JP2015228748A - モータシステム - Google Patents

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佑季 石井
Yuki Ishii
佑季 石井
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Abstract

【課題】筐体内の電子機器や周辺の電子機器に与えるラジオノイズの発生を抑制し、信頼性の高いモータシステムを得る。
【解決手段】一体型モータシステム100は、モータ部2、電力変換部3、モータ部2と電力変換部3とを電気的に接続する交流線7と、モータ部2と電力変換部3と交流線7とを収納する筐体1と、電力変換部3と外部電源4とを接続する直流線5と、直流線5を被覆する導電性被覆6とで構成した。さらに、導電性被覆6と直流線5との間には、第1の電気容量が設けられ、第2の電気容量である交流線容量素子8は、交流線7と終端板9との間に配され、終端板9を介して導電性被覆6に接続される。
【選択図】 図1

Description

この発明は、モータ部とモータ部を駆動する電力変換部とが同じ筐体内に収納された一体型モータシステムに関わる。
従来の一体型モータシステムでは、外部の直流電源と電力変換部とが直流線を介して接続され、筐体内で電力変換部とモータ部が交流線で接続される。なお、直流線は、導電性の導電性被覆(シールド線)で被覆され、直流線と導電性被覆との間に電気容量が介在する。また、導電性被覆は、直流電源側の近傍でアース(車体)に接続される。また、この導電性被覆は、筐体側では、筐体に接続される。
この電気接続の場合、電力変換部内のスイッチング素子で発生したノイズ電流の内のアースを経由する電流量は、筐体とアースとの間の抵抗が高いので低減される。主に電力変換部内のスイッチング素子で発生したノイズ電流は、電力変換部から交流線を介してモータ部へ流れ、モータ部から浮遊容量を介して筐体へ流れ、筐体から導電性被覆へ流れ、さらに導電性被覆から直流線と導電性被覆との間の電気容量を介して直流線に流れ、直流線から電力変換部のスイッチング素子に帰還する。
一般的に電流が閉ループを描くと磁界が発生し、空中を伝わるラジオノイズが発生する。ラジオノイズは、周辺の電子機器に影響を及ぼし、誤作動を招く場合もある。
なお、ノイズ電流の閉ループが小さなループを描く場合は、ノイズ電流の閉ループが比較的大きなループを描く場合に比べ、周辺の電子機器に与えるラジオノイズの影響は小さくなる。また、ノイズ電流の閉ループを流れる電流値が低くなった場合も、周辺の電子機器に与えるラジオノイズの影響は小さくなる。
よって、ノイズ電流がアースを経由する場合に比べ、ノイズ電流が筐体を流れる方が、閉ループが小さくなるので、周辺の電子機器に与える影響を低減される場合がある(たとえば、特許文献1)。
特開2006−27315
従来の一体型モータシステムでは、その筐体内に電力変換部の制御用回路などの電子機器を搭載する。そのため、筐体にノイズ電流が流れることにより発生するラジオノイズが、筐体内の電子機器に影響を及ぼすことがある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、筐体に流れるノイズ電流を低減することにより、筐体内の電子機器や周辺の電子機器に与えるラジオノイズの影響を抑制し、信頼性の高いモータシステムを提供するものである。
この発明に係る一体型モータシステムは、筐体内にモータ部、電力変換部、およびこのモータ部とこの電力変換部とを接続する交流線を収納する。さらに、外部からの直流電圧を前記電力変換部に供給する直流線と、直流線を覆う導電性被覆とを備え、この直流線と導電性被覆との間に第1の電気容量を有する。また、導電性被覆と交流線との間に第2の電気容量を有する電気容量素子とを備える。
この発明によれば、電力変換部のスイッチング素子で発生したノイズ電流は、主に交流線から第2の電気容量を介して導電性被覆へ流れ、導電性被覆から第1の電気容量を介して直流線へ流れ、直流線から電力変換部のスイッチング素子に帰還する。すなわち、筐体を流れるノイズ電流は低減される。よって、従来に比べ、筐体内の電子機器や周辺の電子機器に与えるラジオノイズの発生が抑制され、信頼性の高いモータシステムを提供することができる。
この発明の実施の形態1に係るモータシステムを示す構成図である。 この発明の実施の形態1に係るモータシステムを示す電気接続図である。 この発明の実施の形態1に係る第1のノイズ電流の経路を示す電気接続図である。 この発明の実施の形態1に係る第2のノイズ電流の経路を示す電気接続図である。 この発明の実施の形態1に係る第3のノイズ電流の経路を示す電気接続図である。 この発明の実施の形態1に係る第4のノイズ電流の経路を示す電気接続図である。 この発明の実施の形態1に係る第5のノイズ電流の経路を示す電気接続図である。 この発明の実施の形態1に係る第6のノイズ電流の経路を示す電気接続図である。 この発明の実施の形態2に係るモータシステムを示す構成図である。
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1におけるモータシステムを示す構成図である。図1を参照して、実施の形態1におけるモータシステムの構成を説明する。
一体型モータシステム100は、モータ部2、電力変換部3、モータ部2と電力変換部3とを電気的に接続する交流線7と、モータ部2と電力変換部3と交流線7とを収納する筐体1と、電力変換部3と外部電源4とを接続する直流線5と、直流線5を被覆する導電性被覆6とを含む。
モータ部2は、モータ部2の取り付け具22を介して筐体1に固定され、モータ部2の回転軸21の一部が、筐体1の外側へ突出し、回転軸21から他の機器(図示せず)に回転を伝える。モータ部2が三相誘導式である場合、交流線7は、u相交流線71とv相交流線72とw相交流線73との3線で構成される。
また、直流線5は、高電位側直流線51と低電位側直流線52との2線で構成され、導電性被覆6は、直流線5を被覆し、その一端は筐体1の内部で終端板9に接続する。
なお、導電性被覆6と直流線5との間には、誘電体60が配され、導電性被覆6と直流線5との間には、この発明の構成要素である第1の電気容量が設けられる。交流線容量素子8は、交流線7と終端板9との間に配される。交流線容量素子8は、この発明の構成要素の第2の電気容量を有する電気容量素子である。
また、交流線容量素子8は、交流線7の1線毎に設けられ、u相容量素子81の一端はu相交流線71と、もう一端は終端板9とにそれぞれ接続され、v相容量素子82の一端はv相交流線72と、もう一端は終端板9とにそれぞれ接続され、w相容量素子83の一端はw相交流線73と、もう一端は終端板9とにそれぞれ接続される。
なお、電力変換部3は、絶縁体10aを介して筐体1内に固定され、終端板9は、絶縁体10bを介して筐体1に固定される。また、導電性被覆6は、筐体1に直接電気的に接続せず、筐体1との接触位置には絶縁体10cを介し、筐体1内で延伸し終端板9に接続される。導電性被覆6を延伸し筐体1内部においても直流線5を導電性被覆6で被覆することにより、直流線5にノイズを重畳させない効果が期待できる。
さらに、図1において、導電性被覆6は、その断面を示し、図中2か所に描かれているが、一体である。同様に、終端板9に関しても、図中2か所に描かれているが、終端板9は一体である。また、導電性被覆6および終端板9は、筐体1に比べ充分に小さい体積を有する。
図2は、この発明を実施するための実施の形態1におけるモータシステムを示す電気接続図である。図2において図1と同一番号は、同一品あるは同等品を示す。
図2を参照して、実施の形態1におけるモータシステムの電気接続を説明する。電力変換部3の高電位側端子30pは、直流線5の高電位側直流線51の一端と接続され、高電位側直流線51のもう一端は、外部電源4の高電位側電極と接続される。また、電力変換部3の低電位側端子30nは、直流線5の低電位側直流線52の一端と接続され、低電位側直流線52のもう一端は、外部電源4の低電位側電極と接続される。
なお、u相交流線71とv相交流線72とw相交流線73とは、モータ部2の固定子23に接続される。
また、図2においても、導電性被覆6は、2か所に描かれているが、一体である。同様に、終端板9に関しても、図中2か所に描かれているが、終端板9は一体である。
電力変換部3の内部の電気接続を説明する。高電位側端子30pは、高電位側主配線31pと接続され、低電位側端子30nは、低電位側主配線31nと接続される。
IGBT32aのコレクタ側は、高電位側主配線31pと接続され、IGBT32aのエミッタ側は、IGBT32bのコレクタ側と接続される。IGBT32bのエミッタ側は、低電位側主配線31nと接続される。また、IGBT32aとIGBT32bの接続点とu相交流線71とが接続される。なお、ダイオード33aは、IGBT32aと逆並列に接続され、ダイオード33bは、IGBT32bと逆並列に接続される。
IGBT32cのコレクタ側は、高電位側主配線31pと接続され、IGBT32cのエミッタ側は、IGBT32dのコレクタ側と接続される。IGBT32dのエミッタ側は、低電位側主配線31nと接続される。また、IGBT32cとIGBT32dの接続点とv相交流線72とが接続される。なお、ダイオード33cは、IGBT32cと逆並列に接続され、ダイオード33dは、IGBT32dと逆並列に接続される。
IGBT32eのコレクタ側は、高電位側主配線31pと接続され、IGBT32eのエミッタ側は、IGBT32fのコレクタ側と接続される。IGBT32fのエミッタ側は、低電位側主配線31nと接続される。また、IGBT32eとIGBT32fの接続点とw相交流線73とが接続される。なお、ダイオード33eは、IGBT32eと逆並列に接続され、ダイオード33fは、IGBT32fと逆並列に接続される。
また、制御回路(図示せず)は、IGBT32aのゲート、IGBT32bのゲート、IGBT32cのゲート、IGBT32dのゲート、IGBT32eのゲート、およびIGBT32fのゲートに接続される。
なお、IGBT32aとダイオード33aとで構成され、一端が高電位側主配線31pと接続され、もう一端が負荷であるモータ部2に接続される回路を上アームと称する。同様にIGBT32cとダイオード33cとで構成された回路、IGBT32eとダイオード33eとで構成された回路を、それぞれ上アームと称する。
また、IGBT32bとダイオード33bとで構成され、一端が低電位側主配線31nと接続され、もう一端が負荷であるモータ部2に接続される回路を下アームと称する。同様に、IGBT32dとダイオード33dとで構成された回路、IGBT32fとダイオード33fとで構成された回路を、それぞれ下アームと称する。
なお、高電位側直流線51と導電性被覆6との間には、誘電体60が介在し、電気容量11aを有する。電気容量11aは、この発明の第1の電気容量の1つである。低電位側直流線52と導電性被覆6との間にも、誘電体60が介在し、電気容量11bを有する。電気容量11bも、この発明の第1の電気容量の1つである。
一般的に、筐体1とモータ部2の固定子23との間には、浮遊容量12mが存在する。さらに、筐体1と高電位側主配線31pとの間には、浮遊容量12pが存在し、筐体1と低電位側主配線31nとの間には、浮遊容量12nが存在する。また、筐体1と導電性被覆6との間には、浮遊容量12cが存在する。
つぎに本実施の形態1におけるモータシステムの動作について説明する。外部電源4から、直流線5である高電位側直流線51と低電位側直流線52を介して、電力変換部3に直流電圧が供給される。外部から制御回路にモータ部2のモータ動作指令値(回転速度、トルクなど)に相当する信号が与えられると、制御回路はそのモータ動作指令値に基づき、IGBT32a〜IGBT32fのオンオフ動作が実行し、その動作に相当する振幅および周波数の3相交流電圧は、交流線7を介してモータ部2へ出力される。モータ部2は、交流線7から送電された電力を電磁力に変換して回転軸21を回転する。
つぎに図3から図8を参照して、電力変換部3のIGBTがスイッチングする際のノイズ電流の経路を説明する。図3から図8は、図2に示すこの発明の実施の形態1に係るモータシステムを示す電気接続図に、ノイズ電流経路を図示したものである。図3から図8中の図2と同一番号あるいは同一符号は、同一品あるは同等品であるので、その詳細な説明は省略する。
まず、上アームを構成するIGBTのスイッチング動作により発生する主なノイズ電流の経路3通りについて説明する。
この3通りのノイズ電流の経路を、第1のノイズ電流の経路L1、第2のノイズ電流の経路L2、第3のノイズ電流の経路L3とそれぞれ称する。
図3を参照して、第1のノイズ電流の経路L1を説明する。上アームのIGBT32aをスイッチングする際、下アームのIGBT32bのコレクタとエミッタとの間は、閉状態あるいは高抵抗状態にあるので、ノイズ電流は、IGBT32aのエミッタ側から、下アームのIGBT32b側に流れずにu相交流線71に流れ、u相容量素子81、終端板9、導電性被覆6、電気容量11a、高電位側直流線51、および高電位側主配線31pを経由し、IGBT32aのコレクタ側に帰還する。この第1のノイズ電流の経路L1は、筐体1を含まない。
つぎに、図4を参照して、第2のノイズ電流の経路L2を説明する。ノイズ電流は、IGBT32aのエミッタ側からu相交流線71に流れ、モータ部2の固定子23に到達し、浮遊容量12m、筐体1、浮遊容量12p、および高電位側主配線31pを経由し、IGBT32aのコレクタ側に帰還する。この第2のノイズ電流の経路L2は、筐体1を含む。
つぎに、図5を参照して、第3のノイズ電流の経路L3を説明する。ノイズ電流は、IGBT32aのエミッタ側からu相交流線71に流れモータ部2の固定子23に到達し、浮遊容量12m、筐体1、浮遊容量12c、導電性被覆6、電気容量11a、高電位側直流線51、および高電位側主配線31pを経由し、IGBT32aのコレクタ側に帰還する。この第3のノイズ電流の経路L3は、筐体1を含む。
第1のノイズ電流の経路L1は、筐体1を含まず、第2のノイズ電流の経路L2および第3のノイズ電流の経路L3は、筐体1を含む。ラジオノイズを低減するためには、前述したように筐体1を流れる電流を低減することが望ましい。すなわち、交流線容量素子8を交流線7と終端板9との間に配して、第1のノイズ電流の経路L1を確保することにより、第2のノイズ電流の経路L2を流れるノイズ電流と第3のノイズ電流の経路L3を流れるノイズ電流とを低減することが望ましい。さらに、第2のノイズ電流の経路L2のインピーダンスに比べ、第1のノイズ電流の経路L1のインピーダンスを低い値に設定し、また、第3のノイズ電流の経路L3のインピーダンスに比べ、第1のノイズ電流の経路L1のインピーダンスを低い値に設定すると、さらに筐体1を経由するノイズ電流が低減され、それによって、ラジオノイズが低減することができる。
つぎに、第1のノイズ電流の経路L1、第2のノイズ電流の経路L2、および第3のノイズ電流の経路L3のそれぞれのインピーダンスについて説明する。
第1のノイズ電流の経路L1のインピーダンスは、主にIGBT32aのエミッタ端子からu相容量素子81の一端までの寄生抵抗値と、u相容量素子81の電気容量値と、u相容量素子81のもう一端から導電性被覆6までの寄生抵抗値と、電気容量11aの電気容量値と、高電位側直流線51からIGBT32aのコレクタ端子までの寄生抵抗値で定められる。これらの寄生抵抗値は、測定あるいは見積もることができ、u相容量素子81の電気容量値と電気容量11aの電気容量値とは、予め設定することができる。すなわち、第1のノイズ電流の経路L1のインピーダンスを設定することができる。
なお、第2のノイズ電流の経路L2のインピーダンスは、主にIGBT32aのエミッタ端子から固定子23までの寄生抵抗値と、浮遊容量12mの電気容量値と、筐体1の寄生抵抗値と、浮遊容量12pの電気容量値と、高電位側主配線31pからIGBT32aのコレクタ端子までの寄生抵抗値とで定められる。これらの寄生抵抗値は、測定あるいは見積もることができ、浮遊容量12mの電気容量値と浮遊容量12pの電気容量値とは、測定することができる。すなわち、第2のノイズ電流の経路L2のインピーダンスは算出することができる。
同様に、第3のノイズ電流の経路L3のインピーダンスは、主にIGBT32aのエミッタ端子から固定子23までの寄生抵抗値と、浮遊容量12mの電気容量値と、筐体1の寄生抵抗値と、浮遊容量12cの電気容量値と、導電性被覆6の寄生抵抗値と、電気容量11aの電気容量値と、高電位側直流線51からIGBT32aのコレクタ端子までの寄生抵抗値とで定められる。これらの寄生抵抗値は、測定あるいは見積もることができ、浮遊容量12cの電気容量値は、測定することができ、電気容量11aの電気容量値は、予め設定することができる。すなわち、第3のノイズ電流の経路L3のインピーダンスは算出することができる。
よって、u相容量素子81の電気容量値および電気容量11aの電気容量値を適切に設定することにより、第1のノイズ電流の経路L1のインピーダンスを、第2のノイズ電流の経路L2のインピーダンスおよび第3のノイズ電流の経路L3のインピーダンスに比べ、低い値に設定することができる。
なお、第1のノイズ電流の経路L1、第2のノイズ電流の経路L2および第3のノイズ電流の経路L3のそれぞれの寄生抵抗が十分小さく無視できる場合、第2のノイズ電流の経路L2の合成容量値および第3のノイズ電流の経路L3の合成容量値に比べ、第1のノイズ電流の経路L1の合成容量値を、大きな値に設定することにより、第2のノイズ電流の経路L2および第3のノイズ電流の経路L3に流れるノイズ電流は低減され、ノイズ電流は、主に第1のノイズ電流の経路L1を流れる。
u相容量素子81の電気容量値をC81、電気容量11aの電気容量値をC11a、浮遊容量12mの電気容量値をC12m、浮遊容量12cの電気容量値をC12c、浮遊容量12pの電気容量値をC12pとすると、第1のノイズ電流の経路L1の合成容量値の逆数は、(1/C81+1/C11a)であり、第2のノイズ電流の経路L2の合成容量値の逆数は、(1/C12m+1/C12p)であり、第3のノイズ電流の経路L3の合成容量値の逆数は、(1/C12m+1/C12c+1/C11a)である。
第2のノイズ電流の経路L2に流れるノイズ電流に比べ、第1のノイズ電流の経路L1に流れるノイズ電流が、大きくなる条件は、(1/C81+1/C11a)<(1/C12m+1/C12p)を満たすことである。すなわち、(1/C12m+1/C12p)に比べ(1/C81+1/C11a)を充分に低い値に設定することにより、第2のノイズ電流の経路L2に起因する筐体1を流れるノイズ電流を低減することができる。
同様に、第3のノイズ電流の経路L3に流れるノイズ電流に比べ、第1のノイズ電流の経路L1に流れるノイズ電流が、大きくなる条件は、1/C81<(1/C12m+1/C12c)を満たすことである。すなわち、(1/C12m+1/C12c)に比べ1/C81を充分に低い値に設定することにより、第3のノイズ電流の経路L3に起因する筐体1を流れるノイズ電流を低減することができる。
なお、上アームを構成するIGBTに、IGBT32aを例に挙げたが、IGBT32cの場合の第1のノイズ電流の経路L1は、IGBT32cのエミッタ側からv相交流線72に流れ、v相容量素子82、終端板9、導電性被覆6、電気容量11a、高電位側直流線51、および高電位側主配線31pを経由し、IGBT32cのコレクタ側に帰還する経路である。
また、IGBT32cの場合の第2のノイズ電流の経路L2は、IGBT32cのエミッタ側からv相交流線72に流れ、固定子23、浮遊容量12m、筐体1、浮遊容量12p、および高電位側主配線31pを経由し、IGBT32cのコレクタ側に帰還する経路である。
なお、IGBT32cの場合の第3のノイズ電流の経路L3は、IGBT32cのエミッタ側からv相交流線72に流れ、固定子23、浮遊容量12m、筐体1、浮遊容量12c、導電性被覆6、電気容量11a、高電位側直流線51、および高電位側主配線31pを経由し、IGBT32cのコレクタ側に帰還する経路である。
なお、前述したIGBT32aの場合と同様に、v相容量素子82の電気容量値および電気容量11aの電気容量値を設定することにより、第1のノイズ電流の経路L1のインピーダンスを、第2のノイズ電流の経路L2のインピーダンスおよび第3のノイズ電流の経路L3のインピーダンスに比べ、低い値に設定することができる。
また、第1のノイズ電流の経路L1、第2のノイズ電流の経路L2および第3のノイズ電流の経路L3のそれぞれの寄生抵抗が十分小さく無視できる場合、v相容量素子82の電気容量値をC82とすると、(1/C12m+1/C12p)に比べ(1/C82+1/C11a)を充分に低い値に設定することにより、第2のノイズ電流の経路L2に起因する筐体1を流れるノイズ電流を低減することができる。なお、(1/C12m+1/C12c)に比べ1/C82を充分に低い値に設定することにより、第3のノイズ電流の経路L3に起因する筐体1を流れるノイズ電流を低減することができる。
前述したIGBT32aの場合と同様に、IGBT32eの場合の第1のノイズ電流の経路L1は、IGBT32eのエミッタ側からw相交流線73に流れ、w相容量素子83、終端板9、導電性被覆6、電気容量11a、高電位側直流線51、高電位側主配線31pを経由し、IGBT32eのコレクタ側に帰還する経路である。
また、IGBT32eの場合の第2のノイズ電流の経路L2は、IGBT32eのエミッタ側からw相交流線73に流れ、固定子23、浮遊容量12m、筐体1、浮遊容量12p、および高電位側主配線31pを経由し、IGBT32eのコレクタ側に帰還する経路である。
なお、IGBT32eの場合の第3のノイズ電流の経路L3は、IGBT32eのエミッタ側からw相交流線73に流れ、固定子23、浮遊容量12m、筐体1、浮遊容量12c、導電性被覆6、電気容量11a、高電位側直流線51、および高電位側主配線31pを経由し、IGBT32eのコレクタ側に帰還する経路である。
なお、前述したIGBT32aの場合と同様に、w相容量素子83の電気容量値および電気容量11aの電気容量値を設定することにより、第1のノイズ電流の経路L1のインピーダンスを、第2のノイズ電流の経路L2のインピーダンスおよび第3のノイズ電流の経路L3のインピーダンスに比べ、低い値に設定することができる。
また、第1のノイズ電流の経路L1、第2のノイズ電流の経路L2および第3のノイズ電流の経路L3のそれぞれの寄生抵抗が十分小さく無視できる場合、w相容量素子83の電気容量値をC83とすると、(1/C12m+1/C12p)に比べ(1/C83+1/C11a)を充分に低い値に設定することにより、第2のノイズ電流の経路L2に起因する筐体1を流れるノイズ電流を低減することができる。なお、(1/C12m+1/C12c)に比べ1/C83を充分に低い値に設定することにより、第3のノイズ電流の経路L3に起因する筐体1を流れるノイズ電流を低減することができる。
つぎに、下アームを構成するIGBTのスイッチング動作により発生する主なノイズ電流の経路3通りについて説明する。
この3通りのノイズ電流の経路を、第4のノイズ電流の経路L4、第5のノイズ電流の経路L5、第6のノイズ電流の経路L6とそれぞれ称する。
図6を参照して、第4のノイズ電流の経路L4を説明する。下アームのIGBT32bをスイッチングする際、上アームのIGBT32aのコレクタとエミッタとの間は、閉状態あるいは高抵抗状態にあるので、ノイズ電流は、IGBT32bのコレクタ側から、上アームのIGBT32a側に流れずにu相交流線71に流れ、u相容量素子81、終端板9、導電性被覆6、電気容量11b、低電位側直流線52、および低電位側主配線31nを経由して、IGBT32bのエミッタ側に帰還する。この第4のノイズ電流の経路L4は、筐体1を含まない。
図7を参照して、第5のノイズ電流の経路L5を説明する。ノイズ電流は、IGBT32bのコレクタ側からu相交流線71に流れ、固定子23、浮遊容量12m、筐体1、浮遊容量12n、低電位側主配線31nを経由し、IGBT32bのエミッタ側に帰還する。この第2のノイズ電流の経路L5は、筐体1を経由する。
図8を参照して、第6のノイズ電流の経路L6を説明する。ノイズ電流は、IGBT32bのコレクタ側からu相交流線71に流れ、固定子23、浮遊容量12m、筐体1、浮遊容量12c、導電性被覆6、電気容量11b、低電位側直流線52、および低電位側主配線31nを経由し、IGBT32bのエミッタ側に帰還する。この第6のノイズ電流の経路L6は、筐体1を経由する。
第4のノイズ電流の経路L4は、筐体1を含まず、第5のノイズ電流の経路L5と第6のノイズ電流の経路L6とは、筐体1を経由する。ラジオノイズを低減するためには、前述したように筐体1を流れる電流を低減することが望ましい。すなわち、第5のノイズ電流の経路L5を流れるノイズ電流と第6のノイズ電流の経路L6を流れるノイズ電流を低減することが望ましく、第5のノイズ電流の経路L5のインピーダンスと第6のノイズ電流の経路L6のインピーダンスに比べ、第4のノイズ電流の経路L4のインピーダンスを低い値に設定すると、筐体1を経由するノイズ電流が低減され、それによって、ラジオノイズが低減することができる。
つぎに、第4のノイズ電流の経路L4、第5のノイズ電流の経路L5、および第6のノイズ電流の経路L6のそれぞれのインピーダンスについて説明する。
第4のノイズ電流の経路L4のインピーダンスは、主にIGBT32bのコレクタ端子からu相容量素子81の一端までの寄生抵抗値と、u相容量素子81の電気容量値と、u相容量素子81のもう一端から導電性被覆6までの寄生抵抗値と、電気容量11bの電気容量値と、低電位側直流線52からIGBT32bのエミッタ端子までの寄生抵抗値で定められる。これらの寄生抵抗値は、測定あるいは見積もることができ、u相容量素子81の電気容量値と電気容量11bの電気容量値とは、予め設定することができる。すなわち、第4のノイズ電流の経路L4のインピーダンスを設定することができる。
なお、第5のノイズ電流の経路L5のインピーダンスは、主にIGBT32bのコレクタ端子から固定子23までの寄生抵抗値と、浮遊容量12mの電気容量値と、筐体1の寄生抵抗値と、浮遊容量12nの電気容量値と、低電位側主配線31nからIGBT32bのエミッタ端子までの寄生抵抗値とで定められる。これらの寄生抵抗値は、測定あるいは見積もることができ、浮遊容量12mの電気容量値と浮遊容量12nの電気容量値とは、測定することができる。すなわち、第5のノイズ電流の経路L5のインピーダンスは算出することができる。
同様に、第6のノイズ電流の経路L6のインピーダンスは、主にIGBT32bのコレクタ端子から固定子23までの寄生抵抗値と、浮遊容量12mの電気容量値と、筐体1の寄生抵抗値と、浮遊容量12cの電気容量値と、導電性被覆6の寄生抵抗値と、電気容量11bの電気容量値と、低電位側直流線52からIGBT32bのエミッタ端子までの寄生抵抗値とで定められる。これらの寄生抵抗値は、測定あるいは見積もることができ、浮遊容量12cの電気容量値は、測定することができ、電気容量11bの電気容量値は、予め設定することができる。すなわち、第6のノイズ電流の経路L6のインピーダンスは算出することができる。
すなわち、u相容量素子81の電気容量値および電気容量11bの電気容量値を設定することにより、第4のノイズ電流の経路L4のインピーダンスを、第5のノイズ電流の経路L5のインピーダンスおよび第6のノイズ電流の経路L6のインピーダンスに比べ、低い値に設定することができる。
なお、第4のノイズ電流の経路L4、第5のノイズ電流の経路L5および第6のノイズ電流の経路L6のそれぞれの寄生抵抗が十分小さく無視できる場合、第5のノイズ電流の経路L5の合成容量値および第6のノイズ電流の経路L6の合成容量値に比べ、第4のノイズ電流の経路L4の合成容量値を、大きな値に設定することにより、第5のノイズ電流の経路L5および第6のノイズ電流の経路L6に流れるノイズ電流は低減され、ノイズ電流は、主に第4のノイズ電流の経路L4を流れる。
電気容量11bの電気容量値をC11b、浮遊容量12nの電気容量値をC12nとすると、第4のノイズ電流の経路L4の合成容量値の逆数は、(1/C81+1/C11b)であり、第5のノイズ電流の経路L5の合成容量値の逆数は、(1/C12m+1/C12n)であり、第6のノイズ電流の経路L6の合成容量値の逆数は、(1/C12m+1/C12c+1/C11b)である。
第5のノイズ電流の経路L5に流れるノイズ電流に比べ、第4のノイズ電流の経路L4に流れるノイズ電流が、大きくなる条件は、(1/C81+1/C11b)<(1/C12m+1/C12n)を満たすことである。すなわち、(1/C12m+1/C12n)に比べ(1/C81+1/C11b)を充分に低い値に設定することにより、第5のノイズ電流の経路L5に起因する筐体1を流れるノイズ電流を低減することができる。
同様に、第6のノイズ電流の経路L6に流れるノイズ電流に比べ、第4のノイズ電流の経路L4に流れるノイズ電流が、大きくなる条件は、1/C81<(1/C12m+1/C12c)を満たすことである。すなわち、(1/C12m+1/C12c)に比べ1/C81を充分に低い値に設定することにより、第6のノイズ電流の経路L6に起因する筐体1を流れるノイズ電流を低減することができる。
なお、下アームに位置するIGBTに、IGBT32bを例に挙げたが、IGBT32dの場合の第4のノイズ電流の経路L4は、IGBT32dのコレクタ側からv相交流線72に流れ、v相容量素子82、終端板9、導電性被覆6、電気容量11b、低電位側直流線52、および低電位側主配線31nを経由し、IGBT32dのエミッタ側に帰還する経路である。
また、IGBT32dの場合の第5のノイズ電流の経路L5は、IGBT32dのコレクタ側からv相交流線72に流れ、固定子23に到達し、浮遊容量12m、筐体1、浮遊容量12n、および低電位側主配線31nを経由し、IGBT32dのエミッタ側に帰還する経路である。
なお、IGBT32dの場合の第6のノイズ電流の経路L6は、IGBT32dのコレクタ側からv相交流線72に流れ、固定子23に到達し、浮遊容量12m、筐体1、浮遊容量12c、導電性被覆6、電気容量11b、低電位側直流線52、低電位側主配線31nを経由し、IGBT32dのエミッタ側に帰還する経路である。
なお、前述したIGBT32bの場合と同様に、v相容量素子82の電気容量値および電気容量11bの電気容量値を設定することにより、第4のノイズ電流の経路L4のインピーダンスを、第5のノイズ電流の経路L5のインピーダンスおよび第6のノイズ電流の経路L6のインピーダンスに比べ、低い値に設定することができる。
また、第4のノイズ電流の経路L4、第5のノイズ電流の経路L5および第6のノイズ電流の経路L6のそれぞれの寄生抵抗が十分小さく無視できる場合、(1/C12m+1/C12n)に比べ(1/C82+1/C11b)を充分に低い値に設定することにより、第5のノイズ電流の経路L5に起因する筐体1を流れるノイズ電流を低減することができる。なお、(1/C12m+1/C12c)に比べ1/C82を充分に低い値に設定することにより、第6のノイズ電流の経路L6に起因する筐体1を流れるノイズ電流を低減することができる。
また、IGBT32fの場合の第4のノイズ電流の経路L4は、IGBT32fのコレクタ側からw相交流線73に流れ、w相容量素子83、終端板9、導電性被覆6、電気容量11b、低電位側直流線52、低電位側主配線31nを経由し、IGBT32fのエミッタ側に帰還する経路である。
また、IGBT32fの場合の第5のノイズ電流の経路L5は、IGBT32fのコレクタ側からw相交流線73に流れ、固定子23、浮遊容量12m、筐体1、浮遊容量12n、および低電位側主配線31nを経由し、IGBT32fのエミッタ側に帰還する経路である。
なお、IGBT32fの場合の第6のノイズ電流の経路L6は、IGBT32dのコレクタ側からw相交流線73に流れ、固定子23、浮遊容量12m、筐体1、浮遊容量12c、導電性被覆6、電気容量11b、低電位側直流線52、低電位側主配線31nを経由し、IGBT32fのエミッタ側に帰還する経路である。
なお、前述したIGBT32bの場合と同様に、w相容量素子83の電気容量値および電気容量11bの電気容量値を設定することにより、第4のノイズ電流の経路L4のインピーダンスを、第5のノイズ電流の経路L5のインピーダンスおよび第6のノイズ電流の経路L6のインピーダンスに比べ、低い値に設定することができる。
また、第4のノイズ電流の経路L4、第5のノイズ電流の経路L5および第6のノイズ電流の経路L6のそれぞれの寄生抵抗が十分小さく無視できる場合、(1/C12m+1/C12n)に比べ(1/C83+1/C11b)を充分に低い値に設定することにより、第5のノイズ電流の経路L5に起因する筐体1を流れるノイズ電流を低減することができる。なお、(1/C12m+1/C12c)に比べ1/C83を充分に低い値に設定することにより、第6のノイズ電流の経路L6に起因する筐体1を流れるノイズ電流を低減することができる。
なお、第1のノイズ電流の経路L1〜第6のノイズ電流の経路L6のそれぞれの説明において、電流の方向が、一方方向の場合のみを説明した。ノイズ電流が、第1のノイズ電流の経路L1〜第6のノイズ電流の経路L6を逆方向に流れる場合も、前述した第1のノイズ電流の経路L1〜第6のノイズ電流の経路L6のそれぞれの場合に含まれる。
本実施の形態1のモータシステムにおいては、電力変換部3のスイッチング素子で発生したノイズ電流は、主に交流線7から第2の電気容量を介して導電性被覆6へ流れ、導電性被覆6から第1の電気容量を介して直流線5へ流れ、直流線5から電力変換部3のスイッチング素子に帰還する。すなわち、筐体1を流れるノイズ電流は低減される。よって、従来に比べ筐体1内の電子機器や周辺の電子機器に与えるラジオノイズの発生が抑制され、信頼性の高いモータシステムを提供することができる。
なお、第1のノイズ電流の経路L1と第4のノイズ電流の経路L4とは、本発明の第1の経路に相当し、第2のノイズ電流の経路L2と第5のノイズ電流の経路L5とは、本発明の第2の経路に相当し、第3のノイズ電流の経路L3と第6のノイズ電流の経路L6とは、本発明の第3の経路に相当する。
実施の形態2.
実施の形態1では、筐体1と導電性被覆6とは、直接接続されていないので、筐体1と導電性被覆6とで電位が異なる場合がある。モータシステムの運用において、筐体1と導電性被覆6との間で同一電位である方が望ましい場合がある。しかし、筐体1と導電性被覆6とを接続する場合、筐体1と導電性被覆6との接続を介してノイズ電流が筐体1に流れる場合がある。
本実施の形態2では、このような懸念を払拭するため、筐体1と導電性被覆6との間にフィルタ回路を備えた実施の形態を説明する。
図9は、実施の形態2におけるモータシステムを示す構成図である。図1と同一番号あるいは同一符号は、実施の形態1に示す構成要素と同一品あるは同等品であるので、その詳細な説明は省略する。
フィルタ回路101の一端は、筐体1に接続され、もう一端は、終端板9に接続される。この場合、フィルタ回路101は、終端板9を介して導電性被覆6に接続される。
例えば、フィルタ回路101は、終端板9から筐体1に流れる電流の予め設定された周波数以上の電流成分を減衰させるローパスフィルタを形成し、減衰させる周波数範囲をスイッチング素子が発生するノイズ電流成分以上の周波数に設定する。この場合、予め設定された周波数未満の電流成分は、終端板9を介して導電性被覆6から筐体1に流れるので、導電性被覆6と筐体1とは同一電位になる。一方、ノイズ電流は、フィルタ回路101により遮断される。よって、ノイズ電流が筐体1を経由することにより発生するラジオノイズは、低減される。
本実施の形態2のモータシステムにおいては、電力変換部3のスイッチング素子で発生したノイズ電流は、主に交流線7から第2の電気容量を介して導電性被覆6へ流れ、導電性被覆6から第1の電気容量を介して直流線5へ流れ、直流線5から電力変換部3のスイッチング素子に帰還する。すなわち、筐体1を流れるノイズ電流は低減される。よって、従来に比べ、筐体1内の電子機器や周辺の電子機器に与えるラジオノイズの発生が抑制され、信頼性の高いモータシステムを提供することができる。なお、フィルタ回路101は、筐体1と導電性被覆6との間に接続されているので、筐体1と導電性被覆6とを同電位に保つことができる。
なお、実施の形態1および実施の形態2においては、電力変換部3の詳細な構造を説明した。この発明はこれらの詳細な構造に限定されるものではない。例えば、電力変換部3のIGBTをMOSFETあるいはその他の素子で構成してもよい。
また、実施の形態1および実施の形態2においては、すべての交流線7に交流線容量素子8を接続したが、いずれか1つに交流線容量素子8を接続しても、ラジオノイズを低減する効果が得られる。
なお、実施の形態2においては、フィルタ回路101を筐体1の内部で、筐体1と終端板9を介して導電性被覆6にそれぞれ接続する例を説明した。フィルタ回路101の設置場所は、筐体1の外部でもよく、フィルタ回路101の一方が、導電性被覆6に接続され、もう一方が、筐体1に接続されていればよい。
また、実施の形態1および実施の形態2においては、直流線5である高電位側直流線51と低電位側直流線52とを1つの導電性被覆6で被覆したが、高電位側直流線51と低電位側直流線52とをそれぞれ別々の導電性被覆6で被覆しても、ラジオノイズを低減する効果が得られる。
なお、実施の形態1および実施の形態2においては、モータ部2の方式が三相誘導式である場合を説明した。この発明はこれらの詳細な構造に限定されるものではない。例えば、モータ部2の方式は、単相誘導式で構成してもよく、その場合は、交流線7は2線で構成される。
1 筐体、2 モータ部、3 電力変換部、5 直流線、6 導電性被覆、7 交流線、8 交流線容量素子、100 一体型モータシステム、101 フィルタ回路。

Claims (6)

  1. 交流電圧で駆動するモータ部と、
    直流電圧を前記交流電圧に変換し前記モータ部を駆動する電力変換部と、
    前記モータ部と前記電力変換部とを接続し前記交流電圧を前記モータ部に供給する交流線と、
    前記モータ部と前記電力変換部と前記交流線とを収納する筐体と、
    外部からの前記直流電圧を前記電力変換部に供給する直流線と、
    前記直流線を覆い前記直流線との間に第1の電気容量を有する導電性被覆と、
    前記交流線と前記導電性被覆との間に接続された第2の電気容量を有する電気容量素子とを備えることを特徴とするモータシステム。
  2. 電力変換部を構成するスイッチング素子の一端から交流線と第2の電気容量と導電性被覆と第1の電気容量と直流線とを介して繋がる前記スイッチング素子のもう一端までの第1の経路のインピーダンスは、前記スイッチング素子の一端から前記交流線とモータ部と筐体とを介して繋がる前記スイッチング素子のもう一端までの第2の経路のインピーダンスより、小さいことを特徴とする請求項1に記載のモータシステム。
  3. 電力変換部を構成するスイッチング素子の一端から交流線と第2の電気容量と導電性被覆と第1の電気容量と直流線とを介して繋がる前記スイッチング素子のもう一端までの第1の経路のインピーダンスは、前記スイッチング素子の一端から前記交流線とモータ部と筐体と前記導電性被覆と前記第1の電気容量と前記直流線とを介して繋がる前記スイッチング素子のもう一端までの第3の経路のインピーダンスより、小さいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータシステム。
  4. 導電性被覆と筐体との間にフィルタ回路を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のモータシステム。
  5. フィルタ回路は、スイッチング素子が発生するノイズ電流成分以上の周波数の電流を減衰させるローパスフィルタであることを特徴とする請求項4に記載のモータシステム。
  6. 直流線と電力変換部とが、および導電性被覆と電気容量素子とが、筐体内部にて接続されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のモータシステム。
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