JP2015225609A - 贈与支援システムおよび贈与支援方法 - Google Patents

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谷 健 司 灰
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Abstract

【課題】贈与者と受贈者間での贈与の手続を、簡便性を損なうことなく実現する。
【解決手段】本発明の贈与支援システムにおいて、依頼受信手段は、顧客の金融商品に関する権利の一部または全部を指定者に贈与する手続きの依頼情報を受信し、案内情報送信手段は、依頼情報に基づき、顧客から指定者に対し前記権利に関する贈与の申し出があることを示す案内情報を、指定者に関連するアドレス宛に前記ネットワークを介して送信し、確認情報受信手段は、案内情報送信手段により案内情報が送信された後、指定者が顧客から贈与を受ける意思を有することを示す確認情報を受信し、処理手段は、確認情報に基づき、指定者に贈与の申し出を行った前記顧客の前記金融商品に関する権利を特定し、前記顧客の前記金融商品に関する権利の一部または全部を、指定者に移転するための処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、贈与支援システムおよび贈与支援方法に関し、例えば、顧客が信託銀行で購入した信託の受益権を、他の者に贈与する手続を、インターネット等のネットワーク環境を利用して支援する、贈与支援システムおよび贈与支援方法に関する。
従来、個人が親族に贈与する場合、現金の授受や銀行振込等により行われるのが一般的であった。しかし、これらの方法では、贈与の記録が明確となりにくいという問題点があった。
贈与の記録を残すためには、贈与者および受贈者の当事者間で、書面の贈与契約を締結する方法が考えられる。しかしながら、双方の署名捺印や、契約書の保管を行う等の煩雑さから、実際に行いやすいとは言えないのが実状である。このため、一般には口頭による贈与とその履行により、贈与が行われているケースが多い。
特開2004−157711号公報には、インターネット株取引を利用する顧客が、証券会社に預けている株式又は現金を、インターネット株取引を利用する他の顧客に贈与する手続を、インターネットを介して、コンピュータで自動的に行うシステムが開示されている。
しかしながら、このシステムでは、顧客同士で事前にシステムの外で、贈与の契約を行っておく必要がある。その上で、贈与者がシステムに端末からアクセスして、贈与手続の申込みを行い、受贈者は、当日中に、別途端末から当該システムにアクセスして、受諾手続を行う。このため、贈与者および受贈者は、事前に何らかの手段で連絡を取って、手続を行う日を決める必要がある。仮に、どちらか一方の当事者が、約束の日にシステムで手続できなかった場合は、手続の日を決めるところからやり直す必要があった。このため、贈与者および受贈者の負担が大きく、受贈者の数が多ければ、それだけ、贈与者の負担がさらに大きくなる。
特開2004−157711号公報
本発明は、贈与者および受贈者間での贈与を、贈与者および受贈者の負担を抑えて実現するものである。
本発明の贈与支援システムは、依頼受信手段と、案内情報送信手段と、確認情報受信手段と、処理手段とを備える。前記依頼受信手段は、顧客に関連する端末から、顧客の金融商品に関する権利の一部または全部を指定者に贈与する手続きの依頼情報を、ネットワークを介して受信する。前記案内情報送信手段は、前記依頼情報に基づき、前記顧客から前記指定者に対し前記金融商品に関する権利の贈与の申し出があることを示す案内情報を、前記指定者に関連するアドレス宛に前記ネットワークを介して送信する。前記確認情報受信手段は、前記案内情報送信手段により前記案内情報が送信された後、前記指定者に関連する端末から、前記指定者が前記顧客から前記贈与を受ける意思を有することを示す確認情報を、前記ネットワークを介して受信する。前記処理手段は、前記確認情報に基づき、前記指定者に贈与の申し出を行った前記顧客の金融商品を特定し、前記顧客の金融商品に関する権利の前記一部または全部を、前記指定者に移転するための処理を行う。
本発明の実施形態に係る、信託受益権の受益者変更手続システムの基本的な構成図。 本発明の実施形態に係る、信託受益権の受益者変更手続の流れの一例を示す図。 受益者候補リストの画面の例を示す図。 受益者変更を依頼する画面の例を示す図。 受益者変更の手続きの受付状況を照会する画面の例を示す図。 受益者変更に関する案内情報の画面の例を示す図。 受益者変更の放棄の意思表示を行う画面の例を示す図。 受益者変更の希望等の意思表示を行う画面の例を示す図。 図8の画面で意思表示した取引の受付状況の照会画面の例を示す図。 受益者変更が出来ない旨の通知書の画面の例を示す図。 委託者兼受益者宛に発行された、受益者変更の完了報告書の画面の例を示す図。 指定受益者宛に発行された、受益者変更の完了報告書の画面の例を示す図。 指定受益者の残高および引出額の報告書の例を示す図。 指定受益者の解約終了および引出額の報告書の例を示す図。 本発明の実施形態に係る贈与支援システムの機能ブロック図。 本発明の実施形態に係る、信託受益権の受益者変更手続システムの他の構成図。
まず、本発明の実施形態の概要について説明する。
本実施形態は、信託の受益者を変更することで、税務上みなし贈与(相続税法第9条の2(贈与又は遺贈により取得したものとみなす信託に関する権利)・第2項)となる仕組みを利用して、信託に関する権利(受益権)の贈与を支援する贈与支援システムに関する。つまり、信託の受益者を他の者に変更した場合、変更後の受益者は変更前の受益者から贈与があったものとみなされるため、受益者変更の手続きにより、信託の受益権を贈与でき、これを利用した贈与支援システムを実現する。以下、税務上のみなし贈与も、単に贈与と称して説明を行う。
信託は信託銀行で購入できる金融商品であり、本実施形態では、信託として、特に金銭信託を扱う。信託銀行の顧客は、信託銀行で金銭信託を購入することで、金銭信託に関する権利である信託受益権を保有する委託者兼受益者となる。本実施形態において、特に顧客が購入する金銭信託は、受益者変更の手続が可能となる特約付きの金銭信託であり、暦年贈与信託と呼ぶ。顧客は、毎年、親戚等の他人に、金銭の贈与を行いたいといった場合に、この暦年贈与信託を購入することで、本実施形態に従ってサービスを受けることができ、その要望を簡易に実現できる。
顧客(委託者兼受益者)は、事前に信託銀行の提供するインターネットバンキングの会員になっており、インターネット接続可能なパーソナルコンピュータ(PC)等の端末を用いて、インターネットバンキングを利用できる状態にある。本実施形態の贈与支援システムは、インターネットバンキングの枠組みの中で利用されることができる。委託者兼受益者は、信託受益権の一部または全部を他の者に贈与したい場合は、インターネットバンキングを利用して、贈与したい金額(元本金額)と、贈与したい相手である受益者とを指定した、受益者変更の依頼を、端末から贈与支援システムに送る。受益者の指定は、事前に信託銀行に申請して登録を受けた受益者の候補リストの中から行ってよい。ここで指定された受益者を、指定者、特に指定受益者と呼ぶ。
贈与支援システムは、委託者兼受益者から受益者変更の依頼を受けると、指定受益者に対して、委託者兼受益者から贈与(受益者変更)の申し出があったことの案内を、インターネットメール等の電子メールで通知する。委託者兼受益者からの贈与の申し出を知った指定受益者は、贈与を希望する場合は、インターネットバンキングを利用して、贈与支援システムに贈与を受ける意思を通知する。この際、指定受益者が、受託者である信託銀行に口座開設していない(未取引である)場合や、口座があってもインターネットバンキング会員でない場合には、受託者と所定の手続きを行って、インターネットバンキング会員になる必要がある。
贈与支援システムは、両当事者の贈与および受贈の意思が合致したことを確認し、委託者兼受益者により指定された金額について、受益者変更(贈与)の手続の処理を実行する。具体的に、委託者兼受益者の信託受益権に係る口座から、指定受益者の信託受益権に係る口座へ、当該金額の移転手続の処理を実行する。これにより、委託者兼受益者から指定受益者に、指定した金額分の信託受益権が贈与される。なお、移転手続の処理の際、指定受益者の信託受益権に係る口座がまだ存在しない場合(指定受益者が委託者兼受益者から初めて贈与を受ける場合など)は、移転手続の前に、当該口座を自動作成する。贈与支援システムは、贈与の内容を記録した文書を作成および保管して、委託者兼受益者および指定受益者から、インターネットバンキングで閲覧またはダウンロード等が可能な状態にする。なお、口座間の移転手続は、信託銀行の信託勘定システムを利用して行う。また、両当事者と信託銀行との契約に関する情報は、契約管理システムで管理されている。贈与支援システムが組み込まれたインターネットバンキングシステムが、これらの信託勘定システムおよび契約管理システムと適宜連携して、本実施形態のサービスを実現する。
このように、本実施形態に係る贈与支援システムは、両当事者の贈与および受贈の意思を、インターネット等のネットワークを介して確認し、両者の意思の合致を確認後に、受益者変更の処理を自動的に行うことにより、信託受益権の贈与を簡単かつ低負担で行うことができる。従来技術では、両当事者は、システムの外側で、事前に何らかの手段で贈与および受贈の意思表示を互いに行い、贈与の手続する日を事前に示し合わせ、その日にシステムで手続を行う必要があった。これに対して、本実施形態では両当事者は、自身の都合に合わせた日時で、贈与支援システムまたは受託者とのみやり取りすればよく、当事者同士で直接やりとりを行わなくとも贈与が可能となる。これにより、贈与を簡易に行うことができ、従来問題となっていた当事者の負担を大きく軽減できる。また、贈与の記録を受託者側に保管して、インターネットバンキングで閲覧またはダウンロード等を可能にすることで、当事者間で贈与の契約書の作成および保管といった煩雑な作業を行う必要はなく、この点からも当事者の負担を大きく低減できる。
なお、本実施形態では、信託銀行で購入した金銭信託を例として扱うが、後述するように、金銭信託以外の金融商品、および信託銀行以外の機関に対しても、本発明は実施可能である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について、さらに詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る贈与支援システムを備えた、信託受益権の受益者変更手続システムを示す。
この受益者変更手続システムは、委託者兼受益者(贈与者)に関する端末201と、指定受益者(受贈者)に関する端末202と、受託者(信託銀行)側のシステムとを備える。受託者側のシステムは、具体的に、インターネットバンキングシステム101と、契約管理システム102と、信託勘定システム103と、通信システム104とを備える。本実施形態の贈与支援システムは、特にインターネットバンキングシステム101および通信システム104によって実現されることができる。委託者兼受益者に関する端末201は、委託者兼受益者等に操作される端末であり、端末201の所有者が、必ずしも委託者兼受益者である必要はない。指定受益者に関する端末202は、指定受益者等に操作される端末であり、端末201の所有者が、必ずしも指定受益者である必要はない。
端末201および端末202は、具体的には、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等、インターネット環境に接続可能であり、かつ、インターネットバンキングを利用可能な環境を有するユーザデバイスである。端末201、202は、CPU、記憶装置、入力部、表示部、通信インタフェースなど、通信可能なコンピュータ装置が一般的に備える構成要素を備えている。端末201、202の通信インタフェースは、イーサーネット等の有線ネットワーク、または、無線LANあるいは携帯電話ネットワーク等の無線ネットワークに接続される。端末201、202は、例えば通信プロトコルとして、インターネット等で用いられているTCP/IPを用いて、ネットワーク上の相手装置と通信可能である。
インターネットバンキングシステム101は、インターネット105を介して、顧客に銀行取引サービスを提供するシステムである。本実施形態では、インターネットバンキングシステム101は、信託銀行による取引サービスを提供する。インターネットバンキングの会員になっている顧客は、端末を用いてインターネットバンキングシステム101にアクセスすることで、インターネットバンキングのサービスを受けることができる。また、インターネットバンキングシステム101は、インターネットバンキング会員とインターネットメール等の電子メールを送受信するメールサーバ機能も備えている。本実施形態における顧客(委託者兼受益者)は、信託銀行(受託者)で口座開設済みであり、インターネットバンキングの会員にもなっているとする。
契約管理システム102は、信託銀行における顧客の個人情報、購入した金銭信託等の商品に関する情報、口座の残高等、顧客に関する情報(顧客情報)を管理している。顧客情報には、各顧客を区別するために信託銀行が付与した顧客識別情報(契約番号等)が含まれていてもよい。信託勘定システム103は、信託銀行の勘定系の処理を行う。例えば、インターネットバンキングシステム101からの指示に応じて、顧客の口座間の移転処理を行い、また、契約内容に応じて口座の利息計算および付与を行う。信託勘定システム103は、契約管理システム102に接続されており、口座間の移転処理や、利息計算処理の結果等が、契約管理システム102の顧客の口座情報に反映されるようになっている。
インターネットバンキングシステム101、契約管理システム102および勘定系システムは、専用線、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、または、インターネットなどを介して、セキュアな方法で相互に接続されている。
通信システム104は、インターネット105を介して、信託銀行の顧客、または信託銀行と未取引の者(口座開設していない者)と、インターネット105を介して通信するためのシステムである。信託銀行の顧客には、口座開設はしているがインターネットバンキングの会員になっていない顧客も含まれる。通信システム104は、例えばメールサーバ機能またはWEBサーバ機能等を有しており、インターネットメールの送受信や、ウェブ画面を介したやり取りを行う。通信システム104はインターネットバンキングシステム101と接続されており、インターネットバンキングシステム101の指示を受けて、動作可能である。また、通信システム104は、信託銀行の担当者の端末と、社内ネットワーク等を介して接続されていてもよい。この場合、通信システム104は、端末から担当者の指示を受けて動作してもよい。
以上のような受益者変更手続システムを用いて、委託者兼受益者、受託者、指定受益者間で、信託受益権の受益者変更に係わる手続が、インターネット環境を利用して行われる。
図2に、これらの3者間で行われる信託受益権の受益者変更に係わる手続の流れの一例を示す。委託者兼受益者(贈与者)および指定受益者(受贈者)の行う作業には、インターネット環境で端末を利用した作業と、書類の記入や書類の提出など、端末を利用しない作業とがある。受託者(信託銀行)の行う作業としては、受託者における担当者が行う作業(書類確認、郵送手続、契約管理システム102へのデータ登録・更新等などの作業)や、図1に示した各システムが行う自動処理とがある。
信託受益権の受益者変更に係わる手続の段階は、図2に示すように、大きく、「信託設定」、「贈与手続」、「残高等の通知」を含む。
[信託設定]
顧客が、信託銀行に対し、暦年贈与信託の申込みを行う。暦年贈与信託の申込みは、商品性や法務面・税務面の説明と顧客の理解が必要となるため、受託者(信託銀行)の店舗において対面で行う。顧客は、申込み書類に、将来の受益者候補の属性情報(氏名・住所・電話番号・生年月日・続柄・インターネットメールアドレス等)およびその他必要事項を記載し、提出する(プロセスP1)。受益者候補とは、顧客が将来、受益権の贈与を行う対象として指定する者の候補である。顧客は対面での説明を受けた後に、郵送で申込み書類を信託銀行に送付することで、暦年贈与信託の申込みを行ってもよい。
受託者は、顧客の申込みに基づき、契約管理システム102に信託設定を行うとともに(プロセスP2)、受益者候補を登録する(プロセスP3)。顧客は、暦年贈与信託の信託設定を受けることで、暦年贈与信託用の口座が作成され、当該信託の委託者兼受益者となる。
プロセスP3で登録した受益者候補の内容は、受益者候補リストとして、インターネットバンキングシステム101内で委託者兼受益者が、閲覧できる(プロセスP4)。具体的に、インターネットバンキングにログインし、金銭信託(暦年贈与信託)の画面から、メニューまたはボタン等の選択(クリックまたはタッチ等)により、受益者候補リスト(図3)の画面に移ることができる。なお、委託者兼受益者は、インターネットバンキングを利用する際には、会員番号やパスワード等により、インターネットバンキングシステム101によるユーザ認証を受ける。
図3に受益者候補リストの画面の例51を示す。受益者候補リストには、受益者候補の氏名、住所、およびインターネットメールアドレス(電子メールアドレス)が登録されている。各行の右側には、「詳細」ボタン11が配置されており、贈与の手続(受益者変更手続)を依頼する場合は、贈与対象となる受益者(指定受益者)の「詳細」ボタン11をクリックする。受益者候補の追加または削除を行う場合は、委託者兼受益者は書面で受託者への申込みを行うものとする。
[贈与手続]
毎年1月に、インターネットバンキングシステム101から、インターネットメールで、委託者兼受益者宛に、今年の受益者変更手続が可能となった旨の「贈与手続のご案内」を通知する(プロセスP5)。委託者兼受益者は、暦年贈与信託の契約期間の間、毎年、必ずこの通知を受けることが出来るため、受益者変更の申込みを忘れることを防止できる。暦年贈与信託では、委託者兼受益者が、例えば毎年、贈与を行いたいといった場合に、その都度、贈与の意思表示を行って、贈与を行うことを支援できる。インターネットバンキングシステム101から、毎年1月のみならず、年の途中でも適宜、同様の通知を行うようにしてもよい。これにより、委託者兼受益者が受益者変更の申込みを忘れてしまう可能性をより低減できる。
委託者兼受益者が、インターメットメールで「贈与手続のご案内」を確認し(プロセスP6)、今年も、受益者変更手続が可能になったことを知る。委託者兼受益者は、贈与(受益者変更)の手続を依頼する場合は、インターネットバンキングにログインし、受益者候補リスト(図3)の画面に移る。受益者候補リストを閲覧し、贈与(受益者変更)を行いたい受益者候補の「詳細」ボタン11をクリックして、受益者変更の依頼画面に移る。なお、委託者兼受益者は、「贈与手続のご案内」が通知される前であっても、今年の受益者変更の手続を可能である。ただし、「贈与手続のご案内」が通知された後のみ、今年の、受益者変更の手続が可能となる仕組みを採用してもよい。
図4に受益者変更の依頼画面の例52を示す。「詳細」ボタン11がクリックされた指定受益者の属性情報が示される。属性情報は、氏名、住所、生年月日、続柄、メールアドレスを含む。図4における「贈与を受ける方」とは、指定受益者のことである。表示された指定受益者の情報は、契約管理システム102に事前に登録されたものである。委託者兼受益者は、属性情報(氏名・住所・電話番号・生年月日・続柄・メールアドレス)を確認のうえ、贈与(受益者変更)する金額の欄12に、受益者変更する金額(元本)を記入する。また、メッセージ欄13には、指定受益者宛のメッセージを記載する。例えば、指定受益者に進学用の資金としてお金を贈与したい場合は、贈与したお金を勉学に有効に役立て欲しい旨のメッセージを記入することが考えられる。なお、メッセージ欄13への記載を省略可能にしてもよい。
贈与額およびメッセージの記入が完了したら、委託者兼受益者は「確認画面へ」のボタン14をクリックする。確認画面(図示せず)が表示され、内容を確認後、インターネットバンキングの暗証番号を入力して、「送信する」ボタン(図示せず)をクリックする。これにより、図4の依頼画面で入力した情報を含む依頼情報が、インターネットバンキングシステム101に送信される。これにより、受託者に対し、贈与の依頼手続が完了する(プロセスP7)。インターネットバンキングシステム101は、この依頼情報を受信することで、受益者変更の依頼を受け付ける(プロセスP8)。
ここで、図4の依頼画面で入力した金額が、委託者兼受益者の口座残高を超えている場合もあり得る。そこで、インターネットバンキングシステム101では、「確認画面へ」のボタン14、または確認画面での「送信する」ボタンのクリックを検知した時点で、入力した金額が口座残高を超えていないかを確認し、越えている場合は、エラーメッセージ画面を表示してもよい。また、メッセージ欄13に記入した文字数が、上限値をオーバーしている場合も、エラーメッセージ画面を表示してもよい(上限値以下での文字数しかメッセージ欄13に入力できないようにしてもよい)。
上述した例では、受益者候補の登録を事前に書面で申込みし、委託者兼受益者はインターネットバンキングの依頼画面で受益者候補リストから受益者を選択した。これとは別の方法として、事前の書面の申込みを行わず、依頼画面で指定受益者の属性情報(氏名・住所・電話番号・生年月日・続柄・メールアドレス等)を直接記入することによって、指定受益者を指定するようにしてもよい。
委託者兼受益者は、受益者変更の依頼が受け付けられたことを、受付状況照会画面で確認できる。受付状況照会画面は、上記の確認画面で「送信する」ボタンをクリックした直後に表示される画面、または、金銭信託(暦年贈与信託)の画面から、メニューまたはボタン等の選択(クリックまたはタッチ等)により、移るようにしてもよい。図5に、受付状況紹介画面の例53を示す。受付状況照会画面には、「受付日時」、「受付番号」、「お取引」、「状況」の列からなるリストないしは表が示される。
「受付日時」の列は、申込みが受け付けられた日時を格納する。「受付番号」の列は、各種の手続の申込み(受益者変更以外の申込みも含む)が受け付けられる毎に発行される受付番号を格納する。「お取引」の列は、申込みを受け付けた取引の内容を表す文字を格納する。今回は、暦年贈与信託の受益者変更の申込みのため、“暦年贈与信託/受益者変更”が格納される。
「状況」の列は、申込みした取引の手続の進捗状況を表す情報を格納する。“受付中”の場合、指定受益者(受贈者)による手続待ちの状態を意味する。“受付中”の場合は、委託者兼受益者は、受益者変更の依頼を撤回可能である。この場合、委託者兼受益者は、右側の「取消」ボタン15をクリックすることで、依頼を撤回できる。撤回の申込みがあった場合、インターネットバンキングシステム101は、指定受益者のメールアドレス宛に、受益者変更の撤回があった旨の通知書を、インターネットメールで通知する。指定受益者がインターネットバンキングの非会員であれば、通信システム104から通知書をインターネットメールで送信する。このように、撤回の通知書を送信するのは、後述するように、受益者変更の依頼が受託者に受け付けられた時点で、指定受益者には、委託者兼受益者から贈与の申し出があったことを示す案内情報が、インターネットメールで送信されているためである。一方、「状況」の列が“完了”(図示せず)の場合は、受益者変更の手続きが完了している状態を表す。この場合、委託者兼受益者は、受益者変更の申込みを撤回できない。よって、「状況」の列が“完了”の場合、「取消」ボタン15をクリックできないようにしてもよい。なお、「状況」の列の「詳細」ボタン16をクリックすることで、取引内容(図4の画面と同様の内容)を確認できる。
受託者側のインターネットバンキングシステム101は、プロセスP8で委託者兼受益者から受益者変更の依頼を受け付けると、指定受益者のメールアドレス宛に、贈与(受益者変更)の依頼があったことを示す案内情報を、インターネットメールで通知する(プロセスP9)。メールのタイトルは、任意でよいが、贈与に係わる名称にすることが考えられる。インターネットメールの送信は、通信システム104から行う。インターネットバンキングシステム101は、指定受益者に送信したメールと同一内容のインターネットメールを、委託者兼受益者のメールアドレス宛にも送信してもよい。委託者兼受益者宛の送信は、指定受益者宛のメールのCC欄に委託者兼受益者のメールアドレスを設定することで行ってもよいし、指定受益者とは別のメールで行ってもよい。
図6に、プロセスP9で送信する案内情報の例を示す。この案内情報がインターネットメールの本文または添付ファイルとして、指定受益者(および委託者兼受益者)に送信される。図6において、白抜きの丸には、指定受益者の名前が入る。黒塗りの菱形の箇所には、委託者兼受益者の名前が入る。案内情報には、贈与の内容(受益者変更の概要)、受益者変更手続に固有のID番号が記載されている。贈与の内容として、委託者兼受益者(贈与する方)のメッセージ、贈与を希望する金額、信託元本交付日が記載されている。委託者兼受益者のメッセージは、図4の受益者変更の依頼画面で、委託者兼受益者がメッセージ欄に記載したメッセージである。受益者変更手続に固有のID番号は、受益者変更の申込みが完了した時点で、インターネットバンキングシステム101により発行されるID番号である。ID番号は、図5の受付照会画面で示した受付番号とは別体系の番号である。
指定受益者は、インターネットバンキングシステム101または通信システム104からインターネットメールで送信される案内情報を、端末202で受信し(プロセスP10)、案内情報を確認することで、自分に信託受益権の贈与の申し出があることを知る。なお、端末202でインターネットメールを受信するとは、インターネットメールを直接端末202で受信することの他、インターネットメールを管理するサーバに端末202がアクセスし、ウェブ上でインターネットメールを確認する場合も含む。信託受益権の贈与の申し出を知った指定受益者は、信託受益権の贈与(受益者変更)を受けるか否かを判断する。以下では、信託受益権の贈与(受益者変更)を受けないことを、受益者変更を放棄または受贈を放棄と表現することがある。
指定受益者は、信託受益権の贈与を受けない(受益者変更を放棄する)と判断した場合には、インターネットメールに添付されたURL41(図6参照)をクリックすることにより、受益者変更の放棄用の画面にアクセスする。図7に、放棄用の画面の例54を示す。この画面は、通信システム104、またはインターネットバンキングシステム101、または別途設けたサーバが提供する。指定受益者は、端末202を操作して、画面のID番号の欄21に、インターネットメールで通知されたID番号(図6参照)を記入し、チェックボックス22にチェックすることで、受益者変更の放棄の意思表示を行う。また、その他必要事項(指定受益者の住所、氏名、生年月日等)を記入する。記入が完了したら、「送信」ボタン23をクリックすることで、画面に記入された情報を含む放棄情報が、通信システム104に送信される(プロセスP11)。これにより、受益者変更の放棄の意思が受託者に伝えられる。なお、チェックボックス22にチェックがない場合は、「送信」ボタン23をクリックできないようにしてもよいし、チェックボックス22にチェックがない状態でクリックされた場合には、注意を促すメッセージを表示してもよい。
受託者における担当者は、指定受益者からの放棄の回答を、通信システム104または別途設けたサーバ等から、メール等の通知で把握する(プロセスP12)。あるいは、担当者は、社内の端末で通信システム104にアクセスして、放棄の回答が通信システム104に届いているかを確認してもよい。担当者は、指定受益者から放棄の回答があったことを認識した場合は、放棄された指定受益権に関する内容を確認する。具体的に、専用端末(図示せず)から契約管理システム102にアクセスして、回答に含まれていたID番号から、指定受益者が放棄した受益者変更の内容と、委託者兼受益者を確認する。担当者は、確認がとれたら、放棄の回答を受領した旨の確認書を、放棄した本人宛に郵送する(プロセスP13)。郵送は、例えば簡易書留などで行う。指定受益者は、受託者から郵送された確認書を受領することで、受益者変更の放棄手続が完了したことを確認する(プロセスP14)。また、受託者の担当者は、指定受益者により受益者変更が放棄されたことを、契約管理システム102に設定する。契約管理システム102への放棄の設定は、指定受益者から放棄の回答が受信された場合に、通信システム104、またはインターネットバンキングシステム101、または別途設けたサーバからの指示により、自動的に行われるようにしてもよい。インターネットバンキングシステム101は、契約管理システム102で放棄の設定がなされると、受益者変更が放棄されたとの通知書を、インターネットバンキング内で、委託者兼受益者に対して、電子交付する(プロセスP15)。このときインターネットバンキングシステム101は、委託者兼受益者宛に電子交付物があることを通知するインターネットメールを、委託者兼受益者のメールアドレス宛に送信し、インターネットバンキングへのアクセスを促してもよい。委託者兼受益者は、インターネットバンキングにアクセスして、電子交付された通知書を閲覧することで、指定受益者が贈与(受益者変更)の申し出を受けなかったことを認識する(プロセスP16)。
一方、指定受益者は、贈与(受益者変更)を受けることを希望する場合には、インターネットバンキングシステム101にログインし、受益者変更を希望するとの意思表示(回答)を行う(プロセスP17)。なお、指定受益者が、受託者である信託銀行に口座開設していない(未取引である)場合や、口座があってもインターネットバンキング会員でない場合には、受託者と所定の手続きを行い、インターネットバンキング会員となることが必要である。この場合、インターネットバンキング会員となった後に、受益者変更を希望する意思表示を行えばよい。指定受益者は、インターネットバンキング会員でないときは、図6のURL42をクリックすることで、会員の申込み手続を行う画面へ移動してもよい。
指定受益者は、受益者変更を希望するとの意思表示を行う場合、インターネットバンキングの金銭信託の取引画面から、メニューまたはボタン等の選択(クリックまたはタッチ等)により、受益者変更に関する意思表示を行う画面に移動する。図8に、この画面の例55を示す。指定受益者は、端末202を操作して、受託者からインターネットメールで通知されたID番号を、ID番号の欄31に記載し、「照会」のボタン32をクリックする。すると、受益者変更の対象となる信託受益権の内容が表示される。具体的に、委託者兼受益者(贈与する方)の氏名、指定受益者(贈与を受ける方)の氏名、信託受益権の金額(元本)、信託元本交付日が表示される。指定受益者は、これらの内容を確認し、委託者兼受益者へのメッセージ(例えばお礼のメッセージ)をメッセージ欄33に記入する。そして、チェックボックス34に受益者変更を希望する旨のチェックを行い、「確認画面へ」のボタン36をクリックする。
なお、指定受益者は、図7の放棄用の画面とは別に、本画面でも受益者変更を放棄する意思表示を行うことも可能である。この場合には、チェックボックス35で受益者変更を放棄する旨のチェックを行ってから、「確認画面へ」のボタン36をクリックする。チェックボックス34、35の両方にチェックがされた場合には、いずれか一方のみをチェックするよう注意を促すメッセージ画面を表示してもよい。あるいは、チェックボックス34、35の代わりにラジオボタンを用い、受益者変更を希望するか放棄するかのいずれか一方のみを、強制的に選択させるようにしてもよい。
指定受益者が、受益者変更を希望する旨のチェックを行って、「確認画面へ」のボタン36をクリックすると、受益者変更の確認画面(図示せず)が、指定受益者の端末202に表示される。指定受益者は、表示される画面の内容を確認後に、暗証番号を入力して、「送信する」ボタン(図示せず)をクリックする。これにより、受益者変更の希望を通知する確認情報が、インターネットバンキングシステム101に送信され、受益者変更の希望が受け付けられる。インターネットバンキングシステム101に送信される確認情報は、図8の意思表示画面で入力された情報を含んでいる。なお、受益者変更の意思表示は、プロセスP9で受益者変更の案内情報(図6参照)が送信されてから、一定期間以内(例えば2か月以内)、かつ当該年内の銀行営業日までに行うことを制約としてもよい。その期限を超えた場合には、受益者変更を放棄したものとして、取り扱うようにしてもよい。
なお、インターネットバンキングシステム101は、指定受益者から受益者変更の放棄の意思表示を受けた場合や、期限内に受益者変更の希望の意思表示が行われなかった場合には、受益者変更を放棄したことを示す通知書を、委託者兼受益者に電子交付する。その際、委託者兼受益者宛に電子交付物があることを、インターネットメールで、委託者兼受益者のメールアドレス宛に通知してもよい。
指定受益者は、受益者変更の希望が受託者で受け付けられたことを、インターネットバンキング内の受付状況照会画面で確認できる。指定受益者は、例えば受益者変更の意思表示画面で「送信」ボタンをクリックした直後に表示される画面、または、インターネットバンキングの金銭信託の取引画面から、メニューまたはボタン等の選択(クリックまたはタッチ等)により、受付状況照会画面に移ることができる。
図9に受付状況照会画面の例56を示す。この画面には、「受付日時」、「受付番号」、「お取引」、「状況」の列からなるリストが表示される。「受付日時」の列には、指定受益者から受益者変更の希望、または放棄を受け付けた日時が格納される。「受付番号」の列には、指定受益者から受益者変更の希望、または放棄を受け付けた際に発行される、受付番号が格納される。この受付番号は、前述のID番号とは別体系の番号である。「お取引」の列には、指定受益者が意思表示した取引の内容(受益者変更の希望または放棄)が格納される。「状況」の列には、取引の手続状況が格納される。
図9の2行目のように、「お取引」の列が“暦年贈与信託/受益者変更の希望”であり、「状況」の列が“受付中”であれば、受益者変更の希望が受託者に受け付けられ、現在、受益者変更が、インターネットバンキングシステム101の手続き完了待ちであることを示している。なお、「詳細」ボタン41をクリックすることで、図8の画面と同様の内容の画面が表示され、指定受益者は、取引の内容を確認できる。一方、図9の1行目では、「お取引」の列が“暦年贈与信託/受益者変更の放棄”で、「状況」の列が“完了”であるため、受益者変更の放棄が、受託者に受け付けられ、受益者変更の放棄が、完了したことを示している。図9の例では、指定受益者は、2015年は受益者変更を希望したが、2014年は受益者変更を放棄したことが分かる。
インターネットバンキングシステム101は、指定受益者の端末202から受益者変更の希望を受け付けると、実際に受益者変更を行ってよいか、その可否を判断する(プロセスP18)。当該受益者変更の可否情報を、委託者兼受益者が申込みした取引(受益者変更)のID番号に対応づけて、契約管理システム102に登録しておく。インターネットバンキングシステム101は、該当する可否情報を読み出し、可否情報が変更可を示す場合は、受益者変更を認めることを決定し、変更不可を示す場合は、受益者変更を認めないことを決定する。
基本的に、取引を承諾できないような特段の事情が無ければ、変更可を設定しておくが、承諾できないような事情が発生した場合は、受託者の担当者は、変更不可を設定しておく。例えば、委託者兼受益者の死亡により、受託者と委託者兼受益者との取引が停止している場合等については、取引を承諾できないケースも想定される。この例では、事前に登録した可否情報に基づき受益者変更の可否を判断したが、別の方法として、受託者の担当者が、受益者変更の希望を受けた際に、インターネットバンキングシステム101に直接または契約管理システム102を介して、受益者変更の可否を専用端末から指示してもよい。
インターネットバンキングシステム101は、受益者変更が不可であると決定した場合、委託者兼受益者および指定受益者に対し、受益者変更が出来ない旨の通知書を電子交付する。その際、電子交付物があることを、インターネットメールで、インターネットバンキングシステム101から、委託者兼受益者および指定受益者のメールアドレス宛に送信する。
図10に、受益者変更不可の場合に発行される通知書の画面の例59を示す。この例では、委任者兼受益者の氏名(「贈与する方のご氏名」)、指定受益者の氏名(「贈与を受ける方のご氏名」)、受益者変更の依頼金額(「受益者変更のご依頼金額(元本)」)、受益者変更手続ができない理由(「お手続きができない理由」)が記載されている。
一方、インターネットバンキングシステム101は、受益者変更が可能であると決定した場合、受益者変更を行う金額(委託者兼受益者が図4の画面で入力した金額)を、委託者兼受益者の信託受益権残高(口座残高)から、指定受益者の口座に移転させるための処理を行う(プロセスP19)。具体的に、インターネットバンキングシステム101は、信託勘定システム103に対し、当該口座間での残高の移転処理の実行を指示し、信託勘定システム103は、指示を受けて、移転処理を実行する。この結果、委託者兼受益者の信託受益権残高は、当該金額だけ減少し、指定受益者の口座は、当該金額だけ増加する。これにより、受益者変更の手続きが完了する。移転処理の結果は、契約管理システム101にも反映される。
インターネットバンキングシステム101は、受益者変更の手続きが完了した後、受益者変更の完了報告書を、委託者兼受益者および指定受益者に対し電子交付する(プロセスP20)。その際、インターネットバンキングシステム101は、委託者兼受益者および指定受益者宛の電子交付物があることを、それぞれのメールアドレス宛に、インターネットメールで送信する。委託者兼受益者はインターネットバンキングにアクセスして、完了報告書をブラウザまたは閲覧用ソフトで閲覧することで、受益者変更手続が完了したことを知る(プロセスP21)。同様に、指定受益者はインターネットバンキングにアクセスして、完了報告書を閲覧することで、受益者変更の手続が完了したことを知る(プロセスP22)。なお、委託者兼受益者は、この時点で初めて、指定受益者が、自らの贈与の申し出を受けたことを知ることになる。ただし、指定受益者がシステムの枠組み外で、委託者兼受益者に電話、手紙、インターネットメールで個別に連絡をとって、贈与を受けるとの意思表示を行っても何ら問題ない。なお、ここでは、委託者兼受益者および指定受益者は、インターネットバンキング(オンライン)での閲覧により完了報告書を確認したが、別の方法として、インターネットバンキングシステム101が、完了報告書を委託者兼受益者および指定受益者の端末にダウンロードさせ、ダウンロードされたファイルを開くことで、完了報告書を閲覧する方式でもよい。または、インターネットメールの添付ファイルとして、または本文中に埋め込むことにより、完了報告書を委託者兼受益者および指定受益者のメールアドレス宛に送信してもよい。このように完了報告書は、オンライン閲覧、ダウンロード閲覧、メール送信など、任意の方式に応じて送信することができる。
図11に、委託者兼受益者宛の完了報告書の画面の例57を示す。図12に指定受益者宛の完了報告書の画面の例58を示す。いずれの完了報告書にも、受益者変更手続の明細として、手続き日(贈与日)、贈与した方の氏名、贈与を受けた方の氏名、受益者変更の金額(元本)、贈与を受けた方の信託財産交付日が記載されている。
図11の委託者兼受益者宛の完了報告書には、指定受益者が図8の意思表示画面で、委託者兼受益者宛に入力したメッセージも記載される。図12の指定受益者宛の完了報告書には、委託者兼受益者が図4の依頼画面で、指定受益者宛に入力したメッセージも記載される。なお、これらの両方のメッセージを、委託者兼受益者宛および指定受益者宛のそれぞれの完了報告書に記載してもよい。指定受益者は、図12の完了報告書を、受贈の実績データとして贈与税の申告の際に参考にできる。
現行の相続税法では、贈与税の基礎控除が定められており(現行は110万円)、インターネットバンキングシステム101は、これを超える贈与を受ける場合には、贈与税の申告が必要となるといった、税制面等の注意喚起のメッセージを、指定受益者の完了報告書に記載してもよい。または、当該注意喚起のメッセージを、完了報告書とは別の通知書として、指定受益者に電子交付してもよい。または、当該注意喚起のメッセージを、インターネットメールでインターネットバンキングシステム101から、指定受益者に通知してもよい。委託者兼受益者にも、指定受益者に通知したのと同様の税制面に関するメッセージを、完了報告書または別の通知書、またはインターネットメールで通知してもよい。これにより、委託者兼受益者にも、贈与税に関する注意を促すことができる。なお、図4の依頼画面で贈与の手続の依頼をする際に、確認画面で税制面に関するメッセージを通知してもよい。
指定受益者および委託者兼受益者に発行した完了報告書は、インターネットバンキングシステム101内において、受益者変更の日(贈与日)から一定期間保管する。一例として、贈与税の時効が現行法で7年であることから、7年間保管することが考えられる。指定受益者および委託者兼受益者は、インターネットバンキングにアクセスすることで、インターネットバンキングシステム101で保管されている各年の完了報告書を閲覧できる。
受益者変更手続が完了した後は、指定受益者は、端末202を操作して、インターネットバンキングシステム101にログインすることで、金銭信託(暦年贈与信託)の画面で、受益者変更後の信託受益権の残高(口座残高)を確認できる。委託者兼受益者も、端末201を操作して、インターネットバンキングシステム101にログインすることで、金銭信託(暦年贈与信託)の画面で、受益者変更後の信託受益権の残高(口座残高)を確認できる。
[残高等の通知]
インターネットバンキングシステム101は、受益者変更により指定受益者が取得した信託受益権について、毎年末を基準日として、当該信託受益権の残高および当該年の引出額を記載した残高報告書を、委託者兼受益者に対し、インターネットバンキング内で電子交付する(プロセスP23)。その際、委託者兼受益者宛の電子交付物があることを、インターネットメールで委託者兼受益者に通知する。委託者兼受益者は、端末201を操作して、インターネットバンキングシステム101にログインし、金銭信託の取引画面からメニューまたはボタン等の選択(クリックまたはタッチ等)により所定の画面に移動し、残高報告書の閲覧を要求(メニューまたはボタン等のクリックまたはタッチ等)することで、残高報告書を表示し、確認できる(プロセスP24)。
図13に残高報告書の例を示す。この例では、指定受益者(受贈者)が2人いる。2番目の行の指定受益者は、昨年、1,000,000円を引き出しており、残高が400,000円となっている。1番目の行の指定受益者は、昨年の引出額は0円であり、残高が3,000,351円となっている。端数の351円は、口座残高にこれまで付与された利息である。
また、インターネットバンキングシステム101は、受益者変更により指定受益者が取得した信託受益権について、指定受益者が、暦年贈与信託に係る口座の全部解約を行った場合には、その旨と当該年の引出額を記載した、指定受益者の契約終了報告書を、委託者兼受益者宛に、インターネットバンキング内で電子交付する(同プロセスP23)。その際、インターネットバンキングシステム101は、委託者兼受益者宛に電子交付物があることを、インターネットメールで委託者兼受益者に通知する。委託者兼受益者は、端末201を操作してインターネットバンキングシステム101にログインし、金銭信託の取引画面からメニューまたはボタン等の選択(クリックまたはタッチ等)により所定の画面に移動し、契約終了報告書の閲覧を要求(メニューまたはボタン等のクリックまたはタッチ等)することで、契約終了報告書を表示し、確認できる(同プロセスP24)。図14に契約終了報告書の例を示す。この例では、昨年、指定受益者の1人が全部解約を行って、2,000,522円を引き出している。
残高報告書および契約終了報告書についても、前述した完了報告書と同様に、インターネットバンキングでのオンライン閲覧の他、ダウンロード閲覧、メール送信など任意の方式に応じて送信可能である。
このように委託者兼受益者が、残高報告書または契約終了報告書を確認できる仕組みにすることで、指定受益者の浪費等を抑制し、委託者兼受益者の意向に沿うように、指定受益者がお金を利用することが期待できる。また、委託者兼受益者は、これらの残高報告書または契約終了報告書を参考にして、次回(例えば今年)の贈与の有無や、贈与額等を決定できる。
図15は、本実施形態に係る贈与支援システムの機能ブロック図である。贈与支援システムは、贈与手続案内手段300と、依頼受信手段301と、案内情報生成手段302と、案内情報送信手段303と、確認情報受信手段304と、処理手段305と、完了報告発行手段306と、完了報告送信手段307と、残高報告発行手段308と、残高報告送信手段309と、契約終了報告発行手段310、契約終了報告送信手段311、記憶装置312と、制御手段313とを備える。
これらの各手段のうち、案内情報送信手段303は、図1の通信システム104に実装され、それ以外の手段は、インターネットバンキングシステム101内に実装されるのが一般的であるが、これに限定される必要はなく、一部の手段が契約管理システム101または信託勘定システム103または通信システム104に実装される場合もあり得る。また、図1に示した各システムとは別のサーバで、上記各手段の一部または全部を実装し、当該サーバがインターネットバンキングシステムと相互通信可能に構成されてもよい。また、これらの各手段は、これらの手段による機能を記述した命令コードを含むプログラムをCPU等のプロセッサが実行することにより実現されてもよいし、これらの手段の一部または全部が、ASICやFPGA等の回路により実現されてもよい。プロセッサは単一に限らず、複数のプロセッサでもよい。このように、当該贈与支援システムを、図1のようなシステム配置の中で具体的にどのように実現するのかは、特定の形態に限定されるものではない。
記憶装置312には、顧客の個人情報、購入した金銭信託等の商品に関する情報、口座の残高等、顧客に関する情報(顧客情報)を記憶している。ここで、記憶装置312は、ハードディスク、メモリ装置、SSD、光ディスク等の任意の記憶媒体により構成される。記憶装置312は、贈与支援システム内部に設けられた装置であっても、贈与支援システムに外付けされた装置でもよい。または、記憶装置312は、贈与支援システムからアクセス可能なネットワークに配置されてもよい。記憶装置312は単一の形態でも、複数に分散された形態でもよい。記憶装置312が、契約管理システム102または信託勘定システム103に含まれてもよい。契約管理システム102とインターネットバンキングシステム101に顧客の口座に関する情報がそれぞれ別個に記憶され、互いに同期されるようになっていてもよい。
制御手段313は、贈与支援システム内の他の手段を制御することでシステム全体の制御を行うとともに、インターネットバンキングの機能、インターネットメールの送受信機能等を提供する。例えばログイン時の認証、ログイン後の画面から提供可能な各種サービス(画面内でメニュー選択、図3〜図8で示したような画面の提供、電子交付した書類の閲覧提供などを含む)、インターネットメールの送受信等を行う。また、制御手段313は、契約管理システム102および信託勘定システム103と適宜連携して、各種指示のやり取りや、データの送受信を行う。
贈与手続案内手段300は、顧客(委託者兼受益者)に関連するインターネットメールアドレス宛に、委託者兼受益者の金銭信託等に関する権利の贈与手続(受益者変更)が可能である旨を通知する贈与手続情報(前述した「贈与手続のご案内」など)を送信する。送信は、契約で定められた期間の間、毎年、少なくとも1回送信する。例えば、毎年1月や、年の途中に、当該贈与手続情報を送信する。これにより、委託者兼受益者が、受益者変更の申込みを忘れることを防止する。
依頼受信手段301は、顧客(委託者兼受益者)に関連する端末201から、顧客の信託受益権の一部または全部を、指定受益者に贈与する手続きの依頼情報を、インターネット105を介して受信する。例えば図3、図4のような画面を制御手段313により提示し、委託者兼受益者がメニューまたはボタン等の選択(クリックまたはタッチ等)により、指定受益者を選択し、送信を指示することで、依頼情報が送信され、これを依頼受信手段301が受信する。依頼情報には、指定受益者の属性情報、贈与(受益者変更)する金額が含まれ、さらに、委託者兼受益者から指定受益者宛に記載されたメッセージが含まれてもよい。制御手段313は、依頼情報に基づき、受益者変更の依頼を受け付け、受益者変更手続に固有のID番号を発行する。制御手段313は、受け付けた依頼内容とID番号とを、委託者兼受益者の顧客情報に関連づけて、記憶装置312または別途アクセス可能な記録媒体に記憶させる。
案内情報生成手段302は、依頼受信手段301で依頼情報が受信されると、依頼情報に基づき、委託者兼受益者から指定受益者に対し信託受益権に関する贈与の申し出があることを示す案内情報(図6)を生成する。案内情報には、上記ID番号を含める。依頼情報に含まれていたメッセージと同じメッセージを、委託者兼受益者からのメッセージとして案内情報に含めてもよい。
案内情報送信手段303は、案内情報生成手段302により生成された案内情報を、指定受益者に関連するメールアドレス宛に送信する。変形例として、信託銀行の担当者が案内情報を生成して、記憶装置312に格納しておき、案内情報を記憶装置312から読み出して送信してもよい。
確認情報受信手段304は、案内情報送信手段303により送信された案内情報に応じて、指定受益者に関連する端末202から送信される、指定受益者の確認情報を受信する。確認情報は、指定受益者が委託者兼受益者から贈与を受ける意思を示す情報および上記ID番号を含み、さらに、指定受益者から委託者兼受益者宛に記載したメッセージを含んでいてもよい。例えば、案内情報を確認した指定受益者がインターネットバンキングにアクセスし、図8の画面を制御手段313により提示し、指定受益者がメニューまたはボタン等の選択(クリックまたはタッチ等)や各種入力(キーボード、タッチ、ペン等での入力)等により、必要事項を画面に記入し、送信を指示することで、確認情報が送信され、これを確認情報受信手段304が受信する。確認情報受信手段304は、確認情報を受信すると、処理手段305に確認情報の受信を通知する。
また、確認情報受信手段304は、案内情報送信手段303により送信された案内情報に応じて、指定受益者が委託者兼受益者からの贈与を放棄する意思を示す放棄情報を受信した場合、放棄情報の受信を制御手段313に通知する。放棄情報は上記ID番号を含んでいる。例えば、案内情報を確認した指定受益者が、案内情報内のURLをクリックして、これに応じて、図7のような画面を制御手段313により提示する。指定受益者がメニューまたはボタン等の選択(クリックまたはタッチ等)や各種入力(キーボード、タッチ、ペン等での入力)等により、必要事項を記載し、送信を指示することで、放棄情報が送信され、これを確認情報受信手段304が受信する。なお、前述したように、図8の画面で放棄の意思表示を行うことも可能である。制御手段313は、信託銀行内のネットワーク(社内メールなど)を利用して、あるいは契約管理システム103を介して、担当者にその旨を通知する。制御手段313は、指定受益者が贈与の申し出を放棄したとの通知書を発行し、当該通知書を委託者兼受益者の顧客情報または上記ID番号に関連づけて、記憶装置312に保管する。制御手段313は、当該放棄の通知書を発行した場合、当該通知書が発行された旨をインターネットメールで、委託者兼受益者に通知してもよい。制御手段313は、委託者兼受益者から当該通知書の閲覧要求(例えば所定画面でのメニューまたはボタン等の選択(クリックまたはタッチ等))を受けた場合、当該通知書を記憶装置312から取得して、端末201に送信する。送信の形態は、インターネットバンキング内でのオンライン閲覧、端末へのダウンロード閲覧、メールでの送信など、任意の形態が可能である。
処理手段305は、確認情報受信手段304から確認情報の受信の通知を受けると、確認情報と、委託者兼受益者の顧客情報等に基づき、該当する委託者兼受益者の信託受益権を特定する。そして、委託者兼受益者の信託受益権の一部または全部を、指定受益者に移転する処理を、信託勘定システム103を用いて行う。移転する信託受益権の範囲は、委託者兼受益者が依頼情報で指定した金額である。信託勘定システム103は、処理手段305から、移転元口座、移転先口座、移転金額等の情報を指定され、委託者兼受益者の信託受益権に係る口座から、指定受益者の信託受益権に係る口座に、信託受益権の全部または一部に応じた金額を移転する。移転処理の結果は、適宜、契約管理システム103で管理されている口座情報にも反映される。処理手段305または制御手段313は、移転の処理の開始前に、指定受益者の信託受益権に係る口座が存在するか否かを記憶装置312の情報から調べ、存在しない場合は、当該口座を作成するものとする。基本的に、当該指定受益者の1回目の贈与の場合は、この時点で口座が作成され、2度目以降の贈与の場合は、既に口座が作成済みのため、作成は不要であると考えられる。
ここで、処理手段305が上記の信託受益権の一部または全部の移転の処理を行う前に、制御手段313が、受益者変更の可否を判断する処理を行い、可の場合にのみ移転の処理を行うようにしてもよい。例えば、当該受益者変更の可否を上記ID番号に対応づけて可否情報として、記憶装置312に登録しておく。制御手段313は、移転処理の開始前に、記憶装置312から可否情報を読み出し、可否情報が可を示す場合のみ、処理手段305による移転処理を行う。不可を示す場合は、移転処理を行わない。受益者変更が不可と判断された場合、制御手段313は、委託者兼受益者および指定受益者に対し、受益者変更が出来ない旨の通知書を電子交付する。この際、電子交付物があることを、インターネットメールで、委託者兼受益者および指定受益者のメールアドレス宛に送信してもよい。
完了報告発行手段306は、口座間の移転処理が完了したとき、委託者兼受益者から指定受益者に信託受益権の一部または全部の贈与が行われたことを記録した完了報告書を発行する。完了報告書は、委託者兼受益者および指定受益者に、それぞれ発行する。確認情報受信手段304で受信された確認情報に委託者兼受益者宛のメッセージが含まれていた場合は、委託者兼受益者に対して発行する完了報告書には、当該メッセージを指定受益者からのメッセージとして含めてもよい。また、依頼受信手段301で受信した依頼情報に指定受益者宛のメッセージが含まれていた場合は、指定受益者に発行する完了報告書には、当該メッセージを委託者兼受益者からのメッセージとして含めてもよい。
完了報告発行手段306は、各発行した完了報告書を、委託者兼受益者の顧客情報および指定受益者の顧客情報または上記ID番号に関連づけて、記憶装置312に保管する。完了報告発行手段306は、完了報告書が発行された旨をインターネットメールで、委託者兼受益者および指定受益者に通知してもよい。委託者兼受益者または指定受益者から、完了報告書の閲覧要求(例えば所定画面でのメニューまたはボタン等の選択(クリックまたはタッチ等))を受けた場合、完了報告送信手段307は、当該完了報告書を記憶装置312から取得して、端末201または端末202に送信する。完了報告書は、オンライン閲覧、ダウンロード閲覧、メール送信など任意の方式に応じて送信できる。
残高報告発行手段308は、指定受益者の口座利用状況を示した残高報告書を発行する。残高報告書には、口座の残高、引出額、またはこれらの両方などが記載される。残高報告書は、所定のタイミングで発行する。例えば年の末日を基準日として、当該基準日の経過後に、基準日の属する年の利用状況を示した残高報告書を発行してもよい。または、口座残高に変動がある都度、残高報告書を発行してもよい。または、一ヶ月単位、三ヶ月単位など、一定期間ごとに、残高報告書を発行してもよい。指定受益者が複数いる場合は、各人の口座利用状況を記載した1つの残高報告書を発行してもよいし、指定受益者ごとに個別の残高報告書を発行してもよい。発行した残高報告書は、委託者兼受益者の顧客情報または上記ID番号に関連づけて、記憶装置312に保管する。制御手段313は、残高報告書が発行された場合、当該残高報告書が発行された旨をインターネットメールで、委託者兼受益者に通知してもよい。
残高報告送信手段309は、委託者兼受益者からの閲覧要求(例えば所定画面でのメニューまたはボタン等の選択(クリックまたはタッチ等))に応じて、要求に係る残高報告書を記憶装置312から取得して、委託者兼受益者の端末201に送信する。残高報告書の送信は、オンライン閲覧、ダウンロード閲覧、メール送信など任意の方式に応じて行えばよい。
契約終了報告発行手段310は、指定受益者が、暦年贈与信託に係る口座の全部解約を行った場合に、その旨と全部解約を行った年の引出額を記載した契約終了報告書を発行する。契約終了報告書は、指定受益者に贈与を行った委託者兼受益者の顧客情報または上記ID番号に関連づけて、記憶装置312に保管する。制御手段313は、契約終了報告書が発行された場合、当該契約終了報告書が発行された旨を、インターネットメールで委託者兼受益者に通知してもよい。指定受益者が、当該口座の全部解約を行うには、例えば銀行の店頭、または郵送で手続を行い、銀行の担当者は、解約手続が完了したら、解約の情報を契約管理システム102に登録する。解約の登録が贈与支援システムに通知され、制御手段313の指示で、契約終了報告発行手段308が契約終了報告書を発行する。
契約終了報告送信手段311は、委託者兼受益者からの閲覧要求(例えば所定画面でのメニューまたはボタン等の選択(クリックまたはタッチ等))に応じて、要求に係る契約終了報告書を記憶装置312から取得して、委託者兼受益者の端末201に送信する。契約終了報告書の送信は、オンライン閲覧、ダウンロード閲覧、メール送信など任意の方式に応じて行えばよい。
上述した実施形態では、通信システム104が委託者兼受益者または指定受益者と通信する手段として、インターネットメールを利用し、例えば委託者兼受益者または指定受益者に通知を行う際には、委託者兼受益者または指定受益者のインターネットメールアドレス宛にメール送信を行った。しかしながら、委託者兼受益者または指定受益者と通信する手段は、インターネットメールに限られず、インターネットメールシステムとは別のコミュニケーションシステムを利用し、当該システムに応じたアドレス(そのシステム内でユーザと送受信するためのアドレス)宛に、そのシステムを利用して送信することも可能である。
図1の実施形態では、贈与支援システムを、既存のインターネットバンキングの一部に組み込むことで実現した例を示したが、インターネットバンキングとは独立したシステムとして実現することも可能である。図16は、信託受益権の受益者変更手続システムの他の構成図である。図1のインターネットバンキングシステム101と通信システム104が、インターネット贈与支援システム106に置き換わっている。インターネット贈与支援システム106は、図1のインターネットバンキングシステム101と通信システム104の組から、インターネットバンキングに係わる機能を取り除いたものに相当し、暦年贈与信託のサービス提供に特化したものである。本システム106は、図15と同様の機能ブロック図の構成で実現できる。ログイン用のアクセス画面等は新たに用意し、ログイン後は、金銭信託の取引画面から、これまでと同様にして手続ができる。ログイン時の会員番号やパスワード等はインターネットバンキングと共通のものを用いてもよいし、これとは別途に新たに用意してもよい。
以上のように、本実施形態によれば、顧客(委託者兼受益者)がインターネット105を利用して、贈与(受益者変更)の依頼を贈与支援システムに行い、指定受益者は、贈与支援システムからインターネット105を介して、顧客による贈与の申し出の案内情報の通知を受け、これに対して贈与を受ける旨の回答を行う。贈与支援システムは、両当事者の贈与および受贈の意思が合致したことをもって、顧客の信託受益権の一部(贈与の依頼時に指定された金額)を、指定受益者に移転(受益者変更)する。受益者変更手続が完了した後は、受益者変更の完了報告書を、委託者兼受益者および指定受益者に対し発行し、一定期間保管する。これにより、当事者間で契約書を締結・保管する煩雑な対応を行う必要はないため、受益者変更(贈与)の手続を簡単に行うことができる。また、贈与の記録が明確になりにくい現金の授受や銀行振込等を行ったりする必要はない。よって、個人間の生前の資金贈与を円滑に行うことができる。このように、簡便性・迅速性・記録性を具備し、当事者間の円滑なコミュニケーションも図ることのできるインターネット完結型の生前贈与支援システムを実現できる。
また、贈与支援システムは、委託者兼受益者による贈与の依頼の際に、委託者兼受益者から指定受益者へのメッセージを受け付け、このメッセージを指定受益者への案内情報に含める。また、指定受益者から贈与を希望する旨の意思表示を受ける際に、委託者兼受益者へのメッセージを同時に受け付けて、このメッセージを、委託者兼受益者への完了報告書に含める。このように委託者兼受益者および指定受益者間のメッセージの交換を仲介することで、当事者間の親密なコミュニケーションに寄与できる。このように、メッセージの授受を、受益者変更の手続きと併せて行うことで、贈与そのものが円滑に進むことに繋げることができる。
また、贈与支援システムは、指定受益者の残高報告書および契約終了報告書を発行し、委託者兼受益者に閲覧可能にすることで、指定受益者の浪費等を抑制し、委託者兼受益者の意向に沿うように、お金を利用することが期待できる。また、委託者兼受益者は、これらの残高報告書または契約終了報告書を参考にして、次回の贈与の有無や贈与額等を決定できる。
上述した実施形態では、贈与の対象は、信託銀行で購入した金銭信託の受益権であったが、金銭信託以外の他の金融商品、例えば、普通預金または定期預金などの円預金、外貨預金、株式、上場投資信託、投資信託、不動産信託、債券(国債、地方債、社債等)、貴金属(金、銀、プラチナ等)に関する権利を、贈与の対象として扱うことも可能である。この場合、金融商品に応じて、それを扱う機関は、信託銀行、銀行、証券会社、または貴金属販売会社等となる。機関が信託銀行以外の場合は、これまで説明した実施形態における信託銀行(受託者)を、該当する機関の名前に読み替え、贈与する対象も、それに応じて読み替えることで、同様にして本発明を実施できる。例えば株式であれば、扱う機関は証券会社、贈与する対象は、株に関する権利であり、株式の銘柄および株数等によって具体的な対象(贈与の範囲)を指定すればよい。また、貴金属であれば、扱う機関は貴金属販売会社、贈与する対象は貴金属に関する権利であり、重量または金額等によって具体的な対象を指定すればよい。このように、本発明は、特定の金融商品や、特定の機関に制限されることなく、幅広く実施可能である。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成要素を種々に具体化できる。また、上記実施形態における各構成要素を適宜、拡張し、変更し、削除し、または組み合わせて、本発明を形成することも可能である。また、別の構成要素を新たに追加して、本発明を形成することも可能である。
101:インターネットバンキングシステム
102:契約管理システム
103:信託勘定システム
104:通信システム
105:インターネット
106:インターネット贈与システム
201:委託者兼受益者(贈与者)の端末
202:指定受益者(受贈者)の端末
300:贈与手続案内手段
301:依頼受信手段
302:案内情報生成手段
303:案内情報送信手段
304:確認情報受信手段
305:処理手段
306:完了報告発行手段
307:完了報告送信手段
308:残高報告発行手段
309:残高報告送信手段
310:契約終了報告発行手段
311:契約終了報告送信手段
312:記憶装置
313:制御手段

Claims (12)

  1. 顧客に関連する端末から、顧客の金融商品に関する権利の一部または全部を指定者に贈与する手続きの依頼情報を、ネットワークを介して受信する依頼受信手段と、
    前記依頼情報に基づき、前記顧客から前記指定者に対し前記金融商品に関する権利の贈与の申し出があることを示す案内情報を、前記指定者に関連するアドレス宛に前記ネットワークを介して送信する案内情報送信手段と、
    前記案内情報送信手段により前記案内情報が送信された後、前記指定者に関連する端末から、前記指定者が前記顧客から前記贈与を受ける意思を有することを示す確認情報を、前記ネットワークを介して受信する確認情報受信手段と、
    前記確認情報に基づき、前記指定者に贈与の申し出を行った前記顧客の金融商品を特定し、前記顧客の金融商品に関する権利の前記一部または全部を、前記指定者に移転するための処理を行う処理手段と、
    を備えた贈与支援システム。
  2. 前記処理手段により前記処理が完了した場合に、前記顧客から前記指定者に前記金融商品に関する権利の一部または全部の贈与が行われたことを記録した完了報告書を、前記顧客および前記指定者に対してそれぞれ発行し、前記完了報告書を前記顧客の顧客情報および前記指定者の顧客情報に関連づけて記憶装置に保管する完了報告発行手段と、
    前記顧客または前記指定者の要求に応じて、それぞれの前記完了報告書を前記記憶装置から読み出して、前記顧客に関連する端末または前記指定者に関連する端末に、前記ネットワークを介して送信する完了報告送信手段と
    をさらに備えた請求項1に記載の贈与支援システム。
  3. 前記依頼受信手段で受信される前記依頼情報には、前記顧客から前記指定者宛に記載したメッセージが含まれ、
    前記案内情報送信手段は、前記依頼情報に含まれる前記メッセージと同じメッセージを、前記顧客からのメッセージとして含む前記案内情報を、前記指定者に関連するアドレス宛に送信する
    請求項1または2に記載の贈与支援システム。
  4. 前記確認情報には、前記指定者から前記顧客宛に記載したメッセージが含まれ、
    前記完了報告発行手段は、前記確認情報に含まれる前記メッセージと同じメッセージを前記指定者からのメッセージとして含む前記完了報告書を、前記顧客に対して発行する
    請求項2に記載の贈与支援システム。
  5. 前記依頼受信手段で受信される前記依頼情報には、前記顧客から前記指定者宛に記載されたメッセージが含まれ、
    前記完了報告発行手段は、前記依頼情報に含まれる前記メッセージと同じメッセージを、前記指定者のメッセージとして含む前記完了報告書を、前記顧客に対して発行する
    請求項2に記載の贈与支援システム。
  6. 前記依頼情報に基づき、前記顧客から前記指定者に対し前記金融商品に関する権利に関する贈与の申し出があることを示す前記案内情報を生成する案内情報生成手段をさらに備え、
    前記案内情報送信手段は、前記案内情報生成手段によって生成された前記案内情報を送信する
    請求項1ないし5のいずれか一項に記載の贈与支援システム。
  7. 前記処理手段は、前記処理として、前記顧客の金融商品に関する権利に係る口座から、前記指定者の金融商品に関する権利に係る口座に、前記金融商品に関する権利の前記全部または一部に応じた金額を移転するよう、予め定めた勘定システムに指示する
    請求項1ないし6のいずれか一項に記載の贈与支援システム。
  8. 前記処理手段は、前記指定者の金融商品に関する権利に係る口座が存在するかを調べ、存在しない場合は、前記指定者に対し前記口座を作成し、作成した口座へ前記金融商品に関する権利の前記全部または一部に応じた金額を移転するよう、前記予め定めた勘定システムに指示する
    請求項7に記載の贈与支援システム。
  9. 所定のタイミングで前記指定者の口座の利用状況を把握し、前記口座の利用状況を示した残高報告書を発行し、前記残高報告書を前記顧客の顧客情報に関連づけて記憶装置に保管する残高報告発行手段と、
    前記顧客からの要求に応じて、前記残高報告書を前記記憶装置から読み出して、前記顧客に関連する端末に前記ネットワークを介して送信する残高報告送信手段と
    をさらに備えた請求項1ないし8のいずれか一項に記載の贈与支援システム。
  10. 予め定めた期間の間、毎年、少なくとも1回、前記顧客に関連するアドレス宛に、前記顧客の金融商品に関する権利の贈与手続が可能である旨を通知する贈与手続情報を送信する贈与手続案内手段
    をさらに備えた請求項1ないし9のいずれか一項に記載の贈与支援システム。
  11. 前記金融商品は、前記顧客が信託銀行で購入した金銭信託であり、前記依頼情報は、前記金銭信託に係る受益権の全部または一部の受益者を変更する手続きを依頼するものである
    請求項1ないし10のいずれか一項に記載の贈与支援システム。
  12. 顧客に関連する端末から、顧客の金融商品に関する権利の一部または全部を指定者に贈与する手続きの依頼情報を、ネットワークを介して受信する依頼受信ステップと、
    前記依頼情報に基づき、前記顧客から前記指定者に対し前記金融商品に関する権利の贈与の申し出があることを示す案内情報を、前記指定者に関連するアドレス宛に前記ネットワークを介して送信する案内情報送信ステップと、
    前記案内情報送信ステップにより前記案内情報が送信された後、前記指定者に関連する端末から、前記指定者が前記顧客から前記贈与を受ける意思を有することを示す確認情報を、前記ネットワークを介して受信する確認情報受信ステップと、
    前記確認情報に基づき、前記指定者に贈与の申し出を行った前記顧客の金融商品を特定し、前記顧客の金融商品に関する権利の前記一部または全部を、前記指定者に移転するための処理を行う処理ステップと
    をコンピュータが行う贈与支援方法。
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