JP2015224345A - Mw分布および尿素のカルバミル化の副産物を制御するための給水方法 - Google Patents

Mw分布および尿素のカルバミル化の副産物を制御するための給水方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリウレタン製造において使用するためのポリカルバメートを作製する方法を提供する。
【解決手段】流体形態にあるa)尿素を短油または中油アルキドポリオールなどのb)アルキドポリオールを含有する反応媒体に供給して反応混合物を形成し、次いで、1つ以上のc)カルバミル化触媒の存在下で、反応混合物に給水しながら反応混合物を加熱することによってアルキドポリオールをカルバミル化することによって、ポリカルバメートを作製する。ポリカルバメートは、第2の成分としてポリアルデヒドまたはそのアセタールもしくはヘミアセタールと合わされると、実質的にイソシアネートを含まず、0℃〜80℃未満の温度で硬化して架橋ポリウレタンを形成する多成分組成物を作製する。
【選択図】なし

Description

本発明は、流体形態にあるa)尿素またはアルキルカルバメートを、b)アルキドポリオール、好ましくは、短油または中油アルキドポリオールを含む反応媒体に供給して反応混合物を形成することと、アルキドポリオールをカルバミル化することと、次いで、好ましくは、ジブチル酸化スズなどの、1つ以上のカルバミル基移転触媒の存在下で、反応混合物に給水することとを含む、ポリウレタンの作製において使用するためのポリカルバメートを作製する方法に関する。
ポリウレタンはポリマーとして広く用いられており、カルバメート結合の繰り返し単位を有する有機骨格から成る。ポリウレタンは、化学式(A):−O−C(=O)−N<のカルバメート基を含有する繰り返し単位を含む。ポリウレタンは、(ポリ)イソシアネートから作製され得るが、そのような(ポリ)イソシアネートは、およびポリウレタン中の残留イソシアネートさえも、多くの健康および安全性に対する懸念を生んでいる。
イソシアネートを含まないポリウレタン組成物は、イソシアネートおよびそれらの残留物から生じる健康および安全性に対する懸念を解決するために求められてきた。周知のイソシアネートを含まないポリウレタンは、効果的な硬化を達成して、架橋ポリウレタンを得るためには、80℃を超える硬化温度で硬化されなければならない。既存技術のイソシアネートを含まないポリウレタン調製における高い硬化温度の不足は、周囲温度、例えば、室温(例えば、20℃〜30℃)で硬化することを必要とする床、家具、自動車、産業扶助、および接着剤用途での使用を妨げる。さらに、周知のイソシアネートを含まないポリウレタン組成物は、不必要な揮発性有機化合物(VOC)副産物を生成することがある。
最近、ポリウレタンは、ポリアルデヒドなどの共反応樹脂を用いて、ポリオールおよびアルキルカルバメートまたはポリカルバメートから生成されてきた。そのようなポリウレタンは、実質的にイソシアネートを含まない。しかしながら、そのようなポリカルバメートは、安全かつ効率的に作製するのが困難であることも証明されている。例えば、アルキドからポリカルバメートを作製するための周知のカルバミル基移転法は、アルキドポリオールを含有する様々なポリアルコールを使用して実施することができる。しかしながら、そのようなカルバミル基移転法は、不必要な樹脂分岐および分子量(MW)制御の問題をもたらす。深刻な場合では、結果として生じる生成物は、溶剤中に溶けず処分されなければならないミクロゲルを形成する。さらに、残留尿素、ビウレット、シアヌル酸、ポリアロファネートおよびフタルイミドは、ポリカルバメート生成物中に存在する副産物であり、不純物とみなされる。そのような不純物は、使用または適用中に反応することがあり、望ましくない。
Andersonらに対する米国特許第8,653,174B2号は、実質的にイソシアネートを含まず、1つの成分としてポリカルバメート、および第2の成分としてポリアルデヒドまたはそれらのアセタールもしくはヘミアセタールを含み、2つの成分が0℃〜80℃未満の温度で硬化して架橋ポリウレタンを形成する多成分組成物を開示する。Andersonは、ポリカルバメートを作製するためのポリオールのカルバミル基移転を開示する。しかしながら、Andersonは、アルキドポリオールをカルバミル基移転する際に生じる望ましくない分子量増加または不純物を解決できない。
本発明者は、アルキドポリオールからポリカルバメートを作製することにおける、望ましくない粘度上昇または分子量(MW)増加、および不必要な残留不純物の問題を解決しようとしてきた。
1.本発明に従って、メチルカルバメートなどの、流体形態にある1つ以上のa)尿素またはアルキルカルバメートを1つ以上のb)アルキドポリオール、好ましくは、短油または中油アルキドポリオールを含有する反応媒体に供給して反応混合物を形成し、次いで、好ましくは、ジブチル酸化スズなどの1つ以上のc)カルバミル化触媒の存在下で、反応混合物に給水しながら反応混合物を加熱することによってアルキドポリオールをカルバミル化して、ポリウレタンの作製において使用するためのポリカルバメートを作製する方法。
2.b)アルキドポリオールのうちの少なくとも1つがヒドロキシル価50〜250、または、好ましくは100〜225のヒドロキシル基を有する、上記1の方法に従った方法。
3.b)1つ以上のアルキドポリオールのうちの少なくとも1つは、1つ以上のモノカルボン酸油と、2つ以上のカルボン酸を有する1つ以上のポリカルボン酸と、塩もしくはハロゲン化物基またはそれらの無水物と、エリスリトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、またはトリメチロールエタンなどの3つ以上、好ましくは3〜5つのヒドロキシル基を有する1つ以上のポリアルコールとの反応生成物である、上記1または2の方法に従った方法。
4.b)アルキドポリオールのうちの少なくとも1つを作製するために使用される1つ以上のモノカルボン酸油が、オレイン酸、ラウリン酸、ヤシ油、ヒマワリ油、およびそれらの混合物から選択される、上記3の方法に従った方法。
5.1つ以上のa)尿素またはアルキルカルバメートが、尿素、ビウレット、トリウレット、N−メチル尿素またはN−エチル尿素などのN置換C〜Cアルキル尿素、およびそれらの混合物から選択される尿素である、上記1、2、3、または4の方法に従った方法。
6.反応混合物中の1つ以上のb)アルキドポリオールにおける、a)尿素またはアルキルカルバメートの総モルとヒドロキシル基の総モル数とのモル比が、0.1:1〜2.0:1、または、好ましくは、0.4:1〜1.0:1の範囲である、上記1、2、3、4、または5の方法に従った方法。
7.流体形態にある1つ以上のa)尿素およびアルキルカルバメートが、水中5〜80重量%、好ましくは、30〜50重量%の溶液として、反応媒体に供給される、上記1〜6のいずれかの方法に従った方法。
8.給水が、反応混合物を形成するために1つ以上のa)尿素またアルキルカルバメートの供給終了後、最大8時間、または0〜8時間で、好ましくは、0〜4時間後に開始する、上記1、2、3、4、5、6、または7のいずれかの方法に従った方法。
9.反応混合物への給水率が、反応混合物中の固体の総重量基準で、2〜20重量%/時間、好ましくは、1.5〜4重量%/時間の範囲である、上記1、2、3、4、5、6、7または8の方法に従った方法。
10.カルバミル化が、総反応時間8〜40時間、好ましくは18〜30時間の範囲で継続する、上記1、2、3、4、5、6、7、8、または9の方法に従った方法。
11.好ましくは反応混合物のカルバミル化中に、反応混合物を共沸蒸留することをさらに含む、上記1〜10の方法のいずれかに従った方法。
12.反応混合物が、c)1つ以上の触媒をさらに含有する、上記1〜11の方法のいずれかに従った方法。
13.反応混合物の加熱が、反応混合物の温度を100〜180℃、または、好ましくは130〜165℃に上昇させる、上記1〜12の方法のいずれかに従った方法。
別の様態において、本発明は、第1の成分として本発明のポリカルバメート、および第2の成分として2つ以上のアルデヒドまたはアセタールもしくはヘミアセタール基を有する1つ以上のポリアルデヒドまたはそれらのアセタールもしくはヘミアセタールを含有する7.0以下のpHを有する、実質的にイソシアネートを含まない多成分組成物を提供し、該他成分組成物は、第1および第2の成分が組み合わされるときに0℃〜80℃未満の温度で硬化して架橋ポリウレタンを形成するように、ルイス酸または5.0未満のpKaを有する酸などの、有効量の1つ以上の誘発剤をさらに含有する。
本発明の組成物の第2の成分中における、1つ以上のポリアルデヒド、それらのアセタールもしくはヘミアセタールは、25℃で0.1ミリリットルの水に対して0.15グラム未満のポリアルデヒドの水への溶解度を有し得、好ましくは、(シス,トランス)−1,4−シクロヘキサンジカルボンアルデヒド、(シス,トランス)−1,3−シクロヘキサンジカルボンアルデヒド、およびそれらの混合物から選択されるものなどの、環状脂肪族ポリアルデヒドである。あまり好ましくないのは、グリオキサールまたはグルタルアルデヒドなどの、より水溶性の高いポリアルデヒドである。
依然として別の様態において、本発明は、本発明の方法によって調製される架橋ポリウレタンを提供する。
本明細書において使用される場合、「アルキド」という用語は、長鎖脂肪酸、それらに付随するトリグリセリド、およびそれらの混合物などの、1つ以上のモノカルボン酸と、1つ以上のポリアルコールおよび1つ以上のポリカルボン酸またはそれらの無水物を反応させることから生成されるポリエステルを意味する。「油性アルキド樹脂」という用語は、飽和もしくは不飽和脂肪酸またはそれらに付随するトリグリセリドの添加によって変えられたポリエステルを意味する。「オイルフリーアルキド樹脂」という用語は、飽和モノカルボン酸の添加によって変えられたポリエステルを意味する。
本明細書において使用される場合、「乾性アルキド樹脂」という用語は、アマニ油などの多価不飽和脂肪酸またはトリグリセリド(乾性油)から作製され、空気酸化または自動酸化乾燥によって乾燥させることができる、アルキドを意味する。乾性アルキドは、通常、コーティングまたはインクの塗膜形成要素として使用される。
本明細書において使用される場合、「非乾性アルキド樹脂」という用語は、ヤシ油などの非乾性モノカルボン酸油から作製されるアルキドを意味する。非乾性アルキドは、それらのヒドロキシル官能基を介して架橋され、塗膜形成要素の一部となり得る。
本明細書において使用される場合、アルキド樹脂の「油長」を意味する用語、例えば、短油、中油、または長油アルキドは、全固形分基準で、アルキド中の脂肪酸またはトリグリセリドの重量パーセントにてアルキド樹脂中の油または脂肪酸の割合について言及するものである。アルキド樹脂は、以下のように分類される:「超長」は70%超え、「長」は56〜70%、「中」は46〜55%、および「短」は45%以下である。
本明細書において使用される場合、反応混合物中のアルキドポリオールの「ヒドロキシル基のモル数」という用語は、使用されるそれぞれのアルキドポリオールの質量の総数をアルキドポリオールのヒドロキシル等価重量で割ったもの(OHEW)について言及するものである。任意の所与のアルキドポリオールのOHEWは、56,100(g/モルKOH)をmgアルキドポリオール/gKOHでのそのアルキドポリオールのヒドロキシル価で割ったものに等しい。つまり、ヒドロキシル価100を有する各10gのアルキドポリオールおよびヒドロキシル価250を有するアルキドポリオールを含有する反応混合物中のアルキドポリオールのヒドロキシル基のモル数は、10/(56100/100)+10/(56100/250)または10/560+10/224.4または(0.178+0.446)または0.624モルOHに等しい。
本明細書において使用される場合、アルキドポリオールの「ヒドロキシル価」または「OH数」という用語は、グラムポリオールごとの水酸化カリウム(KOH)のミリグラム数(mgKOH/gアルキドポリオール)として表され、試薬としてテトラヒドロフラン(THF)内で4−(ジメチルアミノ)ピリジン触媒およびTHF内で無水酢酸、および滴定剤としてメタノール内で1N KOHを使用して室温で実施されるASTM D4274−11(Standard Test Methods for Testing Polyurethane Raw Materials: Determination of Hydroxyl Numbers of Polyols(2011) Test Method A)に示される滴定法に従うことによって決定される、グラムポリオールごとの水酸化カリウム(KOH)のミリグラムにおける量(mgKOH/gポリオール)を意味する。
本明細書において使用される場合、「周辺温度硬化性」という用語は、0℃〜80℃未満で化学変化過程において反応することができることを意味する。
本明細書において使用される場合、「硬化」という用語は、化学変化に有効な条件下にさらされること、またはそのような条件下での化学変化を意味する。
本明細書において使用される場合、「硬化温度」という用語は、本発明の周辺温度硬化性組成物を本発明の架橋ポリウレタンに化学変化させるのに有効な加熱または冷却の程度を意味する。
本明細書において使用される場合、「多成分組成物」という用語は、それぞれが少なくとも1つの原料を有する、2つ以上の成分を含有する組成物を意味する。
本明細書において使用される場合、「ポリアルデヒド」という用語は、2つ以上のアルデヒド基もしくはそれらの水和物、アセタール、またはヘミアセタールを含有する分子を意味し、該分子は、本発明の架橋ポリウレタンを形成するように、本発明の硬化ステップ中にポリカルバメートと反応することができる。アルデヒド基は、本明細書においては、−C(=O)Hまたは−CHOとして記載されることがある。「ポリアルデヒド」は、本明細書においては、アルデヒドモノマーを自己重合することによって作製される重合物質を意味するために使用されない。
本明細書において使用される場合、「ポリカルバメート」という用語は、2つ以上のカルバメート基(HNC(=O)O−)を含有する分子を意味し、該分子は、ポリウレタンを形成するように、硬化中にポリアルデヒドと反応することができる。
本明細書において使用される場合、「カルバメート基の平均数」という用語は、ポリカルバメートのカルバメート等価重量で割ったポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される、所与のポリカルバメートの総数平均分子量を意味する。
本明細書において使用される場合、固形分に対する「カルバメート等価重量」(CEW)は、以下の式を使用して計算される:
CEW=(OHEWポリオール+(43×カルバメート転化率))÷カルバメート転化率、式中、「カルバメート転化率」という用語は、以下の式を使用して決定される割合である:
カルバメート転化率=(OH#ポリオール−OH#ポリカルバメート)÷OH#ポリオール
カルバメート転化率は、100%で乗じられるときにはパーセンテージで表現されることがあることに留意する。
本明細書において使用される場合、「溶剤/希釈剤」という用語は、本明細書において使用される場合、全ての従来の無極性もしくは極性の有機溶剤および希釈剤、例えば、アルカン(例えば、(C6−C12)アルカン)、エーテル(例えば、(C2−C12)ジアルキルエーテル)、脂肪族エステル(例えば、(C2−C12)カルボキシエステル)、脂肪族ケトン(例えば、(C3−C12)ケトン)、第二もしくは第三カルボアミド(例えば、第二もしくは第三(C3−C12)カルボアミド)、スルホキシド(例えば、(C2−C12)スルホキシド)、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、それらの混合物、および揮発油とそれらの混合物など、を含有する。
本明細書において使用される場合、「実質的にイソシアネート基を含まない」または「実質的にイソシアネートを含まない」イソシアネート基という用語は、組成物中のカルバメート基とイソシアネート基の総モル数基準で、5モルパーセント(モル%)未満、好ましくは、3モル%未満、またはより好ましくは、1モル%未満、およびさらにより好ましくは、0.1モル%未満の−N=C=O基(すなわち、イソシアネート基)を有することを意味する。
本明細書において使用される場合、「実質的にホルムアルデヒドを含まない」という用語は、ポリアルデヒド固形分の重量基準で、500ppm未満である。
本明細書において使用される場合、「全固形分」または「固形分」という用語は、樹脂、反応物質、および、触媒を含む全ての非揮発性添加剤または原料、について言及し、固形分は水または溶剤を含まない。
別途明記されない限り、圧力および温度の全ての単位は、標準圧力および室温について言及する。
別途明記されない限り、全ての範囲は、包括的かつ組み合わせ可能であり、例えば、0.5重量%〜90重量%、または、好ましくは、最大で60重量%、および、より好ましくは、最大で50重量%、加えて、好ましい最小量が少なくとも1重量%、または、より好ましくは、少なくとも2重量%と明記される範囲は、0.5重量%〜90重量%、0.5〜60重量%、または、0.5〜50重量%、または、1〜90重量%、または、好ましくは、1〜60重量%、または、好ましくは、2〜60重量%、または、好ましくは、1〜50重量%、または、より好ましくは、2〜50重量%の範囲に読める。
頭字語「ANSI」は、アメリカ、ワシントンD.Cに本部を置く機関の名前、アメリカ規格協会(American National Standards Institute)を表す。頭字語「ASTM」は、アメリカ、ペンシルバニア州ウェストコショホッケンに本部を置く機関の名前、ASTMインターナショナル(ASTM International)を表し、ASTMインターナショナルは、以前、米国材料試験協会(American Society for Testing and Materials)として知られていた。頭字語「ISO」は、スイス、ジェノバ20に本部を置く機関の名前、国際標準化機構(International Organization for Standardization)を表す。
本発明は、アルキドポリオールからのポリカルバメート生成の改善した制御、および望まない残留化学物質の容量削減を可能にする。任意の周知の方法において、一定の比率、または線形もしくは非線形的に変化する比率での、アルキドポリオールおよび尿素またはアルキルカルバメートの反応混合物への給水は、尿素(もしあれば)などの残留物を加水分解し、ビウレットおよびアロファネートを含有する他の不純物を減らすことが分かっている。さらに、本発明の反応混合物への給水は、本発明の反応において形成される生成物ポリカルバメート中の望まない分子量増加を抑える。本発明の方法は、制御された粘度を有するポリカルバメートを提供する。そのようなポリカルバメートは、水への耐性および水浸透を有するコーティングを提供する架橋ポリウレタン、並びに密封剤、接着剤、および、発泡体などの製品など、強固なポリウレタンの作製に有益である。
本発明のポリカルバメートは、1つ以上のb)短油または中油アルキドポリオールの反応混合物を1つ以上のa)尿素またはアルキルカルバメートと反応させることによって、調製される。本方法は、流体形態にある1つ以上のa)尿素またはアルキルカルバメートを、バルク形態にある、または溶剤に溶解または分散した、1つ以上のb)アルキドポリオールを含有する反応媒体に供給して反応混合物を形成し、続いて、反応混合物に一時の間給水することを含む。
流体形態にある1つ以上のa)尿素またはアルキルカルバメートを1つ以上のアルキドポリオールを含有する反応媒体に供給するための総供給時間は、1〜16時間、例えば、1.5〜10時間の範囲であり得、給水が始まる前または始まる時に止められる。
本発明の方法は、b)アルキドポリオール、および流体形態にある1つ以上のa)尿素またはアルキルカルバメートを含有する反応混合物中の1つ以上のb)アルキドポリオールを、反応混合物に給水しながら反応混合物を加熱することによって、カルバミル化することを含む。
本発明の方法に従って、反応混合物の加熱は、反応混合物の温度を100〜180℃、または、好ましくは、130〜165℃まで上昇させる。反応混合物の望ましい温度は、使用される溶剤に依存する。100℃より下または130℃より下の温度で沸騰する(1気圧の蒸気圧を生じる)溶剤には、より低い温度が使用される。より高い反応温度は、芳香族炭化水素など、揮発性の低い溶剤を追い出すのに役立つ。
本発明の方法に従って、カルバミル化の起こる総反応時間は、8〜40時間、または、好ましくは、18〜30時間の範囲であり得る。
好ましくは、本発明の方法で使用される反応時間は、反応物質固形分基準で、ポリカルバメートの最も高い産出量を獲得するために必要とされるできるだけ短い総反応時間である。これは、加熱時間が長くなるほど、分岐および制御されていない分子量増加をより多く引き起こすからである。給水は、給水がない場合よりも短い反応時間を可能にする。
反応は、例えば、連続的なループ型反応装置、または1つ以上の脱揮装置もしくはコンデンサを備えた釜であり得る、任意の周知の好適な反応槽または装置内で起こり得る。
本発明の方法は、好ましくは、反応混合物を共沸蒸留することをさらに含む。共沸混合物は、使用される反応混合物に依存して、溶剤またはキャリアとして使用されることができる。好ましくは、共沸混合物は、共沸混合物から作成された反応混合物内で使用される同じa)尿素およびb)アルキドポリオールのカルバミル化の再生のための溶剤として使用されることができる。例えば、蒸留物は、連続的なデカンタ内で分離される相、および反応装置に戻されるキシレン相であり得る。
該方法は、反応混合物を共沸蒸留しながらカルバミル化すること、および、不純物の除去を促進するために窒素または不凝縮性ガス散布を使用することを含むことができる。
好ましくは、カルバミル化は、少なくとも部分真空条件下で実施され、それによって不凝縮性ガスを使用せずにアンモニアを取り除くために内部沸騰または乖離作用を生じさせる。尿素供給内の水は、溶剤、例えば、o−キシレン、を使用して共沸蒸留され、それによって反応装置から出る凝縮した蒸気内のアンモニアの除去を促進する。
反応混合物を共沸蒸留することは、沸騰作用によって生じる真空乖離作用を促進するために非常にゆっくりとしたガス散布を含む可能性がある。例えば、400〜450トールの適用される真空、および非常にゆっくりとした窒素ガスの散布率(0.3〜0.5sccm)は、より高い率(20sccm)での窒素散布のみ(真空なし)での同じ反応と比べ、アルキルカルバメート副生物を75%減少させた。
より好ましくは、カルバミル化中に真空条件下で反応混合物を共沸蒸留することは、より効果的なアンモニア除去を促進し得る、尿素添加が完了した後にゆっくりと水を供給することをさらに含む。同様に、蒸留物相からアンモニアを濃縮および吸収するため、および反応装置内に存在する微量尿素を溶解するため、逆流散水(接触型コンデンサ)が用いられ得る。
本発明のアルキドポリオールを作製するための1つ以上のa)尿素として好適な化合物は、尿素そのもの、チオ尿素、ビウレット、トリウレット、Nメチル尿素もしくはNエチル尿素などの低い毒性を有するNアルキル置換尿素、および尿素包接化合物のいずれかであり得る。置換尿素は、Sandorらに対する米国特許第4,410,697A号に開示されるように、従来の方法によって作製されることができる。尿素包接化合物(urea inclusion compound)としても知られる尿素包接化合物(urea clathrate)は、“Supramolecular Chemistry” John Wiley & Sons,Jonathan w.Steed,Jerry L.Atwood,pp.393−398、およびHarris,K.D.M.,“Fundamental and Applied Aspects of Urea and Thiourea Inclusion Compounds”,Supramol.Chem.2007,19,47−53に記載されるような構造体を有し得る。
流体形態にあるa)尿素は、任意の周知の方法で、例えば、水および有機アルコールから選択される1つ以上の溶剤中にそれを溶解することによって、またはそれを分散することによって、得られる液体尿素であり得る。a)尿素は、パラフィンまたはシクロパラフィンなどの包接化合物中に溶解または懸濁され得、加熱によって流体の状態にされ得る。
アルキドポリオールを作製するための1つ以上のa)アルキルカルバメートとして好適な化合物は、メチルカルバメートなどの、任意の周知のアルキルカルバメートであり得る。
a)アルキルカルバメートは、溶剤または融液中の溶解または分散などの、任意の流体形態であり得る。
好適な本発明のb)アルキドポリオールは、1つ以上のモノカルボン酸油と、1つ以上のポリカルボン酸を有する2つ以上のカルボン酸と、塩もしくはハロゲン化物基またはそれらの無水物と、および3つ以上、好ましくは3〜5つのヒドロキシル基を有する1つ以上のポリアルコールとから形成され得る。好適なモノカルボン酸油は、任意の脂肪酸/トリグリセリド、飽和モノカルボン酸、またはそれらの混合物を含み得る。そのような油は、乾性(多価不飽和)または非乾性、好ましくは非乾性油であり得る。
本発明の任意のアルキドポリオールを作製することに使用するための好適なモノカルボン酸油またはそれらの対応するトリグリセリドの例は、例えば、アビエチン酸と、安息香酸と、tert−ブチル安息香酸と、カプロン酸と、カプリン酸と、アクリル酸と、メタクリル酸と、クロトン酸と、イソ−クロトン酸と、2−エチルヘキサン酸と、2−プロピルヘプタン酸と、ヒマシ脂肪酸またはヒマシ油、ヤシ脂肪酸またはヤシ油、綿実脂肪酸または綿実油、ラウリン酸、リノール酸、オレイン酸、ペラルゴン酸、アラキドン酸、エルパノドン酸、大豆脂肪酸または大豆油、トール油脂肪酸、サフラワー脂肪酸またはサフラワー油、アマニ脂肪酸またはアマニ油、ヒマワリ脂肪酸またはヒマワリ油、リノレン酸、エレオステアリン酸、キリ油、ケシ油、エゴマ油、オイチシア油、魚油、脱水ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸、アーモンド油、バッサウ(bassau)油、ココアバター油、マカデミア油、オリーブ油、ピーナッツ油、および/またはナハールシード油などのC12〜C32エチレン性不飽和脂肪酸とを含有し得る。
本発明のアルキドポリオールを作製するためのモノカルボン酸油は、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、トリヒドロキシメチル酢酸、ジヒドロキシメチル吉草酸、ジヒドロキシプロピオン酸、ヘプタン酸、クエン酸、酒石酸、ジヒドロキシマロン酸、グルコン酸、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシプロピオン酸および/またはヒドロキシピバル酸などの、しかしこれらに限定されることのない、少なくとも1つのヒドロキシ官能性カルボン酸を、好適にさらに含有し得る。
本発明のアルキドポリオールを作製するための好適なポリカルボン酸は、例えば、任意の1つ以上の脂肪族、環状脂肪族もしくは芳香族ポリカルボン酸またはそれらの対応する無水物、アルキルエステル、または、例えば、o−フタル酸もしくは無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸もしくは無水物、ピロメリット酸もしくは無水物、1,2−シクロヘキサン−ジカルボン酸もしくは無水物、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸もしくは無水物、リンゴ酸、マレイン無水物、フマル酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸もしくは無水物、酒石酸、カプロン酸クエン酸、セバシン酸、イタコン酸、シトラコン酸、それらの混合物、およびそれらのラセミ化合物などの2つ以上のカルボキシル、カルボン酸塩、またはハロゲン化アシル基を有するハロゲン化物であり得る。
本発明のb)アルキドポリオールを作製するための好適なポリアルコールは、例えば、3つ以上のヒドロキシル基または2つ以上のヒドロキシル基を有する任意のポリアルコールを持つポリアルコールを含有する混合物を有する、任意の線状もしくは分岐状脂肪族、環状脂肪族または芳香族ポリアルコールを含有し得る。それらのヒドロキシル基の数にかかわらず、そのようなポリアルコールは、ポリエステルポリアルコール、ポリエーテルポリアルコール、アルキレングリコール、1,4−ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリ(アルキレン)グリコール、2−アルキル−1,3−プロパンジオールまたはそれらのダイマー、トリマーもしくはポリマー、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオールまたはそれらのダイマー、トリマーもしくはポリマー、ポリカーボネートポリオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、および/または、ポリメソキシル化、ポリエトキシル化、および/または、ポリプロポキシル化などのポリアルコキシル化された任意のポリアルコールなどの糖アルコールから選択され得る。この段落における「アルキル」という用語は、本明細書においては、好ましくは、C−Cである。
本発明の1つ以上のb)短油または中油アルキドポリオールが遊離したヒドロキシル基を確実に有するように、短油または中油アルキドは、総ヒドロキシル官能基が総カルボキシル、塩、またはハロゲン化アシル官能基を超えて、好ましくは、3:1〜1:1、または、より好ましくは2.5:1〜1.5:1の割合で有する、反応物質から常に形成される。
カルバミル化するための好適な1つ以上のc)触媒は、例えば、任意の1つ以上のジブチルスズオキシド、ジブチルスズアセタートと、Ti(IV)イソプロポキシド、Ti(IV)アセチルアセトネート、Ti(IV)2−エチルヘキシルオキシド、チタン酸テトラブチル、Ti(IV)ブトキシイソプロポキシ、Ti(IV)オキシアセチルアセトネート、Ti(IV)ビス(アセチルアセトネート)ジクロライド、Ti(IV)ジイソプロポキシドビス(アセチルアセトネート)、およびクロロトリイソプロポキシチタン(IV)Zr(IV)アセチルアセトネートのような、チタン(IV)含有化合物およびジルコニウム(IV)含有化合物、などの触媒を含有する四価金属、Zr(IV)2−エチルヘキサン酸、Zr(IV)n−ブトキシド、Zr(IV)プロポキサイド、Zr(IV)オクトエート、Zr(IV)テトラキス(トリフルオロメタンスルホナート)、ZrOCl、Zr(OH)、およびZr(IV)カルボキシエチルアクリレートと、マンガン(II)または亜鉛(II)、カルシウム(II)、マグネシウム(II)、鉛(II)、コバルト(II)およびバリウム(II)を含有する触媒などの触媒を含有する二価金属、例えば、Mn(II)アセチルアセトネート、Mn(II)2−エチルヘキサン酸、Mn(II)ビス(トリフルオロメタンスルホナート)、炭酸マンガン、Mn(ClO、ハロゲン化マンガン、水酸化マンガン(II)および酸化マンガン(II)と、亜鉛アセチルアセトネート、Zn(エチルヘキサン酸)、Zn(II)トリフラート、トリフルオロ酢酸亜鉛水和物、酸化亜鉛、ハロゲン化亜鉛、水酸化亜鉛およびハロゲン化水酸化亜鉛と、Ca(II)アセチルアセトネート、Ca(II)(エチルヘキサン酸)、Ca(II)ビス(トリフルオロメタンスルホナート)、炭酸カルシウム、Ca(ClO4)、ハロゲン化カルシウム、水酸化カルシウム、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、カルシウムイソプロポキシドおよび酸化Ca(II)と、Mg(II)アセチルアセトネート、Mg(II)(エチルヘキサン酸)、Mg(II)ビス(トリフルオロメタンスルホナート)、炭酸マグネシウム、Mg(ClO4)2、ハロゲン化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムエトキシド、マグネシウムブトキシド、および酸化Mg(II)と、Pb(II)アセチルアセトネート、Pb(II)(エチルヘキサン酸)、Pb(II)トリフルオロメタンスルホナート、水酸化Pb(II)、ハロゲン化鉛(II)および酸化Pb(II)と、Co(II)アセチルアセトネート、Co(II)(エチルヘキサン酸)、Co(II)トリフルオロメタンスルホナート、ハロゲン化コバルト(II)、水酸化コバルト(II)および酸化コバルト(II)と、Ba(II)アセチルアセトネート、Ba(II)(エチルヘキサン酸)、Ba(II)ビス−(トリフルオロメタンスルホナート)、炭酸バリウム、Ba(ClO、水酸化バリウムおよび酸化ba(II)と、ビスマス(III)(「Bi(III)」)、アルミニウム(III)(「Al(III)」)、イッテルビウム(III)(「Yb(III)」)、イットリウム(III)(「Y(III)」)、鉄(III)(「Fe(III)」)、ランタン(III)(「La(III)」)、サマリウム(III)(「Sm(III)」)およびルテニウム(III)(「Ru(III)」)を含有する触媒などの触媒を含有する三価金属、例えば、ビスマス(III)アセタート、Fe(III)トリス(2−エチルヘキサン酸)、酸化Fe(III)、Fe(III)イソプロポキシド、塩化Fe(III)および臭化Fe(III)、とを含み得る。Fe(III)トリス(2−エチルヘキサン酸)、酸化Fe(III)、Fe(III)イソプロポキシド、塩化Fe(III)および臭化Fe(III)。
1つ以上の好適なc)触媒は、総反応混合物固形分基準で、0.0001重量%〜3重量%、または、好ましくは、0.1重量%〜0.8重量%の総量で使用され得る。
本発明の多成分組成物は、本発明の1つ以上のポリカルバメートおよび1つ以上のポリアルデヒドを含有する。
本発明の多成分組成物を作製するための好適なポリアルデヒドは、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のアルデヒド基を有し得る。3つのアルデヒド基を有するポリアルデヒドは、本明細書内で「トリアルデヒド」として言及される。ポリアルデヒドは、20を超える炭素原子を有するポリアルデヒドは11炭素原子ごとに少なくとも1つのアルデヒド基を有するという条件で、2〜100の炭素を有するいかなるものであり得る。発明のポリアルデヒドは、実質的にホルムアルデヒドを含有しない。
好適なポリアルデヒドは、2〜16の炭素原子を有するもの、または、48以上の炭素原子を有するマルチオレフィン含有脂肪酸トリグリセリドなどの脂肪酸エステルまたはシード油から作製される実質的に不水溶性のマルチオレフィン含有化合物をヒドロホルミル化することによって調製される、16の炭素原子を有するものなどの、1つ以上の非環状、直線状もしくは分岐状ポリアルデヒドを含有し得る。
本発明の1つ以上のポリアルデヒドは、閉鎖されていない、および保護されていない場合、または、閉鎖されている、および保護されている場合がある。
好ましくは、本発明のポリアルデヒドは、例えば、3〜20の環炭素原子、または、好ましくは、5〜12の環炭素原子を有する環状脂肪族ポリアルデヒドなど、1つ以上の環状脂肪族ポリアルデヒドまたは1つ以上の芳香族ポリアルデヒドを含有する。
本発明の多成分組成物、周辺温度硬化性組成物、または双方は、単独で、1つ以上の追加原料をさらに含有し得る。追加原料の例は、組成物中の固形分の総重量基準で0.1重量パーセント(重量%)〜≦90重量%の総量で1つ以上の有機溶剤と、1つ以上の誘発剤と、水もしくは低級アルカノールなどの1つ以上の硬化阻害剤または極性プロトン性添加剤と、組成物中の固形分の総重量基準で0.01重量%〜≦10重量%の総量で、例えば、カルボン酸無水物、ハロゲン化カルボン酸(例えば、塩化アセチル)、およびハロゲン化スルホン酸(例えば、塩化トルエンスルホニル)などの1つ以上の脱水剤と、ならびに界面活性剤、分散剤、湿潤剤、接着促進剤、紫外線(UV)吸収剤、光安定剤、1つ以上の着色剤、顔料、増量剤または染料、および抗酸化剤のいずれか、とが挙げられる。
好適な顔料は、TiO2、油煙、酸化鉄と、および酸化銅などの酸化有色金属とを含み得る。好適な増量剤は、例えば、タルク、炭酸カルシウム、および粘土を含み得る。
本発明に従って、周辺温度硬化性組成物は、本発明の1つ以上のポリカルバメート、1つ以上のポリアルデヒドおよび誘発剤の混合物から本質的になり得る。本発明の好適な誘発剤は、カルバメート基(−O−C(=O)−NH2)のアルデヒド基(−C(=O)H)との反応率を増加させるのに好適ないかなる化合物、物質、材料であり得る。誘発剤の例は、ルイス酸(例えば、三フッ化ホウ素エーテラート)およびプロトン酸(すなわち、ブレンステッド酸)が挙げられる。
誘発剤は、非担持(担体なし)、または担持、すなわち、担体に共有結合されている、場合がある。担持誘発剤の例は、イオン交換型ポリマー樹脂(例えば、エタンスルホン酸、2−[1−[ジフルオロ[(1,2,2−トリフルオロエテニル)オキシ]メチル]−1,2,2,2−テトラフルオロエトキシ]−1,1,2,2−テトラフルオロ−、商標NAFION NR 50(E.I.du Pont de Nemours & Co.,Inc.,Wilmington,DE)で販売される1,1,2,2−テトラフルオロエテンを有するポリマー、およびAMBERLYST 商標 15(The Dow Chemical Company,Midland,Michigan,USA.)として販売されるジエテニルベンゼンを有するスルホン酸ポリマー)の酸性(H+)型などの、担持酸触媒などの担持硬化触媒である。
好ましくは、誘発剤は、6以下のpKaを有し、pKaがプロトン酸の酸解離定数、Kaの10を底とした負対数であることを特徴とすることができるプロトン酸を含有する。それゆえ、本発明の周辺温度硬化性組成物は、7.0以下、好ましくは、pH3〜pH<6のpHを有する。好ましいプロトン酸は、無機プロトン酸または有機プロトン酸である。好ましい無機プロトン酸は、リン酸または硫酸である。好ましい有機プロトン酸は、カルボン酸、ホスホン酸、またはスルホン酸である。好ましいカルボン酸は、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、またはジカルボン酸である。好ましいホスホン酸は、メチルホスホン酸である。好ましいスルホン酸は、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸と、パラトルエンスルホン酸、またはドテシルベンゼンスルホン酸である。好適なルイス酸硬化触媒の例は、AlCl3、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(TEBAC)、Cu(O3SCF3)2、(CH3)2BrS+Br−、FeCl3(例えば、FeCl3.6H2O)、HBF4、BF3.O(CH2CH3)2、TiCl4、SnCl4、CrCl2、NiCl2、およびPd(OC(O)CH3)2である。
誘発剤は、組成物中の総固形分基準で、多成分組成物の0.001重量%〜10重量%、好ましくは多成分組成物の0.1重量%〜5重量%、または、好ましくは多成分組成物の0.1重量%〜2重量%の量で使用され得る。そのような量は、誘発剤の「効果的な量」として本明細書内で言及される。
本発明のポリカルバメートが乾性油から作製される1つ以上のアルキドポリオールの反応生成物を含有する場合、ポリカルバメートを含有する組成物は、通常金属塩の組み合わせであり、当該技術分野において周知であり、市販されている、「乾燥剤(drier)」または「乾燥剤(siccative)」をさらに含有し得る。好適な乾燥剤の例は、(シクロ)脂肪族、天然もしくは合成酸の金属塩、例えば、リンオレイン酸、ナフテン酸および2−エチル−ヘキサン酸などである。コバルト、マンガン、鉛、ジルコニウム、カルシウムおよび亜鉛は、好適な乾燥剤金属である。乾燥剤の混合物も使用されることがある。それらの金属量に関して、乾燥剤は、組成物固形分量に対して、0.001〜3重量%の割合で使用される。
好ましくは、組成物の可使時間と、それらの硬化の際のコーティング乾燥時間もしくはコーティングの硬さ、または双方との相関を低減または削除するため、本発明の多成分組成物は、硬化阻害剤として機能する極性プロトン性添加剤を含有する。極性プロトン性添加剤は、例えば、水またはアルカノール(例えば、(C1−C12)アルカノール)を、多成分組成物中の固形分の総重量基準で、0.5重量%〜90重量%、または、好ましくは、最大で60重量%、および、より好ましくは、最大で50重量%などの、0.01重量%〜≦90重量%で含有し得る。好ましくは、最低限の量は、組成物中の固形分の総重量基準で、少なくとも1重量%、および、依然より好ましくは、少なくとも2重量%である。
本発明の多成分組成物は、架橋ポリウレタンが有益である如何なる場所、例えば、コーティング、密封剤、接着、鋳造部品を含む物品(例えば、自動車用バンパー)、発泡体、およびエラストマー繊維に使用され得る。コーティング組成物は、例えば、内装および外装用途のための化粧塗料、平屋塗料、塗り床材およびニス剤などの透明もしくは半透明の木材塗装、自動車塗装、および電気製品用の焼付けエナメルを含み得る。接着剤は、例えば、周囲温度で硬化することを必要とする、床、家具、自動車、産業扶助および特定の接着剤の用途を含み得る。本発明の組成物は、発泡体などの物品を調製するのに有益であり得る。
本発明のコーティング組成物は、例えば、乾燥剤、および、適切な場合は、溶剤/希釈剤、顔料、染料、充填剤および助剤をさらに含み得る。有利に、本発明のコーティング組成物は、20〜90容量%、好ましくは25〜60容量%の範囲内で固形分量を有し得る。
本発明の多成分組成物を含有するコーティング組成物の顔料の容積濃度(PVC%)は、当該技術分野において知られるように、組成物の最終用途に適用しているべきである。例えば、ニス剤は、ゼロのPVC、高光沢塗料は概して最大約20のPVC、保全塗料は概して10〜30のPVC、および下塗り塗料は20〜60のPVCを有する。
好ましくは、本発明の多成分組成物を使用する方法は、架橋ポリウレタンを含有する塗膜基材を調製するために、組成物を基材の表面の少なくとも一部に適用することと、複合材料の周辺温度硬化性組成物の硬化性コーティングを80℃以下、例えば、30℃以下の硬化温度で硬化することとを含む。
本発明の周辺温度硬化性組成物は、任意の好適な適用手段、例えば、はけ塗り、カレンダリング、ローリング、吹付け、モッピング、鏝塗り、浸漬によって、基材(複数可)の表面に適用されることができる。塗膜される、付着される、または密封される基材は、例えば、平板または圧延板(例えば、円筒)、球形、ビーズ、微細化粒子等を含む任意の形状であり得る。塗膜される、付着される、または密封される基材の表面は、不規則または一定、連続的または非連続的、多孔性または非多孔性、継ぎ目のあるまたは継ぎ目のない、場合がある。
付着される、塗膜される、または密封されるのに好適な基材は、独立して、任意の材料を含むことができる。好適な材料の例は、木材と、木材、合板、木製の薄板、竹および竹薄板、複合板などのリグノセルロース系および木質基材と、地金、および、例えば耐腐食性を与えるために前処理されたまたは下塗りされた金属などの金属と、セラミック、プラスチック、石膏板またはシートロックと、ガラスとがある。代表的な金属基材は、例えば、鋼、アルミニウム、銅、亜鉛、マグネシウム、および、それらの合金を含み得る。組成物の成分は、基材材料の温度許容度に適するように変更されることができる。
好ましくは、本発明のコーティングは、30回以上、より好ましくは、50回以上、依然より好ましくは、70回以上、さらにより100回以上、およびまだより好ましくは、200回を超える(>200)、有機溶剤、すなわち、メチルエチルケトン(MEK)の往復二重摩擦(すなわち、1回の往路摩擦と1回の復路摩擦が1回の二重摩擦に等しい)に対する耐性を示す。
実施例:以下の実施例は本発明を示す:
実施例1−1:アルキドポリオールI合成:アルキドポリオールIを、以下の表1−1に示される材料を反応させることによって合成した。合成を実施するために、温度制御、撹拌、窒素スパージャ、短い蒸留路を備えた丸底ガラス反応装置を使用した。反応物質として、イソフタル酸、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、オレイン酸、およびラウリン酸を、室温にて、反応装置に入れ、続いて、触媒としてジブチル酸化スズおよびモノブチル酸化スズを入れた。反応装置の内容物を、窒素散布の下、マントルヒーターを使用して220℃まで加熱した。副産物として水が生成され、反応を前進させるために、反応装置から水を取り除いた。酸価を判定するために、試料を定期的に取り出した。酸価が6に近づくと、反応を止めるために冷却を開始した。140℃を下回って冷却したときに、反応生成物を開放した。結果として生じるアルキドポリオールは、およそ200のヒドロキシル価を有した。
実施例1−2:アルキドポリオールII合成:アルキドポリオールIIを、以下の表1−2に示される材料を反応させることによって合成した。合成を実施するために、温度制御、撹拌、窒素スパージャ、短い蒸留路を備えた丸底ガラス反応装置を使用した。これは、アルコール分解をしている第1のステップと核融合反応をしている第2のステップを有する、二段階合成であった。まず、ヤシ油およびペンタエリスリトールを、触媒としてのジブチル酸化スズおよびモノブチル酸化スズと共に、反応装置に入れた。反応装置の内容物を、窒素散布の下、マントルヒーターを使用して220℃まで加熱し、4〜6時間温度を保持した。ヤシ油がその対応する脂肪酸に変換されたことを確かめるために、アルコール分解ステップの最後にメタノールテストを実施した。反応装置を、150℃まで冷却し、続いて、イソフタル酸およびフタル無水物を添加した。反応装置の内容物を、核融合反応を行うために220℃まで加熱した。副産物として水が生成され、反応を前進させるために、反応装置から水を取り除いた。酸価を判定するために、試料を定期的に取り出した。酸価が10に近づくと、反応を止めるために冷却を開始した。結果として生じるアルキドポリオールは、およそ200のヒドロキシル価を有した。
比較実施例1:アルキドポリオールIのカルバミル化
以下の表に示される反応混合物からポリカルバメートを作製するため、反応混合物を140℃の温度まで加熱し、21時間の総反応時間、アルキドポリオール、触媒、およびキシレンを含有する反応装置に6時間以上固定流速で注ぎ込まれる尿素溶液と反応させた。給水は使用しなかった。
[表]
比較実施例2.アルキドポリオールIのカルバミル化
以下の表に示される反応混合物からポリカルバメートを作製するため、反応混合物を140℃の温度まで加熱し、23.5時間の総反応時間、アルキドポリオール、触媒、およびキシレンを含有する反応装置に6時間以上固定流速で注ぎ込まれる尿素溶液と反応させた。給水は使用しなかった。
[表]
実施例3.アルキドポリオールIのカルバミル化中の給水
以下の表に示される反応混合物からポリカルバメートを作製するため、反応混合物を140℃の温度まで加熱し、25.5時間の総反応時間、アルキドポリオール、触媒、およびキシレンを含有する反応装置に6時間以上固定流速で注ぎ込まれる尿素溶液と反応させた。給水は、尿素供給が開始された後8時間で10ml/時間に制御された供給速度で開始した。
[表]
比較実施例4.アルキドポリオールIIのカルバミル化
以下の表に示される反応混合物からポリカルバメートを作製するため、反応混合物を140℃の温度まで加熱し、17時間の総反応時間、アルキドポリオール、触媒、およびキシレンを含有する反応装置に6時間以上固定流速で注ぎ込まれる尿素溶液と反応させた。給水は使用しなかった。
[表]
実施例5.アルキドポリオールIIのカルバミル化中の給水
以下の表に示される反応混合物からポリカルバメートを作製するため、反応混合物を140℃の温度まで加熱し、17時間の総反応時間、アルキドポリオール、触媒、およびキシレンを含有する反応装置に6時間以上固定流速で注ぎ込まれる尿素溶液と反応させた。給水は、尿素供給が開始された後11時間で10ml/時間に制御した供給速度で開始した。
[表]
テスト方法:実施例1〜5のポリカルバメートを分析するため、およびそれらの性能をテストするために、以下のテスト方法を使用した。
13 C NMR:反応混合物を、表4および5に示される反応時間で反応装置から採取し、反応混合物は、13C NMRを特徴とした。それぞれの反応混合物試料において、0.8gの反応混合物を、ガラス瓶中で、室温で2.4mLの全重水素化(d)ジメチルスルホキシド(DMSO−d)に溶解した。データ収集時間を短縮するために、この瓶に、0.015Mのクロム(III)アセトアセタートCr(Acac)を緩和剤として添加した。次いで、この溶液を10mmのNMR管に移した。定量インバースゲート13C NMR実験を、10mmDUAL C/Hクライオプローブを備えたBruker Avance(商標)400MHz(1H周波数)NMRスペクトロメータ(Bruker Corporation,Midland,MI)で実施した。すべての実験は、試料回転なしで、室温で行った。較正90度パルスをインバースゲートパルスシーケンスに用いた。連続データ取得間の緩和遅延は5であり、Tは、計測システムにおいて核の最長のスピン−格子緩和時間である。13C NMRスペクトルを、1Hzの線広がりで処理し、DMSO−d共鳴ピークについては39.5ppmを参照した。
GPC:分子量、重量平均(M)と数平均(M)の双方、および多分散度(PDI)値は、Agilent 1260 Infinityシリーズ示差屈折率検出器を備えたAgilent 1260 InfinityシリーズLCシステム、Santa Clara、CAで、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した。指示されたポリカルバメートを有する試料を、およそ10mg/mLの濃度でHPCLグレードTHF中に溶解し、2つのPLGel300x7.5mm Mixed Bカラム(5mm、Agilent Technologies Inc.)を介した注入の前に0.45μmのシリンジフィルターにかけた。1mL/分の流速および35℃の温度を維持した。カラムを、狭分子量の標準ポリスチレン(PS)(Polystyrene High EasiVials(商標)、Agilent Technologies、Santa Clara、CA)で較正した。
粘度:粘度は、TA Instruments AR−2000レオメーター(TA Instruments、New Castle、DE)を使用して測定した。全ての試料を、粘度に対する固形分の影響を取り除くため、キシレンを使用して63重量%の同等の割合の固形分に調整した。
コーティングの厚さ:ASTM D7091−05(Standard Practice for Nondestructive Measurement of Dry Film Thickness of Nonmagnetic Coatings Applied to Ferrous Metals and Nonmagnetic, Nonconductive Coatings Applied to Non−Ferrous Metals(2005))。
以下の表2に示されるように、給水を使用しない場合、ポリマーの重量平均分子量(M)は、アルキドポリオールIを使用したカルバミル化反応の間に徐々に増加した。比較実施例2では、45,000から133,300に上昇した。比較ポリカルバメートポリマーの数平均分子量(M)は、ほとんど変化しなかったが、分子量多分散度指数(PDI)は、17.3から41.0に著しく上昇した。これは分岐を介した架橋反応を示し、それはポリマー構造体を変更し、高い粘度を引き起こし、それによって製剤困難をさらにもたらすため、望ましくない副反応である。
以下の表3に示されるように、アルキドポリオールIを使用したカルバミル化反応に給水を含めることが、不必要な分岐副反応を大いに抑え、その結果、Mw増加はかなり少なくなった。反応の25時間後でさえ、Mwは59,200までのわずかな上昇を示すのみだった。これは、カルバミル化前後に、ポリマー特性を評価するのに重要なパラメータ、多分散度指数を比較的一定に保つのに役立つ。
残留尿素は、カルバミル化反応後、最終的なポリカルバメート生成物内に存在し、不純物とみなされる。以下の表4に示されるように、給水を使用しない場合、最終生成物内の残留尿素レベルは、反応後から22時間後まで、乾燥固形分において0.08%だった(実施例1および2)。所望される生成物は、各カルバメート基がカルバミル化反応を介してアルキドポリオール上でヒドロキシル官能価から生じる、ポリカルバメートである。実施例1および2によって示されるように、カルバメート転化率%は、47.4〜50.1%の間だった。対照的に、カルバミル化反応中に給水を使用した際は、残留尿素レベルは11時間で0.12%まで減少し、14時間で0.02%までさらに減少した(実施例3)。したがって、給水プロセスは循環時間を著しく減少し、不純物(尿素)のレベルも減少する。さらに、給水は、ポリカルバメート転化率にいかなる悪影響も及ぼさなかった。
カルバミル化反応からのポリカルバメート生成物中には、ポリアロファネート、ビウレット、シアヌル酸およびフタルイミドなど、いくつかの不純物がある。以下の表5は、ポリカルバメート生成物中のこれらの不純物のレベルを示す。残留尿素を削減することに加え、給水は、ビウレットおよびポリアロファネートを含有する一部の不純物の形成を押さえることに効果的でもあることが明らかである。給水が使用されたとき、ビウレット形成は、反応が続くにつれて0.57%から0.24%に著しく減少した。ポリアロファネート形成は、給水が使用されなかったときには1.5%まで上昇し続けたが、給水によって1.1%に制御された。実施例4および5では、給水は、ポリカルバメート転化率の向上に好影響も示した。給水プロセスからのシアヌル酸およびフタルイミドの残留内容物に悪影響は観察されなかった。
以下の表6は、実施例4のポリカルバメートにおいて、重量平均分子量が高くなると粘度が著しく高くなる一般的傾向を示す。
以下の表7に示されるように、比較実施例4のアルキドポリオールポリカルバメートを、127ミクロンの湿潤フィルム厚で白色セラミックタイルに塗った。塗膜タイルは、1時間周囲条件下で硬化され、次いで、24時間、60℃の連続温度に曝露された。色は、高温への曝露前後に、ここではΔEとして報告される結果として生じる違いを用いて測定され、小さな値は変化が少しあるまたはないことを示し、大きな値(>1.0)は顕著な色の変化を示す。残留尿素が高温での色の不安定性と相関があるという、望ましくない傾向を示す。それゆえに、本発明はより低い残留尿素内容量を有する樹脂を提供するため、本発明は向上した色の安定性を有する樹脂を提供する。

より好ましくは、カルバミル化中に真空条件下で反応混合物を共沸蒸留することは、尿素添加が完了した後にゆっくりと水を供給することと、より効果的なアンモニア除去を促進し得ることとをさらに含む。同様に、蒸留物相からアンモニアを濃縮および吸収するため、および反応装置内に存在する微量尿素を溶解するため、逆流散水(接触型コンデンサ)が用いられ得る。

Claims (12)

  1. ポリウレタンの作製において使用するためのポリカルバメートを作製する方法であって、流体形態にある1つ以上のa)尿素またはアルキルカルバメートを1つ以上のb)アルキドポリオールを含有する反応媒体に供給して反応混合物を形成し、次いで、前記反応混合物に給水しながら前記反応混合物を加熱することによって前記アルキドポリオールをカルバミル化することを含む、方法。
  2. 前記b)アルキドポリオールのうちの少なくとも1つが、50〜250のヒドロキシル価を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記b)アルキドポリオールのうちの少なくとも1つが短油または中油アルキドポリオールである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記b)1つ以上のアルキドポリオールのうちの少なくとも1つが、1つ以上のモノカルボン酸油、2つ以上のカルボン酸を有する1つ以上のポリカルボン酸、その塩またはハロゲン化アシル基または無水物と、3つ以上のヒドロキシル基を有する1つ以上のポリアルコールとの反応生成物である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記b)アルキドポリオールのうちの前記少なくとも1つを作製するために使用される前記1つ以上のモノカルボン酸油が、オレイン酸、ラウリン酸、ヤシ油、ヒマワリ油、およびそれらの混合物から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記1つ以上のa)尿素またはアルキルカルバメートが、尿素、ビウレット、トリウレット、N置換C〜Cアルキル尿素、およびそれらの混合物から選択される尿素である、請求項1に記載の方法。
  7. 反応混合物中の前記1つ以上のb)アルキドポリオールにおける、a)尿素またはアルキルカルバメートの総モルとヒドロキシル基の総モル数とのモル比が、0.1:1〜2.0:1の範囲である、請求項1に記載の方法。
  8. 流体形態にある前記1つ以上のa)尿素またはアルキルカルバメートが、水中5〜80重量%の溶液として前記反応媒体に供給される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記給水が、前記反応混合物を形成するために前記1つ以上のa)尿素またはアルキルカルバメートの前記反応媒体への前記供給の終了後、0〜8時間で始まる、請求項1に記載の方法。
  10. 前記反応混合物への前記給水の速度が、前記反応混合物中の固体の総重量基準で、2〜20重量%/時間の範囲である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記カルバミル化が、8〜40時間の範囲の総反応時間にわたって継続する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記反応混合物が1つ以上のc)カルバミル化触媒をさらに含む、請求項1に記載の方法。

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