以下、一実施形態の構成を図1ないし図19を参照して説明する。
図1、図2、図18および図19において、11は照明装置としての照明器具であり、この照明器具11は、天井面12に直接取り付けられる、直付形の非常灯として用いられるものである。そして、この照明器具11は、天井面12に固定されるシャーシとしての取付板14と、この取付板14の下部に取り付けられ一端側である下端側が開口した略円筒状の器具本体15とを備えており、この器具本体15には、光源モジュール16、非常点灯用のバッテリパック17、および、光源モジュール16の点灯用の点灯ユニット18がそれぞれ着脱可能に内部に収容されているとともに、取付板14の下部に取り付けられ商用交流電源などの外部電源と電気的に接続される端子台19が上部に収納されている。なお、以下、この照明器具11は、略水平な天井面12に取り付けられるものとし、器具本体15の上下方向が鉛直上下方向に沿うものとして説明する。
取付板14は、例えば金属板により上下方向から見て(平面視で)円形状に形成されており、軸方向である上下方向に扁平な有蓋円筒状のシャーシ本体としての取付板本体21と、この取付板本体21の一端部である下端部の全周からフランジ状に延出するフランジ部22とを一体に備えている。そして、取付板本体21には、中央部(取付板14の中央部)を貫通して設けられ商用交流電源などの外部電源と電気的に接続された電源線としてのケーブル25を天井面12側から導入するための電源線導入孔としてのケーブル導入孔26と、このケーブル導入孔26に連続して器具本体15の軸方向と直交する直径方向(径方向)に沿って直線状に切り欠き形成されてケーブル25を端子台19へと導くための電源線配置孔としてのケーブル配置孔27と、ケーブル導入孔26の周囲に複数設けられ取付板14を天井面12に固定するための固定孔28と、ケーブル導入孔26に対して互いに反対側の位置に設けられ点灯ユニット18を取付板14に対して位置決めおよび周り止めする複数、例えば一対の位置決め孔29,29と、ケーブル導入孔26の周囲に設けられ点灯ユニット18を取付板14に対して固定するための複数のユニット用固定孔30と、ケーブル導入孔26の一側にそれぞれ設けられ端子台19を取付板14に固定するための複数、例えば一対の端子台用固定孔31,31とがそれぞれ開口されている。また、フランジ部22には、器具本体15を取付板14に対して固定するための複数、例えば一対の本体用固定孔33,33が取付板14の中心(ケーブル導入孔26)に対して互いに反対側の位置に開口されている。
ケーブル25は、端子台19に挿入保持される導線35,35と、これら導線35,35を互いに離間した状態で被覆する、例えば扁平な絶縁被覆部36とを備えている。そして、このケーブル25は、天井面12に開口された例えば円形状などの導出孔から天井面12の下方へと導出されている。
ケーブル導入孔26は、例えば導出孔と略等しい径寸法の円形状に形成されており、照明器具11の中心軸(光軸)と同軸上に位置している。換言すれば、このケーブル導入孔26は、光源モジュール16からの光の光軸と一致する中央部に配置されている。そして、このケーブル導入孔26は、取付板14を天井面12に固定した状態で、導出孔に対向する位置に、この導出孔と略同軸に配置される。
ケーブル配置孔27は、取付板14(ケーブル導入孔26)の中心を通る所定の仮想線Lに対して交差する方向へと側方に延びており、取付板本体21の外縁部近傍、すなわちフランジ部22の近傍まで延びて設けられている。
各固定孔28には、固定体である木ねじなどの固定ねじ39がそれぞれ下方から挿入され、天井面12に対して取付板14を下方から取り付け固定できるようになっている。これら固定孔28は、例えば本実施形態では3つ設定され、仮想線L(ケーブル導入孔26)に対して一側に1つ、他側に2つ設けられている。すなわち、これら固定孔28は、仮想線L(ケーブル導入孔26)を挟む位置に設けられている。
位置決め孔29,29は、取付板14の中心に対して径方向に互いに反対側に位置し、取付板本体21の外縁部近傍、すなわちフランジ部22寄りの位置に設けられている。換言すれば、これら位置決め孔29,29は、取付板14の中心(ケーブル導入孔26)に対して互いに略対称な位置に設けられている。本実施形態では、位置決め孔29,29は、仮想線Lの一側と他側とに設けられている。
各ユニット用固定孔30は、取付体である取付ねじ40がそれぞれ下方から挿入され、取付板14(取付板本体21)の下部に対して点灯ユニット18を下方から取り付け固定できるようになっている。これらユニット用固定孔30は、例えば本実施形態では3つ設定され、仮想線L(ケーブル導入孔26)に対して一側に2つ、他側に1つ設けられている。すなわち、これらユニット用固定孔30は、ケーブル導入孔26を挟む位置に設けられている。また、これらユニット用固定孔30は、例えば取付板14の中心に対して位置決め孔29,29と同一円周上に位置している。
端子台用固定孔31,31は、ケーブル配置孔27を挟んでこのケーブル配置孔27に対して略対称に設けられている。
本体用固定孔33,33は、仮想線Lと重なる位置、本実施形態では仮想線L上にそれぞれ設けられているとともに、取付板14の中心(ケーブル導入孔26)に対して互いに略対称な位置に設けられている。これら本体用固定孔33,33には、図示しない金具固定ねじがそれぞれ上方から挿入され、取付板14(フランジ部22)の下部に対して、器具本体15を固定するための取付金具43,43をそれぞれ取り付け固定できるようになっている。また、これら本体用固定孔33,33のそれぞれの両側には、取付金具43,43を位置決めおよび係止するための係止突起44,44が取付板14(フランジ部22)の下部に突出して設けられている。なお、以下、仮想線L上とは、上方または下方から見た平面視で仮想線Lと少なくとも一部が重なる位置をいうものとする。
また、器具本体15は、カバーとも呼び得るもので、例えば金属板などにより有底円筒状に形成されている。この器具本体15の底部には、図13ないし図19に示すように、光源モジュール16が嵌合する取付開口47が中央部に開口されている。したがって、この取付開口47は、光源モジュール16からの光が下方に出射する出射開口となっている。この取付開口47の内縁部は、仮想線Lと交差(直交)する方向に沿って直線状に延びる直線部47a,47aと、仮想線Lの両側に略線対称に位置する円弧状に湾曲した湾曲部47b,47bとにより構成されており、一方の直線部47aの中央部には、円弧状の切欠部47cが切り欠き形成されている。また、この器具本体15の上端部の内縁部には、図1および図2に示すように、この器具本体15を取付板14に取付金具43,43を介して取り付けるための一対の取付金具48,48が取り付けられている。そして、この器具本体15内には、図18に示すように、上側から下側へと、点灯ユニット18、バッテリパック17、および、光源モジュール16の順に並ぶように収容されている。
図7、図8および図17ないし図19に示す光源モジュール16は、取付開口47と嵌合して器具本体15の下端部から下方へと光を出射するものであり、光源基板50と、この光源基板50を覆うモジュールケース51とを備えている。そして、この光源モジュール16(モジュールケース51)の上部は、バッテリパック17の下部に対向して隣接している。
光源基板50は、平板状に形成され、一主面である下面に、複数、例えば4つの発光素子(半導体発光素子)であるLED53が中央部に実装されているとともに、これらLED53の周囲に、保守点検用の機能性部品であるスイッチ54、保守点検用の機能性部品である点検用の複数のモニタランプ55、および、保守点検用の機能性部品であるリモコン送受信(通信)用の通信デバイス56,57がそれぞれ実装されている。なお、通信デバイス56,57の一方は受信用の通信デバイスであり、他方は送信用の通信デバイスである。また、この光源基板50は、他主面である上面に、コネクタ部としての接続部品であるコネクタ受け部58が実装されている。
LED53は、光源基板50の下面にて中央部に配置されており、それぞれレンズなどの配光制御部材であるドーム状の制光体59により覆われている。そして、この制光体59により、LED53からの光が、所定の規格により規定された配光特性となるように拡散されている。
スイッチ54、モニタランプ55および通信デバイス56,57は、光源基板50の下面にてLED53の周囲に配置されている。本実施形態では、スイッチ54およびモニタランプ55が仮想線Lの一側に配置され、通信デバイス56,57が仮想線Lの他側に配置されている。
そして、スイッチ54は、外部操作によってLED53の状態、バッテリパック17の充電状態などを点検する図示しない点検回路を動作させる点検モードの始動用のものである。
モニタランプ55は、スイッチ54の操作により点検回路が動作したときに、この点検回路による点検結果を表示(報知)するものである。
通信デバイス56,57は、例えば赤外線受信手段および赤外線送信手段であり、外部のリモコンからの遠隔操作によって上記点検回路を動作させる点検モードを選択可能となっている。
コネクタ受け部58は、点灯ユニット18側と電気的に接続された図示しないリード線を纏めたコネクタを着脱可能に受けることで点灯ユニット18と光源基板50(LED53)とを電気的に接続するものであり、仮想線Lと交差(直交)する方向に沿って長手状に配置され、この仮想線Lを中心線とする略対称な形状となっている。このコネクタ受け部58には、接続されたコネクタを取り外す際に操作するための取外しレバー58aが設けられている。
モジュールケース51は、例えばアルミダイカストなどにより上下方向の厚みが薄い扁平に形成されており、取付開口47の内縁に嵌合可能となっている。すなわち、このモジュールケース51は、取付開口47の直線部47a,47aに対向する一の側面部であるケース直線部51a,51aと、取付開口47の湾曲部47b,47bに対向する他の側面部であるケース湾曲部51b,51bとを備えている。なお、このモジュールケース51は、例えば絶縁性を有する合成樹脂などにより形成されてもよい。また、このモジュールケース51の一方のケース直線部51aには、着脱機構としてのモジュール係止体61が操作可能に取り付けられる着脱機構取付部としての係止体取付部62が凹部を有して設けられている。さらに、このモジュールケース51の他方のケース直線部51aには、点灯ユニット18に挿入係止される挿入爪部63,63が仮想線Lの両側に突設されているとともに、これら挿入爪部63,63間に凹部64が凹部を有して設けられている。さらに、このモジュールケース51には、取付開口47から下方に臨む下部に、LED53および制光体59が露出する大径の円形状の開口65が中央部に開口されているとともに、この開口65の周囲に沿って、スイッチ54、各モニタランプ55および通信デバイス56,57が露出する小径の円形状の複数の開口66がそれぞれ開口されている。また、このモジュールケース51のバッテリパック17に対向する上部には、コネクタ受け部58が露出する長方形状のコネクタ開口部67が開口されている。さらに、このモジュールケース51の上部の係止体取付部62と連続する部分は、光源モジュール16を器具本体15に対して取り付ける際の取付開口47の内縁部(一方の直線部47a)との干渉を避けるための傾斜部68となっている。なお、このモジュールケース51が、例えば上下方向の厚みが薄い扁平状の2つの部材から形成されている場合には、ケース直線部51a,51aおよびケース湾曲部51b,51bにおいて、モジュールケース51の2つの部材の接合部は、光源基板50の厚さ方向(断面方向)の途中に位置している。すなわち、これらの部材の接合部は、光源基板50の断面と対向している。このようにモジュールケース51および光源基板50を配置することで、接合部からの光漏れを防ぐことができる。
モジュール係止体61は、例えば金属板などにより形成され、仮想線Lと交差(直交)する方向に沿って長手状に配置されて、この仮想線Lを中心線とする略対称な形状となっている。このモジュール係止体61は、係止体取付部62から露出する操作部61aを備えているとともに、点灯ユニット18に挿入係止可能な爪部61b,61bを仮想線Lの両側にそれぞれ備えている。そして、このモジュール係止体61は、操作部61aを係止体取付部62内で往復操作(スライド操作)することで、爪部61b,61bがモジュールケース51の外郭から進退するようになっている。また、このモジュール係止体61は、光源モジュール16において、コネクタ受け部58と反対側の側部に位置している。
傾斜部68は、上方に向けて係止体取付部62から離間する方向へと傾斜している。
図1ないし図5および図13ないし図16及び図18に示すバッテリパック17は、非使用時には端子台19を介して外部電源から供給される電力によって充電されるとともに、非常時(少なくとも外部電源の電力供給停止時)には非常点灯用の電力を供給するもので、器具本体15内に収容される部材中で最も重量が大きい重量物である。このバッテリパック17は、バッテリケース71と、このバッテリケース71に収容された複数の二次電池である円柱状のバッテリ72と、このバッテリケース71に収容されたコネクタ73とを備えているとともに、このバッテリパック17を点灯ユニット18に対して係止するためのロックユニット74が取り付けられている。そして、このバッテリパック17は、器具本体15に対して一端側である下端側の取付開口47から上下方向、すなわち器具本体15の軸方向(光源モジュール16の光軸方向)に沿って挿脱可能となっている。
バッテリケース71は、例えば絶縁性を有する合成樹脂などにより形成されており、一のケースである上ケース76と、他のケースである板状の下ケース77とを備えている。
上ケース76は、下ケース77と対向する下端が開口して形成されている。この上ケース76には、各バッテリ72が内部に位置する(一方および他方の)収容部81,82と、これら一対の収容部81,82間を接続する収容部接続部83と、コネクタ73が露出するコネクタ配置部84と、ロックユニット74を固定するユニット受け部85,85とが一体的に設けられている。
収容部81は、例えばバッテリ72を複数、例えば2つ内部に上下方向に沿って収容可能となっている。また、この収容部81の両側には、バッテリパック17を器具本体15に対して取付開口47から挿脱する際のガイドとなる(一方の)ガイド部81a,81aが上下方向に沿ってリブ状に突設されている。一方、収容部82は、例えばバッテリ72を1つ内部に上下方向に沿って収容可能となっている。また、この収容部82の側部には、バッテリパック17を器具本体15に対して取付開口47から挿脱する際のガイドとなる(他方の)ガイド部82aが上下方向に沿ってリブ状に突設されている。
さらに、これら収容部81,82は、互いに離間されている。そして、これら収容部81,82は、バッテリパック17を器具本体15に収容した状態で、この器具本体15の内周に沿う位置に、仮想線Lの両側に(仮想線Lを挟んで)配置される。すなわち、これら収容部81,82は、器具本体15の軸方向に対して略平行に上下方向に長手状に配置され、外側面が器具本体15の内周に近接対向している。
収容部接続部83は、収容部81,82間を下部で接続しており、光源モジュール16のモジュールケース51の上面に沿って配置されている。
コネクタ配置部84は、上下方向に沿って軸方向を有する角筒状に形成されており、収容部82の側方に連続して設けられている。すなわち、このコネクタ配置部84は、収容部81に収容される2本のバッテリ72のうちの1本と仮想線Lを挟んで配置されている。
各ユニット受け部85は、収容部81,82の外側部に上下方向に沿ってそれぞれ配置されており、仮想線Lの両側に略対称に配置されている。また、各ユニット受け部85には、ロックユニット74をバッテリケース71に係止するための段差部85a(一方のみ図示)が形成されている。
下ケース77は、上ケース76の下端を閉塞するものである。すなわち、この下ケース77は、上ケース76の収容部81,82および収容部接続部83の下部に重ねられて配置されている。また、この下ケース77には、収容部接続部83の収容部81,82間の位置の下部に、バッテリパック17を取り付けおよび取り外し(器具本体15に収納)する際に両側から摘むための円弧状の摘み87,87が突設されている。これら摘み87,87は、仮想線Lと重なる位置にそれぞれ配置されており、この仮想線Lに対してそれぞれ交差する方向に延びている。また、これら摘み87,87は、仮想線Lと交差する位置が内方へと最も窪むように湾曲している。
バッテリ72は、例えばニカド電池、ニッケル水素電池、あるいはリチウムイオン電池などの充電可能な電池であり、接続板89を介して互いに電気的に直列に接続されている。
コネクタ73は、バッテリパック17を器具本体15に取り付けた状態で点灯ユニット18と電気的に接続されるものであり、接続板89を介して、直列に接続されたバッテリ72の正極および負極と電気的に接続されている。
ロックユニット74は、一対の係止部としての可動片である閂部91,91と、これら閂部91,91をバッテリケース71(下ケース77)に保持するためのホルダ92とを備えている。
各閂部91は、例えば鋼板などの金属板により板状に形成されており、係止部本体としての四角形板状の閂部本体91aと、この閂部本体91aの長手方向の一端部に屈曲された被操作部91bと、この閂部本体91aの長手方向の他端部に突出する係止爪部91cと、この閂部本体91aに厚み方向に貫通して設けられた(一方および他方の)係止孔91d,91eとを備えている。また、これら閂部91,91は、バッテリパック17の収容部81,82(ユニット受け部85,85)の下方にて下ケース77の下面に重ねられて配置されており、仮想線Lに対して互いに略対称となっている。そして、各閂部91は、バッテリパック17のバッテリケース71の下ケース77の下面にリブ状に突設されたガイドリブ部94,94によりガイドされることで、バッテリパック17(バッテリケース71)に対して仮想線Lと交差(直交)する方向で、かつ、光源モジュール16の光の照射方向と交差(直交)する方向である水平方向に沿って往復移動(スライド)可能、すなわち仮想線Lに対して接近する方向とその反対方向とに移動可能となっており、この往復移動によってバッテリパック17から進退するようになっている。
被操作部91bは、閂部本体91aから下方に向けて屈曲されており、各閂部91を操作する際の摘み部となる部分である。
係止爪部91cは、各閂部91をバッテリパック17に対して進出(突出)させる方向に移動させた状態で各バッテリ用係止孔121にそれぞれ挿入係止されるものである。
係止孔91d,91eは、閂部本体91aの長手方向に互いに離間されて配置されている。これら係止孔91d,91eは、閂部91の往復移動範囲の両端部の位置を決めるものである。
ホルダ92は、各閂部91をバッテリケース71の下ケース77との間に挟み込むもので、例えば絶縁性の合成樹脂などにより形成されており、仮想線Lに対して交差(直交)する方向に延びる長尺状のホルダ本体92aと、このホルダ本体92aの長手方向の両端部から上方へと突設されたホルダ係止部92b,92bとを備えている。また、ホルダ本体92aの両端部近傍には、各閂部91の被操作部91bを下方へと露出させる露出開口部92c,92cが開口されている。さらに、このホルダ本体92aの露出開口部92c,92cとホルダ係止部92b,92bとの間には、切欠開口部92d,92dが開口されている。そして、このホルダ本体92aの両端部であるホルダ係止部92b,92bの下端部には、閂部91,91の係止爪部91c,91cが進退する進退開口部92e,92eが切り欠き形成されている。
また、各ホルダ係止部92bは、バッテリケース71の各ユニット受け部85に嵌合される部分であり、これらホルダ係止部92bの先端部である上端部には、ユニット受け部85の段差部85aに係止される段差部係止爪部92fがそれぞれ突設されている。
各露出開口部92cは、各閂部91の被操作部91bを露出させて操作可能とするものである。各露出開口部92cには、被操作部91bの操作者の指との干渉を避けて被操作部91bを操作しやすくするための半円弧状の逃げ凹部92g,92gがそれぞれ隣接して形成されている。
各切欠開口部92dには、舌片状の係止片部92hがそれぞれホルダ本体92aの長手方向、すなわち閂部91の往復移動方向に沿って自由端状に突設されている。これら係止片部92hの先端側の閂部91に対向する上部には、閂部91の係止孔91d,91eのいずれか一方に選択的に挿入係止される挿入部92iがそれぞれ突設されている。これら挿入部92iは、係止孔91d,91eに挿入される際に操作感を生じさせるとともに、閂部91を容易に動かないように係止するものである。
また、図1、図2、図9ないし図11および図18に示す点灯ユニット18は、略円筒状のユニットケース96と、このユニットケース96に収容された基板部97と、このユニットケース96に取り付けられたバッテリ接続部である接続コネクタ98とを備えている。そして、この点灯ユニット18は、器具本体15の取付開口47の上方に位置し、器具本体15と略同軸となっている。
ユニットケース96は、例えば絶縁性を有する合成樹脂などにより形成されており、一のユニットケースである下部ユニットケース101と、他のユニットケースである上部ユニットケース102とを備えている。
下部ユニットケース101は、器具本体15の内径よりも小さい外径を有する略円筒状のユニットケース本体104と、このユニットケース本体104の上下両端間の内部にてユニットケース本体104の軸方向である上下方向と交差(直交)する方向に沿って形成された仕切り部105と、この仕切り部105の両側部から上方に突設されユニットケース本体104の内面に連続する(一方および他方の)区画壁部106,107とを一体に備えている。そして、仕切り部105の下方にてユニットケース本体104の内部に、光源モジュール16およびバッテリパック17のロックユニット74を含む下部側が収容される下部空間部109が区画され、ユニットケース本体104の内部と区画壁部106,107とのそれぞれとの間に、バッテリパック17の収容部81,82(バッテリ72)が挿入嵌合される(一方および他方の)挿入空間部110,111が区画され、ユニットケース本体104の内部と区画壁部106,107および仕切り部105との間に、基板部97が収容される基板部収容部112が区画されている。
ユニットケース本体104(図12)には、下部空間部109に収容された光源モジュール16のコネクタ受け部58および配線を露出させる切欠開口115が仮想線Lと交差する位置にて仕切り部105の下方の側面に開口されている。また、このユニットケース本体104には、仮想線Lに対して他側の位置に、端子台19をユニットケース96(点灯ユニット18)の外方へと突出させるための開口部116が上端から上下方向に沿って切り欠き形成されている。さらに、このユニットケース本体104の下端部のそれぞれの内面には、光源モジュール16の挿入爪部63,63およびモジュール係止体61の爪部61b,61b(図7)が挿入される一対の係止凹部118,118が取付開口47の各直線部47a,47aの位置にてこの取付開口47に臨んで仮想線Lの両側にそれぞれ凹部を有して設けられている。さらに、ユニットケース本体104の下端部の一方の係止凹部118,118間には、光源モジュール16(図7)の着脱操作用の操作凹部119が取付開口47の切欠部47cに連続するように仮想線L上に位置して凹部を有して設けられている。また、ユニットケース本体104の下端部の他方の係止凹部118,118間には、光源モジュール16の凹部64(図8)に挿入嵌合される係止凸部120が仮想線L上に位置して突設されている。さらに、ユニットケース本体104には、下端部近傍でかつ係止凹部118および係止凸部120よりも上方の位置に、バッテリパック17をロックユニット74の閂部91,91により係止固定するためのバッテリ用係止孔121,121が開口されている。
また、ユニットケース本体104には、上端部にて、上部ユニットケース102を着脱可能に係止するための弾性変形可能なユニットケース爪部123,123が仮想線L上の位置にそれぞれ設けられている。さらに、ユニットケース本体104の上端部には、区画壁部106,107のそれぞれの両端間に亘って、取付板14(取付板本体21)の下部に対向する上部フランジ部124,124がフランジ状に突設されており、これら上部フランジ部124,124のそれぞれには、取付板14の位置決め孔29,29に挿入嵌合される位置決め凸部125,125と、各ユニット用固定孔30と位置合わせされ取付ねじ40が下方から挿入される固定孔部126,126とが設けられている。そして、ユニットケース96の内部に導入された配線が基板部97と電気的に接続され、この基板部97から導出された図示しない配線が接続コネクタ98と電気的に接続されるようになっている。
バッテリ用係止孔121,121は、仮想線Lの両側に互いに略対称に配置されている。すなわち、これらバッテリ用係止孔121,121は、仮想線Lと交差(直交)する方向に沿って開口されている。
仕切り部105は、板状の仕切り部本体128と、この仕切り部本体128の一端部から上方へと屈曲する板状の屈曲部129と、この屈曲部129の上端部から仕切り部本体128に対して反対方向へと延出する板状の延出部130とを一体に備えたクランク状であり、仕切り部本体128と延出部130との位置でユニットケース本体104の内面とそれぞれ連続して仮想線Lに沿って位置している。
仕切り部本体128には、接続コネクタ98を保持する角筒状のコネクタ保持部132が設けられている。また、この仕切り部本体128には、コネクタ保持部132の近傍の位置に、端子台19と基板部97とを接続する配線を収容する配線収容部133が開口部116と連通して下方に凹部を有して設けられている。
コネクタ保持部132は、仮想線Lに対して他側で、かつ、取付板14のケーブル配置孔27の下方に位置している。また、このコネクタ保持部132には、開口部116に臨む面に、開口132aが切り欠き形成されている。
延出部130は、切欠開口115の上方で、かつ、この切欠開口115よりも外方に延出して位置している。このため、この延出部130の下方の位置には、器具本体15の内面および底面との間に、光源モジュール16のコネクタ受け部58と基板部97側とを接続する図示しないリード線を収容するリード線収容空間部134が区画されている。また、この延出部130には、ユニットケース本体104の内面と隣接して、上記リード線を挿通する挿通孔135が切り欠き形成されている。
そして、仕切り部本体128と延出部130とには、基板部97を保持するための基板保持部136,136が上方に向けて突設されている。
区画壁部106,107は、それぞれ収容部81,82の形状に沿ってユニットケース本体104の内面に対して仮想線L側へと弧状に突出するように湾曲されている。
また、上部ユニットケース102は、略板状に形成されており、下部ユニットケース101の基板部収容部112の上端側を覆うようになっている。また、この上部ユニットケース102の側部には、コネクタ保持部132の開口132aを覆って接続コネクタ98と端子台19側とを区画する板状の区画部138が突設されている。さらに、上部ユニットケース102の長手方向の両端部には、ユニットケース爪部123,123を受ける爪受け部139,139が凹部を有して設けられている。
基板部97は、板状の基板141と、この基板141に実装された複数の部品142およびコネクタ部としての点灯回路側接続部品であるコネクタ受け部143とを備え、光源モジュール16のLED53(図7)を点灯させる点灯回路144が構成されている。この基板部97は、基板141が基板保持部136,136により保持されてユニットケース96の長手方向に沿って基板部収容部112内に配置されており、点灯ユニット18を器具本体15に取り付けた状態で、基板141が上下方向に沿って面方向を有し、この器具本体15の径方向および仮想線Lに対して平行で、かつ、器具本体15の直径および仮想線Lの近傍(本実施形態では仮想線L上から側方に僅かに離間された位置)に配置されるようになっている。換言すれば、この基板部97は、点灯ユニット18を器具本体15に取り付けた状態で、基板141の各主面が仮想線Lの側方に向くようになっている。
図9などに示すコネクタ受け部143は、光源モジュール16のコネクタ受け部58(図8)に接続されるリード線を纏めたコネクタを着脱可能に受けることで点灯ユニット18と光源基板50(LED53)(図7)とを電気的に接続するものであり、仮想線L上の位置に、この仮想線Lに対して交差(直交)する上下方向に沿って長手状に配置されている。このコネクタ受け部143には、接続されたコネクタを取り外す際に操作するための取外しレバー143aが設けられている。なお、このコネクタ受け部143に接続されたリード線は、挿通孔135から点灯ユニット18(ユニットケース96(基板部収容部112))の外部へと、リード線収容空間部134に導出されている。
点灯回路144は、例えば常時点灯回路、非常時点灯回路、および、バッテリ72の充電回路などを備えており、LED53(図7)に対して定電流を供給可能な定電流回路などである。この点灯回路144は、コネクタ受け部143および接続コネクタ98とそれぞれ電気的に接続されている。
接続コネクタ98は、下端側がコネクタ保持部132の下部に露出しており、下方から挿入されたバッテリパック17のコネクタ73と電気的に接続されるようになっている。
図1、図2および図18に示す端子台19は、外部電源からLED53の点灯用の電力およびバッテリパック17のバッテリ72(図3)の充電用の電力が供給されるもので、外部電源とケーブル25を介して電気的に接続されるとともに、バッテリパック17および点灯ユニット18の基板部97(点灯回路144)と電気的に接続されるものである。そして、この端子台19は、一対の接続部147,147を備え、これら接続部147,147が上方に向いて開口するように、取付部材としての天板148を介して取付板14の下部に固定されている。
天板148は、例えば金属板などにより形成され、取付板14に固定される被固定部151と、この被固定部151から下方に向けて延びる端子台固定部152とを一体に備えている。
被固定部151は、ケーブル配置孔27の下部すなわちケーブル導入孔26(照明器具11(器具本体15)の中心軸)に対して径方向外側にずれた(オフセットした)位置で、かつ、接続コネクタ98の上方の位置にてケーブル配置孔27を交差(直交)する方向に横断して配置されており、両端部に形成された固定孔151a,151aが端子台用固定孔31,31と位置合わせされて下方から端子台用固定体である端子台用固定ねじ154,154がそれぞれ挿入されてねじ止めされることにより、天板148が取付板14に対して下方から取り付けられるようになっている。また、この被固定部151の両端間の中央部は下方へと凹んだ受け部151bとなっており、ケーブル25を下方から支持するとともにケーブル25の位置を規制するようになっている。
端子台固定部152は、被固定部151から下方へと屈曲され区画部138の外方に対向する対向部152aと、この対向部152aから外方へと屈曲する固定部屈曲部152bと、この固定部屈曲部152bから下方へと屈曲され端子台19が固定される固定部本体152cとを一体に備えたクランク状となっている。すなわち、固定部本体152cは、ケーブル配置孔27の外縁部近傍の位置で上下方向に沿って位置しており、この固定部本体152cの外面に取り付けられた端子台19は、開口部116から点灯ユニット18のユニットケース96の外部へと突出し、接続部147,147が取付板14の取付板本体21の外縁部近傍の下方に位置するようになっている。したがって、端子台19は、ケーブル導入孔26と対向しない位置に配置されて接続部147,147の上方が取付板14により覆われ、取付板14から上方に露出しないとともに、照明器具11(器具本体15およびユニットケース96)の中心軸に対して、光源モジュール16およびバッテリパック17よりも径方向外方に位置している。
そして、図1ないし図19に示すように、照明器具11を取り付ける際には、概略として、端子台19を取り付けた取付板14を天井面12に固定し、ケーブル25を端子台19に接続するとともに、端子台19を点灯ユニット18の基板部97と接続し、点灯ユニット18を取付板14に固定し、器具本体15を取付板14に取り付けた後、器具本体15の取付開口47からバッテリパック17および光源モジュール16を順次取り付ける。
より詳細には、まず、端子台19を端子台固定部152の固定部本体152cに固定した天板148を、被固定部151の固定孔151a,151aを端子台用固定孔31,31と位置合わせして端子台用固定ねじ154,154を締め付けることで取付板14に固定する。
次いで、この端子台19を天板148により取り付けた取付板14を、施工する天井面12に対して、天井面12の導出孔から導出したケーブル25をケーブル導入孔26に挿入しつつこのケーブル導入孔26を導出孔と位置合わせし、各固定孔28に対して下方から固定ねじ39をそれぞれ挿入して天井面12にねじ込むことで取り付け固定する。
さらに、ケーブル導入孔26に挿入したケーブル25を、天板148の受け部151bによって絶縁被覆部36を下方から支持しながらケーブル配置孔27に沿って取付板14の径方向に沿って延ばし、ケーブル配置孔27の外縁部の位置から下方へと屈曲させ、導線35,35を、上方に向けて開口する端子台19の接続部147,147に挿入して接続する。
この後、基板部97を基板保持部136,136に保持してユニットケース96(基板部収容部112)内に収容した点灯ユニット18に対して、端子台19を配線によって基板部97と電気的に接続する。
次いで、この点灯ユニット18を、端子台19および天板148を開口部116に位置合わせしつつ上方へとスライドするように押し込み、位置決め凸部125,125を取付板14の位置決め孔29,29に挿入して位置決めすることで、各固定孔部126が取付板14の各ユニット用固定孔30と位置合わせされるので、これら固定孔部126およびユニット用固定孔30に対して下方から取付ねじ40をそれぞれ挿入して締め付けることで、点灯ユニット18を取付板14の下部に取り付け固定する。このとき、端子台19と基板部97とを接続する配線は、点灯ユニット18のユニットケース96の配線収容部133に収容する。
さらに、器具本体15を、取付金具48,48を取付板14の取付金具43,43に対して位置合わせしつつ、点灯ユニット18の下方から上方へと押し込んで、これら取付金具48,48の位置で取付金具43,43に対して固定する。この状態で、点灯ユニット18のユニットケース96の操作凹部119が器具本体15の取付開口47の切欠部47cと連続するとともに、係止凹部118,118と係止凸部120とが、それぞれ器具本体15の取付開口47の直線部47a,47aの位置に臨む。
この状態で、バッテリパック17を取付開口47から上方へと挿入する(図15)。このとき、まず、ロックユニット74の各閂部91の被操作部91bを押し操作して各閂部91をそれぞれスライドさせて進退開口部92eへと退避させ、係止爪部91cがバッテリパック17の側方に突出しない位置、すなわちホルダ92の各係止片部92hの挿入部92iが各係止孔91dにそれぞれ嵌合した位置としておく。次いで、摘み87,87を摘んで、バッテリパック17の収容部81,82を上方として挿入空間部110,111に位置合わせするとともに、コネクタ73を点灯ユニット18のコネクタ保持部132に位置合わせしてガイド部81a,82aをユニットケース96に沿わせつつ上方に押し込むことで、収容部81,82が挿入空間部110,111に挿入され、コネクタ73がコネクタ保持部132に挿入されて接続コネクタ98と接続されて点灯ユニット18(基板部97の点灯回路144)とバッテリパック17(バッテリ72)とが電気的に接続される。この状態で、バッテリパック17の下部に露出するロックユニット74の各閂部91の被操作部91bを上下方向に対して交差(直交)する水平方向で、かつ、仮想線Lに対して交差(直交)する方向へと押し操作して各閂部91をバッテリパック17から側方へと進出(突出)させようにスライドさせることで、各閂部91の係止爪部91cが各進退開口部92eから突出してバッテリ用係止孔121,121に挿入され、バッテリパック17が点灯ユニット18に係止固定される(図16の想像線)。このとき、各閂部91では、係止孔91dに嵌合していたホルダ92の挿入部92iがスライドによってこの係止孔91dから外れ、係止片部92hが弾性変形した後、挿入部92iが係止孔91eの位置になると、係止片部92hが復帰変形して挿入部92iが係止孔91eに嵌合することで、クリック感が生じるとともに、各閂部91が容易に動かないように係止される。この状態で、点灯ユニット18のユニットケース96内に収容された基板部97が収容部81,82間、すなわちバッテリ72,72間に位置し、これらバッテリ72,72が仮想線Lの両側に位置する。
そして、挿通孔135を介してリード線収容空間部134へと導出されたリード線を纏めたコネクタを光源モジュール16のコネクタ受け部58に接続し、この光源モジュール16を取付開口47から器具本体15内に挿入する。このとき、まず、モジュール係止体61の操作部61aを押し操作してモジュール係止体61をスライドさせて退避させ、爪部61b,61bがモジュールケース51の側方に突出しない位置としておく。次いで、光源モジュール16の他方のケース直線部51a側に位置する挿入爪部63,63を取付開口47の他方の直線部47a側に位置する係止凹部118,118にそれぞれ挿入するとともに凹部64に係止凸部120を挿入し、これらを支点として光源モジュール16のモジュール係止体61側を上方へと回動させた後、光源モジュール16の下部に露出するモジュール係止体61の操作部61aを仮想線Lに沿って押し操作することで、モジュールケース51から進出(突出)した爪部61b,61bが係止凹部118,118に挿入されて光源モジュール16が点灯ユニット18に固定され(図17の想像線)、照明器具11が天井面12に取り付けられた状態で完成する。この回動の際、光源モジュール16のモジュール係止体61側の上部は、傾斜部68により器具本体15との干渉が防止される。
そして、端子台19から外部電源が供給された照明器具11は、点灯回路144が常時点灯回路を有している場合には、常時点灯回路から定電流をLED53に供給し、LED53を常時点灯させるとともに、バッテリパック17のバッテリ72を必要に応じて充電する。また、停電などの非常時には、バッテリパック17のバッテリ72から電力が供給された点灯回路144の非常時点灯回路がLED53を非常時点灯させる。すなわち、点灯回路144が常時点灯回路を有している場合には、点灯回路144の常時点灯回路が非常時点灯回路に切り換わる。
そして、天井面12に取り付けた照明器具11のメンテナンスの際には、組み立てのときと逆順で、光源モジュール16とバッテリパック17とを順次取り外す。すなわち、まず、光源モジュール16のモジュール係止体61の操作部61aを、仮想線Lに沿って押し操作することで、モジュール係止体61が退避して爪部61b,61bが係止凹部118,118から外れ、モジュール係止体61による光源モジュール16の点灯ユニット18への係止が解除される。そこで、この光源モジュール16のモジュール係止体61側を下方へと回動させ、光源モジュール16を取付開口47に対してモジュール係止体61側に若干移動させながら下方へと引き抜くことで、挿入爪部63,63と係止凹部118,118との係止、および、凹部64と係止凸部120との係止が解除され、光源モジュール16が取付開口47から取り外される。この後、光源モジュール16の上部に露出するコネクタ受け部58の取外しレバー58aを操作することで、コネクタ受け部58に接続されたコネクタを取り外すことにより、光源モジュール16を点灯ユニット18から取り外すこともできるし、リード線は充分に長く設けられているので、コネクタ受け部58に接続されたコネクタを取り外すことなくバッテリパック17を取り外すこともできる。次いで、取付開口47から覗くバッテリパック17の下部の各閂部91をそれぞれ仮想線Lへと接近させるように水平方向に押し操作することで、各係止爪部91cが各進退開口部92eへと退避して各バッテリ用係止孔121から外れる。このとき、各閂部91では、係止孔91eに嵌合していたホルダ92の挿入部92iがスライドによってこの係止孔91eから外れ、係止片部92hが弾性変形した後、挿入部92iが係止孔91dの位置になると、係止片部92hが復帰変形して挿入部92iが係止孔91dに嵌合することで、クリック感が生じるとともに、各閂部91が容易に動かないように係止される。そして、バッテリパック17を下方へと引き抜く(図15)ことで、バッテリパック17が取り外される。
なお、点灯ユニット18については、通常取り外すことはないが、取り外しが必要な場合には、器具本体15を取付板14から取り外した後、取付板14から取り外す。
以上説明した一実施形態によれば、天井面12に固定される取付板14のケーブル導入孔26から導入されたケーブル25が接続される端子台19の接続部147,147を、ケーブル導入孔26に対向しない位置に設けるとともに、取付板14によって接続部147,147を覆うので、ケーブル導入孔26を介して天井裏(導出孔)から落下してくる埃が端子台19の接続部147,147に対して直接侵入して付着することを確実に抑制できる。
また、直付形の照明器具11において、端子台19を器具中央付近の実装としていないため、ケーブル導入孔26を光源モジュール16からの光の光軸上、すなわち器具中央に配置できる。したがって、天井面12に対して照明器具11を組み付ける際に、取付板14の中央に位置するケーブル導入孔26を天井面12の導出孔と位置合わせすることで、導出孔の位置を中心に合わせた器具配置となり、導出孔の位置が器具中央からずれている場合と比較して、照明器具11の配置や光源モジュール16からの光の照射位置などを容易に予測できるので、施工性が良好であるとともに、器具本体15の内部に配置される基板部97やバッテリパック17の実装の制限も少なくなる。
さらに、端子台19を天板148によって、バッテリパック17よりも外方に配置するので、照明器具11の高さが端子台19によって増加することがなく、特に高さ方向により小型化できる。
バッテリパック17に設けた閂部91,91を光源モジュール16からの光の照射方向と交差する方向に沿って往復移動(スライド)させることで、器具本体15に挿入されたバッテリパック17を器具本体15内の点灯ユニット18に対して係脱する。すなわち、閂部91,91は、バッテリパック17から進出するようにスライドさせることでバッテリ用係止孔121,121に挿入されてバッテリパック17の落下方向に対して略垂直となり、いわばバッテリパック17の落下に対して閂を掛けた状態となるので、省スペースでバッテリパック17を容易かつ確実に点灯ユニット18に固定できる。さらに、閂部91,91は、バッテリパック17側に退避するようにスライドさせることでバッテリ用係止孔121,121から引き抜かれて、バッテリパック17を点灯ユニット18および器具本体15から容易に取り外すことができる。したがって、閂部91,91の簡単な構成によって、バッテリパック17を点灯ユニット18に対して容易に着脱可能な構成を実現できる。
また、バッテリパック17の下部に閂部91,91が位置しているので、光源モジュール16を取り外すことによって閂部91,91が器具本体15の下方すなわち取付開口47に露出し、取り外し作業が容易になる。
この結果、バッテリパック17のメンテナンス性をより向上できる。特に、LED53は長寿命であるため、非常灯対応の照明器具11においては、光源モジュール16と比較して、バッテリパック17のメンテナンスの頻度および優先順位が相対的に上がるので、このようにバッテリパック17を容易に取り外しできるようにすることで、メンテナンスがより容易に可能となる。
また、バッテリパック17のバッテリ72を収容する収容部81,82を、器具本体15の内部(内周)に沿って互いに対向する位置にそれぞれ配置し、これら収容部81,82(バッテリ72)間に基板部97を配置することで、これら収容部81,82(バッテリ72)間のスペースを有効利用し、基板部97を長く取ることができるので、器具本体15内に位置する基板部97の大きさを確保できる。
特に、基板部97を、収容部81,82(バッテリ72)間にて器具本体15の径方向に平行に、器具本体15の直径近傍に配置することで、基板部97を器具本体15の直径と略等しい長さ分取ることができ、基板部97をより大きくすることができる。
したがって、基板部97に部品142を多く実装できる。
また、光源モジュール16は、1つのモジュール係止体61によって簡単な構成で点灯ユニット18に対して着脱可能に係止できる。
また、光源モジュール16の光源基板50の一主面に保守点検用のスイッチ54、モニタランプ55および通信デバイス56,57を実装しているので、光源モジュール16自体を点検確認ができるなど高機能化できるとともに、確認作業が機能的となる。さらに、LED53と同様に長寿命のこれらスイッチ54、モニタランプ55および通信デバイス56,57をLED53とセットにすることで、これらを別個に備える場合と比較して、照明器具11が複雑化および大型化せず、照明器具11内のユニットや部品点数を削減でき、簡素化および小型化できる。
また、スイッチ54、モニタランプ55および通信デバイス56,57をLED53の周囲に配置することで、デッドスペースを有効に利用して、これらスイッチ54、モニタランプ55および通信デバイス56,57を機能的かつ省スペースに配置できる。
なお、上記一実施形態において、点灯回路144は、少なくとも非常時点灯回路を有していれば、常時点灯回路は必須の構成ではない。すなわち、照明器具11は非常時にのみ点灯するようにしてもよい。
また、発光素子としては、LED53以外でも、例えばレーザダイオードなどの発光素子、あるいは、有機EL素子(OLED)などを用いることもできる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。