JP2015225425A - 津波対策システム - Google Patents

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Abstract

【課題】津波発生の際における避難ルートの構築に住民が関与でき、しかも、災害対策の重要性を住民に教育する効果も得られる津波対策システムを提供する。
【解決手段】津波の状況をシミュレーションする津波シミュレーション手段10と、津波発生時における避難状況をシミュレーションする避難シミュレーション手段20と、津波シミュレーション手段10がシミュレーションした津波発生状況と、避難シミュレーション手段20がシミュレーションした避難状況と、を表示し得る表示手段40と、を備えており、避難シミュレーション手段20は、避難する人を配置する避難開始位置を設定する避難開始位置設定部22と、避難開始位置から避難場所までの避難ルートを設定する避難ルート設定部23と、避難ルートを人が通過する避難速度を設定する避難速度設定部24と、避難開始位置、避難ルート、避難速度の全てまたは一部を入力する設定値入力部と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、津波対策システムに関する。さらに詳しくは、地震に伴う津波が発生した際の避難ルートなどについて、住民等が自主的に調査研究することができる津波対策システムに関する。
地震が発生した場合、地震力による直接的な家屋などの倒壊だけでなく、沿岸部などでは津波が発生する可能性がある。かかる津波が発生すると、家屋が押し流されたり道路などが浸水したりして、避難できない場合が生じる。
また、津波が発生した場合、通常の避難径路が浸水して、その避難経路を通行できなくなる可能性がある。つまり、津波がない場合には、避難できた可能性のある状況でも、避難できず命を落としてしまう可能性がある。
とくに、体の不自由な方や高齢者の方の場合には、より短時間かつ最短のルートでの避難が必要となるだけでなく、避難のために近隣の住民などの協力が必要となる。しかし、津波が発生した場合、通常の地震等の災害で想定している避難ルートや避難協力が有効に働かない可能性が高い。
以上のように、津波による被害が発生する可能性がある地域では、津波が発生した場合でも、安全に避難できるような避難ルートや避難協力体制を住民が把握しかつ避難する訓練をしておく必要がある。
ここで、避難ルートや避難協力体制を検討する上では、津波が発生した際に、どのように津波による浸水が広がり、被害が広がっていくのかを把握する必要がある。そして、従来から、津波等の水害をシミュレーションする技術も開発されている(特許文献1参照)。
一方、火災や水害などの際に、人を安全に避難させる避難ルートをシミュレーションする技術も開発されている(特許文献2等)。特許文献2には、水位又は煙濃度又は温度等の環境状態を検知し、適切な避難経路へ誘導する避難誘導システムが開示されている。そして、特許文献2には、地下街等の構造物への水の浸入の仕方、煙の流れ方、火災の燃え広がり方等のシミュレーションデータに基づいて安全な避難経路を特定することができ、誘導灯により避難経路の方向を視覚的に示すことができる技術が開示されている。
特開2002−269656号公報 特開2006−163837号公報
ところで、上述した特許文献1のような水害をシミュレーションするソフト等は、水害の発生状況をシミュレートするものであり、安全な避難ルートを構築する機能を有していない。このため、避難ルートや避難協力体制は、シミュレーション結果に基づいて別途検討しなければならない。例えば、防災対策の専門家に依頼すれば、シミュレーション結果に基づいて避難ルートや避難協力体制を構築することは可能であると考える。しかし、専門家の場合、実際の現場の状況を十分に把握していることは稀であり、適切な避難ルートや避難協力体制を構築することが難しい。一方、シミュレーション結果に基づいて、住民が独自に避難ルートや避難協力体制を構築することも困難である。つまり、水害をシミュレーションするソフト等によって水害の発生の状況が得られても、地域の状況に適した避難ルートや避難協力体制を構築することは非常に難しい。
一方、特許文献2の技術では、火災や水害時における避難ルートをシミュレーションすることができる。しかし、特許文献2の技術は、あくまでも建物や地下街など、ある程度閉鎖された空間かつ避難経路が限定されている状況での避難経路を計算するものに過ぎない。そして、特許文献2の技術は、屋外のように、想定できる避難経路が数限りなくあるような状況での避難経路を算出するものではないので、水害が生じた場合における避難経路をシミュレートすることは、実質的に不可能である。
以上のように、現状では、地震による津波が発生した際における避難経路の構築に適したシミュレーションソフト等はない。
そして、津波等において適切な避難ルートや避難協力体制を構築する上では、実際の現場の状況を十分に把握している住民の意見などを取り入れることが重要である。そして、住民が参加する形態で避難ルートや避難協力体制を構築することができれば、適切な避難ルートを把握することの重要性や避難協力体制の構築の重要性を住民に理解させることができる。すると、実際の津波の際に、個々の住民が適切な対応を取りやすくなるという相乗効果が生まれることも期待できる。
本発明は上記事情に鑑み、津波発生の際における避難ルートの構築に住民が関与でき、しかも、災害対策の重要性を住民に教育する効果も得られる津波対策システムを提供することを目的とする。
第1発明の津波対策システムは、地震などに起因する津波の状況をシミュレーションする津波シミュレーション手段と、津波発生時における避難状況をシミュレーションする避難シミュレーション手段と、前記津波シミュレーション手段がシミュレーションした津波発生状況と、前記避難シミュレーション手段がシミュレーションした避難状況と、を表示し得る表示手段と、を備えており、前記避難シミュレーション手段は、避難する人を配置する避難開始位置を設定する避難開始位置設定部と、前記避難開始位置から避難場所までの避難ルートを設定する避難ルート設定部と、前記避難ルートを人が通過する避難速度を設定する避難速度設定部と、前記避難開始位置、前記避難ルート、前記避難速度の全てまたは一部を入力する設定値入力部と、を備えていることを特徴とする。
第2発明の津波対策システムは、第1発明において、前記表示手段は、前記津波シミュレーション手段がシミュレーションした津波発生状況と、前記避難シミュレーション手段がシミュレーションした避難状況とを、重ねわせて表示する機能を備えており、前記避難シミュレーション手段は、前記避難開始位置、前記避難ルート、前記避難速度の全てまたは一部の入力値を変更する設定値変更部を備えていることを特徴とする。
第3発明の津波対策システムは、第1または第2発明において、津波発生状況をシミュレーションする街並みを設定する街並み設定手段を備えており、該街並み設定手段は、建物および建物間の通路の情報を入力して記憶媒体に記憶させる街並み入力部と、前記記憶媒体に記憶されている前記街並みデータの情報を変更し、変更した変更街並みデータを前記記憶媒体に記憶させるデータ変更部と、を備えていることを特徴とする。
第4発明の津波対策システムは、第1、第2または第3発明において、設定した避難ルートによる避難の可否を判断する避難判断手段を備えており、前記避難シミュレーション手段は、避難対象者の情報を入力する避難対象者入力部と、前記避難対象者が避難する際に必要とする避難補助ツールの情報を記憶する避難補助ツール記憶部を備えており、該避難対象者入力部が、前記避難対象者が使用する避難補助ツールを選択する避難補助ツール選択機能を備えており、前記避難判断手段は、前記避難補助ツール選択機能によって選択された避難補助ツールの情報に基づいて、前記設定した避難ルートによる避難の可否を判断する機能を有していることを特徴とする。
第5発明の津波対策システムは、第1、第2、第3または第4発明において、前記津波シミュレーション手段は、津波または地震により通行が阻害される個所を設定する阻害場所設定機能を備えていることを特徴とする。
第6発明の津波対策システムは、第1、第2、第3、第4または第5発明において、前記街並み設定手段は、道路や建物間の通路以外に人が通過できる通行可能領域を設定する、通行可能領域設定機能を備えていることを特徴とする。
第7発明の津波対策システムは、第1乃至第6発明において、設定した避難ルートによる避難の可否を判断する避難判断手段を備えており、前記津波シミュレーション手段がシミュレーションした津波発生状況および前記避難シミュレーション手段がシミュレーションした避難状況を記憶するシミュレーション結果記憶部を備えており、前記避難判断手段は、同一条件の津波が発生したときにおける、前記シミュレーション結果記憶部に記録されている複数の避難状況に基づいて、設定した避難ルートによる避難の可否を判断する機能を備えていることを特徴とする。
第1発明によれば、津波の発生状況と避難状況とをシミュレーションするので、避難した場合に、避難中の自分の位置と津波の発生状況とを比較することができる。すると、設定された避難ルートを通って避難する場合における避難者の危険性を把握することができる。そして、避難開始位置、避難ルート、避難速度を、実際に避難する人に設定してもらえば、実際に災害が起こったときに近い状況での危険性を把握することができる。すると、避難ルートの設定に、実際に避難する人(住民)に関与してもらうことができるので、住民にとって最も適切な避難ルートの選定を行うことができる。しかも、避難ルートの設定に住民が関与することによって、住民の防災に対する意識を変えることができ、避難計画の重要性等を理解してもらうことができる。
第2発明によれば、津波発生状況と避難状況とを重ねて表示するので、避難ルートの危険性をより的確に把握することができる。しかも、避難開始位置、避難ルート、避難速度を変更することができるので、適切な避難ルートを探しやすくなる。
第3発明によれば、建物および建物間の通路の情報を、住民からの情報に基づいて変更するので、より住民の生活に密着した状態で津波発生状況や避難状況をシミュレーションすることができる。また、街並み入力部が、外部から街並みデータを入力できる機能を有して入れば、シミュレーションの対象地域の状況を迅速に再現することができる。
第4発明によれば、高齢者や障害者の方の避難のように、車椅子を使用する必要がある場合や人の介助が必要な場合において、避難補助ツールの情報に基づいて使用できない避難ルートを判断することができる。このため、避難に時間を要する高齢者や障害者の方の避難に適した避難ルートの設定を行うことができる。
第5発明によれば、津波や地震の影響で通行できない通路を設定できるので、実際の災害における避難に適した避難ルートを検討することができる。
第6発明によれば、通常の通行では使用しないが、避難の際には使用できるルートを設定できるので、実際の災害における避難に適した避難ルートを検討することができる。
第7発明によれば、実際の災害では多数の人が同時に避難する状況になるため、実際の災害により近い状況での避難ルートを設定することができる。
本実施形態の津波対策システム1の概略ブロックである。 街並み設定手段30が形成した街並みデータの情報に基づく街並みの平面図の概略説明図である。 (A)は街並み設定手段30によって街並みデータを形成するフローチャートであり、(B)は街並み設定手段30によって街並みデータを変更するフローチャートである。 (A)は津波シミュレーション手段10によって津波発生状況データを形成するフローチャートであり、(B)は避難シミュレーション手段20によって避難況データを形成するフローチャートである。 避難シミュレーション手段20により、避難場所EP、避難開始位置SP、避難ルートERを設定した状態の概略説明図である。 避難状況データおよび津波発生状況データを街並みの平面図とともに表示手段40に表示した例である。 避難状況データおよび津波発生状況データを街並みの平面図とともに表示手段40に表示した例である。 避難状況データおよび津波発生状況データを街並みの平面図とともに表示手段40に表示した例である。 建物倒壊シミュレーションの一例を示したフローチャートである。
本発明の津波対策システムは、地震などによって津波が発生した際における津波が到達する状況や津波から避難する状況などをシミュレートするためのシステムであって、津波が発生した際における避難ルートなどを調査研究することができるような機能を有することに特徴を有している。
とくに、本発明の津波対策システムは、津波などに関する専門的な知識を有しない住民等であっても、自主的に避難ルートを調査研究することができる機能を有するようにしたことに特徴を有している。このため、本発明の津波対策システム(以下、本システムという)では、本システムを使用して住民等が自主的に避難ルートを検討することによって、住民等の防災に対する意識を高めることができるとともに、その地域に適した避難計画を構築できるという効果が得られる。
もちろん、本発明の津波対策システムの用途は、上述したような用途に限られないのはいうまでもない。例えば、地震や津波の専門家(例えば、消防や自治体職員、学者)などが津波に対する研究や、津波が発生した際に被害を最小化するための都市計画を検討するなどの用途でも使用できる。
以下、本発明の津波対策システムを説明するが、以下では、主として、住民等が自主的に避難ルートを検討する場合を想定して、本発明の津波対策システムの機能および動作等を説明する。
図1に示すように、本実施形態の津波対策システム1は、津波シミュレーション手段10と、避難シミュレーション手段20と、街並み設定手段30と、表示手段40と、結果表示手段2と、を備えている。また、本実施形態の津波対策システム1は、各手段が使用する情報や各手段を介して入力された情報、各手段によるシミュレーション結果等を記憶する記憶手段60も備えている。
結果表示手段2は、街並み設定手段30が形成した後述する街並みデータの情報に基づく街並みの平面図(いわゆる一般的な地図、図2参照)や、津波シミュレーション手段10や避難シミュレーション手段20のシミュレーション結果を表示手段40に表示させる機能を有するものである。つまり、結果表示手段2は、記憶手段60に記憶されているデータを表示手段40に表示させる機能を有するものである。後述するように、街並み設定手段30、津波シミュレーション手段10、避難シミュレーション手段20が、それぞれ街並みの平面図やシミュレーション結果を表示させる機能を有していてもよい。しかし、これらの手段とは別に結果表示手段2を設けておけば、これらの手段を起動させなくても、街並みの平面図やシミュレーション結果などを確認できる。しかも、街並みの平面図と全てのシミュレーション結果を重ねるなどして、各手段のシミュレーション結果を表示手段40に同時に表示させるのであれば、これらの手段と独立した結果表示手段2を設けておくことが望ましい。
記憶手段60は、ハードディスクやフラッシュメモリー等の記憶媒体である。記憶手段60として使用する機器等はとくに限定されないが、津波シミュレーション手段10や避難シミュレーション手段20、街並み設定手段30、表示手段40などから供給される情報等を記憶でき、また、前記各手段からの要求に応じて記憶されている所定の情報を各手段に供給できる機能を有するものであればよい。この記憶手段60が特許請求の範囲にいう記憶媒体やシミュレーション結果記憶部に相当する。もちろん、各手段がそれぞれ独立した記憶手段を有していてもよいが、一つの記憶手段60が全ての情報を記憶するようにしておけば、データ間の連携が取りやすくなるという利点が得られる。
表示手段40は、結果表示手段2や津波シミュレーション手段10、避難シミュレーション手段20、街並み設定手段30からの指令によって、記憶手段60に記憶されている情報を表示する機能を有するものである。例えば、表示手段40は、街並み設定手段30からの指令によって、後述する街並みデータの情報に基づいて、街並みの平面図(いわゆる一般的な地図、図2参照)等を表示する機能を有している。また、津波シミュレーション手段10からの指令によって、街並みの平面図と津波発生状況を重ねた画像(図6〜8参照)や、避難シミュレーション手段20からの指令によって、街並みの平面図と避難状況を重ねた画像(図5参照)等を表示する機能を、表示手段40は有している。
この表示手段40は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等ように、画像等を表示できるものであればよく、とくに限定されない。しかし、表示手段40として、ディスプレイと入力装置とが一体化したタッチパネルを利用すれば、各種データ等の入力や変更が容易になるなどの利点が得られる。例えば、後述する街並み設定手段30における街並みデータの変更や、避難シミュレーション手段20における避難開始位置や避難場所、避難ルートの設定等を、画面に触れて、言い換えれば、街並みの平面図上の対象物を直接触って入力や変更ができる。すると、操作が容易になるので、住民等が使用しやすくなる。もちろん、従来のように、各種データ等の入力等にキーボードやマウス等を利用してもよいのはいうまでもない。
(街並み設定手段30)
街並み設定手段30を説明する。
街並み設定手段30は、シミュレーションを行う地域(言い換えれば津波による浸水を生じさせる地域)の建物や道路(建物間の通路も含む)等の状況を設定する手段である。つまり、住民等が避難する現場、言い換えれば、住民等が居住している地域の状況を設定する手段である。なお、以下では、街並み設定手段30によって設定された街並みの情報を、街並みデータという。
この街並み設定手段30は、街並みに関する外部の情報を読み込んで街並みデータを形成する街並み入力部31を備えている。この街並み入力部31は、街並みデータを記憶手段60に記憶させるデータ記憶機能も有している。具体的には、街並み入力部31は、インターネット等を介して取得できる市販の地図の情報を読み込んで、その情報に含まれる建物や道路等の情報に基づいて、街並みデータを作成するものである。例えば、国土地理院が提供する基盤地図情報データを取得して、街並みデータを作成することができる。
このように、市販の地図の情報などを読み込んで街並みデータを作成すれば、ある程度正確かつ迅速に街並みを再現することができるという利点がある。もちろん、街並み入力部31に街並みに関する情報(建物や道路等の情報)を入力する機能を設け、この街並み入力部31を利用して、住民等が街並みに関する情報を一から入力して街並みデータを作成してもよい。
また、街並み設定手段30は、記憶手段60に記憶されている街並みデータの情報を変更したり情報を追加したりするデータ変更機能を有するデータ変更部32を有している。上述した基盤地図情報データ等を初期の街並みデータとして使用した場合、現在の街並みは、基盤地図情報データ等が作成された時期における街並みから変化している可能性がある。そこで、データ変更部32によって街並みデータの情報を変更したり情報を追加したりすれば、現在の街並みに合った街並みデータを形成することができる。
このデータ変更部32では、街並みデータに対して以下のような情報を変更したり追加したりすることによって、変更された街並みデータを形成することができる機能を有している。
例えば、建物に関しては、その建物が建っている位置の微調整や、その建物の高さや広さ、その材質(木造か鉄筋コンクリートか等)、また、建物の周囲に設けられている空間(庭など)の情報を変更追加できる機能を有している。もちろん、建物がなくなったり新たに建設された場合には、建物の情報を消去して空き地としたり、新たな建物の情報を入力する機能も有している。
また、道路の情報としては、国道や県道の位置や幅を微調整したり、隣接する建物間に存在する生活用の通路の位置や幅等の情報を変更追加したりすることができる機能を有している。生活用の通路とは、自動車などは通れないが自転車や人は通行できるような通路を意味している。つまり、生活用の通路とは、住民が日常的によく使用している通路や、普段は使用しないが住民であれば人が普通に通行できることを理解している通路を意味している。なお、ここでいう普通に通行できる状態とは、少なくとも人が正面を向いて歩行できる程度の状態を意味しており、体を横にすればなんとか通行できるような状態は含まない意味である。
さらに、データ変更部32は、道路や生活用の通路以外に、人が通行できる領域、つまり、通常は通らないが緊急の場合にはその場所を通って逃げたりすることができる領域(通行可能領域)を設定する機能を有する通行可能領域設定機能を有していてもよい。かかる機能を有していれば、道路など以外でも、実際の津波の際に人が避難の際に使用できる通路を考慮して避難径路を設定できる。すると、実際の災害における避難に適した避難ルートを検討することができる。例えば、畑の中や学校の校庭、また、人家の庭など、日常では通らない場合でも、実際は人が通行できる可能性が高い。すると、避難径路を設定する際に、そのような場所を通行可能領域として設定しておけば、避難径路を多様化させることができるし、避難径路を短くできる可能性があるので、好ましい。
さらに、データ変更部32は、道路や公園、家庭の庭等に植えられている木などの植物の位置やその大きさなどの情報を変更したり、植物を追加したり除去したりすることができる機能を有していてもよい。
このように、データ変更機能32によって街並みデータを変更すれば、後述する津波シミュレーション手段10や避難シミュレーション手段20における津波発生状況や避難状況のシミュレーションをより正確に行うことができるようになる。とくに、住民からの情報に基づいて街並みデータを変更すれば、より住民の生活に密着した状態で津波発生状況や避難状況をシミュレーションすることができるようになる。具体的には、現状に最も近い街並みに基づいてシミュレーションを実施できるし、住民が日常的に使用している通路や日常使用できないが避難には使用できる領域等を使用した避難も検討できる。
もちろん、マクロな都市全体の津波リスクを知りたい場合等(例えば、行政区域全体の津波リスクの期待値の算定など)のように、予め用意されている街並みデータでも十分なシミュレーションができる場合には、データ変更部32は設けなくてもよい。しかし、住民等の防災教育や自主的な防災対策に本実施形態の津波対策システム1を使用するのであれば、データ変更部32を設けておくことが望ましい。
なお、街並み設定手段30は、本実施形態の津波対策システム1が起動した際に新たな街並みデータを形成するか否か、または、既に記憶されている街並みデータのうちどのデータを使用するか、などを選択するための画面を、表示手段40に表示させる機能を有していることが望ましい。
もちろん、本実施形態の津波対策システム1が起動すると、記憶手段60に記憶されている街並みデータのうち、最後に使用された街並みデータに基づいて、自動的に街並み画像を表示手段40に表示させるようにしていてもよい。この場合には、表示手段40に表示されている街並み画像の元となる街並みデータを変更するための画面を表示手段40に表示させる機能を有していることが望ましい。
(津波シミュレーション手段10)
つぎに、津波シミュレーション手段10を説明する。
津波シミュレーション手段10は、津波による浸水がどのように広がっていくか(津波発生状況)をシミュレーションする手段である。具体的には、上述した街並み設定手段30で設定された街並みデータ(予め用意されている街並みデータも含む)に記憶されている建造物の情報等に基づいて、津波発生状況をシミュレーションする手段である。この津波シミュレーション手段10は、津波条件入力部12と、津波シミュレーション部13と、を備えている。
津波条件入力部12は、発生する津波の条件を設定する機能を有している。例えば、津波を発生させる要因となる地震の震源や震度等の情報や、沿岸に到達した津波の高さや速度、地震発生から沿岸に到達するまでの時間等の情報を入力する機能を有している。
また、津波条件入力部12は、津波発生状況のシミュレーションを実施する環境条件を設定する機能(環境設定機能)も有している。津波条件入力部12によって設定する環境条件はとくに限定されない。例えば、風向きや風速、天候(晴れか雨か)、気温、湿度等の条件を変更できるようになっていれば、津波シミュレーション部13において、より実際の状況に近い条件でのシミュレーションを実施することができる。とくに、津波発生前における沿岸部の潮位を設定できるようになっていれば、潮位の高低に起因する津波発生状況の相違を把握できるので、好ましい。
津波シミュレーション部13は、津波条件入力部12によって設定された条件の津波(または設定された条件で発生した津波)が沿岸に押し寄せたときに、津波による浸水がどのように広がるかなどの津波発生状況をシミュレーションする機能を有している。また、津波シミュレーション部13は、シミュレーションされた津波発生状況のデータ(津波発生状況データ)を記憶手段60に記憶させる機能を有している。沿岸に押し寄せる津波や環境条件が同じでも、建造物間の距離や建造物の大きさ(高さや幅)、建造物の配列等によって津波が広がる状況は変化する。本実施形態の津波対策システム1の津波シミュレーション手段10では、上述した街並みデータを使用して津波発生状況をシミュレーションするので、設定された街並みにおける津波発生状況を的確にシミュレーションすることできる。
津波シミュレーション手段10が津波発生状況をシミュレーションする方法、つまり、津波の広がりを計算するアルゴリズムはとくに限定されない。例えば、断層の水平位置と深さ,断層の大きさ、断層の向き、断層の傾き、すべりの方向・大きさといった、海底地殻動計算に基づいて津波の発生状況をシミュレーションする公知のアルゴリズムを採用することができる。
なお、津波条件入力部12に対して、津波を発生させる要因となる地震の震源や震度等の情報を入力する場合には、後述する津波シミュレーション部13は、これらの情報と他の情報に基づいて、沿岸に到達する津波の高さや速度、到達時間等を演算する機能を有していることが必要である。例えば、海底の地殻変動に伴う津波伝播速度式や、グリーンの法則などの演算機能を有していれば、上記事項を演算することが可能である。
また、津波発生状況データには津波の情報やその他の条件が記憶されているので、津波シミュレーション手段10に、記憶手段60に記憶されている津波発生状況データから津波の情報やその他の条件を読み出す機能を設けてもよい。かかる機能を設ければ、過去に実施した条件と同じ条件で津波シミュレーションする場合に、簡単にシミュレーション条件を設定することができる。
さらに、津波シミュレーション手段10に、津波の情報やその他の条件を津波条件データとして津波発生状況データから独立して記憶させる機能、および、津波条件データを読み出す機能、を設けてもよい。この場合も、過去に実施した条件と同じ条件で津波シミュレーションする場合に簡単にシミュレーション条件を設定することができる。
なお、津波条件データを津波発生状況データから独立して記憶手段60に記憶させる場合には、両者を関連付ける形で記憶手段60に記憶させることが望ましい。つまり、津波条件データから津波発生状況データを検索したり津波発生状況データから津波条件データを検索したりできるように、津波条件データおよび津波発生状況データを記憶手段60に関連付けて記憶させることが望ましい。
(避難シミュレーション手段20)
つぎに、避難シミュレーション手段20を説明する。
避難シミュレーション手段20は、避難する人(避難者)が避難する状況をシミュレーションする手段である。具体的には、この避難シミュレーション手段20は、後述する各設定部によって設定された情報に基づいて、避難を開始してから避難者の移動する状況をシミュレーションして、算出された避難状況データを記憶手段60に記憶させる機能を有している。この避難状況データとは、例えば、避難開始から一定時間の経過したときにおける避難者の位置データなどを含むデータである。後述する各設定部によって設定された情報も、必要に応じて、避難状況データに含ませてもよい。
この避難シミュレーション手段20は、避難場所設定部21と、避難開始位置設定部22と、避難ルート設定部23と、避難速度設定部24と、避難シミュレーション部25と、を備えている。
避難場所設定部21は、避難場所を設定する機能を有している。この避難場所設定部21では、地域で設定されている避難場所を設定したり、独自の避難場所を設定したりすることができる。すると、地域で設定されている避難場所が安全か否かを検証できるし、より適切な避難場所を検討することが可能となる。
なお、避難場所は必ずしも最終的な避難場所でなくてもよい。例えば、寝たきりの方などの場合には、自動車などでの避難が必要となる可能性が高い。このような場合には、自動車などが進入できる場所であって、避難者の家などから最も近い場所を避難場所として設定してもよい。
避難開始位置設定部22は、避難者を配置する避難開始位置を設定する機能を有している。言い換えれば、避難開始位置設定部21は、避難者がどこから避難するかを設定する機能を有している。例えば、避難者が自宅にいる状態からシミュレーションする場合には、自宅を避難開始位置に設定する。また、会社や学校、駅等からの避難をシミュレーションする場合には、それぞれの場所を避難開始位置に設定する。
避難場所設定部21や避難開始位置設定部22において、避難場所や避難開始位置を設定する方法はとくに限定されない。例えば、表示手段40としてタッチパネルを採用した場合であれば、表示手段40に街並み画像を表示させて、所定の建造物や場所に触れることによって避難場所や避難開始位置を設定することも可能である。また、街並みの各場所や建造物が番地や名称等と関連付けて街並みデータに記憶されている場合には、避難場所や避難開始位置に設定する場所の番地や名称等をキーボード等の公知の入力機器を用いて入力するようにしてもよい。
避難ルート設定部23は、避難者が避難開始位置から避難場所まで移動する避難ルートを設定する機能を有している。つまり、避難ルート設定部23は、避難者がどの道路を通って避難するかを設定する機能を有している。
避難ルート設定部23において、避難ルートを設定する方法はとくに限定されない。例えば、後述する表示手段40としてタッチパネルを採用した場合であれば、表示手段40に街並み画像を表示させて、避難開始位置から避難場所まで避難する際に通過するルート(道路や生活通路、通行可能領域)をなぞることによって避難ルートを設定することも可能である。また、避難する際に通過する交差点に触れることによって交差点をつなぐように避難ルートを設定するようにしてもよい。もちろん、道路の名称(例えば、国道X号線、XX通り、XX街道など)によって通るルートを指定してもよい。この場合、住民が通過する道路に住民が独自に名称を付けて、その名称で通過する道路を指定するようにしてもよい。なお、道路の名称でルートを指定する場合には、通過する順番に道路の名称を入力するようにすることが望ましい。
避難速度設定部24は、避難者が避難開始位置から避難場所まで移動する速度を設定する機能を有している。つまり、避難速度設定部24は、避難者に合わせて、避難する速度(避難速度)を設定する機能を有している。例えば、避難ルート設定部23によって、避難者が老人の場合には避難速度を遅く設定し、避難者が若者の場合には移動する速度を速く設定すれば、各避難者に合わせた適切な避難状況をシミュレーションすることができる。かかる避難速度を設定する方法は、とくに限定されない。例えば、避難者の避難速度を個別に数値入力するようにしてもよいし、避難者の年齢を入力するとその年代の平均的な避難速度(早歩き等)に設定されるようにしてもよい。平均的な避難速度に設定する場合には、適宜、避難速度を変更(速くしたり遅くしたり)することができるようになっていることが望ましい。
なお、避難速度は、避難ルート全体で一定に設定してもよいが、避難ルートの場所に応じて避難速度を変更できるようにしてもよい。避難ルートの通路の状況に応じて避難速度を変更すれば、避難状況をより適切にシミュレーションすることができる。例えば、避難通路において、速く移動できない状況となっている通路(例えば走れない通路や階段を昇る通路、舗装されていない場所(畑等)等)では避難速度を遅く設定すれば、実際の避難状況に近いシミュレーションを実施することができる。
避難シミュレーション部25は、避難ルート設定部23によって設定された避難ルートと、避難速度設定部24によって設定された避難速度、および、街並み設定手段30によって設定された街並みデータに基づいて、避難状況をシミュレーションして、避難状況データを記憶手段60に記憶させる機能を有している。避難開始場所と避難場所が同じでも、避難ルートの取り方やその際の避難速度によって、避難ができるか否か変化する。本実施形態の津波対策システム1の避難シミュレーション手段20では、上述した街並みデータを使用して避難ルートを指定できかつその避難速度も指定できるので、避難状況を現実の避難状況に近い形でシミュレーションすることできる。
上述した避難場所設定部21、避難開始位置設定部22、避難ルート設定部23および避難速度設定部24において、避難場所、避難開始位置、避難ルートおよび避難速度を設定する機能が、特許請求の範囲にいう設定値入力部または設定値変更部に相当する。
もちろん、避難場所設定部21、避難開始位置設定部22、避難ルート設定部23および避難速度設定部24とは独立した設定値入力部を設けて、避難場所、避難開始位置、避難ルートおよび避難速度を設定値入力部から入力して、これらを設定するようにしてもよい。
また、予め形成された、避難場所、避難開始位置、避難ルートおよび避難速度を含む避難基礎データを記憶手段60に記憶しておき、この避難基礎データを利用して避難状況をシミュレーションしてもよい。この場合には、上述した各設定部は必ずしも設けなくてもよいし、避難場所等を設定する機能を設けなくてもよい。しかし、全てまたは一部の設定部に避難場所等を設定する機能を設ければ(または各設定部に独立した設定値入力部を設ければ)、避難シミュレーションの結果などに基づいて、避難場所等を適宜変更できるので好ましい。
なお、避難者が避難を開始するタイミングは、通常、地震などが発生したのち、津波警報が出されてからである。つまり、避難者が避難を開始するタイミングは、地震の震源などで津波が発生してから沿岸に到達するまでのよりは早いものの、津波の発生からは一定時間経過している。後述するように、避難状況データと津波発生状況データを重ねて表示する際に、結果表示手段2が、避難状況データを津波発生状況データから遅らせて表示をスタートするようにすれば、津波の発生と避難開始のズレを考慮して避難状況を確認することができる。
かかるズレを考慮して避難状況を確認するのであれば、避難シミュレーション手段20が、避難開始時刻、つまり、津波の発生から避難を開始するまでの時間を設定する機能を有していることが望ましい。この場合、結果表示手段2によって、避難状況データと津波発生状況データを同時に表示させるだけで、津波の発生と避難開始のズレを考慮した避難状況を確認することができる。
(シミュレーション)
つぎに、本実施形態の津波対策システム1を使用して、住民等が津波の際に避難ルートを検討する状況を説明する。
なお、以下では、国土地理院が提供する基盤地図情報データを取得し変更して街並みデータとする場合を説明する。
(街並みデータ設定)
本実施形態の津波対策システム1を起動すると、街並み設定手段30によって、津波発生状況や避難状況をシミュレーションする前に街並みデータを形成し、街並みデータに基づく街並み平面図を表示手段40に表示させる。
図3(A)のフローチャートを参照して、街並みデータを設定する手順を説明する。
まず、街並み設定手段30の街並み入力部31は、インターネットに接続して、国土地理院が提供する基盤地図情報データを取得する。そして、取得した基盤地図情報データは、街並みデータとして記憶手段60に記憶されるとともに、街並みデータに基づく街並み平面図(以下単に街並み平面図という)が表示手段40に表示される(図2参照)。
なお、基盤地図情報データを取得した場合には、道路縁や建築物の外周線の情報を含んだデータを取得できるので、街並みデータの街並み平面図は、一般的な地図と同等程度の道路配置や形状および建物の配置や形状の情報が取得できる。
街並み平面図が表示手段40に表示されると、街並み入力部31によって、街並み平面図上の各建物や各道路について、座標データや建物属性等を含む建物情報を入力する。各建物情報を入力する方法はとくに限定されないが、例えば、以下の方法を採用することができる。
まず、街並み平面図上に表示されているある建物の座標データを入力する場合には、その建物の角を時計回り(または反時計回り)に順番に指定する。建物の角は、画面に触れたり、ポインターを角に配置した状態でダブルクリックしたりする等の方法で指定することができる。建物の角を指定すると、街並み平面図上において、建物の角の座標が設定され建物の位置が設定される。
建物の位置が設定されると、建物の属性(耐火性等の性質や建物の高さ等)を入力する。建物の属性を入力する方法はとくに限定されないが、キーボードなどを利用して属性を入力する方法やチェックボックスで属性を指定するなどの方法を採用することができる。
建物の属性が入力されると、建物情報(つまり建物の属性と建物の位置情報を含む情報)が記憶手段60に記憶される。
また、各道路についても、その幅や位置などの情報が入力され、これら情報を含む建物情報が記憶手段60に記憶される。
そして、全ての建物や道路について、建物情報が記憶手段60に記憶されると、基礎となる街並みデータが形成される。
ここで、基礎となる街並みデータにおける建物情報や道路情報が現状と異なっている場合には、データ変更部32によって、建物の情報や道路の情報が変更され、変更後の街並みデータが記憶手段60に記憶される。
データ変更部32によって、建物の情報や道路の情報を入力する方法はとくに限定されない。
例えば、街並み平面図上には存在するが実際には存在しない建物がある場合には、その建物を指定してその情報を消去すれば、街並み平面図から建物を削除することができる。また、街並み平面図上では空き地であるが建物が存在する場合には建物を追加する。建物を追加する方法はとくに限定されない。例えば、街並み平面図において、複数の位置を順番に指定して特定の領域を囲めば、建物が追加されるようにしてもよい。
また、基盤地図情報データでは生活用の通路まではデータとして存在しない可能性がある。そして、道路以外の通行可能領域は、当然、基盤地図情報データに道路などとしては存在しない。したがって、生活用の通路や通行可能領域をデータ変更部32によって追加する。生活用の通路や通行可能領域を追加する方法もとくに限定されない。例えば、街並み平面図において、生活用の通路や通行可能領域として使用できる道路あるいは空き地がある場合おいて、生活用の通路や通行可能領域として設定する領域の起点と終点をマウスでクリックすれば、起点と終点の間の領域が生活用の通路や通行可能領域として追加されるようにしてもよい。そして、生活用の通路や通行可能領域を設定した場合にも、生活用の通路や通行可能領域を含めた変更後の街並みデータが記憶手段60に記憶される。
なお、既に街並みデータが形成されておりその街並みデータが記憶手段60に記憶されている場合には、街並み設定手段30は、使用する街並みデータを記憶手段60から読みだして、その街並みデータに基づく街並み平面図を表示手段40に表示させる。
また、読みだした街並み平面図に変更を加える場合には、データ変更部32によって、上述した方法と同様の方法で変更することができる(図3(B)参照)。
(津波シミュレーション)
街並み設定手段30によって街並みデータが形成されると、街並みデータを利用して津波シミュレーション手段10が実施される。
まず、津波シミュレーション手段10は、街並みデータを読み込む。
ついで、津波条件入力部12によって、潮位や風向き、風速等の条件を設定すると、津波シミュレーション部13によって津波シミュレーションが実施される。
すると、津波シミュレーション部13によるシミュレーション結果である津波発生状況データが形成され、この津波発生状況データが記憶手段60に記憶される。
(避難シミュレーション)
また、街並み設定手段30によって街並みデータが形成されると、避難シミュレーション手段20によって、避難シミュレーションが実施される。
図4(B)のフローチャートおよび図5を参照して、避難シミュレーションの手順を説明する。
まず、避難シミュレーション手段20は、街並みデータに基づいて、表示手段40に街並み平面図を表示させる。
ついで、避難場所設定部21によって避難すべき目的地である避難場所EPを設定し、避難開始位置設定部22によって避難開始位置SPを設定する。もちろん、避難開始位置SPを設定してから避難場所EPを設定してもよい。
避難開始位置SPが設定されると、避難ルート設定部23によって避難ルートERが設定される。避難ルートERは、上述したような種々の方法で設定することができる。例えば、避難開始位置SPの建物から出る道路、この道路につながる道路、さらにこの道路から移動する道路などの順で、避難場所EPまでのルートを設定することができる。
避難ルートERが設定されると、避難速度設定部24によって避難速度を設定する。避難速度は、全避難ルートで同じでもよいし、避難ルートERにおける道路や場所によって避難速度を変化させてもよい。
避難速度を設定が終了すると、避難シミュレーション部25によって避難シミュレーションを実施する。すると、避難シミュレーション部25によるシミュレーション結果である避難状況データが形成され、この避難況データが記憶手段60に記憶される。
(結果表示)
津波シミュレーション手段10と避難シミュレーション手段20によるシミュレーションが終了すると、結果表示手段2によって、避難状況データおよび津波発生状況データが街並みの平面図とともに表示手段40に表示される。具体的には、避難状況データに基づく避難者の移動状況と津波発生状況データに基づく津波発生状況が、動画として、表示手段40に表示される。すると、津波が発生してから、津波が広がって行く状況(つまり津波による浸水の発生)と、避難者の相対的な位置関係を画像で把握できるので、使用する人が避難の状況を感覚的に把握しやすくなる。
図6〜図8には、図5に示す2つの避難ルートER1,ER2について、結果表示手段2によって、避難状況データおよび津波発生状況データを、街並みの平面図とともに表示手段40に表示させた場合を示している。
なお、図6〜図8において、ハッチングされている部分が津波による浸水が生じた場所を示している。
図6に示すように、津波が発生してから、ある程度の時間は避難者が避難をしない状況とする。
図7に示すように、避難者が避難ルートER1,ER2で避難を開始してから、一定の時間が経過すると、避難者と津波との距離が変化する。しかし、図7の時点では、避難ルートER1を避難する場合と、避難ルートER2を避難する場合で、避難者と津波との距離はそれほど差がない。
しかし、さらに津波が広がると、図8に示すように、避難ルートER1を通る避難者は津波から十分に離れることができているのに対し、避難ルートER2を通る避難者は、津波が到達した領域に入ってしまい、×の位置までしか避難できない状況となる。
2つの避難ルートER1,ER2は、避難開始位置SPからの移動距離がそれほど変わらないにも関わらず、一方の避難ルートでは避難でき、他方の避難ルートでは避難できないことが視覚的に把握できる。つまり、本実施形態の津波対策システム1では、使用する人が避難の状況を感覚的に把握しやすくなるのである。
なお、上述した例では、津波シミュレーションを先に実施した場合を説明したが、津波シミュレーションと避難シミュレーションは、どちらを先に実施してもよい。津波シミュレーションの結果を見てから避難ルートを検討するのであれば、津波シミュレーションを先に実施すればよい。また、避難に対する感覚を確かめたりする場合であれば、避難シミュレーションを先に実施してもよい。
(追加的機能)
本実施形態の津波対策システム1は、上述した機能に加えて、以下の機能を備えていれば、津波における避難をより現実に近い状況でシミュレーションすることができる。
(建物倒壊シミュレーション)
津波は、通常、地震を原因として発生するが、地震が発生した場合、建物が倒壊したり土砂崩れが生じたりして、通路が塞がれて通行できなくなっている可能性がある。すると、建物が倒壊していない状況での避難をシミュレーションしても、実際の津波発生時には避難できない可能性もある。例えば、途中の避難ルートまでは避難できても、避難通路の前方(つまり現在位置と避難場所との間の避難ルート)で建物が倒壊している場合には、それ以上は進めない状況となる。この場合には、建物の倒壊によって塞がれた通路に到達した後の避難が困難になる可能性が高い。つまり、避難通路の前方で建物が倒壊している場合には、その状況を想定して避難ルートを検討する必要がある。
そこで、津波シミュレーション手段10は、地震によって倒壊する建物や建物の倒壊によって通路を塞ぐか否かをシミュレーションする機能を有する建物倒壊シミュレーション部14を備えていることが好ましい。具体的には、建物倒壊シミュレーション部14は、津波条件入力部12から入力された震源や地震の強度(震度)を用い、街並みデータに記憶されている建物の情報に基づいて、入力された震度において建物が倒壊するか否かのシミュレーションする機能を有している。かかる建物倒壊シミュレーション部14を有していれば、避難の際に使用できなくなる可能性がある通路を把握できるので、より適切な避難シミュレーションを実施することができる。
例えば、建物倒壊シミュレーション部14は、倒壊する建物や建物の倒壊によって塞がれる通路を算出し、算出されたこれらの情報を倒壊データとして記憶手段60に記憶させる。そして、津波シミュレーション手段10からの指令によって、倒壊データを、街並みの平面図と津波発生状況を重ねた画像とともに表示手段40に表示させるようする。合わせて、これらの画像とともに避難シミュレーション手段20からの指令によって避難状況も表示手段40に表示させるようにする。すると、避難ルートに倒壊した建物等が存在するか否かを確認できるので、津波が発生した際に、設定した避難ルートが使用できるか否かを判断することができ、実際の津波発生時に適した避難ルートを検討することができる。
かかる建物倒壊シミュレーション部14が建物の倒壊をシミュレーションする方法、つまり、建物の倒壊を計算するアルゴリズムはとくに限定されない。例えば、図9に示す倒壊建物アルゴリズムに基づいて、各通路における建物の倒壊をシミュレーションすることができる。つまり、震度階をパラメータとして、木造建物の建てられた年代によって倒壊確率を与えて、各通路における倒壊する建物の数を算定することができる。そして、各通路において倒壊建物の数が一定以上(例えば3棟以上)となると、その通路は建物倒壊に起因して通過できない(塞がれる)と判断するようにすることができる。なお、倒壊する建物の数は、想定する震度階と通路に存在する各年代の建物とそれらの倒壊率をパラメータとして確率的に求めることができる。
また、建物倒壊シミュレーション部14を設けずに、倒壊する建物と倒壊する建物によって塞がれる通路を予め設定した倒壊データを記憶手段60に記憶させておき、この倒壊データに基づいて、津波シミュレーション手段10が、倒壊データを表示手段40に表示させるようしてもよい。この場合、倒壊データは、地震によって倒壊する建物やその倒壊状況を予めシミュレーションしたデータを使用してもよいし、津波対策システム1を利用する人が独自に(つまり経験や普段の状況に基づいて)倒壊する建物を指定して作成したデータを使用してもよい。
上述したような塞がれる通路を予め設定する機能(阻害場所設定機能)は津波シミュレーション手段10に設けてもよい。すると、津波または地震により通行が阻害される個所が把握できている場合であれば、その通路をあらかじめ避難経路から外すことができる。例えば、地震などでがけ崩れが生じることが想定される場所は、あらかじめ通行できないと設定しておけば、その通路を使用しない避難経路を検討することが可能となる。すると、実際の災害における避難に適した避難ルートを検討することができる。
(避難判断手段50)
上記例では、避難シミュレーション手段20がシミュレーションした避難状況を、街並みの平面図や津波発生状況、倒壊データ等と重ねて表示手段40に表示することによって、設定した避難ルートでの避難が可能か否か判断している。つまり、表示手段40に表示されている画像を見て、避難が可能か否かを人が判断している。しかし、この場合には、避難の判断に画像を見た人の主観が入ってしまう可能性があり、避難の可否について適切に判断できない場合も生じる。
そこで、設定した避難ルートによる避難の可否を判断する避難判断手段50を設けてもよい。この場合には、避難ルートによる避難の可否について、客観的な判断を提示することができるので、適切な避難ルートを検討することができる。
避難判断手段50が避難の可否を判断する方法はとくに限定されないが、例えば、以下の方法によって避難の可否を判断することができる。まず、避難状況データに基づいて、設定した避難ルートで所定の時間内に避難場所に到達できない場合には、その避難ルートでは避難できないと判断することができる。また、倒壊データと避難状況データに基づいて、避難ルートが建物等によって塞がれている場合、その通路は通過できないので、その避難ルートでは避難できないと判断することができる。
また、避難判断手段50が避難の可否を表示する方法もとくに限定されない。例えば、設定した避難ルートで避難できない場合には、単に「NG」と表示するだけでもよい。また、避難ルートが建物等によって塞がれている場合には、避難判断手段50からの指令によって避難ルートをその位置までしか表示させないようにしてもよい。つまり、設定した避難ルートでは、その位置までしか避難できないことを画像によって示してもよい。
(多数の人が避難する場合)
また、上記例では、避難判断手段50が、一人の避難者が避難する場合において、環境要因(通路の状況や津波発生状況)に起因して避難ができるか否かを判断する場合を説明した。
しかし、実際の津波発生時には、多数の人が同時に避難することになる。上記例の場合でも、避難者の避難速度を遅くすることによって、多数の人が避難する状況における避難の可否をある程度の精度で予測することもできる。しかし、多数の人が同時に避難する状況を、現実の避難に近い形で判断できるようになっていることが望ましい。
例えば、複数の人がそれぞれ避難ルートを設定して得られた避難状況データを、設定された津波条件データと対応させて記憶手段60に保存するようにしておく。そして、避難判断手段50が、同一条件の津波が発生したときにおける複数の避難状況データに基づいて、設定した避難ルートによる避難の可否を判断するようにする。すると、複数の避難者の避難状況に基づいて避難ルートによる避難の可否を判断することになるので、より現実の避難に近い形で避難の可否を判断することができる。
この場合、設定した避難ルートによる避難の可否を判断する方法はとくに限定されない
例えば、以下の方法によって避難の可否を判断することができる。
まず、複数の避難状況データに基づいて同じタイミングで複数の避難者が同じ通路に進入する場合には、街並みデータの通路の情報に基づいて、複数の避難者が同時に通過できるか否かを判断する。そして、複数の避難者が同時に通行できない場合には、その避難ルートでは避難できないと判断することができる。このように避難の可否を判断する場合には、街並みデータの通路の幅の情報から、同時に通過できる避難者の数を避難判断手段50が判断してもよいが、街並みデータの通路の情報に、予めその通路を同時に並んで移動できる人の人数が含まれていることが好ましい。
また、異なるタイミングで複数の避難者が同じ通路に進入した場合で、すでに先に通路に進入した避難者の避難速度が、後で通路に進入した避難者の避難速度よりも遅い場合には、その避難ルートでは避難できないと判断することができる。複数人が通行できる通路の場合であれば、後で通路に進入した避難者よりも避難速度が遅い避難者が既にその通路に進入しており、しかも、避難速度が遅い避難者の人数がその通路を同時に通過できる人数よりも多い場合には、その避難ルートでは避難できないと判断することができる。
なお、多数の人が避難した状況を想定して避難判断手段50が避難できるか否かを判断する場合でも、避難判断手段50が避難の可否を表示する方法はとくに限定されない。例えば、設定した避難ルートで避難できない避難者がいる場合には、単に「NG」と表示するだけでもよい。また、避難判断手段50からの指令によって、避難できない避難者の避難ルートだけを避難できなくなる位置までしか表示させないようにしてもよい。
また、避難判断手段50を設けない場合には、複数の避難状況データを同時に表示手段40に表示させるようにしてもよい。この場合でも、複数の避難者の動きを同時に把握できるので、各避難者が設定した避難ルートで避難できるか否かを評価することは可能である。
(避難者情報による判断)
地域には、車椅子でしか移動できない避難者や寝たきりの避難者(以下要介護避難者という)がいる場合もある。要介護避難者の避難には、他の人の介助が必要となる。また、要介護避難者が避難する場合、健常者が通ることができる通路でも通行できない可能性がある。そこで、要介護避難者が設定された避難ルートで避難できるか否かを判断する機能を避難判断手段50に設けてもよい。
要介護避難者の避難の可否を判断する方法はとくに限定されない。例えば、以下の方法を採用することができる。
まず、避難対象者が避難する際に必要とする避難補助ツールの情報を記憶手段60(特許請求の範囲の避難補助ツール記憶部に相当する)に記憶させておく。
一方、避難シミュレーション手段20には、避難者特有の情報(つまり、避難補助ツールの情報等)を入力または選択する避難対象者入力部26を設けておく。そして、避難対象者入力部26によって入力または選択された避難者特有の情報を含む避難状況データが記憶手段60に記憶されるようにする。
そして、避難判断手段50は、避難状況データに基づいて、設定した避難ルートに含まれる通路を、避難者が通行して避難することができるか否かを判断するようにする。
上記のような方法で要介護避難者の避難の可否を判断すれば、避難補助ツールの情報に基づいて使用できない避難ルートを適切に判断することができる。すると、避難に時間を要する高齢者や障害者の方の避難に適した避難ルートの設定を行うことができる。
例えば、避難者が、階段を利用すれば短時間で避難場所に移動できるが、遠回りにはなるものの坂道を通っても避難場所に移動できる場合を考える。この場合、足が不自由な避難者の場合、避難対象者入力部26に、足が不自由であることを入力し、かつ、避難補助ツールとして杖または車椅子を選択または入力する。すると、杖を使用するとの情報が避難状況データに含まれている場合には、階段を通行する避難ルートを選択しても、避難判断手段50は避難可能と判断する。一方、車椅子を使用するとの情報が避難状況データに含まれている場合には、階段を通行する避難ルートを選択した場合、避難判断手段50は避難できないと判断する。つまり、通路の情報および避難状況データの情報に基づいて、避難者に応じて適切に避難の可否を避難判断手段50が判断するので、避難者の状態に応じた適切な避難ルートを検討することができるようになる。
また、避難者が、介助する人が一人いれば通路の状況によらず移動できる場合には、避難補助ツールとして介助者一人を選択または入力する。すると、一人ずつしか通れない避難ルートを選択した場合には、避難判断手段50は避難できないと判断するので、介助が必要な避難者に適した避難ルートを検討することができるようになる。
そして、避難者特有の情報を含む避難状況データが蓄積されれば、どこに要介護避難者が暮らしているかという情報を住民が共有することができる。そして、要介護避難者を介助する住民を決めたり、また、介助をする住民が通るべき適切な避難ルートを検討したりすることもできる。
上述した避難者特有の情報はとくに限定されない。例えば、体が不自由か否か、自力で歩けるか否か等の情報を挙げることができるが、要介護避難者の体調(高血圧や既往症)など避難後の生活に必要な情報が含まれていてもよい。
避難補助ツールの情報もとくに限定されない。例えば、避難者の移動に必要な車椅子や杖、担架等のツールだけでなく、避難者の活動を補助する機器(例えば、酸素吸入器等)の情報も含めておくことが好ましい。
本発明の津波対策システムは、地域の防災対策を住民等が自主的に調査研究するためのシステムとして適している。
1 津波対策システム
2 結果表示手段
10 津波シミュレーション手段
12 条件入力部
13 津波シミュレーション部
14 建物倒壊シミュレーション部
20 避難シミュレーション手段
21 避難場所設定部
22 避難開始位置設定部
23 避難ルート設定部
24 避難速度設定部
25 避難シミュレーション部
26 避難対象者入力部
30 街並み設定部
31 街並み入力部
32 データ変更部
40 表示手段
50 避難判断手段
60 記憶手段

Claims (7)

  1. 地震などに起因する津波の状況をシミュレーションする津波シミュレーション手段と、
    津波発生時における避難状況をシミュレーションする避難シミュレーション手段と、
    前記津波シミュレーション手段がシミュレーションした津波発生状況と、前記避難シミュレーション手段がシミュレーションした避難状況と、を表示し得る表示手段と、を備えており、
    前記避難シミュレーション手段は、
    避難する人を配置する避難開始位置を設定する避難開始位置設定部と、
    前記避難開始位置から避難場所までの避難ルートを設定する避難ルート設定部と、
    前記避難ルートを人が通過する避難速度を設定する避難速度設定部と、
    前記避難開始位置、前記避難ルート、前記避難速度の全てまたは一部を入力する設定値入力部と、を備えている
    ことを特徴とする津波対策システム。
  2. 前記表示手段は、
    前記津波シミュレーション手段がシミュレーションした津波発生状況と、前記避難シミュレーション手段がシミュレーションした避難状況とを、重ねわせて表示する機能を備えており、
    前記避難シミュレーション手段は、
    前記避難開始位置、前記避難ルート、前記避難速度の全てまたは一部の入力値を変更する設定値変更部を備えている
    ことを特徴とする請求項1記載の津波対策システム。
  3. 津波発生状況をシミュレーションする街並みを設定する街並み設定手段を備えており、
    該街並み設定手段は、
    建物および建物間の通路の情報を入力して記憶媒体に記憶させる街並み入力部と、
    前記記憶媒体に記憶されている前記街並みデータの情報を変更し、変更した変更街並みデータを前記記憶媒体に記憶させるデータ変更部と、を備えている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の津波対策システム。
  4. 設定した避難ルートによる避難の可否を判断する避難判断手段を備えており、
    前記避難シミュレーション手段は、
    避難対象者の情報を入力する避難対象者入力部と、
    前記避難対象者が避難する際に必要とする避難補助ツールの情報を記憶する避難補助ツール記憶部を備えており、
    該避難対象者入力部が、
    前記避難対象者が使用する避難補助ツールを選択する避難補助ツール選択機能を備えており、
    前記避難判断手段は、
    前記避難補助ツール選択機能によって選択された避難補助ツールの情報に基づいて、前記設定した避難ルートによる避難の可否を判断する機能を有している
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の津波対策システム。
  5. 前記津波シミュレーション手段は、
    津波または地震により通行が阻害される個所を設定する阻害場所設定機能を備えている
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の津波対策システム。
  6. 前記街並み設定手段は、
    道路や建物間の通路以外に人が通過できる通行可能領域を設定する、通行可能領域設定機能を備えている
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の津波対策システム。
  7. 設定した避難ルートによる避難の可否を判断する避難判断手段を備えており、
    前記津波シミュレーション手段がシミュレーションした津波発生状況および前記避難シミュレーション手段がシミュレーションした避難状況を記憶するシミュレーション結果記憶部を備えており、
    前記避難判断手段は、
    同一条件の津波が発生したときにおける、前記シミュレーション結果記憶部に記録されている複数の避難状況に基づいて、設定した避難ルートによる避難の可否を判断する機能を備えている
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の津波対策システム。
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