JP2015224693A - 駒式ボールねじ - Google Patents

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Abstract

【課題】高い循環性能とナット内部への異物侵入防止機能を有する安価な駒式ボールねじを提供する。【解決手段】ねじ溝12aが形成されたねじ軸11と、ねじ軸11の周囲に配置され、ねじ溝14が形成されたナット13と、両ねじ溝12a,14により形成される転動路22に配設される複数のボールと、循環溝19が形成された駒部材16と、を備える。ナット13は、内周面に形成された断面略円弧状の嵌合溝15を有し、駒部材16は、内面側にねじ軸11のねじ溝12a及びねじ山12bに摺動自在に嵌合する凹凸部17を備え、外面側に形成された循環溝19は、ナット13の嵌合溝15と共に、転動路22の一端22aから他端22bへと循環するトンネル状の循環路23を形成する。駒部材16の軸方向端部には、前記ねじ軸12のねじ溝12aに摺接するシール部17dが形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、各種工作機械、あるいは自動車の電動パワーステアリングやアクチュエータ等に使用されるボールねじに関し、より詳細には、ボール循環部品として駒部材を使用した駒式ボールねじに関する。
ボールの循環機構が異なる各種形式のボールねじの一つとして、駒式ボールねじが知られており、従来、駒部材の形態について多くの提案がなされている(例えば、特許文献1〜4参照。)。特許文献1及び2の駒式ボールねじは、略S字状に湾曲する循環溝を有し、円形又は長円に形成された駒部材が、ナットの胴部に穿設された円形、又は長円の駒窓に挿入されて、加締め、圧入、接着などの固定手段によりナットに固定されてナットの隣接するねじ溝間を接続する循環路を形成している。
特許文献3の駒式ボールねじでは、ボール転動路と共にボールの循環軌道を形成する駒部材が、内部にトンネル状の循環路が湾曲形成された金属製のパイプと、このパイプの外側を被覆してナットに設けられた取付孔(駒窓)に嵌合する樹脂製の被覆部と、で構成されている。また、特許文献4の駒式ボールねじは、循環溝を備える循環ブロックをナットの凹溝内に設置し、循環ブロックの定位キーとナットのキー溝とを嵌合させた後、ねじ或いはC形リングなどによって循環ブロックをナットに固定して定位している。
特開2008−241013号公報 特開2008−267523号公報 特開2003−329097号公報 実用新案登録第3122121号公報
しかしながら、特許文献1〜4の駒式ボールねじは、駒部材を挿入するための駒窓や、循環ブロックを挿入するための凹溝をナットに加工し、更に挿入された駒部材や循環ブロックをナットに固定するための固定手段を設ける必要があり、コストアップの要因となっていた。また、駒窓や凹溝とナットのねじ溝との相対位置がずれると、ボールの円滑な走行が阻害されて循環性能が低下する問題があった。更に、特許文献1〜3の駒式ボールねじでは、駒窓の加工によってねじ山の一部が削除されて薄肉部となるため、熱処理時に薄肉部が割れるなどの障害が発生する可能性があつた。
また、特許文献1、2、4の駒式ボールねじは、隣接するねじ溝間を接続する循環路が、駒部材や循環ブロックの循環溝とねじ軸とにより形成されており、転動するボールは、ねじ軸のねじ山のR部によってすくい上げられ、ねじ山を乗り越えて循環するため、ねじ軸の形状によってボールの挙動に影響を及ぼす。従って、異音や振動を抑制して円滑な動作を確保するには、ねじ軸の形状を精度よく管理する必要があった。
また、ボールねじは一般的にナット全長に対しねじ軸全長の方が長く、ねじ軸は大気中の環境下に晒されるので、外周面に異物が付着し易い。付着した異物はボールねじの動作によって、ねじ軸に対して相対移動するナットの内部に侵入し、転動体との間に挟まるなどして、軌道面や転動体の表面に圧痕を生じる恐れがある。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い循環性能を有すると共に、ナット内部への異物侵入を防止するシール機能を有する安価な駒式ボールねじを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、
前記ねじ軸の周囲に配置され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、
対向する前記両ねじ溝により形成される転動路に収容された複数のボールと、
前記転動路の一端から他端へと循環する前記ボールが転動するための循環溝を備えた駒部材と、
を備えた駒式ボールねじにおいて、
前記循環溝は、前記駒部材の外面側に形成され、
前記駒部材の前記循環溝と前記ナットの内周面とにより、トンネル状の循環路が形成され、
前記駒部材の内面側には、前記ねじ軸のねじ溝とねじ山の少なくとも一方に摺動自在に嵌合する凹凸部が形成され、前記凹凸部が前記ねじ軸のねじ溝とねじ山の少なくとも一方に嵌合することで、前記駒部材が前記ナットに対して相対的に位置決めされるとともに、
前記駒部材の軸方向端部には、前記ねじ軸のねじ溝に摺接するシール部が形成されていることを特徴とする駒式ボールねじ。
(2)前記シール部の端面の法線と、前記ねじ溝の螺旋方向との角度θが0°<θ<60°の範囲で面取りされていることを特徴とする(1)に記載の駒式ボールねじ。
(3)前記ナットは、内周面に軸方向に沿って形成された嵌合溝を有し、
前記駒部材は、前記ナットの前記嵌合溝に嵌合し、且つ、
前記トンネル状の循環路は、前記駒部材の前記循環溝と前記ナットの前記嵌合溝とにより形成されることを特徴とする(1)または(2)に記載の駒式ボールねじ。
(4) 前記嵌合溝は、断面略円弧状に形成され、
前記駒部材の外面側には、該嵌合溝の形状に対応した断面略円弧状の突部が形成され、
前記循環溝は、前記突部を円周方向に亘って横切るように形成されることを特徴とする(3)に記載の駒式ボールねじ。
(5) 駒部材は、循環溝の一端と他端の少なくとも一方に、ボールを転動路から循環路へすくい上げる案内部を備えることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の駒式ボールねじ。
(6) 外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、
前記ねじ軸の周囲に配置され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、
対向する前記両ねじ溝により形成される転動路に収容された複数のボールと、
前記転動路の一端から他端へと循環する前記ボールが転動するための循環部を備えた駒部材と、
を備えた駒式ボールねじにおいて、
前記循環部は、前記駒部材の外面側に形成され、
前記駒部材の内面側には、前記ねじ軸のねじ溝とねじ山の少なくとも一方に摺動自在に嵌合する凹凸部が形成され、
前記ナットは、内周面に軸方向に沿って形成された嵌合溝を有し、
前記駒部材は、前記ナットの前記嵌合溝に嵌合すると共に、前記凹凸部が前記ねじ軸のねじ溝とねじ山の少なくとも一方に嵌合することで、前記駒部材が前記ナットに対して相対的に位置決めされ、前記駒部材の軸方向端部には、前記ねじ軸のねじ溝に摺接するシール部が形成されていることを特徴とする駒式ボールねじ。
本発明の駒式ボールねじによれば、循環溝は、駒部材の外面側に形成され、駒部材の循環溝とナットの内周面とにより、トンネル状の循環路が形成されるため、駒部材の外面側で、転動路の一端から他端へとボールを循環することができる。そのため、循環時にボールがねじ軸のねじ山に接触せず、作動音が低減されるとともにボール傷を防止し、ボールねじの寿命を延長させることができる。さらに、チューブ式ボールねじにおいて必要となるチューブ固定具などの循環路以外の部材が本発明では不要となるため、安価な駒式ボールねじを提供することができる。
また、駒部材の内面側には、ねじ軸のねじ溝とねじ山の少なくとも一方に摺動自在に嵌合する凹凸部が形成され、ナットは、内周面に軸方向に沿って形成された嵌合溝を有し、駒部材は、ナットの嵌合溝に嵌合すると共に、凹凸部がねじ軸のねじ溝とねじ山の少なくとも一方に嵌合することで、駒部材がナットに対して相対的に位置決めされる。これにより、ナットと駒部材とを固定するための固定手段を設けることなく、ナットに駒部材を位置決めすることができ、駒式ボールねじを安価に製作することができる。特に、循環用の駒やチューブを取り付ける孔を設ける従来のナットの場合には、該孔の位置を測定し、該孔とねじ溝の軸方向位置が合うようにねじ溝を加工する必要があるが、本発明の場合には、ねじ溝と嵌合溝の軸方向位置を合わせる必要がないので、ナットの加工が簡単になり、加工コストを低減させることができる。
また、前記駒部材の軸方向端部には、前記ねじ軸のねじ溝に摺接するシール部が形成されて、ねじ軸表面に付着した異物をシール部で掻き落とすことができる。これにより、ナット内部への異物侵入を防止し、ねじ溝及び転動体の表面に圧痕が発生するのを抑制できる。
また、トンネル状の循環路は、駒部材の循環溝とナットの嵌合溝とにより形成されるので、嵌合溝を駒部材の位置決め部として、また、循環路の軌道面として、共用することができる。
さらに、嵌合溝は、断面略円弧状に形成され、駒部材の外面側には、嵌合溝の形状に対応した断面略円弧状の突部が形成され、循環溝は、突部を円周方向に亘って横切るように形成されるので、嵌合溝を駒部材の位置決め部として、また、循環路の軌道面として、共用しつつ、駒部材をコンパクトに設計することができる。
また、駒部材は、循環溝の一端と他端の少なくとも一方に、ボールを転動路から循環路へすくい上げる案内部を備えるため、従来の駒式ボールねじのように、ねじ軸のねじ山を用いてボールをすくい上げることがないので、滑らかな動作を実現するとともに、作動音を低減させることができる。
また、本発明の駒式ボールねじによれば、循環部は、駒部材の外面側に形成されるので、駒部材の外面側で、転動路の一端から他端へとボールを循環することができ、循環時にボールがねじ軸のねじ山に接触しないので、作動音が低減されるとともにボールねじの寿命を延長させることができる。また、駒部材の内面側には、ねじ軸のねじ溝とねじ山の少なくとも一方に摺動自在に嵌合する凹凸部が形成され、ナットは、内周面に軸方向に沿って形成された嵌合溝を有し、駒部材は、ナットの嵌合溝に嵌合すると共に、凹凸部がねじ軸のねじ溝とねじ山の少なくとも一方に嵌合することで、駒部材が前記ナットに対して相対的に位置決めされるので、ナットと駒部材とを固定するための固定手段を設けることなく、ナットに駒部材を位置決めすることができ、駒式ボールねじを安価に製作することができる。特に、循環用の駒やチューブを取り付ける孔を設ける従来のナットの場合には、該孔の位置を測定し、該孔とねじ溝の軸方向位置が合うようにねじ溝を加工する必要があるが、本発明の場合には、ねじ溝と嵌合溝の軸方向位置を合わせる必要がないので、ナットの加工が簡単になり、加工コストを低減させることができる。
本発明に係る駒式ボールねじの斜視図である。 (a)は、図1に示す駒式ボールねじの分解斜視図であり、(b)は、ナット及び駒部材の要部斜視図である。 (a)は、外側から見た駒部材の斜視図であり、(b)は、斜め内側から見た駒部材の斜視図であり、(c)は、1つの循環溝を示す駒部材の部分斜視図である。 ねじ軸のねじ溝と駒部材の凹凸部とが嵌合して駒部材が位置決めされる状態を示す部分破断斜視図である。 ボールの循環経路を示す断面図である。 ボールの循環経路を示す側面図である。
以下、本発明に係る駒式ボールねじの一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、駒式ボールねじ10は、外周面に螺旋状のねじ溝12aが形成されたねじ軸11と、内周面に螺旋状のねじ溝14が形成されてねじ軸11の周囲に配置されるナット13と、ナット13の嵌合溝15に嵌合する駒部材16と、ねじ軸11のねじ溝12a及びナット13のねじ溝14により形成される転動路22(図5参照)に転動自在に配設された不図示の複数のボールと、を備える。
ねじ軸11及びナット13のねじ溝12a,14の断面形状は、許容軸方向荷重が大きく、振動を抑制可能なゴシックアーク形状が好ましいが、サーキュラアーク形状であってもよい。ナット13の内周面には、駒部材16が嵌合する断面略円弧状の嵌合溝15が、ナット13の軸方向全長に亘って形成されている。嵌合溝15の円周方向両端には、面取り部15aが設けられている。
駒部材16は、図3及び図4を参照して、嵌合溝15に嵌合したとき内径側となる面には、ねじ軸11のねじ溝12a及びねじ山12bと略同じ断面形状を有し、ねじ溝12a及びねじ山12bのピッチと同一ピッチで形成された凹凸部17が形成されている。各凹凸部17は、ねじ軸11のねじ溝12a及びねじ山12bに摺動自在に嵌合する。
また、嵌合溝15に嵌合したとき外径側となる面には、駒部材16の長手方向に延設され、ナット13の嵌合溝15と略同一断面形状を有する断面略円弧状の突部18が形成されている。突部18には、外径側から内径側に向かって略U字状に凹設された2つの循環溝19が、突部18を周方向に亘って横切り、駒部材16の周方向両端部16a,16bを接続するように略S字状に形成されている。
各循環溝19の一方の端部19aは、凹凸部17において、隣接する凸部17a,17bのうち、一方の凸部17aに対応し、循環溝19の他方の端部19bは、他方の凸部17bに対応して、それぞれ駒部材16の両端部16a,16bに亘って形成される。各循環溝19の両端部19a,19b間は、ボールが滑らかに転動するように略S字状に湾曲形成されている。
これにより、循環溝19は、転動路22の一端22aと他端22bとを、更に詳細には、ねじ軸11の隣り合うねじ溝12aの一端と他端とを接続している。循環溝19の端部19a,19bには、転動路22を転動するボールを転動路22からすくい上げて循環溝19に導く案内部20が一体に形成されている。
また、駒部材16の軸方向両端にある凹凸部17a、17bの、循環溝19の両端部19a、19bが形成されない周方向端部には、ねじ軸11のねじ溝12aに摺接するシール部17dが形成されている。なお、本実施例では、図5に示すように、シール部17dの端面は、端面の法線と、ねじ溝12aの螺旋方向Sとの角度θが0°<θ<60°の範囲で傾斜させている。これにより、シール部17dで掻き出された異物をナット13の軸方向外側へと掻き落とすことができる。
図4から図6に示すように、駒部材16は、突部18がナット13の嵌合溝15に嵌合すると共に、各凹凸部17がねじ軸11のねじ溝12a及びねじ山12bに嵌合してねじ軸11及びナット13に組み付けられる。これにより、ねじ軸11のねじ溝12aとナット13のねじ溝14とにより転動路22が形成され、且つ駒部材16の循環溝19とナット13の嵌合溝15とにより、転動路22の一端22aから他端22bへと循環するトンネル状の循環路23が形成される。
なお、図4及び図6は、説明のため、駒部材16とナット13とを離間した状態で表わしている。
また、固定手段を用いることなく、ナット13と駒部材16とが相対的に位置決めされる。即ち、突部18とナット13の嵌合溝15との嵌合により、駒部材16のナット13に対する径方向位置及び周方向位置、凹凸部17とねじ溝12a及びねじ山12bとの嵌合により駒部材16の軸方向位置が規制される。したがって、作動時には、駒部材16は、ねじ軸11と摺動しつつ、ナット13に対して軸方向に保持される。これにより、従来の駒式ボールねじで必要であった駒窓及び駒窓に挿入された駒部材を固定するための固定手段が不要となる。
転動路22内を転動する複数のボールは、循環溝19の端部19a,19bに形成された案内部20により転動路22の一端22aからすくい上げられて循環路23に導かれ、転動路22の他端22b(1ピッチ分ずれた隣接するねじ溝12a,14)に戻され、再び転動路22に沿って転動する。
案内部20は、凹凸部17に対応して一体成形され、且つ凹凸部17がねじ軸11のねじ溝12a及びねじ山12bに嵌合しているので、案内部20とねじ軸11のねじ溝12aとは、位置精度が高い状態で組み付けられる。従って、案内部20によりすくい上げられたボールは、滑らかに転動路22から循環路23に案内され、トンネル状の循環路23を介して隣接する転動路22に戻される。
このように、従来の駒式ボールねじは、ボールがねじ軸11に接触してねじ山を乗り越えて循環し、ねじ軸11の形状がボールの挙動に影響を与えるのに対して、本実施形態の駒式ボールねじ10は、ねじ軸11と接触することなく循環するので、ねじ軸11のねじ山の形状管理が不要となる。
本実施形態の駒部材16は、金型(図示せず)によって一体成形される。駒部材16が金属で製作される場合、例えば、金属粉末及びバインダを加熱溶融して射出成形機で金型内に押し込む、所謂MIM(Metal Injection Molding)により成形することができる。
このように金型を用いて駒部材16を一体成形することで、凹凸部17、突部18、循環溝19、案内部20の相対位置を高い精度で成形することができ、これにより良好な循環性能が容易に得られる。なお、駒部材16は、金型によって製作されるものであれば、MIMに限定されず、金属粉末をプレス成形して焼成した焼結合金や、合成樹脂を射出成形することで成形されてもよい。
また、ナット13の嵌合溝15は、例えば、ブローチ加工により成形することができる。ブローチ加工によれば、ナット13の内径と嵌合溝15とを高精度で同時加工することが可能であり、ブローチ加工後に内径基準でねじ溝14を加工することで、ねじ溝14と駒部材16との相対位置を高精度に維持することができる。ねじ溝14の加工方法としては、旋削加工、ミーリング加工、研削加工などが可能である。
以上説明したように、本実施形態の駒式ボールねじ10によれば、循環溝19は、駒部材16の外面側に形成され、駒部材16の循環溝19とナット13の内周面とにより、トンネル状の循環路23が形成されるため、駒部材16の外面側で、転動路22の一端22aから他端22bへとボールを循環することができる。そのため、循環時にボールがねじ軸11のねじ山12bに接触せず、作動音が低減されるとともにボール傷を防止し、ボールねじ10の寿命を延長させることができる。さらに、チューブ式ボールねじにおいて必要となるチューブ固定具などの循環路以外の部材が本実施形態では不要となるため、安価な駒式ボールねじを提供することができる。
また、駒部材16の内面側には、ねじ軸11のねじ溝12aとねじ山12bに摺動自在に嵌合する凹凸部17が形成され、ナット13は、内周面に軸方向に沿って形成された嵌合溝15を有し、駒部材16は、ナット13の嵌合溝15に嵌合すると共に、凹凸部17がねじ軸11のねじ溝12aとねじ山12bに嵌合することで、駒部材16がナット13に対して相対的に位置決めされる。これにより、ナット13と駒部材16とを固定するための固定手段を設けることなく、ナット13に駒部材16を位置決めすることができ、駒式ボールねじ10を安価に製作することができる。特に、循環用の駒やチューブを取り付ける孔を設ける従来のナットの場合には、該孔の位置を測定し、該孔とねじ溝の軸方向位置が合うようにねじ溝を加工する必要があるが、本実施形態の場合には、ねじ溝14と嵌合溝15の軸方向位置を合わせる必要がないので、ナット13の加工が簡単になり、加工コストを低減させることができる。また、トンネル状の循環路23は、駒部材16の循環溝19とナット13の嵌合溝15とにより形成されるので、嵌合溝15を駒部材16の位置決め部として、また、循環路23の軌道面として、共用することができる。更に、従来の駒式ボールねじのように、駒窓の加工によりねじ山の一部が削除されて肉薄部が形成される虞がなく、熱処理による損傷を防止することができる。
また、凹凸部17のうち、ねじ軸11の軸方向両端にあるものは、ねじ軸11のねじ溝12aに摺接するシール部17dが形成されている。シール部17dにより、ねじ軸11の表面に付着した異物を掻き出すことで、ナット13の内部に異物が侵入するのを防止できる。また、シール部17dの端面は、端面の法線と、ねじ溝12aの螺旋方向Sとの角度θが0°<θ<60°の範囲で傾斜させている。これにより、シール部17dによって掻き出された異物を確実にナット13の外に掻き落とすことができる。
また、嵌合溝15は、断面略円弧状に形成され、駒部材16の外面側には、嵌合溝15の形状に対応した断面略円弧状の突部18が形成され、循環溝19は、突部18を円周方向に亘って横切るように形成されるので、嵌合溝15を駒部材16の位置決め部として、
また、循環路23の軌道面として、共用しつつ、駒部材16をコンパクトに設計することができる。
また、駒部材16は、循環溝19の両端部19a,19bに、ボールを転動路22から循環路23へすくい上げる案内部20を備えるため、従来の駒式ボールねじのように、ねじ軸11のねじ山12bを用いてボールをすくい上げることがないので、滑らかな動作を実現するとともに、作動音を低減させることができる。
また、駒部材16は、金型によって一体成形されるため、凹凸部17と循環溝19や案内部20との相対位置を高い精度で製作することができる。これにより、凹凸部17が嵌合するねじ軸11のねじ溝12aと、循環溝19及び案内部20との位置精度が向上して、異音や振動の発生を抑制してボールを円滑に走行させることができる。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、上記の実施形態では、ねじ軸11のねじ溝12a及びねじ山12bと駒部材16の凹凸部17とが嵌合するものとして説明したが、駒部材16をねじ軸11に対して軸方向位置を規制するものであればこれに限定されず、ねじ軸11のねじ溝のみやねじ山のみと嵌合するようにしてもよい。
また、2つの循環溝19を有し、2つの循環路23を備える駒部材16について説明したが、循環溝19は、1つでも、或いは3つ以上であってもよく、駒式ボールねじ10の仕様に合わせて適宜選択することができる。また、駒式ボールねじ10が複数の循環路23を備える場合、複数の循環溝19を有する駒部材16を一体成形してもよく、また、1つの循環溝19を有する複数個の駒部材16を、組み合わせて配置するようにしてもよい。
また、本発明の駒式ボールねじは、循環部は、駒部材の外面側に形成され、駒部材の内面側には、ねじ軸のねじ溝とねじ山の少なくとも一方に摺動自在に嵌合する凹凸部が形成され、ナットは、内周面に軸方向に沿って形成された嵌合溝を有し、駒部材は、ナットの嵌合溝に嵌合すると共に、凹凸部がねじ軸のねじ溝とねじ山の少なくとも一方に嵌合することで、駒部材がナットに対して相対的に位置決めされる構成であればよく、例えば、駒部材の循環部を、循環溝によって構成する代わりに、循環孔によって構成してもよい。
10 駒式ボールねじ
11 ねじ軸
12a,14 ねじ溝
13 ナット
15 嵌合溝
16 駒部材
22 転動路
17 凹凸部
17d シール部
19 循環溝(循環部)
19a 循環溝の一端
19b 循環溝の他端
20 案内部
23 循環路

Claims (6)

  1. 外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、
    前記ねじ軸の周囲に配置され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、
    対向する前記両ねじ溝により形成される転動路に収容された複数のボールと、
    前記転動路の一端から他端へと循環する前記ボールが転動するための循環溝を備えた駒部材と、
    を備えた駒式ボールねじにおいて、
    前記循環溝は、前記駒部材の外面側に形成され、
    前記駒部材の前記循環溝と前記ナットの内周面とにより、トンネル状の循環路が形成され、
    前記駒部材の内面側には、前記ねじ軸のねじ溝とねじ山の少なくとも一方に摺動自在に嵌合する凹凸部が形成され、前記凹凸部が前記ねじ軸のねじ溝とねじ山の少なくとも一方に嵌合することで、前記駒部材が前記ナットに対して相対的に位置決めされるとともに、
    前記駒部材の軸方向端部には、前記ねじ軸のねじ溝に摺接するシール部が形成されていることを特徴とする駒式ボールねじ。
  2. 前記シール部の端面の法線と、前記ねじ溝の螺旋方向との角度θが0°<θ<60°の範囲で面取りされていることを特徴とする請求項1に記載の駒式ボールねじ。
  3. 前記駒部材の内面側には、前記ねじ軸のねじ溝とねじ山の少なくとも一方に摺動自在に嵌合する凹凸部が形成され、
    前記ナットは、内周面に軸方向に沿って形成された嵌合溝を有し、
    前記駒部材は、前記ナットの前記嵌合溝に嵌合すると共に、前記凹凸部が前記ねじ軸のねじ溝とねじ山の少なくとも一方に嵌合することで、前記駒部材が前記ナットに対して相対的に位置決めされ、且つ、
    前記トンネル状の循環路は、前記駒部材の前記循環溝と前記ナットの前記嵌合溝とにより形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の駒式ボールねじ。
  4. 前記嵌合溝は、断面略円弧状に形成され、
    前記駒部材の外面側には、該嵌合溝の形状に対応した断面略円弧状の突部が形成され、
    前記循環溝は、前記突部を円周方向に亘って横切るように形成されることを特徴とする請求項3に記載の駒式ボールねじ。
  5. 前記駒部材は、前記循環溝の一端と他端の少なくとも一方に、前記ボールを前記転動路から前記循環路へすくい上げる案内部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の駒式ボールねじ。
  6. 外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、
    前記ねじ軸の周囲に配置され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、
    対向する前記両ねじ溝により形成される転動路に収容された複数のボールと、
    前記転動路の一端から他端へと循環する前記ボールが転動するための循環部を備えた駒部材と、
    を備えた駒式ボールねじにおいて、
    前記循環部は、前記駒部材の外面側に形成され、
    前記駒部材の内面側には、前記ねじ軸のねじ溝とねじ山の少なくとも一方に摺動自在に嵌合する凹凸部が形成され、
    前記ナットは、内周面に軸方向に沿って形成された嵌合溝を有し、
    前記駒部材は、前記ナットの前記嵌合溝に嵌合すると共に、前記凹凸部が前記ねじ軸のねじ溝とねじ山の少なくとも一方に嵌合することで、前記駒部材が前記ナットに対して相対的に位置決めされ、前記駒部材の軸方向端部には、前記ねじ軸のねじ溝に摺接するシール部が形成されていることを特徴とする駒式ボールねじ。
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