JP2015219244A - 基板処理装置、デバイス製造方法及び基板処理方法 - Google Patents

基板処理装置、デバイス製造方法及び基板処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】搬送中のシート状の媒体(基板)上に連続して描画を行うにあたって、アライメントを行いながら描画すること。
【解決手段】露光装置EXは、回転することによって基板Pを長尺方向に搬送する回転ドラムDRと、基板Pの搬送中に、基板P上に予め形成されたアライメントマークに関する位置情報を順次検出するアライメント顕微鏡AM1と、アライメント顕微鏡AM1の検出領域より基板Pの搬送方向の下流側に配置されて、基板Pの搬送中に回転ドラムDRで支持された基板Pの一部分に対して所定の処理を施す描画装置11と、アライメント顕微鏡AM1によって順次検出されるアライメントマークに関する位置情報と、アライメント顕微鏡AM1の検出領域から描画装置11の処理領域までの基板Pの搬送距離又は搬送時間と、に基づいて前記処理部を制御する制御装置16と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板処理装置、デバイス製造方法及び基板処理方法に関する。
基板処理装置として、シート状の媒体(基板)を円筒形状のドラムで搬送しつつ、基板表面の所定位置に連続して描画する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−72171号公報
基板の表面に描画される描画パターンと基板Pとを相対的に位置合わせ、すなわちアライメントを行う必要がある。このため、基板の表面に存在する基準となるパターンを読み取り装置等で読み取り、その結果を用いてアライメントが行われる。特許文献1には、どのタイミングで基準となるパターンを読み込み、アライメントを行うのかが不明である。
本発明の態様は、搬送中のシート状の媒体(基板)上に連続して描画を行うにあたって、アライメントを行いながら描画することができる基板処理装置、デバイス製造方法及び基板処理方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、長尺のシート状の基板を、所定中心軸から一定半径の外周面の所定周長範囲で支持しつつ、前記所定中心軸の周りに回転することによって前記基板を長尺方向に搬送する円筒部材と、前記基板の搬送中に、前記長尺方向に沿って前記基板上に予め形成された複数の基準パターンに関する位置情報を順次検出する基準パターン検出部と、該基準パターン検出部による前記基準パターンの検出領域から前記基板の搬送方向の下流側に配置されて、前記基板の搬送中に前記円筒部材で支持された前記基板の一部分に対して所定の処理を施す処理部と、前記基準パターン検出部が前記基準パターンの検出動作を継続することによって順次検出される前記基準パターンに関する位置情報と、前記基準パターン検出部による前記基準パターンの検出領域から前記処理部による前記基板上の処理領域までの前記基板の搬送距離又は搬送時間と、に基づいて前記処理部を制御する制御部と、を含む基板処理装置が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、本発明の第1の態様に係る基板処理装置を用いて前記基板に前記パターンを形成する、デバイス製造方法が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、長尺のシート状の基板を回転ドラムの外周面の所定周長範囲で支持しつつ前記回転ドラムの回転によって前記基板を長尺方向に搬送しながら、前記回転ドラムの前記所定周長範囲と対向する処理装置によって前記基板上の長尺方向に並ぶ複数の被処理領域の各々に対して所定の処理を施す基板処理方法であって、前記基板上の被処理領域に付随するように、前記長尺方向に沿って複数の基準パターンが所定の間隔で離散的に形成された基板を、前記回転ドラムで支持して搬送することと、前記処理装置による前記基板上の処理領域に対して前記基板の搬送方向の上流側の所定位置に検出領域が設定される基準パターン検出装置を用いて、前記基板の搬送中に前記複数の基準パターンを順次検出し、前記複数の基準パターンに関する位置情報を取得することと、前記位置情報を取得する前に、前記基準パターン検出装置による検出領域から前記処理装置による処理領域までの前記基板の搬送距離Lと、前記処理装置によって前記所定の処理が施される前記基板上の被処理領域の前記長尺方向における長さWとの関係を、L≧W/3に設定することと、を含む基板処理方法が提供される。
本発明の態様によれば、搬送中のシート状の媒体(基板)上に連続して描画を行うにあたって、アライメントを行いながら描画することができる基板処理装置、デバイス製造方法及び基板処理方法を提供することができる。
図1は、本実施形態の露光装置(基板処理装置)の全体構成を示す図である。 図2は、図1の露光装置の主要部の配置を示す斜視図である。 図3は、基板上でのアライメント顕微鏡と描画ラインとの配置関係を示す図である。 図4は、図1の露光装置の回転ドラム及び描画装置の構成を示す図である。 図5は、図1の露光装置の主要部の配置を示す平面図である。 図6は、図1の露光装置の分岐光学系の構成を示す斜視図である。 図7は、図1の露光装置の複数の走査器の配置関係を示す図である。 図8は、基板上でのアライメント顕微鏡と描画ラインとエンコーダヘッドとの配置関係を示す斜視図である。 図9は、図1の露光装置の回転ドラムの表面構造を示す斜視図である。 図10は、基板の長尺方向における被処理領域と、基板の長尺方向においてアライメント可能な領域とを、XZ面内で示す図である。 図11は、基板の長尺方向における被処理領域と、基板の長尺方向においてアライメント可能な領域とを示す平面図である。 図12は、基板の被処理領域のうち、アライメント可能領域と非アライメント領域とを示す平面図である。 図13は、被処理領域の搬送方向側における端部の誤差に対する搬送方向下流側における端部の誤差の比率と、基板の長尺方向におけるアライメント可能領域との関係を示す図である。 図14は、第1変形例に係る露光装置を示す図である。 図15は、図14に示した基板の搬送方向上流側に設けられた上流側円筒部材によって支持される基板の長尺方向において、アライメント可能な領域を示す平面図である。 図16は、第2変形例に係る連続アライメントを説明するための図である。 図17は、線形補間の一例を示す図である。 図18は、線形補間の一例を示す図である。 図19は、第2変形例に係る連続アライメントの他の例を説明するための図である。 図20は、第2変形例に係る連続アライメントの他の例を説明するための図である。 図21は、第2変形例に係る連続アライメントの他の例を説明するための図である。 図22は、本実施形態のデバイス製造方法を示すフローチャートである。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本実施形態の露光装置(基板処理装置)の全体構成を示す図である。本実施形態の基板処理装置は、基板Pに露光処理を施す露光装置EXである。露光装置EXは、露光後の基板Pに各種処理を施してデバイスを製造するデバイス製造システム1に組み込まれている。まず、デバイス製造システム1について説明する。
<デバイス製造システム>
デバイス製造システム1は、デバイスとしてのフレキシブル・ディスプレーを製造するライン(フレキシブル・ディスプレー製造ライン)である。フレキシブル・ディスプレーとしては、例えば有機ELディスプレー等がある。このデバイス製造システム1は、可撓性(フレキシブル)を有する長尺かつシート状の基板Pをロール状に巻回した図示しない供給用ロールから、基板Pが送り出され、送り出された基板Pに対して各種処理を連続的に施した後、処理後の基板Pを可撓性のデバイスとして図示しない回収用ロールに巻き取る、いわゆるロール・ツー・ロール(Roll to Roll)方式となっている。図1に示すデバイス製造システム1では、フィルム状のシートである基板Pが供給用ロールから送り出され、供給用ロールから送り出された基板Pが、順次、プロセス装置U1、露光装置EX、プロセス装置U2を経て、回収用ロールに巻き取られるまでの例を示している。
デバイス製造システム1の処理対象となる基板Pについて説明する。基板Pは、例えば、厚みが20μm〜200μm程度のフレキシブルな樹脂フィルム、プラスチック又はステンレス鋼等の金属又は合金を材料とした箔(フォイル)等が用いられる。樹脂フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレンビニル共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂及び酢酸ビニル樹脂のうち少なくとも1つを含んでいる。
基板Pは、例えば、基板Pに施される各種処理において受ける熱による変形量が実質的に無視できるように、熱膨張係数が顕著に大きくないものを選定することが望ましい。熱膨張係数は、例えば、無機フィラーを樹脂フィルムに混合することによって、プロセス温度等に応じた閾値よりも小さく設定されていてもよい。無機フィラーは、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化ケイ素等でもよい。また、基板Pは、フロート法等で製造された厚さ100μm程度の極薄ガラスの単層体であってもよいし、この極薄ガラスに上記の樹脂フィルム、箔等を貼り合わせた積層体であってもよい。
基板Pは、ロール状に巻回されることで供給用ロールとなる。この供給用ロールが、デバイス製造システム1に装着される。供給用ロールが装着されたデバイス製造システム1は、デバイスを製造するための各種の処理を、供給用ロールから送り出される基板Pに対して繰り返し実行する。このため、処理後の基板Pは、複数のデバイスが連なった状態となる。つまり、供給用ロールから送り出される基板Pは、多面取り用の基板となっている。基板Pは、予め所定の前処理によって、その表面を改質して活性化したもの又は表面に精密パターニングのための微細な隔壁構造(凹凸構造)を形成したものでもよい。
処理後の基板Pは、ロール状に巻回されることで回収用ロールとして回収される。回収用ロールは、図示しないダイシング装置に装着される。回収用ロールが装着されたダイシング装置は、処理後の基板Pを、デバイス毎に分割(ダイシング)することで、複数個のデバイスにする。基板Pの寸法は、例えば、幅方向(短尺となる方向)の寸法が10cm〜2m程度であり、長さ方向(長尺となる方向)の寸法が10m以上である。なお、基板Pの寸法は、上記した寸法に限定されない。
引き続き、図1を参照し、デバイス製造システム1について説明する。デバイス製造システム1は、プロセス装置U1と、露光装置EXと、プロセス装置U2とを備える。図1では、X方向、Y方向及びZ方向が直交する直交座標系となっている。X方向は、水平面内において、プロセス装置U1から露光装置EXを経てプロセス装置U2へ向かう方向である。Y方向は、水平面内においてX方向に直交する方向であり、基板Pの幅方向となっている。Z方向は、X方向とY方向とに直交する方向(鉛直方向)である。
プロセス装置U1は、露光装置EXで露光処理される基板Pに対して前工程の処理(前処理)を行う。プロセス装置U1は、前処理を行った基板Pを露光装置EXへ向けて送る。このとき、露光装置EXへ送られる基板Pは、例えば、その表面に感光性機能層(光感応層)が形成された基板(感光基板)Pとなっている。
感光性機能層は、例えば、溶液として基板P上に塗布され、乾燥することによって層(膜)となる。感光性機能層の典型的なものはフォトレジストであるが、現像処理が不要な材料として、紫外線の照射を受けた部分の親撥液性が改質される感光性シランカップリング材(SAM)又は紫外線の照射を受けた部分にメッキ還元基(アミン)が露呈する感光性還元材等がある。感光性機能層として感光性シランカップリング材を用いる場合は、基板Pの表面の、紫外線で露光されたパターン部分が撥液性から親液性に改質されるため、親液性となった部分の表面に導電性インク(銀又は銅等の導電性ナノ粒子を含有するインク)を選択塗布し、パターン層を形成する。感光性機能層として感光性還元材を用いる場合は、基板の表面の紫外線で露光されたパターン部分にメッキ還元基が露呈するため、露光後、基板Pを直ちにパラジウムイオン等を含むメッキ液中に一定時間浸漬することで、パラジウムによるパターン層が形成(析出)される。
露光装置EXは、プロセス装置U1から供給された基板Pに対して、一例としてディスプレー用の回路又は配線等のパターンを描画している。詳細は後述するが、この露光装置EXは、複数の描画ビームLBの各々を所定の走査方向に走査することで得られる複数の描画ラインによって、基板Pに対し露光する。プロセス装置U2は、露光装置EXで露光処理された基板Pに対しての後工程の処理(後処理)を行う。プロセス装置U2は、露光装置EXで露光処理が行われた基板Pが送られる。プロセス装置U2は、露光処理が行われた基板Pに対し、所定の処理(現像、インク塗布又はメッキ等の湿式処理)を施すことで、基板Pの表面にデバイスのパターン層を形成する。続いて、露光装置EXについて説明する。
<露光装置(基板処理装置)>
図2は、図1の露光装置の主要部の配置を示す斜視図である。図3は、基板上でのアライメント顕微鏡と描画ラインとの配置関係を示す図である。図4は、図1の露光装置の回転ドラム及び描画装置の構成を示す図である。図5は、図1の露光装置の主要部の配置を示す平面図である。図6は、図1の露光装置の分岐光学系の構成を示す斜視図である。図7は、図1の露光装置の複数の走査器の配置関係を示す図である。図8は、基板上でのアライメント顕微鏡と描画ラインとエンコーダヘッドとの配置関係を示す斜視図である。図9は、図1の露光装置の回転ドラムの表面構造を示す斜視図である。
図1に示すように、露光装置EXは、マスクを用いない露光装置、いわゆるラスタースキャン式の描画露光装置であり、基板Pを搬送方向に搬送しながら、描画ビームLBのスポット光を所定の走査方向に走査することで、基板Pの表面に所定のパターンを形成している。図1に示すように、露光装置EXは、処理部としての描画装置11と、基板搬送機構12と、基準パターン検出部としてのアライメント顕微鏡AM1、AM2と、制御部としての制御装置16とを備えている。描画装置11は、基板搬送機構12によって搬送される基板Pの一部分に、複数の描画モジュールUW1〜UW5によって所定のパターンを描画する。基板搬送機構12は、前工程のプロセス装置U1から搬送される基板Pを、後工程のプロセス装置U2に所定の速度で搬送している。アライメント顕微鏡AM1、AM2は、基板Pの表面に描画される描画パターンと基板Pとを相対的に位置合わせ(アライメント)するために、基板Pに予め形成された基準パターンとしてのアライメントマーク等を検出する。制御装置16は、露光装置EXの各部を制御し、各部に処理を実行させる。制御装置16は、デバイス製造システム1を制御する上位の制御装置の一部又は全部であってもよい。また、制御装置16は、上位の制御装置に制御される、上位の制御装置とは別の装置であってもよい。制御装置16は、例えば、コンピュータを含む。
露光装置EXは、描画装置11及び基板搬送機構12を支持する装置フレーム13(図2参照)と、回転位置検出機構(図4及び図8参照)14とを備えている。さらに、露光装置EXの内部には、描画ビームLBとしてのレーザ光(パルス光)を射出する光源装置CNTが設けられている。この露光装置EXは、光源装置CNTから射出された描画ビームLBを、描画装置11で案内して、基板搬送機構12で搬送される基板Pに投射する。
図1に示す露光装置EXは、温調チャンバーEVC内に格納されている。温調チャンバーEVCは、パッシブ又はアクティブな防振ユニットSU1、SU2を介して製造工場等の設置面Eに設置される。防振ユニットSU1、SU2は、設置面E上に設けられており、設置面Eからの振動を低減する。温調チャンバーEVCは、内部を所定の温度に保つことで、内部で搬送される基板Pの温度による形状変化を抑制している。次に、露光装置EXの基板搬送機構12について説明する。
基板搬送機構12は、基板Pの搬送方向の上流側から順に、エッジポジションコントローラEPC、駆動ローラDR4、テンション調整ローラRT1、円筒部材としての回転ドラムDR、テンション調整ローラRT2、駆動ローラDR6及び駆動ローラDR7を有している。エッジポジションコントローラEPCは、プロセス装置U1から搬送される基板Pの幅方向(Y軸と平行な方向)における位置を調整する。エッジポジションコントローラEPCは、プロセス装置U1から送られる基板Pの幅方向の端部(エッジ)における位置が、目標位置に対して±十数μm〜±数十μm程度の範囲に収まるように、基板Pを幅方向に移動させて、基板Pの幅方向における位置を修正する。
駆動ローラDR4は、エッジポジションコントローラEPCから搬送される基板Pの表裏両面を挟持しながら回転し、基板Pを搬送方向の下流側、すなわち基板Pの長尺方向に送り出すことで、基板Pを回転ドラムDRへ向けて搬送する。回転ドラムDRは、基板Pの表面のパターン露光される一部分を円筒面状に支持しつつ、Y方向に延びる回転中心軸AX2を中心として、回転中心軸AX2の周りに回転することで、基板Pをその長尺方向に搬送する。このような回転ドラムDRを回転中心軸AX2の周りに回転させるために、回転ドラムDRの両側には回転中心軸AX2と同軸のシャフト部Sf2が設けられる。このシャフト部Sf2には、不図示の駆動源(モータや減速ギア機構等)からの回転トルクが与えられる。回転中心軸AX2含み、かつ回転中心軸AX2と平行であってZ方向に延びる面は、中心面p3である。2組のテンション調整ローラRT1、RT2は、回転ドラムDRに巻き付けられて支持される基板Pに、所定のテンションを与えている。2組の駆動ローラDR6、DR7は、基板Pの搬送方向に所定の間隔を空けて配置されており、露光後の基板Pに所定のたるみ(あそび)DLを与えている。駆動ローラDR6は、搬送される基板Pの上流側を挟持して回転し、駆動ローラDR7は、搬送される基板Pの下流側を挟持して回転することで、基板Pをプロセス装置U2へ向けて搬送する。このとき、基板Pは、たるみDLが与えられているため、駆動ローラR6よりも搬送方向の下流側において生ずる基板Pの搬送速度の変動を吸収でき、搬送速度の変動による基板Pへのパターン露光の精度劣化を抑制することができる。
基板搬送機構12は、プロセス装置U1から搬送されてきた基板Pを、エッジポジションコントローラEPCによって幅方向における位置を調整する。基板搬送機構12は、幅方向の位置が調整された基板Pを、駆動ローラDR4によりテンション調整ローラRT1に搬送し、テンション調整ローラRT1を通過した基板Pを、回転ドラムDRに搬送する。基板搬送機構12は、回転ドラムDRを回転させることで、回転ドラムDRに支持される基板Pを、テンション調整ローラRT2へ向けて搬送する。基板搬送機構12は、テンション調整ローラRT2に搬送された基板Pを駆動ローラDR6に搬送し、駆動ローラDR6に搬送されたた基板Pを駆動ローラDR7に搬送する。そして、基板搬送機構12は、駆動ローラDR6及び駆動ローラDR7により、基板PにたるみDLを与えながら、基板Pをプロセス装置U2へ向けて搬送する。
次に、図2を参照して、露光装置EXの装置フレーム13について説明する。図2には、X方向、Y方向及びZ方向が直交する直交座標系が示されているが、これは図1に示された直交座標系と同様のものである。露光装置EXは、図1に示す描画装置11と、基板搬送機構12の回転ドラムDRとを支持する装置フレーム13を備えている。図2に示される装置フレーム13は、Z方向の下方側(鉛直方向側)から順に、本体フレーム21と、三点座22と、第1光学定盤23と、回転機構24と、第2光学定盤25とを有している。本体フレーム21は、防振ユニットSU1、SU2を介して設置面E上に設置されている。本体フレーム21は、回転ドラムDR及びテンション調整ローラRT1(図1参照)、RT2を回転可能に支持している。第1光学定盤23は、回転ドラムDRの鉛直方向の上方側に設けられ、三点座22を介して本体フレーム21に設置されている。三点座22は、第1光学定盤23を3つの支持点で支持している。三点座22は、各支持点におけるZ方向が調整可能である。このため、三点座22は、水平面に対する第1光学定盤23の盤面の傾きを所定の傾きに調整できる。装置フレーム13の組立て時において、本体フレーム21と三点座22との間は、XY面内において、X方向及びY方向における位置が調整可能となっている。一方で、装置フレーム13の組立て後において、本体フレーム21と三点座22との間は固定された状態、すなわちリジットな状態となる。
第2光学定盤25は、第1光学定盤23の鉛直方向の上方側に設けられ、回転機構24を介して第1光学定盤23に設置されている。第2光学定盤25は、その盤面が第1光学定盤23の盤面と平行になっている。第2光学定盤25には、描画装置11の複数の描画モジュールUW1〜UW5が設置される。回転機構24は、第1光学定盤23及び第2光学定盤25のそれぞれの盤面を平行に保った状態で、鉛直方向に延びる所定の回転軸Iを中心に、第1光学定盤23に対して第2光学定盤25を回転させている。この回転軸Iは、図1に示す中心面p3内において鉛直方向に延在し、かつ回転ドラムDRに巻き付けられた基板Pの表面(円周面に沿って湾曲した描画面)内の所定の位置を通っている(図3参照)。回転機構24は、第1光学定盤23に対して第2光学定盤25を回転させることで、回転ドラムDRに巻き付けられた基板Pに対する複数の描画モジュールUW1〜5の位置を調整することができる。
続いて、図1及び図5を参照して、光源装置CNTについて説明する。光源装置CNTは、装置フレーム13の本体フレーム21上に設置されている。光源装置CNTは、基板Pに投射される描画ビームLBとしてのレーザ光を射出する。光源装置CNTは、基板P上の感光性機能層の露光に適した所定の波長域の光であって、光活性作用の強い紫外域の光を射出する光源を有する。光源としては、例えば、YAGの第3高調波レーザ光(波長355nm)で、連続発振又は50〜100MHz程度のパルスレーザ光等のレーザ光源が利用できる。あるいは、DFB(分布帰還型)半導体レーザ素子からの短パルス光を光ファイバー増幅器で増幅した後、波長変換素子(高調波発生結晶等)によって紫外線波長域の短パルス光を得るようなレーザ光源が利用できる。
次に、露光装置EXの描画装置11について説明する。描画装置11は、複数の描画モジュールUW1〜UW5を用いた、いわゆるマルチビーム型の描画装置11となっている。この描画装置11は、図1に示すように、光源装置CNTから射出された描画ビームLBを複数に分岐し、分岐した複数の描画ビームLBを集光して作られるスポット光を、図3に示す、基板P上の複数(本実施形態では例えば5つ)の描画ラインLL1〜LL5に沿ってそれぞれ走査させている。そして、描画装置11は、複数の描画ラインLL1〜LL5の各々によって基板P上に描画されるパターン同士を、基板Pの幅方向に継ぎ合わせている。まず、描画装置11により複数の描画ビームLBを走査することで基板P上に形成される複数の描画ラインLL1〜LL5について説明する。
図3に示すように、複数の描画ラインLL1〜LL5は、中心面p3を挟んで回転ドラムDRの周方向に2列に配置される。回転方向の上流側の基板P上には、奇数番の第1描画ラインLL1、第3描画ラインLL3及び第5描画ラインLL5が配置される。回転方向の下流側の基板P上には、偶数番の第2描画ラインLL2及び第4描画ラインLL4が配置される。各描画ラインLL1〜LL5は、基板Pの幅方向(Y方向)、つまり回転ドラムDRの回転中心軸AX2に沿って形成されており、基板Pの幅方向における長さよりも短くなっている。より厳密には、各描画ラインLL1〜LL5は、基板搬送機構12により基準速度で基板Pを搬送したときに、複数の描画ラインLL1〜LL5により得られるパターンの継ぎ誤差が最小となるように、回転ドラムDRの回転中心軸AX2(図3ではY軸)に対し、所定の角度分だけ傾けられる。その角度は、回転ドラムDRの回転による基板Pの長尺方向の送り速度(副走査速度)と、各描画ラインLL1〜LL5に沿ったスポット光の走査速度(主走査速度)との比に応じて定められる。
奇数番の第1描画ラインLL1、第3描画ラインLL3及び第5描画ラインLL5は、回転ドラムDRの軸方向に、所定の間隔を空けて配置されている。また、偶数番の第2描画ラインLL2及び第4描画ラインLL4は、回転ドラムDRの軸方向に、所定の間隔を空けて配置されている。このとき、第2描画ラインLL2は、軸方向において、第1描画ラインLL1と第3描画ラインLL3との間に配置される。同様に、第3描画ラインLL3は、軸方向において、第2描画ラインLL2と第4描画ラインLL4との間に配置される。第4描画ラインLL4は、軸方向において、第3描画ラインLL3と第5描画ラインLL5との間に配置される。そして、第1描画ラインLL1〜第5描画ラインLL1〜LL5は、基板P上に描画される被処理領域A7のY方向の全幅をカバーするように配置されている。
奇数番の第1描画ラインLL1、第3描画ラインLL3及び第5描画ラインLL5に沿って走査される描画ビームLBのスポット光の走査方向は、1次元の方向となっており、同じ方向となっている。また、偶数番の第2描画ラインLL2及び第4描画ラインLL4に沿って走査される描画ビームLBのスポット光の走査方向は、1次元の方向となっており、同じ方向となっている。このとき、奇数番の描画ラインLL1、LL3、LL5に沿って走査される描画ビームLBのスポット光の走査方向と、偶数番の描画ラインLL2、LL4に沿って走査される描画ビームLBのスポット光の走査方向とは、互いに逆方向となっている。このため、基板P上の幅方向(Y方向)の位置に関して、奇数番の描画ラインLL1の描画終了位置と偶数番の描画ラインLL2の描画終了位置とは一致又は隣接し、偶数番の描画ラインLL2の描画開始位置と奇数番の描画ラインLL3の描画開始位置とは一致又は隣接し、奇数番の描画ラインLL3の描画終了位置と偶数番の描画ラインLL4の描画終了位置とは一致又は隣接し、偶数番の描画ラインLL4の描画開始位置と奇数番の描画ラインLL5の描画開始位置とは一致又は隣接するように配置される。
次に、図4から図7を参照して、描画装置11について説明する。描画装置11は、図1に示すアライメント顕微鏡AM1、AM2による基板Pの基準パターンの検出領域から基板Pの搬送方向の下流側に配置されて、基板Pの搬送中に回転ドラムDRで支持された基板Pの一部分に対して所定の処理(本実施形態では露光処理)を施す処理部として機能する。描画装置11は、前述した複数の描画モジュールUW1〜UW5と、光源装置CNTからの描画ビームLBを分岐する分岐光学系SLと、キャリブレーションを行うためのキャリブレーション検出系31とを有する。
分岐光学系SLは、光源装置CNTから射出された描画ビームLBを複数に分岐し、分岐した複数の描画ビームLBを複数の描画モジュールUW1〜UW5へ向けて導いている。分岐光学系SLは、光源装置CNTから射出された描画ビームLBを2つに分岐する第1光学系41と、第1光学系41により分岐された一方の描画ビームLBが照射される第2光学系42と、第1光学系41により分岐された他方の描画ビームLBが照射される第3光学系43とを有する。また、分岐光学系SLは、傾斜可能な平行平板ガラス(ハービング板)によって、描画ビームLBをビーム走光軸と垂直な面内で2次元にシフトさせるハービング調整機構44と、ハービング調整機構45とを含んでいる。分岐光学系SLは、光源装置CNT側の一部が本体フレーム21に設置される一方で、描画モジュールUW側の他の一部が第2光学定盤25に設置されている。
図5、図6に示すように、第1光学系41は、1/2波長板51と、偏光ミラー(偏光ビームスプリッタ)52と、ビームディフューザ53と、第1反射ミラー54と、第1リレーレンズ55と、第2リレーレンズ56と、第2反射ミラー57と、第3反射ミラー58と、第4反射ミラー59と、第1ビームスプリッタ60とを有する。
光源装置CNTから+X方向に射出された描画ビームLBは、1/2波長板51に照射される。1/2波長板51は、描画ビームLBの照射面内において回転可能となっている。1/2波長板51に照射された描画ビームLBは、その偏光方向が、1/2波長板51の回転量に応じた所定の偏光方向となる。1/2波長板51を通過した描画ビームLBは、偏光ミラー52に照射される。偏光ミラー52は、所定の偏光方向となる描画ビームLBを透過する一方で、所定の偏光方向以外の描画ビームLBを+Y方向に反射する。このため、偏光ミラー52で反射される描画ビームLBは、1/2波長板51を通過していることから、1/2波長板51及び偏光ミラー52の協働によって、描画ビームLBのビーム強度が調整される。つまり、1/2波長板51を回転させ、描画ビームLBの偏光方向を変化させることで、偏光ミラー52で反射される描画ビームLBのビーム強度を調整することができる。
偏光ミラー52を透過した描画ビームLBは、ビームディフューザ53に照射される。ビームディフューザ53は、描画ビームLBを吸収しており、ビームディフューザ53に照射される描画ビームLBの外部への漏れを抑制している。偏光ミラー52で+Y方向に反射された描画ビームLBは、第1反射ミラー54に照射される。第1反射ミラー54に照射された描画ビームLBは、+X方向に反射され、第1リレーレンズ55及び第2リレーレンズ56及びハービング調整機構44を介して、第2反射ミラー57に照射される。第2反射ミラー57に照射された描画ビームLBは、−Y方向に反射されて、第3反射ミラー58に照射される。第3反射ミラー58に照射された描画ビームLBは、−Z方向に直角に反射されて、第4反射ミラー59に照射される。第4反射ミラー59に照射された描画ビームLBは、+Y方向に直角に反射されて、第1ビームスプリッタ60に照射される。第1ビームスプリッタ60に照射された描画ビームLBは、その一部が−X方向に反射されて第2光学系42に照射される一方で、その他の一部が透過して第3光学系に照射される。
第3反射ミラー58と第4反射ミラー59とは、回転機構24の回転軸I上において所定の間隔を空けて設けられている。また、第3反射ミラー58を含む光源装置CNTまでの構成(図4のZ方向の上方側において二点鎖線で囲んだ部分)は、本体フレーム21側に設置される。第4反射ミラー59を含む複数の描画モジュールUW1〜UW5までの構成(図4のZ方向の下方側において二点鎖線で囲んだ部分)は、第2光学定盤25側に設置される。このような構造により、回転軸I上に第3反射ミラー58と第4反射ミラー59とが設けられているため、回転機構24により第1光学定盤23に対して第2光学定盤25が回転しても、第2光学系42と第3光学系43内での描画ビームLBの光路が変更されることがない。よって、描画装置11は、回転機構24により第1光学定盤23に対して第2光学定盤25が回転しても、本体フレーム21側に設置された光源装置CNTから射出される描画ビームLBを、第2光学定盤25側に設置された複数の描画モジュールUW1〜UW5へ好適に案内することが可能となる。
第2光学系42は、第1光学系41で分岐された一方の描画ビームLBを、後述する奇数番の描画モジュールUW1、UW3、UW5へ向けて分岐して導いている。第2光学系42は、第5反射ミラー61と、第2ビームスプリッタ62と、第3ビームスプリッタ63と、第6反射ミラー64とを有する。
第1光学系41の第1ビームスプリッタ60が−X方向に反射した描画ビームLBは、第5反射ミラー61に照射される。第5反射ミラー61に照射された描画ビームLBは、−Y方向に反射されて、第2ビームスプリッタ62に照射される。第2ビームスプリッタ62に照射された描画ビームLBは、その一部が反射されて、奇数番の1つの描画モジュールUW5に照射される(図5参照)。第2ビームスプリッタ62に照射された描画ビームLBは、その他の一部が透過して、第3ビームスプリッタ63に照射される。第3ビームスプリッタ63に照射された描画ビームLBは、その一部が反射されて、奇数番の1つの描画モジュールUW3に照射される(図5参照)。第3ビームスプリッタ63に照射された描画ビームLBは、その他の一部が透過して、第6反射ミラー64に照射される。第6反射ミラー64に照射された描画ビームLBは、第6反射ミラー64により反射されて、奇数番の1つの描画モジュールUW1に照射される(図5参照)。第2光学系42において、奇数番の描画モジュールUW1、UW3、UW5に照射される描画ビームLBは、−Z方向に対して僅かに斜めとなっている。
第3光学系43は、第1光学系41で分岐された他方の描画ビームLBを、後述する偶数番の描画モジュールUW2、UW4へ向けて分岐して導いている。第3光学系43は、第7反射ミラー71と、第8反射ミラー72と、第4ビームスプリッタ73と、第9反射ミラー74とを有する。
第1光学系41の第1ビームスプリッタ60をY方向に透過した描画ビームLBは、第7反射ミラー71に照射される。第7反射ミラー71に照射された描画ビームLBは、X方向に反射されて、第8反射ミラー72に照射される。第8反射ミラー72に照射された描画ビームLBは、−Y方向に反射されて、第4ビームスプリッタ73に照射される。第4ビームスプリッタ73に照射された描画ビームLBは、その一部が反射されて、偶数番の1つの描画モジュールUW4に照射される(図5参照)。第4ビームスプリッタ73に照射された描画ビームLBは、その他の一部が透過して、第9反射ミラー74に照射される。第9反射ミラー74に照射された描画ビームLBは、第9反射ミラー74により反射されて、偶数番の1つの描画モジュールUW2に照射される。なお、第3光学系43においても、偶数番の描画モジュールUW2、UW4に照射される描画ビームLBは、−Z方向に対して僅かに斜めとなっている。
このように、分岐光学系SLでは、複数の描画モジュールUW1〜UW5へ向けて、光源装置CNTからの描画ビームLBを複数に分岐させている。このとき、第1ビームスプリッタ60、第2ビームスプリッタ62、第3ビームスプリッタ63及び第4ビームスプリッタ73は、複数の描画モジュールUW1〜UW5に照射される描画ビームLBのビーム強度が同じ強度となるように、その反射率と透過率との比を、描画ビームLBの分岐数に応じて適切に設定している。
ハービング調整機構44は、第3反射ミラー58と第4反射ミラー59とを介して第1ビームスプリッタ60に入射する描画ビームLBの入射位置を微調整するものであり、図6中のXZ面内で傾斜可能な透明な平行平板ガラスと、図6中のYZ面内で傾斜可能な透明な平行平板ガラスとを有する。その2枚の平行平板ガラスの各傾斜量を調整することで、各描画モジュールUW1〜UW5に入射する描画用ビームLBの入射位置を最適に調整することができる。
ハービング調整機構45は、第7反射ミラー71と第8反射ミラー72との間に配置されている。ハービング調整機構45は、第8反射ミラー72に入射する描画ビームLBの入射位置を微調整するものであり、図6中のXZ面内で傾斜可能な透明な平行平板ガラスと、図6のYZ面内で傾斜可能な透明な平行平板ガラスとを有する。その2枚の平行平板ガラスの各傾斜量を調整することで、偶数番の描画モジュールUW2、UW4の各々に入射する描画用ビームLBの入射位置を最適に調整することができる。
図4、図5及び図7を参照して、複数の描画モジュールUW1〜UW5について説明する。複数の描画モジュールUW1〜UW5は、複数の描画ラインLL1〜LL5に応じて設けられている。複数の描画モジュールUW1〜UW5には、分岐光学系SLにより分岐された複数の描画ビームLBがそれぞれ照射される。各描画モジュールUW1〜UW5は、複数の描画ビームLBを、各描画ラインLL1〜LL5にそれぞれ導く。つまり、第1描画モジュールUW1は、描画ビームLBを第1描画ラインLL1に導き、同様に、第2〜第5描画モジュールUW2〜UW5は、描画ビームLBを第2〜第5描画ラインLL2〜LL5に導く。
図4及び図1に示すように、複数の描画モジュールUW1〜UW5は、奇数番の描画モジュールUW1、UW3、UW5と、偶数番の描画モジュールUW2、UW4とに分かれて、中心面p3を挟んで回転ドラムDRの周方向に2列に配置される。複数の描画モジュールUW1〜UW5は、中心面p3を挟んで、第1、第3、第5描画ラインLL1、LL3、LL5が配置される側(図5の−X方向側)に、第1描画モジュールUW1、第3描画モジュールUW3及び第5描画モジュールUW5が配置される。第1描画モジュールUW1、第3描画モジュールUW3及び第5描画モジュールUW5は、Y方向に所定の間隔を空けて配置される。
次に、図4を参照して、各描画モジュールUW1〜UW5について説明する。なお、各描画モジュールUW1〜UW5は、同様の構成となっているため、第1描画モジュールUW1(以下、単に描画モジュールUW1という)を例に説明する。図4に示す描画モジュールUW1は、描画ラインLL1(第1描画ラインLL1)に沿って描画ビームLBのスポット光を走査するため、偏光器(光スイッチング素子)81と、偏光ビームスプリッタPBSと、1/4波長板82と、走査器(ビーム偏向素子)83と、折り曲げミラー84と、f−θレンズ系85と、Y倍率補正用光学部材86とを備える。また、偏光ビームスプリッタPBSに隣接して、キャリブレーション検出系31が設けられている。
偏光器81は、例えば、音響光学変調素子(AOM:Acousto Optic Modulator)が用いられる。偏光器81は、AOMがON/OFFにスイッチングされることで、描画ビームLBの基板Pへの投射/非投射を高速に切り替える。具体的に、分岐光学系SLからの描画ビームLBは、リレーレンズ91を介して、−Z方向に対して僅かに傾斜して偏光器81に照射される。偏光器81は、OFFにスイッチングされると、描画ビームLBが傾斜した状態で直進し、偏光器81を通過した先に設けられる遮光板92により遮光される。偏光器81は、ONにスイッチングされると、描画ビームLBが−Z方向に偏向されて、偏光器81を通過し、偏光器81のZ方向上に設けられる偏光ビームスプリッタPBSに照射される。このため、偏光器81は、ONにスイッチングされると、描画ビームLBが基板Pに投射される。偏光器81は、OFFにスイッチングされると、描画ビームLBが基板Pに非投射、すなわち投射されない。
偏光ビームスプリッタPBSは、偏光器81からリレーレンズ93を介して照射された描画ビームLBを反射する。偏光ビームスプリッタPBSは、偏光ビームスプリッタPBSと走査器83との間に設けられる1/4波長板82と協働して、基板Pで反射された描画ビームLBを透過している。つまり、偏光器81から偏光ビームスプリッタPBSに照射される描画ビームLBは、S偏光の直線偏光となるレーザ光であり、偏光ビームスプリッタPBSにより反射される。偏光ビームスプリッタPBSにより反射された描画ビームLBは、1/4波長板82を通過して、円偏光となって基板Pに照射される。基板Pに照射された描画ビームLBのうち、基板Pで反射した光が1/4波長板82まで戻ってくると、その光は1/4波長板82を再び通過することで、P偏光の直線偏光となる。このため、基板Pで反射して戻ってくる光は、偏光ビームスプリッタPBSを透過し、リレーレンズ94を介してキャリブレーション検出系31に照射される。偏光ビームスプリッタPBSで反射された描画ビームLBは、1/4波長板82を通過して走査器83に照射される。
図4及び図7に示すように、走査器83は、反射ミラー96と、回転ポリゴンミラー(回転多面鏡)97と、原点検出器98とを有する。1/4波長板82を通過した描画ビームLBは、リレーレンズ95を介して反射ミラー96に照射される。反射ミラー96に照射された描画ビームLBは、回転ポリゴンミラー97に照射される。回転ポリゴンミラー97は、Z方向に延びる回転軸97aと、回転軸97a周りに形成される複数のポリゴン面(反射平面)97bとを含む。回転ポリゴンミラー97は、回転軸97aを中心に所定の回転方向に回転させることで、ポリゴン面97bに照射される描画ビームLBの反射角を連続的に変化させ、これにより、反射した描画ビームLBは、折り曲げミラー84で反射された後、f−θレンズ系(集光レンズを含む)85を介して基板P上の描画ラインLL1上にスポット光として集光され、そのスポット光が描画ラインLL1に沿って走査される。原点検出器98は、基板Pの描画ラインLL1に沿って走査する描画ビームLBの原点を検出している。原点検出器98は、各ポリゴン面97bで反射する描画ビームLBを挟んで、反射ミラー96の反対側に配置されている。このため、原点検出器98は、f−θレンズ系85に照射される前の描画ビームLBを検出している。つまり、原点検出器98は、基板P上の描画ラインLL1の描画開始位置に照射される前の描画ビームLBを検出している。なお、原点検出器98は、描画ビームLBとは別の発光素子(LED又はLD)からのビームをポリゴン面97bに向けて投射し、その反射光を受光するような構成であってもよい。
f−θレンズ系85は、テレセントリックf−θレンズを含んでおり、折り曲げミラー84を介して回転ポリゴンミラー97から反射された描画ビームLBを、基板Pの描画面に対し垂直に投射する。
図7に示すように、複数の描画モジュールUW1〜UW5における複数の走査器83は同様の構造である。複数の走査器83は、描画モジュールUW1、UW3、UW5に対応する3つの走査器83が、回転ドラムDRの回転方向の上流側(図7の−X方向側)に配置され、描画モジュールUW2、UW4に対応する2つの走査器83が、回転ドラムDRの回転方向の下流側(図7の+X方向側)に配置されている。そして、上流側の3つの走査器83と、下流側の2つの走査器83とは、中心面p3を挟んで対向して配置されている。このため、上流側の3つの回転ポリゴンミラー97が左回りに回転しながら、回転ポリゴンミラー97に描画ビームLBが照射されると、回転ポリゴンミラー97により反射された描画ビームLBは、描画開始位置から描画終了位置へ向けて所定の走査方向(例えば図7の+Y方向)に走査される。一方で、下流側の2つの回転ポリゴンミラー97が左回りに回転しながら、回転ポリゴンミラー97に描画ビームLBが照射されると、回転ポリゴンミラー97により反射された描画ビームLBは、描画開始位置から描画終了位置へ向けて、上流側の3つの回転ポリゴンミラー97とは逆の走査方向(例えば図7の−Y方向)に走査される。
図4のXZ面内で見たとき、奇数番の描画モジュールUW1、UW3、UW5から基板Pに達する描画ビームLBの軸線は、回転ドラムDRの中心軸AX2からドラムDRの径方向に延びる設置方位線Le1と一致した方向になっている。つまり、設置方位線Le1は、XZ面内において、奇数番の描画ラインLL1、LL3、LL5と、回転中心軸AX2とを結ぶ線となっている。同様に、図4のXZ面内で見たとき、偶数番の描画モジュールUW2、UW4から基板Pに達する描画ビームLBの軸線は、中心軸AX2からドラムDRの径方向に延びる設置方位線Le2と一致した方向になっている。つまり、設置方位線Le2は、XZ面内において、偶数番の描画ラインLL2、LL4と、回転中心軸AX2とを結ぶ線となっている。
Y倍率補正用光学部材86は、f−θレンズ系85と基板Pとの間に配置されている。Y倍率補正用光学部材86は、各描画モジュールUW1〜UW5によって形成される描画ラインLL1〜LL5を、Y方向において、等方的に微少量だけ拡大又は縮小している。
このような構造を有する描画装置11は、制御装置16により各部が制御されることで、基板P上に所定のパターンが描画される。つまり、制御装置16は、基板Pに投射される描画ビームLBのスポット光が走査方向へ走査している期間中、基板Pに描画すべきパターンのCAD(Computer Aided Design)情報に基づいて、偏光器81を高速にOn/Off変調することによって描画ビームLBを偏向し、基板Pの光感応層上にパターンを描画していく。また、制御装置16は、描画ラインLL1に沿って走査する描画ビームLBのスポット光の走査方向と、回転ドラムDRの回転による基板Pの搬送方向の移動とを同期させることで、基板Pの被処理領域A7中の描画ラインLL1に対応した部分に所定のパターンを描画する。
基板Pは、描画モジュールUW1、UW3、UW5が形成する描画ラインLL1、LL3、LL5と、描画モジュールUW2、UW4が形成する描画ラインLL2、LL4とを通過すると、所定の連続したパターンが描画される。描画ラインLL1、LL3、LL5を結ぶ直線と、描画ラインLL2、LL4を結ぶ直線とで囲まれる領域を、露光領域(処理領域)TRという。基板Pが露光領域TRを通過すると、描画装置11の露光処理によって基板Pの表面に所定のパターンが描画される。
次に、図3及び図8を参照して、アライメント顕微鏡AM1、AM2について説明する。アライメント顕微鏡AM1、AM2は、基板Pの表面にその長尺方向に沿って予め形成された基準パターンとしてのアライメントマーク又は回転ドラムDR上に形成された基準マーク又は基準パターン等を検出する。以下、基板Pのアライメントマーク並びに回転ドラムDRの基準マーク及び基準パターンを、単にマークと称することもある。アライメント顕微鏡AM1、AM2は、基板Pと基板P上に描画される所定のパターンとを位置合わせ(アライメント)したり、回転ドラムDRと描画装置11とをキャリブレーションしたりする。
図8及び図3に示すように、アライメント顕微鏡AM1、AM2は、描画装置11で形成される描画ラインLL1〜LL5よりも、回転ドラムDRの回転方向の上流側、すなわち基板Pの搬送方向の上流側に設けられている。また、アライメント顕微鏡AM1は、アライメント顕微鏡AM2よりも回転ドラムDRの回転方向の上流側、すなわち基板Pの搬送方向の上流側に設けられている。アライメント顕微鏡AM1、AM2は、対物レンズ系GAと、撮像系GDとを含む。対物レンズ系GAは、照明光を基板P又は回転ドラムDRに投射し、かつマークからの反射光を入射する検出プローブとして機能する。撮像系GDは、対物レンズ系GAを介して受光したマークの像(明視野像、暗視野像、蛍光像等)を2次元CCD、CMOS等の光電変換素子で撮像する。アライメント用の照明光は、基板P上の光感応層に対してほとんど感度を持たない波長域の光、例えば波長500nm〜800nm程度の光である。
アライメント顕微鏡AM1は、Y方向(基板Pの幅方向)に1列に並んで複数(本実施形態では3個)設けられる。同様に、アライメント顕微鏡AM2は、Y方向(基板Pの幅方向)に1列に並んで複数(本実施形態では3個)設けられる。つまり、本実施形態において、アライメント顕微鏡AM1、AM2は、計6個設けられている。図3では、便宜上、6個のアライメント顕微鏡AM1、AM2の各対物レンズ系GAのうち、3つのアライメント顕微鏡AM1の各対物レンズ系GA1〜GA3の配置を示す。3つのアライメント顕微鏡AM1の各対物レンズ系GA1〜GA3による基板P(又は回転ドラムDRの外周面)上の観察領域(検出領域)Vw1〜Vw3は、図3(又は図8)に示すように、回転中心軸AX2と平行なY方向に、所定の間隔で配置される。図8に示すように、各観察領域Vw1〜Vw3の中心を通る各対物レンズ系GA1〜GA3の光軸La1〜La3は、いずれもXZ面と平行となっている。同様に、3個のアライメント顕微鏡AM2の各対物レンズ系GAによる基板P(又は回転ドラムDRの外周面)上の観察領域(検出領域)Vw4〜Vw6は、図3に示すように、回転中心軸AX2と平行なY方向に、所定の間隔で配置される。図8に示すように、各観察領域Vw4〜Vw6の中心を通る各対物レンズ系GAの光軸La4〜La6も、いずれもXZ面と平行となっている。そして、観察領域Vw1〜Vw3と、観察領域Vw4〜Vw6とは、回転ドラムDRの回転方向、すなわち基板Pの搬送方向に所定の間隔で配置される。
アライメント顕微鏡AM1、AM2によるマークの観察領域Vw1〜Vw6は、基板P又は回転ドラムDRの表面において、例えば、200μm角程度、すなわち一辺が200μm程度の正方形の範囲に設定される。図8に示すように、アライメント顕微鏡AM1の光軸La1〜La3、すなわち、対物レンズ系GAの光軸La1〜La3は、回転中心軸AX2から回転ドラムDRの径方向に延びる設置方位線Le3と同じ方向に設定される。同様に、アライメント顕微鏡AM2の光軸La4〜La6、すなわち、対物レンズ系GAの光軸La4〜La6は、回転中心軸AX2から回転ドラムDRの径方向に延びる設置方位線Le4と同じ方向に設定される。このとき、アライメント顕微鏡AM1は、アライメント顕微鏡AM2によりも回転ドラムDRの回転方向の上流側に配置されていることから、中心面p3と設置方位線Le3とがなす角度は、中心面p3と設置方位線Le4とがなす角度に比較して大きくなっている。
基板Pの表面には、図3に示すように、5つの描画ラインLL1〜LL5の各々によって描画される被処理領域A7(例えば1つの表示パネルデバイスの大きさ)が、X方向に所定の間隔を空けて配置される。基板P上の被処理領域A7の周囲には、位置合わせのため、基板Pの長尺方向に沿って基板P上、すなわち基板Pの表面に予め形成された複数のアライメントマークKS1〜KS3が設けられる。アライメントマークKS1〜KS3は、例えば十字状に形成されている。アライメント顕微鏡AM1、AM2は、基板PのアライメントマークKS1〜KS2によって位置合わせをするが、位置合わせはこれに限定されない。例えば、アライメント顕微鏡AM1、AM2は、基板Pに形成された回路パターンの一部又は配線パターンの一部等を利用して位置合わせを行ってもよい。
図3において、アライメントマークKS1は、被処理領域A7の−Y側の周辺領域に、X方向(基板Pの長尺方向)に一定の間隔で設けられ、アライメントマークKS3は、被処理領域A7の+Y側の周辺領域に、X方向(基板Pの長尺方向)に一定の間隔で設けられる。さらに、アライメントマークKS2は、X方向に隣り合う2つの被処理領域A7の間の余白領域において、Y方向の中央に設けられる。アライメントマークKS1は、アライメント顕微鏡AM1の対物レンズ系GA1の観察領域Vw1内及びアライメント顕微鏡AM2の対物レンズ系GAの観察領域Vw4内で、基板Pが搬送されている間に、アライメント顕微鏡AM1及びアライメント顕微鏡AM2に順次捕捉されるように形成される。また、アライメントマークKS3は、アライメント顕微鏡AM1の対物レンズ系GA3の観察領域Vw3内及びアライメント顕微鏡AM2の対物レンズ系GAの観察領域Vw6内で、基板Pが搬送されている間に、アライメント顕微鏡AM1及びアライメント顕微鏡AM2に順次捕捉されるように形成される。さらに、アライメントマークKS2は、それぞれ、アライメント顕微鏡AM1の対物レンズ系GA2の観察領域Vw2内及びアライメント顕微鏡AM2の対物レンズ系GAの観察領域Vw5内で、基板Pが搬送されている間に、順次捕捉されるように形成される。
このため、Y方向、すなわち基板Pの幅方向に3台が配列された2組のアライメント顕微鏡AM1、AM2のうち、回転ドラムDRのY方向の両側に設けられた2つのアライメント顕微鏡AM1及び2つのAM2は、基板Pの幅方向の両側に形成されたアライメントマークKS1、KS3を常時観察又は検出することができる。基板Pの幅方向とは、基板Pの長尺方向と直交する方向である。また、Y方向に3台が配列された2組のアライメント顕微鏡AM1、AM2のうち、回転ドラムDRのY方向の中央に配置されたアライメント顕微鏡AM1、AM2は、基板P上に描画される被処理領域A7同士の間の余白部等に形成されるアライメントマークKS2を常時観察又は検出することができる。
露光装置EXは、いわゆるマルチビーム型の描画装置11を適用しているため、複数の描画モジュールUW1〜UW5の各描画ラインLL1〜LL5によって、基板P上に描画される複数のパターン同士を、Y方向に好適に継ぎ合わせるべく、複数の描画モジュールUW1〜UW5による継ぎ精度を許容範囲内に抑えるためのキャリブレーションが必要となる。また、複数の描画モジュールUW1〜UW5の各描画ラインLL1〜LL5に対するアライメント顕微鏡AM1、AM2の観察領域Vw1〜Vw6の相対的な位置関係は、ベースライン管理によって精密に求められている必要がある。そのベースライン管理のためにも、キャリブレーションが必要となる。
複数の描画モジュールUW1〜UW5による継ぎ精度を確認するためのキャリブレーション及びアライメント顕微鏡AM1、AM2のベースライン管理のためのキャリブレーションでは、基板Pを支持する回転ドラムDRの外周面の少なくとも一部に、基準となるマーク又は基準となるパターンを設ける必要がある。そこで、図9に示すように、露光装置EXでは、外周面に基準となるマーク又は基準となるパターンを設けた回転ドラムDRを用いている。
回転ドラムDRは、その外周面の両端側に、後述する回転位置検出機構14の一部を構成するエンコーダ計測用のスケール部GPa、GPbが形成されている。また、回転ドラムDRは、スケール部GPa、GPbの内側に、凹状の溝、又は凸状のリムによる狭い幅の規制帯CLa、CLbが全周にわたって刻設されている。基板PのY方向の幅は、その2本の規制帯CLa、CLbのY方向の間隔よりも小さく設定され、基板Pは回転ドラムDRの外周面のうち、規制帯CLa、CLbで挟まれた内側の領域に密着して支持される。
回転ドラムDRは、規制帯CLa、CLbで挟まれた外周面に、回転中心軸AX2に対して+45度で傾いた複数の線パターンRL1と、回転中心軸AX2に対して−45度で傾いた複数の線パターンRL2とが、一定のピッチ(周期)Pf1、Pf2で繰り返し刻設されたメッシュ状のドラム側基準パターン(ドラム側基準マークとしても利用可能)RMPが設けられる。
ドラム側基準パターンRMPは、基板Pと回転ドラムDRの外周面とが接触する部分において、摩擦力や基板Pの張力等の変化が生じないように、全面均一な斜めパターン(斜格子状パターン)としている。なお、線パターンRL1、RL2は、必ずしも斜め45度である必要はなく、線パターンRL1をY軸と平行にし、線パターンRL2をX軸と平行にした縦横のメッシュ状パターンとしても良い。さらに、線パターンRL1、RL2を90度で交差させる必要はなく、隣接する2本の線パターンRL1と、隣接する2本の線パターンRL2とで囲まれた矩形領域が、正方形(又は長方形)以外の菱形になるような角度で、線パターンRL1、RL2を交差させてもよい。
次に、図3、図4及び図8を参照して、回転位置検出機構14について説明する。図8に示すように、回転位置検出機構14は、回転ドラムDRの回転位置を光学的に検出するものであり、例えばロータリーエンコーダ等を用いたエンコーダシステムが適用されている。本実施形態において、回転位置検出機構14には、インクリメンタル方式のエンコーダシステムが用いられるが、アブソリュート方式のエンコーダシステムであってもよい。回転位置検出機構14は、回転ドラムDRの両端部に設けられるスケール部GPa、GPbと、スケール部GPa、GPbの各々と対向する複数のエンコーダヘッドEN1、EN2、EN3、EN4とを有する。図4及び図8では、スケール部GPaに対向した4つのエンコーダヘッドEN1、EN2、EN3、EN4だけが示されているが、スケール部GPbにも同様のエンコーダヘッドEN1、EN2、EN3、EN4が対向して配置される。
スケール部GPa、GPbは、回転ドラムDRの外周面の周方向の全体にわたって環状にそれぞれ形成されている。スケール部GPa、GPbは、回転ドラムDRの外周面の周方向に一定のピッチで凹状又は凸状の格子線を刻設した回折格子(例えば10μm幅の格子線を20μm間隔で刻設)であり、インクリメンタル型スケールとして用いられる。このため、スケール部GPa、GPbは、回転中心軸AX2周りに回転ドラムDRと一体に回転する。なお、スケール部GPa、GPbの回折格子のピッチが20μmであっても、エンコーダヘッドEN1〜EN4の各々が出力する90°の位相差を持つ正弦波状の2相信号を使うことによって、格子ピッチの1/20〜1/100程度の高分解能な計測が可能である。
基板Pは、回転ドラムDRの両端のスケール部GPa、GPbを避けた内側、つまり、規制帯CLa、CLbの内側に巻き付けられる。厳密な配置関係を必要とする場合、スケール部GPa、GPbの外周面と、回転ドラムDRに巻き付いた基板Pの部分の外周面とが同一面(中心軸AX2から同一半径)になるように設定する。そのためには、スケール部GPa、GPbの外周面を、回転ドラムDRの基板巻付け用の外周面に対して、径方向に基板Pの厚み分だけ高くしておけばよい。このため、回転ドラムDRに形成されるスケール部GPa、GPbの外周面を、基板Pの外周面とほぼ同一の半径に設定することができる。その結果、エンコーダヘッドEN1、EN2、EN3、EN4は、回転ドラムDRに巻き付いた基板P上の描画面と同じ径方向位置でスケール部GPa、GPbを検出することができ、計測位置と処理位置とが回転系の径方向に異なることで生ずるアッベ誤差を小さくすることができる。
エンコーダヘッドEN1、EN2、EN3、EN4は、回転中心軸AX2から見てスケール部GPa、GPbの周囲にそれぞれ配置されており、回転ドラムDRの周方向において異なる位置に配置されている。エンコーダヘッドEN1、EN2、EN3、EN4は、制御装置16に接続されている。エンコーダヘッドEN1、EN2、EN3、EN4は、スケール部GPa、GPbに向けて計測用の光ビームを投射し、その反射光束(回折光)を光電検出することにより、スケール部GPa、GPbの周方向の位置変化に応じた検出信号(例えば、90度の位相差を持った2相信号)を制御装置16に出力する。制御装置16は、その検出信号を不図示のカウンター回路で内挿補間してデジタル処理することにより、回転ドラムDRの角度変化、すなわち、その外周面の周方向の位置変化をサブミクロンの分解能で計測することができる。制御装置16は、回転ドラムDRの角度変化から、基板Pの搬送速度も計測することができる。
図4及び図8に示すように、エンコーダヘッドEN1は、設置方位線Le1上に配置される。設置方位線Le1は、XZ面内において、エンコーダヘッドEN1による計測用光ビームのスケール部GPa(GPb)上への投射領域(読取位置)と、回転中心軸AX2とを結ぶ線となっている。また、上記したように、設置方位線Le1は、XZ面内において、描画ラインLL1、LL3、LL5と、回転中心軸AX2とを結ぶ線となっている。以上から、エンコーダヘッドEN1の読取位置と回転中心軸AX2とを結ぶ線と、描画ラインLL1、LL3、LL5と回転中心軸AX2とを結ぶ線とは、同じ方位線となっている。
同様に、図4及び図8に示すように、エンコーダヘッドEN2は、設置方位線Le2上に配置される。設置方位線Le2は、XZ面内において、エンコーダヘッドEN2による計測用光ビームのスケール部GPa(GPb)上への投射領域(読取位置)と、回転中心軸AX2とを結ぶ線となっている。また、上記したように、設置方位線Le2は、XZ面内において、描画ラインLL2、LL4と、回転中心軸AX2とを結ぶ線となっている。以上から、エンコーダヘッドEN2の読取位置と回転中心軸AX2とを結ぶ線と、描画ラインLL2、LL4と回転中心軸AX2とを結ぶ線とは、同じ方位線となっている。
また、図4及び図8に示すように、エンコーダヘッドEN3は、設置方位線Le3上に配置される。設置方位線Le3は、XZ面内において、エンコーダヘッドEN3による計測用光ビームのスケール部GPa(GPb)上への投射領域(読取位置)と、回転中心軸AX2とを結ぶ線となっている。また、上記したように、設置方位線Le3は、XZ面内において、アライメント顕微鏡AM1による基板Pの観察領域Vw1〜Vw3と、回転中心軸AX2とを結ぶ線となっている。以上から、エンコーダヘッドEN3の読取位置と回転中心軸AX2とを結ぶ線と、アライメント顕微鏡AM1の観察領域Vw1〜Vw3と回転中心軸AX2とを結ぶ線とは、同じ方位線となっている。
同様に、図4及び図8に示すように、エンコーダヘッドEN4は、設置方位線Le4上に配置される。設置方位線Le4は、XZ面内において、エンコーダヘッドEN4による計測用光ビームのスケール部GPa(GPb)上への投射領域(読取位置)と、回転中心軸AX2とを結ぶ線となっている。また、上記したように、設置方位線Le4は、XZ面内において、アライメント顕微鏡AM2による基板Pの観察領域Vw4〜Vw6と、回転中心軸AX2とを結ぶ線となっている。以上から、エンコーダヘッドEN3の読取位置と回転中心軸AX2とを結ぶ線と、アライメント顕微鏡AM2の観察領域Vw4〜Vw6と回転中心軸AX2とを結ぶ線とは、同じ方位線となっている。
エンコーダヘッドEN1、EN2、EN3、EN4の設置方位(回転中心軸AX2を中心としたXZ面内での角度方向)を設置方位線Le1、Le2、Le3、Le4で表す場合、図4に示すように、設置方位線Le1、Le2が中心面p3に対して角度±θ°になるように、複数の描画モジュールUW1〜UW5及びエンコーダヘッドEN1、EN2が配置される。
制御装置16は、エンコーダヘッドEN1、EN2によってスケール部(回転ドラムDR)GPa、GPbの回転角度位置を検出し、検出した回転角度位置に基づいて、奇数番及び偶数番の描画モジュールUW1〜UW5による描画を行っている。つまり、制御装置16は、基板Pに投射される描画ビームLBが走査方向へ走査している期間中、基板Pに描画すべきパターンのCAD情報に基づいて、偏光器81をON/OFF変調するが、偏光器81によるON/OFF変調のタイミングを、検出した回転角度位置に基づいて決定することで、基板Pの光感応層の表面にパターンを精度よく描画することができる。
制御装置16は、アライメント顕微鏡AM1、AM2により基板P上のアライメントマークKS1〜KS5が検出されたときの、エンコーダヘッドEN3、EN4によって検出されるスケール部(回転ドラムDR)GPa、GPbの回転角度位置を記憶することにより、基板P上のアライメントマークKS1〜KS5の位置と回転ドラムDRの回転角度位置との対応関係を求めることができる。同様に、制御装置16は、アライメント顕微鏡AM1、AM2により回転ドラムDR上のドラム側基準パターンRMPが検出されたときの、エンコーダヘッドEN3、EN4によって検出されるスケール部(回転ドラムDR)GPa、GPbの回転角度位置を記憶することにより、回転ドラムDR上のドラム側基準パターンRMPの位置と回転ドラムDRの回転角度位置との対応関係を求めることができる。このように、アライメント顕微鏡AM1、AM2は、観察領域Vw1〜Vw6内で、マークをサンプリングした瞬間の回転ドラムDRの回転角度位置(又は周方向位置)を精密に計測することができる。そして、露光装置EXでは、この計測結果に基づいて、基板Pと基板Pの表面に描画される所定のパターンとの位置合わせ(アライメント)をしたり、回転ドラムDRと描画装置11とをキャリブレーションしたりする。次に、アライメントについて説明する。
アライメント顕微鏡AM1、AM2によるマーク検出には、いくつかの方式があるが、基板Pが長尺方向に所定の速度で移動している間に、各観察領域Vw1〜Vw6内でマークKs1、Ks2、Ks3を補足して撮像する必要がある。このため、撮像系GDの2次元CCD、CMOS等の撮像素子としては、高速シャッター(例えば、1/3200秒以下の撮像光量の蓄積)に対応したものが使われる。そのような高速シャッターが利用できない撮像素子の場合は、観察領域Vw1〜Vw6を照明するための光源を、発光時間が極めて短くピーク強度が高いパルス光源(ストロボ等)にしてもよい。例えば、マークKs1がアライメント顕微鏡AM1の観察領域Vw1内に位置するタイミングが不明の場合は、回転ドラムDRの一定回転角度ごとに、高速シャッターを開いたり、パルス光源をパルス発光させたりして、観察領域Vw1内の像を繰り返し撮像し、撮像した複数の画像の解析によりマーク像が捕捉された画像を見つけ、その画像を撮像したときの回転ドラムDRの回転角度位置(エンコーダ計測値)を記憶しておく。1つのマークKs1が観察領域Vw1内で補足されたときの回転ドラムDRの回転角度位置(エンコーダ計測値)が判れば、その後はマークKs1の長尺方向の配列間隔(設計間隔)とエンコーダ計測値とに基づいて、マークの捕捉位置が求まるので、その位置になったら、撮像素子によって観察領域Vw1内の像をサンプリングすればよい。
(基板のアライメントについて)
本実施形態において、露光装置EXは、基板Pの搬送方向に向かって2列のアライメント顕微鏡AM1、AM2を有しているが、2列のアライメント顕微鏡AM1、AM2うち少なくとも一方を有していれば、アライメントは可能である。アライメント顕微鏡AM1と各描画モジュールUW1〜UW5(走査ラインLL1〜LL5)との距離及びアライメント顕微鏡AM2と各描画モジュールUW1〜UW5(走査ラインLL1〜LL5)との距離は、予め分かっている。このため、図1に示す制御装置16は、アライメント顕微鏡AM1又はアライメント顕微鏡AM2が検出したアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置から、基板Pが搬送されて同一のアライメントマークKS1、KS2、KS3が移動した距離(搬送距離)によって、アライメントマークKS1、KS2、KS3と描画装置11の描画モジュールUW1、UW3、UW5又は描画モジュールUW2、UW4との相対的な位置関係の変化を求めることができる。
同様に、制御装置16は、アライメント顕微鏡AM1又はアライメント顕微鏡AM2が検出したアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置から、基板Pが搬送されることにより同一のアライメントマークKS1、KS2、KS3の移動に要した時間(搬送時間)によっても、アライメントマークKS1、KS2、KS3と描画装置11の描画モジュールUW1、UW3、UW5又は描画モジュールUW2、UW4との相対的な位置関係の変化を求めることができる。
制御装置16は、前述した相対的な位置関係に基づいて、描画装置11の描画モジュールUW1、UW3、UW5及び描画モジュールUW2、UW4が基板Pの表面に描画するタイミングを制御する。また、制御装置16は、アライメント顕微鏡AM1が検出したアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報に基づいてアライメント用データを生成し、これに基づいて基板Pのアライメントを行いながら描画装置11を制御して、基板Pの表面に所定のパターンを描画(露光)する。アライメント用データは、アライメントマークKS1、KS2、KS3から求めた、基板Pの被処理領域A7の位置情報(例えば(X、Y、Z)座標)である。
このように、示す制御装置16は、アライメントマークKS1、KS2、KS3に関する位置情報と、アライメント顕微鏡AM1、AM2の観察領域Vw1〜Vw6から描画装置11の基板P上における露光領域TRまでの基板Pの搬送距離又は搬送時間と、に基づいて描画装置11を制御する。このようにすることで、露光装置EXは、基板Pの搬送中にアライメントを実行しながら描画装置11によって基板Pの表面に所定のパターンを描画することができる。アライメントマークKS1、KS2、KS3に関する位置情報は、アライメント顕微鏡AM1が検出動作を継続することによって、順次検出される。アライメント顕微鏡AM1は、観察領域Vw1、Vw2、Vw3で基板Pの搬送中、アライメントマークKS1、KS2、KS3に関する位置情報を順次検出する。アライメント顕微鏡AM2は、観察領域Vw4、Vw5、Vw6で基板Pの搬送中、アライメントマークKS1、KS2、KS3に関する位置情報を順次検出する。
図10は、基板の長尺方向における被処理領域と、基板の長尺方向においてアライメント可能な領域とを、XZ面内で示す図である。図11は、基板の長尺方向における被処理領域と、基板の長尺方向においてアライメント可能な領域とを示す平面図である。露光装置EXの回転ドラムDRは、周方向の一部に基板Pが巻き付けられてこれを支持している。2列のアライメント顕微鏡AM1、AM2のうち少なくとも一方が実際にアライメントマークKS1〜KS3を検出することによって、露光直前にアライメント(マーク検出)が可能な基板Pの長尺方向における最大の距離は、基板Pの搬送方向上流側に配置されるアライメント顕微鏡AM1の観察領域Vw1、Vw2、Vw3から露光装置EXの露光領域TRまでの回転ドラムDRの周長に沿った距離である。
より具体的には、図10に示すように、アライメント顕微鏡AM1の観察領域Vw1、Vw2、Vw3から、基板Pの搬送方向上流側に配置された描画モジュールUW1、UW3、UW5による描画ラインLL1、LL3、LL5までの距離が最大となる。以下において、この距離を適宜アライメント長(回転ドラムDR上における露光領域TRまでの基板Pの搬送距離に相当)Lという。このアライメント長Lに対応する基板P上の領域を、アライメント可能領域AAという。
図11に示すように、基板Pの被処理領域A7の長尺方向における最大の長さ(以下、適宜最大露光長という)をWmaxとする。最大露光長Wmax≦アライメント長Lであれば、被処理領域A7の全体に付随して設けられたアライメントマークKS1〜KS3を、アライメント顕微鏡AM1(観察領域Vw1、Vw2、Vw3)によって、すべてを実測することができる。そのため、図1に示す制御装置16は、その実測結果に基づいて、被処理領域A7の全体の変形誤差及び伸縮誤差等を求める演算処理を露光直前に行い、適切な補正を施して精密なパターン露光を行うことができる。
しかしながら、最大露光長Wmax>アライメント長Lになると、アライメント顕微鏡AM1は、被処理領域A7の全体に付随して設けられたアライメントマークKS1〜KS3を、露光直前までにすべて検出することができない。そのため、図1に示す制御装置16は、アライメント顕微鏡AM1が検出した被処理領域A7の一部のみに付随したアライメントマークの検出結果に基づいて、アライメントのための演算処理を行うことになる。このように、露光装置EXは、描画装置11の描画モジュールUW1、UW3、UW5とアライメント顕微鏡AM1との配置から、基板Pに対してアライメントできる領域が制限される。すなわち、被処理領域A7の全体ではなく、その一部分の領域(アライメント長L)の変形誤差や伸縮誤差等のみに基づいて、被処理領域A7に対するパターン露光が開始される。
図11に示すように、被処理領域A7のうち、アライメント可能領域AA以外の領域NAA(非アライメント領域ともいう)は、アライメント可能領域AAで検出されたアライメントマークKS1〜KS3の位置情報に基づいて、アライメントが行われる。例えば、制御装置16は、アライメント可能領域AAで検出されたアライメントマークKS1〜KS3の位置情報を用いて、非アライメント領域NAAでのアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報を外挿補間等により求める。制御装置16は、アライメント可能領域AA及び非アライメント領域NAAのアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報を用いて、アライメント用データ(被処理領域A7の位置誤差、微小回転誤差、直交度誤差若しくは伸縮誤差等に関連するパラメータ値又は補正係数値等)を生成する。
非アライメント領域NAAでのアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報は、外挿等により求められたものなので、実際の計測に基づくものではない。このため、非アライメント領域NAAでは、アライメント可能領域AAよりもアライメントの誤差(パラメータ値又は補正係数値の確度の低下)が大きくなる可能性があり、描画(露光)の精度(パターンの描画位置精度、重ね合せ精度)は低下する傾向にある。基板Pの長尺方向における非アライメント領域NAAの寸法はWmax−Lである。Wmax−Lがアライメント長Lよりも大きくなると、アライメントの誤差が拡大される結果、描画(露光)の精度が低下する。そのようなアライメントの誤差を抑制するため、本実施形態において、L≧Wmax/3としている。
図12は、基板の被処理領域のうち、アライメント可能領域と非アライメント領域とを示す平面図である。図13は、被処理領域A7の搬送方向上流側における端部のアライメント誤差に対する搬送方向下流側における端部のアライメント誤差の比率と、基板Pの長尺方向におけるアライメント可能領域との関係を示す図である。図12に示すように、基板Pの被処理領域A7の搬送方向(図12の矢印DDで示す方向)側の端部A7Lは、アライメント可能領域AA側の端部である。基板Pの被処理領域A7の搬送方向下流側(図12の矢印DDで示す方向とは反対方向)側の端部A7Tは、非アライメント領域NAA側の端部である。図12に示すように、アライメント可能領域AAは、基板Pの被処理領域A7のうちの搬送方向DD側である。
図13において、縦軸ERは、被処理領域A7の搬送方向DD側における端部A7Lで生じうるアライメント誤差ERLに対して、搬送方向DDの下流側における被処理領域A7の端部A7Tで生じ得るアライメント誤差ERTの比率(誤差比率)ERT/ERLを表す。誤差ERL、ERTは、露光時に起こり得るアライメント誤差である。露光時の誤差とは、描画装置11の描画モジュールUW1、UW3、UW5等によって描画された所定のパターンの位置と、この所定のパターンが本来描画されるべき基板P上の位置とのずれである。
露光においては、アライメント顕微鏡AM1がアライメント可能領域AAに存在するアライメントマークKS1、KS2、KS3を読み取り、制御装置16はその読み取り結果に基づいてアライメントを行いながら、描画装置11の描画モジュールUW1、UW3、UW5等を用いて所定のパターンを基板Pの表面に露光(描画)する。図13の横軸AARは、被処理領域A7の最大露光長Wmaxに対する、基板Pの長尺方向におけるアライメント可能領域AAの長さLの比率である。基板Pの長尺方向におけるアライメント可能領域AAの長さはアライメント長Lなので、比率AARはL/Wmaxで表される。
誤差比率ERは、概略的に寸法Wmax−Lとアライメント長Lとのテコ比(Wmax−L)/Lの計算により求めることができる。誤差比率ERは前述したテコ比によるのでアライメント長Lに反比例する。このため、図13に示すように、アライメント可能領域AAが減る、すなわち比率AARが小さくなると、誤差比率ERは急激に大きくなる。被処理領域A7全体でアライメントの精度は均一であることが好ましいが、経験則から誤差比率ERは2程度まで許容できる。誤差比率ERを2に収めるためには、比率AAR=1/3、すなわち、L≧Wmax/3となるように設定されることが好ましい。図1に示すデバイス製造システム1製造するデバイスに求められるアライメント精度及び回転ローラARの直径にもよるが、L≧Wmax/3が好ましく、さらにはL≧Wmax/2が好ましい。このようにすれば、回転ローラARを無闇に大きくしなくてもアライメント精度及び描画精度を確保でき、かつアライメント顕微鏡AM1も無理なく配置することができる。なお、図13において、比率AAR=0.5(1/2)では、L=Wmax/2となり、テコ比の関係より、被処理領域A7の上流側の端部A7Lで生じ得るアライメント誤差ERL(絶対値)と、被処理領域A7の下流側の端部A7Tで生じ得るアライメント誤差ERT(絶対値)とがほぼ等しくなるため、誤差比率ERはほぼ1となる。
(第1変形例)
図14は、第1変形例に係る露光装置を示す図である。図15は、図14に示した基板Pの搬送方向上流側に設けられた上流側円筒部材(回転ドラムDRM)によって支持される基板の長尺方向において、アライメント可能な領域を示す平面図である。前述した例は、L/3≧Wmaxとなる位置にアライメント顕微鏡AM1と描画モジュールUW1、UW3、UW5とが設けられている。本変形例は、露光装置EXの装置の仕様上、このような配置が採用できない場合の露光装置EXaを示す。
図14に示す露光装置EXaは、回転ドラムDRと、描画装置11と、アライメント顕微鏡AM1、AM2とに加えて、上流側円筒部材としての上流側回転ドラムDRMと、上流側基準パターン検出部としての上流側アライメント顕微鏡AM3とをさらに含む。上流側回転ドラムDRMは、円筒部材としての回転ドラムDRに対して基板Pの搬送方向DDの上流側に設けられて、円筒状の外周面の所定周長範囲にわたって基板Pを支持しつつ搬送する円筒形状の部材である。上流側回転ドラムDRMは、上流側回転ドラムDRMと同様の構造(同一の材料、かつ同一の直径)である。上流側回転ドラムDRMは、回転中心軸AX3の周りを、モータ等の駆動源によって回転する。
上流側アライメント顕微鏡AM3は、前述したアライメント顕微鏡AM1、AM2と同様の構造でY方向に3組が設けられ、対物レンズ系GAと、撮像系GDとを含む。上流側アライメント顕微鏡AM3は、上流側回転ドラムDRMの外周面と対向するように配置される。上流側アライメント顕微鏡AM3(3組)の各の観察領域(検出領域)Vw7、Vw8、Vw9から描画装置11の露光領域TRまでの基板Pに沿った距離は、最大露光長Wmax以上になるように設定される。
上流側アライメント顕微鏡AM3は、アライメント顕微鏡AM1、AM2と同様にY方向、すなわち上流側回転ドラムDRMの回転中心軸AX3と平行な方向(幅方向)に複数台(本変形例では3台)が1列に配置されている。上流側アライメント顕微鏡AM3は、上流側回転ドラムDRMで支持されて搬送される基板P上の複数のアライメントマークKS1、KS2、KS3に関する位置情報を順次検出する。複数の上流側アライメント顕微鏡AM3は、それぞれ観察領域(検出領域)Vw7、Vw8、Vw9内のアライメントマークKS1、KS2、KS3を順次検出する。さらに、上流側回転ドラムDRMの回転角度位置は、回転ドラムDRと同様のエンコーダシステム(スケール部GPaとエンコーダヘッドEN)によって精密に計測される。そのエンコーダヘッドは、XZ面内において、上流側アライメント顕微鏡AM3の設置方位線Le5と同じ方位に配置される。
露光装置EXaの制御装置16は、上流側アライメント顕微鏡AM3が検出した基板Pの被処理領域A7のアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報及びアライメント顕微鏡AM1が検出した基板Pの被処理領域A7のアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報に基づいて、描画(露光)時における基板Pのアライメントを行う。上流側アライメント顕微鏡AM3は、基板Pの被処理領域A7全体のアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報を検出できる。制御装置16は、上流側アライメント顕微鏡AM3が検出した基板Pの被処理領域A7全体のアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報を用いて、被処理領域A7全体でのアライメント結果と、アライメント可能領域AAでのアライメント結果との関係を求めておく。
描画装置11の描画(露光)において、制御装置16は、基板Pの搬送方向DDの下流側に配置されているアライメント顕微鏡AM1が検出した、基板Pの被処理領域A7に存在するアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報のうち、基板Pの被処理領域A7の一部、すなわちアライメント可能領域AAのアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報を用いたパターン露光を開始する。その際、制御装置16は、上流側アライメント顕微鏡AM3によって既に求めた被処理領域A7全体でのアライメント結果とアライメント可能領域AAでのアライメント結果との関係を用いて、アライメント可能領域AAのアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報から、被処理領域A7全体のアライメント用データを生成する。制御装置16は、生成したアライメント用データを用いてアライメント(位置ずれ補正、微小回転補正、直交度補正又は伸縮補正等)を行いながら、描画装置11を制御して基板Pの表面に描画(露光)する。
上流側アライメント顕微鏡AM3の観察領域Vw7、Vw8、Vw9とアライメント顕微鏡AM1の観察領域(検出領域)Vw1〜Vw3との距離は、予め分かっている。このため、制御装置16は、上流側アライメント顕微鏡AM3が検出したアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置から、基板Pが搬送されて同一のアライメントマークKS1、KS2、KS3が移動した距離(搬送距離)によって、アライメントマークKS1、KS2、KS3とアライメント顕微鏡AM1の観察領域(検出領域)Vw1〜Vw3との相対的な位置関係を求めることができる。同様に、制御装置16は、上流側アライメント顕微鏡AM3が検出したアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置から、基板Pが搬送されることにより同一のアライメントマークKS1、KS2、KS3の移動に要した時間(搬送時間)によっても、アライメントマークKS1、KS2、KS3とアライメント顕微鏡AM1の観察領域(検出領域)Vw1〜Vw3との相対的な位置関係を求めることができる。
制御装置16は、この相対的な位置関係に基づいて、上流側アライメント顕微鏡AM3が検出したアライメントマークKS1、KS2、KSと同一のアライメントマークKS1、KS2、KS3がアライメント顕微鏡AM1の観察領域(検出領域)Vw1〜Vw3に到達したタイミングで、アライメント顕微鏡AM1にアライメントマークKS1、KS2、KS3を検出させる。制御装置16は、前述したように、アライメント顕微鏡AM1が検出した基板Pのアライメント可能領域AAに存在するアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報と、上流側アライメント顕微鏡AM3が検出した基板Pの被処理領域A7全体に存在するアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報とに基づき、描画装置11が描画(露光)する際に用いるアライメント用データを生成する。
このように、制御装置16は、描画装置11側のアライメント顕微鏡AM1が検出したアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報及び搬送距離又は搬送時間に基づいて、描画装置11の描画モジュールUW1、UW3、UW5及び描画モジュールUW2、UW4が基板Pの表面に描画するタイミングを制御する。このとき、制御装置16は、上流側アライメント顕微鏡AM3及びアライメント顕微鏡AM1が検出したアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報に基づき、前述したように基板Pのアライメントを行いながら描画装置11を制御して、基板Pの表面に所定のパターンを描画(露光)する。
描画装置11の描画(露光)時において用いるアライメント用データの生成の一例について説明する。前述した通り、制御装置16は、上流側アライメント顕微鏡AM3が検出した基板Pの被処理領域A7全体のアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報を用いて、被処理領域A7全体でのアライメント用データ(第1情報)を生成する。また、制御装置16は、アライメント可能領域AAのアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報を用いて、被処理領域A7全体でのアライメント用データ(第2情報)を生成する。第2情報を求める場合、非アライメント領域NAAの位置情報は、例えば、アライメント可能領域AAのアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報を用いて外挿補間等によって求められる。制御装置16は、アライメント可能領域AAのアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報及び外挿補間等によって求められた非アライメント領域NAAの位置情報を用いて、被処理領域A7全体でのアライメント用データ(第3情報)を生成する。制御装置16は、例えば、第1情報と第2情報との差分を求め、両者の関係として、例えば、記憶部に記憶しておく。
基板Pが回転ドラムDRに搬送されると、描画装置11側のアライメント顕微鏡AM1は基板PのアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報を検出する。制御装置は、アライメント顕微鏡AM1が検出したアライメント可能領域AAのアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報を用いて、前述したように、被処理領域A7全体でのアライメント用データ(第3情報)を生成する。
さらに、制御装置16は、第1情報と第2情報との関係(差分)を用いて第3情報を補正して、被処理領域A7全体でのアライメント用データ(第4情報)を生成する。制御装置16は、第4情報を用いて、アライメントを行いながら、描画装置11を制御して基板Pの表面に描画(露光)する。このようにすることで、本変形例は、回転ドラムDR及び上流側回転ドラムDRMの径を無闇に大きくしなくてもアライメント精度及び描画精度を確保でき、かつアライメント顕微鏡AM1も無理なく配置することができる。本変形例は、上流側アライメント顕微鏡AM3が検出した被処理領域A7全体のアライメントマークの位置情報を用いて、描画装置11側のアライメント顕微鏡AM1が検出したアライメント可能領域AAのアライメントマークの位置情報に基づく被処理領域A7全体のアライメント用データを求めればよく、その方法は前述したものに限定されない。
本変形例では、描画装置11側の回転ドラムDR外周面が基板Pを支持する所定周長範囲内における描画装置11の露光領域TRの配置と、上流側回転ドラムDRMの外周面が基板Pを支持する所定周長範囲内における上流側アライメント顕微鏡AM3の観察領域Vw7、Vw8、Vw8の配置とをほぼ同一にしている。本変形例においては、基板Pの搬送方向DDの上流側に配置された描画装置11の描画モジュールUW1、UW3、UW5の設置方位線Le1と中心面p3とのなす角度と、上流側アライメント顕微鏡AM3の設置方位線Le5と中心面p4とのなす角度とを、いずれも−θとしている。中心面p4は、上流側回転ドラムDRMの回転中心軸AX3を含み、かつ中心面p3と平行な平面である。このようにすることで、アライメントマークKS1、KS2、KS3の検出位置における基板Pの姿勢と、描画(露光)位置における基板Pの姿勢との関係を同様にすることができる。
上流側回転ドラムDRMに掛け回される基板Pは、テンション調整ローラRTU1、RTU2によって張力が調整される。制御装置16は、上流側回転ドラムDRMのテンション調整ローラRTU1、RTU2と、回転ドラムDRのテンション調整ローラRT1、RT2とを制御して上流側回転ドラムDRMと回転ドラムDRとの間で基板Pの張力を一定にする。このようにすると、上流側回転ドラムDRMと回転ドラムDRとの間で基板Pの状態を同様にすることができるので、アライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報の検出精度が低下することを抑制できる。
(第2変形例)
アライメント長Lは短いほどよいが、アライメントと描画(露光)とを同時に行う場合、Lを短くすると非アライメント領域NAAが大きくなる結果、外挿等によって位置情報を求める領域が大きくなる。結果として、アライメントの誤差が大きくなる可能性がある。本変形例は、L≧Wmax/3の条件を用いず、連続してアライメントしながら連続して描画(露光)するものである。
図16は、第2変形例に係る連続アライメントを説明するための図である。図17、図18は、線形補間の例である。第2変形例は、図10に示す露光装置EXを用いて実現する。露光装置EXは、2列のアライメント顕微鏡AM1、AM2を備えるが、アライメント顕微鏡は、1列であってもよいし3列以上であってもよい。露光装置EXが備えるアライメント顕微鏡AM1は、基板Pの表面に設けられたアライメントマークKS1、KS2、KS3の位置情報を検出する。図16に示すように、アライメントマークKS1、KS2、KS3は、基板Pの幅方向(Y方向)に向かって3個配列され、基板Pの長尺方向(X方向)に向かって所定の間隔で複数列が形成されている。アライメントマークKS1、KS2、KS3は、基板Pの長尺方向に一定間隔(設計値)で、離散的に配置されている。アライメント顕微鏡AM1は、基板Pの搬送中に、アライメントマークKS1、KS2、KS3を1列毎に順次検出する。
制御装置16は、基板P上の被処理領域A7に付随して基板Pの長尺方向に設けられるアライメントマークKS1、KS2、KS3のうち、被処理領域A7の長尺方向の先行部分に付随したアライメントマークKS1、KS2、KS3に関する第1の位置情報がアライメント顕微鏡AM1によって検出されると、被処理領域A7の先行部分の処理位置を特定する。例えば、先行部分としての被処理領域A7の部分領域X1に付随したアライメントマークKS1、KS2、KS3に関する第1の位置情報がアライメント顕微鏡AM1によって検出されると、制御装置16は、被処理領域A7の部分領域X1のアライメント用データを生成して、描画装置11による処理位置を特定する。
連続アライメントを行いながら連続描画(露光)する場合、描画(露光)前に被処理領域A7全面のアライメント用データを事前に生成することができなくなる。このため、制御装置16は、被処理領域A7の部分領域X1、X2、X3、X4毎に得られるアライメント用データを順次補間しながらパターン露光を行う。制御装置16は、被処理領域A7の長尺方向の後続部分、この例では部分領域X2に付随したアライメントマークKS1、KS2、KS3に関する第2の位置情報がアライメント顕微鏡AM1によって検出されると、被処理領域A7の部分領域X2の処理位置及び部分領域X1と部分領域X2との間の処理位置を第1の位置情報で補間して特定する。
図16に示す例は、Y方向に配列した3個のマークKS1、KS2、KS3の各位置情報を用いて、部分領域X1、X2、X3、X4のアライメント用データとして1次元の誤差成分(X方向位置ずれ成分、Y方向位置ずれ成分、Y軸に対する微小な傾き成分及びY方向の伸縮成分等)を計算している。アライメント用データは、非線形の成分(湾曲等)を含んでいてもよい。図17は、部分領域X1、X2、X3、X4におけるX方向のアライメント用データ(位置ずれの誤差成分)Sxの一例を示し、図18は、部分領域X1、X2、X3、X4におけるY方向のアライメント用データ(位置ずれの誤差成分)Syの一例を示す。部分領域X1、X2、X3、X4の間は、部分領域X1、X2、X3、X4のアライメント用データSx、Syを補間してアライメント用データとする。補間は1次元である。図17、図18に示す例は線形補間であるが、補間の方法はこれに限定されない。
図19から図21は、第2変形例に係る連続アライメントの他の例を説明するための図である。図19に示す例は、基板Pの表面を、Y方向に一列に並ぶ3個のマークKS1、KS2、KS3と、その列とX方向(搬送方向DD)に隣接した一列分の3個のマークKS1、KS2、KS3との計6個のマークで囲まれるブロック領域X1、X2、X3・・・毎に、6個のマークの各位置情報を用いて、アライメント用データを2次元の誤差成分として計算し、各ブロック領域X1、X2、X3・・・間の補間は1次元としたものである。
図20に示す例は、Y方向に沿って並ぶ2個のマークKS1及びKS2、あるいはKS2及びKS3の各位置情報を用いて、基板PのY方向(幅方向)のほぼ半分の領域に相当する部分領域X1Y1、X1Y2、X2Y1、X2Y2、・・・毎のアライメント用データを、1次元の誤差成分として計算し、補間は2次元としたものである。
図21に示す例は、基板Pの表面を、X方向に隣接した2個のマークとY方向に隣接した2個のマークとの計4個のマークで囲まれるブロック領域X1Y1、X1Y2、X2Y1、X2Y2、・・・に分けて、各ブロック領域毎に対応する4個のマークの位置情報を用いて、アライメント用データを2次元の誤差成分として計算し、補間も2次元としたものである。
この第2変形例によれば、回転ドラムDRを無闇に大きくしなくてもアライメント精度及び描画精度を確保できる。また、L≧Wmax/3の条件を用いず、連続してアライメントしながら連続して描画(露光)することができるので、アライメント顕微鏡AM1を配置する位置の自由度も向上する。
制御装置16は、部分領域X1、X2、X3、X4・・・毎、又はブロック領域X1Y1、X1Y2、X2Y1、X2Y2・・・毎に連続して求めたアライメント用データ及び補間によって得られたアライメント用データを用いて、連続してアライメントを行いながら描画装置11を制御して基板Pの表面に描画(露光)する。アライメント長L内に、基板Pの長尺方向に離散的に配列された複数のアライメントマークKS1、KS2、KS3が少なくとも2つ(2列)含まれることが好ましい。このようにすると、制御装置16は、既に得られたアライメント用データを利用して、アライメント長L内のマークの位置情報に基づいて生成されるアライメント用データを補間することができる。このように、本実施形態及び変形例では、描画装置11による描画(露光)動作を、必ず補間演算処理を行ってから開始できるので、アライメントの精度低下及び描画の精度低下を抑制することができる。
前述した本実施形態、第1変形例及び第2変形例は、基板処理装置として露光装置を例示している。基板処理装置としては、露光装置に限られず、処理部がインクジェットのインク滴下装置により被処理物体である基板Pにパターンを印刷する装置であってもよい。この場合は、例えば図11に示した露光領域TR(処理領域)に相当する位置に、インクジェットを噴出するヘッド部が設置される。また、処理部は、検査装置であってもよい。前述した本実施形態、第1変形例及び第2変形例は、マスクを用いない、いわゆるラスタースキャン式の描画露光装置を基板処理装置の例としたが、ラスタースキャン方式以外のDMD(マイクロ・ミラー・デバイス)方式のマスクレス露光装置であってもよい。さらに、平面マスク若しくは円筒マスクのパターンを投影光学系を介して基板P上に露光する投影露光装置、平面マスク若しくは円筒マスクを基板Pに接触させるコンタクト露光装置又はマスクと基板Pとを所定ギャップで対向させるプロキシミティ露光装置としてもよい。
(デバイス製造方法)
図22は、実施形態に係る基板処理装置(露光装置)を用いてデバイスを製造するデバイス製造方法の手順を示すフローチャートである。このデバイス製造方法では、まず、例えば有機EL等の自発光素子による表示パネルの機能・性能設計を行い、必要な回路パターン及び配線パターンをCAD等で設計する(ステップS201)。また、表示パネルの基材となる可撓性の基板P(樹脂フィルム、金属箔膜、プラスチック等)が巻かれた供給用ロールを準備しておく(ステップS202)。なお、このステップS202で用意しておくロール状の基板Pは、必要に応じてその表面を改質したもの、下地層(例えばインプリント方式による微小凹凸)を事前形成したもの、光感応性の機能膜や透明膜(絶縁材料)を予めラミネートしたもの、でもよい。
次いで、基板P上に表示パネルデバイスを構成する電極、配線、絶縁膜及びTFT(薄膜半導体)等を有するバックプレーン層を形成するとともに、そのバックプレーンに積層されるように、有機EL等の自発光素子による発光層(表示画素部)が形成される(ステップS203)。このステップS203には、先の各実施形態で説明した露光装置EX、EXaを用いて、フォトレジスト層を露光する従来のフォトリソグラフィ工程も含まれるが、フォトレジストの代わりに感光性シランカップリング材を塗布した基板Pをパターン露光して表面に親撥水性によるパターンを形成する露光工程、光感応性の触媒層をパターン露光し無電解メッキ法によって金属膜のパターン(配線、電極等)を形成する湿式工程又は銀ナノ粒子を含有した導電性インク等によってパターンを描画する印刷工程、等による処理も含まれる。
次いで、ロール方式で長尺の基板P上に連続的に製造される表示パネルデバイス毎に、基板Pをダイシングしたり、各表示パネルデバイスの表面に、保護フィルム(耐環境バリア層)又はカラーフィルターシート等を貼り合せたりして、デバイスを組み立てる(ステップS204)。次いで、表示パネルデバイスが正常に機能するか、所望の性能や特性を満たしているかの検査工程が行われる(ステップS205)。このようにして、表示パネル(フレキシブル・ディスプレー)を製造することができる。
また、前述した実施形態の露光装置は、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度及び光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、露光装置の組立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組立工程は、各種サブシステム相互の機械的接続、電気回路の配線接続及び気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組立工程の前に、各サブシステム個々の組立工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組立工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
また、前述した実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の置換又は変更を行うこともできる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態で引用した露光装置等に関するすべての公開公報及び米国特許の記載を援用して本明細書の記載の一部とする。このように、前述した実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態及び運用技術等は、すべて本発明の範囲に含まれる。
以上、本実施形態及びその変形例について説明したが、前述した内容により本実施形態及びその変形例が限定されるものではない。また、前述した実施形態及びその変形例の構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、本実施形態及びその変形例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更を行うことができる。
11 描画装置
12 基板搬送機構
13 装置フレーム
14 回転位置検出機構
16 制御装置
31 キャリブレーション検出系
A7 被処理領域
AA アライメント可能領域
AM1、AM2 アライメント顕微鏡
AM3 上流側アライメント顕微鏡
DR 回転ドラム
DRM 上流側回転ドラム
EN1、EN2、EN3、EN4 エンコーダヘッド
EX、EXa 露光装置
GA 対物レンズ系
GA1、GA2、GA3 対物レンズ系
GD 撮像系
GPa、GPb スケール部
KS1、KS2、KS3 アライメントマーク
LB 描画ビーム
LL1、LL2、LL3、LL4、LL5 各描画ライン
NAA 非アライメント領域
P 基板
TR 処理領域
UW、UW1、UW2、UW3、UW4、UW5 描画モジュール
Vw1、Vw1、Vw2、Vw3、Vw4、Vw5、Vw6、Vw7 各観察領域
W 露光長

Claims (9)

  1. 長尺のシート状の基板を、所定中心軸から一定半径の外周面の所定周長範囲で支持しつつ、前記所定中心軸の周りに回転することによって前記基板を長尺方向に搬送する円筒部材と、
    前記基板の搬送中に、前記長尺方向に沿って前記基板上に予め形成された複数の基準パターンに関する位置情報を順次検出する基準パターン検出部と、
    該基準パターン検出部による前記基準パターンの検出領域から前記基板の搬送方向の下流側に配置されて、前記基板の搬送中に前記円筒部材で支持された前記基板の一部分に対して所定の処理を施す処理部と、
    前記基準パターン検出部が前記基準パターンの検出動作を継続することによって順次検出される前記基準パターンに関する位置情報と、前記基準パターン検出部による前記基準パターンの検出領域から前記処理部による前記基板上の処理領域までの前記基板の搬送距離又は搬送時間と、に基づいて前記処理部を制御する制御部と、
    を含む基板処理装置。
  2. 前記検出領域から前記処理領域までの前記基板の搬送距離をL、前記処理部によって前記所定の処理が施される前記基板上の被処理領域の前記長尺方向における長さをWとしたとき、前記Lと前記Wとの関係がL≧W/3を満たすように設定される、請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記円筒部材に対して前記基板の搬送方向の上流側に設けられ、円筒状の外周面の所定周長範囲にわたって前記基板を支持しつつ搬送する上流側円筒部材と、
    該上流側円筒部材で支持されて搬送される前記基板上の前記複数の基準パターンに関する位置情報を順次検出する上流側基準パターン検出部と、をさらに備え、
    前記制御部は、さらに、前記上流側基準パターン検出部によって順次検出される位置情報と、前記上流側基準パターン検出部による前記基準パターンの検出領域から前記基準パターン検出部による前記基準パターンの検出領域までの前記基板の搬送距離又は搬送時間を用いて、前記処理部を制御する、請求項1に記載の基板処理装置。
  4. 前記円筒部材の外周面が前記基板を支持する所定周長範囲内における前記処理部の処理領域の配置と、前記上流側円筒部材の外周面が前記基板を支持する所定周長範囲内における前記上流側基準パターン検出部の検出領域の配置とをほぼ同一にした、請求項3に記載の基板処理装置。
  5. 前記制御部は、
    前記基板上の被処理領域に付随して前記長尺方向に設けられる前記複数の基準パターンのうち、前記被処理領域の前記長尺方向の先行部分に付随した前記基準パターンに関する第1の位置情報が前記基準パターン検出部によって検出されると、前記被処理領域の先行部分の処理位置を特定し、引き続き、前記被処理領域の前記長尺方向の後続部分に付随した前記基準パターンに関する第2の位置情報が前記基準パターン検出部によって検出されると、前記被処理領域の後続部分の処理位置を前記第1の位置情報で補間して特定する、請求項1に記載の基板処理装置。
  6. 前記複数の基準パターンは、前記基板の長尺方向に離散的に配置され、前記基準パターン検出部の検出領域から前記処理部の処理領域までの前記基板の搬送距離Lは、該距離L内に前記基準パターンの少なくとも2つが含まれるように設定される、請求項2に記載の基板処理装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の基板処理装置を用いて前記基板に前記パターンを形成する、デバイス製造方法。
  8. 長尺のシート状の基板を回転ドラムの外周面の所定周長範囲で支持しつつ前記回転ドラムの回転によって前記基板を長尺方向に搬送しながら、前記回転ドラムの前記所定周長範囲と対向する処理装置によって前記基板上の長尺方向に並ぶ複数の被処理領域の各々に対して所定の処理を施す基板処理方法であって、
    前記基板上の被処理領域に付随するように、前記長尺方向に沿って複数の基準パターンが所定の間隔で離散的に形成された基板を、前記回転ドラムで支持して搬送することと、
    前記処理装置による前記基板上の処理領域に対して前記基板の搬送方向の上流側の所定位置に検出領域が設定される基準パターン検出装置を用いて、前記基板の搬送中に前記複数の基準パターンを順次検出し、前記複数の基準パターンに関する位置情報を取得することと、
    前記位置情報を取得する前に、前記基準パターン検出装置による検出領域から前記処理装置による処理領域までの前記基板の搬送距離Lと、前記処理装置によって前記所定の処理が施される前記基板上の被処理領域の前記長尺方向における長さWとの関係を、L≧W/3に設定することと、
    を含む基板処理方法。
  9. 前記基準パターン検出装置による前記基準パターンの検出領域は、前記回転ドラムの前記所定周長範囲内の上流側に配置される、請求項8に記載の基板処理方法。
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