JP2015228974A - 椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用者に負担をかけずに体重測定可能な椅子の提供。【解決手段】椅子(100)は、座面が傾斜し、フットレスト(104)の足先側が下がった座面上昇状態と、座面の傾斜の度合いがより緩く、フットレスト(104)の足先側の位置がより高い体重測定状態とを、着座状態を経て切り替えるギア群(202)、座面シフタ(203)、座面リンク機構(204)、脚台シフタ(205)、および脚台リンク機構(206)を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、座った状態で体重を測定するための椅子に関する。
座った状態で体重を測定するための椅子が従来技術として知られている。例えば、下記特許文献1には、支持台の上面に計重器を取り付け、さらにその上側に椅子を取り付けた椅子型体重計が開示されている。また、下記特許文献2には、体重測定装置を含む座部を備えた椅子用体重計が開示されている。
特開2012−047638号公報(2012年3月8日公開) 特開2006−058163号公報(2006年3月2日)
上記のような体重計を用いることにより、座った状態で体重を測定することができるので、使用者の足が不自由であっても、容易に体重を測定することができる。しかしながら、これら従来の体重計には、使用者の負担がより軽減されるように改善する余地がある。
すなわち、特許文献1の椅子型体重計では、使用者は自力で椅子の座面まで腰を下ろす必要があるため、使用者の脚力によっては、補助者が必要となることも考えられる。また、当該椅子型体重計では、使用者の全体重が計重器にかかるようにするため、使用者は、着座後、足載せ体に足を載せる必要があるが、使用者の脚力によってはこの動作に支障があることも考えられる。そして、これらの問題点は、特許文献2の椅子用体重計についても同様に生じ得る。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用者に負担をかけることなく、該使用者の体重を測定することができる椅子を提供することにある。
本発明の態様1に係る椅子は、着座した使用者の体重を測定するための椅子であって、当該椅子の状態を切り替える切替機構を備え、上記切替機構は、使用者が着座する座面が傾斜し、かつ、使用者の脚を乗せる脚台の足先側が下がった第1状態と、上記座面の傾斜の度合が上記第1状態よりも緩く、かつ、上記脚台の足先側の位置が上記第1状態よりも高い第2状態とを、上記座面の傾斜の度合いが上記第1状態よりも緩く、かつ、上記脚台の足先側が下がった第3状態を経て切り替える、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、上記椅子は、第1状態から第2状態に切り替える。ここで、第1状態においては、脚台の足先側が下がり、かつ、座面が傾いている。このため、上記椅子に着座する使用者は、脚台に邪魔されることなく上記椅子に近付くことができると共に、楽に着座することができる。
そして、第2状態では、座面の傾斜の度合が第1状態よりも緩くなり、かつ、脚台の足先側の位置が第1状態よりも高くなるので、使用者は座面に座った状態となり、かつその脚部が脚台で持ち上げられて、使用者の全体重が上記椅子にかかる状態となる。従って、上記椅子は、使用者自身が脚を上げる等の動作を行わなくとも、使用者の体重測定が可能な状態となる。
また、体重測定の終了後に、第1状態に切り替えることにより、座面の傾斜の度合いが大きくなるので、座面から腰を上げる動作が補助され、立ち上がり時における使用者の脚および腰への負担が軽減される。
さらに、第1状態から第2状態への切り替えの際には、上記脚台の足先側は下がったまま、座面の駆動が行われて座面の傾斜の度合いが緩い第3状態に切り替えられた後、脚台の駆動が行われて第2状態に切り替えられる。これにより、上記椅子は、使用者の着座、脚の持ち上げ、および体重測定という一連の動作をスムーズに行うことができる。
また、第2状態から第1状態への切り替えの際には、座面の傾斜の度合いが第1状態よりも緩い状態は維持されたまま、脚台の駆動が行われて脚台の足先側が下がった第3状態に切り替えられた後、座面の駆動が行われて第1状態に切り替えられる。これにより、使用者は、体重の測定が行われた状態から、足を下ろして立ち上がるという一連の動作をスムーズに行うことができる。
よって、上記の構成によれば、使用者に負担をかけることなく、使用者の体重を測定することが可能になるという効果を奏する。
本発明の態様2に係る椅子は、上記態様1において、当該椅子は、上記切替機構に上記切り替えを行わせるための動力を発生させる電動機をさらに備え、上記切替機構は、上記電動機が発生させた動力を、上記座面を駆動する座面駆動機構および上記脚台を駆動する脚台駆動機構に伝達する動力伝達機構を備えていてもよい。
上記の構成によれば、切替機構は、電動機が発生させた動力を、座面駆動機構と脚台駆動機構とに伝達するので、1つの駆動機構により、座面および脚台の両方の状態を切り替えることができる。よって、上記椅子は、座面駆動機構用の駆動機構と、脚台駆動機構用の駆動機構とをそれぞれ設ける場合と比べて、製造コストを低減することができ、また上記椅子の内部構造のコンパクト化および軽量化が実現される。
本発明の態様3に係る椅子は、上記態様2において、上記第1状態から上記第2状態へ切り替わったとき、上記電動機を停止させるか、または該電動機の動力が上記脚台に伝達されない状態に切り替える動力制御機構をさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、第1状態から第2状態へ切り替わったタイミングで、電動機を停止させるか、または該電動機の動力が脚台に伝達されない状態とするので、電動機に負荷がかかることを防ぐことができる。
本発明の態様4に係る椅子は、上記態様2または3において、上記動力伝達機構は、上記電動機の発生させた動力により第1方向または第2方向に回転される第1歯車を含み、上記座面駆動機構は、上記第1歯車の上記第1方向への回転運動に連動して上記座面の上記脚台と反対側の端部を持ち上げると共に、上記第1歯車の上記第2方向への回転運動に連動して上記端部を下降させるリンク機構である座面リンク機構を含み、上記脚台駆動機構は、上記第1歯車の上記第2方向への回転運動に連動して上記脚台の上記使用者の足先側の端部を持ち上げると共に、上記第1歯車の上記第1方向への回転運動に連動して、上記足先側の端部を下降させるリンク機構である脚台リンク機構を含んでいてもよい。
上記の構成によれば、電動機の発生させた動力により第1歯車を第1方向に回転させることにより、座面の脚台と反対側の端部が持ち上がり、また、脚台の足先側の端部が下降し、上記椅子は座面の脚台と反対側の端部が持ち上がった第1状態となる。また、第1歯車の回転方向を第2方向に回転させることにより、座面の脚台と反対側の端部が下降し、また、脚台の足先側の端部が持ち上がり、上記椅子は使用者の脚を持ち上げて体重の測定が可能な第2状態となる。よって、上記の構成によれば、上記椅子は、第1歯車の回転方向を切り替えるという極めて簡易な制御により、第1状態と第2状態とを切り替えることができる。
本発明の態様5に係る椅子は、上記態様4において、上記脚台駆動機構は、上記第1歯車と係合し、カム溝が形成された第2歯車と、所定の回転軸を中心に回転可能に設けられており、上記カム溝と係合するカム溝係合軸を備え、上記第2歯車の上記第1方向への回転に伴って上記第1方向に回転し、上記第2歯車の上記第2方向への回転に伴って上記第2方向に回転する駆動レバーと、上記脚台リンク機構に接続され、上記駆動レバーの回転方向に応じた所定の方向に直線運動する脚台リンク駆動板であって、上記駆動レバーの上記第1方向への回転時には上記脚台の上記使用者の足先側の端部が持ち上がるように、上記駆動レバーの上記第2方向への回転時には上記脚台の上記端部が下降するように上記脚台リンク機構を駆動する脚台リンク駆動板と、を含む構成であってもよい。
上記の構成によれば、第1歯車が第1方向に回転したときには、これに係合する第2歯車は第2方向に回転する。そして、第2歯車が第2方向に回転することにより、第2歯車のカム溝に係合する駆動レバーは第2方向に回転し、これにより脚台リンク駆動板は所定の方向に移動して脚台リンク機構を駆動し、脚台の使用者の足先側の端部を下降させる。また、上述のように、第1歯車が第1方向に回転したときには、座面の脚台と反対側の端部が持ち上がる。よって、上記の構成によれば、第1歯車を第1方向に回転させることにより、第1状態に遷移させることができる。
また、上記の構成によれば、第1歯車が第2方向に回転したときには、これに係合する第2歯車は第1方向に回転する。そして、第2歯車が第1方向に回転することにより、第2歯車のカム溝に係合する駆動レバーは第1方向に回転し、これにより脚台リンク駆動板は所定の方向に移動して脚台リンク機構を駆動し、脚台の使用者の足先側の端部を持ち上げさせる。また、上述のように、第1歯車が第2方向に回転したときには、座面の脚台と反対側の端部が下降する。よって、上記の構成によれば、第1歯車を第2方向に回転させることにより、第2状態に遷移させることができる。
本発明の態様6に係る椅子は、上記態様4または5において、上記座面駆動機構は、上記第1歯車と係合し、該第1歯車の回転方向に応じた所定の方向に直線運動するラックと、上記座面リンク機構に接続され、上記ラックと連動して上記所定の方向に直線運動する座面リンク駆動板であって、上記第1歯車の上記第1方向への回転時には上記座面の上記脚台と反対側の端部が持ち上がるように、上記第1歯車の上記第2方向への回転時には上記座面の上記端部が下降するように上記座面リンク機構を駆動する座面リンク駆動板と、を含む構成であってもよい。
上記の構成によれば、第1歯車の回転方向に応じた所定の方向に直線運動するラックに連動して、該ラックと同方向に直線運動する座面リンク駆動板により座面リンク機構が駆動され、これにより、座面の端部が持ち上げられ、また下降する。よって、上記の構成によれば、第1歯車の回転方向に応じて、椅子を第1または第2状態に遷移させることができる。
本発明の態様7に係る椅子は、上記態様6において、上記ラックは、上記座面リンク駆動板に対して摺動可能に取り付けられており、上記ラックを上記座面リンク駆動板に対して固定するストッパと、当該椅子が上記第1状態から上記第3状態に切り替えられたときに上記ストッパによる固定を解除する解除機構と、を含む構成であってもよい。
上記の構成によれば、第1状態から第3状態に切り替えられたとき、ストッパによるラックの固定が解除され、ラックがシフタに対して摺動する状態となる。この状態では、第1歯車が回転運動しても、ラックは座面リンク駆動板上で摺動するのみであり、座面リンク駆動板自体は移動しない。つまり、この状態においては、上記椅子は、第1歯車が回転しても、座面の傾斜(保持角度)が変化しない。よって、上記の構成によれば、電動機を停止させることなく、座面を適切な位置で停止させることができる。
一方、脚台リンク機構は、第3状態においても、第1歯車の回転運動に連動して脚台の足先側の高さを変化させることができる。つまり、座面が適切な位置で停止した後も電動機が引き続き発生させる動力により、脚台が駆動される。
したがって、上記の構成によれば、第1状態と第2状態との切り替えに際し、電動機の動作制御を行うことなく、座面の駆動と脚台の駆動とに時間差を生じさせることができる。よって、電動機の動作制御を行うことなく、座面の傾斜の度合いが、使用者が体重を預けることができる程度となった後に、脚台を駆動して使用者の脚を持ち上げることが可能になる。
なお、上記の構成において、第2状態から第3状態に切り替えられたときに上記シフタに対して上記ラックを固定してもよい。これにより、第3状態から第1状態に切り替える際に、上記ラックの運動に連動して座面を傾斜させることができる。また、電動機の動作制御を行うことなく、脚台の足先側の高さが、使用者の足が床に着く程度となった後に、座面を駆動して使用者の立ち上がりを補助することが可能になる。
本発明の態様8に係る椅子は、上記態様6または7において、上記第1歯車の上記ラックと係合する歯は、該第1歯車の外周の一部のみに設けられており、上記第1歯車の回転によって直線運動する上記ラックに対し、該直線運動の向きと逆向きに付勢する弾性部材を備えていてもよい。
第1歯車のラックと係合する歯を、該第1歯車の外周の一部のみに設けることにより、第1歯車を同一方向に回転させ続けたときに、第1歯車とラックとの係合が外れて、第1歯車の動力がラックに伝わらない状態となる。よって、座面の傾斜が所定の角度(例えば水平)となった後も第1歯車を回転させ続けても、それ以上座面の角度を変化させないようにすることが可能になる。
ただし、第1歯車とラックとの係合が外れた状態では、第1歯車を逆方向に回転させても、座面を再び傾斜させることができなくなる。そこで、上記の構成によれば、ラックに対し、該ラックの直線運動と逆向きに付勢する弾性部材を備えている。これにより、ラックの位置を弾性部材によって引き戻し、一度係合が外れたラックと第1歯車とをスムーズに再係合させることができる。
本発明の一態様によれば、上記椅子は、使用者に負担をかけることなく、該使用者の体重を測定することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る椅子の座面上昇状態の概要を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る椅子の外観の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る椅子の内部構成の一例を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る椅子の着座状態の概要を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る椅子の状態を座面上昇状態と着座状態との間で切り替える際の、座面シフタおよび脚台シフタの駆動レバーの駆動を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る椅子の体重測定状態の概要を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る椅子の状態を着座状態と体重測定状態との間で切り替える際の、座面シフタおよび脚台シフタの駆動レバーの駆動を模式的に示す図である。
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1について、図1〜図7に基づいて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成は、特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
〔椅子の概要〕
まず、本実施形態に係る、ユーザの体重の測定が可能な椅子の概要を図2に基づいて説明する。図2は、本実施形態に係る椅子100の外観の一例を示す図であり、(a)は椅子の概略の構成例を示しており、(b)は表示部の概略の構成例を示している。
以下では、表示部20、機器4との間の通信機能および表示部20との間の通信機能を有する情報管理装置(図示せず)、および、座しているユーザ50などを撮影するカメラ107を備えた椅子100を例に説明を行う。
椅子100を利用するユーザ50の身長、年齢には特に制約は無く、大人から子供までの幅広い年齢層のユーザ50が利用可能である。基本的な操作方法を理解することができるユーザ50であれば、該ユーザ50が単独で椅子100を使用することが可能である。ただし、椅子100を多数の不特定のユーザ50が使用するような場合、ユーザ50をサポートするスタッフを椅子100の近くに配することが望ましい。これにより、生体情報の測定中などに体調変化を訴えるユーザ50に対して適切な処置を施すことが可能になる。
(椅子100の構成)
図2の(a)に示す椅子100は、座るだけでユーザ50の生体情報を測定し、その結果をユーザ50が確認できるように表示パネル30上に提示することができる椅子である。ここで、生体情報とは、体重である。なお、生体情報には、例えば、体脂肪、体温、血圧、心泊数、脈波、歩数、活動量など、各機器4が数値または計測結果を判定する情報が含まれていてもよいし、視覚(視力)、嗅覚、聴覚、触覚などの感覚機能についての検査結果が含まれていてもよい。脈波とは、指先や足先の毛細血管の血流量を測定し、動脈硬化の程度などを調べるものである。なお、図2の(a)は、各機器(測定機器)4の全てを示したものではなく、例示的に、ユーザ50の指先に取り付けられた脈波計などの機器4pのみを示している。しかし、これに限定されず、様々な各機器4を適用することが可能である。なお、体重計は、座部101の下側に配置されている。
このような生体情報は、情報管理装置へと送信される。情報管理装置は、送信された生体情報を、表示部20へと通知する通知データに変換する。通知データに基づいて、生体情報は表示パネル30に表示される。
椅子100は、座部101、背部(背凭れ)102、肘掛け(アームレスト)103、およびフットレスト(脚台)104を備える椅子である。座部101と床面Fとの間には、椅子100本体を支持する支持部108、および床面Fと椅子100の本体との接触部に配されている設置部材109を有している。支持部108は、設置部材109上において、同図の左右方向(椅子100の前後方向)に移動可能に構成されていてもよい。
座部101の床面Fからの高さは、支持部108が備える昇降機能によって調節され得る。これにより、座部101の高さを、様々な体型および年齢の幅広いユーザにとって座りやすい高さに調節することができる。
座部101および背凭れ102に挟まれた角度は、椅子100に座しているユーザ50の姿勢を規定する。一般に、血圧などの生体情報の測定では、リラックスした状態での測定が好ましい。そこで、座部101に対して背凭れ102を後方に傾斜させて、座部101および背凭れ102が、ユーザ50の背中から臀部にかけて支える姿勢(臥位、または臥位に近い姿勢)としてもよい。また、背凭れ102は、様々な伸長のユーザに快適な高さとなるように、伸縮可能に構成されていてもよい。
図2の(a)に示すように、アームレスト103は、例えば、連結部材105によって支持部108と連結されている。また、フットレスト104は、後述する脚台リンク機構206によって保持角度が変更可能に保持されている。なお、フットレスト104の保持角度の変更についても後述する。
機器4は、椅子100の情報管理装置と通信可能であり、前述の構成の他に、ユーザ50の腕、手、または指先から生体情報を計測する機器を含む。椅子100は、着脱可能な各種の機器4を取り付けることができる。機器4を取り付ける位置としては、アームレスト103が好適である。各機器4をアームレスト103に取り付ける(装着する)様式の具体例については、後に詳述する。
なお、椅子100に座しているユーザ50の肩が自然な位置(高さ)(例えば、座部101からの距離)に肘掛けの位置を調節できてもよい。これにより、脈拍数、血圧の測定、または脈波の計測を行う機器4の高さが、被測定者であるユーザ50の心臓の高さに略等しい高さとなるように、調節することができる。
フットレスト104は、脚台リンク機構206(後述する)を介して椅子100と連結されており、これによって、椅子100に座しているユーザ50の脚部がフットレスト104に載っている状態において、ユーザ50の全体重が座部101にかかる。そして、椅子100に座したユーザ50は、該椅子100に座したまま安静な姿勢を保つことが可能である。よって、この状態において、座部101の下側に配置した体重計により、ユーザ50の体重を測定することができる。また、ユーザ50の足の裏、足首などから生体情報を計測する各種の機器4を、フットレスト104に設置することも可能である。
なお、上記体重計では、座部101やフットレスト104等の椅子100の構成部分と、ユーザ50の体重との合計が測定される。このため、計測された合計重量から、ユーザ50が座する前の計測重量を減算して、ユーザ50の体重を算出する。なお、一般的な健康診断と同様、着衣分の補正を行ってもよく、例えば、測定された重さから所定の重さ(1kg)を着衣分として減算した値を体重としてもよい。さらに、前述のように、アームレスト103に取り付けられた機器4を変更(交換)する場合には、変更する毎に、椅子100に取り付けられている機器4の重量の分だけを考慮した体重を、測定された体重として使用するようにしてもよい。なお、座しているユーザ50の重心の位置、および移動を検出することができるセンサを設け、該センサの計測結果に基づいてユーザ50の姿勢が安定しているか否かを判定し、安定していると判定された状態において体重を測定する構成であってもよい。
表示部20は、取得した情報を表示する表示パネル30を有する表示装置であり、位置調節部106によって支持されている。位置調節部106は、表示部20を支持するとともに、表示部20の位置を変更するための部材である。すなわち、表示部20とユーザ50との相対的な位置関係を、位置調節部106によって調節することができる。なお、表示部20の位置は、ユーザ50による操作によって調節されてもよいし、該ユーザ50の座高、肩幅、視力などの生体情報に基づいて、椅子100が自動で調節するようにしてもよい。表示部20の位置と同様、表示パネル30の向きもまた、自在に変更することが可能である。
表示パネル30にはタッチパネル(図示せず)が重畳されており、ユーザ50によるタッチ操作を受け付ける。また、表示部20は、各機器4が測定した生体情報、または各種の検査結果を受信して、受信した情報、および検査結果などを表示してユーザ50に提示する。椅子100における表示部20の利用法の詳細については、後に説明する。
なお、椅子100は、必須の構成ではないが、スピーカ(図示せず)をさらに備えてもよく、測定を受けるユーザ50がリラックスできるように好みの音楽などを流してもよい。また、椅子100は、必須の構成ではないが、マイク(図示せず)をさらに備えてもよく、座っているユーザ50が医療関係者またはオペレータなどと会話することが可能な構成であってもよい。スピーカ、マイクを用いる使用方法の例については、通信機能を利用する場合の椅子100における利用方法の例と共に、後に説明する。
(表示部20、およびカメラ107)
次に、表示部20の概略の構成について説明する。椅子100が備える表示部20の表示パネル30の少なくとも一部には、タッチパネルが重畳されており、表示パネル30に対するタッチ操作による入力が可能である。すなわち、表示部20は、情報を表示するとともに、ユーザ50によるタッチ操作を受け付けるユーザインタフェースとしても機能する。表示パネル30は、椅子100に座したユーザ50に対して、測定された各生体情報を一覧表示することも可能である。ユーザ50が、着目した測定値や過去の測定値と大きく異なる数値を見出した場合、ユーザ50は表示パネル30へのタッチ操作により、測定のやり直しを指示することも可能である。すなわち、表示パネル30へのタッチ操作によって、ユーザ50は各機器による生体情報の測定を個別に指示する構成を備えていてもよい。
表示部20は、各機器4が測定した生体情報に関する通知データを情報管理装置から取得して、生体情報をユーザ50に提示する。
カメラ107が表示部20に設けられており、椅子100に座しているユーザ50の顔または上半身など、体の少なくとも一部が撮影可能である。カメラ107によって、ユーザ50の上半身とともに背凭れ102の一部および表面も撮影することが可能である。なお、カメラ107によってユーザ50の全身が撮影されてもよい。
カメラ107は、デジタルカメラであり、CCDセンサ、CMOSセンサなどを用いて、椅子100に座しているユーザ50などの撮影被撮像者を撮影するカメラモジュールである。カメラ107を通して光学的に入力している画像であるカメラビュー画像、および撮影によって得られた撮影データは情報管理装置を介して表示部20へと出力される。なお、カメラ107は椅子100に必ずしも備えられる必要はない。カメラ107は、例えば、各機器4と同様に通信機能を備え、椅子100からの制御信号を受信し、該信号に応じて撮影可能な外部機器であってもよい。カメラ107が設置される位置は、上記の目的を達成可能であれば、どこに設置されてもよい。
カメラ107によって撮影された画像データは、情報管理装置において画像解析処理に用いられる。例えば、椅子100に座しているユーザ50を撮影した画像データを解析して、ユーザ50の身体の一部の長さ(例えば、座高、身長など)、または体の状態(肩の位置、姿勢など)を判定する。椅子100に座したときの各ユーザ50の姿勢を登録することができるように、椅子100に姿勢情報を記憶してもよい。この構成によれば、生体情報を測定する場合の姿勢を一定に保つことができる。よって、測定される生体情報の信頼性を高く維持することができる。なお、姿勢が、許容範囲に収まるまで生体情報の測定が開始されないように構成してもよい。
座部101の材質の硬さは、過度に柔らかくすれば、ユーザ50の重みによって深く沈むため、座高などの測定を正しく行うことができない虞がある。一方、弾性のほとんど無い硬質な材質の座部101では座り心地が悪くなり、椅子100の魅力が減退してしまう。そこで、これに限定されるものではないが、低反発素材を座部101に適用し、座り心地を損なうことなく、測定結果の正確さも担保することが望ましい。
カメラ107は、例えば、ユーザ50の態勢が所定の時間(5秒間など)変化しなくなったことを撮影のトリガとして利用してもよいし、ユーザ50によって撮影可能の信号の発信を促すように、「撮影OK」などのタッチボタンを表示パネル30に表示させ、このタッチボタンが押下された後に、所定の時間(2秒間など)の後に撮影してもよい。または、「今からヘルスケアチェックを始めます。開始ボタンをタッチしてください。」という文字列ともに、画面上に「開始」という文字列が付与されたボタンが表示され、該「開始」ボタンが押下されたことを撮影開始のトリガとして利用してもよい。
(通信機能を利用する場合の椅子100における利用方法)
健康診断を病院などの医療施設で受ける場合、順番を待ち、身長、体重の測定、血圧測定、などの測定を順次行う。各測定を行う機器4は、大抵別々の場所に設置されており、測定データを記入するシートを手に持って、順に移動する必要がある。一方、椅子100は、ユーザ50の身長、体重、体温、血圧、脈波などの測定を、椅子に座したまま行うことができる。得られたデータは測定した機器4から自動的に椅子100に通信され、表示部20の表示パネル30上に表示され、ユーザ50に提示される。
表示部20は、椅子100の情報管理装置から通信ネットワークを介して表示する情報を受信してもよいし、無線または有線による通信(ローカルネットワーク)を介して表示する情報を受信してもよい。つまり、表示部20は必ずしも椅子100に一体として設けられていなくてもよい。なお、生体情報を表示させる対象は表示部20に限られない。例えば、外出中の、または離れた場所に住む家族の携帯端末に送信してもよい。これにより、ユーザ50の測定された生体情報を、家族が確認することが可能である。例えば、高齢者の健康状態を、遠隔地に住む家族が適宜確認し、健康状態の変化が生じている場合に早期に見出して、対処することも可能である。
椅子100の情報管理装置は、通信ネットワークを介して、表示する情報を複数の表示装置(表示部20を含む)へ送信する。例えば、椅子100が設置されている場所から離れた病院内の医師または看護師などの医療スタッフ、または家族が使用する表示装置(図示せず)へも送信可能な構成であってもよい。これにより、測定された生体情報を遠隔地の医師も確認することができる。よって、椅子100に座するユーザ50は、表示された生体情報に基づいて遠隔地の医師からの診断を受けることができる。
椅子100に複数の表示部20を設けてもよい。例えば、複数の表示部20の中の少なくとも1つの表示部20は、双方向の画像通信を利用する表示部20であってもよい。そして、他方の表示装置は、通信相手である医師などを撮影している画像を表示したり、測定した生体情報の表示、または医師から提供されるデータ、資料などの画像を表示したりしてもよい。遠隔地との会話には、上述のマイクおよびスピーカが利用できる。
このように複数の表示部20を備えることにより、通信ネットワークを介して遠隔地の医師に対して、健康に関する相談をして所見を聞くことも、健康に関する有益なアドバイスを受けることも可能である。このように双方向通信を利用する場合、カメラの位置を移動させて、ユーザ50の顔が撮影されるような方向に向けてもよい。
さらに上述の通信機能を利用して、ユーザ50が登録した医師、介護士、または家族などからの遠隔操作が可能であってもよい。例えば、椅子100のカメラ107の位置および撮影する方向、表示装置の位置および方向、ズーム機能などを遠隔的に操作して、観察したい部位(例えば、皮膚、眼、舌、指先など)の所見を得るようにしてもよい。また、各機器4によるユーザの生体情報の測定を、遠隔から開始できるように構成してもよい。これにより、ユーザは、表示部20に表示される通りに、生体情報を測定するために用いる各機器4を装着すれば、生体情報の測定が開始される。よって、遠隔地の医師が測定を要求する健康維持および健康診断のために必要な生体情報をユーザに伝達し、該生体情報の測定を促すことができる。
〔椅子100の状態切替の概要〕
本実施形態に係る椅子100は、ユーザ(使用者)が着座する座面(座部101の上面)が設置部材109のなす面に対して傾斜(換言すれば、設置面Fに対して傾斜)し、かつ、使用者の脚を乗せるフットレスト104(脚台)の足先側が下がった座面上昇状態(第1状態)と、座面の傾斜の度合いが座面上昇状態よりも緩く、かつ、フットレスト104の足先側の位置が座面上昇状態よりも高い体重測定状態(第2状態)と、を切り替える切替機構を備えている。より詳細には、椅子100の切替機構は、座面の傾斜の度合いが座面上昇状態よりも緩く、かつ、フットレスト104の足先側が下がった着座状態(第3状態)を経ることにより、座面上昇状態と体重測定状態とを切り替える。なお、本実施形態において切替機構を構成するギア群202(動力伝達機構)、座面シフタ203(座面駆動機構、シフタ)、座面リンク機構204(座面駆動機構)、脚台シフタ205(脚台駆動機構)、および脚台リンク機構206(脚台駆動機構)の構成の詳細については後述する。
椅子100の状態の切り替えについて、図1、図4、図6に基づいて説明する。まず、座面上昇状態の概要を図1に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る椅子100の座面上昇状態の概要を模式的に示す図であり、同図の(a)は座面上昇状態の椅子100の右側面図であり、(b)は座面上昇状態の椅子100の上面図である。なお、以下では、同図に示すように、椅子100の奥行き方向をX軸方向(手前から奥に向かう向きが正)、幅方向をZ軸方向(向かって左から右に向かう向きが正)、高さ方向をY軸方向(下から上に向かう向きが正)として説明を行う。
図1の(a)に示すように、座面上昇状態においては、座面(座部101の上面)のフットレスト104と反対側の端部(以降、座面の後部とも記載する)が持ち上がっており、フットレスト104は椅子100の内側に折り畳まれている。座面上昇状態においては、フットレスト104が折り畳まれていることにより、ユーザはフットレスト104に邪魔されることなく、椅子100に近付くことができる。また、座面の後部が持ち上がっていることにより、ユーザの臀部と座面との距離が近付くので、ユーザは楽に着座することができる。
次に、着座状態の概要を図4に基づいて説明する。図4は、本実施形態に係る椅子100の着座状態の概要を模式的に示す図である。図4の(a)は着座状態の椅子100の右側面図であり、(b)は着座状態の椅子100の正面図であり、(c)は着座状態の椅子100の上面図である。
図4(a)に示すように、着座状態においては、座面の後部が座面上昇状態の位置よりも低くなっており、本実施形態では、座面の後部が座面の前部と同じ高さ以下となっている。着座状態では、座面の後部が座面の前部と同じ高さ以下であるため、ユーザは座部101に着座した状態でリラックスすることができる。また、図4の(a)に示すように、着座状態ではフットレスト104が椅子100の内側に折り畳まれていることにより、ユーザは脚の曲げ伸ばしを自由に行うことができる。
続いて、体重測定状態の概要を図6に基づいて説明する。図6は、本実施形態に係る椅子100の体重測定状態の概要を模式的に示す図である。図6の(a)は着座状態の椅子100の右側面図であり、(b)は着座状態の椅子100の正面図であり、(c)は着座状態の椅子100の上面図である。
図6の(a)に示すように、体重測定状態においては、座面の後部が座面の前部と同じ高さ以下であり、さらに、フットレスト104の前部(フットレスト104の座部101と反対側の端部)が持ち上がっている。これにより、ユーザの脚が床から持ち上がり、ユーザの全体重が椅子100にかかる状態となるので、該ユーザの体重を測定することが可能となる。
〔椅子100の内部構成〕
次に、椅子100の内部構成を説明する。図1に示すように、椅子100は、座部101およびフットレスト104の状態を上述のように切り替えるための切替機構を、座部101の下部に備えている。具体的には、図1の(a)および(b)に示すように、モータ201(電動機)、ギア群202、座面シフタ203、座面リンク機構204、脚台シフタ205、および、脚台リンク機構206を備えている。
モータ201は、上記の切り替えのための動力を発生させる電動機であり、電力を供給することにより回転軸が回転する。また、モータ201は、体重測定状態と座面上昇状態とを相互に切り替えるために、回転方向を逆転させることができる。例えば、モータ201としてDC(Direct Current)モータを適用した場合、供給する電流の向きを変えることにより、回転方向を逆転させることができる。
ギア群202は、モータ201が発生させた動力により、椅子100の状態を切り替えるための機構であり、座面シフタ203、座面リンク機構204、脚台シフタ205、および脚台リンク機構206と共に切替機構を構成している。また、ギア群202は、モータ201が発生させた動力を、座面シフタ203および脚台シフタ205の両方に伝達する動力伝達機構である。ギア群202は、モータ201が発生させた動力を、座面シフタ203を介して座面リンク機構204に伝達すると共に、脚台シフタ205を介して脚台リンク機構206に伝達する。
座面シフタ203は、ギア群202を介して回転運動として伝達されたモータ201の動力を直線運動に変換して座面リンク機構204に伝達する機構である。座面リンク機構204は、座面シフタ203から伝達される動力により、座部101を駆動する。すなわち、モータ201、ギア群202、座面シフタ203、および座面リンク機構204により、座面上昇状態と着座状態とを切り替える。
脚台シフタ205は、ギア群202を介して回転運動として伝達されたモータ201の動力を直線運動に変換して脚台リンク機構206に伝達する機構である。脚台リンク機構206は、脚台シフタ205から伝達される動力により、フットレスト104を駆動する。すなわち、モータ201、ギア群202、脚台シフタ205、および脚台リンク機構206により、着座状態と体重測定状態とを切り替える。
なお、本実施形態では、座部101およびフットレスト104を駆動させる動力原として、モータ201を1つだけ備えている。従って、座部101を駆動させる動力原とフットレスト104を駆動させる動力原とを別々に備える場合よりも、椅子100の小型化および省電力化を実現することができ、また、部品点数の削減から低コスト化を図ることもできる。
(ギア群)
ギア群202について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る椅子100の内部構成の一例を模式的に示す図であり、主にギア群202の構成の一例を示している。
ギア群202には、図3に示すように、モータピニオン220、標準ギア221、ウォームギア222、ウォームホイル223、第1駆動ギア224、第2駆動ギア225、メインギア226(第1歯車)、および、カム用ギア227(第2歯車)が含まれている。また、ウォームホイル223、第1駆動ギア224、第2駆動ギア225、およびメインギア226は、大ギアと、それよりも小径の小ギアとが一体に構成された構成である。
モータピニオン220は、モータ201の回転軸に圧入されており、モータ201の回転によって該回転と同方向に回転する。標準ギア221は、ウォームギア222のウォームと一体に構成されており、モータピニオン220と係合している(噛み合っている)。また、ウォームギア222のウォームは、ウォームホイル223の大ギアと係合している。これらの機構により、モータ201の回転軸の図3に示すZ軸周りの回転運動が、ウォームホイル223のY軸周りの回転運動に変換される。
また、ウォームホイル223の小ギアは、第1駆動ギア224の大ギアと係合し、第1駆動ギア224の小ギアは、第2駆動ギア225の大ギアと係合し、第2駆動ギア225の小ギアは、メインギア226の大ギアと係合している。これにより、ウォームホイル223の回転運動がメインギア226に伝達されて、メインギア226が回転する。そして、詳細については後述するが、メインギア226の回転による動力が座面シフタ203に伝達されることにより、座面リンク機構204が駆動する。
さらに、メインギア226の大ギアはカム用ギア227と係合しており、メインギア226の回転運動がカム用ギア227に伝達されて、カム用ギア227が回転する。そして、カム用ギア227の回転による動力が脚台シフタ205に伝達されることにより、脚台リンク機構206(より正確には脚台リンク機構206を構成するリンク261)が駆動する。
なお、上記では、ギア群202が、モータ201が発生させた動力を座面シフタ203および脚台シフタ205の両方に伝達する動力伝達機構であると説明した。しかしながら、ギア群202の構成要素のうち、カム用ギア227のみは、フットレスト104を駆動させるためのものであって、座面シフタ203の駆動には関与しないから、動力伝達機構の構成要素ではない。
(座面シフタ)
座面シフタ203の構成および動きについて、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る椅子100の状態を座面上昇状態と着座状態との間で切り替える際の、座面シフタ203の駆動を模式的に示す図である。図5の(a)は、座面上昇状態のメインギア226と座面シフタ203との位置関係を模式的に示し、(b)は、着座状態のメインギア226と座面シフタ203との位置関係を模式的に示している。なお、同図には、脚台シフタ205を構成する駆動レバー251についても記載しているが、脚台シフタ205の駆動については後述する。
図5の(a)および(b)に示すように、座面シフタ203は、X軸方向に摺動可能に設置された座面リンク駆動板236上にラック231、付勢ストッパ232、および弾性部材235が設けられた構成である。また、座面シフタ203は、図示しない摺動ストッパ(ストッパ)をさらに備えている。なお、弾性部材235としては、バネ、および、ゴムなどを例にあげることができ、本実施形態では、弾性部材235がバネである場合を例に説明する。
ラック231は、メインギア226の小ギアと係合するラックギアであり、ギア群202の回転運動からメインギア226を介して伝達される動力を直線運動に変換し、図5に示すX軸方向に直線運動する。
ここで、ラック231は、座面リンク駆動板236に固定された軸234とワッシャ233により、座面リンク駆動板236に対してX軸方向に摺動可能に取り付けられている。ただし、ラック231は、座面上昇状態と着座状態とを切り替える期間、つまり、座面シフタ203とメインギア226との位置関係が図5の(a)に示す状態と(b)に示す状態との間で遷移する期間、摺動ストッパにより、座面リンク駆動板236に対するX軸正方向の移動が制限される。換言すれば、ラック231は、座面上昇状態と着座状態との切り替えの間、摺動ストッパにより、座面リンク駆動板236に対して固定される。このため、座面上昇状態と着座状態との切り替えの間は、ラック231と連動して座面シフタ203全体が移動する。
具体的には、図5の(a)(b)に示すように、メインギア226の小ギアがY軸正方向からみて右回り(第2方向)に回転することにより、ラック231はX軸正方向に移動する。一方、メインギア226の小ギアがY軸正方向からみて左回り(第1方向)に回転することにより、ラック231はX軸負方向に移動する。上述のように、座面上昇状態と着座状態との切り替えの間は、座面リンク駆動板236がラック231に固定されているので、ラック231の上記移動に伴って座面シフタ203全体が移動し、これにより座面リンク機構204が動作する。
より詳細には、図5の(a)に示す状態から(b)に示す状態までメインギア226がY軸正方向からみて右回りに回転(この例では、38.70°回転)する。これにより、座面シフタ203がX軸正方向(第4方向)へ66.68mm移動して座面リンク機構204(図1の(a)参照)が駆動し、椅子100の座面の後部が沈み込み、座面が略水平となる。また、メインギア226がY軸正方向からみて左回りに回転することにより、座面シフタ203がX軸負方向(第3方向)へ移動して座面リンク機構204が駆動し、椅子100の座面の後部が持ち上がる。
一方、着座状態と体重測定状態との切り替えの間(図7を参照して後述する)は、摺動ストッパによる座面リンク駆動板236に対するX軸正方向の移動の制限が解除され、ラック231は、座面リンク駆動板236に対して摺動可能になる。このため、着座状態と体重測定状態との切り替えの間は、ラック231が移動しても座面シフタ203の位置は変わらない。
ここで、本実施形態では、メインギア226の小ギアの歯は、メインギア226の小ギアの全周ではなく、外周の一部(例えば、38.7°、または、1/8周(45°)など)のみに設けられている。このため、メインギア226をY軸正方向からみて右回りに回転させ続けた場合、ラック231は、X軸正方向に所定距離(すなわち、ラック231がメインギア226と係合して駆動する距離)だけ移動して停止する。所定距離だけ移動した後にラック231が停止するのは、後述する図7の(d)および(e)に示すように、X軸正方向に所定距離だけ移動したラック231は、メインギア226の小ギアとの係合が外れるためである。
また、ラック231は、弾性部材235によりX軸負方向に付勢されている。この付勢によって、上記のようにして係合が外れたラック231とメインギア226とをスムーズに再係合させることができる。なお、付勢ストッパ232は、ラック231のX軸負方向に対する移動を制限するストッパであり、付勢ストッパ232により、ラック231が弾性部材235による付勢によって必要以上にX軸負方向へ移動してしまうことを回避している。
(座面リンク機構)
座面リンク機構204の構成および動きについて、図1および図4を参照して説明する。図1の(a)および図4の(a)に示すように、座面リンク機構204は、座面シフタ203と座部101とを接続するリンク機構であり、2本の直線形状の棒状部材である第1棒状部材241、および第2棒状部材242を備えている。
図1の(a)および図4の(a)に示すように、座面リンク機構204を構成する第2棒状部材242の一端は、座部101の回転の中心となる回転軸243に回転可能に接続されており、第2棒状部材242の他端は第1棒状部材241の一端に回転可能に接続されている。なお、第2棒状部材242と第1棒状部材241との接続部を、関節部とも記載する。そして、第1棒状部材241の他端は、座面シフタ203(より詳細には、座面リンク駆動板236のZ軸方向向きの側面)に回転可能に接続されている。
座面リンク機構204の関節部は、座部101の中央付近に位置しており、座面シフタ203がX軸負方向に移動することにより、関節部がY軸正方向に上昇する。これにより、座部101は回転軸243を中心として回転し(例えば、30°など)、座部101の背凭れ側の端部(後部)が持ち上がる(図1の(a)参照)。また、座面シフタ203がX軸正方向に移動した場合には、関節部がY軸負方向に下降し、これに伴って座部101の後部は下降して、座面が水平な状態に戻る(図4の(a)参照)。もちろん、座部101の保持角度はこの例に限定されるものではない。
以上の構成によれば、モータ201が回転することでギア群202に伝達されたトルクにより座面シフタ203が摺動し、座面シフタ203と回転可能に連結している座面リンク機構204が動き、座部101が回転する。
なお、座面リンク機構204は、2組の第1棒状部材241および第2棒状部材242で構成されていてもよい。この場合、各組を座面シフタ203(より詳細には座面リンク駆動板236)の長辺側の各側面に互いに対称(または略対称)な位置に配置すればよい。1組のみで座面を駆動させることもできるが、2組用いることにより、より安定して座面を駆動させることができる。
(脚台シフタ)
次に、本実施形態に係る脚台シフタ205について、図3および図5を参照して説明する。脚台シフタ205は、図3に示すように、駆動レバー251および脚台リンク駆動板252を備えている。なお、ギア群202のカム用ギア227は、フットレスト104を駆動するための構成であるから、脚台シフタ205の一部であるともいえる。
駆動レバー251は、カム用ギア227の回転に伴って脚台リンク駆動板252を駆動する部材である。駆動レバー251には、軸256(カム溝係合軸)および257が設けられており、また軸溝259が形成されている。軸256は、カム用ギア227のカム溝と係合されて、カム用ギア227の動力を駆動レバー251に伝達する。軸257は、椅子100の本体に接続されており、駆動レバー251は、軸257を回転中心として回転するようになっている。
脚台リンク駆動板252は、駆動レバー251の動作に従ってX軸方向に摺動するように構成されている。また、脚台リンク駆動板252のZ軸方向の端部には、脚台リンク機構206を構成するリンク261が回転可能に接続されており、脚台リンク駆動板252のX軸方向への摺動により、リンク261が駆動するようになっている。
さらに、脚台リンク駆動板252には、軸258が設けられている。駆動レバー251と脚台リンク駆動板252とは、脚台リンク駆動板252の軸258と駆動レバー251の軸溝259とを係合させることによって接続されている。なお、図3において、駆動レバー251および脚台リンク駆動板252は、座面シフタ203に対して奥側(Y軸方向負の位置)であって、座面シフタ203とは干渉しない位置に設けられている。
続いて、カム用ギア227と駆動レバー251との関係を図5に基づいて説明する。図5の(a)(b)に示すように、カム用ギア227は、カム溝255が形成されたギアであり、メインギア226の大ギアと係合している。また、同図に示すように、カム溝255は、一端(Y軸正方向からみて左回りの先端)から他端にかけて、カム用ギア227の回転中心からの距離が徐々に短くなるように形成されている。
このため、駆動レバー251は、軸256がカム用ギア227の回転に従ってカム溝255内を移動することにより、軸257を中心として回転する。そして、駆動レバー251が回転することにより、駆動レバー251と軸溝259および軸258を介して接続する脚台リンク駆動板252がX軸方向に摺動する。より詳細には、軸258は、座面の前後方向(X軸方向)に摺動可能な脚台リンク駆動板252(図3参照)に固定されているため、駆動レバー251の軸溝259内を移動しつつ座面の前後方向(X軸方向)に移動する。そして、軸258に固定されている脚台リンク駆動板252も、駆動レバー251の回転に従って座面の前後方向に摺動する。この構成により、駆動レバー251および脚台リンク駆動板252は、カム用ギア227の回転運動を、X軸方向の直線運動に変換する。
そして、この直線運動により、脚台リンク機構206が駆動してフットレスト104が回転し、フットレスト104の保持角度が変化して、体重測定状態と着座状態とが切り替わる。具体的には、後述する図7の(a)に示す状態から(e)に示す状態までメインギア226がY軸正方向からみて右回りに回転することにより、脚台シフタ205の脚台リンク駆動板252がX軸負方向へ移動して脚台リンク機構206が駆動し、フットレスト104の足先側を持ち上げる。これにより、体重測定状態に遷移する。また、メインギア226がY軸正方向からみて左回りに回転することにより、脚台シフタ205の脚台リンク駆動板252がX軸正方向へ移動して脚台リンク機構206が駆動し、フットレスト104の足先側が下降する。これにより、着座状態に遷移する。
(脚台リンク機構)
脚台リンク機構206は、脚台シフタ205とフットレスト104とを接続するリンク機構であり、ギア群202に駆動された脚台シフタ205の運動に連動して、フットレスト104の足先側の端部を上昇または下降させる。以下、脚台リンク機構206の構成について、図4および図6を参照して説明する。
図4の(a)に示すように、本実施形態に係る脚台リンク機構206は、リンク261および結合部材262を備えている。なお、同図では、リンク261および結合部材262を各1つ示しているが、図3に示したように、リンク261は、脚台リンク駆動板252の両端部に各1つ設けられており、結合部材262は各リンク261に1つずつ設けられている。
リンク261は、図4の(a)に示すように、くの字型の部材である。リンク261の一端は脚台リンク駆動板252に回転可能に接続され(図3参照)、他端は結合部材262の一端に回転可能に接続されている。また、結合部材262は、一端がリンク261に回転可能に接続され、他端がフットレスト104に回転可能に接続されている。
リンク261は、脚台リンク駆動板252の座面の前後方向(X軸方向)の移動に応じて、座面の前後方向に移動する。そして、リンク261と回転可能に接続されている結合部材262が、フットレスト104に対して座面の前後方向に対する動力を伝達する。これにより、フットレスト104は、回転軸263(フットレスト104の回転の中心)を中心として回転する。
具体的には、リンク261は、脚台リンク駆動板252の座面の前方向への移動に従って同方向へ移動することにより、フットレスト104に対して座面の前方向への動力を伝達する。これに従い、回転軸263を中心に、フットレスト104が座面の前方向へ押し出されるように回転することで、フットレスト104の足先側が上昇する。これにより、図4に示す着座状態から図6に示す体重測定状態へ切り替わる(遷移する)。
また、リンク261は、脚台リンク駆動板252の座面の後方向への移動に従って同方向へ移動することにより、フットレスト104に対して座面の後方向への動力を伝達する。これに従い、回転軸263を中心に、フットレスト104が座面の後方向へ引かれるように回転することで、フットレスト104の足先側が下降する。これにより、図6に示す体重測定状態から図4に示す着座状態へ切り替わる(遷移する)。
〔座面シフタおよび脚台シフタの駆動(座面上昇状態から着座状態への遷移)〕
次に、椅子100の状態が座面上昇状態から着座状態へ切り替わる(遷移する)際のメインギア226と座面シフタ203および脚台シフタ205との駆動について、図5に基づいて説明する。
座面上昇状態である図5の(a)では、メインギア226の小ギアの歯の右端と座面シフタ203のラック231の歯の右端と係合している。一方、脚台シフタ205の駆動レバー251の軸256はカム用ギア227のカム溝255の一端(Y軸正方向からみて左回りの先端)に位置している。
上記の状態において、メインギア226がY軸正方向からみて右回りに回転(以降、単に右回転とも記載する。また、右回りと逆向きの回転を単に左回転とも記載する)し、この回転に応じてラック231がX軸正方向へ移動する。また、座面上昇状態から着座状態に遷移する間は、ラック231は摺動ストッパにより座面シフタ203の座面リンク駆動板236に固定されていることから、ラック231と共に座面シフタ203がX軸正方向へ移動する。
一方、メインギア226の大ギアと係合するカム用ギア227は、メインギア226の右回転によって左回転し、これに伴ってカム溝255の位置も左回転する。これにより、カム溝255中における軸256の位置が、一端(Y軸正方向からみて左回りの端部)から他端へ徐々に移動する。
そして、モータ201の動力により、座面シフタ203は、図5の(b)の状態になるまでX軸正方向に移動を続ける。図5の(b)の状態では、メインギア226の小ギアの歯の左端と、メインギア226の回転中心とを結ぶ線分がZ軸と略平行になっている。座面シフタ203がこのように移動することにより、上述のように座面リンク機構204が駆動し、座面の後部が下降する。これによって、椅子100の状態が、座面上昇状態から着座状態へ遷移する。なお、椅子100が着座状態へ遷移すると、摺動ストッパによるラック231の座面リンク駆動板236への固定が、例えばアクチュエータなどの解除機構により解除され、ラック231が座面リンク駆動板236に対して摺動可能となる。
以上のように、座面上昇状態から着座状態へ遷移するまでの間は、メインギア226の小ギアとラック231とが係合した状態となるため、ユーザの体重を安定して支持することができる。
また、カム用ギア227の左回転により軸256のカム溝255中の位置が一端から他端側へと移動することにより、軸256の位置が座面上昇状態よりもカム用ギア227の回転中心に近づく。これにより、駆動レバー251が軸257を中心に左回転し、軸258の位置がX軸負方向へ移動し、これに伴い軸258に固定されている脚台リンク駆動板252(図5には不図示、図3参照)がX軸負方向へ移動する。そして、これにより、脚台リンク機構206が駆動して、フットレスト104の保持角度が変化する。
ただし、この区間においては、カム用ギア227から軸256までの距離の変化が小さいため、駆動レバー251の回転角度も小さく、フットレスト104の保持角度の変化も、座面の保持角度の変化と同程度である。つまり、座面上昇状態から着座状態への遷移の前後において、座面とフットレスト104の脚が接する面とのなす角は、ほぼ一定に保たれる。そして、座面上昇状態から着座状態に遷移する際に、フットレスト104がユーザの脚を持ち上げる程度まで上昇することはない。
なお、椅子100の状態が座面上昇状態から着座状態へ遷移する際のメインギア226と座面シフタ203および脚台シフタ205との駆動について説明したが、着座状態から座面上昇状態への遷移は、モータ201を逆回転させて、各機構を上述とは逆向きに駆動させることにより実現することができる。
〔座面シフタおよび脚台シフタの駆動(着座状態から体重測定状態への遷移)〕
次に、椅子100の状態が着座状態から体重測定状態へ切り替わる(遷移する)際のメインギア226と座面シフタ203および脚台シフタ205との駆動について、図7に基づいて説明する。なお、着座状態から体重測定状態への遷移は、図5に基づいて説明した座面上昇状態から着座状態への遷移に続いて行われる。
図7は、本実施形態に係る椅子100の状態を着座状態と体重測定状態との間で切り替える際の、座面シフタ203および脚台シフタ205の駆動を模式的に示す図である。図7の(a)は、着座状態のメインギア226と座面シフタ203および脚台シフタ205との位置関係を模式的に示し、(b)〜(d)は、着座状態と体重測定状態との間を遷移中のメインギア226と座面シフタ203および脚台シフタ205との位置関係を模式的に示し、(e)は、体重測定状態のメインギア226と座面シフタ203および脚台シフタ205との位置関係を模式的に示している。
椅子100の状態が図5の(a)に示す座面上昇状態から(b)に示す着座状態に遷移した後も、図7の(a)〜(e)に示すように、メインギア226は右回転し続ける。このとき、図7の(a)〜(d)に示すように、ラック231とメインギア226の小ギアとの係合が完全には外れないため、ラック231はしばらく移動し続ける。但し、着座状態に遷移した段階で摺動ストッパが解除され、これによりラック231が座面リンク駆動板236に対して摺動可能になっている。このため、着座状態から体重測定状態へ遷移する間は、メインギア226の動力が座面リンク駆動板236に伝達されず、座面シフタ203の位置は変化しない。
ここで、図7の(e)に示すように、ラック231とメインギア226の小ギアとの係合が完全に外れると、係合が外れた位置においてラック231の移動は停止する。そして、ラック231は弾性部材235によりX軸負方向へ付勢されていてX軸正方向へ移動することもないため、図7の(e)の状態からさらにメインギア226が右回転しても、ラック231の位置は変わらない。
一方、カム用ギア227は、図7の(a)〜(d)に示すように、メインギア226の右回転に応じて左回転し、これにより、駆動レバー251の軸256のカム溝255中の位置は、他端(Y軸正方向からみて左回りの端部)に向けて移動する。これにより、軸256がカム用ギア227の回転中心へ近付き、駆動レバー251が軸257を中心として左回転し、軸258および脚台リンク駆動板252(図7には図示せず、図3参照)がX軸負方向へ移動する。そして、図7の(e)に示す体重測定状態では、駆動レバー251の軸256がカム溝255の他端へ到達する。
以上のように、メインギア226の右回転により、脚台シフタ205を構成する駆動レバー251の軸258がX軸負方向へ移動し、これにより脚台シフタ205全体がX軸負方向へ移動する。そして、脚台シフタ205の脚台リンク駆動板252に接続された脚台リンク機構206が駆動し、フットレスト104の足先側が上昇する。つまり、椅子100の状態は、着座状態から体重測定状態へ遷移する。
なお、カム溝255は、その中央付近から他端にかけて、カム用ギア227の中心部までの距離が大きく縮まるように形成されているので、図5の(a)(b)に示した座面上昇状態から着座状態への遷移時と比べて、軸256の移動量も大きくなる。そして、これにより、駆動レバー251の回転量が大きくなり、脚台リンク駆動板252に設けられた軸258のX軸方向への移動量も大きくなる。よって、フットレスト104の足先側は、ユーザの脚部が持ち上がる程度まで大きく上昇する。
また、椅子100の状態が着座状態から体重測定状態へ遷移する際の駆動について説明したが、体重測定状態から着座状態への遷移は、モータ201を逆回転させて、各機構を上述とは逆向きに駆動させることにより実現することができる。なお、体重測定状態から着座状態に遷移したときには、解除されていた摺動ストッパによるラック231の座面リンク駆動板236への固定を再開する。これにより、ラック231に連動して座面シフタ203全体が移動する状態に戻る。また、体重測定状態ではラック231はメインギア226の小ギアと係合していないが、弾性部材235によりX軸負方向へ付勢されているため、体重測定状態から着座状態への遷移時にメインギア226が左回転を開始すると、ラック231はスムーズにメインギア226の小ギアと再係合する。
また、椅子100の状態の座面上昇状態から体重測定状態への切り替え(途中に着座状態を経る)は、ユーザの着座(座面への接触)がセンサ(例えば、人感センサ、および、圧力センサなど)などにより検知されたことを契機として開始されることが好ましい。これによれば、ユーザは、傾斜した座面にただ腰掛けるだけで、座面が自動的に略水平になり、フットレスト104が上がる。よって、ユーザに負担をかけることなく、スムーズにその体重を測定することができる。
また、椅子100の状態の体重測定状態から座面上昇状態への切り替え(途中に着座状態を経る)は、例えばボタンの押下または表示パネル30のタッチパネルのタッチ操作などによりユーザ指示を受け付けたことを契機として開始されることが好ましい。これによれば、体重測定後にユーザが上記の指示を行うことにより、椅子100が座面上昇状態に遷移するので、ユーザの臀部を座面で押し上げて、ユーザの立ち上がりを補助することができる。
<実施形態2>
本実施形態では、体重測定状態に切り替えられたときにモータ201の駆動を停止させる構成について説明する。本実施形態に係る椅子100は、着座状態から体重測定状態に切り替わったとき、すなわち、フットレスト104が回転可能な範囲で回転し切った(足先側が所定の位置まで上昇した)とき、モータ201の駆動を停止させる動力制御機構をさらに備えている。具体的には、上記動力制御機構は、体重測定状態に切り替わったことを検知して、モータ201への電力の供給を停止する。
これにより、モータ201が駆動し続けることによるモータ201への負荷を低減することができる。また、モータ201を無駄に駆動し続けることを防ぐことにより、省電力化を図ることもできる。
体重測定状態に切り替わったことを検知する方法は特に限定されないが、例えばフットレスト104の足先側が所定の位置まで上昇したときに、該フットレスト104により押下されるボタンにより、体重測定状態に切り替わったことを検知してもよい。また、例えば、モータ201の負荷(例えば、サージ電圧およびサージ電流など)の検出結果から、体重測定状態に切り替わったことを検知してもよい。体重測定状態に切り替わり、これ以上フットレスト104が上がらない状態となった後も、モータ201を駆動させ続けると、該モータ201の負荷が上がるからである。なお、負荷が上昇したことを検知するための構成としては、上述の情報管理装置を適用してもよいし、該検知のための検知部(例えばCPU(Central Processing Unit)で実現可能)を設けてもよい。
また、動力制御機構の一例として、フットレスト104の足先側が所定の位置まで上昇したときに、モータ201への電流の供給を停止するよう回路を切り替えるリレーなどを採用することもできる。
なお、上記動力制御機構は、モータ201への電力の供給を停止する代わりに、モータ201の発生させた動力がフットレスト104に伝達されないようにするものであってもよい。例えば、モータ201からギア群202への動力の伝達を遮断(何れかのギアの係合を解除するなど)してもよいし、ギア群202の何れかのギアの係合を解除してもよい。同様に、ギア群202から脚台シフタ205、あるいは脚台シフタ205から脚台リンク機構206への動力の伝達を遮断してもよい。
<実施形態3>
実施形態1では、直線状の2本の棒状部材(第1棒状部材241および第2棒状部材242)の端部を1つの関節で接続した構造の座面リンク機構204を用いた例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明において、座面リンク機構は、ラック231の駆動に応じて座部101の保持角度を変動させることができるものであればよく、例えば、2本の棒状部材をX字型に組み合わせて関節で接続したXリンクを用いることもできる。
<実施形態4>
また、実施形態1では、脚台シフタ205をカムにより実現する構成を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ギアの組み合わせにより実現することもできる。
脚台シフタ205をカムにより実現する場合には、単純な構造により実現することができるため、部品点数を削減し、省スペース化および低コスト化をはかることができる。一方、脚台シフタ205をギアの組み合わせにより実現する場合には、動力の伝達においてトルクを安定させることができるため、フットレスト104をより安定して駆動させることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、体重を測定することのできる椅子に好適に利用することができる。
100 椅子
101 座部
104 フットレスト(脚台)
201 モータ(電動機)
202 ギア群(切替機構、動力伝達機構)
203 座面シフタ(切替機構、座面駆動機構、シフタ)
204 座面リンク機構(切替機構、座面駆動機構)
205 脚台シフタ(切替機構、脚台駆動機構)
206 脚台リンク機構(切替機構、脚台駆動機構)
226 メインギア(第1歯車)
227 カム用ギア(第2歯車、脚台シフタ)
231 ラック
236 座面リンク駆動板
241 第1棒状部材
242 第2棒状部材
251 駆動レバー
252 脚台リンク駆動板
255 カム溝
261 リンク
262 結合部材

Claims (8)

  1. 着座した使用者の体重を測定するための椅子であって、
    当該椅子の状態を切り替える切替機構を備え、
    上記切替機構は、
    使用者が着座する座面が傾斜し、かつ、使用者の脚を乗せる脚台の足先側が下がった第1状態と、上記座面の傾斜の度合が上記第1状態よりも緩く、かつ、上記脚台の足先側の位置が上記第1状態よりも高い第2状態とを、上記座面の傾斜の度合いが上記第1状態よりも緩く、かつ、上記脚台の足先側が下がった第3状態を経て切り替える、
    ことを特徴とする椅子。
  2. 当該椅子は、上記切替機構に上記切り替えを行わせるための動力を発生させる電動機をさらに備え、
    上記切替機構は、上記電動機が発生させた動力を、上記座面を駆動する座面駆動機構および上記脚台を駆動する脚台駆動機構に伝達する動力伝達機構を備えている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の椅子。
  3. 上記第1状態から上記第2状態へ切り替わったとき、上記電動機を停止させるか、または該電動機の動力が上記脚台に伝達されない状態とする動力制御機構をさらに備えている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の椅子。
  4. 上記動力伝達機構は、上記電動機の発生させた動力により第1方向または第2方向に回転される第1歯車を含み、
    上記座面駆動機構は、上記第1歯車の上記第1方向への回転運動に連動して上記座面の上記脚台と反対側の端部を持ち上げると共に、上記第1歯車の上記第2方向への回転運動に連動して上記端部を下降させるリンク機構である座面リンク機構を含み、
    上記脚台駆動機構は、上記第1歯車の上記第2方向への回転運動に連動して上記脚台の上記使用者の足先側の端部を持ち上げると共に、上記第1歯車の上記第1方向への回転運動に連動して上記足先側の端部を下降させるリンク機構である脚台リンク機構を含む、
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の椅子。
  5. 上記脚台駆動機構は、
    上記第1歯車と係合し、カム溝が形成された第2歯車と、
    所定の回転軸を中心に回転可能に設けられており、上記カム溝と係合するカム溝係合軸を備え、上記第2歯車の上記第1方向への回転に伴って上記第1方向に回転し、上記第2歯車の上記第2方向への回転に伴って上記第2方向に回転する駆動レバーと、
    上記脚台リンク機構に接続され、上記駆動レバーの回転方向に応じた所定の方向に直線運動する脚台リンク駆動板であって、上記駆動レバーの上記第1方向への回転時には上記脚台の上記使用者の足先側の端部が持ち上がるように、上記駆動レバーの上記第2方向への回転時には上記脚台の上記端部が下降するように上記脚台リンク機構を駆動する脚台リンク駆動板と、含む、
    ことを特徴とする請求項4に記載の椅子。
  6. 上記座面駆動機構は、
    上記第1歯車と係合し、該第1歯車の回転方向に応じた所定の方向に直線運動するラックと、
    上記座面リンク機構に接続され、上記ラックと連動して上記所定の方向に直線運動する座面リンク駆動板であって、上記第1歯車の上記第1方向への回転時には上記座面の上記脚台と反対側の端部が持ち上がるように、上記第1歯車の上記第2方向への回転時には上記座面の上記端部が下降するように上記座面リンク機構を駆動する座面リンク駆動板と、を含む
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の椅子。
  7. 上記ラックは、上記座面リンク駆動板に対して摺動可能に取り付けられており、
    上記ラックを上記座面リンク駆動板に対して固定するストッパと、
    当該椅子が上記第1状態から上記第3状態に切り替えられたときに上記ストッパによる固定を解除する解除機構と、を含む
    ことを特徴とする請求項6に記載の椅子。
  8. 上記第1歯車の上記ラックと係合する歯は、該第1歯車の外周の一部のみに設けられており、
    上記第1歯車の回転によって直線運動する上記ラックに対し、該直線運動の向きと逆向きに付勢する弾性部材を備えている、
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の椅子。
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