引き寄せられる。陰イオン11aは、陽極である第1電極14a及び第3電極14cに引き寄せられる。しかし、第1電極14a及び第3電極14cがともに陽極であるため、捕捉空間24に存在する陽イオン11bは第1電極14a及び第3電極14cと反発し、捕捉部26にとどまる。一方、陰イオン11aは、第1電極14a及び第3電極14cに引き寄せられ、捕捉空間24に容易に流入する。その結果、捕捉部26(捕捉空間24)では、陰イオン11aの濃度及び陽イオン11bの濃度の両方が局所的に高まる。その結果、潜熱蓄熱材11の結晶化確率が向上し、過冷却の解除を促進することができる。
図9に示すように、スイッチ22a及び22bは、第1〜第3状態から選ばれる1つの状態に制御される。第1状態は、直流電源13が第1電極14a、第2電極14b及び第3電極14cの全てから切り離された状態である。第2状態は、第1電極14aが陰極となり、第2電極14bが陽極となるように第1電極14a及び第2電極14bが直流電源に接続され、かつ、第3電極14cが直流電源13から切り離された状態である。第3状態は、第1電極14a及び第2電極14bが第2状態での極性とは反対の極性を持つように第1電極14a及び第2電極14bが直流電源13に接続され、かつ、第3電極14cが第1電極14aと同じ極性を持つように第3電極14cが直流電源13に接続された状態である。これにより、捕捉部26において、陰イオン11aの濃度及び陽イオン11bの濃度の両方を局所的に高めることができる。
なお、第2状態(図9の中央図)において、第1電極14aが陽極となり、第2電極14bが陰極となるように第1電極14a及び第2電極14bが直流電源に接続されてもよい。また、陰イオン11a又は陽イオン11bを一時的にとどまらせることができる空間を形成できる限り、電極14a〜14cの配置は、図8に示す配置に限定されない。
(変形例5)
図10に示すように、変形例5に係る蓄熱装置61は、速度調整部17をさらに備えている。速度調整部17を除き、本変形例の蓄熱装置61の構成は、図9を参照して説明した蓄熱装置60の構成と同じである。
速度調整部17は、変形例3で説明したゲル部材17であり、捕捉部26(詳細には、捕捉空間24)からの帯電粒子の脱出経路上に設けられている。詳細には、ゲル部材17は、第1電極14a及び第3電極14cによって囲まれた捕捉空間24に配置されている。図9を参照して説明したように、スイッチ22a及び22が第1状態、第2状態及び第3状態の順番で制御されると、捕捉部26において、陰イオン11aの濃度及び陽イオン11bの濃度の両方が局所的に高められる。スイッチ22a及び22bが第2状態(図9の中央図)から第3状態(図9の右図)に切り換えられたとき、陽イオン11bは、第2電極14bに引き寄せられる。このとき、ゲル部材17によって陽イオン11bの移動速度が下げられるので、陽イオン11bは、より長い時間にわたって捕捉部26にとどまる。その結果、捕捉部26における陰イオン11a及び陽イオン11bの滞在時間をさらに延ばすことができ、捕捉部26においてイオン11a及び11bが効率的に濃縮される。
(変形例6)
図11に示すように、変形例6に係る蓄熱装置62は、速度調整部19をさらに備えている。速度調整部19を除き、本変形例の蓄熱装置62の構成は、図9を参照して説明した蓄熱装置60の構成と同じである。
速度調整部19は、変形例4で説明した毛細管19である。毛細管19もその内部を通過しようとする帯電粒子の移動速度を遅くする能力を持っている。従って、本変形例においても、ゲル部材17を使用した変形例5と同じ効果が得られる。
(変形例7)
図12に示すように、変形例7に係る蓄熱装置63は、電界発生器162を備えている。電界発生器162を除き、本変形例の蓄熱装置63の構成は、図9を参照して説明した蓄熱装置60の構成と同じである。
電界発生器162は、直流電源13、第1電極14a、第2電極14b、スイッチ22a及びスイッチ22bを含む。スイッチ22a及び22bは、第1電極14aの極性と第2電極14bの極性とを相互に切り換える役割を担う。第1電極14aは、スイッチ22a及び22bを操作したときに電気的な反発力によって帯電粒子を閉じ込め可能な捕捉空間24を形成している。詳細には、第1電極14aは、L字状の断面を有している。捕捉空間24は、第1電極14a及び蓄熱容器10によって囲まれた空間である。捕捉部26は、捕捉空間24及び第1電極14aによって形成されている。第1電極14aの先端と蓄熱容器10の内面との間には、狭い隙間21が形成されている。潜熱蓄熱材11は、この隙間21のみを通じて、捕捉空間24と捕捉空間24以外の空間との間を移動できる。
第1電極14aが陰極となり、第2電極14bが陽極となるように、スイッチ22a及び22bが制御される(図9の中央図に示す状態)。陽イオン11bは、陰極である第1電極14aに引き寄せられる。陰イオン11aは、陽極である第2電極14bに引き寄せられる。次に、第1電極14aが陽極となり、第2電極14bが陰極となるようにスイッチ22a及び22bが制御される(図9の右図に示す状態)。すると、陰イオン11aは、陽極である第1電極14aに引き寄せられる。しかし、第1電極14aが陽極であるため、捕捉空間24に存在する陽イオン11bは第1電極14aに反発し、捕捉部26にとどまる。一方、陰イオン11aは、第1電極14aに引き寄せられ、捕捉部26を構成する捕捉空間24に容易に流入する。その結果、捕捉部26(捕捉空間24)では、陰イオン11aの濃度及び陽イオン11bの濃度の両方が局所的に高まる。その結果、潜熱蓄熱材11の結晶化確率が向上し、過冷却の解除を促進することができる。
以上の通り、本明細書で説明した技術によれば、過冷却状態にある潜熱蓄熱材の発核に種結晶を使用する必要が無いので、長期にわたって過冷却状態を安定的に維持できる。また、直流電源及びスイッチを制御するだけで過冷却状態にある潜熱蓄熱材を任意のタイミングで発核させ、液相から固相への相変化に伴って発生する潜熱を潜熱蓄熱材から取り出すことができる。そのため、熱の有効利用が可能になる。
以下、蓄熱装置のいくつかの応用例を説明する。
(応用例1)
図13に示すように、応用例1に係る洗濯機200(洗濯乾燥機又は衣類乾燥機)は、蓄熱装置50を備えている。例えば、入浴後の湯の残存熱を用いて蓄熱装置50の潜熱蓄熱材を融解させて蓄熱する。蓄熱直後でも一定時間経過後でも蓄熱装置50から熱を取り出せるため、洗浄能力向上のための温水洗濯時の温水生成の熱源として蓄熱装置50を使用したり、乾燥運転時の温風生成の熱源として蓄熱装置50を使用できる。排熱を利用して蓄熱装置50に熱が蓄えられるので、洗濯機200のエネルギー消費を抑制できる。なお、排熱は入浴後の湯の残存熱に限定されない。台所排水などの他の熱媒体の排熱を利用しても同じ効果が得られる。
温水で対象物を洗浄するように構成された洗浄機は、洗濯機200に限定されない。食器洗浄機、食品洗浄機などの洗浄機全般に蓄熱装置50を使用できる。
(応用例2)
図14に示すように、応用例2に係る暖房機器300は、室外機301及び室内機302を備えている。室外機301は、蓄熱装置50を有する。例えば、室外機301の圧縮機の排熱を用いて蓄熱装置50の潜熱蓄熱材を融解させて蓄熱する。蓄熱直後でも一定時間経過後でも蓄熱装置50から熱を取り出せるため、室外機301の熱交換器に霜が堆積することによる能力低下を防ぐための霜取り運転時に蓄熱装置50を使用したり、暖房運転時の温風生成の熱源として蓄熱装置50を使用できる。排熱を利用して蓄熱装置50に熱が蓄えられるので、暖房機器300のエネルギー消費を抑制できる。
(応用例3)
図15に示すように、応用例3に係る食器洗い乾燥機400(又は食器乾燥器)は、蓄熱装置50を備えている。食器洗浄運転又は乾燥運転後の排水又は庫内の残存熱を用いて蓄熱装置50の潜熱蓄熱材を融解させて蓄熱する。蓄熱直後でも一定時間経過後でも蓄熱装置50から熱を取り出せるため、次回の食器洗浄用の温水生成の熱源として蓄熱装置50を使用したり、食器乾燥時の温風生成の熱源として蓄熱装置50を使用できる。排熱を利用して蓄熱装置50に熱が蓄えられるので、食器洗い乾燥機400のエネルギー消費を抑制できる。なお、排熱は運転後の残存熱に限定されない。台所排水、入浴後の湯などの他の熱媒体の排熱を利用しても同じ効果が得られる。
温風で対象物を乾燥させるように構成された乾燥機は、食器洗い乾燥機400に限定されない。衣類乾燥機、浴室乾燥機などの乾燥機全般に蓄熱装置50を使用できる。
(応用例4)
図16に示すように、応用例4に係る冷蔵庫500は、蓄熱装置50を備えている。例えば、冷凍機の排熱を用いて蓄熱装置50の潜熱蓄熱材を融解させて蓄熱する。蓄熱直後でも一定時間経過後でも蓄熱装置50から熱を取り出せるため、冷凍機の冷却器に霜が堆積することによる能力低下を防ぐための霜取り運転時に蓄熱装置50を使用できる。排熱を利用して蓄熱装置50に熱が蓄えられるので、冷蔵庫500のエネルギー消費を抑制できる。
(応用例5)
図17に示すように、応用例5に係る車両600は、蓄熱装置50を備えている。例えば、エンジン排熱を用いて蓄熱装置50の潜熱蓄熱材を融解させて蓄熱する。蓄熱直後でも一定時間経過後でも蓄熱装置50から熱を取り出せるため、車内暖房運転時の温風生成の熱源として蓄熱装置50を使用できる。排熱を利用して蓄熱装置50に熱が蓄えられるので、車両600のエネルギー消費を抑制できる。なお、排熱はエンジン排熱に限定されない。例えば、車体外面に日中に照射される太陽光の熱を使用しても同じ効果が得られる。
本明細書に開示された蓄熱装置によれば、過冷却状態にある潜熱蓄熱材から任意のタイミングで熱を取り出せる。本明細書に開示された蓄熱装置を備えた洗濯機、洗濯乾燥機、暖房機器、食器洗い乾燥機、食器乾燥器、冷蔵庫、及び車両用暖房機器は、それらの本来の機能を損なうことなく、エネルギー消費を抑えることができる。また、本明細書に開示された蓄熱装置は、熱の有効利用を図るべき様々な機器に幅広く応用されうる。
10 蓄熱容器
11 潜熱蓄熱材
12,26 捕捉部
11a 陰イオン
11b 陽イオン
12a 陰イオン交換膜
12b 陽イオン交換膜
12s,24 捕捉空間
13 直流電源
14a,14b,14c 電極
15 熱交換器
16,161,162 電界発生器
17 ゲル部材
18 隔壁
19 毛細管
50〜54,60〜63 蓄熱装置
200 洗濯機又は洗濯乾燥機
300 暖房機器
400 食器洗い乾燥機又は食器乾燥器
500 冷蔵庫
600 車両

Claims (23)

  1. 蓄熱容器と、
    蓄熱容器に収容された潜熱蓄熱材であって、溶質及び溶媒を含み、液相状態のときに前記溶質が帯電粒子を含む潜熱蓄熱材と、
    一対の電極を含み、前記潜熱蓄熱材が前記液相状態にあるとき、前記一対の電極に電圧を加えることによって前記帯電粒子を電気泳動させる電界発生器と、
    前記蓄熱容器の内部に設けられ、電気泳動する前記帯電粒子を捕捉して前記帯電粒子の濃度を局所的に高める捕捉部と、
    を備えた、蓄熱装置。
  2. 前記帯電粒子は、陰イオン及び陽イオンを含み、
    前記捕捉部は、陰イオン交換膜及び陽イオン交換膜で構成され、
    前記陰イオン交換膜及び前記陽イオン交換膜によって、前記陰イオン及び前記陽イオンの両方が捕捉される、請求項1に記載の蓄熱装置。
  3. 前記陰イオン交換膜及び前記陽イオン交換膜は、前記一対の電極から離れており、かつ前記一対の電極の間に配置されている、請求項2に記載の蓄熱装置。
  4. 前記一対の電極は、陰極及び陽極を含み、
    前記陰極から相対的に近い位置に前記陰イオン交換膜が配置され、前記陽極から相対的に近い位置に前記陽イオン交換膜が配置されている、請求項3に記載の蓄熱装置。
  5. 前記陰イオン交換膜の主面が前記陽イオン交換膜の主面に平行であり、
    前記電界の方向が前記陰イオン交換膜の前記主面及び前記陽イオン交換膜の前記主面に垂直である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の蓄熱装置。
  6. 前記一対の電極は、前記潜熱蓄熱材に対する耐食性を有する金属材料で作られており、前記潜熱蓄熱材に接触するように前記蓄熱容器の内部に配置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄熱装置。
  7. 前記一対の電極は、前記蓄熱槽の外部に配置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄熱装置。
  8. 前記捕捉部を構成する空間の体積は、液相時又は固相時の前記潜熱蓄熱材の体積の10%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の蓄熱装置。
  9. 前記蓄熱容器の内部の2箇所以上に前記捕捉部が設けられている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の蓄熱装置。
  10. 前記電界発生器は、前記一対の電極から選ばれる一方の前記電極の極性と他方の前記電極とを相互に切り換えるためのスイッチを含み、
    前記一対の電極から選ばれる一方の前記電極は、前記スイッチを操作したときに電気的な反発力によって前記帯電粒子を閉じ込め可能な空間を形成しており、
    前記捕捉部は、前記空間と、その空間を形成している前記電極とによって形成されている、請求項1に記載の蓄熱装置。
  11. 前記帯電粒子は、陰イオン及び陽イオンを含み、
    前記一対の電極から選ばれる一方の電極を第1電極、他方の電極を第2電極と定義したとき、
    前記電界発生器は、第3電極と、前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極に直流電圧を印加するための直流電源と、前記第1電極の極性と前記第2電極の極性とを相互に切り換えるためのスイッチと、をさらに有し、
    前記第3電極は、前記蓄熱容器の内部において、前記第1電極及び前記第2電極から離れた位置に配置されており、
    前記第1電極及び前記第3電極は、前記スイッチを操作したときに電気的な反発力によって前記帯電粒子を閉じ込め可能な空間を形成しており、
    前記捕捉部は、前記空間、前記第1電極及び前記第3電極によって形成されている、請求項1に記載の蓄熱装置。
  12. 前記スイッチは、第1〜第3状態から選ばれる1つの状態に制御され、
    前記第1状態は、前記直流電源が前記第1〜第3電極の全てから切り離された状態であり、
    前記第2状態は、前記第1電極及び前記第2電極から選ばれる一方が陽極となり、他方が陰極となるように前記第1電極及び前記第2電極が前記直流電源に接続され、かつ、前記第3電極が前記直流電源から切り離された状態であり、
    前記第3状態は、前記第1電極及び前記第2電極が前記第2状態での極性とは反対の極性を持つように前記第1電極及び前記第2電極が前記直流電源に接続され、かつ、前記第3電極が前記第1電極と同じ極性を持つように前記第3電極が前記直流電源に接続された状態である、請求項11に記載の蓄熱装置。
  13. 電気泳動する前記帯電粒子の移動速度を遅くする速度調整部をさらに備え、
    前記速度調整部を経由して前記帯電粒子が前記捕捉部から脱出するときに必要な時間t1は、前記速度調整部を経由せずに前記捕捉部に前記帯電粒子が侵入するときに必要な時間t2よりも長い、請求項1〜12のいずれか1項に記載の蓄熱装置。
  14. 前記速度調整部は、ゲル材料で作られたゲル部材を含む、請求項13に記載の蓄熱装置。
  15. 前記速度調整部は、毛細管を含む、請求項13に記載の蓄熱装置。
  16. 前記潜熱蓄熱材は、酢酸ナトリウム三水和物を主成分として含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の蓄熱装置。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の蓄熱装置を備え、前記蓄熱装置から取り出した熱によって温水を生成し、温水で対象物を洗浄するように構成された、洗浄機。
  18. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の蓄熱装置を備え、前記蓄熱装置から取り出した熱によって温風を生成し、温風で対象物を乾燥させるように構成された、乾燥機。
  19. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の蓄熱装置を備え、前記蓄熱装置から取り出した熱によって温風を生成し、暖房運転を行うように構成された、暖房機器。
  20. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の蓄熱装置と、
    熱交換器を有する室外機と、
    を備え、
    前記蓄熱装置から取り出した熱によって前記室外機の前記熱交換器の霜取り運転を行うように構成された、暖房機器。
  21. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の蓄熱装置と、
    冷却器と、
    を備え、
    前記蓄熱装置から取り出した熱によって前記冷却器の霜取り運転を行うように構成された、冷蔵庫。
  22. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の蓄熱装置を備え、エンジンの排熱を前記蓄熱装置に蓄え、前記蓄熱装置から取り出した熱によって温風を生成して暖房運転を行うように構成された、車両用暖房機器。
  23. 過冷却状態にある潜熱蓄熱材に溶質として含まれた帯電粒子が電気泳動するように、前記潜熱蓄熱材に電界を印加する工程と、
    電気泳動する前記帯電粒子を捕捉して局所的に前記帯電粒子の濃度を高める工程と、
    を含む、過冷却解除方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112996681A (zh) * 2018-11-02 2021-06-18 金诺儿 车辆用供暖系统及包括其的车辆

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