JP2015223597A - 溶接用保護面、及びグリップ - Google Patents

溶接用保護面、及びグリップ Download PDF

Info

Publication number
JP2015223597A
JP2015223597A JP2014108513A JP2014108513A JP2015223597A JP 2015223597 A JP2015223597 A JP 2015223597A JP 2014108513 A JP2014108513 A JP 2014108513A JP 2014108513 A JP2014108513 A JP 2014108513A JP 2015223597 A JP2015223597 A JP 2015223597A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
setting
protective surface
unit
grip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014108513A
Other languages
English (en)
Inventor
眞佳 呉羽
Sadayoshi Kureha
眞佳 呉羽
岡本 真也
Shinya Okamoto
真也 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihen Corp
Original Assignee
Daihen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihen Corp filed Critical Daihen Corp
Priority to JP2014108513A priority Critical patent/JP2015223597A/ja
Priority to KR1020150039058A priority patent/KR20150135997A/ko
Priority to CN201510241213.8A priority patent/CN105310824A/zh
Publication of JP2015223597A publication Critical patent/JP2015223597A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Arc Welding Control (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)

Abstract

【課題】溶接のパラメータを変更する際に作業が中断するため、溶接の作業効率を向上させることができなかった。【解決手段】保護面10と、保護面10を保持するためのグリップ20とを備えた溶接用保護面1であって、グリップ20は、グリップ20の後方に操作面が位置するように設けられ、溶接機3のパラメータを設定するための操作を受け付ける複数の操作部201と、操作部201が受け付けた操作に応じたパラメータを設定する設定指示を溶接機に送信する送信部202とを備えた。これにより、溶接の作業効率を向上させることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、溶接用保護面等に関するものである。
アーク放電を利用する溶接システムは、通常、重量があるため移動させない溶接電源装置と、溶接箇所の変更に伴って溶接作業者が持ち運び可能なワイヤ送給装置とを有している。溶接電源装置が溶接作業の位置から離れた場所に配置されている場合、溶接電圧などの溶接条件を設定するために、溶接作業者が溶接電源装置の設置場所まで行くのは作業効率が悪い。これを解消するために、溶接電源装置との間で無線通信を行う遠隔操作装置を用いて溶接条件の設定を行う溶接システムが開発されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許第3414193号公報(第1頁、第1図等) 特開平3−275278号公報(第1頁、第1図等)
しかしながら、従来の技術においては、溶接作業時には、一方の手に溶接用保護面を、もう一方の手に溶接トーチを持って溶接を行うため、溶接の電圧等のパラメータを変更する際には、一旦、溶接を中断して、溶接トーチを持った手等で遠隔操作装置等を操作しなければならないため、作業が中断してしまい、作業効率が悪いという課題があった。
本発明は、上記のような課題を解消するためになされたものであり、溶接の作業効率を向上させることができる溶接用保護面等を提供することを目的とする。
本発明の溶接用保護面は、保護面と、保護面を保持するためのグリップとを備えた溶接用保護面であって、グリップは、グリップの後方に操作面が位置するように設けられ、溶接機のパラメータを設定するための操作を受け付ける複数の操作部と、操作部が受け付けた操作に応じたパラメータを設定する設定指示を溶接機に送信する送信部とを備えた溶接用保護面である。
かかる構成により、操作部を操作することで、作業中に溶接の複数のパラメータを設定することができ、溶接の作業効率を向上させることができる。
また、本発明の溶接用保護面は、前記溶接用保護面において、複数の操作部のうちの少なくとも一部は、一以上の操作部が予め指定された操作を受け付けた場合に、溶接機のパラメータを設定するための操作を受け付け可能な状態となる溶接用保護面である。
かかる構成により、操作部に誤って触れた場合等による誤操作を防ぐことができる。
また、本発明の溶接用保護面は、前記溶接用保護面において、操作部は、溶接機のパラメータを設定するための操作を受け付け可能な状態となってから、予め指定された時間以上、操作を受け付けなかった場合に、溶接機のパラメータを設定するための操作を受け付けない状態となる溶接用保護面である。
かかる構成により、操作部が溶接機のパラメータを設定するための操作を受け付け可能な状態で放置されないようにして、誤操作を防ぐことができる。
また、本発明の溶接用保護面は、前記溶接用保護面において、複数の操作部は、溶接機のパラメータである電流を設定する操作を受け付ける第一操作部と、溶接機のパラメータである電圧を設定する操作を受け付ける第二操作部との少なくとも一方を含む溶接用保護面である。
かかる構成により、溶接の電流及び電圧の少なくとも一方の設定を作業中に容易に変更するることができる。
また、本発明の溶接用保護面は、前記溶接用保護面において、複数の操作部が、それぞれ、三以上の異なるパラメータ値を設定する操作を受け付ける溶接用保護面である。
かかる構成により、溶接の各パラメータを細かく設定することができる。
また、本発明の溶接用保護面は、前記溶接用保護面において、保護面の表面に配置された光電池を更に備え、送信部は、光電池が取得した電力を用いて送信を行う溶接用保護面である。
かかる構成により、溶接機のパラメータを設定する操作のための電力不足をなくすことができるとともに、一次電池の交換の手間等をなくすことができる。また、保護面の表面に光電池を設けたことにより、溶接時に効率よく、確実に光電池で電力を生成することができる。
また、本発明の溶接用保護面は、前記溶接用保護面において、送信部は、無線通信により前記設定指示を送信する用にしたものである。
かかる構成により、有線接続が不要となり、溶接用保護面の操作性を向上させることができる。
また、本発明のグリップは、前記溶接用保護面のグリップであって、保護面に着脱可能であるグリップである。
かかる構成により、グリップを必要に応じて取り外しすることができる。
本発明による溶接用保護面等によれば、溶接の作業効率を向上させることができる。
本発明の実施の形態1における溶接用保護面の、前方から見た図(図1(a))、側面図(図1(b))及び後方から見た斜視図(図1(c)) 同溶接用保護面のグリップの斜視図(図2(a))、後方から見た図(図2(b))、及び右側面(図2(c)) 同溶接用保護面を備えた溶接システムの構成を示すブロック図 本発明の実施の形態2における溶接用保護面の正面図 同溶接用保護面の構成を示すブロック図 同溶接用保護面を説明するための光電池の分光感度を示す図
以下、溶接用保護面等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における溶接用保護面の、前方から見た図(図1(a))、側面図(図1(b))及び後方から見た斜視図(図1(c))である。
図2は、本実施の形態における溶接用保護面のグリップの斜視図(図2(a))、後方から見た図(図2(b))、及び右側面(図2(c))である。
図3は、本実施の形態における溶接用保護面を備えた溶接システムの構成を示すブロック図である。
溶接システム1000は、溶接用保護面1及び溶接機3を備える。
溶接機3は、溶接電源装置30、ワイヤ送給装置40、溶接トーチ50を備える。溶接電源装置30は、受信部301、溶接制御部302、電源部303を備える。
溶接用保護面1は、図1に示すように、保護面10と、保護面10を保持するためのグリップ20とを備えている。グリップ20は、複数の操作部201と、送信部202を備える。溶接用保護面1は、例えば、ハンドシールド型の溶接用保護面である。
保護面10は、顔部や、頭頸部の前面等を覆うための面体である。保護面10は、例えば、溶接の際に発生する目に有害な紫外放射、赤外放射及び強い可視光から溶接作業者の目を保護し,かつ,アークやスパッタなどによる外傷の危険から顔部や頭頸部の前面を保護するためのものである。保護面10は、例えば、溶接に利用可能な保護面であれば、どのような材質及び形状の保護面であってもよい。
グリップ20は、手に握って保護面10を保持するための棒状の部材である。グリップ20は、通常、保護面10の下方に取り付けられている。ただし、取り付け位置は問わない。グリップ20は、保護面10に対して直接取り付けられていてもよく、取り付け用の部材等を介して取り付けられていてもよい。本実施の形態においては、図1に示すように、グリップ20が、保護面10の前面下方に取り付けられたL字型の取り付け部材15を介して保護面10に取り付けられている場合を例に挙げて説明する。グリップ20は、保護面10に着脱可能となるように取り付けられていてもよい。例えば、グリップ20は、嵌め込み構造や、レバー式の留め具等の着脱機構等により着脱可能となるよう取り付けられていてもよい。
グリップ20の材質は問わない。グリップ20の材質は、溶接時に発生する熱等による変形が起こりにくい材質であることが好ましい。
グリップ20は、複数の操作部201を備えている。操作部201は、溶接機3のパラメータを設定するための操作部である。以下、ここでは、一例として、複数の操作部201が、パラメータを設定するための回転操作を受け付ける回転操作部である場合について説明する。。回転操作を受け付ける操作部201は、例えば、ロータリースイッチや、ロータリーセレクタ、ダイヤル式スイッチである。操作部201は、いわゆる回転式のボリューム等の回転式の可変抵抗も含むと考えてもよい。操作部201は、例えば、操作を受け付けるためのホイール状部材を備えている。ホイール状部材は、例えば、円盤状の部材である。なお、操作部201は、操作を受け付けるものであれば、どのような構造を備えたものであってもよい。例えば、操作部201は、回転操作後に予め指定された回転位置に戻るような機構を備えたものであってもよい。なお、複数の操作部201は、回転操作部以外であってもよく、例えば、スライド式の操作部、具体的には、スライド式のスイッチやセレクタ等であってもよい。
複数の操作部201は、例えば、溶接機3の異なるパラメータを設定するための操作をそれぞれ受け付ける。ここでの異なるパラメータとは、例えば、種類や制御対象が異なるパラメータである。溶接機3のパラメータとは、例えば、溶接機3の電流や、電圧である。なお、この実施の形態においては、一例として、複数の操作部201が、溶接機3のパラメータの一つである電流を設定する回転操作を受け付ける第一操作部201aと、溶接機3のパラメータの一つである電圧を設定する回転操作を受け付ける第二操作部201bである場合を例に挙げて説明する。ただし、本発明においては、グリップ20は、第一操作部201a及び第二操作部201bの少なくとも一方を含む、異なるパラメータを設定するための2または3以上の操作部を備えていてもよい。また、第一操作部201a及び第二操作部201b以外の2または3以上の操作部を備えていてもよい。また、第一操作部201aとして、回転操作以外の電流を設定する操作、例えば電流を設定するためのスライド操作等を受け付けるものを用いるようにしてもよい。また、第二操作部201bとして、回転操作以外の電圧を設定する操作、例えば電圧を設定するためのスライド操作等を受け付けるものを用いるようにしてもよい。なお、溶接機3のパラメータである電流及び電圧とは、例えば、溶接機3の溶接電源装置30の電源部303が供給する電流及び電圧である。
複数の操作部201、例えば、第一操作部201a及び第二操作部201bは、例えば、三以上の異なるパラメータ値を設定する操作を受け付ける。例えば、第一操作部201aは、回転操作によって、三以上の異なる電流の値を溶接機3に設定する操作を受け付けるようにしてもよい。例えば、第一操作部201aは、回転操作によって、予め設定された三段階以上の電流の値のいずれかを溶接機3に設定する操作を受け付ける。第二操作部201bは、例えば、回転操作によって、三以上の異なる電圧の値を溶接機3に設定する操作を受け付けるようにしてもよい。第二操作部201bは、例えば、回転操作によって、予め設定された三段階以上の電圧の値のいずれかを溶接機3に設定する操作を受け付けてもよい。第一操作部201a及び第二操作部201bは、それぞれ、例えば、回転量によって無段階に変化するパラメータ値を設定する操作を受け付けてもよい。なお、複数の操作部201が、例えば、スライド式の操作部である場合、スライド量や、スライド位置によって、三以上の異なるパラメータ値を設定する操作を受け付けるようにしてもよい。
複数の操作部201は、例えば、グリップ20の後方に操作面が位置するように設けられている。ここでの操作部201の操作面は、例えば、複数の操作部201をそれぞれ構成するホイール状部材の側面、あるいはその一部である。例えば、本実施の形態においては、第一操作部201a及び第二操作部201bをそれぞれ構成するホイール状部材2011a及び2011bの側面が、操作面2012a及び2012bである。ホイール状部材2011a及び2011bの側面の一部には、例えば、予め指定された位置に、突起2013a、2013bが設けられている。なお、ホイール状部材2011a及び2011bは、側面に滑り止めのための凹凸等を有していてもよい。複数の操作部201(例えば、第一操作部201a及び第二操作部201b)は、通常、グリップ20の上方に設けられている。操作部201(例えば、第一操作部201a及び第二操作部201b)は、グリップ20を溶接作業者が握った場合に、親指が届く位置に設けられていることが好ましい。例えば、本実施の形態においては、図2に示すように、グリップ20が、上方後部において、幅方向の厚さが他の部分に対して薄い部分を有しており、この厚さの薄い部分の両側に、第一操作部201aと第二操作部201bとがそれぞれ回動可能に取り付けられている場合を例に挙げて示している。なお、複数の操作部201は、例えば、グリップ20の後方に操作面が位置するように設けられていれば、複数の操作部201の側部の後方部分だけが、グリップ20から露出した構成であってもよい。なお、第一操作部201aと、第二操作部201bとの配置が逆であってもよい。
複数の操作部201のうちの少なくとも一部は、一以上の操作部201が予め指定された操作を受け付けた場合に、溶接機3のパラメータを設定するための操作を受け付け可能な状態となるようにすることが好ましい。操作を受け付け可能な状態とは、例えば、各操作部201が操作を受け付けた場合に、この操作を、溶接機3のパラメータを設定するための操作として受け付ける状態、あるいはパラメータを設定するための操作と判断する状態となることである。あるいは、予め指定された操作を受け付けた場合に、溶接機3のパラメータを設定するための操作を受け付けるための電力供給が操作部に対して行われること(例えば電源オンや通電状態となること)や、操作を溶接機3のパラメータを設定するための操作として判断する判断処理を操作部201等が実行可能な状態とすることや、溶接機3のパラメータを設定するための操作を受け付けるための回路等に操作部201が接続されることであってもよい。なお、一の操作部201が予め指定された操作を受け付けた場合に、この一の操作部201だけが、溶接機3のパラメータを設定するための操作を受け付けられるようにしてもよく、全ての操作部201が操作を受け付けられるようにしてもよい。
上述した予め指定された操作を受け付ける前は、操作部201は、例えば、溶接機3のパラメータを設定するための操作を受け付けられない状態となるようにする。溶接機3のパラメータを設定するための操作を受け付けられない状態とは、操作部201が操作を受け付けた場合においても、この操作を溶接機3のパラメータを設定するための操作として受け付けないこと、あるいは、パラメータを設定するための操作と判断しないことである。あるいは、溶接機3のパラメータを設定するための操作を受け付けるための電力供給が操作部201に対して行われていない状態(例えば電源オフ状態や非通電状態)や、操作を溶接機3のパラメータを設定するための操作として判断する判断処理を操作部201等が実行できない状態とすることや、溶接機3のパラメータを設定するための操作を受け付けるための回路等に操作部201が接続されていない状態であってもよい。また、操作部201が受け付けた操作により得られた操作を示す情報を破棄することや、無効とすることであってもよい。
複数の操作部201のうちの一以上の操作部201に対する予め指定された操作は、どのような操作であってもよい。例えば、一以上の操作部201を所定回数以上、所定の回転角度以上、回転させる操作や、上下方向に所定回数回ずつ回転させる回転操作であってもよい。また、一以上の操作部201を所定の回転角度以上、所定の方向に移動させた後、元の位置に戻す操作であってもよい。あるいは、一以上の操作部201を所定の方向に所定の回転角度以上回転させた状態で、所定時間以上保持する操作や、2つの操作部201を、それぞれ、回転させる操作であってもよい。また、操作部201が回転操作に加えて、押しボタンとして機能する構成を有している場合、この操作部201が押しボタンを押す操作を受け付けた場合に、複数の操作部201が、溶接機3のパラメータを設定するための回転操作を受け付け可能な状態となるようにしてもよい。また、予め指定された操作は、複数の操作部201を所定の順番で動かすことであってもよい。ここでの操作対象となる一以上の操作部201は、複数の操作部201のうちの特定の操作部201であってもよいし、任意の操作部201であってもよい。
このように、一以上の操作部201が予め指定された操作を受け付けた場合に、複数の操作部201が、溶接機3のパラメータを設定するための操作を受け付け可能な状態となるようにすることで、作業中に誤って操作部201に触れた場合に、溶接機3のパラメータの設定が変更されて、所望の溶接が行えなくなることを防ぐことができる。
また、操作部201は、上述したように、溶接機3のパラメータを設定するための操作を受け付け可能な状態において、予め指定された時間以上、操作を受け付けなかった場合に、溶接機3のパラメータを設定するための操作を受け付けない状態となるようにすることが、誤った操作を受け付けにくくするうえで好ましい。例えば、溶接作業者が、誤って操作部201に触れた結果、操作部201が、溶接機3のパラメータを設定する回転操作を受け付け可能な状態となったとしても、例えば、予め指定された時間(例えば、5秒間等)が経過するまでに回転操作を受け付けなければ、再度、溶接機3のパラメータを設定する回転操作を受け付けられない状態に戻ることで、誤った回転操作を受けにくくすることができる。つまり、回転操作を受け付け可能な操作と、実際のパラメータを設定する回転操作との組み合わせを、所定の時間感覚内に受け付けない場合は、誤操作とすることができ、誤操作を未然に防ぐことが可能となる。予め指定された時間は、どのような時間に設定してもよい。
例えば、複数の操作部201は、溶接機3のパラメータを設定するための操作を受け付け可能とするための操作を受け付けた時点から、時間の計測を開始し、溶接機3のパラメータを設定するための操作を受け付ける毎に、計測した時間をリセットして、再度計測を繰り返し、計測した時間が予め指定された時間が経過した場合、溶接機3のパラメータを設定するための操作を受付できない状態へと移行する。
なお、操作部201は、上述したような操作を受け付け可能な状態に移行するか否かを判断する処理や、操作を受け付けない状態に移行するための判断処理等を行うための、MPUやメモリ等を備えていてもよい。これらの処理は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、同様の構成を、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
送信部202は、複数の操作部201がそれぞれ受け付けた操作に応じたパラメータを設定する設定指示を溶接機3に送信する。設定指示は、例えば、溶接機3の所定のパラメータ値を操作によって示される値に設定する指示である。送信部202は、例えば、操作部201が操作を受け付けた場合に、設定指示を送信する。例えば、送信部202は、第一操作部201aが回転操作を受け付けた場合に、溶接機3が溶接に利用する電流の値を、第一操作部201aが受け付けた操作が示す値に設定する設定指示を溶接機3に送信する。送信部202は、例えば、第二操作部201bが回転操作を受け付けた場合に、溶接機3が溶接に利用する電圧の値を、第二操作部201bが受け付けた操作が示す値に設定する設定指示を溶接機3に送信する。設定指示は、例えば、回転操作に対応するパラメータの種類や操作対象とその設定値とを示す情報であってもよいし、更に、設定を実行させるコマンドとを有する情報であってもよい。パラメータの設定値は、例えば、パラメータ値と考えてよい。
送信部202は、無線通信により設定指示を送信することで、溶接用保護面1と溶接機3等を有線接続する必要がなく、溶接用保護面の動きが制限されないことから好ましい。
送信部202は、この実施の形態においては、一例として、溶接機の受信部301との間で、直接スペクトル拡散(Direct Sequence Spread Spectrum:DSSS)通信方式を用いて通信を行う。直接スペクトル拡散通信方式では、送信側は、送信する信号に対して拡散符号による演算を行い、元の信号のスペクトルをより広い帯域に拡散して送信する。受信側は、受信した信号を共通する拡散符号を用いて逆拡散することで、元の信号に戻す。例えば、溶接システム1000毎に異なる拡散符号を用いていれば、別の溶接システムで送受信される信号を誤って受信したとしても、受信した信号は異なる拡散符号で逆拡散されて、ノイズとして除去される。したがって、高い通信品質で通信を行うことができる。
送信部202は、例えば、図示しないアンテナを介して信号の送受信を行う。送信部202は、キャリア信号をBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調し、変調信号にスペクトル拡散を行い、アナログ信号に変換して、電磁波として送信する。なお、変調方法はBPSK変調に限られず、ASK変調やFSK変調を行うようにしてもよい。また、スペクトル拡散は直接拡散方式に限られず、周波数ホッピング方式を用いてもよい。
なお、本実施の形態では、スペクトル拡散を行っているが、これに限定されず、スペクトル拡散を行わないようにしてもよい。送信部202の無線通信の方式や、設定信号のエンコード方法等は問わない。無線通信の方式等は、アーク溶接により発生するノイズ等の影響を受けにくいものであることが好ましい。送信部202は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
なお、グリップ20は、複数の操作部201と送信部202との動作を制御する制御部(図示せず)等を、操作部201や送信部202とは別に備えているようにしてもよい。例えば、グリップ20は、上述したような溶接機3のパラメータを設定するための操作を受け付け可能な状態に移行するか否かを判断する処理や、操作を受け付けない状態に移行するための判断処理等を行うための、図示しない制御部等を備えていてもよい。このような制御部は、例えば、MPUやメモリ等で実現可能である。これらの処理は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
溶接機3は、電力を利用して溶接を行う。溶接機3は、例えば、アーク溶接機である。本実施の形態においては、溶接機3が消耗電極型のアーク溶接機である場合を例に挙げて説明する。ただし、溶接機3は、他の構造の溶接機であってもよい。
溶接機3の、溶接電源装置30の電源部303の一方の出力端子(図示せず)は、電力供給線61を介してワイヤ送給装置40と接続されている。ワイヤ送給装置40は、ワイヤ電極51を溶接トーチ50に送り出して、ワイヤ電極51の先端を溶接トーチ50の先端から突出させる。溶接トーチ50先端に配置されているコンタクトチップ(図示せず)において、電力供給線61とワイヤ電極51とは電気的に接続されている。溶接電源装置30の電源部303の他方の出力端子(図示せず)は、電力供給線62を介して、被加工物70に接続される。溶接電源装置30は、溶接トーチ50の先端から突出するワイヤ電極51の先端と、被加工物70との間に高電圧を印加してアークを発生させ、アークに電力を供給する。溶接機3は、このアークの熱で被加工物70の溶接を行う。なお、溶接機3は、実際には、溶接トーチ50から放出するシールドガスのガスタンク、溶接トーチ50を冷却する冷却水を循環させる冷却水循環装置などを備えている場合もあるが、ここでは、図への記載や詳細な説明は省略する。
溶接電源装置30は、アーク溶接のための電力を溶接トーチ50に供給するものである。
受信部301は、グリップ20の送信部202から送信される設定指示を受信する。受信部301は、例えば、無線通信により設定指示を受信することが好ましい。受信部301は、例えば、グリップ20から受信した設定指示を、例えば復調して、溶接制御部302に出力する。受信部301は、図示しないアンテナ等を介して受信を行う。受信部301は、例えば通信手段により実現される。
溶接制御部302は、受信部301が受信した設定指示に従って、溶接機3を制御するためのパラメータを設定する。例えば、溶接制御部302は、受信部301が設定指示を受け付けた場合に、設定指示に応じて電源部303を制御するためのパラメータを設定する。例えば、溶接制御部302は、この設定指示に応じて設定されたパラメータにより電源部303を制御する。例えば、パラメータに応じた制御を行うための制御信号を、電源部303に出力する。例えば、受信部301が受け付けた設定指示が、溶接機3のパラメータの一つである溶接機3が供給する電流を所定値に変更する設定指示である場合、溶接制御部302は、供給する電流のパラメータ値を、設定指示が示す所定の値に設定し、電源部303が供給する電流を所定の値に変更する制御信号を電源部303に出力する。電圧についても同様である。
電源部303は、溶接のための電力を供給する。例えば、電源部303は、電力系統から入力される三相交流電力をアーク溶接に適した直流電力に変換して出力する。例えば、電源部303に入力された三相交流電力は、図示しない整流回路によって直流電力に変換され、図示しないインバータ回路によって交流電力に変換される。そして、図示しないトランスによって降圧され、図示しない整流回路によって直流電力に変換されて、図示しない出力端子から出力される。
電源部303は、溶接制御部302が出力する制御信号に応じて制御される。例えば、溶接制御部302から、電源部303が出力する電力を制御する制御信号を受け付けた場合に、電源部303は、この制御信号に応じて、出力する電力を制御する。例えば、電源部303は、溶接制御部302から、電圧を上げる制御信号を受け付けた場合、この制御信号に応じて、出力する電圧を高くする。
このように、受信部301が受信した設定指示に応じて、溶接制御部302が電源部303等のパラメータを設定することにより、溶接機3のパラメータを、グリップ20の複数の操作部201の受け付けた操作に応じて設定することが可能となり、溶接機の動作等を、操作部201の受け付けた操作に応じて制御することが可能となる。
ワイヤ送給装置40及び溶接トーチ50については、公知技術であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
以下、溶接システムの具体的な動作について説明する。
例えば、溶接作業者が溶接用保護面1のグリップ20左手に握り、右手で溶接トーチを持った状態で、溶接電源装置30の電源部303から電力を供給して、被加工物70に対してアーク溶接を行っていたとする。
溶接作業者が、電源部303から供給される電流を変化させるために、左手の親指で第一操作部201aの操作面2012aを上方向に押し上げるようにして、第一操作部201aを、所定の角度以上、回転させたとする。第一操作部201a及び第二操作部201bは、この回転操作を受け付け、この操作に応じて、溶接機3のパラメータを設定するための回転操作を受け付け可能な状態へと移行する。例えば、グリップ20の電源をオンとして、第一操作部201a及び第二操作部201bや、送信部202の電源をオンとする。
更に、溶接作業者が、電源部303から供給される電流を増加させるために、左手の親指で第一操作部201aの操作面2012aを上方向に押し上げるようにして、第一操作部201aを回転させたとする。例えば、第一操作部201aは、電流についての三段階以上の異なるパラメータ値を選択可能なロータリースイッチであり、この回転操作によって、溶接機3の電流のパラメータ値を、現在の電流のパラメータ値よりも、例えば、二段階高い値に設定するための回転操作を受け付けたとする。なお、ここでのパラメータ値の一段階分の値は、例えば、予め設定された電流の値であるとする。ただし、予め指定された比率等であってもよい。
第一操作部201aが回転操作を受け付けると、送信部202は、受け付けた回転操作に応じた設定指示を溶接機3に無線により送信する。具体的には、送信部202は、電流のパラメータ値を、現在のパラメータ値よりも二段階高い値に設定する設定指示を送信する。
溶接機3の溶接電源装置30の受信部301は、送信部202が送信する設定指示を受信し、受信した設定指示を溶接制御部302に渡す。
溶接制御部302は、受信部301が受信した設定指示に応じて、電源部303が供給する電流のパラメータ値を、現在のパラメータ値よりも二段階高い値に設定する。例えば、溶接制御部302は、図示しない記憶媒体等に格納されている電流のパラメータ値を更新する。そして、溶接制御部302は、更新したパラメータ値に応じて、電源部303が出力する電流を制御する。例えば、溶接制御部302は、現在の電流よりも二段階分値が高い電流を出力する制御信号を電源部303に出力する。電源部303は、この制御信号に応じて、溶接トーチ50に対して供給する電流の値を、二段階高くする。これにより、第一操作部201aが受け付けた回転操作に応じて、電源部303から供給される電流が変更される。
また、溶接作業者が、電源部303から供給される電圧を下げるために、左手の親指で第二操作部201bの操作面2012bを下方向に引き下げるようにして、第二操作部201bを回転させたとする。例えば、第二操作部201bは、電圧についての三段階以上の異なるパラメータ値を選択可能なロータリースイッチであり、この回転操作によって、溶接機3の電圧のパラメータ値を、現在の電圧のパラメータ値よりも、例えば、一段階低い値に設定するための回転操作を受け付けたとする。なお、ここでのパラメータ値の一段階分の値は、例えば、上記と同様に、予め設定された値であるとする。ただし、予め指定された比率等であってもよい。
第二操作部201bが回転操作を受け付けると、送信部202は、受け付けた回転操作に応じた設定指示を溶接機3に無線により送信する。具体的には、送信部202は、電圧のパラメータ値を、現在のパラメータ値よりも一段階低い値に設定する設定指示を送信する。
溶接機3の溶接電源装置30の受信部301は、送信部202が送信する設定指示を受信し、受信した設定指示を溶接制御部302に渡す。
溶接制御部302は、受信部301が受信した設定指示に応じて、電源部303が供給する電圧のパラメータ値を、現在のパラメータ値よりも一段階低い値に設定する。例えば、溶接制御部302は、図示しない記憶媒体等に格納されている電圧のパラメータ値を更新する。そして、溶接制御部302は、更新したパラメータ値に応じて、電源部303が出力する電圧を制御する。例えば、溶接制御部302は、現在の電圧よりも一段階分値が低い電流を出力する制御信号を電源部303に出力する。電源部303は、この制御信号に応じて、溶接トーチ50に対して供給する電圧の値を、一段階低くする。これにより、第二操作部201bが受け付けた回転操作に応じて、電源部303から供給される電圧が変更される。
ここで、例えば、複数の操作部201は、複数の操作部201が溶接機3のパラメータを設定する操作を受け付け可能となってから、時間の測定を開始し、所定の時間が経過するまでに、溶接機3のパラメータを設定する操作を受け付けたか否かを判断し、受け付けていない場合、溶接機3のパラメータを設定する操作を受け付けられない状態に移行する。上記の例においては、所定の時間が経過するまでに操作を受け付けたため、溶接機3のパラメータを設定する操作を受け付けられない状態に移行しなかったものとする。
また、所定の時間が経過するまでに溶接機3のパラメータを設定する操作を受け付けた場合は、複数の操作部201は、この操作も含めて溶接機3のパラメータを設定する操作を受け付ける毎に、計測時間をリセットして時間の計測を繰り返し行い、次の溶接機3のパラメータを設定する操作を受け付けるまでに、所定の時間が経過した場合には、溶接機3のパラメータを設定する操作を受け付けられない状態に移行する。
例えば、上記において電圧を一段階低くした直後から、複数の操作部201の少なくとも一方が時間を計測し、予め指定された時間、例えば、10秒間が経過する前に、溶接機3のパラメータを設定する回転操作を受け付けた場合、この回転操作に応じて溶接機3のパラメータを設定して、計測した時間をリセットして再度時間の計測を最初から行う。また、予め指定された時間に、溶接機3のパラメータを設定する回転操作を受け付けなかった場合、操作部201は、溶接機3のパラメータの設定を受け付けるための回転操作を受け付けない状態に移行する。これにより、溶接作業者が操作部201に誤って触れてしまうことで、溶接機3のパラメータを誤って変更すること等を防ぐことができる。
以上、本実施の形態によれば、溶接用保護面1のグリップ20に操作部201を設けたことにより、溶接時に作業を中断せずに、溶接機のパラメータを変更することができる。
また、グリップ20に複数の操作部201を備えたことにより、溶接機3の複数のパラメータを容易に変更することができる。例えば、複数の操作部201として、電流を設定する第一操作部201aと、電圧を設定する第二操作部201bとを備えたことにより、溶接機3のパラメータである電流と電圧を個別に容易に調整することができ、溶接の状況を細かく制御することができる。
また、本実施の形態によれば、各操作部201が三以上の異なるパラメータ値を受け付けるようにしたことにより、パラメータ値について三段階以上の設定変更を行うことができ、電源部303を細かく制御することができる。
また、本実施の形態によれば、グリップ20を保護面10に対して着脱可能としたことにより、作業状況に応じて、適宜、グリップ20を取り外すことができる。
なお、上記実施の形態においては、複数の操作部201が、異なるパラメータについての設定操作を受け付ける場合について説明したが、複数の操作部201が、同じ一のパラメータ、例えば、電流または電圧等の一の種類や制御対象のパラメータを設定する操作を受け付けるとともに、操作によって一のパラメータについて受け付けるパラメータ値の変化の度合い(割合)が、操作部201ごとに異なるようにしてもよい。パラメータ値の変化の度合いが異なるとは、例えば、回転量、あるいは回転による段階の変化量に対する操作部201が受け付けるパラメータ値の変化の割合が異なることを意味する。このようにすることで、パラメータ値の変更の程度に応じて、複数の操作部201を使い分けることで、設定の大きな変更を素早く行うことができ、かつ、設定を微調節することが可能となる。
例えば、上述した実施の形態において、第一操作部201aと第二操作部201bとをともに溶接機3の電圧を設定する操作を受け付ける操作受付部とするとともに、第一操作部201aは、回転操作によって一段階分設定を高くする操作を行った場合には、10A(アンペア)単位でパラメータ値の設定が変化するようにし、第二操作部201bは、回転操作によって一段階分設定を高くする操作を行った場合には、1A単位でパラメータ値の設定が変化するようにしてもよい。このようにすることで、第一操作部201aを回転操作させた場合は、パラメータである電圧の設定の大きな変更を素早く行うことができるとともに、第二操作部201bを回転操作させた場合には、電圧の設定を微調節することが可能となる。
(実施の形態2)
本実施の形態2は、上記実施の形態にかかる溶接用保護面において、光電池と電力供給部とを更に設けることにより、溶接時に発生する光により得られる電力により溶接用保護面が動作できるようにしたものである。
図4は、本実施の形態2にかかる溶接用保護面の正面図であり、図において、図1及び図2と同一符号は同一または相当する部分を示している。
図5は、本実施の形態2にかかる溶接用保護面の構成を示すブロック図である。図において、図3と同一符号は同一または相当する部分を示している。
本実施の形態の溶接システムは、上記実施の形態において説明した溶接システム1000において、溶接用保護面1の代わりに溶接用保護面2を用いたものであり、溶接システムの構成については、上記実施の形態と同様であるため、ここでは説明は省略する。
溶接用保護面2は、図4に示すように、保護面10の前面に、光電池101を備えている。光電池101が配置されている位置やサイズ、数等は問わない。例えば、光電池101は、保護面10前面の窓部103以外の領域に配置される。この光電池101により、溶接時に発生する光から、溶接用保護面2の送信部202で利用する電力の少なくとも一部を取得することができる。送信部202は、この光電池101が取得した電力を用いて設定指示等の送信を行う。
溶接用保護面2は、図5に示すように、光電池101、電力供給部102、複数の操作部201、及び送信部202を備えている。ここでは、上記実施の形態と同様に、複数の操作部201が、第一操作部201a及び第二操作部201bである場合を例に挙げて説明する。
光電池101は、電圧調整回路1021と接続されている。電圧調整回路1021は、ダイオード1023を介して送信部202と接続され、ダイオード1022と、充電制御回路1024と、二次電池1025とを介して送信部202と接続されている。
光電池101は、光エネルギーを電力に変換するものである。例えば、光電池101は、溶接時に発生するアーク等の光の光エネルギーを電力に変換するものである。光電池101は、光起電力効果によって光を電力に変換して電圧調整回路1021に出力する。光電池101は、例えば、図示しない複数の光電池セルを直列や並列に接続してパネル状にしたものである。光電池101は、太陽電池や、ソーラーパネル等も含む概念である。光電池101については、公知技術であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
なお、光電池101として、溶接機3を用いて行われる溶接の種類に応じて、異なるアーク光のスペクトルに合わせた光電池を用いれるようにしてもよい。このようにすることで、溶接時に発生する光によって、より効率的に発電をすることができる。具体的には、アーク光のスペクトルにおいて相対的に強度の高い波長領域の分光感度が高い光電池101を用いればよい。分光感度とは、光電池の波長による感度の違いを表すものであり、特定波長における、入射光強度と出力電流値の比である。
図6は、光電池の分光感度を示す図である。単結晶シリコン光電池の分光感度を実線で、アモルファスシリコン光電池の分光感度を破線で示している。図に示すように、単結晶シリコン光電池の分光感度は0.9(μm)付近で一番高くなり、アモルファスシリコン光電池の分光感度は0.6(μm)付近で一番高くなっている。アモルファスシリコン光電池の方が単結晶シリコン光電池より、短い波長領域で分光感度が高くなっている。
一方、MIG溶接やTIG溶接のようなシールドガスにアルゴンガスを用いるアーク溶接の場合、アーク光のスペクトルにアルゴンの特性スペクトルが表れ、0.7〜0.9(μm)の相対強度が大きくなる。したがって、溶接機3がMIG溶接またはTIG溶接を行う場合、光電池101として単結晶シリコン光電池を用いる方が効率が良い。また、MAG溶接や炭酸ガスアーク溶接の場合、ワイヤ電極に含まれる鉄の特性スペクトルがアーク光のスペクトルに表れ、0.5(μm)近辺の相対強度が大きくなる。したがって、溶接機3がMAG溶接または炭酸ガスアーク溶接のような消耗電極を用いる溶接を行う場合、光電池101としてアモルファスシリコン光電池を用いる方が効率が良い。なお、上記記載は、各溶接方法に適用できる光電池101の種類を限定するものではない。光電池のその他の性質(光吸収係数、温度特性、変換効率など)や、配置面積、コストなどを総合的に考慮して、光電池101の種類を決定すればよい。
電力供給部102は、光電池101が取得した電力を送信部202に送信する。電力供給部102は、電圧調整回路1021、ダイオード1022,1023、充電制御回路1024、及び二次電池1025を備えている。
電圧調整回路1021は、光電池101から入力される電圧を所定の電圧に変換する回路であり、DC/DCコンバータを備えている。電圧調整回路1021から出力される電力は、ダイオード1023を介して送信部202に供給される。また、送信部202で消費される電力以上に光電池101が発電を行った場合は、電力がダイオード1022を介して充電制御回路1024に出力され、充電制御回路1024により二次電池1025が充電される。
充電制御回路1024は、二次電池1025の充電を制御するものである。充電制御回路1024の構成は、充電器等において公知の技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
二次電池1025は、充電により繰り返し電力を蓄えることができる電池である。二次電池は、例えば、蓄電池も含む概念である。本実施の形態では、例えば、二次電池1025としてリチウムイオン電池を用いている。なお、二次電池1025として、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、鉛蓄電池などの他の二次電池を用いてもよい。また、電気二重層コンデンサなどのコンデンサを用いてもよい。二次電池1025は、送信部202で消費される電力が不足する場合に、蓄えた電力を放電して送信部202に供給する。
なお、電力供給部102の構成は、光電池101が取得した電力を送信部202等へ供給するものであれば、上述したものに限定されない。例えば、送信部202への出力と二次電池1025への充電とを切り替えるようにしてもよい。また、ダイオード1022を例えば二次電池1025と送信部202との間に設けるようにしてもよい。また、溶接作業中に電力不足になることだけを防ぐのであれば、充電制御回路1024および二次電池1025を設けずに、乾電池を併用するようにしてもよい。この場合、溶接作業時にはアークが発生しているので光電池101が電力を供給し、溶接作業時以外は乾電池が電力を供給する。したがって、溶接作業時に電力不足になることを防ぐことができる。また、溶接作業時には、乾電池の電力を利用しないようにして乾電池の消耗を抑えることができる。
また、電力供給部102は、溶接用保護面1の送信部202以外の処理部等にも電力を供給するようにしてもよい。例えば、操作部201が、操作を受け付けるために電力を必要とする場合、電力供給部102は、操作部201に電力を供給するようにしてもよい。また、例えば、溶接用保護面2が、複数の操作部201や送信部202の動作を制御する制御部(図示せず)を、これらの処理部とは別に有している場合、電力供給部102は、制御部に電力を供給するようにしてもよい。
なお、本実施の形態の電力供給部102は、グリップ20内に設けられていることが好ましいが、保護面10に取り付けられているようにしてもよい。また、電力供給部102の一部を保護面10に取り付け、他の部分をグリップ20内に設けるようにしてもよい。また、グリップ20を保護面に対して着脱可能とする場合、光電池101と電力供給部102とを接続するための電極やコネクタ(図示せず)を、両者の取り付け面等に設けるようにしてもよい。
本実施の形態においては、溶接作業者が溶接用保護面1で顔を覆って溶接を行っている際には、保護面10の前面に配置された光電池101が、溶接時に発生するアーク光を受光して電力を発生する。光電池101で発生した電力が電力供給部102から送信部202に供給され、送信部202は、複数の操作部201が受け付けた操作に応じた設定指示を、溶接機3に送信する。電力供給部102の電圧調整回路1021は、溶接作業中に光電池101で発生した電力を送信部202に供給するとともに、送信部202で消費しきれない電力は充電制御回路1024に送信して、二次電池1025に蓄積する。また、溶接を行っていない場合や、光電池101で発生した電力が足りない場合等には、二次電池1025に蓄えられた電力が送信部202に出力される。
以上、本実施の形態によれば、送信部202が、光電池101の取得した電力を用いて送信を行うようにしたことにより、溶接作業中に発生した光を送信部202の電力源とすることができ、溶接作業中に送信部202の動作に必要な電力が低下してしまうことを防いで、遠隔によって溶接機3のパラメータを設定する際に必要な電力を確実に供給することができる。特に、送信部202が無線通信を行うようにする場合、通常は、溶接用保護面2が溶接装置3と有線接続されないため、有線による電力供給が行われないため、電池による電力供給が必要となるが、このような場合においても、電池の電力低下による溶接作業の中断等を防ぐことができる。
また、本実施の形態によれば、送信部202を動作させるための乾電池等の一次電池を、溶接用保護面2あるいはそのグリップ20に設けないようにすることができ、一次電池を取り替える手間をなくすことができる。
また、送信部202を動作させるための二次電池を、溶接用保護面2あるいはそのグリップ20に設けた場合においては、光電池101が生成した電力で二次電池の充電が可能となるため、充電の手間をなくすることができるとともに、二次電池を充電するための外部電力を利用する充電装置等を不要とすることができる。
また、溶接時に溶接箇所に対面することとなる保護面10の前面に光電池101を配置したことにより、溶接時に確実に、かつ、光源の近く、即ち溶接箇所の近傍において光を受光することができ、効率よく電力を得ることができる。
また、溶接時に発生するアーク光等の光を再利用することができる。
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、格納部(例えば、ハードディスクやメモリ等の記録媒体)にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる溶接用保護面等は、手にもって利用する溶接用保護面として適しており、特に、アーク溶接等の、電力を利用して行われる溶接において用いられる溶接用保護面等として有用である。
1、2 溶接用保護面
3 溶接機
10 保護面
15 取り付け部材
20 グリップ
30 溶接電源装置
40 ワイヤ送給装置
50 溶接トーチ
51 ワイヤ電極
101 光電池
102 電力供給部
201 操作部
201a 第一操作部
201b 第二操作部
202 送信部
301 受信部
302 溶接制御部
303 電源部
1000 溶接システム
1021 電圧調整回路
1024 充電制御回路
1025 二次電池
2011a、2011b ホイール状部材
2012a、2012b 操作面
2013a、2013b 突起

Claims (8)

  1. 保護面と、当該保護面を保持するためのグリップとを備えた溶接用保護面であって、
    前記グリップは、
    当該グリップの後方に操作面が位置するように設けられ、溶接機のパラメータを設定するための操作を受け付ける複数の操作部と、
    前記操作部が受け付けた操作に応じたパラメータを設定する設定指示を前記溶接機に送信する送信部とを備えた溶接用保護面。
  2. 前記複数の操作部のうちの少なくとも一部は、一以上の前記操作部が予め指定された操作を受け付けた場合に、溶接機のパラメータを設定するための操作を受け付け可能な状態となる請求項1記載の溶接用保護面。
  3. 前記操作部は、溶接機のパラメータを設定するための操作を受け付け可能な状態となってから、予め指定された時間以上、操作を受け付けなかった場合に、溶接機のパラメータを設定するための操作を受け付けない状態となる請求項2記載の溶接用保護面。
  4. 前記複数の操作部は、溶接機のパラメータである電流を設定する操作を受け付ける第一操作部と、溶接機のパラメータである電圧を設定する操作を受け付ける第二操作部との少なくとも一方を含む請求項1から請求項3いずれか一項記載の溶接用保護面。
  5. 前記複数の操作部が、それぞれ、三以上の異なるパラメータ値を設定する操作を受け付ける請求項1から請求項4いずれか一項記載の溶接用保護面。
  6. 前記保護面の表面に配置された光電池を更に備え、
    前記送信部は、当該光電池が取得した電力を用いて送信を行う請求項1から請求項5いずれか一項記載の溶接用保護面。
  7. 前記送信部は、無線通信により前記設定指示を送信する請求項1から請求項6いずれか一項記載の溶接用保護面。
  8. 請求項1から請求項7いずれか一項記載の溶接用保護面のグリップであって、
    前記保護面に着脱可能であるグリップ。
JP2014108513A 2014-05-26 2014-05-26 溶接用保護面、及びグリップ Pending JP2015223597A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014108513A JP2015223597A (ja) 2014-05-26 2014-05-26 溶接用保護面、及びグリップ
KR1020150039058A KR20150135997A (ko) 2014-05-26 2015-03-20 용접용 보호면 및 그립
CN201510241213.8A CN105310824A (zh) 2014-05-26 2015-05-13 焊接用保护面具以及夹具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014108513A JP2015223597A (ja) 2014-05-26 2014-05-26 溶接用保護面、及びグリップ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015223597A true JP2015223597A (ja) 2015-12-14

Family

ID=54840788

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014108513A Pending JP2015223597A (ja) 2014-05-26 2014-05-26 溶接用保護面、及びグリップ

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2015223597A (ja)
KR (1) KR20150135997A (ja)
CN (1) CN105310824A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017124406A (ja) * 2016-01-12 2017-07-20 株式会社Kme 照明付保護面用支持具
JP7141503B1 (ja) * 2021-08-26 2022-09-22 稔 中平 遮光パネル

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03275278A (ja) * 1990-03-26 1991-12-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 遠隔制御式溶接電源装置
JP3414193B2 (ja) * 1997-05-09 2003-06-09 松下電器産業株式会社 溶接機器の通信制御装置
JP3690314B2 (ja) * 2001-07-30 2005-08-31 株式会社戸上電機製作所 溶接機用スイッチシステム
CN202665793U (zh) * 2012-07-13 2013-01-16 万向前 多功能焊接操作用面罩
CN202933090U (zh) * 2012-12-10 2013-05-15 南车四方车辆有限公司 自动遮光焊帽及焊接系统
CN203122757U (zh) * 2013-03-16 2013-08-14 重庆东港船舶产业有限公司 一种焊接面罩

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017124406A (ja) * 2016-01-12 2017-07-20 株式会社Kme 照明付保護面用支持具
JP7141503B1 (ja) * 2021-08-26 2022-09-22 稔 中平 遮光パネル

Also Published As

Publication number Publication date
CN105310824A (zh) 2016-02-10
KR20150135997A (ko) 2015-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11504791B2 (en) Welding torch with a temperature measurement device
US9966772B2 (en) Battery-charge control device, battery charger and battery pack
JP6196530B2 (ja) 電源装置の遠隔操作装置、および、加工システム
JP6214309B2 (ja) 溶接装置、および、溶接装置の通信方法
US20130264322A1 (en) Welding systems having non-contact temperature measurement systems
JP2015223597A (ja) 溶接用保護面、及びグリップ
JP2015071178A (ja) ワイヤ送給装置、および、溶接システム
US20180290226A1 (en) Device and method of controlling welding helmet
CN104837590B (zh) 用于指示焊炬上功率的装置和方法
JP2010014531A (ja) 電子機器システム及び画像情報取得方法
KR102059362B1 (ko) 배터리 용접기의 사용 정보 제공 방법 및 그를 이용하는 배터리 용접 시스템
US20160311046A1 (en) Wireless control of a welding machine
JP2015223596A (ja) 溶接用保護面
JP3130869U (ja) 出力電圧調節可能の電動工具充電器
KR20140121619A (ko) 충전식 무선인두장치
JP2020059062A (ja) アーク溶接で使用するヘッドマウントデバイスを含むシステム及び方法
EP3970896A1 (en) Anti-glare welding apparatus
JP2002010508A (ja) 充電装置および充電方法
JP6514865B2 (ja) 充電式電気機器
CN112533723B (zh) 焊接电力供应器和用于控制焊接电力供应器的输出极性的用户界面
CN201422958Y (zh) 新型电焊面罩
US20230073495A1 (en) Laser scattered light measuring device
KR200437405Y1 (ko) 스터드 용접기
JP7147338B2 (ja) 被覆アーク溶接システム、および、被覆アーク溶接用の溶接電源装置
JP2014222808A (ja) 通信装置の制御回路、通信装置、溶接電源装置、遠隔操作装置、溶接装置、制御方法、および、プログラム