JP2015222206A - 水理実験装置の水路設計方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水路に配置した模型による造波した波への影響を低減し、無限遠方沖合における波の諸元を定義することができる、水理実験装置の水路設計方法を提供する。【解決手段】水路1に向かって人工的に波を生成可能な造波装置2と水路1内に配置される地形を模擬した模型3とを備えた水理実験装置4の水路設計方法であって、生成したい目標波の造波周期Tを設定した後、造波装置2と模型3との間に配置される水平床部5の範囲内で少なくとも1周期分又は1波長分の目標波を生成することができるように、水平床部5の距離X及び水深hを設定することを特徴とする。具体的には、水平床部5の距離X及び水深hは、2X≧T(gh)1/2/2により表される関係式を満たすように設定される。【選択図】図1

Description

本発明は、水理実験装置の水路設計方法に関し、特に、人工的に長周期波や長波を生成可能な造波装置を備えた水理実験装置の水路設計方法に関する。
津波のような長周期波や長波に対する浮体構造物や陸上構造物等の安定性や地形に与える影響等を検討するために、フラップ式、ダムブレイク式、フロート式、空気圧式、水流式等の造波装置を備えた水理実験装置が既に開発されている。特に、沿岸構造物の津波対策には、波力の推定が必要であり、これに適した水理実験技術の構築が望まれている。
上述した造波装置は、例えば、特許文献1に記載されたように、細長い形状を有する水槽内に配置され、この造波装置に隣接する水路内に地形を模擬した模型が配置されることが多い。また、特許文献2に記載された発明は、長周期波高低減構造物の実験装置として、同様の水槽を用いたものが開示されている。
特開2002−332621号公報 特開2006−193885号公報
ところで、上述した水理実験は、既存の実験水槽を用いて行われることが多く、水路の長さに制限があり、津波のような長周期波や長波を再現するには不十分な場合がある。例えば、特許文献1に記載された水槽では、造波装置の整流板に接近した位置に地形を模擬した模型が配置されており、特許文献2に記載された水槽では、造波装置が配置されていると考えられる位置から15.0mだけ離れた位置に地形を模擬した模型が配置されている。
これらの特許文献に記載されたように、造波装置から地形を模擬した模型までの距離が短い場合に、津波のような長周期波や長波を再現しようとすれば、流場は流量保存が成立するために、生成した波が模型の影響を受けることにより、生成した波の波形が変化してしまうこととなる。したがって、かかる水理実験装置により種々のデータを取得したとしても、実際の津波を定義するような無限遠方沖合における波の諸元(例えば、波高、周期等)を定義することができない。
これは、水理実験の普遍性を損なうことを意味し、他の実験結果や計算結果と比較することができない。例えば、陸上における波の流速や水位を計測した場合であっても、水理実験の結果を用いて、その数値がどのような諸元を有する波によりもたらされたものであるかを把握することができない。
本発明は、かかる問題点に鑑み創案されたものであり、水路に配置した模型による生成した波への影響を低減し、無限遠方沖合における波の諸元を定義することができる、水理実験装置の水路設計方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、水路に向かって人工的に波を生成可能な造波装置と水路内に配置される地形を模擬した模型とを備えた水理実験装置の水路設計方法であって、生成したい目標波の造波周期を設定した後、前記造波装置と前記模型との間に配置される水平床部の範囲内で少なくとも半周期分又は半波長分の前記目標波を生成することができるように、前記水平床部の距離及び水深を設定する、ことを特徴とする水理実験装置の水路設計方法が提供される。
前記水平床部の距離及び水深は、例えば、2X≧T(gh)1/2/2、Xは水平床部の距離(m)、Tは造波周期(s)、gは重力加速度(m/s)、hは水平床部の水深(m)、により表される関係式を満たすように設定される。また、前記水平床部の距離は、前記造波装置の下流端から前記模型の上流端までの距離であってもよいし、前記水平床部に設置された水位計の最上流位置から前記模型の上流端までの距離であってもよい。また、前記目標波は押波であってもよい。また、前記造波周期は、例えば、15〜300sの範囲内に設定される。
上述した本発明に係る水理実験装置の水路設計方法によれば、水平床部の範囲内で少なくとも半周期分又は半波長分の目標波を生成することができるように、水平床部の距離及び水深を設定するようにしたことから、造波装置により生成された波が模型の上流端に到達し、その影響が造波装置の下流端(流入境界)に到達するまでの間に、少なくとも1周期分又は1波長分の波を生成することができる。したがって、この水平床部に生成された波は、流場に配置された模型による影響を受け難く、この波のデータを無限遠方沖合における波の諸元として定義することができる。
水理実験装置を示す全体構成図である。 水平床部における波の水位を示す図である。 本発明の一実施形態に係る水理実験装置の水路設計方法を示すフロー図であり、(a)は第一例、(b)は第二例、を示している。 本発明の一実施形態に係る水理実験装置の水路設計方法により設計された水路の作用を示す図であり、(a)は2X≧T(gh)1/2/2を満たす場合、(b)はX≧T(gh)1/2/2を満たす場合、を示している。
以下、本発明の実施形態について図1〜図4を用いて説明する。ここで、図1は、水理実験装置を示す全体構成図である。図2は、水平床部における波の水位を示す図である。図3は、本発明の一実施形態に係る水理実験装置の水路設計方法を示すフロー図であり、(a)は第一例、(b)は第二例、を示している。図4は、本発明の一実施形態に係る水理実験装置の水路設計方法により設計された水路の作用を示す図であり、(a)は2X≧T(gh)1/2/2を満たす場合、(b)はX≧T(gh)1/2/2を満たす場合、を示している。
本発明の一実施形態に係る水理実験装置の水路設計方法は、水路1に向かって人工的に波を生成可能な造波装置2と水路1内に配置される地形を模擬した模型3とを備えた水理実験装置4の水路設計方法であって、生成したい目標波の造波周期Tを設定した後、造波装置2と模型3との間に配置される水平床部5の範囲内で少なくとも半周期分又は半波長分の目標波を生成することができるように、水平床部5の距離X及び水深hを設定することを特徴とする。具体的には、水平床部5の距離X及び水深hは、2X≧T(gh)1/2により表される関係式を満たすように設定される。ここで、Xは水平床部5の距離(m)、Tは造波周期(s)、gは重力加速度(m/s)、hは水平床部5の水深(m)、である。
最初に、本発明の水路設計方法が適用される水理実験装置4の構成について説明する。水理実験装置4は、図1に示したように、上部が開放された略直方体形状を有し、長手方向に人工的な波を発生させるための細長い容器を構成する水槽41内に形成される。水槽41は、仕切板42によって水路1と貯水槽43とに区分されている。貯水槽43は、水路1内に水流を発生させるための水を蓄える部分である。水路1は、造波装置2により、例えば、津波のような長周期波又は長波を生成する部分である。
造波装置2は、例えば、貯水槽43から水路1に向かって水流を発生させる水流発生手段21と、水流発生手段21よりも下流に配置される整流板22と、仕切板42と整流板22との間の水面の少なくも一部を覆う制波板23と、を有している。なお、制波板23は、必要に応じて省略することができる。
水流発生手段21は、例えば、貯水槽43の水を汲み上げるポンプ21aと、汲み上げた水を水路1に放出する配管21bと、により構成される。ポンプ21aは、図示しない電動モータ及び制御装置に接続されており、回転数や駆動時間が制御される。なお、水流発生手段21の構成は、図示したものに限定されるものではなく、ポンプ21aの台数、配管21bの構成等、適宜変更することができる。
整流板22は、水路1に供給された水流の断面積における速度分布を略均一となるように整流する板部材である。整流板22は、例えば、通水性を有する樹脂材や金属材により構成されるフィルターである。具体的には、整流板22は、立体網目形状を有する樹脂材により構成される。整流板22は、仕切板42に対して一定の距離だけ離隔した位置に、水槽41の幅方向(短手方向)に亘って配置される。
制波板23は、仕切板42と整流板22との間における水面の上下変動を抑制する板部材である。仕切板42と整流板22との間の領域は、水流発生手段21により供給された水流を一時的に整流板22で堰き止め、均一な速度に整流するための領域である。したがって、水路1に供給された水流が整流板22によって堰き止められると水圧が上昇し、水は上方に逃げようとする。その結果、水面に波が形成されたり、整流板22から水を押し出す圧力が低下したりして、造波精度に影響を与えることとなる。そこで、仕切板42と整流板22との間の領域における、水の上方への逃げ道を封止する手段として制波板23を配置することが好ましい。
上述した造波装置2は、一般に、水流式造波装置と呼ばれているが、かかる造波装置に限定されるものではない。例えば、造波装置2は、板を前後に移動させて波を発生させるフラップ式造波装置、溜めた水を放流することによって波を発生させるダムブレイク式造波装置、フロートを上下に振動させて波を発生させるフロート式造波装置、水面に負荷する空気圧を変動させて波を発生させる空気圧式造波装置等、長周期波又は長波を生成可能なものであれば、他の方式の造波装置であってもよい。ここで、押波及び引波を有する長周期波は、一般に、30〜300s程度の周期を有する波と定義され、押波及び引波を有する長波は、一般に、水平床部5の水深hに対して25〜250倍程度の波長を有する波と定義される。したがって、押波のみを有する長周期波は、15〜150s程度の周期を有する波と定義され、押波のみを有する長波は、水平床部5の水深hに対して12.5〜125倍程度の波長を有する波と定義される。
また、整流板22の下流側の水路1には、海底や陸地等の地形を模擬した模型3が配置される。模型3は、地形に加えて、浮体構造物(船舶を含む)、地上設備であるタンクやビル等の建造物、防波堤や風力発電設備等の構造物を模擬したものを有していてもよい。この模型3は、図1に示したように、整流板22から波の進行方向に距離Xだけ離隔した位置に配置されており、整流板22と模型3との間には、水槽41の底面により水平床部5が形成される。すなわち、水平床部5の波の進行方向長さは、距離Xにより定義される。
水路1の水深hは、造波装置2を停止させて水面が安定した状態により計測される水の深さにより定義される。模型3は、一般に、海底を模擬した傾斜部31と、平地を模擬した平面部32と、を有している。傾斜部31は、模擬したい海底に合わせて斜度の異なる傾斜面を複数組み合わせて形成するようにしてもよい。また、平面部32は、模擬したい平地に合わせて水深hと同じ高さ又は水深h以上の高さに設定される。
また、水路1の模型3の下流側には、生成された波により押し流された水を回収する回収部44が形成されていてもよい。模型3の背面(下流側の端面)には、端末処理板44aが固定されており、水槽41と端末処理板44aとにより囲まれる空間によって回収部44が形成される。端末処理板44aの上端は、模型3(平面部32)の後端部の高さと略一致するように形成することが好ましい。かかる構成により、水路1内に生成された波により押し流された水を堰き止めることなく回収部44に落水させることができ、反射波の発生を抑制することができる。
また、端末処理板44aと水槽41の内面との間にシール部材(図示せず)を配置することが好ましい。かかるシール部材を配置することにより、模型3と水槽41との隙間を介して水路1と回収部44とが連通しないようにすることができ、水路1内の水位を維持することができ、模型3を乗り越えて落水した水により生じた波が水路1内に伝播しないようにすることができる。なお、回収部44には、回収した水を外部に排出するための排水口や排水ポンプ等の排水手段(図示せず)を設けるようにしてもよい。
ところで、上述した水理実験装置4は、既存の実験水槽を用いて形成されることが多く、水路1の長さに制限がある。したがって、津波のような長周期波や長波を再現するには、造波装置2(整流板22)と模型3との距離X、すなわち、水平床部5の距離Xが不十分となる場合がある。このように、水平床部5の距離Xが不十分な場合、従来は、造波装置2の構成や制御を改良することによって、長周期波や長波を再現することが一般的であった。
ここで、図1に示したように、整流板22(造波装置2)の下流端に水位計45を設置して、造波装置2により長周期波又は長波を生成した場合の水位を計測すると、図2に示した結果が得られた。図2において、点線は生成したい目標波の波形W1、実線は模型3がない状態で波を生成したときの波形W2、一点鎖線は模型3を配置した状態で水平床部5の距離Xが目標波の1波長分の長さよりも短い場合の波形W3を示している。
いま、生成したい目標波は、津波と同様に押波であることから、図2に示したように、0点から所定の波高Zに達して再び0点に戻るまでの波形W1が1波長分の波形を示している。したがって、この1波長分の波形W1を形成するのに要する時間が目標波の周期T1を示すこととなる。なお、振幅の山谷を有する押波と引波を有する
上述した水理実験装置4において模型3を配置しない状態で波を生成すると、図2において、実線で示したように、目標波の波形W1に近似した波形W2を得ることができる。一方、上述した水理実験装置4において造波装置2の下流端に近接した位置に模型3を配置した状態で波を生成すると、図2において、一点鎖線で示したように、時間の経過とともに波形が大きく上方にずれた波形W3が得られる。これは、造波装置2により生成した波が、波高Zに達する前(約半周期分)から模型3に到達することで、その影響を受けているものと考えられる。
このように、造波装置2により生成される波の波形が、波形W3のように目標波の波形W1から大きくずれた場合には、模型3上で流速、水位、波力等のデータを計測した場合であっても、その数値をもたらした波の諸元(例えば、波高、周期等)を正確に定義することができない。これは、水理実験の普遍性を損なうことを意味し、他の実験結果や計算結果と比較することができず、水理実験そのものが無意味に化してしまうこととなる。
そこで、本実施形態に係る水理実験装置4の水路設計方法では、水平床部5の距離X及び水深hが、2X≧T(gh)1/2/2により表される関係式を満たすように設定される。具体的には、例えば、図3(a)に示したように、本方法は、目標波の造波周期T(s)を設定するステップS1と、水平床部5の水深h(m)を設定するステップS2と、数1を満たすように水平床部5の距離X(m)を設定するステップS3と、を有している。
一般に、長波の速度C(m/s)は、C=(gh)1/2により表されることが知られている。したがって、水深hを特定することにより、長波の速度Cを求めることができる。また、速度Cに造波周期Tを乗じることにより、押波の1波長分の造波波長L(m)をL=TC/2の式により求めることができる。
例えば、図4(a)に示したように、造波装置2(整流板22)の下流端から水路1内に波を生成し、波の生成部の近傍に水位計45を設置するものとする。造波装置2により生成された波は、図中の矢印方向に移動し、模型3の上流端に到達すると、その影響が造波装置2により生成された波に影響を及ぼす。したがって、この模型3の上流端に到達した波の影響が、造波装置2により生成された波の少なくとも1周期分又は1波長分が水位計45を通過するまでの間に、水位計45に到達しなければ、水位計45において少なくとも1周期分又は1波長分の波のデータを取得することができる。
すなわち、造波装置2により生成した波が模型3に向かって移動する距離と、模型3に到達した波からの影響が水位計45に向かって移動する距離とを勘案すれば、水平床部5の距離Xの2倍が、造波装置2により生成された波の造波波長L以上の大きさであればよい。したがって、2X≧Lの関係式が導かれる。ここで、L=TC/2=T(gh)1/2/2であることから、最終的に、2X≧T(gh)1/2/2により表される関係式が導かれることとなる。ここで、「水平床部5の距離Xの2倍が、造波装置2により生成された波の造波波長L以上の大きさであればよい」ということは、言い換えれば、「水平床部5の距離Xが、造波装置2により生成された波の造波半波長L/2以上の大きさであればよい」ということに他ならない。また、造波半波長L/2は、造波半周期T/2と同義である。
なお、水位計45は、水平床部5のどの場所に設置されていてもよいが、造波装置2(整流板22)の下流端に設置することが好ましい。水位計45を造波装置2(整流板22)の下流端に設置した場合には、水平床部5の距離Xは、造波装置2の下流端から模型3の上流端までの距離により定義され、距離Xを最も短く設定することができる。また、水平床部5に複数の水位計45が設置されている場合には、それらのうち最上流に設置されている水位計45の位置を基準にすることが好ましい。この場合、水平床部5の距離Xは、水平床部5に設置された水位計45の最上流位置から模型3の上流端までの距離により定義される。
図3(a)に示したフロー図では、造波周期Tを設定した後、水路1の水深hを先に設定してから、水平床部5の距離Xを設定する場合を示している。水深hを先に設定することにより、造波周期T、重力加速度g及び水深hの数値が既知のものとなることから、数1により距離Xの最小値を求めることができる。そして、水平床部5の距離Xが、求められた距離Xの最小値以上となるように、水路1内に模型3が配置される。
一方、図3(b)に示したフロー図は、造波周期Tを設定した後、水平床部5の距離Xを先に設定してから、水路1の水深hを設定する場合を示している。具体的には、本方法は、目標波の造波周期T(s)を設定するステップS1と、水平床部5の距離X(m)を設定するステップS4と、数2を満たすように水平床部5の水深h(m)を設定するステップS5と、を有している。なお、数2に示した式は、2X≧T(gh)1/2/2により表される関係式から、水深hを求めるように式を変形させたものである。
このように、距離Xを先に設定することにより、造波周期T、重力加速度g及び距離Xの数値が既知のものとなることから、数2により水深hの最大値を求めることができる。そして、水平床部5の水深hは、求められた水深hの最大値以下となるように、水路1内に水が供給される。
上述したように、水平床部5の距離X及び水深hは、どちらを先に設定するようにしてもよく、水理実験装置4が形成される水槽41の大きさや生成したい目標波の造波周期Tの長さ等の条件によって順序が決定される。例えば、水槽41の長手方向の長さが短い場合には、模型3の配置に制限を受けることが多いことから、先に模型3の位置(すなわち、距離X)を設定してから、水深hを設定するようにすればよい。また、水槽41の構造上、水深hに下限を有する場合には、その下限以上の水深hを設定してから、模型3の位置(すなわち、距離X)を設定するようにすればよい。
上述した本実施形態に係る水理実験装置4の水路設計方法によれば、水平床部5の範囲内で少なくとも半周期分又は半波長分の目標波を生成することができるように、水平床部5の距離X及び水深hを設定するようにしたことから、造波装置2により生成された波が模型3の上流端に到達し、その影響が造波装置2の下流端(流入境界)に到達するまでの間に、少なくとも1周期分又は1波長分の波を生成することができる。したがって、この水平床部5に生成された波は、流場に配置された模型3による影響を受け難く、この波のデータを無限遠方沖合における波の諸元として定義することができる。
上述した本実施形態に係る水理実験装置4の水路設計方法を用いて、水路1を設計する場合に、例えば、押波の造波周期Tが45秒、水平床部の距離Xが50mであると仮定すれば、上述した関係式から、水深は約2.0m以下に設定すればよい。この場合、造波周期Tが45秒以下の押波であれば、少なくとも1周期又は1波長分の押波のデータを取得することができ、生成した押波の諸元を定義することができる。また、例えば、押波の造波周期Tが45秒、水深hが0.3mであると仮定すれば、上述した関係式から、水平床部の距離Xは約19.3m以上に設定すればよい。
上述した実施形態において、水平床部5の距離X及び水深hが、2X≧T(gh)1/2/2を満たす場合について説明したが、例えば、水槽41が十分に大きいような場合には、図4(b)に示したように、X≧T(gh)1/2/2の関係式を満たすように、水平床部5の距離X及び水深hを設定するようにしてもよい。この関係式は、造波装置2により生成した波が、模型3の上流端に到達するまでの間に、1周期分又は1波長分の波を水位計45で計測することができるように調整されている。したがって、この変形例では、模型3からの影響が水位計45に到達する前に1周期分又は1波長分の波を生成することができ、流場に配置された模型3による影響をより低減することができ、より正確に波の諸元を定義することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
1 水路
2 造波装置
3 模型
4 水理実験装置
5 水平床部
21 水流発生手段
21a ポンプ
21b 配管
22 整流板
23 制波板
31 傾斜部
32 平面部
41 水槽
42 仕切板
43 貯水槽
44 回収部
44a 端末処理板
45 水位計


Claims (5)

  1. 水路に向かって人工的に波を生成可能な造波装置と水路内に配置される地形を模擬した模型とを備えた水理実験装置の水路設計方法であって、
    生成したい目標波の造波周期を設定した後、前記造波装置と前記模型との間に配置される水平床部の範囲内で少なくとも半周期分又は半波長分の前記目標波を生成することができるように、前記水平床部の距離及び水深を設定する、
    ことを特徴とする水理実験装置の水路設計方法。
  2. 前記水平床部の距離及び水深は、2X≧T(gh)1/2/2、Xは水平床部の距離(m)、Tは造波周期(s)、gは重力加速度(m/s)、hは水平床部の水深(m)、により表される関係式を満たすように設定される、ことを特徴とする請求項1に記載の水理実験装置の水路設計方法。
  3. 前記水平床部の距離は、前記造波装置の下流端又は前記水平床部に設置された水位計の最上流位置から前記模型の上流端までの距離である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の水理実験装置の水路設計方法。
  4. 前記目標波は押波である、ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の水理実験装置の水路設計方法。
  5. 前記造波周期は15〜300sの範囲内に設定される、ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の水理実験装置の水路設計方法。

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