JP2015226337A - 回転電機用永久磁石、回転電機用永久磁石の製造方法、回転電機及び回転電機の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】永久磁石を表面磁石型回転電機のロータに対して予め設計された位置に正確且つ強固に固定することを可能にした回転電機用永久磁石及び回転電機用永久磁石の製造方法、並びに回転電機用永久磁石を用いた回転電機及び回転電機の製造方法を提供する。
【解決手段】磁石原料を磁石粉末に粉砕し、粉砕された磁石粉末とバインダーとを混合することによりコンパウンド12を生成する。そして、生成したコンパウンド12をシート状に成形したグリーンシート14を作製する。その後、成形したグリーンシート14からロータ2の表面と接する面にロータ2の表面に形成された係合部3と係合する被係合部4が形成された成形体31を成形し、成形体31を焼結することにより永久磁石1を製造する。
【選択図】図2
【解決手段】磁石原料を磁石粉末に粉砕し、粉砕された磁石粉末とバインダーとを混合することによりコンパウンド12を生成する。そして、生成したコンパウンド12をシート状に成形したグリーンシート14を作製する。その後、成形したグリーンシート14からロータ2の表面と接する面にロータ2の表面に形成された係合部3と係合する被係合部4が形成された成形体31を成形し、成形体31を焼結することにより永久磁石1を製造する。
【選択図】図2
Description
本発明は、回転電機用永久磁石及び回転電機用永久磁石の製造方法、並びに回転電機用永久磁石を用いた回転電機及び回転電機の製造方法に関する。
近年、工作機械、車両、航空機、風力原動機等では、エンジンなどから伝達される機械的運動エネルギーを電気エネルギーへと変換する発電機や、逆に電気エネルギーを機械的運動エネルギーへと変換するモータ(電動機)等の回転電機が一般的に用いられている。ここで、回転電機の一つである表面磁石型回転電機は、ロータ表面に磁石が張り付けられた回転電機であり、比較的安易な構成で、高出力化、高効率化が実現可能である。
例えば特開2009−27846号公報には、ロータの周囲にセグメント型の永久磁石が複数配置された表面磁石型モータについて開示されている。
ここで、従来の表面磁石型回転電機は、図10に示すように、ロータ101の表面にセグメント型の複数の永久磁石102を張り付けることにより構成される。また、回転電機では低トルクリップル化についても求められているが、その為には設計位置に対する永久磁石102の位置ズレを抑えることが重要である。例えば、トルクリップルを0.5%以下とする為には、設計位置に対して永久磁石102の位置ズレを5μm以下に抑えることが必要である。しかしながら、従来の永久磁石をロータ表面に張り付ける構成では、ロータに対する永久磁石の正確な位置決めが困難であった。
また、一般的にロータ101と永久磁石102は粘着剤を用いて固定するが、粘着剤のみによってロータ101に対して永久磁石102を適切に固定することは難しかった。例えば、粘着剤を多く用いれば、はみ出した粘着剤がモータに悪影響を与えることとなる。一方で粘着剤が少なければ高速回転するロータ101から永久磁石102が外れたり、永久磁石102の位置ズレが発生する可能性もある。
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、表面磁石型回転電機のロータに対して予め設計された位置に正確且つ強固に固定することが可能となり、表面磁石型回転電機の高出力化、高効率化、低トルクリップル化を実現することを可能にした回転電機用永久磁石及び回転電機用永久磁石の製造方法、並びに回転電機用永久磁石を用いた回転電機及び回転電機の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る回転電機用永久磁石は、表面磁石型回転電機のロータ表面に配置される永久磁石であって、前記ロータ表面と接する面に前記ロータ表面に形成された係合部と係合する被係合部が形成されていることを特徴とする。
また、請求項2に係る回転電機用永久磁石は、請求項1に記載の回転電機用永久磁石であって、磁石原料を磁石粉末に粉砕する工程と、前記粉砕された磁石粉末とバインダーとが混合された混合物を生成する工程と、前記混合物を前記被係合部を有する成形体に成形する工程と、前記成形体を一軸方向に加圧した状態で焼成温度に保持することにより焼結する工程と、により製造されることを特徴とする。
また、請求項3に係る回転電機用永久磁石は、請求項2に記載の回転電機用永久磁石であって、前記成形体を焼結する工程では、前記ロータ表面に配置された際にロータの軸方向と同方向となる方向に前記成形体を加圧した状態で焼結することを特徴とする。
また、請求項4に係る回転電機用永久磁石は、請求項2又は請求項3に記載の回転電機用永久磁石であって、前記バインダーは熱可塑性樹脂からなり、前記成形体を成形する工程によって生じた前記混合物の残余を加熱することにより、該残余を前記成形体を成形する為の前記混合物へと再利用することを特徴とする。
また、請求項5に係る回転電機用永久磁石は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の回転電機用永久磁石であって、前記被係合部が複数形成されていることを特徴とする。
また、請求項6に係る回転電機は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の回転電機用永久磁石をロータ表面に配置したことを特徴とする。
また、請求項7に係る回転電機用永久磁石の製造方法は、表面磁石型回転電機のロータ表面に配置される永久磁石であって、磁石原料を磁石粉末に粉砕する工程と、前記粉砕された磁石粉末とバインダーとが混合された混合物を生成する工程と、前記混合物を成形体に成形する工程と、前記成形体を一軸方向に加圧した状態で焼成温度に保持することにより焼結する工程と、を有し、前記成形体に対して、前記ロータ表面と接する面に前記ロータ表面に形成された係合部と係合する被係合部を形成することを特徴とする。
また、請求項8に係る回転電機用永久磁石の製造方法は、請求項7に記載の回転電機用永久磁石の製造方法であって、前記成形体を焼結する工程では、前記ロータ表面に配置された際にロータの軸方向と同方向となる方向に前記成形体を加圧した状態で焼結することを特徴とする。
また、請求項9に係る回転電機用永久磁石の製造方法は、請求項7又は請求項8に記載の回転電機用永久磁石の製造方法であって、前記被係合部を複数形成することを特徴とする。
また、請求項10に係る回転電機用永久磁石の製造方法は、請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の回転電機用永久磁石の製造方法であって、前記バインダーは熱可塑性樹脂からなり、前記成形体を成形する工程によって生じた前記混合物の残余を加熱することにより、該残余を前記成形体を成形する為の前記混合物へと再利用することを特徴とする。
更に、請求項11に係る回転電機の製造方法は、請求項7乃至請求項10のいずれかの製造方法で製造された回転電機用永久磁石をロータ表面に配置することにより製造することを特徴とする。
前記構成を有する請求項1に記載の回転電機用永久磁石によれば、回転電機のロータ表面と接する面に、ロータ表面に形成された係合部と係合する被係合部を形成するので、係合部と被係合部を係合させることによって、永久磁石をロータに対して予め設計された位置に正確に位置決めすることが可能となる。また、永久磁石とロータとの接触面積を大きくすることができるので、ロータに対して永久磁石を強固に固定することが可能となる。その結果、ロータが高速回転した場合であってもロータに対する永久磁石の位置ズレの発生を防止することが可能となる。
また、請求項2に記載の回転電機用永久磁石によれば、磁石粉末とバインダーとを混合した混合物を成形することによって成形体を形成するので、従来の圧粉成形等を用いる場合と比較して配向後に磁石粒子が回動することも無く、配向度についても向上させることが可能となる。また、磁石粉末とバインダーとの混合物に対して磁場配向を行う場合には、電流のターン数を利用できるため磁場配向を行う際の磁場強度を大きく確保することができ、且つ静磁場で長時間の磁場印加を施せるので、バラつきの少ない高い配向度を実現することが可能となる。更に、バラつきの少ない高配向が実現できる事は、焼結による収縮のバラつきの低減に繋がる。即ち、焼結後の製品形状の均一性が確保できる。その結果、焼結後の外形加工に対する負担が軽減される。そして、従来の圧粉成形と比較して被係合部を容易に成形でき、成形した被係合部はその後の製造工程で大きな変形を生じることがないので、係合部と被係合部との係合を適切に行わせることが可能となる。
また、請求項3に記載の回転電機用永久磁石によれば、ロータの軸方向と同方向となる方向に成形体を加圧した状態で焼結するので、焼結による収縮が均一となることにより、焼結後の反りや凹みなどの変形が生じることを防止できる。その結果、永久磁石が被係合部の形成された複雑な形状を有する場合においても、永久磁石を精度よく製造することが可能となる。
また、請求項4に記載の回転電機用永久磁石によれば、磁石粉末とバインダーとの混合物を複雑な形状の成形体へと加工する場合であっても、加工により生じた残余部分を混合物の一部として再生することが可能なので、歩留まりの低下を防止することが可能となる。
また、請求項5に記載の回転電機用永久磁石によれば、被係合部を複数設けることによって、ロータに対して永久磁石をより強固に固定することが可能となる。その結果、ロータが高速回転した場合であってもロータに対する永久磁石の位置ズレの発生を防止することが可能となる。
また、請求項6に記載の回転電機によれば、従来に比べて回転電機の高トルク化、小型化、低トルクリップル化、高効率化を実現することが可能となる。
また、請求項7に記載の回転電機用永久磁石の製造方法によれば、回転電機のロータ表面と接する面に、ロータ表面に形成された係合部と係合する被係合部を形成するので、係合部と被係合部を係合させることによって、永久磁石をロータに対して予め設計された位置に正確に位置決めすることが可能となる。また、永久磁石とロータとの接触面積を大きくすることができるので、ロータに対して永久磁石を強固に固定することが可能となる。その結果、ロータが高速回転した場合であってもロータに対する永久磁石の位置ズレの発生を防止することが可能となる。
また、磁石粉末とバインダーとを混合した混合物を成形することによって成形体を形成するので、従来の圧粉成形等を用いる場合と比較して配向後に磁石粒子が回動することも無く、配向度についても向上させることが可能となる。また、磁石粉末とバインダーとの混合物に対して磁場配向を行う場合には、電流のターン数を利用できるため磁場配向を行う際の磁場強度を大きく確保することができ、且つ静磁場で長時間の磁場印加を施せるので、バラつきの少ない高い配向度を実現することが可能となる。更に、バラつきの少ない高配向が実現できる事は、焼結による収縮のバラつきの低減に繋がる。即ち、焼結後の製品形状の均一性が確保できる。その結果、焼結後の外形加工に対する負担が軽減される。そして、従来の圧粉成形と比較して被係合部を容易に成形でき、成形した被係合部はその後の製造工程で大きな変形を生じることがないので、係合部と被係合部との係合を適切に行わせることが可能となる。
また、磁石粉末とバインダーとを混合した混合物を成形することによって成形体を形成するので、従来の圧粉成形等を用いる場合と比較して配向後に磁石粒子が回動することも無く、配向度についても向上させることが可能となる。また、磁石粉末とバインダーとの混合物に対して磁場配向を行う場合には、電流のターン数を利用できるため磁場配向を行う際の磁場強度を大きく確保することができ、且つ静磁場で長時間の磁場印加を施せるので、バラつきの少ない高い配向度を実現することが可能となる。更に、バラつきの少ない高配向が実現できる事は、焼結による収縮のバラつきの低減に繋がる。即ち、焼結後の製品形状の均一性が確保できる。その結果、焼結後の外形加工に対する負担が軽減される。そして、従来の圧粉成形と比較して被係合部を容易に成形でき、成形した被係合部はその後の製造工程で大きな変形を生じることがないので、係合部と被係合部との係合を適切に行わせることが可能となる。
また、請求項8に記載の回転電機用永久磁石の製造方法によれば、ロータの軸方向と同方向となる方向に成形体を加圧した状態で焼結するので、焼結による収縮が均一となることにより、焼結後の反りや凹みなどの変形が生じることを防止できる。その結果、永久磁石が被係合部の形成された複雑な形状を有する場合においても、永久磁石を精度よく製造することが可能となる。
また、請求項9に記載の回転電機用永久磁石の製造方法によれば、被係合部を複数設けることによって、ロータに対して永久磁石をより強固に固定することが可能となる。その結果、ロータが高速回転した場合であってもロータに対する永久磁石の位置ズレの発生を防止することが可能となる。
また、請求項10に記載の回転電機用永久磁石の製造方法によれば、磁石粉末とバインダーとの混合物を複雑な形状の成形体へと加工する場合であっても、加工により生じた残余部分を混合物の一部として再生することが可能なので、歩留まりの低下を防止することが可能となる。
更に、請求項11に記載の回転電機の製造方法によれば、従来に比べて製造する回転電機の高トルク化、小型化、低トルクリップル化、高効率化を実現することが可能となる。
以下、本発明に係る回転電機用永久磁石及び回転電機用永久磁石の製造方法について具体化した一実施形態について以下に図面を参照しつつ詳細に説明する。
[永久磁石の構成]
先ず、本発明に係る回転電機用永久磁石に相当する永久磁石1の構成について説明する。図1は本発明に係る永久磁石1を示した全体図である。尚、図1に示すように本発明に係る永久磁石1はセグメント形状を有する永久磁石である。そして、図2に示すように表面磁石型の発電機(又はモータ)のロータ2の表面に複数配置され、表面磁石型の発電機(又はモータ)を構成する。図2は、永久磁石1が配置されたSPMモータのロータ2を示した図である。尚、以下の実施例では永久磁石1をセグメント型の永久磁石とした例について説明するが、永久磁石1の形状は配置対象となるロータ2の形状、配置数等によって適宜変更可能である。例えば、扇型形状、弓型形状、直方体形状としても良い。
先ず、本発明に係る回転電機用永久磁石に相当する永久磁石1の構成について説明する。図1は本発明に係る永久磁石1を示した全体図である。尚、図1に示すように本発明に係る永久磁石1はセグメント形状を有する永久磁石である。そして、図2に示すように表面磁石型の発電機(又はモータ)のロータ2の表面に複数配置され、表面磁石型の発電機(又はモータ)を構成する。図2は、永久磁石1が配置されたSPMモータのロータ2を示した図である。尚、以下の実施例では永久磁石1をセグメント型の永久磁石とした例について説明するが、永久磁石1の形状は配置対象となるロータ2の形状、配置数等によって適宜変更可能である。例えば、扇型形状、弓型形状、直方体形状としても良い。
また、本発明に係る永久磁石1はNd−Fe−B系磁石からなる。尚、各成分の含有量はNd:27〜40wt%、B:0.8〜2wt%、Fe(電解鉄):60〜70wt%とする。また、磁気特性向上の為、Dy、Tb、Co、Cu、Al、Si、Ga、Nb、V、Pr、Mo、Zr、Ta、Ti、W、Ag、Bi、Zn、Mg等の他元素を少量含んでも良い。
また、ロータ2に対する永久磁石1の配置数はロータ2の周囲に形成する極数に応じた数となり、例えば極数を8極とする場合には、図2に示すように8個の永久磁石1がロータ2に対して等間隔に配置される。また、永久磁石1のロータ2の表面と接する面には、ロータ2表面に形成された係合部3と係合する被係合部4が形成される。
ここで、図1及び図2に示す例では、永久磁石1に形成された被係合部4はロータ2の周方向の両端部にそれぞれ形成された凸状の脚状部材とし、ロータ2に形成された係合部3は該脚状部材が挿入される挿入孔とする。そして、永久磁石1の被係合部4がロータ2の係合部3に係合された状態では、ロータ2に対して予め設計された設計位置に永久磁石1が位置するように構成する。即ち、図2に示すように8個の永久磁石1をそれぞれ係合部3と被係合部4が係合するようにして配置し、永久磁石1とロータ2とを接着剤等で固定することによって、ロータ2に対して永久磁石1を設計位置に正確に位置決めして固定することが可能となる。また、係合部3と被係合部4を形成することによって永久磁石1とロータ2とが当接する面の面積が大きくなることから、接着剤を用いて固定する場合にはロータ2に対して永久磁石1をより強固に固定することが可能となる。
尚、図2に示す例では、永久磁石1に形成された被係合部4は、一の永久磁石1に対して2箇所に形成する構成としているが、被係合部4は1箇所のみ又は3箇所以上に形成する構成としても良い。また、ロータ2に配置する全ての永久磁石1に対して被係合部4を形成するのではなく、一部の永久磁石1のみに形成する構成としても良い。また、図2に示す例では、係合部3を凹形状とし、被係合部4を凸形状としているが、係合部3を凸形状とし、被係合部4を凹形状としても良い。
また、係合部3と被係合部4の大きさや形状は適宜変更することが可能である。
例えば、図3に示すように係合部3と被係合部4の形状は、当接面に対して連続して形成された凹凸形状としても良い。また、図4に示すような楔型形状としても良い。尚、図4に示すような楔型形状とすれば、永久磁石1とロータ2とを接着剤を用いることなく固定することも可能となる。また、後述のように永久磁石1をグリーン成形体を用いて成形すれば、図3や図4に示すような複雑な形状へも容易に成形することが可能となる。更に、加圧焼結を用いて焼結すれば、焼結による成形体の収縮が均一となることにより、焼結後の永久磁石に対して反りや凹みなどの変形が生じず、焼結後の永久磁石の寸法精度が向上する。従って、焼結後における永久磁石の形状の修正加工をする必要がなく、係合部3と被係合部4を適切に係合させることが可能となる。
例えば、図3に示すように係合部3と被係合部4の形状は、当接面に対して連続して形成された凹凸形状としても良い。また、図4に示すような楔型形状としても良い。尚、図4に示すような楔型形状とすれば、永久磁石1とロータ2とを接着剤を用いることなく固定することも可能となる。また、後述のように永久磁石1をグリーン成形体を用いて成形すれば、図3や図4に示すような複雑な形状へも容易に成形することが可能となる。更に、加圧焼結を用いて焼結すれば、焼結による成形体の収縮が均一となることにより、焼結後の永久磁石に対して反りや凹みなどの変形が生じず、焼結後の永久磁石の寸法精度が向上する。従って、焼結後における永久磁石の形状の修正加工をする必要がなく、係合部3と被係合部4を適切に係合させることが可能となる。
更に、永久磁石1は、後述のように磁石粉末とバインダーを混合した混合物を成形した成形体(グリーン成形体)によって形成される。尚、混合物を直接に最終製品形状(例えば図1に示すセグメント型)に成形するのではなく、一旦最終製品形状以外(例えば、シート形状、ブロック形状等)に成形し、その後に打ち抜き加工、切削加工、変形加工等を行うことによって最終製品形状とする構成としても良い。また、特に混合物を一旦シート形状とした後に最終製品形状に加工する構成とすれば連続工程で生産することによって生産性を向上でき、また、成形の精度についても向上させることができる。混合物をシート形状とする場合には、例えば0.05mm〜10mm(例えば1mm)の厚さを備えた薄膜状のシート部材とする。尚、シート形状とした場合であっても、複数枚積層することとすれば、大型の永久磁石1を製造することも可能である。
一方、本発明で特に永久磁石1を製造する場合において、磁石粉末に混合されるバインダーは、樹脂や長鎖炭化水素や脂肪酸エステルやそれらの混合物等が用いられる。
更に、バインダーに樹脂を用いる場合には、構造中に酸素原子を含まず、且つ解重合性のあるポリマーを用いるのが好ましい。また、後述のように磁石粉末とバインダーとの混合物を所望形状(例えばセグメント型)に成形する際に生じた混合物の残余物を再利用する為、及び混合物を加熱して軟化した状態で磁場配向を行う為に、熱可塑性樹脂が用いられる。具体的には以下の一般式(1)に示されるモノマーから選ばれる1種又は2種以上の重合体又は共重合体からなるポリマーが該当する。
(但し、R1及びR2は、水素原子、低級アルキル基、フェニル基又はビニル基を表す)
更に、バインダーに樹脂を用いる場合には、構造中に酸素原子を含まず、且つ解重合性のあるポリマーを用いるのが好ましい。また、後述のように磁石粉末とバインダーとの混合物を所望形状(例えばセグメント型)に成形する際に生じた混合物の残余物を再利用する為、及び混合物を加熱して軟化した状態で磁場配向を行う為に、熱可塑性樹脂が用いられる。具体的には以下の一般式(1)に示されるモノマーから選ばれる1種又は2種以上の重合体又は共重合体からなるポリマーが該当する。
上記条件に該当するポリマーとしては、例えばイソブチレンの重合体であるポリイソブチレン(PIB)、イソプレンの重合体であるポリイソプレン(イソプレンゴム、IR)、1,3−ブタジエンの重合体であるポリブタジエン(ブタジエンゴム、BR)、スチレンの重合体であるポリスチレン、スチレンとイソプレンの共重合体であるスチレン−イソプレンブロック共重合体(SIS)、イソブチレンとイソプレンの共重合体であるブチルゴム(IIR)、スチレンとブタジエンの共重合体であるスチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、2−メチル−1−ペンテンの重合体である2−メチル−1−ペンテン重合樹脂、2−メチル−1−ブテンの重合体である2−メチル−1−ブテン重合樹脂、α−メチルスチレンの重合体であるα−メチルスチレン重合樹脂等がある。尚、α−メチルスチレン重合樹脂は柔軟性を与えるために低分子量のポリイソブチレンを添加することが望ましい。また、バインダーに用いる樹脂としては、酸素原子を含むモノマーの重合体又は共重合体(例えば、ポリブチルメタクリレートやポリメチルメタクリレート等)を少量含む構成としても良い。更に、上記一般式(1)に該当しないモノマーが一部共重合していても良い。その場合であっても、本願発明の目的を達成することが可能である。
尚、バインダーに用いる樹脂としては、磁場配向を適切に行う為に250℃以下で軟化する熱可塑性樹脂、より具体的にはガラス転移点又は融点が250℃以下の熱可塑性樹脂を用いることが望ましい。
尚、バインダーに用いる樹脂としては、磁場配向を適切に行う為に250℃以下で軟化する熱可塑性樹脂、より具体的にはガラス転移点又は融点が250℃以下の熱可塑性樹脂を用いることが望ましい。
一方、バインダーに長鎖炭化水素を用いる場合には、室温で固体、室温以上で液体である長鎖飽和炭化水素(長鎖アルカン)を用いるのが好ましい。具体的には炭素数が18以上である長鎖飽和炭化水素を用いるのが好ましい。そして、後述のように磁石粉末とバインダーとの混合物を磁場配向する際には、混合物を長鎖炭化水素のガラス転移点又は融点以上で加熱して軟化した状態で磁場配向を行う。
また、バインダーに脂肪酸エステルを用いる場合においても同様に、室温で固体、室温以上で液体であるステアリン酸メチルやドコサン酸メチル等を用いるのが好ましい。そして、後述のように磁石粉末とバインダーとの混合物を磁場配向する際には、混合物を脂肪酸エステルの融点以上で加熱して軟化した状態で磁場配向を行う。
磁石粉末に混合されるバインダーとして上記条件を満たすバインダーを用いることによって、磁石内に含有する炭素量及び酸素量を低減させることが可能となる。具体的には、焼結後に磁石に残存する炭素量を2000ppm以下、より好ましくは1000ppm以下とする。また、焼結後に磁石に残存する酸素量を5000ppm以下、より好ましくは2000ppm以下とする。
また、バインダーの添加量は、スラリーや加熱溶融したコンパウンドを成形する際に成形体の厚み精度を向上させる為に、磁石粒子間の空隙を適切に充填する量とする。例えば、磁石粉末とバインダーの合計量に対するバインダーの比率が、1wt%〜40wt%、より好ましくは2wt%〜30wt%、更に好ましくは3wt%〜20wt%とする。
[永久磁石の製造方法]
次に、本発明に係る永久磁石1の製造方法について図5を用いて説明する。図5は本実施形態に係る永久磁石1の製造工程を示した説明図である。
次に、本発明に係る永久磁石1の製造方法について図5を用いて説明する。図5は本実施形態に係る永久磁石1の製造工程を示した説明図である。
先ず、所定分率のNd−Fe−B(例えばNd:32.7wt%、Fe(電解鉄):65.96wt%、B:1.34wt%)からなる、インゴットを製造する。その後、インゴットをスタンプミルやクラッシャー等によって200μm程度の大きさに粗粉砕する。若しくは、インゴットを溶解し、ストリップキャスト法でフレークを作製し、水素解砕法で粗粉化する。それによって、粗粉砕磁石粉末10を得る。
次いで、粗粉砕磁石粉末10をビーズミル11による湿式法又はジェットミルを用いた乾式法等によって微粉砕する。例えば、ビーズミル11による湿式法を用いた微粉砕では溶媒中で粗粉砕磁石粉末10を所定範囲の粒径(例えば0.1μm〜5.0μm)に微粉砕するとともに溶媒中に磁石粉末を分散させる。その後、湿式粉砕後の溶媒に含まれる磁石粉末を真空乾燥などで乾燥させ、乾燥した磁石粉末を取り出す。また、粉砕に用いる溶媒の種類に特に制限はなく、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノールなどのアルコール類、酢酸エチル等のエステル類、ペンタン、ヘキサンなどの低級炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなど芳香族類、ケトン類、それらの混合物等が使用できる。尚、好ましくは、溶媒中に酸素原子を含まない溶媒が用いられる。
一方、ジェットミルによる乾式法を用いた微粉砕では、粗粉砕した磁石粉末を、(a)酸素含有量が実質的に0%の窒素ガス、Arガス、Heガスなど不活性ガスからなる雰囲気中、又は(b)酸素含有量が0.0001〜0.5%の窒素ガス、Arガス、Heガスなど不活性ガスからなる雰囲気中で、ジェットミルにより微粉砕し、所定範囲の粒径(例えば0.7μm〜5.0μm)の平均粒径を有する微粉末とする。尚、酸素濃度が実質的に0%とは、酸素濃度が完全に0%である場合に限定されず、微粉の表面にごく僅かに酸化被膜を形成する程度の量の酸素を含有しても良いことを意味する。
次に、ビーズミル11等で微粉砕された磁石粉末を所望形状に成型する。尚、磁石粉末の成形には、磁石粉末とバインダーとを混合した混合物を成形することにより行う。以下の実施例では、混合物を一旦製品形状以外に成形した状態で磁場を印加して磁場配向を行い、その後に打ち抜き加工、切削加工、変形加工等を行うことによって製品形状(例えば図1に示すセグメント型)とする。特に、以下の実施例では混合物をシート形状のグリーン成形体(以下、グリーンシートという)に一旦成形した後に製品形状とする。また、混合物を特にシート形状に成形する場合には、例えば磁石粉末とバインダーとが混合したコンパウンドを加熱した後にシート形状に成形するホットメルト塗工や、磁石粉末とバインダーと有機溶媒とを含むスラリーを基材上に塗工することによりシート状に成形するスラリー塗工等による成形が有る。
以下では、特にホットメルト塗工を用いたグリーンシート成形について説明する。
先ず、ビーズミル11等で微粉砕された磁石粉末にバインダーを混合することにより、磁石粉末とバインダーからなる粘土状の混合物(コンパウンド)12を作製する。ここで、バインダーとしては、上述したように樹脂や長鎖炭化水素や脂肪酸エステルやそれらの混合物等が用いられる。例えば、樹脂を用いる場合には構造中に酸素原子を含まず、且つ解重合性のあるポリマーからなる熱可塑性樹脂を用い、一方、長鎖炭化水素を用いる場合には、室温で固体、室温以上で液体である長鎖飽和炭化水素(長鎖アルカン)を用いるのが好ましい。また、脂肪酸エステルを用いる場合には、ステアリン酸メチルやドコサン酸メチル等を用いるのが好ましい。また、バインダーの添加量は、上述したように添加後のコンパウンド12における磁石粉末とバインダーの合計量に対するバインダーの比率が、1wt%〜40wt%、より好ましくは2wt%〜30wt%、更に好ましくは3wt%〜20wt%となる量とする。
先ず、ビーズミル11等で微粉砕された磁石粉末にバインダーを混合することにより、磁石粉末とバインダーからなる粘土状の混合物(コンパウンド)12を作製する。ここで、バインダーとしては、上述したように樹脂や長鎖炭化水素や脂肪酸エステルやそれらの混合物等が用いられる。例えば、樹脂を用いる場合には構造中に酸素原子を含まず、且つ解重合性のあるポリマーからなる熱可塑性樹脂を用い、一方、長鎖炭化水素を用いる場合には、室温で固体、室温以上で液体である長鎖飽和炭化水素(長鎖アルカン)を用いるのが好ましい。また、脂肪酸エステルを用いる場合には、ステアリン酸メチルやドコサン酸メチル等を用いるのが好ましい。また、バインダーの添加量は、上述したように添加後のコンパウンド12における磁石粉末とバインダーの合計量に対するバインダーの比率が、1wt%〜40wt%、より好ましくは2wt%〜30wt%、更に好ましくは3wt%〜20wt%となる量とする。
また、上記コンパウンド12には、後に行われる磁場配向工程での配向度を向上させる為に配向を助長する添加剤を添加しても良い。配向を助長する添加剤としては例えば炭化水素系の添加剤が用いられ、特に極性を有する(具体的には酸解離定数pKaが41未満の)添加剤を用いるのが望ましい。また、添加剤の添加量は磁石粉末の粒子径に依存し、磁石粉末の粒子径が小さい程、添加量を多くする必要がある。具体的な添加量としては、磁石粉末に対して0.1部〜10部、より好ましくは1部〜8部とする。そして、磁石粉末に添加された添加剤は、磁石粒子の表面に付着し、後述の磁場配向処理において、磁石粒子の回動を補助する役目を有する。その結果、磁場を印加した際に配向が容易に行われ、磁石粒子の磁化容易軸方向を同一方向に揃えること(即ち、配向度を高くすること)が可能となる。特に、磁石粉末にバインダーを添加する場合には、粒子表面にバインダーが存在するため、配向時の摩擦力が上がり、粒子の配向性が低下する為、添加剤を添加する効果がより大きくなる。
尚、バインダーの添加は、窒素ガス、Arガス、Heガスなど不活性ガスからなる雰囲気で行う。尚、磁石粉末とバインダーの混合は、例えば磁石粉末とバインダーをそれぞれ攪拌機に投入し、攪拌機で攪拌することにより行う。また、混練性を促進する為に加熱攪拌を行っても良い。また、磁石粉末とバインダーの混合は、窒素ガス、Arガス、Heガスなど不活性ガスからなる雰囲気で行うことが望ましい。また、特に磁石粉末を湿式法で粉砕した場合においては、粉砕に用いた溶媒から磁石粉末を取り出すことなくバインダーを溶媒中に添加して混練し、その後に溶媒を揮発させ、後述のコンパウンド12を得る構成としても良い。
続いて、コンパウンド12をシート状に成形することによりグリーンシートを作成する。特に、ホットメルト塗工では、コンパウンド12を加熱することによりコンパウンド12を溶融し、流体状にしてからセパレータ等の支持基材13上に塗工する。その後、放熱して凝固させることにより、支持基材13上に長尺シート状のグリーンシート14を形成する。尚、コンパウンド12を加熱溶融する際の温度は、用いるバインダーの種類や量によって異なるが50〜300℃とする。但し、用いるバインダーの融点よりも高い温度とする必要がある。尚、スラリー塗工を用いる場合には、多量の溶媒中に磁石粉末とバインダー(更に配向を助長する添加剤を含めても良い)を分散させ、スラリーをセパレータ等の支持基材13上に塗工する。その後、乾燥して溶媒を揮発させることにより、支持基材13上に長尺シート状のグリーンシート14を形成する。
ここで、溶融したコンパウンド12の塗工方式は、スロットダイ方式やカレンダーロール方式等の層厚制御性に優れる方式を用いることが好ましい。特に、高い厚み精度を実現する為には、特に層厚制御性に優れた(即ち、基材の表面に高精度の厚さの層を塗工できる方式)であるダイ方式やコンマ塗工方式を用いることが望ましい。例えば、スロットダイ方式では、加熱して流体状にしたコンパウンド12をギアポンプにより押し出してダイに挿入することにより塗工を行う。また、カレンダーロール方式では、加熱した2本ロールのギャップにコンパウンド12を一定量仕込み、ロールを回転させつつ支持基材13上にロールの熱で溶融したコンパウンド12を塗工する。また、支持基材13としては、例えばシリコーン処理ポリエステルフィルムを用いる。更に、消泡剤を用いたり、加熱真空脱泡を行うこと等によって展開層中に気泡が残らないよう充分に脱泡処理することが好ましい。また、支持基材13上に塗工するのではなく、押出成型や射出成形によって溶融したコンパウンド12をシート状に成型するとともに支持基材13上に押し出すことによって、支持基材13上にグリーンシート14を成形する構成としても良い。
また、スロットダイ方式によるグリーンシート14の形成工程では、塗工後のグリーンシート14のシート厚みを実測し、実測値に基づいてダイ15と支持基材13間のギャップをフィードバック制御することが望ましい。また、ダイ15に供給する流体状のコンパウンド12の量の変動は極力低下させ(例えば±0.1%以下の変動に抑える)、更に塗工速度の変動についても極力低下させる(例えば±0.1%以下の変動に抑える)ことが望ましい。それによって、グリーンシート14の厚み精度を更に向上させることが可能である。尚、形成されるグリーンシート14の厚み精度は、設計値(例えば1mm)に対して±10%以内、より好ましくは±3%以内、更に好ましくは±1%以内とする。尚、他方のカレンダーロール方式では、カレンダー条件を同様に実測値に基づいて制御することで、支持基材13へのコンパウンド12の転写膜厚を制御することが可能である。
尚、グリーンシート14の設定厚みは、0.05mm〜20mmの範囲で設定することが望ましい。厚みを0.05mmより薄くすると、多層積層しなければならないので生産性が低下することとなる。
次に、上述したホットメルト塗工によって支持基材13上に形成されたグリーンシート14の磁場配向を行う。具体的には、先ず支持基材13とともに連続搬送されるグリーンシート14を加熱することによりグリーンシート14を軟化させる。具体的には、グリーンシート14の粘度が1〜1500Pa・s、より好ましくは1〜500Pa・sとなるまで軟化させる。それによって、磁場配向を適切に行わせることが可能となる。
尚、グリーンシート14を加熱する際の温度及び時間は、用いるバインダーの種類や量によって異なるが、例えば100〜250℃で0.1〜60分とする。但し、グリーンシート14を軟化させる為に、用いるバインダーのガラス転移点又は融点以上の温度とする必要がある。また、グリーンシート14を加熱する加熱方式としては、例えばホットプレートによる加熱方式や熱媒体(シリコーンオイル)を熱源に用いた加熱方式が有る。次に、加熱により軟化したグリーンシート14の面内方向且つ長さ方向に対して磁場を印加することにより磁場配向を行う。印加する磁場の強さは5000[Oe]〜150000[Oe]、好ましくは、10000[Oe]〜120000[Oe]とする。その結果、グリーンシート14に含まれる磁石結晶のC軸(磁化容易軸)が一方向に配向される。尚、磁場を印加する方向としてはグリーンシート14の面内方向且つ幅方向に対して磁場を印加することとしても良い。また、複数枚のグリーンシート14に対して同時に磁場を配向させる構成としても良い。
更に、グリーンシート14に磁場を印加する際には、加熱工程と同時に磁場を印加する工程を行う構成としても良いし、加熱工程を行った後であってグリーンシートが凝固する前に磁場を印加する工程を行うこととしても良い。また、ホットメルト塗工により塗工されたグリーンシート14が凝固する前に磁場配向する構成としても良い。その場合には、加熱工程は不要となる。
次に、図6を用いてグリーンシート14の加熱工程及び磁場配向工程についてより詳細に説明する。図6はグリーンシート14の加熱工程及び磁場配向工程を示した模式図である。尚、図6に示す例では、加熱工程と同時に磁場配向工程を行う例について説明する。
図6に示すように、上述したスロットダイ方式により塗工されたグリーンシート14に対する加熱及び磁場配向は、ロールによって連続搬送された状態の長尺シート状のグリーンシート14に対して行う。即ち、加熱及び磁場配向を行う為の装置を塗工装置(ダイ等)の下流側に配置し、上述した塗工工程と連続した工程により行う。
具体的には、ダイ15やコーティングロール22の下流側において、搬送される支持基材13及びグリーンシート14がソレノイド25内を通過するようにソレノイド25を配置する。更に、ホットプレート26をソレノイド25内においてグリーンシート14に対して上下一対に配置する。そして、上下一対に配置されたホットプレート26によりグリーンシート14を加熱するとともに、ソレノイド25に電流を流すことによって、長尺シート状のグリーンシート14の面内方向(即ち、グリーンシート14のシート面に平行な方向)で且つ長さ方向に磁場を生じさせる。それによって、連続搬送されるグリーンシート14を加熱により軟化させるとともに、軟化したグリーンシート14の面内方向且つ長さ方向(図6の矢印27方向)に対して磁場を印加し、グリーンシート14の適切且つ均一な磁場配向を実現することが可能となる。特に、磁場を印加する方向を面内方向とすることによって、グリーンシート14の表面が逆立つことを防止できる。
また、磁場配向した後に行うグリーンシート14の放熱及び凝固は、搬送状態で行うことが好ましい。それによって、製造工程をより効率化することが可能となる。
また、磁場配向した後に行うグリーンシート14の放熱及び凝固は、搬送状態で行うことが好ましい。それによって、製造工程をより効率化することが可能となる。
尚、磁場配向をグリーンシート14の面内方向且つ幅方向に対して行う場合には、ソレノイド25の代わりに搬送されるグリーンシート14の左右に一対の磁場コイルを配置するように構成する。そして、各磁場コイルに電流を流すことによって、長尺シート状のグリーンシート14の面内方向で且つ幅方向に磁場を生じさせることが可能となる。
また、磁場配向をグリーンシート14の面に対して垂直方向とすることも可能である。磁場配向をグリーンシート14の面に対して垂直方向に行う場合には、例えばポールピース等を用いた磁場印加装置により行う。尚、磁場配向方向をグリーンシート14の面に対して垂直方向とする場合には、グリーンシート14に対して支持基材13が積層された反対側の面にもフィルムを積層することが好ましい。それによって、グリーンシート14の表面の逆立ちを防止することが可能となる。
また、上述したホットプレート26による加熱方式の代わりに熱媒体(シリコーンオイル)を熱源とした加熱方式を用いても良い。
ここで、ホットメルト成形を用いずに一般的なスロットダイ方式やドクターブレード方式等によりスラリー等の流動性の高い液状物によってグリーンシート14を成形した場合には、磁場の勾配が生じているところにグリーンシート14が搬入されると、磁場が強い方にグリーンシート14に含まれる磁石粉末が引き寄せられることとなり、グリーンシート14を形成するスラリーの液寄り、即ち、グリーンシート14の厚みの偏りが生じる虞がある。それに対して、本発明のようにコンパウンド12をホットメルト成形によりグリーンシート14に成形する場合には、室温付近での粘度は数万〜数十万Pa・sに達し、磁場勾配通過時の磁性粉末の寄りが生じることが無い。更に、均一磁場中に搬送され、加熱されることでバインダーの粘度低下が生じ、均一磁場中の回転トルクのみで、一様なC軸配向が可能となる。
また、ホットメルト成形を用いずに一般的なスロットダイ方式やドクターブレード方式等により有機溶媒を含むスラリー等の流動性の高い液状物によってグリーンシート14を成形した場合には、厚さ1mmを越えるシートを作成しようとすると乾燥時においてスラリー等に含まれる有機溶媒が気化することによる発泡が課題となる。更に、発泡を抑制する為に乾燥時間を長時間化すれば、磁石粉末の沈降が生じ、それに伴って重力方向に対する磁石粉末の密度分布の偏りが生じ、焼成後の反りの原因となる。従って、スラリーからの成形では、厚みの上限値が実質上規制される為、1mm以下の厚みでグリーンシートを成形し、その後に積層する必要がある。しかし、その場合にはバインダー同士の絡まり合いが乏しくなり、その後の脱バインダー工程(仮焼処理)で層間剥離を生じ、それがC軸(磁化容易軸)配向性の低下、即ち残留磁束密度(Br)の低下原因となる。それに対して、本発明のようにコンパウンド12をホットメルト成形によりグリーンシート14に成形する場合には、有機溶媒を含まないので、厚さ1mmを越えるシートを作成した場合でも上述したような発泡の懸念が解消する。そして、バインダーが十分に絡まり合った状態にあるので、脱バインダー工程での層間剥離が生じる虞が無い。
また、複数枚のグリーンシート14に対して同時に磁場を印加させる場合には、例えばグリーンシート14を複数枚(例えば6枚)積層した状態で連続搬送し、積層したグリーンシート14がソレノイド25内を通過するように構成する。それによって生産性を向上させることが可能となる。
そして、図6に示す方法によりグリーンシート14の磁場配向を行った後に、グリーンシート14の打ち抜きや変形を行うことによって、所望形状の成形体31を形成する。尚、磁場配向はグリーンシート14ではなく、打ち抜きや変形を行った後の成形体31に対して行うように構成しても良い。また、磁場配向や成形体31の成形では、最終的な製品で要求される磁化容易軸の方向(例えばラジアル配向、極異方配向等)を実現するように磁場配向や成形を行う。
また、成形体31を成形する際には、回転電機に配置された際にロータ2の表面と接する面に対して、ロータ2表面に形成された係合部3と係合する被係合部4を形成する。被係合部4は、例えばロータ2の周方向の両端部にそれぞれ形成された凸状の脚状部材とする。また、被係合部4は成形体31と一体に成形しても良いし、被係合部4の部分のみを別体に成形しても良い。尚、別体に成形した場合には、図7に示すように成形した被係合部4と成形体31を接着剤、可塑剤、熱圧着等により互いに接合することによって、最終製品形状となる成形体を作製する。尚、本発明に係る製造方法では、磁石粉末にバインダーを添加したグリーン体成形を用いるので、一般的な圧粉成形を用いる場合と比較して成形体同士の適切な接合が可能となる。
また、成形体31を成形する工程によって生じたグリーンシート14の残余部分については、バインダーの融点以上に加熱することによって溶融されたコンパウンド12として再利用することが可能である。その結果、再利用された残余部分は、グリーンシート14の一部として再生されることとなる。従って、複雑な形状に成形した場合であっても、歩留まりを低下させることが無い。
続いて、成形体31を大気圧、又は大気圧より高い圧力や低い圧力(例えば、1.0Paや1.0MPa)に加圧した非酸化性雰囲気(特に本発明では水素雰囲気又は水素と不活性ガスの混合ガス雰囲気)においてバインダー分解温度で数時間〜数十時間(例えば5時間)保持することにより仮焼処理を行う。水素雰囲気下で行う場合には、例えば仮焼中の水素の供給量は5L/minとする。仮焼処理を行うことによって、バインダー等の有機化合物を解重合反応等によりモノマーに分解し飛散させて除去することが可能となる。即ち、成形体31中の炭素量を低減させる所謂脱カーボンが行われることとなる。また、仮焼処理は、成形体31中の炭素量が2000ppm以下、より好ましくは1000ppm以下とする条件で行うこととする。それによって、その後の焼結処理で成形体31の全体を緻密に焼結させることが可能となり、残留磁束密度や保磁力を低下させることが無い。また、上述した仮焼処理を行う際の加圧条件を大気圧より高い圧力で行う場合には、15MPa以下とすることが望ましい。尚、加圧条件は大気圧より高い圧力、より具体的には0.2MPa以上とすれば特に炭素量軽減の効果が期待できる。
尚、バインダー分解温度は、バインダー分解生成物および分解残渣の分析結果に基づき決定する。具体的にはバインダーの分解生成物を補集し、モノマー以外の分解生成物が生成せず、かつ残渣の分析においても残留するバインダー成分の副反応による生成物が検出されない温度範囲が選ばれる。バインダーの種類により異なるが200℃〜900℃、より好ましくは400℃〜600℃(例えば450℃)とする。
また、上記仮焼処理は、一般的な磁石の焼結を行う場合と比較して、昇温速度を小さくするのが好ましい。具体的には、昇温速度を2℃/min以下(例えば1.5℃/min)とする。従って、仮焼処理を行う場合には、図8に示すように2℃/min以下の所定の昇温速度で昇温し、予め設定された設定温度(バインダー分解温度)に到達した後に、該設定温度で数時間〜数十時間保持することにより仮焼処理を行う。上記のように仮焼処理において昇温速度を小さくすることによって、成形体31中の炭素が急激に除去されず、段階的に除去されるので、焼結後の永久磁石の密度を上昇させる(即ち、永久磁石中の空隙を減少させる)ことが可能となる。そして、昇温速度を2℃/min以下とすれば、焼結後の永久磁石の密度を95%以上とすることができ、高い磁石特性が期待できる。
また、仮焼処理によって仮焼された成形体31を続いて真空雰囲気で保持することにより脱水素処理を行っても良い。脱水素処理では、仮焼処理によって生成された成形体31中のNdH3(活性度大)を、NdH3(活性度大)→NdH2(活性度小)へと段階的に変化させることによって、仮焼処理により活性化された成形体31の活性度を低下させる。それによって、仮焼処理によって仮焼された成形体31をその後に大気中へと移動させた場合であっても、Ndが酸素と結び付くことを防止し、残留磁束密度や保磁力を低下させることが無い。また、磁石結晶の構造をNdH2等からNd2Fe14B構造へと戻す効果も期待できる。
続いて、仮焼処理によって仮焼された成形体31を焼結する焼結処理を行う。尚、成形体31の焼結方法としては、真空中での無加圧焼結、一軸方向に加圧した状態で焼結する一軸加圧焼結、2軸方向に加圧した状態で焼結する2軸加圧焼結、等方に加圧した状態で焼結する等方加圧焼結等がある。例えば、成形体31をロータ2表面に配置された際にロータ2の軸方向と同方向となる方向に加圧した状態で焼結する一軸加圧焼結を用いる。また、加圧焼結としては、例えば、ホットプレス焼結、熱間静水圧加圧(HIP)焼結、超高圧合成焼結、ガス加圧焼結、放電プラズマ(SPS)焼結等がある。但し、一軸方向に加圧可能であって且つ通電焼結により焼結するSPS焼結を用いることが好ましい。尚、SPS焼結で焼結を行う場合には、加圧値を例えば0.01MPa〜100MPaとし、数Pa以下の真空雰囲気で940℃まで10℃/分で上昇させ、その後5分保持することが好ましい。その後冷却し、再び300℃〜1000℃で2時間熱処理を行う。そして、焼結の結果、焼結体32が製造される。
その後、焼結体32をC軸に沿って着磁を行う。その結果、永久磁石1を製造することが可能となる。尚、永久磁石1の着磁には、例えば着磁コイル、着磁ヨーク、コンデンサー式着磁電源装置等が用いられる。尚、永久磁石1の着磁は、後述のように回転電機のロータ2に配置した後に行う構成としても良い。
次に、上記製造方法により製造された永久磁石1をロータ表面に配置したSPMモータの製造方法について説明する。
先ず、図9に示すようにロータ2の表面に複数の永久磁石1を配置する。尚、永久磁石1をロータ2に配置する際には、ロータ2に形成された係合部3と、永久磁石1に形成された被係合部4とを係合させる。それによって、ロータ2に対して永久磁石1を設計位置に正確に位置決めすることが可能となる。その後、ロータ2と表面に配置された永久磁石1とを接着剤等により互いに固定する。
先ず、図9に示すようにロータ2の表面に複数の永久磁石1を配置する。尚、永久磁石1をロータ2に配置する際には、ロータ2に形成された係合部3と、永久磁石1に形成された被係合部4とを係合させる。それによって、ロータ2に対して永久磁石1を設計位置に正確に位置決めすることが可能となる。その後、ロータ2と表面に配置された永久磁石1とを接着剤等により互いに固定する。
その後、シャフト42やステータ43等のロータ2以外の部材を組み付ける。それによって、SPMモータ45が製造される。
以上説明したように、本実施形態に係る永久磁石1及び永久磁石1の製造方法では、磁石原料を磁石粉末に粉砕し、粉砕された磁石粉末とバインダーとを混合することによりコンパウンド12を生成する。そして、生成したコンパウンド12をシート状に成形したグリーンシート14を作製する。その後、成形したグリーンシート14からロータ2の表面と接する面にロータ2の表面に形成された係合部3と係合する被係合部4が形成された成形体31を成形し、成形体31を焼結することにより永久磁石1を製造する。その結果、係合部3と被係合部4を係合させることによって、永久磁石1をロータ2に対して予め設計された位置に正確に位置決めすることが可能となる。また、永久磁石1とロータ2との接触面積を大きくすることができるので、ロータ2に対して永久磁石1を強固に固定することが可能となる。その結果、ロータ2が高速回転した場合であってもロータ2に対する永久磁石1の位置ズレの発生を防止することが可能となる。
また、磁石粉末とバインダーとを混合した混合物を成形することによって成形体を形成するので、従来の圧粉成形等を用いる場合と比較して配向後に磁石粒子が回動することも無く、配向度についても向上させることが可能となる。また、磁石粉末とバインダーとの混合物に対して磁場配向を行う場合には、電流のターン数を利用できるため磁場配向を行う際の磁場強度を大きく確保することができ、且つ静磁場で長時間の磁場印加を施せるので、バラつきの少ない高い配向度を実現することが可能となる。更に、バラつきの少ない高配向が実現できる事は、焼結による収縮のバラつきの低減に繋がる。即ち、焼結後の製品形状の均一性が確保できる。その結果、焼結後の外形加工に対する負担が軽減される。そして、従来の圧粉成形と比較して被係合部4を容易に成形でき、成形した被係合部4はその後の製造工程で大きな変形を生じることがないので、係合部3と被係合部4との係合を適切に行わせることが可能となる。
また、ロータ2の軸方向と同方向となる方向に成形体31を加圧した状態で焼結するので、焼結による収縮が均一となることにより、焼結後の反りや凹みなどの変形が生じることを防止できる。その結果、永久磁石1が被係合部4の形成された複雑な形状を有する場合においても、永久磁石1を精度よく製造することが可能となる。
また、磁石粉末とバインダーとの混合物を複雑な形状の成形体31へと加工する場合であっても、加工により生じた残余部分を混合物の一部として再生することが可能なので、歩留まりの低下を防止することが可能となる。
また、永久磁石1に対して被係合部4を複数設けることによって、ロータ2に対して永久磁石1をより強固に固定することが可能となる。その結果、ロータ2が高速回転した場合であってもロータ2に対する永久磁石1の位置ズレの発生を防止することが可能となる。
また、本実施形態に係る永久磁石1を表面に配置した回転電機は、従来に比べて高トルク化、小型化、低トルクリップル化、高効率化を実現することが可能となる。
また、磁石粉末とバインダーとを混合した混合物を成形することによって成形体を形成するので、従来の圧粉成形等を用いる場合と比較して配向後に磁石粒子が回動することも無く、配向度についても向上させることが可能となる。また、磁石粉末とバインダーとの混合物に対して磁場配向を行う場合には、電流のターン数を利用できるため磁場配向を行う際の磁場強度を大きく確保することができ、且つ静磁場で長時間の磁場印加を施せるので、バラつきの少ない高い配向度を実現することが可能となる。更に、バラつきの少ない高配向が実現できる事は、焼結による収縮のバラつきの低減に繋がる。即ち、焼結後の製品形状の均一性が確保できる。その結果、焼結後の外形加工に対する負担が軽減される。そして、従来の圧粉成形と比較して被係合部4を容易に成形でき、成形した被係合部4はその後の製造工程で大きな変形を生じることがないので、係合部3と被係合部4との係合を適切に行わせることが可能となる。
また、ロータ2の軸方向と同方向となる方向に成形体31を加圧した状態で焼結するので、焼結による収縮が均一となることにより、焼結後の反りや凹みなどの変形が生じることを防止できる。その結果、永久磁石1が被係合部4の形成された複雑な形状を有する場合においても、永久磁石1を精度よく製造することが可能となる。
また、磁石粉末とバインダーとの混合物を複雑な形状の成形体31へと加工する場合であっても、加工により生じた残余部分を混合物の一部として再生することが可能なので、歩留まりの低下を防止することが可能となる。
また、永久磁石1に対して被係合部4を複数設けることによって、ロータ2に対して永久磁石1をより強固に固定することが可能となる。その結果、ロータ2が高速回転した場合であってもロータ2に対する永久磁石1の位置ズレの発生を防止することが可能となる。
また、本実施形態に係る永久磁石1を表面に配置した回転電機は、従来に比べて高トルク化、小型化、低トルクリップル化、高効率化を実現することが可能となる。
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、磁石粉末の粉砕条件、混練条件、成形条件、磁場配向工程、仮焼条件、焼結条件などは上記実施例に記載した条件に限られるものではない。例えば、上記実施例ではビーズミルを用いた湿式粉砕により磁石原料を粉砕しているが、ジェットミルによる乾式粉砕により粉砕することとしても良い。また、仮焼を行う際の雰囲気は非酸化性雰囲気であれば水素雰囲気以外(例えば窒素雰囲気、He雰囲気等、Ar雰囲気等)で行っても良い。また、仮焼処理を省略しても良い。その場合には、焼結処理の過程で脱炭素が行われることとなる。
例えば、磁石粉末の粉砕条件、混練条件、成形条件、磁場配向工程、仮焼条件、焼結条件などは上記実施例に記載した条件に限られるものではない。例えば、上記実施例ではビーズミルを用いた湿式粉砕により磁石原料を粉砕しているが、ジェットミルによる乾式粉砕により粉砕することとしても良い。また、仮焼を行う際の雰囲気は非酸化性雰囲気であれば水素雰囲気以外(例えば窒素雰囲気、He雰囲気等、Ar雰囲気等)で行っても良い。また、仮焼処理を省略しても良い。その場合には、焼結処理の過程で脱炭素が行われることとなる。
また、上記実施例では、磁石粉末を成形した後に水素雰囲気又は水素と不活性ガスの混合ガス雰囲気において仮焼を行っているが、成形前の磁石粉末に対して仮焼処理を行い、仮焼体である磁石粉末を成形体に成形し、その後に焼結を行うことによって永久磁石を製造することとしても良い。このような構成とすれば、粉末状の磁石粒子に対して仮焼を行うので、成形後の磁石粒子に対して仮焼を行う場合と比較して、仮焼対象となる磁石の表面積を大きくすることができる。即ち、仮焼体中の炭素量をより確実に低減させることが可能となる。但し、バインダーを仮焼処理で熱分解させる為に、成形後に仮焼処理を行うことが望ましい。
また、本発明に係る永久磁石はモータ以外に、発電機や磁気減速機等の各種回転電機に対して適用可能である。また、本発明に係る回転電機を磁気減速機に適用する場合には、ロータを2つ備えたデュアルロータ型とし、ステータ43をステータコアや巻線に代えて磁性材料からなる所定数の磁極片により構成する。
また、本発明ではNd−Fe−B系磁石を例に挙げて説明したが、他の磁石(例えばサマリウム系コバルト磁石、アルニコ磁石、フェライト磁石等)を用いても良い。また、磁石の合金組成は本発明ではNd成分を量論組成より多くしているが、量論組成としても良い。
1 永久磁石
2 ロータ
3 係合部
4 被係合部
11 ビーズミル
12 コンパウンド
13 支持基材
14 グリーンシート
15 ダイ
25 ソレノイド
26 ホットプレート
31 成形体
32 焼結体
45 SPMモータ
2 ロータ
3 係合部
4 被係合部
11 ビーズミル
12 コンパウンド
13 支持基材
14 グリーンシート
15 ダイ
25 ソレノイド
26 ホットプレート
31 成形体
32 焼結体
45 SPMモータ
Claims (11)
- 表面磁石型回転電機のロータ表面に配置される永久磁石であって、
前記ロータ表面と接する面に前記ロータ表面に形成された係合部と係合する被係合部が形成されていることを特徴とする回転電機用永久磁石。 - 磁石原料を磁石粉末に粉砕する工程と、
前記粉砕された磁石粉末とバインダーとが混合された混合物を生成する工程と、
前記混合物を前記被係合部を有する成形体に成形する工程と、
前記成形体を一軸方向に加圧した状態で焼成温度に保持することにより焼結する工程と、により製造されることを特徴とする請求項1に記載の回転電機用永久磁石。 - 前記成形体を焼結する工程では、前記ロータ表面に配置された際にロータの軸方向と同方向となる方向に前記成形体を加圧した状態で焼結することを特徴とする請求項2に記載の回転電機用永久磁石。
- 前記バインダーは熱可塑性樹脂からなり、
前記成形体を成形する工程によって生じた前記混合物の残余を加熱することにより、該残余を前記成形体を成形する為の前記混合物へと再利用することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の回転電機用永久磁石。 - 前記被係合部が複数形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の回転電機用永久磁石。
- 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の回転電機用永久磁石をロータ表面に配置したことを特徴とする回転電機。
- 表面磁石型回転電機のロータ表面に配置される永久磁石であって、
磁石原料を磁石粉末に粉砕する工程と、
前記粉砕された磁石粉末とバインダーとが混合された混合物を生成する工程と、
前記混合物を成形体に成形する工程と、
前記成形体を一軸方向に加圧した状態で焼成温度に保持することにより焼結する工程と、を有し、
前記成形体に対して、前記ロータ表面と接する面に前記ロータ表面に形成された係合部と係合する被係合部を形成することを特徴とする回転電機用永久磁石の製造方法。 - 前記成形体を焼結する工程では、前記ロータ表面に配置された際にロータの軸方向と同方向となる方向に前記成形体を加圧した状態で焼結することを特徴とする請求項7に記載の回転電機用永久磁石の製造方法。
- 前記被係合部を複数形成することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の回転電機用永久磁石の製造方法。
- 前記バインダーは熱可塑性樹脂からなり、
前記成形体を成形する工程によって生じた前記混合物の残余を加熱することにより、該残余を前記成形体を成形する為の前記混合物へと再利用することを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の回転電機用永久磁石の製造方法。 - 請求項7乃至請求項10のいずれかの製造方法で製造された回転電機用永久磁石をロータ表面に配置することにより製造することを特徴とする回転電機の製造方法。
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JP2014107989A JP2015226337A (ja) | 2014-05-26 | 2014-05-26 | 回転電機用永久磁石、回転電機用永久磁石の製造方法、回転電機及び回転電機の製造方法 |
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