JP2015229027A - 刺激特定方法、刺激特定装置及びプログラム - Google Patents

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Nobuki Murayama
伸樹 村山
佑典 栗原
Yusuke Kurihara
佑典 栗原
将平 山村
Shohei Yamamura
将平 山村
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Abstract

【課題】 刺激周波数が高頻度であったり小さい刻み幅であったりしても、刺激周波数の一つに同期して生成された応答信号において同期する刺激周波数を高精度に検出することが可能な刺激特定装置等を提案する。
【解決手段】 測定部15は、試行回数を1回とすることにより従来よりも長い計測時間で応答信号を計測する。演算部17は、応答信号に対して高速フーリエ変換を行う。特定部19は、例えば隣接する周波数とのパワー比を利用して応答信号におけるピーク値となる周波数を特定し、応答信号において同期する刺激周波数を特定する。これにより、例えばSSVEPであれば、刺激周波数が13Hzより高頻度であったり、刺激周波数の刻み幅が0.05Hz以下のものであったりしても、高精度にSSVEPを検出することが可能になる。
【選択図】図1

Description

本願発明は、刺激特定方法、刺激特定装置及びプログラムに関し、特に、刺激周波数が異なる複数の周期的刺激のいずれかに同期して生成された応答信号から、同期した周期的刺激を特定する刺激特定方法等に関する。
ヒトは、発話や身振りなどを用いて互いにコミュニケーションを取っている。だが、筋萎縮性側索硬化症や筋ジストロフィーのような運動失調症患者は、病気が進行すると発話や身振りを行うことができなくなり、他人に意思を伝えることが困難になる。
運動失調症患者は、感覚神経・自律神経・脳機能は正常であることから、生体信号(特に脳波)を用いた意思伝達システムの開発が行われている。脳波を利用したコミュニケーション手段を、Brain-Computer Interface(BCI)という。BCIの手法の一つとして、定常状態視覚誘発電位(steady state visual evoked potentials,SSVEP)を用いたものがある。SSVEPとは、一定の周期で点滅している刺激を被験者が注視しているときに脳波に現れる、点滅周期と同期した誘発電位である。被験者に複数の点滅刺激を与え、どれか1つを注視させたときの脳波を記録し、高速フーリエ変換(FFT)を行うと、刺激周波数と同じところに高いピークが生じる。このピークを検出することによって被験者が注視した点滅刺激を推定し、点滅刺激に対応する項目(被験者の意思)を推定することができる。
従来、SSVEP計測法は、脳波のピークに着目するものであった。脳波は、さまざまに変化する。そのため、従来、複数回刺激に同期させて脳波を測定し、これらを加算した信号を用いることにより、ランダム雑音の影響を小さくしていた(非特許文献1及び2参照)。例えば、刺激時間を4秒間とし、2.5秒間のインターバルをおいて10回の試行回数で行い、各刺激時間で被験者から脳波を計測し、それらを加算した信号を用いていた。その結果、計測時間は62.5秒となる。さらに、FFTの分解能は4秒に対応する程度となり、実質的に1Hz程度の刻みの刺激周波数の点滅刺激を利用していた。
板井、外1名著,"BCIシステムの構築を目指した単一思考脳波の解析技術",日本神経回路学会誌,Vol.19,No.3,2012,pp.118-125. 株式会社ミユキ技研,"Vol.8 研究鵜のための脳波の基礎知識",[on-line],インターネット<URL:http://www.miyuki-net.co.jp/jp/seminar/solveBrainfunc/solveBrainfunc.shtml>
脳波には、外部からの刺激による変化は非常に小さい。そのため、α波の影響などピーク値の検出が困難な場合がある。複数回の刺激に同期させて脳波を測定して加算することにより、雑音の影響を小さくするだけでなく、そのピーク値を増加させることも期待できる。
しかしながら、特に13Hz以上の高頻度の点滅刺激に対しては、十分な検出精度を得ることが困難であった(図6参照)。そのため、13Hz以上の高頻度の点滅刺激については、実質的に自動検出が困難であった。なお、非特許文献1には、15Hzのフリッカ刺激が有効と記載されているが、視覚刺激には3Hzの倍数は癲癇を発生させる可能性があるために使用されないこととなっている。
また、従来の手法では複数回測定する必要があり、長時間の測定ができず、FFTの分解能は極めて低く、整数のHzしか利用できなかった。このような状況では、例えば、アルファベット全体や、日本語における50音のようなものをコミュニケーションにおいて使用することは困難である。
これは、脳波に限らず、刺激周波数の一つに同期して生成される応答信号から、雑音等による影響を除去して同期した刺激周波数を高精度に判定する場合に広く存在する問題である。
そこで、本願発明は、刺激周波数が高頻度であったり小さい刻み幅であったりしても、刺激周波数の一つに同期して生成された応答信号において同期する刺激周波数を高精度に検出することが可能な刺激特定装置等を提案することを目的とする。
本願発明の第1の観点は、刺激周波数が異なる複数の周期的刺激のいずれかに同期して生成された応答信号から、同期した前記周期的刺激を特定する刺激特定方法であって、測定手段が、少なくとも高速フーリエ変換により複数の前記刺激周波数の刻み幅を分解可能である時間において連続して前記応答信号を測定する測定ステップと、演算手段が、前記測定手段が測定した前記応答信号に対して高速フーリエ変換を行う演算ステップと、特定手段が、前記高速フーリエ変換により得られた波形から前記同期した周期的刺激を特定する特定ステップを含むものである
本願発明の第2の観点は、第1の観点の刺激特定方法であって、前記特定ステップにおいて、前記特定手段は、前記複数の刺激周波数を含む複数の周波数について、各周波数のパワーと隣接する周波数の少なくとも一方のパワーとのパワー比を求め、隣接する周波数とのパワー比が最も大きい周波数に最も近い刺激周波数を特定することにより前記同期した周期的刺激を特定するものである。
本願発明の第3の観点は、第1又は第2に記載の刺激特定方法であって、前記特定ステップにおいて、前記特定手段は、前記複数の刺激周波数を含む複数の周波数について、各周波数のパワーを、前記高速フーリエ変換により得られた波形における当該周波数のパワーと前記高速フーリエ変換により得られた波形における当該周波数の高調波のパワーを加算したものとし、最もパワーが強い周波数に最も近い刺激周波数を特定することにより、又は、隣接する周波数の少なくとも一方のパワーとのパワー比が最も大きい周波数に最も近い刺激周波数を特定することにより、前記同期した周期的刺激を特定するものである。
本願発明の第4の観点は、第1から第3のいずれかの観点の刺激特定方法であって、前記応答信号は、被験者が前記点滅刺激のいずれかを選択して測定された生体信号であるものである。
本願発明の第5の観点は、第4の観点の刺激特定方法であって、前記周期的刺激は、刺激周波数が13Hzより高頻度であり20Hzより低頻度のものを含み、及び/又は、複数の前記刺激周波数の刻み幅が0.05Hz以下のものを含む点滅刺激であり、前記応答信号は、被験者が前記点滅刺激のいずれかを注視して測定された脳波である。
本願発明の第6の観点は、刺激周波数が異なる複数の周期的刺激のいずれかに同期して生成された応答信号から、同期した前記周期的刺激を特定する刺激特定装置であって、前記応答信号を、少なくとも、高速フーリエ変換により複数の前記刺激周波数の刻み幅を分解可能である時間において連続して測定する測定手段と、前記応答信号に対して、前記複数の刺激周波数の刻み幅を分解可能である高速フーリエ変換を1回のみ行う演算手段と、前記高速フーリエ変換により得られた波形から前記同期した周期的刺激を特定する特定手段を備えるものである。
本願発明の第7の観点は、コンピュータにおいて、第1から第6のいずれかの観点の刺激特定方法を実現するためのプログラムである。
なお、本願発明を、第7の観点のプログラムを定常的に記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体として捉えてもよい。
また、本願発明の第2の観点において、各周波数のパワーを、各周波数の値を含む周波数の範囲における高速フーリエ変換により得られたパワースペクトル密度の値から決定するようにしてもよい。
本願発明によれば、同期信号に対して、試行回数を1回にし、従来よりも長い時間に計測して得られた脳波等を対してFFTを行って刺激周波数を特定することにより、高頻度であったり、極めて小さい刻み幅であったりしても、高精度に刺激周波数を特定することが可能になる。従来、雑音除去等のために複数回の試行により得られた応答信号を加算していたため、このような長時間の計測を利用することにより検出精度を向上させることができることは、当業者が予想していなかったものである。本願発明により、例えば、SSVEPにおいて、13Hz以上の高頻度であったり、0.05Hzのような刻み幅が極めて小さい場合であったりするような場合などでも、高精度に刺激周波数を特定することが可能になる。
さらに、本願発明の第2の観点によれば、隣接する周波数とのパワー比を用いることにより、雑音の影響等を排除し、1回の試行であっても、高精度に刺激周波数を特定することが可能になる。
さらに、本願発明の第3の観点によれば、高調波のパワー値を加算することにより、ピーク値をより明確にすることが可能になり、高精度に刺激周波数を特定することが可能になる。
さらに、本願発明の第5の観点によれば、SSVEPにおいては、従来、13Hz以上の高頻度では、実質的に自動検出は困難であった(表2参照)。例えば、非特許文献1では13~20Hzを含む刺激周波数でSSVEPを検出しているが、その成功率は最大で84%である。本願発明によれば、後に具体的に説明するように、成功率は100%であり、高精度に自動検出が可能となる(表1参照)。さらに、1回の試行回数における長時間の計測に基づくため、例えば0.05Hzのような極小の刻み幅であってもSSVEPを検出することが可能になる。そのため、本願発明は、従来のものより顕著な有効性が認められるものである。
本願発明の実施の形態の一例であるSSVEP検出システムの構成の一例を示す概略ブロック図である。 図1のSSVEP検出システム1の動作の一例を示す図である。 図1の表示装置3の一例を示す図である。 図1の測定部15が、被験者7が点滅刺激の一つを注視して得た脳波に対して、図1の演算部17がFFTを行って得られたパワースペクトル密度を示すグラフである。 図4のFFTを行って得られたグラフについて、(a)各周波数のパワーの一例と、(b)各周波数のパワー比の一例を示す図である。 従来の手法により得られたパワースペクトル密度を示すグラフである。 本願発明の他の実験における被験者のパワースペクトル密度を示すグラフである。 本願発明のさらに他の実験における(a)表示装置3の一例と、(b)システムの概略を示す図である。 図8の実験における被験者のパワースペクトル密度を示すグラフである。 本願発明のさらに他の実験における表示装置3の一例である。 図10の点滅刺激の各周波数に応じて得られたパワースペクトル密度を示すグラフである。 図11の各グラフでの6.9Hz〜7.25Hzの部分を拡大したグラフである。 図12のグラフで、7.00、7.05、7.1、7.15、7.20Hzの前後でのパワーの最大値をパワーとしたときのパワーを示すグラフである。
以下では、図面を参照して、本願発明の実施例について説明する。なお、本願発明は、この実施例に限定されるものではない。
図1は、本願発明の実施の形態の一例であるSSVEP検出システムの構成の一例を示す概略ブロック図である。図2は、図1のSSVEP検出システム1の動作の一例を示すフロー図である。図3は、図1の表示装置3の一例を示す図である。図4は、図1の測定部15が、被験者7が各点滅刺激を注視して得た脳波に対して、図1の演算部17がFFTを行って得られたパワースペクトル密度を示すグラフである。図5は、(a)各周波数のパワーの一例と、(b)各周波数のパワー比の一例を示す。図6は、従来の手法により得られたパワースペクトル密度を示すグラフである。図1〜6を参照して、SSVEP検出システム1の構成及び動作の一例を説明する。
SSVEP検出システム1は、表示装置3と、刺激特定装置5を備える。表示装置3は、刺激表示部11と、刺激制御部13を備える。刺激特定装置5は、測定部15(本願請求項の「測定手段」の一例)と、演算部17(本願請求項の「演算手段」の一例)と、特定部19(本願請求項の「特定手段」の一例)を備える。
刺激表示部11は、刺激制御部13の制御の下で、周期的に点滅する複数の点滅刺激を表示する(図2のステップST1)。複数の点滅刺激は、点滅の周波数(本願請求項の「刺激周波数」の一例である。以下では、「刺激周波数」ともいう。)が異なる。複数の点滅周波数を順に並べたときの差分を、刻み幅という。図3は、刺激表示部11の一例を示す。5つのLEDがあり、上段に3つ、下段に2つ配置されている。上段のLEDは、左から14Hz、16Hz及び17Hz、下段のLEDは、左から19Hz及び20Hzの点滅刺激が表示される。点灯時間は30msecで同一として点灯と消灯を繰り返すようにした。
複数の点滅刺激は、それぞれ、例えばアルファベット等の項目に対応する。被験者7がいずれかの点滅刺激に注目し、刺激特定装置5が、被験者7が注視した点滅刺激を特定することにより、被験者7が伝えようとする項目を特定し、コミュニケーションを実現することが可能になる。
被験者7は、複数の点滅刺激のうちのいずれかを注視する(図2のステップST2)。被験者7は、暗室のシールドルーム内において開眼安静状態で椅子に座り、眼前70cmに置かれた表示装置3により点滅刺激を受ける。被験者7は、点滅刺激を40sec与えられる。測定部15は、被験者7の脳波(本願請求項の「応答信号」の一例)を測定する(図2のステップST3)。測定時間は、少なくとも、高速フーリエ変換により複数の刺激周波数の刻み幅を分解可能である時間である。なお、40secであれば、後述のように0.05Hzの刻み幅でも検出可能であるが、本実験では、従来の手法と比較するために1Hzの刻み幅とする。
演算部17は、測定部15が測定した脳波に対してFFTを行う(図2のステップST4)。図4は、各点滅刺激を注視した場合の脳波から得られたパワースペクトル密度を示すグラフである。横軸は周波数[Hz]を示し、縦軸はパワースペクトル密度[|μV|2/Hz]を示す。(a)は14Hz、(b)は16Hz、(c)は17Hz、(d)は19Hz、(e)は20Hzである。(a)では、14Hz付近と、第2高調波である28Hz付近でピークが表れている。(b)でも、16Hz付近と、第2高調波である32Hz付近でピークが表れている。ただし、(b)では、α波などの影響により、同期した部分のピーク値が他の部分のピーク値と同様の値となり、16Hzのピークを自動検出することは困難である。(c)、(d)及び(e)では、それぞれ、17Hz,19Hz及び20Hzでピークが表れているが、他のピーク値の方が大きく、自動検出することは困難である。このように、高頻度になると、単純なピーク値での自動検出は困難である。
演算部17は、得られた脳波に対し、点滅刺激の周波数ごとにピリオドグラムを用いて周波数解析を行い、各周波数のパワーを演算する(ステップST5)。4〜80Hzの整数の周波数において、その前後0.5Hzの範囲で最大のパワースペクトル密度を、各周波数のパワーとする。図5(a)は、得られた各周波数のパワーの一例を示す。
演算部17は、各周波数のパワーを用いて前後の周波数とのパワー比を求め、小さい値をその周波数のパワー比とする(図2のステップST6)。図5(b)は、各周波数のパワー比を示すグラフである。横軸は周波数[Hz]であり、縦軸はパワー比である。なお、演算部17は、隣接する周波数のパワー比について、隣接する周波数の一方とのパワー比を用いてもよい。
特定部19は、パワー比が最も大きい周波数を特定する(図2のステップST7)。そして、最も大きい周波数が刺激周波数の一つ又はその高調波である場合に、その刺激周波数に対応する点滅刺激が、被験者7が注視したものとして判定する(図2のステップST8)。図5(b)では、20Hzでピークとなっている。そのため、20Hzが、被験者7が注視した点滅刺激とする。このように、刺激特定装置5は、被験者7から得られた脳波を用いてSSVEPを自動検出して、被験者7が注視した点滅刺激を特定することができる。
表1は、本実施例による健常な6人の成人男性に対する検出結果を示す。点滅刺激の周波数やその高調波の周波数でピークが観測された場合に、○とする。本実施例によれば、20Hzまでの高頻度刺激に対するSSVEPにおいて、自動検出を実現することができている。
従来手法として、点滅刺激の刺激時間は10secとし、試行回数は10回行う。点滅刺激の周波数は、図4と同様に14Hz、16Hz、17Hz、19Hz及び20Hzであり、これらはいずれも点灯時間を30msecで同一として点灯と消灯を繰り返すようにした。検出範囲は、5Hzから20Hzまでとした。また、ある周波数と第2高調波と第3高調波の3つのパワーを加算し、最も高い値が得られる周波数を調べた。図6は、各点滅刺激を注視した場合の脳波から得られたグラフである。横軸は周波数[Hz]を示し、縦軸はパワースペクトル密度[|μV|2]を示す。(a)は14Hz、(b)は16Hz、(c)は17Hz、(d)は19Hz、(e)は20Hzである。表2は、従来手法による健常な6人の成人男性に対する検出結果を示す。点滅刺激の周波数やその高調波の周波数でピークが観測されなかった場合に、×とする。従来手法によれば、14Hz以上の高頻度刺激に対しての自動検出はほとんど失敗している。
このように、従来手法によれば、14Hz以上の高頻度刺激に対しての自動検出は困難であったが、本実施例によれば、20Hzまでの高頻度刺激に対するSSVEPでも、高精度で自動検出を行うことができる。そのため、従来は検出困難であった高頻度の刺激に対するSSVEPを自動検出することができるようになり、選択項目数をさらに増やすことができ、コミュニケーションの幅を広げることが可能になる。
続いて、別の実験について説明する。この実験では、被験者は健康な男性大学生(21〜24歳)を対象とした。なお、被験者には実験前に実験の趣旨と内容を説明し、同意を得た。
脳波は、拡張国際10-20電極法に基づくOzを探査電極、両耳朶平均を基準電極として、0.53〜300Hzの帯域フィルタを介し、サンプリング周期1kHzでPCに記録した。
被験者は、暗室のシールドルーム内において開眼安静状態で椅子に座り、眼前70cmに置かれた刺激装置により点滅刺激を受けた。被験者にはLEDを注視するよう指示し、14、16、17、19、20、22、23、25Hzの8つの点滅刺激をそれぞれ40sec与えた。これらの点滅刺激音点灯時間は周波数に関わらずすべて30msecとした。
得られた脳波に対し、点滅刺激の周波数ごとにピリオドグラムを用いて周波数解析を行った。4〜80Hzの整数の周波数において、その前後0.5Hzの範囲で最大のパワースペクトル密度を各周波数のパワーとした。これを用いて、すべての周波数において前後の周波数とのパワーの比を求め、小さい値をその周波数のパワー比とした。最大のパワー比を持つ周波数が刺激周波数もしくはその高調波であれば検出成功とし、それ以外の周波数であれば検出失敗とする。
図7は、この別の実験における被験者の各点滅刺激に対するSSVEPのパワースペクトル密度を示す図である。点滅刺激の周波数及びその高調波の周波数でそれぞれピークが観測された。
表3は、各被験者の検出結果を示す。図7のピークは、パワー比を用いることによって、20Hzまでは自動検出することができたが、22Hz以上になると失敗する場合があった。これより、少なくとも20Hzまでの点滅刺激を意思伝達に用いることができる可能性が認められる。
続いて、さらに他の実験について説明する。これまでは、13Hzよりも高頻度の周波数を利用することにより、意思伝達項目数を増加させることについて説明した。この実験では、0.05Hz刻みを例にして、より細かい刻み幅を利用して意思伝達項目数を増加させる場合について説明する。
従来、4secの計測を10回行うとしても、これらを加算していたため、実質的に4秒のデータとしてしか利用することができなかった。そのため、その高速フーリエ変換は、分解能が低く、整数のHzを利用するようなことしかできなかった。各計測時間が40秒であれば、理論上、0.05Hzの刻み幅でも分解可能である。しかしながら、試行回数が10回であれば、全体として400秒の計測が必要となる。6分以上もの間被験者が注視することは困難である。そのため、このような極めて小さい刻み幅でも、SSVEPを検出することができるかは不明であった。
本願発明は、試行回数は1回である。計測時間が40secのような長時間でも、被験者の負担は小さい。そのため、例えば0.05Hzのような刻み幅でも実験が可能である。
この実験では、被験者は健康な男性大学生(21〜24歳)を対象とした。なお、被験者には実験前に実験の趣旨と内容を説明し、同意を得た。
脳波は、拡張国際10-20電極法に基づくOzを探査電極、両耳朶平均を基準電極として、0.53〜300Hzの帯域フィルタを介し、サンプリング周期1kHzでPCに記録した。
被験者は、暗室のシールドルーム内において開眼安静状態で椅子に座り、眼前70cmに置かれた刺激装置により点滅刺激を受けた。被験者には、同時に光る4つのLEDの中から1つを注視するよう指示した。4つのLEDの点滅周波数は、5.00Hz、5.05Hz、5.10Hz及び5.15Hzである。図8(a)にあるように、5.00HzのLEDの右18cmの位置に5.05HzのLEDがある。5.00HzのLEDの下13cmの位置に5.10HzのLEDがある。5.05HzのLEDの下13cm(5.10HzのLEDの右18cm)の位置に5.15HzのLEDがある。それぞれの点滅刺激は、40secとした。図8(b)にあるように、被験者は、4つのLEDの中から1つを注視し、脳波計により脳波を測定し、A/Dコンバータによりデジタル信号と変換して、PCにおいてデータ処理が行われる。
得られた脳波に対し、点滅刺激の周波数ごとにピリオドグラムを用いて周波数解析を行った。FFT後の波形で刺激周波数と第2高調波のパワーの和をそれぞれ比較し、その中で最大となるものを注視している刺激周波数として検出した。このとき、注視することを指示した刺激周波数と検出した周波数が同じなら検出成功、異なるなら検出失敗とした。
図9は、この別の実験における被験者の各点滅刺激に対するパワースペクトル密度を示すグラフである。5Hz付近と10Hz付近を示す。ほとんどの解析結果において、点滅刺激の周波数及びその高調波の周波数でそれぞれピークが観測された。
表4は、各被験者の検出結果を示す。すべての被験者において分別できている。そのため、本実施例の手法により、0.05Hz刻みの点滅刺激が同時に点滅した場合でも、SSVEPが発生し、かつ、その自動検出が可能であった。
続いて、さらに他の実験について説明する。この実験では、7.00Hzから7.20Hzまで0.05Hz刻みを例にして、より細かい刻み幅を利用して意思伝達項目数を増加させることができることについて説明する。
図10は、この実験における表示装置3の一例である。以下では、被験者が、7.00Hz、7.05Hz、7.10Hz、7.15Hz、及び、7.20Hzを注視した場合に得られた脳波に基づく分析結果について説明する。なお、他の部分についても同様に分析が可能である。そのため、図10に示されたものでも、20個の識別が可能となる。
図11は、(a)7.00Hz、(b)7.05Hz、(c)7.10Hz、(d)7.15Hz、及び、(e)7.20Hzの点滅刺激の各周波数に応じて得られたパワースペクトル密度を示すグラフである。横軸は周波数[Hz]であり、縦軸はパワースペクトル密度[μV2/Hz]である。
図12は、(a)7.00Hz、(b)7.05Hz、(c)7.10Hz、(d)7.15Hz、及び、(e)7.20Hzの点滅刺激の各周波数に応じて得られたパワースペクトル密度のうち、6.9Hz〜7.25Hzの部分を拡大したグラフである。横軸は周波数[Hz]であり、縦軸はパワースペクトル密度[μV2/Hz]である。(f)は、(a)〜(e)を併せたグラフである。
図13は、(a)7.00Hz、(b)7.05Hz、(c)7.10Hz、(d)7.15Hz、及び、(e)7.20Hzの各周波数に応じて得られたパワースペクトル密度について、各周波数の前後0.025Hzでの最大のパワースペクトル密度をパワーとしたときのパワーを示すグラフである。各周波数に応じてピークが得られている。なお、パワー比を用いることにより、より高精度に検出できる。
1 SSVEP検出システム、3 表示装置、5 刺激特定装置、7 被験者、11 刺激表示部、13 刺激制御部、15 測定部、17 演算部、19 特定部

Claims (7)

  1. 刺激周波数が異なる複数の周期的刺激のいずれかに同期して生成された応答信号から、同期した前記周期的刺激を特定する刺激特定方法であって、
    測定手段が、少なくとも高速フーリエ変換により複数の前記刺激周波数の刻み幅を分解可能である時間において連続して前記応答信号を測定する測定ステップと、
    演算手段が、前記測定手段が測定した前記応答信号に対して高速フーリエ変換を行う演算ステップと、
    特定手段が、前記高速フーリエ変換により得られた波形から前記同期した周期的刺激を特定する特定ステップを含む刺激特定方法。
  2. 前記特定ステップにおいて、前記特定手段は、前記複数の刺激周波数を含む複数の周波数について、各周波数のパワーと隣接する周波数の少なくとも一方のパワーとのパワー比を求め、隣接する周波数とのパワー比が最も大きい周波数に最も近い刺激周波数を特定することにより前記同期した周期的刺激を特定する、請求項1記載の刺激特定方法。
  3. 前記特定ステップにおいて、前記特定手段は、前記複数の刺激周波数を含む複数の周波数について、
    各周波数のパワーを、前記高速フーリエ変換により得られた波形における当該周波数のパワーと前記高速フーリエ変換により得られた波形における当該周波数の高調波のパワーを加算したものとし、
    最もパワーが強い周波数に最も近い刺激周波数を特定することにより、又は、隣接する周波数の少なくとも一方のパワーとのパワー比が最も大きい周波数に最も近い刺激周波数を特定することにより、前記同期した周期的刺激を特定する、請求項1又は2に記載の刺激特定方法。
  4. 前記応答信号は、被験者が前記点滅刺激のいずれかを選択して測定された生体信号である、請求項1から3のいずれかに記載の刺激特定方法。
  5. 前記周期的刺激は、刺激周波数が13Hzより高頻度であり20Hzより低頻度のものを含み、及び/又は、複数の前記刺激周波数の刻み幅が0.05Hz以下のものを含む点滅刺激であり、
    前記応答信号は、被験者が前記点滅刺激のいずれかを注視して測定された脳波である、請求項4記載の刺激特定方法。
  6. 刺激周波数が異なる複数の周期的刺激のいずれかに同期して生成された応答信号から、同期した前記周期的刺激を特定する刺激特定装置であって、
    前記応答信号を、少なくとも、高速フーリエ変換により複数の前記刺激周波数の刻み幅を分解可能である時間において連続して測定する測定手段と、
    前記応答信号に対して、前記複数の刺激周波数の刻み幅を分解可能である高速フーリエ変換を1回のみ行う演算手段と、
    前記高速フーリエ変換により得られた波形から前記同期した周期的刺激を特定する特定手段を備える刺激特定装置。
  7. コンピュータにおいて、請求項1から5のいずれかに記載の刺激特定方法を実現するためのプログラム。
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