JP2015218675A - 高圧燃料供給ポンプ - Google Patents

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康久 内山
裕貴 中居
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裕貴 中居
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Moritsugu Akiyama
壮嗣 秋山
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【課題】高圧燃料供給ポンプの電磁駆動式吸入弁において、アンカーは固定コアと衝突して運動を停止するが、その際に燃料流も停止することで、キャビテーションが発生する【解決手段】アンカー及び固定コアに傾斜部を設けることにより、衝突時に発生する燃料流出方向を、ヨークの磁気絞りの薄肉加工部からずらし、燃料流出源からヨーク内周面までの流出方向における距離を低減するようにした。本構成により、キャビテーション発生量を低減するとともに、仮にエロージョンによる損傷が発生したとしても、厚肉部が損傷を受ける構造とすることで、損傷のリスク低減が可能となる。【選択図】図3(A)

Description

本発明は、高圧燃料供給ポンプに係り、特に内燃機関の燃料噴射弁に高圧燃料を圧送する好適な高圧燃料供給ポンプに関する。
従来この種のタイプの電磁弁は、例えば高圧燃料供給ポンプの電磁駆動式吸入弁の場合、特開2012−82810号公報の図1および図3(A)に記載されるように、磁気回路を形成するための磁気絞りの薄肉加工が記載されている。また、電磁式燃料噴射弁においても、特開2013−151915号公報の図1および図2に記載されるように、磁気回路を形成するための磁気絞りの薄肉加工が記載されている。
特開2012−82810号公報 特開2013−151915号公報
高圧燃料供給ポンプの電磁駆動式吸入弁においては、電磁コイルに通電するとアンカーと固定コアの間に磁気吸引力が発生し、可動部であるアンカーが、吸入弁閉弁方向に運動を開始する。アンカーは固定コアと衝突して運動を停止するが、その際に燃料流も停止することで、キャビテーションが発生し、ヨークの内周面がエロージョンによって損傷することが考えられる。また、ヨークには磁気回路形成のために薄肉加工部を設けており、キャビテーション発生移置と薄肉加工部が一致しており、損傷による機能不全に対するリスクが高いという課題があった。
そこで本発明の目的は、キャビテーション発生量を低減するとともに、仮にエロージョンによる損傷が発生したとしても、厚肉部が損傷を受ける構造とすることで、損傷のリスクを低減することを目的とする、
本発明は上記のような課題を解決するために、アンカー及び固定コアに傾斜部を設けることにより、衝突時に発生する燃料流出方向を、ヨークの磁気絞りの薄肉加工部からずらすことが可能となった。また、燃料流出源からヨーク内周面までの流出方向における距離を低減することが可能となった。
上記のように構成した本発明によれば、キャビテーション発生量を低減するとともに、仮にエロージョンによる損傷が発生したとしても、厚肉部が損傷を受ける構造とすることで、損傷のリスク低減が可能となった。
本発明が実施された実施例1になる電磁駆動型の吸入弁を備えた高圧燃料供給ポンプの全体縦断面図である。 本発明が実施された高圧燃料供給ポンプを用いた燃料供給システムの一例を示すシステム構成図である。 本発明が実施された実施例1になる電磁駆動型の吸入弁の拡大断面図で、燃料吸入時の状態を示す。 本発明が実施された実施例1になる電磁駆動型の吸入弁の拡大断面図で、燃料溢流(スピル)時の状態(コイルが無通電状態)を示す。 本発明が実施された実施例1になる電磁駆動型の吸入弁の拡大断面図で、燃料吐出時の状態(コイルが通電状態)を示す。 従来構造の電磁駆動型の吸入弁の拡大断面図で、アンカー衝突時の状態を示す。 本発明が実施された実施例1になる電磁駆動型の吸入弁の拡大断面図で、アンカー衝突時の状態を示す。 本発明が実施された実施例2になる電磁駆動型の吸入弁の拡大断面図で、アンカー衝突時の状態を示す。
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
図1から図5に基づき本発明が実施される高圧燃料供給ポンプの実施例1を説明する。
図1は細部に符号を付すことができないので、説明中の符号で図1にその符号がないものは図2から図5の拡大図にその符号が記載されている。
ポンプハウジング1には、一端が開放された有底の筒状空間を形成する窪み部12Aが設けられ、当該窪み部12Aには開放端側からシリンダ20が挿入されている。シリンダ20の外周とポンプハウジング1の間は圧接部20Aによってシールされている。またシリンダ20にはピストンプランジャ2が滑合しているので、シリンダ20の内周面とピストンプランジャ2の外周面との間は滑合面間に侵入する燃料でシールされる。その結果、ピストンプランジャ2の先端と窪み部12Aの内壁面およびシリンダ20の外周面の間に加圧室12が画成されている。
ポンプハウジング1の周壁から加圧室12に向けて筒状の孔200Hが形成されており、この筒状の孔200Hには電磁駆動型吸入弁機構200の吸入弁部INVおよび電磁駆動機構部EMDの一部が挿入されている。電磁駆動型吸入弁機構200の外周面と筒状の孔200Hとの接合面200Rがレーザ溶接によって接合されことで、ポンプハウジング1の内部が大気から密閉されている。電磁駆動型吸入弁機構200が取付けられることによって密封された筒状の孔200Hは低圧燃料室10Aとして機能する。
加圧室12を挟んで筒状の孔200Hと対向する位置にはポンプハウジング1の周壁から加圧室12に向けて筒状の孔60Hが設けられている。この筒状の孔60Hには吐出弁ユニット60が装着されている。吐出弁ユニット60は先端にバルブシート61が形成され、中心に吐出通路となる通孔11Aを備えたバルブシート部材61Bを備える。バルブシート部材61Bの外周にはバルブシート61側周囲を包囲するバルブホルダー62が固定されている。バルブホルダー62内にはバルブ63とこのバルブ63をバルブシート61に押し付ける方向に付勢するばね64が設けられている。筒状の孔60Hの反加圧室側開口部はポンプハウジング1に溶接で固定された吐出ジョイント11が設けられている。
電磁駆動型吸入弁機構200は電磁的に駆動されるプランジャロッド201を備える。プランジャロッド201の先端にはバルブ203が設けられ、電磁駆動型吸入弁機構200の端部に設けられたバルブハウジング214に形成されたバルブシート214Sと対面している。
プランジャロッド201の他端には、プランジャロッド付勢ばね202が設けられており、バルブ203がバルブシート214Sから離れる方向にプランジャロッドを付勢している。バルブハウジング214の先端内周部にはバルブストッパS0が固定されている。バルブ203はバルブシート214SとバルブストッパS0との間に往復動可能に保持されている。バルブ203とバルブストッパS0との間にはバルブ付勢ばねS4が配置されており、バルブ203はバルブ付勢ばねS4によってバルブストッパS0から離れる方向に付勢されている。
バルブ203とプランジャロッド201の先端とは互いに反対方向にそれぞれのばねで付勢されているが、プランジャロッド付勢ばね202の方が強いばねで構成してあるので、プランジャロッド201がバルブ付勢ばねS4の力に抗してバルブ203がバルブシートから離れる方向(図面右方向)に押し、結果的にバルブ203をバルブストッパS0に押し付けている。
このため、プランジャロッド201は、電磁駆動型吸入弁機構200がOFF時(電磁コイル204に通電されていないとき)には、プランジャロッド付勢ばね202によってプランジャロッド201を介して、バルブ203を開弁する方向に付勢している。従って電磁駆動型吸入弁機構200がOFF時には、図1,図2,図3(A)のように、プランジャロッド201,バルブ203は開弁位置に維持される(詳細構成は後述する)。
燃料は、燃料タンク50から低圧ポンプ51によってポンプハウジング1の燃料導入口としての吸入ジョイント10へ導かれている。
コモンレール53には、複数のインジェクタ55,圧力センサ56が装着されている。インジェクタ55は、エンジンの気筒数にあわせて装着されており、エンジンコントロールユニット(ECU)600の信号に応じてコモンレール53に送られてきた高圧燃料を各気筒に噴射する。また、ポンプハウジング1に内蔵されたリリーフ弁機構(図示しない)は、コモンレール53内の圧力が所定値を超えたとき開弁して余剰高圧燃料を吐出弁6の上流側に戻す。
ピストンプランジャ2の下端に設けられたリフタ3は、ばね4にてカム7に圧接されている。ピストンプランジャ2はシリンダ20に摺動可能に保持されており、エンジンカムシャフト等により回転されるカム7により、往復運動して加圧室12内の容積を変化させる。シリンダ20はその下端部外周がシリンダホルダ21で保持され、シリンダホルダ21をポンプハウジング1に固定することによってポンプハウジング1にメタルシール部20Aで圧接される。
シリンダホルダ21にはピストンプランジャ2の下端部側に形成された小径部2Aの外周をシールするプランジャシール5が装着されている。加圧室内にシリンダ20とピストンプランジャ2の組体を挿入し、シリンダホルダ21の外周に形成した雄ねじ部21Aをポンプハウジング1の窪み12Aの開放側端部内周に形成した雌ねじ部のねじ部1Aにねじ込む。シリンダホルダ21の段部21Dがシリンダ20の反加圧室側端部周縁に係止した状態でシリンダホルダ21がシリンダ20を加圧室側に押すことで、シリンダ20のシール用段部20Aをポンプハウジング1に押し付けて、メタル接触によるシール部を形成する。
Oリング21BはエンジンブロックENBに形成された取付け孔EHの内周面とシリンダホルダ21の外周面との間をシールする。Oリング21Cはポンプハウジング1の窪み12Aの反加圧室側端部内周面とシリンダホルダ21の外周面との間をねじ部21A(1A)の反加圧室側の位置でシールする。
ポンプハウジング1の反加圧室側端部外周に溶接部1Cで固定された取付けフランジ1Dはシリンダホルダ21の端部外周をエンジンブロックENBの取付け孔EHに挿入した状態で、ねじ固定補助スリーブ1Eを介してねじ1Fでエンジンブロックにねじ止めされ、これによってポンプがエンジンブロックに固定される。
吸入ジョイント10から低圧燃料室10Aまでの通路の途中にはダンパ室10Bが形成されており、この中に二枚金属ダイアフラム式の金属ダイアフラムダンパ80がダンパホルダ30(上側ダンパホルダ30A,下側ダンパホルダ30B)に挟持された状態で収納されている。ダンパ室10Bはポンプハウジング1の上面外壁部に形成された環状の窪みの外周部にダンパカバー40の筒状側壁の下端部を溶接接合することで形成される。この実施例では吸入ジョイント10はダンパカバー40の中央に溶接により固定されている。
二枚式金属ダイアフラムダンパ80は、上下一対の金属ダイアフラム80Aと80Bとを突合せその外周部を全周に亘って溶接して内部をシールしている。上側ダンパホルダ30Aの内周側下端の環状端縁部が二枚式金属ダイアフラムダンパ80の溶接部80Cより内側で二枚式金属ダイアフラムダンパ80の上側の環状縁部に当接している。下側ダンパホルダ30の内周側上端の環状端縁部が二枚式金属ダイアフラムダンパ80の溶接部80Cより内側で二枚式金属ダイアフラムダンパ80の下側の環状縁部に当接している。かくして二枚式金属ダイアフラムダンパ80は環状縁部の上下面で上側ダンパホルダ30A,下側ダンパホルダ30Bに挟み付けられている。
ダンパカバー40の外周は筒状に構成され、ポンプハウジング1の筒状部1Gに嵌合され、このときダンパカバー40の内周面が上側ダンパホルダ30Aの上端環状面に当接して二枚式金属ダイアフラムダンパ80をダンパホルダ30ごとポンプハウジング1の段部1Hに押し付けることで、二枚式金属ダイアフラムダンパ80はダンパ室内に固定される。この状態で、ダンパカバー40の周囲がレーザ溶接され、ダンパカバー40がポンプハウジング1に接合され固定される。
二枚式金属ダイアフラム80Aと80Bによって形成された中空部にはアルゴンのような不活性ガスが封入されており、外部の圧力変化に応じてこの中空部が体積変化をすることによって、脈動減衰機能を奏する。二枚式金属ダイアフラムダンパ80とダンパカバー40との間の燃料通路80Uは上ダンパホルダ30Aに形成された通路30Pと、上ダンパホルダ30Aの外周とポンプハウジング1の内周面との間に形成された通路80Pを介して燃料通路としてのダンパ室10Bと繋がっている。ダンパ室10Bはダンパ室10Bの底壁としてのポンプハウジング1に形成した連通孔10Cによって電磁駆動型の吸入弁200の低圧燃料室10Aと連通されている。
ピストンプランジャ2の小径部2Aとシリンダ20と滑合する大径部2Bとのつながり部は円錐面2Kで繋がっている。円錐面の周囲にはプランジャシールとシリンダ20の下端面との間に燃料副室250が形成されている。燃料副室250はシリンダ20とピストンプランジャ2との滑合面から漏れてくる燃料を捕獲する。
ポンプハウジング1の内周面とシリンダ20の外周面とシリンダホルダ21の上端面との間に区画形成された環状通路21Gは、ポンプハウジング1に貫通形成された縦通路250Bによって一端がダンパ室10Bに接続され、シリンダホルダ21に形成された燃料通路250Aを介して燃料副室250に繋がっている。かくして、ダンパ室10Bと燃料副室250とは縦通路250B,環状通路21G,燃料通路250Aによって連通されている。
ピストンプランジャ2が上下(往復動)するとテーパー面2Kが燃料副室の中で往復動するので燃料副室250の容積が変化する。燃料副室250の容積が増加するとき、縦通路250B,環状通路21G,燃料通路250Aを介してダンパ室10Bから燃料副室250に燃料が流れ込む。燃料副室250の容積が減少するとき、縦通路250B,環状通路21G,燃料通路250Aを介して燃料副室250からダンパ室10Bへ燃料が流れ込む。
バルブ203が開弁位置に維持された状態(コイル204が無通電状態)でピストンプランジャ2が下死点から上昇すると、加圧室内に吸入された燃料は開弁中のバルブ203から低圧燃料室10Aに溢流(スピル)し、連通孔10Cを介してダンパ室10Bに流れる。かくしてダンパ室10Bでは吸入ジョイント10からの燃料、燃料副室250からの燃料、加圧室12からの溢流燃料、さらにはリリーフ弁(図示しない)からの燃料が合流するように構成されている。その結果それぞれの燃料が有する燃料脈動がダンパ室10Bで合流し、二枚式金属ダイアフラムダンパ80によって吸収される。
図2において、破線で囲んだ部分が図1のポンプ本体部分を示す。電磁駆動型吸入弁機構200は環状に形成されたコイル204の内周側に、電磁駆動機構部EMDのボディを兼ねた有底のカップ状のヨーク205を備える。ヨーク205は内周部に固定コア206、とアンカー207がプランジャロッド付勢ばね202を挟んで収納されている。図3(A)に詳細に示されるように固定コア206はヨーク205の有底部に圧入によって強固に固定されている。アンカー207はプランジャロッド201の反バルブ側端部に圧入により固定され、固定コア206との間に磁気空隙GPを介して対面している。コイル204はカップ状のサイドヨーク204Yの中に収納されており、サイドヨーク204Yの開放端部の内周面をヨーク205の環状フランジ部205Fの外周部で圧入嵌合することで両者が固定されている。ヨーク205とサイドヨーク204Y,固定コア206,アンカー207によって磁気空隙GPを横切る閉磁路CMPがコイル204の周囲に形成されている。ヨーク205の磁気空隙GPの周囲に対面する部分は肉厚が薄く形成されており、磁気絞り205Sを形成している。これにより、ヨーク205を通って漏洩する磁束が少なくなり、磁気空隙GPを通る磁束を増加することができる。
図3(A),図3(B)に示すようにヨーク205の開放側端部筒状部205Gの内周部には軸受部214Bを有するバルブハウジング214が圧入により固定されており、プランジャロッド201はこの軸受209を貫通してバルブハウジング214の反軸受209側端部内周部に設けられたバルブ203のところまで延びている。
図4に拡大して示すようにバルブハウジング214の反軸受214B側端部の環状段付内周面214DにはバルブストッパS0の3つの圧入面部SP1−SP3が圧入されレーザ溶接によって固定されている。内周面214Dの圧入段部の幅と3つの圧入面部SP1−SP3の圧入方向の幅は同一寸法に形成されている。
プランジャロッド201の先端部とバルブストッパS0の間にはバルブ203がバルブ付勢ばねS4を挟んで往復動可能に装着されている。バルブ203は一側の面がバルブハウジング214に形成されたバルブシート214Sに対面し、他側の面がバルブストッパS0に対面する環状面部203Rを備える。環状面部203Rの中心部にはプランジャロッド201の先端まで延びる有底の筒状部を有し、有底の筒状部は底部平面部203Fと円筒部203Hとから構成されている。円筒部203Hはバルブシート214Sの内側においてバルブハウジング214に形成される開口部214Pを通って低圧燃料室10A内まで突出している。
プランジャロッド201の先端は低圧燃料室10Aでバルブ203のプランジャロッド側端部の平面部203Fの表面に当接している。バルブハウジング214の軸受214Bと開口部214Pとの間の筒状部には周方向に4つの燃料通孔214Qが等間隔に設けられている。この4つの燃料通孔214Qはバルブハウジング214の内外の低圧燃料室10Aを連通している。円筒部203Hの外周面と開口部214Pの周面との間にはバルブシート214Sと環状面部203Rとの間の環状燃料通路10Sに繋がる筒状の燃料導入通路10Pが形成されている。
バルブストッパS0は環状面部S3の中心部にバルブ203の有底筒状部側に突出する円筒面部SGを備えた突出部STを有し、当該円筒面部SGがバルブ203の軸方向へのストロークをガイドするガイド部として機能する(円筒面部SGをバルブガイドSGとも呼ぶ)。
バルブ付勢ばねS4はバルブストッパS0の突出部STのバルブ側端面SHとバルブ203の有底筒状部の底面との間に保持されている。
バルブ203がバルブストッパS0の円筒面部SGでガイドされて全開位置にストロークすると、バルブ203の環状面部203Rの中心部に形成された環状突起部203SがバルブストッパS0の環状面部S3(幅HS3)の受け面S2(幅HS2)に接触する。このとき環状突起部203Sの周囲には環状空隙SGPが形成される。この環状空隙SGPはバルブ203が閉弁方向に移動を始める際に加圧室側の燃料の圧力P4をバルブ203に作用させて、バルブ203が素早くバルブストッパS0から離れるようにする早離れ機能を奏する。
図4に示すようにこの実施例ではバルブ203が閉弁した瞬間にはプランジャロッド201は電磁力で図面左方に吸引されているのでその先端はバルブ203の平面部203Fから離れ両者間に隙間201Gが形成される。このとき低圧燃料室10A内の圧力はピストンプランジャ2が下死点から上昇中のため燃料副室250内の容積が増加した分だけダンパ室10Bおよび低圧燃料室10Aから燃料を補充することになるので低圧燃料室10A内の圧力はその分だけ燃料副室250の容積が減少していたときより低くなる。この低くなった圧力はバルブ203の平面部203Fのプランジャロッド201の先端が接触していた面積部分にも作用するので加圧室側と低圧室側の圧力差が大きくなり、バルブ203の閉弁動作はより素早くなる。
また吸入弁部INVが差し込まれる直径DS1の挿入孔200Hは差込み方向の中間部にテーパー部TAを備え、このテーパー部TAよりも加圧室側の直径DS3は直径DS1より小径に構成している。吸入弁部INVの先端部に位置するバルブハウジング214の円筒状部214F,214Gの外径は先端部外周の区間SF2(円筒状部214G)で区間SF1(円筒状部214F)より小径に構成している。区間SF1の区間においては円筒状部214Fの外径が挿通孔200Hの直径DS1とよりも大きくなっていて、締まり嵌めでポンプハウジング1の挿通孔200Hに嵌合される。区間SF2では円筒状部214Gの外径が挿通孔200Hの直径DS1よりも小さくなっていて、この部分では遊嵌されている。これは吸入弁部INVを挿通孔200Hに挿通する際入口部のテーパー部TOでバルブハウジング214の先端部を自動求心して挿入しやすくし、さらに内部のテーパー部TAで自動求心して傾いた状態で挿通されないようにするための工夫である。これによって、自動組立てする際の歩留まりが向上した。また円筒状部214Fの締まり嵌め部(区間SF1)において加圧室12側と低圧燃料室10A側の流体シールを圧入嵌合作業だけで達成することで、自動組立ての作業性を改善するものである。
バルブハウジング214の先端エッジ部がテーパーTAに差し込まれた直後にヨーク205の先端エッジ部205ZがテーパーTOに差し込まれるように寸法を構成すると組立て時の求心作用がスムースに行える。つまり吸入弁部INVの求心が完了した後に電磁駆動機構部EMDが自動求心を行うので、吸入弁部INVの求心作用と電磁駆動機構部EMDの求心作用とが互いに干渉することがない。その結果自動組立てにおける求心作業がスムースに行え、組立て不良が低減する。
挿通孔200Hに差し込まれるヨーク205の先端部の外径は挿通孔200Hの内径DS1より小径に構成し、両者間を遊嵌状態にしている。これは吸入弁部INVが先端に取付けられたヨーク205の挿入力をできるだけ低減して電磁駆動機構部EMDの挿入時に吸入弁部INVに無理な力が作用することを防止する効果と共に、自動挿入作業の作業時間を短縮する効果がある。ヨーク205が挿入孔200Hに完全に差し込まれるとヨーク205の接合端面205Jがポンプハウジング1の取付け面に当接する。この状態で接合部W1において全周をレーザ溶接して内部を密封すると共に電磁駆動機構部EMDをポンプハウジング1に固定する。
バルブハウジング214の軸受部214Bの外径は、軸受部214Bのバルブ203側の外周の圧入部214Jの外径の方が反バルブ203側の先端部214Nの外径より大径に構成してある。これはヨーク205の先端に形成された筒状突起部205Nの内周面に軸受部214Bを圧入嵌合する際の自動求心効果を得るものである。軸受部214Bには燃料通孔214Kが複数本形成されている。アンカー207が往復動するとこの燃料通孔214Kを通して燃料が出入りすることでアンカー207の動作がスムースになる。
さらに燃料はプランジャロッド201内に形成した燃料通孔201K,プランジャロッド付勢ばね202が収容されている固定コア206とアンカー207との間の空間206Kおよびアンカー207の周囲を通って出入りする。これによりさらにアンカー207の動作がスムースになる。燃料通孔201Kがなければ、固定コア206とアンカー207が接触している時は、空間206Kが完全密閉状態になってしまう。この状態ではアンカー207およびプランジャロッド201がプランジャロッド付勢ばね202によって図中右側に開弁運動を開始する際、一瞬、空間206Kの圧力が低下してしまい開弁が遅れたり、開弁運動が不安定になってしまうといった問題があったが、上記構成によりこれを解消することができた。
図1,図2,図3(A),図3(B),図4,および図5(A),図5(B)に基づき第一実施例の動作を説明する。
≪燃料吸入状態≫
まず、図3(A),図3(B)により燃料吸入状態を説明する。ピストンプランジャ2が図2の破線で示す上死点位置から矢印Q2に示す方向に下降する吸入工程では、コイル204は非通電状態である。プランジャロッド付勢ばね202の付勢力FP1は矢印に示すようにバルブ203に向かってプランジャロッド201を付勢する。一方バルブ付勢ばねS4の付勢力FP2はバルブ203を矢印に示す方向へ付勢する。プランジャロッド付勢ばね202の付勢力がバルブ付勢ばねS4の付勢力FP2の付勢力より大きく設定されているので両ばねの付勢力はこのときバルブ203を開弁方向に付勢する。また低圧燃料室10A内に位置するバルブ203の平面部203Fに代表されるバルブ203の外表面に作用する燃料の静圧P1と加圧室内の燃料の圧力P12との圧力差によってバルブ203は開弁方向の力を受ける。さらに燃料導入通路10Pを通って矢印R4に沿って加圧室12に流入する燃料流とバルブ203の円筒部203Hの周面との間に発生する流体摩擦力P2はバルブ203を開弁方向に付勢する。さらに、バルブシート214Sとバルブ203の環状面部203Rとの間に形成される環状燃料通路10Sを通る燃料流の動圧P3はバルブ203の環状面部203Rに作用してバルブ203を開弁方向に付勢する。重量数ミリグラムのバルブ203はこれらの付勢力によって、ピストンプランジャ2が下降し始めると素早く開弁し、ストッパSTに衝突するまでストロークする。
バルブシート214Sは、バルブ203の円筒部203H,燃料導入通路10Pよりも直径方向で外側に形成されている。これによりP1,P2,P3が作用する面積を大きくすることが可能となり、バルブ203の開弁速度を速くすることができる。
このときプランジャロッド201およびアンカー207の周囲は滞留した燃料で満たされていること、および軸受214Bとの摩擦力が作用することによって、プランジャロッド201およびアンカー207はバルブ203の開弁速度よりわずかに図面右方向へのストロークが遅れる。その結果プランジャロッド201の先端面とバルブ203の平面部203Fとの間にわずかな隙間ができる。このためプランジャロッド201から付与される開弁力が一瞬低下する。しかし、この隙間には低圧燃料室10A内の燃料の圧力P1が遅れなく作用するので、プランジャロッド201(プランジャロッド付勢ばね202)から付与される開弁力の低下をこのバルブ203を開弁する方向の流体力が補う。かくして、バルブ203の開弁時にはバルブ203の低圧燃料室10A側の全表面に流体の静圧および動圧が作用するので、開弁速度が速くなる。
バルブ203の開弁時は、バルブ203の円筒部203Hの内周面をバルブストッパS0の突出部STの円筒面部SGによって形成されるバルブガイドでガイドされ、バルブ203は径方向に変位することなくスムースにストロークする。バルブガイドを形成する円筒面部SGはバルブシート214Sが配置された面を挟んでその上流側および下流側に形成されており、バルブ203のストロークを十分に支持できるだけでなく、バルブ203の内周側のデッドスペースを有効に利用できるので、吸入弁部INVの軸方向の寸法を短くできる。
また、バルブ付勢ばねS4はバルブストッパS0の端面SHとバルブ203の平面部203FのバルブストッパS0側底面部との間に設置されているので、開口部214Pとバルブの円筒部203Hとの間に形成される燃料導入通路10Pの通路面積を十分確保しながら開口部214Pの内側にバルブ203とバルブ付勢ばねS4を配置できる。また燃料導入通路10Pを形成する開口部214Pの内側に位置するバルブ203の内周側のデッドスペースを有効に利用してバルブ付勢ばねS4を配置できるので、吸入弁部INVの軸方向の寸法を短くできる。
バルブ203はその中心部にバルブガイド(SG)を有し、バルブガイド(SG)のすぐ外周でバルブストッパS0の環状面部S3の受け面S2に接触する環状突起部203Sを有する。さらにその径方向外側の位置にバルブシート214Sが形成されており、環状空隙SGPはさらにその半径方向外側まで広がっており、環状空隙SGPの外側(つまり、バルブ203,バルブストッパS0の外周側)にバルブハウジングの内周面で形成される燃料通路S6が順次形成されている。燃料通路S6がバルブシート214Sの径方向外側に形成されているので、燃料通路S6を十分に大きく取れる利点がある。燃料通路S6を十分に大きく取れることで、吸入動作時に吸入燃料の流速が極端に早くなってソニック現象を生じたり、燃料通路S6や加圧室内でキャビテーションが発生したりすることを抑制できる。その結果、燃料通路S6や加圧室内の金属のエッジ部にエロージョンが発生するのを抑制できる。
また、環状空隙SGPの内側でバルブシート214Sの内側にバルブストッパS0の受け面S2に接触する環状突起部203Sを設けたので、後述する閉弁動作時に環状空隙SGPへ加圧室側の流体圧力P4を速やかに作用させてバルブ203をバルブシート214Sに押し付ける際の閉弁速度を上げることができる。
≪燃料スピル状態≫
燃料スピル状態を図2、および図3(B)により説明する。ピストンプランジャ2が下死点位置から転じて矢印Q1方向に上昇し始めるが、コイル204は非通電状態であるので、一端加圧室12内に吸入された燃料の一部が燃料通路S6,環状燃料通路10Sおよび燃料導入通路10Pを通して低圧燃料室10Aにスピル(溢流)される。燃料通路S6における燃料の流れが矢印R4方向からR5方向へ切り替わる際、一瞬燃料の流れが止り、環状空隙SGPの圧力が上がるがこのときはプランジャ付勢ばね202がバルブ203をバルブストッパS0に押し付ける。むしろ、バルブシート214Sの環状燃料通路10Sに流れ込む燃料の動圧によってバルブ203をバルブストッパS0側に押し付ける流体力と環状空隙SGPの外周を流れる燃料流の吸出し効果でバルブ203とバルブストッパS0とを引き付けるように作用する流体力によってバルブ203はしっかりとバルブストッパS0に押し付けられる。
燃料流がR5方向に切り替わった瞬間から加圧室12内の燃料は、燃料通路S6,環状燃料通路10Sおよび燃料導入通路10Pの順で低圧燃料室10Aに流れる。ここで、環状燃料通路10Sの燃料流路断面積は燃料通路S6、および燃料導入通路10Pの燃料流路断面積よりも小さく設定されている。すなわち、環状燃料通路10Sで最も燃料流路断面積が小さく設定されている。そのため、環状燃料通路10Sで圧力損失が発生し加圧室12内の圧力が上昇し始めるが、その流体圧力P4はバルブストッパS0の加圧室側の環状面で受けて、バルブ203には作用しにくい。
環状空隙SGPにはスピル状態では低圧燃料室10Aから、4つの燃料通孔214Qを介してダンパ室10Bへ流れる。一方ピストンプランジャ2が上昇することで、副燃料室250の容積が増加するので、縦通路250B,環状通路21Gおよび燃料通路250Aを通る矢印R8の下方矢印方向への燃料流により、ダンパ室10Bから燃料副室250へ燃料の一部が導入される。かくして燃料副室に冷たい燃料が供給されるので、ピストンプランジャ2とシリンダ20との摺動部が冷却される。
≪燃料吐出状態≫
燃料吐出状態を図4を用いて説明する。前述の燃料スピル状態においてエンジン制御装置ECUからの指令に基づきコイル204に通電されると、閉磁路CMPが図3(A)に示すごとく生起される。閉磁路CMPが形成されると磁気空隙GPにおいて、固定コア206とアンカー207の対抗面間に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力はプランジャロッド付勢ばね202の付勢力に打勝ってアンカー207とこれに固定されているプランジャロッド201を固定コア206に引き付ける。このとき、磁気空隙GP、プランジャロッド付勢ばね202の収納室206K内の燃料は燃料通路201Kおよびアンカー207の周囲を通して燃料通路214Kから低圧通路に排出される。これにより、アンカー207とプランジャロッド201はスムースに固定コア206側に変位する。アンカー207が固定コア206に接触すると、アンカー207とプランジャロッド201は運動を停止する。
プランジャロッド201が固定コア206に引き寄せられて、バルブ203をバルブストッパS0側に押し付けていた付勢力がなくなるので、バルブ203はバルブ付勢ばねS4の付勢力によってバルブストッパS0から離れる方向に付勢されバルブ203は閉弁運動を開始する。このとき、環状突起部203Sの外周側に位置する環状空隙SGP内の圧力は、加圧室12内の圧力上昇に伴って低圧燃料室10A側の圧力よりも高くなり、かくしてバルブ203の閉弁運動を助ける。バルブ203がバルブシート214Sに接触し、閉弁状態となる。この状態が図4に示されている。ピストンプランジャ2が引き続いて上昇するので加圧室12の容積が減少し、加圧室12内の圧力が上昇すると図1および図2に示すように、吐出バルブユニット60の吐出バルブ63が吐出バルブ付勢ばね64の力に打勝ってバルブシート61から離れ吐出通路11Aから吐出ジョイント11を通して、矢印R6,矢印R7に沿った方向に燃料が吐出する。
このように、環状空隙SGPはバルブ203の閉弁運動を助ける効果が有る。バルブ付勢ばねS4のみでは、吸入弁の閉弁力が小さすぎるので閉弁運動が安定しないと言う問題があったが、実施例ではこの問題が解消できた。
バルブ203がバルブシート214Sに接触し完全な閉弁状態になった瞬間はプランジャロッド201が固定コア206側に完全に引き寄せられてプランジャロッド201の先端がバルブ203の低圧燃料室10A側端面から離れており、空隙201Gが形成されている。これにより、バルブ203の閉弁動作時にバルブ203がプランジャロッド201によって開弁方向へ力を受けることがないので、閉弁動作が速くなる。また、バルブ203の閉弁動作時にバルブ203がプランジャロッド201に衝突することがなく打撃音が発生しないので静粛なバルブ機構が得られる。
バルブ203が完全に閉弁し加圧室12内の圧力が上昇して高圧吐出が開始された後、コイル204への通電は断たれる。固定コア206とアンカー207の対抗面間に発生していた磁気吸引力が消滅し、アンカー207とプランジャロッド201はプランジャロッド付勢ばね202の付勢力によってバルブ203側へ移動を開始し、プランジャロッド201がバルブ203の底部平面部203Fと接触すると運動を止める。既に加圧室12内の圧力による閉弁力がプランジャロッド付勢ばね202の作用力よりも十分大きくなっているので、プランジャロッド201がバルブ203の低圧燃料室10A側表面を押してもバルブ203は開弁することはない。この状態はピストンプランジャ2が上死点から下降方向Q2へ転じた瞬間にプランジャロッド201がバルブ203を開弁方向へ付勢する準備動作となる。
前述のように、本吸入工程においてアンカー207は固定コア206と接触する。図5(A)は従来構造における接触状態、図5(B)は本実施例における接触状態のアンカー207近傍の拡大図である。低圧燃料室10A内には燃料が存在しており、アンカー207が固定コア206側に磁気吸引力で引き寄せられる際、両部材間に存在している燃料はアンカー207のピストン運動により、矢印R10方向に燃料は流れる。アンカー207衝突直後、アンカー207の運動は停止するため、矢印R10方向の燃料流も停止するが、燃料流は慣性力を持っているため、固定コア206とアンカー207の衝突面近傍の圧力が低下する。この圧力低下によってキャビテーションが発生し、キャビテーション崩壊時のエネルギーによりヨーク205は損傷するリスクがあった。
図5(A)は従来構造のアンカー207近傍の拡大図である。従来構造では、ヨーク205の固定コア206とアンカー207の衝突面に対面する部分に肉厚を薄く形成した磁気絞り205Sを有していた。そのため、アンカー207衝突による燃料流R10が磁気絞り205Sに当接し、磁気絞り205S側面にてキャビテーションが発生、損傷が進展するリスクがあった。磁気絞り205Sは、薄肉加工部であるため損傷進展した場合、ヨーク205の内径側と外形側に損傷が貫通するリスクが高いという問題があった。
図5(B)は本実施例によるアンカー207近傍の拡大図である。本実施例では、アンカー207及び固定コア206の衝突面に傾斜部を設け、本傾斜部でアンカー207と固定コア206が衝突する。本構造により、アンカー207衝突による燃料流R6が磁気絞り205Sに当接することを避けることができる。
本実施例により、キャビテーション発生部位を厚肉部にずらすことが可能となり、キャビテーションによる損傷が発生した際にも、厚肉化による延命により、ヨーク205の内径側と外形側に損傷が貫通するリスクを大幅に低減することが可能となる。
また、キャビテーションの発生量は燃料流R10の発生源に近いほど大きくなる。すなわち、アンカー207と固定コア206の衝突部に近いほど、キャビテーションの発生量は大きくなる。本実施例における燃料流R10に平行なアンカー207側面からヨーク205内径面までの距離L2は、従来構造における距離L1よりも大きくなっており、本実施例により、ヨーク205内径側面で発生するキャビテーション量を減少させる効果も期待できる。
図6に基づき本発明が実施される電磁式燃料噴射弁の実施例2を説明する。
実施例1では、アンカー207と固定コア206が衝突時傾斜部で接触する構造としたが、図6に示すように、アンカー207の可動方向と垂直な面で接触し、アンカー207と固定コア206当接時に両部材に設けられた傾斜部間に隙間がある構造としても、実施例1と同様の効果が期待できる。
本実施例によれば、燃料流R10の発生源からヨーク205内径側面までの距離L3をさらに大きくすることが可能で、ヨーク205内径側面におけるキャビテーション発生量の大幅な抑制が可能となる。
また、他の実施例は以下のようにも表現できる。すなわち加圧室に燃料を吸入する吸入通路と、加圧室から前記燃料を吐出する吐出通路と、加圧室を往復動するプランジャと、吸入通路に設置される電磁吸入弁と、吐出通路に設置される吐出弁と、を備える高圧燃料供給ポンプにおいて、電磁吸入弁は、磁気吸引力によって閉弁方向に移動する可動部を有し、可動部は磁気吸引力が作用する第一部材と、第一部材に磁気吸引力が作用することにより運動する第二部材と、可動部の動作に関連して吸入通路を開閉する弁部と、可動部と磁気吸引力により引きあう固定部と、を有し、電磁吸入弁の電磁駆動機構はボディを兼ねたヨークもしくはハウジングの磁気空隙の周囲に対面する部分に、ヨークもしくはハウジングを通って漏洩する磁束を少なくし、磁気空隙を通る磁束を増加させるための薄肉加工部を有し、薄肉加工部と、固定部及び可動部との間と、の領域に規制部を設ける。
1 ポンプハウジング
2 ピストンプランジャ
3 リフタ
4 ばね
5 プランジャシール
6 吐出弁
7 カム
10 吸入ジョイント
10A 低圧燃料室
10B ダンパ室
10P 燃料導入通路
10S 環状燃料通路
11 吐出ジョイント
12リフタ 加圧室
20 シリンダ
21 シリンダホルダ
30 ダンパホルダ
40 ダンパカバー
50 燃料タンク
51 低圧ポンプ
53 コモンレール
55 インジェクタ
56 圧力センサ
80 金属ダイアフラムダンパ(組体)
200 電磁駆動型吸入弁機構
201 プランジャロッド
202 プランジャロッド付勢ばね
203 バルブ
203H 円筒部
204 コイル
205 ヨーク
205S 磁気絞り
206 固定コア
207 アンカー
209 軸受
214 バルブハウジング
214S バルブシート
214P 開口部
250 燃料副室
600 エンジンコントロールユニット(ECU)
EMD 電磁駆動機構部
INV 吸入弁部
S0 バルブストッパ
SG 円筒面部(バルブガイド)

Claims (5)

  1. 液体の開閉時期を制御する電磁駆動機構を有する電磁弁の、電磁駆動機構部のボディを兼ねたヨークもしくはハウジングの磁気空隙の周囲に対面する部分に、ヨークもしくはハウジングを通って漏洩する磁束を少なくし、磁気空隙を通る磁束を増加させるための薄肉加工部と、磁気吸引力によって移動する可動部と、前記可動部の運動を停止するための第二部材を有する電磁弁を備え、吐出される燃料の量を制御する可変流量式高圧燃料供給ポンプにおいて、薄肉加工部をさけて、可動部と、可動部の運動を停止するための他部材の衝突によって発生する燃料流を発生させることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
  2. 請求項1の高圧燃料ポンプにおいて、可動部と、可動部の運動を停止するための第二部材に傾斜部を設けたことを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
  3. 請求項1、2の高圧燃料ポンプにおいて、傾斜部で衝突することを特徴とする高圧燃料ポンプ。
  4. 請求項1、2の高圧燃料ポンプにおいて、可動部材の可動方向と垂直な面で衝突し、可動部と可動部と第二部材に設けられた傾斜部に衝突時の隙間を有することを特徴とする高圧燃料ポンプ。
  5. 加圧室に燃料を吸入する吸入通路と、
    前記加圧室から前記燃料を吐出する吐出通路と、
    前記加圧室を往復動するプランジャと、前記吸入通路に設置される電磁吸入弁と、
    前記吐出通路に設置される吐出弁と、
    を備える高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記電磁吸入弁は、磁気吸引力によって閉弁方向に移動する可動部を有し、
    前記可動部は磁気吸引力が作用する第一部材と、
    前記第一部材に磁気吸引力が作用することにより運動する第二部材と、
    前記可動部の動作に関連して前記吸入通路を開閉する弁部と、
    前記可動部と磁気吸引力により引きあう固定部と、
    を有し、
    前記電磁吸入弁の電磁駆動機構はボディを兼ねたヨークもしくはハウジングの磁気空隙の周囲に対面する部分に、ヨークもしくはハウジングを通って漏洩する磁束を少なくし、磁気空隙を通る磁束を増加させるための薄肉加工部を有し、
    前記薄肉加工部と、前記固定部及び前記可動部との間と、の領域に規制部を設けたことを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
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